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液晶性化合物、液晶組成物、液晶内包複合材料およびそれらをもちいた液晶表示素子

申请号 JP2017505008 申请日 2016-03-02 公开(公告)号 JPWO2016143634A1 公开(公告)日 2017-12-28
申请人 Jnc株式会社; Jnc株式会社; Jnc石油化学株式会社; Jnc石油化学株式会社; 发明人 道子 澤田; 道子 澤田; 笹田 康幸; 康幸 笹田;
摘要 所望の物性を維持しながら且つ他のバイメソゲン化合物や従来 液晶 表示素子へ用いられている液晶性化合物、液晶組成物、キラルドーパント、 酸化 防止剤や紫外線吸収剤を始めとする添加剤、重合性液晶化合物や対し高い溶解性を有するバイメソゲン化合物を提供する。式(1)で表される化合物、該化合物を含む液晶組成物、該液晶組成物から得られる液晶内包複合繊維および該液晶内包複合繊維から得られる液晶表示素子。式(1)において、MG1およびMG2はそれぞれ独立してメソゲン基であり;ZaおよびZbは独立して、例えば炭素数1〜4のアルキレンであり;Spは式(sp−1)で表されるアキラルな構造を有し、式(sp−1)において、αはそれぞれ独立して例えば炭素数1〜20の直鎖のアルキレンであり;Xは式(I)、式(II)または式(III)で表され式(I)においてRaは炭素数1〜10のアルキルであり;式(II)においてRbおよびRcは、それぞれ独立して、例えば炭素数1〜10のアルキルであり;式(III)においてQは例えば酸素 原子 である。
权利要求

式(1)で表される化合物。 式(1)において、MG1およびMG2はそれぞれ独立してメソゲン基であり; ZaおよびZbは独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このZaおよびZbにおいて、少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの素はフッ素で置き換えられてもよく; Spは式(sp−1)で表されるアキラルな構造を有し、 式(sp−1)において、αはそれぞれ独立して炭素数1〜20の直鎖のアルキレンであり、このαにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; Xは式(I)、式(II)または式(III)で表され 式(I)においてRaはヒドロキシル基または炭素数1〜10のアルキルであり、このRaにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 式(II)においてRbおよびRcは、それぞれ独立して、フッ素、塩素または炭素数1〜10のアルキルであり、このRbおよびRcにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、; 式(III)においてQは酸素原子、硫黄原子または炭素数1〜10のアルキリデンであり、このQにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。式(1)においてMG1およびMG2が式(IV)で表される、請求項1に記載の化合物。 式(IV)においてRdは独立して、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、塩素または炭素数1〜20の直鎖アルキルであり、このRdにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;A1、A2、A3およびA4は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、シクロヘキセン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−CH=N−で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において、少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF3、−OCHF2、または−OCH2Fで置き換えられてもよく; Z1、Z2、Z3、およびZ4は独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このZ1、Z2、Z3、およびZ4において少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、そして少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; m、n、qおよびrは独立して、0または1であり、m、n、q、およびrの和は、2、3または4である。)式(IV)においてRdはフッ素、塩素または炭素数1〜10の直鎖アルキル、炭素数2〜10の直鎖アルケニル、炭素数1〜9の直鎖アルコキシ、炭素数2〜9の直鎖アルコキシアルキル、炭素数3〜9の直鎖アルケニルオキシ、炭素数1〜10の直鎖ポリフルオロアルキル、炭素数1〜9の直鎖ポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜10の直鎖ポリフルオロアルケニルであり; A1、A2、A3およびA4が独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、シクロヘキセン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、−CF3または−CHF2で置き換えられてもよく; Z1、Z2、およびZ4が独立して、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2SiH2−、−SiH2CH2−、−(CH2)2COO−、−OCO(CH2)2−、−(CH2)2CF2O−、−OCF2(CH2)2−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−または−(CH2)4−である、請求項2に記載の化合物。式(1)において、ZaおよびZbは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2SiH2−または−SiH2CH2−であり; 式(sp−1)において、αは炭素数1〜10の直鎖のアルキレンであり、このαにおいて、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 式(I)においてRaはヒドロキシル基または炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数2〜4のアルコキシアルキル、炭素数3〜4のアルケニルオキシ、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル、炭素数1〜4のポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜5のポリフルオロアルケニルであり; 式(II)においてRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数2〜4のアルコキシアルキル、炭素数3〜4のアルケニルオキシ、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル、炭素数1〜4のポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜5のポリフルオロアルケニルであり; 式(III)においてQは酸素原子、炭素数1〜5のアルキリデンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。式(1)において、ZaおよびZbは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−であり; 式(sp−1)において、αは炭素数1〜10の直鎖アルキレンであり; 式(I)においてRaは炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニルまたは炭素数1〜5のポリフルオロアルキルであり; 式(II)においてRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、または炭素数1〜5のポリフルオロアルキルであり; 式(III)においてQは酸素原子または炭素数1〜3のアルキリデンである、請求項4に記載の化合物。式(1)においてMG1およびMG2が式(IV−1)で表される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。 Rdは独立して、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、塩素、炭素数1〜6の直鎖アルキル、炭素数2〜6の直鎖アルケニル、炭素数1〜5の直鎖アルコキシ、炭素数1〜6の直鎖ポリフルオロアルキル、炭素数1〜5の直鎖ポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜6の直鎖ポリフルオロアルケニルでり; A11およびA31は1,4−シクロへキシレンまたは1,4-フェニレンであり; Y21、Y22、Y23、Y41、Y42、およびY43が独立して水素、フッ素、−CF3または−CF2Hであり; Z11、Z21、Z31、およびZ41が独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり; s、t、uおよびvは独立して、0、1または2であり、s、tおよびuの和は2、3または4あるが、tは必ず1である。)そして、s,t,uおよびvのいずれかが2であるとき、複数の環構造は同じ基であっても異なる基であってもよく、また複数のZ11、Z21,Z31、およびZ41は同じ基であっても異なる基であってもよい。式(1)においてMG1およびMG2が式(IV−1−1−1)〜(IV−1−1−55)で表される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。 式(IV−1−1−1)〜式(IV−1−1−55)において、Rdは独立して−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、−CF3、−CF2H、−OCF3または、−C2F5であり;Z11,Z21およびZ31は独立して、単結合、−(CH2)2−、−CF2O−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり、また複数のZ11は,Z21,Z31は同じ基であっても異なる基であってもよい。式(1)においてMG1およびMG2が式(IV−1−2−1)〜(IV−1−2−30)で表される請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。 式(IV−1−2−1)〜(IV−1−2−30)においてRdは独立して、炭素数1〜6の直鎖アルキル、炭素数2〜6の直鎖アルケニル、または炭素数1〜6の直鎖アルコキシであり;Z11,Z21およびZ31が独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり、また複数のZ11、Z21、およびZ31は同じ基であっても異なる基であってもよい。請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を含有する液晶組成物。請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも2種類含有する、液晶組成物。式(cp−1)に示す化合物をさらに含有する、請求項10に記載の液晶組成物。 R31およびR32は、それぞれ独立してフッ素、塩素、−CN、−NCS、−SF5または炭素数1〜20のアルキルであり、このR31およびR32において少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;MG31およびMG32はそれぞれ独立してメソゲン基であり;Z3a、Z3bはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり;Sp3は、4〜40個の炭素原子を含む直鎖のスペーサー基であり、少なくとも一つの−CH2基は、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−OCO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよい。光学活性化合物および重合可能な化合物から選択される少なくとも一つを更に含有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の液晶組成物。酸化防止剤および紫外線吸収剤から選択される少なくとも一つを更に含有する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の液晶組成物。請求項9〜13のいずれか一項に記載の液晶組成物を芯成分とする、鞘芯型の液晶内包複合繊維。請求項14に記載の液晶内包複合繊維を一軸配列させて形成している、液晶含有繊維集合体。請求項14に記載の液晶内包複合繊維または請求項15に記載の液晶内包繊維集合体とバインダから構成される、液晶含有繊維複合体。請求項9〜13のいずれか一項に記載の液晶組成物、請求項14に記載の液晶含有複合繊維、請求項15に記載の液晶含有複合繊維集合体、または請求項16記載の液晶含有繊維複合体を備える、液晶表示素子。フレクソエレクトリック装置である、請求項17に記載の液晶表示素子。

说明书全文

本発明は、バイメソゲン液晶化合物、液晶組成物、液晶複合体および液晶表示素子に関する。さらに詳しくはバイメソゲン液晶化合物、前記化合物を含有し、ネマチック相、コレステリックを有する液晶組成物、前期液晶組成物を含む複合材料および前記組成物または複合材料を含む液晶表示素子、特にフレクソエレクトリック効果を利用した液晶表示素子、に関する。

液晶表示パネル、液晶表示モジュール等に代表される液晶表示素子は、液晶性化合物が有する誘電率異方性、光学異方性等を利用した素子である。この液晶表示素子の動作モードとしては、PC(phase change)モード、TN(twisted nematic)モード、STN(super twisted nematic)モード、BTN(bistable twisted nematic)モード、ECB(electrically controlled birefringence)モード、OCB(optically compensated bend)モード、IPS(in-plane switching)モード、VA(vertical alignment)モード 、MVA(multi-domain vertical alignment)モード、PSA(polymer sustained alignment)等の様々なモードが知られている。

これらのディスプレイに加えて、比較的短いピッチを有するコレステリック液晶を使用する新たな表示モードとして、「フレクソエレクトリック(flexo-electric)」効果を利用するディスプレイとして提案されている。これらのディスプレイにおいて、コレステリック液晶は、「基板に対してらせん軸が平行且つ均一に配向しているらせん構造」配置(Uniformed Lying Helix;ULH)に配向しており、この表示モードの名称としても用いられている。しかしこのモードにおいては例えば、均一な配向を得ることが難しい、駆動電圧が高い、コントラスト比が十分ではないおよび電気光学的なヒステリシスを有する等、解決すべきいくつかの問題点が挙げられる。

同様にピッチが短いコレステリック液晶を有する表示モード、「基板に対してらせん軸が垂直且つ均一に配向しているらせん構造」(Uniformed Standing Helix:USH)モードは、広い視野を提供する他の表示モード(例えばIPS、VAモード)と比較して優れた黒色レベルを示すことができるので、IPS代わる表示方式として提案されている。

USHモードやULHモードにおいてバイメソゲン液晶材料を使用し、フレクソエレクトリック効果によって電気光学的応答をさせることが提案されている。 例えば英国特許第2356629号(特許文献1)では、バイメソゲン化合物を使用したフレクソエレクトリック効果を利用した表示素子が示されている。これらの表示素子において、バイメソゲン化合物は通常のモノメソゲン化合物よりも幾つかの利点を示し、より高いフレクソエレクトリック係数が挙げられ、単位電界当たりのチルト角は最大であり、従来のメソゲン化合物よりも一桁大きくなる。バイメソゲン化合物を分子設計することで、螺旋が解けることを低減させる誘電カップリングを最小とでき、一方で、より速いスイッチングおよびより低い電界を可能とするフレクソエレクトリック応答を最大とできる。

特開平10−237004号(特許文献2)には、例えば化合物(I)のようなアルキレンジオキシ化合物類を含む2,3-ジフルオロフェニレン基を有するバイメソゲン化合物が開示されている。

また非特許文献5には、例えば化合物(II)のようなアルキレンジオキシ化合物類を含むシアノビフェニル構造を有するバイメソゲン化合物が開示されている。

英国特許第2356629号

特開平10−237004号

Chandrasekhar、「Liquid Crystals」、第2版、Cambridge University Press(1992)

P.G.deGennesら、「The Physics of Liquid Crystals」、第2版、Oxford Science Publications(1995)

R.B.MeyerおよびJ.S.Patel、Phys.Rev.Lett.58(15)、1538(1987)

P.Rudquistら、Liq.Cryst.23(4)、503(1997)

H.J.Colesら、J.Mater.Chem.11、2709(2001)

これらのバイメソゲン化合物の短所として、他の液晶性化合物への溶解性に劣るといった点があった。例えば前述の化合物(II)はバイメソゲン液晶化合物を含め他の液晶化合物や液晶組成物に対する溶解性は非常に低い。現在のところ単一化合物では上記の特性を全て満たす液晶物質はなく、数種〜二十数種の液晶性化合物を混合した液晶組成物を、液晶表示素子に使用しているのが現状であることを考慮すると、所望の物性を維持しながら且つ他のバイメソゲン化合物や従来液晶表示素子へ用いられている液晶性化合物、液晶組成物、キラルドーパント、酸化防止剤や紫外線吸収剤を始めとする添加剤、重合性液晶化合物や対し高い溶解性を有するバイメソゲン化合物が求められている。

本発明の目的は、上記の従来技術の欠点を解消し、誘電率異方性値や屈折率異方性値等、液晶表示素子へ用いる場合に必要な諸物性値を損なうことなく、他の液晶化合物や添加剤、重合性化合物に対して高い相溶性を有するバイメソゲン液晶化合物を提供すること、前記化合物を含有することにより、優れた物性値を発現する液晶組成物を提供すること、その液晶性組成物を含有する液晶複合材料を提供すること、およびこの液晶組成物、液晶複合材料を用いた液晶表示素子を提供することである。

本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、下記構成を有するバイメソゲン液晶化合物によって本課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち本発明の構成は、以下のとおりである。

[1] 式(1)で表される化合物。 式(1)において、MG1およびMG2はそれぞれ独立してメソゲン基であり; ZaおよびZbは独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このZaおよびZbにおいて、少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの素はフッ素で置き換えられてもよく; Spは式(sp−1)で表されるアキラルな構造を有し、 式(sp−1)において、αはそれぞれ独立して炭素数1〜20の直鎖のアルキレンであり、このαにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; Xは式(I)、式(II)または式(III)で表され 式(I)においてRaはヒドロキシル基または炭素数1〜10のアルキルであり、このRaにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 式(II)においてRbおよびRcは、それぞれ独立して、フッ素、塩素または炭素数1〜10のアルキルであり、このRbおよびRcにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、; 式(III)においてQは酸素原子、硫黄原子または炭素数1〜10のアルキリデンであり、このQにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。

[2] 式(1)においてMG1およびMG2が式(IV)で表される、[1]に記載の化合物。 式(IV)においてRdは独立して、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、塩素または炭素数1〜20の直鎖アルキルであり、このRdにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;A1、A2、A3およびA4は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、シクロヘキセン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−CH=N−で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において、少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF3、−OCHF2、または−OCH2Fで置き換えられてもよく; Z1、Z2、Z3、およびZ4は独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このZ1、Z2、Z3、およびZ4において少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、そして少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; m、n、qおよびrは独立して、0または1であり、m、n、q、およびrの和は、2、3または4である。)

[3] 式(IV)においてRdはフッ素、塩素または炭素数1〜10の直鎖アルキル、炭素数2〜10の直鎖アルケニル、炭素数1〜9の直鎖アルコキシ、炭素数2〜9の直鎖アルコキシアルキル、炭素数3〜9の直鎖アルケニルオキシ、炭素数1〜10の直鎖ポリフルオロアルキル、炭素数1〜9の直鎖ポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜10の直鎖ポリフルオロアルケニルであり; A1、A2、A3およびA4が独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、シクロヘキセン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、−CF3または−CHF2で置き換えられてもよく; Z1、Z2、およびZ4が独立して、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2SiH2−、−SiH2CH2−、−(CH2)2COO−、−OCO(CH2)2−、−(CH2)2CF2O−、−OCF2(CH2)2−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−または−(CH2)4−である、[2]に記載の化合物。

[4] 式(1)において、ZaおよびZbは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2SiH2−または−SiH2CH2−であり; 式(sp−1)において、αは炭素数1〜10の直鎖のアルキレンであり、このαにおいて、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 式(I)においてRaはヒドロキシル基または炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数2〜4のアルコキシアルキル、炭素数3〜4のアルケニルオキシ、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル、炭素数1〜4のポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜5のポリフルオロアルケニルであり; 式(II)においてRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数2〜4のアルコキシアルキル、炭素数3〜4のアルケニルオキシ、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル、炭素数1〜4のポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜5のポリフルオロアルケニルであり; 式(III)においてQは酸素原子、炭素数1〜5のアルキリデンである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の化合物。

[5] 式(1)において、ZaおよびZbは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−であり; 式(SP−1)において、αは炭素数1〜10の直鎖のアルキレンであり; 式(I)においてRaは炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニルまたは炭素数1〜5のポリフルオロアルキルであり; 式(II)においてRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、または炭素数1〜5のポリフルオロアルキルであり; 式(III)においてQは酸素原子または炭素数1〜3のアルキリデンである、[4]に記載の化合物。

[6] 式(1)においてMG1およびMG2が式(IV−1)で表される、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化合物。 Rdは独立して、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、塩素、炭素数1〜6の直鎖アルキル、炭素数2〜6の直鎖アルケニル、炭素数1〜5の直鎖アルコキシ、炭素数1〜6の直鎖ポリフルオロアルキル、炭素数1〜5の直鎖ポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜6の直鎖ポリフルオロアルケニルでり; A11およびA31は1,4−シクロへキシレンまたは1,4-フェニレンであり; Y21、Y22、Y23、Y41、Y42、およびY43が独立して水素、フッ素、−CF3または−CF2Hであり; Z11、Z21、Z31、およびZ41が独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり; s、t、uおよびvは独立して、0、1または2であり、s、tおよびuの和は2、3または4あるが、tは必ず1である。)そして、s,t,uおよびvのいずれかが2であるとき、複数の環構造は同じ基であっても異なる基であってもよく、また複数のZ11、Z21,Z31、およびZ41は同じ基であっても異なる基であってもよい。

[7] 式(1)においてMG1およびMG2が式(IV−1−1−1)〜(IV−1−1−55)で表される、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の化合物。 式(IV−1−1−1)〜式(IV−1−1−55)において、Rdは独立して−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、−CF3、−CF2H、−OCF3または、−C2F5であり;Z11,Z21およびZ31は独立して、単結合、−(CH2)2−、−CF2O−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり、また複数のZ11は,Z21,Z31は同じ基であっても異なる基であってもよい。

[8] 式(1)においてMG1およびMG2が式(IV−1−2−1)〜(IV−1−2−30)で表される[1]〜[6]のいずれか一項に記載の化合物。 式(IV−1−2−1)〜(IV−1−2−30)においてRdは独立して、炭素数1〜6の直鎖アルキル、炭素数2〜6の直鎖アルケニル、または炭素数1〜6の直鎖アルコキシであり;Z11,Z21およびZ31が独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり、また複数のZ11、Z21、およびZ31は同じ基であっても異なる基であってもよい。

[9] 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を含有する液晶組成物。

[10] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも2種類含有する、液晶組成物。

[11] 式(cp−1)に示す化合物をさらに含有する、[10]に記載の液晶組成物。 R31およびR32は、それぞれ独立してフッ素、塩素、−CN、−NCS、−SF5または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;MG31およびMG32はそれぞれ独立してメソゲン基であり;Z3a、Z3bはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり;Sp3は、4〜40個の炭素原子を含む直鎖のスペーサー基であり、少なくとも一つの−CH2基は、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−OCO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよい。

[12] 光学活性化合物および重合可能な化合物から選択される少なくとも一つを更に含有する、[9]〜[11]のいずれか一項に記載の液晶組成物。

[13] 酸化防止剤および紫外線吸収剤から選択される少なくとも一つを更に含有する、[9]〜[12]のいずれか一項に記載の液晶組成物。

[14] [9]〜[13]のいずれか一項に記載の液晶組成物を芯成分とする、鞘芯型の液晶内包複合繊維。

[15] [14]に記載の液晶内包複合繊維を一軸配列させて形成している、液晶含有繊維集合体。

[16] [14]に記載の液晶内包複合繊維または請求項15に記載の液晶内包繊維集合体とバインダから構成される、液晶含有繊維複合体。

[17][9]〜[13]のいずれか一項に記載の液晶組成物、[14]に記載の液晶含有複合繊維、[15]に記載の液晶含有複合繊維集合体、または[16]に記載の液晶含有繊維複合体を備える、液晶表示素子。

[18] フレクソエレクトリック装置である、[17]に記載の液晶表示素子。

本発明によれば、適切な物性値を発現し、かつ液晶化合物や液晶組成物、その他のバイメソゲン化合物に対して高い溶解性を示すことバイメソゲン液晶性化合物、前記化合物を含有することにより、種々の表示方式において高速応答や低電圧駆動を可能とする液晶組成物、この液晶組成物を含有する複合繊維集合体や複合体およびこの液晶組成物、複合繊維集合体、複合体を用いた液晶表示素子を提供することができる。

図1は、本発明で使用される液晶内包複合繊維10の斜視図である。

図2は、本発明の液晶表示素子100の斜視図である。

図3は、本発明のULH型の液晶表示素子における(a)液晶内包複合繊維および(b)複合繊維集合体の概念図を示す図である。

以下、本発明のバイメソゲン化合物、前記化合物を含有する液晶組成物、および前記組成物やそれを含む複合繊維集合体、複合体からなる液晶表示素子について説明する。

本明細書における用語の使い方は、次のとおりである。「液晶性化合物」は、ネマチック相またはスメクチック相等の液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。「液晶複合繊維」は、液晶組成物を内包した複合繊維であり、液晶組成物を芯成分とする鞘芯型の複合繊維である。「液晶複合繊維集合体」は、液晶組成物を内包した複合繊維を一軸配列させて形成した複合繊維集合体である。「液晶含有繊維複合体」は、液晶複合繊維間にバインダを充填させた複合物である。「液晶表示素子」は、液晶表示パネル、液晶表示フィルムおよび液晶表示モジュールの総称である。「液晶表示素子」を「素子」と略すことがある。

ネマチック相の上限温度は、ネマチック相−等方相の相転移温度であり、単に「上限温度」と略すことがある。ネマチック相の下限温度は、ネマチック相−結晶相の相転移温度であり、単に「下限温度」と略すことがある。

式(1)で表される化合物(1は式番号を示す。)を、化合物(1)と略すことがある。各式の説明において、B1およびE1等の記号は、それぞれ環B1および環E1等に対応する。 「Aおよび/またはB」という表現は、「AおよびB」という選択と、「AまたはB」という選択とを任意に行うことができることを意味する。例えば、「Raおよび/またはRbがアルケニルであるとき」とは、「Raがアルケニルであるとき」、「Rbがアルケニルであるとき」、「RaおよびRbがアルケニルであるとき」、を総称している。

各式の説明において、「少なくとも一つの…は…で置き換えられてもよく(い)」の「少なくとも一つの」は、位置だけでなく個数についても任意であることを示す。例えば、「少なくとも一つのAが、B、CまたはDで置き換えられてもよい」という表現は、任意のAがBで置き換えられる場合、任意のAがCで置き換えられる場合、および任意のAがDで置き換えられる場合に加えて、複数のAがB〜Dの少なくとも2つで置き換えられる場合をも含む。

例えば、「アルキルにおいて、少なくとも一つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−で置き換えられてもよい」という場合には、無置換のアルキルのほか、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、アルコキシアルケニル、アルケニルオキシアルキルが含まれる。

具体例として、「アルキルにおいて、少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい」という句の意味を、C4H9−において示すと、例えば、C3H7O−、CH3−O−(CH2)2−、CH3−O−CH2−O−、H2C=CH−(CH2)2−、CH3−CH=CH−CH2−、CH2=CH−CH2−O−が挙げられる。

なお、本発明においては、化合物の安定性を考慮して、連続する2つの−CH2−が−O−で置き換えられて、−O−O−等の基になることは好ましくない(例えば、酸素と酸素とが隣接したCH3−O−O−CH2−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH3−O−CH2−O−の方が好ましい。)。また、アルキルにおける末端の−CH2−が−O−で置き換えられていても構わない。

各式の説明において、「フルオロアルキル」とは、アルキルの少なくとも一つの水素がフッ素で置き換えられた基であり、「ポリフルオロアルキル」とは、アルキルの少なくとも二つの水素がフッ素で置き換えられた基である。(ポリ)フルオロアルコキシおよび(ポリ)フルオロアルケニルについても、同様である。

〔バイメソゲン化合物〕 本発明のバイメソゲン化合物は、式(1)で表される。

式(1)において、MG1およびMG2はそれぞれ独立してメソゲン基であり; ZaおよびZbは独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このZaおよびZbにおいて、少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; Spは式(sp−1)で表されるアキラルな構造を有し、 式(SP−1)において、αは炭素数1〜20の直鎖のアルキレンであり、このαにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; Xは式(I)、式(II)または式(III)で表され 式(I)においてRaはヒドロキシル基または炭素数1〜10のアルキルであり、このRaにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 式(II)においてRbおよびRcは、それぞれ独立して、フッ素、塩素または炭素数1〜10のアルキルであり、このRbおよびRcにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 式(III)においてQは酸素原子、硫黄原子または炭素数1〜10のアルキリデンであり、このQにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。

好ましいMG1およびMG2は環構造を有し、二環、三環、四環、五環または六環から構成される有機残基である。なお、ナフタレン環等の縮合環は、一環と数える。これらの環構造は直接結合していてもよいし連結基を介して結合していてもよい。

ZaおよびZbは独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このZaおよびZbにおいて、少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく

好ましいZaおよびZbは、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)2COO−、−OCO(CH2)2−、−(CH2)2CF2O−、−OCF2(CH2)2−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−または−(CH2)4−である。−CH=CH−のような結合基の二重結合に関する立体配置はシスよりもトランスが好ましい。

式(sp−1)において、αは炭素数1〜20の直鎖のアルキレンであり、このαにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく

好ましいαは炭素数1〜10のアルキレン、および少なくとも一つの−CH2−が共にフッ素原子に置き換えられた1〜9のポリフルオロアルキレンである。アルキレンにおいて好ましい炭素数は2〜10、より好ましくは2〜8である。

式(I)においてRaはヒドロキシル基または炭素数1〜10のアルキルであり、このRaにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく

好ましいRaは、ヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、またはポリフルオロアルケニルである。これらの基は直鎖であっても環状構造であっても構わない。分岐よりも直鎖の方が好ましい。より好ましいRaは、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の末端ヒドロキシアルキル、アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜9アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルオキシである。最も好ましいRaはヒドロキシル基、炭素数1〜3の末端ヒドロキシアルキル、アルキル、または炭素数2〜6アルケニルである。

アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランス配置が好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシス配置が好ましい。

具体的なRaは、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、−(CH2)2F、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3、−CF2CF3、−(CH2)3F、−(CF2)2CF3、−CF2CHFCF3、−CHFCF2CF3、−OCF3、−OCHF2、−OCH2F、−OCF2CF3、−OCF2CHF2、−OCF2CH2F、−OCF2CF2CF3、−OCF2CHFCF3、−OCHFCF2CF3、−CH=CHF、−CH=CF2、−CF=CHF、−CH=CHCH2F、−CH=CHCF3、または−(CH2)2CH=CF2である。

より好ましいRaは、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、−(CH2)2F、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3、−CF2CF3、−(CH2)3F、−(CF2)2CF3、−CF2CHFCF3および−CHFCF2CF3である。最も好ましいRaは、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、および4−ペンテニル−CH2F、−CHF2、−CF3、−(CH2)2F、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3または−CF2CF3、である。

式(II)においてRbおよびRcは、それぞれ独立して、フッ素、塩素または炭素数1〜10のアルキルであり、このRbおよびRcにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;

好ましいRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、塩素、炭素数1〜10のアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、またはポリフルオロアルケニルである。これらの基は直鎖であっても分岐であっても縮合した環状構造であってもよいが、分岐よりも直鎖の方が好ましい。またRbおよびRc同士が連結していてもよい、より好ましいRbおよびRcは、炭素数1〜10の末端ヒドロキシアルキル、アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜9アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルオキシである。最も好ましいRbおよびRcは炭素数1〜3の末端ヒドロキシアルキル、アルキル、または炭素数2〜6アルケニルである。

アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランス配置が好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシス配置が好ましい。

具体的なRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、−(CH2)2F、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3、−CF2CF3、−(CH2)3F、−(CF2)2CF3、−CF2CHFCF3、−CHFCF2CF3、−OCF3、−OCHF2、−OCH2F、−OCF2CF3、−OCF2CHF2、−OCF2CH2F、−OCF2CF2CF3、−OCF2CHFCF3、−OCHFCF2CF3、−CH=CHF、−CH=CF2、−CF=CHF、−CH=CHCH2F、−CH=CHCF3、または−(CH2)2CH=CF2である。

より好ましいRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、−(CH2)2F、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3、−CF2CF3、−(CH2)3F、−(CF2)2CF3、−CF2CHFCF3および−CHFCF2CF3である。最も好ましいRbおよびRcは、フッ素、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、および4−ペンテニル−CH2F、−CHF2、−CF3、−(CH2)2F、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3または−CF2CF3、である。

式(III)においてQは酸素原子、硫黄原子または炭素数1〜10のアルキリデンであり、このQにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。

好ましいQは酸素原子、炭素数1〜10のアルキリデン、炭素数2〜10のアルコキシアルキリデン、炭素数3〜10のアルケニルアルキリデン、炭素数1〜10のポリフルオロアルキリデン、および炭素数3〜10のポリフルオロアルケニルアルキリデンである。これらの基は分岐よりも直鎖の方が好ましい。より好ましいQは、酸素原子、炭素数1〜10の末端ヒドロキシアルキリデン、アルキリデン、炭素数2〜10のアルケニルアルキリデン、炭素数1〜9ポリフルオロアルキリデン、およびポリフルオロアルケニルアルキリデンである。最も好ましいQは酸素原子、炭素数1〜3の末端ヒドロキシアルキリデン、アルキリデン、または炭素数1〜3のポリフルオロアルキリデンである。

具体的なQは酸素原子、2−ヒドロキシエチリデン、3−ヒドロキシプロピリデン、4−ヒドロキシブチリデン、5−ヒドロキシペンチリデン、6−ヒドロキシヘキシリデン、7−ヒドロキシヘプチリデン、8−ヒドロキシオクチリデン、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、ペンチリデン、ヘキシリデン、ヘプチリデン、オクチリデン、2−プロペニリデン、2−ブテニリデン、3−ブテニリデン、2−ペンテニリデン、3−ペンテニリデン、4−ペンテニリデン、=CHF、=CF2、=CHCH2F、=CHCHF2、=CHCF2、=CFCF3、=CHCH2CH2F、=CHCH2CHF2、=CHCH2CF3、=CHCHFCF3、=CHCF2CF3、、=CFCF2CF3、=CHCH2CH2CH2F、=CHCH2CH2CHF2、=CHCH2CH2CF3、=CHCH2CHFCF3、=CHCH2CF2CF3、=CHCHFCF2CF3、=CHCF2CF2CF3、=CFCF2CF2CF3、=CHCH=CHF、=CHCH=CF2、=CHCF=CF2、=CFCF=CF2、=CHCH=CHCH2F、=CHCH=CHCHF2、=CHCH=CHCF3、=CHCH=CFCF3、=CHCF=CFCF3、=CFCF=CFCF3、=CHCH2CH=CHF、=CHCH2CH=CF2、=CHCH2CF=CF2、=CHCHFCF=CF2、=CHCF2CF=CF2、=CFCF2CF=CF2、=CHCH=CHCH2CH2F、=CHCH=CHCH2CHF2、=CHCH=CHCH2CF3、=CHCH=CHCHFCF3、=CHCH=CHCF2CF3、=CHCH=CFCF2CF3、=CHCF=CFCF2CF3、=CFCF=CFCF2CF3、=CHCH2CH=CHCH2F、=CHCH2CH=CHCHF2、=CHCH2CH=CHCF3、=CHCH2CH=CFCF3、=CHCH2CF=CFCF3、=CHCHFCF=CFCF3、=CHCF2CF=CFCF3、=CFCF2CF=CFCF3、=CHCH2CH2CH=CHF、=CHCH2CH2CH=CF2、=CHCH2CH2CF=CF2、=CHCH2CHFCF=CF2、=CHCH2CF2CF=CF2、=CHCHFCF2CF=CF2、=CHCF2CF2CF=CF2、または=CFCF2CF2CF=CF2である。

より好ましいQは酸素原子、2−ヒドロキシエチリデン、3−ヒドロキシプロピリデン、4−ヒドロキシブチリデン、5−ヒドロキシペンチリデン、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、ペンチリデン、2−プロペニリデン、2−ブテニリデン、3−ブテニリデン、2−ペンテニリデン、3−ペンテニリデン、4−ペンテニリデン、=CHF、=CF2、=CHCH2F、=CHCHF2、=CHCF2、=CFCF3、=CHCH2CH2F、=CHCH2CHF2、=CHCH2CF3、=CHCHFCF3、=CHCF2CF3、=CFCF2CF3、=CHCH2CH=CHF、=CHCH2CH=CF2、=CHCH2CF=CF2、=CHCHFCF=CF2、=CHCF2CF=CF2、=CFCF2CF=CF2、=CHCH2CH=CHCH2F、=CHCH2CH=CHCHF2、=CHCH2CH=CHCF3、=CHCH2CH=CFCF3、=CHCH2CF=CFCF3、=CHCHFCF=CFCF3、=CHCF2CF=CFCF3、=CFCF2CF=CFCF3、=CHCH2CH2CH=CHF、=CHCH2CH2CH=CF2、=CHCH2CH2CF=CF2、=CHCH2CHFCF=CF2、=CHCH2CF2CF=CF2、=CHCHFCF2CF=CF2、=CHCF2CF2CF=CF2、または=CFCF2CF2CF=CF2である。最も好ましいQは酸素原子、2−ヒドロキシエチリデン、3−ヒドロキシプロピリデン、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、3−ブテニリデン、4−ペンテニリデン、=CHF、=CF2、=CHCF2、=CFCF3、=CHCH2CF3、=CHCF2CF3、=CFCF2CF3、=CHCH2CH=CF2、=CHCF2CF=CF2、=CFCF2CF=CF2、=CHCH2CH=CHCF3、=CHCH2CH=CFCF3、=CHCH2CF=CFCF3、=CHCF2CF=CFCF3、=CFCF2CF=CFCF3、=CHCH2CH2CH=CF2、=CHCH2CH2CF=CF2、=CHCH2CF2CF=CF2、=CHCHFCF2CF=CF2、=CHCF2CF2CF=CF2、または=CFCF2CF2CF=CF2である。

式(1)においてMG1およびMG2は式(IV)で表される。 式(IV)においてRdは独立して、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、塩素または炭素数1〜20の直鎖アルキルであり、このRdにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく

好ましいRdは、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、炭素数2〜10である直鎖の、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、およびポリフルオロアルケニルである。より好ましいRdは、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、炭素数1〜6である直鎖の、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、およびポリフルオロアルケニルである。

アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランス配置が好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシス配置が好ましい。

具体的なRdは、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、−(CH2)2F、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3、−CF2CF3、−(CH2)3F、−(CF2)2CF3、−CF2CHFCF3、−CHFCF2CF3、−OCF3、−OCHF2、−OCH2F、−OCF2CF3、−OCF2CHF2、−OCF2CH2F、−OCF2CF2CF3、−OCF2CHFCF3、−OCHFCF2CF3、−CH=CHF、−CH=CF2、−CF=CHF、−CH=CHCH2F、−CH=CHCF3、−(CH2)2CH=CF2または−C≡C−CF3である。

より好ましいRdは、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−CHF2、−CF3、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CH2CF3、−CF2CF3、−(CH2)3F、−(CF2)2CF3、−CF2CHFCF3、−OCF3、−OCHF2、−OCH2F、−OCF2CF3、−OCF2CHF2、−OCF2CF2CF3、−OCF2CHFCF3、−CH=CF2、−CF=CHF、−CH=CHCF3、−(CH2)2CH=CF2、または−C≡C−CF3である。最も好ましいRdは、−SF5、フッ素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−CHF2、−CF3、−CF2CF3、−OCF3、−OCHF2、−OCF2CF3、−CH=CF2、−CH=CHCF3、または−C≡C−CF3である。

Rdは直鎖の基(例:直鎖アルキルおよびその上述の置換体)であるので、化合物(1)は液晶相の温度範囲が広く、粘度が小さい。

Rdがアルケニルであるときは、好ましい立体配置は二重結合の位置に依存する。化合物(1)は、好ましい立体配置を有するアルケニル化合物であるときは、高い上限温度または液晶相の広い温度範囲を有する。Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 109およびMol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 327に詳細な説明がある。

アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニル等のアルケニルでは、トランス配置が好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル等のアルケニルでは、シス配置が好ましい。

A1、A2、A3およびA4は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、シクロヘキセン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、これの環において、少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−CH=N−で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において、少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF3、−OCHF2、または−OCH2Fで置き換えられてもよく

「これらの環において、少なくとも1つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−CH=N−で置き換えられてもよく」の好ましい例は、下記の式(16−1)〜(16−50)で表される二価基である。さらに好ましい例は、式(16−1)〜(16−4)、式(16−15)、式(16−23)、式(16−27)〜(26−29)、式(16−36)、式(16−39)、および式(16−45)で表される二価基である。

「そしてこれらの環において、少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF3、−OCHF2、または−OCH2Fで置き換えられてもよく」の好ましい例は、下記の式(17−1)〜(17−71)で表される二価基である。さらに好ましい例は、式(17−1)〜(17−4)、式(17−6)、式(17−10)〜(17−15)、式(17−54)〜(17−59)で表される二価基である。

好ましいA1、A2、A3およびA4は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、およびナフタレン−2,6−ジイルである。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。より好ましいA1、A2、A3およびA4は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、シクロヘキセン−1,4−ジイル、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンおよび3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、3,4−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、1,3−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイルまたは1,3,8−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイルである。最も好ましいA1、A2、A3およびA4は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、および1,3,8−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイルである。

A1〜A4において、芳香環が多いと、化合物(1)の光学異方性値が大きくなる傾向にある。A1〜A4において、脂環が多いと、化合物(1)の光学異方性値が小さくなる傾向にある。A1〜A5が1,4−シクロヘキシレン、シクロヘキセン−1,4−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは、化合物(1)の光学異方性値が小さい。A1〜A5が少なくとも一つの水素がハロゲンで置き換えられてもよい1,4−フェニレンであるときは、化合物(1)の光学異方性値が大きい。

A1〜A4の少なくとも二つが1,4−シクロヘキシレンであるときは、化合物(1)の上限温度が高く、光学異方性値が小さく、そして粘度が小さい。A1〜A5の少なくとも一つが1,4−フェニレンであるときは、光学異方性値が比較的大きく、そして配向秩序パラメーター(orientational order parameter)が大きい。

A1〜A4が少なくとも一つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは、誘電率異方性の絶対値が大きい。A1〜A4が3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、1,3,8−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは、誘電率異方性値がさらに正に大きい。A1〜A5が2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンであるときは、誘電率異方性値が負に大きい。A1〜A5が3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、2−(トリフルオロメチル)−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2−(ジフルオロメチル)−3−フルオロ−1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−3−(ジフルオロメチル)−1,4−フェニレンであるときは、誘電率異方性値がさらに負に大きい。

A1〜A4がシクロヘキセン−1,4−ジイルであるときは、化合物(1)の融点が低い。化合物(1)がシクロヘキセン−1,4−ジイルおよび1,4−フェニレンを共に有するときは、その光学異方性値が大きい。

Z1、Z2、Z3、およびZ4は独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このZ1、Z2、Z3、およびZ4において少なくとも一つの−CH2−は−O−、−S−、−CO−または−SiH2−で置き換えられてもよく、そして少なくとも一つの−(CH2)2−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。

好ましいZ1、Z2、Z3、およびZ4は、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)2COO−、−OCO(CH2)2−、−(CH2)2CF2O−、−OCF2(CH2)2−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−CF=CFCF2O−、−OCF2CF=CF−、−C≡CCF2O−、−OCF2C≡C−または−(CH2)4−である。−CH=CH−のような結合基の二重結合に関する立体配置はシスよりもトランスが好ましい。

さらに好ましいZ1、Z2、Z3、およびZ4は、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH=CH−である。最も好ましいZ1、Z2、Z3、およびZ4は、単結合、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH=CH−である。

上記結合基が単結合、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CFCF2O−、−OCF2CF=CF−または−CF=CF−であるときは、化合物(1)の粘度が小さい。上記結合基が単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−または−CF=CF−であるときは、化合物(1)の粘度が更に小さい。上記結合基が−CH=CH−であるときは、化合物(1)の液晶相の温度範囲が広く、そして弾性定数比K33/K11(K33:ベンド弾性定数、K11:スプレイ弾性定数)が大きい。上記結合基が−C≡C−であるときは、化合物(1)の光学異方性値が大きい。

例えば、誘電率異方性値が正に大きい液晶性化合物を得るには、より好ましいZ1、Z2、Z3およびZ4は、それぞれ独立に、単結合、−(CH2)2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり;更に好ましくは単結合、−(CH2)2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH=CH−であり;特に好ましくは単結合、−CF2O−、−OCF2−、または−CH=CH−である。

例えば、誘電率異方性値が負に大きい液晶性化合物を得るには、より好ましいZ1、Z2、Z4およびZ5は、それぞれ独立に、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり;更に好ましくは単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−または−CH=CH−である。

m、n、qおよびrは独立して、0または1であり、m、n、q、およびrの和は、2、3または4である。

m、n、qまたはrが2のとき、2つの−Ai−Zi−(iは1、2、3または4である。)は、同じであっても、異なっていてもよい。式(1)におけるMG1またはMG2が二環または三環を有するときは、粘度が小さい。式(1)におけるMG1またはMG2が三環または四環を有するときは、上限温度が高い。

式(IV)においてRdはフッ素、塩素、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10の直鎖アルケニル、炭素数1〜9の直鎖アルコキシ、炭素数2〜9の直鎖アルコキシアルキル、炭素数3〜9の直鎖アルケニルオキシ、炭素数1〜10の直鎖ポリフルオロアルキル、炭素数1〜9の直鎖ポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜10の直鎖ポリフルオロアルケニルであり; A1、A2、A3およびA4が独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、シクロヘキセン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、−CF3または−CHF2で置き換えられてもよく; Z1、Z2、およびZ4が独立して、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2SiH2−、−SiH2CH2−、−(CH2)2COO−、−OCO(CH2)2−、−(CH2)2CF2O−、−OCF2(CH2)2−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−または−(CH2)4−である。

式(1)において、ZaおよびZbは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2SiH2−または−SiH2CH2−であり; 式(2)において、αは炭素数1〜10の直鎖のアルキレンであり、このαにおいて、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 式(I)においてRaはヒドロキシル基または炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数2〜4のアルコキシアルキル、炭素数3〜4のアルケニルオキシ、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル、炭素数1〜4のポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜5のポリフルオロアルケニルであり; 式(II)においてRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数2〜4のアルコキシアルキル、炭素数3〜4のアルケニルオキシ、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル、炭素数1〜4のポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜5のポリフルオロアルケニルであり; 式(III)においてQは酸素原子、炭素数1〜5のアルキリデンである。

式(1)において、ZaおよびZbは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−であり; 式(Sp−1)において、αは炭素数1〜10の直鎖のアルキレンであり; 式(I)においてRaは炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニルまたは炭素数1〜5のポリフルオロアルキルであり; 式(II)においてRbおよびRcはそれぞれ独立して、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜5のポリフルオロアルキルであり; 式(III)においてQは酸素原子または炭素数1〜3のアルキリデンである。

式(1)において、好ましいMG1およびMG2は式(IV−1)で表される。 Rdは独立して、−CN、−NCS、−C≡C−CN、−SF5、フッ素、塩素、炭素数1〜6の直鎖アルキル、炭素数2〜6の直鎖アルケニル、炭素数1〜5の直鎖アルコキシ、炭素数1〜6の直鎖ポリフルオロアルキル、炭素数1〜5の直鎖ポリフルオロアルコキシ、または炭素数2〜6の直鎖ポリフルオロアルケニルであり; A11およびA12は1,4−シクロへキシレンまたは1,4-フェニレンであり; Y11、Y12、およびY13が独立して水素、フッ素、−CF3または−CF2Hであり; Z1、Z2、およびZ4が独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−であり; s、tおよびuは独立して、0、1または2であり、s、tおよびuの和は2、3または4あるが、tは必ず1である。)

上記各式は、式(IV)において、A1〜A4が、それぞれ1,4−シクロへキシレン、1,4-フェニレンまたは式(Ph)で表される基である場合に相当する。

s、t、またはuが2のとき、2つの−Ai1−Zi1−、−Ph−Zi1−(iは1、2または3である。)は、同じであっても、異なっていてもよい。

誘電率異方性値が正に大きいバイメソゲン液晶性化合物を得るには、Rdが、フッ素、炭素数1〜7の直鎖アルキル、炭素数2〜7の直鎖アルケニル、−CN、−NCS、−SF5、−CF3、−C2F5または−OCF3であり;Z1、Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、単結合、−(CH2)2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH=CH−であり;Y12が又はY13がフッ素であることが好ましい。また誘電率異方性値が正に大きいバイメソゲン液晶性化合物において、誘電率異方性の垂直成分が大きな化合物を得るには、Y11が又はY12がフッ素であることが好ましい。

誘電率異方性値がさらに正に大きい液晶性化合物を得るには、式(Ph)で表される基において、Y12およびY13が共にフッ素であることが好ましい。

誘電率異方性値が負に大きいバイメソゲン液晶性化合物を得るには、Rdが炭素数1〜7の直鎖アルキル、炭素数2〜7の直鎖アルケニルまたは炭素数1〜6の直鎖アルコキシであり;Z1、Z2、Z4およびZ5が、それぞれ独立に、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−または−CH=CH−であり;式(Ph)で表される基においてY11およびY12が、それぞれ独立に、水素、フッ素、−CF3または−CF2Hであることが好ましい。

誘電率異方性値が負に大きい液晶性化合物を得るには、さらに、式(Ph)で表される基において、Y11、Y13が独立してフッ素または−CF3であることが好ましい。

〔バイメソゲン化合物の合成〕 本発明のバイメソゲン化合物(1)は、有機合成化学における手法を適切に組み合わせることにより合成することができる。出発物質に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、オーガニックシンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)等の成書に記載されている。

式(IV)における結合基Z1、Z2、またはZ3を生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜(XI)で各スキームを説明する。他の結合基も、有機合成化学の方法に従って、容易に生成することができる。

このスキームにおいて、MSG1またはMSG2は、少なくとも一つの環を有する1価の有機基である。複数のMSG1またはMSG2が表す有機基は、同一であってもよいし、異なってもよい。化合物(1A)〜(1K)は、化合物(1)に相当する。

(I)単結合の生成 アリールホウ酸(21)と公知の方法で合成される化合物(22)とを、炭酸塩水溶液およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の触媒の存在下で反応させて、化合物(1A)を合成する。

また、公知の方法で合成される化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の触媒の存在下で化合物(22)を反応させることによっても、化合物(1A)を合成することができる。

(II)−COO−と−OCO−の生成 化合物(23)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(24)を得る。カルボン酸(24)と、公知の方法で合成されるフェノール(25)とを、DDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)およびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて、−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって、−OCO−を有する化合物を合成することもできる。

(III)−CF2O−と−OCF2−の生成 化合物(1B)をローソン試薬等の硫黄化剤で処理して化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体およびNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化して、−CF2O−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は、化合物(26)を(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)でフッ素化しても合成することができる。W. H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF2−を有する化合物を合成することもできる。Peer. Kirsch et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1480.に記載の方法によって、これらの結合基を生成させることも可能である。

(IV)−CH=CH−の生成 化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のホルムアミドと反応させてアルデヒド(28)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(27)をカリウムtert−ブトキシド等の塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(28)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。

(V)−(CH2)2−の生成 化合物(1D)をパラジウム炭素等の触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。

(VI)−(CH2)4−の生成 ホスホニウム塩(27)の代わりにホスホニウム塩(29)を用い、項(IV)の方法に従って−(CH2)2−CH=CH−を有する化合物を得る。これを接触水素化して化合物(1F)を合成する。

(VII)−C≡C−の生成 ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させた後、塩基性条件下で脱保護して化合物(30)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(30)を化合物(22)と反応させて、化合物(1G)を合成する。

(VIII)−CF=CF−の生成 化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理した後、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(31)を得る。化合物(22)をn−ブチルリチウムで処理した後、化合物(31)と反応させて化合物(1H)を合成する。

(IX)−CH2O−または−OCH2−の生成 化合物(28)を水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元して化合物(32)を得る。これを臭化水素酸等でハロゲン化して化合物(33)を得る。炭酸カリウム等の存在下で、化合物(33)を化合物(25)と反応させて化合物(1J)を合成する。

(X)−(CH2)3O−または−O(CH2)3−の生成 化合物(28)の代わりに化合物(34)を用いて、項(IX)の方法に従って化合物(1K)を合成する。

(XI)−(CF2)2−の生成 J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414.に記載された方法に従い、ジケトン(−COCO−)をフッ化水素触媒の存在下、四フッ化硫黄でフッ素化して−(CF2)2−を有する化合物を得る。

ジフルオロエチレンオキシ基を有する化合物(1)を合成する方法の一例を、下記のスキームに示す。ただし、本発明の化合物(1)の合成方法は、下記のスキームに限定されるわけではない。

次に、環A1〜A3に関する合成法を説明する。1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルなどの環に関しては出発物が市販されているか、または合成法がよく知られている。そこで、下に示した化合物(38)、(41)および(45)について説明する。

デカヒドロナフタレン−2,6−ジオン(38)はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルを有する化合物の出発物である。この化合物(38)は、特開2000−239564号公報に記載された方法に従って、ジオール(37)を酸化ルテニウム存在下で接触水素還元し、さらに酸化クロムで酸化することによって合成する。

2,3−(ビストリフルオロメチル)フェニレンの構造単位は、Org. Lett., 2000, 2 (21), 3345 に記載された方法で合成する。フラン(39)と1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブチンとを高温でディールズ・アルダー型の反応をさせることによってアニリン(40)を合成する。この化合物に、Org. Synth. Coll., Vol. 2, 1943, 355 に記載された方法にしたがい、サンド・マイヤー型反応を行ってヨウ化物(41)を得る。この化合物は一般的な有機合成化学の手法によって化合物(1)に変換する。

2−ジフルオロメチル−3−フルオロフェニレンの構造単位は、次のような方法で合成する。化合物(42)のヒドロキシル基を適切な保護基で保護して化合物(43)を得る。Pは保護基を意味する。化合物(43)にsec−ブチルリチウムを作用させ、続いてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を反応させてアルデヒド(44)を得る。この化合物をジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)でフッ素化し、続いて脱保護してフェノール(45)を得る。この化合物は一般的な有機合成化学の手法によって化合物(1)に変換する。

次に、Spに関する合成法を式(1)においてZ1およびZ2が−O−であり、式(Sp−1)においてXが式(I)である化合物である場合を例に説明する。まずαの炭素数に対応する末端オレフィンハロゲン化物である化合物(46)をマグネシウムへ作用させることでGrignard試薬とし、そこへギ酸メチルを作用させることでアルコール化合物(47)を得る。更にデスマーチン・ペルヨージナン(DMP)等の酸化剤を作用させカルボニル化合物(48)を得る。p-トルエンスルホン酸等の酸触媒存在下エチレングリコールを作用させ、アセタール化合物(49)とした後、ボランジメチルスルフィド錯体等ボラン誘導体を作用させた後、塩基性条件下過酸化水素を作用させることにより、ジオール化合物(50)を得る。そこへトリフェニルホスフィン並びにアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)を用い、対応するヒドロキシル基を有するMG1、MG2を段階的に作用させ、化合物(51)が得られる。そこへ対応するGrignard試薬を作用させ、アルコール化合物(52)とした後、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等のルイス酸存在下トリエチルシランを作用させ、化合物(1−I)を得る。 化合物(50)を出発原料にこれまで公知の有機合成化学の手法を用いれば、式(Sp−1)に示したXが式(ii)や式(iii)に示す構造である化合物(1)を得ることが出来る。

〔液晶組成物〕 本発明の液晶組成物は、上述したバイメソゲン化合物(1)を成分Aとして含有する。本発明の液晶組成物は、バイメソゲン化合物(1)を一種のみ含有してもよく、バイメソゲン化合物(1)を二種以上含有してもよい。またバイメソゲン化合物(1)に加え、式(cp−1)で表すバイメソゲンを含有していてもよい。 化合物(cp−1)の好ましい例として、化合物(cp−1−1)〜(cp−1−12)を挙げることが出来る。R31およびR32は、それぞれ独立してフッ素、塩素、−CN、−NCS、−SF5または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Z31、Z32、およびZ4が独立して、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2SiH2−、−SiH2CH2−、−(CH2)2COO−、−OCO(CH2)2−、−(CH2)2CF2O−、−OCF2(CH2)2−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−または−(CH2)4−であり;rは4〜20であり;Z3aおよびZ3bは独立して、−O−、−S−、−OCO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH=CH−または−C≡C−であり;LはF、Cl、またはフッ素化されていてもよい炭素数1〜2のアルキルであり、rは出現するたびに独立に0、1または2である。

本発明の液晶組成物は、しきい値電圧、液晶相の温度範囲、光学異方性、誘電率異方性および粘度等の特性を優良に発現せしめるために、液晶組成物の全質量に対して、成分Aを0.1〜99重量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは1〜99重量%、更に好ましくは2〜98重量%である。

本発明の液晶組成物は、成分Aのみの組成物であってもよいが、種々の特性を発現させるため、以下に説明する成分B、成分C、成分D、成分Eおよび成分Fから選択される少なくとも一種の成分を更に含有してもよい。

成分Bは、後述する式(2)〜(4)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物であり;成分Cは、後述する式(5)で表される化合物であり;成分Dは、後述する式(6)〜(11)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物であり;成分Eは、後述する式(12)〜(14)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物である。

なお、式(2)〜(4)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物とは、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、および式(4)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物を意味する。他の例においても同様である。

本発明の液晶組成物は、用途に応じて、光学活性化合物および重合可能な化合物から選択される少なくとも一種を更に含有してもよく、酸化防止剤および紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を更に含有してもよい。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒンダートアミン系光安定化剤が挙げられる。

本発明の液晶組成物を構成する各成分は、各元素の同位体元素からなる類縁体であっても、その化学的および物理的特性に大きな差異はない。

〈成分B〉(化合物(2)〜(4)) 本発明の液晶組成物は、式(2)〜(4)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物(成分B)を含有してもよい。

式(2)から式(4)において、 R11およびR12はそれぞれ独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 環B1、環B2、環B3、および環B4はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、またはピリミジン−2,5−ジイルであり; Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、または−COO−である。

化合物(2)〜(4)は、2つの末端基がアルキルなどであり、誘電率異方性は小さい。これらの化合物の好ましい例として、化合物(2−1)〜(2−11)、化合物(3−1)〜(3−19)、および化合物(4−1)〜(4−7)を挙げることができる。これらの化合物において、R11およびR12は独立して、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり、このアルキルまたはアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。

化合物(2)は、主として粘度の減少または光学異方性の調整に効果がある。化合物(3)および(4)は、上限温度を高くすることによってネマチック相の温度範囲を広げる効果、または光学異方性を調整する効果がある。

成分Bである化合物(2)〜(4)は誘電率異方性が小さい。化合物(2)〜(4)の含有量が増加するにつれて組成物の粘度が小さくなるが、誘電率異方性が小さくなる。そこで、素子のしきい値電圧の要求値を満たす限り、含有量は多いほうが好ましい。したがって、IPS、VAなどのモード用の組成物を調製する場合には、化合物(2)〜(4)の含有量は、液晶組成物の重量に基づいて、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。

〈成分C〉(化合物(5)〜(7)) 本発明の液晶組成物は、式(5)〜(7)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物(成分C)を含有してもよい。

式(5)から式(7)において、 R13は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; X11は、フッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2、または−OCF2CHFCF3であり; 環C1、環C2、および環C3はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり; Z14、Z15、およびZ16はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、または−(CH2)4−であり; L11およびL12はそれぞれ独立して、水素またはフッ素である。

化合物(5)〜(7)は、右末端にハロゲンまたはフッ素含有基を有する。これらの化合物の好ましい例として、化合物(5−1)〜(5−16)、化合物(6−1)〜(6−113)、化合物(7−1)〜(7−57)を挙げることができる。これらの化合物において、R13は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;X11は、フッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2、または−OCF2CHFCF3である。

成分Cである化合物(5)〜(7)は、誘電率異方性が正に大きく、熱、光などに対する安定性が非常に優れているので、IPS、FFS、OCBなどのモード用の組成物を調製する場合に用いられる。化合物(5)〜(7)の含有量は、液晶組成物の重量に基づいて1重量%〜99重量%の範囲が適しており、好ましくは10重量%〜97重量%の範囲、さらに好ましくは40重量%〜95重量%の範囲である。これらの化合物を誘電率異方性が負である組成物に添加する場合、これらの化合物の含有量は液晶組成物の重量に基づいて30重量%以下が好ましい。化合物(5)〜(7)を添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。

〈成分D〉(化合物(8)) 本発明の液晶組成物は、式(8)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物(成分D)を含有してもよい。

らに含有する、項8から10のいずれか1項に記載の液晶組成物。 式(8)において、 R14は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、アルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; X12は−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nであり; 環D1は、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり; Z17は、それぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、または−CH2O−であり; L13およびL14はそれぞれ独立して、水素またはフッ素であり; iは、1、2、3、または4である。

化合物(8)は、右末端基が−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nである。この化合物の好ましい例として、化合物(8−1)〜(8−64)を挙げることができる。これらの化合物において、R14は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;X12は−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nである。

化合物(8)は、誘電率異方性が正であり、その値が大きいので、TN、STNなどのモード用の組成物を調製する場合に主として用いられる。化合物(8)を添加することにより、組成物の誘電率異方性を大きくすることができる。化合物(8)は、液晶相の温度範囲を広げる、粘度を調整する、または光学異方性を調整する、という効果がある。この化合物は、素子の電圧−透過率曲線の調整にも有用である。

TN、STNなどのモード用の組成物を調製する場合には、化合物(8)の含有量は、液晶組成物の重量に基づいて1重量%〜99重量%の範囲が適しており、好ましくは10重量%〜97重量%の範囲、さらに好ましくは40重量%〜95重量%の範囲である。化合物(8)を誘電率異方性が負である組成物に添加する場合、この化合物の含有量は液晶組成物の重量に基づいて30重量%以下が好ましい。化合物(8)を添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。

〈成分E〉(化合物(9)〜(15)) 本発明の液晶組成物は、式(9)〜(15)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物(成分E)を含有してもよい。

式(9)から式(15)において、 R15およびR16はそれぞれ独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; R17は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、または炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく; 環E1、環E2、環E3、および環E4はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり; 環E5および環E6はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり; Z18、Z19、Z20、およびZ21はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−COO−、−CH2O−、−OCF2−、または−OCF2CH2CH2−であり; L15およびL16はそれぞれ独立して、フッ素または塩素であり; S11は、水素またはメチルであり; Xは、−CHF−または−CF2−であり; j、k、m、n、p、q、r、およびsはそれぞれ独立して、0または1であり、k、m、n、およびpの和は、1または2であり、q、r、およびsの和は、0、1、2、または3であり、tは、1、2、または3である。

化合物(9)〜(15)は、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンのように、ラテラル位が2つのハロゲンで置換されたフェニレンを有する。これらの化合物の好ましい例として、化合物(9−1)〜(9−8)、化合物(10−1)〜(10−17)、化合物(11−1)、化合物(12−1)〜(12−3)、化合物(13−1)〜(13−11)、化合物(14−1)〜(14−3)、および化合物(15−1)〜(15−3)を挙げることができる。これらの化合物おいて、R15およびR16は独立して、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;R17は、水素、フッ素、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数2〜10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。

成分Eである化合物(9)〜(15)は、誘電率異方性が負に大きい。これらの化合物は、IPS、VA、PSAなどのモード用の組成物を調製する場合に用いられる。これらの化合物の含有量を増加させるにつれて組成物の誘電率異方性が負に大きくなるが、粘度が大きくなる。そこで、素子のしきい値電圧の要求値を満たす限り、含有量は少ないほうが好ましい。したがって、誘電率異方性が−5程度であることを考慮すると、充分な電圧駆動をさせるには、含有量が40重量%以上であることが好ましい。

これらの化合物のうち、化合物(9)は二環化合物であるので、主として、粘度の減少、光学異方性の調整、または誘電率異方性の増加に効果がある。化合物(10)および(11)は三環化合物であるので、上限温度を高くする、光学異方性を大きくする、または誘電率異方性を大きくするという効果がある。化合物(12)〜(15)は、誘電率異方性を大きくするという効果がある。

IPS、VA、PSAなどのモード用の組成物を調製する場合には、化合物(9)〜(15)の含有量は、液晶組成物の重量に基づいて、好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは50重量%〜95重量%の範囲である。化合物(9)〜(15)を誘電率異方性が正である組成物に添加する場合は、これらの化合物の含有量が液晶組成物の重量に基づいて30重量%以下が好ましい。これらの化合物を添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。

液晶組成物の調製は、必要な成分を室温よりも高い温度で溶解させるなどの方法により行われる。用途に応じて、この組成物に添加物を添加してよい。添加物の例は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤などである。このような添加物は当業者によく知られており、文献に記載されている。

〈光学活性化合物〉 光学活性化合物は、液晶分子にらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与えることによって逆ねじれを防ぐ、という効果を有する。光学活性化合物を添加することによって、らせんピッチを調整することができる。らせんピッチの温度依存性を調整する目的で2つ以上の光学活性化合物を添加してもよい。本発明の液晶組成物に用いられるキラル剤としては、ねじり(Helical Twisting Power,HTP)が大きい化合物が好ましい。ねじり力が大きい化合物は所望のピッチを得るために必要な添加量が少なくできるので、駆動電圧の上昇を抑えられ、実用上有利である。具体的には化合物(Op−1)〜(Op−18)で表される化合物が好ましい。化合物(Op−18)において、環Jは1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、R28は炭素数1〜10のアルキルである。また、化合物(Op−17)、(Op−18)は、ビナフチル基が光学活性部位であり、キラル剤の掌性は問わない。

〈酸化防止剤〉 酸化防止剤は、大きな電圧保持率を維持するために有効である。酸化防止剤の好ましい例として、下記の化合物(AO−1)および(AO−2);IRGANOX 415、IRGANOX 565、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 3114、およびIRGANOX 1098(商品名:BASF社)を挙げることができる。紫外線吸収剤は、上限温度の低下を防ぐために有効である。紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。具体例として下記の化合物(AO−3)および(AO−4);TINUVIN 329、TINUVIN P、TINUVIN 326、TINUVIN 234、TINUVIN 213、TINUVIN 400、TINUVIN 328、およびTINUVIN 99−2(商品名:BASF社);および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を挙げることができる。

立体障害のあるアミンのような光安定剤は、大きな電圧保持率を維持するために好ましい。光安定剤の好ましい例として、下記の化合物(AO−5)および(AO−6);TINUVIN 144、TINUVIN 765、およびTINUVIN 770DF(商品名:BASF社)を挙げることができる。熱安定剤も大きな電圧保持率を維持するために有効であり、好ましい例としてIRGAFOS 168(商品名:BASF社)を挙げることができる。消泡剤は、泡立ちを防ぐために有効である。消泡剤の好ましい例は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどである。

化合物(AO−1)において、R29は炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−COOR32、または−CH2CH2COOR32であり、ここでR32は炭素数1〜20のアルキルである。化合物(AO−2)および(AO−5)において、R30は炭素数1〜20のアルキルである。化合物(AO−5)において、R31は水素、メチルまたはO(酸素ラジカル)であり、環Kおよび環Lは1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、xは0、1または2である。

〈重合可能な化合物〉 重合性化合物は、立体的に制御しながら重合させることによって、素子の応答時間を短縮し、画像の焼き付きを改善することができる。重合性化合物の好ましい例は、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、およびビニルケトンである。さらに好ましい例は、少なくとも1つのアクリロイルオキシを有する化合物および少なくとも1つのメタクリロイルオキシを有する化合物である。さらに好ましい例には、アクリロイルオキシとメタクリロイルオキシの両方を有する化合物も含まれる。

その他の重合性化合物の追加例は、化合物(M−1)〜(M−12)である。化合物(M−1)〜(M−12)において、R25、R26およびR27は独立して、水素またはメチルであり;u、xおよびyは独立して、0または1であり;vおよびwは独立して、1〜10の整数であり;L21、L22、L23、L24、L25、およびL26は独立して、水素またはフッ素である。

重合性化合物は、重合開始剤を添加することによって、速やかに重合させることができる。反応温度を最適化することによって、残存する重合性化合物の量を減少させることができる。光ラジカル重合開始剤の例は、BASF社のダロキュアシリーズからTPO、1173および4265であり、イルガキュアシリーズから184、369、500、651、784、819、907、1300、1700、1800、1850、および2959である。

光ラジカル重合開始剤の追加例は、4−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(4−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物である。

重合性化合物を保管するとき、重合を防止するために重合禁止剤を添加してもよい。重合性化合物は、通常は重合禁止剤を除去しないまま組成物に添加される。重合禁止剤の例は、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンのようなヒドロキノン誘導体、4−tert−ブチルカテコール、4−メトキシフェノ−ル、フェノチアジンなどである。

〈その他の成分〉 本発明の液晶組成物は、メロシアニン系、スチリル系、アゾ系、アゾメチン系、アゾキシ系、キノフタロン系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性色素などの染料を添加して、ゲスト・ホスト(GH)型用の液晶組成物として使用することもできる。

〈液晶組成物の調製方法およびその特性〉 本発明の液晶組成物は、例えば、各成分を構成する化合物が液体の場合には、それぞれの化合物を混合することにより、また各成分を構成する化合物のうち一種または二種以上が固体の場合には、それぞれの化合物を混合し、窒素雰囲気で加熱溶解によってお互い液体にしてから振とうさせることにより、調製することができる。また、本発明の液晶組成物は、その他の公知の方法により調製することもできる。

本発明の液晶組成物を調製するときには、例えば、バイメソゲン化合物(1)の誘電率異方性を考慮して各成分を選択することもできる。各成分を選択した液晶組成物は、熱、光等に対する安定性を有し、粘度が低く、適切な誘電率異方性、適切な光学異方性、および適切な弾性定数を有し、しきい値電圧が低く、さらに、ネマチック相の上限温度が高く、ネマチック相の下限温度が低い。ここで「適切な」とは、本発明の液晶組成物を含む液晶表示素子の動作モードに応じて、例えば誘電率異方性、光学異方性および弾性定数の好適範囲が適宜決定されることを意味する。

本発明の液晶組成物では、ネマチック相の上限温度を70℃以上とすること、ネマチック相の下限温度を−20℃以下とすることができ、ネマチック相の温度範囲が広い。したがって、本発明の液晶組成物を含む液晶表示素子は、広い温度領域で使用することが可能である。

本発明の液晶組成物では、その組成等を適宜調整することで、光学異方性値(Δn)を、例えば0.10〜0.13の範囲に調整する、あるいは0.05〜0.18の範囲に調整する等、任意の範囲に調整することができる。

本発明の液晶組成物では、その組成等を適宜調整することで、誘電率異方性値(Δε)を、通常−5.0〜−2.0の範囲に、好ましくは−4.5〜−2.5の範囲に調整することができる。

本発明の液晶組成物では、その組成等を適宜調整することで、誘電率異方性値(Δε)を、通常1〜30の範囲に、好ましくは2〜25の範囲に調整することができる。 なお、上記物性の測定方法は、実施例に記載したとおりである。

〈液晶内包複合繊維〉 本発明の液晶内包複合繊維は、本発明の液晶組成物を内包した複合繊維であり、液晶組成物を芯成分とする鞘芯型の複合繊維である。図1は、本発明で使用される液晶内包複合繊維10(以下、「複合繊維10」と言うこともある。)の斜視図である。液晶内包複合繊維10は液晶組成物を芯成分とする鞘芯型の複合繊維である。詳細には、液晶内包複合繊維10は、芯成分2を構成する液晶組成物2aと、芯成分2の外周に存在し、液晶内包複合繊維10の外殻である鞘成分4を構成する鞘成分形成材料4aとを含む。なお、2aは液晶分子配列を模式的に表しているが、図1のように液晶分子2bの長軸が繊維と平行であっても、液晶分子2bの長軸が繊維方向と直交していてもよい。

液晶内包複合繊維10は、鞘成分形成材料4aと液晶組成物2aが異なる吐出装置、すなわち異なるノズルから吐出されることにより形成される。すなわち、本実施形態の液晶内包複合繊維10においては、鞘成分形成材料4aと液晶組成物2aが一旦混ぜられた後に、鞘成分4と芯成分2に分離するのではない。最初から鞘成分形成材料4aと液晶組成物2aの各々が、個別に鞘成分4と芯成分2になるため、鞘成分形成材料4aと液晶組成物2aとは実質的に分離している状態が確保される。

本発明における複合繊維10の鞘成分4の鞘成分形成材料4aは、特に限定されないが、繊維形成性材料であることが好ましい。繊維形成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース、セルロース誘導体、キチン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン及びこれらの共重合体などの高分子材料、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ハイドロキシアパタイトなどの無機材料などを挙げることができる。これらの繊維形成材料は1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。混合して使用する場合の混合率は、特に限定されるものではなく、得られる繊維の物性を鑑みて、適宜設定することができる。鞘成分4の鞘成分形成材料4aが透明性を有する非結晶性高分子であれば、光透過量を高くすることができるため、液晶素子として好適に用いることができるため好ましい。このような非結晶性高分子として、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ゼラチンなどを例示できる。

本発明の鞘成分4の鞘成分形成材料4aは、液晶組成物2aの屈折率と近い屈折率を有する成分であれば、界面での光散乱を小さくすることができるため好ましい。このような鞘成分4の鞘成分形成材料4aとして、ポリビニルピロリドンなどを例示できる。

本発明の複合繊維10の製造方法は、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、スパンボンド法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法、静電紡糸法、フォーススピニング法などを例示でき、均一かつ極細繊維が得られるという観点から、静電紡糸法が好ましい。以下では静電紡糸法について説明するが、これに限定されるものではない。

静電紡糸法とは、紡糸液を吐出させるとともに、電界を作用させて、吐出された紡糸液を繊維化し、コレクター上に繊維を得る方法である。例えば、紡糸液をノズルから押し出すとともに電界を作用させて紡糸する方法、紡糸液を泡立たせるとともに電界を作用させて紡糸する方法、円筒状電極の表面に紡糸液を導くとともに電界を作用させて紡糸する方法などを挙げることができる。この方法によれば、直径10nm〜10μmの均一な繊維を得ることができる。

本発明における複合繊維10の製造方法は、鞘溶液と液晶材料とを別々に2重管ノズルから吐出させて静電紡糸する方法、ポリマー、液晶材料及び溶媒が混合した紡糸液を静電紡糸するとともに相分離させる方法を挙げることができるが、液晶組成物の駆動しやすさから、鞘溶液と液晶組成物とを別々に2重管ノズルから吐出させて静電紡糸する方法が好ましい。ポリマー、液晶組成物及び溶媒が混合した紡糸液を静電紡糸するとともに相分離させる方法で作製された液晶内包複合繊維は、ポリマー成分が液晶材料と混合した状態を含んでしまうことから、液晶の配向が乱れ、液晶表示素子として良好な特性を得ることができない。

鞘溶液としては、曳糸性を有するものであれば特に限定されないが、繊維形成材料(鞘成分形成材料4a)を溶媒に溶解させたものや、繊維形成材料を熱やレーザー照射によって溶融させたものなどを用いることができる。本発明で用いる鞘溶液として、繊維形成材料を溶媒に溶解させたものを用いることが、複合繊維10の直径の細さや均一性、液晶組成物2aの連続性や配向性を容易に制御できる点で好ましい。

繊維形成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース、セルロース誘導体、キチン、キトサン、コラーゲン、及びこれらの共重合体などの高分子材料、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ハイドロキシアパタイトなどの無機材料などを挙げることができる。これらの繊維形成材料は1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。混合して使用する場合の混合率は、特に限定されるものではなく、得られる繊維の物性を鑑みて、適宜設定することができる。本発明の複合繊維10では、鞘成分4の鞘成分形成材料4aが非結晶性高分子であれば、光学デバイスとして好適に使用可能となるため好ましい。このような非結晶性高分子として、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、ポリスチレンなどを例示できる。

繊維形成材料を溶解させる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、ピリジン、蟻酸、酢酸、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、及びこれらの混合物などを挙げることができる。これらの混合物を使用することにより、液晶組成物2aの連続性や配向性、複合繊維10の直径などを容易に制御することができるため好ましい。混合物の組成としては、特に限定されないが、極性溶媒と非極性溶媒との混合物であることが好ましい。極性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノールなどを例示でき、非極性溶媒として、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロベンゼンなどを例示できる。また、混合比は、特に限定されるものではなく、例えば、2種類の溶媒を混合する場合、重量比で5:95〜95:5の範囲を例示できる。

静電紡糸の安定性や繊維形成性を向上させる目的で、鞘溶液中にさらに添加剤を含有させてもよい。添加剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤、臭化テトラブチルアンモニウムなどの陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタモンモノラウレートなどの非イオン性界面活性剤、塩化ナトリウムなどの無機塩などを挙げることができる。

本発明における複合繊維10の捕集方法としては、特に限定されないが、ドラム状又はディスク状のコレクターを高速回転させる方法、格子状のコレクターを用いる方法が好ましい。このような捕集方法を用いれば、繊維を任意の方向に配列させることが可能となる。ドラム状又はディスク状のコレクターの回転速度としては、特に限定されないが、その周速度としては、50〜2,000m/minの範囲であることが好ましく、100〜1,000m/minの範囲であることがより好ましい。周速度が50m/min以上であれば、複合繊維10を回転方向に沿って配列させることが可能であり、100m/min以上であれば配列が十分なものとなる。また、2,000m/min以下であれば、回転により生じる気流の影響を低減することが可能であり、1,000m/min以下であれば十分低減でき、安定に捕集することが可能となる。格子状コレクターを用いる場合、格子の間隔としては、例えば、10〜200mmの範囲を例示できる。また格子の形状としては、正方形、長方形、ひし形、正三角形、正六角形、波形などを例示することができる。

〈液晶内包複合繊維複合体〉 本発明における複合繊維集合体20は、特に限定されないが、液晶を内包した複合繊維10が一軸配列していることが好ましい。複合繊維10が一軸配列している場合には、複合繊維10の有する種々の特性が異方的に発現させることができ、例えば、高コントラストの液晶表示素子として好適に用いることができる。複合繊維10の配列の程度は、繊維配列角度の標準偏差によって評価することができ、繊維配列角度の標準偏差が小さければ、配列度が高いといえる。繊維配列角度の標準偏差が20°以下であることが好ましく、15°以下であることがさらに好ましい。

また、複合繊維10はランダムに配置されていてもよい。ランダムに配置されている場合には、種々の特性を等方的に発現させることが可能である。

複合繊維集合体20の厚みは、特に限定されないが、1〜20μmの範囲であることが好ましく、2〜10μmの範囲であることがさらに好ましい。厚みが1μm以上であれば、液晶素子としての機能を十分に満足することができ、厚みが20μm以下であれば、光透過量を十分に高くするが可能となる。

複合繊維集合体20における複合繊維10が占める面積率は、80%以上であることが好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。

複合繊維10を基板30上に複数配置し、バインダ40を充填することにより複合繊維集合体20が形成可能である。すなわち、従来の様に配向膜を形成せずに、液晶層を基板30上に形成することが可能となり、液晶表示素子の製造コストを大幅に抑制することが可能となる。

本発明における複合繊維10は、液晶が繊維内部で連続に分布しているため、ディスプレイ用液晶素子や波長選択反射用液晶素子として好適に用いることができる。

〔液晶表示素子〕 本発明の液晶表示素子は、上述した液晶組成物を含む。本発明の液晶表示素子は、応答時間が速く、消費電力および駆動電圧が小さく、コントラスト比が大きく、広い温度範囲で使用可能であり、よって液晶プロジェクター、液晶テレビ等に用いることができる。

本発明の液晶組成物は、PCモード、TNモード、STNモード、OCBモード、VAモード、IPSモード、PSAモード等の動作モードを有し、アクティブマトリクス(AM)方式で駆動する液晶表示素子だけでなく;PCモード、TNモード、STNモード、OCBモード、VAモード、IPSモード等の動作モードを有し、パッシブマトリクス(PM)方式で駆動する液晶表示素子にも使用することができる。これらのAM方式およびPM方式の液晶表示素子は、反射型、透過型および半透過型等、いずれの液晶ディスプレイ等にも適用できる。

本発明の液晶組成物は、複屈折制御のECB(electrically controlled birefringence)モード素子や、導電剤を添加させた液晶組成物を用いたDS(dynamic scattering)モード素子や、液晶組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、液晶組成物中に三次元の網目状高分子を形成して作成したPD(polymer dispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子、相変化または表面安定化または重合体安定化コレステリックテクスチャー(SSCT、PSCT)素子にも使用できる。

また、VAモードで駆動する液晶表示素子の構造は、K. Ohmuro, S. Kataoka, T. Sasaki and Y. Koike, SID '97 Digest of Technical Papers, 28, 845 (1997)に報告されており、IPSモードで駆動する液晶表示素子の構造は、国際公開91/10936号パンフレット(ファミリー:US5576867)に報告されている。

これらの中でも本発明の液晶組成物は、上述した特性を有するので、高速応答を達成し得る素子として、特にコレステリック液晶で見られるフレキソエレクトリック効果を利用したULH(Uniform Lying Helix)方式の素子などに好適に用いることができる。本表示素子への使用の形態は、本願発明のバイメソゲン化合物(1)を1種類以上を含むか、少なくとも1種類のバイメソゲン化合物(1)を含有する液晶組成物から構成されるか、本願液晶組成物を内包した複合繊維、複合繊維集合体、もしくは液晶内包繊維複合体から構成されたフレクソエレクトリックディス表示素子である。

次に本発明の実施形態に関して説明する。本発明のバイメソゲン性化合物(1)およびそれらを含有する組成物は、表面処理または電場のような外場を用いた公知の方法により、それらのコレステリック相において種々の配向状態へ配列させることができる。例えば、平面(グランジャン)状態、フォーカルコニック状態またはホメオトロピック状態に配列することができる。さらに、大きな双極子モーメントを有するバイメソゲン性化合物(1)はフレクソエレクトリック応答が可能であり、よって、電気光学的スイッチや液晶表示素子中で使用することができる。

続いて本発明の好ましい異なる相状態間のスイッチングを、本発明のバイメソゲン性化合物(1)について、以下に詳細を示す。

例えばITOのような電極層を備えた2枚の平面−平行ガラス板からなるセルに試料を注入し、コレステリック相においてホモジニアス配列させ、コレステリックらせん軸をセル壁の法線方向に配向させる。この状態はグランジャン状態と呼ばれ、その光学組織は偏光顕微鏡観察により、グランジャンテクスチャーとして観測することができる。ホモジニアスは、例えばセル界面の表面処理を施したり(例えばラビングなどの手法により)、またはポリイミドのような液晶配向層を設置することにより達成することができる。

さらに、試料を等方相まで加熱し、その後コレステリック−等方相転移に付近の温度でコレステリック相まで冷却すること、およびセルをラビングすることで、高い配向で欠陥の少ないグランジャン状態を達成できる。

平面状態においては、試料は入射光の選択的反射を示し、反射の中央波長は、材料のらせんピッチおよび平均屈折率に依存する。

前述のセルに対して、電場を印加すると、試料はホメオトロピック状態にスイッチし、らせんは解かれ分子は電場と平行、即ち電極面に対して垂直方向に配向する。ホメオトロピック状態においては、セルは光を透過し直交偏光子を置いた場合、黒表示となる。

ホメオトロピック状態で電場を減少もしくは遮断することによって、試料はフォーカルコニックテクスチャーを取り、らせん軸が電場に対して垂直に配向し、電極面に平行にらせんが捩れた分子配向となる。フォーカルコニック状態は平面状態において試料に弱い電場を印加するのみでも達成することができる。フォーカルコニック状態では、光が散乱し直交偏光子間に置いた場合、明表示となる。

バイメソゲン性化合物(1)はマクロ的にに均一な配向に容易に達成出来るため、フレクソエレクトリック液晶表示素子に対して特に有益である。

次に、バイメソゲン性化合物(1)を有する内包した液晶内包複合繊維または液晶内包複合繊維集合体を用いた液晶表示素子関する実施形態について説明する。

図2は、液晶表示素子100の斜視図である。液晶表示素子100は、少なくとも一つの基板30と、基板30に配置され、液晶内包複合繊維10を一軸配列させて形成した複合繊維集合体20とを含む。基板30はガラス基板によっても作成可能であるが、曲げが可能な樹脂基板などにより作成することにより、液晶表示素子100を曲げが可能なフレキシブル液晶表示素子として構成することが可能である。さらに液晶表示素子100は、基板30に配置され、外部からの信号に基づき複合繊維集合体20に電界、電圧を印加する図示せぬ電極とを含む。液晶表示素子100には薄膜トランジスタ素子等、さらに他の部材が設けられ得る。

図3は、ULH型の液晶表示素子における液晶内包複合繊維および複合繊維集合体の概念図を示す図であり、(a)は液晶内包複合繊維の平面図であり、(b)は複合繊維集合体の平面図である。

図3 (b)に示すように、図示せぬ基板上に複数の液晶内包複合繊維10を平面状好ましくは高さ方向(紙面の表側と裏側の方向)にも並べることにより、複合繊維集合体20が形成される。従来の製造方法では、液晶組成物のらせん軸を一定の方向に向かせる為にの配向膜が必要であった。本願液晶内包複合繊維10を平面状に並べたり、あらかじめ平面状に配向した本願液晶内包複合繊維や液晶内包複合繊維集合体を用いれば、本願の液晶組成物を容易に一方向に並べることが可能となる。よって、ULH方式の液晶表示素子の大型化(大画面化)を達成すること可能となる。

実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。

1.化合物(1)の実施例 化合物(1)は、実施例1などに示した方法により合成した。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物の特性は、下記に記載した方法により測定した。

NMR分析 測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。1H−NMRの測定では、試料をCDCl3などの重水素化溶媒に溶解させ、測定は、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で行った。テトラメチルシランを内部標準として用いた。19F−NMRの測定では、CFCl3を内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。

HPLC分析 測定には、島津製作所製のProminence(LC−20AD;SPD−20A)を用いた。カラムはワイエムシー製のYMC−Pack ODS−A(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を用いた。溶出液はアセトニトリルと水を適宜混合して用いた。検出器としてはUV検出器、RI検出器、CORONA検出器などを適宜用いた。UV検出器を用いた場合、検出波長は254nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.1重量%の溶液となるように調製し、この溶液1μLを試料室に導入した。記録計としては島津製作所製のC−R7Aplusを用いた。

紫外可視分光分析 測定には、島津製作所製のPharmaSpec UV−1700用いた。検出波長は190nm〜700nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.01mmol/Lの溶液となるように調製し、石英セル(光路長1cm)に入れて測定した。

測定試料 相構造および転移温度(透明点、融点、重合開始温度など)を測定するときには、化合物そのものを試料として用いた。ネマチック相の上限温度、粘度、光学異方性、誘電率異方性などの特性を測定するときには、化合物と母液晶との混合物を試料として用いた。

化合物を母液晶と混合した試料を用いる場合には、次の方法で測定を行った。化合物15重量%と母液晶85重量%とを混合して試料を調製した。この試料の測定値から、次の式で表わされる外挿法にしたがって、外挿値を計算し、この値を記載した。〈外挿値〉=(100×〈試料の測定値〉−〈母液晶の重量%〉×〈母液晶の測定値〉)/〈化合物の重量%〉

化合物と母液晶との割合がこの割合であっても、結晶(または、スメクチック相)が25℃で析出する場合には、化合物と母液晶との割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量%の順に変更をしていき、結晶(または、スメクチック相)が25℃で析出しなくなった割合で試料の物性を測定した。なお、特に断りのない限り、化合物と母液晶との割合は、15重量%:85重量%である。

化合物の誘電率異方性が正のときは、下記の母液晶(i)を用いた。 母液晶(i):

化合物の誘電率異方性が負のときは、下記の母液晶(ii)を用いた。 母液晶(ii):

測定方法 特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA;Japan Electronics and Information Technology Industries Association)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。

(1)相構造 偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート(メトラー社FP−52型ホットステージ)に試料を置いた。この試料を3℃/分の速度で加熱しながら相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相の種類を特定した。

(2)転移温度(℃) 測定にはパーキンエルマー社製の走査熱量計、Diamond DSCシステムまたはエスエスアイ・ナノテクノロジー社製の高感度示差走査熱量計、X−DSC7000を用いた。試料は、3℃/分の速度で昇降温した。試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピークの開始点を外挿により求め、転移温度を決定した。化合物の融点、重合開始温度もこの装置を使って測定した。化合物が固体からスメクチック相、ネマチック相などの液晶相に転移する温度を「液晶相の下限温度」と略すことがある。化合物が液晶相から液体に転移する温度を「透明点」と略すことがある。

結晶はCと表した。結晶の種類の区別がつく場合は、それぞれをC1、C2のように表した。スメクチック相はS、ネマチック相はNと表した。スメクチック相の中で、スメクチックA相、スメクチックB相、スメクチックC相、またはスメクチックF相の区別がつく場合は、それぞれSA、SB、SC、またはSFと表した。液体(アイソトロピック)はIと表した。転移温度は、例えば、「C 50.0 N 100.0 I」のように表記した。これは、結晶からネマチック相への転移温度が50.0℃であり、ネマチック相から液体への転移温度が100.0℃であることを示す。

(3)ネマチック相の上限温度(TNIまたはNI;℃) 偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。試料が化合物(1)と母液晶との混合物であるときは、TNIの記号で示した。試料が化合物(1)と化合物(2)〜(15)のような化合物との混合物であるときは、NIの記号で示した。

(4)ネマチック相の下限温度(TC;℃) ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TCを≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。

(5)化合物の相溶性 類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を有する母液晶を調製した。この母液晶に測定する化合物を添加した。混合する割合の一例は、15重量%の化合物と85重量%の母液晶である。この組成物を−20℃、−30℃のような低い温度で30日間保管した。この組成物の一部が結晶(またはスメクチック相)に変化したか否かを観察した。必要に応じて混合する割合と保管温度とを変更した。このようにして測定した結果から、結晶(またはスメクチック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求めた。これらの条件が相溶性の尺度である。

(6)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s) 粘度は、東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いて測定した。

(7)光学異方性(屈折率異方性;25℃で測定;Δn) 測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。

(8)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm) 電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。

(9)電圧保持率(VHR−1;25℃で測定;%) 測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。

(10)電圧保持率(VHR−2;80℃で測定;%) 25℃の代わりに、80℃で測定した以外は、上記と同じ手順で電圧保持率を測定した。結果をVHR−2の記号で示した。

誘電率異方性が正の試料と負の試料とでは、物性の測定法が異なることがある。誘電率異方性が正であるときの測定法は、項(11a)〜(15a)に記載した。誘電率異方性が負の場合は、項(11b)〜(15b)に記載した。

(11a)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s) 正の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。

(11b)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s) 負の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmのVA素子に試料を入れた。この素子に39ボルト〜50ボルトの範囲で1ボルト毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算に必要な誘電率異方性は、下記の誘電率異方性の項で測定した値を用いた。

(12a)誘電率異方性(Δε;25℃で測定) 正の誘電率異方性:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。

(12b)誘電率異方性(Δε;25℃で測定) 負の誘電率異方性:誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。 1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。 2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。

(13a)弾性定数(K;25℃で測定;pN) 正の誘電率異方性:測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブックク」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数Kは、このようにして求めたK11、K22およびK33の平均値で表した。

(13b)弾性定数(K11およびK33;25℃で測定;pN) 負の誘電率異方性:測定には株式会社東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向素子に試料を入れた。この素子に20ボルトから0ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。静電容量(C)と印加電圧(V)の値を、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。

(14a)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V) 正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。

(14b)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V) 負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。

(15a)応答時間(τ;25℃で測定;ms) 正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。

(15b)応答時間(τ;25℃で測定;ms) 負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.2μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のPVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子にしきい値電圧を若干超える程度の電圧を1分間印加し、次に5.6Vの電圧を印加しながら23.5mW/cm2の紫外線を8分間照射した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。

〔液晶性化合物の実施例〕 液晶性化合物の実施例等を以下に示す。

[実施例1] 1,9−ジ(4−(4−フルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノンの合成[化合物(1−102)]

〈第1工程〉 25.0g(121.94mmol)の化合物(r—1)、20.5g(146.3mmol)の化合物(r—2)、1.3gの5重量%−パラジウムカーボン(Pd/C)、33.7g(244mmol)の炭酸カリウムと7.9g(322.4mmol)のテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)をトルエン/ソルミックス/水(75mL/75mL/75mL)の混合溶媒へ懸濁させ20時間加熱還流した。反応混合物を室温まで放冷した後、反応懸濁液をろ紙で濾過後トルエンにて抽出した。抽出液を水(150ml)および飽和食塩水(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/トルエン=3/1(容積比))によって精製し、23.9g(108.4mmol)の化合物(r−3)を収率88.9%で得た。

〈第2工程〉 23.9g(108.4mmol)の化合物(r−3)のジクロロメタン(470ml)溶液を−20℃に冷却し、162.7mL(162.7mmol)の三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(17重量%, 約1mol/l)を滴下後、室温まで昇温させ終夜撹拌した。反応混合物を氷水200mlへ注ぎ、炭酸水素ナトリウム水溶液100mlを加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水200mlおよび飽和食塩水200mlにて洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=4/1)によって分取後、再結晶(溶媒:ヘプタン/酢酸エチル=10/1)にて精製し、15.9g(77.1mmol)の化合物(r−4)を収率71.1%で得た。

〈第3工程〉 19.80g(614.8mmol)のマグネシウムを230mLのテトラヒドロフランに懸濁させ、100.0g(740.7mmol)の化合物(r−5)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(150ml)を滴下した。1時間加熱還流した後、室温まで放冷し、20mlのTHFに溶解させた20.02g(333.3mmol)のギ酸メチルを滴下し、室温にて終夜撹拌した。反応混合物を300mLの塩化アンモニウム水溶液へ注ぎこみ、ジクロロエタンにて抽出した。抽出液を水200mLおよび飽和食塩水200mLにて洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=6/1(容積比))にて精製し、46.8g(333.3mmol)の化合物(r−6)を定量的に得た。

〈第4工程〉 470mLのジクロロメタンに溶解させた46.8g(333.3mmol)の化合物(r−6)を0℃に冷却し、155.5g(366.7mmol)のデスマーチン・ペルヨージナンを少しずつ加えた後、室温まで昇温し5時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液300mlへ注ぎ、亜硫酸ナトリウムを加え、ジクロロメタンにて抽出後有機層を合わせ、水200mlおよび飽和食塩水200mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=8/1(容積比))によって精製し、40.1g(333.3mmol)の化合物(r−7)を定量的に得た。

〈第5工程〉 トルエン900mLへ溶解させた40.1g(333.3mmol)の化合物(r−7)と22.8g(366.7mmol)のエチレングリコール、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.444g,2.33mmol)をDean−Stark装置によって水を除去しながら8時間加熱還流した。反応混合物を室温まで放冷したのち、炭酸水素ナトリウム水溶液300mLへ注ぎこみ、ジクロロメタンにて抽出した。抽出液を水200mLおよび飽和食塩水200mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=20/1(容積比))によって精製し、56.7g(310.9mmol)の化合物(r−8)を収率93.3%で得た。

〈第6工程〉 THF200mLへ溶解させた83.7g(1102mmol)のジメチルスルフィドボランを−10℃に冷却し、THF600mlに溶解させた154.6g(2205mmol)の2−メチル−2−ブテンを滴下した。0℃で2時間撹拌後、THF310mLに溶解させた43.1g(236.9mmol)の化合物(r−8)を滴下した。0℃で2時間撹拌した後、室温まで昇温させ同温にて終夜撹拌し、その後6Nの水酸化ナトリウム水溶液250.5mL、30重量%過酸化水素507.2mL、エタノール731.4mLをそれぞれゆっくり滴下した。50℃で3時間撹拌し、反応混合物を室温まで放冷した。ジエチルエーテルにて抽出後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=100/5(容積比))によって精製し、51.3g(234.9mmol)の化合物(r−9)を収率93.8%で得た。

〈第7工程〉 7.21g(33.0mmol)の化合物(r−9)、13.6g(66.1mmol)の化合物(r−4)、26.0g(99.1mmol)のトリフェニルホスフィンの240mLTHF溶液を0℃に冷却し、そこへ45.0mL(99.1mmol)のアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD;40重量%トルエン溶液, 約2.2mol/L)を滴下し、反応混合物を室温まで昇温後終夜で撹拌した。酢酸エチルにて抽出した後、抽出液を水100mLおよび飽和食塩水100mlLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=4/1(容積比))によって精製し、12.0g(20.2mmol)の化合物(r−10)を収率61.1%で得た。

〈第8工程〉 125mLのジクロロエタンに溶解させた12.0g(20.2mmol)の化合物(r−10)に、23.0g(201.5mmol)のトリフルオロ酢酸を少しずつ加え、反応混合物を終夜で撹拌した。反応溶液を水に注ぎ酢酸エチルにて抽出し、抽出液を水100mlおよび飽和食塩水100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=3/1(容積比))によって精製し、10.9g(19.9mmol)の化合物(1−102)を収率98.6%で得た。 1H−NMR(CDCl3;δppm):7.47−7.44(4H,m),7.29(2H,t,J=8.8Hz),7.13−7.08(4H,m),6.74(2H,dd,J=2.5Hz,8.5Hz),6.69(2H,dd,J=2.5,12.4),3.98(4H,t,J=5.9Hz),2.53(4H,t,J=6.9Hz),1.82−1.76(8H,m),1.35(3H,t,J=6.9Hz).

転移温度は化合物(1−102)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−102)を母液晶iと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−102)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr 75.8 Iso. TNI=37.7℃,Δε=5.1,Δn=0.147.

[実施例2] 1,9−ジ(4−(4−フルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−プロピルノナンの合成[化合物(1−104)]

〈第1工程〉 15.01mL(15.5mmol)の臭化n−プロピルマグネシウムテトラヒドロフラン溶液(1.02mol/L)へ9.45mL(5.67mmol)の塩化ランタンビス塩化リチウム錯体(0.6mol/l)を加えた後0℃に冷却し、そこへTHF30mLへ溶解させた2.84g(5.16mmol)の化合物(1−102)を滴下し、室温にて終夜撹拌した。反応混合物を1N塩酸20mlへ注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水30mlおよび飽和食塩水30mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=4/1(容積比))によって精製し、3.07g(5.16mmol)の化合物(r−11)を定量的に得た。

〈第2工程〉 ジクロロメタン16mlへ溶解させた2.74g(4.61mmol)の化合物(r−11)の溶液を−60℃に冷却し、ジクロロメタン11mlに溶解させた0.54g(4.61mmol)のトリエチルシランの溶液を滴下し、−60℃で20分間撹拌した。その後1.31g(9.22mol)の三フッ化ホウ素エーテル錯体を滴下し室温まで昇温し終夜撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水20mlおよび飽和食塩水20mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=40/1(容積比))によって精製し、1.65g(2.85mmol)の化合物(1−104)を収率72.0%で得た。

転移温度は化合物(1−104)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−104)を母液晶iと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−104)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Gr −39.4 Iso. TNI=−34.3℃,Δε=6.5,Δn=0.07.

[実施例3] 1,9−ジ(4−(4−フルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5,5−ジフルオロノナンの合成[化合物(1−103)] 第1工程: ジクロロエタン30mlへ溶解させた5.0g(9.08mmol)の化合物(1−102)を0〜5℃に冷却し、14.6g(90.8mmol)の三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)のジクロロエタン(30ml)溶液を滴下した。80℃で26時間加熱撹拌した後室温まで冷却した後、反応混合物を飽和重曹水に注ぎ込んだ。トルエンで抽出後、抽出液を水40mlおよび飽和食塩水40mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=8/1→4/1(容積比))によって精製し、1.8g(3.20mmol)の化合物(1−103)を収率35.2%で得た。

1H−NMR(CDCl3;δppm):7.47−7.44(4H,m),7.29(2H,t,J=8.9Hz),7.13−7.08(4H,m),6.75(2H,dd,J=2.5Hz,8.5Hz),6.70(2H,dd,J=2.4Hz,12.4),4.00(4H,t,J=6.3Hz),1.98−1.81(8H,m),1.73−1.67(4H,m).

転移温度は化合物(1−103)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−103)を母液晶iと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−103)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr1 61.7 Cr2 98.0 Iso. TNI=18.4℃,Δε=8.5,Δn=0.104. [実施例4] 1,5−ジ(4−(4−フルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−3−メチルペンタンの合成[化合物(1−1)]

〈第1工程〉 窒素雰囲気下、25mLのTHFへ分散させた2.96gの水素化アルミニウムリチウムへ、氷冷下50mLのTHFへ溶解させた5.0gの3-メチルグルタル酸無水物(r−12)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応溶液に100mLのトルエンを加え、さらに飽和硫酸ナトリウム水溶液をガム状沈殿物が出来るまで滴下した。有機層とガム状物質とをデカンテーションにて分離し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、3.75gの3−メチル−1,5−ペンタンジオール[化合物(r−13)]を得た。

〈第2工程〉 窒素雰囲気下、200mLのTHFへ3.75gの化合物(r−13)、13.1gの化合物(r−3)、20.0gのトリフェニルホスフィンを溶解させ、そこへ氷冷下34.6mLのDEADトルエン溶液(2.2mol/L)をゆっくりと滴下し、室温で終夜撹拌した。反応溶液の溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=1/9(容積比))による分取操作で精製し、さらにヘプタン/ソルミックス(登録商標)A−11=1/2(容量比)からの再結晶により精製し、6.5gの1,5−ジ(4−(4−フルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−3−メチルペンタンの合成[化合物(1−1)]を得た。

1H−NMR(CDCl3 δ[ppm]);7.44(dd,4H),7.27(t,2H),7.08(dd,1H),6.74(dd,2H),6.69(dd,2H),4.07−4.00(m,4H),2.03−1.99(m,1H),1.95−1.88(m,2H),1.73−1.66(m,2H),1.05(d,3H).

転移温度は化合物(1−1)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−1)を母液晶iと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−1)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr1 66.4 Cr2 93.7 Iso. TNI=−0.3℃,Δε=9.90,Δn=0.117.

[実施例5] 1,9−ジ(4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノンの合成[化合物(1−122)]

〈第1工程〉 窒素雰囲気下、200mLのTHFへ溶解させた20.0g(91.6mmol)の化合物(r−9)、35.2g(184.0mmol)の化合物(r−14)、50.67g(193.2mmol)のトリフェニルホスフィンへ、氷冷下83.8gのDEAD40%トルエン溶液(192.5mmol)を滴下し、室温で終夜撹拌した。反応溶液の減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン)による分取操作で精製し、27.8gの化合物(r−15)を得た。

〈第2工程〉 270mLのジクロロエタンに溶解させた26.8g(47.5mmol)の化合物(r−15)に、53.3g(467.3mmol)のトリフルオロ酢酸を少しずつ加え、反応混合物を終夜で撹拌した。反応溶液を水に注ぎ酢酸エチルにて抽出し、抽出液を水300mlおよび飽和食塩水300mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=2/1(容積比))によって精製し、22.0g(42.3mmol)の化合物(r−16)を得た。

〈第3工程〉 14.0g(27.0mmol)の化合物(r—16)、16.4g(51.3mmol)の化合物(r—17)、1.55g(1.34mmol)のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、16.8g(121mmol)の炭酸カリウムと4.35g(13.5mmol)のテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)をトルエン/1−ブタノール(90mL/75mL)の混合溶媒へ懸濁させ5時間加熱還流した。反応混合物を室温まで放冷した後、トルエンにて抽出した。抽出液を水(150ml)および飽和食塩水(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=2/1(容積比))による分取操作で精製し、さらに再結晶により精製し、5.7gの1,9−ジ(4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノン[化合物(1−122)]を得た。

1H−NMR(CDCl3 δ[ppm]);7.23(t,2H),7.00(td,2H),6.78(td,2H),6.74(dd,2H),6.69(dd,2H),4.15(q,4H),3.98(t,4H)2.53(t,4H),1.84−1.76(m,8H),1.48(t,3H).

転移温度は化合物(1−122)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−122)を母液晶iiと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−122)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr 122 Iso. TNI=74.3℃,Δε=−7.71,Δn=0.187.

[実施例6] 1,9−ジ(4−(3,5−ジフルオロ−4−((3,4,5−トリフルオロフェノキシ)ジフルオロメチル)フェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノンの合成[化合物(1−367)]

〈第3工程〉 7.36g(14.1mmol)の化合物(r—16)、11.0g(31.1mmol)の化合物(r—18)、0.072g(0.10mmol)のビス(ジtert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd−132)、5.87g(42.4mmol)の炭酸カリウムをトルエン/ソルミックス/水(30mL/5mL/10mL)の混合溶媒へ懸濁させ5時間加熱還流した。反応混合物を室温まで放冷した後、トルエンにて抽出した。抽出液を水(150ml)および飽和食塩水(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=2/1(容積比))による分取操作で精製し、さらにヘプタン/酢酸エチル=9/1(容量比)からの再結晶により精製し、5.92gの1,9−ジ(4−(3,5−ジフルオロ−4−((3,4,5−トリフルオロフェノキシ)ジフルオロメチル)フェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノン[化合物(1−367)]を得た。

1H−NMR(CDCl3 δ[ppm]);7.34(t,2H),7.17(d,4H),7.00(td,4H),6.77(dd,2H),6.70(dd,2H),4.00(t,4H),2.53(t,4H),1.85−1.75(m,8H).

転移温度は化合物(1−367)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−367)を母液晶iiと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−367)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr1 87.7 Cr2 97.2 Iso. TNI=57.7℃,Δε=9.7,Δn=0.157.

[実施例7] 1,9−ジ(4−(4−フルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノールの合成[化合物(1−361)]

〈第1工程〉 窒素雰囲気下、10mLのTHFへ分散させた0.234g(6.17mmol)の水素化アルミニウムリチウムへ、氷冷下10mLのTHFへ溶解させた2.19g(3.98mmol)の化合物(1−102)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応溶液に20mLのトルエンを加え、さらに飽和硫酸ナトリウム水溶液をガム状沈殿物が出来るまで滴下した。有機層とガム状物質とをデカンテーションにて分離し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=2/1(容積比))による分取操作で精製し、さらにヘプタンからの再結晶により精製し、1.85gの1,9−ジ(4−(4−フルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノール[化合物(1−361)]を得た。

1H−NMR(CDCl3;δppm):7.47−7.44(m,4H),7.29(2H,t,J=8.8Hz),7.10(tt,4H,m),6.74(dd,2H,J=2.5Hz,8.5Hz),6.69(dd,2H,J=2.5Hz,12.4Hz),3.99(t,4H,J=6.4Hz)、3.68(1H,s),1.83(sex,4H),1.67−1.50(8H,m),1.39(1H,d,J=11.5Hz).

転移温度は化合物(1−367)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−367)を母液晶iと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−367)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr 80.5 Iso. TNI=46.7℃,Δε=11.7,Δn=0.147.

[実施例8] 1,9−ジ(4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−エテニルノナンの合成[化合物(1−124)]

〈第1工程〉 窒素雰囲気下、20mLのTHFへ懸濁させた1.98g(5.78mmol)のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドへ−30℃にて0.65g(5.78mmol)のtertブトキシカリウムを加え、同温で1時間撹拌した。そこへTHF20mLに溶解させた化合物(1−122)3.00g(4.45mmol)を同温で滴下した後室温まで昇温し20時間撹拌した。反応溶液を水へあけ、トルエンで抽出後有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン)による分取操作で精製し、3.12gの残渣物を得た。 トルエン30mLへ溶解させた3.12g(4.45mmol)の残渣物へ0.27g(0.87mmol)のTBAB、6.10mLのギ酸を加え、室温で40時間撹拌した。有機相を分離し、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン)によって精製し、3.0g(4.34mmol)の化合物(r−17)を得た。

〈第2工程〉 窒素雰囲気下、20mLのTHFへ懸濁させた1.70g(4.76mmol)のメチルトリフェニルホスホニウムブロミドへ−30℃にて0.53g(4.76mmol)のtertブトキシカリウムを加え、同温で1時間撹拌した。そこへTHF30mLに溶解させた化合物(r−17)2.73g(3.96mmol)を同温で滴下した後室温まで昇温し15時間撹拌した。反応溶液を水へあけ、トルエンで抽出後有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/トルエン=1/2(容積比))による分取操作で精製し、さらにヘプタン/トルエン=7/1(容量比)からの再結晶により精製し、2.72gの1,9−ジ(4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−エテニルノナン[化合物(1−124)]を得た。

1H−NMR(CDCl3 δ[ppm]);7.23(t,2H),7.00(td,2H),6.76(td,2H),6.75(dd,2H),6.70(dd,2H),5.54(qd,1H),5.01(td,2H),4.15(q,4H),3.97(t,4H),2.03−12.00(m,1H),1.84−1.73(m,4H),1.54−1.29(m,8H),1.48(t,3H).

転移温度は化合物(1−124)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−124)を母液晶iiと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−124)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :SmC 5.2 Iso. TNI=23.6℃,Δε=−6.30,Δn=0.140.

[実施例9] 1,9−ジ(4−(3,5−ジフルオロ−4−((3,4,5−トリフルオロフェノキシ)ジフルオロメチル)フェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノールの合成[化合物(1−363)]

〈第1工程〉 窒素雰囲気下、15mLのTHFへ分散させた0.175g(4.60mmol)の水素化アルミニウムリチウムへ、氷冷下45mLのTHFへ溶解させた3.00g(3.07mmol)の化合物(1−367)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応溶液に20mLのトルエンを加え、さらに飽和硫酸ナトリウム水溶液をガム状沈殿物が出来るまで滴下した。有機層とガム状物質とをデカンテーションにて分離し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=1/1(容積比))による分取操作で精製し、さらにヘプタンからの再結晶により精製し、1.80gの1,9−ジ(4−(3,5−ジフルオロ−4−((3,4,5−トリフルオロフェノキシ)ジフルオロメチル)フェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−ノナノール[化合物(1−363)]を得た。

1H−NMR(CDCl3 δ[ppm]);7.34(t,2H),7.17(d,4H),6.98(td,4H),6.79(dd,2H),6.72(dd,2H),4.01(t,4H),3.69(s,1H),1.92−1.81(m,4H),1.71−1.48(m,8H),1.38(s,1H).

転移温度は化合物(1−363)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−363)を母液晶iと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−367)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr 71.2 N 74.3 Iso. TNI=63.0℃,Δε=8.57,Δn=0.157.

[実施例10] 1,9−ジ(4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−(2−プロペニル)ノナンの合成[化合物(1−366)]

〈第1工程〉 窒素雰囲気下、60mLのTHFへ懸濁させた6.90g(20.1mmol)のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドへ−30℃にて2.26g(20.1mmol)のtertブトキシカリウムを加え、同温で1時間撹拌した。そこへTHF60mLに溶解させた化合物(r−17)9.24g(13.4mmol)を同温で滴下した後室温まで昇温し2時間撹拌した。反応溶液を水へあけ、トルエンで抽出後有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン)による分取操作で精製し、9.62gの残渣物を得た。 トルエン65mLへ溶解させた6.54g(9.12mmol)の残渣物へ0.88g(2.74mmol)のTBAB、19.6mLのギ酸を加え、室温で18時間撹拌した。有機相を分離し、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル=19/1(容積比))によって精製し、6.41g(9.12mmol)の化合物(r−18)を得た。

〈第2工程〉 窒素雰囲気下、60mLのTHFへ懸濁させた3.91g(10.9mmol)のメチルトリフェニルホスホニウムブロミドへ−30℃にて1.22g(10.9mmol)のtertブトキシカリウムを加え、同温で1時間撹拌した。そこへTHF30mLに溶解させた化合物(r−18)6.41g(9.12mmol)を同温で滴下した後室温まで昇温し15時間撹拌した。反応溶液を水へあけ、トルエンで抽出後有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/トルエン=1/2(容積比))による分取操作で精製し、5.64gの1,9−ジ(4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロフェニルオキシ)−5−(2−プロペニル)ノナンの合成[化合物(1−366)]を得た。

1H−NMR(CDCl3 δ[ppm]);7.23(t,2H),7.00(td,2H),6.76(td,2H),6.75(dd,2H),6.70(dd,2H),5.81−5.74(m,1H),5.03−5.00(m,2H),4.15(q,4H),3.98(t,4H),2.07(t,2H),1.79(quin,4H),1.52−1.43(m,5H),1.48(t,6H),1.37−1.33(m,4H).

転移温度は化合物(1−366)自体の測定値とし、上限温度(TNI)、誘電率異方性値(Δε)および光学異方性値(Δn)は、化合物(1−366)を母液晶iiと混合してなる試料の測定値を、上記外挿法に従って換算した外挿値とした。化合物(1−366)の物性値は、以下のとおりであった。

転移温度 :Cr<−50℃ TNI=7.6℃,Δε=−6.00,Δn=0.127.

〔バイメソゲン化合物の例示〕 実施例1〜10に記載された合成方法と同様の方法により、以下に示す、化合物(1−1)〜(1−370)を合成することができる。なお、実施例1〜10で合成した液晶性化合物も例示している。

〔液晶組成物の実施例〕 液晶組成物の実施例等を以下に示す。

液晶組成物の成分である各化合物の記号による表記方法を表1に示す。表中、1,4−シクロへキシレンの立体配置は、トランス配置である。各化合物の割合(百分率)は、特に断りのない限り、液晶組成物の全質量に基づいた質量百分率(重量%)である。 なお、各実施例で使用する液晶性化合物の部分に記載した番号は、上述した成分A〜Eの化合物番号に対応している。化合物番号を記載せずに、単に「−」と記載した場合には、この化合物は、これら成分には対応をしていないその他の化合物であることを意味している。

表1

[使用例1] 3−HB−O2 (2−5) 10% 5−HB−CL (5−2) 13% 3−HBB(F,F)−F (6−24) 7% 3−PyB(F)−F (5−15) 10% 5−PyB(F)−F (5−15) 10% 3−PyBB−F (6−80) 10% 4−PyBB−F (6−80) 10% 5−PyBB−F (6−80) 10% 5−HBB(F)B−2 (4−5) 7% 5−HBB(F)B−3 (4−5) 8% 化合物(1−1) 8% NI=87.6℃;η=43.8mPa・s;Δn=0.184;Δε=8.3.

[使用例2] 2−HB−C (8−1) 5% 3−HB−C (8−1) 12% 3−HB−O2 (2−5) 15% 2−BTB−1 (2−10) 3% 3−HHB−F (6−1) 4% 3−HHB−1 (3−1) 8% 3−HHB−O1 (3−1) 5% 3−HHB−3 (3−1) 12% 3−HHEB−F (6−11) 3% 5−HHEB−F (6−11) 2% 2−HHB(F)−F (6−2) 6% 3−HHB(F)−F (6−2) 6% 5−HHB(F)−F (6−2) 6% 3−HHB(F,F)−F (6−3) 5% 化合物(1−102) 8% NI=90.5℃;η=24.5mPa・s;Δn=0.103;Δε=4.6.

[使用例3] 7−HB(F,F)−F (5−4) 3% 3−HB−O2 (2−5) 7% 2−HHB(F)−F (6−2) 10% 3−HHB(F)−F (6−2) 10% 5−HHB(F)−F (6−2) 9% 2−HBB(F)−F (6−2) 9% 3−HBB(F)−F (6−2) 8% 5−HBB(F)−F (6−2) 14% 2−HBB−F (6−22) 4% 3−HBB−F (6−22) 4% 5−HBB−F (6−22) 3% 3−HBB(F,F)−F (6−24) 3% 5−HBB(F,F)−F (6−24) 6% 化合物(1−104) 10% NI=74.8℃;η=38.5mPa・s;Δn=0.110;Δε=5.5.

[使用例4] 5−HB−CL (5−2) 16% 3−HH−4 (2−1) 12% 3−HH−5 (2−1) 4% 3−HHB−F (6−1) 4% 3−HHB−CL (6−1) 3% 4−HHB−CL (6−1) 4% 3−HHB(F)−F (6−2) 10% 4−HHB(F)−F (6−2) 8% 5−HHB(F)−F (6−2) 7% 7−HHB(F)−F (6−2) 8% 5−HBB(F)−F (6−23) 4% 1O1−HBBH−5 (4−1) 3% 3−HHBB(F,F)−F (7−6) 2% 4−HHBB(F,F)−F (7−6) 3% 5−HHBB(F,F)−F (7−6) 3% 3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3% 4−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3% 化合物(1−103) 3%

[使用例5] 3−HHB(F,F)−F (6−3) 8% 3−H2HB(F,F)−F (6−15) 7% 4−H2HB(F,F)−F (6−15) 8% 5−H2HB(F,F)−F (6−15) 7% 3−HBB(F,F)−F (6−23) 20% 5−HBB(F,F)−F (6−23) 20% 3−H2BB(F,F)−F (6−27) 10% 5−HHBB(F,F)−F (7−6) 3% 5−HHEBB−F (7−17) 2% 3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3% 1O1−HBBH−4 (4−1) 4% 1O1−HBBH−5 (4−1) 4% 化合物(1−105) 4%

[使用例6] 5−HB−F (5−1) 12% 6−HB−F (5−1) 9% 7−HB−F (5−1) 7% 2−HHB−OCF3 (6−1) 7% 3−HHB−OCF3 (6−1) 7% 4−HHB−OCF3 (6−1) 7% 5−HHB−OCF3 (6−1) 5% 3−HH2B−OCF3 (6−4) 4% 5−HH2B−OCF3 (6−4) 4% 3−HHB(F,F)−OCF2H (6−3) 3% 3−HHB(F,F)−OCF3 (6−3) 5% 3−HH2B(F)−F (6−5) 3% 3−HBB(F)−F (6−23) 10% 5−HBB(F)−F (6−23) 10% 5−HBBH−3 (4−1) 3% 3−HB(F)BH−3 (4−2) 3% 化合物(1−106) 1%

[使用例7] 5−HB−CL (5−2) 11% 3−HH−4 (2−1) 7% 3−HHB−1 (3−1) 5% 3−HHB(F,F)−F (6−3) 8% 3−HBB(F,F)−F (6−24) 20% 5−HBB(F,F)−F (6−24) 13% 3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10% 4−HHEB(F,F)−F (6−12) 3% 5−HHEB(F,F)−F (6−12) 3% 2−HBEB(F,F)−F (6−39) 3% 3−HBEB(F,F)−F (6−39) 4% 5−HBEB(F,F)−F (6−39) 3% 3−HHBB(F,F)−F (7−6) 5% 化合物(1−102) 5%

[使用例8] 3−HB−CL (5−2) 6% 5−HB−CL (5−2) 4% 3−HHB−OCF3 (6−1) 5% 3−H2HB−OCF3 (6−13) 5% 5−H4HB−OCF3 (6−19) 15% V−HHB(F)−F (6−2) 5% 3−HHB(F)−F (6−2) 5% 5−HHB(F)−F (6−2) 5% 3−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 7% 5−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 8% 5−H2HB(F,F)−F (6−15) 5% 5−H4HB(F,F)−F (6−21) 7% 2−H2BB(F)−F (6−26) 5% 3−H2BB(F)−F (6−26) 10% 3−HBEB(F,F)−F (6−39) 5% 化合物(1−107) 3%

[使用例9] 5−HB−CL (5−2) 15% 7−HB(F,F)−F (5−4) 3% 3−HH−4 (2−1) 7% 3−HH−5 (2−1) 5% 3−HB−O2 (2−5) 15% 3−HHB−1 (3−1) 8% 3−HHB−O1 (3−1) 5% 2−HHB(F)−F (6−2) 7% 3−HHB(F)−F (6−2) 7% 5−HHB(F)−F (6−2) 7% 3−HHB(F,F)−F (6−3) 6% 3−H2HB(F,F)−F (6−15) 5% 4−H2HB(F,F)−F (6−15) 5% 化合物(1−51) 5%

[使用例10] 5−HB−CL (5−2) 3% 7−HB(F)−F (5−3) 7% 3−HH−4 (2−1) 8% 3−HH−EMe (2−2) 23% 3−HHEB−F (6−10) 6% 5−HHEB−F (6−10) 8% 3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10% 4−HHEB(F,F)−F (6−12) 5% 4−HGB(F,F)−F (6−103) 4% 5−HGB(F,F)−F (6−103) 6% 2−H2GB(F,F)−F (6−106) 4% 3−H2GB(F,F)−F (6−106) 5% 5−GHB(F,F)−F (6−109) 7% 化合物(1−121) 4%

[使用例11] 3−HB−O1 (2−5) 15% 3−HH−4 (2−1) 5% 3−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 12% 5−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 12% 2−HHB(2F,3F)−1 (10−1) 11% 3−HHB(2F,3F)−1 (10−1) 12% 3−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 10% 5−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 13% 3−HHB−1 (3−1) 6% 化合物(1−111) 4%

[使用例12] 2−HH−5 (2−1) 3% 3−HH−4 (2−1) 15% 3−HH−5 (2−1) 4% 3−HB−O2 (2−5) 10% 3−H2B(2F,3F)−O2 (9−4) 15% 5−H2B(2F,3F)−O2 (9−4) 14% 3−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 5% 2−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 3% 3−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 8% 5−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 9% 3−HHB−1 (3−1) 3% 3−HHB−3 (3−1) 3% 3−HHB−O1 (3−1) 3% 化合物(1−114) 4%

[使用例13] 2−HH−3 (2−1) 17% 3−HH−4 (2−1) 9% 1−BB−3 (2−8) 7% 3−HB−O2 (2−5) 2% 3−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 9% 5−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 5% 2−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 11% 3−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 21% 3−HHB−1 (3−1) 4% 3−HHB−O1 (3−1) 3% 5−B(F)BB−2 (3−8) 2% 化合物(1−1) 4% 化合物(1−102) 6% NI=71.9℃;η=27.4mPa・s;Δn=0.102;Δε=−3.0.

[使用例14] 2−HH−3 (2−1) 13% 7−HB−1 (2−5) 10% 5−HB−O2 (2−5) 8% 3−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 17% 5−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 13% 3−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 3% 5−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 2% 3−HH1OCro(7F,8F)−5 (13−6) 5% 5−HBB(F)B−2 (4−5) 9% 5−HBB(F)B−3 (4−5) 9% 化合物(1−104) 8% 化合物(1−103) 3%

[使用例15] 1−BB−3 (2−8) 9% 3−HH−V (2−1) 26% 3−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 13% 2−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 20% 3−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 13% 3−HHB−1 (3−1) 7% 5−B(F)BB−2 (3−8) 6% 化合物(1−105) 3% 化合物(1−106) 3%

[使用例16] 2−HH−3 (2−1) 6% 3−HH−V1 (2−1) 8% 1V2−HH−1 (2−1) 8% 1V2−HH−3 (2−1) 7% 3−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 7% 5−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 4% 3−H1OB(2F,3F)−O2 (9−5) 7% 2−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 8% 3−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 16% 3−HDhB(2F,3F)−O2 (−) 7% 3−HHB−1 (3−1) 3% 3−HHB−3 (3−1) 2% 2−BB(2F,3F)B−3 (11−1) 10% 化合物(1−101) 3% 化合物(1−107) 4%

[使用例17] 1V2−BEB(F,F)−C (8−15) 6% 3−HB−C (8−1) 15% 2−BTB−1 (2−10) 9% 5−HH−VFF (2−1) 27% 3−HHB−1 (3−1) 4% VFF−HHB−1 (3−1) 8% VFF2−HHB−1 (3−1) 11% 3−H2BTB−2 (3−17) 4% 3−H2BTB−3 (3−17) 4% 3−H2BTB−4 (3−17) 4% 化合物(1−71) 5% 化合物(1−121) 3%

[使用例18] 5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−41) 5% 3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3% 4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 7% 5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3% 3−HH−V (2−1) 39% 3−HH−V1 (2−1) 6% 3−HHEH−5 (3−13) 3% 3−HHB−1 (3−1) 3% V−HHB−1 (3−1) 5% V2−BB(F)B−1 (3−6) 4% 1V2−BB—F (5−1) 3% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 11% 3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3% 化合物(1−111) 5%

[使用例19] 3−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−57) 5% 3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3% 4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 7% 5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3% 3−HH−V (2−1) 40% 3−HH−V1 (2−1) 6% 3−HHEH−5 (3−13) 3% 3−HHB−1 (3−1) 4% V−HHB−1 (3−1) 5% V2−BB(F)B−1 (3−6) 4% 1V2−BB—F (5−1) 3% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 6% 3−GB(F,F)XB(F,F)−F (6−113) 4% 3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3% 化合物(1−114) 4%

[使用例20] 7−HB(F,F)−F (5−4) 3% 3−HB−O2 (2−5) 7% 2−HHB(F)−F (6−2) 8% 3−HHB(F)−F (6−2) 8% 5−HHB(F)−F (6−2) 10% 2−HBB(F)−F (6−23) 10% 3−HBB(F)−F (6−23) 10% 5−HBB(F)−F (6−23) 14% 2−HBB−F (6−22) 4% 3−HBB−F (6−22) 4% 5−HBB−F (6−22) 3% 3−HBB(F,F)−F (6−24) 3% 5−HBB(F,F)−F (6−24) 6% 化合物(1−361) 10% NI=82.6℃;η=39.3mPa・s;Δn=0.119;Δε=6.0.

[使用例21] 3−HB−O1 (2−5) 15% 3−HH−4 (2−1) 5% 3−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 11% 5−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 12% 2−HHB(2F,3F)−1 (10−1) 12% 3−HHB(2F,3F)−1 (10−1) 12% 3−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 12% 5−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 12% 3−HHB−1 (3−1) 6% 化合物(1−122) 3% NI=85.5℃;η=38.7mPa・s;Δn=0.093;Δε=−3.5.

[使用例22] 5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−41) 5% 3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3% 4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 6% 5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3% 3−HH−V (2−1) 40% 3−HH−V1 (2−1) 6% 3−HHEH−5 (3−13) 3% 3−HHB−1 (3−1) 3% V−HHB−1 (3−1) 5% V2−BB(F)B−1 (3−6) 4% 1V2−BB—F (5−1) 3% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 11% 3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3% 化合物(1−367) 5% NI=81.0℃;η=18.5mPa・s;Δn=0.109;Δε=6.5.

[使用例23] 2−HH−5 (2−1) 3% 3−HH−4 (2−1) 15% 3−HH−5 (2−1) 4% 3−HB−O2 (2−5) 10% 3−H2B(2F,3F)−O2 (9−4) 15% 5−H2B(2F,3F)−O2 (9−4) 14% 3−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 5% 2−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 4% 3−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 8% 5−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 9% 3−HHB−1 (3−1) 3% 3−HHB−3 (3−1) 3% 3−HHB−O1 (3−1) 4% 化合物(1−124) 3%

[使用例24] 5−HB−CL (2−5) 3% 7−HB(F)−F (5−3) 7% 3−HH−4 (2−1) 8% 3−HH−EMe (2−2) 23% 3−HHEB−F (6−10) 5% 5−HHEB−F (6−10) 8% 3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10% 4−HHEB(F,F)−F (6−12) 5% 4−HGB(F,F)−F (6−103) 4% 5−HGB(F,F)−F (6−103) 6% 2−H2GB(F,F)−F (6−106) 4% 3−H2GB(F,F)−F (6−106) 5% 5−GHB(F,F)−F (6−109) 7% 化合物(1−366) 5%

本発明の液晶化合物、液晶組成物、液晶内包複合材料は液晶表示素子に用いることが出来る。

2 芯成分 2a 液晶組成物 2b 液晶分子 4 鞘成分 4a 鞘成分形成材料 10 液晶内包複合繊維(複合繊維) 20 複合繊維集合体 30 基板 40 バインダ 100 液晶表示素子

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