首页 / 国际专利分类库 / 化学;冶金 / C07有机化学 / 无环或碳环化合物 / 仅含六元芳环作为环部分的芳烃 / .多环非稠合芳烃 / P- chiral phospholanes and phospho-cyclic compounds and their use in asymmetric catalysis

P- chiral phospholanes and phospho-cyclic compounds and their use in asymmetric catalysis

申请号 JP2003543975 申请日 2002-11-08 公开(公告)号 JP2005509012A 公开(公告)日 2005-04-07
申请人 ザ ペン ステイト リサーチ ファンデーション; 发明人 ウェンジュン・タン; シュームー・チャン;
摘要 不斉触媒作用において有用なキラルリガンドおよびこのようなキラルリガンドを基にした金属錯体が開示されている。 本発明に従う金属錯体は、 水 素化、水素化物移動、アリルアルキル化、ヒドロシリル化、ヒドロホウ素化、ヒドロビニル化、ヒドロホルミル化、オレフィンメタセシス、ヒドロカルボキシル化、異性化、シクロプロパン化、ディールス−アルダー反応、ヘック反応、異性化、アルドール反応、マイケル付加;エポキシ化、動 力 学的分割および[m+n]付加環化のような不斉反応において触媒として有用である。 本リガンドの製造方法もまた記載されている。
权利要求
  • 下記式:
    {式中、
    Xは、(CR 45 ) n 、(CR 45 ) n −Z−(CR 45 ) nおよび式:
    によって表される基から成る群から選択される二価基であり;
    ここで各nは、独立して1〜6までの整数であり;R 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドから成る群から選択され;そして Zは、O、S、−COO−、−CO−、O−(CR 45 ) n −O、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH 2 (アルケニル)、C 53 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR' 2 、PR'およびNR 6 (ここでR'およびR 6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される)から成る群から選択され;
    Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、アルコキシおよびアリールオキシから成る群から選択され;
    Eは、PR' 2 、PR'R”、o−置換ピリジン、オキサゾリン、キラルオキサゾリン、CH 2 (キラルオキサゾリン)、CR'2(キラルオキサゾリン)、CH 2 PR' 2 、CH 2 (o−置換ピリジン)、SiR' 3 、CR' 2 OHおよび式:
    [ここでYは、(CR 45 ) mおよび(CR 45 ) m −Z−(CR 45 ) mから成る群から選択され;
    ここで各mは、独立して0〜3までの整数であり;R 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドから成る群から選択され;そしてZは、O、S、−CO−、−COO−、O−(CR 45 ) n −O、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH 2 (アルケニル)、C 53 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR' 2 、PR'およびNR 6 (ここでR'およびR 6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される)から成る群から選択される]によって表される基から成る群から選択される}
    によって表されるキラルリガンドまたはそのエナンチオマー。
  • Xが(CH 2 ) n (ここでnは、1ないし6である)、CH 2 OCH 2 、CH 2 NHCH 2 、CH 2 CH(R')CH(R')、CH 2 CH(OR')CH(OR')、CH 2 CH(OH)CH(OH)、CH 2 NR'CH 2 、CH 2 CH 2 NR'CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2および式:
    (ここでR 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキルおよび置換アリールから成る群から選択される)によって表される基から成る群から選択される、請求項1に記載のキラルリガンド。
  • Yが(CH 2 ) n (ここでnは、0ないし3である)、CH 2 NHCH 2 、CH 2 SCH 2 、CH 2 PR'CH 2 、CR'2、CO、SiR' 2 、C 53 N、C 64 、アルキレン、置換アルキレン、1,2−二価アリーレン、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、置換アリール、ヘテロアリールおよびフェロセンから成る群から選択される、請求項1に記載のキラルリガンド。
  • リガンドがホスフィンボラン、ホスフィンスルフィドまたはホスフィンオキシドの形である、請求項1に記載のキラルリガンド。
  • 式:
    (式中、Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、アルコキシおよびアリールオキシから成る群から選択され;そしてnは、0ないし2である)によって表されるキラルリガンドおよびそのエナンチオマー。
  • nが0、1または2であり、そしてRがCH 3 、Et、iPr、t−Bu、1−アダマンチル、Et 3 C、シクロ−C 59 、シクロ−C 611 、フェニル、p−トリル、3,5−ジメチルフェニル、3,5−ジ−t−ブチルフェニル、オルト−アニシルおよびナフチルから成る群から選択される、請求項5に記載のキラルリガンド。
  • リガンドがホスフィンボラン、ホスフィンスルフィドまたはホスフィンオキシドの形である、請求項5に記載のキラルリガンド。
  • 下記式:
    によって表されるキラルリガンドおよびそのエナンチオマー。
  • 下記式:
    によって表されるキラルリガンドおよびそのエナンチオマー。
  • 式L1ないしL52

    によって表される化合物から成る群から選択されるキラルリガンドおよびそのエナンチオマー。
  • 遷移金属塩またはその錯体と、式:
    {式中、
    Xは、(CR 45 ) n 、(CR 45 ) n −Z−(CR 45 ) nおよび式:
    によって表される基から成る群から選択される二価基であり;
    ここで各nは、独立して1〜6までの整数であり;R 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドから成る群から選択され;そして Zは、O、S、−COO−、−CO−、O−(CR 45 ) n −O、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH 2 (アルケニル)、C 53 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR' 2 、PR'およびNR 6 (ここでR'およびR 6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される)から成る群から選択され;
    Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、アルコキシおよびアリールオキシから成る群から選択され;
    Eは、PR' 2 、PR'R”、o−置換ピリジン、オキサゾリン、キラルオキサゾリン、CH 2 (キラルオキサゾリン)、CR'2(キラルオキサゾリン)、CH 2 PR' 2 、CH 2 (
    o−置換ピリジン)、SiR' 3 、CR' 2 OHおよび式:
    [ここでYは、(CR 45 ) mおよび(CR 45 ) m −Z−(CR 45 ) mから成る群から選択され;
    ここで各mは、独立して0〜3までの整数であり;R 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドから成る群から選択され;そしてZは、O、S、−CO−、−COO−、O−(CR 45 ) n −O、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH 2 (アルケニル)、C 53 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR' 2 、PR'およびNR 6 (ここでR'およびR 6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される)から成る群から選択される]によって表される基から成る群から選択される}
    によって表される化合物から成る群から選択されるキラルリガンドまたはそのエナンチオマーとを接触させることを含む方法によって製造される触媒。
  • 触媒がエナンチオマーのラセミ混合物である、請求項11に記載の触媒。
  • 触媒がエナンチオマーの非ラセミ混合物である、請求項11に記載の触媒。
  • 触媒がエナンチオマーの1つである、請求項11に記載の触媒。
  • 遷移金属がAg、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir、Cu、Ni、Mo、Ti、V、Re
    およびMnから成る群から選択される、請求項11に記載の触媒。
  • 遷移金属がCu、Ag、Ni、Pt、Pd、Rh、RuおよびIrから成る群から選択される、請求項15に記載の触媒。
  • 遷移金属塩またはその錯体が、AgX;Ag(OTf);Ag(OTf) 2 ;AgOAc;PtCl 2 ;H 2 PtCl 4 ;Pd 2 (DBA) 3 ;Pd(OAc) 2 ;PdCl 2 (RCN) 2 ;(Pd(アリル)Cl) 2 ;Pd(PR 3 ) 4 ;(Rh(NBD) 2 )X;(Rh(NBD)Cl) 2 ;(Rh(COD)Cl) 2 ;(Rh(COD) 2 )X;Rh(acac)(CO) 2 ;Rh(エチレン) 2 (acac);(Rh(エチレン) 2 Cl) 2 ;RhCl(PPh 3 ) 3 ;Rh(CO) 2 Cl 2 ;RuHX(L) 2 (ジホスフィン);RuX 2 (L) 2 (ジホスフィン);Ru(アレン)X 2 (ジホスフィン);Ru(アリール基)X 2 ;Ru(RCOO) 2 (ジホスフィン);Ru(メタリル)2(ジホスフィン);Ru(アリール基)X 2 (PPh 3 ) 3 ;Ru(COD)(COT);Ru(COD)(COT)X;RuX 2 (シメン);Ru(COD) n ;Ru(アリール基)X 2 (ジホスフィン);RuCl 2 (COD);(Ru(COD) 2 )X;RuX 2 (ジホスフィン);RuCl 2 (=CHR)(PR' 3 ) 2 ;Ru(ArH)Cl 2 ;Ru(COD)(メタリル) 2 ;(Ir(NBD) 2 Cl) 2 ;(Ir(NBD) 2 )X;(Ir(COD) 2 Cl) 2 ;(Ir(COD) 2 )X;CuX(NCCH 3 ) 4 ;Cu(OTf);Cu(OTf) 2 ;Cu(Ar)X;CuX;Ni(acac) 2 ;NiX 2 ;(Ni(アリル)X) 2 ;Ni(COD) 2 ;MoO 2 (acac) 2 ;Ti(OiPr) 4 ;VO(acac) 2 ;MeReO 3 ;MnX 2およびMn(acac) 2 ;(ここでRおよびR'は、各々独立してアルキルまたはアリールから成る群から選択され;Arは、アリール基であり;そしてXは、対アニオンである)から成る群から選択される、請求項11に記載の触媒。
  • Lが溶媒であり、そして対アニオンXがハロゲン、BF 4 、B(Ar) 4 (ここでArは、フルオロフェニルまたは3,5−ジ−トリフルオロメチル−1−フェニルである)、ClO 4 、SbF 6 、PF 6 、CF 3 SO 3 、RCOOおよびその混合物から成る群から選択される、請求項17に記載の触媒。
  • その場で製造されるかまたは単離された化合物として製造される、請求項11に記載の触媒。
  • 不斉反応によって不斉生成物を形成することができる基質と、遷移金属塩またはその錯体と、式:
    {式中、
    Xは、(CR 45 ) n 、(CR 45 ) n −Z−(CR 45 ) nおよび式:
    によって表される基、から成る群から選択される二価基であり;
    ここで各nは、独立して1〜6までの整数であり;R 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドから成る群から選択され;そして Zは、O、S、−COO−、−CO−、O−(CR 45 ) n −O、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH 2 (アルケニル)、C 53 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR' 2 、PR'およびNR 6 (ここでR'およびR 6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される)から成る群から選択され;
    Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、アルコキシおよびアリールオキシから成る群から選択され;
    Eは、PR' 2 、PR'R”、o−置換ピリジン、オキサゾリン、キラルオキサゾリン、CH 2 (キラルオキサゾリン)、CR'2(キラルオキサゾリン)、CH 2 PR' 2 、CH 2 (o−置換ピリジン)、SiR' 3 、CR' 2 OHおよび式:
    [ここでYは、(CR 45 ) mおよび(CR 45 ) m −Z−(CR 45 ) mから成る群から選択され;
    ここで各mは、独立して0〜3までの整数であり;R 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドから成る群から選択され;そしてZは、O、S、−CO−、−COO−、O−(CR 45 ) n −O、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH 2 (アルケニル)、C 53 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR' 2 、PR'およびNR 6 (ここでR'およびR 6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される)から成る群から選択される]によって表される基から成る群から選択される}
    によって表される化合物から成る群から選択されるキラルリガンドまたはそのエナンチオマーとを接触させることを含む方法によって製造される触媒、とを接触させることを含む、不斉化合物の製造方法。
  • 不斉反応が水素化、水素化物移動、アリルアルキル化、ヒドロシリル化、ヒドロホウ素化、ヒドロビニル化、ヒドロホルミル化、オレフィンメタセシス、ヒドロカルボキシル化、異性化、シクロプロパン化、ディールス−アルダー反応、ヘック反応、アルドール反応、マイケル付加;エポキシ化、動力学的分割および[m+n]付加環化(ここでm=3ないし6であり、そしてn=2である)から成る群から選択される、請求項20に記載の方法。
  • 不斉反応が水素化であり、そして基質がイミン、ケトン、エチレン性不飽和化合物、エナミン、エナミドおよびビニルエステルから成る群から選択される、請求項21に記載の方法。
  • 不斉反応がオレフィン、イミン、エナミドまたはケトンのイリジウム、ルテニウム、レニウムまたはパラジウム−触媒による水素化である、請求項21に記載の方法。
  • 工程:
    溶媒中でn−ブチルリチウム/(−)−スパルテインを用いて1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドを不斉脱プロトンして、上記1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを生成させること;および 上記1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンとCuCl 2とを接触させて、該1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを酸化カップリングさせ、そして(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを含む反応混合物を生成させること;
    を含む、(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを製造する方法。
  • アルキルがtert−ブチルである、請求項24に記載の方法。
  • さらに工程:
    反応混合物から(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを再結晶させること;
    を含む、請求項24に記載の方法。
  • さらに工程:
    溶媒中で(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドとヘキサクロロジシランとを接触させて、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルを生成させること;
    を含む、請求項26に記載の方法。
  • 工程:
    溶媒中でn−ブチルリチウム/(−)−スパルテインを用いて1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドを不斉脱プロトンして、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを生成させること;
    上記1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンとCuCl 2とを接触させて、該1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを酸化カップリングさせ、そして(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを含む反応混合物を生成させること;
    反応混合物から(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを再結晶させること;および 溶媒中で(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドとヘキサクロロジシランとを接触させて、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルを生成させること;
    を含む、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルを製造する方法。
  • アルキルがtert−ブチルである、請求項28に記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は、P−キラルホスホランおよびP−キラルホスホ環式(phosphocyclic)化合物から誘導される新規キラルリガンドならびに不斉触媒作用における適用のための触媒に関する。 さらに特定すれば、本発明は、これらのキラルホスフィンリガンドの遷移金属錯体に関し、これらは、素化、水素化物移動、ヒドロカルボキシル化、ヒドロシリル化、ヒドロホウ素化、ヒドロビニル化、ヒドロホルミル化、アリルアルキル化、オレフィンメタセシス、異性化、シクロプロパン化、ディールス−アルダー反応、ヘック反応、アルドール反応、マイケル付加、エポキシ化、動学的分割および[m+n]付加環化のような不斉反応において触媒として有用である。

    分子キラリティーは、科学および技術において重要な役割を演じる。 多くの医薬、芳香剤、食品添加物および農薬の生物学的活性は、しばしばそれらの絶対分子配置と関連する。 製薬およびファインケミカル工業において増大する要求は、費用に対し最も効率のよい単一エナンチオマー生成物の製造方法を開発することである。 この挑戦に応じるために、化学者は、天然に生じるキラル物質の光学分割および構造変更から合成用キラル触媒および酵素を使用する不斉触媒作用までにわたるエナンチオマー的に純粋な化合物を取得するための多くの方法を探求してきた。 これらの方法のうちで、不斉触媒作用は、少量のキラル触媒を使用して大量のキラル標的分子を製造することができるので、おそらく最も有効である[書籍、Ojima, I.,編 Catalytic Asymmetric Synthesis, VCH, ニューヨーク、1993およびNoyori, R. Asymmetric Catalysis In Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc., ニューヨーク,1994]。

    不斉水素化は、商業規模でのすべての不斉合成の大部分の説明となる。 不斉合成の工業的適用のいくつかの劇的な例には、MonsantoのL−DOPA合成(Rh−DIPAMP錯体を用いるデヒドロアミノ酸の不斉水素化、94%ee、20,000ターンオーバー)[Knowles, WS Acc. Chem. Res. 1983, 16, 106]、TakasagoのL−メントール合成(Rh−BINAP錯体を用いる不斉異性化、98%ee、300,000ターンオーバー)[Noyori, R.;Takaya, H. Acc. Chem. Res. 1990, 23, 345]およびNorvatisの(S)−メトラクラー(Metolachlor)合成(Ir−フェロセニルホスフィン錯体を用いるイミンの不斉水素化、80%ee、1,000,000ターンオーバー)[Spindler, F.;Pugin, B.;Jalett, H. -P,;Pittelkow, U.;Blaser, H. -U., Altanta, 1996;Chem. Ind.(Dekker), 1996, 63およびTongni, A. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1996, 356, 14575]がある。

    遷移金属−触媒反応のためのキラルリガンドの発明は、不斉触媒作用において重要な役割を演じる。 エナンチオ選択性がキラルリガンドの骨組みに依存するばかりでなく、反応性をしばしば、そのリガンドの立体および電子構造を変化させることによって変えることができる。

    リガンドにおける小さな変化が律速段階の(デルタ)(デルタ)Gに影響を与えるので、どのリガンドがいずれかの特定の反応または基質に対して有効であることができるかを予言することは、非常に困難である。 したがって、新規なキラルリガンドの発見は、高度にエナンチオ選択的な遷移金属−触媒反応の基礎を固める。

    近年、多数のキラルリガンドが不斉触媒反応に使用するために開発された。 これにもかかわらず、2、3のキラルリガンドのみが、高い選択性を要求するキラル分子の生成のために工業において使用するために適当であることがわかった。

    最も早期のP−キラルホスフィンリガンドの一つはDIPAMPであり、このものは、Knowles, J. Am. Chem. Soc., 99, 5946(1977)によって開発された。 Rh(I)−DIPAMP錯体は、L−DOPAの合成に使用されてきた。

    不斉触媒作用用のP−キラルリガンドを製造するための戦略を開発するために、多くのグループの努力が続いており、それには、例えば下記のものがある:I. Ojima編、Catalytic Asymmetric Synthesis、第2版、VCH publishers、Wheinheim、2000。 JugeおよびGenet,Tetrahedron Lett., 30,6357(1989)、彼らは、P−キラルホスフィンを製造する方法を開発した。 EJ Corey,J. Am. Chem. Soc., 115, 11000(1993)、彼は、P−キラルホスフィンおよびジホスフィンを製造する方法を開発した。 P−キラルホスフィンの合成法としてのエナンチオ選択的脱プロトンは、Evans, J. Am. Chem. Soc., 117, 9075(1995)によって適用された。 典型的には、ホスフィン−ボラン、ホスフィンスルフィドを使用した。 これらの化合物のエナンチオ選択的脱プロトンおよびCuに媒介されたカップリング反応は、多くのジホスフィンを生成することができる。 Cuに媒介されたカップリング反応は、Mislow, J. Am. Chem. Soc., 95, 5839(1973)によって報告された。 ホスフィン−ボランの形成およびボランの除去は、Imamoto, J. Am. Chem. Soc., 112, 5244(1990)、Yamago, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 2093(1994)およびLivinghouse, Tetrahedron Lett., 35, 9319(1994)によって報告された。 ホスフィンスルフィドの脱硫は、Mislow, J. Am. Chem. Soc., 91, 7023(1969)によって報告されている。 もっと最近では、Imamotoは、これらの戦略をうまく使用して、ビス(Bis)P * 、J. Am. Chem. Soc., 123, 5268(2001)、ミニフォス(MiniPhos)、J. Org. Chem., 64, 2988(1999)およびその他の混合P−キラルリガンド、Org. Lett., 3,373(2001)のような多数のP−キラルホスフィンを製造した。

    これらのリガンドは、多くの不斉反応において、特にAdv. Synth. Catal., 343, 118(2001)に記載されたもののような不斉水素化反応において、効果的に使用された。
    これらのリガンドのいくつかを下に図示する:

    上記リガンド中の置換基の広範囲の変化にもかかわらず、これらのリガンドの大部分は、DIPAMPリガンドの誘導体である。 これらのリガンドの可能な欠点は、DIPAMP構造を有するリガンドが配座的に柔軟であり、そして結果としてエナンチオ選択性を最適化することが困難であることである。

    先行技術のリガンドと対照的に、本発明は、配座柔軟性を制限するためのホスホランおよびホスホ環式構造を提供して、その結果高いエナンチオ選択性を、これらのリガンドから製造される遷移金属触媒において達成することができる。

    こうして、立体化学的観点から、付加的なステレオジェニック中心(例えば4個またはそれ以上のステレオジェニック中心)が典型的には創生されて、本発明の新規リガンドを、例えば、2個のステレオジェニック中心のみを有するDIPAMPおよびBisP *リガンドよりも不斉触媒反応において実質的により選択的にする。

    本発明は、下記式:

    {式中、Xは、(CR

    4

    5

    n 、(CR

    4

    5

    n −Z−(CR

    4

    5

    nおよび式:


    によって表される基、から選択される二価基であり;

    ここで各nは、独立して1〜6までの整数であり;R 4およびR 5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドであることができ;そして Zは、O、S、−COO−、−CO−、O−(CR 45n −O、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH 2 (アルケニル)、C 53 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR' 2 、PR'およびNR 6 (ここでR'およびR 6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルであることができる)であることができ;
    Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、アルコキシおよびアリールオキシであることができ;

    Eは、PR' 2 、PR'R”、o−置換ピリジン、オキサゾリン、キラルオキサゾリン、CH 2 (キラルオキサゾリン)、CR'2(キラルオキサゾリン)、CH 2 PR' 2 、CH 2 (o−置換ピリジン)、SiR' 3 、CR' 2 OHおよび式:

    [ここでYは、(CR

    4

    5

    mおよび(CR

    4

    5

    m −Z−(CR

    4

    5

    mであることができ;


    ここで各mは、独立して0〜3までの整数であり;R

    4およびR

    5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオおよびアミドであることができ;そしてZは、O、S、−CO−、−COO−、O−(CR

    4

    5

    n −O、CH

    2 (C

    6

    4 )、CH

    2 (Ar)、CH

    2 (ヘテロアリール)、アルケニル、CH

    2 (アルケニル)、C

    5

    3 N、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、SiR'

    2 、PR'およびNR

    6 (ここでR'およびR

    6は、各々独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルおよびアルコキシカルボニルであることができる)であることができる]によって表される基であることができる}


    によって表されるキラルリガンドまたはそのエナンチオマーを提供する。

    さらに特定的には、本発明は、式

    (式中、Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、アルコキシおよびアリールオキシであることができ;そしてnは、0ないし2である)によって表されるキラルリガンドおよびそのエナンチオマーを提供する。

    本発明はさらに、遷移金属塩またはその錯体と本明細書中で上記したとおりの本発明に従うキラルリガンドとを接触させることを含む方法によって製造される触媒を提供する。

    本発明はさらにその上、不斉反応によって不斉生成物を形成することができる基質と、遷移金属塩またはその錯体と本明細書中で上記したとおりの本発明に従うキラルリガンドとを接触させることを含む方法によって製造される触媒とを接触させることを含む、不斉化合物の製造方法を提供する。

    本発明はさらにその上、工程:
    溶媒中でn−ブチルリチウム/(−)−スパルテインを用いて1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドを不斉脱プロトンして、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを生成させること;および 1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンとCuCl 2とを接触させて、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを酸化カップリングさせ、そして(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを包含する反応混合物を生成させること;
    を包含する、(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを製造する方法を提供する。

    さらに本発明は、工程:
    溶媒中でn−ブチルリチウム/(−)−スパルテインを用いて1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドを不斉脱プロトンして、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを生成させること;
    1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンとCuCl 2とを接触させて、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを酸化カップリングさせ、そして(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを包含する反応混合物を生成させること;
    反応混合物から(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを再結晶させること;および 溶媒中で(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドとヘキサクロロジシランとを接触させて、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルを生成させること;
    を包含する、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルを製造する方法を提供する。

    本発明の新規リガンドにおける付加的なステレオジェニック中心(例えば4個またはそれ以上のステレオジェニック中心)の存在は、それらを、例えば、2個のステレオジェニック中心のみを有するDIPAMPおよびBisP *リガンド、よりも不斉触媒反応において実質的により選択的にする。

    本発明は、新規なP−キラルホスホランおよびホスホ環式化合物を提供し、そして不斉触媒作用におけるその使用法を説明した。

    環構造の導入は、ホスフィンに隣接する置換基の回転を制限することができ、そしてホスフィンの周りのこれらの基の配向の制御は、不斉反応のための有効なキラル誘導を導くことができる。 これらのホスフィンの金属錯体および関連する非C 2対称リガンドは、多くの不斉反応のために有用である。

    リガンドキラル環境の調整可能性は、高いエナンチオ選択性を達成するために決定的である。 立体配座を固定した環状ホスフィンの立体および電子構造は、環サイズおよび置換基の変化によって微細に調整することができる。

    不斉触媒反応のためにいくつかの新規なキラルホスフィンが開発されている。 水素化、水素化物移動、アリルアルキル化、ヒドロシリル化、ヒドロホウ素化、ヒドロビニル化、ホドロホルミル化、オレフィンメタセシス、ヒドロカルボキシル化、異性化、シクロプロパン化、ディールス−アルダー反応、ヘック反応、異性化、アルドール反応、マイケル付加、エポキシ化、動力学的分割および[m+n]付加環化のような種々の不斉反応が、これらのキラルリガンド系を用いて開発された。

    本発明のリガンドは、エナンチオマーのラセミ混合物であることができる。 好ましくは、リガンドは、エナンチオマーの非−ラセミ混合物であり、そしてさらに好ましくは、リガンドは、エナンチオマーの1つである。 好ましくは、リガンドは、少なくとも85%eeの光学純度を有し、さらに好ましくは、リガンドは、少なくとも95%eeの光学純度を有する。

    本発明のキラルリガンドの代表的な例を以下に示す。 本発明に従う所望の構造を有する多数のキラルリガンドを、製造することができ、そして本発明において説明する触媒の製造において使用することができる。

    X=(CH 2n (n=1、2、3、4、5、6)、CH 2 OCH 2 、CH 2 NHCH 2 、CH 2 CH(R')CH(R')、CH 2 CH(OR')CH(OR')、CH 2 CH(OH)CH(OH)、CH 2 CH(OCR' 2 O)CH、CH 2 CH(OアルキルO)CH、CH 2 CH(OCHR'O)CH、CH 2 NR'CH 2 、CH 2 CH 2 NR'CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2 、CH 2 (C 64 )、CH 2 (Ar)、CH 2 (ヘテロアリール)、CH 2 (アルケニル)、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、CH 2 (ビアリール)、CH 2 (フェロセン)。
    R=アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセン E=PR' 2 、PR'R”、o−置換ピリジン、オキサゾリン、キラルオキサゾリン、CH 2 (キラルオキサゾリン)、CR' 2 (キラルオキサゾリン)、CH 2 PR' 2 、CH 2 (o−置換ピリジン)、SiR' 3 、CR' 2 OH
    またはE=

    このときリガンドは:


    である。


    Y=(CH

    2

    n (n=0、1、2、3)、CH

    2 NHCH

    2 、CR'

    2 、CO、SiR'

    2 、C

    5

    3 N、C

    6

    4 、アルキル、置換アルキル、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセン、


    R'=アルキル、アリール、置換アルキル、アリール、アルキルアリール、H。

    これらのリガンドにおいて、ホスホ環式化合物のための橋基Xは、(CH2)n(n=1、2、3、4、5、6)、CH2OCH2、CH2NHCH2、CH2CH(R')CH(R')、CH2CH(OR')CH(OR')、CH2CH(OH)CH(OH)、CH2CH(OCR'2O)CH、CH2CH(OアルキルO)CH、CH2CH(OCHR'O)CH、CH2NR'CH2、CH2CH2NR'CH2、CH2CH2OCH2、CH2(C6H4)、CH2(Ar)、CH2(ヘテロアリール)、CH2(アルケニル)、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、CH2(ビアリール)、CH2(フェロセン)である。 Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセンである。 Eは、PR'2、PR'R”、o−置換ピリジン、オキサゾリン、キラルオキサゾリン、CH2(キラルオキサゾリン)、CR'2(キラルオキサゾリン)、CH2PR'2、CH2(o−置換ピリジン)、SiR'3、CR'2OHである。
    E=

    であり、このときリガンドは:


    である。

    Yは、(CH2)n(n=0、1、2、3)、CH2NHCH2、CH2SCH2、CH2PR'CH2、CR'2、CO、SiR'2、C5H3N、C6H4、アルキル、置換アルキル、二価アリール、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセンであることができる。 R'=アルキル、アリール、置換アルキル、アリール、アルキルアリール、Hである。

    好ましい態様においては、本発明のリガンドとしては、式中:
    Xが(CH 2n (ここでnは、1ないし6である)、CH 2 OCH 2 、CH 2 NHCH 2 、CH 2 CH(R')CH(R')、CH 2 CH(OR')CH(OR')、CH 2 NR'CH 2 、CH 2 CH(OH)CH(OH)、CH 2 CH 2 NR'CH 2 、CH 2 CH 2 OCH 2および式:

    (ここでR

    4およびR

    5は、各々独立して水素、アルキル、アリール、置換アルキルおよび置換アリールであることができる)


    によって表される基であることができ;そして Yが(CH

    2

    n (ここでnは、0ないし3である)、CH

    2 NHCH

    2 、CH

    2 SCH

    2 、CH

    2 PR'CH

    2 、CR'2、CO、SiR'

    2 、C

    5

    3 N、C

    6

    4 、アルキレン、置換アルキレン、1,2−二価アリーレン、2,2'−二価−1,1'−ビフェニル、置換アリール、ヘテロアリールおよびフェロセンであることができる、


    式によって表される化合物がある。

    さらに特定すれば、キラルリガンドは、式:

    (式中、Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、フェロセニル、アルコキシおよびアリールオキシであることができ;そしてnは、0ないし2であり;


    Rは、CH

    3 、Et、iPr、t−Bu、1−アダマンチル、Et

    3 C、シクロ−C

    5

    9 、シクロ−C

    6

    11 、フェニル、p−トリル、3,5−ジメチルフェニル、3,5−ジ−t−ブチルフェニル、オルト−アニシルおよびナフチルであることができる)


    およびそのエナンチオマーによって表すことができる。

    このようなリガンドの例としては、式:

    によって表されるリガンドおよびそのエナンチオマーおよび式:


    によって表されるリガンドおよびそのエナンチオマーがある。

    本発明に従うリガンドは、ホスフィンボラン、ホスフィンスルフィドまたはホスフィンオキシドの形であることができる。

    特定のキラルリガンドの選択的例を以下に列挙して、新規なP−キラルホスホランおよびP−キラルホスホ環式化合物を図で説明する(L1〜L35)。

    各リガンドについて、相当するエナンチオマーもまた予想される。 これらの化合物は、相当するホスフィン−ボラン、ホスフィンスルフィドまたはホスフィンオキシドから製造することができる。

    Irに触媒された不斉水素化は、やはり高度に基質−依存性であるので、Irに触媒された水素化のための新規の有効なキラルリガンドの開発は、継続する挑戦である。 Irに触媒された不斉水素化のためのホスフィノオキサゾリンの開発の後、Pfaltz等は、新規の有効なP、Nリガンドの探求のための努力を続けた(A. Lightfoot, P. Schnider,


    A. Pfaltz, Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 2897-2899)。 TADDOL−ホスファイト(phosphite)−オキサゾリン、PyrPHOX、およびホスフィナイト(phosphinite)−オキサゾリンのような種々のP、Nリガンドは、その後Pfaltzおよび共同研究者達によって開発された(J. Blankenstein, A. Pfaltz, Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 4445-4447)。 Burgessはまた、JM−Phosおよびイミダゾリリデン−オキサゾリンを報告した(D. -R. Hou, JH Reibenspies, K. Burgess, J. Org. Chem. 2001, 66, 206-215;MT Powell, D. -R. Hou, MC Perry, X. Cui, K. Burgess, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 8878-8879)。

    本発明において、我々はまた、Irに触媒された不斉水素化のための新規な種類のキラルP、Nリガンド、ホスホラン−オキサゾリン、をも報告する。 優れたエナンチオ選択性がメチルスチルベンおよびメチル桂皮酸エステルの水素化において得られた。

    本発明はさらに、遷移金属塩またはその錯体と本明細書中で上記したとおりの本発明に従うキラルリガンドとを接触させることを含む方法によって製造される触媒を提供する。

    触媒の製造のための適当な遷移金属には、Ag、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir、Cu、Ni、Mo、Ti、V、ReおよびMnがある。

    上で言及したように、本触媒は、遷移金属塩またはその錯体と本発明に従うリガンドとを接触させることによって製造することができる。

    適当な遷移金属塩または錯体には、下記のものが包含される:
    AgX;Ag(OTf);Ag(OTf) 2 ;AgOAc;PtCl 2 ;H 2 PtCl 4 ;Pd 2 (DBA) 3 ;Pd(OAc) 2 ;PdCl 2 (RCN) 2 ;(Pd(アリル)Cl) 2 ;Pd(PR 34 ;(Rh(NBD) 2 )X;(Rh(NBD)Cl) 2 ;(Rh(COD)Cl) 2 ;(Rh(COD) 2 )X;Rh(acac)(CO) 2 ;Rh(エチレン) 2 (acac);(Rh(エチレン) 2 Cl) 2 ;RhCl(PPh 33 ;Rh(CO) 2 Cl 2 ;RuHX(L) 2 (ジホスフィン);RuX 2 (L) 2 (ジホスフィン);Ru(アレン)X 2 (ジホスフィン);Ru(アリール基)X 2 ;Ru(RCOO) 2 (ジホスフィン);Ru(メタリル)2(ジホスフィン);Ru(アリール基)X 2 (PPh 33 ;Ru(COD)(COT);Ru(COD)(COT)X;RuX 2 (シメン);Ru(COD) n ;Ru(アリール基)X 2 (ジホスフィン);RuCl 2 (COD);(Ru(COD) 2 )X;RuX 2 (ジホスフィン);RuCl 2 (=CHR)(PR' 32 ;Ru(ArH)Cl 2 ;Ru(COD)(メタリル) 2 ;(Ir(NBD) 2 Cl) 2 ;(Ir(NBD) 2 )X;(Ir(COD) 2 Cl) 2 ;(Ir(COD) 2 )X;CuX(NCCH 34 ;Cu(OTf);Cu(OTf) 2 ;Cu(Ar)X;CuX;Ni(acac) 2 ;NiX 2 ;(Ni(アリル)X) 2 ;Ni(COD) 2 ;MoO 2 (acac) 2 ;Ti(OiPr) 4 ;VO(acac) 2 ;MeReO 3 ;MnX 2およびMn(acac) 2

    これらにおけるRおよびR'は、各々独立してアルキルまたはアリールから選択され;Arは、アリール基であり;そしてXは、対アニオンである。

    上記の遷移金属塩および錯体において、Lは、溶媒であり、そして対アニオンXは、ハロゲン、BF 4 、B(Ar) 4 (ここでArは、フルオロフェニルまたは3,5−ジ−トリフルオロメチル−1−フェニルである)、ClO 4 、SbF 6 、PF 6 、CF 3 SO 3 、RCOOおよびその混合物であることができる。

    もう一つの側面において、本発明は、上記の触媒を使用する不斉化合物の製造方法を包含する。 本方法は、不斉反応によって不斉生成物を形成することができる基質と、遷移金属塩またはその錯体と本発明に従うリガンドとを接触させることによって製造される本発明に従う触媒とを接触させる工程を包含する。

    適当な不斉反応には、不斉水素化、水素化物移動、アリルアルキル化、ヒドロシリル化、ヒドロホウ素化、ヒドロビニル化、ヒドロホルミル化、オレフィンメタセシス、ヒドロカルボキシル化、異性化、シクロプロパン化、ディールス−アルダー反応、ヘック反応、異性化、アルドール反応、マイケル付加;エポキシ化、動力学的分割および[m+n]付加環化(ここでm=3ないし6であり、そしてn=2である)がある。

    好ましくは、不斉反応は、水素化であり、そして水素化されるべき基質は、エチレン性不飽和化合物、イミン、ケトン、エナミン、エナミドおよびビニルエステルである。

    本方法はさらに、不斉反応によって不斉生成物を形成することができる基質と、遷移金属塩またはその錯体と本明細書中で上記したとおりの本発明に従うリガンドとを接触させることを包含する方法によって製造された触媒とを、接触させることを包含する、不斉化合物の製造方法を包含する。

    本方法はさらに、工程:
    溶媒中でn−ブチルリチウム/(−)−スパルテインを用いて1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドを不斉脱プロトンして、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを生成させること;および 1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンとCuCl 2とを接触させて、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを酸化カップリングさせ、そして(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを包含する反応混合物を生成させること;
    を包含する、(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを製造する方法を包含する。
    さらに本発明は、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルを製造する方法を包含する。

    この方法は、工程:
    溶媒中でn−ブチルリチウム/(−)−スパルテインを用いて1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドを不斉脱プロトンして、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを生成させること;
    1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンとCuCl 2とを接触させて、1−アルキル−ホスホラン−1−スルフィドのアニオンを酸化カップリングさせ、そして(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを含む反応混合物を生成させること;
    反応混合物から(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドを再結晶させること;および 溶媒中で(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニル−1,1'−ジスルフィドとヘキサクロロジシランとを接触させて、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルを生成させること;
    を包含する。

    好ましくは、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ−アルキル−[2,2']−ジホスホラニルは、(1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ− tert−ブチル−[2,2']−ジホスホラニルであり、このものは、適当なtert−ブチル基含有出発物質から製造する。

    本発明に従うキラルリガンドを製造するためのいくつかの適当な手順を本明細書中で以下に説明する。
    (a)不斉脱プロトンを使用するTangPhosの合成

    (b)キラル分離によるTangPhosの合成


    (c)主鎖キラリティーの利用によるTangPhosリガンドの合成


    (d)キラルプール法によるTangPhosリガンドの合成


    (e)不斉触媒作用のためのPNリガンドの合成


    一般手順
    すべての反応および操作は、窒素充填したグローブボックス内で、または標準的なシュレンク(Schlenk)技術を使用して実施した。 THFおよびトルエンは、乾燥させ、そして窒素下でナトリウム−ベンゾフェノンケチルから蒸留した。 塩化メチレンは、CaH 2から蒸留した。 メタノールは、窒素下でMgから蒸留した。 (R,R)−BDNPBは、使用の前にトルエン中の10mg/mlの溶液にした。 カラムクロマトグラフィーは、EMシリカゲル60(230〜400メッシュ)を使用して実施した。 1 H、 13 Cおよび31 P NMRは、Bruker WP−200、AM−300、およびAMX−360分光計上で記録した。 化学シフトは、内標準としての溶媒共鳴を有するテトラメチルシランから低磁場側へのppmで報告した。 旋光は、Perkin−Elmer 241旋光計上で得た。 MSスペクトルは、LR−EIおよびHR−EIについてKRATOS質量分析計MS 9/50上で記録した。 GC分析は、キラル毛管カラムを使用するHelwett−Packard 6890ガスクロマトグラフィー上で実施した。 HPLC分析は、Waters (R) 600クロマトグラフィー上で実施した。

    実施例1:TangPhos(1)の合成 キラルC2対称P−キラルビスホスホランの効率のよい3−工程合成経路が開発された。
    1−tert−ブチル−ホスホラン1−スルフィドの製造

    BrMgCH

    2 (CH

    2

    2 CH

    2 MgBrの製造。 300mlの乾燥THF中のマグネシウム削り屑(7.92g、0.33モル)を保有する乾燥したシュレンクフラスコに、室温で50mLのTHF中の1,4−ジブロモブタン(23.7g、0.11モル)を滴加した。 この添加の間、反応は、非常に発熱性であった。 添加が完了した後(1時間以内)、得られた暗色溶液をさらに2時間室温に保持した。 全溶液を次の反応のために直接使用した。

    THF(300mL)中の三塩化リン(13.7g、0.10モル)の溶液に−78℃でTHF中のt−BuMgClの溶液(100mL、1.0M)を滴加した。 添加は、2時間以内に完了した。 混合物を−78℃で1時間放置した後、THF中のBrMgCH 2 (CH) 2 CH 2 MgBrの溶液(上で製造した)を滴加した。 添加は、2時間以内に完了した。 次に混合物を2時間かけて室温まで温めて、一晩撹拌した。

    室温で反応混合物に硫黄粉末(4.8g、0.15モル)を一度に加えた。 得られた溶液を室温でさらに2時間撹拌した。 次に水(300mL)を加えた。 THF層に500mLのEtOAcを加えた。 有機層を水(300mL)で洗浄し、続いてブライン(300mL)で洗浄し、Na 2 SO 4上で乾燥させ、そして濃縮した。 得られた油状物を、シリカゲルカラムを通過させ、続いて再結晶させて、無色結晶性生成物1−tert−ブチル−ホスホラン1−スルフィド8g(45%収率)を得た。

    (1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ− tert−ブチル−[2,2']−ジホスホラニル1,1'−ジスルフィドの合成

    −78℃で、エーテル(200mL)中の(−)−スパルテイン(7.83mL、34ミリモル)の溶液にn−ブチルリチウム(21.3mL、34ミリモル、ヘキサン中1.6M)を滴加した。 得られた溶液を30分間、−78℃に保持した。 その後この温度で、この溶液にエーテル(100mL)中の1−tert−ブチル−ホスホラン1−スルフィド(5.0g、28.4ミリモル)の溶液を滴加した。 添加は、1時間以内に完了した。 得られた混合物をさらに8時間、−78℃に保持して、撹拌した。 次に乾燥CuCl 2 (5.73g、42.6ミリモル)をこの溶液中に一度に加えた。 得られた懸濁液を激しく撹拌し、4時間かけて室温まで温めた。 150mlの濃アンモニアを加えた。 水層をEtOAc(2×100mL)で2回洗浄した。 合わせた有機相をさらに5%アンモニア(100mL)、1N HCl(100mL)、水(100mL)、およびブライン(100mL)で逐次洗浄した。 Na 2 SO 4上で乾燥させた後、溶液を減圧下で濃縮して、油性固体を得て、これをその後、シリカゲルカラムを通すことによって精製して、(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ− tert−ブチル−[2,2']−ジホスホラニル1,1'−ジスルフィド(72%ee、83%)とメソ化合物 (1R,1R',2S,2S')−1,1'−ジ− tert−ブチル−[2,2']−ジホスホラニル1,1'−ジスルフィド(17%)との固体混合物(4g)を得た。

    混合物を酢酸エチルおよびエタノールから再結晶させて、700mgの純粋な生成物(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ− tert−ブチル−[2,2']−ジホスホラニル1,1'−ジスルフィド(HPLCに従ってee:>99%、全収率:14%)。

    (1S,1S',2R,2R')−1,1'−ジ− tert−ブチル−[2,2']−ジホスホラニルTangPhos(1)の合成

    25mlのベンゼン中の(1R,1R',2R,2R')−1,1'−ジ− tert−ブチル−[2,2']−ジホスホラニル1,1'−ジスルフィド(440mg、1.26ミリモル)の溶液にヘキサクロロジシラン(3.25mL、5.08g、18.9ミリモル)を加えた。 混合物を4時間還流温度で撹拌した。 溶液を室温まで冷却した後、氷−水浴を用いてこの反応混合物に50mLの脱気した30%(w/w)NaOH溶液を注意深く加えた。 次に得られた混合物を、水性層が透明になるまで60℃で撹拌した。 2相を分離した。 水相を脱気したベンゼン(2×30mL)で2回洗浄した。 合わせたベンゼンをNa 2 SO 4上で乾燥させ、濃縮した。

    固体残留物を最小量の脱気したジクロロメタンに再溶解させて、その後これを、塩基性Al 23プラグ(溶離剤:Et 2 O:ヘキサン=1:10)を通過させて、純粋な白色生成物(1)320mg(88%収率)を得た。

    実施例2:デヒドロアミノ酸の不斉水素化不斉水素化のための一般手順。
    グローブボックス内のTHF(10mL)中の[Rh(COD) 2 ]BF 4 (5.0mg、0.012ミリモル)の溶液にキラルホスフィンリガンド(TangPhos トルエン中の0.1M溶液0.15mL、0.015ミリモル)を加えた。 混合物を30分間撹拌した後、デヒドロアミノ酸(1.2ミリモル)を加えた。 水素化を、20psiの水素下、室温で24時間実施した。 反応混合物をCH 22で処理した後、真空で濃縮した。 残留物を、短シリカゲルカラムを通過させて、触媒を除去した。 エナンチオマー過剰率は、Chirasil−VAL III FSOTカラムを使用するGCによって測定した。

    生成物の絶対配置は、観察された旋光を報告された値と比較することによって決定した。 すべての反応は、定量的収率で進行し、GCにより副生物は見出されなかった。

    リガンドとしてTangPhos(1)を使用するアルファアミノ酸誘導体を製造するための不斉水素化を下記の表に示す:

    a反応は、20psiのH

    2下、室温で24時間実施した。 触媒は、メタノール中の[Rh(NBD)

    2 ]SbF

    6およびTangPhosの溶液(2mL)[基質:[Rh]:TangPhos=1:0.01:0.011]を撹拌することによってその場で製造した。 反応は、100%転化率で進行した。

    b R絶対配置は、旋光を報告されたデータと比較することによって指定した。

    cエナンチオマー過剰率は、Chrialsil−VAL III FSOTカラムを使用するキラルGCによって測定した。

    d相当するメチルエステルについて決定した。

    e %eeは、Daicel Chiralcel OJカラムを使用するHPLCによって決定した。

    実施例3:ベータ−アミノ酸誘導体の不斉合成出発物質3−アセトアミド−3−アリール−2−プロペノエートおよび3−アセトアミド−3−ヘテロ−アリール−2−プロペノエートの合成 典型的手順:出発物質3−アセトアミド−3−フェニル−2−プロペン酸メチルは、安価なアセトフェノンから公知文献の手順に従って3工程で良好な収率で好都合に合成することができた。 文献は、Zhu, G.;Zhen, Z.;Zhang, XJ Org. Chem. 1999, 64, 6907-6910;Krapcho, AP;Diamanti, J. Org. Synth. 1973, 5, 198-201である。
    1 H-NMR (CDCl 3 , 360 MHz) δ(Z 異性体) 2.17 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 5.29 (s,1H), 7.37-7.45 (m, 5H); (E 異性体) 2.38 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 6.65 (s,1H), 7.37-7.45
    (m, 5H)。

    Rh−TangPhos(1)系を用いてベータアミノ酸誘導体を製造するための水素化

    a反応は、THF中で20psiのH

    2下、室温で24時間実施した。 基質/[Rh(TangPhos)nbd]SbF

    6 =200:1。 絶対配置は、旋光を報告された値と比較することによって決定した。

    b ee(%)値は、Chiralselect 1000カラムを使用するキラルGCによって決定した。

    c E/Z混合物のE/Z比率について。

    d


    eeは、(s,s)−whelk−01カラムを使用するキラルHPLCによって決定した。

    β−アセトアミドアクリル酸β−アリールエステルの一般合成手順については、Zhou, Y.-G.;Tang, W.;Wang, -B.;Li, W.;Zhang, XJ Am. Chem. Soc. 2002, 124, 4952-4953を参照されたい。 β−アセトアミドアクリル酸β−アルキルエステルの一般合成手順については、Zhu, G.;Chen, Z;Zhang, XJ Org. Chem. 1999, 64, 6907-6910を参照されたい。 公知基質および生成物の分析データについてもまた、上記の2つの論文を参照されたい。

    3−アセトアミド−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペン酸メチル:
    Z/E=9:1; 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ(Z 異性体) 2.06 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 4.98
    (s, 2H), 5.18 (s, 1H), 6.86 (d, J=6.8 Hz, 2H), 7.28 (m, 7H), 10.46 (s, 1H); (E 異性体) 2.27 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 4.98 (s, 2H), 6.44 (s, 1H), 6.86 (d, J=6.8 Hz, 2H), 7.28 (m, 7H)。

    β−アセトアミドアクリル酸β−アルキルまたはβ−アリールエステルの不斉水素化のための一般手順 4mLの脱気したTHF中のβ−アセトアミドアクリル酸エステル(0.5ミリモル)の溶液に、窒素を充填したグローブボックス内でRh[(TangPhos)nbd]SbF 6 (2.5マイクロモル)を加えた。 全溶液をオートクレーブ内に移した。

    次にオートクレーブを水素で3回パージして、20psiの圧力を有する水素で充填した。 得られた反応器を室温で24時間撹拌した。 水素を放出した後、オートクレーブを開いて、反応混合物を蒸発させた。

    残留物を、短シリカゲルプラグを通過させて、水素化生成物β−アミノ酸誘導体を得た。 少量の試料をキラルGCまたはHPLC分析にかけた。

    3−アセトアミド−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−プロパン酸メチル:
    98.5% ee, [α]25D=-79.5°; 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ2.00 (s, 3H), 2.83 (dd, J=15.7, 6.2 Hz, 1H), 2.93 (dd, J=15.6, 6.0 Hz, 1H), 3.63 (s, 3H), 5.05 (s, 2H), 5.40 (m, 1H), 6.93 (d, 1H), 6.94 (dd, J=6.7, 2.0 Hz, 2H), 7.23 (dd, J=6.8, 1.8 Hz, 2H), 6.72 (m, 5H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 ) δ23.8, 40.2, 49.5, 52.2, 115.4, 127.9, 128.0, 128.4, 129.0, 133.3, 137.3, 158.6, 169.7, 172.1; MS (ESI) m/z 328 (M + +1); HRMS 計算値C 19 H 22 NO 4 3281549, 実測値 328.1553. キラルHPLC条件 ((s, s)-whelk-01): 溶媒 ヘキサン:イソプロパノール (1: 1); 流量 1 mL/分; 保持時間 8.2分 (R), 13.1分 (S)。

    実施例4:エナミドの不斉水素化表. TangPhos(1)を使用するα−アリールエナミドのRh−触媒による不斉水素化

    [a]条件:詳細については実験の項参照。 エナミドは、文献の方法に従って製造した。 [b]R絶対配置は、旋光を報告されたデータと比較することによって指定した。 eeは、Supelco Chiral Select 1000カラムを使用するキラルGCによるかまたは(R,R)−Poly Whelk−01カラムを使用するキラルHPLCによって決定した。

    実施例5:Rh(TangPhos(1)触媒を使用するエナミドの不斉水素化に対する高ターンオーバー 触媒として[Rh(NBD)TangPhos(1)] + SbF 6 -を用いる不斉水素化:

    α−デヒドロアミノ酸の水素化のための手順:
    グローブボックス内の20mLの脱気したメタノール中のα−(アセチルアミノ)−2−フェニルアクリル酸メチル(2.19g、10ミリモル)の溶液に、[Rh(nbd)(1)]SbF 6 (メタノール中の0.001M溶液1ml、0.001ミリモル)を加えた。 水素化を、40psiのH 2下、室温で8時間実施した。 水素を注意深く放出させた後、反応混合物を短シリカゲルカラムを通過させて、触媒を除去した。 (R)−2−アセチルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルのエナンチオマー過剰率は、直接キラルGCによって測定した。 (転化率:100%、ee:99.8%、TON:10,000)

    実施例6:Rh(TangPhos(1)触媒を使用するイタコン酸誘導体の不斉水素化

    [a]条件:触媒前駆体=[Rh(TangPhos)(nbd)]SbF

    6 (1モル%)、室温、20psi H

    2 、THF。 生成物の絶対配置は、報告されたデータとの比較によって決定した。 [b]大部分の基質(エントリー1を除く)は、2/1から>10/1までの範囲の粗製E/Z混合物として使用した。 [c]水素化生成物のジメチルエステルへの変換後にキラルGCまたはHPLCカラム上で決定した。

    実施例7:[Rh(TangPhos(1))]触媒を使用するアリールエノールアセテートの不斉水素化

    [a]条件:触媒前駆体=[Rh(TangPhos)(nbd)]SbF

    6 (1モル%)、室温、20psi H

    2 、EtOAc。 生成物の絶対配置は、報告されたデータとの比較によって決定した。 [b]キラルGCカラム[chiral select1000]上で決定した。

    実施例8:不斉触媒作用のためのキラルPNリガンドの合成 Irに触媒された不斉水素化は、やはり高度に基質−依存性であるので、Irに触媒された水素化のための新規の有効なキラルリガンドの開発は、継続する挑戦である。 新規な種類のキラルP,Nリガンド、ホスホラン−オキサゾリン、を下記のようにして開発した:

    −78℃で、エーテル(100mL)中の(−)−スパルテイン(14.4mL、62.5ミリモル)の溶液にn−BuLi(ヘキサン中1.6M、39mL、62.5ミリモル)を滴加した。 混合物を−78℃で30分間撹拌した。 エーテル(150mL)中の2(10g、56.8ミリモル)の溶液を滴加した。 添加は、1時間のうちに完了した。 得られた反応混合物を室温まで温めて、一晩撹拌した。 混合物を−78℃に再冷却した。 この懸濁液に2時間CO 2を通して泡立たせた。 次にこれを、1N HCl(200mL)、続いてEtOAc(200mL)の添加によってクェンチした。 有機相を1N HCl(200mL)、H 2 O(200mL)、およびブライン(100mL)で逐次洗浄した。 溶液をNa 2 SO 4上で乾燥させ、そして蒸発させた。 残留物を2N NaOH溶液(300mL)で処理した。 得られた透明な溶液を2N HClの添加によって中和した。 沈殿を真空濾過によって集めて、生成物(8.0g、72%ee、64%収率)を得た。 eeは、THF/CH 3 OH中のTMSCHN 2溶液で処理することによって生成物をその相当するメチルエステルに変換することによって決定した[メチルエステルに対するHPLC条件:Chiralpak ADカラム;hex:ipr=95:5;8.8分、11.3分]。 生成物の試料(7.5g)をエタノールから2回再結晶させて、4.5gのエナンチオマー的に純粋な生成物3(>99.9%ee、40%全収率)を得た。

    3: [α]D20=16.9°(c=0.9, CHCl 3 ); 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ1.35 (d, 3 J HP =17.0 Hz, 9H), 1.71 (m, 1H), 2.18 (m, 3H), 2.47 (m, 2H), 3.34 (m, 1H); 13 C NMR (90 MHz, CD 3 OD) δ25.4 (d, 2 j CP =1.7 Hz), 26.0 (d, 2 J CP =2.2 Hz), 31.3 (d, 2 J CP =7.3 Hz), 32.8 (d, J CP =48.8 Hz), 36.1 (d, J CP =44.1 Hz), 46.4 (d, J CP =36.0), 172.9; 31 P NMR
    (145 MHz, CD 3 OD) δ89.3 (s); APCI MS 121 (M + +H) ; HRMS 計算値 C 9 H 18 PSO 2 221.0765, 実測値 221.0762。

    3のメチルエステル: [α] D 20 =42.6°(c=1, CHCl 3 ); 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ1.21 (d, 3 J HP =16.8 Hz, 9H), 1.69 (m, 1H), 1.92 (m, 2H), 2.30 (m, 3H), 3.23 (m, 1H), 3.66 (s, 3H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 ) δ25.2 (d, 2.7 Hz), 25.4 (d, 2 J CP =1.8 Hz), 29.9 (d, 2 J CP =7.4 Hz), 31.7 (d, J CP =47.9 Hz), 35.3 (d, J CP =43.5 Hz), 45.4 (d, J CP =35.5 Hz), 52.7, 170.0; 31 P NMR (145 MHz, CDCI 3 ) δ87.8; APCI MS 235 (M + +H); HRMS 計算値 C 10 H 20 PSO 2 235.0922 実測値 235.0909。

    10mLのDMF中の3(2.27ミリモル)、EDC. HCl(1.3g、6.82ミリモル)、HOBT. H

    2 O(0.52g、3.41ミリモル)、キラルアミノアルコール(3.41ミリモル)、トリエチルアミン(1.9mL、13.6ミリモル)の混合物を70℃で一晩撹拌した。 冷却した混合物に30mLの2N HCl溶液を加えた。 次に、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。 有機層を水およびブラインで洗浄し、Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 溶媒を除去した後、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、縮合生成物を70〜80%収率で得た。

    10mLのCH 2 Cl 2中の縮合生成物(1.67ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(1.98mL、6.68ミリモル)およびトリエチルアミン(1.38mL、16.7ミリモル)の混合物に0℃で258μL(3.34ミリモル)の塩化メタンスルホニルを加えた。 添加後に、得られた混合物を室温まで温めて、一晩撹拌した。 溶媒を除去した。 残留物を酢酸エチルに再溶解させて、水およびブラインで洗浄し、Na 2 SO 4上で乾燥させた。 溶媒を除去した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な4a〜fを70〜80%収率で得た。

    4a: [α]20D=-75.1°(c=0.9, CHCl 3 ), 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ0.81 (d, 6.8 Hz, 3H), 0.89 (d, 6.8 Hz, 3H), 1.24 (d, 3 J HP =16.5 Hz, 9H), 1.58 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 2.11 (m, 2H), 2.37 (m, 2H), 3.19 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.94 (t, 7.9 Hz, 1H), 4.21 (t, 8.1 Hz, 1H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 ) δ18.7, 19.4, 25.4 (m), 30.6 (d, 2 J CP =7.9 Hz), 31.8 (d, J CP =47.5 Hz), 32.0, 33.1, 35.2 (d, J CP =43.4 Hz), 38.8 (d, J CP =39.5 Hz), 70.6, 72.4, 163.9; 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 ) δ88.0; APCI MS 288 (M + +H); HRMS 計算値 C 14 H 27 NOPS 288.1551実測値 288.1549。

    4b: [α] 20 D =-75.9°(c=0.9, CHCl 3 ), 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ0.83 (s, 9H), 1.25 (d, 3 J HP =16.4 Hz, 9H), 1.56 (m, 1H), 1.87 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 2.38 (m, 2H),
    3.21 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 4.01 (t, 8.4 Hz, 1H), 4.16 (t, 8.5 Hz, 1H); 13 C NMR
    (90 MHz, CDCl 3 ) δ25.6 (d, 2 J CP =1.6 Hz), 26.5, 30.6 (d, 2 J CP =7.9 Hz), 31.9 (d, J CP =47.2 Hz), 32.0, 33.8, 35.3 (d, J CP =43.6 Hz), 38.9 (d, J CP =40.0 Hz), 69.1, 75.9, 163.9; 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 ) δ87.3; ESI MS 302 (M + +H); HRMS 計算値 C 15 H 29 NOPS 302.1707 実測値 302.1716。

    4c: [α] 20 D =-98.9°(c=1, CHCl 3 ), 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ1.24 (d, 3 J HP =16.6 Hz, 9H), 1.58 (m, 1H), 1.91 (m, 1H), 2.16 (m, 2H), 2.39 (m, 2H), 3.28 (m, 2H), 3.19 (t, 8.3 Hz, 1H), 4.58 (t, 8.3 Hz, 1H), 5.14 (m, 1H), 7.19 (m, 5H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 ) δ25.0 (d, 2 J CP =1.1 Hz), 30.2 (d, 2 J CP =7.7 Hz), 31.3 (d, J CP =47.3
    Hz), 31.5, 34.8 (d, J CP =43.4 Hz), 38.6 (d, J CP =39.2 Hz), 69.6, 74.9, 127.3 (m),
    142.3, 165.2 (d, 2 J CP =4.6 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 ) δ88.8; APCI MS 322 (M + +H); HRMS 計算値 C 17 H 25 NOPS 322.1395 実測値 322.1409。

    4d: [α] 20 D =-54.2°(c=1, CHCl 3 ), 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ1.17 (d, 3 J HP =16.5 Hz, 9H), 1.52 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 2.07 (m, 2H), 2.32 (m, 2H), 2.58 (dd, 8.2 Hz, 13.6 Hz, 1H), 2.98 (dd, 5.5 Hz, 13.6 Hz, 1H), 3.06 (dd, 9.6 Hz, 17.3 Hz, 1H), 3.88 (t, 7.3 Hz, 1H), 4.09 (t, 8.5 Hz), 4.3 (m, 1H), 7.13 (m, 5H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 ) δ24.4, 24.6 (d, 2 J CP =1.2 Hz), 29.8 (d, 2 J CP =8.0 Hz), 30.9 (d, J CP =47.4 Hz), 34.3 (d, J CP = 43.4 Hz), 37.8 (d, J CP =39.1 Hz), 41.5, 66.8, 71.3, 125.8, 127.9, 128.8 (m), 163.7 (d, 2 J CP =4.7 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 ) δ88.5 ;APCI MS 336 (M + +H); HRMS 計算値 C 18 H 27 NOPS 336.1551 実測値 336.1542。

    4e: [α] 20 D =-83.9°(c=1, CHCl 3 ), 1 H NMR (360 MHz,CDCl 3 ) δ0.67 (t, 6.4 Hz, 6H), 1.04 (d, 3 J HP =16.4 Hz, 9H), 1.43 (m, 3H), 1.67 (m, 1H), 1.94 (m, 2H), 2.19 (m,
    2H), 3.00 (m, 1H), 3.60 (t, 7.4 Hz, 1H), 3.91 (m, 1 H), 4.08 (m, 8.5 Hz, 1H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 ) δ22.3, 22.5, 24.4, 24.6, 24.9, 29.8 (d, 2 J CP =7.9 Hz), 30.9 (d, J CP =47.4 Hz), 31.4 Hz, 34.3 (d, J CP =43.4 Hz), 37.9 (d, J CP =39.4 Hz), 45.3, 64.1, 72.6, 162.9 (d, 2 J CP =4.6 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 ) δ88.0; ESI MS 302 (M + +H); HRMS 計算値 C 15 H 28 NOPS 302.1708 実測値 302.1715。

    4f: [α] 20 D =+28.6°(c=0.9, CHCI 3 ), 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ0.82 (d, 6.7 Hz, 3H), 0.94 (d, 6.7 Hz, 3H), 0.95 (d, 3 J HP =16.4 Hz, 9H), 1.58 (m, 1H), 1.75 (m, 1H), 1.89 (m, 1H), 2.13 (m, 2H), 2.39 (m, 2H), 3.11 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 3.95 (t, 8.2 Hz, 1H), 4.20 (t, 8.2 Hz); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 ) δ18.6, 20.0, 25.2, 25.4 (d, 2 J CP =1.4 Hz), 30.7 (d, 2 J CP =7.8 Hz), 32.8 (d, J CP =47.6 Hz), 32.0, 33.2, 35.1 (d, J CP =43.6 Hz), 38.7 (d, J CP =39.8 Hz), 70.6, 72.8, 163.7 (d, 2 J CP =4.5 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 ) δ87.9 ; ESI MS 288 (M + +H); HRMS 計算値 C 14 H 27 NOPS 288.1551 実測値 288.1545。

    一般手順:
    2 −フラッシュしたシュレンクフラスコに5.0gのラネーNi 2800スラリーを装入した。 このラネーNiをメタノール(10mL×3)、エーテル(10mL×3)、および乾燥させた脱気したCH 3 CN(10mL×3)で逐次洗浄した。 次にこのフラスコに、カニューレによってCH 3 CN(20mL)中の4a〜f(1.5ミリモル)の溶液を移した。 得られた混合物をN 2下で2日間撹拌した。 次に混合物をN 2下で濾過した。 ラネーNi固体をCH 3 CN(10mL×5)で洗浄した。 濾液と合わせたCH 3 CNをN 2下で蒸発させて、油性残留物を得た。 残留物を、N 2下でAl 23 (塩基性)プラグを通過させて、純粋な油性生成物5a〜f(80〜95%)を得た。

    5a: 1 H NMR (400 MHz, CD 2 Cl 2 ) δ0.88 (d, 6.8 Hz, 3H), 0.94 (d, 6.8 Hz, 6.8 Hz),
    1.08 (d, 3 J HP =11.9 Hz, 9H), 1.72 (m, 4H), 2.01 (b, 3H), 2.81 (b, 1H), 3.85 (b, 1 H), 3.95 (t, 7.6 Hz, 1H), 4.20 (t, 7.6 Hz, 1H); 13 C NMR (100 MHz, CD 2 Cl 2 ) δ18.3, 18.8, 23.3 (d, 2 J CP =17.5 Hz), 27.6 (d, 2 J CP =14.5 Hz), 29.0, 29.1 (d, J CP =18.4 Hz), 33.2 (d, J CP =19.9 Hz), 36.9 (d, J CP =20.2 Hz), 70.2, 72.4, 169.1 (d, 2 J CP =15.9 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 ) δ26.0 ; ESI MS 256 (M + +H); HRMS 計算値 C 14 H 27 NOP 256.1830 実測値 256. 1820。

    5b: 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 ) δ0.71 (s, 9H), 0.90 (d, 3 J HP =11.9 Hz, 9H), 1.56 (m, 3H), 1.83 (m, 3H), 2.73 (b, 1H), 3.65 (m), 3.92 (t, 7.6 Hz, 1H), 3.99 (t, 9.3 Hz, 1H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 ) δ21.9 (d, 2 J CP =17.6 Hz), 24.8, 26.4 (d, 2 J CP =14.2 Hz), 27.7 (d, 2.84 Hz), 28.9 (d, J CP =18.0 Hz), 32.4 (d, J CP =70.0 Hz), 35.8 (d, J CP =19.8 Hz), 67.7, 74.4, 168.9 (d,, 2 J CP =15.9 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 ) δ25.2; ESI MS 270 (M + +H); HRMS 計算値C 15 H 29 NOP 270.1987 実測値 270.1972。

    5c: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 ) δ0.98 (d, 3 J HP =12.0 Hz, 9H), 1.66 (m, 3H), 1.92 (m, 3H), 2.80 (m, 1H), 3.91 (t, 7.9 Hz, 1H), 4.46 (dd, 8.3 Hz, 10.0 Hz, 1H), 5.01 (m, 1H), 7.17 (m, 5H); 13 C NMR (90 MHz, CD 2 Cl 2 ) δ23.5 (d, 2 J CP =17.6 Hz), 27.9 (d, 2 J CP =14.4 Hz), 29.2 (d, 2 J CP =2.1 Hz), 29.4 (d, J CP =18.7 Hz), 33.4, 37.1 (d, J CP =20.1 Hz), 70.1, 75.3, 127.0-129.1 (m), 144.0, 172.0 (d, 2 J CP =15.8 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ27.4; ESI MS 290 (M + +H); HRMS 計算値C 17 H 24 NOP 290.1674 実測値 290.1663。

    5d: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 )δ1.06 (d, 3 J HP =11.9 Hz, 9H), 1.74 (m, 3H), 2.01 (m, 3H), 2.67 (dd, 7.5 Hz, 13.6 Hz, 1H), 2.74 (m,1H), 2.96 (dd, 6.1 Hz, 13.6 Hz, 1H), 3.92 (dd, 7.0 Hz, 8.2 Hz, 1H), 4.17 (t, 9.0 Hz, 1H), 4.30 (m, 1H), 7.28 (m,
    5H); 13 C NMR (90 MHz, CD 2 Cl 2 )δ23.4 (d, J CP =17.9 Hz), 27.8 (d, 2 J CP =14.4 Hz), 29.1 (d, 2 J CP =2.2 Hz), 29.3 (d, J CP =18.7 Hz), 33.4 (d, 2 J CP =1.2 Hz), 37.1 (d, J CP =20.0 Hz), 42.5, 68.0, 72.2, 126.8, 128.9, 130.0, 139.2, 170.9 (d, 2 J CP =15.8 Hz)
    ; 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ26.7; ESI MS 304 (M + +H); HRMS 計算値 C 18 H 27 NOP 304.1830 実測値 304.1836。

    5e: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 )δ0.86 (d, 4.3 Hz, 3H), 0.92 (d, 4.3 Hz, 3H), 1.03 (d, 3 J HP =11.9 Hz, 9H), 1.25 (m, 1H), 1.49 (m, 1H), 1.73 (m, 4H), 1.95 (m, 3H), 2.74 (m, 1H), 3.75 (t, 7.7 Hz, 1H), 4.03 (m, 1H), 4.25 (dd, 8.0 Hz, 9.1 Hz, 1H); 13 C NMR (90 MHz, CD 2 Cl 2 )δ23.1, 23.3 (d, 2 J CP =17.7 Hz), 26.0, 27.8 (d, 2 J CP =14.4 Hz), 29.1 (d, 2 J CP =2.4 Hz), 29.2 (d, J CP =18.7Hz), 33.3 (d, 1.6 Hz), 37.1 (d, J CP =19.9 Hz), 46.3, 65.2, 73.4, 169.9 (d, 2 J CP =15.8 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ26.1; ESI MS 270 (M + +H); HRMS 計算値 C 15 H 28 NOP 270.1987 実測値 270.2042。

    5f: 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 )δ0.73 (d, 6.8 Hz, 3H), 0.80 (d, 6.8 Hz, 3H), 0.93 (d, 3 J HP =12.0 Hz, 9H), 1.49 (m, 1H), 1.66 (m, 3H), 1.89 (m, 3H), 2.66 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.84 (t, 7.6 Hz, 1H), 4.07 (t, 8.8 Hz, 1H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ16.6, 17.9, 21.8 (d, 2 J CP =17.4 Hz), 26.5 (d, 2 J CP =14.3 Hz), 27.5 (d, 2 J CP =2.4 Hz), 27.8 (d, J CP =18.0 Hz), 31.3, 31.9 (d, 1.1 Hz), 35.5 (d, J CP =19.8 Hz), 68.5, 70.6, 169.0 (d, 2 J CP =15.5 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CDCl 3 )δ25.9 ; ESI MS 256 (M + +H); HRMS 計算値 C 14 H 27 NOP 256.1830 実測値 256.1805。

    実施例9、Ir−PN化合物の製造

    一般手順:
    シュレンクチューブに5a〜f(0.346ミリモル)、[Ir(COD)Cl] 2 (116mg、0.173ミリモル)、および乾燥させた脱気したCH 2 Cl 2 (4mL)を加えた。 濃赤色混合物を、その場で31 P NMRが、出発物質が消費されたことを示すまで、N 2下で1時間加熱して還流させた。 反応混合物を室温まで冷却した後、Na[BARF](453mg、0.519ミリモル)を加え、続いて脱気したH 2 O(5mL)を加えて、得られた二相混合物を30分間激しく撹拌した。 2つの層を分離して、水層をさらにCH 2 Cl 2で洗浄した。 合わせたCH 2 Cl 2溶液を蒸発させて、褐色残留物を得て、これをその後、Al 23プラグ(溶離剤:ヘキサン:CH 2 Cl 2 =1:2)を通過させて、純粋な橙色生成物6a〜fを50〜70%収率で得た。

    6a: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 )δ0.74 (d, 6.8 Hz, 3H), 0.91 (d, 7.0 Hz, 3H), 1.17
    (d, 3 J HP =15.4 Hz, 9H), 1.58 (m, 2H), 1.83-2.40 (m, 13H), 3.09 (m, 1H), 4.13 (m,
    3H), 4.51 (t, 9.4 Hz, 1H), 4.65 (dd, 3.8 Hz, 9.4 Hz, 1H), 4.94 (m, 2H), 7.59 (s, 4H), 7.73 (s, 8H); 13 C NMR (90 MHz, CD 2 Cl 2 )δ14.0, 19.0, 24.0 (d, 2 J CP =25.6 Hz), 27.1 (d, 2 J CP =3.5 Hz), 27.8, 30.1 (d, 1.9 Hz), 31.1, 32.2 (d, 1.9 Hz), 32.5 (d, J CP =23.4 Hz), 33.9 (d, 2.1 Hz), 36.2 (d, 3.7 Hz), 37.8 (d, J CP =30.0 Hz), 60.6, 63.1, 70.0, 73.0, 90.3 (d, 11.8 Hz), 93.5 (d, 10.9 Hz), 118.0 (t), 120.7, 123.7, 126.7, 129.3 (dd, 28.4 Hz, 58.6 Hz), 135.4 (t, 92.9 Hz), 162.3 (q, 49.6 Hz), 190.1 (d, 2 J CP =19.7 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ51.9; ESI+ MS: 556 (陽イオン+1); ESI- MS: 863 (陰イオン); HRMS 計算値 IrC 22 H 39 NOP 556.2320 実測値 556.2318 ; HRMS 計算値 C 32 H 12 F 24 B 863.0649 実測値 863.0650。

    6b: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 ) 0.88 (s, 9H), 1.15 (d, 3 J HP =15.4 Hz, 9H), 1.43 (b, 2H), 1.60-2.40 (m, 11 H), 2.87 (d, 7.6 Hz, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.80 (b, 1H), 4.38 (m, 2H), 4.54 (m, 1H), 4.73 (dd, 1.8 Hz, 9.8 Hz), 5.02 (b, 1H), 7.48 (s, 4H),
    7.64 (s, 8H); 13 C NMR (90 MHz, CD 2 Cl 2 )δ23.7, 24.0, 25.5, 26.0, 25.5, 27.3 (d, 2 J CP =3.4 Hz), 29.4, 31.5 (d, J CP =25.5 Hz), 34.0, 34.8, 35.7, 37.2 (d, J CP =30.3 Hz), 37.7, 56.5, 65.2, 71.1, 75.2, 86.0 (d, 16.5 Hz), 96.0 (d, 8.1 Hz), 111.8 (t), 120.7, 123.7, 126.7, 129.4 (dd, 28.5 Hz, 62.7 Hz), 135.4 (t), 162.3 (q, 49.4 Hz), 188.4 (d, 2 J CP =17.9 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ42.4; ESI+ MS: 570 (陽イオン+1); HRMS 計算値 IrC 23 H 41 NOP 570.2477 実測値 570.2437 ; HRMS 計算値 C 32 H 12 F 24 B 863.0649 実測値 863.0633。

    6c: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 )δ1.09 (d, 3 J HP =15.5 Hz, 9H), 1.25 (m, 1H), 1.46 (m, 2H), 1.80-2.40 (m, 11H), 3.19 (m, 1H), 3.78 (m, 2H), 4.00 (m, 1H), 4.46 (dd, 5.2 Hz, 9.2 Hz, 1H), 4.81 (m, 1H), 4.93 (dd, 9.4 Hz, 10.0 Hz, 1H), 5.23 (m, 1H),
    7.01 (m, 2H), 7.34 (m, 3H), 7.48 (s, 4H), 6.65 (s, 8H); 13 C NMR (100 MHz, CD 2 Cl 2 )δ23.1 (d, 2 J CP =26.5 Hz), 27.3, 27.6, 28.0, 28.5, 30.9, 31.4, 33.0 (d, J CP =23.6 Hz), 33.9, 35.4, 37.1 (d, J CP =29.9 Hz), 61.7, 62.6, 69.4, 81.3, 93.3 (d, 11.6 Hz), 94.2 (d, 13.9 Hz), 118.3, 121.3, 124.0, 126.5, 126.7, 129.6 (dd, 25.2 Hz, 67.1 Hz), 130.5 (m), 135.6, 139.2, 162.5 (q, 49.5 Hz), 191.3 (d, 2 J CP =19.8 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ53.7; ESI+ MS: 590 (陽イオン+1); HRMS 計算値 IrC 25 H37NOP 590.2164 実測値 570.2120。

    6d: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 )δ1.18 (d, 3 J HP =15.5 Hz, 9H), 1.64 (m, 3H), 1.80-2.50 (m, 11H), 2.61 (dd, 9.8 Hz, 14.1 Hz, 1H), 3.06 (m, 2H), 4.08 (m, 1H), 4.29 (m, 2H), 4.49 (t, 9.0 Hz, 1H), 4.69 (dd, 2.7 Hz, 9.4 Hz), 4.98 (m, 1H), 5.12 (b, 1H), 7.20 (m, 2H), 7.35 (m, 3H), 7.57 (s, 4H), 7.73 (s, 8H); 13 C NMR (100 MHz, CD 2 Cl 2 )δ23.7 (d, 2 J CP =24.6 Hz), 26.6, 27.0 (d, 2 J CP =3.7 Hz), 27.2, 30.0 (d, J CP =15.4 Hz), 32.1, 32.3 (d, 6.3 Hz), 33.4, 36.3 (d, 3.7 Hz), 36.7 (d, J CP =30.1 Hz),
    41.4, 60.4, 64.0, 65.2, 76.6, 88.9 (d, 12.6 Hz), 94.3 (d, 10.3 Hz), 117.8, 120.9, 123.6, 126.3, 128.3, 129.1 (m), 129.6, 134.5, 135.2, 162.0 (q, 49.5 Hz), 190.1 (d, 2 J CP =19.2 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ52.0; ESI+ MS: 604 (陽イオン+1); HRMS 計算値 IrC 26 H39NOP 604.2320 実測値 604.2322。

    6e: 1 H NMR (360 MHz, CD 2 Cl 2 )δ0.93 (d, 6.5 Hz, 3H), 0.97 (d, 6.5 Hz), 1.18 (d,
    3 J HP =15.5 Hz, 9H), 1.39 (m, 2H), 1.60 (m, 4H), 1.80-2.50 (m, 11H), 3.06 (d, 7.6
    Hz), 3.98 (m, 2H), 4.21 (m, 1H), 4.56 (m, 2H), 4.77 (m, 1H), 5.01 (m, 1H), 7.57
    (s, 4H), 7.73 (s, 8H); 13 C NMR (90 MHz, CD 2 Cl 2 )δ21.6, 23.8, 23.9 (d, 2 J CP =24.6
    Hz), 25.8, 26.5, 27.1 (d, 2 J CP =3.7 Hz), 27.4, 30.2, 32.3 (d, J CP =24.1 Hz), 32.5, 33.8, 36.4 (d, 3.8 Hz), 37.0 (d, J CP =30.2 Hz), 45.0, 60.4, 63.3, 64.0, 77.6, 89.2 (d, 12.4 Hz), 64.6 (d, 40.9 Hz), 118.1 (t), 120.7, 123.7, 126.7, 129.5 (dd, 37.7Hz, 76.2 Hz), 135.4 (t, 103.7 Hz), 162.4 (q, 49.7 Hz), 189,5 (d, 2 J CP =24.6 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ51.3; ESI+ MS: 570 (陽イオン+1); HRMS 計算値 IrC 23 H 41 NOP 570.2477 実測値 570.2423。

    6f: 1 H NMR (400 MHz, CD 2 Cl 2 )δ0.79 (d, 6.8 Hz, 3H), 1.00 (d, 7.1 Hz, 3H), 1.18
    (d, 3 J HP =15.5 Hz, 9H), 1.80-2.30 (m, 12H), 2.40 (m, 2H), 3.55 (m, 1H), 4.18 (m,
    1H), 3.93 (m, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.52 (t, 9.4 Hz, 1H), 4.58 (m, 1H), 4.75 (dd, 3.6 Hz, 9.7 Hz, 1H), 5.02 (m, 1H), 7.61 (s, 4H), 7.77 (s, 8H); 13 C NMR (100 MHz,
    CD 2 Cl 2 )δ14.3 (d, 9.6 Hz), 18.6 (d, 3.5 Hz), 22.6 (d, 2 J CP =29.7 Hz), 27.1 (d, 2 J CP =4.6 Hz), 27.6, 27.7, 31.5, 31.8, 32.5, 33.5 (d, J CP =21.2 Hz), 35.1, 36.4 (d,
    J CP =30.4 Hz), 62.5 (d, 7.5 Hz), 65.4, 68.9, 73.3, 85.6 (d, 14.2 Hz), 94.9 (d, 8.7 Hz), 117.7, 120.9, 123.6, 126.3, 129.2 (dd, 37.2 Hz, 68.5 Hz), 135.2, 162.1 (q, 49.7 Hz), 187.0 (d, 2 J CP =20.9 Hz); 31 P NMR (145 MHz, CD 2 Cl 2 )δ60.0 ; ESI+ MS:
    556 (陽イオン+1); ESI-MS: 863 (陰イオン) ; HRMS 計算値 IrC 22 H 39 NOP 556.2320 実測値 556.2309 ; HRMS 計算値 C 32 H 12 F 24 B 863.0649 実測値 863.0650。

    実施例10:未官能化アルケンの不斉還元一般水素化手順:
    CH 2 Cl 2 (2mL)中のオレフィン基質(0.2ミリモル)の溶液に、窒素下でIr錯体6(2マイクロモル、1モル%)を加えた。 次にこの溶液をオートクレーブ内に移した。 水素化を50バールのH 2下、室温で12〜48時間実施した。 水素を注意深く放出した後、反応混合物を蒸発させた。 残留物を酢酸エチルに再溶解させて、これをその後、短シリカゲルプラグを通過させて、触媒を除去した。
    得られた溶液をキラルGCまたはHPLCのために直接使用して、エナンチオマー過剰率を測定した。

    メチルスチルベンのIrに触媒された不斉水素化

    [a]詳細な条件については実験の項参照。 [b]eeは、キラルHPLC[Chiralcel OJH]によって決定した。 [c]絶対配置は、旋光を報告されたデータと比較することによって指定した。

    β−メチル桂皮酸エステルのIrに触媒された不斉水素化

    [a]詳細な条件については実験の項参照。 [b]eeは、キラルHPLC[Chiralcel OJH]またはキラルGC[Chiralselect 1000]によって決定した。 [c]絶対配置は、旋光を報告されたデータと比較することによるかまたは類推によって指定した。

    一連の(E)−α,β―不飽和エステルを公知手順に従ってヘック反応によって製造した:Littke, AF;Fu, GCJ Am. Chem. Soc., 2001, 123, 6989-7000。 シュレンクフラスコにハロゲン化アリール(6.6ミリモル)、クロトン酸メチル(1.40mL、13.2ミリモル)、Pd 2 (dba) 2 (151mg、165マイクロモル)、Cy 2 NMe(1.55mL、7.26ミリモル)、脱気した乾燥したジオキサン(20mL)、そして次にt Bu 3 P(67mg、0.33ミリモル)を加えた。 全混合物をN 2下、室温で一晩撹拌した。 反応の終わりに、混合物をEt 2 Oで希釈して、シリカゲルのパッドを通して十分に洗浄しながら濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物を70〜80%収率で得た。

    7: 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ2.62 (d, 1.3 Hz, 3H), 3.78 (s, 3H), 6.17 (d, 1.2 Hz, 1H), 7.40 (m, 3H), 7.51 (m, 2H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ18.4, 51.5, 117.1, 126.7, 128.9, 129.5, 142.6, 156.3, 167.7; APCI MS: 177 (M + +1); HRMS 計算値 C 11 H 13 O 2 177.0916 実測値 177.0906。

    8: 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 )δ2.55 (d, 1.2 Hz, 3H), 3.74 (s, 3H), 6.09 (d, 1.2 H
    z, 1H), 7.05 (m, 2H), 7.45 (m, 2H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ18.2, 51.3, 115.6 (d, 21.6 Hz), 116.8, 128.8 (d, 32.0 Hz), 138.4, 154.7, 162.1, 164.8, 167.3 ;APCI MS: 195 (M + +1); HRMS 計算値 C 11 H 12 O 2 F 195.0821 実測値 195.0824。

    9: 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ2.58 (d, 1.3 Hz, 3H), 3.78 (s, 3H), 6.14 (dd, 1.2 Hz, 2.4 Hz, 1H), 7.38 (m, 4H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 )δ18.3, 51.6, 117.5, 128.0, 129.1, 135.5, 140.9, 154.8, 167.5 ;APCI MS: 211 (M + +1); HRMS 計算値 C 11 H 12 O 2 Cl 211.0526 実測値 211.0519。

    10: 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ2.40 (s, 3H), 2.61 (d, 1.2 Hz, 3H), 3.79 (s, 3H),
    6.17 (d, 1.2 Hz, 1H), 7.21 (d, 8.0 Hz, 2H), 7.42 (d, 8.0 Hz, 2H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 )δ18.3, 21.6, 51.5, 116.2, 126.7, 129.6, 139.6, 156.2, 167.8; APCI MS: 191 (M + +1); HRMS 計算値 C 12 H 15 O 2 191.1072 実測値 191.1058。

    11: 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 )δ2.59 (d, 1.2 Hz, 3H), 3.79 (s, 3H), 6.15 (d, 1.2 Hz, 1H), 7.24 (d, 8.1 Hz, 2H), 2.55 (dd, 2.0 Hz, 7.9 Hz); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ18.1, 51.3, 117.7, 119.2, 121.0, 121.1, 128.0, 140.9, 149.9, 154.3, 167.1;

    12: 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ2.58 (d, 1.2 Hz, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.81 (s, 3H),
    6.13 (dd, 1.1 Hz, 2.4 Hz, 1H), 6.89 (dd, 2.1 Hz, 6.8 Hz, 2H), 7.45 (dd, 2.1 Hz,
    6.8 Hz, 2H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 )δ18.0, 51.4, 55.7, 114.2, 115.2, 134.5, 155.6, 160.9, 167.8; APCI MS: 207 (M + +1); HRMS 計算値 C 12 H 15 O 3 207.1021 実測値 207.1023。

    13: 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 )δ2.40 (s, 3H), 2.60 (d, 1.0 Hz, 3H), 3.78 (s, 3H),
    6.16 (d, 1.0 Hz, 1H), 7.21 (m, 1H), 7.29 (m, 3H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ18.2, 21.6, 51.2, 116.8, 123.6, 127.2, 128.6, 130.0, 138.3, 142.4, 156.3, 167.5 ; ESI MS: 191 (M + +1) ; HRMS 計算値 C 12 H 15 O 2 191.1072 実測値 191.1091。

    14: 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 )δ2.68 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 6.04 (s, 1H), 7.32 (m, 1H), 7.53 (m, 3H), 7.90 (m, 3H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ21.9, 51.3, 120.4, 124.4, 125.4, 126.2, 126.5, 128.4, 128.7, 130.3, 133.9, 142.2, 157.6, 167.2; ESI MS: 227 (M + +1); HRMS 計算値 C 15 H 15 O 2 227.1072 実測値 227.1066。

    15: 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ2.74 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 6.33 (s, 1H), 7.56 (m, 3H), 7.90 (m, 4H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 )δ18.4, 51.6, 117.5, 124.4, 126.4, 127.0, 127.2, 128.0, 128.6, 128.9, 133.5, 133.9, 139.6, 156.1, 167.7; APCI MS: 227 (M + +1); HRMS 計算値 C 15 H 15 O 2 227.1072 実測値 227.1064。

    新規水素化生成物の分析データおよびGCまたはHPLC条件
    7の水素化生成物:
    98% ee; [α] 20 D =-15.5°(c=0.7, CHCl 3 ); キラルHPLC: Chiralcel OJH, hex: iPr=95:5, t R =7.9分 (R), 9.0分 (S); 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ1.33 (d, 7.0 Hz, 3H), 2.58 (dd, 8.2 Hz, 15.1 Hz, 1H), 2.66 (dd, 6.9 Hz, 15.1 Hz, 1H), 3.30 (s, 3H), 7.31 (m, 5H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 )δ22.2, 36.9, 43.2, 51.9, 126.8, 127.1, 128.9, 146.1, 173.3; APCI MS: 196 (M + +NH 4 + ); HRMS 計算値 C 11 H 18 NO 2 196.1338 実測値 196.1335。

    8の水素化生成物:
    95% ee; [α] 20 D =-1.9°(c=0.5, CHCl 3 ); キラルGC: Chiralselect 1000, 140℃, t R =1
    9.3分 (S), 19.9 (R); 1 H NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ1.31 (d, 7.0 Hz, 3H), 2.60 (m, 2H),
    3.30 (m,1H), 3.64 (s, 3H), 7.16 (d, 8.0 Hz, 2H), 7.27 (m, 2H); 13 C NMR (100 MHz, CDCl 3 )δ22.2, 36.2, 43.0, 51.9, 121.4, 128.4, 144.7, 148.1, 172.9; APCI MS: 214 (M + +NH 4 + ); HRMS 計算値 C 11 H 17 FNO 2 214.1243 実測値 214.1248。

    9の水素化生成物:
    98% ee; [α] 20 D =-32.4°(c=1.1, CHCl 3 ); キラルGC: Chiralselect 1000, 140℃, t R =53.7分 (S), 55.5分 (R); 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ1.29 (d, 7.0 Hz, 3H), 2.58 (m, 2H), 3.29 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 7.17 (m, 2H), 7.27 (m, 2H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 ) δ22.2, 36.3, 43.0, 52.0, 128.5, 129.0, 132.4, 144.5, 173.0; APCI MS: 230(M + +NH 4 + ); HRMS 計算値 C 11 H 17 ClNO 2 230.0948 実測値 230.0942。

    10の水素化生成物:
    97% ee; [α] 20 D =-2.4°(c=0.3, CHCl 3 ); キラルGC: Chiralselect 1000, 140℃, t R =27.1分 (S), 27.7分 (R); 1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 )δ1.31 (d, 7.0 Hz, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.56 (dd, 8.2 Hz, 15.1 Hz, 1H), 2.64 (dd, 7.0 Hz, 15.1 Hz, 1H), 3.29 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 7.14 (s, 4H); 13 C NMR (100 MHz, CDCl 3 )δ21.4, 22.3, 36.4, 43.2, 51.9, 127.0, 129.6, 136.3, 143.1, 173.3; ESI MS: 210(M + +NH 4 + ); HRMS 計算値C 12 H 20 NO 2 210.1494 実測値 210.1479。

    11の水素化生成物:
    97% ee; [α] 20 D =-23.4°(c=0.3, CHCl 3 ); キラルGC: Chiralselect 1000, 140℃, t R =20.0分 (S), 20.5分 (R); 1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 )δ1.30 (d, 7.0 Hz, 3H), 2.58 (m, 2H), 3.29 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 6.99 (m, 2H), 7.20 (m, 2H); 13 C NMR (100 MHz, CDCl 3 )δ22.4, 36.2, 43.2, 51.9, 115.5, 128.5, 141.7, 160.6, 163.1, 173.1; ESI MS: 280(M + +NH 4 + ); HRMS 計算値 C 12 H 17 F 3 NO 3 280.1161 実測値 280.1173。

    12の水素化生成物:
    97% ee;[α] 20 D =-23.8°(c=0.7, CHCl 3 ); キラルHPLC:Chiralcel OJH, hex :iPr=95:5,
    t R =12.1分 (R), 13.9分 (S); 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 )δ1.27 (d, 7.5 Hz, 3H), 2.52 (dd, 8.0 Hz, 15.0 Hz, 1H), 2.59 (dd, 7.1 Hz, 15.0 Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 6.83 (m, 2H), 7.15 (m, 2H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ22.1, 35.9, 43.2, 51.6, 55.4, 114.1, 127.8, 138.1, 158.3, 173.1; ESI MS: 226(M + +NH 4 + ); HRMS 計算値C 12 H 20 NO 3 226.1443 実測値 226.1425。

    13の水素化生成物:
    99% ee; [α] 20 D =-20.2°(c=0.5, CHCl 3 ); キラルGC: Chiralselect 1000, 140℃, t R =47.0分 (S), 48.0分 (R); 1 H NMR (360 MHz, CDCl 3 )δ1.31 (d, 7.0 Hz, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.52 (dd, 8.4 Hz, 15.2 Hz, 1H), 2.64 (dd, 6.7 Hz, 15.1 Hz, 1H), 3.25 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 7.04 (m, 3H), 7.21 (m, 1H); 13 C NMR (90 MHz, CDCl 3 )δ21.6, 22.0, 35.5, 36.5, 42.9, 51.6, 123.9, 127.4, 127.7, 128.6, 138.2, 145.9, 173.1; ESI MS: 210 (M + +NH 4 + ); HRMS 計算値 C 12 H 20 NO 2 210.1494 実測値 210.1479。

    14の水素化生成物:
    98% ee;[α] 20 D =+1.8°(c=0.72, CHCl 3 ); キラルHPLC: Chiralcel OJH, hex: iPr=99:1, t R =32.2分 (R), 36.5分 (S); 1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 )δ1.48 (d, 6.9 Hz, 3H), 2.67
    (dd, 9.3 Hz, 15.3 Hz, 1H), 2.89 (dd, 5.3 Hz, 15.3 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 4.21 (m, 1H), 7.50 (m, 4H), 7.77 (d, 8.0 Hz, 1H), 7.90 (d, 8.0 Hz, 1H), 8.22 (d, 8.4 Hz, 1H); 13 C NMR (100 MHz, CDCl 3 )δ21.6, 31.2, 42.7, 51.9, 122.7, 123.4, 125.9, 126.5, 127.4, 129.4, 131.5, 134.4, 142.1, 173.5 ; ESI MS: 246(M + +NH 4 + ); HRMS 計算値 C 15 H 20 NO 2 246.1494 実測値 246.1497。

    15の水素化生成物:
    95% ee;[α] 20 D =-40.2°(c=1.2, CHCl 3 ); キラルHPLC: Chiralcel OJH, hex : iPr=99:1, t R =65.2分 (R), 70.9分 (S); 1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ1.43 (d, 7.0 Hz, 3H), 2.68 (dd, 8.1 Hz, 15.2 Hz, 1H), 2.78 (dd, 7.0 Hz, 15.2 Hz, 1H), 3.49 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 7.46 (m, 3H), 7.69 (s, 1H), 7.83 (m, 2H); 13 C NMR (75 MHz, CDCl 3 )δ22.2, 37.0, 43.1, 52.0, 125.4, 125.8, 125.9, 126.4, 128.0, 128.1, 128.6, 132.8, 134.0, 143.6, 173.3 ; ESI MS: 246(M + +NH 4 + ); HRMS 計算値 C 15 H 20 NO 2 246.1494 実測値 246.1481。

    実施例10:下記のビスホスフィンの合成および構造TangPhos型リガンドの合成および適用

    下記の構造を有するキラルビスホスフィンを、上に概略を示した手順によって製造した:

    相当するビスホスフィンスルフィドのX−線構造を得て、下に示す:


    さらに別の適用 このリガンドを含むRh−化合物は、エナミド[例えば、PhCH(NHAc)CHCOOEtのE/Z混合物]を水素化してベータアミノ酸を製造するための有効な触媒である(99%eeまでが達成された)。

    本発明を好ましい態様に特に言及しながら説明した。 前記の詳細な説明および実施例が本発明を単に具体的に説明するものであることは、理解されるべきである。 その種々の代替物および変更は、本発明の精神および範囲から離れることなく当業者によって工夫されることができる。 したがって、本発明は、添付した特許請求の範囲の範囲内に入るすべてのそのような代替物、変更、および変形物を包含することを意図している。

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