Braze composition and related devices

申请号 JP2013107545 申请日 2013-05-22 公开(公告)号 JP2014012295A 公开(公告)日 2014-01-23
申请人 General Electric Co ; ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ; 发明人 RAGHAVENDRA RAO ADHARAPURAPU; SUNDEEP KUMAR; MUHAMMAD LARMAIN;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a braze alloy composition for sealing a ceramic component to a metal component in an electrochemical cell, and an electrochemical cell using the braze alloy composition for sealing a ceramic component to a metal component in the cell.SOLUTION: A braze alloy composition 140, 150 includes copper, nickel, and an active metal element. The braze alloy composition includes nickel in an amount less than about 30 weight percent, and the active metal element in an amount less than about 10 weight percent. The active metal element is Ti, Zr, Hf, V, or a combination thereof.
权利要求
  • 銅、ニッケル、及び活性金属元素を有する蝋付け合金組成物であって、当該蝋付け合金組成物の全重量に基づいて、ニッケルが約30重量パーセント未満の量で存在し、且つ前記活性金属元素が約10重量パーセントまでの量で存在している、蝋付け合金組成物。
  • 約3重量パーセント〜約20重量パーセントのニッケルを有する請求項1記載の蝋付け合金組成物。
  • 約1重量パーセント〜約3重量パーセントの前記活性金属元素を有する請求項1記載の蝋付け合金組成物。
  • 前記活性金属元素は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、又はそれらの組合せを有している、請求項1記載の蝋付け合金組成物。
  • 前記活性金属元素はチタンである、請求項1記載の蝋付け合金組成物。
  • 前記蝋付け合金は更に、クロム、ニオブ、コバルト、鉄、モリブデン、タングステン、パラジウム、及びそれらの組合せから成る群から選択された追加の合金化元素を有している、請求項1記載の蝋付け合金組成物。
  • 第1の部品及び第2の部品を有する電気化学セルであって、前記第1の部品及び前記第2の部品は、銅、ニッケル及び活性金属元素を有する蝋付け合金組成物によって互いに対して接合されており、また、前記蝋付け合金組成物の全重量に基づいて、ニッケルが約30重量パーセント未満の量で存在し、且つ前記活性金属元素が約10重量パーセントまでの量で存在していること、を特徴とする電気化学セル。
  • 前記蝋付け合金組成物は、前記第1の部品を前記第2の部品に接合する活性蝋付けシールを構成する、請求項7記載の電気化学セル。
  • 前記第1の部品は金属を有し、且つ前記第2の部品はセラミックを有している、請求項7記載の電気化学セル。
  • 請求項7記載の電気化学セルを複数個有するエネルギ蓄積装置。
  • 说明书全文

    本発明は、一般的にえば、蝋付け組成物(braze composition) に関するものである。 或る特定の実施形態では、本発明は、高温型の再充電可能な蓄電池に対して耐食性封止及び他の利点をもたらす蝋付け組成物に関するものである。

    本願は、2012年5月25日出願の米国仮特許出願番第61/651817号、発明の名称「蝋付け用の組成物、並びに関連方法及び装置」(出願人整理番号256606−1)に関連するものであり、該出願は参照により組み入れられる。

    多種類のシール材料が、高温型の再充電可能な蓄電池/セルにおいて相異なる構成部品を接合するために使用することが検討されている。 ナトリウム/硫黄又はナトリウム/金属ハロゲン化物セルは、一般に幾つかのセラミック及び金属部品を含んでいる。 セラミック部品には、電気絶縁性αアルミナのカラー及びイオン伝導性電解質βアルミナの管が含まれており、それらは一般に封止ガラスにより接合又は結合されている。 金属部品には、金属外被、電流コレクタ部品、及び他の金属部品が含まれており、それらは、多くの場合、溶接又は熱圧着(TCB)によって接合される。 しかしながら、金属・セラミック間結合は、主に、セラミック部品と金属部品との熱膨張係数の不整合によって生じる熱応に起因して、問題が生じることがある。

    金属・セラミック間結合は、セルの信頼性及び安全性にとって最も重要である。 金属をセラミック部品に接合するために、セラミック接着剤、蝋付け及び焼結などの多種類のシール材料及び封止プロセスが検討されている。 しかしながら、殆どのシールは、高温及び腐食性環境に耐えることができない虞がある。

    普通の結合技術は、セラミック部品を金属化(メタライズ)し、次いでTCBを用いて金属化セラミック部品を金属部品に結合する複数の工程を必要とする。 このような金属・セラミック間接合部の結合強度は、広範囲の変数、例えば、セラミック部品の微細構造、セラミック部品の金属化、及び様々なTCB処理パラメータによって制御される。 良好な結合強度を保証するために、このプロセスは、様々な処理工程において必要とされる幾つかのパラメータの厳密な制御を必要とする。 手短に云えば、この方法は、多数の工程を必要とすことから、比較的コストが高く且つ複雑であり、また処理工程を制御するのが困難である。

    蝋付けは、セラミック・金属間接合部を作るための別の可能性のある技術である。 蝋付け材料がその融点より高い温度に加熱されて、毛管作用によって、2つ以上の密に嵌合する部品の間に分配される。 しかしながら、殆どの蝋付け用材料(すなわち、蝋付け材料)は、高温型蓄電池の不可欠な要件の全てを満たすのを妨げる制約を持つ。 その上、市販の蝋付け材料の幾種類かは極めて高価であることがあり、またそれらを様々なプロセスで効率よく使用することはコスト高になることもある。

    そこで、高温型の再充電可能な蓄電池についての性能要件を満たす特性及び特質を持つと共に、既存の封止方法と比べて処理するコストの低い新規な蝋付け合金組成物を開発することが望ましいであろう。

    米国特許第6149051号明細書

    本発明の様々な実施形態では、腐食性環境に耐えることのできるシールを形成するために、セラミックを金属に対して封止するための蝋付け合金組成物を提供することができる。

    本発明の一実施形態によれば、銅、ニッケル及び活性金属元素(active metal element)を有する蝋付け合金組成物が開示される。 蝋付け合金は、ニッケルを約30重量パーセント未満の量で含むと共に、活性金属元素を約10重量パーセント未満の量で含む。

    一実施形態では、蝋付け合金組成物を取り入れた電気化学セルが開示される。 蝋付け合金は、セラミック・金属間接合部を形成する活性金属元素を含んでいて、動作温度において他の好ましい機械的特性と共に良好なナトリウム耐性及びハロゲン化物耐性を持ち、また高い温度において良好な安定性を持ち、また良好な熱膨張特性などを持っている。 一実施形態では、また、エネルギ蓄積装置も開示される。

    本発明のこれらの及び他の特徴、側面及び利点は、添付図面を参照した以下の詳しい説明を読むことによってより良く理解されよう。

    図1は、一実施形態に従った電気化学セルの断面を示す概略図である。

    図2は、セラミックと蝋付け合金との間の界面を示す走査型電子顕微鏡写真である。

    本発明は、電気化学セル、例えば、ナトリウム/硫黄又はナトリウム・金属ハロゲン化物蓄電池を封止するための蝋付け合金組成物に関する実施形態を含む。 本発明はまた、蝋付け組成物を用いて作られた電気化学セルに関する実施形態を含む。 以下に詳しく述べるように、本発明の或る実施形態では、セラミック部品を金属部品に対して封止するための蝋付け合金を提供し、また、例えば金属ハロゲン化物蓄電池について、同様に封止するための方法を提供する。 これらの実施形態は、改善されたシール及び封止方法を有利に提供する。 本明細書では金属ハロゲン化物蓄電池に関する例を記述するが、それらのプロセスは、セラミック・金属間接合又はセラミック・セラミック間接合を含む任意の他の用途に適用することができる。

    本発明の様々な実施形態の要素を表すとき、数を特記していない表現は、特に別に規定していない限り、1つ以上の要素が存在することを意味するものとする。 また、用語「有する」、「含む」及び「持つ」は、排他的なものではなく、列挙した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味するものとする。 また、本書で用いられる用語「及び/又は」及び記号「/」は、関連して列記された項目の内の1つ又は複数の項目の任意の及び全ての組合せを含む。 また、用語「〜上に配置された」、「〜上に堆積された」又は「〜の間に配置された」は、特に別に規定していない限り、複数の層、物体などが直接接触しているか、或いは間接的に接触していること、例えば、両者間に介在層を持つことを表す。

    また、本明細書及び特許請求の範囲の記載全体にわたって用いられているような、近似を表す用語は、それが関係している基本的な機能を変更することなく変えることが許容されるような任意の定量的表現を修飾するために適用することができる。 従って、「約」のような用語によって修飾された値は、指定された正確な値に制限されない。 場合によっては、近似を表す用語は、その値を測定するための計測器の精度に対応させることができる。

    また、本書で用いられている用語「液相線温度」は、一般に、合金が固体から溶融状態又は粘性状態に変換される温度を表す。 液相線温度は、結晶が溶融物と熱力学的平衡で共存することのできる最大温度を特定する。 液相線温度より高い温度では、合金は均質であり、また液相線温度より低い温度では、特定の合金に応じて、溶融物内に時間つれて増大する数の結晶が形成され始める。 一般的に云えば、合金は、その液相線温度において融解して、接合すべき2つの部品の間にシールを形成する。

    液相線温度は「固相線温度」と対比することができる。 固相線温度は、材料が完全に固化する(結晶化する)点を定量化する。 液相線及び固相線温度は必ずしも整列又はオーバーラップすることはない。 液相線及び固相線温度の間にギャップが存在する場合、そのギャップ内では、材料は(「スラリ」のように)同時に固相及び液相を有する。

    「封止(sealing) 」は、或る構造が他の構造同士を一緒に接合して、それらの他の構造間の接合部を介しての漏洩を低減又は防止するように遂行する機能である。 この封止構造は、簡単化のために、本書では「シール」と呼ぶこともある。

    典型的には、「蝋付け」処理では、接合すべき部品(すなわち、それらの材料)の融点よりも低い液相線温度を持つ蝋付け材料(通常は合金)を使用する。 蝋付け材料は、適当な雰囲気によって保護しながら、その融解(hyperlink "http://en.wikipedia.org/wiki/Liquidus"又は液相線)温度よりも僅かに高い温度に加熱される。 そのとき、蝋付け材料は部品を覆うように流動し(これは、「濡れ(wetting) 」として知られている)、次いで、部品同士を接合するように冷却される。 本書で用いられている用語「蝋付け合金組成物」又は「蝋付け合金」、「蝋付け材料」或いは「蝋付け用合金」は、接合すべき部品を濡らして封止する能力を持つ組成物を表す。 特定の用途では、蝋付け合金は、所要の動作条件に耐えるべきであり、且つ基材よりも低い温度で融解し、又は厳密な特定の温度で融解すべきである。 従来の蝋付け合金は、通常、接合部の界面で強力な結合を形成するほどに充分にセラミック表面を濡らしていない。 更に、従来の蝋付け合金は、ナトリウム及びハロゲン化物腐食を生じ易い傾向がある。

    本書で用いられる用語「蝋付け温度」は、当該温度に蝋付け構造を加熱することにより、蝋付け合金が接合すべき部品を濡らして、蝋付け接合部又はシールを形成することができるようにする温度を表す。 蝋付け温度は、多くの場合、蝋付け合金の液相線温度に等しいか又はそれよりも高い。 更に、蝋付け温度は、接合すべき部品が化学的に、組成的に及び機械的に不安定になる虞のある温度よりも低くすべきである。 当業者に理解されるように、蝋付け温度の選択に影響を与える幾つかの他の因子が存在し得る。

    本発明の実施形態では、「活性蝋付け(active brazing)」(後で説明する)によって接合部を形成することのできる蝋付け合金組成物を提供する。 或る特定の実施形態では、この組成物はまた、ナトリウム及びハロゲン化物腐食に対して高い耐性を持つ。 蝋付け合金組成物は、銅、ニッケル、及び本書に述べるような、活性金属元素を含む。 合金を構成する元素の各々は、通常、蝋付け組成物全体の少なくとも1つの特性に寄与する。 これらの特性としては、液相線温度、熱膨張係数、セラミックに対する蝋付け合金の流動性又は濡れ性、耐食性(腐食耐性)、及び処理の容易さを挙げることができる。 特性の幾つかは以下に説明する。

    本発明の殆どの実施形態では、蝋付け合金組成物は銅基合金である。 すなわち、蝋付け合金は、該合金の他の元素の量と比べて相対的に多量の銅を含有する。 通常、存在する銅のレベルは、蝋付け合金組成物の全重量に基づいて、少なくとも約50重量パーセントである。 或る特定の実施形態では、例えば、ナトリウム・金属ハロゲン化物蓄電池についての構造に関連した或る実施形態では、銅のレベルは少なくとも約70重量パーセントである。 他の好ましい実施形態では、銅のレベルは少なくとも約90重量パーセントである。 銅は、比較的安価であることに加えて、高延性の金属であり、従って、銅基合金は、圧延、メルト・スピニング、及び粉末霧化のような多種多様な費用効果の高い技術を使用して、処理することができる。 一般に、銅含有合金は、ナトリウム含有環境内で良好な耐食性を持っているが、ハロゲン化物含有環境内では腐食を受け易いことがある。

    腐食に関連した幾つかの問題に対処するために、本発明者は、銅と共にニッケルを使用することができることを見い出した。 ニッケルは、腐食性環境内である程度の化学的不活性さを提供する。 加えて、ニッケルはまた、合金組成物の液相線温度を増大させることができる。 しかしながら、多量のニッケルは、合金組成物の液相線温度を望ましくないほどに高くする、すなわち、所要の蝋付け温度よりも高い温度にすることがある。

    そこで、本発明者は、液相線温度の要件及び耐食性の要件を最適化する釣り合いのとれたニッケル及び銅のレベルを考え出した。 また、特定の種類の蝋付け合金内にニッケルが存在すると、熱膨張係数及び相安定性のような他の特性を向上させることができることも見い出した。 本発明の或る実施形態では、ニッケルの量として適切なレベルは、蝋付け合金の全重量に基づいて、約30重量パーセント未満である。 或る実施形態では、ニッケルは、蝋付け合金の全重量に基づいて、約1重量パーセント〜約25重量パーセントの量で存在する。 或る特定の実施形態では、ニッケルは、蝋付け合金の全重量に基づいて、約3重量パーセント〜約20重量パーセントの量で存在する。

    前に述べたように、「活性蝋付け」の概念は本発明の実施形態に取って重要である。 活性蝋付けは、セラミックを金属に、或いは金属又はセラミックをセラミックに接合するために屡々用いられる技術である。 活性蝋付けは、セラミック表面の濡れを促進して、気密封止を行う能力を向上させる活性金属元素を使用する。 本書で用いられる「活性金属元素」とは、セラミック内の酸素に対して高い親和性を持ち、これによってセラミックと反応する反応性金属を表す。 活性金属元素を含有する蝋付け合金はまた、「活性蝋付け合金」と呼ぶことができる。 活性金属元素は、蝋付け合金が溶融状態にあるとき、セラミックと分解反応して、セラミックと蝋付け合金との界面上に薄い反応層を形成させる。 薄い反応層は、蝋付け合金がセラミック表面を濡らすことができるようにし、その結果として、セラミック・セラミック間又はセラミック・金属間接合部/結合部(これはまた、「活性蝋付けシール」と呼ぶことができる)を形成させる。

    このように、活性金属元素は、活性蝋付けを採用するための蝋付け合金の必須成分である。 様々な適当な活性金属元素を用いて、活性蝋付け合金を形成することができる。 適当な活性金属元素の選択は、主に、一様な連続した反応層を形成するためのセラミック(例えば、アルミナ)との化学的反応、並びにベース合金(例えば、Cu−Ni合金)と合金を形成する活性金属元素の能力に左右される。 本発明のための或る好ましい実施形態では、活性金属元素はチタンである。 活性金属元素の他の適切な例としては、限定するものではないが、ジルコニウム、ハフニウム、及びバナジウムが挙げられる。 2つ以上の活性金属元素の組合せも使用することができる。

    活性金属の存在及び量が、薄い反応層の厚さ及び品質に影響を及ぼすことがある。 この薄い反応層は、蝋付け合金の濡れ性又は流動性、従って、その結果として得られる接合部の結合強度に寄与する。 或る実施形態では、活性金属は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約10重量パーセント未満の量で存在する。 適切な範囲は、多くの場合、約0.5重量パーセント〜約5重量パーセントである。 或る特定の実施形態では、活性金属は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約1重量パーセント〜約3重量パーセントの範囲内の量で存在する。 活性金属元素は、一般的に、セラミック表面の濡れを改善し、且つ(例えば、約10ミクロン未満の)薄い反応層を形成するのに適した少ない量で存在する。 活性金属の量を多くすると、ハロゲン化物腐食を惹起し又は促進する虞がある。

    蝋付け合金組成物は更に、少なくとも1種類の合金化元素(alloying element)を含むことができる。 合金化元素は、蝋付け合金の幾つかの所要の特性、例えば、蝋付け合金の熱膨張係数、液相線温度、蝋付け温度、耐食性及び強度を調節することができる。 一実施形態では、合金化元素として、限定するものではないが、コバルト、鉄、クロム、ニオブ、モリブデン、タングステン、パラジウム、又はそれらの組合せを挙げることができる。 或る実施形態では、蝋付け合金は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約30重量パーセントまで(例えば、約1%〜30%)の合金化元素を含む。 或る実施形態では、蝋付け合金は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約10重量パーセントまでのクロムを含み、また或る特定の実施形態では、約5重量パーセントまでのクロムを含む。 他の特定の実施形態では、蝋付け合金は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約2重量パーセントまでのニオブを含む。 或る実施形態では、蝋付け合金は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約1重量パーセントまでのモリブデンを含む。

    或る実施形態では、本書に述べた蝋付け合金のいずれもパラジウムを含むことができる。 パラジウムの添加により、組成物全体の耐食性を改善することができる。 蝋付け合金は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約40重量パーセントまでのパラジウムを含むことができる。 或る特定の実施形態では、蝋付け合金は、蝋付け合金の全重量に基づいて、約10重量パーセントまでのパラジウムを含む。

    前に述べたように、蝋付け合金は、接合すべき部品の融解温度よりも低い液相線温度を持つ。 一実施形態では、蝋付け合金は少なくとも約850℃の液相線温度を持つ。 一実施形態では、蝋付け合金は約850℃〜約1300℃の液相線温度を持ち、また或る特定の実施形態では、約950℃〜約1250℃の液相線温度を持つ。

    或る実施形態では、蝋付け合金組成物によって互いに接合された第1の(構成)部品及び第2の(構成)部品を有する電気化学セルを提供する。 セルは、例えば、ナトリウム・硫黄セル又はナトリウム・金属ハロゲン化物セルであってよい。 前に述べたように、蝋付け合金組成物は、銅、ニッケル、及び活性金属元素を含む。 更に、クロム、パラジウム、ニオブ、モリブデン、及び/又はタングステンのような、少なくとも1種類の追加の合金化元素を添加することができる。 合金の構成成分及びそれらのそれぞれの量は、前に述べた通りである。

    前に述べたように、蝋付け合金組成物は、セル内の(構成)部品を接合する活性蝋付けシールを提供することができる。 一実施形態では、セルの第1の部品は金属を有し、また第2の部品はセラミックを有する。 金属部品は、ニッケルを含むリングとすることができる。 セラミック部品は、αアルミナのような電気絶縁性材料を含むカラー(collar)とすることができる。

    例えば、ナトリウム・硫黄セル又はナトリウム・金属ハロゲン化物セルは、金属・セラミック間接合部を形成するために活性蝋付けシールを形成する蝋付け合金組成物を含むことができる。 活性蝋付けシールは、αアルミナのカラー及びニッケルのリングを固定する。 図1は、ナトリウム・金属ハロゲン化物蓄電池セル10の模範的な実施形態を示す概略図である。 セル10は、セル容器30内に配置されたイオン伝導性分離管20を持つ。 分離管20は、通常、βアルミナ又はβ”アルミナで作られる。管20は、セル容器30と管20との間に陽極室40を画成すると共に、管20の内部に陰極室50を画成する。陽極室40には、通常、陽極材料45、例えば、ナトリウムが充填される。陰極室50には、陰極材料55(例えば、ニッケル及び塩化ナトリウム)、及び溶融電解質(通常、クロロアルミン酸ナトリウム(NaAlCl 4 ))が入れられる。

    αアルミナで作ることのできる電気絶縁性セラミックのカラー60が、管20の上端部70に配置される。 陰極電流コレクタ・アセンブリ80が陰極室50内に配置され、キャップ構造90がセルの上部領域に配置される。 セラミックのカラー60は分離管20の上端部70上に嵌合し、ガラス・シール100によって封止される。 一実施形態では、カラー60は、図1に例示されているように、上側部分62と、管20の内壁に対して突合せ接触する内側の下側部分64とを含む。

    セル10を上端部(すなわち、その上側領域)で封止して、腐食性環境内でアルミナのカラー60を保護するために、金属のリング110が、αアルミナのカラー60を覆い、且つ該カラーをキャップ構造90の下の電流コレクタ・アセンブリ80と接合するように、配置されることがある。 金属のリング110は、2つの部分、すなわち、外側金属リング120及び内側金属リング130を持ち、これらは、それぞれ、活性蝋付けシール140及び150によって、セラミックのカラー60の上側部分62及び下側部分64と接合される。 活性蝋付けシール140、シール150、又は両者は、前に述べた適当な蝋付け合金組成物の1つを使用することによって形成することができる。 カラー60及び金属リング110は、封止処理が完了するまで、アセンブリ(例えば、クランプ)により、又は他の手法によって、一時的に一緒に保持することができる。

    外側金属リング120及び内側金属リング130は、通常、セラミックのカラー60との接合が完了した後にセルを封止すための溶接された継ぎ目である。 外側金属リング120はセル容器30に溶接することができ、また内側金属リング130は電流コレクタ・アセンブリ80に溶接することができる。

    図1を参照して前に述べた幾つかの構成部品の形状及び寸法は、セル構造の理解のために例示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意味していない。 シール及び接合された部品の正確な位置はある程度変えることができる。 更に、用語「カラー」及び「リング」の各々は、円形又は多形の金属又はセラミック部品を有することを意味しており、一般的には、特定のセル設計に適合し得る全ての形状を含み得る。

    蝋付け合金及びそれにより形成された活性蝋付けシールは、一般に、決定された温度における決定されたパラメータ内で良好な安定性及び耐薬品性を持つ。 蝋付けシールは、セルを製造し且つ使用している間の幾つかの処理工程中、例えば、セラミック・セラミック間接合のためのガラス・シール処理中及びセルの動作中、その完全性及び特性を保持することが望ましい(場合によっては、必須である)。 場合によっては、セルの最適な性能は、一般に、約300℃よりも高い温度で得られる。 一実施形態では、動作温度は約270℃〜約450℃の範囲内にすることができる。 一実施形態では、ガラス・シール処理は少なくとも約1000℃の温度で実施される。 或る他の実施形態では、ガラス・シール処理は約1000℃〜約1200℃の範囲内で実施される。 更に、シールの結合強度及び密封性は、幾つかのパラメータ、例えば、蝋付け合金の組成、薄い反応層の厚さ、セラミックの組成、及びセラミックの表面特性などに依存することがある。

    本発明の或る実施形態によれば、これまで述べた実施形態で開示された電気化学セルを複数個含むエネルギ蓄積装置が提供される。 それらのセルは、直接的に又は間接的に、互いと熱的及び/又は電気的連通状態にある。 当業者には、このような装置の一般的な原理はよく知られている。

    或る実施形態では、蝋付け合金組成物を用いて第1の部品を第2の部品に接合するための方法が提供される。 この方法は、第1の部品と第2の部品との間に蝋付け合金を導入して、蝋付け構造を形成する工程を含む。 (該合金は、以下においても説明するように、例えば、相対する表面の一方又は両方の上に堆積することができる)。 この蝋付け構造は、次いで、第1の部品と第2の部品との間に活性蝋付けシールを形成するように加熱することができる。 一実施形態では、第1の部品はセラミックを含み、また第2の部品は金属を含む。 蝋付け合金組成物は、銅、ニッケル、及び活性金属元素を含む。 クロム、パラジウム、ニオブ、モリブデン、コバルト、鉄、及び/又はタングステンのような、少なくとも1種類の追加の合金化元素を更に添加することができる。 蝋付け合金の構成成分及びそれらのそれぞれの量(及び割合)は、前に述べた通りである。

    蝋付け合金の一般的な準備では、所望の合金粉末混合物を、各成分の市販の金属粉末をそれぞれの量で組み合わせる(例えば、混合及び/又はミリングする)ことによって得ることができる。 或る実施形態では、蝋付け合金は、箔、シート、リボン、予成形物、又はワイヤとして採用することができ、或いは及び/又は有機流体を含有するペーストに形成することができる。 或る実施形態では、複数の前駆体金属又は金属合金を融解させて、均質な溶融物を形成し、次いで粒子に形成又は成形することができる。 場合によっては、溶融材料を、箔、予成形物、又はワイヤに直接成形することができる。 材料を粒子に形成するには、最初に、合金溶融物を真空中に又は不活性ガス中に噴射して、蝋付け合金の予備合金化された粉末を得る工程を含むことができる。 他の場合には、材料のペレットを所望の粒子形状及び寸法(粒度)に粉砕することができる。

    一実施形態では、蝋付け合金の層が、蝋付けによって接合すべき第1の部品又は第2の部品の少なくとも1つの表面上に配置される。 蝋付け合金の層は、特定の実施形態では、セラミック部品の表面上に配置される。 合金層の厚さは、約5ミクロン〜約100ミクロンの範囲内にすることができる。 或る特定の実施形態では、合金層の厚さは、約10ミクロン〜約50ミクロンの範囲にする。 層は、接合すべき表面の一方及び両方に、任意の適当な技術によって、例えば、印刷処理又は他の計量分配処理によって、堆積又は塗布することができる。 場合によっては、接合すべき表面を結合するために、箔、ワイヤ又は予成形体を適切に位置決めすることができる。

    或る特定の実施形態では、蝋付け合金のシート又は箔が望ましいことがある。 前に述べたように、本書で述べる蝋付け合金は、延性があり且つ処理(加工)するのが容易である。 例えば、これらの合金は、シート又は箔に容易に圧延することができる。 シートの厚さは、約20ミクロン〜約200ミクロンの範囲内で変えることができる。

    典型的な実施形態では、本発明の方法は更に、蝋付け構造を蝋付け温度に加熱する工程を含む。 蝋付け構造が蝋付け温度に加熱されたとき、蝋付け合金が融解して表面上を流動する。 加熱は、制御された雰囲気内で、例えば、超高純度のアルゴン、水素及びアルゴン、超高純度のヘリウム、或いは真空の中で、行うことができる。 蝋付け合金の良好な流動及び濡れを達成するため、蝋付け構造は、蝋付け合金の融解後に数分間にわたって蝋付け温度に保持される。 この期間は、「蝋付け時間」と呼ぶことができる。 蝋付け処理中、サンプルに荷重を加えることもできる。

    蝋付け温度及び蝋付け時間は、活性蝋付けシールの品質を左右し得る。 蝋付け温度は、一般に、接合すべき部品の融解温度よりも低く、且つ蝋付け合金の液相線温度よりも高い。 一実施形態では、蝋付け温度は、約1分〜約30分の期間にわたって、約900℃〜約1500℃の範囲にある。 特定の実施形態では、加熱が、約5分〜約15分の期間にわたって、約1000℃〜約1300℃の蝋付け温度で実施される。

    蝋付け中、溶融物中に存在する活性金属元素(1つ又は複数の種類)が分解して、前に述べたように、セラミック表面と蝋付け合金との界面に薄い反応層を形成する。 反応層の厚さは、セラミックと反応するのに利用可能である活性金属元素の量に依存して、且つセラミック部品の表面特性に依存して、約0.1ミクロン〜約2ミクロンの範囲にすることができる。 典型的な順序では、次いで、蝋付け構造を室温まで冷却させ、その結果、2つの部品の間に活性蝋付けシールが得られる。 場合によっては、蝋付け構造の急速な冷却が可能である。

    本発明の或る実施形態では、既知の蝋付け合金と比べて、腐食性環境内で化学的に安定であり、且つセラミック・金属間接合部のための活性蝋付けシールを形成することのできる蝋付け合金を有利に提供する。 これらの蝋付け合金は、高いナトリウム腐食耐性を持ち、また多くの最終用途にとって容認可能なハロゲン化物腐食耐性を持つ。 (前に述べたような)高温型セルのための活性蝋付けによるセラミック・金属間シールの形成は、セル組み立て処理全体を簡単化し、且つセルの信頼性及び性能を改善する。 本発明は、現在利用可能な方法と比べて、セル又は蓄電池を封止するために、比較的コストの低い、簡単な且つ高速の処理を活用する利点を提供する。
    [実施例]
    以下の実施例は単に説明のために過ぎず、特許請求の範囲を制限するものと解釈すべきではない。 特に別に規定しない限り、全て構成成分は、Alpha Aesar, Inc. 社(米国マサチュセッツ州ワードヒル所在)、Sigma Aldrich 社(米国ミズリー州セントルイス所在)、Spectrum Chemical Mfg.Corp. 社(米国カリフォルニア州ガーディナ所在)などのような通常の化学薬品供給会社から市場で入手することができる。
    [実施例1]
    4つの蝋付け合金組成物(サンプル1〜4)を用意した。 各々の蝋付けサンプルについて、表1に示されているように、所望の組成に従って個々の元素を秤量した。 これらの元素をアーク溶融して、各組成についてのインゴットを作った。 これらの組成物の均質性を保証するために、サンプルのインゴットを3回溶融処理した。 3つのサンプル(サンプル1、2及び3)の液相線温度を、示差走査熱量計(DSC)によって測定した。

    サンプル1のインゴットを圧延して、厚さが約50ミクロンのシートを形成した。 次いで、サンプル1のシートを、接合すべき2つのαアルミナ片(部品)の間に配置した。 次いで、このアセンブリを、約10分間、約1200℃まで加熱し、次いで、室温まで冷却して、接合部を形成した。

    図2は、接合部におけるαアルミナ220と蝋付けサンプル1(240)との間の界面の走査型電子顕微鏡写真による断面像200を示す。 蝋付けサンプル1とアルミナとの間の蝋付け・セラミック界面で反応層260が観察された。 反応層260は、蝋付け合金とセラミックとの間の反応を示しており、また活性蝋付けシールの形成を示している。 X線のエネルギ分散分析(EDAX)による検査では、反応層260の組成がチタンの金属及び半金属亜酸化物(例えば、Ti 2 O、TiO)を含んでいることを示唆しており、それらは、蝋付けサンプル1中のチタンとアルミナとの反応によって形成されたものと考えられる。

    本発明の特定の特徴のみを例示し説明したが、当業者には種々の修正および変更をなし得よう。 従って、「特許請求の範囲」の記載が本発明の真の精神および趣旨の範囲内にあるこの様な全ての修正および変更を包含しようとしたものであることを理解されたい。

    10 ナトリウム・金属ハロゲン化物蓄電池セル 20 イオン伝導性分離管 30 セル容器 40 陽極室 45 陽極材料 50 陰極室 55 陰極材料 60 セラミックのカラー 62 カラーの上側部分 64 カラーの下側部分 70 管の上端部 80 陰極電流コレクタ・アセンブリ 90 キャップ構造 100 ガラス・シール 110 金属のリング 120 上側金属リング 130 内側の下側金属リング 140 活性蝋付けシール 150 活性蝋付けシール 200 断面像 220 αアルミナ 240 蝋付けサンプル1
    260 反応層

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