滞空位置制御装置

申请号 JP2017538042 申请日 2016-08-30 公开(公告)号 JP6261830B2 公开(公告)日 2018-01-17
申请人 株式会社プロドローン; 发明人 市原 和雄; 菅木 紀代一;
摘要
权利要求

複数の回転翼を備える小型無人飛行機と、 前記小型無人飛行機が離着陸する固定面と、 前記小型無人飛行機と前記固定面とを連結する複数の紐状部材と、を備え、 前記小型無人飛行機は加速度センサおよび速度センサを有し機体を平に維持可能であり、 前記複数の紐状部材は、前記固定面上に分散配置されており、 前記複数の紐状部材は、前記小型無人飛行機が空間中の所定の位置である指定位置に至ったときに、すべてが緊張状態となる長さであることを特徴とする滞空位置制御装置。前記複数の紐状部材は少なくとも3本の前記紐状部材を有することを特徴とする請求項1に記載の滞空位置制御装置。前記複数の紐状部材には、前記小型無人飛行機に電を供給する電力線または前記小型無人飛行機と信号を送受信する信号線が含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の滞空位置制御装置。前記紐状部材ごとに前記固定面に設置され、前記各紐状部材の繰り出しおよび巻き取りを行う複数の巻取装置と、 前記複数の巻取装置の動作を一元的に管理する巻取制御装置と、 前記複数の紐状部材の弛緩を検知する弛緩検知装置と、をさらに有し、 前記弛緩検知装置が前記複数の紐状部材のいずれかの弛緩を検知すると、前記巻取制御装置は、弛緩した前記紐状部材が緊張状態となるまで、すべての前記巻取装置に巻取動作を行わせることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の滞空位置制御装置。前記巻取制御装置は、弛緩した前記紐状部材を所定の長さ巻き取っても該紐状部材が緊張状態にならないときは、すべての前記巻取装置の巻取速度を上昇させることを特徴とする請求項4に記載の滞空位置制御装置。前記小型無人飛行機の底部には、前記複数の紐状部材が連結される連結部が設けられ、 前記連結部は前記弛緩検知装置の一部であり、 前記連結部は前記複数の紐状部材に牽引された方向へ傾倒可能であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の滞空位置制御装置。前記巻取制御装置および前記弛緩検知装置は前記小型無人飛行機に備えられ、 前記小型無人飛行機と前記複数の巻取装置とは、それぞれ前記信号線により互いに通信可能に接続されていることを特徴とする請求項3を引用する請求項6に記載の滞空位置制御装置。

说明书全文

本発明は滞空位置制御装置に関し、さらに詳しくは、複数の回転翼を備える小型無人飛行機を空間中の所望の位置において安定してホバリング飛行させる技術に関する。

従来、産業用無人ヘリコプターに代表される小型の無人飛行機(UAV)は、機体が高価で入手困難なうえ、安定して飛行させるためには操作に熟練が必要とされるものであった。しかし近年、高性能かつ取扱いも容易な加速度センサや速度センサ、マイクロコントローラなどが廉価に入手可能となったことから、機体の価格が下落するとともに、機体の制御操作の多くが自動化されたことで操作性が飛躍的に向上した。こうした背景から現在、特に小型のマルチコプターについては、趣味目的だけでなく、広範な分野における種々のミッションへの応用が試行されている。

マルチコプターは、複数のロータが搭載されたヘリコプターの一種であり、これら各ロータの回転速度を制御することにより機体のバランスをとりながら飛行する回転翼機である。マルチコプターは、ヘリコプターよりも簡易な構造のプロペラが使用可能であることから、整備性に優れ、また、比較的低いコストで機体を構成することが可能である。

特開2010‐058779公報

マルチコプターの機体制御の多くが自動化されても、操縦者が意図した通りにマルチコプターを飛行させるためには相応の操縦技術や整備技術、機体性能が求められる。これらが十分でない場合、操縦ミスや機体の整備不良、または強風などの外的要因によりマルチコプターが目視範囲外や通信圏外へ飛去してしまうこともある。これはプログラムでマルチコプターを自律飛行させる場合も同様である。

例えば撮影機器や測定機器を搭載したマルチコプターを空間中の所定位置に滞空させ、その位置から長時間にわたって撮影や測定を行う場合、マルチコプターを所定位置に速やかに移動させ、かつ、ホバリング飛行により機体を同じ位置に長時間留める必要がある。このような飛行を安定して行うことは容易ではない。

上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、複数の回転翼を備える小型無人飛行機を空間中の所定位置に速やかに移動させ、機体をその位置で安定してホバリング飛行させることを可能とする滞空位置制御装置を提供することにある。

上記課題を解決するため、本発明の滞空位置制御装置は、複数の回転翼を備える小型無人飛行機と、前記小型無人飛行機が離着陸する固定面と、前記小型無人飛行機と前記固定面とを連結する複数の紐状部材と、を備え、前記複数の紐状部材は、前記小型無人飛行機が空間中の所定の位置である指定位置に至ったときに、すべてが緊張状態となる長さであることを特徴とする。

小型無人飛行機が複数の紐状部材で固定面に連結され、これら紐状部材の長さが、小型無人飛行機が指定位置に至ったときにすべて緊張状態となるように調節されていることにより、小型無人飛行機を固定面から垂直に上昇させるだけで、機体がこれら紐状部材により指定位置へと誘導される。また、指定位置ではこれら紐状部材は緊張状態にあることから、小型無人飛行機が指定位置において上方への推をさらに発生させることにより、小型無人飛行機と固定面とを互いが反対方向へ引っ張られ、小型無人飛行機が指定位置から容易に逸脱することが防止される。つまり、小型無人飛行機を指定位置において安定してホバリング飛行させることができる。

さらに、本発明の小型無人飛行機は紐状部材で固定面に連結されていることから、操縦ミスや機体の故障、または強風などによっては、小型無人飛行機が目視範囲外や通信圏外へ飛去してしまうことがない。

また、前記複数の紐状部材は少なくとも3本の前記紐状部材を有することが好ましい。

少なくとも3本の紐状部材で小型無人飛行機を係留することにより、空間中の一点を指定位置とすることができる。

また、前記複数の紐状部材には、前記小型無人飛行機に電力を供給する電力線または前記小型無人飛行機と信号を送受信する信号線が含まれることが好ましい。

複数の紐状部材に電力線または信号線を含めることにより、小型無人飛行機を指定位置で安定してホバリング飛行させることができるのみならず、例えばバッテリー容量による飛行時間の制限を解消させたり、小型無人飛行機との無線通信がノイズで阻害されたりすることを防止することができる。

また、前記紐状部材ごとに前記固定面に設置され、前記各紐状部材の繰り出しおよび巻き取りを行う複数の巻取装置と、前記複数の巻取装置の動作を一元的に管理する巻取制御装置と、前記複数の紐状部材の弛緩を検知する弛緩検知装置と、をさらに有し、前記弛緩検知装置が前記複数の紐状部材のいずれかの弛緩を検知すると、前記巻取制御装置は、弛緩した前記紐状部材が緊張状態となるまで、すべての前記巻取装置に巻取動作を行わせることが好ましい。

各紐状部材が巻取装置を介して固定面に接続され、いずれかの紐状部材の弛緩が検知されたときには、その紐状部材が緊張状態となるまですべての紐状部材を巻き取る構成とすることにより、平方向における小型無人飛行機の飛行位置のずれを修正することができる。さらに、各巻取装置とその巻取装置に隣接する巻取装置とを結んだ環状の仮想線で区画される領域である離着陸エリアの外に小型無人飛行機が墜落することを防止することができる。

また、前記巻取制御装置は、弛緩した前記紐状部材を所定の長さ巻き取っても該紐状部材が緊張状態にならないときは、すべての前記巻取装置の巻取速度を上昇させることが好ましい。

弛緩した紐状部材を所定の長さ巻き取っても弛緩が解消しない場合には、小型無人飛行機の故障や墜落の蓋然性が高いものと判断し、早急に小型無人飛行機を離着陸エリア内に引き戻すことで、かかる不具合の被害を最小限に抑えることが可能となる。

また、前記小型無人飛行機の底部には、前記複数の紐状部材が連結される連結部が設けられ、前記連結部は前記弛緩検知装置の一部であり、前記連結部は前記複数の紐状部材に牽引された方向へ傾倒可能であることが好ましい。

小型無人飛行機の底部に設けられた連結部に各紐状部材が連結されていることにより、小型無人飛行機の飛行位置と指定位置との水平方向の位置にずれが生じると、連結部が紐状部材に不均等に引っ張られることとなる。これにより連結部が小型無人飛行機の復帰すべき方向に傾倒し、小型無人飛行機の水平方向における位置ずれの方向、および、弛緩している紐状部材を特定することが可能となる。

また、前記巻取制御装置および前記弛緩検知装置は前記小型無人飛行機に備えられ、前記小型無人飛行機と前記複数の巻取装置とは、それぞれ前記信号線により互いに通信可能に接続されていることが好ましい。

小型無人飛行機と各巻取装置とが信号線で連結されることにより、いずれかの紐状部材の弛緩を検知した場合に、小型無人飛行機から各巻取装置に対して弛緩を解消させるための指示を直接出すことが可能となる。

以上のように、本発明にかかる滞空位置制御装置によれば、複数の回転翼を備える小型無人飛行機を空間中の所定位置に速やかに移動させ、機体をその位置で安定してホバリング飛行させることが可能となる。

第1実施形態にかかる滞空位置制御装置の外観を示す模式図である。

第1実施形態にかかる滞空位置制御装置の機能構成を示すブロック図である。

第2実施形態にかかる滞空位置制御装置の外観を示す模式図である。

第2実施形態にかかる滞空位置制御装置の機能構成を示すブロック図である。

第3実施形態にかかる滞空位置制御装置の外観を示す模式図である。

第3実施形態にかかる滞空位置制御装置の機能構成を示すブロック図である。

第4実施形態にかかる滞空位置制御装置の外観を示す模式図である。

第4実施形態にかかる滞空位置制御装置の機能構成を示すブロック図である。

巻取制御装置によるマルチコプターの飛行位置修正手順を示す説明図である。

以下、本発明にかかる滞空位置制御装置の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態の滞空位置制御装置は、小型無人飛行機を所定の高度まで上昇させ、その位置からカメラや測定器を使って周囲の状況をモニタする監視装置である。滞空位置制御装置は予め定められた周期に基づいて自動的に実行されてもよく、操縦者の任意のタイミングで不定期に実行されてもよい。

(第1実施形態) 図1は本発明の第1実施形態にかかる滞空位置制御装置の外観を示す模式図である。滞空位置制御装置90は、複数の回転翼を備えるマルチコプター100(小型無人飛行機)と、マルチコプター100が離着陸する固定面20と、マルチコプター100と固定面20とを連結する3本のワイヤー30(紐状部材)と、マルチコプター100を無線操縦する送受信器810と、を備えている。また、各ワイヤー30の長さは、マルチコプター100が空間中の所定の位置である指定位置Dに至ったときに、すべてが緊張状態となる長さに調節されている。

ここで、固定面20とは、例えば地表やビルの屋上など、外力を加えても容易には移動させることができない固定された面をいう。固定面20は必ずしも水平面である必要はなく、各ワイヤー30の長さを調節することにより、凹凸や傾斜が設けられた面であっても固定面20として用いることができる。

また、固定面20には、ワイヤー30の繰り出しおよび巻き取りを行う3基の巻取装置400が設置されており、各ワイヤー30の固定面20側の端部は巻取装置400に接続されている。巻取装置400は、オートテンション機能を備え、ワイヤー30を常に一定の張力で巻取方向へ引き込む小型のウインチである。ワイヤー30の張力は、当然、マルチコプター100が出力可能な揚力よりも小さくなるよう調整されている。また、巻取装置400は必須の構成ではなく、各ワイヤー30は固定面20に直接接続されていてもよい。

図2は滞空位置制御装置90の機能構成を示すブロック図である。マルチコプター100は主に、空中におけるマルチコプター100の姿勢や飛行動作を制御するフライトコントローラ120、回転することによりマルチコプター100に揚力を発生させる複数の回転翼170、マルチコプター100の周囲の状況を撮影するカメラモジュール130、操縦者(送受信器810)との無線通信を行う送受信器110、およびこれらに電力を供給するバッテリー180により構成される。

フライトコントローラ120は、マイクロコントローラである制御装置121を備えている。制御装置121は、中央処理装置であるCPU122、記憶装置であるRAM/ROM123、および、ESC(Electric Speed Controller)150へDCモータ160の制御信号を送信するPWMコントローラ126を備えている。DCモータ160は複数(本実施形態においては4つ)のアウターロータ型DCブラシレスモータであり、各DCモータ160の出力軸には回転翼170が取り付けられている。ESC150はDCモータ160ごとに配置され、PWMコントローラ126から指示された速度で各DCモータ160を回転させる。

また、フライトコントローラ120はセンサ群124およびGPS受信器125を備えており、これらは制御装置121に接続されている。マルチコプター100のセンサ群124には、加速度センサ、ジャイロセンサ(角速度センサ)、気圧センサ、地磁気センサ(電子コンパス)などが含まれている。制御装置121は、これらセンサ群124およびGPS受信器125により、マルチコプター100の緯度、経度、および高度からなる現在位置を取得可能である。

制御装置121のRAM/ROM123には、マルチコプター100の飛行時における飛行制御アルゴリズムが実装された飛行制御プログラム123aが記憶されている。制御装置121はかかるプログラム123aとセンサ群124から取得した情報とを用いてマルチコプター100の姿勢を一定に制御する。滞空位置制御装置90の操作は、操縦者が手動で行ってもよく、または、制御装置121のRAM/ROM123に別途自律飛行プログラムを登録しておくことにより自動的に行ってもよい。尚、本発明の滞空位置制御装置は、紐状部材により小型無人飛行機を指定位置へ誘導可能であることから、これらセンサ群124およびGPS受信器125は省略することも可能と考えられる。

また、マルチコプター100はマルチコプター100の周囲の状況を撮影するカメラモジュール130を備えている。カメラモジュール130は、操縦者(送受信器810)からの指示を受け付けるカメラ制御部131と、カメラ制御部131の指示によりカメラユニット133の周方向および上下方向の向きを変更し、また、カメラユニット133のブレを補正するカメラ姿勢制御部132と、カメラ姿勢制御部132に向けられた方向の状況を撮影するカメラユニット133と、により構成されている。カメラモジュール130の操作は操縦者が手動で行ってもよく、または、カメラ制御部131にマイクロコントローラを用いて、カメラ制御部131に登録した自律撮影プログラムにより自動的に行ってもよい。

尚、本実施形態における滞空位置制御装置は監視装置として用いられるためカメラモジュール130(第3実施形態では測定器モジュール140)が搭載されているが、カメラモジュール130や測定器モジュール140は必須の構成ではない。本発明のその他の用途としては、例えばスピーカーを搭載してパブリック・アドレス(Public Address)に用いたり、光源を搭載して灯台のような光波標識として用いたり、様々な用途が考えられる。

マルチコプター100が3本のワイヤー30で固定面20に連結され、マルチコプター100が指定位置Dに至ったときにこれらワイヤー30のすべてが緊張状態となるようにその長さが調節されていることにより、マルチコプター100を固定面20から垂直に上昇させるだけで、マルチコプター100を指定位置Dへと誘導することが可能とされている。例えば、マルチコプター100が上昇中に風にあおられ、その水平方向の位置が指定位置Dからずれた場合、一部のワイヤー30のみが先行して緊張状態となる。これにより、マルチコプター100の移動可能範囲は、その緊張状態となったワイヤー30の先端(ワイヤー30のマルチコプター100側の端部)が描く円弧上に制限される。指定位置Dは緊張状態にある各ワイヤー30の先端が描く円弧の交点であり、かかる交点は、マルチコプター100の移動可能範囲の中で最も高い位置にある。そのため、マルチコプター100が上昇を続けることにより、マルチコプター100はいずれかの円弧を辿って指定位置Dへと誘導されることとなる。

また、指定位置Dではこれらワイヤー30はすべて緊張状態にある。そのため、マルチコプター100が指定位置Dにおいてさらに上方への推力を発生させることにより、マルチコプター100と固定面20とを互いに反対方向へ引っ張らせることができる。これにより、マルチコプター100が指定位置Dから容易に逸脱することを防止することができる。つまり、マルチコプター100を指定位置Dにおいて安定してホバリング飛行させることができる。

さらに、マルチコプター100はワイヤー30で固定面20に連結されていることから、操縦ミスや機体の故障、または強風などによって、マルチコプター100が目視範囲外や通信圏外へ飛去してしまうことが防止される。

尚、滞空位置制御装置90では3本のワイヤー30でマルチコプター100を連結することにより、指定位置Dを空間中の一点に特定しているが、ワイヤー30の本数は3本に限られず、例えば指定位置Dが空間中の直線範囲となることが許容される場合は2本にしてもよく、逆に4本以上とすることも可能である。

(第2実施形態) 以下に、本発明の滞空位置制御装置にかかる第2実施形態について説明する。図3は本発明の第2実施形態にかかる滞空位置制御装置91の外観を示す模式図であり、図4は滞空位置制御装置91の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同様または同一の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。

滞空位置制御装置91は、各ワイヤー30の繰り出しおよび巻き取りを行う巻取装置401に、ワイヤー30の弛緩を検知する弛緩検知装置501が組み込まれており、さらに、これら巻取装置401の動作を一元的に管理する巻取制御装置601を備えている。尚、マルチコプター100の構成は第1実施形態の滞空位置制御装置90と同様である。

巻取装置401は、オートテンション機能を備え、ワイヤー30を常に一定の張力で巻取方向へ引き込む小型のウインチである。ワイヤー30の張力はマルチコプター100が出力可能な揚力よりも小さくなるよう調整されている点は第1実施形態の巻取装置400と同様である。また、巻取装置401は電動ウインチであり、巻取制御装置601からの指示により任意のタイミングおよび速度で巻取動作を行わせることが可能である。

滞空位置制御装置91では、各巻取装置401に弛緩検知装置501が組み込まれている。弛緩検知装置501は、例えばロータリーエンコーダなどにより巻取装置401の繰出動作や巻取動作の実行を検知し、巻取制御装置601へ通知する装置である。つまり、滞空位置制御装置91におけるワイヤー30の弛緩検知は、弛緩検知装置501および巻取制御装置601の協働により実現される。

尚、本発明における「紐状部材の弛緩」とは、単に紐状部材がたるんだ状態のみを指すのではなく、例えば巻取装置401のように、ワイヤー30にたるみが生じることを予め防止する構成を備える場合には、他のワイヤー30が繰り出された長さと比較して、一部のワイヤー30が繰り出された長さが本来見込まれる長さに足りていない状態も含まれる(その一部のワイヤー30は十分に引っ張られていない、つまり弛緩しているものとみなす)。

巻取制御装置601は、CPU61およびRAM/ROM62を備えるマイクロコントローラである。RAM/ROM62には、以下に説明するマルチコプター100の飛行位置修正アルゴリズムが実装された巻取制御プログラム62aが記憶されている。

図9は巻取制御装置601(巻取制御プログラム62a)によるマルチコプター100の飛行位置修正手順を示す説明図である。弛緩検知装置501からの通知によりワイヤー30のいずれかの弛緩が検知されたときは(図9(a))、巻取制御装置601は、弛緩したワイヤー30が緊張状態となるまで、すべての巻取装置401に対して巻取動作を行わせる(図9(b))。

ワイヤー30のいずれかの弛緩が検知されたときに、そのワイヤー30が緊張状態となる長さまですべてのワイヤー30を巻き取ることにより、水平方向におけるマルチコプター100の飛行位置のずれを修正することができる。さらに、各巻取装置401と、その巻取装置401に隣接する巻取装置401とを結んだ環状の仮想線で区画される領域である離着陸エリアA(図3参照)の外に、マルチコプター100が墜落することを防止することができる。

さらに、巻取制御装置601は、弛緩したワイヤー30を所定の長さ(例えば2〜3m)巻き取ってもそのワイヤー30が緊張状態にならないときには、すべての巻取装置401の巻取速度を上昇させる。

弛緩したワイヤー30を所定の長さ巻き取っても弛緩が解消しない場合には、マルチコプター100の故障や墜落の蓋然性が高いと考えられる。そのため、すべての巻取装置401の巻取速度を上げて、早急にマルチコプター100を離着陸エリアA内に引き戻すことにより、かかる不具合がもたらす被害を最小限に抑えることができる。

(第3実施形態) 以下に、本発明の滞空位置制御装置にかかる第3実施形態について説明する。図5は本発明の第3実施形態にかかる滞空位置制御装置92の外観を示す模式図であり、図6は滞空位置制御装置92の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同様または同一の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。

滞空位置制御装置92の基本的な構成は、第2実施形態の滞空位置制御装置91と同様である。滞空位置制御装置92は滞空位置制御装置91とは異なり、カメラモジュール130(図2参照)の代わりに測定器モジュール140が搭載されている。測定器モジュール140で使用される測定器としては、例えば大気成分分析器、赤外線カメラ、電波測定器などが考えられるが、これらには限定されない。

測定器モジュール140は、操縦者(送受信器811)からの指示を受け付ける測定器制御部141と、測定器制御部141の指示により測定器ユニット143の周方向および上下方向の向きを変更する測定器姿勢制御部142と、測定器姿勢制御部142に向けられた方向の側的を行う測定器ユニット143と、により構成されている。測定器モジュール140の操作は操縦者が手動で行ってもよく、または、測定器制御部141にマイクロコントローラを用いて、測定器制御部141に登録した自律測定プログラムにより自動的に行ってもよい。

また、滞空位置制御装置92において、マルチコプター101と固定面20とを連結するワイヤー30´には、マルチコプター101に電力を供給する電力線32、および操縦者(送受信器811)がマルチコプター101と信号を送受信する信号線31が含まれている。ワイヤー30に信号線31および電力線32を含めることにより、マルチコプター101を指定位置Dで安定してホバリング飛行させることができることに加えて、バッテリー容量による飛行時間の制限が解消され、また、操縦者(送受信器811)とマルチコプター101(送受信器110´)との通信におけるノイズの影響が抑えられている。

電力線32および信号線31はワイヤー30の代わりとしてマルチコプター101に単独で接続されてもよいが、これら電力線32および信号線31の強度に懸念がある場合は、ワイヤー30とは別に接続してもよい。つまり、先の実施形態と同じく3本のワイヤー30でマルチコプター101と固定面20とを連結し、そのうちの一本に信号線31を、もう一本に電力線32を這わせてマルチコプター101に接続する構成としてもよい。

(第4実施形態) 以下に、本発明の滞空位置制御装置にかかる第4実施形態について説明する。図7は本発明の第4実施形態にかかる滞空位置制御装置93の外観を示す模式図であり、図8は滞空位置制御装置93の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同様または同一の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。

滞空位置制御装置93においては、先の実施形態における巻取制御装置601および弛緩検知装置501と同等の機能を有する、巻取制御装置602および弛緩検知装置502がマルチコプター102の機体内部に備えられている。また、マルチコプター102と各巻取装置401とが、信号線31で互いに通信可能に接続されている。尚、信号線31はワイヤー30の代わりに単独でマルチコプター102に接続してもよく、ワイヤー30に信号線31を這わせて接続してもよい点は先の実施形態と同様である。

マルチコプター102の底部には、信号線31が接続される連結部51が設けられている(図7参照)。連結部51はこれら信号線31に引っ張られた方向へ傾倒可能な部材であり、連結部51は弛緩検知装置502の一部を構成している。

マルチコプター102の底部に設けられた連結部51にこれら信号線31が連結されていることにより、マルチコプター102の飛行位置と指定位置Dとの水平方向の位置にずれが生じたときには、連結部51が信号線31に不均等に引っ張られることとなる。これにより連結部51がマルチコプター102の復帰すべき方向に傾倒し、マルチコプター102の水平方向における位置ずれの方向、および、弛緩している信号線31を特定することが可能とされている(図9参照)。

連結部51としては、弾性力により鉛直方向へ直立し、所定の大きさの外力が加えられない限りその位置を保持する連結片と、かかる連結片の傾倒方向および傾向角度を検知する一組の可変抵抗を備えた構造が考えられる、例えば特開平06−110602の構成などを参考とすることができる。尚、本実施形態における弛緩検知装置502は、検知した弛緩情報を巻取制御装置602のみへ通知しているが、かかる情報をフライトコントローラ120の制御装置121へも通知する構成としてもよい。そのように構成とすることで、マルチコプター102が自律的に飛行位置を修正することが可能となり、マルチコプター102の滞空位置をより柔軟に制御することが可能となる。

また、マルチコプター102と各巻取装置401とがそれぞれ信号線31で連結されていることにより、いずれかの信号線31の弛緩を検知した場合に、マルチコプター102から直接各巻取装置401に対して弛緩を解消させるための指示を出すことが可能とされている。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

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