スキッドステア式全地形用車両

申请号 JP2018059075 申请日 2018-03-26 公开(公告)号 JP2018140776A 公开(公告)日 2018-09-13
申请人 スイスオート パワースポーツ エルエルシー; swissauto powersport llc; 发明人 ヴェンガー ウルス; コーラー ビート; イェンニ ハンス−ルドルフ;
摘要 【課題】効果的でありながら簡単で製造し易く、コーナを高速で運転中に路面条件が劇的に変化する状態であっても、高速の車両速度で安全且つ滑らかである、制御された駆動及び操 舵 を可能にするスキッドステア式LATV用の差動操舵装置を提供する。 【解決手段】車両両側の車輪又は無限軌道51を駆動する2つの駆動装置と、差動歯車を備えた差動操舵装置とから成るスキッドステア式全地形用車両(ATV)であって、該ATVが軽量ATV(LATV)であり、上記車両が走行する路面状態に関係なく、上記差動操舵装置が、該差動操舵装置の操舵 角 に関連する、上記車両の2つの駆動装置の規定された差動速度を発生させるように構成され、付加的な操舵駆動 力 が上記差動歯車に作用することを特徴とするスキッドステア式全地形用車両。 【選択図】図3
权利要求

車両両側の車輪又は無限軌道を駆動する2つの駆動装置と、差動歯車を有する差動操装置と、を備えるスキッドステア式全地形用車両(ATV)であって、 前記ATVが軽量ATV(LATV)であり、 前記差動操舵装置は、前記車両が走行する路面状態に関係なく、該差動操舵装置の操舵に関連する、前記車両の2つの駆動装置の規定された差動速度を発生させるように構成され、付加的な操舵駆動が前記差動歯車に作用することを特徴とするスキッドステア式全地形用車両。前記差動操舵装置が、前記操舵装置入力に依存する、2つの駆動装置の差動速度を生じ、 車両の旋回時、操舵入力が等しい場合には、旋回半径が車両の高速時よりも低速時の方が小さくなることを特徴とする請求項1記載のLATV。前記駆動エンジンと前記変速機が前記車両の前部に長手方向に併設され、前記可変動力伝達装置が前記ユニットの前部に搭載されることを特徴とする請求項1記載のLATV。前記差動操舵装置が、前記車両の後部に2つの駆動装置の駆動軸と整列されて搭載されていることを特徴とする請求項1記載のLATV。乾燥重量が約1トン以下で、長さが約3.5m以下で、幅が約1.65m以下であることを特徴とする請求項1記載のLATV。前記差動操舵装置はギヤトレインから成り、該ギヤトレインはサンキャリッジに接続されたゼロシャフト(zero shaft)に作用する操舵モータを備え、該サンキャリッジがエンジンモータに接続されたサンホイールと協働することにより、前記駆動装置の接続フランジに接続されたリングギヤと該サンギヤが協働することを特徴とする請求項1記載のLATV。前記ゼロシャフトが1個のサンキャリアと他のサンキャリアとに、逆転用の中間軸を介して直接接続されていることを特徴とする請求項6記載のLATV。前記駆動エンジンが内燃機関又は電気モータであることを特徴とする請求項1記載のLATV。前記操舵モータが油圧モータ又は電気モータであることを特徴とする請求項1記載のLATV。車両両側の車輪又は無限軌道を駆動する2つの駆動装置と、 油圧ポンプと油圧操舵モータとを含む油圧操舵装置と、から成るスキッドステア式全地形用車両(ATV)であって、 該ATVが軽量ATV(LATV)であり、 前記油圧回路が、前記油圧操舵モータに接続された操舵弁を制御する優先流体制御弁を備えていることを特徴とするスキッドステア式全地形用車両。乾燥重量が約1トン以下で、長さが約3.5m以下で、幅が約1.65m以下であることを特徴とする請求項10記載のLATV。前記優先流体制御弁が差圧制御弁として作用し、前記油圧操舵モータに流れる油量を油圧システムの圧力とは無関係に制御することを特徴とする請求項10記載のLATV。前記油圧回路が更に圧力制限弁を有することを特徴とする請求項10記載のLATV。前進装置あるいは後進装置が係合しているか否かによって油圧作動油の流れ方向を変えるための油圧弁を使用することを特徴とする請求項10記載のLATV。操舵及び補助駆動用の前記油圧ポンプがエンジンハウジングに搭載され、内燃機関のクランクシャフトにより直接駆動されることを特徴とする請求項10記載のLATV。前記油圧回路が補助作動油圧システムを更に有し、前記油圧操舵モータシステムが該補助作動油圧システムに常に優先するように構成されていることを特徴とする請求項10記載のLATV。前記油圧操舵モータが、請求項2に記載の差動歯車に作用することを特徴とする請求項10記載のLATV。車両両側の車輪又は無限軌道を駆動する2つの駆動装置を備えたスキッドステア式全地形用車両(ATV)であり、 該ATVが、エンジンと運転者スロットルレバー又はペダルに接続された電子スロットル制御システムを備えたエンジントルク制御装置を含む軽量ATV(LATV)であることを特徴とするスキッドステア式全地形用車両。前記電子スロットル制御システムは、操舵に必要なトルクを補償するものであって、その補償を、電子スロットル制御の結果エンジントルクを補償する操舵圧力検出値に基づいて行うことを特徴とする請求項18記載のLATV。前記電子スロットル制御システムは、操舵に必要なトルクを補償するように構成されており、運転者によるスロットル又はペダルへの入力がない時は、操舵中にエンジンが回転数範囲を安定化するようになされていることを特徴とする請求項18記載のLATV。係合した歯車に基づいて、エンジン回転数範囲を制限することなく、車両の最高速度を異なるように制御すべく前記電子スロットル制御システムが構成されていることを特徴とする請求項18記載のLATV。運転者の技量によって車両速度が調節可能な場合、前記電子スロットル制御システムが初心者モードを提供可能であることを特徴とする請求項18記載のLATV。乾燥重量が約1トン以下で、長さが約3.5m以下で、幅が約1.65m以下であることを特徴とする請求項18記載のLATV。前記差動操舵装置、前記油圧操舵装置、及び前記トルク補償装置がLATVをその場で回転することと、非常に急な曲線を運転することを可能にすることを特徴とする請求項1、10、18のいずれか1項に記載のLATV。

車両両側の車輪又は無限軌道を駆動する2つの駆動装置と、差動歯車を有する差動操舵装置と、を備えるスキッドステア式全地形用車両(ATV)であって、 前記ATVが軽量ATV(LATV)であり、 前記差動操舵装置は、前記車両が走行する路面状態に関係なく、該差動操舵装置の操舵角に関連する、前記車両の2つの駆動装置の規定された差動速度を発生させるように構成され、付加的な操舵駆動力が前記差動歯車に作用することを特徴とするスキッドステア式全地形用車両。

说明书全文

本発明は、操(ステアリング)装置を有するスキッドステア式全地形用車両(ATV)であって、ATVがスキッドステア式の車輪又はエンドレストラック(無限軌道)を有し、且つ上記操舵装置が差動歯車装置(ディファレンシャルギアボックス)を有するスキッドステア式全地形用車両に関する。

ATVには、レイアウトが異なり、駆動装置及び操舵装置が異なるものが存在する。このような車両に対する操舵の仕方は主に2つの種類がある。

このような車両のうちで最も普通の第1の種類では、車両が少なくとも2つの車輪によって操舵され、これら少なくとも2つの車輪は、垂直の回転軸を中心に平に回転する。これらの車輪は、ロッドあるいは歯車によって機械的に操舵輪又はハンドルバーに接続される。運転者は、ハンドルバー又は操舵輪を回して車両を操舵する。運転者の操舵を減らすために、操舵を油圧式あるいは電気式に支援(アシスト)することができる。

このようなATVの第2の種類では、車両はスキッドステアされ、水平の回転車輪はない。全ての車輪は、車両の駆動方向に対して固定的に搭載されており、サスペンションシステムあるいは直接車体に対して固定されている。このことは、図2に示す車輪駆動の4輪、6輪又は8輪の車両又は車輪の代わりに無限軌道を備えた車両にも当てはまる。本発明は、この第2の種類に関する。

このようなスキッドステア式のATVは、超重量級の戦車から、最大でも1トン止まりの重量しかない軽車両であって商用の処理車両として出回っているものに至るまで、異なる車種において異なるメーカのものが知られており、このような車両は、建設等にも使用されている。

本発明は、全てのスキッドステア式車両の内、本出願人による米国特許第7、131、507号に開示した無限軌道ATV等のような種類、あるいは4輪、6輪又は8輪の軽量で、市場において販売されているような種類に関する。そのような車両の乾燥重量は、およそ1トン以下である。

先行技術で公知のATV及び軽量ATV(以下「LATV」という)の欠点の一つは、高速で特に路面条件が変わり易いか、変化するときに、なめらかな制御と十分な安全が要求される場合の操舵に関する。

これら軽量で比較的小型のLATVの操舵は、通常、駆動システムが右側の車輪又は無限軌道と左側の車輪又は無限軌道とに分割されており、操舵が行われた場合、右側又は左側の車輪群(又は無限軌道)がクラッチなどにより駆動から切り離され、その同じ車輪群又は無限軌道に対してブレーキ力を利かせて速度を落とし、その結果、車両の車輪群又は無限軌道間の速度差により車両の旋回させるやり方で行われている。

このようなシステムの欠点は、車両の旋回に必要なブレーキが、車両片側、例えば内側のトルクを旋回中に無効にし、車両の他側、例えば外側では、車両速度を一定にするためには、更なるトルクと軌道速度が必要となる。このシステムは、非効率であり、特に、運転者は、高速で車両を滑らか且つ安全に運転することができない。車両が制御不能になるコーナを運転中に、駆動路面条件が硬いものから軟らかいもの、例えばタール舗装から雪又は泥に変化する場合に特に当てはまる。その理由は、グリップの大小と無限軌道又は車輪の抵抗動作を補償するために、運転者がかけるブレーキ力を適合させなければならいからである。この抵抗動作は、関係する反応時間が非常に短いので、実質的に制御不能である。

上記欠点をなくすために、差動操舵装置を使用することが知られている。戦車や類似の重車両用に非常に重く非常に複雑な差動操舵装置が存在するが、これらは複雑さと、重量と、寸法と、コストの点で、軽量且つ小型の車両用には使用できない。公知例は、以下の通りである。

米国特許第6、135、220号は、軌道敷設車両を開示しており、駆動装置を支持するモジュラーシステムに関する。このシステムは、差動装置と別の差動装置を使用した操舵装置とを含む2つの駆動装置を備えている。

米国特許第4、434、680号には、土工トラクタ用の差動操舵装置が開示されているが、この差動操舵装置は、速度の速いLATVには適用できず、軽量で安価な車両用としては複雑過ぎる。

国際公開公報第97/02975号パンフレットには、2つの差動装置と1つの差動操舵装置を有する差動駆動装置が開示されている。

米国特許第7、131、507号明細書

米国特許第6、135、220号明細書

米国特許第4、434、680号明細書

国際公開第97/02975号パンフレット

本発明は上記先行技術に鑑み、効果的でありながら簡単で製造し易く、コーナを高速で運転中に路面条件が劇的に変化する状態であっても、高速の車両速度で安全且つ滑らかである、制御された駆動及び操舵を可能にするスキッドステア式LATV用の差動操舵装置を提供することを目的とする。

上記目的は、スキッドステア式全地形用車両(ATV)が軽量ATV(LATV)であり、前記車両が走行する路面状態に関係なく、前記差動操舵装置が、該差動操舵装置の操舵に関連する、前記車両の2つの駆動装置の規定された差動速度を発生させるように構成され、付加的な操舵駆動力が前記差動歯車に作用することを特徴とするスキッドステア式全地形用車両の差動操舵装置によって達成される。

詳細な特徴と利点は、以下の図面に続く発明の詳細な説明で明らかになる。

先行技術の全地形用LATVの簡略化した斜視図である。

先行技術の車輪式LATVの簡略化した側面図である。

図2のLATVの立面図である。

本発明による車両の駆動装置の簡略化した立面図である。

本発明の差動操舵装置の模式図である。

本発明の油圧式操舵ユニットの油圧回路図である。

電子スロットルの簡略化した模式図である。

以下、詳細に説明するように、本発明の差動操舵装置の原理は、車輪駆動式又は無限軌道駆動式いずれのスキッドステア式車両にも使用でき、時速60マイル(時速約100km)以上の高速でも車両を安全に制御でき、コーナで車両操舵中に駆動表面がタール舗装から雪や泥状に劇的に変化しても車両を正常な軌道上に保つことができる。

この新規な装置の基本は、駆動力を燃焼エンジンから取り出すようにして作動する。この燃焼エンジンは、ギヤボックス(変速機)経由でシャフト又は差動操舵歯車装置に直接接続される。駆動及び操舵装置の正確な構造とその設計法は重要ではなく、例えば、電気式、油圧式、機械式、又はこれらの組合せであってもよい。

車両が直線状に走行していると、左右両側の車両駆動装置(駆動ユニット)の車輪群又は無限軌道の両方に動力が加えられ、駆動表面の条件により各側で必要とされるトルクに関係なく、両方の駆動装置は全く同一の速度で回転する。例えば、車両の車輪又は無限軌道の片方が雪や泥状で軟らかく滑りやすい所にあり、他方がコンクリートやタール舗装のような硬い表面にあるとする。

車両が一方に操舵されると、舵取り歯車箱(ステアリングギヤケース)内の操舵システムは、油圧装置と差動装置の働きにより、各駆動装置の駆動速度に対して差動速度を適用する。右側と左側の駆動装置の速度は、車両が駆動中であるコーナの所望のコーナ半径に基づいて異なる。

この2台の駆動装置の差動速度は、2台の駆動装置間の駆動比の制御された変化によって達成される。操舵ブレーキをかけること、すなわち、駆動力を無効にすることによって達成されるものではない。駆動システムに適用される合計トルクは、操舵中には変化せず、トルクの配分が変化するだけである。一方の側で減少されたトルクは、他方の側に適用、追加される。この行動に基づいて、操舵—ブレーキ損失を補償する目的で追加の動力が駆動装置に供給されることなく、車両は操舵中一定の駆動速度を維持する。

以下に説明する電子スロットル制御システムが、操舵入力を開始するのに必要な追加動力を補償する。車両の円滑且つ簡単な乗車のための運転性制御をこのシステムが可能にする。また、このシステムは、車両速度制限を差動駆動モード、すなわち、初心者モードと安全モードに切り替えることができる。安全モードでは、厄介なエンジン逆転制限装置に代わり、電子スロットル制御システムによって、車両が円滑な後進を行っている最中の安全を確保する。同じ働きを他の減速段においても適用することができる。すなわち、減速比の急な変化にエンジンが過剰反応することからエンジンを保護することができる。

操舵入力は、本件の場合、ハンドルバーによって実行されるが、操舵輪によるかあるいは車両遠隔操作用サーボによって実施することもできる。この操舵入力装置の操舵角は、車両の2台の駆動装置の差動速度、すなわち、車両速度に基づく車両の回転半径を定義する。これは、2台の駆動装置の各種グリップ条件に関係ない。

操舵システムのレイアウトの都合により、操舵結果は、車両速度を逓減する方法で決定される。すなわち、車両速度が低速の場合、操舵入力は、駆動装置の差動速度比を大きくする。すなわち、車両の回転半径を小さくする。

車両速度が高速の場合、同じ操舵入力でも駆動装置は小さな差動速度比をもたらし、従って、車両の回転半径は大きくなる。この逓減動作は、低速では車両の操作性が高くなり、高速では、円滑且つ安全な反応が得られる。このような動作は、この問題が大きな関心事である自動車への応用でも知られている。

操舵中にもし路面が変化する場合、この操舵システムはそれぞれの側で必要なトルクのバランスをとり、操舵入力要求と同じ差動速度を維持する。この操舵システムの動作は、車両の高速時及び各種変化する路面条件下で車両を安全且つ正確に操舵する際に最も有利であり、助けとなる。

図1は、先行技術による無限軌道LATVの簡単な斜視図である。これによれば、2つの無限軌道50は、サスペンションアームに搭載されたアイドラホイール51に支持されている。跨ぐ形の2人用シート53は、1人又は2人が乗車可能であり、2人の場合、前後方向に乗る。運転者がオートバイ型のハンドルバー52で車両を制御する。

図2は、先行技術による車輪型LATVの簡単な側面図である。これによれば、通常、車輪55が車体(carosserie)54に直接搭載される。シート56は横並び式の2人用座席を提供し、運転者が1本のレバーを後ろに引けば車両がそれぞれの方向に旋回する、操舵レバー57制御方式である。

図3は、本発明による車両の簡単な側面図である。これによれば、この場合、内燃ガソリンエンジンであるエンジン1が、動力を可変動力伝達装置2と、高速前進、低速、ニュートラル、後進及び駐車から位置選択可能な変速機3とを経由して伝える。エンジンは、ディーゼルのほか、いかなる動力装置であってもよい。本願の変速装置は、手動操作の変速機であるが、自動変速機であってもよいし、その他油圧駆動を含むいかなる種類のクラッチと伝達装置であってもよい。変速機3は、車両の後ろ側にある差動歯車装置5に動力を伝える駆動軸4に接続されている。差動歯車装置の出力は、両側の最終駆動軸6とブレーキ7に接続され、動力を車両両側の無限軌道51に伝達する。エンジンは、図5の機能説明による運転者からの操舵入力により、油圧操舵モータ8に供給する油圧ポンプ9も駆動する。本願のこの構成部品の配列は、米国特許第7、131、507号公報による本システム実施のための一例である。その意味において、正確な配列は重要ではなく、エンジンと操舵装置は、別な配列をしてもシステムに同じ働きをもたらすものであればよい。

図4は、本発明の差動操舵装置を模式的に示す。この差動操舵装置において、エンジンからの動力は、連結器11及び入力軸10へ伝わり、アングル歯車と減速歯車ユニット15に伝達される。この従動減速歯車ユニット15は、その両側に差動歯車入力軸16が取付けられており、本願の場合、一組の遊星歯車である差動装置14の入力歯車19へ動力を伝える。差動歯車は一組のアングル歯車又はその他の歯車装置のレイアウトにしてもよい。この場合の入力は、遊星歯車セットの太陽歯車19に対して行われるが、システムに応じて歯車比を適合させた遊星歯車又はリングギヤを配置したもので実施してもよい。

本願のレイアウトでは、動力の出力は、リングギヤ12から出力軸20と接続フランジ13へと向かう。操舵入力は、油圧操舵モータ8から歯車及び軸23,24,25,22を介して遊星歯車サポート21及び遊星歯車に向かう。車両を直線状に前進又は後進させる場合は、操舵入力はなく、全ての部材は停止状態となる。その結果、両側が同じ出力速度である差動歯車は固定歯車比となる。2つの無限軌道51は、堅く連結され、最大の牽引力を発する。

運転者が操舵入力を加えると、差動装置は、例えば、以下の図5で詳細に示す操舵装置から駆動される。操舵の量によって、要求される一方向あるいは逆方向に油圧操舵モータ8が早く駆動されるかあるいはゆっくり駆動され、遊星歯車サポート21を歯車及び軸23、24、22、25を介して駆動する。遊星歯車サポート21は、軸18を介して遊星歯車17を動かす。この軸18は、太陽歯車19とリングギヤ12との間で一組の遊星歯車の歯車比を変化させることにより、2本の出力軸20に差動速度を発生する。車両を一定の速度に保つためには、外側に位置する出力軸20と駆動装置とが車両中立速度よりも早く動く必要があり、他側に位置する出力軸は同じ量だけ遅く動く必要がある。この動きは、中間軸25によって一方の遊星歯車サポートの回転方向を逆転することにより、一組の遊星歯車の歯車比を正又は負に変更することにより達成される。

このシステム内では、油圧操舵モータ8を駆動すると、2つの遊星歯車サポートが互いに逆方向に回転することになり、従って、入力軸10の回転速度に対して出力軸20と最終駆動部13の駆動比とがそれぞれ小さいものと大きなものになる。このシステムの大きな利点は、遊星歯車サポート21の操舵駆動入力回転数範囲が、差動歯車入力軸16の車両駆動回転数範囲によってオーバーレイ(overlay)されるということである。それにより、車両速度に応じて最終駆動部13に差動が発生する。その結果、ハンドルバー52からの操舵入力が等しい場合、車両速度が大きくなるに連れ、回転半径が大きくなる。この逓減操舵行動が最も有利であって、車両高速時に安全に制御できると同時に、車両低速時でも最良の操作性を確保できる。

このシステムの別な大きな利点は、最終駆動部13同士が、この可変比の間常時互いに連結されているということであり、どのような駆動路面状態及び駆動抵抗においても、運転者からどれだけのトルクがかけられたかに影響されずに、車両が安全且つ円滑に動くことができるということである。

すなわち、入力駆動軸10が軸16を介して、その種類を問わず片側に1個ずつ、2つの差動歯車にしっかりと連結されている。これら差動歯車の出力は、それぞれの側において、車輪又は無限軌道の駆動軸6にしっかりと連結されている。

操舵入力なしに車両が直進する場合、補助油圧操舵モータ8、駆動軸及び伝達装置2、4は停止され、従って、両方の被動輪及び被動無限軌道は、それぞれと並びに入力駆動軸6と互いにしっかりと連結される。この場合、駆動トレインは、余分な損失のない、単純に機械的なものとなる。

操舵入力がモータ8に加えられると、操舵入力が左方向か右方向かによって、モータが操舵方向と同じ一方向に回転を開始する。このモータの回転数範囲は、操舵入力の操舵角によって決まる。

ベルト駆動の場合もあり得るが、駆動軸と伝達装置2が作動すると、差動歯車が回転を始め、この回転が両側の出力軸20の差動となる。一方の車輪又は無限軌道が他方のものよりも早く回転しなければならないので、あるいは、静止状態において一箇所で回転する場合、一方の軸が前進駆動し、他方が後進駆動しなければならないので、操舵駆動トレインは、差動歯車装置の一方の駆動回転方向を変えるために、駆動軸及び伝達装置4が必要となる。

図5は、本発明による操舵油圧システムを示し、内燃機関1がサイドドライブを介して油圧ポンプ9を駆動し、操舵機能に必要な油圧を発生する。本件の場合、内燃機関1は車両も駆動する。しかし、このことは本システムの作用に重要ではない。油圧ポンプ9は、例えば別個の電気モータによって駆動することもできる。バルブ27は、作動油圧を制御し、安全のためシステムの最大油圧を制限する。

優先流量制御バルブ28は、操舵バルブ前後の圧力損失が制御差圧として使用されるように操舵バルブ29への流量を制御する。優先制御バルブ28は、このレイアウトでは、圧力バランスとして作動し、3方流量制御弁の役割を果たす。従って、操舵バルブ29への量を増減させ、制御差圧が常に一定になるようにする。制御差圧は、油圧回路内の流れ方向をバルブ30により一方向又はその逆方向にするように切替えられる。本システムでは、このバルブは操舵バルブ29に統合されている。

操舵バルブ29は、一方では可調節オリフィスとしての働きをし、また他方では、油圧操舵モータ8前後の流れ方向を制御し、車両を一方向又は逆方向へ回転させるための運転者による操舵入力に基づいて前進用又は後進用回転を達成する。

この構成によれば、油圧ポンプ9からの流れシステム圧力及び吐出流量に関係なく、結果は、体積流量と開断面積との一定の関係、すなわち、油圧操舵モータ8の関連した回転数範囲になる。

運転者の操舵入力の達成用に使用されない油量は、他の作動油圧ユニット31の駆動として使用されるか、又は熱交換器35と濾過器36を備えた戻り管路39を介してオイルタンク37に戻される。オイルタンクは、タンク内の過小/過大圧力防止のためにキャップ28を介して排気される。

流量制御弁32とシステム制御弁27の前後で制御される作動油圧ユニット用の圧力とは無関係に、操舵は常に作動している。内燃機関1とポンプ9の作動回転数範囲次第で、操舵の要求に応えるに十分な体積流量が利用できない場合には、優先弁28の働きにより、操舵が常に優先扱いとなる。そのような場合、作動油圧ユニットは、操舵に必要のないオイルを受ける。

ハンドルバー又はその他の操舵装置を介して運転者が操舵力のフィードバックを得るために、任意の油圧シリンダ33を油圧操舵モータ8の供給ラインに追加することができる。このフィードバック力は操舵システムで必要とされる圧力に関連するものであり、従って、車両の二つの無限軌道又は車輪の牽引力を示すものである。

4ポート2位置切換弁34は、油圧操舵モータ8の回転を逆転するために、すなわち、操舵入力方向を車両の前進、後進運動と無関係にしておくために使用される。この弁34は、電気式、油圧式、機械式のいずれの切替えも可能であり、安全上の理由から常に既定の位置である前進駆動位置に位置している。

図6は、車両のエンジントルクと操縦性を制御するための本発明の簡易版電子スロットル制御を示す。先行技術のATVでは、エンジンのトルクは、内燃機関のスロットルチャンバを開閉して、車両駆動に必要なトルクを制御するスロットルケーブル、スロットルペダル42A形式の入力装置、あるいはサムスロットルレバー42を介して機械的に制御する。

スロットルペダル42A形式の入力装置あるいはサムスロットルレバー42は、電子スロットル制御(ETC)ユニット41に電子信号を供給する。この制御ユニット41は、エンジン燃料の燃焼、点火等を制御するエンジン制御ユニットに統合することができる。

本発明に基づいてスキッドステアされた車両も車両の操舵のために、多少の動力増加を利用するという事実により、エンジンは多少余分のトルクを伝達し、安全運転確保のために運転者が車両を補正することなく安定した駆動ができることを保障する必要がある。

本発明によれば、操舵は油圧システムによって開始され、この油圧システムは無限軌道又は車輪の差動速度を制御し、車両をある方向に舵を取る。油圧システムにおいて説明したように、動力取出装置49を備えた内燃機関1は、油圧ポンプ9を駆動しており、油圧作動油がポンプへの供給ライン46経由でポンプ9に供給され、そのポンプから圧力ライン47経由で圧力センサ48に供給される。優先弁28は、油圧操舵モータ8によって駆動される必要作動速度を発生するための油圧を規定する(図5参照)。

操舵に必要なトルクは、主に車両が走行する路面状態によって決まる。タール舗装やコンクリート舗装のような硬い表面では、車両を運転者の要求に応じてスキッドステアさせるためには、より大きなトルク、すなわち、より高い油圧が必要となる。泥状や砂、雪のような軟かい路面では、車両が同じステア量と回転半径に達するにはより小さなトルクが必要となる。しかしながら、変速機で設定される駆動トレイン比も同じようにシステムに影響を与える。低速ギヤで小さい比を選択すると、高速ギヤで大きい比を使用している時よりも、エンジンからのトルクは小さくて済む。

エンジンで使われるこのトルクを補償し、自動化された車両の安定運転を可能にするために、圧力センサ48は発生した圧力を計測し、その値をETC制御ユニット41に報告する。ETCは、所望のスロットル開度補償を計算するモデルとマップとを備えており、その情報をスロットルアクチュエータ45に供給する。このスロットルアクチュエータ45は軸44前後のスロットル本体43の開度を変更し、1個又はそれ以上のスロットルを開ける。適用例にもよるが、これは全てのシリンダに対して1個又はそれ以上のスロットルの可能性もあり、あるいは個々のシリンダに対して個々のスロットルの可能性もある。本願は、各シリンダに対して個々のスロットルを示し、必要なトルクの量によって同期させ、より大きなスロットル開度(%)に反映させたものである。

この補償量は、圧力センサ48の圧力入力値を基本関数として、車両速度によって計算される。起こり得る各種事態に適応するためには、システムの安定作用を目的とした補足的な補償作用が必要である。本発明では、車両速度、エンジン回転数範囲、エンジン負荷、ギヤの位置、油圧作動油温度が、三次元のマップテーブルや二次元のテーブルに基づいて、スロットル開度の最終補正パーセントの数値とエンジントルクとを決定するのに使用される。これらのテーブル等は、電子スロットル制御システムで今日自動車への応用に頻繁に使用されている計算済みモデル関数を利用してもよい。

スキッドステアされる車両のETCシステムの主な役割—操舵ロスの補償—に加えて、最適化した操縦性;エンジン動力を減少し車両速度を制限した初心者モード;選択したギヤに基づいた円滑且つ安全な車速制限;追加油圧機器31を使用した、無人運転中の遠隔操作あるいはエンジン動力制御;を電子機器の追加なしに安全に実現することができる(図5参照)。

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