Traffic flow simulation apparatus, traffic flow simulation program, and traffic flow simulation method

申请号 JP2011006029 申请日 2011-01-14 公开(公告)号 JP5325241B2 公开(公告)日 2013-10-23
申请人 三菱重工業株式会社; 发明人 隆 園田; 容子 伊藤; 悦史 西前; 祐一郎 神納; 浩 小川; 賢太郎 川口; 慶一 森下;
摘要 An automobile driving simulation unit (84) simulates the driving of an automobile model that simulates an automobile, in a road-network model that simulates a road network comprising a plurality of roads and intersections linking the roads with each other, and a public-transportation-system driving simulation unit (88) simulates the driving of a streetcar transportation system model that simulates a streetcar transportation system, in a route network model that simulates the routes of the streetcar transportation system. A crossing-gate model simulates crossing gates that are provided at places where the roads and the routes of the streetcar transportation system intersect with each other, and that temporarily shut off driving of automo-biles at an intersecting place when a streetcar transportation system is to drive through the intersecting place. The crossing-gate model is activated by a shut-off simulation unit (90).
权利要求
  • 複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を模擬する自動車走行模擬手段と、
    軌道系交通機関及び路面公共交通機関の少なくとも一方の路線、及び該路線を走行する公共交通機関の走行に応じて前記自動車の走行を一時的に遮断する遮断手段を含む路線網を模擬した路線網モデルにおける、前記公共交通機関を模擬した公共交通機関モデルの走行を模擬する公共交通機関走行模擬手段と、
    設定された出発地から目的地に到達するために、前記自動車及び前記公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを作成する人移動パターン作成手段と、
    を備え、
    前記自動車走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記自動車モデルへの人モデルの乗車及び前記自動車モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、
    前記公共交通機関走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記公共交通機関モデルへの前記人モデルの乗車及び前記公共交通機関モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、
    前記自動車又は前記公共交通機関の何れかを用いるかは、前記人モデル毎に初期設定されている交通流シミュレーション装置。
  • 前記遮断手段は、前記道路と前記軌道系交通機関の路線とが交差する箇所に設けられ、該交差する個所を前記軌道系交通機関が走行する場合に、該交差する箇所の前記自動車の走行を一時的に遮断する遮断機である請求項1記載の交通流シミュレーション装置。
  • 前記路面公共交通機関は、バスであり、
    前記路面公共交通機関の路線は、前記道路と重なり合い、
    前記遮断手段は、前記バスが停止する停留所である請求項1記載の交通流シミュレーション装置。
  • 前記路面公共交通機関は、路面電車であり、
    前記路面公共交通機関の路線は、前記道路に沿っており、
    前記遮断手段は、前記道路と前記路面電車の路線とが交差する個所に設けられ、該交差する個所を前記路面電車が走行する場合に、該交差する箇所の前記自動車の走行を一時的に遮断する信号機である請求項1記載の交通流シミュレーション装置。
  • 前記移動パターンに基づいた、設定された出発地から目的地に到達するまでの前記人モデルの移動時間を算出する移動時間算出手段、
    を備えた請求項1から請求項4の何れか1項記載の交通流シミュレーション装置。
  • 前記移動時間算出手段によって算出された前記移動時間が予め設定された許容値以下となった場合に、該移動パターン及び該移動パターンを用いた前記人モデルの模擬結果を記憶手段に記憶させる制御を行う記憶制御手段を備えた請求項5記載の交通流シミュレーション装置。
  • 前記公共交通機関モデルは、乗車可能な最大人数が設定され、
    前記公共交通機関モデルに対する前記人モデルの利用状態を算出する利用状態算出手段を備えた請求項1から請求項6の何れか1項記載の交通流シミュレーション装置。
  • 前記公共交通機関モデルは、走行することによる消費エネルギー量が設定され、
    前記公共交通機関モデルの走行によって消費された消費エネルギー量の総量を算出する消費エネルギー算出手段を備える請求項1から請求項7の何れか1項記載の交通流シミュレーション装置。
  • コンピュータを、
    複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を模擬する自動車走行模擬手段と、
    公共交通機関である軌道系交通機関及び路面公共交通機関の少なくとも一方の路線を含む路線網を模擬した路線網モデルにおける、前記公共交通機関を模擬した公共交通機関モデルの走行を模擬する公共交通機関走行模擬手段と、
    前記路線を走行する公共交通機関の走行に応じて前記自動車の走行を一時的に遮断させる遮断手段を模擬した遮断手段モデルの動作を模擬する遮断模擬手段と、
    設定された出発地から目的地に到達するために、前記自動車及び前記公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを作成する人移動パターン作成手段と、
    して機能させ、
    前記自動車走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記自動車モデルへの人モデルの乗車及び前記自動車モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、
    前記公共交通機関走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記公共交通機関モデルへの前記人モデルの乗車及び前記公共交通機関モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、
    前記自動車又は前記公共交通機関の何れかを用いるかは、前記人モデル毎に初期設定されている交通流シミュレーションプログラム。
  • 複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を 自動車走行模擬手段によって模擬すると共に、公共交通機関である軌道系交通機関及び路面公共交通機関の少なくとも一方の路線を含む路線網を模擬した路線網モデルにおける、前記公共交通機関を模擬した公共交通機関モデルの走行を 公共交通機関走行模擬手段によって模擬する第1工程と、
    設定された出発地から目的地に到達するために、前記自動車及び前記公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを 人移動パターン作成手段によって作成する第2工程と、
    を含み、
    前記第1工程は、前記第2工程によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記自動車モデルへの人モデルの乗車及び前記自動車モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、
    前記第1工程は、前記第2工程によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記公共交通機関モデルへの前記人モデルの乗車及び前記公共交通機関モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、
    前記自動車又は前記公共交通機関の何れかを用いるかは、前記人モデル毎に初期設定されている交通流シミュレーション方法。
  • 说明书全文

    本発明は、交通流シミュレーション装置、交通流シミュレーションプログラム、及び交通流シミュレーション方法に関するものである。

    コンピュータシミュレーションによる自動車の道路移動(走行)に関する予測手法(交通流シミュレーション)として、種々の方法が提案されている。

    例えば、特許文献1には、所定区間毎のOD交通量と交通環境データとに基づいて交通環境データで生成される道路ネットワーク範囲で予測された交通流と、ドライバの所定区間毎の経験と、に基づいて、該予測された交通流の情報を提供されたドライバの旅行計画を作成し、該旅行計画に基づいて所定区間のOD交通量を修正し、修正したOD交通量を更に用いて交通流を予測する、交通状況予測装置(交通流シミュレータ)が記載されている。

    特許第4506663号公報

    ここで、交通流を構成する交通機関は、自動車だけではなく、例えば、電車やバス等の公共交通機関や次世代輸送手段である電気自動車も含まれる。 そのため、新たな公共交通機関を導入するにあたり、交通流や交通需要の変化、公共交通機関の導入の効果等を予測できることが望ましい。
    しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の交通流シミュレータでは、公共交通機関の走行を模擬できない。

    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、公共交通機関を含む全交通機関が交通に与える影響を予測できる交通流シミュレーション装置、交通流シミュレーションプログラム、及び交通流シミュレーション方法を提供することを目的とする。

    上記課題を解決するために、本発明の交通流シミュレーション装置、交通流シミュレーションプログラム、及び交通流シミュレーション方法は以下の手段を採用する。

    すなわち、本発明に係る交通流シミュレーション装置は、複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を模擬する自動車走行模擬手段と、軌道系交通機関及び路面公共交通機関の少なくとも一方の路線、及び該路線を走行する公共交通機関の走行に応じて前記自動車の走行を一時的に遮断する遮断手段を含む路線網を模擬した路線網モデルにおける、前記公共交通機関を模擬した公共交通機関モデルの走行を模擬する公共交通機関走行模擬手段と、 設定された出発地から目的地に到達するために、前記自動車及び前記公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを作成する人移動パターン作成手段と、を備え、前記自動車走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記自動車モデルへの人モデルの乗車及び前記自動車モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、前記公共交通機関走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記公共交通機関モデルへの前記人モデルの乗車及び前記公共交通機関モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、前記自動車又は前記公共交通機関の何れかを用いるかは、前記人モデル毎に初期設定されている

    本発明によれば、自動車走行模擬手段によって、複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行が模擬される。 なお、自動車モデルで模擬される自動車には、電気自動車を含んでもよい。

    また、公共交通機関走行模擬手段によって、軌道系交通機関及び路面公共交通機関の少なくとも一方の路線を模擬した路線網モデルにおける、公共交通機関を模擬した公共交通機関モデルの走行が模擬される。
    軌道系交通機関とは、道路とは異なる線路を走行する公共交通機関であり、例えば、鉄道及び地下鉄等である。 一方、路面公共交通機関とは、自動車が走行する道路に沿って移動する公共交通機関であり、例えば、路面電車やバス等である。

    なお、路線網モデルには、路線を走行する公共交通機関の走行に応じて自動車の走行を一時的に遮断する遮断手段を模擬したものが含まれる。 この遮断手段が模擬されることによって、公共交通機関による自動車の走行への影響が模擬されることとなる。
    従って、本発明は、公共交通機関が交通に与える影響を予測できる。
    また、本発明によれば、人移動パターン作成手段によって、設定された出発地から目的地に到達するために、自動車及び公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンが作成される。
    そして、自動車走行模擬手段によって、移動パターンに基づいた自動車モデルへの人モデルの乗車及び自動車モデルからの人モデルの降車が模擬され、移動パターンに基づいた公共交通機関走行模擬手段によって、公共交通機関モデルへの人モデルの乗車及び公共交通機関モデルからの人モデルの降車が模擬される。
    従って、本発明は、自動車及び公共交通機関を用いる人の行動を模擬することができる。

    また、本発明の交通流シミュレーション装置は、前記遮断手段を、前記道路と前記軌道系交通機関の路線とが交差する箇所に設けられ、該交差する個所を前記軌道系交通機関が走行する場合に、該交差する箇所の前記自動車の走行を一時的に遮断する遮断機としてもよい。

    本発明によれば、遮断機とは、所謂踏み切りであり、遮断手段を軌道系交通機関の走行に応じて動作する遮断機とすることで、軌道系交通機関による自動車の走行への影響が模擬されることとなり、軌道系交通機関の走行が自動車の走行に与える影響を予測できる。

    また、本発明の交通流シミュレーション装置は、前記路面公共交通機関を、バスとし、前記路面公共交通機関の路線が、前記道路と重なり合い、前記遮断手段を、前記バスが停止する停留所としてもよい。

    本発明によれば、路面公共交通機関をバスとし、遮断手段をバスの停留所とするので、バスによる自動車の走行への影響、及び自動車によるバスの影響がシミュレーションされることとなり、路面公共交通機関が交通に与える影響を予測できる。

    また、本発明の交通流シミュレーション装置は、前記路面公共交通機関を、路面電車とし、前記路面公共交通機関の路線が、前記道路に沿っており、前記遮断手段を、前記道路と前記路面電車の路線とが交差する個所に設けられ、該交差する個所を前記路面電車が走行する場合に、該交差する箇所の前記自動車の走行を一時的に遮断する信号機としてもよい。

    本発明によれば、路面公共交通機関を路面電車とし、遮断手段を路面電車の走行に応じて動作する信号機とするので、路面電車による自動車の走行への影響が模擬されることとなり、路面電車の走行が自動車の走行に与える影響を予測できる。

    また、本発明の交通流シミュレーション装置は、前記移動パターンに基づいた、設定された出発地から目的地に到達するまでの前記人モデルの移動時間を算出する移動時間算出手段、を備えてもよい 本発明によれば、移動パターンに基づいた、設定された出発地から目的地に到達するまでの人モデルの移動時間を算出するので、交通機関による人の移動の影響をより正確に評価できる。

    また、本発明の交通流シミュレーション装置は、前記移動時間算出手段によって算出された前記移動時間が予め設定された許容値以下となった場合に、該移動パターン及び該移動パターンを用いた前記人モデルの模擬結果を記憶手段に記憶させる制御を行う記憶制御手段を備えてもよい。

    本発明によれば、許容値とは人が目的地に到達する上で規準となる時間感覚を示すこととなり、許容値以下となった移動パターン及び移動パターンを用いた人モデルの模擬結果を記憶手段に記憶させるので、交通機関を用いた人の平均的な行動を判別することができる。

    また、本発明の交通流シミュレーション装置は、前記公共交通機関モデルに乗車可能な最大人数が設定され、前記公共交通機関モデルに対する前記人モデルの利用状態を算出する利用状態算出手段を備えてもよい。

    本発明によれば、公共交通機関モデルは乗車可能な人数が設定され、利用状態算出手段によって、公共交通機関モデルに対する人の利用状態が算出される。 公共交通機関モデルの利用状態とは、例えば、公共交通機関モデルに乗車した人数、公共交通機関モデルの混雑度、公共交通機関モデルに乗車するまでの総待ち時間、及び公共交通機関の乗車料金が設定されている場合は、目的地に到達するまでに要した乗車料金の総額等である。
    従って、本発明は、公共交通機関による人の移動の影響を多面的に評価できる。

    また、本発明の交通流シミュレーション装置は、前記公共交通機関モデルに走行することによる消費エネルギー量が設定され、前記公共交通機関モデルの走行によって消費された消費エネルギー量の総量を算出する消費エネルギー算出手段を備えてもよい。

    本発明によれば、消費エネルギー算出手段によって、公共交通機関モデルの走行によって消費された消費エネルギー量が算出されるので、公共交通機関の導入による影響をより多面的に評価できる。

    一方、本発明に係る交通流シミュレーションプログラムは、コンピュータを、複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を模擬する自動車走行模擬手段と、公共交通機関である軌道系交通機関及び路面公共交通機関の少なくとも一方の路線を含む路線網を模擬した路線網モデルにおける、前記公共交通機関を模擬した公共交通機関モデルの走行を模擬する公共交通機関走行模擬手段と、前記路線を走行する公共交通機関の走行に応じて前記自動車の走行を一時的に遮断させる遮断手段を模擬した遮断手段モデルの動作を模擬する遮断模擬手段と、 設定された出発地から目的地に到達するために、前記自動車及び前記公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを作成する人移動パターン作成手段と、して機能させ、前記自動車走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記自動車モデルへの人モデルの乗車及び前記自動車モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、前記公共交通機関走行模擬手段は、前記人移動パターン作成手段によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記公共交通機関モデルへの前記人モデルの乗車及び前記公共交通機関モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、前記自動車又は前記公共交通機関の何れかを用いるかは、前記人モデル毎に初期設定されている

    本発明によれば、遮断手段が路線網モデルに含まれることによって、公共交通機関による自動車の走行への影響が模擬されることとなる。 従って、本発明は、公共交通機関が交通に与える影響を予測できる。

    さらに、本発明に係る交通流シミュレーション方法は、複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を自動車走行模擬手段によって模擬すると共に、公共交通機関である軌道系交通機関及び路面公共交通機関の少なくとも一方の路線を含む路線網を模擬した路線網モデルにおける、前記公共交通機関を模擬した公共交通機関モデルの走行を公共交通機関走行模擬手段によって模擬する第1工程と、設定された出発地から目的地に到達するために、前記自動車及び前記公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを人移動パターン作成手段によって作成する第2工程と、を含み、前記第1工程は、前記第2工程によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記自動車モデルへの人モデルの乗車及び前記自動車モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、前記第1工程は、前記第2工程によって作成された前記移動パターンに基づいて、前記公共交通機関モデルへの前記人モデルの乗車及び前記公共交通機関モデルからの前記人モデルの降車を模擬し、前記自動車又は前記公共交通機関の何れかを用いるかは、前記人モデル毎に初期設定されている。

    本発明によれば、遮断手段が路線網モデルに含まれることによって、公共交通機関による自動車の走行への影響が模擬されることとなる。 従って、本発明は、公共交通機関が交通に与える影響を予測できる。

    本発明によれば、交通機関が交通に与える影響を予測できる、という優れた効果を有する。

    本発明の第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置の電気系の要部構成を示す図である。

    本発明の第1実施形態に係る交通流シミュレーションにおける道路網モデル、及び軌道系交通機関の路線網モデルの構成を示す模式図である。

    本発明の第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置の機能を示す機能ブロック図である。

    本発明の第1実施形態に係るQ−K特性の一例を示した図である。

    本発明の第1実施形態に係る天候に応じて異なるQ−K特性の例であり、(A)は、天候が晴れの場合のQ−K特性であり、(B)は、天候が雨の場合のQ−K特性であり、(C)は、天候がの場合のQ−K特性である。

    本発明の第2実施形態に係る交通流シミュレーションにおける道路網モデル、及びバスの路線網モデルの構成を示す模式図である。

    本発明の第2実施形態に係る交通流シミュレーションにおける道路網モデル、及び路面電車の路線網モデルの構成を示す模式図である。

    本発明の第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置の機能を示すブロック図である。

    本発明の変形例に係る交通流シミュレーション装置の機能を示すブロック図である。

    以下に、本発明に係る交通流シミュレーション装置、交通流シミュレーションプログラム、及び交通流シミュレーション方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。

    〔第1実施形態〕
    以下、本発明の第1実施形態について説明する。

    図1に、本第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の電気系の要部構成を示す。
    本第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、複数の道路、及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を模擬すると共に、軌道系交通機関の路線を模擬した路線網モデルにおける、軌道系交通機関を模擬した軌道系交通機関モデルの走行を模擬する交通流シミュレーションを実行する装置である。

    そして、道路とは、車線数、右左折レーンの数の限定はなく、さらに、舗装路、非舗装路、国道、県道、私道、及び駐車場等の自動車が走行可能な道路を示す。

    また、自動車のうち、ガソリン自動車とは、ガソリンで駆動する自動二輪車、普通自動車(タクシーを含む)、バス、及びトラック等を示す。

    なお、本第1実施形態に係る自動車モデルには、電気自動車を模擬した電気自動車モデルが含まれてもよい。 電気自動車とは、電で駆動する自動二輪車、普通自動車(タクシーを含む)、バス、及びトラック、並びにガソリンと電気のハイブリッド車(上記各種自動車のハイブリッド車)であって蓄電池に充電可能なものを示す。 以下の説明において、単に自動車という場合は、ガソリン自動車と電気自動車両方を示す。

    一方、軌道系交通機関とは、鉄道及び地下鉄等、道路とは異なる線路を走行する公共交通機関であり、軌道系交通機関の路線とは、上記線路である。

    交通流シミュレーション装置10は、交通流シミュレーション装置10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)12、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)14、CPU12による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)16、詳細を後述する交通流シミュレーションプログラム等の各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)18を備える。

    さらに、交通流シミュレーション装置10は、キーボード及びマウス等から構成され、各種操作の入力を受け付ける操作入力部20、交通流シミュレーションに要する各種情報の入力を促す画像、交通流シミュレーションの結果を示す画像等の各種画像を表示する画像表示部22、プリンタや他のコンピュータ等の外部装置と接続され、該外部装置への各種情報の送受信を行う外部インタフェース24、並びに可搬型記憶媒体26に記憶されている情報を読み取るための読取部28を備える。 なお、可搬型記憶媒体26には、磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、IC(Integrated Circuit)カード、及びメモリカード等が含まれる。

    これらCPU12、ROM14、RAM16、HDD18、操作入力部20、画像表示部22、外部インタフェース24、及び読取部28は、システムバス30を介して相互に電気的に接続されている。 従って、CPU12は、ROM14、RAM16、及びHDD18へのアクセス、操作入力部20に対する操作状態の把握、画像表示部22に対する各種の画像の表示、並びに外部インタフェース24を介した上記外部装置との各種情報の送受信、読取部28を介した可搬型記憶媒体26からの情報の読み取り等を各々行なうことができる。

    なお、図1に示す交通流シミュレーション装置10の構成は一例であり、例えば、HDD18の代わりに、大容量の半導体記憶装置を用いてもよいし、交通流シミュレーションプログラムを、可搬型記憶媒体26に記憶させる等、他の形態としてもよい。

    図2に、本第1実施形態に係る交通流シミュレーションにおける交通網モデル44Aを構成する道路網モデル40及び路線網モデル42Aの模式図を示す。

    道路網モデル40は、交差点等で区切られる道路の最小区間を模擬した道路モデルであるリンク50が交差点を模擬したノード52で接続されている。 なお、道路網モデル40は、実在する道路網を模擬したものであってもよいし、実在しない道路網を模擬したものであってもよい。

    各リンク50には、走行する自動車モデルの制限速度、車線数、右左折レーンの有無及び数等が設定される。 各ノード52には、自動車用の交通信号機を模擬した信号機モデルの設置の有無が設定されている。
    また、各リンク50及び各ノード52には、各々標高を設定することが可能とされている。 このため、隣り合うリンク50及びノード52の標高差から、リンク50によって模擬されている道路の勾配を決定できる。 また、リンク50の途中でも異なる標高を設定することが可能とされている。

    信号機モデルは、予め定められた時間間隔で青色から黄色、黄色から赤色、赤色から青色に変化する。 信号機モデルが青色の場合、自動車モデルは、該信号機モデルが設置されているノード52を介してリンク50から他のリンク50へ移動が許可される一方、信号機モデルが赤色の場合、自動車モデルは、該信号機が設置されているノード52を介してリンク50から他のリンク50への移動が禁止される。

    一方、路線網モデル42Aは、軌道系交通機関の路線(路線モデル60)、人を乗降させるための駅を模擬した駅(駅モデル62)、及び路線を走行する軌道系交通機関の走行に応じて自動車の走行を一時的に遮断する遮断手段を含む。

    本第1実施形態に係る遮断手段とは、道路と軌道系交通機関の路線とが交差する箇所に設けられ、該交差する個所を軌道系交通機関が走行する場合に、該交差する箇所の自動車の走行を一時的に遮断する遮断機(遮断機モデル64)である。 遮断手段としての遮断機は、遮断棒を有する所謂踏み切りである。

    遮断機モデル64は、閉状態及び開状態の何れか一方となるように動作する。 遮断機モデル64が閉状態の場合は、リンク50と路線モデル60とが交差する箇所の自動車モデルの走行が遮断される、すなわち自動車モデルの走行が停止する。 一方、遮断機モデル64が開状態の場合は、リンク50と路線モデル60とが交差する箇所の自動車モデルの走行は遮断されない。
    なお、遮断機モデル64は、実際の遮断機のように遮断機が有する遮断棒の開閉までも模擬する必要はなく、上述した信号機モデルと同様であってよく、閉状態を赤色とし、開状態を青色とすればよい。

    また、遮断機モデル64は、例えば、軌道系交通機関モデルが遮断機モデル64へ進入する手前の所定距離に到達してから、軌道系交通機関モデルが遮断機モデル64を通過した後の所定距離に到達するまでの間、閉状態となる。

    図3は、本第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の機能を示す機能ブロック図である。 すなわち、図3に示す機能ブロック図は、CPU12によって実行される交通流シミュレーションプログラムの処理の流れを示すものである。
    本第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、開始指示受付部70、初期設定部72、シミュレーション部74、都市評価部76、及び出力処理部78を備える。

    開始指示受付部70は、交通流シミュレーションの開始の指示を受け付ける。 具体的には、例えば、画像表示部22に表示されている所定の画像(アイコン)が操作入力部20を介して押された場合に、開始指示受付部70は、開始の指示を受け付けたと判定する。

    初期設定部72は、開始指示受付部70が交通流シミュレーションの開始の指示を受け付けた場合に、交通流シミュレーションの初期設定を行う。
    初期設定として設定されるものには、交通流シミュレーションの対象となる交通網モデル44A、自動車モデルの数及び各自動車モデルの出発地及び目的地(O−D情報)、各自動車モデルの出発時間、軌道系交通機関モデルの運行スケジュール、天候(晴れ、雨、雪)、並びに自動車モデルに電気自動車モデルを含む場合は、電気自動車に充電を行う充電ステーションを模擬した充電ステーションモデルの配置及び容量等である。

    軌道系交通機関モデルの運行スケジュールとは、軌道系交通機関モデルが走行する出発駅、停車駅、終着駅、走行経路、出発駅を出発する時間、停車駅に到達する時間、停車駅での停車時間、及び終着駅に到達する時間等を示した時刻表である。

    なお、交通網モデル44A、O−D情報、及び運行スケジュール等は、例えば、ユーザが予め作成し、HDD18に記憶させておき、初期設定部72がHDD18から読み出すことによって初期設定してもよい。 また、初期設定部72に交通網モデル44A、O−D情報、及び運行スケジュール等を作成する機能を備えさせ、ユーザが、初期設定部72で交通網モデル44A、O−D情報、及び運行スケジュール等を作成してもよい。

    シミュレーション部74は、自動車シミュレーション部80及び公共交通機関シミュレーション部82を備える。

    自動車シミュレーション部80は、自動車走行模擬部84及びルート選択部86を備える。

    自動車走行模擬部84は、設定されたO−D情報から導出された走行ルートで各自動車モデルの走行を模擬する。 具体的には、自動車走行模擬部84は、例えば自動車モデルの走行速度と走行時間とから、自動車モデルの位置を算出し、算出した位置に自動車モデルを移動させることによって、自動車モデルの走行を模擬する。
    ルート選択部86は、設定されたO−D情報から各自動車モデルの走行ルートを導出する。 また、ルート選択部86は、渋滞が発生した場合に、渋滞を回避するための新たな走行ルートを導出し、導出した新たな走行ルートを自動車モデルに与えてもよい。

    公共交通機関シミュレーション部82は、公共交通機関走行模擬部88及び遮断模擬部90を備える。

    公共交通機関走行模擬部88は、設定された運行スケジュールに応じて軌道系交通機関モデルの走行を模擬する。 具体的には、公共交通機関走行模擬部88は、例えば軌道系交通機関モデルの走行速度と走行時間とから、軌道系交通機関モデルの位置を算出し、算出した位置に軌道系交通機関モデルを移動させることによって、軌道系交通機関モデルの走行を模擬する。
    遮断模擬部90は、軌道系交通機関モデルの走行に応じて、遮断機モデル64を閉状態及び開状態の何れか一方となるように動作させる。

    都市評価部76は、シミュレーション部74のシミュレーション結果に応じて、交通網モデル44Aで表される都市の機能を評価する。 なお、都市の機能とは、例えば、自動車の渋滞状態(渋滞する場所及び渋滞の長さ等)、自動車の出発地から目的地に達するまでの平均時間等である。

    出力処理部78は、都市評価部76による評価結果を出力する処理(以下、「出力処理」という。)を実行する。 具体的な出力処理としては、評価結果を画像表示部22に表示させる画像表示処理、評価結果をデータとしてHDD18に記憶させる記憶処理、外部インタフェース24を介して接続されている印刷機を用いて評価結果を記録用紙に印刷させる印刷処理等である。

    次に、本第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の作用について説明する。

    交通流シミュレーション装置10は、開始指示受付部70が交通流シミュレーションの開始の指示を受け付け、その後初期設定部72が、交通流シミュレーションの初期設定を行うと、交通流シミュレーションを開始する。

    自動車走行模擬部84は、設定されたO−D情報から導出された走行ルートで各自動車モデルの走行を模擬するが、リンク50を走行する自動車モデルの速度は、例えば、図4に示されるQ−K曲線によって示されるQ−K特性を用いて算出される。
    Q−K特性とは、交通流量Q(台/時間)と密度K(台/km)との関係を示すものであり、換言すると道路の特性を示している。 そして、Q−K曲線上の点と原点を結ぶ線の傾きαが走行速度V(km/時間)を示す。

    図4に示すように、自動車モデルの密度Kが、Q−K曲線の頂点を越えてさらに大きくなると、走行速度が遅くなり、渋滞を引き起こすこととなる。

    また、本第1実施形態に係る交通流シミュレーションでは、予め設定値として設定されている天候に応じて、Q−K特性を切り替えてもよい。
    図5は、天候に応じて異なるQ−K特性の例を示す。 図5(A)は、天候が晴れの場合のQ−K特性であり、図5(B)は、天候が雨の場合のQ−K特性であり、図5(C)は、天候が雪の場合のQ−K特性である。
    図5(A)〜(C)に示されるように、交通流量Qの最大値であるリンク容量が、晴れ、雨、雪の順に小さくなっている。 このことは、晴れ、雨、雪の順に自動車モデルの走行速度が小さくなることを表わしている。

    また、交通流シミュレーション装置10は、自動車走行模擬部84による自動車モデルの走行の模擬と共に、公共交通機関走行模擬部88による軌道系交通機関モデルの走行を模擬し、遮断模擬部90は、軌道系交通機関モデルの走行に応じた遮断機モデル64の動作を行う。
    遮断機モデル64が閉状態(赤信号)となると、自動車走行模擬部84は、閉状態となった遮断機モデル64は配置されている箇所における自動車モデルの走行を停止させる。 このように、遮断機モデル64が路線網モデル42Aに含まれることによって、軌道系交通機関による自動車の走行への影響がシミュレーションされることとなる。
    より具体的には、軌道系交通機関の運行スケジュールが緻密にされるほど、遮断機が閉状態となり、自動車の渋滞が増加することが予測される、又路線をより多く作り、これに伴い遮断機をより多く作ることによって、自動車の渋滞が増加することが予測される。 本第1実施形態にかかる交通流シミュレーション装置10では、このような場合の自動車の渋滞状態を交通流シミュレーションで模擬することができる。

    そして、交通流シミュレーション装置10は、例えば、初期設定された全ての自動車モデルが目的地に到達した場合、又は、初期設定された交通流シミュレーションを実行する時間が終了すると、交通流シミュレーションを終了し、都市評価部76によって評価を行い、出力処理部78によって評価結果を出力処理する。 また、交通流シミュレーション装置10は、交通流シミュレーション終了後だけでなく、交通流シミュレーションの実行中でもリアルタイムで都市評価部76による評価及び出力処理部78による評価結果の出力処理を可能としてもよい。

    以上説明したように、本第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、自動車走行模擬部84によって、複数の道路及び道路と道路とを結ぶ交差点を含む道路網を模擬した道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を模擬し、公共交通機関走行模擬部88によって、軌道系交通機関の路線を模擬した路線網モデル42Aにおける、軌道系交通機関を模擬した軌道系交通機関モデルの走行を模擬する。 そして、路線網モデル42Aには、道路と軌道系交通機関の路線とが交差する箇所に設けられ、該交差する個所を軌道系交通機関が走行する場合に、該交差する箇所の自動車の走行を一時的に遮断する遮断機を模擬した遮断機モデル64が設けられる。
    従って、本第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、公共交通機関が交通に与える影響の予測、特に軌道系交通機関の走行が自動車の走行に与える影響を予測できる。

    〔第2実施形態〕
    以下、本発明の第2実施形態について説明する。

    なお、本第2実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の電気的構成及び機能ブロック図は、図1,3に示される第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の電気的構成及び機能ブロック図と同様であるので説明を省略する。

    本第2実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、道路網モデルにおける、自動車を模擬した自動車モデルの走行を模擬すると共に、路面公共交通機関の路線を模擬した路線網モデルにおける、路面公共交通機関を模擬した路面公共交通機関モデルの走行を模擬する交通流シミュレーションを実行する装置である。
    路面公共交通機関とは、自動車が走行する道路に沿って移動する公共交通機関であり、例えば、バスや路面電車等である。

    図6,7に、本第2実施形態に係る交通流シミュレーションにおける交通網モデルの模式図を示す。 なお、図6,7における図2と同一の構成部分については図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。

    図6は、路面公共交通機関をバス(以下、「路線バス」という。)とした場合の交通網モデル44Bの模式図である。 路線バスの路線は、道路と重なり合う。 そして、路線バスは、定められた停留所の位置において停止することによって、路線バスの後方を走行する自動車の走行を一時的に遮断することとなるので、停留所が遮断手段(停留所モデル92)となる。
    すなわち、路線バスを模擬した路線バスモデルは、道路網モデル40の一部と一致した路線モデルを、自動車モデルと同様に走行することとなる。 なお、道路網モデル40のリンク50が片道2車線以上であり、バス優先レーンが設定されている場合は、該バス優先レーンが路線モデルとなり、路線バスモデルは、バス優先レーンを走行することとなる。

    一方、図7は、路面公共交通機関を路面電車とした場合の交通網モデル44Cの模式図である。 交通網モデル44Cは、道路網モデル40と、路面電車の路線(路線モデル94)、人を乗降させるための駅を模擬した駅(駅モデル96)、及び路線を走行する路面電車の走行に応じて自動車の走行を一時的に遮断する遮断手段を含んだ路線網モデル42Bで構成される。
    なお、路面電車の路線は、道路に沿っており、路面電車を模擬した路面電車モデルは、道路網モデル40に沿った路線モデル94を走行することとなる。

    また、遮断手段は、道路と路線とが交差する個所に設けられ、該交差する個所を路面電車が走行する場合に、該交差する箇所の自動車の走行を一時的に遮断する信号機(信号機モデル98)である。 すなわち、リンク50と路線モデル94とが交差する箇所、換言すると、路面電車モデルがリンク50を横断する箇所に信号機モデル98が配置される。 なお、信号機モデル98は、遮断機モデル64と同様であるため、説明を省略する。

    なお、上記説明では、路線網モデルに路面バスの路線網モデルを含む場合と路線網モデルに路面電車の路線網モデル42Bを含む場合とを、図6,7を用いて別々に説明したが、交通網モデルは、路面バスの路線網モデルと路面電車の路線網モデル42Bを共に含んでもよいし、路線バスの路線網モデル及び路面電車の路線網モデル42Bの少なくとも一方と軌道系交通機関の路線網モデル42Aを含んでもよい。 なお、以下の説明において、軌道系交通機関モデル、路面バスモデル、及び路面電車モデルを総称して、公共交通機関モデルという。

    さらに、初期設定部72によって、路面公共交通機関モデルの運行スケジュールが設定される。
    路面公共交通機関を路線バスとした場合の運行スケジュールとは、路線バスが出発する停留所、停車する停留所、終着する停留所、走行経路、各停留所に到着する時間、各停留所の停車時間等を示した時刻表である。
    一方、路面公共交通機関を路線電車とした場合の運行スケジュールとは、軌道系交通機関の運行スケジュールと同様である。

    そして、交通流シミュレーション装置10は、開始指示受付部70が交通流シミュレーションの開始の指示を受け付け、その後初期設定部72が、交通流シミュレーションの初期設定を行うと、交通流シミュレーションを開始する。
    路面公共交通機関を路線バスとした場合、公共交通機関走行模擬部88は、自動車走行模擬部84と同様に、路線バスモデルの走行を模擬する。 すなわち、路線バスモデルは、自動車モデルの一つとして、その走行が模擬される。

    ここで、路線バスモデルは、設定された運行スケジュールに基づいて走行が模擬されるため、定められた停留所モデル92の位置において停止した場合、路線バスモデルの後方を走行する自動車モデルの走行は、一時的に遮断されることとなる。
    具体的には、リンク50が片道1車線の場合は、後続の自動車モデルは路線バスモデルの後方で、路線バスモデルの停止と共に停止するため、渋滞が発生しやすくなる。 一方、リンク50が片道2車線以上の場合は、後続の自動車モデルは隣のレーンへ移動するので、該隣のレーンは、自動車モデルの密度が高くなり、渋滞が発生しやすくなる。

    さらに、都市評価部76は、路線バスモデルの運行スケジュールからの遅れの時間を算出する。 路線バスモデルは、自動車モデルの一つとして、その走行が模擬される。 そのため、路線バスモデルの走行経路に渋滞が発生した場合は、路線バスモデルは、該渋滞に巻き込まれることとなり、設定した運行スケジュールからの遅れが生じることとなる。 なお、本第2実施形態に係る交通流シミュレーション装置10では、遅れが生じたとしても、運行スケジュールにより示される各停留所モデルでの停止時間を短縮させたり、路線バスモデルの走行速度をそれまでよりも速めることはない。

    そこで、都市評価部76は、路線バスモデルの運行スケジュールからの遅れを算出し、その算出結果を路線バスの乗客の快適度とする。 すなわち、遅れが大きいほど快適度は低く、遅れが小さいほど快適度は高い。
    なお、上述したように、路線バスそのものが渋滞を発生させる要因となりえる。 そのため、路線バスの本数を増やすことによって、路線バスの乗客の快適度は低くなる可能性がある。

    一方、路面公共交通機関を路線電車とした場合、公共交通機関走行模擬部88は、第2実施形態で軌道系交通機関モデルと同様に、設定された運行スケジュールに基づいて路面網モデル42Bを走行する路面電車モデルの走行を模擬し、遮断模擬部90は、路面電車モデルの走行に応じた信号機モデル98の動作を行う。
    このため、路線電車の運行スケジュールが緻密にされるほど、信号機が赤となり、自動車の渋滞が増加することが予測される、又路線電車の路線をより多く作り、これに伴い信号機をより多く作ることによって、自動車の渋滞が増加することが予測される。

    以上説明したように、本第2実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、路面公共交通機関をバスとし、遮断手段をバスの停留所とするので、バスによる自動車の走行への影響、及び自動車によるバスの影響がシミュレーションされることとなり、路面公共交通機関が交通に与える影響を予測できる。
    また、本第2実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、路面公共交通機関を路面電車とし、遮断手段を路面電車の走行に応じて動作する信号機とするので、路面電車による自動車の走行への影響が模擬されることとなり、路面電車の走行が自動車の走行に与える影響を予測できる。

    〔第3実施形態〕
    以下、本発明の第3実施形態について説明する。

    なお、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の電気的構成は、図1に示される第1実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の電気的構成と同様であるので説明を省略する。 また、本第3実施形態に係る交通網モデル44は、図2,6,7に示される交通網モデル44と同様であるので説明を省略する。

    本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、自動車及び公共交通機関の走行の模擬だけでなく、個人(エージェント)の移動も模擬する。

    図8は、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の機能を示す機能ブロック図である。 なお、図8における図3と同一の構成部分については図3と同一の符号を付して、その説明を省略する。

    本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、シミュレーション部74に人移動模擬部100を備える。
    人移動模擬部100は、個人を模擬した人モデルの移動を模擬する。 具体的には、人移動模擬部100は、例えば人モデルの移動速度と移動時間との関係から、人モデルの位置を算出し、算出した位置に人モデルを移動させることによって、人モデルの移動を模擬する。 なお、本第3実施形態に係る人モデルは、道路網モデル40上を移動するものとする。

    また、本第3実施形態に係る自動車走行模擬部84は、自動車モデルへの人モデルの乗車及び自動車モデルからの人モデルの降車を模擬し、本第3実施形態に係る公共交通機関走行模擬部88は、公共交通機関モデルへの人モデルの乗車及び公共交通機関モデルからの人モデルの降車を模擬する。

    さらに、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、意思決定モデル部102を備える。
    意思決定モデル部102は、人移動パターン作成部104、個人行動評価部106、記憶制御部108を備える。

    人移動パターン作成部104は、設定された出発地から目的地に到達するために、自動車及び公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを作成し、移動パターンをシミュレーション部74へ出力する。
    自動車又は公共交通機関の何れを用いるかは、人モデル毎に初期設定される。 具体的には、例えば、人モデル毎にランダムに設定されていてもよいし、自動車を用いる人モデルの割合、公共交通機関を用いる人モデルの割合が設定されていてもよい。 なお、この設定を利用交通手段設定という。

    さらに、上記割合は、設定する気象によって変化させてもよい。 例えば、設定した気象が雨や雪の場合は、自動車モデルを用いる人モデルの割合を高くする一方、設定した気象が晴れの場合は、公共交通機関を用いる人モデルの割合を高くする。 また、上記割合は、人が居住する地域性によって変化させることが考えられる。 例えば、目的地までに要する時間が短いことをより好む地域性に居住する人や自動車の保有率の高い地域に居住する人の移動を模擬する場合は、自動車モデルを用いる人モデルの割合を高くする。 また、公共交通機関が充実している地域に居住する人を模擬する場合は、公共交通機関モデルを用いる人モデルの割合を高くする。

    個人行動評価部106は、移動パターンに基づいた、人モデル毎に設定された出発地から目的地に到達するまでの人モデルの移動時間及びコスト(乗車料金)等の行動評価値を算出する。 一般に、行動評価値は、個人の価値観に基づくものであり、地域性や感受性によっても異なってくる。

    記憶制御部108は、個人行動評価部106によって算出された、移動パターンに基づいた人モデルの移動時間が予め設定された許容値以下となった場合、該移動パターン及び該移動パターンを用いて人モデルの模擬結果をHDD18に記憶させる制御を行う。
    なお、上記許容値は、人が目的地に到達する上で規準となる時間感覚である。 そのため、許容値は、例えば、人の移動を模擬する時間帯、人が居住する地域性、気象等に応じて異なる値(時間)が設定されることが考えられる。 例えば、人の移動を模擬する時間帯が朝の場合や、目的地までに要する時間が短いことをより好む地域性の個人を模擬する場合は、許容値を短く設定してもよく、気象が雨の場合は、許容値を長く設定してもよい。

    また、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、終了条件判定部110を備える。
    終了条件判定部110は、個人の移動の模擬を終了させるために予め定められた条件に達したか否かを判定し、肯定判定となった場合は、人の移動の模擬を終了し、都市評価部76が人の移動の模擬結果に基づいた評価を行う。 一方、否定判定となった場合、意思決定モデル部102は、人移動パターン作成部104に新たな移動パターンを作成させる。 なお、終了条件とは、例えば、人の移動の模擬を繰り替えす回数である。

    次に、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10の作用について説明する。 なお、以下の説明では、主に意思決定モデル部102の作用について説明し、シミュレーション部74等の作用については、特に説明しない限り第1実施形態と同様とする。

    交通流シミュレーション装置10は、開始指示受付部70が交通流シミュレーションの開始の指示を受け付け、その後初期設定部72が、交通流シミュレーションの初期設定を行うと、交通流シミュレーションを開始する。 初期設定部72では、本第3実施形態に特有の設定として、人モデルの移動速度、人モデルのO−D情報、人モデルの出発時間、利用交通手段設定、許容値、終了条件、公共交通機関モデルの乗車可能な最大人数、及び公共交通機関モデルの乗車料金が設定される。

    次に、人移動パターン作成部104によって、初期設定部72で設定された内容、特に人モデルのO−D情報や利用交通手段設定に基づいて、各人モデル毎に移動パターンが作成される。 移動パターンの具体例としては、軌道系交通機関を用いる場合は、人モデルの出発時間、人モデルの出発地から人モデルが乗車する駅モデルまでの移動ルート、及び人モデルが降車する駅モデルから人モデルの目的地までの移動ルートである。

    シミュレーション部74では、移動パターンに基づいて人モデルの出発地から目的地までの移動を模擬する。 例えば、人移動パターン作成部104によって、軌道系交通機関を用いる移動パターンが作成された人モデルに対しては、人移動模擬部100が出発地から乗車する駅モデル62までの人モデルの移動を模擬する。 そして、公共交通機関走行模擬部88が、乗車する駅モデル62での該人モデルの乗車を模擬し、降車する駅モデル62での該人モデルの降車を模擬する。 その後、人移動模擬部100が降車する駅モデル62から目的地までの該人モデルの移動を模擬する。
    なお、公共交通機関モデルには、乗車可能な最大人数が設定されているため、公共交通機関モデルを利用する人モデルが多い場合は、人モデルが駅モデルや停留所モデルに到達しても、公共交通機関モデルに乗車できずに待ち時間が発生する場合もある。 なお、公共交通機関モデルに乗車する人モデルの順番は、人モデルが駅モデルや停留所モデルに到達した順番とする。

    全ての人モデルに対して目的地までの移動の模擬が終了すると、個人行動評価部106が、移動パターンに基づいた、設定された出発地から目的地に到達するまでの人モデルの移動時間を算出し、該移動時間が予め設定された許容値以下となったか否かを判定し、記憶制御部108が許容値以下となった移動パターン及び該移動パターンを用いて人モデルの模擬結果をHDD18に記憶させる。

    一方、移動時間が許容値を超えた人モデルについては、人移動パターン作成部104によって新たな移動パターンが作成される。 なお、新たな移動パターンは、人モデルが用いる交通機関を変更したり、出発時刻を変更することによって作成される。

    そして、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、終了条件判定部110によって終了条件に達したと判定されるまで、移動パターンの作成、移動パターンに基づいた人モデルの移動の模擬、許容値を用いた移動時間の評価を繰り返す。
    このように、移動パターンの評価を繰り返すことによって、目的地に到達するまでの人の移動パターンが均衡状態となり、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、設定した公共交通機関モデルによる交通需要の変化をより精度高く評価することができる。

    本第3実施形態に係る都市評価部76は、HDD18に記憶された移動パターン毎に公共交通機関モデルに対する人の利用状態を算出する。 公共交通機関モデルの利用状態とは、例えば、公共交通機関モデルに乗車した人数、公共交通機関モデルの混雑度、公共交通機関モデルに乗車するまでの総待ち時間、及び目的地に到達するまでに要した乗車料金の総額等である。

    混雑度は、各公共交通機関モデルに乗車した人数を各公共交通機関モデルの乗車可能な最大人数で除算することによって算出される。

    また、都市評価部76は、移動パターン毎に公共交通機関モデルの利用状態を算出するだけでなく、移動を模擬された複数の人モデルの利用状態の総和、及び平均を算出してもよい。

    また、都市評価部76は、人モデル毎に出発地から目的地に到達するまでに要した時間である旅行時間、及び複数の人モデルの平均旅行時間を算出することによって、人の移動の快適性を示してもよい。

    以上説明したように、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、設定された出発地から目的地に到達するために、自動車及び公共交通機関の少なくとも一方を用いる場合を含む人の移動パターンを作成する人移動パターン作成部104を備え、自動車走行模擬部84は、人移動パターン作成部104によって作成された移動パターンに基づいて、自動車モデルへの人モデルの乗車及び自動車モデルからの人モデルの降車を模擬し、公共交通機関走行模擬部88は、人移動パターン作成部104によって作成された移動パターンに基づいて、公共交通機関モデルへの人モデルの乗車及び公共交通機関モデルからの人モデルの降車を模擬する。
    従って、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、自動車及び公共交通機関を用いる人の行動を模擬することができる。

    また、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、個人行動評価部106によって、移動パターンに基づいた、設定された出発地から目的地に到達するまでの人モデルの移動時間を算出するので、公共交通機関による人の移動の影響をより正確に評価できる。

    また、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、人が目的地に到達する上で規準となる時間感覚を示す許容値以下となった移動パターン及び移動パターンを用いた人モデルの模擬結果をHDD18に記憶させるので、公共交通機関を用いた人の平均的な行動を判別することができる。

    また、本第3実施形態に係る交通流シミュレーション装置10は、公共交通機関モデルは乗車可能な人数が設定され、都市評価部76によって、公共交通機関モデルに対する人の利用状態を算出するので、公共交通機関による人の移動の影響を多面的に評価できる。

    〔変形例1〕
    変形例1に係る交通流シミュレーション10は、公共交通機関モデルに走行することによる消費エネルギー量が設定され、都市評価部76が、公共交通機関モデルの走行によって消費された消費エネルギー量の瞬時値と総量を算出する。

    消費エネルギーとは、公共交通機関モデルが電力によって走行する車両(鉄道、路面電車等)であれば、消費電力であり、例えば、加速時の消費電力(kW)及び定速時の消費電力(kW)を予め設定し、加速時の消費電力に加速しながら走行した時間を乗算し、定速時の消費電力に定速で走行した時間を乗算し、これらの和によって算出される。

    これにより、本変形例1では、公共交通機関の導入による影響をより多面的に評価できる。 特に、電力によって走行する公共交通機関を導入する地域において、公共交通機関に用いる電力量を評価できるので、公共交通機関に起因する電力需要が示されることとなり、電力需給のバランス及び必要な電力インフラを評価できる。

    また、公共交通機関を導入することによって、人が公共交通機関を利用する頻度が高くなれば、自動車によるCO 排出量の削減が期待できる。
    そこで、都市評価部76が、ガソリン自動車の自動車モデル(以下、「ガソリン自動車モデル」という。)のCO 排出量を、例えば、下記(1)式及び(2)式に基づいて算出し、公共交通機関の導入によるCO 排出量の変化を算出してもよい。
    燃料消費量=走行距離×平均燃費 ・・・(1)
    CO 排出量=燃料消費量×定数 ・・・(2)

    (1)式におけるガソリン自動車モデルの平均燃費は、初期設定部72によって設定され(例えば、30km/L)、(2)式における定数は、燃料消費量からCO 排出量を算出するために初期設定部72によって設定される設定値である。
    このように、ガソリン自動車モデルのCO 排出量は、予め設定された設定値及び該ガソリン自動車モデルの走行距離に基づいて算出される。

    また、自動車モデルに電気自動車を模擬した電気自動車モデルも含まれる場合は、例えば、電気自動車モデルのCO 排出量を0(零)としたり、電気自動車モデルの蓄電池で消費される電力を生成するために、例えば火力発電所においてCO が排出されるため、電気自動車モデルもCO を排出するとしてもよい。

    具体的には、電気自動車モデルのCO 排出量は、下記(3)式に基づいて算出される。
    CO 排出量=蓄電池消費量×定数 ・・・(3)

    (3)式における定数は、蓄電池消費量からCO 排出量を算出するために初期設定部72によって設定される設定値であり、電気自動車モデルのCO 排出量をガソリン自動車モデルのCO 排出量よりも小さくする値として設定される。

    〔変形例2〕
    変形例2に係る交通流シミュレーション装置10は、図9に示すように、都市最適化部112を備える。

    都市最適化部112は、都市評価部76による評価結果に基づいて、交通網モデルを変更する。
    例えば、自動車モデルに電気自動車モデルを含む場合、交通網モデルに電気自動車モデルに対して充電を行う充電ステーションを模擬した充電ステーションモデルが設けられる。

    そして、都市評価部76によって、交通流シミュレーションによって得られた電気自動車モデルの総旅行時間と充電ステーションモデルの数との関係を導出し、充電ステーションの数を増やしても総旅行時間が短縮しないことが分かると、充電ステーションモデルを減らした交通網モデルを新たに作成したり、異なる場所に充電ステーションモデルを配置した交通網モデルを作成する。 そして、交通流シミュレーション装置10は、新たに作成した交通網モデルに基づいて、交通流シミュレーションを行う。

    以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。 発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。

    10 交通流シミュレーション装置 12 CPU
    40 道路網モデル 42A 路線網モデル 42B 路線網モデル 50 リンク 52 ノード 64 遮断機モデル 76 都市評価部 84 自動車走行模擬部 88 公共交通機関走行模擬部 92 停留所モデル 98 信号機モデル 104 人移動パターン作成部 106 個人行動評価部 108 記憶制御部

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