環境温度での液体炭化素における溶液による天然ガスの輸送

申请号 JP2017567044 申请日 2016-03-11 公开(公告)号 JP2018515390A 公开(公告)日 2018-06-14
申请人 ジョセフ ジェイ. ヴォエルカー; VOELKER, Joseph J.; カーティス ヘイズ ウィットソン; WHITSON, Curtis Hays; 发明人 ジョセフ ジェイ. ヴォエルカー; カーティス ヘイズ ウィットソン;
摘要 環境 温度 で天然ガスの 液化 により天然ガスを輸送する方法が、環境温度及び環境圧 力 で安定な液体である炭化 水 素と高圧で天然ガスを混合することによって達成される。炭化水素液体は、 原油 又は原油の蒸留物であることができる。この方法は、液化:環境温度及び高圧力で天然ガスを炭化水素液体と混合して、炭化水素液体に溶解した天然ガスを含む液体混合物を生成する工程と、出荷:海洋タンカーを用いて液体混合物を輸送する工程であって、この間、液体混合物は、環境温度及び高圧力で維持される工程と、再ガス化:目的地で、液体混合物の圧力を低下させることによって液体混合物からガスを放出する工程と、を含む。炭化水素液体は、複数回使用することができる。
权利要求

環境温度及び環境圧で炭化素液体を供給する工程と、 環境温度及び高圧力で天然ガスを前記炭化水素液体と混合して液体混合物を生成する工程であって、前記液体混合物は、前記炭化水素液体に溶解した前記天然ガスを含む工程と、 第1の地点から第2の地点へ海洋タンカーを用いて前記液体混合物を輸送する工程であって、この間、前記液体混合物は、環境温度及び前記高圧力で維持される工程と、 前記第2の地点で、前記液体混合物の圧力を低下させることによって前記液体混合物からガスを放出する工程と、 を含む、天然ガスを輸送するプロセス。前記炭化水素液体は原油である、請求項1に記載のプロセス。前記炭化水素液体は原油の蒸留物である、請求項1に記載のプロセス。前記混合工程は、20体積超の前記天然ガスを1体積の前記炭化水素液体に混合する、請求項1に記載のプロセス。前記高圧力は1000psiaを超える、請求項1に記載のプロセス。前記混合工程の前に、脱水及び硫化水素除去を含む前記天然ガスを調整する工程を更に含む、請求項1に記載のプロセス。前記混合工程は、前記海洋タンカーで行われる、請求項1に記載のプロセス。前記混合工程は、バッファー貯蔵タンクで行われ、前記プロセスは、前記バッファー貯蔵タンクから前記海洋タンカーに前記液体混合物を積載する工程を更に含む、請求項1に記載のプロセス。前記混合工程は、大量の前記炭化水素液体を環境温度で混合タンクに積載する工程と、 前記混合タンクの底部地点から前記炭化水素液体を介して高圧で前記天然ガスをろ過し、ガス/炭化水素液体の分離を防止するために前記混合物を循環させる工程と、 を含む、請求項1に記載のプロセス。前記混合タンクは、前記海洋タンカー又はバッファー貯蔵タンクである、請求項9に記載のプロセス。前記混合工程は、前記天然ガスを環境温度で圧縮して混合タンクに入れる工程と、 高圧で前記炭化水素液体を液滴又はミストの形態で前記混合タンクにポンプで送る工程と、 を含む、請求項1に記載のプロセス。前記混合タンクは、前記海洋タンカー又はバッファー貯蔵タンクである、請求項1に記載のプロセス。前記脱ガス工程は、 パイプ系を介して前記タンカーから前記液体混合物を1つ以上の油−ガスセパレーターに移動させる工程であって、前記セパレーターは、環境温度、及び、前記海洋タンカーの圧力よりも逐次的に低い圧力にあり、且つ、前記液体混合物は、前記セパレーターにおいてガスと液体に分離する工程と、 前記セパレータータンクから前記ガス及び前記液体をパイプで送る工程と、 を含む、請求項1に記載のプロセス。前記放出工程は、 前記タンカーから前記水の一部又はすべてを排出する工程であって、ガスが、前記液体混合物から前記水の排水によって形成されたガスのキャップ空間に分離される工程と、 前記ガスが、前記ガスのキャップ空間を連続して満たす間、前記海洋タンカーから前記ガスのみをパイプで送り、前記海洋タンカーに前記液体炭化水素を残す工程と、 を含む脱ガス工程、を含む、前記輸送工程の前に、前記タンカーにおいて大量の水を積載する工程を更に含む、請求項1に記載のプロセス。前記脱ガス工程は、 前記タンカー貨物倉の底部に水をポンプで送り、前記貨物倉の高圧を維持しながら前記貨物倉から前記DNGを移す工程と、 パイプ系を介して前記タンカーから前記液体混合物を1つ以上の油−ガスセパレーターに移動させる工程であって、前記セパレーターは、環境温度、及び、前記海洋タンカーの圧力よりも逐次的に低い圧力にあり、且つ、前記液体混合物は、前記セパレーターにおいてガスと液体に分離する工程と、 前記セパレータータンクから前記ガス及び前記液体をパイプで送る工程と、 を含む、請求項1に記載のプロセス。

说明书全文

本発明は、天然ガスの輸送に関し、特に、液体炭化素における溶液による天然ガスを輸送するプロセスに関する。

米国の天然ガスの供給は、最終的に米国の天然ガスの輸出を保証するように、いわゆる、これまでになかった即ち「シェールガス」の生産により、かなりの速度で増加している。天然ガスのオフショア輸出は、米国以外での既成産業であるが、米国は現在、オフショアで天然ガスを輸出していない。2014年の世界の天然ガス生産の10%は、液化天然ガスであるLNGとして海上輸送を介して輸送された。カタール、マレーシア、インドネシア、ナイジェリア、及びオーストラリアなどの主要な輸出国は、国内需要を大きく超える量を生み出す大規模な天然ガス田を所有する。海上輸送を介した天然ガス輸入市場は、主として、日本、中国、韓国、インド、及び台湾においてある。

米国の国内供給が需要を超える状態が、起こり始めている。米国の天然ガス生産及び消費は、世界のデータに最も影響を与え、2014年に、米国は、世界の総量の22%で生産及び消費の状態を維持した。2つのその他の国、中国及びロシアだけは、世界の生産又は消費の5%超を占めた。従って、米国の天然ガスの過剰供給状態は、相当な量を国際的な天然ガス市場に潜在的にもたらす可能性がある。

結果として、米国の天然ガスのオフショア海上輸送は、米国の産業及び政府が引き受けている。ひいては、米国の天然ガスの海上輸送の経済的効率を改善することが、重要な取り組みである。本発明は、その取り組みに寄与する。

天然ガスの陸上輸送は、パイプラインによってほとんど独占的に行われる。しかしながら、高額な費用のパイプライン及び施設材料及び据付費用のため、天然ガスは、広大な水域に渡るパイプラインによって輸送されることはない。従って、天然ガスの海洋を跨ぐ輸出は、船舶による個別の積荷で独占的に行われる。

パイプライン輸送は、高圧の起点からより低圧の販売地点までの連続した流れでガスを流すことからなる。陸路でタンクローリー又は鉄道によって個別の積荷でガスを輸送するより、パイプラインを通して連続した流れを流すことは、著しくより費用効率がよい。

個別の輸送(船舶、鉄道、又はタンクローリー)は、天然ガスの場合より炭化水素液体の場合により適切であり、その理由は、原油、ガソリン、ディーゼル、又は灯油などの液体炭化水素の単位体積は、天然ガスの単位体積より著しく大きい量のエネルギーを含むからである。例示のために、大気圧及び環境温度で、同様な発熱値は、1000立方フィートの天然ガスに対して、1立方フィートの原油に含まれる。従って、1つの同様な原油の積荷と同等のエネルギー量を輸送するために、環境条件での1000回の天然ガスの個別の輸送が行われなければならない。

従って、所定のガス発熱値が環境条件でのものより非常に少ない量を占めることが、天然ガスの実現可能な個別の出荷には必要である−天然ガスの密度は増加しなければならない。現在、これは、液体になるガスの温度を十分に低下させることによって、又は、ガス状の形態のままであるが著しくより少ない量を占めるように、十分な圧で環境温度にてガスを圧縮することによって、環境圧力で商業的に達成される。現在、これらは、天然ガスの個別の輸送において、それぞれ、液化天然ガス−LNG、及び圧縮天然ガス−CNGを生産するために利用される2つの基本となる物理的方法である。

現在、LNGは、天然ガスの海上輸送の商業的に実現可能な方法である。CNGは、これまでの50年での多数の提案されたプロジェクトにもかかわらず、現在まで商業的に可能な海上輸送のオプションではなかった。

本発明は、天然ガス、LNG、及びCNGのオフショア輸送のための2つの一般的な構想に対する代替を提供する。

代替プロセスは、環境温度及び環境圧力で液体である炭化水素混合物と高圧で天然ガスを混合することによって達成される、環境温度での天然ガスの液化である。原油は、環境条件で液体である最も一般的及びおそらく最も適切な炭化水素混合物である。しかしながら、その他の充分な炭化水素混合物は、環境条件で液体である原油の蒸留された生成物を含むことができる。

本発明の実施形態によれば、ガス相が天然の周知である炭化水素ガス−液体相平衡現象を介して液相になる、環境温度、及び、大気圧を超える圧力で、輸送される天然ガスは、炭化水素液体原料と混合される。ガスが原油の液体に「溶解」することから、天然ガス−原油相平衡が歴史的に最も広く研究されている、石油工学の基準における用語から借りて、混合輸送液体状態は、適切には、溶存天然ガス、又はDNGと名付けられている。

この用途の残りにおいては、輸送される天然ガスが混合される炭化水素液体は、液体炭化水素、「LH」と称されることになる。LHは、環境温度及び圧力で液体である。LHの例としては、任意の原油、並びに、ガソリン、灯油、ジェット燃料、ディーゼル、燃料油、又は、油田及びガス井掘削産業において非水性掘削液を配合するために使用される液体などの、環境条件で液体である原油の任意の蒸留された誘導体が挙げられる。

DNGは、輸送される、液化された、天然ガスと混合されるLHからなる液体である。環境温度及び高圧力で、DNGは、存在し輸送される。実現可能なDNG圧力は、現在の船舶圧力定格に対して高い−3500psigにほぼ等しい場合がある。従って、高圧液体の安全な輸送のための新規な船舶設計及び構成は、DNGの実現可能性を達成するために必要とされることになる。

環境圧力まで高圧力を解放することによって、液化天然ガスは、環境温度で輸送目的地点において再ガス化される。

DNGプロセスは、2つの一般的な海上輸送の構想、LNG及びCNGと基本的に異なる。LNGは、大気圧及び極低温における天然ガスの液化による液体である。CNGは、高圧力及び環境温度での天然ガスの圧縮によるガスである。DNGは、高圧力及び環境温度でのLHに溶解した天然ガスの溶液による液体である。

又、再ガス化されるDNGガスが必ずしも液化されるガスと同一であるというわけではないという点で、DNGプロセスは、2つの一般的な構想と異なる。LHとの混合は、天然ガス組成を変化させ、その程度は、別々のLH及び天然ガス組成に依存する。仕向け港で分配されるLNG及びCNGガスは、船舶に入ったものと同一である−LNG及びCNGプロセスは、輸送された天然ガス組成を変化させない。

LNGは、DNGより著しく小さい(〜1/3)体積を占めるが、本発明の実施形態によるプロセスは、環境温度で行われ、従って極低温及び冷凍設備及び動力を必要としないので、LNGプロセスよりも潜在的にかなりの費用上の有利性を有する。

又、DNGは、LNGの場合と同じ天然ガスの大規模な調整、即ち、酸性ガスの二酸化炭素と硫化水素の除去、窒素と水銀の除去、及び脱水を必要とすることはない。この従来のLNGの調整は、極低温での液化中に二酸化炭素と水が凍結し固体になり、詰まり、並びに関連した安全上の危険性及び設備の損傷を招く可能性があることから、製品仕様を満たし、腐食を避け、設備の詰まりを避けるために必要である。DNGプロセスは、腐食を最小限に抑えるために脱水及び硫化水素の除去を必要とする場合があるが、その他の調整プロセスは、必要とされないであろう。

DNGは、LNGにおいて必要な炭化水素分別を必要としない。メタン、エタン、又はプロパンの液化温度より凝固点が高いことから、プロパンよりも重い炭化水素留分は、LNGの場合には大幅に低減されなければならない。詰まり、関連した安全上の危険性及び設備の損傷を避けるために、LNGプロセスの間、固体凍結炭化水素の形成を避けなければならない。

天然ガスの調整と分別に必要な設備とプロセスは、LNGのプロジェクトの資本費用と操業費用の総計の大きな部分、約10%を占める。

不純物を含む原料の天然ガスのすべての成分は、LHに可溶である。従って、DNGプロセスは、調整又は分別、並びに関連した設備を必要とすることはない。

油田操業で標準的である比較的少ない費用の圧縮設備を使用して、積載港でDNGを調整することができ、又、油田操業で標準的である比較的少ない費用の分離設備を使用して、仕向け港で再ガス化することができる。

本発明は、体積減少においてCNGプロセスに類似しているが、CNGがガスであり、且つ、DNGが液体である点で基本的に異なる。DNGがCNGから商業的に区別される場合、DNGは液体であることが主な理由であると予想される。液体出荷用コンテナの能力、特に大型の高圧船舶の費用効率のよい建設において技術的及び安全性についての発展が進んだ場合、並びに、これらの船舶がガス輸送に比べて液体輸送において技術的、安全上の、環境的、及び経済的利点を提供する場合、DNGプロセスは、CNGより高い営利性を達成することができる。

2つのDNG輸送範例が、実施されることができる。第1に、LHの貨物は輸送される天然ガスと混合されて、積載港でDNGを形成することができ、こうしたLH貨物は複数のDNGの海洋を跨ぐ航行に使用される。それぞれの航行の際にLHに溶解された天然ガスは、仕向け港で分配のために再ガス化されることができる。海洋を跨ぐ輸送を対象とした別の大量の天然ガスと混ぜ合わせられる積載港へ輸送され戻されるLHは、船舶上に留まることができる。原油は、市場価格でいつでも販売されることができる。

或いは、LHは、最初の到着時に、仕向け港で再ガス化された天然ガスとともに放出され販売されることができ、複数の航行で使用されることはない。次いで、船舶は、空で積載港に戻り、新たなLHの貨物を引き取ることができ、その後、海洋を跨ぐ輸送を対象とした大量の天然ガスと混合されることができる。

本発明の更なる特徴及び利点が、以下の記載において説明され、且つ、一部はその記載から明らかであり、或いは、本発明の実施によって習得されることができる。本発明の目的及びその他の利点は、本明細書及びその特許請求の範囲並びに添付の図面で特に指摘された構造により実現され達成されるであろう。

具体化され且つ広範に記載されるように、これら及びその他の利点を実現するために、且つ、本発明の目的に従って、本発明は、天然ガスを輸送するプロセスを提供し、これは、環境温度及び環境圧力で炭化水素液体を供給し、環境温度及び高圧力で天然ガスを炭化水素液体と混合して液体混合物を生成する工程であって、液体混合物は、炭化水素液体に溶解した天然ガスを含む工程と、第1の地点から第2の地点へ海洋タンカーを用いて液体混合物を輸送する工程であって、液体混合物は、環境温度及び高圧力で維持される工程と、第2の地点で、液体混合物の圧力を低下させることによって液体混合物からガスを放出する工程と、を含む。

以上の概略的な記載及び以下の詳細な記載は、いずれも、例示及び説明を目的としており、特許請求された本発明の更なる説明を提供することを意図したものであることを理解されたい。

本発明の一実施形態によるDNGタンカーにおける天然ガスとLHの混合のプロセス及び設備を概略的に示す。

陸上混合施設における天然ガスとLHの混合のプロセス及び設備、並びに、本発明の別の実施形態によるDNGタンカーへのDNG液体のその後の積載を概略的に示す。

本発明の一実施形態による陸上での分離による天然ガスの再ガス化のプロセス及び設備を概略的に示す。

本発明の別の実施形態によるDNGタンカーにおける天然ガスの再ガス化のプロセス及び設備を概略的に示す。

本発明の実施形態は、任意の温度で任意のLHとガス−液相平衡状態にあることができる、任意の天然ガスの基本的な物理的特性を使用する。

即ち、例えば、環境温度で大量の任意の天然ガスが、任意のLHと混合され、十分に加圧される場合、天然ガスは、LHの成分である液体になる。ガス相が液体になるにつれて、LHの体積の「膨張」が発生する。LHは膨張したが、環境温度で、遊離のガス相を含まない−100%の液体である。

又、LHと混合される更なる量の天然ガスは、充分な更なる加圧で、且つ、臨界的に環境温度で液体になる。ガスのLHへの継続的な添加及び圧力の上昇は、最終的にガスになる混合物をもたらす。しかしながら、LHと天然ガスの組成が知られており、相平衡現象がよく理解され、確実に予測されることから、ガス化のこの地点は、確実に予測され回避されることができる。

原油−天然ガスの普遍的な運搬媒体 LH代替、即ち原油の蒸留生成物と比較して、少ない費用で一般的であることを考えると、技術的に且つ経済的に最適なLHは原油である。原油の処理された蒸留物は、地理的には、精製所を起点として送らなければならず、且つ、実際には、一般的には市場を確立し専用していることから、原油より高価でありより一般的ではない。

原油は、環境条件で液体であり、石油と呼ばれる流体を起源とし、地下貯蔵部に留まる、天然の炭化水素混合物である。石油は、続成作用及びクラッキングとして知られる自然のプロセスを通じて、高圧と高温で古代の有機物から形成され、地質時代に区画された期間に渡り発生した。

石油工学用語では、天然ガスは、原油に「可溶」であると示されている。これは、高圧で原油に「溶解する」、即ち液化する。こうした「溶解性」は、石油工学の基準で徹底的に検討された現象である。

天然ガス及び原油は、どちらの組成物又は地下起源物であっても、普遍的に可溶である。任意のガス田からの任意の組成の任意の天然ガスは、任意の油田からの任意の原油に可溶である。テキサスで生産される天然ガスは、サウジアラビアで生産される原油に可溶である。これは、2つの同一の原油組成物が存在しないにもかかわらず、当てはまる。すべての原油は、指紋と同じく特異的なものであり、すべてが、任意の天然ガスと相平衡にあることができる。

すべての原油及び天然ガスは、炭化水素成分を共有している。天然ガスは、主として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、及びより少ない量のヘキサン及びヘプタンである。すべての天然ガスは、少なくともメタンから、且つ、その他の炭化水素であるエタンからヘプタンの一般的にはいくつかのものから、更に必ずしもそうでないがこれらのすべてからなる。メタンは、「最も軽い」成分であり、且つ、ヘプタンは、典型的には、より小さい(軽い)からより大きい(重い)までの、分子量に応じてランク付けされた天然ガスの中の「最も重い」成分である。

すべての原油は、これらの少数の主要なガス状成分、及びより多くのより重い炭化水素成分のいくつか又はすべてを含む。

これらの成分のそれぞれは、天然ガス又は原油が混合される相対的な量に関わらず、ガス/液相平衡を達成する。

天然ガスの成分の全部が、原油又は一般的なLHに存在して液化される必要はない。例えば、メタンを含まない原油からなるLHは、純粋なメタンである天然ガスを更に液化することができる。同様に、メタンガスは、メタンを含まないガソリンにて液化されることができる。

実際に、天然ガスは、炭化水素又はそうでない任意の液体に可溶である。しかしながら、液体がLHである場合、所定の高圧で溶解されることができる天然ガスの質量は、最大である。

天然ガス不純物、即ち、最も一般的には、窒素、二酸化炭素、及び硫化水素である非炭化水素成分は、一般的には又、原油に存在し、従って又、天然ガスにおけるかなりの濃度のこれらの不純物が、原油に溶解可能である。

従って、原油、並びに、ガソリン、灯油、ジェット燃料、ディーゼル、又は燃料油などの、環境温度及び圧力で安定な液体炭化水素である任意の原油蒸留物は、天然ガスにおける最大のDNG貯蔵能力をもたらし、且つ、重要なことに、普遍的な利用可能な貯蔵媒体である。

原油及び天然ガスの分類 石油は、高温及び高圧で地下貯蔵部において6つの一般的な形態で生成する。 ・重油 ・黒油 ・揮発油 ・逆行性ガス ・湿潤ガス ・乾燥ガス

本出願で参照される「原油」は、標準的な油田分離プロセスを受ける石油から得られる、環境圧力及び温度で安定である液体炭化水素として定義される。本出願で参照される原油は、ガソリン、灯油、ジェット燃料、ディーゼル、燃料油、又は非水性掘削液などの生成物を生成する蒸留プロセスから得られない。

前述で列挙した6種類の石油のうち、最初の5種類は、標準的な油田分離プロセスの適用後、環境温度及び圧力で安定な液体である炭化水素液体を生成する。

含意されるように、乾燥ガスは、環境温度及び圧力で炭化水素ガスのみを生成し、炭化水素液体を生成しないため、LHとして機能することはできない。

黒油は、世界的に最も一般的な原油である。重油は、黒油と比較して、より高い割合の高分子量の炭化水素からなり、世界の原油資源のかなりのシェアを含む。重油は、カナダやベネズエラなどの国々で一般的である。揮発油は、黒油と比較して、より高い割合の低分子量の炭化水素からなる。揮発油と黒油は、世界の多くの地域、特に、米国の「シェールオイル」貯蔵部で産出される。

逆行性ガス及び湿潤ガスは、主として地下貯蔵部のガスであるが、環境条件ではコンデンセートとして知られている安定した液体を生成する。コンデンセートは、世界の多くの地域、特に、米国のシェールオイル貯蔵部で逆行性ガス及び湿潤ガスから生成される。

重油、黒油、揮発油、又はコンデンセートは、本明細書で参照される「原油」を含む。又、原油は、これらの液体のいずれかの混合物からなることができる。

前述で参照された基本的な油田分離プロセスは、井を介して地下の流体を表面に運ぶことによって達成される通常の標準的な油田相分離プロセスであり、この条件は、地下貯蔵部のものよりも常に低い温度及び圧力である。

重油、黒油、又は揮発油が、井を流れる際の温度及び圧力の低下により、炭化水素ガスが放出される。このガスは「随伴ガス」と称される。井において表面に流れる際の逆行性ガス又は湿潤ガスの温度及び圧力の低下は、コンデンセートをガスから放出させる。

表面に達すると、次いで、流体は、セパレーターと称される大きな容器を通って導かれる。セパレーターは、流れるガス及び液体混合物の速度を低下させて、その結果、任意の原油−重油、黒油、揮発油、又はコンデンセート−が、容器底部に浮力によって落下し、環境温度及び圧力で貯蔵タンクに、又は別のセパレーターに導かれる。ガス−逆行性、湿潤、乾燥、又は随伴−は、セパレーター上部に通気され、販売用の高圧ガスパイプラインに導かれる。油田分離は、多くの場合に、2つ以上のセパレーターからなり、それぞれ、上流のセパレーターの液体炭化水素を連続的に摂取し、徐々に圧力及び温度を低下させる。

乾燥ガス、逆行性ガス、湿潤ガス、又は随伴ガスは、本出願に記載のプロセスによって輸送される「天然ガス」を含む。

DNGの体積減少 LNGプロセスと比較して、DNGプロセスによって理論的に達成される体積減少はより小さいが、CNGプロセスのものに匹敵する。

LNGプロセスは、環境圧力で極低温液化を介してガス体積を約600倍減少させる。即ち、調整され分別された天然ガスの600標準状態立方フィート(standard cubic feet)(圧力及び温度の特定の環境条件における体積は、標準状態立方フィート又はscfと称される)は、液化後、1立方フィート(ft3)の液体体積に減少されることができる。この減少量は、「圧縮比」と称することとする。LNGは、ft3当たり600scfの圧縮比を有する。

環境温度のCNG圧縮比体積は、圧力及びガス組成に依存する。環境温度のDNG圧縮比は、圧力、並びに天然ガス及びLHの両方の組成に依存する。

以下の表(表II〜表IV)は、−260°F及び大気圧で、LNGで達成された約600倍の減少と比較して、70F、及び1000、2000、及び3000psiaでの様々な天然ガス及び原油LHにおけるLNG、CNG、及びDNG圧縮比を示す。原油LHの種類としては、重油、黒油、及び揮発油由来のものが挙げられる。

コンデンセートの圧縮比は、揮発油のものと非常に類似していることから、表に示されていない。

ここで評価された原油LHの種類は、API比重によって特性評価される。API 比重は、原油の密度の指標である−指標が高いほど、密度は低い。表Iは、LHの例として選択された原油の種類のAPI比重を示す。

又、API比重は、分子量の指標である。API比重が高いほど、分子量は低い。

ここで評価される天然ガスは、「ガス比重」によって特性評価され、これは、空気の分子量に対する天然ガスの分子量の比である。

評価される天然ガスは、0.57のガス比重を有する最も軽い天然ガス、メタンから、0.85のガス比重を有する重い天然ガスまでの範囲に渡る。

表II〜IVのDNG圧縮比は、石油工学の基準において開発された状態方程式モデル(SRK)で推定される。

表II〜IVは、最も高い圧縮比を有することから、DNGのLHにおける最も有効な原油の種類は揮発油であることを示している。これは、より軽い炭化水素成分の割合がより高いという結果として、揮発油が、より低いAPI比重の黒油又は重油よりも低い密度を有するからである。より軽い成分のこのより高い濃度は、同じより軽い成分から主としてなるより多い量の天然ガスが、ガス−液相平衡を確立することを可能にする。例えば、70°F及び3000psiaで0.75の比重の天然ガスを受容する、50oAPIの揮発性原油LHは、223scf/ft3のDNG圧縮比を有することになる。

100万バレルの貨物量、又は560万ft3を含むタンカーでは、223scf/ft3の圧縮比は、タンカーで輸送される天然ガスの12億scf、又は、典型的な500万ft3のLNGタンカーで、典型的な30億scfのLNGタンカー貨物の40%をもたらす。

3000psig及び0.85のガス比重での揮発油の「ガス」表示に留意されたい。これは、DNG混合物が、3000psigで液体に留まることができないが、代わりに、ガスになることになることを示す。明らかに、DNGは液体であることが意図されているので、これは望ましくなく、従って、70°Fで、50oAPIの揮発性原油LH、及び0.75の比重の天然ガスを含む混合物では、この圧力は避けるべきである。液体がガスになる圧力は、「臨界点圧力」である。この現象は、この後のセクションで更に説明される。

原油の蒸留生成物からなるLHにおけるDNG圧縮比を、原油の蒸留生成物の中で最も軽く、このため最も高い圧縮比を有するガソリンの推定値とともに表Vに示す。

表Vのガソリンの圧縮比は、ガソリンの計算されたAPI、58oを入力したSRKモデルと同様に、68の炭化水素成分を含む状態方程式モデルで推定した。良好な一致が、2つのモデルの間で得られ、SRKモデルの有効性を確証した。

DNGは、3000psig並びに0.75及び0.85のガス比重で液体に留まることができないことに留意されたい。3000psigは、これらの2つの天然ガスと混合されたガソリンの臨界点圧力を超える。

LH膨張係数 前述の通り、LHは、天然ガスが溶解する際に膨らむ、即ち、「膨張」することになる。LH膨張係数は、油及びガスの組成物、並びに、圧力及び温度に依存する。

表II〜Vで考慮されるLH及び天然ガスの組合せにおける膨張係数を表VI〜VIIIに示す。これらの値は、SRKモデルで推定された。

例えば、表VIは、70°F及び3000psiaで0.75の比重の天然ガスを受容する、50oAPIの揮発性原油LHの場合、2.5の膨潤係数が生じることを示している。即ち、557scf(2.5×223)の0.75の比重の天然ガスが70°F及び3000psiaで溶解される場合、1ft3の50oAPIの原油が、2.5ft3に膨張することになる。

2.5立方フィートの膨張した原油は、ガス状、又は、泡状の液体でない。遊離のガス相は、その中に存在しない。これは、100%の液体である。

従って、50oAPIの原油がLHである場合、輸送される0.75の比重の天然ガスと混合する前に、DNG海上輸送船舶の貨物倉は、最初はLHで40%(1/2.5)のみ満たされることができる。0.75の比重のガスと50oAPIの原油を70°F及び3000psiaで混合した後、膨張により、貨物倉は、DNGで100%満杯になることができる。

従って、天然ガスと混合する前に、LHのみからなる貨物倉の体積の割合は、膨脹係数の逆数に等しい。

DNG臨界点圧力 前述の通り、増加した圧力及び環境温度でLHへの天然ガスの添加の増加は、最終的に、100%の液体の代わりに100%のガスになる混合物をもたらすことになる。これが行われる圧力は、混合物の臨界点圧力と称される。臨界点圧力は、LH及び天然ガスの組成物に依存する。臨界点圧力は、DNGが可能である最大圧力である。

表IXは、表II〜Vに示されるLH及び天然ガス混合物の推定された臨界点圧力を示す。これらは、SRKモデルを用いて推定された。

これらの臨界点圧力に対応する、対応する推定された圧縮比及び膨張係数は、事前に考慮されたLH及び天然ガス混合物において、表X及びXIに示される。これらの圧縮比は、DNGにおいて達成可能である最大なものに近似する。DNGタンカーの貨物倉が、表IXにおける臨界点圧力を含むことができるなら、これらの圧縮比は、まさに実現されることができるであろう。

前述の表の結果は、表XIIにまとめられ、圧縮比及び膨張係数は、「実行的な」DNG圧力及び70Fにおいて示される。ここで、「実行的な」DNG圧力は、3000psia以下であると仮定される。この圧力の基礎は、3000psiaが、可能な大型のDNGタンカーの貨物倉の圧力における上限を表すことができるという仮定である。

天然ガス及びLH組成の変化 天然ガスが高圧でLHに溶解し、その後、高圧の解放によりLHの溶液から出てくる場合、天然ガスは、LHから取り出された、元の天然ガスには存在しなかった炭化水素の塊を含む。例えば、元の天然ガスが純粋なメタンであり、且つ、LHが原油であるならば、放出される天然ガスは、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、及びヘプタンを含む。この例のガスは、分子量で測定され、かなり「より重く」なる。

放出された天然ガスの組成は、元の天然ガスの組成、LHの組成、DNG液体混合物の圧力、及びDNG液体混合物からのガスの放出の間に再ガス化施設で必要とされる圧力及び温度の条件に依存する。組成の変化は、前述のメタン/原油の例におけるように劇的である場合がある、又は、炭化水素成分の多く又はすべてを含有する元の天然ガスの場合には、微少で測定するには小さ過ぎる場合さえある。

天然ガス組成が変化するにつれて、LHの組成も同様に変化し−天然ガスによって得られる成分はどれも、LHによって失われる。この変化は、原油がヘプタン成分を通してエタンの一部を失うメタン/原油の例のように劇的である可能性がある。より軽い成分が減少した後に、より重い成分をより高い割合で含有することから、分子量が増加するにつれて、原油は「より重く」なる。

天然ガス組成の変化の実際の影響を予測することは困難である。より重い炭化水素成分を含有する場合、ガスは、価値が増大する場合がある。しかしながら、目的地の市場が、より軽い天然ガスのみを受け入れ、販売においてより重い成分を分離する設備を備えていない場合、放出されるガスの価値は、減少する場合がある。

LH組成の変化の実際の影響は、より重くなり、API比重が減少し、従って、DNG圧縮比が減少するということである。例えば、揮発油は、複数の出荷に渡り、黒油の組成に向かう傾向がある場合があり、前述の表II〜IVは、結果として圧縮比が減少することを示している。この圧縮比の低下は避けられず、LHをより高いAPI比重のLHの新たな供給源で置き換えることによって緩和されることができるに過ぎない。

DNGプロセス 本発明の一実施形態によれば、環境温度で液体炭化水素において溶液による天然ガスを輸送するプロセスは、一般的に、天然ガスの液化、出荷、及び再ガス化の工程を含む。これらの工程は後述されるが、当業者は、後述される特定のプロセス及び設備に加えて、工程のいくつか又はすべては、将来開発され得る手段を含むその他の手段によって実施されることができることを理解するであろう。 工程S1:オフショアで輸送される天然ガスは、積載港にパイプで送られる。 工程S2:LHは、同一港にパイプで送られ又は出荷され、DNGタンカーに又は陸上の混合タンク施設に移送される。DNGタンカーが前のDNG輸送航行から戻ってくる場合、LHは、タンカーに留まる。 工程S3(オプション):天然ガスは、LHと混合する前に、積載港での脱水及び硫化水素除去によって調整されることができる。又、タンカーは、硫化水素に対する腐食防止を利用することができる。 工程S4:天然ガス及びLHは、環境温度及び高圧力で混合される。圧力は、ガス及び原油の特性並びに所望の圧縮比、並びに施設の圧力制約によって決定される。好ましい実施形態においては、高圧力は、500〜3500の範囲、より好ましくは1000〜3000の範囲にある。実現されることができる圧縮比は、一般的に、20〜300の範囲にある。混合プロセスは、DNGタンカー(図1)において、又は、陸上の混合タンク施設(図2)において行われることができる。

混合がDNGタンカーで行われる場合、タンカーはLHを部分的に積載したことになる。LHの部分的な積載は、LHの膨張を収容するのに必要であり、これは前述のセクションに記載されている。この代替例では、DNGタンカーにパイプで送られ圧縮される前に、天然ガスは、バッファー貯蔵タンクに最初に貯蔵されなければならない。ガスバッファータンク貯蔵の体積及び貯蔵タンクにおけるガスの滞留期間は、DNGタンカーの数及び輸送の期間に依存することになる。このバッファー貯蔵は、すべてのタンカーは海上にありながら、積載港への天然ガスの連続した流れを可能にする。

タンカーの数は、バッファー貯蔵を必要としないのに十分であり得る、即ち、天然ガスは、タンカーに連続的に積載される。しかしながら、連続的な積載に必要なタンカーの数は、費用効率的でない可能性が高い。

陸上の施設で混合が行われる場合、DNGは、混合施設に留まり、タンカーに対する積載を待つことになる。混合施設の体積及び数、並びに施設でのDNGの滞留期間は、DNGタンカーの数及び輸送期間に依存することになる。すべてのタンカーが海上にありながら、混合施設におけるこのバッファー貯蔵は、積載港への天然ガスの連続した流れを可能にする。或いは、DNGは、混合施設と別であるバッファー貯蔵に留まることができる。

混合プロセスは、様々なプロセスの1つであることができ、以下を含む。

ガスが最少量の時間及び費用でLHに溶解されることができるようにLHにガスを圧縮すること。例えば、混合タンク又はDNGタンカーの底部からLHを介してガスをろ過することによって、これは実現されることができる。ガスがLHに溶解する時間は、ガスから液体への相変化のフラックス速度及びフラックスの表面積に依存する。動的システムでの溶解の速度は、多くの数の変数を考えると予測困難である。しかしながら、フラックス領域は、明らかに、ガスの気泡によって最大化される。更に、気泡が、浮力分離を防止するために循環を必要とする可能性は高い。分離されたガスは、相当の期間、溶解することはない。

所望の圧力及び環境温度でガスを保持タンク(混合タンク)に圧縮し、次いでLHを液滴又はミストの形態で保持タンクにポンプで送る。この方法は、LHのミスト化によって生成されるフラックスの広い領域にもかかわらず、非効率的である場合があり、ミストの不十分な循環が、LHに未暴露の多くのガスを残すことになり、液化することのない大量のガスをほぼ確実に残す。 工程S5:DNGタンカーが高圧DNG液体を積載すると、仕向け港に出航する。 工程S6:仕向け港に到着の際、DNGタンカーは、天然ガスがDNGから放出される再ガス化施設に接続される。

実際に、到着するDNGタンカーの貨物倉は、地下原油貯蔵部に類似している場合があることから、DNG再ガス化施設は、典型的な油田の生産分離施設と共通点がある場合がある。即ち、両者は、最初に高圧で単相の液体状態にあることができる。

DNGの再ガス化は、標準的な原油生産及び分離プロセスに従う場合がある。地下貯蔵部の原油は、貯蔵部における高圧、及び、表面坑口でのバルブを開放して低圧系を形成することによって誘発される圧力勾配のため、油井に流入する。油は、連続的に圧力が低下するにつれて、油井から表面に移動し、天然ガスを放出する。表面に到達すると、合流した油及びガスの流れは、流速を制御するために使用されるチョークを通過する。次いで、流れは、パイプに比べ大きな直径を通して流れの速度を著しく低下させる容器である、油−ガスセパレーターにパイプで送られる。これによって、浮力のため天然ガスが船内の液体原油から分離することが可能になる。ガスは、セパレーターの上部から、ガス体積を測定するオリフィス型のメーターにパイプで送られる。次いで、ガスは、販売地点にパイプで送られる。液体油相は、セパレーターの底部から、油容量が測定される「貯蔵タンク」に排出される。次いで、原油は、パイプ、トラック、又は鉄道によって精製所に輸送される。

貯蔵部圧力が原油の連続的な除去によって減少するにつれて、貯蔵部からの流速は、連続して減少する。天然ガスは、貯蔵部において放出されることができ、圧力の低下を遅らせ、そのため、ある程度、流速の低下を遅らせることになる。

DNG再ガス化施設(図3)は、油田生産及び分離施設に類似する場合があり、且つ、不要な実験をすることなく当業者によって実施されることができる。このようなDNG再ガス化施設は、従来の油田施設のレベルを超える、技術的高度化又は設備費用のレベルを必要としない場合がある。例えば、標準的な油田生産処理設備の圧力定格は、推定されるDNG圧力(3000psig)で十分である。DNG貨物倉は、バルブ(坑口に類似)、チョーク、及び油−ガスセパレーターを備えたパイプシステム(油井に類似)に接続されることができる。最初に閉鎖され、バルブは、貨物倉における高いDNG圧力、及びバルブを開放して、1つ以上のセパレーター容器からなる場合があるより低い圧力セパレーター系を形成することによって誘起される圧力勾配のため、DNG液体が貨物倉から流れることを可能にするように開放されることができる。チョークは、効果的な分離のための最適な速度を達成するために、流れの速度を制御してセパレーター系を形成するように調整されることができる。ガスは、分離され、測定され、販売地点にパイプで送られる。LHは、セパレーターから排出され、貯蔵タンクにパイプで送られることができる。

地下貯蔵部におけるように、天然ガスは、貨物倉における圧力低下のため、DNGが除去されると、貨物倉におけるLHから放出されることになる。放出されるガスは、貨物倉において圧力をある程度維持することになり、圧力の減少と流速の低下をある程度抑える。

DNGタンカーの環境温度は、地下貯蔵部の温度よりも著しく低い可能性が高く、これは、再ガス化の際のガス水和物形成の危険性を増加させる恐れがある。従って、ラインヒーターが、水和物温度を超えるガス温度を維持するために必要とされる場合がある。水和物形成の最も大きな危険性は、チョークにおいてあり、ここで、ガス膨張冷却効果は最大である。

貨物倉の圧力が大気圧に減少するまで、このプロセスは続くことができ、この時点で、船舶からの流れは終わることになる。残留量のLHと天然ガスがともに、貨物倉に留まることになる。天然ガスは、フレアシステムに対して不活性ガスで置き換えられ、燃焼されて、貨物倉の燃焼リスクを軽減することができる。次いで、陸上のタンクにおけるLHの積み下ろしされた部分は、船舶の貨物倉にパイプで戻され、残留した戻されたLH体積の合計が測定されることができる。

地下貯蔵部類似物と同様、DNG圧力が貨物倉において減少するにつれて、DNGを積み下ろしする流速は減少して、従って、積み下ろし及び再ガス化の期間は長くなることになる。再ガス化期間の効率化が、全体のガス輸送速度を維持するために望ましく、これは、プロジェクトの経済状態に著しく影響を与える。積み下ろし速度の低下を軽減することができるこの再ガス化プロセスの変形は、貨物倉における圧力がDNG圧力に維持されるように、水をDNG貨物倉の底部にポンプで送ることを含むことができる。DNG圧力で、水は、DNG貨物を完全に置き換えることになる。積み下ろし方法のこの変形は、速度の低下がなく、水ポンプ速度によって制御される積み下ろし速度をもたらすことになる。又、この変形は、貨物倉において放出される天然ガスがなくなり、燃焼の危険性を最小限にすることになる。水が貨物倉を満たすにつれて、当然ながら、船舶の浮力は、いくつかの手段によって維持されなければならない。

或いは、前述のようにDNGではなく、再ガス化された天然ガスのみがタンカーから流れる積み下ろしプロセスを設計することができる(図4)。従って、この代替案は、前述の代替案に必要な油及びガスの生産及び分離施設とは対照的に、ガス生産施設のみを必要とする。従って、ガスのみの再ガス化施設は、より複雑でなくより安価であることができる。この天然ガスのみの積み下ろしは、例えば、積載港で天然ガスの混合の前(又は混合が陸上で行われる場合にDNGがタンカーに積載される前)に、大量の水が貨物倉においてLHとともに含まれているならば、可能である場合がある。DNGを積載した後、次いで、船舶の貨物倉は、水とDNGの加圧された2相系を含むことになる。DNGと水とが混和性でないことから、2つの相は、混合せずに分離したままであり、水は、貨物倉の底部で浮力によりLHの下に完全に留まる。

積み下ろし港に到着する際、貨物倉のDNG−水界面の下に位置する船舶の排出パイプ接続部は、バルブ、チョーク、及び水貯蔵タンクを備えたパイプ系から単になる積み下ろし施設に接続されることができる。次いで、水の排出は、バルブの開放及びチョークによって制御された流速で開始することになる。水は、水貯蔵タンクにパイプで送られることになる。大量の水が排出された時、バルブは閉じられ、排水は停止することになる。

水を排出することによって貨物倉からの圧力が解放され、天然ガスがDNGの溶液から表出することが可能になる。次いで、ガスは、DNGの上部に「キャップ」を形成し、貨物倉の上部から、その流速を制御するチョークを介して、その量を測定するオリフィス型のメーターを介して、販売地点までパイプで送られることができる。ガスが貨物倉から流れると、圧力が更に解放され、より多くのガスが溶液から表出しガスのキャップを形成することが可能になる。DNGから放出される環境温度のガスが、チョークでの膨張冷却のため、水和物形成温度未満に冷却される傾向を有することになることから、ガス生成プロセスは、ガスでの水和物形成を防止するために、チョーク付近でラインヒーターを含む場合がある。

最終的に、すべてのガスがDNGから放出され、販売地点までパイプで送られ、LHの量は維持されることになる。次いで、水は貨物倉にパイプで戻され、ここでLHに放出され、貨物倉の底部に留まり、次のDNGの積載の際に適所に置かれる。

このガスのみの代替の積み下ろし方法は、貨物倉からの天然ガスの流速が、倉内のDNG圧力を低下させるにつれ減少することから、前述の第1の方法と同一の速度低下の欠点を有する。速度の減少により、再ガス化の期間は長くなる。 工程S7:任意の積み下ろしの代替案においては、分離されたLH及びガスの組成を測定することができる。前述のセクションで説明したように、組成物は、積み下ろし港までパイプで送られ液化されてDNGになる天然ガスの組成と異なることから、積み下ろしプロセスの際にガス組成を測定して市場販売価格を決定することができる。API比重の低下のため、圧縮比はそれぞれのDNGの積荷で減少することから、LHの組成を測定してDNGのその容量、即ち、DNG圧縮比を決定することができる。圧縮比が十分でない場合、LHは、貯蔵タンクにパイプで送られる場合があり、そこで販売するため精製所への輸送を待つ場合がある。 工程S8:DNGタンカーは、その貨物倉におけるLHの有無にかかわらず、新たなLHを積載するために港へ航行し、或いは、DNGの別の積荷を積載するために天然ガス積載港に戻る。

前述で示唆されるように、LHは、DNGの複数の積荷を輸送しながら、そのより軽い成分を累進的に減少させ、且つ、そのDNG圧縮比容量が減少することになることから、最終的におそらく新たなLH供給源と置き換わる必要がある。減少したLHの量は、新たな量の費用を支払うために売却されることができるが、減少したLHは、新しく購入された新たな原油よりも市場販売価値が低いことから、必然的に財政的損失が生じるであろう。この損失は、DNGプロセスに関連した通常の操業費用である。

米国原油及び天然ガス輸出規制影響(U.S.Crude Oil and Natural Gas Export Regulatory Impact) 原油及び天然ガスの輸出を規制する米国連邦規制は、DNG、LNG、及びCNGの実行可能性に重要な影響を与える。

米国は、世界生産の13%のシェア、及び消費の20%のシェアを持つ、2014年に世界のトップの石油生産国及び消費国であった。最終的な原油輸入国であるが、米国の原油生産量を増加させることは、不十分な精製及びパイプライン能力のため、行き詰まっている。

米国の原油輸出は、1975年のエネルギー政策及び保全法(Energy Policy and Conservation Act)の第103条に準拠している。米国商務省の、原油輸出管理統括庁(the governing crude oil export control agency)、産業安全保障局(the Bureau of Industry and Security)は、2014年12月に輸出政策を明らかにした。現行の規制(EAR 754.2)では、原油には輸出ライセンスが必要であると述べており、「原油は、地下貯蔵部の液相に存在し、表面分離施設を通過した後に大気圧で液体に留まり、原油蒸留塔を通す処理がされなかった炭化水素の混合物であると定義される。再構成された原油、並びに、タールサンド、ギルソナート、及びオイルシェールから生産されたリースコンデンセート(lease condensate)及び液体炭化水素が含まれる。又、ドリップガスが含まれるが、抜頭原油水、残油、及びその他の完成油及び未完成油は除外される」。

輸出ライセンスは、アラスカノーススロープ及びクックインレット(the Alaska North Slope and Cook Inlet)のものなどの原油、並びにカリフォルニア(California)重油等に与えられている。それ以外の場合、この法に基づき、米国で生産された大部分の原油については、輸出ライセンスが与えられていない。

2015年12月18日、同法第103条は、米国議会によって廃止された。従って、米国の原油輸出は、現在、輸出ライセンスを必要とせず、又、米国の法律によって禁止されていない。廃止後の米国の港からの原油の初めての国際的な輸出出荷は、2015年12月31日に行われた。

LNG及びCNGを含む、いかなる天然ガスも、米国の輸出ライセンスを必要とする。1938年の天然ガス法は、米国エネルギー省(DOE)の承認と、連邦エネルギー規制委員会(FERC)による施設環境影響評価の両方を行なうことなく、天然ガスの輸出入を禁止している。2010年以降、DOEは、輸出ライセンスの申請を35件受け、9件を承認し、6件を条件付きで承認した。初めてのLNG輸出は、2016年に行われる予定である。

ガソリン、灯油、ジェット燃料、ディーゼル、燃料油などの原油蒸留物であるLHを有するDNGは、実際には、原油蒸留製品が主要な米国輸出商品であることから、輸出が禁止されることはまずないであろう。米国は、2014年に世界シェアの20%を占める原油製品の一番の精製国であり、その4分の1が輸出された。歴史的に原油を輸出していないにもかかわらず、米国は、その原油蒸留製品の輸出のため、7%の世界シェアを占める液体炭化水素の一番の輸出国である。

従って、原油又は原油蒸留物であるLH自体は、輸出が法律で禁止されていない。しかしながら、こうしたことに対して権限を有しているとすると、DNGの天然ガス成分に関して、DOE及びFERCのライセンス規制がDNG輸出においてどのように抑制的であるかは不確かである。DNGが法律で原油又は原油蒸留物のいずれかとみなされる場合、DNG輸出は、禁止されることはないであろう。

経済的実現可能性 CNGとの比較 CNGの海上輸送が、1.3MMscfの天然ガス貨物容量を有する船舶で、1965年に、最初に、そして最後に行われた。このプロジェクトは、ガソリン価格の低さにより、打ち上げ直後に廃止された。

CNGの陸上輸送がその50年間に渡り可能であることが証明されていたが、CNGのプロジェクトが、現在まで続いていないことから、その最初のCNGのベンチャー事業以来、最終的な海洋CNG輸送の経済的実現可能性は、まだ確立されていない。

提案された海上輸送CNGのプロジェクトは、現在、小規模から中規模のガス量、及び出荷距離:600MMscf/d未満のプロジェクト、及び500〜2000マイルにおいて設計されている。

平均的なLNGタンカーは、液体形態の30億scfの天然ガスを収容する一方、提案された大型CNGタンカーは、圧縮ガス形態の5億scfの天然ガスを収容する。これは、500万立方フィートのLNGタンカーの典型的な貨物量と、200万立方フィートの提案された大型CNG船舶の典型的な貨物量から生じる。従って、LNG貨物のサイズはCNGの2.5倍であり、圧縮比は2.4倍であることから、CNG圧縮比を250、LNG圧縮比を600とすると、得られたLNG出荷量の優位性は、前述の通り、6倍(2.5×2.4)、30億対5億scfである。従って、この例では、1隻のLNGタンカーと同じ量のガスを輸送するために6隻のCNG船舶が必要とされる。

提案された新規技術に応じて、その他の提案されたCNG天然ガス貨物のサイズは、典型的なLNG貨物サイズである30億scfのものの10%〜50%である。前述のように、LNGと同一の量の運搬速度で天然ガスを輸送するために、比例的にCNG船舶のより大型の船団が、任意の所定のプロジェクトに必要となる。

現在、提案されたCNGの資本費用は、より大型の船団を支えることができない。より少ない天然ガス量の運搬速度及び/又はより短い輸送距離によって必要とされるように、より小型の船団が、経済的であることができる。

CNGのプロジェクトの資本費用の80〜90%は、軽量で高強度のガス収納船舶に必要な新規技術のため、船舶建設に費やされている。従って、不必要な極低温及び冷凍設備での資本費用の節約にもかかわらず、CNGは、船舶建設費用が高いため、天然ガスの運搬速度が大きい場合、又は長い輸送距離に渡る場合、LNGと経済的に競合することができない。

調整及び圧縮施設の提案されたCNGのプロジェクトの費用は、船舶当たり、30〜60MMドル、積み下ろし施設は、20〜60MMドル、及び、費用の大半である船舶建設は、250MMドルと見積もられている。総費用は、プロジェクトに提案された船舶の数に応じて、3〜20億ドルと見積もられており、これは、ガス量運搬速度、及び往復の航海時間に依存する。

DNGの圧縮比はCNGの圧縮比と同等かそれ以下であることを考えると、DNG出荷の経済性は、CNGと同様に課題であることになる。又、調整及び圧縮資本費用、並びに再ガス化施設資本費用は、CNGに対して提案されたものと同等であることができる。

しかしながら、CNGがガスでありDNGが液体であるというCNGとDNG貨物の基本的な違いは、重要となる可能性がある。ガス運搬船舶より安全で大型の、安全で大型の加圧型液体運搬船舶の建設を可能にする技術が開発されるなら、DNG輸送は、CNGに対して経済的になる可能性がある。

例えば、典型的な原油タンカーの貨物量は、100万バレル、又は560万立方フィートである。前述の例から、223のDNG圧縮比の場合、原油タンカーは、その貨物倉が、温度70Fで3000psiaの内部液体圧力に耐えることができるように実行可能に改質されるならば、12億scfの天然ガスの量を輸送することができるであろう。この量は、LNGによって出荷される量の1/2未満であるが、CNGのプロジェクトで提案された典型的な量の2倍を超える。

この例は、任意である−典型的な原油タンカーは、高い内部液体圧力のために実行可能に改装されていてもされていなくてもよく、且つ、DNGを高い液体圧力で輸送することが最終的に実行可能である可能性のある船舶は、100万バレルより大きくても小さくてもよい。しかしながら、高い液体圧力での200万を超えるバレルのDNGタンカーが、実現可能に建設されることができるならば、むしろ、DNGによる天然ガスの輸送量は、LNGのものに近づくことになろう。

CNGと同様に、DNGのプロジェクトの資本費用の大部分は、次のセクションで記載される、圧力とサイズの要件を考慮し、海洋船舶建設費用と、DNG積載及び再ガス化施設の比較的低い推定費用からなることが予想される。これらの施設は、従来の油田ガスの注入及び生産プロジェクトで利用可能であるもの以外の技術又は範囲を必要としない場合がある。

LNGとの比較 DNGの経済的実現可能性は、現在商業的に実証されているLNG法のものと比較することによって、容易に検討することができる。LNGのインフラストラクチャーの現在の名目資本費用は50億ドルである。典型的には、この費用の50%は液化施設、40%は船舶、10%は再ガス化施設からなる。世界的に多くのLNGのプロジェクトが運営され、計画されていることから、これらのプロジェクトのほとんどは、現在の低い天然ガスの供給原料価格で、経済性があり、価格プレミアムをLNGの運営者がLNGの顧客に請求すると考えることが安全である。

LNGの運営者への経済的利益は、損益分岐点までの時間、即ち累積収益が資本投資を賄う時点まで部分的に定量化されることができ、これは、次いで、損益分岐点への運搬の数として割り当てられることができる。損益分岐点への運搬の数が少ないほど、経済的利益は大きくなる。DNGの実現可能性が、LNGのものと同等の数の損益分岐点の運搬と定義されるならば、運搬サイズの比較のみが必要である単純な分析が可能である。

前述の例に従い、100万バレルの貨物量、又は560万ft3を含むDNGタンカーの場合、223scf/ft3のDNG圧縮比は、タンカーで輸送される天然ガスの12億scf、又は、典型的な500万ft3のLNGタンカーにおいて、典型的な30億scfのLNGタンカー貨物の40%になる。

この例におけるDNGの出荷サイズは、典型的なLNGの出荷サイズの40%であることから、最大の許容可能なDNG資本費用は、損益分岐点が同一の数の出荷で発生するために、典型的な50億ドルのLNG資本費用の40%、即ち20億ドルでなければならない。

この例において、DNGの陸上圧縮施設、及びタンカーの資本費用を、20億ドルに制限することができるならば、DNGの経済的可能性はLNGのものと同様であると推測することは妥当である。

この20億ドルのDNG資本費用は、100万バレル、3000psigの液体タンカーを稼動させるために必要なものを含め、DNGの建設と設備の規模に十分でなければならない。

前述の例では、LNGのプロジェクトの規模の40%であるDNGのプロジェクトになり、即ち、LNGのプロジェクトの40%に過ぎないガス速度で輸送することになる。ガス輸送速度がLNGのプロジェクトのものと同一になるならば、DNGのプロジェクトでは、LNG海洋タンカー船団の2.5倍である海洋タンカー船団が必要になる。従って、DNGのプロジェクトがLNGのプロジェクトと同等の経済性を有するならば、資本投資の50億ドルは、この大型のDNG船団を含まなければならない。DNGの資本費用が、より大型の船団を含み50億ドル未満であるならば、DNGは、LNGと有利に競合することになる。

DNGの陸上での積載及び再ガス化施設は、極低温装置又は電力、或いはガス調整又は分別設備が必要ではなく、代わりに、現在利用可能な従来の油田圧縮及び生産施設及び技術が必要になる可能性が高くなることから、陸上のDNG施設の資本費用は、LNGのものより大幅に少なくなる可能性があると推測することは妥当である。しかしながら、大型の圧力型液体タンカーは、現在は存在しないことから、DNGタンカーの資本費用は、非常に高くなる場合がある。従って、DNGタンカーの建設費用の抑制は、DNGの経済的実現可能性の重要な態様になる場合がある。

典型的なLNGタンカーと同等の運搬サイズを達成するDNGタンカーのサイズは、250万バレルの貨物量を含むものである。こうしたタンカー船団を建設する費用を含む、DNGの資本費用が、50億ドル未満であるならば、DNGは、LNGと有利に競争することになる。

DNGの積載及び再ガス化設備は、従来の油及びガス生産設備に比べて向上した技術を必要とすることはない場合があるが、従来の油及びガス生産施設に比べて規模の拡大が必要となる場合がある。LNG再ガス化施設は、LNGタンカーを1日未満で積み下ろすことができ、これは、1日当たり30億scfのガスの積み下ろし速度である。これは、1日当たり30億scfの天然ガスに加えて、LHの1日当たり100万貯蔵タンクバレルのDNG液体積み下ろし速度が必要であり、この両方とも、現在、石油産業では稀な生産速度の大きさである。これは、250万バレルのDNGが、2.5の膨張係数を有することを前提としており、その結果、天然ガスがDNGから放出される場合、LHの100万貯蔵タンクバレルとなることになる。

1日当たり油の10万貯蔵タンクバレル、又は1日当たり10億scfが可能な生産施設は、石油産業では一般的ではないが、これは、250万バレルのDNGタンカーにおける10日間の積み下ろし期間になることになる。

前述の代替となるDNG再ガス化プロセスの一つは、LHがDNGタンカーに留まり、一方、天然ガスのみがタンカーから排出されるものである。このプロセスにおけるDNG再ガス化施設は、従来の原油生産及び分離設備からなる施設よりも低い資本費用を伴う、従来の天然ガス生産設備のみからなることができる。更に、1日以上、30億scfの天然ガスを実現することは、大型ガス田の生産施設の現在の能力を超えていない。

DNGの資本投資の別の要素は、LH原料の費用である。100万バレルのタンカーをDNGタンカーとして利用するシナリオでは、貨物量の40%が原油LHで満たされ、2.5の膨脹係数となり、1バレル当たり30ドルのLH価格で、原油量の費用は、12MMドルになるだろう。これは、前述の22億ドルの推定された実行可能な総費用の0.6%未満である。

DNGの経済性に有利である可能性が高いより大型のタンカーは、貨物量の増加に比例してLH原料費用を上昇させるであろう。例えば、前述の250万バレルのDNGタンカーは、1バレル当たり30ドルの原油価格で、30MMドルの原油資本投資を必要とするであろう。

LH貨物を、仕向け港への最初の航行で解放し販売するのではなく、複数回の航行で使用するならば、LHが、LH市場価格で最終時に販売され、新たな代わりのLHは調達されない場合、この投資はDNGのプロジェクトの期限の終了時に回収されることになる。販売金額は、期間、及び、購入と販売の間のLH価格の動きに応じて最終的な現行の残存価額を有することになる。

本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明の天然ガス輸送方法及び関連装置において様々な修正及び変形を行えることが当業者には自明であろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入る修正及び変形を包含することが意図される。

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