【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明はユニットロードに関し、詳しくは、タンクコンテナ、その他のコンテナ、パレット、または輸送されるべき商品を固定するフラット等のユニットロードに関する。 このようなユニットロードは、一般に、その下側の4つのコーナにおいて、IS O 1161による取付部材を有しており、これによって、車輌または船舶の積載領域または荷役用のフラットに設けたロック装置にユニットロードを固定する。 【0002】 【従来の技術と発明が解決しようとする課題】コンテナ輸送用の軌道用貨車および道路用車輌の代表的なものには、それぞれ、ボルトおよびツイストロックが設けられていて、これにより、10′,20′,30′および4 0′のISOのユニットロードを保持する。 これらのボルトまたはツイストロックはハンマー状の頭部を有しており、これによって、コンテナのコーナ取付部材に設けられかつ車輌の長手方向に向いた長孔と係合する。 【0003】海上輸送の場合は、普通、荷役装置(スプレダ)とほとんどの船舶の積載領域が適応される20′ および40′のユニットが用いられる。 従って、側部の長さが800mm,1200mmまたは2200mmのより小さいユニットロードが、20′または40′のコンテナの寸法と取付部材と同じ寸法と取付部材とを有するISOのフラットに固定される。 このフラットは固定したまたは可動の端部壁とステーキとを有している。 【0004】前記のフラットは、スタックされたロードを受け入れるために、普通、コーナにおいて強度の大きい柱を有している。 従って、使用可能な正味の積載領域が小さくなっており、1つの20′のISOプラットフォームの上に10′×8′のISOコンテナを2つ積載することは不可能である。 【0005】米国特許4,682,923には、ISO 標準より寸法が小さく、そのために、道路用車輌により輸送することが容易な中形コンテナが示されている。 I SOの標準に合った取付部材として作用するように、コンテナのフレームから外側に延長が可能でありかつ例えばコンテナ用貨車のボルトまたは道路用車輌のツイストロックに固定可能なロックプレートが設けられている。 しかし、この取付部材は、発生し得る全ての力(道路運送の際に発生する水平方向および垂直方向の加速力と、 鉄道の転轍動作)のもとで安全で強い連結要素をなすものではない。 さらに、この公知の取付部材は構造が比較的複雑である。 【0006】米国特許4,708,319には、コンテナを固定するための、フォーク状の開口を有するロックプレートが示されている。 【0007】この発明の課題は、次のようなユニットロードを提供するところにある。 すなわち、一方で、IS Oの要求に適合したボルトまたはツイストロックを有する軌道用および道路用の車輌の上に固定しかつこれによって輸送が可能であり、他方において、国際輸送において一般的に用いられる20′および40′のISOプラットフォームに積載するのが好ましく、これにより、ユニットロードが必要とする積載スペースを最小とすることができるユニットロードである。 【0008】 【課題を解決するための手段と作用】前記課題を解決するために、この発明は次のようなユニットロードを提供する。 すなわち、そのコーナ領域において、車輌のプラットフォームに設けられた固定装置と係合するための長孔を有し、これら長孔の少なくとも1つがユニットロードのベースの境界線により切断されていて、その結果、 この長孔が外に向かって開いたフォーク状の形態をなしているユニットロードである。 この構造により、ユニットロードの寸法、特にその長さを小さくすることができ、しかも、長孔間の標準距離を維持することができる。 この距離はISOまたはその他の標準によるものであってよい。 【0009】ユニットロードの境界線は有料荷重のために使用可能な領域を決定する。 前記の長孔が境界線により切断されているので、この領域は従来の10′×8′ のISOコンテナの場合より僅かに小さいが、米国特許4,682,923に記載されたコンテナより大きい。 【0010】ユニットロードの構造いかんによって、前記の長孔は、コーナ取付部材またはフレームもしくはベースプレートのコーナ部分に設けることができる。 【0011】ほとんどの場合において、閉じた長孔を有する標準的なコーナ取付部材は重量が大きいロードのためのものである。 ISO 1161によるコーナ取付部材は、一般的に総容積トン数が30.5メートンについ使用可能である。 しかし、一般的に、より小さいユニットロードの場合、その重量がはるかに小さい。 原則として、10′のISOコンテナの総容積トン数は10〜1 5トンである。 従って、開いたフォーク状の長孔の強度は中形のコンテナの通常のロードを保持するのに十分である。 多くの場合において、4つのコーナの長孔に代えて2つのみで十分である。 【0012】ユニットロードにかかる種々の力は、水平方向および垂直方向の加速力、風荷重、および、鉄道の場合には特に転轍による揺れによって発生する。 【0013】好ましい実施態様においては、4つのコーナ領域の各々に開いたフォーク状の長孔が設けられており、各長孔の長さが固定装置の長さの半分である。 この実施態様においては、ユニットロードの長さが最小となり、しかも、コーナ部分の十分な安定性とツイストロックまたはボルトによる固定の十分な安定性とが保持できる。 【0014】他の有利な実施態様においては、4つのコーナ領域の各々が開いた、フォーク状の長孔を有しており、この長孔の長さが、ロック位置におけるツイストロックの頭部の全幅を受け入れることができるように選択される。 このようにして伝達され得る力は、従来の閉じた長孔によって受け入れられる力と同じである。 【0015】さらに次のように構成するのが好ましい。 すなわち、ユニットロードの一端側にある2つのコーナ領域に閉じた長孔を設け、他端側にある2つのコーナ領域に開いた、フォーク状の長孔を設けることである。 この実施態様は特に大きいロードを運送するのに好ましい。 閉じた長孔を設けているので、長孔が広がる危険性がほとんどない。 さらに、ユニットロードが固定状態から離脱することを確実に防止できる。 【0016】 【実施例】図1に示すユニットロード1aはツイストロックにより車輌(図示せず)に固定されている。 ツイストロックのハンマー状の頭部10は、いずれも、ロック位置において示されている。 普通、頭部の横断面は75 mm×100mmである。 従って、従来のコーナ取付部材の長孔は、一般的に、幅が63mmで長さが124m mである。 この長さは、ここに述べる中形コンテナの場合には、106mmにまで小さくすることができる。 これに比べて、本実施例の長孔2の長さは従来の長さの半分のみであって、53mmである。 長孔2は切断された、すなわち開いた形状をしている。 したがって、ユニットロードの全長を2787mmまで小さくすることが可能である。 これに比べて、10′のISOコンテナの標準的な長さは2991mmである。 【0017】2つのユニットロード1aの全長は557 4mmである。 従って、積み込みと積み下ろしに必要な公差を考慮しても、通常の正味の積載長さが約5700 mm〜5860mmの20′のISOプラットフォームの上に前記のユニットロードを載置することができる。 【0018】図示するように、半分の長さの開いた長孔を有する2つのユニットロード1aを非常に近接して配置して、これらユニットロードを2つのロック装置10 により共通に固定することが可能である。 【0019】図1の場合とは対称的に、図2のユニットロード1bの長孔3の長さは約84.5mmである。 従って、ツイストロックの頭部10の全幅は、ほぼ、長孔の縁に沿って延びる。 実際に生じ得る全ての力の下での固定の安定性は、従来の閉じられた長孔のそれとほぼ同じである。 【0020】従来の2分の1の長さの長孔の領域におけるコーナ取付部材5の材料の厚みは、ISOの取付部材に要求される値である28mmでなければならない。 より長い長孔3の場合には、UICの国内用コンテナの場合の20mmで十分である。 これだけの値があれば、荷重がかかった時に長孔2,3が広がったり破れて口が開いたりする危険がない。 【0021】図3に示すユニットロード1cは、その一端において、半分の寸法の長孔2を有し、他端において従来の閉じた長孔4を有している。 この閉じた長孔4の回りには幅が約34mmの縁6がある。 このユニットロードの全長は2874mmである。 このように構成しているので、ある場合には、ユニットロード1cが固定状態から滑って離脱する危険性を一切伴なうことなく、閉じた長孔4に係合する2つのツイストロック10またはボルトのみに固定することが可能である。 【0022】図2と図3とに示すユニットロード1bまたは1cの2つを用いた場合には、正味の積載長さが、 それぞれ、5700mmまたは5758mmとなる。 この積載長さは、最も新しいの20′のISOプラットのほとんどにより与えられるものである。 道路用または軌道用の運搬車輌の積載長さを最適に用いるために、運搬ユニット1a,1bまたは1cに、その下側の側縁に沿って、中心間距離が140mmまたは280mmの他の長孔を、設けることができる。 従って、ユニットロード1a,1bまたは1cを、互いに近接した異なる位置において、所定の固定装置10に止めることができる。 【0023】この発明のユニットロード1は、液体、気体、またはバルク材料を輸送するための箱またはコンテナの他、パレットであってもよい。 【0024】 【発明の効果】一方で、ISOの要求に適合したボルトまたはツイストロックを有する軌道用および道路用の車輌の上に固定しかつこれによって輸送が可能であり、他方において、国際輸送において一般的に用いられる2 0′および40′のISOプラットフォームに積載するのが好ましく、これにより、ユニットロードが必要とする積載スペースを最小とすることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例による、10′のISOコンテナのための、ユニットロードのベース部分と、固定装置を有する軌道用または道路用車輌を固定する方法とを示す概略図。 【図2】他の実施例にかかる前記と同様の図。 但し、ユニットロードの一部のみを示している。 【図3】さらに他の実施例にかかる前記と同様の図。 但し、ユニットロードの一部のみを示している。 【符号の説明】 1……ユニットロード 2……長孔 3……長孔 4……長孔 5……コーナ領域 10……固定装置 |