鉄道車両

申请号 JP2012557846 申请日 2012-02-17 公开(公告)号 JPWO2012111345A1 公开(公告)日 2014-07-03
申请人 東日本旅客鉄道株式会社; 川崎重工業株式会社; 株式会社総合車両製作所; 发明人 真 田口; 真 田口; 加藤 仁; 仁 加藤; 彩 小島; 彩 小島; 恵介 水谷; 恵介 水谷; 小山 健一; 健一 小山; 浅賀 哲也; 哲也 浅賀; 小野 貴志; 貴志 小野; 東 隆司; 隆司 東;
摘要 鉄道車両1は、台枠4と、一対の側構体5と、屋根構体6とを有しており、屋根構体6には、そこから下方に垂れ下がる吊り手棒受け21が固定されている。また一対の側構体5には、上側横架材41と下側横架材42とが架け渡されている。上側横架材41及び下側横架材42は、互いに上下方向に離して配置されており、上側横架材41と連結パイプ35,38によって連結されている。また、上側横架材41は、複数の補強パイプ34,37によって構成されており、下側横架材42は、複数の補強パイプ33,36によって構成されている。これら複数の補強パイプ33,34,36,37の少なくとも一端が吊り手棒受け21に固定されている。
权利要求
  • 台枠と、前記台枠の車幅方向両側に夫々設けられている一対の側構体と、前記一対の側構体の上端部に架け渡されている屋根構体と妻構体とを備え、補強構造を有する鉄道車両であって、
    前記補強構造は、
    一端が前記屋根構体に固定され、前記屋根構体から下方に延在する垂下部材と、
    車室の上部に設けられ、前記一対の側構体に架け渡す上側横架材と、
    車室の上部であって、前記上側横架材に対して下方に離間して配置され、前記一対の側構体に架け渡す下側横架材と、
    前記上側横架材と前記下側横架材とを連結する連結部材とを備え、
    前記上側横架材は、少なくとも一端が前記垂下部材に夫々連結される複数の上側補強部材を有し、
    前記下側横架材は、少なくとも一端が前記垂下部材に夫々連結される複数の下側補強部材を有している、補強構造を有する鉄道車両。
  • 前記連結部材は、前記上側横架材と前記下側横架材との間に複数設けられている、請求項1に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 複数の前記連結部材は、前記上側横架材と下側横架材と共にトラス構造を形成している、請求項2に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 前記一対の側構体に夫々設けられ、車両長手方向に延びる荷棚を備え、
    前記補強構造は、第1補強構造部と第2補強構造部とを有し、
    前記第1補強構造部は、
    一端が前記垂下部材に固定され、他端が前記荷棚に固定される第1上側補強部材及び第1下側補強部材と、前記第1上側補強部材と前記第1下側補強部材とを連結する第1連結部材とを含み、
    前記第2補強構造部は、
    両端が前記垂下部材に夫々固定される第2上側補強部材及び第2下側補強部材と、第2上側補強部材及び第2下側補強部材とを連結する第2連結部材とを含み、
    前記各荷棚は、前記第1補強構造部と前記第2補強構造部と共にトラス構造を形成している、請求項2に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 前記補強構造は、
    前記各荷棚の下側に位置し、前記一対の側構体に夫々設けられる腰掛部材と、
    前記荷棚と前記腰掛部材とを連結する棒状部材と、
    前記台枠に立設され、前記腰掛部材を支えて補強する第3補強構造部をさらに備える、請求項4に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 前記第3補強構造部は、断面視で逆三角形状になっており、その下端部が前記台枠に連結され、その上辺部分が前記腰掛部材のシート部を支持している、請求項5に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 前記第3の補強構造物は、前記台枠に設けられ前記車両長手方向に延びる断面ハット形状の部材と、前記部材と前記腰掛部材とを連結する第1支持部材とを有している、請求項5に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 前記第3の補強構造物は、前記台枠の横梁上に設けられる受け部材と、前記腰掛部材と前記受け部材との間に設けられる第2支持部材とを有している、請求項5に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 前記車両長手方向に延在し、複数の吊り手が前記車両長手方向に間隔をあけて吊るされる吊り手棒と、前記屋根構体に固定されて前記吊り手棒を夫々支持する吊り手棒受けとを有する吊り手取付具を備え、
    前記垂下部材は、前記吊り手取付具の吊り手棒受けである、請求項1乃至8に記載の補強構造を有する鉄道車両。
  • 说明书全文

    本発明は、鉄道車両の剛性を向上させる補強構造を備える鉄道車両に関する。

    従来より、鉄道車両においては軽量化が図られる一方、車体強度の向上が求められており、通常予期されない外、例えば車両幅方向(横方向)の荷重に対しても十分な強度を有する鉄道車両が求められている。 その例として例えば特許文献1及び2に記載される車体構造が知られている。

    特許文献1の車体構造では、屋根構体のタルキが側柱及び出入口柱の上端にその位置を一致させて連結されており、それらの連結部がガセットで補強されている。 また、特許文献2の車体構造では、側構体部と屋根構体部とが連結されて胴部が構成されており、側構体部と屋根構体部とが連結されるコーナ部に連結部材が設けられている。 連結部材は、側構体部と屋根構体部とに連結されて、胴部を補強している。

    特開2007−126027号公報

    特開2007−161084号公報

    車両の室内には、様々な内装品が設けられており、これらの内装品に干渉しないようにするために特許文献1のガセットや特許文献2の連結部材の外形寸法が制約される場合がある。 ガセット及び連結部材の外形寸法が小さいと、通常予期されない横荷重が作用したときに車体が変形し、車室空間が減少する場合がある。

    また、特許文献1のガセットは、側柱及び出入口柱と屋根構体とが連結されている連結部に設けられ、特許文献2の連結部材は、側構体部と屋根構体部とが連結されるコーナ部に設けられている。 つまり、特許文献1のガセット及び特許文献2の連結部は、共に車室のに取り付けるような構成となっているので、新たに製造する車両には適用が容易であるが、既存の車両に適用するには、内装品等を取り外して設ける必要があり適用が困難である そこで本発明は、横荷重に対する車体強度を高めた鉄道車両を提供することを目的とする。 また、既存の車両にも容易に適用可能な補強構造を備えた鉄道車両を提供することを目的としている。

    本発明の鉄道車両は、台枠と、前記台枠の車幅方向両側に夫々設けられている一対の側構体と、前記一対の側構体の上端部に架け渡されている屋根構体とを備え、補強構造を有する鉄道車両であって、前記補強構造は、一端が前記屋根構体に固定され、前記屋根構体から下方に延在する垂下部材と、車室内の上部に設けられ、前記一対の側構体に架け渡す上側横架材と、車室内の上部であって、前記上側横架材に対して下方に離間して配置され、前記一対の側構体に架け渡す下側横架材と、前記上側横架材と前記下側横架材とを連結する連結部材とを備え、前記上側横架材は、少なくとも一端が前記垂下部材に夫々連結される複数の上側補強部材を有し、前記下側横架材は、少なくとも一端が前記垂下部材に夫々連結される複数の下側補強部� ��を有しているものである。

    本発明に従えば、上側横架材及び下側横架材が一対の側構体に掛け渡すように設けられているので、車幅方向に予期せぬ外力に対する車両の剛性を向上させることができる。 また、上側横架材が複数の上側補強部材によって構成され、下側横架材が複数の下側補強部材によって構成されており、上側補強部材及び下側補強部材の各々の少なくとも一端が垂下部材を介して屋根構体に固定されているので、上側横架材及び下側横架材が車両長手方向に屈曲することを抑えることができる。 これにより、車幅方向の荷重に対する車両の剛性を更に向上させることができる。 これにより、車幅方向の荷重に対する車両の変形を抑制することができ、車両内の客室の体積減少を抑えることができる。

    また、本発明は、車室の上部において上側横架材及び下側横架材を一対の側構体に掛け渡すことで構成されるので、既存の鉄道車両にも容易に取り付けることができる。 特に、比較的大きな空間が空いている客室の上部を利用することで既存の鉄道車両にも容易に適用することができる。

    本発明によれば、横荷重に対する車体強度を高めた鉄道車両を提供することができる。 また、既存の車両にも容易に適用可能な補強構造を備えた鉄道車両を提供することができる。

    本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。

    本発明に係る第1実施形態の鉄道車両の要部斜視図である。

    図1に示す鉄道車両の要部の断面図である。

    本発明に係る第2実施形態の鉄道車両の断面図である。

    本発明に係る第3実施形態の鉄道車両の断面図である。

    従来の鉄道車両の要部斜視図である。

    図5に示す従来の鉄道車両の要部の断面図である。

    解析モデルの切り出し範囲を示す図である。

    図7Aの解析モデルにおいて解析する際の衝突条件を示す図である。

    各解析モデルにおける所定点Wの変位量の経時変化を示すグラフである。

    各解析モデルにおける客室の体積変化の経時変化を示すグラフである。

    本発明に係る第2実施形態に関する第1変形例の鉄道車両の断面図である。

    本発明に係る第2実施形態に関する第2変形例の鉄道車両の断面図である。

    以下では、前述する図面を参照しながら、本発明に係る第1実施形態の鉄道車両(以下、単に「車両」ともいう)1について説明する。 各実施形態における方向の概念は、車両の進行方向を前方とし、前方を向いたときの方向の概念と一致している。 即ち、車両長手方向(以下、単に「長手方向」ともいう)が前後方向に対応し、車両幅方向が左右方向に対応している。 以下に説明する鉄道車両1は、本発明の一実施形態に過ぎない。 即ち、本発明は、以下のような実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。

    <第1実施形態>
    [車両]
    列車は、複数の車両1を連結することによって構成されており、車両1は、線路上を走行する2つの台車(図示せず)を有している。 この2つの台車の上には、図示しない空気ばねを介して車体3が載せられており、車体3は、図1に示すように底部に台枠4を有している。

    台枠4は、平面視で大略的に前後方向に長尺の矩形状になっており、2つの台車の上に空気ばねを介して載せられている。 この台枠4には、その車幅方向両端部に側構体5が対を成すように夫々立設されている。 側構体5には、複数の出入口5aが車両長手方向に間隔をあけて形成されており、出入口5aの間に窓5bが形成されている。 一対の側構体5の前後両端部には、台枠4に立設された図示しない一対の妻構体が夫々繋がっており、側構体5及び妻構体上には、屋根構体6が設けられている。 屋根構体6は、左右一対の側構体5に架け渡すように設けられており、台枠4、側構体5及び妻構体によって囲まれた空間を塞いでいる。 このように構成される車体3は、台枠4、一対の側構体5、一対の妻構体及び屋根構体6によって大略的に中空の直方体形状、即ち箱型に形成されており、車体3の中には乗客を収容する客室7が形成されている。 車室である客室7には、腰掛部材10、荷棚11、吊り手取付具20が夫々複数配置されている。

    各腰掛部材10は、その長手方向両端部にそで仕切りとなる一対の仕切りフレーム10aを夫々有している。 一対の仕切りフレーム10aには、長手方向に延在するロングシート部(図示せず)が架け渡されており、このロングシート部に乗客が腰掛けるようになっている。 このように構成される腰掛部材10は、図示しない内装パネルを介して各側構体5に設けられており、妻構体と出入口5aとの間及び2つの出入口5aの間に夫々配置されている。 このように腰掛部材10が設けられている側構体5には、腰掛部材10の上側に窓部5bを挟んで荷棚11が配置されている。

    荷棚11は、長手方向に延在しており、一対の荷棚受け13を有している。 荷棚受け13は、大略L字状の板状部材であり、荷棚11の長手方向両端部に互いに対向するように配置されている。 荷棚受け13は、基端部13aと平部13bとを有している。 基端部13aは、その上端部分が側構体5の各戸尻柱46付近に固定され、そこから車両1の車幅方向中央部分に向かって斜め下方に延在している。 なお、基端部13aの上端部分は、図示しないが側構体5の幕帯付近に取り付けられた内部骨組みに内装パネルを介して締結されている。 基端部13aの下端部分には、水平部13bが繋がっており、水平部13bは、基端部13aの下端部分から車両の車幅方向中央部分に向かって車幅方向に延在している。 この水平部13bには、複数のパイプ部材14が架け渡されており、複数のパイプ部材14は、車幅方向に間隔をあけ、互いに平行に配置されている。 荷棚11では、このパイプ部材14の上に荷物等を載せることができるようになっている。

    このように構成される荷棚11は、一対の側構体5に夫々設けられており、腰掛部材10に対して1つの荷棚11を対応させて設けられている。 また、荷棚11の一対の荷棚受け13は、腰掛部材10の一対の仕切りフレーム10aと長手方向に略直交する同一平面上に夫々配置されており、同一平面上に配置される荷棚受け13と仕切りフレーム10aとには、それらを繋ぐ第1握り棒15が設けられている。

    棒状部材である第1握り棒15は、上下方向に延在する棒状部材であり、その上端部が荷棚受け13の水平部13bの先端に固定され、下端部が仕切りフレーム10aの車幅方向の側面に固定されている。 また、荷棚11には、その長手方向中間部分に第2握り棒16が設けられている。 棒状部材である第2握り棒16は、荷棚11のパイプ部材14に固定されてそこから下方に延在しており、第2握り棒16の下端部は、ロングシート部の下端部に固定されている。 このように腰掛部材10及び荷棚11は、2つの握り棒15,16によって連結されており、連結される腰掛部材10及び荷棚11は、客室7において車幅方向両側(例えば、車幅方向中央から600mm程度)に配置されている。 そして、客室7の車幅方向中間部分には、その上方空間に一対の吊り手取付具20が配置されている。

    一対の吊り手取付具20は、屋根構体6に固定されており、車幅方向両側に離して夫々配置されている。 吊り手取付具20は、一対の吊り手棒受け21と、第1吊り手棒22とを有している。 垂下部材である吊り手棒受け21は、上下方向に延在する部材であり、荷棚受け13及び仕切りフレーム10aと同一平面上に位置している。 吊り手棒受け21の上端部は、屋根構体6に固定されている。 更に詳細に説明すると、つり手棒受け21の上端部は、屋根構体6の内側に取り付けられて長手方向に延在する天井骨組み6aに取り付けられている。 他方、吊り手棒受け21の下端部には、第1吊り手棒22が設けられている。 第1吊り手棒22は、長手方向に延在する棒状の部材であり、一対の吊り手棒受け21に架け渡されている。 このように架け渡された吊り手棒受け21には、長手方向に間隔をあけて複数の吊り手(図示せず)が設けられている。

    このように構成される一対の吊り手取付具20は、長手方向に間隔をあけて配置されており、長手方向に隣り合う吊り手取付具20には、第2吊り手棒23が架け渡されている。 第2吊り手棒23は、第1吊り手棒22と同様に長手方向に延在する棒状の部材であり、複数の吊り手が長手方向に間隔をあけて設けられている。 更に詳細に説明すると、第2吊り手棒23は、吊り手棒受け21の下端部寄りに設けられて第1の吊り手棒22より高く位置しており、出入口5aから出入りする乗客に対して吊り手(図示せず)が支障とならないように設けられている。 このように構成される一対の吊り手取付具20は、腰掛部材10及び荷棚11と共に補強構造30を構成している。

    [補強構造]
    補強構造30は、2つの第1補強構造部31と第2補強構造部32とを備えている。 第1補強構造部31は、荷棚11とそれに隣接する吊り手取付具20とに架け渡すように夫々設けられており、2つの補強パイプ33,34と、複数の連結パイプ35とを有している。

    補強パイプ33,34は、ステンレス製のパイプ又は鉄パイプにステンレスを巻いたステンレスクラッドパイプである。 2つの補強パイプ33,34は、荷棚11からそれに隣接する吊り手取付具20に向かって斜め上方に延在して荷棚11の荷棚受け13と吊り手取付具20の吊り手棒受け21とに架け渡されており、互いに平行且つ上下方向に離して配置されている。 更に詳細に説明すると、第1下側補強部材である下側の補強パイプ33では、その一端が吊り手棒受け21の下端部に連結され、他端が荷棚受け13の水平部13bの先端部に連結されている。 また、第1上側補強部材である上側の補強パイプ34では、その一端が吊り手棒受け21の上端部寄りの部分に連結され、他端が荷棚受け13の基端部13aの上端部に連結されている。 このように架け渡される2つの補強パイプ33,34の間には、複数の連結パイプ35が配置されている。 なお、本実施形態では、2つの連結パイプ35が配置されている。

    連結部材である連結パイプ35は、2つの補強パイプ33,34を連結する。 更に詳細に説明すると、2つの連結パイプ35の下端部は、荷棚受け13の水平部13bの先端部及び吊り手棒受け21の下端部に夫々連結され、それらの上端部は、略同じ位置にて上側の補強パイプ34に連結されている。 即ち、2つの連結パイプ35は、2つの補強パイプ33,34の間に三角形状を形成し、荷棚受け13と吊り手棒受け21と共にトラス構造を形成している。 また、吊り手棒受け21には、第2補強構造部32が設けられている。

    第2補強構造部32は、一対の吊り手取付具20に架け渡すように設けられており、2つの補強パイプ36,37と複数の連結パイプ38とを有している。 補強パイプ36,37は、車幅方向に延在するステンレス製のパイプ又は鉄パイプにステンレスを巻いたステンレスクラッドパイプである。 補強パイプ36,37は、一対の吊り手取付具20の吊り手棒受け21に架け渡されており、互いに平行に且つ上下方向に離して夫々配置されている。 第2上側補強部材である上側の補強パイプ37では、その両端部が吊り手棒受け21の上端部寄りの部分に夫々連結され、第2下側補強部材である下側の補強パイプ36では、その両端部が吊り手棒受け21の下端部に連結されている。 このように上下に離されて配置される2つの補強パイプ36,37の間には、複数の連結パイプ38が配置されている。 本実施形態では、6つの連結パイプ38が2つの補強パイプ36,37の間に配置されている。

    連結部材である連結パイプ38は、2つの補強パイプ36,37を連結する。 6つの連結パイプ38は、2つの補強パイプ36,37の間に複数の三角形状を形成するように配置されており、補強パイプ36,37と一対の吊り手棒受け21と共にトラス構造を構成している。

    このように構成される補強構造30では、第1補強構造部31の上側の補強パイプ34及び第2補強構造部32の上側の補強パイプ37が吊り手棒受け21によって互いに連結されることによって上側横架材41を構成し、第1補強構造部31の下側の補強パイプ33及び第2補強構造部32の下側の補強パイプ36が吊り手棒受け21によって互いに連結されることによって下側横架材42を構成している。 このように構成される上側横架材41及び下側横架材42は、共に荷棚11を介して一対の側構体5に架け渡され、且つ一対の吊り手棒受け21によってその車幅方向中間部分が屋根構体6に固定されている。 また、上側横架材41と下側横架材42とは、吊り手棒受け21及び複数の連結パイプ35,38によって連結されており、荷棚11、吊り手棒受け21及び複数の連結パイプ35,38と共にトラス構造を構成している。

    このように構成される補強構造30では、上側横架材41及び下側横架材42が荷棚11を介して一方の側構体5から他方の側構体5へと架け渡されているので、車体3の車幅方向の剛性を向上させることができる。 また、上側横架材41及び下側横架材42を夫々構成する補強パイプ33,34,35,36の少なくとも一端が吊り手棒受け21を介して屋根構体6に固定されているので、上側横架材41及び下側横架材42が長手方向に屈曲することを防ぐことができる。 即ち、補強構造30が長手方向に屈曲することを抑えることができ、これにより車体3の車幅方向の剛性を更に向上させることができる。

    また、補強構造30では、第1補強構造部31の補強パイプ33,34が屋根構体6と側構体5との間でそれらに対して傾斜する方向に延びて屋根構体6と側構体5とが連結されている。 それ故、側構体5に作用する車幅方向に作用する荷重を屋根構体6に分散させることができ、これによっても車体3の剛性を向上させることができる。

    また、第1補強構造部31を屋根構体6と側構体5との間で斜めに配置することで、屋根構体6と側構体5とがそれらの接合部分を中心にして広がったり狭まったりすることを抑え、屋根構体6と側構体5の接合部近傍の剛性を向上させることができる。 すなわち、車両1の矩形状の断面形状が平行四辺形状に変形することを抑制することができ、車両1が変形して客室7の体積が減少することを抑制することができる。

    また、左右両側にある2つの第1補強構造部31の間に第2補強構造部32を介在させることで2つの第1補強構造部31が近接することを抑えることができ、車両1の車幅方向への圧縮を抑制する。 これにより、車両1が車幅方向に圧縮されて客室7が体積減少することを抑えることができる。

    更に、トラス構造を構成することで補強構造30の重量の増加を抑えつつ車体3の剛性を更に向上させることができる。 これにより、客室7の体積減少を更に抑えることができる。 また、補強構造30をトラス構造で構成することで、補強構造30を客室7に設けることに伴う客室7の通気性を損なうことがない。 更に、荷棚11及び吊り手棒受け21をトラス構造の一部品として利用することで、部品点数を抑えることができ、車両の重量の増加及び製造コストの増加を抑えることができる。

    また、補強構造30は、客室7の上部空間を有効に活用して設置されているので、従来の補強構造に比べて補強構造30を大きくすることができる。 これにより、外径寸法の大きな補強構造30を構成することができる。 また、補強構造30は、比較的大きな空間が空いている客室7の上部空間を利用しているので、既存の鉄道車両に取り付けやすい。 特に、補強構造30は、荷棚11及び吊り手棒受け21を利用することで部品点数の増加を抑えつつ、荷棚11及び吊り手棒受け21等の客室7の内装品に構造上の制約を受けることを回避することができる。

    <第2実施形態>
    第2実施形態の車両1Aは、第1実施形態の車両1と構成が類似している。 そこで、以下の第2実施形態の車両1Aの構成の説明では、第1実施形態の車両1と異なる構成についてだけ説明し、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。 第3実施形態の車両1Bの構成の説明についても同様である。

    第2実施形態の車両1Aでは、図3に示すように補強構造30が一対の第3補強構造部50を備えている。 第3補強構造部50は、腰掛部材10と台枠4との間に夫々配置され、腰掛部材10と台枠4とを連結している。 更に詳細に説明すると、第3補強構造部50は、3つのパイプ51〜53から成る断面視で逆三角形状の枠体であり、その上辺を構成するパイプ51が腰掛部材10の下面に固定されている。 なお、パイプ51は、腰掛部材10のロングシートを支持するフレームで代用させてもよい。 残る2つのパイプ52,53の接合点である下端部50aが台枠4に連結されている。

    このように構成されている第3補強構造部50は、第2握り棒16とも連結されている。 これにより、側構体5から荷棚11に伝わる荷重を第2握り棒に分散させ、更に第3補強構造部50によって台枠4に逃がすことができる。 即ち、側構体5にかかる車幅方向の荷重を台枠4に分散させることができ、これによって車体3の車幅方向の剛性を向上させることができる。 また、第3補強構造部50が腰掛部材10と台枠4との間に介在するので、車体3の上下方向の剛性も向上させることができる。

    その他、第2実施形態の車両1Aは、第1実施形態の車両1と同様の作用効果を奏する。

    <第3実施形態>
    第3実施形態の車両1Bは、図4に示すように第1握り棒15及び第2握り棒16を備えておらず、腰掛部材10と荷棚11との間に部材が介在していない点が第1実施形態の車両1と異なっている。

    このように第1握り棒15及び第2握り棒16が取り外されている場合、第1実施形態の車両1よりも剛性が低下するが、第1実施形態の車両1と同様の作用効果を奏する。

    [補強効果に関する解析]
    以下では、第1〜第3実施形態の車両1,1A,1Bの補強効果を確認するために行ったFEM解析(使用プログラム:LS-DYNA MPPver.971(64bit版))について説明する。 なお、本実施形態の車両1の比較対象として図5及び図6に示すような車両101や、車両101に関して第3補強構造50だけが取り付けられた車両(図示せず)についてもFEM解析も行った。 車両101は、補強構造30を有していない点を除いて車両1と略同様の構成であり、同一の構成について同一の符号を付してその構成の説明を省略する。

    (解析条件)
    FEM解析で使用した解析モデルは、図7Aに示すように車両の一部を切り取ったものである。 詳細に説明すると、解析モデルは、車両の長手方向において出入口5aの中央から隣接する窓5bの中央までの部分で1つの戸先柱45と戸尻柱46とを含む部分を切り取ったものである。 また、FEM解析では、図7Bに示すように、車両が角度30度に傾斜してY方向に初速50km/hで剛体壁47に衝突する条件のもとで解析を行った。

    (解析結果)
    図8及び図9には、前述のFEM解析によって得られた解析結果が示されている。 まず、図8に示す解析結果について説明すると、図8には、戸尻柱46付近にて切断された断面において剛体壁47から最も離れている点W(図7B参照)、具体的には台枠4と戸尻柱46とが連結されている点WのY方向変位量(即ち、車幅方向の変位量であり、剛体壁47に遠ざかる方向を正方向とする)の経時変化が示されている。 なお、図8のグラフでは、縦軸が変位量(上側が正方向)であり、横軸が経過時間である。 また、図9には、各解析モデルの客室7の体積の経時変化が示されている。 なお、図9に示す解析結果は、出入口中央位置、戸先柱位置、戸尻柱位置、及び窓中央位置の各断面において図7Bに示すような点U1〜U10の断面積計測点を設定し、これら10点の断面積計測点に基づいて客室7の体積が解析されている。 なお、図9のグラフでは、縦軸が体積であり、横軸が経過時間である。 図8及び図9では、一点鎖線Aが第1実施形態の車両1に関する解析結果、二点鎖線Bが第2実施形態の車両1Aの解析結果、長破線Cが第3実施形態の車両1Bの解析結果を夫々示している。 また、破線Dは、第1補強構造部31及び第2補強構造部32を取り外して第3補強構造部50だけを採用した車両の解析結果を示し、実線Eが従来の車両101の解析結果を示している。

    図8の解析結果から分かるように、従来の車両101のY方向変位量に対して第1乃至第3実施形態の車両1,1A,1BのY方向変位量の方がその値が明らかに小さく、補強構造30によって車体3の変形量を抑えれることがわかる。

    次に3つの実施形態を比較すると、第3補強構造部50を備える第2実施形態の車両1AのY方向変位量の値が最も小さくなっており、第1乃至第3補強構造部31,32,50を備えていることが最も車体3の変形を抑えることができることが分かる。 他方、第3実施形態の車両1BのY方向変位量の値は、第1実施形態の車両1のそれに対して若干小さくなっているもののそれらの差は小さく、第1握り棒15及び第2握り棒16がなくて第1補強構造部31及び第2補強構造部32だけでも車体3の変形を抑えることができることがわかる。 なお、第3補強構造部50だけを採用した車両では、従来技術の車両101より車体3の変形を抑えることができるものの、第1乃至第3実施形態の車両1,1A,1Bに比べてその効果は小さいことがわかる。

    また、図9の解析結果から分かるように、従来の車両101における客室7の体積減少に対して第1乃至第3実施形態の車両1,1A,1Bにおける客室7の体積減少の方が明らかに少なく、補強構造30によって客室7の体積減少を抑えれることがわかる。

    次に3つの実施形態を比較すると、第3補強構造部50を備える第2実施形態の車両1Aにおける客室7の体積減少が最も小さくなっており、第1乃至第3補強構造部31,32,50を備えていることが最も車両1,1A,1Bの変形量を抑えることができることが分かる。 他方、第3実施形態の車両1Bにおける客室7の体積減少は、第1実施形態の車両1におけるそれに対して若干小さくなっているもののその差は小さく、第1握り棒15及び第2握り棒16がなくて第1補強構造部31及び第2補強構造部32だけでも客室7の体積減少を抑えることができることが分かる。 なお、第3補強構造部50だけを採用した車両では、従来の車両101より客室7の体積減少を抑えることができるものの、第1乃至第3実施形態の車両1,1A,1Bに比べてその効果は小さいことがわかる。

    このように、第1乃至第3実施形態の車両1,1A,1Bは、補強構造30を備えることによって車体3の剛性を向上させることができ、客室7の体積減少を低減することができる。 また、前述の解析結果から分かるように第3補強構造部50は、それ単体で大きな補強効果を得ることができないが、第1補強構造部31及び第2補強構造部32と共に適用することでより大きな補強効果を奏することができる。 また、第1握り棒15及び第2握り棒16もまた、それを設けることによって若干ではあるが車体3の変形量を抑え、客室7の体積減少を低減させることができる。

    <第1変形例>
    図10に示す第1変形例の車両1Cは、第2実施形態の車両1Aの変形例であり、第3補強構造部50に代えて第3補強構造50Cが採用されている。 以下の第1変形例の車両1Cの構成の説明では、第2実施形態の車両1Aと異なる点である第3補強構造50Cの構成についてだけ説明し、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。 なお、第2変形例の車両1Dの構成の説明についても同様である。

    第1変形例の車両1Cの第3補強構造部50Cは、床根太55とパイプ部材56とを有している。 床根太55は、長手方向に延在する断面ハット状の部材であり、台枠4の上に固定されている。 床根太55には、第1支持部材となるパイプ部材56が立設されており、パイプ部材56は、床根太55と第2握り棒16とを連結している。

    このように構成されている第3補強構造部50Cは、第2実施形態の車両1Aの第3補強構造部50と同様、車体3の車幅方向及び上下方向の剛性を向上させることができる。

    その他、第1変形例の車両1Cは、第2実施形態の車両1Aと同様の作用効果を奏する。

    <第2変形例>
    図11に示す第2変形例の車両1Dの第3補強構造部50Dは、パイプ受け57とパイプ部材58とを有している。 パイプ受け57は、上下方向に延在する受け部材であり、台枠4の横梁4a上に固定されている。 パイプ受け57には、第2支持部材となるパイプ部材58が立設されており、パイプ部材58は、パイプ受け57と第2握り棒16とを連結している。

    第2変形例の車両1Dは、第1変形例の車両1Cと同様の作用効果を奏する。

    <その他の実施形態>
    第1実施形態乃至第3実施形態では、第1補強構造部31及び第2補強構造部32がトラス構造を形成しているが、必ずしもトラス構造に限定されない。 例えば、連結パイプ35がなくてもよい、また連結パイプ35を上下方向に渡して梯子のような構造にしてもよい。

    また、第1実施形態乃至第3実施形態では、荷棚11及び吊り手棒受け21を利用して補強構造30を構成しているが、荷棚11及び吊り手棒受け21を利用することなく補強構造30を構成してもよい。 例えば、第1補強構造部31の補強パイプ33,34を側構体5に直接設け、また吊り手棒受け21と異なる固定部材を屋根構体6から垂下させてこの固定部材に補強パイプ33,34を固定するようにしてもよい。 あるいは、荷棚11や吊り手棒受け21に代わる機能を有した他の構成部材を用いて補強構造を形成してもよい。 これにより、荷棚11及び吊り手棒受け21が取り付けられていない車両にも補強構造30を形成することができる。

    第1実施形態乃至第3実施形態では、各補強パイプや連結パイプは棒状の部材を用いたが、これに限られず、断面が矩形状及びU字状等の種々の形状の補強部材を適用することができる。 また、補強部材を連結する連結部材を板状部材としてもよい。

    上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。 従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。 本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。

    1〜1D 車両 3 車体 4 台枠 5 側構体 6 屋根構体 7 客室 10 腰掛部材 11 荷棚 15 第1握り棒 16 第2握り棒 21 吊り手棒受け 30 補強構造 41 上側横架材 42 下側横架材 50,50C,50D 第3補強構造部

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