低屋根構体を備えた鉄道車両

申请号 JP2014500607 申请日 2013-02-25 公开(公告)号 JP6126574B2 公开(公告)日 2017-05-10
申请人 川崎重工業株式会社; 发明人 平嶋 利行; 林 清一; 永原 斉; 津村 洋祐; 村岸 治;
摘要
权利要求

その周縁部に脚部を有する空調機器を屋根上部に設置可能な鉄道車両であって、 開口部を有する屋根構体と、 前記開口部に設けられ、断面視で凹んだ凹部の上端から外方に延びる載置部を有し、或いは平面視で通過孔を開設した載置部を有する低屋根本体と、 前記低屋根本体から連続して形成されるとともに、前記屋根構体に接合される低屋根本体周縁部とを備え、 前記低屋根本体及び前記低屋根本体周縁部がプラスチック製であり、 前記空調機器は、その上面の位置が前記低屋根本体周縁部の上端より低い位置に設けられ、前記脚部を介して前記凹部の上端から外方に延びる載置部、或いは前記通過孔を開設した載置部上の前記通過孔の周縁部に取り付けられる、鉄道車両。前記屋根構体は、前記開口部に向かって延びる金属製のフレームであって、前記屋根構体及び低屋根本体周縁部とに接合されているフレームを有する、請求項1に記載の鉄道車両。前記屋根構体は、前記開口部に向かって延びる金属製のフレームであって、前記低屋根本体周縁部とは、リベットまたは接着剤により接合されているフレームを有する、請求項1または2に記載の鉄道車両。前記屋根構体は、前記開口部に向かって延びる金属製のフレームであって、前記低屋根本体の周縁部の下面とは、一端の上面が接合されており、 前記屋根構体の上面とは、他端の下面とが接合されているフレームを有する、請求項1乃至3の何れかに記載の鉄道車両。前記低屋根本体は、前記低屋根本体周縁部の内側に、前記載置部を含む段差部を更に有し、 前記段差部の前記載置部は、鉛直方向上向きに延びる突部を含み、前記突部と前記低屋根本体周縁部との間にはドレン孔が更に設けられた、請求項1乃至4の何れかに記載の鉄道車両。前記突部が、前記空調機器の取付座である、請求項5に記載の鉄道車両。前記凹部の底部は、強化プラスチック製の2つの面板と、各前記面板間に設けられたコア材とを有するサンドイッチ構造である、請求項1乃至6の何れかに記載の鉄道車両。前記コア材は、ハニカム構造または発泡樹脂製である、請求項7に記載の鉄道車両。前記凹部の底部は、山部と谷部とが車両幅方向に沿って連続して設けられた強化プラスチック製の波板構造である、請求項1乃至6の何れかに記載の鉄道車両。前記低屋根本体の上部を覆うカバー部材をさらに備え、 前記カバー部材の端部下面は、前記低屋根本体周縁部の前記凹部側端部の上面に対してシール部材を介して載置される、請求項1乃至9の何れかに記載の鉄道車両。少なくとも前記低屋根本体及び前記低屋根本体周縁部は、一体成形により構成される、請求項1乃至9の何れかに記載の鉄道車両。

说明书全文

本発明は、低屋根構体を備えた鉄道車両に関する。

鉄道車両は、一般に車体の上面を構成する屋根構体を備えている。ここで建築限界による制約、エクステリアデザイン上の理由から、屋根構体の外面よりも車内側に入り込んで低くして、空調機器等を搭載可能な構造が知られている(特許文献1参照)。以下、屋根構体の他の部位よりも低くした構造部分を低屋根構体という。特許文献1に記載された低屋根構体は、空調機器が載置される平坦部と、その幅方向両側で側構体に接合するために立ち上がった立ち上がり部とを夫々アルミ合金製の押出部材により形成され、夫々を溶接または摩擦攪拌接合により接合して構成される。これにより、特許文献1は結合部による強度低下や騒音発生を防止するとともに、取付作業を容易にできるとしている。

日本国特許公開2007—261345号公報

ところで、低屋根構体自体には大きな荷重等が加わることが少ないため、鉄道車両全体の軽量化を図る観点からも、低屋根構体を薄板構造とするのが理想的である。しかし、特許文献1の低屋根構体は、断面が一様の形材を用いており、全体の厚みが大きいため、軽量化の支障となるという問題がある。また、屋根構体は風雨に晒されるため、空調機器等が載置される低屋根構体を用いる場合には防処理等を施す必要がある。しかしながら、特許文献1の低屋根構体は、防水処理について何ら提案されていない。そこで本発明の目的は、低屋根構体ひいては鉄道車両全体の軽量化を図り、また防水構造を有する低屋根構体を備えた鉄道車両を提供することにある。

屋根上部に空調機器を設置可能な本発明に係る鉄道車両は、開口部を有する屋根構体と、前記開口部に設けられ、断面視で凹んだ凹部或いは平面視で通過孔を開設した載置部を有し、前記凹部或いは前記載置部上の前記通過孔の周縁部に前記空調機器を載置可能な低屋根本体と、屋根の一部を構成し、前記低屋根本体から連続して形成されるとともに、前記屋根構体に接合される低屋根本体周縁部とを備え、前記低屋根本体及び前記低屋根本体周縁部がプラスチック製である。ここで、プラスチックとは、CFRPやGFRPなどの繊維強化プラスチック、種々の複合材料が含まれる。前記構成によれば、低屋根本体及びその周縁部をプラスチックで構成することにより、低屋根構体ひいては鉄道車両全体の軽量化を図ることができる。また、前記低屋根本体及びその周縁部をプラスチックで形成しているから、該低屋根本体がたとえ複雑な3次元形状であっても、これに対応することが容易である。

本発明により、低屋根構体ひいては鉄道車両全体の軽量化を図り、また防水構造を有する低屋根構体を備えた鉄道車両を提供することができる。

実施形態の低屋根構体の斜視図である。

図1に示す低屋根構体をA方向から見た側面図である。

図1に示す低屋根構体をB−B線を含む面にて破断し矢視した断面図である。

図3のC部の拡大図である。

図4のF部の拡大図である。

(a)〜(c)は、図3のD部の拡大図である。

図3のE部の拡大図である。

低屋根本体の変形例を示す断面図である。

図7に示す低屋根構体の防水構造の変形例である。

1.実施の形態 1−1.全体構成の概要 1−2.低屋根本体の構成 1−3.低屋根本体と屋根構体との取付構造 1−4.低屋根構体の防水構造 1−5.低屋根本体の取り付け方法 2.低屋根本体の変形例 3.低屋根構体の防水構造の変形例 4.その他の変形例 5.各構成の効果

[1.実施の形態] [1−1.全体構成の概要] 図1は、本実施の形態に係る低屋根構体2を備えた鉄道車両構体を示す図である。鉄道車両構体は、2つの側構体100と、下面を構成する台枠(図示せず)と、車両長手方向端部に設けられる2つの妻構体200と、上面を構成する低屋根構体2を含む屋根構体1とを備えて構成される。図1に示すように、鉄道車両の屋根構体1の上面は膨らみを上に向けた円弧状である。屋根構体1の車両幅方向の略中央部には、低屋根構体2の本体部分である低屋根本体20を設置可能な矩形状の第1開口10が形成されている。さらに、図3に示すように、低屋根本体20の上部には脱着可能な円弧状のカバー23が、ゴム製のシール部材25を介して取り付けられ、屋根構体1の一部を構成している。

[1−2.低屋根本体の構成] 図1乃至図3に示すように、低屋根本体20は平面視で矩形であり、上面に第2開口21が形成されている。低屋根本体20は、第2開口21の周縁に設けられた周縁部22と、周縁部22の下方に設けられた凹部3と、周縁部22と凹部3の上端とを接続する段差部4とを備えて構成される。周縁部22は、CFRPやGFRP等の強化プラスチックから形成され、フレーム6を介して屋根構体1に取り付けられる。なお、周縁部22・フレーム6・屋根構体1の取付構造については後述する。

段差部4は、図3及び図4に示すように、凹部3の上端から外方に延びる水平面42を含む平坦部40と、低屋根本体20の上端から下向きに延びる側壁41とを有し、低屋根本体20の周面全周に亘って形成される。なお、側壁41は図4において垂直壁としているが、これに限られず、傾斜していてもよい。凹部3は、周壁30と底部31とを有し、内部に空調機器5が設置される。該空調機器5は周縁部に脚部51を有し、該脚部51がパッキン53を介して段差部4の平坦部40に取り付けられる(図3参照)。即ち、平坦部40は、空調機器5が載置される載置部44を構成する。周壁30には、図1及び図2に示すように、その長手方向の側面に形成され、車外との間で空気が出入りする第2透孔35と、短手方向の側面にそれぞれ形成され、空調機器5からの調和空気を車内に送るための第3透孔36、空調機器5の電線等が通る第4透孔37とを含んでいる。なお、周壁30は、周縁部22と同様に強化プラスチックから形成される。

底部31には、図1及び図3に示すように、車内からの空気を凹部3に取り入れて空調機器5に導くための第1透孔34が形成されている。なお、図2に示すように、底部31の車内側の下面には、天井内装板とともに車内ランプ50や吊り手棒などが取り付けられる。底部31は、図6(a)、(b)に示すように、強化プラスチックで形成された2枚の面板33と、面板33間に設けられた芯材32とから構成されたサンドイッチ構造である。ここで、芯材32は、図6(a)に示すようにハニカム構造であり、例えばアルミ合金またはステンレス等の金属、あるいはプラスチックや紙等から構成される。なお、図6(b)に示すように、芯材32には発泡樹脂を用いてもよい。このように、底部31をサンドイッチ構造とすることにより、天井内装品を取り付けるための十分な強度を得ることができ、板と骨組みから構成された骨皮構造と比較して、軽量化を図ることができる。さらに、サンドイッチ構造とすることにより、底部31の厚みを抑えることができるので、低屋根部における客室天井高さを確保し、低屋根構体を備えた鉄道車両であっても、十分な車内空間を得ることができる。

なお、底部31は、図6(c)に示すように、強化プラスチックからなる波板構造としてもよく、かかる構造により、軽量かつ厚みを抑えつつ、所望の剛性を確保することができる。この場合、底部31は、山部31aと谷部31bを交互に連続して設けた構造となる。また、低屋根本体20は、周縁部22と凹部3と段差部4とを備えるが、これらを一体成形してもよい。これにより、低屋根本体20の水密性・剛性・組立性を向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる。

[1−3.低屋根本体と屋根構体との取付構造] 次に、低屋根本体20と屋根構体1との取付構造について説明する。図4に示すように、金属製のフレーム6は、その一端が屋根構体1の第1開口10側の端部上面に溶接接合されている。一方、フレーム6の他端は、低屋根本体20の周縁部22の下面に配置され、例えばリベットにより締結される。フレーム6は、平面視で周縁部22の下面全体に対向するように矩形に形成されている。図5は、図4のF部の拡大図である。低屋根本体20の周縁部22には、第1貫通孔24が設けられ、フレーム6の他端には第1貫通孔24に合わさる第2貫通孔60が設けられている。第1貫通孔24と第2貫通孔60には、リベット8の軸体80が、低屋根本体20の周縁部22の上側から挿入され、軸体80の先端部を加締ることにより、フレーム6と低屋根本体20とが締結される。ここで、リベット8の頭部81の周面にはシール材を塗布して、雨水が両貫通孔24、60から浸入することを防止する。

以上のような構成により、強化プラスチック製である低屋根本体20の周縁部22が、溶接の熱によって損傷することがない。また、リベット8は、加締められた状態で軸体80の周面が両貫通孔24、60の周面に密接するので、車両走行時において低屋根構体2にせん断荷重が加わった場合であっても、せん断荷重はリベット8の軸体80の周面全体で受けられるので、フレーム6と低屋根本体20のせん断荷重による接合強度を高めることができる。また、図4及び図5に示すように、低屋根本体20の周縁部22、フレーム6、屋根構体1は、外方に段状に下がるように配置され、車幅方向外方に向かって下向きに傾いている。従って、周縁部22とフレーム6の取付箇所や、フレーム6と屋根構体1の取付箇所に雨水等が溜まることがない。また、万が一、フレーム6と周縁部22との接合が外れた場合であっても、低屋根本体20が落下することがない。

[1−4.低屋根構体の防水構造] 次に、低屋根構体の防水構造について説明する。図7に示すように、カバー23は、第2開口21を覆うとともに、周縁部22の端部上面に載置される。上述のように、カバー23は脱着を容易とするために、周縁部22とカバー23との間にはシール部材25のような簡易的な防水処理を施している。そのため、洗車の場合や大量の雨水に晒される場合は、該水が低屋根本体20内に侵入する場合がある。従って、本実施形態では、低屋根構体20に防水構造を備えている。

すなわち、図7に示すように段差部4の平坦部40には、上向きに突出し、低屋根本体20の全周に亘って連続して形成された突部45と、突部45と側壁部41との間にドレン孔47とが設けられている。ここで、突部45は空調機器5が載置される載置部44を構成し、該突部45を平坦部40と一体成形してもよいし、別部材として設けてもよい。また、あるいは突部45を図6(a)、(b)に示したようなサンドイッチ構造としてもよく、これにより十分な強度を確保することができる。なお、突部45は、強化プラスチック製、金属製、ゴム製等の各種材料から形成されてもよい。このような構成により、雨水等が低屋根本体20の水平面42上に落下した場合であっても、突部45により堰き止められるので、凹部3及び車内に侵入することがない。また、ドレン孔47を設けているので、突部45によって堰き止められた雨水は車外に排出される。

[1−5.低屋根本体の取り付け方法] 低屋根本体20を屋根構体1に取り付ける際には、屋根構体1に予めフレーム6を溶接にて取り付ける。その後、第1開口10の上側から低屋根本体20を第1開口10に挿入して、フレーム6と低屋根本体20の周縁部22をリベット8にて接合することも考えられる。しかし、実際はフレーム6と低屋根本体20の周縁部22を接合するのに用いるリベット8は全部で数百個にもなる。屋根構体1のフレーム6に低屋根本体20の周縁部22を乗せた状態にて、数百個ものリベット8を加締接合するのは取付け工数がかさみ、作業性が悪い。また、前記の如く、リベット8の頭部81周面には、シール材を塗布するのであるが、屋根構体1の上から塗布しなければならなくなるので作業性が悪い。この作業性の悪さ故に、該シール材の塗布状態にバラつき等が発生し易くなり、該シール材の耐久性も問題となる虞がある。そこで、本実施形態では以下の手順で、低屋根本体20を屋根構体1に取り付ける。

先ず、屋根構体1と低屋根本体20を取り付ける工程とは別の工程(例えば、CFRP成形工程)にて、低屋根本体20の周縁部22下側に、フレーム6を配置する。第1貫通孔24と第2貫通孔60を合わせて、低屋根本体20の周縁部22の上側から、両貫通孔24、60にリベット8の軸体80を通す。次に、リベット8の軸体80の下端部を加締めて、低屋根本体20の周縁部22とフレーム6を接合する。そして、リベット8の頭部81周面にシール材をコーティングする。このフレーム6を取り付けた低屋根本体20を第1開口10の上から、該第1開口10に挿入する。これにより、フレーム6が屋根構体1の第1開口10の周縁部22上に接する。この後、フレーム6と屋根構体1とを溶接にて取り付ける。このようにすれば、フレーム6と低屋根本体20の周縁部22を専用工場で取り付けることができるので、人手によらず自動機にてリベット8を加締めることができる。故に作業性がよくなる。また、シール材塗布作業においても作業性がよいから、高精度な作業を行うことができる。

その後、凹部3の内側に空調機器5を収納し、突部45の上面に空調機器5の脚部51を乗せる。このとき、突部45に位置決め突起46を設け、脚部51の下面に該位置決め突起46に嵌まる嵌合穴52を開設して、該嵌合穴52に該位置決め突起46を設けてもよい(図7参照)。空調機器5の取付部分である位置決め突起46にパッキン53等を巻きつけて用いることにより、雨水等が凹部3に侵入することを防止することができる。最後に、低屋根本体20の第2開口21にカバー23を被せる。

[2.低屋根本体の変形例] 図8は、低屋根本体20の変形例を示す断面図である。本変形例にあっては、低屋根本体20は、周縁部22と段差部4とを備えて構成され、凹部3は設けられていない。これは、屋根上にかかる荷重が大きくない場合や、例えば吊り手棒等の比較的大きな荷重がかかる内装部品が屋根構体1の底面に取り付けられない場合には、凹部3を省略することができるからである。段差部4は、前記の如く、水平面42を含む平坦部40と、低屋根本体20の上端から下向きに延びて該平坦部40に接続される側壁41とを有して構成され、低屋根本体20の周面全周に亘って形成される。平坦部40の中央には、第2開口21に連なる通過孔43が開設され、平坦部40上にて該通過孔43の周縁部である水平面42に空調機器5の脚部51がパッキン53を介して載置される。即ち、平坦部40が空調機器5の載置部44を形成する。空調機器5は、車内の空気を直接取り入れることができる。

本変形例にあっては、凹部3が設けられていないので、更に低屋根本体20ひいては屋根構体1の全体を軽量化することができる。また、凹部3が設けられていないことにより、車両構体の低屋根部における客室天井高さを確保し、凹部3を設けた場合と比べて十分な車内空間を得ることがさらに容易となる。尚、図8には図示していないが、水平面42に落下した雨水等が車内に侵入することを防ぐべく、上記実施形態にて説明したように、平坦部40に突部45とドレン孔47(図7参照)を設けてもよい。この場合、突部45が空調機器5の載置部44となる。また、車内ランプ50は、屋根構体1の内側にて空調機器5から外れた箇所、あるいは内装の天井パネル(図示せず)に直接取り付けられる。

[3.低屋根構体の防水構造の変形例] 次に、低屋根構体の防水構造と空調機器5の設置の変形例について説明する。他の構成については上記実施形態の構成と同様であるため、説明を省略する。図9は、低屋根本体20の水平部42の拡大図である。図9において、水平部42の端部に上向きに突出した突部45と、突部45と段差部4との間に設けられたドレン孔47を備える点で上記図7を用いて示した実施形態と共通するが、ドレン孔47と突部45との間に空調機器5の取付座55を備える点で異なる。空調機器5の取付座55には、空調機器5の脚部51が載置され、該取付座55が空調機器5の載置部44を構成する。また、脚部51と突部45の間隙には、シールゴム53が設けられる。これにより、上記実施形態と同様に、雨水が凹部3に侵入することがない。

[4.その他の変形例] 上記実施形態では、フレーム6と低屋根本体20の周縁部22とをリベット8で接合したが、接着剤で接合することもできる。また、低屋根本体20をオートクレーブ成形やインフュージョン成形で形成する際に、フレーム6も一緒に張り合わせるコボンド法を用いることもできる。これらの場合は、リベット8を用いた場合に行っていたリベット8の頭部81へのシール材塗布は不要である。しかし、前記の如く、フレーム6と屋根構体1は溶接にて接合されるので、該溶接熱が低屋根本体20の周縁部22に伝わって、接着剤や周縁部22自体を損傷させる虞がある。特に、フレーム6と低屋根本体20の周縁部22との接触面積が大きいと、低屋根本体20の周縁部22に伝わる溶接熱の熱量が大きい。

従って、そのような場合には、レーザ溶接、レーザアークハイブリッド溶接、CMT(Cold Metal Transfer)のような低入熱溶接にて、フレーム6と屋根構体1とを溶接すればよい。これにより、溶接時に低屋根本体20の周縁部22に伝わる溶接熱の熱量が抑えられ、接着剤や周縁部22自体の損傷を軽減することができる。勿論、フレーム6と低屋根本体20の周縁部22をリベット8にて接合する場合にも、フレーム6と屋根構体1との溶接に低入熱溶接を用いてもよい。

また、フレーム6と低屋根本体20の周縁部22との接合は、ボルトを用いてもよい。また、あるいは、リベットと接着剤の併用、ボルトと接着剤の併用による接合等、種々の組み合わせにより接合することも可能である。なお、上記実施形態に代えて、周壁30を面板と芯材を用いたサンドイッチ構造としてもよい。また、上記実施形態では、一例としてCFRPやGFRPを用いたが、これに限られず、その他の強化プラスチックであってもよい。更に、上記実施形態では、平坦部40に空調機器5の脚部51が載置されている。しかし、該構成に代えて、凹部3の底部31にスペーサ(図示せず)を設け、該スペーサ上に空調機器5の底面を載置してもよい。

[5.各構成の効果] 各実施形態において、屋根構体は、開口部に向かって延びる金属製のフレームを有し、フレームと屋根構体及び低屋根本体周縁部とが接合される。この構成により、屋根構体とフレームとは溶接により接合することができ、作業性がよい。各実施形態において、屋根構体は、開口部に向かって延びる金属製のフレームを有し、フレームと低屋根本体周縁部とは、リベットまたは接着剤により接合される。この構成により、強化プラスチックで形成された低屋根本体周縁部とフレームとをリベットまたは接着剤で予め接合できるので、両者の接合の作業性、品質及び強度を高めることができる。

各実施形態において、屋根構体は、開口部に向かって延びる金属製のフレームを有し、低屋根本体の周縁部の下面とフレームの一端の上面とが接合され、屋根構体の上面とフレームの他端の下面とが接合される。この構成により、低屋根本体の周縁部、フレーム、屋根構体は、外方に段状に下がるように配置され、車幅方向外方に向かって下向きに傾いているので、周縁部とフレームの取付箇所や、フレームと屋根構体の取付箇所に雨水等が溜まることがない。また、万が一、フレームと周縁部との接合が外れた場合であっても、低屋根本体が落下することがない。各実施形態において、屋根構体は、開口部に向かって延びる金属製のフレームを有し、フレームの一端が、低屋根本体周縁部と接合され、フレームの他端が、低入熱溶接により屋根構体に接合される。この構成により、フレームと屋根構体とを低入熱溶接にて接合するので、強化プラスチックで形成された低屋根本体周縁部が溶接の熱によって劣化することがない。

各実施形態において、低屋根本体は、低屋根本体周縁部の内側に、載置部を含む段差部を更に有し、該段差部の載置部は、鉛直方向上向きに延びる突部を含み、突部と低屋根本体周縁部との間にはドレン孔が更に設けられている。この構成により、低屋根本体周縁部から雨水が侵入しても、雨水は突部によって堰き止められ、凹部又は空調機器に侵入することが防止される。また雨水をドレン孔を介して屋根構体の外に排出することができる。突部は空調機器の取付座として使用できるが、防水の機能を果たす突部と空調機器の取付座とを分ければ、取付座の構成を簡易なものとすることができる。この構成により、段差部と突部とを一体成形することができる。また、突部をサンドイッチ構造とすることもできるので十分な強度を確保することができる。

各実施形態において、凹部の底部は、強化プラスチック製の2つの面板と、各面板間に設けられたコア材とを有するサンドイッチ構造である。また、コア材は、ハニカム構造または発泡樹脂としてもよい。この構成により、凹部の底面全体を金属で形成した場合と比べて軽量化を図るとともに、十分な強度を確保することができる。各実施形態において、凹部の底部は、山部と谷部とが車両幅方向に沿って連続して設けられた強化プラスチック製の波板構造である。この構成により、凹部の底面全体を金属で形成した場合と比べて軽量化を図るとともに、十分な強度を確保することができる。また、薄板構造とすることができるので、十分な客室の天井高さを得ることができる。

各実施形態において、低屋根本体の上部を覆うカバー部材をさらに備え、カバー部材の端部下面は、低屋根本体周縁部の凹部側端部の上面に対してシール部材を介して載置される。この構成により、防水性能を確保するとともに、カバー部材を低屋根本体から脱着容易とすることができる。上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する1つの態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。

本発明は、低屋根構体を備えた鉄道車両に適用すると有益である。

1 屋根構体 2 低屋根構体 3 凹部 4 段差部 5 空調機器 6 フレーム 8 リベット 10 第1開口 20 低屋根本体 21 第2開口 22 周縁部 23 カバー 24 第1貫通孔 30 周壁 31 底部 34 第1透孔 35 第2透孔 36 第3透孔 37 第4透孔 40 平坦部 41 側壁部 42 水平面 43 通過孔 44 載置部 45 突部 47 ドレン孔 50 内装板 60 第2貫通孔 80 軸体 81 頭部 100 側構体 200 妻構体

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