ケーブルウェイ設備、ケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法、および、ケーブルウェイ設備のためのセキュリティー・システム

本発明は、ケーブルウェイ設備、ケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法、および、ケーブルウェイ設備のためのセキュリティー・システムに関する。

明らかに、本発明は、任意のタイプのケーブルウェイ設備に関することが可能であり、それは、非包括的な例として、ゴンドラまたはチェア・リフトであることが可能である。

したがって、本発明は、ケーブルウェイ設備の分野にある。

最近では、ケーブルウェイ設備の輸送エレメントの上の乗客の存在を検証するための、および、乗客が安全に拘束されているかどうかを検出するように適合されている、いくつかのセキュリティー・システムが知られている。

とりわけ、WO2012172198に説明されているセキュリティー・システムが今日では知られており、それは、ケーブルウェイ設備チェアの上の乗客の存在を検証し、また、乗客が存在する場合には、安全バーが閉じられているかどうかということを検証する。

このシステムは、乗客を乗り降りさせるためにチェアがステーションにあるときに、赤外線光ビームをチェアに向けて投影し、チェアがスクリーンの上に作り出す影を分析することを提供する。

電子デバイスは、少なくとも1人の乗客によって占有されているチェアによって作り出される影を、空のチェアの影と区別するようにプログラムされており、また、バーが閉じられている状態で乗客を伴うチェアによって作り出される影を、バーが開いている状態で乗客を伴うチェアの影と区別するようにプログラムされている。

しかし、この従来のセキュリティー・システムは複雑であり、スクリーンと、スクリーンの上に投影される影を読み取ることができる光学センサーとを必要とする。

当然のことながら、スクリーンは、チェアの通過エリアの近くになければならず、したがって、損傷を受ける可能性がある。

そのうえ、乗客のサイズおよび姿勢のばらつきに起因して、スクリーンの上のイメージを区別することが困難であるため、このシステムは信頼性が低い。

それに加えて、このシステムは、ケーブルウェイに沿った連続的なモニタリングを可能にせず、したがって、結果として限られた有効性のものとなる。

したがって、本発明の根底にある課題は、ケーブルウェイ設備の安全性を向上させることである。

本発明の主な目標は、ケーブルウェイ設備のためのセキュリティー・システム、ケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法、および、前記システムが設けられたケーブルウェイ設備を提供することであり、それは、上述の欠点を克服する、そのような課題に対する解決策を提供する。

この目標の中で、本発明のタスクは、より大きい連続性を伴って乗客の安全性をモニタリングすることを可能にするケーブルウェイ設備を提案することである。

本発明の別のタスクは、機能していない乗客保持システムを迅速に検出することを可能にするケーブルウェイ設備を提供することである。

本発明の別の目的は、悪い天候条件の場合でも、ならびに/または、プラント自身の汚染および/もしくは劣化の場合でも、乗客の安全性に関する高い信頼性を維持するケーブルウェイ設備を提案することである。

本発明のさらなるタスクは、既設のケーブルウェイ設備に適用可能な安全システム、および、上記に示されているタスクを実現する既設のケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法を提案することである。

この目標、これらのタスク、および、以降で明らかになることとなる他のものは、同封されている独立請求項による、ケーブルウェイ設備、ケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法、および、ケーブルウェイ設備のためのセキュリティー・システムによって実現される。

ケーブルウェイ設備の詳細な特徴、ケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法の詳細な特徴、および、本発明によるケーブルウェイ設備のためのセキュリティー・システムの詳細な特徴は、従属請求項において開示されている。

本発明のさらなる特徴および利点は、本発明によるケーブルウェイ設備の包括的ではないが好適な実施形態の説明、ケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法の包括的ではないが好適な実施形態の説明、および、ケーブルウェイ設備のためのセキュリティー・システムの包括的ではないが好適な実施形態の説明から明らかになることとなり、それらは、添付の図面において、単なる非限定的な例として図示されている。

本発明によるシステムの簡単化されたスケッチを示す図である。

安全構成になっているハウジングの例を図示する図である。

アクセス構成になっているハウジングの例を図示する図である。

上記の図を特に参照すると、参照数字10によってケーブルウェイ設備が示されており、ケーブルウェイ設備は、乗客を輸送するのに適切な少なくとも1つのハウジング11を含み、ハウジング11は、安全デバイス12を装備しており、安全デバイス12は、アクセス構成と安全構成との間で移動可能である。

本発明によれば、システム10は、 − 放射線放出手段13と、 − 前記放射線を反射するように適合されている反射性手段14と、 − 反射性手段14によって放出された放射線の反射を受け取るように適合されている受け取り手段15と を含むという点において、特別な性質を有している。

本発明による放射線放出手段13、反射手段14、および受け取り手段15は、プラント10の中に位置付けされており、少なくとも1つの所定の動作条件において、放射線放出手段13が、反射手段14に放射線を当てるために反射手段14の方を向いており、反射手段14が、前記放射線を受け取り手段15に反射するように受け取り手段15の方を向いているようになっている。

そのうえ、反射手段14は、セキュリティー・デバイス12の上に固定されており、安全デバイス12がアクセス構成になっているかまたは安全構成になっているかということに応じて、前記放射線を異なって反射するようになっている。

本発明によれば、安全デバイスがアクセス構成および安全構成になっているときだけ、受け取り手段13に向けて前記放射線を反射することができるような位置において、反射性手段が、安全デバイス12に固定され得るということが明らかであるはずである。

換言すれば、システム10の動作の間に、所定の動作条件において、反射手段14は、放射線放出手段13によって放射線を当てられており、前記放射線は、受け取り手段15に向けて反射されており、安全デバイス12がアクセス構成になっているときの反射パターンまたは反射イメージは、安全デバイス12が安全構成になっているときの反射パターンまたは反射イメージとは異なっている。

一般的に、安全デバイスのアクセス構成は、安全デバイスがハウジングへのアクセスを防止または妨害しない、安全デバイスの構成であることとなる。

一方、安全構成は、ユーザーがハウジング11から離れることを安全デバイスが防止する、安全デバイスの構成であることとなる。

たとえば、チェア・リフト・システムに関するプラント10の実施形態では、セキュリティー・デバイスは、バー16を含むことが可能であり、ハウジングは、チェア17(複数のシートを備える場合もある)を含むことが可能であり、バー16が、それ自体は従来の方式で、チェア17に対してヒンジ接続されており、バー16が、下げられた位置と上げられた位置との間で移動可能となるようになっており、下げられた位置では、バー16は、ユーザーがチェア17から離れることを防止し、上げられた位置では、バー16は、ユーザーがチェア17の上に座ることを可能にする。

このケースでは、下げられた位置は、安全構成を画定しており、上げられた位置は、アクセス構成を画定している。

本実施形態に関連して、これらの構成は、例として表されており、対応する図2aおよび図2bにおいて包括的ではない。

したがって、本発明は、ハウジング11がアクセス構成の安全デバイス12を有するかまたは安全構成の安全デバイス12を有するかということを、簡単で速い方式で検出することを可能にするということが明らかである。

それは、受け取り手段15によって検出されるデータを分析するのに十分であり、受け取り手段15は、安全デバイスがアクセス構成になっている場合に、第1のイメージまたは反射パターンを受け取り、また、それが安全構成になっている場合に、第1のものと比較して、第2のイメージ構成または反射パターンを受け取る。

安全デバイス12の構成の連続的なモニタリングを可能な限り得るために、システム10は、複数の前記所定の動作条件を提供するように構成されることとなるということが明らかであり、すなわち、システム10は、有利には、その動作経路に沿って複数の位置が存在するように構成されることとなり、その位置において、放射線放出手段13は、放射線を当てるために反射手段14の方を向いており、また、その位置において、反射手段14は、受け取り手段15に向けて前記放射線を反射するように受け取り手段15の方を向いている。換言すれば、ハウジング11の移動の間に、特に、設置経路に沿って上昇する間に、ハウジング11は、複数の位置になっていることとなり、その位置において、放射線放出手段13は、反射手段14の方を向いていることとなり、反射手段14は、受け取り手段15の方を向いていることとなり、受け取り手段15によって、安全デバイス12の構成を検出することができるようになっている。

たとえば、チェア・リフトまたはゴンドラ・リフトのタイプのケーブルウェイ設備の場合では、ハウジングは、それぞれ、チェアまたはキャビンによって構成されている。

この例によれば、ハウジング18は、ロープ・トウから吊り下げられており、ロープ・トウは、支柱19によって支持されており、2つのステーション20の間で駆動される。

このケースでは、放射線放出手段13および受け取り手段15は、好ましくは、パイロン19の上に、および/または、ステーション20の中に設置されることとなり、反射手段がパイロン19および/またはステーション20の直ぐ近くを通るときに、または、反射手段がパイロン19および/またはステーション20に一致するときに、ハウジング11の安全デバイス12に固定されている反射手段に放射線を当てるようになっている。

安全デバイス12の構成のとりわけ効率的な検出をするために、反射手段14は、たとえば図2aおよび図2bに図示されているように、ハウジング11の前進方向に対して目に見える位置に、および/または、ハウジング11の側部から見ることができる場所に、安全デバイス12の上に置かれ得る。

連続的なモニタリングを得るために、有利には、それぞれのパイロン19および20の上に、ならびに、それぞれのステーション20の中に、放射線放出および受け取り手段を設置することが可能であることとなる。

したがって、本発明によれば、単に受け取り手段15によって受け取られた信号を分析することによって、ハウジング11が安全になっているかどうかということを、簡単で速い方式で確認することが可能である。

また、ハウジング11の中でトラベルしているユーザーにとって危険な条件を迅速に検出するために、システム10の所定の部分だけにおいて局所化されたモニタリング、または、システム10全体にわたって分散したモニタリングを、簡単な方式で実装することが可能であることとなる。

好ましくは、可視範囲の光放射線の放出から結果として生じる干渉を回避するために、および、限られた可視性の条件における動作の改善、たとえば、霧または雲の存在下における動作の改善のために、前記放射線は、赤外線放射線を含む。

設備のコンパクトさおよび簡単さのために、放射線放出手段13および受け取り手段15は、好ましくは、単一の放出・受け取りデバイスの中に一体化されており、たとえば、一体化された照射器を備えたビデオ・カメラの中に一体化されている。

とりわけ製造するのに簡単であるということが判明した実施形態によれば、使用するために、および、設置するために、反射手段14は、有利には、それ自体は公知の反射性バンドなどのような、前記安全デバイス12に固定可能な第1の面と前記放射線を反射するように適合されている第2の面とを有するリボンを含む。

悪天候の場合に、凝縮物の形態の雪および/または氷および/または湿分がその上に堆積することによって、放射線放出手段13の効率および/または受け取り手段15の効率が影響を受ける可能性があるということを回避するために、好ましくは、システム10は、放射線放出手段13および/または受け取り手段15を加熱してそれらから雪/氷/湿分を除去するように適合されている加熱手段を含む。

たとえば、これらの加熱手段は、電気抵抗器によって実現化され得る。

本発明のさらなる態様によれば、放射線放出手段13の効率および/または受け取り手段15の効率に対する天候の悪影響を防止または緩和する目的のために、それらは、好ましくは、CEI EN 60529/1997によって規定されているような少なくともIP65の保護の程度を提示するように構成された電子デバイスの中に存在している。

反射手段の汚染は、安全デバイス12構成の検出の信頼性を落とす可能性があるということが検証され、この欠点を回避するために、システム10は、好ましくは、反射手段14をクリーニングするのに適切なパッシブまたはアクティブの自動クリーニング手段を含む。

たとえば、そのような手段は、クリーニング・ブラシを含むことが可能であり、クリーニング・ブラシは、たとえば、プラント10の特定の位置に配置されており、たとえば、パイロン19に一致して、および、好ましくは、ステーション20において配置されている。

これらのブラシは、反射手段14が安全デバイス12の上に適用されているハウジングのパーツと干渉するように位置決めされ、場合によっては、自動的に活性化されることとなり、場合によっては反射手段14の上に蓄積されている汚れを反射手段14から除去するようになっている。

有利には、システム10は、制御デバイス21を含み、制御デバイス21は、受け取り手段15に接続されており、また、受け取り手段15によって受け取られた電子信号を処理するように構成され、電子信号の関数としてシステム10の機能性を制御するように構成されている。

制御デバイス21は、たとえば、スマート・カメラを使用して、受け取り手段15と一体化され得り、または、それは、受け取り手段15から分離されていることが可能であり、それは、たとえば複雑な分析のために、たとえば同じパイロンの上に、ローカルに設置されている複数のカメラを含むことが可能である。

さらなる実施形態では、制御デバイスは、遠隔制御ステーションに完全にまたは部分的に配置され得り、信号、または、対応する情報は、上述のカメラによって送信されることとなる。

好ましくは、このケースでは、制御デバイスは、ローカルに分散され、受け取り手段と一体化されているか、または、受け取り手段に対して遠隔に分散されているかのいずれかである。このように、システム10の安全条件についての最新情報を設備のオペレーターに迅速に提供することが可能である。

本発明の好適な実施形態では、反射手段は、少なくとも1つの反射性マーカーを含み、反射性マーカーは、ハウジングに関連付けられており、ハウジング自身の識別子コードを表す信号を反射することができ、乗客を輸送する特定のユニットに安全検出を関連付けることを可能にするようになっている。

システム10の使用における効率を確実にするために、有利には、その効率を査定するために、反射手段14の反射能力を測定するように適合されている少なくとも1つのセンサーが提供される。

好ましくは、センサーは、制御デバイス21に接続されており、制御デバイス21は、前記センサーから来る信号を処理するように構成されており、その信号は、反射手段の効率の状態についての情報を提供する。

たとえば、参照マーカーは、ユーザーにアクセス可能ではなく、摩耗/汚れを受けることが少ない、IRセンサーによって検出可能な位置に設置されており、それは常に識別されるということが予期され得る。

参照マーカーに関するそのような位置が識別されることができない場合に、搭乗フロアの上のそれぞれの通路において、参照マーカーとなる少なくとも1つのマーカーに作用するクリーニングメカニズムが提供され得る。

また、ケーブルウェイ設備10のためのセキュリティー・システムが、本発明の主題の一部を形成し、それは、 − 放射線放出手段13と、 − 前記放射線を反射するように適合されている反射手段14であって、反射手段14は、システム10のリフト乗客に関するハウジング11の安全デバイス12に固定され得る、反射手段14と、 − 反射性手段14によって放出された放射線の反射を受け取るように適合されている受け取り手段15と、 − 受け取り手段15に接続されており、受け取り手段15によって受け取られた電子信号を処理するように構成されている制御デバイス21であって、制御デバイス21は、前記電子信号の関数としてケーブルウェイ設備10の機能性を制御するように、ケーブルウェイ設備10に接続可能である、制御デバイス21と を含むという点において、特有の特異性を有している。

この安全システムは、既設のケーブルウェイ設備の上に設置され、上述の設備10を得ることが可能である。

本発明の別の態様は、ケーブルウェイ設備のセキュリティーを強化するための方法であり、ケーブルウェイ設備は、乗客を輸送するのに適切な少なくとも1つのハウジング11を含み、ハウジング11は、安全デバイス12を装備しており、安全デバイス12は、アクセス構成と安全構成との間で移動可能である。

本発明によれば、前記方法は、 − 放射線放出手段13と、 − 前記放射線を反射するように適合されている反射性手段14と、 − 前記反射手段14によって放出された前記放射線の反射を受け取るように適合されている受け取り手段15と を、ケーブルウェイ設備の中に設置することを含む特有の特異性を示す。

この方法は、放射線放出手段13、反射手段14、および受け取り手段15をケーブルウェイ設備10の上に設置することであり、少なくとも1つの所定の動作条件において、放射線放出手段13が反射手段14に放射線を当てるために反射手段14の方を向いており、反射手段14が前記放射線をこれらに反射するように受け取り手段15の方を向いているというようになっている。

そのうえ、本発明による方法は、反射手段14を安全デバイス12に固定するステップであって、安全デバイス12が前記アクセス構成になっているかまたは前記安全構成になっているかということに応じて、異なって放射線を反射するようになっている、ステップをさらに提供する。

そのような方法は、上記に説明されているようなケーブルウェイ設備10を得ることを可能にし、したがって、前記のものと同じ目標および利点を実現する。

とりわけ、設備10の少なくとも耐久性のある効率および信頼性を得るために、本発明による方法は、好ましくは、放射線放出手段13および/または受け取り手段15および/または反射手段14を、効率を維持するためにクリーニングするステップを含む。

本発明の方法が、有利には、反射手段14の効率を検証するために、反射手段14の反射率を測定するステップを含むという好適な場合に、設備10の時間の効率および耐久性は、とりわけ保護される。

そのように考えられた本発明は、多数の修正例および変形例を受け入れる余地があり、すべてが、添付の特許請求の範囲内に入る。

そのうえ、すべての詳細は、他の技術的に均等なエレメントによって交換され得る。

用いられる材料、ならびに、形状および寸法は、不測の要件および技術水準に応じて変化し得る。

以下の請求項の中に述べられている構造的な性質および技法に、参照記号または参照数字が続いている場所では、そのような参照記号および参照数字は、単に特許請求の範囲の理解度を強化する目的のために使用されており、結果的に、それらは、純粋な例として、そのような参照記号および参照数字によって識別されているそれぞれのエレメントの解釈の限定を決して構成しない。