Rope car

申请号 JP2000543746 申请日 1999-04-09 公开(公告)号 JP2002511555A 公开(公告)日 2002-04-16
申请人 ビルヘルム・ケッヘレ・ゲーエムベーハー・エラストマーテヒニック; 发明人 ケッヘレ、ブルーノ; ブルクハルト、ゲオルク;
摘要 (57)【要約】 ロープ車1は、円筒状外周面8を有するロープ本体3から成る。 この円筒状外周面上に軸方向に見てサンドイッチ状に形成された輪部3がある。 ここに、互いに共軸な複数のリング13,14,15が形成される。 最も内側のリング13と最も外側のリング15はそれぞれエラストマーリングであり、これらの間に補強リング14がある。 エラストマーの外側リング15はエラストマーの内側リング14よりも剛性が高く、これによってロープが走行する非常に摩耗性の高い面が得られるが、エラストマーの内側リング14は十分なたわみ性を与える。 補強リング14は、ロープの負荷をできるだけ均等にエラストマーの内側リング13に分布させるために設けられる。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 回転対称な外周面(8)及びロープ車ハブ(4)を有する車輪本体(2)と、 少なくとも1個の半径方向外側リング(15)及び半径方向内側リング(13
    )並びに補強リング(14)を有する輪部(3)を備え、該外周面(8)上にある輪部(3)と を具備し、 該補強リングは、該半径方向内側及び該半径方向外側リング(13,15)に比して剛性の高い材料から成り、 補強リングは、該半径方向外側リング(15)の外径より小さい直径を有し、 該半径方向内側リング(13)は、エラストマーから成り、 該半径方向外側リング(15)はエラストマー又はプラスチックから成り、 該半径方向外側リング(15)が半径方向の該内側リング(13)より大きなショア硬さを有する ロープ車、特に、索道用のロープ車。
  • 【請求項2】 前記車輪本体(2)は2つの側面(9)を有し、該側面間を該車輪本体(2)の前記外周面(8)が延在し、該車輪本体(2)の該外周面(
    8)が該2つの側面(9)に移行することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項3】 前記側面(9)の内の少なくとも1が平坦又は円錐台形であり、 前記側面(9)の少なくとも1に前記車輪本体(2)の前記外周面(8)を越えて半径方向外側へ張り出す側板(12)が着脱可能に固定されていることを特徴とする請求項2に記載のロープ車。
  • 【請求項4】 前記車輪本体(2)の前記外周面(8)の幅が前記半径方向内側及び半径方向外側リング(13,15)の幅に一致することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項5】 前記半径方向内側及び前記半径方向外側リング(13,15
    )は実質的に等しい幅を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項6】 前記半径方向外側リング(15)は、無負荷状態で前記ロープ車ハブ(4)に共軸で回転面を成す外周面(32)を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項7】 前記半径方向外側リング(15)の前記外周面(32)はロープ溝(38)を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項8】 前記補強リング(14)は前記半径方向外側又は前記半径方向内側リング(15)に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項9】 前記補強リング(14)は前記半径方向外側及び前記半径方向内側リング(15)の間に挿設されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項10】 前記補強リング(14)は必要な場合には繊維で強化したプラスチック成形部材であることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項11】 前記補強リング(14)は、金属板成形部を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項12】 補強リング(14)が鍛造部を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項13】 前記リング(14)は鋳物部を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項14】 前記補強リング(14)は、前記半径方向外側リング(1
    5)がその幅方向に見て実質的に一定の厚さを有するように形成された外周面(
    29)を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項15】 前記補強リング(14)は、前記半径方向内側リング(1
    3)がその全幅にわたって実質的に一定の厚さになるように形成された内周面(
    26)を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項16】 前記補強リング(14)は、半径方向平面に沿って組み合わされ互いに固定された2個の部分(14a,14b)から成ることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項17】 前記補強リング(14)の前記2個の部分(14a,14
    b)が直接に相接することを特徴とする請求項15に記載のロープ車。
  • 【請求項18】 前記補強リング(14)の前記2個の部分(14a,14
    b)が少なくとも1個の軸方向間隙を間において互いに接続されていることを特徴とする請求項15に記載のロープ車。
  • 【請求項19】 前記補強リング(14)は、側面(27,28)から該補強リング(14)内に入り込む盲孔(42)を有することを特徴とする請求項1
    に記載のロープ車。
  • 【請求項20】 前記補強リング(14)は、側面(27,28)から該補強リング(14)に入り込み円周方向へ延びる溝を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項21】 前記半径方向外側リング(15)及び前記半径方向内側リング(13)の少なくとも一方が前記補強リング(14)と一体に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項22】 前記半径方向内側リング(13)の側面(17,18)は、少なくとも部分的に、前記車輪本体(2)の側面(9)によって規定された面から後退していることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項23】 前記半径方向内側リング(13)は、円周方向に等間隔に分布し、 軸方向に延びる複数個の貫通孔(25)を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項24】 前記半径方向内側リング(13)が僅かな内部ダンピング性を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項25】 前記半径方向外側リング(15)の側面(33,34)の間隔がこの位置で側板(12)の内法間隔に等しくなっていることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項26】 少なくとも前記半径方向内側リング(13)が、その内周面(16)の近傍に補強布を設けることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項27】 前記輪部(3)を前記車輪本体(3)の前記外周面(8)
    に半径方向に緊定することができる緊締装置(61)を該輪部(3)に設けることを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項28】 前記緊締装置(61)は、半径方向内側及び半径方向外側面(73,74)を有し、実質的に回転対称な環状の形状になっていることを特徴とする請求項26に記載のロープ車。
  • 【請求項29】 前記緊締装置(61)は、半径方向に見て前記半径方向内側リング(13)と前記車輪本体(3)の前記外周面(8)との間に挿設されていることを特徴とする請求項26に記載のロープ車。
  • 【請求項30】 前記緊締装置(61)は、半径方向に見て前記半径方向内側リング(13)と前記補強リング(14)との間に挿設されていることを特徴とする請求項26に記載のロープ車。
  • 【請求項31】 前記緊締装置(61)は、前記車輪本体(3)の軸方向に見て、2個の部分(71,72)に分割されていることを特徴とする請求項26
    に記載のロープ車。
  • 【請求項32】 前記半径方向内側リング(13)は、前記車輪本体(3)
    の軸方向に見て2個の部分(13a,13b)に分割され、 該半径方向内側リング(13)の該部分(13a,14b)がそれぞれ対応する、前記緊締装置(6
    1)の前記部分(71,72)上にあることを特徴とする請求項30に記載のロープ車。
  • 【請求項33】 前記緊締装置(61)は、その半径方向内側の面(73)
    に、前記緊締装置(61)に一体に結合されたエラストマー層(77)を担持することを特徴とする請求項26に記載のロープ車。
  • 【請求項34】 前記エラストマー層(77)は前記半径方向内側リング(
    13)と同じ材料から成ることを特徴とする請求項32に記載のロープ車。
  • 【請求項35】 前記緊締装置(61)の各環状部材(71,72)が円錐台形の外形と円錐台形の孔(73)とを有し、各環状部材(71,72)についてその各一方の軸方向端部(75)の半径方向の厚さが他方の軸方向端部より小さく形成され、 組立状態で両環状部材が組合わさって軸方向寸法に見て実質的に中央でくびれたリングが生じることを特徴とする請求項26に記載のロープ車。
  • 【請求項36】 2つの部材(71)がねじ(83)で螺着されていることを特徴とする請求項26に記載のロープ車。
  • 【請求項37】 車輪本体(3)の外周面(8)が2つの円錐の接合部(6
    5)に最大の直径を有する二重円錐を成すことを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 【請求項38】 車輪本体(3)の外周面(8)が円筒面を成すことを特徴とする請求項1に記載のロープ車。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 材料及び人員を輸送するための索道でロープを案内し支持するためにロープ車が必要である。 EP−A−0 185 531が示すように、このようなロープ車はホイールハブを有する本体から成り、このホイールハブによって固定軸に回転自在に支持される。 ホイールハブからスポークが出ている。 これらのスポークは圧縮スポークとして形成され、ホイールハブが本体の外輪に連結されている。
    この外輪は軸方向即ち側方に2枚の側板によって画定された円筒形の外周面を形成する。 側板は外輪の一体の構成部分である。

    【0002】 このように画定された溝の中に硬質エラストマー材料から成り外周面がロープ溝を形成する輪部がある。 この輪部の内周面は円筒面であり、ロープ車の外輪の外周に設けた溝よりやや大きな直径を有する。 このギャップ内に、弾性的になっていなければならない別のリングがある。

    【0003】 ロープ溝の半径方向外側のリングは十分な耐摩耗性がなければならないが、別の半径方向内側のリングは或る程度の半径方向可撓性がなければならない。

    【0004】 ところが、このようなロープ車では、ロープに作用するクランプ装置がロープ車の上を通ることによって発生するを緩衝するのに、 この半径方向可撓性は十分でないことが判明した。

    【0005】 ロープにかかっているゴンドラをロープに連結するクランプ装置は、ロープ車から見て局部的な肥厚部になっている。 それがロープ車の上を通るときに、この肥厚部があるためロープにかかる荷重が適宜に除去されるか又はロープ車が下へ動かされることになる。 このため、ロープ車の中心点とロープの心との間隔の変化がかなり急速に行われなければならないので大きな力が発生する。 ロープ車全体が弾支されていても、 この力ははなはだ大きくなる。

    【0006】 このようなロープ車のもう一つの問題は、通過時に弾性材料が撓みエネルギ(
    Walkarbeit)を受けることである。 ロープが載っている場所ではエラストマー輪部が圧縮され、ロープ車の回転によりエラストマー輪部のこの圧縮領域が輪部に沿って巡回するから、撓みエネルギ作用が生じる。 撓みエネルギは必然的にエラストマー輪部の温度上昇とかなりの摩耗をもたらす。

    【0007】 以上に基づき本発明の課題は、運転性能と摩耗に関して有利に作用するロープ車を提供することである。

    【0008】 この課題は本発明に基づき請求項1の特徴を有するロープ車によって解決される。

    【0009】 本発明に基づくロープ車においては外周面上にある輪部が2個のリング、即ち、半径方向外側及び半径方向内側リングから成る。 半径方向外側リングはロープ溝を具備し、比較的硬く乃至は耐摩耗性である。

    【0010】 外側リング用材料としてはプラスチック及び適当な硬さのエラストマーが考えられる。

    【0011】 これに対して、半径方向内側リングは比較的軟質のエラストマーから成る。 このエラストマーはダンピング(Daemfung)がなるべく小さくなければならない。 半径方向内側リングは、クランプ装置がその上を通るときに、弾性的にたわむだけで、生じるダンピングはなるべく小さくなければならない。

    【0012】 半径方向内側リングの圧縮によって生じる撓みエネルギがなるべく半径方向内側リングの全体に分布し、ごく限られた局部には作用しないように、輪部の中にある補強リングが設けられる。 この補強リングは、半径方向外側リングと半径方向内側リングの間にも一方のリングの内部にも埋設することができる。

    【0013】 また補強リングによって外側のエラストマーリングがほぼ円形の形状を保ち、
    撓みエネルギを受けないようにすることができる。

    【0014】 内側リングのために内部ダンピングが小さい材料を選ぶことができるから、 発生する撓みエネルギが小さく、ロープ車の運転時の温度上昇が少ない。

    【0015】 内側のエラストマーリングは柔軟な材料から成るか又は内部に設けた適当な孔又は隔室によって柔軟にすることができる。

    【0016】 輪部が補強リングを具備するならば、運転特性の一層の改善が得られる。 この補強リングは、上に載るロープに由来する力を内側リングに均一に配分させる。
    補強リングによって内側リングはロープの支点の直下の領域で局部的に変形しないで変形が内側リングの周囲長さ全体に広がる。

    【0017】 補強リングはプラスチック成形部材、金属板成形部材又は金属鋳物若しくは鍛造部材であることが可能であり、その場合、プラスチック成形部材は金属部材よりやや柔軟である。 プラスチック成形部材の硬さの選定に関連して、ロープ支持力によって内側エラストマーリングのどの周囲領域が変形するかを確定することができる。

    【0018】 補強リングの形状は、半径方向内側のエラストマーリング及び/又は半径方向外側リングがその軸方向長さに見て実質的に一定の厚さを有するように選定することが好ましい。

    【0019】 輪部を車輪本体から解体しても、軸部を再度車輪本体に固着できるようにするため、緊締装置を設けることが望ましい。 この緊締装置は実質的に半径方向に作用する。

    【0020】 最も簡単な場合、緊締装置は、半径方向内側及び半径方向外側の面を備え、回転対称な環状の形状を有する。 この緊締装置は、輪部と車輪本体の間に嵌装されるか又はほぼ輪部内部にある。

    【0021】 締付け作用を得るために、緊締装置は二つ割りになっており、その際、これらの二つ割りの部材を軸方向に締付け合うことによって、一方では、車輪本体に向かって半径方向内向きに、他方では、輪部の方へ外向きに作用する半径方向予圧力が発生する。

    【0022】 最も簡単には、緊締装置を軸方向に厚さが変化する2個のリングに分割することによって締付け作用が得られる。 最も簡単な場合には、各リングが円錐台形の外形と円錐台形の孔を有し、双方のリングの、これらの面を画定する円錐が逆向きになっている。 緊締装置のこれらの2つのリングを小さな方の端部を向き合わせにして組み付ければ、その軸方向長さのほぼ中央に減径部が生じる。 輪部又は車輪本体を対応のリングに相補的な形状に形成すれば、緊締装置のこれらの2つのリングが相互の向き合う方向へ運動することによって所望の半径方向締付け力が生じる。

    【0023】 なお、本発明のその他の実施形態が従属請求項の主題である。

    【0024】 図面に本発明の主題の実施形態を示す。

    【0025】 図1に索道用ロープ車1の破断斜視図が示されている。

    【0026】 ロープ車1は、車輪本体2とこれに固定された輪部3を有する。 車輪本体2は一体の鋳物であって、貫通する軸受孔5を有する実質的に円筒形の中心ハブ4を形成する。 負荷スポークとして形成された複数個のスポーク6が、ハブ4から半径方向外側へ外側ロープ車リング7まで延びている。 この外側ロープ車リング7
    は負荷スポーク6によってハブ4に一体に連結されている。 このロープ車リング7は、輪部3用の円筒形座面8を形成する。 この円筒形座面8は軸受孔5に共軸である。

    【0027】 軸方向に見てロープ車リング7は実質的に互いに平行で、円筒形の座面8からハブ4へ向かって半径方向に若干突出している2つの側面9によって限定されている。

    【0028】 図示の実施形態では、側面9は座面8の軸方向長さに相当する間隔で互いに平行に離間する環状の平面になっている。 しかし、側面を仮想の円錐の頂点がロープ車1のそれぞれ他方の側にあるように方向付けられた円錐台形の面にすることも可能である。

    【0029】 各側面9に、等間隔で分布する複数個のねじ11により対応の側板12が固定されている。 これらの2枚の側板12は、輪部3を軸方向に固定するために使用され、さらにその上を通るロープが側方へ脱落することを防止するための補助的な安全装置を形成すべきものとなっている。

    【0030】 代表的なロープ車では有効直径は100乃至700mmである。

    【0031】 図2に輪部3の拡大破断斜視図を示す。 ロープ車1の回転軸が切断面にある。

    【0032】 輪部3は、半径方向に関してサンドイッチ状に構成され、順に内から外へ向けて重なり合っている実質的に3個の共軸のリング13、14及び15から成る。 半径方向内側リング13はショア硬さが40乃至75のエラストマー材料から成る。 このリングは、半径方向内側の円筒面16、半径方向外向きの円筒面17及び軸方向にある2つの側面18,19によって画定される。 また内側のエラストマーリング13の外端側に、これら2つの側面18, 19を半径方向外側へ若干延長する2つの側縁21及び22が突設されている。 これらの側縁21及び22は軸方向外向きのリップ23及び24に移行する。 また、リング13は内周面16
    のかたわらに図示しない補強布を具備する。

    【0033】 内側エラストマーリング13が円筒面16の領域で最大の軸方向寸法になるように、円筒面16とリップ23, 24との間の領域で内側エラストマーリング1
    3の横断面は実質的に円錐台形になっている。 軸方向外側の円筒面17の高さのところでリングの幅がやや狭くなっている。

    【0034】 排熱を改善し柔軟性を改善するために、エラストマーリング13は多数の軸平行な貫通孔25を備えている。 貫通孔25は、エラストマーリング13の周囲に沿って等間隔で分布し、側面又は端面18から側面又は端面19に至る。

    【0035】 円筒面16の直径は座面8の外径とちょうど同じ大きさであるか又はやや小さく、輪部3を車輪本体3にプレスばめするのに十分である。

    【0036】 半径方向少し外側にあってリング13に隣接するリング14は、補強リングである。 このリング14は、図2で明らかな輪郭の横断面形状を有するプラスチック成形部材から成る。 補強リング14の横断面形状は全周に沿って一定になっている。

    【0037】 補強リング14の半径方向内側は、円筒面26と、 2つの側面27及び28と、半径方向外側の外周面29によって画定される。 半径方向内側の内周面26は、内側リング13の円周面17と相補的な形状の円筒面である。 側面27及び2
    8は、2つの側縁21及び22の領域にくぼみを備えているが、リップ23及び24の上側では側面27及び28の間隔が円筒面16の幅に等しくなっている。

    【0038】 2つのリップ23及び24の上側では、側面27及び28が互いに平行な円環面であり、この面の半径方向外側に、側縁21及び22の領域のくぼみに相当する軸方向深さを有する別のくぼみが続く。

    【0039】 図2が明示するように、 外周面29は回転軸に共軸な回転面であり、溝形又は樋形に形成されている。 このようにしてこの外周面とロープ車1の上を通るロープの心との間隔に相当する曲率半径を持ち、円周方向に走る溝が生じる。

    【0040】 補強リング14は円周面17, 26及び2つの側縁21, 22及びリップ23
    ,24の領域で内側エラストマーリング13と一体に結合されている。

    【0041】 上方へ延びる縁21及び22は、 発生する撓み運動によって面17及び26の間が一体に結合されているのを側面側から剥離しようとするのを防止しなければならない。

    【0042】 半径方向の最も外側にあるリング15もエラストマーリングであるが、内側のエラストマーリング13よりも大きな硬さを有する。 外側のエラストマーリング15の材料は70と95の間のショア硬さを有する。

    【0043】 外側エラストマーリング15は、半径方向内側が内周面31、 半径方向外側が外周面32、側部が2つの側面33及び34によって画定される。 内周面31は補強リング14の外周面29と同じ構成及び同じ形状を有する。

    【0044】 2つの側面33及び34は、補強リング14の側面27及び28の半径方向外側のくぼみに形成された2個の半径方向内向きの側縁35及び36に移行する。
    これらの2つの側縁35及び36は側面がやや引っ込んでいるから、それらの領域で輪部3の各端面に、ぞれぞれ円周方向に延びる1本の溝37が形成される。
    これらの溝37は輪部3の側面側へ開放している。

    【0045】 外周面32はロープ溝38を備えており、 その曲率半径はその上を通るロープの心と外周面32との間隔に実質的に等しい。 ロープ溝38は側面33及び34
    の間の中央にある。

    【0046】 ロープ溝38の両側にそれぞれ小さなV字形溝39及び41が設けられている。

    【0047】 内側エラストマーリング13の場合のように、外側エラストマーリング15も補強リング14と一体に結合されている。 その場合、側縁35及び36によって面31及び29の間の一体の結合が解かれて開らかれることを防止しなければならない。

    【0048】 輪部3及びこれを構成する個々のリング13,14,15の横断面形状は円周方向に一定である。 この一定構成を唯一中断するのは、側面27及び28から補強リング14の中へ延びる盲孔42である。 これらの盲孔42は、一方では、補強リング14の重量を減少させると共に材料節約に寄与し、他方では、輪部3の内部からの排熱を促進するものである。

    【0049】 この機能を得るために、座面8の上で輪部3を軸方向に固持する2つの側板1
    2が適当な開口43を具備する。 これらの開口43は組立状態で、なるべくは盲孔42と整合するようにする。

    【0050】 また、側板12にさらに別の図示しない貫通孔を設けることができる。 これらの貫通孔は貫通孔45に相当する高さにある。

    【0051】 図2に示す輪部を組み立てるために、まず、ロープ車輪本体2に2個の側板1
    2の一方を止めねじ11で螺着する。 次に、固定された側板12の内側に輪部の側面27又は28が接するまで、輪部3を座面8の上へ軸方向へ引く。 続いて、
    他の側板12を取り付け、ねじ11で固定する。

    【0052】 このように構成されたロープ車1の上を、人員又は材料搬送用索道の支索が通るとき、ロープと外側エラストマーリング15が直接接触する。 このリング15
    は比較的硬いエラストマーから成るから、 良好な耐摩耗性が得られ、他方では騒音発生が少ない。

    【0053】 外側エラストマーリング15は大きな硬さを有するため、ゴンドラを懸垂してその上を通るロープの重量による変形が比較的小さい。

    【0054】 これに対して、内側エラストマーリング13ははるかに軟質であるから変形するが、局部だけでなく周囲全域にわたって変形する。 2つのエラストマーリング13及び15の間に納められた補強リング14はロープの重量によって発生する力を、補強リング14が座面8に対して僅かに偏心するように配分する。 ロープの支点の直下では内側エラストマーリング13が圧縮されるが、回転軸に関してこの支点の正反対の側の位置には引張応力が働く。 一方、これに対してちょうど90°回転した2つの位置では、エラストマーリング13にもっぱらせん断応力が現れる。 せん断応力が働くこの位置からどの方向へ進むかによって、せん断応力が減少して圧縮応力に移行し又は引張応力と交替する。 このようにしてロープが上を通るときに現れる輪部3の撓み応力が内側リング13の全周に均一に配分される。 従って比較的大きな面を介してロープの圧縮力が剛直なロープ車輪本体2に伝達されるから、内側リング13は比較的軟質の材料で製造することができる。

    【0055】 軟質のエラストマー材料は内部ダンピングを極めて小さくすることができるから、撓み(Walken)で生じるエネルギーが小さく押さえられ、内側エラストマーリング13は撓みによって僅かな温度上昇しか起こらない。

    【0056】 ゴンドラの柄とロープを連結するクランプ装置が上記のロープ車1の上を通るときに、見掛け上のロープ肥厚部により短時間の間下向きの力が発生する。 比較的軟質な内側エラストマーリング13は肥厚部による影響を十分に少なくすることができる。

    【0057】 周知のようにエラストマーは圧縮性がないから、ロープ力による変形で相応の断面変化が発生する。 この断面変化が実際に起こり2つの側板12で制止されることがないように、内側エラストマーリング13の2つの側面18及び19は収束している。 このため、2つの側板12に対してそれぞれくさび状のギャップが生じ、エラストマーリング13が局部的に圧縮されると、このギャップがふさがれる。

    【0058】 側部の溝37と上側に設けたV字形溝39及び41も同様の機能を有する。

    【0059】 弾性、内部ダンピング及び摩耗の生じ方を変えるために、場合によっては、内側及び/又は外側エラストマーリング13,15は金属繊維、プラスチック又は天然繊維からなる繊維挿入物を具備することができる。 また、内側リング13の繊維挿入物は輪部3と車輪本体2の間の摩擦係合を改善することができる。

    【0060】 図2の実施形態において、補強リング14は、場合によっては、繊維で強化したプラスチック成形部材である。 荷重を内側リング13の周囲に十分に分配するためにプラスチック成形部材の強度が不十分ならば、図3に示すような補強リング14を使用することもできる。 この補強リング14は、同じ形状を有し互いに逆向きに配列された2つのリング半体14a及び14bから成る。 こうして得られる補強リング14は、図2の補強リング14と実質的に同じ外形輪郭を有する。 即ち、全体として連続する半径方向内側の円周面26とロープ溝38の形状に従う半径方向外側の外周面29を形成する。 外形輪郭の相違は主にくぼみにある。 金属板成形部材にはくぼみをあまり急勾配に形成することができない。

    【0061】 リング半体14aは、リング半体14bと同様に外端が46で内側へ折り曲げられた実質的に直線状の側辺部45を有するU字形横断面の金属板成形部材である。 金属板成形部材は47で平坦な背面48に移行する。 背面48は組立状態で回転軸に垂直な平面に平行である。 所望の外形が得られるように成形され外側へ延びる腿部51が49で再び接続される。

    【0062】 完全なリング14を得るために、2つのリングハーフ14a及び14bは2つの背面48を背中合わせにして配列され、 例えば、こうして生じた52及び53
    での隅部に沿って互いに溶接される。

    【0063】 その他の点については図2の実施形態と構造が同じであるから、 その他の部材を詳しく説明するに及ばないであろう。

    【0064】 図4に、補強リング14がやはり金属板成形部材として作製された2個の半体14a及び14bから成る実施形態を示す。 これらの2個の半体14a及び14
    bは、横断面で見てU字形をなし、互いに同形である。 図4が明示するように、
    図3の実施形態との重要な相違は、両方の背面48が相互に間隔を有するように、金属板成形部材の軸方向奥行きがやや小さくなっていることである。

    【0065】 互いに固定するために、背面48は周囲に沿って均一な間隔の孔55を有し、
    この孔を円筒状のリベット56が貫通し、 それぞれの輪郭の内部にリベット頭5
    7でリベット止めされる。 こうして、外側エラストマーリング15の製造の際にその材料を補強リング14の2つの半体の間の間隙を経て半径方向内側へ通すことが可能になる。 従って、補強リング14は、もはや外側エラストマーリング1
    5と内側エラストマーリング13の間の境界をなさない。 それは、図4の実施形態ではむしろ外側エラストマーリング15に埋設されている。 2つのエラストマーリング14及び15は直接境界層58で相接する。 この境界層は、図4に示すように、整合する二重円錐形状を有する。 即ち、内側エラストマーリング15の厚さは2つの側板12の間の中央で最小になる。

    【0066】 境界層58で2つのリング13及び15を互いに一体に結合するか又はリング13及び15を別個に作製して、後で互いに留め合うようにすることができる。

    【0067】 その他については、図4の輪部3の形状は図2の輪部3の形状に対応する。

    【0068】 もちろん、補強リング14は金属鋳物又は鍛造部材として形成し、又は、このような部材を互いに組付けることができる。

    【0069】 図5は本発明に基くロープ車1の別の実施形態を示す。 前記の実施形態との重要な相違は補助的な緊締装置61を使用することである。

    【0070】 前記の実施形態では車輪本体2がスポーク車の形状を有するが、図5の実施形態では板車として形成されている。

    【0071】 輪部3用座面8は、その一方の端面側の、スナップリング溝63を具備する短い円筒部分62で始まる。 円筒部分62に、これから車輪本体2の反対側の端面の方向へ直径が連続的に増加するように方向付けられている円錐台面64が続く。 車輪本体2の軸方向寸法に関してその実質的中央の対称平面65で最大直径に達する。 この位置で他方の円錐台面66が始まるが、逆向きである。 即ち、対称平面65から直径が次第に縮小する。 最後に、円錐台面66は別の円筒面67に移行する。 この円筒面67もスナップリング溝68を具備する。 2つの円筒面62
    及び67の直径は等しい。 外周面又は座面8は回転軸に関して回転対称であるが、前記の実施形態のように円筒形ではない。

    【0072】 輪部3に前述のように半径方向外側リング15と補強リング14が含まれる。

    【0073】 半径方向外側リング15は比較的薄肉であり、 外側にロープ溝38を有する。
    半径方向外側リング15は硬質のプラスチック又はショア硬さが80乃至100
    のエラストマーから成る。

    【0074】 半径方向外側リング15と、例えば、加硫により一体に結合された補強リング14とは、前述の実施形態と対照的に半径方向に見て比較的薄肉である。 補強リング14は前記の実施形態に関連して説明したのと同じ材料から成る。 その孔は前記の実施形態と異なり丸孔でなく、軸方向に広がることによって補強リング1
    4の中央に減径部が生じるように方向づけられている2つの円錐台面69及び6
    8から成る二重の円錐台の形状を有する。 円錐台面68及び69の度を成す平面は、車輪本体2上に形成された円錐台面64及び66に相補的形状になっている。

    【0075】 図5が明示するように、2つの円錐台面68及び69の直径は2つの円錐台面64及び66の直径より明らかに大きい。 従って、補強リング14と座面8との間に、合計4個の円錐面で規定される環状ギャップが生じる。

    【0076】 前記の実施形態で分割されていなかった半径方向内側リングは、図5の実施形態では2つの部分13a及び13bから成る。 これらの2つの部分13a及び1
    3bは互いに鏡像対称(面対称)であり、それぞれ円錐台形の外周面を有する。 その軸方向寸法は円錐台面68又は69の長さに実質的に等しい。

    【0077】 緊締装置61は互いに実質的に鏡像対称(面対称)な2個のクランプリング7
    1及び72から成る。 クランプリング71は、対称平面65の方向に収束するように方向付けられるように2つの円錐台面73及び74によって半径方向に形成されている。 これらの2つの円錐台面73及び74の間を2つの端面75及び7
    6が延びている。 これらの端面75及び76は広い意味で平坦な面であり、端面75は対称平面65に面している。 クランプリング71の材料は、例えば、鋼である。

    【0078】 円錐台面74に半径方向内側リングの一部13bが加硫により固着されている。 円錐台面74の円錐角は、円錐台面74が円錐台面68と平行になるように選定されている。 円錐台面66に関連して、 同じことが円錐台面73にも当てはまる。

    【0079】 可能な限り良好なばね効果を得るために、半径方向内側リング13bと同じ材料から成る別のエラストマーリング77が半径方向内側の円錐台面73に加硫により固着されている。 その自由面78もまた円錐台面66に平行な円錐台面である。

    【0080】 クランプリング71は、車輪本体3と軸平行に、交互にねじ孔79と段付き孔81とが設けられている。

    【0081】 クランプリング72は、クランプリング71と実質的に同じ形状を有するから、その構造部材にクランプリング71の構造部材と同じ参照番号を付して示す。
    クランプリング72も、円錐台形の孔78を囲む補助エラストマー層77を内側に担持する。 但し、クランプリング72は、ねじ孔79の代わりに止めねじ83
    を受けるための段つき孔82を具備する。

    【0082】 最後に、2個の同じ形状の側板84がロープ車1の構造の最後の部材になる。
    側板84は平板として形成され、その孔85は2つの円筒部分62及び67の外径に対応する直径を有する。 孔85は、外側が面取り面86によって規定されており、スナップリング87は、組立状態でスナップリング溝63又は68に挿着されているときは、この面取り面内にある。

    【0083】 本発明に基づくロープ車1は次の通りに組立てられる。

    【0084】 まず、クランプリング71を加硫により固着された半径方向外側リング13b
    及びエラストマー層77で左側から車輪本体3に装填する。 次に、左側の側板8
    4を取り付け、 左側のスナップリング87をスナップリング溝68に弾挿する。
    そこで、クランプリング71を横方向へ寄せることをできなくして補強リング1
    4と半径方向外側リング15から成る一体物を右から差込むことができる。 続いて、同じく右から右側のクランプリング72を車輪本体3に装填する。 このように配列を準備した上で、 各ねじ孔79が段付き孔82に向き合うまで、クランプリング71と72とを相互にねじ回す。 続いて、ねじ孔79と段つき孔82とを組み合せたものにねじ83をねじ込み、順次締め付ける。 2つのクランプリング71及び72を螺着すると、円錐台形状の2つのクランプリング71,72と円錐台面64,66,68,69とが組み合わされて半径方向の締付け力が生じる。 この締付け力は、一方では、2つの円錐台面64及び66に対して半径方向内側へ、 他方では、2つの円錐台面68及び69に対して半径方向外側へ指向されている。 クランプリング71及び72は、円錐面66及び68間、乃至は、62
    及び69間に押し込まれる環状のくさびのように作用する。

    【0085】 最後に、右側の側板84は取り付けられ、スナップリング溝63に弾挿したスナップリング87で緊締される。 こうして、ロープ車1の組立が完了する。

    【0086】 ねじ83を種々の程度に締め込むことによって、半径方向内側リングの2つの部分13a及び13b又は2つのクランプリング71及び72の内側のエラストマー層77を予圧する予圧力が調整される。 半径方向内側リングの部分13a及び13bの材料はエラストマー層77と同じもので、同じ肉厚を有することが好ましい。 このようにして、クランプ装置がロープ車上を通り輪部の外周面をハブ5
    に向かって半径方向に押し下げようとすると、エラストマー層77が弾性的に作用する。

    【0087】 クランプリング71及び72によって半径方向内側リング13a又は13b及びエラストマー層77に発生される予圧は、この予圧によって与えられる半径方向の力が所定の半径方向力を超えたときに初めて、これらの部材はさらに変形するように作用する。 但し、いずれにせよ、その場合、付加的予圧がないかのように、同じ硬さ又は軟度で一層の変形が起こる。 従って、例えば、空のロープだけがロープ車1の上を通るときは、撓みエネルギが減少する。 より大きな力が現れたときに、初めて半径方向内側リング13aもしくは13b又はエラストマー層77
    の変形が生じ、 その結果撓みエネルギが発生する。

    【0088】 半径方向予圧の結果、補強リング14は、そこに加硫して固定された半径方向外側リングと共に、摩擦係合により座面8に確実に固持される。 摩擦係合が十分でない場合は、組立の際に追加して層77を円錐台面64又は66を一体に結合することも可能であり、その場合として、例えば、組立に接着剤を採用し又は組立の後に境界面を再加硫することがある。 同じことを円錐台面68又は69と半径方向内側リング13a又は13bの外側との間で行うことができる。

    【0089】 組立の説明から明らかなように、 単に上記の操作を逆の順序で進行させることにより、逆に簡単に解体することができる。 このようにして、支柱に取り付けたロープ車でも摩耗が生じた輪部3及び/又はクランプリング71,72を交換することができる。

    【0090】 ロープ車は円筒形の外周面を有するロープ車輪本体から成る。 この円筒形外周面上に、輪部は半径方向に見てサンドイッチ状に形成される輪部がある。 これによって、互いに共軸の複数個のリングが形成される。 半径方向に最も内側のリングと半径方向に最も外側のリングは、それぞれ、エラストマーリングであり、 その間に補強リングがある。 エラストマーの外側リングはエラストマーの内側リングよりも硬くなっており、これによってロープが走行する摩擦に強い面が実現し、他方、エラストマーの内側リングは十分な柔軟性を与える。 ロープ荷重を内側エラストマーリングになるべく均一に配分するために、補強リングが設けられている。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明に基づくロープ車の破断斜視図である。

    【図2】 図1のロープ車の輪部の拡大破断斜視図である。

    【図3】 本発明に基づくロープ車の輪部の他の実施形態の横断面図である。

    【図4】 本発明に基づくロープ車の輪部の更に他の実施形態の横断面図である。

    【図5】 半径方向に作用する締付け装置を有する本発明ロープ車の分解縦断面図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケッヘレ、ブルーノ ドイツ連邦共和国、デー−73235 バイル ハイム・アム・テック、ヤーンシュトラー セ 10 Fターム(参考) 3J031 AA04 BA01 BA04 BB01 BB06 BC02 BC06 CA05

    QQ群二维码
    意见反馈