Seat belt device

申请号 JP2003380810 申请日 2003-11-11 公开(公告)号 JP2005145087A 公开(公告)日 2005-06-09
申请人 Takata Corp; タカタ株式会社; 发明人 KOHAMA SHIGERU;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To accurately measure a seat weight by eliminating the effect of belt tension even if large belt tension for fixing a fixed material such as a child seat with a seat belt is produced. SOLUTION: When the seat belt 3 is used normally, an anchor holder 9 is not locked to an anchor pin 10. In this case, since the belt tension applied to the seat belt 3 is small, the measured values of seat weight measuring apparatuses 7 and 8 are not affected by the force based on the belt tension. When the child seat 14 is fixed to a seat, the anchor holder 9 is locked to the anchor pin 10. By this, the child seat 14 can be firmly fixed to the seat 1, and since the belt tension is prevented from being transmitted to the seat belt 3 on the lap anchor 4 side from an anchor holder 9, the seat weight measuring apparatuses 7 and 8 are not affected by the force based on the belt tension. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • 車両のシートの左右一側の車体に取り付けられ、シートベルトリトラクタからのシートベルトの先端が連結されるラップアンカーと、前記シートのシートフレームの左右他側に取り付けられたバックルと、前記シートベルトに摺動可能に支持され、前記バックルに係合可能なたタングと、前記シートフレームと前記車体の床部との間に設けられ、前記シート重量を計測するシート重量計測装置とを少なくとも備えているシートベルト装置において、
    前記シートに直接着座する乗員の通常のシートベルト装着時におけるベルト張力より大きなベルト張力が前記シートベルトに加えられるとき、この大きなベルト張力に基づく力が前記シート重量計測装置に加えられるのを阻止する力付加阻止手段が設けられていることを特徴とするシートベルト装置。
  • 前記力付加阻止手段は、前記タングより前記ラップアンカー側のシートベルトに設けられた係着部材と、前記シートフレームの左右一側に取り付けられ、前記係着部材が係着可能な被係着部材とからなり、
    前記係着部材が前記被係着部材に係着されたとき、前記シートベルトに前記大きなベルト張力が設定されるとともに、この大きなベルト張力が前記係着部材より前記ラップアンカー側のシートベルトに伝達されるのを阻止されることを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置。
  • 前記係着部材は係着孔を有するアンカーホルダであり、かつ前記被係着部材は前記係着孔が嵌合されて係止するアンカーピンであることを特徴とする請求項2記載のシートベルト装置。
  • 说明书全文

    本発明は、自動車等の車両のシートに付設されて、車両衝突時等の緊急時にシートベルトにより乗員を拘束保護するシートベルト装置の技術分野に関し、特に、車両のシートに着座している乗員の重量を含むシート重量を計測するシート重量計測装置が付設されているシートに設けられるとともに、ラップベルトの一端が連結されるラップアンカーが車両の床や車両の側壁等の車体に取り付けられるシートベルト装置の技術分野に関するものである。

    自動車等の車両においては、衝突時等の緊急時に、車両のシートに着座する乗員を保護するために、シートベルト装置やこのシートベルト装置とともに用いられるエアバッグ装置が設けられている。 その場合、シートベルト装置は、緊急時に、シートベルトにより乗員の肩、胸および腰等を拘束することで乗員を保護している。 このシートベルトの先端はラップアンカーに連結されており、このラップアンカーは、シートベルトのレイアウトの関係上、車両の床や車両の側壁、ドア等の車体に取り付けられたラップアンカーに連結されている場合が多い。
    そして、このようにシートベルトをラップアンカーにより車体に連結した場合、乗員の車両シートへの着座および離座する際にシートベルトが邪魔になるのを防止できるので、車両に対する乗員の乗降が容易になるとともに、シートベルトのベルト張を車体に支持させることができるので、乗員の拘束がより確実になる。 また、エアバッグ装置は、シートベルト装置とともに用いられて、緊急時に膨張展開するエアバッグにより、乗員がその慣性移動で車体に衝突するのを防止することで乗員を保護している。

    近年、シートの下の前後左右に配置された荷重センサを備えるシート重量計測装置をシートの下方に設け、シートに着座している乗員の重量を含むシート重量を各荷重センサで計測するとともにこれらのシート重量の計測値に基づいて乗員の体重や乗員の着座姿勢を検出し、検出した乗員の体重や乗員の着座姿勢に応じてシートベルトのプリ張力を調整したり、エアバッグの膨張展開ガス量や膨張展開速度を調整したりして、シートベルト装置やエアバッグ装置の効果をより高めることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

    図3は、この特許文献1に開示された、シート重量計測装置が付設されているシートに設けられるシートベルト装置を模式的に示す図である。 図中、1は車両のシート、1aは乗員が着座するシートクッション部、1bはシートクッション部1aを支持するシートフレーム、1cはシートクッション部1aに着座した乗員の背が寄りかかる背もたれ部、2はシートベルト装置、3は図示しないリトラクタから延び出すシートベルト、4は車体に取り付けられかつシートベルト3の先端が連結されたラップアンカー、5はシートベルト3に摺動可能に支持されたタング、6はシートフレーム1bに取り付けられたバックル、7はシートフレーム1bと車両の床との間で乗員に関して左側(図においては右側)に設けられた左側シート重量計測装置、8はシートフレーム1bと車両の床との間で乗員に関して右側(図においては左側)に設けられた右側シート重量計測装置である。

    このようなシートベルト装置2においては、乗員がシートクッション部1aに着座した後、シートベルト3をリトラクタから引き出して、タング5をバックル6に係合することで、シートベルト3が乗員に装着される。 このとき、左右側シート重量計測装置7,8により、乗員の重量(体重)が計測される。 そして、車両の衝突時等の緊急時に、図示しないプリテンショナーでシートベルト3の緩みが除去されかつシートベルト3に所定のプリ張力が加えられるとともに、リトラクタからのシートベルト3の引出しが阻止されることで、乗員がシートベルト3により拘束される。

    その場合、タング5よりリトラクタ側のシートベルトのショルダーベルト3aにより肩や胸等の乗員の上部が拘束されるとともに、タング5よりラップアンカー4側のシートベルトのラップベルト3bにより腰等の乗員の下部が拘束される。 また、シートベルト3に加えられるプリ張力が計測された乗員の重量に応じて調整されるため、乗員はより効果的に拘束される。

    ところで、自動車に乳幼児を乗車させる場合には、チャイルドシートを用いることが義務づけられている。 一般に、このチャイルドシートは車両のシート上にシートベルトにより堅固に固定される。 このようにシートベルトによりチャイルドシートを車両のシート上に堅固に固定した場合、シートベルトのベルト張力が大きくなる。

    しかしながら、シートベルトの先端がラップアンカーを介して車体に取り付けられるため、シートベルトのベルト張力に基づく下向きの力がシートに加えられるようになる。 このため、シート重量計測装置が計測するシート重量の計測値はベルト張力に基づく力が加算され、この力の影響を受けてしまう。 その場合、前述の特許文献1に開示されているように、バックル6側である左側シート重量計測装置7はベルト張力による力の影響を受け難いが、ラップアンカー4側である右側シート重量計測装置8はベルト張力の影響を受け易い。

    そこで、特許文献1に開示のシート重量計測装置では、チャイルドシート固定時には、ベルト張力による力の影響を受け難い左側シート重量計測装置7が計測するシート重量の計測値を2倍することにより、シート重量を計測している。 これにより、シート重量計測装置にシート重量計測の確実性を持たせている。

    特開2001−150997号公報

    前述の特許文献1に開示のシート重量計測装置は、前述のように左側シート重量計測装置7の計測値を2倍にしてシート重量の計測値とすることでシート重量計測の確実性を有しているものの、左、右側シート重量計測装置7,8の両計測値が異なっている、つまりシート重量がアンバランスとなっているため、実際には少なからず、左側シート重量計測装置7の計測値もベルト張力による力の影響を受けている。 そこで、左、右側シート重量計測装置7,8の両計測値の相違をできるだけ低減してシート重量をよりバランス状態にすることで、左、右側シート重量計測装置7,8の計測値に対してベルト張力による力の影響を可能な限り抑制し、シート重量を更に確実に計測することが好ましい。

    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シートベルトでチャイルドシート等の固定物を固定するために大きなベルト張力が生じる場合にも、ベルト張力による影響をなくしてシート重量をより正確にかつ確実に計測することのできるシートベルト装置を提供することである。

    前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、車両のシートの左右一側の車体に取り付けられ、シートベルトリトラクタからのシートベルトの先端が連結されるラップアンカーと、前記シートのシートフレームの左右他側に取り付けられたバックルと、前記シートベルトに摺動可能に支持され、前記バックルに係合可能なたタングと、前記シートフレームと前記車体の床部との間に設けられ、前記シート重量を計測するシート重量計測装置とを少なくとも備えているシートベルト装置において、前記シートに直接着座する乗員の通常のシートベルト装着時におけるベルト張力より大きなベルト張力が前記シートベルトに加えられるとき、この大きなベルト張力に基づく力が前記シート重量計測装置に加えられるのを阻止する力付加阻止手段が設けられていることを特徴としている。

    また、請求項2の発明は、前記力付加阻止手段が、前記タングより前記ラップアンカー側のシートベルトに設けられた係着部材と、前記シートフレームの左右一側に取り付けられ、前記係着部材が係着可能な被係着部材とからなり、前記係着部材が前記被係着部材に係着されたとき、前記シートベルトに前記大きなベルト張力が設定されるとともに、この大きなベルト張力が前記係着部材より前記ラップアンカー側のシートベルトに伝達されるのを阻止されることを特徴としている。
    更に、請求項3の発明は、前記係着部材が係着孔を有するアンカーホルダであり、かつ前記被係着部材が前記係着孔が嵌合されて係止するアンカーピンであることを特徴とする請求項2記載のシートベルト装置。

    このような構成をした本発明のシートベルト装置によれば、シートに直接着座する乗員の通常のシートベルト装着時におけるベルト張力より大きなベルト張力がシートベルトに加えられるとき、力付加阻止手段により、この大きなベルト張力に基づく力がシート重量計測装置に加えられるのを阻止することができる。 したがって、シート重量計測装置が大きなベルト張力に基づく力に影響されることを防止でき、シート重量計測装置の計測値をより正確な値にすることができる。

    特に請求項2および3の発明によれば、力付加阻止手段を係着部材と被係着部材とから構成し、車両のシートに着座した乗員を拘束するための通常の使用の場合は、係着部材を被係着部材に係着させない。 そして、リトラクタからシートベルトを引き出しタングをバックルに係合することで、従来の一般的なシートベルト装置と同様のベルト装着手順と同じ装着手順で、簡単にシートベルトを装着することができる。 したがって、乗員がベルト装着操作に煩わしさを感じることを防止できる。

    この通常のベルト装着状態では、シートベルトに加えられるベルト張力が非常に小さいため、このベルト張力に基づく下向きの力がシートに加えられても、シート重量計測装置が計測するシート重量の計測値に加算される力が小さく、シート重量計測装置の計測値がこの力の影響をほとんど受けることはない。 したがって、シート重量計測装置は乗員の重量(体重)をより正確に計測することができる。

    また、例えば、チャイルドシート等の固定物をシートに固定するための大きな緊締力での使用の場合は、タングをバックルに係合させた状態で係着部材を被係着部材に係着させることで、係着部材よりリトラクタ側のシートベルトに大きなベルト張力を設定することができる。 これにより、チャイルドシート等の固定物をシートに堅固に固定することができる。 また、このとき、この大きなベルト張力が係着部材よりラップアンカー側のシートベルトに伝達されるのを阻止されるので、大きなベルト張力に基づく力がシート重量計測装置に作用するのを防止できる。 すなわち、シート重量計測装置はベルト張力に基づく力に影響されなく、シートに固定されるものの重量をより正確に計測することができるようになる。 特に、シートに固定されるものがチャイルドシートである場合は、このチャイルドシートに着座するあるいは横たわる乳幼児の重量をより正確に計測することができる。

    更に、請求項3の発明によれば、係着部材を単純な形状の係着孔で形成できるとともに、被係着部材を単純な形状のアンカーピンで形成できるので、力付加阻止手段を安価に形成することができる。

    以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
    図1は、本発明にかかるシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示し、(a)は通常の乗員のシートベルト装着状態を示す図、(b)はチャイルドシートが固定された状態を示す図である。 なお、前述の図3に示す従来例のシートベルト装置と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。

    図1(a)および(b)に示すように、この例のシートベルト装置1では、ラップベルト3bのラップアンカー4寄りにアンカーホルダ9が設けられている。 また、シートフレーム1bのバックル取付側と反対側の所定位置に、アンカーホルダ9がフッキング(係着)可能なアンカーピン10が取り付けられている。

    図2(a)および(b)に示すように、アンカーホルダ9は、金属プレートからなるアンカープレート9aと、このアンカープレート9aに取り付けられた樹脂からなる一対の把持部材9b,9cとからなっている。 アンカープレート9aは矩形状に形成され、その中央部に係着孔9dが穿設されているとともに、その両端部にそれぞれ矩形状のベルト連結孔9e,9fが穿設されている。 係着孔9dは、比較的大きな径の円孔9d 1とこの円孔9d 1の径より小さな幅の長孔9d 2とからなり、長孔9d 2との一定幅部分が円孔9d 1に交わるようにして、円孔9d 1と長孔9d 2とが互いに連通して一体に形成されている。

    ラップベルト3bのタング側ベルト部分3b 1は円孔9d 1側のベルト連結孔9eに挿通された後折り返され、その折り返しベルト部分3b 2とタング側ベルト部分3b 1のベルト連結孔9eに挿通されないベルト部分3b 3とが重ね合わされかつ互いに縫合されている。 これにより、タング側ベルト部分3b 1はアンカープレート9aに連結されている。 タング側ベルト部分3b 1の長さは、チャイルドシート14をシート1に堅固に固定するために必要なベルト張力が得られる長さに設定する必要があるが、この長さについては後述する。

    また、同様にして、ラップベルト3bのラップアンカー側ベルト部分3b 4は長孔9d 2側のベルト連結孔9fに挿通された後折り返され、その折り返しベルト部分3b 5とラップアンカー側ベルト部分3b 4のベルト連結孔9fに挿通されないベルト部分3b 6とが重ね合わされかつ互いに縫合されている。 これにより、ラップアンカー側ベルト部分3b 4もアンカープレート9aに連結されている。 このラップアンカー側ベルト部分3b 4の長さは、シート重量計測装置7,8の計測値がシートベルト3のベルト張力による力の影響を受けないようにするために所定の長さを確保する必要があるが、この長さについては後述する。

    一対の把持部材9b,9cはいずれも同じ大きさの矩形環状にかつ断面コ字状に形成されており、互いにクリップ機構(不図示)により係脱可能に構成されている。 これらの把持部材9b,9cは、ベルト連結部(ベルト連結孔9e,9fの部分)を含むアンカープレート9aの外周縁部を覆うようにしてこのアンカープレート9aに取り付けられるようになっている。 また、これらの把持部材9b,9cには、それぞれ凹部9b 1 ,9b 2 ;9c 1 ,9c 2が形成されており、一対の把持部材9b,9cが互いに係合して一体になった状態では、これらの凹部9b 1 ,9b 2 ;9c 1 ,9c 2により、タング側ベルト部分3b 1およびラップアンカー側ベルト部分3b 4がそれぞれ貫通可能な孔が形成されるようになっている。

    一方、アンカーピン10は、部が丸く(R部)された菱形形状の金属プレートからなる取付部10aと、この取付部10aの中央部から突設されたアンカーピン部10bとからT字状に形成されている。 取付部10aの両端部には、それぞれ、取付ボルト11が挿通可能なボルト孔12,13が穿設されている。 なお、図2(b)には、1個の取付ボルト11のみが図示されている。

    アンカーピン部10bは円柱状に形成されており、大径の基部10b 1と、この基部10b 1に連続しかつ同心状に形成された小径の係合部10b 2と、この係合部10b 2に連続しかつ同心状に形成され、基部10b 1より小径でかつ係合部10b 2より大径の頭部10b 3とから構成されている。 基部10b 1は、その外径が円孔9d 1の径より大きく設定されていて、この円孔9d 1内に進入不能とされている。 また、係合部10b 2は、その外径が長孔9d 2の幅より若干小さく設定されていて、この長孔9d 2内に進入可能とされている。 更に、頭部10b 3は、その外径が円孔9d 1の径より小さくかつ長孔9d 2の幅より大きく設定されていて、円孔9d 1を通過可能でかつ長孔9d 2内に進入不能とされている。

    そして、図2(b)に示すように、アンカーピン10は、その取付部10aをシートフレーム1bの側面にあてがい、取付ボルト11を一対のボルト孔12,13にそれぞれ貫通させるとともに、アンカーピン10に形成された雌ねじ(不図示)に螺合締結することで、シートフレーム1bに堅固に取り付けられる。

    シートフレーム1bに堅固に取り付けられたアンカーピン10にアンカーホルダ9をフッキングする場合は、まず、アンカーホルダ9の把持部材9b,9cを把持して、アンカーホルダ9の円孔9d 1を頭部10b 3に嵌合しかつこれを通過させ、係合部10b 2に位置させる。 このとき、アンカーホルダ9が係合部10b 2を通過しようとしても、円孔9d 1部分が基部9に当接するため、アンカーホルダ9は通過しない。 次に、アンカーホルダ9を上方に移動させると、図2(b)に示すように係合部10b 2が長孔9d 2内に進入し、長孔9d 2の底に当接する。 このように、係合部10b 2が長孔9d 2内に進入した状態では、アンカーホルダ9が頭部10b 3に向かってアンカーピン部10bの軸方向(図2(b)において左方)に移動してアンカーピン10から脱出しようとしても、長孔9d 2部分が頭部10b 3に当接するため、アンカーホルダ9はアンカーピン10から脱出不能となる。

    また、図2(b)に示すアンカーホルダ9がアンカーピン10にフッキングした状態から、アンカーホルダ9をアンカーピン10からアンフッキング(非係着)する場合は、まず、アンカーホルダ9の把持部材9b,9cを把持して、アンカーホルダ9を下方に移動させる。 これにより、アンカーホルダ9の円孔9d 1を頭部10b 3と対向する位置に設定する。 この状態で、アンカーホルダ9を頭部10b 3に向かってアンカーピン部10bの軸方向に移動させると、頭部10b 3が円孔9d 1をくぐり抜けるので、アンカーホルダ9はアンカーピン10から脱出し、フッキングが解除される。

    このように構成されたこの例のシートベルト装置3の使用態様について説明する。
    シート1に着座した乗員を拘束するための通常の使用の場合は、図1(a)に示すようにアンカーホルダ9をアンカーピン10にフッキングさせない。 そして、従来の一般的なシートベルト装置と同様に、リトラクタからシートベルト3を引き出して、タング5をバックル6に係合する。 余分に引き出されたシートベルト3がリトラクタに巻き取られて、シートベルト3は乗員に圧迫感を与えない程度にフィットした状態で装着される。 このとき、シートベルト3に加えられるベルト張力は非常に小さいため、このベルト張力に基づく下向きの力がシートに加えられても、左、右側シート重量計測装置7,8がそれぞれ計測するシート重量の各計測値はベルト張力に基づく力が加算されず、この力の影響をほとんど受けない。

    したがって、左、右側シート重量計測装置7,8は、ともに乗員の重量(体重)をより正確に計測するようになる。 しかも、このようにアンカーホルダ9をラップベルト3bに設けるとともにアンカーピン10をシート1に設けても、シート1に直接着座する乗員(例えば、大人等)がシートベルト3を装着する際に、従来周知のシートベルト装置におけるシートベルト3の装着手順と同じ装着手順で行うことができるので、乗員がベルト装着操作に煩わしさを感じることはない。

    また、例えば、チャイルドシート14をシート1に固定するためなどの大きな緊締力での使用の場合は、図1(b)に示すようにアンカーホルダ9をアンカーピン10にフッキングさせる。 具体的には、チャイルドシート14をシート1のシートクッション部1aの所定位置に載置するとともに、チャイルドシート14の背もたれ部分をシート1の背もたれ部1cに当接させる。 そして、アンカーホルダ9をアンカーピン10にフッキングさせない状態で、シートベルト3をリトラクタから引き出してタング5をバック6に係合する。 このとき、チャイルドシート14を固定するためにこのチャイルドシート14に設けられたベルト係合部にシートベルト3を係合させる。 また、余分に引き出されたシートベルト3はリトラクタに巻き取られる。 この状態では、アンカーホルダ9の長孔9d 2の底がアンカーピン10の係合部10b 2の外周下面より所定量だけ上方位置にある。

    次いで、把持部材9b,9cを把持してアンカーホルダ9を下方に急激にかつ強く引っ張ると、リトラクタのウェビングセンサ(周知であるので、詳細な説明は省略する)が作動して、シートベルト3の引出しが阻止される。 すると、アンカーホルダ9よりリトラクタ側のシートベルト3のベルト張力が大きくなるため、このベルト張力に基づく下向きの力が大きくなる。 この下向きの力がチャイルドシート14を介してシートクッション部1aに加えられるので、シートクッション部1aが弾性変形する。 これにより、アンカーホルダ9は、その円孔9d 1が頭部10b 3に対向する位置になるので、この円孔9d 1を頭部10b 3に嵌合して係合部10b 2に位置させる。

    その後、把持部材9b,9cを放すと、シートクッション部1aの弾性復元力等で把持部材9b,9cが上動する。 すると、図2(b)に示すように長孔9d 2が係合部10b 2に嵌合し(つまり、係合部10b 2が長孔9d 2内に進入し)て、長孔9d 2の底が係合部10b 2に当接し、アンカーホルダ9がホルダーピン10にフッキングする。 これにより、シートベルト3によりチャイルドシート14がシート1に堅固に固定される。 このようにアンカーホルダ9がホルダーピン10にフッキングした状態では、アンカーホルダ9が、タング5がバックル6に係合した後余分に引き出されたシートベルト3がリトラクタに巻き取られた位置から下動しているため、図2(b)に示すようにアンカー側ベルト部分3b 4が撓むようになる。 そして、アンカー側ベルト部分3b 4が撓むことにより、このアンカー側ベルト部分3b 4にはベルト張力が生じないので、アンカーホルダ9よりリトラクタ側のシートベルト3の大きなベルト張力に基づく下向きの力はシート重量計測装置7,8に作用しない。 すなわち、シート重量計測装置7,8はベルト張力に基づく力に影響されなく、チャイルドシート14に着座するあるいは横たわる乳幼児の重量をより正確に計測するようになる。

    シート1に固定されたチャイルドシート14をこのシート1から取り外すためには、バックル6の操作ボタン(不図示)を操作してタング5をバックル6から外す。 これにより、アンカーホルダ9よりリトラクタ側のシートベルト3が弛むので、リトラクタのウェビングセンサが作動解除し、シートベルト3がリトラクタに巻き取られる。 そして、前述のようにアンカーホルダ9を押し下げてホルダーピン10から外すと、シートベルト3がリトラクタに更に完全に巻き取られる。 こうして、シートベルト装置1は非作動となるとともに、チャイルドシート14がシート1から取り外される。 なお、タング5をバックル6から外す前に、先にアンカーホルダ9を押し下げてホルダーピン10から外した後、タング5をバックル6から外すこともできる。 しかし、この場合には、アンカーホルダ9を押し下げるための力が大きくなる。

    この例のシートベルト装置1では、アンカーホルダ9の円孔9d 1および長孔9d 2からなる係着孔を比較的単純な形状に形成できるとともに、ホルダーピン10を単純な形状に形成できるので、これらを安価に形成することができる。

    なお、前述の例のシートベルト装置2では、チャイルドシート3のシート1への固定の際にシートベルト3の急激な引き出しで作動するウェビングセンサを用いるものとしているが、自動ロック(ALR)機能を有する(シートベルトを全量あるいは全量に近い所定量を引き出した後、シートベルトを全量あるいは全量に近い所定量を巻き取るまでは、シートベルトの引き出しをロックする機能)緊急ロック式のシートベルトリトラクタ(ELR)のALR機能を用いることもできる。 この場合には、チャイルドシート3をシート1に固定する際、タングをバックルに係合させかつアンカーホルダ9をホルダーピン10に係合させた後、シートベルト3を強く引っ張ることでチャイルドシート3を緊締し、シートベルト3の引っ張りによる緩み部分はELRで巻き取り、ALR機能でシートベルト3の引き出しを阻止するようにすればよい。

    また、前述の例では、アンカーホルダ9がラップベルト3bに対して移動不能に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、アンカーホルダ9をラップベルト3bに対して移動可能に設けることもできる。 この場合には、アンカーホルダ9をラップベルト3bに解除可能にロック(固定)するロック機構を設ける必要がある。 そして、このロック機構によるラップベルト3bに対するアンカーホルダ9の固定力は、前述のチャイルドシート14の固定の場合のようにシートベルト3に大きなベルト張力が加えられている状態でアンカーホルダ9をホルダーピン10にフッキングさせたときに、アンカーホルダ9がラップベルト3bに対して相対移動しないような大きさの力に設定する必要がある。 このようにアンカーホルダ9をラップベルト3bに対して移動可能にすることで、アンカーホルダ9の位置を調整することが可能となる。

    また、前述の例では、アンカーホルダ9の形状、ホルダーピン10の形状、およびアンカーホルダ9とホルダーピン10とのフッキング部の形状は、シート1に直接着座する乗員がシートベルト3を装着する際に邪魔にならない形状(装着し難い形状)であれば、どのような形状でもよい。

    更に、アンカーホルダ9とホルダーピン10とによるフッキングに代えて、アンカーホルダ9をマグネットでシート1側の被係止部材にフッキングすることもできる。
    更に、アンカーホルダ9と被係止部材とのフッキングを検出するスイッチ等の検出手段を設け、この検出手段からのフッキング検出信号により、フッキングおよびアンフッキングをより確実に知ることができるようにすることもできる。

    更に、前述の例では、シートベルト3でチャイルドシート14をシート1に固定する場合について説明しているが、本発明のシートベルト装置では、シートベルト3でチャイルドシート14以外の固定物をシート1に固定することもできる。 この場合にも、固定物の重量を正確に計測することができる。

    本発明のシートベルト装置は、自動車等の車両に付設され、乗員を拘束保護するためのシートベルト装置に好適に利用することができる。

    本発明にかかるシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示し、(a)は通常の乗員のシートベルト装着状態を示す図、(b)はチャイルドシートが固定された状態を示す図である。

    図1に示す例のシートベルト装置のアンカーホルダとアンカーピンを示し、(a)は斜視図、(b)はアンカーホルダとアンカーピンとの係着状態を示す断面図である。

    従来のシートベルト装置を模式的に示す図である。

    符号の説明

    1…車両のシート、1a…シートクッション部、1b…シートフレーム、2…シートベルト装置、3…シートベルト、3a…ショルダーベルト、3b…ラップベルト、3b 1 …タング側ベルト部分、3b 2 …ラップアンカー側ベルト部分、4…ラップアンカー、5…タング、6…バックル、7…左側シート重量計測装置、8…右側シート重量計測装置、9…アンカーホルダ、9d…係着孔、10…アンカーピン、14…チャイルドシート

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