自動車用ホイール

申请号 JP2017136981 申请日 2017-07-13 公开(公告)号 JP2017214063A 公开(公告)日 2017-12-07
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア; BASF SE; 发明人 ヘス,ハイコ; シュノール,イェルク; ラオ,ヴァルター; ヴェニグマン,スフェン;
摘要 【課題】金属材料で作られるホイールをベースとする構成に匹敵し得る構成を有しかつ自動車を継続的に運転する際の十分な安定性を有する、自動車用ホイールを提供する。 【解決手段】タイヤを受けるためのリムテープ7およびさらにはリムスター9またはホイールディスクを備えるホイールボディ3を備える、自動車用ホイールであって、自動車のネーブに対してホイールを固定するための固定手段のための貫通開口部13がリムスター9内またはホイールディスク内に形成される、ホイールに関する。ホイール1が重合体材料から作られ、少なくとも1つの強化要素29が強化のためにリムテープ7内に収容される。 【選択図】図1
权利要求

タイヤを受けるためのリムテープ(7)およびさらにはリムスター(9)またはホイールディスクを備えるホイールボディ(3)を備える、自動車用ホイールであって、前記自動車のネーブに対して前記ホイールを固定するための固定手段のための貫通開口部(13)が前記リムスター(9)内または前記ホイールディスク内に形成され、前記ホイール(1)が重合体材料から作られ、少なくとも1つの強化要素(29;33)が強化のために前記リムテープ(7)内に収容される、ホイール。コード(29)が強化要素として前記リムテープ(7)内に円周方向に収容される、請求項1に記載のホイール。前記コード(29)を作るための材料が、鋼、チタン、アルミニウム、アラミド、炭素、ガラス、セルロース、玄武岩、鉱物、ホウ素、チタン酸カリウムまたはプラスチック、あるいはその組み合わせから選択される、請求項2に記載のホイール。前記コード(29)が互いに接続され、軸方向に方向づけされるフィラメント(31)を備える織布ファブリックが形成される、請求項2または3に記載のホイール。前記強化要素(33)が前記リムテープ(7)の形状に適合する挿入物である、請求項1から4のいずれか1項に記載のホイール。前記挿入物が金属シートまたはオルガノシートであるか、あるいは、金属、強化重合体またはセラミックで作られるリングを備える、請求項5に記載のホイール。前記挿入物が強化重合体で作られるリングを備え、前記リングが、巻きプロセス、テープ積層プロセス、ポリアミドRIMプロセス、プレスプロセス、射出成形プロセス、射出圧縮成形プロセス、押出プロセス、樹脂注入プロセス、樹脂射出プロセスにおいてまたはブロー成形によって作られる、請求項6に記載のホイール。前記挿入物が連続繊維によって強化される重合体で作られるリングを備え、前記リングが、製織プロセス、編み込みプロセス、編みプロセスまたは繊維沈着プロセスと、その後の、樹脂注入プロセス、樹脂射出プロセスまたはポリアミドRIMプロセスとにおいて、作られる、請求項6に記載のホイール。前記金属シートまたは前記リングの金属が、鋼、チタン、アルミニウムまたはマグネシウムから選択される、請求項6に記載のホイール。前記重合体材料が、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンスルホン、ポリスルホン、ポリプロピレンまたはポリアミドから選択される、請求項1から9のいずれか1項に記載のホイール。前記重合体材料が強化される、請求項1から10のいずれか1項に記載のホイール。短繊維、長繊維または連続繊維が前記重合体材料を強化するのに使用される、請求項11に記載のホイール。前記重合体材料を強化するための前記繊維が、グラスファイバ、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、ほう素繊維、玄武岩繊維、鉱物繊維または金属繊維である、請求項12に記載のホイール。固定手段(17)を受けるための前記貫通開口部(13)の各々が金属またはセラミックで作られるスリーブ(15)を受け、前記ホイールボディ(3)の前記重合体材料に能動的に接続される、請求項1から13のいずれか1項に記載のホイール。

说明书全文

本発明は、タイヤを受けるためのリムテープおよびさらにはリムスターまたはホイールディスクを備えるリムを備える、自動車用ホイールであって、自動車のネーブに対してホイールを固定するための固定手段のための貫通開口部がリムスター内またはホイールディスク内に形成され、ホイールが重合体材料から作られる、ホイールに関する。

現在、自動車用ホイールは通常は鋼またはアルミニウムである金属材料から作られる。一般にホイールは、丸頭ねじまたは円錐頭ねじにより、自動車の、通常はブレーキドラムまたはブレーキディスクであるホイールマウンティング(wheel mounting)に固定される。その結果、ホイールがマウンティングに対して押圧され、ホイールとホイールマウンティング上のホイール接触領域との間の摩擦により車両駆動部からホイールへとが伝達される。

自動車の燃焼消費を低減してエネルギー節約するために、自動車の質量を低減することが考えられる。この目的のため、例えば、自動車の可能な限り多くの構成要素を例えばプラスチックなどの軽量の材料から作ること、および、現在使用されている金属材料をプラスチックに置き換えることが試みられている。

既に、DE−U 297 06 229から、繊維強化プラスチックから自動車用ホイールを作ることが知られている。しかし、ホイールには大きい力が伝達されることから、プラスチックのホイールではクリープが発生しやすく、それによりホイールが変形する可能性もある。このようなクリープおよびそれに伴う変形を防止するには、一般に、繊維によって強化することでも不十分である。また、繊維比率が高すぎると、クリーブを防止するという点では十分な強度をもたらすことにはなるが、リムを作るための材料が過度に脆性になり、その結果として自動車の運転中に発生する負荷に耐えられなくなる。これはリム内のクラックとして現れ、例えばそれにより破断する可能性もある。

また、DE−A 42 23 290から、プラスチック材料から作られるホイールも知られている。ここでは、合成樹脂(compound synthetic resin)のホイールが2つ以上の部分注型物(partial casting)により一体に接合され、それにより単一構造のユニットが形成される。ここでは、部分注型物のうちの少なくとも1つが長繊維によって強化される熱硬化性の合成樹脂を含み、その他の部分注型物が金属および/または繊維強化プラスチックを含む。ここでは、部分注型物のうちの1つがリムテープであるかまたはリムテープの一部分であり、別の部分注型物がリムスターまたはホイールディスクであるのが一般的である。リムテープと、ホイールディスクまたはリムスターとを分けることには、ホイールに作用する力が必ず接続部位のところに伝達されるという別の欠点もあり、その場合、追加の接続部により脆弱ポイントが作られ得るようになる。

本発明の目的は、金属材料で作られるホイールをベースとする構成に匹敵し得る構成を有しかつ自動車を継続的に運転する際の十分な安定性を有する、自動車用ホイールを提供することである。

この目的は、タイヤを受けるためのリムテープおよびさらにはリムスターまたはホイールディスクを備えるリムを備える、自動車用ホイールであって、自動車のネーブに対してホイールを固定するための固定手段のための貫通開口部がリムスター内またはホイールディスク内に形成され、ホイールが重合体材料から作られ、少なくとも1つの強化要素が強化のためにリムテープ内に収容される、ホイールによって達成される。

リムテープ内の強化要素がホイールの実際のリムをさらに強化することにより、重合体材料から作られるホイールの安定性が向上する。リムテープ内の強化要素が、内側リムフランジおよび外側リムフランジと、ハンプと、リムショルダと、リムウェルとを備える実際のリムが高い負荷を受けるときに、重合体材料で作られるホイールが損傷するのを防止する。例えば、タイヤがホイールに装着されて膨らませられるときに、またさらには、縁石により衝撃を受けるかまたは横切る縁石を通るときなどに負荷を受ける状況で、例えば運転中のホイールの動作時に、窪みが存在することにより、実際のリムがそのような高い負荷を受ける。

少なくとも1つの強化要素がリムテープの全幅にわたって形成され得る。別法として、少なくとも1つの強化要素を使用して、特に高い負荷を受ける領域のみを強化することも可能である。したがって、中に埋め込まれる強化要素により、例えば、リムウェルおよびリムショルダを含めた内側フランジから外側フランジまでの領域を強化することが可能であり、あるいは、内側フランジと外側フランジの間の個別の領域、ならびに/または、外側フランジおよび/もしくは内側フランジのみを強化することも可能である。

本発明によると、ホイール用の材料として、熱硬化性材料または熱可塑性材料が使用される。この材料は充填状態または非充填状態で使用され得る。しかし、好適には充填重合体が使用される。

例えば、重合体として適切なのは、天然重合体および合成重合体あるいはその誘導体、天然樹脂および合成樹脂およびそれらの誘導体、タンパク質、ならびに、セルロース誘導体などである。必須ではないが、これらは、例えば、空気硬化、放射硬化または加熱硬化などにより、化学的または物理的に硬化されてよい。

単独重合体の他に、共重合体または重合体ブレンドが使用されてもよい。

好適な重合体は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン);ASA(アクリロニトリルスチレンアクリレート);アクリル化アクリレート;アルキド樹脂;アルキレンビニルアセテート;具体的にはメチレンビニルアセテート、エチレンビニルアセテート、ブチレンビニルアセテートである、アルキレン−ビニルアセテート共重合体;アルキレン−塩化ビニル共重合体;アミノ樹脂;アルデヒドおよびケトンの樹脂;具体的には、アセテート、プロピオネート、ブチレートなどの、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエステル、カルボキシアルキルセルロース、硝酸セルロースである、セルロースおよびセルロース誘導体;エポキシアクリレート;エポキシ樹脂;例えば、二官能または多官能ビスフェノールAまたはビスフェノールF樹脂、エポキシノボラック樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂である、修飾エポキシ樹脂;脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエーテル、ビニルエーテル、エチレン−アクリル酸共重合体;炭化素樹脂;MABS(アクリレート単位を含有する透明ABS);メラミン樹脂;マレイン酸−無水物共重合体;メタ(アクリレート);天然樹脂;松脂樹脂;セラック;石炭酸樹脂;ポリエステル;フェニルエステル樹脂などのポリエステル樹脂;ポリスルホン(PSU);ポリエーテルスルホン(PESU);ポリフェニレンスルホン(PPSU);ポリアミド;ポリイミド;ポリアニリン;ポリピロール;ポリブチレンテレフタレート(PBT);ポリカーボネート(例えばBayer AGからのMakrolon(登録商標));ポリエステルアクリレート;ポリエーテルアクリレート;ポリエチレン;ポリエチレンチオフェン;ポリエチレンナフタレート;ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG);ポリプロピレン;ポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリフェニレンオキシド(PPO);ポリオキシメチレン(POM);ポリスチレン(PS);四フッ化エチレン樹脂(PTFE);ポリテトラヒドロフラン;ポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール);具体的には、溶液中で分散する、ポリ塩化ビニル(PVC)、PVC共重合体、PVdC、ポリビニルアセテートおよびその共重合体、任意選択で部分的に加水分解されるポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリレートおよびメタクリレートならびにその共重合体、ポリアクリレートとポリスチレンとの共重合体である、ポリビニル化合物;ポリスチレン(強化されるかまたは強化されない);架橋されないか、またはイソシアン酸塩で架橋されるポリウレタン;ポリウレタンアクリレート;スチレンアクリロニトリル(SAN);スチレン−アクリル共重合体;スチレン−ブタジエンブロック共重合体(例えば、BASF SEからのStyroflex(登録商標)またはStyrolux(登録商標)、TPCからのK−Resin(商標));例えばカゼインなどのタンパク質;SIS;トリアジン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT)、シアナートエステル樹脂(CE)またはアリル化ポリフェニレンエーテル(APPE)である。さらに、2つ以上の重合体のブレンドが使用されてもよい。

特に好適な重合体は、アクリレート、アクリレート樹脂、セルロース誘導体、メタクリレート、メタクリレート樹脂、メラミンおよびアミノ樹脂、ポリアルキレン、ポリイミド、エポキシ樹脂、例えば、二官能または多官能ビスフェノールAまたはビスフェノールF樹脂、エポキシノボラック樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂である、修飾エポキシ樹脂;脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエーテル、シアン酸エステル、ビニルエーテル、石炭酸樹脂、ポリイミド、メラミン樹脂およびアミノ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリスチレンアクリレート、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリロニトリル−スチレンアクリレート、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アルキレンビニルアセテートおよび塩化ビニルの共重合、ポリアミド、セルロース誘導体、さらにはその共重合体、ならびに、これらの重合体のうちの2つ以上の重合体のブレンドである。

特に好適な重合体は、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリアミド9、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド613、ポリアミド1212、ポリアミド1313、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXD6、ポリアミド6I、ポリアミド6−3−T、ポリアミド6/6T、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12、ポリアミド66/6/610、ポリアミド6I/6T、ポリアミドPACM12、ポリアミド6I/6T/PACM、ポリアミド12/MACMI、ポリアミド12/MACMT、または、ポリアミドPDA−Tなどの、ポリアミドであり、さらに好適には、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド66/6、ポリアミド6/10またはポリアミド6/12であり、さらには、例えば6T/6、6T/66、6T/6Iなどの、部分的な芳香族ポリアミド、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリブチレンテレフタレート、さらには、それらのブレンドである。

例えば、可塑剤、架橋剤、耐衝撃改良剤または難燃剤などの通例の添加物が個別の重合体に混合されてよい。

重合体材料は好適には強化される。具体的には、重合体材料は繊維強化される。ここでの強化には、当業者に既知である、強化のための一般的な任意の繊維が使用されてよい。適切な繊維は、例えば、グラスファイバ、炭素繊維、アラミド繊維、ほう素繊維、玄武岩繊維、金属繊維、鉱物繊維またはチタン酸カリウム繊維である。繊維は、短繊維、長繊維または連続繊維の形態で使用されてよい。また、繊維は重合体材料内で方向づけされてもまたは無作為に構成されてもよい。しかし、特に連続繊維が使用される場合、通常は方向づけされる構成となる。この場合、繊維は、例えば、個別の繊維、繊維ストランド、マット、織り込まれるかまたは編み込まれる構造、あるいは、ロービングの形態で使用されてよい。繊維がロービングまたは繊維マットなどの連続繊維の形態で使用される場合、繊維は通常は金型内に配置されて重合体材料によって封入される。このようにして作られるホイールボディは単層構成であっても複層構成であってもよい。複層構成の場合、各々の場合において、個別の層の繊維を同じ方向に向けることができるか、または、個別の層の繊維を互いに−90°から+90°の度で回転することができる。

本発明の文脈では、短繊維は5mm未満のグラニュールの長さを有する平均繊維として理解される。長繊維は、5mmから30mmの範囲、好適には7mmから20mmの範囲の長さを有するグラニュールの繊維である。グラニュールを加工することにより長繊維は概して短くなることから、最終的な部品では、これらの繊維は、概して、0.1mm程度から使用されるグラニュールの最大寸法までの範囲であってよい長さを有する。慣例で使用されるグラニュールのサイズの場合、最大長さは最大12mmまでの範囲内にある。グラニュールがより大きい寸法を有する場合、繊維の最大長さもこの値を超えてよい。

好適には長繊維が使用される。長繊維が使用される場合、長繊維は通常は硬化前に重合体化合物に混合される。ホイールボディのメインボディは、例えば、押出、射出成形または注型によって作られ得る。好適には、ホイールボディ全体が射出成形または注型によって作られる。長繊維は概してホイールボディ内で無造作に構成される。ホイールボディが射出成形プロセスによって作られる場合、長繊維は、射出ノズルを通して金型内に押し込まれることになる繊維を含む重合体化合物により方向づけされ得る。重合体化合物の繊維比率は好適には30質量%から70質量%であり、特には45質量%から65質量%である。

別の実施形態では、重合体材料は短繊維と長繊維との混合物を含む。この場合、全繊維比率内での長繊維の比率は好適には5質量%から95質量%であり、したがって短繊維の比率は95質量%から5質量%となる。特に好適には、全繊維比率内での長繊維の比率は15質量%から85質量%の範囲内にあり、したがって、短繊維の比率は85質量%から15質量%となる。

繊維に加えて、プラスチック材料は当業者には既知である任意の別の充填材をさらに含むことができ、その場合、スティフネスおよび/または強度を向上させることができる。特には、これらも優先される方向を有さない任意の所望される粒子を含む。これらの粒子は、一般に、球形状、プレート形状または円筒形状である。この場合の粒子の実際の形態は理想の形態から外れていてもよい。したがって、具体的には球形の粒子は実際には例えば水滴形状または平坦形状であってもよい。

繊維とは別の使用される強化材料は、例えば、黒鉛、チョーク、滑石、および、ナノスケール充填材である。

強化のために特に好適にはグラスファイバまたは炭素繊維が使用される。リムを作るための材料としては、グラスファイバ強化ポリアミドが特に好適である。

強化のためにポリアミドが使用される場合、いわゆるポリアミドRIMプロセスによってリムを作ることが可能である。この目的のため、連続繊維が金型内に配置されて単量体溶液に含浸される。次いで、単量体溶液が硬化されて重合体が形成される。

本発明の一実施形態では、リムテープが、リムテープ内で円周方向に収容されるコードの形態の強化要素によって強化される。この点に関して、各々の場合において、リム円周の長さ分だけ個別のコードを提供すること、および、強化材として複数のコードを平行に埋め込むことが可能である。別法として、1つのコードを使用してその1つのコードを螺旋状に埋め込むことも可能であり、その場合、リムテープのその領域が強化される。

本発明の文脈内では、「コード」という用語が、撚り合わされる繊維またはワイヤで構成される、張力を伝達するための柔軟性のある細長い弾性要素を意味することを理解されたい。

取り扱いをより容易にするために、さらに、例えば、軸方向に方向づけされるフィラメントを含む織布ファブリックを形成するようにコードを互いに接続することにより強化要素を最初に形成することも可能である。この場合、これらの織布ファブリックは、ホイールを作るための金型内に容易に挿入され得る。コードを互いに接続させるための別の代替形態は、これらのコードを重合体化合物で包むことである。この点に関して、例えば、コードをこの場合ホイールを作るための金型内に挿入することを可能にすることを目的としてコードをホイール形状にするためにコードをモノマーマス(monomer mass)に含浸し、その後で重合体材料を硬化することも可能である。重合体材料を硬化することにより、コードが所望される形状となる。

コードを作るのに適切な材料は、例えば、鋼、チタンまたはアルミニウムなどの金属、アラミド、炭素、ガラス、セルロース、玄武岩、鉱物、ホウ素、チタン酸カリウムまたはプラスチック、あるいはその組み合わせである。

特に好適には、コードには金属、ガラス、炭素またはアラミドが使用される。

コード用の材料としてプラスチックが選択される場合、ポリアミド、ポリオレフィン、液晶ポリエステル(LCP)、および、超高分子量ポリエチレン(ultra−high molecular weight polyethylene(UHMW−PE))が特に適切である。

代替的実施形態では、強化要素はリムテープの形状に適合する挿入物である。この挿入物の幅は、強化材が延在することが意図される所望される幅に基づいて選択される。また、適切な挿入物をリムテープの断面幾何形状またはその一部に適合させることも可能である。この場合、製造時に、強化のためにリムの幾何形状に適切に適合する挿入物がリムに挿入され、その後でホイールを作るための重合体材料を用いた射出成形によって封入される。

強化のために使用される挿入物として、例えば、金属シートまたはオルガノシートが使用され得る。また、ホイールのリムを強化するための挿入物として、金属、強化重合体またはセラミックで作られるリングを使用することも可能である。

挿入物が金属シートである場合、これは好適には所望される幅に切断され、必要となる挿入物の所望される大きさに対応する長さが与えられる。次いで、金属シートがリングを形成するように成形され、任意選択で、リムテープの断面幾何形状に適合される。

強化のためにオルガノシートが使用される場合、一つには、既に硬化したオルガノシートを使用してこれらのオルガノシートを熱の存在下で所望される形状にすることが可能であり、別法として、強化のために半仕上げの製品を使用し、ホイールを作るためのプロセスにおいてこれらの製品を硬化させて最終的なオルガノシートを得ることも可能である。

本発明の文脈内では、オルガノシートは繊維強化される平坦な重合体部品を意味するものとして理解される。ここでは、繊維による強化は連続繊維によってなされる。ここでのこれらの繊維は、一次元構成、二次元構成または三次元構成の繊維を用いる、並撚りのスクリムファブリック(laid scrim fabric)、織布ファブリック、ループ形状ニットファブリック、ループ線状ニットファブリック(loop−drawingly knit fabric)、または、網状ファブリックの形態で存在し得る。本文脈では、一次元という区分は、個別の連続繊維が互いに平行に方向づけされることを意味する。二次元構成は、第1の方向において繊維が互いに平行に方向づけされ、第1の方向に対して回転した第2の方向を向くように繊維が方向づけされることを意味する。ここで、繊維は好適には互い対して45°から90°の角度で回転され、特に好適には90°で回転され、ここでの90°の角度には、これらの繊維を配置することにより生じ得るわずかなずれも含まれる。三次元構成では、繊維がさらに、追加的に、他の繊維方向に対して垂直な部分を有するように延在する。

次いで、これらの繊維は熱可塑性または熱硬化性重合体マトリックスを用いて封入される。熱可塑性重合体が使用される場合、加熱することにより重合体材料を硬化させた後でオルガノシートを成形してさらにその後でのそのオルガノシートを成形することがやはり可能である。熱硬化性重合体マトリックスが使用される場合、後で成形を行うことがもはや不可能であることから、既に所望の形状であるオルガノシートを作ることが必要となる。

オルガノシートのための半仕上げの製品を作るためには、繊維を単量体溶液に含浸して次のプロセス工程でその単量体溶液のみを硬化させることがさらに有利である。この点に関して、個別の繊維を最初に接続しておくために予め架橋を実施しておくことが可能である。

プラスチックで作られる挿入物が強化目的で使用される場合、この挿入物は、例えば、射出成形プロセス、射出圧縮成形プロセス、ブロー成形、または、ポリアミドRIMプロセスによって作られ得る。ポリアミドRIMプロセスの場合、単量体溶液が金型に入れられて金型内で硬化される。

強化要素として使用される挿入物用の材料としてプラスチックが使用される場合、同様にプラスチックを強化することがさらに好適である。この点に関して、短繊維、長繊維または連続繊維を使用することが可能である。挿入物用のプラスチックを強化するために長繊維または連続繊維を使用することが特に好適である。

強化のためにリムテープ内に配置されるリングが使用される場合、これらのリングは、金属、強化重合体、オルガノシートまたはセラミックから作られてよい。本文脈では、オルガノシートとは異なり、強化重合体は、短繊維または長繊維を用いて強化される重合体を意味するものとして理解される。

金属で作られるリングが使用される場合、これらは例えば曲げ加工により金属シートから成形され得る。別法として、例えば、鋳造または鍛造によりリングを得ることも可能である。セラミックで作られるリングが使用される場合、これらは通常は鋳造およびその後の焼成によって作られる。挿入物が強化重合体で作られるリングを備える場合、例えば、例えば熱硬化性式に巻くこと、湿式に巻くことまたは熱可塑性式に巻くことなどの巻きプロセス、例えば熱硬化性テープ積層または熱可塑性テープ積層などのテープ積層プロセス、ポリアミドRIMプロセス、プレスプロセス、射出成形プロセス、射出圧縮成形プロセス、押出プロセス、樹脂注入プロセス、樹脂射出プロセスにおいて、または、ブロー成形により、リングを作ることが可能である。

別の実施形態では、挿入物は、連続繊維によって強化される重合体で作られるリングを備え、このリングは、製織プロセス、編み込みプロセス、編みプロセス、または、例えば調製繊維配置(tailored fiber placement)などの繊維沈着プロセスと、その後の、樹脂注入プロセス、樹脂射出プロセスまたはポリアミドRIMプロセスとにおいて、作られる。

特に好適には、挿入物またはリング用の材料として金属が使用される。適切な金属は、例えば、鋼、チタン、アルミニウムまたはマグネシウムである。

自動車のネーブ上にホイールを設置するために、貫通開口部を強化する場合がさらに好適である。例えば、固定手段を受けるための貫通開口部の各々に、金属またはセラミックで作られてホイールの重合体材料に能動接続されるスリーブを受けさせることにより、貫通開口部を強化することができる。スリーブにより、大きい力が作用することにより貫通開口部の領域でホイールがクリープし始めてそれにより変形するような状況を回避することができる。

貫通開口部に安定性をもたらすために使用されるスリーブは、好適には、ホイールの重合体材料に能動接続される。ホイールの製造時に最初にスリーブを金型内に配置して次いでホイールボディ用の重合体材料を用いた射出成形によりスリーブを封入することにより、金属またはセラミックで作られるスリーブを能動的に接続することが実現される。

スリーブ用の金属には、例えば、アルミニウム、チタンまたはマグネシウムが適切であるが、混合物または合金の形態としてこの金属を提示することも可能である。鉄が使用される場合、鋼の形態が好適である。別法として、スリーブも鋳鉄部品として作られ得、この場合、鉄は鋳鋼の形態およびねずみ鋳鉄の形態のいずれでも使用され得る。

スリーブを作ることができる適切なセラミックは、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化シリコンベースのセラミックである。

固定手段を受けるための貫通孔で受けられるスリーブを使用することの代替形態として、ネーブの領域でリムスターまたはホイールディスクに接続されるアダプタを提供することも可能であり、このアダプタは、リムスターまたはホイールディスクの領域内の窪み部に係合される突起部を有する。この場合、このアダプタを用いてホイールが自動車の車軸に固定される。アダプタは車両車軸上にホイールマウンティングを備える単一部品として形成され得るか、または、別個の部品として形成され得、その場合、アダプタはホイールを備える単一部品として形成され得、車両車軸の上のホイールマウンティングに接触する少なくとも1つの領域を有する。アダプタはスリーブ用の上述した金属と同じ金属から作られてよい。別法として、セラミックからアダプタを作ることも可能である。

力を伝達させるために、アダプタは、リムスター内またはホイールディスク内の窪み部に係合される突起部を有する。ホイール上の窪み部に係合される突起部が存在することにより、摩擦よりホイールに直接に力が伝達されることはなく、また、固定手段の領域内でのクリープによりホイールが変形することもホイールの機能を損なわせない程度に低減される。

ホイールは好適には射出成形プロセスまたは注型プロセスによって作られ、強化要素用の材料がそれぞれ金型内に配置され、その後で重合体材料が射出または注入される。

本発明の例が図に示されており、これらの例示の実施形態を以下の説明でより詳細に説明する。

第1の実施形態における、リムテープの強化材を用いる自動車のホイールを示す断面図である。

第2の実施形態における、リムテープの強化材を用いる自動車のホイールを示す断面図である。

第3の実施形態における、リムテープの強化材を用いる自動車のホイールを示す断面図である。

第4の実施形態における、リムテープの強化材を用いる自動車のホイールを示す断面図である。

図1が、第1の実施形態における、リムテープの強化材を用いる自動車のホイールを示す。

ここで示される実施形態では、自動車用ホイール1がホイールボディ3およびキャップ5を備える。しかし、代替的実施形態では、ホイール1がホイールボディ3のみを備えてキャップを有さないことも可能である。また、ホイールボディ3の各側にキャップが設けられてもよい。

本発明によると、ホイールボディ3が重合体材料から作られる。十分に高い安定性を有するホイールボディ3を作るために、好適には重合体材料が強化される。強化のために、短繊維、長繊維または連続繊維の形態の繊維が使用され得る。長繊維が使用されることが好適である。ホイールボディ3用の重合体材料としては、上述した熱可塑性重合体または熱硬化性重合体が適切である。

ホイールボディ3が、タイヤを受けるためのリムテープ7、および、リムスター9を備える。貫通孔13がリムスター9内に作られ、この貫通孔を用いて、車両車軸上、通常はブレーキドラム上またはブレーキディスク上でホイールボディ3を固定するための固定手段を誘導することが可能となる。

好適には、貫通孔13は好ましくはスリーブ15を受ける。スリーブ15は貫通孔13の領域をさらに安定させるように機能し、それにより固定手段が挿入されるときにホイールボディ3が損傷することが回避される。スリーブは通常は金属またはセラミックから作られ、好適にはホイールボディ3を作るときに注型され、この場合、スリーブ15はホイールボディ3に能動的に接続される。スリーブ15に加えて、ホイール1の組立体のための接触表面を形成する挿入具16を提供することも可能である。この場合、別個の構成要素として挿入具16およびスリーブ15を提供すること、または、挿入具16を備える単一部品としてスリーブ15を形成することが可能である。

ホイールボディ3を車両車軸に固定するために、適切な固定手段として例えばホイールボルト17が使用される。ホイールボルト17により、ホイールボディ3を車両車軸に着脱自在に接続することが可能となり、この場合、例えばホイールが損傷したりする場合またはタイヤを交換する必要がある場合に、ホイールを容易に取り外すことが可能となる。

リムテープ7が、通常、外側リムウェル19を備える。外側リムウェル19はその外側縁部のところでリムフランジ21によって終端する。リムフランジ21は、引き寄せられるタイヤをホイール1上へと設置するように働く。この点に関して、タイヤの外側がリムフランジ21に対して押圧される。

チューブレスタイヤが使用される場合、運転中に圧力が作用してタイヤが内側に変位することを回避する必要性がさらに発生する。この目的のため、外側リムウェル19がいわゆるハンプ23を有する。その場合、装着されるタイヤの側壁がリムテープ21とハンプ23との間で保持され、ハンプ23がタイヤ壁の内側を支承する。

キャップ5が設けられる場合、キャップ5はホイール1の安定性を向上させるために使用され得、別法としてまたは加えて、デザイン要素としても使用され得る。この目的のため、任意の所望される形状にキャップを形成することが可能である。キャップ5が適切に設計される場合、このキャップを自動車の空力性能を向上させるために使用することもさらに可能である。

キャップ5が使用される場合、キャップ5は非能動的に、能動的にまたは一体にホイールボディ3に接続され得る。ここに示される実施形態では、キャップ5がホイールボディ3に能動的に接続される。

キャップ5とホイールボディ3との間での考えられる能動接続は、例えば、接着剤接合または溶接である。適切な非能動接続は、例えば、ねじ接続、リベット接続またはクリップ接続である。

リムテープ7に十分な安定性を与えるために、本発明に従ってリムテープ7が強化される。図1に示される実施形態では、各々の場合においてリムテープ7内のリムフランジ21およびハンプ23の領域を強化するために、コード29がリムテープ7内に配置される。ここでのコード29はフィラメント31と織り合わされてよく、それにより織布構造を形成することができる。

例えば、コード用の適切な材料は、例えばアルミニウム、チタン、具体的には鋼である鉄などの金属、アラミド、ガラス、玄武岩、炭素、ホウ素、チタン酸カリウム、鉱物、セルロース、または、リムテープ7を作るための重合体より高い強度を有する重合体などである。強化のためのコードを作ることができる重合体は、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、液晶ポリエステル(LCP)、および、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)である。

特に好適には、具体的には鋼コードである、金属で作られるコード29が強化のために使用される。

フィラメントを作ることができる任意の所望される材料は、コード29を織り込むためのフィラメント31用の材料として適切である。例えば、適切な材料は、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ビスコースまたはポリエチレンなどの合成繊維、あるいは、ウール、セルロースまたはコットンなどの天然繊維である。また、フィラメント31用の材料として金属を使用することも可能である。

図1に示される実施形態では、リムテープ7はリムフランジ21の領域およびハンプ23の領域のみで強化される。リムテープ7は中央領域では強化されない。この場合、強化材は、リムテープ7に装着されたタイヤの支持領域のところでリムテープ7を強化するように機能する。

図2が第2の実施形態における自動車用ホイール1を示す。

図1に示される実施形態とは異なり、図2に示される実施形態のリムテープ7の強化材は中断されず、リムテープ7全体が軸幅全体にわたって強化される。強化材は同様にコード29を使用して提供され、このコード29は、任意選択で、織布構造を形成するようにフィラメント31と織り合わされてよい。

自動車ホイールの別の実施形態が図3に示される。

図3に示される実施形態では、リムテープ7上のタイヤが静止するところであるリムフランジ21の領域およびハンプ23の領域のみが同様にやはり強化される。しかし、図1に示される実施形態とは異なり、図3に示される実施形態の強化材はリムテープ7内を円周方向に延びるコードによって提供されるのではなく、環状の強化要素33によって提供される。ここでの環状の強化要素33はリムテープ7の輪郭に適合し得る。

例えば、環状の強化要素33用の適切な材料は、例えばアルミニウム、チタンまたは例えば鋼などの鉄などの、金属であるが、オルガノシートも使用される。この場合、オルガノシートは連続繊維によって強化される重合体材料を意味するものとして理解される。

図4に示される実施形態のリムテープは環状の強化要素33によって同様に強化されるが、図4に示される実施形態では、環状の強化要素33がリムテープ7の軸幅全体にわたって延在する。図4に示される実施形態でも同様に、環状の強化要素33は例えば金属シートまたはオルガノシートから作られる。ここでもやはり、強化のために、環状の強化要素33は外側リムウェル19の輪郭に適合することが好適である。

金属またはオルガノシートで作られる環状の強化要素33の代替形態として、強化重合体またはセラミックで作られるリングとして環状の強化要素33を設計することも可能である。この場合、オルガノシートとは異なり、強化重合体は、短繊維または長繊維によって強化される重合体を意味するものと理解される。リムテープ7を強化するために、この場合の、環状の強化要素33を作るための強化重合体材料は、リムテープ7を作るための重合体材料より高い強度を有する。

図1から図4に示されるすべての実施形態で、キャップ5が犠牲リブ27を有する。犠牲リブ27は、例えばホイールと縁石が接触することにより生じる損傷からホイール1を保護するように機能する。好適には、ここでの犠牲リブ27はホイール1の軸の周りに環状に構成される。犠牲リブ27がキャップ5上に形成されるようなここで示される実施形態の代替形態として、犠牲リブを、ホイールボディ3上の例えばリムテープ7の領域内に形成することも可能である。

1 ホイール 3 ホイールボディ 5 キャップ 7 リムテープ 9 リムスター 13 貫通孔 15 スリーブ 16 挿入具 17 ホイールボルト 19 外側リムウェル 21 リムフランジ 23 ハンプ 25 接続箇所 27 犠牲リブ 29 コード 31 フィラメント 33 環状の強化要素

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