自転車用リム

申请号 JP2016109956 申请日 2016-06-01 公开(公告)号 JP2017214012A 公开(公告)日 2017-12-07
申请人 株式会社シマノ; 发明人 岩井 亨; 樫本 祥和;
摘要 【課題】自転車用リムにおいて、外観に優れた自転車用リムを提供することにある。 【解決手段】自転車用リム12は、第1制動面32を有する第1環状側面部20と、第2制動面34を有する第2環状側面部22と、環状連結部24と、複数の軟質添加物40と、エポキシ樹脂層26(非金属層の一例)と、最外層25と、を備えている。環状連結部24は、第1環状側面部20と第2環状側面部22とを連結する。複数の軟質添加物40は、第1環状側面部20と第2環状側面部22の少なくとも一方に配置されている。エポキシ樹脂層26は、第1環状側面部20と第2環状側面部22の少なくとも一方に配置され、複数の軟質添加物40が少なくとも部分的に埋め込まれている。最外層 25 は、エポキシ樹脂層26及び複数の軟質添加物40を覆う。 【選択図】図2
权利要求

第1制動面を有する第1環状側面部と、 第2制動面を有する第2環状側面部と、 前記第1環状側面部と前記第2環状側面部とを連結する環状連結部と、 前記第1環状側面部と前記第2環状側面部の少なくとも一方に配置される複数の軟質添加物と、 前記第1環状側面部と前記第2環状側面部の少なくとも一方に配置され、前記複数の軟質添加物が少なくとも部分的に埋め込まれる非金属層と、 前記非金属層及び前記複数の軟質添加物を覆う最外層と、 を備える自転車用リム。前記最外層は顔料を含む、請求項1に記載の自転車用リム。前記最外層はアクリル又はエポキシ樹脂からなる、請求項1又は2に記載の自転車用リム。前記複数の軟質添加物は、前記第1環状側面部と前記第2環状側面部の両方に配置される、請求項1から3のいずれかに記載の自転車用リム。前記複数の軟質添加物は、前記非金属層に部分的に埋め込まれる、請求項1から4のいずれかに記載の自転車用リム。前記複数の軟質添加物は、前記非金属層から少なくとも部分的に露出している、請求項1から5のいずれかに記載の自転車用リム。前記複数の軟質添加物は、研削工程により前記非金属層から部分的に露出するように前記非金属層に埋め込まれる、請求項1から6のいずれかに記載の自転車用リム。前記非金属層は、樹脂層である、請求項1から7のいずれか1項に記載の自転車用リム。前記非金属層は、最外表面にエポキシ樹脂層を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の自転車用リム。前記複数の軟質添加物は、前記エポキシ樹脂層に部分的に埋め込まれる、請求項9に記載の自転車用リム。前記非金属層は、グラスファイバー層をさらに有し、 前記エポキシ樹脂層は、前記グラスファイバー層の上に形成される、請求項9又は10に記載の自転車用リム。前記複数の軟質添加物は、前記グラスファイバー層に部分的に埋め込まれる、請求項11に記載の自転車用リム。前記複数の軟質添加物は、エラストマー材料からなる請求項1から12のいずれか1項に記載の自転車用リム。前記エラストマー材料は、ニトリルゴムである請求項13に記載の自転車用リム。前記エラストマー材料は、フッ素化合物系合成ゴムである請求項13に記載の自転車用リム。前記環状連結部は、前記第1環状側面部と前記第2環状側面部との間に延びる湾曲面を有し、前記湾曲面にはタイヤが係合する、請求項1から15のいずれか1項に記載の自転車用リム。前記第1環状側面部と前記第2環状側面部とは、タイヤを係止するために外周縁に沿って設けられる係止部を有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の自転車用リム。前記第1環状側面部と、前記第2環状側面部と、前記環状連結部とは、カーボン製である請求項1から17のいずれか1項に記載の自転車用リム。前記第1環状側面部と、前記第2環状側面部と、前記環状連結部とは、金属製である、請求項1から17のいずれか1項に記載の自転車用リム。

说明书全文

本発明は、自転車の車輪を構成する自転車用リムに関する。

自転車は、一般に、車体の骨格をなすフレームを備えており、フレームの前後端部には、前輪および後輪が装着されている。前輪および後輪には、タイヤが装着されるリムが設けられている。リムは、円環状であり、例えばスポークによりハブに連結されている。近年では、このリムの強度を維持しつつリムの軽量化を図るために、異なる素材を組み合わせた複合材料を用いてリムが形成されている。例えば、特許文献1では、カーボン繊維を用いたリムが開示されている。

米国特許第7614706

このようなカーボン繊維や複合材料を用いて形成されたリムにおいて、外観をより向上させることが望まれている。

本発明の課題は、自転車用リムにおいて、外観に優れた自転車用リムを提供することにある。

本発明の一側面に係る自転車用リムは、第1制動面を有する第1環状側面部と、第2制動面を有する第2環状側面部と、環状連結部と、複数の軟質添加物と、非金属層と、最外層と、を備えている。環状連結部は、第1環状側面部と第2環状側面部とを連結する。複数の軟質添加物は、第1環状側面部と第2環状側面部の少なくとも一方に配置されている。非金属層は、第1環状側面部と第2環状側面部の少なくとも一方に配置され、複数の軟質添加物が少なくとも部分的に埋め込まれている。最外層は、非金属層及び複数の軟質添加物を覆う。

この自転車用リムでは最外層によって非金属層及び複数の軟質添加物が覆われているため、外観に優れた自転車用リムを提供することができる。

好ましくは、最外層は顔料を含む。この場合は、最外層に色付けをすることができるため、より外観に優れた自転車用リムを提供することができる。

好ましくは、最外層はアクリル又はエポキシ樹脂からなる。

好ましくは、複数の軟質添加物は、第1環状側面部と第2環状側面部の両方に配置される。

好ましくは、複数の軟質添加物は非金属層に部分的に埋め込まれる、

好ましくは、複数の軟質添加物は非金属層から少なくとも部分的に露出している、

好ましくは、複数の軟質添加物は研削工程により非金属層から部分的に露出するように非金属層に埋め込まれる。

好ましくは、非金属層は樹脂層である。

好ましくは、非金属層は最外表面にエポキシ樹脂層を含む。

好ましくは、複数の軟質添加物はエポキシ樹脂層に部分的に埋め込まれる。

好ましくは、エポキシ樹脂層はグラスファイバー層の上に形成される。

好ましくは、複数の軟質添加物はグラスファイバー層に部分的に埋め込まれる。

好ましくは、複数の軟質添加物はエラストマー材料からなる。

好ましくは、エラストマー材料はニトリルゴムである。

好ましくは、エラストマー材料はフッ素化合物系合成ゴムである。

好ましくは、環状連結部は、第1環状側面部と第2環状側面部との間に延びる湾曲面を有し、湾曲面にはタイヤが係合する。

好ましくは、第1環状側面部と第2環状側面部とは、タイヤを係止するために外周縁に沿って設けられる係止部を有する。

好ましくは、第1環状側面部と、第2環状側面部と、環状連結部とは、カーボン製である。

好ましくは、第1環状側面部と、第2環状側面部と、環状連結部とは、金属製である。

本発明によれば、外観に優れた自転車用リムを提供することができる。

第1実施形態の自転車用リムを採用した自転車の車輪の側面図。

自転車用リムの図1のA−A線部分の拡大断面図。

図2の部分拡大図。

自転車用リムを形成するときの手順を示すフローチャート。

自転車用リムを形成するときの型に載置された複合グラスファイバー層と複合カーボン層の部分を拡大した断面図。

複合グラスファイバー層の上にエポキシ樹脂層が形成されたときの断面図。

エポキシ樹脂層の一部を除去したときの断面図。

エポキシ樹脂層の上に最外層が形成されたときの断面図。

第2実施形態の自転車用リムの断面図。

第3実施形態の自転車用リムの断面図。

第4実施形態の自転車用リムの断面図。

[第1実施形態] 図1は、本発明の第1実施形態が採用された自転車の車輪10を示している。自転車の車輪10は、自転車用リム12と、ハブアッセンブリ14と、複数のスポーク16と、を主に備えている。自転車用リム12は、環状の部材であり、ハブアッセンブリ14のハブ軸14bによって形成された中心回転軸の回りに回転するように構成されている。スポーク16は、自転車用リム12とハブアッセンブリ14とを従来と同様の方法で連結している。また、空気入りタイヤ(図示せず)が自転車用リム12の外周面に従来の方法で固定されている。

ハブアッセンブリ14は、1対の軸受ユニット(図示せず)によってハブ軸14bに回転自在に支持されるハブシェル14aを含んでいる。ハブアッセンブリ14は、いかなるタイプのものも自転車用リム12に使用できる。したがって、ハブアッセンブリ14についての詳細はここでは省略する。ここでは、フロント用のハブアッセンブリが示されているが、自転車用リム12は必要に応じて後輪を形成するリア用のハブアッセンブリとともに使用される。

スポーク16については、特に限定されない。例えば、金属製のスポーク、複合材料によるスポーク、円板状の連結部材等が使用される。したがって、スポーク16についての詳細はここでは省略する。第1実施形態では、スポーク16は金属製であり、径方向に張を有する。スポーク16は、各スポークの一端又は両端に設けられたスポークニップルによって、ハブアッセンブリ14を自転車用リム12に連結している。第1実施形態では、図1に示すように、例えば16本のスポークが周方向に等間隔で配置されて自転車用リム12に連結されている。

なお、16本のスポーク16のうちの8本を自転車用リム12の中心からハブアッセンブリ14の一方の側部に延びるように配置し、残りの8本のスポーク16を自転車用リム12の中心からハブアッセンブリ14の他方の側部に延びるように配置してもよい。もちろん、他の配置でもよい。例えば、スポークの全てを接線スポークとしたり、接線スポークと半径スポークとを組み合わせたりすることもできる。もちろん、スポーク16の本数も16本に限定されない。

図2は、第1実施形態による自転車用リム12を示している。第1実施形態における自転車用リム12は、完全に非金属のコンポジットリムである。自転車用リム12は、第1環状側面部20と、第2環状側面部22と、環状連結部24と、を有する本体18から構成されている。第1環状側面部20と、第2環状側面部22と、環状連結部24と、は積層された非金属の層によって一体的に形成されている。具体的には、第1環状側面部20、第2環状側面部22、環状連結部24のそれぞれは、複合カーボン層30により形成されている。そして、これらを覆うようにエポキシ樹脂層26および複合グラスファイバー層28(請求項で特定する「非金属層」)が形成され、さらにエポキシ樹脂層26を覆うように最外層25が設けられている。従って、第1環状側面部20と、第2環状側面部22と、環状連結部24とは、カーボン製である。また、非金属層を樹脂層で形成し、さらに、非金属層の最外表面にはエポキシ樹脂層26を含んでもよい。なお、非金属層はこれらに限定されるものではなく、また、自転車用リムは完全な非金属の複合部材でなくてもよい。

最外層25は、自転車用リム12の本体18の最外表面に配置されている。すなわち、最外層25は、エポキシ樹脂層26と後述する複数の軟質添加物40とを覆うように自転車用リム12の最外表面に配置されている。そして、複合グラスファイバー層28はエポキシ樹脂層26の内側に配置されている。

また、最外層25は、アクリルまたはエポキシ樹脂で形成されている。自転車用リム12の外観に色付けをすることができるように、最外層25には顔料が含まれていることが好ましい。これにより、外観に優れた自転車用リム12を提供することができる。

複合グラスファイバー層28は、第1グラスファイバーシート28aと、第2グラスファイバーシート28bと、で形成されている。第1及び第2グラスファイバーシート28a,28bは、エポキシ樹脂を染み込ませた配向が一方向である強化グラスファイバーを含んでいる。第1及び第2グラスファイバーシート28a,28bは、強化グラスファイバーのお互いの配向が異なるように(ここでは、交差する向きに)ラミネートされている。ここでは、複合グラスファイバー層28は、第1及び第2グラスファイバーシート28a,28bの2つのシートで形成されているが、必要に応じて、シート数をさらに少なく、若しくはさらに多くすることができる。さらに、本体18又は自転車用リム12が、主に複合カーボン層30の最外表面にエポキシ樹脂層26を含む複合カーボン層30によって形成されていれば、複合グラスファイバー層28は除去してもよい。

複合カーボン層30は、複合グラスファイバー層28の内側に配置されている。複合カーボン層30の内側には、環状内部空間又は領域36が形成されている。この内部空間又は領域36は何も設けられていない空間か、発泡材料等で満たされていてもよい。

複合カーボン層30は、第1カーボンシート30aと、第2カーボンシート30bと、第3カーボンシート30cと、第4カーボンシート30dと、で形成されている。これらのカーボンシートは、エポキシ樹脂を染み込ませた配向が一方向である強化カーボン繊維を含んでいる。第1〜第4カーボンシート30a,30b,30c,30dの各々の強化カーボン繊維の配向は、対向している層に対して異なる向き(ここでは、交差する向き)になるようにラミネートされている。ここでは、複合カーボン層30は、第1〜第4カーボンシート30a,30b,30c,30dの4つのシートで形成されているが、必要に応じて、シート数をさらに少なく、若しくはさらに多くすることができる。

第1環状側面部20は、環状連結部24の一端に近接して配置された第1制動面32を有する。第2環状側面部22は、環状連結部24の他端に近接して配置された第2制動面34を有する。第1及び第2制動面32,34は、自転車がブレーキ操作されているとき、図示しないブレーキパッドと接触する。ここでは、第1及び第2制動面32,34の最外表面38は最外層25で覆われているため、第1及び第2制動面32,34の表面に形成された最外層25が、図示しないブレーキパッドと接触する。これにより、自転車に制動力がかかる。ここでは、最外層25と第1及び第2制動面32,34の最外表面38は、非金属層で形成されている。詳細には、最外層25は、アクリルまたはエポキシ樹脂からなり、最外表面38は、エポキシ樹脂層26を含んでいる。

図2に示すように、環状連結部24は、第1環状側面部20と第2環状側面部22とを連結するように、第1環状側面部20と第2環状側面部22との間に延びている。環状連結部24は、第1環状側面部20と第2環状側面部22との間に延びる、湾曲した管状(チューブ状)湾曲面24a(すなわち環状外周面)を有している。湾曲面24aには、図示しないタイヤが取り付けられる。

図3は、第1及び第2制動面32,34の詳細を示している。図3に示すように、第1及び第2制動面32,34は、非金属層(ここでは、エポキシ樹脂層26および複合グラスファイバー層28)に少なくとも一部が埋め込まれた複数の軟質添加物40を有している。複数の軟質添加物40は、第1環状側面部20と第2環状側面部22の少なくとも一方、好ましくは、第1環状側面部20と第2環状側面部22の両方に配置される。従って、非金属層も、第1環状側面部20と第2環状側面部22の少なくとも一方、好ましくは、第1環状側面部20と第2環状側面部22の両方に配置される。なお、第1及び第2制動面32,34のどちらか一方のみの非金属層が、少なくとも一部が埋め込まれた複数の軟質添加物40を有していてもよい。

第1制動面32と第2制動面34との違いは、配置されている向きだけであり、第1制動面32と第2制動面34とは同様の構成である。したがって、以下からは図3を参照して、第1制動面32についてのみ詳細を説明する。

図3に示すように、第1制動面32は、エポキシ樹脂層26と複合グラスファイバー層28とに埋め込まれた複数の軟質添加物40を有している。複数の軟質添加物40は、エポキシ樹脂層26から露出した軟質顆粒40aと、被覆された軟質顆粒40bと、を有している。軟質顆粒40aは、エポキシ樹脂層26の最外層25と接する側面側において、エポキシ樹脂層26から露出した露出面40a´を有している。ここでは、複数の軟質添加物40は、エポキシ樹脂層26と複合グラスファイバー層28とに部分的に埋め込まれている。なお、複数の軟質添加物40は、エポキシ樹脂層26に完全に埋め込まれていてもよいし、エポキシ樹脂層26のみに部分的又は完全に埋め込まれていてもよい。従って、複数の軟質添加物40は非金属層(ここでは、エポキシ樹脂層26)に部分的に埋め込まれていてよい。

エポキシ樹脂層26は、複合グラスファイバー層28の上に配置されている。複数の軟質添加物40は、エポキシ樹脂層26に分散して配置されている。複数の軟質添加物40の軟質顆粒40aは、第1及び第2制動面32,34の最外表面38から一部が露出している。従って、最外層25が除去された状態において、複数の軟質添加物40は非金属層(ここでは、エポキシ樹脂層26)から少なくとも部分的に露出してよい。

図3に示すように、各々の露出した軟質顆粒40aは、第1制動面32の最外表面38から一部のみが露出している。もちろん、第2制動面34についても、同様の構成となっている。好ましくは、複数の軟質添加物40の露出面40a´の表面積は、複数の軟質添加物の40の各々の表面積全体の50%未満である。より好ましくは、複数の軟質添加物40の露出面40a´の表面積は、複数の軟質添加物の40の各々の表面積全体の20%未満である。

軟質添加物40は、第1及び第2制動面32、34の領域のみに配置されるのが望ましい。軟質添加物40は、エラストマー系の材料を含んでいる。エラストマー系の材料は、例えば、ニトリルゴムやフッ素化合物系合成ゴムである。軟質添加物40は850〜1000μmの所定の粒径の顆粒を含んでいる。軟質添加物40は、不規則な形状の微小な顆粒である。しかし、仮に軟質添加物40が他のプロセスで形成されるならば、軟質添加物40を規則的な形状にすることができる。

複合グラスファイバー層28および複合カーボン層30は、第1及び第2制動面32,34を形成するのに用いられる。第1グラスファイバーシート28aと、第2グラスファイバーシート28bは、いわゆるプリプレグシートと呼ばれるエポキシ樹脂を染み込ませた薄板連続強化グラスファイバーのシートが好ましい。同様に、第1〜第4カーボンファイバーシート30a,30b,30c,30dは、いわゆるカーボンプリプレグシートと呼ばれる薄板連続強化カーボンファイバーのシートが好ましい。また、エポキシ樹脂は、ファイバーシートから別の部材として加えることができる。

次に図4に示すフローチャートに従って、自転車用リム12を形成するときの手順を説明する。最初のステップS10では、複合グラスファイバー層28のグラスファイバーシート28a,28bと、複合カーボン層30のカーボンファイバーシート30a,30b,30c,30dと、が型の中に載置される。ここでは、複合グラスファイバー層28が複合カーボン層30の上になるように型の中に積層される。好ましくは、軟質添加物40は、グラスファイバーシート28a内に予め埋め込まれている。軟質添加物40を含むグラスファイバーシート28aは、第1及び第2制動面32,34を形成する。また、軟質添加物40はグラスファイバーシート28aの領域に沿って接着させておいてもよい。さらに、軟質添加物40は、グラスファイバーシート28aとは別に型の中に配置しておいてもよい。図5は、第1グラスファイバーシート28aと、第2グラスファイバーシート28bと、第1カーボンシート30aとが、型(図示せず)の中に配置されている状態を表している。なお、第2〜第4カーボンファイバーシート30b,30c,30dは省略している。

複合グラスファイバー層28が、型の中に配置されているとき、第1及び第2グラスファイバーシート28a,28bは、互いに異なる方向に交差するグラスファイバーが積層されて形成される。さらに、第1グラスファイバーシート28aは、強化グラスファイバーの配向が、第2グラスファイバーシート28bの強化グラスファイバーの配向に対してほぼ垂直になるように、第2グラスファイバーシート28bの上に積層される。同様に、複合カーボン層30も、型の中に配置されているとき、第1〜第4カーボンファイバーシート30a,30b,30c,30dは、隣接するシート同士の強化グラスファイバーの配向がほぼ垂直方向になるように配置されている。

図4に示すステップS20では、型内の複合グラスファイバー層28及び複合カーボン層30に対して圧力及び熱が加えられる。より詳細には、圧力及び熱が複合カーボン層30の側部から複合グラスファイバー層28の側部に加えられる。このとき、複合グラスファイバー層28の外表面(すなわち、複合カーボン層30が接触する表面の逆側の面)が、型の平面部(図示せず)に対して押圧される。圧力及び熱は、複合グラスファイバー層28のグラスファイバーシート28a,28b及び複合カーボン層30の第1〜第4カーボンファイバーシート30a,30b,30c,30dに含まれるエポキシ樹脂の溶融を引き起こして、複合グラスファイバー層28と複合カーボン層30とが一体化された1つの部材のように互いに接合する。

また、圧力及び熱によって、エポキシ樹脂が複合グラスファイバー層28の外表面に向かって移動させられ、複合グラスファイバー層28のグラスファイバーシート28aに含まれる軟質添加物40を封入する。その結果、図6に示されるように、エポキシ樹脂層26が複合グラスファイバー層28を覆うように形成され、軟質添加物40は完全にエポキシ樹脂層26及び/又は第1グラスファイバーシート28a内に埋め込まれる。このとき、図6に示されるように、軟質添加物40の表面は、型の平面部からの圧力によって、エポキシ樹脂層26から露出しない。続いて、型内のエポキシ樹脂層26、複合グラスファイバー層28、及び複合カーボン層30が冷やされ、型から取り出される。このステップによって得られたエポキシ樹脂層26の厚みは、例えば100μmである。

次にステップS30では、軟質添加物40を形成するためにエポキシ樹脂層26の一部が取り除かれる。より詳細には、軟質添加物40は、エポキシ樹脂層26の一部を機械加工ツールによる物理的な加工によって形成される。ここでの物理的な加工は、例えば、レーザ光による加工、シェービング加工等が含まれる。これらの研削工程により、軟質添加物40が非金属層(ここでは、エポキシ樹脂層26)から部分的に露出するようにエポキシ樹脂層26に埋め込まれる。また、エポキシ樹脂層26の一部は化学的な分解(溶解)によって取り除くこともできる。図7に示されるように、エポキシ樹脂層26の一部を取り除いた後は、エポキシ樹脂層26は図6のエポキシ樹脂層26の一部を取り除く前よりも厚みが薄くなっており、軟質顆粒40aが部分的に露出している。エポキシ樹脂層26の一部が取り除かれた後のエポキシ樹脂層26の厚みは、例えば90〜95μmである。

ステップS40では、最外層25が形成される。図8に示すように、最外層25は、エポキシ樹脂層26と軟質添加物40とを覆うように、例えば塗装によって形成される。最外層25には、例えばアクリルやエポキシ樹脂が用いられる。これにより、図7に示すステップS30で形成された加工面の外観のムラをなくすことができる。さらに、最外層25に顔料を含ませてリムに色づけを行うことにより、より外観に優れた自転車用リム12を提供することができる。

[第2実施形態] 図9は、第2実施形態による自転車用リム112を示している。この自転車用リム112は、車輪10を構成するためにハブアッセンブリ14及び複数のスポーク16とともに使用される。自転車用リム112は、第1環状側面部120と、第2環状側面部122と、環状連結部24と、を有している。

環状連結部24は、第1環状側面部120と第2環状側面部122とを連結するように、第1環状側面部120と第2環状側面部122との間に延びている。この実施形態の自転車用リム112は、第1及び第2環状側面部120,122が外周縁120b,122bに沿う係止部120a,122aを有することを除いて、基本的には第1実施形態と同様のコンポジット式のリムである。

詳細には、第1環状側面部120は、タイヤ(図示せず)の第1ビードを係止するために、外周縁120bに沿って設けられる係止部120aを有している。同様に、第2環状側面部122は、タイヤ(図示せず)の第2ビードを係止するために、外周縁122bに沿って設けられる係止部122aを有している。

第2実施形態の各構成は、基本的には第1実施形態の構成と同様であり、その機能も同様である。したがって、第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付している。また、第2実施形態において、第1環状側面部120が第1制動面32を含むこと、第2環状側面部122が第2制動面34を含むこと、さらに第1及び第2制動面32,34の少なくとも1つが軟質添加物40を有すること、も第1実施形態と同様である。また、第2実施形態における第1実施形態と同様の構成、機能に関してその説明を省略する。

なお、図9において、第1実施形態で示したように、最外層25、エポキシ樹脂層26、複合グラスファイバー層28、複合カーボン層30、及び軟質添加物40については、模式的に示しているだけであり、エポキシ樹脂層26、複合グラスファイバー層28、複合カーボン層30の厚み、及び軟質添加物40のサイズについては、必ずしも正確ではない。

[第3実施形態] 図10は、第3実施形態による自転車用リム212を示している。この自転車用リム212は、車輪10を構成するためにハブアッセンブリ14及び複数のスポーク16とともに使用される。自転車用リム212は、第1環状側面部220と、第2環状側面部222と、環状連結部224と、を有する本体218から構成されている。環状連結部224は、第1環状側面部220と第2環状側面部222とを連結するように、第1環状側面部220と第2環状側面部222との間に延びている。第1環状側面部220は複合材料からなる第1制動面232を含んでいる。同様に、第2環状側面部222は複合材料からなる第2制動面234を含んでいる。

第3実施形態では、第1及び第2制動面232,234を除く第1及び第2環状側面部220,222と、環状連結部224とは、金属材料で形成されている。即ち、1及び第2制動面232,234を除く第1及び第2環状側面部220,222と、環状連結部224とは、金属製であってもよい。

第1及び第2環状側面部220,222及び環状連結部224は、所望の断面形状に押出加工され、ループ状に曲げられて、両端が突合せ溶接又は他の手段によって連結されている。そして、第1及び第2制動面232,234が第1及び第2環状側面部220,222に追加して設けられている。第1及び第2環状側面部220,222に第1及び第2制動面232,234を設ける方法は、第1及び第2制動面232,234の形成においてそれらが本体218に載置されることを除いて、基本的には図4で示した方法と同様である。

自転車用リム212の全体形状は第1実施形態の自転車用リム12と同じである。したがって、環状連結部224は、第1及び第2環状側面部220,222間に延びる、湾曲した管状(チューブ状)湾曲面224a(すなわち環状外周面)を含む。また、第1及び第2環状側面部220,222及び環状連結部224は環状内部空間又は領域236を形成している。この内部空間又は領域236は何も設けられていない空間か、発泡材料等で満たされていてもよい。

第3実施形態では、第1及び第2制動面232,234は、第1及び第2環状側面部220,222の環状凹部に配置されている。また、第1及び第2制動面232,234を環状凹部に配置するのに代えて、これらを第1及び第2環状側面部220,222上に積層し、第1及び第2環状側面部220,222の隣接する外周面に対して環状に突出するように形成してもよい。

第1制動面232は、最外層232aと、エポキシ樹脂層232bと、強化繊維層232cと、を含んでいる。同様に、第2制動面234は、最外層234aと、エポキシ樹脂層234bと、強化繊維層234cと、を含んでいる。また、第1及び第2制動面232,234は複数の軟質添加物240を含んでいる。なお、第1及び第2制動面232,234の一方のみに複数の軟質添加物240を含ませるようにしてもよい。また、第1及び第2制動面232,234の少なくとも一方に、複数の軟質添加物240を含ませるのが好ましい。

最外層232a,232bは、第1及び第2制動面232,234のみに最外層232a,232bが形成されていることを除いて、第1実施形態と同じ構成である。なお、強化繊維層232c,234cは単一材料で図示されているが、これらの強化繊維層232c,234cは1以上の積層された強化繊維層で形成してもよい。また、第1実施形態で説明したように、強化繊維層232c,234cは成形工程中に、エポキシ樹脂層232b,234bのエポキシ樹脂を含浸させるようにしてもよい。

好ましくは、第3実施形態では、強化繊維層232c,234cは1以上のグラスファイバー層、及び/又は1以上のカーボン層から形成されている。なお、エポキシ樹脂層232b,234b及び強化繊維層232c,234cは非金属層の例である。

軟質添加物240は、第1実施形態の軟質添加物と同様である。すなわち、軟質添加物240は、ニトリルゴム又はフッ素系エラストマーのようなエラストマー系の材料を含んでいる。軟質添加物240は850〜1000μmの所定の粒径の顆粒を含んでいる。 軟質添加物240は不規則な形状の微小な顆粒である。しかし、仮に軟質添加物240が他のプロセスで形成されるならば、軟質添加物240を規則的な形状にすることができる。

図10において、第1実施形態で示したように、最外層232a,234a、エポキシ樹脂層232b,234b、強化繊維層232c,234c、及び軟質添加物240については、模式的に示している。したがって、各層232a,234a、232b,234b,232c,234cの厚み、及び軟質添加物240のサイズについては、必ずしも正確ではない。

[第4実施形態] 図11は、第4実施形態による自転車用リム312を示している。この自転車用リム312は、車輪10を構成するためにハブアッセンブリ14及び複数のスポーク16とともに使用される。自転車用リム312は、第1環状側面部320と、第2環状側面部322と、環状連結部324と、を有する本体318から構成されている。環状連結部324は、第1環状側面部320と第2環状側面部322とを連結するように、第1環状側面部320と第2環状側面部322との間に延びている。

第1環状側面部320は、複合材料からなる第1制動面332を含む。同様に、第2環状側面部322は、複合材料からなる第2制動面334を含む。第4実施形態では、第1及び第2制動面332,334を除く第1及び第2環状側面部320,322と、環状連結部324と、はアルミニウム合金のような金属材料で形成されている。

第1及び第2環状側面部320,322及び環状連結部324は、所望の断面形状に押出加工され、ループ状に曲げられて、両端が突合せ溶接又は他の手段によって連結されている。そして、第1及び第2制動面332,334が第1及び第2環状側面部320,322に追加して設けられている。第1及び第2環状側面部320,322に第1及び第2制動面332,334を設ける方法は、第1及び第2制動面332,334の形成においてそれらが本体318に載置されることを除いて、基本的には図4で示した方法と同様である。

自転車用リム312の全体形状は第2実施形態の自転車用リム12と同じである。すなわち、第1及び第2環状側面部320,322は、外周縁320b,322bに沿う係止部320a,322aを有している。また、環状連結部324は、第1及び第2環状側面部320,322間に延びる、湾曲した管状(チューブ状)湾曲面324a(すなわち環状外周面)を含む。また、第1及び第2環状側面部320,322及び環状連結部324は環状内部空間又は領域236を形成している。この内部空間又は領域236は、何も設けられていない空間か、発泡材料等で満たされていてもよい。

第4実施形態では、第1及び第2制動面332,334は、第1及び第2環状側面部320,322の環状凹部に配置されている。また、第1及び第2制動面332,334を環状凹部に配置するのに代えて、これらを第1及び第2環状側面部320,322上に積層し、第1及び第2環状側面部320,322の隣接する外周面に対して環状に突出するように形成してもよい。

第1制動面332は、最外層332aと、エポキシ樹脂層332bと、強化繊維層332cと、を含む。同様に、第2制動面334は、最外層334aと、エポキシ樹脂層334bと、強化繊維層334cと、を含む。また、第1及び第2制動面332,334は複数の軟質添加物340を含む。なお、第1及び第2制動面332,334の一方のみに複数の軟質添加物340を含ませるようにしてもよい。第1及び第2制動面332,334の少なくとも一方に、複数の軟質添加物340を含ませるのが好ましい。

最外層332a,334aは、第1及び第2制動面332,334のみに最外層332a,334aが形成されていることを除いて、第1実施形態と同じ構成である。なお、強化繊維層332c,334cは単一材料で図示されているが、これらの強化繊維層332c,334cは1以上の積層された強化繊維層で形成してもよい。また、第1実施形態で説明したように、強化繊維層332c,334cは、成形工程中に、エポキシ樹脂層332b,334bのエポキシ樹脂を含浸させるようにしてもよい。好ましくは、第4実施形態では、強化繊維層332c,334cは、1以上のグラスファイバー層、及び/又は1以上のカーボン層から形成されている。なお、エポキシ樹脂層332b,334b及び強化繊維層332c,334cは非金属層の例である。

軟質添加物340は第1実施形態の軟質添加物と同様である。すなわち、軟質添加物340は、ニトリルゴム又はフッ素系エラストマーのようなエラストマー系の材料を含んでいる。軟質添加物340は850〜1000μmの所定の粒径の顆粒を含んでいる。軟質添加物340は、不規則な形状の微小な顆粒である。しかし、仮に軟質添加物340が他のプロセスで形成されるならば、軟質添加物340を規則的な形状にすることができる。

図11において、第1実施形態で示したように、最外層332a,334a、エポキシ樹脂層332b,334b、強化繊維層332c,334c、及び軟質添加物340については、模式的に示している。したがって、各層332a,334a,332b,334b,332c,334cの厚み、及び軟質添加物340のサイズについては、必ずしも正確ではない。

[他の実施形態] 本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。

(a)第1及び第2実施形態における非金属層は、エポキシ樹脂層26と複合グラスファイバー層28とで形成されているが、非金属層を樹脂層のみで形成してもよい。また、第3及び第4実施形態における非金属層は、エポキシ樹脂層232a,234a,332a,334aと強化繊維層232c,234c,332c,334cとで形成されているが、同様に非金属層を樹脂層のみで形成してもよい。

(b)第1及び第2実施形態では、第1環状側面部20、第2環状側面部22、環状連結部24のそれぞれは、複合カーボン層30により形成されているが、これらは金属材料で形成してもよい。

12,112,212,312 自転車用リム 20,120,220,320 第1環状側面部 22,122,222,322 第2環状側面部 24 224,324 環状連結部 24a,224a,324a 湾曲面 25,232a,234a,332a,334a 最外層 26,232b,234b,332b,334b エポキシ樹脂層 28 複合グラスファイバー層 30 複合カーボン層 32,232,332 第1制動面 34,234,334 第2制動面 38 最外表面 40,240,340 軟質添加物 120a,122a,320a,322a 係止部 120b,122b,320b,322b 外周縁

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