Method of manufacturing a vehicle wheel |
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申请号 | JP2010038139 | 申请日 | 2010-02-24 | 公开(公告)号 | JP5463162B2 | 公开(公告)日 | 2014-04-09 |
申请人 | 中央精機株式会社; 株式会社ブリヂストン; | 发明人 | 明宏 池田; 雅英 古川; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | タイヤのビードを支持する表裏のフランジ部およびビードシート部と、表裏のビードシート部間に形成された表裏方向のウエル部とを具備すると共に、 表側フランジ部と表側ビードシート部とが形成された円環状のアウターリム部に、又は/および裏側フランジ部と裏側ビードシート部とが形成された円環状のインナーリム部に、ホイール周方向に沿ってリム空洞部が周成され、且つ該リム空洞部内の内部空域を複数の隔壁部によりホイール周方向に区画して、リム部に装着されたタイヤとにより密閉されるタイヤ内空域の音波を減衰するための吸音空域が形成されたリム部と、 車軸に連結されるディスク部とを備えた車両用ホイールの製造方法において、 前記リム部のウエル部の外表面から径方向外方へ突出する環状壁部を、少なくとも表裏いずれか一方のフランジ部寄りに周成し、且つ該環状壁部とフランジ部との間に前記隔壁部をホイール周方向に所定間隔で複数形成する鋳造工程と、 前記リム部の環状壁部を一方のフランジ部側へ折り曲げて、該環状壁部の内側壁面を各隔壁部の外側端面に当接させ且つ該環状壁部の外周端部を当該フランジ部にホイール周方向に亘って当接させる折曲加工工程と、 折曲加工した環状壁部の外周端部とフランジ部とをホイール周方向全周に亘って接合することにより、前記ビードシート部とリム空洞部とを形成し且つ各隔壁部により隔てられた前記吸音空域を生成する接合工程と、 所定の熱処理を行う熱処理工程と、 前記吸音空域と外部とを連通する連通孔を、折曲加工した環状壁部に穿設する孔加工工程とを順次実行する製造方法であって、 前記折曲加工工程前に、環状壁部と各隔壁部との間に、湾曲状の溝底面が設定された所定深さの離間溝を、該隔壁部の幅方向に亘って形成し、 折曲加工工程により環状壁部をフランジ部側へ折曲加工することによって、該環状壁部の内側壁面と隔壁部の外側端面との間に、隣り合う前記吸音空域を連通する連通空隙が前記離間溝により画成されるようにしていることを特徴とする車両用ホイールの製造方法。 折曲加工した環状壁部の内側壁面と隔壁部の外側端面との間に形成する連通空隙の、接合工程により生成する吸音空域の断面積に対する開口率が、0.1%以上且つ30%以下となるように、環状壁部と各隔壁部との間に離間溝を形成していることを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイールの製造方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、車両走行中に、タイヤとリム部とにより密閉されたタイヤ内空域で発生する気柱共鳴音(いわゆる空洞共鳴音)を低減し得る車両用ホイールの製造方法に関するものである。 自動車等の車両では、エンジンノイズ低減技術の進歩により、車両走行中に、路面から入力する振動に起因するロードノイズが顕在化してきている。 このロードノイズの一因として、タイヤと車両用ホイールのリム部とにより密閉されたタイヤ内空域で発生する空洞共鳴音が指摘されている。 この空洞共鳴音は、車両走行中に路面から入力した振動により、タイヤ内空域の周長を一波長とする定在波が発生し、この定在波が特定の周波数帯(180Hz〜270Hz)で気柱共鳴現象を起こすことにより生ずる。 上記した空洞共鳴音を低減する方法として、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器、クインケ式の干渉形消音器、サイドブランチ式の共鳴吸音器等を適用した構成が提案されている。 例えば、特許文献1のように、車両用ホイールのリム部に、周方向に複数の副気室を形成し、該副気室とタイヤ内空域とを連通する孔部を設けた構成が提案されている。 この構成は、副気室によりヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成したものであり、上記したタイヤ内空域で発生する空洞共鳴音を低減することが可能である。 ここで、特許文献1では、リム部の外表面から径方向外方へ突出した縦壁を周方向に沿って成形すると共に表裏方向の隔壁を周方向で複数成形し、該縦壁を折り曲げることによって、折り曲げた縦壁と各隔壁とにより複数の副気室を形成する方法が提案されている。 上記した従来の特許文献1の構成のように、リム部に形成した副気室によってヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成する場合にあっては、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器として、タイヤ内空域で発生する空洞共鳴音の低減効果が明確かつ充分に発揮できるようにすることが必要である。 その一要件として、通常、各副気室間の密閉性を充分に確保することが必要である。 そのため、副気室を形成するために、上記の特許文献1の場合には、折曲加工した縦壁の端部をリム部のビードシート部に溶接することが提案されている。 さらには、密閉側壁によって気密性の高い副気室を形成するようにしている。 尚、このように気密性の高い副気室は、上記したクインケ式の干渉形消音器やサイドブランチ式の共鳴吸音器を構成する場合も同様に適用される。 ところで、車両用ホイールの製造工程にあっては、通常、内部組織の均質化に伴う強度向上を目的として所定の熱処理を実施し、その後に、所望の製品形状に成形する切削加工を行うようにしている。 これにより、熱処理の後に切削加工して所望の製品形状に整える。 そのため、上記した特許文献1の場合にあっては、副気室を形成した後に、熱処理を行い、その後に切削加工を行うこととなる。 さらに、副気室とタイヤ内空域とを連通する孔部にあっては、熱処理により孔形状が変形してしまう虞があるために、熱処理後に形成するようにしている。 すなわち、熱処理を行う際には、副気室は密閉状態にある。 上記した特許文献1の場合にあって、各副気室は、孔部形成前の状態で、高い密閉性を有していることから、熱処理によって、副気室内に閉じ込められた空気が加熱されて膨張する。 そして、空気の熱膨張によって、副気室の内圧が上昇し、これに伴って該副気室を構成する部位が変形を生じてしまう虞がある。 ここで、この変形が、比較的大きく生じてしまうと、その後の切削加工により副気室に孔や亀裂を生じてしまうこともあり得る。 さらに、前記変形が意匠面側へ生じると、意匠形状が変わってしまうため、修正することが難しいという問題がある。 このようなことから、熱処理によって、副気室を構成する部位の変形を可及的に抑制することが必要である。 また、上記した特許文献1の場合にあっては、折曲加工した縦壁を溶接する際に、溶接不良を生じることも懸念される。 これは、溶接の際の熱によって、副気室内の空気が加熱されて膨張することに因ると考えられる。 溶接不良は、エア漏れ等の不具合の要因ともなり得ることから、溶接不良の発生を可及的に低減することが求められる。 本発明は、上記したヘルムホルツ式の共鳴吸音器等を構成する吸音空域をアウターリム部または/およびインナーリム部に形成する際に、熱処理による変形を防ぎ得る車両用ホイールの製造方法を提案するものである。 本発明は、タイヤのビードを支持する表裏のフランジ部およびビードシート部と、表裏のビードシート部間に形成された表裏方向のウエル部とを具備すると共に、表側フランジ部と表側ビードシート部とが形成された円環状のアウターリム部に、又は/および裏側フランジ部と裏側ビードシート部とが形成された円環状のインナーリム部に、ホイール周方向に沿ってリム空洞部が周成され、且つ該リム空洞部内の内部空域を複数の隔壁部によりホイール周方向に区画して、リム部に装着されたタイヤとにより密閉されるタイヤ内空域の音波を減衰するための吸音空域が形成されたリム部と、車軸に連結されるディスク部とを備えた車両用ホイールの製造方法において、前記リム部のウエル部の外表面から径方向外方へ突出する環状壁部を、少なくとも表裏いずれか一方のフランジ部寄りに周成し、且つ該環状壁部とフランジ部との間に前記隔壁部をホイール周方向に所定間隔で複数形成する鋳造工程と、前記リム部の環状壁部を一方のフランジ部側へ折り曲げて、該環状壁部の内側壁面を各隔壁部の外側端面に当接させ且つ該環状壁部の外周端部を当該フランジ部にホイール周方向に亘って当接させる折曲加工工程と、折曲加工した環状壁部の外周端部とフランジ部とをホイール周方向全周に亘って接合することにより、前記ビードシート部とリム空洞部とを形成し且つ各隔壁部により隔てられた前記吸音空域を生成する接合工程と、所定の熱処理を行う熱処理工程と、前記吸音空域と外部とを連通する連通孔を、折曲加工した環状壁部に穿設する孔加工工程とを順次実行する製造方法であって、前記折曲加工工程前に、環状壁部と各隔壁部との間に、湾曲状の溝底面が設定された所定深さの離間溝を、該隔壁部の幅方向に亘って形成し、折曲加工工程により環状壁部をフランジ部側へ折曲加工することによって、該環状壁部の内側壁面と隔壁部の外側端面との間に、隣り合う前記吸音空域を連通する連通空隙が前記離間溝により画成されるようにしていることを特徴とする車両用ホイールの製造方法である。 すなわち、本発明の製造方法は、リム部とディスク部とを鋳造により一体的に成形する車両用ホイールの製造方法である。 かかる方法によれば、鋳造工程により成形した環状壁部と各隔壁部との間に離間溝を形成した後に、折曲加工工程により環状壁部を折り曲げることによって、折曲加工した環状壁部と隔壁部との間に離間溝による連通空隙を形成できる。 連通空隙は、離間溝により環状壁部と隔壁部とを離間することによって、該環状壁部を折曲加工した場合に、環状壁部と隔壁部との間に当接しない空隙が形成されることにより生ずるものである。 そのため、連通空隙は、離間溝の寸法形状に従って決まり、且つ安定した大きさに形成することができる。 換言すると、離間溝を設けることによって、所望の大きさの連通空隙を再現性良く且つ安定して生成することができる。 このように熱処理工程の前に行う折曲加工工程と接合工程とにより形成した吸音空域(連通孔が形成される前の状態)は、互い隣り合うもの同士が連通空隙を介して連通していることから、換言すると、複数の吸音空域が一体的な空間を共有したものとなっている。 そのため、熱処理工程により、各吸音空域内の空気が膨張しても、連通空隙を通じて移動できることから、この空気の熱膨張によって吸音空域の内圧上昇を緩和でき、該内圧上昇により吸音空域を構成する部位(アウターリム部、インナーリム部)が変形してしまうことを抑制できる。 したがって、本発明の方法によれば、吸音空域を構成する部位が熱処理により変形してしまうことを抑制し、該変形による成形不良の発生を可及的に低減することができ得る。 尚、本発明の製造方法にあって、接合工程の前、又は接合工程後かつ熱処理工程の前に、エア抜き孔を穿設する抜き孔穿設工程を行うようにする方法も好適に用い得る。 このエア抜き孔は、リム空洞部の内部空域と外部とを連通するためのものであり、リム空洞部を構成する部位(アウターリム部、インナーリム部)に、少なくとも一つ設ける構成が好適である。 そして、各吸音空域は、夫々の連通空隙により連通していることにより、前記エア抜き孔と連通する。 これにより、上記した熱処理工程により熱膨張した各吸音空域内の空気を排出することができるため、熱処理による変形を抑制する効果が一層向上する。 ここで、リム空洞部をアウターリム部に形成する場合には、通常、バルブ装着用のバルブ孔を穿設することから、該バルブ孔またはその基孔を前記エア抜き孔として適用することも可能である。 また、後述するように、接合工程を溶接するようにした上記場合にあっても、溶接熱による変形を抑制する効果が一層向上する。 上記の離間溝は、その溝底面を湾曲状に設定した構成であることによって、折曲加工した環状壁部と隔壁部とが当該離間溝の部位で当接せずに、連通空隙を確実かつ安定して形成できる。 そして、連通空隙の大きさとしては、離間溝の深さや幅および溝底面の半径によって決まることから、該離間溝の寸法形状を設定することによって、所望の大きさの連通空隙を安定して再現することができる。 尚、仮に、環状壁部と隔壁部との間に離間溝を設けずに、該環状壁部を折り曲げた場合(例えば、上記の特許文献1の場合)にあっても、折曲加工した環状壁部と隔壁部との間に微細な隙間が偶発的に生じることもあり得る。 しかし、このように偶発的に生じた隙間は、必ずしも形成されるわけでなく、さらに、その大きさ(隙間面積)も不定であることから、上記した本製造方法により形成される連通空隙と比べれば、空気の熱膨張による内圧上昇を緩和するという作用効果を担う構成としては不充分である。 そのため、離間溝を設けない方法は、熱処理による変形を抑制する効果を充分且つ安定して発揮できず、車両用ホイールの生産ラインに適合することができない。 以上のことから、本発明の製造方法は、互いに隣り合う吸音空域を連通する連通空隙を安定して形成でき、溶接不良を低減する効果が安定して発揮できることから、車両用ホイールの生産ラインに充分に適用することができる。 また、本発明の製造方法にあって、接合工程で、折曲加工した環状壁部の外周端部とフランジ部とを溶接するようにした場合には、該溶接の際に発生する熱(以下、溶接熱と言う)により、吸音空域内の空気が膨張するが、上述と同様に、空気の膨張による内圧上昇を緩和できることから、溶接熱による変形を抑制することができ得る。 これにより、溶接不良の発生を可及的に低減することができ得る。 一方、各吸音空域は、夫々の連通孔を介して、タイヤを装着することにより該タイヤとリム部とにより密閉されるタイヤ内空域と連通する。 そのため、吸音空域および連通孔により、タイヤ内空域で発生する空洞共鳴音を低減するヘルムホルツ式の共鳴吸音器、クインケ式の干渉形消音器、サイドブランチ式の共鳴吸音器を構成することができ得る。 ここで、吸音空域が、前記したヘルムホルツ式の共鳴吸音器等としての作用効果を発揮できるためには、前記した連通空隙の大きさを制御することにより、吸音空域の気密性を確保することを要する。 本製造方法では、連通空隙の大きさを、離間溝により設定することができるため、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器等に適する大きさに安定して形成することができる。 尚、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器、クインケ式の干渉形消音器、サイドブランチ式の共鳴吸音器の構成とする場合にあっても、タイヤ内空域の空洞共鳴音を低減できるように、吸音空域および連通孔の寸法形状を適宜設定することも必要である。 尚、本発明の製造方法にあって、離間溝は、鋳造工程により成形するようにしても良いし、鋳造工程後に成形するようにしても良い。 また、本発明の製造方法としては、少なくとも環状壁部の内側壁面と隔壁部の外側端面とを、鋳造により生ずる鋳肌状に維持して、折曲加工工程を実行することが好適である。 これにより、折曲加工した環状壁部の内側壁面と隔壁部の外側端面との密着性が高まることから、隔壁部により区画する吸音空域間の隙間を上記した連通空隙に限定できるため、所望の大きさに安定して形成できる連通空域による上記した作用効果が安定して発揮され得る。 本発明の製造方法にあって、環状壁部は、表側フランジ部寄りに形成した構成が好適である。 そして、環状壁部を表側フランジ部寄りに形成して、折曲加工工程と接合工程とにより両者を溶接して表側ビードシート部を形成することにより、リム空洞部および吸音空域をアウターリム部に形成する。 これにより、アウターリム部を減肉して軽量化することができる。 上述した車両用ホイールの製造方法において、折曲加工した環状壁部の内側壁面と隔壁部の外側端面との間に形成する連通空隙の、接合工程により生成する吸音空域の断面積に対する開口率が、0.1%以上且つ30%以下となるように、環状壁部と各隔壁部との間に離間溝を形成している方法が提案される。 ここで、連通空隙は、上述したように、離間溝に従って安定した大きさに形成することができる。 そのため、かかる本製造方法にあっては、離間溝の溝深さや溝幅および溝底面の半径等の寸法形状を設定することにより、連通空隙を上記の範囲内の所望の開口率に安定して成形する。 一方、連通空隙の開口率としては、0.1%より小さいと、吸音空域同士の一体性が極めて低くなるために、吸音空域内で発生した空気の熱膨張による内圧上昇を緩和する作用効果が十分に得られない。 さらに、開口率0.1%より小さい連通空隙を安定して形成することは難しい。 また、開口率が30%より大きいと、吸音空域の気密性が不充分となるため、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器、クインケ式の干渉形消音器、サイドブランチ式の共鳴吸音器としての作用効果を充分に発揮できない。 このようなことから、離間溝の寸法形状を設定して上記した開口率となる連通空隙を形成することにより、溶接不良の発生を可及的に低減する作用効果と、タイヤ内空域の空洞共鳴音を低減する吸音空域を形成できるという作用効果との両方を一層適正に奏し得る。 尚、本製造方法にあって、連通空隙の開口率としては、0.2%以上且つ20%以下となるように設定した方法が好適であり、さらには、0.5%以上且つ10%以下となるように設定した方法が好適である。 このように設定することによって、上記した空気の熱膨張による内圧上昇を緩和する作用効果とタイヤ内空域の空洞共鳴音を低減する作用効果が一層向上する。 本発明の車両用ホイールの製造方法は、上述したように、鋳造工程により成形する環状壁部と隔壁部との間に、湾曲状の溝底面が設定された所定深さの離間溝を形成した後に、環状壁部をフランジ部側へ折り曲げて、該環状壁部とフランジ部とを溶接し、さらに連通孔を穿設することにより、アウターリム部または/およびインナーリム部に、隔壁部により区画される吸音空域を形成し、且つ隣り合う吸音空域を連通する連通空隙を画成するようにした製造方法であるから、離間溝により折曲加工した環状壁部と隔壁部との間に当接しない連通空隙を安定して形成することができる。 これにより、接合工程後の熱処理工程の際に、吸音空域内の空気が熱膨張しても、各吸音空域が連通空隙により一体的な空間を共有していることから、該熱膨張による内圧上昇を緩和でき、吸音空域を構成する部位(アウターリム部または/及びインナーリム部)の変形を可及的に抑制することができ得る。 特に、連通空隙は、離間溝の寸法形状に応じて安定して形成できるため、再現性も高く、吸音空域同士の一体性を十分かつ安定して確保でき、前記した変形抑制効果を安定して発揮できる。 また、接合工程を溶接により実行している場合にあって、溶接熱による空気の熱膨張に対しても、前記と同様の変形抑制効果を発揮できる。 さらに、連通空隙の大きさを安定して設定できることから、吸音空域により、タイヤ内空域の空洞共鳴音を低減するヘルムホルツ式の共鳴吸音器、クインケ式の干渉形消音器、サイドブランチ式の共鳴吸音器を構成することができ得る。 したがって、本発明の製造方法によれば、熱処理の際に吸音空域の内圧上昇を緩和して、成形不良の発生を可及的に抑制できると共に、タイヤ内空域の空洞共鳴音を低減する作用効果を発揮する吸音空域を備えた車両用ホイールを安定して製造することができる。 上述した車両用ホイールの製造方法にあって、接合工程により生成する吸音空域の断面積に対する連通空隙の開口率が、0.1%以上且つ30%以下となるように、環状壁部と各隔壁部との間に離間溝を形成する方法とした場合には、離間溝の溝深さや溝幅および溝底面の半径等の寸法形状を設定することにより、連通空隙を前記範囲内の所望の開口率に安定して成形する。 これにより、上記した熱処理の際に吸音空域の内圧上昇による成形不良の発生を抑制する作用効果を一層向上できると共に、タイヤ内空域の空洞共鳴音を低減する作用効果が一層向上する吸音空域を備えた車両用ホイールを得ることができる。 本発明にかかる車両用ホイール1の製造方法により成形される車両用ホイールを、図1〜3に従って説明する。 この車両用ホイール1は、アルミニウム合金を鋳造により一体成形してなるものであり、車軸が連結されるディスク部2と、タイヤが装着されるリム部3とを備えてなる。 尚、本実施例にあって、ディスク部2の背面側から意匠面側へ向かう方向を表方とし、逆向きを裏方としている。 また、車両用ホイール1の中心軸線Oと直交するホイール径方向に沿って、該中心軸線Oへ向かう方向を径方向内方とし、逆向きを径方向外方としている。 上記のディスク部2は、略円盤状のハブ取付部4と、該ハブ取付部4の外周縁から外方へ放射状に設けられた複数のスポーク部5とを備えている。 ここで、ハブ取付部4には、その中央にハブ孔17が設けられ、該ハブ孔17の外側に周方向で互いに均等間隔となる位置に複数のボルト孔18が設けられている。 また、互いに隣り合うスポーク部5の間に飾り孔6が夫々に形成されている。 また、上記のリム部3は、その両端開口縁部にタイヤ100のビード101a,101bを側方から保持する表裏のフランジ部10a,10bが形成され、各フランジ部10a,10bに、タイヤのビードを着座させて支持固定する表裏のビートシート部11a,11bが夫々に連成されている。 さらに、表裏両側のビードシート部11a,11bの間には、タイヤ装着時に、タイヤのビードを落とすためのウエル部14が表裏方向に沿って設けられている。 そして、表側ビードシート部11aとウエル部14とがウエル壁部15を介して連成されている。 ここで、表側フランジ部10aと表側ビードシート部11aとが形成されている部位が、本発明にかかるアウターリム部8であり、裏側フランジ部10bと裏側ビードシート部11bとが形成されている部位が、本発明にかかるインナーリム部9である。 尚、本実施例にあっては、アウターリム部8に、前記したウエル壁部15を含む。 尚、この車両用ホイール1にあっては、車両に装着された場合にホイール外観となるディスク部2の表面により、所謂意匠面が構成されている。 そして、車両用ホイール1の上記した各部位はそれぞれ、中心軸線Oを中心とする同心状に形成されている。 また、車両用ホイール1に所定のタイヤ100を装着した状態で、リム部3と該タイヤ100とにより密閉された環状のタイヤ内空域102が形成される。 さらに、本実施例の車両用ホイール1にあっては、そのリム部3のアウターリム部8内に、異形断面形状(本実施例では断面略三角形状)の内部空域により構成されるリム空洞部21が周成されている。 そして、このリム空洞部21の内部空域をホイール周方向に区画する隔壁部22が、ホイール周方向で均等間隔で三つ形成されている。 この隔壁部22により、リム空洞部21の内部空域が三つの吸音空域25に分割されている。 さらに、アウターリム部8のウエル壁部15には、各吸音空域25と前記タイヤ内空域102を連通する三つの連通孔27が、ホイール周方向で均等間隔をおいて開口形成されている。 本実施例にあっては、上記吸音空域25と連通孔27とをホイール周方向に均等間隔で設け、かつ各吸音空域25を同じ容積とすることによって、タイヤ内空域102で発生する空洞共鳴音を低減するヘルムホルツ式の共鳴吸音器が構成されている。 ここで、吸音空域25の容積(断面積およびホイール周方向長さ)および連通孔27の断面積(開口径)を、タイヤ内空域102で発生する空洞共鳴音を低減できるように、該空洞共鳴音の周波数に応じて設定する。 すなわち、タイヤ内空域102で気柱共鳴現象を起こす特定の周波数帯(180Hz〜270Hz)に対して、吸音空域25が上記したヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を発揮するように、前記した吸音空域25の容積と連通孔27の開口径を設定する。 このように吸音空域25と連通孔27とを設けることによって、本実施例の車両用ホイール1を取り付けた車両を走行した場合に、タイヤ100が路面から受ける振動によって生ずる気柱共鳴現象を低減することができるため、この気柱共鳴現象によるロードノイズを効率的に低減することができ得る。 次に、上記した車両用ホイール1を製造するための製造方法について説明する。 この鋳造工程により成形される鋳造成形品51は、上記した車両用ホイール1に無駄肉が全体的に付いた形状であり、後述する切削加工工程で表面を切削加工することにより所望の車両用ホイール1の寸法形状に成形される。 尚、図4,5にあっては、無駄肉の部分を省略しており、該車両用ホイール1の各構成が形成される部位には、同じ名称と符号を記して説明する。 本実施例の鋳造成形品51にあっては、図4のように、リム部3に、表側フランジ部10a、ウエル部14、裏側ビードシート部11b、裏側フランジ部10bが形成されている。 そして、ウエル部14の、表側フランジ部10a寄りの部位には、該ウエル部14の外表面から外方へ突出する環状壁部53が周成されている。 さらに、環状壁部53と表側フランジ部10aとの間には、表裏方向に沿った隔壁部22がホイール周方向で均等間隔に三つ形成されている。 尚、鋳造成形品51には、表側ビードシート部11aが形成されていない。 ここで、環状壁部53は、ホイール径方向に沿った略円環板形状に形成されている。 そして、環状壁部53のホイール径方向に沿った径方向幅が、その形成部位と表側フランジ部10aとの表裏方向の距離よりも長くなるように設定されている。 また、隔壁部22は、環状壁部53と直交するように表裏方向に沿って形成されており、表側フランジ部10aと環状壁部53とに夫々連成されている。 そして、隔壁部22は、ホイール径方向の壁高さが、後述する折曲加工工程で折り曲げた環状壁部53により表側ビードシート部11aを形成できるように、所定高さに設定されている。 尚、隔壁部22の前記壁高さは、環状壁部53の周方向幅に比して短い。 この隔壁部22は、上記した吸音空域25(リム空洞部21の内部空域)の断面積を規定するものであり、吸音空域25がヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を発揮する断面積とするように、その形状(壁高さ等)が設定されている。 さらに、本実施例にあっては、環状壁部53と各隔壁部22との間に、離間溝55が形成されている。 この離間溝55は、隔壁部22の幅方向(ホイール周方向に沿った幅)に亘って形成されている。 ここで、離間溝55の溝幅(表裏方向の離間距離)と溝深さ(ホイール径方向に沿った深さ)とが予め設定されていると共に、離間溝55の溝底面55aが、所定の曲率半径により設定される湾曲状に形成されている。 そして、離間溝55は、前記した溝幅、溝深さ、溝底面の曲率半径により、その寸法形状が定まっており、これら寸法形状が、後述するように、連通空隙61の開口率に従って適宜設定される。 このような鋳造工程にあっては、上記した鋳造成形品51を成形できるように設計された鋳造金型を用いている。 そして、本実施例では、上記した離間溝55を、鋳造工程により形成している。 尚、この鋳造工程は、従来から用いられている高圧鋳造、低圧鋳造、重力鋳造などの鋳造方法を適用できるため、その詳細については省略する。 この鋳造工程の後に、本実施例にあっては、鋳造成形品51の表側フランジ部10aの裏側基部分に、段差状の係合段部58を切削加工により周成する段部加工工程を行う(図4,5(A))。 尚、段部加工工程にあって、環状壁部53の外側壁面53cや外周端面(図示せず)を切削加工して、環状壁部53の形状を整えるようにしても良い。 但し、環状壁部53の内側壁面53bと隔壁部22の外側端面22aは、少なくとも切削加工を行わずに、鋳造による鋳肌面を維持するようにしている。 上記した段部加工工程の後に、スピニング加工により環状壁部53を表側フランジ部10a側へ折り曲げる折曲加工工程を実施する。 この折曲加工工程では、図5(A)〜(C)のように、環状壁部53を、その内側壁面53aが隔壁部22の外側端面22aに倣うようにして折り曲げる。 これにより、環状壁部53が、上記した隔壁部22の壁高さとほぼ同じ高さの径方向中寄り部分から折れ曲がって、当該環状壁部53の内側壁面53aと各隔壁部22の外側端面22aとが当接すると共に、折曲した環状壁部53の外周端部53bが上記した表側フランジ部10aの係合段部58に着座するようにしている。 これにより、ホイール周方向に亘ってリム空洞部21が形作られる。 ここで、環状壁部53と各隔壁部22との間に離間溝55が設けられていることにより、折曲加工した環状壁部53の内側壁面53aが該離間溝55を構成する隔壁部22の裏側端面22bと当接せずに、内側壁面53aと裏側端面22bとの間に隙間を生ずる。 この隙間は、離間溝55が隔壁部22の幅方向に亘って形成されていることから、隔壁部22により隔てられる領域(上記した、隣り合う吸音空域25)を連通する。 すなわち、この隙間により、本発明にかかる連通空隙61が構成される。 ここで、連通空隙61を画成する過程について詳述すると、環状壁部53と隔壁部22との間に形成されている離間溝55が、上記したように、所定溝深さ、所定溝幅、所定曲率半径の溝底面55aを設定していることから、環状壁部53を折曲加工した際に、離間溝55によって該環状壁部53の内側壁面53aと隔壁部22の裏側端面22bとの間に隙間を生ずる。 これは、離間溝55の溝底面55aが湾曲形状であることにより、環状壁部53を隔壁部22の外側端面22aと当接するように折り曲げても、離間溝55を介する部位では内側壁面53aと裏側端面22bとが当接しないことによって生ずる作用である。 尚仮に、離間溝が溝側面同士を交差する断面V字形状に形成されていると、環状壁部を折曲加工すると、該環状壁部と隔壁部とが当接し易くなる。 そのため、この断面V字形の離間溝では、所望の大きさの隙間を形成することができず、せいぜい偶発的に隙間を生ずるだけである。 さらに、上記した連通空隙61の大きさは、離間溝55の寸法形状に従って設定することができる。 すなわち、この離間溝55の、溝深さや溝幅、溝底面55aの曲率半径を適宜設定することにより、当該離間溝55により形成される連通空隙61の大きさを制御することができる。 そのため、離間溝55の寸法形状を設定することにより、所望の大きさの連通空隙61を形成できる。 尚、本実施例にあっては、上記した段部加工工程で、環状壁部53と隔壁部22との表面を切削加工せずに鋳肌面を維持していることから、折曲加工した環状壁部53の内側壁面53aと隔壁部22の外側端面22aとの密着性が高い。 そのため、隔壁部22により隔てられる領域(隣り合う吸音空域25)を連通する隙間が、上記した連通空隙61に限定できる。 上記の折曲加工工程の後に、該折曲加工工程により折り曲げた環状壁部53の外周端部53bと表側フランジ部10aとを溶接する接合工程を実施する。 この接合工程では、溶接により、ホイール周方向に亘って全周溶接する。 これにより、リム空洞部21が形成される。 この接合工程により、折り曲げた環状壁部53と表側フランジ部10aとを強固に溶接することができ、折り曲げた環状壁部53により形成される部位(上記したアウターリム部8)が所望の強度を発揮できるものとなる。 さらに、折り曲げた環状壁部53により形成されるリム空洞部21の内部空域(吸音空域25)を密閉状に形成することができる。 そして、前記内部空域が隔壁部22によってホイール周方向に三つに区画され、それぞれに吸音空域25が形成される。 尚、この接合工程で形成される吸音空域25は、後述する孔加工工程の前であることから、高い気密性を維持している。 本実施例にあっては、上記の接合工程の後に、図6のように、アウターリム部8に形成するバルブ孔(図示せず)の基孔65を、該アウターリム部8の意匠面側から穿設する抜き孔穿設工程を行う。 この基孔65によって、後述する折り曲げ加工工程によりリム空洞部21の内部空域(いずれか一の吸音空域25)と外部とを連通するエア抜き孔65を構成する。 ここで、各吸音空域25は、夫々に隣り合う吸音空域25と連通空隙61により連通していることから、全ての吸音空域25がエア抜き孔65と連通する。 尚、このエア抜き孔65は、前記バルブ孔の形成位置を特定するための基孔としての機能を有するものであればよいため、比較的小さな径寸法とする。 上記の抜き孔穿設工程の後に、熱処理工程を実施する。 この熱処理工程の熱処理としては、本実施例にあって、所定の処理温度により加熱する溶体化処理と該溶体化処理後に所定温度で保持する人工時効とを行うT6処理を実行する。 これにより、内部組織の均質化と析出硬化とにより強度を向上させる。 この熱処理工程にあっては、比較的高温の処理温度により加熱することから、上記した吸音空域25内に閉じ込められている空気が熱膨張してしまう。 ここで、各吸音空域25により構成されるリム空洞部21は、溶接により密閉されているが、隣り合う吸音空域25同士は、上記した連通空隙61により連通していることから、各連通空隙61により一体的な空間を共有している。 これにより、前記した吸音空域25内で熱膨張した空気は、連通空隙61を介して移動可能であることから、当該熱膨張による吸音空域25の内圧上昇を緩和することができる。 そのため、前記内圧上昇に伴ってアウターリム部8に作用する負荷を緩和でき、該アウターリム部8が変形してしまうことを可及的に抑制でき得る。 特に、本実施例にあっては、上記の抜き孔穿設工程によりエア抜き孔65を形成していることから、各吸音空域25内で熱膨張した空気が、夫々の連通空隙61を介して移動して、エア抜き孔65から排出され得る。 これにより、前記したアウターリム部8の変形抑制効果が一層向上する。 尚、上述したように、従来は、前記熱膨張によるアウターリム部8の変形が、比較的大きく生じたり、意匠面側へ生じてしまうと、修正することが困難であるために、成形不良となっていた。 これに対して、本実施例の製造方法によれば、前記熱膨張による変形を可及的に抑制できるため、成形不良の発生を低減することができる。 尚、上記した接合工程にあっても、溶接熱により、吸音空域25内の空気が熱膨張しても、熱処理工程と同様に、該熱膨張による変形を充分に抑制できる。 そのため、溶接による溶接不良の発生を低減することもでき得る。 上記の熱処理工程の後に、切削加工により自動車用ホイール1の所望の製品形状に成形する切削加工工程を実施する。 この切削加工工程では、折り曲げた環状壁部53の外側壁面53cを切削加工して、ウエル壁部15と表側ビードシート部11aとを成形する。 これにより、図3のように、上記したウエル部14から、ウエル壁部15と表側ビードシート部11aとを介して表側フランジ部10aに至る形状を整え、所望のアウターリム部8を形成する。 ここで、折り曲げた環状壁部53が上記接合工程により表側フランジ部10aと強固に接合していることから、この切削加工によって変形等を生じず、アウターリム部8を所望の形状に容易かつ適正に形成でき得る。 さらに、上記の熱処理工程後にあっても、アウターリム部8の変形が可及的に抑制されていることから、当該切削加工による亀裂発生等の不具合が発生することも防止できる。 上記したアウターリム部成形工程の後に、アウターリム部8のウエル壁部15に、連通孔27を穿設する孔加工工程を実施する。 ここで、連通孔27は、上記したリム空洞部21の各吸音空域25に夫々に一個づつ形成されるように、ホイール周方向で均等間隔に三つ形成する。 尚、連通孔27は、上記のように、吸音空域25と共にヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成することから、該共鳴吸音器としての作用効果を発揮できるように、開口径や形成位置を吸音空域25の容積に応じて適宜設定している。 さらに、ボルト孔やバルブ孔を穿設する工程、塗装工程、所定の検査工程を実施して、上記した本実施例の車両用ホイール1を製造できる。 これら塗装工程などは、従来と同様の方法を適用できるため、その詳細については省略する。 このような本実施例の車両用ホイール1の製造方法によれば、アウターリム部8に形成した吸音空域25とその連通孔27とにより、タイヤ内空域102で発生する気柱共鳴現象によるロードノイズを低減する効果を発揮するヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成することができる。 また、上記のように、鋳造工程により成形した環状壁部53と隔壁部22との間に離間溝55を形成して、該環状壁部53を折曲加工するようにしていることから、環状壁部53と隔壁部22との間に連通空隙61を安定して画成することができる。 このように、各吸音空域25(リム空洞部21の内部空域)は連通空隙61により一体的な空間を供給するものとなっていることから、熱処理工程にあって、吸音空域25内の空気が熱膨張することにより発生する内圧上昇を緩和できるため、該内圧上昇に伴って生じ得るアウターリム部8の変形を可及的に抑制できる。 これにより、アウターリム部8の変形による成形不良の発生を低減でき得る。 また、接合工程にあっても、その溶接熱により吸音空気25内で空気の熱膨張を生じ得るが、前記同様に、内圧上昇を緩和できるため、これに伴う変形を可及的に抑制できる。 したがって、本実施例の製造方法では、ロードノイズを低減するヘルムホルツ式の共鳴吸音器を備えた構成の車両用ホイール1の成形にあって、その成形不良の発生を充分に抑制することができると共に、当該車両用ホイール1を安定して成形できる。 そのため、車両用ホイール1の生産ラインに容易に適用することができ、前記したロードノイズを低減できる車両用ホイール1を生産することができる。 ここで、上記した離間溝55に基づいて画成される連通空隙61としては、吸音空域25(内部空域)の断面積に比して、当該連通空隙61の開口率が、0.1%以上かつ30%以下の範囲内に設定される。 すなわち、所望の開口率となるように、離間溝55の溝幅や溝深さや溝底面の曲率半径を設定する。 具体例として、車両用ホイール1が、リム径16インチサイズの自動車用ホイールであり、アウターリム部8に形成された吸音空域25の断面積が120mm 2とした構成とする。 この場合に、離間溝55を、溝幅1mm、溝深さ8mm、溝底面の曲率半径0.5mmと設定することにより、開口率が約3%となる連通空隙61を形成することができる。 このように、車両用ホイール1のサイズや吸音空域25の断面積に応じて、離間溝55の寸法形状を適宜設定することにより、所望の開口率となる連通空隙61を安定して形成することができる。 尚、車両用ホイール1のサイズや吸音空域25の寸法形状によって、離間溝55の設定寸法を適宜設定する必要があるものの、該離間溝55の溝底面の曲率半径としては、0.3mm以上かつ3mm以下に設定した構成が好適である。 これは、上記のように、離間溝55の溝底面が湾曲状に形成されていることにより、連通空隙61を安定して再現することができることに因る。 そして、前記した範囲の曲率半径とすることにより、連通空隙61の再現性を一層向上することができる。 一方、上述した実施例にあっては、鋳造工程により、離間溝を形成した製造方法であるが、鋳造工程後に離間溝を形成する工程を別に設け、当該工程後に折曲加工工程を実行するようにしても良い。 例えば、折曲加工工程前に、離間溝を形成する加工工程を設定することもできる。 上述した実施例にあって、エア抜き孔を形成する抜き孔穿設工程を、接合工程の前に実行するようにしてもよい。 これにより、溶接熱により熱膨張した空気をエア抜き孔から排出することができるため、上記した溶接不良の発生を抑制する効果が一層向上する。 また、エア抜き孔は、バルブ孔の基孔として形成する他に、環状壁部に、孔加工工程で形成する連通孔の基孔として穿設することもできる。 さらに、エア抜き孔は、連通空隙により連通する吸音空域のいずれか一つに形成すればよく、また、複数形成してもよい。 上述した実施例では、エア抜き孔を形成する抜き孔穿設工程を実行するようにしているが、この抜き孔穿設工程を、熱処理工程前に実行しないようにしてもよい。 この場合にあっても、上記した連通空隙による熱膨張抑制効果を生じ、上述した本発明の作用効果を奏し得る。 また、本実施例にあっては、アウターリム部に吸音空域(リム空洞部の内部空域)を形成するようにしているが、インナーリム部に吸音空域(リム空洞部の内部空域)を形成するようにしても良い。 この場合にも、アウターリム部に形成する方法と同様に実施することができる。 さらに、アウターリム部とインナーリム部との両方に吸音空域を形成するようにしても良い。 また、本実施例にあっては、アウターリム部に形成した吸音空域によりヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成するようにした車両用ホイールを製造するようにしているが、これと別に、吸音空域によってクインケ式の干渉形消音器やサイドブランチ式の共鳴吸音器を構成する車両用ホイールを製造することも可能である。 クインケ式の干渉形消音器やサイドブランチ式の共鳴吸音器を構成する吸音空域を備えた構成にあっても、上記した実施例と同様、環状壁部と隔壁部との間に離間溝を形成することによって、所望の開口率を有する連通空隙を形成して溶接不良を低減する作用効果を発揮すると共に、タイヤ内空域102で発生する空洞共鳴音を低減する作用効果を発揮する車両用ホイールを生産することができる。 尚ここで、クインケ式の干渉形消音器やサイドブランチ式の共鳴吸音器を構成する場合には、吸音空域の音波とタイヤ内空域102の音波とが互いに干渉して低減するように、前記吸音空域を設定する。 例えば、吸音空域の音波の伝搬長さが、当該音波とタイヤ内空域102の音波との位相差が半波長となるように設定することが好適である。 そのため、吸音空域が前記伝搬長さとなるように、隣り合う隔壁部間の距離を設定することが必要である。 本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。 例えば、接合工程を、所定の接着剤により接着するようにしたものとすることもできる。 尚、この場合には、溶接熱による吸音空域内の空気が熱膨張することが無く、これに伴う作用効果も生じない。 また、熱処理工程にあっては、車両用ホイールを成形する金属材料に応じた熱処理方法を適用することができる。 1 車両用ホイール 2 ディスク部 3 リム部 8 アウターリム部 9 インナーリム部 10a 表側フランジ部 10b 裏側フランジ部 11a 表側ビードシート部 11b 裏側ビードシート部 14 ウエル部 21 リム空洞部(内部空域) |