全方位駆動車輪システム及びその操作方法

申请号 JP2013520734 申请日 2011-07-11 公开(公告)号 JP5643428B2 公开(公告)日 2014-12-17
申请人 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド; トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド; 发明人 康生 上原; 康生 上原;
摘要
权利要求
  • 全方位駆動車輪であって、
    第1の軸線に沿って中央寄りに配列された第1のギヤ及び第2のギヤと、
    前記第1の軸線に沿って、前記第1のギヤ及び前記第2のギヤ間に配置された中心車軸と、
    該中心車軸に結合され、前記第1のギヤ及び前記第2のギヤ間の略一定の距離を維持するように構成されたスペース部材と、
    複数の周縁車輪組立体であって、
    前記第1の軸線に対して略垂直な第2の軸線に沿って中央寄りに配列された車輪部材と 前記第1のギヤ及び前記第2のギヤと係合するための遠位端及び前記車輪部材と係合するための近位端を備える結合ギヤとをそれぞれ有し、前記遠位端と前記近位端とが、前記第1のギヤ及び前記第2のギヤの共通半径に対し略平行であると共に前記第1の軸線及び前記第2の軸線に対し略垂直な径方向軸線を画成する複数の周縁車輪組立体と、
    前記中心車軸に結合された回転装置であって前記第1のギヤを前記第1の軸線の周りで第1の角速度で回転させると共に前記第2のギヤを前記第1の軸線の周りで第2の角速度で回転させるための回転装置と、を具備する全方位駆動車輪であって、
    それぞれの前記周縁車輪組立体の前記結合ギヤが、前記第1の角速度が前記第2の角速度と異なるときに、当該結合ギヤのそれぞれの前記車輪部材をそれぞれの前記第2の軸線の周りで回転させるように構成された全方位駆動車輪。
  • 前記第1のギヤ及び前記第2のギヤが、当該第1のギヤ及び当該第2のギヤ間において周領域を有する円筒状の空間を画成し、それぞれの周縁車輪組立体の前記結合ギヤが前記第1の角速度及び前記第2の角速度の共通角速度で前記周領域に沿って旋回するように構成される請求項1に記載の全方位駆動車輪。
  • 前記回転装置は、
    前記中心車軸に結合されると共に前記第1のギヤ及び前記第2のギヤ間に配置され、且つ、
    前記第1のギヤ及び前記第2のギヤが独立して回転されるように、前記第1のギヤを回転させるために該第1のギヤに結合された第1のモーターと、前記第2のギヤを回転させるために該第2のギヤに結合された第2のモーターと、を具備する請求項1に記載の全方位駆動車輪。
  • 前記第1のギヤ及び前記第2のギヤが、当該第1のギヤ及び当該第2のギヤの中間に配置された平面に対して略平行であり、それぞれの前記周縁車輪組立体の前記車輪部材が、前記平面に沿って略対称である全方位駆動車輪 であって、
    前記中心車軸に結合されると共に前記平面に対して略平行な前記第1の軸線に沿って中央寄りに配列された第1の保護プレート及び第2の保護プレートを更に具備し、
    前記第1のギヤ及び前記第2のギヤが前記第1の軸線において第1の保護プレート及び第2の保護プレート間に配置された請求項1に記載の全方位駆動車輪。
  • 前記スペース部材は、
    前記第1のギヤ及び前記第2のギヤが前記回転装置によって回転される間に、第1のディスク、第2のディスク及び前記中心車軸が角度を有して静止したままで構成されるような、
    前記第1のギヤ及び前記中心車軸に結合された第1のディスクと、
    前記第2のギヤ及び前記中心車軸に結合された第2のディスクと、を有する請求項1に記載の全方位駆動車輪。
  • 前記第1のギヤが該第1のギヤに組み込まれた第1の空洞部を有し、前記第1のディスクが前記第1の空洞部内に配置され、且つ、前記第2のギヤが該第2のギヤに組み込まれた第2の空洞部を有し、前記第2のディスクが前記第2の空洞部内に配置された請求項5に記載の全方位駆動車輪。
  • それぞれの前記周縁車輪組立体が、前記車輪部材のそれぞれを前記スペース部材の前記第1のディスク又は前記第2のディスクに動作可能に結合するためのブレース部材を有する請求項 に記載の全方位駆動車輪。
  • それぞれの周縁車輪組立体の前記結合ギヤは、径方向 車軸であって、当該径方向 車軸が前記スペース部材の中心 車軸に対して略垂直となるような、前記結合ギヤの近位端及び遠位端を結合するための径方向 車軸を有 し、
    前記遠位端が、第3のギヤであって前記第1のギヤ及び前記第2のギヤ間に配置され且つ前記第1のギヤ及び前記第2のギヤと係合するように構成された第3のギヤを有し、
    前記近位端が、第4のギヤを有し、
    複数の前記周縁車輪組立体の少なくとも1つが、前記第4のギヤと係合するように構成されたギヤを有する請求項 に記載の全方位駆動車輪。
  • 前記周縁車輪組立体のそれぞれの前記結合ギヤは、前記第1の角速度が前記第2の角速度より実質的に大きいときにその径方向軸線周りで時計回りに回転し、前記第1の角速度が前記第2の角速度より実質的に小さいときにその径方向軸線周りで反時計回りに回転するように構成された請求項1に記載の全方位駆動車輪。
  • 前記周縁車輪組立体のそれぞれの前記車輪部材が、第1の車輪と、第2の車輪と、前記第1の車輪及び前記第2の車輪間で中央寄りに結合された車輪軸棒と、を有し、前記第1の車輪が、前記結合ギヤの前記近位端と係合するための受け入れギヤを有する請求項1に記載の全方位駆動車輪。
  • 全方位駆動車輪を 有する輸送システムであって、
    第1の軸線に沿って中央寄りに配列された左のギヤ及び右のギヤであって、当該左のギヤ及び当該右のギヤ間において周領域を有する円筒状の空間を画成する左のギヤ及び右のギヤと、
    前記円筒状の空間の前記周領域に沿って離散した複数の周縁車輪組立体であって、
    前記第1の軸線に対して略垂直な第2の軸線に沿って中央寄りに配列された一対の車輪と 前記左のギヤ及び前記右のギヤと係合するための遠位端及び前記一対の車輪と係合するための近位端を備える結合ギヤとをそれぞれ有し、前記遠位端と前記近位端が、前記左のギヤ及び前記右のギヤの共通半径に対し略平行であると共に前記第1の軸線及び前記第2の軸線に対し略垂直な径方向軸線を画成する複数の周縁車輪組立体と、
    前記左のギヤ及び前記右のギヤ間に配置された回転装置であって前記左のギヤを前記第1の軸線の周りで左の角速度で回転させると共に前記右のギヤを前記第1の軸線の周りで右の角速度で回転させるための回転装置と、を具備する輸送システムであって、
    それぞれの前記周縁車輪組立体の前記結合ギヤが、それぞれの前記一対の車輪を前記第2の軸線の周りで、前記左の角速度及び前記右の角速度間の差動角速度によって定義される横角速度で回転させるように構成され、且つ、
    前記左の角速度及び前記右の角速度の共通角速度で前記周領域に沿って旋回するように構成された輸送システム。
  • 前記回転装置は、前記左のギヤ及び前記右のギヤが独立して駆動されるように、前記左のギヤを回転させるために該左のギヤに結合された左のモーターと、前記右のギヤを回転させるために該右のギヤに結合された右のモーターと、を具備する請求項11に記載の 輸送システム。
  • 前記左のギヤ及び前記右のギヤ間で結合されたスペース部材であって、前記左のギヤ及び前記右のギヤ間で略一定の距離を維持するように構成され、前記左のギヤ及び前記右のギヤが前記回転装置によって回転されるときに左のディスクと右のディスクと 中心車軸とが角度を有して静止したままで構成されるような、
    前記左のギヤに動作可能に結合された左のディスクと、
    前記右のギヤに動作可能に結合された右のディスクと、
    前記第1の軸線に沿って配置され且つ前記左のディスク及び前記右のディスク間で結合された 前記中心車軸と、を有するスペース部材を更に具備する請求項11に記載の輸送システム。
  • それぞれの前記周縁車輪組立体が、前記車輪部材のそれぞれを前記スペース部材の前記左のディスク又は前記右のディスクに動作可能に結合するためのブレース部材を有する請求項13に記載の 輸送システム。
  • それぞれの前記周縁車輪組立体の前記一対の車輪が、第1の車輪と、第2の車輪と、前記第1の車輪及び前記第2の車輪間で中央寄りに結合された車輪軸棒と、を有し、前記第1の車輪が、それぞれの前記結合ギヤの前記近位端と係合するための受け入れギヤを有する請求項11に記載の輸送システム。
  • 全方位駆動車輪を操作するための方法であって、
    第1の軸線に沿って中央寄りに配列された第1のギヤ及び第2のギヤを提供する工程と、
    前記第1の軸線に沿って前記第1のギヤ及び前記第2のギヤ間に配置された中心車軸を提供する工程と、
    複数の周縁車輪を複数の結合ギヤによって第1のギヤ及び第2のギヤに係合する 工程と、
    前記中心車軸に結合されたスペース部材を用いて前記第1のギヤ及び前記第2のギヤ間の略一定の距離を維持する工程と、
    前記中心車軸に結合された回転装置を用いて前記第1のギヤを第1の角速度で回転させる 工程と、
    前記回転装置を用いて前記第2のギヤを第2の角速度で回転させる 工程と、を含み、
    前記第1の角速度が前記第2の角速度と異なるとき、それぞれの前記結合ギヤがそれぞれの前記周縁車輪を回転させるように構成され、前記全方位駆動車輪が横方向に移動する方法。
  • 前記全方位駆動車輪は、前記第1の角速度及び前記第2の角速度が同じ方向のとき、それぞれの前記結合ギヤが、前記周縁車輪と共に前記第1のギヤ及び前記第2のギヤ間に位置し、前記第1のギヤ及び前記第2のギヤと略平行な円形プレートの周りで旋回するように構成され、縦方向に移動する請求項16に記載の方法。
  • 前記全方位駆動車輪は、前記第1の角速度が前記第2の角速度と異なるとき及び前記第1の角速度及び前記第2の角速度が同じ方向のときに斜めに移動する請求項16に記載の方法。
  • 前記全方位駆動車輪は、前記第1の角速度が前記第2の角速度と略等しいときに横方向に静止したままとなる請求項16に記載の方法。
  • 前記全方位駆動車輪は、前記第1の角速度及び前記第2の角速度の和が略ゼロであるときに縦方向に静止したままとなる請求項16に記載の方法。
  • 全方位駆動車輪であって、
    第1の軸線に沿って中央寄りに配列された第1のプレート及び第2のプレートと、
    前記第1の軸線に沿って前記第1のプレート及び前記第2のプレート間に配置された中心車軸と、
    前記中心車軸に結合され、前記第1のプレート及び前記第2のプレート間の略一定の距離を維持するように構成されたスペース部材と、
    複数の周縁車輪組立体であって、
    前記第1の軸線に対して略垂直な第2の軸線に沿って中央寄りに配列された車輪部材と、
    前記第1のプレート及び前記第2のプレートと係合するための遠位端及び前記車輪部材と係合するための近位端を備える結合部材と、をそれぞれ有し、前記遠位端と前記近位端とが、前記第1のプレート及び前記第2のプレートの共通半径に対し略平行であると共に前記第1の軸線及び前記第2の軸線に対し略垂直な径方向軸線を画成する複数の周縁車輪組立体と、
    前記中心車軸に結合されて前記第1のプレート及び前記第2のプレート間に配置された回転装置であって、前記第1のプレートを前記第1の軸線の周りで第1の角速度で回転させると共に前記第2のプレートを前記第1の軸線の周りで第2の角速度で回転させるための回転装置と、を具備する全方位駆動車輪であって、
    それぞれの前記周縁車輪組立体の前記結合部材が、前記第1の角速度が前記第2の角速度と異なるときに、当該結合部材のそれぞれの前記車輪部材をそれぞれの前記第2の軸線の周りで回転させるように構成された全方位駆動車輪。
  • 前記第1のプレート及び前記第2のプレートが、それぞれの周縁車輪組立体の前記結合部材の前記遠位端と係合するための摩擦表面をそれぞれ有する請求項21に記載の全方位駆動車輪。
  • それぞれの周縁車輪組立体の前記車輪部材が、前記結合部材のそれぞれの前記近位端と係合するための摩擦表面を有する請求項21に記載の全方位駆動車輪。
  • 说明书全文

    本発明は全方位駆動車輪システムに関する。 詳しくは、本発明は集積差動機構を備えた全方位駆動車輪システムに関する。

    全方位車輪としても公知な全方位駆動車輪は、主車輪と主車輪の縁に沿って離散した周縁車輪のセットとを備える回転装置である。 主車輪は前後に回転でき、他方、周縁車輪のセットは左右に回転できる。 これにより全方位駆動車輪を備えた輸送システムは、実際に主車輪を操することなく横に又は斜めに移動することができる。 他の車輪システムと異なり、全方位駆動車輪システムは比較的短い時間で比較的小さなスペースで移動方向を変えることができるので、きわめて優れた操縦性を提供する。

    その高い操縦性のために、全方位駆動車輪システムは低速輸送システムの分野で、例えば電子車椅子システムやロボット・システムで広く用いられている。 各周縁車輪に個別に動を供給し制御することによって全方位駆動車輪システムを実現する試みが過去になされてきた。 しかし、その実現には多数の電子部品、伝達ギヤ、及び回転装置が必要になる。 そのため、従来の全方位駆動車輪システムは、かさばり、重量が大きくなり、動力消費も大きくなるという問題があった。

    従って、この技術分野では小さなサイズで軽量であり動力消費も小さい全方位駆動車輪システムが要求されている。

    本発明のひとつの態様は、全方位駆動車輪を縦方向と横方向の両方に駆動する集積差動機構を備えることによって従来の全方位駆動車輪システムを改良することである。 集積差動機構の利点は、電子部品、回転装置、及び伝達ギヤの数量を減らせること、縦方向と横方向での直接の駆動による集積スラストを生成できることなどであるが、それだけに限定されない。 全方位駆動車輪システムは一対の縦方向ギヤと、縦方向ギヤのそれぞれを別々に個別に回転させる回転装置と、複数の周縁車輪組立体を含み、各周縁車輪組立体は車輪部材と、縦方向ギヤの対の間の差動スラストを車輪部材に伝達する結合ギヤを有する。

    1つの実施形態において、本発明は、全方位駆動車輪であって、第1の軸線に沿って中央寄りに配列された第1のギヤ及び第2のギヤと、複数の周縁車輪組立体であって、第1の軸線に対して略垂直な第2の軸線に沿って中央寄りに配列された車輪部材と第1のギヤ及び第2のギヤと係合するための遠位端及び対の車輪と係合するための近位端を備える結合ギヤとをそれぞれ有し、遠位端と近位端とが、左のギヤ及び右のギヤの共通半径に対し略平行であると共に第1の軸線及び第2の軸線に対し略垂直な径方向軸線を画成する複数の周縁車輪組立体と、第1のギヤを第1の軸線の周りで第1の速度で回転させると共に第2のギヤを第1の軸線の周りで第2の角速度で回転させるための回転装置と、を具備する全方位駆動車輪であって、それぞれの周縁車輪組立体の結合ギヤが、第1の角速度が第2の角速度と異なるときに、結合ギヤのそれぞれの車輪部材をそれぞれの第2の軸線の周りで回転させるように構成された全方位駆動車輪である。

    別の実施形態において、本発明は、全方位駆動車輪を用いる輸送システムであって、第1の軸線に沿って中央寄りに配列された左のギヤ及び右のギヤであって、その左のギヤ及び右のギヤ間において周領域を有する円筒状の空間を画成する左のギヤ及び右のギヤと、円筒状の空間の周領域に沿って離散した複数の周縁車輪組立体であって、第1の軸線に対して略垂直な第2の軸線に沿って中央寄りに配列された一対の車輪と左のギヤ及び右のギヤと係合するための遠位端及び一対の車輪と係合するための近位端を備える結合ギヤとをそれぞれ有し、遠位端と近位端とが、左のギヤ及び右のギヤの共通半径に対し略平行であると共に第1の軸線及び第2の軸線に対し略垂直な径方向軸線を画成する複数の周縁車輪組立体と、左のギヤを第1の軸線の周りで左の角速度で回転させると共に右のギヤを第1の軸線の周りで右の角速度で回転させるための回転装置と、を具備する輸送システムであって、それぞれの周縁車輪組立体の結合ギヤが、そのそれぞれの一対の車輪を第2の軸線の周りで、左の角速度及び右の角速度間の差によって定義される横角速度で回転させるように構成され、且つ、左の角速度及び右の角速度の組み合わせによって定義される共通角速度で周領域に沿って旋回するように構成された輸送システムである。

    更に別の実施形態において、本発明は、全方位駆動車輪を操作するための方法であって、複数の周縁車輪を複数の結合ギヤによって第1のギヤ及び第2のギヤに係合するステップと、第1のギヤを第1の角速度で回転させるステップと、第2のギヤを第2の角速度で回転させるステップと、を含み、第1の角速度が第2の角速度と異なるとき、それぞれの結合ギヤがそれぞれの周縁車輪を回転させるように構成され、全方位駆動車輪が、横方向に移動する方法である。

    更に別の実施形態において、本発明は、全方位駆動車輪であって、第1の軸線に沿って中央寄りに配列された第1のプレート及び第2のプレートと、複数の周縁車輪組立体であって、第1の軸線に対して略垂直な第2の軸線に沿って中央寄りに配列された車輪部材と、第1のプレート及び第2のプレートと係合するための遠位端及び車輪部材と係合するための近位端を備える結合部材と、をそれぞれ有し、遠位端と近位端とが、左のプレート及び右のプレートの共通半径に対し略平行であると共に第1の軸線及び第2の軸線に対し略垂直な径方向軸線を画成する複数の周縁車輪組立体と、第1のプレートを第1の軸線の周りで第1の角速度で回転させると共に第2のプレートを第1の軸線の周りで第2の角速度で回転させるための回転装置と、を具備する全方位駆動車輪であって、それぞれの周縁車輪組立体の結合部材が、第1の角速度が第2の角速度と異なるときに、結合部材のそれぞれの車輪部材をそれぞれの第2の軸線の周りで回転させるように構成された全方位駆動車輪である。

    本発明のその他のシステム、方法、特徴、及び利点は以下の図と詳細な説明を検討することによって当業者には明らかになるであろう。 これらのすべての追加のシステム、方法、特徴、及び利点はこの説明に含められ、本発明の範囲内にあり、添付された特許請求の範囲によって保護される。 図面に示された構成要素部品は必ずしも正確な縮尺になっておらず、本発明の重要な特徴をより分かりやすくするために誇張されることもある。 図面では、様々な図において同様の部品を同様の参照数字で表している。

    本発明のある実施形態に係る全方位駆動車輪システム(OTWS)を示す斜視図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWSを示す分解図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWSを示す側面図である。

    本発明の様々な実施形態に係る3つの周縁車輪組立体(PWA)を有するOTWSを示す側面図である。

    本発明の様々な実施形態に係る4つのPWAを有するOTWSを示す側面図である。

    本発明の様々な実施形態に係る8つのPWAを有するOTWSを示す側面図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWSを示す断面側面図である。

    本発明のある実施形態に係るPWAを示す断面図である。

    本発明の様々な実施形態に係るいくつかのギヤ構成を有するOTWSを示す断面正面図である。

    本発明の様々な実施形態に係る外歯車と傘歯車の例示的なモデルを示す図である。

    本発明の様々な実施形態に係る平歯車、斜歯歯車、及び山歯歯車の例示的なモデルを示す図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWS差動機構を示す高レベル概念図である。

    本発明の様々な実施形態に係るOTWSのいくつかの構成要素の角速度を示す図である。

    本発明の様々な実施形態に係るOTWSのいくつかの構成要素の角速度を示す図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWSの共通モード操作を示す図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWSの差動モード操作を示す図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWSの前方差動モード操作を示す図である。

    本発明のある実施形態に係るOTWSの後方差動モード操作を示す図である。

    本発明の様々な実施形態に係る差動角速度と共通角速度の様々な組合せに関するOTWSのすべての移動方向を示す図である。

    本発明のある実施形態に係る摩擦制御でのOTWSを示す断面側面図である。

    本発明のある実施形態に係る全方位駆動車輪システムを操作するステップを示す流れ図である。

    本発明の様々な特徴の実施形態を実現する装置システム及び方法について図面を参照して説明する。 図面及び関連する説明は、本発明のいくつかの実施形態を説明するためのものであって本発明の範囲を制限するものではない。 図面全体にわたって、同様の参照数字を繰り返し用いて参照された要素の対応を示している。 さらに、参照数字の最初の桁はその要素が最初に現れた図を示している。

    図1Aは、本発明のある実施形態に係る典型的な全方位駆動車輪システム(OTWS)100を示す斜視図である。 一般に、OTWS100は、一対の保護プレート102によって形成される一対の主車輪と、保護プレート102の縁の間に位置する複数の周縁車輪組立体(PWA)を含む。 さらに、OTWS100は脚120に結合されており、それによってOTWS100はひとつ以上のOTWS100を備える輸送システムに結合される。 輸送システムは、例えば、4つのOTWS100を備える車椅子、3つのOTWSs100を備える移動ロボット、又は1つのOTWS100を備える一輪車などである。

    図1Bは、本発明のある実施形態に係るOTWS100を示す分解図である。 より詳細には、OTWS100は保護プレート102によって保護される一対の縦方向ギヤ108,縦方向ギヤ108を回転させるための一対の回転装置104,OTWS100に構造的なサポートを与えるスペース部材110を有する。

    図2は、本発明のある実施形態に係る全方位駆動車輪システム200を示す側面図である。 OTWS200は、図1Aに示されるOTWS100と同様で、2つの縦方向ギヤ202を有し、その各々は周領域204に沿って一連の歯を有する。 2つの縦方向ギヤ202は通常共通の縦半径Rを有し、その表面積は実質的に同じである。 さらに、2つの縦方向ギヤ202は共通の縦半径Rを有するので、2つの縦方向ギヤ202の周領域204は形が同一であり、同数の歯を有する。

    図2に示されるように、OTWS200が複数の周縁車輪組立体210を含んでもよい。 本発明のある実施形態では、各PWA210は結合ギヤ211と車輪部材212を有する。 PWA210は、2つの縦方向ギヤ202の周りに離散されている。 より詳細には、各PWA210の結合ギヤ211は2つの縦方向ギヤ202の周領域204の間に配置されてもよく、各PWA210の車輪部材212は外側領域206に沿って配置されてもよい。 外側領域206の幅は車輪部材212の横半径rによって定められる。 従って主車輪208は縦半径R LONGを有する。

    本発明のある実施形態では、縦半径R LONGは約10cmから約40cmまでの範囲にある。 より詳細には、縦半径R LONGは15cmとすることができる。 本発明のある実施形態では、横半径rは約2cmから約8cmまでの範囲であってもよい。 より詳細には、横半径rは3cmとすることができる。 従って、縦半径R LONGと横半径rとの間の周比(circumferential ratio)は1から20までの範囲であってもよい。 より詳細には、縦半径R LONGと横半径rの間の周比は約5であってもよい。

    図2は、OTWS200が12のPWA210を有することを示しているが、本発明の様々な実施形態では、OTWS200は異なる数のPWA210を有してもよい。 例えば、図3AはOTWS200が3つのPWA302を有してもよいことを示し、図3BはOTWS200が4つのPWA303を有してもよいことを示し、図3CはOTWS200が8つのPWA304を有してもよいことを示している。 主車輪の滑らかな回転を助けるために、特別な周縁組立体の組を追加することもできる。 例えば、概略図312に示されているように、本発明のある実施形態では、3つの特別なPWA302の特別な組がOTWS200に追加される。 別の例では、概略図313に示されているように、4つの特別なPWA303の特別な組がOTWS200に追加される。

    次に、OTWS200の内部構造について説明する。 図4AはOTWS200の側部断面図を示しており、分かりやすくするためにひとつの縦方向ギヤ402だけが示されている。 本発明のある実施形態では、OTWS200は2つの縦方向ギヤ402の間に配置されたスペース部材401を有してもよい。 概して、スペース部材401は、中心車軸 405と2つの平行なディスク403を、中心車軸 405が2つの平行なディスク403に対して垂直になるように有してもよい。

    スペース部材401は、2つの縦方向ギヤ402に動作可能に結合されてOTWS200のために構造サポートの提供を助けてもよい。 一方で、2つの平行ディスク403は中心車軸 405と共に、2つの縦方向ギヤ402間の実質的な変位を防ぐことによって2つの縦方向ギヤ402を所定の位置に保持する。 他方、平行ディスク403は縦方向ギヤ402が中心車軸 405のまわりで自由に回転することを可能とする。 より詳細には、2つの縦方向ギヤ402はスペース部材401と動作可能に結合されつつも、互いに干渉せずに独立して回転されてもよい。 従って、本発明のある実施形態では、一方の縦方向ギヤ402の角速度は他方の縦方向ギヤ402の角速度に影響を及ぼさない。

    スペース部材401は、縦方向ギヤ402に構造サポートを提供するが、縦方向ギヤ402と共に回転しても、回転しなくてもよい。 例えば、スペース部材401が縦方向ギヤ402を回転させる回転装置(図示せず)と結合している場合、スペース部材401は2つの縦方向ギヤ402に対して角度を有して静止するかもしれないが、そうでない場合、スペース部材401は縦方向ギヤ402と共に回転する。

    図4Aを参照すると、OTWS200は縦方向ギヤ402の周りで離散したいくつかのPWAを有してもよい。 単純化して、図4AはPWA410と460だけを示している。 しかし、当然のことながら、本発明の様々な実施形態では、OTWS200は2以上のPWAを含み得る。 一般に各PWAは結合ギヤ420と車輪部材を有し、それは第1の車輪430とオプションとしての第2の車輪440を含む。 例えば、PWA460の車輪部材が第1の車輪430のみを有するのに対し、PWA410の車輪部材は第1の車輪430及び選択的な第2の車輪440を有するということを除き、PWA410及びPWA460は、互いに構造的に類似している。 実際には、OTWS200はPWA410又はPWA460のどちらかを採用してもよく、あるいはOTWS200はPWA410とPWA460の両方を採用してもよい。

    図4Bを参照すると、これはPWA410と460の断面図を示しており、第1の車輪430は半径rで定められる周432を有する。 第1の車輪430は、結合ギヤ420が回転するときに、第1の車輪430が周縁軸線436の周りで回転されるように、受け入れギヤ434を介して結合ギヤ420と係合してもよい。

    各PWA410又は460の結合ギヤ420は遠位端422と近位端424を有してもよい。 遠位端422は、その周領域404に沿って2つの縦方向ギヤ402によって係合され且つその間で挟まれ、近位端424は、第1の車輪430の受け入れギヤ434を介して第1の車輪430と係合しなければならない。 従って、結合ギヤ420は高レベルの進歩性の観点で2つの機能を果たす。 第1に、結合ギヤ420は2つの縦方向ギヤ402の間の差動角速度をそれぞれの第1の車輪430に伝達して、それによって、それぞれの第1の車輪430を縦方向ギヤ402の回転に対して垂直方向に回転させる。 第2に、結合ギヤ420は、PWA410及びPWA460の全体が中心車軸 405の周りで共に旋回するように、2つの縦方向ギヤ402の共通角速度を受けることによって中心車軸 405の周りで旋回してもよい。

    本発明のある実施形態では、遠位端422が2つの縦方向ギヤ402の共通半径Rと実質的に平行な径方向車軸 426によって近位端424に結合されてもよい。 径方向車軸 426はPWA410又は460全体をスペース部材401の中心車軸 405に結合するための延長セクション451を有してもよい。 あるいはまた、PWA410又は460は、ブレース部材450によってスペース部材401又は一対の保護プレート408に結合されてもよい。 ブレース部材450は、受け入れギヤ434が適切に結合ギヤ420の近位端424と係合することを確実とするために、径方向車軸 426の位置を安定させるためのスタビライザー455を有してもよい。

    再び図4Aを参照すると、OTWS200は、回転装置を保護するための保護プレート406と、縦方向ギヤ402と、PWA410及び460と、を有する。 特に、保護プレート406はPWA410及び460を保護するための外側領域408を有してもよい。 本発明のある実施形態では、保護プレート406は、2つの縦方向ギヤ402の中心を貫通する中心車軸 405によってスペース部材401に結合されてもよい。 あるいはまた、本発明の別のある実施形態では、保護プレート406は2つの縦方向ギヤ402に結合されてもよい。

    図4AはOTWS200のひとつのギヤ構造しか示していないが、本発明の様々な実施形態では、OTWS200は他のギヤ構造を有する。 例えば、図5は、いくつかのギヤ構造510、520及び530を有するOTWS200の正面断面図を示す。 簡単のために、各ギヤ構造で上と下のPWA550だけを示している。 しかし、各ギヤ構造はさらにいくつかのPWAを含むことができ、PWA550は図4Aと4Bで説明したPWA410と460と同様であることは言うまでもない。 より詳細には、PWA550は受け入れギヤ553と周縁軸線551を含む第1の車輪、並びに遠位端554と近位端552を含む結合ギヤを含む。

    本発明のある実施形態では、ギヤ構造510は縦方向ギヤ402として一対の外歯車513を採用してもよい。 外歯車513は、直歯(straight-cut teeth)、斜歯(helical teeth)、又は山歯(double helical teeth)の組を有してもよい。 結合ギヤの遠位端554は外歯車513とマッチする歯の組を有する傘歯車であってもよい。 同様に、結合ギヤの近位端552は、受け入れギヤ553とマッチする歯の組を有し、受け入れギヤ553は平歯車、斜歯歯車、又は山歯歯車であってもよい。

    ギヤ構造510はまたスペース部材511と2つの回転装置514及び515を有する。 スペース部材511は外歯車513を外側から固定する一対のディスク512と、外歯車513を中心で貫通する中心車軸 516と、を有する。 回転装置514及び515は、回転装置514及び515が各外歯車513を中心車軸 516の周りで分離して個別に回転させることができるように中心車軸 516に結合されてもよい。 ギヤ構造510は2つの回転装置を有するが、分離して個別に回転させることができるなら、ひとつの回転装置でもそれで十分である。

    本発明の別のある実施形態では、ギヤ構造520は一対の外歯車523を縦方向ギヤ402として採用する。 外歯車523は、直歯(straight-cut teeth)、斜歯(helical teeth)、又は山歯(double helical teeth)の組を有する。 結合ギヤの遠位端554は外歯車523とマッチする歯の組を有する傘歯車であってもよい。 同様に、結合ギヤの近位端552は受け入れギヤ553とマッチする歯の組を有する傘歯車であり、受け入れギヤ553は平歯車、斜歯歯車、又は山歯歯車であってもよい。

    ギヤ構造520はまたスペース部材521と2つの回転装置524及び525とを有する。 スペース部材521は外歯車523を内側から固定する一対のディスク522と、外歯車523を中心で貫通する中心車軸 526を有する。 回転装置524及び525は、回転装置524及び525が各外歯車523を中心車軸 526のまわりで分離して個別に回転させることができるように中心車軸 526の両端に結合される。 ギヤ構造520は2つの回転装置を有するが、ひとつの回転装置でも各外歯車523を別々に個別に回転させることができるなら、それで十分である。

    本発明のさらに別の実施形態では、ギヤ構造530は一対の変形外歯車533を縦方向ギヤ402として採用する。 変形外歯車533は、直歯(straight-cut teeth)、斜歯(helical teeth)、又は山歯(double helical teeth)の組を有する。 結合ギヤの遠位端554は変形外部ギヤ533とマッチする歯の組を有する傘歯車である。 同様に、結合ギヤの近位端552は受け入れギヤ553とマッチする歯の組を有する傘歯車であり、受け入れギヤ553は平歯車、斜歯歯車、又は山歯歯車であってよい。

    ギヤ構造530はまたスペース部材531と2つの回転装置534と535を有する。 スペース部材531は変形外部ギヤ533の中央に埋め込まれる一対の内部ディスク532と、内部ディスク532の間に結合される中心車軸 536を有する。 回転装置534と535は、一対の内部ディスク532を別々に個別に回転させるように中心車軸 536内に配置される。 従って、一対の変形外部ギヤ533は内部ディスク532と結合しているので別々に個別に回転させることができる。 ギヤ構造530は2つの回転装置を有するが、ひとつの回転装置でも各変形外部ギヤ533を別々に個別に回転させることができるなら、それで十分である。

    各ギヤ構造の構成要素は交換可能であることは理解されるであろう。 本発明のある実施形態では、スペース部材511をギヤ構造520で用いることができる。 本発明の別のある実施形態では、組み込まれた回転装置534と535を含む中心車軸 536をギヤ構造510で用いることができる。 本発明のさらに別の実施形態では、外歯車523をギヤ構造530で用いることができる。

    例示して説明するために、図6と7はここで述べたいくつかのギヤの典型的なモデルを示す。 例えば、図6は外歯車と傘歯車の典型的なモデルを示す。 別の例で、図7は平歯車、斜歯歯車、及び山歯歯車の典型的なモデルを示す。 縦方向ギヤ、結合ギヤ、および受け入れギヤは、それらの組合せが機械学の一般原理に矛盾しない限り、他の代替形態をとることもできるということは言うまでもない。

    次に、OTWSの物理に議論を進めよう。 図8Aは本発明のある実施形態に係るOTWSの高レベル概念図を示しており、縦方向ギヤの対は左のギヤ(又は第1のギヤと言い換えてもよい)802と右のギヤ(又は第2のギヤと言い換えてもよい)804で表される。 “左”と“右”という語が本明細書の以下の部分で一貫して用いられるが、それらは取り替えることができるものであり、相対的に定義されたものであって絶対的な意味で解釈すべきでないということを強調しておきたい。

    左のギヤ802と右のギヤ804は第1の平面S Xと平行であり、第1の軸線(縦方向軸線と言い換えてもよい)A Xに垂直である。 左及び右の角速度V XLとV XRは、それぞれ左及び右のギヤ802と804の角速度を表す。 左及び右の角速度V XLとV XRは、どちらも第1の軸線A Xのまわりで時計回りにラジアン毎秒で測られる。 左及び右の角速度V XLとV XRが正であるとき、それは左及び右のギヤ802と804が時計回りに回転していることを意味するが、OTWS800は正の縦方向速度V LONGで前方に移動し、左及び右の角速度V XLとV XRが負であるとき、それは左及び右のギヤ802と804が反時計回りに回転していることを意味するが、OTWS800は負の縦方向速度V LONGで後方に移動する。

    本明細書において定義されるとき、“縦方向”という用語は前向き及び後ろ向きの方向と結びつけられ、“横方向”という用語は左と右の方向と結びつけられる。 明細書の以下の部分で“前方”及び“後方”という用語が一貫して用いられるが、それらは取り替えることができるものであり、絶対的な意味で解釈すべきではないことを強調しておきたい。

    左及び右のギヤ802と804は円筒状の空間806をそれらの間に画定し、円筒状の空間806は周領域808を有する。 本発明のある実施形態では、各PWA810の結合ギヤ820の遠位端822は周領域808に沿って分布し、結合ギヤ820は円筒状の空間806の半径と実質的に平行である径方向軸線Ayのまわりで回転するようになる。 従って、各PWA810の径方向軸線Ayは第1の軸線Axと実質的に垂直であり、各PWA810の径方向平面Syは円筒状の空間806の側面と実質的に平行となる。

    本発明のある実施形態では、結合ギヤ820の遠位端822は左及び右のギヤ802及び804間で係合する。 従って、結合ギヤ820の角速度Vyは左及び右のギヤ802と804の間の差動角速度V diffの関数である。 より詳細には、差動角速度V diffはV XL −V XRと定義される。 例えば、Kxyが縦方向ギヤ802と結合ギヤ820の歯数比であるとすると、角速度VyはKxy*(V diff )に等しい。

    この差動機構の下で、結合ギヤ820は、(1)左の角速度V XLが右の角速度V XRより大きいとき(すなわち、差動角速度V diffが0より大きいとき)、径方向軸線Ayのまわりに正の角速度Vyで時計回りに回転し、(2)左の角速度V XLが右の角速度V XRより小さいとき(すなわち、差動角速度V diffが0より小さいとき)、径方向軸線Ayのまわりに負の角速度Vyで反時計回りに回転し、(3)左の角速度V XLが右の角速度V XRと実質的に同じであるとき(すなわち、左と右の角速度V XLとV XRが同じ方向で同じ大きさであるとき)、角度的に静止する(すなわち、回転なし)。

    図8Aを参照すると、PWA810は第1の平面Sxに平行な平面に沿って対称であり、円筒状の空間806の中央にある。 第1の車輪の受け入れギヤ830は結合ギヤ820の近位端824と係合し、結合ギヤ820が回転すると第2の軸線(周縁軸線と言い換えてもよい)Azのまわりで回転される。 近位端824は遠位端822と同じ角速度を有するので、第1の車輪の角速度Vzは遠位端822の角速度Vyの関数であり、それは最終的には左と右の角速度V XLとV XRの間の差動角速度V diffによって決まる。 より詳細には、Kyzが結合ギヤ820と受け入れギヤ830の間のギヤ比を表すとすると、角速度VzはKyz*Vyに等しく、それは最終的にKyz*Kxy*(V diff )に等しい。

    本発明のある実施形態では、左と右の角速度V XLとV XRは約0ラジアン毎秒から約プラス又はマイナス20ラジアン毎秒の範囲にある。 より詳細には、左と右の角速度V XLとV XRは約プラス又はマイナス8ラジアン毎秒である。 本発明のある実施形態では、縦方向ギヤ802と804の半径は約8cm、結合ギヤ420の半径は約0.5cm、受け入れギヤ830の半径は約2.5cmである。 従って、ギヤ比ギヤ比Kxyは約16であり、ギヤ比Kyzは約0.2である。

    例えば、第1の車輪は、(1)左の角速度V XLが右の角速度V XRより大きいとき(すなわち、差動角速度V diffが0より大きいとき)、第2の軸線Azのまわりに正の角速度Vzで時計回りに回転し、(2)左の角速度V XLが右の角速度V XRより小さいとき(すなわち、差動角速度V diffが0より小さいとき)、第2の軸線Azのまわりに負の角速度Vzで反時計回りに回転し、(3)左の角速度V XLが右の角速度V XRと実質的に同じであるとき、角度的に静止している(すなわち、回転なし)。 分かりやすいように、図8Bは左の角速度V XLが右の角速度V XRより小さいとき(すなわち、差動角速度V diff <0のとき)の角速度VyとVzの回転方向をまとめたものであり、図8Cは左の角速度V XLが右の角速度V XRより大きいとき(すなわち、差動角速度V diff >0のとき)の角速度VyとVzの回転方向をまとめたものである。

    第1の車輪が正の角速度Vzで回転すると、OTWS800はVz*rに等しい正の横方向速度V LATで左に移動する。 逆に、第1の車輪が負の角速度Vzで回転すると、OTWS800はVz*rに等しい負の横方向速度V LATで右に移動する。 さらに、左の角速度V XLが右の角速度V XRを実質的に打ち消さない場合、PWA810全体は第1の軸線Axのまわりで回転し、共通角速度V comで周領域808に沿って移動する。

    次に、OTWSのいくつかの操作モードに議論を向ける。 図9は本発明のある実施形態に係るOTWS800の共通モード操作を示す。 共通モード操作の下で左及び右のギヤ802と804は常に共通角速度V comで回転する、すなわち左のギヤ802が右のギヤ802と同じ角スピードと同じ回転方向を有する。 概略図901と903に示されているように、左及び右のギヤ802と804はどちらも同じ角スピードで同時に時計回り又は反時計回りに回転する。

    従って、PWA810は第1の軸線Axのまわりに共通角速度V comで旋回し、例えば、概略図901のPWA810は第1の軸線Axのまわりに0より小さい負の共通角速度V comで回転する。 それにより、OTWS800は負の縦方向速度V LONGで後方に移動し、別の例として、概略図901のPWA810は第1の軸線Axのまわりで0より大きい正の共通角速度V comで回転する。 それにより、OTWS800は正の縦方向速度V LONGで前方に移動する。

    概略図902を参照すると、これは概略図901の背面断面図を示すものであり、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させ、他方右の角速度V XRが右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させる。 しかし、左の角速度V XLは実質的に右の角速度V XRと等しいので、左スラストT XLは実質的に右スラストT XRを打ち消して結合ギヤ820の遠位端822は角度的に静止したままである。

    同様に、概略図904では、概略図903の断面背面図が示されており、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させ、他方右の角速度V XRが右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させる。 やはり、左の角速度V XLは実質的に右の角速度V XRと等しいので、左スラストT XLは実質的に右スラストT XRを打ち消して結合ギヤ820の遠位端822は角度的に静止したままである。

    図10は本発明の別の実施形態に係るOTWS800の差動操作モードを示している。 差動操作モードの下で、左及び右のギヤ802と804は常に一対の反対向きの角速度で回転する、すなわち、左のギヤ802は右のギヤ802と同じ角スピードを有するが回転方向は反対である。 概略図1001と1003に示されるように、左及び右のギヤ802と804は同時に一対で反対の回転方向で同じ角スピードで回転する。 左の角速度V XLは実質的に右の角速度V XRを打ち消すので、PWA810は第1の軸線Axのまわりに回転せず、OTWS800は縦方向に移動しない。

    概略図1002を参照すると、これは概略図1001の断面背面図を示すものであり、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させ、右の角速度V XRも右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させる。 その結果、結合ギヤ820は第1の車輪の受け入れギヤ830を導いて第2の軸線Azのまわりに角速度Vzで回転させる。 第1の車輪は時計回りに回転するので、OTWS800は横方向左に正の横方向速度V LATで移動する。

    同様に、概略図1004には概略図1003の断面背面図が示されており、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させ、右の角速度V XRも右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させる。 その結果、結合ギヤ820は第1の車輪の受け入れギヤ830を導いて第2の軸線Azのまわりに角速度Vzで回転させる。 第1の車輪は反時計回りに回転するので、OTWS800は横方向右に負の横方向速度V LATで移動する。

    図11は、本発明のさらに別の実施形態に係るOTWS800の後方差動モード操作を示している。 ある実施形態では、後方差動モード操作の下で、角速度V XLは右の角速度V XRと実質的に異なり、左及び右のギヤ802と804の共通角速度V comは常に負であり、第1の軸線Axのまわりに反時計回り方向である。 例えば、概略図1101に示されるように、左及び右のギヤ802と804はどちらも第1の軸線Axのまわりに反時計回りに回転するが、左の角速度V XLの大きさは右の角速度V XRの大きさよりも実質的に大きい。 従って、共通角速度V comは実質的にV XRと同じである。 別の例をとると、概略図1103に示されるように、左及び右のギヤ802と804はどちらも第1の軸線Axのまわりに反時計回りに回転するが、左の角速度V XLの大きさは右の角速度V XRの大きさよりも実質的に小さい。 従って、共通角速度V comは実質的にV XLと同じである。

    いずれにしても、優勢な角速度(概略図1101では左の角速度V XL 、そして概略図1103では右の角速度V XR )の縦方向ギヤは反時計回りに回転し、PWA810は他方の縦方向ギヤの回転方向に関わりなく第1の軸線Axのまわりに反時計回りに回転する。 すなわち、概略図1101における右のギヤ804は、右の角速度V XRの大きさが左の角速度V XLの大きさよりも小さい限り時計回りに回転し、同様に、概略図1103における左のギヤ802は、左の角速度V XLの大きさが右の角速度V XRの大きさよりも小さい限り反時計回りに回転する。

    概略図1102を参照すると、これは概略図1101の背面断面図を示しており、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させ、他方、右の角速度V XRは右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させる。 左スラストT XLが右スラストT XRよりも強いので左スラストT XLが左スラストT XRに打ち勝って結合ギヤ820の遠位端822を反時計回りに回転させる。 その結果、結合ギヤ820は第1の車輪の受け入れギヤ830を第2の軸線Azのまわりに角速度Vzで反時計回りに回転させ、OTWS800は横方向右に負の横方向速度V LATで移動する。 縦方向速度V LONGと横方向速度V LATで同時に駆動されるため、OTWS800は右後方へ斜めに移動する。

    同様に、概略図1104では、概略図1103の背面断面図を示しており、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させ、他方、右の角速度V XRは右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させる。 左スラストT XLが右スラストT XRよりも弱いので左スラストT XLが右スラストT XRに負けて結合ギヤ820の遠位端822を時計回りに回転させる。 その結果、結合ギヤ820は第1の車輪の受け入れギヤ830を第2の軸線Azのまわりに角速度Vzで時計回りに回転させ、OTWS800は横方向左に正の横方向速度V LATで移動する。 縦方向速度V LONGと横方向速度V LATで同時に駆動されるため、OTWS800は左後方へ斜めに移動する。

    図12は、本発明のさらに別の実施形態に係るOTWS800の前方差動モード操作を示している。 前方差動モード操作の下で、左の角速度V XLは右の角速度V XRと実質的に異なり、左及び右のギヤ802と804の共通角速度V comは常に正であり、第1の軸線Axのまわりに時計回り方向である。 例えば、概略図1201に示されるように、左及び右のギヤ802と804はどちらも第1の軸線Axのまわりに時計回りに回転するが、左の角速度V XLの大きさは右の角速度V XRの大きさよりも実質的に大きい。 従って、共通角速度V comは実質的にV XRと同じである。 別の例をとると、概略図1203に示されるように、左及び右のギヤ802と804はどちらも第1の軸線Axのまわりに時計回りに回転するが、左の角速度V XLの大きさは右の角速度V XRの大きさよりも実質的に小さい。 従って、共通角速度V comは実質的にV XLと同じである。

    いずれにしても、優勢な角速度(概略図1201では左の角速度V XL 、そして概略図1203では右の角速度V XR )の縦方向ギヤは時計回りに回転し、PWA810は他方の縦方向ギヤの回転方向に関わりなく第1の軸線Axのまわりに時計回りに回転する。 すなわち、概略図1201における右のギヤ804は、右の角速度V XRの大きさが左の角速度V XLの大きさよりも小さい限り反時計回りに回転し、同様に、概略図1203における左のギヤ802は、左の角速度V XLの大きさが右の角速度V XRの大きさよりも小さい限り反時計回りに回転する。

    概略図1202を参照すると、これは概略図1201の断面背面図を示しており、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させ、他方、右の角速度V XRは右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させる。 左スラストT XLが右スラストT XRよりも強いので左スラストT XLが左スラストT XRに打ち勝って結合ギヤ820の遠位端822を時計回りに回転させる。 その結果、結合ギヤ820は第1の車輪の受け入れギヤ830を第2の軸線Azのまわりに角速度Vzで時計回りに回転させ、OTWS800は横方向左に正の横方向速度V LATで移動する。 縦方向速度V LONGと横方向速度V LATで同時に駆動されるため、OTWS800は左前方へ斜めに移動する。

    同様に、概略図1204は、概略図1203の断面背面図を示しているが、左の角速度V XLが左スラストT XLを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに時計回りに回転させ、他方、右の角速度V XRは右スラストT XRを生じ、それが結合ギヤ820の遠位端822を導いて径方向軸線Ayのまわりに反時計回りに回転させる。 左スラストT XLが右スラストT XRよりも弱いので左スラストT XLが左スラストT XRに負けて結合ギヤ820の遠位端822を反時計回りに回転させる。 その結果、結合ギヤ820は第1の車輪の受け入れギヤ830を第2の軸線Azのまわりに角速度Vzで反時計回りに回転させ、OTWS800は横方向右に負の横方向速度V LATで移動する。 縦方向速度V LONGと横方向速度V LATで同時に駆動されるため、OTWS800は右前方へ斜めに移動する。

    図13は、差動角速度V diffと共通角速度V comの様々な組合せに関するOTWS800のすべての移動方向をまとめたものである。 例えば、チャート1301から1303までは、V comが0より小さいとき(すなわち後方モード)のOTWS800の移動方向を表す。 別の例で、チャート1304から1306までは、V comが0に等しいとき(すなわち純粋な差動モード)のOTWS800の移動方向を表す。 さらに別の例で、チャート1307から1309までは、V comが0より大きいとき(すなわち、前方モード)のOTWS800の移動方向を表す。

    差動機構の下で、縦方向速度V LONGと横方向速度V LATの大きさは左と右の角速度V XLとV XRの差を変えることによって調整できる。 一般に、横方向速度V LATの大きさは差動角速度V diffに比例して増加し、他方縦方向速度V LONGの大きさは共通角速度V comに比例して増加する。 本発明のある実施形態では、縦方向速度V LONGと横方向速度V LATの大きさは約0m/sから約プラス・マイナス10m/sまでの範囲にある。 より詳細には縦方向速度V LONGと横方向速度V LATの大きさは約プラス・マイナス2m/sである。

    本発明の様々な実施形態は差動機構を作動させるためにギヤ・システムを用いている。 しかし、OTSWの作動機構は別の実施形態では摩擦システムを用いて作動させることができる。 例えば、図8Aを再び参照すると、縦方向ギヤの対802と804は、各々が摩擦表面で互いに向き合うプレートの対で置き換えることができる。 図14に示されるように、プレートの対1402と1404は互いに向き合っている摩擦表面1406と1408を有することができる。 摩擦表面1406と1408は結合部材1420を介してPWA1410と係合することができる。

    結合ギヤ820と同様、結合部材1420も、プレートの対の間の作動角速度V diffが0より大きい又は小さいとき径方向軸線Ayの回りに回転する。 しかし、結合ギヤ820と異なり、結合部材1420は歯付き表面を有しない。 代わりに結合部材1420はプレートの対1402と1404と同様な摩擦表面を有する。

    結合部材1420はプレートの対1402と1404の結合表面1406と1408と係合する遠位端、及びやはりプレートの対1402と1404と同様な摩擦表面を有する第1の車輪1430と係合する近位端を有する。 従って、プレートの対の間の作動角速度V diffが0より大きい又は小さいとき、PWA1410は第2の軸線Azのまわりで回転する。

    図15は、本発明のある実施形態に係る全方位駆動車輪を操作する方法のステップを示す流れ図である。 これらの方法ステップは図2から12までの説明と関連している。 これらの方法ステップではこれまでの説明と異なる用語も導入されるかもしれないが、これらのステップはこれまでの説明の精神とコンセプトと矛盾するものではなく、それ以外に解釈すべきでない。

    ステップ1502で、複数の周縁車輪が複数の結合ギヤを介して第1及び第2のギヤと係合される。 ステップ1504で、第1のギヤが第1の角速度で回転される。 ステップ1506で、第2のギヤが第2の角速度で回転され、全方位駆動車輪は、(1)第1の角速度が第2の角速度と異なるとき各結合ギヤがそれぞれの周縁車輪を回転させるように構成されており、横方向に移動し、(2)第1の角速度が第2の角速度と同じ方向にあり各結合ギヤがそれぞれの周縁車輪と共に第1及び第2のギヤの間に位置し第1及び第2のギヤと実質的に平行な円形プレートのまわりを回るように構成されており、縦方向に移動し、(3)第1の角速度が第2の角速度と異なりかつ第1の角速度が第2の角速度と同じ方向にあるとき、斜めに移動し、(4)第1の角速度が第2の角速度と実質的に同じであるとき、横方向に静止したままにとどまり、(5)第1の角速度と第2の角速度の和が実質的にゼロであるとき、縦方向に静止したままにとどまる。

    開示された実施例についてのこれまでの説明によって、当業者は開示された方法又は装置を製造する又は使用することができる。 これらの実施例に対する様々な変更が可能であることは当業者にはただちに明らかであり、開示された方法及び装置の精神と範囲から逸脱することなく本明細書で明らかにされた原理を他の例にも適用することができる。 説明された実施形態はあらゆる意味で説明と例示のためのものであって制限的なものでないと考えるべきである。 従って本発明の範囲は上述の説明によってではなく添付されたクレーム(特許請求の範囲)によって示される。 クレームとその等価物の意味と範囲内にあるすべての変更は特許請求の範囲に含まれる。

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