Friction drive and inverted pendulum type moving body using the same

申请号 JP2009260910 申请日 2009-11-16 公开(公告)号 JP5484009B2 公开(公告)日 2014-05-07
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 洋 五味; 透 竹中;
摘要
权利要求
  • 環状体と前記環状体の環方向に複数個配置され各々自身の配置位置に於ける前記環状体の接線方向の軸線周りに回転可能なドリブンローラとを含む主輪と、前記主輪の軸線方向の左右両側に各々自身の中心軸線周りに回転可能に配置された左右のドライブディスクと、 前記左右のドライブディスクを各々個別に回転駆動する左右の回転駆動装置と、前記左右のドライブディスクの各々に回転可能に配置され、外周面をもって前記ドリブンローラの外周面に接触する複数個のドライブローラとを有し、 前記ドリブンローラが接地する倒立振子型移動体用の摩擦式駆動装置であって、
    前記ドライブディスクの中心軸線を中心とした回転対称に複数個の旋回軸が各々前記ドライブディスクに回転可能に設けられ、当該旋回軸の各々に前記ドライブローラを回転可能に支持するローラブラケットが固定されており、
    少なくとも所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットの前記旋回軸周りの配向位置を可変設定し、前記ドリブンローラに対する前記ドライブローラの向きを可変設定するローラ配向可変設定機構を有する摩擦式駆動装置。
  • 前記ローラ配向可変設定機構は、前記ローラブラケットの各旋回軸に設けられたピニオンと、前記ローラブラケット毎に前記ドライブディスクに移動可能に取り付けられ前記ピニオンと噛合するラックと、前記ラックを移動させる移動手段とを有する請求項1に記載の摩擦式駆動装置。
  • 前記移動手段は、少なくとも前記所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットの前記ラックを移動させるカム機構である請求項2に記載の摩擦式駆動装置。
  • 前記移動手段は、少なくとも前記所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットの前記ラックを移動させるアクチュエータである請求項2に記載の摩擦式駆動装置。
  • 前記ローラ配向可変設定機構は、前記ローラブラケットの各旋回軸に設けられたピニオンと、前記ドライブディスクの中心軸線と同一の中心軸線周りに回転変位可能に可能に設けられて前記ピニオンと噛合するリング歯車と、前記リング歯車を回転変位させる歯車回転駆動手段とを有する請求項1に記載の摩擦式駆動装置。
  • 走行ユニットとして、請求項1から5のいずれか一項に記載の摩擦式駆動装置を含む、前記所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットは、接地する前記ドリブンローラと接触する少なくとも一つのドライブローラを支持したものである倒立振子型移動体。
  • 说明书全文

    本発明は、摩擦式駆動装置および倒立振子型移動体に関し、特に、走行ユニットとして用いられる摩擦式駆動装置およびそれを用いた倒立振子型移動体に関する。

    倒立振子型移動体の走行ユニット等に用いられる摩擦式駆動装置として、環状体と前記環状体の環方向に複数個配置され各々自身の配置位置に於ける前記環状体の接線方向の軸線周りに回転可能なドリブンローラ(従動ローラ)とを含む主輪と、前記主輪の軸線方向の左右両側に各々自身の中心軸線周りに回転可能に配置された左右のドライブディスク(回転部材)と、前記左右のドライブディスクの各々に当該ドライブディスクの中心軸線に対してねじれの関係をなす軸線周りに回転可能に配置され、外周面をもって前記ドリブンローラの外周面に接触する複数個のドライブローラ(駆動ローラ)とを有する摩擦式駆動装置がある(例えば、特許文献1)。

    この摩擦式駆動装置は、一輪式の倒立振子型移動体の走行ユニットとしての使用では、左右のドライブディスクが倒立振子型移動体のフレームより回転可能に支持され、左右のドライブローラがドリブンローラを左右より挟むようにして主輪を回転(公転)可能に支持する。

    この摩擦式駆動装置が用いられた倒立振子型移動体では、ドライブローラがドリブンローラに押し付けられ、ドライブローラとドリブンローラとの摩擦によってドライブディスクの回転がドライブローラよりドリブンローラに伝達される。 左右のドライブディスクが互いに同方向に同速度で回転駆動された場合には、ドライブディスクの回転に伴って主輪が公転し、左右のドライブディスクが互いに異なる方向あるいは異なる速度で回転駆動された場合には、ドライブローラがドリブンローラに与える主輪公転の摩擦(公転方向分力)によって主輪が公転しつつ、ドライブローラがドリブンローラに与える自転方向の摩擦力(自転方向分力)によってドリブンローラが自転(環状体の接線方向の軸線周りに回転)あるいは主輪が公転せずドリブンローラが自転し、倒立振子制御によって起立した姿勢で、前後左右、斜めに、移動(走行)することができる。

    国際公開2008/132779号パンフレット

    ドライブローラがドリブンローラに与える公転方向分力と自転方向分力との割合は、主輪に対するドライブローラの傾斜度により決まる。 ここでうドライブローラの傾斜角度は、ドライブディスクの中心軸線とドライブローラの中心軸線とのねじれの関係の度合いを決める角度であって、ドリブンローラ上のドライブローラとの接触面とドライブローラの回転面との交線と、ドリブンローラの回転中心軸線の前記接触面への投影線とがなす角度である。 以降、この傾斜角度を迎え角と云う。

    迎え角は、ドライブローラとドリブンローラとの接触部における双方の自転による円周速度ベクトルが、互いに直交する状態では0度、互いに平行になる状態では90度になる。 迎え角が0度に近付くほど、左右のドライブディスクの回転速度差に対するドリブンローラの自転速度の比率が小さくなる(ゼロに近づく)。 これとは反対に、迎え角が90度に近付くほど、前記比率が大きくなる。 ドライブローラとドリブンローラとの間に滑りがなければ、迎え角=90度で前記比率は無限大になるが、実際にはそれより小さい迎え角で最大の比率になる。

    倒立振子型移動体の直進は主輪の公転により得られるから、直進時には迎え角が0度に近いほうが駆動効率が向上し、倒立振子型移動体の左右横移動は接地しているドリブンローラの自転により得られるから、左右横移動時には迎え角が90度に近いほうが駆動効率が向上する。

    このように、駆動効率に関して最適の迎え角は、倒立振子制御を満たした上で、倒立振子型移動体の移動方向に応じて変化する。 このため、倒立振子型移動体の移動方向に拘わらず、高い駆動効率を得るためには、倒立振子型移動体の移動方向に応じて迎え角を変更することが好ましい。

    本発明が解決しようとする課題は、迎え角を変更可能にして高い駆動効率を得ることである。

    本発明による摩擦式駆動装置は、環状体と前記環状体の環方向に複数個配置され各々自身の配置位置に於ける前記環状体の接線方向の軸線周りに回転可能なドリブンローラとを含む主輪と、前記主輪の軸線方向の左右両側に各々自身の中心軸線周りに回転可能に配置された左右のドライブディスクと、前記左右のドライブディスクの各々に回転可能に配置され、外周面をもって前記ドリブンローラの外周面に接触する複数個のドライブローラとを有する摩擦式駆動装置であって、前記ドライブディスクの中心軸線を中心とした回転対称に複数個の旋回軸が各々前記ドライブディスクに回転可能に設けられ、当該旋回軸の各々に前記ドライブローラを回転可能に支持するローラブラケットが固定されており、少なくとも所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットの前記旋回軸周りの配向位置を可変設定し、前記ドリブンローラに対する前記ドライブローラの向きを可変設定するローラ配向可変設定機構を有する。

    本発明による摩擦式駆動装置は、一つの実施形態として、前記ローラ配向可変設定機構は、前記ローラブラケットの各旋回軸に設けられたピニオンと、前記ローラブラケット毎に前記ドライブディスクに移動可能に取り付けられ前記ピニオンと噛合するラックと、前記ラックを移動させる移動手段とを有する。

    本発明による摩擦式駆動装置は、好ましくは、前記移動手段は、少なくとも前記所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットの前記ラックを移動させるカム機構である。

    本発明による摩擦式駆動装置は、好ましくは、前記移動手段は、少なくとも前記所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットの前記ラックを移動させるアクチュエータである。

    本発明による摩擦式駆動装置は、好ましくは、前記ローラ配向可変設定機構は、前記ローラブラケットの各旋回軸に設けられたピニオンと、前記ドライブディスクの中心軸線と同一の中心軸線周りに回転変位可能に可能に設けられて前記ピニオンと噛合するリング歯車と、前記リング歯車を回転変位させる歯車回転駆動手段とを有する。

    本発明による倒立振子型移動体は、走行ユニットとして、上述の発明による摩擦式駆動装置を含み、所定の回転位置に位置する前記ローラブラケットは、接地する前記ドリブンローラと接触する少なくとも一つのドライブローラを支持したものである。

    本発明による摩擦式駆動装置によれば、ローラ配向可変設定機構により、少なくとも所定の回転位置に位置するローラブラケット(倒立振子型移動体の走行ユニットとしての使用では、接地するドリブンローラと接触するドライブローラのローラブラケット)の旋回軸周りの配向位置が可変設定され、これに応じてドリブンローラに対するドライブローラの向きが変わり、迎え角が変更される。 これにより、運転状態に応じて迎え角を変更して高い駆動効率を得ることができ、同じ走行速度であってもドライブディスクの回転速度を下げることができる。

    また、複数のドリブンローラが接地した状態で倒立振子型移動体が走行する場合、接地しているドリブンローラ毎にドライブローラの迎え角をローラ配向可変設定機構によって異ならせることができる。 これにより、ドリブンローラの横方向移動速度(自転速度)を、接地しているドリブンローラ毎に異なった値に設定することができ、倒立振子型移動体の旋回のし易さを向上させることができる。

    本発明による摩擦式駆動装置を走行ユニットとして含む倒立振子型移動体の実施例1を示す正面図。

    実施例1による摩擦式駆動装置の縦断面図。

    実施例1による摩擦式駆動装置の要部の拡大正面図。

    実施例1による摩擦式駆動装置の要部の拡大平面図。

    実施例1による摩擦式駆動装置における迎え角を示す解図。

    実施例1による摩擦式駆動装置のドリブンローラの接地部の展開図。

    実施例2による摩擦式駆動装置の縦断面図。

    以下に、本発明による摩擦式駆動装置および倒立振子型移動体の実施例1を、図1〜図5を参照して説明する。 尚、上下、前後、左右の直交三次元座標軸を、移動体の移動方向に準じて図示のように定義する。

    まず、図1を参照して本実施例による摩擦式駆動装置を走行ユニットとして含む倒立振子型移動体の全体構成について説明する。

    倒立振子型移動体はコラム状のフレーム10を有する。 フレーム10の下部には、走行ユニット40(摩擦式駆動装置)と、左右のステップ12L、12Rが取り付けられている。 フレーム10の上部にはハンドルバー14が取り付けられている。 ハンドルバー14の左右両端部には左右のグリップ部材16L、16Rが取り付けられている。

    走行ユニット40は、一輪式のものであってフレーム10の下部に形成された左側壁部18Lと右側側壁18Rとの間にあり、フレーム10に内蔵のジャイロスコープ、荷重センサ(図示省略)を用いた倒立振子制御のもとに、フレーム10を起立姿勢に保ち、一輪車として前後左右、斜めの全方向の走行を担う。

    つぎに、本実施例による走行ユニット40(摩擦式駆動装置)の詳細を、図2を参照して説明する。

    走行ユニット40はテーパ付き円筒形状をした左右のマウント部材42L、42Rを有する。 マウント部材42L、42Rは、左側壁部18L、右側側壁18Rの互いの対向面(内側面)に固定装着されている。

    左右のマウント部材42L、42Rの内側には、減速装置付きの電動モータによる左右の回転駆動装置44L、44Rが相対向して取り付けられている。 左右の回転駆動装置44L、44Rの回転出力部材46L、46Rは、一つの中心軸線A上に互いに同心に配置されている。 回転出力部材46L、46Rには各々左右のドライブディスク48L、48Rが固定連結されている。

    ドライブディスク48L、48Rは切頭円錐形の中空体により構成されており、その各々の円錐壁部分49L、49Rにはドライブディスク48L、48Rの中心軸線Aを中心とした回転対称に複数個の軸受ブッシュ50L、50Rが当該円錐壁部分を直交する方向に貫通装着されている。 軸受ブッシュ50L、50Rは、各々、ローラブラケット52L、52Rと一体の旋回軸54L、54Rを回転可能に支持している。 これにより、複数個の旋回軸54L、54Rは、中心軸線Aを中心とした回転対称配置で、各々中心軸線Aに対して平行でも直交でもない軸線B周りに回転可能になっている。 これは、言い換えると、ローラブラケット52L、52Rが、中心軸線Aを中心とした回転対称の配置で、各々中心軸線Aに対して平行でも直交でもない軸線B周りに回転可能になっている。

    ローラブラケット52L、52Rは、各々旋回軸54L、54Rと直交する方向に延在するローラ軸56L、56Rによってドライブローラ58L、58Rを回転可能に支持している。 これにより、複数個のドライブローラ58L、58Rが、ドライブディスク48L、48Rの円錐壁部分49L、49Rに円周方向に等間隔をもって配置される。

    なお、ドライブディスク48L、48Rは、中心軸線Aを中心とした回転対称配置の複数個のローラブラケット52L、52Rを各々旋回軸54L、54Rによって回転可能に支持するのであればよく、円錐壁部分49L、49Rは各旋回軸54L、54Rを個々に支持する複数個の支持片により断片的に構成されてもよい。

    旋回軸54L、54Rは、軸受ブッシュ50L、50Rを貫通して円錐壁部分49L、49Rの内側に突出している。 この旋回軸54L、54Rの突出部分にはピニオン60L、60Rが固定装着されている。

    左側の円錐壁部分49Lの内側面には、各ローラブラケット52Lのピニオン60L毎に支持部62L、64Lが形成されている。 同様に、右側の円錐壁部分49Rの内側面には、各ローラブラケット52Rのピニオン60R毎に支持部62R、64Rが形成されている。

    支持部62L、64Lと支持部62R、64Rは、各々シャトル部材66L、66Rを軸線Bに直交する方向に往復動可能に支持している。 シャトル部材66L、66Rは各ローラブラケット52L、52R毎に設けられている。 シャトル部材66L、66Rにはピニオン60L、60Rと噛合するラック68L、68Rが形成されている。

    これにより、シャトル部材66L、66Rの往復動によってローラブラケット52L、52Rが旋回軸54L、54Rの中心軸線(軸線B)周りに回動し、ローラブラケット52L、52Rに支持されているドライブローラ58L、58Rの回転面の向き、つまり、迎え角θ(図5参照)が変化する。

    シャトル部材66L、66Rは、支持部6 2L、62Rの外面に当接するストッパフランジ部70L、70Rを有する。 シャトル部材66L、66Rは、ストッパフランジ部70L、70Rとは反対の側にばね受けフランジ部72L、72Rを有しており、ばね受けフランジ部72L、72Rと支持部6 4L、64Rとの間に取り付けられた圧縮コイルばね74L、74Rによってストッパフランジ部70L、70Rが支持部6 2L、62Rの外面に当接する側に付勢されている。 この付勢方向は、シャトル部材66L、66Rが円錐壁部分49L、49Rより外側へ突出する方向である。

    シャトル部材66L、66Rのばね受けフランジ部72L、72Rの側の先端部にはカムフォロワローラ76L、76Rが回転可能に取り付けられている。

    マウント部材42L、42Rの下部には枢軸78L、78Rによってロッカアーム80L、80Rが揺動可能に取り付けられている。 ロッカアーム80L、80Rの一方の端部にはカム部材82L、82Rが取り付けられている。 とょLは、所定の回転位置、本実施形態では、ドライブディスク48L、48Rの回転によって下部に位置するローラブラケット52L、52R、より詳細には、少なくとも最下部に位置する少なくとも一つのローラブラケット52L、52Rのためのシャトル部材66L、66Rのカムフォロワローラ76L、76Rと当接し、圧縮コイルばね74L、74Rのばね力に抗してシャトル部材66L、66Rをばね付勢方向とは反対の側に移動させる。

    ロッカアーム80L、80Rの他方の端部は、ブラケット84L、84Rによってマウント部材42L、42Rに取り付けられたリニアアクチュエータ86L、86Rのプランジャ88L、88Rが駆動連結されている。 リニアアクチュエータ86L、86Rは、通電時と非通電時とで、カム部材82L、82Rをシャトル部材66L、66Rの移動方向に異なる二つの位置に位置させる。

    左右のドライブディスク48L、48Rの複数個のドライブローラ58L、58Rによる円環状ローラ群は、主輪100を左右両側から挟むようにして主輪100を中心軸線Aと同一あるいは近似の中心軸線上に支持している。 換言すると、主輪100は、左右の複数個のドライブローラ58L、58Rによる円環状配置のローラ群によって挟まれるようにして左右のドライブディスク48L、48Rより、中心軸線Aと同一あるいは近似の中心軸線上に無軸で支持され、自身の中心周りに回転(公転)可能になっている。

    主輪100は、角柱体により構成された無端円環状の環状体102と、環状体102の外周に嵌合装着された複数個のインナスリーブ104と、各インナスリーブ104の外周に回転可能に取り付けられた複数のドリブンローラ106とにより構成されている。

    ドリブンローラ106は、接地するローラであり、各々、インナスリーブ104と嵌合する金属製円筒部106Aと、金属製円筒部106Aの外周に加硫接着されたゴム製円筒部106Bとにより構成されている。

    ドリブンローラ106は、インナスリーブ104と共に環状体102の環方向(周方向)に複数個あり、自身の配置位置における環状体102の接線方向の軸線周りに回転(自転)可能になっている。

    左右のドライブローラ58L、58Rは、外周面をもって主輪100の実質的な外周面をなすドリブンローラ106のゴム製円筒部106Bの外周面に接触し、摩擦によってドライブディスク48L、48Rの回転をドリブンローラ106に伝達する。

    ドリブンローラ106と左右のドライブローラ58L、58Rとの関係(個数)は、最下部分において接地しているドリブンローラ106には必ず少なくとも一組の左右のドライブローラ58L、58Rが接触する設定になっている。 これにより、少なくとも接地状態にあるドリブンローラ106にはドライブローラ58L、58Rより常に動力が与えられる。

    左右のドライブローラ58L、58Rは、各々、主輪100の中心軸線周りの回転方向(公転方向)に対して傾斜し、ドライブディスク48L、48Rの回転軸線(中心軸線A)に対してねじれの関係をなす回転軸線(中心軸線C)を有し、ドライブディスク48L、48Rの中心軸線Aに対して平行でも直交でもない一つの仮想面に沿った回転面を有する配置になっており、前述したように、ローラブラケット52L、52Rが旋回軸54L、54Rの中心軸線(軸線B)周りに回動することにより、回転面の向き、つまり、迎え角θ(図5参照)を変化する。

    迎え角θが0度に近付くほど、左右のドライブディスク48L、48Rの回転速度差に対するドリブンローラ106の自転速度の比率が小さくなり、これとは反対に、迎え角θが90度に近付くほど、前記比率が大きくなる。

    この実施例では、リニアアクチュエータ86L、86Rに通電が行われると、図2で見て、左側のロッカアーム80Lが時計廻り方向へ回動してカム部材82Lが左方へ変位し、右側のロッカアーム80Rが反時計廻り方向へ回動してカム部材82Lが右方へ変位することにより、図5で見て、旋回軸54Lが反時計廻り方向へ回動し、旋回軸54Rが時計廻り方向へ回動し、リニアアクチュエータ86L、86Rに通電が行われていない場合に比して、ドライブローラ58L、58Rの迎え角θが小さくなる。

    ドリブンローラ106の回転(自転)速度は、左右のドライブディスク48L、48Rの回転速度差と迎え角θによって定まる。 例えば、左右のドライブディスク48L、48Rを互いに同一速度で逆向きに回転させると、主輪100は公転せず、ドリブンローラ106の自転だけが生じる。 これにより、主輪100には左右方向の走行力が加わることになり、倒立振子移動体は、左右方向に移動(真横移動)する。 これに対し、左右のドライブディスク48L、48Rの回転方向および回転速度が同一である場合には、ドリブンローラ92が自転することがなく、主輪100が公転し、倒立振子移動体は、前進(直進)あるいは後進する。

    このように、左右の回転駆動装置 44L、44Rによって左右のドライブディスク48L、48Rの回転速度および回転方向を独立に制御することにより、倒立振子移動体は、路面上で全方向へ移動することができる。

    従って、ドリブンローラ106の自転の必要度に応じて、つまり、倒立振子移動体の進行方向に応じて迎え角θが可変制御されればよく、迎え角θの可変制御によって駆動効率を向上させることができる。

    リニアアクチュエータ86L、86Rがオン・オフ式のものであれば、迎え角θを二段階に設定でき、リニアアクチュエータ86L、86Rが定量制御できるものであれば、迎え角θを定量的に可変設定することができる。

    図6に示されているように、符号Eで示されている領域内で複数のドリブンローラ106が接地する設定の場合、接地しているドリブンローラ106毎に、ドライブローラ58R、58Lの迎え角θを、カム部材82L、82Rのカム形状の設定によって異ならせることができる。 この場合、主輪100の最下位置より主輪100の公転方向遅れ側に対応する位置にあるドライブローラ58R、58Lから迎え角θを変更する。

    これにより、ドリブンローラ106の横方向移動速度(自転速度)を、接地しているドリブンローラ106毎に異なった値に設定することができる。 このことにより、倒立振子型移動体の旋回のし易さを向上させることができる。

    なお、カム部材82L、82Rのカム形状(カムプロフィール)は、速度不連続の発生を避ける溜めに、図6に示されているガウス曲線のように、なだらかな山形のものであることが好ましい。
    図示の実施例では、カム部材82L、82Rは、左右一組の構成であるが、カム部材82L、82Rは、ドリブンローラ106の接地点の前後に二組以上設けられていもよい。

    次に、本発明による摩擦式駆動装置および倒立振子型移動体の実施例2を、図7を参照して説明する。 なお、図7において、図2に対応する部分は、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。

    回転駆動装置44L、44Rを構成する電動モータは、左側壁部18L、右側側壁18Rに固定のモータハウジング91L、91Rと、モータハウジング91L、91Rの内部に固定配置されたステータ部材92L、92Rと、モータハウジング91L、91Rの内部にあってモータハウジング91L、91Rより回転可能に支持されたロータ軸93L、93Rと、ロータ軸93L、93Rに取り付けられたロータ部材94L、94Rとを有する。

    ロータ部材94L、94Rは、中空軸により構成されており、先端部にドライブディスク48L、48Rを同心に連結されている。 左右のドライブローラ58L、58Rは、前述の実施例1と同様に、ドライブディスク48L、48Rの円錐壁部分49L、49Rにあって、旋回軸54L、54Rの中心軸線(軸線B)周りの回動により迎え角θを変化する。

    ドライブディスク48L、48Rは、各々、ローラ配向可変ディスク111L、111Rを相対回転可能に同心に支持している。 ローラ配向可変ディスク111L、111Rの外周部にはリング歯車112L、112Rが取り付けられている。 リング歯車112L、112Rは、ドライブディスク48L、48Rの中心軸線と同一の中心軸線周りに回転変位可能であり、各ローラブラケット52L、52R毎のピニオン60L、60Rと一斉に噛合している。

    ロータ軸93L、93Rの中空部には、リング歯車112L、112Rを回転変位させる歯車回転駆動手段として、リニアアクチュエータ113L、113Rが設けられている。 リニアアクチュエータ113L、113Rは、モータハウジング91L、91Rに固定されており、中心軸線A方向に移動する変位出力部材114L、114Rを回転駆動軸115L、115Rに回転変位可能に連結されている。

    回転駆動軸115L、115Rは、変位出力部材114L、114Rと一体に中心軸線A方向に移動する軸体であり、スプライン部116L、116Rによってドライブディスク48L、48Rと中心軸線A方向に変位可能に連結され、ボールねじ部117、117Rによってローラ配向可変ディスク111L、111Rの固定装着されているボールナット118L、118Rとねじ係合している。

    この構成によれば、スプライン部116L、116Rによるスプライン結合によってドライブディスク48L、48Rと回転駆動軸115L、115Rとは一体に回転する。 リニアアクチュエータ113L、113Rの変位出力部材114L、114Rの中心軸線A方向の直線変位は、ボールねじ部117、117Rとボールナット118L、118Rとのねじ係合によって回転運動に変化され、ローラ配向可変ディスク111L、111Rおよびリング歯車112L、112Rがドライブディスク48L、48Rに対して回転変位する。

    これにより、ピニオン60L、60Rと共にローラブラケット52L、52Rが旋回軸54L、54Rの中心軸線(軸線B)周りに回動し、ドライブローラ58L、58Rの迎え角θが変化する。

    実施例1では、迎え角θを変更するのは、カム部材82L、82Rの配置範囲により決まる接地側の限られたドライブローラ58L、58Rである。 これに対し、実施例2では、すべてのドライブローラ58L、58Rの迎え角θが一斉に変化する。

    従って、実施例1は、ドライブディスク48L、48Rの軸心と主輪100の軸心と上下に偏心していて、接地側の限られたドライブローラ58L、58Rだけが主輪100のドリブンローラ106と接触する型式のものへの適用に適している。 実施例2は、すべてのドライブディスク48L、48Rが主輪100のドリブンローラ106と接触する型式のものへの適用に適しており、主輪100の公転ための伝達トルク容量の増大を図ることができる。

    10 フレーム 12L、12R ステップ 14 ハンドルバー 40 走行ユニット 44L、44R 回転駆動装置 48L、48R ドライブディスク 52L、52R ローラブラケット 54L、54R 旋回軸 60L、60R ピニオン 66L、66R シャトル部材 68L、68R ラック 82L、82R カム部材 86L、86R リニアアクチュエータ 100 主輪 102 環状体 106 ドリブンローラ 111L、111R ローラ配向可変ディスク 112L、112R リング歯車 113L、113R リニアアクチュエータ 115L、115R 回転駆動軸

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