医療用マスタースレーブマニピュレータシステム及び医療用マスターマニピュレータ

申请号 JP2016547642 申请日 2016-01-13 公开(公告)号 JPWO2016136306A1 公开(公告)日 2017-04-27
申请人 オリンパス株式会社; 发明人 達矢 樋口; 達矢 樋口; 利博 吉井; 利博 吉井;
摘要 この医療用マスタースレーブマニピュレータシステムの矯正治具は、前記矯正治具がマスターマニピュレータに取り付けられた状態で、前記マスターマニピュレータの関節を直線状態に規制する。
权利要求
  • エンドエフェクタ及び関節を有するスレーブマニピュレータと、
    前記スレーブマニピュレータの前記関節と相似な形状の関節を有し前記スレーブマニピュレータを動作させるための操作が入力されるマスターマニピュレータと、
    前記スレーブマニピュレータを動作させるための操作指令を前記マスターマニピュレータに対して入力される操作に基づいて生成して前記スレーブマニピュレータへ出力する制御部と、
    前記スレーブマニピュレータが挿通される筒状のオーバーチューブと、
    前記マスターマニピュレータを前記オーバーチューブの内部形状に倣った形状に矯正するために前記オーバーチューブの少なくとも一部と相似な形状を有し前記マスターマニピュレータに取り付け可能な矯正治具と、
    を備え、
    前記矯正治具は、前記矯正治具が前記マスターマニピュレータに取り付けられた状態で前記マスターマニピュレータの前記関節を直線状態に規制する 医療用マスタースレーブマニピュレータシステム。
  • 前記制御部は、
    前記矯正治具が前記マスターマニピュレータに取り付けられたことを検知したときに前記スレーブマニピュレータが前記オーバーチューブ内に移動するように前記スレーブマニピュレータと前記オーバーチューブとを相対移動させる操作指令を生成して前記スレーブマニピュレータへ出力し、
    前記スレーブマニピュレータが前記オーバーチューブ内に位置し且つ前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられている状態で、前記マスターマニピュレータの前記関節に対応する前記スレーブマニピュレータの前記関節の位置を前記スレーブマニピュレータにおける前記関節の原点位置として設定する 請求項1に記載の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム。
  • 前記矯正治具は、
    前記マスターマニピュレータの前記関節を前記オーバーチューブの内部に配された前記スレーブマニピュレータの前記関節の形状に倣った形状に保持するチャンネル部材と、
    前記マスターマニピュレータに対して前記チャンネル部材を移動させる基台と、
    を有する 請求項1に記載の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム。
  • 前記矯正治具は、
    前記マスターマニピュレータの前記関節を前記オーバーチューブの内部に配された前記スレーブマニピュレータの前記関節の形状に倣った形状に保持するチャンネル部材と、
    前記チャンネル部材を保持する基台と、
    を有し、
    前記マスターマニピュレータは、前記チャンネル部材に少なくとも前記マスターマニピュレータの前記関節が取り付けられるように前記チャンネル部材に対して移動可能である 請求項1に記載の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム。
  • 前記マスターマニピュレータは、
    作業台と、
    前記エンドエフェクタに対応する入力部と、前記マスターマニピュレータの前記関節と、を有するマスターアームと、
    を有し、
    前記チャンネル部材は、前記マスターアームが前記作業台に対して位置決めされた状態で前記マスターアームに対して相対移動及び固定可能となるように前記作業台に配されている 請求項4に記載の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム。
  • 前記矯正治具は、
    前記マスターマニピュレータを内部に挿通可能であり前記オーバーチューブと相似形状をなすチャンネル部材と、
    前記チャンネル部材において前記マスターマニピュレータが前記チャンネル部材の周方向に回転する回転量を計測するための回転量計測手段と、
    を有する 請求項1に記載の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム。
  • 前記制御部は、
    前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にあるか否かを前記制御部の起動時に判定して、前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にない場合には前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係となるまで前記スレーブマニピュレータの制御を停止する 請求項1に記載の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム。
  • 说明书全文

    本発明は、医療用マスタースレーブマニピュレータシステムに関する。
    本願は、2015年2月26日に日本国に出願された特願2015−037287号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

    従来、マスタースレーブ方式の医療用マニピュレータシステムが知られている(たとえば特許文献1、2参照)。
    マスタースレーブ方式の医療用マニピュレータシステムは、マスターマニピュレータに対する操作に倣ってスレーブマニピュレータを動作させるシステムである。 マスタースレーブ方式の医療用マニピュレータシステムでは、マスターマニピュレータの位置や姿勢にスレーブマニピュレータが適切に追従する必要がある。
    このため、例えば特許文献1、2に開示されたシステムでは、マスターマニピュレータに対するスレーブマニピュレータの追従精度を維持するためのキャリブレーションが行われることが好ましい。

    日本国特開2009−247619号公報

    日本国特開2010−035874号公報

    マスタースレーブ方式の医療用マニピュレータシステムは、マスターマニピュレータ及びスレーブマニピュレータがそれぞれ関節を有している。 マスターマニピュレータの関節とスレーブマニピュレータの関節とは、電気的な操作指令により追従動作可能となるように電気的に接続されている。 マスターマニピュレータの関節とスレーブマニピュレータの関節との間に機械的な接続がない場合、マスターマニピュレータの関節に対するスレーブマニピュレータの関節の位置ずれが生じる場合が考えられる。 しかしながら、各関節の位置を検知するセンサを関節ごとに有していれば、位置ずれを矯正するためのキャリブレーションをすることができる。

    しかしながら、マスターマニピュレータの関節のセンサ及びスレーブマニピュレータの関節のセンサからの情報を用いたキャリブレーションは各センサが正常動作していることを前提としている。 このため、各センサのキャリブレーションが別途必要になるなど、キャリブレーションに係る作業負担が大きい。 また、関節ごとにセンサを有する構成では構造が複雑になってしまい小型化が難しい。

    本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で容易にキャリブレーションを行うことができる医療用マスタースレーブマニピュレータシステムを提供することを目的とする。

    本発明の第一の態様によれば、医療用マスタースレーブマニピュレータシステムは、エンドエフェクタ及び関節を有するスレーブマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータの前記関節と相似な形状の関節を有し前記スレーブマニピュレータを動作させるための操作が入されるマスターマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータを動作させるための操作指令を前記マスターマニピュレータに対して入力される操作に基づいて生成して前記スレーブマニピュレータへ出力する制御部と、前記スレーブマニピュレータが挿通される筒状のオーバーチューブと、前記マスターマニピュレータを前記オーバーチューブの内部形状に倣った形状に矯正するために前記オーバーチューブの少なくとも一部と相似な形状を有し前記マスターマニ� ��ュレータに取り付け可能な矯正治具と、を備える。 前記矯正治具は、前記矯正治具が前記マスターマニピュレータに取り付けられた状態で前記マスターマニピュレータの前記関節を直線状態に規制する。

    本発明の第二の態様によれば、前記第一の態様に係る医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記制御部は、前記矯正治具が前記マスターマニピュレータに取り付けられたことを検知したときに前記スレーブマニピュレータが前記オーバーチューブ内に移動するように前記スレーブマニピュレータと前記オーバーチューブとを相対移動させる操作指令を生成して前記スレーブマニピュレータへ出力し、前記スレーブマニピュレータが前記オーバーチューブ内に位置し且つ前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられている状態で、前記マスターマニピュレータの前記関節に対応する前記スレーブマニピュレータの前記関節の位置を前記スレーブマニピュレータにおける前記関節の原点位置として設定しても� ��い。

    本発明の第三の態様によれば、前記第一の態様に係る医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータの前記関節を前記オーバーチューブの内部に配された前記スレーブマニピュレータの前記関節の形状に倣った形状に保持するチャンネル部材と、前記マスターマニピュレータに対して前記チャンネル部材を移動させる基台と、を有していてもよい。

    本発明の第四の態様によれば、前記第一の態様に係る医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータの前記関節を前記オーバーチューブの内部に配された前記スレーブマニピュレータの前記関節の形状に倣った形状に保持するチャンネル部材と、前記チャンネル部材を保持する基台と、を有していてもよい。 前記マスターマニピュレータは、前記チャンネル部材に少なくとも前記マスターマニピュレータの前記関節が取り付けられるように前記チャンネル部材に対して移動可能であってもよい。

    本発明の第五の態様によれば、前記第四の態様に係る医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記マスターマニピュレータは、作業台と、前記エンドエフェクタに対応する入力部と、前記マスターマニピュレータの前記関節と、を有するマスターアームと、を有していてもよい。 前記チャンネル部材は、前記マスターアームが前記作業台に対して位置決めされた状態で前記マスターアームに対して相対移動及び固定可能となるように前記作業台に配されていてもよい。

    本発明の第六の態様によれば、前記第一の態様に係る医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータを内部に挿通可能であり前記オーバーチューブと相似形状をなすチャンネル部材と、前記チャンネル部材において前記マスターマニピュレータが前記チャンネル部材の周方向に回転する回転量を計測するための回転量計測手段と、を有していてもよい。

    本発明の第七の態様によれば、前記第一の態様に係る医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記制御部は、前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にあるか否かを前記制御部の起動時に判定して、前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にない場合には前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係となるまで前記スレーブマニピュレータの制御を停止してもよい。

    本発明によれば、簡易な構成で容易にキャリブレーションを行うことができる医療用マスタースレーブマニピュレータシステムを提供することができる。

    本発明の第1実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムの全体図である。

    前記マニピュレータシステムのマスターマニピュレータの一部を示す模式図である。

    前記マスターマニピュレータの一部を模式的に示す部分断面図である。

    前記マニピュレータシステムのスレーブマニピュレータの一部を示す図で、スレーブマニピュレータの一部が体内に挿入されている状態を示す模式的な断面図である。

    前記スレーブマニピュレータのエンドエフェクタを用いて処置を行う一過程を模式的に示す部分断面図である。

    前記マニピュレータシステムを使用した処置の流れを示すフローチャートである。

    前記マニピュレータシステムを使用した処置の最中にスレーブマニピュレータの初期位置の設定をする場合の作業の流れを示すフローチャートである。

    前記マニピュレータシステムにおける初期位置の設定手順の一例を示すフローチャートである。

    本発明の第2実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムの一部の構成を示す模式的な部分断面図である。

    本発明の第3実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムのマスターマニピュレータの一部を示す模式的な部分断面図である。

    前記実施形態のマニピュレータシステムにおけるスレーブマニピュレータの一部を示す模式的な部分断面図である。

    本発明の第4実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムのマスターマニピュレータの一部を示す模式的な部分断面図である。

    前記実施形態のマニピュレータシステムにおけるスレーブマニピュレータの一部を示す模式図である。

    (第1実施形態)
    本発明の第1実施形態について説明する。 図1は、本実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムの全体図である。 図2は、前記マニピュレータシステムのマスターマニピュレータの一部を示す模式図である。 図3は、前記マスターマニピュレータの一部を模式的に示す部分断面図である。 図4は、前記マニピュレータシステムのスレーブマニピュレータの一部を示す図で、スレーブマニピュレータの一部が体内に挿入されている状態を示す模式的な断面図である。 図5は、前記スレーブマニピュレータのエンドエフェクタを用いて処置を行う一過程を模式的に示す部分断面図である。

    図1に示すように、本実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム1(以下、単にマニピュレータシステム1という。)は、マスターマニピュレータ2と、スレーブマニピュレータ20と、制御部50とを有する。

    図1から図3までに示すように、マスターマニピュレータ2は、作業台3と、マスターアーム4と、マスターオーバーチューブ15と、表示装置19とを備えている。

    作業台3には、マスターアーム4、マスターオーバーチューブ15、及び表示装置19が取り付けられている。

    マスターアーム4は、台座5と、シャフト6と、マスター関節部7と、入力部14とを備えている。

    台座5は、作業台3に対して所定の直線方向に移動可能となるように作業台3に接続又は載置されている。 また、台座5は、マスターアーム4のシャフト6に接続されている。

    シャフト6は、マスターオーバーチューブ15のチャンネル部材16内に挿通可能な棒状又は筒状の部材である。

    マスター関節部7は、シャフト6の両端のうち台座5に連結されている端とは反対側の端(以下、この端をシャフト6の先端6aという)に連結されている。 マスター関節部7は、複数の関節要素8を有している。 本実施形態では、シャフト6の先端6aから入力部14へ向かって、第一関節要素9、第二関節要素10、及び第三関節要素11をこの順に有している。 マスター関節部7に設けられた各関節要素8は、棒状のアーム要素13により連結されている。

    第一関節要素9、第二関節要素10、及び第三関節要素11は、入力部14に対して入力を行う操作者から入力部14を介してマスター関節部7に伝わる力によって屈曲や回転等所定の軸に対応して動かされる。 第一関節要素9、第二関節要素10、及び第三関節要素11は、互いに独立して、又は連動して動作することにより、入力部14に対する操作に対応してマスター関節部7を変形させる。 第一関節要素9、第二関節要素10、及び第三関節要素11は、不図示のエンコーダなどの位置情報取得手段を有しており、第一関節要素9、第二関節要素10、及び第三関節要素11が入力部14からの力により動かされた際の動作量を制御部50において取得することができるように構成されている。

    入力部14は、マスター関節部7の両端のうちシャフト6の先端6aに連結されている端とは反対側の端(以下、この端をマスター関節部7の先端7aをいう)に配されている。
    入力部14は、操作者が手に持って移動させることができる。 なお、入力部14は、スレーブアーム21に設けられたエンドエフェクタ33(図4及び図5参照)の構成に対応してエンドエフェクタ33を動作させることができるように構成されていてもよい。

    一例を挙げると、本実施形態では、たとえば処置対象物等を把持可能な把持鉗子34をエンドエフェクタ33が有している場合、入力部14は、エンドエフェクタ33の把持鉗子34に対応して処置対象物の把持動作の入力をすることができるように構成される。 また、入力部14は、エンドエフェクタ33の形状に似せた形状であってもよい。 たとえば、エンドエフェクタ33が上記の把持鉗子34を有している場合、把持鉗子34を構成する一対の開閉可能な鉗子片34a、34bと同様に開閉動作可能な一対の入力片14a、14bが入力部14に設けられていてもよい。 この場合、一対の入力片14a、14bは、開閉状態を検知可能な不図示のエンコーダなどの動作検知手段を有し、一対の入力片14a、14bが操作者により動かされた際の動作量を制御部50において取得することができるように構成される。

    マスターオーバーチューブ15は、後述するスレーブオーバーチューブ37のチューブ体38の先端38a近傍の形状に倣った筒状のチャンネル部材16と、チャンネル部材16を作業台3に固定する固定部18とを有する。 また、マスターオーバーチューブ15は、マスターオーバーチューブ15に対するマスターアーム4の位置や移動量を検知するための不図示のエンコーダなどのマスター移動検知手段を有している。

    図3に示すチャンネル部材16は、マスターアーム4のシャフト6、マスター関節部7、及び入力部14が内部に挿入可能でありC字状の断面をなす略筒状形状を有している。 チャンネル部材16の中心線は直線状である。
    チャンネル部材16には、マスターアーム4のシャフト6が挿入されるスリット17が、チャンネル部材16の中心線に沿った方向に延びて形成されている。 スリット17の開き幅は、マスターアーム4のシャフト6が進退可能となる寸法であるとともに、マスター関節部7及びエンドエフェクタ33の外周をチャンネル部材16の内面が略囲うことができる寸法に設定されることが好ましい。 スリット17の開き幅は、シャフト6が好適に進退できる限度において狭い方が、チャンネル部材16内に配されたマスターアーム4を、スレーブオーバーチューブ37内に配されたスレーブアーム21に精度よく倣った直線状とすることができる。

    チャンネル部材16を備えた本実施形態のマスターオーバーチューブ15は、マスターオーバーチューブ15のチャンネル部材16の内部にマスター関節部7が位置している状態においてマスター関節部7が直線状態となるように、マスター関節部7を矯正する。 すなわち、本実施形態のマスターオーバーチューブ15は、マスター関節部7を直線状に矯正する矯正治具である。

    図1に示す表示装置19は、スレーブマニピュレータ20に取り付け可能な内視鏡100によって撮像される映像を表示したり、マニピュレータシステム1の制御部50から出力される各種の情報を表示したりする装置である。

    図1、図4、及び図5に示すように、スレーブマニピュレータ20は、スレーブアーム21と、スレーブオーバーチューブ37とを備えている。

    スレーブアーム21は、駆動部22と、長尺部材25と、スレーブ関節部26と、エンドエフェクタ33とを備えている。

    駆動部22は、スレーブ関節部26を動作させるために、長尺部材25の端部に配されている。 駆動部22は、マスターマニピュレータ2の作業台3に取り付けられた動力源部23と、動力源部23に対して着脱可能で長尺部材25の端部に固定された着脱部24とを有している。 本実施形態では、スレーブアーム21の全体のうち着脱部24からエンドエフェクタ33に至るまでの構成要素は、スレーブオーバーチューブ37及び動力源部23に対して取り付け及び取り外しが可能である。

    動力源部23は、制御部50が発する操作指令に対応してスレーブ関節部26を動作させるための動力を発生させる。
    また、動力源部23は、作業台3に対して進退移動可能である。 動力源部23が作業台3に対して進退することにより、スレーブアーム21の先端にあるエンドエフェクタ33の位置を第二ルーメン40に対して調整することができる。 また、作業台3及び動力源部23は、作業台3上での動力源部23の進退動作と、作業台3に配されたマスターアーム4の進退動作とが対応するように構成されている。 このため、マスターアーム4を作業台3に対して移動させることにより、第二ルーメン40に対するスレーブアーム21の進退移動をさせることができる。

    なお、駆動部22がエンドエフェクタ33を動作させることができるように構成されていてもよい。 たとえばスレーブアーム21がエンドエフェクタ33として把持鉗子34を有している場合には、上記の入力部14の一対の入力片14a、14bに対する操作に従って駆動部22が把持鉗子34の一対の鉗子片34a、34bをたとえばワイヤ駆動で動作させる。

    着脱部24は、動力源部23が発する動力を不図示のワイヤを介してスレーブ関節部26に伝達するために動力源部23に対して着脱可能な部材である。 着脱部24は、例えば、動力源部23の不図示の出力軸に対して任意の位置で噛み合う不図示の入力軸を有していることにより、動力源部23に着脱部24が装着されたときの位置関係で動力源部23からスレーブ関節部26までの動力伝達経路を構成する。

    長尺部材25は、体内に挿入可能な柔軟な又は硬質な部材である。 たとえば長尺部材25が消化管内に挿入される部材である場合には、長尺部材25は、消化管の湾曲形状に沿って湾曲しながら挿入することができるように可撓性を有する。

    スレーブ関節部26は、マスター関節部7の構成に対応して、マスター関節部7の変形に倣って変形可能な複数の関節要素27と、各関節要素27を繋ぐアーム要素32とを有する。 本実施形態のスレーブ関節部26は、長尺部材25からエンドエフェクタ33へ向かって、第一関節要素28と、第二関節要素29と、第三関節要素30とをこの順に有している。

    第一関節要素28、第二関節要素29、及び第三関節要素30は、駆動部22から不図示のワイヤを介して動力が伝達されることにより、互いに独立して動作可能である。 たとえばスレーブ関節部26の第一関節要素28は、マスター関節部7の第一関節要素9が入力部14に対する操作により動かされたときに、第一関節要素9の動きに倣って動作する。

    エンドエフェクタ33は、体内で処置対象部位等に対する観察や処置等をするためにスレーブ関節部26に連結されている。 エンドエフェクタ33は、イメージセンサを備えた撮像部や、処置対象部位に対して切開や縫合などをする処置部や、処置対象部位の組織等を把持する把持部などであってよい。 エンドエフェクタ33の構成は特に限定されない。 たとえば、本実施形態のエンドエフェクタ33は、生体組織を把持可能な把持鉗子34を有している。

    把持鉗子34は、開閉動作可能な一対の鉗子片34a、34bを有している。 一対の鉗子片34a、34bは、不図示のワイヤにより駆動部22の着脱部24と連結されており、着脱部24を介して駆動部22から伝わる動力により動作する。 一対の鉗子片34a、34bの動作は、入力部14に対して操作者が行った操作に対応して制御部50が駆動部22に発する操作指令に基づいている。

    スレーブオーバーチューブ37は、チューブ体38と、操作部41と、接続部42とを備えている。

    チューブ体38は、第一ルーメン39と第二ルーメン40とを有する筒状部材である。 チューブ体38は、硬性であってもよいし軟性であってもよい。 たとえばチューブ体38が消化管内に挿入される場合には、チューブ体38は軟性であり消化管の湾曲形状に倣って変形可能である。
    チューブ体38の第一ルーメン39には、本実施形態のマニピュレータシステム1の一部として設けられる公知の内視鏡100を取り付けることができる。
    チューブ体38の第二ルーメン40には、スレーブアーム21の長尺部材25、スレーブ関節部26、及びエンドエフェクタ33を挿通することができる。 本実施形態では複数のスレーブアーム21をチューブ体38に取り付けることができるようにするために、複数の第二ルーメン40(本実施形態ではたとえば2つ)がチューブ体38に形成されている。

    操作部41は、チューブ体38を進退させたり回転させたりするために操作者が把持する部分であり、チューブ体38の基端38bに設けられている。 操作部41には、チューブ体38の第二ルーメン40をマスターマニピュレータ2まで延長するための接続部42が取り付けられている。

    接続部42は、スレーブアーム21の長尺部材25の一部が挿通される延長ルーメン43を有している。 接続部42の延長ルーメン43は、チューブ体38の第二ルーメン40の構成に対応して接続部42に形成されている。

    図1に示す制御部50は、マスターマニピュレータ2の入力部14に対する入力操作に対応して動力源部23を動作させるための操作指令を生成して動力源部23へ出力する。 また、制御部50は、スレーブマニピュレータ20とマスターマニピュレータ2との対応付けの最適化のためのキャリブレーションを行うことができる。 たとえば、制御部50は、マスター関節部7とスレーブ関節部26との位置関係を対応付けるための初期位置の設定を行って初期位置を記憶する。

    制御部50において実行されるキャリブレーションの一例として、スレーブ関節部26の初期位置の設定手順について説明する。 図6は、本実施形態のマニピュレータシステム1を使用した処置の流れを示すフローチャートである。 図7は、マニピュレータシステム1を使用した処置の最中にスレーブマニピュレータ20の初期位置の設定をする場合の作業の流れを示すフローチャートである。 図8は、マニピュレータシステム1における初期位置の設定手順の一例を示すフローチャートである。

    本実施形態では、例えばマニピュレータシステム1の初回起動時や再起動時、あるいはマニピュレータシステム1の使用時においてスレーブ関節部26の動作に関して操作者が違和感を覚えたときなどに、初期位置の設定をすることができる。

    また、体内において複雑に湾曲した部位にスレーブマニピュレータ20が挿入されている場合には、駆動部22からスレーブ関節部26に至るまでのワイヤの経路長がスレーブマニピュレータ20の変形により変化している場合がある。 この場合には、駆動部22における駆動状態と、スレーブ関節部26の姿勢とが初期の対応関係とは異なる関係にずれてしまう。 この場合、以下の初期位置の設定によりマスター関節部7とスレーブ関節部26とを対応関係のずれを解消することもできる。

    初期位置の設定は、スレーブアーム21及びスレーブオーバーチューブ37が体内に挿入された状態で行われる。

    処置対象部位に対する処置をするために、スレーブマニピュレータ20が体内へと挿入される(図6に示すステップS11)。 本実施形態では、スレーブマニピュレータ20は、例えば肛門等の自然開口を介して体内へと挿入される。

    内視鏡100が処置対象部位X1を視野に捉えている状態(たとえば図4参照)で、この処置対象部位X1に対して処置をするためのスレーブアーム21を第二ルーメン40に挿通し、スレーブアーム21のエンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26を、第二ルーメン40の先端40aの近傍に位置させる。 処置対象部位X1に対する処置を開始する前は、スレーブアーム21のエンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26は、スレーブオーバーチューブ37のチューブ体38の第二ルーメン40の内部に位置している。 第二ルーメン40に対してスレーブアーム21を挿入する過程では、着脱部24と動力源部23とは接続されておらず、スレーブ関節部26は第二ルーメン40の形状に倣って自在に変形可能である。 また、制御部50は、初期位置の設定がされるまでは操作指令を動力源部23に出力しないように制御されることにより、動力源部23に対する着脱部24の取付け過程ではスレーブ関節部26は動作せずに第二ルーメン40の形状に倣っている。

    続いて、操作者は、内視鏡100により処置対象部位X1の近傍を観察し、チューブ体38の先端38a近傍を直線状態とすることができる部位まで、必要に応じてチューブ体38を移動させる。 チューブ体38の先端38a近傍の形状は、例えば内視鏡100の挿入部に設けられた能動湾曲部を直線状態とすることにより、直線状態にすることができる。 本実施形態では、チューブ体38の先端38a近傍の領域のうち、スレーブ関節部26が位置する領域が直線状態となることが好ましい。 なお、チューブ体38の先端38a近傍が厳密な直線状であることは要しない。

    チューブ体38の先端38a近傍が略直線状となっているときには、第二ルーメン40の先端40a近傍も略直線状である。 このため、第二ルーメン40内のスレーブ関節部26は略直線状である。

    次に、マスターマニピュレータ2の操作者が、マスターアーム4をマスターオーバーチューブ15のチャンネル部材16内に配置する(図3参照)。 マスターオーバーチューブ15のチャンネル部材16へのマスターアーム4の移動は、第二ルーメン40に対するスレーブアーム21の取付けの前であってもよいし後であってもよい。 このとき、チャンネル部材16の内部にマスター関節部7が位置するように操作される。
    チャンネル部材16は直線状をなす筒状部材であるので、チャンネル部材16の内部に配されたマスター関節部7も直線状に倣っている。

    このように、第二ルーメン40内にスレーブ関節部26が位置し、さらにチャンネル部材16内にマスター関節部7が位置することで、マスター関節部7とスレーブ関節部26との両方が直線状となっている。

    制御部50は、マスター関節部7とスレーブ関節部26との両方が直線状とされた上記の状態であるときに、マスター関節部7の各関節要素8の位置とスレーブ関節部26の各関節要素27の位置との対応関係を初期位置として定義して保存する。 本実施形態では、マスター関節部7とスレーブ関節部26との両方が直線状とされた上記の状態であるときに、例えばマスターマニピュレータ2から制御部50に対してその旨を通知するためのスイッチなどにより、初期位置の定義及び保存を操作者が手動で開始する。 制御部50は、上記の通知に基づき、チャンネル部材16がマスターマニピュレータ2に取り付けられたことを検知して、マスター関節部7の各関節要素8の位置とスレーブ関節部26の各関節要素27の位置との対応関係を初期位置として定義して保存する(図6に示すステップS12)。

    初期位置が保存されたら、作業台3に対してマスターアーム4を移動させることによって、チャンネル部材16から入力部14及びマスター関節部7を突出させる(図2参照)。 チャンネル部材16からの入力部14及びマスター関節部7の突出操作に倣って、スレーブアーム21のエンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26が第二ルーメン40の先端から突出する(図5参照)。

    スレーブアーム21は、第二ルーメン40の内部にスレーブ関節部26が位置して直線状であったときの各関節要素27の位置を原点として動作可能である。 すなわち、マスターアーム4に設けられた入力部14を操作者が把持してマスター関節部7を動作させると、スレーブ関節部26はマスター関節部7の動作に倣って動作する。
    操作者は、マスターアーム4に設けられた入力部14を使用して処置対象部位X1(図5参照)に対して処置を行う(図6に示すステップS13)。

    処置の最中に初期位置の再設定をする場合もある。
    たとえば図7に示すように、ある所望の処置を開始して(図7に示すステップS21)処置を進めている時に、マスターマニピュレータ2の入力部14に対するスレーブマニピュレータ20のエンドエフェクタ33の姿勢に差が生じた場合(図7に示すステップS22においてYES)、初期位置を再設定する(図7に示すステップS23)。

    初期位置の再設定は、図8に示すように、マスターアーム4をチャンネル部材16内に引き込み(ステップS31)、駆動部22の不図示のワイヤの張力を初期化する(ステップS32)。 ワイヤの張力の初期化の方法の一例として、ステップS32で、動力源部23に対して着脱部24を離間させたのちに再度着脱部24を動力源部23に取り付ける。 なお、ワイヤの張力を一定に保つ公知の構成を駆動部22が有していてもよい。

    ワイヤの張力が初期化された後の駆動部22の状態を初期位置として設定する(ステップS33)ことにより、その後再びマスターアーム4をチャンネル部材16の先端16aから突出させると、マスターマニピュレータ2の入力部14に対するスレーブマニピュレータ20のエンドエフェクタ33の姿勢は適切に倣った姿勢となる。

    スレーブアーム21を使用した処置が終了したら(図7に示すステップS24においてYES)、図5に示すスレーブマニピュレータ20を体外へ抜去する(ステップS25)。 ステップS25では、まず、スレーブアーム21をスレーブオーバーチューブ37内に引き戻すために、マスターアーム4を作業台3に対して移動させる。 マスターアーム4は、作業台3に対する移動により、マスターオーバーチューブ15のチャンネル部材16の内部へと引き込まれる(図2参照)。 チャンネル部材16内にマスターアーム4が引き込まれることにより、マスターアーム4のマスター関節部7は直線状に矯正される。 マスター関節部7の動作に倣って動作するスレーブ関節部26は、マスター関節部7が直線状とされることにより倣って直線状となる(図4参照)。 このため、スレーブアーム21はスムーズにスレーブオーバーチューブ37の第二ルーメン40へと引き込まれる。 その結果、スレーブ関節部26が湾曲した状態のままスレーブオーバーチューブ37に引き込まれてスレーブ関節部26が破損する可能性がない。
    また、マスター関節部7の各関節要素(第一関節要素9、第二関節要素10、及び第三関節要素11)のうち基端側の一部のみをチャンネル部材16内に収容して、マスター関節部7の先端側の一部の関節要素及びエンドエフェクタ33をチャンネル部材16から突出させた状態でもマスターマニピュレータ2を用いてスレーブマニピュレータ20を動作させることができる。 この場合、スレーブマニピュレータ20のスレーブ関節部26の全体のうち、チャンネル部材16から突出しているマスター関節部7に対応する部分が駆動可能である。

    以上に説明したように、本実施形態のマニピュレータシステム1では、体内に挿入されるスレーブオーバーチューブ37と、マスターマニピュレータ2に設けられたマスターオーバーチューブ15とによって、処置対象部位の近傍にスレーブマニピュレータ20が位置している状態でスレーブ関節部26の初期位置を容易に定義することができる。
    その結果、本実施形態のマニピュレータシステム1によれば、簡易な構成で容易にキャリブレーションを行うことができる。

    (第2実施形態)
    本発明の第2実施形態について説明する。 図9は、本実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム1Aの一部の構成を示す模式的な部分断面図である。
    図9に示すように、本実施形態では、マスターオーバーチューブ15が、第1実施形態に開示された固定部18を備えることに代えて、作業台3に対して移動可能な移動台18A(基台)を備えている。

    本実施形態では、マスターオーバーチューブ15が作業台3に対して移動することにより、マスターアーム4に対するチャンネル部材16の位置調整が可能である。 たとえば、スレーブマニピュレータ20の第二ルーメン40に対するスレーブアーム21の位置関係に対応して、マスターマニピュレータ2のチャンネル部材16に対するマスターアーム4の位置関係を合わせることができる。
    また、マスターオーバーチューブ15に対して作業台3が移動するようになっていてもよい。 この場合にもマスターアーム4に対するチャンネル部材16の位置調整が可能である。

    (第3実施形態)
    本発明の第3実施形態について説明する。 図10は、本実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム1Bのマスターマニピュレータの一部を示す模式的な部分断面図である。 図11は、マニピュレータシステム1Bにおけるスレーブマニピュレータの一部を示す模式的な部分断面図である。

    図10及び図11に示すように、医療用マスタースレーブマニピュレータシステム1Bは、上記第1実施形態に開示されたマスター関節部7及びスレーブ関節部26とは構成が異なるマスター関節部7A及びスレーブ関節部26Aを有している。

    本実施形態のマスター関節部7Aは、シャフト6とマスター関節部7Aとを接続する関節要素8として、シャフト6の先端6aを回転中心としてマスター関節部7Aを回転させるマスター側ロール軸関節12を有している。

    マスター側ロール軸関節12により、入力部14及びマスター関節部7Aはシャフト6に対して回転可能である。 また、マスター側ロール軸関節12は、マスター側ロール軸関節12の回転量を検知する不図示のエンコーダ等からなる回転量検知手段と、マスター側ロール軸関節12によってマスター関節部7A及び入力部14が回転した量を操作者が目視で計測することを可能とする回転量計測手段とを有している。

    例えば、回転量計測手段として、チャンネル部材16の先端16a近傍に、チャンネル部材16の外壁の一部が透明となっていると共にチャンネル部材16の周方向に所定の度ごとに目盛りを有している構成や、チャンネル部材16に対するマスター関節部7Aまたは入力部14の回転量を計測するセンサを有して表示装置19に回転量を表示する構成などが挙げられる。

    本実施形態のスレーブ関節部26Aは、長尺部材25とスレーブ関節部26Aとを接続する関節要素27として、長尺部材25の中心線を回転中心としてスレーブ関節部26を回転させるスレーブ側ロール軸関節31を有している。

    スレーブ側ロール軸関節31は、駆動部22からスレーブ関節部26Aまで延びる不図示のワイヤによって、制御部50からの操作指令に対応して動作する。

    本実施形態では、マスター関節部7Aのマスター側ロール軸関節12が回転操作されると、スレーブ側ロール軸関節31は、マスター側ロール軸関節12の動作に倣って動作する。
    本実施形態では、エンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26Aの回転位置は、スレーブオーバーチューブ37に設けられた第一ルーメン39に取り付けられた内視鏡100を用いた観察により把握可能である。

    本実施形態のマニピュレータシステム1Bにおけるキャリブレーションの一例を示す。
    本実施形態では、第二ルーメン40内にスレーブアーム21が取り付けられた状態において、スレーブアーム21の中心線(長尺部材25の中心線)を中心としたエンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26Aの回転位置と、マスターアーム4の中心線(マスター関節部7が直線状である時のマスター関節部7全体の中心線)を中心とした入力部14及びマスター関節部7Aの回転位置とが一致しない場合がある。

    このような場合、制御部50から駆動部22への操作指令の出力が停止されている状態で、マスターアーム4の上記の中心線回りにマスター側ロール軸関節12がマスター関節部7A及び入力部14を回転させることにより、エンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26Aの回転位置に対して、入力部14及びマスター関節部7Aの回転位置を合わせることができる。

    本実施形態では、内視鏡100を用いた観察により、第二ルーメン40の周方向におけるエンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26Aの角度を把握し、チャンネル部材16に設けられた目盛を利用して、エンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26Aの角度と一致するように、チャンネル部材16に対してスレーブ側ロール軸関節31を回転させる。
    これにより、エンドエフェクタ33及びスレーブ関節部26Aに対する入力部14及びマスター関節部7Aの回転方向における位置ずれを解消するキャリブレーションを容易に行うことができる。

    また、本実施形態では、スレーブアーム21がロール軸を回転中心とする関節を有していない場合においても、スレーブアーム21に対するマスターアーム4の回転方向の位置ずれがある場合にマスター側ロール軸関節12を回転させることで、位置ずれを解消することができる。

    (第4実施形態)
    本発明の第4実施形態について説明する。 図12は、本実施形態の医療用マスタースレーブマニピュレータシステム1Cのマスターマニピュレータの一部を示す模式的な部分断面図である。 図13は、マニピュレータシステム1Cにおけるスレーブマニピュレータの一部を示す模式図である。

    図12及び図13に示すように、医療用マスタースレーブマニピュレータシステム1Cは、上記第1実施形態に開示されたマニピュレータシステム1に加えて、位置センサ51と、着脱切替機構52とを有している。 位置センサ51は、チャンネル部材16の中心線方向におけるチャンネル部材16に対するマスターアーム4の位置が所定の位置にあるか否かを検知する。 着脱切替機構52は、位置センサ51における検知状態に対応して着脱部24と動力源部23との着脱動作を許容したり禁止したりする。
    また、医療用マスタースレーブマニピュレータシステム1Cの制御部50は、位置センサ51における検知状態に対応して着脱切替機構52を動作させる制御をする。

    位置センサ51は、入力部14がチャンネル部材16の先端16aから突出しているときに、制御部50によって参照可能な所定の信号を発する。 たとえば、位置センサ51は、チャンネル部材16の先端16a近傍の空間を所定の検知エリアとして、この検知エリア内に物体がある場合に上記の信号を発する。

    着脱切替機構52は、動力源部23において、着脱部24に対する着脱位置の一部に進入可能な規制部材53と、規制部材53を制御部50からの制御に応じて移動させる移動部54とを有している。 規制部材53が着脱位置に進入している状態では、動力源部23に着脱部24が取付不能である。

    制御部50は、位置センサ51が上記の所定の信号を発していることを検知したときに、規制部材53を着脱位置に進入させるように着脱切替機構52を制御する。 また、位置センサ51が上記所定の信号を停止したことを制御部50が検知したときには、制御部50は、規制部材53を着脱位置外へと移動させる。

    本実施形態では、制御部50は、入力部14がチャンネル部材16の内部に位置していると判定した場合に、動力源部23に対する着脱部24の取付けを許容する。 逆に、制御部50は、入力部14がチャンネル部材16の先端16aから外部に突出していると判定した場合に、動力源部23に対する着脱部24の取付けを禁止する。

    入力部14がチャンネル部材16の内部に位置している状態では、マスター関節部7もチャンネル部材16の内部にあるので、マスター関節部7は、第1実施形態に開示されたキャリブレーションを好適に実行するための直線状態とされている。 入力部14がチャンネル部材16の先端16aから突出している状態では、入力部14やマスター関節部7等がチャンネル部材16の先端16aからチャンネル部材16の外部に出ていることにより、マスター関節部7が適切な直線状態でない場合が考えられる。

    本実施形態では、マスター関節部7が好適な直線状態とされてチャンネル部材16内に位置している場合にのみ動力源部23と着脱部24との接続が許容されるので、キャリブレーションを行うのに不適切な位置関係のままキャリブレーションが行われてしまうことを予防できる。

    以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
    また、上述の各実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。

    本発明によれば、簡易な構成で容易にキャリブレーションを行うことができる医療用マスタースレーブマニピュレータシステムを提供することができる。

    1、1A、1B、1C 医療用マスタースレーブマニピュレータシステム 2 マスターマニピュレータ 3 作業台 4 マスターアーム 5 台座 6 シャフト 7、7A マスター関節部 8 関節要素 9 第一関節要素 10 第二関節要素 11 第三関節要素 12 マスター側ロール軸関節 13 アーム要素 14 入力部 15 マスターオーバーチューブ(矯正治具)
    16 チャンネル部材 17 スリット 18 固定部 18A 移動台(基台)
    19 表示装置 20 スレーブマニピュレータ 21 スレーブアーム 22 駆動部 23 動力源部 24 着脱部 25 長尺部材 26、26A スレーブ関節部 27 関節要素 28 第一関節要素 29 第二関節要素 30 第三関節要素 31 スレーブ側ロール軸関節 32 アーム要素 33 エンドエフェクタ 34 把持鉗子 37 スレーブオーバーチューブ(オーバーチューブ)
    38 チューブ体 39 第一ルーメン 40 第二ルーメン 41 操作部 42 接続部 43 延長ルーメン 50 制御部 51 位置センサ 52 着脱切替機構 53 規制部材 54 移動部 100 内視鏡

    本発明は、医療用マスタースレーブマニピュレータシステム及び医療用マスターマニピュレータに関する。
    本願は、2015年2月26日に日本国に出願された特願2015−037287号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

    本発明の第一の態様によれば、医療用マスタースレーブマニピュレータシステムは、エンドエフェクタ及び関節を有するスレーブマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータの前記関節に対応する関節を有し、操作者によって操作入力がなされるマスターマニピュレータと、 記マスターマニピュレータに対する前記操作入力に基づいて前記スレーブマニピュレータを動作させるための操作指令を出力する制御部と、 前記操作指令に基づいて前記スレーブマニピュレータを動作させる駆動部と、前記スレーブマニピュレータが挿通される筒状のオーバーチューブと、前記マスターマニピュレータの前記関節を直線状態に規制する矯正治具と、を備える
    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータを前記オーバーチューブの内部形状に倣った形状に矯正するために前記オーバーチューブの少なくとも一部と相似な形状を有し、前記矯正治具が前記マスターマニピュレータに取り付けられた状態で前記マスターマニピュレータの前記関節を前記直線状態に規制してもよい。

    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記制御部は、前記矯正治具が前記マスターマニピュレータに取り付けられたことを検知したときに前記スレーブマニピュレータが前記オーバーチューブ内に移動するように前記スレーブマニピュレータと前記オーバーチューブとを相対移動させる操作指令を生成して前記スレーブマニピュレータへ出力し、前記スレーブマニピュレータが前記オーバーチューブ内に位置し且つ前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられている状態で、前記マスターマニピュレータの前記関節に対応する前記スレーブマニピュレータの前記関節の位置を前記スレーブマニピュレータにおける前記関節の原点位置として設定してもよい。

    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータの前記関節を前記オーバーチューブの内部に配された前記スレーブマニピュレータの前記関節の形状に倣った形状に保持するチャンネル部材と、前記マスターマニピュレータに対して前記チャンネル部材を移動させる基台と、を有していてもよい。

    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータの前記関節を前記オーバーチューブの内部に配された前記スレーブマニピュレータの前記関節の形状に倣った形状に保持するチャンネル部材と、前記チャンネル部材を保持する基台と、を有していてもよい。 前記マスターマニピュレータは、前記チャンネル部材に少なくとも前記マスターマニピュレータの前記関節が取り付けられるように前記チャンネル部材に対して移動可能であってもよい。

    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記マスターマニピュレータは、作業台と、前記エンドエフェクタに対応する入力部と、前記マスターマニピュレータの前記関節と、を有するマスターアームと、を有していてもよい。 前記チャンネル部材は、前記マスターアームが前記作業台に対して位置決めされた状態で前記マスターアームに対して相対移動及び固定可能となるように前記作業台に配されていてもよい。

    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータを内部に挿通可能であり前記オーバーチューブと相似形状をなすチャンネル部材と、前記チャンネル部材において前記マスターマニピュレータが前記チャンネル部材の周方向に回転する回転量を計測するための回転量計測手段と、を有していてもよい。

    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記制御部は、前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にあるか否かを前記制御部の起動時に判定して、前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にない場合には前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係となるまで前記スレーブマニピュレータの制御を停止してもよい。
    本発明の第二の態様によれば、医療用マスターマニピュレータは、エンドエフェクタ及び関節を有するスレーブマニピュレータを動作させるための操作が入力される医療用マスターマニピュレータであって、棒状に形成された第一アームと、棒状に形成され、前記第一アームに対して屈曲可能に連結された第二アームと、前記第二アームの前記第一アームに対する屈曲角度を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記屈曲角度に基づいて前記スレーブマニピュレータの動作を制御するための電気信号を出力する制御部と、前記制御部によって出力された前記電気信号に基づいて前記スレーブマニピュレータを駆動させるための駆動力を出力する駆動部と、前記第二アームの前記第一アームに対する屈曲を規制する矯正冶具と、を� ��える。
    上記の医療用マスターマニピュレータにおいて、前記矯正治具は、前記第一アーム及び前記第二アームが挿通可能な筒を有し、前記第一アーム及び前記第二アームが前記筒内に挿通されることによって前記第二アームの前記第一アームに対する屈曲を規制してもよい。
    本発明の第三の態様によれば、医療用マスタースレーブマニピュレータシステムは、上記の医療用マスターマニピュレータと、前記エンドエフェクタ及び前記関節を有する前記スレーブマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータが挿通される筒状のオーバーチューブと、を備える。

    本発明の第一の態様によれば、医療用マスタースレーブマニピュレータシステムは、エンドエフェクタ及び関節を有するスレーブマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータの前記関節に対応する関節を有し、操作者によって操作入力がなされるマスターマニピュレータと、前記マスターマニピュレータに対する前記操作入力に基づいて前記スレーブマニピュレータを動作させるための操作指令を出力する制御部と、前記操作指令に基づいて前記スレーブマニピュレータを動作させる駆動部と、前記スレーブマニピュレータが挿通される筒状のオーバーチューブと、前記マスターマニピュレータの前記関節を直線状に矯正する矯正治具と、を備える。
    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記矯正治具は、前記マスターマニピュレータを前記オーバーチューブの内部形状に倣った形状に矯正するために前記オーバーチューブの少なくとも一部と相似な形状を有し、前記矯正治具が前記マスターマニピュレータに取り付けられた状態で前記マスターマニピュレータの前記関節を前記直線状態に規制してもよい。

    上記の医療用マスタースレーブマニピュレータシステムにおいて、前記制御部は、前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にあるか否かを前記制御部の起動時に判定して、前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係にない場合には前記マスターマニピュレータに前記矯正治具が取り付けられた位置関係となるまで前記スレーブマニピュレータの制御を停止してもよい。
    本発明の第二の態様によれば、医療用マスターマニピュレータは、エンドエフェクタ及びスレーブ関節を有するスレーブマニピュレータを動作させるための操作が入力される医療用マスターマニピュレータであって、棒状に形成された第一アームと、棒状に形成された第二アームと、 前記第二アームを前記第一アームに対して屈曲可能に連結するマスター関節と、前記第二アームの前記第一アームに対する屈曲を規制する矯正冶具と、を備える。
    上記の医療用マスターマニピュレータにおいて、前記矯正治具は、前記第一アーム及び前記第二アームが挿通可能な筒を有し、前記第一アーム及び前記第二アームが前記筒内に挿通されることによって前記第二アームの前記第一アームに対する屈曲を規制してもよい。
    本発明の第三の態様によれば、医療用マスタースレーブマニピュレータシステムは、上記の医療用マスターマニピュレータと、前記エンドエフェクタ及び前記スレーブ関節を有する前記スレーブマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータが挿通される筒状のオーバーチューブと、 前記マスター関節の動作量を取得し、前記スレーブ関節の動作を制御するための電気信号を出力する制御部と、前記制御部によって出力された前記電気信号に基づいて前記スレーブ関節を動作させるための駆動力を出力する駆動部と、を備える。

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