マニピュレータ及びマニピュレータシステム

申请号 JP2013155480 申请日 2013-07-26 公开(公告)号 JP6157258B2 公开(公告)日 2017-07-05
申请人 オリンパス株式会社; 发明人 磯田 卓未; 畠山 直也; 飯田 雅敏; 渡邉 貞博;
摘要
权利要求

操作者が操作する操作部と、 前記操作部によって操作される可動部と、 前記操作部と前記可動部を連結して、前記操作部の駆動を前記可動部に伝達する伝達部と、 前記操作部の操作に応じて前記伝達部に発生する動的な余剰部分を補償する伝達補償部と、 を備え、 前記伝達部は、 前記操作部と共に回転する操作側プーリと、 前記操作側プーリに少なくとも一部巻き掛けられる伝達ワイヤと、 を有し、 前記操作部は、 前記操作側プーリから入力される回転を減速する減速器と、 を有し、 前記伝達補償部は、 前記伝達ワイヤを押圧する押圧部材と、 前記操作部の操作に応じて前記押圧部材を駆動する駆動部材と、 を有し、 前記操作部の操作に応じて前記伝達ワイヤに発生する動的な弛みを補償する、 マニピュレータ。前記押圧部材は、回転移動する 請求項1に記載のマニピュレータ。前記押圧部材は、直線上を移動する 請求項1に記載のマニピュレータ。前記押圧部材は、複数設けられる 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマニピュレータ。前記伝達ワイヤが前記押圧部材によって押圧される位置を挟んで設置されるガイドローラを有する 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマニピュレータ。前記伝達ワイヤに当接するアイドラプーリと、 前記アイドラプーリを前記伝達ワイヤ側に付勢する弾性部材と、 前記アイドラプーリに対して前記弾性部材の反対側に設置され、前記アイドラプーリの移動を抑制するストッパと、 を有し、 前記操作部の操作に応じて前記伝達ワイヤに発生する動的な弛みを吸収する余剰吸収部を備える 請求項5に記載のマニピュレータ。前記伝達部は、前記可動部と共に回転する可動側プーリを有し、 前記伝達ワイヤは、 前記操作側プーリに巻き掛けられた操作側伝達ワイヤと、 前記可動側プーリに巻き掛けられた可動側伝達ワイヤと、 に分割され、 前記操作側伝達ワイヤの一端及び他端にそれぞれ取り付けられる第1支持部材と、 前記可動側伝達ワイヤの一端及び他端にそれぞれ取り付けられる第2支持部材と、 前記第1支持部材にそれぞれ一端を支持され、前記第2支持部材にそれぞれ他端を支持される弾性部材と、 を有し、 前記操作部の操作に応じて前記伝達ワイヤに発生する動的な弛みを吸収する余剰吸収部を備える 請求項5に記載のマニピュレータ。前記第1支持部材は、それぞれ 前記操作側伝達ワイヤが取り付けられる底部と、 前記底部から前記操作側伝達ワイヤとは反対側に立設され前記弾性部材を囲む筒部と、 前記筒部に対して前記底部とは反対側に設けられ、前記可動側伝達ワイヤが貫通する孔が形成された蓋部と、 を有し、 前記弾性部材は、一端が前記第1支持部材の前記底部の前記操作側伝達ワイヤとは反対側に取り付けられ、他端が前記第2支持部材に取り付けられ、 前記第2支持部材は、前記蓋部に形成された孔よりも大きく、前記底部側で前記弾性部材の他端に取り付けられ、前記蓋部側で前記可動側伝達ワイヤに取り付けられ、前記第1支持部材内に移動可能に配置される 請求項7に記載のマニピュレータ。前記伝達補償部は、前記操作部から前記操作側プーリに伝わる力を断接する操作側断接部材を有し、 前記伝達補償部は、さらに、前記操作側断接部材によって前記操作部と前記操作側プーリが切断されている時に前記操作側プーリを回転させる駆動部材を有する 請求項1に記載のマニピュレータ。前記伝達補償部は、前記駆動部材から前記操作側プーリに伝わる力を断接する可動側断接部材を有し、前記操作部が操作される時に前記可動側断接部材によって前記駆動部材と前記操作側プーリが切断される 請求項9に記載のマニピュレータ。請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のマニピュレータと、 前記マニピュレータを制御する制御部と、 前記マニピュレータにより取得された画像を表示する表示部と、 を備え、 前記マニピュレータは、観察光学系、撮像素子及び照明光学系を有する内視鏡を含み、 前記制御部は、前記内視鏡により取得された画像を前記表示部に表示する ことを特徴とするマニピュレータシステム。

说明书全文

本発明は、操作部と可動部が機械的に接続されたマニピュレータ及びマニピュレータシステムに関する。

従来、中空のシャフト内に挿通されたワイヤの一端を駆動プーリに巻き掛け、他端を従動プーリに巻き掛けて、動を伝達するマニピュレータが開示されている(特許文献1)。

特許文献1に記載されたマニピュレータは、駆動プーリと従動プーリとの間に巻き掛けられたワイヤが十分な張力で巻き掛けられていない場合には、確実な動力伝達ができないので、ワイヤの張力を調整して、迅速且つ高精度に動力伝達を行うものである。

特開2009−201607号公報

図20は、従来のマニピュレータの一例の模式図である。

図20(a)に示すように、中立状態のマニピュレータ110の操作側プーリ122と可動側プーリ132との間に巻き掛けられたワイヤ140には、小さな弛み100が存在することがある。特許文献1に記載のマニピュレータは、ワイヤの張力を調整することで、このようなワイヤの弛みをあらかじめ除去するものである。

これに対して、例えば、図示しない操作者が図20(a)の中立状態からハンドル121を矢印A1方向に回転させた場合、ハンドル121及び操作側プーリ122の矢印A1方向の回転に対すると、ワイヤ141に発生する伸びやワイヤ140とワイヤ140を収納するガイド部材との接触による摩擦等が発生し、図20(b)に示すように、動的な弛み101が発生する。

その後、図20(b)から図20(c)に示すように、ハンドル121を矢印A2方向に反転させた場合、図20(b)に示したワイヤ140の動的な弛み101が除去するまで、可動側プーリ132に引張力は伝達されず、図20(c)に示すように、可動部材131は、ハンドル121を操作しても作動しないおそれがある。

特許文献1に記載されているマニピュレータは、このような動的な弛みに対応していない。このような動的な弛みは、特許文献1に記載されているマニピュレータのようにあらかじめワイヤの弛みを除去したとしても、現れるものである。また、仮に動的な弛みが発生しないように強い張力であらかじめワイヤの弛みを除去した場合であってもワイヤ140とワイヤガイド部材との摩擦によって動的な弛みは発生する可能性がある上、ワイヤにかかる力が強すぎてワイヤが破断するおそれがある。

本発明は上記課題に着目してなされたものであり、動的な余剰部分を迅速に除去し、操作部の操作に対して、可動部が迅速に作動するマニピュレータ及びマニピュレータシステムを提供することにある。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータは、操作者が操作する操作部と、前記操作部によって操作される可動部と、前記操作部と前記可動部を連結して、前記操作部の駆動力を前記可動部に伝達する伝達部と、前記操作部の操作に応じて前記伝達部に発生する動的な余剰部分を補償する伝達補償部と、を備えることを特徴とする。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記伝達部は、前記操作部と共に回転する操作側プーリと、前記操作側プーリに少なくとも一部が巻き掛けられる伝達ワイヤと、を有し、前記伝達補償部は、前記操作部の操作に応じて前記伝達ワイヤに発生する動的な弛みを補償する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記伝達補償部は、前記伝達ワイヤを押圧する押圧部材と、前記操作部の操作に応じて前記押圧部材を駆動する駆動部材と、を有する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記操作側プーリから前記操作部に入力される回転を減速する減速器を有する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記押圧部材は、回転移動する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記押圧部材は、直線上を移動する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記押圧部材は、複数設けられる。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記伝達ワイヤが前記押圧部材によって押圧される位置を挟んで設置されるガイドローラを有する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記伝達ワイヤに当接するアイドラプーリと、前記アイドラプーリを前記伝達ワイヤ側に付勢する弾性部材と、前記アイドラプーリに対して前記弾性部材の反対側に設置され、前記アイドラプーリの移動を抑制するストッパと、を有し、前記操作部の操作に応じて前記伝達ワイヤに発生する動的な弛みを吸収する余剰吸収部を備える。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記伝達部は、前記可動部と共に回転する可動側プーリを有し、前記伝達ワイヤは、前記操作側プーリに巻き掛けられた操作側伝達ワイヤと、前記可動側プーリに巻き掛けられた可動側伝達ワイヤと、に分割され、前記操作側伝達ワイヤの一端及び他端にそれぞれ取り付けられる第1支持部材と、前記可動側伝達ワイヤの一端及び他端にそれぞれ取り付けられる第2支持部材と、前記第1支持部材にそれぞれ一端を支持され、前記第2支持部材にそれぞれ他端を支持される弾性部材と、を有し、前記操作部の操作に応じて前記伝達ワイヤに発生する動的な弛みを吸収する余剰吸収部を備える。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記第1支持部材は、それぞれ前記操作側伝達ワイヤが取り付けられる底部と、前記底部から前記操作側伝達ワイヤとは反対側に立設され前記弾性部材を囲む筒部と、前記筒部に対して前記底部とは反対側に設けられ、前記可動側伝達ワイヤが貫通する孔が形成された蓋部と、を有し、前記弾性部材は、一端が前記第1支持部材の前記底部の前記操作側伝達ワイヤとは反対側に取り付けられ、他端が前記第2支持部材に取り付けられ、前記第2支持部材は、前記蓋部に形成された孔よりも大きく、前記底部側で前記弾性部材の他端に取り付けられ、前記蓋部側で前記可動側伝達ワイヤに取り付けられ、前記第1支持部材内に移動可能に配置される。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記伝達補償部は、前記操作部から前記操作側プーリに伝わる力を断接する操作側断接部材を有し、前記伝達補償部は、さらに、前記操作側断接部材によって前記操作部と前記操作側プーリが切断されている時に前記操作側プーリを回転させる駆動部材を有する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータでは、前記伝達補償部は、前記駆動部材から前記操作側プーリに伝わる力を断接する可動側断接部材を有し、前記操作部が操作される時に前記可動側断接部材によって前記駆動部材と前記操作側プーリが切断される。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータシステムは、前記マニピュレータと、前記マニピュレータを制御する制御部と、前記マニピュレータにより取得された画像を表示する表示部と、を備え、前記マニピュレータは、観察光学系、撮像素子及び照明光学系を有する内視鏡を含み、前記制御部は、前記内視鏡により取得された画像を前記表示部に表示することを特徴とする。

この態様に係るマニピュレータ及びマニピュレータシステムによれば、動的な余剰部分を除去し、操作部の操作に対して、可動部が迅速に作動することが可能となる。

本実施形態のマニピュレータの一例を示す図である。

第1実施形態のマニピュレータの第1例の模式図である。

第1実施形態のマニピュレータの第1例の模式的な作動図である。

第1実施形態のマニピュレータの第2例の模式図である。

第1実施形態のマニピュレータの第3例の模式図である。

第1実施形態のマニピュレータの第4例の模式図である。

第1実施形態のマニピュレータの第5例の模式図である。

第1実施形態のマニピュレータの第6例の模式図である。

第1実施形態のマニピュレータの第6例の余剰吸収部の模式図である。

第2実施形態のマニピュレータの第1例の模式図である。

第2実施形態のマニピュレータの第1例の模式的な作動図である。

第2実施形態のマニピュレータの第1例の模式的な作動図である。

第2実施形態のマニピュレータの第1例の模式的な作動図である。

第2実施形態のマニピュレータの第2例の模式図である。

第2実施形態のマニピュレータの第2例の模式的な作動図である。

第2実施形態のマニピュレータの第2例の模式的な作動図である。

第2実施形態のマニピュレータの第2の模式的な作動図である。

本実施形態のマニピュレータシステムの一例を示す図である。

本実施形態のマニピュレータシステムの一例のブロック図である。

従来のマニピュレータの模式的な作動図である。

以下、一実施形態について説明する。

図1は、本実施形態のマニピュレータ1の一例を示す図である。

図1に示すように、本実施形態のマニピュレータ1は、操作部2と、可動部3と、伝達部4と、処置部5と、を備える。操作部2と可動部3は、伝達部4によって機械的に接続される。操作者が操作部2を操作すると、操作力が伝達部4を介して可動部3に伝達され、可動部3が可動する。

操作部2は、ハンドル21と、第1エンコーダ22と、からなる。本実施形態では、模式的にハンドル21を棒状の部材で表しているが、多関節状のアームや、可動部3に設けられる処置具等を操作するために適した形状、例えばハサミの持ち手のような形状でもよい。第1エンコーダ22は、ハンドル21の度を取得する角度取得部を構成する。

可動部3は、湾曲コマ31と、先端硬質部32と、を有する。可動部3は、略リング状の複数の湾曲コマ31が軸方向に沿って並設され、先端に先端硬質部32が設置されている。隣接する湾曲コマ31は、互いに対して回動することが可能とされている。また、先端硬質部32と隣接する湾曲コマ31も回動することができるようになっている。先端硬質部32には、処置部5として内視鏡51等が適宜配設されるようになっている。

伝達部4は、操作側プーリ41と、伝達ワイヤ43と、軟性部44と、遷移部45と、を有する。

操作側プーリ41は、操作部2のハンドル21に接続され、ハンドル21の操作に基づいて回転する。伝達ワイヤ43は、第1伝達ワイヤ43a及び第2伝達ワイヤ43bを有し、それぞれ先端が先端硬質部32にそれぞれ固定され、他端がハンドル21に固定され、ハンドル21の操作に基づいて先端硬質部32を移動させることで、可動部3を可動させる。軟性部44は、伝達ワイヤ43の少なくとも一部を覆い、湾曲可能な軟性の筒状の部材からなる。遷移部45は、軟性部44の可動部3側に設けられる。遷移部45は、可動部3の複数の湾曲コマ31のうち一端の湾曲コマ31が回動可能に取り付けられる。なお、伝達部4は、可動部側にプーリを用いても良い。

処置部5は、内視鏡51と、処置具52と、を有し、先端硬質部32に配設される。内視鏡51は、観察光学系や照明光学系を有する。

このような構造によって、本実施形態のマニピュレータ1は、以下のように作動する。まず、操作者が操作部2のハンドル21を操作すると、操作側プーリ41が回転し、操作側プーリ41に一部が巻き掛けられた伝達ワイヤ43が牽引され、先端硬質部32の一方を引っ張り、他方をゆるめる。そして、先端硬質部32が引っ張られることで、湾曲コマ31が回動し、可動部3が湾曲する。

図2は、第1実施形態のマニピュレータ1の第1例の模式図である。図3は、第1実施形態のマニピュレータ1の第1例の模式的な作動図である。

第1実施形態の第1例のマニピュレータ1は、操作部2と、可動部3と、伝達部4と、伝達補償部6と、を備える。操作部2、可動部3、及び伝達部4は、図1において説明したものと同様の構成でよい。

伝達補償部6は、補償モータ61と、移動部材62と、押圧部材63と、を有する。補償モータ61は、モータ等のアクチュエータからなり、移動部材62及び押圧部材63を移動させる。押圧部材63は、移動部材62に支持され、移動部材62と共に回転し、伝達部4の伝達ワイヤ43を押圧する。

第1実施形態のマニピュレータ1の第1例は、以下のように作動する。

図示しない操作者が図2に示した中立状態から図3(a)に示すように、ハンドル21を矢印A1方向に回転させた場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、図3(a)に示すように、動的な余剰部分となる動的な弛み101が発生する。

その後、図3(a)から図3(b)に示すように、ハンドル21を矢印A1方向から矢印A2方向に反転させた場合、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出する。第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出すると、伝達補償部6の補償モータ61が駆動し、図3(b)に示すように、矢印C1方向に押圧部材63を回転させる。

図3(b)に示すように、押圧部材63が伝達部4の第1伝達ワイヤ43aを押圧することによって、図3(a)に示した第1伝達ワイヤ43aの動的な弛み101は迅速に除去される。動的な弛み101が除去されると、ハンドル21の回転による第1伝達ワイヤ43aの引張力が可動部3へ迅速に伝達され矢印B2方向に回転する。

さらに、図3(c)に示すように、ハンドル21を矢印A2方向に回転させると、ハンドル21が回転した側で第2伝達ワイヤ43bに動的な弛み101が発生する。

その後、図3(c)から図3(d)に示すように、ハンドル21を矢印A2方向から矢印A1方向に反転させた場合、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出する。第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出すると、伝達補償部6の補償モータ61が駆動し、図3(d)に示すように、矢印C2方向に押圧部材63を回転させる。

図3(d)に示すように、押圧部材63が伝達部4の第2伝達ワイヤ43bを押圧することによって、図3(c)に示した第2伝達ワイヤ43bの動的な弛み101は迅速に除去される。動的な弛み101が除去されると、ハンドル21の回転による第2伝達ワイヤ43bの引張力が可動部3へ迅速に伝達され矢印B1方向に回転する。

このように、第1例のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。

図4は、第1実施形態のマニピュレータ1の第2例の模式図である。

図2に示した第1例のようなマニピュレータ1では、伝達補償部6が動的な弛み101を除去した時に伝達ワイヤ43が引っ張られることによって生じるわずかな反動が伝達ワイヤ43から操作部2のハンドル21を握る手に伝わる可能性がある。

そこで、第1実施形態の第2例のマニピュレータ1は、第1例のマニピュレータ1にトルク発生器23又は減速器24等を操作部2に適用したものであって、その他の構成は、図1において説明したものと同様でよいので、説明は省略する。

トルク発生器23は、動的な弛み101を除去した時に伝達ワイヤ43からの反動を手に伝わりにくくするものである。例えば、トルク発生器23としてモータを使用する場合、伝達ワイヤ43からの反動は、伝達ワイヤ43の引っ張り力によってモータを回転させなければ手に伝わらない。実際には、伝達ワイヤ43からの反動はモータを回転させることができるほど強くないので、ハンドル21を握る手に反動が伝わることがなくなる。

また、トルク発生器23としてモータを使用する場合、モータを駆動させることで、伝達ワイヤ43の弛みを除去するために操作側プーリ41を回転させたり、ハンドル21の回転の操作力をアシストするために操作側プーリ41を回転させたりすることが可能である。ハンドル21の操作力をアシストするので、軽快に操作することが可能となる。

減速器24は、操作側プーリ41の回転を減速してハンドル21に伝達する。したがって、操作側プーリ41の回転に対してハンドル21の回転を少なくすることができるので、動的な弛み101を除去した時の伝達ワイヤ43の移動は、ハンドル21にほとんど伝わることがない。

図5は、第1実施形態のマニピュレータ1の第3例の模式図である。

図5に示す第3例のマニピュレータ1は、第1例のマニピュレータ1の伝達補償部6の一部の構成を変更したものであって、その他の構成は、図1において説明したものと同様でよいので、説明は省略する。

第3例の伝達補償部6は、補償モータ61と、移動部材62と、押圧部材63と、を有する。補償モータ61は、モータ等のアクチュエータからなり、押圧部材63を移動させる。押圧部材63は、移動部材62に支持され、移動部材62と共に移動し、伝達部4の伝達ワイヤ43を押圧する。

第1実施形態のマニピュレータ1の第3例は、以下のように作動する。

図示しない操作者が図5(a)に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて図5(b)の状態にした場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、図5(b)に示すように、動的な弛み101が発生する。

その後、図5(b)及び図5(c)に示すように、ハンドル21を矢印A1方向から矢印A2方向に反転させた場合、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出する。第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出すると、伝達補償部6の補償モータ61が駆動し、図5(c)に示すように、矢印C1方向に押圧部材63を移動させる。

第3例のマニピュレータ1の場合、図5(c)に示すように、押圧部材63が第1伝達ワイヤ43aを押圧することによって、図5(b)に示した第1伝達ワイヤ43aの動的な弛み101は迅速に除去される。動的な弛み101が除去されると、ハンドル21の回転による第1伝達ワイヤ43aの引張力が可動部3へ迅速に伝達され矢印B2方向に回転する。

このように、第3例のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。また、第3例のマニピュレータ1は、第1例のマニピュレータ1と比較して、伝達ワイヤ43を押圧するまでの押圧部材63の移動距離が短いため、省スペースで設置することができる。

図6は、第1実施形態のマニピュレータ1の第4例の模式図である。

図6に示す第4例のマニピュレータ1は、第1例のマニピュレータ1の伝達部4の一部及び伝達補償部6の一部の構成を変更したものであって、その他の構成は、図1において説明したものと同様でよいので、説明は省略する。

第4例の伝達補償部6は、補償モータ61と、移動部材62と、押圧部材63と、を有する。押圧部材63は、第1押圧部材63aと、第2押圧部材63bと、を有する。また、第4例の伝達部4は、第1例の伝達部4の構成に加えてガイドローラ46を有する。

移動部材62は、図6(a)に示すように、中立状態で第1押圧部材63aと第2押圧部材63bを伝達ワイヤ43の外側の対向する位置にそれぞれ支持する。第1押圧部材63aと第2押圧部材63bは、伝達ワイヤ43の外側に突出する移動部材62の両端部分に支持され、移動部材62と共に回転し、伝達部4の伝達ワイヤ43を押圧する。第1押圧部材63aと第2押圧部材63bが回転して伝達ワイヤ43を押圧するまでの移動距離は、第1例から第3例までのマニピュレータ1と比較して短く配置される。

ガイドローラ46は、第1押圧部材63aと第2押圧部材63bがそれぞれ伝達ワイヤ43を押圧する位置を挟むように、伝達ワイヤ43の内側にそれぞれ配置される。

第1実施形態のマニピュレータ1の第4例は、以下のように作動する。

図示しない操作者が図6(a)に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて図6(b)の状態にした場合、図6(b)に示すように、動的な弛み101が発生する。

その後、図6(b)及び図6(c)に示すように、ハンドル21を矢印A1方向から矢印A2方向に反転させた場合、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出する。第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出すると、伝達補償部6の補償モータ61が駆動し、図6(c)に示すように、矢印C1方向に移動部材62及び押圧部材63を回転させる。

図6(c)に示すように、ガイドローラ46の間で第1押圧部材63aに第1伝達ワイヤ43aが押圧されることによって、図6(b)に示した第1伝達ワイヤ43aの動的な弛み101は迅速に除去される。動的な弛み101が除去されると、ハンドル21の回転による第1伝達ワイヤ43aの引張力が可動部3へ迅速に伝達され矢印B2方向に回転する。

このように、第4例のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。また、第4例のマニピュレータ1は、第1例から第3例のマニピュレータ1と比較して、伝達ワイヤ43を押圧するまでの押圧部材63の移動距離を短く設定できるため、ハンドル21の回転に対して可動部3をより迅速に回転させることが可能となる。また、ガイドローラ46にガイドされた伝達ワイヤ43を押圧するので、押圧部材63が的確な位置で伝達ワイヤ43を押圧することができ、伝達ワイヤ43が受けるダメージを小さくすることが可能となる。

図7は、第1実施形態のマニピュレータ1の第5例の模式図である。

図7に示す第5例のマニピュレータ1は、第4例のマニピュレータ1の伝達部4の一部を変更すると共に、余剰吸収部7を付加したものであって、その他の構成は、図6において説明した第4例のものと同様でよいので、説明は省略する。

第5例の伝達部4は、第4例の伝達部4のガイドローラ46を第1ガイドローラ46aとし、各第1ガイドローラ46aに対して伝達ワイヤ43を挟んで対向し、伝達ワイヤ43の外側に第2ガイドローラ46bを設置する。

また、余剰吸収部7は、アイドラプーリ71と、弾性部材72と、ストッパ73と、を有する。アイドラプーリ71は、第1押圧部材63aと第2押圧部材63bの近傍にそれぞれ1つずつ対応して配置される。第5例では、アイドラプーリ71は、伝達ワイヤ43の内側に配置され、伝達ワイヤ43を外側に押圧する方向に付勢する弾性部材72によって支持される。ストッパ73は、アイドラプーリ71及び伝達ワイヤ43が初期位置より内側に押圧されることを抑制するために設置される。第5例では、ストッパ73は、図7(a)に示した中立状態において、アイドラプーリ71が弾性部材72によって付勢される方向とは逆の位置で当接する。すなわち、アイドラプーリ71は、伝達ワイヤ43とストッパ73とに挟まれるように配置される。

第1実施形態のマニピュレータ1の第5例は、以下のように作動する。

図示しない操作者が図7(a)に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて図7(b)の状態にした場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、図7(b)に示すように、動的な弛み101が発生する。ただし、実際には、動的な弛み101が生じると、ほぼ同時に弾性部材72に吸収されるので、図7(b)に示す状態は見られない。

すると、第1伝達ワイヤ43aの引張力が小さくなり、図7(c)に示すように、弾性部材72の付勢力によってアイドラプーリ71が引っ張られる。その結果、動的な弛み101は、見かけ上、吸収される。

しかしながら、実際には、図7(c)に示した状態から、伝達補償部6を作動させずにハンドル21を矢印A2方向に回転させると、弾性部材72の付勢力よりも第1伝達ワイヤ43aの引張力が大きくなり、第1伝達ワイヤ43aがアイドラプーリ71を引っ張り、弾性部材72が伸びるだけで、第1伝達ワイヤ43aの引張力は可動部3に伝達されず、可動部3は回転しない。

そこで、図7(d)に示すように、ハンドル21を矢印A1方向から矢印A2方向に反転させ、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出した場合、伝達補償部6の補償モータ61を駆動させ、矢印C1方向に押圧部材63を回転させる。

第5例のマニピュレータ1の場合、図7(d)に示すように、押圧部材63が回転し、ガイドローラ46の間で第1押圧部材63aが第1伝達ワイヤ43aを押圧する。すると、第1伝達ワイヤ43aがアイドラプーリ71を引っ張り、アイドラプーリ71はストッパ73に当接する。したがって、第1押圧部材63aによって伝達ワイヤ43が押圧されることによって、図7(b)に示した伝達ワイヤ43の動的な弛み101は迅速に除去される。

動的な弛み101が除去されると、ハンドル21の回転による第1伝達ワイヤ43aの引張力により可動部3が矢印B2方向に回転する。

このように、第5例のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。また、第5例のマニピュレータ1は、第1例から第3例のマニピュレータ1と比較して、伝達ワイヤ43を押圧するまでの押圧部材63の移動距離を短く設定できるため、ハンドル21の回転に対して可動部3をより迅速に回転させることが可能となる。

また、弾性部材72が動的な弛み101を一時的に吸収するので、伝達ワイヤ43が動的な弛み101によって中立状態の位置から大きくずれてしまうことを抑制することが可能となる。その結果、押圧部材63が的確な位置で伝達ワイヤ43を押圧するので、伝達ワイヤ43が受けるダメージを小さくすることが可能となる。

図8は、第1実施形態のマニピュレータ1の第6例の模式図である。図9は、第1実施形態のマニピュレータ1の第6例の余剰吸収部の模式図である。

図8に示す第6例のマニピュレータ1は、第4例のマニピュレータ1に図9に示す余剰吸収部7を付加したものであって、その他の構成は、図6において説明した第4例のものと同様でよいので、説明は省略する。

余剰吸収部7は、第1支持部材76と、弾性部材77と、第2支持部材78と、を有する。第1支持部材76は、操作側プーリ41に巻き掛けられた操作側伝達ワイヤ43cの一端に取り付けられ、弾性部材77の一端を支持する。第2支持部材78は、可動側プーリ42に巻き掛けられた可動側伝達ワイヤ43dの一端に取り付けられ、弾性部材77の他端を支持する。

また、操作側伝達ワイヤ43cの他端と可動側伝達ワイヤ43dの他端の間にも同様の構造の余剰吸収部7が設置されている。

第6例のマニピュレータ1の第1支持部材76は、操作側伝達ワイヤ43cが取り付けられる底部76aと、底部76aから操作側伝達ワイヤ43cとは反対側に立設され弾性部材77を囲む筒部76bと、筒部76bに対して底部76aとは反対側に設けられ、可動側伝達ワイヤ43dが貫通する孔が形成された蓋部76cと、を有する箱形のケースからなる。

弾性部材77は、一端が第1支持部材76の底部76aの操作側伝達ワイヤ43cとは反対側に取り付けられ、他端が第2支持部材78に取り付けられ、筒部76bに囲まれる。第2支持部材78は、底部76a側で弾性部材77の他端に取り付けられ、蓋部76c側で可動側伝達ワイヤ43dに取り付けられ、第1支持部材76内に移動可能に配置される。また、第2支持部材78は、蓋部76cに形成された孔よりも大きく、該孔を貫通することはできない。

第1実施形態のマニピュレータ1の第6例は、以下のように作動する。

図示しない操作者が図8(a)に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて図8(b)の状態にした場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、図8(b)に示すように、動的な弛み101が発生する。ただし、実際には、動的な弛み101が生じると、ほぼ同時に弾性部材77に吸収されるので、図8(b)に示す状態は見られない。

すると、伝達ワイヤ43の引張力が小さくなり、図8(c)に示すように、弾性部材77の付勢力によって第2支持部材78が引っ張られる。その結果、動的な弛み101は、見かけ上、吸収される。

しかしながら、実際には、図8(c)に示した状態から、伝達補償部6を作動させずにハンドル21を矢印A2方向に回転させると、弾性部材77の付勢力よりも伝達ワイヤ43の引張力が大きくなり、可動側伝達ワイヤ43dが第2支持部材78を引っ張り、弾性部材77が伸びるだけで、伝達ワイヤ43の引張力は可動側プーリ42に伝達されず、可動部3は回転しない。

そこで、図8(d)に示すように、ハンドル21を矢印A1方向から矢印A2方向に反転させ、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出した場合、伝達補償部6の補償モータ61を駆動させ、矢印C1方向に押圧部材63を回転させる。

第6例のマニピュレータ1の場合、図8(d)に示すように、押圧部材63が回転し、ガイドローラ46の間で第1押圧部材63aが可動側伝達ワイヤ43dを押圧する。すると、可動側伝達ワイヤ43dが第2支持部材78を引っ張り、第2支持部材78は第1支持部材76の蓋部76cに当接する。そして、第1支持部材76と第2支持部材78が一体となって伝達ワイヤ43と共に移動する。したがって、第1押圧部材63aによって伝達ワイヤ43が押圧されることによって、図8(b)に示した伝達ワイヤ43の動的な弛み101は迅速に除去される。

動的な弛み101が除去されると、ハンドル21の回転による伝達ワイヤ43の引張力により可動部3が矢印B2方向に回転する。

このように、第6例のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101をさらに迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3をさらに迅速に回転させることが可能となる。また、第6例のマニピュレータ1は、第1例から第3例のマニピュレータ1と比較して、伝達ワイヤ43を押圧するまでの押圧部材63の移動距離を短く設定できるため、ハンドル21の回転に対して可動部3をより迅速に回転させることが可能となる。

また、弾性部材77が動的な弛み101を一時的に吸収するので、伝達ワイヤ43が動的な弛み101によって中立状態の位置から大きくずれてしまうことを抑制することが可能となる。その結果、押圧部材63が的確な位置で伝達ワイヤ43を押圧するので、伝達ワイヤ43が押圧部材63から受ける押圧時のダメージを小さくすることが可能となる。

さらに、第1支持部材76と第2支持部材78が一体となって伝達ワイヤ43と共に移動し、伝達ワイヤ43の軌道が変わることがないので、さらに押圧部材63が的確な位置で伝達ワイヤ43を押圧することとなり、伝達ワイヤ43が押圧部材63から受ける押圧時のダメージをさらに小さくすることが可能となる。

図10は、第2実施形態のマニピュレータ1の第1例の模式図である。

図10に示す第2実施形態の第1例のマニピュレータ1は、第1実施形態の第1例のマニピュレータ1の操作部2及び伝達補償部6の一部の構成を変更したものであって、その他の構成は、図1において説明したものと同様でよいので、説明は省略する。

図10に示すマニピュレータ1の操作部2は、ハンドル21と、第1エンコーダ22と、第1クラッチ65と、を有する。また、マニピュレータ1の伝達補償部6は、補償モータ66と、第2エンコーダ67と、を有する。

ハンドル21は操作部材を構成し、第1エンコーダ22は操作状態取得部を構成し、第1クラッチ65は操作側断接部材を構成する。また、補償モータ66は駆動部材を構成し、第2エンコーダ67は駆動状態取得部を構成する。

なお、駆動部材は、モータに限らず、駆動力を出力するアクチュエータであればよい。また、操作状態取得部は、エンコーダに限らず、操作部2の回転状態が取得できるものであればよい。例えば、角度センサ及び角速度センサでもよい。さらに、操作側プーリ41の回転角度を取得できるものでもよい。同様に、駆動状態取得部は、エンコーダに限らず、補償モータ66の回転状態が取得できるものであればよい。例えば、角度センサ及び角速度センサでもよい。

第2実施形態では、ハンドル21は、模式的に棒状の部材で表しているが、多関節状のアームや、可動部3に設けられる処置具等を操作するために適した形状、例えばハサミの持ち手のような形状でもよい。第1エンコーダ22は、ハンドル21の入力値を検出する。第1クラッチ65は、ハンドル21と操作側プーリ41の間に設置され、ハンドル21から操作側プーリ41に伝わる力を断接する部材である。

補償モータ66は、操作側プーリ41を回転させて動的な弛み101を除去する。また、ハンドル21の回転をアシストするために操作側プーリ41を回転させることも可能である。第2エンコーダ67は、補償モータ66の回転を検出する。第1クラッチ65は、ハンドル21から操作側プーリ41に伝わる力を断接する部材である。

第2実施形態のマニピュレータ1の第1例は、以下のように作動する。

図11〜図13は、第2実施形態のマニピュレータ1の第1例の各作動図である。なお、図11〜図13の図中の矢印は、クラッチの動作を模式的に表現したものである。

図示しない操作者が図10に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて、図11に示す状態とした場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、図11に示すように、動的な弛み101が発生する。

続いて、図11から図12に示すように、ハンドル21を矢印A2方向に反転させた場合、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出する。第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出すると、図12に示すように操作部2の第1クラッチ65を図の矢印C1方向に切断すると共に、補償モータ66を駆動させる。補償モータ66が駆動すると、図11に示した伝達ワイヤ43の動的な弛み101は迅速に除去される。なお、図12に示した状態では、補償モータ66によって操作側プーリ41を回転させても第1クラッチ65が切断されているので、ハンドル21には補償モータ66の駆動力は伝達されない。

その後、動的な弛み101が除去されると、図13に示すように、第1クラッチ65が矢印C2方向に接続され、ハンドル21の回転による伝達ワイヤ43の引張力により、可動部3が矢印B2方向に回転する。この時、補償モータ66を駆動してハンドル21の操作力をアシストしてもよい。

このように、第2実施形態の第1例のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。

また、第2実施形態の第1例のマニピュレータ1は、第1実施形態のマニピュレータ1と比較して、伝達ワイヤ43を押圧する押圧部材を設置する必要がないので、省スペースに設置することができると共に、伝達ワイヤ43がダメージを受けることがなくなる。さらに、補償モータ66がハンドル21の操作力をアシストするので、軽快に操作することが可能となる。

図14は、第2実施形態のマニピュレータ1の第2例の模式図である。

図14に示す第2実施形態の第2例のマニピュレータ1は、第2実施形態の第1例のマニピュレータ1の伝達補償部6の一部の構成を変更したものであって、その他の構成は、図10において説明したものと同様でよいので、説明は省略する。

図14に示すマニピュレータ1の伝達補償部6は、第2クラッチ68を有する。

第2クラッチ68は、補償モータ66から操作側プーリ41に伝わる力を断接する部材である。

第2実施形態のマニピュレータ1の第2例は、以下のように作動する。

図示しない操作者が図14に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて、図15に示す状態とした場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、図15に示すように、動的な弛み101が発生する。

この時点では、第2クラッチ68は、矢印D1方向に切断されており、操作側プーリ41は、ハンドル21の操作のみによって回転する。

続いて、図15から図16に示すように、ハンドル21を矢印A2方向に反転させた場合、第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出する。第1エンコーダ22がハンドル21の反転を検出すると、図16に示すように操作部2の第1クラッチ65を矢印C1方向に切断すると共に、伝達補償部6の第2クラッチ68を矢印D2方向に接続して補償モータ66を駆動させる。補償モータ66が駆動すると、図15に示した伝達ワイヤ43の動的な弛み101は迅速に除去される。なお、図16に示した状態では、補償モータ66によって操作側プーリ41を回転させても第1クラッチ65が切断されているので、ハンドル21には補償モータ66の駆動力は伝達されない。

その後、動的な弛み101が除去されると、図17に示すように、第1クラッチ65が矢印C2方向に接続されると共に、第2クラッチ68が矢印D1方向に切断され、ハンドル21の回転による伝達ワイヤ43の引張力により、可動部3が矢印B2方向に回転する。この時、補償モータ66を駆動してハンドル21の操作力をアシストしてもよい。

このように、第2実施形態の第2例のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。

また、第2実施形態の第2例のマニピュレータ1は、第1実施形態のマニピュレータ1と比較して、伝達ワイヤ43を押圧する押圧部材を設置する必要がないので、省スペースに設置することができると共に、伝達ワイヤ43がダメージを受けることがなくなる。

さらに、第2実施形態の第2例のマニピュレータ1は、第1例のマニピュレータ1と比較して、補償モータ66と操作側プーリ41とを断接可能な第2クラッチ68が設置されているので、ハンドル21を操作する際に補償モータ66が抵抗となって重く感じることがなくなり、軽快にハンドルを操作することが可能となる。

次に、本実施形態のマニピュレータ1を適用したマニピュレータシステムの一例として手術支援システム10について説明する。

図18は、本実施形態のマニピュレータ1を適用した手術支援システム10を示す。図19は、本実施形態のマニピュレータ1を適用した手術支援システム10のシステム構成図を示す。

本実施形態に係る手術支援システム10は、図1に示したマニピュレータ1を適用する。手術支援システム10は、操作者Oにより操作される操作部2、手術台BD上の患者Pの体内、例えば、大腸等の柔らかい臓器内に挿入可能な図1に示した可動部3、操作部2からの入力を可動部3に伝達し、一部が臓器内に挿入可能な軟性の伝達部4、及び可動部3の先端に設置された内視鏡等を有する図1に示した処置部5を有するマニピュレータ1と、マニピュレータ1を制御する制御部91と、マニピュレータ1により取得された画像を表示する表示部92と、を備えている。

操作部2は、図18に示すように、操作台に取り付けられた一対の操作ハンドルと、床面上に配置されたフットスイッチ等を有している。操作部2は、多関節構造を有してもよい。操作部2は、伝達部4及び可動部3と機械的に接続され、可動部3の湾曲操作を行う。また、操作した操作部2の角度をエンコーダ等の角度取得部から取得し、その取得した信号によって、制御部91は、ドライバ91bを介して可動部3の先端に配設された処置具52及び伝達補償部6を作動させる。

マニピュレータ1は、図1に示したように、可動部3の先端硬質部32に処置部5として、内視鏡51及び処置具52等を有する。内視鏡51は、体内の画像を取得するための観察光学系、撮像素子51a及び照明光学系等を備えている。観察光学系を経て撮像素子51aにより取得された画像は、制御部91内の画像処理部91aに出力される。画像処理部91aで処理された画像は、表示部92に表示される。そして、操作者Oは、表示部92に表示された画像を見ながらマニピュレータ1を操作する。

このような手術支援システム10によれば、操作者の求める的確な画像を表示することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、操作者が操作する操作部2と、操作部2によって操作される可動部3と、操作部2と可動部3を連結して、操作部2の駆動力を可動部3に伝達する伝達部4と、操作部2の操作に応じて伝達部4に発生する動的な余剰部分を補償する伝達補償部6と、を備えるので、動的な余剰部分を迅速に除去し、操作部2の操作に対して、可動部3が迅速に作動することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、伝達部4は、操作部2と共に回転する操作側プーリ41と、操作側プーリ41に少なくとも一部が巻き掛けられる伝達ワイヤ43と、を有し、伝達補償部6は、操作部2の操作に応じて伝達ワイヤ43に発生する動的な弛みを補償するので、動的な弛みを迅速に除去し、操作部2の操作に対して、可動部3が迅速に作動することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、伝達補償部6は、伝達ワイヤ43を押圧する押圧部材63と、操作部2の操作に応じて押圧部材63を駆動する駆動部材61と、を有するので、簡単な構成で、動的な弛みを迅速に除去し、操作部2の操作に対して、可動部3が迅速に作動することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、操作側プーリ41から操作部2に入力される回転を減速する減速器24を有するので、押圧部材63によって伝達ワイヤ43にかかる反動が操作側プーリ41から操作部2に伝わることを低減することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、押圧部材63は、回転移動するので、簡単な構成で押圧部材63を伝達ワイヤ43に押圧させることが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、押圧部材63は、直線上を移動するので、押圧部材63が伝達ワイヤ43に与えるダメージを小さくできると共に、押圧部材63を的確に伝達ワイヤ43に押圧させることが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、押圧部材63は、複数設けられるので、押圧部材63が伝達ワイヤ43を押圧するまでの距離を短くすることができ、動的な弛みをより迅速に除去し、操作部2の操作に対して、可動部3がより迅速に作動することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43が押圧部材63によって押圧される位置を挟んで設置されるガイドローラ46を有するので、押圧部材63をより的確な位置で伝達ワイヤ43に押圧させることが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43に当接するアイドラプーリ71と、アイドラプーリ71を伝達ワイヤ43側に付勢する弾性部材72と、アイドラプーリ71に対して弾性部材72の反対側に設置され、アイドラプーリ71の移動を抑制するストッパ73と、を有し、操作部2の操作に応じて伝達ワイヤ43に発生する動的な弛みを吸収する余剰吸収部7を備えるので、伝達ワイヤ43が動的な弛み101によって中立状態の位置から大きくずれてしまうことを抑制することが可能となる。その結果、押圧部材63が的確な位置で伝達ワイヤ43を押圧するので、伝達ワイヤ43が押圧部材63から受ける押圧時のダメージを小さくすることが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、伝達部4は、可動部3と共に回転する可動側プーリ42を有し、伝達ワイヤ43は、操作側プーリ41に巻き掛けられた操作側伝達ワイヤ43cと、可動側プーリ42に巻き掛けられた可動側伝達ワイヤ43dと、に分割され、操作側伝達ワイヤ43cの一端及び他端にそれぞれ取り付けられる第1支持部材76と、可動側伝達ワイヤ43dの一端及び他端にそれぞれ取り付けられる第2支持部材78と、第1支持部材76にそれぞれ一端を支持され、第2支持部材78にそれぞれ他端を支持される弾性部材77と、を有し、操作部2の操作に応じて伝達ワイヤ43に発生する動的な弛みを吸収する余剰吸収部7を備えるので、弾性部材77が動的な弛み101を一時的に吸収するので、伝達ワイヤ43が動的な弛み101によって中立状態の位置から大きくずれてしまうことを抑制することが可能となる。その結果、押圧部材63が的確な位置で伝達ワイヤ43を押圧するので、伝達ワイヤ43が押圧部材63から受ける押圧時のダメージを小さくすることが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、第1支持部材76は、それぞれ操作側伝達ワイヤ43cが取り付けられる底部76aと、底部76aから操作側伝達ワイヤ43cとは反対側に立設され弾性部材77を囲む筒部76bと、筒部76bに対して底部76aとは反対側に設けられ、可動側伝達ワイヤ43dが貫通する孔が形成された蓋部76cと、を有し、弾性部材77は、一端が第1支持部材76の底部76aの操作側伝達ワイヤ43cとは反対側に取り付けられ、他端が第2支持部材78に取り付けられ、第2支持部材78は、蓋部76cに形成された孔よりも大きく、底部76a側で弾性部材77の他端に取り付けられ、蓋部76c側で可動側伝達ワイヤ43dに取り付けられ、第1支持部材76内に移動可能に配置されるので、第1支持部材76と第2支持部材78が一体となって伝達ワイヤ43と共に移動し、伝達ワイヤ43の軌道が変わることがないので、さらに押圧部材63が的確な位置で伝達ワイヤ43を押圧することとなり、伝達ワイヤ43が押圧部材63から受ける押圧時のダメージをさらに小さくすることが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、伝達補償部6は、操作部2から操作側プーリ41に伝わる力を断接する第1クラッチ65を有し、伝達補償部6は、さらに、第1クラッチ65によって操作部2と操作側プーリ41が切断されている時に操作側プーリ41を回転させる駆動部材66を有するので、動的な弛み101を迅速に除去し、操作部2の操作に対して、可動部3が迅速に作動することが可能となる。また、駆動部材66による操作側プーリ41の回転を操作側プーリ41から操作部2に伝わることを防止することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータ1によれば、伝達補償部7は、駆動部材66から操作側プーリ41に伝わる力を断接する第2クラッチ68を有し、操作部2が操作される時に第2クラッチ68によって駆動部材66と操作側プーリ41が切断されるので、ハンドル21を操作する際に補償モータ66が抵抗となって重く感じることがなくなり、軽快にハンドルを操作することが可能となる。

本実施形態に係るマニピュレータシステム10によれば、マニピュレータ1と、マニピュレータ1を制御する制御部91と、マニピュレータ1により取得された画像を表示する表示部92と、を備え、マニピュレータ1は、観察光学系、撮像素子及び照明光学系を有する内視鏡51を含み、制御部91は、内視鏡51により取得された画像を表示部92に表示するので、動的な余剰部分を迅速に除去し、操作部2の操作に対して、可動部3が迅速に作動することができ、操作者の求める的確な画像を表示することが可能となる。

なお、この実施形態によって本発明は限定されるものではない。すなわち、実施形態の説明に当たって、例示のために特定の詳細な内容が多く含まれるが、当業者であれば、これらの詳細な内容に色々なバリエーションや変更を加えても、本発明の範囲を超えないことは理解できよう。従って、本発明の例示的な実施形態は、権利請求された発明に対して、一般性を失わせることなく、また、何ら限定をすることもなく、述べられたものである。

1…マニピュレータ 2…操作部 21…ハンドル 22…第1エンコーダ(操作状態取得部) 23…トルク発生器 24…減速器 3…可動部 31…湾曲コマ 32…先端硬質部 33…可動ワイヤ 4…伝達部 41…操作側プーリ 42…可動側プーリ 43…伝達ワイヤ 44…軟性部 45…遷移部 46…ガイドローラ 5…処置部 51…内視鏡 52…処置具 6…伝達補償部 61…補償モータ(駆動部材) 62…移動部材 63…押圧部材 65…第1クラッチ(操作側断接部材) 66…補償モータ(駆動部材) 67…第2エンコーダ(駆動状態取得部) 68…第2クラッチ(駆動側断接部材) 7…余剰吸収部 71…アイドラプーリ 72…弾性部材 73…ストッパ 76…第1支持部材 77…弾性部材 78…第2支持部材 10…手術支援システム 91…制御部 92…表示部

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