物体において穿孔された造作の検査

申请号 JP2017556878 申请日 2016-04-28 公开(公告)号 JP2018521861A 公开(公告)日 2018-08-09
申请人 ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ−; BAE SYSTEMS plc; 发明人 カーベリー、ジョナサン・マイケル; クック、オースティン・ジェームス;
摘要 開示されるものは、物体(2)に形成される造作(4)の深さを決定するための方法と装置であり、造作(4)は、切削工具(38)によって物体に形成されている。装置は: 造作(4)と造作(4)に近接する物体(2)の部分との画像を取得するよう構成されたカメラ(42)、および、機能するようにカメラ(42)に接続され、造作(4)と物体(2)の表面との間の造作(4)のエッジ(72)を画像において検出し、検出されたエッジ(72)を使用して、円(74、76、78)についての直径を計算し、切削工具(38)の先端 角 を取得し、計算された直径と取得された先端角とを用いて、造作(4)についての深さの値を計算するように構成された1つまたはそれより多くのプロセッサ、を備える。
权利要求

物体に形成された造作の深さを決定するための装置であって、前記造作は、切削工具によって物体に形成されており、前記装置は、 前記造作と前記造作に近接する前記物体の部分の画像を取り込むように構成されるカメラと、 前記カメラに動作可能に結合される1つまたは複数のプロセッサと、 を備え、 前記1つまたは複数のプロセッサは、 前記画像において、前記造作と前記物体の面との間の前記造作のエッジを検出し、 検出された前記エッジを用いて、円についての直径を計算し、 前記切削工具の先端を取得し、 算出された前記直径と、取得された前記先端角を使用して、前記造作についての深さ値を計算する ように構成される、 装置。前記造作は、前記物体を通じる穴の皿穴である、請求項1に記載の装置。前記1つまたは複数のプロセッサは、さらに、 計算された前記深さ値を、深さ値の所定の範囲と比較し、 計算された前記深さ値が、深さ値の前記所定の範囲内にある場合、前記造作に第1のラベルを割り当て、または、 計算された前記深さ値が、深さ値の前記所定の範囲内にない場合、前記造作に第2のラベルを割り当て、第2のラベルは、前記第1のラベルと異なる、 ように構成される、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の装置。前記円は、検出された前記エッジに最良適合する円である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の装置。前記1つまたは複数のプロセッサは、さらに、 前記造作に近接する前記物体の部分が、実質的にゼロに等しい曲率を有していることを決定し、 前記造作に近接する物体の部分が実質的にゼロに等しい曲率を有するとの決定に応じて、最良適合の前記円の直径と取得された前記先端角とを使用して、前記造作についての前記深さ値を計算する ように構成される、請求項4に記載の装置。前記画像において検出された前記エッジの形状は、実質的に楕円であり、 前記円について前記直径は、前記楕円の短軸に等しい、 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の装置。前記1つまたは複数のプロセッサは、さらに、 前記造作に近接する前記物体の部分が、カメラに対して凹状であることを決定し、 前記造作に近接する前記物体の部分が前記カメラに対して凹状であると決定したことに応じて、前記円の前記直径と取得された前記先端角とを使用して、前記造作の深さ値を計算する ように構成される、請求項6に記載の装置。前記画像における検出されたエッジの形状は、実質的に楕円であり、 前記円についての前記直径は、前記楕円の長軸に等しい、 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の装置。前記1つまたは複数のプロセッサは、さらに、 前記造作に近接する前記物体の部分が、前記カメラに対して凸状であることを決定することと、 前記造作に近接する前記物体の部分が前記カメラに対して凸状であるという決定に応じて、前記円の前記直径と取得された前記先端角を使用して、前記造作についての深さ値を計算する ように構成される、請求項8に記載の装置。前記1つまたは複数のプロセッサは、算出された前記直径、取得された前記先端角、および、1つまたは複数の三角関数を使用して、前記造作についての前記深さ値を計算するように構成される、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の装置。装置はさらに、電磁放射を出射するように構成される照明システムを備え、 前記カメラは、前記照明システムによって出射された前記電磁放射を検出するように構成され、 前記照明システムは、前記造作と前記造作に近接する前記物体の部分の上に電磁放射を出射し、それによって、前記造作と前記物体の面との間で、前記画像におけるコントラストを増加させるように構成される、 請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の装置。前記カメラは、ロボットアームのエンドエフェクタ上に設けられる、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の装置。前記装置は、さらに、切削工具を備え、 前記カメラは、さらに、前記造作が前記物体に形成される前に、前記物体の1つまたは複数の画像を取得するように構成され、 前記1つまたは複数のプロセッサは、さらに、 前記造作が前記物体に形成される前の前記物体の1つまたは複数の画像を使用して、前記切削工具を、前記物体の面に垂直になるように動かし、 その後、前記物体に前記造作を形成するために前記切削工具を制御する ように構成される、 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の装置。物体に形成された造作の深さを決定する方法であって、前記造作は、切削工具によって物体に形成されており、 前記造作と前記造作に近接する前記物体の部分との画像を取り込み、 前記画像において、前記造作と前記物体の面との間で前記造作のエッジを検出し、 検出された前記エッジを使用して、円についての直径を算出し、 前記切削工具の先端角を取得し、 計算された前記直径と取得された前記先端角を使用して、前記造作についての深さ値を算出する、 方法。1つまたは複数の穴を備える航空機用パネルであって、 各穴は、皿穴開けされた部分を備え、 各皿穴開けされた部分は、深さ値と関連付けられ、 各深さ値は、請求項14に記載の方法を用いて決定される、 航空機用パネル。

说明书全文

本発明は、物体の中に穿孔された、または、切り込まれた造作を検査することに関する。

航空機製造の分野では、機体を提供するために、構造体に留められるべきパネルに予め穿孔された穴を皿穴開け(countersink)することが望まれる傾向がある。これは、構造体にパネルを留めるために使用される留め具が、パネルの表面(例えば、航空機の外面)と同一面になり得るように実行される。これは、結果としての機体が、留め具が航空機の外面と同一面にない場合と比べて、より良好な空気学的特性を有することを提供することに向かう。

予め穿孔された穴の皿穴開けは、例えば、手工具と工作台を使用するなど、人間のオペレータにより手動で行われ得る。皿穴開けの工程の間、パネルは、オペレータによって加えられた力により、工作台の上で曲がるか、または、屈曲する。オペレータは、手作業でそのような偏向を補償し得る。オペレータは、また、例えば、手工具上への設定を手作業で調節することによってなどで、皿穴を開けている部分の湾曲を補償し得る。しかし、大規模な労働力と作業スペースが、多数のパネルを処理するために必要とされる傾向にある。また、人間のオペレータは、繰り返される穿孔によって引き起こされる反復運動過多損傷になり得る。

穴の皿穴開けは、また、工作機械(または、ロボット)を用いて行われ得る。このような装置の使用は、典型的には、切り込み/穿孔の力の下で屈曲することを防止するように、パネルをしっかりと支持する堅固な固定具を使用する必要がある。このような工作機械は、非常に高価になり得る。固定具は、通常、穿孔されるパネルの形状ごとにあつらえられる必要があり、また、高価になる傾向がある。

第1の態様において、本発明は、物体に形成された造作の深さを決定するための装置を提供し、造作は、切削工具によって物体に形成される。装置は: 造作と造作に近接する物体の部分との画像を取得するように構成されたカメラと; カメラに動作可能に接続され、画像の中で、造作と物体の面との間で造作のエッジを検出し、検出されたエッジを使用して、円の直径を計算し、計算された円の直径と取得された先端を使用して、造作についての深さ値を計算するように構成される1つまたは複数のプロセッサと; を備える。

造作は、物体の部分を貫通する穴の皿穴であってよい。

1つまたは複数のプロセッサは、さらに、計算された深さ値を、深さ値の所定の範囲と比較し; 計算された深さ値が、深さ値の所定の範囲内であれば、造作に第1のラベルを割り当て; または、 計算された深さ値が、深さ値の所定の範囲内にない場合、造作に第2のラベルを割り当てる; ように構成され得、第2のラベルは第1のラベルと異なる。

円は、検出されたエッジに最良適合(best fit)する円であってよい。

1つまたは複数のプロセッサは、さらに、造作に近接する物体の部分が、実質的にゼロに等しい曲率を有することを決定し; 造作に近接する物体の部分が実質的にゼロに等しい曲率を有するとの決定に応じて、最良適合の円の直径と取得された先端角を使用して、造作についての深さ値を計算する; ように構成され得る。

画像において検出されたエッジの形状は、実質的に楕円であってよい。円について直径は、楕円の短軸に等しくあり得る。

1つまたは複数のプロセッサは、さらに: 造作に近接する物体の部分がカメラに対して凹状であることを決定し; 造作に近接する物体の部分がカメラに対して凹状であると判定したことに応じ、円の直径と取得された先端角を使用して、造作の深さ値を計算する; ように構成され得る。

画像における検出されたエッジの形状は、実質的に楕円であってよいで。円についての直径は、楕円の長軸に等しくあり得る。

1つまたは複数のプロセッサは、さらに: 造作に近接する物体の部分が、カメラに対して凸状であることを決定し; 造作に近接する物体の部分がカメラに対して凸状であるとの決定に応じて、円の直径と取得された先端角を使用して、造作についての深さ値を計算する; ように構成され得る。

1つまたは複数のプロセッサは: 計算された直径と、取得された先端角と、1つまたは複数の三角関数を使用して、造作についての深さ値を計算する; ように構成され得る。

装置は、さらに、電磁放射を出射するよう構成される照明システムを備え得る。カメラは、照明システムによって出射された電磁放射を検出するように構成され得る。照明システムは、造作と造作に近接する物体の部分との上に電磁放射を出射するよう構成され得、それによって、造作と物体の面との間で画像のコントラストを増加させる。

カメラは、ロボットアームのエンドエフェクタに配置され得る。

装置は、さらに、切削工具を備え得る。 カメラは、さらに、造作が物体に形成される前に、物体の1つまたは複数の画像を取得するように構成され得る。1つまたは複数のプロセッサは、さらに: 造作が物体に形成される前の物体の1つまたは複数の画像を使用して、物体の面に垂直になるように、切削工具を動かし; その後、物体に造作を形成するように、切削工具を制御する; ように構成される。

さらなる態様において、本発明は、物体に形成された造作の深さを決定する方法を提供し、造作は切削工具によって物体に形成される。方法は: 造作と造作に近接する物体の部分との画像を取得することと; 画像において、造作と物体の面との間のエッジを検出することと; 検出されたエッジを使用して、円についての直径を計算することと; 切削工具の先端角を取得することと; 計算された直径と取得された先端角とを使用して、造作についての深さ値を計算することと; を備える。

さらなる態様において、本発明は、1つまたは複数の穴を備える航空機用パネルを提供し、各穴は、皿穴開けされた部分を備え、皿穴開けされた部分の各々は、深さ値に関連付けられ、深さ値の各々は、前述の態様に従って決定される。

図1は、例示の航空機用パネルの概略図(正確な縮尺ではない)である。

図2は、皿穴開けプロセスを実行するための装置の概略図(正確な縮尺ではない)である。

図3は、第1のエンドエフェクタの概略図(正確な縮尺ではない)である。

図4は、第2エンドエフェクタの概略図(正確な縮尺ではない)である。

図5は、皿穴開けプロセスの実施形態のステップを示すプロセスフロー図である。

図6は、皿穴開けプロセスの間に実行される検査プロセスのステップを示すプロセスフロー図である。

図7は、検査プロセスの間に取得される画像を示す模式図(正確な縮尺ではない)である。

詳細な説明

図1は、例示のパネル2の概略図(正確な縮尺ではない)である。

パネル2は、炭素繊維で作られる。パネル2は、パネル2の前面からパネル2の後面までパネル2を貫通する、予め穿孔された穴4を備える。言い換えれば、穴4は、パネル4の構造を貫通する通路である。

穴4は、既知の直径のものである。パネル2を貫通する穴4の方向は、パネル2の前面に垂直(即ち、直角)である。

本実施形態では、パネル2は、航空機の機体の一部を形成するために構造体に固定されるためのものである。パネルは、穴4を(前面から後面まで)抜け、構造体に入る留め具によって構造体に固定されるものである。穴4は、留め具が前面と面一になるように、前面に、(所定の深さまで)皿穴開けされるものである。これは、成果として得られる航空機が、比較的に、空力性能とステルス性能をもつことを与えるのに役立つ。

図2は、皿穴開けプロセスを行うための装置6の概略図(正確な縮尺ではない)である。皿穴開けプロセスは、パネル2の前面において、穴4を(所定の深さに)皿穴開けすることである。

皿穴開けプロセスは、穿孔プロセスの1つの例である。用語「穿孔プロセス」は、それに限定されないが、穴を穿孔すること、(予め穿孔された穴を)皿穴開けすること、口を広げること、などを含む、任意の形式の穿孔プロセスをいうものとして、この中で使用される。

装置6は、固定具システム8、複数のクランプ9、第1のロボット10、第1のエンドエフェクタ11、第2のロボット12、第2のエンドエフェクタ13、第1のロボットコントローラ14、第1のエンドエフェクタコントローラ16、第2のロボットコントローラ18、第2のエンドエフェクタコントローラ20、第1の削り屑抜き取りモジュール22、第2の削り屑抜き取りモジュール24を備える。

固定具システム8は、パネル2が、複数のクランプ9を用いてクランプされる、フレームである。この実施形態において、固定具システム8は、典型的には、治具を備える従来の固定具システムであり、その骨組みは、標準的な鋼の桁を接合することによって作られる。クランプ9は、従来のクランプである。

第1のロボット10は、皿穴開けプロセスに使用するための、従来の産業用ロボットアーム、または、ロボット操作によるアームである。例えば、第1のロボットアーム10は、Kula Gmbh(登録商標)製のロボットアームである。

第1のエンドエフェクタ11は、第1のロボット10が、第1のエンドエフェクタ11を動かし得るように、第1のロボットアーム10の端部に結合される。第1のロボット10と第1のエンドエフェクタは、パネル2の前面が第1のロボット10と第1のエンドエフェクタ11によってアクセス可能であるように、固定具システム8の前側に、即ち、パネル2の前面の前に、位置付けられる。

第1のロボット10と第1のエンドエフェクタ11は、好都合には、単一のモジュール、例えば、第1のモジュール、穿孔モジュール、または、穿孔装置と考えられ得る。

第1のエンドエフェクタ11は、図3を参照して後でより詳細に説明される。

第2のロボット12は、皿穴開けプロセスに使用するための、従来の産業用ロボットアーム、または、ロボット操作によるアームである。例えば、第2のロボット12は、Kuka Gmbh(登録商標)製のロボットアームである。

第2のエンドエフェクタ13は、第2のロボット12が、 第2のエンドエフェクタ13を動かし得るように、第2のロボットアーム12の端部に結合される。第2のロボット12と第2のエンドエフェクタ13は、パネルの後面が、第2のロボット12と第2のエンドエフェクタ13によってアクセス可能であるように、固定具システム8の後ろ側、即ち、パネル2の後面の後ろに位置付けられる。

第2のロボット12と第2のエンドエフェクタ13は、好都合には、単一のモジュール、例えば、第2のモジュール、支持モジュール、または、支持装置、と考えられ得る。

第2のエンドエフェクタ13は、図4を参照して、後でより詳細に説明される。

第1のロボット10は、第一ロボット10が、第1のロボットコントローラ14によって制御されるような態様で、第1のロボットコントローラ14に結合される。

第1のエンドエフェクタ11は、第1の一エンドエフェクタ11が、第1のエンドエフェクタコントローラ16によって制御されるような態様で、第1のエンドエフェクタコントローラ16に結合される。

第1のロボットコントローラ14と第1のエンドエフェクタコントローラ16は、それらが通信し得るように、共に結合される。

第2のロボット12は、第2のロボット12が、第2のロボットコントローラ18によって制御されるような態様で、第2のロボットコントローラ18に結合される。

第2のエンドエフェクタ13は、第2のエンドエフェクタ13が、第2エンドエフェクタコントローラ20によって制御されるような態様で、第2のエンドエフェクタコントローラ20に結合される。

第2のロボットコントローラ18と第2のエンドエフェクタコントローラ20は、それらが通信し得るように、共に結合される。

第1のロボットコントローラ14と第2のロボットコントローラ18は、第1のロボット10と第2のロボット12を制御するための従来の制御ユニットである。

第1のロボットコントローラ14と第2のロボットコントローラ18は、それらが通信し得るように、共に結合される。特に、この実施形態において、第1および第2のロボットコントローラ14、18は、第1の動作モードにおいて、第1と第2のロボット10、12が「マスタ−スレーブ関係」を有するように、即ち、第1と第2のロボット10、12の間の相対位置が実質的に維持されるように、第1のロボット10が動かされると、第2のロボット12も動かされるように、共に結合される。また、この実施形態では、この実施形態における第1と第2のロボットコントローラ14、18は、第2の動作モードにおいて、第1と第2のロボット10、12が、お互いから独立して動かされ得るように、共に結合される。

第1と第2のロボット10、12を動かすための命令は、例えば、オフラインプログラム(off-line program:OLP)、または、オフラインプログラムによって呼び出されるサブルーチンとしてなどのいずれかで、第1と第2のロボットコントローラ14、18のそれぞれに存在する。

第1の削り屑引き出しシステム22は、従来の削り屑引き出しシステムである。 第1の削り屑引き出しシステム22は、第1のエンドエフェクタ11に結合され、後述される皿穴開けプロセスの結果から生じる削り屑(即ち、旋削屑、削り屑、やすり屑、または、かんな屑などの、くず、または、ごみ)を引き出すように構成される。

第2の削り屑引き出しシステム24は、従来の削り屑引き出しシステムである。第2の削り屑引き出しシステム24は、第2のエンドエフェクタ13に結合され、後述される皿穴開けプロセスの結果から生じる削り屑(即ち、旋削屑、削り屑、やすり屑、または、かんな屑などの、くず、または、ごみ)を引き出すように構成される。

いくつかの実施形態では、異なる数の削り屑引き出し抽出システム、例えば、1つ、が使用される。

図3は、第1のエンドエフェクタ11の概略図(正確な縮尺ではない)である。

この実施形態では、第1のエンドエフェクタ1は、第1のフレーム26、2つのエアシリンダ28a、28b、圧力脚30と、2つの距離測定デバイス32a、32b、穿孔システム36(切削工具38、即ち、皿穴開け、を備える)、視覚および直交化システム40(カメラ42、レーザ44、および、照明システム46を備える)、を備える。

第1のエンドエフェクタ11の第1のフレーム26は、第1のロボットに取り付けられる。

エアシリンダ28a−bは、エアシリンダ28の作動下で、圧力脚30が第1のフレーム26に対して動かされ得る(即ち、圧力脚30が、第1のフレーム26から伸ばされ得る)ように、第1のフレーム26の末端と圧力脚30との間に取り付けられる。

圧力脚30は、従来のロボット操作によるシステムにより使用される従来の圧力脚である。圧力脚30は、圧力脚30の前面が、その地点で、第1のフレーム26に対する圧力脚30の動きが停止される、パネル2の前面に接触する(即ち、押し付ける)まで、エアシリンダ28a−bの作動下で、第1フレーム26から伸ばされ得る。

距離測定デバイス32a−bは、第1のフレーム26に取り付けられる。各距離測定デバイス32a−bは、第1のフレーム26に対する圧力脚30のそれぞれの部分により動いた距離を測定するように構成される。換言すれば、各距離測定デバイス32a−bは、圧力脚30のそれぞれの部分が伸ばされる第1フレーム26からの距離を測定するように構成される。この実施形態では、各距離測定デバイス32a−bは、第1のフレーム26から圧力脚にレーザ光を照射し、圧力脚30から第1のフレーム26に反射されたレーザ光を解析することにより、第1のフレーム26と圧力脚30との間の距離を決定するレーザ距離測定デバイスを備える。他の実施形態では、異なる種類の距離センサが使用され得る。

この実施形態では、距離測定デバイス32aの第1のものは、第1のフレーム26の第1の側に、または、近接して設けられる。第1の距離測定デバイス32aは、エアシリンダ28aの第1のものに、または、近接して設けられ、第1のエアシリンダ28aは、第1のフレーム26の第1の側に取り付けられる。第1の距離測定デバイス32aは、第1のフレーム26の第1の側と圧力脚30の第1の端部との間の距離を測定するように構成される。好ましくは、第1の距離測定デバイス32aは、第1のエアシリンダ28aの軸に実質的に平行である(例えば、沿う)方向に、圧力脚30の第1の端部の上にレーザ光を照射するように構成される。

この実施形態では、レンジ測定デバイス32bの第2のものは、第1のフレーム26の第2の側に、または、近接して設けられ、第1のフレーム26の第2の側は、第1のフレーム26の第1の側の反対にある。第2の測定デバイス32bは、エアシリンダ28bの第2のものに、または、近接して設けられ、第2のエアシリンダ28bは、第1のフレーム26の第2の側に取り付けられる。第2の距離測定デバイス32bは、第1のフレーム26の第2の側と圧力脚30の第2の端部との間の距離を測定するように構成され、圧力脚30の第2の端部は、圧力脚30の第1の端部に対して反対である。好ましくは、第2の距離測定デバイス32bは、第2のエアシリンダ28bの軸に実質的に平行である(例えば、沿う)方向に、圧力脚30の第2の端部の上にレーザ光を照射するように構成される。この実施形態では、第1のエアシリンダ28aの軸は、第2のエアシリンダ28bの軸線と実質的に平行である。

距離測定デバイス32a−bによってなされる測定値は、図5を参照して後でより詳細に以下に記載されるように、第1のエンドエフェクタ11から第1のエンドエフェクタコントローラ16に送られる。

圧力脚30は、その構造を貫通する通路48(即ち、開口または孔)を備える。この実施形態では、視覚および直交化システム40が、圧力脚30の前面に取り付けられる。

穿孔システム36は、動作時に、切削工具38を駆動する(即ち、回転する)駆動装置を備える。

穿孔システム36は、穿孔システム36が、切削工具38の軸に平行な方向に、第1のフレーム26の表面に沿って動かされ得るように、第1のフレーム26に摺動可能に搭載される。この実施形態では、穿孔システム36は、切削工具38の長手方向の軸(参照符号「50」によって示される点線として図3に示される)が圧力脚30における通路48を通り抜けるように構成される。従って、切削工具38は、切削工具38の少なくとも一部が、通路48を完全に通り抜けるように、その長手方向の軸に沿って動かされ得る。動作時には、以降でより詳細に説明されるように、穴4を皿穴開けするために、切削工具38は、それが、穴4においてパネル2の前面と接触するまで、通路48を通って、パネル2に向かって、その長手方向の軸50に沿って動かされる。そして、切削工具38は、さらに、所定の深さにパネル2の穴4を皿穴開けするために動かされる。

この実施形態では、視覚および直交化システム40は、Recognition Robotics(商標)によるLucana Aero(商標)システムである。しかし、他の実施形態では、視覚および直交化システム40は、異なる好適なシステムである。

視覚および直交化システム40は、例えば、工業用CCD、または、CMOSカメラであってよい、カメラ42を備える。視覚および直交化システム40は、また、レーザ44を備える。

カメラ42は、航空機用パネル2の前面の画像を取り込むように構成される。

この実施形態では、図5を参照して後でより詳細に記載されるように、視覚および直交化システム40は、パネル2上の穴4に位置決めし、穴4の軸が、切削工具38の長手方向の軸50に実質的に揃わされるように、航空機用パネル2に対して第1のエンドエフェクタ11を直交化するように構成される。

この実施形態では、照明システム46は、航空機用パネル2の前面の上に可視光を照明するように構成される。カメラ42は、照明システム46によって航空機用パネルの上に照明された可視光を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、照明システム46とカメラ42は、可視光の代わりに、または、可視光に加えて、異なる波長の電磁波照射を使用するように構成されてもよい。

この実施形態では、エアシリンダ28による圧力脚30の動きは、第1のエンドエフェクタコントローラ16により制御される。また、穿孔システム36の動作は、第1のエンドエフェクタコントローラ16によって制御される。また、視覚および直交化システム40の動作は、第1のロボットコントローラ16によって制御される。また、照明システム46の動作は、第1のロボットコントローラ16によって制御される。

この実施形態では、第1の圧力脚30の第1と第2の端部によって第一フレーム26に対して動かされる距離の測定値は、それぞれ、第1と第2の距離測定デバイス32により、第1のエンドエフェクタコントローラ16に送られ得る。また、カメラ42によって取得された測定値または画像は、第1のロボットコントローラ14、および/または、他のプロセッサに送られ得る。

図4は、第2のエンドエフェクタ13の概略図(縮尺通りではない)である。

この実施形態では、第2のエンドエフェクタ13は、第2フレーム60と荷重センサ62を備える。

第2のエンドエフェクタ13の第2のフレーム60は、第2のロボット12に取り付けられる。

動作時に、第2のロボット12は、第2のフレーム60の前面が、パネル2の後面と接触するように動かされるよう制御される。荷重センサ62は、第2のフレーム60の前面に取り付けられる。荷重センサ62は、第2のエンドエフェクタ13によって航空機用パネル2にかけられる荷重または力を測定するように構成される。荷重センサ62は、第2のロボットアームコントローラ18に荷重測定値を送るように構成される。

削り屑引き出しは、第2のフレーム60の前面で、または、近接して行われ得る。

図5は、皿穴開けと検査のプロセスの実施形態のステップを示すプロセスフロー図である。

ステップS2において、第1のロボット10および第2のロボット12が、共にリンク(または、結合)される。これは、第1のロボット10がそれの以前の位置から新たな位置に動く場合、第1のロボット10に対する第2のロボット12の位置が維持されるように(即ち、ロボット10、12のお互いの相対的な位置が実質的に同じに維持されるように)ロボット12が動き、その逆もあるように行われる。

この実施形態において、第1のロボット10は、穴4に対応する、オフラインでプログラムされた位置に動く。この位置は、第1のロボットコントローラ14上で実行するプログラムにおいて定義される。

ステップS4において、位置合わせプロセスが実行される。この位置合わせプロセスは、切削工具38の長手軸50が穴4の軸に沿って位置合わせされるように第1のエンドエフェクタ(手先効果器)11を動かすことを備える。

この実施形態において、カメラ42は、位置合わせプロセスを実行するために使用される。カメラ42により取得された測定は、穴4に対してエンドエフェクタ11、13を位置決めするために、例えば、ロボットアームコントローラ14、18によって、使用される。いくつかの実施形態において、位置合わせプロセスは、照明システム46が、パネル2の前面を可視光で照明することを含み得る。しかし、他の実施形態では、異なる好適な位置合わせプロセスが実行されてもよい。

ステップS6において、第1のロボット10と第2のロボット12は、互いから脱リンクされる(または、結合解除される)。換言すれば、ステップS4の後、ロボット10、12は互いに独立して動くことができる。

ステップS8において、直交化プロセスが実行される。この直交化プロセスは、切削ツール38の長手軸がパネル2の前面に垂直(即ち直角)になるように、第1のエンドエフェクタを動かすことを含む。

この実施形態では、レーザ44とカメラ42が、直交化プロセスを実行するために使用される。レーザ44は、パネル2の前面上に、例えば、十字の形状で、レーザ光を投射する。カメラ42は、パネル2の前面上の投射されたレーザ光の画像を取り込む。カメラ42によって取得された測定は、パネル2の前面の湾曲を決定するために、例えば、第1のロボットアームコントローラ14によって、使用される。第1のロボットアームコントローラ14は、切削工具38の長手軸50がパネル2の前面に垂直であるように第1のエンドエフェクタ11を動かすために、決定された湾曲を使用する。しかし、他の実施形態では、異なる好適な直交化プロセスが実行されてもよい。

ステップS10において、オプションとして、ステップS4の位置合わせプロセスが再び実行され得る。これは、ステップS8の直交化プロセスの間に、切削工具38が、穴4との位置合わせから外れて動かされた場合に、切削工具38が、穴4と再び位置合わせされるように行われ得る。

ステップS12において、第2のロボットコントローラ18は、第2のロボット12を、第2のフレーム60の前面が、パネル2の後面と接し、パネル2の後面に予め定められた荷重を加えるように動くように制御する。

この実施形態では、第2のフレーム60がパネル2の後面に接するように動かされ、荷重センサ62は、第2のフレーム60によってパネル2に加えられた負荷の測定値を、第2のロボットコントローラに送信する。第2のロボットコントローラ18は、荷重センサ62によって測定された負荷が予め定められた荷重に等しくなるまで、第2のフレーム60をパネル2の後面に対して押し付けるように第2のロボット12を制御する。ひとたび、荷重センサ62によって測定された荷重が予め定められた加重に等しくなると、第2のロボットコントローラ18は、例えば、第2のロボット12の関節をロックすることにより、第2のロボット12と第2のエンドエフェクタ13のさらなる動きを防止する、または、動きに対抗する。

従って、この実施形態では、第2のエンドエフェクタ13は、パネル2上に予め定められた荷重を加える。この実施形態において、予め定められた加重値は、例えば、2Nなど、5Nに等しいかそれより小さい。しかし、他の実施形態において、予め定められた加重値は異なる値である。

パネル2の後面上に第2のフレーム60によって加えられた予め定められた加重は比較的小さい。これは、有利なことには、パネル2が第2のエンドエフェクタ13によって実質的には偏向されないことを与えることに役立つ。第2のエンドエフェクタ13は、有利なことに、穴4の皿穴開けの間、パネル2の偏向を防止するか、偏向に抗することに役立つ、パネル2のための堅固な「アンビル(anvil:金床)」構造を与えることに役立つ。

パネル2の後面に対して第2のフレーム60を動かすことにおける荷重センサ62の使用は、有利なことには、第2のフレーム60の前面とパネル2の後面との間の距離を知るための任意の必要性を排除することに役立つ。この実施形態において、第2のフレーム60は、荷重センサ62が読み取った荷重値が、予め定められた荷重値に等しくなるまで、パネル2の後面に向かって動かされる。これは、有利なことに、第2のフレーム60の前面、および/または、パネル2の後面における製造許容誤差が補償され得ることを提供するために役立つ。

ステップS14において、第1のエンドエフェクタコントローラ16は、圧力脚30の前面がパネル2の前面に接するまで、エアシリンダ28a−bを、第1のフレーム26から圧力脚30を伸ばすように制御する。

この実施形態では、第1のフレームからの圧力脚30の伸長は、ひとたび、圧力脚30がパネル2の前面と接するようになると停止される。圧力脚30のそのような動きは、有利なことに、第2のフレーム60の前面と圧力脚30の前面との間にパネルがクランプされるようにするのに役立つ。パネル2のクランプは、少なくとも穴4の近辺において、パネル2の動き(例えば、偏向、または、曲がり)が防止される、または、抗されるのに役立つ。

ステップS16において、ステップS22において第1のフレーム26からどれだけ遠くに離れる方向に圧力脚30が動かされたかの測定が、距離測定デバイス装置32a−bによって行われる。これらの距離測定値は、第1のエンドエフェクタ11から第1のエンドエフェクタコントローラ16に送られる。

この実施形態では、第1の距離測定デバイス32aは、圧力脚30の第1の端部が第1のエアシリンダ28aにより第1のフレーム26の第1の側から離れる方向に動く距離を測定する。第1の距離測定デバイス32aによって測定されたこの距離は、以降、「第1の距離測定値」と呼ばれる。また、この実施形態では、第2の距離測定デバイス32bは、圧力脚30の第2の端部が第2のエアシリンダ28bによって第1のフレーム26の第2の側から離れる方向に動かされる距離を測定する。第2の距離測定デバイス32bにより測定されたこの距離は、以降、「第2の距離測定値」と呼ばれる。

ステップS18において、第1の距離測定値と第2の距離測定値とを使用して、第1のエンドエフェクタコントローラ16は、圧力脚30が第1のフレーム26からどれだけ離れるように動かされたのかを表す距離の値を決定する。

この実施形態では、第1のエンドエフェクタコントローラ16によって決定された距離の値は、第1の距離測定値と第2の距離測定値の平均値である。しかし、他の実施形態では、圧力脚30が第1のフレーム26からどれだけ遠くに離れる方向に動かされたかを表す距離の値は、異なる方法で計算され、例えば、距離の値は、第1の距離測定値と第2の距離測定値との異なる関数であってもよい。

ステップS20において、第1のエンドエフェクタコントローラ16は、それが位置合わせされる穴4の軸に沿って、所望の予め定められた深さまで穿孔するために、切削工具38がその軸46に沿ってどれだけ動かされるべきかを決定する。

この実施形態では、切削工具38によってその軸48に沿って動かされるべきこの距離は: (i)圧力脚が第1のフレーム26から伸ばされていないときの、切削工具38の先端と圧力脚30の前面との間の距離と; (ii)ステップS18において第1のエンドエフェクタコントローラ16によって決定された距離の値と; (iii)予め定められた深さと; を使用して(例えば、共に加えることによって)決定される。圧力脚が第1のフレーム26から伸ばされていないときの、切削工具38の先端と圧力脚30の前面との間の距離は、既知の距離である。

いくつかの実施形態では、エアシリンダ28a−bの各々は、異なる速度で、および/または、異なる距離だけ、第1のフレーム26から離れる方向に圧力脚30を動かし得る。 従って、実際には、圧力脚30は、軸を中心に回転され、または、「捩じられ(twisted)」得る。いくつかの実施形態では、圧力脚30の第1の端部が第1のフレーム26の第1の側から離れる方向に動かされる距離は、圧力脚30の第2の端部が第1のフレーム26の第2の側から離れる方向に動かされる距離と異なり得る。そのような状況では、第1の距離測定値は、第2の距離測定値と異なる。

単一の距離測定デバイスだけが、圧力脚30が第1のフレーム26から離れる方向に動かされる距離を測定するために使用されるシステムにとっては、例えば、先の段落に記載されたように、圧力脚30が回転され、または、「捩じられる」場合、圧力脚30が動かされる距離の測定値は、比較的に不正確であり得る。これは、許容範囲内にない深さまで穿孔されている皿穴につながり得る。圧力脚30が第1のフレーム26から離れる方向に動かされる距離を測定するために単一のレンジ測定デバイスだけが使用されるシステムは、圧力脚30の上述の回転または「捩じれ」を補償することができない傾向をもつ。

有利なことには、2つまたはそれより多くの距離測定デバイスの使用は、圧力脚30の上述の捩じれまたは回転を補償することに役立つ。圧力脚30が第1のフレーム26から離れる方向に動かされる距離を測定するために2つまたはそれより多くの距離測定デバイスの使用は、改善された距離測定精度を提供するのに役立つ。従って、改善された皿穴穿孔が提供されるのに資する。特に、ステップS18において第1のエンドエフェクタコントローラ16によって決定される距離の値(即ち、第1の距離測定値と第2の距離測定値の関数)は、単一の距離測定デバイスが、圧力脚30が第1のフレーム26から離れる方向に動かされる距離を測定するために使用されるアプローチと比較して、改良された皿穴開けの結果を提供するのに役立つ。

有利なことに、2個の距離測定デバイス32a−bは、圧力脚30の両極端部のそれぞれの(第1のフレーム26に対する)動きを測定するように構成される。これは、圧力脚30の任意の回転または捩じれが、距離測定デバイス32a−bによって取得された距離測定値によって表されることを提供するのに役立つ。

いくつかの実施形態では、異なる数の距離測定デバイスが実装される。好ましくは、少なくとも2つの距離測定デバイスが使用される。いくつかの実施形態では、2つより多くの距離測定デバイスが実装される。

ステップS22において、第1のエンドエフェクタコントローラ16は、穿孔システム36を起動し、切削工具38を、その長手方向の軸46に沿って、ステップS20で決定された距離だけ動かすように、第1のエンドエフェクタ11を制御する。

従って、切削工具38は起動され、穴4の長さに沿って、予め定められた深さまでパネルに穿孔する、即ち、穴4を皿穴開けするように、その軸46に沿って動かされる。

この実施形態では、穿孔/皿穴開けプロセスの間、削り屑抜き取りシステム22、24が、削り屑を抜き取るように起動される。

ステップS24において、切削工具38が、予め定められた深さまで穴4を皿穴開けするように動かされ、切削工具が、時間の予め定められた量の間、進行停止したとき、穿孔システム36はパネルから退避される(第1エンドエフェクタコントローラ16の制御下で)。

ひとたび、切削工具38がパネル2から退避されると、削り屑抜き取りシステム22、24が動作停止される。

ステップS26において、第1のエンドエフェクタコントローラ16の制御下で、圧力脚30は、第1のフレーム26に対してその開始位置まで後退される。

ステップS28において、皿穴開け検査プロセスが、皿穴開けされた穴4を検査するために実行される。皿穴開け検査プロセスは、図6を参照して、後でより詳細に記載される。

ステップS30において、それぞれのロボットコントローラ14、18の制御の下で、第1と第2のロボット10、12が、それらの開始位置に戻るように動かされる。

従って、皿穴開けプロセスが提供される。このプロセスは、パネル2に渡って穿孔される任意の数の穴について繰り返され得る。

図6は、図5の処理のステップS28で実行された皿穴開け検査のステップを示すプロセスフロー図である。

ステップS32において、照明システム46は、パネル2の前面を可視光で照明する。いくつかの実施形態では、異なる波長の電磁放射、例えば、赤外または紫外光、が、可視光の代わりに、または、可視光に加えて使用され得る。この実施形態では、皿穴開けされた穴4における、および、近接するパネルの前面の部分が照明される。

ステップS34において、カメラ42が、パネル2の照明された前面の画像を取得する。

この実施形態では、取得された画像は、カメラ42からプロセッサ(例えば、第1のロボットコントローラ14、および/または、第1エンドエフェクタコントローラ16)に送られる。

ステップS36において、プロセッサは、穴4の皿穴開けされた部分とパネル2の前面との間のエッジを検出するために、カメラ42によって取得された画像を処理する。

有利なことには、可視光でパネル2の前面を照明することは、比較して暗い穴4の皿穴開け部分と、比較して明るい(例えば、着色された)パネル2の前面との間で、取得された画像におけるコントラストを増加させるのに役立つ。穴の皿穴開けされた部分のエッジの検出は、コントラストのこの増加によって促進されることに資する。

この実施形態では、穴4の皿穴開けされた部分とパネル2の前面との間の検出されたエッジの形状は、円(パネル2の前面が穴4の近傍で平坦である場合)、または、楕円(パネル2の前面が穴4の近傍で湾曲している場合)のいずれかである。

ステップS38からS42は、プロセッサによって実行可能なソフトウェアで定義される画像処理方法を記載する。

図7は、処理ステップS38からS42を理解するのに有用である、カメラ42により取得された画像70を示す概略図(正確な縮尺ではない)である。画像70は、特に、パネル2の前面の部分と、穴4の皿穴開けされた部分とパネル2の前面との間の検出されたエッジ72を備える。

この実施形態では、検出されたエッジ72は、楕円形である。

ステップS38において、検出されたエッジ72を使用して、プロセッサは、(図7に点線で示される)第1の円74を決定する。

この実施形態では、第1の円74は、検出されたエッジ72に適合する「最良適合(best fit)」または「幾何学的適合(geometric fit)」である。幾何学的アルゴリズムが、検出されたエッジ72に第1の円74を適合するように使用され得る。

この実施形態では、第1の円74は、検出されたエッジ74に沿った複数の点までの距離の二乗和が最小となる円である。しかし、他の実施形態では、第1の円74は、異なる最良適合の円であってよい。

この実施形態では、検出されたエッジ72は楕円形である。従って、第1の円74は、検出されたエッジ72と一致しない傾向にある。検出されたエッジ72が円形である実施形態においては、第1の円74は、検出されたエッジ72と一致する傾向にある。

図7は、画像70上に重畳された(または、付加された)算出された第1の円74を示す。

ステップS40では、検出されたエッジ72を使用して、プロセッサは、(図7に点線で示される)第2の円76を決定する。

本実施形態では、第2の円76の決定は、第1の円74の決定から独立している。

この実施形態では、第2の円76は、第1の円74と同心である。また、第2の円76は、楕円の検出されたエッジ72の短軸に等しい直径を有する。任意の好適なアルゴリズムが、第2の円76を計算するためにプロセッサによって使用され得る。このようなアルゴリズムは、第1の円74の中心を決定することと、楕円の検出されたエッジ72の短軸の長さを決定することを含み得る。

この実施形態では、検出されたエッジ72は、楕円形である。従って、第2の円76は、検出されたエッジ72と一致しない傾向にある。検出されたエッジ72が円である実施形態においては、第2の円76は、検出されたエッジ72と(および、第1の円74と)一致する傾向にある。従って、検出されたエッジ72が円形であるいくつかの実施形態では、第2の円76の決定は省略され得る。

図7は、画像70上に重畳された(または、付加された)算出された第2の円76を示す。

ステップS42において、検出されたエッジ72を使用して、プロセッサは、(図7に点線で示される)第3の円78を決定する。

この実施形態では、第3の円78の決定は、第1の円74と第2の円76の決定から独立している。

この実施形態では、第3の円78は、第1の円74と第2の円76と同心である。また、第3の円78は、楕円の検出されたエッジ72の長軸に等しい直径を有する。任意の好適なアルゴリズムが、第3の円78を計算するためにプロセッサによって使用され得る。このようなアルゴリズムは、第1の円72の中心を決定することと、楕円形の検出されたエッジ72の長軸の長さを決定することとを含み得る。

この実施形態では、検出されたエッジ72は、楕円形である。従って、第3の円78は、検出されたエッジ72と一致しない傾向にある。検出されたエッジ72が円である実施形態においては、第3の円76は、検出されたエッジ72と(および、第1の円74と)一致する傾向にある。従って、検出されたエッジ72が円形であるいくつかの実施形態では、第3の円78の決定を省略し得る。

図7は、画像70上に重畳された(または、付加された)算出された第3の円78を示す。

ステップS44において、プロセッサは、皿穴開けされた穴4における(および、その近傍の)パネル2の前面が、カメラ42に対して、平坦か、凹状か、または、凸状かのいずれかであるかどうかを決定する。これは、航空機のパネル2を明細するCADファイルから決定され得る。

ステップS46において、プロセッサは、1つの円74、76、78を選択する。

この実施形態において、ステップS44において、皿穴開けされた穴4におけるパネルの前面が、カメラ42に対して、平坦であることが決定された場合、プロセッサは第1の円74を選択する。

しかし、ステップS44において、皿穴開けされた穴4におけるパネル2の前面が、カメラ42に対して、凹状であることが決定された場合、プロセッサは第2の円76を選択する。

しかし、ステップS44において、皿穴開けされた穴4におけるパネル2の前面が、カメラ42に対して、凸状であることが決定された場合、プロセッサは第3の円78を選択する。

ステップS46において、選択された円74、76、78を用いて、プロセッサは、穴4が皿穴開けされている深さを決定する。

この実施形態では、皿穴開けの深さを決定するために、プロセッサは、切削工具38の先端角(point angle)、または、切削角(cutting angle)などの角度を取得する。この先端角は、以降、切削工具38の「角度」と呼ばれる。「先端角」の用語は、切削工具またはドリルビット(刃)の先端に形成された角度をいうためにこの中で使用される。切削工具38の角度は、例えば、Kelch社のツールプリセッタを使用するなどで正確に測定されており、メモリに記憶され得る。例えば、切削工具38の角度は、切削工具38と関連付けられた無線周波数識別(RFID)チップ上に、他のデータと共に、記憶され得る。

そして、プロセッサは、穴4が皿穴開けされている深さを計算するために、選択された円74、76、78、および、切削工具38の角度を使用し得る。基本的な三角関数が使用され得る。例えば、プロセッサは、皿穴開けされた深さとして、三角関数を用いて、切削工具の刃のエッジの交点の先端と、切削工具38の直径が選択された円74、76、78の直径に等しい、切削工具38の長さに沿った地点との間の距離を決定し得る。

この実施形態では、切削工具38の先端角は、皿穴の深さを決定するために使用される。しかし、他の実施形態では、異なる角度、例えば、切削工具38のリップ角、が使用され得る。

ステップS50において、プロセッサは、決定された皿穴の深さが予め定められた許容範囲内にあるか否かを決定する。

ステップS50において、プロセッサが、決定された皿穴の深さが予め定められた許容範囲内であることを決定した場合、方法はステップS52に進む。

しかし、ステップS50において、プロセッサが、決定された皿穴の深さが予め定められた許容範囲外であることを決定した場合、方法はステップS54に進む。ステップS54は、ステップS52の説明の後、後により詳細に説明される。

ステップS52において、決定された皿穴の深さが予め定められた許容範囲内にあることの決定に応答して、皿穴4は「検査合格」とラベル付けされる。換言すれば、穴4が所望の深さまで皿穴開けされていると決定される。

ステップS52の後、図6の処理は終了し、方法は図5のプロセスのステップS30に進む。

ステップS54において、決定された皿穴の深さが予め定められた許容範囲内にないとの決定に応答して、皿穴4は、「検査不合格」とラベル付けされる。換言すれば、穴4が所望の深さに皿穴開けされていないことが決定される。

この実施形態では、航空機用パネル2は、その後、許容範囲外の皿穴開けされた穴を治すまたは修復するために処理され得る。いくつかのケースでは、皿穴開けされた穴の結果が許容範囲外であると、パネル2が廃棄されてもよい。

ステップS54の後、図6の処理は終了し、方法は、図5のプロセスのステップS30に進む。

従って、皿穴検査方法が提供される。

上述の皿穴検査方法は、有利なことに、平坦、凹状、および、凸状の面に形成された皿穴の皿穴深さを決定するために使用され得る皿穴検証方法を提供する。

上で与えられた皿穴開けプロセスの利点は、プロセスが、市販で入手可能な、既製の産業用ロボットを使用して実行されることである。さらに、それは、任意のタイプのパネルまたは部品上で、および、任意の形状のパネルまたは部品上で、皿穴開け/穿孔プロセスを実行するために同じロボットを使用することが可能となることに役立つ。従って、有利なことに、比較的高価な機械工具の使用が避けられることに役立つ。

上述の皿穴開けプロセスに使用されるロボットは、異なる大きさ/形状の切削工具を使用することができる。従って、ロボットは、多くの形式の穿孔/皿穴開け動作を行うために使用され得る。異なるサイズ/形状の切削工具を考慮して、切削工具の大きさ(例えば、長さ、および、角度)が、Kelchのプリセッタ上で正確に測定され得る。このデータは、例えば、工具番号、工具寿命などのような他のデータと共に、チャックに取り付けられた無線周波数識別(Radio Frequency Identification:RFID)チップに記憶され得る。工具が工具交換装置から選択された場合に、RFIDチップに記憶されたデータが、制御ユニットにリンクされた読み取り器によって読み取られ得る。そして、システムは、例えば、それがどの工具を使用しているか、それが、工具が交換されなければならなくなる前に、何個の穴を穿孔することができるか、および、工具の長さ、を決定することができる。工具の長さは、所望される予め定められた深さまでパネル/部品を穿孔するために、切削工具がその軸に沿ってどれくらい動かされるべきであるかの決定に使用され得る。工具寿命は、有利なことに、穴が当該工具で皿穴開けされる度に工具の利用可能な寿命を減算し、当該工具のために、減算された工具寿命をRFIDチップに記憶することによって、監視され得る。

穿孔中、第2のロボットは、有利なことに、穿孔されているパネル/部品の後面に接触することに役立つ。これは、第2のロボットが、穿孔中に第1のロボットによって付与される力と等しく、反対の力を付与することを提供するのに役立つ。換言すれば、パネルは、第1と第2のロボットの作動により、(穿孔されている地点に近接するパネルの少なくとも部分が、穿孔動作の間に曲がったり、または、屈曲したりしないことに役立つように)固定される。

コントローラ14、16、18、20を含む、上記構成を実装し、上述の方法のステップを実行するための装置は、例えば、1つまたは複数のコンピュータ、または、他の処理装置、または、プロセッサなどの任意の好適な装置を構成し、または、適合させることによって、および/または、追加のモジュールを提供することによって、提供され得る。装置は、コンピュータメモリ、コンピュータディスク、ROM、PROMなど、または、これらまたは他の記憶媒体の任意の組み合わせなどの、機械が読み取り可能な記憶媒体の中に、または、上に記憶されたコンピュータプログラム、または、複数のコンピュータプログラムの形態での命令やデータを含み、命令を実装し、データを使用するために、コンピュータ、コンピュータのネットワーク、または、1つまたは複数のプロセッサを備え得る。

図5および図6のフローチャートに示され、上述されたプロセスステップのあるものは省略され得、そのようなプロセスステップは、上で提示され、図に示される順序と異なる順序で実行されてもよいことに留意すべきである。さらに、プロセスステップの全ては、理解の利便性と容易さのために、個別の時間的に連続したステップとして示されているが、それにもかかわらず、プロセスステップのいくつかは、実際には、同時に、または、少なくとも時間的にある程度重複して、実行され得る。

上記実施形態では、皿穴開けプロセスは、(平坦または平坦でない)パネル上で行われる。パネルは、炭素繊維で作られており、機体を形成する構造体に固定するためにある。しかし、他の実施形態では、皿穴開けプロセスは、例えば、1つまたは複数の異なるタイプの材料で作られた部品などの異なるタイプの部品、または、異なる目的のための部品上で実施され得る。

上記実施形態では、パネル/部品上で実施されるプロセスは、皿穴開けプロセス(予め穿孔された穴を皿穴開けするため)である。しかし、他の実施形態では、実行されるプロセスは、部品/パネルに穴を穿孔するプロセス、例えば、後で、皿穴開けされてもよい、などの異なるタイプの穿孔/切削プロセスである。

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