マニピュレータ及びマニピュレータシステム

申请号 JP2013155481 申请日 2013-07-26 公开(公告)号 JP2015024008A 公开(公告)日 2015-02-05
申请人 オリンパス株式会社; Olympus Corp; 发明人 HATAKEYAMA NAOYA; ISODA TAKUMI; IIDA MASATOSHI; WATANABE SADAHIRO;
摘要 【課題】動的な余剰部分を迅速に除去し、操作部の操作に対して、可動部が迅速に作動するマニピュレータ及びマニピュレータシステムを提供する。【解決手段】マニピュレータ1は、操作者が操作する操作部2と、操作部2によって操作される可動部3と、操作部2と可動部3を連結して、操作部2の回転を可動部3に伝達する伝達部4と、操作部2の操作に応じて伝達部3に発生する動的な余剰部分を補償する伝達補償部6と、操作部2、可動部3、伝達部4のうち少なくとも一つの状態を取得する入 力 部8と、入力部8が取得した状態に応じて伝達補償部6を制御する制御部91と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2
权利要求
  • 操作者が操作する操作部と、
    前記操作部によって操作される可動部と、
    前記操作部と前記可動部を連結して、前記操作部の回転を前記可動部に伝達する伝達部と、
    前記操作部の操作に応じて前記伝達部に発生する動的な余剰部分を補償する伝達補償部と、
    前記操作部、前記可動部、及び前記伝達部のうち少なくとも一つの状態を取得する入力部と、
    前記入力部が取得した状態に応じて前記伝達補償部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするマニピュレータ。
  • 前記入力部は、前記操作部の操作状態を取得する操作状態取得部を有し、
    前記制御部は、前記操作状態取得部が取得した前記操作部の操作状態に応じて前記伝達補償部を制御する請求項1に記載のマニピュレータ。
  • 前記操作状態取得部は、前記ハンドルの切り替え方向を取得し、
    前記制御部は、前記操作状態取得部が取得した前記ハンドルの切り替え方向に応じて前記伝達補償部を制御する請求項2に記載のマニピュレータ。
  • 前記操作状態取得部は、前記ハンドルの切り替え時の速度又は加速度を取得し、
    前記制御部は、前記操作状態取得部が取得した前記ハンドルの切り替え時の速度又は加速度に応じて前記伝達補償部を制御する請求項2又は3に記載のマニピュレータ。
  • 前記入力部は、前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの状態を取得するシステム状態取得部を有し、
    前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの状態に応じて前記伝達補償部を制御する請求項1乃至4のいずれか1つに記載のマニピュレータ。
  • 前記システム状態取得部は、前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの姿勢を取得し、
    前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの姿勢に応じて前記伝達補償部を制御する請求項5に記載のマニピュレータ。
  • 前記可動部は、複数の湾曲コマを有し、
    前記システム状態取得部は、前記複数の湾曲コマの湾曲角度をそれぞれ取得し、
    前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前記複数の湾曲コマの湾曲角度に応じて前記伝達補償部を制御する請求項5又は6に記載のマニピュレータ。
  • 前記システム状態取得部は、前記複数の湾曲コマの湾曲方向をそれぞれ取得し、
    前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前前記複数の湾曲コマの湾曲方向に応じて前記伝達補償部を制御する請求項7に記載のマニピュレータ。
  • 前記入力部は、前記可動部及び前記伝達部の特性を取得する特性取得部を有し、
    前記制御部は、前記特性取得部が取得した前記可動部及び前記伝達部の特性に応じて前記伝達補償部を制御する請求項1乃至8のいずれか1つに記載のマニピュレータ。
  • 前記特性取得部は、前記可動部及び前記伝達部の形状及び材料のうち少なくとも一つを取得する請求項9に記載のマニピュレータ。
  • 前記可動部及び前記伝達部に着脱可能な処置部を備え、
    前記特性取得部は、前記処置部の有無を取得し、
    前記制御部は、前記特性取得部が取得した前記処置部の有無に応じて前記伝達補償部を制御する請求項9又は10に記載のマニピュレータ。
  • 前記特性取得部は、前記処置部の種類を取得し、
    前記制御部は、前記特性取得部が取得した前記処置部の種類に応じて前記伝達補償部を制御する請求項11に記載のマニピュレータ。
  • 前記伝達補償部は、前記操作部の操作をアシストする駆動部材を有する請求項1乃至12のいずれか1つに記載のマニピュレータ。
  • 前記制御部は、
    前記伝達補償部が制御される補償モードと、
    前記駆動部材が前記操作部の操作をアシストするアシストモードと、
    前記操作部のみで前記可動部を操作する手動モードと、
    が切り替え可能である請求項13に記載のマニピュレータ。
  • 請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のマニピュレータと、
    前記マニピュレータにより取得された画像を表示する表示部と、
    を備え、
    前記マニピュレータは、観察光学系、撮像素子及び照明光学系を有する内視鏡を含み、
    前記制御部は、前記内視鏡により取得された画像を前記表示部に表示することを特徴とするマニピュレータシステム。
  • 说明书全文

    本発明は、操作部と可動部が機械的に接続されたマニピュレータ及びマニピュレータシステムに関する。

    従来、中空のシャフト内に挿通されたワイヤの一端を駆動プーリに巻き掛け、他端を従動プーリに巻き掛けて、動を伝達するマニピュレータが開示されている(特許文献1)。

    特許文献1に記載されたマニピュレータは、駆動プーリと従動プーリとの間に巻き掛けられたワイヤが十分な張力で巻き掛けられていない場合には、確実な動力伝達ができないので、ワイヤの張力を調整して、迅速且つ高精度に動力伝達を行うものである。

    特開2009−201607号公報

    米国特許第6565554号明細書

    図22は、従来のマニピュレータの一例の模式図である。

    図22(a)に示すように、中立状態のマニピュレータ110の操作側プーリ122と作動側プーリ132との間に巻き掛けられたワイヤ140には、小さな弛み100が存在することがある。 特許文献1に記載のマニピュレータは、ワイヤの張力を調整することで、このようなワイヤの弛みをあらかじめ除去するものである。

    これに対して、例えば、図示しない操作者が図22(a)の中立状態からハンドル121を矢印A1方向に回転させた場合、ハンドル121及び操作側プーリ122の矢印A1方向の回転に対すると、ワイヤ141に発生する伸びやワイヤ140とワイヤ140を収納するガイド部材との接触による摩擦が発生し、図24(b)に示すように、動的な弛み101が発生する。

    その後、図22(b)から図22(c)に示すように、ハンドル121を矢印A2方向に反転させた場合、図22(b)に示したワイヤ140の動的な弛み101が除去するまで、作動側プーリ132に引張力は伝達されず、図22(c)に示すように、可動部材131は、ハンドル121を操作しても作動しないおそれがある。

    特許文献1に記載されているマニピュレータは、このような動的な弛みに対応していない。 このような動的な弛みは、特許文献1に記載されているマニピュレータのようにあらかじめワイヤの弛みを除去したとしても、多少存在するものである。 また、仮に動的な弛みが発生しないように強い張力であらかじめワイヤの弛みを除去した場合であってもワイヤ140とワイヤガイド部材との摩擦によって動的な弛みは発生する可能性がある上、ワイヤにかかる力が強すぎてワイヤが破断するおそれがある。

    また、特許文献2に記載されているマニピュレータは、摩擦補償信号によって決定された負荷をアクチュエータに付加して補償することによって、操作性を向上させている。 しかしながら、特許文献2に記載されているマニピュレータは、一定値で補償しているため、マニピュレータの状態又は特性の変動に応じた制御をすることができない。

    本発明は上記課題に着目してなされたものであり、動的な余剰部分を迅速に除去し、操作部の操作に対して、可動部が迅速に作動するマニピュレータ及びマニピュレータシステムを提供することにある。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータは、操作者が操作する操作部と、前記操作部によって操作される可動部と、前記操作部と前記可動部を連結して、前記操作部の回転を前記可動部に伝達する伝達部と、前記操作部の操作に応じて前記伝達部に発生する動的な余剰部分を補償する伝達補償部と、前記操作部、前記可動部、及び前記伝達部のうち少なくとも一つの状態を取得する入力部と、前記入力部が取得した状態に応じて前記伝達補償部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記入力部は、前記操作部の操作状態を取得する操作状態取得部を有し、前記制御部は、前記操作状態取得部が取得した前記操作部の操作状態に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記操作状態取得部は、前記操作部の切り替え方向を取得し、前記制御部は、前記操作状態取得部が取得した前記操作部の切り替え方向に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記操作状態取得部は、前記操作部の切り替え時の速度又は加速度を取得し、前記制御部は、前記操作状態取得部が取得した前記操作部の切り替え時の速度又は加速度に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記入力部は、前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの状態を取得するシステム状態取得部を有し、前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの状態に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記システム状態取得部は、前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの姿勢を取得し、前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前記可動部及び前記伝達部のうち少なくとも1つの姿勢に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記可動部は、複数の湾曲コマを有し、前記システム状態取得部は、前記複数の湾曲コマの湾曲度をそれぞれ取得し、前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前記複数の湾曲コマの湾曲角度に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記システム状態取得部は、前記複数の湾曲コマの湾曲方向をそれぞれ取得し、前記制御部は、前記システム状態取得部が取得した前記複数の湾曲コマの湾曲方向に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記入力部は、前記可動部及び前記伝達部の特性を取得する特性取得部を有し、前記制御部は、前記特性取得部が取得した前記可動部及び前記伝達部の特性に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記特性取得部は、前記可動部及び前記伝達部の形状及び材料のうち少なくとも一つを取得する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記可動部及び前記伝達部に着脱可能な処置部を備え、前記特性取得部は、前記処置部の有無を取得し、前記制御部は、前記特性取得部が取得した前記処置部の有無に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記特性取得部は、前記処置部の種類を取得し、前記制御部は、前記特性取得部が取得した前記処置部の種類に応じて前記伝達補償部を制御する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記伝達補償部は、前記操作部の操作をアシストする駆動部材を有する。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータでは、前記制御部は、前記伝達補償部が制御される補償モードと、前記駆動部材が前記操作部の操作をアシストするアシストモードと、前記操作部のみで前記可動部を操作する手動モードと、が切り替え可能である。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータシステムは、前記マニピュレータと、前記マニピュレータにより取得された画像を表示する表示部と、を備え、前記マニピュレータは、観察光学系、撮像素子及び照明光学系を有する内視鏡を含み、前記制御部は、前記内視鏡により取得された画像を前記表示部に表示することを特徴とする。

    この態様に係るマニピュレータ及びマニピュレータシステムによれば、動的な余剰部分を除去し、操作部の操作に対して、可動部が迅速に作動することが可能となる。

    本実施形態のマニピュレータの一例を示す図である。

    第1実施形態のマニピュレータの模式図である。

    第1実施形態のマニピュレータのブロック図である。

    第1実施形態のマニピュレータの制御フローチャート図である。

    第1実施形態のマニピュレータの模式的な作動図である。

    第1実施形態のマニピュレータの模式的な作動図である。

    第1実施形態のマニピュレータの模式的な作動図である。

    第2実施形態のマニピュレータの模式図である。

    第2実施形態のマニピュレータのブロック図である。

    第2実施形態のマニピュレータの制御フローチャート図である。

    第2実施形態のマニピュレータの模式的な作動図である。

    ハンドルの角度に対する可動部の左右方向の先端角度を示す。

    ハンドル角度に対する不感帯量を示す。

    他の例のマニピュレータの先端部分を示す。

    ハンドルの角度と可動部を上下方向に湾曲させた状態での左右方向の先端角度に対する不感帯量を示す。

    人間の大腸の概略を示す。

    マニピュレータを大腸に挿入した際の伝達部の姿勢を示す。

    処置具の概略を示す。

    処置部を設置した可動部及び伝達部の概略を示す。

    本実施形態のマニピュレータを適用した手術支援システムを示す。

    本実施形態のマニピュレータを適用した手術支援システムのシステム構成図を示す。

    従来のマニピュレータの模式的な作動図である。

    以下、一実施形態について説明する。

    図1は、本実施形態のマニピュレータ1の一例を示す図である。

    図1に示すように、本実施形態のマニピュレータ1は、操作部2と、可動部3と、伝達部4と、処置部5と、を備える。 操作部2と可動部3は、伝達部4によって機械的に接続される。 操作者が操作部2を操作すると、操作力が伝達部4を介して可動部3に伝達され、可動部3が可動する。

    操作部2は、ハンドル21からなる。 本実施形態では、模式的にハンドル21を棒状の部材で表しているが、多関節状のアームや、可動部3に設けられる処置部5等を操作するために適した形状、例えばハサミの持ち手のような形状でもよい。

    可動部3は、湾曲コマ31と、先端硬質部32と、を有する。 可動部3は、略リング状の複数の湾曲コマ31が軸方向に沿って並設され、先端に先端硬質部32が設置されている。 隣接する湾曲コマ31は、互いに対して回動することが可能とされている。 また、先端硬質部32と隣接する湾曲コマ31も回動することができるようになっている。 先端硬質部32には、処置部5が適宜配設されるようになっている。

    伝達部4は、操作側プーリ41と、伝達ワイヤ43と、軟性部44と、遷移部45と、を有する。

    操作側プーリ41は、操作部2のハンドル21に接続され、ハンドル21の操作に基づいて回転する。 伝達ワイヤ43は、第1伝達ワイヤ43a及び第2伝達ワイヤ43bを有し、それぞれ先端が先端硬質部32にそれぞれ固定され、他端がハンドル21に固定され、ハンドル21の操作に基づいて先端硬質部32を移動させることで、可動部3を可動させる。 軟性部44は、伝達ワイヤ43の少なくとも一部を覆い、湾曲可能な軟性の筒状の部材からなる。 遷移部45は、軟性部44の可動部3側に設けられる。 遷移部45は、可動部3の複数の湾曲コマ31のうち一端の湾曲コマ31が回動可能に取り付けられる。 なお、伝達部4は、可動部側にプーリを用いても良い。

    処置部5は、内視鏡51と、処置具52と、を有する。 内視鏡51は、観察光学系51a及び照明光学系1b等を含む。 内視鏡51及び処置具52は、可動部3及び伝達部4の一部を通り、操作部2によって操作される。

    このような構造によって、本実施形態のマニピュレータ1は、以下のように作動する。 まず、操作者が操作部2のハンドル21を操作すると、操作側プーリ41が回転し、操作側プーリ41に一部巻き掛けられた伝達ワイヤ43が牽引され、先端硬質部32の一方を引っ張り、他方をゆるめる。 そして、先端硬質部32が引っ張られることで、湾曲コマ31が回動し、可動部3が湾曲する。

    図2は、第1実施形態のマニピュレータ1の模式図である。

    第1実施形態のマニピュレータ1は、操作部2と、可動部3と、伝達部4と、伝達補償部6と、入力部8と、を備える。 可動部3及び伝達部4は、図1において説明したものと同様の構成でよい。

    図2に示すマニピュレータ1の操作部2は、ハンドル21と、第1クラッチ22と、を有する。 また、マニピュレータ1の伝達補償部6は、補償モータ61と、第2クラッチ67と、を有する。 さらに、入力部8は、第1エンコーダ81と、第2エンコーダ82と、を有する。

    ハンドル21は操作部材を構成し、第1クラッチ22は操作側断接部材を構成する。 また、補償モータ61は駆動部材を構成し、第2クラッチ67は駆動側断接部材を構成する。 さらに、第1エンコーダ81は操作状態取得部を構成し、第2エンコーダ82は駆動状態取得部を構成する。

    なお、駆動部材は、モータに限らず、駆動力を出力するアクチュエータであればよい。 また、操作状態取得部は、エンコーダに限らず、操作部2の回転状態が取得できるものであればよい。 例えば、ポテンショメータなどの角度センサや、タコジェネレータなどの角速度センサでもよい。 さらに、操作側プーリ41の回転角度を取得できるものでもよい。 同様に、駆動状態取得部は、エンコーダに限らず、補償モータ61の回転状態が取得できるものであればよい。 例えば、ポテンショメータなどの角度センサや、タコジェネレータなどの角速度センサでもよい。

    第1実施形態では、ハンドル21は、模式的に棒状の部材で表しているが、多関節状のアームや、可動部3に設けられる処置具等を操作するために適した形状、例えばハサミの持ち手のような形状でもよい。 第1クラッチ22は、ハンドル21と操作側プーリ41の間に設置され、ハンドル21から操作側プーリ41に伝わる力を断接する部材である。

    補償モータ61は、操作側プーリ41を回転させて動的な弛み101を除去する。 また、ハンドル21の回転をアシストするために操作側プーリ41を回転させることも可能である。 第2クラッチ67は、補償モータ61と操作側プーリ41の間に設置され、補償モータ61から操作側プーリ41に伝わる力を断接する部材である。 また、操作部2に補償モータ61とは別のアクチュエータを設置してアシストする構成としてもよい。

    第1エンコーダ81は、ハンドル21の回転角度及び回転方向を取得して、信号に変換し、後述する制御部に信号を入力する。 第2エンコーダ82は、補償モータ61の回転角度及び回転方向を取得して、信号に変換し、後述する制御部に信号を入力する。 第1エンコーダ81及び第2エンコーダ82は、一方の回転の場合、正の値の信号を出力し、逆の回転の場合、負の値の信号を出力する。

    図3は、第1実施形態のマニピュレータ1のブロック図である。

    第1実施形態のマニピュレータ1は、入力部8から入力された信号によって、制御部91が、操作部2の第1クラッチ22、並びに伝達補償部6の補償モータ61及び第2クラッチ67を制御する。

    入力部8は、図2に示したハンドル21の回転角度及び回転方向を検出可能な第1エンコーダ81と、補償モータ61の回転角度及び回転方向を検出可能な第2エンコーダ82と、可動部3、伝達部4、及び処置部5等の状態を検出可能なシステム状態取得部83と、可動部3、伝達部4、及び処置部5等で使用されている部材の寸法、材料特性等の情報を取得する特性取得部84と、を有する。

    例えば、システム状態取得部83は、図1に示した湾曲コマ31の角度、操作側プーリ41の回転角度、もしくは伝達ワイヤ43の張力等を取得できるものでよい。 また、特性取得部84は、型番等を選択するボタン等によって入力されることが好ましい。 例えば、操作者が型番のボタンを押すと、選択する型番ごとにあらかじめ記憶されているマニピュレータ1の各部のパラメータが制御部91に入力される。

    次に、第1実施形態のマニピュレータ1の制御方法について説明する。

    図4は、第1実施形態のマニピュレータ1の制御フローチャート図である。 図5〜図7は、第1実施形態のマニピュレータ1の模式的な作動図である。

    まず、ステップ1で、制御部91は、ハンドル21の操作があったか否かを判断する(ST1)。 操作部2のハンドル21の操作があったか否かは、第1エンコーダ81からの入力により判断する。

    例えば、図示しない操作者が図2に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて、図5に示す状態とした場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、機械的な動作をする上での摩擦等が発生するため、図5に示すように、動的な弛み101が発生する。

    ステップ1において、ハンドル21の操作がなかった場合、ステップ1に戻る。 ステップ1において、ハンドル21の操作があった場合、ステップ2で、制御部91は、ハンドル21の切り返しがあったか否かを判断する(ST2)。 ハンドル21の切り返しがあったか否かは、第1エンコーダ81からの入力の符号により判断する。

    ステップ2において、ハンドル21の切り返しがなかった場合、ステップ2に戻る。 ステップ2において、ハンドル21の切り返しがあった場合、ステップ3で、制御部91は、第1クラッチ22を切断し、第2クラッチ67を接続する(ST3)。

    例えば、図5から図7に示すように、ハンドル21を矢印A2方向に反転させた場合、第1エンコーダ81がハンドル21の反転を検出する。 第1エンコーダ81がハンドル21の反転を検出すると、図6に示すように操作部2の第1クラッチ22を切断すると共に、伝達補償部6の第2クラッチ67を接続する。 図5から図7の図中の矢印は、クラッチの動作を模式的に表現したものである。

    次に、ステップ4で、制御部91は、マニピュレータ1の状態及び特性を取得し、補償モータ61の駆動量を演算する(ST4)。

    マニピュレータ1の状態とは、例えば図5及び図6に示した状態での操作部2、可動部3、伝達部4、処置部5、補償部6の角度、角速度、変位、張力等である。 したがって、図3に示した第1エンコーダ81、第2エンコーダ82及びシステム状態取得部83からマニピュレータ1の状態を取得する。 また、マニピュレータ1の特性は、図3に示した特性取得部84から取得する。

    そして、入力部8からそれぞれ取得した入力値から制御部91が補償モータ61の駆動量を演算する。 本実施形態では、演算式として以下の式(1)を用いる。
    u = f(θ in )・sgn(θ' in ) (1)
    ただし、u は、伝達補償部の補償量、
    θ inはハンドル角度、
    θ' inはハンドル角度より微分演算して得られたハンドル角速度、
    f(θ in )は、ハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    sgn(θ' in )は、ハンドルの切り替えに応じた符号、
    である。

    次に、ステップ5で、制御部91は、補償モータ61を駆動させる(ST5)。 補償モータ61が駆動すると、図5に示した第1伝達ワイヤ43aの動的な弛み101は迅速に除去される。 なお、図6に示した状態では、補償モータ61によって操作側プーリ41を回転させても第1クラッチ22が切断されているので、ハンドル21には補償モータ61の駆動力は伝達されない。

    次に、ステップ6で、制御部91は、動的な弛み101が除去されたか否かを判断する(ST6)。 動的な弛み101が除去されたか否かの判断は、第1エンコーダ81、第2エンコーダ82及びシステム状態取得部83から取得する。 例えば、モータに接続された第2エンコーダが、伝達補償部の補償量に到達しているか否かなどにより判断する

    ステップ6において、動的な弛み101が除去されていない場合、ステップ6に戻る。 ステップ6において、動的な弛み101が除去された場合、ステップ7で、補償モータ61を停止し、第2クラッチを切断し、第1クラッチを接続する(ST7)。

    動的な弛み101が除去されると、図7に示すように、第1クラッチ22が接続され、ハンドル21の回転による伝達ワイヤ43の引張力により、可動部3が矢印B2方向に回転する。

    このように、第1実施形態のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。

    次に、第2実施形態のマニピュレータ1について説明する。

    図8は、第2実施形態のマニピュレータ1の模式図である。

    第2実施形態のマニピュレータ1は、操作部2と、可動部3と、伝達部4と、伝達補償部6と、入力部8と、を備える。 操作部2、可動部3、伝達部4、入力部8は、第1実施形態において説明したものと同様の構成でよい。

    伝達補償部6は、補償モータ61と、移動部材62と、押圧部材63と、を有する。 補償モータ61は、押圧部材63を移動させる。 押圧部材63は、移動部材62に支持され、移動部材62と共に回転し、伝達部4の伝達ワイヤ43を押圧する。

    図9は、第2実施形態のマニピュレータ1のブロック図である。

    第2実施形態のマニピュレータ1は、入力部8から入力された信号によって、制御部91が、伝達補償部6の補償モータ61を制御する。

    入力部8は、図8に示したハンドル21の回転角度及び回転方向を検出可能な第1エンコーダ81と、補償モータ61の回転角度及び回転方向を検出可能な第2エンコーダ82と、可動部3、伝達部4、及び処置部5等の状態を検出可能なシステム状態取得部83と、可動部3、伝達部4、及び処置部5等で使用されている部材の寸法、材料特性等の情報を取得する特性取得部84と、を有する。

    例えば、システム状態取得部83は、図1に示した湾曲コマ31の角度、操作側プーリ41の回転角度、もしくは伝達ワイヤ43の張力等を取得できるものでよい。 また、特性取得部84は、型番等を選択するボタン等によって入力されることが好ましい。 例えば、操作者が型番のボタンを押すと、選択する型番ごとにあらかじめ記憶されているマニピュレータ1の各部のパラメータが制御部91に入力される。

    次に、第2実施形態のマニピュレータ1の制御方法について説明する。

    図10は、第2実施形態のマニピュレータ1の制御フローチャート図である。 図11は、第2実施形態のマニピュレータ1の模式的な作動図である。

    まず、ステップ11で、制御部91は、ハンドル21の操作があったか否かを判断する(ST11)。 操作部2のハンドル21の操作があったか否かは、第1エンコーダ81からの入力により判断する。

    例えば、図示しない操作者が図8に示した中立状態からハンドル21を矢印A1方向に回転させて、図11(a)に示す状態とした場合、ハンドル21及び操作側プーリ41の矢印A1方向の回転に対して、図11(a)に示すように、動的な弛み101が発生する。

    ステップ11において、ハンドル21の操作がなかった場合、ステップ11に戻る。 ステップ1において、ハンドル21の操作があった場合、ステップ12で、制御部91は、ハンドル21の切り返しがあったか否かを判断する(ST12)。 ハンドル21の切り返しがあったか否かは、第1エンコーダ81からの入力の符号により判断する。

    ステップ12において、ハンドル21の切り返しがなかった場合、ステップ12に戻る。 ステップ12において、ハンドル21の切り返しがあった場合、ステップ13で、制御部91は、マニピュレータ1の状態及び特性を取得し、補償モータ61の駆動量を演算する(ST13)。

    例えば、図11(a)から図11(b)に示すように、ハンドル21を矢印A2方向に反転させた場合、第1エンコーダ81がハンドル21の反転を検出する。 第1エンコーダ81がハンドル21の反転を検出すると、制御部91は、マニピュレータ1の状態及び特性を取得し、補償モータ61の駆動量を演算する

    マニピュレータ1の状態とは、例えば図11(a)及び図11(b)に示した状態での操作部2、可動部3、伝達部4、処置部5、補償部6の角度、角速度、変位、張力等である。 したがって、図9に示した第1エンコーダ81、第2エンコーダ82及びシステム状態取得部83からマニピュレータ1の状態を取得する。 また、マニピュレータ1の特性は、図9に示した特性取得部84から取得する。

    そして、入力部8からそれぞれ取得した入力値から制御部91が補償モータ61の駆動量を演算する。 本実施形態では、演算式として以下の式(1)を用いる。
    u= f(θ in )・sgn(θ' in ) (1)
    ただし、u は、伝達補償部の補償量、
    θ inはハンドル角度、
    θ' inはハンドル角度より微分演算して得られたハンドル角速度、
    f(θ in )は、ハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    sgn(θ' in )は、ハンドルの切り替えに応じた符号、
    である。

    次に、ステップ14で、制御部91は、補償モータ61を駆動させる(ST14)。 補償モータ61が駆動すると、図11(b)に示すように、矢印C1方向に移動部材62及び押圧部材63が回転する。

    第2実施形態のマニピュレータ1の場合、図11(b)に示すように、押圧部材63が回転し、伝達部4の第1伝達ワイヤ43aを押圧する。

    次に、ステップ15で、制御部91は、動的な弛み101が除去されたか否かを判断する(ST15)。 動的な弛み101が除去されたか否かの判断は、第1エンコーダ81、第2エンコーダ82及びシステム状態取得部83から取得する。 例えば、第2エンコーダ82によって操作部側プーリ41と可動部側プーリ42との回転角度の差があるか否か、又は伝達ワイヤ43の張力等によって判断してもよい。

    ステップ15において、動的な弛み101が除去されていない場合、ステップ15に戻る。 ステップ15において、動的な弛み101が除去された場合、ステップ16で、補償モータ61を停止する(ST16)。

    動的な弛み101が除去されると、図11(c)に示すように、ハンドル21の回転による伝達ワイヤ43の引張力により、可動部3が矢印B2方向に回転する。

    このように、第1実施形態のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。

    なお、ハンドル21を矢印A2方向に回転させると、図11(c)に示すように、ハンドル21が回転した側で伝達ワイヤ43に動的な弛み101が発生する。

    その後、図11(c)から図11(d)に示すように、ハンドル21を矢印A2方向から矢印A1方向に反転させた場合、第1エンコーダ81がハンドル21の反転を検出する。 第1エンコーダ81がハンドル21の反転を検出すると、伝達補償部6の補償モータ61が駆動し、図11(d)に示すように、矢印C2方向に移動部材62及び押圧部材63を回転させる。

    第2実施形態のマニピュレータ1の場合、図11(d)に示すように、押圧部材63が回転し、伝達部4の伝達ワイヤ43を押圧する。 伝達ワイヤ43が押圧されることによって、図11(c)に示した伝達ワイヤ43の動的な弛み101は迅速に除去される。 動的な弛み101が除去されると、ハンドル21の回転による伝達ワイヤ43の引張力により、可動部3が矢印B1方向に回転する。

    このように、第2実施形態のマニピュレータ1によれば、伝達ワイヤ43の動的な弛み101を迅速に除去し、ハンドル21の回転に対して可動部3を迅速に回転させることが可能となる。

    次に、本実施形態の制御部91の制御について他の例を説明する。

    図12は、ハンドル角度に対する可動部の角度を示している。 図13は、ハンドル角度に対する不感帯量を示す。

    本実施形態の可動部3は、図1に示すように、湾曲可能な構造となっている。 可動部3が真っ直ぐな状態で操作部2を操作した場合と、可動部3が左右もしくは上下方向に湾曲した状態で操作部2を操作した場合では、可動部3を被覆したチューブ、可動部3の内部に挿通された光ファイバ又は処置具5のチューブ等の影響によって曲げ剛性が変化し、制御結果が異なる可能性がある。

    したがって、制御部91は、図1に示した湾曲コマ31の湾曲状態に応じて伝達補償部6を制御してもよい。 湾曲コマ31の湾曲状態は、システム状態取得部83が湾曲コマ31の角度を取得すればよい。

    また、図1に示した本実施形態のマニピュレータ1は、可動部3の左右もしくは上下方向の先端角度、すなわち先端硬質部32の中心軸の方向に応じてハンドル角度に対する不感帯量が変化する。 例えば、図12に示すように、可動部3の左右方向の先端角度が大きい場合の方が、可動部3の左右方向の先端角度が小さい場合よりも、不感帯量が大きい。 言い換えれば、可動部3が湾曲されて先端が左右方向に大きく曲がっている場合の方が、可動部3が真っ直ぐに近い場合よりも、ハンドル21の操作に対する動的な弛みが大きくなる。

    したがって、あらかじめ図13に示すようなハンドル角度に応じた不感帯量を示すグラフからルックアップテーブルやフィッティング式等を作成し、図9に示した制御部91が補償モータ61の駆動量を演算する際、作成したルックアップテーブル等を用いて、可動部3の左右方向の先端角度に応じて、不感帯量を少なくするように、式(1)を設定して、補償モータ61の駆動量を変更することが好ましい。

    図14は、他の例のマニピュレータ1の先端部分を示す。 図15は、ハンドル21の角度と可動部3を上下方向に湾曲させた状態での左右方向の先端角度に対する不感帯量を示す。

    マニピュレータ1の可動部3の湾曲コマ31は、図14に示すように、中心軸に対して1つずつ90°回転させて取り付け、上下左右方向の2自由度で湾曲可能に構成しても良い。 可動部3が2自由度で湾曲可能な場合、操作部2を2自由度で操作可能な構造とする。 また、操作状態を取得するための第1エンコーダ81として、上下方向と左右方向のそれぞれの回転を検出する2つのエンコーダを用いることが好ましい。

    この場合、補償モータ61の駆動量の演算式は、以下の式(2)を用いる。
    u LR =( f(θ LR )+f(θ UD ))・sgn(θ' LR
    u UD =( f(θ LR )+f(θ UD ))・sgn(θ' UD ) (2)

    ただし、u LRは湾曲部LR方向の伝達補償部の補償量、
    u UDは湾曲部UD方向の伝達補償部の補償量、
    θ LRはLR方向ハンドル角度 (θ' LR )はLR方向ハンドル角速度、
    θ UDはUD方向ハンドル角度(θ' UD )はUD方向ハンドル角速度、
    f(θ LR )は、左右方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数であって、本実施形態では、f(θ LR )=a 1 θ 2 LR +a 2 θ LR +a 3 (2−1)
    f(θ UD )は、上下方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数であって、本実施形態では、f(θ LR )=b 1 θ 2 UD +b 2 θ UD +b 3 (2−2)
    sgn(θ' in )は、ハンドルの切り替えに応じた符号、
    である。

    なお、補償モータ61の駆動量は、上下左右方向の角度に対する駆動量をあらかじめ定めたルックアップテーブル等によって求めてもよい。 また、演算式は、多項式、非線形でもよい。 例えば、以下の式(3)のように、係数を変えてもよい。
    f(θ LR, θ LR )=a 1 θ LR・b 1 θ UD θ 2 LR +a 2 θ LR・b 2 θ UD θ LR +a 3 θ LR・b 3 θ UD (3)

    図15に示すように、図14に示した可動部3を上下方向に湾曲させた状態でハンドル21を操作した場合、上下方向に真っ直ぐな状態でハンドル21を操作した場合よりも不感帯量が大きくなる。 また、可動部3が上下方向及び左右方向に湾曲させた状態でハンドル21を操作した場合、さらに不感帯量が大きくなる。 すなわち、図11(a)に示したハンドル21の操作に対する伝達ワイヤ43の動的な弛み101が大きくなる。

    したがって、あらかじめ図15に示すようなグラフからルックアップテーブル等を作成し、図9に示した制御部91が補償モータ61の駆動量を演算する際、作成したルックアップテーブル等を用いて、可動部3の上下左右方向の先端角度に応じて、不感帯量をなくすように補償モータ61の駆動量を変更することが好ましい。

    図16は、人間の大腸の概略を示す。 図17は、マニピュレータ1を大腸に挿入した際の伝達部4の姿勢を示す。

    本実施形態の制御部91は、使用時の部材の姿勢に応じて、補償モータ61の駆動量を変更することが好ましい。

    例えば、本実施形態のマニピュレータ1を大腸内の患部の処置に使用する場合、図16に示すように、大腸内でも処置する患部の位置は患者によってそれぞれ異なる。 したがって、図16に示した大腸内のAの位置を処置する場合、伝達部4は、図17(a)に示すような姿勢となり、図16に示した大腸内のBの位置を処置する場合、伝達部4は、図17(b)に示すような姿勢となり、図16に示した大腸内のCの位置を処置する場合、伝達部4は、図17(c)に示すような姿勢となる。

    大腸内でのマニピュレータ1の姿勢は、システム状態取得部83として内視鏡挿入姿勢観測装置等を用いて取得すればよい。 内視鏡挿入姿勢観測装置は、磁気コイルが内蔵された挿入姿勢観測専用内視鏡との組み合わせで磁気コイルから発生する磁気をアンテナで受信し、リアルタイムで3次元の挿入姿勢を表示するものである。

    また、術前情報として手術前にあらかじめ処置する位置等を把握しておき、システム状態取得部83が挿入されたマニピュレータ1の姿勢を予測してもよい。 さらに、術中情報として手術中に挿入されたマニピュレータ1の長さ等を把握することによって、システム状態取得部83がマニピュレータ1の姿勢を予測してもよい。 なお、術前情報と術中情報の両方を使用してもよい。

    また、マニピュレータ1の伝達部4に、システム状態取得部83として歪みセンサ及び光ファイバセンサ等の曲げセンサを取り付けて、マニピュレータ1の姿勢を検出してもよい。

    本実施形態では、マニピュレータ1の姿勢を認識するために、あらかじめ姿勢パラメータを設定し、システム状態取得部83が姿勢パラメータを取得するように構成する。 姿勢パラメータは、曲げ角度又は曲げ半径等でよい。 例えば、伝達部4を複数の区間に区切り、区間毎に曲げ角度、曲げ半径、及び曲げ長さ等を求める。 取得された姿勢パラメータは、制御部91に入力される。

    制御部91での演算式は、操作部2に対する補償量に対して姿勢に対する補償量を加えた以下の式(4)のようになる。
    u LR =( f(θ LR )+f(θ UD ))・sgn(θ' LR
    u UD =( f(θ LR )+f(θ UD ))・sgn(θ' UD ) (4)
    ただし、u LRは湾曲部LR方向の伝達補償部の補償量、
    u UDは湾曲部UD方向の伝達補償部の補償量、
    θ LRはLR方向ハンドル角度 (θ' LR )はLR方向ハンドル角速度、
    θ UDはUD方向ハンドル角度(θ' UD )はUD方向ハンドル角速度、
    θ shはマニピュレータ1の姿勢パラメータ
    f(θ LR )は、左右方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    f(θ UD )は、上下方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    f(θ sh )は、姿勢に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    sgn(θ' in )は、ハンドルの切り替えに応じた符号、
    である。

    このように、伝達部4の姿勢を的確に取得するので、さらに的確に制御することが可能となる。 なお、伝達部4だけでなく、可動部3の姿勢も取得することが好ましい。

    なお、システム状態取得部83としては、伝達ワイヤ43の弛み量を検出する張力センサ又は位置センサを適用してもよい。 例えば、伝達補償部6が制御を開始した後、伝達ワイヤ43の張力があらかじめ定めた所定の値になるまで、又は伝達ワイヤ43の位置があらかじめ定めた所定の位置になるまで、補償するように設定する。 位置センサを適用する場合には、伝達ワイヤ43が所定の位置に配置されるように、伝達ワイヤ43を付勢部材で付勢することが好ましい。

    図18は、処置具52の概略を示す。 図19は、処置部5を設置した可動部3及び伝達部4の概略を示す。 図20は、処置具52を軟性部44に挿入する前の状態の概略を示す。 図21は、処置具52を軟性部44に挿入した後の状態の概略を示す。

    処置具52は、図18に示すように、先端部52aとチューブ52bと、を有し、可動部3及び伝達部4に挿通されている。 処置具52は、内視鏡51のみで使用する場合等には、取り外すことができる。 処置具52が可動部3及び伝達部4に挿通されている場合と、処置具52が可動部3及び伝達部4に挿通されていない場合では、可動部3及び伝達部4の特性が変わってしまう。 例えば、処置具52が可動部3及び伝達部4に挿通されている場合の方が、処置具52が可動部3及び伝達部4に挿通されていない場合よりも曲げにくくなる。

    そこで、本実施形態の制御部91は、処置部5が可動部3及び伝達部4に挿通されているか否かに応じて、補償モータ61の駆動量を変更することが好ましい。

    処置具にはバーコードやICタグ等の記録媒体が設けられている。 この記録媒体には、接続された処置具6を識別する識別情報が記録されている。 処置具識別するディテクタは、各処置具取付部に設けられており、処置具取付部に処置具が取り付けられたときに、処置具に付されている記録媒体から処置具の識別情報を読み取り、読み取った処置具の識別情報を制御部91に送信する。 制御部3は、処置具識別部から受信した処置具の識別情報に基づいて、いずれの処置具が挿入されているかを認識する。

    制御部91での演算式は、操作部2に対する補償量に対して処置具52の有無に対する補償量を加えた以下の式(5)のようになる。
    u =( f(θ LR )+f(θ UD )+α)・sgn(θ' in ) (5)
    ただし、u は、伝達補償部の補償量、
    f(θ LR )は、左右方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    f(θ UD )は、上下方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    αは、処置具に定められたパラメータ(処置具が無い場合は0)、
    sgn(θ' in )は、ハンドルの切り替えに応じた符号、
    である。

    このように、処置具52を可動部3及び伝達部4に対して着脱可能な構造とし、特性取得部84が取得した処置具52の有無に応じて、制御部9が伝達補償部6を制御するので、さらに的確に制御することが可能となる。 なお、内視鏡51の観察光学系51a及び照明光学系51bも有無に応じて制御することが可能である。

    また、処置具52は、患部を治療する方法に応じて種類を交換する場合がある。 処置具52を交換する場合には、先端部52aだけでなく、処置具52の全体を交換する。 そして、図19に示すように、交換後は再び可動部3及び伝達部4に挿通される。 なお、内視鏡51の観察光学系51aと照明光学系51bも同様に交換可能である。

    処置具52は、断面形状及び材料等の種類によって曲げ剛性が異なる場合がある。 例えば、デュアルナイフとITナイフでは、表面の素材又は外径等が異なるので、曲げ剛性が異なり、運動特性が異なる。

    そこで、本実施形態の制御部91は、処置具52の種類に応じて、補償モータ61の駆動量を変更することが好ましい。

    処置具52の種類の判断は、ICタグとディテクタを用いることで実施できる。 例えば、あらかじめICタグに処置具52の種類に応じた信号を記憶させておき、軟性部44の端部等に取り付けたディテクタが処置具52に取り付けられたICタグを感知し、処置具52の種類を読み取る。 そして、ICタグは、処置具52の種類に応じた信号を制御部91に送信する。

    制御部91での演算式は、操作部2に対する補償量に対して処置具52の種類に対する補償量を加えた以下の式(6)のようになる。
    u =( f(θ LR )+f(θ UD )+α A )・sgn(θ' in ) (6)
    ただし、u は、伝達補償部の補償量、
    f(θ LR )は、左右方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    f(θ UD )は、上下方向のハンドル角度に対する伝達補償部の補償量を示す関数、
    α Aは、処置具の種類ごとに定められたパラメータ、
    sgn(θ' in )は、ハンドルの切り替えに応じた符号、
    である。

    このように、処置具52を可動部3及び伝達部4に対して着脱可能な構造とし、特性取得部84が取得した処置具52の種類に応じて、制御部9が伝達補償部6を制御するので、さらに的確に制御することが可能となる。 なお、内視鏡51の観察光学系51a及び照明光学系51bも種類に応じて制御することが可能である。

    なお、処置具52又は処置具52の種類を認識する特性取得部84としては、電気的または磁気的に処置具を識別するように構成されていてもよい。 例えば、処置具処置具に、処置具に応じて異なる特性を有する磁石または抵抗が設けられ、特性取得部が磁石または抵抗の特性を検出するように構成されていてもよい。 または、処置具は、キーボードやタッチパネル、ボタン等の入力手段から認識するように構成されていてもよい。

    また、本実施形態の制御部91は、操作ハンドル21の操作方向に応じて、補償モータ61の駆動量を制御することが好ましい。 例えば、本実施形態のマニピュレータ1は、図1に示すように、先端硬質部32の中心軸に対して対称に形成されてはいない。 したがって、操作ハンドル21の移動方向によって、運動特性が異なる。

    そこで、操作ハンドル21が左から右に折り返す場合、操作ハンドル21が右から左に折り返す場合、操作ハンドル21が上から下に折り返す場合、操作ハンドル21が下から上に折り返す場合、それぞれの場合に応じて、補償式をそれぞれ設定して、補償モータ61の駆動量を変更してもよい。

    また、本実施形態の制御部91は、操作ハンドル21の切り返し時の速度及び加速度に応じて、補償モータ61の駆動量を変更してもよい。

    また、本実施形態の操作部2には伝達ワイヤ43の弛み補償時に作用する伝達ワイヤ43のテンションを小さくするアクチュエータを設けてもよい。

    さらに、入力部8として、ハンドル21と手動のみで作動する手動モード、伝達補償部6を作動する補償モード、及び補償モータ61をハンドル21の操作のアシストとして使用するアシストモードのいずれかを選択するモード取得部を設けてもよい。 モード取得部は、モードを選択するボタン等によって入力されることが好ましい。 特に、故障又は停電等の緊急時には、自動的に手動モードに遷移することが好ましい。

    次に、本実施形態のマニピュレータ1を適用した手術支援システム10について説明する。

    図20は、本実施形態のマニピュレータ1を適用した手術支援システム10を示す。 図21は、本実施形態のマニピュレータ1を適用した手術支援システム10のシステム構成図を示す。

    本実施形態に係る手術支援システム10は、図1に示したマニピュレータ1を適用する。 手術支援システム10は、操作者Oにより操作される操作部2、手術台BD上の患者Pの体内、例えば、大腸等の柔らかい臓器内に挿入可能な図1に示した可動部3、操作部2からの入力を可動部3に伝達し、一部が臓器内に挿入可能な軟性の伝達部4、及び可動部3の先端に設置された内視鏡等を有する図1に示した処置部5を有するマニピュレータ1と、マニピュレータ1を制御する制御部91と、マニピュレータ1により取得された画像を表示する表示部92と、を備えている。

    操作部2は、図20に示すように、操作台に取り付けられた一対の操作ハンドルと、床面上に配置されたフットスイッチ等を有している。 操作部2は、多関節構造を有してもよい。 操作部2は、伝達部4及び可動部3と機械的に接続され、可動部3の湾曲操作を行う。 また、操作した操作部2の角度をエンコーダ等の角度取得部から取得し、その取得した信号によって、制御部91は、ドライバ91bを介して可動部3の先端に配設された処置具52及び伝達補償部6を作動させる。

    マニピュレータ1は、図1に示したように、可動部3の先端硬質部32に処置部5として、内視鏡51及び処置具52等を有する。 内視鏡51は、体内を照明し、画像を取得するための観察光学系51a、照明光学系51b、及び撮像素子51c等を備えている。 観察光学系51aを経て撮像素子51cにより取得された画像は、制御部91内の画像処理部91aに出力される。 画像処理部91aで処理された画像は、表示部92に表示される。 そして、操作者Oは、表示部92に表示された画像を見ながらマニピュレータ1を操作する。

    このような手術支援システム10によれば、操作者の求める的確な画像を表示することが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1は、操作者が操作する操作部2と、操作部2によって操作される可動部3と、操作部2と可動部3を連結して、操作部2の回転を可動部3に伝達する伝達部4と、操作部2の操作に応じて伝達部4に発生する動的な余剰部分を補償する伝達補償部6と、操作部2、可動部3、及び伝達部4のうち少なくとも一つの状態を取得する入力部8と、入力部8が取得した状態に応じて伝達補償部6を制御する制御部91と、を備えるので、動的な余剰部分を迅速に除去し、可動部3を迅速に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、入力部8は、操作部2の操作状態を取得する操作状態取得部81を有し、制御部91は、操作状態取得部81が取得した操作部2の操作状態に応じて伝達補償部6を制御するので、操作部2の状態に応じて的確に対応することができ、動的な余剰部分をさらに迅速に除去し、可動部3をさらに迅速に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、操作状態取得部81は、操作部2の切り替え方向を取得し、制御部91は、操作状態取得部81が取得した操作部2の切り替え方向に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3を的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、操作状態取得部81は、操作部2の切り替え時の速度又は加速度を取得し、制御部91は、操作状態取得部81が取得した操作部2の切り替え時の速度又は加速度に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、入力部8は、可動部3及び伝達部4のうち少なくとも1つの状態を取得するシステム状態取得部83を有し、制御部91は、システム状態取得部83が取得した可動部3及び伝達部4のうち少なくとも1つの状態に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、入力部8は、可動部3及び伝達部4のうち少なくとも1つの姿勢を取得するシステム状態取得部83を有し、制御部91は、システム状態取得部83が取得した可動部3及び伝達部4のうち少なくとも1つの姿勢に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、可動部3は、複数の湾曲コマ31を有し、システム状態取得部83は、複数の湾曲コマ31の湾曲角度をそれぞれ取得し、制御部91は、システム状態取得部83が取得した複数の湾曲コマ31の湾曲角度に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、システム状態取得部83は、複数の湾曲コマ31の湾曲方向をそれぞれ取得し、制御部91は、システム状態取得部83が取得した複数の湾曲コマ31の湾曲方向に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、可動部3及び伝達部4の特性を取得する特性取得部84を備え、制御部91は、特性取得部84が取得した可動部3及び伝達部4の特性に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、特性取得部84は、可動部3及び伝達部4の形状及び材料のうち少なくとも一つを取得するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、可動部3及び伝達部4に着脱可能な処置部5を備え、特性取得部84は、処置部5の有無を取得し、制御部91は、特性取得部84が取得した処置部5の有無に応じて伝達補償部6を制御するので、処可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、特性取得部84は、処置部5の種類を取得し、制御部91は、特性取得84部が取得した処置部5の種類に応じて伝達補償部6を制御するので、可動部3をさらに的確に作動させることが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、伝達補償部6は、操作部3の操作をアシストする駆動部材61を有するので、操作部2の操作を容易に行うことが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータ1では、制御部91は、伝達補償部6が制御される補償モードと、駆動部材61が操作部2の操作をアシストするアシストモードと、操作部2のみで可動部3を操作する手動モードと、が切り替え可能であるので、状況に応じて的確に制御することが可能となる。

    本発明の一実施態様に係るマニピュレータシステム10は、マニピュレータ1と、マニピュレータ1により取得された画像を表示する表示部92と、を備え、マニピュレータ1は、観察光学系、撮像素子及び照明光学系を有する内視鏡を含み、制御部91は、内視鏡により取得された画像を表示部92に表示するので、動的な余剰部分を迅速に除去し、操作部2の操作に対して、可動部3が迅速に作動することができ、操作者の求める的確な画像を表示することが可能となる。

    なお、この実施形態によって本発明は限定されるものではない。 すなわち、実施形態の説明に当たって、例示のために特定の詳細な内容が多く含まれるが、当業者であれば、これらの詳細な内容に色々なバリエーションや変更を加えても、本発明の範囲を超えないことは理解できよう。 従って、本発明の例示的な実施形態は、権利請求された発明に対して、一般性を失わせることなく、また、何ら限定をすることもなく、述べられたものである。

    1…マニピュレータ2…操作部21…ハンドル(操作部材)
    22…第1クラッチ(操作側断接部材)
    3…可動部31…湾曲コマ32…先端硬質部33…可動ワイヤ4…伝達部41…操作側プーリ43…伝達ワイヤ44…軟性部45…遷移部5…処置部51…内視鏡52…処置具6…伝達補償部61…補償モータ(駆動部材)
    62…移動部材63…押圧部材66…補償モータ(駆動部材)
    67…第2クラッチ(駆動側断接部材)
    8…入力部81…第1エンコーダ(操作状態取得部)
    82…第2エンコーダ(駆動状態取得部)
    83…システム状態取得部84…特性取得部10…手術支援システム91…制御部92…表示部

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