Spade drilling bytes

申请号 JP52104296 申请日 1995-12-18 公开(公告)号 JP3315988B2 公开(公告)日 2002-08-19
申请人 ブラック アンド デッカー インコーポレイティド; 发明人 アラン アダムス,リチャード; ピー. グア,チャールズ; リチャード クロスビー,スティーブン; アンドリュー ストーン,ポール; ジェームス トーマス,リッキー; アール. ビエデルマン,ロナルド; ティー. マッケンジー,ティモシー;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】中心長手軸心を画成する長寸シャンクと、
    該長寸シャンクの一端に接合されたブレード部とを具備し、該ブレード部が上記中心長手軸心に沿って配設されるとともに中心平面を画成する略々平坦な中心セグメントを具備し、該中心セグメントが上記中心長手軸心に平行な側部と、長寸シャンクの一端に接続された後端と、
    これと逆側の前端とを有し、さらに上記ブレード部が中心セグメントの夫々の側部に沿って該中心セグメントに接合された略々平坦な一対の側部セグメントを具備し、
    該側部セグメントが互いに平行であって上記中心平面に傾斜角を以て交差する側部平面を画成し、さらに上記ブレード部が上記中心セグメントの前端に接合されてそこから上記中心長手軸心方向に延在する突起部を具備するスペース型穿孔バイトにおいて、各側部セグメントが夫々の前部切削縁を有し、少なくとも一方の側部セグメントの前部切削縁が長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って延在するスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項2】上記側部セグメントの夫々の前部切削縁が長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って互いに整列されている請求項1記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項3】各側部セグメントが夫々の前部切削縁を画定するために各側部セグメントの前端に沿って取り付けられた切削ブレードインサートを有する請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項4】各切削ブレードインサートがカーバイドからなる請求項3に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項5】各側部セグメントの前端が夫々の前部切削縁を画定するために比較的硬い材料の層を有し、該比較的硬い材料の強度が各側部セグメントを構成する材料の強度よりも強い請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項6】各側部セグメントの前部が対応の側部セグメントにより画成される側部平面と交差する切削平面を画成し、上記中心長手軸心に沿って見たときに各側部セグメントの前部切削縁が当該スペード型穿孔バイトの所定回転方向において夫々の側部平面よりも角度方向前方に配設されている請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項7】各側部セグメントの切削平面と側部平面とがそれらの間に約10゜〜約20゜のフック角度を画成する請求項6に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項8】上部ブレード部が長寸シャンクが接合される中心セグメントの後端において開口する内部キャビティを画成し、長寸シャンクが該長寸シャンクの内部キャビティ内に収容されるのに適した前方へ延伸する前方延伸部材を有し、さらに当該スペード型穿孔バイトが長寸シャンクの前方延伸部材を中心セグメントの内部キャビティ内に相互係合する相互係合手段を有する請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項9】上記相互係合手段が長寸シャンクとブレード部とが螺着接続されるように中心セグメントの内部キャビティ内に形成された螺条部と長寸シャンクの前方延伸部材に沿って形成された螺条部とを有し、これら螺条部が相補関係にある請求項8に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項10】各側部セグメントが夫々の前部切削縁と後縁との間に延在する前端表面を有する前端を具備し、
    各前端表面が上記中心長手軸心に直交する平面と交差してリップ間隙角を画成する前端平面を画成し、上記前端表面が前部切削縁から後縁に向けて後方に傾斜している請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項11】上記リップ間隙角が約10゜〜約20゜である請求項10に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項12】各側部セグメントが該側部セグメントが中心セグメントに沿縁接合される第一側と、夫々の前縁と後縁との間に延在する弧状をなす第二側表面を形成し且つ上記第一側の反対側に位置する第二側とを有する請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項13】上記ブレード部が前端とその反対側の後端とを有し、夫々の側部表面と上記中心長手軸心に平行な線との間に画成される側部表面テーパ角が約2分の1
    ゜となるように上記第二側がブレード部の前端から後端に向けて軸心方向内方にテーパ付けされる請求項12に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項14】各側部セグメントが夫々の前端切削縁から後縁に向けて後方に傾斜する前端表面を有する前端を有し、各前端表面が前記中心長手軸心に直交する平面と交差して第一リップ間隙角と第二リップ間隙角とを夫々画成する第一前端平面と第二前端平面とを有する請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項15】上記第二リップ間隙角が第一リップ間隙角よりも大きい請求項14に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項16】上記突起部が側部セグメントにより画成される夫々の側部平面に対して傾斜した突起部平面を画成する請求項1に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項17】中心長手軸心を画成する長寸シャンクと、該長寸シャンクの一端に接合されたブレード部とを具備し、該ブレード部が上記中心長手軸心に沿って配設されるとともに中心平面を画成する略々平坦な中心セグメントを具備し、該中心セグメントが上記中心長手軸心に平行な側部と、長寸シャンクの一端に接続された後端と、これと逆側の前端とを有し、さらに上記ブレード部が中心セグメントの夫々の側部に沿って該中心セグメントに接合された略々平坦な一対の側部セグメントを具備し、該側部セグメントが互いに平行であって上記中心平面に傾斜角を以て交差する側部平面を画成し、さらに上記ブレード部が上記中心セグメントの前端に接合されてそこから上記中心長手軸心方向に延在する突起部を具備し、各側部セグメントが夫々の前部切削縁を有し、少なくとも一方の側部セグメントの前部切削縁が長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って延在するスペード型穿孔バイトにおいて、上記突起部の形状が上記中心平面内にて上記中心長手軸心上の突起点へ向けて延伸する略々三角形であり、該突起部が前記突起点と中心セグメントの前端との間において当該突起部の各側部に沿って延伸する一対の突起部切削縁を有し、各突起部切削縁が隣接する上記側部セグメントの前部切削縁の少なくとも最も内側の部分よりも半径方向外方まで延び、上記中心長手軸心に沿って見たときに各突起部切削縁が隣接する側部セグメントの前部切削縁から当該スペード型穿孔バイトの所定回転方向に角度方向にオフセットされており、各突起部切削縁が隣接する側部セグメントの前部切削縁から径方向であって角度方向に分離されているスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項18】各突起部切削縁の少なくとも一部が隣接する側部セグメントの前部切削縁よりも軸心方向後端側に延在し、各突起部切削縁が隣接する側部セグメントの前部切削縁から軸心方向に分離されている請求項17に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項19】中心長手軸心を画成する長寸シャンクと、該長寸シャンクの一端に接合されたブレード部とを具備し、該ブレード部が上記中心長手軸心に沿って配設されるとともに中心平面を画成する略々平坦な中心セグメントを具備し、該中心セグメントが上記中心長手軸心に平行な側部と、長寸シャンクの一端に接続された後端と、これと逆側の前端とを有し、さらに上記ブレード部が中心セグメントの夫々の側部に沿って該中心セグメントに接合された略々平坦な一対の側部セグメントを具備し、該側部セグメントが互いに平行であって上記中心平面に傾斜角を以て交差する側部平面を画成し、さらに上記ブレード部が上記中心セグメントの前端に接合されてそこから上記中心長手軸心方向に延在する突起部を具備し、各側部セグメントが夫々の前部切削縁を有し、少なくとも一方の側部セグメントの前部切削縁が長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って延在するスペード型穿孔バイトにおいて、上記側部セグメントが夫々の前部切削縁から軸心方向後端側であって側方外側へと延在する面取り縁を有する夫々の面取り角部を有するスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項20】上記中心長手軸心に平行な直線と各側部セグメントの面取り縁とがこれらの間に約30゜〜約60゜の面取り角を画成する請求項19に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項21】上記一対の側部セグメントは夫々の側部平面を画成し、各面取り角部が夫々の面取り縁と後縁との間に延在する面取り表面を有し、各面取り表面が対応の側部セグメントにより画成された側部平面に直交する平面と交差する面取り平面を画成し、該面取り表面が夫々の面取り縁から後縁にかけて半径方向内側に傾斜するように面取り間隙角を画成する請求項19に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項22】前記面取り間隙角が約10゜〜約20゜である請求項21に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項23】各側部セグメントの前部切削縁が内側部分から外側部分にかけて側方外側へと延在し、各側部セグメントの面取り角部の面取り縁が夫々の前部切削縁の外側部分から軸心方向後端側であって側方外側へと延在する請求項19に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 【請求項24】各側部セグメントが各側部セグメントの前端に沿って取付けられて夫々の前部切削縁と夫々の面取縁との両者を形成するカーバイド切削ブレードインサートを有する請求項19に記載のスペード型穿孔バイト。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はスペード型穿孔バイトに関する。

    背景技術 以下に於いてはスペード型穿孔バイトを“スペードバイト”と称するが、スペードバイトは一般的に、木材または他の材料の穿孔または中刳り(なかぐり)を行なうために使用される。 スペードバイトは通常、大量の木材または他の材料を除去することにより比較的大径の孔を穿(うが)つために使用される。 例えば、家屋の建築を行なう場合、近接する間柱を通して整列された一連の孔をスペードバイトで穿ち、これに道管または配線を通すことが多い。

    図1に示される如く、従来のスペードバイト1は、長手軸心3を画成する長寸シャンク2を含んでいる。 また、該シャンクの前端にはブレード部4が接合され、かつ、該シャンクの前端とは反対側の後端は、穿孔操作の間、穿孔装置により受容支持される。 上記ブレード部は略々平坦であり、かつ、図2に示される如く、該ブレード部を含む平面内に存在すると共に長手軸心を通って延伸する中心線5を画成している。 また、上記ブレード部は、相互に逆方向に延伸する一対の側部セグメント4を含んでいる。 例えば、1957年2月26日発行のRobinsonの米国特許第2,782,824号、1987年7月28日発行のWilliam
    s,IIIの米国特許第4,682,917号、1990年8月21日発行の
    Thomasの米国特許第4,950,111号、1991年10月29日発行のThomasの米国特許第5,061,127号、1994年2月15日のS
    chimkeの米国特許第5,286,143号、および、1984年6月1
    3日公開の英国特許公開公報第2,130,935A号を参照されたい。 従来のスペードバイトはまた、ブレード部の前端に接合されるとともに該前端から軸心方向に延伸してこれと共面的になる略三形のスパー(spur)すなわち突起部7をも含んでいる。 当業者に知られた如く、この突起部は穿孔操作の間にスペードバイトを案内すると共に該スペードバイトのセンタリングを行なう役割を果たすものである。

    上記突起部7、ならびに各側部セグメント6は夫々が切削縁8を備え、スペードバイト2が穿孔操作の間に所定方向に回転する際に、木材または他の材料を除去することになる。 特に、上記突起部の切削縁は、上記ブレード部の前端において該突起部自身の基部の各側に沿って延伸し、これが突起部の最先端部すなわち突起点に至ることになる。 更に、側部セグメントの各々の切削縁はブレード部の前端に形成され、スペードバイトが所定方向に回転されるときに側部セグメントの切削縁が被加工片に係合することになる。

    作動時においては、突起部7の切削縁は先ず被加工片に案内孔を穿ち、その後、側部セグメント6の切削縁が被加工片に係合して材料を除去し、これにより、所定径の孔を穿つことになる。 図2に示された如く、従来のスペードバイト2の突起部7は、略平坦な側部セグメントと通常的には共面的であることから、略三角形の突起部の切削縁は近傍の側部セグメントの切削縁に隣接している。 斯くして、上記三角形突起部の切削縁と自身近傍の側部セグメントの切削縁とを夫々含む一対の連続的な切削縁8が形成されることになる。 例えば、Robinsonの米国特許第2,782,624号;Williams,IIIの米国特許第4,682,
    917号;1993年6月22日に発行されたBothumの米国特許第
    5,221,166号;Schimkeの米国特許第5,286,143号;および、1994年3月8日に発行されたBothumの米国特許第5,
    291,806号を参照されたい。

    一方、穿孔操作の間に生じた切削屑は一般的には切削面に沿って径方向に向けられるとともに、形成されつつある孔の外周に向けられるが、これは、スペードバイトの切削縁および回転の向きに拠るものである。 しかし乍ら、上記突起部の切削縁と、その近傍の側部セグメントとが交差する点により形成される角部の近傍における切削屑を除去することは容易でない。 その代り、切削屑は、突起部の切削縁および近傍側部セグメントの切削縁により画成される角部に蓄積してしまう、と言うのも、
    切削屑は、交差する切削縁に拠る角部から排除されないからである。 斯かる切削屑の蓄積に拠り、突起部と近傍側部セグメントとの両者の切削縁により画成された角部の近傍の切削縁が被加工片に切込んでそこから材料を除去することは容易でなくなる。 その代わり、突起部の切削縁と近傍側部セグメントの切削縁との間の角部に切削屑が一旦蓄積されたならば、スペードバイトを回転させて被加工片に孔を穿つ為には、更なる動またはトルクを付与しなければならない。

    また、切削屑は側部セグメントの切削縁に沿って外径方向に向けられことから更なる問題が生ずるが、それは、成形されつつある孔の周壁に向けて切削屑が付勢され、従って、この周壁と回転ブレード部の外縁とを結着させてしまうという問題である。 この結着により、穿孔装置の電力消費は更に増大することになる。

    図2に示された如く、これらの問題の主な原因は、セグメント6の各側の切削縁8が、長手軸心3を通る中心線5と一致していないことに拠る。 その代り、各切削縁は、スペードバイト1の所定回転方向における中心線の進行側に位置されている。 而して、切削縁が中心線の進行側に置かれていることから、切削屑は切削縁から円周方向のみに向けて排出されることはない。 代りに、スペードバイトの回転により切削屑には径方向の力成分が加えられことから、切削屑は上記のごとき周壁に向けて押しやられることになる。

    一方、従来のスペードバイトでは、穿孔操作の間に被加工片を破砕する可能性がある。 特に、従来のスペードバイトは、被加工片への進入点および出口点で被加工片を破砕し、比較的に粗い側壁を有する孔を形成し、最終的な孔の品質と無欠陥性(cleanliness)を損なう可能性がある。 多くの場合、粗くて破砕された側壁の孔よりも、比較的に高品質で無欠陥性の孔は一層好適である。
    例えば、滑らかな側壁を有する無欠陥性の孔には配線を一層容易に通すことが出来る、と言うのも、粗くて破砕された側壁を有する孔では、引張られる配線の摩擦抵抗が増大し、ときには、孔を通して引張られる配線を囲繞する絶縁体が切断されたり損傷したりするからである。

    また、通常、スペードバイトは加熱鍛造方法により形成されるが、この方法に依れば、巻回された所定径の線状材料をセグメントにカットし、その各々の長さを個々のスペードバイトの長さに略々等しくする。 而して、各セグメントは次に加熱され、当該セグメントの第一端において径が増大された材料部材を形成し、即ち、第一端における短い長さに亙り径が増大された球状(bulb)の材料とされる。 その後、加熱された球状材料を一対の対向鋳型間で圧縮することにより、セグメントは加熱鍛造される。 通常、この対向鋳型の対は直線的に相互接近され、加熱された球状材料は圧縮力を加えられて、鋳型により画成された所定球状内に付勢される。 鍛造された部材は次に縁取りかつ仕上げられ、上述のごときスペードバイトを生成する。 また、スペードバイトの製造間に、
    該スペードバイトに対して識別記号を刻印することも可能である。 しかし乍ら、最初に線状材料をカットする場合、各部材は加熱鍛造工程を通して個々に取扱い処理されねばならない。 例えば、個々の部材は工程の各段階の間に適切に整合し、形成されるべきスペードバイトが所定誤差範囲内に入ることを確実にしなければならない。

    更に、スペードバイトを形成する方法の如何に関わらず、スペードバイトの性能は幾つかのパラメータにより測定されるのが通常である。 斯かるパラメータのひとつとは、スペードバイトが形成する孔の品質であり、これは、形成された孔の進入点および出口点の無欠陥性と、
    孔の側壁の相対的な平坦さとを含む、孔の無欠陥性、と定義される。 また、スペードバイトを評価測定する上では、所定径の孔を切削する速度、ならびに、所定径の孔を切削するに必要な動力またはトルクが使用される。 最後に、スペードバイト自身の寿命すなわち耐久年数は、
    使用時間または作動時間により測定されるパラメータとされるのが通常である。 従って、最小限の動力またはトルクにより、高品質の孔を迅速に穿つ長寿命のスペードバイトを開発することが望ましい。

    発明の開示 従って、本発明の目的は改良されたスペード型穿孔バイトを提供することにある。

    本発明の別の更に詳細な目的は、穿孔されるべき被加工片の破砕を減少することにより最終的な孔の品質と無欠陥性とを増大しうる形状を有する改良されたスペード型穿孔バイトを提供することにある。

    本発明の更に詳細な目的は、突起部の切削縁と側部セグメントの切削縁との間の切削屑の蓄積を回避するとともに、形成されつつある孔の周壁に対する切削屑の外径方向移動を回避することにより穿孔装置の動力消費を結果的に減少させる形状を有する改良されたスペード型穿孔バイトを提供することにある。

    本発明の目的は、中心長手軸心を画成する長寸シャンクと、該長寸シャンクの一端に接合されたブレード部とを具備し、該ブレード部が上記中心長手軸心に沿って配設されるとともに中心平面を画成する略々平坦な中心セグメントを具備し、該中心セグメントが上記中心長手軸心に平行な側部と、長寸シャンクの一端に接続された後端と、これと逆側の前端とを有し、さらに上記ブレード部が中心セグメントの夫々の側部に沿って該中心セグメントに接合された略々平坦な一対の側部セグメントを具備し、該側部セグメントが互いに平行であって上記中心平面に傾斜角を以て交差する側部平面を画成し、さらに上記ブレード部が上記中心セグメントの前端に接合されてそこから上記中心長手軸心方向に延在する突起部を具備するスペース型穿孔バイトにおいて、各側部セグメントが夫々の前部切削縁を有し、少なくとも一方の側部セグメントの前部切削縁が長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って延在するスペード型穿孔バイトによって、達成される。 中心長手軸心を通る中心線に沿って前部切削縁が整列されていることから、切削屑は外径方向への移動成分を有することなく、切削縁から直角な方向へ導かれる。 従って、成形されつつある孔の周壁内に向けて切削屑が径方向に付勢されて入り込むことは無く、かつ、結果的に生ずべき結着は相当に軽減される。
    故に、本発明の長寿命のスペード型穿孔バイトは、高品質の孔を効率的に作成する。

    また、本発明の目的は、中心長手軸心を画成する長寸シャンクと、該長寸シャンクの一端に接合されたブレード部とを具備し、該ブレード部が上記中心長手軸心に沿って配設されるとともに中心平面を画成する略々平坦な中心セグメントを具備し、該中心セグメントが上記中心長手軸心に平行な側部と、長寸シャンクの一端に接続された後端と、これと逆側の前端とを有し、さらに上記ブレード部が中心セグメントの夫々の側部に沿って該中心セグメントに接合された略々平坦な一対の側部セグメントを具備し、該側部セグメントが互いに平行であって上記中心平面に傾斜角を以て交差する側部平面を画成し、
    さらに上記ブレード部が上記中心セグメントの前端に接合されてそこから上記中心長手軸心方向に延在する突起部を具備し、各側部セグメントが夫々の前部切削縁を有し、少なくとも一方の側部セグメントの前部切削縁が長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って延在するスペード型穿孔バイトにおいて、上記突起部の形状が上記中心平面内にて上記中心長手軸心上の突起点へ向けて延伸する略々三角形であり、該突起部が前記突起点と中心セグメントの前端との間において当該突起部の各側部に沿って延伸する一対の突起部切削縁を有し、各突起部切削縁が隣接する上記側部セグメントの前部切削縁の少なくとも最も内側の部分よりも半径方向外方まで延び、上記中心長手軸心に沿って見たときに各突起部切削縁が隣接する側部セグメントの前部切削縁から当該スペード型穿孔バイトの所定回転方向に角度方向にオフセットされており、各突起部切削縁が隣接する側部セグメントの前部切削縁から径方向であって角度方向に分離されているスペード型穿孔バイトによって、達成される。

    また、本発明の目的は、中心長手軸心を画成する長寸シャンクと、該長寸シャンクの一端に接合されたブレード部とを具備し、該ブレード部が上記中心長手軸心に沿って配設されるとともに中心平面を画成する略々平坦な中心セグメントを具備し、該中心セグメントが上記中心長手軸心に平行な側部と、長寸シャンクの一端に接続された後端と、これと逆側の前端とを有し、さらに上記ブレード部が中心セグメントの夫々の側部に沿って該中心セグメントに接合された略々平坦な一対の側部セグメントを具備し、該側部セグメントが互いに平行であって上記中心平面に傾斜角を以て交差する側部平面を画成し、
    さらに上記ブレード部が上記中心セグメントの前端に接合されてそこから上記中心長手軸心方向に延在する突起部を具備し、各側部セグメントが夫々の前部切削縁を有し、少なくとも一方の側部セグメントの前部切削縁が長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って延在するスペード型穿孔バイトにおいて、上記突起部の形状が上記中心平面内にて上記中心長手軸心上の突起点へ向けて延伸する略々三角形であり、該突起部が前記突起点と中心セグメントの前端との間において当該突起部の各側部に沿って延伸する一津の突起部切削縁を有し、各突起部切削縁が隣接する上記側部セグメントの前部切削縁の少なくとも最も内側の部分よりも半径方向外方まで延び、上記中心長手軸心に沿って見たときに各突起部切削縁が隣接する側部セグメントの前記切削縁から当該スペード型穿孔バイトの所定回転方向に角度方向にオフセットされており、各突起部切削縁が隣接する側部セグメントの前部切削縁から径方向であって角度方向に分離されているスペード型穿孔バイトによって、達成される。 ここでは、突起切削縁の各々は近傍側部セグメントの前部切削縁からも軸心方向に離間されている。 この様に、突起切削縁の各々と近傍側部セグメントの前部切削縁との間は径方向に且つ角度方向に離間され、幾つかの場合には軸心方向にも離間されていることから、突起切削縁と近傍側部セグメントの前部切削縁との間には角部が形成されないことから、それらの間における切削屑の蓄積は排除されないとしても相当に減少される。

    図面の簡単な説明 図1は、従来のスペード型穿孔バイトの正面図である。

    図2は、穿孔操作間における図1の従来のスペード型穿孔バイトの端面図である。

    図3は、本発明のスペード型穿孔バイトの正面図である。

    図4は、本発明のスペード型穿孔バイトの側面図である。

    図5は、図3の中心長手軸心に沿った5−5線に沿った図3のスペード型穿孔バイトの端面図であり、中心長手軸心を通る中心線に沿った前部切削縁の整合をも示している。

    図5Aは、図5の5A−5A線に沿って図5のスペード型穿孔バイトの側部セグメントの一部を部分的に示す側面図であり、また、フック角度を示している。

    図6は、図3の6−6線に沿って図3のスペード型穿孔バイトの突起部の一部の部分的に示す断面図であり、
    また、突起部切削縁を示している。

    図7は、本発明のスペード型穿孔バイトの側部セグメントの部分的斜視図であり、面取りされた角部を示している。

    図7Aは、図7の7A−7A線に沿い、本発明のスペード型穿孔バイトの側部セグメントの一部を部分的に示す断面図であり、面取りされた角部により画成される面取り間隙角を示している。

    図8は、本発明のスペード型穿孔バイトのブレード部を相当に拡大した部分的正面図である。

    図9は、図8の9−9線に沿った、穿孔操作間における図8のスペード型穿孔バイトのブレード部の端部断面図であり、その独特のZ形状断面を示している。

    図10は、図9の10−10線に沿った、穿孔操作間におけるスペード型穿孔バイトの側部セグメントの一部の側断面図であり、最終的な切削屑除去を示している。

    図11は、本発明の一実施例に係るスペード型穿孔バイトの正面図であり、長寸シャフトおよびブレード部は相互に螺着係合されている。

    図12は、図11の12−12線に沿ったスペード型穿孔バイトの実施例の側断面図であり、ブレード部に対する長寸シャフトの螺着接続を示している。

    図13は、図11の13−13線に沿ったスペード型穿孔バイトの実施例の端部断面図であり、ブレード部の回転を示している。

    図14は、図13の14−14線に沿った、図11のスペード型穿孔バイトの実施例のブレード部の側部セグメントの一部の部分的側部断面図であり、切削刃インサートを示している。

    図15は、螺着突起部を含む本発明のスペード型穿孔バイトの自己推進の実施例の斜視図である。

    図16は、図15のスペード型穿孔バイトの自己推進の実施例の構成部材の分解図である。

    図17は、本発明のスペード型穿孔バイトを製造する加熱鍛造方法のブロック図である。

    図18は、連続的な金属材料から本発明のスペード型穿孔バイトの如き複数個の部品を製造する本発明の例示的鍛造方法の代表的ブロック図である。

    図19は、鍛造操作の間に圧縮力を加える本発明の鋳型アセンブリのひとつの実施例の概略図である。

    図20は、上記鋳型アセンブリおよび協働鋳型ハウジングの概略図であり、両者は、鍛造操作の間に被加工片の内部に圧縮応力、引張応力および剪断応力を発生させるべく、軸心方向および径方向の力を加えるものである。

    図21は、鍛造操作の間に圧縮応力および剪断応力の両者を加える、鋳型アセンブリおよび協働鋳型ハウジングの端面の概略図である。

    発明を実施するための最良の形態 以下に、本発明の好適実施例を示す添付図面を参照し、本発明を更に詳述する。 但し、本発明は多くの異なる形態で実現され得るものであり、本明細書中に示された実施例に限定されるものと解釈してはならず、正確に述べれば、本実施例は、本開示内容を首尾よく完全なものとし、当業者に対して本発明の範囲を十分に伝える為のものである。 尚、同一の構成要素に対しては、一貫して同一の番号を付してある。

    図3および図4に示された如く、これ以降“スペードバイト”と称する本発明のスペード型穿孔バイト10は、
    該バイトを貫通延伸する中心長手軸心14を画成する長寸シャンク12を含んでいる。 シャンクの後部16は、(不図示の)穿孔装置により受容且つ支持される。 上記長寸シャンクは、例えば、円筒状の前部と、断面六角形の後部
    16とを含み、(不図示の)穿孔装置のチャックにより堅固に受容且つ支持される。

    スペードバイト10はまた、長寸シャンク12の前端に接合されるとともに、該実施例ではシャンク12と一体的に形成されたブレード部18をも含む。 このブレード部は中心長手軸心14から相互に逆方向に向けて側方に延伸する略々平坦な一対の側部セグメント20を含んでいる。 図5
    に示される如く、この側部セグメントは、相互に平行な夫々の横平面22を好適に画成し、該平面は中心長手軸心に対しても平行である。 本発明のこの実施例に依れば、
    ブレード部は、中心長手軸心に沿って配設されて中心平面26を画成する略々平坦な中心セグメント24をも含んでいる。 より詳細には、この中心セグメントは、中心長手軸心に平行な側部28と、シャンクの前端に接合された後端と、これと逆側の前端とを含んでいる。 この実施例に依れば、一対の側部セグメントが、中心セグメントの各側に沿って該中心セグメントに接合される。 特に、側部セグメント対は中心セグメントの各側部に接合され、側部セグメント20により画成される横平面22が、中心セグメント24により画成される中心平面26と傾斜角度29を以て交差するようになる。

    ブレード部18はまた、該ブレード部の前端に接合されて其処から軸心方向に延在する突起部30を含み、該突起部は穿孔操作の間にスペードバイト10のセンタリングおよび案内を行なう。 図3および図8に最も良く示される如く、この実施例の突起部は略々三角形状であり、中心長手軸心14の突起点(spur point)へと延伸している。
    この突起部はまた、図6に断面で示された一対の突起部切削縁32を含み、該切削縁はブレード部の先端における突起部の突起点と基部との間で突起部の各側部に沿って延伸している。 この突起部切削縁は、図5の反時計方向矢印により示された所定回転方向にスペードバイトが回転する間、被加工片と最初に接触する様に位置せしめられている。

    側部セグメント20の各々は、夫々、前部切削縁34をも含んでいる。 前部切削縁の各々は側部セグメントの各々の前縁に沿って形成され、穿孔操作の間に所定回転方向にスペードバイト10が回転するにつれ、最初に材料に接触してこれを除去する。 図5の矢印で示される如く、前端から後端への中心長手軸心14に沿って見たときに、スペードバイトは反時計方向に回転する。

    側部セグメント20の夫々の前部切削縁34は中心線36に沿って好適に相互に整合されているが、該中心線は、図5に示される如く長寸シャンク12の中心長手軸心14を通っている。 このように長寸シャンクの中心長手軸心を通る中心線に沿って整合されることにより、穿孔操作の間に上記前部切削縁は従来のスペードバイトよりも効率的に材料除去を行ない、斯かる従来のものでは、側部セグメントの前部切削縁は相互に整合されておらず、その代りに中心長手軸心14を通る中心線の前方に位置せしめられていた。 例えば、図2を参照されたい。

    より詳細には、穿孔操作の間に本発明のスペードバイト10に対して供給される動力またはトルクは、整合された前部切削縁34を介して被加工片へ一層効率的に伝達される。 所定寸法のスペードバイトに関し、本発明のスペードバイトに対して動力はより効率的に伝達される、と言うのも、本発明のスペードバイトのモーメント距離(moment arm)は、図1および図2に示された如き従来のスペードバイトのモーメント距離よりも小さいからであり、これは、本発明のスペードバイトの独特のZ形状断面に少なくとも部分的に依存している。 更に、本発明のスペードバイトに供給される動力もまた被加工片に対して一層効率的に伝達される、と言うのも、所定径の本発明のスペードバイトの突起切削縁32と前部切削縁との合計長は、これと同一径の従来のスペードバイトの突起切削縁と前部切削縁との合計長よりも短いからである。
    この様に動力伝達が一層効率的であることから、本発明のスペードバイトは一層高速に回転し、相対的に高品質の孔を形成する。

    上記側部セグメント20の前部切削縁は上記中心長手軸心14を通る中心線36に沿って整合されていることから、
    図9および図10に示された如く、除去された切削屑を切削縁の外径方向では無く該切削縁から直角に内方に導くことによりスペードバイトの性能が改善される。 切削屑を図示された方向に付勢し、従来のスペードバイトの様に外径方向に付勢しないので、切削屑がスペードバイトとそれにより成形される孔の側壁との間に結着してスペードバイトの引続く回転を妨げる、ということは無くなる。 従って、スペードバイトに関する摩耗を減少することによりスペードバイトの寿命は長くなり、かつ、所定径の孔を穿つスペードバイトの効率は増大される。

    図8および図9に最も良く示される如く、突起部切削縁32は、近傍の側部セグメント20の前部切削縁34の少なくとも最内側部の外径方向に延伸するのが好適である。
    故に、突起部切削縁の各々は近傍の側部セグメントの前部切削縁から径方向に離間されている。 更に、突起部30
    は好適に突起部平面を画成し、この突起部平面は上記側部セグメントにより画成される横平面の夫々に対して傾斜しており、従って、中心長手軸心14に沿って見たとき、突起部切削縁の各々も、スペードバイト10の所定回転方向において近傍の側部セグメント前部切削縁から角度方向に即ち回転方向にオフセットされているのが好適である。 特に、突起部切削縁の各々は角度方向に、所定回転方向において近傍の側部セグメントの前部切削縁の後方に位置せしめられている。 従って、突起部切削縁の各々は、近傍の側部セグメントの前部切削縁からも角度方向に離間されている。 更に、突起切削縁32の各々の少なくとも一部は、長手方向において近傍の側部セグメントの前部切削縁34の軸心方向後方に延伸し、突起部切削縁の各々もまた近傍の側部セグメントの前部切削縁から軸心方向に離間されることになる。

    突起部切削縁32が近傍の側部セグメント20の前部切削縁34から離間されていることから、本発明のスペードバイト10は穿孔操作の間に更に効率的に材料を除去する。
    特に、材料は突起部切削縁または側部セグメントの前部切削縁のいずれかにより除去され、かつ、切削縁の夫々により、切削面から略々後方に導かれる。

    また、突起部切削縁が近傍の側部セグメントの前部切削縁から離間されていることから、上述の如く従来のスペードバイトに関する切削屑は、たとえあったとしても、殆ど蓄積されない。 その代り、切削屑は切削面から略々後方に導かれ、従って、スペードバイトは、突起部切削縁および近傍の前部切削縁の両者を以て被加工片内へと切削進入し、これにより、穿孔操作の効率は更に改善される。

    本発明のひとつの実施例に依れば、側部セグメント20
    の各々は面取りされた角部35をも含んでいる。 図3および図8に示された如く、面取り角部の各々は、夫々の前部切削縁34から軸心方向後方および外側方の両方向に延伸する面取り縁を含んでいる。 特に、側部セグメントの前部切削縁は、典型的には、内部から外部に向けて外側方に延伸する。 従って、面取りされた角部の各々の面取り縁は、夫々の前部切削縁の外部から軸心方向後方および外側方の両方向に好適に延伸する。

    夫々の前部切削縁34から軸心方向後方および外側方の両方向に延伸することにより、面取り角部35は、本発明のスペードバイト10が被加工片を貫通して回転前進されるにつれ、最終孔の周壁を反復して切削し得る。 従って、本発明のスペードバイトは、滑らかな周壁と比較的に無欠陥性の進入点および出口点とを有する高品質の孔を効率的に生成することができる。

    図3および図8に最も良く示される如く、面取り角37
    は、面取り角部35の各々の面取り縁と、中心長手軸心14
    に平行な線分との間に画成される。 この面取り角は約30
    ゜〜約60゜とするのが通常であり、また、ひとつの有用な実施例によれば、約45゜とされる。 図8に示される如く、面取り角部の各々は、夫々の前部切削縁34と同一線状に在る直線であって、夫々の面取り縁と中心長手軸心に平行な直線との間に延在する線分に沿って測定された所定幅39をも有している。

    面取り角部35の上記所定幅は、スペードバイト10のサイズにより直接的に変更されるのが通常であり、大寸のスペードバイトの場合には大きな幅の面取り角部となり、小寸のスペードバイトの場合には小さな幅の面取り角部となる。 例えば、3.81cm〜2.22cm(1.5インチ〜0.8
    75インチ)の直径を有するスペードバイトの場合には面取り角部は約0.229cm(0.090インチ)の幅を有することになる。 更に、2.064cm〜1.91cm(0.8125インチ〜0.75
    インチ)の直径を有するスペードバイトの場合、面取り角部は約0.178cm(0.070インチ)の幅を有することになる。 同様に、1.746cm〜1.59cm(0.6875インチ〜0.625インチ)の直径を有するスペードバイトの場合には、面取り角部は約0.152cm(0.060インチ)の幅を有することになる。 更に、1.429cm〜1.27cm(0.5625インチ〜0.5インチ)の直径を有するスペードバイトの場合には、面取り角部は約0.127cm(0.050インチ)の幅を有することになり、一方、1.111cm〜0.953cm(0.4375インチ〜0.375インチ)の直径を有するスペードバイトの場合には、面取り角部は約0.0635cm(0.025インチ)の幅を有することになる。 但し、本発明のスペードバイトの面取り角部は、本発明の精神および範囲から逸脱すること無く、任意数の幅を有することが可能である。 図5Aに示された如く、側部セグメントの各々の前部は切削平面38を好適に画成する。 この切削平面は夫々の側部セグメント20により画成される横平面22と交差し、該平面との間にフック角度40を画成する。 好適にはこのフック角度は約10゜〜
    約20゜であり、更に好適には、約15゜である。 中心長手軸心14に沿って見た場合、図示実施例の前部切削縁34
    は、スペードバイト10の所定回転方向にける夫々の側部セグメントの横平面に対して角度方向に前進されて配設されている。 図9および図10に示される如く、前部切削縁により被加工片から除去された切削屑はスペードバイトに沿って上方または後方に導かれ、かつ、スペードバイトの更なる回転と、切削平面と横平面との間に画成された上記フック角度とにより、切削面から離間する方向に導かれる。

    更に、スペードバイト10の側部セグメント20の各々はまた、夫々の前部切削縁34と後縁44との間に延在する前端表面42を有する前端をも含み得る。 ひとつの実施例において、前端表面の各々は夫々の前端平面を画成し、該平面は中心長手軸心14に直交する平面48と交差してそれとの間にリップ間隙角50を画成する。 好適には、このリップ間隙角は約10゜〜約20゜であり、更に好適には、約
    15゜である。 また、前端表面は前部切削縁から後縁にかけて後方に傾斜し、穿孔操作の間に前部切削縁のみが切削面に接触する様にすれば好都合である。 斯くして、回転するスペードバイトと被加工片との間に発生する引摺力または他の摩擦力は減少され、かつ、本発明のスペードバイトが行なう穿孔の効率は更に改善される。

    より詳細には、図6に示された実施例における前端表面の各々は第一前端平面46aおよび第二前端平面46bを夫々含み、これらの平面は、中心長手軸心14に直交する平面48と交差して、それとの間に第一リップ間隙角50aおよび第二リップ間隙角50bを夫々画成する。 図示された如く、第二リップ間隙角は典型的には第一リップ間隙角より大きくて、回転するスペードバイトと被加工片との間に発生する引摺力または他の摩擦力を更に減少する。
    例えば、ひとつの実施例においては、第一および第二リップ間隙角は夫々約5゜および約8゜である。 但し、この第一および第二リップ間隙角は、本発明の精神および範囲から逸脱すること無く、変更することが可能である。 第7図および第7a図に示された如く、側部セグメント20の各々の面取り角部35は、夫々の面取り縁と後縁との間に延在する面取り表面を含んでいる。 これらの面取り表面の各々は、夫々の側部セグメントにより画成された横平面22に直交する平面と交差する面取り平面を画成し、これにより面取り間隙角41を画成する。 上記面取り表面は、面取り縁から後縁に向けて内径方向に傾斜し、
    約10゜〜約20゜、また、ひとつの好適実施例に於いては約12゜、の面取り間隙角を画成すれば好都合である。

    更に、本発明のスペードバイト10の図示実施例の側部セグメント20の各々は、中心セグメント24の側部28に沿って該中心セグメント24に接合された第一側部と、第二の側表面すなわち外側表面を形成する第二側部52とを含んでいる。 この第二の側表面すなわち外側表面は夫々の前縁と後縁との間に延在し、かつ、図5に示される如く、横断面において弧状を描き、孔内でのスペードバイトの回転により発生する引摺力または他の摩擦力を更に減少するのが好適である。 この代りに、側部表面を前縁から後縁に掛けて内径方向にテーパを付け、側部セグメントの側部表面の前縁のみが孔の側壁に接触してスペードバイトの結着を更に減少させることも可能である。

    夫々の側部セグメント20の第二側部52はまたブレード部18の前端から後端にかけて内方かつ軸心方向に好適にテーパ付けされている。 従って、図3に示される如く、
    1゜の約半分、即ち、(1/2)゜の側部表面テーパ角53
    は、側部表面平面と、中心長手軸心14に平行な直線との間に画成される。 側部セグメントの第二側部を内方にテーパ付けすることにより、側部表面は切削面の近傍の被加工片のみと接触し、引摺力または他の摩擦力を更に減少させる。

    一方、本発明のスペードバイト10は、図3および図4
    に示された如き金属の単一片から一体的に製作することも可能である。 代りに、本発明のスペードバイトは本発明の精神および範囲から逸脱すること無く、数個の構成要素を組合せたものから形成することも出来る。 例えば、図11および図12に示された如く、長寸シャンク12およびブレード部18を別体的に形成すると共に、引続いて接合して本発明のスペードバイトを形成することも可能である。

    特に、ブレード部18は、長寸シャンク12を接合する後端にて開口する内部キャビティ54を含み得る。 従って、
    長寸シャンク12はブレード部により形成される内部キャビティ内に受容されるべく前方に延伸する部材56を含み得る。

    また、この実施例のスペードバイト10は、シャンクの前方延伸部材をブレード部の内部キャビティに相互係合するための手段をも含み得る。 例えば、相互係合手段は、ブレード部の内部キャビティ内とシャンクの前方延伸部材に沿って夫々形成された相補的螺条部同士を含み、シャンクとブレード部とを螺着接続することも可能である。 当業者には知られた如く、螺着接続は、所定方向におけるスペードバイトの回転によりシャンクとブレード部との螺着接続が更に緊密となる如き自己締着式とすれば好適である。 更に、スペードバイトは、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、別の相互係合手段を含み得る。 例えば、ブレード部およびシャンクは、
    ろう付け(brazing)などにより圧着ないし接合して、
    両者間に堅固な相互接続を形成することも可能である。
    これに加え、本発明の精神および範囲から逸脱すること無しに、シャンクの方が内部キャビティを含むとともにブレード部の方が対応して後方に延伸して両者を相互係合する部材を含むことも可能である。

    図13および図14に示された如く、本発明のスペードバイト10のひとつの実施例の側部セグメント20の各々は、
    切削刃インサート58を含み得る。 切削刃インサートの各々は、通常、炭化物などの比較的硬質な材料から成るとともに、夫々の側部セグメントの前端に沿って取付けられて夫々の前部切削縁34を形成するとともに、幾つかの実施例においては夫々の面取り縁35を形成する。 更に、
    この実施例の夫々の切削刃インサートにより形成される前部切削縁は、上述の如く長寸シャンク12の中心長手軸心14を通る中心線36と整合することが出来る。

    本発明のスペードバイト10は複数片から成るとともに図11〜図14に示された切削刃インサート58を含み得るが、本発明のスペードバイトは切削刃インサートを含まない複数片から構成することも出来る。 同様に、本発明のスペードバイトは一体的なユニットとして作成することもできるが、切削刃インサート58を依然として含むことが出来る。 この代り、前部切削縁34、および幾つかの実施例においては本発明のスペードバイトの面取り縁3
    5、即ち、側部セグメント20の各々の前端の前縁は、基体上にダイヤモンド等の比較的硬質な材料の層を析出させて形成することも可能である。 比較的に硬質な材料は、下側の側部セグメントよりも強固なものであれば好適である。

    図15に示される如く、本発明のスペードバイトは、被加工片への進入および前進を容易化すべく自己推進的ともされ得る。 この実施例に依れば、スペードバイト10'
    のブレード部18'は、該ブレード部の前端に接合されてそこから軸心方向に延伸する螺条突起部30'を含む。 図示された如く、このスペードバイトの自己推進的な実施例のブレード部は、スペードバイトの中心長手軸心14'
    から各側方に延伸する略々平坦な一対の側部セグメント
    20'をも含んでいる。 図示実施例においては、側部セグメントは夫々の面取り角部35'および夫々の前部切削縁3
    4'を含み、これらは、中心長手軸心を通る中心線36'に沿って相互に整列されている。 従って、上述した他の実施例と同様に自己推進的なスペードバイトの実施例が有する特徴は、図5、図13および図15に最も良く示されるZ形状断面と、図3、図8および図15に最も良く示される側部セグメントの面取り角部である。

    従って、図15に示されたスペードバイトの自己推進的な実施例は、上記で詳述した穿孔効率における幾多の改善点をも提供する。

    本発明のスペードバイト10'の自己推進的な実施例は、本発明の精神および範囲から逸脱すること無しに、
    当業者に知られた加熱鍛造等の任意の方法で作成することが出来る。 代りに、スペードバイトの自己推進的な実施例を下記の鍛造方法に依り形成することも可能である。 但し、図16に示される如く、スペードバイトの自己推進的な実施例を形成する別の方法では、図15のスペードバイトを形成すべく幾つかの部材片を接合する。 特に、螺条突起部30'は、任意の従来技術により長寸シャンク12'の第一端に形成される。 相互に逆方向に延伸する側部セグメント20'を含め、ブレード部の残りの部分は、自身を軸方向に貫通延伸する内部螺条孔を含む別体の部材片として形成される。 斯かるブレード部の残りの部分は、長寸シャンクに取付けられると共に螺条突起部に螺着係合される。 而る後、筒状スリーブ57'が長寸シャンク上に載置かつ据え込みされ、これにより、ブレード部をシャンクに堅固に結着して図15に示されたスペードバイトの自己推進的な実施例を形成する。

    一方、本発明のスペードバイト10およびその個々の部材片は、図17に例示された加熱鍛造方法により成形することが出来る。 図示された如く、ワイヤ等の連続長の金属材料59は最初に複数個の片に切断され、各片は最終的にスペードバイトを形成することになる。 その後、個々の部材は造頭(headed)され、部分62の第一端に材料の球状が形成される。 造頭された部分の各々は次に、ブロック64および66に示された如く順次に加熱かつ鍛造される。 例えば、鋼合金から成る被加工片の場合、各頭部は
    650℃〜1200℃(1200゜F〜2200゜F)の温度に加熱される。 その後、対向する一対の鋳型68が、加熱された部分の回りに閉じ合わされる。 この対向鋳型は所定形状のキャビティを画成する一方、該キャビティは鍛造部品の最終形状を形成する。 鍛造が一旦おこなわれると、対向鋳型は開かれ、ブロック70に示される如く鍛造部品から過剰な“ばり(flach)”がトリミングすなわち切除される。 その後、ブロック72、74、76および78に夫々示される如く、スペードバイトの加熱処理、仕上げおよび梱包に先立ち、ブレード部の幅などの識別記号が部品上に刻印される。

    代りに、本発明のスペードバイト10は図18に示された鍛造方法で形成することも可能である。 以下に記述するの原則的に冷間鍛造であるが、鍛造方法が温間または加熱鍛造方法となる様に鍛造段階の前に被加工片を加熱することも可能である。 被加工片を形成する種々の材料の各々の温度反幾は、種々の条件の中でも特に、夫々の材料の強度および内部特性ならびに当業者に知られた特性に応じて、冷間、温間または加熱鍛造を行なうべく加熱されねばならない。 例えば、鋼合金から成る被加工片は、冷間鍛造操作の間は室温150℃(300゜F)との間の温度、温間鍛造操作の間は90℃〜760℃(200゜F〜1400
    ゜F)の温度、かつ、加熱鍛造操作の間は650℃〜1200℃
    (1200゜F〜2200゜F)の温度とされるのが典型的である。 更に、被加工片の加熱鍛造段階を含む本発明の鍛造方法は、アルミニウム、黄銅、亜鉛および銅などの比較的に低い融点の材料から成る被加工片を鍛造する上で特に効率的である。

    これに加え、本発明の複数個のスペードバイトの製造に関連して記述したが、図18に示された冷間鍛造方法は、幾多の種類の部品を製造することが可能であり、それは限定的なものとしてではなく、ねじ回しバイト(sc
    rewdriver bit)およびルータ(router)バイトを含み、また、電気子(armature)シャフトなどの他の金属部品を製造するにも適している。

    図18に示された如く、本発明の方法に依れば、スペードバイトの如き複数個の部品が、連続的なワイヤ材料等の連続長の金属材料80から鍛造される。 ここで、金属材料は鋼合金から成るのが通常ではあるが、金属材料は当業者に知られた鍛造可能な任意の材料とすることができる。 例えば、金属材料は、銅、アルミニウム、チタン、
    亜鉛、黄銅、または、それらの合金から成ることも可能である。

    一方、材料の如何に関わらず、連続的な金属材料は最初に整伸(straighten)されるが、これは金属材料をブロック82に示された如き一連の整列ローラに通すことにより行なわれる。 整伸された金属材料は次に、ブロック
    84に示された如き割出し器(indexer)などにより漸増的に前進せしめられる。 この割出し器は、連続的な金属材料を、下流方向に向けて所定の長手直線距離だけ漸増的に前進させる。 而して、ブロック86に示された如く、
    連続的な金属材料の先端部は、金属材料が漸増的に前進される毎に、典型的には対向する一対のクランプ鋳型などのクランプにより把持され、これにより、金属材料の先端部は固定位置に保持される。

    金属材料80が把持されて固定位置に保持される毎に、
    把持された先端部の上流の連続的な金属材料の一部は鍛造される。 ブロック88に例示されるとともに図19〜図21
    と関連して以下に詳述する様に、鍛造手段は、連続的な金属材料の回りで径方向に閉じ合わされる複数個の鋳型
    90を含む鍛造装置とするのが典型的である。 閉じ合わされた複数個の鋳型は所定形状のキャビティを画成し、該キャビティは金属材料の鍛造部分の最終形状を画成する。 これに加え、閉じ合わされた複数個の鋳型は、鍛造段階の間に連続的な金属材料が貫通延在する進入ポートおよび排出ポートを画成する。

    ブロック85に示された如く、金属材料80は、鍛造段階に先立って暖められ、金属材料の可鍛性(malleabilit
    y)が増大される。 また、例えば、複数個の鋳型90の上流において連続的な金属材料の回りには、誘電コイルを配設することも可能である。 その代りに、鍛造段階の間に誘電加熱などにより鋳型内の金属材料を暖める為の加熱要素を鋳型に配備することも可能である。 但し、上述の如く、本発明の方法は、金属材料が、普通は加熱されないか、或いは、たとえば鋼合金材料では室温と150℃
    (300゜F)との間の温度を有する、という冷間鍛造をも包含している。

    一方、鍛造段階88の間、連続的な金属材料80は長手方向に伸びてしまう。 この長手方向の伸びは、連続的な金属材料の固定位置の上流の材料部分の上流長手方向への移動を許容する補償器により補償される。 ひとつの実施例においては、鍛造鋳型90は、長手方向に移動し得る搬送体92に取付けられる。 従って、連続的な金属材料に関し、複数個の鋳型が径方向に閉じ合わされる鍛造部と、
    把持された先端部との間において該材料が長手方向に伸びると、搬送体は長手方向上流へ移動せしめられる。 故に、複数個の鋳型は、連続的な金属材料の長手方向上流への移動を許容し乍ら、各鍛造段階の間、金属材料の同一部分の回りに閉じ合わされたままとなり、かつ、幾つかの実施例においては、金属材料の長手方向上流への移動に対応した金属材料巻回供給用スプールの回転を許容して、金属材料の長手方向の伸びを補償する。 寿18に示された如く、搬送体はスプリングまたは他の付勢手段94
    などにより長手方向に付勢され、上流方向への過剰な移動が防止されるとともに、搬送体は鍛造段階毎に初期の位置に復帰される。

    金属材料の一部分を鍛造した後、複数個の鋳型90は径方向に開かれるとともに金属材料の先端は86にて把持鋳型により解放されて、連続的な金属材料は割出し器84により漸進的に進められる。 その後、把持段階および鍛造段階は好適に繰り返され、連続的な金属材料から更なる部品を鍛造する。 ブロック86に示された様に、把持鋳型は既に鍛造が行なわれた部品に識別記号を刻印するのが好適である。 更に、既に鍛造された部品は、ブロック87
    に示された如く部品鍛造の間に生じた“ばり”または過剰材料を切除することにより所定形状の部品に切断される一方、金属材料自体は把持されて更なる部品が鍛造される。

    ブロック96に示される様に、鍛造および刻印段階の後で、金属材料の把持された先端部を越えて延在する連続的な金属材料80の部分から、切断手段などにより部品が切断されるだけである。 ブロック98、100および102に示された如く、一旦分離された個々の部品には、加熱処理、仕上げ、および、梱包が夫々施される。

    上記複数個の部品は、連続的な金属材料に依然として接合されたままで処理されることから、個々の部品の取扱処理量は相当に減少される。 これに加え、金属材料に対する鍛造手段の鋳型90の整列は一層正確に保持され、
    これにより、例えば、本発明のスペードバイト10のブレード部18の夫々の側部セグメント20の前部切削縁34から、突起部切削縁32が上述のごとく径方向、角度方向、
    および、長手方向に離間しているという際立った特徴を有する高品質の部品が製造され得る。

    更に、割出し器による長手方向の前進量を変更することにより、種々の長さの長寸シャンクを有するスペードバイトの如き種々の長さの部品を同一の連続的な金属材料から製造することが出来る。

    図19〜図21に示された如く、本発明の他の特徴に係る鍛造方法および装置に依り、被加工片120から所定形状の部品が鍛造され得る。 本発明のこの特徴に依れば、スペードバイトの如き複数個の部品が上述の如き連続的な金属材料から鍛造され得、または、単一個もしくはそれ以上の個々の部品が鍛造され得る。

    更に、本発明のこの特徴に係る鍛造方法および装置は、ねじ回しバイトおよびルータバイトなどの他の種々の部品をも製造し得るものであり、かつ、電気子シャフトおよび側部セグメントの面取り角部などの他の金属部品の製造にも適することは確実であるが、これは、図3、図8および図15に最も良く示された処である。

    更に、本発明のスペードバイト10は、夫々の面取り角部35を有する側方に対向した側部セグメント20を含むブレード部18を有する如く鍛造され得るが、本発明のスペードバイトの側部セグメントは、通常、鍛造工程に引続いて従来の研削工程などにより研削されて夫々の面取り角部を形成する。 従って、中心長手軸心14に平行な直線に関して所定の面取り角37を画成する面取り角部は、夫々の側部セグメントに対して正確に削り込まれる。

    図19に示される如く、鍛造装置110は、キャビティ114
    を両者間に画成する通常は一対とされる対向鍛造鋳型11
    2を含んでいる。 一方、このキャビティは、当該鍛造方法及び装置により成形される部品の最終形状を画成している。 より詳細には、少なくとも一方の鍛造鋳型、好適には各々の鍛造鋳型は、幾分かZ形状とされるとともにキャビティの一部を画成する接触表面116を含み得る。
    ひとつの実施例に依れば、対向する鋳型は、幾分かZ形状の接触表面を有する少なくとも1個の鍛造鋳型を各組が含む、2組の対向鋳型を含んでいる。 本発明のスペードバイトに関して上述した如く、Z形状のキャビティは、中心平面136を画成する中心部134と、この中心部の各側から延出する対向側部138とを含んでいる。 これらの対向側部は、中心平面に対して傾斜した夫々の横平面
    140を画成する。 また、夫々の接触表面は、被加工片120
    と接触して所定形状の最終部品を成形する。

    夫々の接触表面116はまた、比較的に平坦で接触平面1
    18を画成するとともに他方の鋳型と比較的平坦部と平行な部分を少なくとも含むのが好適である。

    本発明のこの特徴に係る鍛造装置110はまた、対向する鍛造鋳型を径方向に閉じ合わせる手段をも含んでいる。 図20および図21を参照して以下に記述する如く、鍛造鋳型を径方向に閉じ合わせる手段は、鋳型ハウジング
    130を含んでいる。 特に、図20に示されるとともに以下に詳述するように鋳型ハウジングと対向鍛造鋳型対との間の相対的移動が生ずると、図19の矢印により示される如く、鍛造鋳型112は所定の内径方向に移動する。

    上記鍛造鋳型112の接触平面118は、夫々の接触表面11
    6の種々の箇所により形成される。 例えば、図19に示される如く、夫々の接触表面の中心部117は、鍛造鋳型が閉じ合わされるとともに夫々の接触平面を画成する所定方向に対して傾斜している。 従って、接触平面は軸心方向の力142および径方向の力144の両者を被加工片に加えるが、これは、変形工程の間における被加工片の内部の圧縮応力、引張応力および剪断応力となる。 従って、最終的な圧縮力および剪断力成分は被加工片120を外法に変形させ、鍛造鋳型により画成された最終形状とする。

    より詳細には、図19に示される如く、夫々の接触平面
    118と、鍛造鋳型112が移動する所定方向に直交する基準平面124との間には、角度122が画成される。 好適実施例においては、この角度は約5゜〜約15゜であり、特定の例においては、約10゜である。 本明細書で使用された様に、“圧縮力”という語句は鍛造鋳型が移動する所定方向における力を意味し、かつ、“剪断力”という語句は被加工片120を外径方向に変形せしめる横力を意味する。 故に、所定量の動力が入力された場合、夫々の接触平面と基準平面との間に画成される角度が増大するにつれ、被加工片に加えられる剪断力の量は増大すると共に圧縮力の量は減少する。 同様に、所定量の動力が入力された場合、夫々の接触平面と基準平面との間に画成される角度が減少するにつれ、被加工片に加えられる剪断力の量は減少すると共に圧縮力の量は増大する。

    少なくとも、被加工片120で剪断力を受け従って剪断応力を受ける部分は更に容易に変形する、と言うのも、
    殆ど一般的な被加工片、即ち、殆どの金属材料の剪断強度は同一材料の圧縮強度よりも小さいからである。 一般的に、金属材料の剪断強度は、同一材料の圧縮強度の約
    60%である。 例えば、この方法に依り本発明のスペードバイトを成形する間、側部セグメントの両者は比較的に大きな剪断応力を受け、最初の径は最小とされる被加工片またはワイヤから最大の横方向変位を生成するのが好適である。

    従って、圧縮力ではなく剪断力で被加工片120を変形させるに必要な入力動力は、相当に減少されることになる。 これに加え、被加工片を外径方向に一層容易に変形せしめる剪断力を加えると、部品の幅すなわち直径に対する部品の厚みの比率は減少することができ、従って、
    スペードバイトの如く比較的に大径で薄肉の部品が本発明のこの特徴に依り容易に鍛造され得る。

    但し、被加工片120を変形すべく剪断力を加えると、
    鍛造鋳型と鋳型ハウジングとが鍛造工程の間に被る力が相当に増大することから、被加工片に圧縮力を加えるべく鍛造鋳型が直線的に閉じ合わされるという従来の鍛造工程では剪断力付与は行なわれていなかった。 然るに、
    ひとつの実施例では、増大した力に耐えるべく、対向する鍛造鋳型112は高速鋼から成り、より好適には、ニューヨーク州、シラキュース市のColt Industries Crucib
    le Speciality Metals Dividisionにより販売されるとともに、書類番号D88 308−5M−776が付与されたCrusi
    ble Data Sheetという書名の同社の刊行物に更に詳述されたCPM(登録商標)REX(商標)M4高速鋼、または、その等価物から成る。

    更に、剪断力により被加工片120を変形する為に必要な時間は、同様の被加工片を圧縮力で変形する為に必要な対応時間よりも長いのが一般的である。 従って、約0.
    923cm(3/8インチ)以下の径を有するスペードバイトの如き比較的小径の部品であって、剪断力による被加工片の変形が相当量の入力動力を維持しない場合、夫々の接触平面118と基準平面124との間に画成される角度122は減少または排除され、増加した量の圧縮力を被加工片に加えて変形工程が更に迅速に行なわれることになる。 但し、これらの実施例においては、図19のZ形状キャビティにより示される如き傾斜した側部を含む接触表面により、更に少ない量とは言え、剪断力は依然として付与される。 また、約1.11cm(7/16インチ)以上の径を有するスペードバイトの如き比較的大径の部品であって、剪断力による被加工片の変形が相当量の入力動力を維持し得る場合、夫々の接触平面はたとえば基準平面に関して10
    ゜などの角度で配設されるのが好適である。

    対向した鍛造鋳型を閉じ合わせる手段は、鍛造工程の間に対向鍛造鋳型112の所定整列を保持する手段を含むのが好適である。 図19および図21に示される如く、対向する鍛造鋳型の整列を保持する手段は、対向した一対の側部鋳型126を含むのが好適である。 これらの対向した側部鋳型は、対向鍛造鋳型により画成される対向側部表面128の近傍に位置される。 また、図21に概略的に示される如く、対向鍛造鋳型と一対の側部鋳型とは、略々円錐状の鋳型アセンブリを構成する。

    同様に、図20および21に概略的に示される如く、対向した鍛造鋳型を閉じ合わせる手段は、端部プレート146
    を含む鋳型ハウジング130を含み、円錐キャビティを内部に画成している。 鋳型ハウジングにより画成される内部の円錐キャビティは、相補的な形状の円錐状鋳型アセンブリを、鋳型ハウジングが鋳型アセンブリを円周方向に囲繞する如くして受容する。 従って、(不図示の)鋳型プレスまたは円錐ラムになどにより鋳型アセンブリを軸心方向に向けて鋳型ハウジングに挿入することにより、対向する鍛造鋳型および一対の側部鋳型は被加工片の回りで径方向に閉じ合わされる。 ここで、上記鋳型アセンブリの強度と、圧縮応力、引張応力および剪断応力を発生する処の上記軸心方向力142および圧縮力144により被加工片が変形する間に発生する力に対する該鋳型アセンブリの耐久能とは、鋳型アセンブリが閉じ合わされる径方向と、該鋳型アセンブリに対する鋳型ハウジングの囲繞関係とにより、更に増大される。

    上記鋳型ハウジング130はまた、高速鋼などによる比較的に強度のある材料から成るのが好適であり、CPM
    (登録商標)REX(商標)M4高速鋼から成れば更に好適である。 更に、鋳型ハウジングに鋳型アセンブリを挿入する為に必要な圧力または力は処理条件に応じて変更され、これは、被加工片を形成する材料の種類、最終部品のサイズおよび形状などであるが、本発明のスペードバイトは1050炭素鋼から500トンプレスなどの水圧で製造された。

    更に、本発明のこの特徴の鋳型アセンブリのひとつの実施例は、図20に示された進入ポートおよび排出ポート
    132をも画成し、これを通って連続的な金属材料が延在し、上述の如くに複数個の部品が形成され得る。 但し、
    本発明のこの特徴の鍛造方法および装置は、本発明の精神および範囲から逸脱すること無しに、個々に独立した部品を成形する上でも採用され得る。

    以上、添付図面および本明細書においては本発明の好適実施例を示し、特定の語句を使用したが、これらの語句は総括的な説明の為にのみ使用されており従って限定的なものでなく、本発明の範囲は請求の範囲に示される。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス,リッキー ジェームス アメリカ合衆国,メリーランド 21088, ラインボーロ,グレイブ ラン ロード 5095 (72)発明者 クロスビー,スティーブン リチャード アメリカ合衆国,メリーランド 21161, ホワイト ホール,ツイッグ コート 7 (72)発明者 ビエデルマン,ロナルド アール. アメリカ合衆国,コネチカット 06066, バーノン,フレデリック コード 25 (72)発明者 グア,チャールズ ピー. アメリカ合衆国,マサチューセッツ 01581−1816,ウェストボーロ,メイナ ード ストリート 9 (72)発明者 マッケンジー,ティモシー ティー. アメリカ合衆国,メリーランド 21206, ボルチモア,デール アベニュー 703 (72)発明者 アダムス,リチャード アラン アメリカ合衆国,メリーランド 21093, ティモニウム,グレナモイ コート 9 (56)参考文献 実開 昭61−85405(JP,U) 実開 昭57−59602(JP,U) 米国特許4286904(US,A) 西独国特許出願公開2636182(DE, A1) 欧州特許出願公開118806(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) B27G 15/00 B23B 51/00

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