Forging apparatus and forging method

申请号 JP2013015916 申请日 2013-01-30 公开(公告)号 JP2014144481A 公开(公告)日 2014-08-14
申请人 Toyota Motor Corp; トヨタ自動車株式会社; 发明人 SUKEDA TAKUYA; ISHITA HIROSHI; HIRAI NAOKI; ISHIKAWA YOSHIMUNE; NAITO HIDEJI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a forging apparatus and a forging method which are capable of manufacturing a forged product with a boss part while reducing costs.SOLUTION: A forging apparatus 1 includes a rotary table 10 and a molding roller 14. The molding roller 14 is spaced apart from a rotation axis L1 of the rotary table 10. A position of an outer end portion 14c on an outer peripheral surface 14a of the molding roller 14, which is on the opposite side of the rotation axis L1 in a central axis L2 of the molding roller 14, is located more outside in a radial direction of a material W than a position of an outer peripheral surface of the material W after subjected to forging.
权利要求
  • 回転軸を中心に回転する回転台と、円筒形状の成形ローラと、を有し、前記回転台により円筒形状の素材を当該素材の中心軸を中心に回転させながら、前記成形ローラの外周面を前記素材における当該素材の中心軸方向の端面に押し当てることにより、前記素材の鍛造を行う鍛造装置において、
    前記成形ローラは前記回転軸から離れて配置され、
    前記成形ローラの外周面における前記成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側とは反対側の端部の位置は、鍛造を行った後の前記素材の外周面の位置よりも前記素材の径方向の外側であること、
    を特徴とする鍛造装置。
  • 請求項1の鍛造装置において、
    円筒形状のマンドレルを有し、
    前記マンドレルの中心軸は、前記回転軸と一致しており、
    前記成形ローラは、当該成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側にある内側端面を備え、
    前記マンドレルの中心軸と前記内側端面との距離は、前記マンドレルの半径よりも大きく、かつ、前記素材の半径よりも小さいこと、
    を特徴とする鍛造装置。
  • 請求項1または2の鍛造装置において、
    前記成形ローラを2つ有すること、
    を特徴とする鍛造装置。
  • 請求項1乃至3のいずれか1つの鍛造装置において、
    前記成形ローラの中心軸は、前記回転軸と略直交すること、
    を特徴とする鍛造装置。
  • 回転軸を中心に回転する回転台と、円筒形状の成形ローラと、を使用し、前記回転台により円筒形状の素材を当該素材の中心軸を中心に回転させながら、前記成形ローラの外周面を前記素材における当該素材の中心軸方向の端面に押し当てることにより、前記素材の鍛造を行う鍛造方法において、
    前記成形ローラは前記回転軸から離れて配置され、
    前記成形ローラの外周面における前記成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側とは反対側の端部の位置は、鍛造を行った後の前記素材の外周面の位置よりも前記素材の径方向の外側であること、
    を特徴とする鍛造方法。
  • 請求項5の鍛造方法において、
    円筒形状のマンドレルを使用し、
    前記マンドレルの中心軸は、前記回転軸と一致しており、
    前記成形ローラは、当該成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側にある内側端面を備え、
    前記マンドレルの中心軸と前記内側端面との距離は、前記マンドレルの半径よりも大きく、かつ、前記素材の半径よりも小さいこと、
    を特徴とする鍛造方法。
  • 請求項5または6の鍛造方法において、
    前記成形ローラを2つ使用すること、
    を特徴とする鍛造方法。
  • 請求項5乃至7のいずれか1つの鍛造方法において、
    前記成形ローラの中心軸は、前記回転軸と略直交すること、
    を特徴とする鍛造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、素材に成形ローラを押し当てて、素材を当該素材の径方向および中心軸方向に拡げる成形を行う鍛造装置および鍛造方法に関するものである。

    特許文献1には、円筒形状の金属製の素材を当該素材の径方向に拡げる拡径成形を行う鍛造方法が開示されている。 この特許文献1の鍛造方法は、素材を当該素材の中心軸を中心にして回転させ、回転させた素材における当該素材の中心軸方向の一方の端面に円筒形状の成形ローラを押し当てる。 そして、このようにして成形ローラを素材に接触させて、成形ローラを素材と連れ回りさせながら下降させる。 これにより、成形ローラから素材に圧が加わり、素材を径方向に拡げることができる。

    特開2011−224605号公報

    しかしながら、特許文献1の鍛造方法は、素材を当該素材の径方向に拡げる拡径成形を行うことができるが、素材の中心部分を当該素材の中心軸方向に立ち上げたボス部を形成するボス出し成形を行うことができない。 そのため、先ず、特許文献1の鍛造方法により拡径成形を行う工程を行った後に、別途、ボス出し成形を行う工程を行う必要がある。 したがって、ボス部を有する鍛造物を製造するに際して、工程毎に異なる鍛造装置が必要になるので、コストが高くなってしまう。

    そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、コストの低減を図りつつボス部を有する鍛造物を製造できる鍛造装置および鍛造方法を提供すること、を課題とする。

    上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、回転軸を中心に回転する回転台と、円筒形状の成形ローラと、を有し、前記回転台により円筒形状の素材を当該素材の中心軸を中心に回転させながら、前記成形ローラの外周面を前記素材における当該素材の中心軸方向の端面に押し当てることにより、前記素材の鍛造を行う鍛造装置において、前記成形ローラは前記回転軸から離れて配置され、前記成形ローラの外周面における前記成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側とは反対側の端部の位置は、鍛造を行った後の前記素材の外周面の位置よりも前記素材の径方向の外側であること、を特徴とする。

    この態様によれば、回転台により円筒形状の素材を当該素材の中心軸を中心に回転させながら、成形ローラの外周面を素材における当該素材の中心軸方向の端面に押し当てることにより、素材を径方向に拡げる拡径成形を行うことができる。 さらに、成形ローラは回転台の回転軸から離れて配置されているので、素材の材料が成形ローラに対して回転軸側に流動して、素材の中央部分を素材の中心軸方向に立ち上げたボス部を形成するボス出し成形を行うことができる。 このように、拡径成形とボス出し成形を同時に行うことができる。 そのため、コストの低減を図りつつボス部を有する鍛造物を製造できる。

    また、成形ローラの外周面における成形ローラの中心軸方向の回転台の回転軸側とは反対側の端部の位置は、鍛造を行った後の素材の外周面の位置よりも素材の径方向の外側である。 これにより、素材の鍛造を行っている間は、素材における当該素材の中心軸方向の端面にて広範囲にわたって成形ローラの外周面が押し当てられた状態となる。 そのため、鍛造後の素材の前記端面の精度が成形ローラの外周面により保証することができる。 したがって、鍛造後の素材の前記端面の精度を向上させることができる。

    上記の鍛造装置においては、円筒形状のマンドレルを有し、前記マンドレルの中心軸は、前記回転軸と一致しており、前記成形ローラは、当該成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側にある内側端面を備え、前記マンドレルの中心軸と前記内側端面との距離は、前記マンドレルの半径よりも大きく、かつ、前記素材の半径よりも小さいこと、が好ましい。

    この態様によれば、マンドレルの外周面と成形ローラの内側端面との間に素材の材料を流動させることにより、素材の中心部分にて中空円筒形状のボス部を形成することができる。 そして、素材の材料はマンドレルの外周面に密着しながら流動するので、マンドレルの外周面の精度を管理することにより、ボス部の内周面にて所望の精度を確保できる。

    上記の鍛造装置においては、前記成形ローラを2つ有すること、が好ましい。

    この態様によれば、素材の鍛造を行う時間を短縮できる。 また、素材の端面の精度が向上する。

    上記の鍛造装置においては、前記成形ローラの中心軸は、前記回転軸と略直交すること、が好ましい。

    この態様によれば、成形ローラを支持する機構を簡素化できる。 特に、成形ローラを2つ有するときには、2つの成形ローラの中心軸を一致させながら、2つの成形ローラを1つの軸部材で一体化することができる。 そのため、2つの成形ローラを支持する機構を簡素化できる。

    上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、回転軸を中心に回転する回転台と、円筒形状の成形ローラと、を使用し、前記回転台により円筒形状の素材を当該素材の中心軸を中心に回転させながら、前記成形ローラの外周面を前記素材における当該素材の中心軸方向の端面に押し当てることにより、前記素材の鍛造を行う鍛造方法において、前記成形ローラは前記回転軸から離れて配置され、前記成形ローラの外周面における前記成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側とは反対側の端部の位置は、鍛造を行った後の前記素材の外周面の位置よりも前記素材の径方向の外側であること、を特徴とする。

    この態様によれば、回転台により円筒形状の素材を当該素材の中心軸を中心に回転させながら、成形ローラの外周面を素材における当該素材の中心軸方向の端面に押し当てることにより、素材を径方向に拡げる拡径成形を行うことができる。 さらに、成形ローラは回転台の回転軸から離れて配置されているので、素材の材料が成形ローラに対して回転軸側に流動して、素材の中央部分を素材の中心軸方向に立ち上げたボス部を形成するボス出し成形を行うことができる。 このように、拡径成形とボス出し成形を同時に行うことができる。 そのため、コストの低減を図りつつボス部を有する鍛造物を製造できる。

    また、成形ローラの外周面における成形ローラの中心軸方向の回転台の回転軸側とは反対側の端部の位置は、鍛造を行った後の素材の外周面の位置よりも素材の径方向の外側である。 これにより、素材の鍛造を行っている間は、素材における当該素材の中心軸方向の端面にて広範囲にわたって成形ローラの外周面が押し当てられた状態となる。 そのため、鍛造後の素材の前記端面の精度が成形ローラの外周面により保証することができる。 したがって、鍛造後の素材の前記端面の精度を向上させることができる。

    上記の鍛造方法においては、円筒形状のマンドレルを使用し、前記マンドレルの中心軸は、前記回転軸と一致しており、前記成形ローラは、当該成形ローラの中心軸方向の前記回転軸側にある内側端面を備え、前記マンドレルの中心軸と前記内側端面との距離は、前記マンドレルの半径よりも大きく、かつ、前記素材の半径よりも小さいこと、が好ましい。

    この態様によれば、マンドレルの外周面と成形ローラの内側端面との間に素材の材料を流動させることにより、素材の中心部分にて中空円筒形状のボス部を形成することができる。 そして、素材の材料はマンドレルの外周面に密着しながら流動するので、マンドレルの外周面の精度を管理することにより、ボス部の内周面にて所望の精度を確保できる。

    上記の鍛造方法においては、前記成形ローラを2つ使用すること、が好ましい。

    この態様によれば、素材の鍛造を行う時間を短縮できる。 また、素材の端面の精度が向上する。

    上記の鍛造方法においては、前記成形ローラの中心軸は、前記回転軸と略直交すること、が好ましい。

    この態様によれば、成形ローラを支持する機構を簡素化できる。 特に、成形ローラを2つ有するときには、2つの成形ローラの中心軸を一致させながら、2つの成形ローラを1つの軸部材で一体化することができる。 そのため、2つの成形ローラを支持する機構を簡素化できる。

    本発明に係る鍛造装置および鍛造方法によれば、コストの低減を図りつつボス部を有する鍛造物を製造できる。

    本実施例の鍛造装置の構成概要を示す断面図であり、素材の鍛造を行う前の状態を示している。

    本実施例の鍛造装置の構成概要を示す断面図であり、素材の鍛造を行った後の状態を示している。

    素材に対して拡径成形とボス出し成形を行う原理を説明する図である。

    図3のA−A断面図である。

    従来技術を説明する図である。

    変形例の鍛造装置の構成概要を示す断面図である。

    変形例の鍛造装置の構成概要を示す断面図である。

    変形例の鍛造装置の構成概要を示す断面図である。

    図8に示す変形例の鍛造装置におけるマンドレルの上面図である。

    変形例の鍛造装置の構成概要を示す断面図である。

    変形例の鍛造装置の構成概要を示す断面図である。

    以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。

    <鍛造装置の説明>
    まず、鍛造装置1の構成について説明する。 ここで、図1と図2は、本実施例の鍛造装置1の構成概要を示す断面図である。 そして、図1は素材Wの鍛造を行う前の状態を示し、図2は素材Wの鍛造を行った後の状態を示している。 図1や図2に示すように、鍛造装置1は、回転台10と、マンドレル12と、成形ローラ14と、ローラ移動手段(不図示)などを有する。

    回転台10は、回転軸L1を中心に回転する。 そして、回転台10は、面10aに配置された素材Wを当該素材Wの中心軸を中心に回転させる。

    マンドレル12は、円筒形状に形成されている。 そして、マンドレル12は、回転台10の面10aにて、マンドレル12の中心軸が回転台10の回転軸L1と一致するようにして配置されている。 そして、素材Wを回転台10の面10aに配置するときは、マンドレル12を素材Wの内周面Waの内側に挿入して、マンドレル12の外周面12aと素材Wの内周面Waを接触させながら素材Wを回転台10の面10aに配置する。 これにより、素材Wの中心軸を、回転軸L1とマンドレル12の中心軸に一致させることができる。

    成形ローラ14は、円筒形状に形成されている。 そして、成形ローラ14は、外周面14aと内側端面14bなどを備える。 ここで、内側端面14bは、成形ローラ14の中心軸L2方向の回転軸L1側にある端面である。

    図1に示す例においては、成形ローラ14は、2つ設けられている。 そして、2つの成形ローラ14は、回転台10の回転方向について、互いに位相を180°ずらした位置に配置されている。 そして、2つの成形ローラ14は、互いに中心軸L2を一致させて、シャフト20により一体化されている。 そして、シャフト20は、回転可能な状態でハウジング22に取り付けられている。 そのため、シャフト20により一体化された2つの成形ローラ14は、当該成形ローラ14の中心軸L2を中心にして、一体的に回転する。

    また、図1に示すように、成形ローラ14は、回転軸L1から離れて配置されている。 すなわち、回転軸L1と成形ローラ14の内側端面14b(詳しくは、内側端面14bにおける中心軸L2との交点)との間に、隙間が設けられている。 そして、回転軸L1と内側端面14bとの距離δ0は、マンドレル12の半径rよりも大きく、かつ、素材Wの半径Rよりも小さい。

    また、成形ローラ14の中心軸L2は、回転軸L1に略直交する。 具体的には、例えば、中心軸L2は、回転軸L1に対して、90°±10°(すなわち、80°〜100°)の度で交わる。

    なお、回転台10やマンドレル12や成形ローラ14の材質は、例えば、冷間工具鋼(SKD11、SKH)、超硬合金などが考えられる。 また、成形ローラ14の外周面14aは、後述するように素材Wに接触する部分である。 そのため、成形ローラ14の外周面14aは、表面状態を維持するためのコーティングが施されていることが望ましい。

    また、ローラ移動手段は、前記のハウジング22に取り付けられている。 このローラ移動手段は、ハウジング22を回転台10の回転軸L1方向に平行に移動させることにより、2つの成形ローラ14を回転軸L1に対して平行に移動させる。 なお、ローラ移動手段は、例えば、ボールネジや油圧機構などである。

    また、鍛造装置1は不図示の制御部を有する。 この制御部は、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、回転台10やローラ移動手段などの駆動を制御する。

    <鍛造方法の説明>
    次に、以上のような構成の鍛造装置1の作用として、鍛造装置1を使用して素材Wの鍛造を行う鍛造方法について説明する。

    本実施例では、まず、中空円筒形状の素材Wを回転台10の面10aの上に配置する。 このとき、素材Wの内周面Waの内側にマンドレル12を挿入し、素材Wの中心軸を回転台10の回転軸L1に一致させる。 なお、マンドレル12の高さH(回転軸L1方向の長さ)は、素材Wの高さh(回転軸L1方向の長さ)よりも大きい。

    次に、回転軸L1(マンドレル12の中心軸、素材Wの中心軸)を中心に、回転台10とマンドレル12を回転させる。 そして、これにより、素材Wを、回転軸L1を中心に回転させる。

    次に、ローラ移動手段により、成形ローラ14を素材Wに向かって移動させる。 そして、成形ローラ14の外周面14aを素材Wの端面Wb(素材Wの中心軸方向の成形ローラ14側の端面)に押し当てて、成形ローラ14を素材Wに接触させる。 ここで、前記のように、素材Wを、回転軸L1を中心に回転させている。 そのため、成形ローラ14を前記のように素材Wに接触させることにより、成形ローラ14は素材Wとともに連れ回る。 すなわち、成形ローラ14は、中心軸L2を中心に回転する。

    そして、さらに、ローラ移動手段により、成形ローラ14を素材Wに向かって移動させていく。 すると、成形ローラ14から素材Wの端面Wbに圧力が加わるので、素材Wが当該素材Wの径方向の外側に向かって拡がっていく。 このようにして、素材Wに対して、拡径成形を行うことができる。

    また、本実施例では、回転台10の回転軸L1(素材Wの中心軸)と成形ローラ14の内側端面14bとの間の距離δ0は、マンドレル12の半径rよりも大きく、かつ、素材Wの鍛造を行う前の素材Wの半径R0(図1参照)および素材Wの鍛造を行った後の素材Wの半径R1(図2参照)よりも小さい。 これにより、素材Wの鍛造を行っている時および素材Wの鍛造を行った後に、図2に示すように、成形ローラ14は、マンドレル12から離れている。 詳細には、マンドレル12の外周面12aと成形ローラ14の内側端面14bとの間は距離δ1で離れており、マンドレル12の外周面12aと成形ローラ14の内側端面14bとの間に隙間が設けられている。 そのため、前記のように成形ローラ14から素材Wの端面Wbに圧力が加わると、図2に示すように、素材Wの径方向の内側の部分が、回転軸L1方向について成形ローラ14側に向かって立ち上がっていく。 これにより、素材Wの中心部分に、素材Wの中心軸方向に立ち上がったボス部Wcが形成される。 このようにして、素材Wに対して、ボス出し成形を行うことができる。

    ここで、さらに詳細に、素材Wに対して拡径成形とボス出し成形を行う様子を説明する。 すると、素材Wの鍛造を行っている時は、素材Wからみれば、図3に示すように、成形ローラ14が回転台10の回転軸L1を中心に公転していることになる。 そして、このとき、素材Wと成形ローラ14の交点の動きにより、素材Wの材料は、図4に示すように、こぞぎ取られるようにして素材Wの外周面Wd側へ流動し、かつ、回転軸L1側(マンドレル12側)へ流動する。 そして、素材Wの材料が素材Wの外周面Wd側へ流動することにより、素材Wを当該素材Wの径方向に拡げる拡径成形が行われる。 また、素材Wの材料が回転軸L1側(マンドレル12側)へ流動することにより、素材Wの材料がマンドレル12の外周面12aに沿って素材Wの中心軸方向へ流動する。 これにより、ボス部Wcを形成するボス出し成形が行われる。

    以上のように、本実施例は、素材Wに対して拡径成形とボス出し成形を同時に行うことができる。

    ここで、従来技術(例えば、特開昭61−144232号公報)において、素材W0の鍛造を行っている時および素材W0の鍛造を行った後においては、図5に示すように、成形ローラ100の成形面102における外側端部104の位置は、素材W0の外周W0bの位置よりも素材Wの径方向の内側となっている。 すると、素材W0の径方向について素材W0の端面W0aの一部だけに成形ローラ100の成形面102が押し当てられた状態となるので、鍛造を行った後の素材W0の端面W0aの精度が低下するおそれがある。

    これに対し、本実施例の鍛造装置1では、図2に示すように、成形ローラ14の外周面14aにおける中心軸L2方向の回転軸L1側とは反対側の外側端部14cの位置は、鍛造を行った後の素材Wの外周面Wdの位置よりも素材Wの径方向の外側である。 これにより、素材Wの鍛造を開始してから終了するまで、素材Wの径方向について素材Wの端面Wbにて広範囲にわたって成形ローラ14の外周面14aが押し当てられた状態となる。 そのため、鍛造を行った後の素材Wの端面Wbの精度を、成形ローラ14の外周面14aにより保証できる。 したがって、鍛造を行った後の素材Wの端面Wbの精度が向上する。

    また、鍛造装置1は、従来の型鍛造(成形型を使用した鍛造)に比べて、低荷重で拡径成形とボス出し成形を行うことができる。

    また、本実施例は、成形開始時から素材Wの材料がマンドレル12に密着しながら流動するので、鍛造を行った後の素材Wの内径の精度が確保し易くなる。

    なお、変形例として、成形ローラ14を1つだけ設ける例も考えられる。

    また、その他の変形例として、図6に示すように、マンドレル12が回転台10と別体である例も考えられる。 また、図7に示すように、回転台10の面10aを斜面にし、成形ローラ14の外周面14aを中心軸L2に対して傾けて形成した例も考えられる。 また、図8と図9に示すように、マンドレル12の外周面12aにスプラインを形成してもよい。 これにより、素材Wの内周面Waにスプラインを形成しながらボス部Wcを形成することができる。 また、図10に示すように、回転台10の面10aを波形形状にする例も考えられる。

    また、変形例として、図11に示すように、マンドレル12を有さない鍛造装置も考えられる。 このとき、鍛造を行う前の素材Wを、中実円筒形状に形成しておく。 なお、図6〜図8や図10や図11は、鍛造装置の一部を示している。

    また、変形例として、成形ローラ14の中心軸L2が、回転台10の回転軸L1に対して45°〜90°の角度で交わる例も考えられる。

    <本実施例の効果>
    本実施例は、回転軸L1を中心に回転する回転台10と、円筒形状の成形ローラ14と、を有し、回転台10により円筒形状の素材Wを当該素材Wの中心軸を中心に回転させながら、成形ローラ14の外周面14aを素材Wにおける当該素材Wの中心軸方向の端面Wbに押し当てることにより、素材Wの鍛造を行う鍛造装置1において、成形ローラ14は回転軸L1から離れて配置され、成形ローラ14の外周面14aにおける成形ローラ14の中心軸L2方向の回転軸L1側とは反対側の外側端部14cの位置は、鍛造を行った後の素材Wの外周面Wdの位置よりも素材Wの径方向の外側である。

    このように、回転台10により円筒形状の素材Wを当該素材Wの中心軸を中心に回転させながら、成形ローラ14の外周面14aを素材Wにおける当該素材Wの中心軸L2方向の端面Wbに押し当てることにより、素材Wを径方向に拡げる拡径成形を行うことができる。 さらに、成形ローラ14は回転台10の回転軸L1から離れて配置されているので、素材Wの材料が成形ローラ14に対して回転軸L1側に流動して、素材Wの中央部分を素材Wの中心軸方向に立ち上げたボス部Wcを形成するボス出し成形を行うことができる。 このように、拡径成形とボス出し成形を同時に行うことができる。 そのため、コストの低減を図りつつボス部Wcを有する鍛造物を製造できる。

    また、成形ローラ14の外周面14aにおける成形ローラ14の中心軸L2方向の回転台10の回転軸L1側とは反対側の外側端部14cの位置は、鍛造を行った後の素材Wの外周面Wdの位置よりも素材Wの径方向の外側である。 これにより、素材Wの鍛造を行っている間は、素材Wにおける当該素材Wの中心軸方向の端面Wbにて広範囲にわたって成形ローラ14の外周面14aが押し当てられた状態となる。 そのため、鍛造後の素材Wの端面Wbの精度が成形ローラ14の外周面14aにより保証することができる。 したがって、鍛造後の素材Wの端面Wbの精度を向上させることができる。

    また、鍛造装置1は、円筒形状のマンドレル12を有し、マンドレル12の中心軸は、回転台10の回転軸L1と一致しており、成形ローラ14は、当該成形ローラ14の中心軸L2方向の回転軸L1側にある内側端面14bを備え、マンドレル12の中心軸と内側端面14bとの距離δ1は、マンドレル12の半径よりも大きく、かつ、素材の半径よりも小さいこと、が好ましい。

    これにより、マンドレル12の外周面12aと成形ローラ14の内側端面14bとの間に素材Wの材料を流動させることにより、素材Wの中心部分にて中空円筒形状のボス部Wcを形成することができる。 そして、素材Wの材料はマンドレル12の外周面12aに密着しながら流動するので、マンドレル12の外周面12aの精度を管理することにより、ボス部Wcの内周面にて所望の精度を確保できる。

    また、鍛造装置1は、成形ローラ14を2つ有することにより、素材Wの鍛造を行う時間を短縮できる。 また、素材Wの端面Wbの精度が向上する。

    また、鍛造装置1は、成形ローラ14の中心軸L2は、回転台10の回転軸L1と略直交する。 これにより、成形ローラ14を支持する機構を簡素化できる。 特に、成形ローラ14を2つ有するときには、2つの成形ローラ14の中心軸を一致させながら、2つの成形ローラ14を1つのシャフト20で一体化することができる。 そのため、2つの成形ローラ14を支持する機構を簡素化できる。 したがって、2つの成形ローラ14の取り扱いが容易になる。 また、成形ローラ14により素材Wに加えることができる力を、増大させることができる。 また、成形ローラ14の剛性を得ることができる。

    なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。

    本発明の鍛造装置1および鍛造方法によって製造される鍛造物は、動力伝達部品に好適である。 例えば、自動車、建設車両、建設機械等に使用される歯車やシャフトなどの動力伝達に使用される鋼部品であって、特に自動車のトランスミッション歯車やCVTのシーブなどに最適である。

    1 鍛造装置10 回転台10a 面12 マンドレル12a 外周面14 成形ローラ14a 外周面14b 内側端面14c 外側端部20 シャフト22 ハウジングL1 回転軸L2 中心軸W 素材Wa 内周面Wb 端面Wc ボス部Wd 外周面H (マンドレルの)高さh (素材の)高さr (マンドレルの)半径R0 (素材の鍛造を行う前の)半径R1 (素材の鍛造を行った後の)半径δ0 距離δ1 距離

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