【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の背景】本発明は、変形可能な内蔵型スカート部をもった管状本体の製造方法に関し、特に、専用ではないが自己閉鎖型ブラインド締結具(self-plugging blin d fastener)等に適した管状本体の製造方法に関し、これらの管状本体では内蔵型スカートが、本体のボア部内に保持されるべきプラグとロック係合するように変形可能になっているものである。 【0002】自己閉鎖型ブラインド締結具は周知であり、一般的には、細長いシャンクと一端のヘッドとを有する金属製管状本体と、通常、金属からなる細長いステムとを備え、そして、締結具を組み付けるために、このステムを本体のボア部に沿って引張り込み、シャンクを径方向に拡張して、ステムの少なくとも一部を、締結具の本体内に確実にロックし、その結果、ステムの一部を、ボア部内でプラグ(栓)として保持するものである。 【0003】特に、英国特許第2 127 514号や同時出願中の英国の特許出願第92 17806.0号等に開示されているブラインド締結具において、ステムは、環状のロック用凹所と、この凹所に近接する肩部とを有し、また、管状本体は、主要領域と、肩部を提供するように減径した領域とをもった貫通ボア部を有し、この本体の肩部は、主要領域に対面する面を有し、ボア部と同心的な環状開裂部が肩部内に主要領域から延びている。 この開裂部が、 本体の周縁の材料から肩部の材料を分離させることで、 ボア部の減径領域の周囲に環状の内蔵型スカート部を形成し、締結具の利用にあたって、このスカート部を、ステムの肩部と係合させると共にロック用凹所内で変形させて、本体にステムをロックさせる。 【0004】締結具に利用する本体(場合によっては「スリーブ」と呼ばれる)を製造する既知の方法は、米国特許第4,473,914号に開示されている。 【0005】この既知の方法は、ヘッド端部と末端とを有したブランクと、前記ヘッド端部に向けて前記末端から延在すると共に前記ヘッド端部に近接する端壁で終止する塞がれたボア部とを形成する工程と、前記塞がれたボア部によって与えられる主要領域の端壁を貫通させて、貫通ボア部を形成する穴明け工程とを備え、この穴明け工程によって形成された領域は、主要領域の直径に比べて減少させられた直径を有し、この減径した領域は、減径領域の周縁に係止用肩部を画成し、この肩部は、末端に向くと共に主要領域に対面する係止面を有し、その後、この肩部を変形させて、軸方向でヘッド端部に向けると共に減径の領域の径方向内側に向けて、材料を移動させ、そして、ヘッド端部に向けてボア部の主要領域を延在させ、その後、ヘッド端部から離間し且つボア部の主要領域に向けて径方向外方に前記材料を変形させて、主要領域と減径した領域との間の連結部に肩部を再成形し、この再成形された肩部は、開裂部によって、この肩部の周縁部の本体の材料から径方向に分離させられ、その結果、ボア部の減径領域の周囲に環状の内蔵型スカート部を形成する。 【0006】既知の管状本体の製造方法の問題点は、肩部の材料を、先ずヘッドに向け、その後ヘッドから離間させるように2度変形させた点にあり、2度変形させられた材料の加工硬化は、締結具を組付けるにあたって、 締結具の本体とステムとの間をロックさせるのに必要な更なる変形に抵抗する程の硬さになっており、そして、 更なる変形に関して、材料が折れそうになったり、または、締結具の本体からプラグが簡単に抜けてしまうことがある。 【0007】そこで、本願の発明者は、管状本体に変形可能な内蔵型スカート部を形成し、このスカート部を1 回処理で形成し、その結果、スカート部を構成する材料の加工硬度を最小限にするような方法を開発した。 【0008】 【発明の概要】本発明に関して、ヘッド端部と末端と、 前記ヘッド端部に向けて前記末端から延在すると共に前記ヘッド端部に近接する端壁で終止する塞がれたボア部とを有するブランクから変形可能な内蔵型スカート部をもった管状本体を製造する方法であって、前記端壁から材料を除去して貫通したボア部を形成する工程を備え、 前記貫通したボア部の主要領域は、前記塞がれたボア部によって与えられ、前記材料の除去工程によって形成された領域は、前記主要領域の直径と比較して減少させられた直径を有し、減少した直径をもつ前記領域は、この領域の周縁に係止用肩部を形成し、前記肩部は、前記末端を向き前記主要領域に対面する係止面を有する、変形可能な内蔵型スカート部をもった管状本体の製造方法において、減径された領域を形成するために前記端壁から材料を除去する工程は、減径された領域の周縁に配置される係止用肩部の材料を変形させることなく、前記端壁を貫通するテーパー状開口部を形成し、その結果、前記減少領域は、前記主要領域に近接する最小の直径から、 この最小の直径より大きな直径まで、前記ヘッド端部に向けて徐々に増加する直径を有し、前記最小の直径は、 前記係止用肩部を与えるように、前記主要領域の直径に比較して減少させられ、その後、ヘッド端部から離れるように、そして前記主要領域に向くように前記肩部の材料を軸線方向にすえ込鍛造し、すえ込鍛造された材料を前記ボア部の主要領域における径方向外方に移動させ、 その結果、すえ込鍛造された材料を、この材料を周囲で包囲する本体の材料から径方向で分離した環状スカート部に成形することを特徴とする変形可能な内蔵型スカート部をもった管状本体の製造方法を提供することにある。 【0009】従って、減径された領域の周縁から肩部の材料をすえ込鍛造する時、スカート部を形成するために移動させられる肩部の材料は一度だけ移動させられることは明らかである。 また、減径の領域の周縁から肩部の材料をすえ込鍛造することにより、最小径をもった領域の少なくとも一部の径を拡張させることができるが、このすえ込鍛造は、ボア部の主要領域の径より小さな径をもった減径の領域を保つように行われることは明らかである。 【0010】テーパー状の開口部を形成するために端壁から材料を除去する工程は、開口部の周縁部に残った材料が幾らも硬くなることなく行われる。 さらに、端壁を切削すること、例えば、ドリル加工又はリーマ加工即ち旋削加工によって、材料の必要な除去を達成することもできるが、端壁を打ち抜くように穴明けする工程が好ましいと思われる。 そして、この穴明け工程は、切削より迅速であり効率が更によいことは明らかである。 【0011】 【実施例】以下、図面と共に本発明の好適な実施例について詳細に説明する。 図1を参照して、変形可能な内蔵型スカート部をもった本体を製造するブランク10は、 適当な強度と延性をもった金属、例えば低カーボン鋼又はアルミニウム合金から形成されると共に、略円筒形のシャンク12と、このシャンク12の端部で拡径されたヘッド14とを備えている。 このヘッド14は、「丸頭」の種類に属すると共に、シャンク12から遠方側の略円形の上面16と、実質的に平坦なヘッド下面18とを有している。 更に、円柱形のボア部20は、シャンク12を貫通するように端部22から軸線方向に延在し、 この端部22は、ヘッド14から遠方側にあり、以下「末端」と言う。 ボア部20は、塞がれたボアを形成し、すなわち、端壁24によって終結即ち塞がれ、この端壁24は、ヘッド下面18と整列させられると共に、 ヘッド14の一部をなしている。 【0012】ブランク10は、適切な方法、例えば、ある長さに切断したワイヤ材を冷間鍛造する周知の方法によって形成される。 従って、ブランク10は、例えば、 本発明の方法の実施にその後利用される冷間鍛造機内で製造することもできる。 【0013】この方法の第1の本質的な工程は、ブランク10の端壁24を貫通させることにある。 このことは、パンチ及びダイを備えた設備の利用によって達成される。 【0014】従って、図2を参照して、円柱状のパンチ30とダイ32が示され、パンチ30とダイ32は、互いに協働して、端壁24に穴明けする工具を構成すると共に、周知のように、相対的に往復動させるために冷間鍛造機(図示せず)に配設されている。 【0015】ダイ32は、ブランク10のヘッド14の上面16と補足し合うような丸形の凹部34を有しており、この凹部34は、穴明け動作中に、ブランク10のヘッド14を支持する機能をもっている。 また、凹部3 4の中心からダイ32を貫通するように開口部36が延在している。 【0016】ダイ32の開口部36は、パンチ30の直径よりかなり大きな直径を有している。 【0017】パンチ30は、この長手方向軸線に対して直角をなす作業面38を有し、パンチ30の軸線は、ダイ32の開口部36の軸線に整列させられている。 パンチ30の直径は、ブランク10のボア部20の直径よりも幾分小さくなっている。 【0018】この方法の第1の工程において、ブランク10のヘッド14の上面16を、ダイ32の凹部34で支持し、ブランク10のボア部20を、開口部36と軸線整列させる。 その後、パンチ30を、ダイ32の開口部36に挿入させるように、ダイ32に向けて相対的に移動させ、そして、パンチ30がブランク10の端壁2 4を貫通し、廃材をなす金属片42を端壁24から打抜くことによって、端部24に開口部40を形成し、図2 に示すように、穴明けされたブランク46を作り出す。 【0019】従って、ブランク10は貫通したボア部を有し、前者の塞がれたボア部20をブランク10の主要領域とした場合、貫通した開口部40は、前記主要領域の直径よりも小さな直径の減少領域をなし、そして、開口部40の周縁の材料から肩部44が形成され、この肩部44は、軸方向で末端22に向くと共に、主要領域2 0と対面している。 【0020】前記貫通した開口部40は、廃材としての金属片42と補足し合うような円錐台形状をなすと共に、穴明けしたブランクのヘッド端部48に向けて増加するような直径を有している。 【0021】当然の帰結として、ダイと協働するパンチの動作は、パンチの作業面38の周縁部から、作業面3 8より大きな直径をもったダイの開口部36の周縁部まで延びる領域で、ブランクの端壁に剪断応力を与えることにある、と理解されるであろう。 従って、打ち抜かれた金属片42が円錐台をなす結果、穴明けされた開口部も円錐台形状になる。 【0022】端壁24の貫通後に行われるこの方法の第2の本質的な工程は、貫通された開口部40の周縁から材料をすえ込鍛造し、すえ込鍛造された材料を、ボア部の主要領域に向けてヘッドから軸方向で離間させるように移動させ、更に、すえ込鍛造された材料を、主要領域で半径方向外方に向けて移動させ、その結果、すえ込鍛造された材料が主要領域の壁に並ぶと共に、環状のスカート部が形成される。 【0023】この第2の工程は、穴明けしたボア部の減少領域のテーパー形状と、減少領域内で末端22に向けて増加し続ける所定体積の材料からなる肩部44によって一層容易になる。 【0024】第2の工程即ちすえ込鍛造の工程は、すえ込鍛造用パンチ即ちドリフトと受台とを備えたツールの利用によって達成することができる。 【0025】従って、図3に示すように、冷間鍛造機に配設された受台50とすえ込鍛造用ドリフト52は、互いに相対的な往復運動をする。 【0026】前記受台50は、穴明けしたブランク46 のヘッド下面18の支持に適合する平坦な上面54と、 ブランク46の周縁部を支持係合するために、ブランク46のシャンク12を収容する開口部56とを有している。 【0027】前記すえ込鍛造用ドリフト52は、テーパー付きノーズ部58と円柱形のシャンク56とを有すると共に、受台50の開口部56と同軸に整列させられ、 その結果、受台50で支持されたブランク46の貫通したボア部に、ドリフト52を挿入することができる。 【0028】従って、図3に示すように、ドリフト52 は、貫通したブランク46のボア部のヘッド端部を押し込むように加圧し、そして、肩部44の材料を、ボア部の主要領域の下方に向けるように、すえ込鍛造を開始し、その結果、垂下した環状ビード部64が形成される。 【0029】更に、前記ドリフト52をボア部内で徐々に前進させた場合、ドリフト52のテーパー付きノーズ部58が、垂下するビード部64を径方向外方に移動させて、図4に示すように、このビード部64が、主要領域の周囲壁と係合する。 【0030】従って、ボア部の減少領域内に予じめ押し出されている肩部の材料は、主要領域内にすえ込鍛造され、その長さの少なくとも実質的な部分にわたって一定直径を残し、そして、すえ込鍛造された材料が、径方向外方に向けて移動し、シャンクの内面に接触する。 その結果、減少領域に近接する主要領域の一部の壁に整列するように環状の内蔵型スカート部70が形成される。 このスカート部70は、シャンク12の周縁の材料から径方向に分離させられている。 従って、貫通させられ且つすえ込鍛造させられたブランクは、図5の符号74で示すように、締結具に利用する変形可能な内蔵型スカート部をもった管状本体を構成する。 【0031】テーパー付きノーズ部58の前端は、ブランク46を変形させないように、ブランク46のボア部の減少領域の最小直径部分に挿入できる直径を有しているが、ノーズ部58の直径は、所定の角度で増加し、この角度は、ブランク46の肩部44を形成するように増加し続ける材料に対して、徐々に係合しながらすえ込鍛造するのに適した角度をなしている。 【0032】そこで、ノーズ部58に対するテーパーの半角は、通常の場合、10゜ から15゜ が適当と判断される。 しかしながら、この角度は、ドリフトによる材料の前方への移動と、材料の径方向外方への移動との間を、適切なバランスに保つのに重要なことである。 【0033】最も適切な角度は、ブランクのボア部の減少領域のテーパー角度や、ヘッド14に向けて径方向に分散させるのか、主要領域内にビードを形成するために前方に向けて前記材料をすえ込鍛造のかどちらを意図した材料の量かの幾つかの要因に依存している。 【0034】当然のこととして、シャンク60の直径は、ボア部の減少領域がすえ込鍛造後に有するであろう最終直径を決定する。 ドリフトのシャンク60の直径は、ボア部の主要領域の直径より小さくする必要があり、これら2つの直径の差が、すえ込鍛造によって形成されるスカート部の径方向の厚みを決定している。 図5 に示すように、前述の方法で形成された本体74は対称的なスカート部70を有し、このスカート部70は、ボア部の軸線に対して直角に延在する実質的な平面76をもっている。 スカート部70とシャンクの周囲材料との間の径方向の不連続部は、符号78によって示され、この不連続部は、一般的に「開裂部」と称されているが、 スカート部を周縁材料から分割即ち切除することによって作られたものではない。 減少させた直径をもつテーパー領域40の全長に亙って、ドリフトですえ込鍛造することによって、このテーパー領域は、その全長に亙って主要領域の直径より小さく且つ均一な直径をもつことになる。 【0035】ある状況において、本体は、非対称的なスカート部を必要とし、その平面を、ボア部の軸線に対して90゜ より幾分小さな角度範囲に延在させるようにしてもよい。 本発明に関して、前記本体を、目的に適った特別な構成のブランクで形成してもよく、また、後述するツールの特別な配列を利用して形成してもよい。 【0036】図6に示すように、ブランク80は、ブランク10に略類似した部分を有しており、従って、同一又は同等部分には同一の符号を付すが、ブランク80 は、ヘッドの上面50に形成された凹所82を有している。 凹所82は、閉鎖され且つ浅いボア部の形状をなすと共に、ボア部20と同心的に配設され、この凹所82 は、シャンク12内で閉鎖されたボア部20の直径より僅かに小さな直径を有している。 ブランク80の重要な点は、凹所82が、この凹所とボア部20の長手方向軸線に対して傾斜した床部84を有する一方で、ボア部2 0を閉鎖する端壁24が、前記軸線に対して直角に延在することにある。 従って、図6に示すように、ブランクの一側における凹所82とボア部20との間の材料の厚みは、ブランクの径方向の他側における凹所82とボア部20との間の材料の厚みより大きくなっている。 【0037】この実施例において、凹所に向けて端壁2 4に穴明けする前述と類似のダイとパンチとを利用し、 ブランク80は厳密にいってブランク10と同じように穴明けされ、ボア部20と凹所82との間にテーパー状の開口部86が形成され、その結果、穴明けされたブランク88を形成する。 しかしながら、この実施例において、開口部86は、図7に示すように非対称になっている。 従って、開口部86は、一側(図7における左側) における長さが、径方向の他側より長くなっており、そして、前記一側におけるテーパーが、前記他側より緩やかになっている。 この効果は、ブランクの径方向の対向側において、貫通させられた材料の厚みに差をもたせる結果を生む。 【0038】この方法の第2の工程を行う場合、貫通させられたブランク88において、前述した受台50及びすえ込鍛造用ドリフト52を利用してもよいが、図8に示すように、受台50に対して、改良されたすえ込鍛造用ドリフト90を利用することが好ましい。 【0039】従って、ドリフト90は、円柱部94に連なる円錐状の短い導入部92と、ドリフトの円柱状シャンク60へ延びる短いテーパー部96とを有している。 【0040】円柱部94は、開口部86を通過すると共に、開口部86の最小限の拡張を行うか又は、開口部に対するパンチの芯出しを行うように密着嵌合させ得る直径を有している。 ドリフト90の直径は、テーパー部9 6を介して最大(この最大は貫通したブランク88のテーパー状開口部86の最大直径に対応する)まで増加し、この最大の部分とは、テーパー部96がドリフト9 0のシャンク60に連結される部分である。 【0041】ドリフト90は、ドリフト52と類似した方法が採られ、非対称なテーパー状開口部86の小さい方の直径部分から材料をすえ込鍛造して、主要領域に材料を移動させ、その後、材料を径方向外方に移動させて、この材料を、ボア部20の主要領域の壁と係合させる。 なお、連続的な工程は図8〜図10に示されている。 そして、最終的に図11に示すような管状本体10 2を形成する。 【0042】前記導入部92は、開口部86のうち最も小さな直径を通る円柱部94の通過を容易ならしめ、テーパー部96は、前述の実施例と同様に、テーパー状ボア部を一定の直径まですえ込鍛造するのに役立つ。 【0043】テーパー状開口部の非対称形状に起因して、開口部の一側ですえ込鍛造される材料の量は、径方向の対向側より多く、従って、材料を径方向に拡張し且つすえ込鍛造することにより形成される環状のスカート部98の材料の量は、前記対向側より前記一側の方が多くなる。 しかしながら、ドリフト90を、ブランクのボア部と同心的に配列した場合、環状のスカート部98の厚みは、径方向のいかなる部分においても同じになるが、有効利用できる材料が多ければ多いほど、スカート部は長くなる。 その結果、スカート部98は、図11に示すように、軸線に直角な面に対して所定の傾斜角度で延在する実質的な平面100を有している。 【0044】平面100の傾斜角度は、原型のブランク80の凹所82の床部84の傾斜角度に依存しており、 この角度は変えることができる。 【0045】本発明の第3の実施例において、非対称のスカート部をもった本体は、前述し且つ図1に示したブランク10を利用して製造される。 【0046】この実施例において、ブランク10は、前述したパンチ30とダイ32とを利用して貫通させられる。 このダイ32の軸線は、ブランクのボア部の軸線と整列配置されており、これら軸線は図12において符号110で示されている。 また、パンチ30は符号112 の軸線と整列し、この軸線112はボア部の軸線110 に対して平行にずれている。 【0047】従って、ダイ32に対して偏心的に配列されたパンチ30で端壁24を貫通させた場合、非対称のテーパー状開口部114が形成され、図13に示すような貫通したブランク116を製造する。 【0048】その結果、開口部114は円錐状のテーパー部を有し、この開口部の軸線はボア部の主要領域の軸線110に対して傾き、この開口部の軸線は、主要領域と減少領域とが合致する端部でずれると共に、ブランクのヘッド端部で軸線110と一致している。 【0049】貫通したブランク116は、その後、受台50とすえ込鍛造用ドリフト52とを利用して、図3, 図4に示すようにすえ込鍛造される。 【0050】第2の実施例に関しては、非対象のスカート部を製造するために、非対象の開口部が形成されたが、この第3の実施例においてもまた、非対象の開口部が形成され、そして、すえ込鍛造して、ボア部20の軸線に直角な面に対して傾斜する平面をもったスカート部を形成する結果、図11と同じ本体となる。 【0051】本発明は、前述の実施例に限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【図1】変形可能な内蔵型スカート部をもった本体を製造するためのブランクを示す断面図である。 【図2】図1のブランクの端壁にダイとパンチとの協働により穴明けする第1の工程を示す断面図である。 【図3】貫通後のブランクに、ドリフトでスカート部を形成する第2の工程の途中を示す断面図である。 【図4】第2の工程が完了した状態を示す断面図である。 【図5】図1のブランクから形成された最終の本体を示す断面図である。 【図6】本発明の方法に利用されるブランクの他の例を示す断面図である。 【図7】図6のブランクの端壁をダイとパンチとの協働により貫通させる第1の工程を示す断面図である。 【図8】穴明け後のブランクにドリフトの先端を挿入した第2の工程の初期段階を示す断面図である。 【図9】図8のドリフトを更に前進させた状態を示す断面図である。 【図10】第2の工程が完了した状態を示す断面図である。 【図11】図6のブランクから形成された最終の本体を示す断面図である。 【図12】本発明の第3の実施例の第1の工程を行うように整列させられたツールとブランクを示す断面図である。 【図13】図12のブランクの端壁を穴明けする第1の工程を示す断面図である。 【符号の説明】 10,80 ブランク 20 ボア部(主要領域) 22 末端 24 端壁 40 開口部 48 ヘッド端部 70,98 スカート部 |