Powdery or granular fat and a method of manufacturing the same

申请号 JP3195488 申请日 1988-02-16 公开(公告)号 JP2601300B2 公开(公告)日 1997-04-16
申请人 旭化成工業株式会社; 发明人 隆 濱口;
摘要 A powdery or granular fat or oil composition in the form of a powder or granules having a water content of 15 % by weight or less, a maximum particle diameter of not greater than 10 mm, an average particle diameter of not greater than 5 mm and an angle of repose of not greater than 70 %. The composition is produced simply by mixing only a fat or oil, a base material capable of occlusion or absorption of the fat or oil and a liquid polyol at a temperature at which the fat or oil is molten.
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】油脂、油脂包含用基材およびポリオールとを含んでなる油脂含有組成物であって、その水分含量が
    15重量%以下であり、粒子径が最大10mm以下で、かつ平均粒子径が5mm以下、安息角が70゜以下であることを特徴とする粉状または粒状油脂。
  • 【請求項2】1〜70重量%の油脂、30〜99重量%の油脂包含用基材および0.1〜10重量%の液状のポリオールを、均一に混合撹拌することを特徴とする粉状または粒状油脂の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポルオールを含有する粉状または粒状油脂およびその製造方法に関する。

    本発明における粉状または粒状油脂とは、少なくとも油脂を含有する食用組成物の形状を粉末化または顆粒化したものを言う。

    粉末油脂は、パン、ケーキ、クツキー、ドーナツ、ホツトケーキ、アイスクリーム等のプレミツクス、その他さまざまなインスタント食品の油脂原料として、近年益々その需要が増大している。

    (従来の技術) 粉末油脂の製造方法としては、高融点の固型脂を低温で粉砕して粉末化する凍結粉砕法、溶融した食用油脂を低温室内に噴霧して凍結するスプレークーリング法(特開昭54−126207)、加工澱粉、セルロース等の含油性基材に油脂を含浸させる含浸法、シユガーエステル等の合成乳化剤、カゼインやゼラチン等のタンパク質あるいは澱粉等を用いて中油型乳化物を作り、これを噴霧乾燥するスプレードライ法(特開昭55−150845)がある。

    一方、油脂を含有する組成物への液体ポリオールの応用技術として、特許公表昭61−502938がある。 これは、
    油脂の粘性を高め非流動性の状態を維持するための技術である。

    (発明が解決しようとする課題) の凍結粉砕法は、融点60℃以上の極度硬化油にしか適用できないため、得られる粉末油脂は、口どけが非常に悪く、また、硬化油特有の異臭があるため、通常のケーキミツクス等への使用には向かない。

    また、のスプレークーリング法も固型脂にしか適用できず、得られる他の成分を含まない粉末油脂は、冷蔵保存、チルド流通が前提となる。

    一方、の含浸法によつて得られる粉末油脂は、油脂の浸出、粉体の流動性低下等の問題から、低油脂含量になつてしまう。

    また、のスプレードライ法は、乳化液が高い粘性を示すため、水分を70〜90%程度まで高めないと噴霧乾燥できず、蒸発させるべき水の量が多大であり、したがつて、エネルギーコストが膨大になる。 さらに、この方法で得られた粉末油脂は、溶解時乳化白濁するため用途が限定される。

    粉末油脂は、上述のケーキミツクス等以外に、インスタントラーメン用の粉末スープ、中華スープ、洋風スープ等の素、粉末ルウベース、および中華系調味料、ドレツシング、マヨネーズ等の油脂含量の高い調味料の粉末化または顆粒化品への用途が考えられる。

    仮りに、これらのスープの素、調味料等が液状油、半固型脂を包含したまま粉末化または顆粒化できれば、包材への充填時および調理時の操作性は極めて向上する。

    例えば、ラーメン用のスープ、中華スープの素、ドレツシング等は、湯または水を添加した際、速やかに油脂が分離する方が好ましいが、現在、粉末油脂の主流である噴霧乾燥品は、乳化白濁してしまう。 油脂として香味油を用いた場合、乳化すると、せつかくの香味が極めて弱いものになつてしまう。

    また、固型脂にしか適用できない凍結粉砕法およびスプレークーリング法以外の方法で得られる粉末油脂はすべて、加工澱粉、セルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等の特殊な粉末化基材を用いており、これらをケーキミツクス類、スープ、調味料等に応用した場合、本来の味、香り、テクスチヤー等に悪影響を及ぼす危険性も高い。

    これらの理由から、油脂を含有する調味料、スープの素等は、油脂のみを別添にするか、液状またはペースト状にするか、粉末からにじみ出さない程度の極少量の油脂を調味基材に含浸させる方法がとられているのが現状である。

    一方、前述の特許公表昭61−502938に記載の油脂を含有する組成物への液体ポリオールの応用技術は、チヨコレートの耐熱性向上、ピーナツバターからの油脂の分離防止等、液体ポリオールを添加することによつて油脂の粘性を高め、これら油脂の融点を超える温度においても、実質的に非流動性の状態を維持するための技術である。

    また、特公昭61−13774には、融点35℃以下の食用油脂と酵素分解デンプンとグリセリン飽和脂肪酸エステルおよび/またはソルビタン不飽和脂肪酸エステルからなる調理用粉末油脂組成物が開示されている。 しかし、粉末油脂組成物を形成できるのは、表面積の非常に大きな酵素分解デンプン(パインフロー:松谷化学製)を用いた場合に限る。 そして、この組成物を水に溶解させると、油滴が水層表面に浮上するが、水層は濁りを生ずるという食品用途上好ましくない問題点を有する。

    (課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記の問題点を克服するため鋭意研究の結果、以下に示すような優れた特長を有する粉状または粒状油脂およびその製造方法を見い出し、本発明を完成するに至つた。

    1)調味料、ケーキミツクス等の構成成分自体を油脂包含用基材として用いることができる。

    (多くの食品素材を油脂包含用基材として用いることができる。) 2)加水時の油脂の分離が速やかに起こり、乳化白濁しない。

    (そのため、油脂として香味油を用いた場合、加水時の芳香が強い。) 3)通常の含浸法によつて得られる粉末油脂に比べ油脂含量が高く、油脂のにじみ出しも少なく、したがつて、
    粉体の流動性が良い。

    4)液状油、固型脂等、油脂物性にかかわらずいかなる油脂にも適用でき、得られる粉末油脂の用途が広い。

    5)乾燥工程を必要とせず、製造方法が極めて簡便で経済的である。

    すなわち、本発明は、油脂、油脂包含用基材およびポリオールとを含んでなる油脂含有組成物であつて、その水分含量が15重量%以下であり、粒子径が最大10mm以下で、かつ平均粒径が5mm以下、安息が70゜以下であることを特徴とする粉状または粒状油脂およびその製造方法に関する。

    本発明の粉状または粒状油脂の水分含量は15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。 水分がこの範囲にあることにより、粒子間の凝集度が低く保たれる。 水分がこの範囲を超えると、ポリオールによつて形成された三次元構造の一部に崩壊が起こり始め、油脂の包含能が低下する。 これによつて粒子間の凝集度が高くなり、粉粒体の流動性が低下する。 なお、水分含量は常圧加熱乾燥法により測定する。 また、該粉状または粒状油脂の粒子径は最大10mm以下、さらに好ましくは5mm
    以下、平均粒径は5mm以下、さらに好ましくは2mm以下、
    安息角は70゜以下、好ましくは60゜以下であり、それぞれの値がこの範囲にあることにより、ケーキミツクス類、スープ、調味料等に応用した場合の水、湯への溶解性、粉粒体の流動性が良好に保たれる。

    本発明の粉状または粒状油脂の平均粒径は、標準ふるいを用いたふるい分け法によつて測定する。

    また、安息角は、残留円錘法に基づくパウダーテスター〔商品名;細川ミクロン(株)製〕によつて測定する。

    本発明の粉状または粒状油脂の好ましい組成は、油脂1〜70重量%、さらに好ましくは20〜50重量%、油脂包含用基材30〜99重量%、さらに好ましくは50〜80重量%、ポリオール0.1〜10重量%、さらに好ましくは2〜
    5重量%である。

    上記組成の粉状または粒状油脂は特に油脂の浸出が少なく流動性が良好である。

    本発明で言う油脂包含用基材とは、油脂を包蔵または含浸させるための基材を言う。

    本発明で用いる油脂包含用基材としては、親水性物質が好ましく、さらに具体的には、ゼラチン、カゼイン、
    カゼインナトリウム、ホエータンパク、アルブミン等の親水性タンパク質、澱粉、化工澱粉(酸分解澱粉、酸化澱粉、α化澱粉、グラフト化澱粉、カルボキシメチル基、ヒドロキシアルキル基等を導入したエーテル化澱粉、酢酸、リン酸等を反応させたエステル化澱粉、2ケ所以上の水酸基間に多官能基を結合させた架橋澱粉、湿熱処理澱粉等)、アルギン酸塩、アラビアゴム、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、アガロース等の親水性多糖類、HAP、HVP等のタンパク部分加水分解物、デキストリン、オリゴ糖等の澱粉部分加水分解物、グルタミン酸、リジンに代表される親水性アミノ酸またはその塩、乳糖に代表される糖類、酢酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸等の有機酸またはその塩、5′−イノシン酸ナトリウム、5′−グアニル酸ナトリウムに代表されるヌクレオチドまたはその塩、および塩化ナトリウム、塩化カリウム等の通常の食品に使用される塩類等のいずれかを少なくとも一種含有していればよく、これ以外の物質が共存していてもさしつかえない。 また、油脂包含用基材として、上記親水性物質の少なくとも一種を含有する食用組成物を挙げることができる。

    上記食用組成物としては、畜肉、魚介類、卵、乳、穀類、野菜、果実、海草等を加工して得られる食品素材や、その他に、上記素材を乾燥、粉砕して得た粉末、またはエキスパウダー、粉末卵白、粉乳、粉末ホエー、大豆粉、α化小麦粉、焙焼小麦粉、粉飴、香辛料粉末、果汁パウダー、またはHAP,HVP等の天然調味料、醤油、ソース、酢、砂糖、味噌、ケチャップ等の粉末を挙げることができる。

    該油脂包含用基材の好ましい水分含量は15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。

    本発明で用いるポリオールとしては、グリセリン、プロピレングリコール等の無毒性グリコール、および糖類または糖アルコール類が挙げられるが、中でも常温で液体のポリオールが好ましく、さらに好ましくはグリセリンである。

    また、本発明で用いる油脂は、植物油、動物油、または固型脂、半固型脂、液状油およびこれら2種以上の混合物のいずれでもよく、特に限定されないが、本発明の方法は、液状油または半固型脂を粉状または粒状にするのに特に有効である。

    また、本発明では、植物性油脂、動物性油脂等を用いて、香辛野菜、畜肉、魚介類等の素材を加熱抽出等の物理的操作を行なつて抽出した香味感を有するシーズニングオイル(香味油)、および動植物素材を塩化エチレン、ヘキサン、アセトン、エーテル等の低沸点の溶剤を用いて、これらに可溶の精油、色素、油脂、樹脂、香味成分等を抽出し、これから溶剤を留去して得られるオレオレジンも、油脂として用いることができる。

    次に、本発明の粉状または粒状油脂の製造方法について説明する。

    本発明の粉状または粒状油脂は、1〜70重量%の油脂、30〜99重量%の油脂包含用基材および0.1〜10重量%の液状のポリオールを、均一に混合撹拌することによつて得られる。

    該混合方法としては、下記の4つの方法が挙げられる。

    (1法)油脂と油脂包含用基材を均一に混合した後、このものとポリオールとを混合する方法。

    (2法)油脂とポリオールとを均一に分散した後、このものと油脂包含用基材とを混合する方法。

    (3法)油脂包含用基材とポリオールとを均一に混合した後、このものと油脂とを混合する方法。

    (4法)油脂、油脂包含用基材、ポリオールを同時に混合する方法。

    本発明において、上記混合時点におけるポリオールの性状は液状とする。 すなわち、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール類は、その融点以上の温度に保ち、糖類または糖アルコール類の場合は、できる限り高濃度の水溶液とする。

    また、上記混合時、油脂は一旦その融点以上まで昇温し、液状として用いるのが好ましい。 なお、本発明でいう融点とは、上昇融点である。 〔日本油脂化学協会編「油脂化学便覧」(丸善)1958,P907−908〕 油脂、油脂包含用基材、およびポリオールを含んでなる原料組成物中の混合時点における好ましい水分含量15
    重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。 この理由は、油脂含有組成物のポリオールによる粉粒化現象が、水分の多い系では進行しないからである。 ただし、原料組成物を水に分散させて噴霧乾燥し、水分を15
    重量%以下にすることによつて粉粒化することも可能であり、この方法も本発明に含まれるものである。

    本発明において、油脂、油脂包含用基材および液状のポリオールの混合撹拌に用いる機器は、通常の食品製造工程上用いる混合機、混練機または造粒機等が使用でき、特に限定されない。 具体的には、リボンブレンダー、スクリユーミキサー、ドウミキサー、擂潰機、各種ニーダー、および混合造粒機、流動層造粒機、押出し造粒機等が挙げられる。 混合時間はスケールや使用する原料などにより異なるので、適宜設定して行う。

    本発明の粉状または粒状油脂の製造において、高速撹拌造粒機、撹拌翼付流動層造粒機等を用いれば、200〜1
    000μmの比較的粒度のそろつた粉状または粒状油脂が得られるが、用いる機器または用途によつては、粉粒化後、ふるい分けによつて、希望する粒度範囲のものを用いることも可能である。 また、1〜5mmの粒状のそろつた定型顆粒を欲する場合には、前述のように均一混合した後、押し出し造粒すればよい。

    本発明の粉状または粒状油脂の製造上重要なことは、
    0.1〜10重量%の液状のポリオールを他の原料組成物中に均一に分散させることである。 特にグリセリンや、高濃度の糖アルコール水溶液のような高粘度の液体を分散させる場合、加温して噴霧するのが極めて効果的である。

    本発明の製造方法によつて簡単に油脂を粉粒化できる理由、および本発明の粉状または粒状油脂が加水時に速やかに油脂を分離する理由は、必らずしも明確ではないが、以下のように推察される。 すなわち、油脂、油脂包含用基材、および液状のポリオールを均一に混合撹拌することによつて、ポリオールが親水性の油脂包含用基材の一次粒子間を架橋し造粒(三次元の構造体を形成)しながら、その一次粒子間の空隙に油脂を包接するものと考えられる。 したがつて、加水時には、親水性の油脂包含用基材とポリオールからなる親水性の構造体が溶解し、内部の油脂が放出されるものと推測される。

    (発明の効果) 本発明の粉状または粒状油脂は、調味料、ケーキミツクス等の構成成分自体を油脂包含用基材として用いることができるため、これを利用した食品の味、香り、テクスチヤー等に悪影響を及ぼす心配が全くなく、かつ経済的でもある。

    また、水によつて崩壊し易い組成および構造を形成しているため、加水時の油の分離が速やかに起こり、油層も水層も透明であり、乳化白濁しない。 したがつて、調味料、スープの素等の用途に適している。 特に油脂として香味油を用いた場合、非乳化性であるため香味が引き立つ。

    さらに、通常の含浸法によつて得られる粉末油脂に比べ油脂含量が高く、油脂のにじみ出しも少なく、したがつて、粉粒体としての流動性が高い。

    しかも、液状油、固型脂等、いかなる油脂にも適用でき、用途が広い。

    また、その製造方法は、油脂、油脂包含用基材、ポリオールを単に混合撹拌するのみでよく、乾燥工程が不要で、従来のいかなる方法よりも簡便で経済的である。

    (実施例) 以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。

    実施例1 45℃の温浴で融解した30重量部のカカオ脂と70重量部のデキストリン(DE=3.5,水分含量5.3%,充填嵩密度
    0.56g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、4.5
    重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため45℃
    で10分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は6.5%、最大粒径は2.0mm、平均粒径は700μm、安息角は44゜で、油脂のにじみ出しは全くなく、粉粒体としての流動性も極めて良好であつた。

    なお、本発明の実施例における油脂包含用基材の充填密度は0.9g/ml以下、さらに好ましくは0.8g/ml以下である。

    本発明で言う充填密度とは、粉粒体を最密充填したときの嵩密度である。 その測定法は一定容積の容器に、粉粒体を山盛りに軽く充填し、その容器を一定時間内に一定回数だけタツピング後、余分の粉粒体をすり切って、
    容器内の粉粒体の重量を測定するものであるが、タツピングの条件は180回/216秒で行う。 〔三輪茂雄,日高重助,「粉体工学実験マニュアル」(日刊工業新聞社,198
    4)参照〕 本発明で用いる油脂包含用基材の形状は特に限定されないが、粉粒状(球形)が好ましく、その好ましい粒径は50メッシュパス(mesh pass)以下、さらに好ましくは100メッシュパス(mesh pass)以下である。 また、該基材は、レシチン等の乳化性基材を含有しない方が好ましい。

    実施例2 35重量部の大豆油と65重量部のデキストリン(DE=7.
    5,水分含量5.5%,充填嵩密度0.63g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、3重量部のプロピレングリコールを添加し、均一に拡散するため15℃で15分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は7.4%、最大粒径は6.0mm、平均粒径は1200μ
    m、安息角は43゜で、油脂のにじみ出しはなく、粉粒体としての流動性も極めて良好であつた。

    該粉末油脂をお湯に溶解すると、油脂が速やかに分離し、水相は透明であつた。

    実施例3 45℃の温浴で融解した30重量部のカカオ脂と70重量部のデキストリン(DE=3.5,水分含量5.3%,充填嵩密度
    0.56g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、5
    重量部のプロピレングリコールを添加し、均一に拡散するため40℃で20分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は6.6%、最大粒径は1.5
    mm、平均粒径は470μm、安息角は53゜で、油脂のにじみ出しは全く無く、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    実施例4 30重量部の大豆油と70重量部のスイートホエーパウダー(水分含量7.0%,充填嵩密度0.59g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、4重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため25℃で5分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は9.
    9%、最大粒径は4.0mm、平均粒径は930μm、安息角は3
    9゜で、油脂のにじみ出しはほとんどなく、粉粒体としての流動性も極めて良好であつた。

    該粉末油脂は、ケーキ、クツキー等のプレミツクスの油脂源として用いることができる。

    実施例5 50℃の温浴で融解した40重量部のパーム油と60重量部の脱脂粉乳(水分含量3.8%,充填嵩密度0.79g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、5重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため50℃で5分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は11.5%、最大粒径は6.5mm、平均粒径は1050μ
    m、安息角は46゜で、油脂のにじみ出しはほとんどなく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    該粉末油脂と小麦粉、砂糖等を用いて、ケーキミツクスを作製した。 該粉末油脂の油脂包含用基材は、ケーキミツクスの本来の構成成分であるので、味、香り、テクスチヤー等に悪影響を及ぼすことなく油脂分を補給できた。

    実施例6 45重量部のとうもろこし油と55重量部の粉末卵白(水分含量6.5%,充填嵩密度0.55g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、2.5重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため15℃で15分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は6.8
    %、最大粒径は6.5mm、平均粒径は1200μm、安息角は3
    4゜で、油脂のにじみ出しはほとんどなく、粉粒体としての流動性は極めて良好であつた。

    該粉末油脂と小麦粉、砂糖、脱脂粉乳、ベーキングパウダー等を用いて、電子レンジ調理用蒸しパンプレミツクスを作製した。 該粉末油脂の油脂包含用基材は、蒸しパンプレミツクスの本来の構成成分であるので、味、香り、テクスチヤー等に悪影響を及ぼすことなく油脂分を補給できた。

    実施例7 32.5重量部の綿実油と67.5重量部のデキストリン(DE
    =9.0,水分含量5.5%,充填嵩密度0.62g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、3.5重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため30℃で5分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は6.4%、最大粒径は6.0mm、平均粒径は860μm、安息角は49゜で、油脂のにじみ出しが少なく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    該粉末油脂と、粉末醸造酢、食塩、グルタミン酸ナトリウム、HVP、砂糖、各種香辛料等をブレンドして、粉末ドレツシングを作製した。

    該粉末ドレツシングを表面に水の付いた野菜に振りかけると、速やかに溶解して油が分離した。

    実施例8 45℃の温浴で融解した35重量部のバターオイルと65重量部のデキストリン(DE=13.0,水分含量3.9%,充填嵩密度0.62g/ml,50メツシユパス,球状)を充分に混練後、3重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため40℃で10分間混合することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分含量は5.7%、最大粒径は3.5mm、平均粒径は930μm、安息角は42゜で、油脂のにじみ出しは全くなく、粉粒体としての流動性も極めて良好であつた。

    該粉末油脂を打錠機を用いてキユーブ状に成形し、インスタントラーメン(バターラーメン)に用いた。 該バターキユーブは、熱湯中で速やかに崩壊し、バターオイルが放出された。 バターオイルは全く乳化せず表面に浮いた。

    実施例9 35重量部のゴマ油と65重量部のデキストリン(DE=3.
    5,水分含量5.3%,充填嵩密度0.56g/ml,50メツシユパス,球状)を、ドウミキサー(縦型)を用いて充分に混練後、3重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため20℃で20分間、引き続き混合撹拌することによつて粉粒化した。 生成した粒状油脂の水分含量は5.7%、最大粒径は9.0mm、平均粒径は1800μm、安息角は50゜で、油脂のにじみ出しはほとんどなく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    該粒状油脂と、食塩、グルタミン酸ナトリウム、畜肉エキスパウダー、粉末醤油、各種香辛料等をブレンドして、中華スープの素を作製した。

    該スープの素に熱湯を注ぐと、速やかに溶解し、表面にゴマ油が浮いた。 油脂が乳化していないため、ゴマ油の香味が引立ち、スープの透明度が高く、中華スープとして好ましいものであつた。

    実施例10 32.5重量部の大豆油と67.5重量部のデキストリン(DE
    =3.5,水分含量5.3%,充填嵩密度0.56g/ml,50メツシユパス,球状)を、バーチカルグラニユレーター(商品名;富士産業(株)製の高速撹拌造粒機)を用い10分間混練した(メインスクリユー:400rpm、クロススクリユー:3000rpm)。 引き続き撹拌しながら、該混合物に3重量部のグリセリンを噴霧(流量:23g/min)し、45℃で10
    分間混合(メインスクリユー:300rpm、クロススクリユー:3000rpm)することによつて粉粒化した。

    生成した粉末油脂の水分含量は6.8%、最大粒径は2.0
    mm、平均粒径は300μm、安息角は52゜で、油脂のにじみ出しは少なく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    実施例11 ニユーマルメライザー(商品名;不二パウタル(株)
    製の撹拌翼付流動層造粒機)を用い、67.5重量部のデキストリン(DE=3.5,水分含量5.3%,充填嵩密度0.56g/m
    l,50メツシユパス,球状)を40℃の温度下で流動させながら、(撹拌翼の回転数:300rpm,上向きのair flow:2m 3
    /分)32.5重量部の大豆油と3重量部のグリセリンを家庭用ミキサーによつて強制的に乳化しながら該エマルジヨンを噴霧した(流量:63g/min)。 噴霧終了後、40℃で引き続き10分間流動させることによつて、水分含量5.7
    %、最大粒径2.0mm、平均粒径400μm、安息角48゜の粉末油脂が得られた。 油脂のにじみ出しがほとんどなく、
    粉粒体としての流動性も良好であつた。

    実施例12 前述のニユーマルメライザーを用い、67.5重量部のデキストリン(DE=3.5,水分含量5.3%,充填嵩密度0.56g
    /ml,50メツシユパス,球状)を40℃の温度下で流動させながら、(撹拌翼の回転数:300rpm,上向きのair flow:2
    m 3 /分)3重量部のグリセリンを噴霧(流量:1.5g/min)
    し、噴霧終了5分後に、引き続き同じ条件にて流動させながら、さらに32.5重量部の大豆油を噴霧した(流量:
    4.5g/min)。

    噴霧終了後、5分間程度流動させることにより生成した粉末油脂の水分含量は5.5%、最大粒径は1.5mm、平均粒径は400μm、安息角は50゜で、油脂のにじみ出しはほとんどなく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    実施例13 55℃の温浴で融解した37.5重量部の豚脂と62.5重量部のゼラチン(分子量:3000〜5000,水分含量7.2%,充填嵩密度0.48g/ml,50メツシユパス,球状)を、ドウミキサー(縦型)を用いて充分に混練後、3.5重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため55℃で1分間混合撹拌後、ソフトリユーザー(商品名;不二パウダル(株)製の押し出し造粒機)を用い、14メツシユ(目開き:1180μm)のスクリーンから押し出し顆粒化した。
    生成した粒状油脂の水分含量は7.4%、最大粒径は3.5m
    m、安息角は45゜で、油脂のにじみ出しはなく、粉粒体としての流動性も極めて良好であつた。

    該粒状油脂と、食塩、粉末醤油、グルタミン酸ナトリウム、各種エキスパウダー、砂糖、各種香辛料等をブレンドして、ラーメン用の粉末スープを作製した。 熱湯を注ぐと、速やかに豚脂が分離し表面に浮き、該粒状油脂は非乳化性であるため、スープの透明度が高く、豚脂の香味も良好であつた。

    実施例14 45℃の温浴で融解した50重量部のバターオイルと50重量部の粉末醤油(水分含量11.0%,充填嵩密度0.70g/m
    l,50メツシユパス,球状)を、ドウミキサー(縦型)を用いて充分に混練後、2重量部のグリセリンを添加し、
    均一に拡散するため45℃で1分間混合撹拌後、前述のソフトリユーザーを用い、20メツシユ(目開き:850μm)
    のスクリーンから押し出し顆粒化した。 生成した粒状油脂の水分含量は12.0%、最大粒径は3.5mm、安息角は51
    ゜で、油脂のにじみ出しは少なく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    該粒状油脂はラーメンスープに代表される。 各種スープ、ステーキソース等に応用できる。

    実施例15 大豆油33重量部、HVP(水分含量8.3%,充填嵩密度0.
    75g/ml,100メツシユパス,球状)67重量部、グリセリン3重量部、水260重量部を、高速ミキサーで強制的に乳化し、噴霧乾燥することによつて粉末化した。 生成した粉末油脂の水分含量は10.6%、最大粒径は0.5mm、平均粒径は100μm、安息角は55゜で、油脂のにじみ出しは全くなく、流動性も良好であつた。

    実施例16 市販の固型カレールー(油脂含量:37%、水分:3.2
    %)100重量部を55℃の温浴で融解後、2重量部のグリセリンを添加し、均一に拡散するため55℃で1分間混合撹拌後、ソフトリユーザー(商品名;不二パウダル(株)製の押し出し造粒機)を用い、14メツシユ(目開き:1180μm)のスクリーンから押し出し顆粒化した。
    生成した顆粒状カレールーの水分は3.5%、最大粒径は
    3.5mm、安息角は52゜で、油脂のにじみ出しはなく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    実施例17 ガーリツクを植物性油脂で加熱抽出したシーズニングオイル35重量部のデキストリン(DE=9.0,水分含量5.5
    %,充填嵩密度0.62g/ml,50メツシユパス,球状)65重量部を充分に混練後、3重量部のグリセリンを添加し、
    均一に拡散するため20℃で5分間混合撹拌することによつて粉粒化した。 できた粉末油脂の水分は6.0%、最大粒径6.5mm、平均粒径は1200μm、安息角は50゜で、油脂のにじみ出しはほとんどなく、粉粒体としての流動性も良好であつた。

    該粉状油脂と、実施例13で得た粉状豚脂、食塩、粉末醤油、グルタミン酸ナトリウム、各種エキスパウダー、
    砂糖、各種香辛料等をブレンドして、ラーメン用の粉末スープを作製した。 熱湯を注ぐと、速やかに油脂が分離して表面に浮き、特にガーリツクの香りが良好であつた。

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