Extraction of compounds from dairy products

申请号 JP2006502765 申请日 2004-01-30 公开(公告)号 JP2006516404A 公开(公告)日 2006-07-06
申请人 フォンテラ コ−オペレイティブ グループ リミティド; 发明人 キャッチポール,オーウェン; グレイ,ジョン; フレッチャー,アンドリュー; フレッチャー,カトリーナ;
摘要 本発明は、脂質及び実質的に 脱脂 されたタンパク質を製造するための、乳製品及び乳加工 流体 の処理方法に関する。 詳細には、本発明は、液体乳製品及び乳加工流体から脂質を抽出するための近臨界流体抽出法の使用に関する。 この近臨界抽出法に用いられる好ましい溶媒は、 水 と一部混和であるエーテルベース溶媒である。 本発明において特に好ましい溶媒はジメチルエーテルである。
权利要求
  • 乳製品もしくは乳加工流体を処理する方法であって、少なくとも以下の工程 a)前記乳製品もしくは乳加工流体を、一部水と混和性であり、近臨界温度及び圧力にあるエーテルをベースとする溶媒と接触させて、脂質を含む近臨界流体相を形成すること、
    b)乳製品もしくは乳加工流体から近臨界流体相を分離して実質的に脱脂した乳製品もしくは乳加工流体を形成すること、ここで前記乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量は75%より高い、及び c)前記近臨界流体相の圧力を下げて脂質を回収することを含む方法。
  • 前記溶媒が室温において気体である、請求項1記載の方法。
  • 前記溶媒が約10℃〜約70℃の温度である、請求項1又は2記載の方法。
  • 前記溶媒が約40℃〜約60℃の温度である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体が、乳清をベースとする流体、乳脂肪副生成物、ミルク及びクリームより選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体が、乳清、乳清タンパク濃縮物、乳清タンパク分離副生成物、バター副生成物、無水乳脂副生成物、及び脂質含有乳製品より選ばれる、請求項5記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体が液体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体が凍結状態から解凍されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体が粉末からもどされたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量が約75%より高く、かつ約99%より低い、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量が約80%〜約90%である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量が約85%〜約90%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記溶媒がジメチルエーテルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記溶媒がジメチルエーテルと水の混合物であり、水の量がジメチルエーテルへの溶解度以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記溶媒が抽出温度において少なくとも蒸気圧の圧力にある、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記乳製品もしくは乳加工流体が連続的に溶媒と接触する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  • 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法により得られる抽出物。
  • 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法により得られる、実質的に脱脂された乳製品もしくは乳加工流体。
  • 说明书全文

    本発明は、乳製品及び乳加工流体を処理して脂質及び実質的に脱脂されたタンパク流体を形成する方法に関する。 詳細には、本発明は、液体乳製品及び乳加工流体から脂質を抽出するための近臨界流体抽出法の使用に関する。

    乳製品及び加工流体がタンパク質、脂質、糖及び無機質の複雑な混合物であることはよく知られている。 現在、そのような流体から特定の成分を抽出し精製する方法は限られており、乳清をベースとする流体中のタンパク質から脂質を分離することは困難である。

    酸沈殿、加熱沈殿、酵素沈殿、遠心分離、膜濾過及びイオン交換が、ミルク及びミルク副生成物から成分を分離するための公知の方法である。 しかし、これらの方法はコスト的に有効ではないことが多く、望ましい収率とならないことも多い。 また、抽出方法のあるものは、分離した成分の物性を不可逆的に変える(例えば、タンパク質の変性)条件において行わねばならない。

    WO91/14377及びWO92/08363には、乳製品及び乳加工流体からのタンパク質の分別沈殿及び脂質の部分沈殿のための超臨界二酸化炭素及び未臨界二酸化炭素の使用が記載されている。 しかし、これらの方法を用いても脂質の収率は低く、これらの文献には有効なリン脂質及びスフィンゴ脂質の抽出が示されていない。

    本発明の目的は、乳製品及び乳加工流体から脂質を抽出するための改良されたもしくは他の方法を提供することである。

    第一の態様において、本発明は、乳製品もしくは乳加工流体を処理する方法であって、少なくとも以下の工程 a)前記乳製品もしくは乳加工流体を、一部と混和性であり、近臨界温度及び圧にあるエーテルをベースとする溶媒と接触させて、脂質を含む近臨界流体相を形成すること、
    b)乳製品もしくは乳加工流体から近臨界流体相を分離して実質的に脱脂した乳製品もしくは乳加工流体を形成すること、ここで前記乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量は75%より高い、及び c)前記近臨界流体相の圧力を下げて脂質を回収することを含む方法である。

    好ましくは、前記溶媒は室温において気体である。

    より好ましくは、前記溶媒はジメチルエーテルであるか又は、ジメチルエーテルと水の混合物であり、水の量がジメチルエーテルへの溶解度以下である。

    好ましくは、ジメチルエーテルは抽出温度において少なくとも蒸気圧の圧力である。

    好ましくは、ジメチルエーテルは約10℃〜約70℃の温度にある。

    より好ましくは、ジメチルエーテルは約40℃〜約60℃の温度にある。

    好ましくは、前記乳製品もしくは乳加工流体は、乳清をベースとする流体、乳脂肪副生成物、ミルク及びクリームより選ばれる。

    最も好ましい乳製品もしくは乳加工流体は、乳清、乳清タンパク濃縮物、乳清タンパク分離副生成物、バター副生成物、無水乳脂副生成物、及び脂質含有乳製品より選ばれる。 この乳製品もしくは乳加工流体は、その通常の状態において液体であるか、凍結状態から解凍されたものであるか、又は粉末からもどされたものである。

    好ましくは、前記乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量は約75%より高く、かつ約99%より低い。

    より好ましくは、前記乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量が約80%〜約90%であり、最も好ましくは85%〜90%である。

    好ましくは、前記乳製品もしくは乳加工流体は連続的に溶媒と接触される。

    他の態様において、本発明は、上記のいずれかの方法により得られる、乳製品もしくは乳加工流体からの抽出物を提供する。

    さらに他の態様において、本発明は、上記のいずれかの方法により得られる、実質的に脱脂された乳製品もしくは乳加工流体を提供する。

    あらゆる物質は、その液体と蒸気の状態が同じとなる「臨界」状態を有する。 物質の臨界点より上では、物質は液体と気体の両方の特性を有する流体状態となる。 この流体は液体と同じ密度を有し、気体と同じ粘度及び拡散率を有する。 この「超臨界」という語は、物質の臨界点以上の圧力−温度領域を意味する。 「未臨界」という語は、液体の蒸気圧以上であるが臨界温度以下である圧力−温度領域を意味する。

    「近臨界」という語は、超臨界及び未臨界領域の両方を包含し、臨界点に近い圧力及び温度を意味する。

    上記のように、乳製品及び乳加工流体はタンパク質、脂質、糖及び無機質の複雑な混合物である。 乳製品及び乳加工流体に存在する有効な脂質はリン脂質及びスフィンゴ脂質である。

    近臨界流体は脂質に有効な溶媒である。 超臨界CO 2は中性脂質の抽出に用いられることが知られているが、補助溶媒としてのエタノールと組み合わせるとある種のリン脂質の抽出に用いることができる。 プロパンは中性脂質及びリン脂質の抽出に適した溶媒であることが知られている。

    DMEは従来、固体食品材料からのフレーバー及び香料の抽出(Yanoら、米国特許第4,069,351号及び4,136,065号)、卵黄(Yanoら、米国特許第4,157,404号)及び乾燥卵粉(Yanoら、米国特許第4,234,619号)からの脂質に用いられていた。 Yanoは卵黄(水分含有量75%)から脂質は抽出されるが、タンパク質は変性すると述べている。 米国特許第4,234,619号において、Yanoは卵黄を乾燥すればタンパク質は変性しないが、リン脂質は一部のみ抽出されると述べている。

    我々は、DME抽出法により得られるタンパク質の変性が出発乳製品もしくは乳加工流体の水分含有量を75%より多くすることにより低下もしくは排除され、補助溶媒として変性を防止することを見出した。

    我々はまた、本発明の連続法による短時間の接触(溶媒と乳製品もしくは乳加工流体の間の)がDME抽出法により得られるタンパク質の変性を最小にすることも見出した。

    接触時間は、乳製品もしくは乳加工流体が近臨界条件で溶媒にさらされている時間である。

    本発明の好ましい態様において、乳製品もしくは乳加工流体は連続加工に適した接触装置、例えば限定するものではないが、ノズル、ミキサー、もしくは多孔質膜容器において溶媒と接触される。 脱脂された乳流体(もしくは乳製品)及び近臨界溶媒は接触装置の直後で分離し、従って接触時間は数秒となる。

    短時間の連続法における、水分含有量が75%より多い乳製品及び乳流体の処理は脂質(リン脂質及びスフィンゴ脂質を含む)の抽出を可能にし、実質的に脱脂された、可溶性乳タンパク質を含む水流を与える。

    図1は、所定の圧力及び温度の組み合わせにおいてDMEの状態を確かめるために用いることができる、DMEの蒸気圧曲線を示す。 この情報を用い、最大の収率を達成するために好適な条件を形成することができる。

    図2及び3は、近臨界抽出法に用いることができる装置の概念図である。

    図4は、液体抽出物のHPLCクロマトグラムである(例5参照。高脂肪WPCタイプB)。 番号を付したピークは以下のとおりである。 1−3:中性脂質(抽出物の71%)、4−8':未知、9−10:ホスファチジルイノシトール、11−12:未知、13−15:ホスファチジルエタノールアミン、16−20:未知、21:ホスファチジルコリン、22−24:スフィンゴミエリン。

    特に乳清タンパク質含有乳流体に望ましい温度範囲は約40〜60℃である。 この狭い範囲において、乳清タンパク質は溶液中で広がり、近臨界溶媒は脂質に近づき、抽出可能になる。

    好ましい領域以外での操作も可能であるが、収率が低くなり、所望の範囲より低い温度では生成物が凍結し、所望の範囲を越えた温度ではタンパク質が変性することになる。

    本発明の方法は、脂質抽出物及び実質的に脱脂された水性タンパク質流体の両者を生成する。 脂質抽出物は、例えば健康食品、栄養補助食品、医薬品及び化粧品に用いることができ、脱脂されたタンパク質流体は、例えば乳製品(例えばチーズ、発酵食品及び飲料、アイスクリーム、チョコレート)、栄養食品及び焼き製品に用いることができる。

    本発明の好ましい態様を記載し、可能な変形を示したが、他の変形も可能である。

    方法及び装置−乳固体からの抽出 パイロットスケールにおける乳ベース固体(特に乳清タンパク質濃厚物粉末)の抽出用の装置を図2に示す。 固体の半連続抽出を可能にする2つの抽出容器、溶媒を圧縮し、抽出容器を空にしたり再び満たすためのポンプが存在する。 測定されたWPC粉末は、溶媒は通過させるが粉末は通過させないようにするためにいずれかの末端において多孔質のプレートを有するステンレススチール製のバスケットに加えられた。 次いでバスケット及び粉末は抽出容器EX1もしくはEX2の1つに加えられ、次いで近臨界溶媒で満たされた。 空気駆動ポンプ(CO 2に対してはMP3、DMEに対してはMP2)によってCO 2 、プロパンもしくはDMEは操作圧力にまで圧縮され、HX2において操作温度に加熱された。 次いで弁VDF1、VO1、VI1、VDF2を介して溶媒が抽出容器の1つ(通常はEX1)を通って下に流れ、分離容器1及び2(又はプロパン及びDMEのみでは分離容器2)を通過し、抽出物を集めた。

    次いで溶媒は熱交換機HX1、水トラップWT1及びクーラーHX1もしくはHX5を介してポンプに戻された。 抽出物サンプルは一定の間隔で容器EV1及びEV2に採取された。 抽出は90〜120分間行われた。

    方法及び装置−乳液体からの抽出 液体乳成分、特に乳清タンパク質濃厚物(WPC)をCO 2 、ジメチルエーテル(DME)又はプロパンを用いて分画するための10リットルの装置を図3に示し、この図を参照して説明する。 この装置は溶媒としてDMEを、そして乳清分としてWPCを用いる場合について説明する。 液体供給シリンダーCYL1及び2によりこの装置にDMEを供給した。 次いでDMEを冷却した水トラップWT1及びコンデンサー/サブクーラーHX1に通し、その後ポンプMP1により操作圧に圧縮した。 次いで圧縮された溶媒をプレヒーター熱交換器HX2に、そして垂直降下管により抽出容器EX1に通した。 同時に、バランスB1上に設置した供給タンクLT1からWPCを取り出し、ピストンポンプLP1により操作圧に圧縮し、熱交換器(図示せず)に通した。 高圧WPCを、EX1に入る下降管の直前で溶媒と混合した。 ここで補助溶媒(水)を加えることができる。 これを他の貯蔵タンク(図示せず)から供給し、ポンプLP2を用いて操作圧に圧縮した。 一部もしくは完全に脱脂したWPCを容器の底に噴霧し、弁EV3を介してEX1の底から一定の間隔で回収した。

    ある実験では、容器の底に水を加えてWPC用の「水プール」を設けた。 WPCは弁EV3を通して回収されるので、溶液の圧力は操作圧からシリンダー圧に低下した。 次いで、WPC溶液を補助収集容器SV3の底から回収し、溶液から蒸発したDMEを弁RV3を介して回収し、コンプレッサーRC1により再び圧縮した。 脂質及び一部の水はDMEに溶解し、容器の上部付近の出口を介して抽出容器から出て、その後、弁BV1を通り第一の分離容器に迂回した。 あわせたDMEがリッチな溶液を背圧調整器BPR1に通し、そこで圧力をシリンダー圧(約5〜6バール)に低下させ、次いで熱交換器HX3に通し、外被付き分離容器SV2に入れた。 抽出物(脂質及び水)はこの容器に沈殿した。 弁EV5によりさらに減圧することにより、一定の間隔でこの抽出物を他の分離器SV5に回収して抽出物の凍結を避け、さらに弁VV5に通した。 この追加分離器は、抽出物の水分含有量が多いためDMEには必要ないことがわかった。 DMEはSV2の上部から出て、コロオリマスフローメーターFM1を通り、クーラー熱交換器HX4を通り、水トラップWT1を介してMP1に戻った。 CO 2を用いた場合、抽出物の2段階分画を可能にするため、中間分離器SV1を用いた。 同様に、補助溶媒としてエタノールを用いた場合、エタノールを有効に回収し、プロパンもしくはCO 2を蒸発させるために分離器SV5を用いた。

    この液体乳成分分画装置及び方法は、抽出する乳成分、用いる溶媒、及び液体と溶媒を接触させる方法によって変えた。 CO 2を用いた場合、弁EXV1により大気圧に減圧することによりラフィネート(脱脂した乳成分)を回収した。 プロパン及びDMEについて、溶媒が蒸発し、タンパク下が凍結することによりラフィネートが過度に発泡したため、タンパク質が変性し、従って追加分離器を用いた。 DME、液体乳流体及び吸い補助溶媒をよく混合するために、ミキサーを用いた。 容器EX1内の液体/気体分散プレートの上部に12mmのステンレススチールポールリングを乗せることにより、この容器を対流充填カラムに変え、溶媒及び液体乳流体用の入口をそれぞれ容器の底及び上部に変えた。 EX1の底から液体ラフィネートを取り出し、溶媒及び抽出物をEX1の上部から取り出した。

    結果例1:乳WPC固体の抽出 この例は、すべての近臨界溶媒について乳WPC固体からの脂質の収率がとても低く、従って液体溶液からの抽出が有効であることを示している。 80.26質量%のタンパク質、6.83質量%の脂質、及び総固体含有量96.43%の組成の乳清タンパク質濃厚物粉末を近臨界溶媒二酸化炭素、プロパン、及びジメチルエーテルで抽出した。 さらに、高温においてジメチルエーテルにより実験室スケールの実験を行った。 溶媒、圧力、温度、用いた固体の質量、用いた溶媒の質量、抽出物固体及び脂質の収率を表1に示す。

    脂質の収率はとても低く、抽出温度を高めても抽出の収率は望ましいレベルに増加しなかった。

    例2:乳WPC液体;80%タンパク質の抽出 この例は、液体乳WPC流体から脂質を抽出するための溶媒として(補助溶媒として水を加えもしくは加えず)、エーテルをベースとする、水と混和性の溶媒(この例ではジメチルエーテル)を用いることを示している。 80.26質量%のタンパク質、6.83質量%の脂質、粉末ベースとして総固体含有量96.43%の組成の新鮮な乳清タンパク質濃厚物を、補助溶媒としてエタノールを加えた及び加えない、300バールの超臨界二酸化炭素、補助溶媒としてエタノールを加えた及び加えない近臨界プロパン、及び補助溶媒として水を加えた及び加えないジメチルエーテルにより抽出した。 溶媒、圧力、温度、用いた固体の質量、用いた溶媒の質量、及び抽出物固体及び脂質の収率を表2に示す。

    補助溶媒として水を加えずDMEを用いた脂質の収率はとても高いが、タンパク質は乾燥し変性し、水に不溶であるため抽出容器から容易に回収できなかった。 290Kの低い抽出温度における補助溶媒としての水の使用は、脂質の収率を41.3%に低下させたが、一部脱脂したタンパク質の回収を可能にした。 プロパンから回収されたタンパク質がリッチなラフィネート流体は持続するフォームを形成した。 脂質は抽出されなかった。 プロパンと共に補助溶媒としてエタノールを用いた場合、脂質の収率は0から12.5%に増加したが、ラフィネートのタンパク質がリッチな流体に一部エタノールが回収され、この流体中に室温において静置すると、変性したタンパク質のスラッジ層が形成した。 超臨界二酸化炭素では脂質の収率はわずか1.6%であった。 補助溶媒としてエタノールを用いると、資質の収率は11.5%に増加したが、エタノールを含むタンパク質がリッチなラフィネート流体が得られた。 室温において静置すると、変性したタンパク質のスラッジ層が形成した。

    例3:高脂質乳清タンパク質濃厚物(WPC)の抽出 この例は、膜濾過により乳清タンパク質単離物の製造より生ずる高脂質残留物からの脂質の収率に対する固体濃度の効果を示す。 61.95%のタンパク質、9.72%の脂質、3.04%の水分、残りラクトース及び灰分の組成の高脂質WPCを蒸留脱イオン水で7.2、14及び21質量%の固体濃度にした(これはそれぞれ4.52と0.78、8.67と1.36及び13.01と1.36質量%のタンパク質と脂質含有量に相当する)。 このWPC液体を図3に示す装置を用いて抽出した。 ミキサーを用いて残留物とジメチルエーテルとの混合を促進した。 脂質の収率をパーセントとして表3に示す。

    脂質の収率は固体濃度が増加するほど低下し、乾燥固体を用いた場合にほぼゼロになる。

    例4:再構成高脂質WPCの抽出並びに脂質抽出物及び脱脂したタンパク質生成物の製造
    61.95%のタンパク質、9.72%の脂質、3.04%の水分、残りラクトース及び灰分の組成の高脂質WPCを蒸留脱イオン水で再構成し、8.80%乳清タンパク質、1.56%の脂質、13.56%の総固体、残り蒸留水の液体組成物を得た。 この再構成WPC56.4kgを、連続流装置(図3)において323K及び42バールの圧力において474.2kgのジメチルエーテルで抽出した。 29.4kgの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、乳清タンパク質濃厚物からの水の抽出を助けた。 28.3kgの抽出物が回収され、これをロータリーエバポレーターにより乾燥するまで蒸発させ、624.8kgの脂質を得た(これは全脂質の71%の収率である)。 この脂質は、29.0%のリン脂質を含んでいた。 脱脂したタンパク質がリッチなラフィネート流体をこの抽出法により連続的に回収した。 総固体含有量14%の回収した脱脂したタンパク質水流を噴霧乾燥し、タンパク質66.5%、脂質3.1%、ラクトース17.8%、灰分9.0%水分3.9%の組成の粉末を得た。

    例5:異なる源からの再構成高脂質WPCの抽出 この例は、ジメチルエーテルと接触させる前にWPCを事前に加熱すると、イオン交換もしくはミクロ濾過のいずれかによって製造された高脂質WPCの脂質抽出効率を向上させることを示している。 イオン交換により製造された乳清タンパク質の限外濾過した副生成物を噴霧乾燥することにより得られた高脂質WPC(WPCA)及びミクロ濾過により製造された乳清タンパク質の限外濾過した副生成物を噴霧乾燥することにより得られた高脂質WPC(WPCB)を14%総固体に再構成した。 WPCAの乾燥組成は79.2%タンパク質、10.9%脂肪、1.0%ラクトース、及び3.61%灰分であり、再構成基準では10.97%タンパク質、1.5%脂肪、0.1%ラクトース及び0.5%灰分、残り蒸留水であった。 WPCBの乾燥組成は74.6%タンパク質、11.6%脂肪、4.3%ラクトース、及び3.6%灰分であり、再構成基準では10.21%タンパク質、1.6%脂肪、0.6%ラクトース及び0.5%灰分、残り蒸留水であった。 両方の再構成高脂質WPC流体を、ミキサーを用いて図3に示す装置で加工した。 ここで以下の2点を改良した。 すなわち、LP1とEX1の間に熱交換器を挿入し、ジメチルエーテルと接触する前にWPC流体を加熱し、EX1の底とラフィネート収集容器SV3の間に熱交換器を挿入して溶解したジメチルエーテルを蒸発させるためにラフィネート流体を加熱した。 5917.4gの再構成WPCAを324K及び40バールの圧力において53.97kgのジメチルエーテルで抽出した。 2600gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、乳清タンパク質濃厚物からの水の抽出を促進した。 3070.5gの抽出物を回収し、これを乾燥まで蒸発させ、82gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の85%に相当し、ほぼ32%のリン脂質を含んでいた。 脱脂したタンパク質がリッチな5435.6gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは11.89%のタンパク質及びわずか0.25%の脂質を含んでいた。

    6067.5gの再構成WPCBを326K及び40バールの圧力において39.69kgのジメチルエーテルで抽出した。 3100gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、乳清タンパク質濃厚物からの水の抽出を促進した。 2357.5gの抽出物を回収し、これを乾燥まで蒸発させ、86.1gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の80%に相当し、ほぼ29%のリン脂質を含んでいた。 脱脂したタンパク質がリッチな6170gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは10.05%のタンパク質及びわずか0.3%の脂質を含んでいた。 WPCBは例3及び4で用いた高脂質WPCAと同じ方法で製造し、抽出した脂質の割合は70%(例4)から80%に向上した。

    例6:早生及び遅生ベータ血清の抽出 ベータ血清は無水乳脂肪の製造から得られるリン脂質がリッチな流体である。 この副生成物流体の組成は季節によって異なっている。 タンパク質は主にカゼインタンパク質である。 この例において、脂質は新鮮な及び凍結状態から解凍したベータ血清の両者から抽出する。 30.91%タンパク質、21.38%脂質、残りラクトース及び灰分の乾燥組成の遅生(late season)ベータ血清を、3.09%のタンパク質及び2.14%の脂質を含む10.01%の総固体含有量で新鮮なものを提供した。 30.5%タンパク質、19.5%脂質、43.9%ラクトース及び6.1%灰分の乾燥組成の早生(early season)ベータ血清を、3.04%のタンパク質、1.95%の脂質、4.39%のラクトース及び0.61%の灰分を含む9.69%の総固体含有量で凍結して提供した。 両方のベータ血清脂質流体を図3に示す装置で抽出した。 ここで、例5に示すように改良した。 324K及び40バールの圧力において、80.88kgのジメチルエーテルにより8664.2gの遅生新鮮ベータ血清を抽出した。 3679gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、ベータ血清からの水の抽出を促進した。 5084.0gの抽出物を回収し、これロータリー真空エバポレーターにおいて乾燥するまで蒸発させ、195.0gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の93%に相当した。 脱脂した可溶性タンパク質がリッチな7588gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは2.47%のタンパク質及びわずか0.27%の脂質を含んでいた。

    凍結した早生ベータ血清を解凍し、室温において2時間攪拌し、均一なサンプルを得た。 322K及び40バールの圧力において、80.45kgのジメチルエーテルにより7949.6gの解凍した早生ベータ血清を抽出した。 3400gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、ベータ血清からの水の抽出を促進した。 4333.5gの抽出物を回収し、これロータリー真空エバポレーターにおいて乾燥するまで蒸発させ、144.6gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の93%に相当した。 脱脂した可溶性タンパク質がリッチな6598.2gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは3.45%のタンパク質及びわずか0.50%の脂質を含んでいた。

    例7:低ラクトースベータ血清の抽出 この例において、ベータ血清を限外濾過して低ラクトースベータ血清残留物(LLBS)を与え、次いでジアフィルトレーションしてラクトース含有量のとても低いベータ血清残留物(VLBS)を得た。 このVLBS及びLLBSは例6で用いた早生ベータ血清より製造した。 LLBSの組成は、乾燥基準で47.3%タンパク質、31.7%脂質、16.1%ラクトース及び4.9%灰分であった。 凍結したLLBSは、11.1%タンパク質、7.45%脂質、3.8%ラクトース及び1.15%灰分を含む23.5%溶解した固体として供給された。 VLBSの組成は、乾燥基準で50.9%タンパク質、34.2%脂質、9.9%ラクトース及び5.0%灰分であった。 凍結したVLBSは、10.3%タンパク質、6.90%脂質、2.0%ラクトース及び1.0%灰分を含む20.18%溶解した固体として供給された。 両者のベータ血清流体を図3に示す装置で抽出した。 ここで、例5に示すように改良した。 LLBS及びVLBSの両者を解凍し、室温において2時間攪拌し、均一なサンプルを得た。 317K及び40バールの圧力において、85.02kgのジメチルエーテルにより7949.8gのLLBSを抽出した。 4700gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、ベータ血清からの水の抽出を促進した。 5146.2gの抽出物を回収し、これをロータリー真空エバポレーターにおいて乾燥するまで蒸発させ、478.1gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の74%に相当した。 リン脂質含有量は脂質全体の31%であった。 脱脂した可溶性タンパク質がリッチな6809.9gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは10.8%のタンパク質及びわずか2.0%の脂質を含んでいた。

    323K及び40バールの圧力において、95.04kgのジメチルエーテルにより8834.0gのVLBSを抽出した。 3800gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、ベータ血清からの水の抽出を促進した。 5622.6gの抽出物を回収し、これをロータリー真空エバポレーターにおいて乾燥するまで蒸発させ、495.1gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の74%に相当した。 リン脂質含有量は脂質全体の40%であった。 脱脂した可溶性タンパク質がリッチな5094.3gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは11.93%のタンパク質及びわずか2.1%の脂質を含んでいた。

    例8:10%溶解した固体まで希釈した低ラクトースベータ血清の抽出 この例において、例7からの低ラクトースベータ血清残留物(LLBS)及び極低ラクトースベータ血清残留物(VLBS)を、解凍した及び攪拌した残留物各々に対して正確な比で蒸留脱イオン水を加えることにより、約10%固体濃度に希釈した。 この希釈した血清残留物をLLBSD及びVLBSDとよぶ。 LLBSDとVLBSDの組成は、乾燥基準で例7と変わらなかった。 LLBSDは、5.53%タンパク質、3.50%脂質、1.5%ラクトース及び0.5%灰分を含む11.1%溶解した固体として供給された。 VLBSDは、4.7%タンパク質、3.20%脂質、0.9%ラクトース及び0.5%灰分を含む9.26%溶解した固体として供給された。 両者のベータ血清流体を図3に示す装置で抽出した。 ここで、例5に示すように改良した。 LLBS及びVLBSから製造した後、LLBSD及びVLBSDの両者を冷蔵庫に一晩貯蔵した。 328K及び40バールの圧力において、78.67kgのジメチルエーテルにより7651.4gのLLBSDを抽出した。 4250gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、ベータ血清からの水の抽出を促進した。 5172.5gの抽出物を回収し、これをロータリー真空エバポレーターにおいて乾燥するまで蒸発させ、290.7gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の87%に相当した。 リン脂質含有量は脂質全体の49.2%であった。 脱脂した可溶性タンパク質がリッチな6103.8gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは6.52%のタンパク質及びわずか0.5%の脂質を含んでおり、リン脂質含有量は脂質全体の52.4%であった。 例7のLLBSと比較して、脂質の収率が大きく向上し、ラフィネート中の残留脂質が低下した。

    318K及び40バールの圧力において、75.49kgのジメチルエーテルにより6885.9gのVLBSDを抽出した。 4150gの水補助溶媒をジメチルエーテルに連続的に加え、ベータ血清からの水の抽出を促進した。 5834.5gの抽出物を回収し、これロータリー真空エバポレーターにおいて乾燥するまで蒸発させ、226.0gの脂質がリッチな抽出物を得た。 この脂質含有量は脂質全体の86%に相当した。 リン脂質含有量は脂質全体の46.5%であった。 脱脂した可溶性タンパク質がリッチな5362.6gの水性ラフィネート流体をこの抽出工程から連続的に回収し、これは6.52%のタンパク質及びわずか0.5%の脂質を含んでおり、リン脂質含有量は脂質全体の47.9%であった。 例7のVLBSと比較して、脂質の収率が大きく向上し、ラフィネート中の残留脂質が低下した。

    圧力及び温度に関してのジメチルエーテルの好ましい操作領域を示すグラフである。

    固体からの近臨界抽出に用いる装置の略図である。

    液体からの近臨界抽出に用いる装置の略図である。

    抽出されるリン脂質及びスフィンゴ脂質を示す抽出物のHPLCクロマトグラフである。

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