Inhibition of ApoE cleavage activity in the treatment of ApoE-related disorders

申请号 JP2011537656 申请日 2009-11-20 公开(公告)号 JP2012509888A 公开(公告)日 2012-04-26
申请人 ザ ジェイ. デヴィッド グラッドストーン インスティテューツ; 发明人 チン シュ,; メイ シゥ スティール,; ヤトン ファン,; スティーブン バリー フリードマン,; ロバート ダブリュー. マハレイ,; カール エイチ. ワイスグレーバー,;
摘要 本発明は、ApoE関連障害を治療する方法を提供する、この方法は、全般的に、ApoEを切断する酵素の活性を阻害する薬剤の有効量を投与するステップを含む。
权利要求
  • 個体におけるアポリポタンパク質E(ApoE)関連障害を治療する方法であって、個体のニューロンにおけるApoE4のタンパク質切断を阻害する薬剤の有効量を個体に投与するステップを含み、前記タンパク質切断が、図1Aに示すアミノ酸配列と少なくとも約75%のアミノ酸配列同一性を有するClpPポリペプチドにより媒介される方法。
  • 個体におけるアポリポタンパク質E4(ApoE4)関連障害を治療する方法であって、個体のニューロンにおけるApoEのタンパク質切断を阻害する薬剤の有効量を個体に投与するステップを含み、前記タンパク質切断が、図1Aに示すアミノ酸配列と少なくとも約75%のアミノ酸配列同一性を有するClpPポリペプチドにより媒介される方法。
  • 薬剤が、ClpPポリペプチドの小分子阻害剤である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • 薬剤が、神経細胞における酵素活性ClpPポリペプチドのレベルを低減する妨害核酸である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • 薬剤が、ペプチドである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • 薬剤が、経口投与される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • 薬剤が、注射により投与される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の有効量を投与するステップをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • 抗炎症剤の有効量を投与するステップをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • ApoE4ドメイン相互作用を低減させる薬剤を投与するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  • ApoE関連障害またはApoE4関連障害が、アルツハイマー病である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  • アポリポタンパク質E4(ApoE4)関連障害を治療するための候補薬剤を同定するin vitro方法であって、
    ClpPポリペプチドを、試験薬剤およびApoE基質と接触させるステップであって、ClpPポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列と少なくとも約75%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むステップと、
    ApoE基質を切断するClpPポリペプチドの活性に対する試験薬剤の影響があるならばそれを決定するステップとを含み、
    ApoE基質を切断するClpPポリペプチドの活性の少なくとも10%を阻害する試験薬剤が、ApoE4関連障害を治療するための候補薬剤である方法。
  • アッセイが、細胞ベースのアッセイであり、ClpPポリペプチドおよびApoE基質が、細胞内に存在する、請求項12に記載の方法。
  • 細胞が、神経細胞である、請求項13に記載の方法。
  • アッセイが、無細胞アッセイであり、ClpPポリペプチドが、少なくとも75%純粋である、請求項12に記載の方法。
  • ApoE基質が、蛍光発光性である、請求項12に記載の方法。
  • ClpPポリペプチドが、精製され、ClpPポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも約75%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む精製ClpXポリペプチドとの複合体にある、請求項12に記載の方法。
  • ClpPポリペプチドが、細胞可溶化液中に存在する、請求項12に記載の方法。
  • 細胞可溶化液が、ClpPポリペプチドを通常合成する神経細胞から得られる、請求項18に記載の方法。
  • 細胞可溶化液が、遺伝子改変宿主細胞から得られ、宿主細胞が、ClpPポリペプチドを通常合成しないものであり、遺伝子改変宿主細胞が、ClpPポリペプチドおよびClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1または複数の核酸で遺伝子改変されている、請求項18に記載の方法。
  • ClpPポリペプチドおよびClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、ニューロン特異的プロモーターと作動可能に連結される、請求項20に記載の方法。
  • 说明书全文

    相互参照 本出願は、2008年11月21日に出願された米国仮特許出願第61/116,838号の利益を主張し、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

    299アミノ酸の34kDaタンパク質であるヒトアポリポタンパク質(apo)Eは、3つの主なアイソフォーム、ApoE2、ApoE3およびApoE4を有する。 ApoE4は、アルツハイマー病(AD)の主な危険因子である。 散発性および家族性のADの症例の65%〜80%で見出されるApoE4対立遺伝子は、この疾患の出現を増加し、発症年齢を引き下げる。

    アルツハイマー病は、現在のところ回復しない潜行性で進行性の神経障害である。 アルツハイマー病についての適切な治療がないことに鑑みて、この神経障害についての治療方法に対する必要性が存在する。

    本発明は、ApoE関連障害を治療する方法を提供する。 この方法は、全般的に、ApoEを切断する酵素の活性を阻害する薬剤の有効量を投与するステップを含む。

    ClpPポリペプチドのアミノ酸配列を示す図である。

    ClpPポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を示す図である。

    ApoEポリペプチドのアミノ酸配列を示す図である。 FEPL(配列番号11)配列に下線を付す。

    ApoEポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を示す図である。

    一次ニューロンにおけるApoE4切断に対するClpPのshRNA媒介ノックダウンの影響を示す図である。

    組換えClpPによるApoE4のin vitro切断を示す図である。

    ClpXポリペプチドのアミノ酸配列を示す図である。

    ClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を示す図である。

    ClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を示す図である。

    定義 本明細書で用いる場合、「ApoE関連障害」は、細胞、血清、間質液、脳脊髄液または個体の任意のその他の体液中のApoEの存在を原因とする任意の障害;ApoEドメイン相互作用により影響される任意の生理的プロセスまたは代謝事象;ApoEの存在を特徴とする任意の障害;細胞または体液中のApoEの存在を原因とする障害の症状;ApoEの細胞または体液中での存在を原因とする障害と関連する現象;およびApoEの存在を原因とする任意の障害の続発症である。 ApoE関連障害は、ApoE関連神経障害および高い血清脂質レベルと関連する障害を含む。 ApoE関連神経障害は、それらに限定されないが、散発性アルツハイマー病;家族性アルツハイマー病;脳卒中後の悪い転帰;外傷性頭部損傷後の悪い転帰;および脳虚血を含む。 ApoE関連神経障害と関連する現象は、それらに限定されないが、神経原線維変化;アミロイド沈着;記憶喪失;および認識機能の低下を含む。 高い血清脂質レベルと関連するApoE関連障害は、それらに限定されないが、アテローム動脈硬化症および冠動脈疾患を含む。 このようなApoE関連障害と関連する現象は、高い血清コレステロールレベルを含む。

    いくつかの実施形態において、ApoE関連障害は、ApoE4関連障害である。 本明細書で用いる場合、「ApoE4関連障害」は、細胞、血清、間質液、脳脊髄液または個体の任意のその他の体液中のApoE4の存在を原因とする任意の障害;ApoE4ドメイン相互作用により影響される任意の生理的プロセスまたは代謝事象;ApoE4の存在を特徴とする任意の障害;細胞または体液中のApoE4の存在を原因とする障害の症状;ApoE4の細胞または体液中での存在を原因とする障害と関連する現象;およびApoE4の存在を原因とする任意の障害の続発症である。 ApoE4関連障害は、ApoE4関連神経障害および高い血清脂質レベルと関連する障害を含む。 ApoE4関連神経障害は、それらに限定されないが、散発性アルツハイマー病;家族性アルツハイマー病;脳卒中後の悪い転帰;外傷性頭部損傷後の悪い転帰;および脳虚血を含む。 ApoE4関連神経障害と関連する現象は、それらに限定されないが、神経原線維変化;アミロイド沈着;記憶喪失;および認識機能の低下を含む。 高い血清脂質レベルと関連するApoE4関連障害は、それらに限定されないが、アテローム動脈硬化症および冠動脈疾患を含む。 このようなApoE4関連障害と関連する現象は、高い血清コレステロールレベルを含む。

    用語「アルツハイマー病」(本明細書において「AD」と省略する)は、本明細書で用いる場合、主に海馬および大脳皮質でのアミロイドβタンパク質を含む老人斑の形成と関連する状態、ならびに学習および記憶の両方の損傷のことをいう。 本明細書で用いる場合、「AD」は、ADとAD型病態との両方を含むことを意味する。

    用語「アルツハイマー病と関連する現象」は、本明細書で用いる場合、ADと関連する構造的、分子的または機能的な事象、特に動物モデルにおいて容易に評価可能な事象のことをいう。 このような事象は、それらに限定されないが、アミロイド沈着、神経病理学的発展、学習および記憶の欠陥、ならびにその他のADと関連する特徴を含む。

    「作動可能に連結される」とは、そのように記載される要素が、それらが意図する様式でそれらが機能することを許容する関係にある近位のことをいう。 例えば、プロモーターは、該プロモーターがコード配列の転写または発現に影響する場合に、コード配列と作動可能に連結されている。

    用語「形質転換」は、本明細書において「遺伝子改変」と交換可能に用いられ、新しい核酸(すなわち細胞にとって外因性のDNA)の導入の後に細胞に誘導される永続的または一過的な遺伝子変化のことをいう。 遺伝子変化(「改変」)は、新しいDNAを宿主細胞のゲノムに組み込むこと、または新しいDNAをエピソーム要素として一過的もしくは安定的に維持することのいずれかにより達成できる。

    「宿主細胞」は、本明細書で用いる場合、in vivoまたはin vitroの真核細胞、原核細胞もしくは単細胞体として培養された多細胞生物からの細胞(例えば株化細胞)のことをいい、ここで、真核細胞または原核細胞は、核酸のレシピエントとして用いることができるかまたは用いられたことがあり、該核酸により遺伝子改変された元来の細胞の子孫を含む。 単細胞の子孫は、天然の、偶発的なまたは意図的な変異により、元来の親と形態が完全に同一またはゲノムもしくはトータルDNAが相補的である必要はないと理解される。 「組換え宿主細胞」(「遺伝子改変宿主細胞」ともいう)は、異種核酸、例えば発現ベクターが導入された宿主細胞である。

    本明細書で用いる場合、用語「ニューロン」または「神経細胞」は、それらに限定されないが、ニューロンを含有する脳細胞の初代培養物、一次神経細胞を含む単離細胞培養物、神経前駆細胞、ニューロンのモデルとして用いられる組織培養細胞およびそれらの混合物を含む、任意の型のニューロンを含む任意の細胞集団を含む。

    本明細書で用いる場合、用語「治療」、「治療する」などは、所望の薬理学的および/または生理的効果を得ることをいう。 効果は、疾患もしくはその症状を完全または部分的に妨げるという点で予防的であり得、かつ/あるいは疾患および/または疾患の原因である有害な影響を部分的もしくは完全に治癒するという点で治療的であり得る。 「治療」は、本明細書で用いる場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療をカバーし、(a)疾患の素因を有し得るが、それを有するとまだ診断されていない対象において該疾患が出現することを妨げること;(b)疾患を阻害すること、すなわちその発展を阻止すること;および(c)疾患を緩和すること、すなわち疾患の緩解を引き起こすことを含む。

    本明細書において交換可能に用いられる用語「個体」、「対象」および「患者」は、それらに限定されないが、マウス、サル、ヒト、哺乳類の家畜、哺乳類の競技動物および哺乳類のペットを含む哺乳動物のことをいう。

    「治療有効量」または「効のある量」は、疾患を治療するために哺乳動物またはその他の対象に投与した場合に、疾患についてのそのような治療を奏するのに十分な化合物の量を意味する。 「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重篤度、ならびに治療される対象の年齢、体重などに依存して変動する。

    本発明をさらに記載する前に、本発明は、記載される具体的な実施形態に限定されず、それ自体でもちろん変動し得ると理解される。 本明細書で用いられる用語は、具体的な実施形態を記載することだけを目的とし、限定することを意図しないことも理解される。 なぜなら、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のよってのみ限定されるからである。

    値の範囲が示される場合、その範囲の上限と下限との間の、およびその記述される範囲内の任意のその他の記載されるかもしくは介在する値の文脈がそうでないと明確に示さない限り下限の単位の10分の1までの介在するそれぞれの値は、本発明に含まれると理解される。 これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲に独立して含まれることができ、記述される範囲内の任意の特に除外される限界によって変わるが、これらもまた本発明に含まれる。 記述される範囲が一方または両方の限界を含む場合、これらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。

    そうでないと定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する当該技術の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。 本明細書に記載されるものと同様または等価な任意の方法および材料を、本発明を実施または試験するために用いることもできるが、好ましい方法および材料は、ここに記載される。 本明細書で言及する全ての出版物は、該出版物が引用されることと関連して、方法および/または材料を開示ならびに記載するために参照により本明細書に組み込まれる。

    本明細書および添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、複数の指示物を含むことに注意しなければならない。 よって、例えば、「薬剤」との言及は、複数のそのような薬剤を含み、「ClpPポリペプチド」との言及は、1または複数のClpPポリペプチドおよび当業者に知られるその均等物を含む、などである。 特許請求の範囲は、いずれの任意選択要素も除外するように起草され得ることがさらに注目される。 それ自体で、この記述は、クレーム要素の記載に関して「単に」、「のみ」のような排他的用語の使用、または「否定的な」限定の使用についての先行する基礎となることを意図する。

    本明細書で議論する出版物は、本出願の出願日前のそれらの開示について単に示す。 本明細書中のいずれも、本発明が以前の発明によりそのような出版物に先行する資格がないことを承認しているものと解釈されない。 さらに、示される出版物の日時は、実際の出版日時とは異なる場合があり、このことは独立して確認する必要がある場合がある。

    詳細な説明 本発明は、個体におけるApoE関連障害(例えばApoE4関連障害)を治療する方法を提供する。 この方法は、全般的に、ApoE切断酵素のタンパク質分解活性を阻害する薬剤の有効量を、それを必要とする個体に投与するステップを含む。

    用語「ApoE切断酵素」(「AECE」)は、本明細書で用いる場合、ApoE、例えばApoE4を切断して、神経毒性ApoEフラグメントを生成する酵素である。 AECEは、セリンプロテアーゼである。 いくつかの実施形態において、AECEは、成熟ニューロンに、未熟ニューロンよりも高いレベルで存在する。 例えば、AECEは、成熟ニューロンに、未熟ニューロンでのレベルよりも約25%、約50%、約2倍、約5倍、約10倍または10倍を超えてより高いレベルで存在する。 いくつかの実施形態において、AECEは、皮質ニューロンおよび海馬ニューロンに、小脳ニューロンよりも高いレベルで存在する。 例えば、AECEは、皮質ニューロンおよび海馬ニューロンに、小脳ニューロンでのレベルよりも約25%、約50%、約2倍、約5倍、約10倍または10倍を超えてより高いレベルで存在する。 いくつかの実施形態において、AECEは、ニューロンに、アストロサイトよりもかなりより高いレベルで存在する。 例えば、AECEは、成熟ニューロンに、アストロサイトでのレベルよりも約2倍、約5倍、約10倍、約25倍、約50倍、または約100倍、または100倍を超えてより高いベルで存在する。

    いくつかの実施形態において、AECE阻害剤(例えばClpP阻害剤)の「有効量」は、1または複数の用量でそれを必要とする個体に投与した場合に、個体におけるApoE関連障害(例えばApoE4関連障害)の少なくとも1つの有害症状の重篤度を、該阻害剤を用いる治療の非存在下での症状の重篤度と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれより多く低減する量である。 症状の重篤度が低減されたかは、任意の既知の方法を用いて決定できる。 例えば、認知機能低下は、認知機能についての標準的な試験を用いて測定できる。

    いくつかの実施形態において、AECE阻害剤(例えばClpP阻害剤)の「有効量」は、1または複数の用量でそれを必要とする個体に投与した場合に、個体(例えばアルツハイマー病の個体)における認知機能を、該阻害剤を用いる治療の非存在下での認知機能と比較して少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%または50%を超えて改善する量である。

    ClpP
    いくつかの実施形態において、AECEは、哺乳類ClpPポリペプチドである。 本明細書で用いる場合、「ClpPポリペプチド」は、ApoEを切断して、神経毒性ApoEフラグメントの形成をもたらすセリンプロテアーゼのことをいう。 ClpPポリペプチドは、図1Aに示すアミノ酸配列(配列番号1)の約150アミノ酸(aa)〜約175aa、約175aa〜約200aa、約200aa〜約250aa、または約250aa〜約277aaの連続するひと続きと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸を含み得る。

    ClpPポリペプチドは、図1Bに示すヌクレオチド配列(配列番号2)の約500ヌクレオチド〜約600ヌクレオチド、約600ヌクレオチド〜約700ヌクレオチド、または約700ヌクレオチド〜821ヌクレオチドの連続するひと続きと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされ得る。

    哺乳類ClpPポリペプチド、およびそれらの酵素活性を測定する方法は、文献に記載されている。 例えば、Brossら(1995)FEBS Letters377:249およびCorydonら(1998)Biochem. J. 331:309およびAndresenら(2000)Mammalian Genome11:275を参照されたい。

    いくつかの実施形態において、ClpPポリペプチドは、ClpXポリペプチドとの複合体で存在する。 よって、いくつかの実施形態において、AECEは、ClpPポリペプチドとClpXポリペプチドの両方を含む。 ClpXポリペプチドは、図5Aに示すアミノ酸配列の約300aa〜約400aa、約400aa〜約500aa、約500aa〜約600aa、または約600aa〜633aaの連続するひと続きと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸を含み得る。 例えばGenBank受入番号CAC01291;Santagataら(1999)J. Biol. Chem. 274:16311;Kangら(2002)J. Biol. Chem. 277:21095;およびKangら(2005)J. Biol. Chem. 280:35424を参照されたい。

    ClpXポリペプチドは、図5Bおよび5Cに示し、配列番号12に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド73〜1974のうちの約1500ヌクレオチド〜約1600ヌクレオチド、約1600ヌクレオチド〜約1700ヌクレオチド、約1700ヌクレオチド〜約1800ヌクレオチド、または約1800ヌクレオチド〜約1900ヌクレオチドの連続するひと続きと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされ得る。

    ApoE
    299アミノ酸の34kDaタンパク質であるヒトアポリポタンパク質(apo)Eは、3つの主なアイソフォーム、ApoE2、ApoE3およびApoE4を有する。 種々の哺乳類の種のApoEポリペプチドのアミノ酸配列は、当該技術において知られている。 例えばRallら(1982)J. Biol. Chem. 257:4171;Weisgraber(1994)Adv. Protein Chem. 45:249〜302;GenBank NP_000032を参照されたい。

    「ApoEポリペプチド」は、図2Aに示すアミノ酸配列のアミノ酸19〜317のうちの約200アミノ酸(aa)〜約225aa、約225aa〜約250aa、約250aa〜約275aa、または約275aa〜約299aaの連続するひと続きと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸を含み得る。

    神経毒性ApoE
    AECEの作用により生じる神経毒性ApoEフラグメントは、カルボキシル末端切断型ApoE4およびカルボキシル末端切断型ApoE3を含む。 カルボキシル末端切断型ApoE4は、ApoE4の少なくともアミノ酸244〜260を含み、カルボキシル末端切断型ApoE3は、ApoE3の少なくともアミノ酸244〜260を含む。 神経毒性ApoE4フラグメントは、p−タウおよびp−NF−Hの両方と結合するカルボキシル末端切断型ApoE4を含む。

    ApoE3またはApoE4のカルボキシル末端からの約28〜約30、約30〜約35、約35〜約40、約40〜約45、または約45〜約48アミノ酸の欠失は、p−タウと結合し、p−NF−Hと結合するカルボキシル末端切断型ApoEをもたらす。 神経原線維変化を増加させる特定のカルボキシル末端切断型ApoEポリペプチドは、それらに限定されないが、ApoE4Δ272〜299;ApoE3Δ272〜299;ApoE4Δ261〜299;およびApoE4Δ252〜299を含む。 神経毒性ApoEフラグメントの記載について、例えば米国特許第6,787,519号を参照されたい。

    AECE阻害剤 主題の方法において用いるために適するAECEタンパク質分解活性を阻害する活性薬剤は、ApoE4が基質である場合に神経毒性ApoE4の生成を低減する任意の薬剤を含む。 AECEタンパク質分解活性を阻害する適切な薬剤は、ApoE4に対するAECEの作用により形成される神経毒性ApoE4フラグメントの量を、AECEの存在下および薬剤の非存在下で形成される神経毒性ApoE4フラグメントの量と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%、またはそれより多く低減するものである。

    例えば、主題の方法において用いるために適するClpPタンパク質分解活性を阻害する活性薬剤は、ApoE4が基質である場合に神経毒性ApoE4の生成を低減する任意の薬剤を含む。 ClpPタンパク質分解活性を阻害する適切な薬剤は、ApoE4に対するClpPの作用により形成される神経毒性ApoE4フラグメントの量を、ClpPの存在下および薬剤の非存在下で形成される神経毒性ApoE4フラグメントの量と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%、またはそれより多く低減するものである。

    主題の方法において用いるために適するAECEタンパク質分解活性を阻害する活性薬剤は、ApoE3が基質である場合に神経毒性ApoE3フラグメントの生成を低減する任意の薬剤を含む。 AECEタンパク質分解活性を阻害する適切な薬剤は、ApoE3に対するAECEの作用により形成される神経毒性ApoE3フラグメントの量を、AECEの存在下および薬剤の非存在下で形成される神経毒性ApoE3フラグメントの量と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%、またはそれより多く低減するものである。

    例えば、主題の方法において用いるために適するClpPタンパク質分解活性を阻害する活性薬剤は、ApoE3が基質である場合に神経毒性ApoE3フラグメントの生成を低減する任意の薬剤を含む。 ClpPタンパク質分解活性を阻害する適切な薬剤は、ApoE4に対するClpPの作用により形成される神経毒性ApoE3フラグメントの量を、ClpPの存在下および薬剤の非存在下で形成される神経毒性ApoE3フラグメントの量と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%、またはそれより多く低減するものである。

    小分子薬剤 いくつかの実施形態において、AECEタンパク質分解活性を阻害する薬剤は、小分子薬剤である。 例えば、いくつかの実施形態において、ClpPタンパク質分解活性を阻害する薬剤は、小分子薬剤である。 小分子阻害剤は、例えば、約25kDa未満の化合物、例えば約50ダルトン〜約25kDa、例えば約50ダルトン〜約100ダルトン、約100ダルトン〜約500ダルトン、約500ダルトン〜約1キロダルトン(kDa)、約1kDa〜約5kDa、約5kDa〜約10kDa、または約10kDa〜約25kDaの化合物を含む。 小分子阻害剤は、約50ダルトン〜約3000ダルトン、例えば約50ダルトン〜約75ダルトン、約75ダルトン〜約100ダルトン、約100ダルトン〜約250ダルトン、約250ダルトン〜約500ダルトン、約500ダルトン〜約750ダルトン、約750ダルトン〜約1000ダルトン、約1000ダルトン〜約1250ダルトン、約1250ダルトン〜約1500ダルトン、約1500ダルトン〜約2000ダルトン、約2000ダルトン〜約2500ダルトン、または約2500ダルトン〜約3000ダルトンの範囲の分子量を有し得る。

    小分子ClpP阻害剤は、約1pM〜約1mM、例えば約1pM〜約10pM、約10pM〜約25pM、約25pM〜約50pM、約50pM〜約100pM、約100pM〜約250pM、約250pM〜約500pM、約500pM〜約750pM、約750pM〜約1nM、約1nM〜約10nM、約10nM〜約15nM、約15nM〜約25nM、約25nM〜約50nM、約50nM〜約75nM、約75nM〜約100nM、約100nM〜約150nM、約150nM〜約200nM、約200nM〜約250nM、約250nM〜約300nM、約300nM〜約350nM、約350nM〜約400nM、約400nM〜約450nM、約450nM〜約500nM、約500nM〜約750nM、約750nM〜約1μM、約1μM〜約10μM、約10μM〜約25μM、約25μM〜約50μM、約50μM〜約75μM、約75μM〜約100μM、約100μM〜約250μM、約250μM〜約500μM、または約500μM〜約1mMであるIC 50 (最大有効濃度の半分)を有し得る。

    いくつかの実施形態において、小分子ClpP阻害剤はClpPについて選択的であり、例えば、小分子阻害剤は、ClpP活性の少なくとも50%の阻害を引き起こす濃度にて、阻害するならばClpP以外の酵素を約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満阻害する。

    妨害核酸 いくつかの実施形態において、ClpPタンパク質分解活性を阻害する薬剤は、阻害(または「妨害(interfering)」)核酸である。 妨害核酸(RNAi)は、細胞、例えば神経細胞におけるClpPポリペプチドのレベルの低下をもたらす核酸を含む。 妨害核酸は、例えば低分子妨害核酸(siNA)、低分子妨害RNA(siRNA)、2本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)および低分子ヘアピンRNA(shRNA)分子を含む。

    用語「低分子妨害核酸」、「siNA」、「低分子妨害RNA」、「siRNA」、「低分子妨害核酸分子」、「低分子妨害オリゴヌクレオチド分子」または「化学改変低分子妨害核酸分子」は、本明細書で用いる場合、例えば配列特異的な様式でRNA妨害「RNAi」または遺伝子発現抑制を媒介することにより、遺伝子発現を阻害または下方制御できる任意の核酸分子のことをいう。 標的遺伝子が与えられている場合のRNAi分子の設計は、当該技術において日常的である。 米国特許出願公開第2005/0282188号(参照により本明細書に組み込まれる)およびそこに引用される参考文献も参照されたい。 例えば、PushparajらClin Exp Pharmacol Physiol. 2006年5月〜6月;33(5〜6):504〜10;LutzelbergerらHandb Exp Pharmacol. 2006;(173):243〜59;AroninらGene Ther. 2006年3月;13(6):509〜16;XieらDrug Discov Today. 2006年1月;11(1〜2):67〜73;GrunwellerらCurr Med Chem. 2005;12(26):3143〜61;およびPekaraikらBrain Res Bull. 2005年12月15日;68(1〜2):115〜20. Epub 2005年9月9日を参照されたい。

    所望の標的に対するsiRNAの設計および生成のための方法は、当該技術において知られており、ClpPコード核酸へのそれらの応用は、当業者に容易に理解され、例えば、例えば安定性、バイオアベイラビリティーおよび治療剤としての使用を増進するその他の特性の増進をもたらすために改変(例えば化学改変)を有するsiRNAの生成方法も同様である。 さらに、siRNAの処方および対象へのデリバリー(delivery)のための方法も、当該技術において公知である。 例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0282188号;米国特許出願公開第2005/0239731号;米国特許出願公開第2005/0234232号;米国特許出願公開第2005/0176018号;米国特許出願公開第2005/0059817号;米国特許出願公開第2005/0020525号;米国特許出願公開第2004/0192626号;米国特許出願公開第2003/0073640号;米国特許出願公開第2002/0150936号;米国特許出願公開第2002/0142980号;および米国特許出願公開第2002/0120129号を参照されたい。

    siRNAの設計を促進するための公共で利用可能なツールが、当該技術において利用可能である。 例えば、DEQOR:Design and Quality Control of RNAi(cluster−1.mpi−cbg.de/Deqor/deqor.htmlでインターネットにて利用可能)を参照されたい。 また、HenschelらNucleic Acids Res. 2004年7月1日;32(Web Server版):W113〜20も参照されたい。 DEQORは、siRNA設計のための最新式のパラメータに基づくスコアリングシステムを用いてsiRNAの阻害能力を評価するウェブベースのプログラムである。 よって、DEQORは、(i)塩基対組成に基づいて高い発現抑制能を示す遺伝子内の領域、および(ii)化学合成のための高い発現抑制能力を有するsiRNAの予測を補助できる。 さらに、入力クエリから得られる各siRNAは、選択された生物のトランスクリプトームまたはゲノムに対してBLAST検索を行うことにより、可能性のある交差発現抑制活性について評価される。 よって、DEQORは、mRNAフラグメントが細胞内のその他の遺伝子と交差反応する可能性を予測でき、科学者がsiRNAまたは化学設計siRNAの特異性を試験する実験を設計することを補助する。

    siNA分子は、任意の種々の形態であり得る。 例えば、siNAは、自己相補的センスおよびアンチセンス領域を含む2本鎖ポリヌクレオチド分子であって、アンチセンス領域が標的核酸分子またはその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス領域が標的核酸配列またはその一部に相当するヌクレオチド配列を有する分子であり得る。 siNAは、2つの別々のオリゴヌクレオチドから組み立てることもでき、ここで、一方の鎖はセンス鎖であり、他方はアンチセンス鎖であり、アンチセンス鎖およびセンス鎖は自己相補的である。 この実施形態において、それぞれの鎖は、通常、他方の鎖のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み;例えばアンチセンス鎖とセンス鎖とが2重または2本鎖構造を形成し、例えば2本鎖領域が約15塩基対〜約30塩基対、例えば約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30塩基対であり;アンチセンス鎖が、標的核酸分子またはその一部のヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス鎖が、標的核酸配列またはその一部に相当するヌクレオチド配列を含む(例えばsiNA分子の約15ヌクレオチド〜約25以上のヌクレオチドが、標的核酸またはその一部に相補的である)。

    代わりに、siNAは、単一オリゴヌクレオチドから組み立てることができ、ここで、siNAの自己相補的センスおよびアンチセンス領域は、核酸ベースまたは非核酸ベースのリンカー(複数可)により連結される。 siNAは、2重鎖、非対称2重鎖、ヘアピンまたは非対称ヘアピン2次構造で、自己相補的センスおよびアンチセンス領域を有するポリヌクレオチドであって、アンチセンス領域が別の標的核酸分子またはその一部のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス領域が標的核酸配列またはその一部に相当するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドであり得る。

    siNAは、2つ以上のループ構造と、自己相補的センスおよびアンチセンス領域を含むステムとを有する環状1本鎖ポリヌクレオチドであって、アンチセンス領域が標的核酸分子またはその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス領域が標的核酸配列またはその一部に相当するヌクレオチド配列を有し、環状ポリヌクレオチドがin vivoまたはin vitroのいずれかで加工されて、RNAiを媒介できる活性siNA分子を生じることができるポリヌクレオチドであり得る。 siNAは、標的核酸分子またはその一部のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を有する1本鎖ポリヌクレオチド(例えば、このようなsiNA分子が、標的核酸配列またはその一部に相当するヌクレオチド配列がsiNA分子内に存在することを必要としない場合)であって、1本鎖ポリヌクレオチドが、5'−ホスフェート(例えばMartinezら、2002、Cell.、110、563〜574およびSchwarzら、2002、Molecular Cell、10、537〜568を参照されたい)または5',3'−ジホスフェートのような末端ホスフェート基をさらに含み得るポリヌクレオチドも含み得る。

    ある実施形態において、siNA分子は、センスおよびアンチセンス領域が、当該技術において知られるようなヌクレオチドまたは非ヌクレオチドリンカーにより共有結合しているか、または代わりにイオン性相互作用、素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用および/もしくはスタッキング相互作用により非共有結合している、別々のセンスおよびアンチセンス配列または領域を含有する。 あるいくつかの実施形態において、siNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む。 別の実施形態において、siNA分子は、標的遺伝子の発現の阻害を引き起こす様式で標的遺伝子のヌクレオチド配列と相互作用する。

    本明細書で用いる場合、siNA分子は、RNAのみを含有するこれらの分子に限定される必要はないが、化学改変ヌクレオチドおよび非ヌクレオチドをさらに含む。 ある実施形態において、本発明の低分子妨害核酸分子は、2'−ヒドロキシ(2'−OH)含有ヌクレオチドを欠く。 siNAは、RNAiを媒介するために2'−ヒドロキシ基を有するヌクレオチドの存在を必ずしも要求せず、それ自体で、本発明のsiNA分子は、所望により、いずれのリボヌクレオチド(例えば2'−OH基を有するヌクレオチド)も含まない。 RNAiを支持するためにsiNA分子内に1もしくは複数のリボヌクレオチドの存在を要求しないこのようなsiNA分子は、しかし、2'−OH基を有するヌクレオチドを含有する、結合した1もしくは複数のリンカーまたはその他の結合もしくは会合した基、部分または鎖を有し得る。 所望により、siNA分子は、約5、10、20、30、40または50%のヌクレオチドの位置にリボヌクレオチドを含み得る。 本発明の改変低分子妨害核酸分子は、低分子妨害改変オリゴヌクレオチド「siMON」ともいうことができる。

    本明細書で用いる場合、用語siNAは、配列特異的RNAiを媒介できる核酸分子、例えば低分子妨害RNA(siRNA)、2本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、低分子ヘアピンRNA(shRNA)、低分子妨害オリゴヌクレオチド、低分子妨害核酸、低分子妨害改変オリゴヌクレオチド、化学改変siRNA、転写後遺伝子発現抑制RNA(ptgsRNA)などを記載するために用いられるその他の用語と等価であることを意味する。 さらに、本明細書で用いる場合、用語RNAiは、転写後遺伝子発現抑制、翻訳阻害またはエピジェネティクスのような配列特異的RNA妨害を記載するために用いられるその他の用語と等価であることを意味する。 例えば、本発明のsiNA分子は、転写後レベルおよび/または転写前レベルにて標的遺伝子をエピジェネティクスにより発現抑制するために用いることができる。 非限定的な例において、本発明のsiNA分子による遺伝子発現のエピジェネティクスによる制御は、遺伝子発現を変化させるためのクロマチン構造またはメチル化パターンのsiNA媒介改変に起因できる(例えばVerdelら、2004、Science、303、672〜676;Pal−Bhadraら、2004、Science、303、669〜672;Allshire、2002、Science、297、1818〜1819;Volpeら、2002、Science、297、1833〜1837;Jenuwein、2002、Science、297、2215〜2218;およびHallら、2002、Science、297、2232〜2237を参照されたい)。

    本発明において意図するsiNA分子は、2重鎖形成オリゴヌクレオチド(DFO)を含むことができる(例えば参照により本明細書に組み込まれるWO05/019453および米国特許出願公開第2005/0233329号を参照されたい)。 これもまた本発明において意図するsiNA分子は、多機能性siNAを含む(例えばWO05/019453および米国特許出願公開第2004/0249178号を参照されたい)。 多機能性siNAは、例えばSkp2の2つの領域を標的にする配列を含むことができる。

    本発明において意図するsiNA分子は、非対称ヘアピンまたは非対称2重鎖を含むことができる。 「非対称ヘアピン」により、本明細書で用いる場合、アンチセンス領域と、ヌクレオチドまたは非ヌクレオチドを含み得るループ部分と、センス領域がアンチセンス領域と塩基対形成し、かつループと2重鎖を形成するのに十分な相補的ヌクレオチドを有する程度にアンチセンス領域より少ないヌクレオチドを含むセンス領域とを含む直鎖状siNA分子を意味する。 例えば、非対称ヘアピンsiNA分子は、細胞またはin vitro系でRNAiを媒介するのに十分な長さを有するアンチセンス領域(例えば約15〜約30、または約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30ヌクレオチド)と、約4〜約12(例えば約4、5、6、7、8、9、10、11または12)ヌクレオチドを含むループ領域と、アンチセンス領域に相補的な約3〜約25(例えば約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25)ヌクレオチドを有するセンス領域とを含み得る。 非対称ヘアピンsiNA分子も、化学的に改変され得る5'末端ホスフェート基を含み得る。 非対称ヘアピンsiNA分子のループ部分は、ヌクレオチド、非ヌクレオチド、リンカー分子または本明細書に記載されるコンジュゲート分子を含み得る。

    「非対称2重鎖」により、本明細書で用いる場合、センス領域とアンチセンス領域とを含む2つの別々の鎖を有するsiNA分子であって、センス領域が、センス領域がアンチセンス領域と塩基対形成し、かつ2重鎖を形成するのに十分な相補的ヌクレオチドを有する程度にアンチセンス領域より少ないヌクレオチドを含む分子を意味する。 例えば、本発明の非対称2重鎖siNA分子は、細胞またはin vitro系でRNAiを媒介するのに十分な長さを有するアンチセンス領域(例えば約15〜約30、または約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30ヌクレオチド)と、アンチセンス領域に相補的な約3〜約25(例えば約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25)ヌクレオチドを有するセンス領域とを含み得る。

    siRNAの安定性および/または半減期は、血清リボヌクレアーゼによるそれらの分解を防ぐことができ、それらの能力を増加できる改変(塩基、糖および/またはホスフェート)を有する核酸分子を化学合成することにより改善できる(例えば、本明細書に記載される核酸分子の塩基、ホスフェートおよび/または糖部分に作製できる種々の化学的改変について記載する、全てが本明細書に参照により組み込まれるEcksteinら、国際公開第WO92/07065号;Perraultら、1990Nature344、565;Piekenら、1991、Science253、314;UsmanおよびCedergren、1992、Trends in Biochem.Sci.17、334;Usmanら、国際公開第WO93/15187号;ならびにRossiら、国際公開第WO91/03162号;Sproat、米国特許第5,334,711号;Goldら、米国特許第6,300,074号;ならびにBurginら、既出を参照されたい)。 細胞におけるそれらの効力を増進し、核酸分子からの塩基の除去を増進してオリゴヌクレオチド合成時間を短くして化学物質の必要量を低減する改変が望ましい。

    例えば、ヌクレアーゼ耐性基を用いる改変、例えば2'−アミノ、2'−C−アリル、2'−フルオロ、2'−O−メチル、2'−O−アリル、2'−H、ヌクレオチド塩基改変によりオリゴヌクレオチドを改変して安定性を増進し、かつ/または生物学的活性を増進する(概説として、UsmanおよびCedergren、1992、TIBS.17、34;Usmanら、1994、Nucleic Acids Symp.Ser.31、163;Burginら、1996、Biochemistry、35、14090を参照されたい)。 核酸分子の糖の改変は、当該技術において詳細に記載されている(それぞれが参照によりその全体で本明細書に組み込まれるEcksteinら、国際公開PCT第WO92/07065号;Perraultら、Nature、1990、344、565〜568;PiekenらScience、1991、253、314〜317;UsmanおよびCedergren、Trends in Biochem.Sci.、1992、17、334〜339;Usmanら国際公開PCT第WO93/15187号;Sproat、米国特許第5,334,711号およびBeigelmanら、1995、J.Biol.Chem.、270、25702;Beigelmanら、国際PCT公開第WO97/26270号;Beigelmanら、米国特許第5,716,824号;Usmanら、米国特許第5,627,053号;Woolfら、国際PCT公開第WO98/13526号;Thompsonら、1998年4月20日にファイルされた米国特許出願第60/082,404号;Karpeiskyら、1998、Tetrahedron Lett.、39、1131;EamshawおよびGait、1998、Biopolymers(Nucleic Acid Sciences)、48、39〜55;VermaおよびEckstein、1998、Annu.Rev.Biochem.、67、99〜134;ならびにBurlinaら、1997、Bioorg.Med.Chem.、5、1999〜2010を参照されたい)。 このような教示の観点で、本明細書に記載されるのと同様の改変を用いて、細胞におけるRNAiを促進するsiNAの能力が著しく阻害されない限りは、本明細書に開示されるsiNA核酸分子を改変できる。

    活性を維持または増進する化学的改変を有する低分子妨害核酸(siNA)分子を、本発明において意図する。 このような核酸は、通常、未改変核酸よりも、ヌクレアーゼに対する耐性もより高い。 よって、in vitroおよび/またはin vivo活性は、著しくは低下しない。 外因的にデリバリーされる核酸分子は、通常、標的遺伝子生成物のレベルの低減を促進するようにコードされるmRNAおよび/またはポリペプチドの生成の調節を生じかつもたらすように、標的RNAの転写および/または翻訳のために十分な期間は少なくとも細胞内で安定であるように選択される。

    RNAおよびDNA分子の生成は、合成により達成でき、ヌクレアーゼ安定性を増進するようにヌクレオチド改変の導入を提供できる(例えば本明細書に参照により組み込まれるWincottら、1995、Nucleic Acids Res.23、2677;Caruthersら、1992、Methods in Enzymology 211、3〜19を参照されたい)。 ある実施形態において、本発明の核酸分子は、1または複数(例えば約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多く)のGクランプヌクレオチドを含み、これらは、2重鎖内の相補的グアニンのワトソン−クリック面およびフーグスティーン面の両方で水素結合する能力を与え、核酸標的に対する親和性および特異性を増進させ得る改変シトシン類似体である(例えばLinら1998、J.Am.Chem.Soc.、120、8531〜8532を参照されたい)。 別の例において、核酸分子は、2',4'−Cメチレンビシクロヌクレオチドのような1または複数(例えば約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多く)のLNA「ロックド核酸」ヌクレオチドを含み得る(例えばWengelら、WO00/66604およびWO99/14226を参照されたい)。

    siNA分子は、例えば細胞へのsiNA分子のデリバリーを促進するために、コンジュゲートおよび/または複合体として提供できる。 例示的なコンジュゲートおよび/または複合体は、siNAと小分子、脂質、コレステロール、リン脂質、ヌクレオシド、抗体、毒素、負に荷電したポリマー(例えばタンパク質、ペプチド、ホルモン、炭水化物、ポリエチレングリコールまたはポリアミン)とで構成されるものを含む。 一般的に、記載される輸送体は、分解可能なリンカーを有するかまたは有さずに、個別にまたは多重構成要素系の一部として用いられるように設計される。 これらの化合物は、血清の存在下もしくは非存在下で細胞への核酸分子のデリバリーおよび/または局在化を改善できる(例えば米国特許第5,854,038号を参照されたい)。 本明細書に記載される分子のコンジュゲートは、生分解性核酸リンカー分子のような生分解性のリンカーにより生物学的活性分子と結合できる。

    マウス細胞で用いるために適するshRNAをコードするヌクレオチド配列の非限定的な例は、例えば、
    5'−GCCCATTCATATGTATATCAA−3'(配列番号06);
    5'−GCCCAATTCCAGAATCATGAT−3'(配列番号07);
    5'−GCCCATTCATTAGTATATCAA−3'(配列番号08);および5'−CGAGCGCGCTTATGACATATA−3'(配列番号09)
    を含む。

    図1Bは、ヒトClpPポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を示す。 当業者は、ヒトClpPポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に鑑みて、ヒト細胞、例えばヒトニューロンにおけるClpPポリペプチドのレベルを低減するsiRNA(例えばshRNA)を容易に設計できる。 例えば、shRNAは、上記のshRNA配列に基づいて容易に設計できる。

    ペプチド阻害剤 いくつかの実施形態において、ClpP阻害剤はペプチドである。 適切なペプチドは、約3アミノ酸〜約50、約5〜約30または約10〜約25アミノ酸長のペプチドを含む。

    ClpP阻害剤の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニル−ロイシルチロシンクロロメチルケトン(z−LY−CMK)である。

    ペプチドは、天然に存在するアミノ酸および天然に存在しないアミノ酸を含み得る。 ペプチドは、D−アミノ酸、D−アミノ酸とL−アミノ酸との組合せおよびペプチドに特別の性質を伝える種々の「デザイナー」アミノ酸(例えばβ−メチルアミノ酸、Cα−メチルアミノ酸およびNα−メチルアミノ酸など)を含んでよい。 さらに、ペプチドは環状ペプチドであってよい。 ペプチドは、特定の立体構造モチーフを導入するために非古典的アミノ酸を含んでよい。 任意の既知の非古典的アミノ酸を用いることができる。 非古典的アミノ酸は、それらに限定されないが、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシレート;(2S,3S)−メチルフェニルアラニン、(2S,3R)−メチル−フェニルアラニン、(2R,3S)−メチル−フェニルアラニンおよび(2R,3R)−メチル−フェニルアラニン;2−アミノテトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸;ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシレート;β−カルボリン(DおよびL);HIC(ヒスチジンイソキノリンカルボン酸);ならびにHIC(ヒスチジン環状尿素)を含む。 それらに限定されないが、LL−Acp(LL−3−アミノ−2−プロペニドン−6−カルボン酸)、β−ターン誘導ジペプチド類似体;β−シート誘導類似体;β−ターン誘導類似体;α−ヘリックス誘導類似体;γ−ターン誘導類似体;Gly−Alaターン類似体;アミド結合アイソスター;テトラゾールなどを含むアミノ酸類似体およびペプチド模倣物をペプチドに組み込んで、特定の2次構造を誘導するかまたはそのような構造に有利にしてよい。

    ペプチドは、デプシペプチドであってよく、これは、直鎖状または環状のデプシペプチドであってよい。 Kuisleら(1999)Tet. Letters40:1203〜1206。 「デプシペプチド」は、少なくとも2つのアルファアミノ酸と少なくとも1つのアルファヒドロキシカルボン酸とが少なくとも1つの通常のペプチド結合とヒドロキシカルボン酸に由来するエステル結合とにより結合した配列を含有する化合物であり、「直鎖状デプシペプチド」は、S−Sブリッジによるかあるいはヒドロキシアミノ酸もしくはメルカプトアミノ酸のヒドロキシまたはメルカプト基と別のアミノ酸もしくはヒドロキシ酸のカルボキシル基とにより形成される環を含み得るが、ヒドロキシカルボン酸に由来するペプチドまたはエステル結合によってのみ形成される環を含まない。 「環状デプシペプチド」は、ヒドロキシカルボン酸に由来するペプチドまたはエステル結合によってのみ形成される少なくとも1つの環を含有するペプチドである。

    ペプチドは、環式または二環式であってよい。 例えば、C末端カルボキシル基またはC末端エステルの環化は、カルボキシル基またはエステルのそれぞれ−OHまたはエステル(−OR)をN末端アミノ基で内部置換して、環状ペプチドを形成することにより誘導できる。 例えば、合成および切断によりペプチド酸を得た後に、遊離の酸を、溶液、例えば塩化メチレン(CH Cl )、ジメチルホルムアミド(DMF)混液中のジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような適切なカルボキシル基活性化剤により活性化エステルに変換する。 環状ペプチドを、次いで、活性化エステルをN末端アミンで内部置換することにより形成する。 重合に対抗する内部環化は、非常に希薄な溶液を用いることにより増進できる。 環状ペプチドを作製する方法は、当該技術において公知である。

    用語「二環式」は、2つの閉鎖環があるペプチドのことをいう。 閉鎖環は、ペプチド中のアミノ酸同士の共有結合により形成される。 2つの非隣接アミノ酸同士の共有結合は、共有ペプチド結合により既に結合している隣接アミノ酸の対の間の2つ目の共有結合と同様に、閉鎖環を構成する。 閉鎖環を形成する共有結合は、アミド結合、すなわちあるアミノ酸上の遊離のアミノと2つ目のアミノ酸の遊離のカルボキシルとの間に形成される結合、またはペプチド中のアミノ酸の側鎖もしくは「R」基同士の間に形成される結合であってよい。 つまり、二環式ペプチドは、「真の」二環式ペプチド、すなわちペプチドのN末端とC末端との間のペプチド結合の形成により環化されたペプチドであってよいか、または「デプシ二環式」ペプチド、すなわち末端アミノ酸がそれらの側鎖部分により共有結合したペプチドであってよい。

    デスアミノまたはデスカルボキシ残基をペプチドの末端に組み込んで、末端アミノまたはカルボキシル基をなくし、プロテアーゼへの感受性を低下させるかまたはペプチドの立体構造を制限できる。 C末端官能基は、アミド、アミド低級アルキル、アミドジ(低級アルキル)、低級アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシ、ならびにそれらの低級エステル誘導体、ならびにそれらの医薬的に許容され得る塩を含む。

    上記のN末端およびC末端改変に加えて、ペプチドまたはペプチド模倣物は、1もしくは複数の種々の親水性ポリマーで改変するか、またはそのようなポリマーと共有結合して、ペプチドの溶解性および循環半減期を増加できる。 ペプチドと結合するための適切な非タンパク質性親水性ポリマーは、それらに限定されないが、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールにより例示されるポリアルキルエーテル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオキシアルケン類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロースおよびセルロース誘導体、デキストランおよびデキストラン誘導体などを含む。 通常、このような親水性ポリマーは、約500〜約100,000ダルトン、約2,000〜約40,000ダルトンまたは約5,000〜約20,000ダルトンの範囲の平均分子量を有する。 ペプチドは、Zallipsky,S. 、Bioconjugate Chem. 、6:150〜165(1995);Monfardini,Cら、Bioconjugate Chem. 、6:62〜69(1995);米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号;第4,179,337号またはWO95/34326に記載される任意の方法を用いてこのようなポリマーで誘導体化できるか、またはこのようなポリマーと結合できる。

    ClpPポリペプチドの活性を低減するための別の適切な作用剤は、ペプチドアプタマーである。 ペプチドアプタマーは、タンパク質機能の優勢な阻害剤として作用するペプチドまたは小ポリペプチドである。 ペプチドアプタマーは、標的タンパク質と特異的に結合し、それらの機能的能力を遮断する。 KoloninおよびFinley、PNAS(1998)95:14266〜14271。 ペプチドアプタマーの高度に選択的な性質により、これらは、特定のタンパク質を標的にするためだけでなく、ある所定のタンパク質の特定の機能(例えばシグナル伝達機能)を標的にするために用いることもできる。 さらに、ペプチドアプタマーは、時間的、空間的または誘導可能な様式で発現を制御するプロモーターを用いることにより制御された様式で発現できる。 ペプチドアプタマーは優勢に作用する。 よって、これらは、機能欠失型変異体が利用可能でないタンパク質を分析するために用いることができる。

    標的タンパク質と高い親和性および特異性で結合するペプチドアプタマーは、当該技術において知られる種々の技術により単離できる。 ペプチドアプタマーは、酵母二重ハイブリッドスクリーニングによりランダムペプチドライブラリーから単離できる(Xuら、PNAS(1997)94:12473〜12478)。 これらは、ファージライブラリー(Hoogenboomら、Immunotechnology(1998)4:1〜20)または化学的に作製されたペプチド/ライブラリーから単離することもできる。

    製剤、投与量および投与経路 AECE(例えばClpP)のタンパク質分解活性を阻害する薬剤は、医薬的に許容され得る賦形剤と一緒に提供できる。 医薬的に許容され得る賦形剤は、当業者に知られており、例えばA. Gennaro(1995)「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、第19版、Lippincott,Williams,&Wilkinsを含む種々の出版物に詳細に記載されている。

    製剤 ClpPのタンパク質分解活性を阻害する薬剤は、本明細書において「活性薬剤」、「薬剤」または「薬物」ともいう。 主題の方法において、活性薬剤(複数可)は、疾患症状の所望の低減をもたらし得る任意の簡便な手段を用いて受容者に投与してよい。

    活性薬剤は、治療用投与のための種々の製剤に組み込むことができる。 より具体的には、活性薬剤は、適切な医薬的に許容され得る担体または希釈剤との組合せにより医薬組成物中に処方でき、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾルのような固体、半固体、液体または気体の形態の調製物中に処方してよい。

    医薬的剤形において、活性薬剤は、それらの医薬的に許容され得る塩の形態で投与してよいか、またはこれらは、単独もしくはその他の医薬的に活性な化合物との適切な会合および併用にて用いてもよい。 以下の方法および賦形剤は単に例示であり、全く限定しない。

    経口調製物のために、薬剤は、単独または適切な添加物、例えばラクトース、マンニトール、コーンスターチまたはバレイショデンプンのような通常の添加物;結晶セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンのような結合剤;コーンスターチ、バレイショデンプンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムのような崩壊剤;タルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;ならびに所望により希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤および香料と併用して、錠剤、散剤、顆粒剤またはカプセル剤を作製できる。

    薬剤は、植物油もしくはその他の類似の油、合成脂肪族系酸グリセリド、高級脂肪族系酸またはプロピレングリコールのエステルのような水性または非水性の溶剤中に、そして所望により可溶化剤、等張化剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤および防腐剤のような従来の添加物とともに薬剤を溶解、懸濁または乳化することにより注射用調製物に処方できる。

    薬剤は、吸入により投与するためのエアロゾル製剤に利用することができる。 本発明の化合物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などのような加圧可能噴射剤に処方できる。

    さらに、薬剤は、乳化基剤または水溶性基剤のような種々の基剤と混合することにより坐剤にすることができる。 活性薬剤は、坐剤により直腸投与できる。 坐剤は、カカオ脂、カーボワックスおよびポリエチレングリコールのような体温で溶融するが室温では固化する媒体を含み得る。

    各投与単位、例えば茶匙量、大匙量、錠剤または坐剤が、1または複数の活性薬剤を含有する組成物の予め決定された量を含有するシロップ剤、エリキシル剤および懸濁剤のような経口または直腸投与用の単位剤形を用いてよい。 同様に、注射または静脈内投与用の単位剤形は、滅菌水、通常の塩水または別の医薬的に許容され得る担体中の溶液として組成物中に薬剤(複数可)を含んでよい。

    用語「単位剤形」は、本明細書で用いる場合、ヒトおよび動物の対象のために単一の投与量として適切な物理的に別個の単位であって、各単位が、医薬的に許容され得る希釈剤、担体もしくは媒体とともに、所望の効果を生じるのに十分な量で計算された活性薬剤の予め決定された量を含有する単位のことをいう。 活性薬剤の詳細は、用いられる具体的な化合物および達成される効果、ならびに受容者における各化合物に関連する薬物動態に依存する。

    投与のその他の形態も、主題の発明において用いることができる。 例えば、活性薬剤は、坐剤、そしていくつかの場合においてはエアロゾルおよび鼻内組成物に処方できる。 坐剤について、媒体組成物は、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドのような従来の結合剤および担体を含む。 このような坐剤は、約0.5%〜約10%(w/w)または約1%〜約2%の範囲で活性成分を含有する混合物から形成してよい。

    鼻内製剤は、通常、鼻粘獏に刺激を引き起こさず、繊毛機能も著しく妨げない媒体を含む。 水、塩水またはその他の既知の物質のような希釈剤を、主題の発明とともに用いることができる。 鼻内製剤は、それらに限定されないが、クロロブタノールおよび塩化ベンザルコニウムのような防腐剤も含んでよい。 鼻粘膜による主題のタンパク質の吸収を増進するために、界面活性剤が存在してよい。

    活性薬剤は、注射剤として投与できる。 典型的には、注射用組成物は、液体の液剤または懸濁剤として調製される。 注射前に液体の媒体に溶解または懸濁するために適切な固体の形態も調製してよい。 調製物は、乳化してもよいか、または活性成分をリポソーム媒体に被包化してもよい。

    適切な賦形剤媒体は、例えば水、塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノールなどおよびそれらの組合せである。 さらに、所望により、媒体は、湿潤もしくは乳化剤またはpH緩衝剤のような補助物質を少量含有してよい。 このような剤形を調製する実際の方法は、当業者に知られているか、または明らかである。 例えばRemington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania、第17版、1985;Remington:The Science and Practice of Pharmacy、A. R. Gennaro(2000)Lippincott、Williams&Wilkinsを参照されたい。 投与される組成物または製剤は、いずれにしても、治療される対象において所望の状態を達成するために適切な量の薬剤を含有する。

    媒体、アジュバント、担体または希釈剤のような医薬的に許容され得る賦形剤は、公衆にとって容易に利用可能である。 さらに、pH調整および緩衝剤、浸透圧調整剤、安定化剤、湿潤剤などのような医薬的に許容され得る補助物質は、公衆にとって容易に利用可能である。

    経口製剤 いくつかの実施形態において、活性薬剤は、そのような薬剤を必要とする個体への経口デリバリーのために処方される。

    経口デリバリーのために、活性薬剤を含む主題の製剤は、いくつかの実施形態において、腸溶コーティング材料を含む。 適切な腸溶コーティング材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ポリビニルフタレートアセテート(PVPA)、Eudragit(商標)およびシェラックを含む。

    適切な経口製剤のある非限定的な例として、米国特許第6,346,269号に記載されるように、活性薬剤を、1または複数の医薬的賦形剤とともに処方して、腸溶コーティングで被覆する。 例えば、活性薬剤と安定化剤とを含む溶液で、医薬的に許容され得る賦形剤を含むコアを被覆して、活性薬剤で被覆したコアを形成する。 副コーティング層を、活性薬剤で被覆したコアに用い、これを次いで腸溶コーティング層で被覆する。 コアは、通常、ラクトース、デンプン、マンニトール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、色素、アルギン酸の塩、タルク、二酸化チタン、ステアリン酸、ステアレート、微結晶セルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、プロパニルトリアセテート、リン酸水素カルシウム、リン酸三ナトリウム、硫酸カルシウム、シクロデキストリンおよびひまし油のような医薬的に不活性な構成要素を含む。 活性薬剤についての適切な溶剤は、水性溶剤を含む。 適切な安定化剤は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、ホスフェートおよび有機酸塩の塩基ならびに有機アミンを含む。 副コーティング層は、接着剤、可塑剤および粘着防止剤の1または複数を含む。 適切な粘着防止剤は、タルク、ステアリン酸、ステアレート、ナトリウムステアリルフマレート、グリセリルベヘネート、カオリンおよびアエロジルを含む。 適切な接着剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、酢酸ビニル(VA)、ポリビニルアルコール(PVA)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸の塩、Eudragit(商標)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)とアクリル酸メチル/メタクリル酸メチルのコポリマーを含む。 適切な可塑剤は、グリセリン、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、プロパニルトリアセテートおよびひまし油を含む。 適切な腸溶コーティング材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ポリビニルフタレートアセテート(PVPA)、Eudragit(商標)およびシェラックを含む。

    適切な経口製剤は、以下のいずれかとともに処方された活性薬剤も含む:微粒剤(例えば米国特許第6,458,398号を参照されたい);生分解性マクロマー(例えば米国特許第6,703,037号を参照されたい);生分解性ヒドロゲル(例えばGrahamおよびMcNeill(1989)Biomaterials5:27〜36を参照されたい);生分解性粒子状ベクター(例えば米国特許第5,736,371号を参照されたい);生体吸収性ラクトンポリマー(例えば米国特許第5,631,015号を参照されたい);緩徐放出タンパク質ポリマー(例えば米国特許第6,699,504号;Pelias Technologies,Inc.を参照されたい);ポリ(ラクチド−co−グリコリド/ポリエチレングリコールブロックコポリマー(例えば米国特許第6,630,155号;Atrix Laboratories,Inc.を参照されたい);生体適合性ポリマーと、該ポリマー中に分散された金属カチオンで安定化された作用剤の粒子とを含む組成物(例えば米国特許第6,379,701号;Alkermes Controlled Therapeutics,Inc.を参照されたい);およびミクロスフェア(例えば米国特許第6,303,148号;Octoplus,B.V.を参照されたい)。

    適切な経口製剤は、以下のいずれかとともに処方された活性薬剤も含む:Emisphere(登録商標)(Emisphere Technologies,Inc.)のような担体;キサンタンガムとローカストビーンガムを組み合わせた、ブドウ糖の存在下で水中にて強い結合剤ゲルを形成する親水性マトリクスであるTIMERx(Penwest);Geminex(商標)(Penwest);Procise(商標)(GlaxoSmithKline);SAVIT(商標)(Mistral Pharma Inc.);RingCap(商標)(Alza Corp.);Smartrix(登録商標)(Smartrix Technologies,Inc.);SQZgel(商標)(MacroMed,Inc.);Geomatrix(商標)(Skye Pharma,Inc.);Oros(登録商標)Tri−layer(Alza Corporation)など。

    米国特許第6,296,842号(Alkermes Controlled Therapeutics,Inc.);米国特許第6,187,330号(Scios,Inc.)などに記載されるもののような製剤も、用いるために適切である。

    腸吸収増進剤を含む製剤も、本発明において用いるために適切である。 適切な腸吸収増進剤は、それらに限定されないが、カルシウムキレート剤(例えばクエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸);界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、胆汁酸塩、パルミトイルカルニチンおよび脂肪酸のナトリウム塩);毒素(例えば密着帯毒素)などを含む。

    制御放出製剤 いくつかの実施形態において、活性薬剤は、制御放出製剤に処方される。

    本発明の範囲内の制御放出は、いくつかの伸長放出剤形の任意の1つを意味すると考えることができる。 以下の用語は、本発明の目的のために、制御放出と実質的に等価であると考えてよい:連続放出、制御放出、遅延放出、デポー、徐放、長期放出、プログラム化された放出、延長放出、比例放出、長期化放出、持続性、遅滞、緩徐放出、間隔をあけた放出、持続放出、時間被覆、時限放出、遅延作用、伸長作用、層状時間作用、長期作用、延長作用、反復作用、緩徐作用、持続作用、持続作用薬物療法、および伸長放出。 これらの用語についてのさらなる議論は、Lesczek Krowczynski、Extended−Release Dosage Forms、1987(CRC Press,Inc.)で見出すことができる。

    種々の制御放出技術が、非常に広い範囲の薬物剤形をカバーしている。 制御放出技術は、それらに限定されないが、物理的な系および化学的な系を含む。

    物理的な系は、それらに限定されないが、マイクロカプセル化、マクロカプセル化および膜の系のような速度制御膜を用いるレザバー系;中空繊維、超微孔性セルローストリアセテートならびに多孔性ポリマー基材およびフォームのような、速度制御膜を用いないレザバー系;非多孔性、ポリマーまたはエラストマーのマトリクス(例えば非侵食性、侵食性、環境作用剤内殖および分解性)に物理的に溶解した系、および非多孔性、ポリマーまたはエラストマーのマトリクス(例えば非侵食性、侵食性、環境作用剤内殖および分解性)に物理的に溶解した材料を含むモノリシックの系;外側の制御層と化学的に類似または相違するレザバー層を含む積層構造;ならびに浸透圧ポンプ、またはイオン交換樹脂への吸着のようなその他の物理的方法を含む。

    化学的な系は、それらに限定されないが、ポリマーマトリクスの化学的侵食(例えば不均質または均質な侵食)、またはポリマーマトリクスの生物学的侵食(例えば不均質または均質)を含む。 制御放出のための系のカテゴリーのさらなる議論は、Agis F. Kydonieus、Controlled Release Technologies:Methods,Theory and Applications、1980(CRC Press,Inc.)で見出すことができる。

    経口投与用に開発されたいくつかの制御放出薬物製剤がある。 これらは、それらに限定されないが、浸透圧制御胃腸デリバリー系;動水圧制御胃腸デリバリー系;微孔性膜透過制御胃腸デリバリーデバイスを含む膜透過制御胃腸デリバリー系;胃液抵抗性腸標的制御放出胃腸デリバリーデバイス;ゲル拡散制御胃腸デリバリー系;ならびにカチオンおよびアニオンの薬物を含むイオン交換制御胃腸デリバリー系を含む。 制御放出薬物デリバリー系に関するさらなる情報は、Yie W. Chien、Novel Drug Delivery Systems、1992(Marcel Dekker,Inc.)で見出すことができる。 これらの処方のいくつかを、ここでより詳細に議論する。

    腸溶コーティングを錠剤に用いて、胃での薬物の放出を妨げ、不快な副作用の危険性を低減するかまたはそうでなければ胃の環境に曝露されると分解の対象となる薬物の安定性を維持する。 この目的のために用いられるほとんどのポリマーは、水性溶媒中でのそれらの溶解性がpH依存性である事実により機能するポリ酸であり、これらは、胃で通常遭遇するよりも高いpHの条件を必要とする。

    経口制御放出構造のある例示的な型は、固体または液体の剤形の腸溶コーティングである。 腸溶コーティングは、容易な吸収のために腸の流体中で崩壊するように設計されている。 腸溶コーティングを用いて製剤中に組み込まれている活性薬剤の吸収の遅延は、胃腸管を通る移動速度に依存するので、胃内容排出の速度が重要な因子である。 いくらかの研究者が、顆粒剤のような多重単位型の剤形が、単一単位型よりも優れる場合があると報告している。 よって、ある例示的な実施形態において、活性薬剤は、腸溶多重単位剤形に含まれる。 例示的な実施形態において、活性薬剤剤形は、不活性コア材料上に活性薬剤−腸溶コーティング剤固体分散体の顆粒を噴霧被覆することにより調製される。 これらの顆粒は、良好なバイオアベイラビリティーとともに薬物の延長された吸収をもたらすことができる。

    適切な腸溶コーティング剤は、それらに限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、ポリビニルアセテート−フタレートおよびセルロースアセテートフタレートを含む。 Akihiko Hasegawa、Application of solid dispersions of Nifedipine with enteric coating agent to prepare a sustained−release dosage form、Chem. Pharm. Bull. 33:1615〜1619(1985)。 種々の腸溶コーティング材料を、最初から設計された腸溶コーティングされた剤形を達成するための試験に基づいて選択して、溶解時間、コーティング厚さおよび直径方向破砕強さの最適な組合せを得ることができる。 S. C. Porterら、The Properties of Enteric Tablet Coatings Made From Polyvinyl Acetate−phthalate and Cellulose acetate Phthalate、J. Pharm. Pharmacol. 22:42頁(1970)。

    別の型の有用な経口制御放出構造は、固体分散体である。 固体分散体は、溶融(融合)、溶媒または溶融−溶媒法により調製される、固体状態の不活性担体またはマトリクス中の1もしくは複数の活性成分の分散体と定義できる。 Akihiko Hasegawa、Super Saturation Mechanism of Drugs from Solid Dispersions with Enteric Coating Agents、Chem. Pharm. Bull. 36:4941〜4950(1998)。 固体分散体は、固体状態分散体と称することもできる。 用語「共沈殿物」も、溶媒法により得られるこれらの調製物のことをいうために用いることができる。

    担体の選択は、分散された薬物(例えば活性薬剤)の溶解特性に影響し得る。 なぜなら、表面からの成分の溶出速度は、多重構成要素混合物中のその他の構成要素により影響され得るからである。 例えば、水溶性担体は、マトリクスからの薬物の迅速な放出をもたらし得るか、または乏しい可溶性もしくは不溶性の担体は、マトリクスからの薬物のより遅い放出を導き得る。 活性薬剤の溶解性は、担体とのいくらかの相互作用により増加することもある。

    固体分散体における有用な担体の例は、それらに限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性ポリマーを含む。 代替の担体は、ホスファチジルコリンを含む。 ホスファチジルコリンは両親媒性であるが水不溶性の脂質であり、ホスファチジルコリン固体分散体中での非晶質状態のそうでなければ不溶性の活性薬剤の溶解性を改善できる。

    その他の担体は、ポリオキシエチレン硬化ひまし油を含む。 水溶性に乏しい活性薬剤を、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびカルボキシメチルエチルセルロースのような腸溶ポリマーならびに非腸溶ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む固体分散体系に含めてよい。 別の固体分散体の剤形は、対象薬物(例えば活性薬剤)を、種々の比率のエチルセルロースとステアリン酸に組み込むことを含む。

    固体分散体を調製するための種々の方法が一般的に知られている。 これらは、それらに限定されないが、溶融法、溶媒法および溶融−溶媒法を含む。

    別の制御放出剤形は、イオン交換樹脂と活性薬剤との複合体である。 イオン交換樹脂−薬物複合体は、酸性および塩基性の薬物の持続放出製品を処方するために用いられている。 ある例示的な実施形態において、ポリマーフィルムコーティングをイオン交換樹脂−薬物複合体粒子に設けて、これらの粒子からの薬物放出を拡散制御する。 Y. Raghunathanら、Sustained−released drug delivery system I:Coded ion−exchange resin systems for phenylpropanolamine and other drugs、J. Pharm. Sciences70:379〜384(1981)を参照されたい。

    注射用ミクロスフェアは、別の制御放出剤形である。 注射用ミクロスフェアは、非水相分離技術、および噴霧乾燥技術により調製できる。 ミクロスフェアは、ポリ乳酸またはコポリ(乳酸/グリコール酸)、Shigeyuki Takada、Utilization of an Amorphous Form of a Water−Soluble GPIIb/IIIa Antagonist for Controlled Release From Biodegradable Micro spheres、Pharm. Res. 14:1146〜1150(1997)およびエチルセルロース、Yoshiyuki Koida、Studies on Dissolution Mechanism of Drugs from Ethyl Cellulose Microcapsules、Chem. Pharm. Bull. 35:1538〜1545(1987)を用いて調製できる。

    用い得るその他の制御放出技術は、それらに限定されないが、Elan Pharmaceutical Technologiesから入手可能なSODAS(回転楕円体経口薬物吸収システム)、INDAS(不溶性薬物吸収システム)、IPDAS(腸管保護薬物吸収システム)、MODAS(多孔性経口薬物吸収システム)、EFVAS(発泡性薬物吸収システム)、PRODAS(プログラム化された経口薬物吸収システム)およびDUREDAS(2重放出薬物吸収システム)を含む。 SODASは、制御放出ビーズを利用する多重粒子状剤形である。 INDASは、溶解性が乏しい薬物の溶解性を増加させるために設計された薬物デリバリー技術のファミリーである。 IPDASは、高密度制御放出ビーズと即時放出顆粒との組合せを利用する多重粒子状錠剤形である。 MODASは、制御放出単一単位剤形である。 各錠剤は、薬物放出の速度を制御する半透過性で多重分泌性の膜で囲まれた内部コアからなる。 EFVASは、発泡性薬物吸収システムである。 PRODASは、即時放出ミニ錠剤と制御放出ミニ錠剤との組合せを利用する多重粒子状製剤のファミリーである。 DUREDASは、1つの剤形で2重の放出速度をもたらす2重層錠剤製剤である。 これらの剤形は当業者に知られているが、これらの剤形のいくつかをここでより詳細に議論する。

    INDASは、水溶性が乏しい薬物の溶解性および吸収の特徴を改善するために特に開発された。 溶解性、および特に胃腸管の流体内での溶解は、水溶性が乏しい薬物の全体的な経口バイオアベイラビリティーを決定するのに重要な因子である。 溶解性を増進することにより、薬物の全体的なバイオアベイラビリティーを増加して、投与量を結果的に低減できる。 INDASは、高エネルギーマトリクス錠剤の形態であり、この製造は、2つの別々のステップを含む:問題のアデノシン類似体を、エネルギー、賦形剤および独特の処理手順の組合せにより非晶質形態に変換する。

    所望の物理的形態に一旦変換されると、得られた高エネルギー複合体は、再結晶化を防ぐための新規なポリマー架橋技術を利用する吸収プロセスにより安定化され得る。 用いる賦形剤の可溶性の特徴と結びついた活性薬剤の物理的状態の変化の組合せが、活性薬剤の可溶性を増進する。 得られた吸収された非晶質薬物複合体顆粒は、ゲル形成性侵食性錠剤系とともに処方して、実質的に平滑で連続的な吸収を促進できる。

    IPDASは、潜在的に刺激性で潰瘍発生性の薬物の胃腸での耐容性を増進し得る多重粒子状錠剤技術である。 腸管保護は、胃腸管全体で刺激性のリポエートの分散を促進するIPDAS製剤の多重粒子状の性質により促進される。 個別のビーズの制御放出特性は、高濃度の薬物が局所的に放出され、全身的に吸収されることの両方を回避し得る。 両方のアプローチの組合せにより、活性薬剤の潜在的な害を最小限にして、患者に利益をもたらす。

    IPDASは、多数の高密度制御放出ビーズで構成される。 各ビーズは、活性薬剤が埋め込まれたマイクロマトリクスの最初の生成と、in vivoで速度制限半透過性膜を形成するポリマー溶液でのこのマイクロマトリクスのその後の被覆とを含む2ステッププロセスにより製造できる。 IPDAS錠剤が一旦摂取されると、これは胃で崩壊してビーズを遊離する。 これらのビーズは、その後、摂食状態とは関係なく、例えば制御された漸進的な様式で十二指腸の中および胃腸管に沿って通過し得る。 活性薬剤の放出は、マイクロマトリクスを通って、そしてその後速度制御半透過性膜における孔を通って拡散プロセスにより生じる。 IPDAS錠剤からの放出速度は、最適化された臨床上の利益と関連した薬物特異的吸収プロファイルをもたらすようにカスタマイズできる。 活性の迅速な開始が必要であれば、即時放出顆粒を錠剤に含めることができる。 錠剤は、個別の調節のために用量の低減が必要であれば、薬物放出を実質的に損なうことなく、投与の前に砕くことができる。

    MODASは、水溶性薬剤の吸収を制御するために用い得る薬物デリバリー系である。 物理的に、MODASは、in vivoで形成される半透過性膜による速度制限拡散のプロセスにより薬物放出を操作する非崩壊性タブレット製剤である。 拡散プロセスは、胃腸の流体への薬物の提示の速度に本質的に影響して、体への取込みを制御する。 賦形剤を最小限に用いるので、MODASは、小投与量サイズの形態に容易に対応できる。 各MODAS錠剤は、活性薬物と賦形剤とを含有するコアとして開始する。 このコアが、不溶性ポリマーと可溶性賦形剤との溶液で被覆される。 錠剤が一旦摂取されると、胃腸管の流体は、外側のコーティングの可溶性賦形剤を溶解して、実質的に不溶性ポリマーを残すことができる。 その結果、胃腸管からの流体を、水溶性薬物の内側の薬物コアに連結する小さく狭いチャネルのネットワークが得られる。 この流体がこれらのチャネルを通ってコアに入り、薬物を溶解し、得られる薬物の溶液が制御された様式で外に拡散し得る。 このことにより、制御された溶解および吸収の両方が可能になる。 この系の利点は、錠剤の薬物放出孔が、錠剤の実質的に表面全体に分布していることである。 このことにより、均質な薬物吸収が促進され、積極的な1方向の薬物デリバリーが低減される。 MODASは、内側のコアおよび外側の半透過性膜の両方が、薬物の個別のデリバリー要件に適するように変化し得るという非常に柔軟な剤形である。 特に、内側のコアに賦形剤を加えると、より予測可能な放出および吸収の速度を促進する錠剤内での微小環境の生成が補助され得る。 即時放出性の外側のコーティングを加えることにより、組合せ製品の開発が可能になり得る。

    さらに、PRODASは、活性薬剤をデリバリーするために用いることができる。 PRODASは、直径1.5〜4mmのサイズ範囲の制御放出ミニ錠剤の生成に基づく多重粒子状薬物デリバリー技術である。 PRODAS技術は、多重粒子と親水性マトリクス錠剤アプローチのハイブリッドであり、1つの剤形中に、これらの薬物デリバリー系の両方の利点を組み込むことができる。

    その最も基本的な形態において、PRODASは、即時放出顆粒を直接圧縮して、活性薬剤を含有する個別のミニ錠剤を生成することを含む。 これらのミニ錠剤は、その後、最終的な剤形であるハードゲルおよびカプセルに組み込まれる。 この技術のより有益な使用は、制御放出製剤の生成にある。 この場合、種々のポリマーの組合せを顆粒に組み込むことにより、個別のミニ錠剤のそれぞれからの薬物の放出速度を遅らせることができる。 これらのミニ錠剤は、その後、制御放出ポリマー溶液で被覆して、さらなる遅延放出特性を提供し得る。 水溶性が高い薬物またはおそらく胃刺激性の薬物の場合には、さらなるコーティングが必要である場合があり、ここで、放出は、製剤が胃腸管からより遠位の領域に到達するまで遅延できる。 PRODAS技術の1つの価値は、処方が元来柔軟であることにあり、このことにより、それぞれ異なる放出速度を有するミニ錠剤の組合せが1つの剤形に組み合わせられる。 特定の期間にわたって制御吸収を潜在的に可能にすることに加えて、このことによっても、胃腸管全体にわたる特定の吸収部位への薬物の標的化されたデリバリーが可能になる。 異なる活性成分が処方されたミニ錠剤を用いる組合せ製品も可能である。

    DUREDASは、活性薬剤を処方するために用いることができる2重層錠剤形成技術である。 DUREDASは、2つの異なる放出速度、または1つの剤形からの薬物の2重放出を提供するために開発された。 用語2重層は、錠剤形成プロセス中に生じる2つの別々の直接圧縮事象のことをいう。 例示的な実施形態において、即時放出顆粒をまず圧縮し、その後、制御放出要素を加えて、これが次いでこの最初の錠剤上に圧縮される。 このことにより、最終的な剤形でみられる特徴的な2重層を得ることができる。

    制御放出特性は、親水性ポリマーの組合せにより提供し得る。 あるいくつかの場合において、治療効果の迅速な開始を促進するために、活性薬剤の迅速な放出が望ましい場合がある。 よって、錠剤の1層を即時放出顆粒として処方できる。 対照的に、錠剤の第2層は、例えば親水性ポリマーの使用により制御された様式で薬物を放出できる。 この制御放出は、親水性ポリマーマトリクスを通しての拡散と侵食との組合せに起因し得る。

    DUREDAS技術のさらなる拡張は、制御放出併用剤形の生成である。 この場合、2つの異なる活性薬剤を2重層錠剤に組み込むことができ、各層からの薬物の放出を制御して、併用の治療効果を最大限にできる。

    活性薬剤は、上記の制御放出剤形またはその他の従来の剤形のいずれか1つに組み込むことができる。 各用量に含まれる活性薬剤の量は、個別の患者の必要性および徴候に合致するように調整できる。 本開示を読んだ当業者は、活性薬剤のデリバリーおよびそのバイオアベイラビリティーを最適化するために、制御放出製剤中の活性薬剤のレベルおよび放出速度をどのように調整するかを容易に認識する。

    吸入製剤 活性薬剤は、いくつかの実施形態において、吸入経路による医薬的なデリバリー系により患者に投与される。 活性薬剤は、吸入による投与に適する形態で処方され得る。 投与の吸入経路は、吸入された薬物が血液脳関門を迂回し得るという利点をもたらす。 医薬的なデリバリー系は、活性薬剤を気管支の粘膜裏層にデリバリーすることによる呼吸器系療法に適するものである。 本発明は、容器から活性薬剤を排出するために圧縮気体の力に依存する系を利用できる。 この目的のために、エアロゾルまたは加圧包装を用いることができる。

    本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル」は、非常に微細な液体または固体の粒子が加圧下に噴射気体により治療のための施用部位まで運ばれることをいう、その通常の意味で用いられる。 医薬的なエアロゾルを本発明において用いる場合、エアロゾルは、治療活性化合物(例えば活性薬剤)を含有し、これは、流体の担体と噴射剤との混合物に溶解、懸濁または乳化できる。 エアロゾルは、溶液、懸濁液、乳液、粉末または半固体の調製物の形態であり得る。 本発明において用いられるエアロゾルは、微細な固体粒子として、または液体のミストとしての患者の気道を介する投与を意図する。 当業者に知られる種々の型の噴射剤を利用できる。 適切な噴射剤は、それらに限定されないが、炭化水素またはその他の適切な気体を含む。 加圧エアロゾルの場合、投与量単位は、計量された量をデリバリーするための値を提供することにより決定し得る。

    活性薬剤は、ネブライザーを用いるデリバリーのために処方することもでき、これは、気体中に、実質的に均質なサイズの非常に微細な液体粒子を生じる装置である。 例えば、活性薬剤を含有する液体を、液滴として分散させる。 小液滴は、ネブライザーの出口管を通る気体の流れにより運ばれ得る。 得られるミストは、患者の気道に浸透する。

    滑沢剤、担体もしくは噴射剤とともにまたはそれらなしで活性薬剤を含有する粉末組成物を、治療を必要とする哺乳動物に投与できる。 本発明のこの実施形態は、吸入により粉末医薬組成物を投与するための従来のデバイスを用いて行うことができる。 例えば、化合物とラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基材との粉末混合物を、吸入器の補助によりそこから粉末が投与され得る例えばカプセルもしくはカートリッジ、例えばゼラチンまたはブリスタパック中の単位剤形にすることができる。

    本発明と関連して用いることができるいくつかの異なる型の吸入法がある。 活性薬剤は、基本的に、吸入のための3つの異なる型の製剤に処方できる。 第1に、活性薬剤は、低沸点噴射剤とともに処方できる。 このような製剤は、通常、従来の定量噴霧式吸入器(MDI)により投与される。 しかし、従来のMDIは、米国特許第5,404,871号および第5,542,410号に議論されるように、患者の吸気容量および流速を測定する技術を用いることにより反復可能な投与を行う能力を増加するように改変できる。

    代わりに、活性薬剤は、水性またはエタノール性の溶液に処方して、従来のネブライザーによりデリバリーできる。 いくつかの実施形態において、このような溶液製剤は、米国特許第5,497,763号;第5,544,646号;第5,718,222号;および第5,660,166号に開示されるようなデバイスおよびシステムを用いてエアロゾル化される。

    活性薬剤は、乾燥粉末製剤に処方できる。 このような製剤は、粉末のエアロゾルミストを創出した後に乾燥粉末製剤を単純に吸入することにより投与できる。 このようなことを行うための技術は、1998年7月7日に発行された米国特許第5,775,320号および1998年4月21日に発行された米国特許第5,740,794号に記載される。

    投与量 用いられる投与量は、達成される臨床上の目標に依存して変動するが、適切な投与量範囲は、ニューロンにおけるClpPタンパク質分解活性を阻害する薬剤の約1μg〜約1,000μgまたは約10,000μgまでを提供し、単一用量で投与できるものである。 代わりに、ニューロンにおけるClpPタンパク質分解活性を低減する薬剤の目標投与量は、薬剤の投与後の最初の24〜48時間以内に採血された受容者の血液試料中の約0.1〜1000μM、約0.5〜500μM、約1〜100μMまたは約5〜50μMの範囲付近であると考えることができる。

    当業者は、用量レベルが、特定の化合物、症状の重篤度および副作用に対する患者の感受性の関数として変動し得ることを容易に認識する。 ある所定の化合物についての好ましい投与量は、種々の手段により当業者が容易に決定できる。

    いくつかの実施形態において、活性薬剤の複数回用量が投与される。 活性薬剤の投与頻度は、任意の種々の因子、例えば症状の重篤度などに依存して変動し得る。 例えば、いくつかの実施形態において、活性薬剤は、1カ月1回、1カ月2回、1カ月3回、隔週(qow)、週1回(qw)、週2回(biw)、週3回(tiw)、週4回、週5回、週6回、1日おき(qod)、毎日(qd)、1日2回(qid)または1日3回(tid)投与される。 いくつかの実施形態において、活性薬剤は、連続的に投与される。

    活性薬剤の投与期間、例えば活性薬剤がその間投与される期間は、任意の種々の因子、例えば患者の応答に依存して変動し得る。 例えば、活性薬剤は、約1日〜約1週間、約2週間〜約4週間、約1カ月〜約2カ月、約2カ月〜約4カ月、約4カ月〜約6カ月、約6カ月〜約8カ月、約8カ月〜約1年、約1年〜約2年、または約2年〜約4年、またはそれより長い範囲の期間にわたって投与できる。 いくつかの実施形態において、ClpPタンパク質分解活性を阻害する薬剤は、個体の生涯にわたって投与される。

    いくつかの実施形態において、活性薬剤の投与は不連続であり、例えば活性薬剤は、第1の期間、第1の投与頻度で投与され、活性薬剤の投与は、ある期間中止され、そして活性薬剤は、第2の期間、第2の投与頻度で投与される。 活性薬剤の投与が中止される期間は、種々の因子、例えば個体の認知機能に依存して変動でき、通常、約1週間〜約6カ月、例えば約1週間〜約2週間、約2週間〜約4週間、約1カ月〜約2カ月、約2カ月〜約4カ月、または約4カ月〜約6カ月、またはそれより長い範囲である。 第1の期間は、第2の期間と同じまたは異なっていてよく、第1の投与頻度は、第2の投与頻度と同じまたは異なっていてよい。

    投与経路 ClpPタンパク質分解活性を阻害する薬剤は、in vivoおよびex vivoの方法、ならびに全身的および局所的な投与経路を含む薬物デリバリーに適する任意の利用可能な方法および経路を用いて個体に投与される。

    従来の医薬的に許容され得る投与経路は、鼻内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、外用塗布、静脈内、直腸、鼻、経口およびその他の非経口の投与経路を含む。 投与経路は、所望により組み合わせるか、または薬剤および/もしくは所望の効果に依存して調整してよい。 組成物は、単回用量または複数回用量で投与できる。

    薬剤は、全身的または局所的な経路を含む従来の薬物デリバリーに適する任意の利用可能な従来の方法および経路を用いて受容者に投与できる。 一般的に、本発明が意図する投与経路は、それらに必ずしも限定されないが、経腸、非経口または吸入経路を含む。

    吸入投与以外の非経口投与経路は、それらに必ずしも限定されないが、外用、経皮、皮下、筋肉内、眼窩内、関節内、脊髄内、胸骨内、頭蓋内および静脈内の経路、すなわち消化管を通る以外の任意の投与経路を含む。 非経口投与は、薬剤の全身的または局所的なデリバリーをもたらすために行うことができる。 全身的なデリバリーが望ましい場合、投与は、典型的には、医薬調製物の侵襲的または全身吸収性の外用もしくは粘膜投与を含む。

    薬剤は、経腸投与により対象にデリバリーすることもできる。 経腸投与経路は、それらに必ずしも限定されないが、経口および直腸(例えば坐剤を用いて)デリバリーを含む。

    皮膚または粘膜を通しての薬剤の投与方法は、それらに必ずしも限定されないが、適切な医薬調製物の外用塗布、経皮透過、注射および表皮投与を含む。 経皮透過のために、吸収促進剤またはイオン泳動が適切な方法である。 イオン泳動透過は、それらの製品を連続的に電気パルスにより、破壊されていない皮膚を通して数日以上の期間デリバリーする、商業的に入手可能な「パッチ」を用いて達成し得る。

    いくつかの実施形態において、活性薬剤は、連続デリバリー系によりデリバリーされる。 用語「連続デリバリー系」は、本明細書において「制御デリバリー系」と交換可能に用いられ、カテーテル、注射デバイスなどと組み合わせた連続的(例えば制御された)デリバリーデバイス(例えばポンプ)を含み、その広い種類が当該技術において知られている。

    機械的または電気機械的な注入ポンプも、本発明での使用に適切であり得る。 このようなデバイスの例は、例えば米国特許第4,692,147号;第4,360,019号;第4,487,603号;第4,360,019号;第4,725,852号;第5,820,589号;第5,643,207号;第6,198,966号などに記載されるものを含む。 一般的に、活性薬剤のデリバリーは、任意の種々の補充可能なポンプシステムを用いて達成できる。 ポンプは、経時的に一定で制御された放出をもたらす。 いくつかの実施形態において、薬剤は、薬物不浸透性レザバー中の液体製剤であり、個体に連続的な様式でデリバリーされる。

    ある実施形態において、薬物デリバリー系は、少なくとも部分的に移植可能なデバイスである。 移植可能なデバイスは、任意の適切な移植部位にて、当該技術において公知の方法およびデバイスを用いて移植できる。 移植部位は、薬物デリバリーデバイスが導入されて配置される、対象の体内の部位である。 移植部位は、それらに必ずしも限定されないが、真皮下、皮下、筋肉内または対象の体内のその他の適切な部位を含む。 薬物デリバリーデバイスの移植および除去が簡便であるので、皮下移植部位がいくつかの実施形態において用いられる。

    本発明において用いるのに適する薬物放出デバイスは、任意の種々の操作形態に基づくことができる。 例えば、薬物放出デバイスは、拡散性の系、対流系または侵食性の系(例えば侵食に基づく系)に基づくことができる。 例えば、薬物放出デバイスは、電気化学的ポンプ、浸透圧ポンプ、電気浸透性ポンプ、蒸気圧ポンプまたは浸透圧破裂マトリクスであり得、ここでは、例えば薬物がポリマー内に組み込まれ、該ポリマーが薬物含浸ポリマー材料(例えば生分解性薬物含浸ポリマー材料)の分解に付随して薬物製剤の放出を提供する。 その他の実施形態において、薬物放出デバイスは、電気拡散系、電解ポンプ、発泡性ポンプ、圧電ポンプ、加水分解系などに基づく。

    機械的または電気機械的注入ポンプに基づく薬物放出デバイスも、本発明での使用に適切である。 このようなデバイスの例は、例えば米国特許第4,692,147号;第4,360,019号;第4,487,603号;第4,360,019号;第4,725,852号などに記載されるものを含む。 一般的に、主題の治療方法は、任意の種々の補充可能で交換不可能なポンプ系を用いて達成できる。 ポンプおよびその他の対流系は、一般的に、経時的に概してより一定な制御放出のために好ましい。 浸透圧ポンプは、より一定な制御放出と比較的小さいサイズと組み合わせた利点により、いくつかの実施形態において用いられる(例えばPCT公開公報第WO97/27840号ならびに米国特許第5,985,305号および第5,728,396号を参照されたい))。 本発明で用いるために適する例示的な浸透圧駆動デバイスは、それらに必ずしも限定されないが、米国特許第3,760,984号;第3,845,770号;第3,916,899号;第3,923,426号;第3,987,790号;第3,995,631号;第3,916,899号;第4,016,880号;第4,036,228号;第4,111,202号;第4,111,203号;第4,203,440号;第4,203,442号;第4,210,139号;第4,327,725号;第4,627,850号;第4,865,845号;第5,057,318号;第5,059,423号;第5,112,614号;第5,137,727号;第5,234,692号;第5,234,693号;第5,728,396号などに記載されるものを含む。

    いくつかの実施形態において、薬物デリバリーデバイスは、移植可能なデバイスである。 薬物デリバリーデバイスは、任意の適切な移植部位にて、当該技術において公知の方法およびデバイスを用いて移植できる。 以下からわかるように、移植部位は、薬物デリバリーデバイスが導入されて配置される、対象の体内の部位である。 移植部位は、それらに必ずしも限定されないが、真皮下、皮下、筋肉内または対象の体内のその他の適切な部位を含む。

    いくつかの実施形態において、活性薬剤は、移植可能な薬物デリバリー系、例えば薬剤の投与をもたらすためにプログラム可能である系を用いてデリバリーされる。 例示的なプログラム可能で移植可能な系は、移植可能な注入ポンプを含む。 例示的な移植可能な注入ポンプまたはそのようなポンプとの関連で有用なデバイスは、例えば米国特許第4,350,155号;第5,443,450号;第5,814,019号;第5,976,109号;第6,017,328号;第6,171,276号;第6,241,704号;第6,464,687号;第6,475,180号;および第6,512,954号に記載される。 本発明に適合できるさらなる例示のデバイスは、Synchromed注入ポンプ(Medtronic)である。

    血液脳関門の横断 血液脳関門は、全身の循環からの脳および脊髄への多数の治療薬剤の取込みを制限する。 血液脳関門を横断する分子は、2つの主要な機構、自由拡散および促進輸送を用いる。 血液脳関門が存在するので、中枢神経系(CNS)におけるある所定の治療薬剤の有益な濃度を達成するために、薬物デリバリーストラテジーの使用が必要である。 CNSへの治療薬剤のデリバリーは、いくつかの方法により達成できる。

    1つの方法は、神経外科的な技術に依拠する。 事故の犠牲者または種々の形態の認知症に罹患した患者のような重症患者の場合、その付随する危険性にもかかわらず外科的介入が正当化される。 例えば、治療薬剤は、薬物の脳室内またはくも膜下腔内注射のようなCNSへの直接の物理的な導入によりデリバリーできる。 脳室内注射は、例えばOmmayaレザバーのようなレザバーに付属する脳室内カテーテルにより促進し得る。 導入の方法は、補充可能または生分解性のデバイスにより行うこともできる。 別のアプローチは、血液脳関門の透過性を増加する物質による血液脳関門の崩壊である。 その例は、マンニトールのような拡散性が乏しい作用剤、エトポシドのような脳血管透過性を増加させる医薬品またはロイコトリエンのような血管作動性薬剤の動脈内注入を含む。 NeuweltおよびRappoport(1984)Fed. Proc. 43:214〜219;Babaら(1991)J. Cereb. Blood Flow Metab. 11:638〜643;ならびにGennusoら(1993)Cancer Invest. 11:638〜643。

    さらに、医薬剤を、治療を必要とする領域に局所的に投与することが望ましい場合がある。 このことは、例えば、カテーテルによるかあるいはサイラスティック膜のような膜もしくは線維を含む多孔性、非多孔性またはゼラチン状の材料のインプラントによる注射による手術中の局所的注入により達成し得る。

    治療用化合物は、化学改変または血液脳関門を横断する類似体のスクリーニングを含む薬理学的技術を用いることによってもデリバリーできる。 化合物を改変して、分子の疎水性を増加するか、分子の正味の電荷もしくは分子量を低下させるかまたは血液脳関門を通常横断して輸送されるものに類似するように分子を改変することができる。 Levin(1980)J. Med. Chem. 23:682〜684;Peptide Drug Delivery to the Brain 中のPardridge(1991)およびKostisら(1994)J. Clin. Pharmacol. 34:989〜996。

    リポソームのような疎水性環境への薬物の被包化も、薬物をCNSへデリバリーする際に効果的である。 例えばWO91/04014は、血液脳関門を通常横断して輸送される分子を加えたリポソーム内に薬物が被包化されたリポソームデリバリー系について記載している。

    血液脳関門を通過するための薬剤を処方する別の方法は、薬物をシクロデキストリンに被包化することである。 それらに限定されないが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびそれらの誘導体を含む、血液脳関門を通過する任意の適切なシクロデキストリンを用い得る。 全般的に、米国特許第5,017,566号、第5,002,935号および第4,983,586号を参照されたい。 このような組成物は、米国特許第5,153,179号に記載されるようなグリセロール誘導体も含み得る。

    デリバリーは、治療用薬剤を輸送可能な作用剤にコンジュゲーションさせて新しいキメラ輸送可能治療用薬剤を得ることにより行うこともできる。 例えば、血管作動性小腸ペプチド類似体(VIPa)は、特異的担体分子トランスフェリン受容体に対するモノクローナル抗体(Mab)へのコンジュゲーションの後にのみその血管作動性効果を発揮し、このことは、血液脳関門を通してのVIPa−Mabコンジュゲートの取込みを促進した。 Pardridge(1991);およびBickelら(1993)Proc. Natl. Acad Sci. USA90:2618〜2622。 いくつかのその他の特異的輸送系が同定されており、これらは、それらに限定されないが、インスリンまたはインスリン様成長因子IおよびIIを輸送するためのものを含む。 その他の適切な非特異的担体は、それらに限定されないが、ピリジニウム、脂肪酸、イノシトール、コレステロールおよびグルコース誘導体を含む。 あるいくつかのプロドラッグが記載されており、これにより、中枢神経系に侵入する際に、薬物が担体から切断されて活性薬物を放出する。 米国特許第5,017,566号。

    併用療法 ClpP阻害剤(例えばApoEを切断するClpPタンパク質分解活性を阻害する薬剤)は、1または複数のさらなる治療用薬剤との併用療法において投与できる。

    適切なさらなる治療用薬剤は、それらに限定されないが、Aricept(ドネペジル)、Exelon(リバスチグミン)、メトリホネートおよびタクリン(Cognex)を含むアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;それらに限定されないが、イブプロフェンおよびインドメタシンを含む非ステロイド性抗炎症剤;Celebrexのようなシクロオキシゲナーゼ−2(Cox2)阻害剤;ならびにSelegilene(EldeprylまたはDeprenyl)のようなモノアミンオキシダーゼ阻害剤を含むが、それらに限定されない。 上記の薬剤のそれぞれについての投与量は、当該技術において知られている。 例えば、Ariceptは、通常、1日あたり50mgが6週間にわたり、そして個体が良好に許容するならばその後1日あたり10mgが経口投与される。

    いくつかの実施形態において、主題の併用療法は、ClpP活性を阻害する薬剤とアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の投与を含む。 いくつかの実施形態において、主題の併用療法は、ClpP活性を阻害する薬剤と抗炎症剤の投与を含む。 いくつかの実施形態において、主題の併用療法は、ClpP活性を阻害する薬剤とApoE4ドメイン相互作用を低減するApoE4「構造修正剤」である薬剤の投与を含む。 ApoE4ドメイン相互作用を低減する薬剤は、例えば、米国特許出願公開第2006/0073104号;およびYeら(2005)Proc. Natl. Acad. Sci. USA102:18700に記載される薬剤を含む。

    いくつかの実施形態において、主題の併用療法は、ClpP活性を阻害する薬剤と「ミトコンドリア保護剤」、例えば神経毒性ApoEフラグメントの有害な影響からミトコンドリアを保護する薬剤、例えばミトコンドリアと神経毒性ApoEフラグメントとの相互作用を低減する薬剤の投与を含む。

    本発明の治療用薬剤を用いる治療に適する対象 主題の方法を用いる治療に適する対象は、ApoE関連障害、例えばApoE4関連障害を有する任意の個体、例えばヒトを含む。 主題の方法を用いる治療に適する対象は、少なくとも1つのApoE4対立遺伝子を有する任意の個体、特にヒトを含む。 適切な対象は、ApoE関連障害を有するか、ApoE関連障害を発生する危険性があるか、ApoE関連障害を有していたがApoE関連障害の再発の危険性があるか、またはApoE関連障害から回復している個体を含む。

    そのような対象は、それらに限定されないが、アルツハイマー病であると診断された個体;1または複数の脳卒中に罹患した個体;外傷性頭部損傷に罹患した個体;高い血清コレステロールレベルを有する個体;脳組織にAβ沈着を有する個体;1または複数の心臓の事象を有した個体;心臓手術を受ける対象;および多発性硬化症の対象を含む。

    スクリーニング法 本発明は、個体におけるApoE関連障害(例えばApoE4関連障害)を治療するための候補薬剤を同定する方法を提供する。 本方法は、全般的に、酵素活性ClpPポリペプチドを、試験薬剤およびApoEポリペプチド基質と接触させるステップと、ApoE基質をタンパク質切断するClpPポリペプチドの活性に対する試験薬剤の影響があるならばそれを決定するステップとを含む。

    適切なApoE基質は、全長ApoEポリペプチド(例えばApoE3ポリペプチド;ApoE4ポリペプチドなど);およびClpPにより切断されるApoEポリペプチドのフラグメントを含む。 適切なフラグメントは、例えば、約4アミノ酸(aa)〜約290aa、例えば約4aa〜約10aa、約10aa〜約15aa、約15aa〜約25aa、約25aa〜約50aa、約50aa〜約100aa、約100aa〜約150aa、約150aa〜約200aa、約200aa〜約250aa、または約250aa〜約290aaの長さのポリペプチドを含む。 適切なApoE基質の非限定的な例は、配列Phe−Glu−Pro−Leu(FEPL;配列番号11)のペプチドである。

    いくつかの実施形態において、適切なApoE基質は、蛍光発生性である。 例えば、ApoEポリペプチドは、蛍光部分とコンジュゲートしてApoEポリペプチド−蛍光部分コンジュゲートを形成して、ApoEポリペプチドとコンジュゲートしたときに蛍光部分は蛍光シグナルを生成せず、例えば蛍光が消光されており、ApoEポリペプチド−蛍光部分コンジュゲートがClpPにより切断されたときに、蛍光部分が放出されて蛍光シグナルを生成することができる。 このような部分の非限定的な例は、7−アミノ−4−メチル−クマリン(AMC)である。 よって、例えば適切な基質は、FEPL(配列番号11)ペプチドがAMC部分と共有結合しているFEPL−AMCを含む。

    いくつかの実施形態において、方法は、in vitroでの無細胞法である。 無細胞法は、全般的に、単離(例えば精製)ClpPポリペプチドを試験薬剤と接触させるステップと、ClpPポリペプチドの酵素活性に対する試験薬剤の影響があるならばそれを決定するステップとを含む。 精製ClpPポリペプチドは、少なくとも75%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、または少なくとも98%純粋、例えば少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%その他の(非ClpP)タンパク質、その他の巨大分子(ApoE基質以外)またはその他の混入物を含まないClpPポリペプチドを含む。 ClpPポリペプチドは、上に記載される。 主題の無細胞in vitroアッセイは、細胞可溶化液、例えば一次ニューロンまたはClpPおよびClpXを合成するその他の細胞の可溶化液;ClpPおよびClpXをコードするヌクレオチド配列を含む核酸(複数可)で遺伝子改変された遺伝子改変細胞の可溶化液を用いて行うこともできる。

    いくつかの実施形態において、ClpPポリペプチドは、ClpXポリペプチドとの複合体に存在する。 よって、いくつかの実施形態において、主題のスクリーニング方法は、ClpPポリペプチドとClpXポリペプチドとの両方を含む複合体を用いて行われる。 ClpPおよびClpXポリペプチドは、上に記載される。 いくつかの実施形態において、ClpP/ClpX複合体中のClpPおよびClpXポリペプチドは精製されている。 いくつかの実施形態において、複合体中のClpXポリペプチドおよびClpPポリペプチドは、少なくとも75%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、または少なくとも98%純粋、例えば少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%その他の(非ClpXおよび非ClpP)タンパク質、その他の巨大分子(ApoE基質以外)またはその他の混入物を含まない。

    その他の実施形態において、方法は、in vitroでの細胞に基づく方法である。 細胞に基づく方法は、全般的に、ClpPポリペプチドを生成する細胞をin vitroにて試験薬剤と接触させるステップと、細胞におけるClpPポリペプチドのレベルおよび/または活性に対する試験薬剤の影響があるならばそれを決定するステップとを含む。 アッセイがin vitroでの細胞に基づくアッセイである場合、任意の種々の細胞を用いることができる。 アッセイにおいて用いられる細胞は、通常、それらに限定されないが、げっ歯類細胞、ヒト細胞および酵母細胞を含む真核細胞である。 適切な細胞は、in vitro細胞培養に適応した哺乳類細胞を含む。 細胞は、初代細胞培養物であり得るか、または不死化株化細胞であり得る。 細胞は「組換え」であってよく、例えば細胞には、ClpPポリペプチドおよび/またはClpXポリペプチドと、ApoE基質をコードするヌクレオチド配列とを含む1または複数の構築物(例えばプラスミド、組換えウイルスベクターまたは任意のその他の適切なベクター)が一過的または安定的に導入されてよい。 ClpPポリペプチドおよび/またはClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、転写制御要素、例えばニューロン特異的プロモーターと作動可能に連結され得る。

    ニューロン特異的プロモーターおよびその他の制御要素(例えばエンハンサー)は、当該技術において知られている。 適切なニューロン特異的制御配列は、それらに限定されないが、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーター(例えばEMBL HSENO2、X51956を参照されたい);芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)プロモーター;神経フィラメントプロモーター(例えばGenBank HUMNFL、L04147を参照されたい);シナプシンプロモーター(例えばGenBank HUMSYNIB、M55301を参照されたい);thy−1プロモーター(例えばChenら(1987)Cell51:7〜19を参照されたい);セロトニン受容体プロモーター(例えばGenBank S62283を参照されたい);チロシンヒドロキシラーゼプロモーター(TH)(例えばNucl.Acids.Res.15:2363〜2384(1987)およびNeuron6:583〜594(1991)を参照されたい);GnRHプロモーター(例えばRadovickら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:3402〜3406(1991)を参照されたい);L7プロモーター(例えばOberdickら、Science248:223〜226(1990)を参照されたい);DNMTプロモーター(例えばBartgeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:3648〜3652(1988)を参照されたい);エンケファリンプロモーター(例えばCombら、EMBO J.17:3793〜3805(1988)を参照されたい);ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーター;およびCMVエンハンサー/血小板由来成長因子βプロモーター(例えばLiuら(2004)Gene Therapy11:52〜60を参照されたい)を含む。

    適切な哺乳類細胞は、初代細胞および不死化株化細胞を含む。 適切な哺乳類株化細胞は、ヒト株化細胞、非ヒト霊長類株化細胞、げっ歯類(例えばマウス、ラット)株化細胞などを含む。 適切な哺乳類株化細胞は、それらに限定されないが、HeLa細胞(例えばAmerican Type Culture Collection(ATCC)第CCL−2号)、CHO細胞(例えばATCC第CRL9618号、第CCL61号、第CRL9096号)、293細胞(例えばATCC第CRL−1573号)、Vero細胞、NIH 3T3細胞(例えばATCC第CRL−1658号)、Huh−7細胞、BHK細胞(例えばATCC第CCL10号)、PC12細胞(ATCC第CRL1721号)、COS細胞、COS−7細胞(ATCC第CRL1651号)、RAT1細胞、マウスL細胞(ATCC第CCL1.3号)、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞(ATCC第CRL1573号)、HLHepG2細胞などを含む。

    いくつかの実施形態において、細胞は、神経細胞またはニューロン様細胞である。 細胞は、ヒト、非ヒト霊長類、マウスもしくはラット起源のものであり得るか、またはヒト、非ヒト霊長類、ラットもしくはマウス以外の哺乳動物に由来し得る。 適切な株化細胞は、それらに限定されないが、ヒト神経膠腫株化細胞、例えばSVGp12(ATCC CRL−8621)、CCF−STTG1(ATCC CRL−1718)、SW 1088(ATCC HTB−12)、SW 1783(ATCC HTB−13)、LLN−18(ATCC CRL−2610)、LNZTA3WT4(ATCC CRL−11543)、LNZTA3WT11(ATCC CRL−11544)、U−138 MG(ATCC HTB−16)、U−87 MG(ATCC HTB−14)、H4(ATCC HTB−148)およびLN−229(ATCC CRL−2611);ヒト髄芽腫由来株化細胞、例えばD342 Med(ATCC HTB−187)、Daoy(ATCC HTB−186)、D283 Med(ATCC HTB−185);ヒト腫瘍由来ニューロン様細胞、例えばPFSK−1(ATCC CRL−2060)、SK−N−DZ(ATCCCRL−2149)、SK−N−AS(ATCC CRL−2137)、SK−N−FI(ATCC CRL−2142)、IMR−32(ATCC CCL−127)など;マウス神経株化細胞、例えばBC3H1(ATCC CRL−1443)、EOC1(ATCC CRL−2467)、C8−D30(ATCC CRL−2534)、C8−S(ATCC CRL−2535)、Neuro−2a(ATCC CCL−131)、NB41A3(ATCC CCL−147)、SW10(ATCC CRL−2766)、NG108−15(ATCC HB−12317);ラット神経株化細胞、例えばPC−12(ATCC CRL−1721)、CTX TNA2(ATCC CRL−2006)、C6(ATCC CCL−107)、F98(ATCC CRL−2397)、RG2(ATCC CRL−2433)、B35(ATCC CRL−2754)、R3(ATCC CRL−2764)、SCP(ATCC CRL−1700)、OA1(ATCC CRL−6538)を含む。

    本明細書で用いる場合、用語「決定する」は、定量的および定性的の両方の決定のことをいい、それ自体で、用語「決定する」は、本明細書において、「アッセイする」、「測定する」などと交換可能に用いられる。

    用語「候補薬剤」、「試験薬剤」、「薬剤」、「物質」および「化合物」は、本明細書において交換可能に用いられる。 候補薬剤は、多数の化学的な部門、典型的には合成、半合成または天然に存在する無機もしくは有機分子を含む。 候補薬剤は、合成または天然の化合物の大きいライブラリーで見出されるものを含む。 例えば、合成化合物ライブラリーは、Maybridge Chemical Co. (Trevillet、Cornwall、UK)、ComGenex(South San Francisco、CA)およびMicroSource(New Milford、CT)から商業的に入手可能である。 希な化学物質ライブラリーは、Aldrich(Milwaukee、Wis.)から入手可能であり、これもまた用いることができる。 代わりに、細菌、真菌、植物および動物抽出物の形態の天然化合物ライブラリーは、Pan Labs(Bothell、WA)から入手可能であるか、または容易に生成できる。

    候補薬剤は、50ダルトンを超え、約2,500ダルトン未満の分子量を有する小さい有機または無機化合物であってよい。 候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用、例えば水素結合に必要な官能基を含んでよく、少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたはカルボキシル基を含んでよく、少なくとも2つの化学官能基を含有してよい。 候補薬剤は、1もしくは複数の上記の官能基で置換された環状炭素または複素環構造および/あるいは芳香族または多重芳香族構造を含んでよい。 候補薬剤は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド類、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、構造類似体または組合せを含む生体分子からも見出される。

    本発明のアッセイは対照を含み、適切な対照は、試験薬剤の非存在下での試料(例えばClpPポリペプチドとApoE基質とを含む試料、またはClpPポリペプチドとApoE基質とを合成する細胞を含む試料)を含む。 通常、異なる薬剤濃度を有する複数のアッセイ混合物を並行して運転して、種々の濃度に対する示差的な応答を得る。 典型的には、これらの濃度の1つは陰性対照、すなわちゼロ濃度または検出レベル未満の濃度となる。

    種々のその他の試薬をスクリーニングアッセイに含めることができる。 これらは、最適なタンパク質同士の結合を促進しかつ/または非特異的もしくはバックグラウンドの相互作用を低減するために用いられる塩、中立タンパク質、例えばアルブミン、洗浄剤などのような試薬を含む。 プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌剤などのようなアッセイの効率を改善する試薬を用いてよい。 アッセイ混合物の構成要素は、必須の結合またはその他の活性をもたらす任意の順序で加えられる。 インキュベーションは、任意の適切な温度、典型的には4℃〜40℃で行われる。 インキュベーション期間は、最適活性について選択されるが、迅速なハイスループットスクリーニングを促進するように最適化してもよい。 典型的には、0.1〜1時間で十分である。

    スクリーニング方法は、当該技術において知られているように種々のアッセイの構成およびプロトコルを用い得るいくつかの異なる様式で設計できる。 例えば、構成要素の1つが固体支持体と結合し、残りの構成要素が支持体と結合した構成要素と接触してよい。 方法の上記の構成要素は、実質的に同時または異なる時間にて組み合わせてよい。

    対象の試験薬剤は、試験薬剤が存在しない対照と比較したときに、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれより多くClpPタンパク質のレベルを低減するかまたはClpPタンパク質分解活性を阻害するものである。

    候補薬剤は、アッセイにおいて用いる細胞に対して示され得る任意の細胞毒性活性について、トリパンブルー色素排除、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロミド)アッセイなどのような公知のアッセイを用いて評価される。 細胞毒性活性を示さない薬剤が、候補薬剤とみなされる。

    本開示は、ClpPおよび/またはClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸(複数可)で遺伝子改変された遺伝子改変宿主細胞(例えば単離されたin vitroでの遺伝子改変宿主細胞)を提供する。 遺伝子改変宿主細胞は、主題のスクリーニング方法において用いることができるClpPポリペプチドおよび/またはClpXポリペプチド(精製されているかまたは細胞から調製した可溶化液にあるかのいずれか)を生成するために有用である。 適切な細胞は、in vitroでの細胞培養物に適合された哺乳類細胞を含む。 細胞は、初代細胞培養物であり得るか、または不死化株化細胞であり得る。 主題の遺伝子改変宿主細胞を作製するために適切な哺乳類細胞は、ClpPおよび/またはClpXポリペプチドを通常合成しない哺乳類細胞を含む。

    主題の遺伝子改変宿主細胞は、一過的または安定的に導入された核酸を用いて遺伝子改変され、核酸は、ClpPポリペプチドおよび/またはClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組換え構築物(例えばプラスミド、組換えウイルスベクターまたは任意のその他の適切なベクター)であり得る。 適切な発現ベクターは、それらに限定されないが、プラスミドベクターおよびウイルスベクター(例えばワクシニアウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、SV40、単純ヘルペスウイルス、レンチウイルスなどに基づくウイルスベクター)を含む。 ClpPポリペプチドおよび/またはClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、転写制御要素、例えばニューロン特異的プロモーターと作動可能に連結され得る。

    ニューロン特異的プロモーターおよびその他の制御要素(例えばエンハンサー)は、当該技術において知られている。 適切なニューロン特異的制御配列は、それらに限定されないが、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーター(例えばEMBL HSENO2、X51956を参照されたい);芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)プロモーター;神経フィラメントプロモーター(例えばGenBank HUMNFL、L04147を参照されたい);シナプシンプロモーター(例えばGenBank HUMSYNIB、M55301を参照されたい);thy−1プロモーター(例えばChenら(1987)Cell51:7〜19を参照されたい);セロトニン受容体プロモーター(例えばGenBank S62283を参照されたい);チロシンヒドロキシラーゼプロモーター(TH)(例えばNucl.Acids.Res.15:2363〜2384(1987)およびNeuron6:583〜594(1991)を参照されたい);GnRHプロモーター(例えばRadovickら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:3402〜3406(1991)を参照されたい);L7プロモーター(例えばOberdickら、Science248:223〜226(1990)を参照されたい);DNMTプロモーター(例えばBartgeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:3648〜3652(1988)を参照されたい);エンケファリンプロモーター(例えばCombら、EMBO J.17:3793〜3805(1988)を参照されたい);ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーター;およびCMVエンハンサー/血小板由来成長因子βプロモーター(例えばLiuら(2004)Gene Therapy11:52〜60を参照されたい)を含む。

    本開示は、遺伝子改変宿主細胞がClpPポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸で遺伝子改変された遺伝子改変宿主細胞(例えば一次ニューロンおよび不死化神経細胞のような神経細胞を含む哺乳類細胞)を提供する。 ClpPポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、図1Bに示すヌクレオチド配列(配列番号2)の約500ヌクレオチド〜約600ヌクレオチド、約600ヌクレオチド〜約700ヌクレオチド、または約700ヌクレオチド〜821ヌクレオチドの連続するひと続きと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のヌクレオチド配列同一性を有し得る。 いくつかの実施形態において、ClpPコードヌクレオチド配列は、ニューロン特異的プロモーターと作動可能に連結される。

    本開示は、遺伝子改変宿主細胞がClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸で遺伝子改変された遺伝子改変宿主細胞(例えば一次ニューロンおよび不死化神経細胞のような神経細胞を含む哺乳類細胞)を提供する。 ClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、図5Bおよび5Cに示し、配列番号12に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド73〜1974のうちの約1500ヌクレオチド〜約1600ヌクレオチド、約1600ヌクレオチド〜約1700ヌクレオチド、約1700ヌクレオチド〜約1800ヌクレオチド、または約1800ヌクレオチド〜約1900ヌクレオチドの連続するひと続きと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のヌクレオチド配列同一性を有し得る。 いくつかの実施形態において、ClpXコードヌクレオチド配列は、ニューロン特異的プロモーターと作動可能に連結される。

    本開示は、遺伝子改変宿主細胞がClpPおよびClpXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1または複数の核酸で遺伝子改変された遺伝子改変宿主細胞(例えば一次ニューロンおよび不死化神経細胞のような神経細胞を含む哺乳類細胞)を提供する。 ClpPおよびClpXポリペプチドをコードする適切なヌクレオチド配列は、上に記載されるとおりである。 いくつかの実施形態において、ClpPコードヌクレオチド配列およびClpXコードヌクレオチド配列は、ニューロン特異的プロモーターと作動可能に連結される。

    主題の遺伝子改変宿主細胞を作製するために適切な哺乳類細胞は、初代細胞および不死化株化細胞を含む。 適切な哺乳類株化細胞は、ヒト株化細胞、非ヒト霊長類株化細胞、げっ歯類(例えばマウス、ラット)株化細胞などを含む。 適切な哺乳類株化細胞は、それらに限定されないが、HeLa細胞(例えばAmerican Type Culture Collection(ATCC)第CCL−2号)、CHO細胞(例えばATCC第CRL9618号、第CCL61号、第CRL9096号)、293細胞(例えばATCC第CRL−1573号)、Vero細胞、NIH 3T3細胞(例えばATCC第CRL−1658号)、Huh−7細胞、BHK細胞(例えばATCC第CCL10号)、PC12細胞(ATCC第CRL1721号)、COS細胞、COS−7細胞(ATCC第CRL1651号)、RAT1細胞、マウスL細胞(ATCC第CCLI.3号)、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞(ATCC第CRL1573号)、HLHepG2細胞などを含む。

    いくつかの実施形態において、細胞は、神経細胞またはニューロン様細胞である。 細胞は、ヒト、非ヒト霊長類、マウスもしくはラット起源のものであり得るか、またはヒト、非ヒト霊長類、ラットもしくはマウス以外の哺乳動物に由来し得る。 適切な株化細胞は、それらに限定されないが、ヒト神経膠腫株化細胞、例えばSVGp12(ATCC CRL−8621)、CCF−STTG1(ATCC CRL−1718)、SW 1088(ATCC HTB−12)、SW 1783(ATCC HTB−13)、LLN−18(ATCC CRL−2610)、LNZTA3WT4(ATCC CRL−11543)、LNZTA3WT11(ATCC CRL−11544)、U−138 MG(ATCC HTB−16)、U−87 MG(ATCC HTB−14)、H4(ATCC HTB−148)およびLN−229(ATCC CRL−2611);ヒト髄芽腫由来株化細胞、例えばD342 Med(ATCC HTB−187)、Daoy(ATCC HTB−186)、D283 Med(ATCC HTB−185);ヒト腫瘍由来ニューロン様細胞、例えばPFSK−1(ATCC CRL−2060)、SK−N−DZ(ATCCCRL−2149)、SK−N−AS(ATCC CRL−2137)、SK−N−FI(ATCC CRL−2142)、IMR−32(ATCC CCL−127)など;マウス神経株化細胞、例えばBC3H1(ATCC CRL−1443)、EOC1(ATCC CRL−2467)、C8−D30(ATCC CRL−2534)、C8−S(ATCC CRL−2535)、Neuro−2a(ATCC CCL−131)、NB41A3(ATCC CCL−147)、SW10(ATCC CRL−2766)、NG108−15(ATCC HB−12317);ラット神経株化細胞、例えばPC−12(ATCC CRL−1721)、CTX TNA2(ATCC CRL−2006)、C6(ATCC CCL−107)、F98(ATCC CRL−2397)、RG2(ATCC CRL−2433)、B35(ATCC CRL−2754)、R3(ATCC CRL−2764)、SCP(ATCC CRL−1700)、OA1(ATCC CRL−6538)を含む。

    以下の実施例は、本発明をどのように作製して用いるかについての完全な開示および記述を当業者に示すために記載され、本発明者らが発明であると考えるものの範囲を限定することを意図せず、以下の実験だけが行われた全ての実験であることを示すことも意図しない。 用いられる数字(例えば量、温度など)に関して精度を確実にするための努力を行ったが、いくらかの実験誤差および偏差がある。 そうでないと記載しない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量である、温度は摂氏温度である、圧力は大気圧またはその付近である。 標準的な略語、例えばbp、塩基対(複数可);kb、キロベース(複数可);pl、ピコリットル(複数可);sまたはsec、秒(複数可);min、分(複数可);hまたはhr、時間(複数可);aa、アミノ酸(複数可);kb、キロベース(複数可);bp、塩基対(複数可);nt、ヌクレオチド(複数可);i. m. 、筋肉内(で);i. p. 、腹腔内(で);s. c. 、皮下(で)などを用いることがある。

    実施例1:ClpPはApoE4の切断を媒介する ClpPのshRNA媒介ノックダウンは、一次ニューロンにおけるApoE4切断を低下させる。 海馬および皮質からの7日間培養したマウス一次ニューロンに、ClpP配列の種々の領域を標的にする種々のLenti−ClpP−shRNA構築物(ClpP−shRNA−2、ClpP−shRNA−3、ClpP−shRNA−5およびClpP−shRNA−6)を感染させた。 ClpP−shRNAのヌクレオチド配列は、次のとおりであった:ClpP−shRNA−2:5'−GCTATACAACATCTACGCCAA−3'(配列番号10);ClpP−shRNA−3:5'−GCCCAATTCCAGAATCATGAT−3'(配列番号07);ClpP−shRNA−5:5'−CGAGCGCGCTTATGACATATA−3'(配列番号09);ClpP−shRNA−6:5'−GCCCATTCATATGTATATCAA−3'(配列番号06)。 空のレンチウイルスベクターを対照として用いた。

    データを図3に示す。 レンチウイルスベクターの感染の10日後に、一次ニューロンを回収して2群に分けた。 細胞の一方の群は、抗ApoEウェスタンブロットによるApoEフラグメント化を分析するために用いた(ゲル画像の4つのパネル)。 細胞の他方の群は、ClpPのmRNAレベルを決定するために用いた(バーグラフ)。 ClpP−shRNA−3、ClpP−shRNA−5およびClpP−shRNA−6は、ClpPのmRNAレベルを著しく低下させ、ApoE4フラグメント化を著しく低下させたが、ClpP−shRNA−2は、ClpPのmRNAレベルを低下させず、ApoE4フラグメント化を変化させなかった。

    組換えヒトClpP(タンパク質分解性サブユニット)およびClpX(調節サブユニット)複合体は、ApoE4をin vitroで切断する。 データを図4に示す。 組換えヒトClpP/ClpX複合体によりin vitroで得られたApoE4フラグメント化パターンは、ApoE4を発現するマウス一次ニューロンで見られるものと同一である。

    実施例2:ClpP阻害剤の同定 ClpPプロテアーゼの阻害剤を、精製ClpP(例えば精製ClpPと精製ClpXとの複合体)またはClpPとClpXとを合成する細胞から作製される細胞可溶化液を用いて同定できる。

    例えば、一次ニューロン培養細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄して回収する。 細胞を、凍結/融解により可溶化して、ホモジナイズする。 細胞デブリを遠心分離により回収する。 上清を新しいチューブに移す。 上清は、後続のステップにおいて一次ニューロン可溶化液という。

    基質であるFEPL−AMCは、7−アミノ−4−メチル−クマリン(AMC)部分とコンジュゲートした4アミノ酸のペプチド(FEPL;配列番号11)である。 FEPL−AMCに対するClpPの作用の際に、AMC部分が放出され、蛍光シグナルを生成する。

    黒色96ウェルアッセイプレートを用いて、以下の反応を設定する:
    1)ブランク:FEPL+Tris−HCl;
    2)対照1:一次ニューロン可溶化液+FEPL+Tris−HCl+ジメチルスルホキシド(DMSO);
    3)対照2:一次ニューロン可溶化液+FEPL+Tris−HCl+ベンジルオキシカルボニル−ロイシルチロシンクロロメチルケトン(LY−CMK;陽性対照阻害剤);
    4)試験試料:一次ニューロン可溶化液+FEPL+Tris−HCl+試験薬剤。

    構成要素を、以下の順序でウェルに加える:Tris−HCl;一次ニューロン可溶化液;DMSO、陽性対照阻害剤または試験薬剤;およびFEPL−AMC。

    ウェルの内容物を混合し、プレートを37℃にて4時間保持する。 プレートを、蛍光を検出する装置で読み取る。 プレートは、次いで、37℃にて24時間保持でき、24時間の期間の後に再び読み取る。 対照1と比較して蛍光生成物の量を低減させる試験薬剤が、ApoE4のClpPにより媒介される切断の阻害を含む方法において用いるための候補薬剤である。

    本発明を、その特定の実施形態を参照して記載したが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができ、均等物で置き換えることができることが当業者に理解される。 さらに、本発明の目的、精神および範囲に対して多くの改変を行って、特定の状況、材料、物質の組成物、プロセス、1または複数のプロセスステップに適応させることができる。 このような全ての改変は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲内であることを意図する。

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