原生動物におけるカブトガニC因子タンパク質の組み換え生産方法

申请号 JP2015545998 申请日 2013-12-04 公开(公告)号 JP6410727B2 公开(公告)日 2018-10-24
申请人 ヒグロス インベスト ゲーエムベーハー; 发明人 ブーフベルガー ベルント; グラーレアト ホルガー; モリナーロ ゾーニャ;
摘要
权利要求

カブトガニC因子(Factor C)タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、寄生性原生動物であって、前記寄生性原生動物は非還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合約102kDaの分子量を有するカブトガニC因子タンパク質の2本鎖チモーゲン形態を発現し、前記チモーゲンはリポ多糖との接触により酵素的に活性な状態になる、前記寄生性原生動物。ポリヌクレオチドが、核酸分子に含まれる、請求項1記載の寄生性原生動物。ポリヌクレオチドが、寄生性原生動物宿主細胞に導入されたベクターに含まれる、請求項2記載の寄生性原生動物。トリパノゾマチダ(Trypanosomatida)目のメンバーである、請求項1〜3のいずれか一項記載の寄生性原生動物。リーシュマニア(Leishmania)属のメンバーである、請求項1〜4のいずれか一項記載の寄生性原生動物。リーシュマニア・タレントラエ(Leishmania tarentolae)である、請求項1〜5のいずれか一項記載の寄生性原生動物。ポリヌクレオチドが、リムルス・ポリフェムス(Limulus polyphemus)、カルシノスコーピウス・ロツンジカウダ(Carcinoscorpius rotundicauda)、タキプレウス・トリデンタトゥス(Tachypleus tridentatus)またはタキプレウス・ギガス(Tachypleus gigas)由来のC因子タンパク質をコードする、請求項1〜6のいずれか一項記載の寄生性原生動物。ポリヌクレオチドが、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するC因子タンパク質をコードする、請求項1〜7のいずれか一項記載の寄生性原生動物。非還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合約102kDaの分子量を有するカブトガニC因子タンパク質を生産する方法であって: (a)細胞がポリヌクレオチドによってコードされるC因子タンパク質を発現する条件下で請求項1〜8のいずれか一項記載の寄生性原生動物を培養する工程;および (b)工程(a)で生産されたC因子タンパク質を細胞培養物から回収する工程、 を含む、方法。C因子タンパク質が、細胞培養培地中に蓄積される、請求項9記載の方法。生産されたC因子タンパク質が、内毒素への結合によりセリンプロテアーゼ活性を示す、請求項9または10記載の方法。請求項9の方法によって取得される、非還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合約102kDaの分子量を有するカブトガニC因子タンパク質。in vitroにおける内毒素検出方法またはin vitroにおける内毒素除去方法における請求項9〜11のいずれか一項記載の方法によって生産されるカブトガニC因子タンパク質の使用。in vitroにおける内毒素検出方法またはin vitroにおける内毒素除去方法における請求項12記載のカブトガニC因子タンパク質の使用。内毒素検出または内毒素除去のためのキットであって、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法によって生産されるカブトガニC因子タンパク質または請求項12記載のカブトガニC因子タンパク質を含む、キット。非還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合約102kDaの分子量を有するカブトガニC因子タンパク質を生産する寄生性原生動物宿主細胞を作製する方法であって: (a)カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子を、寄生性原生動物に導入する工程;および (b)カブトガニC因子タンパク質を発現する工程(a)で生産された1つまたは複数の宿主細胞を選択する工程、 を含む、方法。寄生性原生動物がトリパノゾマチダ目の寄生性原生動物である、請求項16記載の方法。寄生性原生動物がリーシュマニア属のメンバーである、請求項17記載の方法。寄生性原生動物がリーシュマニア・タレントラエである、請求項18記載の方法。核酸分子がベクターに含まれる、請求項16〜19のいずれか一項記載の方法。カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項16〜20のいずれか一項記載の方法によって取得可能な寄生性原生動物宿主細胞であって、ポリヌクレオチドが、寄生性原生動物宿主細胞に導入された核酸分子に含まれる、寄生性原生動物宿主細胞。ポリヌクレオチドがベクターに含まれる、請求項21記載の寄生性原生動物宿主細胞。

说明书全文

発明の技術分野 本発明は、カブトガニ由来のC因子(Factor C)タンパク質をC因子タンパク質発現寄生性原生動物を用いて組み換え生産するための新規の方法を提供する。したがって、本発明は、カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有する寄生性原生動物宿主細胞およびこの寄生性原生動物宿主細胞を、カブトガニC因子タンパク質を発現する条件下で培養する工程を含むC因子を生産する方法を提供する。本発明は、この新規の方法によって生産される組み換えカブトガニC因子タンパク質ならびに内毒素の検出および/または除去におけるその使用を提供する。

リポ多糖(LPS)としても公知の内毒素は、グラム陰性細菌の細胞膜の構成要素であり、グラム陰性細菌性敗血症時に見られる毒性効果のすべてではないにしても多くを担っている。

グラム陰性細菌由来のLPSは、カブトガニのアメーバ細胞が凝集および脱顆粒化するよう誘導する。LPSにより誘導される凝固カスケードは、グラム陰性細菌の侵襲に対してカブトガニが使用する重要な防御機構であると考えられている。リムルスアメーバ細胞溶解産物(LAL)試験を構成するアメーバ細胞溶解産物は、数十年にわたり、溶液中の微量濃度の内毒素(LPS)を検出するためのツールとして使用されている。カブトガニにおける凝固の分子的機構は確立されており、それはプロテアーゼカスケードを含む。このカスケードは、C因子、B因子、凝固促進酵素の3種のセリオンプロテアーゼチモーゲンおよびコアグロゲンである1つの凝固性タンパク質に基いている。凝固カスケードの初期活性化因子であるC因子は、LPSに対して反応するバイオセンサーとして機能する。C因子がLPSによって「活性化」された後、生成される活性部分は、B因子を活性化する能および合成性3ペプチド基質を加分解する能力を有する。

C因子活性は、医薬の品質管理等に使用されるフェムトグラムレベルの内毒素に対する超高感度アッセイの基礎である。したがって内毒素の検出におけるC因子の重要性が、内毒素の検出感度における季節的ばらつき(seasonal variation)等の従来のアメーバ細胞溶解産物で認識されている欠点を軽減する代替供給源としての組み換えC因子(rFC)の発現の契機となった。

内毒素特異的アッセイのために、C因子タンパク質は精製およびクローニングされている。LPSによる活性化により、組み換えC因子はアッセイ混合物中に存在する合成基質に対して作用して検出可能なシグナルを生成し、それによって与えられたサンプルにおけるLPSの存在を示す。特に、蛍光基質は、サンプル中の内毒素濃度に比例する蛍光シグナルを生ずる。C因子タンパク質は、内毒素特異的アッセイにおけるその利用のために精製およびクローニングされている。

Nakamura et al. (1986, Eur. J. Biochem. 154:511-521) (非特許文献1)は、カブトガニであるタキプレウス・トリデンタトゥス(Tachypleus tridentatus)由来のネイティブC因子タンパク質の単離および特徴づけについて記載している。T.トリデンタトゥス由来のC因子タンパク質をコードするcDNA配列は、Muta et al. (1991, J. Biol. Chem. 266:6554-6561) (非特許文献2)によって公開された。カブトガニであるカルシノスコーピウス・ロツンジカウダ(Carcinoscorpius rotundicauda)由来のC因子タンパク質をコードするcDNA配列は、Ding et al. (1995, Molecular Marine Biology and Biotechnology 4:90-103) (非特許文献3)によって公開された。

大腸菌(E.coli)におけるC.ロツンジカウダ由来のC因子の組み換え発現は、Roopashree et al. (1995, Biochem. Mol. Biol. Intl. 35:841-849) (非特許文献4)に記載された。ここでは、108 kDaのプロ酵素ならびに78 kDaおよび52 kDaのその活性化型の発現が、免疫検出によって示された。

酵母であるピキア・パストリス(Pichia pastoris)におけるC.ロツンジカウダ由来のC因子タンパク質の組み換え発現は、Ding et al. (1996, 米国特許第5,858,706号) (特許文献1)に記載されている。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)におけるC.ロツンジカウダ由来のC因子タンパク質の組み換え発現は、Roopashree et al. (1997, Biotechnology Letters 19:1147-1150) (非特許文献5)に記載されている。

哺乳動物COS-1細胞におけるC.ロツンジカウダ由来のC因子タンパク質の組み換え発現は、Roopashree et al. (1997, Biotechnology Letters 19:357-361) (非特許文献6)に記載されている。ここでは、C因子タンパク質が発現され、132 kDa、130 kDaおよび63 kDaの分子量のタンパク質バンドが検出された。これらのタンパク質は、分泌されず、可溶性ではなく、活性ではなく、細胞残屑画分に関連する不溶性のものであった。

昆虫細胞(安定的にトランスフェクトされたSf9細胞)におけるC.ロツンジカウダ由来のC因子タンパク質の組み換え発現は、Wang et al. (2001, Biotechnology Letters 23:71-76) (非特許文献7)に記載されている。ここでは、132 kDaの分子量を有するC因子タンパク質が上清に分泌され、このタンパク質のグリコシル化が示された。得られたC因子は、それが内毒素(LPS)に結合することができる点で、機能的に活性であった。しかし、酵素的に活性なプロテアーゼへの変換は示されなかった。昆虫細胞におけるC.ロツンジカウダ由来のC因子タンパク質の組み換え発現はまた、Wang et al. (2002, J. Biol. Chem. 277:36363-736372) (非特許文献8)に記載されている。ここでは、C因子はクローニングされ、ショウジョウバエS2細胞にトランスフェクトされそしてグリコシル化された可溶性タンパク質として発現され、これが培養上清に分泌された。この組み換えC因子タンパク質は、LPSに結合することができたが、酵素的に活性なプロテアーゼになるよう切断されなかった。昆虫細胞におけるC.ロツンジカウダ由来のC因子タンパク質の組み換え発現はさらに、Sf9細胞における発現のためにバキュロウイルスシステムを用いるUS 6,645,724 (特許文献2)に記載されている。

C因子タンパク質は、活性なプロテアーゼになるためにいくつかの変換工程および2次的修飾を必要とする複雑な真核生物タンパク質である。原核生物(例えば、大腸菌)における組み換え発現は、グリコシル化、H鎖およびL鎖への切断ならびに正確なジスルフィド結合の形成を提供しない。単純真核生物発現システム(例えば、酵母)における細胞質発現は、LPSに結合することができるがLPS結合によって活性化されない、すなわちそのチモーゲン形態から活性プロテアーゼに変換されないC因子を提供した。発現のために酵母細胞(ピキアまたはサッカロマイセス)を使用した場合、組み換えC因子を分泌タンパク質として得ることができなかった。哺乳動物細胞株における発現もまた、活性な分泌タンパク質を提供しなかった。さらに、安定的に形質転換された昆虫細胞における発現は、LPSに結合することができる分泌タンパク質を提供した。しかし、LPSによる活性化は、このシステムにおいて示されなかった。最後に、バキュロウイルス発現システムを用いた昆虫細胞における発現は、LPSに結合することができ、LPSへの結合によって活性なセリンプロテアーゼチモーゲンに変換される分泌されるC因子タンパク質を提供した。

これまでに行われた全実験から、昆虫細胞における活性なC因子タンパク質の発現以降の当業者によって、「完全な生物学的活性を有するrFCの生産には、原核生物または単純真核生物発現システムではなく昆虫細胞における発現が適している。さらに、カブトガニおよび昆虫は、同じ節足動物門に属しており、そのため昆虫細胞はそれらの生理学および生化学に関して酵母細胞よりもカブトガニの細胞により近いと考えられる。したがって、昆虫細胞において生産されるrFCは、カブトガニから精製されるタンパク質により近く、LPSによって活性化されるセリンプロテアーゼ活性を有するという生物活性を維持していると考えられる」と結論づけられた(WO 99/15676 (特許文献3)の第2ページ、「発明の要旨」を参照のこと)。

それ以来、すなわちWO 99/15676 (特許文献3)の公開後13年超、活性なC因子タンパク質の組み換え生産に関してさらなる試みはなされていない。長年にわたる様々な宿主システムにおける組み換え発現から得られた結果から見ておよびWO 99/15676 (特許文献3)の分野における一流研究者によって与えられた明晰な評価から見て、昆虫宿主細胞におけるバキュロウイルス発現システムが、活性なC因子タンパク質の組み換え生産のゴールドスタンダートであるとみなされたことが明らかである。

Ding et al. (1996, 米国特許第5,858,706号)

US 6,645,724

WO 99/15676

Nakamura et al. (1986, Eur. J. Biochem. 154:511-521)

Muta et al. (1991, J. Biol. Chem. 266:6554-6561)

Ding et al. (1995, Molecular Marine Biology and Biotechnology 4:90-103)

Roopashree et al. (1995, Biochem. Mol. Biol. Intl. 35:841-849)

Roopashree et al. (1997, Biotechnology Letters 19:1147-1150)

Roopashree et al. (1997, Biotechnology Letters 19:357-361)

Wang et al. (2001, Biotechnology Letters 23:71-76)

Wang et al. (2002, J. Biol. Chem. 277:36363-736372)

本発明は、カブトガニ由来のC因子タンパク質をC因子タンパク質発現寄生性原生動物を用いて組み換え生産する新規の方法を提供する。特に、本発明は、カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有する寄生性原生動物宿主細胞およびこの寄生性原生動物宿主細胞を、カブトガニC因子タンパク質を発現する条件下で培養する工程を含むC因子タンパク質を生産する方法を提供する。さらに、本発明は、この新規の方法によって生産される組み換えC因子タンパク質ならびに内毒素の検出および/または除去におけるその使用を提供する。

特に、本発明の局面は、以下のようなものである: [1] C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有することによって特徴づけられる、寄生性原生動物。 [2] ポリヌクレオチドが、寄生性原生動物宿主細胞に導入された核酸分子、好ましくはベクターに含まれる、項目[1]の寄生性原生動物。 [3] トリパノゾマチダ(Trypanosomatida)目のメンバーである、項目[1]または[2]の寄生性原生動物。 [4] リーシュマニア(Leishmania)属のメンバーである、項目[1]〜[3]のいずれかの寄生性原生動物。 [5] リーシュマニア・タレントラエ(Leishmania tarentolae)である、項目[1]〜[4]のいずれかの寄生性原生動物。 [6] ポリヌクレオチドが、リムルス・ポリフェムス(Limulus polyphemus)、カルシノスコーピウス・ロツンジカウダ(Carcinoscorpius rotundicauda)、タキプレウス・トリデンタトゥス(Tachypleus tridentatus)またはタキプレウス・ギガス(Tachypleus gigas)由来のC因子タンパク質をコードする、項目[1]〜[5]のいずれかの寄生性原生動物。 [7] ポリヌクレオチドが、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するC因子タンパク質をコードする、項目[1]〜[6]のいずれかの寄生性原生動物。 [8] C因子タンパク質を生産する方法であって: (a)細胞がポリヌクレオチドによってコードされるC因子タンパク質を発現する条件下で項目[1]〜[7]のいずれかの寄生性原生動物を培養する工程;および (b)工程(a)で生産されたC因子タンパク質を細胞培養物から回収する工程、 を含む、方法。 [9] C因子タンパク質が、細胞培養培地中に蓄積される、項目[7]または[8]の方法。 [10] 生産されたC因子タンパク質が、内毒素への結合によりセリンプロテアーゼ活性を示す、項目[8]または[9]の方法。 [11] 項目[8]の方法によって取得可能なC因子タンパク質。 [12] 内毒素検出方法または内毒素除去方法における項目[8]〜[10]のいずれかの方法によって生産されるC因子タンパク質の使用。 [13] 内毒素検出方法または内毒素除去方法における項目[11]のC因子タンパク質の使用。 [14] 内毒素検出または内毒素除去のためのアッセイまたはキットであって、項目[8]〜[10]のいずれかの方法によって生産されるC因子タンパク質または項目[11]のC因子タンパク質を含む、アッセイまたはキット。 [15] C因子タンパク質を生産する寄生性原生動物宿主細胞を作製する方法であって: (a)C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子、好ましくはベクターを、寄生性原生動物、好ましくはトリパノゾマチダ目の寄生性原生動物、より好ましくはリーシュマニア属のメンバー、最も好ましくはリーシュマニア・タレントラエに導入する工程;および (b)C因子タンパク質を発現する工程(a)で生産された1つまたは複数の宿主細胞を選択する工程、 を含む、方法。 [16] C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、項目[15]の方法によって取得可能な寄生性原生動物宿主細胞であって、ポリヌクレオチドが、寄生性原生動物宿主細胞に導入された核酸分子、好ましくはベクターに含まれる、寄生性原生動物宿主細胞。

図1は、37℃での15分間の基質ターンオーバーの後のLPS活性化組み換えC因子(rFC)サンプルの測定されたrfu値の、rFC濃度に依存的なプロットを示している。比活性の計算のために使用されたrFC濃度が示されている。

発明の詳細な説明 カブトガニ由来のC因子は、内毒素の検出および除去における使用に関して十分に確立されている。過去に、カブトガニ由来の血液細胞(アメーバ細胞)の水性抽出物である従来的なアメーバ細胞溶解産物に対する代替供給源として組み換え発現によりC因子を生産する試みがなされた。C因子の組み換え発現に対する当技術分野の多くの試みは、様々な宿主細胞において生産された組み換えC因子(rFC)が内毒素検出方法における使用に必要とされる生物活性を示さないことが示され、失敗に終わった。当技術分野で利用された宿主細胞は、原核生物細胞、単純真核生物細胞および高等真核生物細胞であり、何年もの集中的な調査の後、当技術分野の研究者によって、完全な生物学的活性を有するrFCの生産には原核生物または単純真核生物発現システムよりも昆虫細胞における発現が適していると結論づけられた。これに関連して、カブトガニおよび昆虫は同じ節足動物門に属しており、そのため昆虫細胞はそれらの生理学および生化学に関して酵母細胞よりもカブトガニの細胞により近いと考えられることが、研究者によって説明された。したがって、昆虫細胞において生産されるrFCは、カブトガニから精製されるタンパク質により近く、LPSによって活性化されるセリンプロテアーゼ活性を有するという生物活性を維持していると考えられる。

本発明は、カブトガニ由来のC因子タンパク質をC因子タンパク質発現寄生性原生動物を用いて組み換え生産するための新規の方法を提供する。特に、本発明は、カブトガニ由来の異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有する寄生性原生動物宿主細胞およびこの寄生性原生動物宿主細胞を、組み換えC因子タンパク質を発現する条件下で培養する工程を含むカブトガニ由来の組み換えC因子タンパク質を生産する方法を提供する。さらに、本発明は、この新規の方法によって生産される組み換えC因子タンパク質ならびに内毒素の検出および/または除去におけるその使用を提供する。

原生動物は、単純な単細胞真核生物である。本発明の主題は、本明細書で上述されているように、当技術分野が活性なC因子タンパク質の生産の成功のための単純真核生物発現システムの使用から離れた状況にあったため、当業者に自明ではなかった。さらに、原生動物の基本的なシャペロンシステムが組み換えC因子の正確な折りたたみを提供することは、C因子タンパク質を得るために20を超えるジスルフィド結合が適切に接続される必要がある点に鑑みれば、驚くべきことであった。本発明の原生動物宿主細胞が重(H)および軽(H)鎖から構成される活性なプロテアーゼへのプレプロ酵素およびプロ酵素の正確な切断を実現する組み換えカブトガニC因子を提供することを、当業者は予測することができなかったであろう。加えて、本発明によって提供される組み換えカブトガニC因子タンパク質の発現のための原生動物の使用は、以下の利点を有する: 第1に、C因子タンパク質の組み換え生産のための昆虫細胞の使用は、高価な専用培養培地が必要とされるという事実から高い費用を伴うものであるのに対して、原生動物の使用は、必要とされる培地が安価であり、設備および培養条件が細菌の発酵と類似することから、安価である。加えて、原生動物の培養物は、比較的速く成長し(速い発生時間)、かつ規模拡大が容易である。さらに、ひとたびクローニングされれば、組み換え発現宿主は安定的でありかつ感染性ウイルスストックの継続的な調製を必要としない。本発明の原生動物培養物において生産される組み換えC因子タンパク質は、高収量かつ可溶性形態で分泌されることが示され、かつ培養上清から容易に精製することができる。具体的には、唯一のC因子の活性形態が分解産物なしに上清から精製される。発現される組み換えタンパク質は安定的であり、チモーゲン形態の保護のために添加物を必要としないことに注目されたい。

宿主細胞 本発明は、異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有することによって特徴づけられる寄生性原生動物を提供する。本発明によって提供される寄生性原生動物は、カブトガニ由来のC因子の組み換え生産に使用される。したがって、本発明は、異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有することによって特徴づけられる、カブトガニC因子の組み換え生産のための寄生性原生動物宿主細胞を提供する。

カブトガニC因子の組み換え生産のための本発明の宿主細胞は、寄生性原生動物宿主細胞である。好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、キネトプラスチド(kinetoplastid)寄生性原生動物宿主細胞である。これらの宿主細胞の共通の分類学上の特徴は、多量の核外DNAを含む単一のミトコンドリアである。このDNAを含むミトコンドリアの領域は「キネトプラスト」と呼ばれ、DNAは「キネトプラストDNA」と呼ばれる。小サブユニットrRNAおよび保存されたタンパク質ベースの系統発生が、5つの目:プロキネトプラスチダ(Prokinetoplastida)、ネオボドニダ(Neobodonida)、パラボドニダ(Parabodonida)、ユウボドニダ(Eubodonida)およびトリパノゾマチダ(Trypanosomatida)、へのキネトプラスチドの分類を支持する。したがって、本発明の好ましいキネトプラスチド寄生性原生動物は、寄生性プロキネトプラスチダ、ネオボドニダ、パラボドニダ、ユウボドニダまたはトリパノゾマチダである。好ましくは、本発明のキネトプラスチド寄生性原生動物は、寄生性トリパノゾマチド(trypanosomatid)(すなわち、寄生性トリパノゾマチダ)である。トリパノゾマチドのすべてのメンバーが寄生性であるので、本明細書において、「トリパノゾマチド」という用語は、単独で、寄生性トリパノゾマチド(すなわち、寄生性トリパノゾマチダ)を表すために使用される。

トリパノゾマチドは、単生の属、例えばクリチジア(Crithidia)、レプトモナス(Leptomonas)およびブラストクリチジア(Blastocrithidia)ならびに二生の属、例えば、リーシュマニア(Leishmania)およびトリパノゾーマ(Trypanosoma)からなる。本発明において、好ましいキネトプラスチド寄生性原生動物は、二生性トリパノゾマチド(すなわち、トリパノゾマチダ目の二生性メンバー)である。より好ましくは、本発明の宿主細胞は、リーシュマニア属のメンバーである。さらにより好ましくは、本発明の宿主細胞は、リーシュマニア・メジャー(Leishmania major)またはリーシュマニア・タレントラエ(Leishmania tarentolae)である。本発明において、最も好ましい宿主細胞は、リーシュマニア・タレントラエである。様々な態様において、本発明の宿主細胞は、トリパノゾーマ属のメンバーである。好ましい態様において、本発明の宿主細胞は、トリパノゾーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)およびトリパノゾーマ・セイレリ(Trypanosoma theileli)種から選択される。

トリパノゾーム(trypanosome)はヒトおよび動物の疾患の重要な原因であるが、多くの種は非病原性である。本発明のトリパノゾマチド寄生性原生動物は、好ましくは非病原性キネトプラスチド寄生性原生動物(非病原性キネトプラスチダエ(Kinetoplastidae))、より好ましくは非病原性トリパノゾマチド原生動物(非病原性トリパノゾマチダエ(Trypanosomatidae))、さらにより好ましくは非病原性リーシュマニアである。キネトプラスチダエの好ましい非病原性種は、リーシュマニア・タレントラエ、クリチジア・ファスシクラタ(Crithidia fasciculata)、ワラセイナ・インコンスタンス(Wallaceina inconstans)(以前はプロテオモナス・インコンスタンス(Proteomonas inconstans))、レプトモナス・コロス(Leptomonas collos)、レプトモナス種およびレプトモナス・セイモウリ(Leptomonas seymouri)を含むがこれらに限定されない。本発明の最も好ましい非病原性原生動物は、リーシュマニア・タレントラエである。

様々な態様において、本発明の寄生性原生動物宿主細胞は、弱毒化された病原性原生動物宿主細胞である、すなわち、それらの病原性が弱毒化、好ましくは遺伝的に弱毒化されている。病原体を弱毒化する1つのアプローチは、標的化遺伝子欠失である。したがって、遺伝的に弱毒化されたトリパノゾマチド寄生生物(すなわち、トリパノゾマチド寄生性原生動物)は、選択された遺伝子(例えば、毒性因子をコードする遺伝子)の欠失によって取得され得る。遺伝子欠失は、この寄生生物が内因性のDNA配列と細胞内に人為的に導入された外来DNA配列の間で相同組換えを起こすことができるという点を利用している。本発明において使用される弱毒化された寄生性原生動物、好ましくは弱毒化されたトリパノゾマチド寄生生物は、弱毒化された毒性、特に弱毒化されたヒト毒性を有する。

本明細書および特許請求の範囲を通じて、「非病原性キネトプラスチダエ」または「非病原性トリパノゾマチダエ」等の用語の使用は、上記種に含まれる生物/宿主を表すだけでなく、上記で定義されるのと同じ形態学的なおよび培養上の特性または特徴を有しかつ「非病原性キネトプラスチダエ」および「非病原性トリパノゾマチダエ」と同概念であり得る、別の分類スキームにおけるそれらの種も含むことが理解されるであろう。

本明細書で使用される場合、非病原性という用語は、ヒトに対する非病原性の意味を含むがこれらに限定されない。様々な態様において、「非病原性」は、バイオセーフティレベル1への関心対象の生物の分類によって定義される。

様々な態様において、原生動物宿主細胞は、選択マーカー、好ましくは選択マーカー遺伝子を含む。

発現システム 本発明は、カブトガニ由来の異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む原生動物宿主細胞を提供する。本明細書で使用される場合、異種タンパク質は、宿主細胞にとってネイティブでないタンパク質を意味する。本発明の原生動物宿主細胞は、カブトガニC因子タンパク質の組み換え生産のための発現システムを表す。したがって、本発明は、寄生性原生動物宿主細胞およびカブトガニ由来の異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現システム、ならびにカブトガニ由来の異種C因子タンパク質の発現のための該発現システムの使用を提供する。様々な態様において、本発明によって提供される発現システムは別々の手段として宿主細胞およびポリヌクレオチドを含み得るが、本発明によって提供される発現システムは、異種カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドをすでに保持している寄生性原生動物宿主細胞を含むことが好ましい。

様々な態様において、異種カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本発明の宿主細胞においてC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現させることができる適切なプロモーター配列におよび適当な場合は転写後シグナル配列に機能的に連結される。好ましくは、プロモーターは、キネトプラスチド寄生性原生動物の活発に転写される遺伝子のプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、トリパノゾマチダ目のメンバーの活発に転写される遺伝子のプロモーターであり、さらにより好ましくは、プロモーターはリーシュマニア属のメンバーの活発に転写される遺伝子のプロモーターであり、最も好ましくは、プロモーターは、リーシュマニア・タレントラエの活発に転写される遺伝子のプロモーターである。

様々な態様において、プロモーターは、強転写開始性の異種プロモーターである。

本発明において使用されるカブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、異種ポリヌクレオチド、特に異種カブトガニC因子タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドである。本明細書で使用される場合、異種ポリヌクレオチドは、宿主細胞に対してネイティブでないポリヌクレオチドを意味する。様々な態様において、本発明において使用される異種ポリヌクレオチドの転写は、組み込まれ発現されるレプレッサー遺伝子に関連するレプレッサー応答エレメントによって制御される。

様々な態様において、少なくとも1コピーの異種ポリヌクレオチドが、本発明の原生動物宿主細胞の活発に転写される遺伝子クラスターに配置される。好ましくは、活発に転写される遺伝子クラスターは、rRNA遺伝子クラスターである。

様々な態様において、異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、キネトプラスチド寄生性原生動物の活発に転写される遺伝子の5'および3'UTR(非翻訳または無翻訳領域)に隣接する。好ましくは、異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、トリパノゾマチダ目のメンバーの活発に転写される遺伝子の5'および3'UTR、より好ましくはリーシュマニア属のメンバーの活発に転写される遺伝子の5'および3'UTR、さらにより好ましくはリーシュマニア・タレントラエの活発に転写される遺伝子の5'および3'UTRに隣接する。

様々な態様において、異種C因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えばキネトプラスチド寄生性原生動物の活発に転写される遺伝子の効率的な分泌、スプライシングおよび/またはポリアデニル化を提供する1つまたは複数のシグナル配列に隣接する、すなわち、シグナル配列は、キネトプラスチド寄生性原生動物の活発に転写される遺伝子のシグナル配列である。好ましくは、異種C因子タンパク質は、トリパノゾマチダ目のメンバーの活発に転写される遺伝子の1つまたは複数のシグナル配列、より好ましくはリーシュマニア属のメンバーの活発に転写される遺伝子の1つまたは複数のシグナル配列、さらにより好ましくはリーシュマニア・タレントラエの活発に転写される遺伝子の1つまたは複数のシグナル配列に隣接する。

様々な態様において、異種C因子タンパク質は、リーシュマニア・メキシカーナ(Leishmania mexicana)の酸性ホスファターゼ由来のシグナル配列に隣接する(Wiese et al. 1995, EMBO J. 14:1067-1074)。

様々な態様において、本発明の発現システムは、宿主細胞のプロテアーゼ産物、毒素、および多量の他の内因的に合成され分泌されるタンパク質を実質的に含まない。

C因子核酸およびアミノ酸配列ならびにそれらの変種 本発明において使用されるポリヌクレオチドによってコードされるC因子タンパク質は、異種C因子タンパク質である。本発明において使用されるポリヌクレオチドは、カブトガニ由来のC因子と同様の酵素活性を示すC因子をコードする核酸配列を含む。本発明の範囲は、その天然供給源において見出されるアミノ酸配列、すなわちカブトガニから取得可能なC因子のアミノ酸配列を有するC因子をコードするポリヌクレオチドの使用、および本明細書に記載されるC因子アミノ酸配列の変種をコードするポリヌクレオチドの使用を包含する。本発明の範囲はまた、その天然供給源において見出されるC因子核酸配列、すなわちカブトガニから取得可能なC因子核酸配列を含むポリヌクレオチドの使用、および本明細書に記載される変種C因子核酸配列を含むポリヌクレオチドの使用を包含する。いずれの場合も、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、内毒素による活性化によりC因子様酵素活性を示すC因子タンパク質をコードする。「C因子様酵素活性」の定義は、本明細書の他箇所に示されている。

様々な態様において、C因子タンパク質をコードする本明細書で使用されるポリヌクレオチドは、本発明にしたがう寄生性原生動物宿主細胞におけるそのような改変ポリヌクレオチドの発現から得られるC因子タンパク質が内毒素、キモトリプシン(特に、α-キモトリプシン)またはリピドAによる活性化によりC因子様酵素活性を示す限り、1つまたは複数の核酸の挿入、欠失、付加および/または置換によって改変される。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、タキプレウス・トリデンタトゥスまたはタキプレウス・ギガス(Tachypleus gigas)由来のC因子をコードするポリヌクレオチドである。様々な態様において、ポリヌクレオチドは、カルシノスコーピウス・ロツンジカウダ由来のC因子をコードする。様々な態様において、ポリヌクレオチドは、リムルス・ポリフェムス(Limulus polyphemus)由来のC因子をコードする。様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、配列表のSEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3に示される核酸配列を含む。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも75%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも85%の同一性または少なくとも95%の同一性を示し、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。より好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも96%の同一性または少なくとも97%の同一性を示し、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。さらにより好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも98%の同一性または少なくとも99%の同一性を示し、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を有し、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列と少なくとも85%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有し、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。より好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列と少なくとも96%または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有し、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。さらにより好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列と少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有し、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で本明細書に記載される任意のポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドであり、ハイブリダイズするポリヌクレオチドはC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも75%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。好ましくは、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも85%または少なくとも95%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。より好ましくは、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも96%または少なくとも97%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。さらにより好ましくは、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも98%または少なくとも99%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも75%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列の一部分を含み、該一部分はSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメント、アナログまたは機能的誘導体をコードし、該フラグメント、アナログまたは機能的誘導体はC因子様酵素活性を示す。好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも85%または少なくとも95%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列の一部分を含み、該一部分はSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメント、アナログまたは機能的誘導体をコードし、該フラグメント、アナログまたは機能的誘導体はC因子様酵素活性を示す。より好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも96%または少なくとも97%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列の一部分を含み、該一部分はSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメント、アナログまたは機能的誘導体をコードし、該フラグメント、アナログまたは機能的誘導体はC因子様酵素活性を示す。さらにより好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と少なくとも98%または少なくとも99%同一であり、かつC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列の一部分を含み、該一部分はSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメント、アナログまたは機能的誘導体をコードし、該フラグメント、アナログまたは機能的誘導体はC因子様酵素活性を示す。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるおよび本発明において使用され得るポリヌクレオチドのいずれかの全長の相補体であり、該相補体ポリヌクレオチドはC因子様酵素活性を示すポリペプチドをコードする。

本発明は、特に、WO 99/15676に記載される、カブトガニであるカルシノスコーピウス・ロツンジカウダ由来のC因子をコードする核酸配列の使用を包含する。特に、本発明は、WO 99/15676のSEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:3として示される代表的なヌクレオチド配列の使用を参照により包含する。同様に、WO 99/15676のSEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を表す、それぞれ、WO 99/15676のSEQ ID NO:2および4のアミノ酸配列の使用は、明示的に、参照により本発明に含まれる。

WO 99/15676のSEQ ID NO:1〜4の配列は、本明細書の配列表のSEQ ID NO:1〜4に対応していない。本発明においてSEQ ID NO:1〜4の配列のいずれかに対する参照がなされる場合は常に、本明細書の配列表のSEQ ID NO:1〜4の配列のいずれかが意味される。これに対して、前段落で示されているように、WO 99/15676のSEQ ID NO:1〜4の配列は、本明細書において、WO 99/15676の明示的な参照によって指定される。

本発明の範囲は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドおよび核酸分子のいずれかによってコードされるC因子ポリペプチドの組み換え生産を包含する。当然、本発明の範囲は、任意のそのような生産プロセスから得られる組み換えC因子ポリペプチドも包含する。

様々な態様において、本発明のC因子タンパク質のアミノ酸配列は、本発明にしたがう寄生性原生動物宿主における組み換え発現後の改変されたアミノ酸配列を有するC因子タンパク質が内毒素、キモトリプシンまたはリピドAによる活性化によりC因子様酵素活性を示す限り、1つまたは複数のアミノ酸残基の挿入、欠失、付加および/または置換によって改変される。

上記文章における「1つまたは複数のアミノ酸残基」という用語の意味は、C因子タンパク質の3次元構造におけるアミノ酸残基の位置およびアミノ酸残基のタイプに依存して変化する。より具体的に、この用語は、好ましくは1〜20アミノ酸残基、より好ましくは1〜10アミノ酸残基、さらにより好ましくは1〜5アミノ酸残基、さらにより好ましくは1〜3アミノ酸残基を意味する。様々な態様において、上記の1つまたは複数のアミノ酸の挿入、欠失、付加および/または置換は、内毒素、キモトリプシンまたはリピドAによるチモーゲン形態の活性化後のC因子タンパク質の酵素活性を維持する保存的変異である。例示的な保存的変異は、保存的置換である。保存的置換は、例えば、置換部位が芳香族アミノ酸である場合はPhe、TrpおよびTyr間で;置換部位が疎水性アミノ酸である場合はLeu、IleおよびValの間で;置換部位が極性アミノ酸である場合はGlnおよびAsnの間で;置換部位が塩基性アミノ酸である場合はLys、ArgおよびHisの間で;置換部位が酸性アミノ酸である場合はAspおよびGluの間で;ならびに置換部位がヒドロキシル基を有するアミノ酸である場合はSerおよびThrの間で相互に置換が起こる変異である。保存的置換とみなされる置換の例は、特に、Alaに対するSerまたはThrの置換、Argに対するGln、HisまたはLysの置換、Asnに対するGlu、Gln、Lys、HisまたはAspの置換、Aspに対するAsn、GluまたはGlnの置換、Cysに対するSerまたはAlaの置換、Glnに対するAsn、Glu、Lys、His、AspまたはArgの置換、Gluに対するGly、Asn、Gln、LysまたはAspの置換、Glyに対するProの置換、Hisに対するAsn、Lys、Gln、ArgまたはTyrの置換、Ileに対するLeu、Met、ValまたはPheの置換、Leuに対するIle、Met、ValまたはPheの置換、Lysに対するAsn、Glu、Gln、HisまたはArgの置換、Metに対するIle、Leu、ValまたはPheの置換、Pheに対するTrp、Tyr、Met、IleまたはLeuの置換、Serに対するThrまたはAlaの置換、Thrに対するSerまたはAlaの置換、Trpに対するPheまたはTyrの置換、Tyrに対するHis、PheまたはTrpの置換およびValに対するMet、IleまたはLeuの置換を含む。

本発明は、SEQ ID NO:2または4のアミノ酸配列に対する上記の挿入、欠失、付加および/または置換のいずれも包含する。

上記の挿入、欠失、付加および/または置換はまた、C因子遺伝子を提供したカブトガニ間の個々の細胞株または種における違いに起因する自然変異を包含する。さらに、上記の挿入、欠失、付加および/または置換はまた、個々の宿主細胞におけるC因子タンパク質の組み換え発現の過程で自然発生する変異を包含する。

様々な態様において、本発明の方法によって生産されるC因子タンパク質は、タキプレウス・トリデンタトゥスまたはタキプレウス・ギガス由来のC因子のアミノ酸配列を有する。様々な態様において、本発明の方法によって生産されるC因子タンパク質は、カルシノスコーピウス・ロツンジカウダ由来のC因子のアミノ酸配列を有する。様々な態様において、本発明の方法によって生産されるC因子タンパク質は、リムルス・ポリフェムス由来のC因子のアミノ酸配列を有する。様々な態様において、本発明の方法によって生産されるC因子タンパク質は、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有する。

様々な態様において、本発明において使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそのフラグメント、アナログもしくは機能的誘導体をコードし、該フラグメント、アナログまたは機能的誘導体はC因子様酵素活性を示す。本発明は、内毒素、キモトリプシンまたはリピドAによる活性化によりC因子様酵素活性を示す限り、本明細書に記載されるC因子ポリペプチドのいずれかのフラグメント、アナログおよび/または機能的誘導体を包含する。

本発明にしたがうカブトガニC因子の組み換え生産のために、寄生性原生動物は、カブトガニ由来の組み換えC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。したがって、本発明において使用されるカブトガニ由来のC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、異種ポリヌクレオチド、より具体的にはカブトガニ由来の異種C因子タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドである。

明確化のために、本明細書に記載されるカブトガニC因子タンパク質の任意の変種は、本明細書に記載される任意の変種がカブトガニC因子様酵素活性を示すことで定義されているという事実から見たときにとどまらず、依然としてカブトガニC因子タンパク質であるとみなされる。

C因子様酵素活性 チモーゲン(またはプロ酵素)は、酵素の前駆体である。チモーゲンはときどき酵素の不活性前駆体と呼ばれるが、チモーゲンは、その活性を(異なる因子に起因して)失っているのではなく活性な酵素になるために活性化される必要がある分子であるという意味で、「不活性」ではない。

カブトガニ由来のC因子は、それが微量レベルの内毒素に遭遇するまでチモーゲン状態で留まっている。内毒素(またはキモトリプシンもしくはリピドA)による活性化によってカブトガニC因子は完全な酵素活性を明確に示し、これにより、測定可能/検出可能な産物を形成する合成C因子基質を加水分解することで(例えば、内毒素に関してアッセイされるサンプルにおける)内毒素の存在を示す。本発明の組み換えC因子(rFC)は、その天然供給源からチモーゲン様C因子として生産される。さらに、本発明のrFCはまた、それが微量レベルの内毒素に遭遇するまでチモーゲン状態で留まっている。内毒素(またはキモトリプシンもしくはリピドA)による活性化により、本発明のrFCは、その天然供給源由来のカブトガニC因子と同様の完全な酵素活性を明確に示す。

上記の点に鑑み、かつ単に明確化の目的で、「C因子様酵素活性」は、その活性化形態で測定されるカブトガニ由来のC因子の酵素活性を意味することに留意されたい。換言すると、「C因子様酵素活性」は、内毒素、キモトリプシンまたはリピドAによって活性化されたカブトガニC因子の酵素活性を意味する。したがって、本発明の方法によって生産される組み換えC因子タンパク質が、本明細書において、C因子様酵素活性を有するまたは示すと説明されている場合、活性化されたチモーゲンの酵素活性が意味されていることが明らかである。換言すると、本明細書で使用される「カブトガニ由来の活性化されたC因子の酵素活性」は、「カブトガニ由来の活性化されたC因子の酵素活性」または「カブトガニ由来の活性化されたC因子チモーゲンの酵素活性」を意味する。

様々な態様において、「本発明の(組み換え)C因子」および「本発明のチモーゲン(組み換え)C因子」という用語は、言い換え可能に使用され得る。本発明の方法から直接得られるrFCはC因子酵素の前駆体であるが、本発明のチモーゲンrFCは、それが(異なる因子に起因して)その活性を失っているという意味において「不活性」ではない。そうではなく、本発明のチモーゲンrFCは、活性な酵素になるために活性化される必要がある分子である。

カブトガニ由来のC因子の酵素活性は、具体的には加水分解活性、より具体的にはタンパク質分解活性、さらにより具体的にはセリンプロテアーゼ活性である。したがって、本明細書に記載されるC因子様酵素活性は、具体的にはカブトガニC因子様加水分解活性、より具体的にはカブトガニC因子様タンパク質分解活性、さらにより具体的にはカブトガニC因子様セリンプロテアーゼ活性を意味する。

カブトガニC因子タンパク質の酵素活性は、例えば、発色または蛍光アッセイによって測定され得る。特に、カブトガニC因子の酵素活性は、例えば、活性化されたC因子によるC因子基質の切断/加水分解によって生産される検出可能な発色または蛍光シグナルによって検証され得る。C因子活性を検出するのに適したアッセイは、当技術分野で報告されており、当業者は与えられたC因子タンパク質の酵素活性を検出/測定するためのアッセイを実施するのに何ら問題を有さないであろう。C因子の基質もまた報告されており、当技術分野で利用可能となっている。本発明の範囲は、発色性ペプチジル-pNA基質および蛍光性ペプチジル-AMC、ペプチジル-AFCおよびペプチジル-MCA基質を含むがこれらに限定されない発色および蛍光C因子基質の使用を包含する。例示的なC因子基質は、N-t-Boc-DPR-AMC、N-t-Boc-VPR-MCA、N-t-Boc-VPR-AMC、Mu-VPR-AFCおよびBoc-VPR-pNAを含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明によって提供されるrFCは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するカブトガニC因子の酵素活性、より具体的にはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するカブトガニC因子の加水分解活性、さらにより具体的にはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するカブトガニC因子のタンパク質分解活性、さらにより具体的にはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するカブトガニC因子のセリンプロテアーゼ活性を示す。

C因子の2本鎖チモーゲン形態 そのチモーゲン形態にあるカブトガニのC因子は、重(H)鎖および軽(L)鎖を含む(いわゆる2本鎖形態である)ことが公知である。本発明の組み換えC因子もまた、この2本鎖チモーゲン形態で生産される。具体的には、本発明によって提供される方法から得られるチモーゲンC因子もまた、H鎖およびL鎖を含む。したがって、「本発明のC因子」および「本発明のチモーゲンC因子」という用語は、本明細書で上述されているように、言い換え可能に使用され得る。あるいは、「本発明のチモーゲン(組み換え)C因子」は、「本発明のプロ酵素(組み換え)C因子」として指定され得る。いずれの場合も、本発明の方法から直接得られる組み換えC因子は、重(H)鎖および軽(L)鎖を含む2本鎖チモーゲン形態によって特徴づけられる。

1次アミノ酸配列に基づき計算されるSEQ ID NO:4のC因子タンパク質の分子量は、110 kDa(109.7 kDa)である。本発明の範囲は、本発明の組み換えC因子が改変された1次アミノ酸配列、例えばNまたはC末端における短縮化を有する態様を包含する。そのような場合、1次配列に基づき計算される分子量は変化する。したがって、1次アミノ酸配列に基づき計算される場合、本発明の範囲は90〜130 kDaの間の範囲の任意の分子量、好ましくは95〜125 kDaの間の範囲の任意の分子量、より好ましくは100〜120 kDaの間の範囲の任意の分子量、さらにより好ましくは105〜115 kDaの間の範囲の任意の分子量を有する組み換えC因子タンパク質を包含する。さらにより好ましくは、本発明の組み換えC因子タンパク質は、1次アミノ酸配列に基づき計算される、108〜112 kDaの範囲の分子量を有する。

驚くべきことに、SDS-PAGEによって決定されるチモーゲン形態のC因子の分子量は、1次アミノ酸配列に基づき計算される分子量よりも低いことが分かった。特に、本発明にしたがう方法によって生産されるチモーゲン形態のC因子は、非還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合、102 kDaの分子量を有する。さらに、本発明にしたがう方法によって生産されるチモーゲン形態のC因子は、還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合、H鎖に関して決定される69 kDaの分子量およびL鎖に関して決定される37 kDaの分子量から、106 kDa(グリコシル化を含む)の分子量を有する。したがって、本発明は、非還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合約102 kDaの分子量を有する組み換えC因子タンパク質および還元条件下でSDS-PAGEによって決定される場合約106 kDa(グリコシル化を含む)の分子量を有する組み換えC因子タンパク質を包含する。

内毒素、キモトリプシンまたはリピドAの存在下でのC因子の活性化(その活性化形態へのC因子の自己触媒変換)により、L鎖で切断が起こり、それによって2つの新しいフラグメントであるB鎖およびA鎖が生じる。したがって、本発明の組み換えC因子はさらに、内毒素、キモトリプシンまたはリピドAによる本発明の方法から直接得られるチモーゲン形態の活性化(その活性化形態へのC因子の自己触媒変換)が、チモーゲンC因子のL鎖の切断によりB鎖およびA鎖を含む活性化されたC因子を生じる点で特徴づけられる。

ベクターおよびプラスミド 様々な態様において、本発明にしたがう異種カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、寄生性原生動物宿主細胞に導入される核酸分子、好ましくはベクターに含まれる。換言すると、様々な態様において、本発明にしたがう異種カブトガニC因子タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、ベクターまたはプラスミドに組み込まれる。様々な態様において、2つまたはそれ以上のそのようなベクターまたはプラスミドが使用される。様々な態様において、ベクターまたはプラスミドは、線状ベクターまたは線状プラスミドである。様々なさらなる態様において、ベクターまたはプラスミドは、環状ベクターまたは環状プラスミドであり得る。

本発明は、本発明において使用される異種ポリヌクレオチド、すなわちカブトガニ由来の異種C因子タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含むベクターまたはプラスミドを提供する。様々な態様において、異種ポリヌクレオチドは、キネトプラスチド寄生性原生動物の活発に転写される遺伝子の5'および3'UTR(非翻訳または無翻訳領域)に隣接する。好ましくは、異種C因子タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドは、トリパノゾマチダ目のメンバーの活発に転写される遺伝子の5'および3'UTR、より好ましくはリーシュマニア属のメンバーの活発に転写される遺伝子の5'および3'UTR、さらにより好ましくはリーシュマニア・タレントラエの活発に転写される遺伝子の5'および3'UTRに隣接する。

様々な態様において、本発明のベクターまたはプラスミドは、異種ポリヌクレオチドの上流に配置されるプロモーターを含む。

様々な態様において、本発明のベクターまたはプラスミドは、3'および5'UTRに加えて、異種ポリヌクレオチドの上流に配置されるプロモーターを含む。

様々な態様において、本発明によって提供されるベクターまたはプラスミドは、原生動物宿主細胞における異種ポリヌクレオチドの発現によって生成される異種C因子タンパク質の効率的な分泌、スプライシングおよび/またはポリアデニル化のための1つまたは複数のシグナル配列を含む。様々な態様において、シグナル配列は、キネトプラスチド寄生性原生動物由来である。好ましくは、シグナル配列は、トリパノゾマチダ目のメンバー由来、より好ましくはリーシュマニア属のメンバー由来、さらにより好ましくはリーシュマニア・タレントラエ由来である。

最も好ましくは、シグナル配列は、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有する。シグナル配列、特にSEQ ID NO:5のシグナル配列のフラグメントおよび/または機能的誘導体等の変種も本明細書に開示されている。

様々な態様において、本発明により提供されるベクターまたはプラスミドは、1つまたは複数の選択マーカー遺伝子を含む。

本発明は、本発明の原生動物宿主細胞へのカブトガニ由来の異種C因子タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドの送達のための、本発明により提供されるベクターまたはプラスミドの使用を提供する。好ましくは、送達は、原生動物宿主細胞のトランスフェクションである。

本発明の範囲は、本明細書に記載される任意の発現システムにおける本発明により提供されるベクターまたはプラスミドの使用を包含する。

宿主細胞種のトランスフェクションは、1〜100μgの間の範囲のDNA量を用いることによって行われ得る。選択は、適当なプレーティング技術および抗生物質選択のための条件を用いてまたは任意の希釈技術を用いることによって行われ得る。トランスフェクション有効範囲は、選択される種に大きく依存し、それはリーシュマニア種で最も高い。

様々な態様において、単一の細胞は、複数の発現コンストラクトを含有および/または保持し得る。好ましくは、複数の発現コンストラクトのすべてが異なる選択マーカーを有する。発現レベルは、選択される宿主およびコンストラクトに依存して大きく異なり、エピソーム性プラスミドはスケール的には下位であるが、それでも総細胞タンパク質の最大1%の組み換えタンパク質を生成することができる。

本明細書に提供される実験結果は、キネトプラスチドトリパノゾーマ宿主細胞が、内毒素、キモトリプシンまたはリピドAによって活性化され活性な酵素になることができる組み換え異種カブトガニC因子タンパク質を発現することができることを明確に示している。この能力は、トリパノゾマチダ目のメンバー(キネトプラスチドトリパノゾーマ)に限定されず、キネトプラスチド寄生性原生動物全体の特徴であることが理解される。当業者は、リーシュマニア属のメンバー以外のキネトプラスチドトリパノゾーマもまた異種C因子の組み換え発現に使用され得ることを理解するであろう。

様々な態様において、本発明のベクターまたはプラスミドはさらに、本発明の方法によって生産されるC因子タンパク質と融合される1つまたは複数のタンパク質をコードする核酸配列を含む。これらの態様は、本発明の方法によるC因子タンパク質の融合タンパク質またはキメラタンパク質の生産を提供する。

本発明の範囲は、1つまたは複数の組み換えC因子タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸配列を含むベクターおよびプラスミドを包含する。

C因子を生産する方法 本発明は、カブトガニ由来のC因子を生産する方法であって、(a)本発明の寄生性原生動物の細胞を、該寄生性原生動物の細胞がポリヌクレオチドによってコードされるC因子を発現する条件下で培養する工程、および(b)工程(a)において生産されたC因子を細胞培養物から回収する工程を含む方法を提供する。本発明にしたがうカブトガニC因子を生産する方法において使用される細胞は、本明細書に記載される宿主細胞である。したがって、本発明にしたがうカブトガニC因子を生産する方法において使用される宿主細胞が本明細書に記載されるカブトガニC因子をコードするポリヌクレオチドを含むことは明らかである。

様々な態様において、本発明にしたがうカブトガニC因子を生産する方法は、本発明のベクターまたはプラスミドによる寄生性原生動物宿主細胞のトランスフェクションの工程を含む。そのような工程が、組み換えC因子が発現される条件下で宿主細胞を培養する工程の前に行われることは明らかである。好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、キネトプラスチド寄生性原生動物宿主細胞である。より好ましくは、キネトプラスチド寄生性原生動物宿主細胞は、二生性トリパノゾマチド(すなわち、トリパノゾマチダ目の二生性メンバー)である。さらにより好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、トリパノゾマチダ目の細胞である。さらにより好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、リーシュマニア属の細胞である。最も好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、リーシュマニア・タレントラエである。

様々な態様において、本発明にしたがう宿主細胞または発現システムにおいてカブトガニC因子タンパク質を生産する方法は、構成的な異種遺伝子の発現のための選択培地中/上で本発明の安定的にトランスフェクトされた宿主細胞を培養する工程を含み、安定的にトランスフェクトされた宿主細胞は、(a)選択マーカーの遺伝子をコードするDNA配列ならびに(b)活発に転写される遺伝子に機能的に連結および統合されたカブトガニC因子タンパク質をコードする異種DNA配列を含む。

様々な態様において、本発明にしたがう宿主細胞または発現システムにおいてカブトガニC因子タンパク質を生産する方法は、構成的な異種遺伝子の発現のための選択培地中/上で本発明の安定的にトランスフェクトされた宿主細胞を培養する工程を含み、安定的にトランスフェクトされた宿主細胞は、(a)選択マーカー遺伝子をコードするDNA配列および(b)活性なプロモーターを有するエピソームで維持されるプラスミドDNAに機能的に連結されたカブトガニC因子タンパク質をコードする異種DNA配列を含む。

様々な態様において、本発明にしたがう宿主細胞または発現システムにおいてカブトガニC因子タンパク質を生産する方法は、本発明の安定的にトランスフェクトされた宿主細胞を培養する工程を含み、安定的にトランスフェクトされた宿主細胞は、(a)活発に転写される遺伝子クラスターに統合された異種RNAポリメラーゼをコードするDNA配列、(b)活発に転写される遺伝子クラスターに統合された選択マーカーをコードするDNA配列、(c)活発に転写される遺伝子クラスターに統合された転写リプレッサー遺伝子をコードするDNA配列ならびに(d)異種RNAポリメラーゼプロモーターおよびリプレッサー応答エレメントが前に置かれたカブトガニC因子タンパク質をコードする異種DNA配列を含み、安定的にトランスフェクトされた宿主細胞が選択マーカーと共に培養され、そして異種遺伝子の発現が異種リプレッサーのイニシエーターによって誘導される。

本発明の範囲は、組み換えカブトガニC因子が宿主細胞内に蓄積される、本発明にしたがうC因子を生産する方法の態様を包含する。本発明の範囲はまた、組み換えカブトガニC因子が発現されたタンパク質の分泌により細胞培養培地中に蓄積される、本発明にしたがうC因子を生産する方法の態様を包含する。したがって、様々な態様において、工程(a)で生産されたC因子を細胞培養物から回収する工程は、発現されたC因子タンパク質が蓄積されている宿主細胞からのC因子の回収を意味する。発現されたC因子タンパク質が蓄積されている宿主細胞からのC因子の回収は、宿主細胞の溶解の工程を含むがこれらに限定されない。例示的な細胞溶解技術は、超音波処理、フレンチプレスおよび酵素溶解を含むがこれらに限定されない。発現されたC因子タンパク質が蓄積されている宿主細胞からのC因子の回収は、宿主細胞の溶解後の発現されたC因子タンパク質の抽出の別工程を含み得る。様々な他の態様において、工程(a)で生産されたC因子を細胞培養物から回収する工程は、C因子が発現されたタンパク質の分泌により蓄積されている細胞培養培地からのC因子の回収を意味する。C因子が発現されたタンパク質の分泌により蓄積されている細胞培養培地からのC因子の回収はさらに、細胞培養培地からの発現されたC因子タンパク質の抽出の別工程を含み得る。

様々な態様において、工程(a)で生産されたC因子を細胞培養物から回収する工程は、宿主細胞および細胞培養培地からのC因子の同時回収を意味する。ここで、C因子を回収する工程は、宿主細胞の溶解の工程を含むがこれに限定されない。

様々な態様において、上記のC因子タンパク質を回収する工程は、それぞれ、細胞培養物から、特に宿主細胞から、および細胞培養培地からC因子タンパク質を単離する工程とみなされ得る。

様々な態様において、本発明にしたがう方法から直接得られるC因子は、内毒素検出および/または内毒素除去に直接適用可能な精製されたC因子とみなされ得る。そうであったとしても、様々な態様において、本発明にしたがうC因子を生産する方法は、生産プロセスから直接得られたC因子を精製する別工程を含み得る。好ましくは、本発明にしたがうC因子を生産する方法は、クロマトグラフィー手段によってC因子を精製する工程を含み得る。例示的なクロマトグラフィー手段は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、疎水性相互作用クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよび親和性クロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない。クロマトグラフィー手段によってC因子タンパク質を精製するそのような別工程は、上記のようにC因子タンパク質を回収/単離する任意の工程の後に行われることは明らかである。

様々な態様において、本発明にしたがうC因子を生産する方法は、C因子タンパク質の回収後に得られるC因子タンパク質を濃縮および/または安定化する工程を含み得る。様々な態様において、本発明にしたがうC因子を生産する方法は、クロマトグラフィー手段によるC因子タンパク質の精製後に得られるC因子タンパク質を濃縮および/または安定化する工程を含み得る。C因子タンパク質を安定化する工程は、タンパク質安定化剤の使用を含み得る。例示的なタンパク質安定化剤は、還元剤、高い1価または2価塩濃度、疎水性添加物、両親媒性添加物およびグリセロールを含むがこれらに限定されない。様々な態様において、C因子タンパク質を濃縮する工程は、生産プロセスから得られる培養上清の濃縮を含む。すなわち、濃縮工程は上記のように回収/単離の工程の前に行われる。様々な他の態様において、C因子タンパク質を濃縮する工程は、本明細書で上記されているようにC因子タンパク質の回収/単離の工程を行った後に得られるC因子タンパク質溶液の濃縮を含む、すなわち、濃縮工程は上記のような回収/単離の工程の後に行われる。C因子タンパク質を濃縮する手段および方法は、ろ過、クロマトグラフィー捕捉および溶出ならびに凍結乾燥を含むがこれらに限定されない。

本発明の方法によって生産されるカブトガニのC因子タンパク質は、実施例4に記載されるように、内毒素またはキモトリプシンへの結合によって酵素的に活性となることが実証された。本明細書で上述されているように様々な宿主細胞において酵素的に活性なC因子を生産する当技術分野の多くの試みは失敗に終わっているので、そのようにして生産されたC因子がC因子様酵素活性を有するという生物活性を保持しているという事実は、本発明により提供される組み換えC因子に独特の技術的特徴である。本発明者らは、驚くべきことに、原生動物宿主細胞におけるカブトガニ由来のC因子の組み換え生産が内毒素(またはキモトリプシンもしくはリピドA)による活性化により酵素的に活性となるC因子タンパク質を提供することを見出した。このことは、原核生物および下等真核生物における酵素的に活性なC因子タンパク質の生産が酵素的に活性な因子を提供せず、完全な生物学的活性を有するrFCを生産するためには原核生物または酵母のような単純真核生物発現システムではなく高等真核生物発現システムが使用されるべきであるとする当技術分野の教示から予測することはできなかった。背景の節に記載されているように、昆虫細胞の使用の成功が、昆虫細胞はそれらの生理学および生化学において酵母細胞よりもカブトガニの細胞に近いという知見と共に、この教示をもたらした。したがって、その天然供給源、すなわちカブトガニから精製されるタンパク質により近く、内毒素による活性化後にセリンプロテアーゼ活性を有するという生物活性を維持している組み換えC因子が細胞中で生産されるはずであると考えられた。

本発明の範囲は、本明細書に記載される組み換えC因子を生産する手段および方法に基づく発酵培養物中での組み換えカブトガニC因子の生産を包含する。本発明の範囲はまた、本明細書に記載される組み換えC因子を生産する手段および方法に基づく工業スケールでの組み換えカブトガニC因子の発酵生産を包含する。本発明の範囲は、研究スケールの発酵槽および工業スケールの発酵槽を含む任意の種類の発酵槽の使用を包含する。本発明にしたがう発酵生産において、好ましくは、特に炭素源の濃度が、培養中に、組み換えC因子タンパク質の生産性に対して実質的に有害な影響を及ぼさない濃度に制御される。

本発明の方法によって生産されるC因子 本発明の方法によって生産されるC因子は、その天然供給源で見出される、すなわちカブトガニから取得可能な、C因子のアミノ酸配列を有するC因子タンパク質および本明細書に記載されるそれらの変種を包含する。同様に、本発明の方法によって生産されるC因子は、その天然供給源で見出される、すなわちカブトガニから取得可能な、C因子をコードする核酸配列と同一である核酸配列によってコードされるC因子タンパク質および本明細書に記載されるそれらの変種を包含する。いずれの場合も、本発明の方法によって生産されるC因子タンパク質は、内毒素(またはキモトリプシンもしくはリピドA)による活性化によりC因子様酵素活性を示す。

本発明において、「本発明の方法によって生産されるC因子」という用語は、「本発明の方法から得られる(または取得可能な)C因子」を包含する。これらの用語は、言い換え可能に使用され得る。

原生動物宿主細胞、特にリーシュマニア属の細胞によって例示されるトリパノゾマチド宿主細胞(すなわち、トリパノゾマチダ目の宿主細胞)におけるカブトガニ由来のC因子の生産は、特有のC因子のグリコシル化を提供し、これは原核生物、酵母および昆虫細胞等の高等真核生物発現システムにおけるC因子の発現によって提供されるグリコシル化パターンと異なる。したがって、本発明の方法から得られるC因子は、当技術分野で報告された方法から得られるC因子タンパク質と構造的に異なる。したがって、本発明によって提供されるC因子を生産する方法は、当技術分野で報告されているC因子に対して新規である生産物、すなわち組み換えC因子を提供する。したがって本発明は、本発明にしたがうカブトガニC因子を生産する方法によって取得可能な新規のC因子タンパク質を提供する。

本明細書で使用される場合、「取得可能な」と同義の語は、「得られる」または「直接得られる」という用語によって表される。

好ましくは、本発明の方法によって生産されるC因子は、タキプレウス・トリデンタトゥス由来のC因子のアミノ酸配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を有する、より好ましくは本発明の方法によって生産されるC因子は、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む。タキプレウス・トリデンタトゥス由来のC因子の組み換え生産は、これまで報告されていない。特に、寄生性原生動物宿主、具体的にはリーシュマニア属の細胞によって例示されるトリパノゾマチド宿主細胞(すなわち、トリパノゾマチダ目の宿主細胞)におけるタキプレウス・トリデンタトゥス由来のC因子の生産は、これまで報告されていない。

本発明の組み換えC因子タンパク質は、溶解、クロマトグラフィー、ろ過および遠心分離を含むがこれらに限定されない当技術分野で公知の技術により組み換えC因子タンパク質を含むまたは発現する本発明の原生動物宿主細胞から単離および精製され得る。発現されるタンパク質が細胞培養培地に分泌され蓄積される場合、同じことが、細胞培養培地からの本発明の組み換えC因子の単離および精製に関しても適用される。本明細書で上述されているように、様々な態様において、本発明の方法から直接得られたC因子は、精製されたC因子とみなされ得る、すなわち、クロマトグラフィー手段によるC因子の個別の精製が適用されない。特に、C因子の特定の用途のために、このタンパク質は、クロマトグラフィー手段を含む別個の精製工程を行わずに、宿主細胞から(C因子タンパク質が細胞内に蓄積される場合)または細胞培養培地から(C因子タンパク質が細胞培養培地に分泌される場合)単離され得る。様々な態様において、分泌および蓄積されたC因子タンパク質を含む細胞培養培地さえも、特定の内毒素検出または内毒素除去の用途で使用され得る。本発明の範囲は、細胞培養培地の使用前に細胞培養培地が濃縮されおよび/または細胞培養培地中のC因子タンパク質が安定化される、C因子を含む細胞培養培地の使用を包含する。細胞培養培地を濃縮する手段および方法は、ろ過、クロマトグラフィー捕捉および溶出ならびに凍結乾燥を含むがこれらに限定されない。さらに、細胞培養培地中に含まれるC因子タンパク質は、タンパク質安定化剤の使用を含み得る。例示的なタンパク質安定化剤は、還元剤、高い1価および2価塩濃度、疎水性添加物、両親媒性添加物およびグリセロールを含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明によって生産された単離および/または精製された組み換えC因子タンパク質は、標識される。好ましくは、標識は、酵素標識、放射性同位体、蛍光標識およびビオチンからなる群より選択される。免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの一部分と組み合わされ、本発明によって提供されるキメラC因子を形成する、本発明の方法により生産される組み換えC因子もまた本発明に包含される。これらの融合タンパク質は、本発明の方法にしたがい提供されるC因子の単離および/または精製を容易にし得る。

本発明の範囲は、本発明のC因子タンパク質を生産する方法によって生産することができる組み換えC因子の融合タンパク質を包含する。

本発明はさらに、本発明の方法にしたがい生産されるC因子および1つまたは複数の異種タンパク質を含むキメラタンパク質を提供する。本明細書で上記されているように、本発明の組み換えC因子は、微量レベルの内毒素の存在により誘導可能なチモーゲン(またはプロ酵素)として生産される。具体的には、本発明の方法によって得られるC因子は、内毒素の存在下で、(自己)触媒によりその活性形態へと変換される。本発明の方法によって生産されるC因子は、生産されたC因子を例えばDMSO、2-プロパノールまたはプロテアーゼ阻害剤等の安定化剤および任意でキレート剤と接触させることによって、内毒素による活性化およびL鎖の自己触媒切断から保護され得る。発現されたC因子タンパク質が本発明にしたがう原生動物宿主細胞内に細胞内蓄積される場合、接触は、宿主細胞をDMSOおよび任意でキレート剤の存在下で溶解させることによって行われ得る。本発明のC因子タンパク質が細胞培養培地中に分泌される場合、接触は、C因子タンパク質の単離および/またはさらなる精製の前に細胞培養培地にDMSOおよび任意でキレート剤を添加することによって行われ得る。当然、様々な態様において、接触は、C因子タンパク質の単離および/またはさらなる精製の後に細胞培養培地にDMSOおよび任意でキレート剤を添加することによって行われ得る。基本的に、DMSOは、単離および/または精製プロセス中に使用される溶液に添加され得る。本発明にしたがう方法によって生産されるC因子のさらに高度の保護は、2価金属イオンをキレート化するのに効果的な剤を単離/精製溶液に添加することによっても達成される。

様々な態様において、本発明のC因子タンパク質は、本発明にしたがう原生動物宿主細胞内に細胞内蓄積される。様々な他の態様において、本発明のC因子タンパク質は、本発明にしたがう原生動物宿主細胞培養物の細胞培養培地中に蓄積される。細胞培養培地へのC因子タンパク質の蓄積は、通常、発現されるタンパク質の分泌による。しかし、本発明の範囲はまた、細胞培養培地へのC因子タンパク質の蓄積がC因子タンパク質を当初細胞内蓄積させていた宿主細胞の溶解によるものである態様を包含する。C因子タンパク質の発現および細胞内蓄積後に行われる細胞溶解のための例示的な技術は、超音波処理、フレンチプレスおよび酵素溶解を含むがこれらに限定されない。

親和性タグがタンパク質に付加され、それらが親和性技術を用いてそれらの粗生物学的供給源から精製され得る。本発明の範囲は、生産されるC因子が精製のための親和性タグを含む、本発明の方法によって生産されるC因子を包含する。そのような精製タグは、HIS、CBP、CYD(共有結合性であるが分離可能なNorpDペプチド)、Strep II、FLAGおよびHPC(プロテインCの重鎖)アミノ酸およびペプチドタグならびにGSTおよびMBPタンパク質融合タグシステムを含むがこれらに限定されない。

本発明はまた、化学タグを有する本発明によって生産されるC因子タンパク質を含む。例示的な化学タグは、ストレプトアビジン-アガロースまたはストレプトアビジン-ビーズに対する緊密な結合による精製を提供するビオチンである。本発明のC因子のビオチニル化はまた、表面へのC因子の固定化のためにビオチニル化されたC因子を含む。ビオチンタグは、アビジン(ストレプトアビジンまたはニュートラアビジン)が結合されたカラムを用いる親和性クロマトグラフィーにおいて使用され得る。ビオチンタグはまた、抗ビオチン抗体またはアビジン/ストレプトアビジンタグ検出ストラテジー、例えば酵素レポーター(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)または蛍光プローブを通じたC因子の検出のために使用され得る。これは、ELISAアッセイを含むがこれらに限定されない免疫分析法において有用であり得る。

精製されたC因子 本明細書に記載されるように、本発明は、本発明にしたがう方法によって生産されるC因子を提供する。本発明にしたがう方法から得られるC因子は、クロマトグラフィー手段による任意の別個の精製を行うことなく、内毒素検出または内毒素除去方法に直接適用され得る。したがって、本明細書の他箇所にすでに記載されているように、本発明にしたがう方法から直接得られるC因子は、したがって、精製されたC因子とみなされ得る。本発明はまた、クロマトグラフィー手段によってさらに精製されるC因子を包含する、すなわち本発明にしたがう方法によって生産されるまたは本発明にしたがう方法から直接得られるC因子はクロマトグラフィー手段によってさらに精製される。クロマトグラフィー手段の適用は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、疎水性相互作用クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよび親和性クロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明にしたがう精製されたC因子は、単離、濃縮および/または安定化されたC因子を含むがこれらに限定されない。単離されたC因子は、本発明にしたがうC因子を生産するための原生動物宿主細胞の培養から得られた細胞培養物または細胞培養培地から単離されたC因子を含むがこれらに限定されない。濃縮されたC因子は、本発明にしたがうC因子を生産するための原生動物宿主細胞の培養から得られた細胞培養物または細胞培養培地から濃縮されたC因子を含むがこれらに限定されない。そのように該因子を濃縮する手段および方法は、ろ過、クロマトグラフィー捕捉および溶出ならびに凍結乾燥を含むがこれらに限定されない。安定化されたC因子は、タンパク質安定化剤によって安定化されたC因子を含むがこれらに限定されない。例示的なタンパク質安定化剤は、還元剤、高い1価および2価塩濃度、疎水性添加物、両親媒性添加物およびグリセロールを含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明にしたがう精製されたC因子は、大部分のバルク不純物、例えば他のタンパク質および核酸から精製されたC因子を意味する、中程度に精製されたC因子を含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明にしたがう精製されたC因子は、任意の残留微量不純物または関係の近い物質から精製されたC因子を意味する、高純度C因子を含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明によって提供されるまたは本発明の方法によって生産されるC因子は、少なくとも75%または少なくとも80%の純度を有する、すなわち、C因子は総タンパク質の少なくとも75%または少なくとも80%を構成する。様々な態様において、本発明によって提供されるまたは本発明の方法によって生産されるC因子は、少なくとも85%または少なくとも90%の純度を有する、すなわち、C因子は総タンパク質の少なくとも85%または少なくとも90%を構成する。様々な態様において、本発明によって提供されるまたは本発明の方法によって生産されるC因子は、少なくとも95%または少なくとも96%の純度を有する、すなわち、C因子は総タンパク質の少なくとも95%または少なくとも96%を構成する。様々な態様において、本発明によって提供されるまたは本発明の方法によって生産されるC因子は、少なくとも97%または少なくとも98%の純度を有する、すなわち、C因子は総タンパク質の少なくとも97%または少なくとも98%を構成する。様々な態様において、本発明によって提供されるまたは本発明の方法によって生産されるC因子は、少なくとも99%または少なくとも100%の純度を有する、すなわち、C因子は総タンパク質の少なくとも99%または少なくとも100%を構成する。

抗体 本発明はまた、本発明によって提供されるまたは本発明の方法から得られるC因子タンパク質またはそのフラグメントに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントを提供する。好ましくは、抗体は、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有する全長C因子に特異的に結合する。

様々な態様において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、Fabフラグメント、F(ab')2フラグメントおよびscFvフラグメントからなる群より選択される。様々な態様において、本発明にしたがう抗体は標識される。好ましくは、標識は、酵素標識、放射性同位体、蛍光標識およびビオチンからなる群より選択される。本発明のC因子タンパク質は、本発明によって提供されるポリクローナルおよびモノクローナル抗体を誘導するために使用され得る。本発明の抗体は、当技術分野で利用可能なおよび当業者に公知の任意の様々な方法によって調製され得る。

本発明によって提供される抗体フラグメントはまた、他の配列に付加されているかどうかによらず、その抗体フラグメントの活性が非改変抗体または抗体フラグメントと比較して有意に変化しないまたは損なわれない限り、特定の領域または特定のアミノ酸残基の挿入、欠失、置換またはその他の選択された改変を含み得る。これらの改変は、いくつかの追加の特性、例えばジスルフィド結合することができるアミノ酸を除去/追加する特性を提供し得る。いずれの場合も、本発明にしたがう抗体フラグメントは、生物活性の特性、例えばその同種抗原への特異的結合性、を有していなければならない。

本発明の抗体または抗体フラグメントの機能的なまたは活性な領域は、そのタンパク質の特定領域の変異誘発、その後の発現および発現されたポリペプチドの試験によって同定され得る。そのような方法は、当業者に容易に明らかとなり、抗体または抗体フラグメントをコードする核酸の部位特異的変異誘発を含み得る。

組成物および溶液 本発明は、本発明の方法にしたがい生産される組み換えC因子タンパク質を含む組成物を提供する。本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたは核酸分子を含む組成物を提供する。本発明はまた、本発明のベクターまたはプラスミドを含む組成物を提供する。本発明はさらに、本発明にしたがう寄生性原生動物宿主細胞を含む組成物を提供する。本発明はさらに、本発明にしたがう融合タンパク質またはキメラタンパク質を含む組成物を提供する。

様々な態様において、本発明にしたがう組成物は、診断用組成物である。

様々な態様において、本発明にしたがう組成物は、内毒素を検出するため、好ましくはサンプル中の内毒素を検出するための組成物である。様々な態様において、サンプルは、環境サンプルである。様々な態様において、サンプルは、生物学的サンプルである。様々な態様において、サンプルは、試験サンプル、好ましくは生物学的または環境的試験サンプルである。好ましくは、生物学的サンプルまたは生物学的試験サンプルは、哺乳動物から得られる生物学的サンプルまたは生物学的試験サンプルである。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。本発明の範囲は、犬、猫、豚、馬、鳥および爬虫類を含むがこれらに限定されない動物から得られるサンプルにおける内毒素検出を包含する。

本発明は、本発明の組み換えC因子タンパク質を含む溶液、好ましくは診断用溶液を提供する。本発明はまた、本発明の方法にしたがい生産される組み換えC因子を含む内毒素を除去するための溶液を提供する。

様々な態様において、本発明にしたがう方法によって生産されるまたは本発明の方法から得られるC因子は、内毒素を測定/検出するための剤(内毒素測定/検出剤)とされ得る。様々な態様において、本発明にしたがう方法によって生産されるまたは本発明の方法から得られるC因子は、内毒素を除去するための剤(内毒素除去剤)とされ得る。

本発明のC因子を含む本発明の組成物および溶液はさらに、本発明の方法によって生産される組み換えC因子以外の成分を含み得る。特に、剤はさらに、剤が内毒素の測定/検出に使用できる限り、検出用のC因子基質を含み得る。

本発明のC因子含有組成物および溶液はまた、例えば、pH緩衝剤および/または塩、好ましくはキレート塩を含み得る。pH緩衝剤の例は、HEPES緩衝液、MES緩衝液およびTris緩衝液を含むがこれらに限定されない。有機溶媒、例えばアルコール、エステル、ケトンおよびアミンも、本発明の組成物および溶液に含まれ得る。

本発明の内毒素測定/検出剤および/または内毒素除去剤は、固体形態、液体形態およびゲル形態を含むがこれらに限定されない任意の形態で配合され得る。添加物は、ビヒクル、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯正剤(corrective)および希釈剤ならびに溶媒を含むがこれらに限定されない配合担体として使用され得る。

様々な態様において、本発明の組み換えC因子を含む本発明の組成物および溶液はさらに、界面活性剤を含み得る。したがって、本発明は、本発明の方法にしたがい生産されるまたは本発明の方法から得られるカブトガニC因子タンパク質および界面活性剤を含む、内毒素を検出するための試薬を提供する。様々な態様において、界面活性剤は、両性界面活性剤である。様々な他の態様において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤である。様々な他の態様において、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。好ましくは、界面活性剤は、ZWITTERGENT 3-14、Triton X-100、Triton X-114、オクチル-ベータ-D-チオグルコシド、Genapol C-100、Tween 20およびTween 80からなる群より選択される。好ましくは、界面活性剤は、0.001〜0.5%の濃度、より好ましくは0.001〜0.025%の濃度、さらにより好ましくは0.001〜0.01%の濃度で本発明の組成物または溶液中に存在する。様々な態様において、界面活性剤は、0.004〜0.006%の濃度で本発明の組成物または溶液中に存在する。

本発明のC因子タンパク質は、そのものが内毒素を測定/検出するために使用され得、または水、生理食塩水、緩衝液等に希釈、分散もしくは溶解させた後に使用され得る。「C因子タンパク質そのもの」は、本発明の方法から得られた単離、濃縮および/または精製されたC因子の任意の形態を含む本発明の方法から直接得られた任意の形態のC因子タンパク質を包含する。本発明の範囲はまた、クロマトグラフィー手段によって精製された後に得られる「C因子タンパク質そのもの」を包含する。そのような態様は、本発明の範囲内である。

内毒素検出方法 本発明によって生産される組み換えC因子は、内毒素の高スループットスクリーンのための内毒素診断アッセイの基礎をなす。内毒素により活性化された組み換えC因子チモーゲンは、合成基質を触媒的に加水分解して測定可能な生産物を形成し、それによって内毒素が定量される。

本発明は、内毒素検出方法における本発明にしたがうC因子を生産する方法によって生産されるC因子タンパク質の使用を提供する。様々な態様において、本発明のC因子は、内毒素(LPS)またはリピドAの存在に関してアッセイしたいサンプル、好ましくは試験サンプルを本発明にしたがう組み換えC因子と接触させる工程、および組み換えC因子の酵素活性(すなわち、セリンプロテアーゼ活性)を測定する工程を含む内毒素検出方法において使用される。組み換えC因子の酵素活性は、内毒素もしくはリピドAまたはカブトガニのC因子に結合する当技術分野で公知の別の内毒素の結合に起因する活性化を反映する。C因子の酵素活性(特に、セリンプロテアーゼ活性)は、当技術分野で公知の任意の公知の方法によって適宜測定されるが、好ましくは発色または蛍光方法によって測定される。そのような方法は、組み換えC因子のプロテアーゼ活性によるC因子基質の切断から生じる生産物の形成を測定する工程を含む。測定は、基質の切断から生じる色(発色基質の場合)または蛍光放射(蛍光基質の場合)の変化に基づく。本発明の範囲は、発色性ペプチジル-pNA基質および蛍光性ペプチジル-AMC、ペプチジル-AFCおよびペプチジル-MCA基質を含むがこれらに限定されない発色性および蛍光性C因子基質の使用を包含する。そのような発色または蛍光アッセイに好ましい基質は、N-t-Boc-VPR-MCA、N-t-Boc-VPR-AMC、Mu-VPR-AFCおよびBoc-VPR-pNAである。

本発明のさらなる態様は、サンプル、好ましくは試験サンプルにおける内毒素またはリピドAの存在に関してアッセイする免疫学的方法を含む。本発明のこれらの方法は、組み換えC因子に対する抗体の特異的結合、その後のC因子-抗体複合体の検出および/または定量に基づく。好ましい態様において、アッセイしたいサンプルは、内毒素またはリピドAに特異的に結合する固定化された抗体と接触させられる。固定化されたリガンド(すなわち、固定化された内毒素またはリピドA)は、その後、本発明にしたがう組み換えC因子と接触させられ、それによって固定化された組み換えC因子(rFC)が生じる。固定化されたrFCは、その後、固定化されたrFCに特異的に結合する2次抗体と接触させられる。2次抗体に結合したrFCを含む固定化された複合体の存在および/または量は、その後、当技術分野で公知の任意の技術によって、例えば抗体のFc部分を通じて2次抗体に特異的に結合する3次抗体を適用することによって決定され得る。代替の態様において、2次抗体を適用する代わりに、固定化されたrFCの酵素活性が測定される。

本発明の別の態様において、本発明のrFCに対する内毒素またはリピドAの特異的結合は、市販のアッセイ、例えばBIACORE(商標)アッセイ(Pharmacia Biotech)において用いられる。そのような装置の基板プレート上にrFCを固定化することによって、サンプルにおける内毒素またはリピドAの存在が検出され得る。当業者は、サンプルにおける与えられた内毒素量に対して固定化するrFC量を最適化することができる。

様々な態様において、本発明にしたがう内毒素を検出する方法は、試験サンプル、好ましくは哺乳動物から得られる試験サンプルにおいて行われる。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。本発明の範囲はまた、犬、猫、豚、馬、鳥および爬虫類を含むがこれらに限定されない動物から得られる試験サンプルにおける内毒素検出を包含する。

様々な態様において、内毒素を検出するための本発明の方法は、内毒素選択的なプレコートされた固体支持体の使用を含む。特に、内毒素(LPS)の選択的捕捉は、LPSの内部コア部分(すなわち、内部コアオリゴ糖)またはリピドA部分に対するファージ由来受容体タンパク質を用いて達成される。LPSの内部コア構造は、そのリピドA部分と共に、高度に保存された構造である。外部コア構造は、若干異なり、O抗原は高度に異種性である。好ましくは、本発明において使用されるファージ由来受容体タンパク質は、内毒素の保存された領域に対して高度の親和性および高度の特異性を示す。ファージ由来受容体タンパク質によって結合される内毒素の高度に保存された領域は、コア領域およびリピドAの両方を含む。したがって、ファージ由来受容体タンパク質は、内部コア領域(すなわち、内部コアオリゴ糖)および/またはリピドAに結合する。様々な態様において、ファージ由来受容体タンパク質は、バクテリオファージテイルタンパク質、テイルを含むバクテリオファージのバクテリオファージヘッドタンパク質またはテイルを含まないバクテリオファージのバクテリオファージコートタンパク質である。好ましくは、ファージ由来受容体タンパク質は、バクテリオファージテイルタンパク質である。好ましくは、バクテリオファージテイルタンパク質は、ショートバクテリオファージテイル繊維のタンパク質である。様々な態様において、ショートバクテリオファージテイル繊維は、K3、T2、T4、Ox2、RB32〜33、AR1、PP01およびRB69から選択される。様々な態様において、バクテリオファージテイルタンパク質は、本発明にしたがう内毒素の検出のために修飾される。様々な態様において、バクテリオファージテイルタンパク質は、活性タンパク質に連結され得る。

ファージ由来受容体タンパク質でプレコートされた固体支持体にサンプル内毒素(LPS)を結合させた後、その初期サンプルマトリックスが洗浄され、それによって潜在的に検出反応と干渉する成分が除去される。その後、内毒素が、C因子とC因子基質の反応を含むプロセスにおいて本発明のC因子によって検出される。様々な態様において、基質は、発色性または蛍光性基質である。

様々な態様において、ファージ由来受容体タンパク質でプレコートされる固体支持体は、マイクロタイタープレート、ビーズ(例えば、シリカビーズもしくは有機ポリマービーズ)、ホイルまたはメンブレンである。したがって、内毒素選択的なプレコートされた固体支持体の使用を含む内毒素検出のための本発明の方法は、3つの工程を含む:第1の工程は、LPSの保存されたコア領域に対して高親和性および高特異性を示すファージ由来受容体タンパク質でプレコートされた固体支持体へのサンプル内毒素(すなわち、サンプル中に含まれる内毒素)の結合を含む。第1の工程は、サンプル内毒素の固定化を提供する。第2の工程は、初期サンプルマトリックスを洗浄するための洗浄工程である。第3の工程は、本発明のC因子タンパク質による固定化された内毒素の検出を含む。第3の工程は、検出可能なシグナルを生じるC因子とC因子に対する基質との反応を含む。様々な態様において、C因子基質は、固定化された内毒素をC因子タンパク質と接触させた後に添加される。様々な態様において、C因子基質は、C因子タンパク質が添加される前にすでにアッセイ中に存在する。この3工程アッセイ形式の具体的な技術的効果は、それが0.05 EU/ml〜500EU/mlの検出範囲を有することである。さらに、このアッセイ形式は、例えばβ-グルカン、プロテアーゼまたはリン脂質により誘導される擬陽性結果の少なさ、サンプルの阻害成分により引き起こされる偽陰性結果の少なさ、再試験を必要とする無効な結果の少なさ、複合的サンプルにおける干渉の少なさおよびそれ故の高い感度ならびに広いダイナミックレンジを含む、確立されている均質検出法を超える明らかな利点を示す。

本発明によって提供される3工程アッセイ形式は特に、ヒト体液、例えば血液、血清および血漿における内毒素の検出に有用である。好ましくは、上記の3工程アッセイは、臨床的な生物学的サンプルをアッセイするためのものである。このアッセイは、患者に対して直接適用されず、代わりに患者から得られる試験サンプルに対して適用される。

様々な態様において、本発明は、(i)アッセイしたいサンプルと本発明の内毒素検出剤を接触させて試験サンプルおよび内毒素検出剤の混合物を形成する工程、(ii)C因子基質を混合物に添加する工程であって、C因子基質の切断が検出可能なシグナルを生じる工程、ならびに(iii)検出可能なシグナルの存在または非存在に関して混合物をアッセイする工程であって、内毒素を含まない対照サンプルに対して増加している検出可能なシグナルの量が試験サンプル中の内毒素の存在を示す工程を含む、サンプル中の内毒素を検出する方法を提供する。

本発明によって提供される内毒素アッセイにおいて、C因子基質は好ましくは発色性または蛍光性のC因子基質である。様々な態様において、C因子基質は、発色性ペプチジル-pNA基質である。様々な他の態様において、C因子基質は、蛍光性ペプチジル-AMC、ペプチジル-AFCまたはペプチジル-MCA基質である。さらなる例示的なC因子基質は、N-t-Boc-DPR-AMC、N-t-Boc-VPR-AMC、Mu-VPR-AFCおよびBoc-VPR-pNAを含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明は、(i)アッセイしたいサンプルと本発明の内毒素検出剤およびC因子基質を接触させて試験サンプル、内毒素検出剤およびC因子基質の混合物を形成する工程であって、C因子基質の切断が検出可能なシグナルを生じる工程、ならびに(ii)検出可能なシグナルの存在または非存在に関して混合物をアッセイする工程であって、内毒素を含まない対照サンプルに対して増加している検出可能なシグナルの量が試験サンプル中の内毒素の存在を示す工程を含む、サンプル中の内毒素を検出する方法を提供する。

本発明はまた、(i)アッセイしたいサンプルと、内毒素(LPS)に特異的に結合するまたはリピドAに特異的に結合する固定化された抗体を接触させて、サンプル中で抗体と内毒素の間の複合体を形成する工程、(ii)該複合体を本発明の方法によって生産される組み換えC因子と接触させて、抗体、内毒素および組み換えC因子を含む固定化された複合体を形成する工程、(iii)(ii)の固定化された複合体と、組み換えC因子に特異的に結合する抗体を接触させる工程、ならびに(iv)組み換えC因子に特異的に結合した抗体の量を定量する工程を含む、内毒素アッセイを提供する。

本発明において、「内毒素検出方法」または「内毒素を検出する方法」等の用語は、「内毒素アッセイ」という用語と言い換え可能に使用され得る。

内毒素を除去する方法 本発明は、内毒素を除去する方法における本発明にしたがう方法によって生産されるC因子タンパク質の使用を提供する。そのような方法における本発明のC因子の使用は、水、緩衝液および細胞培養培地からの内毒素の除去を含むがこれらに限定されない。内毒素を除去する方法における本発明のC因子の使用に関する様々な他の態様は、生物学的および非生物学的調製物、好ましくは生物学的調製物、より好ましくは動物研究用の生物学的調製物からの内毒素の除去、細胞培養、移植、幹細胞技術、細胞選別ならびに他の哺乳動物細胞処置を含むがこれらに限定されない。内毒素を除去する方法における本発明のC因子の使用に関する様々なさらなる態様は、医療設備、医療装置、化粧品、食品および飲料品からの内毒素の除去を含むがこれらに限定されない。

本発明のC因子は、内毒素非含有調製物、特に内毒素非含有の生物学的および非生物学的調製物を生産するために使用され得る。本発明は、例えばタンパク質、抗体、ワクチン、核酸、緩衝液および/または様々な他の物質の生物学的調製物から内毒素(LPS)を除去する方法におけるC因子の使用を提供する。好ましくは、本発明にしたがう生物学的調製物は、液体生物学的調製物、より好ましくは水性生物学的調製物である。液体または水性生物学的調製物は、液体もしくは水性生物学的溶液または液体もしくは水性生物学的組成物とみなされ得る。

本発明の様々な態様において、「生物学的調製物」、「生物学的溶液」および「生物学的組成物」という用語は、言い換え可能に使用され得る。

様々な態様において、本発明にしたがう内毒素を除去する方法は、固体支持体に固定化された本発明のC因子の使用を含む。好ましくは、固体支持体は、クロマトグラフィー樹脂である。本発明にしたがう内毒素を除去する方法は、カラムにおいてもしくはバッチ様式で、重力流によってまたは完全に自動化された液体クロマトグラフィーシステムにおいて利用され得る。

生物学的調製物からの内毒素の除去は、薬学的用途の生物学的生産物がヒトへの投与を可能にするために内毒素を実質的に含んではならないという事実を考慮したときに、特に重要となる。したがって、本発明は、内毒素非含有調製物、特に薬学的用途の内毒素非含有調製物を生産する方法における本発明のC因子の使用を提供する。薬学的用途の生物学的生産物を含む調製物は、製剤プロセスから直接得られるものであり得る、すなわち、調製物は製剤プロセス調製物である。したがって、様々な態様において、本発明は、製剤プロセス調製物を本発明の組み換えC因子で処理する工程を含む、製剤プロセス調製物から内毒素を除去する方法を提供する。そのような製剤プロセス調製物は、医薬用薬物またはワクチン物質を含み得る。様々な態様において、医薬用薬物またはワクチン物質は、ポリペプチド、好ましくは糖タンパク質を含む。様々な態様において、薬学的薬物またはワクチン物質は、ワクチン抗原である。

好ましくは本発明にしたがう製剤プロセス調製物は、液体製剤プロセス調製物、より好ましくは水性製剤プロセス調製物である。本発明の様々な態様において、「製剤プロセス調製物」および「製剤プロセス組成物」という用語は、言い換え可能に使用され得る。

本発明の範囲はまた、任意の種類のサンプルに対する本発明にしたがう内毒素を除去する方法の実施を包含する。特に、本発明は、(i)本発明の方法によって生産されるまたは本発明の方法から得られる固定化された組み換えC因子をサンプルと接触させ、サンプル中の内毒素またはリピドAを固定化された組み換えC因子に結合させる工程および(ii)内毒素またはリピドAが結合した固定化された組み換えC因子をサンプルから分離する工程を含むサンプルから内毒素またはリピドAを除去する方法を提供する。

サンプル 内毒素の定量的測定を含む適用においては、既知の濃度を有する内毒素標準サンプルが、内毒素レベルと検出用基質の反応の程度(例えば、着色、蛍光放射等の程度)を相関付けるデータを生成するために使用され得る。これにより、得られた相関データに基づき本発明にしたがいアッセイしたいサンプル中に存在する内毒素を定量できるようになる。

本発明にしたがう内毒素の検出および/または除去に供されるサンプルは、特に限定されず、その例は、水サンプル、緩衝液サンプルおよび細胞培養培地由来のサンプルを含む。様々な態様において、サンプルは、試験サンプルである。様々な態様において、サンプルは、本明細書の他箇所に記載される生物学的調製物の試験サンプルである。様々な態様において、サンプルは、本明細書の他箇所に記載されるように医療設備、医療装置、化粧品、食品および飲料由来の試験サンプルを含むがこれらに限定されない。

様々な態様において、本発明にしたがう内毒素の検出および/または除去に供されるサンプルは、哺乳動物から得られる試験サンプルである。好ましくは、哺乳動物から得られる試験サンプルは、血液サンプル、血清サンプルまたは唾液サンプルを含むがこれらに限定されない。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。様々な態様において、試験サンプルは、したがって、ヒト血液サンプル、ヒト血清サンプルまたはヒト唾液サンプル、好ましくはヒト血液サンプルである。

様々な態様において、内毒素の検出および/または除去に供される試験サンプルは、以下のいずれかから得られる試験サンプルを含むがこれらに限定されない:医療用水、薬物、注入溶液、血液調製物。好ましくは、血液調製物は、哺乳動物、より好ましくはヒトから得られる。様々な態様において、試験サンプルは、環境サンプルである。

様々な態様において、本発明にしたがう内毒素の検出および/または除去に供されるサンプルは、例えばタンパク質、抗体、ワクチン、核酸、緩衝液および/または様々な他の物質の生物学的調製物由来のサンプルを含むがこれらに限定されない。様々な他の態様において、本発明にしたがう内毒素の検出および/または除去に供されるサンプルは、本明細書の他箇所に記載される製剤プロセス調製物由来のサンプルを含むがこれらに限定されない。

アッセイおよびキット 本明細書で上述されているように、「内毒素検出方法」または「内毒素を検出する方法」等の用語は、「内毒素アッセイ」という用語と言い換え可能に使用され得る。したがって、本発明は、本明細書の他箇所に記載されている内毒素検出方法にしたがう本発明の方法によって生産される組み換えC因子の適用を含む内毒素アッセイを提供する。基本的に、本発明にしたがう内毒素アッセイは、本発明にしたがう内毒素検出方法と同じ方法の工程を含む。さらに、本発明は、本発明の組み換えC因子、すなわち本発明にしたがう方法によって生産されるC因子を含む内毒素検出キットを提供する。好ましくは、キットはさらに、本発明の内毒素検出方法または内毒素アッセイの指示書を含む。好ましくは、指示書は、マニュアルの形式である。

様々な態様において、キットはさらに、内毒素検出の感度を高める界面活性剤を含む。界面活性剤およびC因子タンパク質は、このキットにおいて、別個の容器に存在し得る。

様々な態様において、キットは、本明細書の他箇所に記載されるように本発明の組み換えC因子および界面活性剤を含む本発明の組成物または溶液を含む単一の容器を含む。

様々な態様において、キットに含まれる界面活性剤は、両性界面活性剤である。様々な他の態様において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤である。様々な他の態様において、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。好ましくは、界面活性剤は、ZWITTERGENT 3-14、Triton X-100、Triton X-114、オクチル-ベータ-D-チオグルコシド、Genapol C-100、Tween 20およびTween 80からなる群より選択される。好ましくは、界面活性剤は、0.001〜0.5%の濃度、より好ましくは0.001〜0.025%の濃度、さらにより好ましくは0.001〜0.01%の濃度でキットに存在する。様々な態様において、界面活性剤は、0.004〜0.006%の濃度でキットに存在する。これは、別個の容器内のまたは本発明の組み換えC因子および界面活性剤の両方を含む本発明の組成物もしくは溶液中の界面活性剤の存在を含む。

様々な態様において、界面活性剤を含む容器は、界面活性剤をさらに含む緩衝液を含む容器である。

様々な態様において、キットはさらに、C因子基質を含む。具体的には、活性化されたC因子(すなわち、本明細書の他箇所に記載されるような内毒素またはリピドAの存在下での自己触媒による活性化)の加水分解作用によるC因子基質の切断は、検出可能なシグナルを生成する。好ましくは、キットは、発色性および/または蛍光性のC因子基質を含む。様々な態様において、C因子基質は、発色性ペプチジル-pNA基質である。様々な他の態様において、C因子基質は、蛍光性ペプチジル-AMC、ペプチジル-AFCまたはペプチジル-MCA基質である。さらなる例示的なC因子基質は、N-t-Boc-DPR-AMC、N-t-Boc-VPR-AMC、N-t-Boc-VPR-MCA、Mu-VPR-AFCおよびBoc-VPR-pNAを含むがこれらに限定されない。

組み換えC因子を生産する寄生性原生動物宿主細胞を作製するプロセス 本発明は、組み換えC因子タンパク質を生産する寄生性原生動物宿主細胞を作製するプロセスであって:(a)異種カブトガニC因子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子、好ましくはベクターまたはプラスミドを寄生性原生動物宿主細胞に導入する工程および(b)C因子タンパク質を発現する工程(a)で作製された1つまたは複数の宿主細胞を選択する工程を含むプロセスを提供する。好ましくは、本発明にしたがうベクターまたはプラスミド、すなわち異種カブトガニC因子タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターまたはプラスミドが、寄生性原生動物宿主細胞に導入される。さらに、寄生性原生動物宿主細胞は、好ましくは、キネトプラスチド寄生性原生動物宿主細胞である。より好ましくは、キネトプラスチド寄生性原生動物宿主細胞は、二生性トリパノゾマチド(すなわち、トリパノゾマチダ目の二生性メンバー)である。さらにより好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、トリパノゾマチダ目の細胞である。さらにより好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、リーシュマニア属の細胞である。最も好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、リーシュマニア・タレントラエである。

本発明はまた、上記の組み換えC因子タンパク質を生産する寄生性原生動物宿主細胞を作製するプロセスによって取得可能な寄生性原生動物宿主細胞であって、該寄生性原生動物宿主細胞が異種カブトガニC因子をコードするポリヌクレオチド含み、該ポリヌクレオチドが核酸分子、好ましくはベクターまたはプラスミドに含まれ、該寄生性原生動物宿主細胞に導入されている、寄生性原生動物宿主細胞を提供する。好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、本発明にしたがうベクターまたはプラスミド、すなわち異種カブトガニC因子タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターまたはプラスミドを含む。さらに、寄生性原生動物宿主細胞は、好ましくは、キネトプラスチド寄生性原生動物宿主細胞である。より好ましくは、キネトプラスチド寄生性原生動物宿主細胞は、二生性トリパノゾマチド(すなわち、トリパノゾマチダ目の二生性メンバー)である。さらにより好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、トリパノゾマチダ目の細胞である。さらにより好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、リーシュマニア属の細胞である。最も好ましくは、寄生性原生動物宿主細胞は、リーシュマニア・タレントラエである。

細胞株 本発明はまた、開示されるベクターおよび/またはプラスミドによって取得可能な安定的にトランスフェクトされた細胞株を提供する。好ましくは、トランスフェクトされた細胞株は、キネトプラスチド寄生性原生動物細胞の安定的なトランスフェクションから得られる細胞株である。より好ましくは、トランスフェクトされた細胞株は、トリパノゾマチダ目の細胞の安定的なトランスフェクションから得られる細胞株である。より好ましくは、トランスフェクトされた細胞株は、リーシュマニア属の細胞の安定的なトランスフェクションから得られる細胞株である。さらにより好ましくは、トランスフェクトされた細胞株は、リーシュマニア・タレントラエ種の細胞の安定的なトランスフェクションから得られる細胞株である。

他の一般的な定義 全体として、本発明の方法にしたがい生産されるC因子または「本発明の方法にしたがい得られるC因子」または単に「本発明のC因子」に対する参照が本明細書でなされているときは常に、そのような参照は、C因子様酵素活性、すなわち本明細書の他箇所で記載されているようなカブトガニ由来のC因子と同様の酵素活性を有する本発明のC因子の任意のフラグメント、アナログまたは機能的誘導体を含む。

本発明において、「配列同一性の百分率(%)」は、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列の一部分が2つの配列の最適なアラインメントのために(付加または欠失を含まない)参照配列と比較して付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る、2つの最適にアラインメントされた配列を比較ウィンドウ上で比較することによって決定される。百分率は、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両配列に存在する位置の数を決定して一致する位置の数を得、この一致する位置の数を比較ウィンドウ内の総位置数で割り、そしてその結果に100を掛けて、配列同一性の百分率を得ることによって計算される。2つまたはそれ以上の核酸またはポリペプチド配列との関係で言う、「同一」または配列「同一性」という用語は、比較ウィンドウ上で最大一致となるよう比較およびアラインメントしたときに、同一であるもしくは特定比率の同一であるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する2つもしくはそれ以上の配列もしくは部分配列、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いてもしくは手作業によるアラインメントおよび目視検査によって測定される指定領域を表す。そのような配列は、「実質的に同一」と言われる。この定義はまた、試験配列の相補体も表す。任意で、同一性は、少なくとも約50アミノ酸もしくはヌクレオチド長である領域上に、またはより好ましくは75〜100アミノ酸もしくはヌクレオチド長である領域上に存在する。

配列比較のために、典型的には1つの配列が、試験配列を比較するための参照配列として使用される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験および参照配列がコンピュータに入力され、必要な場合に部分配列の座標が指定され、そして配列アルゴリズムプログラムのパラメータが指定される。デフォルトプログラムパラメータが使用され得、または代替パラメータが指定され得る。配列比較アルゴリズムは、その後、プログラムパラメータに基づき、参照配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を計算する。核酸分子および核酸配列という用語は、本明細書で言い換え可能に使用され得る。

本明細書で議論されているように、本発明のタンパク質およびポリペプチドには多くの変種が存在する。タンパク質変種および誘導体は、当業者に十分理解されており、それはアミノ酸配列改変を含み得る。例えば、アミノ酸配列改変は、典型的に、置換、挿入または欠失変種の3つのクラスの1つまたは複数に分類される。挿入は、単一または複数のアミノ酸残基のアミノおよび/またはカルボキシル末端融合ならびに配列間挿入を含む。欠失は、タンパク質配列からの1つまたは複数のアミノ酸残基の除去により特徴づけられる。典型的に、本発明にしたがうタンパク質分子内の任意の1つの部位において、約2〜6以下の残基が欠失される。これらの変種は、通常、そのタンパク質をコードするポリヌクレオチドのDNAにおいてヌクレオチドの部位特異的変異誘発を行い、それによってその変種をコードするDNAを作製し、そしてその後に本発明にしたがう組み換え細胞培養物においてDNAを発現させることによって調製される。

既知の配列を有するDNA内の既定部位において置換変異を行う技術は、当業者に周知である。アミノ酸置換は典型的に単一残基の置換であるが、一度に多くの異なる位置で行うことができ;挿入は通常約1〜10アミノ酸残基のオーダーであり;そして欠失は約1〜30残基の範囲であろう。欠失または挿入は、好ましくは、隣接する対において行われる、すなわち2残基の欠失または2残基の挿入である。置換、欠失、挿入またはその任意の組み合わせは、最終的なコンストラクトに達するよう組み合わされ得る。変異は、リーディングフレーム外の配列上に位置する必要はなく、かつ好ましくは2次的なmRNA構造を形成し得る相補的領域を形成しないものであろう。置換変種は、保存的置換が得られるよう少なくとも1つのアミノ酸残基が除去されそして異なるアミノ酸残基がその位置に挿入されるものである。保存的置換の意味は、当業者に周知である。

特定の翻訳後修飾は、発現されたポリペプチドに対する本発明の組み換え宿主細胞の作用の結果である。グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、しばしば翻訳後に脱アミド化されて対応するグルタミルおよびアスパリル残基となる。あるいは、これらの残基は、穏やかな酸性条件下で脱アミド化される。他の翻訳後修飾は、プロリンおよびリジンの水酸化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニンおよびヒスチジン側鎖のo-アミノ基のメチル化、N末端アミンのアセチル化および、いくつかの例において、C末端カルボキシルのアミド化を含む。そのような翻訳後修飾もまた本発明によって想定されている。

「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、本発明において言い換え可能に使用される。「C因子タンパク質」および「C因子ポリペプチド」という用語は、適宜、本明細書で言い換え可能に使用され得る。

本発明の特定の態様が本明細書に記載されるとき、詳細な説明の対応する段落/文章は常に、詳細な説明の他箇所に記載されている手段および/または方法に対する参照を行う。この文脈で、「本発明にしたがう」、「本発明の」および「本発明によって提供される」等の用語が使用される。これは、本発明の特定の態様が特定の段落または文章に記載されるとき、本明細書の他箇所に記載される「本発明にしたがう」または「本発明の」手段および/または方法に対する参照がなされることを意味する。記載される特定の態様に関して、そのような参照は、本明細書の他箇所に記載されかつ本発明によって提供される、したがって本発明の範囲の一部を形成するすべての手段および/または方法をその特定の態様に組み込むことを意図している。例えば、特定の態様の説明が「本発明にしたがうC因子」または「本発明のC因子」または「本発明の方法によって生産されるもしくは本発明の方法から得られるC因子」を表している場合、詳細な説明の他箇所に記載されかつ本発明によって提供される、したがって本発明の範囲の一部を形成するすべてのC因子タンパク質が、その特定の態様に適用可能であることが意図されている。これは特に、例えば、本発明において定義されかつ本願を通じて記載されている様々な態様に適用可能である、本発明にしたがうC因子タンパク質のフラグメントおよび変種に適用される。

上記の原理は、「本発明にしたがう」、「本発明の」および/または「本発明によって提供される」等の用語を使用するすべての態様に適用される。本明細書に記載されている各態様において、詳細な説明の他箇所ですでに定義されておりかつ本願を通じて記載されている様々な態様に適用可能である本発明の手段および/または方法のすべてに個別に言及することができないことは言うまでもない。そうでなければ、各々の特許出願は、数百もの説明のページを含むことになるであろう。

さらに、「様々な態様において」および「様々な他の/さらなる態様において」等の用語は、「本発明の様々な態様において」および「本発明の様々な他の/さらなる態様において」を意味していることが明らかである。

本発明は、以下の実施例によって例証されるが、これは例証のみを目的としたものであり、いかなる様式およびいかなる程度であれ本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。

実施例1:発現ベクターへのC因子遺伝子のクローニングおよび大腸菌DH5αの形質転換 発現ベクターへのC因子遺伝子のクローニングの出発点は、タキプレウス・トリデンタトゥス由来のC因子配列(NCBIアクセッション番号P28175.1:そこでの参考文献1:Muta et al. 1991, J. Biol. Chem. 266(10):6554-6561)とした。アクセッション番号P28175.1の下で示されているT. トリデンタトゥス由来の野生型C因子タンパク質のアミノ酸配列は、1,019アミノ酸残基の長さを有する。このタンパク質の発現および分泌後に切断されるリーダー配列は、25アミノ酸残基の長さを有する(アクセッション番号P28175.1の下で示されているアミノ酸配列の残基1〜25)。リーダー配列を含まないT. トリデンタトゥス由来の野生型C因子タンパク質のアミノ酸配列が、SEQ ID NO:2に示されている。SEQ ID NO:2に示されるT. トリデンタトゥス由来の野生型C因子タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1で与えられる。

SEQ ID NO:1のT. トリデンタトゥス配列を、リーシュマニアにおける発現のためにコドン最適化させた。生成されたコドン最適化配列が、SEQ ID NO:3に示されている。SEQ ID NO:3のコドン最適化ヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列が、SEQ ID NO:4に示されている。コドン最適化は、当初の野生型C因子タンパク質のアミノ酸配列のアミノ酸配列を変化させなかった。したがって、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列と同一である。

SEQ ID NO:3のコドン最適化配列を発現ベクターにクローニングし、その後に得られたプラスミドを大腸菌DH5αに形質転換した。

実施例2:リーシュマニアのトランスフェクションおよびクローンの選択 トランスフェクションのための発現ベクターの調製 SEQ ID NO:3のコドン最適化配列およびリーシュマニア宿主細胞における標的タンパク質の分泌発現のためのシグナルペプチド配列を含む、リーシュマニア宿主細胞特異的発現ベクターを調製した。リーシュマニア・タレントラエ由来の分泌シグナルペプチド配列のアミノ酸配列が、SEQ ID NO:5に示されている。リーシュマニアリーダー配列は、このタンパク質の発現および分泌後に切断される。

リーシュマニア細胞のトランスフェクション エレクトロポレーションによるリーシュマニアのトランスフェクションを含む、広範囲のトリパノゾマチドの安定的なDNAトランスフェクションは、当技術分野で報告されている(Beverly and Clayton 1993, Methods Mol. Biol. 21:333-348; Coburn et al. 1991, Mol. Biochem. Parasitol. 46: 169-179)。ここでは、リーシュマニア細胞の培養およびトランスフェクションを、High Voltageトランスフェクションプロトコル(Jena Bioscience GmbH, Jena, Germany)を適用して行った。具体的には、事前培養から得られたリーシュマニア細胞(リーシュマニア・タレントラエ)を、約6 x 107細胞/mlの細胞密度が達成されるまで(OD 1.4)培養した。細胞が生きていることおよび液滴様形状であることは、顕微鏡によって確認した。事前に凍結しておいた細胞を、0.1〜5μgの形質転換用DNAを含むチューブに添加し(氷上)、混合し、そしてエレクトロポレーションキュベットに移した(氷上)。パルス制御装置を有するジェネパルサー(genepulser)を用い、パルス間隔10秒間で2回、1,500V、25μFのパルス刺激(パルス時間約0.3ミリ秒)を行った。このキュベットを10分間氷上に戻し、そして電気穿孔された細胞を通気した組織培養フラスコに移し、その後に静的懸濁培養として26℃で一晩インキュベートした(約20時間、O.D.0.3〜0.4)。

クローンの選択 クローンの選択は、選択用の抗生物質を補充した固体培地上にプレーティングすることによって行った。単クローンを次いで選択培地に展開させた。この目的で、10個までのクローンを、培養フラスコ中の各々10ml中で培養した。これらの培養物を、評価のために使用した。

ゲノムDNAを単離し、そして組み換えC因子遺伝子の挿入を、組み換えC因子遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドを用いるPCRによって確認した。遺伝子発現は、発現の誘導のために10μg/mlのテトラサイクリンを含む新しい培地で培養物を1:10希釈することによって分析した。培養物を、26℃の暗所で3〜4日間成長させた。細胞を収集した(3,000 x g、4℃、10分間)。上清中のタンパク質を、トリクロロ酢酸(TCA)沈降によって濃縮し、SDS-PAGEによって分析した。

実施例3:組み換えC因子タンパク質の発現および精製 トリパノゾマチド原生動物、特にリーシュマニアにおける組み換えタンパク質の発現は、当技術分野で報告されている(Breitling et al. 2002, Protein Expression and Purification 25:209-218; Basile and Peticca 2009, Mol. Biotechnol. 43:273-278)。ここでは、C因子タンパク質の発現および精製のためのリーシュマニアの培養および改変を、Jena Bioscience GmbH, Jena, Germanyによって提供される遺伝子発現キットを用いて行った。

3.1 生産株の管理 生産株を、培養フラスコ中10ml量で、26℃の暗所にて培養した。生産株を、2〜3日ごとに、すべての添加物および挿入された遺伝子の選択のための抗生物質を含む新しい培養培地で、1:20または1:50連続希釈した。

3ヶ月後に培養された株を廃棄し、新しいグリセロールストックから新しい培養を開始した。

3.2 発現 生産株を新しい培地で1:50希釈し、そして培養フラスコ中、26℃の暗所で2〜3日インキュベートすることによって事前培養物を準備した。

エルレンマイヤーフラスコ中の、発現の誘導のためにテトラサイクリンを含む1.5 lの培養培地に、30mlの事前培養物を接種した。発現は、23℃の暗所でかつ105rpmで振盪させながら、68〜72時間行った。培地中のグルコース濃度が650mg/Lより低下したとき、ヘミンおよびグルコースを添加し、そして培養物をさらに86〜72時間インキュベートした。

細胞を収集した(4000 x g、4℃、30分間)。組み換えC因子の精製のために、上清を-20℃で凍結するかまたは直接使用した。

3.3 精製 3.3.1 カチオン交換クロマトグラフィー 発現からの上清を直接使用するかまたは穏やかに解凍した。2mM EDTAを添加した後、上清を、5.0〜5.5のpHおよび<5.5mS/cmの伝導度が達成されるまで20mM酢酸カリウム、2mM EDTA pH5で希釈した。

精製は、カチオン交換クロマトグラフィーを用いて行った。SP650Mカラムを、平衡緩衝液としての25mM酢酸カリウム、2mM EDTA pH5および溶出緩衝液としての25mM酢酸カリウム、2mM EDTA、1M塩化カリウム pH5と共に使用した。

上清を投入した後、カラムを、最初に平衡緩衝液で、次いで10%溶出緩衝液で洗浄した。溶出は、50%溶出緩衝液で行われる。

3.3.2 タンパク質分析 タンパク質を含む画分を、濃度および純度に関してゲルろ過およびSDS PAGEによって分析した。

ゲルろ過のために、50μlの各画分を0.75ml/分でTSK3000 PWカラムに投入した。吸収を220nmで追跡した。rFCは、7.4+/-0.4分の保持時間が最大となるピークで溶出する。

以下の基準を満たす画分のみをプールした: 1)6.4+/-0.4分の保持時間のピークのピーク面積がrFCピーク面積の10%を超えてはならない。 2)10.3+/-0.5分の保持時間のピークのピーク面積がrFCピーク面積の350%を超えてはならない。 3)rFCピークと10.3+/-0.5分の保持時間のピークの間の最小が9〜10分の間でなければならず、かつその最小の吸収値がrFCピークの最大の吸収値の30%を超えてはならない。

各画分のrFCの濃度を、rFC標準曲線を用いて、ピーク面積によって決定した。最終プールの濃度は、少なくとも50μm/ml rFCである必要がある。

3.3.3 透析 1mM PMSFをrFCプールに添加し、そして室温で4時間インキュベートした。その後、0.1% Pluronic(登録商標)F-127を添加し、そしてこの溶液を、5リットルの5mM酢酸カリウム、100mM塩化カリウム、0.1% Pluronic(登録商標)F-127、0.05mM EDTA pH5に対して4℃で透析した。透析は、各々12時間を3回行った。

3回目の透析の後、rFC溶液を遠心分離し(4000 x g、4℃、1時間)、そしてその上清を再度、5リットルの5mM酢酸カリウム、100mM塩化カリウム、0.1% Pluronic(登録商標)F-127、0.05mM EDTA pH5に対して4℃で少なくとも12時間透析した。

3.3.4 保管 透析したrFC溶液を滅菌ろ過し、そしてその濃度ををゲルろ過によっておよび純度をSDSゲルによって決定した。この溶液を4℃で保管した。

実施例4:リーシュマニアにおいて生産されたC因子タンパク質の比活性の決定 C因子の比活性を、Ding et al. 1993 (Biochimica et Biophysica Acta 1202:149-156)に記載されたアッセイにしたがい決定した。この文書は、カブトガニであるC.ロツンジカウダから単離されたC因子タンパク質の比活性を決定するために使用されたアッセイのために、米国特許US 5,712,144で引用されている。

具体的に、最初に希釈系列を、リーシュマニアにおいて生産されたC因子タンパク質を反応緩衝液プラスLPSで希釈することによって作成した。反応緩衝液は、50mM Tris、100mM NaClおよび50mM MgCl2を含み、内毒素非含有超純水を用いて調製された。LPSは、LPSストック溶液(内毒素非含有超純水に溶解させたLPS)から反応緩衝液に添加した。

作成した希釈物をマイクロタイタープレートに添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。その後、C因子タンパク質の基質をウェルに添加し、その後にこのマイクロタイタープレートを37℃で15分間インキュベートした。使用した基質は、C因子タンパク質に対する蛍光基質であるBoc-Val-Pro-Arg-AMCであった。Boc-VPR-AMCを内毒素非含有超純水に溶解して基質溶液を調製し、これをアッセイに適用する基質溶液の希釈物の調製のために使用した。氷酢酸の添加によって反応を停止させた後、蛍光(RFU)を測定した。37℃で15分間の基質ターンオーバーの後に測定されたrfu値が以下の表1にまとめられている。

(表1)37℃で15分間の基質ターンオーバーの後に測定されたrfu値

表1は、バックグラウンドrfu値を差し引いた後にバックグラウンドよりも高いシグナルを有するLPS活性化rFCサンプルのrfu値を示している。

図1は、37℃で15分間の基質ターンオーバーの後に測定されたrfu値のrFC濃度依存的なプロットを示している。フルオロフォア(AMC)の比蛍光は、記載されている実験条件下で6,667 rfu/nmolと決定された。

rFCの比活性の計算のために、0.331μg/mlのrFC濃度を使用した。これは、マイクロタイタープレートのウェルあたり0.0662μgのrFCに対応する。これにより、4,360 rfu/(15 min x 0.0662μg rFC)を測定した。これは、290.67 rfu/(min x 0.0662μg rFC)に対応する。これはまた、4,390,735 rfu/(min x mg rFC)に対応する。これはさらに、658 nmol/(min x mg rFC)に対応し、そしてまた0.658μmol/(min x mg rFC)に対応する。

Ding et al.(1993)にしたがい、1単位は、37℃で1分あたりに加水分解されるAMC 1μmolと定義する。この定義および上記の計算にしたがい、組み換えC因子は、記載されているアッセイ条件下で0.658単位/mgタンパク質の比活性を有する。同じ比活性が、C因子タンパク質の活性化のためにキモトリプシンを用いた場合にも見られた(データ示さず)。

アッセイ条件から明らかなように、比活性は、LPSにより活性化されたC因子タンパク質を用いて決定された。したがって、この実験は、リーシュマニアにおいて生産されたC因子がLPSによって活性化され得ることおよび活性化されたC因子タンパク質が酵素的に活性である、すなわち加水分解活性を示すことを示している。

実施例5:SDS-PAGEにおける非還元および還元条件下でのC因子タンパク質の分子量の決定 リーシュマニアにおいて生産されたC因子タンパク質の分子量を、非還元および還元条件(SDS-PAGE)下で決定した。50μlの還元および非還元の両rFCサンプルならびに20μlの分子量標準を、10トラックのVarioGel(4〜12%)に投入した。垂直式ゲル電気泳動チャンバーにおいて電気泳動を行った後、ゲルを、製造元のプロトコルにしたがいready-to-use PageBlut(商標)タンパク質染色溶液(Fermentas)を用いて染色した。

Rf値は、タンパク質バンドの移動距離(cm)とゲル前面からの総移動距離(cm)の割り算によって計算した。マーカータンパク質のRf値を、マーカータンパク質の分子量に対してプロットした。得られた曲線を、対数フィッティングアルゴリズムによってフィッティングした。非還元および還元のそれぞれの条件下での精製されたC因子タンパク質の分子量を、作成された標準曲線フィッティング式に基づき計算した。この式にしたがい、C因子について以下の分子量を算出した。

(表2)非還元および還元SDS PAGE泳動条件下での精製されたC因子のRf値

2本鎖形態のC因子タンパク質は、非還元条件下でのSDS-PAGEによって決定されたように、102 kDaの分子量を有する(rFC ox)。還元条件下で、H鎖については69 kDaの分子量(rFC red 1)およびL鎖については37 kDaの分子量(rFC red 2)が決定された。

還元条件下でのH鎖およびL鎖の分子量(rFC red 1 + rFC red 2)を合わせると106 kDa(グリコシル化を含む)になる。

配列表 SEQ ID NO:1:リーダー配列を有さないタキプレウス・トリデンタトゥス由来の野生型C因子タンパク質をコードする遺伝子のヌクレオチド配列、長さ:2,982ヌクレオチド

SEQ ID NO:2:リーダー配列を有さないタキプレウス・トリデンタトゥス由来の野生型C因子タンパク質のアミノ酸配列、長さ:994アミノ酸残基

SEQ ID NO:3:リーシュマニアにおける発現のためにコドン最適化された、リーダー配列を有さないT. トリデンタトゥス由来のC因子のヌクレオチド配列、長さ:2,982ヌクレオチド

SEQ ID NO:4:SEQ ID NO:3に示されるリーダー配列を有さないタキプレウス・トリデンタトゥス由来のC因子タンパク質のコドン最適化ヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列、長さ:994アミノ酸残基

SEQ ID NO:5:リーシュマニア・タレントラエ由来の分泌シグナルペプチド配列のアミノ酸配列、長さ:23アミノ酸残基

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