Sirt6活性化剤及びDNA修復酵素を含有する組成物

申请号 JP2017530267 申请日 2015-11-23 公开(公告)号 JP2017538700A 公开(公告)日 2017-12-28
申请人 イーエルシー マネージメント エルエルシー; イーエルシー マネージメント エルエルシー; 发明人 パーノデット,ナディーン; ドン,ケリー; ペッレ,エドワード;
摘要 本発明の組成物は8-オキソグアニングリコシラーゼ(OGG1)及びSIRT6活性化ペプチドG-A-G-V-S-A-E-NH2を含有する。本発明の組成物は、皮膚細胞DNAの修復を促進すること、及び/又はUV損傷から皮膚細胞DNAを保護することによって抗老化作用を発揮する。【選択図】図2
权利要求

組成物に対して重量で0.0001%〜1%のSIRT6活性化ペプチド及び0.0001%〜0.05%の8-オキソグアニングリコシラーゼを含有する組成物を局所的に適用するステップを含む、そのような処置が必要な皮膚細胞におけるUVB暴露によるDNA断片化を修復するための方法であって、SIRT6活性化ペプチドが (配列番号1)G-A-G-V-S-A-E-NH2 Gly-Ala-Gly-Val-Ser-Ala-Glu-NH2 である、上記方法。SIRT6活性化ペプチドが酵母発酵抽出物の形態で組成物中に組み込まれ、該ペプチドが該抽出物の成分である、請求項1記載の方法。組成物に対して重量で0.0001%〜1%のSIRT6活性化ペプチド及び0.0001%〜0.05%の8-オキソグアニングリコシラーゼを含有する組成物であって、SIRT6活性化ペプチドが (配列番号1)G-A-G-V-S-A-E-NH2 Gly-Ala-Gly-Val-Ser-Ala-Glu-NH2 である、上記組成物。SIRT6活性化ペプチドが酵母発酵抽出物の形態で組成物中に組み込まれ、該ペプチドが該抽出物の成分である、請求項3記載の組成物。

说明书全文

本発明は、加齢した皮膚の外観を改善するためのトリートメントの分野に属する。より具体的には、本発明は、紫外線によって損傷を受けた皮膚細胞のDNAの保護及び/又は修復を促進する局所用組成物及び方法に関する。

サーチュイン(sirtuin)は、多くの細胞のエピジェネティック経路又は代謝経路において重要な役割を果たす酵素である。哺乳動物細胞では7種のサーチュインホモログが同定されており、SIRTUINS 1-7 又はSIRT1-7と呼ばれている。SIRT6は(例えばヒト化細胞及び皮膚線維芽細胞の)細胞核内に局在しており、代謝及び寿命と関連するサーチュインタンパク質の保存されたファミリーのメンバーである。SIRT6はヒストン3、リシン9(H3K9)デアセチラーゼであり、主としてDNA修復及びテロメラーゼ安定性に関与している。

「SIRT6活性化ペプチド」という用語は、その結果をもたらす経路が何であれ、細胞内のSIRT6の量の増大を引き起こすペプチドを意味する。参照によりその全体を本明細書に組み入れる米国特許出願公開第2011-0318284号には、SIRT6活性化ペプチドを含有する組成物が開示されている。このペプチドは、ヒトSIRTタンパク質の高度に保存された領域に由来する。米国特許出願公開第2011-0318284号に開示された8種のペプチド配列のうち、ここでは以下の配列が興味深いものである: (配列番号1)G-A-G-V-S-A-E-NH2 Gly-Ala-Gly-Val-Ser-Ala-Glu-NH2

ペプチドのC-末端のNH2基は、特定の形態の分解に対するペプチドの抵抗性を向上させるためにペプチド上に置換されていることに留意されたい。この位置のNH2は天然では生じない。

このペプチドは、短期培養中の正常ヒト線維芽細胞及び正常ヒト角化細胞におけるサーチュイン6発現を非常に顕著に上昇させることが報告された。更に、サーチュイン6発現の刺激作用は長期間維持された。文献によれば、活性化ペプチドは、単独で、又は少なくとも1種の他の活性剤と組み合わせて、生理学的に許容される媒体中で使用することができる。文献にはまた、DNAの分解を防止及び/若しくは修復し、テロメアの維持を改善し、細胞老化を低減するための化粧用組成物の利用が開示されている。しかしながら、米国特許出願公開第2011-0318284号にはシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)についての言及はされていない。

2013年10月3日に出願された米国特許出願第14/045,075号には、米国特許出願公開第2011-0318284号と同じSIRT6活性化ペプチドを含有する組成物が開示されている。この文献によれば、SIRT6活性化ペプチドは、0.0001〜8%、好ましくは約0.001〜3%、より好ましくは約0.01〜1%の範囲の量で組成物中に存在し得る。好ましい実施形態において、活性化ペプチドは、酵母抽出物の成分として供給される。

米国特許出願第14/045,075号はまた、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)におけるSIRT6発現の用量依存性の上昇が以下のSIRT6活性化ペプチドによって引き起こされたことを報告している: (配列番号1)G-A-G-V-S-A-E-NH2 Gly-Ala-Gly-Val-Ser-Ala-Glu-NH2

ラミナリア・ディギタータ(Laminaria digitata)抽出物、スイセン(Narcissus tazetta)球根抽出物、及びこのSIRT6活性化ペプチド(配列番号1)を含有する酵母タンパク質抽出物の組合せによって、正常ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン合成の予想外の増大が生じることが更に報告されている。更に、米国特許出願公開第14/045,075号では、任意選択される植物抽出物の長いリスト中にシロイヌナズナ抽出物が記載されており、1種以上の任意選択される植物抽出物の推奨範囲は組成物全体に対して重量で約0.0001〜10%、好ましくは約0.0005〜8%、より好ましくは約0.001〜5%と報告されている。しかしながら、シロイヌナズナ抽出物はいかなる特定の活性についても記載されておらず、シロイヌナズナ抽出物と本明細書に開示するSIRT6活性化ペプチドのいずれかとの相乗性についても開示されていない。

8-オキソグアニングリコシラーゼを含有するシロイヌナズナ抽出物 8-オキソグアニングリコシラーゼ(OGG1)は、活性酸素種及び電離放射線への暴露から生じる塩基性副産物である8-オキソグアニンを除去するDNA修復酵素である。OGG1は、皮膚細胞を含むゲノムDNA及びミトコンドリアDNAの双方で活性を有する。8-オキソグアニングリコシラーゼは、シロイヌナズナ植物の酵母発酵によって得ることができる。シロイヌナズナはアブラナ科の種であり、植物生物学を研究するために使用されるモデル生物の一つであるために周知である。シロイヌナズナ発酵物由来の8-オキソグアニングリコシラーゼ抽出物は、レシチン及びを含有するリポソーム処方で、Barnet Products Corp., Englewood Cliffs, NJからロキシソーム(RoxisomesTM)の商品名で市販されている。ロキシソームの約0.5%が8-オキソグアニングリコシラーゼである。

レボリス(Revoris)は、ロキシソーム及び2種のペプチド;パルミトイルオリゴペプチド(3個のアミノ酸のペプチド)及びパルミトイルテトラペプチド-7(4個のアミノ酸のペプチド)を含有すると報告されている市販のしわ用トリートメント製品である。これらのペプチドのいずれも、配列番号1の7個のアミノ酸のペプチドと同じではなく、これを示唆するものでもない。ロキシソームとレボリスのペプチドとで相乗効果は示唆されていない。

本発明の組成物は、8-オキソグアニングリコシラーゼ(OGG1)及び以下のSIRT6活性化ペプチドを含有する: (配列番号1)G-A-G-V-S-A-E-NH2 Gly-Ala-Gly-Val-Ser-Ala-Glu-NH2 本発明の組成物は、皮膚細胞DNAの修復を促進すること、及び/又は紫外線損傷から皮膚細胞DNAを保護することによって抗老化作用を発揮する。

UVB照射に暴露されたNHEKにおけるDNA断片化に対するSIRT6活性化ペプチド(配列番号1)の効果を示す。

UVB照射に暴露されたNHEKにおけるDNA断片化に対する8-オキソグアニングリコシラーゼを含有するシロイヌナズナ抽出物の効果を示す。また、配列番号1のペプチドを含有する酵母抽出物の効果を示す。

本明細書中に記載するパーセンテージは全て、他に示さない限り、組成物全体の重量に対するパーセンテージである。

試験例1 我々は、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)をSIRT6活性化剤(配列番号1のペプチド)で処理すると、UVB照射によって引き起こされるDNAの断片化を有意に低減することを実証した。処理の詳細は以下に記載する。

サンプル調製 本試験では、対照サンプル及び3種の試験サンプルを使用した。対照サンプルはペプチドで処理されず、UVB照射に暴露されなかった。1型サンプルは以下に記載するようにペプチドで処理され、UVB照射に暴露されなかった。2型サンプルはペプチドで処理されず、UVB照射に暴露された。3型サンプルは以下に記載するようにペプチドで処理され、UVB照射に暴露された。粉末形態のSIRT6活性化ペプチド(配列番号1)は50ppmの溶液に調製した。

全ての試験サンプルについて、DNA断片化解析のために正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)をTrevigen FlareTMスライド上にスポットあたり8,000個の細胞でまいた。細胞を37℃、95%湿度及び5%CO2の細胞培養培地中で24時間インキュベートした。1型及び3型のサンプルは細胞培養培地の3%の50ppmの粉末化ペプチド溶液(溶液中0.00015%のペプチドに相当)で処理し、全てのサンプルを48時間インキュベートした。その後、全てのサンプルから細胞培養培地を除き、100μlのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水と置き換えた。2型及び3型サンプルはOpsytec Dr. Groebelの照射チャンバー中で20mJ/cm2のUVB照射に暴露した。その後、1型及び3型サンプルは細胞培養培地の3%の粉末化ペプチド溶液で再度処理し、全てのサンプルをコメット(comet)アッセイ前に6時間インキュベートした。

6時間のインキュベーション後、サンプルの細胞をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。37℃に維持した融解アガロース75μlをコメットスライドの各スポット上に均一にピペッティングし、次いで4℃で10分間インキュベートした。スライドを氷上の冷溶解液中に3時間浸漬した。スライドを溶解液から取り出し、アルカリ溶液(300mM NaOH、1mM EDTA、pH>13)中に室温で30分間置いた。この時点で、細胞は死んでおり、DNAを修復することはもはやできない。続いて、スライドを氷中で冷やした電気泳動装置内に、電極から等距離となるように置いた。冷アルカリ電気泳動溶液(300mM NaOH、1mM EDTA、pH>13)を、スライドを覆う位に装置中に注いだ。23Vで30分間電気泳動した。電気泳動後、スライドを水ですすぎ、70% EtOHに5分間浸漬した。スライドをEtOH溶液から取り出し、タオルの上に置いて一晩空気乾燥した。SYBR(登録商標)グリーン1核酸染色剤(Molecular Probes, Inc., Eugene OR)をTEバッファー(10 mM Tris-HCl, 1mM EDTA, pH 7.5)で1:10000に希釈した。希釈したSYBR(登録商標)グリーン1の50μlを各スポット上にピペッティングした。SYBR(登録商標)グリーン1はDNAに結合して複合体を形成し、520nmで緑色光を放出する。スライドを4℃で5分間インキュベートした。スライドから過剰の染色剤を除去した後、スライドを再度乾燥させた。FITC(フルオレセインイソチオシアネート)フィルターを備えたOlympus BX51顕微鏡下、対物レンズ20倍でスライドを観察した。画像はNikon Elementsソフトウェアを使用して取得した。TriTek, Corp (Sumerduck, VA)のComet Scoreソフトウェアでテールモーメント(tail moments)を解析した。結果を以下に示す。

結果 図1によれば、1型サンプル(配列番号1のSIRT6活性化ペプチドで処理し、照射されていないもの)は、対照サンプルと同等のDNA断片化を有していた。2型サンプル(UVB照射に暴露され、ペプチドで処理していないもの)では約14倍のDNA損傷の増加が示された。3型サンプル(ペプチドで前処理され、UVB照射に暴露され、ペプチドで後処理されたもの)は、対照サンプルと同等のDNA断片化を有していた。我々は、配列番号1のペプチドがNHEKにおけるSIRT6レベルを刺激して、UVB照射によって引き起こされるDNA断片化の修復に到ると結論付ける。

試験例2 我々は次に、DNA修復酵素(OGG1)と組み合わせて配列番号1のSIRT6活性化剤ペプチドで正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)を処理すると、UVB照射によって引き起こされるDNAの断片化を有意に低減し、しかも低減が相乗的であることを示す。処理の詳細は以下に記載する。

サンプル調製 本試験では、対照サンプル及び5種の試験サンプルを使用した。全ての対照サンプル及び試験サンプルにおいて、NHEKをTrevigen FlareTMスライド上で増殖させ、リン酸緩衝生理食塩水の薄層で被覆した。その後、2〜5型の試験サンプルを40mJ/cm2のUVB照射に暴露した。対照サンプルには更なる処理を行わなかった。UVB照射に暴露しなかった1型試験サンプルにはロキシソーム(レシチン及び水を含有するリポソーム処方中に8-オキソグアニングリコシラーゼを含むシロイヌナズナの抽出物)を添加して培地中0.05%の溶液とした。2型サンプルには更なる処理を行わなかった。3型試験サンプルには更にロキシソームを添加して培地中0.025%の溶液とした。4型サンプルには約2%の配列番号1のペプチド(Ashland, Inc. Covington, KY)を含有する加水分解酵母抽出物を添加して培地中0.5%の溶液とした(溶液中約0.01%のペプチドに相当)。5型サンプルには培地にロキシソーム(0.025%)及び酵母抽出物(0.5%)を添加することで更に処理した。全てのサンプルを、上記のように実施するコメットアッセイ前に4時間インキュベートした。

結果 図2において、DNAの断片化を2型の試験サンプル(UVB照射をするが前処理をしないもの)に正規化する。このスケール上で、対照サンプルは約0.075の正規化したコメットスコアを有し、1型試験サンプル(ロキシソームで処理するが照射しない)は約0.2のコメットスコアを有し、ロキシソームがDNAの断片化を加速していることが示される。3型サンプル(ロキシソームで処理し、次いでUVB照射に暴露する)は、これも約1.025のコメットスコアを有し、ロキシソームがDNA断片化を加速していることを示す。4型試験サンプル(酵母抽出物で処理し、次いでUVB照射に暴露する)は約0.78のコメットスコアを有し、2型試験サンプルと比較して22%低下している。このことは例1の結果と一致する。5型試験サンプル(ロキシソーム及び酵母抽出物で処理し、次いでUVB照射に暴露する)は約0.21のコメットスコアを有し、2型試験サンプルと比較して79%低下している。

考察 単独で使用する場合、ロキシソーム(8-オキソグアニングリコシラーゼ(OGG1))はNHEKにおけるDNAの断片化を増大させるように思われる。単独で使用する場合、配列番号1のペプチドを含有する酵母発酵抽出物はSIRT6を刺激してUVB暴露によるDNA断片化を修復するようであり、22%の改善が見られる。組み合わせて使用する場合、酵母発酵抽出物及びロキシソームはSIRT6を刺激してUVB暴露によるDNA断片化を修復するようであり、79%もの改善を果たす。特に単独で使用されるロキシソームはNHEKにおけるDNAの断片化を増大させるように思われるため、これは全く予想外のことであった。我々は、配列番号1のペプチドとOGG1との組合せが相乗的に作用してNHEKのSIRT6レベルを刺激し、UVB照射によって引き起こされるDNA断片化の非常に高いレベルの修復に到ると結論づける。

本発明の組成物 SIRT6活性化ペプチド(配列番号1)の推奨濃度は組成物全体に対して重量で0.0001〜1%、好ましくは約0.001〜約0.1%、より好ましくは約0.005〜約0.02%の範囲である。好ましい一部の実施形態において、活性化ペプチドは酵母抽出物の成分として供給され得る。その場合、抽出物中のペプチド含量は、組成物が0.0001〜1%のペプチド(配列番号1)を含有することを確実にするために知られていなければならない。

8-オキソグアニングリコシラーゼ(OGG1)の推奨濃度は、最終組成物の総重量に対して約0.0001%〜約0.05%、好ましくは約0.0005%〜約0.01%、より好ましくは約0.001%〜約0.005%である。ロキシソームの推奨濃度は、最終組成物の総重量に対して約0.02%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約2%、より好ましくは約0.2%〜約1%である。

本発明の組成物は、液状、半固形状、又は固形状であって良く、またエマルジョン、溶液、懸濁液、又は無水の形態であって良い。溶液又は懸濁液の形態の場合、組成物は、約50〜99.9%の水を含み得る。エマルジョンの形態の場合、組成物は、約5〜95%の水、及び約5〜95%の油を含み得る。無水の形態の場合、組成物は、約10〜99%の油、及び10〜99%の凝固剤を含み得る。組成物が水性溶液、分散液又はエマルジョンの形態の場合、水相は、水に加えて1種以上の水相構造化剤、すなわち組成物の水相の粘度を高めるか増粘する薬剤を含み得る。これは、組成物がセラム(serum)又はゲルの形態である時に特に望ましい。存在する場合、水相構造化剤の好適な範囲は組成物全体に対して重量で約0.01〜30%、好ましくは約0.1〜20%、より好ましくは約0.5〜15%である。このような薬剤の例としては、様々なアクリレートベースの増粘剤、天然若しくは合成のガム、多糖類等が挙げられる。

本発明の組成物がエマルジョン形態である場合、組成物は油相を含むであろう。油性成分は、皮膚の保湿及び保護特性のために望ましい。好適な油としては、限定するものではないが本明細書中に記載されるもの等のシリコーン類、エステル類、植物油、合成油が挙げられる。油は揮発性であっても不揮発性であっても良く、好ましくは室温で注ぐことのできる液状形態である。「揮発性」との用語は、油が20℃において測定可能な蒸気圧、又は少なくとも約2mmHgの蒸気圧を有することを意味する。「不揮発性」との用語は、油が20℃において約2mmHg未満の蒸気圧を有することを意味する。好適な揮発性油は、一般的に25℃において約0.5〜5センチストークスの範囲の粘度を有し、線状シリコーン、環状シリコーン、パラフィン系炭化水素、又はこれらの混合物が含まれる。非揮発性油は、一般的に25℃において約5〜10センチストークスより高い粘度を有し、25℃において約1,000,000センチポアズまでの粘度範囲であり得る。不揮発性油の例としては、限定するものではないが、モノ、ジ、又はトリエステル形態のエステルが挙げられる。

組成物が無水又はエマルジョンの形態である場合、化粧用組成物中に1種以上の油相構造化剤を含めることが望ましい場合がある。「油相構造化剤」との用語は、油相中に溶解若しくは分散可能であって、油相の粘度又は構造を高める成分又は成分の組合わせを意味する。構造化剤は、粘度の高い液状組成物、半固形状、又は場合によっては自立し得る固形状組成物を提供するのに十分な量で存在し得る。構造化剤自体は液状、半固形状、又は固形状で存在し得る。構造化剤の推奨範囲は組成物全体に対して重量で約0.01〜70%、好ましくは約0.05〜50%、より好ましくは約0.1〜35%である。

組成物は、特にエマルジョン形態の場合、1種以上の界面活性剤を含み得る。しかしながら、組成物が無水である場合にもそのような界面活性剤を使用することができ、これは、極性を有する成分、例えば顔料の分散を補助する。そのような界面活性剤はシリコーン又は有機ベースであり得る。界面活性剤は、油中水型又は水中油型のいずれかの安定なエマルジョンの形成に役立つ。存在する場合、界面活性剤は、組成物全体に対して重量で約0.001〜30%、好ましくは約0.005〜25%、より好ましくは約0.1〜20%の範囲であり得る。

場合によって、しかし好ましくは、本発明の組成物は、約1〜100、好ましくは約5〜80、最も好ましくは約5〜50%の範囲の特定のSPF(サンプロテクションファクター)値を有するように製剤化される。SPF値の計算は当分野において周知である。これを達成するために、1種以上の化学的UVA若しくはUVBサンスクリーン剤又は粒子形態の物理的サンスクリーン剤を組成物中に含めることが望ましい場合がある。

「UVAサンスクリーン剤」との用語は、約320〜400nmの波長範囲のUV照射を遮断する化合物を意味する。組成物は、組成物に対して重量で約0.001〜20%、好ましくは約0.005〜5%、より好ましくは約0.005〜3%のUVAサンスクリーン剤を含有し得る。UVAサンスクリーン化合物の例としては、4-メチルジベンゾイルメタン、2-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4'-ジイソプロピルベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、4,4'-ジイソプロピルベンゾイルメタン、2-メチル-5-イソプロピル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。特に好ましいものは4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンである。他のタイプのUVAサンスクリーン剤としては、ジカンファースルホン酸誘導体、例えばテレフタリリデンジカンファースルホン酸が挙げられる。

「UVBサンスクリーン剤」との用語は、約290〜320nmの波長範囲のUV照射を遮断する化合物を意味する。一般的に、存在する化学的UVBサンスクリーン剤の量は、組成物全体に対して重量で約0.001〜45%、好ましくは0.005〜40%、より好ましくは約0.01〜35%の範囲であり得る。様々な化学的UVBサンスクリーン剤、例えば2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート等のα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルが存在する。他の好適なサンスクリーン剤としては、ベンジリデンカンファー誘導体が挙げられる。好ましいものはまた、シンナメート誘導体、例えばエチルヘキシルメトキシシンナメートである。UVBサンスクリーン剤として好適なものはまた、種々のベンゾフェノン誘導体、例えばベンゾフェノン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、及び12である。特に好ましいものはベンゾフェノン3、ベンゾフェノン4及びベンゾフェノン5である。好適なものはまた、特定のメンチルサリチル酸誘導体、例えばホモメンチルサリシレート(homomenthyl salicylate)又はアントラニル酸メンチル(menthyl anthranilate)である。サリチル酸誘導体は許容されるUVB吸収剤でもある。

組成物は、組成物全体に対して重量で0.001〜8%、好ましくは0.01〜6%、より好ましくは0.05〜5%の保存剤を含み得る。様々な保存剤、例えば安息香酸、ベンジルアルコール、ベンジルヘミフォルマル(benzylhemiformal)、ベンジルパラベン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ジアゾリジニル尿素、安息香酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、カプリリルグリコール、ビグアニド誘導体、フェノキシエタノール、キャプタン(captan)、クロルヘキシジン二酢酸塩、クロルヘキシジン二グルコン酸塩、クロルヘキシジン二塩酸塩、クロロアセトアミド、クロロブタノール、p-クロロ-m-クレゾール、クロロフェン、クロロチモール、クロロキシレノール、m-クレゾール、o-クレゾール、DEDMヒダントイン、DEDMヒダントイン二ラウリン酸塩、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、ジブロモプロパミジン二イセチオン酸塩(dibromopropamidine diisethionate)、DMDMヒダントイン等が好適である。好ましい一実施形態において、組成物はパラベンを含まないものであり得る。

一般的に、本発明に従う組成物は、油相成分と水相成分とを別個に組合せ、良く混合することによって調製することができる。エマルジョンを形成するため、あるいは最終組成物にある構造を付与するために必要とされる任意のステップは、本発明の有効性を損なうものではないであろう。

本発明に従うスキンケア組成物の以下のいくつかの例は、例示目的のためにのみ示すものである。

主ケトルにおいて、水を70℃まで加熱する。ポリクオタニウム-4を撹拌しながら分散させる。ロキシソーム(Roxisome(商標))以外のA部の残りの成分を添加する。50℃まで冷却する。ロキシソームを添加する。B部の成分を一つずつ混合しながら添加する。40℃まで冷却する。予め混合したC部を主ケトルに添加する。

A部をゆっくり混合し、85℃まで加熱する。B部を混合する。カーボポールを水中に分散させ;TEA以外の残りのB部を添加し;85℃まで加熱する。B部をA部にせん断しながら添加する。40℃まで冷却しながらせん断下でTEAを添加する。40℃以下でC部を添加する。

A部を混合し、80℃まで加熱する。B部を混合し、80℃まで加熱する。B部をA部に撹拌しながら添加する。40℃まで冷却する。C部を40℃以下で添加する。

本発明を好ましい実施形態と関連づけて記載したが、記載された特定の形態に本発明の範囲を限定することが意図されるものではなく、その反対に、添付した請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲内に含まれ得るように、代替物、改変物、及び等価物を包含することが意図される。

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