代謝経路の生成物の製造方法

申请号 JP2015522250 申请日 2013-07-17 公开(公告)号 JP2015530870A 公开(公告)日 2015-10-29
申请人 イェダ リサーチ アンド デベロップメント カンパニー リミテッド; イェダ リサーチ アンド デベロップメント カンパニー リミテッド; 发明人 ロン ミロ; ロン ミロ; リオル ゼルクブーフ; リオル ゼルクブーフ; ニヴ アントンブスキー; ニヴ アントンブスキー;
摘要 アスタキサンチン経路の酵素をコードする複数の単離ポリヌクレオチド配列が開示される。ポリヌクレオチドは、(i)フィトエン脱 水 素酵素(crtI)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、(ii)&bgr;−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、(iii)&bgr;−カロテンケトラーゼ(crtW)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドとを含み、第1、第2および第3の調節配列は、Icy−BおよびcrtWの発現が、crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される。複数のポリヌクレオチドを使用してアスタキサンチンを作製する方法ならびに高レベルのアスタキサンチンを含む細菌細胞もまた開示される。【選択図】図17C
权利要求

アスタキサンチン経路の酵素をコードする複数の単離ポリヌクレオチド配列であって、 (i)フィトエン脱素酵素(crtI)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 前記第1、第2および第3の調節配列は、前記Icy−Bおよび前記crtWの発現が、前記crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、複数の単離ポリヌクレオチド配列。(iv)イソペンテニルピロリン酸(idi)および第4の転写調節配列をコードするポリヌクレオチド、または (v)ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)および第5の転写調節配列をコードするポリヌクレオチド、または (vi)プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)および第6の転写調節配列をコードするポリヌクレオチド、または (vii)β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)および第7の転写調節配列をコードするポリヌクレオチド のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の複数の単離ポリヌクレオチド配列。アスタキサンチン経路の酵素をコードする複数の単離ポリヌクレオチド配列であって、 (i)イソペンテニルピロリン酸(idi)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iv)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第4の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (v)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第5の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vi)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第6の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vii)β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)および第7の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 前記第4、第5および第6の調節配列は、前記lcy−Bおよび前記crtWの発現が、前記crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、複数の単離ポリヌクレオチド配列。前記第1の調節配列、前記第2の調節配列および前記第3の調節配列の各々が、リボソーム結合部位(RBS)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複数のポリヌクレオチド配列。前記第1の調節配列、前記第2の調節配列および前記第3の調節配列の各々が、プロモーターである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複数のポリヌクレオチド配列。前記第1の調節配列、前記第2の調節配列および前記第3の調節配列が、前記lcy−Bおよび前記crtWの発現が、前記crtIの発現のレベルよりも少なくとも10倍大きいよう選択される、請求項1または3に記載の複数のポリヌクレオチド配列。(i)のRBSの配列が、配列番号4、5、6または7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (ii)のRBSの配列が、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列が、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtWの発現を引き起こすよう選択される、請求項1に記載の複数のポリヌクレオチド配列。(iv)のRBSの配列が、配列番号4、5、6または7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列が、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列が、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtWの発現を引き起こすよう選択される、請求項3に記載の複数のポリヌクレオチド配列。(i)のRBSの配列が、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記idiの発現を引き起こすよう選択され、 (ii)のRBSの配列が、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列が、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)のRBSの配列が、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列が、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vii)のRBSの配列が、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtZの発現を引き起こすよう選択される、請求項3に記載の複数のポリヌクレオチド配列。(i)のRBSの配列が、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記idiの発現を引き起こすよう選択され、 (ii)のRBSの配列が、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列が、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)のRBSの配列が、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vii)のRBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtZの発現を引き起こすよう選択される、請求項3に記載の複数のポリヌクレオチド配列。(viii)デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(DXS)および第8の転写調節配列をコードするポリヌクレオチド をさらに含む、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の複数のポリヌクレオチド配列。前記第8の転写調節配列が、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記DXSの発現を引き起こすよう選択される、請求項11に記載の複数のポリヌクレオチド配列。単一発現ベクター中に含まれる、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の複数のポリヌクレオチド配列。複数の発現ベクター中に含まれる、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の複数のポリヌクレオチド配列。前記RBSの各々に、スペーサー配列が隣接する、請求項4に記載の複数のポリヌクレオチド配列。前記RBSの各々の上流の前記スペーサー配列が、配列番号8に示される配列と少なくとも80%相同である、請求項15に記載の複数のポリヌクレオチド配列。前記RBSの各々の下流の前記スペーサーが、配列番号9に示される配列と少なくとも80%相同である、請求項15または16に記載の複数のポリヌクレオチド配列。2mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む細菌細胞。5mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む細菌細胞。請求項1〜17のいずれか一項に記載の複数のポリヌクレオチドを発現する、請求項18に記載の細菌細胞。請求項1〜17のいずれか一項に記載の複数のポリヌクレオチドを発現する、請求項19に記載の細菌細胞。アスタキサンチン経路の酵素をコードするポリヌクレオチドを発現させることを含む、アスタキサンチンを作製する方法であって、前記ポリヌクレオチドが、 (i)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 前記第1、第2および第3の調節配列は、前記lcy−BおよびcrtWの発現が、前記crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、方法。アスタキサンチン経路の酵素をコードするポリヌクレオチドを発現させることを含む、アスタキサンチンを作製する方法であって、前記ポリヌクレオチドが、 (i)イソペンテニルピロリン酸(idi)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iv)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第4の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (v)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第5の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vi)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第6の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vii)β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)および第7の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 前記第4、第5および第6の調節配列は、前記lcy−Bおよび前記crtWの発現が、前記crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、方法。前記第1の調節配列、前記第2の調節配列および前記第3の調節配列の各々が、リボソーム結合部位(RBS)である、請求項22に記載の方法。前記第1の調節配列、前記第2の調節配列、前記第3の調節配列、前記第4の調節配列、前記第5の調節配列、前記第6の調節配列および前記第7の調節配列の各々が、RBSである、請求項23に記載の方法。前記第1の調節配列、前記第2の調節配列および前記第3の調節配列の各々が、プロモーターである、請求項22または23に記載の方法。前記調節配列が、前記lcy−Bおよび前記crtWの発現が、前記crtIの発現のレベルよりも少なくとも10倍大きいよう選択される、請求項22または23に記載の方法。(iv)の前記RBSの配列が、配列番号4、5、6または7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)の前記RBSの配列が、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)の前記RBSの配列が、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtWの発現を引き起こすよう選択される、請求項25に記載の方法。(i)の前記RBSの配列が、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記idiの発現を引き起こすよう選択され、 (ii)の前記RBSの配列が、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)の前記RBSの配列が、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)の前記RBSの配列が、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)の前記RBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)の前記RBSの配列が、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vii)の前記RBSの配列が、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtZの発現を引き起こすよう選択される、請求項28に記載の方法。(i)の前記RBSの配列が、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記idiの発現を引き起こすよう選択され、 (ii)の前記RBSの配列が、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)の前記RBSの配列が、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)の前記RBSの配列が、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)の前記RBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)の前記RBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vii)の前記RBSの配列が、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記crtZの発現を引き起こすよう選択される、請求項28に記載の方法。デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(DXS)をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入することをさらに含む、請求項22または23に記載の方法。DXSを発現する前記ポリヌクレオチドのRBSの配列が、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、前記DXSの発現を引き起こすよう選択される、請求項31に記載の方法。前記発現が、細菌細胞において達成される、請求項22または23に記載の方法。前記RBSの各々に、スペーサー配列が隣接する、請求項24に記載の方法。前記RBSの各々の上流の前記スペーサー配列が、配列番号8に示される配列と少なくとも80%相同である、請求項34に記載の方法。前記RBSの各々の下流の前記スペーサーが、配列番号9に示される配列と少なくとも80%相同である、請求項34または35に記載の方法。前記ポリヌクレオチドの各々が、単一の発現ベクター上に含まれる、請求項22または23に記載の方法。前記発現後にアスタキサンチンを単離することをさらに含む、請求項22または23に記載の方法。(i)第1の酵素コード配列と作動可能に連結している第1のRBSと、 (ii)第2の酵素コード配列と作動可能に連結している第2のRBSと、 (iii)第3の酵素コード配列と作動可能に連結している第3のRBSと を含む単離ポリヌクレオチドであって、 前記第2のRBSは、前記第2の酵素コード配列の発現のレベルが、前記第1の酵素コード配列の発現のレベルよりも大きいよう選択され、 前記第3のRBSは、前記第3の酵素コード配列の発現のレベルが、前記第2の酵素コード配列の発現のレベルよりも大きいよう選択され、 前記第1の酵素、前記第2の酵素および前記第3の酵素は、同一ではない酵素であり、対象の同一生成物の生合成経路の各部分である、単離ポリヌクレオチド。(iv)第4の酵素コード配列と作動可能に連結している第4のRBSをさらに含む、請求項39に記載の単離ポリヌクレオチド。前記第4の酵素が、前記第1、第2および第3の酵素と同一ではなく、前記同一生成物の生合成経路の部分である、請求項40に記載の単離ポリヌクレオチド。(v)第5の酵素コード配列と作動可能に連結している第5のRBSをさらに含む、請求項40に記載の単離ポリヌクレオチド。前記第5の酵素が、前記第1、第2、第3および第4の酵素と同一ではなく、対象の前記同一生成物の生合成経路の部分である、請求項42に記載の単離ポリヌクレオチド。(vi)第6の酵素コード配列と作動可能に連結している第6のRBSをさらに含む、請求項42に記載の単離ポリヌクレオチド。前記第6の酵素が、前記第1、第2、第3、第4および第5の酵素と同一ではなく、対象の前記同一生成物の生合成経路の部分である、請求項44に記載の単離ポリヌクレオチド。前記RBSの各々に、スペーサー配列が隣接する、請求項39〜45のいずれか一項に記載の単離ポリヌクレオチド。対象の前記生成物が、タンパク質である、請求項39に記載の単離ポリヌクレオチド。対象の前記生成物が、食品、医薬および燃料からなる群から選択される、請求項39に記載の単離ポリヌクレオチド。少なくとも3種の酵素を含む生合成経路の生成物である最適量の対象の生成物を合成するために、ポリヌクレオチド配列を選択する方法であって、 (a)細胞における対象の前記生成物の合成を可能にする条件下で、請求項39〜48のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを細胞中に導入することと、 (b)対象の前記生成物の量を測定することと を含み、対象の前記生成物の量は、選択される前記ポリヌクレオチド配列を示す、方法。細胞が、細菌細胞、哺乳類細胞、植物細胞、真菌細胞および藻類細胞からなる群から選択される、請求項49に記載の方法。

说明书全文

本発明は、その一部の実施形態において、アスタキサンチンなどの代謝経路の生成物を作製するためのバイオテクノロジー法に関する。

細菌中の天然タンパク質存在量は、5桁に及ぶ。タンパク質発現レベルのバランスをとることが自然生物系が適切に機能するための要であり、また、代謝エンジニアリングの取り組みにとって極めて重要であることが多い。生物系の機能を解明するために、強な過剰発現および過小発現などの細胞内タンパク質レベルの操作が広く使用されているが、並行して多数の遺伝子のレベルを微調整する能力が、大きな未解決の課題である。タンパク質レベルのバランスをとることが進化の間に選択されている天然生物系とは対照的に、合成系の発現は、タンパク質濃度の不均衡をもたらすことがある。結果として、合成経路は、最初に導入された時点で最適に機能することは稀であり、酵素レベルは、微調整されなければならない。

図15Aは、2段階代謝経路モデルに基づいた不均衡な酵素濃度と関連する大きな課題を図式的に表す。第1に、低酵素発現は、経路の流れ、したがって、生成物合成速度(青色領域)を制限し得る。その一方で、過剰の発現は、タンパク質負荷につながることがあり、これは、成長を制限する細胞資源の枯渇をもたらす(紫色領域)。最後に、中間代謝物を生成および消費する酵素間の不均衡が、代謝のボトルネックおよび高濃度の潜在的に毒性の経路中間体(緑色領域)をもたらし得る。

タンパク質の細胞内存在量を制御するためのアプローチとして、プロモーター[非特許文献1]またはリボソーム結合部位(RBS)[非特許文献2、非特許文献3]配列を変更すること、転写物の安定性を調節することおよび成熟タンパク質の分解速度を変更することが挙げられる。

アスタキサンチンなどのカロテノイドは、生存している生物において見られる黄色、橙色および赤色の多くに関与している天然の色素である。カロテノイドは、自然界に広く分布しており、種々の生物系において、2つの主要な生物学的機能を有し、光合成において集光性色素として働き、また、光酸化損傷から保護する。

アスタキサンチンは、最も高価な商業的に使用されるカロテノイド化合物である(今日の市場価値は、3,500ドル/kgより高い)。さまざまな生動物において色素沈着をもたらす栄養補給剤として主に使用される。極東では、ニワトリの通常の色素沈着を生じさせるために、家禽に給餌するためにも使用される。また、食品工業のための望ましい、有効な非毒性着色料でもあり、化粧品において価値が高い。近年、アスタキサンチンが、ヒトにおいて強力な抗酸化剤であり、したがって、望ましい食品添加物であると報告された。

アスタキサンチンは、種々の細菌、真菌および藻類において合成されるが、生物系を使用したその産生の重要な制限は、その収率が低いことである。低収率の理由の1つは、アスタキサンチン経路の複雑性であり、そのため、効率的な発現のためには、経路の7種の遺伝子が、細胞において発現されなければならない。これらの遺伝子各々の発現の量の微調整が、アスタキサンチン発現の最適化には必須である。

非特許文献4には、大腸菌におけるアスタキサンチンの発現が教示されている。

非特許文献5には、リボソーム結合部位の配列が教示されている。

特許文献1には、人工プロモーターライブラリーおよび/または修飾されたリボソーム結合部位ライブラリーを含むDNAライブラリーを作製し、ライブラリーを用いて細菌宿主細胞を形質転換して、対象の染色体遺伝子のさまざまな発現レベルを有する細菌クローンの集団を得る方法が教示されている。

米国特許出願公開第20120015849号明細書

米国特許出願公開第20110039299号明細書

米国特許出願公開第20040268436号明細書

米国特許第4,666,828号明細書

米国特許第4,683,202号明細書

米国特許第4,801,531号明細書

米国特許第5,192,659号明細書

米国特許第5,272,057号明細書

米国特許第3,791,932号明細書

米国特許第3,839,153号明細書

米国特許第3,850,752号明細書

米国特許第3,850,578号明細書

米国特許第3,853,987号明細書

米国特許第3,867,517号明細書

米国特許第3,879,262号明細書

米国特許第3,901,654号明細書

米国特許第3,935,074号明細書

米国特許第3,984,533号明細書

米国特許第3,996,345号明細書

米国特許第4,034,074号明細書

米国特許第4,098,876号明細書

米国特許第4,879,219号明細書

米国特許第5,011,771号明細書

米国特許第5,281,521号明細書

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「Idempotent Vector Design for Standard Assembly of Biobrick」(worldwide webdspacedotmitdotedu/handle/1721.1/21168)

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、アスタキサンチン経路の酵素をコードする複数の単離ポリヌクレオチド配列であって、 (i)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 第1、第2および第3の調節配列は、Icy−BおよびcrtWの発現が、crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、複数の単離ポリヌクレオチド配列が提供される。

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、2mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む細菌細胞が提供される。

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、5mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む細菌細胞が提供される。

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、アスタキサンチン経路の酵素をコードするポリヌクレオチドを発現させることを含む、アスタキサンチンを作製する方法であって、ポリヌクレオチドは、 (i)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 第1、第2および第3の調節配列は、lcy−BおよびcrtWの発現が、crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、方法が提供される。

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、アスタキサンチン経路の酵素をコードするポリヌクレオチドを発現させることを含む、アスタキサンチンを作製する方法であって、ポリヌクレオチドは、 (i)イソペンテニルピロリン酸(idi)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iv)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第4の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (v)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第5の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vi)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第6の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vii)β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)および第7の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 第4、第5および第6の調節配列は、lcy−BおよびcrtWの発現が、crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、方法が提供される。

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、アスタキサンチン経路の酵素をコードする複数の単離ポリヌクレオチド配列であって、 (i)イソペンテニルピロリン酸(idi)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iv)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第4の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (v)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第5の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vi)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第6の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vii)β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)および第7の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 第4、第5および第6の調節配列は、Icy−BおよびcrtWの発現が、crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、複数の単離ポリヌクレオチド配列が提供される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、複数の単離ポリヌクレオチド配列は、 (iv)イソペンテニルピロリン酸(idi)および第4の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドまたは (v)ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)および第5の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドまたは (vi)プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)および第6の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドまたは (vii)β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)および第7の転写調節配列をコードするポリヌクレオチド のうち少なくとも1つをさらに含む。

本発明のいくつかの実施形態によれば、第1の調節配列、前記の第2の調節配列および前記の第3の調節配列の各々は、リボソーム結合部位(RBS)である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、第1の調節配列、第2の調節配列および第3の調節配列の各々は、プロモーターである。

本発明のいくつかの実施形態によれば、第1の調節配列、第2の調節配列および第3の調節配列は、前記lcy−Bおよび前記crtWの発現が、前記crtIの発現のレベルよりも少なくとも10倍大きいよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、(i)のRBSの配列は、配列番号4、5、6または7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtIの発現を引き起こすよう選択され、 ここで、(ii)のRBSの配列は、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列は、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtWの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、(iv)のRBSの配列は、配列番号4、5、6または7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtIの発現を引き起こすよう選択され、 ここで、(v)のRBSの配列は、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列は、配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtWの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、(i)のRBSの配列は、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、idiの発現を引き起こすよう選択され、 ここで、(ii)のRBSの配列は、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列は、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)のRBSの配列は、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列は、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列は、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列は、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtZの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、(i)のRBSの配列は、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、idiの発現を引き起こすよう選択され、 (ii)のRBSの配列は、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列は、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)のRBSの配列は、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列は、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列は、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列は、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtZの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、複数のポリヌクレオチド配列は、 (viii)デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(DXS)および第8の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドをさらに含む。

本発明のいくつかの実施形態によれば、第8の転写調節配列は、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、DXSの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、複数のポリヌクレオチド配列は、単一発現ベクター中に含まれる。

本発明のいくつかの実施形態によれば、複数のポリヌクレオチド配列は、複数の発現ベクター中に含まれる。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々に、スペーサー配列が隣接する。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々の上流のスペーサー配列は、配列番号8に示される配列と少なくとも80%相同である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々の下流のスペーサーは、配列番号9に示される配列と少なくとも80%相同である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、細菌細胞は、大腸菌細胞である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、アスタキサンチンは、細菌細胞中の封入体において発現される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、細菌細胞は、遺伝子改変される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、細菌細胞は、本発明の複数のポリヌクレオチドを発現する。本発明のいくつかの実施形態によれば、第1の調節配列、第2の調節配列、第3の調節配列、第4の調節配列、第5の調節配列、第6の調節配列および第7の調節配列の各々は、RBSである。

本発明のいくつかの実施形態によれば、調節配列は、Icy−BおよびcrtWの発現が、crtIの発現のレベルよりも少なくとも10倍大きいよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、(iv)のRBSの配列は、配列番号4、5、6または7に示されるような配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtIの発現をもたらすよう選択され、 (v)のRBSの配列は、配列番号2または3に示されるような配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列は、配列番号2または3に示されるような配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtWの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、(i)のRBSの配列は、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%のidiの発現を引き起こすよう選択され、 ここで、(ii)のRBSの配列は、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列は、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)のRBSの配列は、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列は、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列は、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vii)のRBSの配列は、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtZの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、(i)のRBSの配列は、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、idiの発現を引き起こすよう選択され、 ここで、(ii)のRBSの配列は、配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtEの発現を引き起こすよう選択され、 (iii)のRBSの配列は、配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtBの発現を引き起こすよう選択され、 (iv)のRBSの配列は、配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtIの発現を引き起こすよう選択され、 (v)のRBSの配列は、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、lcy−Bの発現を引き起こすよう選択され、 (vi)のRBSの配列は、配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtWの発現を引き起こすよう選択され、 (vii)のRBSの配列は、配列番号2に示されるような配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、crtZの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、本方法は、細胞に、デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(DXS)をコードするポリヌクレオチドを導入することをさらに含む。

本発明のいくつかの実施形態によれば、DXSを発現するポリヌクレオチドのRBSの配列は、配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも80%に、DXSの発現を引き起こすよう選択される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、発現は、細菌細胞において達成される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、細菌細胞は、大腸菌細胞を含む。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々に、スペーサー配列が隣接する。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々の上流のスペーサー配列は、配列番号8に示される配列と少なくとも80%相同である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々の下流のスペーサーは、配列番号9に示される配列と少なくとも80%相同である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリヌクレオチドの各々は、単一の発現ベクター上に含まれる。

本発明のいくつかの実施形態によれば、本方法は、発現後にアスタキサンチンを単離することをさらに含む。

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、 (i)第1の酵素コード配列と作動可能に連結している第1のRBSと、 (ii)第2の酵素コード配列と作動可能に連結している第2のRBSと、 (iii)第3の酵素コード配列と作動可能に連結している第3のRBSと を含む単離ポリヌクレオチドであって、 第2のRBSは、第2の酵素コード配列の発現のレベルが、第1の酵素コード配列の発現のレベルよりも大きいよう選択され、 第3のRBSは、第3の酵素コード配列の発現のレベルが、第2の酵素コード配列の発現のレベルよりも大きいよう選択され、 第1の酵素、第2の酵素および第3の酵素は、同一ではない酵素であり、対象の同一生成物の生合成経路の各部分である、単離ポリヌクレオチドが提供される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、単離ポリヌクレオチドは、 (iv)第4の酵素コード配列と作動可能に連結している第4のRBS をさらに含む。

本発明のいくつかの実施形態によれば、第4の酵素は、第1、第2および第3の酵素と同一ではなく、同一生成物の生合成経路の部分である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、単離ポリヌクレオチドは、 (v)第5の酵素コード配列と作動可能に連結している第5のRBS をさらに含む。

本発明のいくつかの実施形態によれば、第5の酵素は、第1、第2、第3および第4の酵素と同一ではなく、対象の同一生成物の生合成経路の部分である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、単離ポリヌクレオチドは、 (vi)第6の酵素コード配列と作動可能に連結している第6のRBS をさらに含む。

本発明のいくつかの実施形態によれば、第6の酵素は、第1、第2、第3、第4および第5の酵素と同一ではなく、対象の同一生成物の生合成経路の部分である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々に、スペーサー配列が隣接する。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々の上流のスペーサー配列は、配列番号8に示される配列と少なくとも80%相同である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、RBSの各々の下流のスペーサーは、配列番号9に示される配列と少なくとも80%相同である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、対象の生成物は、タンパク質である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、対象の生成物は、食品、医薬および燃料からなる群から選択される。

本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、少なくとも3種の酵素を含む生合成経路の生成物である最適量の対象の生成物を合成するために、ポリヌクレオチド配列を選択する方法であって、 (a)細胞における対象の生成物の合成を可能にする条件下で本明細書に記載されたポリヌクレオチドを細胞中に導入することと、 (b)対象の生成物の量を測定することと を含み、対象の生成物の量は、選択されるポリヌクレオチド配列を示す、方法が提供される。

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞は、細菌細胞、哺乳類細胞、植物細胞、真菌細胞および藻類細胞からなる群から選択される。

別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと 同一の意味を有する。本発明の実施形態の実施または試験において、本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料が使用され得るが、例示的方法および/または材料が以下に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて本特許明細書が支配する。さらに、材料、方法および実施例は、単に例示的なものであって、必ずしも制限であるよう意図されない。

本発明の一部の実施形態が、添付の図面を参照して単に例として本明細書において記載されている。ここで、図面を詳細に特に参照して、示される詳細は例としてであり、本発明の実施形態の例示的考察を目的とするということが強調される。この関連で、図面と一緒にされた説明によって、本発明の実施形態が実施され得る方法は当業者には明らかとなる。

多重遺伝子構築物のコンビナトリアルアセンブリーのためのモジュラークローニング戦略の図である。正しくアセンブルされた構築物の直接選択によって偽陽性クローンを排除する方法を開発した。対象の各遺伝子を、NheI(「N」)およびPciI(「P」)制限部位が隣接するクロラムフェニコール(Cm)耐性カセットと接続した。アセンブリーのために指定される配列は、上流SpeI(「S」)制限部位を含有する。第1の標的配列をベクター中にアセンブルするために、DNAをSpeIおよびPciIを使用してまず消化し、続いて、ライゲーションし、形質転換した。細胞を、Cmを含む選択寒天上にプレーティングした。骨格ベクターは、Cm耐性を含まないので、適切にアセンブルされた(すなわち、指定された配列および耐性マーカーを含有する)クローンが、コロニーを形成する。次の標的配列を組み込むために、アセンブリー生成物を細胞から抽出し、NheIおよびPciIを用いて消化し、構築物から耐性マーカーを効果的に廃棄した。第1のものと同様に、第2の標的配列を、SpeIおよびPciIを用いて消化し、ベクターにアセンブルした。重要なことに、NheIおよびSpeI制限部位の付着末端は適合し一緒に接続されて、NheIまたはSpeIによって切断され得ない配列(「x」)である、傷跡(scar)を形成する。第2のアセンブリーラウンド後に、新規構築物は、ここで、標的配列およびCm耐性の両方を含有し、陽性構築物の直接選択をもう一度可能にする。多重遺伝子オペロンをアセンブルするために、この一連の事象が反復され得る。

標的ORFのRBS調節の図である。所望のコード配列を、耐性カセットと対を形成させ、次いで、挿入部位の上流にRBSを含有するベクターにアセンブルする。バーコード付加および非バーコード付加アセンブリーは、同一論理に頼るものであるが、技術的理由のために制限部位が異なる。

pNiv骨格プラスミドの図である。アセンブリープロセスを通じて漏出性発現を最小にするために、RRNBターミネーターを、多重クローニング部位の上流に置いた。

隔離されたRBSユニット設計の模式図である。隣接する配列の組成が、所与のRBSの発現レベルに影響を及ぼすとわかった。このような続発的効果を最小にしようとして、RBS配列の上流および下流に一定のスペーサーおよびタグ配列を導入した。

pSB4K5:Ptac−発現プラスミドの図である。多重クローニング部位の上流のpSB4K5プラスミド骨格に、ハイブリッドPtacプロモーターを置いた。

種々の蛍光タンパク質および誘導条件を使用するRBSセットのフローサイトメトリー蛍光測定のグラフ図である。

予測されたRBS活性と、実験による蛍光測定の比較のグラフ図である。CFP(青色)、YFP(緑色)およびmCherry(赤色)リポーターを、RBS配列(A〜F、文字によって示される通り)と各々対を形成させた。x軸は、各配列の予測されたRBS活性を表し、一方、y軸は、測定された蛍光レベルを表す。蛍光レベルを正規化し、その結果、予測されたダイナミックレンジの中点−(予測された

最大−予測された

最小/2)−が、各リポーターの実験によって測定されたダイナミックレンジの中点−(測定された

最大−測定された

最小/2)対応する。

単一チューブコンビナトリアルアセンブリーの図である。アセンブリー反応において、pNiv:RBSプラスミドの、6種の別個のRBS配列との等モル混合物を使用した。標的コード配列をプラスミド混合物にライゲーションし、すべて同一コード配列を含有するが、その上流に位置する異なるRBS上流を有する6種の別個の生成物を得た。

RBS調節される遺伝子の合成オペロンのアセンブリーの図である。

バーコード付加RBS部位を有する合成オペロンのアセンブリーの図である。各アセンブリーステップで、新規にアセンブルされたRBSによって調節されるコード配列に対応するバーコードが、オペロンの3’末端に積み重ねられる。

バーコード付加RBS混合物の単一チューブコンビナトリアルアセンブリーの図である。標的挿入物をpRBSバーコード付加混合物とライゲートし、得られたライブラリーは、その上流に種々のRBS配列を有する標的コード配列を含有する。

3色リポーターオペロン−プラスミドマップの図である。

第1の遺伝子(YFP)に対するオペロン(mCherry)中の第2の遺伝子の依存のグラフ図である。mCherryを制御するRBS配列は、色(RBS Aについては青色、RBS Cについては赤色およびRBS Eについては緑色)を使用して示されおり、YFPを制御するRBS配列は、形(RBS Aについてはアステリスク、RBS Bについては丸、RBS Cについては三、RBS Dについては四角、RBS Eについては十字およびRBS Fについては星)に対応する。YFPの発現レベルがmCherryの発現を調節する翻訳共役の効果は、明らかである。YFPおよびmCherryレベル間の依存は、対数領域において直線傾向をたどり、約1/3の傾きを有する。

カロテノイド生合成オペロン−プラスミドマップの図である。

バランスのとれた経路機能のために酵素発現レベルの調節が必要であることを示す図である。(A)2種の酵素からなる可逆性ミカエリス−メンテン速度論に基づく簡単な定量的モデルを使用して、バランスのとれていない酵素発現の結果を表した。白色で示される酵素濃度空間の小さい領域のみが、最適製造を持続する。(B)RBS配列の小さいセットが、数桁規模のタンパク質発現に及ぶ。6種の予めキャラクタライズされたRBS配列を使用し、誘導プロモーターの下流の対象の遺伝子と対を形成させた。#8 (RBS−A):AGGAGGTTTGGA(配列番号2)#1 (RBS−B):AACAAAATGAGGAGGTACTGAG(配列番号3)#17(RBS−C):AAGTTAAGAGGCAAGA(配列番号4)#27(RBS−D):TTCGCAGGGGGAAG(配列番号5)#20(RBS−E):TAAGCAGGACCGGCGGCG(配列番号6)「Dead−RBS」(RBS−F):CACCATACACTG(配列番号7)

バランスのとれた経路機能のために酵素発現レベルの調節が必要であることを示す図である。(C)RBS配列のセットと対を形成したYFPのフローサイトメトリー蛍光測定(15)。(D)アセンブルされた部分のバーコード付加および正しくアセンブルされた構築物の直接選択を可能にする多重遺伝子構築物のコンビナトリアルアセンブリーのモジュラークローニング戦略。対象の各遺伝子は、クロラムフェニコール(Cm)耐性カセットと接続され、RBS配列のライブラリーと対を形成している。第1の遺伝子がベクター中にアセンブルされると、適切にアセンブルされたクローンが、Cm耐性のために選択される。次の遺伝子を挿入するために、マーカーは廃棄され、さらなる部分がベクター中にアセンブルされる。新規に形成された構築物は、2種のRBSによって調節される遺伝子および耐性マーカーを含有し、陽性構築物の直接選択をもう一度可能にする。RBSによって調節される多重遺伝子オペロンのコンビナトリアルライブラリーを容易にアセンブルするために、この一連のステップが反復され得る。

3種の蛍光タンパク質のRBS調節が色空間に及ぶことを示す図である。(A)CFP、YFPおよびmCherryを、存在するRBSセットの3種の代表(配列「A」、「C」および「E」)と組合せ的に接続し、遺伝子を一緒にアセンブルした。得られたオペロンライブラリーは、遺伝子発現を調節するRBS配列においてのみ異なっている。(B)オペロンライブラリーで形質転換された大腸菌コロニーの蛍光顕微鏡イメージング。観察された色は、蛍光タンパク質の各々に割り当てられた3種の原色の付加的組合せを表す。不規則なコロニーの形は、隣接するコロニーの接触境界の結果である。弱いRBSを有するいくつかのコロニーは、黒く現れる。差し込み図:明視野像。(C)3色RBS調節性オペロンを含有する大腸菌コロニーの蛍光イメージング。像は、3Dグリッドに配置されており、各軸上の位置は、蛍光タンパク質のRBSの強度に対応する。

3種の蛍光タンパク質のRBS調節が色空間に及ぶことを示す図である。(D)2色オペロンライブラリーからサンプリングされたクローンのYFPおよびmCherry蛍光レベル。バーコード配列決定によって決定されるようなRBS組成(関係オンラインテキストを参照のこと)が示されている。同一遺伝子型(個別の色で標識された各々)は、蛍光空間中に一緒に密集している。YFPの発現レベルが、mCherryの発現を、最大5倍調節する翻訳共役の効果もまた明らかである。

カロテノイド蓄積プロフィールが、生合成遺伝子のRBS配列とともに変わることを示す図である。(A)カロテノイド生合成経路の7種の遺伝子の各々を調節するRBS配列が異なる合成オペロンのライブラリーを作製した。(B)オペロンライブラリーで形質転換された大腸菌コロニーの両眼顕微鏡イメージング。コロニーの色は、各々特徴的な色を有する蓄積されたカロテノイドの組成に対応する。

カロテノイド蓄積プロフィールが、生合成遺伝子のRBS配列とともに変わることを示す図である。(C)形質転換されたライブラリーからサンプリングされたクローンのカロテノイド蓄積プロフィールおよびRBS組成。各サンプリングされたクローンのRBS組成を、配列決定すること(バーコードでコードするRBSは、3Aに例示されるような遺伝子の順序を指す)によって決定し、各クローンのカロテノイドプロフィールを、HPLCを使用して分析した。異なる遺伝子型は、別個の表現型、すなわち、別個のカロテノイド蓄積プロフィールをもたらす。円の面積は、右に記載された代謝経路に従うカロテノイド中間体の製造収率を示す(15)。

本発明は、その一部の実施形態において、アスタキサンチンなどの代謝経路の生成物を作製するためのバイオテクノロジー法に関する。

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、必ずしも、以下の説明に示される、または実施例によって例示されるその適用に詳細に制限されないということは理解されなければならない。本発明は、他の実施形態であり得る、または種々の方法で実行もしくは実施され得る。

組換え酵素の発現を調整することは、代謝経路の最適化に必須である(図15A)。バランスのとれた発現レベルを達成するための2つの主な戦略がある。合理的設計は、経路の成分各々の相対および絶対量の算出または推定を含む。しかし、このような試みは、経路成分の速度論、エネルギー論および調節に関する十分な情報を欠くことによって制限されることが多い。あるいは、調節エレメントのランダム突然変異誘発に基づく戦略は、発現空間をサンプリングし、所望の表現型をスクリーニングまたは選択できる。しかし、突然変異体の大きなプールでさえ、発現空間の適切なカバレッジを保障せず、遺伝子型の大部分が、表現型空間の小さい部分に密集していることが多い。さらに、ランダム突然変異誘発は、所望の表現型のスクリーニングが困難なものであり、または実現不可能でさえあり得る大きなライブラリーをもたらすことが多い。

本発明者らは、調節エレメントのコンパクトなセットを使用する表現型空間の調査を促進する戦略を取り入れた。合成オペロン中の同義遺伝子の発現を調節する、十分にキャラクタライズされたRBS配列の小さいセットを使用することによって、本発明者は、各軸において数桁規模にわたって多次元発現空間を効率的にサンプリングできた。小さな大きさのRBSセットが、ライブラリー中の遺伝子変異体の数を制限し、迅速なスクリーニングを可能にすることが重要である。

本発明者らは、カロテノイド生合成に関与する遺伝子のリボソーム結合部位を調節することによって、経路の代謝生成物の蓄積が、その成分酵素を調節するRBS配列に従って大幅に変わることを実証する。本発明者らは、アスタキサンチン生合成経路のコンビナトリアルアセンブリーが、従来のアセンブリーおよび選択法を上回って4倍の収量増大をもたらすことを見出し、それによって、キャラクタライズされた調節エレメントの小さいセットを使用する発現空間のサンプリングの強度を例示する。

本明細書において示される戦略は、種々の方法で拡大され得る。具体的には、他の調節エレメントは、遺伝子発現をさらに調節し得る。例えば、オペロンの転写を制御するためのプロモーターの小さいライブラリーを使用することによって、発現空間全体のスパンが数桁規模でさらに増大され得る。

本発明者らは、代謝経路の生成物の最適製造に必要な代謝経路の酵素の割合を決定するために、異なる強度のものである、少なくとも3種の異なるRBS配列を含むポリヌクレオチド構築物を作製した。この構築物への、種々の順列での代謝経路の関連酵素をコードする配列の導入は、最適RBS酵素組合せのスクリーニングを可能にする。

したがって、本発明の一態様によれば、 (i)第1の酵素コード配列と作動可能に連結している第1のRBSと、 (ii)第2の酵素コード配列と作動可能に連結している第2のRBSと、 (iii)第3の酵素コード配列と作動可能に連結している第3のRBSと を含む単離ポリヌクレオチドであって、 第2のRBSは、第2の酵素の発現のレベルが、第1の酵素の発現のレベルよりも大きいよう選択され、 第3のRBSは、第3の酵素の発現のレベルが、第2の酵素の発現のレベルよりも大きいよう選択され、 第1の酵素、第2の酵素および第3の酵素は、同一ではない酵素であり、同一生成物の生合成経路の各部分である、単離ポリヌクレオチドが提供される。

語句「単離ポリヌクレオチド」とは、RNA配列、相補的ポリヌクレオチド配列(cDNA)、ゲノムポリヌクレオチド配列および/または複合ポリヌクレオチド配列(例えば、上記の組合せ)の形態で単離され、提供される一本鎖または二本鎖核酸配列を指す。

本明細書において、語句「相補的ポリヌクレオチド配列」とは、逆転写酵素または任意の他のRNA依存性DNAポリメラーゼを使用するメッセンジャーRNAの逆転写に起因する配列を指す。このような配列は、DNA依存性DNAポリメラーゼを使用してin vivoまたはin vitroでその後増幅され得る。

本明細書において、語句「ゲノムポリヌクレオチド配列」は、染色体に由来する(単離された)配列を指し、したがって、染色体の連続部分を表す。

本明細書において、語句「複合ポリヌクレオチド配列」とは、少なくとも部分的に相補的であり、少なくとも部分的にゲノムの配列を指す。複合配列は、本発明のポリペプチドをコードするために必要ないくつかのエキソン配列ならびにその間に入っているいくつかのイントロン配列を含み得る。イントロン配列は、他の遺伝子のものを含めた任意の供給源のものであり得、通常、保存されたスプライシングシグナル配列を含む。このようなイントロン配列は、シス作動性発現調節エレメントをさらに含み得る。

「リボソーム結合部位」(RBS)は、普通、約4〜16の塩基対を含む短いヌクレオチド配列であり、コードされるタンパク質の翻訳のためにリボソームをmRNA分子上に位置付けることによって機能する。

核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれる場合に「作動可能に連結される」。例えば、プロモーターは、配列の転写に影響を及ぼす場合にコード配列と作動可能に連結され、またはリボソーム結合部位は、翻訳を促進するよう位置付けられる場合に、コード配列と作動可能に連結される。核酸配列の連結は、好都合な制限部位でのライゲーションによって達成され得る。このような部位が存在しない場合には、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーは、アセンブリーPCRなどの従来の実行に従って使用され得る。

例示的RBSの配列およびその相対強度は、参照により本明細書に組み込まれた、その補足情報を含めて非特許文献5に見出され得る。好ましくは、RBSは、その強度が下流配列によって影響を受けないものに選択される。RBSの相対強度を選択する方法もここに開示されている。例えば、RBSの相対強度は、検出マーカーをコードするポリヌクレオチド配列を連結することおよび細胞においてマーカーを発現させることによって決定され得る。マーカーは、蛍光タンパク質、リン光タンパク質または抗体を使用して検出され得る任意のタンパク質であり得る。検出可能なタンパク質の量は、RBSの強度と相関する。

例示的RBS配列として、例えば、 (RBS−A):AGGAGGTTTGGA(配列番号2) (RBS−B):AACAAAATGAGGAGGTACTGAG(配列番号3) (RBS−C):AAGTTAAGAGGCAAGA(配列番号4) (RBS−D):TTCGCAGGGGGAAG(配列番号5) (RBS−E):TAAGCAGGACCGGCGGCG(配列番号6) (RBS−F):CACCATACACTG(配列番号7) が挙げられる。

さらなるRBS配列は以下の通りである: AGGAAA、(配列番号70)、AGAAAA(配列番号71)、AGAAGA(配列番号72)、AGGAGA(配列番号73)、AAGAAGGAAA(配列番号74)、AAGGAAAA(配列番号75)、AAGGAAAG(配列番号76)、AAGGAAAU(配列番号77)、AAGGAAAAA(配列番号78)、AAGGAAAAG(配列番号79)、AAGGAAAAU(配列番号80)、AAGGAAAAAA(配列番号81)、AAGGAAAAAG(配列番号82)、AAGGAAAAAU(配列番号83)、AAGGAAAAAAA(配列番号84)、AAGGAAAAAAG(配列番号85)、AAGGAAAAAAU(配列番号86)、AAGGAAAAAAAA(配列番号87)、AAGGAAAAAAAG(配列番号88)、AAGGAAAAAAAU(配列番号89)、AAGGAAAAAAAAA(配列番号90)、AAGGAAAAAAAAG(配列番号91)、AAGGAAAAAAAAU(配列番号92)、AAGGAAAAAAAAAA(配列番号93)、AAGGAAAAAAAAAG(配列番号94)、AAGGAGGAAA(配列番号95)およびAAGGAAAAAAAAAU(配列番号96)。

一実施形態によれば、第3のRBSは、第2のRBSの少なくとも2倍、3倍、5倍またはさらに10倍強力である。

別の実施形態によれば、第2のRBSは、第1のRBSの少なくとも2倍、3倍、5倍またはさらに10倍強力である。

当然のことではあるが、特定の代謝経路の酵素の数に応じて、また使用される特定の細胞系において天然に発現される酵素の数に応じて、ポリヌクレオチドは、さらなるRBSを含み、さらなる酵素をコードし得る。したがって、単離ポリヌクレオチドは、代謝経路中に存在する異なる酵素コード配列と作動可能に連結している第4、第5または第6のRBSを含み得る。

転写調節エレメント(例えば、RBS)に隣接する配列は、発現レベルに影響を及ぼし得るので、その上流および下流に位置するスペーサー配列、すなわち、10〜50bp、例えば、約20bpの一定の配列が、発現構築物中に挿入され得る。

本明細書において、用語「スペーサー配列」とは、論じられている配列の上流または下流のいずれかである任意の配列を指す(例えば、遺伝子ABCについては、遺伝子Bに、AおよびC遺伝子配列が隣接する)。いくつかの実施形態では、隣接配列は、DNA断片の一方の側にのみ(3’または5’のいずれか)存在するが、好ましい実施形態では、隣接される配列の各側にある。

RBSの上流に置かれ得る例示的配列として、(配列番号8)に対して少なくとも70%相同、少なくとも80%相同、少なくとも90%相同または100%相同な配列がある。RBSの下流に置かれ得る例示的配列として、(配列番号9)に対して少なくとも70%相同、少なくとも80%相同、少なくとも90%相同または100%相同な配列がある。

上記で本明細書において記載されたように、本発明は、発現構築物への安定化mRNA配列の挿入をさらに考慮する。

「安定化mRNA」は、遺伝子発現に影響を及ぼすよう使用される核酸配列挿入断片である。これらの挿入断片は、一般に、遺伝子または核酸配列の転写および翻訳開始部位の間に位置する。

安定化mRNA配列は、当技術分野で周知であり、非特許文献6が参照される。好ましいmRNA安定化配列として、以下の配列: GGTCGAGTTATCTCGAGTGAGATATTGTTGACG、(配列番号97);GGTGGACTTATCTCGAGTGAGATATTGTTGACG、(配列番号98);CCTCGAGTTATCTCGAGTGAGATATTGTTGACG、(配列番号99);GCTCGAGTTATCTCGAGTGAGATATTGTTGACG、(配列番号100);CGTCGAGTTATCTCGAGTGAGATATTGTTGACG、(配列番号101);GGTGGAGTTATCTCGAGTGAGATATTGTTGACG、(配列番号102)およびGCTGGACTTATCTCGAGTGAGATATTGTTGACG、(配列番号103) が挙げられる。

本発明のポリヌクレオチドは、発現構築物として使用され得るようなさらなる配列(例えば、プロモーター)を含み得る。さらに、ポリヌクレオチドは、このベクターを、原核生物、真核生物または好ましくは、両方における複製および組込みに適したもの(例えば、シャトルベクター)にする配列を含み得る。通常のクローニングベクターは、以下に本明細書において記載されるような、転写および翻訳開始配列(例えば、プロモーター、エンハンサー)ならびに転写および翻訳ターミネーター(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含有する。

一実施形態によれば、ポリヌクレオチド中の酵素コード配列の各々は、プロモーターと作動可能に連結している。一実施形態では、同一プロモーターが、ポリヌクレオチド中にコードされる酵素の各々の発現を制御する。別の実施形態によれば、異なるプロモーターが、ポリヌクレオチド中にコードされる酵素の発現を制御する。

特定のプロモーターの例が、本明細書において以下に記載される。

一実施形態によれば、発現構築物は、選択マーカーをコードする。

本明細書において、用語「選択マーカー」とは、導入された核酸またはベクターを含有する宿主の容易な選択を可能にする、宿主細胞において発現可能な遺伝子を指す。このような選択マーカーの例として、それだけには限らないが、抗菌剤(例えば、カナマイシン、エリスロマイシン、アクチノマイシン、クロラムフェニコールおよびテトラサイクリン)が挙げられる。したがって、用語「選択マーカー」とは、宿主細胞が、外因性ポリヌクレオチド配列を取り込んだという指標またはいくつかの他の反応が起こったという指標を提供する遺伝子を指す。通常、選択マーカーは、宿主細胞に抗菌剤耐性または代謝上の利点を付与して、外因性DNAを含有する細胞が、形質転換の際に任意の外因性配列を受け取っていない細胞と区別されるのを可能にする遺伝子である。

記載されたように、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、同一生成物の生合成経路の一部である酵素をコードする。

本明細書において、語句「生合成経路」または「代謝経路」とは、複数の酵素を含み、1種または複数の酵素によって作用される基質、酵素によって触媒される反応の生成物、酵素によって利用される補助因子などをさらに含み得る、基質を対象の生成物に変換するための細胞系または細胞(細胞不含)系を指す。系は、無傷の細胞中に、または細胞の溶解物中に存在し得る。

微生物系において、多数の代謝経路が公知であり、記載されており、公的データベースにおいて利用できる;例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、および非特許文献10を参照のこと。

一実施形態では、経路は、食品、医薬または燃料の製造を指示する。

生合成経路は、例えば、炭水化物、アミノ酸、核酸、ステロイド、脂肪酸および天然物生合成に関与する経路を含み得、それだけには限らないが、 a)抗生物質;例えば、アクチノマイシン、ブレオマイシン、リファマイシン、クロラムフェニコール、カルバペネム、テトラサイクリン、リンコマイシン、エリスロマイシン、ストレプトマイシン、シクロヘキサミド、ピューロマイシン、サイクロセリン、バシトラシン、ペニシリン、セファロスポリン、バンコマイシン、ポリミキシンおよびグラミシジン; b)生物界面活性剤;例えば、ラムノリピド、ソホロ脂質、糖脂質およびリポペプチド; c)生物燃料;例えば、バイオエタノール、バイオディーゼルおよびバイオブタノール; d)アミノ酸;例えば、L−グルタミン酸、L−リシン、L−フェニルアラニン、L−アスパラギン酸、L−イソロイシン、L−バリン、L−トリプトファン、L−プロリン(ヒドロキシプロリン)、L−トレオニン、L−メチオニン、L−チロシンおよびD−p−ヒドロキシフェニルグリシン; e)有機酸;例えば、クエン酸、乳酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマル酸およびイタコン酸; f)脂肪酸;例えば、アラキドン酸、ポリ不飽和脂肪酸(PUBA)およびα−リノール酸; g)アルコールおよびポリオール;例えば、グリセロール、マンニトール、エリトリトール、キシリトール、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、イソブタノールおよび1−ブタノール; h)香味料および香料;例えば、バニリン、ベンズアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、4−(R)−デカノリドおよび2−アクチル−1−ピロリン; i)ヌクレオチド;例えば、5’−グアニル酸および5’−イノシン酸; j)ビタミン;例えば、ビタミンC、ビタミンF、ビタミンB2、プロビタミンD2、ビタミンB12、葉酸、ニコチンアミド、ビオチン、2−ケト−L−グロン酸およびプロビタミンQ10; k)色素;例えば、アスタキサンチン、β−カロテン、ロイコペン(leucopene)、モナスコルブリン(monascorubrin)およびルブロプンクタチン(rubropunctatin); l)糖類およびポリ糖類;例えば、リボース、ソルボース、キサンタン、ゲラン(gellan)およびデキストラン;ならびに[0066]m)生体高分子およびプラスチック;例えば、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ−γグルタミン酸および1,3−プロパンジオールを含めた種々の化合物および材料の合成を包含する。

対象の生合成経路のその他の例として、種々の大腸菌代謝生成物の合成が挙げられる。

「代謝生成物」は、代謝(例えば、酵素、基質または生成物)の間に使用されるか、または製造される任意の物質である。本明細書において、代謝生成物は、常にではないが、しばしば、対象の経路中の酵素の生成物である。

例示的大腸菌代謝生成物として、それだけには限らないが、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2−ケトグルタル酸、3−ホスホグリセリン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ホスホグルコン酸、アセトアセチル−CoA、アセチル−CoA、アセチルリン酸、アデニン、アデノシン、アデノシンホスホ硫酸、ADP、ADP−グルコース、アラニン、AMP、アントラニル酸、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ATP、カルバミルアスパラギン酸、シス−アスコット酸、クエン酸、シトルリン、CMP、補酵素A、CTP、サイクリックAMP、シチジン、シトシン、dAMP、dATP、dCTP、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシリボース−5−P、dGMP、ジヒドロオロト酸、ジヒドロキシアセトンリン酸、dTDP、dTTP、エリトロース−4−リン酸、FAD、フラビンモノヌクレオチド、フルクトース−1,6−ビスリン酸、フルクトース−6−リン酸、フマル酸、GDP、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン−6−リン酸、グルコース−6−リン酸、グルコース−1−リン酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタチオン、グルタチオンジスルフィド、グリセルアルデヒド−3−リン酸、グリセリン酸、グリセロール−3−リン酸、GMP、GTP、グアニン、グアノシン、ヒスチジン、ヒスチジノール、ホモシステイン、イノシン二リン酸、イノシン一リン酸、イノシン三リン酸、イソロイシン、リシン、リンゴ酸、マロニル−CoA、メチオニン、ミオ−イノシトール、N−アセチル−グルコサミン−1P、N−アセチル−オルニチン、NAD+、NADH、NADP+、NADPH、オルニチン、オキサロ酢酸、フェニルアラニン、フェニルピルビン酸、ホスホエノールピルビン酸、プロリン、プロピオニル−CoA、PRPP、ピルビン酸、キノリン酸、リボフラビン、リボース−5−リン酸、リブロース−5−リン酸、S−アデノシル−L−メチオニン、セリン、シキミ酸、シキメート、コハク酸、スクシニル−CoA、トレオニン、トリプトファン、チロシン、UDP、UDP−グルコース、UDP−グルクロン酸、UDP−N−アセチルグルコサミン、ウリジン、UTP、バリンおよびキシルロース−5−リン酸が挙げられる。

特定の実施形態では、対象の経路は、シキミ酸および/またはシキメート(シキメートは、シキミ酸のアニオン型である)およびその合成中間体、イソプレノイドまたはテルペン(例えば、アモルファジエン、フェルネセン、リコピン、アスタキサンチン、ビタミンA、メントール、β−カロテン)、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、イソブタノールおよび1−ブタノールの合成を提供する。

いくつかの反応は、対象の生合成経路中の酵素によって触媒され得る。括弧中に提供される酵素分類番号によって同定され得る広範なクラスの酵素として、それだけには限らないが、 (EC1)オキシドレダクターゼ;例えば、デヒドロゲナーゼ、オキシダーゼ、レダクターゼ、オキシドレダクターゼ、シンターゼ、オキシゲナーゼ、モノオキシゲナーゼ、ジオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ、ヒドロゲナーゼ、トランスヒドロゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、エポキシダーゼ、ヒドロキシラーゼ、デメチラーゼ、不飽和化酵素、ジムスターゼ、ヒドロキシルトランスフェラーゼ、デハロゲナーゼおよびデヨードナーゼ; (EC2)トランスフェラーゼ;例えば、トランスアミナーゼ、キナーゼ、ジキナーゼ、メチルトランスフェラーゼ、ヒドロキシメチルトランスフェラーゼ、ホルミルトランスフェラーゼ、ホルムイミノトランスフェラーゼ、カルボキシトランスフェラーゼ、カルバモイルトランスフェラーゼ、アミジノトランスフェラーゼ、トランスアルドラーゼ、トランスケトラーゼ、アセチルトランスフェラーゼ、アシルトランスフェラーゼパルミトイルトランスフェラーゼ、スクシニルトランスフェラーゼ、マロニルトランスフェラーゼ、ガロイルトランスフェラーゼ、シナポイルトランスフェラーゼ、チグロイルトランスフェラーゼ、テトラデカノイルトランスフェラーゼ、ヒドロキシシンナモイルトランスフェラーゼ、フェルロイルトランスフェラーゼ、ミコリルトランスフェラーゼ、ベンゾイルトランスフェラーゼ、ピペロイルトランスフェラーゼ、トリメチルトリデカノイルトランスフェラーゼ、ミリストイルトランスフェラーゼ、クマロイルトランスフェラーゼ、チオラーゼ、アミノアシルトランスフェラーゼ、ホスホリラーゼ、ヘキソシルトランスフェラーゼ、ペントシルトランスフェラーゼ、シアリルトランスフェラーゼ、ピリジニラーゼ、ジホスホリラーゼ、シクロトランスフェラーゼ、スルフリラーゼ、アデノシルトランスフェラーゼ、カルボキシビニルトランスフェラーゼ、イソペンテニルトランスフェラーゼ、アミノカルボキシプロピルトランスフェラーゼ、ジメチルアリルトランスフェラーゼ、ファルネシルトランストランスフェラーゼ、ヘキサプレニルトランストランスフェラーゼ、デカプレニルシストランスフェラーゼ、ペンタプレニルトランストランスフェラーゼ、ノナプレニルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ、アミノカルボキシプロピルトランスフェラーゼ、オキシイミノトランスフェラーゼ、プリントランスフェラーゼ、ホスホジムスターゼ、ホスホトランスフェラーゼ、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、ポリメラーゼ、コリンホスホトランスフェラーゼ、ホスホリルムターゼ、硫黄トランスフェラーゼ、スルホトランスフェラーゼおよびCoA−トランスフェラーゼ; (EC3)ヒドロラーゼ;例えば、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、ペプチダーゼ、ヒドロラーゼ、ラクトナーゼ、デアシラーゼ、デアセチラーゼ、フェオホルビダーゼ、デポリメラーゼ、チオールエステラーゼ、ホスファターゼ、ジホスファターゼ、トリホスファターゼ、ヌクレオチダーゼ、フィターゼ、ホスホジエステラーゼ、ホスホリパーゼ、スルファターゼ、シクラーゼ、オリゴヌクレオチダーゼ、リボヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、グリコシダーゼ、ヌクレオシダーゼ、グリコシラーゼ、アミノペプチダーゼ、ジペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、メタロカルボキシペプチダーゼ、ω−ペプチダーゼ、セリンエンドペプチダーゼ、システインエンドペプチダーゼ、アスパラギン酸エンドペプチダーゼ、メタロエンドペプチダーゼ、トレオニンエンドペプチダーゼ、アミナーゼ、アミダーゼ、デスクシニラーゼ、デホルミラーゼ、アシラーゼ、デイミナーゼ、デアミナーゼ、ジヒドロラーゼ、シクロヒドロラーゼ、ニトリラーゼ、ATPアーゼ、GTPアーゼ、ハライダーゼ(halidase)、デハロゲナーゼおよびスルホヒドロラーゼ; (EC4)リアーゼ;例えば、デカルボキシラーゼ、カルボキシラーゼ、カルボキシキナーゼ、アルドラーゼ、エポキシリアーゼ(epoxylyase)、オキソ酸リアーゼ、炭素−炭素リアーゼ、デヒドラターゼ、ヒドラターゼ、シンターゼ、エンドリアーゼ、エキソリアーゼ、アンモニア−リアーゼ、アミジン−リアーゼ、アミン−リアーゼ、炭素−硫黄リアーゼ、炭素−ハライドリアーゼ(carbon-halide lyase)、リン−酸素リアーゼおよびデヒドロクロリナーゼ; (EC5)イソメラーゼ;例えば、イソメラーゼ、ラセマーゼ、ムターゼ、トートメラーゼ、ホスホムターゼ、ホスホグルコムターゼ、アミノムターゼ、シクロイソメラーゼ、シクラーゼ、トポイソメラーゼ;および (EC6)リガーゼ;例えば、シンセターゼ、tNRA−リガーゼ、酸−チオールリガーゼ、アミドシンターゼ、ペプチドシンターゼ、シクロリガーゼ、カルボキシラーゼ、DNA−リガーゼ、RNA−リガーゼおよびシクラーゼ が挙げられる。

酵素のより具体的なクラスとして、制限するものではないが、以下に提供されるような、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼおよびリガーゼのサブクラスが挙げられる。例示的オキシドレダクターゼとして、それだけには限らないが、 (EC1.1)ドナーおよびアクセプターのCH−−OH基に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.2)ドナーおよびアクセプターのアルデヒドまたはオキソ基に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.3)ドナーおよびアクセプターのCH−−CH基に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.4)ドナーおよびアクセプターのCH−−NH2基に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.5)ドナーおよびアクセプターのCH−−NH基に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.6)NADHまたはNADPHおよびアクセプターに作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.7)ドナーおよびアクセプターとしての他の窒素性化合物に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.8)ドナーおよびアクセプターの硫黄基に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.9)ドナーおよびアクセプターのヘム基に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.1)ドナーおよびアクセプターとしてのジフェノールおよび関連物質に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.11)アクセプターとして過酸化物に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.12)ドナーおよびアクセプターとしての水素に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.13)分子酸素を組み込んで単一ドナーに作用し、1個または2個の酸素原子を組み込むオキシドレダクターゼ、 (EC1.14)分子酸素の組込みまたは還元を伴って対を形成するドナーに作用し、ドナーが、2−オキソグルタル酸、NADH、NADPH、還元型フラビン、フラボタンパク質、プテリジン、鉄−硫黄タンパク質、アスコルビン酸であるオキシドレダクターゼ、 (EC1.15)アクセプターとしてのスーパーオキシドラジカルに作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.16)金属イオンおよびアクセプターを酸化するオキシドレダクターゼ、 (EC1.17)CHまたはCH2基およびアクセプターに作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.18)ドナーおよびアクセプターとしての鉄−硫黄タンパク質に作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.19)ドナーおよびアクセプターとしての還元型フラボドキシンに作用するオキシドレダクターゼ、 (EC1.2)ドナーおよびアクセプター中のリンまたはヒ素に作用するオキシドレダクターゼならびに (EC1.21)X−−HおよびY−−Hに作用して、X−−Y結合を形成し、アクセプターに作用し、各ドナーカテゴリーのアクセプターが、制限されるものではないが、NAD、NADP、ヘムタンパク質、酸素、ジスルフィド、キノン、鉄−硫黄タンパク質、フラビン、窒素性基、シトクロム、二窒素およびH+を含み得る、オキシドレダクターゼ が挙げられる。

例示的トランスフェラーゼとして、それだけには限らないが、 (EC2.1)1炭素基を転移するトランスフェラーゼ、 (EC2.2)アルデヒドまたはケトン化合物基を転移するトランスフェラーゼ、 (EC2.3)アシルトランスフェラーゼ; (EC2.4)グリコシルトランスフェラーゼ; (EC2.5)メチル基以外のアルキルまたはアリール基を転移するトランスフェラーゼ、 (EC2.6)窒素性基を転移するトランスフェラーゼ、 (EC2.7)リン含有基を転移するトランスフェラーゼ、 (EC2.8)硫黄含有基を転移するトランスフェラーゼ、ならびに (EC2.9)セレン含有基を転移するトランスフェラーゼ が挙げられる。

例示的ヒドロラーゼとして、それだけには限らないが、 (EC3.1)エステル結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.2)グリコシラーゼ、 (EC3.3)エーテル結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.4)ペプチド結合作用するヒドロラーゼ(ペプチダーゼ)、 (EC3.5)ペプチド結合以外の炭素−窒素結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.6)酸無水物に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.7)炭素−炭素結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.8)ハロゲン化物結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.9)リン−窒素結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.1)硫黄−窒素結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.11)炭素−リン結合に作用するヒドロラーゼ、 (EC3.12)硫黄−硫黄結合に作用するヒドロラーゼおよび(EC3.13)炭素−硫黄結合に作用するヒドロラーゼ が挙げられる。

例示的リアーゼとして、それだけには限らないが、 (EC4.1)炭素−炭素リアーゼ、 (EC4.2)炭素−酸素リアーゼ、 (EC4.3)炭素−窒素リアーゼ、 (EC4.4)炭素−硫黄リアーゼ、 (EC4.5)炭素−ハロゲン化物リアーゼおよび (EC4.6)リン−酸素リアーゼ が挙げられる。

例示的イソメラーゼとして、それだけには限らないが、 (EC5.1)ラセマーゼおよびエピメラーゼ、 (EC5.2)シス−トランス−イソメラーゼ、 (EC5.3)分子内イソメラーゼ (EC5.4)分子内トランスフェラーゼ(ムターゼ)および (EC5.5)分子内リアーゼ が挙げられる。

例示的リガーゼとして、それだけには限らないが、 (EC6.1)炭素−酸素結合を形成するリガーゼ、 (EC6.2)炭素−硫黄結合を形成するリガーゼ、 (EC6.3)炭素−窒素結合を形成するリガーゼ、 (EC6.4)炭素−炭素結合を形成するリガーゼ、 (EC6.5)リン酸エステル結合を形成するリガーゼおよび (EC6.6)窒素−金属結合を形成するリガーゼ が挙げられる。

アイソザイム(イソ酵素としても知られる)は、アミノ酸配列が異なるが、同一化学反応を触媒する酵素である。対象の経路においていくつかの点で、2種以上のアイソザイムが存在し得る。アイソザイムは、異なる動態パラメータおよび/または異なる調節特性を示し得る。

対象の経路または関連経路に関与する酵素はまた、酵素の役割に従って分類され得る。細胞または細胞溶解物中の直接関与酵素(クラス1)は、経路中の反応を触媒する。このような直接酵素が、第1の酵素の生成物が、第2の酵素の基質であり、第2の酵素の生成物が、第3の酵素の基質などであり、最終的に対象の生成物をもたらす連鎖の1種である経路に特有である。細胞または細胞溶解物中の関節関与酵素(クラス2)は、関連経路において、普通、対象の経路において使用される基質の製造において反応する。

本明細書において記載されるものの方法において使用するための対象の経路は、普通、少なくとも1種の酵素、少なくとも2種の酵素、少なくとも3種の酵素、少なくとも4種の酵素またはそれ以上、例えば、1〜50種の間の酵素、1〜40種の間の酵素、1〜30種の間の酵素、1〜20種の間の酵素、1〜10種の間の酵素、1〜5種の間の酵素、1〜2種の間の酵素、2〜50種の間の酵素、2〜40種の間の酵素、2〜30種の間の酵素、2〜20種の間の酵素、2〜10種の間の酵素、2〜5種の間の酵素、2〜4種の間の酵素、5〜50種の間の酵素、5〜40種の間の酵素、5〜30種の間の酵素、5〜20種の間の酵素、5〜10種の間の酵素、5〜8種の間の酵素、10〜50種の間の酵素、10〜40種の間の酵素、10〜30種の間の酵素または10〜20種の間(両端値を含む)の酵素を含む。

経路中の酵素は、天然に存在し得るか、または対象の特定の特徴、例えば、基質特異性、反応速度論、溶解度および/またはフィードバック阻害に対する非感受性を最適化するよう改変され得る。さらに、いくつかの場合には、酵素を発現する遺伝子は、宿主細胞内でのコドン使用に向けて最適化される。いくつかの実施形態では、完全経路は、単一生物由来の酵素を含むが、このようなことは必要ではなく、複数の生物に由来する酵素を組み合わせることも考慮される。いくつかの理由のために、経路は、宿主細胞にとって内因性であり得るが、このようなことも必要ではなく、完全経路または経路の成分は、宿主細胞中に導入され得る。系が無傷の細胞において提供される場合には、対象の経路の酵素の完全なセットが細胞中に存在し得る。

当然のことではあるが、本明細書に記載される実施形態と関連する酵素をコードする遺伝子は、種々の供給源から得られ得る。当業者ならば承知するであろうが、これらの標的とされる酵素の相同遺伝子は、多数の種において存在し、例えば、NCBIインターネットサイト(ncbi.nlm.nih.gov)で入手可能なタンパク質BLAST検索による相同性検索によって同定され得る。これらの酵素をコードする遺伝子は、当業者によって理解されるように、例えば、縮重プライマーを使用して、所与の酵素を含有する任意の供給源から得られたDNAからPCR増幅され得る。いくつかの実施形態では、所与の酵素をコードする遺伝子は、合成的なもの(人為的なもの)、例えば、糖、窒素ベースの化合物、リン酸およびDNA合成に必要な他の化合物/試薬から合成されたDNAであり得る。本明細書において論じられる酵素をコードする遺伝子を得る任意の手段が、本明細書に記載される実施形態の態様と適合する。

経路の生成物は、安定である場合も、相対的に不安定である場合もあるが、いくつかの場合には、細胞、細胞溶解物または反応混合物から単離され得る最終生成物は十分に安定である。

反応において生じた生成物の量は、種々の方法で、例えば、着色または蛍光生成物をもたらす酵素的アッセイによって、または高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって測定され得る。ある種の実施形態では、生成物は、生じる特定の生成物の活性または濃度を測定するアッセイを利用して測定される。生成物がタンパク質である場合には、RNAまたはタンパク質レベルで定量され得る。

当業者ならば、ポリヌクレオチドを宿主細胞に、特に、大腸菌、バチルスおよびパントエア宿主細胞に導入するための方法を十分に承知している。一般的な形質転換技術は、非特許文献11および非特許文献12に開示されている。エレクトロポレーション、プロトプラスト形質転換および会合を含めた形質転換、形質導入およびプロトプラスト融合の方法が開示されている、非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15および非特許文献16も参照される。形質転換の方法は、特に好ましい。細菌細胞の維持および成長に適した方法は、周知であり、非特許文献17および非特許文献18が参照される。

本明細書において、細胞に核酸配列を挿入することに関連して使用される、用語「導入された」は、「トランスフェクション」、「形質転換」または「形質導入」を意味し、核酸配列が細胞のゲノム(例えば、染色体、プラスミド、プラスチドまたはミトコンドリアDNA)組み込まれ、自律的レプリコンに変換され得る、または一時的に発現され得る(例えば、トランスフェクトされたmRNA)、真核細胞または原核細胞への核酸配列の組込みへの言及を含む。

本明細書において、細胞に関連して使用される、用語「形質転換された」、「安定に形質転換された」および「トランスジェニック」とは、細胞が、そのゲノム中に統合された、または2以上の世代を通して維持されるエピソームプラスミドとして、非天然(異種性)核酸配列を有することを意味する。

形質転換宿主細胞は、挿入DNA構築物中に提供された選択マーカーに対する表現型反応に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、宿主細胞から切り出され得る(非特許文献19)。

経路エンジニアリングのための宿主細胞として、それだけには限らないが、細菌、真菌および原生動物を含めたさまざまな従属栄養性および独立栄養性微生物が挙げられる。ある種の実施形態では、宿主細胞として、ポリペプチドが細胞区画または細胞外区画に向けられ得る手段が公知であるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載される核酸のうち任意の1種または複数を組換えによって発現する任意の種類の細胞である。このような細胞は、原核細胞およびの真核細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、エシェリキア属種、ストレプトマイセス属種、ザイモナス属種、アセトバクター属種、シトロバクター属種、シネコシスティス属種、リゾビウム属種、クロストリジウム属種、コリネバクテリウム属種、ストレプトコッカス属種、キサントモナス属種、ラクトバチルス属種、ラクトコッカス属種、バチルス属種、アルカリゲネス属種、シュードモナス属種、エロモナス属種、アゾトバクター属種、コマモナス属種、マイコバクテリア属種、ロドコッカス属種、グルコノバクター属種、ラルストニア属種、アシジチオバチルス属種、ミクロルナタス属種、ジオバクター属種、ジオバチルス属種、アルスロバクター属種、フラボバクテリウム属種、セラチア属種、サッカロポリスポラ属種、サーマス属種、ステノトロホモナス属種、クロモバクテリウム属種、シノリゾビウム属種、サッカロポリスポラ属種、アグロバクテリウム属種およびパントエア属種などの細菌細胞である。細菌細胞は、大腸菌(E.coli)細胞などのグラム陰性細胞またはバチルス種の種などのグラム陽性細胞であり得る。他の実施形態では、細胞は、酵母細胞、例えば、サッカロマイセス属種、シゾサッカロマイセス属種、ピキア属種、パフィア属種、クリベロマイセス属種、カンジダ属種、タラロミセス属種、ブレタノマイセス属種、パチソレン属種、デバリオマイセス属種、ヤロウィア属種および工業的倍数体酵母株などの真菌細胞である。真菌の他の限定されない例として、アスペルギルス属種、ペニシリウム属種、フザリウム属種、リゾプス属種、アクレモニウム属種、ニューロスポラ属種、ソルダリア属種、マグナポルテ属種、アロマイセス属種、ウスチラゴ属種、ボトリチス属種およびトリコデルマ属種が挙げられる。他の実施形態では、細胞は、藻類細胞、植物細胞または哺乳類細胞である。当然のことではあるが、本明細書において記載される実施形態と適合する一部の細胞は、本明細書において記載される1種または複数の遺伝子の内因性コピーならびに組換えコピーを発現し得る。対象の種として、制限するものではないが、S.セレビシエ、大腸菌、シュードモナス属種、クレブシエラ属種およびシネコシスティス属種が挙げられる。

特定の経路における適当なRBS酵素組合せの選択後、その生成物の商業的量を調製するために、ポリヌクレオチドは、別個の発現ベクターとして細胞系中に、または単一発現ベクターで導入され得る。次いで、最終生成物は単離され得る。本明細書において記載された実施形態と関連する単離ポリペプチドを得るために、当業者に周知の種々の方法が利用され得る。ポリペプチドは、イムノクロマトグラフィー、HPLC、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーおよび免疫アフィニティークロマトグラフィーによって細胞から精製され得る。

反応は、大規模リアクターを利用する場合もあり、または複数の同時合成を実施するために小規模が多重化される場合もある。連続反応は、供給機構を使用して試薬の流れを導入し、最終生成物をプロセスの一部として単離できる。活発な合成の期間を延長するためにさらなる試薬が経時的に導入され得るバッチ系も対象である。リアクターは、バッチ、拡張バッチ(extended batch)、セミバッチ、セミ連続、フェッドバッチおよび連続などの任意の様式で実施されてもよく、これらは、適用目的に従って選択される。

反応は、小規模(例えば、普通、少なくとも約1mlおよび約15ml以下)の、または大規模な反応(例えば、反応容量が、少なくとも約15ml、普通、少なくとも約50ml、より普通には、少なくとも約100mlであり、500ml、1000mlまたはそれ以上、最大何千リットルの容量であり得る)のいずれかの任意の容量であり得る。反応は、任意の規模で実施され得る。

本明細書において記載される戦略を使用して、本発明者らは、アスタキサンチンの合成のための最適RBS酵素組合せを明らかにした。

したがって、本発明の別の態様によれば、アスタキサンチン経路の酵素をコードするポリヌクレオチドを発現させることを含む、アスタキサンチンを作製する方法であって、ポリヌクレオチドは、 (i)フィトエン脱水素酵素(crtI)および第1の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (ii)β−リコピンシクラーゼ(lcy−B)および第2の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (iii)β−カロテンケトラーゼ(crtW)および第3の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含み、 第1、第2および第3の調節配列は、lcy−BおよびcrtWの発現が、crtIの発現のレベルよりも大きいよう選択される、方法が提供される。

本発明の方法は、アスタキサンチン経路の酵素をコードする少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種のさらなるポリヌクレオチドの発現を考慮する。

さらなるポリヌクレオチドは、 (iv)イソペンテニルピロリン酸(idi)および第4の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (v)ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)および第5の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vi)プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)および第6の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと、 (vii)β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)および第7の転写調節配列をコードするポリヌクレオチドと を含む。

本明細書において、用語「アスタキサンチン」とは、分子式C40H52O4を有する、3,3’−ジヒドロキシ−β−カロテン−4,4’−ジオン、としても知られる、その3種の立体異性体(3R,3’R)、(3R,3’S)(メソ)および(3S,3’S)のいずれか1種を指す。

生体細胞においてアスタキサンチンを作製するために、細胞は、アスタキサンチン経路の酵素を発現することが好ましい。

例示的酵素は、以下に本明細書において列挙される。

ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtEまたはGGPPシンターゼ):用語「crtE」とは、ファルネシル二リン酸(FPP)をゲラニルゲラニル二リン酸GGPP(EC2.5.1.29)に変換できる酵素を指す。crtEの限定されない例のGenBank受託番号は、以下および参照により本明細書に組み込まれる特許文献2の表15に列挙されている。本発明のcrtEはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、以下に本明細書において列挙されるcrtE配列に対して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)を指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。

ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼのヌクレオチド配列の例示的例として、それだけには限らないが:(ATHGERPYRS;シロイヌナズナ)、(BT005328;シロイヌナズナ)、(NM_119845;シロイヌナズナ)、(NZ_AAJM01000380、遺伝子座ZP_00743052;バチルス・チューリンゲンシス血清型イスラエレンシス、ATCC 35646sq1563)、(CRGGPPS;ニチニチソウ)、(NZ_AABF02000074、遺伝子座ZP_00144509;フソバクテリウム・ヌクレアタム亜種ビンセンティー、ATCC 49256)、(GFGGPPSGN;ジベレラ・フジクロイ)、(AY371321;イチョウ)、(AB055496;パラゴムノキ)、(AB017971;ヒト)、(MCI276129;ムーコル・シルシネロイデスf.ルシタニクス)、(AB016044;ハツカネズミ)、(AABX01000298、遺伝子座NCU01427;ニューロスポラ・クラッサ)、(NCU20940;ニューロスポラ・クラッサ)、(NZ_AAKL01000008、遺伝子座ZP_00943566;ラルストニア・ソラナケアルムUW551)、(AB118238;ラット)、(SCU31632;サッカロミセス・セレビシエ)、(AB016095;シネココッカス・エロンガタス)、(SAGGPS;シナピス・アルバ)、(SSOGDS;スルホロブス・アシドカルダリウス)、(NC_007759、遺伝子座YP_461832;シントロファス・アシディトロフィカスSB)および(NC_006840、遺伝子座YP_204095;ビブリオ−フィッシェリES114)が挙げられる。特定の実施形態によれば、GGPPシンターゼは、パントエア・アグロメランに由来する配列−GenBank:AAA21260.1(配列番号62)を含む。

プレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB):本明細書において、用語「crtB」とは、フィトエンシンターゼとしても知られるGGPPをフィトエンに変換する酵素(EC=2.5.1.32)を指す。crtBの限定されない例のGenBank受託番号は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2の表18に列挙されている。本発明のcrtBはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、特許文献2の表18に列挙されるcrtE配列に対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)を指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。

特定の実施形態によれば、crtBは、パントエア・アグロメラン由来の配列−GenBank:AAA21264.1(配列番号63)を含む。

フィトエン脱水素酵素(crtI):本明細書において、用語「crtI」は、フィトエンをリコピンに変換する酵素(EC=1.14.99)を指す。crtIの限定されない例のGenBank受託番号は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2の表17Aおよび17Bに列挙されている。本発明のcrtEはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、特許文献2の表17Aおよび17Bに列挙されるcrtI配列に対して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)を指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。

特定の実施形態によれば、crtIは、パントエア・アグロメランに由来する配列−GenBank:AAA21263.1(配列番号64)を含む。

イソペンテニルピロリン酸イソメラーゼ(idi):本明細書において、用語「idi」とは、相対的に非反応性のイソペンテニルピロリン酸(IPP)の、より反応性の求電子物質ジメチルアリルピロリン酸(DMAPP)への変換を触媒するイソメラーゼ酵素(EC=5.3.3.2)を指す。イソペンテニル二リン酸δイソメラーゼとしてもまた知られている。idiの限定されない例のGenBank受託番号は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2の表13に列挙されている。本発明のidiはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、特許文献2の表13に列挙されるidi配列に対して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)を指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。

特定の実施形態によれば、idiは、ヘマトコッカス藻に由来する配列−GenBank:AAC32208.1(配列番号65)を含む。

β−リコピンシクラーゼ(lcy−B):本明細書において、用語「lcy−B」とは、リコピンのカロテンへの変換を触媒する酵素を指す。lcy−Bの限定されない例のGenBank受託番号は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2の表23に列挙されている。本発明のlcy−Bはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、特許文献2の表23に列挙されるlcy−B配列に対して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)を指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。

特定の実施形態によれば、lcy−Bは、トマトに由来する配列−GenBank:ABR57232.1(配列番号66)を含む。

β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ):本明細書において、用語「crtZ」とは、カロテンのゼアキサンチンへの変換を触媒する酵素および/またはカンタキサンチンのアスタキサンチンへの変換を触媒する酵素(EC1.14.13)を指す。crtZの限定されない例のGenBank受託番号は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2の表20に列挙されている。本発明のcrtZはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、特許文献2の表20に列挙されるcrtZ配列に対して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)を指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。

特定の実施形態によれば、crtZは、パントエア・アナナティスに由来する配列−Swiss−Prot:P21688.1(配列番号67)を含む。

β−カロテンケトラーゼ(crtW):本明細書において、用語「crtW」とは、カロテンのカンタキサンチンへの変換を触媒する酵素および/またはゼアキサンチンのアスタキサンチンへの変換を触媒する酵素を指す。crtWの限定されない例のGenBank受託番号は、参照照により本明細書に組み込まれる特許文献2の表19に列挙されている。本発明のcrtWはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、特許文献2の表19に列挙されるcrtW配列に対して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)を指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。特定の実施形態によれば、crtWは、ノストック・スフェロイデス由来の配列−GenBank:BAB74888.1(配列番号68)を含む。

好ましくは、細胞はまた、1−デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(dxs)を発現する。

本明細書において、用語「1−デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(dxs)」とは、ピルビン酸およびD−グリセルアルデヒド3−リン酸のD−1−デオキシキシルロース5−リン酸(DOXP)への縮合を触媒する酵素を指す(EC2.2.1.7)。例示的受託番号として、参照により本明細書に組み込まれる特許文献3の表3に提供されるものが挙げられる。本発明のdxsはまた、相同体(例えば、デフォルトパラメータを使用するNational Center of Biotechnology Information(NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決定されるような、特許文献3の表3に列挙されるdxs配列に対して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも95%またはそれ以上、およそ100%相同であるポリペプチド)も指す。相同体はまた、その欠失、挿入またはアミノ酸置換を含めた置換変異体およびその生物学的に活性なポリペプチド断片を指す場合もある。特定の実施形態によれば、dxsは、大腸菌に由来する配列−Swiss−Prot:A7ZX72.1(配列番号69)を含む。

宿主系においても発現され得るアスタキサンチン経路のさらなる酵素は、参照によって本明細書に組み込まれる特許文献2に記載されている。

種々の原核細胞または真核細胞または真核細胞は、本発明のポリペプチドを発現するための宿主発現系として使用され得る。これらとして、それだけには限らないが、ポリペプチドコード配列を含有する、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換された細菌などの微生物;ポリペプチドコード配列を含有する組換え酵母発現ベクターを用いて形質転換された酵母などのCHO細胞、真菌などの哺乳類発現系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染した、またはポリペプチドコード配列を含有するTiプラスミドなどの組換えプラスミド発現ベクターを用いて形質転換された、藻類および植物細胞系が挙げられる。さらなる宿主発現系は、本明細書において上記でさらに記載されている。

好ましい実施形態によれば、アスタキサンチン経路の酵素は、細菌細胞において発現される。

一実施形態では、宿主細胞は、グラム陽性菌などの細菌細胞である。別の実施形態では、宿主細胞は、グラム陰性菌である。いくつかの好ましい実施形態では、この用語は、パントエア属、バチルス属の細胞および大腸菌細胞を指す。

本明細書において、「バチルス属」は、それだけには限らないが、B.スブチリス、B.リケニフォルミス、B.レンタス、B.ブレビス、B.ステアロサーモフィラス、B.アルカロフィルス、B.アミロリケファシエンス、B.クラウジィ、B.ハロデュランス、B.メガテリウム、B.コアグランス、B.サーキュランス、B.ロータスおよびB.チューリンゲンシスを含めた当業者に公知のすべてのメンバーを含む。バチルス属が、分類学的再編成を受け続けていることは認識されている。したがって、属は、それだけには限らないが、現在「ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス」と名づけられているB.ステアロサーモフィラスのような生物を含めた再分類された種を含むと意図される。酸素の存在下での耐性内生胞子の製造が、バチルス属の決定的な特徴と見なされるが、この特徴はまた、最近名づけられたアリシクロバチルス、アンフィバチルス、アネウリニバチルス、アノキシバチルス、ブレビバチルス、フィロバチルス、グラシリバチルス、ハロバチルス、ペニバチルス、サリバチルス、サーモバチルス、ウレイバチルスおよびビルジバチルスにも当てはまる。

本明細書において、「パントエア属」は、それだけには限らないが、P.アグロメランス、P.ディスペルサ、P.パンクタータ、P.シトレア、P.テレア、P.アナナスおよびP.ステラルティを含めた当業者に公知のすべてのメンバーを含む。パントエア属が分類学的再編成を受け続けていることは認識されている。したがって、属は、それだけには限らないが、エルウイニア・ヘルビコラのような生物を含めた再分類された種を含むと意図される。

本発明のポリヌクレオチド配列は、細胞におけるアスタキサンチン経路のポリペプチドの発現を可能にするよう、発現ベクター(すなわち、核酸構築物)中に挿入される。

特定の細胞系において発現ベクターを使用して発現されるのに必要とされる酵素の数は、その特定の細胞系において内因性に発現されるそれらの酵素の数による。したがって、例えば、特定の細胞系が、crtWを十分な程度に内因性に発現する場合には、その酵素は、組換え法を使用して外因性発現される必要がない場合がある。

本発明は、単一発現ベクター上のアスタキサンチン経路のポリペプチドのうち1、2、3、4、5、6、7または8種をコードするポリヌクレオチド配列を挿入することを考慮する。したがって、ポリペプチドの発現は、必要な酵素をすべてコードする単一発現ベクターまたはアスタキサンチン経路のポリペプチドの種々の組合せをコードする複数のベクターを導入するによって達成され得る。

本発明者らは、アスタキサンチンの最適発現のためには、アスタキサンチン経路の成分をコードするポリヌクレオチドと作動可能に連結している転写調節エレメントが、特定の割合の発現を確実にするよう選択されなければならないということを見出した。

特定の実施形態によれば、Icy−BおよびcrtW両方の発現が、その発現レベルが、crtIの発現のレベルよりも高いよう操作されなければならない。好ましくは、Icy−BおよびcrtW両方の発現のレベルは、crtIの発現のレベルの少なくとも2倍である。別の実施形態によれば、Icy−BおよびcrtW両方の発現のレベルは、crtIの発現のレベルの少なくとも5倍である。別の実施形態によれば、Icy−BおよびcrtW両方の発現のレベルは、crtIの発現のレベルの少なくとも10倍である。別の実施形態によれば、Icy−BおよびcrtW両方の発現のレベルは、crtIの発現のレベルの少なくとも20倍である。別の実施形態によれば、Icy−BおよびcrtW両方の発現のレベルは、crtIの発現のレベルの少なくとも50倍である。別の実施形態によれば、Icy−BおよびcrtW両方の発現のレベルは、crtIの発現のレベルの少なくとも100倍である。

本明細書において、語句「転写調節エレメント」とは、その転写を制御するポリヌクレオチドのタンパク質コーディング領域と作動可能に連結している塩基の配列を指す。

転写調節エレメントの例として、それだけには限らないが、プロモーター、エンハンサー、mRNA安定性達成配列およびリボソーム結合部位(RBS)が挙げられる。

本出願の目的上、「プロモーター」または「プロモーター領域」は、転写の開始の際にDNA依存性RNAポリメラーゼによって認識および結合される核酸配列である。プロモーターは、他の転写および翻訳調節エレメントと一緒に、所与の遺伝子または遺伝子の群(オペロン)を発現するのに必要である。プロモーターは、IPTGまたは構成プロモーターによって誘導される、Ptrcなどの調節プロモーターであり得る。

本発明による人工プロモーターを作製するのに有用なプロモーター配列として、以下の表1に列挙される前駆体プロモーターが挙げられる。表中のすべてのプロモーターは、β−ラクタマーゼプロモーターPblaに対してキャラクタライズされており、プロモーター強度は、「Pbla単位」で示されている。(非特許文献20)。プロモーターおよびその核酸配列のさらなる例は、参照により本明細書において組み込まれる特許文献1に提供されている。一般に、本発明において有用なプロモーターは、転写開始部位(+1)から上流に200〜20塩基対(bp)の間、好ましくは、150〜25bp、より好ましくは、100〜30bpの間、最も好ましくは、50〜30bpの間のプロモーター配列を含む。

本発明において有用なさらなるプロモーターは、Ptacおよび1個または2個の塩基対の変更を含有する変異体の配列が教示される非特許文献21に開示されている。

表1

プロモーター強度は、DNAの特定の一部とのRNAポリメラーゼの結合の速度論を測定し、また、転写開始の測定を可能にするin vitro法を使用して定量化され得る(非特許文献22)。さらに、プロモーター強度は、本明細書において以下にさらに記載されるような、プロモーターを、検出可能なタンパク質(例えば、蛍光マーカー)をコードするポリヌクレオチド配列と連結することによって定量化され得る。in vivo法も、プロモーター強度を定量化するために使用されてきた。この場合には、アプローチは、プロモーターを、リポーター遺伝子と融合し、RNA合成の効率を測定してきた。

記載されるように、転写調節エレメントは、上記で本明細書においてさらに記載される、リボソーム結合部位(RBS)を含み得る。

特定の実施形態によれば、crtIに連結されたRBSとは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同時に、同一温度で、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号4、5、6または7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を起こすものである。

特定の実施形態によれば、lcyBと連結されたRBSとは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

特定の実施形態によれば、crtWと連結されたRBSとは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号2または3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

本発明者によって考慮される配列の1つの特定の組合せは、以下の通りである: idiをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtEをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtBをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtIをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

lcy−Bをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtWをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtZをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

配列の別の例示的組合せは、以下の通りである: idiをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtEをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号3に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtBをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号7に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtIをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号5に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

lcy−Bをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtWをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

crtZをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号2に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

上記で本明細書において記載されたように、本発明者らは、DXSを発現させることをさらに考慮する。好ましくは、DXSをコードするポリヌクレオチド配列に連結されたRBSは、同一実験および転写条件下(すなわち、同一細胞において、同一プロモーターを用いてなど)で、同一核酸配列について配列番号6に示される配列を有するRBSの程度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%に、核酸配列の発現を引き起こすものである。

アスタキサンチンを発現するために本明細書において記載される方法を使用して、本発明者は、2mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む、3mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む、4mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む、5mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む、10mg/g細胞乾重を超えるアスタキサンチンを含む細菌細胞(大腸菌細胞)を得た。

形質転換された細胞を、多量の組換えポリペプチドの発現を可能にする有効な条件下で培養する。有効な培養条件は、それだけには限らないが、タンパク質製造を可能にする有効な培地、バイオリアクター、温度、pHおよび酸素条件を含む。有効な培地とは、細胞が、本発明の組換えポリペプチドを製造するよう培養される任意の培地を指す。このような培地は、通常、同化可能な炭素、窒素およびリン酸供給源ならびに適当な塩、ミネラル、金属およびビタミンなどの他の栄養素を有する水溶液を含む。本発明の細胞は、従来の発酵バイオリアクター、振盪フラスコ、試験管、マイクロタイターディッシュおよびペトリプレートにおいて培養され得る。培養は、組換え細胞にとって適当な温度、pHおよび酸素含量で実施され得る。このような培養条件は、当業者の専門知識の範囲内にある。

所定の時間の培養後、アスタキサンチンの回収が達成され、分光光度分析またはHPLCによる分析が実施され得る。

本明細書において使用される、語句「アスタキサンチンを回収すること」は、アスタキサンチンを含有する全発酵培地を収集することを指し、分離または精製のさらなるステップを暗示する必要はない。

細菌細胞または培養後の培養溶液からカロテノイドおよび/またはアスタキサンチンを収集するために、例えば、細菌細胞は、遠心分離などによって培養溶液から分離され、適当な有機溶媒によってそれから抽出され得る。このような有機溶媒の例として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドが挙げられる。それらの中でも、アセトンが好ましい。さらに、分離および高純度への精製は、液体クロマトグラフィーなどを利用することによって達成され得る。液体クロマトグラフィーは、例えば、イオン交換の分離原理、疎水性相互作用および分子篩に基づくものであり得る。逆相クロマトグラフィーおよび順相クロマトグラフィーが好ましい。あるいは、細胞からの抽出は、超臨界流体抽出によって実施され得る。

あるいは、培養を完了した後、細菌細胞は、例えば、遠心分離、デカンテーションまたは濾過によって培養溶液から分離され得る。得られた細菌細胞に水が添加されて、好都合な粘度を有するスラリーにされる。アスタキサンチンなどのカロテノイドの分解を防ぐために、スラリーに適当な添加物が加えられてもよい。このような添加物の例として、それだけには限らないが、アスコルビン酸などの抗酸化剤が挙げられる。その後、調製されたスラリーは、ガラスビーズもしくはジルコニアビーズを使用するグラインダーまたは高圧ホモジナイザーを使用してホモジナイズされ、その後の使用のために乾燥される。好ましい乾燥法は、噴霧乾燥である。

細菌細胞は、養殖された魚などのための餌に直接添加され得る。あるいは、それらは、使用前に上記のような極性溶媒などから抽出され得る。アスタキサンチンなどのカロテノイドの抽出後に残り、ほとんど色素を含有しない細胞体は、養鶏におけるタンパク質およびビタミンの理想的供給源としてとして使用され得る。

明確にするために、別個の実施形態との関連で記載される本発明の特定の特徴はまた、単一実施形態において組み合わせて提供され得るということは理解される。逆に、明確にするために、単一の実施形態との関連で簡潔に記載される本発明の種々の特徴はまた、別個に、または任意の適した部分的組合せで、または本発明の任意の他の記載された実施形態において適したように提供され得る。種々の実施形態に関連して記載される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素を伴わない場合に動作不能でない限り、それらの実施形態の必須の特徴と考えられてはならない。

本明細書において上記に描写され、以下の特許請求の範囲の節において特許請求されるような、本発明の種々の実施形態および態様は、以下の実施例において実験的確証を見出す。

ここで、上記の説明と一緒に、本発明のいくつかの実施形態を限定されない様式で例示する以下の実施例が参照される。

概ね、本明細書において使用される命名法および本発明において利用される実験室手順は、分子的、生化学的、微生物学的および組換えDNA技術を含む。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、非特許文献12、非特許文献23、非特許文献24、非特許文献25、非特許文献26、非特許文献27、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8に示される方法論、非特許文献28、非特許文献29、非特許文献30、非特許文献31、非特許文献32を参照のこと;利用可能なイムノアッセイは、特許および科学文献に広く記載されている、例えば、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23および特許文献24、非特許文献33、非特許文献34、非特許文献35、非特許文献36、非特許文献37、非特許文献38、非特許文献39、非特許文献40を参照のこと;それらのすべては、本明細書において十分に示されるかのように参照により組み込まれる。その他の一般的な参考文献は、この文書を通じて提供される。それにおける手順は、当技術分野で周知であると考えられ、読者の便宜のために提供される。それに含有されるすべての情報は、参照により本明細書に組み込まれる。

一般的な材料および方法 株、培地および試薬:クローニングおよび構築物アセンブリーに使用した細菌株は、別に明記しない限り、大腸菌DH5αであった。プラスミドDNAの精製のために、細胞を、37℃で適した抗生物質を含むLB培地で培養し、DNAを標準キット(Qiagen、Germany)を使用して培養物から精製した。すべてのプライマーをSigma Aldrich、Israelによって合成した。プライマーの詳細な説明は、本明細書において以下の表2に見出され得る。

表2

PCR反応は、Phusionポリメラーゼ(Finnzymes、Finland)を使用して実施した。クローニング手順は、Clone manager professional suite (Scientific & Educational Software、State Line、US−PA)を使用して設計した。制限酵素は、別に明記しない限り、New England BioLabs (Beverly、US−MA)から購入した。ライゲーション反応は、T4 DNAリガーゼ(Fermentas、Lithuania)を使用して実施した。機器、試薬、供給業者および関連カタログ番号のすべての詳細な説明は、本明細書において以下の表3に見出され得る。

表3

「バックグラウンドなし」アセンブリー:全体的なクローニングスキーム:複数のDNA配列の単一構築物への連続アセンブリーを促進する目的で、「バックグラウンドなし」アセンブリー戦略を開発した。すべてのDNA構築物は、以下に記載される方法論に従って作製した。「バックグラウンドなし」アセンブリーは、BioBrick標準としても知られる、非特許文献41に記載される原理に忠実である。BioBrick系に記載される主な特徴を保つことに加えて、中間体構築物が多段階アセンブリープロセスの間を通して正しくアセンブルされたことをスクリーニングし、検証する必要性を排除するさらなる特徴を加えた。

本方法の重要な特徴は、アセンブリーのために指定されるDNA配列の各々への、クロラムフェニコール耐性マーカー(CmR):構成プロモーターと、それに続くクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼコード配列の連結である。アセンブリープロセスの前にPCRオーバーラップ伸長を使用して、CmRカセットを、DNA配列と対を形成させる。標的DNA配列(ここで、CmRと対を形成された)が、標準制限ライゲーションプロセスを使用してベクターにアセンブルされる場合には、適切にアセンブルされたクローンのみが、Cmを含む寒天プレート上にコロニーを形成できる。

耐性カセットは、制限部位が隣接するので(図1)、次のアセンブリーサイクルのためのベクターを調製するときに容易に除去され得る。このように、単一耐性マーカーを使用しながら複数のアセンブリーラウンドを実施することが可能である。「バックグラウンドなし」アセンブリー戦略の全体的なスキームは、図1に記載されている。

クロラムフェニコール耐性カセットの構築:耐性カセットは、構成プロモーターおよび耐性マーカーとしてクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子を含有する。カセットを、鋳型としてpSB3C5プラスミド(BioPart:BBa_P1004)を使用するPCRによって増幅した。耐性カセットが、5’でNheI部位が、ならびにその3’においてXhoIおよびPciI部位が隣接するように、制限部位を加えた(表1、本明細書において上記で)。

発現空間に広がるようRBS配列のコンパクトなセットを選択すること:発現空間の大きな画分に広がるRBS配列の小さいセットを見出すために、非特許文献5の研究において実験的に分析されたフォワード設計されたRBSシリーズを使用した。まず、種々の遺伝子につながれたRBS配列の各々の予測される翻訳速度を、コンピュータによって算出した[Salis Lab: The Ribosome Binding Site Calculator. at salisdotpsudotedu/software/]。その強度が下流配列によって一番少なく影響を受けるようなRBS配列を選択した。この制限されたセットから、最大の発現空間に広がった5種のRBS配列を実験によって選んだ[非特許文献5]。これらのRBS配列は以下であった: #8 (RBS−A):AGGAGGTTTGGA(配列番号2) #1 (RBS−B):AACAAAATGAGGAGGTACTGAG(配列番号3) #17(RBS−C):AAGTTAAGAGGCAAGA(配列番号4) #27(RBS−D):TTCGCAGGGGGAAG(配列番号5) #20(RBS−E):TAAGCAGGACCGGCGGCG(配列番号6) 「Dead−RBS」(RBS−F):CACCATACACTG(配列番号7) 「インスレーター」配列が隣接する:RBSに隣接する配列は、発現レベルに影響を及ぼし得るので、インスレーター配列、すなわち、−RBSの各々の上流および下流に位置する約20bpの一定の配列を使用した。このような単離配列は、プロモーターの場合には、隣接する配列の効果の低減において有効であるとこれまでに報告されている。上流インスレーター配列は、大腸菌では天然に見られない、19塩基対:TAATAGAAATAATTTTGTTTAACTTTA(配列番号8)であるようとり、一方で、下流インスレーター配列をATGCATCATCACCATCACCAC(配列番号9)、6His−タグをコードする配列であるようとった。

標的ORFのRBS調節:RBS調節のために標的コード配列をクローニングするために、まず、PCRによって増幅し、上記のCm耐性マーカーと対を形成させた。ひとたび、標的遺伝子を耐性カセットと対を形成させると、生成物を直線化したBlueScript KS+プラスミド中にライゲーションした。次いで、標的ORFを、NsiIおよびPciIのいずれか(非バーコード付加アセンブリー)またはNsiIおよびXhoIを使用してプラスミドから切り出した。次いで、標的配列を含有する得られた断片および耐性マーカーを、挿入部位の上流にRBS配列を含有するRBS骨格ベクター(RBS骨格)上でアセンブルした。得られた構築物は、図2に記載されるように、所望のRBSと、それに続く標的ORFおよび耐性マーカーを含有する。

pNiv−骨格プラスミド:ベースとしてBlueScript Ks+を使用して骨格プラスミドを構築した。LacZ遺伝子を排除し、元の多重クローニング部位を、EcoRI、SpeIおよびPciI制限部位を含有する新規部位と交換した(図3)。アセンブリープロセス中を通じて漏出性遺伝子発現を最小にするために、強力なRRNBターミネーター(鋳型としてpENTER11−Gatewayを使用するPCRによって増幅された)を新規クローニング部位の上流に挿入した。すべてのDNA配列改変は、PCRオーバーハング伸長法を使用することによって達成した。

pNiv:RBS−A−YFP〜pNiv:RBS−F−YFP−プラスミドセット:6種のコアRBS配列の各々および隣接するインスレーター配列は、合成オリゴデオキシヌクレオチドとして購入した。コアRBS配列の各々は、インスレーション配列が上流および下流で隣接し、アセンブリーPCR反応においてYFPリポーター遺伝子と融合される(表1を参照のこと)。得られた6種のRBS−YFP反応生成物(すなわち、RBS−A〜RBS−F)を、制限させ、骨格プラスミドpNiv中にライゲーションして、6種の指定されたプラスミド−pNiv:[RBS−A〜RBS−F]−YFPを得た−図4を参照のこと。

発現プラスミド:DNAアセンブリープロセスを、指定されたプロモーターを含有しないpNiv骨格プラスミドで実施した。ひとたび、アセンブリープロセスが完了すると、得られた生成物を、発現プラスミド−pSB4K5:Ptac中にサブクローニングした。このプラスミドは、pSB4K5、BioBrick標準ベクターから低コピーpSC101複製起点(BioPart:BBa_I50042)およびカナマイシン抗生物質耐性マーカー(BioPart:BBa_P1003)を用いて誘導した。LacIq Brick(BioPart:BBa_C0012)およびTacプロモーター(BioPart:BBa_K301000)を、標準アセンブリー法を使用してpSB4K5上、多重クローニング部位の上流にアセンブルして、pSB4K5:Ptacを得た(図5)。

フローサイトメトリーを使用するRBS発現調節の実験測定:in−vivoで発現レベルに対するRBS配列の効果を定量するために、YFPリポーター遺伝子を、これまでに記載したクローニング戦略を使用してpSB4K5:Ptacプラスミド上、RBS配列の各々の上流に置いた。大腸菌MG1655細胞を、pSB4K5:Ptac−[RBS−A〜RBS−F]−YFPプラスミドを用いて形質転換し、0.2%グルコースを含む最小培地中37℃で、対数増殖期中期(OD=約0.3)までインキュベートした。蛍光をBD LSR IIフローサイトメーターを使用して定量した。青色レーザー(488nm)および530±30nm発光フィルターを使用してYFP蛍光を測定し、黄色レーザー(560nm)および610±20nm発光フィルターを使用してmCherry蛍光を測定した。各実験で約100,000個の細胞を記録した(図6A〜D)。予測されたRBS強度対実験測定値間の相関が、図7に例示される。

pNiv−RBS混合物調製:6種のpNiv−RBS−YFPプラスミドの各々を、NsiIおよびPciIを用いて別個に消化し、骨格ベクターからYFPを除去した。消化生成物を仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIP)で処理し、ゲル精製した。クローニング部位の上流のRBS配列においてのみ各々異なる、6種の得られた直線化されたベクターの等モル混合物を調製した。このベクター混合物(pRBSミックス)を使用して、任意の標的を用いる1チューブコンビナトリアルアセンブリーを実施した(図8)。

RBS混合物のコンビナトリアルアセンブリー:対象の任意のコード配列について、上記のようにコード配列をクローニングした。コード配列を、RBSセットと組合せ的に対を形成させるために、コード配列を、直線化したpRBSベクター混合物中にサブクローニングした。この結果、すべて、同一コード配列を含有するが、上流に異なるRBS(RBS−A〜RBS−F)配列を有するライゲーション生成物の混合物が得られた(図8)。

RBS調節される合成オペロンをアセンブルすること:すべて、同一のコード配列を有するが、上流に異なるRBS配列(RBS−A〜RBS−F)を有する構築物の混合物を含有する得られたライブラリーが、ベクターとして、または挿入断片としてのいずれかで使用され得る。まず、NheIおよびPciIを使用して混合物を制限することによって、耐性カセットが除去され、プラスミドライブラリーが、より多くのRBS調節されるコード配列がアセンブルされるベクターとして使用され得る。あるいは、SpeIおよびPciIを用いて混合物を消化することによって、コード配列(上流RBSとともに)を切り出し、それをさらなるアセンブリーラウンドのための挿入断片として使用することが可能である。

各変異体が遺伝子の同一組合せを含有するが、RBSの異なる組合せを有するオペロンのライブラリーをアセンブルするために、所望の遺伝子の各々についてRBS調節される混合物を上記のように構築した。次いで、各ステップで、さらなるRBS調節されるコード配列がオペロンの前に加えられる反復性アセンブリーステップを実施した。図9に示されるように、ステップごとに、先のラウンドの生成物をNheIおよびPciIを用いて消化し、Cm耐性カセットを除去した。反応生成物をCIPを用いて処理し、ゲル精製した。精製された生成物、Cm耐性を有さない直線化されたベクターは、次のアセンブリーステップにおいてベクターとして働く。

さらなるRBS調節されるコード配列をオペロンにアセンブルするために、指定の挿入断片のRBS調節される混合物を、SpeIおよびPciIを使用して消化し、その結果、コード配列の上流にRBS配列の混合物および耐性カセットを含有するDNA断片を得た。この断片を、オペロンライブラリー(すでに第1のRBS調節されるコード配列を有する)中にライゲーションした。このアセンブリープロセスは、各変異体がコード配列の上流に別個のRBS組成を有する、コンビナトリアル混合物RBS調節されるコード配列をもたらす。ライブラリーを大腸菌DH5αに形質転換し、Cmを含むLB寒天プレート上にプレーティングした。最後に組み込まれた遺伝子と対を形成している耐性カセットが、新規に付加されたRBS調節される配列を含有する構築物のみが、さらなるアセンブリーラウンドのために継続することを保証した。

新規に構築されたオペロンライブラリーに由来するプラスミドDNAを、コロニーをプレートから直接掻きとることによってプレートから回収し、オペロンライブラリーをコードするプラスミドを抽出した。したがって、本発明者らは、各ラウンドにおいて、さらなるRBS調節されるコード配列がコンビナトリアルオペロンライブラリーに付加されたこのプロセスを、Nラウンド反復することによって、所定の順序で同一のN個のコード配列を含有し、6種のRBSの変動する組合せによって駆動されるプラスミドのコンビナトリアル混合物を連続的にアセンブルした。

バーコード付加されたRBS混合物−アプローチ:RBS調節されるコード配列のオペロンライブラリーは、コンビナトリアル法で構築されるので、特定のクローンのRBS組成を決定する順に、全オペロンにわたってRBS配列のすべてを並べることが必要である。このプロセスを促進し、オペロン中に広がるRBSのすべてを並べる必要性を排除するために、本発明者らは、各RBSに3塩基対バーコード配列を割り当てた。これらのバーコードによって、図10に記載されるように積み重ねられたバーコードの3’末端で単一配列決定反応を使用して各クローンの完全なRBS組成を容易に決定することが可能となる。

バーコードは以下の通りにコンピュータによって計算される:各RBS(A〜F)に数字(1〜6)が割り当てられ、次いで、これが、2文字DNAコードでコードされた。所与の2文字コードワード(b1b2=AT、例えば)は、式b1+4*b2(式中、b1およびb2は、コードワードの塩基に割り当てられた数値である(以下の表を参照のこと))によって特定の数字に割り出される。本例については、ATは、0+4*2=8となる。

表4

第3の塩基をチェック塩基として付加した。この塩基は、以下の通りに、先の2個の塩基からコンピュータによって計算された:b3=(b1+5*b2)%4(式中、「%」は、モジュロ演算子を表す)。このチェック塩基によって、任意の単一塩基突然変異または配列決定エラーの検出が可能となる。以下の表5は、各RBSのバーコード値を提供する。ここでは6種のRBSのみが使用されるが、3bpスキームを使用して合計最大16種のRBSを潜在的にコードできるということは留意されたい。アプローチはまた、コード長が対数的に拡張し増大したかなり大きなライブラリーサイズに拡張可能である。

表5

pNiv−RBSセットへのバーコードの付加:RBS−YFP挿入断片(RBS−A〜RBS−F)を含有する6種のpNivプラスミドの各々は、バーコード塩基および制限部位が指定のプライマー(表2)を使用して付加されるPCR反応の鋳型として働いた。XhoI制限部位は、バーコード領域の上流に付加され、一方で、SalIおよびPstI部位は下流に付加された。6種のpNiv−RBS−YFPバーコード付加プラスミドの各々を、NsiIおよびXhoIを用いて別個に消化し、YFPコード配列を除去した。6種の得られた直線化されたベクターの等モル混合物(すなわち、pRBSバーコード混合物)を、本明細書において上記で記載されたように調製した。

バーコード付加RBS混合物を使用する単一チューブコンビナトリアルアセンブリー:バーコード付加RBSプラスミドセットの使用は、制限酵素の異なる使用に起因するいくつかの技術的変化を除いて上記に記載されたものと同一の論理に頼る。標的コード配列が、上記のようにまずクローニングされ、NsiIおよびXhoIを使用して消化される。挿入断片はpRBS−バーコード混合物とライゲーションされ、DH5α細胞に形質転換される。このプロセスの図式的説明が、図11において以下に説明されている。

単純性のために、図11に示されるアセンブリープロセスは、各々、特異的RBSを有する、オペロン中にアセンブルされた2つのコード配列のみを含有する。プロセスは、さらなるアセンブリーサイクルによって反復して拡張され得る。さらに、特定の1種に代わりに、コンビナトリアルRBS混合物が使用されてもよい。

発現プラスミドへのサブクローニング:アセンブリープロセスが完了した後、得られたオペロンを、指定されたプロモーターを含有する発現ベクターにサブクローニングした。これは、最終オペロンに隣接する指定された制限部位を使用することによって得られた。さらに、発現プラスミドが、オペロンと対を形成しているCmマーカーとは異なる耐性マーカーを有していたので、両抗生物質を用いて選択する間に、陽性コロニーのみが増殖でき、自己ライゲーションした発現プラスミドまたはライブラリードナープラスミドのいずれかで形質転換されたクローンは増殖できなかった。

RGB−3色リポーター系 細菌株および増殖条件:クローニングおよび構築物アセンブリープロセスに使用される細菌株は、大腸菌DH5αとした。蛍光測定のために、プラスミドを大腸菌K12 MG1655に形質転換し、これを0.2%グルコースおよびクロラムフェニコール(34μg/ml)を含む最小培地で37℃で増殖させた。

遺伝子:以下のプラスミドpRSETB−YFP、pRSETB−CFPおよびpRSETB−mcherryからのPCRによって、mYFP、mCFPおよびmCherryを増幅させた。mCherry遺伝子上のPstI制限部位は、単一サイレント突然変異を導入することによって排除した(表1を参照のこと)。

アセンブリープロセス:mYFP、mCherryおよびCFPを、まず、上記で説明される耐性カセットと対を形成させた。上記の節に記載されたようにバーコード付加RBSセットを使用してオペロンをアセンブルした。pRBS−mYFP−バーコード1を、ベクターとして使用するために、NheIおよびXhoI制限酵素を用いて消化し、一方で、pRBS−mCherry−バーコード2は、挿入断片として使用するためにSpeIおよびSalIを用いて消化した。これら2種の制限生成物をライゲーションし、その結果、新規生成物pRBS−mYFP−RBS−mCherry−バーコード2−バーコード1を得た。この生成物をベクターとして、NheIおよびXhoIを用いて消化し、一方で、pRBS−mCFP−バーコード3は、挿入断片として、SpeIおよびSalIを用いて消化し、得られた生成物をライゲーションして、以下のオペロンを、pNivプラスミド:pRBS−mYFP−mcherry−mCFP−バーコード3−バーコード2−バーコード1にアセンブルした。次いで、オペロンを消化し、上記の発現プラスミド中にサブクローニングした。

RGB蛍光ライブラリーの測定 自動化蛍光測定:細胞を、自動化ロボットプラットフォーム(Evoware II、Tecan)において、M9+0.2%グルコースを含有する96ウェルプレート中で増殖させた。15分毎に、プレートをロボットアームによってマルチウェル蛍光光度計(Infinite M200−pro、Tecan)に移した。各測定では、ODを600nmでサンプリングし、mCherryを587nmでの励起および620nmでの発光測定によってサンプリングし、YFPを、520nmでの励起および555nmでの発光測定によってサンプリングした。

データ解析:ODおよび蛍光の生データを、細胞を有さない培地を含有するウェルを差し引くことによってバックグラウンド補正した。

大きく必要とされるダイナミックレンジのために、低い細菌濃度で弱いRBSを有するウェルを分析することが可能ではなかった。したがって、本発明者らは、中期から後期対数増殖期で働くよう選択した。細胞を、標準の1cm経路長を用いて、約0.2のOD600に相当する培地差引後に、プレートリーダーによって測定されるような0.1のOD600値あたりで分析した。各測定点について、活性を、測定時間を中心に1時間の時間窓の間に測定された平均ODによって除した、その間の蛍光の増大として定義した:

[式中、Aは、RBS活性であり、Fは、蛍光測定値であり、τ=30分である]。結果は、細胞数によって除された1時間の間の蛍光の増大を反映する。平均活性は、各サンプルのOD0.1あたりの5回の測定にわたる平均をとることによって算出した:

すべての分析ステップは、特別注文のHaskellソフトウェアを使用して実施した。

細菌コロニーの蛍光顕微鏡観察:照明のためにNikon Intensilight (C−HGFIE)を備えたNikon ECLIPSE E800顕微鏡を使用して蛍光像をとった。彩度フィルターキューブセットを使用して、蛍光タンパク質を撮像した。mCherry(励起フィルター530〜560nm、発光フィルター590〜650、30ms露出)、シアン蛍光タンパク質(mCFP)(励起フィルター426〜446nm、発光フィルター460〜500nm、60ms露出)および黄色蛍光タンパク質(mYFP)(励起フィルター490−510nm、発光フィルター520〜550nm、800ms露出)。カメラおよびNIS−エレメントBR3.22ソフトウェアを用いて像を獲得した。種々のチャネルを重ねて、示される図を得た。

翻訳共役:単一オペロン内の連続する遺伝子の翻訳が上流遺伝子に依存性であることが示された、翻訳共役と呼ばれる現象である。具体的には、遺伝子の発現レベルは、それに先行する遺伝子の発現レベルによって調節される。翻訳共役は、大腸菌ならびにその他の原核生物において種々のオペロンについて観察された。翻訳共役は、長年知られていたが、粗く定量されているだけで、その根底にある機序は、議論中である。

図16Dに示されるRGB格子は、翻訳共役を実証する。YFPの蛍光は、それを制御するRBSの強度のみに応じて変わるが、一方、mCherryの蛍光は、それを制御するRBSおよびYFPの蛍光の両方に応じて変わる。この効果をさらに分析するために、本発明者らは、YFPが、6種のRBS(A〜F)のうち1種によって制御され、一方、mCherryが、弱いRBS(E)、中程度の強度のRBS(C)または強力なRBS(A)のいずれかによって制御されるクローンを利用した。次いで、各ライブラリー変異体のYFPおよびmCherryの蛍光を測定し、互いに対してプロットした。 得られた格子(図13)は、翻訳共役:第1の遺伝子(すなわち、YFP)発現レベルが、それを制御するRBSの強度に応じて変わり、使用されるRBSが強力であるほど、測定されるYFP蛍光は大きいことを明確に実証する。対照的に、第2の遺伝子(mCherry)発現レベルは、それを制御するRBSに、および第1の遺伝子を制御するRBSの両方に応じて変わる。すわなち、mCherryについて同一RBSを共有するクローンが、上流YFP発現レベルに依存して異なるmCherry蛍光レベルを示す。交差蛍光は、このような効果の原因として除外された:単一蛍光タンパク質(YFPまたはmCherryのいずれか)を含有するクローンは、高レベルの発現についても相互蛍光チャネルでシグナルをもたらさない。本系におけるYFP発現レベルによるmCherryの最大翻訳増強は、約6倍であるとわかった。YFPおよびmCherryレベル間の依存性は、対数空間で線形依存を示す(図13)。線形回帰は、約1/3の傾きをもたらす(95%信頼区間0.26〜0.36)。

カロテノイド生合成経路のRBS調節 細菌株および増殖条件:クローニングおよび構築物アセンブリープロセスに使用される細菌株は、大腸菌DH5αとした。カロテノイド発現のために、形質転換された細胞を、クロラムフェニコール(34μg/ml)を含むLB培地で37℃で増殖させた。

アスタキサンチン生合成経路の遺伝子 アスタキサンチン合成のために、以下の遺伝子を使用した: ・パントエア・アグロメラン由来のゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)−GenBank:AAA21260.1(配列番号62)。

・パントエア・アグロメラン由来のプレフィトエンピロリン酸シンターゼ(crtB)−GenBank:AAA21264.1(配列番号63)。

・パントエア・アグロメラン由来のフィトエン脱水素酵素(crtI)−GenBank:AAA21263.1(配列番号64)。

・ヘマトコッカス藻由来のイソペンテニルピロリン酸(idi)−GenBank:AAC32208.1(配列番号65)。

・トマト由来のβ−リコピンシクラーゼ(lcy−B)−GenBank:ABR57232.1(配列番号66)。

・パントエア・アナナティス由来のβ−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)−Swiss−Prot:P21688.1(配列番号67)。

・ノストック・スフェロイデス由来のβ−カロテンケトラーゼ(crtW)−GenBank:BAB74888.1(配列番号68)。

・大腸菌由来の1−デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(dxs)−Swiss−Prot:A7ZX72.1(配列番号69)。

CtrZは、アセンブリーPCRを使用して合成し、アセンブリーPCRのためのプライマーは、Johnson Labオリゴマーカー(34)を使用して算出した。サイレント突然変異を導入することによって、列挙された遺伝子から制限部位EcoRI、SpeI、NsiI、NheI、PstIおよびPciIを排除した。

アセンブリープロセス:idi、crtE、crtB、crtI、lcy−B、crtW、crtZおよびdxsを、PCRによって増幅し、次いで、上記に説明されるように、耐性カセットと対を形成させた。上記で記載されるように各遺伝子にRBSを付加した。生合成経路に沿った遺伝子の順序に従って、反復プロセスでライブラリーをアセンブルした。完全オペロンを、記載されるような発現プラスミド中にサブクローニングした。

カロテノイド分析 カロテノイド抽出:カロテノイド経路の生合成遺伝子を有するプラスミドを保持する大腸菌細胞を、100mlのLB培地を含有する振盪フラスコ中で懸濁培養で増殖させた。培養は、37℃で実施した。48時間後、20mlのサンプルを培養物から引き出し、遠心分離によって細胞を回収した。細胞ペレットを冷水で洗浄し、アセトン(20ml)とともに激しく振盪することによってカロテノイドを抽出した。抽出物の不溶性成分を遠心分離(15,000g)によって除去し、上清をガラス製丸底フラスコ中に移し、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させた。乾燥抽出物を1.5mlのアセトンで再溶媒和させ、50μlのサンプルをHPLC分析のために採取した。

HPLCによるカロテノイド分析:HPLC分析を、Borwinソフトウェアとともに取り付けられた高圧混合、P4987ポンプおよびMD−915フォトダイオードアレイ検出器を備えたJascoプラットフォームで実施した。YMCパックODS−Aカラム(250×4.6mm、5μm、12nm)に50μlを注入することによってサンプルを分析した。溶媒A:75%メタノール水溶液、溶媒B:酢酸エチル。0.6ml/分の溶媒流速を使用し、以下の勾配を用いた:15〜85%のB(0〜24分)、85%(24〜30分)、85〜15%(30〜34分)、15%(34〜745 40分)。フォトダイオードアレイ検出機(300〜900nm)を用いて、溶出されたカロテノイドのスペクトルをオンラインで記録した。カロテノイド化合物を、認証標準化合物を用いるコクロマトグラフィーによって、およびそのUV−Visスペクトルの分析によって同定した。カロテノイド化合物の定量化のために、積分したピーク面積を、認証標準のものと比較した。標準溶液の濃度は、分光光度法で決定した(Jasco V−570機器)(35)。さらなる同定のために、HPLCによって単離されたピークを収集し、質量分析計(Z−スプレーESIインターフェースおよびWaters Masslynx v4.1ソフトウェアを備えたMicromass Quattro Ultimaタンデム四重極機器)に直接注入した。得られたフルスキャン(ESI(+)、m/z 100−1000)質量スペクトル(36)から、対応する質量を分析した。

写真:可視光下で両眼顕微鏡(WILD M8;Heerbrugg、Switzerland)を使用して、図16において現れるコロニーの写真をとった。

結果 数桁規模のタンパク質発現に及ぶとこれまでに見出されている6種のRBS配列を選択した(9,14)(図15B)。まず、各配列をYFPリポーターの上流に置くことおよびフローサイトメトリーを使用して蛍光シグナルを測定することによって、発現レベルに対する種々のRBS配列の効果を定量化した(15)。6種のRBSを、発現レベルによって降順に「A」から「F」と示した。図15Cに示されるように、RBSの小さいセットは、数桁規模のタンパク質発現レベルに及び得る。次いで、本発明者らは、いくつかの遺伝子の発現空間に及ぶライブラリーを同時にアセンブルするためにRBS配列のこの小さいセットを使用することが可能かどうかを問うた。各メンバーが同一遺伝子を含有するが、異なるRBS配列の翻訳調節下にあるオペロンのライブラリーを作製した。これを達成するために、本発明者らは、対象の遺伝子の各々を、RBS配列のセットと組合せ的に対を形成させ、これらのRBS−遺伝子構築物をアセンブルして、合成オペロンのライブラリーを作製した(15)。

アセンブリープロセスを促進するために、増強されたBioBrick(16)クローニング戦略を開発した。時間のかかるスクリーニングステップの必要性を回避する陽性選択手順を使用して、遺伝子部分を反復してアセンブルした(15)。手短には、アセンブルされる予定のすべての遺伝子部分に、クロラムフェニコール(Cm)耐性カセットを接続した。各ステップにおいて、さらなる遺伝子部分を構築物中に挿入し(図15D)、一方で、耐性カセットが、適切にアセンブルされた構築物の直接選択を可能にした。次いで、ベクターを、耐性カセットを切り出すことによって次の反復のために「再生利用した」(図15D)。この戦略によって、中間スクリーニングステップが回避され、迅速で効率的なオペロン構築が可能になる。次いで、得られたオペロンのライブラリーを、細胞中に形質転換し、所望の表現型についてスクリーニングした。特定のクローンのRBS組成の推測は、遺伝子の3’UTRに位置するバーコードを配列決定することによって実施した(材料および方法に記載される通り)。バーコードは、オペロンの3’UTRに短い同定配列を反復して連結することによって、アセンブリープロセスの間に作製された。ライブラリー中の各遺伝子変異体は、オペロン中のすべての遺伝子のRBS組成が、単一配列決定反応で推測され得るものとは異なるバーコード配列を含有する。

RBSの組合せが、多次元発現空間に及び得るかどうかを調べるために、3色リポーター系を構築した。CFP、YFPおよびmCherryを各々、本RBSセットの3種の代表(RBS配列「A」、「C」および「E」)と無作為に対を形成させ、オペロンに一緒にアセンブルした。したがって、得られたオペロンライブラリーは、33=27種の遺伝子変異体を含有しており、各メンバーは、同一順序であるが、異なるRBS配列の調節下に3種の遺伝子を含有する(図16A)。形質転換すると、コロニーは、蛍光リポーターの差示的発現に起因して別個の色パターンを示す(図16B)。観察される色空間は、RBS配列のコンビナトリアルアセンブリーが、オペロン内の同義遺伝子の発現レベルを大幅に調節し得ることを示す(図16C)。本発明者らは、サンプルクローンを配列決定し、その蛍光レベルを定量化することによって、観察される異なる色が、RBS配列の異なる組合せに起因することを検証した(15)。さらに、本発明者らは、YFPおよびmCherryからなるオペロンの蛍光レベルを測定し、図16Dに示される9つのクラスターの格子を見出した。各クラスターは、同一のRBSを有するクローンを含有する。さらに、クラスターの広がりは、RBS調節が、発現空間の各次元において約100倍に及ぶことを実証する。特に、YFPの発現レベルは、それを調節するRBS配列にのみ依存する。YFP(このオペロン中の最初に位置する)の上流に同一RBSを有するすべてのコロニーが垂直に整列され、同様のレベルのタンパク質発現を示す。しかし、mCherry蛍光(YFPの下流に位置する)は、そのRBSおよび上流遺伝子の発現レベルの両方に依存する(図16D)。上流遺伝子の発現の10倍の増大につき、約2倍の発現増大を示す、約1/3のべき乗指数を有する、2桁を超える規模にわたる共役が見出された(図16D)。依存性は、交差蛍光によるものではなく(15)、むしろ、オペロン中の隣接する遺伝子間の翻訳共役の現れである(17)。

本3色リポーター系は、RBS配列のコンビナトリアルアセンブリーが、発現空間の大きな画分に広がり得ることを実証する。本発明者らは、代謝経路の作動に対してこのような発現調節の効果がどのように及ぶかを検討した。この問題に対処するために、カロテノイド生合成経路を構成する7種の遺伝子を、大腸菌にクローニングした。この外因性代謝経路の最終生成物は、アスタキサンチン、その強力な抗酸化特性のために公知である高価なキサントフィル(19)である。大腸菌におけるアスタキサンチンの生合成に対するコンビナトリアルRBS調節の効果を調査するために、カロテノイド経路の遺伝子の各々を、RBSセットと無作為に対を形成させ、合成オペロンにアセンブルした(図17A)。得られたライブラリーは、単一試験管中に67種の遺伝子変異体を含有する。図17Bに示されるように、形質転換された大腸菌コロニーは、多種多様な色および強度を示す。各コロニーの色パターンは、各々独特の色を有する別個のカロテノイド中間体の差示的蓄積に起因する。

配列決定することによって、サンプリングされたクローンのRBS組成を決定し、HPLCを使用してカロテノイドプロフィールを分析した(15)。図17Cは、そのRBS組成が異なるクローンは、多様なカロテノイドプロフィールを示すことを示す。いくつかのクローンは、主に単一の生成物を蓄積するが、他のものは、相当なレベルの種々のカロテノイドを製造した。本コンビナトリアルRBSアプローチを使用することで、アスタキサンチン生産性を2.6mg/細胞乾重1g、大腸菌においてこれまでに製造されたものの約2倍ほどに高めることが可能となった。さらに、dxs−カロテノイド経路に絡む遺伝子−をRBS調節下でオペロン中に組み込むことにより、アスタキサンチン生成が5.8mg/細胞乾重1gに増大した。これは、これまでに報告された最良の結果を上回るアスタキサンチン製造の4倍の増大に相当する。

本発明は、その特定の実施形態とともに記載してきたが、多数の代替物、改変および変法が当業者に明らかとなることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に入る、このような代替物、改変および変法のすべてを包含するものとする。

本明細書に記載されたすべての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許および特許出願が具体的に個別に参照により本明細書に組み込まれると示されるように同程度に、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における任意の参考文献の引例または同定は、このような参考文献が、本発明の先行技術として利用可能であるということの承認と解釈されてはならない。節の見出しが使用される限りにおいて、それらは必ずしも制限と解釈されてはならない。

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配列番号1:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号2:リボソーム結合部位A(RBS−A) 配列番号3:リボソーム結合部位B(RBS−B) 配列番号4:リボソーム結合部位C(RBS−C) 配列番号5:リボソーム結合部位D(RBS−D) 配列番号6:リボソーム結合部位E(RBS−E) 配列番号7:デッド−RBS(RBS−F) 配列番号8:上流インスレーター配列 配列番号9:下流インスレーター配列 配列番号10:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号11:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号12:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号13:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号14:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号15:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号16:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号17:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号18:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号19:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号20:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号21:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号22:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号23:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号24:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号25:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号26:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号27:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号28:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号29:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号30:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号31:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号32:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号33:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号34:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号35:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号36:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号37:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号38:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号39:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号40:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号41:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号42:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号43:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号44:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号45:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号46:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号47:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号48:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号49:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号50:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号51:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号52:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号53:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号54:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号55:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号56:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号57:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号58:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号59:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号60:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号61:一本鎖DNAオリゴヌクレオチド 配列番号70:例示のRBS配列 配列番号71:例示のRBS配列 配列番号72:例示のRBS配列 配列番号73:例示のRBS配列 配列番号74:例示のRBS配列 配列番号75:例示のRBS配列 配列番号76:例示のRBS配列 配列番号77:例示のRBS配列 配列番号78:例示のRBS配列 配列番号79:例示のRBS配列 配列番号80:例示のRBS配列 配列番号81:例示のRBS配列 配列番号82:例示のRBS配列 配列番号83:例示のRBS配列 配列番号84:例示のRBS配列 配列番号85:例示のRBS配列 配列番号86:例示のRBS配列 配列番号87:例示のRBS配列 配列番号88:例示のRBS配列 配列番号89:例示のRBS配列 配列番号90:例示のRBS配列 配列番号91:例示のRBS配列 配列番号92:例示のRBS配列 配列番号93:例示のRBS配列 配列番号94:例示のRBS配列 配列番号95:例示のRBS配列 配列番号96:例示のRBS配列 配列番号97:好適なmRNA安定化配列 配列番号98:好適なmRNA安定化配列 配列番号99:好適なmRNA安定化配列 配列番号100:好適なmRNA安定化配列 配列番号101:好適なmRNA安定化配列 配列番号102:好適なmRNA安定化配列 配列番号103:好適なmRNA安定化配列

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