Accumulation of omega -7 fatty acids to plant seeds

申请号 JP2013516790 申请日 2011-06-24 公开(公告)号 JP2013532975A 公开(公告)日 2013-08-22
申请人 ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー; ブルックヘブン サイエンス アソシエイツ,エルエルシー; 发明人 シャンクラン,ジョン; フー グエン,タム; エー. ウォルシュ,テレンス; ピドコウィッチ,マーク,エス.; ホイットル,エドワード,ジェイ.;
摘要 組成物および方法は、 植物 細胞において新規Δ
9 −18:0−ACPデサチュラーゼを遺伝的にコードおよび発現することを包含する。 いくつかの実施形態において核酸分子は、新規Δ
9 −18:0−ACPデサチュラーゼをコードする。 他の実施形態において、アミノ酸配列はΔ
9 −18:0−ACPデサチュラーゼ活性を有する。 方法は、植物全体、植物種子および植物物質、例えば種子中の異常 脂肪酸 の量を増加させる目的で、植物細胞、植物物質および植物全体中のΔ
9 −18:0−ACPデサチュラーゼの発現を含む。
权利要求
  • 配列番号1と少なくとも60%同一であるヌクレオチド配列を含むΔ デサチュラーゼ酵素をコードするヌクレオチド酸分子。
  • 遺伝子調節要素をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
  • 前記遺伝子調節要素がファゼオリンプロモータまたはLTP170プロモータである、請求項2に記載の核酸分子。
  • 配列番号2と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むΔ デサチュラーゼ酵素。
  • 配列番号2と少なくとも80%同一である前記アミノ酸が配列番号2中の位置114に類似した位置のセリン、配列番号2中の位置117に類似した位置のアルギニン、配列番号2中の位置118に類似した位置のシステイン、配列番号2中の位置179に類似した位置のロイシン、または配列番号2中の位置188に類似した位置のトレオニンを含む、請求項4に記載のΔ デサチュラーゼ酵素。
  • 配列番号2と少なくとも80%同一である前記アミノ酸が配列番号2中の位置114に類似した位置のセリン、配列番号2中の位置117に類似した位置のアルギニン、配列番号2中の位置118に類似した位置のシステイン、配列番号2中の位置179に類似した位置のロイシン、および配列番号2中の位置188に類似した位置のトレオニンを含む、請求項4に記載のΔ デサチュラーゼ酵素。
  • 植物物質を請求項1に記載の核酸分子によって、前記植物物質中の異常脂肪酸の量が増加されるように形質転換することを含む、植物物質中の異常脂肪酸の量を増加させる方法。
  • 植物物質を請求項1に記載の追加の核酸分子によって形質転換することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  • 前記植物物質が植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる手段を含む、請求項7に記載の方法。
  • 前記植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる手段がプラスチド外デサチュラーゼの発現である、請求項9に記載の方法。
  • 植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる手段がKASIIの抑制である、請求項9に記載の方法。
  • KASIIの抑制がfab1遺伝子中に突然変異を導入することによって達成される、請求項11に記載の方法。
  • 前記植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる手段が植物物質中の16:0脂肪酸の伸長を減少させることである、請求項9に記載の方法。
  • 植物物質中の16:0脂肪酸の伸長を減少させることが、fae1遺伝子中に突然変異を導入することによって達成される、請求項13に記載の方法。
  • 植物物質がアラビドプシス、ボラゴ、キャノーラ、リシヌス、テオブロマ、ジーア、ゴシピウム、クランべ、クフェア、リヌム、レスクエレラ、リムナンテス、リノーラ、トロパエオルム、オエノテラ、オレア、エラエイス、アラキス、アブラナ、カルタムス、グリシン、ソヤ、ヘリアンタス、ニコチアナ、ベルノニア、トリチカム、ホルデウム、オリザ、アベナ、ソルガム、セカレまたはグラミネアエの他のメンバーを含む群より選択される属より選択される植物から得られる、請求項7に記載の方法。
  • 前記植物物質が植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる2つの手段を含む、請求項7に記載の方法。
  • 植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる第1の手段がKASIIの抑制であり、植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる第2の手段が植物物質中の16:0脂肪酸の伸長を減少させることである、請求項16に記載の方法。
  • 前記植物物質が植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる3つの手段を含む、請求項7に記載の方法。
  • 植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる第1の手段がKASIIの抑制であり、植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる第2の手段が植物物質中の16:0脂肪酸の伸長を減少させることであり、植物物質中の16:0−ACPのレベルを上昇させる第3の手段がプラスチド外デサチュラーゼの発現である、請求項18に記載の方法。
  • 前記プラスチド外デサチュラーゼがLnΔ9DまたはAnΔ9デサチュラーゼである、請求項10に記載の方法。
  • 野生型植物と比較して植物中に増加した量の異常脂肪酸を含む遺伝子操作植物を生成する方法であって:植物物質を請求項1に記載の核酸分子によって形質転換すること、および植物を得るために形質転換された植物物質を培養することを含む方法。
  • 前記植物がアラビドプシス、ボラゴ、キャノーラ、リシヌス、テオブロマ、ジーア、ゴシピウム、クランべ、クフェア、リヌム、レスクエレラ、リムナンテス、リノーラ、トロパエオルム、オエノテラ、オレア、エラエイス、アラキス、アブラナ、カルタムス、グリシン、ソヤ、ヘリアンタス、ニコチアナ、ベルノニア、トリチカム、ホルデウム、オリザ、アベナ、ソルガム、セカレまたはグラミネアエの他のメンバーを含む群より選択される属より選択される、請求項21に記載の方法。
  • 請求項21に記載の方法によって得られた植物。
  • 請求項23に記載の植物から得られた植物物質。
  • 前記植物物質が種子である、請求項24に記載の植物物質。
  • 说明书全文

    優先権主張 本願は、「ACCUMULATION OF N-7 FATTY ACIDS IN PLANT SEEDS」について2010年6月24日に出願された米国仮特許出願第61/358,318号の出願日の利益を主張する。

    詳細な実施形態において、本発明は、Δ −16:0−ACPデサチュラーゼとして機能する、Com25と呼ばれる新規突然変異体リシヌスΔ −18:0−ACPデサチュラーゼに関する。 別の実施形態は、例えば炭素をω−7脂肪酸に変換するために、植物の代謝分岐点を操作する代謝操作の方法に関する。 ある実施形態において、本発明は、植物種子において炭素がω−7脂肪酸に変換されるような、代謝操作戦略の一部としてCom25を発現する方法に関する。

    自然界には1,000を超える脂肪酸構造が存在し得ることが推定されている。 Millar et al., (2000) Trends Plant Sci 5(3):95-101。 これらの脂肪酸の多くは、原型デサチュラーゼの一連のバリアントによる脂肪酸の誘導体化によって合成される。 単離されたこれらバリアントデサチュラーゼの最初のものは、リシノール酸合成に関与する酵素である、トウゴマ内乳からのリシヌスオレアートヒドロキシラーゼであった。 Van de Loo et al., (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92(15):6743-6747。 これにはベルノニアリノレアートエポキシダーゼおよびクレピスオレアートアセチレナーゼをコードする遺伝子が続いた。 Lee et al., (1998) Science 280(5365):915-18。 これらの遺伝子の単離は、油料作物植物でのその異種発現により対応する異常脂肪酸の蓄積が促進され得るという考えにつながった。 Broun et al., (1997) Plant Journal 13:201-10。 しかし生じた異常脂肪酸の蓄積は、遺伝子が単離された天然源の植物に見出されるよりも必ず低かった。 Napier, JA (2007) Annu. Rev. Plant Biol. 58:295-319。

    異常脂肪酸を蓄積する組織から単離されたバリアントデサチュラーゼ酵素の特異的プロフィールは、対応する異常脂肪酸を産生する役割と一致している。 しかしバリアントデサチュラーゼ酵素は、現在までに報告されたすべてのステアロイル−ACPデサチュラーゼと比べてきわめて不十分な特異的活性を呈し、異種発現されたときに、改変された脂肪酸表現型を産生するのに無効であることが判明している。 Cahoon et al., (1994) Prog. Lipid Res. 33:155-63。 例として、モデル植物のアラビドプシスにおける強な種子特異的プロモータの制御下でのトウゴマヒドロキシラーゼの種子特異的発現は、トウゴマ種子で見出された約90%よりはるかに少ない、わずか約17%のリシノール酸の蓄積を生じた。 Broun and Somerville(1997) Plant Physiol. 113:933-42。 同様に期待外れの結果がエポキシおよびアセチレン系脂肪酸についても報告され、アラビドプシスにおけるエポキシゲナーゼおよびアセチレナーゼの異種発現時にそれぞれ15および25%まで蓄積することが報告されている。 Lee et al., (1998) Science 280(5365):915-18。 不十分な活性を示すことに加えて、バリアントデサチュラーゼは精製されたときに不溶性アグリゲートを形成する傾向があった。 低い安定性および不十分な触媒速度は多くの新たに進化した酵素が共有する特性であり、これらの酵素は、安定性および/または代謝回転の選択が解除されているが同時に最終的に機能の改変を生じる突然変異が蓄積する遺伝子複製イベントにおいて生じる。 Govindarajan and Goldstein (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:5545-49;Goldstein (2001) in Protein Folding, Evolution and Design (Broglia, RA, Shakhnovich, EI, and Tiana, G., eds) CXLIV Vols., IOS Press, Amsterdam。

    低レベルの標的脂肪酸蓄積についての多くの有力な説明が提起されている。 Napier, JA (2007) Annu. Rev. Plant Biol. 58:295-319。 証拠から、特殊な酵素が異常脂肪酸のトリアシルグリセロールへの取り込みで重要な役割を果たし得ることが示唆されている。 例として、トランスジェニックのブラシカ・ナプス(Brassica napus)種子でのラウレートの蓄積は、ココナッツリゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼとカリフォルニアベイ中鎖チオエステラーゼとの同時発現時に50%から60%に上昇した。 Knutzon et al., (1999) Plant Physiol. 120(3):739-46。 近年トウゴマ2型アシル−補酵素A:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(RcDGAT2)とトウゴマヒドロキシラーゼとの同時発現は、リシノール酸の蓄積を約17%から約30%に上昇させた。 Burgal et al., (2008) Plant Biotechnol. J. 6(8):819-31。

    天然発生種に見出されるものと同等の、トランスジェニック植物中の異常脂肪酸の高レベルの蓄積は、まだ報告されていない。 異常脂肪酸は様々な工業および用途で非常に望ましいので、異常脂肪酸の生産のために設計されたトランスジェニック植物における異常脂肪酸のより良好な発現に対する要求がある。

    Millar et al., (2000) Trends Plant Sci 5(3):95-101 Van de Loo et al., (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92(15):6743-6747 Lee et al., (1998) Science 280(5365):915-18 Broun et al., (1997) Plant Journal 13:201-10 Napier, JA (2007) Annu. Rev. Plant Biol. 58:295-319 Cahoon et al., (1994) Prog. Lipid Res. 33:155-63 Broun and Somerville (1997) Plant Physiol. 113:933-42 Govindarajan and Goldstein (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:5545-49 Goldstein (2001) in Protein Folding, Evolution and Design (Broglia, RA, Shakhnovich, EI, and Tiana, G., eds) CXLIV Vols., IOS Press, Amsterdam Knutzon et al., (1999) Plant Physiol. 120(3):739-46 Burgal et al., (2008) Plant Biotechnol. J. 6(8):819-31

    本明細書で開示するのは、Com25と呼ばれる新規バリアントデサチュラーゼをコードするヌクレオチド配列およびそのアミノ酸配列である。

    また、植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、WTトウゴマΔ −18:0デサチュラーゼと比べてCom25酵素の向上したデサチュラーゼ活性を利用するために、植物細胞中でCom25を発現する方法も開示される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1Δ 19および/または18:1Δ 11であり得る。

    植物細胞中でCom25を発現する方法も提供され、方法では植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、植物細胞はプラスチドおよびプラスチド外脂肪酸伸長が障害される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1Δ 19および/または18:1Δ 11であり得る。

    植物細胞中でCom25を発現するさらなる方法が提供され、方法では植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、KASIIが植物細胞において阻害される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1Δ および/または18:1Δ 11であり得る。

    植物細胞中でCom25を発現する方法も提供され、方法では植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、KASIIならびにプラスチドおよびプラスチド外脂肪酸伸長が植物細胞において阻害される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1Δ 19および/または18:1Δ 11であり得る。

    上記および他の特徴は、添付図を参照して進められる、複数の実施形態の以下の詳細な説明よりさらに明らかになる。

    アラビドプシスのプラスチドおよび小胞体における脂肪酸合成および修飾の概略を示す。 16:0デサチュラーゼが介在する反応は1:Δ

    −16:0−ACPデサチュラーゼ;2:プラスチド外Δ

    −16:0−ACPデサチュラーゼで示される。 ω−7 FA、すなわち16:1Δ

    および18:1Δ

    11は、枠で囲まれている。

    アラビドプシスの多様なバックグラウンドにおけるCom25の発現時のFAMEの代表的なガスクロマトグラフィーによる分離を示す。 パネルAおよびB、WT;CおよびD、fab1;EおよびF、fab1/fae1。 パネルA、CおよびE、非形質転換;B、DおよびF、Phas:Com25によって形質転換。 FAMEピーク:16:0(1)、16:1Δ

    (2)、16:2(3)、18:0(4)、18:1Δ

    (5)、18:1Δ

    11 (6)、18:2(7)、20:0(8)、20:1Δ

    11 (6)、18:2(7)、20:0(8)、20:1Δ

    11 (9)、18:3+20:1Δ

    13 (10)および22:1(11)が示されている。

    宿主種子における16:0とω−7の蓄積(モルパーセントとして)との間の関係を示す。

    アラビドプシスの多様なバックグラウンドにおけるCom25の発現時のFAMEの代表的なガスクロマトグラフィーによる分離を示す。 パネルA:最良のfab1/fae1、Phas:Com25、Fab1−HPAS、AnΔ9DS、LnΔ9DSトランスフォーマント系統;パネルB:ドキサンサ(Doxantha)種子。 ピーク名称は図2に記載されている通りである。

    本発明の特定のコンストラクトの実施形態におけるDNA要素の配置図である。

    I. 複数の実施形態の概説 本明細書では、配列番号1と少なくとも60%同一であるヌクレオチド配列を含むΔ デサチュラーゼ酵素をコードするヌクレオチド酸分子を開示する。 核酸分子は、遺伝子調節要素をさらに含み得る。 いくつかの実施形態において、遺伝子調節要素は、ファゼオリンプロモータであり得る。

    配列番号2と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むΔ デサチュラーゼ酵素も開示されている。 アミノ酸配列が配列番号2と少なくとも80%同一である本発明のΔ デサチュラーゼ酵素は、配列番号2中の位置114に類似した位置のセリン、配列番号2中の位置117に類似した位置のアルギニン、配列番号2中の位置118に類似した位置のシステイン、配列番号2中の位置179に類似した位置のロイシン、および/または配列番号2中の位置188に類似した位置のトレオニンをさらに含み得る。

    本発明の核酸分子およびΔ デサチュラーゼ酵素は、同じ種の野生型植物で観察される量と比べて植物物質、細胞、組織または植物全体における異常脂肪酸の量を増加させるために、植物物質、細胞、組織または植物全体において発現され得る。 本発明の別の実施形態は、植物物質、細胞、組織または植物全体を配列番号1の核酸分子によって形質転換することを含む、前記植物物質、細胞、組織または植物全体における異常脂肪酸の量が増加するように、植物物質、細胞、組織または植物全体における異常脂肪酸の量を増加させる方法を包含する。

    好ましい実施形態において、開示された方法によって形質転換される植物物質、細胞、組織または植物全体は、植物物質、細胞、組織または植物全体における16:0−ACPのレベルを上昇させるための1つ以上の手段をさらに含む。 ある実施形態において、植物物質、細胞、組織または植物全体における16:0−ACPのレベルを上昇させるための手段は、プラスチド外デサチュラーゼの発現、例えばfab1遺伝子に突然変異を導入することによるKASIIの抑制、および/または例えばfae1遺伝子に突然変異を導入することによる16:0脂肪酸の伸長の低減であり得る。

    本明細書で開示される方法は、例えばアラビドプシス属の植物または植物に由来する植物物質に対して行われ得る。 詳細な実施形態は、植物物質を配列番号1の核酸分子によって形質転換することおよび形質転換された植物物質を培養して植物を得ることを含む、同じ種の野生型植物と比較して増加した量の異常脂肪酸を含む遺伝子操作植物を作製または再生する方法に向けられている。 上記の方法によって得た植物、植物物質、植物細胞および種子も開示されている。
    II. 略語x:yΔ x個の炭素およびカルボキシル端から数えた位置zにおけるy個の二重結合を含有する脂肪酸ACP アシル担体タンパク質COA 補酵素A
    KASII β−ケトアシル−ACPシンターゼII
    FA 脂肪酸FAS 脂肪酸合成FAME 脂肪酸メチルエステルWT 野生型 III. 用語脂肪酸:本明細書で使用する場合、「脂肪酸」という用語は、約C12からC22の鎖長の長鎖脂肪族酸(アルカン酸)を指すが、より長いまたはより短い鎖長の酸のどちらも公知である。 脂肪酸の構造は、表記x:yΔ によって表され、式中、「x」は特定の脂肪酸中の炭素(C)原子の総数であり、「y」は、酸のカルボキシル端からカウントした位置「z」における炭素鎖中の二重結合の数である。

    異常脂肪酸:本発明の目的では、異常脂肪酸は、天然系における合成がバリアントデサチュラーゼ酵素によるFASの中間体の修飾によって開始される脂肪酸である。

    代謝経路:「代謝経路」という用語は、代謝生成物の形成、または別の代謝経路の開始のどちらかを達成するために、酵素によって触媒される、細胞内で発生する一連の化学反応を指す。 代謝経路は、複数のまたは多くのステップを含み得て、特異的反応基質に対する各種の代謝経路と競合し得る。 同様に、1つの代謝経路の生成物は、また別の代謝経路の基質であり得る。

    代謝操作:本発明の目的では、「代謝操作」は、初期物質の所望の正確な化学構造を有する生成物への段階的修飾が、細胞中で作用している全代謝経路のスキーム全体の中で達成されるような、細胞内の1つ以上の代謝経路を改変する戦略の合理的な設計を指す。

    デサチュラーゼ:本明細書で使用する場合、「デサチュラーゼ」という用語は、興味のある脂肪酸または前駆体を産生するために1つ以上の脂肪酸において不飽和化する(すなわち二重結合を導入する)ことができるポリペプチドを指す。 植物可溶性脂肪酸デサチュラーゼ酵素は、二重結合を飽和アシル−ACP基質中に位置特異的に導入する。 反応は、デサチュラーゼ構造の核を形成する4へリックスバンドルが配位した二電子還元二鉄中心による分子酸素の活性化を含む。 本明細書で特に興味深いのは、Δ デサチュラーゼである。

    Δ −18:0 −ACPデサチュラーゼは、膜流動性の維持のためにすべての植物によって必要とされる。 この酵素は主にステアロイル−ACPを不飽和化するが、パルミトイル−ACPに対してもわずかに活性がある。

    バリアントデサチュラーゼ:本明細書で使用する場合、「バリアントデサチュラーゼ」という用語は、異常脂肪酸を産生する役割と一致する特異的活性プロフィールを呈するデサチュラーゼを含む。 バリアントデサチュラーゼは、生物から単離され得るか、または指向性進化プログラムによって設計され得る。

    子孫植物:本発明の目的では、「子孫植物」は、植物育種法によって得られ得るいずれの植物または植物から得た植物物質も指す。 植物育種法は当分野で周知であり、自然育種、人工育種、DNA分子マーカー分析を含む選択的育種、トランスジェニックおよび商用育種を包含する。

    植物物質:本明細書で使用する場合、「植物物質」という用語は、植物から得たいずれの細胞または組織も指す。

    核酸分子:RNA、cDNA、ゲノムDNAのセンスおよびアンチセンス鎖の両方、ならびに上の合成形および混合ポリマーを包含することができる、ヌクレオチドのポリマー形。 ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシヌクレオチドまたはどちらかの種類のヌクレオチドの修飾形を指す。 「核酸分子」は、本明細書で使用する場合、「核酸」および「ポリヌクレオチド」と同義である。 用語は、DNAの単鎖および二本鎖形を包含する。 核酸分子は、天然発生型および/または非天然発生型ヌクレオチド結合によって共に結合された天然発生型および修飾ヌクレオチドのどちらかまたは両方を包含することができる。

    核酸分子は、当業者によってただちに認識されるように、化学的もしくは生化学的に修飾されることができ、または非天然型または誘導体化ヌクレオチド塩基を含有することができる。 このような修飾は、例えば標識、メチル化、1つ以上の天然発生ヌクレオチドの類似体による置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電結合(例えばメチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホラミデート、カルバメートなど)、荷電結合(例えばホスホロチオアート、ホスホロジチオアートなど)、ペンダント基部分(例えばペプチド)、インタカレータ(例えばアクリジン、ソラレンなど)、キレータ、アルキレータおよび修飾結合(例えばアルファアノマー核酸など)を包含する。 「核酸分子」という用語は、単鎖、二本鎖、部分二重らせん、三重らせん、ヘアピン状、円形およびパドロック立体配座を包含するいずれの位相幾何学的立体配座も包含する。

    操作可能に結合された:第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的関係にある場合、第1の核酸配列は第2の核酸配列と操作可能に結合されている。 例として、プロモータがコード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合、プロモータはコード配列に操作可能に結合されている。 操作可能に結合された核酸配列は、組換えによって産生されるとき、一般に隣接していて、2つのタンパク質コード領域を連結する必要がある場合には、同じリーディングフレーム内にある。 しかし核酸は、操作可能に結合されているとするために隣接している必要はない。

    調節要素:本明細書で使用する場合、「調節要素」という用語は、遺伝子調節活性を有する核酸分子、すなわち操作可能に結合された転写可能な核酸分子の転写または翻訳に影響を及ぼす能力を有する核酸分子を指す。 調節要素、例えばプロモータ、リーダ、イントロンおよび転写終結領域は、生細胞の遺伝子の発現全体において不可欠な役割を果たす遺伝子調節活性を有する非コード核酸分子である。 植物において機能する単離された調節要素はゆえに、分子工学の技法を通じて植物表現型を修飾するのに有用である。 「調節要素」により、特定の遺伝子がいつ、どのレベルで発現されるかを決定する一連のヌクレオチドが意図される。 調節DNA配列は、調節タンパク質または他のタンパク質と特異的に相互作用する。

    本明細書で使用する場合、「遺伝子調節活性」という用語は、操作可能に結合された核酸分子の転写または翻訳に影響を及ぼすことができる核酸分子を指す。 遺伝子調節活性を有する単離された核酸分子は、操作可能に結合された核酸分子の時間的もしくは空間的発現を提供し得る、または操作可能に結合された核酸分子の発現のレベルおよび速度を調節し得る。 遺伝子調節活性を有する単離された核酸分子は、プロモータ、イントロン、リーダ、または3'転写終結領域を含み得る。

    プロモータ:本明細書で使用する場合、「プロモータ」という用語は、RNAポリメラーゼIIまたは他のタンパク質、例えば転写因子(転写を調節するトランス作用タンパク質因子)の認識および結合に関与して、操作可能に結合された遺伝子の転写を開始する核酸分子を指す。 プロモータはそれ自体がサブ要素、例えばシス要素または操作可能に結合された遺伝子の転写をもたらすエンハンサ領域を含有し得る。 「植物プロモータ」は、植物細胞において機能する天然または非天然プロモータである。 植物プロモータは、操作可能に結合された1つまたは複数の遺伝子の発現を調節するための5'調節要素として使用することができる。 植物プロモータは、その時間的、空間的または発生的発現パターンによって定義され得る。 本明細書に記載する核酸分子は、プロモータを含む核酸配列を含み得る。

    配列同一性:2つの核酸配列間または2つのアミノ酸配列間の類似性が、配列間で共有される配列同一性のレベルによって表現される。 配列同一性は通例、パーセンテージ同一性によって表現され、パーセンテージが高ければ高いほど、2つの配列はより類似している。 比較のために配列を整列する方法は、下で詳細に記載する。

    アミノ酸配列中の類似位置:核酸およびアミノ酸配列は、以下のパラグラフに記載されている方法によって整列され得る。 整列されたときに、コンセンサス配列内で位置が同一である場合、1つの配列中の位置は、整列された配列中の位置と「類似位置」にある。

    比較のために配列を整列する方法は、当分野で周知である。 多様なプログラムおよびアラインメントアルゴリズムは:Smith and Waterman, Adv. Appl. math. 2:482, 1981; Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443, 1970; Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988; Higgins and Sharp, Gene 73:237-44, 1988; Higgins and Sharp, CABIOS 5:151-3, 1989; Corpet et al., Nucleic Acids Research 16:10881-10890, 1988; Huang, et al., Computer Applications in the Biosciences 8:155-65, 1992; Pearson et al., Methods in Molecular Biology 24:307-31, 1994; Tatiana et al., FEMS Microbiol. Lett., 174:247-50, 1990. Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-10, 1990 (detailed consideration of sequence-alignment methods and homology calculations)に記載されている。

    National Center for Biotechnology Information (NCBI)のBasic Local Alignment Search Tool (BLAST)は、配列分析プログラム例えばblastpおよびblastnに関連してインターネット(blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiにて)で利用できる。 このプログラムを使用して配列同一性を決定する方法の説明は、インターネットでNCBIを通してblast. ncbi. nlm. nih. gov/Blast. cgi? CMD=Web&PAGE_TYPE=BlastDocsにて利用できる。

    アミノ酸配列の比較では、BLASTプログラムの 「Blast 2 配列」機能(bl2seq)がデフォルトパラメータを使用して用いられる。 例えばミスマッチのペナルティまたはマッチのリワードを提供するための具体的なパラメータは、当業者の裁量の範囲内で調整され得る。

    形質転換された:本明細書で使用する場合、「形質転換された」という用語は、外来核酸分子、例えばコンストラクトが導入されている細胞、組織、器官または生物を指す。 導入された核酸分子は、導入されたポリヌクレオチド分子が後の子孫に受け継がれるように、レシピエント細胞、組織、器官または生物のゲノムDNA中に組み込まれ得る。 「トランスジェニック」または「形質転換された」細胞または生物は、細胞または生物の子孫および、例えば交配においてこのようなトランスジェニック植物を親として用いて、外来核酸分子の存在により生じる改変された表現型を呈する育種プログラムから産生された子孫も包含する。

    IV. 宿主細胞、組織または生物での異常脂肪酸の蓄積への系統的代謝操作によるアプローチ A. 概要 本発明の実施形態は、例えば植物種子中のパルミトレイン酸(16:1Δ )およびバクセン酸(18:1Δ 11 )からなるω−7脂肪酸(FA)の蓄積を代謝操作することへの系統的アプローチを包含する。 プラスチドにおいて新たに合成された脂肪酸の流れを遮断する方法を例示するために、トウゴマΔ −18:0−デサチュラーゼの16:0−デサチュラーゼ活性を向上させる指向性進化プログラムから生じる16:0−ACPデサチュラーゼであるCom25を、種子特異的ファゼオリンプロモータの制御下で発現させた。 本明細書で開示する実施形態では、いずれの種子特異的プロモータも使用され得る。 このアプローチは、ω−7 FAの蓄積を野生型(WT)における2%未満からCom25トランスフォーマントにおける約14%まで上昇させた。

    さらなる例示的なアプローチにおいて、プラスチドおよびプラスチド外脂肪酸伸長がそれぞれ損なわれているfab1/fae1二重突然変異体におけるCom25の発現は、約50%までの上昇したω−7 FA蓄積を生じた。 さらに、LTP170プロモータの制御下で追加のCom25を導入することは、ω−7 FAの蓄積を約58%まで上昇させて、低い代謝回転速度から生じるらしいデサチュラーゼ活性の制限が克服されたことを示唆した。 ファゼオリン:Com25コンストラクトは、一連のKASII欠損バックグラウンドで発現され、ω−7 FA量は約30%までの16:0含有量に比例して上昇し、約55%までの総ω−7 FA蓄積が観察された。 興味深いことに、56%のω−7 FAを蓄積するトランスジェニックは、WT植物の蓄積の2倍を超える約19%の16:0を含有していた。 トリアシルグリセロールまでの途中で16:0の流れを妨害するプラスチド外16:0デサチュラーゼの発現が調べられた。 fab1/fae1二重突然変異体バックグラウンドにおいて、KASIIの抑制と共にプラスチドおよびプラスチド外デサチュラーゼを同時発現させることにより、WTにおける約2%から、最も良好に操作された系統において、ドキサンサ種子に見出されるものと同等である約71%まで上昇したω−7 FAの蓄積を生じた。

    ω−7 FAが標的として選択されたのは、他の異常FAの合成と同様に、天然系統における合成がFASの中間体のバリアントデサチュラーゼ酵素による修飾により開始されるためである。 Cahoon et al., (1997) Plant Mol. Biol. 33:1105-10; and Cahoon et al., (1998) Plant Physiol. 117(2):593-8。 加えて、ω−7 FAは天然発生型不飽和脂肪酸と同様の物理的特性を有し、ポリマー供給原料として潜在的な工業用途を有する。

    代謝操作研究は、先に報告されていないΔ −16:0−アシル担体タンパク質(ACP)デサチュラーゼであるCom25をモデル植物のアラビドプシス中に種子特異的プロモータの制御下で導入することによって開始された。 16:0の上昇したレベルを含有する突然変異体バックグラウンドの選択によって、および基質に対する競合に影響を及ぼすことにより炭素の流れを標的脂肪酸中に転換するように設計されたコンストラクトの同時発現によって、炭素の流れをω−7 FA中に転換するアプローチが調査された。 プラスチド外デサチュラーゼ酵素は、プラスチドからの搬出後に残留16:0を不飽和化させるために発現された。

    fab1/fae1バックグラウンドにおいて、KASIIの抑制と共にプラスチドおよびプラスチド外デサチュラーゼを同時発現させることにより、WTにおける2%未満から、アスクレピアスに見出されるよりも高く、ドキサンサ種子に見出されるものと同等である約71%まで上昇したω−7 FAの蓄積を生じた。

    ω−7脂肪酸の前駆体である16:0−ACPは、脂肪酸生合成の第1の分岐点にあり、FatBチオエステラーゼおよびKASIIエロンガーゼによって競合される。 16:0−ACPデサチュラーゼの導入は、これを三者競合にする。 KASIIおよびFATBの抑制は、基質に対する競合を減少させて、ω−7 FAの蓄積を上昇させるのに有効な方法である。 ω−7 FA蓄積の上昇が宿主系統において約30%で飽和可能であるのは、このレベルより上ではデサチュラーゼが制限的であるためである。 種子特異的プロモータの制御下で第2のコピーを発現させることによってCom25の用量を増加させることは、ω−7脂肪酸の蓄積をさらに上昇させた。 しかし高いω−7 FAアキュムレータの種子も約20%の範囲に16:0のレベルを含有しており、プラスチド外16:0を不飽和化する機会を与えた。 2つのプラスチド外デサチュラーゼの発現がω−7 FAの蓄積を上昇させて、成熟種子における16:0のおよそ50%の低下を生じた。

    下でより詳細に記載するように、系統的代謝操作が天然源において観察されるものと同程度に異常脂肪酸の蓄積のレベルを操作する成功裏の戦略であり得るのは、最良のfab1/fae1/Com25/LnΔ9DおよびAnΔ9D系統がアクレピアスにおけるよりも実質的に高いレベルで、ドキサンサ種子に見出されるレベルと同等である、71%のω−7 FAを蓄積するためである。

    B. 核酸 本発明のいくつかの実施形態における核酸配列は、配列番号1と整列させたときに増加するパーセンテージ同一性を示す。 これらおよび他の実施形態の中の特異的核酸配列は、配列番号2と例えば少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または100%の同一性を有する配列を含み得る。 例えばコドン縮重による許容されるヌクレオチド置換によって、コードされたポリペプチドのアミノ酸配列が実質的に変更されることなく、核酸分子が修飾され得ることが当業者によって理解される。

    いくつかの実施形態において、本発明の核酸分子はプロモータを含む。 プロモータは、ベクターコンストラクトが挿入される細胞型に基づいて選択され得る。 細菌、酵母および植物において機能するプロモータが当分野で周知である。 プロモータは、その調節の特徴に基づいても選択され得る。 このような特徴の例は、転写活性の向上、誘導能、組織特異性および発生段階特異性を包含する。 植物において、誘導性である、ウイルスまたは合成起源である、構成的活性である、時間的に調節された、および空間的に調節されたプロモータが記載されている(例えばPoszkowski, et al., (1989) EMBO J. 3:2719; Odell et al., (1985) Nature 313:810; Chau et al., (1989) Science 244:174-81を参照)。

    しばしば使用される構成的プロモータは、例えばCaMV 35Sプロモータ、エンハンストCaMV 35Sプロモータ、ゴマノハグサモザイクウイルスプロモータ、マンノピンシンターゼプロモータ、ノパリンシンターゼプロモータおよびオクトピンシンターゼプロモータを包含する。

    有用な誘導性プロモータは、例えば毒性緩和剤(置換ベンゼンスルホンアミド除草剤)の適用により誘導されたサリチル酸またはポリアクリル酸により誘導されたプロモータ、熱ショックプロモータ、ホウレンソウ硝酸塩レダクターゼ転写可能核酸分子配列から誘導された硝酸塩誘導性プロモータ、ホルモン誘導性プロモータ、ならびにRuBPカルボキシラーゼの小サブユニットおよびLHCPファミリに関連する光誘導性プロモータを包含する。

    有用な組織特異的、発生調節プロモータの例は、β−コングリシニン7Sαプロモータおよび種子特異的プロモータを包含する。 種子プラスチドにおける優先的発現に有用な植物機能性プロモータは、油料種子における脂肪酸生合成に関与するタンパク質からのおよび植物貯蔵タンパク質からの植物機能性プロモータを包含する。 このようなプロモータの例は、転写可能核酸分子配列、例えばファゼオリン、ナピン、ゼイン、ダイズ・トリプシン・インヒビタ、ACP、ステアロイル−ACPデサチュラーゼ、およびオレオシンからの5'調節領域を包含する。 別の例示的な組織特異的プロモータはレクチンプロモータであり、種子組織に対して特異的である。

    他の有用なプロモータは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の腫瘍誘導性プラスミドに担持されているノパリンシンターゼ、マンノピンシンターゼ、およびオクトピンシンターゼプロモータ;カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sおよび35Sプロモータ;エンハンストCaMV 35Sプロモータ;ゴマノハグサ・モザイク・ウイルス35Sプロモータ;リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼの小サブユニット(ssRUBISCO)からの光誘導性プロモータ;タバコからのEIF−4Aプロモータ(Mandel et al., (1995) Plant Mol. Biol. 29:995-1004);トウモロコシスクロースシンターゼ;トウモロコシアルコールデヒドロゲナーゼI;トウモロコシ光収穫複合体(corn light harvesting compolex);トウモロコシ熱ショックタンパク質;アラビドプシスからのキチナーゼプロモータ;LTP(脂質転移タンパク質)プロモータ;ペチュニアカルコンイソメラーゼ;マメグリシンリッチタンパク質1;ジャガイモパタチン;ユビキチンプロモータ;およびアクチンプロモータを包含する。 有用なプロモータは、好ましくは種子選択性、組織選択性、または誘導性である。 種子特異的調節は、例えば欧州特許第0255378号明細書で議論されている。

    C. アミノ酸配列 本発明のいくつかの実施形態によるアミノ酸配列は、配列番号2と整列させたときに増加するパーセンテージ同一性を示す。 これらおよび他の実施形態の中の特異的アミノ酸配列は、配列番号2と例えば少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または100%の同一性を有する配列を含み得る。 多くの実施形態において、配列番号2と整列させたときに上記の配列同一性を有するアミノ酸配列は、酵素Δ −18:0−ACPデサチュラーゼ活性を持つペプチドをコードする。

    D. Com25の改変:5つの突然変異 本発明の態様は、親トウゴマデサチュラーゼから誘導された新規の遺伝子操作デサチュラーゼに関する。 詳細な実施形態において、遺伝子操作デサチュラーゼはCom25である。 Com25は、親トウゴマデサチュラーゼとは以下の5つのアミノ酸位置:M114S、T117R、L118C、P179L、およびG188T(成熟トウゴマデサチュラーゼPDBエントリ1AFRに従ってナンバリング)が異なる。 さらなる実施形態において、遺伝子操作デサチュラーゼは、Com25におけるこれらの5つの突然変異の1つ以上を含み得る。 例えば遺伝子操作デサチュラーゼは、親トウゴマデサチュラーゼとは以下の位置が異なり得る:M114S;T117R;L118C;P179L;G188T;M114SおよびT117R;M114SおよびL118C;M114SおよびP179L;M114SおよびG188T;T117RおよびL118C;T117RおよびP179L;T117RおよびG188T;L118CおよびP179L;L118CおよびG188T;P179LおよびG188T;M114S、T117R、およびL118C;M114S、T117R、およびP179L;M114S、T1117R、およびG188T;M114S、L118C、およびP179L;M114S、L118C、およびG188T;M114S、P179L、およびG188T;T117R、L118C、およびP179L;T117R、L118C、およびG188T;T117R、P179L、およびG188T;またはL118C、P179L、およびG188T。

    E. 16:0脂肪酸の上昇したレベルを含有する宿主。
    好ましい実施形態において、Com25によって形質転換された宿主細胞または物質は、16:0脂肪酸の上昇したレベルを呈し得る。 宿主細胞は、例えばこれらの宿主細胞において16:0−ACPの代謝を低下させることによって、16:0脂肪酸の上昇したレベルを呈し得る。 宿主細胞において16:0脂肪酸のレベルを上昇させる他の方法が使用され得て、このような方法は、当業者の裁量の行使によって選ばれ得る。 宿主細胞における16:0脂肪酸のレベルを上昇させる方法の例は、これに限定されるわけではないが、1)宿主細胞におけるプラスチド外デサチュラーゼの発現、2)例えばfab1遺伝子に突然変異を導入することによる、宿主細胞におけるKASIIの抑制、および3)例えばfae1遺伝子に突然変異を導入することによる、16:0脂肪酸の伸長を減少させることを包含する。

    F. 植物物質の遺伝子形質転換の方法 本発明は、配列番号1に少なくとも60%同一である核酸配列を含む1つ以上の核酸分子を含む形質転換細胞を産生する方法にも関する。 このような核酸分子は、例えば非コード調節要素、例えばプロモータも含み得る。 他の配列も非コード調節要素および転写可能核酸分子配列と共に、細胞中に導入され得る。 このような他の配列は、3'転写ターミネータ、3'ポリアデニル化シグナル、他の非翻訳配列、トランジットまたはターゲティング配列、選択可能マーカー、エンハンサ、およびオペレータを包含し得る。

    形質転換の方法は一般に、好適な宿主細胞を選択するステップ、宿主細胞を組換えベクターによって形質転換するステップ、および形質転換された宿主細胞を得るステップを含む。

    DNAを細胞中に導入する技術は、当業者に周知である。 これらの方法は一般に5つの種類に分類することができる:(1)化学的方法(Graham and Van der Eb (1973) Virology 54(2):536-9; Zatloukal et al., (1992) Ann. NY Acad. Sci. 660:136-53);(2)物理的方法、例えば微量注入(Capechi (1980) Cell 22(2):479-88)、電気穿孔(Wong and Neumann, Biochim. Biophys. Res. Commun. (1982) 107(2):584-7; Fromm et al., (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82(17):5824-8; 米国特許第5,384,253号明細書)、および粒子加速(Johnston and Tang (1994) Methods Cell Biol. 43(A):353-65; Fynan et al., (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90(24):11478-82;(3)ウイルスベクター(Clapp (1993) Clin. Perinatol. 20(1):155-68; Lu et al., (1993) J. Exp. Med. 178(6):2089-96; Eglitis and Anderson(1988) Biotechniques 6(7):608-14);(4)レセプタ媒介機構(Curiel et al., (1992) Hum. Gen. Ther. 3(2):147-54; Wagner et al., (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89(13):6099-103);および(5)細菌媒介機構、例えばアグロバクテリウムを用いるもの。または、核酸を植物の生殖器官を直接注入することによって、花粉中に直接導入することができる(Zhou et al., (1983) Methods in Enzymology 101:433; Hess (1987) Intern. Rev. Cytol. 107:367; Luo et al., (1988) Plant Mol. Biol. Reporter 6:165; Pena et al., (1987) Nature 325:274)。 他の形質転換方法は、例えば米国特許第5,508,184号明細書に例証されているようなプロトプラスト形質転換を包含する。 核酸分子は、未熟胚中にも注入され得る(Neuhaus et al., (1987) Theor. Appl. Genet. 75:30)。

    植物細胞の形質変換に最も普通に使用される方法は:アグロバクテリウム媒介DNA導入プロセス(Fraley et al., (1983) Proc. natl. Acad. Sci. USA 80:4803)(米国特許第5,824,877号明細書、米国特許第5,591,616号明細書、米国特許第5,981,840号明細書、および米国特許第6,384,301号明細書に例証されているような)およびバイオリスティックスまたはマイクロプロジェクタイルボンバードメント(microprojectile bombardment)媒介プロセス(すなわち遺伝子銃)(米国特許第5,550,318号明細書、米国特許第5,538,880号明細書、米国特許第6,160,208号明細書、米国特許第6,399,861号明細書、および米国特許第6,403,865号明細書に記載されているような)である。 通例、核形質転換が所望であるが、プラスチド、例えばクロロプラストまたはアミロプラストを特異的に形質転換することが所望である場合、植物プラスチドは、ある植物種、例えばアラビドプシス、タバコ、ジャガイモおよびブラシカ(Brassica)種の所望の核酸分子のマイクロプロジェクタイル媒介送達を使用して形質転換され得る。

    アグロバクテリウム媒介形質転換は、アグロバクテリウム属に属する遺伝子操作された土壌細菌に使用により達成される。 複数のアグロバクテリウム種が、いずれの所望のDNA片も多くの植物種中に運搬するように遺伝子操作されることが可能な「T−DNA」として公知である特異的DNAの導入を媒介する。 T−DNA媒介発症(pathogensis)のプロセスを特徴付ける主要なイベントは、病原性遺伝子の導入、ならびにTDNAの処理および導入である。 このプロセスは、多くの総説の主題である(Ream (1989) Ann. Rev. Phytopathol. 27:583-618; Howard and Citovsky (1990) Bioassays 12:103-8; Kado (1991) Crit. Rev. Plant Sci. 10:1-32; Zambryski (1992) Annual Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 43:465-90; Gelvin (1993) in Transgenic Plants, Kung and Wu eds., Academic Press, San Diego, pp. 49-87; Binns and Howitz (1994) In Bacterical Pathogenesis of Plants and Animals, Dang, ed., Berlin: Springer Verlag., pp. 119-38; Hooykaas and Beijersbergen (1994) Ann. Rev. Phytopathol. 32:157-79; Lessl and Lanka (1994) Cell 77:321-4; Zupan and Zambryski (1995) Annual Rev. Phytopathol. 27:583-618)。

    形質転換方法とは無関係に、形質転換された植物細胞を選択またはスコア化するために、細胞中に導入されたDNAは、耐性がなければ毒性の化合物に対する耐性を植物組織に付与する化合物を産生するための、再生可能な植物組織中で機能する遺伝子を含有し得る。 選択可能な、スクリーニング可能な、またはスコア化可能なマーカーとして使用するための興味のある遺伝子は、これに限定されるわけではないが、GUS、緑色蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェラーゼ、および抗生物質または除草剤耐性遺伝子を包含する。 抗生物質耐性遺伝子の例は、ペニシリン、カナマイシン(およびネオマイシン、G418、ブレオマイシン)、メトトレキサート(およびトリメトプリム)、クロラムフェニコール、およびテトラサイクリンに対する耐性を付与する遺伝子を包含する。 例えばグリホサート耐性は、除草剤耐性遺伝子によって付与され得る。 Della-Cioppa et al., (1987) Bio/Technology 5:579-84。 これに限定されるわけではないが、ホスフィノトリシンに対する耐性、ビアラホスに対する耐性、および正の選択機構を含む他の選択デバイスも実行することができ、Joersbro et al., (1998) Mol. Breed. 4:111-7、本発明の範囲内で検討される。

    選択またはスクリーニングによって同定され、再生を補助する適切な培地で培養された形質転換細胞は次に、植物へと成熟され得る。

    現在開示されている方法は、いずれの形質転換可能な植物細胞または組織でも使用され得る。 形質転換可能な細胞および組織は、本明細書で使用する場合、これに限定されるわけではないが、植物を生じさせるさらなる繁殖が可能である細胞または組織を包含する。 当業者は、いくつかの植物細胞または組織が形質転換可能であり、その植物細胞または組織において、外因性DNAの挿入後および適切な培養条件下で、その植物細胞または組織が分化した植物を形成できることを認識している。 これらの目的に好適な組織は、これに限定されるわけではないが、未熟胚、胚盤組織、懸濁細胞培養物、未熟花序、茎頂分裂組織、節外植片、カルス組織、胚軸組織、子葉、根、および葉を包含することができる。

    形質転換された植物プロトプラストまたは外植片からの植物の再生、発生、および栽培培養は、当分野で公知である。 Weissbach and Weissbach (1988) Methods for Plant Molecular Biology, (Eds.) Academic Press, Inc., San Diego, CA; Horsch et al., (1985) Science 227:1229-31。 この再生および成長プロセスは通例、形質転換された細胞を選択するステップおよび発根小植物体段階の間の胚発生の通常の段階を通してこれらの細胞を培養するステップを包含する。 トランスジェニック胚および種子は同様に再生される。 この方法では、トランスフォーマントは一般に、成功裏に形質転換された細胞を選択して、植物茎頂の再生を誘導する選択的培地の存在下で培養される。 Fraley et al., (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803。 これらの茎頂は通例2から4ヶ月以内に得られる。 生じたトランスジェニック発根茎頂はその後、適切な植物成長培地、例えば土壌に定植される。 選択的薬剤に対する曝露を生き残る細胞、またはスクリーニングアッセイで陽性としてスコア化された細胞は、植物の再生を補助する培地中で培養され得る。 茎頂は次に、選択的薬剤および細菌成長を防止する抗生物質を含有する適切な発根誘導培地に移され得る。 茎頂の多くは根を発達させる。 これらは次に、根の継続された発達を可能にするために、土壌または培地に移植される。 方法は、上で概説したように、用いられる特定の植物系統に応じて一般に変化して、方法論の詳細はゆえに当業者の裁量の範囲内である。

    再生されたトランスジェニック植物は、ホモ接合トランスジェニック植物を提供するために自家受粉され得る。 または、再生トランスジェニック植物から得た花粉は、非トランスジェニック植物、好ましくは農学的に重要な種の近交系と交配され得る。 反対に、再生トランスジェニック植物を受粉させるために、非トランスジェニック植物からの花粉が使用され得る。

    トランスジェニック植物は、形質転換された核酸配列をその子孫まで伝え得る。 トランスジェニック植物は、好ましくは形質転換された核酸配列についてホモ接合性であり、有性生殖時におよび有性生殖の結果としてその配列をそのすべての子孫に伝達する。 子孫は、トランスジェニック植物によって産生された種子からなり得る。 これらの追加の植物は次に、植物の真の育成系統を発生させるために自家受粉され得る。

    これらの植物からの子孫は、とりわけ遺伝子発現について評価され得る。 遺伝子発現は、複数の普通の方法、例えばウェスタンブロッティング、ノザンブロッティング、免疫沈降、およびELISA(酵素結合免疫吸着測定法)によって検出され得る。 形質転換された植物は、導入されたDNAの存在ならびに本発明の核酸分子およびアミノ酸分子によって与えられた発現レベルおよび/または脂肪酸プロフィールについても分析され得る。 当業者は、形質転換植物の分析に利用可能な多数の方法を認識している。 例えば植物分析の方法は、これに限定されるわけではないが、サザンブロットまたはノザンブロット、PCRベースアプローチ、生化学アッセイ、表現型スクリーニング方法、フィールド評価、および免疫診断アッセイを包含する。

    双子葉植物を特異的に形質転換する方法は、当業者に周知である。 これらの方法を使用する形質転換および植物再生は、これに限定されるわけではないが、アラビドプシス属のメンバー、ワタ(ゴシピウム・ヒルスツム(Gossypium hirsutum))、ダイズ(グリシン・マックス(Glycine max))、ラッカセイ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogaea))、およびブラシカ(Brassica)属のメンバーを包含するいくつかの作物について記載されている。 主にアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の使用により双子葉植物を形質転換して、トランスジェニック植物を得る方法は、ワタ(米国特許第5,004,863号明細書、米国特許第5,159,135号明細書、米国特許第5,518,908号明細書)、ダイズ(米国特許第5,569,834号明細書、米国特許第5,416,011号明細書、McCabe, et al., (1988) Biotechnology 6:923; Christou et al., (1988) Plant Physiol. 87:671-4、ブラシカ(Brassica)(米国特許第5,463,174号明細書)、ラッカセイ(Cheng et al., (1996) Plant Cell Rep. 15:653-7; McKently et al., (1995) Plant Cell Rep. 14:699-703、パパイヤ、およびエンドウマメ(Grant et al., (1995) Plant Cell Rep. 15:254-8)について公開されている。

    単子葉植物を形質転換する方法もまた、当業者に周知である。 これらの方法を使用する形質転換および植物再生は、これに限定されるわけではないが、オオムギ(ホルデウム・ウルガラエ(Hordeum vulgarae))、メイズ(ジーア・メイズ(Zea mays))、エンバク(アベナ・サティバ(Avena sativa))、オーチャードグラス(ダクティリス・グロメラタ(Dactylis glomerata))、コメ(オリザ・サティバ(Oryza sativa)、インディカおよびジャポニカ変種を包含する)、モロコシ(ソルガム・バイカラー(Sorghum bicolor))、サトウキビ(サッカラム属(Saccharum sp))、トールフェスク(フェスツカ・アルンディナケア(Festuca arundinacea))、シバ種(例えばアグロスティス ストロニフェラ(Agrostis stolonifera)、ポア・プラテンシス(Poa pratensis)、ステノタフルム・セクンダツム(Stenotaphrum secundatum))、コムギ(トリチカム・エスチバム(Triticum aestivum))、およびアルファルファ(メディカゴ・サティバ(Medicago sativa))を包含するいくつかの作物について記載されている。 いくつかの形質転換方法論が、いくつもの興味のある標的作物について安定なトランスジェニック植物の産生のために使用および変更できることは、当業者に明らかである。

    いずれの植物も、現在開示されている方法での使用のために選ばれ得る。 本発明による修飾のために好ましい植物は、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)、ルリヂサ(ボラゴ属(Borago spp.))、キャノーラ、トウゴマ(リシヌス・コムニス(Ricinus communis))、カカオマメ(テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao))、コーン(ジーア・メイズ(Zea mays))、ワタ(ゴシピウム属(Gossypium spp))、クランベ属(Crambe spp.)、クフェア属(Cuphea spp.)、アマ(リヌム属(Linum spp.))、レスクエレラおよびリムナンテス属(Lesquerella and Limnanthes spp.)、リノーラ、ナスタチウム(トロパエオルム属(Tropaeolum spp.))、オエノテラ属(Oenothera spp.)、オリーブ(オレア属(Olea spp.))、ヤシ(エラエイス属(Elaeis spp.))、ラッカセイ(アラキス属(Arachis spp.))、アブラナ、ベニバナ(カルタムス属(Carthamus spp.))、ダイズ(グリシンおよびソヤ属(Glycine and Soja spp.)、ヒマワリ(ヘリアンタス属(Helianthus spp.)、タバコ(ニコチアナ属(Nicotiana spp.))、ベルノニア属(Vernonia spp.)、コムギ(トリチカム属(Triticum spp.))、オオムギ(ホルデウム属(Hordeum spp.))、コメ(オリザ属(Oryza spp.))、エンバク(アベナ属(Avena spp.))、モロコシ(ソルガム属(Sorghum spp.))、ライ(セカレ属(Secale spp.))またはグラミネアエ(Gramineae)の他のメンバーを包含する。

    いくつかの形質転換方法論が、いくつもの興味のある標的作物からの安定なトランスジェニック植物の産生のために使用および変更できることは、当業者に明らかである。

    G. トランスジェニック種子 本発明のいくつかの実施形態において、トランスジェニック種子は、配列番号2と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。 これらおよび他の実施形態において、トランスジェニック種子は、配列番号1と少なくとも60%同一である核酸配列を含む。 ある実施形態において、本発明の種子は異常脂肪酸、例えばω−7脂肪酸、例えば16:1Δ 19および/または18:1Δ 11の上昇したレベルを呈する。 種子は、受精トランスジェニック植物から収穫されて、本発明による核酸配列および興味のある別の遺伝子または核酸コンストラクトを含むハイブリッド植物系統を包含する、本発明の形質転換された植物の子孫世代を成長させるために使用することができる。

    以下の実施例は、ある特定の特徴および/または実施形態を例証するために提供される。 これらの実施例は、本発明を記載された特定の特徴または実施形態に限定するとして解釈されるべきではない。

    実施例I
    物質および方法植物成長および形質転換

    アラビドプシス植物を、E7/2(商標)制御環境成長チャンバ(Conviron)内で300マイクロアインシュタインの光(1マイクロアインシュタイン=1モルの光)への連続曝露下で土壌中で成長させた。 植物は、クローおよびベントの方法、Clough and Bent (1998) Plant J. 16(6):735-43に従って、アグロバクテリウム・ツメファシエンス系統GV3101を使用して形質転換された。 本発明者らは、導入遺伝子を持つ個々のT 種子を、25A赤色カメラフィルタと併せたX5 LED(商標)フラッシュライト(イノーバ)からの緑色光を用いた照明の上に放出される蛍光、Stuitje et al., (2003) Plant Biotechnol. J. 1(4):301-9、によって同定した。 Pidkowich et al., (2007) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104(11): 4742-7。 オリンパスU−LH100HG(商標)照明システムを装備したWILD(商標)M3Z解剖顕微鏡を使用して、それぞれフィルタFITC 535およびFITC 515の使用により、Zs−GreenおよびDs−Redマーカーを持つ種子を識別した。 種子特異的発現は、ファゼオリン種子貯蔵タンパク質プロモータまたはLTP170プロモータの制御下にコンストラクトを配置することにより達成された。 Slightom et al., (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80(7):1897-1901; and van der Geest and Hall (1997) Plant Mol Biol. 33(3):553-7。

    Com25源 Com25は、長さが18C未満のアシル鎖に対して改善された活性を持つバリアントを同定するように設計されたコンビナトリアル飽和変異誘発/選択のプログラムから生じた、リシヌス・コムニス(Ricinus communis)Δ −18:0−ACPデサチュラーゼのバリアントである。 Whittle and Shanklin (2001) J. Biol. Chem. 276(24):21500-5。 Com25は、親トウゴマデサチュラーゼとは以下の5つのアミノ酸位置:M114S、T117R、L118C、P179L、およびG188T(成熟トウゴマデサチュラーゼPDBエントリ1AFRに従ってナンバリング)が異なる。

    プラスミドコンストラクト Phas:Com25。 その標準(authentic)輸送ペプチドを含有するように操作され、5'PacIおよび3'XhoI制限部位が隣接したトウゴマバリアントCom25のオープン・リーディング・フレーム全体がプラスミドpDs−Red−Phas、Pidkowich et al., (2007) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104(11): 4742-7、(Ds−Redマーカーあり)の対応する部位にクローニングされてPhas:Com25(図5)が生成された。

    Phas:Com25、LTP170:Com25。 LTP170プロモータは、アラビドプシスゲノムDNAからプライマP17−5'BamHI(GGGATCCCCGGGTTGACATTTTTACCTTTTT;配列番号3)およびP17−3'PacI(GGTTAATTAAGTCTTCAAACTCTAGGA;配列番号4)を使用して増幅され、BamHI−PacI断片の単離前にpGEMT−Easy中にサブクローニングされ、BamHI−PacI断片はプラスミドpDs−Red−Phas:Com25(上記)の対応する部位中にクローニングされてpDs−Red−LTP170:Com25が生成された。 Com25をファゼオリンターミネータと共に含有する断片を、BamHIおよびEcoRVを使用して切断して、ベクターpDs−Red−LTP170−Com25内のBamHIおよびSmaI制限部位中にクローニングし、Phas:Com25/LTP170:Com25を生成した(図5)。

    Phas:Fab1−HPAS。 このコンストラクトは2つのステップ、最初の、Phas:FatB−HPの構築、および後の、ヘアピンを含むFatB遺伝子のセンス部およびアンチセンス部を分離するFad2イントロンの一部を置き換えるための、FatB遺伝子のアンチセンス部の挿入で生成された。 これを達成するために、150bpのアラビドプシスFatB 3'UTRは、ゲノムDNAからセンス(プライマFatB−hps−5'PstI GGGCTGCAGAAACAAGTTTCGGCCACCAACCC、配列番号5およびFatB−hps−3'XhoI CCCCTCGAGACATCAGAATTCGTAATGAT、配列番号6を使用)およびアンチセンス(プライマFatB−hpa−5'NheI GGGGCTAGCAAGTTTCGGCCACCAACCC、配列番号7およびFatB−hpa−3'PacI CCCTTAATTAAACATCAGAATTCGTAATGAT、配列番号8を使用)配向の両方で増幅された。 これらの断片は、PstI/XhoIおよびNheI/PacIによって制限され、pGEM−T−Easy−HTM3におけるFabIの5'UTRセンスおよびアンチセンス部を置き換えるために、Pidkowich et al., (2007) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104(11): 4742-7、その同等部位で使用されて、中間プラスミドpGEM−T−Easy−HTM4を生成した。 FatBコード領域の300bpアンチセンス部を生成するために、断片はプライマFatB−Exon−5'Sp−Bam(CCACTAGTGGATCCACCTCTGCTACGTCGTCATT、配列番号9)およびFatB−Exon−3'Bg−Sal(GGAGATCTGTCGACGTAGTTATAGCAGCAAGAAG、配列番号10)で増幅され、BamHIおよびSalIで制限された断片は、BglIIおよびSpeIによる制限の後にFad2−イントロンの一部を置き換えるために使用されて、pGEM−T−Easy−HTM5を生成した。

    構築されたHPAS断片は、PacIおよびXhoIの使用により切断されて、pZs−Green−Phas:Com25(蛍光マーカーpCVMV:Ds−Redが緑色蛍光タンパク質マーカーpCVMV:Zs−Green(商標)(クロンテック)によって置き換えられたプラスミドpDs−Red−Phas:Com25、上記)の対応する部位中にクローニングされてプラスミドPhas:FatB−HPASを生成した(図5)。

    Phas:AnD9d、Phas:LnD9D。 2つの真菌アシル−CoA D9デサチュラーゼはプラスミドpDAB7318中で、ファセオルス・ブルガリス(Phaseolus vulgaris)からの種子特異的Phasプロモータによって駆動されている両方の遺伝子と組合された。 コンストラクト中の最初の遺伝子は、植物における最適発現のために再設計および合成され(米国特許出願第20080260933A1号明細書)、ファセオルス・ブルガリス(Phaseolus vulgaris)ファゼオリン遺伝子からの3'非翻訳領域および3'MARに融合された、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)からのアシル−CoAΔ9−デサチュラーゼであった。 本コンストラクト中の第2のデサチュラーゼ遺伝子は、植物発現のためにまた再設計および合成され、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF23の3'非翻訳領域に融合された、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)からのアシル−CoAΔ9−デサチュラーゼであった。 このデサチュラーゼは、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)配列決定プロジェクト、Broad Institute of Harvard and MIT (http://www.broad.mit.edu)によって発表されたS. ノドルム(nodorum)ゲノム配列の相同性検索によって同定した。 サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)のole1突然変異体の相補性によりパルミテートの不飽和化に対して優先度を有することが示された。 Phas:Fab1−HPAS−Phas:Com25。 遺伝子スタッキング実験を簡略化するために、プラスミドPhas:Fab1/HPAS−Phas:Com25が構築されて、Com25発現がKASII抑制と組合された。 これを達成するために、ファゼオリンターミネータがPhas:Com25から単離されて、中間ベクターpBL中にCom25を駆動するファゼオリンプロモータを含有するEcoRV−EcoRV断片と共にクローニングされ、pBL−Phas:Com25−PhasTerが生成された。 このCom25発現カセットは、フランキングEcoRI−EcoRI制限部位を使用して切断され、Phas:Fab1−HPAS内の対応する部位にクローニングされ、Phas:Fab1−HPAS−Phas−Com25が生成された。 図5を参照。

    脂肪酸分析 単一の種子の脂肪酸を分析するために、脂肪酸メチルエステル(FAME)が、メタノール中の0.2Mトリメチルスルホニウムヒドロキシドによって種子をインキュベートすることによって調製された。 Butte et al., (1982) Anal. Lett. 15(10):841-50。 バルク種子を同様に分析するために、FAMEは、0.5mL BCl 中で種子を80℃にて1時間インキュベートすること、それを1mLヘキサンによって抽出すること、および次にN 下で乾燥させることによって調製された。 FAMEは、60m×250μM SP−2390キャピラリーカラム(スペルコ)を装着した、HP6890(商標)ガスクロマトグラフ−素炎イオン化型検出器(アジレントテクノロジー)、またはHP5890(商標)ガスクロマトグラフ−質量分析計(ヒューレット・パッカード)のどちらかで分析された。 分析中に炉温度は100℃から240℃まで15℃/分の速度で上昇され、流速は1.1mL/分であった。 質量分析はHP5973(商標)質量選択検出器(ヒューレット−パッカード)によって行われた。 本発明者らは、一不飽和FAMEの二重結合位置をジメチルスルフィド誘導体化によって決定した。 Yamamoto et al., (1991) Chem. and Phys. Lipids 60(1):39-50。
    実施例II
    WTアラビドプシスにおけるCom25の発現

    アスクレピアス、Hopkins and Chisholm (1961) Can. J. Biochem. Physiol. 39:829-35、およびドキサンサ、Chisholm and Hopkins (1965) J. Am. Oil Chem. Soc. 42:49-50を包含する複数の植物は、その種子中にω−7 FAを蓄積することが報告されている。 パルミトレアートを合成することに関与するデサチュラーゼ酵素をコードする遺伝子が単離されている。 対応する組換えデサチュラーゼ酵素の活性、Cahoon et al., (1997) Plant Mol. Biol. 33:1105-10; Cahoon et al., (1998) Plant Physiol. 117(2):593-8は、多くのバリアントデサチュラーゼの活性と同様に、原型ステアロイル−ACPデサチュラーゼについて報告された活性よりも低い。 Whittle and Shanklin (2001) J. Biol. Chem. 276(24):21500-5。 本発明者らは、アスクレピアスデサチュラーゼおよびドキサンサデサチュラーゼ、ならびにトウゴマ変種5.2からのデサチュラーゼおよびアラビドプシスにおいてトウゴマΔ −18:0−デサチュラーゼの16:0−デサチュラーゼ活性を向上させるために設計された指向性進化実験から生じたCom25、Whittle and Shanklin (2001) J. Biol. Chem. 276(24):21500-5を包含するトウゴマデサチュラーゼの複数のバリアントを発現する効果を比較した。 これらの実験では、Com25は他のデサチュラーゼ酵素よりも優れており、Bondaruk et al., (2007) Plant Breeding 126:186-94、WTアラビドプシスにおける16:1Δ およびその伸長生成物18:1Δ 11の蓄積を非形質転換植物中でほとんど検出できないレベルからそれぞれ約2%および約12%まで上昇させて、Com25トランスフォーマントにおいて合計約14%のω−7脂肪酸を生じた。 図2A、図2B。

    表1は、Com25は16:0−ACP基質ではトウゴマWT(2.8分−1 )を超えて大きく改善されたk cat (11.1分−1 )を有するのに対して、トウゴマバリアント5.2(25.3分−1)で報告されたものを下回っていることを示す。 Whittle and Shanklin (2001) J. Biol. Chem. 276(24):21500-5。 しかし、16:0−ACP(0.12μM)についてのCom25のK は、トウゴマバリアント5.2のK (0.55)の4.6倍低く、トウゴマWTのK (5.0)の42倍低い。 Com25では16:0−ACP基質との生じた特異性因子(91μM −1・分−1 )は、トウゴマバリアント5.2の特異性因子のおよそ2倍、トウゴマWTの特異性因子の163倍である。 実際に、Com25の16:0−ACPとの特異性因子は、その天然18:0−ACP基質とのトウゴマWTの特異性因子(92μM −1・分−1 )と同等である。 トウゴマバリアント5.2と比べて、16:0−ACPに対するCom25の改善されたK は、Com25が基質についてFatBおよびKASIIとより効果的に競合して、そのより低いK catにも関わらず、その発現がトウゴマバリアント5.2よりもω−7 FAの大きな蓄積を促進する理由について説明を与える。


    実施例IV


    16:0の上昇したレベルを含有する宿主におけるCom25の発現

    WTアラビドプシスにおいて、脂肪酸は、16:0−ACPのレベルの最初の分岐点までACPトラックを介してデノボ合成される。 図1。 FATBによる作用を受けた場合、パルミトイルチオエステラーゼ、16:0遊離脂肪酸がプラスチドから細胞質中に放出され、そこでエステル化されてCoAになり、続いて内膜系のリン脂質とエステル交換される。 または、β−ケトアシル−ACPシンターゼII(KASII)は16:0−ACPの大部分を18:0−ACPまで伸長させて、そこで18:0−ACPがΔ −ステアロイル−ACPデサチュラーゼによって不飽和化されオレイル−ACPが産生される。 FATA、オレイル−ACPチオエステラーゼがオレイン酸を放出して、オレイン酸はプラスチドから出て、パルミテートと同様に、活性化されてCoA−チオエステルとなり、リン脂質に移される。 ERにおいて、オレアートは、脂肪酸エロンガーゼ(FAE)Iの作用によって10:1Δ 11まで伸長させることができるか、またはFAD2およびFAD3の作用によって順次不飽和化され、それぞれリノレン酸またはリノレン酸を産生することができる。

    16:0−ACPは、FA合成経路において最早の代謝産物であり、16:1Δ −ACPへのその不飽和化によってω−7産生にかかわることが可能である。 これを達成するために、プラスチドΔ −16:0−ACP特異的デサチュラーゼを種子特異的プロモータの制御下で発現することの実現可能性が調査された(図1(反応1)を参照)。

    上記のように、β−ケトアシル−ACPシンターゼII(KASII)は16:0−ACPを18:0−ACPまで伸長させる。 ゆえに16:0基質の上昇したレベルを含有する低下したKASII活性を持つ系統が求められた。 図2は、種子FAメチルエステルの代表的なGCトレースを示す。 多くの変異誘発スクリーンにもかかわらず、葉および種子において上昇した16:0レベルを呈する1つのみの突然変異体fab1が報告され、James and Dooner (1990) Theor. Apple Genet. 80:241-45、図2Cおよび表2に示すように、WTにおける約10%と比べて約21%の16:0を含有する。 生化学的な証拠は、fab1損傷がKASII中にあるのは、その活性が突然変異体中で低下されたためであることを示した。 Carlsson et al., (2002) Plant J. 29(6):761-70。 fab1におけるCom25の発現は、16:1Δ および18:1Δ 11の蓄積をそれぞれ約23%および約16%まで上昇させて、合計約39%のω−7 FAを生じた。 図2Dおよび表2。 fab1−1バックグラウンドにおけるCom25の発現時のω−7 FAのこのような大幅な増加は、成熟種子における16:0の総蓄積の上昇と相関しており、KASIIによる16:0−ACP基質への低下した競合から生じると考えられる。

    本発明者らがfab1突然変異もfae1と組合せたのは、C18脂肪酸からC20脂肪酸へのプラスチド外伸長におけるその欠乏が、16:0脂肪酸の量をさらに増加させて、分析を簡略化するためである。 非形質転換二重突然変異体は、おそらく16:0−ACP基質の上昇したレベルの存在下でΔ −18:0−ACPデサチュラーゼによる16:0−ACPの増加した不飽和を反映する、約9%のω−7脂肪酸を含有している。 図2Eおよび表2。 fab1/fae1におけるCom25の発現は、16:1Δ および18:1Δ 11のそれぞれ約26%および約23%への上昇を生じ、ω−7 FAの約50%への上昇をもたらした。 図2Fおよび表2。

    上の結果から、fab1種子およびfab1/fae1種子における16:1の上昇した蓄積は、増加した16:0と相関しており、そのため本発明者らは16:0レベルがfab1/fae1二重突然変異体の16:0レベルよりも高いCom25を発現する系統を求めた。 一方はヘアピン(HP)RNAiによって、Pidkowich et al., (2007) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104(11): 4742-7、および他方はヘアピンアンチセンス(HPAS)RNAiと呼ばれる新規抑制方法によって、Nguyen and Shanklin (2009) Journal of the American Oil Chemists Society 86:41-9、Fab1が抑制された、2つのこのような突然変異体が最近報告された。 これらの系統は、それぞれ42%および46%の強力に上昇した種子16:0蓄積レベルを含有する。 図3。 Com25による形質転換は、両方の場合でω−7 FAの約5%のさらなる上昇をもたらした。 表2。 このため、低レベルの16:0における16:0蓄積の上昇によって、ω−7 FA蓄積の比例上昇によって証明されるように、上昇したCom25不飽和を予測できるが、42%または46%の16:0を蓄積する宿主におけるω−7 FA蓄積発現の間に相違がないため、この応答は30%をわずかに超えたところで明らかに飽和可能である。 図3。 いずれの特定の理論によって拘束されることを意図するものではないが、基質以外の因子、すなわちデサチュラーゼの存在量および/または還元体の可用性がこれらのトランスジェニックにおいて制限的になる可能性がある。

    最近、ヘテロ接合体中の16:0レベルを上昇させたT−DNAノックアウト対立遺伝子、fab1−2について記載された。 しかしホモ接合体は胚致死性であることが示された。 Pidkowich et al., (2007) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104(11): 4742-7。 本発明者らは致死表現型が不飽和脂肪酸の減少から生じるという仮説を立て、この系統におけるCom25の発現が生存能を付与し得ることを理論付ける。 対照的に、fab1/fae1二重突然変異体はホモ接合状態で生存可能であり、成長および発生においてWTと区別できない。 本発明者らはゆえに、fab1/fae1二重突然変異体を次の実験のための実験宿主として使用した。
    実施例V
    増加するCom25遺伝子の用量は増加したω−7蓄積を生じる

    原型トウゴマΔ −18:0−ACPデサチュラーゼは42分−1のk catを有し、Whittle and Shanklin (2001) J. Biol. Chem. 276(24):21500-5、これはΔ −16:0−ACPデサチュラーゼで報告されているものより数倍高い。 Cahoon et al., (1997) Plant Mol. Biol. 33:1105-10; and Cahoon et al., (1998) Plant Physiol. 117(2):593-8。 この代謝回転は同様のFe依存性酸化反応、例えばチトクロムP450の代謝回転と比較可能であるが、これらの速度は多くの代謝酵素よりも(多くの場合、数桁)低い。 デサチュラーゼの低い代謝回転速度は、種子中に貯蔵された炭素の大部分の不飽和化の原因となるための高レベルのタンパク質発現を必要として、デサチュラーゼ酵素の存在量がω−7蓄積を制限するかもしれない可能性を上昇させる。 この仮定を試験するために、Com25を(種子貯蔵タンパク質の発現を制御する)種子特異的LTP170プロモータの制御下で操作して、これを上記のファゼオリン駆動Com25コンストラクトと共に同時発現させた。 fab1/fae1バックグラウンドにおけるファゼオリンおよびLTP170プロモータの制御下でのCom25の同時発現は、約50%から約58%へのω−7 FA蓄積の上昇を生じた。 16:1Δ の上昇(約6%)は18:1Δ 11の上昇(約2%)よりも大きかった。 ω−7 FA蓄積のこの上昇は中程度であり、Com25は種子が両方のCom25コンストラクトを発現することを制限しないらしいことを示唆している。


    実施例VI


    プラスチド外Δ9−16:0デサチュラーゼの発現はω−7 FA蓄積を上昇させる

    上で議論したように、高レベルの16:0を蓄積しているバックグラウンドアラビドプシスの使用は、16:0−ACPデサチュラーゼの発現時のω−7 FAの形成と相関しているが、16:0の多くはなおプラスチドを離れて、種子油中に蓄積している。 表2を参照。 ゆえに、種子油中のこの16:0の蓄積を低下させる2つのアプローチが考慮された。 1つの戦略は、16:0−ACPから16:0を切断するパルミテートチオエステラーゼFATB(図1)の活性を低下させることである。 HPAS−RNAiによるFATBの抑制は、ω−7 FAの約6%の上昇と共に、16:0の蓄積を約3%低下させた。 表2を参照。 種子16:0の蓄積を、プラスチドからの搬出後に16:0を不飽和化することによるFATBの抑制によって観察された16:0の蓄積を超えてさらに低下させることの実現可能性が調査された。

    プラスチドから放出された遊離脂肪酸は、トリアシルグリセロールとして蓄積される途中にアシルCo−Aシンターゼによってエステル化されてCoAになる。 Shockey et al., (2003) Plant Physiol. 132(2):1065-76。 これらの細胞質脂肪アシルCo−Aおよびリン脂質結合FAは、プラスチド外デサチュラーゼのために潜在的に利用可能な基質のプールに相当する。 プラスチド外真菌アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)(An)およびレプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodurum)(Ln)デサチュラーゼの発現は、単独でまたは組合されてのどちらかで、アラビドプシスにおいて16:0レベルを低下させることについて評価された。 ファゼオリンプロモータの制御下でのLnおよびAnからの2つのデサチュラーゼの同時発現は、WTアラビドプシスにおいて16:0を低下させる有望な結果をもたらした。 ゆえに、LnおよびAnコンストラクトの発現は、KASII HPAS−RNAi抑制系統におけるCom25の単一コピーの発現と共に試験された。 LnΔ9DおよびAnΔ9デサチュラーゼの発現は、16:0のおよそ半分の16:1Δ への変換を生じ、種子における16:0蓄積の約19%から約11%(WT種子で見られるおよそのレベル)への低下を、約27%から43%への16:1Δ の対応する上昇と共に生じた。 18:1Δ 11のレベルは宿主fab1/fae1/Com25系統において同じままであり、この系統はLnΔ9DおよびAnΔ9デサチュラーゼ(それぞれ約25%および約23%)によって形質転換され、fae1ミュータントには16:1Δ 伸長活性がほぼ完全にないことを示している。 プラスチドおよびプラスチド外デサチュラーゼを同時発現するこの戦略は、ω−7 FAの約67%の平均蓄積をもたらし、個々の植物は71%超を示した。

    本発明は、アメリカ合衆国エネルギー省のために運営されたダウ アグロ サイエンシィズ エルエルシーとブルックヘブン サイエンス アソシエイツ,エルエルシーとの間のCRADA(C−05−11)の下でなされた。 政府は本発明において一定の権利を有する。
    優先権主張 本願は、「ACCUMULATION OF N-7 FATTY ACIDS IN PLANT SEEDS」について2010年6月24日に出願された米国仮特許出願第61/358,318号の出願日の利益を主張する。

    また、植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、WTトウゴマΔ −18:0デサチュラーゼと比べてCom25酵素の向上したデサチュラーゼ活性を利用するために、植物細胞中でCom25を発現する方法も開示される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1 Δ -および/または18:1Δ 11であり得る。

    植物細胞中でCom25を発現する方法も提供され、方法では植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、植物細胞はプラスチドおよびプラスチド外脂肪酸伸長が障害される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1 Δ -および/または18:1Δ 11であり得る。

    植物細胞中でCom25を発現するさらなる方法が提供され、方法では植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、KASIIが植物細胞において阻害される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1Δ -および/または18:1Δ 11であり得る。

    植物細胞中でCom25を発現する方法も提供され、方法では植物種子中の異常脂肪酸のパーセント組成が上昇するように、KASIIならびにプラスチドおよびプラスチド外脂肪酸伸長が植物細胞において阻害される。 いくつかの実施形態において、方法はアラビドプシス中でCom25を発現させることを包含する。 ある実施形態において、植物種子中で増加した異常脂肪酸はω−7脂肪酸である。 これらの実施形態において、ω−7脂肪酸は16:1 Δ -および/または18:1Δ 11であり得る。

    G. トランスジェニック種子 本発明のいくつかの実施形態において、トランスジェニック種子は、配列番号2と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。 これらおよび他の実施形態において、トランスジェニック種子は、配列番号1と少なくとも60%同一である核酸配列を含む。 ある実施形態において、本発明の種子は異常脂肪酸、例えばω−7脂肪酸、例えば16:1 Δ -および/または18:1Δ 11の上昇したレベルを呈する。 種子は、受精トランスジェニック植物から収穫されて、本発明による核酸配列および興味のある別の遺伝子または核酸コンストラクトを含むハイブリッド植物系統を包含する、本発明の形質転換された植物の子孫世代を成長させるために使用することができる。

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