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Albumin fusion proteins

阅读:2发布:2021-03-28

专利汇可以提供Albumin fusion proteins专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide stabilized, long lasting formulations of proteinaceous therapeutic molecules with simple formulation requiring only minimal post-storage manipulation, solving problems of storing unstable protein molecules.SOLUTION: The present invention includes albumin fusion proteins. The invention also includes nucleic acid molecules encoding the albumin fusion proteins, vectors containing these nucleic acids, host cells transformed with these nucleic acids vectors, and methods of making the albumin fusion proteins and using these nucleic acids, vectors, and/or host cells. The present invention further includes pharmaceutical compositions comprising albumin fusion proteins, and methods of treating, preventing or alleviating diseases, disorders or conditions by using the albumin fusion proteins.,下面是Albumin fusion proteins专利的具体信息内容。

  • アルブミン融合タンパク質であって、以下:
    (a)治療タンパク質:Xおよび配列番号1038のアミノ酸配列を含むアルブミン; (b)治療タンパク質:Xおよび配列番号1038のアミノ酸配列のフラグメントまたは改変体であって、ここで、該フラグメントまたは改変体は、アルブミン活性を有する; (c)治療タンパク質:Xおよび配列番号1038のアミノ酸配列のフラグメントまたは改変体であって、ここで、該フラグメントまたは改変体は、アルブミン活性を有し、そしてさらに、ここで、該アルブミン活性は、非融合状態での治療タンパク質:Xの有効期間と比較して、該治療タンパク質:Xの有効期間を延長する能力である;
    (d)治療タンパク質:Xおよび配列番号1038のアミノ酸配列のフラグメントまたは改変体であって、ここで、該フラグメントまたは改変体は、アルブミン活性を有し、そしてさらに、ここで、該フラグメントまたは改変体は、配列番号1038のアミノ酸1〜387のアミノ酸配列を含む;
    (e)治療タンパク質:Xのフラグメントまたは改変体および配列番号1038のアミノ酸配列を含むアルブミンのフラグメントまたは改変体であって、ここで、該フラグメントまたは改変体は、治療タンパク質:Xの生物学的活性を有する;
    (f)(a)〜(e)の、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体、およびアルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体であって、ここで、該治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体は、該アルブミンのN末端、または該アルブミンのフラグメントもしくは改変体のN末端に融合される;
    (g)(a)〜(e)の、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体、およびアルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体であって、ここで、該治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体は、該アルブミンのC末端、または該アルブミンのフラグメントもしくは改変体のC末端に融合される;
    (h)(a)〜(e)の、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体、およびアルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体であって、ここで、該治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体は、該アルブミンのN末端およびC末端、または該アルブミンのフラグメントもしくは改変体のN末端およびC末端に融合される;
    (i)(a)〜(e)の、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体であって、第一治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体、および第二治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体を含み、ここで、該第一治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体は、該第二治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体と異なる;
    (j)(a)〜(i)の、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体、およびアルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体であって、ここで、該治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体は、リンカーによって該アルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体から分離される;ならびに (k)(a)〜(j)の、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体、およびアルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、以下の式:
    R1−L−R2;R2−L−R1;またはR1−L−R2−L−R1
    を有し、そしてさらに、ここで、R1は、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体であり、Lは、ペプチドリンカーであり、そしてR2は、配列番号1038のアミノ酸配列を含むアルブミン、またはアルブミンのフラグメントもしくは改変体である、
    からなる群から選択されるメンバーを含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項1に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質の有効期間は、非融合状態での前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の有効期間より大きい、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項1に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、アルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体に融合された、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビトロ生物学的活性は、非融合状態での治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビトロ生物学的活性より大きい、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項1に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、アルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体に融合された、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビボ生物学的活性は、非融合状態での治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビボ生物学的活性より大きい、アルブミン融合タンパク質。
  • アルブミン融合タンパク質であって、アルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体中に挿入された、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体を含み、配列番号1038のアミノ酸配列またはそのフラグメントもしくは改変体を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • アルブミン融合タンパク質であって、アルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体中に挿入された、治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体を含み、以下:
    (a)配列番号1038の54〜61のアミノ酸;
    (b)配列番号1038の76〜89のアミノ酸;
    (c)配列番号1038の92〜100のアミノ酸;
    (d)配列番号1038の170〜176のアミノ酸;
    (e)配列番号1038の247〜252のアミノ酸;
    (f)配列番号1038の266〜277のアミノ酸;
    (g)配列番号1038の280〜288のアミノ酸;
    (h)配列番号1038の362〜368のアミノ酸;
    (i)配列番号1038の439〜447のアミノ酸;
    (j)配列番号1038の462〜475のアミノ酸;
    (k)配列番号1038の478〜486のアミノ酸;および (l)配列番号1038の560〜566のアミノ酸、
    からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項5に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、非融合状態での前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の有効期間と比較した場合、前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の有効期間を延長するのに十分なアルブミンの部分を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項6に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、非融合状態での前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の有効期間と比較した場合、前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の有効期間を延長するのに十分なアルブミンの部分を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項5に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、非融合状態での前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビトロ生物学的活性と比較した場合、前記アルブミンに融合された治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビトロ生物学的活性を延長するのに十分なアルブミンの部分を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項6に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、非融合状態での前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビトロ生物学的活性と比較した場合、前記アルブミンに融合された治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビトロ生物学的活性を延長するのに十分なアルブミンの部分を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項5に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、非融合状態での前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビボ生物学的活性と比較した場合、前記アルブミンに融合された治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビボ生物学的活性を延長するのに十分なアルブミンの部分を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項6に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、非融合状態での治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビボ生物学的活性と比較した場合、アルブミンに融合された治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体のインビボ生物学的活性を保つために十分なアルブミンの一部を含む、アルブミン融合タンパク質。
  • グリコシル化されない、請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質。
  • 酵母中で発現される、請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質。
  • 請求項14に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、前記酵母は、グリコシル化欠乏である、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項14に記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、前記酵母は、グリコシル化欠乏およびプロテアーゼ欠乏である、アルブミン融合タンパク質。
  • 哺乳動物細胞によって発現される、請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質。
  • 請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、培養物中で哺乳動物細胞によって発現される、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質であって、ここで、該アルブミン融合タンパク質は、分泌リーダー配列をさらに含む、アルブミン融合タンパク質。
  • 請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質および薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物。
  • 請求項20に記載の組成物を含む、キット。
  • 患者における疾患または障害を処置する方法であって、請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質を投与する工程を包含する、方法。
  • 請求項22に記載の方法であって、ここで、前記疾患または障害は、適応症:Yを含む、方法。
  • 治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体によって調節される疾患または障害を有する患者を処置する方法であって、請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合タンパク質の有効な量を投与する工程を包含する、方法。
  • 請求項24に記載の方法であって、ここで、前記疾患または障害は、適応症:Yである、方法。
  • 治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の貯蔵寿命を延長する方法であって、非融合状態での前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の有効期間と比較して、前記治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体の有効期間を延長するのに十分、該治療タンパク質:X、またはそのフラグメントもしくは改変体をアルブミン、またはそのフラグメントもしくは改変体に融合する工程を包含する、方法。
  • 請求項1〜12のいずれか1つに記載のアルブミン融合たんぱく質をコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子。
  • 請求項27に記載の核酸分子を含むベクター。
  • 請求項28に記載の核酸分子を含む宿主細胞。
  • 说明书全文

    (発明の背景)
    本発明は、一般に、アルブミンまたはアルブミンのフラグメントもしくは改変体に融合された治療用タンパク質(少なくとも1つのポリペプチド、抗体、ペプチド、またはそれらのフラグメントおよび改変体を含むが、これらに限定されない)に関する。 本発明は、治療用アルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、治療用アルブミン融合タンパク質、組成物、薬学的組成物、処方物およびキットを包含する。 治療用アルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞もまた、本発明に含まれ、これらのポリヌクレオチド、および/または宿主細胞を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質を作製する方法も同様に、本発明に含まれる。

    その成熟形態において585アミノ酸のタンパク質(図1(配列番号1038)において示されるように)であるヒト血清アルブミン(HSA、またはHA)は、血清の浸透圧の重要な部分を担い、内因性リガンドおよび外因性リガンドのキャリアとしても機能する。 現在では、臨床的使用のためのHAは、ヒト血液からの抽出によって生成される。 生物における組換えHA(rHA)の生成は、EP330451およびEP361991に開示されている。

    それらのネイティブな状態または組換え生成される場合の治療用タンパク質(例えば、インターフェロンおよび成長ホルモン)は、代表的には、短い貯蔵寿命を示す不安定な分子であり、特に溶液中に処方される場合には、短い貯蔵寿命を示す不安定な分子である。 投与のために処方される場合のこれらの分子の不安定性は、貯蔵の間の全てのときに分子の多くが凍結乾燥または冷蔵されなければならず、それによって、この分子を輸送および/または貯蔵するのが困難になることを支配する。 貯蔵の問題は、薬学的処方物が、病院の環境の外で貯蔵および分配されなければならないときに、特に深刻である。

    不安定なタンパク質分子の貯蔵問題に対する実際的な解決手段は、ほとんど提唱されていない。 従って、容易に分配され、好ましくは、最小限の貯蔵後操作しか必要としない単純な処方によって、安定化した、長期間持続するタンパク質治療分子の処方物が必要である。

    本発明は、アルブミンまたはアルブミンのフラグメント(一部)もしくは改変体に融合された治療用タンパク質(例えば、ポリペプチド、抗体、ペプチド、またはそれらのフラグメントもしくは改変体)を含む、アルブミン融合タンパク質を包含する。 本発明は、アルブミンまたはアルブミンのフラグメント(部分)もしくは改変体に融合された治療用タンパク質(例えば、ポリペプチド、抗体、ペプチド、またはそれらのフラグメントもしくは改変体)をコードする核酸分子を含むかあるいはこれらからなるポリヌクレオチドもまた含む。 本発明は、治療用タンパク質の貯蔵寿命を長期化し、そして/あるいはインビトロもしくはインビボでの治療用タンパク質および/または溶液中(もしくは薬学的組成物中)のその活性を安定化するために十分な、アルブミンまたはアルブミンのフラグメント(部分)もしくは改変体に融合された治療用タンパク質(例えば、ポリペプチド、抗体、ペプチド、またはそれらのフラグメントもしくは改変体)をコードする核酸分子を含むかあるいはこれらからなるポリヌクレオチドもまた含む。 本発明のポリヌクレオチドによりコードされるアルブミン融合タンパク質もまた、本発明によって包含され、本発明のポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞、ならびにこれら本発明のポリヌクレオチドおよび/または宿主細胞を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質を作製する方法もまた本発明によって包含される。

    本発明の好ましい局面において、アルブミン融合タンパク質は、表2に記載されるポリヌクレオチドによってコードされるものを含むが、これらに限定されない。

    本発明はまた、本発明のアルブミン融合タンパク質および薬学的に受容可能な賦形剤もしくはキャリアを含む薬学的処方物を含む。 このような処方物は、キットまたは容器中に存在し得る。 このようなキットまたは容器は、治療用タンパク質の長期化した貯蔵寿命に関する説明書とともに包装され得る。 このような処方物は、患者、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくはヒトにおける疾患または疾患徴候を処置、予防、改善または診断する方法において使用され得、この方法は、この薬学的処方物を患者に投与する工程を包含する。

    他の実施形態において、本発明は、疾患または傷害を予防、処置、または改善する方法を含む。 好ましい実施形態において、本発明は、表1の「好ましい適応症Y」列において列挙される疾患または障害を処置する方法を包含し、この方法は、このような処置、予防または改善が所望される患者に、この疾患または障害を処置、予防または改善するに有効な量において、表1の「治療用タンパク質X」列に(処置される疾患または障害が、表1の「好ましい適応症Y」列において列挙されるのと同じ行に)開示される治療用タンパク質または治療用タンパク質に対応する部分(そのフラグメントもしくは改変体)を含む本発明のアルブミン融合タンパク質を投与する工程を包含する。

    一実施形態において、表1または2に記載されるアルブミン融合タンパク質は、長期化した貯蔵寿命を有する。

    第2の実施形態において、表1または2に記載されるアルブミン融合タンパク質は、表1に記載される、対応する非融合治療分子よりも安定である。

    本発明はさらに、本発明の核酸分子(表1および2に記載されるポリヌクレオチドを含むが、これらに限定されない)を含むように改変された、好ましくは本発明のアルブミン融合タンパク質を発現するように改変されたトランスジェニック生物を包含する。

    図1Aは、ヒトアルブミンの成熟形態のアミノ酸配列(配列番号1038)およびこれをコードするポリヌクレオチド(配列番号1037)を示す。

    図1Bは、ヒトアルブミンの成熟形態のアミノ酸配列(配列番号1038)およびこれをコードするポリヌクレオチド(配列番号1037)を示す。

    図1Cは、ヒトアルブミンの成熟形態のアミノ酸配列(配列番号1038)およびこれをコードするポリヌクレオチド(配列番号1037)を示す。

    図1Dは、ヒトアルブミンの成熟形態のアミノ酸配列(配列番号1038)およびこれをコードするポリヌクレオチド(配列番号1037)を示す。

    図2は、pPPC0005クローニングベクター(ATCC受託番号PTA−3278)の制限マップを示す。

    図3は、pSAC35酵母S. cerevisiae発現ベクター(Sleepら、Biotechnology 8:42(1990))の制限マップを示す。

    図4は、TF−1細胞の増殖に対する、構築物ID番号(本明細書中以降、CID)1966および1981に含まれるDNAによってコードされるEPOアルブミン融合タンパク質、ならびに組換えヒトEPOの種々の希釈物の効果を示す(実施例8および9を参照のこと)。 細胞を3回洗浄して、GM−CSFを除去し、CID1966タンパク質またはCID1981タンパク質の3倍希釈物の存在下で、72時間にわたり、10,000細胞/ウェルにてプレートした。 使用される濃度は、HSA+Epoではなく、Epo単独の重量に基づいて計算した。 組換えヒトEpo(rhEpo)をポジティブコントロールとして使用し、100ng/ml〜0.01ng/mlまで3倍連続希釈した。 細胞を、さらに18時間、0.5mCi/ウェルの3H−チミジンに曝した。 (白四)rhEpo;(逆向黒三角)HSA−Epo1981;(黒丸)Epo−HSA1996。

    図5は、用量応答分析であり、0日目および7日目からのヘマトクリットの%変化に対する、組換えヒトEPOならびにCID1966およびCID1981に含まれるDNAによってコードされるEPOアルブミン融合タンパク質の種々の用量の効果を示す(実施例8および9を参照のこと)。 48週齢のメスDBA/2NHsdマウスを、各4匹の動物の12群に分けた。 組換えヒトEPO(rhEpo)を、0.5、1.5、4.5および12μg/kgにて、0日目、2日目、4日目および6日目に、皮下注射した。 構築物CID1966およびCID1981から作製したEpoアルブミン融合タンパク質を、2、6、18および54μg/kgにて、0日目、2日目、4日目および6日目に、皮下注射した。 より高用量のEpoアルブミン融合タンパク質は、組換えヒトEpoとのほぼ等モル比較を可能にする(融合物の重量は、非グリコシル化Epoの重量の約4.35倍であることに留意すること)。 実験の0日目および7日目に、動物から尾静脈を介して採血し、ヘマトクリットを遠心分離により決定した。 (黒四角)rhEpo;(白丸)CID1981;(逆向黒三角)CID1966。

    図6Aは、0日目〜8日目までのヘマトクリットの%変化に対する、CID1966およびCID1997それぞれに含まれるDNAによってコードされるEpoアルブミン融合タンパク質の種々の皮下投与の効果を示す(実施例8および10を参照のこと)。 *、p<0.005、Mann−Whitney非母数分析によって決定される場合、rhEpoと比較した(n=6)。

    図6Bは、0日目〜14日目までのヘマトクリットの%変化に対する、CID1997およびCID1966に含まれるDNAによってコードされるEpoアルブミン融合タンパク質の皮下投与の効果を示す(実施例8および10を参照のこと)。 *、p<0.005、Mann−Whitney非パラメーター分析によって決定される場合、rhEpoと比較した(n=6);**、p<0.05、Mann−Whitney非パラメーター分析によって決定される場合、rhEpoと比較した(n=6)。

    図7は、TF−1細胞増殖に対する、CID1981およびCID1997それぞれに含まれるDNAによりコードされる種々の希釈アルブミン融合タンパク質の効果を示す(実施例9および10を参照のこと)。 細胞を3回洗浄して、GM−CSFを除去し、CID1981またはCID1997によってコードされるEpoアルブミン融合タンパク質の3倍希釈物の存在下で、72時間にわたり、10,000細胞/ウェルにてプレートした。 等モル量のrhEpoをポジティブコントロールとして使用した(非グリコシル化Epoの重量は、20kdであるのに対して、Epoアルブミン融合タンパク質は、87kdであるので、約4.35分の1のタンパク質を添加した)。 細胞を、さらに24時間、0.5μCi/ウェルの3H−チミジンに曝した。 (黒四角)rhEpo標準;(黒三角)CID1981(CHO);(白丸)CID1997(NSO)。

    図8は、0日目〜8日目までのヘマトクリットの%変化に対する、組換えヒトEPO(rhEpo)ならびに構築物1997(CID1997)に含まれるDNAによってコードされるEPOアルブミン融合タンパク質の種々の用量の効果を示す(実施例10を参照のこと)。 (黒三角)=rhEpo;(白四角)=CID1997。

    図9は、CTLL−2増殖に対する、CID1812に含まれるDNAによってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の種々の希釈物の効果を示す(実施例15を参照のこと)。 1×10

    細胞/ウェルを、IL2アルブミン融合タンパク質(CID1812)の示された量を含む最終容積200μlの完全培地中、96ウェルプレートに播種した。 全サンプルを、三連で行った。 細胞を37℃で40分間インキュベートし、次いで20μlのAlamar Blueを添加し、細胞を8時間インキュベートした。 530/590の吸光度を、増殖の尺度として使用した。 EC50=0.386±0.021。 (白三角)=CID1812。

    図10は、21日目のRENCA腫瘍増殖に対する、CID1812に含まれるDNAによってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の効果を示す(実施例15を参照のこと)。 BALB/cマウス(n=10)に、10

    RENCA細胞を、SC注射(脇腹中央部)した。 10日後、rIL2(0.9mg/kg)、IL2アルブミン融合タンパク質(CID1812タンパク質;0.6mg/kg)、もしくはPBS(プラシーボ)の1日1回の注射(QD)、またはCID1812タンパク質(0.6mg/kg)の一日おきの注射(QOD)をマウスに与えた。 腫瘍容積を、RENCA接種後の21日目に決定した。 データを、散乱分析で示す(各ドットは、1匹の動物を表す)。 各群の平均値は、水平線によって示される。 *、p=0.0035、プラシーボコントロールとCID1812タンパク質との間。 括弧の中の数字は、一群あたりのマウスの総数に対する生存していたマウスの数を示す。 (白丸)=プラセボ;(黒丸)=IL2;(白三角)=CID1812タンパク質(QD);(白四角)=CID1812タンパク質(QOD)。

    図11は、NFS−60細胞増殖に対する、CID1642およびCDI1643に含まれるDNAによってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質の種々の希釈物の効果を示す(実施例19および20を参照のこと)。 (黒四角)=CID1642;(黒三角)=CID1643;(白丸)=HSA。

    図12は、総白血球数に対する組換えヒトGCSF(Neupogen)およびGCSFアルブミン融合タンパク質の効果を示す(実施例19を参照のこと)。 各日における総WBC(10

    細胞/μl)を、群平均±SEMとして示す。 GCSFアルブミン融合タンパク質を、4日ごとに4回(Q4D)、25μg/kgまたは100μg/kgのいずれかで、あるいは7日ごとに2回(Q7D)、100μg/kgでsc注射した。 GCSFアルブミン融合タンパク質100μg/kg Q7についての8日目および9日目のデータを、他の群との比較を容易にするために、それぞれ、9日目および10日目として示す。 コントロールは、4日ごとに4回sc注射した生理食塩水ビヒクル(ビヒクルQ4D)または毎日1回14回sc投与したNeupogen(Neupogen 5μg/kg QD)であった。 処置期間は、1〜14日目、回復期間は、15から28日目と考えられる。

    図13は、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞におけるSEAP活性に対する、CID2011およびCID2053に含まれるDNAによってコードされるIFNbアルブミン融合タンパク質の種々の希釈物の効果を示す(実施例25を参照のこと)。 タンパク質を、DMEM/10% FBS中で5e−7〜le−14g/mlまで連続希釈し、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞を処理するために使用した。 24時間後に、上清をレポーター細胞から取り出し、SEAP活性についてアッセイした。 IFNbアルブミン融合タンパク質を3つの安定なクローン:293F/#2011、CHO/#2011およびNSO/#2053から精製した。 哺乳動物由来IFNbであるAvonexはBiogen製であり、2.0e5 IU/μgの比活性を有することが報告された。

    図14は、GLP−1または構築物ID3070(CID3070タンパク質)によってコードされるGLP−1アルブミン融合タンパク質で処置した後のINS−1(832/13)細胞におけるインスリンmRNAの定常レベルを例示する。 GLP−1およびCID3070タンパク質の両方とも、INS−1細胞におけるインスリン遺伝子の転写を刺激する。 最初のバー(黒)は、非処理細胞を示す。 バー2〜4(白)は、示された濃度のGLP−1で処理した細胞を示す。 バー5〜7(灰色)は、示された濃度のCID3070タンパク質で処理した細胞を示す。

    図15は、Hs294T黒色腫細胞に対する、CID3165(CID3165タンパク質)によってコードされるIFNアルブミン融合タンパク質および組換えIFNa(fINFα)の抗増殖活性を比較する。 細胞を、種々の濃度のCID3165タンパク質またはrIFNaのいずれかとともに培養し、増殖を、培養の3日後にBrdU組み込みによって測定した。 CID3165タンパク質は、10ng/mlを上回る濃度で細胞増殖の測定可能な阻害を引き起こし、50%阻害は、約200ng/mlで達成された。 (黒四角)=CID3165タンパク質、(黒菱形)=rIFNa。

    図16は、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞におけるSEAP活性に対する、IFNaアルブミン融合タンパク質の種々の規約物の効果を示す。 アルブミンの上流に融合したIFNaの1つの調製物(黒菱形)を試験し、アルブミンの下流に融合したIFNaの2つの異なる調製物(黒三角)および(黒四角)もまた試験した。

    図17は、処置サルにおけるOAS(p41)のmRNAレベルに対する、時間および構築物2249(CID2249タンパク質)に含まれるDNAによってコードされるIFNaアルブミン融合タンパク質の用量の効果を示す(実施例31を参照のこと)。 時点あたり:最初のバー=ビヒクルコントロール、第2のバー=30μg/kg CID2249タンパク質1日目iv、第3のバー=30μg/kg CID2249タンパク質1日目sc、第4のバー=300μg/kg CID2249タンパク質1日目sc、第5のバー=40μg/kg 組換えIFNa1日目、3日目、および5日目sc。

    図18は、3T3−Ll脂肪細胞におけるグルコース取り込みに対する、構築物2250および2276に含まれるDNAによってコードされるインスリンアルブミン融合タンパク質の種々の希釈物の効果を示す(実施例33および35を参照のこと)。

    図19は、NFS細胞増殖に対する、種々のGCSFアルブミン融合タンパク質(CID#1643およびCID#2702(L−171,実施例114を参照のこと)によりコードされるものを含む)の効果を示す。 水平破線は、最小検出レベルを示す。

    (発明の詳細な説明)
    (定義)
    以下の定義は、本明細書を通して使用される特定の用語の理解を容易にするために提供される。

    本明細書中で使用される場合、「ポリヌクレオチド」とは、少なくとも1つの治療用タンパク質X(またはそのフラグメントもしくは改変体)の対してインフレームで連結される少なくとも一分子のアルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)を含むかあるいはこれらからなる融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;配列番号Yのアミノ酸配列(表2の第6列に記載される)またはそのフラグメントもしくは改変体を含むかあるいはこれらからなる融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;配列番号Xに示される配列を含むかあるいはこれからなるヌクレオチド配列を有する核酸分子;配列番号Zのアミノ酸配列を含むかあるいはこれからなる融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;表2または実施例に記載されるように生成される本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子;本発明の治療用アルブミン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子、表2に記載されるアルブミン融合構築物中に含まれるヌクレオチド配列を有する核酸分子、あるいはATCCに寄託されたアルブミン融合構築物(表3に記載される)中に含まれるヌクレオチド配列を有する核酸分子をいう。

    本明細書中で使用される場合、「アルブミン融合構築物」とは、少なくとも1分子の治療用タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドにインフレームで連結される少なくとも1分子のアルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)をコードするポリヌクレオチドをふくむかあるいはこれらからなる核酸分子;表2または実施例に記載されるように生成される少なくとも一分子の治療用タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドにインフレームで融合される少なくとも1つのアルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)をコードするポリヌクレオチドを含むかあるいはこれらからなる核酸分子;あるいは例えば、以下のエレメント:(1)機能的な自己複製ベクター(シャトルベクター、発現ベクター、組み込みベクター、および/または複製系)、(2)転写の開始のための領域(例えば、調節可能プロモーターまたは誘導性プロモーター、構成プロモーターのようなプロモーター領域)、(3)転写の終結のための領域、(4)リーダー配列、および(5)選択マーカー、のうちの1以上をさらに含む少なくとも1分子の治療用タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドにインフレームで連結される少なくとも一分子のアルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)をコードするポリヌクレオチドを含むかあるいはこれらからなる核酸。 治療用タンパク質およびアルブミンタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、一旦アルブミン融合構築物の一部になると、各々、アルブミン融合構築物の「一部」、「領域」、または「部分」ともいわれ得る。

    本発明は、一般に、アルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド;アルブミン融合タンパク質;アルブミン融合タンパク質またはアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、疾患または障害を処置、予防、または改善する方法に関する。 本明細書中で使用される場合、「アルブミン融合タンパク質」とは、少なくとも一分子の治療用タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)への少なくとも一分子のアルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)の融合によって形成されるタンパク質をいう。 本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質の少なくともフラグメントもしくは改変体およびヒト血清アルブミンの少なくともフラグメントもしくは改変体を含み、これらは、遺伝的融合によって互いに結合される(すなわち、アルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質の全てまたは一部をコードするポリヌクレオチドが、アルブミンの全てまたは一部をコードするポリヌクレオチドにインフレームで連結される核酸の翻訳によって生成される)。 治療用タンパク質およびアルブミンタンパク質は、一旦アルブミン融合タンパク質の一部になると、おのおの、アルブミン融合タンパク質の「一部(portion)」、「領域」または「部分(moiety)」(例えば、「治療用タンパク質部分」または「アルブミンタンパク質部分」)といわれ得る。 非常に好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、少なくとも一分子の治療用タンパク質Xまたはそのフラグメントもしくは改変体(治療用タンパク質Xの成熟形態を含むが、これらに限定されない)および少なくとも一分子のアルブミンまたはそのフラグメントもしくは改変体(アルブミンの成熟形態を含むが、これらに限定されない)を含む。

    さらに好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、宿主細胞によってプロセシングされ、周りの培養培地に分泌される。 発現のために使用される宿主の分泌経路において生じる新生アルブミン融合タンパク質のプロセシングは、シグナルペプチド切断;ジスルフィド結合形成;適切な折りたたみ;糖質の付加およびプロセシング(例えば、N結合型グリコシル化およびO結合型グリコシル化);特異的タンパク質切断;およびマルチマータンパク質へのアセンブリが挙げられ得るが、これらに限定されない。
    本発明のアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、プロセシングされた形態である。 最も好ましい実施形態において、「アルブミン融合タンパク質のプロセシングされた形態」とは、N末端シグナルペプチド切断をうけたアルブミン融合タンパク質産物をいう(本明細書中「成熟アルブミン融合タンパク質」ともいう)。

    いくつかの例において、本発明のアルブミン融合構築物を含む代表的クローンを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(本明細書中、「ATCC(登録商標)」と称する)に寄託した。 さらに、当該分野で公知の技術および本明細書中に記載の技術によって、寄託物から所定のアルブミン融合構築物を回収することが可能である。 ATCC(登録商標)は、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110−2209,USAに位置する。 ATCC寄託は、特許手続目的のための微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条項に拠って行われた。

    一実施形態において、本発明は、治療用タンパク質および血清アルブミンタンパク質を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。 さらなる実施形態において、本発明は、治療用タンパク質および血清アルブミンタンパク質を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。
    好ましい実施形態において、本発明は、表2に記載されるポリヌクレオチドによってコードされる治療用タンパク質および血清アルブミンタンパク質を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。 さらに好ましい実施形態において、本発明は、表2において配列番号Yとしてその配列が示されるアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。 他の実施形態において、本発明は、治療用タンパク質の生物学的に活性なおよび/または治療的に活性なフラグメント、ならびに血清アルブミンタンパク質を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。 他の実施形態において、本発明は、治療用タンパク質の生物学的に活性なおよび/または治療的に活性な改変体、ならびに血清アルブミンタンパク質を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。 好ましい実施形態において、アルブミン融合タンパク質の血清アルブミンタンパク質成分は、血清アルブミンの成熟形態である。 本発明はさらに、これらのアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを包含する。

    さらなる実施形態において、本発明は、治療用タンパク質、ならびに血清アルブミンの生物学的に活性なおよび/または治療的に活性なフラグメントを含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。 さらなる実施形態において、本発明は、治療用タンパク質、ならびに血清アルブミンの生物学的に活性なおよび/または治療的に活性な改変体を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。 好ましい実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分は、治療用タンパク質の成熟形態である。 さらに好ましい実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分は、治療用タンパク質の細胞外可溶性ドメインである。 代替的実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分は、治療用タンパク質の活性形態である。 本発明はさらに、これらのアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを包含する。

    さらなる実施形態において、本発明は、治療用タンパク質の生物学的に活性なおよび/または治療的に活性なフラグメントもしくは改変体、ならびに血清アルブミンの生物学的に活性なおよび/または治療的に活性なフラグメントもしくは改変体を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。 好ましい実施形態において、本発明は、治療用タンパク質の成熟部分および血清アルブミンの成熟形態を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質を提供する。 本発明は、これらのアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに包含する。

    (治療用タンパク質)
    上記のように、本発明のポリヌクレオチドは、治療用タンパク質の少なくともフラグメントもしくは改変体およびヒト血清アルブミンの少なくともフラグメントもしくは改変体を含むかあるいはこれらからなるタンパク質をコードし、これらは、互いに、好ましくは遺伝的融合によって結合している。

    さらなる実施形態は、治療用タンパク質の少なくともフラグメントもしくは改変体およびヒト血清アルブミンの少なくともフラグメントもしくは改変体を含むかあるいはこれらからなるタンパク質をコードし、これらは、互いに化学的結合体化によって連結されている。

    本明細書中で使用される場合、「治療用タンパク質」とは、1以上の治療的および/または生物学的活性を有するタンパク質、ポリペプチド、抗体、ペプチドまたはそのフラグメントもしくは改変体をいう。 本発明によって包含される治療用タンパク質は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、抗体、および生物学的製剤(biologics)が挙げられるが、これらに限定されない(用語ペプチド、タンパク質、およびポリペプチドは、本明細書中で交換可能に使用される)。 用語「治療用タンパク質」は、抗体、およびそのフラグメントもしくは改変体を包含する。 従って、本発明のタンパク質は、治療用タンパク質の少なくともフラグメントもしくは改変体、および/または抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含み得る。 さらに、用語「治療用タンパク質」は、治療用タンパク質の内因性相関物または天然に存在する相関物をいい得る。

    「治療的活性」を示すポリペプチドまたは「治療的に活性」であるタンパク質とは、本明細書中に記載の治療用タンパク質またはさもなければ当該分野で公知の1以上の治療用タンパク質のような、治療用タンパク質と関連する1つ以上の既知の生物学的活性および/または治療的活性を保有するポリペプチドを意味する。 非限定的な例として、「治療用タンパク質」は、疾患、状態または障害を処置、予防、または改善するために有用なタンパク質である。 非限定的な例として、「治療用タンパク質」は、特定の細胞型(正常(例えば、リンパ球)または異常(例えば、癌細胞))に特異的に結合するタンパク質であり、従って、その細胞型化合物(薬物または細胞傷害性薬剤)を特異的に標的化するために使用され得る。

    例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質によって含まれ得る「治療用タンパク質」部分の非網羅的列挙は、以下を含むが、これらに限定されない:エリスロポエチン(EPO)、IL−2、G−CSF、インスリン、カルシトニン、成長ホルモン、IFN−α、IFN−β、PTH、TR6(国際公開番号WO98/30694)、BLyS、BLyS単鎖抗体、Resistin、成長ホルモン放出因子、VEGF−2、KGF−2、D−SLAM、KDI、およびTR2、GLP−1、Extendin 4およびGM−CSF。

    インターフェロンハイブリッドはまた、アルブミンのアミノ末端またはカルボキシ末端に融合されて、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質を形成し得る。
    インターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質は、インターフェロン活性(例えば、抗ウイルス応答、細胞増殖の調節および免疫応答の調節)を増強し得るか、あるいはインターフェロン活性を抑制し得る(Lebleuら,PNAS USA,73:3107−3111(1976);Gresserら,Nature,251:543−545(1974);およびJohnson,Texas Reports Biol Med,35:357−369(1977))。 各インターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質は、ウイルス感染(例えば、肝炎(例えば、HCV);またはHIV)、多発性硬化症、または癌を処置、予防または改善するために使用され得る。

    一実施形態において、そのインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のインターフェロンハイブリッド部分は、インターフェロンα−インターフェロンαハイブリッド(本明細書中、α−αハイブリッドといわれる)を含む。 例えば、このインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のα−αハイブリッド部分は、インターフェロンα Dに融合されるインターフェロンα Aからなるかあるいはこれらを含む。 さらなる実施形態において、そのA/Dハイブリッドは、インターフェロンα Dに共通のBgE制限部位において融合される。 ここでA/DハイブリッドのN末端部分は、インターフェロンα Aのアミノ酸1−62に対応し、C末端部分は、インターフェロンα Dのアミノ酸64−166に対応する。 例えば、このA/Dハイブリッドは、以下のアミノ酸配列を含む:

    ここでX

    は、RまたはKであり、X

    はAまたはVであり(例えば、構築物#2875を参照のこと)。 さらなる実施形態において、このA/Dハイブリッドは、一般的なPvuIII制限部位において融合される。 ここでこのA/DハイブリッドのN末端部分は、インターフェロンα Aのアミノ酸1−91に対応し、C末端部分は、インターフェロンα Dのアミノ酸93−166に対応する。 例えば、このA/Dハイブリッドは、以下のアミノ酸配列を含む:

    ここでX

    は、RまたはKであり、第2のX

    は、AまたはVである(例えば、構築物ID#2872を参照のこと)。 これらのハイブリッドは、米国特許第4,414,510号(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)にさらに記載される。

    さらなる実施形態において、そのインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のα−αハイブリッド部分は、インターフェロンα Fに融合されたインターフェロンα Aからなるかあるいはこれらを含む。 さらなる実施形態において、このA/Fハイブリッドは、一般的なPvuIII制限部位に融合され、ここでA/FハイブリッドのN末端部分は、インターフェロンα Aのアミノ酸1−91に対応し、C末端部分は、インターフェロンα Fのアミノ酸93−166に対応する。 例えば、このA/Fハイブリッドは、以下のアミノ酸配列を含む:

    ここでXはRまたはKのいずれかである(例えば、構築物ID#2874)。 これらのハイブリッドは、米国特許第4,414,510号(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)にさらに記載される。 さらなる実施形態において、このインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のα−αハイブリッド部分は、インターフェロンα Bに融合されたインターフェロンα Aからなるかあるいはこれらを含む。 代替的実施形態において、このA/Bハイブリッドは、一般的なPvuIII制限部位において融合され、ここでこのA/BハイブリッドのN末端部分は、インターフェロンα Aのアミノ酸1−91に対応し、C末端部分は、インターフェロンα Bのアミノ酸93−166に対応する。 例えば、このA/Bハイブリッドは、以下のアミノ酸配列を含む:

    ここでX

    はRまたはKであり、X

    からX

    は、SCVMまたはVLCDである(例えば、構築物ID#2873を参照のこと)。 これらのハイブリッドは、米国特許第4,414,510号(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)にさらに記載される。

    別の実施形態において、このインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のインターフェロンハイブリッド部分は、インターフェロンβ−インターフェロンαハイブリッド(本明細書中で、β−αハイブリッドといわれる)を含む。 例えば、このインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のβ−αハイブリッド部分は、インターフェロンα Dに融合されるインターフェロンβ−1からなるかあるいはこれらを含む(インターフェロンα−1ともいわれる)。 さらなる実施形態において、このβ−1/α D ハイブリッドが融合され、ここでN末端部分は、インターフェロンβ−1のアミノ酸1−73に対応し、C末端部分は、インターフェロンα Dのアミノ酸74−167に対応する。 例えば、このβ−1/α Dハイブリッドは、以下のアミノ酸配列を含む:

    ここでXは、AまたはVである。 これらのハイブリッドは、米国特許第4,758,428号(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)においてさらに記載される。

    別の実施形態において、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のインターフェロンハイブリッド部分は、インターフェロンα−インターフェロンβハイブリッド(本明細書中で、α−βハイブリッドといわれる)を含む。 例えば、インターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のα−βハイブリッド部分は、インターフェロンβ−1に融合された、インターフェロンα D(インターフェロンα−1ともいわれる)からなるかあるいはこれらを含む。 さらなる実施形態において、このαD/β−1ハイブリッドは融合され、ここでN末端部分は、インターフェロンα Dのアミノ酸1−73に対応し、C末端部分は、インターフェロンβ−1のアミノ酸74−166に対応する。
    例えば、このαD/β−1ハイブリッドは、以下のアミノ酸配列を有する:

    これらのハイブリッドは、米国特許第4,758,428号(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)にさらに記載される。

    さらなる実施形態において、このインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のインターフェロンハイブリッド部分は、α−αインターフェロンハイブリッド、α−βインターフェロンハイブリッド、およびβ−αインターフェロンハイブリッドのさらなる組み合わせを含み得る。 さらなる実施形態において、このインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質のインターフェロンハイブリッド部分は、インターフェロンハイブリッドのアミノ酸配列に対して変異、置換、欠失、または付加を含むように改変され得る。 インターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質に対するこのような改変は、例えば、生成のレベルを改善し、安定性を増大し、活性を増大または減少し、あるいは新たな生物学的特性を付与するように行われ得る。

    上記のインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質は、本発明によって包含され、このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞およびベクターも同様に包含される。 一実施形態において、上記のポリヌクレオチドによってコードされるインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質は、長期化した貯蔵寿命を有する。 さらなる実施形態において、上記のポリヌクレオチドによってコードされるインターフェロンハイブリッドアルブミン融合タンパク質は、インビトロおよび/またはインビボにおいて、対応する非融合インターフェロンハイブリッド分子より長い血清半減期および/または溶液中(または薬学的組成物中)でのより安定した活性を有する。

    別の非限定的例において、「治療用タンパク質」は、生物学的活性、特に、疾患を処置、予防または改善するために有用な生物学的活性を有するタンパク質である。 治療用タンパク質によって保持され得る生物学的活性の非包括的列挙は、免疫応答の増強、新脈管形成の促進、新脈管形成の阻害、内分泌機能の調節、造血機能の調節、神経性腸の刺激、免疫応答の増強、免疫応答の阻害、あるいは以下の「生物学的活性」の節に記載され、そして/または表1(第2列)の所定の治療用タンパク質について開示される生物学的活性のうちの任意の1つ以上を含む。

    本明細書中で使用される場合、「治療活性」または「活性」は、その効果が、ヒトにおける所望の治療的結果と一致するか、あるいは非ヒト哺乳動物または他の種もしくは生物において所望の効果に一致する活性をいい得る。 治療的活性は、インビボまたはインビトロで、測定され得る。 例えば、所望の効果は、細胞培養物中でアッセイされ得る。 例として、EPOが治療用タンパク質である場合、実施例8に記載されるように、EPOの細胞増殖に対する効果は、治療的活性が測定されるエンドポイントとして使用され得る。 このようなインビトロまたはアッセイまたは細胞培養物アッセイは、当該分野で記載されるように、多くの治療用タンパク質について市販されている。 アッセイの例としては、実施例の節または表1の「例示的活性アッセイ」の列(第3列)において本明細書中で記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。

    本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応する治療用タンパク質(例えば、細胞表面タンパク質および分泌タンパク質)は、しばしば、1以上のオリゴサッカリド基の結合によって改変される。 グリコシル化といわれる改変は、タンパク質の物理的特性に劇的な影響を及ぼし得、タンパク質安定性、分泌および局在化において重要であり得る。 グリコシル化は、ポリペプチド骨格に沿った特定の位置で起こる。 グリコシル化には通常、2つの主要な型がある:O結合オリゴサッカリドにより特徴付けられるグリコシル化(これは、セリン残基またはスレオニン残基に結合される);およびN結合型オリゴサッカリドによって特徴付けられるグリコシル化(これは、Asn−X−SerまたはAsn−X−Thr配列におけるアスパラギン残基に結合され、ここでXは、プロリンを除く任意のアミノ酸であり得る)。 N−アセチルノイラミン酸(シアル酸としても公知)は、通常、N結合型オリゴサッカリドおよびO結合型オリゴサッカリドの両方の末端残基である。 変数(例えば、タンパク質構造および細胞型)は、異なるグリコシル化部位における鎖内の糖質ユニットの数および性質に影響を及ぼす。 グリコシル化アイソマーはまた、所定の細胞型内の同じ部位では共通する。

    例えば、ヒトインターフェロンのいくつかの型は、グリコシル化されている。 天然のヒトインターフェロン−α2は、スレオニン106においてOグリコシル化されており、インターフェロン−α14では、アスパラギン72においてNグリコシル化されている。 (Adolfら,J.Biochem 276:511(1991);Nyman TAら,J.Biochem 329:295(1998))。 天然のインターフェロン−β1αのアスパラギン80におけるオリゴサッカリドは、タンパク質の溶解性および安定性において重要な要因を担い得るが、その生物学的活性に必須ではない。 このことは、安定性を増強するように配列改変により操作された非グリコシル化アナログ(インターフェロン−βlb)の生成を可能にする(Hosoiら,J.Interferon Res.8:375(1988;Karpusasら,Cell Mol Life Sci 54:1203(1998);Knight,J.Interferon Res.2:421(1982);Runkelら,Pharm Res 15:641(1998);Lin,Dev.Biol.Stand.96:97(1998))。インターフェロン−γは、25位および97位において2つのN結合型オリゴサッカリド鎖を含み、これらはともに、生体活性組換えタンパク質の効率的な形成に重要であり、そのタンパク質の薬物動態特性に対して影響を有する(Sarenevaら,Eur.J.Biochem 242:191(1996);Sarenevaら,Biochem J.303:831(1994);Sarenevaら,J.Interferon Res.13:267(1993))。混合されたO結合型グリコシル化およびN結合型グリコシル化もまた、例えば、ヒトエリスロポエチンにおいて存在し、N結合型グリコシル化は、24位、38位および83位に位置するアスパラギン残基において存在する一方で、O結合型グリコシル化は、126位に位置するセリン残基において存在する(Laiら,J.Biol.Chem.261:3116(1986);Broudyら,Arch.Biochem.Biophys.265:329(1988))。

    EPOアルブミン融合タンパク質のグリコシル化は、EPOアルブミン融合タンパク質の活性および/または安定性に影響を及ぼし得る。 アルブミン融合タンパク質のEPO部分は、グリコシル化のための3つのN結合部位を含み得、その部位の各々は、1つのテトラアンテナリー構造を有し得る。 EPOアルブミン融合タンパク質が、グリコシル化される場合、その分子の半減期は、増大され得る。 一実施形態において、このEPOアルブミン融合タンパク質は、グリコシル化される。 別の実施形態において、このEPOアルブミン融合タンパク質は、過剰にグリコシル化される(hyperglycosylated)。

    オリゴサッカリドにおいて共通して見出される糖の1つの型は、シアル酸である。 EPOのN結合型グリコシル化部位の各テトラアンテナリー構造は、4つのシアル酸残基を有し得る。 従って、好ましい実施形態において、このEPOアルブミン融合タンパク質は、シアル酸を含む糖質基でグリコシル化される。 さらなる実施形態において、このEPOアルブミン融合タンパク質は、4つのシアル酸残基/テトラアンテナリー構造/部位を含む、シアル酸 対 タンパク質が12:1以上のモル比で完全にシアル化されたEPOタンパク質を含む。 代替的実施形態において、このEPOアルブミン融合タンパク質は、過剰シアル化EPOタンパク質を含む。 ここで、1つ、2つ、または3つのシアル酸残基は、シアル酸 対 タンパク質が12:1未満のモル比で、各テトラアンテナリー構造/部位に結合される。

    EPOアルブミン融合タンパク質のシアル化において使用され得る2つの型のシアル酸は、 N−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)またはN−グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)である。 好ましい実施形態において、過剰シアル化EPOアルブミン融合タンパク質は、Neu5Acを含む。 より好ましくは、過剰シアル化EPOアルブミン融合タンパク質の総シアル酸含有量は、少なくとも97% Neu5Acである。 最も好ましいのは、Neu5Gcがほとんどまたは全くないEPOアルブミン融合タンパク質構造である。

    好ましくは、アルブミンEPO融合タンパク質は、少なくとも4モルのシアル化、より好ましくは、少なくとも8〜9モルのシアル化を有する。 さらなる実施形態は、4モルのシアル化、5モルのシアル化、6モルのシアル化、7モルのシアル化、8〜9モルのシアル化、8モルのシアル化、9モルのシアル化、10モルのシアル化、11モルのシアル化、または12モルのシアル化を有するアルブミンEPO融合タンパク質を含む。

    タンパク質のシアル化の程度は、タンパク質の電荷およびクロマトグラフィーカラムに対するその保持時間を変化させる。 従って、精製プロセスにおいて使用される特定のカラムクロマトグラフィー工程は、過剰シアル化EPOアルブミン融合タンパク質についてモニターまたは富化するために使用され得る。 好ましい実施形態において、シアル化の量は、HPLCクロマトグラフィーによってモニターされ得る。 さらなる実施形態において、EPOアルブミン融合物の精製プロセスにおける工程は、過剰シアル化EPOアルブミン融合タンパク質について富化するために使用され得る。 好ましい実施形態において、過剰シアル化EPOアルブミン融合タンパク質について富化するために使用され得る精製工程は、高アンモニウム塩によるウイルス粒子を除去するためのブチルセファロースFF精製工程および最終的な精製工程のためのpH6.8でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを包含する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分、ならびにそれらのアナログおよび改変体に対応する治療用タンパク質は、1以上の部位でのグリコシル化が、それらが発現される宿主細胞により、またはそれらの発現の他の条件に起因して、それらの核酸配列の操作の結果として変化するように改変され得る。 例えば、グリコシル化アイソマーは、グリコシル化部位を除去または導入することによって(例えば、アミノ酸残基の置換または欠失(例えば、グルタミンのアスパラギンへの置換)によって)生成され得るか、あるいは非グリコシル化組換えタンパク質が、タンパク質をグリコシル化しない宿主細胞において(例えば、E.coliまたはグリコシル化欠損酵母において)タンパク質を発現することによって生成され得る。 これらのアプローチは、以下でより詳細に記載され、当該分野で公知である。

    治療用タンパク質、特に、表1に記載される治療用タンパク質、ならびにそれらの核酸およびアミノ酸配列は、当該分野で周知であり、公のデータベース(例えば、Chemical Abstracts Services Databases(例えば、CAS Registry)、GenBank)および定期購読契約型提供データベース(例えば、GenSeq(例えば、Derwent)から入手可能である。本発明のポリヌクレオチドを誘導するために使用され得る治療用タンパク質の例示的ヌクレオチド配列は、表2の第7列「配列番号X」に示される。配列番号Xとして示される配列は、所定の治療用タンパク質(例えば、全長または成熟のいずれか)をコードする野生型ポリヌクレオチド配列であり得るか、またはいくつかの場合において、その配列は、この野生型ポリヌクレオチド配列(例えば、野生型治療用タンパク質をコードするポリヌクレオチド)の改変体であり得る。ここでこのポリヌクレオチドのDNA配列は、例えば、特定の種における発現;または野生型治療用タンパク質の改変体の改変体(すなわち、部位指向性変異体;対立遺伝子改変体))をコードするポリヌクレオチドのために最適化されている。 同じ行に記載される構築物を得るために、配列番号Xとして示される配列を使用することは、十分に、当業者の能の範囲内である。 例えば、配列番号Xが、全長タンパク質に対応するが、そのタンパク質の一部のみが、特定のCIDを生成するために使用される場合、特定のフラグメントを増幅し、適切なベクターにこれをクローニングするために、分子生物学的技術(例えば、PCR)によることは、当業者の技術範囲内である。

    治療用タンパク質部分の本発明のアルブミン融合タンパク質に対応するさらなる治療用タンパク質は、表1の「治療用タンパク質X」の列(第1列)に開示される治療用タンパク質またはペプチド、またはそのフラグメントもしくは変数改変体(variable)のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。

    表1は、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応する治療用タンパク質、または本発明のポリヌクレオチドによってコードされるアルブミン融合タンパク質の非網羅的列挙を提供する。 第1列「治療用タンパク質X」は、治療用タンパク質分子を開示し、その次に、括弧には治療用タンパク質分子またはそのフラグメントもしくは改変体を含むかあるいはこれらからなるタンパク質の科学名および商標名を含む。 「治療用タンパク質X」は、本明細書中で使用される場合、個々の治療用タンパク質分子、またはこの列において開示される所定の治療用タンパク質分子と関連する治療用タンパク質の群全体いずれかをいう。 「生物学的活性」列(第2列)は、治療用タンパク質分子と関連した生物学的活性を記載する。 第3列は、「例示的活性アッセイ」は、治療用タンパク質X、または治療用タンパク質X(またはそのフラグメント)部分を含むアルブミン融合タンパク質の治療的および/または生物学的活性を試験するために使用され得るアッセイを記載する参考文献を提供する。 「例示的活性アッセイ」列に引用される参考文献の各々は、表1の「生物学的活性」列に示される対応する生物学的活性をアッセイするために、特に、参考文献に記載されるそれぞれの活性アッセイの記載に関して、それらの全体が本明細書中に参考として援用される(例えば、それらの材料および方法を参照のこと)。 第5列「好ましい適応症Y」は、治療用タンパク質Xまたは治療用タンパク質X(またはそれらのフラグメント)部分を含むアルブミン融合タンパク質によって処置、予防、診断、および/あるいは改善され得る疾患、障害、および/または状態を記載する。 「構築物ID」列(第5列)は、参照される治療用タンパク質X(またはそのフラグメント)部分を含むかあるいはこれらからなるアルブミン融合タンパク質をコードする、表2に開示される例示的アルブミン融合構築物に対する関連を提供する。

    表2は、アルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子を含むかあるいはこれからなる、本発明のポリヌクレオチドの非網羅的列挙を提供する。 第5カラム「融合数」は、各ポリヌクレオチドの融合数を示す。 第2列は、「構築物ID」は、本発明の各ポリヌクレオチドについての固有の数字による識別子を提供する。 この構築物IDは、表1の対応する行に列挙される所定の治療用タンパク質Xに対応する治療用タンパク質部分を含むかあるいはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを同定するために使用され得る。 ここでその構築物IDは、第5列に列挙される。 「構築物名」列(第3列)は、所定のアルブミン融合構築物またはポリヌクレオチドの名称を提供する。

    表2の第4列「説明」は、所定のアルブミン融合構築物の一般的な説明を提供し、第5列の「発現ベクター」は、所定のアルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子を含むかあるいはこれらからなるポリヌクレオチドがクローニングされたベクターを列挙する。
    ベクターは、当該分野で公知であり、市販されるかまたは何れか他のところに記載される。 例えば、実施例において記載される場合、(1)所定のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、(2)リーダー配列、(3)プロモーター領域、および(4)転写ターミネーターをうちの1つ以上を含むかあるいはこれらのうちの1以上からなる「発現カセット」は、簡便なクローニングベクターにアセンブリされ得、続いて、例えば、発現ベクターのような代わりのベクター(例えば、酵母発現ベクターまたは哺乳動物発現ベクターを含む)にアセンブリされ得る。 一実施形態において、S. cerevisiaeにおける発現のために、アルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子を含むかあるいはこれからなる発現カセットが、pSAC35にクローニングされる。 別の実施形態において、CHO細胞における発現のために、アルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子を含むかあるいはこれからなる発現カセットが、pC4にクローニングされる。 さらなる実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分をコードする核酸分子を含むかあるいはこれからなるポリヌクレオチドは、pC4:HSAにクローニングされる。 なおさらなる実施形態において、NS0細胞における発現のために、アルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子を含むかあるいはこれからなる発現カセットが、pEE12にクローニングされる。 他の有用なクローニングおよび/または発現ベクターは、当業者に公知であり、本発明の範囲内である。

    第6列「配列番号Y」は、本発明のアルブミン融合タンパク質の全長アミノ酸配列を提供する。 大部分の例において、配列番号Yは、コードされるアルブミン融合タンパク質の非プロセシング形態を示す(言い換えると、配列番号Yは、特定の構築物によってコードされるシグナル配列、HSA部分、および治療部分全てを示す。本発明により具体的に意図されるのは、配列番号Yをコードするポリヌクレオチド全てである。これらのポリヌクレオチドが、細胞からコードタンパク質を発現するために使用される場合、その細胞の天然の分泌およびプロセシング工程は、表2の第4列および/または第11列に列挙されるシグナル配列を欠くタンパク質を生成する。列挙されるシグナル配列の具体的アミノ酸配列は、後に、本明細書中に示されるか、または当該分野で周知である。従って、本発明の最も好ましい実施形態は、細胞によって生成されるアルブミン融合タンパク質(表2の第4列および/または第11列に示されるリーダー配列を欠く)を含む。最も好ましいのは、表2の第4列および/または第11列に列挙される特定のリーダー配列なしで、配列番号Yを含むポリペプチドである。これら2つの好ましい実施形態を含む組成物(薬学的組成物を含む)もまた、好ましい。さらに、表2の第4列および/または第11列に列挙されるシグナル配列を、異なるシグナル配列(例えば、プロセシングされたアルブミン融合タンパク質の分泌を容易にするために、本明細書中で後に記載されるシグナル配列)で弛緩することは、十分に、当業者の能力の範囲内である。

    第7列「配列番号X」は、所定のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分をコードするポリヌクレオチドが得られ得る親核酸配列を提供する。 一実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分をコードするポリヌクレオチドが得られ得るこの親核酸配列は、表Iに示される治療用タンパク質をコードする野生型遺伝子配列を含む。 代替的実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分をコードするポリヌクレオチドが得られ得るこの親核酸配列は、表Iに示される治療用タンパク質をコードする野生型遺伝子配列の改変体もしくは誘導体(例えば、治療用タンパク質をコードする野生型遺伝子配列の、合成コドンで最適化された改変体)を含む。

    第8列「配列番号Z」は、親核酸配列(配列番号X)の推定翻訳物を提供する。 この親配列は、特定の構築物を得るために使用される全長親タンパク質、親タンパク質の成熟部分、野生型タンパク質の改変体もしくはフラグメント、または記載される構築物を作製するために使用され得る人工配列であり得る。 当業者は、配列番号Zに示されるこのアミノ酸配列を使用して、所定の構築物によってコードされるアルブミン融合タンパク質のどのアミノ酸残基が、治療用タンパク質によって提供されるかを決定し得る。 さらに、同じ行に記載される構築物を得るために、配列番号Zとして示される配列を使用することは、十分に、当業者の能力の範囲内である。 例えば、配列番号Zが、全長タンパク質に対応するが、そのタンパク質の一部のみが、特定のCIDを生成するために使用される場合、特定のフラグメントを増幅し、適切なベクターにこれをクローニングするために、分子生物学的技術(例えば、PCR)によることは、当業者の技術範囲内である。

    第9列および第10列においてそれぞれ提供される増幅プライマー「配列番号A」および「配列番号B」は、所定のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分をコードする核酸分子を含むかあるいはこれからなるポリヌクレオチドを生成するために使用される例示的プライマーである。 本発明の一実施形態において、第9列および第10列において示される配列(配列番号Aおよび/またはB)を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、対応する行の第7列に提供されるヌクレオチド配列(配列番号X)を含むかあるいはこれからなる核酸分子をテンプレートDNAとして使用して、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分をコードするポリヌクレオチドをPCR増幅するために使用される。 PCR法は、当該分野で十分に確立されている。 さらなる有用なプライマー配列は、容易に想定され得、当業者によって利用され得る。

    代替的実施形態において、オリゴヌクレオチドプライマーは、テンプレートDNA配列内に変異を生成するために、重複PCR反応において使用され得る。 PCR法は、当該分野で公知である。

    表3に示されるように、本出願において開示される特定のアルブミン融合構築物は、ATCC(登録商標)に寄託されている。

    当該分野で公知の技術および本明細書中他の箇所に記載される技術(例えば、実施例40を参照のこと)により、寄託物から構築された所定のアルブミン融合構築物を回収することが可能である。 ATCCは、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110−2209,USAに存在する。


    ATCCへの寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタベスト条約の規定に準じてなされた。

    本発明のさらなる実施形態において、(1)所定のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、(2)リーダー配列、(3)プロモーター領域、および(4)転写ターミネーターのうちの1つ以上を含むかあるいはそれらからなる「発現カセット」が、1つのベクターから他のベクターへと移動または「サブクローニング」され得る。 サブクローニングされるフラグメントは、当該分野で周知の方法(例えば、PCR増幅(例えば、配列番号AまたはBに示される配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを用いて)および/または制限酵素消化)により生成され得る。

    好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療活性および/または治療活性に対応する生物学的活性および/または表1の対応する行に列挙されるアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する治療タンパク質の生物学的活性を有し得る。 さらに好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療活性タンパク質部分は表2の配列番号Xの列に示される配列によりコードされるタンパク質のフラグメントまたは改変体であり、対応する治療タンパク質の治療活性および/または生物学的活性を有し得る。

    (成長ホルモンの非ヒトアルブミン融合タンパク質)
    1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質では、非ヒト動物種の1つ以上の血清アルブミンタンパク質が、同じ非ヒト動物種の1つ以上の成長ホルモンタンパク質に、そのN末端またはC末端のいずれかでタンデムかつインフレームで融合されている。 非ヒト血清アルブミンおよび成長ホルモンタンパク質は、当該分野で周知であり、かつ公開されているデータベースにて利用可能である。 例えば、表4は、GenBankにおいて見出される非ヒト血清アルブミン配列(第2列)および非ヒト成長ホルモン配列(第3列)に対応する登録番号を示す。 好ましい実施形態において、表4に列挙される非ヒト動物種由来の血清アルブミンタンパク質は、同じ非ヒト動物種由来の成長ホルモンタンパク質に融合される。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質では、表4、第2列に列挙される1つ以上のBos taurus血清アルブミンタンパク質が、表4、第3列に列挙される1つ以上のBos taurus成長ホルモンに、そのN末端またはC末端でタンデムかつインフレームで融合されている。

    非ヒト血清アルブミンのフラグメントまたは改変体(例えば、血清アルブミンの成熟形態)を含む融合タンパク質もまた、本発明により包含される。 非ヒト成長ホルモンタンパク質(例えば、成長ホルモンの成熟形態)のフラグメントまたは改変体を含む融合タンパク質もまた、本発明により包含される。 好ましくは、非ヒト成長ホルモンフラグメントおよび改変体は、成長活性を保持する。

    本発明のポリヌクレオチドは、上記の非ヒトアルブミン融合タンパク質をコードする1つ以上の核酸分子を含むかあるいはそれらからなる。 例えば、そのポリヌクレオチドは、対応する非ヒト動物種の非ヒト成長ホルモンタンパク質(例えば、表4、第3列に列挙される成長ホルモン参照配列)をコードする1つ以上の核酸分子を含むかあるいはそれらからなるポリヌクレオチドに、5'または3'のいずれかで、タンデムかつインフレームで融合された、表4、第1列に列挙される非ヒト動物種由来の血清アルブミンタンパク質(
    例えば、表4、第2列に列挙される非ヒト血清アルブミン参照配列)をコードする1つ以上の核酸分子を含むかあるいはそれらからなり得る。

    上記の非ヒトアルブミン融合タンパク質は、本発明により包含され、これらのポリヌクレオチドを含む宿主細胞およびベクターもまた同様である。 1つの実施形態において、上記のポリヌクレオチドによりコードされる非ヒトアルブミン融合タンパク質は、延長された有効期間を有する。 さらなる実施形態において、上記のポリヌクレオチドによりコードされる非ヒトアルブミン融合タンパク質は、対応する非融合成長ホルモン分子よりも、インビトロおよび/またはインビボで、溶液(または薬学的組成物)中でより長い血清半減期および/またはより安定した活性を有する。

    本発明はまた、非ヒト動物種における疾患または障害を予防、処置、または緩和する方法を包含する。 特定の実施形態において、本発明は、獣医学的疾患または障害を処置する方法を包含し、この方法は、このような処置、予防、または緩和が所望される非ヒト動物種に、この疾患または障害を処置、予防、または緩和するのに有効な量で、成長ホルモンタンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に対応する成長ホルモン部分を含む本発明のアルブミン融合タンパク質を投与する工程を包含する。 処置、予防、または緩和され得る獣医学的疾患および/または障害としては、成長障害(例えば、下垂体性小人症)、皮膚疼痛、肥満、成長ホルモン応答性皮膚疾患、拡張型心筋症、食餌障害、生殖障害、および内分泌障害が挙げられる。

    本発明の非ヒトアルブミン融合タンパク質はまた、皮膚創傷、角膜損傷、骨折、および関節、、または靱帯の損傷の治療を促進するのに使用され得る。

    本発明の非ヒトアルブミン融合タンパク質はまた、製乳動物におけるミルク生成を増加させるために使用され得る。 好ましい実施形態において、製乳動物は、乳である。

    本発明の非ヒトアルブミン融合タンパク質はまた、老化動物における身体の状態を改善するのに使用され得る。

    本発明の非ヒトアルブミン融合タンパク質はまた、飼育用動物における受胎、妊娠率、および生殖成功を増加させるのに使用され得る。

    本発明の非ヒトアルブミン融合タンパク質はまた、消耗について上昇した動物における赤身 対 脂肪の比を改善するのに、食欲を改善するのに、ならびに身体の大きさおよび成長率を増加させるのに使用され得る。

    (ポリペプチドおよびポリヌクレオチドのフラグメントおよび改変体)


    (フラグメント)


    本発明はさらに、表1に記載される治療タンパク質、アルブミンタンパク質、および/または本発明のアルブミン融合タンパク質のフラグメントに関する。

    本発明はまた、表1に記載される治療タンパク質、アルブミンタンパク質、および/または本発明のアルブミン融合タンパク質のフラグメントをコードするポリヌクレオチドに関する。

    タンパク質のN末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失がその治療タンパク質の1つ以上の生物学的機能の改変または喪失を生じるとしても、アルブミンタンパク質、および/または本発明のアルブミン融合タンパク質、他の治療活性および/または機能活性(例えば、生物学的活性、多量体化する能力、リガンド結合能力)がなおも保持され得る。 例えば、このポリペプチドの完全形態または成熟形態を認識する抗体を誘導および/または結合する、N末端欠失を有するポリペプチドの能力は、完全ポリペプチドの残基の大部分未満がN末端から除去される場合に、一般的には保持される。 完全ポリペプチドのN末端残基を欠く特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するか否かは、本明細書中に記載される慣用的な方法およびそうでなければ当該分野で公知の方法により容易に決定され得る。 多くのN末端アミノ酸残基が欠失したムテインがいくつかの生物学的活性または免疫学的活性を保持し得る可能性は低い。 実際、6アミノ酸残基程度で構成されるペプチドは、しばしば、免疫学的応答を惹起し得る。

    従って、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する治療タンパク質のフラグメントとしては、全長タンパク質および、1つ以上の残基が参照ポリペプチド(すなわち、表1に示される治療タンパク質、または表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分)のアミノ酸配列のアミノ末端から欠失したポリペプチドが挙げられる。 特に、N末端欠失は、一般式m〜qにより記載され得、ここで、qは参照ポリペプチド(例えば、表1に示される治療タンパク質、または本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分または表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分)中のアミノ酸残基総数を示す全整数であり、そしてmは2〜q−6の範囲の任意の整数として規定される。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明により包含される。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分に対応する血清アルブミンポリペプチドのフラグメントとしては、全長タンパク質および、1つ以上の残基が参照ポリペプチド(すなわち、血清アルブミン、または表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質の血清アルブミン部分)のアミノ酸配列のアミノ末端から欠失したポリペプチドが挙げられる。 好ましい実施形態において、N末端欠失は、一般式m〜585により記載され得、ここで、585は成熟ヒト血清アルブミン(配列番号1038)中のアミノ酸残基総数を示す全整数であり、そしてmは2〜579の範囲の任意の整数として規定される。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明により包含される。 さらなる実施形態において、N末端欠失は、一般式m〜609により記載され得、ここで、609は全長ヒト血清アルブミン(配列番号1094)中のアミノ酸残基総数を示す全整数であり、そしてmは2〜603の範囲の任意の整数として規定される。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明により包含される。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質のフラグメントとしては、全長アルブミン融合タンパク質および、1つ以上の残基がアルブミン融合タンパク質(例えば、表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質;または表2の第6列に開示されるアミノ酸配列を有するアルブミン融合タンパク質)のアミノ末端から欠失したポリペプチドが挙げられる。 特に、N末端欠失は、一般式m〜qにより記載され得、ここで、qはアルブミン融合タンパク質中のアミノ酸残基総数を示す全整数であり、そしてmは2〜q−6の範囲の任意の整数として規定される。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明により包含される。

    上述のように、参照ポリペプチド(例えば、治療タンパク質;血清アルブミンタンパク質;または本発明のアルブミン融合タンパク質)のN末端またはC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、そのタンパク質の1つ以上の生物学的機能の改変または喪失を生じるとしても、他の機能活性(例えば、生物学的活性、多量体化する能力、リガンド結合能力)および/または治療活性がなおも保持され得る。 例えば、このポリペプチドの完全形態または成熟形態を認識する抗体を誘導および/または結合する、C末端欠失を有するポリペプチドの能力は、完全ポリペプチドまたは成熟ポリペプチドの残基の大部分未満がC末端から除去される場合に、一般的には保持される。 参照ポリペプチドのN末端残基および/またはC末端残基を欠く特定のポリペプチドが治療活性を保持するか否かは、実際には、本明細書中に記載される慣用的な方法および/またはそうでなければ当該分野で公知の方法により容易に決定され得る。

    本発明はさらに、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分(例えば、表1に示される治療タンパク質、または表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分)に対応する治療タンパク質のアミノ酸配列のカルボキシ末端から1つ以上の残基が欠失したポリペプチドを提供する。 特にC末端欠失は、一般式1〜nにより記載され得、ここで、nは6〜q−1までの範囲の任意の全整数であり、そしてqは参照ポリペプチド(例えば、表1に示される治療タンパク質、または表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分)中のアミノ酸残基の総数を表す全整数である。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明により包含される。

    さらに、本発明は、本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分(例えば、血清アルブミン、または表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分)に対応するアルブミンタンパク質のアミノ酸配列のカルボキシ末端から1つ以上の残基が欠失したポリペプチドを提供する。 特に、C末端欠失は、一般式1〜nにより記載され得、ここで、nは6〜584までの範囲の任意の全整数であり、ここで584は成熟ヒト血清アルブミン(配列番号1038)中のアミノ酸残基の総数−1を表す全整数である。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明により包含される。 特にC末端欠失は、一般式1〜nにより記載され得、ここで、nは6〜608までの範囲の任意の全整数であり、ここで608は血清アルブミン(配列番号1094)中のアミノ酸残基の総数−1を表す全整数である。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明により包含される。

    さらに、本発明は、本発明のアルブミン融合タンパク質のカルボキシ末端から1つ以上の残基が欠失したポリペプチドを提供する。 特にC末端欠失は、一般式1〜nにより記載され得、ここで、nは6〜q−1までの範囲の任意の全整数であり、そしてqは本発明のアルブミン融合タンパク質中のアミノ酸残基の総数を表す全整数である。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明により包含される。

    さらに、上記のN末端欠失またはC末端欠失のいずれかは、N末端およびC末端欠失参照ポリペプチドを生成するために組み合わされ得る。 本発明はまた、アミノ末端およびカルボキシル末端の両方から1つ以上のアミノ酸が欠失したポリペプチドを提供する。 このポリペプチドは、参照ポリペプチド(例えば、表1に示される治療タンパク質、または本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分、または表2に記載されるポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされる治療タンパク質部分、または血清アルブミン(例えば、配列番号1038)、または本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分、または表2に記載されるポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミンタンパク質部分、またはアルブミン融合タンパク質、または本発明のポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質)の残基m〜nを有すると一般的に記載され得る。
    ここで、nおよびmは、上記のような整数である。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明により包含される。

    本発明の適用はまた、本明細書中に示される参照ポリペプチド配列(表1に示される治療タンパク質、または本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分、または表2に記載されるポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされる治療タンパク質部分、または血清アルブミン(例えば、配列番号1038)、または本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分、または表2に記載されるポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミンタンパク質部分、またはアルブミン融合タンパク質、または本発明のポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質)と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一のポリペプチドを含むタンパク質、またはそのフラグメントに関する。 好ましい実施形態において、その適用は、上記のようなN末端欠失およびC末端欠失のアミノ酸配列を有する参照ポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一のポリペプチドを含むタンパク質に関する。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明により包含される。

    本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、そのアミノ酸配列がフラグメントである治療タンパク質または血清アルブミンタンパク質のポリペプチド配列の治療活性および/または機能活性(例えば、生物学的活性)を示すアミノ酸配列を含むかあるいはそれらからなる。

    他の好ましいポリペプチドフラグメントは、生物学的に活性なフラグメントである。 生物学的に活性なフラグメントは、本発明のポリペプチドの活性と類似するが、必ずしも同一でない活性を示すフラグメントである。 このフラグメントの生物学的活性は、改善された所望の活性または減少した望ましくない活性を含み得る。

    (改変体)
    「改変体」とは、参照核酸またはポリペプチドとは異なるがそれらの本質的な特性は保持している、ポリヌクレオチドまたは核酸をいう。 一般的に、改変体は全体的に非常に類似しており、そして、多くの領域において、参照核酸またはポリペプチドと同一である。

    本明細書中で使用される場合、「改変体」とは、それぞれ治療的タンパク質(例えば、表1の「治療的」欄を参照のこと)、アルブミンタンパク質、および/またはアルブミン融合タンパク質と配列が異なるが、本明細書の他の箇所に記載されるかそうでなければ当該分野で公知のような、その少なくとも1つの機能的特性および/または治療的特性を保持している、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分、本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミン部分、または本発明のアルブミン融合タンパク質をいう。 一般的に、改変体は、全体的に非常に類似しており、そして多くの領域において、アルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分に対応する治療的タンパク質、アルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分に対応するアルブミンタンパク質、および/またはアルブミン融合タンパク質のアミノ酸配列と同一である。 これらの改変体をコードする核酸はまた、本発明に包含される。

    本発明はまた、例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分に対応する治療的タンパク質のアミノ酸配列(例えば、表1に開示される治療的タンパク質:Xのアミノ酸配列;または表1および2に記載されるポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分のアミノ酸配列、またはそのフラグメントもしくは改変体)、本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分に対応するアルブミンタンパク質のアミノ酸配列(例えば、表1および2に記載されるポリヌクレオチドもしくはアルブミン融合構築物によりコードされるアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分のアミノ酸配列;配列番号1038に示されるアミノ酸配列;またはそれらのフラグメントもしくは改変体)、および/またはアルブミン融合タンパク質のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一なアミノ酸配列を含むか、あるいはこれらのアミノ酸配列からなるタンパク質に関する。 これらのポリペプチドのフラグメントもまた提供される(例えば、本明細書中に記載されるフラグメント)。 本発明に含まれるさらなるポリペプチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で(例えば、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中で、約45℃で、フィルター結合DNAに対してハイブリダイゼーションし、その後0.2×SSC、0.1%SDS中で、約50〜65℃で1回以上洗浄する)、高度にストリンジェントな条件下で(例えば、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中で、約45℃で、フィルター結合DNAに対してハイブリダイゼーションし、その後0.1×SSC、0.2%SDS中で、約68℃で1回以上洗浄する)、または当業者に公知である他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で(例えば、Ausubel,F.M.ら編、1989、Current protocols in Molecular Biology,Green publishing associates,Inc.およびJohn Wiley&Sons Inc.New York.、6.3.1〜6.3.6および2.10.3頁を参照のこと)、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明に含まれる。

    問い合わせアミノ酸配列に、例えば、少なくとも95%「同一」であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより、対象ポリペプチド配列が、問い合わせアミノ酸配列の各100個のアミノ酸あたり5つまでのアミノ酸の変更を含み得ることを除いて、対象ポリペプチドのアミノ酸配列が問い合わせ配列に同一であることが意図される。 換言すれば、問い合わせアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、対象配列におけるアミノ酸残基の5%までが、挿入されても、欠失されても、別のアミノ酸で置換されてもよい。 参照配列のこれらの改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位置もしくはカルボキシ末端位置で生じ得るか、または参照配列中の残基間で個々に、もしくは参照配列内の1つ以上の連続する群においてのいずれかで散在される、それらの末端位置の間のどこにでも生じ得る。

    実際問題として、任意の特定のポリペプチドが、例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質またはそのフラグメント(例えば、アルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分またはアルブミン融合タンパク質のアルブミン部分)のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるか否かは、従来的に、公知のコンピュータープログラムを使用して決定され得る。 問い合わせ配列(本発明の配列)と対象配列との間での最良の全体的な一致を決定するための好ましい方法(全体的配列整列とも呼ばれる)は、Brutlagら(Comp.App.Biosci.6:237−245(1990))のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータープログラムを使用して決定され得る。 配列整列において、問い合わせ配列および対象配列は、両方ともヌクレオチド配列であるかまたは両方ともアミノ酸配列であるかのいずれかである。 上記の全体的配列整列の結果は、同一性パーセントで示される。 FASTDBアミノ酸整列に用いられる好ましいパラメーターは:Matrix=PAM 0、k−tuple=2、Mismatch Penalty=1、Joining Penalty=20、Randomization Group Length=0、Cutoff Score=1、Window Size = 配列の長さ、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty = 0.05、Window Size=500または対象アミノ酸配列の長さ(どちらかより短い方)である。

    対象配列が、N末端またはC末端欠失により(内部の欠失のためではなく)問い合わせ配列よりも短い場合、手動の補正が結果に対してなされなければならない。 これは、FASTDBプログラムが、全体的な同一性パーセントを算定する場合に、対象配列のN末端開裂およびC末端切断を考慮しないからである。 問い合わせ配列に比べて、N末端およびC末端で短縮されている対象配列について、同一性パーセントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして、対応する対象残基と一致/整列しない、対象配列のN末端およびC末端である問い合わせ配列の残基の数を計算することによって補正される。 残基が一致/整列されているか否かは、FASTDB配列整列の結果によって決定される。 次いで、このパーセントは、上記のFASTDBプログラムによって特定のパラメーターを使用して計算された同一性パーセントから差し引かれ、最終的な同一性パーセントのスコアに到達する。 この最終的な同一性パーセントのスコアは、本発明の目的のために使用されるものである。 問い合わせ配列と一致/整列していない対象配列のN末端およびC末端側の残基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的のために考慮される。 すなわち、問い合わせ残基のみが、対象配列の最も遠いN末端およびC末端の残基の外側に位置する。

    例えば、90アミノ酸残基の対象配列は、同一性パーセントを決定するために100残基の問い合わせ配列と整列される。 欠失が対象配列のN末端で生じ、それゆえFASTDB整列は、N末端での最初の10残基の一致/整列を示さない。 10個の不対合残基は、配列の10%(一致していないN末端およびC末端での残基の数/問い合わせ配列中の残基の総数)に相当するので、FASTDBプログラムによって計算される同一性パーセントのスコアから10%が差し引かれる。 残りの90残基が完全に一致した場合、最終的な同一性パーセントは90%である。 別の例において、90残基の対象配列が、100残基の問い合わせ配列と比較される。 この場合、欠失は、内部欠失であり、そのため問い合わせ配列と一致/整列しない対象配列のN末端またはC末端の残基は存在しない。 この場合、FASTDBによって算定される同一性パーセントは、手動で補正されない。 再び、FASTDB整列において示される、問い合わせ配列と一致/整列しない対象配列のN末端およびC末端の外の残基位置のみが手動で補正される。 他の手動の補正は、本発明の目的のためにはなされない。

    改変体は、この改変体と同じ長さの正常HAまたは治療的タンパク質の長さと少なくとも75%(好ましくは少なくとも約80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)の配列同一性を通常有する。 ヌクレオチドまたはアミノ酸の配列レベルの相同性または同一性は、配列類似性検索用に調整されたプログラムblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxにより使用されるアルゴリズムを使用するBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)分析(Karlinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268(1990)およびAltschul,J.Mol.Evol.36:290−300(1993)(参考として援用される))により決定される。

    BLASTプログラムにより使用されるアプローチは、最初に問い合わせ配列とデータベース配列との間で類似のセグメントを考慮し、次いで同定される全てのマッチの統計学的有意性を評価し、そして最終的に有意性の予め選択した閾値を満足するマッチのみをまとめることである。 配列データベースの類似性検索における基本的な問題の考察については、Altschulら(Nature Genetics 6:119−129(1994))(全て参考として援用される)を参照のこと。 ヒストグラム、説明、整列、期待値(すなわち、データベース配列に対してマッチを報告するための統計的に有意な閾値)、カットオフ、マトリックスおよびフィルターについての検索パラメーターは、デフォルトの設定である。 blastp、blastx、tblastn、およびtblastxにより使用されるデフォルトスコアリングマトリックスは、BLOSUM62マトリックス(Henikoffら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919(1992)(全て参考として援用される))である。 blastnについては、スコアリングマトリックスは、M(すなわち、一対のマッチした残基についての見返り(reward)スコア)対N(すなわち、ミスマッチ残基についてのペナルティスコア)の比により設定される(ここで、MおよびNについてのデフォルト値は、それぞれ5および−4である)。 4つのblastnパラメーターは、以下のように調整され得る:Q=10(ギャップ生成ペナルティ);R=10(ギャップ伸長ペナルティ);wink=1(問い合わせ配列に沿ってwink番目の位置毎にワードヒットを生じる);およびgapw=16(ギャップアラインメントが生成されるウインドウ幅を設定する)。 等価なBlastpパラメーター設定は、Q=9;R=2;wink=1;およびgapw=32であった。 GCGパッケージバージョン10.0において利用可能な配列間のBestfit比較は、DNAパラメーターGAP=50(ギャップ生成ペナルティ)およびLEN=3(ギャップ伸長ペナルティ)を使用し、そしてタンパク質比較における等価設定は、GAP=8およびLEN=2である。

    本発明のポリヌクレオチド改変体は、コード領域、非コード領域、またはその両方における変化を含み得る。 特に好ましいものは、サイレントな置換、付加、または欠失を生成するが、コードされるポリペプチドの特性または活性を変化させない変化を含むポリヌクレオチド改変体である。 遺伝コードの縮重に起因するサイレントな置換によって生成されるヌクレオチド改変体が、好ましい。 さらに、任意の組合せにおいて50個未満、40個未満、30個未満、20個未満、10個未満、または5〜50個、5〜25個、5〜10個、1〜5個、もしくは1〜2個のアミノ酸が置換、欠失、または付加されるポリペプチド改変体もまた、好ましい。 ポリヌクレオチド改変体は、種々の理由(例えば、特定の宿主についてのコドン発現を至適化するため(ヒトmRNAにおけるコドンを、酵母またはE.coliのような細菌宿主に好ましいコドンに変化させる))のために、生成され得る。

    好ましい実施形態において、アルブミン融合タンパク質のアルブミン部分をコードする本発明のポリヌクレオチドは、酵母または哺乳動物細胞における発現のために最適化される。 さらなる好ましい実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分をコードする本発明のポリヌクレオチドは、酵母または哺乳動物細胞における発現のために最適化される。 なおさらなる好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、酵母または哺乳動物細胞における発現のために最適化される。

    代替の実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、本明細書中に記載されるようなストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下では、治療的タンパク質をコードする野生型ポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。 さらなる実施形態において、アルブミン融合タンパク質のアルブミン部分をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、本明細書中に記載されるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でアルブミンタンパク質をコードする野生型ポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。 別の実施形態において、アルブミン融合タンパク質をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、本明細書中に記載されるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で治療的タンパク質部分またはアルブミンタンパク質部分をコードする野生型ポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。

    さらなる実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分をコードするポリヌクレオチドは、その治療的タンパク質の天然に存在する配列を含まないか、あるいはその配列から構成されない。 さらなる実施形態において、アルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分をコードするポリヌクレオチドは、アルブミンタンパク質の天然に存在する配列を含まないか、あるいはその配列から構成されない。 代替の実施形態において、アルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、治療的タンパク質部分またはアルブミンタンパク質部分の天然に存在する配列を含まないか、その配列から構成されない。

    天然に存在する改変体は、「対立遺伝子改変体」と呼ばれ、そして生物の染色体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替の形態のうちの1つをいう。 (Genes II、Lewin,B.,編、John Wiley & Sons,New York(1985))。 これらの対立遺伝子改変体は、ポリヌクレオチドレベルおよび/またはポリペプチドレベルのいずれかで変化し得、そして本発明に含まれる。 あるいは、天然に存在しない改変体は、変異誘発技術によってまたは直接的な合成によって生成され得る。

    タンパク質工学および組換えDNA技術の公知の方法を使用して、改変体は、本発明のポリペプチドの特性を改善または変化させるために作製され得る。 例えば、1つ以上のアミノ酸は、生物学的機能を実質的に損失することなく本発明のポリペプチドのN末端またはC末端から欠失され得る。 例として、Ronら(J.Biol.Chem.268:2984−2988(1993))は、3、8、または27個のアミノ末端のアミノ酸残基を欠失させた後でさえもヘパリン結合活性を有する改変体KGFタンパク質を報告した。
    同様に、インターフェロンγは、このタンパク質のカルボキシ末端から8〜10個のアミノ酸残基を欠失させた後、10倍までのより高い活性を示した(Dobeliら、J.Biotechnology 7:199−216(1988))。

    さらに、豊富な証拠は、改変体が、天然に存在するタンパク質の生物学的活性に類似する活性をしばしば保持することを実証する。 例えば、Gayleおよび共同研究者ら(J.Biol.Chem.268:22105−22111(1993))は、ヒトサイトカインIL−1aの広範囲にわたる変異分析を行った。 彼らは、ランダムな変異誘発を使用して、分子の全長にわたって改変体当たり平均2.5アミノ酸の変化になる、3,500個を超える個々のIL−1a改変体を作製した。 複数の変異が、全ての可能なアミノ酸の位置で試験された。 この研究者らは、「分子の大部分は、[結合活性または生物学的活性]のいずれに対してもほとんど影響を伴わないで変化され得る」ことを見出した。 実際、試験された3,500個を超えるヌクレオチド配列のうち、わずか23個の独特なアミノ酸配列が、野生型と活性が有意に異なるタンパク質を生成した。

    さらに、ポリペプチドのN末端またはC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、1つ以上の生物学的機能の改善または損失を生じたとしても、他の生物学的活性はなお保持され得る。 例えば、分泌される形態を認識する抗体を誘導および/または結合する、欠失改変体の能力は、分泌される形態の過半数より少ない残基が、N末端またはC末端から除去される場合に保持されるようである。 タンパク質のN末端またはC末端残基を欠損する特定のポリペプチドが、このような免疫原性活性を保持するか否かは、本明細書中に記載される慣用的な方法、およびそうでなければ当該分野において公知の慣用的な方法によって容易に決定され得る。

    従って、本発明は、機能的活性(例えば、生物学的活性および/または治療的活性)を有するポリペプチド改変体をさらに含む。 一実施形態において、本発明は、アルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分に対応する治療的タンパク質の1つ以上の生物学的活性および/または治療的活性に対応する機能的活性(例えば、生物学的活性および/または治療的活性)を有するアルブミン融合タンパク質の改変体を提供する。 別の実施形態において、本発明は、アルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する治療タンパク質の1つ以上の生物学的および/または治療的活性に対応する機能的活性(例えば、生物学的活性および/または治療的活性)を有するアルブミン融合タンパク質の改変体を提供する。 このような改変体は、当該分野で公知の一般的規則に従って、活性に対してほとんど影響を及ぼさないように選択される、欠失、挿入、反転、反復、および置換を含む。 このような改変体をコードするポリヌクレオチドもまた、本発明に含まれる。

    好ましい実施形態において、本発明の改変体は、保存的置換を有する。 「保存的置換」により、以下のようなグループ内の交換を意図する:脂肪族または疎水性のアミノ酸Ala、Val、LeuおよびIleの置換;ヒドロキシル残基SerおよびThrの置換;酸性残基AspおよびGluの置換;アミド残基AsnおよびGlnの置換、塩基性残基Lys、Arg、およびHisの置換;芳香族残基Phe、Tyr、およびTrpの置換、ならびに小さいサイズのアミノ酸Ala、Ser、Thr、Met、およびGlyの置換。

    表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関する指針は、例えば、Bowieら、「Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions」、Science 247:1306−1310(1990)において提供され、ここで、著者らは、変化に対するアミノ酸配列の寛容性を研究するための2つの主要なストラテジーがあることを指摘する。

    第1のストラテジーは、進化の過程の間の自然選択によるアミノ酸置換の寛容を利用する。 異なる種におけるアミノ酸配列を比較することにより、保存されるアミノ酸が同定され得る。 これらの保存されたアミノ酸は、タンパク質の機能について重要であるようである。 対照的に、置換が自然選択によって寛容されたアミノ酸の位置は、これらの位置がタンパク質の機能に重要ではないことを示す。 従って、アミノ酸置換を寛容する位置は、タンパク質の生物学的活性をなおも維持しながら改変され得る。

    第2のストラテジーは、タンパク質機能に重要な領域を同定するために、クローン化された遺伝子の特定の位置でアミノ酸変化を導入するための遺伝子工学を使用する。 例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャニング変異誘発(分子中の各残基毎に1つのアラニン変異の導入)が、使用され得る。 CunninghamおよびWells,Science 244:1081−1085(1989)を参照のこと。 次いで、得られた変異体分子は生物学的活性について試験され得る。

    著者らが言及するように、これらの2つのストラテジーは、タンパク質がアミノ酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにした。 著者らはさらに、どのアミノ酸変化が、タンパク質中の特定のアミノ酸位置で許容されるようであるかを示す。 例えば、(タンパク質の三次構造内に)ほとんど埋もれているアミノ酸残基は、非極性側鎖を必要とするが、表面側鎖の特徴は、一般にほとんど保存されない。 さらに、寛容される保存的なアミノ酸置換は、脂肪族または疎水性アミノ酸のAla、Val、Leu、およびIleの置換;ヒドロキシル残基のSerおよびThrの置換;酸性残基のAspおよびGluの置換;アミド残基のAsnおよびGlnの置換、塩基性残基のLys、Arg、およびHisの置換;芳香族残基のPhe、Tyr、およびTrpの置換、ならびに小さなサイズのアミノ酸のAla、Ser、Thr、Met、およびGlyの置換を含む。 保存的なアミノ酸置換に加えて、本発明の改変体は、(i)1つ以上の非保存的なアミノ酸残基の置換(ここでは置換されるアミノ酸残基は、遺伝コードによってコードされるアミノ酸残基であってもそうでなくてもよい)を含むポリペプチド、または(ii)置換基を有する1つ以上のアミノ酸残基の置換を含むポリペプチド、または(iii)別の化合物(例えば、ポリペプチドの安定性および/もしくは可溶性を増加するための化合物(例えば、ポリエチレングリコール))と融合もしくは化学的に結合体化されたポリペプチド、(iv)さらなるアミノ酸(例えば、IgG Fc融合領域ペプチド)を含むポリペプチドを含む。 このような改変体ポリペプチドは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内であると考えられる。

    例えば、他の荷電したアミノ酸または中性のアミノ酸での荷電したアミノ酸のアミノ酸置換を含むポリペプチド改変体は、改善された特性(例えば、より少ない凝集性)を有するタンパク質を生成し得る。 薬学的処方物の凝集は、凝集体の免疫原活性に起因して、活性の減少およびクリアランスの増加の両方をもたらす。 Pinckardら、Clin. Exp. Immunol. 2:331−340(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838−845(1987);Clelandら、Crit. Rev. Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307−377(1993)を参照のこと。

    特定の実施形態において、本発明のポリペプチドは、アルブミン融合タンパク質のアミノ酸配列、治療的タンパク質および/またはヒト血清アルブミンのアミノ酸配列のフラグメントまたは改変体を含むか、あるいはこれらのアミノ酸配列からなり、ここでこのフラグメントまたは改変体は、参照アミノ酸配列と比較した場合に、1〜5、5〜10、5〜25、5〜50、10〜50、または50〜150のアミノ酸残基の付加、置換、および/または欠失を有する。 好ましい実施形態において、このアミノ酸置換は保存的である。
    これらのポリペプチドをコードする核酸もまた、本発明に含まれる。

    本発明のポリペプチドは、ペプチド結合または改変されたペプチド結合、すなわち、ペプチドアイソスター(isostere)によって互いに連結したアミノ酸から構成され得、そして遺伝子がコードする20個のアミノ酸以外のアミノ酸を含み得る。 このポリペプチドは、翻訳後プロセシングのような天然のプロセスによって、または当該技術分野で周知の化学改変技術によってのいずれかで、改変され得る。 このような改変は、基本テキスト、およびより詳細な研究論文、ならびに多くの研究文献に十分記載される。 改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含む、ポリペプチドのどこにでも生じ得る。 同じ型の改変が、所定のポリペプチド中のいくつかの部位で同じまたは種々の程度で存在し得ることが理解される。 また、所定のポリペプチドは多くの型の改変を含み得る。 ポリペプチドは、例えば、ユビキチン化の結果として分枝状であり得、そしてポリペプチドは、分枝を含むかまたは含まない、環状であり得る。 環状、分枝状および分枝した環状のポリペプチドは、天然の翻訳後プロセスから生じ得るか、または合成方法によって作製され得る。 改変としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトール(phosphotidylinositol)の共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化(pegylation)、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸のトランスファーRNA媒介付加、およびユビキチン化が挙げられる。 (例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York(1993);POST−TRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson編,Academic Press,New York,1−12頁(1983);Seifterら,Meth.Enzymol.182:626−646(1990);Rattanら,Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48−62(1992)を参照のこと)。

    (機能的活性)
    「機能的活性を有するポリペプチド」とは、治療的タンパク質の全長形態、プロタンパク質形態、および/または成熟形態に関連する1以上の既知の機能的活性を示し得るポリペプチドをいう。 このような機能的活性としては、生物学的活性、抗原性[抗ポリペプチド抗体に結合(または結合についてポリペプチドと競合)する能力]、免疫原性(本発明の特定のポリペプチドに結合する抗体を生成する能力)、本発明のポリペプチドとマルチマーを形成する能力、およびポリペプチドについてのレセプターまたはリガンドに結合する能力が挙げられるがこれらに限定されない。

    「生物学的活性を有するポリペプチド」とは、特定の生物学的アッセイにおいて測定した場合に、用量依存性ありまたはなしで、本発明の治療的タンパク質の活性と類似の活性であるが、その活性と必ずしも同一でない活性を示すポリペプチド(成熟形態を含む)をいう。 用量依存性が存在する場合、用量依存性は、そのポリペプチドの用量依存性と同一である必要はなく、むしろ本発明のポリペプチドと比較した場合の所定の活性における用量依存性と実質的に類似である(すなわち、候補ポリペプチドは、本発明のポリペプチドと比較してより高い活性、または約1/25以下、好ましくは1/10以下、そして最も好ましくは、約1/3以下の活性を示す)。

    好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、アルブミンに融合されない場合の治療的タンパク質部分(またはそのフラグメントもしくは改変体)に関連する少なくとも1つの生物学的活性および/または治療的活性を有する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、当該分野で公知のアッセイおよび本明細書中に記載されるアッセイを使用するかそれらを慣用的に改変して、機能的活性(例えば、生物学的活性)についてアッセイされ得る。 さらに、当業者は、表1の対応する列(例えば、表1の3欄)に言及されるアッセイを使用して、活性についてアルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分に対応する治療的タンパク質のフラグメントを慣用的にアッセイし得る。 さらに、当業者は、当該分野で公知のアッセイを使用して、かつ/または以下の実施例の項に記載されるアッセイを使用して活性についてアルブミン融合タンパク質のアルブミンタンパク質部分に対応するアルブミンタンパク質のフラグメントを慣用的にアッセイし得る。

    例えば、アルブミン融合タンパク質が治療的タンパク質に結合するかまたは抗治療的ポリペプチド抗体および/または抗アルブミン抗体への結合についてこの治療タンパク質と競合する能力についてアッセイする、1つの実施形態において、当該分野で公知の種々の免疫アッセイが、用いられ得る。 このようなアッセイとしては、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫放射分析アッセイ、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイチュ免疫アッセイ(例えば、コロイド金、酵素または放射性同位体標識を用いる)、ウェスタンブロット、沈降反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイ)、補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳動アッセイなどのような技術を用いる競合アッセイ系および非競合アッセイ系が挙げられるが、これらに限定されない。 1つの実施形態では、抗体結合が、一次抗体上の標識を検出することによって検出される。 別の実施形態では、この一次抗体は、この一次抗体に対する二次抗体または試薬の結合を検出することによって検出される。 さらなる実施形態では、この二次抗体が標識される。 多くの手段が、免疫アッセイにおける結合の検出について当該分野で公知であり、そして本発明の範囲内である。

    好ましい実施形態において、治療的タンパク質の結合パートナー(例えば、レセプターまたはリガンド)が同定される場合、例えば、還元および非還元ゲルクロマトグラフィー、タンパク質アフィニティークロマトグラフィー、ならびにアフィニティーブロッティングのような当該分野で周知の手段によって、融合物の治療的タンパク質部分としてその治療的タンパク質を含むアルブミン融合タンパク質による結合パートナーへの結合が、アッセイされ得る。 一般には、Phizickyら、Microbiol. Rev. 59:94−123(1995)を参照のこと。 別の実施形態では、融合物の治療的タンパク質部分に対応する治療的ポリペプチドの基質に結合する、アルブミン融合タンパク質の生理学的相関の能力が、当該分野で公知の技術を使用して慣用的にアッセイされ得る。

    代替の実施形態において、アルブミン融合タンパク質の多量体化する能力が評価されている場合、その多量体の他の成分との会合は、例えば、当該分野で周知の手段(例えば、還元および非還元のゲルクロマトグラフィー、タンパク質アフィニティークロマトグラフィー、ならびにアフィニティブロッティング)によりアッセイされ得る。 一般的には、Phizickyら(前出)を参照のこと。

    好ましい実施形態において、治療的タンパク質に結合する抗体の全てまたは一部をふくむアルブミン融合タンパク質は、アルブミンに融合されていない場合の治療的タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体に関連する少なくとも1つの生物学的活性および/または治療的活性(例えば、ポリペプチドまたはエピトープに特異的に結合すること)を有する。 他の好ましい実施形態において、治療的タンパク質に結合する抗体の全てまたは一部を含むアルブミン融合タンパク質の生物学的活性および/または治療的活性は、治療的タンパク質に結合する抗体により特異的に結合されるポリペプチドに関連する生物学的活性および/または治療的活性の1つ以上の阻害(すなわち、拮抗作用)または活性化(すなわち、アゴニスト作用)である。

    治療的タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、種々の方法で特徴付けされ得る。 特に、治療的タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、アルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分に対応する治療的タンパク質に結合する抗体により特異的に結合される同じ抗原に特異的に結合する能力について、本明細書中に記載される技術を使用して、または当該分野で公知の技術を慣用的に改変してアッセイされ得る。

    アルブミン融合タンパク質(例えば、治療的タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含む)の、特定のタンパク質またはエピトープに(特異的に)結合する能力についてのアッセイが、溶液において(例えば、Houghten、Bio/Techniques 13:412−421(1992))、ビーズ上で(例えば、Lam、Nature 354:82−84(1991))、チップ上で(例えば、Fodor、Nature 364:555−556(1993))、細菌上で(例えば、米国特許第5,223,409号)、胞子上で(例えば、米国特許第5,571,698;5,403,484;および5,223,409)、プラスミド上で(例えば、Cullら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869(1992))、またはファージ上で(例えば、ScottおよびSmith、Science 249:386−390(1990);Devlin、Science 249:404−406(1990);Cwirlaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378−6382(1990);ならびにFelici,J.Mol.Biol.222:301−310(1991))(これらの参考文献の各々は、その全体が、本明細書中に参考として援用される)、実施され得る。 治療的抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質はまた、特定のタンパク質またはエピトープについてのそれらの特異性および親和性について、本明細書中に記載される技術または当該分野で公知の他の方法を使用するか、慣用的に改変してアッセイされ得る。

    治療的タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、他の抗原(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療的タンパク質部分に対応する治療的タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体により特異的に結合される分子との配列/構造保存性を有する分子)との交差反応性について当該分野で公知の任意の方法によりアッセイされ得る。

    (免疫特異的)結合および交差反応性を分析するために使用され得る免疫アッセイとしては、少し例を挙げれば、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光免疫アッセイ、およびプロテインA免疫アッセイのような技術を用いる競合アッセイ系および非競合アッセイ系が挙げられるが、これらに限定されない。 このようなアッセイは慣用的であり、そして当該分野において周知である(例えば、その全体が本明細書中に参考として援用される、Ausubelら編,1994,Current Protocols in Molecular Biology,第1巻、John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkを参照のこと)。 例示的な免疫アッセイが、以下に簡潔に記載される(が、これらは限定を目的とすることが意図されない)。

    免疫沈降プロトコルは、一般に、タンパク質ホスファターゼインヒビターおよび/またはプロテアーゼインヒビター(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補充したRIPA緩衝液(1% NP−40またはTriton X−100、1% デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS、0.15M NaCl、0.01M リン酸ナトリウム(pH7.2)、1% Trasylol)のような溶解緩衝液中で、細胞の集団を溶解する工程、本発明のアルブミン融合タンパク質(例えば、治療的タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含む)を細胞溶解物に添加する工程、一定時間(例えば、1〜4時間)40℃でインキュベートする工程、例えば、抗アルブミン抗体に結合したセファロースビーズを細胞溶解物に添加する工程、約1時間以上40℃でインキュベートする工程、溶解緩衝液中でビーズを洗浄する工程、およびSDS/サンプル緩衝液中でビーズを再懸濁する工程を包含する。 アルブミン融合タンパク質の、特定の抗原を免疫沈降する能力は、例えば、ウェスタンブロット分析により、アッセイされ得る。 当業者は、アルブミン融合タンパク質の抗原への結合を増加するように、そしてバックグラウンドを減少させる(例えば、セファロースビーズを用いて細胞溶解物を事前にきれいにすること)ように改変され得るパラメーターに関して、知識があり得る。 免疫沈降プロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編,1994、Current Protocols in Molecular Biology,第1巻、John Wiley&Sons、Inc. ,New York,10.16.1を参照のこと。

    ウェスタンブロット分析は一般的に、タンパク質サンプルを調製する工程、タンパク質サンプルのポリアクリルアミドゲルでの電気泳動(例えば抗原の分子量に依存した8%〜20%のSDS−PAGE)、タンパク質サンプルをポリアクリルアミドゲルからメンブレン(例えばニトロセルロース、PVDFまたはナイロン)へ移す工程、ブロッキング溶液(例えば、3%のBSAまたは無脂肪ミルクを含むPBS)中でメンブレンをブロッキングする工程、メンブレンを洗浄緩衝液(例えば、PBS−Tween20)中で洗浄する工程、(ブロッキング緩衝液で希釈された)本発明のアルブミン融合タンパク質をメンブレンに適用する工程、洗浄緩衝液中でメンブレンを洗浄する工程、ブロッキング緩衝液で希釈された、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または放射性分子(例えば32 Pまたは125 I)に結合体化した2次抗体(これはアルブミン融合タンパク質(例えば、抗ヒト血清アルブミン抗体)を認識する)を適用する工程、洗浄緩衝液中でメンブレンを洗浄する工程、および抗原の存在を検出する工程、を包含する。 当業者は、検出されるシグナルを増加し、そしてバックグランドノイズを減少するように改変され得るパラメータをよく知っている。 ウェスタンブロットプロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら(編)、1994、Current Protocols in Molecular Biology、第1巻、John Wiley&Sons,Inc. 、New York(10.8.1)を参照のこと。

    ELISAは、抗原を調製する工程、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルをその抗原でコーティングする工程、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスフォターゼ)のような検出可能な化合物に結合体化した本発明のアルブミン融合タンパク質(例えば、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含む)をそのウェルに添加し、そして一定時間インキュベートする工程、非結合アルブミン融合タンパク質または非特異的結合アルブミン融合タンパク質を洗い流す工程、およびウェルをコートする抗原に特異的に結合したアルブミン融合タンパク質の存在を検出する工程を含む。 ELISAにおいて、目的の抗体は、検出可能な化合物に結合体化している必要はない;その代わり、検出可能な化合物に結合体化した第二の抗体(アルブミン融合タンパク質を認識する)がウェルに添加され得る。 さらに、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、アルブミン融合タンパク質がウェルにコーティングされ得る。 この場合、検出可能な分子は、検出可能な化合物(酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)に結合体化された抗原であり得る。当業者は、検出されるシグナルを増加させるように改変され得るパラメータ、および当該分野において公知のELISAの他のバリエーションに関して、知識を有し得る。ELISAに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編,1994,Current Protocols in Molecular Biology,第1巻、John Wiley & Sons,Inc.,New York,11.2.1を参照のこと。

    タンパク質、抗原、またはエピトープに対するアルブミン融合タンパク質の結合親和性およびアルブミン融合タンパク質−タンパク質/抗原/エピトープ相互作用のオフレート(off−rate)が、競合結合アッセイにより決定され得る。 競合結合アッセイの一つの例は、ラジオイムノアッセイであり、ラジオイムノアッセイは、標識した抗原(例えば、 Hまたは125 I)と、漸増量の非標識抗原の存在下での本発明のアルブミン融合タンパク質とのインキュベーション、および標識した抗原に結合した抗体の検出を含む。
    アルブミン融合タンパク質の、特定のタンパク質、抗原またはエピトープに対する親和性、および結合オフレートは、スキャッチャードプロット分析によるデータから決定され得る。 アルブミン融合タンパク質と同じタンパク質、抗原またはエピトープに結合する第2のタンパク質との競合はまた、ラジオイムノアッセイを用いて決定され得る。 この場合、このタンパク質、抗原、またはエピトープは、漸増量の非標識第二抗体の存在下で、標識した化合物(例えば、 Hまたは125 I)に結合体化したアルブミン融合タンパク質とともにインキュベートされる。

    好ましい実施形態において、BIAcore速度論分析が、タンパク質、抗原もしくはエピトープに対する本発明のアルブミン融合タンパク質の結合のオン速度およびオフ速度を決定するために使用される。 BIAcore速度論分析は、アルブミン融合タンパク質、または特定のポリペプチド、抗原、もしくはエピトープの結合、および表面上に固定された特定のポリペプチド、抗原、もしくはエピトープまたはアルブミン融合タンパク質をそれぞれ備えるチップからのアルブミン融合タンパク質、または特定のポリペプチド、抗原、もしくはエピトープの解離を分析する工程を包含する。

    アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応する治療用タンパク質に結合する抗体もまた、所定のタンパク質または抗原(好ましくは、それらの交代が特異的に結合する抗原)に対する結合親和性に関して、記載または特定され得る。 好ましい結合親和性としては、5×10 −2 M未満、10 −2 M未満、5×10 −3 M未満、10 −3 M未満、5×10 −4 M未満、10 −4 M未満の解離定数すなわちKdを有する親和性が挙げられる。 より好ましい結合親和性としては、5×10 −5 M未満、10 −5 M未満、5×10 −6 M未満、10 −6 M未満、5×10 −7 M未満、10 −7 M未満、5×10 −8 M未満、10 −8 M未満の解離定数すなわちKdを有する親和性が挙げられる。 なおより好ましい結合親和性としては、5×10 −9 M未満、10 −9 M未満、5×10 −10 M未満、10 −10 M未満、5×10 −11 M未満、10 −11 M未満、5×10 −12 M未満、10 −12 M未満、5×10 −13 M未満、10 −13 M未満、5×10 −14 M未満、10 −14 M未満、5×10 −15 M未満または10 −15 M未満の解離定数すなわちKdを有する親和性が挙げられる。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質に結合する対応する抗体(アルブミンに融合していない)の親和性と類似する所定のタンパク質もしくはエピトープに対する親和性を、アルブミン融合タンパク質(治療用タンパク質に結合する抗体のうちの少なくともフラグメントもしくは改変体を含む)の価およびその対応する抗体の価を考慮すると、有する。 さらに、本明細書中に記載される(実施例および表1を参照のこと)かさもなければ当該分野で公知であるアッセイは、アルブミン融合タンパク質ならびにそのフラグメント、改変体および誘導体が、そのアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分および/またはアルブミン部分のいずれかに関連する生物学的活性および/またはTherapeutic活性を(インビトロまたはインビボのいずれかで)惹起する能力を測定するために、慣用的に適用され得る。 他の方法は、当業者に公知であり、本発明の範囲内である。

    (アルブミン)
    上記のように、本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質のうちの少なくともフラグメントもしくは改変体と、ヒト血清アルブミンの少なくともフラグメントもしくは改変体とを含み、これらは、互いに、好ましくは遺伝子融合によって結合されている。

    さらなる実施形態は、治療用タンパク質のうちの少なくともフラグメントもしくは改変体と、ヒト血清アルブミンの少なくともフラグメントもしくは改変体とを含み、これらは互いに、化学結合によって連結されている。

    用語、ヒト血清アルブミン(HSA)およびヒトアルブミン(HA)は、本明細書中で互換可能に使用される。 用語「アルブミン」および「血清アルブミン」は、より広範であり、ヒト血清アルブミン(ならびにそのフラグメントおよび改変体)ならびに他の種由来のアルブミン(ならびにそのフラグメントおよび改変体)を包含する。

    本明細書中で使用される場合、「アルブミン」とは、アルブミンの1つ以上の機能的活性(例えば、生物学的活性)を有する、アルブミンのタンパク質もしくはアミノ酸配列、またはアルブミンのフラグメントもしくは改変体を集合的に指す。 特に、「アルブミン」とは、ヒトアルブミンまたはそのフラグメント(例えば、EP 201 239、EP 322 094、WO 97/24445、WO 95/23857)を指し、特に、図1および配列番号1038に示されるヒトアルブミンの成熟形態、あるいは他の脊椎動物由来のアルブミン、またはこれらの分子もしくはフラグメントのアナログもしくは改変体を指す。

    好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質において使用されるヒト血清アルブミンは、配列番号1038に関する以下の組の点変異のうちの1つまたは両方を含む:Leu−407→Ala、Leu−408→Val、Val−409→Ala、およびArg−410→Ala;またはArg−410→A、Lys−413→Gln、およびLys−414→Gln(例えば、本明細書中に全体が参考として援用される、国際公開番号WO95/23857を参照のこと)。 なおより好ましい実施形態において、上記の点変異の組の1つまたは両方を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、酵母Yap3pタンパク質分解切断に対する改善した安定性/抵抗性を有し、これにより、酵母宿主細胞中で発現される組換えアルブミン融合タンパク質の生成増加が可能である。

    本明細書中で使用される場合、治療用タンパク質の治療活性または寿命を延長するに十分なアルブミン部分とは、このタンパク質の治療活性を安定化または延長するために長さまたは構造が十分であり、その結果、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分の寿命が、非融合状態における寿命と比較して延長または伸長している、アルブミン部分を指す。 このアルブミン融合タンパク質のアルブミン部分は、上記のようなHA配列の全長を含み得るか、またはその治療活性を安定化可能または延長可能である1つ以上のそのフラグメントを含み得る。 そのようなフラグメントは、長さが10個以上のアミノ酸であり得るか、またはHA配列からの約15個、20個、25個、30個、50個以上連続するアミノ酸を含み得るか、またはHAの特定のドメインの部分またはすべてを含み得る。
    例えば、最初の2つの免疫グロブリン様ドメインに広がるHAの1つ以上のフラグメントが、使用され得る。 好ましい実施形態において、このHAフラグメントは、HAの成熟形態である。

    本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミン部分は、正常HAの改変体であり得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク部分はまた、本明細書中に記載されるような治療用タンパク質の改変体であり得る。 用語「改変体」は、保存的または非保存的のいずれかである、挿入、欠失、および置換を包含し、ここでそのような変化は、アルブミンの腫脹の(oncotic)有用なリガンド結合特性および非免疫原性特性のうちの1つ以上も、その治療用タンパク質の治療活性を付与する活性部位もしくは活性ドメインも、実質的には変化しない。

    詳細には、本発明のアルブミン融合タンパク質は、ヒトアルブミンの天然に存在する多型改変体、およびヒトアルブミンのフラグメント(例えば、EP 322 094に開示されるフラグメント(すなわち、HA(Pn)であり、ここで、nは、369〜419である))を包含し得る。 このアルブミンは、任意の脊椎動物、特に任意の哺乳動物、例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、またはブタに由来し得る。 非哺乳動物アルブミンとしては、雌鳥およびサケが挙げられるが、これらに限定されない。 このアルブミン融合タンパク質のアルブミン部分は、この治療用タンパク質部分とは異なる動物由来であり得る。

    一般的に述べると、HAのフラグメントまたは改変体は、少なくとも100アミノ酸長、好ましくは、少なくとも150アミノ酸長である。 このHA改変体は、HAの少なくとも1つのドメイン全体、例えば、ドメイン1(配列番号1038のアミノ酸1〜194)、ドメイン2(配列番号1038のアミノ酸195〜387)、ドメイン3(配列番号1038のアミノ酸388〜585)、ドメイン1および2(配列番号1038の1〜387)、ドメイン2および3(配列番号1038の195〜585)、またはドメイン1および3(配列番号1038のアミノ酸1〜194および配列番号1038のアミノ酸388〜585)からなり得るか、あるいはこれらを含み得る。 各ドメイン自体は、2つの相同なサブドメイン、すなわち、1〜105、120〜194、195〜291、316〜387、388〜491、および512〜585から構成され、可撓性のサブドメイン間リンカー領域が、残基Lys106〜Glu119、Glu292〜Val315、およびGlu492〜Ala511を含む。

    好ましくは、本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミン部分は、HAの少なくとも1つのサブドメインもしくはドメインまたはその保存的改変体を含む。 その融合物がサブドメインをベースとする場合、隣接リンカーのうちのいくらかまたはすべては、好ましくは、治療用タンパク質部分に結合するために使用される。

    (治療用タンパク質に特異的に結合する抗体もまた、治療用タンパク質である)
    本発明はまた、表1に開示される治療用タンパク質に特異的に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む、アルブミン融合タンパク質を包含する。 用語「治療用タンパク質」は、治療用タンパク質に結合する抗体(例えば、表1の欄Iに記載される)ならびにそのフラグメントおよび改変体を包含することが、特に企図される。 従って、本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質の少なくともフラグメントもしくは改変体、および/または治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含み得る。

    (抗体の構造およびバックグラウンド)
    基本的な抗体構造単位は、テトラマーを含むことが公知である。 各テトラマーは、2つの同一なポリペプチド鎖対から構成され、各対は、1つの「軽鎖」(約25kDa)および1つの「重鎖」(約50〜70kDa)を有する。 各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識を主に担う約100〜110アミノ酸以上の可変領域fを含む。 各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を規定する。 ヒト軽鎖は、κ軽鎖およびλ軽鎖として分類される。 重鎖は、μ、δ、γ、α、またはεとして分類され、それぞれ、抗体のアイソタイプをIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして規定する。 一般に、Fundamental Immunology、第3〜5章(Paul,W.編、第4版、Raven Press,N.Y.(1998)(すべての目的のためにその全体が参考として援用される)を参照のこと。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗体結合部位を形成する。

    従って、インタクトなIgG抗体は、2つの結合部位を有する。 二官能性抗体または二重特異性抗体において以外では、その2つの結合部位は同じである。

    これらの鎖はすべて、3つの超可変領域(相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる)により結合された、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般構造を示す。 このCDR領域は、一般に、その抗原と接触してその特異性を決定する抗体部分である。 各対の重鎖および軽鎖に由来するCDRは、フレームワーク領域により整列され、それにより、特異的エピトープに結合することが可能である。 N末端からC末端まで、軽鎖可変領域および重鎖可変領域の両方は、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。 これらの可変領域は、重鎖定常領域または軽鎖定常領域に連結される。 各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institures of Health,Bethesda,Md.(1987および1991))、またはChothia & Lesk,J Mol. Biol. 196:901〜917(1987);Chothiaら、Nature 342:878〜883(1989)の定義に従う。

    本明細書中で使用される場合、「抗体」とは、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分(すなわち、抗原に特異的に結合する抗原結合部位を含む分子(例えば、抗体の1つ以上のCDR領域を含む分子))を指す。 アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体としては、モノクローナル抗体、多重特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体、単鎖抗体(例えば、単鎖Fvs)、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、Fab発現ライブラリーによって産生されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に特異的な抗Id抗体を含む)、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメント(例えば、VHドメイン、VLドメイン、または1つ以上のCDR領域)を含むが、これらに限定されない。

    (治療用タンパク質に結合する抗体)
    本発明は、治療用タンパク質(例えば、表1に開示される)に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質、またはそのフラグメントもしくは改変体を包含する。

    治療用タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体は、鳥類および哺乳動物を含む任意の動物起源由来であり得る。 好ましくは、この抗体は、ヒト、ネズミ(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリの抗体である。 より好ましくは、その抗体は、ヒト抗体である。 本明細書中で使用される場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、そしてヒト免疫グロブリンライブラリーから単離された抗体、およびヒト抗体を生成するように遺伝子操作された異種マウス(xenomice)もしくは他の生物から単離された抗体を包含する。

    治療用タンパク質に結合し、かつ本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体分子は、免疫グロブリン分子の任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、任意のクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)または任意のサブクラスであり得る。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体分子は、IgG1である。 他の好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体分子は、IgG2である。 他の好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体分子は、IgG4である。

    最も好ましくは、治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、本発明のヒト抗原結合フラグメントであり、これには、Fab、Fab'およびF(ab') 、Fd、単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、ならびにVLドメインまたはVHドメインのいずれかを含むフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。 単鎖抗体を含む抗原結合抗体フラグメントは、可変領域を、単独でか、または以下の全体もしくは部分と組み合わせて含み得る:ヒンジ領域、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメイン。

    治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、一重特異的、二重特異的、三重特異的またはより多重の特異性であり得る。 多重特異的抗体は、治療用タンパク質の異なるエピトープに対して特異的であり得るか、または治療用タンパク質および異種エピトープ(例えば、異種ポリペプチドもしくは固体支持体物質)の両方に特異的であり得る。 例えば、PCT公開WO 93/17715;同WO 92/08802;同WO 91/00360;同WO 92/05793;Tuttら、J. Immunol. 147:60−69(1991);米国特許第4,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、同第5,573,920号、同第5,601,819号;Kostelnyら、J. Imunol. 148:1547−1553(1992)を参照のこと。

    治療用タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体は、二重特異的または二官能性であり得、これは、その抗体が2つの異なる重鎖/軽鎖対と2つの異なる結合部位とを有する人工的ハイブリッド抗体であることを意味する。 二重特異的抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab'フラグメントの結合を含む、種々の方法により生成され得る。 例えば、SongsivilaiおよびLacchmann,Clin. Exp. Immunol. 79:315〜321(1990)、Kostelnyら、J. Immunol. 148:1547〜1553(1992)を参照のこと。 さらに、二重特異的抗体は、「ディアボディ(diabodies)」(Hollignerら、「Diabodies':small bivalent and bispecific antibody fragments」PNAS USA 90:6444〜6448(1993))または「Janusins」(Trauneckerら「Bispecific single chain molecules (Janusins) target cytotoxic lymphocytes on HIV infected cells」EMBO J 10:3655〜3659(1991)およびTrauneckerら「Janusin:new molecular design for bispecific reagents」Int J Cancer Suppl 7:51〜52(1992))として見出され得る。

    本発明はまた、本明細書中に記載されるかまたは当該分野で公知である抗体のフラグメントまたは改変体(誘導体を含む)を含む、アルブミン融合タンパク質を提供する。 当業者に公知である標準的技術は、本発明の分子をコードするヌクレオチド配列中に変異を導入するために使用され得る(例えば、アミノ酸置換を生じる、部位特異的変異誘発およびPCR媒介性変異誘発)。 好ましくは、この改変体(誘導体を含む)は、参照VHドメイン、VHCDR1、VHCDR2、VHCDR3、VLドメイン、VLCDR1、VLCDR2、またはVLCDR3と比較して、50個未満のアミノ酸置換、40個未満のアミノ酸置換、30個未満のアミノ酸置換、25個未満のアミノ酸置換、20個未満のアミノ酸置換、15個未満のアミノ酸置換、10個未満のアミノ酸置換、5個未満のアミノ酸置換、4個未満のアミノ酸置換、3個未満のアミノ酸置換、または2個未満のアミノ酸置換をコードする。 特定の実施形態において、それらの改変体は、VHCDR3の置換をコードする。 好ましい実施形態において、その改変体は、1つ以上の推定非必須アミノ酸残基にて、保存的アミノ酸置換を有する。

    治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、これらが認識または特異的に結合する、治療用タンパク質のエピトープまたは部分に関して記載または特定化され得る。 治療用タンパク質または治療用タンパク質の特定のエピトープに特異的に結合する抗体はまた、排除され得る。 従って、本発明は、治療用タンパク質を特異的に結合し、そしてその排除を可能にする、抗体を含む。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、その抗体自体の非融合フラグメントまたは改変体と同じエピトープに結合する。

    治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体はまた、その交差反応性について記載または特定化され得る。 治療用タンパク質の任意の他のアナログ、オルソログまたはホモログを結合しない抗体が、含まれる。
    治療用タンパク質に対して少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%および少なくとも50%の同一性(当該分野で公知の方法および本明細書中に記載される方法を用いて計算した場合)を有するポリペプチドを結合する抗体もまた、本発明に含まれる。 特定の実施形態において、治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、ヒトタンパク質の、マウスホモログ、ラットホモログおよび/またはウサギホモログならびに対応するそれらのエピトープと交差反応する。 治療用タンパク質に対して95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満および50%未満の配列同一性(当該分野で公知の方法および本明細書中に記載される方法を用いて計算した場合)を有するポリペプチドを結合しない抗体もまた、本発明に含まれる。 特定の実施形態において、上記の交差反応性は、本明細書中に開示された、任意の単一の特異的な抗原性ポリペプチドまたは免疫原性ポリペプチド、あるいはその特異的な抗原性ポリペプチドおよび/または免疫原性ポリペプチドのうちの2個、3個、4個、5個以上の組み合わせに関する。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、特定の抗体自体のフラグメントまたは改変体と比較して、同様であるかまたは実質的に同一な交差反応性を有する。

    さらに本発明に含まれるのは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(本明細書中で記載されるような)で治療用タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを結合する抗体である。 治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体はまた、本発明のポリペプチドに対するそれらの結合親和性について記載または特定化され得る。 好ましい結合親和性としては、5×10 −2 M未満、10 −2 M未満、5×10 −3 M未満、10 −3 M未満、5×10 −4 M未満、10 −4 M未満の解離定数すなわちKdを有する親和性が挙げられる。 より好ましい結合親和性としては、5×10 −5 M未満、10 −5 M未満、5×10 −6 M未満、10 −6 M未満、5×10 −7 M未満、10 −7 M未満、5×10 −8 M未満、または10 −8 M未満の解離定数すなわちKdを有する親和性が挙げられる。 なおより好ましい結合親和性としては、5×10 −9 M未満、10 −9 M未満、5×10 −10 M未満、10 −10 M未満、5×10 −11 M未満、10 −11 M未満、5×10 −12 M未満、10 −12 M未満、5×10 −13 M未満、10 −13 M未満、5×10 −14 M未満、10 −14 M未満、5×10 −15 M未満または10 −15 M未満の解離定数すなわちKdを有する親和性が挙げられる。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質に結合する対応する抗体(アルブミンに融合していない)の親和性と類似する所定のタンパク質もしくはエピトープに対する親和性を、アルブミン融合タンパク質(治療用タンパク質に結合する抗体のうちの少なくともフラグメントもしくは改変体を含む)の価およびその対応する抗体の価を考慮すると、有する。

    本発明はまた、競合的結合を決定するための当該分野で公知の任意の方法(例えば、本明細書中で記載されるイムノアッセイ)によって決定されるような、治療用タンパク質のエピトープに対する抗体の結合を競合的に阻害する抗体を提供する。 好ましい実施形態において、この抗体は、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%、そのエピトープへの結合を競合的に阻害する。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質のエピトープへの第2の抗体の結合を競合的に阻害する。 他の好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質のエピトープへの第2の抗体の結合を、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%、競合的に阻害する。

    治療用タンパク質に結合しかつ本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、その治療用タンパク質のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用し得る。 例えば、本発明は、本発明のポリペプチドとのレセプター/リガンド相互作用を部分的に破壊するかまたは完全に破壊する抗体を含む。 本発明は、レセプター特異的抗体およびリガンド特異的抗体の両方の特徴を有する。 本発明はまた、リガンド結合を妨害しないがレセプター活性化を妨害するレセプター特異的抗体の特徴を有する。 レセプター活性化(すなわち、シグナル伝達)は、本明細書中に記載の技術、そうでなければ、当該分野で公知の技術により決定され得る。 例えば、レセプター活性化は、レセプターのリン酸化(例えば、チロシンまたはセリン/トレオニン)、または免疫沈降とそれに続くウェスタンブロット分析(例えば、上記のような)によってその基質を検出することにより、決定され得る。 特定の実施形態においては、この抗体の非存在下のリガンド活性またはレセプター活性を、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%阻害する抗体が提供される。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、その治療用タンパク質に結合する抗体の非融合フラグメントまたは改変体と比較して、リガンド結合の防止および/またはレセプター活性化の防止に関して、類似するかまたは実質的に類似する特徴を有する。

    本発明はまた、リガンド結合およびレセプター活性化の両方を妨げるレセプター特異的抗体、ならびにレセプター−リガンド複合体を認識し、かつ好ましくは、結合していないレセプターも結合していないリガンドも特異的には認識しない、レセプター特異的抗体の特徴を有する。 同様に、本発明は、リガンドと結合しかつレセプターへのそのリガンドの結合を妨げる中和抗体、およびリガントと結合し、それによりレセプター活性化を妨げるが、そのリガンドがレセプターを結合することを妨げない抗体を含む。 さらに、本発明は、そのレセプターを活性化する抗体を含む。 これらの抗体は、レセプターアゴニストとして作用し得、すなわち、例えば、そのレセプターの二量体化を誘発することによって、リガンド媒介レセプター活性化の生物学的活性の全てまたはサブセットのいずれかを増強し得るかまたは活性化し得る。 この抗体は、本明細書中に開示される治療用タンパク質(例えば、表1に開示される)の特異的生物学的活性を含む生物学的活性に対するアゴニスト、アンタゴニストまたは逆アゴニストとして特定化され得る。 上記抗体アゴニストは、当該分野で公知の方法を用いて作製され得る。 例えば、PCT公開WO96/40281;米国特許第5,811,097号;Dengら、Blood 92(6):1981−1988(1998);Chenら、Cancer Res. 58(16):3668−3678(1998);Harropら、J. Immunol. 161(4):1786−1794(1998);Zhuら、Cancer Res:58(15):3209−3214(1998);Yoonら、J. Immunol. 160(7):3170−3179(1998);Pratら、J. Cell. Sci. 111(Pt2):237−247(1998);Pitardら、J. Immunol. Methods 205(2):177−190(1997);Liautardら、Cytokine 9(4):233−241(1997);Carlsonら、J. Biol. Chem. 272(17):11295−11301(1997);Tarymanら、Neuron 14(4):755−762(1995);Mullerら、Structure 6(9):1153−1167(1998);Bartunekら、Cytokine 8(1):14−20(1996)(上記の文献は、全て、その全体が参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。 好ましい実施形態において、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、その治療用タンパク質に結合する抗体の非融合フラグメントまたは改変体と比較して、類似するかまたは実質的に同一であるアゴニスト特性またはアンタゴニスト特性を有する。

    治療用タンパク質に結合しかつ本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、例えば、治療用タンパク質を精製し、検出し、そして標的化するために使用され得る。 これらは、インビトロおよびインビボの両方での診断方法および治療方法を含む。 例えば、この抗体は、生物学的サンプルにおける治療用タンパク質のレベルを定性的および定量的に測定するためのイムノアッセイにおける有用性を有する。 例えば、Harlowら,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2版,1988)(本明細書中でその全体が参照として援用される)を参照のこと。 同様に、治療用タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質は、例えば、治療用タンパク質を精製し、検出し、そして標的化するために使用され得る。 これらは、インビトロおよびインビボの両方での診断方法および治療方法を含む。

    治療用タンパク質に結合しかつアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、改変された(すなわち、その抗体への任意の型の分子の共有結合によって)誘導体を包含する。 例えば、限定はしないが、この抗体誘導体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への結合などによって、改変された抗体を包含する。 多数の化学的改変のいずれかが、公知の技術によって実行され得、その技術としては、特異的化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などが挙げられるが、これらに限定されない。 さらに、その誘導体は、1つ以上の非古典的アミノ酸を含み得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質もまた、上記のように改変され得る。

    (治療用タンパク質に結合する抗体の生成方法)
    治療用タンパク質に結合しかつ本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分に対応し得る抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法によって産生され得る。 目的の抗原に対するポリクローナル抗体は、当該分野で周知の種々の手順によって産生され得る。 例えば、治療用タンパク質が種々の宿主動物(ウサギ、マウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない)に投与されて、その抗原に対して特異的なポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導し得る。 種々のアジュバントが、宿主種に依存して、免疫学的応答を増加させるために使用され得、そしてフロイント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、リゾレシチンのような界面活性物質、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにBCG(カルメット−ゲラン杆菌)およびcorynebacterium parvumのような潜在的に有用なヒトアジュバントを含むが、これらに限定されない。 このようなアジュバントはまた、当該分野で周知である。

    モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え、およびファージディスプレイ技術、またはそれらの組み合わせの使用を含む、当該分野で公知の広範な種々の技術を用いて調製され得る。 例えば、モノクローナル抗体は、当該分野で公知の以下に挙げられるハイブリドーマ技術を使用して産生され得、例えば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2版、1988);Hammerlingら、Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681(Elsevier,N.Y.1981)(上記の参考文献は、その全体が参考として援用される)に教示される。 本明細書中で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」とは、ハイブリドーマ技術を通して生成された抗体に限定されない。
    用語「モノクローナル抗体」とは、任意の真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む単一のクローンに由来し、それが生成される方法に由来するのではない、抗体をいう。

    ハイブリドーマ技術を用いて特異的抗体を産生およびスクリーニングする方法は、当該分野で慣用的かつ周知である。 非限定的な実施例において、マウスは、治療用タンパク質またはそのフラグメントもしくは改変体、アルブミン融合タンパク質、あるいはそのような治療用タンパク質またはそのフラグメントもしくは改変体またはアルブミン融合タンパク質を発現する細胞を用いて、免疫され得る。 一旦免疫応答が検出される(例えば、上記抗原に特異的な抗体がマウスの血清中に検出される)と、マウスの脾臓を収集しそして脾細胞を単離する。 次に、その脾細胞を周知の技術によって任意の適切な骨髄腫細胞(例えば、ATCCから入手可能な細胞株SP20由来の細胞)に融合させる。 ハイブリドーマを限界希釈によって選択およびクローン化する。 次に、ハイブリドーマクローンを、本発明のポリペプチドに結合し得る抗体を分泌する細胞について、当該分野で公知の方法によってアッセイする。 一般的に高いレベルの抗体を含む腹水が、陽性ハイブリドーマクローンを用いてマウスを免疫することによって、産生され得る。

    従って、本発明は、モノクローナル抗体、および抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養する工程を包含する方法によって産生される抗体を、生成する方法を提供し、ここで、好ましくは、このハイブリドーマは、骨髄腫細胞と本発明の抗原で免疫したマウスから単離された脾細胞とを融合させ、次いで本発明のポリペプチドと結合し得る抗体を分泌するハイブリドーマクローンについて、融合物から生じるハイブリドーマをスクリーニングすることによって生成される。

    ポリクローナルヒトB細胞株およびモノクローナルヒトB細胞株の両方を生成するための別の周知の方法は、エプスタインバーウイルス(EBV)を使用する形質転換である。
    EBV形質転換B細胞株を生成するためのプロトコルは、当該分野で一般に公知であり、例えば、Current Protocols in Immunology,Coliganら編、1994、John Wiley & Sons,NY(これは、その全体が参考として本明細書中に援用される)の第7.22章に概説されるプロトコルがある。
    形質転換用のB細胞源は、一般的にヒト末梢血であるが、形質転換用B細胞はまた、他の供給源(リンパ節、扁桃、脾臓、腫瘍組織、および感染組織が挙げられるが、これらに限定されない)に由来し得る。 組織は、一般には、EBV形質転換前に、単一細胞懸濁物にされる。 さらに、B細胞含有サンプル中のT細胞を物理的に除去するかまたは(例えば、シクロスポリンAでの処理によって)不活化するための工程が、行われ得る。 なぜなら、抗EBV抗体に対して血清陽性である個体由来のT細胞は、EBVによるB細胞不死化を抑制し得るからである。

    一般に、ヒトB細胞を含むサンプルに、EBVが接種され、そして3〜4週間培養される。 代表的なEBV供給源は、B95−8細胞株(ATCC番号VR−1492)の培養上清である。 EBV形質転換の物理的徴候は、一般には、この3〜4週間の培養期間の終わりに観察され得る。 位相差顕微鏡によって、形質転換細胞は、大きく、透明で、毛様に見え得、緊密な細胞クラスター状態に凝集する傾向があり得る。 最初は、EBV株は、一般的にはポリクローン性である。 しかし、長期の細胞培養期間、EBV株は、特定のB細胞クローンの選択的増殖の結果として、モノクローン性またはポリクローン性になり得る。 あるいは、ポリクローン性EBV形質転換株は、(例えば、限界希釈培養により)サブクローン化され得るか、または適切な融合パートナーと融合され得、モノクローナルB細胞株を得るために限界希釈でプレートされてもモノクローナルB細胞株を得る。 EBV形質転換細胞株のために適切な融合パートナーとしては、マウス骨髄腫細胞株(例えば、SP2/0、X63−Ag8.653)、ヘテロミエローマ細胞株(ヒト×マウス;例えば、SPAM−8、SBC−H20、およびCB−F7)、およびヒト細胞株(例えば、GM 1500、SKO−0007、RPMI 8226、およびKR−4)が挙げられる。 従って、本発明はまた、本発明のポリペプチドまたはそのフラグメントに対するヒトポリクローナル抗体またはヒトモノクローナル抗体の生成方法(ヒトB細胞のEBV形質転換を含む)を提供する。

    特定のエピトープを認識する抗体フラグメントは、公知の技術によって生成され得る。
    例えば、本発明のFabおよびF(ab')2フラグメントは、(Fabフラグメントを生成するために)パパインまたは(F(ab')2フラグメントを産生するために)ペプシンのような酵素を使用して、免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断によって産生され得る。 F(ab')2フラグメントは、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含む。

    例えば、治療用タンパク質に結合する抗体はまた、当該分野で公知の種々のファージディスプレイ方法を用いて産生され得る。 ファージディスプレイ法において、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を保有するファージ粒子の表面に提示される。 特定の実施形態において、そのようなファージは、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトもしくはマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示するために利用され得る。 目的の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原を用いて選択または同定され得る(例えば、標識した抗原あるいは固体表面またはビーズに結合または捕捉された抗原を使用する)。 これらの方法において用いられるファージは、代表的には、ファージ遺伝子IIIタンパク質またはファージ遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換え的に融合されたFab、Fvまたはジスルフィド安定化されたFvの抗体ドメインを有するファージから発現されたfdおよびM13結合ドメインを含む糸状ファージ(filamentous phage)である。 治療用タンパク質に結合する抗体を作製するために用いられ得るファージディスプレイ方法の例としては、以下に開示される方法が挙げられる:Brinkmanら、J. Immunol. Methods 182:41−50(1995);Amesら、J. Immunol. Methods 184:177−186(1995);Kettleboroughら、Eur. J. Immunol. 24:952−958(1994);Persicら、Gene 187 9−18(1997);Burtonら、Advances in Immunology 57:191−280(1994);PCT出願番号PCT/GB91/01134;PCT公開WO 90/02809;WO 91/10737;WO 92/01047;WO 92/18619;WO 93/11236;WO 95/15982;WO 95/20401;ならびに米国特許第5,698,426号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,580,717号;同第5,427,908号;同第5,750,753号;同第5,821,047号;同第5,571,698号;同第5,427,908号;同第5,516,637号;同第5,780,225号;同第5,658,727号;同第5,733,743号および同第5,969,108号(これらの各々は、本明細書中でその全体が参考として援用される)。

    上記参考文献に記載されるように、ファージ選択後、ファージ由来の抗体をコードする領域は、ヒト抗体を含む抗体の全体または任意の他の所望の抗原結合フラグメントを生成するために単離されかつ用いられ得、そして例えば、以下に詳細が記載されるように、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含む任意の所望の宿主において発現され得る。 例えば、Fab、Fab'およびF(ab')2フラグメントを組換え的に産生するための技術はまた、当該分野で公知の方法を用いて使用され得、このような方法は、以下に開示される:PCT公開WO 92/22324;Mullinaxら、BioTechniques 12(6):864−869(1992);およびSawaiら、AJRI 34:26−34(1995);およびBetterら、Science 240:1041−1043(1998)(これらの参考文献は、その全体が参考として援用される)。

    単鎖のFvsおよび抗体を産生するために用いられ得る技術の例としては、米国特許第4,946,778号および同第5,258,498号;Hustonら、Methods in Enzymology 203:46−88(1991);Shuら、PNAS 90:7995−7999(1993);およびSkerraら、Science 240:1038−1040(1988)に記載される技術が挙げられる。 ヒトにおける抗体のインビボにおける使用およびインビトロ検出アッセイを含むいくつかの用途のために、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体の使用が好ましくあり得る。 キメラ抗体とは、抗体の異なる部分が、異なる動物種に由来する分子(例えば、マウスモノクローナル抗体由来の可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体)である。 キメラ抗体を産生するための方法は、当該分野において公知である。 例えば、Morrison,Science 229:1202(1985);Oiら、BioTechniques 4:214(1986);Gilliesら、(1989)J. Immunol. Methods 125:191−202;米国特許第5,807,715号;同第4,816,567号;および同第4,816397号を参照のこと(これらはそれらの全体が、参考として本明細書中に援用される)。 ヒト化抗体は、非ヒト種由来の1つ以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する所望された抗原に結合する非ヒト種抗体由来の抗体分子である。 しばしば、ヒトフレームワーク領域内のフレームワーク残基は、抗原結合を変化させるため(好ましくは改善させるために)CDRドナー抗体由来の対応残基と置換される。 これらフレームワークの置換は、当該分野で周知の方法によって同定され、例えば、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRおよびフレームワーク残基の相互作用のモデリング、ならびに特定の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較による。 (例えば、Queenら、米国特許第5,585,089号;Riechmannら、Nature 332:323(1988)を参照のこと(これらはそれらの全体が参考として本明細書中に援用される))。 抗体は、以下を含む当該分野で公知の種々の技術を用いてヒト化され得る:例えば、CDR−移植(欧州特許第239,400号;PCT公開WO 91/09967;米国特許第5,225,539号;同第5,530,101号および同第5,585,089号)、ベニヤリング(veneering)またはリサーフェイシング(resurfacing)(欧州特許第592,106号;同第519,596号;Padlan、Molecular Immunology 28(4/5):489−498(1991); Studnickaら、Protein Engineering 7(6):805−814(1994);Roguskaら、PNAS 91:969−973(1994))、および鎖シャッフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565,332号)。

    完全なヒト抗体は、ヒト患者の治療的処置に対して特に所望される。 ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いた上記のファージディスプレイ法を含む当該分野で公知の種々の方法により作製され得る。 米国特許第4,444,887号、同第4,716,111号;およびPCT公開WO 98/46645、WO 98/50433、WO 98/24893、WO 98/16654、WO 96/34096、WO 96/33735、およびWO 91/10741;(これらの各々はその全体が参考として本明細書中に援用される)もまた参照のこと。

    ヒト抗体はまた、機能的内因性免疫グロブリンの発現は出来ないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現し得るトランスジェニックマウスを用いて産生され得る。 例えば、ヒト重鎖免疫グロブリン遺伝子およびヒト軽鎖免疫グロブリン遺伝子の複合体は、無作為にまたは相同組換えによってマウス胚性幹細胞に導入され得る。 あるいは、ヒト可変領域、定常領域および多様性領域(diversity region)は、ヒト重鎖遺伝子およびヒト軽鎖遺伝子に加えて、マウスの胚性幹細胞に導入され得る。 マウス重鎖免疫グロブリン遺伝子およびマウス軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入と別々にまたは同時に非機能的にされ得る。 特に、JH領域のホモ接合性の欠失は、内因性抗体の産生を妨げる。 改変された胚性幹細胞を増殖させ、そしてキメラマウスを産生するために胚盤胞中に微量注入する。 次いで、キメラマウスを、ヒト抗体を発現するホモ接合性の子孫を産生するために繁殖させる。 トランスジェニックマウスを、選択された抗原(例えば、本発明のポリペプチドの全体または部分)を用いて通常の様式で免疫する。 抗原に対するモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を用いた免疫したトランスジェニックマウスから得られ得る。 トランスジェニックマウスに保持されたヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化の間に再構成し、そしてその後、クラススイッチングおよび体細胞変異を受ける。 従って、そのような技術の使用によって、治療的に有用なIgG抗体、IgA抗体、IgM抗体およびIgE抗体の産生が可能である。 ヒト抗体を産生するためのこの技術の概要については、LonbergおよびHuszar、Int. Rev. Immunol. 13:65−93(1995)を参照のこと。
    ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのこの技術のならびにそのような抗体を産生するためのプロトコールの詳細な議論については、例えば、PCT公開WO98/24893;WO92/01047;WO96/34096;WO96/33735;欧州特許第0 598 877;米国特許第5,413,923号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,569,825号;同第5,661,016号;同第5,545,806号;同第5,814,318号;同第5,885,793号;同第5,916,771号;同第5,939,598号;同第6,075,181号;および同第6,114,598号を参照のこと(これらはその全体が本明細書中に参考として援用される)。 さらに、Abgenix,Inc. (Freemont,CA)およびGenpharm(San Jose,CA)のような企業は、上記の技術に類似した技術を用いて選択された抗原に対するヒト抗体を提供することに従事し得る。

    選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「ガイドされた(guided)選択」といわれる技術を用いて産生し得る。 このアプローチにおいて、選択された非ヒトモノクローナル抗体(例えば、マウス抗体)は、同じエピトープを認識する完全ヒト抗体の選択を導くために使用される。 (Jespersら、Bio/technology 12:899−903(1988))。

    (抗体をコードするポリヌクレオチド)
    本発明はさらに、抗体およびそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。 本発明はまた、ストリンジェントまたはより低いストリジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で(例えば、上記に定義されるような)抗体(好ましくは、治療用タンパク質と特異的に結合する、そしてより好ましくは、表2の「配列番号Z」の欄に開示される「治療用タンパク質X」のアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合する抗体)をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む。

    このポリヌクレオチドは、当該分野で公知の任意の方法によって得られ得、そしてそのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が決定される。 例えば、その抗体のヌクレオチド配列が知られている場合、この抗体をコードするポリヌクレオチドは、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドから構築され得(例えば、Kutmeierら、BioTechniques 17:242(1994)に記載されるような)、これは、簡単にいうと、以下の工程を包含する:この抗体をコードする配列の部分を含むオーバーラップするオリゴヌクレオチドの合成、これらのオリゴヌクレオチドのアニーリングおよび連結、次いで連結されたオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅。

    あるいは、抗体をコードするポリヌクレオチドは、適切な供給源からの核酸から生成され得る。 特定の抗体をコードする核酸を含むクローンは入手不可能だが、その抗体分子の配列が既知である場合、その免疫グロブリンをコードする核酸は、化学的に合成され得るか、あるいは適切な供給源(例えば、抗体cDNAライブラリー、または抗体を発現する任意の組織もしくは細胞(例えば、抗体の発現のために選択されたハイブリドーマ細胞)から生成されたcDNAライブラリー、またはそれから単離された核酸(好ましくはポリA+RNA))から、例えば、その抗体をコードするcDNAライブラリーからのcDNAクローンを同定するために、配列の3'末端および5'末端にハイブリダイズ可能な合成プライマーを使用するPCR増幅によって、または特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを使用するクローニングによって得られ得る。 PCRによって生成された増幅された核酸は、次いで、当該分野で周知の任意の方法を用いて、複製可能なクローニングベクターにクローニングされ得る(実施例107を参照のこと)。

    一旦、抗体のヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列が決定されると、抗体のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列の操作について当該分野で周知の方法(例えば、組換えDNA技術、部位特異的変異誘発、PCRなど(例えば、Sambrookら、1990,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NYおよびAusubelら編、1998,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,NYに記載の技術を参照のこと。これらは両方がその全体において本明細書に参考として援用される。))を用いて操作され、例えば、アミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を作製するように異なるアミノ酸配列を有する抗体を生成し得る。

    特定の実施形態において、重鎖および/または軽鎖の可変ドメインのアミノ酸配列は、相補性決定領域(CDR)の配列の同定のために、当該分野において周知の方法によって(例えば、配列超可変性の領域を決定するために、他の重鎖、および軽鎖の可変領域を既知のアミノ酸配列と比較することによって)調べられ得る。 慣用的な組換えDNA技術を用いて、1つ以上のCDRが、前述のようにフレームワーク領域内に(例えば、非ヒト抗体をヒト化するために、ヒトフレームワーク領域中に)挿入され得る。 このフレームワーク領域は天然に存在し得るか、またはコンセンサスフレームワーク領域であり得、そして好ましくはヒトフレームワーク領域であり得る(例えば、列挙したヒトフレームワーク領域については、Chothiaら、J.Mol.Biol.278:457−479(1998)を参照のこと)。 好ましくは、フレームワーク領域およびCDRの組み合わせによって生成されたポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体をコードする。 好ましくは、上記に議論されるように、1つ以上のアミノ酸置換は、フレームワーク領域内で作製され得、そして好ましくは、そのアミノ酸置換は、抗体のその抗原への結合を改善する。 さらに、このような方法は、1つ以上の鎖内ジスルフィド結合が欠如した抗体分子を生成するように、鎖内ジスルフィド結合に関与する1つ以上の可変領域のシステイン残基のアミノ酸置換または欠失を作製するために使用され得る。 ポリヌクレオチドへの他の変更は、本発明によって包含されそして当該分野の技術の範囲内にある。

    さらに、適切な抗原特異性のマウス抗体分子由来の遺伝子を、適切な生物学的活性のヒト抗体分子由来の遺伝子と共にスプライシングさせることによって、「キメラ抗体」を産生するために開発された技術(Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.81:851−855(1984);Neubergerら、Nature 312:604−608(1984);Takedaら、Nature 314:452−454(1985))が使用され得る。 上記のように、キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する分子であり、このような分子は、マウスmAbおよびヒト免疫グロブリンの定常領域由来の可変領域を有する(例えば、ヒト化抗体)。

    あるいは、単鎖抗体の産生に関する記載された技術(米国特許第4,946,778号;Bird、Science 242:423−42(1988);Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883(1988);およびWardら、Nature 334:544−54(1989))が、単鎖抗体の産生に適応され得る。 単鎖抗体は、Fv領域の重鎖フラグメントおよび軽鎖フラグメントがアミノ酸架橋を介して連結されることによって形成され、単鎖ポリペプチドを生じる。 E. coliにおける機能性Fvフラグメントのアセンブリのための技術もまた、使用され得る(Skerraら、Science 242:1038−1041(1988))。

    (抗体の組換え発現)
    抗体、またはそのフラグメント、誘導体もしくはアナログ(例えば、抗体の重鎖もしくは軽鎖または単鎖抗体)の組換え発現は、その抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターの構築を必要とする。 一旦、抗体分子または抗体の重鎖もしくは軽鎖、あるいはそれらの部分(好ましくは、重鎖または軽鎖の可変ドメインを含有する)をコードする本発明のポリヌクレオチドが得られると、抗体分子の産生のためのベクターは、当該分野で周知の技術を用いる組換えDNA技術によって生成され得る。 従って、抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドの発現によってタンパク質を調製するための方法は、本明細書に記載される。 当業者に周知の方法は、抗体をコードする配列ならびに適切な転写制御シグナルおよび翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターの構築のために使用され得る。 これらの方法には、例えば、インビトロの組換えDNA技術、合成技術、およびインビボの遺伝子組換えが挙げられる。 従って、本発明は、プロモーターに作動可能に連結された、本発明の抗体分子、あるいはその重鎖もしくは軽鎖、または重鎖もしくは軽鎖の可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む、複製可能なベクターを提供する。 このようなベクターは、抗体分子の定常領域(例えば、PCT公開 WO86/05807;PCT公開 WO89/01036;および米国特許第5,122,464号を参照のこと)をコードするヌクレオチド配列を含み得、そしてこの抗体の可変ドメインは、重鎖または軽鎖の全体の発現のためにこのようなベクターにクローニングされ得る。

    この発現ベクターは、従来技術によって宿主細胞へと移入され、そしてこのトランスフェクトされた細胞は、次いで、抗体を産生するために、従来技術によって培養される。 従って、本発明は、異種プロモーターに作動可能に連結された、本発明の抗体、あるいはその重鎖もしくは軽鎖、または単鎖抗体をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を含む。 二重鎖抗体の発現についての好ましい実施形態において、重鎖および軽鎖の両方をコードするベクターは、以下に詳述されるように、免疫グロブリン分子全体の発現のために宿主細胞中に同時発現され得る。

    種々の宿主発現ベクター系は、本発明の抗体分子を発現させるために利用され得る。 このような宿主発現系は、目的のコード配列が産生され、かつ続いて精製され得るビヒクルを表わすが、また、適切なヌクレオチドをコードする配列で形質転換またはトランスフェクトされる場合に、インサイチュで本発明の抗体分子を発現し得る細胞を表わす。 これらには、以下が挙げられるが、これらに限定されない:抗体をコードする配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換された細菌(例えば、E.coli、B.subtilis)のような微生物;抗体をコードする配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、Saccharomyces、Pichia);抗体をコードする配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染した植物細胞系または抗体をコードする配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;あるいは哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)または哺乳動物のウイルスに由来するプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築物を保有する哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、3T3細胞)。 好ましくは、Escherichia coliのような細菌細胞、そしてより好ましくは、特に、組換え抗体分子全体の発現のために真核生物細胞が、組換え抗体分子の発現のために使用される。 例えば、ヒトサイトメガロウイルス由来の主要即時性初期(major intermediate early)遺伝子プロモーターエレメントのようなベクターと組み合わされた、チャイニーズハムスターの卵巣細胞(CHO)のような哺乳動物細胞が、抗体のための効果的な発現系である(Foeckingら、Gene 45:101(1986);Cockettら、Bio/Technology 8:2(1990))。

    細菌系において、多くの発現ベクターが、抗体分子の発現を意図する使用に依存して有利に選択され得る。 例えば、多量のこのようなタンパク質が産生されるべき場合、抗体分子の薬学的組成物の生成のために、容易に精製される融合タンパク質産物の高レベルの発現を指向するベクターが所望され得る。 このようなベクターには、以下が挙げられるが、これらに限定されない:抗体をコードする配列がlacZをコードする領域と共にベクターにインフレーム(in frame)で個別に連結され得、その結果、融合タンパク質が産生されるE. coli発現ベクターpUR278(Rutherら、EMBO J.2:1791(1983));pINベクター(Inouye&Inouye、Nucleic Acids Res.13:3101−3109(1985);Van Heeke&Schuster、J.Biol.Chem.24:5503−5509(1989))など。 pGEXベクターもまた、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として、外来性ポリペプチドを発現させるために使用され得る。 一般に、このような融合タンパク質は可溶性であり、そして溶解した細胞から、マトリックスグルタチオン−アガロースビーズへの吸着および結合、それに続く遊離グルタチオン存在化での溶出によって容易に精製され得る。 このpGEXベクターは、トロンビンまたはXa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計され、その結果、このクローニングされた標的遺伝子産物は、GST部分から放出され得る。

    昆虫系においては、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)が、異種遺伝子を発現するためのベクターとして使用される。 このウイルスは、Spodoptera frugiperda細胞において増殖する。 抗体をコードする配列は、このウイルスの非必須の領域(例えばポリヘドリン遺伝子)に個々にクローニングされ得、そしてAcNPVプロモーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の制御下に配置され得る。

    哺乳動物宿主細胞においては、多数のウイルスに基づく発現系が利用され得る。 アデノウイルスが発現ベクターとして使用される場合においては、目的の抗体をコードする配列は、アデノウイルスの転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモーターおよび3つの部分に分かれるリーダー配列、に連結され得る。 次いで、このキメラ遺伝子は、インビトロまたはインビボでの組換えによって、アデノウイルスゲノムに挿入され得る。 ウイルスのゲノムの非必須領域(例えば、E1またはE3領域)における挿入は、生存可能で、感染した宿主において抗体分子を発現する能力のある組換えウイルスを生じる(例えば、Logan&Shenk、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:355−359(1984)を参照のこと)。 特異的開始シグナルはまた、挿入された抗体をコードする配列の効率的な翻訳のために必要とされ得る。 これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接する配列を含む。 さらに、この開始コドンは、挿入部分全体の翻訳を確実にするために、所望されるコード配列のリーディングフレーム(reading frame)と相が同じでなければならない。 これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、種々の起源、天然および合成の両方であり得る。 発現の効率は、適切な転写エンハンサー要素、転写ターミネーター、などの含有によって高められ得る(Bittnerら、Methods in Enzymol.153:51−544(1987)を参照のこと)。

    さらに、宿主細胞株が選択され得、これは挿入配列の発現を調節し、または、所望される特異的な様式で遺伝子産物を改変し、そしてプロセシングする。 タンパク質産物のこのような改変(例えばグリコシル化)およびプロセシング(例えば切断)は、タンパク質の機能のために重要であり得る。 異なる宿主細胞は、タンパク質および遺伝子産物の、翻訳後プロセシングおよび改変のための、特徴的で特異的な機構を有する。 適切な細胞株または宿主系は、発現された異種タンパク質の正確な改変およびプロセシングを確実にするように選択され得る。 この目的のために、遺伝子産物の、第一の転写、グリコシル化、およびリン酸化の正確なプロセシングのための細胞機構を有する、真核生物宿主細胞が、使用され得る。 このような哺乳動物宿主細胞は、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、WI38、そして特に、例えば、BT483、Hs578T、HTB2、BT20およびT47Dのような乳癌細胞株、ならびに、例えば、CRL7030およびHs578Bstのような正常な乳腺細胞株を含むが、これらに限定されない。

    組換えタンパク質の長期間の高収率産生、安定発現が好ましい。 例えば、安定に抗体分子を発現する細胞株が操作され得る。 ウイルスの複製起点を含む発現ベクターを使用するよりも、宿主細胞は、適切な発現制御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位、など)、および選択マーカーによって制御されるDNAで形質転換され得る。 異種DNAの導入に続いて、操作された細胞は、1〜2日間富化培地で増殖させられ得、次いで、選択培地に切り替えられる。 組換えプラスミドにおける選択マーカーは、選択に対する耐性を与え、そして細胞が、プラスミドをその染色体内に安定に組み込み、そして増殖して、細胞増殖巣を形成し、次にこれはクローニングされ得、増殖して細胞株になることを可能にする。 この方法は、抗体分子を発現する細胞株を操作するために、有利に使用され得る。 このような操作された細胞株は、直接的または間接的に抗体分子と相互作用する化合物のスクリーニングおよび評価において、特に有用であり得る。

    多数の選択系が使用され得、この選択系は、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら、Cell 11:223(1977))、ヒポキサンチン−グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska&Szybalski、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:202(1992))、およびアデニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら、Cell 22:817(1980))の遺伝子(これらの遺伝子は、tk−、hgprt−またはaprt−細胞においてそれぞれ使用され得る)を含むが限定されない。 また、代謝拮抗物質耐性は、以下の遺伝子の選択の基礎として使用され得る:dhfr、これはメトトレキサートに対する耐性を与える(Wiglerら、Natl.Acad.Sci.USA 77:357(1980);O'Hareら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1527(1981));gpt、これはミコフェノール酸に対する耐性を与える(Mulligan&Berg、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2072(1981));neo、これはアミノグリコシドG−418に対する耐性を与える(Clinical Pharmacy 12:488−505;WuおよびWu、Biotherapy 3:87−95(1991);Tolstoshev、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573−596(1993);Mulligan、Science 260:926−932(1993);およびMorganおよびAnderson、Ann.Rev.Biochem.62:191−217(1993);1993年5月、TIB TECH 11(5):155−215);ならびにhygro、これはハイグロマイシンに対する耐性を与える(Santerreら、Gene 30:147(1984))。 組換えDNA技術の分野で一般に公知の方法は、所望の組換えクローンを選択するために、慣用的に適用され得、そしてこのような方法は、以下に記載されている:例えば、Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons、NY(1993);Kriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual、Stockton Press、NY(1990);ならびにDracopoliら(編)、Current Protocols in Human Genetics、12章および13章、John Wiley&Sons、NY(1994);Colberre−Garapinら、J. Mol. Biol. 150:1(1981)(これらはその全体が本明細書中に参考として援用される)。

    抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅によって増大され得る(総説として、BebbingtonおよびHentschel、The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning、Vol.3.(Academic Press、New York、1987)を参照のこと)。 抗体を発現するベクター系におけるマーカーが、増幅可能であると、宿主細胞の培養物に存在するインヒビターのレベルにおける増加は、マーカー遺伝子のコピーの数を増加する。 増幅領域は抗体遺伝子と結合しているので、抗体の産生もまた増加する(Crouseら、Mol.Cell.Biol.3:257(1983))。

    グルタミンシンターゼ(GS)またはDHFRを選択マーカーとして使用するベクターは、それぞれ、薬物メチオニンスルホキシミン(sulphoximine)またはメトトレキセートの存在下で、増幅され得る。 グルタミンシンターゼベースのベクターの利点は、グルタミンシンターゼネガティブの細胞株(例えば、マウス骨髄腫細胞株のNS0)の入手可能性である。 グルタミンシンターゼ発現系はまた、内因性遺伝子の機能を防止するためにさらなるインヒビターを提供することによって、グルタミンシンターゼ発現細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)において機能し得る。 グルタミンシンターゼ発現系およびその構成要素は、以下のPCT公開において詳述される:WO87/04462;WO86/05807;WO89/01036;WO89/10404およびWO91/06657(これらは、その全体が本明細書中で参考として援用される)。 さらに、本発明に従って使用され得るグルタミンシンターゼ発現ベクターは、例えば、Lonza Biologics,Inc. (Portsmouth,NH)を含む業者から市販される。 マウス骨髄腫細胞においてGC発現系を使用する、モノクローナル抗体の発現および産生は、Bebbingtonら、Bio/technology 10:169(1992)ならびにBibliaおよびRobinson、Biotechnol. Prog. 11:1(1995)(これらは、本明細書中でその全体が参考として援用される)に記載される。

    宿主細胞は、本発明の二つの発現ベクター(重鎖由来のポリペプチドをコードする第一のベクターおよび軽鎖由来のポリペプチドをコードする第二のベクター)で、同時トランスフェクトされ得る。 この二つのベクターは、重鎖および軽鎖のポリペプチドの等しい発現を可能にする、同一の選択マーカーを含み得る。 あるいは、重鎖および軽鎖両方のポリペプチドをコードし、そして発現することができる、単一のベクターが使用され得る。 このような状況において、過剰の毒性の遊離重鎖を避けるために、重鎖の前に軽鎖が配置されるべきである(Proudfoot、Nature 322:52(1986);Kohler、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:2197(1980))。 重鎖および軽鎖のためのコード配列はcDNAまたはゲノムDNAを含み得る。

    一旦本発明の抗体分子が、動物によって産生されるか、化学的に合成されるか、または組換えにより発現されると、当該分野で公知の、免疫グロブリン分子の精製のための任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー(特に、プロテインAの後に特異的抗原に対するアフィニティーによる)、およびサイズカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、またはタンパク質精製のための任意の他の標準的な技術によって、精製され得る。 さらに、治療タンパク質に結合し、そして本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に応答し得る、抗体またはそのフラグメントは、本明細書中に記載されるかまたはそうでなければ当該分野において公知の、異種ポリペプチド配列に融合され得、精製を容易にする。

    (抗体の改変)
    治療タンパク質に結合する抗体、またはフラグメントもしくは改変体は、精製を容易にするペプチドのような、マーカー配列に融合され得る。 好ましい実施形態において、マーカーアミノ酸配列は、とりわけヘキサ−ヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)において提供されるタグ)であり、これらの多くのマーカーアミノ酸配列が市販されている。 例えば、Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821−824(1989)に記載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の都合の良い精製を提供する。 精製のために有用な他のペプチドタグは、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する赤血球凝集素タグ(「HA」タグともまた称される)(Wilsonら、Cell 37:767(1984))、および「flag」タグを含むが、これに限定されない。

    本発明は、診断剤または治療剤に結合体化される、抗体またはそのフラグメントをさらに含む。 抗体は、例えば、臨床上の試験手順(例えば、所定の処置レジメンの効力を決定するため)の一部として、腫瘍の発生または進行をモニターするために、診断的に使用され得る。 検出は、抗体を検出可能な物質と連結させることによって容易にされ得る。 検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性物質、種々の陽電子放射断層撮影を使用する陽電子放射金属、および非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。 この検出可能な物質は、抗体(またはそのフラグメント)に対して、直接的、または当該分野で公知の技術を使用する媒介物(例えば、当該分野で公知のリンカーなど)を介して間接的のいずれかで、連結または結合体化され得る。 例えば、本発明に従う診断薬としての使用のための抗体に結合され得る金属イオンに関しては、米国特許第4,741,900号を参照のこと。 適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子団複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられ;ならびに、適切な放射性物質の例としては、125I、131I、111Inまたは99Tcが挙げられる。 検出可能な物質の他の例は、本明細書中の他の箇所に記載されている。

    さらに、本発明の抗体は、治療用部分(例えば細胞毒(例えば細胞増殖抑制性もしくは細胞殺傷性の薬剤))、治療剤または放射性金属イオン(例えば、α−エミッタ−(例えば213Bi)など)に結合され得る。 細胞毒または細胞毒性薬剤は、細胞に対して有害な任意の薬剤を含む。 例としては、パクリタキセル(paclitaxol)、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン(colchicin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにそのアナログまたはホモログが挙げられる。 治療剤は、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン(5−fluorouracil decarbazine)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、ならびにcis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アンスラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアンスラマイシン(anthramycin)(AMC))、ならびに抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン)、を含むが、それらに限定されない。

    本発明の結合体は、所定の生物学的応答を改変するために使用され得、治療剤または薬物部分は、古典的な化学的治療剤に限定されると解釈されない。 例えば、薬物部分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。 このようなタンパク質としては、例えば、毒素(例えばアブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、またはジフテリア毒素);タンパク質(例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経発育因子、血小板由来増殖因子、組織プラスミノゲンアクチベーター、アポトーシス薬(例えば、TNF−α、TNF−β、AIM I(国際公開第WO97/33899号を参照のこと)、AIM II(国際公開第WO97/34911号を参照のこと)、Fasリガンド(Takahashiら、Int.Immunol.6:1567−1574(1994))、VEGI(国際公開第WO99/23105号を参照のこと))、血栓症薬もしくは抗脈管形成薬(例えば、アンジオスタチンもしくはエンドスタチン);または生物学的応答改変剤(例えばリンホカイン、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、または他の増殖因子など)、が挙げられ得る。

    抗体はまた、固体支持体に付着させられ得、この固体支持体は、標的抗原の免疫アッセイまたは精製に特に有用である。 このような固体支持体としては、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンが挙げられるがそれらに限定されない。

    このような治療部分を抗体に結合する技術は周知であり、例えば、Arnonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy、Reisfeldら(編)、243−56頁(Alan R.Liss,Inc.1985);Hellstromら、「Antibodies For Drug Delivery」Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinsonら(編)、623−53頁(Marcel Dekker,Inc.1987);Thorpe、「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review」Monoclonal Antibodies'84:Biological And Clinical Applications、Pincheraら(編)、475−506頁(1985);「Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy」Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy、Baldwinら(編)、303−16頁(Academic Press 1985)、およびThorpeら、「The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates」、Immunol. Rev. 62:119−58(1982)を参照のこと。

    あるいは、抗体は2次抗体に結合され、米国特許第4,676,980号(これは、その全体が本明細書に参考として援用される)におけるSegalによる記載のような抗体の異種結合体(heteroconjugate)を形成し得る。

    単独、あるいは細胞毒性因子および/またはサイトカインと組み合わせて投与される、抗体に結合する治療部分を有するかまたは有さない抗体が、治療薬として使用され得る。

    (抗体−アルブミン融合物)
    治療タンパク質に結合し、そして本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応し得る抗体としては、表1の「治療タンパク質X」の欄に開示される治療タンパク質に結合する抗体、またはそのフラグメントもしくは改変体が挙げられるが、これらに限定されない。

    特定の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VHドメインを含むかまたはVHドメインからなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、1つ、2つまたは3つのVH CDRを含むかまたはこれらからなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VH CDR1を含むかまたはVH CDR1からなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VH CDR2を含むかまたはVH CDR2からなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VH CDR3を含むかまたはVH CDR3からなる。

    特定の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VLドメインを含むかまたはVLドメインからなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、1つ、2つまたは3つのVL CDRを含むかまたはこれらからなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VL CDR1を含むかまたはVL CDR1からなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VL CDR2を含むかまたはVL CDR2からなる。 他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、VL CDR3を含むかまたはVL CDR3からなる。

    他の実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのVL CDRおよび/またはVH CDRを含むかまたはこれらからなる。

    好ましい実施形態において、治療タンパク質に免疫特異的に結合し、そしてアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する抗体のフラグメントまたは改変体は、ペプチドリンカー(例えば、(Gly Ser) (配列番号1092))によって治療抗体のVLドメインに連結された、治療抗体のVHドメインを含むscFvを含むかまたはこれらからなる。

    (免疫表現型分類(immunophenotyping))
    本発明の抗体、あるいは治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、細胞株および生物学的サンプルの免疫表現型分類のために利用され得る。 本発明の治療タンパク質は、細胞特異的マーカーとして、あるいはより詳細には、特定の細胞型の分化および/または成熟の種々の段階で差示的に発現される細胞マーカーとして有用であり得る。 特異的エピトープ、またはエピトープの組み合わせに対して指向されるモノクロナール抗体(あるいは治療タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含むルブミン融合タンパク質)は、マーカーを発現する細胞集団のスクリーニングを可能とする。 種々の技術が、マーカーを発現する細胞集団をスクリーニングするために、モノクロナール抗体(あるいは治療タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含むルブミン融合タンパク質)を用いて利用され得、そしてその技術には、抗体でコーティングされた磁気ビーズを用いる磁気分離、固体マトリクス(すなわち、プレート)に付着した抗体を用いる「パンニング」、ならびにフローサイトメトリー(例えば、米国特許第5,985,660号;およびMorrisonら、Cell,96:737−49(1999)を参照のこと)が挙げられる。

    これらの技術は、血液学的悪性腫瘍(すなわち、急性白血病患者における最少残留疾患(minimal residual disease)(MRD))および対宿主性移植片病(GVHD)を予防するための移植術における「非自己」細胞と共に見出され得るような、細胞の特定集団のスクリーニングを可能にする。 あるいは、これらの技術は、ヒト臍帯血において見出され得るような増殖および/または分化を受け得る、造血幹細胞および先祖細胞のスクリーニングを可能にする。

    (治療タンパク質に結合する抗体、および治療タンパク質に結合する抗体のフラグメントまたは改変体を含むアルブミン融合タンパク質の特徴づけ)
    本発明の抗体、または治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、種々の方法で特徴づけされ得る。 特に、治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは改変体を含む、本発明のアルブミン融合タンパク質は、本明細書中に記載される技術を使用してか、または当該分野で公知の技術を慣用的に改変して、アルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に結合する抗体に対応する、治療タンパク質に結合する抗体によって特異的に結合される同じ抗原に特異的に結合する能力について、アッセイされ得る。

    本発明の抗体、または治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質が、特異的タンパク質またはエピトープに(特異的に)結合する能力についてのアッセイは、溶液中で(例えば、Houghten,Bio/Techniques 13:412−421(1992))、あるいはビーズ(例えば、Lam、Nature 354:82−84(1991))、チップ上で(例えば、Fodor、Nature 364:555−556(1993))、細菌上で(例えば、米国特許第5,223,409号)、胞子(例えば、米国特許第5,571,698号;同第5,403,484号および同第5,223,409号)、プラスミド(例えば、Cullら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869(1992))またはファージ(例えば、ScottおよびSmith,Science 249:386−390(1990);Devlin,Science 249:404−406(1990);Cwirlaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378−6382(1990);Felici、J.Mol.Biol.222:301−310(1991))(これらの参考文献の各々は、その全体が本明細書中で参考として援用される)で実施され得る。 本発明の抗体、または治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、本明細書中に記載される技術または他の当該分野で公知の技術を使用または慣用的に改変して、特定のタンパク質またはエピトープに対するそれらの特異性および親和性について、アッセイされ得る。

    治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、当該分野で公知の任意の方法によって、他の抗原(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に対応する、治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体によって特異的に結合される分子との、配列保存/構造保存を有する分子)との交差反応性についてアッセイされ得る。

    (免疫特異的な)結合および交差反応性を分析するために使用され得る免疫アッセイとしては、いくつかのものについてだけ名称を挙げると、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光免疫アッセイ、プロテインA免疫アッセイのような技術を用いる競合アッセイ系および非競合アッセイ系が挙げられるが、これらに限定されない。 このようなアッセイは慣用的であり、そして当該分野において周知である(例えば、その全体が本明細書中に参考として援用される、Ausubelら編,1994,Current Protocols in Molecular Biology,第1巻、John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkを参照のこと)。 例示的な免疫アッセイが、以下に簡潔に記載される(が、これらは限定を目的とすることが意図されない)。

    免疫沈降プロトコルは、一般に、タンパク質ホスファターゼインヒビターおよび/またはプロテアーゼインヒビター(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補充したRIPA緩衝液(1% NP−40またはTriton X−100、1% デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS、0.15M NaCl、0.01M リン酸ナトリウム(pH7.2)、1% Trasylol)のような溶解緩衝液中で、細胞の集団を溶解する工程、本発明の抗体あるいは治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質を細胞溶解物に添加する工程、一定時間(例えば、1〜4時間)40℃でインキュベートする工程、プロテインAセファロースビーズおよび/またはプロテインGセファロースビーズ(あるいは、アルブミン融合タンパク質が治療抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含む場合、適切な抗イディオタイプ抗体または抗アルブミン抗体でコーティングされたビーズ)を細胞溶解物に添加する工程、約1時間以上40℃でインキュベートする工程、溶解緩衝液中でビーズを洗浄する工程、およびSDS/サンプル緩衝液中でビーズを再懸濁する工程を包含する。
    本発明の抗体またはアルブミン融合タンパク質の、特定の抗原を免疫沈降する能力は、例えば、ウエスタンブロット分析により、アッセイされ得る。 当業者は、抗体またはアルブミン融合タンパク質の抗原への結合を増加するように、そしてバックグラウンドを減少させるように改変され得るパラメータ(例えば、セファロースビーズを用いて細胞溶解物を事前にきれいにする工程)に関して、知識があり得る。 免疫沈降プロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編,1994、Current Protocols in Molecular Biology,第1巻、John Wiley&Sons、Inc. ,New York,10.16.1を参照のこと。

    ウエスタンブロット分析は、一般に、タンパク質サンプルを調製する工程、ポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原の分子量に応じた8%〜20% SDS−PAGE)中でのそのタンパク質サンプルの電気泳動、そのタンパク質サンプルをそのポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDFまたはナイロンのような膜に移す工程、ブロッキング溶液(例えば、3% BSAまたは脱脂粉乳を有するPBS)中でその膜をブロックする工程、洗浄緩衝液(例えば、PBS−Tween 20)中でその膜を洗浄する工程、(ブロッキング緩衝液中に希釈した)本発明の抗体またはアルブミン融合タンパク質を膜に適用する工程、洗浄緩衝液中でその膜を洗浄する工程、ブロッキング緩衝液中で希釈された酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)あるいは放射性分子(例えば、 32 Pまたは125 I)に結合した二次抗体(一次抗体を認識する、例えば、抗ヒト血清アルブミン抗体)を適用する工程、洗浄緩衝液中でその膜を洗浄する工程、ならびにその抗原の存在を検出する工程を包含する。 当業者は、検出されるシグナルを増加させるように、そしてバックグラウンドノイズを減少させるように改変され得るパラメータに関して、知識があり得る。 ウエスタンブロットプロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編,1994,Current Protocols in Molecular Biology,第1巻、John Wiley&Sons,Inc. ,New York,10.8.1を参照のこと。

    ELISAは、抗原を調製する工程、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルをその抗原でコーティングする工程、そのウェルに結合しなかった抗原を洗浄除去する工程、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)のような検出可能な化合物に結合した本発明の抗体またはアルブミン融合タンパク質(治療タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含む)をそのウェルに添加し、そして一定時間インキュベートする工程、未結合のアルブミン融合タンパク質または非特異的に結合したアルブミン融合タンパク質を洗浄除去する工程、およびその抗体またはウェルをコーティングする抗原に特異的に結合するアルブミン融合タンパク質の存在を検出する工程を包含する。 ELISAにおいて、抗体またはアルブミン融合タンパク質は、検出可能な化合物に結合している必要はない;その代わり、検出可能な化合物に結合した第二の抗体(それぞれ、抗体またはアルブミン融合タンパク質を認識する)が、ウェルに添加され得る。 さらに、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、抗体またはアルブミン融合タンパク質がウェルにコーティングされ得る。 この場合、検出可能な分子は、検出可能な化合物(例えば、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ))に結合体化された抗原であり得る。 当業者は、検出されるシグナルを増加させるように改変され得るパラメータ、および当該分野において公知のELISAの他のバリエーションに関して、知識があり得る。 ELISAに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編,1994,Current Protocols in Molecular Biology,第1巻、John Wiley&Sons,Inc. ,New York,11.2.1を参照のこと。

    タンパク質、抗原またはエピトープに対するアルブミン融合タンパク質の結合親和性および抗体−またはアルブミン融合タンパク質−タンパク質/抗原/エピトープ相互作用のオフ速度(off−rate)が、競合結合アッセイにより決定され得る。 競合結合アッセイの一つの例は、ラジオイムノアッセイであり、ラジオイムノアッセイは、標識抗原(例えば、 Hまたは125 I)と、漸増量の非標識抗原の存在下での、本発明の抗体またはアルブミン融合タンパク質を用いるインキュベーション、および標識抗原に結合した抗体の検出を含む。 特定のタンパク質、抗原またはエピトープに対する本発明の抗体またはアルブミン融合タンパク質の親和性、および結合オフレートは、スキャッチャードプロット分析によるデータから決定され得る。 抗体またはアルブミン融合タンパク質と同じタンパク質、抗原またはエピトープに結合する第二のタンパク質との競合はまた、ラジオイムノアッセイを用いて決定され得る。 この場合、タンパク質、抗原またはエピトープは、本発明のアルブミン融合タンパク質と同じタンパク質、抗原またはエピトープに結合する、漸増量の非標識の第二のタンパク質の存在下で、標識化合物(例えば、 Hまたは125 I)に結合した本発明の抗体またはアルブミン融合タンパク質とともにインキュベートされる。

    好ましい実施形態において、BIAcore反応速度分析は、タンパク質、抗原またはエピトープに対する、本発明の抗体またはアルブミン融合タンパク質の結合のオン(on)速度およびオフ(off)速度を決定するために使用される。 BIAcore反応速度分析は、その表面上にそれぞれ固定化された、特異的ポリペプチド、抗原もしくはエピトープ、抗体もしくはアルブミン融合タンパク質との、チップからの抗体、アルブミン融合タンパク質、または特異的ポリペプチド、抗原もしくはエピトープの、結合および解離を分析する工程を包含する。

    (治療用途)
    本発明はさらに、抗体ベースの治療に関し、この治療は、1つ以上の開示された疾患、障害、または状態を処置するために、動物、好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトの患者に、本発明の抗体、または治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質を投与する工程を包含する。 本発明の治療化合物としては、本発明の抗体(本明細書中に記載されるような、それらのフラグメント、アナログおよび誘導体を含む)、本発明の抗体をコードする核酸(本明細書中に記載されるような、それらのフラグメント、アナログおよび誘導体ならびに抗イディオタイプ抗体を含む)、治療タンパク質に結合する抗体の少なくとも1つのフラグメントまたは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質、ならびにこのようなアルブミン融合タンパク質をコードする核酸が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の抗体、または治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療タンパク質の異常な発現および/または活性に関連した疾患、障害または状態(本明細書中に記載される任意の1つ以上の疾患、障害、または状態を含むがこれらに限定されない)を処置、阻害または予防するために使用され得る。 治療タンパク質の異常な発現および/または活性に関連した疾患、障害または状態の処置および/または予防は、それらの疾患、障害または状態に関連した症状を緩和する工程を含むが、これに限定されない。 本発明の抗体、または治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、当該分野で公知であるか、または本明細書中に記載されるように、薬学的に受容可能な組成物中に提供され得る。

    特異的かつ好ましい実施形態において、本発明は、抗体ベースの治療に関し、この治療は、1つ以上の疾患、障害、または状態(以下が挙げられるが、これらに限定されない:神経障害、免疫系障害、筋障害、生殖障害、胃腸障害、障害、心血管障害、腎障害、増殖障害ならびに/または癌性の疾患および状態、ならびに/あるいは本明細書中の他の箇所に記載されるもの)を処置するために、動物、好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトの患者に、本発明の抗体、または治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質を投与する工程を包含する。 本発明の治療化合物としては、本発明の抗体(例えば、哺乳動物細胞の細胞表面上に発現される全長タンパク質に対する抗体;治療タンパク質のエピトープに対する抗体)ならびに本発明の抗体をコードする核酸(本明細書中に記載されるような、それらのフラグメント、アナログおよび誘導体ならびに抗イディオタイプ抗体を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の抗体、または治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントもしくは改変体を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療タンパク質の異常な発現および/または活性に関連した疾患、障害または状態(本明細書中に記載される任意の1つ以上の疾患、障害、または状態を含むがこれらに限定されない)を処置、阻害または予防するために使用され得る。 治療タンパク質の異常な発現および/または活性に関連した疾患、障害または状態の処置および/または予防は、それらの疾患、障害または状態に関連した症状を緩和する工程を含むが、これに限定されない。 本発明の抗体は、当該分野で公知であるか、または本明細書中に記載されるように、薬学的に受容可能な組成物中に提供され得る。

    治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含む本発明の抗体または本発明のアルブミン融合タンパク質が治療的に使用され得る方法の概要は、結合治療タンパク質を、身体において局所的もしくは全身的に、または抗体の直接的な細胞傷害性(例えば、補体による媒介(CDC)もしくはエフェクター細胞による媒介(ADCC))により結合させる工程を包含する。 これらのアプローチのいくつかは、以下により詳細に記載される。 本明細書中に提供される教示があれば、当業者は、治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含む本発明の抗体または本発明のアルブミン融合タンパク質を、過度の実験なくして、診断、モニタリングまたは治療の目的のために使用する方法を知る。

    治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含む本発明の抗体または本発明のアルブミン融合タンパク質は、他のモノクローナル抗体もしくはキメラ抗体と組み合わせて、または例えば、IL−2、IL−3およびIL−7のようなリンホカインもしくは造血増殖因子(例えば、これは、抗体と相互作用するエフェクター細胞の数または活性が増加するように作用する)と組み合わせて、有利に利用され得る。

    治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含む本発明の抗体または本発明のアルブミン融合タンパク質は、単独で、または他の型の処置(例えば、放射線治療、化学療法、ホルモン性治療、免疫治療および抗腫瘍薬剤)と組み合わせて投与され得る。 一般的に、患者のそれと同じ種である本来の種または反応性種の産物の投与(抗体の場合において)は、好まれる。 従って、好ましい実施形態において、ヒト抗体、フラグメント誘導体、アナログまたは核酸は、治療または予防のためにヒト患者に投与される。

    治療タンパク質、そのフラグメントもしくは領域に対して、高親和性および/または強力なインビボ阻害抗体および/または中和抗体を使用することは、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド(そのフラグメントを含む)に直結するイムノアッセイおよびそれに関連する障害の治療の両方のために好ましい。 このような抗体、フラグメント、または領域は、好ましくは、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド(そのフラグメントを含む)に対する親和性を有する。 好ましい結合親和性は、解離定数、または5×10 −2 M、10 −2 M、5×10 −3 M、10 −3 M、5×10 −4 M、10 −4 M未満のKd(解離定数)を含む。 さらに好ましい結合親和性は、それらと同じ解離定数、または5×10 −5 M、10 −5 M、5×10 −6 M、10 −6 M、5×10 −7 M、10 −7 M、5×10 −8 M、もしくは10 −8 M未満のKd(解離定数)を含む。 なお、さらに好ましい結合親和性は、それらと同じ解離定数、または5×10 −9 M、10 −9 M、5×10 −10 M、10 −10 M、5×10 −11 M、10 −11 M、5×10 −12 M、10 −12 M、5×10 −13 M、10 −13 M、5×10 −14 M、10 −14 M、5×10 −15 M、もしくは10 −15 M未満のKd(解離定数)を含む。

    (遺伝子治療)
    特定の実施形態において、治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含む治療タンパク質またはアルブミン融合タンパク質に結合する抗体をコードする配列を含む核酸は、遺伝子治療の方法によって、治療タンパク質の異常な発現および/または活性に関連する疾患または障害を処置、阻害または妨害するために投与される。 遺伝子治療とは、発現されるまたは発現可能な核酸の被験体への投与によって実施される治療をいう。 本発明の実施形態において、核酸は、治療的効果を媒介するこれらのコードされたタンパク質を作製する。

    当該分野で利用可能な遺伝子治療についての任意の方法は、本発明に従い使用され得る。 代表的な方法は、本明細書中の他の部分により詳細に記載される。

    (治療的または予防的活性の説明)
    本発明の化合物または薬学的組成物は、好ましくは、ヒトでの使用の前にインビトロで、そして次いでインビボで、所望の治療活性または予防活性について試験される。 例えば、化合物または薬学的組成物の、治療有用性または予防有用性を証明するためのインビトロアッセイとしては、細胞株または患者組織サンプルに対する化合物の効果が挙げられる。 細胞株および/または組織サンプルに対する化合物または組成物の効果は、当業者に公知である技術(ロゼット形成アッセイおよび細胞溶解アッセイが挙げられるがこれらに限定されない)を利用して決定され得る。 本発明に従って、特定の化合物の投与が示されるか否かを決定するために用いられ得るインビトロアッセイとしては、インビトロ細胞培養アッセイが挙げられ、このアッセイでは、患者組織サンプルが培養物において増殖し、そして化合物に曝されるか、そうでなければ化合物が投与され、そして、組織サンプルに対するそのような化合物の効果が観察される。

    (治療的/予防的な投与および組成物)
    本発明は、被験体への有効量の本発明の化合物または薬学的組成物の投与による処置、阻害および予防の方法を提供する。 好ましい実施形態において、化合物は実質的に精製される(例えば、その効果を制限するかまたは望ましくない副作用を生じる物質は実質的にない)。 被験体としては、好ましくは、ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどの動物が挙げられるがそれらに限定されない動物であり、そして好ましくは哺乳動物であり、そして最も好ましくはヒトである。

    化合物が核酸または免疫グロブリンを含む場合に使用され得る処方および投与方法は、上記に記載され;さらなる適切な処方および投与経路は、本明細書中で以下に記載されたものの中から選択され得る。

    様々な送達系が公知であり、そして本発明の化合物を投与するために用いられ得る(例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、この化合物の発現が可能な組換え細胞中でのカプセル化、レセプター媒介エンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu,J.Biol.Chem.262:4429−4432(1987)を参照のこと)、レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての核酸の構築など)。 導入方法としては、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、および経口経路が挙げられるがそれらに限定されない。 化合物または組成物は、任意の好都合な経路により(例えば、注入またはボーラス注射により、上皮または粘膜内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜および腸粘膜など)を通しての吸収により)投与され得、そして他の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与され得る。 投与は、全身的または局所的であり得る。 さらに、本発明の薬学的化合物または組成物を、任意の適切な経路(脳室内注射および髄腔内注射を包含し;脳室内注射は、例えば、Ommayaリザーバのようなリザーバに取り付けられた脳室内カテーテルにより容易にされ得る)により中枢神経系に導入することが望まれ得る。 例えば、吸入器または噴霧器の使用、およびエアゾール化剤を用いた処方により、肺投与もまた使用され得る。

    具体的な実施形態において、本発明の薬学的化合物または組成物を、処置の必要な領域に局所的に投与することが望まれ得る;これは、制限する目的ではないが、例えば、手術中の局部注入、局所適用(例えば、手術後の創傷包帯と組み合わせること)により、注射により、カテーテルにより、坐剤により、またはインプラント(このインプラントは、シアラスティック(sialastic)膜のような膜または繊維を含む、多孔性、非多孔性、または膠様材料である)により達成され得る。 好ましくは、抗体を含む本発明のタンパク質を投与する際、タンパク質が吸収されない材料を使用するために注意が払われなければならない。

    別の実施形態において、化合物または組成物は、小胞、特に、リポソーム中へ送達され得る(Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−BeresteinおよびFidler(編),Liss,New York,353〜365頁(1989);Lopez−Berestein,同書317〜327頁を参照のこと;広く同書を参照のこと)。

    さらに別の実施形態において、化合物または組成物は制御された放出系において送達され得る。 1つの実施形態において、ポンプが用いられ得る(Langer,(前出);Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら,Surgery 88:507(1980);Saudekら,N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照のこと)。 別の実施形態において、高分子材料が用いられ得る(Medical Applications of Controlled Release,LangerおよびWise(編),CRC Pres.,Boca Raton,Florida(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,SmolenおよびBall(編),Wiley,New York(1984);RangerおよびPeppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61(1983)を参照のこと;Levyら,Science 228:190(1985);Duringら,Ann.Neurol.25:351(1989);Howardら,J.Neurosurg.71:105(1989)もまた参照のこと)。 さらに別の実施形態において、制御された放出系は、治療標的、例えば、脳の近くに置かれ得、従って、全身用量の一部のみを必要とする(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,(前出),第2巻,115〜138頁(1984)を参照のこと)。

    他の制御された放出系は、Langerにより総説において議論される(Science 249:1527−1533(1990))。

    本発明の化合物がタンパク質をコードする核酸である、具体的な実施形態において、その核酸は、それを適切な核酸発現ベクターの一部として構成し、そしてそれが細胞内になるように投与することにより(例えば、レトロウイルスベクターの使用により(米国特許第4,980,286号を参照のこと)、または直接注射により、または微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃;Biolistic,Dupont)の使用により、または脂質もしくは細胞表面レセプターもしくはトランスフェクト剤でコーティングすることにより、または核に入ることが公知であるホメオボックス様ペプチドと結合させて投与すること(例えば、Joliotら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1864−1868(1991)を参照のこと)などにより、そのコードされたタンパク質の発現を促進するようにインビボで投与され得る。あるいは、核酸は、細胞内に導入され得、そして、発現のために相同組換えにより宿主細胞DNA内に組み込まれ得る。

    本発明はまた、薬学的組成物を提供する。 このような組成物は、治療有効量の化合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。 具体的な実施形態において、用語「薬学的に受容可能な」とは、動物における、そしてさらに特にヒトにおける使用のために、連邦規制当局もしくは米国政府により認められたか、または米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に列挙されたことを意味する。 用語「キャリア」とは、治療剤とともに投与される、希釈剤、アジュバンド、賦形剤、またはビヒクルをいう。 このような薬学的なキャリアは、水および油(石油起源、動物起源、植物起源、または合成起源の油(例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油など)を含む)のような滅菌した液体であり得る。
    水は、薬学的組成物が静脈内に投与される場合に、好ましいキャリアである。 生理食塩水溶液、ならびにデキストロースおよびグリセロールの水溶液はまた、特に注射可能な溶液のために、液体キャリアとして使用され得る。 適切な薬学的賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、フラワー、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、滑石、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。 組成物はまた、所望されるならば、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含み得る。 これらの組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出処方物などの形態を取り得る。 この組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリドのようなキャリアとともに、坐剤として処方され得る。 経口処方物は、薬学的等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような標準キャリアを含み得る。 適切な薬学的キャリアの例は、E. W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載される。 このような組成物は、治療有効量の化合物を、好ましくは精製された形態で、適切な量のキャリアとともに含んで、患者への適切な投与のための形態を提供する。 処方物は、投与形態に適するべきである。

    好ましい実施形態において、組成物は、慣用手順に従って、ヒトへの静脈内投与のために採用された薬学的組成物として、処方される。 代表的には、静脈内投与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液の溶液である。 必要な場合、組成物はまた、可溶化剤および注射の部位での痛みを緩和するリグノカインのような局部麻酔を含み得る。 一般的には、成分は、別々にかまたは単一投薬形態で一緒に混合してのどちらかで、例えば、一定量の活性薬剤を示すアンプルまたは小袋(sachette)のような密封された容器中の凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給される。 組成物が注入により投与されるべき場合には、組成物は、滅菌した薬学的等級の水または生理食塩水を含む注入ボトルに分配され得る。 組成物が注射により投与される場合、成分が投与の前に混合され得るように、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルが提供され得る。

    本発明の化合物は、中性のまたは塩の形態として処方され得る。 薬学的に受容可能な塩としては、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するもののようなアニオンとともに形成される塩、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第2鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するもののようなカチオンとともに形成される塩が挙げられる。

    この処置(本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活性と関連する疾患または障害の抑制および予防)において効果的である本発明の化合物の量は、標準的な臨床技術により決定され得る。 さらに、インビトロアッセイは、必要に応じて、使用して最適な投薬量の範囲を同定するのを助け得る。 処方において使用されるべき正確な用量はまた、投与の経路、および疾患または障害の重篤さに依存し、そして開業医の判断および各患者の状況に従って決定されるべきである。 有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から外挿され得る。

    抗体に関して、患者に投与される投薬量は、代表的に、患者の体重1kgあたり0.1mg〜100mgである。 好ましくは、患者に投与される投薬量は、患者の体重1kgあたり0.1mgと20mgとの間であり、より好ましくは、患者の体重1kgあたり1mg〜10mgである。 一般に、ヒト抗体は、外来ポリペプチドへの免疫応答に起因して、他種由来の抗体よりもヒト体内で長い半減期を有する。 従って、ヒト抗体の低い投薬量および頻度の低い投与は、しばしば可能である。 さらに、本発明の抗体の投与の投薬量および頻度は、改変(例えば、脂溶化(lipidation)のような)による抗体の取り込みおよび組織浸透(例えば、脳への)を増強することにより減少され得る。

    (診断および画像化)
    治療タンパク質(またはフラグメントもしくはそれらの変異体)(治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含むアルブミン融合タンパク質を含む)に結合する標識化抗体、ならびにその誘導体およびそのアナログは、診断目的のために使用されて、治療タンパク質の異常な発現および活性に関連する疾患、障害または/および状態を検出、診断またはモニターし得る。 本発明は、治療タンパク質の異常な発現の検出について提供し、これは、(a)目的のポリペプチドに特異的な1つ以上の抗体を使用して、個体の細胞または体液中の治療タンパク質の発現をアッセイする工程、および(b)この遺伝子発現レベルと標準的な遺伝子発現のレベルを比較する工程、を包含し、これによって、その標準的な発現レベルと比較されるアッセイされたポリペプチド遺伝子発現レベルの増加または減少が、異常な発現を示す。

    本発明は、障害を診断するための診断アッセイを提供し、このアッセイは、(a)治療タンパク質に特異的な少なくとも抗体の変異体のフラグメントを含む治療タンパク質またはアルブミン融合タンパク質に特異的な1つ以上の抗体を使用して、個体の細胞または体液中の治療タンパク質の発現をアッセイする工程、および(b)この遺伝子発現レベルと標準的な遺伝子発現のレベルを比較する工程、を包含し、これによって、その標準的な発現レベルと比較されるアッセイされた治療タンパク質遺伝子発現レベルの増加または減少が、特定の障害を示す。 癌に関して、個体由来の生検組織における比較的高い量の転写物の存在は、疾患の発生のための素因を示し得るか、または実際の臨床症状の出現前に疾患を検出するための手段を提供し得る。 この型のより決定的な診断は、保健専門家に予防手段を使用させること、または早期の積極的な処置を可能にし得、これにより、癌の発生またはさらなる進行を予防する。

    本発明の抗体または治療タンパク質に特異的な抗体の変異体の少なくともフラグメントを含むアルブミン融合タンパク質を使用して、当業者に公知の古典的な免疫組織学的方法を使用して生物学的サンプル中のタンパク質レベルをアッセイし得る(例えば、Jalkanenら、J.Cell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanenら、J.Cell.Biol.105:3087−3096(1987)を参照のこと)。 タンパク質遺伝子発現を検出するために有用な、他の抗体に基づく他の方法としては、イムノアッセイ(例えば、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)および放射免疫測定法(RIA))が挙げられる。 適切な抗体アッセイ標識は、当該分野において公知であり、そして酵素標識(例えば、グルコースオキシダーゼ);放射性同位体(例えば、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)、およびテクネチウム(99Tc));発光標識(例えば、ルミノール);ならびに蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、ならびにビオチンが挙げられる。

    本発明の1つの局面は、動物、好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトにおける、治療タンパク質の異常な発現と関連する疾患または障害の検出および診断である。 1つの実施形態において、診断は、a)目的のポリペプチドに特異的に結合する有効量の標識化分子を被験体に(例えば、非経口的に、皮下に、または腹腔内に)投与する工程;b)この治療タンパク質が発現する被験体内の部位でこの標識化分子が優先的に濃縮することを可能にするために(および結合していない標識化分子がバックグラウンドレベルまで除去されるために)投与後、時間間隔を待つ工程;c)バックグラウンドレベルを決定する工程;およびd)この被験体中の標識化分子を検出する工程、を包含し、その結果、このバックグラウンドレベルを越える標識化分子の検出は、この被験体が治療タンパク質の異常な発現と関連する特定の疾患または障害を有することを示す。 バックグラウンドレベルは、特定の系について以前に決定された標準的な値と、検出された標識化分子の量を比較する工程を包含する種々の方法により決定され得る。

    被験体のサイズおよび用いられる画像化システムは、診断画像を生成するために必要な画像化部分の量を決定することが当該分野で理解される。 放射性同位体部分の場合には、ヒト被験体について、注射される放射能の量は、通常、約5〜20ミリキュリーの99mTcの範囲である。 次いで、標識された抗体、抗体フラグメントまたは治療タンパク質に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含むアルブミン融合タンパク質は、特定の治療タンパク質を含む細胞の位置に優先的に蓄積される。 インビボ腫瘍画像化は、S. W. Burchielら、「Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments」(Tumor Imaging:The Radiochemical Detection of Cancerの第13章、S.W.BurchielおよびB.A.Rhodes編、Masson Publishing Inc.(1982)に記載される。

    用いられる標識の型および投与の様式を含む、いくつかの可変要素に依存して、標識された分子が被験体の部位に優先的に濃縮し、そして結合されていない標識された分子がバックグラウンドレベルまで一掃されることを可能にする、投与後の時間間隔は、6〜48時間または6〜24時間または6〜12時間である。 別の実施形態においては、投与後の時間間隔は、5〜20日間または5〜10日間である。

    1つの実施形態においては、疾患または障害のモニタリングは、その疾患または障害を診断するための方法を繰り返すこと(例えば、最初の診断後1ヶ月、最初の診断後6ヶ月、最初の診断後1年など)により行われる。

    標識された分子の存在は、インビボ走査について当該分野において公知の方法を用いて、患者から検出され得る。 これらの方法は、用いられる標識の型に依存する。 当業者は、特定の標識を検出するための適切な方法を決定し得る。 本発明の診断方法において用いられ得る方法およびデバイスとしては、限定はされないが、コンピューター断層撮影(CT)、陽子(position)射出断層撮影法(PET)のような全身走査、磁気共鳴像(MRI)、および超音波診断法が挙げられる。

    特定の実施形態においては、この分子は放射性同位体で標識され、そして放射線応答性の外科用機器を用いて患者から検出される(Thurstonら、米国特許第5,441,050号)。 別の実施形態においては、この分子は蛍光化合物で標識され、そして蛍光応答性の走査機器を用いて患者から検出される。 別の実施形態においては、この分子は陽電子放出金属で標識され、そして陽子射出断層撮影法を用いて患者(patent)から検出される。 さらに別の実施形態においては、この分子は常磁性標識で標識され、そして磁気共鳴映像(MRI)を用いて患者から検出される。 アルブミン融合タンパク質を特異的に検出するが、アルブミンまたは治療タンパク質を単独で検出しない抗体は、好ましい実施形態である。 これらは、明細書全体にわたって記載されるようなアルブミン融合タンパク質を検出するために使用され得る。

    (キット)
    本発明は、上記の方法において用いられ得るキットを提供する。 1つの実施形態においては、キットは、1以上の容器中に、抗体(好ましくは精製された抗体)を備える。 特定の実施形態においては、本発明のキットは、このキットに含まれる抗体と特異的に免疫反応性であるエピトープを含む、実質的に分離されたポリペプチドを備える。 好ましくは、本発明のキットは、目的のポリペプチドと反応しないコントロール抗体を、さらに備える。 別の特定の実施形態においては、本発明のキットは、目的のポリペプチドとの抗体の結合(例えば、この抗体は、検出可能な基質(例えば、抗体は、蛍光化合物、酵素基質、放射性化合物または発光化合物)と結合体化され得るか、あるいは第一の抗体を認識する第二の抗体は、検出可能な基質と結合体化され得る)を検出するための手段を備える。

    本発明の別の特定の実施形態においては、このキットは、増殖性および/または癌性のポリヌクレオチドおよびポリペプチドに対して特異的な抗体を含む血清をスクリーニングする際に用いる診断用キットである。 このようなキットは、目的のポリペプチドと反応しないコントロール抗体を備え得る。 このようなキットは、少なくとも1つの抗ポリペプチド抗原抗体と特異的に免疫反応性であるエピトープを含む、実質的に単離されたポリペプチド抗原を備え得る。 さらに、このようなキットは、この抗体の抗原への結合(例えば、この抗体は、フローサイトメトリーにより検出され得る、フルオレセインまたはローダミンのような蛍光化合物と結合体化され得る)を検出するための手段を備える。 特定の実施形態においては、このキットは、組換え的に産生されたポリペプチド抗原または化学的に合成されたポリペプチド抗原を備え得る。 このキットのポリペプチド抗原はまた、固体支持体に付着され得る。

    より特定の実施形態においては、上記のキットの検出手段は、このポリペプチド抗原が付着される固体支持体を含む。 このようなキットはまた、非付着レポーター標識抗ヒト抗体を備える。 この実施形態においては、抗体のポリペプチド抗原との結合はこのレポーター標識抗体の結合により検出され得る。

    さらなる実施形態においては、本発明は、本発明のポリペプチドの抗原を含む血清をスクリーニングする際に用いる診断用キットを含む。 この診断用キットは、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド抗原と特異的に免疫反応性である、実質的に単離された抗体、およびこのポリヌクレオチドまたはポリペプチド抗原の抗体との結合を検出する手段を備える。 1つの実施形態においては、この抗体は、固体支持体に付着される。 特定の実施形態においては、この抗体は、モノクロナール抗体であり得る。 このキットの検出手段は、第二の標識されたモノクロナール抗体を含み得る。 あるいは、またはさらに、この検出手段は、標識された、競合抗原を含み得る。

    1つの診断の構成においては、試験血清は、本発明の方法により得られる表面結合抗原を有する固相試薬と反応する。 特異的な抗原抗体をこの試薬と結合させ、そして結合されない血清成分を洗浄により除去した後、固体支持体上に結合する抗抗原抗体の量に応じて、レポーターをこの試薬と結合させるために、この試薬をレポーター標識抗ヒト抗体と反応させる。 この試薬は、結合されない標識抗体を除去するため、再び洗浄され、そしてこの試薬と会合したレポーターの量が決定される。 代表的には、レポーターは、適切な蛍光測定基質、発光基質または比色基質(Sigma,St.Louis,MO)の存在下で、この固相をインキュベートすることにより検出される酵素である。

    上記のアッセイにおける固体表面試薬は、タンパク質材料を固体支持体材料(例えば、高分子ビーズ、計深棒、96ウェルプレートまたは濾過材料)に付着させるための公知の技術により調製される。 これらの付着方法としては、一般的に、支持体へのタンパク質の非特異的な吸着または固体支持体上の化学的に活性な基(例えば、活性化カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはアルデヒド基)とのタンパク質の共有結合(covalent attachment)(代表的には、遊離アミン基を介する)が挙げられる。 あるいは、ストレプトアビジンでコートされたプレートが、ビオチン化された抗原と共に使用され得る。

    従って、本発明は、この診断方法を行うためのアッセイ系またはキットを提供する。 このキットは、一般的に、表面結合された組換え抗原を有する支持体、および表面結合された抗抗原抗体を検出するための、レポーター標識された抗ヒト抗体を備える。

    (アルブミン融合タンパク質)
    本発明は、アルブミン融合タンパク質および疾患または障害を処置、妨害、または改善する方法に一般的に関する。 本明細書において使用される場合、「アルブミン融合タンパク質」とは、少なくとも一つのアルブミン分子(もしくはフラグメントまたはそれらの変異体)の少なくとも一つの治療タンパク質(もしくはフラグメントまたはそれらの変異体)への融合によって形成されるタンパク質をいう。 本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療タンパク質の少なくともフラグメントまたは変異体およびヒト血清アルブミンの少なくともフラグメントまたは変異体を含み、好ましくは遺伝子融合によって(すなわち、アルブミン融合タンパク質は、治療タンパク質の全部または一部をコードするポリヌクレオチドが、アルブミンの全部または一部をコードするポリヌクレオチドと骨格内で結合される核酸の翻訳によって発生される)別の一つとともに連結され、または別の一つに連結される。 治療タンパク質およびアルブミンタンパク質は、いったんアルブミン融合タンパク質の部分になると、各々アルブミン融合タンパク質の「部分」、「領域」または「成分」と言われ得る。

    好ましい実施形態において、本発明は、表1または表2に記載されるポリヌクレオチドまたはアルブミン融合構築物によってコードされるアルブミン融合タンパク質を提供する。 これらのアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドもまた、本発明によって包含される。

    本発明の好ましいアルブミン融合タンパク質としては、以下によってコードされるアルブミン融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない:治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドにインフレームで連結された、アルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含むかまたはこれからなる核酸分子;表1、表2または実施例中に記載されるように生成される、治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドにインフレームで連結された、アルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含むかまたはこれからなる核酸分子;あるいは、例えば、以下のエレメントのうちの1つ以上をさらに含む、治療タンパク質(またはそのフラグメントもしくは改変体)の少なくとも1つの分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドにインフレームで連結された、アルブミン(またはそのフラグメントもしくは改変体)の少なくとも1つの分子をコードするポリヌクレオチドを含むかまたはこれからなる核酸分子:(1)機能的自己複製ベクター(例えば、シャトルベクター、発現ベクター、組み込みベクターおよび/または複製系が挙げられるが、これらに限定されない)、(2)転写開始のための領域(例えば、プロモーター領域(例えば、調節可能プロモーターまたは誘導性プロモーター、構成的プロモーター))、(3)転写終結のための領域、(4)リーダー配列、および(5)選択マーカー。

    1実施形態において、本発明は、治療タンパク質(例えば、表1に記載されるような)および血清アルブミンタンパク質を含むかまたはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質を提供する。 他の実施形態において、本発明は、治療タンパク質の生物学的に活性なフラグメントおよび/または治療的に活性なフラグメントならびに血清アルブミンタンパク質を含むかまたはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質を提供する。 他の実施形態において、本発明は、治療タンパク質の生物学的に活性な改変体および/または治療的に活性な改変体ならびに血清アルブミンタンパク質を含むかまたはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質を提供する。 好ましい実施形態において、このアルブミン融合タンパク質の血清アルブミンタンパク質成分は、血清アルブミンの成熟部分である。

    さらなる実施形態において、本発明は、治療タンパク質ならびに血清アルブミンタンパク質の生物学的に活性なフラグメントおよび/または治療的に活性なフラグメントを含むかまたはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質を提供する。 さらなる実施形態において、本発明は、治療タンパク質ならびに血清アルブミンタンパク質の生物学的に活性な改変体および/または治療的に活性な改変体を含むかまたはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質を提供する。 好ましい実施形態において、このアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分は、治療タンパク質の成熟部分である。

    さらなる実施形態において、本発明は、治療タンパク質の生物学的に活性なフラグメントもしくは改変体および/または治療的に活性なフラグメントもしくは改変体、ならびに血清アルブミンタンパク質の生物学的に活性なフラグメントもしくは改変体および/または治療的に活性なフラグメントもしくは改変体を含むかまたはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質を提供する。 好ましい実施形態において、本発明は、治療タンパク質の成熟部分および血清アルブミンの成熟部分を含むかまたはこれらからなる、アルブミン融合タンパク質を提供する。

    好ましくは、このアルブミン融合タンパク質は、N末端部分としてHAを含み、そしてC末端部分として治療タンパク質を含む。 あるいは、N末端部分として治療タンパク質を含み、そしてC末端部分としてHAを含むアルブミン融合タンパク質もまた、使用され得る。

    他の実施形態において、このアルブミン融合タンパク質は、アルブミンのN末端およびC末端の両方に融合した治療タンパク質を有する。 好ましい実施形態において、N末端で融合した治療タンパク質とC末端で融合した治療タンパク質とは、同じ治療タンパク質である。 代替の好ましい実施形態において、N末端で融合した治療タンパク質とC末端で融合した治療タンパク質とは、異なる治療タンパク質である。 別の好ましい実施形態において、N末端で融合した治療タンパク質とC末端で融合した治療タンパク質とは、同じかまたは関連する疾患、障害または状態(例えば、表1の「好ましい適応症Y」の欄に列挙されるようなもの)を処置または予防するために使用され得る、異なる治療タンパク質である。 別の好ましい実施形態において、N末端で融合した治療タンパク質とC末端で融合した治療タンパク質とは、一般に、患者において同時に(simultaneously)、同時発生的に(consurrently)または連続的に発生するか、あるいは一般に、患者において互いに関連して発生することが、当該分野で公知である疾患または障害(例えば、表1の「好ましい適応症Y」の欄に列挙されるようなもの)を処置、軽減または予防するために使用され得る、異なる治療タンパク質である。

    複数の、アルブミンのN末端で融合した治療タンパク質およびC末端で融合した治療タンパク質を含む本発明の例示的な融合タンパク質としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:GCSF−HSA−EPO、EPO−HSA−GCSF、IFNα−HSA−IL2、IL2−HSA−IFNα、GCSF−HSA−IL2、IL2−HSA−GCSF、IL2−HSA−EPO、EPO−HSA−IL2、IL3−HSA−EPO、EPO−HSA−IL3、GCSF−HSA−GMCSF、GMCSF−HSA−GCSF、IL2−HSA−GMCSF、GMCSF−HSA−IL2、PTH−HSA−カルシトニン、カルシトニン−HSA−PTH、PTH−PTH−HSA−カルシトニン、カルシトニン−HSA−PTH−PTH、PTH−カルシトニン−HSA−PTH、またはPTH−HSA−カルシトニン−PTH。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、本発明のアルブミン融合タンパク質のN末端またはC末端、ならびに/あるいはアルブミンまたはその改変体のN末端またはC末端に融合した、所定の治療タンパク質Xまたはその改変体の、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の分子を含むタンパク質を包含する。 所定の治療タンパク質Xまたはその改変体の分子は、任意の数の方向(以下が挙げられるが、これらに限定されない:「頭から頭」方向(例えば、治療タンパク質Xの1つの分子のN末端が、治療タンパク質Xの別の分子のN末端に融合した場合)または「頭から尾」方向(例えば、治療タンパク質Xの1つの分子のC末端が、治療タンパク質Xの別の分子のN末端に融合した場合))であり得る。

    1実施形態において、縦列配向した治療タンパク質Xポリペプチド(またはそのフラグメントもしくは改変体)の1つ、2つ、3つまたはそれ以上は、本発明のアルブミン融合タンパク質のN末端もしくはC末端、ならびに/またはアルブミンもしくはその改変体のN末端および/もしくはC末端に融合される。

    特定の実施形態において、縦列配向したPTH分子の1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上は、アルブミンまたはその改変体のN末端またはC末端に融合される。 例えば、縦列配向したPTH分子の1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上(アミノ酸1〜34を含むかまたはこれらからなるPTH分子が挙げられるが、これに限定されない)は、アルブミンまたはその改変体のN末端またはC末端に融合される。 PTHの複数のタンパク質部分を含む本発明の例示的融合タンパク質としては、以下が挙げられるが、これに限定されない:PTH−PTH−HSA、HSA−PTH−PTH、PTH−PTH−PTH−HSA、HSA−PTH−PTH−PTH、PTH−PTH−PTH−PTH−HSAまたはHSA−PTH−PTH−PTH−PTH。

    別の特定の実施形態において、縦列配向したGLP−1分子の1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上は、アルブミンまたはその改変体のN末端またはC末端に融合される。 例えば、縦列配向したGLP−1分子の1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上(アミノ酸7〜36を含むかまたはこれらからなるGLP−1分子(残基8は、アラニンからグリシンに変異している)が挙げられるが、これに限定されない)(例えば、米国特許第5,545,618号(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)に開示される変異体を参照のこと)は、アルブミンまたはその改変体のN末端またはC末端に融合される。 GLP−1の複数のタンパク質部分を含む本発明の例示的融合タンパク質としては、以下が挙げられるが、これに限定されない:GLP1−GLP1−HSA、HSA−GLP1−GLP1、GLP1変異体−GLP1変異体−HSA、HSA−GLP1変異体−GLP1変異体、GLP1変異体−GLP1−HSA、HSA−GLP1変異体−GLP1、GLP1−GLP1変異体−HSAまたはHSA−GLP1−GLP1変異体。 特に好ましい実施形態は、構築物ID番号3070のようなGLP−1縦列融合物およびこのような構築物によってコードされるタンパク質である。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、本発明のアルブミン融合タンパク質のN末端またはC末端、ならびに/あるいはアルブミンまたはその改変体のN末端またはC末端に融合した、所定の治療タンパク質Xまたはその改変体の、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の分子を含むタンパク質をさらに包含し、ここで、これらの分子は、ペプチドリンカーを介して連結されている。 例としては、米国特許第5,073,627号(本明細書中で参考として援用される)に記載されるペプチドリンカーが挙げられる。 ペプチドリンカーによって分離された複数の治療タンパク質Xポリペプチドを含むアルブミン融合タンパク質は、従来の組換えDNA技術を使用して生成され得る。 リンカーは、大きいHSA分子に小さいペプチドを融合させる場合に、特に重要である。 ペプチド自体は、ペプチドの縦列コピー(例えば、GLP−1を参照のこと)を融合させることによってリンカーであり得るか、または他の公知のリンカーが使用され得る。 リンカーを組み込む構築物は、表2に記載されるか、または配列番号Yを試験して明らかとなる。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、分子内および/または分子間のマルチマー形態の形成を可能にするような様式で、アルブミンまたはその改変体のN末端および/またはC末端に、治療タンパク質Xまたはその改変体を融合させることによって、生成され得る。 本発明の1実施形態において、アルブミン融合タンパク質は、モノマー形態またはマルチマー形態(すなわち、ダイマー、トリマー、テトラマーおよびより高次のマルチマー)であり得る。 本発明のさらなる実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分は、モノマー形態またはマルチマー形態(すなわち、ダイマー、トリマー、テトラマーおよびより高次のマルチマー)であり得る。 特定の実施形態において、アルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分は、マルチマー形態(すなわち、ダイマー、トリマー、テトラマーおよびより高次のマルチマー)であり、そしてそのアルブミンタンパク質部分は、モノマー形態である。

    アルブミン部分が治療タンパク質部分のN末端および/またはC末端に融合されたアルブミン融合タンパク質に加えて、本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、目的の治療タンパク質またはペプチド(例えば、表1に開示されるような治療タンパク質X、あるいは治療タンパク質に結合する抗体またはそのフラグメントもしくは改変体)を、HAの内部領域に挿入することによって、生成され得る。 例えば、HA分子のタンパク質配列において、多数のループまたはターンが、αヘリックスの終点と開始点との間に存在し、これらは、ジスルフィド結合によって安定化される。 HAの結晶構造から決定されるようなループ(PDB同定子1AO6、1BJ5、1BKE、1BM0、1E7E〜1E7Iおよび1UOR)は、大部分、分子本体からはなれて延びている。 これらのループは、治療的に活性なペプチド(特に、二次構造が機能的であることを要するもの)または治療タンパク質の挿入または内部融合のために有用であり、特定の生物学的活性を有するアルブミン分子を本質的に生成する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質を生成するためにペプチドまたはポリペプチドが挿入され得るヒトアルブミン構造中のループは、以下を含む:Val54〜Asn61、Thr76〜Asp89、Ala92〜Glu100、Gln170〜Ala176、His247〜Glu252、Glu266〜Glu277、Glu280〜His288、Ala362〜Glu368、Lys439〜Pro447、Val462〜Lys475、Thr478〜Pro486およびLys560〜Thr566。 より好ましい実施形態において、ペプチドまたはポリペプチドは、成熟ヒトアルブミン(配列番号1038)のVal54〜Asn61ループ、Gln170〜Ala176ループおよび/またはLys560〜Thr566ループ中に挿入される。

    挿入されるべきペプチドは、特定の生物学的活性についてスクリーニングされたファージディスプレイライブラリーまたは合成ペプチドライブラリーのいずれか、あるいは所望の機能を有する分子の活性な部分に由来し得る。 さらに、ランダムペプチドライブラリーは、HA分子の特定のループ内に生成され得るか、またはHA分子の特定のループへとランダム化ペプチドを挿入することによって生成され得、ここで、アミノ酸の全ての可能な組み合わせが提示される。

    このようなライブラリーは、以下の方法の1つによって、HAまたはHAのドメインフラグメントに対して作製され得る:
    HAまたはHAのドメインフラグメント内の1つ以上のペプチドループ内のアミノ酸のランダム化変異。 ループ内の1つ、より多くまたは全ての残基のいずれかが、この様式で変異され得る。

    長さX (ここで、Xはアミノ酸であり、nは残基の数である)のランダム化ペプチドの、HAもしくはHAのドメインフラグメンの1つ以上のループの置換またはHAもしくはHAのドメインフラグメンの1つ以上のループへの挿入(すなわち、内部融合);
    (a)および/または(b)に加えて、N末端、C末端、またはN末端およびC末端のペプチド/タンパク質融合。

    HAまたはHAのドメインフラグメントはまた、同じHAまたはHAのドメインフラグメントへの異なる標的に対する、異なるループの異なるスクリーニングに由来するペプチドを移植することによって、多官能性にされ得る。

    好ましい実施形態において、ヒト血清アルブミンのループに挿入されるペプチドは、表1に開示される治療タンパク質のペプチドフラグメントまたはペプチド改変体である。 より具体的には、本発明は、ヒト血清アルブミンのループに挿入された、少なくとも7、少なくとも8アミノ酸長、少なくとも9アミノ酸長、少なくとも10アミノ酸長、少なくとも11アミノ酸長、少なくとも12アミノ酸長、少なくとも13アミノ酸長、少なくとも14アミノ酸長、少なくとも15アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長、少なくとも25アミノ酸長、少なくとも30アミノ酸長、少なくとも35アミノ酸長または少なくとも40アミノ酸長のペプチドフラグメントまたはペプチド改変体を含むアルブミン融合タンパク質を包含する。 本発明はまた、ヒト血清アルブミンのN末端に融合した、少なくとも7、少なくとも8アミノ酸長、少なくとも9アミノ酸長、少なくとも10アミノ酸長、少なくとも11アミノ酸長、少なくとも12アミノ酸長、少なくとも13アミノ酸長、少なくとも14アミノ酸長、少なくとも15アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長、少なくとも25アミノ酸長、少なくとも30アミノ酸長、少なくとも35アミノ酸長または少なくとも40アミノ酸長のペプチドフラグメントまたはペプチド改変体を含むアルブミン融合タンパク質を包含する。 本発明はまた、ヒト血清アルブミンのC末端に融合した、少なくとも7、少なくとも8アミノ酸長、少なくとも9アミノ酸長、少なくとも10アミノ酸長、少なくとも11アミノ酸長、少なくとも12アミノ酸長、少なくとも13アミノ酸長、少なくとも14アミノ酸長、少なくとも15アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長、少なくとも25アミノ酸長、少なくとも30アミノ酸長、少なくとも35アミノ酸長または少なくとも40アミノ酸長のペプチドフラグメントまたはペプチド改変体を含むアルブミン融合タンパク質を包含する。 例えば、表1および表2に記載される短いペプチド(例えば、治療剤Y)は、アルブミンループ中に挿入され得る。

    一般に、本発明のアルブミン融合タンパク質は、1つのHA由来領域および1つの治療タンパク質由来領域を有し得る。 しかし、各タンパク質の複数の領域が、本発明のアルブミン融合タンパク質を作製するために使用され得る。 同様に、1つより多い治療タンパク質が、本発明のアルブミン融合タンパク質を作製するために使用され得る。 例えば、治療タンパク質は、HAのN末端およびC末端の両方に融合され得る。 このような構成において、治療タンパク質部分は、同じ治療タンパク質分子でも異なる治療タンパク質分子でもよい。 二重機能的アルブミン融合タンパク質の構造は、X−HA−YまたはY−HA−Xとして示され得る。

    例えば、抗BLys TM scFv−HA−IFNα−2b融合物は、抗BLys TM scFvによって、IFNα−2bに対する免疫応答を調節するために、調製され得る。 代替法は、HA−抗BLys TM scFv融合物または他のHA融合物と、機能(半減期など)に依存して種々の比率で混合した、HA融合物(例えば、HA−IFNα−2b融合物)の二重(または多重でも)機能的用量を生成することである。

    二重機能的または多重機能的なアルブミン融合タンパク質はまた、HAの反対側の末端にて、タンパク質またはペプチドを介して標的器官または細胞型に、融合物の治療タンパク質部分を標的化するために、調製され得る。

    公知の治療分子の融合物の代替として、これらのペプチドは、代表的には、6、8、12、20または25またはX (ここで、Xはアミノ酸(aa)であり、nは残基の数である)のランダム化アミノ酸の、HAまたはHAのドメインフラグメントのN末端、C末端、またはN末端およびC末端への融合物として構築されたライブラリーをスクリーニングすることによって、獲得され得、ここで、アミノ酸の全ての可能な組み合わせが提示された。 このアプローチの特定の利点は、HA分子上のペプチドがインサイチュで選択され得、従って、任意の他の方法によって誘導され、次いでHAに結合されるペプチドについての場合と同様に、このペプチドの特性が、改変されるのではおそらくなく選択され得ることである。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質は、融合部分間にリンカーペプチドを含んで、これらの部分間のより大きい物理的分離を提供し得、従って、治療タンパク質部分のアクセス可能性(例えば、その同族レセプターへの結合について)を最大化し得る。 このリンカーペプチドは、アミノ酸からなり得、その結果、これは、可撓性またはより剛性である。

    リンカー配列は、プロテアーゼによってかまたは化学的に切断されて、成長ホルモン関連部分を生じ得る。 好ましくは、このプロテアーゼは、宿主によって天然に産生されるプロテアーゼ(例えば、S.cerevisiaeプロテアーゼkex2または等価なプロテアーゼ)である。

    従って、上記のように、本発明のアルブミン融合タンパク質は、以下の式:R1−L−R2;R2−L−R1またはR1−L−R2−L−R1を有し得、ここで、R1は、少なくとも1つの治療タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドの配列であるが、同じ治療タンパク質では必ずしもなく、Lはリンカーであり、そしてR2は血清アルブミン配列である。

    好ましい実施形態において、治療タンパク質を含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、アルブミンと融合していない場合の同じ治療タンパク質の有効期間と比較して、有効期間が延びている。 有効期間は、代表的に、溶液中またはいくつかの他の保存処方物中の治療タンパク質の治療活性が、治療活性の過度の損失なしに安定である期間をいう。 多数の治療タンパク質は、その非融合状態では、高度に不安定である。 以下に記載するように、これらの治療タンパク質の代表的な有効期間は、本発明のアルブミン融合タンパク質に組み込まれると、顕著に延長される。

    「延長した(prolonged)」または「延長した(extended)」有効期間を有する本発明のアルブミン融合タンパク質は、同じ保存条件および取扱い条件に供された標準と比較して、より高い治療活性を示す。 この標準は、非融合の全長治療タンパク質であり得る。 アルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分がアナログである場合、改変体である場合、または他のように変更されている場合、またはそのタンパク質についての完全配列を含まない場合、治療活性の延長は、そのアナログ、改変体、変更されたペプチドまたは完全配列の非融合の等価物と、代替的に比較され得る。 例として、本発明のアルブミン融合タンパク質は、所定の時点で比較した場合に、標準と同じ保存条件および取り扱い条件に供された場合、標準の治療活性の約100%より高い活性、または標準の治療活性の約105%、110%、120%、130%、150%もしくは200%より高い活性を保持し得る。

    有効期間はまた、保存開始時の治療活性に対して正規化した、保存後に残存する治療活性について、評価され得る。 延長された治療活性によって示されるような、延長した有効期間を有する本発明のアルブミン融合タンパク質は、同じ条件に供された場合の、等価な非融合の治療タンパク質の治療活性の、約50%より高い治療活性、約60%、70%、80%、90%またはそれ以上の治療活性を保持し得る。 例えば、実施例38に考察されるように、全長HA配列に融合したhGHを含む本発明のアルブミン融合タンパク質は、種々の温度条件下で、5週間以上までの期間にわたって、溶液中でその元の活性の約80%以上を保持し得る。

    (融合タンパク質の発現)
    本発明のアルブミン融合タンパク質は、酵母、細菌のような微生物、またはヒトもしくは動物の細胞株からの分泌によって、組換え分子として産生され得る。 好ましくは、このポリペプチドは、宿主細胞から分泌される。

    本発明の特定の実施形態は、酵母において分泌を指向するのに有効なシグナル配列(特に、酵母由来のシグナル配列(特に、酵母宿主と同種のもの))をコードするDNA構築物、および本発明の第一の局面の融合分子を含み、シグナルポリペプチドと成熟ポリペプチドとの間には、酵母由来のプロ配列は存在しない。

    Saccharomyces cerevisiaeインベルターゼシグナルは、酵母由来のシグナル配列の好ましい例である。

    Poznanskyら(FEBS Lett.239:18(1988))によって調製される種類の結合体(ここで、別々に調製されたポリペプチドは、化学的架橋によって連結されている)は、企図されない。

    本発明はまた、本発明のアルブミン融合タンパク質を発現するように形質転換された、細胞(好ましくは酵母細胞)を包含する。 形質転換された宿主細胞自体に加えて、本発明はまた、栄養培地中の、これらの細胞の培養物(好ましくは、モノクローナル(クローン性均質な)培養物またはモノクローナル培養物由来の培養物)を企図する。 ポリペプチドが分泌される場合、この培地は、細胞と共に、または細胞が濾過もしくは遠心分離によって除去されている場合には細胞を含まずに、ポリペプチドを含む。 多くの発現系(細菌(例えば、E.coliおよびBacillus subtilis)、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae、Kluyveromyces lactisおよびPichia pastoris)、糸状菌(例えば、Aspergillus)、植物細胞、動物細胞および昆虫細胞を含む)が公知であり、そして使用され得る。

    アルブミン融合タンパク質の生成において使用されるのに好ましい酵母株は、D88、DXY1およびBXP10である。 D88[leu2−3、leu2−122、can1、pra1、ubc4]は、親株AH22his (DB1としても公知;例えば、Sleepら、Biotechnology 8:42−46(1990)を参照のこと)の誘導体である。 この株は、LEU2遺伝子を含む2ミクロンベースのプラスミドの栄養要求性選択を可能にする、leu2変異を含む。 D88はまた、グルコース過剰条件で、PRB1の抑制を示す。 PRB1プロモーターは、通常、グルコースレベルおよび増殖段階をモニタリングする、2つのチェックポイントによって制御される。 このプロモーターは、グルコース枯渇および静止期への進入の際に、野生型酵母において活性化される。 株D88は、グルコースによる抑制を示すが、静止期への進入の際に、誘導を維持する。 PRA1遺伝子は、酵母空胞プロテアーゼであるYscAエンドプロテアーゼAをコードし、このプロテアーゼは、ERに局在する。 UBC4遺伝子は、ユビキチン化経路にあり、そしてユビキチン依存的な分解のための、短命なタンパク質および異常なタンパク質の標的化に関与している。 このubc4変異の単離は、細胞における発現プラスミドのコピー数を増大させ、そしてプラスミドから発現される所望のタンパク質の発現レベルを増大させることが見出されている(例えば、国際公開番号WO99/00504(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。

    D88の誘導体であるDXY1は、以下の遺伝子型を有する:[leu2−3、leu2−122、can1、pra1、ubc4、ura3::yap3]。 D88において単離された変異に加えて、この株は、YAP3プロテアーゼのノックアウトもまた有する。 このプロテアーゼは、主に二塩基性残基(RR、RK、KR、KK)の切断をもたらすが、タンパク質中の単一の塩基性残基での切断もまた、促進し得る。 このyap3変異の単離は、高レベルの全長HSA産生を生じた(例えば、米国特許第5,965,386号およびKerry−Williamsら、Yeast 14:161−169(1998)(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。

    BXP10は、以下の遺伝子型を有する:[leu2−3、leu2−122、can1、pra1、ubc4、ura3、yap3::URA3、lys2、hsp150::LYS2、pmt1::URA3]。 DXY1において単離された変異に加えて、この株はまた、PMT1遺伝子およびHSP150遺伝子のノックアウトを有する。 このPMT1遺伝子は、ドリチル(dolichyl)−ホスフェート−D−マンノースタンパク質O−マンノシルトランスフェラーゼ(Pmt)の、進化的に保存されたファミリーのメンバーである。 Pmt1pの膜貫通トポロジーは、これが、O結合グリコシル化において役割を有する、小胞体の膜内在性タンパク質であることを示唆する。 この変異は、HSA融合物のO結合グリコシル化を、低減/排除するように働く(例えば、国際公開番号WO00/44772(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。 研究により、Hsp150タンパク質が、イオン交換クロマトグラフィーによって、rHAから不十分に分離されることが明らかとなった。 HSP150遺伝子における変異は、標準的な精製技術による除去が困難であると証明されている、潜在的な混入物を除去する。 例えば、米国特許第5,783,423号(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。

    所望のタンパク質は、例えば、宿主染色体に挿入されたコード配列または遊離プラスミド上のコード配列から、従来の方法で産生される。 酵母は、エレクトロポレーションのような通常の方法のいずれかにおいて、所望のタンパク質のコード配列で形質転換される。
    エレクトロポレーションによる酵母の形質転換方法は、BeckerおよびGuarente(1990)Methods Enzymol. 194,182に開示される。

    首尾よく形質転換された細胞(すなわち、本発明のDNA構築物を含む細胞)は、周知技術によって同定され得る。 例えば、発現構築物の導入から生じる細胞は、所望のポリペプチドを産生するように増殖し得る。 細胞は収集され、そして溶解され、そのDNA内容物が、Southern(1975)J. Mol. Biol. 98、503またはBerentら(1985)Biotech. 3、208によって記載されるような方法を使用して、DNAの存在について試験され得る。 あるいは、上清中のタンパク質の存在は、抗体を使用して検出され得る。

    有用な酵母プラスミドベクターとしては、pRS403〜406およびpRS413〜416が挙げられ、そしてこれらは、Stratagene Cloning Systems. La Jolla,CA 92037,USAから一般に入手可能である。 プラスミドpRS403、pRS404、pRS405およびpRS406は、酵母組み込みプラスミド(YIp)であり、酵母選択マーカーのHIS3、7RP1、LEU2およびURA3を組み込んでいる。 プラスミドpRS413〜416は、酵母染色体プラスミド(Ycp)である。

    酵母においてアルブミン融合タンパク質を発現させるために好ましいベクターとしては、pPPC0005、pScCHSA、pScNHSAおよびpC4:HSAが挙げられ、これらは、実施例1において詳細に記載される。 図2は、治療タンパク質をコードするポリヌクレオチドがクローニングされてHA融合物を形成し得る、基本ベクターとして使用され得る、pPPC0005プラスミドのマップを示す。 これは、PRB1 S. cerevisiaeプロモーター(PRB1p)、融合リーダー配列(FL)、HA(rAH)をコードするDNAおよびADH1 S. cerevisiaeターミネーター配列を含む。 融合リーダー配列の配列は、ヒト血清アルブミンのシグナルペプチド(配列番号1094)の最初の19アミノ酸および接合因子α1プロモーターの最後の5アミノ酸(SLDKR、その全体が本明細書中で参考として援用される、EP−A−387 319を参照のこと)からなる。

    プラスミドpPPC0005、pScCHSA、pScNHSAおよびpC4:HSAは、2001年4月11日に、American Type Culture Collection,10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110−2209に寄託され、そしてそれぞれ、受託番号ATCC PTA−3278、PTA−3276、PTA−3279およびPTA−3277を与えられた。 酵母でのアルブミン融合タンパク質の発現のために有用な別のベクターである、pSAC35ベクターは、Sleepら、BioTechnology 8:42(1990)中に記載され、これは、その全体が、本明細書中で参考として援用される。

    アルブミン融合タンパク質を発現するために使用され得る別の酵母プロモーターは、MET25プロモーターである。 例えば、Dominik Mumburg,Rolf MullerおよびMartin Funk、Nucleic Acids Research、1994、Vol. 22、No. 25、pp. 5767−5768を参照のこと。
    このMet25プロモーターは、383塩基長(塩基−382〜−1)であり、そしてこのプロモーターによって発現される遺伝子もまた、Met15、Met17およびYLR303Wとして公知である。 好ましい実施形態は、以下の配列を使用し、ここで、以下の配列の5'末端において、クローニングに使用されるNot1部位に下線を付し、そして3'末端において、ATG開始コドンに下線を付している。

    相補的な接着末端を介して、DNAをベクターに作動可能に連結するための種々の方法が、開発されている。 例えば、相補的なホモポリマー区域が、ベクターDNAに挿入されるべきDNAセグメントに付加され得る。 次いで、このベクターおよびDNAセグメントは、相補的なホモポリマーテイル間での水素結合によって連結されて、組換えDNA分子を形成する。

    1つ以上の制限部位を含む合成リンカーは、DNAセグメントをベクターに連結する代替方法を提供する。 エンドヌクレアーゼ制限消化によって生成されるDNAセグメントは、バクテリオファージT4 DNAポリメラーゼまたはE. coli DNAポリメラーゼI(これらは、その3'5'エキソヌクレオチド分解活性によって、突出したγ一本鎖末端を除去し、そしてそれらの重合活性によって、凹んだ3'末端を満たす(fill
    in)酵素である)で処理される。

    従って、これらの活性の組み合わせは、平滑末端のDNAセグメントを生成する。 次いで、この平滑末端のセグメントは、平滑末端DNA分子の連結を触媒し得る酵素(例えば、バクテリオファージのT4 DNAリガーゼ)の存在下で、モル濃度大過剰のリンカー分子とともにインキュベートされる。 従って、反応産物は、その末端にポリマーリンカー配列を有するDNAセグメントである。 次いで、これらのDNAセグメントは、適切な制限酵素で切断され、そしてこのDNAセグメントの末端と適合する末端を生成する酵素を用いて切断された発現ベクターに連結される。

    種々の制限エンドヌクレアーゼ部位を含む合成リンカーは、International Biotechnologies Inc,New Haven,CT,USAを含む多数の供給源から市販される。

    本発明に従ってDNAを改変するための所望の方法は、例えば、HA改変体が調製される場合、Saikiら(1988)Science 239,487−491によって開示されるようなポリメラーゼ連鎖反応を使用することである。 この方法において、酵素的に増幅されるべきDNAは、それ自体増幅されたDNAに組み込まれる2つの特異的オリゴヌクレオチドプライマーによって隣接される。 これらの特異的プライマーは、当該分野で公知の方法を使用して発現ベクター中にクローニングするために使用され得る制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含み得る。

    アルブミン融合タンパク質を発現するための宿主として本発明の実施において有用であることが企図される酵母の例示的な属は、以下である:Pichia(Hansenula)、Saccharomyces、Kluyveromyces、Candida、Torulopsis、Torulaspora、Schizosaccharomyces、Citeromyces、Pachysolen、Debaromyces、Metschunikowia、Rhodosporidium、Leucosporidium、Botryoascus、Sporidiobolus、Endomycopsisなど。 好ましい属は、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Kluyveromyces、PichiaおよびTorulasporaからなる群より選択される属である。 Saccharomyces spp. の例は、S. cerevisiae、S. italicusおよびS. rouxiiである。

    Kluyveromyces spp. の例は、K. fragilis、K. lactisおよびK. marxianusである。 適切なTorulaspora種は、T. delbrueckiiである。 Pichia(Hansenula)spp. の例は、P. angusta(以前にはH.polymorpha)、P. anomala(以前にはH.anomala)およびP. pastorisである。 S. cerevisiaeの形質転換方法は、一般に、EP 251 744、EP 258 067およびWO 90/01063において教示され、これらは全て、参考として本明細書中で援用される。

    Saccharomycesの好ましい例示的な種としては、S. cerevisiae、S. italicus、S. diastaticusおよびZygosaccharomyces rouxiiが挙げられる。 Kluyveromycesの好ましい例示的な種としては、K. fragilisおよびK. lactisが挙げられる。 Hansenulaの好ましい例示的な種としては、H. polymorpha(現在ではPichia angusta)、H. anomala(現在ではPichia anomala)およびPichia capsulataが挙げられる。 Pichia種のさらなる好ましい例示的な種としては、P. pastorisが挙げられる。 Aspergillusの好ましい例示的な種としては、A. nigerおよびA. nidulansが挙げられる。 Yarrowiaの好ましい例示的な種としては、Y. lipolyticaが挙げられる。 多くの好ましい酵母種が、ATCCから入手可能である。 例えば、以下の好ましい酵母種がATCCから入手可能であり、そしてアルブミン融合タンパク質の発現において有用である:Saccharomyces cerevisiae Hansen、有性世代株BY4743 yap3変異体(ATCC受託番号4022731);Saccharomyces cerevisiae Hansen、有性世代株BY4743 hsp150変異体(ATCC受託番号4021266);Saccharomyces cerevisiae Hansen、有性世代株BY4743 pmt1変異体(ATCC 受託番号4023792);Saccharomyces cerevisiae Hansen、有性世代(ATCC受託番号20626;44773;44774および62995);Saccharomyces diastaticus Andrews et Gilliland ex van der Walt、有性世代(ATCC受託番号62987);Kluyveromyces lactis(Dombrowski)van der Walt、有性世代(ATCC受託番号76492);Pichia angusta(Teunissonら)Kurtzman、Hansenula polymorpha de Morais et Maiaとして寄託される有性世代、有性世代(ATCC受託番号26012);Aspergillus niger van Tieghem、無性世代(ATCC受託番号9029);Aspergillus niger van Tieghem、無性世代(ATCC受託番号16404);Aspergillus nidulans(Eidam)Winter、無性世代(ATCC受託番号48756);およびYarrowia lipolytica(Wickerhamら)van der Walt et von Arx,有性世代(ATCC受託番号201847)。

    S. cerevisiaeについての適切なプロモーターとしては、PGKI遺伝子、GAL1遺伝子、もしくはGAL10遺伝子、CYCI、PHO5、TRPI、ADHI、ADH2、グリセルアルデヒド−3−リン酸塩デヒドロゲナーゼについての遺伝子、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸塩デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、トリオースリン酸塩イソメラーゼ、グルコキナーゼ、α−交配因子フェロモン、[交配因子フェロモン]、PRBIプロモーター、GUT2プロモーター、GPDIプロモーター、および他のプロモーターの5'調節領域の部分または上流活性部位を有する5'調節領域の部分のハイブリッドに関するハイブリッドプロモーター(例えば、EP−A−258067のプロモーター)に関連するものが挙げられる。

    Schizosaccharomyces pombeにおける使用のための便利な調節可能プロモーターは、Maundrell(1990)J. Biol. Chem. 265、10857−10864によって記載されるようなnmt遺伝子由来のチアミン抑制プロモーターおよびHoffman&Winston(1990)Genetics 124、 807−816によって記載されるようなグルコース抑制jbpl遺伝子プロモーターである。

    異種遺伝子の発現のためにPichiaを形質転換する方法は、例えば、Creggら(1993)、および様々なPhillip特許(例えば、参考として本明細書中に援用された米国特許第4,857,467号)において教示され、そしてPichia発現キットは、Invitrogen BV,Leek,NetherlandsおよびInvitrogen Corp. , San Diego, Californiaから市販されている。 適切なプロモーターとしては、AOXIおよびAOX2が挙げられる。 Gleesonら(1986)J. Gen. Microbiol. 132、3459−3465は、Hansenulaベクターおよび形質転換に関する情報を含み、適切なプロモーターは、MOX1およびFMD1である;一方EP 361 991、Fleerら(1991)およびRhone−Poulenc Rorerからの他の公報は、Kluyveromyces spp. における異種タンパク質を発現する方法を教示し、適切なプロモーターは、PGKIである。

    転写終結シグナルは、好ましくは転写終結およびポリアデニル化のための適切なシグナルを含む真核細胞遺伝子の3'隣接配列である。 適切な3'隣接配列は、例えば、使用される発現制御配列に自然に連結される遺伝子の配列であり得る(すなわち、プロモーターに相当し得る)。 あるいは、それらは、S. cerevisiaeADHI遺伝子の終結配列が好ましい場合に異なり得る。

    所望のアルブミン融合タンパクシ質は、選択された酵母において効果的な任意のリーダーであり得る分泌リーダー配列で最初に発現され得る。 酵母において有用なリーダーは、以下である:
    MPIF−1シグナル配列(例えば、GenBank信託番号AAB51134のアミノ酸1〜21)MKVSVAALSCLMLVTALGSQA (配列番号2132)
    スタンニオカルシン(stanniocalcin)シグナル配列(MLQNSAVLLLLVISASA、配列番号1054)
    HSAシグナル配列のプレ−プロ(pre−pro)領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYSRGVFRR、配列番号1176)
    HSAシグナル配列のプレ領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYS, 配列番号1177)またはそれらの改変体(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYS)(配列番号1168)
    転化酵素シグナル配列(例えば、MLLQAFLFLLAGFAAKISA、配列番号1108)
    酵母交配因子αシグナル配列(例えば、MRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLEKR、配列番号1109もしくはMRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLDKR、配列番号1109)
    K. lactisキラー毒素リーダー配列ハイブリッドシグナル配列(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLEKR、配列番号1110)
    HSA/MFα−1ハイブリッドシグナル配列(HSA/kex2としてもまた公知)(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLDKR、配列番号1111)
    K. lactisキラー/MFα−1融合リーダー配列(例えば、MNIFYIFLFLLSFVQGSLDKR、配列番号1169)
    免疫グロブリンIgシグナル配列(例えば、MGWSCIILFLVATATGVHS、配列番号1095)
    Fibulin B前駆体シグナル配列(例えば、MERAAPSRRVPLPLLLLGGLALLAAGVDA、配列番号1096)
    クラスター前駆体シグナル配列(例えば、MMKTLLLFVGLLLTWESGQVLG、配列番号1097)
    インスリン様増殖因子結合タンパク質4シグナル配列(例えば、MLPLCLVAALLLAAGPGPSLG、配列番号1098)
    HSAシグナル配列のプレ−プロ前領域の改変体(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRGVFRR(配列番号1167))、
    MKWVTFISLLFLFAGVLG(配列番号1099)、
    MKWVTFISLLFLFSGVLG(配列番号1100),
    MKWVTFISLLFLFGGVLG(配列番号1101),
    改変されたHSAリーダーHSA #64
    MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号2133);
    改変されたHSAリーダーHSA #66
    MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号2134);
    改変されたHSA(A14)リーダー−
    MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号1102);
    改変されたHSA(S14)リーダー(改変されたHSA #65としてもまた公知)− MKWVTFISLLFLFSGVSG(配列番号1103)
    改変されたHSA(G14)リーダー−
    MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号1104)、またはMKWVTFISLLFLFGGVLGDLHKS(配列番号1105)
    コンセンサスシグナル配列(MPTWAWWLFLVLLLALWAPARG、配列番号1055)
    酸ホスファターゼ(PH05)リーダー(例えば、MFKSVVYSILAASLANA 配列番号2135)
    MFoz−1のプレ配列0グルカナーゼ(BGL2)のプレ配列キラー毒素リーダーキラー毒素のプレ配列k. lactisキラー毒素プレプロ(29アミノ酸;プレの16アミノ酸およびプロの13アミノ酸)MNIFYIFLFLLSFVQGLEHTHRRGSLDKR(配列番号2136)
    S. diastaticusグルコアルニラーゼ(glucoanylase)I1分泌リーダー配列S. carlsbergensisαガラクトシド(MEL1)分泌リーダー配列Candida glucoarnylaseリーダー配列EP−A−387 319(参考として本明細書中で援用される)において開示されたハイブリッドリーダーgp67シグナル配列(バキュロウイルス発現系との関連)(例えば、GenBank信託番号AAA72759のアミノ酸1〜19)または治療タンパク質Xの天然リーダー;
    JP 62−096086(911036516として認可される、参考として本明細書中で援用される)において開示されるような、S. cerevisiae転化酵素(SUC2)リーダー;またはイヌリナーゼ−MKLAYSLLLPLAGVSASVINYKR(配列番号2137).
    改変されたTA57プロペプチドリーダー改変体 #1−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDVVGLISMAKR(配列番号2128)
    改変されたTA57プロペプチドリーダー改変体 #2−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDVVGLISMAEEGEPKR(配列番号2129)
    (アルブミン融合タンパク質の組換え産生および合成的産生のさらなる方法)
    本発明はまた、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター、宿主細胞、および合成技術および組換え技術によるアルブミン融合タンパク質の産生に関連する。 例えば、ベクターは、ファージベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターであり得る。 レトロウイルスベクターは、複製コンピテント、または複製欠損であり得る。 後者の場合、一般的にウイルス増殖は、補完性(complementing)宿主細胞にのみ生じる。

    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、宿主における増殖のための選択マーカーを含むベクターに連結され得る。 一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物のような沈澱物、または荷電脂質との複合体において導入される。 ベクターがウイルスである場合、このベクターは、適切なパッケージング細胞株を使用してインビトロでパッケージングされ、次いで宿主細胞に形質導入され得る。

    ポリヌクレオチド挿入物は、適切なプロモーター(いくつか挙げれば、例えば、ファージλPLプロモーター、E.coli lacプロモーター、trpプロモーター、phoAプロモーターおよびtacプロモーター、SV40初期プロモーターおよびSV40後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。 他の適切なプロモーターは当業者に公知である。 発現構築物はさらに、転写開始、転写終結のための部位、および転写領域において、翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。 この構築物によって発現される転写物のコード部分は、好ましくは、始めに翻訳開始コドン、および翻訳されるべきポリペプチドの末端に適切に位置される終結コドン(UAA、UGAまたはUAG)を含む。

    示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含む。
    このようなマーカーは、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418、グルタミンシンターゼまたはネオマイシン耐性遺伝子、ならびにE. coliおよび他の細菌において培養するためのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシリン耐性遺伝子を含む。 適切な宿主の代表的な例は、細菌細胞(例えば、E.coli、StreptomycesおよびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastoris(ATCC受託番号201178)));昆虫細胞(例えばDrosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、NSO細胞、293細胞、およびBowesメラノーマ細胞);ならびに植物細胞を含むが、これらに限定されない。 上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は、当該分野で公知である。

    細菌における使用のために好ましいベクターの中には、pQE70、pQE60およびpQE−9(QIAGEN,Inc.から入手可能);pBluescriptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene Cloning Systems,Inc.から入手可能);およびptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia Biotech,Inc.から入手可能)を含む。 好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。 酵母系における使用のために好ましい発現ベクターとしては、pYES2、pYD1、pTEF1/Zeo、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZalph、pPIC9、pPIC3.5、pHIL−D2、pHIL−S1、pPIC3.5K、pPIC9K、およびPAO815(全てが、Invitrogen,Carlbad,CAから入手可能)が挙げられるがこれらに限定されない。 他の適切なベクターは、当業者に容易に明らかである。

    一つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のタンパク質の限局化を原核生物細胞または真核生物細胞の特定の画分を方向付け、そして/または原核生物細胞または真核生物細胞由来の本発明のタンパク質の分泌を方向付けるシグナル配列に融合され得る。 例えば、E. coliにおいて、周辺質空間にタンパク質の発現を方向づけることが望まれ得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質が、細菌の周辺質空間にポリペプチドの発現を方向づけるために融合され得るシグナル配列またはタンパク質(それらのフラグメント)の例としては、pelBシグナル配列、マルトース結合タンパク質(MBP)シグナル配列、MBP、ompAシグナル配列、周辺質E. coli熱−不安定エンテロトキシンBサブユニットのシグナル配列、およびアルカリンホスファターゼのシグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない。 いくつかのベクターは、タンパク質(New England Biolabsから入手可能なベクターのpMAL種(特定のpMAL−p種)の限局化を方向付ける融合タンパク質の構築のために市販されている。特定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチドアルブミン融合タンパク質は、pelBペクチン酸塩リアーゼシグナル配列に融合され得、グラム陰性細菌におけるこのようなポリペプチドの発現および精製の効率を増加する。
    米国特許第5,576,195号および同第5,846,818号(この内容は、それら全体について参考として本明細書中で援用される)を参照のこと。

    哺乳動物細胞におけるその分泌を方向付けるために本発明のアルブミン融合タンパク質に融合され得るシグナルペプチドの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
    a)MPIF−1シグナル配列(例えば、GenBank信託番号AAB51134のアミノ酸1−21)MKVSVAALSCLMLVTALGSQA(配列番号2132)
    b)スタンニオカルシン(stanniocalcin)シグナル配列(MLQNSAVLLLLVISASA、配列番号1054)
    c)HSAシグナル配列のプレ−プロ領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYSRGVFRR、配列番号1176)
    d)HSAシグナル配列のプレ領域(例えば、MKWVTFISLLFLFSSAYS、配列番号1177)またはそれらの改変体、例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYS、(配列番号1168)
    e)転化酵素シグナル配列(例えば、MLLQAFLFLLAGFAAKISA、配列番号1108)
    f)酵母交配因子αシグナル配列(例えば、MRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLEKR、配列番号1109またはMRFPSIFTAVLAFAASSALAAPVNTTTEDETAQIPAEAVIGYSDLEGDFDVAVLPFSNSTNNGLLFINTTIASIAAKEEGVSLDKR、配列番号1109)
    g)K. lactisキラー毒素リーダー配列h)ハイブリッドシグナル配列(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLEKR、配列番号1110)
    i)HSA/MFα−1ハイブリッドシグナル配列(HSA/kex2としてもまた公知)(例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRSLDKR、配列番号1111)j)K. lactisキラー/MFα−1融合リーダー配列(例えば、MNIFYIFLFLLSFVQGSLDKR、配列番号1169)
    k)免疫グロブリンIgシグナル配列(例えば、MGWSCIILFLVATATGVHS、配列番号1095)
    l)Fibulin B前駆体シグナル配列(例えば、MERAAPSRRVPLPLLLLGGLALLAAGVDA、配列番号1096)
    m)クルステリン(clusterin)前駆体シグナル配列(例えば、MMKTLLLFVGLLLTWESGQVLG、配列番号1097)
    n)インスリン様増殖因子結合タンパク質4シグナル配列(例えば、MLPLCLVAALLLAAGPGPSLG、配列番号1098)
    o)以下のようなHSAシグナル配列のプレ−プロ−領域の改変体、例えば、MKWVSFISLLFLFSSAYSRGVFRR(配列番号1167)、
    MKWVTFISLLFLFAGVLG(配列番号1099)、
    MKWVTFISLLFLFSGVLG(配列番号1100)、
    MKWVTFISLLFLFGGVLG(配列番号1101)、
    改変されたHSAリーダーHSA #64
    MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号2133);
    改変されたHSAリーダーHSA #66
    MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号2134);
    改変されたHSA(A14)リーダー−
    MKWVTFISLLFLFAGVSG(配列番号1102);
    改変されたHSA(S14)リーダー(改変されたHSA #65としてもまた公知)− MKWVTFISLLFLFSGVSG(配列番号1103)、
    改変されたHSA(G14)リーダー−
    MKWVTFISLLFLFGGVSG(配列番号1104)、またはMKWVTFISLLFLFGGVLGDLHKS(配列番号1105)
    p)コンセンサスシグナル配列(MPTWAWWLFLVLLLALWAPARG、配列番号1055)
    q)酸ホスファターゼ(PH05)リーダー(例えば、MFKSVVYSILAASLANA、配列番号2135)
    r)MFoz−1のプレ配列s)0 グルカナ−ゼ(BGL2)のプレ配列t)キラー毒素リーダーu)キラー毒素のプレ配列v)k. lactisキラー毒素プレプロ(29アミノ酸;プレの16アミノ酸およびプロの13アミノ酸)MNIFYIFLFLLSFVQGLEHTHRRGSLDKR(配列番号2136)
    w)S. diastaticusグルコアミラーゼII分泌リーダー配列x)S. carlsbergensisαガラクトシダーゼ(MEL1)分泌リーダー配列y)Candida glucoarnylaseリーダー配列z)EP−A−387 319(参考として本明細書中で援用される)において開示されるハイブリッドリーダーaa)gp67シグナル配列(バキュロウイルス発現系との関連)(例えば、GenBank信託番号AAA72759のアミノ酸1〜19)またはbb)治療用タンパク質Xの天然リーダーX;
    cc)JP62−096086(911036516として認可され、参考として本明細書中で援用される)において開示されるような、S. cerevisiae転化酵素(SUC2)リーダー;またはdd)イヌリナーゼ−MKLAYSLLLPLAGVSASVINYKR(配列番号2137)
    ee)改変されたTA57プロペプチドリーダー改変体 #1−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDVVGLISMAKR(配列番号2128)。
    ff)改変されたTA57プロペプチドリーダー改変体 #2−MKLKTVRSAVLSSLFASQVLGQPIDDTESQTTSVNLMADDTESAFATQTNSGGLDVVGLISMAEEGEPKR(配列番号2129)

    グルタミンシンターゼ(GS)またはDHFRを、選択マーカーとして用いるベクターは、薬物(それぞれメチオニンスルホキシミン(methionine sulphoximine)またはメトトレキサート)の存在下で、増幅され得る。 グルタミンシンターゼベースのベクターの利点は、グルタミンシンターゼ陰性の細胞株(例えば、マウス骨髄腫細胞株(NSO))が利用可能であることである。 グルタミンシンターゼ発現系はまた、グルタミンシンターゼ発現細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)においても、さらなるインヒビターを提供して内因性遺伝子の機能を妨げることにより、機能し得る。 グルタミンシンターゼ発現系およびその構成要素は、PCT公開第WO87/04462号;同第WO86/05807号;同第WO89/01036号;同第WO89/10404号;および同第WO91/06657号(これらの全体が本明細書中で参考として援用される)において記載される。 さらに、グルタミンシンターゼ発現ベクターは、Lonza Biologics,Inc. (Portsmouth,NH)から得られ得る。 GS発現系を用いた、マウス骨髄腫細胞におけるモノクローナル抗体の発現および生成は、Bebbingtonら,Bio/technology 10:169(1992)ならびにBibliaおよびRobinson Biotechnol. Prog. 11:1(1995)(本明細書中で参考として援用される)において記載される。

    本発明はまた、本明細書中で記載される上記ベクター構築物を含む宿主細胞にも関し、そして本発明のヌクレオチド配列を含む宿主細胞をさらに含む。 このヌクレオチド配列は、当該分野で公知の技術を使用して、1つ以上の異種制御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)と作動可能に連結される。 宿主細胞は、哺乳動物細胞(例えば、ヒト由来細胞)などの高等な真核生物細胞もしくは酵母細胞などの下等な真核生物細胞であり得るか、または宿主細胞は、細菌細胞のような原核生物細胞であり得る。 挿入遺伝子配列の発現を調節する宿主菌株、または遺伝子産物を所望の特別な様式で改変もしくはプロセシングする宿主株が選択され得る。 特定のプロモーターからの発現は、特定の誘導因子の存在下で、増大し得る;従って、遺伝子操作されたポリペプチドの発現は、制御され得る。 その上、別々の宿主細胞は、翻訳ならびに翻訳後のタンパク質のプロセシングおよび改変(例えば、リン酸化、切断)について、特徴および特定の機構を有する。 適切な細胞株は、発現する外来性のタンパク質の所望の改変およびプロセシングを確実にするように、選択され得る。

    本発明の核酸および核酸構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、または他の方法によって達成され得る。 このような方法は、Davisら、Basic Methods In Molecular Biology(1986)などの、多くの標準的研究室マニュアルにおいて記載される。 本発明のポリペプチドが、実際に組換えベクターを欠く宿主細胞によって発現され得ることが、特に企図される。

    本明細書において議論されるベクター構築物を含む宿主細胞を含むことに加えて、本発明はまた、脊椎動物起源(特に、哺乳動物起源)の一次(primary)宿主細胞、二次(secondary)宿主細胞、および不死化宿主細胞を含む。 これらの宿主細胞は、内因性の遺伝物質(例えば、治療タンパク質に相当するコード配列は、治療タンパク質に相当するアルブミン融合タンパク質と置き換えられ得る)を欠失または置換するように操作されており、そして/または遺伝物質(例えば、異種ポリヌクレオチド配列)を含むように設計される(例えば、治療タンパク質に相当する本発明のアルブミン融合タンパク質のような異種ポリヌクレオチド配列が含まれる)。 内因性ポリヌクレオチドと作動可能に連結する遺伝物質は、内因性のポリヌクレオチドを活性化、変更、および/または増幅し得る。
    さらに、当該分野で公知の技術は、相同組換えを介して、異種ポリヌクレオチド(例えば、アルブミンタンパク質、またはそのフラグメントもしくは改変体をコードするポリヌクレオチド)および/または異種制御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)を、治療タンパク質をコードする内因性ポリヌクレオチド配列と、作動可能に連結するために使用され得る(例えば、1997年6月24日に発行された米国特許第5,641,670号;国際公開第WO 96/29411号;国際公開第WO 94/12650号;Kollerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935(1989);およびZijlstraら,Nature 342:435−438(1989)を参照のこと。これらの開示の各々は、それら全体において参考として援用される)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、疎水性電荷相互作用クロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され得、そして精製され得る。 最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために使用される。

    好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、アニオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。 アニオン交換クロマトグラフィーとしては、Q−セファロースカラム、DEAEセファロースカラム、ポロス(poros)HQカラム、ポロスDEAEカラム、Toyopearl Qカラム、Toyopearl QAEカラム、Toyopearl DEAEカラム、リソース/ソースQカラムおよびリソース/ソースDEAEカラム、Fractogel QカラムならびにFractogel DEAEカラムが挙げられるが、これらに限定されない。
    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。 陽イオン交換クロマトグラフィーとしては、SP−セファロースカラム、CMセファロースカラム、ポロス(poros)HSカラム、ポロスCMカラム、Toyopearl SPカラム、Toyopearl CMカラム、リソース/ソースSカラムおよびリソース/ソースCMカラム、Fractogel SカラムおよびFractogel CMカラムならびにこれらの等価物および類似物が挙げられるが、これらに限定されない。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用して精製される。 疎水性相互作用クロマトグラフィーとしては、フェニル−セファロースカラム、ブチル−セファロースカラム、メチル−セファロースカラム、オクチル−セファロースカラム、ヘキシル−セファロースカラム、ポロスフェニルカラム、ポロスブチルカラム、ポロスメチルカラム、ポロスオクチルカラム、ポロスヘキシルカラム、Toyopearlフェニルカラム、Toyopearlブチルカラム、Toyopearlメチルカラム、Toyopearlオクチルカラム、Toyopearlヘキシルカラム、リソース/ソースフェニルカラム、リソース/ソースブチルカラム、リソース/ソースメチルカラム、リソース/ソースオクチルカラム、リソース/ソースヘキシルカラム、Fractogelフェニルカラム、Fractogelブチルカラム、Fractogelメチルカラム、Fractogelオクチルカラム、Fractogelヘキシルカラム、ならびにこれらの等価物および類似物が挙げられるが、これらに限定されない。
    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して精製される。 サイズ排除クロマトグラフィーとしては、セファロースS100カラム、セファロースS200カラム、セファロースS300カラム、セファデックスレジンカラムならびにこれらの等価物および類似物が挙げられるが、これらに限定されない。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される。 アフィニティークロマトグラフィーとしては、Mimetic Dyeアフィニティーカラム、ペプチドアフィニティーカラムおよび抗体アフィニティーカラムが挙げられるが、これらに限定されない。 これらのカラムは、HSAまたは「融合標的」分子のどちらかに選択的である。

    好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、上に列挙した1つ以上のクロマトグラフィー方法を使用して精製される。 他の好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、以下の1つ以上のクロマトグラフィーカラムを使用して精製される:QセファロースFFカラム、SPセファロースFFカラム、Qセファロース高性能カラム、ブルーセファロースFFカラム、ブルーカラム、フェニルセファロースFFカラム、DEAEセファロースFFカラム、またはメチルカラム。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質は、PCT国際公開第WO 00/44772号(本明細書中でその全体が参考として援用される)に記載された過程を使用して精製され得る。 当業者は、この中で記載される過程を、本発明のアルブミン融合タンパク質の精製における使用のために、容易に変更し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、以下から回収され得る:化学合成手順の産物;および組換え技術により原核細胞宿主または真核細胞宿主から生成される産物(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞が挙げられる)。 組換え生成手順において使用される宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化ポリペプチドまたは非グリコシル化ポリペプチドであり得る。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、(幾つかの場合では、宿主媒介過程の結果として)冒頭のメチオニン残基の改変も含み得る。 従って、全ての真核細胞において、翻訳開始コドンによってコードされるN末端メチオニンが、任意のタンパク質から、一般に、翻訳後に効率的に除去されることは、当該分野で周知である。 殆どのタンパク質におけるN末端メチオニンはまた、殆どの原核生物においても効率的に除去されるが、幾つかのタンパク質については、N末端メチオニンが共有結合するアミノ酸の性質に依存して、この原核生物除去過程が非効率的である。

    1つの実施形態において、酵母Pichia pastorisは、真核細胞系において、本発明のアルブミン融合タンパク質を発現させるために使用される。 Pichia pastorisは、メタノールをその唯一の炭素供給源として代謝し得るメチル栄養性(methylotrophic)酵母である。 メタノール代謝経路における主要な工程は、O を使用してのホルムアルデヒドへのメタノールの酸化である。 この反応は、酵素アルコールオキシダーゼによって触媒される。 その唯一の炭素供給源としてメタノールを代謝するために、Pichia pastorisは、O に対するアルコールオキシダーゼの比較的低い親和性に部分的に起因して、高レベルのアルコールオキシダーゼを生成しなければならない。 結果的に、主要な炭素供給源としてメタノールに依存する増殖培地において、2つのアルコールオキシダーゼ遺伝子(AOX1)のうちの1つのプロモーター領域は、非常に活性である。 メタノールの存在下で、AOX1遺伝子から産生されるアルコールオキシダーゼは、Pichia pastorisにおける総可溶性タンパク質のうちのおよそ30%までを含む。 Ellis,S. B. ら、Mol. Cell. Biol. 5:1111〜21(1985);Koutz,P. J. ら、Yeast 5:167〜77(1989);Tschopp,J. F. ら、Nucl. Acids Res. 15:3859〜76(1987)を参照のこと。 従って、AOX1調節配列の全てまたは一部の転写調節下の異種コード配列(例えば、本発明のポリヌクレオチド)は、メタノールの存在下で増殖したPichia酵母において、非常に高レベルで発現される。

    1つの例において、プラスミドベクターpPIC9Kは、「Pichia Protocols:Methods in Molecular Biology」,D. R. HigginsおよびJ. Cregg編(The Humana Press,Totowa,NJ,1998)において本質的に記載されるように、Pichea酵母系において、本明細書中に示されるように本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを発現させるために使用される。 この発現ベクターは、マルチクローニング部位の上流に位置するPichia pastorisアルカリホスファターゼ(PHO)分泌シグナルペプチド(すなわち、リーダー)に連結された強力なAOX1プロモーターの効力によって、本発明のポリペプチドの発現および分泌を可能にする。

    多くの他の酵母ベクター(例えば、pYES2、pYD1、pTEF1/Zeo、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZα、pPIC9、pPIC3.5、pHIL−D2、pHIL−S1、pPIC3.5K、およびPAO815)は、当業者が容易に理解するように、提案された発現構築物が必要とされる場合インフレームのAUGを含む転写、翻訳、分泌(所望される場合)などの適切に配置されたシグナルを提供する限り、pPIC9Kの代わりに使用され得る。

    別の実施形態において、異種コード配列(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドなど)の高レベルの発現は、本発明の異種ポリヌクレオチドを発現ベクター(例えば、pGAPZまたはpGAPZαなど)中にクローニングし、そしてメタノールの非存在下で酵母培養物を増殖させることによって達成され得る。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質は、当該分野で公知の技術を用いて化学合成され得る(例えば、Creighton,1983,Proteins:Structures and Molecular Principles,W.H.Freeman & Co.,N.Y.およびHunkapillerら,Nature,310:105−111(1984)を参照のこと)。 例えば、ポリペプチドのフラグメントに対応するポリペプチドは、ペプチド合成機の使用により合成され得る。 さらに、所望の場合、非古典的アミノ酸または化学的アミノ酸アナログが、置換または付加としてこのポリペプチド配列に導入され得る。 非古典的アミノ酸としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:通常のアミノ酸のD異性体、2,4−ジアミノ酪酸、a−アミノイソ酪酸、4−アミノ酪酸、Abu、2−アミノ酪酸、g−Abu、e−Ahx、6−アミノヘキサン酸、Aib、2−アミノイソ酪酸、3−アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、b−アラニン、フルオロアミノ酸、デザイナーアミノ酸(例えば、b−メチルアミノ酸)、Ca−メチルアミノ酸、Na−メチルアミノ酸、および一般のアミノ酸アナログ。 さらに、アミノ酸はD(右旋性)またはL(左旋性)であり得る。

    本発明は、翻訳の間または翻訳後に、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解切断、抗体分子または他の細胞性リガンドへの結合などによって示差的に改変される本発明のアルブミン融合タンパク質を含む。 任意の多数の化学的改変は、以下を含むがこれらに限定されない公知の技術によって実施され得る:臭化シアン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH による特異的化学的切断;アセチル化、ホルミル化、酸化、還元;ツニカマイシンの存在下での代謝合成;など。

    本発明によって含まれるさらなる翻訳後修飾としては、例えば、以下が挙げられる:N結合型もしくはO結合型の炭水化物鎖(N末端またはC末端のプロセシング)、アミノ酸骨格への化学部分の結合、N結合型もしくはO結合型の炭水化物鎖の化学修飾、および原核生物宿主細胞発現の結果としてのN末端メチオニン残基の付加もしくは欠失。 このアルブミン融合タンパク質また、検出可能な標識(例えば、酵素標識、蛍光標識、同位体標識または親和性標識)を用いて改変して、このタンパク質の検出および単離が可能にされ得る。

    適切な酵素の例としては、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適切な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン(umbelliferone)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが挙げられる;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられる;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられる;そして適切な放射活性物質の例としては、ヨウ素( 121 I、 123 I、 125 I、 131 I)、炭素( 14 C)、硫黄( 35 S)、トリチウム( H)、インジウム( 111 In、 112 In、 113m In、 115m In)、テクネチウム( 99 Tc、 99m Tc)、タリウム( 201 Ti)、ガリウム( 68 Ga、 67 Ga)、パラジウム( 103 Pd)、モリブデン( 99 Mo)、キセノン( 133 Xe)、フッ素 ( 18 F)、 153 Sm、 177 Lu、 159 Gd、 149 Pm、 140 La、 175 Yb、 166 Ho、 90 Y、 47 Sc、 186 Re、 188 Re、 142 Pr、 105 Rh、および97 Ruが、挙げられる。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質またはそのフラグメントもしくは改変体は、以下に挙げられるが限定はされない放射性金属イオンと結合する大環状のキレーターに結合する: 177 Lu、 90 Y、 166 Ho、および153 Sm。 このキレーターはポリペプチドに対する。 好ましい実施形態において、大環状のキレーターと結合する放射性金属イオンは、 111 Inである。 別の好ましい実施形態においては、大環状のキレーターと結合する放射性金属イオンは、 90 Yである。 特定の実施形態において、大環状のキレーターは、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N',N'',N'''−四酢酸(DOTA)である。 他の特定の実施形態において、DOTAは、リンカー分子を介して本発明の抗体またはそのフラグメントに結合する。 DOTAがポリペプチドに結合するために有用なリンカー分子の例は、一般に当該分野で公知である。 例えば、DeNardoら,Clin Cancer Res. 4(10):2483−90(1998);Petersonら,Bioconjug. Chem. 10(4):553−7(1999);およびZimmermanら,Nucl. Med. Biol. 26(8):943−50(1999)を、参照のこと。 これらは、本明細書中で全体が参考として援用される。

    上記のように、本発明のアルブミン融合タンパク質は、天然プロセス(例えば、翻訳後プロセシング)または当該分野で周知の化学的改変技術のいずれかによって、改変され得る。 同じ型の改変が、所定のポリペプチドにおけるいくつかの部位で同じ程度または種々の程度で存在し得ることが、理解される。 本発明のポリペプチドは、例えば、ユビキチン化の結果として分枝状であり得、そしてそのポリペプチドは、分枝を含むかまたは含まない、環状であり得る。 環状ポリペプチド、分枝状ポリペプチドおよび分枝した環状のポリペプチドは、天然の翻訳後プロセスから生じ得るか、または合成方法によって作製され得る。 修飾としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトール(phosphotidylinositol)の共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリチル化、酸化、ペグ化(pegylation)、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、タンパク質へのアミノ酸のトランスファーRNA媒介付加(例えば、アルギニル化)、およびユビキチン化が挙げられる。 (例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York(1993);POST−TRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson編,Academic Press,New York,1−12頁(1983);Seifterら,Meth Enzymol 182:626−646(1990);Rattanら,Ann NY Acad Sci 663:48−62(1992)を参照のこと)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質、および治療用タンパク質またはそのフラグメントもしくは改変体に結合する抗体は、マーカー配列(例えば、精製を容易にするためのペプチド)に融合され得る。 好ましい実施形態において、このマーカーアミノ酸配列は、ヘキサヒスチジンペプチド(例えば、とりわけ、pQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)にて提供されるタグである)であり、その多くは市販されている。 Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821〜824(1989)に記載されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製を提供する。 精製のために有用な他のペプチドタグとしては、「HA」タグおよび「flag」タグが挙げられるがこれらに限定されない。 この「HA」タグは、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する(Wilsonら、Cell 37:767(1984))。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療用部分(例えば細胞毒(例えば細胞増殖抑制因子もしくは細胞殺傷因子))、治療剤または放射性金属イオン(例えば、α−エミッタ−(例えば213Bi)など)に結合され得る。 細胞毒または細胞毒性因子は、細胞に対して有害な任意の薬剤を含む。 例としては、パクリタキセル(paclitaxol)、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン(colchicin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにそのアナログまたはホモログが、挙げられる。 治療剤としては、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン(5−fluorouracil decarbazine)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、ならびにcis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アンスラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアンスラマイシン(anthramycin)(AMC))、ならびに抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられるが、それらに限定されない。

    本発明の結合体は、所定の生物学的応答を改変するために用いられ得、治療薬剤または薬物成分は、古典的な化学的治療薬剤に限定されると解釈されるべきではない。 例えば、薬物成分は、所望の生物学的活性を所有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。
    このようなタンパク質は、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナスエキソトキシン、またはジフテリアトキシンのようなトキシン;腫瘍壊死因子、αインターフェロン、βインターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノゲン活性化因子、アポトーシス作用因子、例えば、TNFα、TNFβ、AIM I(国際公開番号第WO97/33899を参照のこと)、AIM II(国際公開番号第WO97/34911を参照のこと)、Fasリガンド(Takahashiら、Int.Immunol.、6:1567−1574(1994))、VEGI(国際公開番号第WO99/23105を参照のこと)、血栓性因子または抗血管形成因子、例えば、アンギオスタチンまたはエンドスタチンのようなタンパク質;または、例えば、リンホカイン、インターロイキン1(「IL−1」)、インターロイキン2(「IL−2」)、インターロイキン6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、またはその他の成長因子のような生物学的応答改変剤を含み得る。 このような治療成分をタンパク質(例えば、アルブミン融合タンパク質)に結合体化する技法は、当該分野で周知である。

    アルブミン融合タンパク質はまた、固体支持体に付着され得、これは、本発明のアルブミン融合タンパク質よって結合されるか、それに結合するか、またはそれと会合するポリペプチドの免疫アッセイまたは精製に特に有用である。 このような固体支持体は、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルクロライドまたはポリプロピレンを含むが、これらに限定されるわけではない。

    アルブミン融合タンパク質は、それに結合体化した治療成分とともに、またはなしで、単独、または細胞傷害性因子(単数または複数)および/またはサイトカイン(単数または複数)と組み合わせて、治療剤として用いられ得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質が治療タンパク質を結合する抗体のVHドメインのみを含む実施形態では、治療タンパク質を結合する同じ抗体のVLドメインとの融合タンパク質を、VHアルブミン融合タンパク質およびVLタンパク質が、翻訳後、(共有結合または非共有結合のいずれかにより)会合するように、同時発現することが必要および/または所望され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質が、治療タンパク質を結合する抗体のVLドメインのみを含む実施形態では、治療タンパク質を結合する同じ抗体のVHドメインとの融合タンパク質を、VLアルブミン融合タンパク質およびVHタンパク質が、翻訳後、(共有結合または非共有結合のいずれかにより)会合するように、同時発現することが必要および/または所望され得る。

    いくつかの治療抗体は、二特異性抗体であり、治療タンパク質を結合する抗体が、2つの異なる重鎖/軽鎖対、および2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体であることを意味する。 その治療タンパク質に対応するアルブミン融合タンパク質を創製するために、このアルブミンタンパク質成分のN末端およびC末端の両方に融合されたscFvフラグメントを有するアルブミン融合タンパク質を創製することが可能である。 より詳細には、アルブミンのN末端に融合されたscFvは、治療タンパク質を結合する当初の抗体の重鎖/軽鎖(VH/VL)対の一方に対応し得、そしてアルブミンのC末端に融合されたscFvは、治療タンパク質を結合する当初の抗体の重鎖/軽鎖(VH/VL)対の他方に対応し得る。

    本発明によってまた提供されるのは、ポリペプチドの増加した溶解度、安定性および循環時間、または低下した免疫原性のようなさらなる利点を提供し得る、本発明のアルブミン融合タンパク質の化学的に改変された誘導体である(米国特許第4,179,337号を参照のこと)。 誘導体化のための化学的成分は、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールなどのような水溶性ポリマーから選択され得る。 アルブミン融合タンパク質は、この分子内のランダムな位置、またはこの分子内の所定の位置で改変され得、そして1つ、2つ、3つまたはそれ以上の付加された化学的成分を含み得る。

    このポリマーは、任意の分子量であり得、そして分枝または非分枝であり得る。 ポリエチレングリコールについては、好ましい分子量は、取扱いおよび製造における容易さのために、約1kDaと約100kDaとの間である(用語「約」は、ポリエチレングリコールの調製物中で、いくつかの分子が述べられた分子量よりいくらか大きいか、または小さい重量であることを示す)。 その他のサイズも、所望の治療プロフィール(例えば、所望の持続放出の持続期間、存在する場合生物学的活性に対する効果、取扱いの容易さ、抗原性の程度または欠如、および治療タンパク質またはアナログに対するポリエチレングリコールのその他の既知の効果)に依存して用いられ得る。 例えば、このポリエチレングリコールは、約200、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10,000、10,500、11,000、11,500、12,000、12,500、13,000、13,500、14,000、14,500、15,000、15,500、16,000、16,500、17,000、17,500、18,000、18,500、19,000、19,500、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95,000、または100,000kDaの平均分子量を有し得る。

    上記のように、このポリエチレングリコールは、分枝構造を有し得る。 分枝ポリエチレンは、例えば、米国特許第5,643,575号;Morpurgoら、Appl. Biochem. Biotechnol. 56:59−72(1996);Vorobjevら、Nucleosides Nucleotides 18:2745−2750(1999);およびCalicetiら、Bioconjug. Chem. 10:638−646(1999)に記載されており、その各々の開示は、本明細書中に参考として援用される。

    このポリエチレングリコール分子(またはその他の化学的成分)は、タンパク質の機能的ドメインまたは抗原性ドメインに対する影響を考慮してタンパク質に付着されるべきである。 当業者に利用可能な以下のような多くの付着方法があり、例えば、本明細書に参考として援用されるEP 0 401 384に開示される方法(G−CSFへのPEGの結合);トレシルクロライドを用いるGM−CSFのペグ化(pegylation)を報告する、Malikら、Exp. Hematol. 20:1028−1035(1992)もまた参照のこと。 例えば、ポリエチレングリコールは、遊離のアミノ基またはカルボキシル基のような、反応性基を経由してアミノ酸残基を通じて共有結合され得る。 反応性基は、活性化されたポリエチレングリコール分子が結合し得るような基である。 遊離のアミノ基を有するアミノ酸残基は、リジン残基およびN末端アミノ酸残基を含み得;遊離のカルボキシル基を有するアミノ酸残基は、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基およびC末端アミノ酸残基を含み得る。 スルフヒドリル基もまた、ポリエチレングリコール分子を付着するための反応性基として用いられ得る。 治療目的のための好ましいのは、N末端またはリジン基における付着のような、アミノ基における付着である。

    上記で示唆されるように、ポリエチレングリコールは、任意の数のアミノ酸残基への結合を経由してタンパク質に付着され得る。 例えば、ポリエチレングリコールは、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはシステイン残基への共有結合を経由してタンパク質に結合され得る。 1つ以上の反応化学薬品が、ポリエチレングリコールを、タンパク質の特定のアミノ酸残基(例えば、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはシステイン)、またはタンパク質の1つ以上のタイプのアミノ酸残基(例えば、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システインおよびそれらの組合せ)に付着するために採用され得る。

    N末端において化学的に改変されるタンパク質が、具体的に所望され得る。 本発明の組成物の例示として、ポリエチレングリコールを使用して、当業者は、種々のポリエチレングリコール分子(分子量、分枝などによって)、反応混合物中のポリエチレングリコール分子 対 タンパク質(ポリペプチド)分子の割合、行われるペグ化反応の型、および選択されるN末端ペグ化タンパク質を得る方法から選択し得る。 N末端ペグ化調製物を得る(すなわち、この部分を、必要であれば、他のモノペグ化部分から分離する)方法は、N末端ペグ化物質をペグ化タンパク質分子の集団から精製することによってであり得る。 N末端改変において化学的に改変された選択的タンパク質は、特定のタンパク質における誘導体化に利用可能な異なる型の第1級アミノ基(N末端に対してリジン)の異なる反応性を利用する還元型アルキル化によって達成され得る。 適切な反応条件の下で、カルボキシル基含有ポリマーを用いたN末端でのタンパク質の実質的に選択的な誘導体化が達成される。

    上記に示されるように、本発明のアルブミン融合タンパク質のペグ化は、任意の数の手段により達成され得る。 例えば、ポリエチレングリコールは、アルブミン融合タンパク質に、直接にかまたは介在リンカーによってかのいずれかで結合され得る。 ポリエチレングリコールをタンパク質に結合するためのリンカーなしの系は、Delgadoら,Crit. Rev. Thera. Drug Carrier Sys. 9:249−304(1992);Francisら,Intern. J. of Hematol. 68:1−18(1998);米国特許第4,002,531号;米国特許第5,349,052号;WO95/06058;およびWO98/32466(これらの各々の開示は、本明細書中に参考として援用される)記載される。

    ポリエチレングリコールをタンパク質のアミノ酸残基に介入リンカーを使用せずに直接結合するための1つの系は、モノメトキシポリエチレングリコール(MPEG)のトレシルクロリド(ClSO CH CF )を使用した修飾により生成される、トレシル化(tresylated)MPEGを使用する。 タンパク質とトレシル化MPEGとの反応の際に、ポリエチレングリコールは、そのタンパク質のアミン基に直接結合される。 従って、本発明は、本発明のタンパク質と、2,2,2−トリフルオロエタン(trifluoreothane)スルホニル基を有するポリエチレングリコール分子とを反応させることによって生成される、タンパク質−ポリエチレングリコール結合体を包含する。

    ポリエチレングリコールはまた、多くの異なる介入リンカーを使用してタンパク質に結合され得る。 例えば、米国特許第5,612,460号(これらの開示全体は、本明細書中に参考として援用される)は、ポリエチレングリコールをタンパク質に連結するためのウレタンリンカーを開示する。 タンパク質−ポリエチレングリコール結合体(ここでこのポリエチレングリコールは、リンカーによってタンパク質に結合される)はまた、タンパク質と、MPEG−スクシンイミジルスクシネート、1,1'−カルボニルジイミダゾールで活性化されたMPEG、MPEG−2,4,5−トリクロロペニル(trichloropenyl)カーボネート、MPEG−p−ニトロフェノールカーボネート、および種々のMPEG−スクシネート誘導体のような化合物との反応によって生成され得る。 ポリエチレングリコールをタンパク質に結合するための、多くのさらなるポリエチレングリコール誘導体および反応化学は、国際公開番号WO98/32466(これらの開示全体は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。 本明細書中に記載される反応化学を使用して生成されるペグ化タンパク質生成物は、本発明の範囲内に包含される。

    本発明の各アルブミン融合タンパク質に結合されるポリエチレングリコール部分の数(すなわち、置換の程度)もまた変化し得る。 例えば、本発明のペグ化タンパク質は、平均して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、12個、15個、17個、20個またはそれ以上のポリエチレングリコール分子に連結され得る。 同様に、平均した置換の程度は、1タンパク質分子あたり、1〜3個、2〜4個、3〜5個、4〜6個、5〜7個、6〜8個、7〜9個、8〜10個、9〜11個、10〜12個、11〜13個、12〜14個、13〜15個、14〜16個、15〜17個、16〜18個、17〜19個、または18〜20個のような、ポリエチレングリコール部分の範囲である。 置換の程度を決定するための方法は、例えば、Delgadoら,Crit. Rev. Thera. Drug Carrier Sys. 9:249−304(1992)において議論される。

    本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムもしくはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン交換クロマトグラフィーもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されない標準的な方法によって、化学合成および組換え細胞培養物から回収および精製され得る。 最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)は、精製のために使用される。 タンパク質の再折りたたみのための周知の技術は、そのポリペプチドが、単離および/または精製の間に変性される場合、活性なコンホメーションを再生するために使用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質の存在または量は、当該分野で周知のイムノアッセイであるELISAを使用して決定され得る。 1つのELISAにおいて、本発明のアルブミン融合タンパク質を検出/定量するために有用なプロトコルは、ELISAプレートを、抗ヒト血清アルブミン抗体でコーティングする工程、プレートをブロッキングして、非特異的結合を防止する工程、そのELISAプレートを洗浄する工程、本発明のアルブミン融合タンパク質を含む溶液を(1以上の異なる濃度で)添加する工程、検出可能な標識に連結された二次抗治療用タンパク質特異的抗体を添加する工程(本明細書中に記載されるかまたはさもなければ当該分野で公知のように)、および二次抗体の存在を検出する工程を包含する。 このプロトコルの代替的バージョンにおいて、ELISAプレートは、抗治療用タンパク質特異的抗体でコーティングされ得、その標識二次試薬は、抗ヒトアルブミン特異的抗体であり得る。

    (ポリヌクレオチドの使用)
    本明細書中で同定されるポリヌクレオチドの各々は、多くの様式において試薬として使用され得る。 以下の記載は、例示的であると見なされるべきであり、公知の技術を利用する。

    本発明のポリヌクレオチドは、本発明のアルブミン融合タンパク質を生成するために有用である。 以下により詳細に記載されるように、本発明のポリヌクレオチド(アルブミン融合タンパク質をコードする)は、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによってコードされるアルブミン融合タンパク質を発現する細胞、細胞株、または組織を作製するために、遺伝子操作において有用な組換えDNA法において使用され得る。

    本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝子治療において有用である。 遺伝子治療の1つの目的は、遺伝的欠損を矯正する試みにおいて、欠損遺伝子を有する生物に正常な遺伝子を挿入することである。 本発明において開示されるポリヌクレオチドは、非常に正確な様式でこのような遺伝的欠損を標的化する手段を提供する。 別の目的は、宿主ゲノムに存在しなかった新たな遺伝子を挿入し、それにより宿主細胞において新たな形質を生じさせることである。 本発明によって包含される遺伝子治療法のさらなる非例示的例は、本明細書中で他の箇所により綿密に記載される(例えば、「遺伝子治療」と表された節ならびに実施例63および64を参照のこと)。

    (ポリペプチドの使用)
    本明細書中で同定される各々のポリペプチドは、多くの方法において使用され得る。 以下の記述は、例示として考慮されるべきであり、そして公知の技術を利用する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、組織(例えば、ABC免疫ペルオキシダーゼのような免疫組織化学アッセイ(Hsuら、J.Histochem.Cytochem.29:577−580(1981))または細胞型(例えば、免疫細胞化学アッセイ)の差次的同定のための免疫学的プローブを提供するために有用である。

    アルブミン融合タンパク質を使用して、当業者に公知の古典的な免疫組織学的な方法を用いて、生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルをアッセイし得る(例えば、Jalkanenら、J.Cell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanenら、J.Cell.Biol.105:3087−3096(1987)を参照のこと)。 タンパク質の遺伝子発現を検出するのに有用な他の方法には、免疫学的検定(例えば、酵素結合免疫吸着検定(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA))が含まれる。 適切なアッセイの標識は、当該分野で公知であり、そして酵素標識(例えば、グルコースオキシダーゼ);放射性同位体(例えば、ヨウ素( 131 I、 125 I、 123 I、 121 I)、炭素( 14 C)、硫黄( 35 S)、トリチウム( H)、インジウム( 115m In、 113m In、 112 In、 111 In)、およびテクネチウム( 99 Tc、 99m Tc)、タリウム( 201 Ti)、ガリウム( 68 Ga、 67 Ga)、パラジウム( 103 Pd)、モリブデン( 99 Mo)、キセノン( 133 Xe)、フッ素( 18 F)、 153 Sm、 177 Lu、 159 Gd、 149 Pm、 140 La、 175 Yb、 166 Ho、 90 Y、 47 Sc、 186 Re、 188 Re、 142 Pr、 105 Rh、 97 Ru;発光標識(例えば、ルミノール);ならびに蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)ならびにビオチンが挙げられる。

    本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、画像化によりインビボで検出され得る。 タンパク質のインビボ画像化のための抗体の標識またはマーカーは、X線撮影法、核磁気共鳴(NMR)、または電子スピン共鳴(ESR)により検出可能なものを含む。 X線撮影法のために適切な標識は、放射性同位体(例えば、バリウムまたはセシウム)を含み、これは検出可能な放射線を放射するが、被験体に対して明らかに有害ではない。 NMRおよびESRのための適切なマーカーは、検出可能な特徴的なスピンを有するマーカー(例えば、重水素)を含み、これは、本発明のアルブミン融合タンパク質を発現する細胞株に生じた栄養分を標識することによりアルブミン融合タンパク質中に取り込まれ得る。

    放射性同位体(例えば、 131 I、 112 In、 99m Tc、( 131 I、 125 I、 123 I、 121 I)、炭素( 14 C)、硫黄( 35 S)、トリチウム( H)、インジウム( 115m In、 113m In、 112 In、 111 In)、およびテクネチウム( 99 Tc、 99m Tc)、タリウム( 201 Ti)、ガリウム( 68 Ga、 67 Ga)、パラジウム( 103 Pd)、モリブデン( 99 Mo)、キセノン( 133 Xe)、フッ素( 18 F、 153 Sm、 177 Lu、 159 Gd、 149 Pm、 140 La、 175 Yb、 166 Ho、 90 Y、 47 Sc、 186 Re、 188 Re、 142 Pr、 105 Rh、 97 Ru)、放射線不透過性物質、または核磁気共鳴により検出可能な材料のような適切な検出可能な画像化部分で標識された、アルブミン融合タンパク質は、免疫系の障害について検査されるべき哺乳動物に(例えば、非経口的、皮下、または腹腔内に)導入される。被験体のサイズおよび用いられる画像化システムは、診断画像を生成するために必要な画像化部分の量を決定することが当該分野で理解される。放射性同位体部分の場合には、ヒト被験体について、注射される放射能の量は、通常、 99m Tcの約5〜20ミリキュリーの範囲である。次いで、標識されたアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、一つ以上のレセプター、リガンドまたは基質(本発明のアルブミン融合タンパク質を作製するために使用される治療タンパク質のものに相当する)が配置される体(例えば、器官、細胞、細胞外空間または細胞外マトリックス)中の位置に蓄積する。あるいは、アルブミン融合タンパク質が、治療抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含む場合において、次いで標識されたアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、治療抗体(本発明のアルブミン融合タンパク質を作製するために使用される)によって結合されるものに相当するポリペプチド/エピトープが配置される体(例えば、器官、細胞、細胞外空間または細胞外マトリックス)中の位置に蓄積する。インビボ腫瘍画像化は、S.W.Burchielら、「Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments」(Tumor Imagingの第13章:The Radiochemical Detection of Cancer、S. W. BurchielおよびB. A. Rhodes編、Masson Publishing Inc. (1982))に記載される。 本明細書中に記載されるプロトコルは、本発明のアルブミン融合タンパク質を用いて使用するために当業者によって容易に改善され得る。

    1つの実施形態において、本発明は、異種ポリペプチドまたは核酸と会合する本発明のアルブミン融合タンパク質(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドおよび/または抗体)を投与することによる、細胞への本発明のアルブミン融合タンパク質の特異的な送達のための方法を提供する。 1つの例において、本発明は、治療タンパク質を標的化細胞中へ送達するための方法を提供する。 別の例において、本発明は、一本鎖核酸(例えば、アンチセンスまたはリボザイム)または二本鎖核酸(例えば、細胞のゲノムに組み込み得るか、またはエピソームにて複製し得、そして転写され得るDNA)を、標的化細胞に送達するための方法を提供する。

    別の実施形態において、本発明は、毒素または細胞傷害性プロドラッグに関連する本発明のアルブミン融合タンパク質を投与することによる細胞の特異的な破壊(例えば、腫瘍細胞の破壊)のための方法を提供する。

    「毒素」とは、内因性の細胞傷害性エフェクタ系、放射性同位体、ホロ毒素(holotoxin)、改変型毒素、毒素の触媒サブユニット、または規定の条件下で細胞死を引き起こす細胞中もしくは細胞表面には通常存在しない任意の分子もしくは酵素を結合および活性化する1つ以上の化合物を意味する。 本発明の方法に従って使用され得る毒素としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:当該分野で公知の放射性同位体、固有のまたは誘導された内因性の細胞傷害性エフェクタ系に結合する化合物(例えば、抗体(またはその補体固定含有部分))、チミジンキナーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAse、α毒素、リシン、アブリン、Pseudomonas外毒素A、ジフテリア毒素、サポリン、モモルジン(momordin)、ゲロニン(gelonin)、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、αサルシン(sarcin)およびコレラ毒素。 「毒素」はまた、細胞分裂停止剤もしくは細胞破壊剤、治療薬または放射活性金属イオン(例えば、α−放射体(例えば、 213 Bi))もしくは他の放射性同位体(例えば、 103 Pd、 133 Xe、 131 I、 68 Ge、 57 Co、 65 Zn、 85 Sr、 32 P、 35 S、 90 Y、 153 Sm、 153 Gd、 169 Yb、 51 Cr、 54 Mn、 75 Se、 113 Sn、 90イットリウム、 117スズ、 186レニウム、 166ホルミウム、および188レニウム);発光標識(例えば、ルミノール);および蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、ならびにビオチンを含む。 特定の実施形態において、本発明は、放射性同位体90 Yに関連する本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体を投与することによって、細胞の特異的な消滅(例えば、腫瘍細胞の消滅)のための方法を提供する。 別の特定の実施形態において、本発明は、放射性同位体111 Inに関連する本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体を投与することによって、細胞の特異的な消滅(例えば、腫瘍細胞の消滅)のための方法を提供する。 さらに特定の実施形態において、本発明は、放射性同位位131 Iに関連する本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体を投与することによって、細胞の特異的な消滅(例えば、腫瘍細胞の消滅)のための方法を提供する。

    当該分野において公知の技術は、本発明のポリペプチドを標識化するために適用され得る。 このような技術としては、二官能性結合剤の使用(例えば、米国特許第5,756,065号;同第5,714,631号;同第5,696,239号;同第5,652,361号;同第5,505,931号;同第5,489,425号;同第5,435,990号;同第5,428,139号;同第5,342,604号;同第5,274,119号;同第4,994,560号;および同第5,808,003号を参照のこと;これら各々の内容は、本明細書中に参考としてその全体を援用する)が挙げられるが、これに限定されない。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、哺乳動物、好ましくはヒト中の様々な障害の診断、処置、妨害および/または予後のために有用である。 このような障害としては、以下の節の見出しである「生物学的活性」の下で本明細書中に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。

    従って、本発明は、障害の診断方法を提供し、これは以下を含む:(a)本発明のアルブミン融合タンパク質を使用して個体の細胞または体液における特定のポリペプチドの発現レベルをアッセイする工程;および(b)アッセイされたポリペプチドの発現レベルを標準のポリペプチドの発現レベルと比較し、それによって標準の発現レベルと比較してアッセイされたポリペプチドの発現レベルにおける増加または減少が障害を示す工程。 癌に関しては、個体由来の生検された組織中の相対的に高い量の転写物の存在は、疾患の発症の素因を示し得るか、または実際の臨床的な症状が明らかとなる前に疾患を検出するための手段を提供し得る。 より決定的なこのタイプの診断は、保健専門家がより早く予防策または積極的な処置を使用し、それによって癌の発症またはさらなる進行を防ぐことを可能にし得る。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質を用いて疾患または状態(例えば、神経障害、免疫系障害、筋肉障害、生殖障害、胃腸障害、肺障害、心血管障害、腎臓障害、増殖障害ならびに/または癌性疾患および状態など)を処置または予防し得る。 例えば、患者は、ポリペプチドの非存在またはレベルの減少を元に戻すこと(例えば、インスリン)、異なるポリペプチドの不在またはレベルの減少を補充すること(例えば、ヘモグロビンBに対するヘモグロビンS、SOD、カタラーゼ、DNA修復タンパク質)、ポリペプチドの活性を阻害すること(例えば、癌遺伝子または腫瘍抑制因子)、ポリペプチドの活性を活性化すること(例えば、レセプターに結合させることによって)、遊離リガンドについて膜結合レセプターと競合させることによって膜結合レセプターの活性を減少させること(例えば、炎症を低減させる際に用いられる可溶性TNFレセプター)、または所望の応答をもたらすこと(例えば、血管の成長の阻害、増殖細胞または組織に対する免疫応答の増強)の試みにおいて、本発明のポリペプチドが投与され得る。

    特に、治療抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含むアルブミン融合タンパク質もまた用いられ、疾患(上記、および本明細書中のどこかに記載されるような)を処置し得る。 例えば、治療抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含むアルブミン融合タンパク質の投与は、ポリペプチドを結合し得、そして/またはアルブミン融合タンパク質を作製するために使用される治療抗体が特異的に結合するポリペプチドを中和し得、そして/またはアルブミン融合タンパク質を作製するために使用される治療抗体が特異的に結合するポリペプチドの過剰産生を低減し得る。 同様に、治療抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含むアルブミン融合タンパク質の投与は、膜(レセプター)に結合されるポリペプチドに結合することによって、アルブミン融合タンパク質を作製するために使用される治療抗体が特異的に結合するポリペプチドを活性化し得る。

    少なくとも、本発明のアルブミン融合タンパク質は、当業者に周知の方法を用いるSDS−PAGEゲルまたは分子ふるいゲル濾過カラムの分子量マーカーとして使用され得る。 宿主細胞の形質転換を評価する方法として、本発明のアルブミン融合タンパク質がまた用いられて、抗体を惹起し得、次いで、この抗体が使用されて、組換え細胞からの治療タンパク質、アルブミンタンパク質、および/または本発明のアルブミン融合タンパク質のタンパク質発現を測定する。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質が使用され、以下の生物学的活性を試験し得る。

    (診断アッセイ)
    本発明の化合物は、哺乳動物(好ましくはヒト)における種々の障害の診断、処置、予防および/または予測のために有用である。 このような障害としては、表1の相当する列、ならびに「免疫アッセイ」、「血液関連障害」、「過剰増殖障害」、「腎臓障害」、「心臓血管障害」、「呼吸障害」、「抗新脈管形成活性」、「細胞レベルでの疾患」、「創傷治癒および上皮細胞増殖」、「神経活性および神経学的疾患」、「内分泌障害」、「生殖系障害」、「感染障害」、「再発症」、および/または「胃腸障害」と見出しをつけた節のもとで本明細書において、各治療タンパク質について記載されたものが挙げられるが、これに限定されない。

    多数の障害について、遺伝子発現の実質的に変更した(増大または減少した)レベルが、このような障害を有する個体から得た細胞または体液(例えば、血清、血漿、尿、精液、滑液または髄液)で、「標準」の遺伝子発現レベル、すなわち、障害を有さない個体由来の組織または体液中の発現レベルに比較して、検出され得る。 従って、本発明は、障害の診断中に有用な診断方法を提供し、この方法は、個体由来の組織、細胞または体液でのポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを測定する工程、および測定した遺伝子発現レベルを標準遺伝子発現レベルと比較する工程を包含し、そのことにより、標準と比較される遺伝子発現レベルの増加または減少が、障害の指標となる。 これらの診断アッセイは、例えば、血液サンプル、生検組織、または剖検組織などにおいて、インビボまたはインビトロで実施され得る。

    本発明はまた、予想指標として有用であり、これにより遺伝子発現の上昇または低下を示す患者は、悪い臨床結果を被る。

    「ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルをアッセイする」とは、特定のポリペプチドのレベル、または本発明のポリペプチドをコードするmRNAレベルを、第一の生物学的サンプルで、直接的(例えば、絶対タンパク質レベルまたはmRNAレベルの決定または評価によって)または相対的(例えば、第二の生物学的サンプルのポリペプチドレベルまたはmRNAレベルに対する比較によって)に、定性または定量的に測定または評価することを意図する。 好ましくは、第一の生物学的サンプル中のポリペプチドレベルまたはmRNAレベルは、測定または評価され、そして標準ポリペプチドレベルまたはmRNAレベルと比較され、この標準は、障害を有さない個体から得た第二の生物学的サンプルから得られるか、または免疫系の障害を有さない個体集団からのレベルを平均して決定される。 当該分野で理解されるように、一旦、標準ポリペプチドレベルまたはmRNAレベルが判明すると、比較のための標準として繰り返し使用され得る。

    「生物学的サンプル」とは、本発明のポリペプチド(その一部を含む)またはmRNAを含有する、個体、細胞株、組織培養物、またはその他の供給源から得られた、任意の生物学的サンプルを意図する。 示されるように、生物学的サンプルとしては、ポリペプチドの全長またはそのフラグメントまたはmRNAを発現することが見出された体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)および組織供給源が挙げられる。 哺乳動物から組織生検および体液を得る方法は、当該分野で周知である。 生物学的サンプルが、mRNAを含む場合、組織生検が好ましい供給源である。

    全細胞RNAは、ChomczynskiおよびSacchi(Anal.Biochem.162:156−159(1987))により記載される一段階グアニジウム−チオシアネート−フェノール−クロロホルム方法のような任意の適切な技術を用いて生物学的サンプルから単離され得る。 次いで、ポリペプチドをコードするmRNAのレベルが、任意の適切な方法を用いてアッセイされる。 これらは、ノーザンブロット分析、S1ヌクレアーゼマッピング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−PCR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−LCR)を包含する。

    本発明はまた、ポリペプチドの正常なレベルおよび異常なレベルの決定を含む、生物学的サンプル(例えば、細胞および組織)中のポリペプチドのレベルを検出する定量アッセイおよび診断アッセイのような診断アッセイに関する。 従って、例えば、正常なコントロール組織サンプルと比較した、アルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連するポリペプチドの過剰発現を検出するための本発明に従う診断アッセイは、腫瘍の存在を検出するために使用され得る。 宿主由来のサンプルにおいて、本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連するポリペプチドのレベルを決定するために使用され得るアッセイ技術は、当業者に周知である。 このようなアッセイ方法としては、放射性免疫アッセイ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロット分析、およびELISAアッセイが挙げられる。 生物学的サンプルにおけるポリペプチドレベルのアッセイは、任意の当該分野に公知の方法を用いて可能である。

    生物学的サンプル中のポリペプチドレベルをアッセイすることは、技術を用いて可能である。 例えば、組織におけるポリペプチド発現は、古典的な免疫組織学的方法(Jalkanenら、J.Cell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanen、M.ら、J.Cell.Biol.105:3087−3096(1987))を用いて研究され得る。 ポリペプチド遺伝子発現を検出するために有用な他の方法は、免疫アッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着法(ELISA)および放射性免疫アッセイ(RIA))を包含する。 適切な抗体アッセイ標識は、当該分野で公知であり、そして酵素標識(例えば、グルコースオキシダーゼ)および放射性同位元素(例えば、ヨウ素( 125 I、 121 I)、炭素( 14 C)、硫黄( 35 S)、トリチウム( H)、インジウム( 112 In)、およびテクネチウム( 99m Tc)および蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、ならびにビオチンを包含する。

    分析されるべき組織または細胞型としては、一般的には、目的の遺伝子を発現することが公知であるか、またはそのことが予測される組織または細胞型(例えば、癌など)が挙げられる。 本明細書中で使用されるタンパク質単離方法は、例えば、HarlowおよびLane(Harlow,E.およびLane,D.,1988「Antibodies:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される))に記載される方法であり得る。 単離された細胞は、細胞培養物または患者由来であり得る。 培養物から採取された細胞の分析は、細胞ベースの遺伝子治療技術の一部として、あるいは遺伝子の発現に対する化合物の効果を試験するために使用され得る細胞の評価において必須の工程であり得る。

    例えば、アルブミン融合タンパク質を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連するポリペプチドの存在を定量的にまたは定性的に検出し得る。 これは、例えば、光学顕微鏡検出、フローサイトメトリー検出、または蛍光比色検出と一緒に蛍光的に標識されたアルブミン融合タンパク質を使用する免疫蛍光技術によって達成され得る。

    好ましい実施形態において、本明細書中に開示される(表1に開示される)またはそうでなければ当該分野で公知である少なくとも治療タンパク質に特異的に結合する抗体の少なくともフラグメントまたは変異体を含むアルブミン融合タンパク質は、遺伝子産物、またはその保存された改変体もしくはペプチドフラグメントの存在を定量的にまたは定性的に検出するために用いられ得る。 これは、例えば、光学顕微鏡、フローサイトメトリー、または蛍光定量検出と組み合わせた、蛍光標識した抗体を使用する免疫蛍光技術によって達成され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連するポリペプチドのインサイチュ検出のために、免疫蛍光、免疫電子顕微鏡または非免疫学的アッセイとしてさらに組織学的に使用され得る。 インサイチュ検出は、患者由来の組織学的標本を除去すること、およびそれに本発明の標識した抗体またはポリペプチドを適用することによって達成され得る。 アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、生物学的サンプル上に標識したアルブミン融合タンパク質を覆うことによって適用される。 このような手順の使用を通して、アルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連するポリペプチドの存在だけでなく、試験した組織におけるその分布も決定することが可能である。 本発明を使用して、当業者は、広範種々の組織学的方法のいずれか(例えば、染色手順)が、例えば、インサイチュ検出を達成するために変更され得ることを容易に理解する。

    アルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連するポリペプチドを検出する免疫アッセイおよび非免疫アッセイは、代表的に、遺伝子産物または保存された変異体もしくはそのペプチドフラグメントを結合し得る検出可能に標識された抗体の存在下で、サンプル(例えば、生物学的液体、組織抽出物、新鮮な収集された細胞、または細胞培養においてインキュベートされた細胞の溶解物)をインキュベートする工程、ならびに当該分野で周知の多数の技術のいずれかによって結合した抗体を検出する工程を包含する。

    生物学的サンプルは、固相支持体またはキャリア(例えば、ニトロセルロース)あるいは細胞、細胞粒子もしくは可溶性タンパク質を固定し得る他の固体支持体と接触させられ得る。 次いで、この支持体を、適切な緩衝液で洗浄し、続いて、本発明の検出可能なアルブミン融合タンパク質で処理し得る。 この固相支持体を、次いで、緩衝液で2回洗浄し、非結合の抗体またはポリペプチドを除去し得る。 必要に応じて、この抗体は、その後標識される。 次いで、固体支持体上の固定された標識の量は、従来の方法によって検出され得る。

    「固相支持体またはキャリア」とは、ポリペプチド(例えば、アルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連するポリペプチド)を結合し得る任意の支持体を意図する。 周知の支持体またはキャリアとしては、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然のおよび改変したセルロース、ポリアクリルアミド、斑糲岩、および磁鉄鉱が挙げられる。 キャリアの性質は、本発明の目的のためにある程度可溶性であるかまたは不溶性のいずれかであり得る。 支持体材料は、結合した分子が、ポリペプチドに結合し得る限り、実質的に任意の可能な構造配置を有し得る。 従って、支持体の構造は、ビーズの場合は球状、あるいは試験管の内表面またはロッドの外表面の場合は円筒形であり得る。 あるいは、表面は、平面(例えば、シート、試験ストリップなど)であり得る。 好ましい支持体は、ポリスチレンビーズを含む。 当業者には、抗体または抗原を結合し得る多くの他の適切なキャリアが公知であるか、または慣用的な実験の使用によって同一か確認することができる。

    アルブミン融合タンパク質の所定のロットの結合活性は、周知の方法に従って決定され得る。 当業者は、慣用的な実験を使用することによって各々の決定のための有効でかつ最適のアッセイ条件を決定し得る。

    個体から得られた生物学的サンプルにおいてポリペプチドレベルをアッセイすることに加えて、ポリペプチドはまた、画像化によってインビボでも検出され得る。 例えば、本発明の1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、疾患の細胞または新生物細胞を画像化するために使用される。

    本発明のアルブミン融合タンパク質をインビボで画像化するための抗体標識またはマーカーは、X線撮影、NMR、MRI、CATスキャンもしくはESRにより検出可能なものが挙げられる。 X線撮影のために、適切な標識としては、検出可能な放射線を放射するが被験体に対して明らかに有害でない、放射線同位元素(例えば、バリウムまたはセシウム)が挙げられる。 NMRおよびESRのための適切なマーカーとしては、検出可能な特徴的なスピンを有するマーカー(例えば、重水素)が挙げられ、これらは、関連のハイブリドーマのための栄養素の標識化によりアルブミン融合タンパク質に取り込まれ得る。

    さらに、存在が検出され得る本発明のアルブミン融合タンパク質が、投与され得る。 例えば、放射性不透過性(radio−opaque)化合物または他の適切な化合物で標識された本発明のアルブミン融合タンパク質は、投与され、標識抗体に関して上記に記載されるようにインビボで画像化され得る。 さらにこのようなポリペプチドは、インビトロ診断手順のために使用され得る。

    適切な検出可能な画像化部分(例えば、放射性同位元素(例えば、 131 I、 112 In、 99m Tc)、放射線不透過性物質、または核磁気共鳴により検出可能な材料)で標識されたポリペプチド特異的抗体または抗体フラグメントが、障害について試験される哺乳動物に(例えば、非経口で、皮下で、もしくは腹腔内で)導入される。 被験体および使用される画像化システムの大きさが、診断画像を生じるのに必要とされる画像化部分の量を決定することは、当該分野で理解される。 放射線同位元素部分の場合、ヒト被験体については、注入される放射能の量は、通常、約5〜20ミリキュリーの99m Tcの範囲である。 標識されたアルブミン融合タンパク質は、次いで、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する、アルブミン融合タンパク質によって結合される、またはアルブミン融合タンパク質と関連する、ポリペプチドまたは他の基質を含む体内の位置に優先的に蓄積する。 インビボ腫瘍イメージングは、S. W. Burchielら、「Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragment」により記載される(Tumor Imaging:The Radiochemical Detection of Cancer、S.W.BurchielおよびB.A.Rhodes編、Masson Publishing Inc.(1982)の13章)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質が検出可能に標識され得る1つの方法は、レポーター酵素へ同様に連結し、そしてこの連結された産物を酵素免疫アッセイ(EIA)に用いることによる(Voller,A.「The Enzyme Linked Immunosorbent Assay(ELISA)」1978、Diagnostic Horizons 2:1−7、Microbiological Associates Quarterly Publication、Walkersville、MD);Vollerら、J. Clin. Pathol. 31:507−520(1978);Butler,J. E. 、Meth. Enzymol. 73:482−523(1981);Maggio,E. (編)1980、Enzyme Immunoassay、PTPaseC Press、Boca Raton、FL;Ishikawa,E. ら(編)1981、Enzyme Immunoassay、Kgaku Shoin、Tokyo)。 抗体に結合するレポーター酵素は、適切な基質(好ましくは色素基質)と、例えば、分光光度法、蛍光法または可視手段によって検出され得る化学部分を生成するような様式で反応する。 抗体を検出可能に標識するために使用されるレポーター酵素としては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、δ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、α−グリセロホスフェート、デヒドロゲナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。 さらに、この検出は、このレポーター酵素に対する色素基質を用いる比色方法によって達成され得る。 検出はまた、同様に調製された標準物質と比較して、基質の酵素反応の程度を視覚的に比較することによって達成され得る。

    アルブミン融合タンパク質はまた、放射標識され得、そして種々の他の免疫アッセイのいずれかにおいて使用され得る。 例えば、アルブミン融合タンパク質を放射性標識することによって、ラジオイムノアッセイ(RIA)においてアルブミン融合タンパク質を使用することが可能である(例えば、Weintraub,B.,Principles of Radioimmunoassays,Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques,The Endocrine Society,March,1986を参照のこと(これは、本明細書中に参考として援用される))。 放射性同位元素は、γカウンター、シンチレーションカウンター、またはオードラジオグラフィーを含む手段によって検出され得るが、これらに限定されない。
    さらに、当該分野で公知のキレート剤分子は、アルブミン融合タンパク質を標識するために使用され得る。 キレート剤は、本発明のアルブミン融合タンパク質と結合し、前記タンパク質を、放射性核種または蛍光標識を含む金属イオンで標識することを容易にし得る。
    例えば、Subramanian,R. およびMeares,C. F. ,「Bifunctional Chelating Agents for Radiometal−labeled monoclonal Antibodies」,(Cancer Imaging with Radiolabeled Antibodies(D.M.Goldenberg編)Kluwer Academic Publications,Boston);Saji,H. ,「Targeted delivery of radiolabeled imaging and therapeutic agents:bifunctional radiopharmaceuticals.」Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 16:209−244(1999);Srivastava S. C. およびMease R. C. ,「Progress in research on ligands,nuclides and techniques for labeling monoclonal antibodies.」Int. J. Rad. Appl. Instrum. B 18:589−603(1991);およびLiu,S. およびEdwards,D. S. ,「Bifunctional chelators for therapeutic lanthanide radiopharmaceuticals.」Bioconjug. Chem. 12:7−34(2001)を参照のこと。 前記アルブミン融合タンパク質に共有結合し得る任意のキレート剤は、本発明に従って使用され得る。 キレート剤は、アルブミン融合タンパク質に対するキレート部分と結合するリンカー部分をさらに含み得る。

    1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、非環式(キレート剤(例えば、ジエチレントリアミン−N,N,N',N'',N''−ペンタ酢酸(DPTA)、DPTAのアナログ、およびDPTAの誘導体と結合する。非限定的な例として、
    キレート剤は、2−(p−イソチオシアネートベンジル)−6−メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(1B4M−DPTA、MX−DTPAとしても公知)、2−メチル−6−(ρ−ニトロベンジル)−1,4,7−トリアザヘプタン−N,N,N',N'',N''−ペンタ酢酸(ニトロ−1B4M−DPTAまたはニトロ−MX−DTPA);2−
    (p−イソチオシアネートベンジル)−シクロヘキシルジエチレントリアミンペンタ酢酸(CHX−DTPA)、またはN−[2−アミノ−3−(ρ−ニトロフェニル)プロピル]−トランス−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N',N''−ペンタ酢酸(ニトロ−CHX−A−DTPA)であり得る。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、非環式テルピリジンキレート剤(例えば、6,6''−ビス[[N,N',N'',N''−テトラ(カルボキシメチル)アミノ]メチル]−4'−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)2,2':
    6',2''−テルピルジン(TMT−アミン))と結合する。

    特別な実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する大環状キレート剤は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N',N'',N'''−テトラ酢酸(DOTA)である。 別の特定の実施形態において、DOTAは、リンカー分子により、本発明のアルブミン融合タンパク質と結合するポリペプチドへのDOTA結合に有用なリンカー分子の例は、当該分野で一般的に公知である−例えば、DeNardoら,Clin. Cancer Res. 4(10):2483−90,1998;Petersonら,Bioconjug. Chem. 10(4):553−7,1999;およびZimmermanら,Nucl. Med. Biol. 26(8):943−50(これらの全体は、参考として本明細書によって援用される)を参照のこと。 さらに、抗体に結合し得るキレート剤およびそれらを製造しかつ使用するための方法を開示する米国特許第5,652,361号および同第5,756,065号は、それらの全体を参考として本明細書によって援用される。 抗体へのキレート剤の結合に焦点を合わせた米国特許第5,652,361号および同第5,756,065号を通じて、当業者は、それらに開示される方法を容易に適合させ、他のポリペプチドにキレート剤を結合させ得る。

    結合が、活性化アーム、または官能基を介して、リガンドの炭素骨格に結合される大環状リガンドに基づく二官能性キレート剤は、以下により記載されるように利用され得る;M. Moiら,J. Amer. Chem. Soc. 49:2639(1989)(2−p−ニトロベンジル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N',N'',N'''−テトラ酢酸);S. V. Deshpandeら,J. Nucl. Med. 31
    :473(1990);G. Ruserら, Bioconj. Chem. 1:345(1990);C. J. Broanら,J. C. S. Chem. Comm. 23:1739(1990);およびC. J. Andersonら,J. Nucl. Med. 36:850(1995)。

    1つの実施形態において、大環状キレート剤(例えば、ポリアザ大環状キレート剤)(必要に応じて1つ以上のカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキサメート基、ホスファネート基、またはリン酸基を含む)は、本発明のアルブミン融合タンパク質と結合する。 別の実施形態において、キレート剤は、DOTA、DOTAのアナログ、およびDOTAの誘導体からなる群より選択されるキレート剤である。

    1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質に結合し得る適切なキレート剤分子としては、DOXA(1−オキサ−4,7,10−トリアザシクロドデカントリ酢酸)、NOTA(1,4,7−トリアザノナントリ酢酸)、TETA(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンテトラ酢酸)、およびTHT(4'−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニル)−6,6''−ビス(N',N'−ジカルボキシメチル−N−メチルヒドラジノ)−2,2':6',2''−テルピリジン)、およびそれらのアナログおよび誘導体が挙げられる。 例えば、Ohmonoら,J. Med. Chem. 35:157−162(1992);Kungら,J. Nucl. Med. 25:326−332(1984);Jurissonら,Chem. Rev. 93:1137−1156(1993);および米国特許第5,367,080号を参照のこと。 別の適切なキレート剤としては、米国特許第4,647,447号;同第4,687,659号;同第4,885,363号;EP−A−71564;WO89/00557;およびEP−A−232751に開示されるキレート剤が挙げられる。

    別の実施形態において、本発明において使用され得る適切な大環状カルボン酸キレート剤としては、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N',N'',N'''−テトラ酢酸(DOTA);1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン−N,N',N'',N'''−テトラ酢酸(15N4);1,4,7−テトラアザシクロノナン−N,N',N''−トリ酢酸(9N3);1,5,9−トリアザシクロドデカン−N,N',N''−トリ酢酸(12N3);および6−ブロモアセトアミド−ベンジル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−N,N',N'',N'''−テトラ酢酸(BAT)が挙げられる。

    本発明のアルブミン融合タンパク質に結合し得る好ましいキレート剤は、α−(5−イソチオシアナート−2−メトキシフェニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸(MeO−DOTA−NCSとしても公知)である。 α−(5−イソチオシアナート−2−メトキシフェニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸の塩またはエステルもまた使用され得る。

    記載されるようなキレート剤に共有結合する本発明のアルブミン融合タンパク質は、(キレート剤の配位部位を介して)、治療目的、診断目的、または治療および診断目的に適切な放射性核種を用いて標識され得る。 適切な金属の例としては、Ag、At、Au、Bi、Cu、Ga、Ho、In、Lu、Pb、Pd、Pm、Pr、Rb、Re、Rh、Sc、Sr、Tc、Tl、Y、およびYbが挙げられる。 診断目的のために使用される放射性核種の例は、Fe、Gd、 111 In、 67 Ga、または68 Gaである。 別の実施形態において、診断目的で使用される放射性核種は、 111 Inまたは67 Gaである。 治療目的で使用される放射性核種の例は、 166 Ho、 165 Dy、 90 Y、 115m In、 52 Fe、または72 Gaである。 1つの実施形態において、治療目的で使用される放射性核種は、 166 Hoまたは90 Yである。 治療目的および診断目的の両方に使用される放射性核種の例としては、 153 Sm、 177 Lu、 159 Gd、 175 Yb、または47 Scが挙げられる。 1つの実施形態において、放射性核種は、 153 Sm、 177 Lu、 175 Yb、または159 Gdである。

    好ましい金属放射性核種としては、 90 Y、 99m Tc、 111 In、 47 Sc、 67 Ga、 51 Cr、 177 mSn、 67 Cu、 167 Tm、 97 Ru、 188 Re、 177 Lu、 199 Au、 47 Sc、 67 Ga、 51 Cr、 177 mSn、 67 Cu、 167 Tm、 95 Ru、 188 Re、 177 Lu、 199 Au、 203 Pbおよび141 Ceが挙げられる。

    特定の実施形態において、キレート剤が共有結合する本発明のアルブミン融合タンパク質は、 90 Y、 111 In、 177 Lu、 166 Ho、 215 Bi、および225 Acからなる群より選択される金属イオンを用いて標識され得る。

    さらに、γ放射放射性核種(例えば、 99m Tc、 111 In、 67 Ga、および169 Yb)は、診断画像化のための研究下で改良されるが、β放射体(例えば、 67 Cu、 111 Ag、 186 Re、および90 Y)は腫瘍治療における適用のために使用される。
    他の有用な放射性核種としては、γ放射体例えば、 99m Tc、 111 In、 67 Ga、 169 Yb)およびβ放射体(例えば、 67 Cu、 111 Ag、 186 Re、 188 Reおよび90 Y)ならびに目的の他の放射性核種(例えば、 211 At、 212 Bi、 177 Lu、 86 Rb、 105 Rh、 153 Sm、 198 Au、 149 Pm、 85 Sr、 142 Pr、 214 Pb、 109 Pd、 166 Ho、 208 Tl、および44 Sc)が挙げられる。 キレート剤に共有結合する本発明のアルブミン融合タンパク質は、上記の放射性核種を用いて標識され得る。

    別の実施形態において、キレート剤に共有結合する本発明のアルブミン融合タンパク質は、遷移金属およびランタニド金属のイオンを含む常磁性金属イオン(例えば、原子番号21〜29、42、43、44、または57〜71を有する金属、特にCr、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuのイオン)を用いて標識され得る。 磁気応答画像化のための組成物において使用される常磁性金属としては、原子番号21〜29、42、44および58〜70を有する要素が挙げられる。

    別の実施形態において、キレート剤に共有結合する本発明のアルブミン融合タンパク質は、蛍光金属イオン(ランタニド、特にLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu(例えば、152Eu)、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuを含む)を用いて標識され得る。

    別の実施形態において、キレート剤に共有結合する本発明のアルブミン融合タンパク質は、レポーター(Mo、Bi、Si、およびWの原子を含み得る)含有重金属を用いて標識され得る。

    アルブミン融合タンパク質を蛍光化合物で標識することもまた可能である。 蛍光標識されたアルブミン融合タンパク質が適切な波長の光に曝露される場合、次いでその存在は、蛍光に起因して検出され得る。 最も一般的に使用される蛍光標識化合物の間では、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド(ophthaldehyde)およびフルオレサミンがある。

    アルブミン融合タンパク質はまた、 152 Euまたは他のランタニド系列のような蛍光発光金属を用いて検出可能に標識され得る。 これらの金属は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)またはエチレンジアミンテトラ酢酸(ETDA)のような金属キレート群を用いてアルブミン融合タンパク質に結合され得る。

    アルブミン融合タンパク質はまた、化学発光化合物に結合することによって検出可能に標識され得る。 次いで、化学発光タグ化アルブミン融合タンパク質の存在は、化学反応の経過の間に生じる発光の存在を検出することによって決定される。 特に有用な化学発光標識化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、セロマティックアクリジニウムエステル(theromatic acridinium ester)、イミダゾール、アクリジニウム塩およびオキサレートエステルである。

    同様に、生物発光化合物を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質を標識し得る。 生物発光は、触媒タンパク質が化学発光反応の効率を増加する生物系において見出される化学発光の型である。 生物発光タンパク質の存在は、発光の存在を検出することによって決定される。 標識目的のための重要な生物発光化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンである。
    (トランスジェニック生物体)
    本発明のアルブミン融合タンパク質を発現するトランスジェニック生物体もまた、本発明に含まれる。 トランスジェニック生物体は、一般的に組換え体、外因性または転移されたクローン化遺伝材料に改変された生物体である。 このような遺伝材料は、しばしば形質転換体として言われる。 形質転換体の核酸配列は、コードタンパク質の最適な発現および分泌に必要とされ得る、1つ以上の転写制御配列および他の核酸配列(例えば、イントロン)を含み得る。 形質転換体は、生物体または生物体により生産される産物(例えば、生物体の乳(milk)、血液、尿、卵、髪または種子)からの再生を容易にする様式で、コードタンパク質の発現を支配するように設計され得る。 形質転換体(は、標的動物の種と同種のゲノムまたは異種のゲノムに由来する核酸配列からなり得る。形質転換体は、特定の核酸配列が他の方法で普通見出されないゲノムの位置でか、または形質転換体の正常位置のいずれかで組み込まれ得る。

    用語「生殖細胞株トランスジェニック生物体」とは、遺伝的変化または遺伝的情報が生殖細胞株に導入されたトランスジェニック生物体を言い、それにより、子孫に遺伝情報を伝えるためのトランスジェニック生物体の能力を与える。 このような子孫が、実際にそのような変化または遺伝情報のいくつかまたは全てを有する場合、それらもまたトランスジェニック生物体である。 変化または遺伝情報は、レシピエントが属する生物体の種と異なり得、特定のレシピエント個体とのみ異なり得、またはレシピエントによりすでに保有される遺伝的情報であり得る。 最後の場合、その変化または誘導された遺伝子は、天然の遺伝子とは異なって発現され得る。

    トランスジェニック生物体は、トランスジェニック動物またはトランスジェニック植物であり得る。 トランスジェニック動物は、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、胚性幹細胞における遺伝子ターゲティングならびに組換えウイルス感染および組換えレトロウイルス感染を含む種々の異なる方法で作製され得る(米国特許第4,736,866号;同第5,602,307号;Mullinsら(1993)Hypertension 22(4):630−633;Breninら(1997)Surg.Oncol.6(2)99−110;Tuan(編),Recombinant Gene Expression Protocols,Methods in Molecular Biology No.62,Humana Press(1997)を参照のこと)。 核酸フラグメントを組換えコンピテント哺乳類動物細胞に導入する方法は、複数の核酸分子の共形質転換に有利な任意の方法であり得る。 トランスジェニック動物を作製する詳細な手順は、当業者に容易に入手可能であり、米国特許第5,489,743号および同第5,602,307号における開示を含む。

    多くの組換えマウスまたはトランスジェニックマウスが作製され、これらは、活性化したオンコジーン配列を発現するマウス(米国特許第4,736,866号);サルSV40 T抗原配列発現マウス(米国特許第5,728,915号);インターフェロン制御因子1(IRF−1)の発現欠損マウス(米国特許第5,731,490号);ドーパミン作用性機能不全を示すマウス(米国特許第5,723,719号);血圧調節に関係する少なくとも1つのヒト遺伝子を発現するマウス(米国特許第5,731,489号);自然に生じるアルツハイマー病において示される状態により大きな類似点を示すマウス(米国特許第5,720,936号);細胞接着を媒介する能力が減少したマウス(米国特許第5,602,307号);ウシ成長ホルモン遺伝子を保有するマウス(Clutterら(1996)Genetics 143(4):1753−1760);または十分なヒト抗体応答を生成する能力のあるマウス(McCarthy(1997)The Lancet 349(9049):405)を含む。

    マウスおよびラットは、多くのトランスジェニック研究のために選択された動物であるが、いくつかの例において、代替の動物種を使用することが好ましいか、または必要でさえある。 トランスジェニックの手順は、種々の非マウス動物(ヒツジ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、ハムスター、ウサギ、ウシおよびモルモットを含む)において首尾よく利用される(例えば、Kimら(1997)Mol.Reprod.Dev.46(4):515−526;Houdebine(1995)Reprod.Nutr.Dev.35(6):609−617;Petters(1994)Reprod.Fertil.Dev.6(5):643−645;Schniekeら(1997)Science 278(5346):2130−2133;and Amoah(1997)J.Animal Science 75(2):578−585)を参照のこと)。

    トランスジェニック哺乳動物の乳中に、本発明の形質転換体コードタンパク質の分泌を方向付けるため、形質転換体は、哺乳動物の上皮細胞において優先的に活性化されるプロモーターの制御下に置かれ得る。 乳タンパク質をコードする遺伝子を調節するプロモーターは、矢酔えば、カゼイン、β―ラクトグロブリン、ホエー酸タンパク質、またはラクトアルブミンのプロモーターが好ましい(例えば、DiTullio(1992)BioTechnology 10:74−77;Clarkら(1989)BioTechnology 7:487−492;Gortonら(1987)BioTechnology 5:1183−1187;およびSoulierら(1992)FEBS Letts. 297:13を参照のこと)。 選択されたトランスジェニック哺乳動物は、大量の乳を生成し、長い授乳期を有する(例えば、ヤギ、ウシ、ラクダまたはヒツジ)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、トランスジェニック植物(例えば、DNA形質転換体が、核ゲノムまたは色素体ゲノムに挿入された植物)において発現され得る。
    外因性核酸を植物細胞またはプロトプラストに誘導するために使用される植物形質転換手順は、当該分野で公知である。 一般的に、Methods in Enzymology Vol. 153(「Recombinant DNA Part D」)1987,WuおよびGrossman編,Academic Pressおよび欧州特許出願EP 693554を参照のこと。 遺伝子操作された植物を生成するための方法はさらに、米国特許第5,283,184号、同第5, 482,852号、および欧州特許出願EP 693 554(これらの全ては、参考として本明細書により援用される)において記載される。

    (薬学的組成物または治療的組成物)
    本発明のアルブミン融合タンパク質またはそれらの処方物は、任意の従来の方法(非経口(例えば、皮下または筋肉内)注入または静脈内注入を含む)により投与され得る。 処置は、期間にわたって、単一の用量または複数の用量からなり得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、単独で投与されることが可能であるが、1つ以上の受容可能なキャリアと共に薬学的処方物として存在することが好ましい。 このキャリアは、アルブミン融合タンパク質と矛盾しないという意味で「受容可能」であるべきであり、それらのレシピエントに有害であるべきではない。 代表的に、キャリアは、滅菌および無発熱物質である水または生理食塩水である。 溶液中のそれらの拡張保存寿命に起因して、本発明のアルブミン融合タンパク質は、水性キャリア(例えば、滅菌無発熱物質水、生理食塩水または溶液中のそれらの拡張された保存寿命に起因する別の等張溶液)中の処方物に特によく適する。 例えば、本発明の薬学的組成物は、あらかじめ水性形態で、例えば、分散される前、数週間または数ヶ月あるいはそれより長い時間に、十分に処方され得る。

    例えば、アルブミン融合タンパク質を含有する処方物は、水性処方物におけるアルブミン融合タンパク質の拡張された保存寿命に考慮して調製され得る。 上記のように、HAに融合後、これら治療的タンパク質の多くの保存寿命が、著しく増加されるか、または延期される。

    エアロゾル投与が適切な例において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、標準手順を使用するエアロゾルとして処方され得る。 用語「エアロゾル」は、細気管支または鼻経路に吸入可能な、本発明のアルブミン融合タンパク質の任意のガス保有懸濁相を含む。 特に、エアロゾルは、定量吸入用量吸入器または噴霧器、あるいはミスト噴霧器において生成されるような、本発明のアルブミン融合タンパク質の水滴のガス保有懸濁液を含む。 エアロゾルはまた、例えば、吸入デバイスから吸入によって送達され得る空気または他のキャリアガスに懸濁された本発明の化合物の乾燥粉末組成物を含む。 GandertonおよびJones,Drug Delivery to the Respiratory Tract,Ellis Horwood(19−87);Gonda(1990)Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 6:273−313;およびRaeburnら,(1992)Pharmacol. Toxicol. Methods 27:143−159を参照のこと。

    本発明の処方物はまた、一部分、適切な種に由来するアルブミン融合タンパク質の成分の使用のため、代表的に非免疫原性であり得る。 例えば、ヒトの使用に対し、治療的タンパク質およびアルブミン融合タンパク質のアルブミン部分の両方は、代表的にヒトである。 いずれかの成分が非ヒト由来であるいくつかの場合において、その成分は主要アミノ酸の置換によりヒト化され得、その結果特異的なエピトープが、ヒト免疫系に対し、外因性というよりは、むしろ天然のヒトのようになる。

    処方物は、単位投与形態で都合よく存在し得、そして薬学の当該分野で周知の任意の方法により調製され得る。 このような方法は、1つ以上の付属成分を構成するキャリアとアルブミン融合タンパク質を結合させる工程を包含する。 一般的に、活性成分を液体キャリアまたは微細な誘導固体キャリア、またはそれら両方と均一にかつ親密に結合させることによって、処方物が調製され、次いで、必要な場合、産物を形成する。

    非経口投与に適切な処方物としては、抗酸化物、緩衝液、静菌剤および意図されるレシピエントのために処方物を適切にする溶液を含み得る水性滅菌注入溶液または非水性滅菌注入溶液;および懸濁剤および濃化剤を含み得る水性滅菌注入溶液または非水性滅菌注入溶液が挙げられる。 処方物は、単位用量容器または複数用量容器(例えば、密封されたアンプル、バイアルまたはシリンジ)中に存在し得、そして、使用の直前に滅菌キャリア(例えば、注入用の水)の添加のみを必要とする凍結乾燥(親液性)状態で保存され得る。
    即席注入溶液および懸濁液は、滅菌散剤から調製され得る。 投与処方物は、本発明の多くのアルブミン融合タンパク質により示される拡張された血清半減期を供給する治療的タンパク質のための非融合標準処方物と比較して低いモル濃度またはより低い投与量で治療用タンパク質の一部を含み得る。

    例として、本発明のアルブミン融合タンパク質が、1つ以上の治療的タンパク質領域として表1の「治療タンパク質:X」欄に列挙されたタンパク質の1つを含む場合、天然hGHの半減期と比較して、延長された血清半減期およびアルブミン融合タンパク質の半減期を考慮する間、投与形態は、hGHの有効性に比例するアルブミン融合タンパク質の有効性に基づいて計算され得る。 成長ホルモンは、代表的に0.3〜30.0 IU/kg/週(例えば、0.9〜12.0 IU/kg/週)で投与され、1年またはそれ以上の間に、3つまたは7つに分けた投与量で与えられる。 完全長GHに融合する完全長HAからなるアルブミン融合タンパク質において、等しい用量は、単位という点で、因子のより大きな重量を示すが、投与回数は、減少され得る(例えば、1週間に2回、1週間に1回またはそれ以下)。

    本発明の処方物または組成物は、指示書またはアルブミン融合タンパク質成分の延長された半減期を言及する包装挿入物と共に包装され得るか、または共にキットに含まれ得る。 例えば、このような指示書または包装挿入物は、本発明のアルブミン融合タンパク質の延期されたか、または延長された半減期に考慮した、推薦の保存状態(例えば、時間、温度、および光)に注意を向け得る。 このような指示書または包装挿入物はまた、本発明のアルブミン融合タンパク質の特定の利点(例えば、野外において(調節された病院、診療所またはオフィス状態の外で)使用が求められ得る処方物のための保存の容易さ)に注意を向け得る。 上記のように、本発明の処方物は、水性形態であり得、そして治療的活性の有意な欠損のないが決して理想的ではない環境下で保存され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、栄養補助として含まれ得る。 例えば、本発明の特定のアルブミン融合タンパク質は、天然産物(アルブミン融合タンパク質を発現するトランスジェニック哺乳動物から得られる、乳、または乳製品)中に投与され得る。 このような組成物はまた、アルブミン融合タンパク質を発現するトランスジェニック植物から得られる、植物体または植物産物を含み得る。 アルブミン融合タンパク質はまた、他の公知の添加剤、キャリア、増量剤および希釈剤を有するか、または有さずに、粉末形態または錠剤形態で提供され得る。 栄養補助は、Scott Hegenhart,Food Product Design,Dec. 1993に記載される。

    本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリアにおいて、有効量の本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド(アルブミン融合ポリヌクレオチド)を被験体に投与することによって、疾患または障害(例えば、本明細書中に開示される任意の1以上の疾患または障害)を処置および/または予防する方法を提供する。

    アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを、個々の患者の臨床状態(特に、アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを単独で用いた処置の副作用)、送達部位、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ、医療実施基準(good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。 従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような考慮を行って決定される。

    一般的提案として、用量当り、非経口的に投与されるアルブミン融合タンパク質の合計薬学的有効量は、患者体重の、約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲にあるが、上記のようにこれは治療的裁量に委ねられる。 さらに好ましくは、このホルモンについて、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、最も好ましくはヒトに対して約0.01mg/kg/日と約1mg/kg/日との間である。 連続投与する場合、代表的には、アルブミン融合タンパク質を約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の投薬速度で1日に1〜4回の注射かまたは連続皮下注入(例えばミニポンプを用いる)のいずれかにより投与する。 静脈内用バッグ溶液もまた使用し得る。 変化を観察するために必要な処置期間および応答が生じる処置後の間隔は、所望の効果に応じて変化するようである。

    アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。 「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の製剤補助剤をいう。 本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドはまた、徐放性システムにより適切に投与される。 徐放性アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドの適切な例は、経口的、直腸内、非経口的、槽内、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによる)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与される。 「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の製剤補助剤をいう。 本明細書で用いる場合、用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。

    徐放性アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドのさらなる例としては、適切なポリマー材料(例えば、成形品の形態の半透過性ポリマーマトリックス(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル))、適切な疎水性材料(例えば、受容可能な油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂、および低可溶性誘導体(例えば、低可溶性塩)が挙げられる。

    徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidmanら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびLanger,Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレンビニルアセテート(Langerら、同書)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。

    徐放性アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドはまた、リポソームに封入された本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを含む(一般には、Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−BeresteinおよびFidler(編),Liss,New York,317−327頁および353−365頁(1989)を参照のこと)。 アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを含有するリポソームは、それ自体が公知である方法により調製される:DE3,218,121;Epsteinら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA)82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA)77:4030−4034(1980);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,641;日本国特許出願第83−118008号;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号;ならびにEP第102,324号。 通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択された割合が、最適な治療剤のために調整される。

    なおさらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、ポンプによって送達される(Langer,前出;Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら,Surgery 88:507(1980);Saudekら,N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照のこと)。

    他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−1533(1990))による総説において議論される。

    非経口投与のために、1つの実施形態において、一般に、アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、それを所望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適合するものと、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混合することにより処方される。 例えば、この処方物は、好ましくは、酸化剤、および治療剤に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。

    一般に、アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方と均一および緊密に接触させて処方物を調製する。 次に、必要であれば、生成物を所望の処方物に成形する。 好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。 このようなキャリアビヒクルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。 不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に本明細書において有用である。

    キャリアは、等張性および化学安定性を高める物質のような微量の添加剤を適切に含有する。 このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸および他の有機酸またはその塩類のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロースまたはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;および/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界面活性剤が挙げられる。

    アルブミン融合タンパク質は、代表的には約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで、このようなビヒクル中に処方される。 前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、ポリペプチド塩が形成されることが理解される。

    治療的投与に用いられる任意の医薬品は無菌状態であり得る。 滅菌濾過膜(例えば0.2ミクロンメンブレン)で濾過することにより無菌状態は容易に達成される。 一般に、アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注射針で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置される。

    アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、通常、単位用量または複数用量容器、例えば、密封アンプルまたはバイアルに、水溶液または再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵される。 凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌濾過した1%(w/v)アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチド水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。 凍結乾燥したアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを、注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調製する。

    特定かつ好ましい実施形態において、アルブミン融合タンパク質処方物は、0.01M リン酸ナトリウム、0.15mM 塩化ナトリウム、融合タンパク質1mg当たり0.16マイクロモル オクタン酸ナトリウム、15マイクログラム/ミリリットル ポリソルベート80、pH7.2を含む。 別の特定かつ好ましい実施形態において、アルブミン融合タンパク質処方物は、0.01M リン酸ナトリウム、0.15mM 塩化ナトリウム、融合タンパク質1mg当たり0.16マイクロモル オクタン酸ナトリウム、15マイクログラム/ミリリットル ポリソルベート80、pH7.2から成る。 pHおよび緩衝液は、生理学的条件に調合するように選択され、そして塩が、強壮剤として加えられる。 オクタン酸ナトリウムは、溶液中のタンパク質の熱安定性を増加するためにその報告された能力に起因して選択された。 最後に、ポリソルベートは、溶液の表面張力を低くし、そして容器密封系に対してアルブミン融合タンパク質の非特異的吸着を低くする遺伝子界面活性剤として加えられた。

    本発明はまた、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドの1つ以上の成分を満たした一つ以上の容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。 医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政府機関による承認を表す。 さらに、アルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを他の治療用化合物と組み合わせて使用し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、単独で、またはアジュバントと組み合わせて投与され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得るアジュバントとしては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:ミョウバン、ミョウバン+デオキシコール酸(ImmunoAg)、MTP−PE(Biocine Corp.)、QS21(Genentech,Inc.)、BCG(例えば、THERACYS(登録商標))、MPLおよびCorynebacterium parvumの生育不能調製物。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、ミョウバンと組み合わせて投与される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、QS−21と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得るさらなるアジュバントとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:モノホスホリル脂質免疫調節剤、AdjuVax 100a、QS−21、QS−18、CRL1005、アルミニウム塩、MF−59、およびVirosomalアジュバント技術。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得るワクチンとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:MMR(麻疹、流行性下腺炎,風疹)、ポリオ(polio)、水痘、破傷風/ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、B型インフルエンザ菌、百日咳(whooping cough)、肺炎、インフルエンザ、ライム病、ロタウイルス、コレラ、黄熱病、日本脳炎、ポリオ(poliomyelitis)、狂犬病、腸チフス、および百日咳(pertusis)に対する防御に指向するワクチン。 組み合わせは、例えば、混合物として同時に、別々であるが同時にもしくは並行して;または逐次的にかのいずれかで投与され得る。 これは、組み合わされた薬剤が治療混合物としてともに投与される提示を含み、そして組み合わせた薬剤が、別々であるが同時に(例えば、同じ個体へ別々の静脈ラインを通じての場合)投与される手順もまた含む。 「組み合わせ」投与は、第1に、続いて第2に与えられる化合物または薬剤のうちの1つを別々に投与することをさらに含む。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、単独で、または他の治療的薬剤と組み合わせて投与され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組合せて投与され得るアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチド薬剤としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:化学療法剤、抗生物質、ステロイド性および非ステロイド性の抗炎症剤、従来の免疫療法剤、ならびに/または以下に記載される治療処置。 組み合わせは、例えば、混合物として同時に、別々であるが同時にもしくは並行して;または逐次的にかのいずれかで投与され得る。 これは、組み合わされた薬剤が、治療混合物としてともに投与される説明を含み、そして組み合わせた薬剤が、別々であるが同時に(例えば、同じ個体へ別々の静脈ラインを通じての場合)投与される手順もまた含む。 「組み合わせ」投与は、第1に、続いて第2に与えられる化合物または薬剤のうちの1つを別々に投与することをさらに含む。

    一つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、反凝固薬と組み合わせて投与される。 本発明の組成物とともに投与され得る反凝固薬としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:ヘパリン、低分子量ヘパリン、ワルファリンナトリウム(例えば、COUMADIN(登録商標))、ジクマロール、4−ヒドロキシクマリン、アニシンジオン(例えば、MIRADON TM )、アセノクマロール(例えば、ニクマロン、SINTHROME TM )、インダン−1,3−ジオン、フェンプロクーモン(例えば、MARCUMAR TM )、エチルビスクマセテート(ethyl biscoumacetate)(例えば、TROMEXAN TM )、およびアスピリン。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、ヘパリンおよび/またはワルファリンと組み合わせて投与される。 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、ワルファリンと組み合わせて投与される。 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、ワルファリンおよびアスピリンと組み合わせて投与される。 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、ヘパリンと組み合わせて投与される。 別の実施形態において、本発明の組成物は、ヘパリンおよびアスピリンと組み合わせて投与される。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、血栓溶解薬物と組み合わせて投与される。 本発明の組成物と組み合わせて投与され得る血栓溶解薬物としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:プラスミノゲン、lys−プラスミノゲン、α2−抗プラスミン、ストレプトキナーゼ(例えば、KABIKINASE TM )、アンチリスプラーゼ(antiresplace)(例えば、EMINASE TM )、組織プラスミノゲン活性化剤(t−PA、アルテバーゼ(altevase)、ACTIVASE TM )、ウロキナーゼ(例えば、ABBOKINASE TM )、サウルプラーゼ(sauruplase)(プロウロキナーゼ、単鎖ウロキナーゼ)、およびアミノカプロ酸(例えば、AMICAR TM )。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、組織プラスミノゲン活性化剤およびアスピリンと組み合わせて投与される。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、抗血小板薬物と組み合わせて投与される。 本発明の組成物と組み合わせて投与され得る抗血小板薬物としては、アスピリン、ジピリダモール(例えば、PERSANTINE TM )、およびチクロピジン(例えば、TICLID TM )が挙げられるが、これらに限定されない。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせる抗凝固薬、血栓溶解薬物および/または抗血小板薬物の使用は、血栓症、動脈血栓症、静脈血栓症、血栓塞栓症、肺塞栓症、性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血(乏血)発作、不安定狭心症の妨害、診断および/または処置について企図される。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせる抗凝固薬、血栓溶解薬物および/または抗血小板薬物の使用は、血管形成手順を伴い得る肛門周囲の血栓症の危険性を減少するため、非リウマチ性動脈原線維性を含む動脈原線維性を有する患者内の脳卒中の危険性を減少するため、人工心臓バルブおよび/または僧帽弁のバルブ疾患に関連する塞栓症の危険性を減少するため、伏在の移植片の不顕性出血について企図される。 単独で、または抗血小板薬物、抗凝固薬および/または血栓溶解薬物と組み合わせての本発明の治療についての他の用途は、体外のデバイス(例えば、脈管内カニューレ、血液透析患者内の脈管アクセスシャウト、血液透析機器、および心肺バイパス機器)における不顕性出血の妨害が挙げられるが、これに限定されない。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素インヒビター(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(NNRTI)、および/またはプロテアーゼインヒビター(PI)と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得るNRTIとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:RETROVIR TM (ジドブジン/AZT)、VIDEX TM (ジダノシン/ddI)、HIVID TM (ザルシタビン/ddC)、ZERIT TM (スタブジン/d4T)、EPIVIR TM (ラミブジン/3TC)、およびCOMBIVIR TM (ジドブジン/ラミブジン)。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得るNNRTIとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:VIRAMUNE TM (ネビラピン)、RESCRIPTOR TM (デラビルジン)、およびSUSTIVA TM (エファビレンズ)。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得るプロテアーゼインヒビターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CRIXIVAN TM (インディナビル(indinavir))、NORVIR TM (リトナビル(ritonavir))、INVIRASE TM (サキナビル(saquinavir))、およびVIRACEPT TM (ネルフィナビル(nelfinavir))。 特定の実施形態において、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、および/またはプロテアーゼインヒビターは、AIDSを処置するため、および/またはHIV感染を予防もしくは処置するために、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとの任意の組み合わせで使用され得る。

    さらなるNRTIとしては、以下を含む:LODENOSINE TM (F−ddA;酸安定性アデノシンNRTI;Triangle/Abbott;COVIRACIL TM (エントリシタビン(emtricitabine)/FTC;構造的にラミブジン(lamivudine)(3TC)に関連があるが、インビトロで3〜10倍大きな活性を有する;Triangle/Abbott);dOTC(BCH−10652もまた構造的にラミブジンに関連があるが、ラミブジン耐性単離物の実質的な割合に対して活性を維持したままである;Biochem Pharma);Adefovir(FDAによって抗HIV治療に対する認可を拒絶された;Gilead Sciences);PREVEON(登録商標)(Adefovir Dipivoxil、アデホビル(adefovir)の活性なプロドラック;その活性形態はPMEA−ppである);TENOFOVIR TM (ビス−POC PMPA、PMPAプロドラック;Gilead);DAPD/DXG(DAPDの活性な代謝物;Triangle/Abbott);D−D4FC(3TCに関連し、AZT/3TC−耐性ウイルスに対する活性を有する);GW420867X(Glaxo Wellcome);ZIAGEN TM (アバカビル(abacavir)/159U89;Glaxo Wellcome Inc.);CS−87(3'アジド−2',3'−ジデオキシウリジン;WO99/66936);およびS−アシル−2−チオエチル(SATE)を保有するβ−L−FD4Cおよびβ−L−Fd
    dCのプロドラック形態(WO98/17281)。

    さらなるNNRTIとしては、以下が挙げられる:COACTINON TM (Emivirine/MKC−442、HEPTクラスの強力なNNRTI;Triangle/Abbott);CAPRAVIRINE TM (AG−1549/S−1153、K103N改変体を含むウイルスに対する活性を有する次世代のNNRTI;Agouron);PNU−142721(前駆体(delavirdine)よりも20〜50倍大きな活性を有し、そしてK103N変異体に対して活性である;Pharmacia & Upjohn);DPC−961およびDPC−963(エファビレンツ(efavirenz)の第二世代の誘導体、K103N変異を有するウイルスに対して活性であるように設計される;DuPont);GW−420867X(HBY097よりも25倍大きな活性を有し、そしてK103N変異体に対して活性である;Glaxo Wellcome);CALANOLIDE A(ラテックスの木由来の天然に存在する薬剤;Y181CおよびK103N変異のいずれかまたは両方を含むウイルスに対して活性);ならびにPropolis(WO99/49830)。

    さらなるプロテアーゼインヒビターとしては、以下が挙げられる:LOPINAVI TM (ABT378/r;Abbott Laboratories);BMS−232632(アザペプチド;Bristol−Myres Squibb);TIPRANAVIR TM (PNU−140690、非ペプシンジヒドロピロン;Pharmacia & Upjohn);PD−178390(非ペプチド性ジヒドロピロン;Parke−Davis);BMS 232632(アザペプチド;Bristol−Myers Squibb);L−756、423(インディナルビル(indinavir)アナログ;Merck);DMP−450(環状ウレア化合物;Avid & DuPont);AG−1776(プロテアーゼインヒビター耐性ウイルスに対するインビトロ活性を有するペプチド模倣物;Agouron);VX−175/GW−433908(アンプレナビル(amprenavir)のリン酸プロドラック;Vertex & Glaxo Welcome);CGP61755(Ciba);ならびにAGENERASE TM (アンプレナビル;Glaxo Wellcome Inc.)。

    さらなる抗レトロウイルス剤としては、融合インヒビター/gp41結合剤が挙げられる。 融合インヒビター/gp41結合剤としては、以下が挙げられる:T−20(HIV gp41膜貫通タンパク質外部ドメインの残基643−678由来のペプチド(休止期においてgp41と結合し、そして紡錘細胞状態に対する形質転換を防止する;Trimeris)ならびにT−1249(第2世代融合インヒビター;Trimeris)。

    さらなる抗レトロウイルス剤としては、融合インヒビター/ケモカインレセプターアンタゴニストが挙げられる。 融合インヒビター/ケモカインレセプターアンタゴニストとしては、以下が挙げられる:CXCR4アンタゴニスト(例えば、AMD 3100(ビシクラム(bicyclam)))、SDF−1およびそのアナログ、ならびにALX40−4C(カチオン性ペプチド)、T22(18個のアミノ酸ペプチド;Trimeris)ならびにT22アナログT134およびT140;CCR5アンタゴニスト(例えば、RANTES(9−68)、AOP−RANTES、NNY−RANTES、およびTAK−779);ならびにCCR5/CXCR4アンタゴニスト(例えば、NSC 651016(ジスタマイシンアナログ))。 CCR2B、CCR3、およびCCR6アンタゴニストがまた挙げられる。 ケモカインレセプターアゴニスト(例えば、RANTES、SDF−1、MIP−1α、MIP−1βなど)はまた、融合を阻害し得る。

    さらなる抗レトロウイルス剤は、インテグラーゼインヒビターを含む。 インテグラーゼインヒビターとしては、以下が挙げられる:ジカフェオイルキナ酸(DFQA);L−チコリ酸(ジカフェオイル酒石酸(DCTA));キナリザリン(QLC)および関連するアントラキノン;ZINTEVIR TM (AR 177、真のインテグラーゼインヒビターでなく細胞表面で恐らく作用するオリゴヌクレオチド;Arondex);ならびにナフトール(例えば、WO98/50347に記載されるナフトール)。

    さらなる抗レトロウイルス剤としては、以下が挙げられる:ヒドロキシウレア様化合物(例えば、BCX−34(プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター;Biocryst);リボヌクレオチドレダクターゼインヒビター(例えば、DIDOX TM (Molecules for Health));イノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)インヒビター(例えば、VX−497 (Vertex));ならびにマイコフォリック酸(mycopholic acid)(例えば、CellCept(マイコフェノラートモフェチル(mycophenolate mofetil);Roche)。

    さらなる抗レトロウイルス剤としては、以下が挙げられる:ウイルスインテグラーゼのインヒビター、ウイルスゲノム核転座のインヒビター(例えば、アリーレンビス(メチルケトン)化合物);HIV侵入のインヒビター(例えば、AOP−RANTES、NNY−RANTES、RANTES−IgG融合タンパク質、RANTESの溶解性複合体およびグリコサミノグリカン(GAG)、ならびにAMD−3100;ヌクレオカプシドジンクフィンガーインヒビター(例えば、ジチアン化合物;HIV TatおよびRevの標的;ならびに薬学的エンハンサー(例えば、ABT−378))。

    他の抗レトロウイルス治療剤および補助治療剤としては、以下が挙げられる:サイトカインおよびリンホカイン(例えば、MIP−1α、MIP−1β、SDF−1α、IL−2、PROLEUKIN TM (アデスロイキン(aldesleukin)/L2−7001;Chiron)、IL−4、IL−10、IL−12、およびIL−13);インターフェロン(例えば、IFN−α2a;TNFs、NFkB、GM−CSF、M−CSF、およびIL−10のアンタゴニスト);免疫活性を調節する薬剤(例えば、シクロスポリンおよびプレドニゾン(prednisone));ワクチン(例えば、Remune TM (HIV Immunogen)、APL 400−003(Apollon)、組換えgp120およびフラグメント、二価(B/E)組換えエンベロープ糖タンパク質、rgp120CM235、MN rgp120、SF−2rgp120、gp120/可溶性CD4錯体、Delta JR−FLタンパク質、不連続gp120 C3/C4ドメイン由来の分枝合成ペプチド、融合成分イムノゲン、ならびにGag、Pol、Nef、およびTatワクチン);遺伝子ベース治療剤(例えば、遺伝子抑制エレメント(GSE;WO98/54366)、およびイントラキン(intrakines)(新しく合成されたCCR5の表面発現を遮断するためにERに対して標的された、一般に改変されたCCケモカイン(Yangら、PNAS94:11567−72(1997);Chenら、Nat.Med.3:1110−16(1997));抗体(例えば、抗−CXCR4抗体12G5、抗−CCR5抗体2D7、5C7、PA8、PA9、PA10、PA11、PA12、およびPA14、抗−CD4抗体Q4120およびRPA−T4、抗−CCR3抗体7B11、抗−gp120抗体17b、48d、447−52D、257−D、268−Dおよび50.1、抗−Tat抗体、抗−TNF−α抗体、およびモノクローナル抗体33A);アリール炭化水素(AH)レセプターアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、TCDD、3,3',4,4',5−ペンタクロロビフェニル、3,3',4,4'−テトラクロロビフェニル、およびα−ナフトフラボン(WO98/302
    13));ならびに抗酸化剤(例えば、g−L−グルタミル−L−システインエチルエステル(g−GCE;WO99/56764)。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、抗ウイルス剤と組合せて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと共に投与され得る抗ウイルス剤としては、アシクロビル、リバビリン、アマンタジン、レマンチジン(remantidine)、マキサミン(maxamine)、またはチマルファシン(thymalfasin)が挙げられるが、これらに限定されない。 特に、インターフェロンアルブミン融合タンパク質は、これらの任意の薬剤と組み合わせて投与され得る。 さらに、インターフェロンαアルブミン融合タンパク質はまた、これらの任意の薬剤とともに投与され得、そして好ましくは、インターフェロンα2aまたは2bアルブミン融合タンパク質は、これらの任意の薬剤とともに投与される。 さらに、インターフェロンβアルブミン融合タンパク質はまた、これらの任意の薬剤とともに投与され得る。 さらに、任意のIFNハイブリッドアルブミン融合タンパク質はまた、これらの任意の薬剤と組み合わせて投与され得る。

    最も好ましい実施形態において、インターフェロンアルブミン融合タンパク質は、リバビリンと組み合わせて投与される。 さらに好ましい実施形態において、インターフェロンαアルブミン融合タンパク質は、リバビリンと組み合わせて投与される。 さらに好ましい実施形態において、インターフェロンα2aアルブミン融合タンパク質は、リバビリンと組み合わせて投与される。 さらに好ましい実施形態において、インターフェロンα2bアルブミン融合タンパク質は、リバビリンと組み合わせて投与される。 さらに好ましい実施形態において、インターフェロンβアルブミン融合タンパク質は、リバビリンと組み合わせて投与される。 さらに好ましい実施形態において、ハイブリッドインターフェロンアルブミン融合タンパク質は、リバビリンと組み合わせて投与される。

    他の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、抗日和見感染症薬剤と組み合わせて投与され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得る抗日和見感染症薬剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:TRIMETHOPRIM−SULFAMETHOXAZOLE TM 、DAPSONE TM 、PENTAMIDINE TM 、ATOVAQUONE TM 、ISONIAZID TM 、RIFAMPIN TM 、PYRAZINAMIDE TM 、ETHAMBUTOL TM 、RIFABUTIN TM 、CLARITHROMYCIN TM 、AZITHROMYCIN TM 、GANCICLOVIR TM 、FOSCARNET TM 、CIDOFOVIR TM 、FLUCONAZOLE TM 、ITRACONAZOLE TM 、KETOCONAZOLE TM 、ACYCLOVIR TM 、FAMCICOLVIR TM 、PYRIMETHAMINE TM 、LEUCOVORIN TM 、NEUPOGEN TM (フィルグラスチム(filgrastim)/G−CSF)、およびLEUKINE TM (サルグラモスチン(sargramostim)/GM−CSF)。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見Pneumocystis carinii肺炎感染を予防的に処置または予防するために、TRIMETHOPRIM−SULFAMETHOXAZOLE TM 、DAPSONE TM 、PENTAMIDINE TM 、および/またはATOVAQUONE TMとの任意の組み合わせで使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見Mycobacterium avium複合感染を予防的に処置または予防するために、ISONIAZID TM 、RIFAMPIN TM 、PYRAZINAMIDE TM 、および/またはETHAMBUTOL TMとの任意の組み合わせで使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見Mycobacterium tuberculosis感染を予防的に処置または予防するために、RIFABUTIN TM 、CLARITHROMYCIN TM 、および/またはAZITHROMYCIN TMとの任意の組み合わせで使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見サイトメガロウイルス感染を予防的に処置または予防するために、GANCICLOVIR TM 、FOSCARNET TM 、および/またはCIDOFOVIR TMとの任意の組み合わせで使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見真菌感染を予防的に処置または予防するために、FLUCONAZOLE TM 、ITRACONAZOLE TM 、および/またはKETOCONAZOLE TMとの任意の組み合わせで使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見単純ヘルペスウイルスI型および/またはII型感染を予防的に処置または予防するために、ACYCLOVIR TMおよび/またはFAMCICOLVIR TMとの任意の組み合わせで使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見Toxoplasma gondii感染を予防的に処置または予防するために、PYRIMETHAMINE TMおよび/またはLEUCOVORIN TMとの任意の組み合わせで使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、日和見細菌感染を予防的に処置または予防するために、LEUCOVORIN TMおよび/またはNEUPOGEN TMとの任意の組み合わせで使用される。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、抗生物質と組合せて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得る抗生物質としては、アモキシシリン、β−ラクタマーゼ、アミノグリコシド、β−ラクタム(糖ペプチド)、β−ラクタマーゼ、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、シプロフロキサシン、エリスロマイシン、フルオロキノロン、マクロライド、メトロニダゾール、ペニシリン、キノロン、ラパマイシン、リファンピン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(sulfamthoxazole)、およびバンコマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、免疫刺激剤と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得る免疫刺激剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:レバミゾ−ル(例えば、ERGAMISOL TM )、イソピリノサイン(isoprinosine)(例えば、INOSIPLEX TM )、インターフェロン(例えば、インターフェロンα)、およびインターロイキン(例えば、IL−2)。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、免疫抑制剤と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得る免疫抑制剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ステロイド、シクロスポリン、シクロスポリンアナログ、シクロホスファミド メチルプレドニゾン、プレドニゾン、アザチオプリン、FK−506、15−デオキシスペルグアリン(15−deoxyspergualin)、および応答するT細胞の機能を抑制することにより作用する他の免疫抑制剤。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得る他の免疫抑制剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:プレドニゾロン(predonisolone)、メトトレキサート、サリドマイド、メトキサレン、ラパマイシン、レフルノミド、ミゾリビン(BREDININ TM )、ブレキナル、デオキシスペルグアリン、およびアザスピラン(azaspirane)(SKF 105685)、ORTHOCLONE OKT(登録商標) 3(muromonab−CD3)、SANDIMMUNE TM 、NEORAL TM 、SANGDYA TM (シクロスポリン)、PROGRAF(登録商標)(FK506、タクロリムス(tacrolimus))、CELLCEPT(登録商標)(マイコフェノラートモフェチル(mycophenolate motefil),その活性な代謝産物は、ミコフェノール酸である)、IMURAN TM (アザチオプリン)、グルココルチコステロイド、副腎皮質ステロイド(例えば、DELTASONE TM (プレドニゾン)およびHYDELTRASOL TM (プレドニゾロン))、FOLEX TMおよびMEXATE TM (メトトレキサート)、OXSORALEN−ULTRA TM (メトトレキサレン)ならびにRAPAMUNE TM (シロリムス(sirolimus))。 特定の実施形態において、免疫抑制剤を使用して、器官移植または骨髄移植の拒絶を予防し得る。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、単独または1以上の静脈内免疫グロブリン調製物と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得る静脈内免疫グロブリン調製物としては、GAMMAR TM 、IVEEGAM TM 、SANDOGLOBULIN TM 、GAMMAGARD S/D TM ATGAM TM (抗胸腺細胞グロブリン(glubulin))およびGAMIMYNE TMが挙げられるが、これらに限定されない。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、移植治療(例えば、骨髄移植)において静脈内免疫グロブリン調製物と組み合わせて投与される。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、癌の治療のために、患者にインビボ、または細胞にインビトロのいずれかにおいて、単独で、または組み合わせ治療の一部として投与される。 特定の実施形態において、アルブミン融合タンパク質、特にIL−2−アルブミン融合は、癌についての消極的な免疫治療(例えば、Dudleyら、www.scienceexpress.orgでのScience Express、2002年9月19日(ここで、この全体は、参考として本明細書中で援用される)に記載されるような転移性メラノーマについての養子細胞転移治療)の間、繰り返し投与される。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、単独でかまたは抗炎症剤と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得る抗炎症剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:コルチコステロイド(例えば、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン)、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク ジフルニサル、エトドラク(etodolac)、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルルビフロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナメート(meclofenamate)、メフェナム酸、メロキシカム(meloxicam)、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸,およびトルメチン)、ならびに抗ヒスタミン剤、アミノアリールカルボン酸誘導体、アリール酢酸誘導体,アリール酪酸誘導体、アリールカルボン酸、アリールプロピオン酸誘導体、ピラゾール類,ピラゾロン類、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサミド、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザック、ベンジダミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、グアイアズレン(guaiazulene)、ナブメトン、ニメスリド(nimesulide)、オルゴテイン(orgotein)、オキサセプロール(oxaceprol)、パラニリン(paranyline)、ペリソキサール、ピフオキシム(pifoxime)、プロカゾン(proquazone)、プロキサゾール、およびテニダプ(tenidap)。

    さらなる実施形態において、本発明の組成物は、単独でかまたは抗脈管形成剤と組み合わせて投与される。 本発明の組成物と組み合わせて投与され得る抗脈管形成剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アンギオスタチン(Angiostatin)(Entremed,Rockville,MD)、トロポニン(Troponin)−1(Boston Life Sciences,Boston,MA)、抗侵襲性因子、レチノイン酸およびその誘導体、パクリタキセル(Taxol)、スラミン、メタロプロテイナーゼ−1の組織インヒビター、メタロプロテイナーゼ−2の組織インヒビター、VEGI、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター−1、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター−2および種々の形態のより軽い「d群」遷移金属。

    より軽い「d群」遷移金属には、例えばバナジウム、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブおよびタンタル種が挙げられる。 そのような遷移金属種は、遷移金属錯体を形成し得る。 上記の遷移金属種の適切な錯体としては、オキソ遷移金属錯体が挙げられる。

    バナジウム錯体の代表的な例としては、オキソバナジウム錯体(例えば、バナジン酸錯体およびバナジル錯体)が挙げられる。 適切なバナジン酸錯体としては、メタバナジン酸錯体およびオルトバナジン酸錯体(例えば、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウムおよびオルトバナジン酸ナトリウム)が挙げられる。 適切なバナジル錯体としては、例えば、バナジルアセチルアセトネート、ならびに硫酸バナジル一水和物および硫酸バナジル三水和物のような硫酸バナジル水和物を含む、硫酸バナジルが挙げられる。

    タングステン錯体およびモリブデン錯体の代表的な例としてはまた、オキソ錯体が挙げられる。 適切なオキソタングステン錯体としては、タングステン酸およびタングステンオキシド錯体が挙げられる。 適切なタングテン酸錯体としては、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸ナトリウム二水和物およびタングステン酸が挙げられる。 適切なタングステンオキシドとしては、タングステン(IV)オキシドおよびタングステン(VI)オキシドが挙げられる。 適切なオキソモリブデン錯体としては、モリブデン酸錯体、モリブデンオキシド錯体およびモリブデニル錯体が挙げられる。
    適切なモリブデン酸錯体としては、モリブデン酸アンモニウムおよびその水和物、モリブデン酸ナトリウムおよびその水和物、ならびにモリブデン酸カリウムおよびその水和物が挙げられる。 適切なモリブデンオキシドとしては、モリブデン(VI)オキシド、モリブデン(VI)オキシドおよびモリブデン酸が挙げられる。 適切なモリブデニル錯体としては、例えば、モリブデニルアセチルアセトネートが挙げられる。 他の適切なタングステン錯体およびモリブデン錯体としては、例えばグリセロール、酒石酸および糖由来のヒドロキソ誘導体が挙げられる。

    広範な種々の他の抗脈管形成因子もまた、本発明の状況において利用され得る。 代表的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:血小板因子4;硫酸プロタミン;硫酸化キチン誘導体(クイーンクラブ(queen crab)の殻から調製される)(Murataら、Cancer Res.51:22〜26、1991);硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(SP−PG)(この化合物の機能は、ステロイド(例えば、エストロゲン)およびクエン酸タモキシフェンの存在によって、増強され得る);スタウロスポリン;基質代謝のモジュレーター(例えば、プロリンアナログ、シスヒドロキシプロリン、d,L−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリン、α,α−ジピリジル,アミノプロピオニトリルフマレートを含む);4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン;メトトレキサート;ミトキサントロン;ヘパリン;インターフェロン;2マクログロブリン−血清;ChIMP−3(Pavloffら、J.Bio.Chem.267:17321〜17326、1992);キモスタチン(Tomkinsonら、Biochem J.286:475〜480、1992);シクロデキストリンテトラデカサルフェート;エポネマイシン(Eponemycin);カンプトセシン;フマギリン(Fumagillin)(Ingberら、Nature 348:555〜557、1990);チオリンゴ酸金ナトリウム(「GST」;MatsubaraおよびZiff、J.Clin.Invest.79:1440〜1446、1987);アンチコラゲナーゼ−血清;α2−抗プラスミン(Holmesら、J.Biol.Chem.262(4):1659〜1664、1987);ビサントレン(Bisantrene)(National Cancer Institute);ロベンザリット二ナトリウム(N−(2)−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸(chloroanthronilic acid)二ナトリウム、すなわち「CCA」;Takeuchiら、Agents Actions 36:312〜316、1992);およびメタロプロテイナーゼインヒビター(例えば、BB94)。

    本発明の状況においてまた、利用され得るさらなる抗脈管形成因子としては、サリドマイド(Celgene,Warren,NJ);血管拡張性ステロイド;AGM−1470(H.BremおよびJ.Folkman J Pediatr.Surg.28:445−51(1993));インテグリンαvβ3アンタゴニスト(C.Storgard ら.,J Clin.Invest.103:47−54(1999));カルボキシアミノイミダゾール(carboxynaminolmidazole);カルボキシアミドトリアゾール(CAI)(National Cancer Institute,Bethesda,MD);Conbretastatin A−4(CA4P)(OXiGENE,Boston,MA);Squalamine(Magainin Pharmaceuticals,Plymouth Meeting,PA);TNP−470,(Tap Pharmaceuticals,Deerfield,IL);ZD−0101 AstraZeneca(London,UK);APRA(CT2584);Benefin,Byrostatin−1(SC339555);CGP−41251(PKC 412);CM101;Dexrazoxane(ICRF187);DMXAA;エンドスタチン;Flavopridiol;Genestein;GTE;ImmTher;Iressa(ZD1839);Octreotide(ソマトスタチン);Panretin;Penacillamine;Photopoint;PI−88;Prinomastat(AG−3340)Purlytin;Suradista(FCE26644);タモキシフェン(Nolvadex);Tazarotene;テトラチオモリブデート;Xeloda(Capecitabine);および5−フルオロウラシルが挙げられる。

    本発明の化合物と組合わせて投与され得る抗脈管形成薬剤は、種々の機構を通じて作用し得、これらの機構としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:細胞外マトリックスのタンパク質分解の阻害、増殖因子のような脈管形成誘導因子の機能を拮抗することによる内皮細胞−細胞外マトリックス接着分子の機能のブロック、および増殖している内皮細胞において発現されるインテグリンレセプターの阻害。 細胞外マトリックスタンパク質分解を妨害し、そして本発明の組成物と組合わせて投与され得る抗脈管形成インヒビターの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:AG−3340(Agouron,La Jolla,CA)、BAY−12−9566(Bayer,West Haven,CT)、BMS−275291(Bristol Myers Squibb,Princeton,NJ)、CGS−27032A(Novartis,East Hanover,NJ)、Marimastat(British Biotech,Oxford,UK)およびMetastat(Aeterna,St−Foy,Quebec)。 内皮細胞−細胞外マトリックス接着分子の機能をブロックすることにより作用し、そして本発明の組成物と組合わせて投与され得る抗脈管形成インヒビターの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:EMD−121974(Merck KcgaA Darmstadt,Germany)およびVitaxin(Ixsys,La Jolla,CA/Medimmune,Gaithersburg,MD)。 脈管形成誘導因子と直接拮抗するかまたはこの誘導因子を阻害することにより作用し、そして本発明の組成物と組合わせて投与され得る抗脈管形成薬剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Angiozyme(Ribozyme,Boulder,CO)、抗VEGF抗体(Genentech,S.San Francisco,CA)、PTK−787/ZK−225846(Novartis,Basel,Switzerland)、SU−101(Sugen,S.San Francisco,CA)、SU−5416(Sugen/Pharmacia Upjohn,Bridgewater,NJ)、およびSU−6668(Sugen)。 他の抗脈管形成薬剤は、脈管形成を間接的に阻害するように作用する。 本発明の組成物と組合わせて投与され得る脈管形成の間接的インヒビターの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:IM−862(Cytran,Kirkland,WA)、インターフェロン−α、IL−12(Roche,Nutley,NJ)、およびペントサンポリスルフェート(Georgetown University,Washington,DC)。

    特定の実施形態において、抗脈管形成薬剤と組み合わせた本発明の組成物の使用は、自己免疫疾患(例えば、本明細書中に記載の自己免疫疾患)の処置、予防、および/または回復のために企図される。

    特定の実施形態において、抗脈管形成薬剤と組み合わせた本発明の組成物の使用は、関節炎の処置、予防、および/または回復のために企図される。 さらに特定の実施形態において、抗脈管形成薬剤と組み合わせた本発明の組成物の使用は、慢性関節リウマチの処置、予防、および/または回復のために企図される。

    別の実施形態において、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、脈管形成タンパク質または脈管形成タンパク質をコードするポリヌクレオチドと組み合わせて投与される。 本発明の組成物と共に投与され得る脈管形成タンパク質の例としては、酸性および塩基性の線維芽細胞増殖因子、VEGF−1、VEGF−2、VEGF−3、上皮増殖因子αおよび表皮増殖因子β、血小板由来内皮細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、コロニー刺激因子、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子、ならびに一酸化窒素シンターゼが挙げられるがこれらに限定されない。

    さらなる実施形態において、本発明の組成物は、化学療法剤と組み合わせて投与される。 本発明の治療剤と共に投与され得る化学療法剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、シクロホスファミド イホスファミド(Ifosfamide)、メルファラン(L−サルコリシン)、およびクロランブシル)、エチレンイミン類およびメチルメラミン類(例えば、ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、アルキルスルホネート類(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア類(例えば、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル−CCNU)、およびストレプトゾシン(ストレプトゾトシン(streptozotocin))、トリアゼン類(例えば、ダカルバジン(DTIC;ジメチルトリアゼノイミダゾールカルボキサミド))、葉酸アナログ(例えば、メトトレキサート(アメトプテリン))、ピリミジンアナログ(例えば、フルオロウラシル(5−フルオロウラシル;5−FU)、フロクスウリジン(Floxuridine)(フルオロデオキシウリジン;FudR)、およびシタラビン(シトシンアラビノシド))、プリンアナログおよび関連インヒビター(例えば、メルカプトプリン(6−メルカプトプリン;6−MP)、チオグアニン(6−チオグアニン;TG)、およびペントスタチン(2'−デオキシコホルマイシン(deoxycoformycin)))、ビンカアルカロイド類(例えば、ビンブラスチン(VLB、硫酸ビンブラスチン))およびビンクリスチン(硫酸ビンクリスチン))、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン(マイトマイシンC)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、生物学的応答改変剤(例えば、インターフェロン−αおよびインターフェロン−α−2b)、白金配位化合物(例えば、シスプラチン(cis−DDP)およびカルボプラチン)、アントラセンジオン(ミトキサントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン(N−メチルヒドラジン;MIH)、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、および酢酸メゲストロール)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール(DES)、ジエチルスチルベストロールジホスフェート、エストラジオール、およびエチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(テストステロンプロプリオネート(Testosterone proprionate)、およびフルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ(例えば、ロイプロリド)、その他のホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、メチルテストステロン、エストラムスチン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、クロロトリアニセン、およびテストラクトン)、ならびにその他(例えば、ジカルバジン、グルタミン酸、およびミトタン)。

    1つの実施形態において、本発明の組成物は、1以上の次の薬物と組み合わせて投与され得る:infliximab(Remicade TM Centocor、Inc.としても公知)、Trocade(Raoche,RO−32−3555)、Leflunomide(Hoechst Marion Roussel製のArava TMとしても公知)、Kineret TM (Amgen、Inc.製のAnakinraとしても公知である、IL−1レセプターアンタゴニスト)。

    特定の実施形態において、本発明の組成物は、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾン)と組み合わせて投与されるか、CHOPの1以上の成分の組み合わせで投与される。 1つの実施形態において、本発明の組成物は、抗CD−20抗体(ヒトモノクローナル抗CD20抗体)と組み合わせて投与される。 別の実施形態において、本発明の組成物は、抗CD20抗体およびCHOPと組み合わせて投与されるか、または抗CD20抗体ならびにCHOPの1以上の成分(特定のシクロホスファミドおよび/またはプレドニゾン)の任意の組合せで投与される。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、Rituximabと組み合わせて投与される。 さらなる実施形態において、本発明の組成物は、RituxmabおよびCHOPと共に、またはRituxmabおよびCHOPの1以上の成分(詳細には、シクロホスファミドおよび/またはプレドニゾン)の任意の組み合わせと共に投与される。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、tositumomabと組み合わせて投与される。 さらなる実施形態において、本発明の組成物は、tositumomabおよびCHOPと共に、またはtositumomabおよびCHOPの1以上の成分(詳細には、シクロホスファミドおよび/またはプレドニゾン)の任意の組合せと共に投与される。 抗CD20抗体は、必要に応じて、放射性同位体、毒素または細胞毒性薬物に結合し得る。

    別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、Zevalin TMとの組合せで投与される。 さらなる実施形態において、本発明の組成物は、Zevalin TMおよびCHOPと共に、またはZevalin TMおよびCHOPの成分(詳細には、シクロホスファミドおよび/またはプレドニゾン)の1以上の任意の組み合わせと共に投与される。
    Zevalin TMは、1以上の放射性同位体と結合し得る。 特に好ましい同位体は、 90 Yおよび111 Inである。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、サイトカインと組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得るサイトカインとしては、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL10、IL12、IL13、IL15、抗CD40、CD40L、IFN−γおよびTNF−αが挙げられるが、これらに限定されない。 別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、任意のインターロイキン(IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20およびIL−21を含むが、これらに限定されない)と共に投与され得る。

    1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、TNFファミリーのメンバーと組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得るTNF分子、TNF関連分子またはTNF様分子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:可溶性形態のTNF−α、リンホトキシン−α(LT−α、TNF−βとしても公知)、LT−β(複合ヘテロトリマーLT−α2−β中に見出される)、OPGL、FasL、CD27L、CD30L、CD40L、4−1BBL、DcR3、OX40L、TNF−γ(国際公開番号WO96/14328)、AIM−I(国際公開番号WO97/33899)、エンドカイン−α(国際公開番号WO98/07880)、OPG、およびニュートロカイン−α(国際公開番号WO98/18921)、OX40、および神経成長因子(NGF)、ならびに可溶性形態のFas、CD30、CD27、CD40および4−IBB、TR2(国際公開番号WO96/34095)、DR3(国際公開番号WO97/33904)、DR4(国際公開番号WO98/32856)、TR5(国際公開番号WO98/30693)、TRANK、TR9(国際公開番号WO98/56892)、TR10(国際公開番号WO98/54202)、312C2(国際公開番号WO98/06842)、およびTR12、ならびに可溶性形態のCD154、CD70、およびCD153。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、脈管形成タンパク質と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得る脈管形成タンパク質としては、欧州特許EP−399816に開示されるような神経膠腫誘導増殖因子(Gilioma Derived Growth Factor)(GDGF);欧州特許EP−682110に開示されるような血小板誘導増殖因子−A(PDGF−A);欧州特許EP−282317に開示されるような血小板誘導増殖因子−B(PDGF−B);国際公開番号WO92/06194号に開示されるような胎盤増殖因子(PIGF);Hauserら、Gorwth Factors、4:259−268(1993)に開示されるような胎盤増殖因子−2(PIGF−2);国際公開番号WO90/13649号に開示されるような血管内皮増殖因子(VEGF);欧州特許EP−506477に開示されるような血管内皮増殖因子−A(VEGF−A);国際公開番号WO96/39515号に開示されるような血管内皮増殖因子−2(VEGF−2);血管内皮増殖因子−B(VEGF−3);国際公開番号WO96/26736号に開示されるような血管内皮増殖因子B−186(VEGF−B186);国際公開番号WO98/02543号に開示されるような血管内皮増殖因子−D(VEGF−D);国際公開番号WO98/07832号に開示されるような血管内皮増殖因子−D(VEGF−D);およびドイツ国特許DE19639601に開示されるような血管内皮増殖因子−E(VEGF−E)が挙げられるが、これらに限定されない。 上記の参考文献は、本明細書でその全体が参考として援用される。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、線維芽細胞増殖因子と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドとともに投与され得る線維芽細胞増殖因子としては、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FGF−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、FGF−12、FGF−13、FGF−14、およびFGF−15が挙げられるが、これらに限定されない。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、造血増殖因子と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと共に投与され得る造血増殖因子としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)(サルグラモスチン(sargramostim)、LEUKINE TM 、PROKINE TM )、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)(フィルグラスチン(filgrastim)、NEUPOGEN TM )、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF、CSF−1)エリトロポイエチン(エポエチンα、EPOGEN TM 、PROCRIT TM )、幹細胞因子(SCF、c−kitリガンド、スチール因子(steel factor))、巨核球コロニー刺激因子、PIXY321(GMCSF/IL−3融合タンパク質)、インターロイキン(特に、IL−1〜IL−12のうちの任意の1つ以上)、インターフェロンγ、またはトロンボポエチン(thrombopoietin)。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、アドレナリン作動遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、およびチモロールと組み合わせて投与される。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、抗不整脈薬(例えば、アデノシン、アミドアロン(amidoarone)、ブレチリウム、ジギタリス、ジゴキシン、ジギトキシン、ジリアゼン(diliazem)、ジソピラミド、エスモロール、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン(moricizine)、フェニトイン、プロカインアミド、N−アセチルプロカインアミド、プロパフェノン、プロプラノロール、キニジン、ソタロール、トカイニド、およびベラパミル)と組み合わせて投与される。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、利尿薬(例えば、カルボニックアンヒドラーゼ−阻害剤(例えば、アセタゾラミド、ジクロルフェナミド、およびメタゾルアミド)、浸透圧性利尿薬(例えば、グリセリン、イソソルビド、マンニトール、および尿素)、Na −K −2Cl シンポートを阻害する利尿薬(例えば、フロセミド、ブメタニド、アゾセミド、ピレタニド、トリパミド、エタクリン酸、ムゾリミン、およびトルセミド)、チアジドおよびチアジド様利尿薬(例えば、ベンドロフルメチアジド、ベンズチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、トリコルメチアジド(trichormethiazide)、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、およびキネサゾン(quinethazone))、カリウム保持性利尿薬(例えば、アミロライドおよびトリアムテレン)、ならびに鉱質コルチコイドレセプターアンタゴニスト(例えば、スピロノラクトン、カンレノン、およびカンレノ酸カリウム)と組み合わせて投与される。

    1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、内分泌物および/またはホルモン不均衡障害のための処置と組み合わせて投与される。 内分泌物および/またはホルモン不均衡障害のための処置としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない: 127 I、ヨウ素の放射性同位体(例えば、 131 Iおよび123 I);組換え成長ホルモン(例えば、HUMATROPE TM (組換えソマトロピン);成長ホルモンアナログ(例えば、PROTROPIN TM (ソマトレム));ドーパミンアゴニスト(例えば、PARLODEL TM (ブロモクリプチン);ソマトスタチンアナログ(例えば、SANDOSTATIN TM (オクトレオチド);ゴナドトロピン調製物(例えば、PREGNYL TM 、A.P.L. TMおよびPROFASI TM (絨毛性ゴナドトロピン(CG))、PERGONAL TM (メノトロピン)、およびMETRODIN TM (尿性卵胞性刺激ホルモン(uFSH));合成ヒトゴナドトロピン放出ホルモン調製物(例えば、FACTREL TMおよびLUTREPULSE TM (塩酸ゴナドレリン);合成ゴナドトロピンアゴニスト(例えば、LUPRON TM (酢酸ロイプロリド)、SUPPRELIN TM (酢酸ヒストレリン(histrelin))、SYNAREL TM (酢酸ナファレリン)、およびZOLADEX TM (酢酸ゴセレリンe);甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの合成調製物(例えば,RELEFACT TRH TMおよびTHYPINONE TM (プロチレリン);組換えヒトTSH(例えば、THYROGEN TM );甲状腺ホルモンの天然異性体のナトリウム塩の合成調製物(例えば、L−T TM 、SYNTHROID TMおよびLEVOTHROID TM (レボチロキシンナトリウム)、L−T TM 、CYTOMEL TMおよびTRIOSTAT TM (リオチロインナトリウム(liothyroine sodium))、およびTHYROLAR TM (リオトリックス));抗甲状腺化合物(例えば、6−n−プロピルチオウラシル(プロピルチオウラシル)、1−メチル−2−メルカプトイミダゾールおよびTAPAZOLE TM (メチマゾール)、NEO−MERCAZOLE TM (カルビマゾール);β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト(例えば、プロプラノロールおよびエスモロール);Ca 2+チャネル遮断薬;デキサメタゾンおよびヨウ素化放射線造影剤(例えば、TELEPAQUE TM (ヨーパン酸(iopanoic acid))およびORAGRAFIN TM (イポダートナトリウム(sodium ipodate))。

    内分泌物および/またはホルモン不均衡障害のさらなる処置としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:エストロゲンまたは結合型エストロゲン(例えば、ESTRACE TM (エストラジオール)、ESTINYL TM (エチニルエストラジオール)、PREMARIN TM 、ESTRATAB TM 、ORTHO−EST TM 、OGEN TMおよびエストロピペート(estropipate)(エストロン)、ESTROVIS TM (キネストロール)、ESTRADERM TM (エストラジオール)、DELESTROGEN TMおよびVALERGEN TM (吉草酸エストラジオール)、DEPO−ESTRADIOL CYPIONATE TMおよびESTROJECT LA TM (サイピオン酸(cypionate)エストラジオール));抗エストロゲン(例えば、NOLVADEX TM (タモキシフェン)、SEROPHENE TMおよびCLOMID TM (クロミフェン);プロゲスチン(例えば、DURALUTIN TM (カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン)、MPA TMおよびDEPO−PROVERA TM (酢酸メドロキシプロゲステロン)、PROVERA TMおよびCYCRIN TM (MPA)、MEGACE TM (酢酸メゲストロール)、NORLUTIN TM (ノルエチンドロン)、ならびにNORLUTATE TMおよびAYGESTIN TM (酢酸ノルエチンドロン));プロゲステロンインプラント(例えば、NORPLANT SYSTEM TM (ノルゲストレルの皮下移植物));抗黄体ホルモン(例えば、RU 486 TM (ミフェプリストン);ホルモン性避妊薬(例えば、ENOVID TM (ノルエチノドレル+メストラノール)、PROGESTASERT TM (プロゲステロンを放出する子宮内デバイス)、LOESTRIN TM 、BREVICON TM 、MODICON TM 、GENORA TM 、NELONA TM 、NORINYL TM 、OVACON−35 TMおよびOVACON−50 TM (エチニルエストラジオール/ノルエチンドロン)、LEVLEN TM 、NORDETTE TM 、TRI−LEVLEN TMおよびTRIPHASIL−21 TM (エチニルエストラジオール/レボノルゲストレル(levonorgestrel)LO/OVRAL TMおよびOVRAL TM (エチニルエストラジオール/ノルゲストレル)、DEMULEN TM (エチニルエストラジオール/二酢酸エチノジオール)、NORINYL TM 、ORTHO−NOVUM TM 、NORETHIN TM 、GENORA TM 、およびNELOVA TM (ノルエチンドロン/メストラノール)、DESOGEN TMおよびORTHO−CEPT TM (エチニルエストラジオール/デスゲストレル)、ORTHO−CYCLEN TMおよびORTHO−TRICYCLEN TM (エチニルエストラジオール/ノルゲスチメート(norgestimate))、MICRONOR TMおよびNOR−QD TM (ノルエチンドロン)、ならびにOVRETTE TM (ノルゲストレル))。

    内分泌物および/またはホルモン不均衡障害のためのさらなる処置としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:テストステロンエステル類(例えば、酢酸メテノロンおよびウンデカン酸テストステロン;非経口および経口アンドロゲン(例えば、TESTOJECT−50 TM (テストステロン)、TESTEX TM (プロピオン酸テストステロン)、DELATESTRYL TM (テストステロンエナンタート)、DEPO−TESTOSTERONE TM (サイピオン酸テストステロン)、DANOCRINE TM (ダナゾール)、HALOTESTIN TM (フルオキシメステロン)、ORETON METHYL TM 、TESTRED TMおよびVIRILON TM (メチルテストステロン)、およびOXANDRIN TM (オキサンドロロン(oxandrolone));テストステロン経皮系(例えば、TESTODERM TM );アンドロゲンレセプターアンタゴニストおよび5−α−レダクターゼインヒビター(例えば、ANDROCUR TM )(酢酸シプロテロン)、EULEXIN TM (フルタミド)、およびPROSCAR TM (フィナステリド);副腎皮質刺激ホルモン調製物(例えば、CORTROSYN TM (コシントロピン);副腎皮質ステロイドおよびその合成アナログ(例えば、ACLOVATE TM )(ジプロピオン酸アルクロメタゾン)、CYCLOCORT TM (アムシノニド)、BECLOVENT TMおよびVANCERIL TM (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、CELESTONE TM (ベタメタゾン)、BENISONE TMおよびUTICORT TM (安息香酸ベタメタゾン)、DIPROSONE TM (ジプロピオン酸ベタメタゾン)、CELESTONE PHOSPHATE TM (ベタメタゾンリン酸ナトリウム)、CELESTONE SOLUSPAN TM (ベタメタゾンリン酸ナトリウムおよび酢酸塩)、BETA−VAL TMおよびVALISONE TM (吉草酸ベタメタゾン)、TEMOVATE TM (プロピオン酸クロベタゾール)、CLODERM TM (ピバル酸クロコルトロン)、CORTEF TMおよびHYDROCORTONE TM (コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、HYDROCORTONE ACETATE TM (酢酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、LOCOID TM (酪酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、HYDROCORTONE PHOSPHATE TM (コルチゾール(ヒドロコルチゾン)リン酸ナトリウム)、A−HYDROCORT TMおよびSOLU CORTEF TM (コルチゾール(ヒドロコルチゾン)コハク酸ナトリウム)、WESTCORT TM (吉草酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン))、CORTISONE ACETATE TM (酢酸コルチゾン)、DESOWEN TMおよびTRIDESILON TM (デソニド)、TOPICORT TM (デスオキシメタゾン)、DECADRON TM (デキサメタゾン)、DECADRON LA TM (酢酸デキサメタゾン)、DECADRON PHOSPHATE TMおよびHEXADROL PHOSPHATE TM (デキサメタゾンリン酸ナトリウム、FLORONE TMおよびMAXIFLOR TM (ジ酢酸ジフロラゾン)、FLORINEF ACETATE TM (酢酸フルドロコルチゾン)、AEROBID TMおよびNASALIDE TM (フルニソリド)、FLUONID TMおよびSYNALAR TM (フルオシノロンアセトニド)、LIDEX TM (フルオシノニド)、FLUOR−OP TMおよびFML TM (フルオロメトロン)、CORDRAN TM (フルランドレノリド)、HALOG TM (ハルシノニド)、HMS LIZUIFILM TM (メドリゾン)、MEDROL TM (メチルプレドニゾロン)、DEPO−MEDROL TMおよびMEDROL ACETATE TM (酢酸メチルプレドニゾン)、A−METHAPRED TMおよびSOLUMEDROL TM (メチルプレドニゾロンコハク酸ナトリウム)、ELOCON TM (モメタゾンフロエート(memotasone furoate))、HALDRONE TM (酢酸パラメタゾン)、DELTA−CORTEF TM (プレドニゾロン)、ECONOPRED TM (酢酸プレドニゾロン)、HYDELTRASOL TM (プレドニゾロンリン酸ナトリウム)、HYDELTRA−T. B. A TM (プレドニゾロンテブテート(prednisolone tebutate))、DELTASONE TM (プレドニゾン)、ARISTOCORT TMおよびKENACORT TM (トリアムシノロン(triamcinolone))、KENALOG TM (トリアムシノロンアセトニド)、ARISTOCORT TMおよびKENACORT DIACETATE TM (トリアムシノロンジアセテート)、ならびにARISTOSPAN TM (トリアムシノロンヘキサアセトニド);副腎皮質ステロイドの生合成および作用のインヒビター(例えば、CYTADREN TM (アミノグルテチミド)、NIZORAL TM (ケトコナゾール)、MODRASTANE TM (トリロスタン)、およびMETOPIRONE TM (メチラポン);ウシ、ブタまたはヒトのインスリンまたはその混合物;インスリンアナログ;組換えヒトインスリン(例えば、HUMULIN TMおよびNOVOLIN TM );経口血糖降下剤(例えば、ORAMIDE TMおよびORINASE TM (トルブタミド)、DIABINESE TM (クロルプロパミド)、TOLAMIDE TMおよびTOLINASE TM (トラザミド)、DYMELOR TM (アセトヘキサミド)、グリベンクラミド、MICRONASE TM 、DIBETA TMおよびGLYNASE TM (グリブリド)、GLUCOTROL TM (グリピジド)、およびDIAMICRON TM (グリクラジド)、GLUCOPHAGE TM (メトホルミン)、シグリタゾン、ピオグリタゾン、およびα−グルコシダーゼインヒビター;ウシまたはブタのグルカゴン;ソマトスタチン(例えば、SANDOSTATIN TM (オクトレオチド);ならびにジアゾキシド(例えば、PROGLYCEM TM (ジアゾキシド))。

    1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、子宮運動性障害のための処置と共に投与される。 子宮運動性障害のための処置としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:エストロゲン薬剤(例えば、結合型エストロゲン(例えば、PREMARIN(登録商標)およびESTRATAB(登録商標))、エストラジオール(例えば、CLIMARA(登録商標)およびALORA(登録商標))、エストロピペート(estropipate)、およびクロロトリアニセン);プロゲスチン薬剤(例えば、AMEN(登録商標)(メドロキシプロゲステロン)、MICRONOR(登録商標)(酢酸ノルエチンドロン(norethidrone acetate))、PROMETRIUM(登録商標)プロゲステロン、および酢酸メゲストロール);ならびにエストロゲン/プロゲステロンの組合せ治療剤(例えば、結合型エストロゲン/メドロキシプロゲステロン(例えば、PREMPRO TMおよびPREMPHASE(登録商標))および酢酸ノルエチンドロン/エチニルエストラジオール(例えば、FEMHRT TM )。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、鉄欠乏症および低色素性貧血を処置する際に有効な薬物と組み合わせて投与される。 これらの薬物としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:硫酸第一鉄(硫酸鉄、FEOSOL TM )、フマル酸第一鉄(例えば、FEOSTAT TM )、グルコン酸第一鉄(例えば、FERGON TM )、ポリサッカリド−鉄複合体(例えば、NIFEREX TM )、鉄デキストラン注射剤(例えば、INFED TM )、硫酸第二銅、ピロキシジン、リボフラビン、ビタミンB 12 、シアノコバラミン注射剤(例えば、REDISOL TM 、RUBRAMIN PC TM )、ヒドロキソコバラミン、葉酸(例えば、FOLVITE TM )、ロイコボリン(ホリニン酸、5−CHOH4PteGlu、シトロボラム因子)またはWELLCOVORIN(ロイコボリンのカルシウム塩)、トランスフェリンまたはフェリチン。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、精神医学的障害を処置するために使用される薬剤と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと共に投与され得る精神医学的薬物としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:抗精神病薬(例えば、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、オランザピン、ペルフェナジン、ピモジド、クエチアピン、リスペリドン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、およびトリフルプロマジン)、抗躁薬(例えば、カルバマゼピン、ジバルプロックスナトリウム(divalproex sodium)、炭酸リチウム、およびクエン酸リチウム)、抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン(bupropion(アムフェブタモン))、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、フルボキサミン、フルオキセチン、イミプラミン、イソカルボキサジド、マプロチリン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フェネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、およびベンラファキシン)、抗不安薬(例えば、アルプラゾラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、およびプラゼパム)、ならびに興奮薬(例えば、d−アンフェタミン、メチルフェニデート、およびペモリン)。

    他の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、神経学的障害を処置するために使用される薬剤と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと共に投与され得る神経学的薬剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:鎮痙薬(例えば、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトスクシミド、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、チアガビン(tiagabine)、トピラマート、ゾニサミド、ジアゼパム、ロラゼパム、およびクロナゼパム)、抗振せん麻痺薬(例えば、レボドパ/カルビドパ、セレジリン、アマンチジン(amantidine)、ブロモクリプチン、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、ベンズトロピン;ビペリデン;エトプロパジン;プロシクリジン;トリヘキシフェニジル、トルカポン(tolcapone))、およびALS治療薬(例えば、リルゾール(riluzole))。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、血管拡張剤および/またはカルシウムチャネル遮断薬と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと共に投与され得る血管拡張剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)インヒビター(例えば、パパベリン、イソクスプリン、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、トランドラプリル、およびニリドリン)ならびに硝酸塩(例えば、イソソルビドジニトレート、イソソルビジドモノニトレート、およびニトログリセリン)。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと組み合わせて投与され得るカルシウムチャネルブロッキング薬剤の例としては、アムロジピン、ベプリジル、フェロジピン、フルナリジン、イスラジピン、ニカルジピン、ニモジピン、およびベラパミルが挙げられるが、これらに限定されない。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、胃腸障害に対する処置と組み合わせて投与される。 本発明のアルブミン癒合タンパク質および/またはポリヌクレオチドと共に投与され得る胃腸障害の処置剤としては、H ヒスタミンレセプターアンタゴニスト(例えば、TAGAMET TM (シメチジン)、ZANTAC TM (ラニチジン)、PEPCID TM (ファモチジン)、およびAXID TM (ニザチジン));H 、K ATPase(例えば、PREVACID TM )およびPRILOSEC TM (オメプラゾール));ビスマス化合物(例えば、PEPTO−BISMOL TM (ビスマスサブサリシレート)およびDE−NOL(ビスマスサブシトレートTM ));種々の制酸剤;スクラルフェート;プロスタグランジンアナログ(例えば、CYTOTEC TM (ミソプロストール));ムスカリンコリンアンタゴニスト;緩下剤(例えば、表面緩下剤、刺激緩下剤、生理食塩水および浸透性緩下剤);抗下痢剤(例えば、LOMOTIL TM (ジフェノキシレート)、MOTOFEN TM (ジフェノキシン)、およびIMODIUM TM (ロペルアミド塩化水素))、ソマトスタチンの合成アナログ(例えば、SANDOSTATIN TM (オクトレオチド)、抗嘔吐剤(例えば、ZOFRAN TM (オンダンセトロン)、KYTRIL TM (グラニセトロン塩化水素)、トロピセトロン、ドラセトロン、メトクロプラミド、クロロプロマジン、ペルフェナジン、プロクロペラジン、プロメタジン、チエチルペラジン、トリフルプロマジン、ドンペリドン、ハロペリドール、ドロペリドール、トリメトベンザミド、デキサメサゾン、メチルプレドニソロン、ドロナビノール、およびナビロン);D2アンタゴニスト(メトクロプラミド、トリメトベンザミドおよびクロロプロマジン);胆汁塩;ケノデオキシコリン酸;ウルソデオキシコリン酸;および膵臓酵素調製物(例えば、膵臓および膵臓リパーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。

    さらなる実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、他の治療レジメンまたは予防レジメン(例えば、放射線治療)と組み合わせて投与される。

    本発明はまた、薬学的組成物(本発明のアルブミン融合タンパク質を含む)の1つ以上の成分で埋められる、1つ以上の内容物を含む薬学的パックまたはキットを提供する。 このような容器に付随するものは、薬学的製品および生物学的製品の製造、使用または販売を制御する政府機関に指示された形態の注意書きであり得、この注意書きは、ヒト投与物の製造、使用または販売の機関による承認を反映する。

    (遺伝子治療)
    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする構築物は、遺伝子治療プロトコールの一部として使用され得、アルブミン融合タンパク質の治療有効投与量を送達し得る。 核酸の、細胞へのインビボ導入に関する好ましいアプローチは、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする核酸を含む、ウイルスベクターの使用による。 ウイルスベクターを用いる細胞の導入は、標的細胞の大きな集団が、核酸を受け取り得るという利点を有する。
    さらに、ウイルスベクター内にコードされる分子(例えば、ウイルスベクター内に含まれたcDNAとして)は、ウイルスベクター核酸を得た細胞内で効果的に発現される。

    レトロウイルスベクターおよびアデノウイルスベクターは、アルブミン融合タンパク質をインビボでコードする外来性核酸分子の輸送のための組換え遺伝子送達系として使用され得る。 これらのベクターは、細胞内への有効な核酸の送達を提供し、そして輸送された核酸は、宿主の染色体DNAに安定して組み込まれる。 複製欠損レトロウイルスのみを生成する特異化細胞株(「パッケージ細胞」と名付けられた)の開発は、遺伝子治療に対する、レトロウイルスの有用性を高め、そして欠損レトロウイルスは、遺伝子治療の目的に対する、遺伝子輸送における使用に対し、特徴付けられる(例えば、Miller,(A.D.(1990)Blood 76:27 1を参照のこと)。複製欠損レトロウイルスは、ビリオン(標準技術により、ヘルパーウイルスの使用を介して、標的細胞を感染させるために使用され得る)に閉じ込められ得る。組換えレトロウイルスを生成するため、およびインビボまたはインビトロで、このようなウイルスで細胞を感染させるプロトコールは、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel,F.M.ら(編)Greene Publishing Associates,(1989),9.10−9.14章および他の標準的な実験室マニュアルにおいて見出され得る。

    本発明で有用な、別のウイルス遺伝子送達系は、アデノウイルス由来ベクターを使用する。 アデノウイルスゲノムは処理され得、その結果、目的の遺伝子産物をコードし、かつ発現するが、正常の溶解性ウイルスのライフサイクルにおいて複製する能力の観点では、非活性化されている。 例えば、Berknerら,BioTechniques6:616(1988);Rosenfeldら,Science 252:431−434(1991);およびRosenfeldら,Cell 68:143−155(1992)を参照のこと。 アデノウイルス株Ad5型d1324または他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7など)に由来する適切なアデノウイルスベクターは、当業者に公知である。 組換えアデノウイルスは、非分裂細胞に感染し得ない特定の環境において有利であり得、そして幅広い種類の細胞型(上皮細胞を含む(上に引用されたRosenfeldら、(1992))を感染するために使用され得る。さらに、ウイルス粒子は比較的安定かつ精製および濃縮のために修正可能であり、そして、上記のように、感染性のスペクトラムに影響するように、改変され得る。さらに、アデノウイルスDNA(およびそこに含まれる外来性のDNA)は、宿主細胞のゲノムに取り込まれないが、エピソームに残り、それにより、DNAが宿主ゲノム(例えば、レトロウイルス)中に組み込まれることを誘導する挿入突然変異誘発の結果として起り得る、可能性のある問題を避ける。しかし、大きな外因性DNA(8キロベース)に対するアデノウイルスゲノムの保有能力は、他の遺伝子送達ベクターに関連する(Berknerら、上に引用される;Haj−Ahmandら、J.Virol.57:267(1986))。

    別の実施形態において、本発明の非ウイルス遺伝子送達は、標的化細胞により、被験核酸分子の吸収のためのエンドサイトーシス経路に関する。 この型の例示的な遺伝子送達システムとしては、リポソーム由来系、ポリリジン結合体、および人工ウイルスエンベロープが挙げられる。 代表的な実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子は、表面上に陽電荷を保有するリポソーム(例えば、リポフェクチン)中にトラップされ得、そして(必要に応じて)、標的組織の細胞表面抗原に対し、抗体でタグが付けられる(Mizunoら(1992)No Shinkei Geka 20:547−5 5 1;PCT公開公報WO91/06309;日本特許出願1047381;および欧州特許公開公報EP−A−43075A)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする遺伝子の遺伝子送達系は、任意の数の方法により、患者に導入され得る。 例えば、遺伝子送達系の薬学的調製物は、全身に(例えば、静脈内注入により)導入され得、そして特定の標的細胞におけるタンパク質の特異的な変換が、遺伝子送達ビヒクル、レセプター遺伝子の発現を調節する転写制御配列に起因する、細胞型発現または組織型発現、あるいはそれらの組み合わせによって提供された。 他の実施形態において、組換え遺伝子の初期送達は、確実に局在する動物に誘導することにより、より制限される。 例えば、遺伝子送達ビヒクルは、カテーテル(米国特許第5,328,470を参照のこと)または定位注入(例えば、Chenら(1994)PNAS 91:3054−3057)により誘導され得る。 遺伝子治療構築物の薬学的調製物は、受容可能な希釈剤中の遺伝子送達システムから本質的に成り得るか、または遺伝子送達ビヒクルが取り込まれる遅延放出マトリックスを含み得る。 アルブミン融合タンパク質が、組換え細胞(例えば、レトロウイルスベクター)よりインタクトに生成される場合、薬学的調製物は、アルブミン融合タンパク質を生成する1つ以上の細胞を含み得る。

    (さらなる遺伝子治療方法)
    また本発明によって包含されるものは、障害、疾患および状態を処置または予防するための遺伝子治療方法である。 この遺伝子治療方法は、本発明のアルブミン融合タンパク質の発現を達成するための、核酸(DNA、RNAおよびアンチセンスDNAまたはRNA)配列の動物への導入に関する。 この方法は、標的組織によるこの融合タンパク質の発現のために必要なプロモータおよび他の任意の遺伝因子と、作動可能に連結した本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを必要とする。 このような遺伝子治療および送達技術は当該分野において公知である(例えば、本明細書中に参考として援用される、WO90/11092を参照のこと)。

    従って、例えば、患者由来の細胞は、エキソビボで本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドと作動可能に連結したプロモーターを含むポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)を用いて操作され得、次いで、操作された細胞は、本発明の融合タンパク質を用いて処置される患者に提供される。 このような方法は、当該分野において周知である。 例えば、Belldegrun,A. ら、J. Natl. Cancer Inst. 85:207−216(1993);Ferrantini,M. ら、Cancer Research 53:1107−1112(1993);Ferrantini,M. ら、J. Immunology 153:4604−4615(1994);Kaido,T. ら、Int. J. Cancer 60:221−229(1995);Ogura,H. ら、Cancer Research 50:5102−5106(1990);Santodonato,L. ら、Human Gene Therapy 7:1−10(1996);Santodonato,L. ら、Gene Therapy 4:1246−1255(1997);およびZhang,J. −F. ら、Cancer Gene Therapy 3:31−38(1996)を参照のこと。 これらは、本明細書中に参考として援用される。 1つの実施形態においては、操作される細胞は、動脈細胞である。 この動脈細胞は、動脈、動脈の周囲の組織への直接的な注射を介して、またはカテーテル注入を介して患者に再導入され得る。

    以下により詳細に考察されるように、このポリヌクレオチド構築物は、注射可能な物質を動物の細胞に送達する任意の方法(例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓など)の間質空間への注射)により送達され得る。 このポリヌクレオチド構築物は、薬学的に受容可能な液体または水性のキャリア中で送達され得る。

    1つの実施形態においては、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、裸のポリヌクレオチドとして送達される。 用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAとは、細胞への侵入を補助し、促進し、または容易にするために作用するいかなる送達ビヒクル(ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチンまたは沈殿剤などを含む)も含まない配列をいう。 しかし、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、当業者に周知の方法により調製され得るリポソーム処方物中およびリポフェクチン処方物中などで送達され得る。 このような方法は、例えば、米国特許第5,593,972号、同第5,589,466号および同第5,580,859号(これらは、本明細書中に参考として援用される)に記載される。

    遺伝子治療方法において使用されるポリヌクレオチドベクター構築物は、好ましくは、宿主ゲノム中に組み込まれないかまたは複製を可能にする配列を含まない構築物である。
    適切なベクターとしては、Stratageneから入手可能なpWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG;Pharmaciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL;ならびにInvitrogenから入手可能なpEF1/V5、pcDNA3.1、およびpRc/CMV2が挙げられる。 他の適切なベクターは、当業者に容易に明らかである。

    当業者に公知の任意の強力なプロモーターは、ポリヌクレオチド配列の発現を駆動するために用いられ得る。 適切なプロモーターとしては、アデノウイルスプロモーター(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター);または異種プロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター);RSウイルス(RSV)プロモーター;誘導性プロモーター(例えば、MMTプロモーター、メタロチオネインプロモーター);熱ショックプロモーター;アルブミンプロモーター;ApoAIプロモーター;ヒトグロビンプロモーター;ウイルスチミジンキナーゼプロモーター(例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター);レトロウイルスLTR;b−アクチンプロモーター;およびヒト成長ホルモンプロモーターが挙げられる。 このプロモーターはまた、本発明のポリヌクレオチドについてネイティブなプロモーターであり得る。

    他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入する1つの主要な利点は、その細胞におけるポリヌクレオチド合成の一過性の性質である。 研究によって、非複製DNA配列が細胞に導入されて、6ヶ月までの期間の間、所望のポリペプチドの産生を提供し得ることが示された。

    ポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織を包含する)の間隙空間に送達され得る。 この組織の間隙空間は、器官組織の細網線維間の、細胞間の液体ムコ多糖類基質、血管または室の壁における弾性線維、線維性組織のコラーゲン線維、あるいは結合組織鞘性筋肉細胞(connective tissue ensheathing muscle cell)内または骨の裂孔中の同じ基質を包含する。 これは、同様に、循環の血漿およびリンパチャンネルのリンパ液により占められた空間である。 筋肉組織の間隙空間への送達は、以下で議論される理由のために好ましい。 本発明のポリヌクレオチド構築物は、これらの細胞を含む組織への注射によって、好都合に送達され得る。 本発明のポリヌクレオチド構築物は、好ましくは、分化した持続性の非分裂細胞に送達され、そしてその細胞において発現されるが、送達および発現は、非分化細胞または完全には分化していない細胞(例えば、血液の幹細胞または皮膚線維芽細胞)において達成され得る。 インビボでの筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込み、そして発現する能力において、特に適格である。

    裸の核酸配列注射のために、DNAまたはRNAの有効投薬量は、約0.05mg/kg体重から約50mg/kg体重の範囲にある。 好ましくは、この投薬量は、約0.005mg/kgから約20mg/kgであり、そしてより好ましくは約0.05mg/kgから約5mg/kgである。 もちろん、当業者が認識するように、この投薬量は、注射の組織部位に応じて変化する。 核酸配列の適切かつ有効な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、そして処置される状態および投与経路に依存し得る。

    好ましい投与経路は、組織の間隙空間への非経口注射経路による。 しかし、他の非経口経路もまた用いられ得、これには、例えば、特に、肺または気管支の組織、咽喉または鼻の粘膜への送達のためのエアロゾル処方物の吸入が挙げられる。 さらに、裸のDNA構築物が、血管形成術の間にこの手順において用いられるカテーテルによって動脈に送達され得る。

    裸のポリヌクレオチドは、送達部位での直接の針注射、静脈内注射、局所投与、カテーテル注入、およびいわゆる「遺伝子銃」を含むがこれらに限定されない、当該分野で公知の任意の方法によって送達される。 これらの送達方法は、当該分野で公知である。

    この構築物はまた、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチン、沈殿剤などのような送達ビヒクルを用いて送達され得る。 このような送達方法は、当該分野で公知である。

    特定の実施形態において、ポリヌクレオチド構築物は、リポソーム調製物中で複合体化している。 本発明にて使用するためのリポソーム調製物は、カチオン性(正に荷電した)、アニオン性(負に荷電した)および中性の調製物を包含する。 しかしながら、カチオン性リポソームとポリアニオン性核酸との間で強固な荷電複合体を形成し得るので、カチオン性リポソームが特に好ましい。 カチオン性リポソームは、機能的形態において、プラスミドDNA(本明細書中で参考として援用される、Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413〜7416);mRNA(本明細書中で参考として援用される、Maloneら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:6077〜6081);および精製された転写因子(本明細書中で参考として援用される、Debsら、J.Biol.Chem.(1990)265:10189〜10192)の細胞内送達を媒介することが示されている。

    カチオン性リポソームは容易に入手可能である。 例えば、N[1−2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームは特に有用であり、そして商標LipofectinのもとにGIBCO BRL,Grand Island,N. Y. (本明細書中で参考として援用される、Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413〜7416をもまた参照のこと、)より入手可能である。 他の市販のリポソームとしては、トランスフェクテース(transfectace)(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE(Boehringer)が挙げられる。

    当該分野で周知の技術を使用して、他のカチオン性リポソームを、容易に入手可能な物質より調製し得る。 DOTAP(1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記述に関して、例えばPCT公開番号WO90/11092(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。 DOTMAリポソームの調製は文献にて説明されており、例えば、本明細書中で参考として援用される、P. Felgnerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、84:7413〜7417を参照のこと。 類似した方法を使用して、他のカチオン性脂質物質よりリポソームを調製し得る。

    同様に、アニオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avanti Polar Lipids(Birmingham,Ala.)から容易に入手可能であり、または容易に入手可能な物質を使用して簡単に調製され得る。 そのような物質としてはとりわけ、ホスファチジル、コリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられる。 これらの物質はまた、DOTMA出発物資およびDOTAP出発物質と適切な割合において混合され得る。 これらの物質を使用してリポソームを生成する方法は、当該分野で周知である。

    例えば、商業的に、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を種々の組み合わせにおいて使用し、コレステロールを添加してもしなくても、従来のリポソームを生成し得る。 従って、例えば、超音波処理バイアル中への窒素ガス流下で、各50mgのDOPGおよびDOPCを乾燥することにより、DOPG/DOPC小胞を調製し得る。 このサンプルを一晩真空ポンプ下に置き、そして次の日、脱イオン水で水和する。 次いで、浴を、15ECで循環させながら、最大設定にて、逆位カップ(浴タイプ)プローブを装備したHeat Systems モデル350超音波処理器を使用して、このサンプルを栓をしたバイアル中にて2時間超音波処理する。 あるいは、負に荷電した小胞を、超音波処理なしで調製して多重膜小胞を生成し得るか、または核孔膜(nucleopore membrane)を通して押し出すことにより別々の大きさの単膜小胞を生成し得る。 他の方法は、当業者に公知でありそして利用可能である。

    このリポソームとしては、多重膜小胞(MLV)、小さな単膜小胞(SUV)または大きな単膜小胞(LUV)が挙げられ得、SUVが好ましい。 当該分野で周知の方法を使用して、種々のリポソーム−核酸複合体が調製される。 例えば、本明細書中で参考として援用される、Straubingerら、Methods of Immunology(1983)、101:512〜527を参照のこと。 例えば、核酸を含有するMLVは、ガラスチューブの壁面にリン脂質の薄膜を堆積させ、そしてその後、カプセル化されるべき物質の溶液で水和することによって調製され得る。 SUVはMLVの長期超音波処理により調製され、単膜リポソームの均質集団を生成する。 封入されるべき物質を、予め形成されたMLVの懸濁液に添加し、次いで、超音波処理する。 カチオン性脂質を含むリポソームを使用する場合、乾燥した脂質膜を、滅菌水または10mM Tris/NaClのような等張性緩衝溶液のような適切な溶液中に再懸濁し、超音波処理し、次いで、予め形成されたリポソームをDNAと直接混合する。 正に荷電したリポソームのカチオン性DNAへの結合に起因して、リポソームおよびDNAは非常に安定な複合体を形成する。 SUVは、小核酸フラグメントを用いての用途を見出す。 LUVは、当該分野で周知の多くの方法により調製される。 一般に使用される方法としては、Ca 2+ −EDTAキレート化(Papahadjopoulosら、Biochim.Biophys.Acta(1975)394:483;Wilsonら、Cell(1979))17:77);エーテル注入(Deamer,D.およびBangham,A.、Biochim.Biophys.Acta(1976)443:629;Ostroら、Biochem.Biophys.Res.Commum.(1977)76:836;Fraleyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:3348);界面活性剤透析(Enoch,H.およびStrittmatter,P.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:145);および逆相エバポレーション(REV)(Fraleyら、J.Biol.Chem.(1980)255:10431;Szoka、F.およびPapahadjopuolos,D.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:145;Schaefer−Ridderら、Science(1982)215:166)が挙げられ、これらの文献は本明細書中で参考として援用される。

    一般に、DNAのリポソームに対する割合は約10:1から約1:10までである。 好ましくは、その割合(ration)は約5:1から約1:5までである。 より好ましくは、その割合は約3:1から約1:3までである。 さらにより好ましくは、その割合は約1:1である。

    米国特許第5,676,954号(本明細書中で参考として援用される)はカチオン性リポソームキャリアと複合体化された遺伝物質のマウスへの注入について報告する。 米国特許第4,897,355号、同第4,946,787号、同第5,049,386号、同第5,459,127号、同第5,589,466号、同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,703,055号および国際公開第WO94/9469号(これらは本明細書中で参考として援用される)は、DNAを細胞および哺乳動物にトランスフェクトする際に使用するためのカチオン性脂質を提供する。 米国特許第5,589,466号、同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,703,055号および国際公開第WO94/9469号(これらは本明細書中で参考として援用される)は、DNA−カチオン性脂質複合体を哺乳動物に送達する方法を提供する。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする配列を含むRNAを含むレトロウイルス粒子を使用して、エキソビボまたはインビボで細胞を操作する。 レトロウイルスプラスミドベクターが由来し得るレトロウイルスとしては、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、ニワトリ白血病ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳癌ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。

    このレトロウイルスプラスミドベクターを使用して、パッケージング細胞株を形質導入し、プロデューサー細胞株を形成する。 トランスフェクトされ得るパッケージング細胞株の例としては、その全体が本明細書中で参考として援用される、Miller、Human Gene Therapy、1:5〜14(1990)にて記載されるようなPE501、PA317、R−2、R−AM、PA12、T19−14X、VT−19−17−H2、RCRE、RCRIP、GP+E−86、GP+envAm12およびDAN細胞株が挙げられるが、これらに限定されない。 このベクターは、当該分野で公知の任意の手段により、パッケージング細胞を形質導入し得る。 そのような手段としては、エレクトロポレーション、リポソームの使用、およびCaPO 沈殿が挙げられるが、それらに限定されない。 1つの代替法において、このレトロウイルスプラスミドベクターをリポソームにカプセル化し得るか、または脂質に結合し得て、次いで宿主に投与し得る。

    このプロデューサー細胞株は、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む感染性レトロウイルスベクター粒子を産生する。 次いで、そのようなレトロウイルスベクター粒子を使用して、インビトロまたはインビボのどちらかで、真核生物細胞を形質導入し得る。 この形質導入された真核生物細胞は、本発明の融合タンパク質を発現する。

    特定の他の実施形態において、アデノウイルスベクター中に含まれるポリヌクレオチドを用いて、エキソビボまたはインビボで細胞を操作する。 アデノウイルスは、それが本発明の融合タンパク質をコードし、そして発現し、それと同時に通常の溶菌性ウイルス生活環にて複製するその能力に関して不活性化されるように操作され得る。 アデノウイルス発現は、そのウイルスDNAの宿主細胞染色体への組み込み無しに達成され、その結果、挿入性変異誘発についての心配が軽減される。 さらに、アデノウイルスは、何年もの間、腸の生ワクチンとして優れた安全側面を伴って使用されている(Schwartz,A.R.ら(1974)、Am.Rev.Respir.Dis.、109:233−238)。 最終的に、アデノウイルス媒介性遺伝子移入が、コトンラットの肺へのα−1−アンチトリプシンおよびCFTRの移入を含む多くの例において実証されている(Rosenfeld,M.A.ら(1991)、Science、252:431〜434;Rosenfeldら(1992)、Cell、68:143〜155)。 さらに、ヒト癌における原因物質としてアデノウイルスを確立しようとする広範な研究は、一様に否定的であった(Green,M.ら(1979) Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76:6606)。

    本発明において有用である適切なアデノウイルスベクターが、例えば、KozarskyおよびWilson,Curr. Opin. Genet. Devel. 3:499〜503(1993);Rosenfeldら、Cell 68:143〜155(1992);Engelhardtら、Human Genet. Ther. 4:759〜769(1993);Yangら、Nature Genet. 7:362〜369(1994);Wilsonら、Nature 365:691〜692(1993);および米国特許第5,652,224号に記載されており、これらの文献および特許は本明細書中で参考として援用される。 例えば、アデノウイルスベクターAd2が有用であり、そしてヒト293細胞にて増殖され得る。 これらの細胞は、アデノウイルスのE1領域を含み、そして構成的にElaおよびElbを発現し、このことは、このベクターから欠失している遺伝子の産物を提供することによって欠損アデノウイルスを補完する。 Ad2に加えて、他の多様なアデノウイルス(例えば、Ad3、Ad5、およびAd7)もまた、本発明において有用である。

    好ましくは、本発明において使用されるアデノウイルスは、複製欠損性である。 複製欠損アデノウイルスは、感染性粒子を形成するために、ヘルパーウイルスおよび/またはパッケージング細胞株の助けを必要とする。 得られたウイルスは、細胞に感染する能力があり、そしてプロモーターに作動可能に連結された目的のポリヌクレオチドを発現し得るが、ほとんどの細胞にて複製し得ない。 複製欠損アデノウイルスは、次の遺伝子のすべてまたは一部のうちの1つ以上にて欠失され得る:E1a、E1b、E3、E4、E2aまたはL1〜L5。

    特定の他の実施形態において、アデノ随伴ウイルス(AAV)を使用して、エキソビボまたはインビボでこの細胞を操作する。 AAVは、感染性粒子を生成するためにヘルパーウイルスを必要とする、天然に存在する欠損ウイルスである(Muzyczka,N.,Curr.Topics in Microbiol.Immunol.158:97(1992))。 AAVはまた、非分裂細胞の中にそのDNAを組み込み得る数少ないウイルスの中の1つである。 300塩基対程度の小さいAAVを含むベクターがパッケージされ得、そして組み込み得るが、外来性DNAのためのスペースは約4.5kbに限られる。 そのようなAAVの生成および使用の方法は当該分野で公知である。 例えば、米国特許第5,139,941号、同第5,173,414号、同第5,354,678号、同第5,436,146号、同第5,474,935号、同第5,478,745号および同第5,589,377号を参照のこと。

    例えば、本発明において使用するために適切なAAVベクターは、DNA複製、キャプシド形成、および宿主細胞組み込みに必要な配列すべてを含む。 Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press(1989)において見出される方法のような、標準的クローニング方法を使用して、ポリヌクレオチド構築物を、このAAVベクターに挿入する。 次いで、リポフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿などを含む、任意の標準的技術を使用して、この組換えAAVベクターを、ヘルパーウイルスに感染しているパッケージング細胞にトランスフェクトする。 適切なヘルパーウイルスとしては、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ワクシニアウイルス、またはヘルペスウイルスが挙げられる。 一旦パッケージング細胞がトランスフェクトおよび感染されると、それらはそのポリヌクレオチド構築物を含む感染性AAVウイルス粒子を生成する。 次いで、エキソビボまたはインビボのいずれかで、これらのウイルス粒子を使用して真核生物細胞を形質導入する。 この形質導入細胞は、そのゲノムに組み込まれたポリヌクレオチド構築物を含み、そして本発明の融合タンパク質を発現する。

    遺伝子治療の別の方法は、相同組換え(例えば、米国特許第5,641,670号、1997年6月24日発行;国際公開第WO96/29411号、1996年9月26日公開;国際公開第WO94/12650号、1994年8月4日公開;Kollerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932〜8935(1989);およびZijlstraら、Nature 342:435〜438(1989)を参照のこと)を介して、異種制御領域および内在性ポリヌクレオチド配列(例えば、本発明のポリペプチドをコードしている配列)を作動可能に連結する工程を含む。 この方法は、標的細胞中に存在しているが、通常はその細胞中で発現しないかまたは所望するよりも低いレベルで発現する、遺伝子の活性化を含む。

    当該分野で既知の標準的技術を使用して、ポリヌクレオチド構築物を作製する。 この構築物は、プロモーターを、そのプロモーターに隣接した標的化配列とともに含む。 適切なプロモーターが、本明細書中に記載されている。 標的化配列は、プロモーター−標的化配列と内在性配列との相同組換えを可能にするに十分にその内在性配列に対して相補的である。 標的化配列は、所望される内在性ポリヌクレオチド配列の5'末端の十分近くに存在し、それゆえ、相同組換えに際して、そのプロモーターは、その内在性配列に作動可能に連結される。

    このプロモーターおよび標的化配列は、PCRを使用して増幅され得る。 好ましくは、この増幅されたプロモーターは、5'末端および3'末端に別の制限酵素部位を含む。 好ましくは、第1の標的化配列の3'末端は、増幅されたプロモーターの5'末端と同じ制限酵素部位を含み、そして第2の標的化配列の5'末端は、増幅されたプロモーターの3'末端と同じ制限部位を含む。 増幅されたプロモーターおよび標的化配列を消化し、そしてともに連結する。

    裸のポリヌクレオチドとしてか、もしくは上記により詳細に記載されるようなリポソーム、ウイルス配列、ウイルス粒子、ウイルス全体、リポフェクション、沈殿剤などのようなトランスフェクション促進剤と一緒にかのいずれかで、このプロモーター−標的化配列構築物を細胞に送達する。 直接針注射、静脈内注射、局所投与、カテーテル注入、粒子加速器などを含む任意の方法により、Pプロモーター−標的化配列を送達し得る。 この方法を、下記により詳細に記載する。

    プロモーター−標的化配列構築物は、細胞により取り込まれる。 この構築物と内在性配列との間に相同組換えが起こり、その結果、内在性配列は、このプロモーターの制御下に配置される。 次いで、このプロモーターは、内在性配列の発現を駆動する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、そのタンパク質の分泌を促進する分泌シグナル配列を含む。 代表的に、このシグナル配列は、コード領域の5'末端に向かってかまたは5'末端で発現される、そのポリヌクレオチドのコード領域に位置する。 このシグナル配列は、目的のポリヌクレオチドに対して同種であってもよいしまたは異種であってもよく、そしてトランスフェクトされる細胞に対して同種であってもよいしまたは異種であってもよい。 さらに、当該分野で公知の方法を使用して、このシグナル配列は化学合成され得る。

    その投与形態によって、治療効果を提供するのに十分な量にて1つ以上の分子が発現される限り、上記のポリヌクレオチド構築物のうちのいずれかの任意の投与形態が使用され得る。 これは、直接針注射、全身性注射、カテーテル注入、バイオリスティック(biolistic)注射器粒子加速器(すなわち、「遺伝子銃」)、ゲルフォームスポンジデポー(depot)、他の市販デポー(depot)物質、浸透圧ポンプ(例えば、Alzaミニポンプ)、経口用または坐剤用の固形(錠剤または丸剤)薬学的処方物、および手術中のデカンティング(decanting)または局所適用を含む。 例えば、ラット肝臓およびラット脾臓へのリン酸カルシウム沈澱した裸のプラスミドの直接注射、または門脈へのタンパク質被覆プラスミドの直接注射は、ラット肝臓における外来遺伝子の遺伝子発現をもたらした(Kanedaら、Science、243:375(1989))。

    局所投与の好ましい方法は、直接注射によるものである。 好ましくは、送達ビヒクルと複合体を形成した本発明のアルブミン融合タンパク質は、動脈領域内部に直接注射により投与されるか、または動脈領域内部に局所投与される。 動脈領域内部での組成物の局所投与とは、その組成物を動脈内に数センチメートル、好ましくは数ミリメートルで注射することを言う。

    局所投与の別の方法は、本発明のポリヌクレオチド構築物を外科的創傷中または外科的創傷の周囲に接触させることである。 例えば、患者は手術を経験し得、そしてこのポリヌクレオチド構築物がその創傷の内側の組織の表面上にコーティングされ得るか、またはこの構築物が、その創傷の内側の組織の領域に注入され得る。

    全身投与に有用な治療組成物は、本発明の標的化された送達ビヒクルと複合体を形成した本発明の融合タンパク質を含む。 全身投与で使用するために適切な送達ビヒクルは、特定部位に対してそのビヒクルを標的化するリガンドを含むリポソームを含む。 特定の実施形態において、全身投与で使用するための適切な送達ビヒクルは、特定の部位にビヒクルを標的化するための本発明のアルブミン融合タンパク質を含むリポソームを含む。

    全身投与の好ましい方法としては、静脈内注射、エアロゾル、経口および経皮(局所的)送達が挙げられる。 当該分野で標準的な方法を使用して、静脈内注射が実行され得る。
    当該分野で標準的な方法を使用して、エアロゾル送達もまた実行され得る(例えば、本明細書中で参考として援用される、Striblingら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 189:11277〜11281(1992)を参照のこと)。 動物の腸内の消化酵素による分解に耐える能力をもつキャリアに対して本発明のポリヌクレオチド構築物を複合体形成することにより、経口送達は実行され得る。 そのようなキャリアの例としては、当該分野で公知であるもののような、プラスチックカプセルまたは錠剤が挙げられる。 皮膚内へ通過可能な親油性試薬(例えば、DMSO)と本発明のポリヌクレオチド構築物を混合することによって、局所的送達は実行され得る。

    送達される物質の有効量を決定することは、例えば、その物質の化学構造および生物学的活性、動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な状態およびその重症度、ならびに投与経路を含む、多数の因子に依存し得る。 処置の頻度は、1用量あたりの投与されるポリヌクレオチド構築物の量ならびに被験体の健康および病歴のような、多くの因子に依存する。 正確な量、投薬回数および投薬のタイミングは、主治医または主治獣医により決定される。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、任意の動物に、好ましくは哺乳動物および鳥類に投与され得る。 好ましい哺乳動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ウマおよびブタが挙げられ、特にヒトが好ましい。

    (生物学的活性)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは1つ以上の生物学的活性を試験するアッセイにおいて使用され得る。 あるアルブミン融合タンパク質および/またはアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが、ある特定のアッセイにおいて活性を示した場合、その融合タンパク質に対応する治療タンパク質はその生物学的活性に関連する疾患に関与している可能性がある。 従って、その融合タンパク質は関連する疾患の治療に使用され得る。

    好ましい実施形態において、本発明は、表1の「好ましい指標Y」カラムに記載されている疾患および障害を治療する工程、患者に投与する工程を包含し、ここで、このような処置、予防、または改善は、治療タンパク質に一致する治療タンパク質部分を含む本発明のアルブミン融合タンパク質を所望し、この治療タンパク質は、表1の「治療タンパク質X」(表1の「好ましい指標Y」カラムに列挙される処置されるべき疾患または障害同じぐらい新鮮な)において開示されている。

    さらに好ましい実施形態において、本発明は、患者に対して投与する工程を含む、表1の「好ましい指標:Y」カラムに特定の治療タンパク質に関して列挙される疾患または障害を処置する方法を包含し、ここで、このような治療、予防または改善は、治療タンパク質と一致する治療タンパク質部分を含む、本発明のアルブミン融合タンパク質が所望され、ここで、実施例における指標は、治療、予防または改善に有効な量で関連する。

    配列番号Yをコードするポリヌクレオチドによりコードされる場合、アルブミン融合タンパク質が細胞より生成される本発明により特に企図される。 ポリヌクレオチドが、細胞由来のコードタンパク質を発現するために使用される場合、細胞の天然分泌およびプロセシング工程は、表2のカラム4および/または11にはっきりと列挙されるシグナル配列を欠くタンパク質を生成する。 列挙されたシグナル配列の特定のアミノ酸配列は、本明細書中に示されるか、または当該分野で周知である。 従って、本発明の最も好ましい実施形態は、細胞より誘導されたアルブミン融合タンパク質(これは、表2のカラム4および/または11に示される、リーダー配列を欠く)を含む。 最も好ましいポリオペプチドは、表2のカラム4および/または11に列挙された特定のリーダー配列なしで、配列番号Yを含む。 これらの2つの好ましい実施形態を含む組成物(薬学的組成物を含む)もまた、好ましい。 これらのアルブミン融合タンパク質は、表1の「好ましい指標:Yカラムにおいて特定の治療タンパク質に関して列挙された疾患または障害の処置、予防、または改善のために、特に企図される。

    好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質は、内分泌系の疾患および障害(例えば、以下のセクションの「内分泌障害」を参照のこと)、神経系の疾患および障害(例えば、以下のセクションの「神経学的障害」を参照のこと)、免疫系の疾患および障害(例えば、以下のセクションの「免疫活性」を参照のこと)、呼吸器系の疾患および障害(例えば、以下のセクションの「呼吸器障害」を参照のこと)、心臓血管系の疾患および障害(例えば、以下のセクションの「心臓血管障害」を参照のこと)、生殖系の疾患および障害(例えば、以下のセクションの「生殖系障害」を参照のこと)、消化系の疾患および障害(例えば、以下のセクションの「胃腸障害」を参照のこと)、細胞増殖に関連する疾患および/または障害(例えば、以下のセクションの「過剰増殖障害」を参照のこと)、ならびに/あるいは血液に関連する疾患および/または障害(例えば、以下のセクションの「血液関連障害」を参照のこと)に関連する疾患ならびに/あるいは障害の診断、予後、予防および/または処置において使用され得る。

    ある種の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は本発明の融合タンパク質の治療タンパク質の一部に対応する遺伝子が発現する組織に関連する疾病および/または疾患の診断および/または予後に使用しうる。

    従って、本発明の融合タンパク質および本発明のアルブミン融合タンパク質をコード化するポリヌクレオチドは、以下の活性に関連する疾患および/または障害の診断、検知および/または治療に有用であり、これらの活性としては、ホルモン活性化、神経伝達活性、細胞シグナル伝達、細胞増殖、細胞分化、および細胞移動が挙げられるが、これらに限定されない。

    より一般的には、本発明の融合タンパク質および本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは次の系に関連する疾病および/または疾患の診断、予後、予防および/または治療に利用され得る。

    (免疫活性)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、免疫細胞の増殖、分化もしくは動員(走化性)を活性化または阻害することによる、免疫系の疾患、障害および/または状態を処置、予防、診断および/または予後診断において有用であり得る。 免疫細胞は、造血と呼ばれるプロセスを介して発生し、多能性幹細胞から骨髄性細胞(血小板、赤血球、好中球およびマクロファージ)およびリンパ系細胞(Bリンパ球およびTリンパ球)を生成する。 これらの免疫疾患、障害および/または状態の病因は、遺伝的、身体的(somatic)(例えば、癌およびいくつかの自己免疫性障害)、後天的(例えば、化学療法もしくは毒素による)または感染的であり得る。 さらに、本発明の融合タンパク質および本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、特定の免疫系の疾患または障害のマーカーまたは検出物質(detector)として使用され得る。

    別の実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫系の疾患および障害を処置するためおよび/または本発明のポリペプチドが発現される組織に関連する細胞によって生じた免疫応答を阻害または増強するために使用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫不全症(先天性または後天性の免疫不全症の両方を含む)の処置、予防、診断および/または予後に有用であり得る。 免疫グロブリンレベル、B細胞機能および/またはB細胞数が減少するB細胞免疫不全症の例としては、以下が挙げられる:X連鎖無ガンマグロブリン血症(ブルートン病)、X連鎖小児性無ガンマグロブリン血症、過剰IgMを伴うX連鎖免疫不全症、過剰IgMを伴う非X連鎖免疫不全症、X連鎖リンパ球増殖症候群(XLP)、無ガンマグロブリン血症(先天性および後天性無ガンマグロブリン血症を含む)、成体発症無ガンマグロブリン血症、後期発症無ガンマグロブリン血症、異常ガンマグロブリン血症、低ガンマグロブリン血症、不特定(unspecifed)低ガンマグロブリン血症、劣性無ガンマグロブリン血症(スイス型)、選択的IgM欠損症、選択的IgA欠損症、選択的IgGサブクラス欠損症、IgGサブクラス欠損症(IgA欠損症を伴うかまたは伴わない)、Ig欠損症(IgMの増加を伴う)、IgGおよびIgA欠損症(IgMの増加を伴う)、正常なIgまたはIgの上昇を伴う抗体欠損症、Ig重鎖欠乏、κ鎖欠損症、B細胞リンパ球増殖障害(BLPD)、分類不能型免疫不全(CVID)、分類不能型免疫不全(CVI)(後天性)、および一過性乳児低ガンマグロブリン血症。

    特定の実施形態において、毛細血管拡張性運動失調または毛細血管拡張性運動失調に関連する状態が、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、処置、予防、診断および/または予後診断され得る。

    T細胞および/またはB細胞の機能および/または数が減少される先天性の免疫不全症の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ディ・ジョージ異常、重症複合型免疫不全(SCID)(X連鎖SCID、常染色体劣性SCID、アデノシンデアミナーゼ欠損症、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)欠損症、クラスII MHC欠損症(不全リンパ球症候群)、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、および毛細血管拡張性運動失調を含むが、これらに限定されない)、胸腺発育不全、3次および4次咽頭嚢症候群、22q11.2欠損、慢性粘膜皮膚カンジダ症、ナチュラルキラー細胞欠損症(NK)、特発性CD4+Tリンパ球減少症、優性T細胞欠損(不特定)を伴う免疫不全症、および細胞媒介免疫の不特定免疫不全症。

    特定の実施形態において、ディ・ジョージ異常またはディ・ジョージ異常に関連する状態が、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、処置、予防、診断および/または予後診断され得る。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して処置、予防、診断および/または予後診断され得る、他の免疫不全症としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:慢性肉芽腫症、チェディアック−東病、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、リンパ球グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、X連鎖リンパ球増殖症候群(XLP)、リンパ球接着欠損症、補体成分欠損症(C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8および/またはC9欠損症を含む)、網様発育不全、胸腺リンパ形成不全、胸腺腫を伴う発育不全、重篤な先天性リンパ球減少症、免疫不全症を伴う形成異常、新生児好中球減少症、短肢小人症、およびIgによる免疫不全症を共存するネゼロフ症候群。

    好ましい実施形態において、これらの免疫不全症および/または上記の免疫不全症に関連する状態は、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して処置、予防、診断および/または予後診断され得る。

    好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫不全個体間で免疫応答性をブーストするための薬剤として使用され得る。 特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、B細胞および/またはT細胞免疫不全個体間で免疫応答性をブーストするための薬剤として使用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、自己免疫障害の処置、予防、診断および/または予後診断において有用であり得る。 多くの自己免疫障害は、免疫細胞によって自己物質を外来物質として不適切に認識されることによって生じる。 この不適切な認識は、宿主組織の破壊を誘導する免疫応答を生じる。 従って、免疫応答(特に、T細胞の増殖、分化または走化性)を阻害し得る本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの投与は、自己免疫障害の予防における効果的な治療であり得る。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって処置、予防、診断および/または予後診断され得る自己免疫疾患または障害としては、以下の1以上が挙げられるが、これらに限定されない:全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、強直性脊椎炎、多発性硬化症、自己免疫性甲状腺炎、橋本甲状腺病、自己免疫溶血性貧血、溶血性貧血、血小板減少症、自己免疫血小板減少症紫斑病、自己免疫新生児血小板減少症、特発性血小板減少症紫斑病、紫斑病(例えば、ヘーノホ−シェーンライン紫斑病)、自己免疫性血球減少症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、グレーブス病(甲状腺機能亢進症)、およびインスリン耐性糖尿病。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドで処置、予防および/または診断され得る自己免疫成分を有するであろうさらなる障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:II型コラーゲン誘導性関節炎、抗リン脂質症候群、皮膚炎、アレルギー性脳脊髄炎、心筋炎、再発性多発性軟骨炎、リウマチ性心疾患、神経炎、ブドウ膜炎眼炎、多発性内分泌腺症、ライター病、スティッフマン症候群、自己免疫肺炎、自閉症、ギヤン−バレー症候群、インスリン依存性糖尿病、および自己免疫炎症性眼障害。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドで処置、予防、診断および/または予後診断され得る自己免疫成分を有するであろうさらなる障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:抗コラーゲン抗体を伴う強皮症(例えば、核小体および他の核抗体によってしばしば特徴付けられる)、混合結合組織病(例えば、可溶性核抗原(例えば、リボ核タンパク質)に対する抗体によってしばしば特徴付けられる)、多発性筋炎(例えば、非ヒストンANAによってしばしば特徴付けられる)、悪性貧血(例えば、抗壁細胞、ミクロソーム、および内因子抗体によってしばしば特徴付けられる)、特発性アジソン病(例えば、体液性および細胞媒介性の副腎細胞傷害性によってしばしば特徴付けられる)、不妊症(例えば、抗精子抗体によってしばしば特徴付けられる)、糸球体腎炎(例えば、糸球体基底膜抗体または免疫複合体によってしばしば特徴付けられる)、水疱性類天疱瘡(例えば、基底膜におけるIgGおよび補体によってしばしば特徴付けられる)、シューグレン症候群(例えば、多組織抗体および/または特定の非ヒストンANA(SS−B)によってしばしば特徴付けられる)、糖尿病(例えば、細胞媒介性および体液性島細胞抗体によってしばしば特徴付けられる)、およびアドレナリン作用性薬物耐性(ぜん息または嚢胞性線維症を伴うアドレナリン作用性薬物耐性を含む)(例えば、β−アドレナリン作用性レセプター抗体によってしばしば特徴付けられる)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドで処置、予防、診断および/または予後診断され得る自己免疫成分を有するであろうさらなる障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:慢性活動性肝炎(例えば、平滑筋抗体によってしばしば特徴付けられる)、原発性胆汁性肝硬変(例えば、ミトコンドリア抗体によってしばしば特徴付けられる)、他の内分泌腺不全(例えば、いくつかの場合における特異的組織抗体によってしばしば特徴付けられる)、白斑(例えば、メラノサイト抗体によってしばしば特徴付けられる)、脈管炎(例えば、血管壁におけるIgおよび補体ならびに/または低い血清補体によってしばしば特徴付けられる)、MI後(例えば、心筋抗体によってしばしば特徴付けられる)、心臓切開症候群(例えば、心筋抗体によってしばしば特徴付けられる)、じんま疹(例えば、IgEに対するIgGおよびIgM抗体によってしばしば特徴付けられる)、アトピー性皮膚炎(IgEに対するIgGおよびIgM抗体によってしばしば特徴付けられる)、ぜん息(例えば、IgEに対するIgGおよびIgM抗体によってしばしば特徴付けられる)、ならびに多くの他の炎症性、肉芽腫性、変性および萎縮性障害。

    好ましい実施形態において、これらの自己免疫疾患および障害ならびに/または上記のこれらの疾患および障害に関連する障害および/または状態は、例えば、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、処置、予防、診断および/または予後診断される。 特定の好ましい実施形態において、慢性関節リウマチは、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、処置、予防および/または診断される。

    別の特定の好ましい実施形態において、全身性エリテマトーデスが、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防、診断および/または予測される。 別の特定の好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、特発性血小板減少性紫斑病が処置、予防および/または診断される。

    別の特定の好ましい実施形態において、IgAネフロパシーは、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防および/または診断される。

    好ましい実施形態において、自己免疫疾患および自己免疫障害ならびに/または上記の疾患および障害と関連する状態は、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防、診断および/または予測される。

    好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫抑制剤として使用される。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、造血細胞の疾患、障害および/または状態の処置、予防、予測および/または診断において有用であり得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、白血球減少症、好中球減少症、貧血、および血小板減少症が挙げられるが、それらに限定されない、特定の(または多くの)型の造血細胞の減少に関連した疾患、障害および/または状態を処置または予防する試みにおいて、多能性幹細胞を含む造血細胞の分化および増殖を増加させるために用いられ得る。 あるいは、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、組織球増殖症が挙げられるが、それらに限定されない、特定の(または多くの)型の造血細胞の減少に関連した疾患、障害および/または状態を処置または予防する試みにおいて、多能性幹細胞を含む造血細胞の分化および増殖を増加させるために用いられ得る。

    アレルギー反応および状態(例えば、喘息(特にアレルギー性喘息)または他の呼吸障害)はまた、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、処置、予防、診断および/または予測され得る。 さらに、これらの分子は、アナフィラキシー、抗原性分子に対する過敏性、または血液型不適合を処置、予防、予測および/または診断するために用いられ得る。

    さらに、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、IgE媒介アレルギー応答を処置、予防、診断および/または予測するために使用され得る。 このようなアレルギー反応としては、喘息、鼻炎および湿疹が挙げられるが、これらに限定されない。
    特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、インビトロまたはインビボにおいてIgE濃度の調節に有用であり得る。

    さらに、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、炎症状態の診断、予測、予防および/または処置に使用される。 例えば、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、炎症応答に関与する細胞の活性化、増殖および/または分化を阻害し得るので、これらの分子を使用して、慢性および急性の両方の状態の炎症状態を、予防および処置し得る。 このような炎症状態は以下を含むがこれらに限定されない。 例えば、感染に関連する炎症(例えば、敗血症性ショック、敗血症、または全身炎症応答症候群)、虚血再灌流傷害に関連する炎症、内毒素致死に関連する炎症、補体媒介性超急性拒絶に関連する炎症、腎炎に関連する炎症、サイトカインまたはケモカインが誘導する肺傷害に関連する炎症、炎症性腸疾患に関連する炎症、クローン病に関連する炎症またはサイトカイン(例えば、TNFまたはIL−1)の過剰生成から生じる炎症、呼吸器障害(例えば、喘息およびアレルギー);胃腸障害(例えば、炎症性腸疾患);癌(例えば、胃癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、肝臓癌、および乳癌);CNS障害(例えば、多発性硬化症、虚血性脳損傷、および/または発作、外傷性脳損傷、神経変性性障害(例えば、パーキンソン病およびアルツハイマー病)、AIDS関連痴呆、およびプリオン病);心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、心筋炎、心血管疾患、および心肺バイパス合併症);ならびに炎症によって特徴付けられる多くのさらなる疾患、状態、および障害(例えば、肝炎、慢性関節リウマチ、痛風、外傷、膵炎、サルコイドーシス、皮膚炎、腎虚血再還流障害、グレーヴス病、全身性エリテマトーデス、真性糖尿病、および同種異系移植拒絶)。

    炎症は、基礎的な防御機構なので、炎症障害は、実質的に体の任意の組織に影響を与え得る。 従って、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下を挙げられるがこれらに限定されない、組織特異的炎症障害の処置に使用される。 副腎炎、肺胞炎、胆管炎、虫垂炎、亀頭炎、眼瞼炎、気管支炎、滑液胞炎、心臓炎、蜂巣炎、子宮管炎、胆嚢炎、声帯炎、蝸牛炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、皮膚炎、憩室炎、脳炎、心内膜炎、食道炎、耳管炎、繊維組織炎、濾胞炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、舌炎、肝脾炎、角膜炎、迷路炎、喉頭炎、リンパ管炎、乳腺炎、縦隔炎、髄膜炎、子宮炎、粘膜炎、心筋炎、筋炎、鼓膜炎、腎炎、神経炎、精巣炎、骨髄炎、耳炎、心膜炎、腱周囲炎、腹膜炎、喉頭炎、静脈炎、灰白髄炎、前立腺炎、歯髄炎、網膜炎、鼻炎、卵管炎、強膜炎、強膜脈絡膜炎、陰嚢炎、静脈洞炎、脊椎炎、脂肪組織炎、口内炎、滑膜炎、耳管炎、腱炎、扁桃炎、尿道炎、および膣炎。

    特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、器官移植拒絶および対宿主性移植片病の診断、予測、予防および/または処置に有用である。 器官拒絶は、免疫応答を通した移植された組織の宿主免疫細胞破壊によって起こる。
    同様に、免疫反応はまた、GVHDに関するが、この場合、外来の移植された免疫細胞が、宿主組織を破壊する。 本発明のポリペプチド、抗体、もしくはポリヌクレオチドおよび/またはそのアゴニストもしくはアンタゴニスト(免疫応答、特にT細胞の活性化、増殖、分化、または走化性を阻害する)は、器官拒絶またはGVHDを予防するのに有効な治療であり得る。 特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド(免疫応答、特にT細胞の活性化、増殖、分化、または走化性を阻害する)は、実験的アレルギー拒絶および超急性異種移植拒絶を予防するのに有効な治療であり得る。

    他の実施形態において、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下に挙げられるが、それらに限定されない、免疫複合疾患の診断、予測、予防および/または処置に有用であり得る。 血清病、後連鎖球菌性糸球体腎炎(post streptococcal glomerulonephritis)、結節性多発動脈炎、および免疫複合誘導性脈管炎。

    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、感染性因子の処置、検出および/または予防に使用され得る。 例えば、免疫応答を増大することによって、特にB細胞および/またはT細胞の増殖、活性化および/または分化を増大することによって、感染性疾患は、処置、検出、および/または予防され得る。 免疫応答は、既存の免疫応答を増大するか、または新しい免疫応答を惹起するかのいずれかによって、増大され得る。 あるいは、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、免疫応答の必然的な惹起なしに、感染性因子(感染性因子の適用列挙の節などで述べる)を直接阻害し得る。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、抗原に対する免疫応答を増大するワクチンアジュバントとして使用される。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、腫瘍特異的な免疫応答を増大するアジュバントとして使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、抗ウイルス免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。 アジュバントとして本発明の組成物を用いて増強され得る抗ウイルス免疫応答としては、ウイルスおよび本明細書において記載されるかさもなければ当該分野で公知のウイルス関連疾患もしくは症状が挙げられる。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、以下:AIDS、髄膜炎、デング、EBV、および肝炎(例えば、B型肝炎)からなる群より選択される、ウイルス、疾患または症状に対する免疫応答を増強するためのアジュバントとして用いられる。 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、以下:HIV/AIDS、RSウイルス、デング、ロタウイルス、日本脳炎、インフルエンザAおよびB、パラインフルエンザ、麻疹、サイトメガロウイルス、狂犬病、Juninウイルス、チクングニヤウイルス、リフトバレー熱、単純疱疹、および黄熱病からなる群より選択されるウイルス、疾患または症状に対する免疫応答を増強するアジュバントとして用いられる。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、抗細菌免疫応答または抗真菌免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。 アジュバントとして本発明の組成物を使用して増大され得る抗細菌免疫応答または抗真菌免疫応答としては、細菌または真菌、および本明細書中に記載されるか、または、さもなくば当該分野で公知の疾患または症状に関連する細菌または真菌が挙げられる。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、細菌または真菌、疾患、または症状(これは、破傷風、ジフテリア、ボツリスム、およびB型髄膜炎からなる群から選択される)に対する免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、細菌または真菌、疾患、または症状(これは、Vibrio cholerae、Mycobacterium leprae、Salmonella typhi、Salmonella paratyphi、Meisseria meningitidis、Streptococcus pneumoniae、Group B streptococcus、Shigella spp.、Enterotoxigenic Escherichia coli、Enterohemorrhagic E.coli、およびBorrelia burgdorferiからなる群から選択される)に対する免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、抗寄生生物免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。 アジュバントとして本発明の組成物を使用して増大され得る抗寄生生物免疫応答としては、寄生生物、および本明細書中に記載されるかまたはさもなくば、当該分野で公知の疾患または症状に関連する寄生生物が挙げられる。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、寄生生物に対する免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、Plasmodium(マラリア)またはLeishmaniaに対する免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、例えば、単核性食細胞の漸増および活性化を予防することによって、珪胚症、サイコイドーシス、および特発性肺線維症を含む感染疾患の処置に使用され得る。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドに対する免疫介在応答を阻害するか、または増大する抗体の産生のための抗体として使用される。

    1つの実施形態として、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫系をブーストし、1つ以上の抗体(例えば、IgG、IgA、IgM、およびIgE)の量の増大を生じ、高い親和性の抗体産生および免疫グロブリンクラス転換(例えば、IgG、IgA、IgMおよびIgE)を誘導し、および/または免疫応答を増大するための動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、ブタ、ミニブタ、ニワトリ、ラクダ、ヤギ、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類、およびヒト、最も好ましくはヒト)に投与される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、病原体に対するB細胞応答性の刺激物質として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、T細胞のアクチベーターとして使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫抑制性治療を受ける前の、個体の免疫状態を増大させる薬剤として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、より高い親和性抗体を誘導するための薬剤として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、血清免疫グロブリン濃度を増加するための薬剤として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫無防備状態の個体の回復を促進するための薬剤として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、高齢の集団および新生児の間の免疫応答性をブーストするための薬剤として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、骨髄移植および/または他の移植(例えば、同種異系または外因性の器官移植)の前、間、または後の免疫系エンハンサーとして使用される。 移植に関して、本発明の組成物は、移植の前、同時、および/または後に投与され得る。 特定の実施形態において、本発明の組成物は、移植の後、T細胞集団の回復の開始前に投与される。 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、移植の後、T細胞集団の回復の開始後であるが、B細胞集団の完全な回復の前に最初に投与される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、B細胞機能の後天的欠損を有する個体間で免疫応答性をブーストするための薬剤として使用される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを投与することによって寛解または処置され得る、B細胞機能の後天的欠損を生じる状態としては、HIV感染、AIDS、骨髄移植、およびB細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)が挙げられるが、これらに限定されない。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、一時的な免疫不全を有する個体間で免疫応答性をブーストするための薬剤として使用される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを投与することによって寛解または処置され得る、一時的な免疫不全を生じる状態としては、ウイルス感染(例えば、インフルエンザ)からの回復、栄養失調に関連する状態、感染性単核細胞症からの回復、またはストレスに関連する状態、麻疹からの回復、輸血からの回復および手術からの回復が挙げられるが、これらに限定されない。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、単球、樹状細胞および/またはB細胞による抗原提示のレギュレーターとして使用される。 1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、インビトロまたはインビボで抗原提示を増強するかまたは抗原提示をアンタゴナイズする。 さらに、関連する実施形態において、この抗原提示の増強またはアンタゴナイズは、抗腫瘍処置としてかまたは免疫系を調節するために有用であり得る。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、個体の免疫系を、TH1細胞性応答とは反対に、体液性応答(すなわち、TH2)の発生に指向するための薬剤として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、腫瘍増殖を誘導し、従って、腫瘍を抗腫瘍性薬剤に対してより感受性にするための手段として使用される。 例えば、多発性骨髄腫は、緩慢な細胞分裂(dividing)の疾患であり、従って、実質的に全ての抗腫瘍性レジメンに対して不応性である。 これらの細胞は、より迅速に増殖させた場合、これらの感受性プロフィールは、おそらく変化するであろう。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、AIDS、慢性リンパ球障害および/または分類不能性免疫不全症(Common Variable Immunodificiency)のような病理におけるB細胞の産生の刺激因子として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、手術、外傷または遺伝的欠陥後のリンパ組織の生成および/または再生のための治療として使用される。 別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、移植前の骨髄サンプルの前処理として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、SCID患者の間で観察されるような免疫不全症/免疫欠損を生じる遺伝性の障害のための遺伝子ベースの治療として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、単球に影響を及ぼす寄生生物疾患(例えば、リーシュマニア属(Leishmania))に対して防御するために単球/マクロファージを活性化する手段として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドによって誘発される分泌サイトカインを調節する手段として使用される。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、獣医学的医療に適用され得るような、本明細書中に記載の1つ以上の適用において使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、外来因子または自己に対する種々の局面の免疫応答をブロックする手段として使用される。 所望され得る特定の局面の免疫応答をブロックする疾患または状態の例としては、狼瘡および関節炎のような自己免疫障害、ならびに皮膚アレルギー、炎症、腸疾患、損傷に対する免疫応答性および病原体に関する疾患/障害が挙げられる。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、自己免疫疾患(例えば、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデスおよびMS)に関連するB細胞増殖およびIg分泌を妨げるための治療として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、および/または本発明のアルブミン融合タンパク質のアゴニストもしくはアンタゴニストおよび/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、内皮細胞におけるB細胞および/またはT細胞の遊走のインヒビターとして使用される。 この活性は、組織構造または同属の応答を破壊し、そして例えば、免疫応答の破壊および敗血症のブロックにおいて有用である。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、未定量有意性の単一クローン性高ガンマグロブリン血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance)(MGUS)、ヴァルデンストレーム疾患、関連する特発性単一クローン性高ガンマグロブリン血症、およびプラスマ細胞腫のような疾患における、慢性の高ガンマグロブリン血症事象のための治療として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、例えば、特定の自己免疫疾患および慢性炎症疾患および感染性疾患における、マクロファージおよびその前駆体、ならびに好中球、好塩基球、Bリンパ球およびいくつかのT細胞サブセット(例えば、活性化T細胞およびCD8細胞傷害性T細胞ならびにナチュラルキラー細胞)の、ポリペプチド走化性および活性化を阻害するために使用され得る。 自己免疫疾患の例は、本明細書中に記載され、その自己免疫疾患の例としては、多発性硬化症およびインスリン依存性糖尿病が挙げられる。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、例えば、好酸球の産生および遊走を妨げることによって、特発性好酸球増多症候群を処置するために使用され得る。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、相補的介在細胞溶解を増大する、または阻害するために使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、抗体依存性細胞性細胞毒性を増大する、または阻害するために使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、例えば、動脈壁における単球浸潤を妨げることによって、アテローム性動脈硬化症を処置するために使用され得る。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、成人呼吸促進症候群(ARDS)を処置するために使用され得る。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、創傷および組織の修復の刺激、新脈管形成の刺激、および/または血管またはリンパの疾患または障害の修復の刺激において有用であり得る。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、粘膜表面の再生を刺激するために使用され得る。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、原発性または後天性の免疫不全、欠損性の血清免疫グロブリン産生、再発性の感染および/または免疫系機能不全によって特徴付けられる障害を診断、予測、処置および/または予防するために使用される。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、関節、骨、皮膚および/または耳下腺の感染、血液由来の感染(例えば、敗血症、髄膜炎、敗血症性関節炎および/または骨髄炎)、自己免疫疾患(例えば、本明細書中に開示されるような自己免疫疾患)、炎症性障害、および悪性疾患、ならびに/あるいはこれらの感染、疾患および/または悪性疾患に関連する任意の疾患または障害または状態(CVID、他の原発性免疫不全、HIV疾患、CLL、再発性気管支炎、静脈洞炎、中耳炎、結膜炎、肺炎、肝炎、髄膜炎、帯状ヘルペス(例えば、重篤な帯状ヘルペス)および/またはニューモシスティスを含むが、これらに限定されない)を処置または予防するために使用され得る。 本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって予防、診断、予測、および/または処置され得る他の疾患および傷害として、HIV感染、HTLV−BLV感染、リンパ球減少、食細胞殺細菌機能不全、血小板減少、およびヘモグロビン尿症が挙げられるが、それらに限定されない。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、分類不能型免疫不全疾患(Common Variable Immunodeficiency disease)(「CVID」;「後天性無ガンマグロブリン血症」および「後天性低ガンマグロブリン血症」としても公知である)またはこの疾患のサブセットを有する個体を、処置および/または診断するために使用される。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、免疫細胞あるいは、免疫組織関連癌または新生物を含む癌または新生物の診断、予測、予防および/または処置に使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって、予防、診断または処置され得る癌または新生物の例として、以下に挙げられるが、それらに限定されない。 急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病、プラスマ細胞腫、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、EBV変換性(EBV−transformed)疾患、および/または本明細書中の他の箇所で「過剰増殖障害」と題される節に記載される疾患および障害。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、ラージB細胞リンパ腫の細胞増殖を減少するための治療として使用される。

    別の特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、慢性骨髄性白血病に関連するB細胞およびIgの関与を減少する手段として使用される。

    特定の実施形態において、本発明の組成物は、B細胞免疫不全個体(例えば、部分的または完全な脾臓摘出術をうけた個体など)の間で免疫応答性をブーストするための因子として使用される。

    (血液関連障害)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、止血性活性(出血を止めること)または血栓崩壊活性(血餅形成)を調節し得る。 例えば、止血活性または血栓崩壊活性を増大させることにより、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用し、血液凝固の疾患、障害および/または状態(例えば、無線維素原血症、因子欠損症、血友病)、血液血小板の疾患、障害および/または状態(例えば、血小板減少症)、あるいは外傷、手術または他の原因から生じる創傷を処置または予防し得る。 あるいは、止血活性または血栓崩壊活性を減少させ得る本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用し、凝血を阻害または溶解し得る。 心臓発作(梗塞)、発作(stroke)または瘢痕の処置または予防において、これらの分子は重要であり得る。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、血栓症、動脈血栓症、静脈血栓症、血栓塞栓症、肺塞栓症、アテローム硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、不安定狭心症の予防、診断、予測および/または処置に使用され得る。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、伏在静脈移植片の閉塞の予防のため血管形成術の手順に伴い得るような処置した周囲で起きる血栓症(periprocedural thrombosis)の危険性を減らすために、非リウマチ性心房細動を含む心房細動を有する患者における発作の危険性を減らすために、人工心臓弁および/または増帽弁疾患に関連した塞栓症の危険性を減らすために、使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドのための他の使用としては、体外装置(例えば、脈管内カニューレ、血液透析の患者における脈管アクセスシャント、血液透析機、および心肺バイパス機)における閉塞の予防が挙げられるが、それらに限定されない。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドが発現している組織に関連する血液および/または血液形成器官の疾患および障害の予防、診断、予測および/または処置に使用され得る。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、造血活性(血球の形成)を調節に使用され得る。 例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、全ての、またはサブセットの血球(例えば、赤血球、リンパ球(B細胞またはT細胞)、脊髄細胞(例えば、好塩基球、好酸球、好中球、肥満細胞、マクロファージ)および血小板など)の量を増大するのに使用される。 血球の量、または血球のサブセットの量を減少する能力は、以下に記載される貧血および白血球減少症の予防、検出、診断および/または処置に有用であり得る。 あるいは、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、全ての、またはサブセットの血球(例えば、赤血球、リンパ球(B細胞またはT細胞)、脊髄細胞(例えば好塩基球、好酸球、好中球、肥満細胞、マクロファージ)および血小板)の量を減らすのに使用され得る。 血球の量、または血球のサブセットの量を減少する能力は、白血球増加症(例えば、好酸球増加症など)の予防、検出、診断および/または処置に有用であり得る。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、血液悪液質を予防、処置、または診断するために使用され得る。

    貧血は、赤血球の数またはその中のヘモグロビン(酸素を運ぶタンパク質)の量が正常を下回る、状態である。 貧血は、過度の出血、減少した赤血球生成、または増加した赤血球細胞破壊(溶血)によって引き起こされ得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、貧血を処置、予防、および/または診断する際に有用であり得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドにより処置、予防または診断され得る貧血としては、鉄欠乏性貧血、血色素減少症、小球性貧血、萎黄病、遺伝性鉄芽球性貧血、特発性後天性鉄芽球性貧血、赤血球形成不全症、巨赤芽球性貧血(例えば、悪性貧血、(ビタミンB12欠乏)および葉酸欠乏性貧血)、再生不良性貧血、溶血性貧血(例えば、自己免疫溶血性貧血、細血管異常性溶血性貧血、および発作性夜間血色素尿症)が、挙げられる。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、疾患に関連する貧血を処置、予防、および/または診断する際に有用であり得、この疾患に関連する貧血としては、全身性エリテマトーデスに関連する貧血、ガンに関連する貧血、リンパ腫に関連する貧血、慢性腎疾患に関連する貧血、および腫脹した脾臓に関連する貧血が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、薬物処置から生じる貧血を処置、予防および/または診断する際に有用であり得、そのような貧血は、例えば、メチルドパに関連する貧血、ダプソンに関連する貧血、および/またはサルファ剤に関連する貧血である。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、異常な赤血球構造に関連する貧血を処置、予防、および/または診断する際に有用であり得、このような貧血としては、遺伝性球状赤血球、遺伝性楕円赤血球症、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ欠損、および鎌状赤血球貧血が挙げられるが、これらに限定されない。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、ヘモグロビン異常(例えば、鎌状赤血球貧血、ヘモグロビンC症、ヘモグロビンS−C症、およびヘモグロビンE症に関連した異常)を処置、予防、および/または診断するにおいて有用であり得る。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、サラセミア(α−サラセミアおよびβ−サラセミアのメジャー形態およびマイナー形態を含むが、これらに限定されない)を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。

    別の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、血小板減少症(例えば、特発性血小板減少性紫斑病、および血栓性血小板減少性紫斑病)、ヴォン・ヴィレブランド病、遺伝性血小板障害(例えば、蓄積プール症(storage pool disease)(例えば、チェディアック−東病およびヘルマンスキー−パドラック症候群)、トロンボキサンA2機能不全、血小板無力症、およびベルナール−スーリエ症候群)、溶血性尿毒症症候群、血友病(hemophelia)(例えば、血友病Aまたは第VII因子欠損、およびクリスマス病または第IX因子欠損)、遺伝性出血性毛細管拡張症(ランデュ−オースラー−ウェーバー症候群としてもまた公知)、アレルギー性紫斑病(ヘーノホ−シェーンライン紫斑病)および汎発性血管内凝固症候群が挙げられるが、これらに限定されない出血障害を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。

    血液の凝固時間に対する、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの効果は、全血部分トロンボプラスチン時間(PTT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、活性凝固時間(ACT)、再石灰化活性凝固時間またはリー−ホワイト凝固時間が挙げられるが、これらに限定されない、当該分野で公知の任意の凝固試験を使用してモニターされ得る。

    いくつかの疾患および種々の薬物は、血小板機能不全を引き起こし得る。 従って、特定の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、後天性血小板機能不全(例えば、腎不全、白血病、多発性骨髄腫、肝臓の肝硬変、および全身性エリテマトーデスに関連する血小板機能不全、ならびに薬物処置(高用量でのアスピリン、チクロピジン、非ステロイド性抗炎症薬(関節炎、疼痛、および捻挫に使用される)、およびペニシリンによる処置を含む)に関連する血小板機能不全)を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。

    別の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、白血球数の増加もしくは減少によって特徴付けられるか、または白血球数の増加もしくは減少に関連する疾患および障害を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。 白血球減少症は、白血球数が、正常未満に減少する場合に生じる。 白血球減少症としては、好中球減少症およびリンパ球減少症が挙げられるが、これらに限定されない。 正常と比較した白血球数の増加は、白血球増加症として公知である。 身体は、感染の間に、増加した数の白血球を産生する。 従って、白血球増加症は、単純に、感染を反映する通常の生理的パラメーターであり得る。 あるいは、白血球増加症は、損傷または癌のような他の疾患の指標であり得る。
    白血球増加症(Leokocytoses)としては、好酸球増加症およびマクロファージの蓄積が挙げられるが、これらに限定されない。 特定の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、白血球減少症を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。 他の特定の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、白血球増加症を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。

    白血球減少症は、すべての型の白血球が概して減少した状態であり得るか、または特定の型の白血球の特異的枯渇であり得る。 従って、特定の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、好中球数の減少(好中球減少症として公知)を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって診断、予後判定、予防および/または処置され得る好中球減少症としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:乳児遺伝性顆粒球減少症(infantile genetic agranulocytosis)、家族性好中球減少症、周期性好中球減少症、食事性欠損(例えば、ビタミンB12欠損または葉酸欠損)から生じるかまたはこれに関連する好中球減少症、薬物処置(例えば、抗生物質レジメン(例えば、ペニシリン処置)、スルホンアミド処置、抗凝固薬処置、鎮痙薬物、抗甲状腺性薬物、および癌化学療法)から生じるかまたは薬物処置に関連した好中球減少症、およびいくつかの細菌感染またはウイルス感染、アレルギー性障害、自己免疫疾患、個体が膨張した脾臓を有し(例えば、フェルティ症候群、マラリア、およびサルコイドーシス)、そしていくつかの薬物処置レジメンを有する状態に関連して生じ得る好中球破壊の増加から生じる好中球減少症。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、ストレス、薬物処置(例えば、コルチコステロイドを用いる薬物処置、癌化学療法、および/または放射線治療)、AID感染、および/または他の疾患(例えば、癌、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、慢性感染、いくつかのウイルス感染、および/または遺伝性障害(例えば、ディ・ジョージ症候群、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、重症複合型免疫不全、毛細血管拡張性運動失調)など)から生じるかまたはそれらに関連するリンパ球減少症を含むが、これに限定されないリンパ球減少症(Bリンパ球および/またはTリンパ球の数の減少)を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、ゴシェ病、ニーマン−ピック病、レテラー−ジーヴェ病、およびハンド−シュラー−クリスチャン病を含むが、これらに限定されない、マクロファージ数および/またはマクロファージ機能に関連した疾患および障害を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。

    別の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、特発性好酸球増多症候群、好酸球増多−筋痛症候群、およびハンド−シュラー−クリスチャン病を含むが、これらに限定されない、好酸球数および/または好酸球機能に関連した疾患および障害を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。

    さらに別の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、急性リンパ性(リンパ芽球性)白血病(ALL)、急性骨髄性(骨髄性(myelocytic)、骨髄性(myelogenous)、骨髄芽球性または骨髄単球性)白血病、慢性リンパ性白血病(例えば、B細胞白血病、T細胞白血病、セザリー症候群、およびヘアリーセル白血病)、慢性骨髄性(骨髄性(myeloid)、骨髄性(myelogenous)または顆粒球性)白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、および菌状息肉腫を含むが、これらに限定されない白血病およびリンパ腫を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、形質細胞異形成、単一クローン性高ガンマグロブリン血症、意義不明の単一クローン性高ガンマグロブリン血症(monoclonal gammopathies of undetermined significance)、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、クリオグロブリン血症、およびレーノー現象を含むが、これらに限定されないプラスマ細胞の疾患および障害を診断、予後判定、予防および/または処置する際に有用であり得る。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、真性赤血球増加症、相対的赤血球増加症、二次的赤血球増加症(secondary polycythemia)、骨髄線維症、急性骨髄線維症、原因不明骨髄様化生、血小板血症(一次的および二次的血小板血症の両方を含む)、および慢性骨髄性白血病を含むが、これらに限定されない、骨髄増殖性障害を処置、予防および/または診断する際に有用であり得る。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、外科手術の前に、血球産生を増加させるための処置として有用であり得る。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、好中球、食作用、スーパーオキシド産生、抗体依存性細胞傷害性、好酸球およびマクロファージの移動を増強するための薬剤として有用であり得る。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、幹細胞フェレーシスの前に、循環系の幹細胞数を増加させるための薬剤として有用であり得る。 別の特定の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、血小板フェレーシスの前に、循環系の幹細胞数を増加させるための薬剤として有用であり得る。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、サイトカイン産生を増加させるための薬剤として有用であり得る。

    他の実施形態では、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、一次造血障害を予防、診断および/または処置する際に有用であり得る。

    (過剰増殖性障害)
    特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、過剰増殖性障害(新生物を含む)を処置または検出するために使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、直接的相互作用または間接的相互作用を通して、障害の増殖を阻害し得る。 あるいは、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、過剰増殖性障害を阻害し得る他の細胞を増殖し得る。

    例えば、免疫応答を増加させることによって、特に、過剰増殖性障害の抗原性の質を増加させることかまたはT細胞を増殖、分化、もしくは動員することによって、過剰増殖性障害は処置され得る。 この免疫応答は、既存の免疫応答を増強することか、または新たな免疫応答を開始することのいずれかによって増加され得る。 あるいは、免疫応答を減少させることはまた、過剰増殖性障害を処置する方法であり得る(例えば、化学療法剤)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって処置または検出され得る過剰増殖性障害の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:結腸、腹部、骨、乳房、消化器系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(腎上体、上皮小体、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭頸部、神経(中枢および末梢)、リンパ系、骨盤、皮膚、軟組織、脾臓、胸郭、および泌尿性器管に位置づけられる新生物。

    同様に、他の過剰増殖性障害もまた、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって処置または検出され得る。 このような過剰増殖性障害の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:急性小児性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌腫、成体(原発性(primary))肝細胞癌、成体(原発性(primary))肝臓癌、成体急性リンパ性白血病、成体急性骨髄性白血病、成体ホジキン病、成体ホジキンリンパ腫、成体リンパ性白血病、成体非ホジキンリンパ腫、成体原発性肝臓癌、成体軟組織肉腫、AIDS関連リンパ腫、AIDS関連悪性疾患、肛門癌、星状細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨の癌、脳幹グリオーム、脳腫瘍、乳癌、腎盤および尿管の癌、中枢神経系(原発性)リンパ腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、子宮頸癌、小児性(原発性)肝細胞癌、小児性(原発性)肝臓癌、小児性急性リンパ芽球性白血病、小児性急性骨髄性白血病、小児性脳幹グリオーム、小児性小脳星状細胞腫、小児性大脳星状細胞腫、小児性頭蓋外胚細胞腫瘍(Childhood Extracranial Germ Cell Tumor)、小児性ホジキン病、小児性ホジキンリンパ腫、小児性視床下部および視路グリオーム(Childhood Hypothalamic and Visual Pathway Glioma)、小児性リンパ芽急性白血病、小児性髄芽腫、小児性非ホジキンリンパ腫、小児性松果体およびテント上未分化神経外胚葉性腫瘍、小児性原発性肝臓癌、小児性横紋筋肉腫、小児性軟組織肉腫、小児性視路および視床下部グリオーム、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞癌腫、子宮内膜癌、上衣腫、上皮癌、食道癌、ユーイング肉腫および関連の腫瘍、膵外分泌癌(Exocrine Pancreatic Cancer)、頭蓋外胚細胞腫瘍(Extracranial Germ Cell Tumor)、性腺外胚細胞腫瘍(Extragonadal Germ Cell Tumor)、肝外胆管癌、眼の癌、雌性乳癌、ゴシェ病、胆嚢癌、胃癌、胃腸類癌腫、胃腸腫瘍、胚細胞腫瘍(Germ Cell Tumor)、妊娠期栄養膜腫瘍(Gestational Trophoblastic Tumor)、ヘアリーセル白血病、頭頸部の癌、肝細胞癌、ホジキン病、ホジキンリンパ腫、高ガンマグロブリン血症、下咽頭癌、腸の癌、眼内黒色腫、島細胞癌腫、島細胞膵臓癌、カポージ肉腫、腎臓癌、喉頭癌、口唇および口腔の癌、肝臓癌、肺癌、リンパ増殖性(Lymphoproliferative)障害、マクログロブリン血症、雄性乳癌、悪性中皮腫、悪性胸腺腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、転移性潜在性原発性扁平上皮頸癌(Metastatic Occult Primary Squamous Neck Cancer)、転移性原発性扁平上皮頸癌(Metastatic Primary Squamous Neck Cancer)、転移性扁平上皮頸癌(Metastatic Squamous Neck Cancer)、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/プラスマ細胞新生物、脊髄形成異常症候群、骨髄性白血病(Myelogenous Leukemia)、骨髄性白血病(Myeloid Leukemia)、骨髄増殖性障害、鼻腔および副鼻腔の癌、鼻咽頭癌、神経芽腫、妊娠期の非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚癌(Nonmelanoma Skin Cancer)、非小細胞肺癌、潜在性原発性転移性扁平上皮頸癌(Occult Primary Metastatic Squamous Neck Cancer)、口腔咽頭癌、骨/悪性線維性肉腫、骨肉腫/悪性線維性組織球腫、骨の骨肉腫/悪性線維性組織球腫、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣境界型腫瘍、膵臓癌、パラプロテイン血症、紫斑、上皮小体癌、陰茎癌、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、プラスマ細胞新生物/多発性骨髄腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎盤および尿管の癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、サルコイドーシス肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、扁平上皮頸癌、胃癌、テント上未分化神経外胚葉性および松果体腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盤および尿管の移行上皮癌、移行性の腎盤および尿管の癌、栄養膜腫瘍、尿管および腎盤細胞の癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣の癌、視路および視床下部グリオーム、外陰部の癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫、ならびに任意の他の過剰増殖性疾患、および新形成であって、上記に列挙された器官系に位置付けられるもの。

    別の好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、前悪性状態の診断、予後判断、予防および/または処置、ならびに上に記載されるような障害を含むがこれらに限定されない腫瘍性状態または悪性状態への進行の予防を行う。 このような使用が示されるのは、腫瘍性または癌(特に、ここで、過形成、化生、または最も特には形成異常からなる非腫瘍性の細胞増殖が起こっている(このような異常な増殖状態の総説について、RobbinsおよびAngell,1976,Basic Pathology,第2版,W.B.Saunders Co.,Philadelphia,68〜79頁)を参照)への前述の進行が知られるか、または疑われる状況においてである。

    過形成は、制御された細胞増殖形態であり、これは、構造または機能において有意な変化を伴わない、組織または器官における細胞数の増大を含む。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、診断、予後判断、予防および/または処置し得る過形成障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:脈管濾胞性縦隔リンパ節増殖、好酸球増加随伴性血管類リンパ組織増殖症、非定型メラニン細胞過形成、基底細胞過形成、良性巨大リンパ節増殖、セメント質過形成、先天性副腎過形成、先天性脂腺増生症、嚢胞性増殖、乳房嚢胞性過形成、義歯性線維症、導管過形成、子宮内膜過形成、線維筋過形成、局所性上皮肥厚、歯肉増殖、炎症性線維性過形成、炎症性乳頭状過形成、血管内乳頭状内皮過形成、結節性前立腺過形成、結節性再生過形成、偽上皮腫性増殖、老年性脂腺増生症、ならびに疣贅性肥厚。

    化生は、成体の細胞または完全に分化した細胞の1つの型が、別の型の成体の細胞に代わる制御された細胞増殖形態である。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、診断、予後判断、予防および/または処置し得る化生障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:原因不明骨髄様化生、アポクリン化生、非定型化性(atypical metaplasia)、自己実質化生、結合組織化生、上皮化生、腸上皮化生、化生性貧血、変形骨化、異形成性ポリープ、骨髄化生、原発性骨髄様化生、二次性骨髄様化生、扁平化生、羊膜の扁平化生、および症候性骨髄化生。

    形成異常は、頻繁に癌の前兆であり、そして主に上皮において見出される;形成異常は、非腫瘍性細胞増殖の最も乱れた形態であり、これは、個々の細胞の一様性の損失および細胞の構築的配向の喪失を含む。 形成異常細胞は、しばしば異常に大きく、深く染色される核を有し、そして多態性を呈する。 形成異常は、特徴的に慢性的な過敏または炎症の存在するところに生じる。 本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、診断、予後判断、予防および/または処置し得る形成異常障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:無汗性外胚葉性形成異常、前後形成異常、窒息性胸郭形成異常、心房指(atriodigital)形成異常、気管支肺異形成症、終脳形成異常、子宮頸部形成異常、軟骨外胚葉性形成異常、鎖骨頭蓋骨形成不全、先天性外胚葉性形成異常、頭蓋骨幹形成異常、頭蓋骨手根骨足根骨形成不全、頭蓋骨幹端形成異常、ぞうげ質異形成症、骨幹形成異常、外胚葉性形成異常、エナメル質形成異常、脳−眼球異形成(encephalo−ophthalmic dysplasia)、足根骨肥大、多発性骨端形成異常、点状骨端形成異常、上皮形成異常、顔面指趾生殖器形成異常、家族性顎骨の線維性形成障害、家族性白色襞性形成異常、線維筋性形成異常、線維性骨形成異常、開花性骨異形成症、遺伝性腎性−網膜性形成異常(hereditary renal−retinal dysplasia)、発汗性外胚葉性形成異常、無汗性外胚葉形成異常症、リンパ球減少性胸腺形成異常、乳房形成異常、顎顔面形成異常、骨幹端形成異常、モンディーニ型内耳形成異常、単発性線維性形成異常、粘膜上皮形成異常、多発性骨端形成異常、眼耳脊椎形成異常、眼歯指形成異常、眼脊椎形成異常、歯牙形成不全、眼下顎四肢形成不全、根尖性セメント質異形成症、多発性線維性骨形成異常、偽軟骨発育不全脊椎骨端形成異常、網膜形成異常、中隔−視覚異形成症、脊椎骨端形成異常、および心室橈骨形成異常。

    さらに本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、診断、予後判断、予防および/または処置し得る前腫瘍性障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:良性の異常増殖障害(例えば、良性腫瘍、線維嚢胞状態、組織肥大、腸ポリープ、結腸ポリープ、および食道形成異常)、白斑症、角化症、ボーエン病、農夫皮膚、日光口唇炎、および日光性角化症。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、ポリペプチドが発現される組織に関する障害の診断および/または予後判断し得る。

    別の実施形態において、本明細書において記載されるように毒素または放射性同位元素に結合した、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、本明細書中に記載されるものを含むが、これらに限定されない癌および新生物を処置し得る。 さらなる好ましい実施形態において、本明細書において記載されるように毒素または放射性同位元素に結合した、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、急性骨髄性白血病を処置し得る。

    さらに本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、アポトーシスに影響し得、したがって細胞生存の増大またはアポトーシスの阻害に関する多くの疾患を処置する際に有用である。 例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて診断、予後判断、予防、および/または処置し得る細胞生存の増大またはアポトーシスの阻害に関する疾患としては、以下が挙げられる:癌(例えば、濾胞性リンパ腫、p53変異を伴う癌、およびホルモン依存性腫瘍(以下を含むが、これらに限定されない:結腸癌、心臓性腫瘍(cardiac tumors)、膵臓癌、黒色腫、網膜芽腫、神経膠芽腫、肺癌、腸癌、精巣癌、胃癌、神経芽腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、骨巨細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、腺腫、乳癌、前立腺癌、カポージ肉腫、および卵巣癌));自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behcet's disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、ならびに免疫性糸球体腎炎(immune−related glomerulonephritis)および慢性関節リウマチ)ならびにウイルス感染(例えば、ヘルペスウイルス、ポックスウイルスおよびアデノウイルス)炎症、対宿主性移植片病、急性移植片拒絶、ならびに慢性移植片拒絶。

    好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、癌(特に上に列挙したもの)の増殖、進行、および/または転移を阻害する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって、診断、予後判断、予防および/または処置され得る、細胞の生存を増大させることに関するさらなる疾患または状態としては、以下の進行および/または転移が挙げられるが、これらに限定されない:悪性腫瘍および関連する障害(例えば、白血病(急性白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄性白血病(promyelocytic)、骨髄単球性白血病、単球性白血病および赤白血病を含む))、ならびに慢性白血病(例えば、慢性骨髄性白血病(顆粒球性白血病)および慢性リンパ性白血病)を含む)、真性赤血球増加、リンパ腫(例えば、ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、および固形腫瘍(これらは、以下が挙げられるが、これらに限定されない:肉腫および癌(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮性肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原生癌、腎細胞癌、ヘパトーム、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎生期癌、ウィルムス腫、頚部癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫(emangioblastoma)、聴神経鞘腫(acoustic neuroma)、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽腫、ならびに網膜芽腫))。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって、診断、予後判断、予防および/または処置され得る、アポトーシスを増大させることに関する疾患は、以下を含む:AIDS;神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小脳変性、および脳腫瘍または原発性関連疾患(prior associated disease));自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behcet's disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、および免疫関連糸球体腎炎(immune−related glomerulonephritis)および慢性関節リウマチ)、脊髄形成異常症候群(例えば、再生不良性貧血)、対宿主性移植片病、虚血性障害(例えば、心筋梗塞、発作、および再灌流障害に起因するもの)、肝障害(例えば、肝炎に関連する肝障害、虚血/再灌流障害、胆汁うっ滞(cholestosis)(胆管障害)、および肝癌);毒素誘導性肝疾患(例えば、アルコールに起因するもの)、敗血症性ショック、悪液質ならびに食欲不振。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって、診断、予後判断、予防および/または処置され得る、過剰増殖性の疾患および/または障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:肝、腹部、骨、胸、消化器系、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、上皮小体、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭、および首、神経系(中枢神経および末梢神経)、リンパ系、骨盤、皮膚、柔組織、脾臓、胸郭および泌尿性器路に位置する新生物。

    同様に、他の過剰増殖障害もまた、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって、診断、予後判断、予防および/または処置され得る。 このような過剰増殖障害の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:高ガンマグロブリン血症、リンパ球増殖障害、パラプロテイン血症、紫斑病、サルコイドーシス、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ゴシェ病、組織球増殖症、および新形成に加えて、上に列挙した器官系に位置する他の任意の過剰増殖疾患。

    別の好ましい実施形態は、本発明および/またはそのタンパク質融合物またはそのフラグメントを使用する遺伝子治療によって、異常な細胞分裂を阻害するために本発明のポリヌクレオチドを利用する。

    従って、本発明は、異常に増殖する細胞中に、本発明のポリヌクレオチドを挿入することによって細胞増殖性障害を処置するための方法を提供し、ここでこのポリヌクレオチドは、その発現を抑制する。

    本発明の別の実施形態は、個体において細胞増殖性障害を処置する方法を提供し、この方法は、異常に増殖する細胞(単数または複数)に本発明の1つ以上の活性遺伝子コピーを投与する工程を包含する。 好ましい実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、そのポリヌクレオチドをコードするDNA配列を発現する際に有効な、組換え発現ベクターを含むDNA構築物である。 本発明の別の好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質をコードするDNA構築物は、レトロウイルス(またはより好ましくは、アデノウイルスベクター)を利用して処置されるべき細胞中に、挿入される(G.J.Nabelら、PNAS 1999 96:324〜326(本明細書により参考として援用される)を参照のこと)。 最も好ましい実施形態において、このウイルスベクターは欠損性であり、そして、非増殖細胞を形質転換せず、増殖する細胞のみ形質転換する。 さらに、好ましい実施形態において、単独でか、他のポリヌクレオチドと組み合わせてか、または他のポリヌクレオチドと融合されてのいずれかで、増殖する細胞中に挿入される本発明のポリヌクレオチドは、その後、外部刺激(すなわち、磁気、特定の低分子、化学物質または薬物の投与など)を介して調節され得、この外部刺激は、コードされるタンパク質産物の発現を誘導するように、このポリヌクレオチドの上流のプロモーターに対して作用する。
    このように、本発明の有益な治療効果は、この外部刺激に基づいて明らかに調節され(すなわち、本発明の発現を増加、減少または阻害し)得る。

    本発明のポリヌクレオチドは、腫瘍性遺伝子または抗原の発現を抑制する際に有用であり得る。 「腫瘍性遺伝子の発現を抑制する」とは、この遺伝子の転写の抑制、この遺伝子転写物(プレメッセージRNA)の破壊、スプライシングの阻害、メッセンジャーRNAの破壊、タンパク質の翻訳後改変の妨害、タンパク質の崩壊、またはタンパク質の正常な機能の阻害を意図する。

    異常に増殖している細胞への局所投与のために、本発明のポリヌクレオチドは、当業者に公知の任意の方法によって投与され得る。 この方法には、トランスフェクション、エレクトロポレーション、細胞の微量注入、もしくはリポソームのようなビヒクル、リポフェクション、または裸のポリヌクレオチドとして、あるいは、本明細書全体を通して記載される任意の他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明のポリヌクレオチドは、当業者に公知のレトロウイルスベクター(Gilboa,J.Virology 44:845(1982);Hocke,Nature 320:275(1986);Wilsonら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:3014)、ワクシニアウイルス系(Chakrabartyら,Mol.Cell Biol.5:3403(1985)、または他の効率的なDNA送達系(Yatesら,Nature 313:812(1985))のような公知の遺伝子送達系(しかし、これらの限定されない)によって送達され得る。これらの参考文献は例示のみであり、そして本明細書中で参考として援用される。異常に増殖している細胞を特異的に送達またはトランスフェクトし、そして非分裂の細胞を残すために、当業者に公知のレトロウイルス、またはアデノウイルス(当該分野において記載され、そして本明細書中の他の箇所において記載されるような)送達系を利用することが好ましい。宿主DNA複製は、レトロウイルスDNAを組み込むために必要とされ、そしてレトロウイルスは、その生活環に必要とされるレトロウイルス遺伝子を欠損するので、自律複製し得ない。本発明のポリヌクレオチドのためにこのようなレトロウイルス送達系を利用することは、この遺伝子および構築物を異常に増殖している細胞へと標的化し、そして分裂していない正常細胞を残す。

    本発明のポリヌクレオチドは、疾患部位に直接的に注射針をガイドするために使用される画像化デバイスを使用することによって、内部の器官、体腔などにおける細胞増殖性障害/疾患の部位に直接的に送達され得る。 本発明のポリヌクレオチドはまた、外科的介入の時点で、疾患部位に投与され得る。

    「細胞増殖性疾患」とは、良性であろうと悪性であろうと、細胞、細胞群、または組織の単一または複数の局所的異常増殖によって特徴付けられる、器官、腔、または身体部分のいずれか1つまたはいずれかの組み合わせに罹患する、ヒトまたは動物の任意の疾患または障害を意味する。

    本発明のポリヌクレオチドの任意の量が、それらが処理された細胞の増殖に対して生物学的に阻害する効果を有する限り、投与され得る。 さらに、同一部位に同時に、本発明の1より多くのポリヌクレオチドを投与することが可能である。 「生物学的に阻害する」とは、部分的または全体的な増殖阻害、ならびに細胞の増殖または成長の速度減少を意味する。 生物学的に阻害性の用量は、組織培養物中の標的の悪性細胞増殖または異常増殖の細胞増殖、動物および細胞培養物中の腫瘍増殖に対する本発明のポリヌクレオチドの効果を評価することによって、または当業者に公知の任意の他の方法によって、決定され得る。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、単独でか、タンパク質融合物としてか、または本明細書中の他の箇所に記載されるように直接的または間接的に他のポリペプチドと組み合わせるかのいずれかで、増殖性の細胞または組織の新脈管形成を阻害する際に有用である。 最も好ましい実施形態では、この抗新脈管形成作用は、例えば、造血性腫瘍特異的細胞(例えば、腫瘍関連マクロファージ)の阻害を通して、間接的に達成され得る(Joseph IBら,J Natl Cancer Inst,90(21):1648−53(1998)(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、アポトーシスの誘導を通して増殖性の細胞または組織を阻害する際に有用であり得る。 これらの融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、例えば、死ドメイン(death−domain)レセプター(例えば、腫瘍壊死因子(TNF)レセプター−1、CD95(Fas/APO−1)、TNFレセプター関連アポトーシス媒介性タンパク質(TRAMP)およびTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)レセプター−1および−2(Schulze−Osthoff Kら,Eur J Biochem 254(3):439−59(1998)(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと))の活性化において、増殖性の細胞および組織のアポトーシスを誘導するように、直接的または間接的のいずれかで作用し得る。 さらに、本発明の別の好ましい実施形態では、これらの融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドは、アポトーシスを活性化する他のタンパク質の活性化におけるような他の機構を通してか、あるいは単独または低分子薬物もしくはアジュバント(例えば、アポプトニン(apoptonin)、ガレクチン(galectin)、チオレドキシン、抗炎症性タンパク質(例えば、Mutat Res 400(1−2):447−55(1998),Med Hypotheses.50(5):423−33(1998),Chem Biol Interact.Apr 24;111−112:23−34(1998),J Mol Med.76(6):402−12(1998),Int J Tissue React;20(1):3−15(1998)(これらはすべて、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと))と組み合わせてかのいずれかで、このタンパク質の発現を刺激することを通して、アポトーシスを誘導し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、増殖性細胞または組織の転移を阻害する際に有用である。 阻害は、本明細書中他の箇所に記載されるように、これらのアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドを投与する工程の直接的結果として、または間接的に(例えば、転移を阻害することが公知のタンパク質(例えば、α4インテグリン)の発現を活性化する)生じ得る(例えば、本明細書中に参考として援用される、Curr Top Microbiol Immunol 1998;231:125−41を参照のこと)。 本発明のこのような治療的影響は、単独で、または低分子薬物もしくはアジュバントと組み合わせてかのいずれかで達成され得る。

    別の実施形態において、本発明は、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む組成物を、本発明のアルブミン融合タンパク質によって結合された、このタンパク質に結合する、またはこのタンパク質に関連するポリペプチドを発現する標的とされた細胞に送達する方法を提供する。 本発明のアルブミン融合タンパク質は、異種ポリペプチド、異種核酸、毒素、またはプロドラッグと、疎水性、親水性、イオン性および/または共有結合的な相互作用を通じて結合され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質は、増殖性抗原および免疫原に対して、直接的(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質が「ワクチン接種」された場合、上記の抗原および免疫原に対して応答するように免疫応答を生じる)または間接的(例えば、免疫応答を増強することが公知のタンパク質(例えば、ケモカイン)の発現を活性化することにおいて)のいずれかで、増殖している細胞または組織の免疫原性および/または抗原性を増強する際に有用である。

    (腎臓障害)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、腎臓系の障害を、処置、予防、診断、および/または予後判定し得る。 本発明の組成物を用いて診断、予後判定、予防、および/または処置され得る腎臓障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:腎不全、腎炎、腎臓の血管障害、代謝性腎臓障害および先天性腎臓障害、腎臓の尿障害、自己免疫障害、硬化症および壊死、電解質不均等、および腎臓癌。

    本発明の組成物を用いて診断、予後判定、予防、および/または処置され得る腎疾患としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:急性腎不全、慢性腎不全、アテローム塞栓症、末期腎臓疾患、腎臓の炎症性疾患(例えば、急性糸球体腎炎、感染後糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、膜性糸球体腎炎、家族性ネフローゼ症候群、膜性増殖性糸球体腎炎IおよびII、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、急性尿細管間質性腎炎、慢性尿細管間質性腎炎、急性溶連菌感染後性糸球体腎炎(PSGN)、腎盂腎炎、ループス腎炎、慢性腎炎、間質性腎炎、および溶連菌感染後性糸球体腎炎)、腎臓の血管障害(例えば、腎感染、アテローム塞栓症性腎臓疾患、皮質壊死、悪性腎硬化症、腎静脈血栓症、腎貫流低下(renal underperfusion)、腎性網膜症(renal retinopathy)、腎虚血再灌流(renal ischemia−reperfusion)、腎動脈塞栓症、および腎動脈狭窄)、そして尿管疾患に起因する腎障害(例えば、腎盂腎炎、水腎症、尿石症(腎結石症、腎石症)、逆流性腎症、尿管感染、尿閉(urinary retention)、および急性または慢性片側閉塞性尿路疾患)。

    さらに、本発明の組成物を用いて、腎臓の代謝障害および先天性障害(例えば、尿毒症、腎アミロイドーシス、腎性骨形成異常症、尿細管性アシドーシス、腎性糖尿、腎原性尿崩症、シスチン尿症、ファンコーニ症候群、腎性くる病(renal fibrocystic osteosis(renal rickets))、ハートナップ病、バーター症候群、リドル症候群、多発性嚢胞腎疾患、髄質嚢胞病、髄質海綿腎、アルポート症候群、爪−膝蓋骨症候群、先天性ネフローゼ症候群、クラッシュ症候群、馬腎、糖尿病性ニューロパシー、腎原性尿崩症、鎮痛薬性腎症、腎結石、および膜性腎症)、ならびに腎臓の自己免疫障害(例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、グッドパスチャー症候群、IgA腎症、およびIgMメサンギウム増殖性糸球体腎炎))を診断、予後判定、予防、および/または処置し得る。

    本発明の組成物をまた用いて、以下を診断、予後判定、予防、および/または処置し得る:腎臓の硬化性障害または壊死性障害(例えば、糸球体硬化症、糖尿病性腎症、巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)、壊死性糸球体腎炎、および腎乳頭壊死)、腎臓の癌(例えば、腎腫、副腎腫、腎芽細胞腫、腎細胞癌、移行上皮癌、腎腺癌、扁平上皮癌、およびウィルムス腫)、ならびに電解質不均等(例えば、腎石灰、膿尿、水腫、水腎、蛋白尿、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、低リン酸血症、および高リン酸血症)。

    本発明の組成物は、当該分野で公知である任意の方法を使用して投与され得、これらの方法としては、送達部位における直接的針注射、静脈内注射、局所投与、カテーテル注入、微粒子銃(biolistic)注射、粒子加速器、ゲルフォームスポンジデポー、他の市販デポー物質、浸透圧ポンプ、経口または坐剤の固形薬学的処方物、手術中のデカンティングまたは局所適用、エアロゾル送達が挙げられるが、これらに限定されない。 そのような方法は当該分野で公知である。 本発明の組成物は、下記でより詳細に記載される、治療剤(Therapeutic)の一部として投与され得る。 ポリヌクレオチドを送達する方法は本明細書中でより詳細に記載される。

    (心臓血管障害)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、四肢虚血のような末梢動脈疾患を含むが、これらに限定されない心臓血管障害を処置、予防、診断、および/または予後判定し得る。

    心臓血管障害としては、動動脈瘻(arterio−arterial fistula)、動静脈瘻、大脳動静脈先天異常、先天性心欠陥(congenital heart defects)、肺動脈弁閉鎖症、およびシミター症候群のような心臓血管異常が挙げられるが、これらに限定されない。 先天性心欠陥としては、大動脈縮窄(aortic oarctation)、三房心、冠状脈管奇形(coronary vessel anomalies)、交差心、右胸心、開存性動脈管(patent ductus arteriosus)、エブスタイン奇形、アイゼンメンガー複合症、左心室発育不全症候群、左胸心、ファロー四徴症、大血管転位症、両大血管右室起始症、三尖弁閉鎖症、動脈管遺残、および心中隔欠損症(heart septal defects)(例えば、大動脈肺動脈中隔欠損症(aortopulmonary septal defect)、心内膜床欠損症、リュタンバッシェ症候群、ファロー三徴症、心室心中隔欠損症(ventricular heart septal defects))が挙げられるが、これらに限定されない。

    心臓血管障害としてはまた、不整脈、カルチノイド心臓病、高心拍出量(high cardiac output)、低心拍出量(low cardiac output)、心タンポナーデ、心内膜炎(細菌性を含む)、心臓動脈瘤、心停止、うっ血性心不全、うっ血性心筋症、発作性呼吸困難、心臓水腫、心肥大、うっ血性心筋症、左心室肥大、右心室肥大、梗塞後心破裂(post−infarction heart rupture)、心室中隔破裂、心臓弁疾患、心筋疾患、心筋虚血、心内膜液浸出、心外膜炎(梗塞性および結核性を含む)、気心膜症、心膜切開後症候群、右心疾患、リウマチ性心疾患、心室機能不全、充血、心臓血管妊娠合併症(cardiovascular pregnancy complications)、シミター症候群、心血管梅毒、および心血管結核(cardiovascular tuberculosis)のような心臓病が挙げられるが、これらに限定されない。

    不整脈としては、洞性不整脈、心房性細動、心房粗動、徐脈、期外収縮、アダムズ−ストークス症候群、脚ブロック、洞房ブロック、長QT症候群(long QT syndrome)、副収縮、ローン−ギャノング−レヴァイン症候群、マヘーム型早期興奮症候群(Mahaim−type pre−excitation syndrome)、ウルフ−パーキンソン−ホワイト症候群、洞不全症候群、頻拍、および心室性細動が挙げられるが、これらに限定されない。 頻拍としては、発作性頻拍、上室性頻拍、心室固有調律促進、房室結節性再入頻拍(atrioventricular nodal reentry tachycardia)、異所心房性頻拍、異所接合部頻拍、洞房結節性再入頻拍(sinoatrial nodal reentry tachycardia)、洞性頻拍、トルサード・ド・ポワント、および心室性頻拍が挙げられる。

    心臓弁疾患としては、大動脈弁機能不全症、大動脈弁狭窄症、心雑音(hear murmurs)、大動脈弁逸脱症、僧帽弁逸脱症、三尖弁逸脱症、僧帽弁機能不全、僧帽弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖症、肺動脈弁機能不全、肺動脈弁狭窄症、三尖閉鎖症、三尖弁機能不全、および三尖弁狭窄症が挙げられる。

    心筋疾患としては、アルコール性心筋症、うっ血性心筋症、肥大型心筋症、弁下部性大動脈狭搾症、弁下部性肺動脈狭搾症、拘束型心筋症、シャーガス心筋症、心内膜線維弾性症、心内膜心筋線維症、キーンズ症候群、心筋再灌流障害、および心筋炎が挙げられるが、これらに限定されない。

    心筋性虚血としては、狭心症、冠動脈瘤、冠動脈硬化、冠動脈血栓症、冠動脈血管痙攣、心筋梗塞、および心筋気絶(myocardial stunning)のような冠動脈疾患が挙げられるが、これらに限定されない。

    心臓血管疾患としてはまた、動脈瘤、血管形成異常、血管腫症、細菌性血管腫症状、ヒッペル−リンダラ疾患(Hippel−Lindau Disease)、クリペル−トルノネー−ウェーバー症候群、スタージ−ウェーバー症候群、血管運動神経性水腫、大動脈疾患、高安動脈炎、大動脈炎、ルリーシュ症候群、動脈閉塞疾患、動脈炎、動脈内膜炎(enarteritis)、結節性多発性動脈炎、脳血管障害、糖尿病性血管障害、糖尿病性網膜症、塞栓症、血栓症、先端紅痛症、痔、肝静脈閉塞障害、高血圧、低血圧、虚血、末梢血管疾患、静脈炎、肺静脈閉塞疾患、レーノー病、CREST症候群、網膜静脈閉塞、シミター症候群、上大静脈症候群、毛細血管拡張症、毛細血管拡張性運動失調(atacia telangiectasia)、遺伝性出血性毛細管拡張症、精索静脈瘤、拡張蛇行静脈、静脈瘤性潰瘍、脈管炎、および静脈機能不全のような血管疾患が挙げられる。

    動脈瘤としては、解離性動脈瘤、偽動脈瘤、感染した動脈瘤、破裂した動脈瘤、大動脈性動脈瘤、大脳性動脈瘤、冠動脈瘤、心動脈瘤、および腸骨性動脈瘤が挙げられるが、これらに限定されない。

    動脈閉塞疾患としては、動脈硬化症、間欠性跛行、頸動脈狭窄症、線維筋性形成異常、腸間膜性血管閉塞、モヤモヤ病、腎動脈閉塞、網膜動脈閉塞、および閉塞性血栓性血管炎が挙げられるが、これらに限定されない。

    脳血管障害としては、頸動脈疾患、脳のアミロイドアンギオパチー、大脳動脈瘤、大脳無酸素症、大脳動脈硬化、大脳動静脈先天異常、大脳動脈疾患、大脳の塞栓症および血栓症、頸動脈血栓症、洞血栓症、ヴァレンベルク症候群、大脳出血、硬膜上血腫、硬膜下血腫、クモ膜下出血(subaraxhnoid hemorrhage)、大脳梗塞、大脳虚血(一過性を含む)、鎖骨下動脈盗血症候群、室周白軟化症(periventricular leukomalacia)、血管性頭痛、群発性頭痛、片頭痛、および椎骨基部(vertebrobasilar)機能不全が挙げられるが、これらに限定されない。

    塞栓症としては、空気塞栓症、羊水塞栓症、コレステロール塞栓症、爪先チアノーゼ症候群、脂肪塞栓症、肺動脈塞栓症、および血栓塞栓症が挙げられるが、これらに限定されない。 血栓症としては、冠状動脈血栓症、肝静脈血栓症、網膜静脈閉塞、頸動脈血栓症、洞血栓症、ヴァレンベルク症候群、および血栓性静脈炎が挙げられるが、これらに限定されない。

    虚血性障害としては、大脳虚血、虚血性大腸炎、仕切り症候群(compartment syndrome)、前仕切り症候群(anterior compartment syndrome)、心筋虚血、再灌流傷害、および末梢四肢虚血が挙げられるが、これらに限定されない。 脈管炎としては、大動脈炎、動脈炎、ベーチェット(Behcet)症候群、チャーグ−ストラウス症候群、粘膜皮膚リンパ節症候群、閉塞性血栓性血管炎、過敏性血管炎、シェーンライン−ヘーノホ紫斑病(Schoenlein−Henoch purpura)、アレルギー性皮膚血管炎およびヴェーゲナー肉芽腫症が挙げられるが、これらに限定されない。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、当該分野で公知である任意の方法を使用して投与され得、これらの方法としては、送達部位における直接的針注射、静脈内注射、局所投与、カテーテル注入、微粒子銃(biolistic)注射、粒子加速器、ゲルフォームスポンジデポー、他の市販デポー物質、浸透圧ポンプ、経口または坐剤の固形薬学的処方物、手術中のデカンティングまたは局所適用、エアロゾル送達が挙げられるが、これらに限定されない。 そのような方法は当該分野で公知である。 ポリヌクレオチドを送達する方法は本明細書中でより詳細に記載される。

    (呼吸性障害)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、呼吸系の疾患および/または障害の処置、予防、診断、および/または予後判定するために用いられ得る。

    呼吸系の疾患および障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:鼻前庭炎、非アレルギー性鼻炎(例えば、急性鼻炎、慢性鼻炎、アトロピン様鼻炎、血管運動神経性鼻炎)、鼻ポリープ、および副鼻腔炎、若年性血管線維腫、鼻の癌および若年性乳頭腫、声帯ポリープ、声帯結節(歌手結節)、接触潰瘍、声帯麻痺、喉頭気腫、咽頭炎(例えば、ウイルス性および細菌性)、扁桃炎、扁桃蜂巣炎、副咽頭間隙膿瘍、喉頭炎、喉頭気腫、ならびに咽頭癌(例えば、鼻咽頭の癌、扁桃癌、咽頭癌)、肺癌(例えば、扁平上皮細胞腫、小細胞腫(燕麦細胞腫)、大細胞腫、および腺癌)、アレルギー性障害(好酸球性肺炎、過敏性肺炎(例えば、外因性アレルギー性肺胞炎、アレルギー性間質肺炎、有機塵埃塵肺症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、喘息、ヴェーゲナー肉芽腫症(肉芽腫性脈管炎)、グッドパスチャー症候群))、肺炎(例えば、細菌肺炎(Streptococcus pneumoniae(連鎖球菌肺炎)、Staphylococcus aureus(ブドウ球菌肺炎)、グラム陰性細菌肺炎(例えば、KlebsiellおよびPseudomas spp.により引き起こされる)、Mycoplasma pneumoniae肺炎、Hemophilus influenzae肺炎、Legionella pneumophila(レジオネラ性疾患)、ならびにChlamydia psittaci(オウム病))、そしてウイルス肺炎(例えば、インフルエンザ、水痘(Chickenpox)(水痘(varicella))。

    呼吸系のさらなる疾患および障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:細気管支炎、ポリオ、クループ、RSウイルス感染、おたふくかぜ、伝染性紅斑(第五病)、小児バラ疹、進行性風疹汎脳炎、風疹、および亜急性硬化性汎脳炎)、真菌肺炎(例えば、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス真菌症、ブラストミセス症、重篤に抑制される免疫系を有する人々における真菌感染(例えば、Cryptococcus neoformansにより引き起こされるクリプトコックス症;Aspergillus spp.により引き起こされるアスペルギルス症;Candidaにより引き起こされるカンジダ症;およびムコール菌症)、Pneumocystis carinii(ニューモシスティス肺炎)、異型肺炎(例えば、MycoplasmaおよびChlamydia spp.)、日和見感染性肺炎、院内感染肺炎、化学性肺炎、ならびに吸引性肺炎、胸膜疾患(例えば、胸膜炎、胸水、および気胸症(例えば、単純自発性気胸症、複雑自発性気胸症、緊張気胸症))、気道閉塞疾患(例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、急性気管支炎または慢性気管支炎)、職業性肺疾患(例えば、珪肺症、黒色肺(炭坑夫塵肺症)、石綿肺症、ベリリウム症、職業性喘息、綿肺症、ならびに良性塵肺症)、浸潤性肺疾患(例えば、肺線維症(例えば、線維化肺胞炎、通常型間質性肺炎)、特発性肺線維症、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、原因不明性組織球増殖症(例えば、レテラー−ジーヴェ病、ハンド−シュラー−クリスチャン病、好酸球性肉芽腫)、特発性肺ヘモジデリン沈着、サルコイドーシスおよび肺胞蛋白症)、急性呼吸窮迫症候群(例えば、成人呼吸促進症候群とも呼ばれる)、水腫、肺動脈塞栓症、気管支炎(例えば、ウイルス性、細菌性)、気管支拡張症、無気肺、肺膿瘍(例えば、Staphylococcus aureusまたはLegionella pneumophilaによって引き起こされる)、そして嚢胞性線維症。

    (抗新脈管形成活性)
    新脈管形成の内因性の、刺激因子とインヒビターとの間の天然に存在する平衡は、阻害影響が優勢である平衡である。 Rastinejadら、Cell 56:345〜355(1989)。 新生血管形成が正常な生理学的条件下において生じるまれな場合(例えば、創傷治癒、器官再生、胚発生、および雌性生殖プロセス)において、新脈管形成は、厳密に調節され、そして空間的および時間的に定められる。 病的な新脈管形成の条件(例えば、固形腫瘍増殖を特徴付ける)の下において、これらの調節の制御はできない。 調節されていない新脈管形成は病的になり、そして多くの新生物性疾患および非新生物性疾患の進行を維持する。 多くの重篤な疾患は、固形腫瘍の増殖および転移、関節炎、いくつかの型の眼の障害および乾癬を含む、異常な新生血管形成により支配される。 例えば、Mosesら、Biotech. 9:630〜634(1991);Folkmanら、N. Engl. J. Med. 、333:1757〜1763(1995);Auerbachら、J. Microvasc. Res. 29:401〜411(1985);Folkman、Advances in Cancer Research、KleinおよびWeinhouse編、Academic Press、New York、175〜203頁(1985);Patz、Am. J. Opthalmol. 94:715〜743(1982);およびFolkmanら、Science 221:719〜725(1983)による概説を参照のこと。 多くの病的状態において、新脈管形成のプロセスは、その疾患状態に寄与する。 例えば、固形腫瘍の増殖が新脈管形成に依存することを示唆する有意なデータが蓄積されている。 FolkmanおよびKlagsbrun、Science 235:442〜447(1987)。

    本発明は、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの投与による新生血管形成に関連する疾患または障害の処置を提供する。 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて処置し得る悪性状態および転移性状態には、本明細書に記載の悪性疾患、固形腫瘍、および癌、ならびに当該分野で公知の他のもの(このような障害の総説については、Fishmanら、Medicine、第2版、J.B.Lippincott Co.,Philadelphia(1985)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。 従って、本発明は、新脈管形成関連疾患および/または障害の処置の方法を提供し、この方法は、治療有効量の、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、その処置の必要な個体に投与する工程を包含する。 例えば、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、癌または腫瘍を治療的に処置するために、種々のさらなる方法で利用され得る。 本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドで処置され得る癌としては、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌、胆管癌、結腸癌、直腸癌、頸部癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌を含む固形腫瘍;原発性腫瘍および転移;黒色腫;膠芽腫;カポージ肉腫;平滑筋肉腫;非小細胞肺癌;結腸直腸癌;進行性(advanced)悪性疾患;および血液から生じる腫瘍(例えば、白血病)が挙げられるが、これらに限定されない。 例えば、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、皮膚癌、頭頸部腫瘍、乳房腫瘍およびカポージ肉腫のような癌を処置するために、局所送達され得る。

    なお他の局面において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば膀胱内投与によって膀胱癌の表面形態を処置するために利用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、注射またはカテーテルを介して、腫瘍に直接的に、または腫瘍部位付近に送達され得る。 当然のことながら、当業者が理解するように、適切な投与様式は、処置されるべき癌によって変化する。 他の送達様式は本明細書中において議論される。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、癌に加えて、他の障害(新脈管形成を含む)を処置する際に有用であり得る。 これらの障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:良性腫瘍(例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫);動脈硬化プラーク;眼の脈管形成疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟網膜症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖、ルベオーシス、網膜芽細胞腫、ブドウ膜炎(uvietis)および眼の翼状片(Pterygia)(異常な血管増殖));慢性関節リウマチ;乾癬;遅延型創傷治癒;子宮内膜症;脈管形成;顆粒化;過形成性瘢痕(ケロイド);偽関節骨折;強皮症;トラコーマ;血管接着;心筋の新脈管形成;冠状側副枝(coronary collaterals);大脳側副枝;動静脈奇形;虚血性四肢新脈管形成;オースラー−ウェーバー(Osler−Webber)症候群;プラーク新生血管形成;毛細血管拡張症;血友病性関節;血管線維腫;線維筋性形成異常;創傷顆粒化;クローン病;およびアテローム性動脈硬化症。

    例えば、本発明の1つの局面において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを過形成性瘢痕またはケロイドに投与する工程を包含する、過形成性瘢痕およびケロイドを処置するための方法が提供される。

    本発明の1つの実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、過形成性瘢痕またはケロイドに、これらの病変の進行を妨げるために直接注射される。 この治療は、過形成性瘢痕およびケロイド(例えば、やけど)の発生を生じることが知られている状態の予防処置において特に価値があり、そして好ましくは、増殖期が進行する時間(最初の傷害の約14日後)を有した後であるが、過形成性瘢痕またはケロイドの発生の前に開始される。 上述のように、本発明はまた、眼の新生血管形成疾患(例えば、角膜新生血管形成、血管新生緑内障、増殖性糖尿病網膜症、水晶体後線維増殖および黄斑変性を含む)を処置するための方法を提供する。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置され得る新生血管形成に関連する眼の障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:血管新生緑内障、糖尿病網膜症、網膜芽細胞腫、水晶体後線維増殖症、ブドウ膜炎、未熟網膜症、黄斑変性、角膜移植新生血管形成、ならびに他の眼の炎症性疾患、眼の腫瘍、および脈絡膜または虹彩の新生血管形成に関連する疾患。 例えば、Waltmanら、Am. J. Ophthal. 85:704〜710(1978)およびGartnerら、Surv. Ophthal. 22:291〜312(1978)による総説を参照のこと。

    従って、本発明の1つの局面において、治療有効量の化合物(本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)を患者に対して、血管の形成が阻害されるように角膜に投与する工程を包含する、角膜新生血管形成(角膜移植新生血管形成を含む)のような眼の新生血管形成疾患を処置するための方法が、提供される。 簡潔には、角膜は、通常には血管を欠く組織である。 しかし、特定の病的状態において、毛細血管は、縁の角膜周囲脈管叢から角膜に伸長し得る。 角膜が血管化されるようになる場合、角膜はまた混濁されるようになり、患者の視力の衰えを生じる。 角膜が完全に不透明になる(opacitate)場合に、視力喪失が完全になり得る。 広範な種々の障害は、例えば、以下を含む角膜新生血管形成を生じ得る:角膜感染(例えば、トラコーマ、単純ヘルペス角膜炎、リーシュマニア症およびオンコセルカ症)、免疫学的プロセス(例えば、移植片拒絶およびスティーヴンズ−ジョンソン症候群)、アルカリやけど、外傷、炎症(任意の原因による)、毒性および栄養欠乏状態、ならびにコンタクトレンズを装着することの合併症として。

    特に好ましい実施形態において、本発明は、生理食塩水(眼に用いる調製物において一般に使用される任意の保存剤および抗菌剤と組合せて)中で局所投与のために調製され得、そして点眼剤形態で投与され得る。 溶液または懸濁液は、その純粋な形態で調製され得、そして1日に数回投与され得る。 あるいは、上記のように調製される抗脈管形成組成物はまた、角膜に直接投与され得る。 好ましい実施形態において、抗脈管形成組成物は、角膜に結合する粘膜接着性ポリマーとともに調製される。 さらなる実施形態において、抗脈管形成因子または抗脈管形成組成物は、従来のステロイド治療に対する補助剤として利用され得る。 局所治療はまた、脈管形成応答(例えば、化学的やけど)を誘導する高い可能性を有することが公知である角膜病変において予防的に有用であり得る。 これらの場合において、処置(おそらくステロイドと組み合わせられる)は、その後の合併症を予防するのを補助するために直ちに開始され得る。

    他の実施形態において、上記の化合物は、角膜支質に直接、顕微鏡の案内の下で眼科医によって注入され得る。 好ましい注射部位は、個々の病巣の形態で変化し得るが、投与の目標は、脈管構造の前進している面に組成物を置くこと(すなわち、血管と正常な角膜との間に分散される)である。 ほとんどの場合において、これは、前進している血管から角膜を「防御」するための縁周囲(perilimbic)角膜注射を含む。 この方法はまた、角膜新生血管形成を予防的に防ぐために、角膜傷害の直後に利用され得る。 この状況において、この物質は、角膜病巣とその所望されない潜在的な血液供給の縁との間に分散して縁周囲角膜に注射され得る。 このような方法はまた、類似の様式で、移植された角膜の毛細血管浸潤を予防するために利用され得る。 徐放形態において、注入は、1年に2〜3回のみ必要とされ得る。 ステロイドもまた、注入溶液に添加され、その注射自体から生じる炎症を低減し得る。

    本発明の別の局面において、患者に、血管の形成を阻害するように、治療有効量の本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを眼に投与する工程を包含する、血管新生緑内障を処置するための方法が提供される。 1つの実施形態において、化合物は、血管新生緑内障の早期形態を処置するために、眼に局所投与され得る。 他の実施形態において、化合物は、前方角(anterior chamber angle)の領域に注入によって移植され得る。 他の実施形態において、化合物はまた、化合物が眼房水に連続的に放出されるように、任意の位置に置かれ得る。 本発明の別の局面において、患者に、血管の形成が阻害されるように、治療有効量の本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを眼に投与する工程を包含する、増殖性糖尿病性網膜症を処置するための方法が提供される。

    本発明の特に好ましい実施形態において、増殖性糖尿病性網膜症は、網膜における本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストの局所濃度を増加させるために、眼房水または硝子体への注入によって処置され得る。 好ましくは、この処置は、光凝固を必要とする重篤な疾患の獲得の前に開始されるべきである。

    本発明の別の局面において、血管の形成が阻害されるように、患者に、治療有効量の本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを眼に投与する工程を包含する、水晶体後線維増殖症を処置するための方法が、提供される。 化合物は、硝子体内注射を介して、および/または眼内移植を介して局所投与され得る。

    さらに、この本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドで処置され得る障害としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:血管腫、関節炎、乾癬、血管線維腫、アテローム性プラーク、遅延型創傷治癒、顆粒化、血友病性関節、過形成性瘢痕、偽関節骨折、オースラー−ウェーバー(Osler−Weber)症候群、化膿性肉芽腫、強皮症、トラコーマ、および血管接着。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドで処置、予防、診断、および/または予後判定され得る障害および/または状態としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:固形腫瘍、血液由来の(blood born)腫瘍(例えば、白血病)、腫瘍転移、カポージ肉腫、良性腫瘍(例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫)、慢性関節リウマチ、乾癬、眼の脈管形成疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟網膜症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、網膜芽細胞腫、およびブドウ膜炎)、遅延型創傷治癒、子宮内膜症、脈管形成、顆粒化、過形成性瘢痕(ケロイド)、偽関節骨折、強皮症、トラコーマ、血管接着、心筋の新脈管形成、冠状側副枝(coronary collaterals)、大脳側副枝、動静脈奇形、虚血性四肢新脈管形成、オースラー−ウェーバー症候群、プラーク新生血管形成、毛細血管拡張症、血友病性関節、血管線維腫、線維筋性形成異常、創傷顆粒化、クローン病、アテローム性動脈硬化症、産児制限薬剤(月経を制御する、胎芽着床のために必要な血管新生を予防することによる)、病原性の結果(例えば、ネコ引っかき病(Rochele minalia quintosa)、潰瘍(Helicobacter pylori)、バルトネラ症および細菌性血管腫症状)のような新脈管形成を有する疾患。

    産児制限方法の1つの局面において、胎芽着床をブロックするに十分な化合物の量は、性交および受精が起こる前またはその後に投与され、従って産児制限の有効な方法、おそらく「事後用(morning after)」方法を提供する。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、月経を制御することにおいて使用され得るか、または子宮内膜症の処置における腹膜洗浄液として、もしくは腹膜移植のためのいずれかで投与され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、縫合(stitch)肉芽腫を予防するために、外科縫合に組み込まれ得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、広範な種々の外科手順において利用され得る。 例えば、本発明の1つの局面において、組成物(例えば、スプレーまたはフィルムの形態において)は、悪性組織から正常な周囲の組織を分離するため、そして/または周囲の組織への疾患の広がりを予防するために、腫瘍の除去の前に、領域をコートまたはスプレーするために利用され得る。 本発明の他の局面において、組成物(例えば、スプレーの形態において)は、腫瘍をコートするため、または所望の場所において新脈管形成を阻害するために、内視鏡手順を介して送達され得る。 本発明のなお他の局面において、本発明の抗脈管形成組成物でコートされている外科メッシュが、外科メッシュが利用され得る任意の手順において利用され得る。 例えば、本発明の1つの実施形態において、抗脈管形成組成物を有した外科メッシュレーデン(laden)は、構造に対する支持を提供するため、そして一定の量の抗脈管形成因子を放出するために、腹部癌切除手術の間(例えば、結腸切除の後)に利用され得る。

    本発明のさらなる局面において、癌の局所的再発およびその部位での新しい血管の形成が阻害されるように、切除後に本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを腫瘍の切除縁に投与する工程を包含する、腫瘍切除部位を処置するための方法が提供される。 本発明の1つの実施形態において、抗脈管形成化合物は、腫瘍切除部位に直接投与される(例えば、塗布、ブラッシング(brushing)、または他の方法で抗脈管形成化合物で腫瘍の切除縁をコートすることによって適用される)。 あるいは、抗脈管形成化合物は、投与前に公知の外科ペーストに組み込まれ得る。 本発明の特に好ましい実施形態において、抗脈管形成化合物は、悪性疾患についての肝切除後および神経外科手術後に適用される。

    本発明の1つの局面において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、広範な種々の腫瘍(例えば、乳房腫瘍、結腸腫瘍、脳腫瘍および肝腫瘍を含む)の切除縁に投与され得る。 例えば、本発明の1つの実施形態において、抗脈管形成化合物は、切除後に、神経学的腫瘍の部位に、その部位での新しい血管の形成が阻害されるように投与され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、他の抗脈管形成因子とともに投与され得る。 他の抗脈管形成因子の代表的な例としては以下が挙げられる:抗侵襲性因子、レチノイン酸およびその誘導体、パクリタキセル、スラミン、メタロプロテイナーゼ−1の組織インヒビター、メタロプロテイナーゼ−2の組織インヒビター、プラスミノーゲン活性化インヒビター−1、プラスミノーゲン活性化インヒビター−2および種々の形態のより軽い「d群」遷移金属。

    より軽い「d群」遷移金属には、例えばバナジウム、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブおよびタンタル種が挙げられる。 そのような遷移金属種は、遷移金属錯体を形成し得る。 上記の遷移金属種の適切な錯体としては、オキソ遷移金属錯体が挙げられる。

    バナジウム錯体の代表的な例としては、バナデート錯体およびバナジル錯体のようなオキソバナジウム錯体が挙げられる。 適切なバナデート錯体としては、例えばメタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウムおよびオルトバナジン酸ナトリウムのようなメタバナデート錯体およびオルトバナデート錯体が挙げられる。 適切なバナジル錯体としては、例えばバナジルアセチルアセトネートおよび硫酸バナジル(硫酸バナジル一水和物および硫酸バナジル三水和物のような硫酸バナジル水和物を含む)が挙げられる。

    タングステン錯体およびモリブデン錯体の代表的な例としてはまた、オキソ錯体が挙げられる。 適切なオキソタングステン錯体としては、タングステート錯体およびタングステンオキシド錯体が挙げられる。 適切なタングステート錯体としては、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸ナトリウム二水和物およびタングステン酸が挙げられる。 適切なタングステンオキシドとしては、タングステン(IV)オキシドおよびタングステン(VI)オキシドが挙げられる。 適切なオキソモリブデン錯体としては、モリブデート、モリブデンオキシドおよびモリブデニル錯体が挙げられる。 適切なモリブデート錯体としては、モリブデン酸アンモニウムおよびその水和物、モリブデン酸ナトリウムおよびその水和物、ならびにモリブデン酸カリウムおよびその水和物が挙げられる。 適切なモリブデンオキシドとしては、モリブデン(VI)オキシド、モリブデン(VI)オキシドおよびモリブデン酸が挙げられる。 適切なモリブデニル錯体としては、例えばモリブデニルアセチルアセトネートが挙げられる。 他の適切なタングステン錯体およびモリブデン錯体としては、例えばグリセロール、酒石酸および糖由来のヒドロキソ誘導体が挙げられる。

    広範な種々の他の抗脈管形成因子もまた、本発明の状況において利用され得る。 代表的な例としては、以下が挙げられる:血小板因子4;硫酸プロタミン;硫酸化キチン誘導体(クイーンクラブ(queen crab)の殻から調製される)(Murataら、Cancer Res.51:22〜26、1991);硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(SP−PG)(この化合物の機能は、ステロイド(例えば、エストロゲン)およびクエン酸タモキシフェンの存在によって、増強され得る);スタウロスポリン;基質代謝の調節因子(例えば、プロリンアナログ、シスヒドロキシプロリン、d,L−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリン、α,α−ジピリジル,アミノプロピオニトリルフマレートを含む);4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン;メトトレキサート;ミトザントロン;ヘパリン;インターフェロン;2マクログロブリン−血清;ChIMP−3(Pavloffら、J.Bio.Chem.267:17321〜17326、1992);キモスタチン(Tomkinsonら、Biochem J.286:475〜480、1992);シクロデキストリンテトラデカサルフェート;エポネマイシン;カンプトテシン;フマギリン(Ingberら、Nature 348:555〜557、1990);チオリンゴ酸金ナトリウム(「GST」;MatsubaraおよびZiff、J.Clin.Invest.79:1440〜1446、1987);アンチコラゲナーゼ−血清;α2−抗プラスミン(Holmesら、J.Biol.Chem.262(4):1659〜1664、1987);ビサントレン(National Cancer Institute);ロベンザリット二ナトリウム(N−(2)−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸(chloroanthronilic acid)二ナトリウム、すなわち「CCA」;Takeuchiら、Agents Actions 36:312〜316、1992);サリドマイド;Angostaticステロイド;AGM−1470;カルボキシアミノイミダゾール(carboxynaminolmidazole);およびメタロプロテイナーゼインヒビター(例えば、BB94)。

    (細胞レベルでの疾患)
    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって処置、予防、診断、および/または予後判定され得る細胞生存の増大あるいはアポトーシスの阻害に関連する疾患には、癌(例えば、濾胞性リンパ腫、p53変異を有する癌腫、およびホルモン依存性腫瘍、これらは以下:結腸癌、心臓腫瘍、膵臓癌、黒色腫、網膜芽細胞腫、神経膠芽細胞腫、肺癌、腸癌、精巣癌、胃癌、神経芽細胞腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、骨巨細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、腺腫、乳癌、前立腺癌、カポージ肉腫および卵巣癌を含むが、これらに限定されない);自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behcet's disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよび免疫関連糸球体腎炎ならびに慢性関節リウマチ)およびウイルス感染(例えば、ヘルペスウイルス、ポックスウイルスおよびアデノウイルス)、炎症、対宿主性移植片病、急性移植片拒絶、ならびに慢性移植片拒絶、が挙げられる。

    好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、特に上記に列挙される、癌の増殖、進行、および/または転移(metasis)を阻害するために使用される。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって処置あるいは検出され得る細胞生存の増大に関連するさらなる疾患または状態には、悪性疾患の進行および/または転移ならびに以下のような関連する障害が挙げられるが、これらに限定されない:白血病(急性白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病を含む)を含む)ならびに慢性白血病(例えば、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ球性白血病))、真性赤血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、ならびに固形腫瘍(肉腫および癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝細胞癌腫、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫)を含むが、これらに限定されない)。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって処置、予防、診断、および/または予後判定され得るアポトーシスの増大に関連する疾患には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:AIDS;神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小脳変性および脳腫瘍または以前に関連した疾患);自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behcet's disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよび免疫関連糸球体腎炎ならびに慢性関節リウマチ)、脊髄形成異常症候群(例えば、再生不良性貧血)、対宿主性移植片病、虚血性傷害(心筋梗塞、発作および再灌流傷害によって生じるようなもの)、肝臓傷害(例えば、肝炎関連肝臓傷害、虚血/再灌流傷害、胆汁うっ滞(cholestosis)(胆管傷害)および肝臓癌);毒物誘導性肝臓疾患(アルコールによって引き起こされるようなもの)、敗血症性ショック、悪液質ならびに食欲不振。

    (創傷治癒および上皮細胞増殖)
    本発明のなおさらなる局面に従って、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、治療目的のため、例えば、創傷治癒の目的のために上皮細胞増殖および基底ケラチノサイトを刺激するため、ならびに毛包生成および皮膚創傷の治癒を刺激するために、利用するプロセスが提供される。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下を含む創傷治癒を刺激する際に臨床的に有用であり得る:外科的創傷、切除の創傷、深い創傷(真皮および表皮の損傷を含む)、眼組織の創傷、歯組織の創傷、口腔創傷、糖尿病性潰瘍、皮膚の潰瘍、肘の潰瘍、動脈の潰瘍、静脈うっ滞潰瘍、熱への曝露または化学物質から生ずる熱傷、および他の異常な創傷治癒状態(例えば、尿毒症、栄養失調、ビタミン欠乏、ならびにステロイド、放射線療法および抗腫瘍性薬物および代謝拮抗物質を用いる全身性処置に関連する合併症。本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、皮膚損失後の皮膚の回復を促進するために使用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、創傷床(wound bed)への皮膚移植片の接着を増大するため、および創傷床からの再上皮形成を刺激するために使用され得る。 以下は、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが創傷床への接着を増大するために使用され得る、移植片の型である:自家移植片、人工皮膚、同種移植片(allograft)、自己植皮片、自己表皮移植片(autoepdermic graft)、無血管性(avacular)移植片、ブレア−ブラウン移植片、骨移植片、胚胎組織移植片、真皮移植片、遅延移植片、皮膚移植片、表皮移植片、筋膜移植片、全層皮膚移植片、異種移植片(heterologous graft)、異種移植片(xenograft)、同種移植片(homologous graft)、増殖性移植片、層板状移植片、網状移植片、粘膜移植片、オリエ−ティールシュ移植片、大網移植片、パッチの移植片(patch graft)、茎状移植片、全層移植片(penetrating graft)、分層植皮片(split skin graft)、分層植皮片(thick split graft)。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、皮膚の強度を助長するため、および加齢した皮膚の外見を改善するために使用され得る。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、肝細胞増殖、および肺、乳房、膵臓、胃、小腸、および大腸における上皮細胞増殖における変化を生じると考えられる。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、上皮細胞(例えば、皮脂細胞(sebocyte)、毛包、肝細胞、II型肺胞上皮細胞(type II pneumocyte)、ムチン産生杯細胞、および他の上皮細胞、ならびに皮膚、肺、肝臓、および胃腸管内に含まれるそれらの前駆体)の増殖を促進し得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、内皮細胞、ケラチノサイト、および基底ケラチノサイトの増殖を促進し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、放射線、化学療法処置またはウイルス感染から生じる腸の毒性の副作用を低減するために使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、小腸粘膜に対して細胞保護的な(cytoprotective)効果を有し得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、化学療法およびウイルス感染から生じる粘膜炎(mucositis)(口潰瘍)の治癒を刺激し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、やけどを含む、完全な厚さおよび部分的な厚さの皮膚欠損における皮膚の完全な再生(すなわち、毛包、汗腺、および皮脂腺の再増殖)、乾癬のような他の皮膚欠損の処置においてさらに使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、表皮水疱症(これらの損傷の再上皮形成を促進することによる頻繁な開放性かつ疼痛性の水疱を生じる、下層の真皮への表皮の接着の欠損)を処置するために使用され得る。
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、胃潰瘍および十二指腸(doudenal)潰瘍を処置し、そして粘膜の内層の瘢痕形成ならびに腺の粘膜および十二指腸の粘膜の内層の再生による治癒を、より迅速に補助するために使用され得る。 炎症性腸疾患、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎は、それぞれ、小腸または大腸の粘膜表面の破壊を生じる疾患である。 従って、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、粘膜表面の再表面形成(resurfacing)を促進して、より迅速な炎症性腸疾患の治癒を補助し、そして炎症性腸疾患の進行を予防するために、使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いる処置は、胃腸管全体の粘液の産生に対して有意な効果を有すると予期され、そして摂取された有害な物質からかまたは外科手術後に、腸粘膜を有害な物質から保護するために使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、その発現不足に関連する疾患を処置するために使用され得る。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、種々の病的状態に起因する肺への損傷を予防および治癒するために使用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、急性または慢性の肺損傷を予防または処置するために、肺胞および細気管支(brochiolar)上皮の増殖および分化を刺激し得、そしてその修復を促進し得る。 例えば、肺胞(aveoli)の進行性の損失を生じる気腫、および細気管支上皮および肺胞の壊死を生じる吸入傷害(inhalation injury)(すなわち、煙の吸入およびやけどから生じる)は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、アゴニストまたはアンタゴニストを使用して、効果的に処置され得る。 また、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、II型肺胞上皮細胞の増殖および分化を刺激するために使用され得、これは、未熟な乳児における肺硝子膜症(例えば、乳児呼吸窮迫症候群および気管支肺異形成症)のような疾患を処置または予防するのを助け得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、肝細胞の増殖および分化を刺激し得、従って、肝臓の疾患および病状(例えば、肝硬変により生じる劇症肝不全、ウイルス性肝炎および毒性物質(すなわち、アセトアミノフェン、四塩化炭素(carbon tetraholoride)、および当該分野で公知の他の肝臓毒素)により生じる肝臓損傷)を緩和または処置するために用いられ得る。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、真性糖尿病の発症を処置または予防するために使用され得る。 新たにI型糖尿病およびII型糖尿病と診断された患者において、いくらかの島細胞機能が残っている場合、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、その疾患の永続的な発現を、緩和、遅延または予防するように、その島機能を維持するために使用され得る。 また、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、島細胞機能を改善または促進するための島細胞移植における補助として使用され得る。

    (ニューロンの活性および神経学的疾患)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、脳および/または神経系の疾患、障害、損傷、または傷害の診断および/または処置のために使用され得る。 本発明の組成物(例えば、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)を用いて処置され得る神経系の疾患には、軸索の切断、ニューロンの減少もしくは変性、または脱髄のいずれかを引き起こす、神経系損傷および疾患、障害および/または状態が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明に従って、患者(ヒト患者および非ヒト哺乳動物患者を含む)において処置され得る神経系病変には、以下の中枢神経系(脊髄、脳を含む)または末梢神経系のいずれかの病変が挙げられるが、これらに限定されない:(1)虚血病変(ここで、神経系の一部における酸素不足により、ニューロンの損傷または死が生じ、これには大脳梗塞もしくは虚血、または脊髄梗塞もしくは虚血が挙げられる);(2)外傷病変(身体的損傷により生じるかまたは手術に関連する病変、例えば、神経系の一部分を切断する病変、または圧縮損傷を含む);(3)悪性病変(ここで、神経系の一部分は、神経系関連悪性疾患もしくは非神経系組織由来の悪性疾患のいずれかである悪性組織により破壊または損傷される);(4)感染性病変(ここで、神経系の一部分は、例えば、膿瘍による感染の結果として、破壊または損傷されるか、あるいはヒト免疫不全ウイルス、帯状ヘルペスもしくは単純ヘルペスウイルスによる感染と関連するか、ライム病、結核、梅毒に関連する);(5)変性病変(ここで、神経系の一部分は、変性プロセスの結果として破壊または損傷され、これには、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病または筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関連する変性が挙げられるが、これらに限定されない);(6)栄養性の疾患、障害および/または状態に関連する病変(ここで、神経系の一部分は、栄養障害または代謝障害によって破壊または損傷され、これには、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症、ヴェルニッケ病、タバコ−アルコール弱視、マルキアファーヴァ−ビニャーミ病(脳梁の一次変性)およびアルコール小脳変性が挙げられるが、これらに限定されない);(7)全身性疾患に関連する神経性病変(糖尿病(糖尿病性ニューロパシー、ベル麻痺)、全身性エリテマトーデス、癌または類肉腫症が挙げられるが、これらに限定されない);(8)毒性物質(アルコール、鉛または特定の神経毒を含む)により生じる病変;ならびに(9)脱髄性病変(ここで、神経系の一部分は、脱髄性執権によって破壊または損傷され、これには、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス関連脊髄障害、横断脊髄障害または種々の病因、進行性多病巣性白質脳障害、および橋中央ミエリン溶解が挙げられるが、これらに限定されない)。

    1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、低酸素症の損傷効果から神経細胞を保護するために用いられる。 さらに好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、大脳低酸素症の損傷作用から神経細胞を保護するために用いられる。 この実施形態によると、本発明の組成物は、大脳低酸素症に関連する神経細胞損傷を処置または予防するために用いられる。 この実施形態の1つの非限定局面において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、大脳虚血と関連する神経細胞損傷を処置または予防するために用いられる。 この実施形態の別の非限定局面において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、大脳梗塞に関連する神経細胞損傷を処置または予防するために用いられる。

    別の好ましいこの実施形態において本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、脳卒中に関連する神経細胞損傷を処置または予防するために用いられる。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、脳卒中に関連する大脳神経細胞損傷を処置または予防するために用いられる。

    別の好ましいこの実施形態において本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、心臓発作に関連する神経細胞損傷を処置または予防するために用いられる。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、心臓発作に関連する大脳神経細胞損傷を処置または予防するために用いられる。

    神経系障害を処置または予防するのに有用な本発明の組成物は、ニューロンの生存または分化の促進における生物学的活性について試験することによって、選択され得る。 例えば、制限する目的ではないが、以下の効果のいずれかを誘発する本発明の組成物は、本発明によると有用であり得る:(1)低酸素または低酸素状態の存在または非存在下のいずれかの培養におけるニューロンの増加した生存時間;(2)培地またはインビボにおけるニューロンの増加した出芽;(3)培地またはインビボにおけるニューロン関連分子(例えば、運動ニューロンに関して、コリンアセチルトランスフェラーゼまたはアセチルコリンステラーゼ)の増加した産生;あるいは(4)インビボにおけるニューロン機能障害の軽減した症状。 このような効果は、当該分野で公知の任意の方法によって測定され得る。
    好ましくは、非制限的な実施形態において、ニューロンの増加した生存時間は、本明細書中に記載される方法、またはそうでなければ当該分野で公知の方法(例えば、Zhangら,Proc Natl Acad Sci USA 97:3637−42(2000)、または、Arakawaら,J.Neurosci.10:3507〜3515(1990)など)を使用して慣用的に測定され得;ニューロンの増加した出芽は、当該分野で公知の方法(例えば、Pestronkら(Exp.Neurol.70:65〜82(1980))またはBrownら(Ann.Rev.Neurosci.4:17〜42(1981))に記載される方法)によって検出され得;ニューロン関連分子の増加した産生は、当該分野で公知の技術を使用し、測定されるべき分子に基づいて、バイオアッセイ、酵素アッセイ、抗体結合、ノーザンブロットアッセイなどによって、測定され得;そして運動ニューロンの機能障害は、運動ニューロン障害の物理的発現(例えば、弱さ、運動ニューロンの伝導速度、または機能障害)を評価することによって、測定され得る。

    特定の実施形態において、本発明に従って処置され得る運動ニューロンの障害には、運動ニューロンおよび神経系の他の成分に影響を与え得る障害(例えば、梗塞、感染、毒素への暴露、外傷、外科的損傷、変性疾患、または悪性疾患)、ならびにニューロンに選択的に影響する障害(例えば、筋萎縮性側索硬化症)が挙げられるが、これらに限定されず、そしてこれには、進行性脊髄性筋萎縮症、進行性球延髄麻痺、原発性側索硬化症、小児筋萎縮および若年性筋萎縮、小児期の進行性球麻痺(ファチオ−ロンデ病)、ポリオおよびポリオ後症状、ならびに遺伝性運動感覚性神経障害(シャルコー−マリー−トゥース病)が挙げられるが、これらに限定されない。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、ニューロン生存、シナプス形成;伝達;神経分化などにおいて役割を果たし得る。 従って、本発明の組成物(本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む)は、学習および/または認識の障害を含むがこれに限定されない、これらの役割に関連する疾患または障害を、診断、および/または処置または予防するのに用いられ得る。 本発明の組成物は、神経変性性疾患状態および/または行動障害の処置または予防において有用であり得る。 このような神経変性性疾患状態および/または行動障害としては以下が挙げられるがこれらに限定されない:アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)。 さらに、本発明の組成物は、発生中の胚、または伴性障害に関連する発生の障害の処置、予防および/または検出において役割を果たし得る。

    さらに、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下を含むが挙げられるがこれらに限定されない脳血管障害に関連する、疾患、傷害、障害または、損傷から、神経細胞を防御するのに有用であり得る:脳血管障害(例えば、頸動脈血栓症、頸動脈狭窄またはモヤモヤ病)、脳のアミロイドアンギオパチー、大脳動脈瘤、脳低酸素症、大脳動脈硬化症、大脳動静脈奇形、大脳動脈疾患、脳塞栓症および血栓(例えば、頸動脈血栓症、洞血栓症およびヴァレンベルク症候群)、硬膜上血腫(例えば、硬膜外血腫または硬膜下血腫およびクモ膜下出血)、脳亀裂骨折、脳虚血(例えば、一過性脳虚血、鎖骨下動脈盗血症候群、または椎骨脳底不全(vertebrobasilar insufficiency))、血管性痴呆(たとえば、多発脳梗塞性痴呆)、脳室周囲白質軟化症、ならびに血管性頭痛(例えば、群発性頭痛)。

    本発明のなおさらなる局面によれば、治療目的で、例えば神経学的細胞増殖および/または分化を刺激するために、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを利用するためのプロセスが提供される。
    従って、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、神経学的疾患を処置、および/または検出するために用いられ得る。 さらに、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、特定の神経系疾患または傷害のマーカーまたは検出因子として用いられ得る。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得る神経学的疾患の例としては、以下が挙げられる:脳疾患(例えば、母系フェニルケトン尿症のようなフェニルケトン尿症を含む代謝性脳疾患)、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠乏症、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠乏症、ヴェルニッケ脳障害、脳水腫、テント下(infratentorial)新生物を含む小脳性新生物のような脳新生物、脈絡叢新生物のような脳室新生物、視床下部性新生物、テント上新生物、キャナヴァン病、毛細血管拡張性運動失調のような脊髄小脳性退化を含む小脳性運動失調のような小脳疾患、小脳性共同運動障害、フリードライヒ失調症、マチャド−ジョセフ病、オリーブ橋小脳萎縮、テント下新生物のような小脳性新生物、びまん性軸周囲性脳炎、球様細胞白質萎縮症、異染性白質萎縮症および亜急性硬化性汎脳炎のようなびまん性脳硬化。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患としては、以下が挙げられる:脳血管障害(例えば、頸動脈血栓症、頸動脈狭窄およびモヤモヤ病を含む頸動脈疾患)、脳のアミロイドアンギオパチー、大脳動脈瘤、大脳動脈硬化症、大脳動静脈奇形、大脳動脈疾患、頸動脈血栓症、洞血栓症およびヴァレンベルク症候群のような脳塞栓症および血栓症、硬膜上血腫、硬膜下血腫およびクモ膜下出血のような脳出血、脳亀裂骨折、一過性脳虚血、鎖骨下動脈盗血症候群および椎骨脳底不全(vertebrobasilar insufficiency)のような脳虚血、多発脳梗塞性痴呆のような血管性痴呆、脳室周囲白質軟化症、群発性頭痛のような血管性頭痛。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患としては以下が挙げられる:エイズ痴呆複合症のような痴呆症、アルツハイマー病およびクロイツフェルト−ヤーコプ病のような初老期痴呆、アルツハイマー病および進行性核上性麻痺のような老年痴呆、多発脳梗塞性痴呆のような血管性痴呆、びまん性軸周囲性脳炎のような脳炎、流行性脳炎、日本脳炎、セントルイス脳炎、マダニ媒介性脳炎および西ナイル熱のようなウイルス性脳炎、急性播種性脳脊髄炎、ブドウ膜髄膜炎症候群、脳炎後パーキンソン病および亜球性硬化性汎脳炎のような髄膜脳脊髄炎、室周白斑症のような脳軟化症、点頭痙攣を含む全身てんかんのようなてんかん、アプサンスてんかん(absence epilepsy)、MERRF症候群を含むミオクローヌスてんかん、強直・間代てんかん、複雑部分てんかん、前頭葉てんかんおよび側頭葉てんかんのような部分てんかん、外傷後てんかん、持続性部分てんかんのようなてんかん重積持続状態、ハレルフォルデン−シュパッツ症候群。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患としては、以下が挙げられる:ダンディ−ウォーカー症候群および正常圧水頭症のような水頭症、視床下部性新生物のような視床下部性疾患、大脳マラリア、脱力発作を含むナルコレプシー、延髄ポリオ(bulbar poiomyelitis)、大脳偽腫瘍、レット症候群、ライ症候群、視床疾患、大脳トキソプラスマ症、頭蓋内結核腫およびツェルヴェーガー症候群、エイズ痴呆複合症のような中枢神経系感染、脳膿瘍、硬膜下蓄膿症、ウマの脳脊髄炎のような脳脊髄炎、ベネズエラウマ脳脊髄炎、壊死性出血性脳脊髄炎、ビスナ、ならびに大脳マラリア。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患としては、以下が挙げられる:クモ膜炎のような髄膜炎、リンパ球性脈絡髄膜炎を含むウイルス性髄膜炎のような無菌性髄膜炎、ヘモフィルス髄膜炎を含む細菌性髄膜炎、リステリア髄膜炎、ウォーターハウス−フリーデリックセン症候群のような髄膜炎菌性脳脊髄膜炎、肺炎球菌髄膜炎および髄膜結核症、クリプトコックス髄膜炎のような真菌性髄膜炎、硬膜下滲出、ブドウ膜髄膜脳炎症候群のような髄膜脳炎、横行脊髄炎(transverse myelitis)のような脊髄炎、脊髄ろうのような神経梅毒、延髄ポリオおよびポリオ後症候群を含むポリオ、プリオン病(例えば、クロイツフェルト−ヤーコプ病、ウシの海綿状脳症、ゲルストコン−シュトロイスラー症候群、クールー、スクラピー)、ならびに大脳トキソプラスマ症。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患としては、以下が挙げられる:テント下新生物のような小脳性新生物を含む脳新生物のような中枢神経系新生物、脈絡叢新生物、視床下部性新生物およびテント上新生物のような脳室新生物、髄膜新生物、硬膜外新生物を含む脊髄新生物、キャナヴァン病のような脱髄疾患、副腎脳白質ジストロフィーを含むびまん性大脳硬化症(diffuse cerebral sceloris)、びまん性軸周囲性脳炎、球様細胞白質萎縮症、異染性白質萎縮症のようびまん性大脳硬化症、アレルギー性脳脊髄炎、壊死性出血性脳脊髄炎、進行性多病巣性白質脳障害、多発性硬化症、橋中央ミエリン溶解、横行脊髄炎、視神経脊髄炎、スクラピー、脊柱前弯症、慢性疲労症候群、ビスナ、高圧神経質症候群(High Pressure Nervous Syndrome)、髄膜症、先天性筋無緊張症のような脊髄疾患、筋萎縮性側索硬化症、ヴェルドニッヒ−ホフマン病のような棘筋萎縮、脊髄圧搾、硬膜外新生物のような脊髄新生物、脊髄空洞症、脊髄ろう、スティッフマン症候群、母親由来15 q‐13微少欠損のような精神遅滞、ネコ鳴き症候群、ド・ランゲ症候群、ダウン症候群、ガングリオシドーシスG(M1)のようなガングリオシドーシス、ザントホフ病、テイ−サックス病、ハートナップ病、ホモシスチン尿症、ローレンス−ムーン−ビードル症候群、レッシュ−ナイハン症候群、カエデシロップ病、フコース蓄積症のようなムコリピドーシス、ニューロンセロイド脂褐素沈着症、眼脳腎症候群、母系フェニルケトン尿のようなフェニルケトン尿症、プラーダー−ヴィリ症候群、レット症候群、ルービンスタイン−テービ症候群、結節硬化症、WAGR症候群、全前脳症のような神経系異常、水無能症(hydrangencephaly)を含む無能症のような神経管不全、アルノルト−キアーリ奇形、脳ヘルニア、髄膜瘤、髄膜脊髄瘤、嚢胞性二分脊椎および潜在性二分脊椎のような脊髄癒合不全。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患としては、以下が挙げられる:シャルコー−マリー疾患を含む遺伝性の運動および感覚ニューロン障害、遺伝性 視覚萎縮症、レフスム病、遺伝性痙性対麻痺、ヴェルドニッヒ−ホフマン病、先天性痛覚脱失症および家族性自律神経障害のような遺伝性感覚および自律性ニューロパシー、神経学的症状発現(例えば、ゲルストマン症候群を含む失認)、逆向性健忘症のような健忘症、失行症、神経因性膀胱、脱力発作、難聴、部分聴覚欠失、大声(ludness)レクルートメントおよび耳鳴を含む聴覚障害のような情報伝達障害、失書症、名称失語症、ブロカ失語症およびヴェルニッケ失語症を含む失語症のような言語障害、急性失読症のような失読症、言語発育障害、名称失語症、ブロカ失語症およびヴェルニッケ失語症を含む失語症のような発語障害、蓄積障害、構語障害、反響言語、無言症およびどもりを含む発語障害のような情報伝達障害、失声症および嗄声のような発声障害、除脳硬直状態、せん妄、線維束性攣縮、幻覚、髄膜症、母親由来15 q‐13微少欠損、運動失調、アテトーシス、舞踏病、失調症、運動低下症、筋肉緊張低下、ミオクローヌス、チック、斜頸および振せんのような運動障害、スティッフマン症候群のような筋肉硬直のような筋肉緊張亢進、筋肉痙性、耳帯状疱疹を含む顔面神経麻痺のような神経麻痺、胃不全麻痺、片麻痺、複視のような眼筋麻痺、デュエーン症候群、ホルナー症候群、キーンズ症候群のような慢性進行性外眼筋麻痺症、球麻痺、熱帯性痙攣不全対麻痺、ブラウン−セカール症候群、四肢麻痺、呼吸麻痺および声帯麻痺のような対麻痺、不全麻痺、幻肢、無味覚症および味覚不全のような味覚障害、弱視、失明、色覚異常、複視、半盲、視野暗点および準正常視覚(subnormal vision)のような視覚障害、クライネ−レヴィン症候群、不眠症および夢遊症を含む過眠症のような睡眠障害、開口障害のような痙縮、昏睡、持続性植物状態および失神およびめまいのような意識消失、先天性筋無緊張症のような神経筋疾患、筋萎縮性側索硬化症、ランバート−イートン筋無力症症候群、運動神経疾患、棘筋萎縮、シャルコー−マリー疾患およびヴェルドニッヒ−ホフマン病のような筋萎縮、後ポリオ症候群、筋ジストロフィー、重症筋無力症、萎縮性筋緊張症、先天性筋緊張症、ネマリンミオパシー、家族性期性四肢麻痺、多発性パラミロクローヌス(Multiplex Paramyloclonus)、熱帯性痙攣不全対麻痺およびスティッフマン症候群、先端肢端疼痛症のような末梢神経系疾患、腎アミロイドーシス、アーディー症候群、Barre−Lieou症候群、家族性自律神経障害、ホルナー症候群、反射性交感神経性ジストロフィーおよびシャイ−ドレーガー症候群のような自律神経系疾患、神経線維腫症2を含む聴神経腫のような内耳神経疾患のような脳神経疾患、顔面神経痛のような顔面神経疾患、メルカーソン−ローゼンタール症候群、弱視を含む眼球運動性障害、眼振、眼球運動麻痺、デュエーン症候群のような眼筋麻痺、ホルナー症候群、キーンズ症候群を含む慢性進行性外眼筋麻痺症、内斜視および外斜視のような斜視、動眼神経麻痺、遺伝性眼萎縮症を含む眼萎縮症のような眼神経疾患、視神経円板結晶腔、視神経脊髄炎のような視神経炎、乳頭水腫、三叉神経痛、声帯麻痺、視神経脊髄炎および脊柱前弯症のような脱髄疾患、糖尿病性足のような糖尿病性ニューロパシー。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患としては、以下が挙げられる:手根管症候群のような神経圧搾症候群、足根管症候群、頸肋症候群のような胸郭出口症候群、尺骨神経圧搾症候群、カウザルギー、頸腕神経痛、顔面神経痛および三叉神経痛のような神経痛、実験的アレルギー性神経炎、眼神経炎、多発性神経炎、多発性神経根神経炎および神経根炎(例えば、多発性神経根炎、遺伝性運動および感覚ニューロパシー(例えば、シャルコー−マリエ疾患、遺伝性眼萎縮症、レフサム病、遺伝性痙性対麻痺およびヴェルドニッヒ−ホフマン病、遺伝性感覚および自律神経ニューロパシー(先天性痛覚脱失および家族性自律神経障害を含む)、POEMS症候群、坐骨神経痛、味覚性発汗症候群およびテタニー))のような神経炎。

    (内分泌障害)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、ホルモンアンバランスに関連する障害および/または疾患、ならびに/あるいは内分泌系の障害または疾患を処置、予防、診断、および/または予後し得る。

    内分泌系の腺により分泌されるホルモンは、身体発育、性的機能、代謝、および他の機能を制御する。 障害は、2つの方法で分類される:ホルモンの産生における障害、およびホルモンに応答する組織の不全。 これらのホルモンアンバランスおよび内分泌系疾患、障害または状態の病因は、遺伝的、体細胞性(例えば、癌およびいくつかの自己免疫疾患)、後天性(例えば、化学治療、損傷または毒素によって)、または感染性であり得る。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、内分泌系および/またはホルモンアンバランスに関連する特定の疾患または障害のマーカーまたはディテクターとして使用され得る。

    内分泌系および/またはホルモンアンバランスおよび/または疾患は、子宮運動の障害を含み、これには以下が挙げられるが、これらに限定されない:妊娠および分娩時の合併症(例えば、早期分娩、過期妊娠、自然流産、ならびに遅延分娩および停止した分娩);ならびに月経周期の障害および/または疾患(例えば、月経困難症および子宮内膜症)。

    内分泌系および/またはホルモンアンバランス障害および/または疾患としては、膵臓の障害および/または疾患(例えば、真性糖尿病、尿崩症、先天性白内障欠損、褐色細胞腫−島細胞腫瘍症候群);副腎の障害および/または疾患(例えば、アディソン病、コルチコステロイド欠損、男性化作用疾患、多毛症、クッシング症候群、高アルドステロン症、褐色細胞腫);下垂体の障害および/または疾患(例えば、下垂体機能亢進症、下垂体機能低下症、下垂体性小人症、下垂体腺腫、汎下垂体機能低下症、先端巨大症、巨人症);甲状腺の障害および/または疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、プラマー病、グレーヴズ病(毒性散在甲状腺腫)、毒性小結節甲状腺種、甲状腺炎(橋本甲状腺炎、亜急性肉芽腫性甲状腺炎、およびサイレントリンパ球性甲状腺炎)、ペンドレッド症候群、粘液水腫、クレチン病、甲状腺中毒症、甲状腺ホルモン縮合障害、チミン形成不全症、甲状腺のヒュルトレ細胞腫瘍、甲状腺癌、甲状腺悪性腫瘍、髄様甲状腺癌が挙げられるが、これらに限定されない);副甲状腺の障害および/または疾患(例えば、上皮小体機能亢進症、上皮小体機能低下症);視床下部の障害および/または疾患。

    さらに、内分泌系および/またはホルモンアンバランス障害および/または疾患はまた、癌を含む精巣または卵巣の障害および/または疾患を含み得る。 他の精巣または卵巣の障害および/または疾患としては、例えば、卵巣癌、多嚢胞性卵巣症候群、クラインフェルター症候群、バニシング精巣症候群(両側性無精巣)、ライディヒ細胞先天性欠損、潜伏精巣症、ヌーナン症候群、筋緊張性ジストロフィー、精巣の毛細血管種(良性)、精巣の新形成および新精巣がさらに挙げられる。

    さらに、内分泌系および/またはホルモンアンバランス障害および/または疾患はまた、例えば、多内分泌腺機能低下症候群、褐色細胞腫、神経芽細胞腫、多発性内分泌腺腫症、ならびに内分泌組織の障害および/または癌を含み得る。

    別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に相当する治療タンパク質が発現される組織に関連する内分泌疾患および/または障害を診断、予後、予防および/または処置するために使用され得る。

    (生殖器系障害)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、生殖器系の疾患および/または障害を診断、処置または予防するために使用され得る。 本発明の組成物によって処置され得る生殖器系の障害としては、生殖器損傷、感染、腫瘍性障害、先天性欠損、および不妊症を生じる疾患または障害、妊娠、分娩または出産の合併症、および出産後の困難が挙げられるが、これらに限定されない。

    生殖器系障害および/または疾患としては、以下を含む精巣の疾患および/または障害が挙げられる:精巣萎縮症、精巣性女性化症候群、潜在精巣症(片側および両側)、無精巣症、異所性精巣、精巣上体および/または耳下腺性精巣(典型的に、感染(例えば、淋疾、おたふくかぜ、結核、および梅毒)から生じる)、精巣捻転症、結節性精管炎、生殖細胞腫瘍(例えば、精上皮腫、胎児性細胞癌、奇形癌、絨毛癌、卵黄嚢腫瘍、奇形腫)、支質腫瘍(例えば、ライディヒ細胞腺腫)、水瘤、血種、精索静脈瘤、精液瘤、鼡径ヘルニア、および精液産生の障害(例えば、線毛不動症候群、無精液症、精子無力症、無精子症、精子過少症、奇形精子症)。

    生殖器系障害としてはまた、例えば以下のような前立腺の障害が挙げられ得る:急性非細菌性前立腺炎、慢性非細菌性前立腺炎、急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、前立腺膀胱炎、前立腺症、肉芽腫性前立腺炎、マラコプラキア、良性前立腺肥大または肥厚、および前立腺腫瘍性障害(腺癌をふくむ)、移行上皮癌、腺管癌、および扁平上皮癌。

    さらに、本発明の組成物は、以下を含む陰茎または尿道の障害または疾患の診断、処置および/または予防において有用である:炎症性障害(例えば、亀頭包皮炎、閉塞性乾燥性亀頭炎、包茎、嵌頓包茎、梅毒、単純疱疹ウイルス、淋疾、非淋菌性尿道炎、クラミジア、マイコプラスマ、トリコモナス、HIV、AIDS、ライター症候群、尖圭コンジローム、扁平コンジローム、および真珠陰茎丘疹);尿道障害(例えば、尿道下裂、尿道上裂、および包茎);前悪性病巣(ケーラー紅色肥厚症、ボーエン病、ボーエノイド・バピュローシス、ブシュケ−レーヴェンシュタインの巨大コンジローム、およびいぼ状癌を含む);陰茎癌(扁平上皮癌、インサイチュにおける癌、いぼ状癌、および播種性陰茎癌を含む);尿道新形成障害(尿道海綿体癌、球海綿体筋尿道癌、および尿道前立腺部癌を含む);ならびに勃起障害(例えば、プリアピスム、ペーロニー病、勃起不全、およびインポテンス)。

    さらに、精管の疾患および/または障害としては、脈管炎およびCBAVD(精管の先天性両側性欠損)が挙げられ;さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、精嚢の疾患および/または障害(包虫症、先天性塩化物下痢、および多発性嚢胞腎疾患を含む)を診断、処置および/または予防するために使用され得る。

    他の男性生殖器系の障害および/または疾患としては、例えば、クラインフェルター症候群、ヤング症候群、早漏、真性糖尿病、嚢胞性線維症、カルタゲナー症候群、高熱、多発性硬化症、および女性型乳房が挙げられる。

    さらに、ポリヌクレオチド、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下を含む膣および外陰の疾患および/または障害の診断、処置および/または予防において使用され得る:細菌性腟炎、カンジダ膣炎、単純疱疹ウイルス、軟性下疳、鼡径部肉芽腫、性病性リンパ肉芽腫、疥癬、ヒト乳頭腫、膣外傷、外陰外傷、腺疾患、クラミジア膣炎、淋疾、腟トリコモナス、尖圭コンジローム、梅毒、伝染性軟属腫、萎縮性腟炎、パジェット病、硬化性萎縮、扁平苔癬、外陰病変、トキシックショック症候群、腟痙、外陰腟炎、外陰腟前庭炎、および新形成障害(例えば、扁平上皮過形成、腎臓明細胞癌、基底細胞癌、黒色腫、バルトリン腺の癌、および外陰上皮新形成)。

    子宮の障害および/または疾患としては、以下が挙げられる:月経困難症、後傾子宮、子宮内膜症、フィブロイド、腺筋症、無排卵性出血、無月経、クッシング症候群、胞状奇胎、アッシェルマン症候群、早期閉経、性的早熟、子宮ポリープ、機能不全性不正子宮出血(例えば、迷走ホルモンシグナルに起因する)、および新形成障害(例えば、腺癌、平滑筋肉腫、および肉腫)。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下のような子宮異常のマーカーまたはディテクターとして、ならびに子宮異常の診断、処置および/または予防において有用であり得る:双角子宮、中隔子宮、単角子宮、非空腔性不全角を有する単角子宮、非交通空腔不全角を有する単角子宮、交通空腔角を有する単角子宮、弓状子宮、子宮二空洞およびT型子宮。

    卵巣疾患および/または障害としては、以下が挙げられる:無排卵、多嚢胞性卵巣(スタイン−リーヴェンサール症候群)、卵巣嚢胞、卵巣機能不全、ゴナドトロピンに対して非感受性の卵巣、アンドロゲンの卵巣過剰産生、右卵巣静脈症候群、無月経、多毛症、および卵巣癌(一次および二次癌増殖、セルトリ−ライディヒ腫瘍、卵巣の類内膜癌、卵巣乳頭漿液性腺癌、卵巣粘液性腺癌、および卵巣クルーケンベルク腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない)。

    頸部疾患および/または障害としては、以下が挙げられる:子宮頸管炎、慢性子宮頸管炎、粘液膿性子宮頸管炎、子宮頸部形成異常、頸部ポリープ、ナーボト嚢胞、頸部びらん、頸部機能不全、および頸部新形成(例えば、頸部癌、扁平化生、扁平上皮癌、腺扁平上皮細胞新形成および円柱細胞新形成を含む)。

    さらに、生殖器系の疾患および/または障害としては、以下を含む妊娠の障害および/または疾患が挙げられる:流産および死産(例えば、早期流産、晩期流産、自然流産、人工流産、治療的流産、切迫流産、稽留流産、不全流産、完全流産、習慣性流産、稽留流産、および敗血性流産);異所性妊娠、貧血、Rh不適合、妊娠中の膣出血、妊娠糖尿病、子宮内発育遅延、羊水過多症、HELLP症候群、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、悪阻、子かん前症、子かん、妊娠性ヘルペス、および妊娠のじんま疹。 さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポリオペプチド、およびアゴニストまたはアンタゴニストは、以下を含む妊娠を複雑にし得る疾患を診断、処置および/または予防するために使用され得る:心臓疾患、心不全、リウマチ性心疾患、先天性心疾患、僧帽弁逸脱症、高血圧、貧血、腎臓疾患、感染症(例えば、風疹、サイトメガロウイルス、トキソプラスマ症、感染性肝炎、クラミジア、HIV、AIDS、および陰部ヘルペス)、真性糖尿病、グレーヴズ病、甲状腺炎、甲状腺機能低下症、橋本甲状腺炎、慢性活動性肝炎、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、ぜん息、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、重症筋無力症、特発性血小板減少性紫斑病、虫垂炎、卵巣嚢胞、胆嚢障害、および腸の閉塞症。

    分娩および出産に関連する合併症としては、膜の早期破裂(premature rupture of the membranes)、早産、後期妊娠(post−term pregnancy)、過熟妊娠、非常に遅く進行する分娩(labor that progresses too slowly)、胎児仮死(例えば、異常な心拍数(胎児性または母性)、呼吸の問題、および異常な胎児位置)、肩甲難産、臍帯脱出症、羊水塞栓症、および異常な子宮の出血が、挙げられる。

    さらに、分娩期後の疾患および/または障害としては、子宮内膜炎、子宮筋層炎、子宮傍結合組織炎、腹膜炎、骨盤血栓性静脈炎、肺動脈塞栓症、内毒素血症、腎盂腎炎、伏在性血栓性静脈炎、乳腺炎、膀胱炎、分娩後出血、および反転性子宮(inverted uterus)が挙げられる。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドにより診断、処置、および/または予防され得る雌性生殖器系の他の障害ならびに/または疾患としては、例えば、ターナー症候群、偽半陰陽、月経前緊張症候群、骨盤炎症性疾患、骨盤うっ血(pelvic congestion)(血管充血(vascular engorgement))、不感症、無オルガスム症、性交疼痛症、破裂性(ruptured)ファローピウス管、および中間痛。

    (感染性疾患)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、感染因子を処置または検出するするために使用され得る。 例えば、免疫応答を上昇させることによって、特にB細胞および/またはT細胞の増殖および分化を増加させることによって、感染性疾患が処置され得る。 免疫応答は、既存の免疫応答を上昇させるか、または新たな免疫応答を開始させるかのいずれかにより上昇され得る。 あるいは、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、必ずしも免疫応答を誘発することなく、感染因子を直接阻害し得る。

    ウイルスは、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドにより処置または検出され得る疾患または症状を引き起こし得る感染因子の一例である。 ウイルスの例としては、以下のDNAおよびRNAのウイルスおよびウイルス科が挙げられるがこれらに限定されない:アルボウイルス、アデノウイルス科、アレナウイルス科、アルテリウイルス、ビルナウイルス科、ブンヤウイルス科、カルシウイルス科、サルコウイルス科(Circoviridae)、コロナウイルス科、デング熱、EBV、HIV、フラビウイルス科、ヘパドナウイルス科(肝炎)、ヘルペスウイルス科(例えば、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス、ヘルペス帯状疱疹)、モノネガウイルス(Mononegavirus)(例えば、パラミクソウイルス科、麻疹ウイルス、ラブドウイルス科)、オルソミクソウイルス科(例えば、インフルエンザA、インフルエンザB、およびパラインフルエンザ)、パピローマウイルス、パポバウイルス科、パルボウイルス科、ピコルナウイルス科、ポックスウイルス科(例えば、痘瘡またはワクシニア)、レオウイルス科(例えば、ロタウイルス)、レトロウイルス科(HTLV−I、HTLV−II、レンチウイルス)、およびトガウイルス科(例えば、ルビウイルス属)。 これらの科内に入るウイルスは、以下を含むがこれらに限定されない種々の疾患または症状を引き起こし得る:関節炎、細気管支炎(bronchiollitis)、呼吸性シンシチウムウイルス、脳炎、眼性感染症(例えば、結膜炎、角膜炎)、慢性疲労症候群、肝炎(A型、B型、C型、E型、慢性活動性、デルタ)、日本脳炎B型、アルゼンチン出血熱、チングニア、リフトバレー熱、黄熱病、髄膜炎、日和見感染症(例えば、AIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫、水痘、出血熱、麻疹、流行性耳下腺炎、パラインフルエンザ、狂犬病、感冒、ポリオ、白血病、風疹、性感染症、皮膚病(例えば、カポージ、いぼ)、およびウイルス血症。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、任意のこれらの症状または疾患が処置または検出され得る。 特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下の処置に使用される:髄膜炎、デング熱、EBV、および/または肝炎(例えば、B型肝炎)。 さらなる特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、1以上の他の市販の肝炎ワクチンに非応答性の患者を処置するために使用される。 さらに特定の実施形態において、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、AIDSを処置するために使用される。

    同様に、疾患または症状を引き起こし得、かつ本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドによって処置または検出され得る細菌性因子あるいは真菌性因子は、以下のグラム陰性およびグラム陽性細菌および細菌科ならびに真菌を含むがこれらに限定されない:Actinomyces(例えば、Norcardia)、Acinetobacter、Cryptococcus neoformans、Aspergillosis、Bacillaceae(例えば、Bacillus anthrasis)、Bacteroides(例えば、Bacteroides fragilis)、Blastomycosis、Bordetella、Borrelia(例えば、Borrelia burgdorferi)、Brucella、Candidia、Campyrobacter、Chlamydia、Clostridium(例えば、Clostridium botulinum、Clostridium dificile、Clostridium perfringes、Clostridium tetani)Coccidioidodes、Corynebacterium(例えば、Corynebacterium diptheriae)、Cryptococcus、Dermatocycoses、E. coli(例えば、Enterotoxigenic E.coliおよびEnterohemorrhagic E.coli)、Enterobacter(例えば、Enterobacter aerogenes)、Enterobacteriaceae(Klebsiella、Salmonella(例えば、Salmonella typhi、Salmonella enteritidis、Salmonella typhi)、Serratia、Yersinia、Shigella)、Erysipelothrix、Heamophilus(例えば、HeamophilusインフルエンザB型)、Helicobacter、Legionella(例えば、Legionella pneumophila)、Leptospira、Listeria(例えば、Listeria monocytogenes)、Mycoplasma、Mycobacterium(例えば、Mycobacterium lepraeおよびMycobacterium tuberculosis)、Vibrio(例えば、Vibrio cholerae)、Neisseriaceae(例えば、Neisseriaceae gonorrhea、Neisseriaceae Meningitidis)、Pasteurellacea、Proteus、Pseudomonas(例えば、Pseudomonas aeruginosa)、Rickettsiaceae、Spirochetes(例えば、Treponema spp.、Leptospira spp.、Borrelia spp.)、Shigella spp. 、Streptococcus(例えば、Streptococcus aureus)、Meningiococcus、PneumococcusならびにStreptococcus(例えば、Streptococcus pneumoniaeおよびA群、B群およびC群Streptococcus)、およびUreaplasmas。 これらの細菌または真菌の科は、以下を含むがこれらに限定されない疾患または症状を引き起こし得る:抗生物質耐性の感染、菌血症、心内膜炎、敗血症、眼感染症(例えば、結膜炎)、ブドウ膜炎、結核、歯肉炎、細菌性の下痢、日和見感染症(例えば、AIDSに関連した感染症)、爪周囲炎、プロテーゼ関連感染症、虫歯、ライター病、気道感染症(例えば、百日咳または蓄膿症)、セプシス、ライム病、ネコ引っ掻き病、赤痢、パラチフス熱、食中毒、レジオネラ症、慢性炎および急性炎、紅斑、酵母感染、腸チフス、肺炎、淋病、髄膜炎(例えば、髄膜炎A型およびB型)、クラミジア、梅毒、ジフテリア、ライ病、ブルセラ病、消化性潰瘍、炭疽、自然流産、出生時欠損、肺炎、肺の感染、難聴、失明、傾眠、倦怠、嘔吐、慢性下痢、クローン病、大腸炎、腟の病気、不妊症、骨盤炎症性疾患、カンジタ症、パラ結核、結核、狼瘡、ボツリヌス中毒、壊疽、破傷風、膿痂疹、リウマチ熱、猩紅熱、性感染病、皮膚病(例えば、蜂巣炎、皮膚真菌症(dermatocycoses))、毒血症、尿路感染症、創傷感染症、noscomial感染。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、任意のこれらの症状もしくは疾患を処置または検出し得る。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下を処置するために使用される:破傷風、ジフテリア、ボツリヌス中毒、および/またはB型髄膜炎。

    さらに、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドにより処置、予防および/または診断され得る、寄生生物性因子が引き起こす疾患または症状としては以下のファミリーまたはクラスが挙げられるがこれらに限定されない:アメーバ症、バベシア症、コクシジウム症、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症(Dientamoebiasis)、交疫、外部寄生生物性、ジアルジア鞭毛虫症、蠕虫症、リーシュマニア症、住血吸虫症(Schistisoma)、タイレリア症、トキソプラスマ症、トリパノソーマ症、およびトリコモナス(Trichomonas)症、ならびに胞子虫症(Sporozoan)(例えば、Plasmodium virax、Plasmodium falciparium、Plasmodium malariaeおよびPlasmodium ovale)。 これらの寄生生物は、以下を含むがこれらに限定されない種々の疾患または症状を引き起こし得る:疥癬、ツツガムシ病、眼性感染症、腸疾患(例えば、赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染症(例えば、AIDS関連)、マラリア、妊娠合併症、およびトキソプラスマ症。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、任意のこれらの症状または疾患を処置、予防および/または診断し得る。 特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、マラリアを処置、予防および/または診断するために使用される。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、患者に有効量の本発明のアルブミン融合タンパク質を投与するか、または患者から細胞を取り出して、本発明のポリヌクレオチドをこの細胞に供給し、そして操作した細胞を患者に戻す(エキソビボ治療)かのいずれかによるものであり得る。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはワクチン中の抗原として使用されて、感染性疾患に対する免疫応答を惹起し得る。

    (再生)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、細胞を分化させ、増殖させ、そして誘引して、組織の再生を導き得る(Science 276:59−87(1997)を参照のこと)。 組織の再生を用いて、先天性欠損、外傷(創傷、熱傷、切開、または潰瘍)、加齢、疾患(例えば、骨粗鬆症、変形性関節炎(osteocarthritis)、歯周病、肝不全)、美容形成手術を含む手術、線維症、再灌流傷害、もしくは全身性サイトカイン損傷により損傷を受けた組織を修復、置換、または保護し得る。

    本発明を用いて再生し得る組織としては、以下が挙げられる:器官(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋、骨格筋、または心筋)、血管系(血管およびリンパ管を含む)、神経、造血、および骨格(骨、軟骨、腱、および靭帯)の組織。 好ましくは、再生は、瘢痕なく、または瘢痕が低減されて生じる。 再生はまた、新脈管形成を含み得る。

    さらに、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、治癒するのが困難な組織の再生を増加させ得る。 例えば、腱/靭帯の再生を増大させることによって、損傷後の回復時間が早まる。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、損傷を回避する試みにおいて予防的に使用され得る。 処置され得る特定の疾患は、腱炎、手根管症候群、および他の腱欠損または靭帯欠損を含む。 非治癒創傷の組織再生のさらなる例としては、褥瘡性潰瘍、脈管不全、外科的創傷、および外傷性創傷に関連する潰瘍が挙げられる。

    同様に、神経および脳組織はまた、神経細胞を増殖および分化させるために本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用することによって再生され得る。 本方法を用いて処置され得る疾患としては、中枢神経系疾患および末梢神経系疾患、神経障害、または機械的および外傷性の障害(例えば、脊髄障害、頭部外傷、脳血管疾患、および発作(stoke))が挙げられる。 詳細には、末梢神経傷害と関連する疾患、末梢神経障害(例えば、化学療法または他の医学的療法から生じる)、局在神経障害、および中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ−ドレーガー症候群)はすべて、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて処置、予防および/または診断され得る。

    (胃腸障害)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを使用して、炎症性疾患および/または状態、感染、癌(例えば、腸の新生物(小腸のカルチノイド類癌腫、小腸の非ホジキンリンパ腫、小腸のリンパ腫))、および潰瘍(例えば、消化性潰瘍)を含む胃腸傷害を処置、予防、診断、および/または予後を判定し得る。

    胃腸障害として、えん下困難、えん下痛、食道の炎症、消化性食道炎、胃逆流(gastric reflux)、粘膜下線維症および狭窄、マロリー−ヴァイス病変、平滑筋腫、脂肪腫、表皮癌、腺癌、胃の遺残障害、胃腸炎、胃の萎縮症、胃(gastric)/胃(stomach)癌、胃のポリープ、悪性貧血のような自己免疫疾患、幽門狭窄症、胃炎(細菌性、ウイルス性、好酸性、ストレス誘導性、慢性びらん性、萎縮性、プラスマ細胞、およびメネトリエ病)、および腹膜疾患(例えば、、乳び腹水、腹腔内出血、腸管膜嚢、腸間膜リンパ節炎、腸管膜血管閉塞、皮下脂肪組織炎、新生物、腹膜炎、気腹、乳児横隔膜膿瘍(bubphrenic abscess))が挙げられる。

    胃腸障害としてはまた、小腸に関連する障害(例えば、吸収不良症候群、膨満、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome)、糖不耐性、腹腔疾患、十二指腸潰瘍、十二指腸炎、熱帯性スプルー、ホウィップル病、腸リンパ管拡張症、クローン病、虫垂炎、回腸の便秘、メッケル憩室、複数の憩室(multiple diverticula)、小腸および大腸の完全な回旋不全、リンパ腫)、ならびに細菌性および寄生虫性疾患(例えば、旅行者下痢、チフスおよびパラチフス、コレラ、回虫(Ascariasis lumbricides)、鉤虫(Ancylostoma duodenale)、線虫(Enterobius vermicularis)、条虫類(Taenia saginata)、Echinococcus granulosus、Diphyllobothrium spp.、およびT.soliumによる感染)が挙げられる。

    肝臓疾患および/または障害として、肝臓内胆汁うっ滞(アラギール(alagille)症候群、胆汁性肝硬変)、脂肪肝(アルコール性脂肪肝、ライ症候群)、肝静脈血栓症、ヘパトレントリキュラー(hepatolentricular)変性、肝腫、肝肺症候群、肝腎症候群、門脈圧亢進症(食道静脈瘤および胃静脈瘤)、肝膿瘍(アメーバ性肝膿瘍)、肝硬変(アルコール性、胆汁および実験的)、アルコール性肝疾患(脂肪肝、肝炎、肝硬変)、寄生虫性(肝性エキノコックス症、肝蛭症、アメーバ性肝膿瘍)、黄疸(溶血性、肝細胞性、および胆汁うっ滞性)、胆汁うっ滞、門脈圧亢進症、肝肥大、腹水、肝炎(アルコール性肝炎、動物性肝炎、慢性肝炎(自己免疫性、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、薬物誘導性)、毒性肝炎、ウイルス性ヒト肝炎(A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎)、ウィルソン病、肉芽腫性肝炎、二次性胆汁性肝硬変(secondary biliary cirrhosis)、肝性脳障害、門脈圧亢進症、静脈瘤、肝性脳障害、一次性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis)、原発性硬化性胆管炎、肝細胞腺腫、血管腫、胆汁石、肝不全(肝性脳障害、急性肝不全)、および肝性新生物(liver neoplasms)(血管筋脂肪腫、石灰化肝転移(calcified liver metastases)、嚢胞性肝転移、上皮腫瘍、線維層板肝細胞癌(fibrolamellar hepatocarcinoma)、病巣結節過形成(focal nodular hyperplasia)、肝細胞腺腫、血性胆汁嚢胞腺腫(hepatobiliary cystadenoma)、胚芽腫、肝細胞癌、肝癌(hepatoma)、肝癌(liver cancer)、肝臓血管内皮腫、間葉過誤腫(mesenchymal hamartoma)、肝臓の間葉腫瘍、結節再生過形成(nodular regenerative hyperplasia)、良性肝癌(肝嚢胞(単純嚢胞(Simple cyst)、多嚢胞性肝疾患、血性胆汁嚢胞腺腫(Hepatobiliary cystadenoma)、総胆管嚢胞)、間葉腫瘍(間葉過誤腫、乳児先天性血管内皮腫、血管腫、肝臓紫斑病、脂肪腫、炎症性偽腫瘍、ミスセラネウス(Miscellaneous))、上皮腫瘍(胆管上皮(胆管過誤腫、胆管腺腫)、肝細胞(腺腫、病巣結節過形成、結節再生過形成))、転移性肝臓腫瘍(肝細胞、胚芽腫、肝細胞癌、胆管細胞(cholangiocellular)、胆管癌、嚢胞腺癌、血管の癌、血管肉腫、カポージ肉腫、血管内皮腫、他の腫瘍、胎生期肉腫(embryonal sarcoma)、線維肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、癌肉腫、奇形腫、カルチノイド、扁平上皮癌、原発性リンパ腫))、肝臓紫斑病、赤芽肝性ポルフィリン症(erythrohepatic porphyria)、肝性ポルフィリン症(急性間欠性ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症)、ツェルヴェーガー症候群)が挙げられる。

    膵臓疾患および/または障害として、急性膵炎、慢性膵炎(急性壊死膵炎(acute necrotizing pancreatitis)、アルコール性膵炎)、新生物(膵臓の腺癌、嚢胞腺癌、インスリノーマ、ガストリノーマ、およびグルカゴノーマ、嚢胞性新生物、島細胞腫瘍、膵臓芽腫(pancreoblastoma)、および他の膵臓疾患(例えば、嚢胞性線維症、嚢胞(膵臓偽嚢胞、膵臓フィステル、不全))が挙げられる。

    胆嚢疾患として、胆石(胆石症および総胆管結石症)、胆嚢摘出後症候群、胆嚢の憩室症、急性胆嚢炎、慢性胆嚢炎、胆管腫瘍および涙嚢腫が挙げられる。

    大腸の疾患および/または障害として、抗生物質関連大腸炎、憩室炎、潰瘍性大腸炎、後天性巨大結腸、膿瘍、真菌性感染および細菌性感染、肛門直腸疾患(例えば、裂溝、痔)、結腸疾患(大腸炎、結腸新生物(結腸癌(colon cancer)、腺腫様結腸ポリープ(例えば、絨毛腺腫)、結腸癌(colon carcinoma)、結腸直腸癌)、結腸憩室炎、大腸憩室、巨大結腸(ヒルシュスプルング病、有害な巨大結腸);S状疾患(sigmoid diseases)(直腸結腸炎、シグモイン(sigmoin)新生物))、便秘症、クローン病、下痢(乳児期下痢、赤痢)、十二指腸疾患(十二指腸新生物、十二指腸閉塞症、十二指腸潰瘍、十二指腸炎)、腸炎(enteritis)(腸炎(enterocolitis))、HIV腸症、回腸疾患(回腸新生物、回腸炎)、免疫増殖性小腸疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、腸閉鎖、寄生虫病(アニサキス症、バランチジウム症、ブラストシスティス属感染症、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症(dientamoebiasis)、アメーバ赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、腸フィステル(直腸フィステル)、腸新生物(盲端新生物、結腸新生物、十二指腸新生物、回腸新生物、腸ポリープ、空腸新生物、直腸新生物)、腸閉塞(輸入脚症候群、十二指腸閉塞、楔合便(impacted feces)、腸偽閉塞(intestinal pseudo−obstruction)(盲腸捻転)、重積症)、腸閉鎖(intestinal perforation)、腸ポリープ(結腸ポリープ、ガードナー症候群、ポイツ−ジェガーズ症候群)、空腸疾患(空腸新生物)、吸収不良症候群(盲係蹄症候群、セリアック病(celiac disease)、乳糖不耐症、短腸症候群、熱帯性スプルー、ホウィップル病)、腸間膜血管閉塞(mesenteric vascular occlusion)、腸壁嚢胞状気腫、蛋白喪失性腸症(腸リンパギエクタシス(intestinal lymphagiectasis))、腸疾患(肛門疾患、便失禁、痔、直腸炎、腸フィステル、脱腸、直腸瘤)、消化性潰瘍(十二指腸潰瘍、消化性食道炎、出血、穿孔、胃潰瘍、ゾリンジャー−エリソン症候群)、胃切除後症候群(ダンピング症候群)、胃障害(例えば、塩酸欠乏症、胃十二指腸の逆流(胆汁逆流)、胃洞血管膨張(gastric antral vascular ectasia)、胃フィステル、胃排出口閉塞(gastric outlet obstruction)、胃炎(萎縮性または肥大性)、胃不全麻痺、胃拡張、胃憩室、胃新生物(胃癌、胃ポリープ、胃腺癌、増殖性胃ポリープ)、胃破裂、胃潰瘍、胃閉塞)、結核、内臓下垂症、嘔吐(例えば、吐血、妊娠悪阻、手術後悪心(postoperative nausea)および手術後嘔吐)および出血性大腸炎が挙げられる。

    さらに胃腸系の疾患および/または障害として、胆汁管障害(例えば、胃壁破裂症)、フィステル(例えば、胆道フィステル、食道フィステル、胃フィステル、腸フィステル、膵臓フィステル)、新生物(例えば、胆汁管新生物、食道新生物(例えば、食道の腺癌)、食道扁平上皮癌、胃腸新生物、膵臓新生物(例えば、膵臓の腺癌)、膵臓のムチン嚢胞性新生物、膵臓嚢胞性新生物、膵臓芽腫および腹膜新生物)、食道疾患(例えば、水疱性疾患、カンジダ症、グリコゲンアカントシス、潰瘍形成、バレット食道静脈瘤、閉鎖症、嚢胞、憩室(例えば、ツェンカー憩室)、フィステル(例えば、気管食道フィステル)、運動性疾患(例えば、CREST症候群、嚥下疾患、アカラシア、痙縮、食道逆流)、新生物、穿孔(例えば、ブールハーフェ症候群、マロリー−ヴァイス症候群)、狭窄症、食道炎、横隔膜ヘルニア(例えば、裂孔ヘルニア);胃腸疾患(例えば、胃腸炎 (例えば、コレラ病、ノーウォークウイルス感染))、出血(例えば、吐血、メレナ、消化性潰瘍出血)、胃新生物(胃癌、胃ポリープ、胃腺癌、胃癌))、ヘルニア(例えば、先天性横隔膜ヘルニア、大腿ヘルニア、鼡径ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、臍ヘルニア、腹壁ヘルニア)、および腸疾患(例えば、盲端疾患(虫垂炎、盲端新生物))が挙げられる。

    (走化性)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、走化性活性を有し得る。 走化性分子は、細胞(例えば、単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸球、上皮細胞および/または内皮細胞)を、身体中の特定の部位(例えば、炎症、感染、または過剰増殖の部位)に誘引または動員する。 次いで、動員された細胞は、特定の外傷または異常性を撃退および/または治癒し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、特定の細胞の走化性活性を増大し得る。 次いで、これらの走化性分子を使用して、身体中の特定の位置に標的化した細胞の数を増加させることによって、炎症、感染、過剰増殖性の疾患、障害および/もしくは状態、または任意の免疫系障害を処置し得る。 例えば、走化性分子を使用して、傷害を受けた位置に免疫細胞を誘引することによって、組織に対する創傷および他の外傷を処置し得る。 本発明の走化性分子はまた、線維芽細胞を誘引し得、これは創傷を処置するために使用され得る。

    本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが走化性活性を阻害し得ることもまた意図される。 これらの分子はまた障害を処置するために使用され得る。 従って、本発明の融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、走化性のインヒビターとして使用され得る。

    (結合活性)
    本発明のアルブミン融合タンパク質は、この融合タンパク質の治療タンパク質部分に結合する分子、またはこの融合タンパク質の治療タンパク質部分が結合する分子についてスクリーニングするために使用され得る。 この融合タンパク質とこの分子との結合は、結合した融合タンパク質または分子の活性を活性化(アゴニスト)、増大、阻害(アンタゴニスト)、または減少させ得る。 そのような分子の例としては、抗体、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えば、レセプター)、または低分子が挙げられる。

    好ましくは、この分子は、本発明の融合タンパク質の治療タンパク質部分の天然のリガンド(例えば、リガンドのフラグメント)、または天然の基質、リガンド、構造的模倣物、もしくは機能的模倣物に密接に関連する(Coliganら、Current Protocols in Immunology 1(2):第5章(1991)を参照のこと)。 同様に、この分子は、本発明のアルブミン融合タンパク質が結合する天然のレセプター、または少なくとも、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分によって結合され得るレセプターのフラグメント(例えば、活性部位)に密接に関連し得る。 いずれの場合においても、この分子は、公知の技術を用いて合理的に設計され得る。

    好ましくは、これらの分子についてのスクリーニングは、本発明のアルブミン融合タンパク質を発現する適切な細胞を産生する工程を包含する。 好ましい細胞としては、哺乳動物、酵母、Drosophila、またはE. coli由来の細胞が挙げられる。

    アッセイは、本発明のアルブミン融合タンパク質への候補化合物の結合を単純に試験し得、ここで結合は、標識によって、または標識された競合物との競合に関するアッセイにおいて検出される。 さらに、アッセイは、候補化合物がこの融合タンパク質への結合によって生成されるシグナルを生じるか否かを試験し得る。

    あるいは、アッセイは、無細胞調製物、固体支持体に接着された融合タンパク質/分子、化学ライブラリー、または天然産物の混合物を用いて実施され得る。 アッセイはまた、候補化合物を、アルブミン融合タンパク質を含む溶液と混合する工程、融合タンパク質/分子の活性または結合を測定する工程、および融合タンパク質/分子の活性または結合を、標準と比較する工程を単純に包含し得る。

    好ましくは、ELISAアッセイは、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を使用して、サンプル(例えば、生物学的サンプル)における融合タンパク質のレベルまたは活性を測定し得る。 抗体は、アルブミン融合タンパク質への直接的もしくは間接的のいずれかの結合、または基質についてのアルブミン融合タンパク質との競合によって、融合タンパク質のレベルまたは活性を測定し得る。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分が結合するレセプターは、当業者に公知の多くの方法(例えば、リガンドパニングおよびFACSソーティング(Coliganら、Current Protocols in Immun.,1(2)、第5章(1991))によって同定され得る。例えば、発現クローニングは、ポリアデニル化RNAがこのアルブミン融合タンパク質に応答する細胞から調製される場合に用いられ、例えば、NIH3T3細胞(これは、FGFファミリータンパク質に対する複数のレセプターを含むことが公知である)、およびSC−3細胞、およびこのRNAから作製されたcDNAライブラリーは、プールに分けられ、そしてこのアルブミン融合タンパク質に応答性でないCOS細胞または他の細胞をトランスフェクトするために使用される。ガラススライド上で増殖しているトランスフェクトされた細胞は、それらを標識化した後に、本発明のアルブミン融合タンパク質に曝露される。このアルブミン融合タンパク質は、種々の手段(部位特異的プロテインキナーゼに対する認識部位のヨウ素化または封入を含む)によって標識化され得る。

    固定化およびインキュベーション後、スライドは、オートラジオグラフィー分析に供される。 陽性プールを同定し、そしてサブプールを、反復性のサププール化および再スクリーニングプロセスを使用して調製および再びトランスフェクトして、最終的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生じる。

    レセプター同定のための代替のアプローチとして、標識アルブミン融合タンパク質は、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質成分についてレセプター分子を発現する調製物を、細胞膜と光親和性に連結し得るか、または抽出し得る。 架橋された材料は、PAGE分析によって分解され、そしてX線フィルムに曝露される。 融合タンパク質のレセプターを含む標識複合体が切り出され得、ペプチドフラグメントへと分離され得、そしてタンパク質微量配列決定に供され得る。 微量配列決定から得られるアミノ酸配列を使用して、1組の縮重オリゴヌクレオチドプローブを設計してcDNAライブラリーをスクリーニングし、推定レセプターをコードする遺伝子を同定する。

    さらに、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッフリング、エキソンシャッフリング、および/またはコドンシャッフリングの技術(集合的に「DNAシャッフリング」という)を利用して、融合タンパク質、および/または本発明のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分もしくはアルブミン成分の活性を調節し得、それによって本発明のアルブミン融合タンパク質のアゴニストおよびアンタゴニストを効果的に生成する。 一般に、米国特許第5,605,793号、同第5,811,238号、同第5,830,721号、同第5,834,252号、および同第5,837,458号、ならびにPatten,P. A. ら、Curr. Opinion Biotechnol. 8:724〜33(1997);Harayama,S. Trends Biotechnol. 16(2):76〜82(1998);Hansson,L. O. ら、J. Mol. Biol. 287:265〜76(1999);ならびにLorenzo,M. M. およびBlasco,R. Biotechniques 24(2):308〜13(1998)(これらの特許および刊行物の各々は、本明細書において参考として援用される)を参照のこと。 1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの変更は、DNAシャッフリングによって達成され得る。 DNAシャッフリングは、相同組換えまたは部位特異的な組換えによる、2つ以上のDNAセグメントの、所望の分子への構築を含む。 別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびコードされたアルブミン融合タンパク質は、組換えの前に、誤りがちな(error−prone)PCR、ランダムヌクレオチド挿入または他の方法によるランダム変異誘発に供することによって、変更され得る。 別の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質の1つ以上の成分、モチーフ、切片、部分、ドメイン、フラグメントなどは、1つ以上の異種分子の1つ以上の成分、モチーフ、切片、部分、ドメイン、フラグメントなどと組換えられ得る。 好ましい実施形態において、この異種分子は、ファミリーのメンバーである。 さらに好ましい実施形態において、この異種分子は、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF−I)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)−α、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、TGF−β、骨形成タンパク質(BMP)−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、アクチビンAおよびアクチビンB、デカペンタプレジック(decapentaplegic)(dpp)、60A、OP−2、ドーサリン(dorsalin)、増殖分化因子(GDF)、結節(nodal)、MIS、インヒビン−α、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β5、および神経膠由来神経栄養因子(GDNF)のような増殖因子である。

    他の好ましいフラグメントは、治療タンパク質部分および/または本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミン成分の生物学的に活性なフラグメントである。 生物学的に活性なフラグメントは、治療タンパク質部分および/または本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミン成分の活性に類似の活性を示すが、必ずしも治療タンパク質部分および/または本発明のアルブミン融合タンパク質のアルブミン成分の活性に同一ではないフラグメントである。 このフラグメントの生物学的活性は、改善された所望の活性、または減少した所望されない活性を含み得る。

    さらに、本発明は、本発明のアルブミン融合タンパク質の作用を調節する化合物を同定するために化合物をスクリーニングする方法を提供する。 このようなアッセイの例は、哺乳動物線維芽細胞、本発明のアルブミン融合タンパク質、スクリーニングされるべき化合物および [H]チミジンを、線維芽細胞が通常増殖する細胞培養条件下で合わせる工程を包含する。 コントロールアッセイは、スクリーニングされるべき化合物の非存在下で実施され得、そしてこの化合物の存在下での線維芽細胞の増殖の量と比較して、各々の場合における [H]チミジンの取り込みの決定によって、この化合物が増殖を刺激するか否かを決定し得る。 線維芽細胞の増殖の量は、 [H]チミジンの取り込みを測定する液体シンチレーションクロマトグラフィーによって測定される。 アゴニスト化合物およびアンタゴニスト化合物の両方が、この手順により同定され得る。

    別の方法において、本発明の融合タンパク質の治療タンパク質成分に対するレセプターを発現する哺乳動物細胞または膜調製物は、この化合物の存在下において標識化した本発明の融合タンパク質とともにインキュベートされる。 次いで、この化合物がこの相互作用を増強またはブロックする能力が、測定され得る。 あるいは、スクリーニングされるべき化合物の相互作用に従う既知のセカンドメッセンジャー系の応答およびレセプターが測定され、そしてこの化合物がこのレセプターに結合し、そしてセカンドメッセンジャー応答を誘発する能力を測定して、この化合物が潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストであるか否かを決定する。 このようなセカンドメッセンジャー系には、cAMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャネルまたはホスホイノシチド加水分解が挙げられるが、これらに限定されない。

    これらの上記のアッセイの全ては、診断マーカーまたは予後マーカーとして使用され得る。 これらのアッセイを用いて発見される分子は、融合タンパク質/分子を活性化または阻害することによって、疾患を処置するか、あるいは患者に特定の結果(例えば、血管増殖)をもたらすために使用され得る。 さらに、アッセイは、適切に操作された細胞または組織からの本発明のアルブミン融合タンパク質の産生を阻害または増強し得る因子を発見し得る。

    従って、本発明は、以下の工程を含む本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する化合物を同定する方法を包含する:(a)候補結合化合物を本発明のアルブミン融合タンパク質とともにインキュベートする工程;および(b)結合が生じたか否かを決定する工程。 さらに、本発明は、以下の工程を含むアゴニスト/アンタゴニストを同定する方法を包含する:(a)候補化合物を本発明のアルブミン融合タンパク質とともにインキュベートする工程、(b)生物学的活性をアッセイする工程、および(b)融合タンパク質の生物学的活性が改変されているか否かを決定する工程。

    (標的化された送達)
    別の実施形態において、本発明は、組成物を、本発明のアルブミン融合タンパク質の成分についてのレセプターを発現する標的化細胞に送達する方法を提供する。

    本明細書中で議論される場合、本発明の融合タンパク質は、異種ポリペプチド、異種核酸、毒素またはプロドラッグと、疎水性、親水性、イオン性および/または共有結合性の相互作用を介して会合し得る。 1つの実施形態において、本発明は、異種ポリペプチドまたは核酸と会合した本発明の融合タンパク質(抗体を含む)を投与することによる、本発明の組成物の細胞への特異的な送達のための方法を提供する。 1つの例において、本発明は、治療タンパク質を標的化細胞中へ送達するための方法を提供する。 別の例において、本発明は、一本鎖核酸(例えば、アンチセンスまたはリボザイム)あるいは二本鎖核酸(例えば、細胞のゲノムに組み込まれ得るか、またはエピソームにて複製し得、そして転写され得る、DNA)を、標的化細胞に送達するための方法を提供する。

    別の実施形態において、本発明は、毒素または細胞傷害性プロドラッグと会合した本発明のアルブミン融合タンパク質(例えば、本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体)を投与することによる細胞の特異的破壊(例えば、腫瘍細胞の破壊)のための方法を提供する。

    「毒素」とは、内因性の細胞傷害性エフェクター系、放射性同位体、ホロ毒素(holotoxin)、改変型毒素、毒素の触媒サブユニット、または規定の条件下で細胞死を引き起こす細胞中もしくは細胞表面には通常存在しない任意の分子もしくは酵素を、結合および活性化する化合物を意味する。 本発明の方法に従って使用され得る毒素としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:当該分野で公知の放射性同位体、固有のまたは誘導された内因性の細胞傷害性エフェクター系を結合する化合物(例えば、抗体(またはその一部を含む補体固定)、チミジンキナーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAse、α毒素、リシン、アブリン、Pseudomonas内毒素A、ジフテリア毒素、サポリン、モモルジン(momordin)、ゲロニン(gelonin)、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、α−サルシン(sarcin)およびコレラ毒素。「細胞傷害性プロドラッグ」とは、通常細胞内に存在する酵素によって、細胞傷害性化合物へと変換される非毒性の化合物を意味する。本発明の方法に従って使用され得る細胞傷害性プロドラッグとしては、安息香酸マスタードアルキル化剤のグルタミル誘導体、エトポシドまたはマイトマイシンCのリン酸誘導体、シトシンアラビノシド、ダウノルビシン、およびドキソルビシンのフェノキシアセトアミド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。

    (薬物スクリーニング)
    本発明のアルブミン融合タンパク質またはアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に相当するタンパク質の活性を改変する分子についてスクリーニングするための、本発明のアルブミン融合タンパク質、またはこれらの融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの使用が、さらに意図される。 このような方法は、融合タンパク質を、アンタゴニスト活性またはアゴニスト活性を有することが疑われる選択された化合物と接触させる工程、および結合に続いてこの融合タンパク質の活性をアッセイする工程を包含する。

    本発明は、種々の薬物スクリーニング技術のいずれかにおいて、本発明のアルブミン融合タンパク質、またはそれらの結合フラグメントを使用することによって治療用化合物をスクリーニングするために特に有用である。 このような試験に用いられるアルブミン融合タンパク質は、固体支持体に固定化され得、細胞表面上に発現され得、溶液中で遊離であり得、または細胞内に局在化され得る。 薬物スクリーニングの1つの方法は、アルブミン融合タンパク質を発現する組換え核酸を用いて安定に形質転換される真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を利用する。 薬物は、競合結合アッセイにおいて、このような形質転換細胞に対してスクリーニングされる。 例えば、試験されている薬剤と本発明のアルブミン融合タンパク質との間の複合体の形成(formulaton)を測定し得る。

    従って、本発明は、本発明のアルブミン融合タンパク質によって媒介される活性に影響を及ぼす薬物または任意の他の薬剤についてのスクリーニング方法を提供する。 これらの方法は、当該分野で周知の方法によって、このような薬剤を本発明のアルブミン融合タンパク質もしくはそのフラグメントと接触させる工程、およびこの薬剤とこのアルブミン融合タンパク質もしくはそのフラグメントとの間の複合体の存在についてアッセイする工程を包含する。 このような競合結合アッセイにおいて、スクリーニングされる薬剤は、代表的に、標識化される。 インキュベーション後に、遊離の薬剤は、結合形態中に存在する薬剤から分離され、そして遊離または複合体化されていない標識の量は、特定の薬剤が本発明のアルブミン融合タンパク質に結合する能力の尺度である。

    薬物スクリーニングについての別の技術は、本発明のアルブミン融合タンパク質に対する適切な結合親和性を有する化合物に対するハイスループットスクリーニングを提供し、そして欧州特許出願84/03564(1984年9月13日公開)(これは、本明細書中で参考として援用される)に非常に詳細に記載される。 簡潔にいうと、大量の異なる小さなペプチド試験化合物は、固体基材(例えば、プラスチックピンまたはいくつかの他の表面)上で合成される。 ペプチド試験化合物を、本発明のアルブミン融合タンパク質と反応させ、そして洗浄する。 次いで、結合したペプチドは、当該分野で周知の方法によって検出される。 精製されたアルブミン融合タンパク質は、前述の薬物スクリーニング技術での使用のためにプレート上に直接コーディングされる。 さらに、非中和抗体を使用して、このペプチドを捕捉し得、そして固体支持体上にそれを固定し得る。

    本発明はまた、競合薬物スクリーニングアッセイの使用を意図し、ここで、本発明のアルブミン融合タンパク質を結合し得る中和抗体は、アルブミン融合タンパク質またはそのフラグメントに対する結合について試験化合物と特異的に競合する。 この様式において、抗体を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質と1つ以上の抗原性エピトープを共有する任意のペプチドの存在を検出する。

    (結合ペプチドおよび他の分子)
    本発明はまた、本発明のアルブミン融合タンパク質に結合するポリペプチドおよび非ポリペプチドを同定するためのスクリーニング方法、ならびにそれによって同定された結合分子を含む。 これらの結合分子は、例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質のアゴニストおよびアンタゴニストとして有用である。 そのようなアゴニストおよびアンタゴニストは、本発明に従って、以下に詳細に記載される治療実施形態において使用され得る。

    この方法は、以下の工程を包含する:
    a. 本発明のアルブミン融合タンパク質を多数の分子と接触させる工程;および b. アルブミン融合タンパク質に結合する分子を同定する工程。

    本発明のアルブミン融合タンパク質を多数の分子と接触させる工程は、多数の方法によってもたらされ得る。 例えば、アルブミン融合タンパク質を固体支持体上に固定化させ、そして多数の分子の溶液を固定したポリペプチドと接触させることを意図し得る。 このような手順は、固定した本発明のアルブミン融合タンパク質から構成される親和性マトリックスを用いるアフィニティークロマトグラフィープロセスに類似している。 次いで、アルブミン融合タンパク質に対して選択的な親和性を有する分子が、親和性選択によって精製され得る。 固体支持体の性質、アルブミン融合タンパク質のこの固体支持体への付着に関するプロセス、溶媒、および親和性単離または親和性選択の条件は、大部分が慣用的であり、そして当業者に周知である。

    あるいは、多数のポリペプチドはまた、ポリペプチドのサブセットまたは個々のポリペプチドを含む実質的に別々の画分へ分離され得る。 例えば、多数のポリペプチドは、ゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィーなどポリペプチドの分離に関して当業者に公知の方法によって、分離され得る。 個々のポリペプチドはまた、宿主細胞の外部表面上またはほぼ外部表面に発現されるような様式で、形質転換された宿主細胞(例えば、組換えファージ)によって産生され得る。 次いで、個々の単離物は、アルブミン融合タンパク質によって「プローブ化」され得、必要に応じて発現に必要とされるであろうインデューサーの存在下で、アルブミン融合タンパク質と個々のクローンとの間で任意の選択的親和性相互作用が起こったか否かが決定される。 アルブミン融合タンパク質を個々のポリペプチドを含む各画分と接触させる前に、これらのポリペプチドはまず、さらなる簡便性のために固体支持体に移され得る。 そのような固体支持体は、単に、例えばニトロセルロースまたはナイロンでできたフィルター膜の断片であり得る。 この様式において、陽性クローンは、形質転換宿主細胞の発現ライブラリーの集団(これらは、本発明のアルブミン融合タンパク質に対して選択的親和性を有するポリペプチドをコードするDNA構築物を持つ)から同定され得る。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質に対して選択的親和性を有するポリペプチドのアミノ酸配列が、従来の手段によって直接決定され得るか、またはこのポリペプチドをコードするDNAのコード配列が、頻繁により簡便に決定され得る。 次いで、一次配列が、対応するDNA配列から推定され得る。 アミノ酸配列がポリペプチド自身から決定されるものである場合、微小配列決定技術を使用し得る。 この配列決定技術は、質量分析法を含み得る。

    特定の状況において、選択的親和性相互作用の存在を決定または検出しようと試みる前に、未結合のポリペプチドを、本発明のアルブミン融合タンパク質および多数のポリペプチドの混合物から洗浄除去することが望ましくあり得る。 このような洗浄工程は、本発明のアルブミン融合タンパク質または多数のポリペプチドが固体支持体に結合している場合に、特に望ましくあり得る。

    本方法に従って提供される多数の分子は、多様性ライブラリー(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質へ特異的に結合する分子をスクリーニングし得るランダムまたはコンビナトリアルの、ペプチドライブラリーまたは非ペプチドライブラリー)として提供され得る。 使用され得る多くのライブラリー(例えば、化学合成ライブラリー、組換えライブラリー(例えば、ファージディスプレイライブラリー)、およびインビトロ翻訳ベースのライブラリー)が、当該分野で公知である。 化学合成ライブラリーの例は、以下に記載される:Fodorら、1991、Science 251:767−773;Houghtenら、1991、Nature 354:84−86;Lamら、1991、Nature 354:82−84;Medynski、1994、Bio/Technology 12:709−710;Gallopら、1994、J. Medicinal Chemistry 37(9):1233−1251;Ohlmeyerら、1993、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10922−10926;Erbら、1994,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:11422−11426;Houghtenら、1992,Biotechniques 13:412;Jayawickremeら、1994、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:1614−1618;Salmonら、1993,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:11708−11712;PCT公開番号WO93/20242;ならびにBrennerおよびLerner、1992、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5381−5383。

    ファージディスプレイライブラリーの例は、以下に記載される:ScottおよびSmith、1990、Science 249:386−390;Devlinら、1990、Science、249:404−406;Christian,R. B. ら、1992、J. Mol. Biol. 227:711−718);Lenstra、1992、J. Immunol. Meth. 152:149−157;Kayら、1993、Gene 128:59−65;ならびにPCT公開番号WO94/18318(1994年8月18日)。

    インビトロ翻訳ベースのライブラリーとしては、以下:PCT公開番号WO91/05058(1991年4月18日);およびMattheakisら、1994,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:9022−9026に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。

    非ペプチドライブラリーの例として、ベンゾジアゼピンライブラリー(例えば、Buninら、1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:4708−4712を参照のこと)が、使用のために適応され得る。 ペプトイドライブラリー(Simonら、1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367−9371)がまた使用され得る。 使用され得るライブラリーの別の例は、Ostreshら(1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11138−11142)によって記載され、ここでは、ペプチド中のアミド官能基が、過剰にメチル化(permethylate)されて、化学的に形質転換されたコンビナトリアルライブラリーを生成する。

    本発明において有用である種々の非ペプチドライブラリーは、大きい。 例えば、EckerおよびCrooke(1995,Bio/Technology 13:351−360)は、種々のライブラリーの基礎を形成する化学種の間として、ベンゾジアゼピン、ヒダントイン、ピペラジンジオン、ビフェニル、糖アナログ、β−メルカプトケトン、アリール酢酸、アシルピペラジン、ベンゾピラン、キューバン(cubane)、キサンチン、アミンイミドおよびオキサゾロンを列挙している。

    非ペプチドライブラリーは、2つの型に大きく分類され得る:修飾されたモノマーおよびオリゴマー。 修飾モノマーライブラリーは、比較的単純な骨格構造を使用し、この上に種々の官能基が付加される。 しばしば、骨格は、既知の有用な薬理学的活性を有する分子である。 例えば、骨格は、ベンゾジアゼピン構造であり得る。

    非ペプチドオリゴマーライブラリーは、モノマーの順序に依存して新規な形状を作製する様式で共にアセンブルされる、多数のモノマーを使用する。 使用されるモノマー単位の間には、カルバメート、ピロリノン(pyrrolinone)およびモルホリノがある。 ペプトイド(側鎖がα炭素よりもαアミノ基に結合するペプチド様オリゴマー)は、非ペプチドオリゴマーライブラリーの別のバージョンの基礎を形成する。 最初の非ペプチドオリゴマーライブラリーは、単一型のモノマーを使用し、従って、反復骨格を含む。 近年のライブラリーは、1つより多くのモノマーを使用し、自由度が添加されたライブラリーを与える。

    ライブラリーをスクリーニングすることは、多様な一般的に公知の方法のいずれかによって達成され得る。 例えば、ペプチドライブラリーのスクリーニングを開示する以下の参考文献を参照のこと:ParmleyおよびSmith、1989、Adv. Exp. Med. Biol. 251:215−218;ScottおよびSmith、1990、Science 249:386−390;Fowlkesら、1992;BioTechniques 13:422−427;Oldenburgら、1992、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5393−5397;Yuら、1994、Cell 76:933−945;Staudtら、1988、Science 241:577−580;Bockら、1992、Nature 355:564−566;Tuerkら、1992、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:6988−6992;Ellingtonら、1992、Nature 355:850−852;米国特許第5,096,815号、米国特許第5,223,409号、および米国特許第5,198,346号(全てLadnerらに対して);RebarおよびPabo、1993、Science 263:671−673;ならびにPCT公開番号WO94/18318。

    特定の実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質を結合する分子を同定するためのスクリーニングは、ライブラリーのメンバーを固相に固定化された本発明のアルブミン融合タンパク質と接触させ、そしてアルブミン融合タンパク質に結合するこれらのライブラリーメンバーを収集することによって実行され得る。 そのようなスクリーニング方法の例の、「パニング」と呼ばれる技術は、例として、ParmleyおよびSmith,1988,Gene 73:305−318;Fowlkesら、1992,BioTechniques 13:422−427;PCT公開番号WO94/18318;ならびにその中に引用される参考文献に記載される。

    別の実施形態において、酵母中の相互作用タンパク質を選択するためのツーハイブリッドシステム(FieldsおよびSong,1989,Nature 340:245−246;Chienら、1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:9578−9582)が、本発明のポリペプチドに特異的に結合する分子を同定するために使用され得る。

    結合分子がポリペプチドである場合、このポリペプチドは、任意のペプチドライブラリー(ランダムペプチドライブラリー、コンビナトリアルペプチドライブラリー、またはバイアスペプチドライブラリーを含む)から簡便に選択され得る。 用語「バイアス(biased)」は、この場合のペプチドにおいて、ライブラリーを作製する方法が、生じる分子収集の多様性を支配する1つ以上のパラメーターを制限するように操作されることを意味するために本明細書中に使用される。

    従って、本当にランダムなペプチドライブラリーは、ペプチドの所定の位置に特定のアミノ酸を見出す可能性が全て20のアミノ酸に関して同じである、ペプチドの収集物を作製する。 しかし、例えば、リジンがアミノ酸5つ毎に生じることを特定するかまたはデカペプチドライブラリーの4位、8位および9位がアルギニンのみを含むように固定して特定することによって、バイアスがライブラリーに導入され得る。 明らかに、バイアスの多くの型は、意図され得、そして本発明は、任意の特定のバイアスに制限されない。 さらに、本発明は、特定の型のペプチドライブラリー(例えば、ファージディスプレイペプチドライブラリーおよびDNA挿入物と共にλファージベクターを含むDNA構築物を使用するライブラリー)を意図する。

    上記のように、結合分子(ポリペプチドである)の場合、このポリペプチドは、約6から約60未満のアミノ酸残基を有し、好ましくは約6〜約10アミノ酸残基、そしてより好ましくは約6〜約22アミノ酸であり得る。 別の実施形態において、結合ポリペプチドは、15〜100の範囲のアミノ酸、または20〜50の範囲のアミノ酸を有する。

    選択された結合ポリペプチドは、化学合成または組換え発現によって得られ得る。

    (他の活性)
    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、血管内皮細胞増殖を刺激する能力の結果として、種々の疾患状態(例えば、血栓症、動脈硬化、および他の心臓血管の状態)に起因する虚血組織の血管再生を刺激するための処置において利用され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドをまた利用して、上記で議論されるように新脈管形成および肢の再形成を刺激し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、傷害、熱傷、手術後組織修復、および潰瘍に起因する創傷の処置にもまた利用し得る。 なぜなら、それらは異なる起源の種々の細胞(例えば、線維芽細胞および骨格筋細胞)に対してマイトジェン性であり、それゆえ損傷した組織または疾患組織の修復または置換を促進するからである。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、ニューロンの成長を刺激し、そして特定のニューロンの障害または神経変性状態(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびAIDS関連複合体)において生じるニューロンの損傷を処置および予防するために利用し得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、軟骨細胞増殖を刺激する能力を有し得、それゆえ、これらは、骨および歯周の再形成を増強し、そして組織移植片または骨の移植片における補助のために利用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドをまた利用して、ケラチノサイト増殖を刺激することにより、日焼けに起因する皮膚の老化を予防し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドをまた、抜け毛を予防するために利用し得る。 なぜなら、FGFファミリーのメンバーは、髪形成細胞を活性化し、そしてメラノサイト増殖を促進するからである。 同じ系列にそって、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを利用して、他のサイトカインと組み合わせて使用した場合、造血細胞および骨髄細胞の増殖および分化を刺激し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドをまた利用して、移植前の器官を維持し得るか、または一次組織の細胞培養を支持するために使用し得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、初期胚における分化のための中胚葉起源の組織を誘導するために利用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、先に議論されるように造血系統に加えて、胚性幹細胞の分化もしくは増殖を増加または減少し得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、哺乳動物の特徴(例えば、身長、体重、毛の色、眼の色、皮膚、脂肪組織の割合、色素沈着、大きさ、および形(例えば、美容外科))を調節するために使用され得る。 同様に、本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、異化作用、同化作用、プロセシング、利用、およびエネルギーの貯蔵に影響を及ぼす哺乳動物の代謝を調節するために使用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、バイオリズム、カリカディック(caricadic)リズム、うつ病(抑うつ性の障害を含む)、暴力の傾向、痛に対する耐性、生殖能力(好ましくは、アクチビンまたはインヒビン様活性によって)、ホルモンレベルもしくは内分泌レベル、食欲、性欲、記憶、ストレス、または他の認知の質に影響を及ぼすことによって、哺乳動物の精神状態または身体状態を変更するために使用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質および/または本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、貯蔵能力、脂肪含有量、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因子、または他の栄養成分を増加または減少させるような食品添加物または保存剤として使用され得る。

    上記で引用される適用は、広範な種々の宿主における用途を有する。 そのような宿主としては、ヒト、ネズミ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、マウス、ラット、ハムスター、ブタ、ミニブタ(micro−pig)、ニワトリ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類、およびヒトが挙げられるが、これらに限定されない。 特定の実施形態において、宿主は、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ニワトリ、ラット、ハムスター、ブタ、ヒツジ、イヌまたはネコである。 好ましい実施形態において、宿主は、哺乳動物である。 最も好ましい実施形態において、宿主は、ヒトである。

    本発明を一般的に記載したように、同様のことは、以下の実施例に参考として容易に理解され、そして指示されるように提供され、そして制限することを意図されない。

    さらなる説明を有することなく、当業者は、前記説明および以下の指示例を使用して、本発明において見出される変化を作製し、そして利用し得、そして請求の範囲に記載される方法を実施し得る。 従って、以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を特異的に指示し、そして任意の方法において開示の残部を制限するように構築されない。

    (実施例1:pScNHSAおよびpScCHSAの生成 ベクターpScNHSA (ATCC信託番号PTA−3279)およびpScCHSA (ATCC信託番号PTA−3276)pPPC0005 (ATCC信託番号PTA−3278)の誘導体であり、そして治療用タンパク質またはフラグメントまたはそれらの変異体をコードするポリヌクレオチドが、ヒト血清アルブミン「HSA」をコードするポリヌクレオチドを有する翻訳フレームに隣接してまたは翻訳フレーム中に挿入されるクローニングベクターとして使用される。pScCHSAは、治療用タンパク質HSA融合を生じるために使用され得、一方pScNHSAは、HSA治療用タンパク質融合を生じるために使用され得る。

    (pScCHSAの生成:治療的部分に対するアルブミン部分C末端とのアルブミン融合)
    成熟アルブミンタンパク質をコードするDNAに対する治療的タンパク質N末端をコードするDNAのクローニングを促進させるためのベクターを、pPPC0005におけるキメラHSAシグナルペプチドをコードする核酸配列がXhoI部位およびClaI部位を含むように変更することによって作製した。

    まず、pPPC0005に固有のXhoI部位およびClaI部位(ADH1終結配列の3'に位置する)を、XhoIおよびClaIでpPPC0005を消化することによって排除し、T4DNAポリメラーゼで突出末端を削り、平滑末端を再ライゲーションしてpPPC0006を作製した。

    次に、XhoI制限酵素認識部位およびClaI制限酵素認識部位を、2ラウンドPCRを用いて、pPPC0006中のHSA(HSAリーダーのキメラおよび接合因子α「MAF」由来のkex2部位)のシグナルペプチドをコードする核酸配列中に操作した。
    PCRの第一ラウンドにおいて、配列番号1039および配列番号1040として示したプライマーを用いた増幅を行った。 配列番号1039として示したプライマーは、HSAのシグナルペプチド配列の部分、接合因子αリーダー配列由来のkex2部位、およびHSAの成熟形態のアミノ末端の部分をコードする核酸配列を含む。 この配列に4つの点変異を導入し、キメラシグナルペプチドおよびHSAの成熟形態の接合部に見出されるXhoI部位およびClaI部位を作製した。 これらの4つの点変異は、以下に示した配列中に下線を引いて示す。 pPPC0005において、5'から3'までのこれらの4つの位置のヌクレオチドは、T、G、TおよびGである。

    5'−GC GA AAAAGAGATGCACACAAGAGTGAGGTTGCTCATCG TTTAAAGATTTGGG−3' (配列番号1039)および5'−AATCGATGAGCAACCTCACTCTTGTGTGCATCTCTTTT
    CTCGAGGCTCCTGGAATAAGC−3' (配列番号1040)。 次いで、PCRの第二円形は、上流隣接プライマー5'−TACAAACTTAAGAGTCCAATTAGC−3' (配列番号1041)および下流隣接プライマー5'−CACTTCTCTAGAGTGGTTTCATATGTCTT−3' (配列番号1042)を用いて実施された。 次いで、得られたPCR産物を精製し、そしてAfl IIおよびXba Iで消化し、そしてpPPC0006中の同じ部位に連結して、pScCHSAを作製した。 得られたプラスミドは、シグナル配列へと操作された、Xho I部位およびCla I部位を有する。 Xho I部位の存在は、LDKRからLEKRへの、シグナル配列の末端に1アミノ酸変化を生じる。 このDからEへの変化は、5' Sal I部位(これは、Xho I部位と適合性である)および3' Cla I部位を有する、アルブミン融合タンパク質の治療剤部分をコードするポリヌクレオチドを含む核酸配列が、pScCHSAのXho I部位およびCla I部位に連結される場合、最終的なアルブミン融合タンパク質発現プラスミド中に存在しない。 Sal IおよびXho Iの連結は、シグナルペプチド配列の元のアミノ酸配列を回復させる。 アルブミン融合タンパク質の治療剤部分をコードするDNAは、Kex2部位(Kex2は、シグナルペプチドの最後の二塩基性アミノ酸配列KRの後ろで切断する)の後ろでかつCla I部位の前に挿入され得る。

    (pScNHSAの作製:治療剤部分に対するアルブミン部分N末端のアルブミン融合体)
    成熟アルブミンタンパク質をコードするDNAのC末端へと、治療剤タンパク質部分をコードするDNAをクローニングするのを容易にするベクターを、3つの8塩基対制限部位をpScCHSAに付加することにより作製した。 Asc I制限部位、Fse I制限部位、およびPme I制限部位を、成熟HSAタンパク質をコードする核酸配列の末端にて、Bsu36 I部位とHind III部位との間に添加した。 これを、下線を付したAsc I制限部位、Fse I制限部位、およびPme I制限部位を含む2つの相補的合成プライマー(配列番号1043および配列番号1044)の使用により達成した。

    5'−AAGCTGCCTTAGGCTTATAATAA GGCGCGCCGGCCGGCCGTTTAAAC TAAGCTTAATTCT−3' (配列番号1043)および5−AGAATTAAGCTTA GTTTAAACGGCCGGCCGGCGCGCC TTATTATAAGCCTAAGGCAGCTT−3' (配列番号1044). これらのプライマーを、Bsu36 I およびHind IIIを用いてアニールし、そして消化し、そしてpScNHSAを作製するpScCHSAにおける同様の部位に結合した。

    (実施例2:酵母形質転換のための一般的な構築物生成)
    ベクターpScNHSAおよびpScCHSAは、治療用タンパク質またはフラグメントまたはそれらの変異体をコードするポリヌクレオチドが、成熟したヒト血清アルブミン「HSA」をコードするポリヌクレオチドに隣接して挿入されるクローニングベクターとして使用され得る。 pScCHSAは、治療用融合HSA融合を生じるために使用されるが、pScNHSAは、HSA治療用タンパク質融合を生じるために使用され得る。

    (HSA−治療タンパク質融合産物を含むアルブミン融合構築物の産生)
    治療タンパク質をコードするDNA(例えば、配列番号Xで示される、または当該分野で公知の配列)は、融合構築物の産生を容易にするプライマー(例えば、制限部位を加えることにより、継ぎ目のない融合をコードすることにより、リンカー配列をコードすることにより、など)を用いてPCR増幅され得る。 例えば、当業者は、治療タンパク質をコードする(かつBsu36I部位を含む)DNAの5'末端上にHSAの成熟形態の最後の4つのアミノ酸をコードするポリヌクレオチドを加える5'プライマー;そして停止コドンおよび配列をコードする治療タンパク質の3'末端上の適切なクローニング部位を加える3'プライマーを設計し得る。 例えば、治療タンパク質をコードするのに用いられる順方向プライマーは、配列

    (配列番号1045)を有し得、ここで下線が引かれた配列は、Bsu36I部位であり、大文字のヌクレオチドは、成熟HSAタンパク質の最後の4つのアミノ酸(ALGL)をコードし、そして(N)

    15は、目的の治療タンパク質をコードする最初の15のヌクレオチドと同一である。 同様に、治療タンパク質をコードするDNAを増幅するのに用いられる逆方向プライマーは、配列

    (配列番号1046)を有し得、ここでイタリック体で書かれた配列は、Pme I部位であり、二重に下線が引かれた配列は、Fse I部位であり、単一の下線が引かれた配列は、Asc I部位であり、囲まれたヌクレオチドは、2つの直列の停止コドンの逆方向の相補鎖であり、(N)

    15は、目的の治療タンパク質をコードする最後の15のヌクレオチドの相補鎖と同一である。 一旦PCR産物が増幅されると、この産物はBsu36Iおよび(Asc I、Fse I、またはPme I)の1つで切られ、pScNHSAに連結される。

    HSAキメラリーダー配列中のXho I部位の存在は、キメラシグナル配列(すなわち、LDKR(配列番号2139)からLEKR(配列番号2140)へのHSA−kex2シグナル配列)の末端における単一のアミノ酸変化を作り出す。

    (遺伝子−HSA融合産物を含むアルブミン融合構築物の産生)
    上記の方法と同様に、治療タンパク質をコードするDNAは、以下のプライマーを用いてPCR増幅され得る:Sal I部位を含み、治療タンパク質をコードするDNAの5'末端上のHSAリーダー配列、DKRの最後の3つのアミノ酸をコードするポリヌクレオチドを加える5'プライマー;および治療タンパク質をコードするDNAの3'末端上にCla I部位を含む成熟HSAの最初のいくつかのアミノ酸をコードするポリヌクレオチドを加える3'プライマー。 例えば、治療タンパク質をコードするDNAを増幅するのに用いられる順方向プライマーは、配列

    (配列番号1047)を含み得、ここで下線を引いた配列は、Sal I部位であり、大文字のヌクレオチドは、HSAリーダー配列の最後の3つのアミノ酸(DKR)をコードし、そして(N)

    15は、目的の治療タンパク質をコードする最初の15のヌクレオチドと同一である。 同様に、治療タンパク質をコードするDNAを逆方向プライマーは、配列

    (配列番号1048)であり、ここでイタリック体の配列は、Cla I部位であり、下線が引かれたヌクレオチドは、HSA

    の成熟形態の最初の9アミノ酸をコードするDNAの逆方向相補鎖であり、そして(N)

    15は、目的の治療タンパク質をコードする最後の15ヌクレオチドの逆方向の相補鎖である。 一旦PCR産物が増幅されると、この産物は、Sal IおよびClaで切られ、Xho IおよびCla Iで消化されたpScCHSAに連結される。 異なるシグナル配列またはリーダー配列が、所望され得、例えば、転化酵素「INV」(Swiss−Prot受託P00724)、交配因子α「MAF」(Genbank受託番号AAA18405)、MPIF(遺伝子配列AAF82936)、フィブリン B(Swiss−Prot受託P23142)、クラステリン(Swiss−Prot受託P10909)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(Swiss−Prot受託P22692)、およびHSAリーダー配列の順列は、当該分野で公知の標準的な方法によって適切なベクターにサブクローニングされ得る。

    (酵母S.cerevisiaeにおける発現に適合性のアルブミン融合構築物の産生)
    次いで、pScNHSAまたはpScCHSAから作製されるN末端またはC末端アルブミン融合タンパク質のいずれかをコードするDNAを含むNot Iフラグメントが、LEU2選択マーカーを有するpSAC35のNot I部位にクローニングされ得る。
    次いで、生じるベクターは、酵母S. cerevisiaeの発現システムの形質転換に用いられる。

    (実施例3:酵母S.cerevisiaeにおける一般的発現)
    酢酸リチウム形質転換、エレクトロポレーション、または当該分野で公知の、およびもしくはSambrook,Fritsch,およびManiatis. 1989. “Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2版”1−3巻、およびAusubelら、2000. Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School“Current Protocols in Molecular Biology”,1−4巻に記載されるような他の方法により、酵母発現に適合性の発現ベクターが、酵母S. cerevisiae中に形質転換され得る。 この発現ベクターは、形質転換により、酵母S. cerevisiae株DXY1、D88、またはBXP10に導入される。 個々の形質転換体が、例えば、10mL YEPD(1% w/v酵母抽出物、2%w/v、ペプトン、2%w/v、デキストロース)中30℃で3日間の間、増殖し得、そして細胞は、60時間の増殖の後、固定相に集められ得る。 上清は、10分間3000gで細胞を除去することで集められ得る。

    pSAC35(Sleepら、1990、Biotechnology 8:42そして図3を参照のこと)は、LEU選択マーカーに加えて、完全酵母2μmプラスミドを含み、複製機能、PRB1プロモーター、およびADH1終止シグナルを提供する。

    (実施例4:酵母S.cerevisiaeにおけるアルブミン融合から発現されるアルブミン融合タンパク質の一般的精製)
    好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療タンパク質またはその部分の成熟形態(例えば、表1に列挙される治療タンパク質の成熟形態、または表2に配列番号Zとして示される治療タンパク質の成熟形態)のN末端またはC末端のいずれかに融合するHSAの成熟形態を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のアルブミン融合タンパク質は、好ましくは異種シグナル配列(例えば、特定の治療タンパク質の非天然シグナル配列)(MAF、INV、Ig、フィブリン B、クラステリン、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含む。 表2に列挙されるシグナル配列ならびに/または上の明細書中の「融合タンパク質の発現」および/もしくは「アルブミン融合タンパク質の組み換えおよび合成的産生のさらなる方法」節において列挙されるシグナル配列として、特に好ましい。 好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質は、N末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    上記のような酵母中で発現されるアルブミン融合タンパク質は、以下のようなDyaxペプチド親和カラム上の小規模で精製され得る。 アルブミン融合タンパク質を発現する酵母からの上清は、3mMリン酸緩衝液pH6.2、20mM NaClおよび0.01%Tween20に対してダイアフィルター(diafiltrate)し、体積を減少し、色素を除去する。 次いで、この溶液を0.22μmデバイスを通して濾過する。 この濾液を、Dyaxペプチド親和カラム上に装填する。 このカラムを100mM Tris/HCl、pH8.2緩衝液で溶出する。 タンパク質を含むピークフラクションを、5倍に濃縮した後SDS−PAGE上で集め、分析する。

    大規模な精製のために、以下の方法を利用し得る。 2Lを超える上製を、ダイアフィルターし、20mM Tris/HCl pH8.0の500mLに濃縮する。 濃縮されたタンパク質溶液を、予め平衡化した50mL DEAE−Sepharose Fast Flowカラム上に装填し、このカラムを洗浄し、そしてタンパク質を、20mM Tris/HCl、pH8.0における0〜0.4M NaClからのNaClの直線的勾配で溶出する。 タンパク質を含むこれらのフラクションをプールし、0.5Mリン酸ナトリウム(NaH PO )を有するpH6.8に調節する。 最終濃度0.9Mの(NH SO が、タンパク質溶液に加えられ、そして全ての溶液を、予め平衡化した50mL Butyl650Sカラム上に装填した。 このタンパク質を、硫酸アンモニウム(0M (NH SO に対して0.9)の直線的勾配で溶出する。 アルブミン融合を有するこれらのフラクションを再びプールし、10mM Na HPO /クエン酸緩衝液pH5.75に対してダイアフィルトレートし、50mLの予め平衡化したSP−Sepharose Fast Flowカラム上に装填する。 このタンパク質を、0−0.5MのNaCl直線勾配で溶出する。 目的のタンパク質を含むフラクションを混合し、この緩衝液を、Amiconコンセントレーター(concentrator)で10mM Na HPO /クエン酸pH6.25に変え、この伝導率は、2.5mS/cmより低い。 このタンパク質溶液は、15mLの予め平衡化されたQ−Sepharose高性能カラム上に装填され、このカラムを洗浄し、そしてこのタンパク質を0〜0.15M NaClのNaCl直線勾配で溶出する。 次いで、この精製されたタンパク質を、緩衝液交換により特異的な緩衝液組成物に処方し得る。

    (実施例5:哺乳動物細胞トランスフェクションについての一般的な構築物の産生)
    (哺乳動物細胞株においての発現に適合性のアルブミン融合構築物の産生)
    アルブミン融合構築物が、哺乳動物細胞培養系における使用のための発現ベクターにおいて産生され得る。 治療タンパク質をコードするDNAが、当該分野で公知の標準的な方法(例えば、PCR増幅、制限消化、および結合)により哺乳動物発現ベクターにおいてHSAへのN末端またはC末端をクローニングし得る。 一旦発現ベクターが構築されると、哺乳動物発現系へのトランスフェクションが、進行し得る。 適切なベクター(例えば、pC4ベクター、および/またはLonza Biologics,Inc.(Portsmouth,NH)から入手可能なベクターを含むが、これらに限定されない)が、当該分野で公知である。

    ヒト血清アルブミンをコードするDNAを、哺乳動物培養系に適切な、プラスミドpC4:HSA(ATCC受託番号PTA−3277)を作り出すpC4ベクターにクローニングする。 このベクターは、メトトレキサートの存在下、選択を可能にする遺伝子ジヒドロ葉酸レダクターゼ「DHFR」を有する。

    pC4:HSAベクターは、CHO細胞におけるアルブミン融合タンパク質の発現について適切である。 発現のために、他の哺乳動物細胞培養系において、アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む、あるいはこれから成るフラグメントを代替の発現ベクターにサブクローニングすることが所望され得る。 例えば、成熟アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む、あるいはこれから成るフラグメントを、別の発現ベクター(本明細書中に記載される任意の哺乳動物発現ベクターを含むが、これらに限定されない)にサブクローニングさせ得る。

    好ましい実施形態において、アルブミン融合構築物をコードするDNAが、NS0細胞における発現について当該分野で公知の手段により、Lonza Biologics,Inc. (Portsmouth,NH)により提供されるベクターに、サブクローニングされる。

    (HSA治療タンパク質融合産物を含むアルブミン融合構築物の生成)
    pC4:HSA(ATCC受託番号PTA−3277)を用いて、治療タンパク質部分が、成熟アルブミン配列のC末端である、アルブミン融合構築物を生成する。 例えば、ベクターのBsu 36IとAsc I制限部位との間の治療タンパク質のフラグメントまたはその改変体をコードするDNAを、クローニングし得る。 Bsu 36IおよびAsc Iへクローニングする場合、酵母ベクター系(配列番号1045および配列番号1046)にクローニングするのに用いられる同じプライマー設計が、利用され得る(実施例2を参照のこと)。

    (遺伝子HSA融合産物を含むアルブミン融合構築物の産生)
    pC4:HSA(ATCC受託番号PTA−3277)を用いて、治療タンパク質部分が成熟アルブミン配列のN末端にクローニングされるアルブミン融合構築物が、産生され得る。 例えば、pC4:HSAのBam HI(またはHind III)とCla Iとの間の治療タンパク質自体のシグナル配列を有する治療タンパク質をコードするDNAをクローニングし得る。 Bam HIまたはHind III部位のいずれかにクローニングするとき、Kozak配列

    を含み、その後に治療タンパク質をコードするDNAの翻訳開始部分を含むことが好ましい。 治療タンパク質が、シグナル配列を含まない場合、治療タンパク質をコードするDNAを、pC4:HSAのXho IとCla I部位との間でクローニングし得る。 Xho I部位を用いる場合、以下の5'(配列番号1052)および3'(配列番号1053)例示的プライマーが、用いられ得る:

    5'プライマー(配列番号1052)において、下線が引かれた配列は、Xho部位である;そしてこのXho部位およびXho I部位に続くDNAは、天然のヒト血清アルブミンのリーダー配列の最後の7つのアミノ酸をコードする。 配列番号1052において、「(N)

    18 」は、目的の治療タンパク質をコードする最初の18ヌクレオチドと同一なDNAである。 3'プライマー(配列番号1053)において、下線が引かれた配列は、Cla I部位であり、そしてこのCla I部位およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質(配列番号1038)の最初の10アミノ酸をコードするDNAの逆方向補完物である。 配列番号1053において、「(N)

    18 」は、目的の治療タンパク質をコードする最後の18ヌクレオチドをコードするDNAの逆方向相補鎖である。 これらの2つのプライマーを用いて、目的の治療タンパク質をPCR増幅し得、PCR産物を精製し得、Xho IおよびCla I制限酵素でこの産物を消化し得、そしてpC4:HSAベクター中のXho IおよびCla部位にクローニングし得る。

    代替のリーダー配列が所望される場合、天然のアルブミンリーダー配列は、キメラアルブミンリーダー、すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド、または当該分野で公知の標準的な方法による代替のリーダーで置換され得る。 (例えば、当業者が、代替のリーダーを所定の順序でPCR増幅し、リーディングフレームを維持する一方、PCR産物をアルブミンリーダーの代わりにアルブミン融合構築物にサブクローニングする)
    (実施例6:哺乳動物細胞株における一般的な発現)
    哺乳動物細胞株における発現と適合性の発現ベクターにおいて産生されるアルブミン融合構築物が、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクトアミン(lipofectamine)、エレクトロポレーション、または当該分野で公知のおよび/またはSambrook,Fritsch,およびManiatis 1989「分子クローニング:A Laboratory Manual,2版」およびAusubelら、2000 Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School「Current Protocols in Molecular Biology」1−4巻に記載されるような、他のトランスフェクション方法により、適切な細胞株にトランスフェクトし得る。 次いで、トランスフェクトされる細胞を、発現ベクターにおける選択可能なマーカーにより決定される選択剤の存在により選択する。

    pC4発現ベクター(ATCC受託番号209646)は、プラスミドpSV2−DHFR(ATCC受託番号37146)の誘導体である。 pC4は、強力なプロモーター、Rous Sarcoma VirusのLong Terminal Repeats「LTR」(Cullenら、1985年3月,Molecular and Cellular Biology,438−447)およびCytoMegalo Virus「CMV」エンハンサー(Boshartら、1985,Cell 41:521−530)のフラグメントを含む。 このベクターはまた、3'イントロン、ポリアデニル化およびラットプレプロインスリン遺伝子の終止シグナル、ならびにSV40初期プロモーターの制御下のマウスDHFR遺伝子を含む。 チャイニーズハムスター卵巣「CHO」細胞または活性なDHFR遺伝子を欠失している他の細胞株が、トランスフェクションのために用いられる。 当該分野で公知の方法によるpC4におけるアルブミン融合構築物のCHO細胞へのトランスフェクションが、CHO細胞中のアルブミン融合タンパク質の発現を可能にし、これにリーダー配列開裂および上清への分泌が続く。 次いで、アルブミン融合タンパク質を、上清からさらに精製する。

    pEE12.1発現ベクターが、Lonza Biologics,Inc. (Portsmouth,NH)により提供され、これはpEE6(StephensおよびCockett,1989,Nucl.Acids Res.17:7110)の誘導体である。 このベクターは、プロモーター、エンハンサーおよび目的の配列の上流である、ヒトCytoMegalo Virus「hCMV−MIE」のMajor Immediate Early遺伝子(国際公開番号WO89/01036)の完全5'非翻訳領域、ならびに選択的なメチオニンスルフォキシミン(sulphoximine)含有媒体におけるトランスフェクトされた細胞の選択の目的のためのGlutamine Synthetase遺伝子(Murphyら、1991,Biochem J.227:277−279;Bebbingtonら、1992,Bio/Technology 10:169−175;米国特許US5,122,464)を含む。 当該分野で公知の方法によりpEE12.1において作られるアルブミン融合構築物のNS0細胞(国際公開番号WO86/05807)へのトランスフェクションが、NS0細胞におけるアルブミン融合タンパク質の発現を可能にし、これにリーダー配列開裂、および上清への分泌が続く。 次いで、アルブミン融合タンパク質を、本明細書中で記載される技術または当該分野で公知の他の方法を用いて、上清からさらに精製する。

    アルブミン融合タンパク質の発現が、例えば、SDS−PAGEおよびウェスタンブロット、逆相HPLC分析、または当該分野で公知の他の方法により、分析され得る。

    アルブミン融合タンパク質でトランスフェクトされる安定なCHOおよびNS0細胞株が、当該分野で公知の方法(例えば、リポフェクトアミントランスフェクション)により生成され、例えば、選択可能なマーカーとして、またはグルタミンが存在しない場合の増殖を介してジヒドロ葉酸レダクターゼを有するベクターについて100nMメトトレキサートで選択される。 発現レベルが、例えば、第一に、第一の抗体として抗HSA血清を用いて、または、第二に、第一の抗体として所定のアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分に指向される血清含有抗体を用いて免疫ブロットすることにより、試験され得る。

    発現レベルが、第一の抗体として抗HSA血清で免疫ブロット検出することにより、試験される。 特異的な生産速度が、捕捉抗体が、アルブミン融合の治療タンパク質部分に向かうモノクローナル抗体であり得、検出抗体が、モノクローナル抗HSAビオチン化抗体であり得る(または逆もまた同じ)、ELISAを経て決定され、これにホースラディッシュペルオキシダーゼ/ストレプトアビジン結合および製造者のプロトコルに従う分析が続く。

    (実施例7:哺乳動物細胞株におけるアルブミン融合タンパク質から発現されるアルブミン融合タンパク質の一般的な精製)
    好ましい実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、治療タンパク質またはその部分(例えば、表1に列挙される治療タンパク質の成熟形態、または表2に配列番号Zとして示される治療タンパク質の成熟形態)の成熟形態のN末端またはC末端のいずれかに融合されたHSAの成熟形態を含む。 本発明の1実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、さらに発現のために用いられる宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のアルブミン融合タンパク質は、好ましくは異種シグナル配列(例えば、特定の治療タンパク質の非天然シグナル配列)(MAF、INV、Ig、フィブリン B、クラステリン、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含む。 表2に列挙されるシグナル配列ならびに/または上の明細書中の「融合タンパク質の発現」および/もしくは「アルブミン融合タンパク質の組み換えおよび合成的産生のさらなる方法」節において列挙されるシグナル配列として、特に好ましい。 好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    哺乳動物細胞株上清由来のアルブミン融合タンパク質が、用いられる発現系に従う異なるプロトコルに従って精製される。

    (CHOおよび293細胞株からの精製)
    CHO細胞上清由来または一時的にトランスフェクトされた293T細胞上清由来のアルブミン融合タンパク質の精製は、リン酸ナトリウム緩衝液およびリン酸塩勾配溶出を用いるアニオン性HQ樹脂を有する最初の捕捉を含み得、塩勾配溶出を用いるBlue Sepharose FFカラム上の親和クロマトグラフィーがこれに続く。 Blue Sepharose FFは、主なBSA/fetuin汚染物質を除去する。 リン酸塩勾配を用いるPoros PI 50樹脂のさらなる精製が、エンドトキシン汚染物質を除去および低減させ得、ならびにアルブミン融合タンパク質を濃縮し得る。

    (NS0細胞株から精製)
    NS0細胞上清由来のアルブミン融合タンパク質の精製は、Q−Sepharoseアニオン交換クロマトグラフィーを含み得、段階溶出を用いるSP−セファロース精製がこれに続き、段階溶出を用いるPhenyl−650M、および、最終的には、ダイアフィルトレーションがこれに続く。

    次いで、精製したタンパク質が、緩衝液交換により処方され得る。

    (実施例8:構築物ID1966、EPO−HSA、産生)
    構築物ID1966(pC4.EPO:M1−D192.HSA)は、EPO−HSA融合タンパク質をコードし、この融合タンパク質は、EPOネイティブリーダー配列および哺乳動物発現ベクターpC4にクローニングされたHSAの成熟形態のアミノ末端に融合した、最終Arg残基(すなわち、M1−D192)を除く成熟EPOタンパク質を含む。

    (構築物1966についてのEPO cDNAのクローニング)
    EPOをコードするDNAを、以下に記載されるプライマーEPO1およびEPO2を使用して増幅し、Bam HI/Cla Iで切断し、そしてBam HI/Cla I切断されたpC4:HSAに連結した。 構築物ID番号1966は、成熟HSAタンパク質、続いて成熟HSAタンパク質を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする(表2における構築物1966についての配列番号297を参照のこと)。

    天然のリーダー配列を含む全長EPOをコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(EPO1およびEPO2)を合成した。

    EPO1は、Bam HIクローニング部位(斜体で示される)を組み込み、全長EPOのORFの最初の35アミノ酸をコードするDNAの前にkozak配列(二重下線を引いて示される)を結び付ける。 EPO2において、下線を引かれた配列は、Cla I部位であり;そしてCla I部位およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体である(配列番号1038)。 EPO2において太字の核酸配列は、EPOの全長形態のアミノ酸残基Glu−186〜Asp192をコードする最後の22個のヌクレオチドの逆相補体である。 これらの2つのプライマーを使用して、最終Arg残基を除いた全長EPOタンパク質を、PCR増幅した。 アニーリング温度および伸長温度ならびにアニーリング回数および伸長回数が、各々の特異的なプライマー対およびテンプレートについて経験的に決定されなければならない。


    PCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corp))、続いてBam HIおよびCla Iで消化した。 そしてゲル電気泳動によるBam HI−Cla Iフラグメントのさらなる精製の後、この産物をBam HI/Cla Iで消化されたpC4:HSAにクローニングし、構築物番号1966を産生した。


    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析により、予測されたEPO配列の存在を確認した(以下を参照のこと)。

    本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、最終Arg残基を欠失するEPOの成熟形態(すなわち、Ala−28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟EPOアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブEPOシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。
    (構築物ID1966の発現および精製)
    (293T細胞またはCHO細胞のいずれかにおける発現)
    構築物1966を、当該分野において公知の方法(例えば、リポフェクタミントランスフェクション)によって293T細胞にトランスフェクトし、そして100nMメトトレキサートを用いて選択した(実施例6を参照のこと)。 発現レベルを、抗HSA血清を一次抗体として用いる免疫ブロット検出によって、試験し、特異的な産生速度を、捕捉のためのモノクローナル抗ヒトEPO抗体(Research Diagnostics,Inc.)および検出のためのBiotrendモノクローナル抗HSAビオチン化抗体を用いるELISAを介して、続いてホースラディシュペルオキシダーゼ/ストレプトアビジン結合および分析により決定した。

    (293T細胞上清からの精製)
    構築物ID番号1966から293T細胞において発現された、分泌EPO−HSA融合タンパク質を含む293T細胞上清を、実施例7に記載されるように精製した。 具体的には、最初の捕捉を、陰イオン性HQ−50樹脂を用いて、段階溶出を使用してpH7.2で、実施し、続いてpH7.2で、段階溶出を再び利用するBlueセファロースカラムクロマトグラフィーを使用して実施した。 プールされたフラクションは、段階溶出を用いてHQ−50樹脂を通過させた。 この溶出したサンプルを、Phenyl−650Mカラム上に載せ、pH7.2で勾配溶出で溶出した。 溶出したサンプルを、HQ−50樹脂を三回通過させた。 目的のフラクションは、50mM Na HPO +200mM NaCl(pH7.2)にダイアフィルトレーションされた。 N末端配列決定は、EPOの成熟形態のアミノ末端配列(すなわち、APPRLI)を生じた。 90kDaのおよその分子量のタンパク質が得られた。 1リットルの293T細胞上清あたり0.42mgのタンパク質の最終収量が得られた。

    (CHO細胞上清からの精製)
    CHO細胞において構築物番号1966から発現されるEPOアルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例7に記載されるように精製した。 具体的には、濃縮された1.4Lのサンプルの最初の捕捉を、リン酸ナトリウム緩衝液およびリン酸塩勾配溶出(0−100mMリン酸ナトリウム、pH7.2)を使用して、アニオン性Poros HQ 50樹脂を用いて実施した。 カラムに載せる前に、このサンプルを、伝導性が5.0mSより小さくなるまで、さらなるカラムクロマトグラフィー精製と同様に3mMリン酸塩に希釈した。 HQ樹脂を10mMリン酸ナトリウム(サンプル装填の前でpH7.2)で平衡化した。 EPO−HSAを20mS、または50mSリン酸ナトリウムで溶出した。
    第2の精製工程は、親和クロマトグラフィーを含んだ。 3mMリン酸緩衝液(pH7.2)を用いる5mS未満の伝導性に適合した、以前のHQ樹脂からの組み合わされたフラクションを、125mM NaCl、15mM リン酸ナトリウム(pH7.2)で平衡化したBlue Sepharose FFカラムに載せた。 0−3M NaClの塩勾配が、0.5Mと1.0MNaClとの間のEPO−HSAを溶出した。 Blue Sepharose FFは、主なBSA/fetuin汚染物質を除去する。 エンドトキシン汚染物質を除去し、および低減し、ならびにEPO−HSAタンパク質を濃縮するPoros PI50樹脂を含む第3のカラムに、所望されるフラクションの伝導性は、再び適合され、そしてプールされたフラクションが、載せられた。 その樹脂は、25mM NaCl、10mMリン酸ナトリウム(pH7.2)で平衡化された。 EPO−HSAを、10mM−100mMリン酸塩勾配で溶出した。 最終緩衝組成物は、100mM NaCl、20mM Na HPO (pH7.2)であった。 87.7kDaのおよそのタンパク質分子量を得た。 1リットルの上清あたり8.9mgのタンパク質の最終収量を得た。 N末端配列決定が、EPOの成熟形態のアミノ末端に対応する配列APPRLを産生した。

    (インビトロTF−1細胞増殖アッセイ)
    (方法)
    EPOアルブミン融合タンパク質の生物学的活性を、インビトロTF−1細胞増殖アッセイにおいて測定し得る。 TF1細胞株が、Kitamuraら(Kitamura,T.ら、1989、J.Cell.Physiol.,140:323−334)により確立された。 TF−1細胞が、重症の汎血球減少症の35歳の日本人男性由来のヘパリン化された骨髄吸引サンプルから誘導された。 TF−1細胞株は、複数のサイトカインに応答性の結果としての骨髄先祖細胞の増殖および分化を調査するために良好なシステムを提供する。

    TF−1細胞増殖アッセイ(Kitamura,T.ら、1989、J.Cell.Physiol.,140:323−334):ヒトTF−1細胞(ATCC番号CRL−2003)を、10%FBS、1X pen−strep、1X L−グルタミン、および2ng/mLヒトGM−CSFをRPMI 1640培地に1×10 細胞/mLまで拡散する。 細胞を、新鮮な培地中1:10または1:20に希釈することにより、2〜3日毎に継代した。 アッセイ開始の日において、細胞を、50mLの容量のRPMI1640/10%FBSで3回洗い、GM−CSFを除去し、そしてRPMI1640/10%中1×10 細胞/mLで再懸濁する。 細胞を、底が平らなTC処理された96ウェルプレート中、10,000細胞/ウェルで平板培養する。 コントロールタンパク質の3倍連続希釈を、10U/mL〜0.001U/mL(最終濃度)の範囲でRPMI中行ない、ここで1U=10ngタンパク質である;各々の希釈液の0.1mLを、各々のウェルにおいて0.2mLの最終容積について細胞を含む3重ウェルに加える。 コントロールタンパク質に応答する細胞増殖およびアルブミン融合タンパク質を、 H−チミジン(0.5uCi/ウェル)の取り込みを測定することにより、決定する。 このアッセイを、 H−チミジンを加える前の24時間、48時間、または72時間のインキュベーション時間にて、および加えた後の4〜24時間の間、実行する。 アルブミン融合タンパク質の分子量の部分のみが、希釈液がまた、モル比に対して適合され得る場合、事実上治療タンパク質分子(すなわち、融合の治療タンパク質部分)である。

    (構築物1966によりコードされるアルブミン融合タンパク質についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ)
    (方法)
    TF−1細胞増殖アッセイ:ヒトTF−1細胞(ATCC番号CRL−2003)を、10%FBS、1X pen−strep、1X L−グルタミン、および2ng/mLヒトGM−CSFをRPMI培地に1×10 細胞/mLの最大密度まで拡散する。 細胞を、新鮮な培地中1:10または1:20に希釈することにより、2〜3日毎に継代した。 アッセイ開始の日において、細胞を、50mLの容量のRPMI1640/10%FBSで3回洗い、GM−CSFを除去し、そしてRPMI1640/10%中1×10 細胞/mLで再懸濁した。 細胞を、底が平らなTC処理された96ウェルプレート中、10,000細胞/ウェルで平板培養した。 hrEPO(R&D Systems;Research Diagnostics Inc.,RDI)の3倍連続希釈を、10U/mL〜0.001U/mL(最終濃度)の範囲でRPMI1640/10%中行ない、ここで1U=10ngタンパク質であった;各々の希釈液の0.1mLを、各々のウェルにおいて0.2mLの最終容積について細胞を含む3重ウェルに加えた。 hrEPOに応答する細胞増殖応答およびEPOアルブミン融合タンパク質を、 H−チミジン(0.5μCi/ウェル)の取り込みを測定することにより、決定した。 このアッセイを、 H−チミジンを加える前の24時間、48時間、または72時間のインキュベーション時間にて、および加えた後の4〜24時間の間、実行した。 EPOアルブミン融合タンパク質の分子量の1/3のみが、希釈液がまた、モル比に対して適合され得る場合、事実上EPO分子である。

    (結果)
    構築物1966を発現する293T細胞由来の上清または構築物1966を発現するCHO細胞から誘導されたEPO−HSAアルブミン誘導タンパク質を、EPO活性についての上のアッセイで試験した。 平均して、rhEPOの5倍より大きいEC50が、確立された(図4を参照のこと)。

    (ヘマトクリットを測定するためのインビボマウスHarlan)
    (方法)
    このマウスモデルは、ヘマトクリット上の効果を測定することによりインビボのタンパク質の治療活性を測定する手段を提供する。

    インビボマウスモデル(すなわち、6〜8週齢雌DBA/2NHsdマウス(Harlan))を、静脈内に、腹腔内に、または皮下に、7日間の間毎日、または1日おきに2μg/kgにて、および他の濃度にてコントロールタンパク質または30μg/kgにて、および他の濃度にてアルブミン融合タンパク質の投与におけるヘマトクリットに対する効果をモニタリングすることを、確立した。 ヘマトクリットを、針で尾静脈を刺し、ヘパリン処理されたマイクロキャピラリーチューブで血液を集め、次いで実験の期間にわたってチューブをスピニングさせることで決定する。 また、特定の実験に対して、脾臓を収集し、秤量する。 他の投薬スケジュールは、当該分野の範囲内で公知であり、このアッセイの使用のために容易に適合され得る。

    (構築物1966によりコードされるアルブミン融合タンパク質の活性が、ヘマトクリットを測定するためのインビボHarlanマウスモデルを用いてアッセイされ得る。) (方法)
    6〜8週齢雌DBA/2NHsdマウス(Harlan)のインビボマウスモデルを用いて、0日目、2日目、4日目および6日目に0.5μg/kg、1.5μg/kg、4.5μg/kg、12μg/kgの投薬量で、rhEPO(Research Diagnostics,Inc.,カタロク番号RDI−PB11965)の投与、ならびに皮下、「SC」で0日目、2日目、4日目、および6日目に2μg/kg、6μg/kg、18μg/kg、および54μg/kgの濃度で構築物1966によりコードされる精製したアルブミン融合タンパク質の投与において、EPO活性の程度をモニタリングした。
    ヘマトクリットを、0日目および7日目に針で尾静脈を刺し、へパリン処理されたマイクロキャオイラリーチューブで血液を収集し、そして続いて実験の期間にわたってチューブをスピニングすることにより、決定した。 EPOアルブミン融合タンパク質のより多くの投薬量は、コントロール組換えヒトEPO、「rhEPO」(Research Diagnostics,Inc.,カタロク番号RDI−PB11965)と比べて、大よそ等モルである。

    (結果)
    組換えヒトEPOまたはEPOアルブミン融合タンパク質のいずれかで処理された0日〜7日のヘマトクリットにおいて有意な増加があった(実施例5を参照のこと)。 しかし、構築物1966によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質は、ヘマトクリットレベルにおいてrhEPOコントロールよりもより強烈な効果を有するようであった。
    構築物1966によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質の52μg/kgの3投薬量/週または156μg/kgの1投薬量/週の皮下投与が、0日〜8日のヘマトクリットにおける40%を超える変化またはこれに等しい変化を引き起こした(図6を参照のこと)。 ヘマトクリットにおける%変化は、三重投薬量に対して40%近くに保たれるか、または一週間の間にrhEPOの12μg/kgの3投薬量皮下投与に対して30%近くから10%未満までの低下と反対に、14日目において単一の投薬量に対して20%以下に抑制されるかのいずれかである。 高められたヘマトクリットは、より通常のレベルに低下するrhEPOタンパク質により誘導されるヘマトクリットレベルと比較して、最後の皮下投与の後1週間の期間にわたって構築物1966によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質で保たれるようである。

    アルブミン融合タンパク質の150μg/kgで静脈内注射されたDBAマウスが、rhEPOより7倍ゆっくりとこのEPOアルブミン融合タンパク質を取り除いた。

    (実施例9:構築物ID1981、HSA−EPO、産生)
    構築物ID1981(pC4.EPO:HSA−EPO.A28−D192)は、EPOアルブミン融合タンパク質をコードし、この融合タンパク質は、ネイティブHSAリーダー配列および哺乳動物発現ベクターpC4にクローニングされたEPOの成熟形態のアミノ末端に融合した、最終Arg残基を除くDNAを含む。

    (構築物1981についてのEPO cDNAのクローニング)
    EPOをコードするDNAを、以下に記載されるプライマーEPO3およびEPO4を使用して増幅し、Bsu 36I/Asc Iで切断し、そしてBsu 36I/Asc I切断されたpC4:HSAに連結した。 構築物ID番号1981は、HSAの成熟形態、およびEPOの成熟形態、Ala 28〜Asp192を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする(Genbank登録AAA52400)。

    EPOの成熟形態(表2における構築物1981についての配列番号Xを参照のこと)コードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(EPO3およびEPO4)を合成した。

    EPO3は、Bsu 36Iクローニング部位(下線で示される)およびEPOの成熟形態の最初の8アミノ酸をコードするHSAの最後の4アミノ酸残基および26ヌクレオチド(イタリック体)をコードするヌクレオチドを組み込む。 EPO4において、Asc I部位は、下線を引かれ(配列番号806)、そして最後の28ヌクレオチド(イタリック体)は、最終Arg残基を除いたEPOの最後の9個のアミノ酸残基をコードするDNAの逆相補体である(一般的な構築物クローニングについては実施例5を参照のこと)。 これらのプライマーを使用して精製されたPCR増幅体を精製し、Bsu 36I/Asc I制限酵素で消化し、そしてpC4:HSAベクターのBsu 36I/Asc I部位へクローニングした。


    PCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corp))、続いてBsu 36IおよびAsc Iで消化した。 そしてゲル電気泳動によるBsu 36I−Asc Iフラグメントのさらなる精製の後、この産物をBsu 36I/Asc Iで消化されたpC4:HSAにクローニングし、構築物番号1981を産生した。


    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたHSA配列の存在を確認した(以下を参照のこと)。

    本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、最終Arg残基を欠失するEPOの成熟形態(すなわち、Ala−28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟EPOアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブEPOシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。
    (構築物ID1981の発現および精製)
    (CHO細胞の発現)
    構築物1981を、実施例6および8に記載されるように、CHO細胞にトランスフェクトした。 発現レベルおよび特異的な産生速度を、実施例8に記載されるように決定した。

    (CHO上清からの精製)
    構築物ID番号1981からCHO細胞において発現された、EPOアルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例7および8に記載されるように精製した。 N末端配列決定が、DAHKS(HSAの成熟形態のアミノ末端の配列)を産生した。 1リットルの上清あたり14mgのタンパク質を得た。 およその分子量85.7kDaを得た。

    (構築物1981についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物1981によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイが、実施例8において「構築物1966についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」で始まる副節で記載されたように以前に実行した。

    (結果)
    構築物1981を発現するCHO細胞からの上清を、HSA−EPOアルブミン融合タンパク質について90%以上精製し、そして実施例8記載されるようなアッセイにおいて試験した。 平均して、rhEPOの5倍より大きいEC50が、確立された(実施例4および7を参照のこと)
    (構築物1981の活性が、ヘマトクリットを測定するためのインビボマウスモデルHarlanを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    インビボHarlanマウスモデルを、構築物1981によりコードされるコントロールrhEPOまたはEPOアルブミン融合タンパク質のいずれかの皮下投与において、ヘマトクリットレベルを測定するために使用した。 このアッセイを、実施例8において副節表題「構築物1966の活性が、ヘマトクリットを測定するためのインビボマウスモデルHarlanを使用してアッセイされ得る」で以前に記載されるように実行した。

    (結果)
    rhEPOまたはEPOアルブミン融合タンパク質のいずれかで処理された動物について、0日〜7日のヘマトクリットにおける有意な増加があった(図5を参照のこと)。 しかし、構築物1981によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質は、ヘマトクリットレベルにおいてrhEPOコントロールよりもより強烈な効果を有するようであった。

    アルブミン融合構築物1981によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質の150μg/kgで静脈内注射されたDBAマウスが、rhEPOより7倍ゆっくりとこのEPOアルブミン融合タンパク質を取り除いた。

    (実施例10:構築物ID1997、HSA−EPO、産生)
    構築物ID1997(pEE12.1:EPO M1−D192.HSA)は、EPOアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、最終Arg残基を除く全長EPOタンパク質(ネイティブリーダー配列を含む)、すなわちM1−D192を有し、および哺乳動物発現ベクターpEE12.1にクローニングされたHSAの成熟形態のアミノ末端に融合されている。

    (構築物1997についてのEPO cDNAのクローニング)
    EPOをコードするDNAを、以下に記載されるプライマーEPO5およびEPO6を使用して増幅し、Eco RI/Cla Iで切断し、そしてEco RI/Cla I切断されたpcDNA3(Invitrogen Corporation,1600 Faraday Ave,Carlsbad,CA 92008)に連結した。 pcDNA3. EPO M1−D192. HSAを、Eco RI/Hind IIIを消化してEPO M1−D192. HSA発現カセットフラグメントを放出し、Eco RI/Hind III消化されたpEE12.1. にクローニングした。 構築物ID番号1997は、リーダー配列を含むアルブミン融合タンパク質およびEPOの成熟形態、続いて成熟EPOタンパク質をコードする(構築物1997についての表2における配列番号Yを参照のこと)。

    EPO(配列番号X、構築物1997についての表2)、EPO5およびEPO6をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(EPO5およびEPO6)を合成した。

    EPO5は、Eco RI部位(イタリック体で示される)およびkozak配列(下線で示される)を組み込み、続いて、全長EPOのORFの最初の35アミノ酸をコードするDNAを組み込む。 EPO6において、イタリック体の配列は、Cla I部位であり、下線を引かれた配列は、HSAタンパク質の成熟形態の最初の最初の9アミノ酸をコードするDNAの逆相補体であり(DAHKSEVAH、配列番号1106)、そしてHSAの逆相補体に続く配列は、最後のArg−193アミノ酸を含まないEPOの最後の7アミノ酸をコードする、最後の23ヌクレオチドの逆相補体である。 これらの2つのプライマーを使用して、全長EPOタンパク質をコードするDNAを、実施例8のようにPCR増幅した。

    PCR産物を精製し、続いてEco RIおよびCla Iで消化した。 そしてゲル電気泳動によるEco RI−Cla Iフラグメントのさらなる精製の後、この産物をEco RI/Cla Iで消化されたpcDNA3にクローニングした。 発現カセットを含むEco RI/Hind IIIフラグメントをpcDNA3. EPO. M1−D192. HSAから生成し、そしてEco RI/HindIII消化されたpEE12.1にサブクローニングし、構築物番号1997を得た。
    さらに、アミノ酸配列決定によるアルブミン融合タンパク質のN末端の分析は、予測されたEPO配列の存在を確かめた。 (以下を参照のこと)。

    本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、最終Arg残基を欠失するEPOの成熟形態(すなわち、Ala−28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟EPOアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブEPOシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。
    (構築物ID1997の発現および精製)
    (NS0細胞の発現)
    構築物1997を、実施例6に記載されるように、NS0細胞にトランスフェクトした。 発現レベルおよび特異的な産生速度を、実施例8に記載されるように決定した。
    (NS0細胞上清からの精製)
    構築物1997でトランスフェクトされるNS0細胞由来の500mL細胞上清からのアルブミン融合タンパク質の精製は、20mM Tris−HCl中0〜1MのNaCl勾配を使用する、pH7.4におけるQ−Sepharose陰イオン交換クロマトグラフィー、続いて5〜40mMのクエン酸ナトリウム勾配を用いる、pH6.5におけるPoros PI 50陰イオン交換クロマトグラフィー、および10mMクエン酸(pH6.5)および140mM NaClの最終緩衝液濃度(実施例7を参照のこと)への、6DVについてのダイアフィルトレーションを包含する。 N末端配列決定は、配列APPRLIを生じるはずであり、これは、EPOの成熟形態のアミノ末端である。 このタンパク質は、87.7kDaのおよそのMWを有する。 上清1リットル当たり52.2mgのタンパク質の最終収量が、得られた。

    より大きい規模の精製(例えば、50LのNS0細胞上清)については、約8〜10Lに濃縮され得る。 次いで、濃縮されたサンプルは、pH7.5で、50mM NaOAc(pH6.0)および150mM NaClからなる段階溶出を使用して、Q−Sepharose陰イオン交換カラム(10×19cm、1.5L)に通され得る。 次いで、溶出されたサンプルは、0.75% Triton−X 100とともに、室温で60分間ウイルス感染され得る。 次いで、SDR−逆相クロマトグラフィー(10cm×10cm、0.8L)を、pH6.0で、50mM NaOAcおよび150mM NaClとともに、またはその逆で使用して、サンプルをSP−セファロースカラムに、pH4.8で、50mM NaOAc(pH6.0)および150mM NaClを使用して通され得る。 続いて、DV50濾過して、全てのウイルス成分を除去する。 続いて、Phenyl−650Mクロマトグラフィー(20cm×12cm、3.8L)を、350mM(NH SO および50mM NaOAcからなる段階溶出、あるいは50mM NaOAc(pH6.0)からなる段階溶出を使用して、pH6.0で行い得る。 6〜8DVについてのダイアフィルトレーションは、緩衝液の、所望の最終濃度の緩衝液(10mM Na HPO +58mMスクロース+120mM NaCl(pH7.2)または10mMクエン酸(pH6.5)および140mM NaClのいずれかへの交換を可能にする。
    (構築物1997についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物1997によりコードされるEPO−HSAアルブミン融合タンパク質についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイが、実施例8において「構築物1966についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」で始まる副節で記載されたように以前に実行した。

    構築物1997を発現するNS0細胞からの上清を、EPO−HSAアルブミン融合タンパク質について90%以上精製し、そして実施例8記載されるようなアッセイにおいて試験した。 平均して、rhEPOの5倍より大きいEC50が、確立された(実施例7を参照のこと)
    (構築物1997の活性が、ヘマトクリットを測定するためのインビボマウスモデルHarlanを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    インビボHarlanマウスモデルが、0日、2日、4日および6日の種々の投薬量での構築物1981によりコードされるコントロールrhEPOまたはEPOアルブミン融合タンパク質のいずれかの皮下投与において、ヘマトクリットレベルを測定するために使用した。 このアッセイを、実施例8において副節表題「構築物1966の活性が、ヘマトクリットを測定するためのインビボマウスモデルHarlanを使用してアッセイされ得る」で以前に記載されるように実行した。 ヘマトクリットを、0日目、8日目、および14日面で決定した。

    (結果)
    rhEPOまたはEPOアルブミン融合タンパク質のいずれかで処理された動物について、0日〜8日のヘマトクリットにおける有意な増加があった(図8を参照のこと)。 しかし、構築物1966によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質の場合として、構築物1997によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質の52μg/kgの3投与量/週の皮下投与は、一週間当たりrhEPOの12μg/kg皮下投与レベルの3回の投与量について30%〜10%未満の衰退と反対に、14日目の15%未満に軽減される0日〜8日のヘマトクリットにおける30%に近い変化を引き起こした。

    EBOアルブミン融合構築物によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質の150μg/kgで静脈内注射されたDBAマウスが、rhEPOより7倍ゆっくりとこのEPOアルブミン融合タンパク質を取り除いた。

    (実施例11:構築物ID2294、EPO−HSA、産生)
    構築物ID2294(pC4.EPO R140G.HSA)は、EPOアルブミン融合タンパク質をコードし、この融合タンパク質は、全長EPOタンパク質(ネイティブリーダー配列を含む)、すなわちM1−D192を有し、および哺乳動物発現ベクターpC4にクローニングされたHSAの成熟形態のアミノ末端に融合した、最終Arg残基を除くDNAを含む。

    (構築物2294についてのEPO cDNAのクローニング)
    構築物ID番号2294は、リーダー配列およびEPOの成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質、続いて成熟HSAタンパク質をコードする。 構築物ID番号2294が、2工程のPCR法においてテンプレートとして、構築物ID番号1966(すなわちpC4:EPO.M1−D192.HSA)を用いることにより生成された。

    EPO(配列番号X、構築物2294について、表2)をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な4つのオリゴヌクレオチド(EPO7、EPO8、EPO9およびEPO10)を合成した。

    PCR増幅の最初の段階で、構築物1966の最初のN末端フラグメントおよびC末端フラグメントが、独立して増幅された。 N末端フラグメントを、プライマーEPO7およびEPO8を用いて生成した。 EPO7は、Bam HI(イタリック体で示される)を組み込み、そしてkozak配列(下線で示される)、続いて全長EPOのORFの最初の6アミノ酸をコードする最初の18ヌクレオチドを有する。 EPO8プライマーは、アミノ酸140でのArg残基をコードするコドンCGA(太字で強調される)が、Gly残基をコードするコドンGGAに変更される。 C末端フラグメントを、プライマーEPO9およびEPO10を用いて生成した。 EPO9において、下線が引かれた配列は、Cla I部位であり、そしてCla I部位およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質の最初の10アミノ酸をコードするDNAの逆相補体である。 EPO9において、最後の5ヌクレオチドは、全長EPOにおける最後の5ヌクレオチドの逆相補体に対応し、これは最終Arg−193残基を欠失する。 EPO10プライマーは、アミノ酸140でのArg残基をコードするコドンCGA(太字で強調される)が、Gly残基をコードするコドンGGAに変更されることを除いて、EPOの全長形態の136〜143アミノ酸をコードする核酸配列を含む。 PCR増幅の第2の段階において、プライマーEPO7およびEPO9が、Arg−140を有する全長EPOを、反応混合物が、PCR増幅されたN末端フラグメントおよびPCR増幅されたC末端フラグメントの両方を含んだ、Gly変異まで増幅するのに用いた。

    PCR産物を精製し、続いてBam HIおよびCla Iで消化した。 そしてゲル電気泳動によるBam HI−Cla Iフラグメントのさらなる精製の後、この産物をBam HI/Cla Iで消化されたpC4:HSAにクローニングし、構築物番号2294を得た。
    さらに、アミノ酸配列決定によるアルブミン融合タンパク質のN末端の分析は、予測されたEPO配列の存在を確かめた。 (以下を参照のこと)。

    本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、最終Arg残基を欠失するEPOの成熟形態(すなわち、Ala−28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟EPOアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブEPOシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID2294の発現および精製)
    (CHO細胞における発現)
    実施例6および8に記載されるようにして、構築物2294をCHO細胞にトランスフェクト得る。 発現レベルおよび比産生率(specific productivity rate)を、実施例8に記載されるようにして決定し得る。

    (CHO上清からの精製)
    CHO細胞において構築物ID #2294から発現されたEPO−HSA融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例7および8のようにして精製し得る。 N末端の配列決定は、EPOの成熟形態のアミノ末端に対応する配列APPRLI(配列番号2141)を生じるはずであり、約87.7kDaのMWのタンパク質を生じるはずである。

    (構築物2294についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物2294によってコードされるEPO−HSAアルブミン融合物についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイを、実施例8において副節の表題「構築物1966についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」の下で先に記載されたようにして実施し得る。

    (構築物2294の活性は、ヘマトクリットの測定のためのインビボHarlanマウスモデルを使用してアッセイされ得る)
    実施例8において副節の表題「ヘマトクリットの測定のためのインビボHarlanマウスモデル」の下で先に記載されるようなインビボHarlanマウスモデルを使用して、構築物2294によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質のヘマトクリットレベルを測定し得る。

    (実施例12:構築物ID2298、EPO−HSA、産生)
    構築物ID2298(pEE12.1:EPO.R140G.HSA)は、EPOアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、哺乳動物発現ベクターpEE12.1にクローニングされたHSAの成熟形態のアミノ末端に融合された、最後のArg残基を除く全長EPOタンパク質(ネイティブのリーダー配列を含む)(すなわち、Arg−140をGlyに変異する点変異を有するM1−D192)を有する。

    (構築物2298についてのEPO cDNAのクローニング)
    構築物ID #2298は、EPOのリーダー配列および成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質、続いて成熟HSAタンパク質をコードする。 構築物ID #2298を、構築物ID #1997(すなわち、pEE12.1:EPO.M1−D192.HSA)をPCR変異誘発のためのテンプレートとして使用することによって作製した。

    構築物ID #1997のテンプレートのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(EPO11およびEPO12)を、合成した。

    EPO11アンチセンスプライマーは、全長形態のEPOのアミノ酸135〜145にわたる配列の逆相補体を含む(アミノ酸140におけるArgをコードするコドンCGA(太字で強調されている)が、Gly残基をコードするコドンGGAに変更されていることを例外とする)。 EPO12センスプライマーは、全長形態のEPOのアミノ酸135〜145をコードする核酸配列を含む(アミノ酸140におけるArg残基をコードするコドンCGA(太字で強調されている)が、Gly残基をコードするコドンGGAに変更されていることを例外とする)。 部位特異的変異誘発キットおよびStratageneからのプロトコルを使用して、PCR反応は、ArgからGlyへの変異を除く、構築物ID #1997の全テンプレートを作製した。 このPCR産物をDpn Iで消化し、コンピテントXL1 Blue細菌に形質転換し、そしてコロニーを配列決定して、確認した。 Dpn Iエンドヌクレアーゼは、メチル化および半メチル化されたDNAに対して特異的であり、そして配列5'−GmATC−3'を標的化する。 Dpn Iを使用して、親DNAテンプレートを消化し、変異含有合成DNAを選択する。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたEPO配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、最後のArg残基を欠くEPOの成熟形態(すなわち、Ala−28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟EPOアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブEPOシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID2298の発現および精製)
    (NS0細胞における発現)
    実施例6および10に記載されるようにして、構築物2298をNS0細胞にトランスフェクトし得る。 発現レベルおよび比産生率を、実施例8に記載されるようにして決定し得る。

    (NS0細胞上清からの精製)
    NS0細胞において構築物ID #2298から発現されたEPO−HSA融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例7および10のようにして精製し得る。 N末端の配列決定は、EPOの成熟形態のアミノ末端に対応する配列APPRLI(配列番号2141)を生じるはずであり、約87.7kDaのMWのタンパク質を生じるはずである。

    (構築物2298についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物2298によってコードされるEPO−HSAアルブミン融合タンパク質についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイを、実施例8において副節の表題「構築物1966によってコードされるアルブミン融合タンパク質についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」、および実施例10において副節の表題「構築物1997についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」の下で先に記載されたようにして実施し得る。

    (構築物2298の活性は、ヘマトクリットの測定のためのインビボHarlanマウスモデルを使用してアッセイされ得る)
    実施例8において副節の表題「ヘマトクリットの測定のためのインビボHarlanマウスモデル」の下および実施例10で先に記載されるようなインビボHarlanマウスモデルを使用して、構築物2298によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質のヘマトクリットレベルを測定し得る。

    (実施例13:構築物ID2325、EPO−HSA、産生)
    最適化された構築物ID2325(pC4.EPO:M1−D192.HSA)コドンは、EPOアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、哺乳動物発現ベクターpC4にクローニングされたHSAの成熟形態のアミノ末端に融合された、全長EPOタンパク質(ネイティブのリーダー配列を含む)(すなわち、Arg−140からGlyへの点変異を有するM1−D192)を有する。

    (構築物2325についてのEPO cDNAのクローニング)
    EPOオープンリーディングフレームをコードするDNAは、野生型EPO遺伝子配列にハイブリダイズしないように最適化されたコドンであった。 EPOをコードするポリヌクレオチドを、6個の重複オリゴヌクレオチドによってPCR生成し、そしてTAベクターにクローニングした。 構築物ID #2325は、リーダー配列およびEPOの成熟形態、続いて成熟HSAタンパク質を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたEPO配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、最後のArg残基を欠くEPOの成熟形態(すなわち、Ala−28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟EPOアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブEPOシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のEPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID2325の発現および精製)
    (CHO細胞における発現)
    実施例6および8に記載されるようにして、構築物2325をCHO細胞にトランスフェクトし得る。 発現レベルおよび比産生率を、実施例8に記載されるようにして決定し得る。

    (CHO上清からの精製)
    CHO細胞において構築物ID #2325から発現されたEPO−HSA融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例7および8に記載の方法により精製し得る。 N末端の配列決定は、EPOの成熟形態のアミノ末端に対応する配列APPRLI(配列番号2141)を生じるはずであり、約87.7kDaのMWのタンパク質を生じるはずである。

    (構築物2325についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物2325によってコードされるEPO−HSAアルブミン融合物についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイを、実施例8において副節の表題「構築物1966についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」の下で先に記載されたようにして実施し得る。

    (構築物2325の活性は、ヘマトクリットの測定のためのインビボHarlanマウスモデルを使用してアッセイされ得る)
    実施例8において副節の表題「ヘマトクリットの測定のためのインビボHarlanマウスモデル」の下で先に記載されるようなインビボHarlanマウスモデルを使用して、構築物2325によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質のヘマトクリットレベルを測定し得る。

    (実施例14:EPOアルブミン融合タンパク質の適応症)
    上記のインビトロアッセイおよびインビボアッセイからの結果は、EPOアルブミン融合タンパク質が、種々の状態(末期腎臓疾患(透析患者)、透析前の慢性腎不全、ジドブジン処置されたHIV患者、化学療法中の癌患者、および未熟児が挙げられるが、これらに限定されない)によって引き起こされる出血障害および貧血の処置において使用され得ることを示す。 EPOアルブミン融合タンパク質はまた、選択的な非心臓の非脈管の手術を受けている貧血患者における手術前において、輸血の必要性を減少させるために使用され得る。 これらの薬剤の開発における適応症としては、以下が挙げられる:再生不良性貧血および他の難治性貧血、炎症性腸疾患における難治性貧血、ならびに選択的整形外科手術における輸血逃避。 腎疾患および腫瘍における貧血は、構築物1966、1981、1997、2294、2298および2325によりコードされるEPOアルブミン融合タンパク質についての2つの主な適応症である。

    (実施例15:構築物ID1812、IL2−HSA、産生)
    構築物ID1812(pSAC35:IL2.A21−T153.HSA)は、IL2アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35におけるHSAの成熟形態のアミノ末端に融合された、HSAキメラリーダー配列(すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド)、成熟IL2タンパク質形態(すなわち、A21−T153)を有する。

    (IL2 cDNAのクローニング)
    IL2をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載されるプライマーIL2−1およびIL2−2を使用してPCR増幅した。 これらの増幅体(amplimer)を、Sal I/Cla Iで切断し、そしてXho I/Cla Iで切断したpScCHSAに連結した。 構築物ID #1812は、HSAのキメラリーダー配列、IL2の成熟形態、続いて成熟HSAタンパク質を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    IL2の成熟形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(IL2−1およびIL2−2)を合成した:

    IL2−1は、Sal Iクローニング部位(下線を引いて示される)、HSAキメラリーダー配列の最後の3アミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびIL2の成熟形態の最初の8アミノ酸残基をコードする24ヌクレオチドを組み込む。 IL2−2において、Cla I部位(下線を引いて示される)およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質(配列番号1038)の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体であり、そして最後の24個のヌクレオチドは、IL2の最後の8個のアミノ酸残基をコードするDNAの逆相補体である(実施例2を参照のこと)。 IL2−HSAのPCR増幅体を、これらのプライマーを使用して産生し、精製し、Sal I制限酵素およびCla I制限酵素で消化し、そしてpScCHSAベクターのXho I部位およびCla I部位にクローニングした。 配列を確認した後に、このIL2アルブミン融合タンパク質をコードする発現カセットを、Not Iフラグメントとして、pSAC35にサブクローニングした。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたIL2配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、好ましくはIL2の成熟形態(すなわち、Ala−21〜Thr−153)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟IL2アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、ネイティブIL2シグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID 1812の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物1812の、酵母S. cerevisiae株BXP10へのトランスフェクションを、当該分野で公知の方法によって実施し(実施例3を参照のこと)、細胞を、増殖の72時間後に、定常状態において収集した。 構築物1812によりトランスフェクトされた酵母由来の上清を、3000gで10分間、細胞を浄化することによって収集した。
    発現レベルを、抗HSA血清(Kent Laboratories)を一次抗体として用いて、免疫ブロット検出によって試験した。 約85kDaの分子量のIL2アルブミン融合タンパク質を得た。 比産生率を、ELISAによって決定し、ここで捕獲抗体は、US Biological #A1327−53モノクローナル抗HSA抗体またはモノクローナル抗ヒトIL2抗体(例えば、Biosource #AHCO422、Pharmingen #555051、R&D Systems #MAB202、またはR&D Systems #MAB602由来)であり、そして検出抗体は、それぞれ、モノクローナル抗ヒトIL2−ビオチン化抗体(例えば、Biosource #AHC069またはEndogen/Pierce #M−600−B由来)、またはモノクローナル抗HSA抗体(Biotrend #4T24)であり、結合体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ/ストレプトアビジン(Vector Laboratories,#SA−5004)であり、そして基質は、KPL TMBペルオキシダーゼ基質(KPL #50−76−01)であった。 分析を、製造者のプロトコルに従って、および/または当該分野で公知の方法によって、実施した。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiae細胞における構築物ID #1812から発現されたIL2アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、Dyaxペプチドアフィニティーカラムによる小スケールで(実施例4を参照のこと)、または以下の5工程による大スケールのいずれかで精製した:ダイアフィルトレーション、DEAE−Sepharose Fast Flowカラムを使用する陰イオン交換クロマトグラフィー、Butyl 650Sカラムを使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、SP−Sepharose Fast Flowカラムを使用する陽イオン交換クロマトグラフィーまたはBlue−Sepharoseクロマトグラフィー、およびQ−セファロース高速カラムクロマトグラフィーを使用する高速クロマトグラフィー(実施例4を参照のこと)。 IL2アルブミン融合タンパク質は、DEAE−Sepharose Fast Flowカラムから、100〜250mMのNaClで溶出し、SP−Sepharose Fast Flowカラムから、150〜250mMのNaClで溶出し、そして、Q−Sepharose High Performanceカラムから、5〜7.5mS/cmで溶出した。 N末端配列決定は、IL2の成熟形態のアミノの末端に対応する配列APTSSSTを生じるはずである。

    (IL2の活性は、インビトロTおよびNK細胞株増殖アッセイを使用してアッセイされ得る)
    マウスCTLL T細胞株を使用し、これは細胞の増殖および生存について、IL2に対して完全に依存性である。 この細胞株は、高レベルの高親和性IL2レセプターを発現し、そして非常に低い用量のIL2に対して極めて感受性である。

    (方法)
    CTLL−2細胞(マウスIL2依存性T細胞株)を、5ng/mLの組換えIL2およびBMEを含むRPMI 10% FBS中で増殖させる。 アッセイの前に、これらの細胞を、PBSで二回洗浄して、IL2を除去する。 1×10 細胞/ウェルを、96ウェルプレートに、RPMI 10% FBSの最終容量200μlで播種した。 酵母および293Tの上清を、10%、5%および1%の最終濃度で試験する。 さらに、組換えヒトIL2、「hfIL2」を、ネガティブコントロールの上清(HSAのみ)中で希釈して、組換えタンパク質の安定性に対する培地の影響を試験する。 これらの細胞を、37℃で20時間培養し、次いで、1μCiの H−チミジンで6時間パルスする。 増殖を、チミジン取り込みによって測定し、各サンプルを三重で試験する。

    (構築物1812によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、インビトロTおよびNK細胞株増殖アッセイを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    CTLL−2細胞(マウスIL2依存性T細胞株)を、5ng/mLの組換えIL2およびBMEを含むRPMI 10% FBS中で増殖させた。 アッセイの前に、これらの細胞を、PBSで二回洗浄して、IL2を除去した。 1×10 細胞/ウェルを、96ウェルプレートに、RPMI 10% FBSの最終容量200μlで播種した。 酵母および293Tの上清を、10%、5%および1%の最終濃度で試験した。 さらに、組換えヒトIL2、「rhIL2」を、ネガティブコントロールの上清(HSAのみ)中で希釈して、組換えタンパク質の安定性に対する培地の影響を試験した。 これらの細胞を、37℃で20時間培養し、次いで、1μCiの H−チミジンで6時間パルした。 増殖を、チミジン取り込みによって測定し、各サンプルを三重で試験した。

    (結果)
    IL2アルブミン融合構築物ID #1812は、用量依存性の様式で、CTLL−2細胞の増殖を刺激した(図9を参照のこと)。

    (構築物1812によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、インビボBALB/cモデルを使用してアッセイされ得る:治療に対するRENCA腫瘍応答)
    マウスモデルは、BALB/cマウスのRENCA腺癌を用いる。 これらの研究で使用されるRENCA腫瘍は自然に生じた。 このRENCA腫瘍は、元々、NCI(Bethesda,MD)のDr. Sarah Stewartによって単離された。 RENCA腫瘍は、50個程度の少ない生存細胞の移入後、次第に増殖し、そして、腎臓内移植物から局所的リンパ節、肺、肝臓および脾臓、ならびに他の器官へ自発的に転移する。 RENCAの免疫原性は、低〜中程度であることが決定されている。 RENCA保有マウスは、通常、1×10 個のRENCA腫瘍細胞の腎臓内注射後35〜40日以内に、死亡する。 同じ数の細胞のRENCA腫瘍細胞を腹腔内投与されたマウスは、通常、30〜50日以内に死亡する。

    (方法)
    BALB/cマウス(6〜8週齢)(n=10)の中腹部に、インビボ第4継代から得られた10 個のRENCA細胞を皮下注射した。 プラセボ(PBS)、HSA、rhIL2(0.122mg/kg/QDまたは200,000または300,000U/マウス)、またはIL2アルブミン融合タンパク質(0.61mg/kg)での毎日(QD)または一日おき(QOD)の10日後、マウスを、腫瘍播種後14、17、21、25、28または31日目における腫瘍サイズにおける変化についてモニタリングした。 データを、ドット分析において表し、ここで各ドットは単一の動物を表す。 各群における横線は、平均値を表す(図10を参照のこと)。

    (結果)
    構築物ID #1812によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質を、上記アッセイにおいて試験した。

    毎日または一日おきの、構築物ID #1812から発現されたIL2アルブミン融合タンパク質の投与は、腫瘍増殖に対して有意な影響を示し、増殖の遅延および/または腫瘍サイズの縮小を生じた。 一日おきの投与は、より有利であった。 なぜなら、耐性レベルがより大きかったからである(図10を参照のこと)。 播種の日から31日目までに、IL2アルブミン融合産物を投与された10匹のマウスのうち3匹のマウスは、腫瘍を有さず、2匹のみが、減少した腫瘍の徴候を示し、そして4匹のマウスが、収縮したと考えられる小さな腫瘍を有していた。 1匹のマウスのみが、この処置に対して有利に応答しなかった。 IL2アルブミン融合タンパク質での毎日の処置はまた、腫瘍の増殖の遅延または実際の収縮を生じた(実験終了日において、10匹のうち2匹は、腫瘍を有さず、残りの7匹のマウスは小さな腫瘍を有し、そして2匹は、大きな腫瘍を有した)。 0.61mg/kgのIL2アルブミン融合タンパク質を投与されたすべての動物は、終了日に生存しており、一方、プラセボ(PBS)を投与されたマウスのうちわずか40%、およびHSAを投与されたマウスの70%が生存していた。 生物学的効果は、200,000U/マウスまたは300,000U/マウスのいずれかの組換えヒトIL2の毎日の投与よりもはるかに大きく示された。 組換えヒトIL2は、腫瘍増殖に対する乏しい効果しか有さなかった(rhIL2を投与されたすべてのマウスは、腫瘍を発生し、そして観察された唯一の効果は増殖遅延であった)。 rhIL2(200,000または300,000U/mL)を投与された10匹のマウスのうち、3匹は、31日までに死亡した。 試験された0.122mg/kg/日の低い投与量は、腫瘍増殖を阻害することも、腫瘍関連の死からマウスを助けることもなかった。 IL2アルブミン融合タンパク質は、インビボRENCA増殖を強力に阻害し、そしていくつかの場合において、腫瘍からの完全な回復を生じた。

    (実施例16:構築物ID2030、IL2−HSA、産生)
    構築物ID2030(pSAC35:ycoIL2.A21−T153.HSA)は、IL2アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35におけるHSAの成熟形態のアミノ末端に融合された、HSAキメラリーダー配列(すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド)、IL2タンパク質の成熟形態(すなわち、A21−T153)を有する。

    (IL2 cDNAのクローニング)
    IL2オープンリーディングフレーム「ORF」DNAは、野生型IL2遺伝子にハイブリダイズしないように最適化されたコドンであった。 コドン最適化IL2をコードするポリヌクレオチドを、6個の重複オリゴヌクレオチドによってPCR生成し、そしてTAベクターにクローニングした。 このコドン最適化IL2をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載されるプライマーIL2−3およびIL2−4を使用してこのクローンからPCR増幅し、Sal I/Cla Iで切断し、そしてXho I/Cla Iで切断したpScCHSAに連結した。 構築物ID #2030は、HSAのキメラリーダー配列、およびHSAの成熟形態のアミノ末端に融合されたIL2の成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    IL2の成熟形態をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(IL2−3およびIL2−4)を合成した。

    IL2−3は、Sal Iクローニング部位(下線を引いて示される)、HSAキメラリーダー配列の最後の3アミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびIL2の成熟形態の最初の8アミノ酸残基をコードする24ヌクレオチドを含む。 IL2−4において、Cla I部位(下線を引いて示される)およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質(配列番号1038)の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体であり、そして最後の24個のヌクレオチドは、IL2の最後の8個のアミノ酸残基をコードするDNAの逆相補体である(実施例2を参照のこと)。 PCR増幅体を、3つのプライマーを使用して産生し、精製し、Sal I制限酵素およびCla I制限酵素で消化し、そしてpScCHSAベクターのXho I部位およびCla I部位にクローニングした。 配列を確認した後に、このNot Iフラグメント含有IL2bアルブミン融合タンパク質発現カセットを、Not Iで切断されるpSAC35にサブクローニングした。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたIL2配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、好ましくはIL2の成熟形態(すなわち、Ala−21〜Thr−153)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟IL2アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、ネイティブIL2シグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物2030の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    酵母S. cerevisiae株BXP10へのトランスフェクションを、当該分野で公知の方法によって(実施例3を参照のこと)、構築物ID 1812について先に記載されたようにして(実施例15を参照のこと)実施し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiae細胞における構築物ID #2030から発現されたIL2−HSAを含む細胞上清を、Dyaxペプチドアフィニティーカラムによる小スケールで(実施例4を参照のこと)、または以下の5工程による大スケールのいずれかで精製し得る:ダイアフィルトレーション、DEAE−Sepharose Fast Flowカラムを使用する陰イオン交換クロマトグラフィー、Butyl 650Sカラムを使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、SP−Sepharose Fast Flowカラムを使用する陽イオン交換クロマトグラフィーまたはBlue−Sepharoseクロマトグラフィー、およびQ−セファロース高速カラムクロマトグラフィーを使用する高速クロマトグラフィー(実施例4および実施例15を参照のこと)。 N末端配列決定は、IL2の成熟形態のアミノ末端に対応する配列APTSSST(配列番号2142)を生じるはずである。

    (構築物2030によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、インビトロTおよびNK細胞株増殖アッセイを使用してアッセイされ得る)
    構築物ID2030の活性は、実施例15のようなインビトロTおよびNK細胞株増殖アッセイを使用してアッセイされ得る。

    (構築物2030によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、インビボBALB/cモデルを使用してアッセイされ得る:治療に対するRENCA腫瘍応答)
    構築物2030によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、実施例15に記載されるようなインビボBALB/cモデルを使用してアッセイされ得、ここで治療に対するRENCA腫瘍応答がモニタリングされる。

    (実施例17:構築物ID2031、HSA−IL2、産生)
    構築物ID2031(pSAC35:HSA.ycoIL2.A21−T153)は、IL2アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35におけるIL2の成熟形態(A21−T153)のアミノ末端に融合された、HSAキメラリーダー配列(すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド)を含むHSA全長配列を有する。

    (IL2 cDNAのクローニング)
    IL2オープンリーディングフレーム「ORF」DNAは、野生型IL2遺伝子にハイブリダイズしないように最適化されたコドンであった。 コドン最適化IL2をコードするポリヌクレオチドを、6個の重複オリゴヌクレオチドによってPCR生成し、そしてTAベクターにクローニングした。 このコドン最適化IL2をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載されるプライマーIL2−5およびIL2−6を使用してこのコドンからPCR増幅し、Bsu 36I/Pme Iで切断し、そしてBsu 36I/Pme Iで切断したpScNHSAに連結した。 構築物ID #2031は、HSAのキメラリーダー配列および成熟形態、ならびにIL2の成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    IL2の成熟形態をコードするポリヌクレオチドの最適化されたコドンのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(IL2−5およびIL2−6)を合成した。

    IL2−5は、Bsu 36Iクローニング部位(下線を引いて示される)、HSAの成熟形態の最後の4アミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびIL2の成熟形態の最初の8アミノ酸残基をコードする24ヌクレオチドを含む。 IL2−6において、Pme I部位は、下線を引いて示され(配列番号834)、そして最後の24ヌクレオチドは、IL2の最後の8アミノ酸残基をコードするDNAの逆相補体である(実施例2を参照のこと)。 PCR増幅体を、これらのプライマーを使用して産生し、精製し、Bsu 36I制限酵素およびPme I制限酵素で消化し、そしてpScNHSAベクターのBsu 36I部位およびPme I部位にクローニングした。 配列を確認した後に、このIL2アルブミン融合タンパク質発現カセットを含むNot Iフラグメントを、Not Iで切断したpSAC35にサブクローニングした。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたHSA配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、好ましくはIL2の成熟形態(すなわち、Ala−21〜Thr−153)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟IL2アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、ネイティブIL2シグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のIL2アルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID 2031の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    酵母S. cerevisiae株BXP10へのトランスフェクションを、当該分野で公知の方法によって(実施例3を参照のこと)、構築物ID 1812について先に記載されたようにして(実施例15を参照のこと)実施し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiae細胞において構築物ID #2031から発現されたHSA−IL2を含む細胞上清を、Dyaxペプチドアフィニティーカラムによる小スケールで(実施例4を参照のこと)、または以下の5工程による大スケールのいずれかで精製し得る:ダイアフィルトレーション、DEAE−Sepharose Fast Flowカラムを使用する陰イオン交換クロマトグラフィー、Butyl 650Sカラムを使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、SP−Sepharose Fast Flowカラムを使用する陽イオン交換クロマトグラフィーまたはBlue−Sepharoseクロマトグラフィー、およびQ−セファロース高速カラムクロマトグラフィーを使用する高速クロマトグラフィー(実施例4および実施例15を参照のこと)。 N末端配列決定は、HSAの成熟形態のアミノの末端に対応する配列DAHKS(配列番号2143)を生じるはずである。

    (構築物2031によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、インビトロTおよびNK細胞株増殖アッセイを使用してアッセイされ得る)
    構築物ID 2031の活性は、実施例15に記載されるようにして、インビトロTおよびNK細胞株増殖アッセイを使用してアッセイされ得る。

    (構築物2031によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、インビボBALB/cモデルを使用してアッセイされ得る:治療に対するRENCA腫瘍応答)
    構築物2031によってコードされるIL2アルブミン融合タンパク質の活性は、実施例15に記載されるようなインビボBALB/cモデルを使用してアッセイされ得、ここで治療に対するRENCA腫瘍応答がモニタリングされる。

    (実施例18:IL2アルブミン融合タンパク質についての適応症)
    IL2アルブミン融合タンパク質(構築物1812、2030および2031によってコードされるものが挙げられるが、これらに限定されない)の適応症としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:固形腫瘍、転移性腎細胞癌腫、転移性黒色腫、悪性黒色腫、腎細胞癌腫、HIV感染の処置(AIDS)、炎症性腸障害、カポージ肉腫、白血病、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、移植拒絶、I型糖尿病、肺癌、急性骨髄性白血病、C型肝炎、非ホジキンリンパ腫、および卵巣癌。

    (実施例19:構築物ID1642、GCSF−HSA、産生)
    構築物ID1642(pSAC35:GCSF.T31−P204.HSA)は、GCSFアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35におけるHSAの成熟形態のアミノ末端に融合された、HSAキメラリーダー配列(すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド)、顆粒球コロニー刺激因子、「G−CSF」タンパク質(すなわち、T31−P204)の「短い形態」の成熟形態を有する。

    (GCSF cDNAのクローニング)
    GCSFをコードするポリヌクレオチドを、以下に記載されるプライマーGCSF−1およびGCSF−2を使用してPCR増幅した。 増幅体を、Sal I/Cla Iで切断し、Xho I/Cla Iで切断されたpScCHSAに連結した。 構築物ID #1642は、HSAのキメラリーダー配列、GCSFの成熟形態、続いて成熟HSAタンパク質を含む、アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む。

    GCSFの成熟形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(GCSF−1およびGCSF−2)を合成した:

    GCSF−1は、Sal Iクローニング部位(下線を引いて示される)、HSAキメラリーダー配列の最後の3アミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびGCSFの成熟形態の最初の6アミノ酸残基をコードする20ヌクレオチドを含む。 GCSF−2において、Cla I部位(下線を引いて示される)およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質(配列番号1038)の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体であり、そして最後の21個のヌクレオチドは、GCSFの最後の7個のアミノ酸残基をコードするDNAの逆相補体である。 PCR増幅体(amplimer)を、これらのプライマーを使用して産生し、精製し、Sal I制限酵素およびCla I制限酵素で消化し、そしてpScCHSAベクターのXho I部位およびCla I部位にクローニングした。 配列を確認した後に、このGCSFアルブミン融合発現カセットを含むNot Iフラグメントを、Not Iで切断されたpSAC35にサブクローニングした。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたGCSF配列の存在を確認した(以下を参照のこと)。

    本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、好ましくはGCSFの成熟形態(すなわち、Thr−31〜Pro−204)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟GCSFアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、ネイティブGCSFシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID 1642の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物1642の、酵母S. cerevisiae株D88、BXP10およびDXY1−aYAP3変異体への形質転換を、当該分野で公知の方法によって実施した(実施例3を参照のこと)。 この形質転換された酵母が、融合構築物によってコードされるタンパク質を産生する場合、予備的な「ハロアッセイ(halo assay)」を実施した。 HSA融合タンパク質の、抗HSA抗体を含む寒天培地への分泌は、不溶性「沈降素」のリングまたはハロの形成を生じる。 このハロのサイズは、産生されるHSAタンパク質の量に比例する。 LEU2+原栄養菌を、デキストロースを含有する合成完全ロイシンドロップアウト培地(「SCD−Leu」)上で選択した。 選択されたコロニーおよびポジティブコントロールを、抗HSA抗体を含有するBMMDプレートにグリッド(grid)した。 増殖後、これらのプレートを、4℃でインキュベートして、沈降素リングを形成させた。 「ハロアッセイ」に基づいて、構築物1642の形質転換からのコロニーは、タンパク質を産生した。 分泌の程度を確立するために、形質転換された細胞を、懸濁液中で48時間増殖させた後に、定常期で収集した。 3000gで10分間細胞を除去することによって、上清を収集した。 発現レベルを、抗HSA血清(Kent Laboratories)、またはアルブミン融合タンパク質の治療タンパク質部分(すなわちGCSF)に対する抗体を用いる免疫ブロット検出によって試験した。 約88kDaの分子量のGCSFアルブミン融合タンパク質を得た。 精製のための作業可能な量を得るために、酵母形質転換体を、1LのBMM培地中、150rpmで29.5℃で播種した。 この培養物を、遠心分離し、0.45 mフィルターに通した。 比産生率を、ELISAによって決定し、ここで、例えば、捕獲抗体は、R&D Systems Clone 3316.111モノクローナルマウス抗GCSFであり、検出抗体は、R&D Systems BAF214(すなわち、Clone ACN030081)ビオチン化ヤギ抗ヒトGCSF抗体であり、結合体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ/ストレプトアビジン(Vector Laboratories,#SA−5004)であり、そして基質は、KPL TMB Peroxidase Substrate(KPL #50−76−01)であり、ここで、この分析は、製造者のプロトコルに従って、および/または当該分野で公知の方法によって実施される。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    アルブミン融合タンパク質の一般的な精製手順は、実施例4に記載されている。 GCSFアルブミン融合タンパク質の精製は、以下に詳細に記載される。 別の精製スキームは、実施例20に記載される。

    (工程1:フェニル高速フロークロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech))
    構築物1642によってコードされるGCSF−HSAを含有する酵母培養物上清(3L)を、50mMのTris(pH7.2)中1Mの硫酸アンモニウムを含むフェニル高速フローカラムに充填した。 このカラムを、50mMのTris(pH7.2)中1Mの硫酸アンモニウム、50mMのTris(pH7.2)中0.2Mの硫酸アンモニウム、次いで緩衝液で洗浄した。 GCSF−HSA融合タンパク質を、水(Water For Injection distilled water WFI)で溶出した。

    (工程2:SP高速フロークロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech))
    工程1の溶出物を、等量の溶液(10.3mMのNa HPO および4.85mMのクエン酸から構成される、pH5.0)と混合した。 この混合物を、SP高速フローカラムに充填し、そして溶液(10.3mMのNa HPO および4.85mMのクエン酸中0.5MのNaClからなる、pH5.0)で溶出した。 次いで、このカラムを、溶液(10.3mMのNa HPO および4.85mMのクエン酸中1MのNaClからなる、pH5.0)でストリップした。

    (工程3:メチルHICクロマトグラフィー(BioRad))
    工程2の溶出物を、50mMのTris(pH7.2)中1Mの硫酸アンモニウム(143mS)の最終濃度まで滴定し、メチルHICカラムに充填した。 このカラムを、ベースラインまで洗浄し、次いで50mMのTris(pH7.2)中0.6Mの硫酸アンモニウムで洗浄した。 0.6Mの硫酸アンモニウムから0Mの硫酸アンモニウムの勾配を開始した。 最後に、このカラムを、WFIおよび0.5MのNaOHでストリップした。 サンプル中の多量の不純物は、より低い硫酸アンモニウム濃度で溶出し、それにより高純度のGCSF−HSA融合物を与えた。

    (工程4:CM高速フロークロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech))
    工程3の溶出物を、WFIで5mS(pH5.5)まで希釈し、そしてCMカラムに300cm/時間で充填した。 このカラムを、11mMのNa HPO および4mMのクエン酸中0.5MのNaCl(pH5.5)で溶出した。 このカラムを、11mMのNa HPO および4mMのクエン酸中1MのNaCl(pH5.5)でストリップした。

    (工程5:限外濾過/ダイアフィルトレーション(Amersham Pharmacia Biotech)
    精製された産物を、リン酸緩衝化生理食塩水(「PBS」)(pH7.2)中に限外濾過およびダイアフィルトレーションした。

    構築物1642によってコードされる精製されたGCSFアルブミン融合タンパク質を、SDS/PAGEによって、純度について分析した。 これは、>95%純粋であった。 このタンパク質を配列決定して確認し、またこのタンパク質は、「TPLGP」(配列番号2144)のN末端配列を用いるN末端配列分析によって、90%の純度を示した。

    (GCSFの活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイによってアッセイされ得る)
    (方法)
    GCSF活性を評価するために、NSF−60細胞、NFSマウスのPrimary Lake Cascitus野生エコトロピックウイルス誘導性腫瘍由来の骨髄性因子依存性細胞株を用いる。

    (細胞の増殖および調製)
    細胞を、最初に、T−75cm のフラスコ中に、増殖培地(10% ウシ胎児血清、「FBS」、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、1×L−グルタミン(最終濃度2mM)、および組換えマウスインターロイキン−3(IL3)(30ng/mL)を含む、RPMI 1640)中約1.5×10 細胞/mLで播種する。 細胞を、2日おきに、1:10〜1:20のどこかでスプリットし、そして新鮮な培地中に再播種する。

    (NFS−60バイオアッセイ)
    NFS−60アッセイを、Weinsteinら(Weinsteinら、1986,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83,pp5010−4)に記載されるようにして実施する。 簡単に述べると、アッセイを実施する前日に、細胞を、IL3を含む新鮮なアッセイ増殖培地中に、1.0×10 まで再播種する。 翌日、細胞を、50mLのコニカルチューブに移し、低速で遠心分離し、そして血清も増殖因子も含まないプレーンRPMIで2回洗浄する。 ペレットを、25mLに再懸濁し、続いて細胞を計数する。 細胞を、もう一度遠心分離し、そして作業濃度であるが、IL3を含まない増殖培地(上記)中に再懸濁する。 細胞を、96ウェル丸底TC処理プレートに、1×10 細胞/ウェルでプレーティングする。 漸増する用量のGCSFを各ウェルに、最終容量0.1mLまで添加する。 アッセイを、三重で行う。 細胞を、24時間培養し、細胞増殖のレベルを決定する。 H−チミジン(5μCi/mL)を、実験の終了の4時間前に添加する。 次いで、細胞を、ガラス繊維フィルター上に、細胞収集器を使用して収集し、そして H−チミジンで標識されたDNAの量を、TOP−Countを使用して計数する。

    (構築物ID #1642によってコードされるGCSFアルブミン融合の活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    構築物1642によってコードされるGSCFアルブミン融合タンパク質を、上記のインビトロNFS−60細胞増殖バイオアッセイで試験した。

    (細胞の増殖および調製)
    細胞を、上記のようにして調製した。

    (NFS−60バイオアッセイ)
    アッセイを実施する前日に、細胞を、IL3を含む新鮮なアッセイ増殖培地中に、1.0×10 まで再播種した。 翌日、細胞を、50mLのコニカルチューブに移し、低速で遠心分離し、そして血清も増殖因子も含まないプレーンRPMIで2回洗浄した。 ペレットを、25mLに再懸濁し、続いて細胞を計数した。 細胞を、もう一度遠心分離し、そして作業濃度であるが、IL3を含まない増殖培地(上記)中に再懸濁した。 細胞を、96ウェル丸底TC処理プレートに、1×10 細胞/ウェルでプレーティングした。 漸増する用量のHSA、組換えヒトGCSF(rhGCSF)または酵母上清から部分的に精製されたGCSFアルブミン融合タンパク質のいずれかを、個々のウェルに、最終容量0.1mLまで添加する。 アッセイを、三重で行った。 細胞を、24時間培養し、細胞増殖のレベルを決定した。 H−チミジン(5μCi/mL)を、実験の終了の4時間前に添加した。 次いで、細胞を、ガラス繊維フィルター上に、細胞収集器を使用して収集し、そして H−チミジンで標識されたDNAを、TOP−Countを使用して計数した。

    (結果)
    構築物1642は、NFS−60細胞増殖活性を、用量依存性の様式で引き起こす能力を実証し、一方で、HSA単独を発現する酵母由来のコントロール上清は、いずれの活性をも生じなかった(図11を参照のこと)。

    (GCSFの活性は、C57BL/6マウスを使用してインビボでアッセイされ得る) (固定剤としてのGCSF)
    G−CSFは、顆粒球を周囲に固定し得、かつマウスに投与された場合、全白血球(WBC)数を増加させ得る。 組換えヒトGCSF(rhGCSF)は、組換えマウスGCSF(rmGCSF)と交差反応する。

    (方法)
    注射を開始する前に、マウスの耳にタグを付ける。 マウスに、7日間連続して、1日二回、5g(n=5)または10g(n=5)のいずれかで、rhGCSF(Neupogen,AMEN)を腹腔内注射する。 コントロールマウス(n=3)には、Hepes緩衝化生理食塩水(HBSS)を投与する。 最後のrhGCSF投与の24時間後、末梢血を尾から採取し、そして顆粒球数および全WBC数について分析する。

    (結果)
    両方の用量のrhGCSFは、顆粒球の頻度および全数の両方、ならびに全WBC数を効率的に増加させる(図12を参照のこと)。 この効果は、最終のrhGCSF腹腔内投与の24時間後に明白である。 この効果は、一過性であり、顆粒球の数は、5日目までに通常の値に戻る。

    (構築物ID#1642によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質の活性は、C57BL/6マウスを使用してインビボでアッセイされ得る:固定剤としてのGCSF−HSA)
    (方法)
    構築物1642によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質は、上記の手順に従ってアッセイされ得る。 簡単に述べると、注射を開始する前に、マウスの耳にタグを付ける。 マウスに、7日間連続して、1日二回、5g(n=5)または10g(n=5)のいずれかで、rhGCSF(コントロールとして)、またはGCSFアルブミン融合タンパク質を腹腔内注射する。 さらなるコントロールマウス(n=3)には、Hepes緩衝化生理食塩水(「HBSS」)を投与する。 最後のGCSF投与の24時間後、末梢血を尾から採取し、そして顆粒球数および全WBC数について分析し得る。

    (実施例20:構築物ID1643、HSA−GCSF、産生)
    構築物ID1643(pSAC35:HSA.GCSF.T31−P204)は、GCSFアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35におけるGCSFタンパク質の成熟形態(すなわち、A21−T153)のアミノ末端に融合された、HSAキメラリーダー配列(すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド)を含む全長HSAタンパク質を有する。

    (GCSF cDNAのクローニング)
    GCSFをコードするポリヌクレオチドを、以下に記載されるプライマーGCSF−3およびGCSF−4を使用してPCR増幅した。 増幅体を、Bsu 36I/Asc Iで切断し、Bsu 36I/Asc Iで切断されたpScNHSAに連結した。 構築物ID #1643は、HSAのキメラリーダー配列、およびHSAの成熟形態、およびGCSFの成熟形態を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする。

    GCSFの成熟形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(GCSF−3およびGCSF−4)を合成した:

    GCSF−3は、Bsu 36Iクローニング部位(下線を引いて示される)、およびHSAの成熟形態の最後の4アミノ酸残基をコードするヌクレオチド、ならびにGCSFの成熟形態の最初の6アミノ酸残基をコードする20ヌクレオチドを含む。 GCSF−4において、Asc I部位は、下線を引いて示され、そして最後の24ヌクレオチドは、GCSFの最後の8アミノ酸残基をコードするDNAの逆相補体である。 HSA−GCSFのPCR増幅体を、これらのプライマーを使用して産生し、精製し、Bsu 36I制限酵素およびAsc I制限酵素で消化し、そしてpScNHSAベクターのBsu 36I部位およびAsc I部位にクローニングした。 配列を確認した後に、このGCSFアルブミン融合タンパク質をコードする発現カセットを、Not IフラグメントとしてpSAC35にサブクローニングした。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたHSA配列の存在を確認した(以下を参照のこと)。

    本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、GCSFの成熟形態(すなわち、Thr−31〜Pro−204)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟GCSFアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、ネイティブGCSFシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID1643の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物1643の、S. cerevisiae内への形質転換を、当該分野において公知の方法によって(実施例3を参照のこと)、そして構築物ID1642について以前に記載されたように(実施例19を参照のこと)実施した。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    アルブミン融合タンパク質の精製のための一般的な手順は、実施例4に記載されている。 酵母S. cerevisiae細胞において、構築物ID番号1643から発現されるGCSFアルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、以下の方法に従って精製した。 別の精製スキームは、実施例19に記載されている。

    (工程1:フェニルセファロース迅速フロー(hs)、pH7.2)
    醗酵上清(3.5L)を、硫酸アンモニウムで139mSおよびpH7.2に調整し、50mM Tris(pH7.2)中1Mの最終濃度にした。 フェニルセファロースカラムを、300cm/hrの流量で充填した。 このカラムを50mMのTris−HCl(pH7.2)で洗浄した。 一連の低塩溶出を実施して、夾雑タンパク質を除去し、その後、WFI溶出によって、標的タンパク質を溶出した。 このカラムのNaOH除去は、かなりの部分の標的タンパク質が、先の処理によって除去されないことを明らかにした。

    (工程2:Mimetic Blue、pH6.5)
    溶出した標的タンパク質を、20mMクエン酸リン酸緩衝液(CPB)(pH6.5)でダイアフィルター(diafilter)し、次いで、予め20mMのCPB(pH6.5)緩衝液で平衡化したMimetic Blueカラムに充填した。 このカラムを、10カラム体積で、平衡化緩衝液で洗浄した。 次いで、標的タンパク質の大部分を、0.2M NaCl洗浄で溶出した。 より高い塩濃度の溶出溶液(1Mおよび2MのNaCl)は、何らかの標的タンパク質を明らかにした。 しかし、HPLC−SECをこれらの画分に対して実施した場合、大部分の標的タンパク質は、凝集物として観察された。 この精製工程は、85%より高純度の標的タンパク質を生じた。

    (工程3:Q HP、pH6.5)
    標的タンパク質を20mMのCPB(pH6.5)(5倍)で希釈して、5mS未満の導電率にし、そしてQ HP樹脂に充填した。 一連の溶出(100mM、200mM、500mM、および1MのNaCl)を実施した。 標的タンパク質は、100mMのNaClで溶出した。

    (工程4:SP FF、pH5.5)
    標的タンパク質を、20mMのCPB(pH5.0)で希釈し、そしてpHを5.0に調整した。 標的タンパク質を、SP Sepharose FFカラムに充填した。 このカラムを、5カラム体積の平衡化緩衝液で洗浄した。 45kDaの夾雑タンパク質(HSAのタンパク質分解したフラグメント)は、この樹脂に結合せず、そして充填フロースルー(flow thru)(LFT)中で観察された。 標的タンパク質は、0〜500mMのNaClの浅い傾斜で溶出した。 標的タンパク質は、約250mMのNaClで溶出した。 標的タンパク質を、20mMのCPB(pH6.5)の最終貯蔵緩衝液中にダイアフィルトレーションした。

    SDS−PAGEによる分析は、95%より高純度の88kDaのタンパク質を同定した。 N末端配列決定の結果、主要な配列は「DAHKS」(配列番号2143)であり、これは、HSAの成熟形態のアミノ末端である。 最終的な緩衝液の組成は、20mMのCPB(pH6.5)である。 3.5Lの培養上清から、1.94mgのタンパク質が精製された。

    (構築物ID番号1643によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質の活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る。)
    (方法)
    構築物1643によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質を、副節の表題「GCSFの活性はインビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る」および「構築物ID番号1642によってコードされるGCSFアルブミン融合物の活性はインビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る」の下の実施例19において先に記載されたインビトロNFS−60細胞増殖バイオアッセイにおいて試験した。

    (結果)
    構築物1643は、NFS−60細胞増殖を、用量依存性の様式で引き起こす能力を実証し、一方で、HSA単独を用いたコントロール上清は、いずれの活性をも生じなかった(図11を参照のこと)。

    (構築物ID番号1643によってコードされるGCSFアルブミン融合物の活性は、C57BL/6マウスを使用して、GCSF−HSAを改変剤として、インビボでアッセイされ得る。)
    (方法)
    構築物1643によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質は、副節の表題「GCSFの活性は、C57BL/6マウスを使用して、GCSF−HSAを改変剤として、インビボでアッセイされ得る」および「構築物ID番号1642によってコードされるGCSFアルブミン融合物の活性は、C57BL/6マウスを使用して、GCSF−HSAを改変剤として、インビボでアッセイされ得る。」の下の実施例19において先に記載された手順に従って、アッセイされ得る。

    (実施例21:GCSFアルブミン融合タンパク質の適応症)
    上記アッセイにおけるGCSFアルブミン融合タンパク質の活性に基づいて、GCSFアルブミン融合タンパク質は、炎症性障害、骨芽細胞白血病、一次好中球減少症(例えば、Kostmann症候群)、二次好中球減少症、好中球減少症の予防、HIV感染患者における好中球減少症の予防および処置、化学療法に関連する好中球減少症の予防および処置、好中球減少症に関連する感染、脊髄嚢胞(myelopysplasia)、ならびに自己免疫障害、造血前駆細胞の動員、骨髄移植、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、ホジキン病、亢進性骨髄回復、およびグリコゲン貯蔵疾患を、化学的予防、処置、予防、ならびに/または診断する際に、有用である。

    (実施例22:構築物ID2363、GFSF−HSA−EPO.A28−D192、産生)
    構築物ID2363(pC4:GCSF.HSA.EPO−A28−D192)は、GCSF−HSA−EPO三重融合タンパク質をコードするDNAを含む。 この三重融合タンパク質は、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の全長形態を有し、HSAの成熟形態のアミノ末端に融合するタンパク質であり、このHSAは、EPOの成熟形態のアミノ末端(すなわち、アミノ酸A28−D192)に融合しており、CHO哺乳動物細胞株発現ベクターpC4における最後のArg残基を例外とする。

    (GCSF−HSA−EPO cDNAのクローニング)
    構築物ID番号1642、すなわち、pSAC35:HGCSF. T31−P204. HSA(実施例19)をテンプレートとして使用して、構築物2363の一部を産生した。 以下のポリヌクレオチドを合成した:

    GCSFの全長配列を、プライマーGCSF/EPO−1、GCSF/EPO−2、GCSF/EPO−3、およびGCSF/EPO−4の組み合わせを使用して、3段階オーバーラッピングPCR反応において産生した。 プライマーGCSF/EPO−1、GCSF/EPO−3およびGCSF/EPO−4は、GCSFの全長のアミノ末端にまたがる配列からなる。 プライマーGCSF/EPO−2は、HSAのアミノ酸Ser−216〜Ala−225にまたがる配列の逆相補体からなる。 第一のPCR反応は、構築物1642をテンプレートとして、ならびにプライマーGCSF/EPO−1およびGCSF/EPO−2を含んだ。 第一のPCR反応から得られた産物を、第二のPCR反応においてテンプレートとして使用し、この反応は、プライマーGCSF/EPO−3およびGCSF/EPO−2を含んだ。 第二のPCR反応から得られた産物を、第三のPCR反応においてテンプレートとして使用し、この反応は、プライマーGCSF/EPO−4およびGCSF/EPO−2を含んだ。 プライマーGCSF/EPO−4は、Bam HI部位(斜体で示される)、引き続いてKozak配列(下線を引かれて示される)を有する。 最後のPCR産物は、5'Bam HI制限部位、引き続いて適切なKozak配列、その全長GCSFコード配列全体およびHSAオープンリーディングフレーム(Asp−25〜Ala−225)の一部を含む。 Cla I部位は、HSAの成熟形態のポリヌクレオチド配列に固有であり、そしてHSAの成熟形態の5'末端のすぐ近くに位置する。 Bam HI−Cla Iフラグメントを、同様に消化したpC4. HSA. EPO. A28−D192構築物ID番号1981にクローニングした。

    構築物ID番号2363は、GCSFのリーダーおよび成熟形態、続いて成熟HSAタンパク質、続いてEPOの成熟形態を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質の、アミノ酸配列決定によるN末端の分析は、予測されたGCSF配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、GCSFの成熟形態(すなわち、Thr−31〜Pro−204)のN末端またはC末端のいずれかに融合し、そしてEPOの成熟形態(すなわち、Ala−28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のGSCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付ける、シグナル配列をさらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドは、除去され、そして成熟GCSF/EPOアルブミン融合タンパク質が、培養倍地中に直接分泌される。 本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブGCSFシグナル配列またはネイティブEPOシグナル配列のいずれかを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID2363の発現および精製)
    (CHO細胞における発現)
    構築物2363は、実施例6および8に先に記載されるように、CHO細胞内にトランスフェクトされ得る。

    (CHO上清からの精製)
    アルブミン融合タンパク質についての一般的な精製手順は、実施例7に記載されている。 構築物2363によってコードされる三重融合タンパク質GCSF−HSA−EPOは、実施例7および9において先に記載されたように精製され得る。 N末端配列決定は、GCSFの成熟形態に対応する、配列TPLGP(配列番号2144)を生じるはずである。

    (構築物ID番号2363によってコードされるGCSF−HSA−EPOの活性は、インビトロTF−1細胞増殖アッセイおよびインビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る。)
    (方法)
    構築物2363によってコードされる三重融合タンパク質GCSF−HSA−EPOの活性を、実施例9において副節の表題「構築物1981についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」の下で先に記載されたようなインビトロTF−1細胞増殖アッセイにおいて、および実施例19において副節の表題「構築物ID番号1642によってコードされるGCSFアルブミン融合物の活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る」の下で先に記載されたようなインビトロNFS−60細胞増殖アッセイにおいて、アッセイした。

    (結果)
    構築物2363によってコードされるGCSF−HSA−EPOアルブミン融合物は、TF−1細胞とNFS−60細胞との両方の増殖を実証した。

    (構築物ID番号2363によってコードされるGCSF−HSA−EPOアルブミン融合物の活性はインビボでアッセイされ得る。)
    構築物2363によってコードされる三重融合タンパク質GCSF−HSA−EPOの活性を、実施例9において副節の表題「構築物1981の活性は、ヘマトクリットを測定するためのインビボHarlanマウスモデルを使用してアッセイされ得る」の下で先に記載されたように、インビボHarlanマウスモデルにおいて、およびC57BL/6マウスにおいて(ここで、GCSF−HSA−EPOは動員剤である)、実施例19において副節の表題「構築物ID番号1642によってコードされるGCSFアルブミン融合物の活性は、C57BL/6マウスを使用して:GCSF−HSAを動員剤としてインビボでアッセイされ得る」の下で先に記載されたように、アッセイし、ヘマトクリットレベルを測定し得る。

    (実施例23:構築物ID2373、GCSF−HSA−EPO.A28−D192、産生)
    構築物ID2373(pC4:GCSF.HSA.EPO−A28−D192.R140G)は、GCSF−HSA−EPO三重融合タンパク質をコードするDNAを含む。 この三重融合タンパク質は、顆粒球コロニー刺激因子「G−CSF」の全長形態を有し、HSAの成熟形態のアミノ末端に融合するタンパク質であり、このHSAは、EPOの成熟形態のアミノ末端(すなわち、A28−D192)に融合しており、CHO哺乳動物細胞株発現ベクターpC4において、Arg−140のGlyへの変異を有する。

    (構築物2373についてのEPO cDNAのクローニング)
    構築物ID番号2373は、GCSFのリーダー配列および成熟形態、続いて成熟HSAタンパク質、続いてEPOの成熟形態(これは、Arg−140からGlyへの変異を有する)を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする(配列番号401)。 構築物ID番号2373を、構築物ID番号2363(すなわち、pC4:GCSF.HSA.EPO.R140G)をPCR変異誘発のためのテンプレートとして使用して、産生した。

    構築物ID番号2363のテンプレートのPCR増幅のために適切な4つのオリゴヌクレオチド(GCSF/EPO−5、GCSF/EPO−6、GCSF/EPO−7、およびGCSF/EPO−8)を合成した。

    構築物2373を、ネスティッド(nested)PCR増幅によって、構築物2363をテンプレートとして使用して産生した。 第一回のPCR増幅において、構築物ID2363のN末端フラグメントおよびC末端フラグメントを、独立して増幅した。 N末端フラグメントを、プライマーGCSF/EPO−5およびGCSF/EPO−6を使用して産生した。 GCSF/EPO−5は、HSAの全長形態のアミノ酸残基334〜340をコードする核酸配列に対応する。 GCSF/EPO−6プライマーは、EPOの全長形態のアミノ酸136〜143にわたる配列の逆相補体を含む(アミノ酸140におけるArg残基をコードするコドンCGA(太字で強調されている)がGly残基をコードするコドンGGAに変更されていることを例外とする)。 C末端フラグメントを、プライマーGCSF/EPO−7およびGCSF/EPO−8を使用して産生した。 GCSF/EPO−7プライマーは、EPOの全長形態のアミノ酸136〜143をコードする核酸配列を含む(アミノ酸140におけるArg残基をコードするコドンCGA(太字で強調されている)がGly残基をコードするコドンGGAに変更されていることを例外とする)。 GCSF/EPO−8において、この配列は、終止コドンの下流のpC4ベクター内のヌクレオチドを含む。 第二回のPCR増幅において、プライマーGCSF/EPO−5およびGCSF/EPO−8を使用して、GCSF−HSA−EPO三重融合タンパク質を増幅した。 この三重融合タンパク質は、HSAの成熟形態のアミノ末端に融合するG−CSFの全長形態を有し、このHSAは、Arg−140からGlyへの変異を有するEPOの全長形態のアミノ末端(すなわち、A28−D192)に融合している。 この反応混合物は、PCR増幅されたN末端フラグメントおよびPCR増幅されたC末端フラグメントの両方を含んだ。

    PCR産物を精製し、次いで、Bsu36IおよびAscIで消化した。 Bsu36I−AscIフラグメントの、ゲル電気泳動によるさらなる精製の後、この産物を、Bsu36I/AscIで消化された構築物2363にクローニングして、構築物ID番号2373を生じた。

    さらに、アミノ酸配列決定によるアルブミン融合タンパク質のN末端の分析は、予測されたGCSF配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、GCSFの成熟形態(すなわち、Thr−31〜Pro−240)のN末端またはC末端のいずれかに融合し、そしてEPOの成熟形態(すなわち、Ala28〜Asp−192)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟GCSF/EPOアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、ネイティブGCSFシグナル配列またはネイティブEPOシグナル配列のいずれかを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のGCSF/EPOアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID2373の発現および精製)
    (CHO細胞における発現)
    構築物2373は、実施例6および8に先に記載されるように、CHO細胞内にトランスフェクトされ得る。

    (CHO上清からの精製)
    アルブミン融合タンパク質についての一般的な精製手順は、実施例7に記載されている。 構築物2373によってコードされる三重融合タンパク質GCSF−HSA−EPO. R140Gは、実施例7および8において先に記載されたように精製され得る。 N末端配列決定は、GCSFの成熟形態に対応する、配列TPLGP(配列番号2144)を生じるはずである。

    (構築物ID番号2373によってコードされるGCSF−HSA−EPO.R140Gの活性は、インビトロTF−1細胞増殖アッセイおよびインビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る。)
    (方法)
    構築物2373によってコードされる三重融合タンパク質GCSF−HSA−EPO. R140Gの活性を、実施例9において副節の表題「構築物1981についてのインビトロTF−1細胞増殖アッセイ」の下で先に記載されたようなインビトロTF−1細胞増殖アッセイにおいて、および実施例19において副節の表題「構築物ID番号1642によってコードされるGCSFアルブミン融合物の活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る」の下で先に記載されたようなインビトロNFS−60細胞増殖アッセイにおいて、アッセイし得る。

    (結果)
    構築物2373によってコードされるGCSF−HSA−EPO. R140Gアルブミン融合物は、TF−1細胞とNFS−60細胞との両方の増殖を実証した。

    (構築物ID番号2373によってコードされるGCSF−HSA−EPO.R140Gアルブミン融合物の活性はインビボでアッセイされ得る。)
    (方法)
    構築物2373によってコードされる三重融合タンパク質GCSF−HSA−EPO. R140Gの活性を、実施例9において副節の表題「構築物1981の活性は、ヘマトクリットを測定するためのインビボHarlanマウスモデルを使用してアッセイされ得る」の下で先に記載されたように、インビボHarlanマウスモデルにおいて、およびC57BL/6マウスにおいて(ここで、GCSF−HSA−EPOは動員剤である)、実施例19において副節の表題「構築物ID番号1642によってコードされるGCSFアルブミン融合物の活性は、C57BL/6マウスを使用して:GCSF−HSAを動員剤としてインビボでアッセイされ得る」の下で先に記載されたように、アッセイし、ヘマトクリットレベルを測定し得る。

    (実施例24:GCSF−HSA−EPO三重融合物の適応症)
    GCSF、EPOおよびHSAを含む三重融合タンパク質(構築物2363および2373によってコードされるものが挙げられるが、これらに限定されない)の適応症としては、EPOアルブミン融合タンパク質およびGCSFアルブミン融合タンパク質について詳述した適応症が挙げられ得、種々の状態(末期腎臓疾患(透析患者)、透析前の慢性腎不全、ジドブジン処置されたHIV患者、化学療法中の癌患者、および未熟児が挙げられるが、これらに限定されない)によって引き起こされる出血障害および貧血;輸血の必要性を減少させるために、選択的な非心臓の非脈管の手術を受けている貧血患者における手術前;再生不良性貧血および他の難治性貧血、炎症性腸疾患における難治性貧血、ならびに選択的整形外科化学防御における輸血逃避;炎症性障害、骨髄細胞白血病、一次好中球減少症(例えば、Kostmann症候群)、二次好中球減少症の処置、予防、および/または診断、好中球減少症の予防、HIV感染患者における好中球減少症の予防および処置、化学療法に関連する好中球減少症の予防および処置、好中球減少症に関連する感染、脊髄嚢胞、ならびに自己免疫障害、造血前駆細胞の動員、骨髄移植、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、ホジキン病、加速骨髄回復、ならびにグリコゲン貯蔵疾患;が挙げられるが、これらに限定されない。

    (実施例25:構築物ID2053、IFNb−HSA、産生)
    構築物ID2053(pEE12.1:IFNb.HSA)は、IFNbアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、この融合タンパク質は、NS0発現ベクターpEE12.1におけるHSAの成熟形態のアミノ末端に融合した、ネイティブIFNbリーダー配列を含む全長IFNbタンパク質を有する。

    (IFNb cDNAのクローニング)
    IFNbをコードするポリヌクレオチドを、以下に記載されるプライマーIFNb−1およびIFNb−2を使用してPCR増幅し、Bam HI/Cla Iで切断し、そしてBam HI/Cla I切断されたpC4:HSAに連結して、構築物2011を生じた。 構築物ID番号2011由来のEco RI/Eco RIフラグメントを、pEE12.1のEco RI部位にサブクローニングし、構築物ID番号2053を産生した。 構築物ID番号2053は、IFNbのリーダー配列および成熟形態、続いて成熟HSAタンパク質を含む、アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む。

    IFNbの全長をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのオリゴヌクレオチド(IFNb−1およびIFNb−2)を合成した:

    IFNb−1プライマーは、Bam HIクローニング部位(下線を引いて示される)、Eco RIクローニング部位、およびKozak配列(斜体で示される)、続いてIFNbの全長形態の最初の27個のアミノ酸をコードする80個のヌクレオチドを含む。 IFNb−2において、Cla I部位(下線を引いて示される)およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質(配列番号1038)の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体であり、そして最後の18個のヌクレオチドは、IFNbの最後の6個のアミノ酸残基をコードするDNAの逆相補体である(実施例2を参照のこと)。 PCR増幅体(amplimer)を、3つのプライマーを使用して産生し、精製し、Bam HI制限酵素およびCla I制限酵素で消化し、そしてpC4:HSAベクターのBam HI部位およびCla I部位にクローニングした。 配列を確認した後に、IFNbアルブミン融合タンパク質発現カセットを含むEco RIフラグメントを、Eco RI消化されたpEE12.1にサブクローニングした。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたIFNb配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のIFNbアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、IFNbの成熟形態(すなわち、Met−22〜Asn−187)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のIFNbアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟IFNbアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のIFNbアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のIFNbアルブミン融合タンパク質は、ネイティブIFNbを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のIFNbアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID2053の発現および精製)
    (マウス骨髄腫NS0細胞株における発現)
    構築物ID番号2053(pEE12.1:IFNb−HSA)を、当該分野において公知の方法によって、NS0細胞にエレクトロポレーションした(実施例6を参照のこと)。

    (NS0細胞上清からの精製)
    NS0細胞上清からのIFNb−HSAの精製は、実施例10に記載される方法に従い得る。 この方法は、20mM Tris−HCl中0〜1MのNaCl勾配を使用する、pH7.4におけるQ−Sepharose陰イオン交換クロマトグラフィー、続いて5〜40mMのクエン酸ナトリウム勾配を用いる、pH6.5におけるPoros PI 50陰イオン交換クロマトグラフィー、および10mMクエン酸(pH6.5)および140mM NaClの最終緩衝液濃度への、6DVについてのダイアフィルトレーションを包含する。 N末端配列決定は、配列MSYNLLを生じるはずであり、これは、IFNbの成熟形態のアミノ末端である。 このタンパク質は、88.5kDaのおよそのMWを有する。

    より大きい規模の精製(例えば、50LのNS0細胞上清)については、約8〜10Lに濃縮され得る。 次いで、濃縮されたサンプルは、pH7.5で、50mM NaOAc(pH6.0)および150mM NaClからなる段階溶出を使用して、Q−Sepharose陰イオン交換カラム(10×19cm、1.5L)に通され得る。 次いで、溶出されたサンプルは、0.75% Triton−X 100とともに、室温で60分間ウイルス不活性化され得る。 次いで、SDR−逆相クロマトグラフィー(10cm×10cm、0.8L)を、pH6.0で、50mM NaOAcおよび150mM NaClとともに、またはその逆で使用して、サンプルをSP−セファロースカラムに、pH4.8で、50mM NaOAc(pH6.0)および150mM NaClの段階溶出を使用して通され得る。 続いて、DV50濾過して、全てのウイルス成分を除去する。 続いて、Phenyl−650Mクロマトグラフィー(20cm×12cm、3.8L)を、350mM(NH SO および50mM NaOAcからなる段階溶出、あるいは50mM NaOAc(pH6.0)からなる段階溶出を使用して、pH6.0で行い得る。 6〜8DVについてのダイアフィルトレーションは、緩衝液の、所望の最終濃度の緩衝液(10mM Na HPO +58mMスクロース+120mM NaCl(pH7.2)または10mMクエン酸(pH6.5)および140mM NaClまたは25mM Na HPO 、100mM NaCl(pH7.2)のいずれか)への交換を可能にする。

    (IFNbの活性は、インビトロISRE−SEAPアッセイを使用してアッセイされ得る。)
    全てのI型インターフェロンタンパク質は、共通のレセプター複合体および類似のJak/STATシグナル伝達経路(これは最終的に、インターフェロン配列応答性エレメント(「ISRE」)を介する、インターフェロン(「IFN」)応答性遺伝子の活性化となる)を介してシグナル伝達する。 I型IFN活性についての好都合なアッセイは、下流レポーター遺伝子に融合したISREエレメントの複数のコピーを含む、プロモーター−レポーターベースのアッセイ系である。 安定なHEK293細胞株が産生され得、そしてISRE−SEAPレポーター遺伝子の安定に一体化されたコピーを含み、この細胞株は、I型IFNに対して非常に感受性であり、そして濃度の5logにわたる直線性を示す。

    (IFNb−HSA NS0安定クローンのスクリーニングの方法)
    構築物2053を、NS0細胞に、実施例6に記載されるようにエレクトロポレーションした。 構築物ID番号2053でトランスフェクトしたNS0細胞を、ISRE−SEAPアッセイにおいて馴化した増殖培地を試験することによって、活性についてスクリーニングした。 ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞を、3×10 細胞/ウェルで、96ウェルのポリD−リジンでコーティングされたプレートに、処理の1日前にプレートした。 レポーター細胞を、構築物ID2053によってコードされるIFNbアルブミン融合タンパク質またはコントロールとしてrhIFNbの馴化上清または精製調製物の種々の希釈物(1:500および1:5000が挙げられるが、これらに限定されない)で処理した。 次いで、レポーター細胞を、24時間インキュベートし、その後、SEAPレポーター遺伝子化学発光アッセイ(Rocheカタログ番号1779842)において使用するために、40Lを取り出した。 組換えヒトインターフェロンβ(「rhIFNb」(Biogen))を、陽性コントロールとして使用した。

    (結果)
    NS0発現したIFNb−HSAの精製調製物は、rhIFNb(Biogen)(これは、1.8×10 −10 g/mLのEC50を有した)より大きいEC50(9.3×10 −9 g/mL)を有した(図13を参照のこと)。

    (インターフェロンによるOASのインビボ導入)
    (方法)
    OAS酵素(2'−5'−オリゴアデニレートシンテターゼ)を、抗ウイルス感染に応答して、インターフェロンによって、転写レベルで活性化する。 インターフェロン構築物の効果を、処置されたサルから血液サンプルを得、そしてこれらのサンプルを2つのOAS mRNA(p41およびp69)の転写活性化について分析することによって測定し得る。 0.5mLの体積の白血球が、1つの群あたり4匹の動物から、7の異なる時点(1匹の動物あたり0日目、1日目、2日目、4日目、8日目、10日目、および14日目)で得られ得る。 種々の群は、ビヒクルコントロールの注射を、静脈内および/または皮下注射で、1日目に30g/kgおよび/または300g/kgのIFNアルブミン融合タンパク質、ならびに1日目、3日目、および5日目に、陽性コントロールとして40g/kgのインターフェロンα(Schering−Plough)の皮下注射を含み得る。 p41 mRNA転写物およびp69 mRNA転写物のレベルを、リアルタイム定量PCR(Taqman)によって、p41−OASおよびp69−OASに特異的なプローブを使用して、決定し得る。 OAS mRNAレベルを、18SリボソームRNA内因性コントロールに対して定量し得る。

    (構築物ID2053によってコードされるインターフェロンβアルブミン融合物による、OASのインビボ導入)
    (方法)
    構築物2053によってコードされるHSA−IFNb融合タンパク質の活性を、副節の表題「インターフェロンによるOSのインビボ導入」の下で先に上に記載されたようなインビボOASアッセイにおいて、アッセイし得る。

    (実施例26:IFNbアルブミン融合タンパク質についての適応症)
    IFNβアルブミン融合タンパク質(構築物2053によってコードされるものが挙げられるが、これらに限定されない)は、多発性硬化症を処置し、予防し、軽減し、そして/または検出するために使用され得る。 他の適応症としては、黒色腫、固体腫瘍、癌、細菌感染、化学防御、栓球減少症、HIV感染、前立腺癌、癌、血液学的悪性腫瘍、血液学的障害、前白血病、神経膠腫、B型肝炎、C型肝炎、ヒトパピローマウイルス、肺繊維症、加齢性黄斑変性、脳癌、神経膠腫多型、肝癌、悪性黒色腫、結腸直腸癌、クローン病、神経変性、非小細胞肺癌、慢性関節リウマチ、および潰瘍性大腸炎が挙げられるが、これらに限定されない。

    (実施例27:構築物ID1941、HSA−PTH84、産生)
    構築物ID1941(pC4.HSA.PTH84)は、HSA−PTH84融合タンパク質をコードし、この融合タンパク質は、哺乳動物発現ベクターpC4にクローニングされたヒト副甲状腺ホルモン(「PTH84」)の成熟形態のSer−1〜Gln−84に融合した、ネイティブHSAリーダー配列を含むHSAの全長を含む。

    (構築物1941についてのPTH84 cDNAのクローニング)
    PTH84をコードするDNAを、以下に記載されるプライマーPTH84−1およびPTH84−2を使用して増幅し、Bsu 36I/Not Iで切断し、そしてBus 36I/Not I切断されたpC4:HSAに連結した。 構築物ID番号1941は、ネイティブHSAリーダー配列、続いて成熟PTH84タンパク質を含む、HSAの全長形態を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする。

    PTH84の成熟形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのプライマー(PTH84−1およびPTH84−2)を合成した。

    PTH84−1は、Bus−36Iクローニング部位(下線を引いて示される)、続いてPTH84の成熟形態のアミノ酸残基Ser−1〜Asn−10と結合体化した、HSAの成熟形態の末端(最後のLeuが存在しない)に対応するアミノ酸残基Ala−Leu−Glyをコードする核酸配列を含む。 PTH84−2において、Not I部位は、下線を引いて示され、そしてそれに続く核酸配列は、成熟PTH84タンパク質の最後の11個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体に対応する。 これらの2つのプライマーを使用して、PTH84タンパク質をPCR増幅した。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたHSA配列の存在を確認した(以下を参照のこと)。

    本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、PTH84の成熟形態(すなわち、Ser−1〜Gln−84)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟PTH84アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、ネイティブPTH84を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID1941の発現および精製)
    (293T細胞における発現)
    構築物1941を、当該分野において公知の方法(例えば、リポフェクタミントランスフェクション)によって293T細胞にトランスフェクトし、そして100nMメトトレキサートを用いて選択した(実施例6を参照のこと)。 発現レベルを、抗HSA血清を一次抗体として用いる免疫ブロット検出によって、試験した。

    (293T細胞上清からの精製)
    構築物ID番号1941から293T細胞において発現された、分泌HSA−PTH84融合タンパク質を含む293T細胞上清を、実施例7に記載されるように精製した。 具体的には、最初の捕捉を、陰イオン性HQ−50樹脂を用いて、pH7.2で、リン酸ナトリウム緩衝液(20mM Na HPO (pH7.2))および0〜0.5M NaClの16カラム体積の塩勾配溶出、続いてPhenyl 650M樹脂(Tosohaas製)を用いて、36カラム体積の2.75〜0M NaCl(pH7.2)の塩勾配溶出を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(「HIC」)を使用して実施した。 ここで、サンプルは、180mSの最終導電率を有した。 このサンプルを、HQ Poros 50樹脂および0.15M NaCl増分の塩段階溶出を使用して濃縮した。 最終緩衝組成物は、25mM Na HPO +150mM NaCl(pH7.2)からなった。 N末端配列決定は、HSAの成熟形態のアミノ末端配列(すなわち、DAHKS、配列番号2143)を生じた。 78kDaのおよそのMWのタンパク質が得られた。 1リットルの293T細胞上清あたり0.78mgのタンパク質の最終収量が得られた。

    (SaOS2細胞における環状AMPのインビトロ導入)
    (方法)
    PTH84アルブミン融合タンパク質の生物学的活性を、SaOS−2(骨肉腫細胞株)が使用されるインビトロアッセイにおいて測定し得る。 PTHは、アデニレートシクラーゼを活性化し、これによって、細胞内環状AMPレベルを増加させる。

    (SaOS−2細胞におけるcAMPの導入:)
    SaOS−2細胞を、8.0×10 細胞/ウェルの密度で、実験の開始の24時間前に継代培養する。 実験の日に、細胞を2時間、血清飢餓させ、次いで、陽性コントロール(例えば、5mg/mLのフォルスコリン(forskolin))、組換えPTH、またはPTHアルブミン融合タンパク質で10分間処理する。 処理後、これらの細胞をリンスし、そして細胞内環状AMPを冷エタノールで抽出する。 エタノール抽出物を凍結乾燥させ、そしてさらなる使用のために−80℃で貯蔵する。 サンプル中に存在する環状AMPの量を、ELISAによって、製造業者のプロトコル(Amersham Life Sciences,Inc.)に従って定量する。

    (構築物1941によってコードされるアルブミン融合タンパク質による、SaOS2細胞中の環状AMPのインビトロ導入)
    (方法)
    構築物1941によってコードされるPTHアルブミン融合タンパク質による、SaOS2細胞中の環状AMPの導入を測定するためのインビトロアッセイを、先に上で記載したように実施し得る。

    (インビボ:TPTX動物におけるカルシウムの誘導された放出)
    (方法)
    PTH活性を、PTHアルブミン融合タンパク質が、低カルシウム食餌の甲状腺上皮小体切除術(「TPTX」)の施行、および副甲状腺ホルモン処理の後に骨の鉱物質除去を低下させる能力をモニタリングすることによって、試験する。

    これらの動物は、Vottaら、1997、J. Bone and Mineral Res. ,12:1396−1406;Millestら、1997、Bone,20:465−471;ならびにIwataら、1997、Arthritis and Rheumatism,40:499−509によって示唆されるように、薬理学的応答における変動性を示す。 従って、1群あたり5匹と8匹との間の甲状腺上皮小体切除された動物(外部販売者から購入した)を使用する。 これらの動物は、1日おきにサイロキシンの補充注射を受ける。 各実験は、いくつかの群を含む:(1)プラシーボおよび服甲状腺ホルモン(PTH1〜34)注射群(それぞれ、陰性コントロールおよび陽性コントロールに対応する);(2〜5)PTHアルブミン融合タンパク質を、0.1〜12μg/kgの範囲の種々の濃度で、静脈内、腹腔内、皮下、および筋肉内に、副甲状腺ホルモン処理の前、間または後に注射される;(6)いくつかの実験について、システインプロテアーゼインヒビターが試験される。

    イソフルオラン麻酔された状態で、左大腿静脈および左大腿動脈または甲状腺動脈のいずれかに、ヘパリン化生理食塩水を満たしたPE−50ポリエチレンチュービングに融合させたPE−10チュービングをカニューレ挿入する。 これらのカテーテルを皮下に通し、首筋において外に出し、そして皮膚に固定する。 動物を、実験のために使用される前に約18時間回復させ、この時間の間に、これらの動物は、カルシウムのない食事を与えられる。 実験の経過の間、3つの血液サンプル(各200mL)を、甲状腺または大腿のカテーテルを介して、注入の2時間後、4時間後、および6時間後に採取する。 より長い時点(例えば、18時間目)もまた望ましくあり得る。

    ヒトPTH1〜34、陽性コントロール、および全血におけるイオン化カルシウムレベルの外観の間の用量関係を確立した(データは示されない)。

    (構築物1941によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性は、TPTX動物を使用してアッセイされ得る。)
    構築物1941によってコードされるPTHアルブミン融合タンパク質の活性を、TPTX動物、および表題「インビボ:TPTX動物におけるカルシウムの誘導された放出」の下で上に記載されたインビボアッセイを使用して、測定し得る。

    (インビボで卵巣切除された雌性ラットモデル)
    (方法)
    PTH活性を、卵巣切除された雌性のLewisラットまたはSprague Dawleyラットにおいて骨形成を誘導する能力をモニタリングすることによって、試験する。

    手術を、8から9週齢の雌性のLewisラットまたはSprague Dawleyラットに対して実施し、そして実験を、手術後7〜10日目まで開始しない。 血液、尿および左脛骨由来のサンプルを、1群あたり9〜12匹の動物から毎週得る。 種々の群は、4週間毎日生理食塩水を注射された偽コントロール、4週間毎日生理食塩水を注射された卵巣切除ラット、および毎週5回ラットPTHペプチド1〜34を10g/kgで皮下注射された卵巣切除ラットを含み得る。 組織収集の第4週であり最終週に続いて、骨密度測定分析のために、脛骨を、Sleletechに送付する。

    試験したパラメータは、体重、70%エタノール中での左脛骨における骨密度測定、血液からの血清ピリジノリン(pyridinoline)、ならびに尿デオキシピリジノリンおよびα螺旋タンパク質である。 尿サンプルを、午前中に採取する。 血液を、心臓を出血させることにより得、そして血清をELISA分析のためにとっておく。 骨密度測定を、近位脛骨において実施する。 左大腿を、ひざのすぐ上で骨切断器で切断し得る。 前足もまた、遠位脛骨を切断することによって除去し得る。 エタノール中で皮膚に横方向に切込みを入れ、前足の残りを70%エタノールを満たした50ccチューブに入れる。 このチューブを、輸送まで室温で貯蔵する。 ラット脛骨の標本を、試験の日に室温に解凍する。 切除したラット脛骨を、抹消定量コンピュータ連動断層撮影(pQCT、XCT−RM、Norland/Stratec)を使用する骨鉱物密度の密度測定に供する。 走査を、近位脛骨部位(近位端から離れて全長の12%)において実施する。 1つの0.5mmスライスを採取する。 走査を、全体として(骨全体)、または実験および内部境界の閾値図示を使用して(皮質骨)、または外側縁部から剥離することによって骨組織全体の45%である領域として(海綿骨)分析する。 次いで、骨鉱物の密度、面積および内容物を、システムソフトウェアによって決定する。 偽動物と卵巣切除動物との間の差異を、各異なる時点において、SAS統計ソフトウェア(SAS Institute,Cory,NC)を使用して、両側t検定によって決定する。 Student t検定を、平均の統計学的比較のために使用する。 0.05未満のP値を、統計学的に有意とみなす。

    (構築物1941によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性は、インビボ卵巣切除雌性ラットモデルを使用してアッセイされ得る。)
    構築物1941によってコードされるPTHアルブミン融合タンパク質の活性を、表題「インビボで卵巣切除された雌性ラットモデル」の下で上に記載されたインビボアッセイを使用して測定し得る。

    (実施例28:構築物ID1949、HSA84−HSA、産生)
    構築物ID1949(pC4.HSA84.S1−Q84.HSA)は、PTH84−HSA融合タンパク質をコードし、この融合タンパク質は、MPIFリーダー配列、続いて哺乳動物発現ベクターpC4にクローニングされたHSAの成熟形態のアミノ末端に融合した、PTH84の成熟形態(すなわち、Ser−1〜Gln−84)を含む。

    (構築物1949についてのPTH84 cDNAのクローニング)
    PTH84をコードするDNAを、以下に記載されるプライマーPTH84−3およびPTH84−4を使用して増幅し、Bam HI/SpeIで切断し、そしてBam HI/XbaI切断されたpC4:HSAに連結した。 構築物ID番号1949は、成熟PTH84タンパク質、続いてHSAの成熟形態を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする。

    PTH84の成熟形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのプライマー(PTH84−3およびPTH84−4)を合成した。

    PTH84−3は、Bam−HIクローニング部位(斜体で示される)、続いてMPIFシグナルペプチドをコードする核酸配列(下線を引いて示される)およびPTH84の成熟形態のアミノ酸残基Ser−1〜Met−8をコードする核酸配列(太字で示される)を含む。 PTH84−4において、SpeI部位は、斜体で示され、そしてそれに続く核酸配列は、成熟PTH84タンパク質の最後の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体に対応する(太字で示される)。 これらの2つのプライマーを使用して、PTH84タンパク質をPCR増幅した。 PCR増幅体を精製し、Bam HIおよびSpeIで消化し、そしてBam HI/XbaI切断されたpC4:HSAに連結した。

    PTH84−4プライマーへのSpeIクローニング部位の導入の結果として、2つのさらなるアミノ酸残基(すなわち、ThrおよびSer)が、PTH84とHSAとの間に存在する。

    発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定によるさらなる分析は、予測されたPTH84配列の存在を確認した(以下を参照のこと)。

    本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、PTH84の成熟形態(すなわち、Ser−1〜Gln−84)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟PTH84アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、ネイティブPTH84を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID1949の発現および精製)
    (293T細胞における発現)
    構築物1949を、当該分野において公知の方法(例えば、リポフェクタミントランスフェクション)によって293T細胞にトランスフェクトし、そして100nMメトトレキサートを用いて選択した(実施例6を参照のこと)。 発現レベルを、抗HSA血清を一次抗体として用いる免疫ブロット検出によって、試験した。

    (293T細胞上清からの精製)
    構築物ID番号1949から293T細胞において発現された、分泌PTH84−HSA融合タンパク質を含む293T細胞上清を、実施例7に記載されるように精製した。 具体的には、最初の捕捉を、陰イオン性HQ−50樹脂を用いて、pH7.2で、リン酸ナトリウム緩衝液(25mM Na HPO (pH7.2))および0〜0.5M NaClの16カラム体積の塩勾配溶出、続いてPhenyl 650M樹脂(Tosohaas製)を用いて、36カラム体積の2.75〜0M NaCl(pH7.2)の塩勾配溶出を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(「HIC」)を使用して実施した。 ここで、サンプルは、180mSの最終導電率を有した。 このサンプルを、HQ Poros 50樹脂および0.15M NaCl増分の塩段階溶出を使用して濃縮した。 最終緩衝組成物は、25mM Na HPO +150mM NaCl(pH7.2)からなった。 N末端配列決定は、PTH84の成熟形態のアミノ末端配列(すなわち、SVSEI、配列番号2145)を生じた。 78kDaのおよそのMWのタンパク質が得られた。 1リットルの293T細胞上清あたり0.32mgのタンパク質の最終収量が得られた。

    (構築物1949によってコードされるアルブミン融合タンパク質による、SaOS2細胞中の環状AMPのインビトロ導入)
    (結果)
    構築物1949を発現する293T細胞由来の精製HSA−PTH84アルブミン融合タンパク質を、副題の表題「SaOS2細胞における環状AMPのインビトロ導入」の下で実施例27において記載されたインビトロアッセイにおいて、試験した。 HSA−PTH84は、細胞内環状AMPレベルの増加を誘導した。

    (構築物1949によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性は、TPTX動物を使用してアッセイされ得る。)
    構築物1949によってコードされるPTHアルブミン融合タンパク質の活性を、TPTX動物、および副節の表題「インビボ:TPTX動物におけるカルシウムの誘導された放出」の下で実施例27に記載されたインビボアッセイを使用して、測定し得る。

    (構築物1949によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性は、インビボで卵巣切除された雌性ラットモデルを使用してアッセイされ得る。)
    構築物1949によってコードされるPTHアルブミン融合タンパク質の活性を、TPTX動物、および副節の表題「インビボで卵巣切除された雌性ラットモデル」の下で実施例27に記載されたインビボアッセイを使用して、測定し得る。

    (実施例29:構築物ID2021、PTH84−HSA、産生)
    構築物ID2021(pC4.PTH84.S1−Q84.HSA)は、PTH84−HSA融合タンパク質をコードし、この融合タンパク質は、ネイティブHSAリーダー配列、続いて哺乳動物発現ベクターpC4にクローニングされたHSAの成熟形態のアミノ末端に融合した、PTH84の成熟形態(すなわち、Ser−1〜Gln−84)を含む。

    (構築物2021についてのPTH84 cDNAのクローニング)
    PTH84をコードするDNAを、以下に記載されるプライマーPTH84−5およびPTH84−6を使用して増幅し、Xho I/Cla Iで切断し、そしてXho I/Cla I切断されたpC4:HSAに連結した。 構築物ID番号2021は、成熟PTH84タンパク質、続いてHSAの成熟形態を含む、アルブミン融合タンパク質をコードする(実施例5を参照のこと)。

    PTH84の成熟形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な2つのプライマー(PTH84−5およびPTH84−6)を合成した。

    PTH84−5は、Xho Iクローニング部位(斜体で示される)を組み込む。 Xho I部位は、それに続く核酸配列(下線を引いて示される)と組み合わせられて、HSAのキメラシグナルペプチドの最後の4つのアミノ酸残基をコードする。 太字の核酸配列は、PTH84の成熟形態のアミノ酸残基Ser−1〜Asn−10をコードする。 PTH84−6において、Cla I部位は、斜体で示され、そしてそれに続く核酸配列(下線を引いて示される)は、HSAの成熟形態の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体に対応する。 PTH84−6において太字で強調される核酸配列は、PTH84の成熟形態の最後の11個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補体に対応する。 これらの2つのプライマーを使用して、PTH84タンパク質をPCR増幅した。 PCR増幅体を精製し、Xho IおよびCla Iで消化し、そしてXho I/Cla I切断されたpC4:HSAに連結した。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定による分析は、予測されたPTH84配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、PTH84の成熟形態(すなわち、Ser−1〜Gln−84)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における発生期の融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが除去され、そして成熟PTH84アルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、Fibulin B、Clusterin、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)、または当該分野において公知である他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、ネイティブPTH84を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のPTH84アルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に包含される。

    (構築物ID2021の発現および精製)
    (293T細胞における発現)
    構築物2021を、当該分野において公知の方法(例えば、リポフェクタミントランスフェクション)によって293T細胞細胞にトランスフェクトし得、そして100nMメトトレキサートで選択し得る(実施例6を参照のこと)。 発現レベルを、1次抗体として抗HSA血清を用いた免疫ブロット検出によって試験し得る。

    (293T細胞上清からの精製)
    293T細胞中で構築物ID番号2021から発現した分泌性PTH84−HSA融合タンパク質を含む293T細胞上清を、実施例7で記載するように精製し得る。 特に、サンプルが180mSの最終伝導性を有する場合、初期の捕捉を、陰イオンHQ−50樹脂でpH7.2でリン酸ナトリウム緩衝液(25mM Na HPO (pH7.2))および16倍のカラム容量の0〜0.5M NaClの塩勾配溶離を使用して実行し得、そのあと36倍のカラム容量の2.75〜0M NaClの塩勾配溶離をpH7.2で使用するPhenyl650M樹脂(Tosohaasから)での疎水的相互作用クロマトグラフィー、「HIC」を行う。 サンプルを、HQ Poros 50樹脂および0.15mMの増加NaClの塩段階溶離を使用して濃縮し得る。 最終的な緩衝組成は、25mM Na HPO +150mM NaCl(pH7.2)からなり得る。 N末端の配列決定は、PTH84の成熟形態のアミノ末端配列(すなわち、SVSEI)を生じるはずである。 およそMWが78kDaのタンパク質が得られるはずである。

    (構築物2021によってコードされるアルブミン融合タンパク質によるSaOS2細胞におけるサイクリックAMPのインビトロ誘導)
    構築物2021を発現する293T細胞に由来するHSA−PTH84アルブミン融合タンパク質を、表題「SaSO2細胞におけるサイクリックAMPのインビトロ誘導」の下で、実施例27において記載するインビトロアッセイにおいて試験し得る。

    (構築物2021によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性を、TPTX動物を使用してアッセイし得る)
    構築物2021によってコードされるPTHアルブミン融合タンパク質の活性を、表題「インビボ:TPTX動物におけるカルシウムの誘導放出」の下で実施例27において記載するTPTX動物およびインビボアッセイを使用して測定し得る。

    (構築物2021によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性を、インビボで卵巣摘出された雌性ラットモデルを使用してアッセイし得る)
    構築物2021によってコードされるPTHアルブミン融合タンパク質の活性は、表題「インビボで卵巣摘出された雌性ラットモデル」の下で実施例27において記載するインビボアッセイを使用して測定し得る。

    (実施例30:PTH84アルブミン融合タンパク質についての指標)
    上述したインビトロおよびインビボアッセイからの結果は、PTH84アルブミン融合タンパク質が骨粗鬆症、悪性の高カルシウム血症、およびパジェット病の処置、予防、および/または診断のために有用であることを示す。

    (実施例31:構築物ID2249(IFNa2−HSA)生成)
    構築物ID2249(pSAC35:IFNa2.HSA)は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35においてHSAの成熟形態のアミノ酸末端に融合した、HSAキメラリーダー配列、続くIFNa2タンパク質の成熟形態(すなわち、C1−E165)を有するIFNa2アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む。

    (IFNa2 cDNAのクローニング)
    IFNa2をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載するプライマーIFNa2−1およびIFNa2−2を使用してPCR増幅した。 このPCR増幅物をSalI/ClaIで切断し、そしてXhoI/ClaI切断したsPcCHSAにライゲーションした。 構築物ID番号2249は、HSAのキメラリーダー配列、IFNa2の成熟形態、続く成熟HSAタンパク質を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    成熟形態IFNa2、IFNa2−1およびIFNa2−2をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な2つのオリゴヌクレオチドを合成した;

    IFNa2−1プライマーは、SalIクローニング部位(下線で示される)、キメラHSAリーダー配列の最後の3個のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびIFNa2の成熟形態の最初の7個のアミノ酸残基をコードする22ヌクレオチド(太字で示される)を組み込む。 IFNa2−2において、ClaI部位(下線で示される)およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補鎖であり、そして最後の22個のヌクレオチド(太字で示される)は、IFNa2の最後の7個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補鎖である(実施例2を参照のこと)。 IFNa2−HSAのPCR増幅物をこれらのプライマーを使用して生成し、精製し、SalIおよびClaI制限酵素で消化し、そしてpScCHSAベクターのXhoIおよびClaI部位でクローニングした。 配列を確認した後、このIFNa2アルブミン融合タンパク質をコードする発現カセットはNotIで消化したpSAC35にサブクローニングした。

    さらに、アミノ酸配列決定による、発現したアルブミン融合タンパク質のN末端の分析は、予想されるIFNa2配列の存在を確認し得る(以下の参照)。

    異なるリーダー配列を使用する他のIFNa2アルブミン融合タンパク質を、当該分野において公知の方法によって構築してきた(実施例2を参照のこと)。 種々のリーダー配列の例としては、インベルターゼ「INV」(構築物2343および2410)および交配接合α因子「MAF](構築物2366)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのIFNa2アルブミン融合タンパク質を以前に記載したようなpC4(構築物2382)およびpEE12.1のような哺乳動物発現ベクターにサブクローニングし得る(実施例5を参照のこと)。HSAにC末端を融合させた治療部分を有するIFNa2アルブミン融合タンパク質をまた構築し得る(構築物2381)。

    本発明のIFNa2アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、IFNa2の成熟形態(すなわち、Cys−1〜Glu−165)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のIFNa2アルブミン融合タンパク質は、さらに、発現のために使用される宿主の分泌経路に初期の(初期の)融合ポリペプチドを指示するシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドを除去し、そして成熟IFNa2アルブミン融合タンパク質が培養培地中に直接分泌される。 本発明のIFNa2アルブミン融合タンパク質は、当該分野で公知の異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン(Clusterin)、インスリン様成長因子結合タンパク質4、HSAリーダー配列改変体(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)または他の異種シグナル配列を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のIFNa2アルブミン融合タンパク質は、ネイティブのIFNa2を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のIFNa2アルブミン融合タンパク質は、さらにN末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドがまた、本発明によって含まれる。

    (構築物ID2249の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物2249の、酵母S. cerevisiae株BXP10での形質転換を、当該分野で公知の方法によって実行した(実施例3を参照のこと)。 細胞を72時間の増殖後、定常期に回収し得る。 上清を、細胞を3000gで10分間不純物除去することで回収する。 発現レベルを、抗HSA血清(Kent Laboratories)で、またはこの1次抗体として免疫ブロット検出によって試験し得る。 およそ88.5kDaの分子量のIFNa2アルブミン融合タンパク質を回収し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiae細胞において構築物ID番号2249から発現したIFNa2アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、Dyaxペプチドアフィニティカラム上で小スケールで(実施例4を参照のこと)、または以下の5ステップ:ダイアフィルトレーション、DEAE−Sepharose Fast Flowカラムを使用する陰イオン交換クロマトグラフィー、Butyl 650Sカラムを使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、SP−Sepharose Fast FlowカラムまたはBlue−Sepharoseクロマトグラフィーを使用する陽イオン交換クロマトグラフィー、およびQ−sepharose high perfomanceカラムクロマトグラフィーを使用する高性能クロマトグラフィーによる大スケール(実施例4を参照のこと)のいずれかで精製し得る。 IFNa2アルブミン融合タンパク質を、100〜250mM NaClでDEAE−Sepharose Fast Flowカラムから、150〜250mM NaClでSP−Sepharose Fast Flowカラムから、および5〜7.5mS/cmでQ−Sepharose High Performanceカラムから溶出し得る。 N末端の配列決定は、IFNa2の成熟形態に対応する配列CDLPQ(配列番号2146)を生じるはずである。

    (IFNa2の活性を、インビトロISRE−SEAPアッセイを使用してアッセイし得る)
    (方法)
    構築物ID番号2249によってコードされるIFNa2アルブミン融合タンパク質を、実施例25において前もって記載したようなISRE−SEAPアッセイにおいて、活性について試験し得る。 簡単に言えば、ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞株に対してISREシグナル伝達を指向する能力について、馴化酵母上清を1:1000の希釈で試験した。 ISRE−SEAP/293Fレポーター細胞を、処理1日前に、3×10 細胞/ウェルで96ウェルのポリ−D−リジンでコートされたプレート中にプレーティングした。 次いで、SEAP Reporter Gene Chemiluminescent Assay(Rocheカタログ番号1779842)における使用のために40μLを除去する前に、レポーター細胞を18時間または24時間インキュベートした。 組み換えヒトInterferonβ「rhIFNb」(Biogen)を、陽性コントロールとして使用した。

    (結果)
    IFNa2−HSAの精製された調製物は、ISRE−SEAPアッセイにおいて、10 −1 〜10 ng/mL(図15を参照のこと)または10 −10 〜10 −8 ng/mL(図16を参照のこと)の範囲にある濃度にわたって比較的直線的な増加を証明した。

    (構築物ID2249によってコードされるインターフェロンα融合物によるOASのインビボ誘導)
    (方法)
    OAS酵素(2'−5'−オリゴアデニレートシンテターゼ)を、抗ウイルス感染に応じてインターフェロンによって、転写レベルで活性化する。 インターフェロン構築の効果を、処置したサルから血液サンプルを回収すること、およびこれらのサンプルを2つのOAS mRNA(p41およびp69)の転写活性について分析することによって測定し得る。 0.5mL容量の全血を、1群あたり4頭の動物から7つの異なる時間点(1匹の動物あたり、0日目、1日目、2日目、4日目、8日目、10日目、および14日目)で回収した。 種々の群は、ビヒクルコントロール(1日目に30μg/kgのHSA−IFNの静脈注射、1日目に30μg/kgのHSA−IFNの皮下注射、1日目に300μg/kgのHSA−IFNの皮下注射)、ならびに陽性コントロールとして、1日目、3日目、および5日目に40μg/kgのインターフェロンα(Schering−Plough)の皮下注射を含む。 p41およびp69のmRNA転写物のレベルを、p41−OASおよびp69−OASに特異的なプローブを使用するリアルタイム定量PCR(Taqman)によって決定した。 OASのmRNAレベルを、18SリボソームRNA内因性制御と比較して定量した。 構築物2249によってコードされるアルブミン融合タンパク質を類似の実験に供し得る。

    (結果)
    p41OASおよびp69OASの両方についてのmRNA転写レベルにおける有意な増加が、IFNaを処置したサルとは対照的にHSA−インターフェロンを処置したサルにおいて観察された(p41のデータについて図17を参照のこと)。 効果は10日近く続いた。

    (実施例32:IFNa2アルブミン融合タンパク質についての指標)
    多発性硬化症を処置し、予防し、改善し、そして/または検出するためにIFNαアルブミン融合タンパク質(構築物2249、2343、2410、2366、2382、および2381によってコードされるタンパク質を含むが、これらに限定されない)を使用し得る。 他の指標としては、C型肝炎、腫瘍学での使用、癌、肝炎、ヒトパピローマウイルス、線維筋腫症、シェーグレン症候群、ヘアリーセル白血病、慢性骨髄性白血病、AIDS関連のカポージ肉腫、慢性B型肝炎、悪性黒色腫、非ホジキンリンパ種、外部尖圭コンジローム、HIV感染、小細胞肺癌、血液学的な悪性疾患、単純ヘルペスウイルス感染、多発性硬化症、ウイルス性出血熱、固形腫瘍、腎臓癌、骨髄傷害、骨傷害、膀胱癌、胃癌、D型肝炎、多発性骨髄腫、I型糖尿病、ウイルス感染、皮膚型T細胞リンパ腫、子宮頚部形成異常、慢性疲労症候群、および腎臓癌が挙げられるが、これらに限定されない。

    好ましくは、IFNα−アルブミン融合タンパク質またはIFNハイブリッド融合タンパク質は、CCR5アンタゴニストとの組み合わせ、さらに、少なくとも1つのリバビリン、IL−2、IL−12と関連して、処置が施されていない成人患者および小児患者ならびに処置が施された成人患者および小児患者におけるHIV−1感染、HCV、またはHIV−1とHCVの共感染の処置のための薬剤の調製のために、ペンタフサイド(pentafuside)単独または抗HIV薬物治療(例えば、HAART)との組み合わせで投与される。

    (実施例33:構築物ID2250(HSA−インスリン(GYG))生成)
    構築物ID2250(pSAC35.HSA.INSULIN(GYG).F1−N62)は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35にクローニングした32位のTyrで合成一本鎖で長時間作用型のインスリンアナログ(INSULIN(GY 32 G))のアミノ末端に融合した全長のHSA(ネイティブなHSAリーダー配列を含む)を含む、HSA−INSULIN(GYG)融合タンパク質をコードする。

    (構築物2250のためのINSULIN(GYG)cDNAのクローニング)
    INSULIN(GYG)の合成一本形態をコードするDNAを、4つの重複するプライマーを使用してPCR合成した。 プロインスリンのプロセシングの必要性を除去し、そして正確な一本鎖タンパク質の折り畳みを確実にするために、プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列を、インスリン成長因子1(「IGF−1」)のCドメイン(GY 32 GSSSRRAPQT、配列番号2147)によって置換した。 配列は酵母S. cerevisiaeにおける発現のためにコドン最適化した。 このPCRフラグメントを消化し、そしてBsu361/AscIで消化したpScNHSAにサブクローニングした。 次いで、NotIフラグメントをpSAC35プラスミドにサブクローニングした。 構築物ID番号2250は、合成一本鎖形態のINSULIN(GYG)のアミノ末端に融合した全長HSA(ネイティブなHSAリーダー配列を含む)をコードする。

    INSULIN(GYG)、INSULIN(GYG)−1およびINSULIN(GYG)−2の合成一本鎖形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つの重複するオリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマーを合成した:

    INSULIN(GYG)−1は、Bsu36Iクローニング部位(イタリック体で示される)を組み込み、そしてINSULIN(GYG)の合成一本鎖形態のORFの最初の21個のアミノ酸(太字で示される)をコードする。 INSULIN(GYG)−2において、イタリック体にした配列は、AscI部位である。 INSULIN(GYG)−2において、太字にされた配列は、INSULIN(GYG)の合成一本鎖形態のアミノ酸残基Cys−49〜Asn−63をコードする最後の49個のヌクレオチドの逆相補鎖である。 これらの2つのプライマーで、INSULIN(GYG)の合成一本鎖形態をPCR増幅した。 それぞれ特異的なプライマー対およびテンプレートについてのアニーリング温度および時間ならびに伸長温度および時間を、経験的に決定しなければならない。

    PCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corp)を使用して)、ついでBsu36IおよびAscIで消化した。 ゲル電気泳動によるBsu36I−AscIフラグメントのさらなる精製後、この産物をBsu36I/AscIで消化したpScNHSAにクローニングした。 さらにNotIフラグメントをpSAC35にサブクローニングして、構築物ID番号2250を得た。

    アミノ酸配列決定による発現したアルブミン融合タンパク質のN末端のさらなる分析は、予想される成熟HSA配列の存在を確認するはずである(以下を参照のこと)。

    本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、INSULINの合成一本鎖アナログ(すなわち、Phe−1〜Asn−62)のN末端またはC末端のいずれかに融合するHSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む;プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列を、インスリン成長因子1(「IGF−1」)のCドメイン(GY 32 GSSSRRAPQT、配列番号2147)によって置換した。 本発明の1つの実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらに、発現のために使用する宿主の分泌経路に初期の融合ポリペプチドを指向するシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドを除去し、そして成熟INSULINアルブミン融合タンパク質が培養培地中に直接分泌される。 本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン、インスリン様成長因子結合タンパク質4、HSAリーダー配列改変体(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)または当該分野において公知の他の異種シグナル配列を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、ネイティブのINSULINを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらにN末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドがまた、本発明によって含まれる。

    (構築物ID2250の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物2250を、当該分野において公知の方法によって酵母S. cerevisiaeで形質転換し得る(実施例3を参照のこと)。 発現レベルを、1次抗体として抗HSA血清を用いる免疫ブロット検出法によって試験し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiaeにおいて、構築物ID番号2250から発現した分泌性のINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例4において記載したように精製し得る。 このアルブミン融合タンパク質のN末端配列決定は、HSAの成熟形態のアミノ末端に対応する配列DAHKS(配列番号2143)を生じるはずである。

    (構築物2250によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下でのインビトロでの[ H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイ)
    (方法)
    構築物2250によってコードされるINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質の存在下での3T3−L1脂肪細胞中の糖の取り込みを測定するためのインビトロアッセイを、実施例41において以下に記載したように実行した。 INSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質を試験するために使用され得る当該分野において公知の他のアッセイとしては、グリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK−3)を介するL6ラット筋芽細胞増殖アッセイならびにラットリンゴ酸デヒドロゲナーゼプロモーター(rMEP)−SEAPレポーター、ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)−SEAPレポーター,脂肪酸合成(FAS)−SEAPレポーター、およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)−SEAPレポーターを含むHAIIeレポーターアッセイ(実施例48を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。

    (結果)
    構築物2250によってコードされるインスリンアルブミン融合タンパク質を発現する形質転換された酵母S. cerevisiaeに由来する上清は、3T3−L1脂肪細胞における糖の取り込み/輸送活性を証明した(図18を参照のこと)。

    (構築物2250によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下での、インビトロ膵臓細胞株の増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物2250によってコードされるINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質の存在下で管上皮膵臓ARIP細胞株のインスリン産生β細胞への分化および増殖を測定し、そして/またはインスリン産生RIN−Mβ細胞株の増殖を測定するためのインビトロアッセイを、表題「実施例42:膵臓細胞株への[ H]チミジン取り込みのインビトロでのアッセイ」の下で以下に記載するように実行し得る。

    (構築物2250によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性を、糖尿病NODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用してインビボでアッセイし得る)
    構築物2250によってコードされるINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質の活性を、表題「実施例44:NODマウスにおける糖尿病の発生」、「実施例45:NODマウスの組織学的実験」、および「実施例47:NIDDMのインビボマウスモデル」の下で以下に記載するNODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用して測定し得る。

    (実施例34:構築物ID2255(インスリン(GYG)−HSA)生成)
    構築物ID2255(pSAC35.INSULIN(GYG).F1−N62.HSA)は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35にクローニングした32位のTyrで合成一本鎖で長時間作用型のインスリンアナログ(INSULIN(GY 32 G))のアミノ末端に融合し、これは、次にHSAの成熟形態に融合されたHSAのHSAキメラリーダー配列を含み、INSULIN(GYG)−HSA融合タンパク質をコードする。

    (構築物2255のためのINSULIN(GYG)cDNAのクローニング)
    INSULIN(GYG)の合成一本鎖形態をコードするDNAを、4つの重複するプライマーを使用してPCR生成した。 プロインスリンのプロセシングの必要性を除去し、そして正確な一本鎖タンパク質の折り畳みを確実にするために、プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列をインスリン成長因子1(「IGF−1」)のCドメイン(GY 32 GSSSRRAPQT、配列番号2147)によって置換した。 配列は酵母S. cerevisiaeにおける発現のためにコドン最適化した。 このPCRフラグメントをSalI/ClaIで消化し、そしてXhoI/ClaIで消化したpScCHSAにサブクローニングした。 次いで、NotIフラグメントをpSAC35プラスミドにサブクローニングした。 構築物ID番号2250は、合成一本鎖形態のINSULIN(GYG)のアミノ末端に融合したHSAのキメラリーダー配列をHSAの成熟形態に続いてコードする。

    INSULIN(GYG)、INSULIN(GYG)−3およびINSULIN(GYG)−4の合成一本鎖形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つの重複するオリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマーを合成した:

    INSULIN(GYG)−3は、SalIクローニング部位(イタリック体で示される)およびINSULIN(GYG)の合成一本鎖形態のORFの最初の21個のアミノ酸(太字で示される)をコードするDNAを組み込む。 INSULIN(GYG)−4において、イタリック体化された配列は、ClaI部位であり;そしてこのClaI部位およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補鎖である。 太字にされた配列は、INSULIN(GYG)の合成一本鎖形態の最後の15個のアミノ酸残基Cys−49〜Asn−63をコードする46個のヌクレオチドの逆相補鎖である。 これらの2つのプライマーで、INSULIN(GYG)の合成一本鎖形態を、アニーリング、アニーリングされたプライマーの伸長、SalIおよびClaIでの消化、およびXhoI/ClaIで消化したpScCHSAへのサブクローニングによって生成した。 次いで、このクローン由来のNotIフラグメントをpSAC35のNotI部位にライゲーションして、構築物ID2255を生成した。 構築物ID番号2255は、キメラリーダー配列、INSULIN(GYG)の合成一本鎖、およびHSAの成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    アミノ酸配列決定による、発現したアルブミン融合タンパク質のN末端のさらなる分析は、予想されるINSULIN(GYG)配列の存在を確認するはずである(以下を参照のこと)。

    本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、INSULINの合成一本鎖アナログ(すなわち、Phe−1〜Asn−62)のN末端またはC末端のいずれかに融合するHSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む;プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列を、インスリン成長因子1(「IGF−1」)のCドメイン(GY 32 GSSSRRAPQT、配列番号2147)によって置換した。 本発明の1つの実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらに、発現のために使用する宿主の分泌経路に初期の融合ポリペプチドヲ指向するシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドを除去し、そして成熟INSULINアルブミン融合タンパク質が培養培地中に直接分泌される。 本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン、インスリン様成長因子結合タンパク質4、HSAリーダー配列改変体(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)または当該分野において公知の他の異種シグナル配列を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、ネイティブのINSULINを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらにN末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドがまた、本発明によって含まれる。

    (構築物ID2255の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物2255を、当該分野において公知の方法によって酵母S. cerevisiaeで形質転換し得る(実施例3を参照のこと)。 発現レベルを、1次抗体として抗HSA血清を用いる免疫ブロット検出法によって試験し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiaeにおいて、構築物ID番号2255から発現した分泌性のINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例4において記載するように精製し得る。 この発現しそして精製したアルブミン融合タンパク質のN末端配列決定は、合成一本鎖形態で長時間作用型のインスリンアナログ(INSULIN(GY 32 G))のアミノ末端に対応するFVNQHを生じるはずである。

    (構築物2255によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下でのインビトロでの[ H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイ)
    (方法)
    構築物2255によってコードされるINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質の存在下での3T3−L1脂肪細胞中の糖の取り込みを測定するためのインビトロアッセイを、実施例41において以下に記載するように実行した。 INSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質を試験するために使用され得る当該分野において公知の他のアッセイとしては、グリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK−3)を介するL6ラット筋芽細胞増殖アッセイならびにラットリンゴ酸酵素プロモーター(rMEP)−SEAPレポーター、ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)−SEAPレポーター,脂肪酸合成(FAS)−SEAPレポーター、およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)−SEAPレポーターを含むH4IIeレポーターアッセイ(実施例48を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。

    (構築物2255によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下での、インビトロ膵臓細胞株の増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物2255によってコードされるINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質の存在下で管上皮膵臓ARIP細胞株のインスリン産生β細胞への分化および増殖を測定し、そして/またはインスリン産生RIN−Mβ細胞株の増殖を測定するためのインビトロアッセイを、表題「実施例42:膵臓細胞株への[ H]チミジン取り込みのインビトロでのアッセイ」の下で以下に記載するように実行し得る。

    (構築物2255によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性を、糖尿病NODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用してインビボでアッセイし得る)
    構築物2255によってコードされるINSULIN(GYG)アルブミン融合タンパク質の活性を、表題「実施例44:NODマウスにおける糖尿病の発生」、「実施例45:NODマウスの組織学的実験」、および「実施例47:NIDDMのインビボマウスモデル」の下で以下に記載するNODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用して測定し得る。

    (実施例35:構築物ID2276(HSA−インスリン(GGG))の生成)
    構築物ID2276(pSAC35.HSA.INSULIN(GGG).F1−N58)は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35にクローニングした32位のGlyで合成一本鎖で長時間作用型のインスリンアナログ(INSULIN(GG 32 G))のアミノ末端に融合した、全長HSA(ネイティブのHSAリーダー配列を含む)を含む、HSA−INSULIN(GGG)融合タンパク質をコードする。

    (構築物2276のためのISULIN(GGG)cDNAのクローニング)
    INSULIN(GGG)の合成一本鎖形態をコードするDNAを、4つの重複するプライマーを使用してPCR生成した。 プロインスリンのプロセシングの必要性を除去し、そして正確な一本鎖タンパク質の折り畳みを確実にするために、プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列を合成リンカー(「GG 32 GPGKR」)(配列番号2148)によって置換した。 配列は酵母S. cerevisiaeにおける発現のためにコドン最適化した。 このPCRフラグメントを消化し、そしてBsu361/AscIで消化したpScNHSAにサブクローニングした。 次いで、NotIフラグメントをpSAC35プラスミドにサブクローニングした。 構築物ID番号2276は、INSULIN(GGG)の合成一本鎖形態のアミノ末端に融合する、ネイティブのHSAリーダー配列を含む全長HSAをコードする。

    INSULIN(GGG)、INSULIN(GGG)−1およびINSULIN(GGG)−2の合成一本鎖形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つの重複するオリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマーを合成した:

    INSULIN(GGG)−5は、Bsu36Iクローニング部位(イタリック体で示される)を組み込み、そしてINSULIN(GGG)の合成一本鎖形態のORFの最初の21個のアミノ酸(太字で示される)をコードする。 INSULIN(GGG)−6において、イタリック体化された配列は、AscI部位である。 INSULIN(GGG)−6において、太字にされた配列は、INSULIN(GGG)の合成一本鎖形態のアミノ酸残基Cys−44〜Asn−58をコードする最後の49個のヌクレオチドの逆相補鎖である。 これらの2つのプライマーで、INSULIN(GGG)の合成一本鎖形態をPCR増幅した。 それぞれ特異的なプライマー対およびテンプレートについてのアニーリング温度および時間ならびに伸長温度および時間を、経験的に決定しなければならない。

    PCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corp)を使用して)、ついでBsu36IおよびAscIで消化した。 ゲル電気泳動によるBsu36I−AscIフラグメントのさらなる精製後、この産物をBsu36I/AscIで消化したpScNHSAにクローニングした。 構築物ID番号2276を供するために、さらにNotIフラグメントをpSAC35にサブクローニングした。

    アミノ酸配列決定による、発現したアルブミン融合タンパク質のN末端のさらなる分析により、予想される成熟HSA配列の存在を確認するはずである(以下を参照のこと)。

    本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、INSULINの合成一本鎖アナログ(すなわち、Phe−1〜Asn−58)のN末端またはC末端のいずれかに融合されるHSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む;プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列を、合成リンカー(「GG 32 GPGKR」)(配列番号2148)によって置換した。 本発明の1つの実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらに発現のために使用される宿主の分泌経路における成り始めの融合ポリペプチドを指向するシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドを除去し、そして成熟INSULINアルブミン融合タンパク質が培養培地中に直接分泌される。 本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、当該分野において公知の異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン、インスリン様成長因子結合タンパク質4、HSAリーダー配列改変体(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)または他の異種シグナル配列を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、ネイティブのINSULINを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらにN末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドがまた、本発明によって含まれる。

    (構築物ID2276の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物2276を、当該分野において公知の方法(実施例3を参照のこと)によって酵母S. cerevisiaeに形質転換し得る。 発現レベルを、1次抗体として抗HSA血清を用いる免疫ブロット検出法によって試験し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiaeにおいて、構築物ID番号2276から発現した分泌性のINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例4において記載されたように精製し得る。 N末端配列決定は、HSAの成熟形態のアミノ末端に対応するDAHKS(配列番号2143)を生じるはずである。

    (構築物2276によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下でのインビトロでの[ H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイ)
    (方法)
    構築物2276によってコードされるINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質の存在下での3T3−L1脂肪細胞中の糖の取り込みを測定するためのインビトロアッセイを、実施例41において以下に記載するように実行した。 INSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質を試験するために使用され得る当該分野において公知の他のアッセイとしては、グリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK−3)を介するL6ラット筋芽細胞増殖アッセイならびにラットリンゴ酸デヒドロゲナーゼプロモーター(rMEP)−SEAPレポーター、ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)−SEAPレポーター,脂肪酸合成酵素(FAS)−SEAPレポーター、およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)−SEAPレポーターを含むHAIIeレポーターアッセイ(実施例48を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。

    (結果)
    構築物2276によってコードされるインスリンアルブミン融合物を発現する形質転換された酵母S. cerevisiaeに由来する上清は、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコースの取り込み/輸送活性を証明した(図18を参照のこと)。

    (構築物2276によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下での、インビトロ膵臓細胞株の増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物2276によってコードされるINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質の存在下で管上皮膵臓ARIP細胞株のインスリン産生β細胞への分化および増殖を測定し、そして/またはインスリン産生RIN−Mβ細胞株の増殖を測定するためのインビトロアッセイを、表題「実施例42:膵臓細胞株への[ H]チミジン取り込みのインビトロでのアッセイ」の下で以下に記載するように実行し得る。

    (構築物2276によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性を、糖尿病NODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用してインビボでアッセイし得る)
    構築物2276によってコードされるINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質の活性を、表題「実施例44:NODマウスにおける糖尿病の発生」、「実施例45:NODマウスの組織学的試験」、および「実施例47:NIDDMのインビボマウスモデル」の下で以下に記載するNODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用して測定され得る。

    (実施例36:構築物ID2278(インスリン(GGG)−HSA)の生成)
    構築物ID2278(pSAC35.INSULIN(GGG).HSA)は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35にクローニングされたHSAのHSAキメラリーダー配列を含む、32位のGlyで合成一本鎖で長時間作用型のインスリンアナログ(INSULIN(GG 32 G))のアミノ末端に融合された、次にHSAの成熟形態に融合され、INSULIN(GGG)−HSA融合タンパク質をコードする。

    (構築物2278のためのINSULIN(GGG)cDNAのクローニング)
    INSULIN(GGG)の合成一本鎖形態をコードするDNAを、4つの重複するプライマーを使用してPCR生成した。 プロインスリンのプロセシングの必要性を除去し、そして正確な一本鎖タンパク質の折り畳みを確実にするために、プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列を、合成リンカー(「GG 32 GPGKR」)(配列番号2148)によって置換した。 配列は酵母S. cerevisiaeにおける発現のためにコドン最適化した。 このPCRフラグメントをSalI/ClaIで消化し、そしてXhoI/ClaIで消化したpScCHSAにサブクローニングした。 次いで、NotIフラグメントをpSAC35プラスミドにサブクローニングした。 構築物ID番号2278は、合成一本鎖形態のINSULIN(GGG)のアミノ末端に引き続いてHSAの成熟形態に融合したHSAのキメラリーダー配列をコードする。

    INSULIN(GGG)、INSULIN(GGG)−7およびINSULIN(GGG)−8の合成一本鎖形態をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つの重複するオリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマーを合成した:

    INSULIN(GGG)−7は、SalIクローニング部位(イタリック体で示される)およびINSULIN(GGG)の合成一本鎖形態のORFの最初の21個のアミノ酸(太字で示される)をコードするDNAを組み込む。 INSULIN(GGG)−8において、イタリック体化された配列は、ClaI部位であり;そしてこのClaI部位およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質の最初の10個のアミノ酸をコードするDNAの逆相補鎖である。 太字にされた配列は、INSULIN(GGG)の合成一本鎖形態の最後の15個のアミノ酸残基Cys−44〜Asn−58をコードする46個のヌクレオチドの逆相補鎖である。 これらの2つのプライマーで、INSULIN(GGG)の合成一本鎖形態を、アニーリングし、アニーリングされたプライマーの伸長、SalIおよびClaIでの消化、およびXhoI/ClaIで消化したpScCHSAへのサブクローニングによって生成した。 次いで、構築物ID2278を生成するために、このクローン由来のNotIフラグメントを、pSAC35のNotI部位にライゲーションした。 構築物ID番号2278は、キメラリーダー配列、INSULIN(GGG)の合成一本鎖、およびHSAの成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    アミノ酸配列決定による、発現したアルブミン融合タンパク質のN末端のさらなる分析は、予想されるINSULIN(GGG)配列の存在を確認するはずである(以下を参照のこと)。

    本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、INSULINの合成一本鎖アナログ(すなわち、Phe−1〜Asn−58)のN末端またはC末端のいずれかに融合するHSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む;プロインスリンcDNAの中間領域のCペプチドに対応する配列を、合成リンカー(「GG 32 GPGKR」)(配列番号2148)によって置換した。 本発明の1つの実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらに発現のために使用する宿主の分泌経路における成り始めの融合ポリペプチドを指向するシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドを除去し、そして成熟INSULINアルブミン融合タンパク質が培養培地中に直接分泌される。 本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、当該分野において公知の異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン、インスリン様成長因子結合タンパク質4、HSAリーダー配列改変体(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)または他の異種シグナル配列を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、ネイティブのINSULINを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のINSULINアルブミン融合タンパク質は、さらにN末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドがまた、本発明によって含まれる。

    (構築物ID2278の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物2278を、当該分野において公知の方法によって酵母S. cerevisiaeで形質転換し得る(実施例3を参照のこと)。 発現レベルを、1次抗体として抗HSA血清を用いる免疫ブロット検出法によって試験し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiaeにおいて、構築物ID番号2278から発現した分泌性のINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例4において記載されたように精製し得る。 この発現しそして精製したアルブミン融合タンパク質のN末端配列決定は、合成一本鎖形態で長時間作用型のインスリンアナログ(INSULIN(CG 32 G))のアミノ末端に対応するFVNQH(配列番号2149)を生じるはずである。

    (構築物2278によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下でのインビトロでの[ H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイ)
    (方法)
    構築物2278によってコードされるINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質の存在下での3T3−L1脂肪細胞中のグルコースの取り込みを測定するためのインビトロアッセイを、実施例41において以下に記載するように実行し得る。 INSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質を試験するために使用され得る当該分野において公知の他のアッセイとしては、グリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK−3)を介するL6ラット筋芽細胞増殖アッセイならびにラットリンゴ酸酵素プロモーター(rMEP)−SEAPレポーター、ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)−SEAPレポーター,脂肪酸合成酵素(FAS)−SEAPレポーター、およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)−SEAPレポーターを含むH4IIeレポーターアッセイ(実施例48を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。

    (構築物2278によってコードされるアルブミン融合タンパク質の存在下での、インビトロ膵臓細胞株の増殖アッセイ)
    (方法)
    構築物2278によってコードされるINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質の存在下で管上皮膵臓ARIP細胞株のインスリン産生β細胞への分化および増殖を測定し、そして/またはインスリン産生RIN−Mβ細胞株の増殖を測定するためのインビトロアッセイを、表題「実施例42:膵臓細胞株への[ H]チミジン取り込みのインビトロでのアッセイ」の下で以下に記載するように実行し得る。

    (構築物2278によってコードされるアルブミン融合タンパク質の活性を、糖尿病NODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用してインビボでアッセイし得る)
    構築物2278によってコードされるINSULIN(GGG)アルブミン融合タンパク質の活性を、表題「実施例44:NODマウスにおける糖尿病の発生」、「実施例45:NODマウスの組織学的試験」、および「実施例47:NIDDMのインビボマウスモデル」の下で以下に記載するNODおよび/またはNIDDMマウスモデルを使用して測定し得る。

    (実施例37:インスリンアルブミン融合タンパク質のための指標)
    上述したインビトロアッセイからの結果は、インスリンアルブミン融合タンパク質が、高血糖、インスリン抵抗性、インスリン欠損症、高脂血症、高ケトン尿症、ならびに糖尿病、1型糖尿病および2型糖尿病の処置、予防、および/または診断のために有用であることを示す。

    (実施例38:HSA−hGH融合タンパク質の調製)
    HSA−hGH融合タンパク質を、以下のとおり調製した。

    (hGH cDNAのクローニング)
    hGH cDNAを、ヒトの下垂体のcDNAライブラリー(カタログ番号HL1097v、Clontech Laboratories,Inc)からPCR増幅によって得た。 hGH cDNAのPCR増幅に適切な2つのオリゴヌクレオチド(HGH1およびHGH2)を、Applied Biosystems 380B Oligonucleotide Synthesizerを使用して合成した。

    HGH1およびHGH2は、hGH cDNA配列(Martialら,1979)の同じ位置のものとは、PCR増幅後、EcoRI部位をこのcDNAの5'末端に導入し、そしてBamHI部位をこのcDNAの3'末端に導入するように、それぞれ、2個および3個のヌクレオチドで異なった。 さらに、HGH2は、hGH配列のすぐ下流にHindIII部位を含んだ。

    Perkin−Elmer−Cetus Thermal Cycler 9600およびPerkin−Elmer−Cetus PCRキットを使用するPCR増幅を、cDNAライブラリーのファージ粒子から単離した一本鎖DNAテンプレートを使用して、以下のとおり実行した:10μLのファージ粒子を10μLのファージ溶解緩衝液(TE緩衝液中に280μg/mLのプロテイナーゼ K)の添加によって溶解し、そして55℃で15分間インキュベートし、続いて85°Cで15分間インキュベートした。 1分間氷上でインキュベーションした後、ファージの残屑を、14,000rpmで3分間遠心分離することによってペレット化した。 PCR混合物は、6μLのこのDNAテンプレート、0.1μMの各プライマーおよび200μMの各デオキシリボヌクレオチドを含んだ。 94℃で30秒の変性、65℃で30秒のアニーリングおよび72℃で30秒の伸長(1サイクルあたり1秒伸長時間を増やす)の30サイクルでPCRを実行する。 。

    ゲル電気泳動によるこの反応の分析は、予想されるサイズ(589塩基対)の単体の産物を示した。

    このPCR産物を、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corp)を使用して精製し、次いで、EcoRIおよびHindIIIで消化した。 ゲル電気泳動によるEcoRI−HindIIIフラグメントのさらなる精製後、pHGH1を供与するために、この産物をEcoRIおよびHindIIIで消化したpUC19(GIBCO BRL)にクローニングした。 EcoRI HindIII領域のDNA配列決定は、それぞれEcoRI部位およびBamHI部位を導入した5'末端および3'末端を除いて、このPCR産物が配列上でhGH配列(Martialら,1979)と同一であることを示した。

    (hGH cDNAの発現)
    pBST(+)を形成するために、ファージミドpBluescribe(+)(Stratagene)のポリリンカー配列を、オリゴヌクレオチドリンカーを挿入することによって置換し、EcoRIとHindIIIとの間で、2つの75マーオリゴヌクレオチドをアニーリングすることによって形成した。 新規のポリリンカーは、独特のNotI部位を含んだ。

    pHSA1を形成するために、PRBIプロモーター、HSA/MFα−1ハイブリッドリーダー配列をコードするDNA、HSAをコードするDNAおよびADH1ターミネーターを含むpAYE309(EP 431 880)のNotI HSA発現カセットを、pBST(+)に移入した。 pHSA2を形成するために、HSAコード配列をHindIIIでの消化によってこのプラスミドから除去し、続いて再ライゲーションした。

    hGH cDNAのクローニングは、プロhGHの配列および成熟hGHの配列の最初の8塩基対(bp)を決失するhGHコード領域を提供した。 酵母からhGHを分泌させるための発現プラスミドを構築するために、酵母のプロモーター、シグナルペプチドおよびhGH配列の最初の8bpを、以下のとおりクローニングしたhGH配列の5'末端に結合した:2つの合成オリゴヌクレオチド(HGH3およびHGH4)(SfaNI粘着末端およびEcoRI粘着末端でアニーリングし得る粘着末端を有するDNAの二本鎖フラグメントを生成するような方法で、互いにアニーリングし得る)を介して、pHSA1からのHindIII−SfaNIフラグメントを、pHGHIからのEcoRI/HindIIIの5'末端に結合した:

    pHGH2を作るために、このように形成したHindIIIフラグメントを、HindIIIで消化したpHSA2にクローニングした。 その結果、hGH cDNAをPRBIプロモーターおよびHSA/MFα−1融合リーダー配列の下流に位置付けた(国際公開WO 90/01063を参照のこと)。 pHGH12を作るために、pHGH2において含まれるNotI発現カセット(hGH cDNAの下流にADHIターミネーターを含んだ)を、NotIで消化したpSAC35(Sleepら、BioTechnology 8:42(1990))にクローニングした。 このプラスミドは、複製機能を提供するように2μmプラスミド全体および形質転換株の選択のためのLEU2遺伝子を含んだ。

    pHGH12を形質転換によってS. cerevisiae D88に導入し、そして個々の形質転換株を3日間30°Cで10mLのYEPD(1% w/v酵母抽出物、2% w/v、ペプトン、2% w/v、ブドウ糖)中で増殖させた。

    細胞の遠心分離後、この上清をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって試験し、そして予想されるサイズであり、そしてウェスタンブロット上で抗hGH抗血清(Sigma、Poole、UK)によって認識されるタンパク質を含むことを見出した。

    (HSA−hGH融合タンパク質のクローニングおよび発現)
    HSA cDNAをhGH cDNAの5'末端に融合させるために、pHSA1 HindIII−Bsu361のフラグメント(HSA cDNAの大部分を含む)を、2つのオリゴヌクレオチド(HGH7およびHGH8)を介して、pHGH1 EcoRI−HindIIIフラグメント(hGH cDNAの大部分を含む)に結合した。

    pHGH10を作るために、このように形成されたHindIIIフラグメントを、HindIIIで消化したpHSA2にクローニングし、そしてpHGH16を作るために、このプラスミドのNotI発現カセットを、NotIで消化したpSAC35にクローニングした。

    S. cerevisiae D88を形質転換するためにpHGH16を使用し、そして培養上清を上述するように分析した。 およそ88kDの分子量を有する優位なバンドが観察され、これは、HSAおよびhGHを組み合わせた質量と一致した。 抗HSA抗血清および抗hGH抗血清(Sigma)を使用するウェスタンブロットは、アルブミン融合タンパク質の2つの構成部分の存在を確認した。

    このアルブミン融合タンパク質を、陽イオン交換クロマトグラフィー、引き続く陰イオン交換およびゲル透過クロマトグラフィーによって培養上清から精製した。 アミノ酸配列決定によるこのタンパク質のN末端分析は、予想されるアルブミン配列の存在を確認した。

    インビトロでの成長ホルモン活性のアッセイ(Ealeyら,Growth Regulation 5:36(1995))は、アルブミン融合タンパク質が完全なhGH活性を保持することを示した。 下垂体を切除したラット体重増加モデルにおいて(ヨーロッパ薬局方(1987,単行書556)において記載されたように本質的に実行した)、同じ数の活性ユニット(上記のインビトロアッセイをベースにした)を日常的に投与した場合、この融合分子はhGHよりも効力があった。 アルブミン融合タンパク質を4日ごとに1回投与するさらなる実験は、hGHの毎日の投与に類似の全体増殖応答を示した。 125 I標識したタンパク質をラットに投与する薬物動態実験は、アルブミン融合タンパク質についての循環半減期において、hGHと比較しておよそ10倍の増加を示した。

    S. cerevisiaeインベルターゼ(SUC2)リーダー配列をコードするDNAを、コードされるリーダー配列およびHSAを配列との連結部(↓)が以下の通りであるように、ハイブリッドリーダーについての配列と置換する類似のプラスミドを構築した:

    S. cerevisiae DBIへの導入に関して、このプラスミドは、pHGH16で観察されるものと類似のレベルで、アルブミン融合タンパク質の発現および分泌に指向した。 このアルブミン融合タンパク質のN末端の分析は、成熟タンパク質からリーダー配列の正確で効率的な切断を示した。

    (hGH−HSA融合タンパク質のクローニングおよび発現)
    hGH cDNAをHSA cDNAの5'末端に融合するために、EcoN1部位をコード領域の5'末端近くに導入するために、最初にHSA cDNAを部位特異的変異誘発によって変化させた。 これを、pHSAIおよび合成オリゴヌクレオチド(LEU4)から調製される一本鎖DNAテンプレートを使用するKunkelら(Methods in Enzymol.154:367(1987))の方法によって、実行した:

    このオリゴヌクレオチドを使用する部位特異的変異誘発は、HSA cDNAのコード領域をLys4からLeu4に変化させた(K4L)。 しかし、2つのオリゴヌクレオチド(HGH5およびHGH6)を介して、pHGH2 Not1−BamHIフラグメントを突然変異させたpHSAIのEcoNI−Not1フラグメントに連結することによって、hGH cDNAを続いて5'末端に連結した場合、この変化を修復した:

    pHGH14を作るために、このように形成したNot1フラグメントを、Not1で消化したpSAC35にクローニングした。 S. cerevisiae D88を形質転換するためにpHGH14を使用し、そして培養上清を上記のように分析した。 hGHおよびHSAを組み合わせた質量に一致するおよそ88kDの分子量を有する優位なバンドが観察された。 抗HSA抗血清および抗hGH抗血清を使用するウェスタンブロットは、このアルブミン融合タンパク質の2つの構成部分の存在を確認した。

    このアルブミン融合タンパク質を、陽イオン交換クロマトグラフィー、引き続く陰イオン交換およびゲル透過クロマトグラフィーによって培養上清から精製した。 アミノ酸配列決定によるこのタンパク質のN末端分析は、予想されるhGH配列の存在を確認した。

    インビトロ研究は、このアルブミン融合タンパク質がhGH活性を維持するが、上述されるように、N末端位置として全長HSA(1−585)およびC末端位置としてhGHを含むアルブミン融合タンパク質より効力が有意に低いことを示した。

    (HSAのドメインへのhGHの融合物の発現のためのプラスミドの構築)
    hGH分子がHSAの最初の2つのドメイン(残基1〜387)に融合した融合ポリペプチドを作った。 オリゴヌクレオチドHGH11およびHGH12を介して、HSAのドメイン1および2についてのコード配列のほとんどを含むpHSA1 HindIII−Sap1フラグメントを、pHGHI EcoR1−HindIIIフラグメントに連結することによってhGHのN末端への融合を達成した。

    pHGH37を作るために、このように形成したHindIIIフラグメントを、HindIIIで消化したpHSA2にクローニングし、そしてこのプラスミドのNot1発現カセットをNot1で消化したpSAC35にクローニングした。

    結果として生じたプラスミド(pHGH38)は、S. cerevisiae DB1に形質転換した場合、融合ポリペプチドの上清中への分泌を指向することが見出される発現カセットを含んだ。 抗HSA抗血清および抗hGH抗血清を使用するウェスタンブロットは、このアルブミン融合タンパク質の2つの構成部分の存在を確認した。

    アルブミン融合タンパク質を陽イオン交換クロマトグラフィー、引き続くゲル透過クロマトグラフィーによって培養上清から精製した。

    精製したタンパク質を用いたインビボ研究は、循環半減期がhGHのものより長く、そして上述したように、N末端位置として全長のHSA(1〜585)およびC末端位置としてhGHを含むアルブミン融合タンパク質のものと類似であったことを示した。 インビトロ研究は、このアルブミン融合タンパク質がhGH活性を保持することを示した。

    上に詳述されるような類似の戦略を使用して、N末端部分としてHSAの第1ドメイン(残基1−194)およびC末端部分としてhGHを含むアルブミン融合タンパク質を、クローン化し、そしてS. cerevisiae DBLで発現した。 抗HSA抗血清および抗hGH抗血清を使用する培養上清のウェスタンブロッティングは、アルブミン融合タンパク質の2つの構成部分の存在を確認した。

    (可撓性リンカー配列を使用するHSAのhGHへの融合)
    可撓性リンカー([Gly−Gly−Gly−Gly−Ser) (配列番号2150)の反復単位を含み、ここでnは、2または3のいずれかであった)を、以下のオリゴヌクレオチドHGH16、HGH17、HGH18およびHGH19のクローニングによってHSAとhGHアルブミン融合タンパク質との間に導入した。

    HGH16のHGH17とのアニーリングが、n=2を生じ、その一方で、HGH19にアニールされたHGH18は、n=3を生じた。 アニーリング後、二本鎖オリゴヌクレオチドを、pHGH1から単離されたEcoRI−Bsu361フラグメントを、Bsu361消化pHGH10にクローン化し、pHGH56(ここで、n=2)およびpHGH57(ここで、n=3)を作製した。 これらのプラスミドからのNotI発現カセットを、NotI消化pSAC35にクローン化し、それぞれ、pHGH58およびpHGH59を作製した。

    pHGH56およびpHGH57を作製するためのオリゴヌクレオチドのクローニングは、リンカー配列にBamHI部位を導入した。 従って、pHGH56からのHindIII−BamHIフラグメントをpHGH57からのBamHI−HindIIIフラグメントへと連結すること(n=1を作製)、またはpHGH57からのHindIII−BamHIフラグメントをpHGH56からのBamHI−HindIIIフラグメントへと連結すること(n=2を作製)によって、n=1およびn=4であるリンカー配列を構築することが可能であった。 これらのフラグメントのpHSA2のHindIII部位へのクローン化は、pHGH60(ここで、n=1)およびpHGH61(ここで、n=4)を生じた。 pHGH60およびpHGH61からのNotI発現カセットを、NotI消化pSAC35にクローン化し、それぞれ、pHGH62およびpHGH63を作製した。

    S. cerevisiaeのpHGH58、pHGH59、pHGH62およびpHGH63での形質転換は、上清に融合タンパク質を分泌する形質転換体を生じた。 抗HSA抗血清および抗hGH抗血清を使用するウェスタンブロッティングは、アルブミン融合タンパク質の2つの構成部分の存在を確認した。

    アルブミン融合タンパク質を、カチオン交換クロマトグラフィーによって培養上清から精製し、その後、アニオン交換クロマトグラフィーおよびゲル透過クロマトグラフィーで精製した。 アミノ酸配列決定によるタンパク質のN末端の分析は、予想されるアルブミン配列存在を確認した。 エレクトロスプレー質量分析による精製タンパク質の分析は、上記されるHSA−hGH融合タンパク質に比較して、315 D(n=1)、630 D(n=2)、945 D(n=3)および1260 D(n=4)の質量の増加を確認した。 精製タンパク質を、インビトロで活性であると確認した。

    本発明のhGHアルブミン融合タンパク質は、好ましくは、成熟形態のhGHのN末端またはC−末端のいずれかに融合された、成熟形態のHSA(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のhGHアルブミン融合タンパク質は、発現のために使用される宿主の分泌経路における新生融合タンパク質を指向するシグナル配列をさらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドが、除去され、成熟hGHアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のhGHアルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列を含み得、これとしては、MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラスタリン、インシュリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダ−配列(キメラHSA/MAFリーダー配列、または当該分野で公知の他の異種シグナル配列が挙げられるがこれらに限定されない)が挙げられるがこれらに限定されない。 好ましい実施形態において、本発明のhGHアルブミン融合タンパク質は、ネイティブなhGHを含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のhGHアルブミン癒合タンパク質は、N末端メチオニン残基をさらに含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドはまた、本発明によって含まれる。

    (HSA−hGH融合タンパク質の増加した貯蔵寿命:方法)
    HSA−hGHおよびhGHを、5%ウマ血清を含む細胞培養培地中に、最終濃度100〜200μg/mlまで、別々に希釈し、4℃、37℃または50℃でインキュベートした。 ゼロ時間およびその後1週間に1回の間隔で、サンプルのアリコートを、Nb2細胞増殖アッセイにおいてこれらの生物学的活性について試験し、データを、コントロール(時間ゼロでのhGH溶液)の生物学的活性について正規化した。 他のアッセイにおいて、hGHおよびHSA−hGHを、リン酸緩衝液中で4℃、37℃、および50℃でインキュベートした。

    Nb2細胞増殖アッセイ:これらの細胞の増殖は、hGHまたは他の乳腺刺激ホルモンに依存する。 代表的な実験において、10 細胞/ウェルを、5〜10%のウマ血清を含む培地(例えば、DMEM)中の異なる濃度のhGHまたはHSA−hGHの存在下で96ウェルプレート中で、インキュベーター中で24〜48時間プレートした。 インキュベーション期間の後、1:10容積のMTT(H O中、5mg/ml)を、各ウェルに添加し、プレートを、さらに6〜16時間インキュベートする。 増殖する細胞は、MTTを不溶性ホルマザンに転換する。 ホルマザンは、酸性イソプロパノールによって可溶化され、生成された色を、マイクロタイタープレートリーダー上、570nmで測定する。 ホルマザン形成の程度は、細胞増殖のレベルを反映する。

    (HSA−hGH融合タンパク質の増加した貯蔵寿命:結果)
    治療タンパク質のアルブミンへの融合は、水性溶液または他の溶液中での安定性を付与する。 HSA融合タンパク質の貯蔵寿命は、37℃で5週間までの、細胞培養培地中での貯蔵後に残存する、HSA−hGHの生物学的活性に関して、延長される。 200μg/ml HSA−hGHの溶液を、5%ウシ血清を含む組織培養培地中で調製し、そして、この溶液は、ゼロ時間で開始し、37℃でインキュベートされる。 示される時間で、サンプルを、除去し、最終濃度2ng/mlで、Nb2細胞アッセイにおいてその生物学的活性について試験した。 HSA−hGHの生物学的活性は、37℃での5週間のインキュベーションの後、本質的にインタクトのまま(実験バリエーション以内)である。 この実験のためにコントロールとして使用される組換えhGHは、実験の第1週においてその生物学的活性を喪失した。

    3週間までの間の、4℃、37℃、または50℃での細胞培養培地の保存の後、HSA−hGHは安定であった。 時間ゼロで、HSA−hGHの溶液を、5%ウシ血清を含む組織培養培地中で調製し、4℃、37℃、または50℃でインキュベートした。 示された期間で、サンプルを、除去し、最終濃度60ng/mlで、Nb2細胞アッセイにおいてその生物学的活性についてアッセイした。 HSA−hGHは、インキュベーション後、少なくとも3週間の間試験された全ての温度で初期活性を90%超えて保持し、その一方で、hGHは、最初の週以内にその生物学的活性を喪失する。 活性のこのレベルは、37℃で少なくとも7週間および50℃で少なくとも5週間、さらに保持される。 これらの結果は、HSA−hGHが、温度ストレス下でさえ、水性溶液中で高度に安定であることを示す。

    HSA−hGHの生物学的活性は、Nb2細胞増殖アッセイにおいてhGHに比べて、安定であった。 Nb2細胞を、時間ゼロで添加された、漸増濃度の組換えhGHの存在下で増殖した。 細胞を、24時間または48時間インキュベートし、その後、MTT法によって増殖の程度を測定した。 アッセイにおけるHSA−hGHの増加した安定性は、24時間で、48時間と本質的に同じ増殖活性を生じ、その一方で、hGHは、48時間のインキュベーションの後、増殖活性の有意な減少を示す。 hGHに比べて、HSA−hGHは、1日後より低い生物学的有効性を有し、アルブミン融合タンパク質は、hGHより5分の1の有効性である。 しかし、2日後、HSA−hGHは、アッセイにおいてhGHの短い寿命に起因して、hGHと本質的に同じ有効性を示す。 アルブミン融合タンパク質としての、このhGHの安定性の増加は、タンパク質の生物学的活性に対する主要な予期されない影響を有する。

    (実施例39:hGHアルブミン融合タンパク質の指示)
    インビトロアッセイおよびインビボアッセイからの結果は、hGHアルブミン融合タンパク質が、先端巨大症、増殖欠損、成長不全および内因性成長ホルモン置換、成長ホルモン欠乏、2歳以上の幼児の増殖欠損および増殖遅延プラーダーヴィリ症候群、不完全成長(growth deficiency)、慢性腎機能不全に関連する増殖欠損、閉経後骨粗鬆症、火傷、悪液質、癌悪液質、小人症、代謝障害、肥満症、腎不全、ターナー症候群(小児および成人)、結合組織炎、骨折処置、薄志弱行、またはAIDSるいそうを、処置、予防、検出、診断、および/または改善するために使用し得る。

    (実施例40:寄託されたサンプルからの選択されたcDNAクローンの単離)
    本発明のアルブミン融合構築物の多くは、表3において示されるようにATCCに寄託された。 アルブミン融合構築物は、以下の発現ベクターのいずれか1つを含み得る:酵母S. cerevisiae発現ベクター:pSAC35、哺乳動物発現ベクターpC4、または哺乳動物発現ベクターpEE12.1。

    pSAC35ベクター(Sleepら、1990,Biotechnology 8:42)、pC4ベクター(ATCC受託番号209646;Cullenら、Molecular and Cellular Biology,438−447(1985);Boshartら、Cell 41:521−530(1985))、およびpEE12.1ベクター(Lonza Biologics,Inc.;StephensおよびCockett,Nucl.Acids Res.17:7110(1989);国際公開番号WO89/01036;Murphyら、Biochem J.227:277−279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169−175(1992);米国特許第5,122,464号;国際公開番号WO86/05807)は、細菌細胞の増殖のためのアンピシリン耐性遺伝子を含む。 これらのベクターおよび/またはこれらを含むアルブミン融合構築物は、Hanahanのような当該分野で記載される技術を使用して、E. coli株(例えば、Stratagene XL−1 Blue(Stratagene Cloning Systems,Inc.,11011 N.Torrey Pines Road,La Jolla,CA,92037))中に形質転換され得、100μg/mLアンピシリンを含むLuria−Btoth寒天プレート上に広げられ、37℃で一晩増殖される。

    任意の所定のアルブミン融合構築物について表3に引用されるATCC受託番号を割り当てられたサンプルにおける寄託された材料はまた、1つ以上のさらなるアルブミン融合構築物を含み得、各々は、異なるアルブミン融合タンパク質をコードする。 従って、同じATCC受託番号を共有する寄託物は、少なくとも表3の対応する列において同定されるアルブミン融合構築物を含む。

    2つのアプローチが、表3において、アルブミン融合構築物について引用されるプラスミドDNAの寄託されたサンプル由来の特定のアルブミン融合構築物を単離するために使用され得る。

    (方法1:スクリーニング)
    第1に、当該分野で公知の方法を使用して、アルブミン融合構築物を、表1中の個々の構築物ID番号についての配列番号Xに対応するポリヌクレオチドプローブを使用して、寄託されたプラスミドDNAのサンプルをスクリーニングすることによって、直接単離し得る。 例えば、30〜40ヌクレオチドを有する特定のポリヌクレオチドは、報告された配列に従ってApplied Biosystems DNA合成機を使用して合成され得る。 オリゴヌクレオチドは、例えば、T4ポリヌクレオチドキナーゼを使用して32 P−γ−ATPを用いて標識され得、慣用的な方法に従って精製される。 (例えば、Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring,NY(1982)。)所定のATCC寄託物由来のアルブミン融合構築物を、上記されるように、当業者に公知の技術を使用して適切な宿主(例えば、XL−1 Blue(Stratagene))(例えば、これらは、ベクター供給業者によって提供されるか、または上に引用される関連刊行物または特許中に提供される)中に形質転換する。 形質転換体を、プレート当たり約150形質転換体(コロニー)の密度まで、1.5%寒天プレート(適切な選択薬剤(例えば、アンピシリン)を含む)上にプレートする。 これらのプレートを、細菌コロニースクリーニングのための慣用的な方法(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(1989),Cold Spring Harbor Laboratory Press,第1.93頁〜第1.104頁)または当業者に公知の他の技術に従ってNylon膜を使用してスクリーニングする。

    (方法2:PCR)
    あるいは、所定のアルブミン融合タンパク質をコードするDNAは、例えば、所定のアルブミン融合タンパク質をコードするDNAに対して5'側および3'側の寄託されたアルブミン融合構築物に対してハイブリダイズする17〜20ヌクレオチドの2つのプライマーを使用することによって、配列番号Xを有する寄託されたアルブミン融合構築物のサンプルから増幅され得る。 ポリメラーゼ連鎖反応を、慣用的な条件下で、例えば、0.5μgの上記cDNAテンプレートとの反応混合物(25μl)中で、実施する。 従来の反応混合物は、1.5〜5mM MgCl 、0.01%(w/v)ゼラチン、各20μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、25pmolの各プライマーおよび0.25単位のTaqポリメラーゼである。 35サイクルのPCR(94℃1分間の変性;55℃1分間のアニーリング;72℃1分間の伸長)を、Perkin−Elmer Cetus自動化サーマルサイクラーを使用して実施する。 増幅産物を、アガロースゲル電気泳動によって分析し、予想される分子量を有するバンドを切り出し、精製する。 PCR産物は、サブクローニングによって選択された配列であることが示され、DNA産物を配列決定する。

    いくつかの方法が、寄託されたクローン中に存在しないかもしれない遺伝子の5'非コード部分または3'非コード部分の同定のために利用可能である。 これらの方法としては、フィルタープロービング、特定のプローブを使用するクローン富化、ならびに当該分野で公知の5'「RACE」プロトコルおよび3'「RACE」プロトコルに類似するかまたは同一のプロトコルが挙げられるがこれらに限定されない。 例えば、5'RACEに類似の方法は、所望の全長転写物の欠けている5'末端を生成するために利用可能である。
    (Fromont−Racineら、Nucleic Acids Res.,21(7):1683−1684(1993))。

    簡潔には、特定のRNAオリゴヌクレオチドを、おそらく全長遺伝子RNA転写物を含むRNAの集団の5'末端に連結する。 連結されたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の公知の配列に対して特異的なプライマーを含むプライマーセットを、所望の全長遺伝子の5'部分をPCR増幅するために使用する。 次いで、この増幅された産物を、配列決定し、全長遺伝子を生成するために使用し得る。

    この上記方法は、所望の供給源から単離された全RNAで開始するが、ポリ−A+ RNAを、使用し得る。 次いで、RNA調製物を、必要な場合、ホスファターゼで処理し、分解されたRNAまたは損傷したRNA上の5'リン酸基を除去し得る。 このRNAは、後のRNAリガーゼ工程に干渉し得る。 次いで、ホスファターゼを、不活性化するべきであり、RNAを、タバコ酸ピロホスファターゼで処理し、メッセンジャーRNAの5'末端に存在するキャップ構造を除去する。 この反応は、キャップ切断RNAの5'末端に5'リン酸基を残し、これは、T4 RNAリガーゼを使用してRNAオリゴヌクレオチドに連結され得る。

    この改変されたRNA調製物を、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを使用する、第1鎖cDNA合成のためのテンプレートとして使用する。 第1鎖合成反応を、連結されたRNAオリゴヌクレオチドに対して特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の公知の配列に対して特異的なプライマーを使用して、所望の5'末端のPCR増幅のためのテンプレートとして使用する。 次いで、得られた産物を、配列決定し、そして分析し、5'末端配列が所定の遺伝子に属することを確認する。

    (実施例41:[ H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイ)
    脂肪、骨格筋、および肝臓は、インシュリン感受性組織である。 インシュリンは、これらの組織へのグルコース取り込み/輸送を刺激し得る。 脂肪および骨格筋の場合、インシュリンは、分化された細胞内区画から細胞表面まで、グルコース輸送体4分子(GLUT4)のトランスロケーションを最終的に導く、シグナル伝達を開始する。 一旦、細胞表面上にくると、GLUT4は、グルコース取り込み/輸送を可能にする。

    ([ H]−2−デオキシグルコース取り込み)
    多くの脂肪関連細胞株および筋肉関連細胞株を、糖尿病の処置について列挙される、任意の1つ以上の治療薬物の組み合わせの非存在下または存在下において、グルコース取り込み/輸送活性について試験し得る。 特に、3T3−L1マウス線維芽細胞およびL6マウス骨格筋細胞は、それぞれ、3T3−L1脂肪細胞および筋管に分化され得、[ H]−2−デオキシグルコース取り込みアッセイについての適切なインビトロモデルとして働く(Ursoら、J Biol Chem,274(43):30864−73(1999);Wangら、J Mol Endocrinol,19(3):241−8(1997);Haspelら、J Membr Biol,169(1):45−53(1999);Tsakiridisら、Endocrinology,136(10):4315−22(1995))。 簡潔には、2×10 細胞/100μLの脂肪細胞または分化されたL6細胞を、分化後培地中の96ウェル組織培養(「TC」処理された)(すなわち、50μg/mLのポリ−L−リジンでコートされた)プレートに移し、そして5% CO 中で37℃で一晩インキュベートした。 細胞を、無血清低グルコースDMEM培地で一度洗浄し、次いで、1nMのインシュリンの非存在下または存在下で、100μL/ウェルの同じ培地および100μL/ウェルの緩衝液または糖尿病の処置について列挙された1つ以上の治療薬物(例えば、漸増濃度の1nM、10nM、および100nMの本発明の治療剤(例えば、配列番号Yとして開示された特定の融合物ならびにそのフラグメントおよび改変体))の組み合わせのいずれかで、37℃で16時間枯渇する。 プレートを、100μL/ウェルのHEPES緩衝化生理食塩水を用いて3回洗浄する。 インシュリンを、10μM標識[ H]−2−デオキシグルコース(Amersham,#TRK672)および10μM非標識2−デオキシグルコース(SIGMA,D−3179)の存在下で、HEPES緩衝化生理食塩水中で、37℃で30分間、1nMで添加する。 コントロールとして、インシュリンの非存在下であることを除いて、同じ条件を実施する。 最終濃度の10μMのサイトカラシンB(SIGMA,C6762)を、非特異的取り込みを測定するために別々のウェルに100μL/ウェルで添加する。 細胞を、HEPES緩衝化生理食塩水で3回洗浄する。 標識された、すなわち10μMの[ H]−2−デオキシグルコースおよび標識されない、すなわち10μMの2−デオキシグルコースを、室温で10分間添加した。 細胞を、冷リン酸緩衝化生理食塩水「PBS」で3回洗浄する。 細胞は、0.2N NaOHの150μL/ウェルの添加および続いての室温で20分間の振盪を伴うインキュベーションの際に溶解される。 次いで、サンプルをシンチレーションバイアルに移し、それに5mLのシンチレーション流体を添加する。 バイアルを、β−シンチレーションカウンターにおいて計数する。 二連の条件における取り込み(差異は、インシュリンの非存在または存在である)は、以下の方程式を用いて決定される:[(1分当たりのインシュリン計数「cpm」−非特異的cpm)/(インシュリンなしcpm−非特異的cpm)]。 平均応答は、脂肪細胞および筋管に対するコントロールのそれぞれ約5倍および3倍の限度内に含まれる。

    (細胞の分化)
    細胞を、T−75cm フラスコ中で完全にコンフルエントにさせる。 培地を除去し、25mLの分化前培地で、48時間置換する。 細胞を、5% CO 、85%湿度で、37℃でインキュベートする。 48時間後、分化前培地を、除去し、25mLの分化培地で48時間置換する。 細胞を、再度、5% CO 、85%湿度で、37℃でインキュベートする。 48時間後、培地を除去し、30mLの分化後培地で置換する。 分化後培地を、14〜20日間または完全な分化が達成されるまで維持する。 培地を、2〜3日毎に交換する。 ヒト脂肪細胞を、Zen−Bio,INC(#SA−1096)から購入し得る。

    (実施例42:[ H]−チミジンの膵臓細胞株への取り込みのインビトロアッセイ) GLP−1が、時間依存性様式および用量依存性様式で、ラット膵臓管上皮細胞株ARIPの分化を低下することが最近示された。 この分化は、Islet Duodenal Homeobox−1(IDX−1)mRNAレベルおよびインシュリンmRNAレベルの増加に関連する(Huiら、2001,Diabetes,50(4):785−96)。 次いで、IDX−1は、GLP−1レセプターのmRNAレベルを増加する。

    (試験された細胞型)
    (RIN−M細胞)
    これらの細胞は、American Type Tissue Culture Collection(ATCC細胞株番号CRL−2057)から入手可能である。 RIN−M細胞株は、放射線誘導された移植可能なラット島細胞腫瘍に由来した。 この株を、腫瘍のヌードマウス異種移植片から樹立する。 この細胞は、島ポリペプチドホルモンを産生し、分泌し、そしてL−ドーパデカルボキシラーゼ(アミン前駆体取り込みおよび脱炭酸(すなわち、APUD)活性を有する細胞に対するマーカー)を産生する。

    (ARIP細胞)
    American Type Tissue Culture Collection(ATCC細胞株番号CRL−1674)から入手可能な上皮形態学の膵臓外分泌細胞が存在する。 参考文献:Jessop,N. W. およびHay,R. J. ,「Characteristics of two rat pancreatic exocrine cell lines derived from transplantable tumors」Vitro 16:212,(1980);Cockell,M. ら、「Identification of a cell−specific DNA−binding activity that interacts with a transcriptional activator of genes expressed in the acinar pancreas」Mol. Cell. Biol. 9:2464−2476,(1989);Roux,E. ら、「The cell−specific transcription factorPTF1 contains two different subunits that interact with the DNA」Genes Dev. 3:1613−1624,(1989);ならびにHui,H. ら、「Glucagon−like peptide 1 induces differentiation of islet duodenalhomeobox−1− positive pancreatic ductal cells into insulin−secreting cells」Diabetes 50:785−796(2001)もまた参照のこと。

    (細胞の調製)
    RIN−M細胞株を、10%ウシ胎仔血清(Hyclone,#SH30088.03)を含むRPMI 1640培地(Hyclone,#SH300027.01)中で増殖し、1:3〜1:6の比で、6〜8日毎に植え継がれる。 培地を、3〜4日毎に交換する。

    ARIP(ATCC#CRL−1674)細胞株を、1.5g/Lの重炭酸ナトリウムおよび10%ウシ胎仔血清を含むように調製された、2mM L−グルタミンを含むハムのF12K培地(ATCC#30−2004)中で増殖される。 ARIP細胞株を、1:3〜1:6の比で、1週間に2回植え継ぐ。 培地を、3〜4日毎に交換する。

    (アッセイプロトコル)
    細胞を、96ウェルプレート中で4000細胞/ウェルで接種し、そして50%交会まで48〜72時間培養した。 細胞を、100μL/ウェルで血清を含まない媒体に変えた。 48〜72時間インキュベート後、披験発明の血清および/または治療(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質およびフラグメントおよびそれらの改変体)を、ウェルに加える。 インキュベーションは、さらに36時間継続する。 [ H]−Thymidine(5−20Ci/mmol)(Amersham Pharmacia、#TRK120)を、マイクロCuries/5マイクロリットルに希釈する。 36時間のインキュベーション後、5マイクロリットルを、さらに24時間で1ウェル当たり加える。 この反応を、冷Phosphate−Buffered Sal ine、「PBS」で一度、徐々に細胞を洗浄することによって終結した。 次いで、細胞を、4℃で15分間、100マイクロリットルの10%氷冷TCAで固定する。 PBSを除去し、そして200マイクロリットルの0.2N NaOHを加える。 プレートを、撹拌しながら室温で1時間インキュベートする。 溶液を、シンチレーションバイアルに移動し、そして水溶液と適合する5mLのシンチレーション流体を加え、そして活発に撹拌する。 バイアルを、βシンチレーション計数器で計数する。 陰性コントロールの場合、緩衝液だけを使用する。 陽性コントロールの場合、胎児子ウシ血清を使用する。

    (実施例43:糖尿(Glycourine)についてのアッセイ)
    糖尿(すなわち、尿中の過剰の糖分)は、糖尿病の疾患状態の指標を提供するために、容易にアッセイされ得る。 正常な患者サンプルと比較した場合に患者サンブルにおける過剰の尿は、IDDMおよびNIDDMの症状である。 IDDMおよびNIDDMを患う患者の処置の有効性は、尿中の過剰のグルコース量の得られた減少によって示される。 IDDMおよびNIDDMをモニタリングする好ましい実施形態において、患者からの尿サンプルを、当該分野で公知の技術を使用して、グルコースの存在についてアッセイする。 ヒトにおける糖尿は、100mlあたり100mgを超える尿グルコース濃度によって定義される。 糖尿を示す患者における過剰な糖分レベルは、血液サンブルを得、そして血清グルコースをアッセイすることによって、すっとより正確に測定され得る。

    (実施例44:NODマウスにおける糖尿病の発症)
    雌性NOD(非肥満性糖尿病)マウスを、ヒトにおいて見出されるコースと同様のコースを用いてIDDMを表すことによって特徴付けられるが、この疾患は雄性NODマウスより雌性NODマウスにおいてより深刻である。 以後、他に規定されないなら、用語「NODマウス」とは、雌性NODマウスをいう。 NODマウスは、慢性自己免疫疾患によって引き起こされる、ベータ細胞の進行性の崩壊を有する。 従って、NODマウスは、正常血糖値(euglycemia)または正常血中グルコースレベルを有して生を始める。 しかし、約15〜16週齢までに、NODマウスは高血糖値になり始める。 このことは、そのマウスの大部分の膵臓β細胞の崩壊、およびそれに対応して膵臓が十分なインスリンを産生不能であることを示す。 従って、疾患の原因および進行の両方は、ヒトIDDM患者と同様である。

    免疫処置レジメンの有効性についてのインビボアッセイを、雌性NOD/LtJマウス(The Jackson Laboratory,Bar Harbor,Meより市販される)において評価し得る。 文献において、80%の雌性マウスが24週齢までに糖尿病を進行させ、そして膵島炎(insulitis)の発症が6週齢と8週例との間に進行させることが、報告されている。 NODマウスは、同系交配され、そして種々の免疫制御性ストラテジーに対して高度に応答性である。 成体のNODマウス(6〜8週齢)は、平均重量20〜25gを有する。

    これらのマウスは、未処置であるか(コントロール)、または単独でかもしくは上記の他の治療剤組成物と併用して、本発明の治療法(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質、ならびにそれらのフラグメントおよび改変体)で処置される。 糖尿病の進行に対するこれらの種々の処置の有効性を、以下のように測定し得る。

    14週齢で、雌性NODマウスを、グルコース寛容性に従って表現型決定(phenotype)し得る。 グルコース寛容性を、腹膜内グルコース寛容性テスト(IPGTT)で測定し得る。 簡潔に述べると、0分およびグルコース腹膜内注射(体重1kgあたり1g)の60分後、 血液を眼窩近傍叢(paraorbital plexus)より引き出す。 正常な寛容性は、0分で144mg%未満の血漿グルコース、または60分で160mg未満の血漿グルコースとして定義される。 血中グルコースレベルを、Glucometer Elite装置を用いて決定し得る。

    この表現型分析に基づき、動物を異なる実験グループに配分し得る。 具体的には、より血中グルコースレベルを上昇させた動物を、不能性のグルコース寛容性グループに割り当て得る。 これらのマウスに、任意に給餌し得、そして酸性化した水(pH2.3)を供給し得る。

    グルコース寛容性マウスおよびグルコース不寛容性マウスを、さらに、コントロールグループ、本発明のアルブミン融合タンパク質グループ、およびアルブミン融合タンパク質/治療剤組成物併用グループに分け得る。 コントロールグループのマウスは、毎日(週あたり6回)ビヒクルの腹膜内注射を受け得る。 アルブミン融合タンパク質グループのマウスは、毎日(週あたり6回)、ビヒクル中での本発明の治療剤(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質ならびにそのフラグメントおよび改変体)の腹膜内注射を受け得る。 アルブミン融合タンパク質/治療剤組成物併用グループのマウスは、アルブミン融合タンパク質および上記の治療剤組成物の併用の両方を受け得る。

    NODマウスにおける尿中グルコースレベルを、Labstix(Bayer Diagnostics,Hampshire,England)を使用して、1週おきベースで決定し得る。 体重および液体摂取量もまた、1週おきベースで決定し得る。 糖尿病の発症を、2つの連続的な決定に対する糖尿の発生後に規定する。 処置の10週後、さらなるIPGTTを実施し得、そして動物を翌日に屠殺し得る。

    10週のコースの処置にわたって、グルコース寛容性グループおよびグルコース不寛容性グループ両方のコントロール動物は、それぞれ60%および86%の割合で糖尿病を進行させる(Grossらの米国特許第5,866,546号を参照のこと)。 従って、処置介入がなされない場合に最初にはグルコース寛容性であるNODマウスにおいてさえ、高い割合で糖尿病が起こる。

    処置前および処置後に、NODマウスにおける血中グルコースレベルを測定することによって、結果を確認し得る。 記載される全てのグループにおいて、グルコース寛容性マウスおよびグルコース不寛容性マウスの両方における血中グルコースレベルを、上記のように測定する。

    代替の実施形態において、本発明の治療剤(例えば、配列番号Yに開示される特定の融合タンパク質ならびにそれらのフラグメントおよび改変体)を分光学的分析を用いて定量し得、そして注射前に、適切なタンパク質量を、投与量あたり50. mu. lのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に再懸濁し得る。 各々のマウスの背側の皮膚の下に、1週おきの2回の注射を皮下投与し得る。 免疫処置の前に、2つの別々の機会でモニタリングを実施し得、そして処置全体を通して週ごとにモニタリングを実施し得、そしてそれ以降も継続し得る。 グルコースレベルについて、尿を毎週試験し得る(Keto−Diastix.RTM.;Miles Inc.,Kankakee,Ill.)そして糖尿のマウスを、血清グルコースについて確認し得る(MediSense,Inc.Waltham,Mass)。 飢餓時の血糖値が2.5g/Lより大きい場合に糖尿病が分析され得る。

    (実施例45:NODマウスの組織学的試験)
    NODマウスからの組織サンプルの組織学的試験は、本発明の組成物および/または本発明の組成物および糖尿病のための他の治療剤との併用が、膵臓中のβ細胞の相対濃度を増加させる能力を、実証し得る。 実験方法は、以下の通りである。

    実施例44からのマウスを、処置期間の最後に屠殺し、そしてその膵臓からの組織サンプルを取り出し得る。 これらのサンプルを、0.9%の生理食塩水中の10%ホルマリン中で固定し得、そしてワックス中に包埋し得る。 免疫標識化のために、5系列の5. mu. mの切片の2つの組を、150. mu. mの切断間隔で切断し得る。 切片をインスリン(モルモット抗インスリン抗血清、1:1000希釈、ICN Thames U.K.)およびグルカゴン(ウサギ抗グルカゴン抗血清、1:2000希釈)について、免疫標識化し得、そしてペルオキシダーゼ結合体化抗ハムスター抗血清(Dako,High Wycombe,U.K.)またはペルオキシダーゼ結合体化抗ウサギ抗血清(1:50希釈、Dako)を用いて検出し得る。

    本発明の組成物は、グルコース寛容性動物またはグルコース不寛容性動物において糖尿病の臨床的症状に対して行う場合と同程度に強力な、β細胞の目視重量に対する効果を有しても、有していなくてもよい。

    (実施例46:膵臓β細胞移植併用治療)
    特に標的自己組織が重篤に損傷を受けている場合、移植は自己免疫疾患の処置の一般の形態である。 例えば、膵臓移植およびランゲルハンス島細胞移植は、IDDMに対する通常の処置選択肢であるが、これらに限定されない(例えば、Stewattら,Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 86(3)984−988(2001);Brunicardi,Transplant.Proc.28:2138−40(1996);Kendall & Robertson,Diabates Metab.22:157−163(1996);Hamanoら,Kobe J.Med.Sci.42:93−104(1996);Larsen & Stratta,Diabates Metab.22:139−146(1996);およびKikhabwalaら,Am.J.Surg.171:516−520(1996)を参照のこと)。 任意の移植方法に関して、自己免疫疾患患者に対する移植治療は、移植組織の宿主からの拒絶の危険性を最低にするための処置を包含する。 しかし、自己免疫疾患は、元の自己組織に損傷を与えた、予め存在する宿主の自己免疫応答が、移植組織に対して同じ損傷効果をもたらすという、さらなる別個の危険性を含む。 従って、本発明は、自己免疫疾患の移植治療を受ける個体において、免疫調節剤および/または免疫抑制剤と併用して本発明のアルブミン融合タンパク質を用いて、自己免疫膵臓疾患の処置のための方法および組成物を包含する。

    本発明に従って、上記のアルブミン融合ベースの組成物および処方物を、最初に元の自己組織に対して指向される宿主個体の自己免疫応答から生じた、移植器官、移植組織または移植細胞に対する損傷を防止または処置するために、投与する。 移植前および移植後の両方に、2〜4投与量で各1週おきに、投与を実施し得る。

    ランゲルハンス島細胞細胞移植または膵臓移植において、以下の免疫調節剤および/または免疫抑制剤を、本発明のアルブミン融合治療剤と一緒に使用し得る:AI−401、CDP−571(抗TNFモノクローナル抗体)、CG−1088、Diamyd(糖尿病ワクチン)、ICM3(抗ICAM−3モノクローナル抗体)、リノミド(linomid)(Roquinimex)、NBI−6024(改変ペプチドリガンド)、TM−27、VX−740(HMR−3480)、カスパーゼ8プロテアーゼインヒビター、サリドマイド、hOKT3γ1(Ala−ala)(抗CD3モノクローナル抗体)、経口インターフェロンα、経口乳酸菌、およびLymphoStat−B(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。

    (実施例47:NIDDMのインビボマウスモデル)
    Jackson Laboratory(Bar Harbor,ME)から3週齢の雄性C57BL/6Jマウスを入手し得、そして慣用的な食餌、または高脂肪食(重量あたり35.5重量%;Bioserv.Frenchtown,NJ)もしくは高フルクトース食(重量あたり60重量%;Harlan Teklad,Madison,WI)のいずれかを、給餌し得る。 規則的な食餌は、重量あたり4.5重量%の脂肪、重量あたり23重量%のタンパク質、重量あたり31.9重量%の炭水化物、重量あたり3.7重量%のフルクトースおよび重量あたり5.3重量%の繊維からなる。 高脂肪(ラード)食は、重量あたり35.5重量%の脂肪、重量あたり20重量%のタンパク質、重量あたり36.4重量%の炭水化物、重量あたり0.0重量%のフルクトースおよび重量あたり0.1重量%の繊維からなる。 高フルクトース食は、 重量あたり5重量%の脂肪、重量あたり20重量%のタンパク質、重量あたり0.0重量%の炭水化物、重量あたり60重量%のフルクトースおよび重量あたり9.4重量%の繊維からなる。 ケージあたり5匹以下、22℃+/−3℃に温度制御し且つ20%湿潤制御した部屋で、12時間の日照(午前6時〜午後6時)/暗サイクルで、これらのマウスを飼育し得る(Luoら,1998,Metabolism 47(6):663−8,「Nongenetic mouse models of non−insulin−dependent diabates mellitus」;Larsenら,Diabates 50(11):2530−9(2001),「Systemic administration of the long−acting GLP−1 derivative NN2211 induces lasting and reversible weight loss in both normal and obese rats」)。 3週間それぞれの食餌にさらした後、体重kgあたり100mgでのストレプトゾシン「STZ」(Sigma,St.Louis,MO)またはビヒクル(0.05モル/Lのクエン酸、pH4.5)のいずれかを、マウスに腹膜内注射し得、そして続く4週間、同じ食餌で維持し得る。 非飢餓条件の下で、STZの1週後、2週後および4週後に、尾の遠位部分を切断することによって血液を得る。 サンプルを使用して、非飢餓の血漿グルコース濃度およびインスリン濃度を測定する。 体重および食餌摂取を、週ごとに記録する。

    インスリンがグルコース処理を刺激する能力に対する高脂肪食の影響を直接決定するために、3つのグループのマウス(脂肪食給餌マウス、ビヒクルを注射した通常食給餌マウス、および上記の7週間の期間の最後にSTZを注射した脂肪食給餌マウス)に、これらの実験を開始し得る。 実験前に、マウスを4時間飢餓させ得る。 第1系列の実験において、マウスをメチルフルラン(Pitman−Moor,Mundelein,IL)吸引で麻酔し得る。 正規のインスリン(Sigma)を、尾部静脈を介して静脈注射([IV]、kg体重あたり0.1U)し得、そして注射の3分後、6分後、9分後、12分後および15分後に異なる尾部静脈から血液を収集し得る。 これらのサンプルについて血漿グルコース濃度を決定し得、そして薬理動態学/薬理動力学ソフトウェアプログラムのWinNonlin(Scientific Consulting,Apex,NC)を使用して、血漿からのグルコース消失の半減期(t1/2)を決定し得る。

    第2系列の実験において、腹膜内のペントバルビタールナトリウム(Sigma)でマウスを麻酔し得る。 腹腔を開腹し、そして腹静脈を露出させ、そして24ゲージIVカテーテル(Johnson−Johnson Medical,Arlington,TX)でカテーテル挿管した。 このカテーテルを、腹静脈に隣接した筋肉組織に固定し、シリンジ接続部の下側で切断し、そして予め充填したPE50プラスチックチューブにフック固定し、これを次いで注入溶液を有するシリンジに接続する。 次いで、腹腔を縫合して閉じる。 このアプローチでは、胴体の下側部分からの血液の逆流の妨害が全くない。 マウスに、継続してグルコース(24.1mg/kg/分)およびインスリン(10mU/kg/分)を、注入容量10μL/分で注入した。 血漿グルコース濃度および血漿インスリン濃度の測定のために、注入開始の90分後、105分後、120分後および135分後に、後方眼窩(retro−orbital)血液サンプル(各々70μL)を取り出し得る。 これら4つのサンプルの平均を使用して、各々の動物についての安定状態血漿グルコース濃度(SSPG)および安定状態血漿インスリン濃度(SSPI)を評価し得る。

    最後に、本適用の治療剤組成物であるアルブミン融合タンパク質が、単独でかまたは糖尿病の処置のために列挙された治療的薬物のいずれか1つ以上との併用のいずれかで、血漿グルコースを減少させる能力を評価するための実験を、STZ注射した以下の2つのグループの「NIDDM」マウスモデルにおいて実施する:(1)脂肪食給餌したC57BL/6J、および(2)フルクトース給餌したC57BL/6J。 これらの研究についてのマウスの血漿グルコース濃度は、255〜555mg/dLにわたり得る。 マウスを、ビヒクルを用いた処置、または単独でかもしくは糖尿病の処置のために列挙された治療的薬物のいずれか1つ以上との併用のいずれかでの本発明のアルブミン融合タンパク質を用いた処置のいずれかに、ランダムに割り当てる。 全部で3つの投与量を投与し得る。 最初の投薬前および最後の投薬の3時間後に、血漿グルコース濃度の測定のために、尾部静脈血液サンプルを取り出し得る。

    酵素比色アッセイである、SigmaからのGlucose Diagnostic Kit(Sigma 番号315)を使用して、血漿グルコース濃度を決定し得る。 Linco ResearchからのRat Insulin RIA Kit(#RI−13K;St.Charles,MO)を使用して、血漿インスリンレベルを決定し得る。

    (実施例48:インスリン作用の関与を確立するインビトロH4IIe−SEAPレポーターアッセイ)
    (種々のH4IIeレポーター)
    H4IIe/rMEP−SEAP:ラットから単離されたリンゴ酸酵素プロモーター(rMEP)は、インスリン経路において存在するPPAR−γエレメントを含む。 このレポーター構築物を、肝臓H4IIe細胞株に安定にトランスフェクトする。

    H4IIe/SREBP−SEAP:ステロール制御エレメント結合タンパク質(SREBP−1c)は、多くのインスリン応答性遺伝子(例えば、脂肪酸合成酵素(FAS))のプロモーターに対して作用し、そして線維芽細胞、褐色脂肪細胞および肝細胞における脂肪酸代謝において重要な遺伝子の発現を制御する、転写因子である。 SREBP−1cはまた、褐色脂肪細胞決定分化因子1(ADD−1)としても公知であり、褐色脂肪細胞における遺伝子発現に対してインスリンの効果の主用なメディエーターとみなされる。
    その活性は、インスリンレベル、ステロールレベルおよびグルコースレベルによって調節される。 このレポーター構築物を、肝臓H4IIe細胞株に安定にトランスフェクトする。

    H4IIe/FAS−SEAP:脂肪酸合成酵素の構築物は、最小限のSREBP応答性FASプロモーターを含む。 このレポーター構築物を、肝臓H4IIe細胞株に安定にトランスフェクトする。

    H4IIe/PEPCK−SEAP:ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーターは、PEPCK活性を調節するPEPCK遺伝子転写のホルモン性制御の主要な部位である。 PEPCKは、肝臓の糖新生における、統合され且つ速度制御する段階を触媒し、そして従って、正常な限定内で血中グルコースレベルを維持するために、注意深く制御されねばならない。 このレポーター構築物を、肝臓H4IIe細胞株に安定にトランスフェクトする。

    これのレポーター構築物をまた、3T3−L1線維芽細胞およびL6筋芽細胞に安定にトランスフェクトし得る。 次いで、これらの安定細胞株を、実施例41に先に記載したように、3T3−L1褐色脂肪細胞およびL6筋管へと分化させる。 次いで、これらの分化した細胞株を、以下に記載するSEAPアッセイにおいて使用し得る。

    (増殖培地およびアッセイ媒体)
    増殖培地は、10%ウシ胎仔血清(FBS)、10%ウシ血清、1% NEAA、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、および0.75mg/mL G418(H4IIe/rFAS−SEAPおよびH4IIe/SREBP−SEAPに対して)または0.50mg/mL G418(H4IIe/rMEP−SEAPに対して)を含む。 H4IIe/PEPCK−SEAPに対して、増殖培地は、10% FBS、1% ペニシリン/ストレプトマイシン、15mM HEPES緩衝化生理食塩水および0.50mg/mL G418からなる。

    H4IIe/rFAS−SEAPレポーター、H4IIe/SREBP−SEAPレポーターおよびH4IIe/rMEP−SEAPレポーターに対するアッセイ媒体は、低グルコースDMEM培地(Life Technologies)、1% NEAA、1×ペニシリン/ストレプトマイシンからなる。 H4IIe/PEPCK−SEAPレポーターに対するアッセイ媒体は、0.1% FBS、1% ペニシリン/ストレプトマイシンおよび15mM HEPES緩衝化生理食塩水からなる。

    (方法)
    96ウェルプレートを、対数増殖期の細胞が接着するまで、ウェルあたり100μLの増殖培地中に、ウェルあたり75,000個の細胞播種する。 増殖培地をアッセイ媒体(ウェルあたり200μL)に交換することによって、細胞を48時間飢餓させる。 (例えば、H4IIe/PEPCK−SEAPに対して、0.5μMのデキサメタゾンを含むアッセイ媒体をウェルあたり100μLで添加し、そして約20時間インキュベートする)。 このアッセイ媒体を、その後ウェルあたり100μLの新鮮なアッセイ媒体に交換し、そして本発明の治療剤(例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質ならびにそのフラグメントおよび改変体)を発現するトランスフェクト細胞株から得られた細胞上清の50μLのアリコートを、ウェルに添加する。 空のベクターをトランスフェクトされた細胞株を、ネガティブコントロールとして使用する。 ウェルへの10nMおよび/または100nMのインスリンの添加を、ポジティブコントロールとして使用する。 48時間のインキュベーション後、馴化培地を収集し、そしてSEAP活性を測定する(Phospha−LightSystemプロトコル,Tropix #BP2500)。 簡潔に述べると、サンプルを希釈緩衝液で希釈し、そして65℃で30分間インキュベートして、内因性の非胎盤形態のSEAPを不活性化させる。 希釈したサンプルの50μLアリコートを、非胎盤性SEAPアイソザイムに対して活性なインヒビター混合物を含む、50μLのSEAP Assay Bufferと共に混合し、そしてさらに5分間インキュベートする。 CSPD化学発光基質の50μLアリコート(これは、Emerald発光増強剤中に1:20に希釈される)をこの混合物に添加し、そして15〜20分間インキュベートする。 プレートを、Dynexプレートルミノメーターで解読する。

    (実施例49:HA−サイトカイン融合タンパク質またはHA−増殖因子融合タンパク質(例えば、EPO、GMCSF、GCSF)の調製)
    目的のサイトカインまたは増殖因子(例えば、EPO)のcDNAを、cDNAライブラリーから、RT−PCRによって、および一連の重複合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCRによって(標準的方法を使用する全て)を含む種々の手段によって、単離し得る。 これら全てのタンパク質についてのヌクレオチド配列は、公知でありそして利用可能である(例えば、米国特許第4,703,088号、同4,810,643号および同5,908,763号)。 、このcDNAを5'末端および3'末端で調製して、HAのためのcDNAを含むベクターへのcDNAのクローニングのため、制限部位(オリゴヌクレオチドリンカーが使用され得るもののような制限部位)を形成し得る。 これは、N末端またはC末端に、スペーサー配列を使用しても使用してなくてもよい。 EPO(または他のサイトカイン)のcDNAを、ベクター(例えば、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4)にクローニングする:次いで、完全な発現カセットが存在するHSAを切り出しそしてプラスミドpSAC35へと挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 酵母から分泌されるアルブミン融合タンパク質を、収集し得、そして培地から精製し得、そしてその生物学的活性についてテストし得る。 哺乳動物細胞株における発現のために、同様の手順が当てはめられるが、使用される発現カセットが哺乳動物のプロモーター、リーダー配列およびターミネーター(実施例1を参照のこと)を使用することを除く。 次いで、この発現カセットを切り出し、そして哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適したプラスミドへと挿入する。

    (実施例50:HA−IFN融合タンパク質(例えば、IFNα)の調製)
    IFNαのような目的のインターフェロンのcDNAを、種々の手段によって、単離し得る。 種々の手段としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリーから、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT−PCRまたはPCRによって。 インターフェロン(例えば、IFNα)の核酸配列は、例えば、米国特許第5,326,859および4,588,585号において、およびEP32,134において、ならびにGenBankのような公のデータべースにおいて、公知であり、かつ利用可能である。 cDNAを、5'末端および3'末端において改変して、制限部位を生成し得る。 その結果、オリゴヌクレオチドリンカーを使用して、cDNAを、HAのcDNAをクローニングするためのベクター中にクローニングすることができる。 このことは、HA配列のN末端またはC末端において、スペーサー配列を用いて、または用いることなく、なし得る。 IFNα(または他のインターフェロン)cDNAを、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのようなベクター中にクローニングする。 次に、このようなベクターから、完全な発現カセットを切りだし、そして、プラスミドpSAC35中に挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 次に、酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を培地から収集して、精製し、その生物学的活性について、試験し得る。 哺乳動物細胞株における発現のために、使用する発現カセットが哺乳動物プロモーター、リーダー配列およびターミネーターを使用する以外は、同様の手順を適用する(実施例1を参照のこと)。 次に、この発現カセットを切りだし、そして、哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適切なプラスミド中に挿入する。

    (バイアルからの最大のタンパク質回収)
    本発明のアルブミン融合タンパク質は、低濃度で包装された場合であっても、高度に安定である。 さらに、低タンパク質濃度にも関わらず、水溶液がバイアルの壁に対する結合を最小限にするための他のタンパク質を含まない場合であっても、良好な融合タンパク質の回収が、観察される。 バイアルに収容されたHA−IFN溶液の回収を、ストックしておいた溶液と比較した。 6または30μg/mlのHA−IFN溶液を、バイアル中に入れて、4℃で保存した。 48から72時間後、最初の10ngのサンプルに相当する容量を、取り出し、そしてIFNサンドイッチELISAで測定した。 推定された容量を、高濃度ストック溶液の容量と比較した。 示されるように、これらバイアルにおいて、サンプルは、実質的に損失しなかった。 このことは、バイアルの壁に対するサンプルの損失を防ぐために、外来の物質(例えば、アルブミン)を添加する必要がないことを示す。

    (インビボにおける、HA−α−IFN融合物の安定性およびバイオアベイラビリティ)
    インビボにおける、HA−α−IFN融合分子の安定性およびバイオアベイラビリティを決定するために、(酵母より)精製された融合分子を、サルに投与した。 HA−α−IFN融合物から処方された薬学的組成物は、延長された血清半減期およびバイオアベイラビリティを、説明し得る。 従って、薬学的組成物を、天然のα−インターフェロン分子と比較して、より低い投薬量のα−インターフェロン活性を含むように、処方し得る。

    HA−α−IFN融合物を含む薬学的組成物を使用して、α−IFNの投与によって変調され得る任意の疾患または疾患状態を有する患者における疾患を、処置または予防し得る。 そのような疾患としては、毛様細胞白血病、カポジ肉腫、生殖器および肛門のいぼ、慢性B型肝炎、慢性非A非B型肝炎(特にC型肝炎)、D型肝炎、慢性骨髄性白血病、腎臓細胞癌腫、膀胱癌腫、卵巣癌腫および頚部癌腫、皮膚癌、再発性の呼吸器乳頭腫症、非ホジキンT細胞リンパ腫および皮膚T細胞リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、AIDS、多発性硬化症、グリア芽細胞腫、などが挙げられるが、これらに限定されない(AHFS Drug Information、1997のインターフェロンαを参照のこと)。

    従って、本発明は、ヒトへの投与のための適切な投薬量を含む、HA−α−IFN融合タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド処方物を含む。 本発明はまた、そのような処置を必要とする患者を処置する方法を含む。 そのような方法は、少なくとも1つのHA−α−IFN融合タンパク質、ポリペプチド、ペプチドを含む薬学的組成物を投与する工程を、少なくとも包含する。

    (二機能性HA−α−IFN融合物)
    HA−α−IFN発現ベクターを改変して、二機能性HA−α−IFN融合タンパク質の発現のための挿入物を含ませてもよい。 例えば、目的の第二のタンパク質のcDNAを、二重の終止コドンを除去するか、またはコード配列の下流に移動させた後に、「rHA−α−IFN」配列の下流にフレームを合わせて、挿入し得る。

    二機能性HA−α−IFN融合タンパク質の1つのバリエーションにおいて、Bリンパ球刺激タンパク質に対する抗体またはフラグメント(GenBankアクセッション番号4455139)、またはポリペプチドを、融合分子のHA成分の1つの末端に融合し得る。 この二機能性タンパク質は、融合物のα−IFN成分によって生じる任意の免疫応答を調整するために、有用である。

    (実施例51:HA−ホルモン融合タンパク質(例えば、インスリン、LH、FSH)の調製)
    目的のホルモン(例えば、インスリン)のcDNAを、種々の手段によって、単離し得る。 種々の手段としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリーから、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT−PCRまたはPCRによって。 これらタンパク質全てのヌクレオチド配列は、例えば、GenBankのような公のデータべースにおいて、公知であり、かつ利用可能である。 cDNAを、5'末端および3'末端において改変して、制限部位を生成し得る。 その結果、オリゴヌクレオチドリンカーを使用して、cDNAを、HAのcDNAをクローニングするためのベクター中にクローニングすることができる。 このことは、N末端またはC末端において、スペーサー配列を用いて、または用いることなく、なし得る。 ホルモンのcDNAを、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのようなベクター中にクローニングする。 次に、このようなベクターから、完全な発現カセットを切りだし、そして、プラスミドpSAC35中に挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 次に、酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を培地から収集して、精製し、その生物学的活性について、試験し得る。 哺乳動物細胞株における発現のために、使用する発現カセットが哺乳動物プロモーター、リーダー配列およびターミネーターを使用する以外は、同様の手順を適用する(実施例1を参照のこと)。 次に、この発現カセットを切りだし、そして、哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適切なプラスミド中に挿入する。
    (実施例52:HA可溶性レセプタータンパク質またはHA結合タンパク質の融合タンパク質(例えば、HA−TNFレセプター)の調製)
    TNFレセプターのような目的の可溶性レセプタータンパク質または結合タンパク質のcDNAを、種々の手段によって、単離し得る。 種々の手段としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリーから、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT−PCRまたはPCRによって。 これらタンパク質全てのヌクレオチド配列は、例えば、GenBankのような公のデータべースにおいて、公知であり、かつ利用可能である。 cDNAを、5'末端および3'末端において改変して、制限部位を生成し得る。 その結果、オリゴヌクレオチドリンカーを使用して、cDNAを、HAのcDNAをクローニングするためのベクター中にクローニングすることができる。 このことは、N末端またはC末端において、スペーサー配列を用いて、または用いることなく、なし得る。 レセプターのcDNAを、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのようなベクター中にクローニングする。 次に、このようなベクターから、完全な発現カセットを切りだし、そして、プラスミドpSAC35中に挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 次に、酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を培地から収集して、精製し、その生物学的活性について、試験し得る。 哺乳動物細胞株における発現のために、使用する発現カセットが哺乳動物プロモーター、リーダー配列およびターミネーターを使用する以外は、同様の手順を適用する(実施例1を参照のこと)。 次に、この発現カセットを切りだし、そして、哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適切なプラスミド中に挿入する。
    (実施例53:HA−増殖因子(例えば、HA−IGF−1融合タンパク質)の調製)
    IGF−1のような目的の増殖因子のcDNAを、種々の手段によって、単離し得る。 種々の手段としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリーから、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT−PCRまたはPCRによって(GenBankアクセッション番号NP_000609を参照のこと)。 cDNAを、5'末端および3'末端において改変して、制限部位を生成し得る。 その結果、オリゴヌクレオチドリンカーを使用して、cDNAを、HAのcDNAをクローニングするためのベクター中にクローニングすることができる。 このことは、N末端またはC末端において、スペーサー配列を用いて、または用いることなく、なし得る。 増殖因子のcDNAを、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのようなベクター中にクローニングする。 次に、このようなベクターから、完全な発現カセットを切りだし、そして、プラスミドpSAC35中に挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 次に、酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を培地から収集して、精製し、その生物学的活性について、試験し得る。 哺乳動物細胞株における発現のために、使用する発現カセットが哺乳動物プロモーター、リーダー配列およびターミネーターを使用する以外は、同様の手順を適用する(実施例1を参照のこと)。 次に、この発現カセットを切りだし、そして、哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適切なプラスミド中に挿入する。
    (実施例54:HA−単鎖抗体融合タンパク質の調製)
    単鎖抗体を、いくつかの方法によって産生する。 その方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ファージライブラリーからの選択、抗体のcDNAをクローニングし、隣接する定常領域をプライマーとして使用して可変領域をクローニングすることによる特異的抗体の可変領域のクローニング、または任意の特異的抗体の可変領域に対応するオリゴヌクレオチドの合成。 cDNAを、5'末端および3'末端において改変して、制限部位を生成し得る。 その結果、オリゴヌクレオチドリンカーを使用して、cDNAを、HAのcDNAをクローニングするためのベクター中にクローニングすることができる。 このことは、N末端またはC末端において、スペーサー配列を用いて、または用いることなく、なし得る。 細胞のcDNAを、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのようなベクター中にクローニングする。 次に、このようなベクターから、完全な発現カセットを切りだし、そして、プラスミドpSAC35中に挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。

    本発明の融合タンパク質において、V およびV を、以下の手段の1つ、またはその組み合わせによって、連結し得る:V のC末端とV のN末端との間のペプチドリンカー;V およびV が分泌の際に切断され、次に自己会合する、V とV との間のKex2pプロテアーゼ切断部位;ならびに、V とV との間でジスルフィド結合を形成し、お互いに連結し得る位置にある、システイン残基。 代替的なオプションは、V をHAまたはHAドメインフラグメントのN末端に配置し、そしてV をHAまたはHAドメインフラグメントのC末端に配置することである。

    次に、酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を培地から収集して、精製し、その活性について、試験し得る。 哺乳動物細胞株における発現のために、使用する発現カセットが哺乳動物プロモーター、リーダー配列およびターミネーターを使用する以外は、同様の手順を適用する(実施例1を参照のこと)。 次に、この発現カセットを切りだし、そして、哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適切なプラスミド中に挿入する。 この様式において産生された抗体を、培地から精製して、標準的な免疫化学的方法を用いて、抗原との結合について試験し得る。
    (実施例55:HA−細胞接着分子融合タンパク質の調製)
    目的の細胞接着分子のcDNAを、種々の手段によって、単離し得る。 種々の手段としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全て標準的な方法を用いる、cDNAライブラリーから、一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT−PCRまたはPCRによって。 公知の細胞接着分子のヌクレオチド配列は、例えば、GenBankのような公のデータべースにおいて、公知であり、かつ利用可能である。 cDNAを、5'末端および3'末端において改変して、制限部位を生成し得る。 その結果、オリゴヌクレオチドリンカーを使用して、cDNAを、HAのcDNAをクローニングするためのベクター中にクローニングすることができる。 このことは、N末端またはC末端において、スペーサー配列を用いて、または用いることなく、なし得る。 細胞接着分子のcDNAを、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのようなベクター中にクローニングする。 次に、このようなベクターから、完全な発現カセットを切りだし、そして、プラスミドpSAC35中に挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 次に、酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を培地から収集して、精製し、その生物学的活性について、試験し得る。 哺乳動物細胞株における発現のために、使用する発現カセットが哺乳動物プロモーター、リーダー配列およびターミネーターを使用する以外は、同様の手順を適用する(実施例1を参照のこと)。 次に、この発現カセットを切りだし、そして、哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適切なプラスミド中に挿入する。

    (実施例56:HA融合タンパク質(例えば、HA抗ウイルスインヒビター、HA抗菌性インヒビター、HA酵素インヒビターおよびHA抗アレルギータンパク質)としての阻害因子およびペプチドの調製)
    目的のペプチド(例えば、抗菌性ペプチド)のcDNAは、cDNAライブラリーから、種々の手段(一連の重複合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用するRT−PCRおよびPCR(これら全ては標準的方法を使用する)を含むが、排他的ではない)によって単離され得る。 cDNAは、5'末端および3'末端で変更されて、制限部位を生成し得、その結果、オリゴヌクレオチドリンカーは、HAのcDNAを含むベクターへのcDNAのクローニングのために使用され得る。 これは、スペーサー配列を使用するかまたは使用せずに、N末端またはC末端においてであり得る。 ペプチドcDNAは、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSAまたはpC4:HSAのようなベクターにクローニングされ、次いで、このベクターから、完全発現カセットが切り出され、そしてプラスミドpSAC35に挿入されて、酵母におけるアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質は、次いで、収集され、そして培地から精製され、そしてその生物学的活性について試験され得る。 哺乳動物細胞株における発現について、使用される発現カセットが哺乳動物プロモーター、リーダー配列およびターミネーターを使用する以外は、類似の手順が採用される(実施例1を参照のこと)。 次いで、この発現カセットが、切り出され、そして哺乳動物細胞株のトランスフェクションに適したプラスミドに挿入される。

    (実施例57:標的付けられたHA融合タンパク質の調製)
    目的のタンパク質のcDNAを、標準的な分子生物学的方法を用いて、cDNAライブラリーから単離し得るか、または、いくつかの重複するオリゴヌクレオチドを用いて合成し得る。 適切なヌクレオチドを、cDNA中で操作して、都合よい制限部位を形成し得、そしてhGHについて記載された方法と同様にして、タンパク質cDNAの、アルブミンcDNAへの付着を可能にし得る。 標的化タンパク質またはペプチドのcDNA(例えば、単鎖抗体、あるいはタンパク質を細胞内に向け得る核局在化シグナルのようなペプチド)を、アルブミンの他の末端に融合し得る。 目的のタンパク質および標的化ペプチドを、アルブミンcDNAとの融合を可能にするベクター(例えば、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSA)中にクローニングする。 この様式において、アルブミンのN末端およびC末端の両方を、他のタンパク質と融合する。 次に、融合したcDNAを、pPPC0005から切り出し、そしてpSAC35のようなプラスミド中に挿入して、酵母中でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 上記の手順の全ては、分子生物学の標準的方法を用いて行うことができる。 酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を、培地から回収および精製して、適切な生化学的試験および生物学的試験を用いて、その生物学的活性および標的化活性について試験する。

    (実施例58:HA−酵素融合体の調製)
    目的の酵素のcDNAを、種々の手段(排他的ではないが、全て標準的な方法を用いる、以下の手順が挙げられる、cDNAライブラリーから、RT−PCRによって、および一連の重複する合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRによって)によって単離し得る。 cDNAを、5'末端および3'末端で改変して、制限部位を作ることができ、その結果、オリゴヌクレオチドリンカーを、cDNAをHAのcDNAを含むベクター中にクローニングするために、使用し得る。 この手順は、スペーサー配列を用いて、または用いることなく、N末端またはC末端において、なし得る。 酵素cDNAを、pPPC0005(図2)、pScCHSA、pScNHSA、またはpC4:HSAのようなベクター中にクローニングし、次に、そのベクターから、完全な発現カセットを切り出し、そしてプラスミドpSAC35中に挿入し、酵母でのアルブミン融合タンパク質の発現を可能にする。 次に、酵母から分泌されたアルブミン融合タンパク質を、培地から回収して精製し、その生物学的活性について試験する。 哺乳動物細胞株での発現のために、使用する発現カセットが哺乳動物のプロモーター、リーダー配列、およびターミネーターを用いる以外は、類似の手順を適用する(実施例1を参照のこと)。 次にこの発現カセットを切り出し、そして哺乳動物細胞株へのトランスフェクションに適切なプラスミド中に挿入する。

    (実施例59:アルブミン融合タンパク質の細菌発現)
    細菌のシグナル配列を含む、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、DNA配列の5'末端および3'末端に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅し、挿入フラグメントを合成する。 挿入物をコードするポリヌクレオチドを増幅するために使用するプライマーは、増幅産物を発現ベクター中にクローニングするために、好ましくは、制限部位(例えば、BamHIおよびXbaI)を、プライマーの5'末端に含む。 例えば、BamHIおよびXbaIは、細菌発現ベクターpQE−9(Qiagen,Inc.、Chatsworth,CA)の制限酵素部位に対応する。 このプラスミドベクターは、抗生物質耐性(Amp )、細菌の複製起点(ori)、IPTG−調節可能なプロモーター/オペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6−ヒスチジンタグ(6−His)、および制限酵素クローニング部位をコードする。

    pQE−9ベクターを、BamHIおよびXbaIで消化し、そして増幅したフラグメントを、細菌RBSで開始する読み枠を維持しながら、pQE−9ベクターに連結する。 次に、連結混合物を用いて、E. coli株M15/rep4(lacIリプレッサーを発現し、そしてまた、カナマイシン耐性を付与する(Kan )プラスミドpREP4を多コピーで含む)(Quiagen,Inc.)を形質転換する。 形質転換体を、LBプレート上で増殖する能力によって同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コロニーを選択する。 プラスミドDNAを単離し、そして制限分析によって確認する。

    所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)およびカナマイシン(25μg/ml)の両方を補充したLB培地中の液体培養中で、オーバーナイト(O/N)で増殖させる。 O/N培養物を使用して、1:100から1:250の割合で、大量の培地に接種する。 細胞を、光学密度600(O.D. 600 )が0.4から0.6の間まで、増殖させる。 次に、IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を、終濃度1mMで添加する。 IPTGは、lacIリプレッサーを不活化し、P/Oを空の状態にし、増加した遺伝子発現をもたらすことによって、誘導する。

    細胞を、さらに3〜4時間増殖させる。 次に、細胞を遠心によって収集する(6000×g、20分)。 細胞のペレットをカオトロピック剤である6MのグアニジンHCl、または、好ましくは、8M尿素、そして、0.14Mより高濃度の2−メルカプトエタノール中で、3〜4時間、4℃で攪拌することによって、可溶化する(例えば、Burtonら、Eur.J.Biochem.179:379−387(1989)を参照のこと)。 細胞のデブリを、遠心によって除去し、そしてポリペプチドを含む上清を、ニッケル−ニトリロ三酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QIAGEN,Inc.前出より入手可能)上にロードする。 6×Hisタグを有するタンパク質は、Ni−NTA樹脂に高親和性で結合し、そして単純なワンステップ手順で精製され得る(詳細については、The QIAexpressionist(1995)、QIAGEN,Inc.、前出、を参照のこと)。

    手短には、上清を、6M グアニジン−HCl(pH8)中でカラムにロードする。 カラムを最初に、10容量の6M グアニジン−HCl、pH8で洗浄し、次に、10容量の6M グアニジン−HCl、pH6で洗浄し、最後に、ポリペプチドを6M グアニジン−HCl、pH5で溶出する。

    次に、精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、または200mM NaClを加えた50mM酢酸ナトリウム、pH6緩衝液に対して、透析することによって、再生する。 あるいは、タンパク質を、Ni−NTAカラムに固定化している間に、首尾よくリフォールディングし得る。 例示的な条件は、以下のとおりである:プロテアーゼインヒビターを含む、500mM NaCl,20% グリセロール、20mM Tris/HCl pH7.4中でのリニアの6M〜1Mの尿素のグラジエントを用いる再生。 再生は、1.5時間以上行うべきである。 再生後、タンパク質を250mMのイミダゾールを添加して溶出する。 イミダゾールを、PBSまたは200mM NaClを加えた50mM酢酸ナトリウム、pH6緩衝液に対する、最終的な透析工程によって除去する。 精製したタンパク質を、4℃で保存するか、または−80℃で凍結する。

    上記の発現ベクターに加えて、本発明はさらに、pHE4a(ATCCアクセッション番号209645、1998年2月25日寄託)と称する発現ベクターを含む。 このベクターは、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結したファージのオペレーターエレメントおよびプロモーターエレメントを含む(pHE4a(ATCCアクセッション番号209645、1998年2月25日寄託)と称する)。 このベクターは、以下を含む:1)選択マーカーとしてのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、2)E. coliの複製起点、3)T5ファージプロモーター配列、4)2つのlacオペレーター配列、5)シャイン−ダルガルノ配列、および6)ラクトースオペロンリプレッサー遺伝子(lacIq)。 複製起点(oriC)は、pUC19(LTI,Gaithersburg,MD)に由来する。 プロモーターおよびオペレーター配列は、合成される。

    DNAを、ベクターをNdeIおよびXbaI、BamHI、XhoIまたはAsp718によって制限し、制限された産物をゲルに泳動し、そしてより大きなフラグメントを単離することによって、pHE4a中に挿入し得る(スタッファーフラグメントは、約310塩基対である)。 DNA挿入物を、本明細書中に記載されるか、またはそうでなければ、当該分野において公知のPCRプロトコールに従って、NdeI(5'プライマー)およびXbaI、BamHI、XhoIまたはAsp718(3'プライマー)についての制限部位を有するPCRプライマーを用いて、生成する。 PCR挿入物を、ゲルで精製し、そして適合する酵素を用いて制限する、挿入物およびベクターを、標準的なプロトコールに従って、連結する。

    操作したベクターを、上記のプロトコールにおいて置換し、細菌の系においてタンパク質を発現し得る。

    (実施例60:哺乳動物細胞におけるアルブミン融合タンパク質の発現)
    本発明のアルブミン融合タンパク質を、哺乳動物細胞内で発現し得る。 典型的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写開始を媒介するプロモーターエレメント、タンパク質コード配列、および転写終結および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを含む。 さらなるエレメントとしては、エンハンサー、Kozak配列、およびRNAスプライシングのためのドナー部位およびアクセプター部位に隣接する介在配列が挙げられる。 高度に効率的な転写が、SV40の初期プロモーターおよび後期プロモーター、レトロウイルス(例えば、RSV、HTLVI、HIVI)の長い末端反復(LTR)、ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターによって達成される。 しかし、細胞性のエレメントもまた、使用し得る(例えば、ヒトアクチンプロモーター)。

    本発明の実施における使用のための適切な発現ベクターとしては、例えば、(pSVLおよびpMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、pBC12MI(ATCC 67109)、pCMVSport2.0、ならびにpCMVSport3.0のようなベクターが挙げられる。使用され得る哺乳動物宿主細胞としては、限定されることはないが、ヒトのHela細胞、293細胞、H9細胞、およびジャーカット細胞、マウスのNIH3T3細胞およびC127細胞、Cos1細胞、Cos7細胞およびCV1細胞、ウズラのQC1−3細胞、マウスのL細胞、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。

    あるいは、アルブミン融合タンパク質を、染色体に組み込まれたアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、安定な細胞株において発現することができる。 DHFR、gpt、ネオマイシン、またはハイグロマイシンのような選択マーカーとのコトランスフェクションは、トランスフェクトした細胞の同定および単離を可能にする。

    融合タンパク質をコードするトランスフェクションされたポリヌクレオチドを増幅させ、大量のコードされた融合タンパク質を発現し得る。 DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、数百個または数千個ものコピー数の目的の遺伝子を保持する細胞株の作製に有用である。 (例えば、Altら、J.Biol.Chem.253:1357−1370(1978);Hamlinら、Biochem.et Biophys.Acta、1097:107−143(1990);Pageら、Biotechnology 9:64−68(1991)を参照のこと。)別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Biochem J.227:277−279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169−175(1992))。 これらのマーカーを用いて、哺乳動物細胞を、選択培地中で増殖して、高度に耐性な細胞を、選択する。 これらの細胞株は、染色体中に組み込まれた、増幅された遺伝子を含む。 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびNSO細胞は、しばしば、タンパク質の産生に使用される。

    プラスミドpSV2−dhfr(ATCCアクセッション番号37146)、発現ベクターpC4(ATCCアクセッション番号209646)、およびpC6(ATCCアクセッション番号No.209647)は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR)(Cullenら、Molecular and Cellular Biology,438−447(March,1985))、およびCMV−エンハンサー(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))を含む。 複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位である、BamHI、XhoIおよびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを促進する。 ベクターはまた、ラットのプレプロインスリン遺伝子の3'イントロン、ポリアデニル化シグナルおよび終結シグナル、ならびにSV40初期プロモーターの制御下のマウスDHFR遺伝子を含む。

    具体的には、例えば、プラスミドpC6を、当該分野において公知の手順によって、適切な制限酵素で消化し、次に、ウシ小腸ホスファターゼを用いて、脱リン酸化する。 次に、ベクターを1%アガロースゲルから単離する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、当該分野において公知の技術を用いて生成し、そしてこのポリヌクレオチドを、当該分野において公知のPCR技術を用いて増幅する。 天然に生じるシグナル配列を使用して、本発明の融合タンパク質を産生する場合、ベクターは、第2のシグナルペプチドを必要としない。 あるいは、天然に生じるシグナル配列を使用しない場合、ベクターを改変して、異種のシグナル配列を含ませ得る(例えば、国際公開WO96/34891号を参照のこと)。

    本発明の融合タンパク質をコードする増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」、BIO 101 Inc.、La Jolla、Ca.)を用いて、1%アガロースから単離する。 次に、フラグメントを適切な制限酵素を用いて消化し、そして再度、1%アガロースにおいて精製する。

    次に、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする増幅したフラグメントを、同一の制限酵素で消化し、そして1%アガロースゲルで精製する。 次に、単離されたフラグメントおよび脱リン酸化したベクターを、T4 DNAリガーゼを用いて連結する。 次に、E. coli HB101またはXL−1 Blue細胞を、形質転換し、そして、例えば、制限酵素分析を用いて、プラスミドpC6中に挿入されたフラグメントを含む細菌を同定する。

    活性なDHFR遺伝子を欠損するチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて、トランスフェクションする。 5μgの発現プラスミドpC6またはpC4を、リポフェクションを用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoとコトランスフェクションする(Felgnerら、前出)。 プラスミドpSV2−neoは、優性選択マーカーである、G418を含む一群の抗生物質に対する耐性を付与する酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子を含む。 細胞を、1mg/mlのG418を補充したアルファマイナスMEMに播種する。 2日後、細胞をトリプシン処理し、そして、1mg/mlのG418を添加した、10、25、または50ng/mlのメトトレキサートを補充したアルファマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Greiner、ドイツ)中に播種する。 約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次に、6ウェルのペトリ皿、または10mlのフラスコに、異なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、播種する。 次に、最も高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、なおより高濃度のメトトレキサート(1μM、2μM、5μM、10mM、20mM)を含む新たな6ウェルプレートに移す。 同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで反復する。 所望の融合タンパク質の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウェスタンブロットによって、または逆相HPLC分析によって、分析する。

    (実施例61:多重融合(multifusion)の融合)
    アルブミン融合タンパク質(例えば、アルブミン(あるいはそのフラグメントまたは改変体)と融合した治療的タンパク質(あるいはそのフラグメントまたは改変体)が挙げられる)は、さらに他のタンパク質と融合し、「多重融合タンパク質」を生じ得る。 これらの多重融合タンパク質は、様々な適用に使用され得る。 例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質とHisタグ、HAタグ、プロテインA、IgGドメイン、およびマルトース結合タンパク質とを融合させることで、精製が容易になる(例えば、EP A 394、827;Trauneckerら、Nature331:84−86(1988)を参照のこと)。 本発明のポリペプチドと融合された核局在化シグナルは、タンパク質を特定の細胞下領域に標的化し得るが、一方、共有結合性のヘテロ二量体またはホモ二量体はアルブミン融合タンパク質の活性を増加または低下させ得る。 さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質とさらなるタンパク質配列との融合は、さらに融合タンパク質の可溶性および/または安定性を向上させ得る。 前述の融合タンパク質は、当該技術分野で公知の技術を使用するかまたは慣用的な改変をすることによって、および/あるいは次のプロトコル(これはポリペプチドとIgG分子との融合の概説するものである)を改変することによって、製造され得る。

    簡単に述べると、IgG分子のヒトFc部分は、以下に示す配列の5'末端および3'末端にわたるプライマーを用いて、PCRで増幅され得る。 これらのプライマーはまた、発現ベクター、好ましくは哺乳動物または酵母の発現ベクター、へのクローニングを容易にするような便利な制限酵素部位を有すべきである。

    例えば、pC4(ATCC受託番号209646)が使用される場合、ヒトFc部分はBamH'クローニング部位に連結され得る。 3'BamH'部位が破壊されるはずであることに注意すべきである。 次に、ヒトFc部分を含むベクターはBamH'に再度切り出され、ベクターに直線化し、そして本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド(当該技術分野の公知の技術を用いて生成および単離される)がこのBamH'部位に連結される。 本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは終止コドンを持たずにクローニングされ、そうでなければFc含有融合タンパク質が生産されないということに注意すべきである。

    本発明のアルブミン融合タンパク質を生産するために、天然のシグナル配列が用いられた場合、pC4は第2のシグナルペプチドを必要としない。 あるいは、天然のシグナル配列が用いられない場合、ベクターは異種のシグナル配列(例えば、国際公開番号WO96/34891を参照のこと)を含むように改変され得る。
    ヒトIgG Fc部分:

    (実施例62:アルブミン融合タンパク質由来の抗体の産生)


    (ハイブリドーマ技術)


    本発明のアルブミン融合タンパク質および本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分(例えば、融合タンパク質の治療的タンパク質部分またはアルブミン部分)に結合する抗体は、様々な方法(Current Protocols、第2章を参照のこと)によって調製され得る。 そのような方法の1例として、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分の調製物が、調製され、実質的に天然の汚染物を含まないように精製される。 その後、そのような調製物はより大きな比活性を有するポリクローナル血清を生産するために、動物に導入される。

    本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分に特異的なモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohlerら、Nature256:495(1975);Kohlerら、Eur.J.Immunlol.6:511(1976);Kohlerら、Eur.J.Immunlol.6:292(1976);Hammerlingら、Monoclonal Antibodies and T−cell Hybridomas、Elsevier、N.Y.、pp.563−681(1981))を用いて、調製される。 一般に、動物(好ましくはマウス)は、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分によって免疫される。 そのようなマウスの脾臓細胞が抽出され、適切な骨髄腫細胞株と融合させられる。 いずれの適切な骨髄腫細胞株も、本発明に従って使用され得る;しかし、親骨髄腫細胞株(SP2O)(ATCCから利用可能である)の使用が好ましい。 融合後、その結果生じたハイブリドーマ細胞は、HAT培地中で選択的に維持され、その後、Wandsら(Gastroenterology 80:225−232(1981))によって記載されているように、限界希釈によってクローニングされる。 そのような選択を介して得られたハイブリドーマ細胞は、その後、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の一部分に結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するために、アッセイされる。

    あるいは、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の一部分に結合し得るさらなる抗体が、抗イデオタイプ抗体を用いた2工程の手順により生産され得る。 そのような方法は、抗体はそれ自体が抗原であり、そのため、2次抗体に結合する抗体を得ることが可能であるという事実を利用している。 本方法に従って、抗体に特異的なタンパク質は動物、好ましくはマウスを免疫するために使用される。 その後、そのような動物の脾臓細胞はハイブリドーマ細胞を生産するために使用され、このハイブリドーマ細胞は、本発明のアルブミン融合タンパク質(または本発明のアルブミン融合タンパク質の一部分)に特異的な抗体に結合する能力が本発明の融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分によってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するために、スクリーニングされる。 そのような抗体は、本発明の融合タンパク質(または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分)に特異的な抗体に対する、抗イデオタイプ抗体を含み、本発明の融合タンパク質(または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分)に特異的な抗体のさらなる形成を誘導する目的で、動物に免疫するために使用される。

    ヒトにおける抗体のインビボ使用のために、抗体は「ヒト化」される。 そのような抗体は上述のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞由来の遺伝的構築物を用いることで、産生され得る。 キメラおよびヒト化抗体を生産する方法は、当該技術分野において公知であり、本明細書中で議論されている(総説として、Morrison、Science229:1202(1985);Oiら、BioTechniques4:214(1986);Cabillyら、米国特許番号4,816,567;Taniguchiら、EP171496;Morrisonら、EP173494;Neubergerら、WO8601533;Robinsonら、国際公開番号8702671;Boulianneら、Nature312:643(1984);Neubergerら、Nature314:268(1985)を参照のこと)。

    (scFvsのライブラリー由来の、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分に対する抗体フラグメントの単離)
    ヒトPBLから単離された天然のV遺伝子は、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の一部分に対する反応性を含む抗体フラグメントのライブラリーに構築されている。 そこには、ドナーがさらされてもよいし、またはさらされなくてもよい。 (例えば、本明細書においてその全体が参考として援用される米国特許番号5,885,793を参照のこと)
    (ライブラリーのレスキュー)
    scFvsのライブラリーは、国際公開番号WO92/01047に記載されているように、ヒトPBLのRNAから構築されている。 抗体フラグメントを提示しているファージをレスキューするために、ファージミドを保有する約10 個のE. coliが使用され、1% グルコースおよび100μg/ml アンピシリンを含む2×TY(2×TY−AMP−GLU)(50ml)に播種され、O. D. が0.8になるまで振とうしながら増殖させる。 この培養液のうち5mlが、2×TY−AMP−GLU(50ml)に播種するために使用され、2×108TUのデルタ遺伝子3ヘルパー(M13デルタ遺伝子'''、国際公開番号WO92/01047を参照のこと)が添加され、振とうせずに37℃で45分、その後、振とうしながら37℃で45分、培養液がインキュベートされる。 培養液は4000r. p. m. で10分間の間、遠心分離され、ペレットは、100μg/ml アンピシリンおよび50μg/mlカナマイシンを含む2×TY(2l)に再懸濁され、一晩増殖させられる。 ファージは、国際公開番号WO92/01047に記載されているように、調製される。

    M13デルタ遺伝子IIIは、次のように調製される:M13デルタ遺伝子IIIヘルパーファージは遺伝子IIIタンパク質をコードしておらず、そのため、抗体フラグメントを提示しているファージ(ミド)が抗原への大きな結合能力を持っている。 感染性のM13デルタ遺伝子III粒子は、ファージの形態形成の間に、野生型の遺伝子IIIタンパク質を提供するpUC19派生物を保有する細胞中で、ヘルパーファージが増えることによって、作られる。 培養液は、振とうさせずに37℃で1時間、その後、振とうしながらさらに37℃で1時間インキュベートされる。 細胞は、スピンダウンされ(IEC−Centra 8,400r.p.m.で10分間)、100μg/ml アンピシリンおよび25μg/mlカナマイシンを含む2×TYブロス(2×TY−AMP−KAN)(300ml)に再懸濁され、振とうしながら37℃で一晩増殖させられた。 ファージ粒子は、2回のPEG沈降(Sambrookら、1990)によって、培養培地から生成され、集められ、2mlのPBSに再懸濁され、0.45μmフィルターを通されて、最終濃度が約10 13単位/ml(アンピシリン耐性クローン)となった。

    (ライブラリーのパニング)
    イムノチューブ(Nunc)がPBS中で、100μg/mlまたは10μg/mlの本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分(4ml)によって一晩ーティングされた。 チューブは37℃で2時間、2% Marvel−PBSによってブロックされ、その後、PBSで3回洗浄される。 約10 13 TUのファージがチューブに適用され、ターンテーブルの上および下で横に倒したまま、室温で30分、インキュベートされる。 そして、さらに1.5時間静置したままにしておかれる。 チューブはPBS 0.1% Tween−20で10回およびPBSで10回、洗浄される。 ファージは1mlの100mMトリエチルアミンを加え、ターンテーブル上および下で15分間、回転させる(この後、溶液がすぐに0.5mlの1.0M Tris−HCl(pH7.4)で中和される)ことで溶出される。 その後、ファージは、溶出されたファージを細菌と37℃で30分間、インキュベートすることにより、10mlの中ログ期のE. coli TG1に感染させるために使用される。 その後、このE. coliは、1% グルコースおよび100μg/ml アンピシリンを含むTYEプレートにプレートされる。 そして、その結果生じた細菌ライブラリーは、ファージを調製するために上で記載したように、この後の選択の段階でデルタ遺伝子3ヘルパーファージによってレスキューされる。 その後、このプロセスでは、親和性精製が計4回繰り返され、ここでPBS、0.1% Tween−20で20回、3回目と4回目においてはPBSで20回、チューブを洗浄される。

    (結合体の特徴付け)
    第3回目、第4回目の選択から溶出されたファージは、E. coli HB2151を感染させるために使用され、アッセイよる単一のコロニーから可溶性scFvが生産される(Marksら、1991)。 ELISA法が、50mM重炭酸イオン緩衝剤(pH9.6)中で、10pg/mlの本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質の1部分のいずれかでコートされたマイクロタイトレプレートによって、実施される。 ELISAでポジティブなクローンは、さらにPCRフィンガープリンティング法(例えば、国際公開番号WO92/01047を参照のこと)、およびその後の配列決定によって、特徴付けられる。 これらのELISAポジティブクローンはまた、当該技術分野において公知である技術(例えば、エピトープマッピング、結合親和性、レセプターシグナル伝達、抗体/抗原結合をブロックするかまたは競合的に阻害する能力、および競合的アゴニスト活性またはアンタゴニスト活性)によって、さらに特徴付けられ得る。

    (実施例63:エキソビボでの遺伝子治療を使用する処置の方法)
    遺伝子治療の1つの方法は、線維芽細胞を移植し、これは、本発明のアルブミン融合タンパク質を患者へと発現し得る。 一般的に、線維芽細胞は、皮膚生検によって被験体から得られる。 得られた組織を、組織培養培地に配置し、小片に分離する。 この組織の小塊を組織培養フラスコの湿潤表面に配置し、約10片を各フラスコに配置する。 フラスコを上下に振り、硬く閉めて、室温で一晩置く。 室温で24時間後、フラスコを反転させ、組織塊を、フラスコの底部に固定されたままにし、新鮮な培地(例えば、Ham's F12培地(10%FRS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む))を加える。 次いで、フラスコを37℃で約1週間インキュベートする。

    このときに、新鮮な培地を加え、続いて、数日ごとに入れ替える。 培養のさらに2週間後、線維芽細胞の単層が、現れる。 この単層をトリプシン処理し、より大きいフラスコにスケールを合わせる。

    pMV−7(Lirschmeier,P.T.ら,DNA,7:219−25(1988))(Moloneyマウス肉腫ウイルスおn長末端反復に隣接する)を、EcoRIおよびHindIIIにより消化し、続いて、子ウシ腸ホスファターゼにより処理する。 線形ベクターをアガロースゲル上で分画し、ガラスビーズを使用して精製する。

    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、当該分野で公知の技術を使用して生成され得、PCRプライマーを用いて増幅され得、これは、5'末端配列および3'末端配列に対応し、必要に応じて、適切な制限部位を有し、必要であれば、開始コドン/終止コドンを有する。 好ましくは、5'プライマーは、EcoRI部位を含み、3'プライマーは、HindIII部位を含む。 T4 DNAリガーゼの存在下、当量のMoloneyマウス肉腫ウイルス線形背骨ならびに増幅されたEcoRIおよびHindIIIフラグメントを一緒に加える。 得られる混合物を2つのフラグメントの連結に適切な条件下で維持する。 次いで、連結混合物を使用して、細菌HB101を形質転換し、次いで、ベクターが適切に挿入された目的の遺伝子を有することを確認する目的で、これを寒天(カナマイシンを含む)上にプレーティングする。

    両性(amphotropic)pA317またはGP+am12パッケージ細胞を、Dulbecco's Modified Eagles Medium(DMEM)(10%子ウシ血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む)中で、コンフルエント密度まで組織培養で増殖する。 次いで、この遺伝子を含むMSVベクターを培地に加え、パッケージ細胞をベクターにより変換する。 ここで、パッケージ細胞は、環先生ウイルス粒子(遺伝子(ここで、パッケージ細胞はプロデューサー細胞と称される)を含む)を生成する。

    新鮮な培地を変換されたプロデューサー細胞に加え、続いて、この培地をコンフルエントプロデューサー細胞の10cmプレートから回収する。 消費培地(感染性ウイルス粒子を含む)を、ミルポアフィルターを通じて濾過し、解離したプロデューサー細胞を除去し、次いで、この培地を使用して、繊維が細胞を感染させる。 培地を線維芽細胞の半コンフルエントプレートから除去し、プロデューサー細胞からの培地により迅速に置換する。 この培地を除去し、新鮮な培地で置換する。 ウイルスの力価が高い場合、実質的に全ての線維芽細胞が感染され、選択の必要はない。 力価が非常に低い場合、選択可能なマーカー(例えば、neoまたはhis)を有するレトロウイルスベクターを使用することが必要である。 一旦、線維芽細胞が効率的に感染されると、線維芽細胞を分析して、アルブミン融合タンパク質が産生されたか否かを決定する。

    次いで、単独またはcytodex3マイクロキャリアビーズ上でコンフルエンスまで増殖した後に、操作された線維芽細胞を宿主に移植する。

    (実施例64:インビボでの遺伝子治療を使用する処置の方法)
    本発明の別の局面は、インビボ遺伝子治療法を使用して、障害、疾患および状態を処置することである。 遺伝子治療法は、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする裸の核酸(DNA、RNA、およびアンチセンスDNAまたはRNA)の動物への導入に関する。 本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、標的組織によってポリペプチドの発現に必要なプロモーターまたは任意の他の遺伝子エレメントに作動可能に連結(すなわち、会合)され得る。 このような遺伝子治療および送達技術および方法は、当該分野で公知である。 例えば、W090/11092, W098/11779 ; 米国特許第5693622, 同第5705151号, 同第5580859号 ; Tabataら, Cardiovasc. Res. 35 (3): 470−479 (1997); Chaoら, Pharmacol. Res. 35 (6): 517−522 (1997); Wolff, Neuromuscul. Disord. 7 (5): 314−318 (1997); Schwartzら, Gene Ther. 3 (5): 405−411 (1996); Tsurumiら, Circulation 94 (12): 3281− 3290 (1996)(本明細書で参考として援用される)。

    ポリヌクレオチド構築物は、注射可能な物質を動物の細胞に送達する任意の方法(例えば、組織の間質空間(心臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓、腸など)への注射)によって送達され得る。 ポリヌクレオチド構築物は、薬学的に受容可能な液体または水性キャリアで送達され得る。

    用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAとは、細胞への進入を補助、増進または促進するように作用する任意の送達ビヒクル(ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチンまたは沈殿剤など)を含まない配列をいう。 しかし、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、リポソーム処方物で送達され得(例えば、Felgner P. Lら. (1995) Ann. NY Acad. Sci. 772: 126−139およびAbdallah B.ら. (1995) Biol. Cell 85 (1) : 1−7に教示されているもの)、これらは、当業者に周知の方法によって調製され得る。

    遺伝子治療法において使用されるポリヌクレオチドベクター構築物は、好ましくは、宿主ゲノムへ一体化も、複製を可能にする配列を含みもしない構築物である。 当業者に公知の任意の強力なプロモーターは、DNAの発現を駆動させるために使用され得る。 他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入することの1つの主要な利点は、細胞におけるポリヌクレオチド合成の一時的な性質である。 非複製DNA配列が、細胞に導入されて、6ヶ月までの期間で所望のポリペプチドの産生を提供し得ることが、研究により示されている。

    ポリヌクレオチド構築物は、動物内の以下の組織の間質空間に送達され得る:筋肉、皮膚、脳、配、肝臓、秘蔵、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織。 これらの組織の間質空間は、細胞間流体、器官組織の細網線維間にあるムコ多糖マトリクス、脈管または室の壁の弾性線維、線維性組織のコラーゲン線維、または筋肉細胞を覆う結合組織内もしくは骨の空隙内の同じマトリクスを含む。 それは、同様に、循環血漿およびリンパチャネルのリンパ流体により占められた空間である。 筋組織の間質空間への送達が、以下に考察される理由から好ましい。 それらは、これらの細胞を含む組織に注射によって簡便に送達され得る。 それらは、好ましくは、分化された非分裂細胞へと、持続的に送達および発現されるが、送達および発現は、非分化の細胞またはより完全には分化していない細胞(例えば、血液の幹細胞または皮膚線維芽細胞)において達成され得る。 インビボで、筋細胞は、ポリヌクレオチドの取り込みおよび発現の能力において特に有能である。

    裸のポリヌクレオチド注射について、DNAまたはRNAの有効投薬量は、約0.05g/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲である。 好ましくは、投薬量は、約0.005mg/kg〜約20mg/kg、そしてより好ましくは、約0.05mg/kg〜約5mg/kgである。 もちろん、当業者が理解するように、この投薬量は、注射する組織によって変化する。 核酸配列の適切かつ有効な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、処置される状態および投与経路に依存し得る。 好ましい投与経路は、組織の間質空間への注射という非経口経路によるものである。 しかし、他の非経口経路(例えば、肺または気管支組織、喉または鼻の粘膜への送達については、特に、エアロゾル処方物の吸入)もまた、使用され得る。 さらに、裸のポリヌクレオチド構築物は、手技において使用されるカテーテルによる血管形成の間に、動脈へと送達され得る。

    筋肉内に注射されたポリヌクレオチドのインビボでの投薬量応答効果は、以下のように決定される。 本発明のポリペプチドをコードするmRNAの産生に適切なテンプレートDNAを、標準的な組換えDNA方法論に従って調製する。 テンプレートDNA(これは、環状または線形のいずれでもよい)を、裸のDNAとして使用するか、またはリポソームと複合体化させる。 次いで、マウスの四頭筋に、種々の量のテンプレートDNAを注射する。

    5〜6週齢のメスおよびオスのBalb/Cマウスを、0,3mlの2.5%Abertinによる腹腔内注射によって麻酔する。 1.5cmの切開を前部大腿に作製し、四頭筋を直接視覚化する。 1cc注射器の27ゲージ針を通して1分間にわたり、膝への筋肉の遠位注射部位から約0.5cmおよび深さ約0.2cmで、0.1mlのキャリアにより、テンプレートDNAを注射した。 将来の局在化のために、縫合糸を注入部位に配置し、そして皮膚をステンレス鋼クリップで閉じる。

    適切なインキュベーション時間(例えば、7日)後、筋肉抽出物を、四頭筋全体を切開することによって調製する。 個々の四頭筋の各5番目の断面をタンパク質発現について組織化学的に染色する。 融合たんぱく質についての時間経過は、異なるマウス由来の四頭筋を異なる時間において回収することを除いて、類似の様式で実施し得る。 注射後の筋肉内のDNAの持続性は、注射したマウスおよびコントロールマウスからの全細胞DNAおよびHIRT上清を調製後の、サザンブロット分析により決定され得る。 マウスにおける上述の実験の結果を使用して、ヒトおよび他の動物にける、裸のDNAを使用する適切なパラメータおよび他の処置パラメータを補間し得る。

    (実施例65:トランスジェニック動物)
    本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、トランスジェニック動物において発現され得る。 任意の種の動物(マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、ブタ、小ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシならびに非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、サル、およびチンパンジー)が挙げられるが、これらに限定されない)を使用して、トランスジェニック動物を生成し得る。 特定の実施形態において、本明細書で記載される技術またはそうでなければ当該分野で公知の技術を使用して、ヒトにおいて遺伝子治療プロトコルの一部として本発明の融合タンパク質を発現する。

    当該分野で公知の任意の技術を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを動物に導入し、トランスジェニック動物の初代系統を生成し得る。 このような技術としては、このような技術としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:前核マイクロインジェクション(Patersonら, Appl. Microbiol. Biotechnol. 40: 691−698 (1994); Carverら, Biotechnology (NY) 11: 1263−1270 (1993); Wrightら, Biotechnology (NY) 9: 830−834 (1991);およびHoppeら, 米国特許第4,873, 191号(1989));生殖系統(Van der Puttenら, Proc. Natl. Acad. Sci. , USA 82: 6148−6152 (1985))、芽細胞または胚細胞へのレトロウイルス媒介性遺伝子移入;胚性幹細胞における遺伝子標的化(Thompsonら, Cell 56: 313−321 (1989));細胞または胚のエレクトロポレーション(Lo, 1983, Mol Cell. Biol. 3: 1803− 1814(1983));遺伝子銃を使用する本発明のポリヌクレオチドの導入(例えば、Ulmerら, Science 259: 1745 (1993)を参照のこと);核酸構築物の胚性胸膜能幹細胞への導入および幹細胞の芽細胞への移入;ならびに精液媒介性遺伝子移入(Lavitranoら, Cell 57: 717−723 (1989));など。 このような技術の総説としては、Gordon, ”Transgenic Animals, ”Intl. Rev. Cytol. 115: 171−229 (1989)(これは、その全体が本明細書で参考として援用される)を参照のこと。

    当該分野で公知の任意の技術(例えば、休止へと誘導された、培養された胚性胎児、または成体細胞由来の核の除核された卵母細胞への核移入(Campellら, Nature 380 : 64−66 (1996); Wilmutら, Nature 385: 810−813 (1997)))を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むトランスジェニッククローンを生成し得る。

    本発明は、細胞全体に本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを保有するトランスジェニック動物、ならびに細胞全体ではないが、幾らかこれらのポリヌクレオチドを保有する動物(すなわち、モザイク動物またはキメラ動物)を提供する。 トランスジーンは、単一のトランスジーンとしてか、またはコンカタマー(concatamer)における複数のコピー(例えば、頭頭連結または頭尾連結)として一体化され得る。 このトランスジーンはまた、例えば、Laskoら(Laskoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 6232−6236 (1992) )の教示に従うことによって、特定の細胞型へと選択的に導入され得、そして活性化され得る。 細胞型特異的活性化に必要な調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、当業者に対して明らかである。 本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが、治療タンパク質部分または本発明のアルブミン融合タンパク質に対応する内因性遺伝子の染色体部位に一体化されることが望まれる場合、遺伝子標的化が好ましい。 簡単に言うと、このような技術が、利用される場合、内因性遺伝子に相同性の幾つかのヌクレオチド配列を含むベクターは、染色体配列による相同性組換えを介する、内因性遺伝子のヌクレオチド配列への一体化およびその機能の破壊の目的のために設計される。 トランスジーンはまた、特定の細胞型に選択的に導入され得、従って、例えば、Guら(Guら, Science 265: 103−106 (1994) )の教示に従うことによって、その細胞型のみにおいて内因性遺伝子を不活性化し得る。 このような細胞特異的不活性化に必要な調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、当業者に対して明らかである。

    一旦、トランスジェニック動物が生成されると、組換え遺伝子の発現を、標準的技術を利用してアッセイし得る。 初期スクリーニングは、動物組織を分析するためのサザンブロット分析またはPCR技術によって達成され、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの一体化が生じたことを検証し得る。 トランスジェニック動物の組織における、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドのmRNA発現のレベルはまた、以下が挙げられるが、これらに限定されない技術を使用して評価され得る:動物から得られる組織サンプルのノーザンブロット分析、インサイチュハイブリダイゼーション分析、および逆転写酵素PCR(rt−PCR)。 融合タンパク質発現組織のサンプルはまた、融合タンパク質に特異的な抗体を使用して、免疫細胞化学的に、または免疫組織化学的に評価され得る。

    一旦、創始動物が生成されると、それらを繁殖し、同系交配し、異種交配し、または交雑育種して、特定の動物のコロニーを生成し得る。 このような繁殖ストラテジーの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:創始動物と1つより多い一体化部位とを異種交配して、別々の系統を確立する;別々の系統を同系交配して、各トランスジーンのさらなる発現の効果に起因して、より高いレベルでトランスジーンを発現する化合物トランスジェニック体を生成する;所定の一体化部位にヘテロ接合性の動物を生成するように、ヘテロ接合トランスジェニック動物を交配させて、発現を補強し、かつ、DNA分析による動物のスクリーニングの必要性を排除する;別個のヘテロ接合体系統を交配させて、化合物ヘテロ接合体系統またはホモ接合体系統を生成する;ならびに目的の実験モデルに適切な別個のバックグランドに対してトランスジーン(すなわち、本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)を配置するように繁殖する。

    本発明のトランスジェニック動物は、以下が挙げられるが、これらに限定されない用途を有する:本発明の融合タンパク質の生物学的機能を推定するのに有用な動物モデル系ならびに本発明の融合タンパク質の治療タンパク質および/またはアルブミン成分、異常な発現に関連する状態および/または障害の研究、ならびにこのような状態および/または障害を改善するのに有効な化合物のスクリーニング。

    (実施例66:B細胞および分化の刺激または増殖を検出するアッセイ)
    機能的体液性免疫応答の生成には、B連結細胞とそれらの微小環境との間に可溶性かつ同族のシグナル伝達が必要である。 シグナルは、B連結細胞がそのプログラムされた発達を持続し得るポジティブな刺激か、または細胞にその現在の発達経路を停止するように指示するネガティブな刺激を与え得る。 今日まで、多くの刺激性シグナルおよび阻害性シグナルが、B細胞応答(IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−10、IL−13、IL−14およびIL−15)に影響を及ぼすことが見出されている。 興味深いことに、これらのシグナルは、それら単独では弱いエフェクターであるが、種々の同時刺激性タンパク質と組み合わせると、B細胞集団の間で、活性化、増殖、分化、ホーミング(homing)、寛容性および死を誘導し得る。

    B細胞同時刺激性タンパク質の最もよく研究されたクラスの1つは、TNFスーパーファミリーである。 このファミリーにおいて、それぞれのリガンドであるCD154、CD70、およびCD153をともなうCD40、CD27、およびCD30は、種々の免疫応答を調節することが見出されている。 これらのB細胞集団およびこれらの前駆体の増殖および分化の検出および/または観察を可能にするアッセイは、増殖および分化の点においてこれらのB細胞集団に対する種々のタンパク質の効果を決定する価値あるツールである。 以下に列挙される2つのアッセイは、B細胞集団およびこれらの前駆体の分化、増殖、または阻害の検出を可能にするように設計される。

    インビトロアッセイ− 本発明のアルブミン融合タンパク質(治療タンパク質のフラグメントもしくは改変体ならびに/またはアルブミンあるいは種々のアルブミンのフラグメントもしくは改変体を含む)は、B細胞集団およびこれらの前駆体において活性化、増殖、分化、阻害および/または死を誘導するそれらの能力について評価され得る。 精製されたヒト扁桃B細胞に対する本発明のアルブミン融合タンパク質の活性(0.1〜10,000ng/mLの範囲の投薬量に対して定量的に測定された)を、標準的なBリンパ細胞同時刺激アッセイにおいて評価し、ここで、プライム剤としてのホルマリン固定Staphylococcus aureus Cowan I (SAC)または固定化抗ヒトIgM抗体のいずれかの存在下で、精製された扁桃B細胞を培養する。 第2のシグナル(例えば、IL−2およびIL−15)は、SACとIgMとの架橋と共同作用して、トリチウム化チミジン取り込みによって測定されるように、B細胞増殖を誘導する。 新規な相乗効果剤は、このアッセイを使用して容易に同定され得る。 このアッセイは、磁気ビーズ(MACS)またはCD3ポジティブ細胞の欠損によってヒト扁桃B細胞を単離する工程を包含する。 得られる細胞集団は、CD45R(B220)の発現によって評価されるようにB細胞が95%より多い。

    各サンプルの種々の希釈物を、96ウェルプレートの個々のウェルにプレーティングし、これに、150μLの全容量の培養培地(RPMI1640であり、10% FBS, 5 X 10 −5 M 2ME, 100U/ml ペニシリン, 10ug/ml ストレプトマイシン,および10 −5 SACの希釈物を含む)に懸濁された10 B細胞を加える。 要素添加の72時間後に、3H−チミジン(6.7 Ci/mM)による20時間のパルス(1uCi/ウェル)を開始することによって、増殖または阻害を定量する。 ポジティブおよびネガティブのコントロールは、それぞれIL2および培地である。

    インビボアッセイ− 1日に2回緩衝液のみか、または本発明のアルブミン融合タンパク質(治療タンパク質のフラグメントもしくは改変体ならびに/またはアルブミンあるいは種々のアルブミンのフラグメントもしくは改変体を含む)を、BALB/cマウスに注射(i.p.)する。 マウスは、4日連続してこの処理を受け、この時点で、それらを屠殺して、種々の組織および血清を分析のために回収する。 正常脾臓および本発明のアルブミン融合タンパク質により処理された脾臓からのH&Eセクションの比較により、脾臓細胞に対する融合タンパク質の活性の結果(例えば、抹消動脈リンパ鞘の拡散、および/または赤脾髄の有核声望の有意な増加)が同定され、このことは、B細胞集団の分化および増殖の活性化を示し得る。 B細胞マーカーである抗CD45R(B220)を用いる免疫組織化学的研究を使用して、脾臓細胞に対する任意の生理学的変化(例えば、脾臓分離)が、確立されたT細胞領域に浸潤するゆるく規定されたB細胞領域内での増加したB細胞提示に起因するか否かを決定する。

    アルブミン融合タンパク質により処理されたマウス由来の脾臓のフローサイトメトリ分析を使用して、アルブミン融合タンパク質が、コントロールマウスにおいて観察される以上に、ThB+, CD45R (B220) dull B細胞の比率を増加させるか否かを示す。

    同様に、インビボでの増加した成熟B細胞提示の予測された結果は、比較的増大した血漿Ig力価である。 従って、血漿IgMおよびIgAのレベルは、緩衝液と融合タンパク質処理されたマウスとの間に匹敵する。

    (実施例67:T細胞増殖アッセイ)
    CD3誘導性増殖アッセイをPBMCに対して実施し、そして H−チミジンの取り込みによって測定する。 このアッセイは以下のように実施する。 96ウェルプレートを、CD3に対して100μl/ウェルのmAb(HIT3a,Pharmingen)か、またはイソ型適合コントロールmAb(B33.1)により、4℃で一晩コーティング(0.05M 炭酸塩緩衝液中1μg/ml、pH9.5)し、次いで、PBSで3回洗浄する。 F/H勾配遠心分離により、ヒト抹消血からPBMCを単離し、RPMI(10% FCSおよびP/Sを含む)中、種々の濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質(治療タンパク質のフラグメントもしくは改変体ならびに/またはアルブミンあるいは種々のアルブミンのフラグメントもしくは改変体を含む)(全容量200μl)の存在下で、mAbコーティングプレートの4連のウェル(5 x 10 ウェル)に加える。 関連タンパク質緩衝液および培地単独をコントロールとする。 37℃での48時間の培養後、1000rpmで2分間回転させ、そして100μlの上清を除去し、増殖に対する影響が観察される場合、IL−2(または他のサイトカイン)の測定のために−20℃で保存する。
    100μlの培地(0.5uCiの H−チミジン)をウェルに補充し、そして、37℃で18〜24時間培養する。 ウェルを回収し、増殖の測定のように、 H−チミジンの取り込みを使用する。 抗CD3単独は、増殖についてのポジティブコントロールである。 IL−2(100U/ml)をまた、コントロールとして使用し、これは、増殖を増強する。 T細胞の増殖を誘導しないコントロール抗体を、本発明の融合タンパク質の効果についてのネガティブコントロールとして使用する。

    (実施例68:MHCクラスII、同時刺激分子および細胞接着分子の発現、ならびに単球および単球由来ヒト樹状細胞の細胞分化に関する本発明の融合タンパク質の影響)
    樹状細胞を、末梢血において見出される増殖前駆体の拡大によって生成する:接着PBCMまたはエルトリエーションした単球画分は、GM−CSF(50ng/ml)およびEL−4(20ng/ml)とともに7〜10日間培養する。 これらの樹状細胞を、未成熟細胞(CD1、CD80、CD86、CD40およびMHCクラスII抗原の発現)の特徴的な表現型を有する。 TNF−αのような活性化因子での処理は、表面の表現型(NHCクラスIおよびクラスII、同時刺激分子および細胞接着分子の発現増加、FCγRIIの下方調節、CD83の上方調節)の迅速な変化を生じさせる。 これらの変化は、抗原提示能力の増強、および樹状細胞の成熟に関連する。

    表面抗原のFACS分析を以下のように実施する。 細胞を、逓増濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質またはLPS(ポジティブコントロール)で、1〜3日間処理し、1%BSAおよび0.02mMアジ化ナトリウムを含有するPBSで洗浄し、次いで適切なFITC標識化モノクローナル抗体またはPE標識化モノクローナル抗体(1:20希釈)で、4℃にて30分間インキュベートする。 さらなる洗浄後、標識した細胞をフローサイトメトリー(FACScan(Becton Dickinson))によって分析する。

    (サイトカイン産生の影響)
    樹状細胞(特に、IL−12)によって産生されたサイトカインは、T細胞依存性免疫応答の阻害において重要である。 IL−2は、Th1ヘルパーT細胞免疫応答の発達に強く影響し、細胞傷害性T細胞機能およびNK細胞機能を誘導する。 ELISAを使用して、以下のようにIL−12放出を測定する。 樹状細胞(10 /ml)を、逓増濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質を用いて24時間処理する。 LPS(100ng/ml)を、ポジティブコントロールとして細胞培養物に添加する。 次いで、これらの細胞培養物からの上清を回収し、市販のELISAキット(例えば、R&D Systems(Minneapolis,MN))を用いてIL−12含有量について分析する。 キットに添付された標準的なプロトコルを使用する。

    (MHCクラスII、同時刺激分子および接着分子の発現の影響)
    細胞表面抗原の3つの主要なファミリー(接着分子、抗原提示に関与する分子、およびFcレセプター)が、単球において観察され得る。 HMCクラスII抗原および他の同時発現分子(例えば、B7およびICAM−1)の発現調節は、単球の抗原提示能力およびT細胞を誘導する能力における変化を生じ得る。 Fcレセプターの発現増加は、単球細胞傷害性活性、サイトカイン放出および食作用の改善に関連し得る。

    FACS分析を使用して、以下のように表現抗原を試験する。 単球を、逓増濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質またはLPS(ポジティブコントロール)で、1〜5日間処理し、1%BSAおよび0.02mMアジ化ナトリウムを含有するPBSで洗浄し、次いで適切なFITC標識化モノクローナル抗体またはPE標識化モノクローナル抗体(1:20希釈)で、4℃にて30分間インキュベートする。 さらなる洗浄後、標識した細胞をフローサイトメトリー(FACScan(Becton Dickinson))によって分析する。

    (単球の活性化および/または増強された生存)
    単球を活性化(または、不活性化)および/または単球の生存を増強(または単球の生存減少)させる分子についてのアッセイは、当該分野で公知であり、本発明の分子が単球のインヒビターまたはアクチベーターとして機能するか否かを決定するために慣用的に適応され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質は、以下に記載される3つのアッセイを用いてスクリーニングされ得る。 これらのアッセイの各々について、末梢血単核細胞(PBMC)は、Histopaque gradient (Sigma)による遠心分離によって、単一のdonor leukopack(American Red Cross,Baltimore,MD)から精製する。 単球を、向流遠心分離エルトリエーションによってPBMCから単離する。

    (単球生存アッセイ)
    血清の非存在下または他の刺激下で培養された場合、ヒト末梢血単球は次第に死滅する。 単球の死は、内部調節プロセス(アポトーシス)の結果である。 TNF−αのような活性化因子を培養に添加すると、細胞の生存およびDNA断片化からの保護を劇的に改善する。 プロピジウムアイオダイド(PI)染色を使用して、以下のようにアポトーシスを測定する。 単球を、血清を含まない培地(ポジティブコントロール)、100ng/ml TNF−αの存在下(ネガティブコントロール)、および多様な濃度の試験される融合タンパク質の存在下において、ポリプロピレンチューブ中で48時間培養する。 細胞を、最終濃度5μg/mlのPI含有PBS中で、2×10 個/1mlの濃度で懸濁し、次いでFACScan分析の前、5分間にわたって室温でインキュベートする。 PIの取り込みは、この実験パラダイムにおいて、DNA断片化と相関することが実証されている。

    (サイトカイン放出の影響)
    単球/マクロファージの重要な機能は、刺激後のサイトカイン放出を介する免疫系の他の細胞集団に関するその調節活性である。 サイトカイン放出を測定するためのELISAを、以下のように実施する。 ヒト単球を、5×10 細胞/mlの密度で、逓増濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質、および同じ条件下であるがこの融合タンパク質の非存在下において培養する。 IL−2産生について、これらの細胞を、融合タンパク質の存在下において、IFN(100U/ml)で一晩プライミングする。 次いで、LPS (10 ng/ml)を添加する。 条件付けした培地を、24時間後に回収し、使用するまで凍結保存する。 次いで、TNF−α、IL−10、MCP−1およびIL−8の測定を、市販のELISAキット(例えば、R&D Systems(Minneapolis,MN))を用いて、キットに添付された標準的なプロトコルに使用して実施する。

    (酸化的バースト)
    精製した単球を、2〜1×10 細胞/ウェルで96ウェルにプレートする。 本発明の逓増濃度の融合タンパク質を、総体積0.2ml培養培地(RPMI 1640+10% FCS、グルタミンおよび抗生物質)においてウェルに添加する。 3日間のインキュベーション後、これらのプレートを遠心分離し、そして培地をウェルから除去する。 マクロファージ単層について、1ウェルあたり0.2mlのフェノールレッド溶液(140mM NaCI、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)、5.5mMデキストロース、0.56mMフェノールレッドおよび19U/mlのHRPO)を、刺激剤(200nM PMA)とともに添加する。 これらのプレートを37℃で2時間インキュベートし、反応を1ウェルあたり1N NaOH(20μl)を添加して停止させる。 吸光度を610nmで読み取る。 マクロファージによって産生されるH 量を測定するために、モル濃度が既知のH 溶液標準曲線を各実験について実施する。

    (実施例69:本発明の融合タンパク質の生物学的影響)
    (星状細胞および神経アッセイ)
    本発明のアルブミン融合タンパク質は、皮質神経細胞の生存、神経突起成長、または表現型の分化を促進する活性について、およびグリア繊維性酸性タンパク質免疫保護細胞、星状細胞の増殖誘導について試験し得る。 バイオアッセイについての皮質細胞の選択は、皮質構造におけるFGF−1およびFGF−2の遍在的発現、ならびに以前に報告されているFGF−2処理による皮質神経細胞生存の促進に基づく。 例えば、チミジン取り込みアッセイは、これらの細胞における本発明のアルブミン融合タンパク質の活性を解明するために使用され得る。

    さらに、インビトロでの皮質神経細胞または海馬神経細胞におけるFGF−2(塩基性FGF)の生物学的影響を記載する以前の報告は、これらの両方において、神経細胞の生存および神経突起成長の増加を実証している(Walickeら、「Fibroblast growth factor promotes survival of dissociated hippocampal neurons and enhances neurite extension.」Proc.Natl.Acad.Sci.USA83:3012−3016.(1986)、(この全体が、参考として本明細書中に援用される)。しかし、PC−12細胞に関して行われた実験による報告は、これらの2つの反応は、必ずしも同じ意味ではなく、試験されたFGFだけでなく標的細胞上に発現されるレセプターにも依存し得ることを示唆する。初代皮質神経細胞培養パラダイムを使用して、神経突起成長を誘導する本発明のアルブミン融合タンパク質の能力を、例えば、チミジン取り込みアッセイを用いて、FGF−2で達成された反応と比較し得る。

    (線維芽細胞アッセイおよび内皮細胞アッセイ)
    ヒト肺線維芽細胞を、Clonetics(San Diego,CA)から入手し、そしてCloneticsからの増殖培地で維持する。 真皮性微小血管内皮細胞をCell Applications(San Diego,CA)から得る。 増殖アッセイについては、ヒト肺線維芽細胞および真皮性微小血管内皮細胞を、96ウェルプレートの増殖培地中で1日間、5,000細胞/ウェルで培養し得る。 次いでこの細胞を0.1%BSA基礎培地中で1日間インキュベートする。 新鮮な0.1%BSA培地で培地を置換した後、細胞を本発明の試験融合タンパク質と3日間インキュベートする。 Alamar Blue(Almar Biosciences,Sacramento,CA)を10%の最終濃度になるように各ウェルに添加する。 この細胞を4時間インキュベートする。 細胞生存度をCytoFluor蛍光リーダーでの読取りにより測定する。 PGE アッセイについては、ヒト肺線維芽細胞を、96ウェルプレート中で1日間、5,000細胞/ウェルで培養する。 0.1%BSA基礎培地に培地を交換した後、細胞をIL−1αとともに、またはそれをともなわずに、FGF−2または本発明の融合タンパク質と24時間インキュベートする。 上清を収集し、そしてEIAキット(Cayman,Ann Arbor,MI)によりPGE についてアッセイする。 IL−6アッセイについては、ヒト肺線維芽細胞を、96ウェルプレート中で1日間、5,000細胞/ウェルで培養する。 0.1%BSA基礎培地に培地を交換した後、細胞を本発明のアルブミン融合タンパク質および/またはIL−1αとともに、またはそれをともなわずに、FGF−2と24時間インキュベートする。 上清を収集し、そしてELISAキット(Endogen,Cambridge,MA)によりIL−6についてアッセイする。

    ヒト肺線維芽細胞をFGF−2または本発明のアルブミン融合タンパク質とともに基礎培地中で3日間培養し、その後、線維芽細胞の増殖に対する効果を評価するためAlamar Blueを添加する。 FGF−2は、本発明のアルブミン融合タンパク質での刺激と匹敵して用いられ得る10〜2500ng/mlの刺激を示すはずである。

    ([3H]チミジン取り込みアッセイに基づく細胞増殖)
    以下の[3H]チミジン組み込みアッセイは、細胞(例えば、線維芽細胞、上皮細胞または未成熟筋細胞)の増殖に対する治療タンパク質(例えば、増殖因子タンパク質)の効果を測定するために使用され得る。

    サブコンフルエント培養物は、無血清培地における、18時間のインキュベーションによってG1相で停止される。 次いで、治療タンパク質は、24時間の間添加され、最後の4時間の間、培養物は、0.33μMの最終濃度(25Ci/mmol、Amersham,Arlington Heights,IL)で[3H]チミジンで標識される。 取り込まれた[3H]チミジンは、24時間、氷冷10%トリクロロ酢酸で沈殿される。 次いで、細胞は、氷冷10%トリクロロ酢酸で、次いで、氷冷水で連続的にリンスされる。 0.5M NaOHでの溶解に続いて、溶解物およびPBSリンス(500ml)をプールし、そして放射能の量が測定される。

    (パーキンソンモデル)
    パーキンソン病における運動機能の喪失は、黒質線条体のドーパミン作動性投射ニューロンの変性から生じる線条体ドーパミンの欠乏に起因する。 広範に特徴付けされたパーキンソン病の動物モデルは、1−メチル−4フェニル1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)の全身投与を含む。 CNSにおいて、MPTPは、星状細胞により取り込まれ、そしてモノアミンオキシダーゼBにより1−メチル−4−フェニルピリジン(MPP )に異化され、そして放出される。 引き続き、MPP は、ドーパミンの高親和性再取り込みトランスポーターによりドーパミン作動性ニューロンに能動的に蓄積する。 次いで、MPP は、電気化学勾配によりミトコンドリア中で濃縮され、そしてニコチン酸アミドアデニン二リン酸:ユビキノン酸化還元酵素(複合体I)を選択的に阻害し、これにより電子伝達を妨害し、そして最終的に活性酸素を生成する。

    FGF−2(塩基性FGF)が黒質のドーパミン作動性ニューロンへの栄養活性を有することが組織培養パラダイムにおいて実証されている(Ferrariら、Dev.Biol.1989)。 近年、Unsicker博士のグループは、線条体のゲル型インプラントでのFGF−2投与がMPTP曝露と関連する毒性から黒質のドーパミン作動性ニューロンのほぼ完全な防御を生じることを実証している(OttoおよびUnsicker,J.Neuroscience,1990)。

    FGF−2を用いたデータに基づいて、本発明のアルブミン融合タンパク質は、インビトロにおけるドーパミン作動性ニューロン生存を増強する際において、本発明のアルブミン融合タンパク質がFGF−2の作用と類似の作用を有するか否かを決定するために評価され得、そして、本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、線条体におけるドーパミン作動性ニューロンを、MPTP処理と関連する損傷からの防御についてインビボで試験され得る。 本発明のアルブミン融合タンパク質の潜在的効果を、まずドーパミン性ニューロン細胞培養パラダイムにおいてインビトロで試験する。 妊娠14日のWistarラット胚由来の中脳底板を解剖することにより、培養物を調製する。 組織をトリプシンで分離し、そしてポリオルチニン−ラミニンでコートしたカバーガラスに200,000細胞/cm の密度で播く。 この細胞をダルベッコ改変イーグル培地およびホルモン補充物(NI)を含有するF12培地中で維持する。 インビトロで8日後培養物をパラホルムアミドで固定し、そしてチロシンヒドロキシラーゼ(ドーパミン作動性ニューロンについての特異的マーカー)での免疫組織化学染色のために処理する。 分離した細胞培養物を胚性ラットから調製する。 培養培地を3日ごとに変化させ、そしてこの因子をまたその時点ごとに添加する。

    ドーパミン作動性ニューロンを妊娠14日(ドーパミン作動性前駆細胞が増殖する段階を過ぎる発生時間)で動物から単離するので、チロシンヒドロキシラーゼ免疫陽性ニューロンの数の増加は、インビトロで生存しているドーパミン作動性ニューロンの数の増加を示す。 従って、もし本発明の治療タンパク質がドーパミン作動性ニューロンの生存を延長するように作用するならば、この融合タンパク質がパーキンソン病に関与し得ることを示唆する。

    (実施例70:脈管内皮細胞の増殖に対する本発明のアルブミン融合タンパク質の効果)
    1日目に、ヒト臍帯静脈上皮細胞(HUVEC)を、4%ウシ胎仔血清(FBS)、16単位/mlへパリン、および50単位/ml上皮細胞増殖補充物(ECGS、Biotechinique,Inc.)を含むM199培地中に、2〜5×10 細胞/35mmディッシュ密度で播種する。 2日目に、培地を、10%FBS、8単位/mlへパリンを含むM199と置き換えた。 本発明のアルブミン融合タンパク質、およびポジティブコントロール(例えば、VEGFおよび基礎的なFGF(bFGF)が種々の濃度で添加される。4日目および6日目に、培地を置換する。8日目に、細胞数を、Coulter Counterを用いて決定する。

    HUVECの数の増加は、融合タンパク質が脈管内皮細胞を増殖し得ることを示し、一方、HUVECの数の減少は、融合タンパク質が脈管内皮細胞を阻害することを示す。

    (実施例71:ラット角膜創傷治癒モデル)
    この動物モデルは、本発明のアルブミン融合ポリペプチドの、新生血管形成に対する効果を示す。 実験プロトコルは、以下を含む:
    角膜の中心から支質層へと1〜1.5mmの長さの切開を作ること。

    眼の外側の角膜に面する切開の唇縁の下にへらを挿入すること。

    ポケットを作ること(その基底は、眼の縁から1〜1.5mmである)。

    50ng〜5μgの本発明のアルブミン融合タンパク質を含むペレットを、ポケット内に配置すること。

    本発明のアルブミン融合タンパク質での処置をまた、20mg〜500mgの投薬量範囲内で(毎日の処置を5日間)角膜創傷に局所的に適用し得る。

    (実施例72:糖尿病マウスおよび糖質コルチコイド損傷創傷治癒モデル)
    (糖尿病db+/db+マウスモデル)
    本発明のアルブミン融合タンパク質が治癒プロセスを促進することを実証するために、創傷治癒の遺伝的糖尿病マウスモデルを、使用する。 db+/db+マウスにおける全層(full thickness)創傷治癒モデルは、損傷創傷治癒の十分に特徴付けられた、臨床的に関連性のある、そして再現可能なモデルである。 糖尿病性創傷の治癒は、収縮よりむしろ肉芽組織の形成および再上皮形成に依存する(Gartner,M.H.ら、J.Surg.Res.52:389(1992);Greenhalgh,D.G.ら、Am.J.Pathol.136:1235(1990))。

    この糖尿病動物は、II型真性糖尿病において観察される特徴的な特性の多くを有する。 ホモ接合(db+/db+)マウスは、それらの正常なヘテロ接合(db+/+m)同腹仔と比較して肥満である。 変異糖尿病(db+/db+)マウスは、第4染色体上に単一の常染色体性の劣性変異(db+)を有する(Colemanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:283−293(1982))。 動物は、多食症、多渇症、および多尿症を示す。 変異糖尿病マウス(db+/db+)は、上昇した血中グルコース、増加したまたは正常なインスリンレベル、および抑制された細胞媒介性免疫を有する(Mandelら、J.Immunol.120:1375(1978);Debray−Sachs,M.ら、Clin.Exp.Immunol.51(1):1−7(1983);Leiterら、Am.J.of Pathol.114:46−55(1985))。 末梢神経障害、心筋合併症、および微小血管損傷、基底膜肥厚、および糸球体濾過異常は、これらの動物において記載されている(Norido,F.ら、Exp.Neurol.83(2):221−232(1984);Robertsonら、Diabetes 29(1):60−67(1980);Giacomelliら、Lab Invest.40(4):460−473(1979);Coleman,D.L.,Diabetes 31(補遺):1−6(1982))。 これらのホモ接合糖尿病マウスは、高血糖症を発症し、そしてこれは、ヒトII型糖尿病に類似してインスリンに対して耐性である(Mandelら、J.Immunol.120:1375−1377(1978))。

    これらの動物において観察された特徴は、このモデルにおける治癒が、ヒト糖尿病において観察される治癒に類似し得ることを示唆する(Greenhalghら、Am.J.of Pathol.136:1235−1246(1990))。

    遺伝的糖尿病の雌性C57BL/KsJ(db+/db+)マウス、およびそれらの非糖尿病(db+/+m)へテロ接合性同腹仔を、この研究に用いる(Jackson Laboratories)。 これらの動物を6週齢で購入し、そしてこれらの動物は研究の開始時に8週齢である。 動物を個別に飼育し、そして自由に食物および水を与える。 全ての操作を、無菌技術を用いて行う。 この実験を、Human Genome Sciences,IncのInstitutional Animal Care and Use Committee and the Guidelines for the Care and Use of Laboratory Animalsの規則およびガイドラインに従って行う。

    創傷プロトコルを、以前に報告された方法(Tsuboi,R.およびRifkin,D.B.,J.Exp.Med.172:245−251(1990))に従って行う。
    簡単には、創傷させる日に、動物を、脱イオン水に溶解したAvertin(0.01mg/mL)、2,2,2−トリブロモエタノールおよび2−メチル−2−ブタノールの腹腔内注射で麻酔する。 この動物の背面領域を剃毛し、そして皮膚を70%エタノール溶液およびヨウ素で洗浄する。 手術範囲を、創傷させる前に滅菌ガーゼで乾燥させる。 次いで、8mmの全層の創傷を、Keyes組織パンチを用いて作製する。 創傷させた直後に、周囲の皮膚を、創傷の拡大を取り除くために穏やかに伸ばす。 実験の間この創傷を開放させる。 処置の適用を、創傷させた日から開始して5日間連続で、局所的に与える。 処置の前に、創傷を、滅菌生理食塩水およびガーゼスポンジを用いて穏やかに洗浄する。

    創傷を視覚的に検査し、そして手術の日およびその後2日間隔で、固定した距離で写真撮影する。 創傷閉鎖を、1〜5日目および8日目の毎日の測定により決定する。 創傷を目盛り付き(Calibrated)Jamesonカリパスを用いて水平および垂直に測定する。 肉芽組織がもはや目に見えずかつ創傷を連続した上皮が覆う場合に、創傷を治癒したとみなす。

    本発明のアルブミン融合タンパク質を、ビヒクル中で8日間、異なる用量の範囲(1日あたり創傷あたり4mg〜500mg)を用いて投与する。 ビヒクルコントロール群には、50mLのビヒクル溶液を与えた。

    動物を、8日目にペントバルビタールナトリウム(300mg/kg)の腹腔内注射で安楽死させる。 次いで、創傷および周囲の皮膚を、組織学および免疫組織化学のために収集する。 組織標本を、さらなる処理のために、生検スポンジの間の組織カセット内で10%中性緩衝化ホルマリン中に置く。

    各々10匹の動物(5匹の糖尿病および5匹の非糖尿病コントロール)の3つの群:1)ビヒクルプラシーボコントロール、2)非処置群、および3)処置群を、評価する。

    創傷閉鎖を、水平軸および垂直軸で面積を測定すること、および創傷の面積の合計を得ることにより分析する。 次いで、収縮を、最初の創傷の面積(0日)と処置後(8日)の面積との間の差異を確立することにより評価する。 1日目のこの創傷面積は、64mm (皮膚パンチに対応するサイズ)である。 計算を以下の式を用いて行う:
    a. [8日目の開放面積]−[1日目の開放面積]/[1日目の開放面積]。

    標本を10%緩衝化ホルマリン中に固定し、そしてパラフィン包埋塊を、創傷表面に対して垂直に切り出し(5mm)、そしてReichert−Jungミクロトームを用いて切断する。 慣用的なヘマトキシリン−エオシン(H&E)染色を、二等分した創傷の横断切片で行う。 創傷の組織学的試験を用いて、修復した皮膚の治癒プロセスおよび形態的な外見を、本発明のアルブミン融合タンパク質を用いる処置によって改変したかどうかを評価する。 この評価は、細胞蓄積、炎症細胞、毛細管、線維芽細胞、再上皮形成、および表皮成熟の存在の検証を含む(Greenhalgh,D.G.ら、Am.J.Pathol.136:1235(1990))。 目盛り付きレンズマイクロメーターを盲検観察者(blinded observer)が用いる。

    組織切片をまた、ABC Elite検出システムを使用してポリクローナルウサギ抗ヒトケラチン抗体で免疫組織化学的に染色する。 ヒト皮膚を陽性組織コントロールとして用いる一方、非免疫IgGを陰性コントロールとして用いる。 ケラチノサイト増殖を、目盛り付きレンズマイクロメーターを用いて創傷の再上皮形成の程度を評価することによって決定する。

    皮膚標本における増殖細胞核抗原/サイクリン(PCNA)を、ABC Elite検出システムを用いて抗PCNA抗体(1:50)を使用することにより実証する。 ヒト結腸癌は、陽性組織コントロールとして役割を果たし得、そしてヒト脳組織を、陰性組織コントロールとして用い得る。 各標本は、1次抗体の脱落および非免疫マウスIgGとの置換を有する切片を含んだ。 これらの切片の順位は、0〜8のスケール(わずかな増殖を反映するより低い側のスケール〜激しい増殖を反映するより高い側)の増殖の程度に基づく。

    実験データを、片側t検定を用いて分析する。 <0.05のp値を有意とみなす。

    (ステロイド障害性ラットモデル)
    ステロイドによる創傷治癒の阻害は、種々のインビトロ系およびインビボ系において十分に実証されている(Wahl,Glucocorticoids and Wound healing:Anti−Inflammatory Steroid Action:Basic and Clinical Aspects.280−302(1989); Wahlら、J.Immunol.115:476−481(1975);Werbら、J.Exp.Med.147:1684−1694(1978))。 糖質コルチコイドは、新脈管形成を阻害すること、血管透過性(Ebertら、An.Intern.Med.37:701−705(1952))、線維芽細胞増殖、およびコラーゲン合成(Beckら、Grows Factors.5:295−304(1991);Haynesら、J.Clin.Invest.61:703−797(1978))を低下させること、ならびに循環する単球の一過性の減少を生じること(Haynesら、J.Clin.Invest.61:703−797(1978);Wahl,「Glucocorticoids and wound healing」:Antiinflammatory Steroid Action:Basic and Clinical Aspects,Academic Press,New York,280−302頁(1989))によって創傷治癒を遅延させる。 障害性創傷治癒に対するステロイドの全身性投与は、ラットにおいて十分に確立された現象である(Beckら、Growth Factors.5:295−304(1991); Haynesら、J.Clin.Invest.61:703−797(1978) ;Wahl,「Glucocorticoids and wound healing」:Antiinflammatory Steroid Action:Basic and Clinical Aspects,Academic Press,New York,280−302頁(1989);Pierceら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2229−2233(1989))。

    本発明のアルブミン融合タンパク質が治癒プロセスを促進し得ることを実証するために、治癒が、メチルプレドニゾロンの全身性投与により損なわれた、ラットの全層切除皮膚創傷に対する本発明のアルブミン融合タンパク質の複数の局所適用の効果を評価する。

    若年成体の雄性Sprague Dawleyラット(体重250〜300g)(Charles River Laboratories)をこの実験に用いる。 この動物を、8週齢で購入する。 研究の開始時は9週齢である。 ラットの治癒応答は、創傷の時点で、メチルプレドニゾロンの全身性投与(17mg/kg/ラット、筋肉内)により損なわれる。 動物を個別に飼育し、そして自由に食物と水を与える。 全ての操作を、無菌技術を用いて行う。 この研究を、Human Genome Sciences,IncのInstitutional Animal Care and Use Committee and the Guidelines for the Care and Use of Laboratory Animalsの規則およびガイドラインに従って行う。

    創傷プロトコルは、上記に従う。 創傷させる日に、動物をケタミン(50mg/kg)およびキシラジン(5mg/kg)の筋肉内注射で麻酔する。 この動物の背面領域を剃毛し、そして皮膚を70%エタノールおよびヨウ素溶液で洗浄する。 手術範囲を、創傷させる前に滅菌ガーゼで乾燥させる。 8mmの全層創傷をKeyes組織パンチを用いて作製する。 実験の間、この創傷を開放する。 試験物質の適用を、創傷させ、次いでメチルメチルプレドニゾロン投与した日から開始して、7日間連続で、1日1回、局所的に与える。 処置の前に、創傷を滅菌生理食塩水およびガーゼスポンジを用いて穏やかに洗浄する。

    創傷を視覚的に検査し、そして創傷させた日および処置の終りに、固定した距離で写真撮影する。 創傷閉鎖を、1〜5日目の毎日および8日目の測定により決定する。 創傷を目盛り付き(Calibrated)Jamesonノギスを用いて水平および垂直に測定する。 創傷を、肉芽組織がもはや目に見えずかつ創傷を連続した上皮が覆う場合に、治癒したとみなす。

    本発明の融合タンパク質を、ビヒクル中で8日間、異なる用量の範囲(1日あたり創傷あたり4mg〜500mg)を用いて投与する。 ビヒクルコントロール群は、50mLのビヒクル溶液を受けた。

    動物を、8日目にペントバルビタールナトリウム(300mg/kg)の腹腔内注射で安楽死させる。 次いで、創傷および周囲の皮膚を、組織学のために収集する。 組織標本を、さらなるプロセシングのために、生検スポンジの間の組織カセット内で10%中性緩衝化ホルマリン中に置く。

    各々10匹の動物(メチルプレドニゾロンを用いる5匹および糖質コルチコイドを用いない5匹)の4つの群を評価する:1)非処置群、2)ビヒクルプラシーボコントロール、および3)処置群。

    創傷閉鎖を、垂直軸および水平軸で面積を測定すること、および創傷の面積の合計を得ることにより分析する。 次いで、閉鎖を、最初の創傷の面積(0日)と処置後(8日)の面積との間の差異を確立することにより評価する。 1日目のこの創傷面積は、64mm (皮膚パンチに対応するサイズ)である。 計算を以下の式を用いて行う:
    a. [8日目の開放面積]−[1日目の開放面積]/[1日目の開放面積]。

    標本を10%緩衝化ホルマリン中に固定し、そしてパラフィン包埋塊を、創傷表面に対して垂直に切り出し(5mm)、そしてOlympusミクロトームを用いて切断する。 慣用的なヘマトキシリン−エオシン(H&E)染色を、二等分した創傷の横断切片で行う。 創傷の組織学的試験は、修復した皮膚の治癒プロセスおよび形態的な外見を、本発明のアルブミン融合タンパク質を用いる処置によって改善したかどうかを評価することを可能にする。 目盛り付きレンズマイクロメーターを盲検観察者(blinded observer)が用いて、創傷の隙間の距離を決定する。

    実験データを、片側t検定を用いて分析する。 <0.05のp値を有意とみなす。

    (実施例73:リンパ水腫(lymphadema)動物モデル)
    この実験アプローチの目的は、ラット後肢におけるリンパ管形成(lymphagiogenesis)およびリンパの循環系の再確立における本発明のアルブミン融合タンパク質の治療的効果を試験するための、適切かつ一貫したリンパ水腫モデルを作製することである。 有効性は、罹患した肢の腫脹体積、リンパ脈管の量の定量、総血漿タンパク質の量、および組織病理学により測定される。 急性リンパ水腫は、7〜10日間観察される。 恐らくより重要なことは、水腫の慢性進行は、3〜4週間まで続く。

    手術を始める前に、血液サンプルを、タンパク質濃度分析のために採血する。 雄性ラット(体重約350g)に、ペントバルビタールを投薬する。 次いで、右肢を膝から股関節部まで剃毛する。 この剃毛した範囲を70%EtOHに浸したガーゼで拭く。 血液を、血清総タンパク質試験のために採血する。 周径測定および体積測定を行った後に、2つの測定レベル(踵の0.5cm上、足背の中間点)に印をつけた後、足へ色素を注射する。 右足背および左足背の両方の内皮に、0.05mlの1%Evan's Blueを注射する。 次いで、足への色素の注射の後、周径測定および体積測定を行う。

    目印として膝関節を用いて、中肢鼡径部切開を、大腿血管の位置を確認できるように環状に行う。 鉗子および止血剤を用いて、皮膚弁を切開し、そして分離する。 大腿血管の位置確認後、血管の横に沿ってかつ血管の下に走るリンパ管を位置確認する。 次いで、この範囲の主要なリンパ管を、電気凝固縫合結紮(electrically suture ligate)する。

    顕微鏡を用いて、肢の背の筋肉(半腱様筋(semitendinosis)および内転筋の付近)を平滑に切開する。 次いで、膝窩リンパ節の位置を確認する。 次いで、2つの近位リンパ管および2つの遠位リンパ管、ならびに膝窩節の遠位血液供給部を縫合糸により結紮する。 次いで、膝窩リンパ節および任意の付随する脂肪組織を、結合組織を切断することによって取り除く。

    この手順で生じるいかなる軽度の出血をも管理するように注意すること。 リンパ管を閉塞した後、皮膚弁を、液体皮膚(Vetbond)(AJ Buck)を使用することによって密封する。 別々の皮膚縁を、脚の周囲に約0.5cmのギャップを残しながらその下の筋肉組織に密封する。 皮膚はまた、必要なときにその下の筋肉に縫合することによって固定してもよい。

    感染を回避するために、動物を、メッシュを用いて個別に収容する(床敷きなし)。 回復した動物を、最適な水腫ピークを通して毎日チェックする。 このピークは、代表的には5〜7日まで生じる。 次いで、プラトーの水腫ピークを観察する。 リンパ水腫の強度を評価するために、各肢上の2つの指定した場所の周径および体積を、手術の前および7日間毎日測定する。 リンパ水腫に対する血漿タンパク質の効果を決定し、そしてタンパク質分析が有用な試験視野計であるか否かもまた調査する。 コントロール肢および水腫肢の両方の重量を、2箇所で評価する。 分析を盲目様式(blind manner)で行う。

    周径測定:肢の動きを防止するための短期気体麻酔のもとで、布巻尺を使用して、肢の周径を測定する。 測定を、距骨および足背面にて、2人の異なる人物によって行い、次いで、これらの2つの読み取りを平均する。 読み取りを、コントロール肢および水腫肢の両方から得る。

    体積測定:手術の日に、動物をペントバルビタールで麻酔し、そして手術の前に試験する。 毎日の体積測定のために、動物を短期ハロタン麻酔(迅速な固定化およびすばやい回復)のもとにおき、両方の脚を剃毛し、そして耐水性マーカーを用いて脚に等しく印をつける。 脚を、最初に水に漬け、次いで各々印をしたレベルまで装置に漬け、次いでBuxco水腫ソフトウェア(Chen/Victor)によって測定する。 データを一方の人物によって記録し、一方もう一方の人は、しるしを付けた領域まで脚を漬ける。

    血液−血漿タンパク質測定:手術の前に血液を取り出し、遠心分離し、そして血清を分離し、次いで、全タンパク質およびCa2+比較について結論付ける。

    肢重量比較:血液を取り出した後、この動物を、組織収集のために調製する。 この肢を、キリチン(quillitine)を用いて切断し、次いで、実験用脚とコントロール脚の両方を、結紮して切断し、そして秤量する。 2回目の秤量を、脛踵(tibio−cacaneal)関節を外し、そして足を秤量して行う。

    組織学的調製:膝(膝窩)領域の後ろに位置する横筋を切り出し、そして金属型に配置し、freezeGelで満たし、冷メチルブタンに漬け、切断するまで標識したサンプルバッグに−80℃にて配置する。 切断の際に、筋肉を、蛍光顕微鏡のもとで、リンパ管について観察する。

    (実施例74:TNFα誘導性接着分子発現の本発明のアルブミン融合タンパク質による抑制)
    炎症および新脈管形成の領域に対するリンパ球の漸増は、リンパ球上の細胞表面接着分子(CAM)と血管内皮との間の特異的なレセプター−リガンド相互作用に関する。 この接着プロセスは、通常の設定および病理学的設定の両方において、細胞間接着分子−1(ICAM−1)、血管細胞接着分子−1(VCAM−1)、および内皮細胞(EC)における内皮白血球接着分子−1(E−セレクチン)発現を含む、多段階カスケードに続く。 これらの分子および他の分子の血管内皮における発現は、白血球が局所血管系に接着し得、そして炎症応答の発生の間に局所組織に溢出し得る効率を決定する。 サイトカインおよび増殖因子の局所濃度は、これらのCAMの発現の調節に関与する。

    腫瘍壊死因子α(TNF−α)(強力なプロ炎症性サイトカイン)は、内皮細胞における3つ全てのCAMの刺激因子であり、そして広範な種々の炎症応答に関与し得、しばしば病理学的結果をもたらす。

    TNF−α誘導性CAM発現の抑制を媒介する本発明のアルブミン融合タンパク質の潜在能力を試験し得る。 改変型ELISAアッセイ(これは、固相吸着剤としてECを使用する)を使用して、FGFファミリーのタンパク質のメンバーを用いて同時刺激した場合に、TNF−α処理タンパク質ECにおけるCAM発現の量を測定する。

    この実験を行うために、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)培養物を、プールした索採取物から得、そして10%FCSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充した増殖培地(EGM−2;Clonetics,San Diego,CA)中で、5%CO を含む37℃の加湿インキュベーターにおいて維持する。 HUVECを、EGM培地中1×10 細胞/ウェルの濃度で、96ウェルプレート中に、37℃で18〜24時間またはコンフルエントになるまで播種する。 続いて、単層を、100U/mlペニシリンおよび100mg/mlストレプトマイシンを補充したRPMI−1640の無血清溶液で3回洗浄し、そして所定のサイトカインおよび/または増殖因子を用いて、24時間37℃にて処理した。 インキュベーション後、次いで、この細胞を、CAM発現について評価する。

    ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を、標準的な96ウェルプレートにおいてコンフルエントになるまで増殖させる。 増殖培地を、細胞から取り除き、そして90μlの199培地(10%FBS)に置き換える。 試験のためのサンプルおよびポジティブまたはネガティブコントロールを、このプレートに三連で添加する(10μl容量)。 プレートを、37℃にて、5時間(セレクチンおよびインテグリン発現)または24時間(インテグリン発現のみ)のいずれかでインキュベートする。 プレートを吸引して、培地を除去し、そして100μlの0.1%パラホルムアルデヒド−PBS(Ca ++およびMg ++を有する)を各ウェルに添加する。 プレートを、4℃にて30分間保持する。

    次いで、固定液をウェルから除去し、そしてウェルをPBS(+Ca、Mg)+0.5%BSAを用いて1回洗浄し、そして排水する。 このウェルを乾燥させないこと。 10μlの希釈した一次抗体を、試験ウェルおよびコントロールウェルに添加する。 抗ICAM−1−Biotin、抗VCAM−1−Biotinおよび抗E−セレクチン−Biotinを、10μg/mlの濃度(0.1mg/mlストック抗体の1:10希釈)で使用する。 細胞を、加湿した環境において、37℃にて30分間インキュベートする。 ウェルを、PBS(+Ca、Mg)+0.5%BSAを用いて3回洗浄する。

    次いで、20μlの希釈したExtrAvidin−Alkaline Phosphotase(1:5,000希釈)を各ウェルに添加し、そして37℃にて30分間インキュベートする。 ウェルを、PBS(+Ca、Mg)+0.5%BSAを用いて3回洗浄する。 1錠のp−ニトロフェノールホスフェート(pNPP)を、5mlのグリシン緩衝液(pH10.4)に溶解させる。 グリシン緩衝液中のpNPP基質100μlを、各試験ウェルに添加する。 三連の標準ウェルを、グリシン緩衝液中のExtrAvidin−Alkaline Phosphotaseの操作希釈(working dilution)(1:5,000(10 )>10 −0.5 >10 −1 >10 −1.5 )から調製する。 5μlの各希釈物を、三連のウェルに添加し、そして各ウェル中の得られたAP含量は、5.50ng、1.74ng、0.55ng、0.18ngである。 次いで、100μlのpNPP試薬を、標準ウェルの各々に添加しなければならない。 このプレートを、37℃にて4時間インキューベートしなければならない。 3M NaOHの50μlの容量を全てのウェルに添加する。 この結果を、プレートリーダーにおいて405nmにて定量する。 バックグラウンド減算オプションを、グリシン緩衝液のみで満たしたブランクウェルにおいて使用する。 このテンプレートを、各々の標準ウェルにおけるAP結合体の濃度を示すように設定する[5.50ng;1.74ng;0.55ng;0.18ng]。 結果を、各サンプル中の結合したAP結合体の量として示す。

    (実施例75:GASレポーター構築物の構築)
    細胞の分化および増殖に関与する1つのシグナル伝達経路は、Jaks−STAT経路と呼ばれる。 Jaks−STAT経路において活性化されたタンパク質は、多くの遺伝子のプロモーターに位置する、γ活性化部位「GAS」エレメントまたはインターフェロン感受性応答エレメント(「ISRE」)に結合する。 これらのエレメントに対するタンパク質の結合は、関連する遺伝子の発現を変化させる。

    GASエレメントおよびISREエレメントは、転写のシグナルトランスデューサーおよび転写のアクチベーター、すなわち「STAT」と呼ばれるクラスの転写因子によって認識される。 STATファミリーには6つのメンバーが存在する。 Stat1およびStat3は、Stat2と同様に(IFNαに対する応答が広範であるように)、多くの細胞型において存在する。 Stat4は、より限定されており、そして多くの細胞型には存在しないが、IL−12での処理後のTヘルパークラスI細胞に見出されている。 Stat5は、元々は乳房成長因子と呼ばれたが、骨髄細胞を含む他の細胞においてより高い濃度で見出されている。 それは、多くのサイトカインによって組織培養細胞において活性化され得る。

    STATは活性化されて、Janus Kinase(「Jaks」)ファミリーとして知られる1セットのキナーゼによるチロシンリン酸化に際して細胞質から核へ移動する。 Jaksは、可溶性のチロシンキナーゼの独特のファミリーの代表であり、そしてTyk2、Jak1、Jak2、およびJak3を含む。 これらのキナーゼは、有意な配列類似性を示し、そして一般には休止細胞において触媒的に不活性である。

    Jaksは、以下の表によって要約されるように広範なレセプターによって活性化される。 (SchidlerおよびDarnell,Ann.Rev.Biochem.64:621−51(1995)による総説から改変)。 Jaksを活性化し得るサイトカインレセプターファミリーは、2つの群に分けられる:(a)クラス1は、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−7、IL−9、IL−11、IL−12、IL−15、Epo、PRL、GH、G−CSF、GM−CSF、LIF、CNTF、およびトロンボポエチンに対するレセプターを含み;そして(b)クラス2は、IFN−a、IFN−g、およびIL−10を含む。 クラス1レセプターは、保存されたシステインモチーフ(4つの保存されたシステインおよび1つのトリプトファンのセット)、およびWSXWSモチーフ(Trp−Ser−Xaa−Trp−Ser(配列番号1113)をコードする膜近接領域)を共有する。

    従って、リガンドのレセプターへの結合の際に、Jaksは活性化され、これは次いでSTATを活性化し、これは、次いで移動し、そしてGASエレメントに結合する。 この全プロセスは、Jaks−STATシグナル伝達経路に包含される。 それゆえ、GASまたはISREエレメントの結合によって反映されるJaks−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。 例えば、増殖因子およびサイトカインは、Jaks−STAT経路を活性化することが知られている。 (以下の表を参照のこと)。 従って、レポーター分子に連結したGASエレメントを使用することにより、Jaks−STAT経路のアクチベーターが同定され得る。

    実施例78〜80に記載される生物学的アッセイにおいて使用されるプロモーターエレメントを含む合成GASを構築するために、PCRに基づいたストラテジーを用いてGAS−SV40プロモーター配列を生成する。 5'プライマーは、IRF1プロモーターにおいて見出され、そして一定の範囲のサイトカインでの誘導の際にSTATに結合することが以前に実証されたGAS結合部位の4つの直列のコピーを含むが(Rothmanら、Immunity 1:457−468(1994))、他のGASエレメントまたはISREエレメントを代わりに使用し得る。 5'プライマーはまた、SV40初期プロモーター配列に対して相補的な18bpの配列も含み、そしてXhoI部位に隣接する。 5'プライマーの配列は以下である:

    下流プライマーはSV40プロモーターに対して相補的であり、そしてHind III部位に隣接する:5':GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3'(配列番号1115)。

    PCR増幅を、Clontechから入手したB−gal:プロモータープラスミド中に存在するSV40プロモーターのテンプレートを用いて実施する。 得られたPCRフラグメントをXhoI/Hind IIIを用いて消化し、そしてBLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。 正方向および逆方向のプライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むことを確認する:

    このGASプロモーターエレメントがSV40プロモーターに結合されると、次に、GAS:SEAP2レポーター構築物を操作する。 ここで、レポーター分子は、分泌アルカリホスファターゼ、すなわち「SEAP」である。 しかし、明らかに、この実施例または他の実施例のいずれにおいても、任意のレポーター分子が、SEAPの代わりとなり得る。 SEAPの代わりに使用され得る周知のレポーター分子としては、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、または抗体により検出可能な任意のタンパク質が挙げられる。

    上記の配列により確認された合成GAS−SV40プロモーターエレメントを、GAS−SEAPベクターを作製するために、HindIIIおよびXhoIを用いて、増幅したGAS:SV40プロモーターエレメントでSV40プロモーターを有効に置換し、Clontechから入手したpSEAP−プロモーターベクターにサブクローニングする。 しかし、このベクターはネオマイシン耐性遺伝子を含まず、それゆえ、哺乳動物の発現系には好ましくない。

    従って、GAS−SEAPレポーターを発現する哺乳動物の安定な細胞株を作製するために、GAS−SEAPカセットを、SalIおよびNotIを用いてGAS−SEAPベクターから取り出し、そしてGAS−SEAP/Neoベクターを作製するために、マルチクローニング部位におけるこれらの制限部位を用いて、ネオマイシン耐性遺伝子を含む骨格ベクター(例えば、pGFP−1(Clontech))に挿入する。 一旦、このベクターを哺乳動物細胞にトランスフェクトすれば、次いでこのベクターは、実施例78〜80に記載されるようにGAS結合についてのレポーター分子として使用され得る。

    他の構築物を、上記の説明を使用し、そしてGASを異なるプロモーター配列で置換して、作製し得る。 例えば、NF−KBおよびEGRプロモーター配列を含むレポーター分子の構築を、実施例78〜82に記載する。 しかし、多くの他のプロモーターを、これらの実施例に記載のプロトコルを使用して置換し得る。 例えば、SRE、IL−2、NFAT、またはオステオカルシンのプロモーターを単独で、または組み合わせて(例えば、GAS/NF−KB/EGR、GAS/NF−KB、Il−2/NFAT、またはNF−KB/GAS)置換し得る。 同様に、他の細胞株(例えば、HELA(上皮細胞)、HUVEC(内皮細胞)、Reh(B細胞)、Saos−2(骨芽細胞)、HUVAC(大動脈細胞)、または心筋細胞)を、レポーター構築物の活性を試験するために使用し得る。

    (実施例76:SEAP活性についてのアッセイ)
    本明細書中に開示される実施例に記載されるアッセイのためのレポーター分子として、SEAP活性を、以下の一般的な手順に従ってTropix Phospho−light Kit(カタログ番号BP−400)を用いてアッセイする。 Tropix Phospho−light Kitは、以下で使用される希釈緩衝液、アッセイ緩衝液、および反応緩衝液を供給する。

    ディスペンサーに2.5×希釈緩衝液を満たし、そして15μlの2.5×希釈緩衝液を本発明のアルブミン融合タンパク質を含む35μlの上清を含むオプティプレート(Optiplate)に分与する。 プラスチックシーラーでプレートをシールし、そして65℃で30分間インキュベートする。 一様でない加温を避けるためにオプティプレートを離しておく。

    サンプルを室温まで15分間冷却する。 ディスペンサーを空にし、そしてアッセイ緩衝液を満たす。 50mlのアッセイ緩衝液を添加し、そして室温で5分間インキュベートする。 ディスペンサーを空にし、そして反応緩衝液を満たす(以下の表を参照のこと)。 50μlの反応緩衝液を添加し、そして室温で20分間インキュベートする。 化学発光シグナルの強度は時間依存的であり、そしてルミノメーターで5つのプレートを読み取るために約10分間を費やすので、1回に5つのプレートを処理し、10分後に2つ目のセットを開始するべきである。

    ルミノメーターにおける相対的な光の単位(light unit)を読み取る。 ブランクとしてH12をセットし、そして結果を印字する。 化学発光の増加は、レポーター活性を示す。

    (実施例77:ニューロン活性を同定するアッセイ)


    細胞が分化および増殖を経る場合、一群の遺伝子が多くの異なるシグナル伝達経路を介して活性化される。 これらの遺伝子の1つであるEGR1(初期増殖応答遺伝子1)は、活性化時に種々の組織および細胞型において誘導される。 EGR1のプロモーターはこのような誘導を担う。 レポーター分子に結合したEGR1プロモーターを使用して、細胞を活性化する本発明のアルブミン融合タンパク質の能力を評価し得る。

    詳細には、以下のプロトコルをPC12細胞株におけるニューロン活性を評価するために使用する。 PC12細胞(ラット褐色細胞腫(phenochromocytoma)細胞)は、多くのマイトジェン(例えば、TPA(テトラデカノイルホルボールアセテート)、NGF(神経成長因子)、およびEGF(上皮増殖因子))での活性化により、増殖および/または分化することが公知である。 この処理の間にEGR1遺伝子発現を活性化する。 従って、SEAPレポーターに結合したEGRプロモーターを含む構築物でPC12細胞を安定にトランスフェクトすることにより、本発明のアルブミン融合タンパク質によるPC12細胞の活性化を評価し得る。

    EGR/SEAPレポーター構築物を以下のプロトコルにより組み立て得る。 EGR−1プロモーター配列(−633〜+1)(Sakamoto Kら、Oncogene 6:867−871(1991))を以下のプライマーを用いて、ヒトゲノムDNAからPCR増幅し得る:
    第1のプライマー:5'GCGCTCGAGGGATGACAGCGATAGAACCCCGG−3'(配列番号1117)
    第2のプライマー:5'GCGAAGCTTCGCGACTCCCCGGATCCGCCTC−3'(配列番号1118)。

    次いで、実施例75において作製したGAS:SEAP/Neoベクターを使用して、EGR1増幅産物をこのベクターに挿入し得る。 制限酵素XhoI/HindIIIを使用してGAS:SEAP/Neoベクターを直鎖状化し、GAS/SV40スタッファー(stuffer)を取り除く。 これらと同じ酵素を用いて、EGR1増幅産物を制限処理する。 ベクターとEGR1プロモーターとを連結する。

    細胞培養のための96ウェルプレートを調製するために、コーティング溶液(コラーゲンI型(Upstate Biotech Inc.カタログ番号08−115)の30%エタノール(滅菌濾過)での1:30希釈)を1つの10cmプレートあたり2ml、または96ウェルプレートのウェルあたり50ml添加し、そして2時間風乾させる。

    PC12細胞を、予めコートした10cm組織培養ディッシュ上で、ペニシリン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を補充した、10%ウマ血清(JRH BIOSCIENCES、カタログ番号12449−78P)、5%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI−1640培地(Bio Whittaker)中で慣用的に増殖させる。 1つから4つへの分割を3〜4日毎に行う。 細胞を掻き取ることによりプレートから取り出し、そして15回より多く上下にピペッティングして再懸濁する。

    EGR/SEAP/Neo構築物を、当該分野で公知の技術を使用して、PC12にトランスフェクトする。 EGR−SEAP/PC12安定細胞を、300μg/mlのG418中で細胞を増殖させることにより得る。 G418を含まない培地を慣用的な増殖のために使用するが、1〜2ヶ月毎に、細胞を2継代の間、300μg/mlのG418中で再増殖させるべきである。

    ニューロン活性をアッセイするために、およそ70〜80%コンフルエントで細胞を有する10cmプレートを、古い培地を除去することによりスクリーニングする。 細胞をPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を用いて1回洗浄する。 次いで、細胞を低血清培地(抗生物質とともに1%ウマ血清および0.5% FBSを含むRPMI−1640)中で一晩、飢餓(starve)させる。

    翌朝、培地を除去し、そしてPBSで細胞を洗浄する。 プレートから細胞を掻き取り、細胞を2mlの低血清培地中で懸濁する。 細胞数をカウントし、そしてより低血清の培地を添加し、5×10 細胞/mlの最終細胞密度に到達させる。

    200μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに添加する(1×10 細胞/ウェルに等しい)。 一連の種々の濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質を、37℃で48〜72時間添加する。 ポジティブコントロールとして、EGRを介してPC12細胞を活性化することが公知の成長因子(例えば、50ng/μlの神経成長因子(NGF))を使用し得る。 代表的には、50倍を超えるSEAP誘導がポジティブコントロールウェルにおいて見られる。 当該分野において公知の技術を用いておよび/または実施例76に記載されるように、SEAPアッセイを慣用的に実施し得る。

    (実施例78:T細胞の活性についてのアッセイ)
    以下のプロトコルを使用して、因子を同定すること、および本発明のアルブミン融合タンパク質がT細胞を増殖および/または分化するか否かを決定することによって、T細胞活性を評価する。 T細胞の活性を実施例75で作製したGAS/SEAP/Neo構築物を用いて評価する。 従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks−STATSシグナル伝達経路を活性化する能力を示す。 このアッセイに使用したT細胞は、Jurkat T細胞(ATCC受託番号TIB−152)であるが、Molt−3細胞(ATCC受託番号CRL−1552)およびMolt−4細胞(ATCC受託番号CRL−1582)細胞もまた使用し得る。

    Jurkat T細胞は、リンパ芽球性CD4+ Th1ヘルパー細胞である。 安定な細胞株を作製するために、およそ200万のJurkat細胞をDMRIE−C(Life Technologies)を用いて、GAS−SEAP/neoベクターでトランスフェクトする(以下に記載のトランスフェクション手順)。 トランスフェクトした細胞を、およそ20,000細胞/ウェルの密度で播種し、そして1mg/mlのジェネティシン(genticin)に対して耐性であるトランスフェクト体を選択する。 耐性コロニーを増殖させ、次いで、漸増する濃度のインターフェロンγに対するそれらの応答について試験する。 選択したクローンの用量応答を示す。

    詳細には、以下のプロトコルにより、200μlの細胞を含む75のウェルについて十分な細胞を得る。 従って、複数の96ウェルプレートについて十分な細胞を産生するために、これをスケールアップするか、または複数で実施するかのいずれかを行う。 Jurkat細胞をRPMI+10%血清および1%のPen−Strep中で維持する。 T25フラスコ中で2.5mlのOPTI−MEM(Life Technologies)と10μgのプラスミドDNAとを組み合わせる。 50μlのDMRIE−Cを含む2.5mlのOPTI−MEMを添加し、そして、室温で15〜45分間インキュベートする。

    インキュベート時間の間、細胞濃度をカウントし、必要な細胞数(トランスフェクションあたり10 個)をスピンダウンし、そして最終濃度が10 細胞/mlとなるようにOPTI−MEM中で再懸濁する。 次いで、OPTI−MEM中の1×10 個の細胞の1mlをT25フラスコに加え、そして37℃で6時間インキュベートする。 インキュベーションの後、10mlのRPMI+15%の血清を添加する。

    Jurkat:GAS−SEAP安定レポーター株をRPMI+10%血清、1mg/mlジェネティシン、および1%のPen−Strep中で維持する。 これらの細胞は、本発明の1つ以上の種々の濃度の融合タンパク質で処理される。

    融合タンパク質での処理日に細胞を洗浄すべきであり、そして1mlあたり500,000個の細胞の密度となるように新鮮なRPMI+10%血清中に再懸濁するべきである。 必要な細胞の正確な数は、スクリーニングされる融合タンパク質の数および融合タンパク質の異なる濃度の数に依存する。 1枚の96ウェルプレートについて、およそ1000万個の細胞(10枚のプレートについて1億個の細胞)を必要とする。

    融合タンパク質で処理したJurkat細胞を含むウェルディッシュをインキュベーターに48時間置く(注記:この時間は48〜72時間の間で変更可能である)。 次いで、各ウェルから35μlのサンプルを12チャンネルのピペットを用いて、不透明な96ウェルプレートに移す。 不透明なプレートを(セロファンのカバーを用いて)覆うべきであり、そして実施例76に従ってSEAPアッセイを実施するまで、−20℃で保存するべきである。 残存する処理した細胞を含むプレートを4℃に置き、そして、所望するならば、特定のウェル上でのアッセイを繰り返すための物質の供給源として供する。

    ポジティブコントロールとして、100ユニット/mlのインターフェロンγを使用し得、これは、Jurkat T細胞を活性化することが公知である。 代表的には、30倍を超える誘導が、ポジティブコントロールのウェルにおいて観察される。

    上述のプロトコルは、一過性および安定性の両方のトランスフェクト細胞の作製に用いられ得、このことは当業者に明らかである。

    (実施例79:T細胞の活性についてのアッセイ)
    NF−KB(核因子KB)は、広範な種々の薬剤(炎症性サイトカインであるIL−1およびTNF、CD30およびCD40、リンホトキシン−αおよびリンホトキシン−βを含む)により、LPSまたはトロンビンへの曝露により、ならびに特定のウイルス遺伝子産物の発現により活性化される転写因子である。 転写因子として、NF−KBは免疫細胞の活性化に関与する遺伝子の発現、アポトーシスの制御(NF−KBは、アポトーシスから細胞を保護するようである)、B細胞およびT細胞の発生、抗ウイルス応答および抗菌応答、ならびに複数のストレス応答を調節する。

    刺激されない条件において、NF−KBは、I−KB(インヒビターKB)を有する細胞質に保持される。 しかし、刺激の際に、I−KBはリン酸化され、そして分解され、NF−KBの核への往復(shuttle)を引き起こし、これにより標的遺伝子の転写を活性化する。 NF−KBにより活性化される標的遺伝子としては、IL−2、IL−6、GM−CSF、ICAM−1およびクラス1MHCが挙げられる。

    その中心的な役割および一定の範囲の刺激に応答する能力に起因して、NF−KBプロモーターエレメントを利用するレポーター構築物を、融合タンパク質をスクリーニングするために使用する。 NF−KBのアクチベーターまたはインヒビターは、疾患の処置、予防および/または診断に有用である。 例えば、NF−KBのインヒビターを、急性または慢性的なNF−KBの活性化に関連する疾患(例えば、慢性関節リウマチ)を処置するために使用し得る。

    NF−KBプロモーターエレメントを含むベクターを構築するために、PCRに基づいたストラテジーを用いる。 上流のプライマーは、NF−KB結合部位(GGGGACTTTCCC)(配列番号1119)の4つの直列のコピー、SV40初期プロモーター配列の5'末端に対して相補的な18bpの配列を含み、そしてXhoI部位に隣接する:
    5':GCGGCCTCGAGGGGACTTTCCCGGGGACTTTCCGGGGACTTTCCGGGACTTTCCATCCTGCCATCTCAATTAG:3'(配列番号1120)。

    下流プライマーは、SV40プロモーターの3'末端に対して相補的であり、そしてHindIII部位に隣接する:
    5':GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3'(配列番号1115)。

    PCR増幅を、Clontechから入手したpB−gal:プロモータープラスミドに存在するSV40プロモーターのテンプレートを使用して実施する。 得られたPCRフラグメントをXhoIおよびHindIIIで消化し、そしてBLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。 T7およびT3プライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むことを確認する:

    次に、XhoIおよびHindIIIを使用して、pSEAP2−プロモータープラスミド(Clontech)に存在するSV40最小プロモーターエレメントをこのNF−KB/SV40フラグメントで置換する。 しかし、このベクターはネオマイシン耐性遺伝子を含まず、そしてそれゆえ哺乳動物の発現系には好ましくない。

    安定な哺乳動物細胞株を作製するために、NF−KB/SV40/SEAPカセットを制限酵素SalIおよびNotIを使用して上記のNF−KB/SEAPベクターから取り出し、そしてネオマイシン耐性を含むベクターに挿入する。 詳細には、SalIおよびNotIでpGFP−1を制限処理した後に、NF−KB/SV40/SEAPカセットをpGFP−1(Clontech)に挿入し、GFP遺伝子を置換した。

    一旦、NF−KB/SV40/SEAP/Neoベクターを作製した後は、実施例76に記載のプロトコルに従って、安定なJurkat T細胞を作製し、そして維持する。 同様に、これらの安定なJurkat T細胞を含む融合タンパク質をアッセイするための方法がまた、実施例76に記載される。 ポジティブコントロールとして、外因性のTNFα(0.1、1、10ng)をウェルH9、H10、およびH11に添加し、代表的には、5〜10倍の活性化が観察される。

    (実施例80:骨髄性活性を同定するアッセイ)
    以下のプロトコルを使用して、融合タンパク質が骨髄性細胞を増殖および/または分化させるか否かを決定することにより本発明のアルブミン融合タンパク質の骨髄性活性を評価する。 骨髄性細胞の活性を実施例75において産生されたGAS/SEAP/Neo構築物を用いて評価する。 従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks−STATSシグナル伝達経路を活性化させる能力を示す。 このアッセイに使用した骨髄性細胞は、U937(前単球(pre−monocyte)細胞株である)が、TF−1、HL60、またはKG1も使用し得る。

    U937細胞を、実施例75において産生されたGAS/SEAP/Neo構築物で、一過性にトランスフェクトするために、DEAE−Dextran法(Kharbandaら、1994,Cell Growth & Differentiation,5:259−265)を用いる。 最初に、2×10 個のU937細胞を収集し、そしてPBSで洗浄する。 U937細胞を、通常、100単位/mlのペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシンを補充した10%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI 1640培地中で増殖させる。

    次に、0.5mg/ml DEAE−Dextran、8μgのGAS−SEAP2プラスミドDNA、140mM NaCl、5mM KCl、375μM Na HPO ・7H O、1mM MgCl 、および675μM CaCl を含む1mlの20mM Tris−HCl(pH 7.4)緩衝液に細胞を懸濁する。 37℃で45分間インキュベートする。

    10% FBSを含むRPMI 1640培地で細胞を洗浄し、次いで、10mlの完全培地に再懸濁し、そして37℃で36時間インキュベートする。

    GAS−SEAP/U937安定細胞を、400μg/mlのG418中で細胞を増殖させることにより得る。 慣用的な増殖のためにG418を含まない培地を使用するが、1〜2ヶ月毎に細胞を二継代の間、400μg/ml G418中で再増殖させるべきである。

    これらの細胞を1×10 個の細胞(これは10枚の96ウェルプレートアッセイのために十分である)を収集することにより試験し、そしてPBSで洗浄する。 上記の200mlの増殖培地中に、5×10 細胞/mlの最終密度で細胞を懸濁する。 96ウェルプレートにおいて1ウェルあたり200μlの細胞(すなわち、1×10 細胞/ウェル)をプレートする。

    異なる濃度の融合タンパク質を添加する。 37℃で48〜72時間インキュベートする。 陽性コントロールとして、100単位/mlのインターフェロンγを使用し得、これはU937細胞を活性化させることが公知である。 代表的には、30倍を超える誘導が、陽性コントロールウェルにおいて観察される。 当該分野で公知の方法および/または実施例76に記載のプロトコルに従って上清をSEAPアッセイする。

    (実施例81:低分子の濃度および膜透過性の変化を同定するアッセイ)
    レセプターへのリガンドの結合は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのような低分子およびpHの細胞内レベルを変化させ、ならびに膜電位を変化させることが公知である。 これらの変化を特定細胞のレセプターに結合する融合タンパク質を同定するためのアッセイで測定し得る。 以下のプロトコルは、カルシウムについてのアッセイを記載するが、このプロトコルは、カリウム、ナトリウム、pH、膜電位、または蛍光プローブにより検出可能な任意の他の低分子の変化を検出するように容易に改変され得る。

    以下のアッセイは、蛍光測定画像化プレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader)(「FLIPR」)を使用して低分子と結合する蛍光分子(Molecular Probes)の変化を測定する。 明らかに、低分子を検出する任意の蛍光分子を、本明細書で用いるカルシウム蛍光分子、fluo−4(Molecular Probe,Inc.;カタログ番号:F−14202)の代わりに使用し得る。

    接着細胞については、細胞を10,000〜20,000細胞/ウェルで、底が透明なCo−star黒色96ウェルプレートに播種する。 プレートをCO インキュベーター内で20時間インキュベートする。 接着細胞をBiotek洗浄器内で200μlのHBSS(ハンクス平衡塩類溶液)で二回洗浄し、最後の洗浄後、100μlの緩衝液を残す。

    1mg/mlのfluo−4のストック溶液を10%プルロニック酸(pluronic acid)DMSOで作製する。 細胞にfluo−4を負荷するため、12μg/mlのfluo−4(50μl)を各ウェルに添加する。 このプレートをCO インキュベーター中、37℃で60分間インキュベートする。 プレートをBiotek洗浄器で、HBSSにより4回洗浄し、100μlの緩衝液を残す。

    非接着細胞については、細胞を培養培地からスピンダウンする。 細胞を、50mlのコニカルチューブ内でHBSSを用いて2〜5×10 細胞/mlに再懸濁する。 細胞懸濁液各1mlあたりに対し、10%プルロニック酸DMSO中の1mg/ml fluo−4溶液4μlを添加する。 次に、チューブを37℃の水浴中に30〜60分間置く。 細胞をHBSSで二回洗浄し、1×10 細胞/mlに再懸濁し、そしてマイクロプレートに100μl/ウェルで分配する。 プレートを1000rpmで5分間遠心分離する。 次に、プレートをDenley Cell Wash中で200μlで一回洗浄した後、吸引工程により最終容量を100μlにする。

    非細胞ベースのアッセイについて、各ウェルは、fluo−4のような蛍光分子を含有する。 融合タンパク質をウェルに添加し、そして蛍光の変化を検出する。

    細胞内カルシウムの蛍光を測定するために、FLIPRを以下のパラメーターについて設定する:(1)システムゲイン(System gain)は、300〜800mWであり;(2)曝露時間は、0.4秒間であり;(3)カメラF/ストップは、F/2であり;(4)励起は488nmであり;(5)発光は530nmであり;そして(6)サンプル添加は50μlである。 530nmでお発光の増加は、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質によって誘導される分子のいずれかの分子に起因する、細胞外シグナル伝達事象を示し、これは、細胞内Ca ++濃度の増加を生じる。

    (実施例82:チロシンキナーゼ活性を同定するアッセイ)
    プロテインチロシンキナーゼ(PTK)は、多様な群の膜貫通キナーゼおよび細胞質キナーゼを表す。 レセプタープロテインチロシンキナーゼ(RPTK)群内に、PDGF、FGF、EGF、NGF、HGFおよびインスリンレセプターサブファミリーを含む、一定の範囲のマイトジェン性および代謝性成長因子のレセプターがある。 さらに、対応するリガンドが未知である大きなRPTKのファミリーがある。 RPTKのリガンドは、主として分泌される低分子量タンパク質を含むが、膜結合型および細胞外マトリックスタンパク質も含む。

    リガンドによるRPTKの活性化は、リガンド媒介レセプター二量体化を含み、これはレセプターサブユニットのトランスリン酸化および細胞質チロシンキナーゼの活性化を生じる。 細胞質チロシンキナーゼとしては、srcファミリー(例えば、src、yes、lck、lyn、fyn)のレセプター関連チロシンキナーゼ、ならびにJakファミリーのような非レセプター結合型および細胞質ゾルタンパク質チロシンキナーゼが挙げられる。 これらのメンバーは、レセプターのサイトカインスーパーファミリー(例えば、インターロイキン、インターフェロン、GM−CSFおよびレプチン(Leptin))によって誘発されるシグナル伝達を媒介する。

    チロシンキナーゼ活性を刺激し得る公知の因子は広範であるので、本発明のアルブミン融合タンパク質または本発明のアルブミン融合タンパク質によって誘導される分子が、チロシンキナーゼシグナル伝達経路を活性化し得るか否かを同定することは興味深い。 従って、以下のプロトコルを設計して、チロシンキナーゼシグナル伝達経路を活性化し得るこのような分子を同定する。

    標的細胞(例えば、初代ケラチノサイト)を約25,000細胞/ウェルの密度で、Nalge Nunc(Naperville,IL)から購入した96ウェルLoprodyne Silent Screen Plateに播種する。 プレートを100%エタノールで30分間、二回リンスして滅菌し、水でリンスし、そして一晩乾燥させる。 いくつかのプレートを、100mlの細胞培養グレードI型コラーゲン(50mg/ml)、ゼラチン(2%)またはポリリジン(50mg/ml)(これらは全て、Sigma Chemicals(St.Louis,MO)から購入し得る)で、またはBecton Dickinson(Bedford,MA)から購入した10% Matrigel、あるいは仔ウシ血清で2時間コーティングし、PBSでリンスし、そして4℃で保存する。 増殖培地に5,000細胞/ウェルを播種し、製造業者のAlamar Biosciences,Inc. (Sacramento,CA)が記載するように、alamarBlueを使用して48時間後に細胞数を間接定量することにより、これらのプレート上の細胞増殖をアッセイする。 Becton Dickinson(Bedford,MA)のFalconプレートカバー#3071を使用して、Loprodyne Silent Screen Plateを覆う。 Falcon Microtest III細胞培養プレートもまた、いくつかの増殖実験において使用され得る。

    抽出物を調製するために、A431細胞をLoprodyneプレートのナイロンメンブレン上に播種し(20,000/200ml/ウェル)、そして完全培地中で一晩培養する。 細胞を、無血清基本培地中で24時間インキュベートして静止させる。 EGF(60ng/ml)または異なる濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質で5〜20分間処理した後、培地を除去し、そして100mlの抽出緩衝液(20mM HEPES pH7.5、0.15M NaCl、1% TritonX−100、0.1%SDS、2mM Na VO 、2mM Na およびBoeheringer Mannheim(Indianapolis,IN)から入手したプロテアーゼインヒビターのカクテル(#1836170))を各ウェルに添加し、そしてプレートを回転振盪器上、4℃で5分間振盪する。 次に、プレートを真空トランスファーマニホルド(vacuum transfer manifold)に設置し、そしてハウスバキュームを使用して抽出物を各ウェルの底の0.45mm膜を通して濾過する。 抽出物をバキュームマニホールドの底の96ウェル捕獲/アッセイプレートに集め、そして直ちに氷上に置く。 遠心分離により明澄化した抽出物を得るため、界面活性剤で5分間可溶化した後、各ウェルの含有物を取り出し、そして4℃にて16,000×gで15分間遠心分離する。

    濾過抽出物をチロシンキナーゼ活性のレベルについて試験する。 チロシンキナーゼ活性を検出する多数の方法が公知であるが、本明細書においては方法の一つを記載する。

    一般的に、特定の基質(ビオチン化ペプチド)上のチロシン残基をリン酸化する能力を決定することにより、本発明のアルブミン融合タンパク質のチロシンキナーゼ活性を評価する。 この目的に使用され得るビオチン化ペプチドとしては、PSK1(細胞分裂キナーゼcdc2−p34のアミノ酸6〜20に相当)およびPSK2(ガストリンのアミノ酸1〜17に相当)が挙げられる。 両方のペプチドは、一定範囲のチロシンキナーゼの基質であり、Boehringer Mannheimから入手可能である。

    以下の成分を順に添加することにより、チロシンキナーゼ反応を設定する。 まず、5μMビオチン化ペプチド10μlを添加した後、次いで、10μlのATP/Mg 2+ (5mM ATP/50mM MgCl )、次いで10μlの5×アッセイ緩衝液(40mM塩酸イミダゾール、pH7.3、40mM β−グリセロリン酸塩、1mM EGTA、100mM MgCl 、5mM MnCl 、0.5mg/ml BSA)、次いでバナジン酸ナトリウム(1mM)5μl、次いで水5μlを添加する。 成分を穏やかに混合し、反応混合物を30℃で2分間プレインキュベートする。 コントロール酵素または濾過上清(10μl)を加えて反応を開始させる。

    次に、120mM EDTA(10μl)を添加することによりチロシンキナーゼアッセイ反応を停止し、その反応物を氷上に置く。

    反応混合物の50μlのアリコートをマイクロタイタープレート(MTP)モジュールに移し、37℃で20分間インキュベートすることにより、チロシンキナーゼ活性を決定する。 これにより、ストレプトアビジン(streptavadin)コーティング96ウェルプレートをビオチン化ペプチドと会合させる。 MTPモジュールを300μl/ウェルのPBSで4回洗浄する。 次に、75μlの西洋ワサビペルオキシダーゼに結合体化した抗ホスホチロシン(phospotyrosine)抗体(抗P−Tyr−POD(0.5u/ml))を、各ウェルに添加し、そして37℃で1時間インキュベートする。 ウェルを上記のように洗浄する。

    次に、100μlのペルオキシダーゼ基質溶液(Boehringer Mannheim)を加え、室温で少なくとも5分間(最長30分間)インキュベートする。 ELISAリーダーを使用して、405nmにおけるサンプルの吸光度を測定する。 結合したペルオキシダーゼ活性のレベルをELISAリーダーを使用して定量する。 これは、チロシンキナーゼ活性のレベルを反映する。

    (実施例83:リン酸化活性を同定するアッセイ)
    実施例82に記載のタンパク質チロシンキナーゼ活性アッセイの可能性のある代替物および/または補体(compliment)として、主要な細胞内シグナル伝達中間体の活性化(リン酸化)を検出するアッセイもまた使用し得る。 例えば、下記のように、一つの特定のアッセイは、Erk−1キナーゼおよびErk−2キナーゼのチロシンリン酸化を検出し得る。 しかし、Raf、JNK、p38 MAP、Mapキナーゼキナーゼ(MEK)、MEKキナーゼ、Src、筋肉特異的キナーゼ(MuSK)、IRAK、TecおよびJanusのような他の分子、ならびに他の任意のホスホセリン、ホスホチロシンまたはホスホスレオニン分子のリン酸化を、以下のアッセイにおいてこれらの分子でErk−1またはErk−2を置き換えることにより検出し得る。

    詳細には、96ウェルELISAプレートのウェルを0.1mlのプロテインG(1μg/ml)により室温(RT)で2時間コーティングしてアッセイプレートを作製する。 次に、プレートをPBSでリンスし、そして3%BSA/PBSによりRTで1時間ブロックする。 次に、プロテインGプレートをErk−1およびErk−2に対する二つの市販のモノクローナル抗体(100ng/ウェル)(Santa Cruz Biotechnology)で処理(RTで1時間)する。 (他の分子を検出するために、上記の任意の分子を検出するモノクローナル抗体を交換することにより、この工程を容易に改変し得る)。 PBSで3〜5回リンスした後、使用時まで、プレートを4℃で貯蔵する。

    A431細胞を20,000/ウェルで96ウェルLoprodyneフィルタープレートに播種し、そして増殖培地中で一晩培養する。 次に、細胞を基本培地(DMEM)中で48時間飢餓させ、次いでEGF(6ng/ウェル)または種々の濃度の本発明の融合タンパク質で5〜20分間処理する。 次に、細胞を可溶化し、そして抽出物を濾過して直接アッセイプレート中に入れる。

    抽出物を用いてRTで1時間インキュベートした後、ウェルを再度リンスする。 陽性コントロールとして、市販のMAPキナーゼ調製物(10ng/ウェル)をA431抽出物の代わりに使用する。 次に、プレートを、Erk−1キナーゼおよびErk−2キナーゼのリン酸化エピトープを特異的に認識する市販のポリクローナル(ウサギ)抗体(1μg/ml)で処理する(RTで1時間)。 この抗体を標準的な手順によりビオチン化する。 次に、Wallac DELFIA装置内で、結合ポリクローナル抗体をユーロピウムストレプトアビジンおよびユーロピウム蛍光増強剤と連続的にインキュベートする(時間分解性蛍光)ことによって定量する。 バックグラウンドを超える蛍光シグナルの増加は、本発明の融合タンパク質によるリン酸化または本発明のアルブミン融合タンパク質によって誘導される分子を示す。

    (実施例84:骨髄CD34+細胞増殖の刺激についてのアッセイ)
    このアッセイは、ヒトCD34+が、造血増殖因子の存在下で増殖する能力に基づき、そしてCD34+細胞の増殖を刺激する本発明の融合タンパク質の能力を評価する。

    最も熟成した前駆体は、単一シグナルのみに応答することが以前に示されている。 より未熟な前駆体は、応答するために少なくとも2つのシグナルを必要とする。 従って、広範な先祖細胞の造血活性に対する本発明の融合タンパク質の効果を試験するために、このアッセイは、造血増殖因子の存在下または非存在下において、所定の本発明の融合タンパク質を含む。 単離された細胞を、試験サンプルと組み合わせて、幹細胞因子(SCF)の存在下で、5日間培養する。 SCFのみは、骨髄(BM)細胞の増殖に対して、非常に制限された効果を有し、「生存」因子としてのみ、このような条件下で作用する。 しかし、これらの細胞(例えば、IL−3)に対する刺激効果を示す任意の因子と組み合わせると、SCFは、相乗効果を生じる。 従って、試験された融合タンパク質が、造血祖先に対する刺激効果を有する場合、このような活性は、容易に検出され得る。 正常なBM細胞は、低レベルの細胞周期(cycling cell)を有するので、所定の融合タンパク質のいかなる阻害効果も検出されないようである。 従って、先祖に対する阻害効果についてのアッセイが、好ましくは、SCF+IL+3でのインビトロ刺激に最初に供され、次いで、このような誘起増殖の阻害のために評価される化合物と接触させられる細胞において試験される。

    簡潔には、CD34+細胞は、当該分野で公知の方法を使用して単離される。 これらの細胞は、解凍され、そして、培地(1% L−グルタミンを有するQBSF 60 無血清培地(500ml)(Quality Biological Inc.,Gaithersburg,MD Cat# 160−204−101))に再懸濁される。 200×gでのいくらか穏やかな遠心分離の後、細胞は、1時間静置される。 細胞数を2.5×10 細胞/mlに調節する。 この時間の間、100μlの滅菌水を96ウェルプレートの周辺ウェルに添加する。 このアッセイにおいて、本発明のアルブミン融合タンパク質で試験され得るサイトカインは、50ng/mlのrhSCF(R&D Systems,Minneapolis,MN,Cat# 255−SC)のみであり、そして30ng/mlのrhSCFとrhIL−3(R&D Systems,Minneapolis,MN,Cat# 203−ML)との組み合わせである。 1時間後、10μlの調製されたサイトカイン、種々の濃度の本発明のアルブミン融合タンパク質および20μlの希釈された細胞を、培地に添加し、この培地は、100μlの最終全体積にするためにすでにウェル中に存在する。 次いで、このプレートを37℃/5% CO インキュベータに5日間置く。

    アッセイを行う(harvest)18時間前に、0.5μCi/ウェルの[3H]チミジンを、各ウェルに10μlの体積で添加し、増殖率を決定する。 この実験は、Tomtec Harvester 96を使用して、細胞を、各96ウェルプレートからフィルターマットに収集することによって終結される。 収集後、フィルターマットを乾燥し、トリムし、そして1つのOmnifilterプレートおよび1つのOmniFilterトレイからなるOmnifilterアセンブリに置く。 60μlのMicroscintを各ウェルに添加し、そしてプレートをTopSeal−Aプレスオンフィーリングフィルムで密閉する。 バーコード15ステッカーを計数のために、第1のプレートに固定する。 次いで、密閉されたプレートを充填し、そして放射能のレベルを、Parckard Top Countを介して決定し、プリントされたデータを分析のために収集する。 放射能レベルは、細胞増殖の量を反映する。

    本実施例に記載される研究は、骨髄CD34+細胞増殖を刺激する、所定の融合タンパク質の活性を試験する。 当業者は、本発明のアルブミン融合タンパク質およびポリヌクレオチド(例えば、遺伝子治療)ならびにそのアゴニストおよびアンタゴニストの活性を試験するために、例示された実施例を容易に改変し得る。 骨髄CD34+細胞の増殖を刺激する本発明のアルブミン融合タンパク質の能力は、この融合タンパク質に対応するアルブミン融合タンパク質および/またはポリヌクレオチドが、免疫系および造血に影響する障害の診断および処置に有用であることを示す。 代表的な用途は、上記の「免疫活性」および「感染疾患」の節、ならびに本明細書中の他の箇所に記載される。

    (実施例85:細胞外マトリックス増強細胞応答(EMECR)についてのアッセイ) 細胞外マトリックス増強細胞応答(EMECR)アッセイの目的は、細胞外マトリックス(ECM)誘導シグナルに関連して、造血幹細胞に作用する本発明の融合タンパク質の能力を評価することである。

    周囲のミクロ環境から受けるシグナルに関連して、細胞は、調節因子に応答する。 例えば、線維芽細胞、ならびに内皮幹細胞および上皮幹細胞は、ECMからのシグナルの非存在下で、複製することができない。 造血幹細胞は、骨髄中で自己再生を起こし得るが、インビトロ懸濁液培養では自己再生を起こさない。 インビトロで自己再生を起こす幹細胞の能力は、間質(stromal)細胞およびECMタンパク質フィブロネクチン(fn)とのそれらの相互作用に依存する。 細胞のfnへの吸着は、α . β およびα . β インテグリンレセプターによって媒介され、これらのレセプターは、ヒトおよびマウス造血幹細胞によって発現される。 ECM環境で組み込み、そして幹細胞の自己再生の刺激の原因である因子は未だ同定されていない。 このような因子の発見は、遺伝子治療および脊髄移植適用における重要な目的である。

    簡潔には、ポリスチレンの組織培養処理されていない96ウェルプレートは、0.2μg/cm のコーティング濃度でfnフラグメントでコートされる。 マウス骨髄細胞を、0.2mlの無血清培地(1,000細胞/ウェル)にプレートする。 IL−3(5ng/ml)+SCF(50ng/ml)の存在下で培養された細胞は、幹細胞の自己再生が期待されず、明確な分化が期待される条件で、ポジティブコントロールとして作用する。
    本発明のアルブミン融合タンパク質は、SCF(5.0ng/ml)の存在下、または非存在下で適切なネガティブコントロールとともに試験され、ここで、本発明のアルブミン融合タンパク質を含む投与される組成物の容量は、全アッセイ体積の10%を示す。 次いで、プレートされた細胞を、低酸素環境(5%CO 、7%O および88%N )の組織培養インキュベーターで7日間インキュベートすることによって増殖させる。 次いで、ウェル内の増殖細胞の数を、細胞DNAへのチミジン組込みを測定することによって定量する。 アッセイにおけるポジティブヒットの確認は、細胞の表現型の特徴付けを必要とし、この特徴付けは、培養系をスケールアップし、そして細胞表面抗原およびFACScanに対する適切な抗体試薬を使用することによって達成される。

    本発明の特定の融合タンパク質は、造血祖先の刺激薬であることが見出される場合、この融合タンパク質に対応する融合タンパク質およびポリヌクレオチドは、免疫系および造血に影響する障害の診断および処置に有用であり得る。 代表的な用途は、上記の「免疫活性」および「感染疾患」の節、ならびに本明細書の他の箇所に記載される。 融合タンパク質はまた、種々の血液連鎖の幹細胞および先駆細胞(commited progenitor)の拡張において、そして種々の細胞の型の分化および/または増殖において有用であり得る。

    さらに、本発明のアルブミン融合タンパク質および本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、造血細胞の増殖および分化を阻害するために使用され、そしてそれによって、化学療法の間に、化学療法薬剤から骨髄幹細胞を保護するために使用され得る。 この抗増殖効果は、より高い用量の化学療法薬剤の投与、従って、より有効な化学治療処置を可能にし得る。

    さらに、本発明の融合タンパク質および本発明のアルブミン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドもまた、造血関連障害(例えば、貧血、汎血球減少症、白血球減少症、血小板減少症、または白血病)の処置および診断に有用であり得る。 なぜなら、間質細胞は、造血系列の細胞の生成において重要であるからである。 これらの用途としては、骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再形成、新形成の放射線療法または化学療法が、挙げられる。

    (実施例86:ヒト皮膚線維芽細胞および大動脈平滑筋細胞の増殖)
    本発明の融合タンパク質を、正常なヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)およびヒト大動脈平滑筋細胞(AoSMC)の培養物に添加し、そして2つの同時アッセイを各サンプルを用いて実施する。 第1のアッセイは、正常なヒト線維芽細胞(NHDF)または大動脈平滑筋細胞(AoSMC)の増殖に対する、融合タンパク質の効果を試験する。 線維芽細胞または平滑筋細胞の異常な増殖は、いくつかの病理学的プロセス(繊維症および再狭窄を含む)の一部である。 第2のアッセイは、NHDFおよびSMCの両方によるIL6産生を試験する。 IL6産生は、機能的活性化の指標である、活性化細胞は、多数のサイトカインおよび他の因子の産生の増加を有し、これは、炎症誘発性(proinflammatory)または免疫調節性の結果を生じ得る。 アッセイは、同時刺激活性または阻害活性をチェックするために、同時TNFα刺激とともに行い、そして同時TNFα刺激なしで行う。

    簡単に述べると、1日目に、96ウェルの黒いプレートに、100μl培養培地中に1000細胞/ウェル(NHDF)または2000細胞/ウェル(AoSMC)を配置する。 NHDF培養培地は、以下:Clonetics FB基礎培地、1mg/ml hFGF、5mg/mlインスリン、50mg/mlゲンタマイシン、2% FBSを含み、一方AoSMC培養培地は、以下:Clonetics SM基礎培地、0.5μg/ml hFGF、5mg/mlインスリン、1μg/ml hFGF、50mg/mlゲンタマイシン、50μg/ml Amphotericin B、5% FBSを含む。 37℃で少なくとも4〜5時間のインキュベーション後、培養培地を吸引し、増殖停止培地で置換する。 NHDF用の増殖停止培地は、線維芽細胞基礎培地、50mg/mlゲンタマイシン、2% FBSを含み、一方AoSMC用の増殖停止培地は、SM基礎培地、50mg/mlゲンタマイシン、50μg/ml Amphotericin B、0.4% FBSを含む。 37℃で2日目までインキュベートする。

    2日目、本発明のアルブミン融合タンパク質の系列希釈物およびテンプレートを、それらが常に、培地コントロールおよび既知のタンパク質コントロールを含むように、設計する。 刺激実験および阻害実験の両方について、タンパク質を増殖停止培地で希釈する。 阻害実験について、TNFaを、最終濃度2ng/ml(NHDF)または5ng/ml(AoSMC)まで添加する。 コントロールまたは本発明のアルブミン融合タンパク質を含む1/3容量の培地を添加し、そして5日目まで、37℃/5% CO にてインキュベートする。

    各ウェルから60μlを別の標識96ウェルプレートに移し、プレートシーラーで覆い、そして6日目まで4℃で(IL6 ELISAのために)保存する。 細胞培養プレート中の残りの100μlに、その培養物容量の10%に等しい量(10μl)のAlamar Blueを無菌的に添加する。 プレートを3〜4時間の間インキュベーターに戻す。
    次いで、530nmでの励起および590nmでの放射を伴う蛍光を、CytoFluorを使用して測定する。 これにより、増殖刺激/阻害のデータを得る。

    5日目、IL−6 ELISAを、PBS(pH7.4)に希釈した50〜100μl/ウェルの抗ヒトIL−6モノクローナル抗体で96ウェルプレートをコーティングすることによって実施し、室温でONをインキュベートする。

    6日目、プレートの中身を流しに空け、そしてペーパータオル上で吸い取る。 4% BSAを含むPBSを含むアッセイ緩衝液を調製する。 プレートを、PBS中の200μ/ウェルのPierce Super Blockブロッキング緩衝液で1〜2時間ブロックし、次いで、洗浄緩衝液(PBS,0.05% Tween−20)でプレートを洗浄する。 プレートをペーパータオル上で吸い取る。 次いで、0.50mg/mlに希釈した抗ヒトIL−6モノクローナルビオチン標識抗体50μl/ウェルを添加する。 IL−6ストックの培地中の希釈物を作製する(30ng/ml、10ng/ml、3ng/ml、1ng/ml、0.3ng/ml、0ng/ml)。 二連のサンプルをプレートの最上列に添加する。 プレートを覆い、そして振盪機上で室温で2時間インキュベートする。

    プレートを洗浄緩衝液で洗浄し、ペーパータオル上で吸い取る。 EU標識ストレプトアビジンをアッセイ緩衝液中に1:1000希釈し、そして100μl/ウェルを添加する。 プレートを覆い、そして室温で1時間インキュベートする。 プレートを再び洗浄緩衝液で洗浄し、そしてペーパータオル上で吸い取る。

    100μl/ウェルの増強溶液を添加する。 5分間振盪する。 Wallac DELFIA蛍光測定器でプレートを読み取る。 各アッセイでの三連のサンプルからの読み取りを、表にして平均をとる。

    このアッセイにおける陽性の結果は、AoSMC細胞増殖を示唆し、そしてアルブミン融合タンパク質が皮膚線維芽細胞増殖および/または平滑筋細胞増殖に関与し得ることを示唆する。 陽性の結果はまた、融合タンパク質および融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの多くの潜在的な使用を示唆する。 例えば、本明細書の全体にわたって記載されるように、炎症および免疫応答、創傷の治癒、ならびに新脈管形成。 特に、融合タンパク質は、創傷の治癒および皮膚の再生、ならびに脈管形成(血管およびリンパ管の両方)の促進に使用され得る。 脈管の成長は、例えば、心臓血管疾患の処置において使用され得る。 さらに、このアッセイにおいて拮抗活性を示す融合タンパク質は、抗脈管(例えば、抗新脈管形成)として作用することによって、新脈管形成を含む、疾患、障害、および/または状態を処置する際に有用であり得る。 これらの疾患、障害、および/または状態、例えば以下:悪性腫瘍、固形腫瘍、良性腫瘍(例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫);関節硬化性斑(artheroscleric plaque);眼の脈管形成疾患(例えば、糖尿病性網膜障害、未熟児の網膜障害、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、皮膚潮紅、網膜芽細胞腫、ぶどう膜炎、および眼の翼状片(異常な血管の成長));慢性関節リウマチ;乾癬;遅延性の創傷の治癒;子宮内膜症;脈管形成;顆粒形成;過形成性瘢痕(ケロイド);非結合性骨折(nonunion fracture);強皮症;トラコーマ;脈管接着;心筋新脈管形成;冠状側副枝;大脳側副枝;動静脈奇形;虚血性の肢の新脈管形成;Osler−Webber症候群;斑の新生血管形成;毛細血管拡張症;血友病性関節;血管線維腫;線維性筋性形成異常症;創傷肉芽化;クローン病;およびアテローム性硬化症などは、当該分野において公知でありそして/または本明細書中で記載される。 さらに、このアッセイにおいてアンタゴニストとして作用するアルブミン融合タンパク質は、当該分野において公知でありそして/または本明細書中で記載される、抗過増殖性疾患および/または抗炎症性疾患を処置する際に有用であり得る。

    (実施例87:内皮細胞上での細胞接着分子(CAM)の発現)
    リンパ球の、炎症および新脈管形成の領域に対する動員は、リンパ球上の細胞表面接着分子(CAM)と脈管内皮との間の特異的なレセプタリガンド相互作用を含む。 接着プロセスは、正常の環境および病的な環境の両方において、多段階のカスケードに従い、このカスケードは、内皮細胞(EC)上での細胞内接着分子1(ICAM−1)、脈管細胞接着分子1(VCAM−1)、および内皮性白血球接着分子1(E−セレクチン)の発現を含む。 脈管内皮上でのこれらの分子などの発現は、白血球が局所的な脈環構造と接着し、そして炎症性応答の進行の間に局所的な組織へと溢出し得る効率を決定する。 サイトカインおよび増殖因子の局所的濃度は、これらのCAMの発現の調節に関与する。

    簡単には、内皮細胞(例えば、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC))を、標準96ウェルプレート中でコンフルエンスまで増殖する。 増殖培地を、細胞から除去し、そして100μlの199 Medium(10%ウシ胎仔血清(FBS))で置き換える。 試験のためのサンプル(本発明のアルブミン融合タンパク質を含む)および陽性コントロールまたは陰性コントロールを、3連(10μlの容量ずつ)のプレートに添加する。 次いで、プレートを、37℃で、5時間(セレクチンおよびインテグリンの発現)かまたは24時間(インテグリンの発現のみ)のいずれかの間インキュベートする。 プレートを、培地を除去するために吸引し、そして100μlの0.1%パラホルムアルデヒド−PBS(Ca++およびMg++含有)を各ウェルに添加する。 プレートを4℃で30分間保持する。 固定剤をウェルから除去し、そしてウェルをPBS(+Ca、Mg)+0.5%BSAで1回洗浄し、そして水気を切る。 10μlの希釈した一次抗体を、試験ウェルおよびコントロールウェルに添加する。 抗ICAM−1−ビオチン、抗VCAM−1−ビオチン、および抗E−セレクチン−ビオチンを、10μg/mlの濃度(0.1mg/mlのストック抗体の1:10希釈)で使用する。 細胞を37℃で30分間、加湿された環境においてインキュベートする。 ウェルを、PBS(+Ca、Mg)+0.5%BSAで3回洗浄する。 20μlの希釈されたExtrAvidin−Alkaline Phosphotase(1:5,000希釈、本明細書中で作業用希釈液といわれる)を各ウェルに添加し、そして37℃で30分間インキュベートする。 ウェルを、PBS(+Ca、Mg)+0.5%BSAで3回洗浄し、排出する。 5mlのグリシン緩衝液(pH10.4)につき1錠のp−ニトロフェノールホスフェート(pNPP)を溶解する。 グリシン緩衝液中の100μlのpNPP基質を各試験ウェルに添加する。 3連の標準ウェルを、グリシン緩衝液中のExtrAvidin−Alkaline Phosphotase;1:5,000(10 )>10 −0.5 >10 −1 >10 −1.5の作業用希釈液から調製する。 各希釈液の5μlを3連のウェルに添加すると、各ウェル中の得られるAP含有量は、5.5ng、1.74ng、0.55ng、0.18ngである。 次いで、100μlのpNNP試薬を標準ウェルの各々に添加する。 このプレートを、37℃で4時間インキュベートする。 50μlの容量の3M NaOHを、全てのウェルに添加する。 このプレートを、グリシン緩衝液のみを充填したブランクウェルでのバックグラウンド除去オプションを使用して、405nmのプレートリーダーで読む。 さらに、テンプレートを、各標準ウェル[5.50ng;1.74ng;0.55ng;0.18ng]中のAP結合体の濃度を示すように調整する。 結果を、各サンプル中の結合したAP共重合体の量として示す。

    (実施例88:Alamar Blue内皮細胞増殖アッセイ)
    このアッセイを使用して、ウシリンパ内皮細胞(LEC)、ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)、またはヒト微小血管子宮筋細胞(UTMEC)のbFGF誘導増殖のタンパク質媒介性阻害を定量的に決定し得る。 このアッセイは、代謝活性の検出に基づく、蛍光定量的な増殖インジケーターを組み込む。 標準Alamar Blue増殖アッセイを、内皮細胞刺激の供給源として添加した10ng/mlのbFGFを含むEGM−2MV中で調製する。 このアッセイは、増殖培地および細胞濃度がわずかに変化した様々な内皮細胞と共に使用され得る。 試験されるべきタンパク質バッチの希釈物を、適切に希釈する。 bFGFなしの無血清培地(BIBCO SFM)を、非刺激コントロールとして使用し、そしてAngiostatinまたはTSP−1を、既知の阻害コントロールとして含める。

    簡単には、LEC、BAECまたはUTMECを、96ウェルプレートに、5000〜2000細胞/ウェルの密度で、増殖培地に播種し、そして37℃で一晩放置する。 この細胞の一晩のインキュベーションの後、増殖培地を除去し、そしてGIBCO EC−SFMで置き換える。 この細胞を、追加のbFGFを含む3連のウェル中で、本発明のアルブミン融合タンパク質またはコントロールタンパク質サンプルの適切な希釈物(SFM中で調製)で、10ng/mlの濃度まで処理する。 一旦、細胞をサンプルで処理すると、プレート(単数または複数)を、37℃のインキュベーターに3日間戻す。 3日後、10mlのストックalamar blue(Biosource Cat# DAL1100)を、各ウェルに添加し、そしてプレート(単数または複数)を、37℃のインキュベーターに4時間戻す。 次いで、このプレート(単数または複数)を、CytoFluor蛍光リーダーを使用して、530nm励起および590nm発光で読みとる。 直接出力を、相対蛍光単位で記録する。

    Alamar blueは、細胞増殖から生じる増殖培地の化学的還元に応答して、蛍光を発しかつ色を変化する、酸化−還元指示薬である。 培養中で細胞が増殖するにつれて、生得代謝活性によりすぐ周辺の環境の化学的還元が生じる。 増殖に関する還元により、この指示薬は、酸化(非蛍光性の青色)形態から還元(蛍光性赤色)形態に変化し得る。
    すなわち、刺激された増殖は、より強いシグナルを生成し、そして阻害された増殖は、より弱いシグナルを生成し、そして全シグナルは細胞の総数ならびにそれらの代謝活性に比例する。 活性のバックグラウンドレベルは、飢餓培地のみを用いて観察される。 これを陽性コントロールサンプル(増殖培地中のbFGF)およびタンパク質希釈物から観察される出力と比較する。

    (実施例89:混合リンパ球反応の阻害の検出)
    このアッセイを使用して、本発明の融合タンパク質による混合リンパ球反応(MLR)の阻害を検出および評価し得る。 MLRの阻害は、細胞増殖および生存度、相互作用する細胞における同時刺激分子の調節、リンパ球と補助細胞との間の接着の調節、または補助細胞によるサイトカイン産生の調節に対する直接効果に起因し得る。 複数の細胞は、MLRを阻害する本発明のアルブミン融合タンパク質によって標的化され得る。 なぜなら、このアッセイで使用される末梢血液単核画分は、Tリンパ球、Bリンパ球およびナチュラルキラーリンパ球、ならびに単球および樹状細胞を含むためである。

    MLRを阻害することが見出された本発明のアルブミン融合タンパク質は、リンパ球および単球の活性化または増殖に関する疾患における用途を見出し得る。 これには、喘息、関節炎、糖尿病、炎症性の皮膚状態、乾癬、湿疹、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糸球体腎炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、動脈硬化症、肝硬変、対宿主性移植片病、対移植片性宿主病、肝炎、白血病およびリンパ腫のような疾患が挙げられるが、これらに限定されない。

    簡単には、ヒトドナー由来のPBMCを、Lymphocyte Separation Medium(LSM(登録商標)、密度 1.0770g/ml、Organon Teknika Corporation、West Chester、PA)を使用する密度勾配遠心分離によって精製する。 2人のドナー由来のPBMCを、10% FCSおよび2mM グルタミンを補ったRPMI−1640(Life Technologies、Grand Island、NY)中、2×10 細胞/mlに調整する。 第3のドナー由来のPBMCを、2×10 細胞/mlに調整する。 各ドナー由来の50μlのPBMCを、96ウェル丸底マイクロタイタープレートのウェルに添加する。 本融合タンパク質試験材料の希釈物(50μl)を、三連でマイクロタイターウェルに添加する。 (目的のタンパク質の)試験サンプルと1:4の最終希釈になるまで添加し;rhuIL−2(R&D Systems、Minneapolis、MN、カタログ番号 202−IL)を、1μg/mlの最終濃度になるまで添加し;抗−CD4 mAb(R&D Systems、クローン 34930.11、カタログ番号 MAB379)を10μg/mlの最終濃度になるまで添加する。 細胞を、5% CO 中、37℃で7〜8日間培養し、そして1μCの[ H]チミジンを、培養の最後の16時間でウェルに添加する。 細胞を収集し、そしてチミジンの取込みを、Packard TopCountを使用して決定する。 データを、3連の測定値の平均および標準偏差として表す。

    目的の融合タンパク質のサンプルを、別個の実験でスクリーンし、そして陰性コントロール処理、抗−CD4 mAB(これはリンパ球の増殖を阻害する)、および陽性コントロール処理、IL−2(組換え物質または上清として)(これは、リンパ球の増殖を促進する)と比較する。

    (実施例90:プロテアーゼ活性についてのアッセイ)
    以下のアッセイは、本発明のアルブミン融合タンパク質のプロテアーゼ活性を評価するために使用され得る。

    ゼラチンおよびカゼイン酵素電気泳動法を、本質的に記載のように実施する(Heusenら、Anal.Biochem.、102:196−202(1980);Wilsonら、Journal of Urology、149:653−658(1993))。 サンプルを、1%ゼラチンまたはカゼインを含む10%ポリアクリルアミド/0.1%SDSゲルで泳動し、2.5%トリトン中に室温で1時間浸漬し、そして0.1Mグリシン(pH8.3)中に37℃で5〜16時間浸漬する。 アミド中での染色後、タンパク質分解の黒色領域が、濃紺のバックグラウンドに対する明瞭な領域として出現する。 トリプシン(Sigma T8642)を、陽性コントロールとして使用する。

    プロテアーゼ活性はまた、n−α−ベンゾイル−L−アルギニンエチルエステル(BAEE)(Sigma B−4500)の開裂をモニタリングすることによって決定される。 反応を、(25mMNaPO 、1mM EDTA、および1mM BAEE)、pH7.5で調整する。 サンプルを添加し、260nmでの吸光度の変化を、Beckman DU−6分光光度計を用いて時間駆動様式(time− drive mode)でモニターする。 トリプシンを、陽性コントロールとして使用する。

    さらなるアッセイを、280nmでの吸光度として測定するかまたはFolin法を用いた比色分析で測定したカゼインまたはヘモグロビンからの酸可溶性ペプチドの遊離に基づいて、Bergmeyerら、Methods of Enzymatic Analysis、5(1984)に記載されるように実施する。 他のアッセイは、色素形成基質の可溶化を含む(Ward,Applied Science,251−317(1983))。

    (実施例91:セリンプロテアーゼ基質特異性の同定)
    当該分野で公知の方法または本明細書中に記載された方法を用いて、セリンプロテアーゼ活性を有する本発明のアルブミン融合タンパク質の基質特異性を決定し得る。 基質特異性決定の好ましい方法は、GB 2 324 529(本明細書中にその全体が援用される)に記載されるように、合成コンビナトリアルライブラリーの位置的スキャニングの使用による方法である。

    (実施例92:リガンド結合アッセイ)
    以下のアッセイは、本発明のアルブミン融合タンパク質のリガンド結合活性を評価するために用いられ得る。

    リガンド結合アッセイは、レセプター薬理学を確認するための直接法を提供し、高速形式に適応可能である。 本発明のアルブミン融合タンパク質に対する精製リガンドを放射性同位体標識して、結合研究のために高い比放射能(50〜2000 Ci/mmol)にする。 次いで、放射性同位体標識のプロセスが融合タンパク質に対するリガンドの活性を低下させないように、決定を行う。 緩衝液、イオン、pHおよび他の調節因子(例えば、ヌクレオチド)に関するアッセイ条件を最適化して、膜のポリペプチド源および細胞全体のポリペプチド源の両方についての有効なシグナル対ノイズ比を構築する。 これらのアッセイについて、特異的ポリペプチド結合を、総関連放射活性から、過剰の非標識競合リガンドの存在下で測定した放射活性を引いた差として規定する。 可能な場合、残留非特異的結合を規定するために、1つより多くの競合リガンドを使用する。

    (実施例93:アフリカツメガエル卵母細胞における機能的アッセイ)
    本発明のアルブミン融合タンパク質をコードする線状化プラスミドテンプレート由来のキャップRNA転写物を、標準手順に従ってRNAポリメラーゼを用いてインビトロで合成する。 インビトロ転写物を、0.2mg/mlの最終濃度で水中に懸濁する。 卵巣葉を成体雌性カエルから取り出し、第V段階の濾胞除去した卵母細胞を得、そしてRNA転写物(10ng/卵母細胞)を、微量注入装置を用いて50nlボーラスで注射する。 2電極電圧クランプを用いて、融合タンパク質およびポリペプチドアゴニスト曝露に対する個々のアフリカツメガエル卵母細胞由来の電流を測定する。 室温でCa2+を含まないバルト培地(Barth's medium)において記録を行う。 このアフリカツメガエル系を、リガンドの活性化のための公知のリガンドおよび組織/細胞抽出物のスクリーニングに使用し得る。

    (実施例94:微量生理機能測定(microphysiomeric)アッセイ)
    多種多様の二次メッセンジャー系(secondary messenger system)の活性化により、細胞から少量の酸が噴出する。 形成された酸は、主に、細胞内シグナル伝達プロセスを刺激するのに必要な代謝活性の増大の結果である。 細胞周囲の培地のpH変化は非常に小さいが、CYTOSENSOR微量生理機能測定器(Molecular Devices Ltd.,Menlo Park,Calif.)によって検出可能である。 従って、CYTOSENSORは、エネルギーを利用した細胞内シグナル伝達系と共役する二次メッセンジャーを活性化する本発明のアルブミン融合タンパク質の能力を、検出可能である。

    (実施例95:抽出物/細胞上清スクリーニング)
    今のところ同系の活性化リガンド(アゴニスト)が存在しない多数の哺乳類レセプタが存在する。 従って、これらのレセプターに対する活性リガンドは、現在まで同定されたとしてリガンドバンク内に含まれていないかもしれない。 従って、本発明のアルブミン融合タンパク質はまた、本発明のアルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分および/またはアルブミンタンパク質部分についての天然のリガンドを同定するために、組織抽出物に対して、(カルシウム、cAMP、微量生理機能測定器、卵母細胞電気生理学など機能的スクリーニングを使用して)機能的にスクリーニングされ得る。 陽性の機能的応答を生じる抽出物は、活性化リガンドが単離および同定されるまで、連続して細分画され得る。

    (実施例96:ATP結合アッセイ)
    以下のアッセイが、本発明の融合タンパク質のATP結合アッセイを評価するために使用され得る。

    本発明のアルブミン融合タンパク質のATP結合活性は、米国特許第5,858,719号(その全体が参考として本明細書中に援用される)に記載されるATP結合アッセイを用いて検出され得る。 簡単には、本発明のアルブミン融合タンパク質へのATP結合を、競合アッセイにおける8−アジド−ATPでの光親和性標識を介して測定する。 1mg/mlのABC輸送タンパク質を含む反応混合物を、種々の濃度のATPまたは非加水分解性のATPアナログであるアデニル−5'−イミドニリン酸と、4℃で10分間インキュベートする。 8−アジド−ATP(Sigma Chem.Corp.,St.Louis,MO.)に8−アジド−ATP( 32 P−ATP)(5mCi/Lmol,ICN,Irvine CA.)を加えた混合物を、100μMの最終濃度までに添加し、0.5mlアリコートを、氷上の磁器製スポットプレートのウェル中に配置する。 このプレートを、短波254nmのUVランプを用いて、プレートから2.5cmの距離で、1分間隔で2回(その間に1分の冷却間隔を置いて)照射する。 反応を、2mMの最終濃度までジチオスレイトールを添加することによって、停止する。 このインキュベーションを、SDS−PAGE電気泳動、乾燥、およびオートラジオグラフィーに供す。 本発明のアルブミン融合タンパク質に対応するタンパク質バンドを切り取り、放射活性を定量化する。 ATPまたはアデニル(adenly)−5'−イミドニリン酸を増大することによる放射活性の低下は、融合タンパク質に対するATP親和性の尺度を提供する。

    (実施例97:リン酸化アッセイ)
    本発明のアルブミン融合タンパク質のリン酸化活性についてのアッセイのために、米国特許第5,958,405号(これは、参考として本明細書中に援用される)に記載されるように、リン酸化アッセイを利用する。 簡単には、リン酸化活性は、γ標識化32 P−ATPを用いてタンパク質基質をリン酸化し、そしてγ放射性同位体カウンターを用いて取り込まれた放射活性を定量化することによって、測定され得る。 本発明の融合タンパク質を、タンパク質基質、 32 P−ATPおよびキナーゼ緩衝液と共にインキュベートする。 次いで、基質に取り込まれた32 Pを、電気泳動によって遊離の32 P−ATPから分離し、この取り込まれた32 Pをカウントし、そして陰性コントロールと比較する。 陰性コントロール以上の放射活性カウントが、融合タンパク質のリン酸化活性を示す。

    (実施例98:ポリペプチドリガンドの存在下での本発明のアルブミン融合タンパク質のリン酸化活性(活性化)の検出)
    当該分野で公知の方法または本明細書に記載される方法を使用して、本発明のアルブミン融合タンパク質のリン酸化活性を決定し得る。 リン酸化活性を決定する好ましい方法は、米国特許第5,817,471号(本明細書中に参考として援用される)に記載されるように、チロシンリン酸化アッセイを使用する。
    (実施例99:本発明のアルブミン融合タンパク質と相互作用するシグナル伝達タンパク質の同定)
    本発明のアルブミン融合タンパク質を、シグナル伝達経路タンパク質またはレセプタータンパク質の同定、特徴付けおよび精製のための研究手段として供し得る。 簡単には、本発明の標識融合タンパク質は、それが相互作用する分子の精製のための試薬として有益である。 親和性精製の1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、クロマトグラフィーカラムに共有結合される。 推定の標的細胞(例えば、癌組織)に由来する無細胞抽出液をカラムに通し、適切な親和性を有する分子をアルブミン融合タンパク質に結合する。 このタンパク質複合体をカラムから回収し、分離し、そして回収された分子をN末端タンパク質配列決定に供する。 次いで、このアミノ酸配列を使用して、補足分子を同定するか、または適切なcDNAライブラリーから関連遺伝子をクローニングするための縮重オリゴヌクレオチドプローブを設計する。

    (実施例100:IL−6バイオアッセイ)
    本発明のアルブミン融合タンパク質の増殖性効果を試験するための種々のアッセイが、当該分野で公知である。 例えば、そのような1つのアッセイは、Marzら(Proc.Natl.Acad Sci.,U.S.A.,95:3251−56(1998)、本明細書中に参考として援用される)によって記載されるような、IL−6バイオアッセイである。 37℃で68時間後、生細胞の数を、テトラゾリウム塩チアゾリルブルー(thiazolyl blue)(MTT)を添加してさらに37℃で4時間インキュベートすることによって、測定する。 B9細胞をSDSによって溶解し、光学密度を570nmで測定する。 IL−6を含むコントロール(陽性)およびサイトカインを含まないコントロール(陰性)。 簡単には、IL−6依存性マウスB9細胞を、IL−6を含まない培地中で3回洗浄し、50μl中に5,000細胞/ウェルの濃度でプレートし、そして50μlの本発明の融合タンパク質を添加する。 利用する。 陰性コントロールと比較して増強された試験サンプル(本発明のアルブミン融合タンパク質を含む)における増殖は、融合タンパク質によって媒介された増殖性効果を示す。

    (実施例101:ニワトリ胚ニューロン生存の支持)
    交感神経細胞生存度が、本発明のアルブミン融合タンパク質によって支持されるか否かを試験するために、Senaldiらのニワトリ胚ニューロン生存アッセイが利用され得る(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,96:11458−63(1998)、これは、本明細書中に参考として援用される)。 簡単には、運動ニューロンおよび交感神経を、ニワトリ胚から単離し、L15培地(10% FCS、グルコース、亜セレン酸ナトリウム、プロゲステロン、コナルブミン、プトレシン、およびインスリンを含む;Life Technologies,Rockville,MD.)ならびにダルベッコ改変イーグル培地[10% FCS、グルタミン、ペニシリン、および25mM Hepes緩衝液(pH7.2)を含む;Life Technologies,Rockville,MD. ]中に、それぞれ再懸濁し、異なる濃度の本発明の精製融合タンパク質の存在下で、ならびに陰性コントロールはサイトカインを全く含まずに、5% CO 中で37℃でインキュベートする。 3日後、ニューロン生存を、細胞形態学の評価によって、Mosmannの比色分析アッセイ(Mosmann,T.,J.Immunol.Methods,65:55−63(1983))を使用して決定する。 サイトカインを含まないコントロールと比較して増強されたニューロン細胞生存度は、アルブミン融合タンパク質がニューロン細胞の生存を高める能力を示す。

    (実施例102:ホスファターゼ活性についてのアッセイ)
    以下のアッセイは、本発明のアルブミン融合タンパク質のセリン/トレオニンホスファターゼ(PTPアーゼ)活性を評価するのに使用され得る。

    セリン/トレオニンホスファターゼ(PTPase)活性についてアッセイするために、当業者に広く公知のアッセイが利用され得る。 例えば、本発明のアルブミン融合タンパク質のセリン/トレオニンホスファターゼ(PSPアーゼ)活性は、New England Biolabs,Inc. 製のPSPアーゼアッセイキットを用いて測定され得る。 ミエリン塩基性タンパク質(MyBP)(PSPアーゼのための基質)を、[ 32 P]ATPの存在下でcAMP依存性タンパク質キナーゼを用いて、セリン残基およびトレオニン残基にてリン酸化する。 次いで、タンパク質セリン/トレオニンホスファターゼ活性を、32P標識MyBPからの無機リン酸の遊離を測定することによって決定する。

    (実施例103:他のタンパク質とのセリン/トレオニンホスファターゼの相互作用) セリン/トレオニンホスファターゼ活性を有する本発明の融合タンパク質(例えば、実施例102において決定されるような)は、例えば、さらなる相互作用タンパク質またはレセプタータンパク質あるいは他のシグナル伝達経路タンパク質の同定、特徴付けおよび精製のための研究手段として有用である。 簡単には、本発明の標識融合タンパク質は、この融合タンパク質とが相互作用する分子の精製のための試薬として有用である。 アフィニティ精製の1つの実施形態において、本発明のアルブミン融合タンパク質は、クロマトグラフィーカラムに共有結合的に結合する。 推定標的細胞由来の無細胞抽出液(例えば、神経細胞または肝細胞)は、カラムを通過し、適切な親和性を有する分子が、この融合タンパク質に結合する。 融合タンパク質−複合体をカラムから回収し、分離し、そして回収した分子をN末端タンパク質配列決定に供す。 次いで、このアミノ酸配列を用いて、捕捉分子を同定するか、または適切なcDNAライブラリー由来の関連遺伝子をクローニングするための縮重オリゴヌクレオチドプローブを設計する。

    (実施例104:ヘパラナーゼ活性についてのアッセイ)
    本発明のアルブミン融合タンパク質のヘパラナーゼ活性についてのアッセイに使用され得る当該分野で公知の多数のアッセイがある。 1つの実施例において、本発明のアルブミン融合タンパク質のヘパラナーゼ活性を、Vlodavskyら(Vlodavskyら,Nat.Med.,5:793−802(1999))に記載されるようにアッセイする。 簡単には、細胞溶解産物、馴化培地、インタクトな細胞(1×10 細胞/35mmディッシュ)、細胞培養上清、または精製融合タンパク質を、37℃で18時間、pH6.2〜6.6で、 35 S標識ECMまたは可溶性ECM誘導性のピークIプロテオグリカンと共にインキュベートする。 このインキュベーション培地を遠心し、そして上清をSepharose CL−6Bカラム(0.9×30cm)を用いたゲル濾過によって分析する。 画分をPBSで溶出し、それらの放射活性を測定する。 ヘパラン硫酸側鎖の分解フラグメントを、0.5<K av <0.8(ピークII)で、Sepharose 6Bから溶出する。 各実験を、少なくとも3回行う。 「ピークII」に相当するフラグメントは、Vlodavskyによって記載されるように、ヘパラン硫酸の開裂における本発明のアルブミン融合タンパク質の活性を示す。

    (実施例105:生体分子の固定化)
    この実施例は、非宿主細胞脂質二重層構築物中の本発明のアルブミン融合タンパク質の安定化のための方法(例えば、Bieriら、Nature Biotech 17:1105−1108(1999)(これによって、その全体が参考として本明細書中に援用される)を参照のこと)を提供し、この方法は、上記の種々の機能的アッセイにおける本発明の融合タンパク質の研究のために適合され得る。 簡単には、ビオチン化についての糖質特異的化学を用いて、本発明のアルブミン融合タンパク質にビオチンタグを拘束し、固定化の際の均一な方向を可能にする。 洗浄された膜中の本発明のアルブミン融合タンパク質の50μM溶液を、20mM NaIO 、1.5mg/ml(4mM)BACHまたは2mg/ml(7.5mM)ビオチン−ヒドラジド(反応容量、150μl)と共に、室温で1時間インキュベートする。 次いで、このサンプルを、まず4℃で5時間、1時間後毎に緩衝液を交換して透析(Pierce Slidealizer Cassett,10kDaカットオフ;Pierce Chemical Co.,Rockford IL)を行い、最終的に500ml緩衝液R(0.15M NaCl、1mM MgC1 、10mMリン酸ナトリウム、pH7)で12時間、透析する。 キュベットに添加する直前に、このサンプルを緩衝液ROG50(50mMオクチルグルコシドを追加した緩衝液R)で1:5に希釈する。

    (実施例106:メタロプロテイナーゼ活性についてのアッセイ)
    メタロプロテイナーゼは、金属イオン(例えば、Zn 2+ )を触媒機構として用いるペプチド加水分解酵素である。 本発明のアルブミン融合タンパク質のメタロプロテイナーゼ活性を、当該分野で公知の方法に従ってアッセイし得る。 以下の例示的方法が提供される:
    (α−2−マクログロブリンのタンパク質分解)
    プロテイナーゼ活性を確認するために、本発明の精製融合タンパク質を、1×アッセイ緩衝液(50mM HEPES、pH7.5、0.2M NaCI、10mM CaCl 、25μM ZnCl および0.05% Brij−35)中で、基質α−2−マクログロブリン(0.2単位/ml;Boehringer Mannheim,Germany)と混合し、37℃で1〜5日間インキュベートする。 トリプシンを、陽性コントロールとして使用する。 陰性コントロールは、アッセイ緩衝液中にα−2−マクログロブリンのみを含む。 サンプルを収集し、5%の2−メルカプトエタノールを含むSDS−PAGEサンプル緩衝液中で5分間煮沸し、次いで8% SDS−ポリアクリルアミドゲルにロードする。 電気泳動後、これらのタンパク質を銀染色によって可視化する。 タンパク質分解は、陰性コントロールと比較した低分子量バンドの出現によって明らかである。

    (メタロプロテイナーゼ阻害剤によるα−2−マクログロブリンタンパク分解の阻害) 公知のメタロプロテイナーゼ阻害剤(金属キレート剤(EDTA、EGTAおよびHgCl )、ペプチドメタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP−1およびTIMP−2)、および市販用低分子MMP阻害剤)もまた、本発明のアルブミン融合タンパク質タンパク分解活性を特徴付けるために使用し得る。 使用し得る3つの合成MMP阻害剤は:MMP阻害剤 I、「MMP−1に対しておよびMMP−8に対してIC 50 =1.0μM ;MMP−9に対してIC 50 =30μM;MMP−3に対してIC 50 =150μM」;MMP−3(ストロメリシン−1)阻害剤I「MMP−3に対してIC 50 =5μM」、およびMMP−3阻害剤II「MMP−3に対してK =130nM」;Calbiochemを通じて入手可能な阻害剤(各々、カタログ番号444250、444218および444225)である。 簡潔には、異なる濃度の低分子MMP阻害剤を、本発明の精製融合タンパク質(50μg/ml)と22.9μl 1XHEPES緩衝液(50mM HEPES、pH7.5、0.2M Nacl、10mM CaCl 、25μM ZnCl および0.05%Brij−35)中で混合し、室温(24℃)にて2時間インキュベートし、次いで、7.1μLの基質α−2−マクログロブリン(0.2単位/ml)を添加し、37℃で20時間インキュベートする。 4Xサンプル緩衝液の添加によってこの反応を止め、直ちに5分間煮沸する。 SDS−PAGE後、このタンパク質のバンドを銀染色によって可視化する。

    (合成蛍光発生ペプチド基質切断アッセイ)
    例示されたメタロプロテイナーゼ活性を有する本発明の融合タンパク質についての基質特異性を、当該分野で公知の技術(例えば、合成蛍光発生ペプチド基質(BACHEM Bioscience Incから購入した))を用いて決定し得る。 試験基質としては、M−1985、M−2225、M−2105、M−2110およびM−2255が挙げられる。 最初の4つの基質は、MMP基質であり、そして最後の一つの基質は、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)転換酵素(TACE)の基質である。 これらの基質を、好ましくは、1:1のジメチルスルホキシド(DMSO)および水中で調製する。 ストック溶液は、50〜500μMである。 蛍光アッセイを、一定温度の水浴槽が装備されたPerkin Elmer LS 50B ルミネセンス分光計を用いて実施する。 励起λは328nmであり、放出λは393nmである。 簡潔には、このアッセイを、176μl 1XHEPES緩衝液(0.2M NaCl、10mM CaCl 、0.05% Brij−35および50mM HEPES、pH7.5)を4μlの基質溶液(50μM)とともに25℃にて15分間インキュベートすることにより実施し、次いで、アッセイキュベットへ20μlの本発明の精製融合タンパク質を添加する。 基質の最終濃度は1μMである。 初期の加水分解速度を30分間モニターする。

    (実施例107:VHドメインおよびVLドメインの同定およびクローニング)
    特定の抗体を発現する細胞株から、VHドメインおよびVLドメインを同定およびクローン化するための一つの方法は、抗体を発現する細胞株から作製されたcDNAに対してVH特異的プライマーおよびVL特異的プライマーを用いて、PCRを実施することである。 簡潔には、RNAを、細胞株から単離し、そして、EBV細胞株により発現される抗体のVHドメインおよびVLドメインを増幅するために設計されたRTーPCRのテンプレートとして使用する。 細胞を、TRIzol(登録商標)試薬(Life Technologies、Rockville.MD)で溶解し得、1/5量のクロロホルムで抽出する。 クロロホルム添加後、溶液を室温で10分間インキュベートし、そして、卓上遠心分離機にて、4℃で15分間14,000rpmにて遠心分離する。 上清を収集し、そしてRNAを等量のイソプロパノールを用いて沈殿化する。 沈殿化RNAを、卓上遠心分離機にて、4℃で15分間14,000rpmにて遠心分離することによって、ペレットにする。 遠心分離後、上清を捨て、75%エタノールを用いて洗浄する。 洗浄後、RNAを再度、4℃で5分間800rpmにて遠心分離する。 この上清を捨て、そしてこのペレットを風乾する。 RNAをDEPC水で溶解し、60℃で10分間加熱する。 RNA量は、光学密度測定を用いて決定し得る。

    当該分野で周知の方法によれば、逆転写酵素およびランダムヘキサマープライマーを用いて、cDNAを1.5μg〜2.5μgのRNAから合成し得る。 次いで、cDNAをVHドメインおよびVLドメインのPCR増幅のためのテンプレートとして使用する。 VH遺伝子およびVL遺伝子を増幅するために使用されるプライマーを、表7に示す。 代表的に、PCR反応は、単一5'プライマーおよび単一3'プライマーを使用する。 時には、利用できるRNAテンプレート量が限定される場合、またはより高い効率のために、5'プライマー群および/または3'プライマー群を使用し得る。 例えば、時々、5つすべてのVH−5'プライマーおよび全JH3'プライマーを、単一PCR反応で使用する。
    このPCR反応を、1XPCR緩衝液、2mMの各dNTP、0.7単位のHigh Fidelity Taqポリメラーゼ、5'プライマー混合物、3'プライマー混合物および7.5μlのcDNAを含む50μl量で実施する。 VHおよびVLの両方の5'プライマーおよび3'プライマー混合物を、各々22pmoleの個々のプライマーおよび28pmoleの個々のプライマーを共にプールすることによって、作製し得る。 PCR条件は:96℃で5分間;その後、94℃で1分間、50℃で1分間、および72℃で1分間の25サイクル;その後、72℃で10分間伸長サイクルが続く。 この反応が完了した後、サンプルチューブを4℃で保管する。

    次いで、PCRサンプルを1.3%のアガロースゲルで電気泳動する。 予測するサイズのDNAバンド(VHドメインについて約約506塩基対、およびVLドメインについて344塩基対)を、ゲルから切り出し得、そして、当該分野で周知の方法を用いて精製し得る。 精製PCR産物を、PCRクローニングベクター(Invitrogen Inc.、Carlsbad、CAからのTAベクター)へ連結し得る。 E. coliのトランスフェクションおよび青色/白色の選別後、別個のクローン化PCR産物を単離し得る。 次いで、クローン化されたPCR産物を、当該分野で一般に公知の方法を用いて配列決定し得る。

    VHドメインおよびVLドメインを含むPCRバンドもまた、全長Ig発現ベクターを作製するために使用し得る。 VHドメインおよびVLドメインを、重鎖(例えば、ヒトIgG1もしくはヒトIgG4)定常領域または軽鎖(ヒトκもしくはヒトλ)定常領域のヌクレオチド配列を含有するベクターへクローン化し得て、適切な宿主細胞へトランスフェクトした場合、完全重鎖分子または完全軽鎖分子を、これらのベクターから発現し得る。 さらに、クローン化した重鎖および軽鎖が、一つの細胞株内にて(一つのベクターまたは二つのベクターのいずれかから)双方発現する場合、それらは、細胞培養培地へ分泌される完全機能性抗体分子へと、組み立てられ得る。 完全抗体分子をコードする発現ベクターを作製するために、VH抗体ドメインおよびVL抗体ドメインをコードするポリヌクレオチドを用いる方法は、当該分野内で周知である。

    (実施例108:構築物ID 2672、HSA−T20、作製)
    構築物ID2672(配列番号1186)、pSAC35:HSA. T20は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35に、HIV−1阻害ペプチド T20のアミノ末端(すなわち、Y643−F678)へ融合させた全長HSAを有する、T20アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含有する。 T20ペプチドは、HIV−1膜貫通タンパク質gp41の外部ドメイン由来であり、これは、HIV−1感染に対して阻害活性を有することが示されている。

    (T20 cDNAのクローニング)
    T20をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載される、4つのオーバーラップするプライマーT20−1、T20−2、T20−3およびT20−4を用いて、PCRで作製した。 この配列は、酵母S. cerevisiaeでの発現のために最適化されたコドンであった。 そのPCRフラグメントをBsu 36I/Asc Iで切断し、そしてBsu 36I/Asc I切断したpScNHSAへ連結した。 次いで、Not I フラグメントをpSAC35プラスミドへサブクローンした。 構築物ID番号2672は、全長HSAおよびHIV−1阻害ペプチドT20(すなわち、Tyr−643〜Phe−678(配列番号1188))を含むアルブミン融合タンパク質コードする。

    HIV−1阻害ペプチドT20、HIV−1阻害ペプチドT20−1およびHIV−1阻害ペプチドT20−4をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅のために適切な、4つのオーバーラップするオリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマーを合成した:

    T20−1は、Bsu 36Iクローニング部位(下線で表記)、およびHSA成熟形態(配列番号1038)の最後の4つのアミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびHIV−1阻害ペプチドT20の最初の8アミノ酸残基(すなわち、Tyr−643からLeu−650)をコードする24ヌクレオチド(太字で表記)へ取り込む。 T20−4において、Asc I部位に下線を付しており、そして最後の31ヌクレオチド(太字で表記)は、HIV−1阻害ペプチドT20の最後の10アミノ酸残基(Asp−669からPhe−678)をコードするDNAの逆相補体である。 T20−2オリゴヌクレオチドおよびT20−3オリゴヌクレオチドは、互いにオーバーラップし、そして各々、T20−1およびT20−4とオーバーラップしそしてHIV−1阻害ペプチドT20をコードする。 PCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corp)を使用)、次いで、Bsu36IおよびAscIで消化した。 さらに、ゲル電気泳動によるBsu36I−AscIフラグメントの精製後、この産物をBsu36I/AscIで消化したpScNHSAへクローン化した。 配列を確認した後、このT20アルブミン融合タンパク質をコードする発現カセットを、Not IフラグメントとしてpSAC35へサブクローンした。 さらに、Not Iフラグメントを、pSAC35へサブクローンして構築物ID番号2672を得た。

    さらに、アミノ酸配列決定による発現されるアルブミン融合タンパク質のN末端の分析は、予測されるHSA配列(以下参照)の存在を確認し得る。

    本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、HIV−1阻害ペプチドT20(すなわち、Tyr−643からPhe−678)のN末端またはC末端のいずれかに融合された、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25からLeu−609)を含有する。 本発明の一つの実施形態において、本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、さらに、発現のために使用される宿主の分泌経路において、新生融合タンパク質を指向するシグナル配列を含有する。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドは、除去され、そして、成熟T20アルブミン融合タンパク質は、培養培地へ直接分泌される。 本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列を含み得、MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラスタリン、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)または当該分野で公知の他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない。 好ましい実施形態において、本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、天然HIV−1膜貫通タンパク質gp41シグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、さらに、N末端にメチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドはまた、本発明によって包含される。

    (構築物ID2672の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeでの発現)
    構築物2672を、当該分野で公知の方法(実施例3を参照)によって、酵母S. cerevisiaeへ形質転換し得る。 発現レベルを、一次抗体として抗HSA血清を用いる免疫ブロット検出により試験し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiaeにおいて、構築物ID番号2672から発現された分泌性T20アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例4に記載されるように、精製し得る。 アルブミン融合タンパク質のN末端の配列決定は、HSA成熟形態のアミノ末端に対応する、配列DAHKS(配列番号2143)を生じる。

    (T20活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞−細胞融合阻害アッセイを用いてアッセイされ得る)
    インビトロ感染性アッセイおよび細胞−細胞融合阻害アッセイは、Wildら、「Peptides corresponding to a predictive alpha−helical domain of human immunodeficiency virus type 1 gp41 are potent inhibitors of virus infection」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91:9770−9774(1994)に記載される。

    (方法)
    高い力価のウイルスストックは、上記(Wild、C.ら、「A synthetic peptide inhibitor of human immunodeficiency virus replication:correlation between solution structure and viral inhibition」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10537−10541(1992))に記載されるように、CEMヒト白血病細胞にて調製され得る。 感染力価を、AA5連続細胞株およびCEM連続細胞株での終点希釈によって評価し得る。 上清に存在する逆転写酵素(RT)活性は、首尾良い感染についての基準として、受け取り得る。 50%組織培養感染量(TCID 50 )は、ReedおよびMuench(Wildら、「Peptides corresponding to a predictive alpha−helical domain of human immunodeficiency virus type 1 gp41 are potent inhibitors of virus infection」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91:9770−9774(1994))の式を用いることによって計測され得る。 初代HIV−1単離株を、正常ドナー由来の活性化末梢血単核細胞(「PBMC」)中で増殖し得る。

    T20アルブミン融合タンパク質が基本型の細胞フリーの(cell−free)ウイルス(すなわち、HIV−1 LAIまたはHIV−1 NIHZ )の感染を阻害する能力を、種々の濃度のT20アルブミン融合タンパク質を含む細胞フリーのウイルスの段階希釈をAA5またはCEM標的細胞とともにインキュベートすることによって評価し得る。 T20アルブミン融合タンパク質を、初代単離体およびこの基本型HIV−1 LAI単離体に対して、標的細胞としてPBMCを使用する類似のアッセイにおいて試験し得る。 両アッセイを、Wildら、1992において記載されるように実行する。

    T20アルブミン融合タンパク質が、ウイルス媒介性細胞−細胞融合をブロックする能力を、Wildら、1992において以前に記載されるように評価し得る。 簡単に言えば、およそ7×10 個のMOLT−4細胞を10 個のCEM細胞とともに培養し得、そして96ウェルプレート(領域の半分がクラスターであるプレート;Costar)において100μLの培養培地中でHIV−1単離体を慢性的に感染させ得る。 T20アルブミン融合タンパク質を10μL添加し得、そしてこの細胞混合物を24時間37℃でインキュベートし得る。 このとき、多核性の巨細胞を顕微鏡検査によって40倍率で判断し得る。

    (構築物ID番号2672によってコードされるT20アルブミン融合の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞−細胞融合阻害アッセイを使用して評価され得る)
    (方法)
    構築物2672によってコードされるT20アルブミン融合タンパク質は、サブセクション表題「T20の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞−細胞融合阻害アッセイを使用してアッセイされ得る」の下で上述されたような、インビトロ感染性バイオアッセイおよび細胞−細胞融合阻害アッセイにおいて試験され得る。

    (実施例109:構築物ID2673、T20−HSAの生成)
    構築ID2673(pSAC35:T20.HSA)は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35において、HSAの成熟形態のアミノ末端と融合した、HSAキメラリーダー配列(すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド)、続くHIV−1阻害性ペプチドT20(すなわち、Y643−F678)を有するT20アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む。

    (T20 cDNAのクローニング)
    HIV−1阻害性ペプチドをコードするDNAを、4つの重複プライマーを使用してPCR生成した。 この配列を、酵母S. cerevisiaeにおける発現のためにコドン最適化した。 PCRフラグメントをSal I/Cla Iで消化し、そしてXho I/Cla Iで消化したpScCHSAにサブクローニングした。 次いで、Not IフラグメントをpSAC35プラスミドにサブクローニングした。 構築物ID番号2673は、HIV−1阻害性ペプチドT20と融合したHSAのキメラリーダー配列(すなわち、Tyr−643〜Phe−678)、続くHSAの成熟形態をコードする。

    HIV−1阻害性ペプチドT20をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つの重複オリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマー(T20−5およびT20−6)を合成した。

    T20−5は、Sal Iクローニング部位(下線で示される)、HSAキメラリーダー配列の最後の3アミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびHIV−1阻害性ペプチドT20の最初の8アミノ酸(太字で示される)(すなわち、Tyr−643〜Leu−650)をコードするDNAを組み込む。 T20−6において、下線の配列はCla I部位であり;そしてこのCla I部位およびこれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質(配列番号1038)の最初の10アミノ酸をコードするDNAの逆相補体である。 太字の配列は、HIV−1阻害性ペプチドT20の最後の10アミノ酸残基(Asp−669〜Phe−678)をコードする31ヌクレオチドの逆相補体である。 T20−2およびT20−3オリゴヌクレオチド(実施例108におけるような)は互いに、そしてそれぞれT20−5およびT20−6と重複し、そしてHIV−1阻害性ペプチドT20をコードする。 これらのプライマーを使用して、HIV−1阻害性ペプチドT20を、アニーリング、アニーリングされたプライマーの伸長、Sal IおよびCla Iでの消化、ならびにXho I/Cla Iで消化されたpScCHSAへのサブクローニングによって生成した。 配列を確認した後、T20アルブミン融合発現カセットを含むNot Iフラグメントを、構築物ID2673を生成するためにNot Iで切断したpSAC35にサブクローニングした。 構築物ID番号2673は、キメラリーダー配列、HIV−1阻害性ペプチドT20、およびHSAの成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    さらに、アミノ酸配列決定による、発現したアルブミン融合タンパク質のN末端の分析は、予想されるT20配列(以下を参照のこと)の存在を確認し得る。

    本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、HIV−1阻害性ペプチドT20(すなわち、Tyr−643〜Phe−678)のN末端またはC末端のいずれかに融合したHSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、さらに、発現のために使用した宿主の分泌経路において新生融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドを除去し、そして成熟T20アルブミン融合タンパク質が培養培地中に直接分泌される。 本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラステリン(Clusterin)、インスリン様成長因子結合タンパク質4、HSAリーダー配列改変体(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)または当該分野で公知の他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、ネイティブのHIV−1膜貫通タンパク質gp41シグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のT20アルブミン融合タンパク質は、さらにN末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドがまた、本発明によって包含される。

    (構築物ID2673の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物2673を、当該分野で公知の方法によって酵母S. cerevisiaeに形質転換し得る(実施例3を参照のこと)。 発現レベルを、1次抗体として抗HSA血清を用いて免疫ブロット検出により試験し得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    酵母S. cerevisiaeにおいて、構築物ID番号2673から発現した分泌性T20アルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例4において記載されるように精製し得る。 発現し、そして精製したアルブミン融合タンパク質のN末端配列決定は、HIV−1阻害性ペプチドT20のアミノ末端に対応するYTSLI(配列番号2151)を生じるはずである。

    (構築物ID番号2673によってコードされるT20アルブミン融合物の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞−細胞融合阻害アッセイを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    構築物2673によってコードされるT20アルブミン融合タンパク質は、サブセクション表題「T20の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞−細胞融合阻害アッセイを使用してアッセイされ得る」の下で、実施例108において上述されたように、インビトロ感染性バイオアッセイおよび細胞−細胞融合阻害アッセイにおいて試験され得る。

    (実施例110:T20アルブミン融合タンパク質のための指標)
    上記のアッセイにおけるT20アルブミン融合タンパク質の活性に基づいて、T20アルブミン融合タンパク質は、HIV、AIDSおよび/またはSIV(サル免疫不全ウイルス)感染の処置、予防、および/または診断において有用である。

    (実施例111:構築物ID2667(HSA−T1249)の生成)
    構築物ID2667(pSAC35:HSA.T1249)は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35において、第2世代の融合インヒビターペプチド「T1249」(すなわち、W1−F39)のアミノ末端と融合した、全長HSAタンパク質(ネイティブのHSAリーダー配列を含む)を有するT1249アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む。 このT1249ペプチドは、HIV−1膜貫通タンパク質gp41に由来する第2世代の融合インヒビターであり、そしてHIV−1感染に対して阻害活性を有することが示される。

    (T1249 cDNAのクローニング)
    T1249をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載する4つの重複プライマー、T1249−1、T1249−2、T1249−3およびT1249−4を使用してPCR生成した。 この配列は、酵母S. cerevisiaeにおける発現のためにコドン最適化した。 PCRフラグメントをBsu 36I/Asc Iで切断し、そしてBsu 36I/Asc Iで切断したpScNHSAにライゲーションした。 次いで、Not IフラグメントをpSAC35プラスミドにサブクローニングした。 構築物ID番号2667は、T1249ペプチド(すなわち、Trp−1〜Phe−39)に融合した全長HSAタンパク質(ネイティブHSAリーダー配列を含む)を含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    T1249ペプチドをコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つの重複オリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマー(T1249−1およびT1249−4)を合成した。

    T1249−1は、Bsu 36Iクローニング部位(下線で示される)およびHSAの成熟形態(配列番号1038)の最後の4アミノ酸残基をコードするヌクレオチドおよびT1249ペプチドの最初の7アミノ酸残基(すなわち、Trp−1〜Lys−7)をコードする21ヌクレオチド(太字で示される)を組み込む。 T1249−4において、Asc I部位は下線が引かれ、そして最後の30ヌクレオチド(太字で示される)は、T1249ペプチドの最後の10アミノ酸残基(Asp−30〜Phe−39)をコードするDNAの逆相補体である。 T1249−2オリゴヌクレオチドおよびT1249−3オリゴヌクレオチドは、互いに、そしてそれぞれT1249−1およびT1249−4と重複し、そしてT1249ペプチドをコードする。 PCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corp)を使用して)、そしてBsu 36IおよびAsc Iで消化した。 ゲル電気泳動によるBsu 36I−Asc Iフラグメントのさらなる精製後、この産物を、Bsu 36I/Asc Iで消化したpScNHSAにクローニングした。 配列を確認した後、このT1249アルブミン融合タンパク質をコードする発現カセットを、Not IフラグメントとしてpSAC35にサブクローニングした。 Not Iフラグメントをさらに、pSAC35にサブクローニングして、構築ID番号2667を供与した。

    さらに、アミノ酸配列決定による発現したアルブミン融合タンパク質のN末端分析は、発現したHSA配列の存在を確認し得る(以下を参照のこと)。

    本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、HIV−1抑制性ペプチドT1249(すなわち、Trp−1〜Phe−39)のN末端またはC末端のいずれかに融合した、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含む。 本発明の1つの実施形態において、本発明のT1249アルブミン融合タンパク質はさらに、発現のために使用した宿主の分泌経路における新生融合ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドを除去し、そして成熟T1249アルブミン融合タンパク質は、培養培地中に直接分泌される。 本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、異種シグナル配列(MAF、IFV、Ig、フィブリン B、クラステリン、インスリン様増殖因子結合タンパク質4、HSAリーダー配列改変体(キメラHSA/MAFリーダー配列が挙げられるが、これに限定されない)または当該分野で公知の他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。 好ましい実施形態において、本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、ネイティブのHIV−1膜貫通タンパク質gp41シグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、さらにN末端メチオニン残基を含む。 これらのポリペプチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)をコードするポリヌクレオチドがまた、本発明によって包含される。

    (構築物ID2667の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物2667は、当該分野で公知の方法(実施例3を参照)により、酵母S. cerevisiae内に形質転換され得る。 発現レベルは、抗HSA血清を一次抗体として用いた免疫ブロット検出により、試験され得る。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    分泌されたT1249アルブミン融合タンパク質(酵母S.cerevisiae中の構築物ID#2667から発現される)を含む細胞上清は、実施例4において記載されるように、精製され得る。 アルブミン融合タンパク質のN末端配列決定は、配列DAHKS(HSAの成熟形態のアミノ末端に相当する)を生じる。

    (構築物ID#2667によってコードされるT1249アルブミン融合タンパク質の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞間融合阻害アッセイを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    構築物2667によってコードされるT1249アルブミン融合タンパク質は、実施例108における小節の表題「T20の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞間融合阻害アッセイを使用してアッセイされ得る」下で上記されるように、インビトロ感染性バイオアッセイおよび細胞間融合阻害アッセイにおいて、試験され得る。

    (実施例112:構築物ID2670(T1249−HSA)生成)
    構築物ID2670、pSAC35:T1249. HSAは、T1249アルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む。 この融合タンパク質は、HSAキメラリーダー配列(すなわち、HSA−kex2シグナルペプチド、第二世代融合インヒビターペプチド、「T1249」(すなわち、酵母S.cerevisiae発現ベクターpSAC35におけるHSAの成熟形態のアミノ末端に融合したW1−F39))を有する。

    (T1249 cDNAのクローニング)
    第二世代融合インヒビターペプチドをコードするDNAを、4つの重複プライマーを使用して、PCR生成した。 この配列は、酵母S. cerevisiaeにおける発現のために最適化されたコドンであった。 PCRフラグメントを、SalI/ClaIを用いて切断し、そしてXhoI/ClaI切断したpScCHSA内にサブクローニングした。 NotIフラグメントを、次いで、pSAC35プラスミド内にサブクローニングした。 構築物ID#2670は、T1249ペプチド(すなわち、Trp−1〜Phe−39)に融合したHSAのキメラリーダー配列をコードし、HSAの成熟形態がそれに続く。

    T1249ペプチド(T1249−5およびT1249−6)をコードするポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な4つの重複オリゴヌクレオチドの5'プライマーおよび3'プライマーを、合成した:

    T1249−5は、SalIクローニング部位(下線で示す)、HSAキメラリーダー配列の最後の3アミノ酸残基をコードするヌクレオチド、およびT1249ペプチドの最初の7アミノ酸(すなわち、Trp−1〜Lys−7)をコードするDNA(太字で示す)を、組み込んでいる。 T1249−6において、下線で示される配列は、ClaI部位である;そしてClaI部位およびそれに続くDNAは、成熟HSAタンパク質(配列番号1038)の最初の10アミノ酸をコードするDNAの逆相補鎖である。 太字で示される配列は、T1249ペプチドの最後の10アミノ酸残基(Asp−30〜Phe−39)をコードする、30ヌクレオチドの逆相補鎖である。 T1249−2オリゴヌクレオチドおよびT1249−3オリゴヌクレオチドは、(実施例111のように)互いに重複し、そしてそれぞれT1249−5オリゴヌクレオチドおよびT1249−6オリゴヌクレオチドに重複し、そしてT1249ペプチドをコードする。 これらのプライマーを使用し、アニーリングさせ、アニーリングさせたプライマーを伸長させ、SalIおよびClaIを用いて切断し、そしてXhoI/ClaI切断したpScCHSA内にサブクローニングすることによって、T1249ペプチドを、産生した。 配列を確認した後、T1249アルブミン融合発現カセットを含むNotIフラグメントを、NotIを用いて切断したpSAC35内にサブクローニングし、構築物ID2670を生成させた。 構築物ID#2670は、キメラリーダー配列、T1249ペプチド、およびHSAの成熟形態を含むアルブミン融合タンパク質を、コードする。

    さらに、発現されたアルブミン融合タンパク質の、アミノ酸配列決定によるN末端の分析は、予想されるT1249配列の存在を、確認し得る(以下を参照)。

    本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、HSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含み、このHSAの成熟形態は、T1249ペプチド(すなわち、Trp−1〜Phe−39)のN末端またはC末端のどちらかに結合される。 本発明の一実施形態において、本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、新たに産生される融合ポリペプチドの発現のために使用される宿主の分泌経路へと導くシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドは除去され、そして成熟T1249アルブミン融合タンパク質が、培養液中に直接分泌される。 本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、異種のシグナル配列を含み得る。 異種のシグナル配列としては、MAF、INV、Ig、フィブリンB、クラスタリン、インスリン様成長因子結合タンパク質4、改変体HSAリーダー配列が挙げられるが、これらに限定されない。 改変体HSAリーダー配列としては、キメラHSA/MAFリーダー配列、または当該分野で公知の他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない。 好ましい実施形態において、本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、ネイティブのHIV−1膜貫通タンパク質gp41シグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のT1249アルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基を、さらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に含まれる。

    (構築物ID#2670によってコードされるT1249アルブミン融合体の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞間融合阻害アッセイを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    構築物2670によってコードされるT1249アルブミン融合タンパク質は、上記の実施例108における小節の表題「T20の活性は、インビトロ感染性アッセイおよび/または細胞間融合阻害アッセイを使用してアッセイされ得る」において記載されるように、インビトロ感染性バイオアッセイおよび細胞間融合阻害アッセイにおいて、試験され得る。

    (実施例113:T1249アルブミン融合タンパク質の適応)
    上のアッセイにおけるT1249アルブミン融合タンパク質の活性に基づき、T1249アルブミン融合タンパク質は、HIV、AIDS、および/またはSIV(サル免疫不全ウイルス)感染の処置、予防、および/または診断において、有用である。

    (実施例114:構築物ID2702(HSA−GCSF.T31−L201)生成) 構築物ID2702、pSAC35:HSA. GCSF. T31−L201は、GCSFアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含む。 この構築物は、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35中に、HSA/kex2リーダー配列の下流およびGCSFのT31〜L201のアミノ酸の上流に融合した成熟HSAを有する。

    (GCSF cDNAのクローニング)
    GCSF C末端欠失変異体をコードするポリヌクレオチドを、以下に記載するGCSF−5プライマーおよびGCSF−6プライマーを使用して、PCR増幅した。 この増幅産物を、Bsu36I/AscIを用いて切断し、そしてpScNHSA内にサブクローニングした。 構築物ID#2702は、HSA/kex2リーダー配列の下流およびGCSFのT31〜L201のアミノ酸の上流に融合した成熟HSAを含むアルブミン融合タンパク質をコードする。

    GCSF C末端欠失変異体をコードする、ポリヌクレオチドのPCR増幅に適切な2つのオリゴヌクレオチド(GCSF−5およびGCSF−6)プライマーを、合成した:

    GCSF−5は、Bsu36Iクローニング部位(下線で示す)、ならびにHSAの最後の6アミノ酸、および成熟GCSFの最初の6アミノ酸(アミノ酸T31〜A36)をコードするヌクレオチドを、組み込んでいる。 GCSF−6は、AscIクローニング部位(下線で示す)を含み、そして最後の25塩基は、GCSF C末端欠失変異体の最後の8アミノ酸残基(S194〜L201)をコードするDNAの逆相補鎖である。 これらのプライマーを用いて産生されたPCR産物を精製し(例えば、Wizard PCR Preps DNA Purification System(Promega Corporation)を使用して)、次いでBsu36IおよびAscIを用いて切断した。 ゲル電気泳動法によるBsu36I/AscI PCRフラグメントのさらなる精製の後、この産物を、Bsu36I/AscI切断されたpScNHSA内にクローン化した。 配列を確認した後、このGCSFアルブミン融合タンパク質をコードする発現カセットを、pSAC35内に、NotIフラグメントとしてサブクローニングした。

    発現されたアルブミン融合タンパク質のN末端の、アミノ酸配列決定によるさらなる分析は、予想されたHSA配列(以下を参照)の存在を、確認し得る。

    本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、好ましくはHSAの成熟形態(すなわち、Asp−25〜Leu−609)を含み、このHSA成熟形態は、GCSF C末端欠失変異体(すなわち、T31〜L201)のN末端またはC末端のどちらかに融合される。 本発明の一実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、新たに産生される融合ポリペプチドを、発現に使用される宿主の分泌経路に導くシグナル配列を、さらに含む。 さらに好ましい実施形態において、シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドは除去され、そして成熟GCSFアルブミン融合タンパク質が、培養培地中に直接分泌される。 本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、異種のシグナル配列を含み得る。 異種のシグナル配列としては、MFα−1、インベルターゼ、Ig、フィブリンB、クラスタリン、インスリン様成長因子結合タンパク質4、K. lactis殺傷性毒素(K.lactis killer toxin)、および改変体HSAリーダー配列が挙げられるが、これらに限定はされない。 改変体HSAリーダー配列としては、キメラHSA/MFα−1(HSA/kex2)リーダー配列、K. lactis/MFα−1リーダー配列、キメラまたは当該分野で公知の他の異種シグナル配列が挙げられるが、これらに限定はされない。 さらに好ましい実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、ネイティブのGCSFシグナル配列を含む。 さらに好ましい実施形態において、本発明のGCSFアルブミン融合タンパク質は、N末端メチオニン残基を、さらに含む。 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に含まれる。

    (構築物ID#2702の発現および精製)
    (酵母S.cerevisiaeにおける発現)
    構築物#2702を、当該分野で公知の方法(実施例3を参照)により、および構築物ID#1642に関して上記に記載された(実施例19を参照)ように、酵母S. cerevisiae内に形質転換した。 発現レベルは、抗HSA血清を一次抗体として用いた免疫ブロット検出法により、試験された(データは示さず)。

    (酵母S.cerevisiae細胞上清からの精製)
    アルブミン融合タンパク質の精製のための一般的手順は、実施例4において記載される。 酵母S. cerevisiae中の構築物ID#2702から発現されるGCSFアルブミン融合タンパク質を含む細胞上清を、実施例20において記載されるように、精製した。 アルブミン融合タンパク質のN末端配列決定は、配列DAHKS(HSAの成熟形態のアミノ末端に相当する)を生じる。

    (構築物#2702によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質の活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る)
    (方法)
    構築物2702によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質を、実施例19における小節の表題「GCSFの活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る」および「構築物ID#1642によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質の活性は、インビトロNFS−60細胞増殖アッセイを使用してアッセイされ得る」下で上記に記載されるように、インビトロNFS−60細胞増殖バイオアッセイを使用して、試験した。

    (結果)
    部分精製された、構築物1634(HSA−GCSF)によってコードされるGCSFアルブミン融合タンパク質、および、構築物2702によってコードされるGCSF C末端欠失変異体アルブミン融合タンパク質(L−171)の両方は、NFS−60細胞増殖を引き起こす能力を実証し、C末端欠失変異体は、より強力な増殖効果を示した(図19を参照)。 予期しなかったことに、構築物2702によってコードされる融合タンパク質は、構築物1643によってコードされる融合タンパク質より、2〜3倍高い活性を示した。 代替のGCSFアルブミン融合構築物は、成熟GCSFのアミノ酸残基1〜169に融合するアルブミンおよび成熟GCSFのアミノ酸残基1〜170に融合するアルブミンを含む。

    (実施例115:構築物ID2876(HSA−IFNαハイブリッド))
    構築物ID2876 pSAC35:HSA. IFNαA(C1−Q91)/D(L93−E166)R23K、A113Vは、IFNαハイブリッドアルブミン融合タンパク質をコードするDNAを含み、このDNAは、酵母S. cerevisiae発現ベクターpSAC35中に、HSA/kex2リーダー配列の下流およびIFNαA/Dハイブリッドのアミノ酸配列の上流に融合した成熟HSAを有する。 ハイブリッドIFNの組成に関しては、最初の91アミノ酸はIFNα2(IFNαAとも呼ばれる)サブタイプ由来であり、残りの75アミノ酸は、IFNα1(IFNαD)由来である。 本発明者らは、2つの点変異(R23K、A113V)を組み込んだ。 この融合体を、PCRによって産生し、そして酵母発現ベクターpSAC35内のHSAの下流に融合させた。

    (結果)
    (CID2876発現および精製)
    酵母株BXP−10を、pSAC35:CID2876を用いて形質転換し、形質転換体を、発酵のために選択した。 5リットル発酵を行い、上清を分析したところ、高発現(およそ500mg/l)が実証された。 上清の少量の一部を、試験的に精製した。 CID2876タンパク質(N末端配列に基づき、95%以上純粋)のおよそ1mgを、ブルーセファロースを通した精製、次いでゲルろ過、次にQ−アニオン変換を、行った後に得た。 残りの発酵出発物質は、必要に応じて、さらなる精製の為に利用可能である。

    (ISRE活性)
    全てのI型IFNは、共通のIFNレセプター複合体の関与およびISREシグナル伝達経路の活性化を通して、その活性を媒介する。 この経路を通した遺伝子転写の活性化は、抗増殖、抗ウイルスおよび免疫調節を含むIFNに関連した、細胞応答をもたらす。 レポーターベースの戦略を使用して、CID 2876がISREシグナル伝達経路を活性化する能力を、決定した。 CID 2876が、ISRE経路の強力なアクチベーターであることを見出し、2.7ng/mlのEC 50を、実証した(データは示さず)。 この結果は、このアッセイ系におけるCID3165の効力と、有望に匹敵する。

    (抗ウイルス活性)
    IFNの重要な活性は、IFNのウイルス感染に対する細胞保護を仲介する能力である。 殆どのヒトI型IFNが、種に制限された様式において抗ウイルス活性を示すが、他方、本研究において使用されるハイブリッドIFNは、マウス細胞において活性であることが、実証された。 従って、CID 2876の抗ウイルス活性を、EMCVによって感染させたマウス細胞株L929において、評価した。 結果は、CID 2876は、複数の種にわたる様式で(cross species manner)、抗ウイルス活性を実証することを示す(データは示さず)。

    (実施例116:INS−1細胞におけるインスリンmRNAのインビトロ刺激により測定される、構築物3070(GLP−1 アルブミン融合物)の活性)
    近年、GLP−1が、膵臓β細胞において、インスリンmRNAの発現を増加させることが示されている(Buteauら,Diabetologia 1999 Jul;42(7):856−64)。 従って、CID 3070によってコードされるGLP−1アルブミン融合タンパク質の、インスリンmRNAを刺激する能力を、膵臓β細胞株INS−1(832/13)を使用して、評価した。

    図14は、INS−1(832/13)細胞における、GLP−1または構築物ID3070によりコードされるGLP−1アルブミン融合タンパク質(CID 3070タンパク質)を用いた処理後の、インスリンmRNAの定常状態レベルを、図示する。 GLP−1およびCID 3070タンパク質の両方が、インスリン遺伝子の転写を刺激する。 最初のバー(黒)は、無処理の細胞を表す。 バー2〜4(白)は、示された濃度のGLP−1で処理した細胞を表す。 バー5〜7(灰色)は、示された濃度のCID 3070タンパク質で処理した細胞を表す。

    本発明は、上述の記載および実施例で特に説明された以外のやり方で、実施され得ることが明らかである。 本発明の多くの改変および変更が、上述の教示から見て可能であり、従って、添付される請求の範囲内にある。

    引用されたそれぞれの文献の開示全体(特許、特許出願、特許公報、雑誌の論文、要約、研究室マニュアル、書籍、または他の開示)は、本出願において参照された、データベース(GenBank、GeneSeq、またはCAS Registryなど)に特異的なアイデンティファイアーを通して得られる情報と同じく、その全体が本明細書中で参考として援用される。

    さらに、以下のそれぞれの米国出願の明細書および配列表は、その全体が本明細書中で参考として援用される:米国出願番号第60/341,811号(2001年12月21日出願);米国出願番号第60/360,000号(2002年2月28日出願);米国出願番号第60/378,950号(2002年5月10日出願);米国出願番号第60/398,008号(2002年7月24日出願);米国出願番号第60/411,355号(2002年9月18日出願);米国出願番号第60/414,984号(2002年10月2日出願);米国出願番号第60/417,611号(2002年10月11日出願);米国出願番号第60/420,246号(2002年10月23日出願);米国出願番号第60/423,623号(2002年11月5日出願);米国出願番号第60/350,358号(2002年1月24日出願);米国出願番号第60/359,370号(2002年2月26日出願);米国出願番号第60/367,500号(2002年3月27日出願);米国出願番号第60/402,131号(2002年8月9日出願);米国出願番号第60/402,708号(2002年8月13日出願);米国出願番号第60/351,360号(2002年1月28日出願);米国出願番号第60/382,617号(2002年5月24日出願);米国出願番号第60/383,123号(2002年5月28日出願);米国出願番号第60/385,708号(2002年6月5日出願);米国出願番号第60/394,625号(2002年7月10日出願);米国出願番号第60/411,426号(2002年9月18日出願);米国出願番号第60/370,227号(2002年4月8日出願);米国出願番号第60/351,360号(2002年1月28日出願);米国出願番号第60/382,617号(2002年5月24日出願);米国出願番号第60/383,123号(2002年5月28日出願);米国出願番号第60/385,708号(2002年6月5日出願);米国出願番号第60/394,625号(2002年7月10日出願);および米国出願番号第60/411,426号(2002年9月18日出願)。 さらに、本明細書と同時に、2002年12月23日に出願される、Human Genome Sciences,Inc. 代理人整理番号PF574PCTの米国出願の明細書および配列表は、本明細書でその全体が参考として援用される。

    (カナダ)


    出願人は、出願に基づきカナダ国特許が発行されるか、あるいは同出願が拒絶または放棄されて回復され得なくなるかもしくは取り下げられるまでは、特許庁長官(Commissioner of Patents)が、長官により指名された独立の専門家に対してのみ出願中で言及された寄託済みの生物学的材料のサンプルの供与を許可する旨を請求し、出願人は、国際出願の公表のための技術的な準備が完了する前に、書面によりその旨を国際事務局に告知しなければならない。

    (ノルウェー)
    出願人はここにおいて、出願が(ノルウェー特許庁により)公開に付されるかあるいは公開を経ずにノルウェー特許庁による決定を受けるまでは、サンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。 この旨の請求は、ノルウェー特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公に利用可能にされる時点以前に、出願人によりノルウェー特許庁に対してなされるものとする。 そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサンプルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする。 専門家は、ノルウェー特許庁により作成された公認専門家のリスト(list of recognized experts)に記載された任意の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。

    (オーストラリア)
    出願人はここにおいて、微生物のサンプルの供与は、特許の付与前において、あるいは出願の放棄(lapsing)、拒絶あるいは取り下げ前において、発明に対し利害関係を有さない当業者である対象者(skilled addressee)に対してのみ行われる旨を、告知するものである(オーストラリア国特許法第3.25(3)号規定)。

    (フィンランド)
    出願人はここにおいて、出願が(特許および統制委員会(National Board of Patents and Regulations)により)公開に付されるかあるいは公開を経ずに国立特許および法規委員会による決定を受けるまでは、サンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。

    (英国)
    出願人はここにおいて、微生物のサンプルは専門家に対してのみ利用可能にされる旨を、請求する。 この旨の請求は、出願の国際公表のための技術的な準備が完了する前に、出願人により国際事務局に対してなされなければならない。

    (デンマーク)
    出願人はここにおいて、出願が(デンマーク特許庁により)公開に付されるかあるいは公開を経ずにデンマーク特許庁による決定を受けるまでは、サンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。 この旨の請求は、デンマーク特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公に利用可能にされる時点以前に、出願人によりデンマーク特許庁に対してなされるものとする。 そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサンプルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする。 専門家は、デンマーク特許庁により作成された公認専門家のリスト(list of recognized experts)に記載された任意の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。

    (スウェーデン)
    出願人はここにおいて、出願が(スウェーデン特許庁により)公開に付されるかあるいは公開を経ずにスウェーデン特許庁による決定を受けるまでは、サンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。 この旨の請求は、優先日から16ヶ月が経過するよりも前に、出願人により国際事務局に対してなされるものとする(好ましくはPCT Applicant's GuideのVolume Iのannex Zに記載された書式PCT/RO/134による)。 そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサンプルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする。 専門家は、スウェーデン特許庁により作成された公認専門家のリスト(list of recognized experts)に記載された任意の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。

    (オランダ)
    出願人はここにおいて、オランダ特許の発行日まで、あるいは出願が拒絶、取り下げまたは放棄(lapsed)される日までは、特許規則31F(1)の規定に基づき、微生物が専門家へのサンプル供与の形でのみ行われる旨を、請求する。 この旨の請求は、オランダ王国特許法の第22C条または第25条に基づき出願が公に利用可能にされる日のうちいずれか早い方の日付よりも前に、出願人によりオランダ工業所有権局に対して提出されるものとする。

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