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アップグレードプロセスの流れ

阅读:1016发布:2020-11-20

专利汇可以提供アップグレードプロセスの流れ专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且バイオマス(例えば、 植物 バイオマス、動物バイオマス、および自治体廃棄物バイオマス)を加工して、有用な中間体および生成物、例えばエネルギー、 燃料 、食物または材料を生成する。電気 透析 または極性転換型電気透析を用いて工程の流れを向上させるためのシステム、方法および設備を記載する。多数の潜在的リグノセルロース系供給原料、例えば農業残渣、木材バイオマス、自治体廃棄物、脂肪種子/ケークおよび海藻などが、今日、利用可能である。【選択図】図1A,下面是アップグレードプロセスの流れ专利的具体信息内容。

電気透析システムを利用して糖化バイオマス液から塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸を除去することを包含する方法。前記電気透析システムが電気透析または極性転換型電気透析を利用する、請求項1に記載の方法。前記糖化バイオマス液が、糖化されている低減された難分解性セルロース系またはリグノセルロース系材料を含む、請求項1または2に記載の方法。前記セルロース系またはリグノセルロース系材料が、電離放射線での処理によりその低減された難分解性を有、請求項3に記載の方法。前記電離放射線が加速電子の形態である、請求項4記載の方法。前記セルロース系またはリグノセルロース系バイオマスが1つ以上の酵素を利用して糖化されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。前記セルロース系またはリグノセルロース系バイオマスが1つ以上の酸を利用して糖化されている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。前記酸が硫酸である、請求項7に記載の方法。電気透析前の前記糖化バイオマス液のイオン強度が約500〜約50,000μS/cmであり、電気透析後の前記糖化バイオマス液のイオン強度が1〜100μS/cmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。前記電気透析システムを利用して除去される前記塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸が、P、K、Mg、Na、Ca、S、O、Mn、Al、Zn、Si、ClおよびFeからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。クロマトグラフィー、濾過、遠心分離、沈澱、蒸留、錯体形成、およびその組合せからなる群から選択される方法により、糖化バイオマス液を精製することをさらに包含する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。沈澱が、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させるための1つ以上の溶媒または非溶媒の付加を包含する、請求項11に記載の方法。前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチルエーテルおよびテトラヒドロフランからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。前記溶媒がメタノールである請求項12に記載の方法。前記糖化バイオマス液が1つ以上の発酵生成物を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。前記糖化バイオマス液が、それから蒸留される発酵生成物を有した液体を包含する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。前記発酵生成物がアルコールである、請求項16に記載の方法。前記アルコールがエタノールである、請求項17に記載の方法。脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色することをさらに包含する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。前記脱色剤が、粉化炭素、粒状炭素、押出炭素、骨炭炭素、ビーズ活性炭、スチレン樹脂、アクリル樹脂、磁性樹脂、脱色粘土、ベントナイト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ホルマイトおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19記載の方法。脱色後、前記溶液の色が約100色度未満になる、請求項19または20に記載の方法。脱色後、前記溶液の色が約10色度未満になる、請求項19または20に記載の方法。脱色後、前記溶液の色が約5色度未満になる、請求項19または20に記載の方法。前記電気透析システムを利用することが、膜を通り過ぎて糖化バイオマス液を流動させながら、イオン選択性膜を横断する約10〜150Vの電圧を適用することを包含する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。前記糖化バイオマス液が1つ以上の糖類を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。前記糖化バイオマス液が、キシロース、グルコース、アラビノース、フルクトースおよびそれらの混合物からなる群から選択される糖を含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。前記糖がキシロースを含み、かつ前記電気透析システムを利用後の前記キシロースの純度が少なくとも約80重量%である、請求項26に記載の方法。前記糖がアラビノースを含み、かつ前記電気透析システムを利用後の前記アラビノースの純度が約0〜1重量%である、請求項27に記載の方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、以下の仮特許出願の優先権を主張するものである:2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,684号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,773号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,731号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,735号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,740号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,744号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,746号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,750号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,752号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,754号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,775号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,780号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,761号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,723号;および2013年3月15日出願の米国特許出願第61/793,336号。これらの仮特許出願それぞれの開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。

背景 例を挙げると農業残渣、木質バイオマス、自治体廃棄物、油料種子粕類および海藻など、多くの潜在的リグノセルロース系原料が、今日は入手可能である。現在、これらの材料の多くは、十分に活用されておらず、例えば動物飼料、バイオコンポスト材料として用いられるか、コジェネレーション施設で焼却されるか、または埋め立てられることさえある。

リグノセルロース系バイオマスは、ヘミセルロースマトリックスに包埋され、リグニンに包囲された結晶セルロース原繊維を含む。これが、酵素、ならびに他の化学的、生化学的および/または生物学的工程による接近が困難な緻密なマトリックスを生成する。セルロース系バイオマス材料(例えば、リグニンが除去されたバイオマス材料)は、酵素および他の変換工程により利用し易いが、それでも天然由来のセルロース材料は多くの場合、加分解酵素と接触させると、低い収率となる(理論収率と比較)。リグノセルロース系バイオマスは、酵素の攻撃に対してより難分解性である。さらにリグノセルロース系バイオマスの各タイプは、それぞれに特有のセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの組成を有する。

概要 一般的に、バイオマス材料から有用な生成物を生成するために用いられる方法および設備が、本明細書中で記載される。一般的に、多数の方法は、手におえないバイオマスを処理すること、例えば電子ビームで処理し、次いで、低減された難分解性材料を、糖、例えばグルコース、キシロース、アラビノースフルクトース、糖アルコール、例えばキシリトールおよびその他の生成物の混合物に生化学的におよび/または化学的に加工することを包含する。供給原料の加工中に生成される塩(例えば、イオン)は、電気透析、例えば一般または標準電気透析(ED)、極性転換型電気透析(EDR)および/または双極性膜電気透析(EDBM)の工程を経て除去され得る。電気透析の方法は、糖溶液から大量の塩を除去するのに役立ち得るし、または電気透析は、混合物中の他の化合物から有機酸を分離するために用いられ得る。電気透析の前および/または後に、バイオマス液は、さらにまた、他の不純物および色を除去するために処理され得る。

一態様において、本発明は、電気透析システムを利用して、糖および/または発酵液のような糖化バイオマス液から、塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸を除去および/または分離するための方法を特徴とする。したがって、当該方法は、加工された溶液(例えば、精製溶液、向上化工程流れ、精製工程流れ)を提供し得る。任意に、電気透析システムは、標準電気透析または極性転換型電気透析を利用する。さらにまた任意に、糖化バイオマス液は、糖化されている難分解性低減化セルロース系またはリグノセルロース系材料を含む。例えば糖化は、1つ以上の酵素および/または1つ以上の酸、例えば硫酸を利用することにより行われ得る。例えば糖化は、酵素を用いることにより、酸を用いて、酸を、次いで酵素を用いて、酵素を、次いで酸を用いて、あるいは酵素および酸を同時に用いて、実行され得る。任意に、セルロース系またはリグノセルロース系材料は、電離放射線で(例えば、約10〜約50Mradの放射線で)処理することにより低減されるその難分解性を有する。例えば電離放射線は、加速された電子の形態であり得る。

別の実施形態では、糖化生成物は発酵され、次いで、精製して、または精製せずに、電気透析が適用される。この実施形態では、発酵ブロスは、しばしば、特定生成物への糖の転化物からの生成物、ならびに発酵中に転化されないままの別の糖を含み得る。発酵ブロスは、電気透析に付されて、形成された塩を除去し得る。次いで、生成物は、双極性電気透析操作を用いて単離され得る。

いくつかの実行では、電気透析システムを利用する間、膜を通り過ぎて糖化バイオマス液および/または発酵生成物流を流動させながら、イオン選択性膜を横断する約10〜600Vの電圧が適用され得る。任意に、電圧は25〜500Vであり得る。付加的には、電圧は40〜450Vであり得る。これらの電圧は、多重膜を横断し得る。

いくつかの実行において、糖化バイオマス液は、発酵ステップでさらに加工されて、発酵生成物、例えばアルコール、有機酸を生成し得る。任意に、糖化バイオマス液は、電気透析またはその他の単離手段(例えば蒸留)により、発酵生成物(例えば、アルコール、例えばエタノール、プロパノールまたはブタノール、あるいは有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、酪酸および乳酸)がそれから除去された液である。

いくつかの実行において、電気透析前の糖化液のイオン強度は、約500〜約50,000μS/cm(マイクロジーメンス/cm)であり、この場合、電気透析システムを利用後の糖化バイオマス液(例えば、加工溶液、精製溶液、向上化工程流れまたは精製工程流れ)のイオン強度は、1〜100μS/cmである。任意に、電気透析中に除去された塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、P、K、Mg、Na、Ca、S、Mn、Al、Zn、Si、ClおよびFeから選択される少なくとも1つの元素を含む。例えば、イオンは、リン酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオン、ケイ酸イオン、アルミン酸イオン、K+、Na+、Mg2+、Al3+、Zn2+、Mn2+、Fe3+、Fe2+、およびこれらのイオンの混合物であり得る。

代替的には、または付加的には、糖化バイオマス液は、糖化残渣(例えば、細胞、プロテイン様物質、リグニン由来材料および/または着色体)を含む。同様に、糖化バイオマスは、発酵残渣(例えば、細胞、プロテイン様物質、リグニン由来材料および/または着色体)を有した発酵生成物流を獲得するために発酵される。いくつかの実行において、当該方法は、電気透析システムを利用する前、最中および/または後に、糖化バイオマス液または発酵生成物流を精製することをさらに包含する。例えば、以下の方法のうちのいずれか1つから選択される方法による精製:クロマトグラフィー、濾過、遠心分離、沈澱、蒸留、錯形成およびその組合せ。沈澱が精製に利用される場合、1つ以上の溶媒または非溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチルエーテルおよびテトラヒドロフラン、ならびにこれらの混合物)が用いられて、1つ以上の望ましくない構成成分、例えば不純物を沈殿させ得る。いくつかの実行は、電気透析システムを利用する前、最中および/または後に、脱色剤で糖化バイオマス液または発酵生成物流を脱色することを包含する。例えば、粉化炭素、粒状炭素、押出炭素、骨炭炭素、ビーズ活性炭、スチレン樹脂、アクリル樹脂、磁性樹脂、脱色粘土、ベントナイト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ホルマイトおよびこれらの組合せのうちのいずれか1つを利用する脱色。例えば、糖化バイオマス液または発酵生成物流を混合すること、ならびに固体を濾し取るか、またはこれらの固体とともに糖化バイオマス液を流出させる(濾過する)。脱色後の溶液は、色が約100色度未満であり得る(例えば、50未満、例えば約40未満、約30未満、約20未満、約10未満、約5未満であり、約1未満でさえある)。

いくつかの実行において、糖化バイオマス液は、1つ以上の糖類、例えば単糖、オリゴ糖および/または多糖を含む。任意に、糖化バイオマス液は、キシロース、グルコース、アラビノース、フルクトースおよびこれらの混合物から選択される糖を含む。任意に糖はキシロースであり、電気透析システムを利用後の加工溶液(例えば、精製溶液、向上化工程流れ、精製工程流れ)の純度は、少なくとも約80重量%キシロース(例えば、HPLCにより分析的に決定されるような溶液中の総固体/溶解固体に対するキシロースの重量%)である。例えば、電気透析後、キシロース純度は、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%であり、または少なくとも98重量%でさえある。任意に、糖としてはアラビノースが挙げられ、電気透析を利用後の溶液の純度は、約0.5重量%アラビノース(例えば約1〜0重量%、約1〜0.1重量%、約0.8〜0.1重量%、約0.8〜0.2重量%、約0.5〜1.0重量%、約0.1〜0.5重量%)である。

存在する糖を有するこれらの糖化バイオマス液は、発酵して、付加的バイオマス液を生成し得る。発酵の例としては、別のものよりむしろある糖を選択的に転化する微生物を付加することを包含する。例えば、存在するグルコースおよびキシロースを有する糖化バイオマス液では、キシロースを基本的に未反応のままにしながら、グルコースをエタノールに選択的に転化し得る微生物が選択され得る。同様に、グルコースは、D−またはL−乳酸に選択的に転化され得る。

セルロース系およびリグノセルロース系バイオマス液由来の糖溶液からイオン(例えば、塩、完全または部分的解離酸)を除去することは有益であるが、それは、加工溶液(例えば、精製溶液、向上化工程流れ、精製工程流れ)の純度を増大し、糖のような種々の生成物流のさらなる転換を手助けし得るためである。これが、結局は、糖、糖アルコール(例えば、キシロース、アラビノース、キシリトールおよびソルビトール)のような高付加価値生成物へのこれらの工程流のさらなる転換を手助けし得る。例えば、塩の存在なしに糖およびその他の生成物を結晶化することはより容易であり得る。本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。

本実施形態の実行は、場合により以下に要約された特色の1つ以上を含むことができる。幾つかの実行において、選択された特色は、いずれの順序で適用または活用することができ、他の実行においては、特別な選択された順番が適用または活用される。個々の特色を、いずれかの順番で連続的に1回を超えて適用または活用することができる。加えて、適用または活用される特色の全体的な順番、または順番の一部を、一回、繰り返し、または連続していずれかの順序で適用または活用することができる。幾つかの選択的実行において、特色は、当業者に決定される、異なる、または適宜同一の、設定された、または変動する、定量的または定性的パラメータを提供または利用することができる。例えばサイズ、個々の寸法(例えば、長さ、幅、高さ)、使用場所、使用の程度(例えば、難分解性などの程度)、使用期間、使用頻度、密度、濃度、強度および速度は、適宜、当業者に決定される通り、変動しても、または設定されていてもよい。

例えば特色としては、以下のことが挙げられる:電気透析システムを利用して、糖化バイオマス液から、塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸を除去する方法;電気透析を利用する方法;極性転換型電気透析;双極性膜電気透析を利用して液体を処理する方法(この場合、液体は、糖化された、難分解性を低減されたセルロース系またはリグノセルロース系材料を含む);液体を処理すること(この場合、液体は、電離放射線で処理することにより低減されたその難分解性を有するセルロース系またはリグノセルロース系材料を含む);液体を処理すること(この場合、液体は、加速電子線で処理することにより低減されたその難分解性を有するセルロース系またはリグノセルロース系材料を含む);液体を処理すること(この場合、液体は、1つ以上の酵素を利用して糖化されたセルロース系またはリグノセルロース系材料を含む);液体を処理すること(この場合、液体は、1つ以上の酸を利用して糖化されたセルロース系またはリグノセルロース系材料を含む);液体を処理すること(この場合、液体は、硫酸を利用して糖化されたセルロース系またはリグノセルロース系材料を含む);電気透析前の糖化バイオマス液のイオン強度が、約500〜約50,000μS/cm、電気透析後の糖化バイオマス液のイオン強度が、1〜100μS/cmである;元素リンを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素カリウムを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素マグネシウムを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素ナトリウムを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素カルシウムを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素Sを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素酸素を含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素マンガンを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素アルミニウムを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素亜鉛を含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素ケイ素を含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素塩素を含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;元素Feを含む塩、部分的イオン化酸または完全イオン化酸は、電気透析システムを利用して除去される;クロマトグラフィーを利用して糖化バイオマス液を精製すること;濾過を利用してとかバイオマス液を精製すること;遠心分離を利用して糖化バイオマス液を精製すること;沈澱を利用して糖化バイオマス液を精製すること;蒸留を利用して糖化バイオマス液を精製すること;錯形成を利用して糖化バイオマス液を精製すること;1つ以上の溶媒または非溶媒の付加により糖化バイオマス液を精製して、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させること;メタノールの付加により糖化バイオマス液を精製して、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させること;エタノールの付加により糖化バイオマス液を精製して、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させること;イソプロパノールの付加により糖化バイオマス液を精製して、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させること;アセトンの付加により糖化バイオマス液を精製して、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させること;エチルエーテルの付加により糖化バイオマス液を精製して、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させること;テトラヒドロフランの付加により糖化バイオマス液を精製して、1つ以上の望ましくない構成成分を沈殿させること;1つ以上の発酵生成物を含む糖化バイオマス液を処理すること;発酵生成物を有した、そして発酵生成物がそれから蒸留された液体を含む糖化バイオマス液を処理すること;アルコール発酵生成物を有した、そしてアルコールがそれから蒸留された液体を含む糖化バイオマス液を処理すること;エタノール発酵生成物を有した、そしてエタノールがそれから蒸留された液体を含む糖化バイオマス液を処理すること;脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;粉化炭素を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;粒状炭素を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;押出炭素を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;骨炭炭素を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;ビーズ活性炭を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;スチレン樹脂を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;アクリル樹脂を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;磁性樹脂を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;脱色粘土を含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;ベントナイトを含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色することを包含する方法;アタパルジャイトを含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色することを包含する方法;モンモリロナイトを含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;ホルマイトを含む脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること;脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること、そして脱色後、溶液の色は約100色度未満である;脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること、そして脱色後、溶液の色は10未満である;脱色剤を利用して糖化バイオマス液を脱色すること、そして脱色後、溶液の色は約5未満である;電気透析システムを利用して糖化バイオマス液を処理し、そして膜を通り過ぎて糖化バイオマス液を流動させながら、電気透析システムのイオン選択性膜を横断する約10〜600Vの電圧を適用すること;1つ以上の糖類を含む糖化バイオマス液を処理すること;キシロースを含む糖化バイオマス液を処理すること;グルコースを含む糖化バイオマス液を処理すること;アラビノースを含む糖化バイオマス液を処理すること;フルクトースを含む糖化バイオマス液を処理すること;電気透析システムを利用して糖化液を精製すること(ここで、前記液はキシロースを含み、電気透析システムを利用後のキシロースの純度は少なくとも約80重量%である);電気透析システムを利用して糖化液を精製すること(ここで、前記液はアラビノースを含み、電気透析システムを利用後のアラビノースの純度は少なくとも約0〜1重量%である)。

代替的には、糖化バイオマスは発酵され、次いで、電気透析ステップが適用され得る。初期電気透析ステップは、塩、特に無機塩を除去し、その後、第二電気透析ステップは双極性電気分解ステップを用いて、発酵システムから有益なイオン化可能有機生成物を単離する。上記のようなその後の精製ステップは、イオン化可能有機生成物をさらに精製するために用いられ得る。

本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。

電気透析工程を示す図である。

例示的電気透析システムの略図である。

電気透析に付される前にバイオマスを精製(処理)するステップを示す流れ図である。

電気透析工程中の導電率対時間を示すプロットである。

発酵後のイオン化可能有機生成物、具体的にはD−またはL−乳酸を精製するステップを示す流れ図である。

有機酸を単離するために2つの電気透析ステップを用いる工程を示す流れ図である。

本明細書に記載された方法およびシステムを用いて、例えばバイオマス(例えば、植物バイオマス、動物バイオマス、紙、および自治体廃棄物バイオマス)から供給され得る、そしてしばしば容易に利用可能であるが、しかし加工するのが難しいセルロース系およびリグノセルロース系材料は、糖、例えばキシロースおよびグルコースを含有する溶液に転化され得るが、これは、いくつかの場合、さらに加工されて、その他の有用な生成物(例えば、アルコール、例えばエタノールおよびブタノール、ならびに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、酪酸および乳酸)を生成し得る。慣用的電気透析、極性転換型電気透析および/または双極性膜電気透析によりこれらのバイオマスから望ましくない構成成分、例えば塩(例えばイオン)および酸(例えば有機酸)を除去するための方法およびシステムが、本明細書中で考察される。

糖溶液およびそれに由来する生成物の製造工程が、本明細書中で記載される。これらの工程は、例えばセルロース系および/またはリグノセルロース系供給原料を任意に機械的に処理することを包含し得る。この処理の前および/または後に、供給原料は、別の処理、例えば照射、水蒸気爆発、熱分解、音波処理、化学的処理(例えば、酸または塩基を用いる)および/または酸化で処理されて、その難分解性を低減するかまたはさらに低減する。

糖が豊富な溶液は、1つ以上の酵素の付加により、処理され、照射された供給原料を糖化することにより生成され得る。多数のその他の生成物またはバイオマス液は、例えばアルコール、例えばエタノール、有機酸、例えば乳酸への発酵により、あるいは糖アルコール、例えばキシリトール、ソルビトール等への還元により、糖溶液から獲得され得る。当該溶液は、いくつかの望ましくないイオンも含み、その大部分は電気透析により除去され得る。電気透析の前または後に、糖化または発酵生成物はさらに精製され得る。

電気透析は、膜が小型種(例えば、イオン)に対して透過性であるが、しかし大型種(例えば、糖のような分子)に対しては透過性でない膜分離工程である。電気透析は、荷電粒子、例えばイオンにとって有用にする物質分離における主要駆動として電位を利王することにより、圧力駆動型膜工程とは異なる。荷電粒子は可動性であり、分離媒質は電流を相対的に低い抵抗で移動させるため、電気透析は一般的に水溶液中で実行される。電気透析工程において、液体は、陽イオンおよび陰イオン選択性膜により取り囲まれる分離セル(例えば、区域、管または小室)を通して流動させられる。さらに、分離セルを通って工程液を流動させる間、工程液は、正および負荷電電極を用いて電位に付される。分離セルは、一般的に、陽イオンが陽イオン選択性膜を通して負分極化電極の方向に移動し、そして陰イオンが、陰イオン選択性膜を通して正荷電電極の方へ移動するよう、設計される。セルの整列は、イオンがセルの外側で濃縮され、そして流れ過ぎるが、一方でイオン枯渇流体は収集され得る、ということを保証する。工程流体は、例えば所望濃度のイオンを有する溶液が得られるまで、工程セルを通って反復的に循環され得る。多重分離セルは、直列で、または平行して用いられて、最適工程結果を達成し得る。

電気透析のサブセットは、材料を分離するために双極性膜を用いている。双極性膜は、陰イオン透過性膜および一緒に層化される陽イオン透過性膜からなる。陽イオン交換相が陽極に面するよう、この複合構造物が配向される場合、膜を横断して電位場を課することにより、水を陽子とヒドロキシルイオンに分割することが可能である。多重双極性膜は、他のイオン透過性膜と一緒に、天然塩からの酸および塩基の精製のために電気透析スタック中の単一対の電極の間に配置され得る。例えば、この戦略−−双極性膜電気透析は、発酵生成物混合物から乳酸または別の有機酸を単離するために用いられ得る。乳酸またはその他の有機酸は、慣用的電気透析を介して処理され、その後双極性膜で加工されるその塩形態に転化されて、精製乳酸(および/または有機酸)をその酸形態で精製し得る。

図1Aは、供給流(例えば、糖および塩を含有)に関する電気透析の操作方法を示す図である。供給流10および補給水20(ブライン補給)は、システムに進入する。電位30(DC電圧)は、供給および補給水に適用され、これは、イオン選択性膜により分離される。電位はイオンを、好ましくは補給水中に追いやる。鉱質除去生成物40は、システムを出るが、この場合、供給工程流と比較して、イオンは低減されている。供給から除去されたイオンは、ブラインブローダウン50としてシステムから出される。当該工程は反復され、例えば、鉱質除去生成物は電気透析システムに供給し戻されて、さらにイオンを除去し得る(例えば、それらをブラインブローダウンに移す)。以下でさらに記載されるように、イオンの所望の低減が達成されるまで、当該工程は反復され得る。

糖化リグノセルロース系材料を精製するために利用され得る電気透析システムにおける膜立体配置の考え得る一配列は、図1Bに示されている。このシステムは、交互陽イオン選択性膜2101および陰イオン選択性膜2102を利用する。空間(示されていない)が、すべての膜の間に配置されて、工程液が流動するために膜間に部屋があることを保証する。電極2103および2104は、工程流体と物理的接触せず、むしろ特定の導電性溶液(電解質)と物理的接触する。導電性溶液は、望ましくない反応が電極で起きないようにするという目的に役立つ。例えば、硫酸溶液は水を、陰極での水素および陽極での酸素に分割し、この両方が電極または他の構成成分に損害を及ぼすことなく除去され得る。したがって、電極は、電解質を介して工程流体と接触する。

したがって、上記のような配列は、一連の流動チャネル(2105および2106)を作り出し、これを通して、電位が流動溶液に適用されている間、工程流体(例えば、糖化リグノセルロース系材料から生成される糖溶液)は(例えば、ポンプの作用により)流動される。操作中、例えばすべての第二流動チャネル2105中の陽イオンは、陰極2103に向けて流動し、隣接の陽イオン選択性膜2101を介して次の流動チャネル2106に移動することができる。次に、陽イオンは流動チャネル2105中に追い込まれて、陰イオン選択性膜2102を通して移動することができない。逆に、流動チャネル2105中の陰イオンは、陰イオン選択性膜2102を通って陽極2104に向かって、交互流動チャネル2106中に移動することができるが、この場合、それらは取り込まれて、さらに移動することができないが、それは、陽イオン選択性膜2101に出くわすためである。この配列では、流動チャネル2105中の工程流体が最後には実質的にイオンなしになるよう、陽イオンおよび陰イオンはすべての第二流動チャネル2105の外側に移動し、一方、残りのチャネル2106中の工程流体は高濃度の陽イオンおよび陰イオンをともに含有する。結果は、流動チャネル2105および2106の排出口を別々に収集することにより、イオン枯渇糖溶液(流動チャネル2105から)および別個の富イオン糖溶液(流動チャネル2106から)が得られる、というものである。イオン交換膜および流動チャネルの数を増大すると、当該システムの効率が改善される。例えば、10、20、50、100またはそれ以上の膜が用いられ得る。

糖および生成物、例えばアルコールのほかに、糖化および発酵のような工程(本明細書中に記載)によるバイオマス由来の溶液は、種々の物質、例えば懸濁された、または溶解された化合物および/または材料を含み得る。例えば溶液は、酵素(例えば、酵素の一部、活性酵素、変性酵素)、アミノ酸、栄養素、生細胞、死細胞、細胞破砕屑(例えば、溶解細胞、酵母抽出物)、酸、塩基、塩(例えば、ハロゲン化物、硫酸塩およびリン酸塩、アルカリ、アルカリ土類、遷移金属塩)、部分的加水分解生成物(例えば、セルロースおよびヘミセルロース断片)、リグニン、リグニン残渣、無機固体(例えば、ケイ酸質材料、粘土、カーボンブラック、金属)、糖化および/または発酵化バイオマスの残余物、ならびにその組合せを含み得る。糖溶液は、精製工程を経るが、これは、電気透析に付される前の、擬似移動床クロマトグラフィー、回転ドラム濾過、濾過および脱色を包含し得る。任意に、これらの不純物は、バイオマス溶液が電気透析に付される前に、除去されるかまたは減じられ得る(例えば濃度の減少)。特に、電気透析膜を被覆し、塞ぎ、充填し、そうでなければ電気透析膜の機能を妨害する不純物(例えば、ポリマー、タンパク質、沈殿物)不純物を除去することは有益であり得る。概して、電気透析は、粒子および有機材料、例えば前記のように色をもたらし得る有機不純物からの膜汚れに左右される。したがって、電気透析は、好ましくは、これらの物質の除去後に実行される。汚れが生じた場合、膜は再生されて、分離を駆動し、希釈および濃縮小室を切り替える定電流の方向を逆にすることにより、逆の工程を進む。

この汚れを回避するために、それを電気透析に導入する前に、バイオマス液、例えば糖化供給原料または発酵液からの生成物液を精製するための考え得る工程は、図2に示されている。糖化供給原料は、溶媒を除去するために真空下で濃縮される210。発酵後供給原料の場合、エタノールを含めた溶媒は、真空下で除去されるか、または大量の溶液から蒸留除去されて、収集され、糖を含む溶液(例えば蒸留塔底液)をあとに残すが、この場合、糖の少なくとも約80重量%はキシロースであり(例えば、85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、または少なくとも98重量%)、そして糖の約0.5重量%はアラビノースである(例えば、約1〜0重量%、約1〜0.1重量%、約0.8〜0.1重量%、約0.8〜0.2重量%、約0.5〜1.0重量%、約0.1〜0.5重量%)。

いくつかの不純物(例えば、副生成物)は、次に、溶液から沈殿させられる215。これは、メタノールで希釈することにより実行され、これが、いくつかの不純物の沈澱を誘導する。沈殿物は、例えば遠心分離および/または濾過の使用により、除去され得る220。次いで、濾過溶液は、活性炭で脱色される。脱色剤は、濾過により除去される230。濃縮ステップ235は、真空下に溶液を置くことを包含し、これがメタノールを除去する。その結果生じる溶液は、次に、脱イオン水で希釈され、電気透析240に付されて、塩を除去する。

イオン化可能有機生成物(例えば、D−またはL−乳酸、コハク酸、酒石酸)を生成するための考え得る工程は、図4に示されているように、バイオマスを糖化することで出発し、その後、発酵し、次いで、それを電気透析の2つのステップに導入する。糖化供給原料を真空下で濃縮して(410)、溶媒を除去する。糖化後、バイオマスを発酵させる(415)が、この場合、微生物はある糖を所望の生成物に転化するが、一方、他の糖は転化されないままである。電気透析ステップ前に、固体が発酵生成物から除去される(420)。第一電気透析は、塩、特に無機塩を除去するために実行される(425)。次いで、キシロースのような非反応糖からイオン化可能有機生成物(この場合、D−またはL−乳酸)を単離するために、双極性膜電気透析(430)が実行される。擬似移動床クロマトグラフィーまたは類似の単離工程によるイオン化可能有機生成物のその後の精製(435)は、その意図された用途のための十分な純度を有する単離生成物をもたらし得る。

図6に関して、2つの電気透析ステップが、精製戦略として示されている。それから除去される固体を有した発酵生成物液混合物(510)に、塩基が付加され、必要な場合、有機酸をその塩形態に転化し(520)、電気透析加工処理が実行されて、塩(有機酸塩を含めて)から非イオン性糖を分離する。次いで、塩は、糖極性膜電気透析ユニット中で加工されるが、この場合、有機酸塩はその中和形態に転化され、塩から単離される。

例えば電気透析および/または本明細書中に記載されるようないくつかの他の精製方法が適用される前に、さらにまた糖溶液中に存在するのは、加工処理に利用される無傷または変性酵素、あるいはこれらの酵素に由来する化合物(例えば、タンパク質様物質、例えばタンパク質およびアミノ酸)であり得る。これらは、溶解化または沈殿化および懸濁化固体であり得るし、その後、濾過または遠心分離により除去され得る。いくつかの場合、酵素は機能性状態で存在し、例えば、酸、塩基を付加すること、加熱すること、変性剤を付加することにより変性され得る。酵素を変性することは、例えば本明細書中に記載される方法により、その除去を助長し得る。糖溶液は、例えば、約10重量%までの酵素(例えば、9重量%まで、8重量%まで、5重量%まで、2重量%まで、1重量%まで、約0.1〜5重量%、約1重量%〜5重量%、約2重量%〜5重量%、約0.1〜1重量%、約0.01〜1重量%、約0.001重量%〜0.1重量%)を有し得る。この場合、酵素の重量%は、水溶液中のタンパク質様物質の重量%と理解される。

バイオマスの糖化のために利用されるいくつかのセルロース分解酵素は、酸性領域で、例えば約pH2〜6(例えば、約3〜6、約4〜6、約4〜5)で最良に働く。糖溶液は、これらの酸性pHで電気透析に付され得るし、または任意に、pHは、糖化後に上下に調整され得るし、および/または糖化はそれより高いかまたは低いpHで実行され得る。pHの調整が、溶液中のイオンの濃度に加わる。しかしながら、電気透析は、広範囲から選択されるpH値で良好に機能する。

固体不純物は、濾過または遠心分離により容易に除去され得る。溶解不純物のうちのいくつかは、溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチルエーテルおよびテトラヒドロフランで溶液を処理することにより沈殿させ、次いで、濾過または遠心分離により沈殿物を除去する。

本明細書中に記載される工程から得られる、そして電気透析に用いられる糖溶液は、約50重量%まで、例えば約1〜50重量%、2〜40重量%、3〜25重量%、5〜25重量%、40〜50重量%、30〜40重量%、10〜20重量%、1〜5重量%、10〜40重量%、約50重量%未満、約40重量%未満、約30重量%未満、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.01重量%未満の濃度で存在する非糖懸濁または溶解固体を含み得る。これらの溶液は、高濁度、例えば少なくとも約5ネフェロメ濁度単位(NTU)(例えば、少なくとも約10NTU、少なくとも約50NTU、少なくとも約100NTU、少なくとも約100NTU、少なくとも約200NTU、少なくとも約300NTU、少なくとも約400NTUで、そして500NTUより大きいこともある)を有し得る。いくつかのばあい、溶液が電気透析に付されるまでに、固体は、完全にまたは部分的に、除去される。例えば、固体は、濾過、遠心分離、沈澱、浮選およびこれらの組合せにより、除去され得る。いくつかの場合、固体は、沈澱されている、予め可溶性の材料、例えば変性されている酵素に由来する。固体を除去後、溶液の濁度は約500NTUまで低減され得る(例えば、約100NTUまで低減、約50NTUまで低減、約5NTUまで低減)。

濁っていることのほかに、本明細書中に記載される工程から生成される糖溶液は、着色不純物(例えば着色体)、例えば芳香族発色団のために着色され得る。例えば、いくつかの金属イオンおよびポリフェノール、ならびにリグノセルロース系バイオマスの加工中に生成されるかまたは放出されるリグニン由来生成物は、高度に着色され得る。溶液は、本明細書中に記載される電気透析システムに直接用いられ得るし、あるいは用いられる前に部分的にまたは完全に脱色され得る。例えば、着色不純物は、溶液から濾し取られ、破壊され(例えば、化学分解による)および/または溶液から沈殿させられる。用いられ得るいくつかの考え得る色除去剤は、粉末化炭素、粒状炭素、押出炭素、骨炭炭素またはビーズ活性炭;スチレン系、アクリル系または磁性樹脂;脱色粘土、例えばベントナイト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ホルマイトおよびこれらの組合せである。これらの色除去剤で溶液を処理した後、溶液の色は、プラチナ−コバルト法(ASTM試験法D1209)により測定した場合、約200未満(例えば、100未満、50未満、約40未満、約30未満、約20未満、約10未満、約5未満で、約1未満でさえある)である。

バイオマス由来糖溶液のイオン強度は、バイオマスの供給原料に、ならびに本明細書中に記載されるようなバイオマスの加工処理に大いに左右され得る。溶液は、直接的に、または選択的に用いられ得るし、あるいは本明細書中に記載される電気透析システムに用いられる前に部分的に脱イオン化され得る。

本明細書中に記載される工程においてイオンを除去するための、例えばイオン交換クロマトグラフィーを上回る電気透析の利点は、処理能力である。イオン交換カラムは、すぐに飽和状態になり、時間が掛かり、再生サイクルが高額であるが、一方、電気透析は、高導電性工程液を用いても、再生を必要とせずに連続的に運転し得る。例えば、本明細書中に記載される蒸留ステップ後に下降されるべき溶液は、約500μS/cm超(例えば、約1000μS/cm超、約2000μS/cm超、約3000μS/cm超、約4000μS/cm超、約5000μS/cm超、約6000μS/cm超、約7000μS/cm超、約8000μS/cm超、約9000μS/cm超、約10,000μS/cm超)の導電率を有し得るし、あるいは、例えばそれらは、約500〜100,000μS/cm(例えば、約500〜50,000μS/cm、約1000〜20,000μS/cm、約1000〜20,000μS/cm、約1000〜15,000μS/cm、約5000〜20,000μS/cm、約5000〜10,000μS/cm)の導電率を有し、そして電気透析により有効に処理され得る。例えば、加工処理後の導電率は、少なくとも10分の1に(例えば、少なくとも20分の1に、少なくとも30分の1に、少なくとも50分の1に、少なくとも100分の1に、少なくとも500分の1に、少なくとも1000分の1に)、低減され得る。電気透析後、導電率は、約1〜100μS/cm(例えば、約1〜90μS/cm、約1〜80μS/cm、約1〜50μS/cm、約1〜30μS/cm、約1〜20μS/cm、約2〜60μS/cm、約2〜40μS/cm、約2〜20μS/cm、約5〜100μS/cm、約5〜50μS/cm、約5〜25μS/cm、約9〜90μS/cm、約9〜50μS/cm、約9〜25μS/cm、約9〜12μS/cm、約15〜60μS/cm、約15〜40μS/cm、約15〜30μS/cm、約15〜20μS/cm、約27〜100μS/cm、約27〜50μS/cm、約27〜30μS/cm)であり得る。電気透析により、一旦、大量のイオンが除去されたら、陽イオン交換カラムが用いられ得る。この最終カラムは、しばしば、「仕上げ」カラムと呼ばれる。

電気透析および/または陽イオン交換は、例えばバイオマス液、例えば糖化バイオマス、発酵液から種々のイオンを除去するのに有効であり得る。特に、陽イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニドおよびアクチニド、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ランタン、セリウム、ウランが挙げられる。陽イオン性および陰イオン性硫化物および酸化物も存在することがあり、記載される方法により除去され得る。陰イオンとしては、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫化物、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩(例えば、BO33−)、塩素酸塩、アルシン酸塩およびアルミン酸塩が挙げられ得る。特に、Na+およびClは、高濃度で多量に存在し、例えばこれらのイオンのおよそ少なくとも50%が除去されるべきである(例えば、およそ少なくとも80%、およそ少なくとも85%、およそ少なくとも90%、およそ少なくとも95%、およそ少なくとも98%、およそ少なくとも99%)。例えば塩素は、存在するイオンの約1/3を含み、キシロース分解触媒として作用し得る。その他のイオンは、その後の工程、例えば水素添加に対する汚れであり得る。

電気透析および極性転換型電気透析は、酸を除去するためにも有用であり得る。例えば、無機酸、例えばHCL、H2SO4、H3PO4、HNO3が処理され得る。有機酸、例えば酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等も処理され得る。酸は、部分的に、または完全に、脱イオン化され得る。双極性膜電気透析は、これらの有機酸の単離のために用いられ得る。

本明細書中に記載される設備およびシステムとともに、当該方法に利用され得る電気透析は、“Electrodialysis Cell Unit PCCell ED 64 0 02”,by PCCell(Germany) Verions Jan 2006 pages 1−12;(この記載内容は参照により本明細書中に組み入れられ、付録に添付されている)に記載されている。例えば、その文書の10ページに記載されたPCCell DE 64は、本明細書中に記載される透過材料を脱イオン化するために利用され得る。

本明細書中に記載される設備およびシステムとともに、当該方法で利用され得る極性転換型電気透析についてのいくつかの記載は、“High Water Recovery with Electrodialysis Reversal”, by GE Power and Water, Technical paper 1071EN.doc, March 2010, pages 1−5(この記載内容は参照により本明細書中に組み入れられ、付録に添付されている)。例えば、その文書のページ1の図に示されているような極性転換型電気透析(図1:EDR流れ図)は、本明細書中に記載される糖化材料ならびに糖化材料由来の廃棄物流を加工するために利用され得るシステムを記載する。

電気透析および極性転換型電気透析は、“Electrodiolysis (ED) and Electrodialysis Reversal (EDR)”, U.S Department of the Interior, Bureau of Reclamation, pages 1−4;(この記載内容は参照により本明細書中に組み入れられ、付録に添付されている)に記載されている。例えば、当該文書のページ3に記載されたようなこのシステムのすべてまたは一部(例えば、原水ポンプ、破砕屑スクリーン、急速混合、緩徐混合フロキュレーター、水盤または浄化器、重力濾過器およびEDR膜)を用いる処理列は、糖化バイオマスおよび/または糖化バイオマス廃棄物流を加工処理するために利用され得る。

双極性膜電気透析設備は、例えば、Ameridia Somerset NJ(米国)から入手可能である。当該工程は、Ameridiaにより、Membrane and Separation Technology News March 2006(この記載内容は参照により本明細書中に組み入れられ、付録に添付されている)で記載されている。

例えば既に先に議論された実施形態、または他の実施形態により、用いられ得る原料を処理するための工程の幾つかの更なる詳細および反復を、以下の開示に記載する。

原料を処理するシステム 精製システム、方法および設備(例えば、電気透析)は、上記のように、さらにまた本明細書中のどこかに記載されているように加工された材料に適用され得る。

例えば、糖およびその他の生成物への供給原料の転化のための工程は、例えばこの処理の前および/または後にサイズを減少させるために、例えば、前記のように、そしてここで繰り返し述べ、詳述するように、原料を場合により物理的に前処理すること、難分解性を低下させるために原料を場合により処理すること(例えば、照射による)、および原料を糖化して糖溶液を形成すること、を含むことができる。糖化は、以下に詳細に議論される通り、液体媒体、例えば水の中の原料の分散体を酵素と混合することにより実施することができる。糖化の間または糖化の後、混合物(例えば、糖化が配送途中で部分的または完全に実施される場合)また溶液を、例えばパイプライン、鉄道車両、トラックまたはバージにより、製造プラントに運搬することができる。プラントでは、溶液をバイオプロセシング、例えば発酵することができ、所望の生成物または中間体を生成し、その後、例えば蒸留、電気透析によりさらに加工することができる。個々の加工ステップ、用いられた材料、ならびに形成され得る製品および中間体の例を、以下に詳細に記載する。したがって、これらの方法のほかに、精製システム、方法および設備(例えば、擬似移動床クロマトグラフィー)は、例えば付加的加工ステップとして、適用され得る。

照射処理 原料は、照射により処理されて、難分解性を低下させるように構造を改良することができる。そのような処理は、例えば原料の平均分子量を低下させ、原料の結晶構造を変化させ、そして/または原料の表面積および/もしくは多孔性を増加させることができる。照射は、例えば電子ビーム、イオンビーム、100nm〜280nmの紫外(UV)線、γ線またはX線照射であってもよい。照射処理および処理用システムは、米国特許第8,142,620号および米国特許出願第12/417,731号で議論されており、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。

照射の各形態は、照射エネルギーにより決定される特定の相互作用を介してバイオマスをイオン化する。重荷電粒子は、主にクーロン散乱を介して物体をイオン化し、さらにこれらの相互作用が、物体をさらにイオン化し得るエネルギー電子を生成する。α粒子は、ヘリウム原子の核と同一であり、様々な放射性核種、例えばビスマス、ポロニウム、アスタチン、ラドン、フランシウム、ラジウム、複数のアクチニド系列、例えばアクチニウム、トリウム、ウラン、ネプツニウム、キュリウム、カリホルニウム、アメリシウム、およびプルトニウムの同位体のα崩壊により生じる。電子は、電子の速度変化により生じたクローン散乱および制動放射を介して相互作用する。

粒子が用いられる場合、それらは、中性(非電荷)、正電荷または負電荷であってもよい。電荷を帯びている場合、荷電粒子は、単一の正もしくは負電荷、または多重電荷、例えば1、2、3、もしくは4つ以上の電荷を帯びることができる。炭水化物含有材料の分子構造を変化させるために分子鎖切断が望ましい場合には、酸性であることを一部の理由として、正の電荷を帯びた粒子が望ましい場合がある。粒子が用いられる場合、粒子は、静止電子の質量、またはそれを超える、例えば静止電子の質量の500、1000、1500、または2000倍またはそれを超える質量を有することができる。例えば該粒子は、約1原子単位〜約150原子単位、例えば約1原子単位〜約50原子単位、または約1原子単位〜約25原子単位、例えば1、2、3、4、5、10、12、または15原子単位の質量を有することができる。

γ線は、試料中の様々な材料への顕著な浸透深さという利点を有する。

照射が電磁放射線で実施される実施形態において、電磁放射線は、例えば102eVを超える、例えば103evを超える、104、105、106、または107eVを超える光子あたりのエネルギー(電子ボルトで)を有することができる。幾つかの実施形態において、電磁放射線は、104〜107、例えば105〜106eVの光子あたりのエネルギーを有することができる。電磁放射線は、例えば1016Hzを超える、1017Hzを超える、1018Hz、1019Hz、1020Hz、または1021Hzを超える周波数を有することができる。幾つかの実施形態において、電磁放射線は、1018〜1022Hz、例えば1019〜1021Hzの周波数を有する。

電子衝撃は、10MeV未満、例えば7MeV未満、5MeV未満、または2MeV未満、例えば約0.5〜1.5MeV、約0.8〜1.8MeV、または約0.7〜1MeVの公称エネルギーを有する電子ビームデバイスを用いて実施されてもよい。幾つかの実行において、公称エネルギーは、約500〜800keVである。

電子ビームは、比較的高い総ビーム出力(全ての加速ヘッドのビーム出力を合せたもの、または複数の加速器が用いられる場合には、全ての加速器および全てのヘッドのビーム出力を合せたもの)、例えば少なくとも25kW、例えば少なくとも30、40、50、60、65、70、80、100、125、または150kWを有していてもよい。幾つかの例において、該出力は、500kW、750kW、または1000kW以上にも上る。幾つかの例において、電子ビームは、1200kW以上、例えば1400、1600、1800、または3000kWのビーム出力を有する。

この高い総ビーム出力は、通常、複数の加速ヘッドを用いることにより実現される。例えば電子ビームデバイスは、2、4、またはそれを超える加速ヘッドを含んでいてもよい。それぞれが比較的低いビーム出力を有するヘッドを複数使用することで、材料の過剰な温度上昇が予防され、それにより材料の燃焼が予防され、材料の層の厚さを通る線量の均一性も上昇する。

バイオマス材料のベッドが比較的均一な厚さを有することが、一般には好ましい。幾つかの実施形態において、厚さは、約1インチ未満(例えば、約0.75インチ未満、約0.5インチ未満、約0.25インチ未満、約0.1インチ未満、約0.1〜1インチ、0.2約〜0.3インチ)である。

可能な限り急速に材料を処理することが、望ましい。一般には、処理が0.25Mrad/秒を超える線量率、例えば約0.5、0.75、1、1.5、2、5、7、10、12、15、または約20Mrad/秒を超える、例えば約0.25〜2Mrad/秒の線量率で実施されることが好ましい。より高い線量率により、目的の(所望の)線量を得るためのより高い処理能力が可能になる。より高い線量率は、一般に、材料の熱分解を回避するためにより高いライン速度を必要とする。1つの実行において、加速器は、3MeV、50mAビーム電流に設定され、ライン速度は、約20mmの試料厚さ(例えば、嵩密度0.5g/cm3の破砕されたトウモロコシの穂軸材料)の場合24フィート/分である。

幾つかの実施形態において、電子衝撃は、材料が少なくとも0.1Mrad、0.25Mrad、1Mrad、5Mrad、例えば少なくとも10、20、30または少なくとも40Mradの総線量を受けるまでに、実施される。幾つかの実施形態において、処理は、材料が約10Mrad〜約50Mrad、例えば約20Mrad〜約40Mrad、または約25Mrad〜約30Mradの線量を受けるまでに実施される。幾つかの実行において、25〜35Mradの総線量が好ましく、それが理想的には数回のパスであてられ、例えば5Mrad/パスで、各パスが約1秒であてられる。冷却スクリューコンベヤおよび/または冷却された振動コンベヤを利用することにより、冷却の方法、システムおよび設備を、照射前、照射間、照射後および照射と照射の間に利用することができる。

先に議論された複数のヘッドを用いることにより、材料を複数のパスで、例えば10〜20Mrad/パス、例えば12〜18Mrad/パスを、数秒間冷却することで間を開けて2パス、または7〜12Mrad/パス、例えば5〜20Mrad/パス、10〜40Mrad/パス、9〜11Mrad/パスで3パス処理することができる。本明細書に議論された通り、1回の高線量よりもむしろ複数回の比較的低い線量で材料を処理することで、材料の過熱を防ぐ傾向があり、材料の厚さを通る線量均一性が上昇する。幾つかの実行において、材料は、各パスの間または後に撹拌されるか、さもなければ混合され、その後、次のパスの前に再度、均一層に平滑化されることで、処理の均一性が高まる。

幾つかの実施形態において、電子は、例えば光速の75%よりも大きな速度、例えば光速の85、90、95、または99%を超える速度で加速される。

幾つかの実施形態において、本明細書に記載された任意の加工は、例えば熱および/または減圧を利用して、得られた乾燥を維持した、または乾燥されたリグノセルロース材料で行われる。例えば幾つかの実施形態において、セルロース材料および/またはリグノセルロース材料は、25℃および50%の相対湿度で測定して約25重量%未満(例えば、約20重量%未満、約15重量%未満、約14重量%未満、約13重量%未満、約12重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、約7重量%未満、約6重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満)の保留水を有する。

幾つかの実施形態において、2つ以上のイオン源、例えば2つ以上の電子源を用いることができる。例えば試料は、任意の順序で電子ビームで、続いてγ線および約100nm〜約280nmの波長を有するUV光で処理することができる。幾つかの実施形態において、試料は、3つの電離放射線源、例えば電子ビーム、γ線、およびエネルギー性の紫外光で処理される。バイオマスは、処理ゾーンを通って運搬され、そのゾーンで電子衝撃され得る。

処理を繰り返して、バイオマスの難分解性をより徹底して低下させることおよび/またはバイオマスをさらに改良することが、有利となり得る。特に工程のパラメータを、材料の難分解性に応じて、最初の(例えば、2番目、3番目、4番目またはそれより後の)パスの後に調整することができる。幾つかの実施形態において、バイオマスが先に記載された様々な工程を通して複数回運搬される循環システムを含むコンベヤを、用いることができる。幾つかの他の実施形態において、多重処理デバイス(例えば、電子ビーム発生機)を用いて、バイオマスを複数回(例えば2、3、4回またはそれを超える回数)処理する。さらに別の実施形態において、1つの電子ビーム発生機が、バイオマスの処理に用いられ得る多重ビーム(例えば、2、3、4またはそれを超えるビーム)の供給源であってもよい。

分子/超分子構造を変化させること、および/または炭水化物含有バイオマスの難分解性を低下させることにおける有効性は、用いられる電子エネルギーおよびあてられる線量に依存するが、暴露時間は、出力および線量に依存する。幾つかの実施形態において、線量率および総線量は、バイオマス材料を破壊しない(例えば、焦がさないまたは燃やさない)ように調整される。例えば炭水化物は、例えば単量体の糖として、バイオマスから無傷で放出され得るように、加工の際に損傷させてはならない。

幾つかの実施形態において、処理(任意の電子源または電子源の組み合わせでの)は、材料が少なくとも約0.05Mrad、例えば少なくとも約0.1、0.25、0.5、0.75、1.0、2.5、5.0、7.5、10.0、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175または200Mradの線量を受けるまで実施される。幾つかの実施形態において、処理は、材料が0.1〜100Mrad、1〜200、5〜200、10〜200、5〜150、50〜150Mrad、5〜100、5〜50、5〜40、10〜50、10〜75、15〜50、20〜35Mradの線量を受けるまで実施される。

幾つかの実施形態において、比較的低い線量の放射線が、例えばセルロースまたはリグノセルロース材料の分子量を増加させるために、用いられる(本明細書に記載された任意の放射線源または線源の組み合わせによる)。例えば、少なくとも約0.05Mrad、例えば少なくとも約0.1Mradまたは少なくとも約0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0または少なくとも約5.0Mradの線量。幾つかの実施形態において、照射は、材料が0.1Mrad〜2.0Mrad、例えば0.5Mrad〜4.0Mradまたは1.0Mrad〜3.0Mradの線量受けるまで、実施される。

材料への放射線の所望の透過度を実現するために、複数の方向から同時に、または連続して照射されることも望ましくなり得る。例えば木材などの材料の密度および水分量、ならびに用いられる放射線源のタイプ(例えば、γ線または電子ビーム)に応じて、材料への放射線の最大透過は、わずか約0.75インチであってもよい。そのような場合、最初に一方の側から材料を照射し、その後材料を回して他の側から照射することにより、より厚い区分(最大1.5インチ)を照射することができる。複数の方向からの照射は、γ線よりも急速に照射するが大きな浸透深さに達しない電子ビーム線では、特に有用となり得る。

放射線不透過性材料 照射ステップは、放射線不透過性材料を用いて構築される保管庫および/または燃料庫内で材料を加工することを含むことができる。幾つかの実行において、放射線不透過性材料は、多くの材料を透過し得る高エネルギーのX線の成分を遮蔽し得るように選択される。放射線遮蔽格納庫を設計する際の1つの重要な因子は、用いられる材料の減衰長であり、それは特定の材料、材料のブレンド、または層構造に必要となる厚さを決定する。減衰長は、放射線を入射放射線のおよそ1/e(e=オイラー数)倍に減少させる透過距離である。事実上全ての材料が放射線不透過であるが、十分に厚ければ、高いZ値(原子数)を有する元素の高組成率(例えば、密度)を含む材料は、より短い放射線減衰長を有し、つまりそのような材料がより薄く用いられれば、より軽い遮蔽が提供され得る。放射線遮蔽において用いられる高Z値の材料の例が、タンタルおよび鉛である。放射線遮蔽における別の重要なパラメータが、半量距離であり、それは、γ線強度を50%低下させる特定材料の厚さである。0.1MeVのエネルギーのX線照射の例として、半量厚さはコンクリートでは約15.1mmであり、鉛では約2.7mmであるが、1MeVのX線エネルギーでは、コンクリートの半量厚さは、約44.45mmであり、鉛では約7.9mmである。放射線不透過性材料は、別の側に通過する放射線を減少させ得る限りは、厚い材料または薄い材料であってもよい。つまり、特定の格納庫が、例えば軽量にするため、またはサイズの制約のため、薄い壁厚を有することが望ましい場合、半量長さが格納庫の所望の壁厚以下になるように、選択された材料が、十分なZ値および/または減衰長を有さなければならない。

幾つかの例において、放射線不透過性材料は、良好な遮蔽を提供するために、例えばより高Z値の材料の層を有する層状材料、および他の特性(例えば、構造完全性、衝突抵抗性など)を提供するためにより低Z値の材料の層を有する層状材料であってもよい。幾つかの例において、層材料は、高い原子番号の元素から連続的に低い原子番号の元素に続く勾配を作る積層体を含む、「原子番号の傾斜のある」積層体であってもよい。幾つかの例において、放射線不透過性材料は、インターロックしたブロックであってもよく、例えば鉛および/またはコンクリートのブロックは、NELCO Worldwide(マサチューセッツ州バーリントン所在)により供給することができ、再構成可能な保管庫を用いることができる。

放射線不透過性材料は、入射放射線に比較して、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%)の材料で形成された構造(例えば、壁、ドア、天井、格納庫、これらの連続またはこれらの組み合わせ)を通過する放射線を減少させることができる。それゆえ放射線不透過性材料で作製された格納庫は、同じ量の設備/システム/構成部分の暴露を減少させることができる。放射線不透過性材料としては、ステンレス鋼、原子番号が約25の金属(例えば、鉛、鉄)、コンクリート、泥土、砂およびそれらの組合せを挙げることができる。放射線不透過性材料は、少なくとも約1mm(例えば、5mm、10mm、5cm、10cm、100cm、1m、10m)の入射放射線の方向にバリアを含むことができる。

放射線源 放射線のタイプが、用いられる放射線源の種類に加え、放射線デバイスおよび関連の設備を決定する。例えば材料を放射線で処理するための、本明細書に記載された方法、システムおよび設備は、本明細書に記載された線源に加え、任意の他の有用な線源を用いることができる。

γ線源としては、コバルト、カルシウム、テクネチウム、クロム、ガリウム、インジウム、ヨウ素、鉄、クリプトン、サマリウム、セレン、ナトリウム、タリウム、およびキセノンの同位体などの放射線核種が挙げられる。

X線源としては、タングステンまたはモリブデンまたは合金などの金属ターゲットを有する得電子ビーム衝突、Lyceanから営利目的で製造されるものなどのコンパクトな光源が挙げられる。

α粒子は、ヘリウム原子の核と同一であり、様々な放射性核種、例えばビスマス、ポロニウム、アスタチン、ラドン、フランシウム、ラジウム、複数のアクチニド系列、例えばアクチニウム、トリウム、ウラン、ネプツニウム、クリウム、カリホルニウム、アメリシウム、およびプルトニウムなどのα崩壊により生成される。

紫外線の供給源としては、ジューテリウムまたはカドミウムランプが挙げられる。

赤外線の供給源としては、サファイア、亜鉛、またはセレン化物の窓を含むセラミックランプが挙げられる。

マイクロ波の供給源としては、クリストロン、Slevin型RF源、または水素、酸素、もしくは窒素ガスを用いた原子ビーム供給源が挙げられる。

粒子(例えば、電子またはイオン)を加速するのに用いられる加速器は、DC(例えば、静電式DC(electrostatic DC)または電気力学的DC(electrodynamic DC))、RFリニア、磁気誘導リニアまたは連続波であってもよい。例えば、フィールドイオン化源、静電気イオン分離器、フィールドイオン化発生装置、熱電子放出源、マイクロ波放電式イオン源、再循環または静電加速器、電気力学的直線型加速器、ファンデグラフ加速器、コッククロフトワトソン加速器(例えば、PELLETRON(登録商標)加速器)、LINACS、Dynamitrons(例えば、 PELLETRON(登録商標)加速器)、(例えば、DYNAMITRON(登録商標)加速器)、サイクロトロン、シンクロトロン、ベータトロン、変圧器型加速器、マイクロトロン、プラズマ発生装置、カスケード加速器および折り返しタンデム型加速器をはじめとする様々な照射デバイスを、本明細書に開示された方法で用いることができる。例えばサイクロトロン型加速器は、RHODOTRON(商標)システムなど、ベルギーのIBAから入手でき、DC型加速器は、DYNAMITRON(登録商標)など、RDI、現在のIBA Industrialから入手できる。他の適切な可塑性システムとしては、例えば日本の日新ハイボルテージから入手できる絶縁鉄心変圧器(ICT)型システム;L3−PSD(USA)、Linac Systems(フランス)、Mevex(カナダ)および三菱重工業(日本)から入手できるS−バンドLINAC;Iotron Industries(カナダ)から入手できるL−バンドLINAC;ならびにBudker Laboratories(ロシア)から入手できるILU型加速器が挙げられる。イオンおよびイオン加速器は、Introductory Nuclear Physics, Kenneth S. Krane, John Wiley & Sons, Inc. (1988)、Krsto Prelec, FIZIKA B 6 (1997) 4, 177‐206、Chu, William T., “Overview of Light−Ion Beam Therapy”, Columbus−Ohio, ICRU−IAEA Meeting, 18−20 March 2006、Iwata, Y. et al., “Alternating−Phase−Focused IH−DTL fwor Heavy−Ion Medical Accelerators”, Proceedings of EPAC 2006, Edinburgh, Scotland、およびLeitner, C.M. et al., “Status of the Superconducting ECR Ion Source Venus”, Proceedings of EPAC 2000, Vienna, Austriaに議論されている。幾つかの粒子加速器およびその使用は、例えばMedoffへの米国特許第7,931,784号に開示されており、その開示全てが、参照により本明細書に組み入れられる。

電子は、β崩壊を受ける放射性核種、例えばヨウ素、セリウム、テクネチウムおよびイリジウムにより生成されてもよい。あるいは電子銃を、熱イオン放出を介して電子源として用い、加速電位を通して加速することができる。電子銃は電子を発生し、その電子をその後、大きな電位(例えば、約500000ボルトを超える、約1000000ボルトを超える、約2000000ボルトを超える、約5000000ボルトを超える、約6000000ボルトを超える、約7000000ボルトを超える、約8000000ボルトを超える、約9000000ボルトを超える、または約10000000ボルトを超える)を通して加速し、その後、X−Y平面内で磁気的に走査し、そこで最初、電子をZ方向に加速管の下へ加速し、窓箔を通して抽出する。電子ビームを走査することは、操作ビームを通して運搬される材料、例えばバイオマスを照射する際に、照射表面を増加させるのに有用である。電子ビームを走査することは、熱負荷も窓上で均一に分布させ、電子ビームによる部分的加熱により窓箔の破裂の低減を支援する。窓箔の破裂は、その後必要となる電子銃を修復および再始動するためのかなりの中断時間の原因となる。

フィールドイオン化源、静電気イオン分離器、フィールドイオン化発生装置、熱電子放出源、マイクロ波放電式イオン源、再循環または静電加速器、力学的直線型加速器、ファンデグラフ加速器および折り返しタンデム型加速器をはじめとする様々な他の照射デバイスを、本明細書に開示された方法で用いてもよい。そのようなデバイスは、例えばMedoffの米国特許第7,931,784号に開示されており、その開示全てが、参照により本明細書に組み入れられる。

電子ビームを、放射線源として用いることができる。電子ビームは、高線量率(例えば、1、5、または10Mrad/秒)、高処理能力、少ない閉じ込め、および少ない封じ込め設備の利点を有する。電子ビームは、高い電気効率(例えば、80%)も有することができ、他の放射線方法に比較して低いエネルギー使用が可能で、言い換えれば用いられる少量のエネルギーに対応して低い運転コストおよび低い温室ガス放出に変えることができる。電子ビームは、例えば静電発電機、カスケードジェネレータ、トランスジェネレータ、走査システムを有する低エネルギー加速器、リニアカソードを有する低エネルギー加速器、リニア型加速器、およびパルス加速器により発生させることができる。

電子は、例えば分子鎖切断機構により、炭水化物含有材料の分子構造に変化を起こす際により効率的になり得る。加えて、0.5〜10MeVのエネルギーを有する電子は、本明細書に記載されたバイオマス材料などの低密度材料、例えば嵩密度0.5g/cm3未満および深さ0.3〜10cmを有する材料を透過することができる。電離放射源としての電子は、例えば材料の比較的薄い、例えば約0.5インチ未満、例えば約0.4インチ未満、0.3インチ、0.25インチ、または約0.1インチ未満の堆積、層またはベッドの場合に有用となり得る。幾つかの実施形態において、電子ビームの各電子のエネルギーは、約0.3MeV〜約2.0MeV(100万電子ボルト)、例えば約0.5MeV〜約1.5MeV、または約0.7MeV〜約1.25MeVである。材料を照射する方法は、2011年10月18日出願の米国特許出願公開第2012/0100577 A1号に開示されており、その開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる。

電子ビーム照射デバイスは、商業的に入手してもよく、または構築されてもよい。例えばインダクター、キャパシター、ケーシング、電源、ケーブル、配線、電圧制御システム、電流制御要素、絶縁材料、マイクコントローラー、および冷却設備などの要素または構成部分を購入して、デバイスに組み立てることができる。場合により市販のデバイスを、改良および/または適合させてもよい。例えばデバイスおよび構成部分は、Ion Beam Applications (Louvain−la−Neuve、ベルギー所在)、NHVコーポレーション(日本)、the Titan Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ所在)、Vivirad High Voltage Corp(マサチューセッツ州ビレリカ所在)、および/またはBudker Laboratories(ロシア)をはじめとする本明細書に記載された市販の供給業者のいずれかから購入することができる。典型的な電子エネルギーは、0.5MeV、1MeV、2MeV、4.5MeV、7.5MeV、または10MeVであってもよい。典型的な電子ビーム照射デバイスの電力は、1kW、5kW、10kW、20kW、50kW、60kW、70kW、80kW、90kW、100kW、125kW、150kW、175kW、200kW、250kW、300kW、350kW、400kW、450kW、500kW、600kW、700kW、800kW、900kWまたは1000kWであってもよい。用いられ得る加速器としては、NHV照射装置の中エネルギーシリーズEPS−500(例えば、500kV加速電圧および65、100または150mAビーム電流)、EPS−800(例えば、800kV加速電圧および65または100mAビーム電流)、またはEPS−1000(例えば、1000kV加速電圧および65または100mAビーム電流)が挙げられる。同じくNHVの高エネルギーシリーズの加速器、例えばEPS−1500(例えば、1500kV加速電圧および65mAビーム電流)、EPS−2000(例えば、2000kV加速電圧および50mAビーム電流)、EPS−3000(例えば、3000kV加速電圧および50mAビーム電流)およびEPS−5000(例えば、5000kV加速電圧および30mAビーム電流)を用いることができる。

電子ビーム照射デバイスの電力仕様を考慮する上でのトレードオフとしては、運転コスト、資本コスト、減価償却、およびデバイスの設置面積が挙げられる。電子ビーム照射の暴露線量レベルを考慮する上でのトレードオフは、エネルギーコスト、ならびに環境、安全、および健康(ESH)の問題であろう。典型的には発生機は、特にこの工程で発生されるX線からの生成では、例えば鉛またはコンクリートの、保管庫に収容されている。電子エネルギーを考慮する上でのトレードオフとしては、エネルギーコストを包含する。

電子ビーム照射デバイスは、固定ビームまたは走査ビームのいずれかを生成することができる。走査ビームは、大きな固定ビーム幅を効果的に交換するため、長い走査・掃引および高い走査速度が有利となり得る。さらに0.5m、1m、2mまたはそれを超える、入手可能な掃引幅が、利用可能である。走査ビームは、より大きな走査幅であること、ならびに部分的加熱および窓が不能になる可能性が低いことから、本明細書に記載されたほとんどの実施形態において好ましい。

電子銃−窓 電子加速器の抽出システムは、2つの窓箔を含むことができる。2つの窓箔抽出システムの冷却ガスは、パージガスまたは混合物、例えば空気、または純粋な気体であってもよい。一実施形態において、ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウムおよび/または二酸化炭素などの不活性ガスである。電子ビームへのエネルギー損失が最小限に抑えられることから、液体よりもむしろ気体を用いることが好ましい。窓上または窓の間の空間に衝突する前にラインで予備混合または混合されたパージガスの混合物を用いることもできる。例えば熱交換システム(例えば、冷凍装置)を使用すること、および/または凝縮ガス(例えば、液体窒素、液体ヘリウム)からのボイルオフを使用することにより、冷却ガスを冷却することができる。窓箔は、2013年10月10日出願のPCT/US2013/64332号に記載されており、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる。

放射線処理の間の加熱および処理能力 電子ビームからの電子が非弾性衝突のものと相互作用する場合、複数の工程が、バイオマス中で起こる可能性がある。例えば材料のイオン化、材料中のポリマーの分子鎖切断、材料中のポリマーの架橋、材料の酸化、X線(ブレムスシュトラールンク)の発生および分子の振動励起(例えば、光子発生)。特定の機構に束縛されるものではないが、難分解性の低下は、これらの非弾性衝突効果の幾つか、例えばイオン化、ポリマーの分子鎖切断、酸化および光子発生によるものである。その作用の幾つか(例えば、特にX線発生)は、遮蔽およびバリアの工作、例えばコンクリート(または他の放射線不透過性材料)の保管庫に照射工程を封入することを必要とする。照射の別の作用である振動励起は、試料を温めることに等しい。以下に説明される通り、照射による試料の加熱は、難分解性低下を支援し得るが、過剰な加熱は、材料を破壊する可能性がある。

電離放射線の吸着による断熱温度上昇(ΔT)は、式:ΔT=D/Cp(式中、Dは、kGyでの平均線量であり、Cpは、J/g℃での熱容量であり;ΔTは、℃での温度変化である)により示される。典型的な乾燥バイオマス材料は、2に近い熱容量を有する。水の熱容量は、非常に高い(4.19J/g℃)ため、湿性バイオマスは、水の量に存してより高い熱容量を有する。金属は、かなり低い熱容量を有し、例えばステンレス鋼は、0.5J/g℃の熱容量を有する。放射線の様々な線量に関するバイオマスおよびステンレス鋼の一定した放射線吸着による温度変化を、以下に示す。

高温は、バイオマス中のバイオポリマーを破壊および/または変性して、ポリマー(例えば、セルロース)が、更なる加工に適さなくなる。高温に供されたバイオマスは、暗色および粘着性を帯びるようになり、臭気を発して、分解を示す可能性がある。粘着性により材料の運搬が困難になる可能性もある。臭気は、不快に感じる場合があり、安全性の問題を生じ得る。事実、バイオマスを約200℃未満(例えば、約190℃未満、約180℃未満、約170℃未満、約160℃未満、約150℃未満、約140℃未満、約130℃未満、約120℃未満、約110℃未満、約60℃〜約180℃、約60℃〜約160℃、約60℃〜約150℃、約60℃〜約140℃、約60℃〜約130℃、約60℃〜約120℃、約80℃〜約180℃、約100℃〜約180℃、約120℃〜約180℃、約140℃〜約180℃、約160℃〜約180℃、約100℃〜約140℃、約80℃〜約120℃)に保持することが、本明細書に記載された工程において有益であることが見出されている。

約10Mradを超える照射が本明細書に記載された工程に望ましいことが、見出されている(例えば、難分解性の低下)。高い処理能力もまた、照射がバイオマスを加工する上でのボトルネックにならないために望ましい。処理は、線量率の式:M=FP/D・時間(式中、Mは、照射される材料の質量(kg)であり、Fは、吸着される電力の比率(単位なし)であり、Pは、発せられる電力(kW=MeVでの電圧×mAでの電流)であり、時間は、処理時間(秒)であり、Dは、吸着された線量(kGy)である)により左右される。吸着される電力の比率が固定されている模範的工程において、発せられる電力は、一定であり、設定された放射線量が望ましく、処理能力(例えば、M、加工されるバイオマス)は、照射時間を増加させることにより増加し得る。しかし材料を冷却させずに放射時間を増加させると、先に示された計算により示される通り、材料を過度に加熱する可能性がある。バイオマスは、低い熱伝導率(約0.1Wm−1K−1未満)を有するため、例えばエネルギーが伝達されるヒートシンクが存在する限り、エネルギーを急速に放出し得る金属(約10Wm−1K−1を超える)とは異なり、放熱が緩やかである

電子銃−ビームストップ 幾つかの実施形態において、該システムおよび方法は、ビームストップ(例えば、シャッター)を含む。例えばビームストップを用いて、電子ビームデバイスの出力を下げずに、材料の照射を急速に停止または減少させることができる。あるいはビームストップは、電子ビームの出力を上昇させながら用いることができ、ビームストップは、所望のレベルのビーム電流に達するまで、電子ビームを停止させることができる。ビームストップは、第一の窓箔と第二の窓箔の間に配置させることができる。例えばビームストップは、可動性であるように、即ちビームパスの内外へ移動できるように、搭載することができる。例えば照射線量を制御するために、ビームの部分的な被覆を用いることもできる。ビームストップは、床に、バイオマスのコンベヤに、壁に、放射線デバイスに(例えば、スキャンホーンの)、または任意の構造支持体に搭載することができる。好ましくは、ビームがビームストップにより効果的に制御され得るように、ビームストップがスキャンホーンに関して固定されている。ビームストップは、ヒンジ、レール、ホイール、スロット、または他の手段を組み込むことができ、ビーム内外へ移動する操作を可能にする。ビームストップは、電子の少なくとも5%、例えば電子の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または約100%を停止させる任意の材料で作製することができる。

ビームストップは、非限定的に、ステンレス鋼、鉛、鉄、モリブデン、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、またはこれらの合金、またはそのような金属で作製された(例えば、金属コートセラミック、金属コートポリマー、金属コート複合体、多層金属材料)積層体(層化材料)をはじめとする金属で作製することができる。

ビームストップは、例えば水溶液またはガスなどの冷却流動体で、冷却することができる。ビームストップは、例えば空洞を有し、部分的または完全に中空であってもよい。ビームストップの内部空間は、流体およびガスを冷却するのに用いることができる。ビームストップは、平面、曲線、円形、楕円形、正方形、長方形、面取りのある形状およびくさび形など、任意の形状であってもよい。

ビームストップは、幾つかの電子を通すような穿孔を有することができ、それにより窓の全エリアまたは窓の特定の領域を通る放射線レベルを制御(例えば、低下)することができる。ビームストップは、例えば繊維またはワイヤから形成された、メッシュであってもよい。複数のビームストップを一緒に、または独立に使用して、照射を制御することができる。ビームストップは、ビームを所定の場所の内外に移動させるために、例えばモーターへの無線信号またはハードウエアにより、遠隔制御することができる。

ビームダンプ 本明細書に開示された実施形態は、放射線処理を活用する際に、ビームダンプを含むこともできる。ビームダンプの目的は、荷電粒子のビームを安全に吸収することである。ビームダンプは、ビームストップと同様に、荷電粒子のビームを遮断するのに用いることができる。しかしビームダンプは、ビームストップよりもかなり強固で、長期間にわたりフルパワーの電子ビームを遮断することを目的とする。それらは多くの場合、加速器の出力を増加させながら、ビームを遮断するのに用いられる。

ビームダンプは、そのようなビームにより発生した熱に順応するようにも設計されており、通常、銅、アルミニウム、炭素、ベリリウム、タングステン、または水銀などの材料で作製されている。例えばビームダンプと熱接触し得る冷却流体を利用して、ビームダンプを冷却することができる。

バイオマス材料 リグノセルロース材料としては、例えば木材、パーティクルボード、林業廃棄物(例えば、おがくず、アスペン材、木材チップ)、牧草(例えば、スイッチグラス、ススキ、コードグラス、クサヨシ)、穀物残渣(例えば、籾殻、オーツ麦の殻、小麦殻、大麦殻)、農業廃棄物(例えば、サイレージ、菜種のわら、小麦わら、大麦わら、オーツ麦わら、米わら、ジュート、麻、亜麻、竹、サイザル、マニラ麻、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、大豆の葉茎、トウモロコシ繊維、アルファルファ、干し草、ココナッツの毛)、糖加工残渣(例えば、バガス、ビートパルプ、リュウゼンツランバガス)、藻類、海藻、肥やし、下水汚物、およびこれらのいずれかの混合物が挙げられる。

幾つかの例において、リグノセルロース材料としては、トウモロコシの穂軸が挙げられる。粉砕またはハンマーミルされたトウモロコシの穂軸は、照射のために比較的均一な厚さの層に広げることができ、照射の後、更なる加工のために媒体中に分散することが容易である。収穫および回収を容易にするために、幾つかの例において、トウモロコシの茎、トウモロコシの穀粒などとうもろこしの植物全体が用いられ、そして幾つかの例において、該植物の根系さえも用いられる。

有利には更なる栄養素(窒素供給源以外、例えば尿素またはアンモニア以外)が、トウモロコシの穂軸、または顕著な量のトウモロコシの穂軸を含むセルロースもしくはリグノセルロース材料の発酵の際に必要となる。

破砕の前後のトウモロコシの穂軸は、運搬および分散も容易であり、干し草および牧草などの他のセルロースまたはリグノセルロース材料よりも空気中で爆発性混合物を形成する傾向が小さい。

セルロース材料としては、例えば紙、紙製品、紙廃棄物、紙パルプ、着色紙、積載紙(loaded paper)、塗工紙、充填紙、雑誌、印刷物(例えば、本、カタログ、使用説明書、ラベル、カレンダー、グリーティングカード、パンフレット、目論見書、新聞紙)、印刷用紙、ポリコート紙、カードストック、厚紙、ボール紙、高α−セルロース量を有する材料、例えば綿、およびこれらのいずれかの混合物が挙げられる。例えば開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願第13/396,365号(Medoffらによる2012年2月14日出願の“Magazine Feedstocks”)に記載された紙製品である。

セルロース材料は、部分的または完全に脱木質化されたリグノセルロース材料も含むことができる。

幾つかの例において、他のバイオマス材料、例えばデンプン質材料を用いることができる。デンプン質材料としては、デンプンそのもの、例えばコーンスターチ、小麦デンプン、ジャガイモデンプンもしくは米デンプン、デンプン誘導体、または食用の食品もしくは作物などのデンプンを含む材料が挙げられる。例えばデンプン質材料は、アラカチャ、蕎麦、バナナ、大麦、キャッサバ、クズ、アンデスカタバミ、サゴ、モロコシ、通常の家庭用のジャガイモ、サツマイモ、タロイモ、ヤマノイモ、または1種以上の豆、例えば空豆、レンズ豆、エンドウ豆であってもよい。任意の1種以上のデンプン質材料のブレンドもまた、デンプン質材料である。デンプン質材料とセルロースまたはリグノセルロース材料との混合物を用いることもできる。例えばバイオマスは、植物全体、植物の一部または植物の異なる部分、例えば小麦の苗、綿の苗、トウモロコシの苗、米の苗または樹木であってもよい。デンプン質材料は、本明細書に記載された方法のいずれかにより処理することができる。

原料として用いられ得る微生物材料としては、非限定的に、炭水化物(例えば、セルロース)、例えば原生生物、例えば動物の原生生物(例えば、鞭毛藻類、アメーバ、繊毛虫、および胞子虫などの原虫)および植物の原生生物(例えば、アルベオラータ、クロララクニオン藻、クリプトモナド、ユーグレナ藻、灰色藻、ハプト藻、紅藻、ストラメノパイル、および緑色植物亜界)の供給源を含む、または供給源を提供することが可能な任意の天然由来または遺伝子組換え微生物体または生物体を挙げることができる。他の例としては、海藻、プランクトン(例えば、マクロプランクトン、メソプランクトン、ミクロプランクトン、ナノプランクトン、ピコプランクトン、およびフェムトプランクトン)、植物プランクトン、細菌(例えば、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および好極限性細菌)、酵母および/またはこれらの混合物が挙げられる。幾つかの例において、微生物バイオマスは、天然供給源、例えば海洋、湖、水体、例えば塩水もしくは淡水、または陸上から得ることができる。代わりまたは追加として、微生物バイオマスは、培養系、例えば大規模乾式および湿式培養、ならびに発酵系から得ることができる。

別の実施形態において、バイオマス材料、例えばセルロース、デンプン質およびリグのセルロース原料は、野生型の変種に関して修飾されたトランスジェニックの微生物および植物から得ることができる。そのような修飾は、例えば選択および育種の反復ステップにより植物中の所望の素質を得てもよい。その上、植物は、野生型の変種に関して除去、修飾、発現抑制および/または付加されていてもよい。例えば遺伝子修飾植物は、組換えDNA法により生成することができ、その場合の遺伝子修飾は、親種からの特異的遺伝子を導入もしくは修飾すること、または例えば異なる種の植物および/または細菌から植物に特異的遺伝子(複数可)が導入されるトランスジェニック育種を利用すること、を含む。遺伝子変種を作出する別の方法は、新しい対立遺伝子を内在遺伝子から人工的に作出する突然変異育種による。その人工遺伝子は、例えば化学的突然変異原(例えば、アルキル化剤、エポキシド、アルカロイド、過酸化物、ホルムアルデヒドの使用による)、照射(例えば、X線、γ線、中性子、β粒子、α粒子、陽子、重陽子、UV線)および温度ショックまたは他の外部ストレス負荷により植物または種子を処理すること、それに続く選択技術をはじめとし、様々な方法により作出することができる。修飾遺伝子を提供する他の方法は、エラープローンPCRおよびDNAシャッフルの後、所望の修飾DNAを所望の植物または種子に挿入することによる。所望の遺伝子変異を主旨または植物に導入する方法としては、例えば細菌保有者、微粒子銃、リン酸カルシウム沈殿法、電気穿孔、遺伝子スプライシング、遺伝子サイレンシング、リポフェクション、ミクロインジェクション、およびウイルス保有者の使用が挙げられる。更なる遺伝子修飾材料は、2012年2月14日出願の米国特許出願第13/396,369号に記載されており、その開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書に記載された方法のいずれかは、本明細書に記載された任意のバイオマス材料の混合物で実践することができる

バイオマス材料の調製−機械的処理 バイオマスは、例えば約35%未満の水分量(例えば、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満)の、乾燥形態であってもよい。バイオマスは、湿潤状態、例えば固体が少なくとも約10重量%(例えば、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%)の湿性固体、スラリー、または懸濁物として送達することもできる。

本明細書に開示された工程は、低嵩密度の材料、例えば約0.75g/cm3未満、例えば約0.7g/cm3未満、0.65、0.60、0.50、0.35、0.25、0.20、0.15、0.10、0.05g/cm3またはそれ未満、例えば0.025g/cm3未満の嵩密度を有するように物理的に前処理されたセルロースまたはリグノセルロース原料を活用することができる。嵩密度は、ASTM D1895Bを利用して決定することができる。概要を述べると、該方法は、既知の容積のメスシリンダに試料を充填すること、および試料の重量を得ること、を含む。嵩密度は、試料のグラム重量をシリンダーの既知の容積の立方センチメートルで割ることにより計算される。所望なら、低密度材料を、例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7,971,809号(Medoff)に記載された方法により、高密度化することができる。

幾つかの例において、処理前加工は、バイオマス材料のふるい分けを含む。ふるい分けは、所望の開口サイズ、例えば約6.35mm(1/4インチ、0.25インチ)未満、(例えば、約3.18mm(1/8インチ、0.125インチ)未満、約1.59mm(1/16インチ、0.0625インチ)未満、約0.79mm(1/32インチ、0.03125インチ)未満、例えば約0.51mm(1/50インチ、0.02000インチ)未満、約0.40mm(1/64インチ、0.015625インチ)未満、約0.23mm(0.009インチ)未満、約0.20mm(1/128インチ、0.0078125インチ)未満、約0.18mm(0.007インチ未満)、約0.13mm(0.005インチ)未満、または約0.10mm(1/256インチ、0.00390625インチ)未満)を有するメッシュまたは穿孔板を通して行うことができる。1つの構成において、所望のバイオマスは、その穿孔またはふるいを通り抜け、つまりその穿孔またはふるいよりも大きなバイオマスは、照射されない。これらの大きな材料は、例えば破砕により、再加工され、またはそれらは単に加工から取り除くことができる。別の構成において、穿孔よりも大きな材料は、照射され、より小さな材料は、ふるい分け工程により除去されるか、または再循環される。この種の構成において、コンベヤそのもの(例えば、コンベヤの一部)を、穿孔することができ、またはメッシュを含んで作製することができる。例えば1つの特定の実施形態において、バイオマス材料は、湿潤性であってもよく、穿孔またはメッシュによって照射の前に水をバイオマスから流出させてもよい。

材料のふるい分けは、手動での方法、例えば望ましくない材料を除去するオペレータまたはメカノイド(例えば、色、反射性または他のセンサーを備えたロボット)により行うことができる。ふるい分けは、磁石が運搬される材料の付近に配設されていて磁気材料が磁石により除去される、磁気ふるいによって行うこともできる。

任意の処理前加工が、材料の加熱を含むことができる。例えば当該材料または他の材料を運搬するコンベヤの一部を、加熱されたゾーンに送出することができる。加熱されたゾーンは、例えばIR線、マイクロ波、燃焼(例えば、ガス、石炭、オイル、バイオマス)、抵抗加熱および/または誘導コイルにより作製することができる。熱は、少なくとも一方の側または1つ以上の側からあてること、連続的または周期的にてること、そして材料の一部だけまたは材料全てにあてることができる。例えば、コンベヤトラフの一部を、加熱ジャケットの使用により加熱することができる。加熱は、例えば材料の乾燥を目的とするものであってもよい。材料を乾燥する場合、加熱により、または加熱せずに、運搬されている時にガス(例えば、空気、酸素、窒素、He、CO2、アルゴン)をバイオマスの上部および/またはバイオマスの中に移動させることにより、乾燥を容易にすることもできる。

場合により処理前加工は、材料を冷却することを含むことができる。材料の冷却は、開示が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7,900,857号(Medoff)に記載される。例えば冷却は、冷却流体、例えば水(例えば、グリセロールを含む)、または窒素(例えば、液体窒素)をコンベヤトラフの底に供給することによって行うことができる。あるいは冷却ガス、例えば凍結窒素を、バイオマスの上部、または運搬システムの下に吹き付けることができる。

別の任意の処理前加工法は、材料をバイオマスまたは他の原料に添加することを含むことができる。更なる材料は、例えばバイオマスが運搬されている時に材料をバイオマスの上に浴びせること、振りかけること、および/または注入することにより、添加することができる。添加され得る材料としては、例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2010/0105119 A1(2009年10月26日出願)および米国特許出願公開第2010/0159569 A1(2009年12月16日出願)に記載された金属、セラミックおよび/またはイオンが挙げられる。添加され得る任意の材料としては、酸および塩基が挙げられる。添加され得る他の材料は、酸化剤(例えば、過酸化物、塩素酸塩)、ポリマー、重合性モノマー(例えば、不飽和結合を含むもの)、水、触媒、酵素および/または生物体である。材料は、純粋な形態で、例えば溶媒(例えば、水または有機溶媒)中の溶液として、そして/または溶液として、添加することができる。幾つかの例において、溶媒は、揮発性であり、例えばこれまで記載された通りガスの加熱および/または吹き出しにより、蒸発するように作製することができる。添加される材料は、バイオマス上に均一なコーティングを形成することができ、または異なる成分(例えば、バイオマスおよび更なる材料)の均質混合物であってもよい。添加される材料は、照射の効率を上昇させること、照射を弱めること、または照射の作用を変化させること(例えば、電子ビームからX線または加熱へ)により、次の照射ステップを変調することができる。該方法は、照射への影響を有していなくてもよいが、さらに下流の加工に有用であってもよい。添加材料は、例えば粉塵のレベルを低下させることにより、材料の運搬を支援してもよい。

バイオマスは、ベルトコンベヤ、空気式コンベヤ、スクリューコンベヤ、ホッパー、パイプ、手動で、またはこれらの組み合わせによりコンベヤ(例えば、本明細書に記載された保管庫内で用いられる振動コンベヤ)に送達することができる。バイオマスは、例えばこれらの方法のいずれかによりコンベヤ上に滴下、注入および/または配置させることができる。幾つかの実施形態において、材料は、封入された材料の分配システムを用いてコンベヤに送達されて、低酸素大気の維持ならびに/または粉塵および微粉の制御を支援する。舞い上がる、または空気に浮遊させたバイオマスの微粉および粉塵は、爆発災害を形成する、または電子銃の窓箔を損傷する可能性があるため(そのようなデバイスが、材料を処理するのに用いられる場合)、望ましくない。

材料をならして、約0.0312〜5インチ(例えば、約0.0625〜2.000インチ、約0.125〜1インチ、約0.125〜0.5インチ、約0.3〜0.9インチ、約0.2〜0.5インチ、約0.25〜1.0インチ、約0.25〜0.5インチ、0.100+/−0.025インチ、0.150+/−0.025インチ、0.200+/−0.025インチ、0.250+/−0.025インチ、0.300+/−0.025インチ、0.350+/−0.025インチ、0.400+/−0.025インチ、0.450+/−0.025インチ、0.500+/−0.025インチ、0.550+/−0.025インチ、0.600+/−0.025インチ、0.700+/−0.025インチ、0.750+/−0.025インチ、0.800+/−0.025インチ、0.850+/−0.025インチ、0.900+/−0.025インチ、0.900+/−0.025インチの均一な厚さを形成することができる。

一般に、電子ビームを通して可能な限り急速に材料を運搬して、処理能力を最大にすることが好ましい。例えば材料は、少なくとも1フィート/分、例えば少なくとも2フィート/分、少なくとも3フィート/分、少なくとも4フィート/分、少なくとも5フィート/分、少なくとも10フィート/分、少なくとも15フィート/分、20、25、30、35、40、45、50フィート/分の速度で運搬することができる。運搬速度は、例えばバイオマスの厚さ1/4インチでのビーム電流に関し、100mAでのコンベヤは、約20フィート/分で移動して有用な照射線量を提供することができ、50mAでのコンベヤは、約10フィート/分で移動して、ほぼ同じ照射線量を提供することができる。

バイオマス材料が、放射線ゾーンを通って運搬された後、任意の処理後加工を実施することができる。任意の処理後加工は、例えば照射前加工に関して記載された工程であってもよい。例えばバイオマスを、ふるい分けても、加熱しても、冷却しても、そして/または添加剤と混和してもよい。照射後に特有なこととして、ラジカルのクエンチング、例えば流体もしくは気体(例えば、酸素、亜酸化窒素、アンモニア、液体)の添加、圧力、熱の利用、および/またはラジカルスカベンジャーの添加によるラジカルのクエンチングを行うことができる。例えばバイオマスを、囲い込まれたコンベヤの外部で運搬して、ガス(例えば、酸素)に暴露し、そこでクエンチしてカルボキシル化された基を形成することができる。一実施形態において、バイオマスは、反応性ガスまたは流体への照射の間に暴露される。照射されたバイオマスのクエンチングは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第8,083,906号(Medoff)に記載される。

所望なら、照射に加えて1つ以上の機械的処理を利用して、炭水化物含有材料の難分解性をさらに低下させることができる。これらの工程は、照射の前、照射の間および/または照射後に適用することができる。

幾つかの例において、機械的処理としては、受け取り時の原料の初期調製、例えば破砕、例えば切断、粉砕、せん断、微粉砕または打ち切りなどによる材料のサイズ減少を挙げることができる。例えば幾つかの例において、まとまりのない原料(例えば、リサイクル紙、デンプン質材料、またはスイッチグラス)は、せん断または細断により調製される。機械的処理は、炭水化物含有材料の嵩密度を低下させ、炭水化物含有材料の表面積を増加させ、そして/または炭水化物含有材料の1つ以上の寸法を減少させることができる。

代わりまたは追加として、原料を、別の処理、例えば酸(HCl、H2SO4、H3PO4)、塩基(例えば、KOHおよびNaOH)、化学的酸化剤(例えば、過酸化物、塩素酸塩、オゾン)、照射、水蒸気爆発、熱分解、音波処理、酸化、化学的処理などの化学的処理で処理することができる。処理は、どのような順序でも、どのような連続でも、そしてそれらを組み合わせていてもよい。例えば原料は最初、1つ以上の処理方法、例えば酸加水分解(例えば、HCl、H2SO4、H3PO4の使用)を含みそれらと組み合わせた化学的処理、放射線、音波処理、酸化、熱分解または水蒸気爆発により物理的に処理し、その後、機械的に処理することができる。この連続は、他の処理、例えば照射または熱分解の1つ以上により処理される材料がより脆性の傾向があり、それゆえ機械的処理により材料の構造をさらに変化させることが容易となり得るため、有利となろう。別の例として、原料は、本明細書に記載されたコンベヤを用いて電離放射線を通って運搬され、その後、機械的に処理することができる。化学的処理は、リグニンの一部または全てを除去することができ(例えば、化学パルプ化)、材料を部分的または完全に加水分解することができる。該方法は、予め加水分解された材料で使用することもできる。該方法は、予め加水分解されていない材料で用いることもできる。該方法は、加水分解材料と、非加水分解材料、例えば約50%以上の非加水分解材料、約60%以上の非加水分解材料、約70%以上の非加水分解材料、約80%以上の非加水分解材料、または約90%以上の非加水分解材料との混合物で用いることができる。

加工の最初および/または後に実行され得るサイズ減少に加えて、機械的処理は、炭水化物含有材料を「切り開く」、「応力を加える」、破壊する、または破断して、物理的処理の間に材料のセルロースに分子鎖切断および/または結晶構造の崩壊を受け易くさせるのにも有利となり得る。

炭水化物含有材料を機械的に処理する方法としては、例えば、ミリングまたは粉砕が挙げられる。ミリングは、例えばハンマーミル、ボールミル、コロイドミル、コニカルもしくはコーンミル、ディスクミル、エッジミル、ウィリーミル、グリストミルまたは他のミルが挙げられる。粉砕は、例えば切断/衝撃型グラインダーを用いて実施されてもよい。幾つかの模範的グラインダーとしては、石材用グラインダー、ピングラインダー、コーヒーグラインダーおよびバーグラインダーが挙げられる。粉砕またはミリングは、例えば、ピンミルの場合のように、往復運動ピンまたは他の要素により、提供されてもよい。他の機械的処理方法としては、機械的切り裂きまたは引き裂き、繊維に圧力を加える他の方法、および空気摩耗ミリングが挙げられる。適切な機械的処理は、これまで加工処理ステップにより開始された材料の内部構造の崩壊を継続する任意の他の技法をさらに含む。

機械的供給調製系は、例えば、特定最大サイズ、特定の長さ対幅、または特定の表面積比などの特定の性質を有する流れを生じるよう構成することができる。物理的調製は、反応速度を上昇させ、コンベヤ上の材料の動きを改善し、材料の照射プロファイルを改善し、材料の放射線均一性を改善し、または材料を切開して、それらを工程および/もしくは試薬、例えば溶液中の試薬に接近し易くすることによって必要とされる加工時間を減少させることができる。

原料の嵩密度は、制御(例えば、増大)することができる。幾つかの状況では、例えば材料を高密度化し(例えば高密度化は、別の場所に運搬するのを容易にかつ低コストにし得る)、その後、材料をより低い嵩密度状態に戻す(例えば、運搬後)ことにより、低嵩密度材料を調製することが望ましい。該材料は、例えば、約0.2g/cc未満から約0.9g/ccを超えるまで(例えば、約0.3未満〜約0.5を超えるまで、約0.3未満〜約0.9g/ccを超えるまで、約0.5未満〜約0.9を超えるまで、約0.3未満〜約0.8g/ccを超えるまで、約0.2未満〜約0.5g/ccを超えるまで)に高密度化することができる。例えば材料は、開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7,932,065号(Medoff)および国際公開WO 2008/073186号(2007年10月26日出願;英語で公開;米国を指定)に開示された方法および設備により高密度化され得る。高密度化材料は、本明細書に記載された方法のいずれかにより加工することができ、または本明細書に記載された方法のいずれかにより加工された任意の材料は、次に、高密度化することができる。

幾つかの実施形態において、加工される材料は、繊維源をせん断することにより提供される繊維を含む繊維性材料の形態である。例えば、剪断は、回転式ナイフカッターで実施することができる。

例えば、難分解性であるか、または難分解性レベルが低減された繊維源は、例えば回転式ナイフカッターで剪断されて、最初の繊維性材料を提供し得る。最初の繊維性材料は、例えば1.59mm以下(1/16インチ、0.0625インチ)の平均開口サイズを有する、第一のふるいに通されて、第二の繊維性材料を提供する。所望なら、繊維源は、例えばシュレッダーで、剪断前に切断することができる。例えば、紙が繊維源として用いられる場合、紙は最初、シュレッダー、例えばMunson(ニューヨーク州ユーティカ所在)製造のものなどの卓上回転式スクリューシュレッダーを用いて、例えば、1/4〜1/2インチ幅の細片に切断することができる。細断に代わるものとして、ギロチンカッターを用いて、所の望サイズに切断することにより、紙はサイズを減少することができる。例えば、ギロチンカッターは、紙を、例えば幅10インチ、長さ12インチの、シートに切断するために用いることができる。

幾つかの実施形態において、繊維源の剪断、およびその結果生じる第一の繊維性材料の第一のふるいへの通過は、同時に実施される。剪断および通過は、バッチ式工程でも実施することができる。

例えば、回転式ナイフカッターを用いて、同時に、繊維源を剪断して第一の繊維性材料をふるい分けすることができる。回転式ナイフカッターは、繊維源を細断することにより調製される細断繊維源を積載され得るホッパーを含む。

幾つかの実行において、原料は、糖化および/または発酵の前に物理的に処理される。物理的処理工程は、本明細書中に記載された工程、例えば機械的処理、化学的処理、照射、音波処理、酸化、熱分解または水蒸気爆発のいずれかのうちの1つ以上を含むことができる。処理方法は、これらの技法のうちの2、3、4、または全ての組み合わせ(任意の順序)で用いることができる。1つより多い処理方法が用いられる場合、該方法は、同時に、または異なる時点で適用することができる。バイオマス原料の分子構造を変化させる他の工程も、単独で、または本明細書に開示された工程と組み合わせて用いることができる。

用いられ得る機械的処理、ならびに機械的処理される炭水化物含有材料の性質は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年10月18日出願の米国特許出願公開第2012/0100577 A1号にさらに詳細に記載される。

音波処理、熱分解、酸化、水蒸気爆発 所望により、炭水化物含有材料の難分解性を低下させる、またはさらに低下させるために、照射の代わりまたは追加として、1つ以上の音波処理、熱分解、酸化または水蒸気爆発工程を用いることができる。例えばこれらの工程は、照射の前、照射の間および/または照射後に適用することができる。これらの工程は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、Medoffの米国特許第7,932,065号に詳細に記載される。

中間体および生成物 本明細書中に記載される工程を用いて、バイオマス材料を、1種以上の製品、例えばエネルギー、燃料、食物および材料に変換することができる。例えば、有機酸、有機酸の塩、酸無水物、有機酸のエステルおよび燃料、例えば内燃機関のための燃料または燃料電池のための原料の中間体および生成物を、製造することができる。即座に入手可能であるが、多くの場合、加工するのが困難になり得るセルロースおよび/またはリグノセルロース材料、例えば自治体廃棄物流れおよび廃棄紙流れ、例えば新聞、クラフト紙、段ボール紙またはこれらの混合物を含む流れを原料として用い得るシステムおよび工程が、本明細書に記載される。

生成物の具体的例としては、水素、糖(例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、二糖、オリゴ糖および多糖)、アルコール(例えば、一価アルコールまたは二価アルコール、例えばエタノール、n−プロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールまたはn−ブタノール)、水和または水性アルコール(例えば、10%を超える、20%、30%、または40を超える水を含有)、バイオディーゼル、有機酸、炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパン、イソブテン、ペンタン、n−ヘキサン、バイオディーゼル、バイオガソリンおよびそれらの混合物)、共生成物(例えば、セルロース分解タンパク質(酵素)または単細胞タンパク質などのタンパク質)、ならびに任意の組み合わせまたは相対濃度での、ならびに場合により任意の添加剤(例えば、燃料添加剤)と組み合わせたこれらのいずれかの混合物が挙げられるが、これらに限らない。他の例としては、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸とカルボン酸塩とカルボン酸エステルとの混合物(例えば、メチル、エチルおよびn−プロピルエステル)、ケトン(例えば、アセトン)、アルデヒド(例えば、アセトアルデヒド)、αおよびβ不飽和酸(例えば、アクリル酸)およびオレフィン(例えば、エチレン)が挙げられる。その他のアルコールおよびアルコール誘導体としては、プロパノール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、糖アルコール (例えば、エリトリトール、グリコール、グリセロール、ソルビトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、マンニトール、ダルシトール、フシトール、イジトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、キシリトールおよびポリオール)、ならびにこれらのアルコールのいずれかのメチルまたはエチルエステルが挙げられる。その他の生成物としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、D−乳酸、L−乳酸、ピルビン酸、ポリ乳酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、酪酸、コハク酸、吉草酸、カプロン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、オレイン酸、リノール酸、グリコール酸、γ−ヒドロキシ酪酸、およびそれらの混合物、これらの酸のいずれかの塩、これらの酸およびその各塩のいずれかの混合物が挙げられる。

上記生成物と互いとの任意の組み合わせ、および/または上記生成物と本明細書中に記載される工程もしくは他の方法で製造され得る他の生成物との任意の組み合わせは、一緒に包装され、製品として販売され得る。該生成物は、混和され、例えば混合、ブレンド、もしくは共溶解されてもよく、または単に一緒に包装もしくは販売され得る。

本明細書中に記載された生成物または生成物の組合せのいずれかは、製品販売の前に、例えば精製もしくは単離後、または包装後でも、生成物(複数可)中に存在し得る1つ以上の潜在的に望ましくない混入物を中和するために、衛生化または滅菌され得る。そのような衛生化は、電子衝撃で、例えば約20Mrad未満、例えば約0.1〜15Mrad、約0.5〜7Mrad、または約1〜3Mradの線量で実行することができる。

本明細書中に記載された工程は、プラント(コジェネレーション)の他の部分で用いられる、または公開市場で販売される水蒸気と電気を生成するのに有用となる様々な副産物流れを生成することができる。例えば、燃焼副産物流れから生成された水蒸気は、蒸留工程に用いることができる。別の例として、燃焼副産物流れから生成された電気は、前処理に用いられる電子ビーム発生機を作動するために用いることができる。

水蒸気および電気を生成するために用いられる副産物は、工程全体を通して複数の供給源から得られる。例えば廃水の嫌気性消化は、メタンが高濃度のバイオガスと、少量の廃棄物バイオマス(スラッジ)を生じ得る。別の例として、糖化後および/または蒸留後固体(例えば、前処理および一次工程後に残存する未変換のリグニン、セルロースおよびヘミセルロース)が用いること、例えば燃料として燃焼することができる。

食品および医薬品をはじめとする他の中間体および生成物は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2010年5月20日公開のMedoffへの米国特許出願公開第2010/0124583 A1号に記載される。

リグニン由来生成物 記載された方法によるリグノセルロース加工からの使用済みバイオマス(例えば、使用済みリグノセルロース材料)は、高いリグニン量を有することが期待され、コジェネレーションプラントでの燃焼を通したエネルギー生成に有用であることに加え、他の貴重な生成物としての用途を有し得る。例えばリグニンは、プラスチックとして入手されたまま使用することができ、または合成により他のプラスチックに格上げすることもできる。幾つかの例において、それは結合剤、分散剤、乳化剤もしくは金属イオン封鎖剤として用いられ得るリグのスルホナートに変換することができる。

結合剤として用いられる場合、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えば練炭中で、セラミック中で、カーボンブラックを結合させるために、肥料と除草剤を結合させるため、粉塵抑制剤として、合板およびパーティクルボードを作製する際、動物飼料を結合させるため、ファイバーガラスの結合剤として、リノリウムペースト中の結合剤として、そして土壌安定化剤として、用いることができる。

分散剤として用いられる場合、リグニンまたはリグのスルホナートは、例えばコンクリートミックス、粘土およびセラミック、染料および顔料、革のなめしおよび石膏ボードで用いることができる。

乳化剤として用いられる場合、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えばアスファルト、顔料および染料、殺虫剤、ならびにワックスエマルジョン中で用いることができる。

金属イオン封鎖剤として、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えば微量栄養素系、洗浄化合物および水処理システム中で、例えばボイラおよび冷却システムに用いることができる。

エネルギー生成の場合、リグニンは一般に、ホモセルロース(セルロールおよびヘミセルロース)よりも多くの炭素を含むため、ホロセルロースよりも高いエネルギー量を有する。例えば乾性リグニンは、ホロセルロースの7,000、8,000BTU/ポンドに比較して、約11,000〜12,500BTU/ポンドのエネルギー量を有することができる。そのためリグニンは、高密度化して燃焼用のブリケットおよびペレットに変換することができる。例えばリグニンは、本明細書に記載された任意の方法によりペレットに変換することができる。より緩やかに燃焼するペレットまたはブリケットの場合、約0.5Mrad〜5Mradの放射線量をあてるなどで、リグニンを架橋させることができる。架橋は、緩やかな燃焼のフォームファクターを作ることができる。ペレットまたはブリケットなどのフォームファクターは、例えば400〜950℃で、空気の存在下で熱分解することにより「合成の炭」または木炭に変換することができる。熱分解の前に、リグニンを架橋して、構造完全性を維持することが望ましくなり得る。

糖化 原料を即座に加工され得る形態に変換するために、原料中のグルカン−またはキシラン−含有セルロースを、糖化剤、例えば酵素または酸により、低分子量炭水化物、例えば糖に加水分解することができる(糖化と称される工程)。その後、低分子量炭水化物を、例えば既存の製造プラントにおいて、例えば単細胞タンパク質プラント、酵素製造プラント、または燃料プラント、例えばエタノール製造施設において、用いることができる。

原料は、酵素を用いて、例えば溶媒中で、例えば水溶液中で、材料および酵素を混和することにより、加水分解することができる。

あるいは、バイオマス、例えばバイオマスのセルロースおよび/またはリグニン部分を分解し、様々なセルロース分解酵素(セルラーゼ)、リグニナーゼまたは様々な小分子バイオマス分解代謝産物を含有または製造する生物体により供給することができる。これらの酵素は、結晶セルロースまたはバイオマスのリグニン部分を分解するために相乗的に作用する酵素の複合体であり得る。セルロース分解酵素の例としては、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよびセロビアーゼ(β−グルコシダーゼ)が挙げられる。

糖化の間に、セルロース基質は最初、任意の位置でエンドグルカナーゼにより加水分解されて、オリゴマー中間体を生成し得る。これらの中間体は、その場合、セルロースポリマーの末端からセロビオースを生成するためのセロビオヒドロラーゼのような外分割グルカナーゼのための基質である。セロビオースは、グルコースの水溶性1,4−結合二量体である。最後に、セロビアーゼは、セロビオースを切断して、グルコースを生成する。この工程の効率(例えば、加水分解するための時間および/または加水分解の完全性)は、セルロース材料の難分解性に依存する。

それゆえ処理されたバイオマス材料は、一般的に、該材料およびセルラーゼ酵素を流動媒体、例えば水溶液中で混和することにより、糖化することができる。幾つかの例において、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2012年4月26日公開のMedoffおよびMastermanへの米国特許出願公開第2012/0100577 A1号に記載される通り、材料は、糖化の前に高温水中で沸騰、浸漬、または蒸解される。

糖化工程は、製造プラントにおいてタンク(例えば、少なくとも4000、40,000または500,000Lの容積を有するタンク)中で部分的もしくは完全に実施することができ、そして/または輸送中に、例えば鉄道車輛、タンカートラック、スーパータンカーもしくは船の船倉において、部分的もしくは完全に実施することができる。完全糖化に要する時間は、工程条件、ならびに用いられる炭水化物含有材料および酵素に依存する。糖化が、制御された条件下で製造プラントにおいて実施される場合、セルロースは、約12〜96時間で、実質的に完全に、糖、例えばグルコースに変換され得る。糖化が、輸送中に部分的または完全に実施される場合、糖化は、より長い時間を要し得る。

例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、WO 2010/135380号として英語で公開され米国を指定した、2010年5月18日出願の国際出願PCT/US2010/035331号に記載されたようなジェットミキシングを用いて、糖化中にタンク内容物が混合されるのが、一般的に好ましい。

界面活性剤の添加により、糖化の速度を増強することができる。界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤、例えばTween(登録商標)20またはTween(登録商標)80ポリエチレングリコール界面活性剤、イオン性界面活性剤、または両性イオン性界面活性剤が挙げられる。

糖化により生じる糖溶液の濃度が相対的に高いこと、例えば40重量%を超える、または50重量%を超える、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%または95重量%を超えることが、一般的に好ましい。水は、例えば蒸発により除去されて、糖溶液の濃度を増大し得る。これは、出荷される容量を減少させ、溶液中での微生物増殖も阻害する。

あるいは低濃度の糖溶液が用いられてもよく、この場合、抗菌性添加剤、例えば広域抗生物質を、低濃度で、例えば50〜150ppmで添加することが望ましくなり得る。他の適切な抗生物質としては、アンフォテリシンB、アンピシリン、クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、ヒグロマイシンB、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリン、プロマイシン、ストレプトマイシンが挙げられる。抗生物質は、運搬および貯蔵中の微生物の増殖を阻害し、適切な濃度で、例えば15〜1000重量ppm、例えば25〜500ppm、または50〜150ppmで用いることができる。糖濃度が相対的に高い場合でも、所望なら、抗生物質を含ませることができる。あるいは、防腐特性を有する抗菌性の他の添加物が、用いられてもよい。好ましくは、抗菌性添加剤(複数可)は、食品等級である。

酵素を有する炭水化物含有材料に添加される水の量を限定することにより、相対的に高濃度の溶液が得られる。例えば糖化が起こる程度を制御することにより、濃度を制御することができる。例えば、濃度は、溶液により多くの炭水化物含有材料を添加することにより、増大され得る。溶液中で生成されている糖を保持するために、界面活性剤、例えば先に議論された界面活性剤の1種を添加することができる。溶液の温度を上昇させることにより、溶解度も増大することができる。例えば、溶液は、40〜50℃、60〜80℃、またはそれを超える温度を保持することができる。

糖化剤 適切なセルロース分解酵素としては、バシラス属、ヒトヨタケ属、ミセリオフィトラ属、セファロスポリウム属、シタリジウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、シュードモナス属、フミコラ属、フザリウム属、チエラビア属、アクレモニウム属、クリソスポリウム属およびトリコデルマ属の菌株由来のセルラーゼが挙げられ、特にアスペルギルス種(例えば、欧州特許公開第0458162号参照)、フミコラ・インソレンス(シタリジウム・テルモフィルムとして再分類;例えば、米国特許第4,435,307号参照)、コプリヌス・シエレウス、フザリウム・オキシスポルム、ミセリオフィトラ・テルモフィラ、メリピルス・ギガンテウス、チエラビア・テレストリス、アクレモニウム種(例えば非限定的に、A.ペルシシヌム、A.アクレモニウム、A.ブラキペニウム、A.ジクロモスポルム、A.オブクラバツム、A.ピンケルトニエ、A.ロゼオグリセウム、A.インコロラツムおよびA.フラツムなど)の種から選択される菌株により産生されるものが挙げられる。好ましい菌株としては、フミコラ・インソレンス DSM1800、フザリウム・オキシスポルム DSM2672、ミセリオフィトラ・テルモフィラ CBS117.65、セファロスポリウム種 RYM−202、アクレモニウム種 CBS478.94、アクレモニウム種 CBS265.95、アクレモニウム・ペルシシヌム CBS169.65、アクレモニウム・アクレモニウム AHU9519、セファロスポリウム種 CBS535.71、アクレモニウム・ブラキペニウム CBS866.73、アクレモニウム・ジクロモスポルム CBS683.73、アクレモニウム・オブクラバツム CBS311.74、アクレモニウム・ピンケルトニエ CBS157.70、アクレモニウム・ロゼオグリセウム CBS134.56、アクレモニウム・インコロラツム CBS146.62、およびアクレモニウム・フラツム CBS299.70Hが挙げられる。セルロース分解酵素は、クリソスポリウム属、好ましくはクリソスポリウム・ルクノウエンスの菌株から得ることもできる。用いられ得る更なる菌株としては、トリコデルマ属(特に、T.ビリデ、T.リーセイおよびT.コニンギー)、好アルカリ性バシラス属(例えば米国特許第3,844,890号および欧州特許公開第0458162号参照)、およびストレプトミセス属(例えば、欧州特許公開第0458162号参照)が挙げられるが、これらに限らない。

酵素に加えて、またはそれと併せて、酸、塩基および他の化学物質(例えば、酸化剤)を、リグノセルロース材料およびセルロース材料を糖化するのに用いることができる。これらは、任意の組み合わせまたは順番(例えば、酵素の添加前、添加後および/または添加中)で用いることができる。例えば強い鉱酸(例えば、HCl、H2SO4、H3PO4)および強塩基(例えば、NaOH、KOH)を用いることができる。

糖 本明細書に記載された工程において、例えば糖化後に、糖(例えば、グルコースおよびキシロース)を単離することができる。例えば糖は、沈降、結晶化、クロマトグラフィー(例えば、本明細書中に記載されるような擬似移動床クロマトグラフィー、高圧クロマトグラフィー)、遠心分離、抽出、当該技術分野で公知の任意の他の単離方法、およびそれらの組み合わせにより単離することができる。

水素添加および他の化学転換 本明細書に記載された工程は、水素添加を含み得る。例えば、グルコースおよびキシロースは、それぞれソルビトールおよびキシリトールに水素添加され得る。水素添加は、高圧(例えば、10〜12000psi)下で、H2と併用で触媒(例えば、Pt/γ−Al2O3、Ru/C、ラネーニッケル、または当該技術分野で公知の他の触媒)の使用により遂行され得る。本明細書に記載された工程から得られた生成物の化学転換の他のタイプ、例えば有機糖由来生成物(例えば、フルフラルおよびフルフラル由来生成物)の生成を、利用することができる。糖由来生成物の化学転換は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年7月3日出願の米国特許出願第13/934,704号に記載される。

発酵 例えば酵母およびザイモモナス菌は、糖(複数可)からアルコール(複数可)への発酵または変換に用いることができる。他の微生物は、以下に議論される。発酵の至適pHは、約pH4〜7である。例えば、酵母の至適pHは、約pH4〜5であるが、ザイモモナス属の至適pHは、約5〜6である。典型的な発酵時間は、約24〜168時間(例えば24〜96時間)で、温度は20℃〜40℃(例えば、26℃〜40℃)の範囲内であるが、好熱性微生物では、より高温が好ましい。

幾つかの実施形態において、例えば嫌気性生物が、用いられる場合、発酵の少なくとも一部は、酸素の非存在下、例えばN2、Ar、He、CO2またはそれらの混合物などの不活性ガスで覆われて、実行される。加えて混合物は、発酵の一部または全ての間、タンクを通して流れる不活性ガスの一定したパージを有し得る。幾つかの例において、嫌気性条件が、発酵中の二酸化炭素生成により達成または保持され、更なる不活性ガスは必要とならない。

幾つかの実施形態において、発酵工程の全てまたは一部を、低分子量の糖が完全に生成物(例えば、エタノール)に変換される前に、遮断することができる。中間発酵生成物としては、高濃度の糖および炭水化物が挙げられる。糖および炭水化物は、当該技術分野で公知の任意手段により単離され得る。これらの中間発酵生成物は、ヒトまたは動物消費のための食物の調製に用いることができる。追加または代わりとして、中間発酵生成物は、ステンレス鋼の実験用ミルで微粒子径に粉砕されて、小麦粉様物質を生成することができる。ジェットミキシングを、発酵中に用いることができ、幾つかの例において、糖化および発酵は、同一タンク中で実施される。

微生物のための栄養素は、糖化および/または発酵中に添加され、例えば食物ベースの栄養素パッケージは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年7月15日出願の米国特許出願公開第2012/0052536号に記載される。

「発酵」は、内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる、2013年6月27日公開のPCT/US2012/71093号、2012年6月27日公開のPCT/US2012/71907号、および2012年6月27日公開のPCT/US2012/71083号に開示される。

内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる、国際出願PCT/US2007/074028号(2007年7月20日出願;WO2008/011598として英語で公開され、米国を指定)に記載されているように、可動性発酵槽を利用することができる。同様に、糖化設備は、可動性であってもよい。さらに、糖化および/または発酵は、輸送中に、一部または完全に実施されてもよい。

発酵剤 発酵に用いられる微生物(複数可)は、天然由来微生物および/または遺伝子操作された微生物であってもよい。例えば微生物は、細菌(例えば非限定的に、セルロース分解性細菌など)、真菌(例えば非限定的に、酵母など)、植物、原生生物、例えば原生動物または真菌様原生生物(例えば非限定的に、粘菌など)、または藻類であってもよい。生物体が適合性である場合、生物体の混合物を利用することができる。

適切な発酵微生物は、炭水化物、例えばグルコース、フルクトース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、オリゴ糖または多糖を発酵生成物に変換する能力を有する。発酵微生物としては、サッカロミセス種(例えば非限定的に、S.セレビシエ(パン酵母)、S.ディスタチクス、S.ウバルムなど)、クルイベロミセス属(例えば非限定的に、K.マルキシアヌス、K.フラギリスなど)、カンジダ属(例えば非限定的に、C.シュードトロピカリスおよびC.ブラッシケ)、ピキア・スチピチス(カンジダ・シェハテの共通系統)、クラビスポラ属(例えば非限定的に、C.ルシタニエおよびC.オプンチエなど)、パチソレン属(例えば非限定的に、P.タンノフィルスなど)、ブレタンノミセス属(例えば非限定的に、B.クラウセニイ(Philippidis, G. P., 1996, Cellulose bioconversion technology, in Handbook on Bioethanol: Production and Utilization, Wyman, C.E., ed., Taylor & Francis, Washington, DC, 179‐212)など)の菌株が挙げられる。その他の適切な微生物としては、例えば、ザイモモナス・モビリス、クロストリジウム種(例えば非限定的に、C.テルモセルム(Philippidis, 1996,上記)、C.サッカロブチラセトニクム、C.チロブチリクム、C.サッカロブチリクム、C.プニセウム、C.ベイジェルンキイおよびC.アセトブチリクム)、モニリエラ種(例えば非限定的に、M.ポリニス、M.トメントサ、M.マディダ、M.ニグレッセンス、M.エドセファリ(M.oedocephali)、M.メガチリエンシス)、ヤロウィア・リポリチカ、アウレオバシジウム種、トリコスポロノイデス種、トリゴノプシス・バリアビリス、トリコスポロン種、モニリエラアセトアブタンス種、チフラ・バリアビリス、カンジダ・マグノリエ、ウスチラギノミセテス種、シュードザイマ・ツクバエンシス、ジゴサッカロミセス属の酵母種、デバリオマイセス属、ハンセヌラ属およびピチカ属、ならびにトルラ属の黒色真菌(例えば、T.コラリナ)などが挙げられる。

更なる微生物としては、ラクトバチルスの群が挙げられる。例としては、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・デルブルエキイ、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・コリニフォルミス、例えばラクトバチルス・コリニフォルミス亜種トルケンス、ラクトバチルス・ペントサス、ラクトバチルス・ブレビスが挙げられる。他の微生物としては、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococus penosaceus)、リゾプス・オリゼが挙げられる。

多くのそのような微生物菌株は、商業的に、または寄託機関、幾つか挙げるとATCC(American Type Culture Collection、 米国バージニア州マナサス所在)、NRRL(Agricultural Research Service Culture Collection, Peoria、米国イリノイ州ピオリア所在)またはDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、ドイツ ブラウンシュバイク所在)などを通して、公的に入手可能である。

市販の酵母としては、例えばRed Star(登録商標)/Lesaffre Ethanol Red(米国のRed Star/LesaffreAから入手可能)、FALI(登録商標)(米国のBurns Philip Food Inc.,のFleischmann’s Yeast, a divisionから入手可能)、SUPERSTART(登録商標)(Alltech、現在のLalemandから入手可能)、GERT STRAND(登録商標)(スウェーデンのGert Strand ABから入手可能)およびFERMOL(登録商標)(DSM Specialtiesから入手可能)が挙げられる。

蒸留 発酵後、得られた流体は、例えば「ビールカラム」を用いて蒸留されて、大部分の水および残留固体からエタノールおよび他のアルコールを分離し得る。ビールカラムを出る蒸気は、例えば35重量%エタノールであり、精留塔に供給することができる。精留塔からのほぼ共沸混合性(92.5%)のエタノールおよび水の混合物は、蒸気相分子ふるいを用いて、純(99.5%)エタノールに精製することができる。ビールカラム底は、三重効用蒸発器の第一効用に送出することができる。精留塔還流冷却器は、この第一効用のために熱を提供することができる。第一効用後、固体は、遠心分離器を用いて分離して、回転式乾燥機で乾燥することができる。遠心分離流出液の一部(25%)は、発酵に再循環され、残りは第二および第三蒸発器効用に送出することができる。蒸発器凝縮物のほとんどが、かなり透明な凝縮物として該工程に戻され、小部分が、廃水処理に分けられて、低沸点化合物の蓄積を防止することができる。

炭化水素含有材料 本明細書に記載された方法およびシステムを使用する他の実施形態において、例えばバイオマスと混合された、炭化水素含有材料を加工することができる。本明細書に記載された工程のいずれかは、本明細書に記載された任意の炭化水素含有材料を処理するのに用いることができる。本明細書で用いられる「炭化水素含有材料」は、油砂、油頁岩、タールサンド、粉炭、石炭スラリー、ビチューメン、様々なタイプの石炭、ならびに炭化水素成分および固形分の両方を含む他の天然由来および合成材料を含むことを意味する。固形分としては、岩、砂、粘土、石、沈泥、掘削スラリー、または他の固体有機物および/もしくは無機物を挙げることができる。その用語は、掘削廃棄物および副産物などの廃棄生成物、精錬された廃棄物および副産物、または炭化水素成分を含む他の廃棄生成物、例えばアスファルトシングルおよび被覆、アスファルト舗装なども包含し得る。

運搬システム 様々な運搬システムを用いて、バイオマス材料を、例えば上記で議論された通り保管庫へ、そして保管庫内の電子ビームの下に運搬することができる。模範的コンベヤは、ベルトコンベヤ、空気式コンベヤ、スクリューコンベヤ、カート、列車、線路上の列車またはカート、エレベータ、フロントローダ、バックホー、クレーン、様々なスクレーパおよびショベル、トラック、ならびに投入デバイスを用いることができる。例えば振動コンベヤは、本明細書に記載された様々な工程で用いることができる。振動コンベヤは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年10月10日出願のPCT/US2013/64289号に記載される。

振動コンベヤは、材料を広げて、コンベヤトラフの表面で均一な層を生成するのに、特に有用である。例えば最初の原料は、少なくとも4フィートの高さ(例えば、少なくとも約3フィート、少なくとも約2フィート、少なくとも約1フィート、少なくとも約6インチ、少なくとも約5インチ、少なくとも約4インチ、少なくとも約3インチ、少なくとも約2インチ、少なくとも約1インチ、少なくとも約1/2インチ)およびコンベヤの幅よりも小さい全長(例えば、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満、約95%未満、約99%未満)になり得る材料の堆積を形成することができる。振動コンベヤは、材料を、好ましくは先に議論された通り、コンベヤトラフの幅全体にかけ、均一な厚さを有するように、広げることができる。幾つかの例において、更なる展延方法が、有用になり得る。例えば散布スプレッダ、滴下スプレッダ(例えば、CHRISTY SPREADER(商標))またはそれらの組み合わせなどのスプレッダを用いて、広い面積に原料を滴下すること(例えば、配置すること、注入すること、ばらまくこと、および/または振りかけること)ができる。場合によりスプレッダは、振動コンベヤ上に広いシャワーまたはカーテンとしてバイオマスを送達することができる。さらに、第一のコンベヤ(例えば、第一のコンベヤは原料の照射において用いられる)から上流の第二のコンベヤが、第一のコンベヤ上にバイオマスを滴下することができ、そこで第二のコンベヤが、第一のコンベヤよりも小さい、運搬方向に対して横方向の幅を有し得る。特に第二のコンベヤが、振動コンベヤである場合、原料は、第二のコンベヤおよび第一のコンベヤの活動により広げられる。幾つかの選択的実施形態において、第二のコンベヤは、斜め方向に切断された端部から吐出されるようになっており(例えば、4:1比で斜めに切断)、材料が広いカーテンとして(例えば、第二のコンベヤの幅よりも広い)第一のコンベヤに滴下することができる。スプレッダ(例えば、散布スプレッダ、滴下スプレッダ、コンベヤ、またはクロスカット振動コンベヤ)によるバイオマスの最初の滴下エリアは、第一の振動コンベヤの幅全体に広がり得るか、またはこの幅の一部に広がり得る。材料は、コンベヤに滴下されると、コンベヤの振動により、さらに均一に広げられて、好ましくはコンベヤの幅全体が、バイオマスの均一層で覆われるようになる。幾つかの実施形態において、スプレッダの組み合わせを使用することができる。原料を広げる幾つかの方法は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2002年7月23日に出願され2006年12月26日に公開された米国特許第7,153,533号に記載される。

一般に、電子ビームを通って可能な限り急速に材料を運搬し、処理能力を最大にすることが好ましい。例えば材料は、少なくとも1フィート/分、例えば少なくとも2フィート/分、少なくとも3フィート/分、少なくとも4フィート/分、少なくとも5フィート/分、少なくとも10フィート/分、少なくとも15フィート/分、少なくとも20フィート/分、少なくとも25フィート/分、少なくとも30フィート/分、少なくとも40フィート/分、少なくとも50フィート/分、少なくとも60フィート/分、少なくとも70フィート/分、少なくとも80フィート/分、少なくとも90フィート/分の速度で運搬することができる。運搬の速度は、ビーム電流および目的となる照射線量に関係し、例えば、5.5フィート幅のコンベヤに1/4インチ厚のバイオマスを100mAで広げる場合、コンベヤは、約20フィート/分で移動して、有用な照射線量を提供することができ(例えば、1パスで約10Mrad)、50mAでは、コンベヤは、約10フィート/分で移動して、ほぼ同じ照射線量を提供することができる。

材料を運搬し得る速度は、運搬される材料の形状および重量、ならびに所望の処理に依存する。材料、例えば粒子材料を流す場合、振動コンベヤでの運搬には特に実行し易い。運搬速度は、例えば少なくとも100ポンド/時間(例えば、少なくとも500ポンド/時間、少なくとも1000ポンド/時間、少なくとも2000ポンド/時間、少なくとも3000ポンド/時間、少なくとも4000ポンド/時間、少なくとも5000ポンド/時間、少なくとも10000ポンド/時間、少なくとも15000ポンド/時間、または少なくとも25000ポンド/時間)になり得る。幾つかの典型的な運搬速度は、約1000〜10,000ポンド/時間(例えば、約1000〜8,000ポンド/時間、約2000〜7,000ポンド/時間、約2000〜6,000ポンド/時間、約2000〜5,000ポンド/時間、約2000〜4,500ポンド/時間、約1500〜5,000ポンド/時間、約3000〜7,000ポンド/時間、約3000〜6,000ポンド/時間、約4000〜6,000ポンド/時間および約4000〜5,000ポンド/時間)になり得る。典型的な運搬速度は、材料の密度に依存する。例えば密度約35ポンド/フィート3および運搬速度約5000ポンド/時間のバイオマスの場合、材料は、約143フィート3/時間の速度で運搬され、材料が1/4インチ厚で、5.5フィート幅のトラフに入れられる場合、材料は約1250フィート/時間(約21フィート/分)の速度で運搬される。それゆえ材料を運搬する速度は、大きく変動し得る。好ましくは例えば1/4インチ厚のバイオマスは、約5〜100フィート/分(例えば、約5〜100フィート/分、約6〜100フィート/分、約7〜100フィート/分、約8〜100フィート/分、約9〜100フィート/分、約10〜100フィート/分、約11〜100フィート/分、約12〜100フィート/分、約13〜100フィート/分、約14〜100フィート/分、約15〜100フィート/分、約20〜100フィート/分、約30〜100フィート/分、約40〜100フィート/分、約2〜60フィート/分、約3〜60フィート/分、約5〜60フィート/分、約6〜60フィート/分、約7〜60フィート/分、約8〜60フィート/分、約9〜60フィート/分、約10〜60フィート/分、約15〜60フィート/分、約20〜60フィート/分、約30〜60フィート/分、約40〜60フィート/分、約2〜50フィート/分、約3〜50フィート/分、約5〜50フィート/分、約6〜50フィート/分、約7〜50フィート/分、約8〜50フィート/分、約9〜50フィート/分、約10〜50フィート/分、約15〜50フィート/分、約20〜50フィート/分、約30〜50フィート/分、約40〜50フィート/分)の速度で運搬される。例えば電子ビーム(例えば、シャワー、照射野)の下を通過する時に材料の一定した照射の維持を支援するために、材料が一定速度で運搬されることが好ましい。

記載された振動コンベヤは、材料をふるい分けて選別するためのふるいを含むことができる。トラフの側面または底部の開口部を、例えばサイズまたは形状により、特定材料を選別、選択または除去するために用いることができる。幾つかのコンベヤは、支持構造への動的力を低減するために、釣合い重りを有する。幾つかの振動コンベヤは、螺旋エレベータとして構成され、表面のあたりで湾曲するように設計され、そして/または1つのコンベヤから他方のコンベヤに材料を滴下するように(例えば、段階的、カスケードまたは一連の段もしくは階段として)設計されている。材料を運搬することに加えて、コンベヤは、ふるい分け、分離、選別、分類、分配、サイズわけ、検閲、抜き取り、金属除去、凍結、ブレンド、混合、配列、加熱、蒸解、乾燥、脱水、浄化、洗浄、濾過、クエンチング、コーティング、除塵、および/または供給のために単独で、または他の設備もしくはシステムと連結させて、使用することができる。コンベヤは、カバー(例えば、防塵カバー)、側部吐出ゲート、底部吐出ゲート、特別なライナー(例えば、抗粘着性、ステンレス鋼、ゴム、特注のスチール、および/または溝付き)、分離したトラフ、クエンチプール、ふるい、穿孔プレート、検出器(例えば、金属検出器)、高温設計、食品等級の設計、ヒータ、乾燥機および/または冷却器を含むこともできる。加えてトラフは、様々な形状、例えば平坦な底部、V字形の底部、最上部のフランジ、湾曲した底部、いずれかの方向に隆起のある平板、管状、半円型、覆い付き、またはこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。特に該コンベヤは、照射システムおよび/または設備と連結することができる。

コンベヤ(例えば、振動コンベヤ)は、耐腐食性材料で作製することができる。コンベヤは、ステンレス鋼(例えば、304、316ステンレス鋼、HASTELLOY(登録商標)合金およびINCONEL(登録商標)合金)を含む構造材料を使用することができる。例えばHynes(米国インディアナ州コーコモー所在)のHASTELLOY(登録商標)耐腐食性合金、例えばHASTELLOY(登録商標)B−3(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)HYBRID−BC1(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−4合金、HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−22HS(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−276合金、HASTELLOY(登録商標)C−2000(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−30(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−35(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)N合金およびHASTELLOY(登録商標)ULTIMET(登録商標)合金。

振動コンベヤは、非粘着性の剥離コーティング、例えばTUFFLON(商標)(Dupont、米国デラウエア所在)を含むことができる。振動コンベヤは、耐腐食性コーティングを含むこともできる。例えば、Metal Coatings Corp(米国テキサス州ヒューストン所在)から供給され得るコーティングなど、例えばフルオロポリマーXYLAN(登録商標)、二硫化モリブデン、エポキシフェノール、リン酸第一鉄金属コーティング、エポキシ用のポリウレタン高光沢トップコート、無機亜鉛、ポリテトラフルオロエチレン、PPS/RYTON(登録商標)、フッ素化エチレンプロピレン、PVDF/DYKOR(登録商標)、ECTFE/HALAR(登録商標)およびセラミックエポキシコーティング。コーティングは、プロセスガス(例えば、オゾン)、化学腐食、点食、焼き付き腐食および酸化への耐性を改善することができる。

場合により、本明細書に記載された運搬システムに加えて、1つ以上の他の運搬システムが取り囲まれていてもよい。囲みを利用する場合、取り囲まれた運搬システムは、酸素レベルの低い大気中に保持されるように、不活性ガスでパージさせることもできる。酸素レベルを低く保つことで、幾つかの例において反応性および毒性により望ましくない、オゾンの形成が回避される。例えば酸素は、約20%未満(例えば、約10%未満、約1%未満、約0.1%未満、約0.01%未満または約0.001%未満の酸素)になり得る。パージは、非限定的に窒素、アルゴン、ヘリウムまたは二酸化炭素などの不活性ガスを用いて実施することができる。これは、液体供給源(例えば、液体窒素またはヘリウム)の蒸発により供給すること、そのものの位置で空気から発生もしくは分離すること、またはタンクから供給することができる。不活性ガスは、再循環することができ、任意の残留酸素を、銅触媒床などの触媒を用いて除去することができる。あるいはパージと、再循環と、酸素除去の組み合わせを、酸素レベルを低く保つために実施することができる。

取り囲まれたコンベヤは、バイオマスと反応し得る反応性ガスでパージすることもできる。これは、照射工程の前、照射工程中または照射工程後に実施することができる。反応性ガスは、亜酸化窒素、アンモニア、酸素、オゾン、炭化水素、芳香族化合物、アミド、過酸化物、アジド、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、リン化物、ホスフィン、アルシン、スルフィド、チオール、ボラン、および/または水素化物であってもよいが、これらに限らない。反応性ガスは、例えば照射(例えば、電子ビーム、UV照射、マイクロ波照射、加熱、IR線)により、囲みの中で活性化させて、反応性ガスをバイオマスと反応させることができる。バイオマスそのものは、例えば照射により、活性化することができる。好ましくはバイオマスは、電子ビームにより活性化されてラジカルを生成し、その後、例えばラジカルカップリングまたはクエンチングにより、活性化または不活性化反応性ガスと反応させる。

取り囲まれたコンベヤに供給されたパージガスは、例えば約25℃未満、約0℃未満、約−40℃未満、約−80℃未満、約−120℃未満に冷却することもできる。例えばガスは、液体窒素などの圧縮ガスから蒸発させること、または固体二酸化炭素から昇華させることができる。別の例として、ガスは冷凍機により冷却することができ、またはコンベヤの一部もしくは全体を冷却することができる。

他の実施形態 本明細書で議論された任意の材料、加工または加工された材料を用いて、複合体、充填剤、結合剤、可塑性添加剤、吸着剤および制御放出剤などの生成物および/または中間体を作製することができる。該方法は、例えば圧力および熱を材料に加えることによる、高密度化を含むことができる。例えば複合体は、繊維性材料を樹脂またはポリマーと混和することにより作製することができる。例えば放射線架橋性樹脂、例えば熱可塑性樹脂を繊維性材料と混和して、繊維性材料/架橋性樹脂の混和物を提供することができる。そのような材料は、例えば建築材料、保護シート、コンテナおよび他の構造材料(例えば、鋳造および/または押出生成物)として有用になり得る。吸収剤は、例えばペレット、チップ、繊維および/またはシートの形態であってもよい。吸着剤を、例えばペット用寝床材、梱包材として、または汚染制御システムにおいて用いることができる。制御放出性マトリックスは、例えばペレット、チップ、繊維および/またはシートの形態であってもよい。制御放出性マトリックスは、例えば薬物、殺生物剤、芳香剤を放出するために用いることができる。例えば複合体、吸収剤および制御放出剤、ならびにそれらの使用は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2006年3月23日出願の国際特許出願PCT/US2006/010648号および2011年11月22日出願の米国特許第8,074,910号に記載される。

幾つかの例において、バイオマス材料は、例えば加速された電子を用いて、第一のレベルで処理されて難分解性を低下させ、1種以上の糖(例えば、キシロース)を選択的に放出する。バイオマスは、その後、第二のレベルに処理されて、1種以上の他の糖(例えば、グルコース)を放出することができる。場合によりバイオマスは、処理間で乾燥させることができる。処理は、化学処理および生化学処理を施して、糖を放出することができる。例えばバイオマス材料は、約20Mrad未満(例えば、約15Mrad未満、約10Mrad未満、約5Mrad未満、約2Mrad未満)のレベルに処理され、その後、10%未満(例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.75%未満、約0.50%未満、約0.25%未満)の硫酸を含む硫酸溶液で処理されて、キシロースを放出することができる。例えば溶液に放出されるキシロースを固体から分離し、場合により固体を溶媒/溶液(例えば、水および/または酸性化水)で洗浄することができる。場合により固体を、例えば空気中、および/または真空下で場合により加熱しながら(例えば、約150℃未満、約120℃未満)で水分量約25重量%未満(約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、)に乾燥させることができる。その後、固体を約30Mrad未満(例えば、約25Mrad未満、約20Mrad未満、約15Mrad未満、約10Mrad未満、約5Mrad未満、約1Mrad未満または全くない)のレベルで処理し、その後、酵素(例えば、セルラーゼ)で処理して、グルコースを放出することができる。グルコース(例えば、溶液中グルコース)を、残留固体から分離することができる。その後、固体をさらに加工して、例えばエネルギーまたは他の生成物(例えば、リグニン由来生成物)を生成するのに用いることができる。

香味剤、芳香剤および着色剤 例えば本明細書に記載された工程、システムおよび/または設備により生成される、本明細書に記載された生成物および/または中間体のいずれかを、香味剤、芳香剤、着色剤および/またはこれらの混合物と混和することができる。例えば、糖、有機酸、燃料、ポリオール、例えば糖アルコール、バイオマス、繊維および複合体(場合により香味剤、芳香剤および/または着色剤と共に)の任意の1種以上を、混和(例えば、製剤、混合または反応)することができ、または他の生成物を作製するのに用いることができる。例えば1種以上のそのような生成物を用いて、石鹸、洗剤、キャンディー、飲料(例えば、コーラ、ワイン、ビール、リキュール、例えばジンまたはウォッカ、スポーツ飲料、コーヒー、紅茶)、シロップ医薬品、接着剤、シート(例えば、織物、不織布、フィルター、ティッシュ)および/または複合体(例えば、板)を作製することができる。例えば1種以上のそのような生成物を、ハーブ、花、花びら、スパイス、ビタミン、ポプリ、または蝋燭と混和することができる。例えば製剤、混合または反応させた混和物は、グレープフルーツ、オレンジ、アップル、ラズベリー、バナナ、レタス、セロリ、シナモン、チョコレート、バニラ、ペパーミント、ミント、玉ねぎ、にんにく、胡椒、サフラン、生姜、ミルク、ワイン、ビール、紅茶、赤身の肉、魚、二枚貝、オリーブオイル、ココナッツ脂肪、豚脂、バター脂肪、ビーフブイヨン、マメ科植物、ジャガイモ、マーマレード、ハム、コーヒーおよびチーズの香味剤/芳香剤を有することができる。

香味剤、芳香剤および着色剤は、任意の量、例えば約0.001重量%〜約30重量%、例えば約0.01重量%〜約20重量%、約0.05重量%〜約10重量%、または約0.1重量%〜約5重量%添加することができる。これらは、任意の手段および任意の順序または連続で(例えば、撹拌、混合、乳化、ゲル化、注入、加熱、音波処理、および/または懸濁)製剤、混合および/または反応させることができる(例えば、本明細書に記載される任意の1種以上の生成物または中間体と)。充填剤、結合剤、乳化剤、抗酸化剤、例えばタンパク質のゲル、デンプンおよびシリカを、用いることもできる。

一実施形態において、照射により生成された反応部位が香味剤、芳香剤および着色剤の反応適合性部位と反応し得るようにバイオマスを照射した直後に、香味剤、芳香剤および着色剤をバイオマスに添加することができる。

香味剤、芳香剤および着色剤は、天然および/または合成材料であってもよい。これらの材料は、化合物、組成物またはこれらの混合物のうちの1つ以上であってもよい(例えば、複数の化合物の製剤または天然組成物)。場合により香味剤、芳香剤、抗酸化剤および着色剤は、例えば発酵工程(例えば、本明細書に記載された糖化材料の発酵)から、生物学的に誘導することができる。代わりまたは追加として、これらの香味剤、芳香剤および着色剤は、生物体の全体(例えば、植物、真菌、動物、細菌または酵母)または生物体の一部から採取することができる。生物体は、回収および/または抽出されて、本明細書に記載された方法、システムおよび設備を用いること、高温抽出、超臨界流体抽出、化学的抽出(例えば、酸および塩基を含む溶媒または反応性抽出)、機械的抽出(例えば、圧迫、破砕、濾過)、酵素の使用、出発原料を破壊するような細菌の使用、ならびにこれらの方法の組み合わせなど任意の手段により、色、香味剤、芳香剤および/または抗酸化剤を提供することができる。該化合物は、化学反応、例えば糖(例えば、本明細書に記載された通り生成される)とアミノ酸との混和(メイラード反応)により誘導することができる。香味剤、芳香剤、酸化剤および/または着色剤は、本明細書に記載された方法、設備またはシステムにより生成される中間体および/または生成物、例えばエステルおよびリグニン由来生成物であってもよい。

香味剤、芳香剤または着色剤の幾つかの例が、ポリフェノールである。ポリフェノールは、多くの果物、野菜、穀粒および花の赤色、紫色および青色着色剤を担う顔料である。ポリフェノールは、抗酸化性も有することができ、多くの場合、苦味を有する。抗酸化性は、これらを重要な防腐剤にする。ポリフェノールの分類に、フラボノイド、例えばアントシアニジン、フラバノノール、フラバン−3−オール、フラバノンおよびフラバノノールである。用いられ得る他のフェノール性化合物としては、フェノール酸およびそのエステル、例えばクロロゲン酸および高分子タンニンが挙げられる。

着色剤のうち、無機化合物、無機質または有機化合物、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、カドミウムイエロー(例えば、CdS)、カドミウムオレンジ(例えば、若干のSeを含むCdS)、アリザリンクリムゾン(例えば、合成または非合成ローズマダー)、ウルトラマリン(例えば、合成ウルトラマリン、天然ウルトラマリン、合成ウルトラマリンバイオレット)、コバルトブルー、コバルトイエロー、コバルトグリーン、ビリジアン(例えば、酸化クロム(III)水和物)、黄銅鉱、コニカルコ石、コルヌビア石、コーンウォール石およびリロコナイトを用いることができる。カーボンブラックおよび自己分散型ブラックなどの黒色顔料を用いてもよい。

用いられ得る幾つかの香味剤および芳香剤としては、アカレアTBHQ、アセットC−6、アリルアミルグリコラート、α−テルピネオール、アンブレットリド、アンブリノール95、アンドラン、アフェルメート、アップルライド(APPLELIDE)、BACDANOL(登録商標)、ベルガマル、β−イオノンエポキシド、β−ナフチルイソブチルエーテル、ビシクロノナラクトン、BORNAFIX(登録商標)、カントキサール、CASHMERAN(登録商標)、CASHMERAN(登録商標)VELVET、CASSIFFIX(登録商標)、セドラフィックス、CEDRAMBER(登録商標)、セドリルアセタート、セレストリド、シンナマルバ、シトラルジメチルアセタート、CITROLATE(商標)、シトロネロール700、シトロネロール950、シトロネロールクール、シトロネリルアセタート、シトロネリルアセタートピュア、シトロネリルアセタートピュア、シトロネリルホルマート、クラリセット、クロナール、コニフェラン、コニフェランピュア、コルテクスアルデヒド50%ペオモサ、シクラブテ、CYCLACET(登録商標)、CYCLAPROP(登録商標)、CYCLEMAX(商標)、シクロヘキシルエチルアセタート、ダマスコル、δダマスコン、ジヒドロシクラセット、ジヒドロミルセノール、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピニルアセタート、ジメチルシクロルモール、ジメチルオクタノールPQ、ジミルセトール、ジオラ、ジペンテン、DULCINYL(登録商標)RECRYSTALLIZED、エチル−3−フェニルグリシダート、フレーラモン、フレーラニル、フローラルスーパー、フロラロゾン、フロリフォール、フレイストン(FRAISTONE)、フルクトン、GALAXOLIDE(登録商標)50、GALAXOLIDE(登録商標)50 BB、GALAXOLIDE(登録商標)50 IPM、GALAXOLIDE(登録商標)UNDILUTED、GALBASCONE、ゲラルデヒド、ゲラニオール5020、ゲラニオール600タイプ、ゲラニオノール950、ゲラニオール980(ピュア)、ゲラニオールCFTクール、ゲラニオールクール、ゲラニルアセタートクール、ゲラニルアセタートピュア、ゲラニルホルマート、グリサルバ、グアイルアセタート、HELIONAL(商標)、ヘルバック、HERBALIME(商標)、ヘキサデカノリド、ヘキサロン、ヘキセニルサリチラートシス−3,ヒヤシンスボディ、ヒヤシンスボディNo.3、ハイドラトロピックアルデヒドDMA、ヒドロキシオール、ハイポーレム、インドラローム、イントレレベンアルデヒド、イントレレベンアルデヒドスペシャル、イオノンアルファ、イオノンベータ、イソシクロシトラル、イソシクロゲラニオール、ISO E SUPER(登録商標)、イソブチルキノリン、ジャスマル、JESSEMAL(登録商標)、KHARISMAL(登録商標)、KHARISMAL(登録商標)SUPER、クフシニル、KOAVONE(登録商標)、KOHINOOL(登録商標)、LIFFAROME(商標)、リモキサール、LINDENOL(商標)、LYRAL(登録商標)、リレイムスーパー、マンダリンアルド10%トリエチル、CITR、マリティマ、MCKチャイニーズ、MEIJIFF(商標)、メラフレール、メロゾン、メチルアントラニラート、メチルイオノンアルファエキストラ、メチルイオノンガンマA、メチルイオノンガンマクール、メチルイオノンガンマピュア、メチルラベンダーケトン、MONTAVERDI(登録商標)、ミュゲシア、ミュゲアルデヒド50、ムスクZ4、ミラックアルデヒド、ミルセニルアセタート、NECTARATE(商標)、ネロール900、ネリルアセタート、オシメン、オクタセタール、オレンジフラワーエーテル、オリボン、ORRINIFF25%、オキサスピラン、オゾフレール、PAMPLEFLEUR(登録商標)、ペオモサ、PHENOXANOL(登録商標)、ピコニア、プレシクレモンB、プレニルアセタート、プリスマントール、レセダボディ、ロザルバ、ロザムスク、サンジノール、SANTALIFF(商標)、シベルタール、テルピネオール、テルピノレン20、テルピノレン90PQ、テルピノレンレクト(TERPYNOLENE RECT.)、テルピニルアセタート、テルピニルアセタートJAX、TETRAHYDRO MUGUOL(登録商標)、テトラヒドロミルセノール、テトラメラン、TIMBERSILK(商標)、トバカロール、TRIMOFIX(登録商標)O TT、TRIPLAL(登録商標)、TRISAMBER(登録商標)、バノリス、VERDOX(商標)、VERDOX(商標)HC、VERTENEX(登録商標)、VERTENEX(登録商標)HC、VERTOFIX(登録商標)COEUR、ベルトリフ、ベルトリフイソ、ビオリフ、ビバルディエ、ゼノリド、ABS インディア 75 PCT ミグリオール、ABS モロッコ 50 PCT DPG、ABS モロッコ 50 PCT TEC、アブソルートフレンチ、アブソルートインディア、アブソルートMD 50 PCT BB、アブソルートモロッコ、コンセントレート PG、ティンクチャー20 PCT、アンバーグリス、アンブレットアブソルート、アンブレットシードオイル、アルモワーズオイル70 PCT ツヨン、バジルアブソルートグランベール、バジルグランベールABS MD、バジルオイルグランベール、バジルオイルバーベナ、バジルオイルベトナム、ベイオイルテルペンレス、ビーズワックスABS N G、ビーズワックスアブソルート、ベンゾインレジノイドシアム、ベンゾインレジノイドシアム50 PCT DPG、ベンゾインレジノイドシアム 50 PCT PG,ベンゾインレジノイドシアム 70.5 PCT TEC、ブラックカラントブッド ABS 65 PCT PG、ブラックカラントブッド ABS MD 37 PCT TEC、ブラックカラントブッド ABS ミグリオール、ブラックカラントブッドアブソルートバーガンディ、ボアドローズオイル、ブランアブソルート、ブランレジノイド、ブルームアブソルートイタリー、カルダモングアテマラCO2エキストラクト、カルダモンオイルグアテマラ、カルダモノイルインディア、キャロットハート、キャシーアブソルートエジプト、キャシーアブソルート MD 50 PCT IPM、キャストレウム ABS 90 PCT TEC、キャストレウム ABS C 50 PCT ミグリオール、キャストレウム アブソルート、キャストレウムレジノイド、キャストレウムレジノイド 50 PCT DPG、セドロールセドレン、セドラスアトランティカオイルレジスト、カモミールオイルロマン、カモミールオイルワイルド、カモミールオイルワイルドロウリモネン(CHAMOMILE OIL WILD LOW LIMONENE)、シナモンバークオイルセイロン、シストアブソルート、シストアブソルートカラーレス、シトロネラオイルアジアアイロンフリー、シベット ABS 75 PCT PG、シベットアブソルート、シベットティンクチュア 10 PCT、クラリセージ ABS フレンチ デコル(DECOL)、クラリセージアブソルートフレンチ、クラリセージ シーレス(C’LESS) 50 PCT PG、クラリセージオイルフレンチ、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コリアンダーシードオイル、シプレスオイル、シプレスオイルオーガニック、ダバナオイル、ガルバノール、ガルバナムアブソルートカラーレス、ガルバナムオイル、ガルバナムレジノイド、ガルバナムレジノイド 50 PCT DPG、ガルバナムレジノイドヘルコリンBHT、ガルバナムレジノイドTEC BHT、ゲンチアン(GENETIANE)アブソルート MD 20 PCT BB、ゲンチアンコンクリート、ゲラニウム ABS エジプト MD、ゲラニウムアブソルートエジプト、ゲラニウムオイルチャイナ、ゲラニウムオイルエジプト、ジンジャーオイル624、ジンジャーオイル 精留可溶性(RECTIFIED SOLUBLE)、グアヤクウッドハート、ヘイ ABS MD 50 PCT BB、ヘイアブソルート、ヘイアブソルート MD 50 PCT TEC、ヒーリングウッド、ヒソップオイルオーガニック、イモーテル ABS ユーゴ MD 50 PCT TEC、イモーテルアブソルートスペイン、イモーテルアブソルートユーゴ、ジャスミンABSインディアMD、ジャスミンアブソルートエジプト、ジャスミンアブソルートインディア、ジャスミン(ASMIN)アブソルートモロッコ、ジャスミンアブソルートサンバック、ジョンキルABS MD 20 PCT BB、ジョンキルアブソルートフランス、ジュニパーベリーオイルFLG、ジュニパーベリーオイル 精留可溶性、ラブダニウムレジノイド 50 PCT TEC、ラブダニウムレジノイド BB、ラブダニウムレジノイド MD、ラブダニウムレジノイド MD 50 PCT BB、ラバンジンアブソルート H、ラバンジンアブソルート MD、ラバンジンオイル、アブリアルオーガニック、ラバンジンオイルグロッソオーガニック、ラバンジンオイルスーパー、ラベンダーアブソルート H、ラベンダーアブソルート MD、ラベンダーオイルクマリンフリー、ラベンダーオイルクマリンフリーオーガニック、ラベンダーオイルメイレットオーガニック、ラベンダーオイルMT、メイスアブソルート BB、モクレン花オイルローメチルオイゲノール、モクレン花オイル、モクレン花オイル MD、モクレン葉オイル、マンダリンオイル MD、マンダリンオイル BHT、マテアブソルート BB、モスツリー(MOSS TREE)アブソルート MD TEX IFRA 43、モスオーク ABS MD TEC IFRA 43、モスオークアブソルート IFRA 43、モスオークアブソルート MD IPM IFRA 43、ミルラレジノイド BB、ミルラレジノイド MD、ミルラレジノイドTEC、マートルオイルアイロンフリー、マートルオイルチュニジア精留、ナルシスABS MD 20 PCT BB、ナルシスアブソルートフレンチ、ネロリオイルチュニジア、ナツメグオイルテルペンレス、カーネーションアブソルート、オリバナムアブソルート、オリバナムレジノイド、オリバナムレジノイド BB、オリバナムレジノイド DPG、オリバナムレジノイドエキストラ 50 PCT DPG、オリバナムレジノイド MD、オリバナムレジノイド MD 50 PCT DPG、オリバナムレジノイドTEC、オポポナックスレジノイド TEC、オレンジビガラーデオイル MD BHT、オレンジビガラーデオイル MD SCFC、オレンジフラワーアブソルートチュニジア、オレンジフラワーウォーターアブソルートチュニジア、オレンジリーフアブソルート、オレンジリーフウォーターアブソルートチュニジア、オリスアブソルートイタリー、オリスコンクリート 15 PCT イロン(IRONE)、オリスコンクリート 8 PCT イロン、オリスナチュラル 15 PCT イロン 4095C、オリスナチュラル 8 PCT イロン 2942C、オリスレジノイド、オスマンサスアブソルート、オスマンサスアブソルート MD 50 PCT BB、パチョリハートNo3、パチョリオイルインドネシア、パチョリオイルインドネシアアイロンフリー、パチョリオイルインドネシア MD、パチョリオイルレジスト、ペニーロイヤルハート、ペパーミントアブソルート MD、プチグレインビガラードオイルチュニジア、プチグレインシトロニエオイル、プチグレインオイルパラグアイテルペンレス、プチグレインオイルテルペンレスSTAB、ピメントベリーオイル、ピメントリーフオイル、ロジノールEXゲラニウムチャイナ、ローズABSブルガリアンローメチルオイゲノール、ローズABSモロッコローメチルオイゲノール、ローズABSターキッシュローメチルオイゲノール、ローズアブソルート、ローズアブソルートブルガリアン、ローズアブソルートダマスケナ、ローズアブソル ートMD、ローズアブソルートモロッコ、ローズアブソルートターキッシュ、ローズオイルブルガリアン、ローズオイルダマスケナ低メチルオイゲノール、ローズオイルターキッシュ、ローズマリーオイルカンファーオーガニック、ローズマリーオイルチュニジア、ビャクダンオイルインディア、ビャクダンオイルインディア精留、サンタロール、シヌスモーレオイル、STジョンブレッドティンクチュア 10 PCT、スチラックスレジノイド、タジェットオイル、ティーツリーハート、トンカ豆 ABS 50 PCT ソルベント、トンカ豆アブソルート、チュベローズアブソルートインディア、ベチバーハートエキストラ、ベチバーオイルハイチ、ベチバーオイルハイチ MD、ベチバーイルジャワ、ベチバーオイルジャワMD、バイオレットリーフアブソルートエジプト、バイオレットリーフアブソルートエジプトデコル、バイオレットリーフアブソルートフレンチ、バイオレットリーフアブソルート MD 50 PCT BB、ニガヨモギオイルテルペンレス、イランエキストラオイル、イランIIIオイルおよびこれらの組み合わせが挙げられる。

着色剤は、英国染料染色学会によるカラーインデックスに列挙されたものであってもよい。着色剤は、染料および顔料を含み、織物、ペイント、インクおよびインクジェット用インクを着色するために一般に用いられるものを含む。用いられ得る幾つかの着色剤としては、カロテノイド、アリーリドイエロー、ジアリーリドイエロー、β−ナフトール、ナフトール、ベンゾイミダゾロン、ジスアゾ濃縮顔料、ピラゾロン、ニッケルアゾイエロー、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレンおよびペリノン、イソインドリノンおよびイソインドリン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴイドが挙げられる。カロテノイドとしては、例えば、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、リコペン、ルテインおよびアスタキサンチンアナットーエキス、脱水ビート(ビート粉末)、カンタキサンチン、カラメル、β−アポ−8’−カロテナール、コチニールエキス、カーミン、銅クロロフィリンナトリウム、焼成し部分的に脱脂し蒸解した綿実粉(toasted partially defatted cooked cottonseed flour)、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、ニンジンオイル、パプリカ、パプリカオレオレジン、雲母系パールエッセンス顔料、リボフラビン、サフラン、二酸化チタン、トマトリコペンエキス、トマトリコペン濃縮物、ターメリック、ターメリックオレオレジン、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、オレンジB、シトラスレッド2号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号、アルミナ(乾燥水酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、銅クロロフィリンカリウムナトリウム(クロロフィリン−銅錯体)、ジヒドロキシアセトン、オキシ塩化ビスマス、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、グアニン、パイロフィライト、タルク、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、銅粉末、酸化亜鉛、D&C青色4号、D&C緑色5号、D&C緑色6号、D&C緑色8号、D&C橙色4号、D&C橙色5号、D&C橙色10号、D&C橙色11号、FD&C赤色4号、D&C赤色6号、D&C赤色7号、D&C赤色17号、D&C赤色21号、D&C赤色22号、D&C赤色27号、D&C赤色28号、D&C赤色30号、D&C赤色31号、D&C赤色33号、D&C赤色34号、D&C赤色36号、D&C赤色39号、D&C紫色2号、D&C黄色7号、D&C黄色7号エキス、D&C黄色8号、D&C黄色10号、D&C黄色11号、D&C黒色2号、D&C黒色3(3)号、D&C茶色1号、D&Cクロム−コバルト−酸化アルミニウムエキス、クエン酸鉄アンモニウム、ピロガロール、ログウッドエキス、1,4−ビス[(2−ヒドロキシ−エチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンビス(2−プロパノイック)エステルコポリマー、1,4−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン、1,4−ビス[4−(2−メタクリルオキシエチル) フェニルアミノ]アントラキノンコポリマー、カルバゾールバイオレット、クロロフィリン−銅錯体、クロム−コバルト−酸化アルミニウム、C.I. バットオレンジ 1,2−[[2,5−ジエトキシ−4−[(4−メチルフェニル)チオール]フェニル]アゾ]−1,3,5−ベンゼントリオール、16,23−ジヒドロジナフト[2,3−a:2’,3’−i]ナフト[2’,3’:6,7]インドロ[2,3−c]カルバゾール−5,10,15,17,22,24−ヘキソン、N,N’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,5−アントラセンジイル)ビスベンズアミド、7,16−ジヒドロ−6,15−ジヒドロ−5,9,14,18−アントラジンテトロン、16,17−ジメトキシジナフト(1,2,3−cd:3’,2’,1’−lm)ペリレン−5,10−ジオン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリラート)−ダイコポリマー(3)、リアクティブブラック5、リアクティブブルー21、リアクティブオレンジ78、リアクティブイエロー15、リアクティブブルー19、リアクティブブルー4、C.I.リアクティブレッド11、C.I.リアクティブイエロー86、C.I.リアクティブブルー163、C.I.リアクティブレッド180、4−[(2,4−ジメチルフェニル)アゾ]−2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル−3H−ピラゾ−3−オン(ソルベントイエロー18)、6−エトキシ−2−(6−エトキシ−3−オキソベンゾ[b]チエン−2(3H)−イリデン)ベンゾ[b]チオフェン−3(2H)−オン、フタロシアニングリーン、ビニルアルコール/メタクリル酸メチル−ダイ反応生成物、C.I.リアクティブレッド180、C.I.リアクティブブラック5、C.I.リアクティブオレンジ78、C.I.リアクティブイエロー15、C.I.リアクティブブルー21、1−アミノ−4−[[4−[(2−ブロモ−1−オキソアリル)アミノ]−2−スルホナトフェニル]アミノ]−9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソアントラセン−2−スルホン酸二ナトリウム(リアクティブブルー69)、D&C青色9号、[フタロシアニナト(2−)]銅およびこれらの混合物が挙げられる。

実施例 濃度は、適切な標準を用いて、水性希釈および濾過溶液中でHPLCにより決定した。

糖化 直径32インチ、高さ64インチでASME皿形鏡板(上部および底)を備えた円筒形タンクを、糖化に用いた。タンクは、幅16インチの水中翼混合羽根も装備した。加熱は、タンク周囲のハーフパイプジャケットを通して熱水を流動させることにより提供した。

タンクに、水200Kg、バイオマス80Kg、および18KgのDuet(商標)セルラーゼ酵素を投入した。バイオマスは、ハンマーミル処理し、10〜40メッシュのサイズにスクリーニングしたトウモロコシ穂軸であった。バイオマスに電子ビームを照射して、総線量35Mradとした。Ca(OH)2を用いて混合物のpHを調整し、糖化全体を通して4.8に自動的に保持した。この組合せを53℃に加熱し、180rpm(460Vで1.8Amp)で約24時間撹拌した後、糖化は完了したとみなされた。この材料の一部分を、20メッシュのスクリーンを通してスクリーニングして、溶液を4℃で8ガロンの耐酸瓶中に保存した。

バイオマス生成エタノールおよびキシロース流 約400mLの糖化材料を1L New Brunswick BioFlow 115バイオリアクター中にデカントした。材料を曝気し、30℃に加熱した後、接種した。撹拌を、50rpmに設定した。pHは5.2に測定されたが、これは発酵に関して許容可能であり、したがって調整しなかった。曝気を中止し、バイオリアクターの内容物に5mgのThermosaccドライイースト(Lallemand,Inc.,Memphis TN)を接種した。発酵を、約24時間進行させた。

発酵後、グルコース濃度は検出限界より低く、エタノール濃度は約25g/Lであり、そしてキシロース濃度は約30g/Lであった。

脱塩電気透析を用いたエタノールおよびキシロース流の精製 4リットルの後発酵溶液を、真空下で約1 1/3リットルに濃縮した。次いで、濃縮エタノール無含有溶液を、メタノールでその元の容積に希釈し戻した。メタノールを付加すると、固体がすぐに形成され、沈澱した。沈澱物は、遠心分離または濾過により効果的に除去され得る、ということが判明した。

固体無含有溶液を、次に、5%(重量/容量)活性炭で処理して、溶液を脱色した。炭素を濾過により除去し、次いで濾液を真空濃縮してメタノールを除去した。その後、溶液を脱イオン水でその元の容積に希釈した。

次に、2リットルの脱色溶液を電気透析に付した。20の膜のスタックを横断する電圧は、40Vであった。導電率、温度およびpHを測定した。図3は、希釈流における導電率対時間のプロットである。実験を71分間継続したが、この場合、導電率は7830μS/cmから9μS/cmに低減し、温度は25℃から33℃に増大し、測定pHは4.8から4.0に下がった。

元素分析(ICP)は、加工全体を通したイオン低減の改善を示した。元素分析は、二重反復実験または三重反復実験で実行した。

発酵後加工処理全体を通して、キシロース濃度は約30g/Lで一定のままで、明らかな分解は認められなかった。

ラクトバチルス・ラムノサスを用いたバイオマス生成L−乳酸およびキシロース流 上記と同様のステップを利用して製造される糖化バイオマスを糖供給源として用いて、L−乳酸/キシロース流を生成した。

グルコースからL−乳酸への発酵生物ラクトバチルス・ラムノサスNRRL B−445を、250uL冷凍庫ストックから、25mLのMRS培地(BD Diagnostic Systems No.288130)中で増殖させた。振盪インキュベータ中で、37℃および150〜200rpmで一晩、培養をインキュベートした。

撹拌パドル、加熱マントル、撹拌翼、pH監視プローブおよび温度監視熱電対を装備したバイオリアクター中で、乳酸を生成するための発酵を実行した。

実験のための生成培地は、11Lの糖化バイオマス、22gの酵母エキス、1.6mLの消泡剤AFE−0010を用いた。培地を70℃に1時間加熱して、次に37℃に冷却した。12.5NのNaOH溶液を用いて、培地のpHを6.5に上げた。次いで培地に、1%(110mL)のラクトバチルス・ラムノサスを接種した。溶液を200rpmで撹拌し、pHを6.5より高く保持しながら、37℃で発酵を進行させた。グルコースは、48時間で完全に消費された。生成物は、ナトリウム塩としてのL−乳酸である。糖化中に生成されるキシロースは消費されなかった;それは、このステップ中は本質的に転化されない。

ラクトバチルス・コリニフォルミスを用いたバイオマス生成D−乳酸およびキシロース流 上記と同様のステップを利用して製造される糖化バイオマスを糖供給源として用いて、L−乳酸/キシロース流を生成した。

グルコースからD−乳酸への発酵生物ラクトバチルス・コリニフォルミス亜種トルクエンスB−4390を、250μLの冷凍庫ストックから、25mLのMRS培地(BD Diagnostic Systems No.288130)中で増殖させた。撹拌せずに、37℃で一晩、培養をインキュベートした。

実験のための生成培地は、644mLの糖化バイオマス、5gのトリプトンおよび100μLの消泡剤AFE−0010を用いた。培地を70℃に1時間加熱して、次に37℃に冷却した。12.5NのNaOH溶液を用いてpHを6.5に上げ、その後、同一塩基溶液を用いて保持した。培地に、1%のB−4390を接種し、培地を200rpmで撹拌し、pHを約6.5に保持しながら、37℃で発酵を進行させた。グルコースは、144時間で完全に消費された。生成物は、ナトリウム塩としてのD−乳酸である。糖化中に生成されるキシロースは消費されなかった;それは、このステップ中は本質的に転化されない。

乳酸ナトリウム溶液の加工 D−乳酸およびL−乳酸の両方に由来する乳酸ナトリウムを、本明細書中に記載したように脱色した。発酵を繰り返し実行して、より多量の材料を提供し、脱色を助長した。

上記のように発酵により調製された乳酸ナトリウムを含有する発酵培地30リットルを、4200rpmで60分間、遠心分離した。0.22μカートリッジフィルターを通して上清を濾過して、26.5Lの濾液を生成した。2.7Lの高多孔性スチレン系高分子ビーズ型樹脂Mitsubishi Diaion SP−700を含有するカラムを1.5BV/hの流量で通して、19リットルの濾液を濾し出した。最初の1.5Lの溶離液を捨て、残りの培地および付加した1.5Lの水を溶離して、プールした。培地の残りの部分を同様に脱色して、7.5Lの淡色溶液を生じた。脱色化材料の2つのバッチをプールし、すぐに使用しない場合には、冷蔵保存した。

脱色乳酸溶液の脱塩電気透析 上記のように調製した脱色培地を、脱塩膜を用いて電気透析に付した。

電気透析装置のレザバーに脱色乳酸ナトリウム媒質を投入し、当該装置の濃縮レザバーに4Lの脱イオン水を投入した。40Vの電圧および5Aの最大電流を用いて、電気透析を5時間継続した。

この手順は、約66g/L(38g/Lで出発)の典型的濃度を有する濃縮乳酸塩流および5μS/cm(34μS/cmで出発)の典型的導電率を有する濃縮キシロース流を生じた。

相極性膜電気透析 上記のように生成される乳酸ナトリウムにおける当該流の液体を、双極性膜を用いて二次電気透析に付して、乳酸溶液および水酸化ナトリウム溶液を生じ得る。後に続き得る手順を、ここに記載する。

脱塩電気透析により調製した乳酸ナトリウム(1.6L)溶液を、Diluateレザバーに付加する。脱イオン水(1L)を、乳酸および水酸化ナトリウム流のための各レザバーに付加する。双極性膜スタックを備えた4−小室電気透析セルを用いて、電気透析を実行する。電圧を23Vに設定し、最大電流を6.7Aに設定する。5時間、あるいは希釈流の導電率がその出発値の<5%になるまで、透析を実行し得る。

この手順は、約66g/L(38g/Lで出発)の典型的濃度を有する濃縮乳酸塩流および5μS/cm(34μS/cmで出発)の典型的導電率を有するキシロース流を生じた。双極性膜透析後、乳酸塩流は、典型的には、96%乳酸帯%キシロースである。双極性膜透析後、キシロース流は、典型的には、93%キシロース対7%乳酸である。

本明細書の実施例以外で、または他に明記されなければ、本明細書の以下の部分および添付の特許請求の範囲における材料、元素、量、反応時間および温度、量の比などの数値範囲、量、値およびパーセント値の全ては、用語「約」が値、量、または範囲と共に明確に表れ得ないとしても、言語「約」によって始まると読み取ることができる。したがって反することが示されない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に示された数値パラメータは、実施形態により得ようとする所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低限でも、そして特許請求の範囲と同様の原則の適用を限定する試みではなく、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数を考慮して、通常の端数処理法を利用することにより、解釈されなければならない。

本発明の広範囲に示された数値範囲およびパラメータは近似であるが、具体的実施例に示された数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も、基礎をなす各検査測定に見出された標準偏差から必然的に生じた誤差を本質的に含有する。さらに数値範囲が、本明細書に示されている場合、これらの範囲は、引用された範囲の終了点を含む(例えば、終了点が用いられてもよい)。重量パーセントが、本明細書に用いられている場合、報告された数値は、全重量に対するものである。

同じく、本明細書に引用された任意の数値範囲はそこに包含される部分範囲の全てを含むことが理解されなければならない。例えば「1〜10」の範囲は、引用された最小値1と引用された最大値10の間の(そしてそれらを含み)部分範囲全てを含み、即ち1と等しいまたは1よりも大きな最小値と、10と等しいまたは10よりも小さい最大値を有するものとする。本明細書で用いられる用語「one」、「a」、または「an」は、他に断りがなければ、「少なくとも1」、または「1以上」を含むものとする。

本明細書で参照により組み入れられると述べられた任意の特許、特許公開、または他の開示材料の全体または一部は、組み入れられた材料が既存の定義、表明、また本開示に示された他の開示材料と矛盾しない程度にのみ、本明細書に組み入れられる。そのため必要な程度にまで、本明細書に明白に示された開示は、参照により本明細書に組み入れられた任意の矛盾材料にとって代わる。参照により本明細書に組み入れられると述べられていながら、本明細書に示された既存の定義、表面、または他の開示材料と矛盾する任意の材料またはその一部は、組み入れられた材料と既存の開示材料の間で矛盾が生じない程度のみ組み入れられる。

本発明は、好ましい実施形態を参照して具体的に図示および記載されたが、添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を施し得ることは、当業者に理解されよう。 付録

(公序良俗違反につき、不掲載)

目次 1. 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2. 機能・・・・・・・・・・・・・・・・・3 3. セルおよび部品・・・・・・・・・・・・5 4. 技術データ・・・・・・・・・・・・・・8 5. 適用例・・・・・・・・・・・・・・・10 6. 保守および交換・・・・・・・・・・・11 7. 適用区域・・・・・・・・・・・・・・12 8. 一般的見解・・・・・・・・・・・・・13 9. 保障・・・・・・・・・・・・・・・・13 10. 追加情報/連絡先・・・・・・・・・・14

1.概説 電気透析セルユニットPCCell ED 64を実験室電気透析工程に用いて、ある溶液(希釈液)からイオンを除去する。イオンを、別の溶液(濃縮液)中に収集する。電気透析ユニットPCCell ED 64‐2は、種々の用途のための異なる型の実験を実行させて、使用中のイオン交換膜の特質を検査する。それは、取り扱いやすい実験室セルと考えられる。

2.機能 電気透析ユニットPCCell ED 64‐2は、陽極小室、陰極小室およびそれらの間の膜スタックからなる。この構成で、種々の実験、例えば脱塩を加工処理し得る。

標準EDを実行するために、膜スタックは、n個(典型的には5、10、50個、または100個でさえ)のセル対からなり、これらは、n+1個の陽イオン交換膜、n個の陰イオン交換膜および2n個のスペーサーにより構成される。

図示極性で(図1)、セルシステムのうちの一方はdiluateで、他方はconcentrateである。極性が荷電されると、セルシステムの機能は従って変化する。

EDポンプユニット、例えばPCCell B−ED 1および外部溶媒タンク構造と組み合わせて、このEDセルにより、完全EDシステムを組み立てる(図2)。

この状況では、EDセルは完全システムの一部に過ぎず、他の部品と組み合わせた場合のみ適正に働く、ということに留意して頂きたい。

3.セルおよび部品 PCCell ED 64は、いくつかの部品からなる。それらを以下に記載する:

5.適用例 PCCell ED 64は、バッチ工程で駆動されるよう意図される。工程長および公称フロースルーは上記の通りである。

図7は、バッチ脱塩の一例を示す(時間に対するdiluateの導電率)。開始および停止時間での単一回脱塩の作用は、導電率急変を生じる。それは、電流、流動およびその他の因子によって決まる。プロットは、それが、多かれ少なかれ、電流に比例する、ということを示す。

図6は、理論的電流効率(ce)での、および85%ceでの電流に依存する塩(NaClとして算定)除去を示す。PCCell ED 200を用いて、塩化ナトリウムに関しては90〜95%の範囲のceを予期し得る。それは、電流密度、濃度およびその他の因子によって決まる。量は、セル対当たりで示される。25セル対−ユニットはこの25倍を作る。

6.適用区域 塩水の脱塩 ワインの安定化 乳清脱塩 製薬用途 酸洗浴再生利用

7.一般的見解/安全性 このセルユニットを用いて電気透析を実行することにより、腐蝕性である濃酸および濃塩基が生成され得る。十分な予防措置が取られなければならない。電極では、爆発性ガスおよびエアゾールが生じ得る。さらにまたこの場合、適切な防護が保証されなければならない。セルは、当該システムから排出される任意の液体を収集するのに十分な大きさのタンク中で実行されなければならない。

8.追加情報/連絡先 追加情報に関しては、我々のウェブサイト(公序良俗違反につき、不掲載)を見て頂きたい。任意の技術的質問の場合、以下に連絡ください:

(公序良俗違反につき、不掲載)

GE パワー&ウォーター GEウォーター&プロセステクノロジー 極性転換型電気透析による高水分回収 著者 Robert P.Allison 1993年のAWWA membrane conferenceの会報からの再販。許可済。1993年メリーランド州ボルチモア。 注:GEウォーター&プロセスは2005年にイオニクスを購入した。 緒論 多数の膜脱塩ユーザーにとって、最大水分回収を達成する必要性は、主要な優先事項である。ある者にとっては、源水は限定され、割り当てられ、そうでなければ調節される。多数の帯水層からの回収は再装填を上回り、地下水面の低下、地盤沈下および海辺区域における塩水侵入を生じている、と、目下、認識されている。近年のカリフォルニア干ばつ中に非常に明白であったように、地表供給も限定され得る。それらの給水を購入する使用者に関しては、コストは上昇しており、それらの総処理済み水コストの実質的部分を表し得る。

給水の質および環境を保存するよう意図される規則がより厳しくなっているので、濃縮物処分もより経費を要し、且つ面倒になってきている。地表排水の許可は、困難で得ることができない。下水管および深井戸への排水は、実質的に経費を増大し得る。「ゼロ排液」は、すべての排液が再使用のために精製される場合を助長し、多大の経費を有し得る。

極性転換型電気透析(EDR)は、逆浸透(RO)におけると同様に、塩が、水の代わりに膜に通される脱塩工程である。当該工程は、基本的にROとは異なり、水分回収に及ぼすそれ自体の別個の能力および制限を有する。EDR工程の能力は、高い水分回収が資源節約および経費制御のために重要である脱塩用途における多数の自治体および工業的ユーザーを手助けしている。

EDR廃水源 EDRシステムへの給水源は、図1に示されるように3つの流れに分けられる。最大流は希釈液供給で、これは、一旦スタックを通過し、そして脱塩化生成物として流出する。第二流(補給濃縮液と呼ばれる)は、スタックを通して再循環されている濃縮液流に供給される。スタックからの出口で、廃液へのオーバーフローが存在する。補給濃縮液流量は、濃縮液が再循環される平均時間数を制御し、したがって、EDRシステムにおける回収を制御する主要手段である。第三流は電極区画洗浄水で、これは、大半のシステムにおいて、希釈液流の1%である。普通は、この水は、それがスタックを通過した後、廃水に向けられるが、しかし補給濃縮液の一部分として用いられて、水分回収をさらに改善し得る。

少量の希釈流水流動は、それがスタックを通過すると、濃縮液流に移される。先ず、水は、イオンの通過を伴って膜を通して移動される。この「水分移動」は、希釈液流/除去される塩1000ppm(mg/L)の0.15%〜0.45%になる。内部スケール形成に対する最良の抵抗性を有する膜は、最高値に近い水分移動を有する傾向がある。内部漏出も、希釈液流と濃縮液流との間で起こり、これは、約0.25%〜0.50%/段階である。濃縮液流は、普通は、希釈液流より低い約1pstの圧力で操作され、したがって、この漏出は希釈液流から濃縮液流の方向である。水分移動および交差漏出は、水分回収を低減しない。これらの流動は、プラント設計において補給濃縮液の一部として算定される。実際の制御化補給濃縮液流は、比例的に低減される。 www.ge.com/waterを訪れ、「Contact US」をクリックすることによりお近くの店舗と連絡を取って下さい。 ※general electric companyの商標は、1つ以上の国で登録されている場合がございます。 コピーライトマーク2010、general electric company。 全ての権利が登録されております。

DC電力極性の周期的反転は、個々のスペーサー中に溶液を交互に生じさせる。負の極性で希釈液流を保有するスペーサーは正の極性で濃縮液を保有する。自動入口および出口分水弁は、希釈液および濃縮液流を各極性に関して正しいスペーサーに向ける。

濃縮液が反転中に洗い出されている間、低品質生成物が生成される。これは、導電率制御自動弁により廃水に方向転換される。自動分水弁およびDC極性反転の操作の時間を調節することにより、高導電性生成物がわずか36秒間に生成される。この同調極性反転は、15〜30分毎に起こる。「同町反転」からの「規格外」生成物の高導電率は、2%〜4%廃棄物を表す。この廃棄物は高TDS濃縮液であり、供給または補給濃縮物に再循環され得ない。

いくつかの例 操作における最高水分回収EDRプラントは、バージニア州サフォーク市が操業する3.76mgd(14.233m3/日)施設である。プラントは、3段階を有し、94%水分回収を達成する。表1は、廃液が生成される場所を示すために分解された3つのEDRユニットのうちの1つに関する流動の要約を示す。当該ユニットは、連続的化学物質供給を有さない。14.9gpm(56lpm)の補給濃縮液流を用いて、濃縮液における炭酸カルシウムスケーリング能力を制御する。当該ユニットがこの制御化補給濃縮液流を必要としない場合、廃液は43.1gpmに低減されて、最終的回収能力は95.3%を示す。

グランカナリア島にある5mgdのEDRプラントは、85%の水分回収率で、5,000〜7,000ppm(mg/l)給水で稼働する。表2は、ユニット流動の要約を示す。制御化補給濃縮液流は、総廃液の約1/2である。最終的水分回収能力は、総廃液の約1/2である。このプラントの流動を基礎にした最終的水分回収能力は、91.8%に過ぎない。より高いTDSは水移動を増大し、そして付加的段階は交差漏出を増大する。

このプラントの水分回収は、2つの付加的物理的因子により、すぐに制限される。第一の因子は、「短絡」と呼ばれる現象である。図2は、漏出電流が膜を介して脇道に進み、濃縮液を多種多様な穴に通し落とす。濃度が十分に伝導性である場合、膜を通過して多様な穴に進む電流は、スペーサー材料を軟化するのに十分な熱を生じ、それを変形させ得る。この制限は、経費を増大する種々の手段により克服され得る。第二の制限は、膜電流効率特性により課せられる。図3は、2,000ppm(mg/l)NaCl溶液を334ppm(mg/l)に脱塩するEDRユニットに関するDC電力消費および膜電流効率対水回収を示す。膜効率は、希釈液および濃縮液流間の規定度の差に関連する。水分回収が増大されると、濃縮液規定度は増大し、電流効率は下がって、電力消費を上げる。

給水の相対的に低いTDSが希釈液および濃縮液流間の相対的に低い規定度差を生じるため、サフォーク市は94%水分回収を達成し得る。グランカナリア島の計画は、非常に大きい規定度差を有し、電力消費は86%水分回収を明確に上回って上昇する。水分回収能力を改善する良好な電流効率を有する陰イオン交換膜が、利用可能である。これらの膜は、多くの水に関してそれらの使用を望ましくないものにし得るより多くの内部スケール形成を受ける傾向がある。1985年にカナリア諸島計画が作られて以来、陽イオン交換膜は実質的に改良されてきた。この計画の長期試験は、これらの新規の膜が電流効率を実質的に改良し、電力消費を低減することを示している。それらは、目下、すべての新規計画の標準である。

濃縮液スケール生成限界 ほとんどすべてのEDR計画の水分回収能力は、スケールとして濃縮液流から、限定溶解度を有する塩が沈澱する可能性により、限定される。EDRの極性逆転は、スケールを沈殿する傾向を有する濃縮液とスケールを溶解する傾向がある脱塩水とに、交互に、膜表面および水流路を曝露する。これにより、スケール生成を防止するために化学物質を付加することなく、特定限界まで超飽和濃縮液流を伴って工程は稼働する。化学物質が濃縮液に付加された場合、より高いレベルの超飽和が達成され得る。

炭酸カルシウム スケール防止剤を伴わないCaCO3に関する設計限界は、ランゲリア飽和指数(LSI)で+1.8である。実際のスケール沈澱は、ほぼ+2.2のLSIで開始する。この限界は、CaCO3スケール生成が高濃縮液LSIにならないよう任意の化学物質を付加することを必要とするEDRユニットがほとんどないほど十分に高い。化学物質付加が用いられる場合、濃縮液への酸または二酸化炭素付加が用いられる。

スケール防止剤は、濃縮液への酸またはCO2付加の代替物として用いられ得る。高分子スケール防止剤を用いて、+3.0の濃縮液LSIで数週間、500,000gpdのEDRユニットを稼働した。別のEDRユニットは、ヘキサメタリン酸ナトリウム・スケール防止剤を用いて、+2.7のLSIで5,000時間、稼働した。このアプローチは、概して、以下の3つの理由のために採用されなかった。 1.スケール防止剤は正確な量で投与されなければならない。少なすぎるとスケールを生じ、多すぎると膜を詰まらせ得る。 2.スケール防止剤投与量は、監視するのが難しい。正確な投与量に関して濃縮液を試験するための容易な方法はない。酸またはCO2を用いると、pHは容易に監視される。 3.濃縮液LSIは、+1.8に低減される必要があるに過ぎない。必要とされる酸またはCO2投与量は、ほとんど常に、非常に少量である。酸またはCO2を上回るスケール防止剤使用を選択する有意の経費利点は認められない。

硫酸カルシウム スケール防止剤負荷を伴わないCaSO4飽和に関する設計限界は、2.25×Kspのイオン生成物である。沈澱が開始する実限界は、ほぼ4×Kspである。テキサスのデルシティは、スケール防止剤付加を伴わずに、3.5×Kspで濃縮液CaSO4イオン生成物を用いて、1975年以来、150,000gpd(568m3/日)EDRシステムを稼働してきた。pH調節はCaSO4の溶解度を増大しないので、酸またはCO2付加により限界は増大され得ない。水分回収を増大するための唯一の方法は、スケール防止剤を用いることである。

1981年および1982年に、ヘキサメタリン酸ナトリウム・スケール防止剤付加を伴う高CaSO4飽和での持続性稼働のEDR限界を、ニューメキシコ州ロズウェルでのOWRT契約下で調べた。このプログラムにおける最終試験は、5,000稼働時間を上回る間、平均12.5×Kspで、濃縮液CaSO4イオン生成物を用いて50,000gpdのEDRユニットを稼働することであった。試験中に4日間、スケール防止剤付加がなされない場合でさえ、膜が有したスケールは少量に過ぎない、ということを、試験の結論での膜の精査は示した。試験の結論での膜の分析は、良好な性能特性を示した。実際、約7年間のロズウェル試験後に、膜は別の計画に用いられた。

目標ロズウェル試験以来、多数のEDRユニットが、濃縮液中の高CaSO4飽和で稼働している。1988年に、フロリダのサラソタ郡は、50%水分回収で稼働しているROプラントにより生成される水を補足するために、そのソレント施設に可動性300,000gpd EDRを設備した。EDRプラントの水分回収は79%に過ぎないが、しかし濃縮液のCaSO4イオン生成物は5.75×Kspである。スケール生成は、4.3ppm(mg/l)のポリアクリレート・スケール防止剤を濃縮液に付加することにより防止される。

サラソタ郡は、目下、1994年に可動を開始するよう計画された12mgd脱塩施設を構築中である。地下水のその撤退は、帯水層過剰撤退および品質劣化の問題のため、調節され、制限される。環境問題および表面放出を制御する調節のため、濃縮液は深井戸に注入されるべきものである。このプラントに関して85%水分回収と言い換えられる高CaSO4飽和レベルで稼働するその立証された能力のために彼らはEDRを選択した。

硫酸バリウム BaSO4スケールは、1,980年代にEDRプラントにおいて遭遇され始め、より高い水分回収への増大傾向にある。それは約10のプラントにおいて認められている。それは濃縮液再循環パイプの壁に、そして濃縮液ポンプ中に沈澱する。それは金属に強力に接着するが、しかしスケールが約.020インチ厚になると、PVCパイプを折り取る。次いで、剥片がEDRスタックに進む。化学的洗浄液は、スケールを溶解できない。スタックは、除去のために分解されなければならない。BaSO4スケールに出くわす最初のユーザーは、275,000gpd(1041m3/日)ユニットを有する。それらの表面水供給の質が変わると、問題が断続的に生じる。このユーザーは、単に、スタックが剥片を捕獲する前にパイプにトレーナーを加え、10年以上、この方法を操作している。

EDRにおけるBaSO4沈澱に関する閾値点は、スケール防止剤を用いない場合、100×Kspのイオン生成物である、ということが目下判っている。

スケール防止剤付加を伴う限界は、一般に不明である。150×KspのBaSO4イオン生成物でいくつかの計画が実行されつつあり、そして2つの計画が、濃縮液への2〜5mg/lの高分子スケール防止剤投与量で、225×Kspのイオン生成物に到達している。

硫酸ストロンチウム SrSO4スケールは、如何なるEDRプラントにおいても検出されていない。多数のプラントからの濃縮液試料の分析物は、最高超飽和を有するプラントが4×Kspのイオン生成物で稼働中である、ということを示している。推定限界は、スケール防止剤を伴わずに約8×Kspのイオン生成物である。

フッ化カルシウム CaF2沈澱は、EDRプラントにおいては決して生じない。プラントは、イオン生成物500×Kspで稼働中であり、さらに高いレベルが、沈澱を伴わずに2つの工業的予備研究で観察されている。飽和レベルに関する推定限界はない。

シリカ pH9.5より低い水中のシリカは、本質的には非イオン性であり、EDRにより除去または濃縮されない。試験は、シリカレベルが、稼働中のEDRプラントの供給原料、生成物およびブライン中で等しい、ということを示している。シリカはEDR回収を制限しないため、高シリカ水において高水回収が得られる。

グランカナリア島での5mgdプラントは、この能力の完全な例である。給水シリカは50から60ppm(mg/l)まで変化し、さらに水分回収は85%である。ROは、この高TDS水に関してより低い稼働経費を有するが、しかし回収はより低くなければならない。給水は1米ドル/1000ガロン(/3.8m3)の経費で購入さえる。RO経費利点は失われ、シリカスケール生成を防止するためにはより多量の廃液を要する。

結論 任意の所定の源水に関してEDR脱塩で達成され得る最大水分回収は、種々の因子によって決まる。大半の用途において、水分回収は、濃縮液からスケールが沈澱する可能性により制限される。EDRは、濃縮液中のスケール生成塩の高い超飽和で稼働する能力を有し、シリカによる影響を受けない。これは、高い水分回収能力と言い換えられる。これらが、高い水分回収が優先する多くの用途においてEDRがユーザーの要求を満たしている理由である。

電気透析(ED)および極性転換型電気透析(EDR) 電気透析(ED)は、2つの荷電電極にそれらが引きつけられる結果として、イオン選択性半透膜を通ってイオンが移動する電気化学的工程である。EDは、ほとんどの荷電溶解イオンを除去することができる。

1.0 適用可能な夾雑物 ED/EDRは、バリウム、硝酸塩および亜硝酸塩、セレンおよびTDSに関するEPA BATである。

2.0 技術の説明 前処理 典型的操作は、以下の:スケール生成を防止し、濃縮液流中の濃縮液LSIを2.1より低い値に低減するためのスケール阻害剤の付加、生物学的増殖を防止するための0.5mg/Lの残留塩素濃度、ならびにED/EDRシステム前のカートリッジフィルター(10〜20μm)を要する。H2Sを除去するために、ED/EDRの前にエア・ストリッピングも用いられ得る。さらにまた、給水は、ED/EDRシステムの限界内でなければならない(2.2節参照)。

技術的説明 電気透析は、ほとんどの溶解塩が正または負に荷電され、それらが反対電荷を有する電極に移動する、という原理によって左右される工程である。位にオンまたは陽イオンの通過を可能にする選択性膜が、分離を可能にする。EDは、これらの膜を交互に用いて、濃縮液および生成物流を作成する。

陰イオンは陰イオン選択性膜を通過できるが、しかし、その経路を遮断し、ブライン流中に陰イオンを閉じ込める陽イオン選択性膜により通過できない(図1)。同様に、陽イオンは、負電荷の下で陽イオン選択性膜を通って反対方向に移動し、陰イオン選択性膜により閉じ込められる。EDユニットは、12,000mg/L TDSまで、給水から50%〜94%の溶解固体を除去することができる。電圧入力および工程構成(スタックまたは段階の数)は、実行可能な除去パーセントを指図する。TDS除去は、一般的に、経済的に制限される。EDの経費は、給水TDSが増大すると、増大する。典型的稼働条件は、1,200mg/L TDS、高硬度および高シリカである。

典型的EDシステムは、各々が陽イオン移動性膜、脱塩化フロースペーサー、陰イオン移動性膜および濃縮液フロースペーサーからなる多数のセル対を有する膜を包含する。電極のための区画は、スタックの逆端にある。電極は、絶え間なく洗い流されて、汚れまたはスケール生成を低減する。

濃縮液を再循環させ、濃縮液を廃棄物に放出し、あるいはブローダウンすることは、一般的で、供給−放出方式と呼ばれる。生成物およびブライン流間の流量に明確な差異が認めされる、という事実のために、これは必要である。希釈液流は、ブライン流の流動の約10倍である;流動におけるこの差は圧力不均衡を生じて、濃縮液再循環を要する。

膜は、通常は、シート形態に作られた陽イオン−または陰イオン交換樹脂から製造される。EDスペーサーはHDPEから製造され、そして電極は不活性金属からなる。膜選択は、原水特質の注意深い再検討に基づいている。

極性転換型電気透析(EDR)はEDと同様であるが、しかし電極の極性は定期的に逆転し、それにより膜表面の蓄積イオンを離す。この工程は、生成物流を廃棄物流に変換することにより、無機スケール生成および汚れの作用を最小限にする。この工程は、付加的配管工事および電気的制御を要するが、しかし膜寿命を増大する。EDRは、付加化学物質を必要とせず、同様に清浄化を容易にする。

メインテナンス ED膜は耐久性があり、広範囲のpH条件(pH2〜11)下で稼働し得るし、清浄化中に高温に耐える。それらは、ユニットから除去され、必要な場合はごしごし洗いされ得る。適正に稼働されるならば、膜は12〜15年の平均寿命を有する。固体は、電源を切ってスタックを通して水を循環させることにより、洗い落とされ得る。EDスタックは、バラバラにされ、機械的に清浄にされて、規則的間隔で再組立てされなければならない。それらは、5%塩酸溶液を用いても清浄化され得る。

廃棄物処分 濃縮液廃棄物流、電極清浄化流動、および前処理工程からの残留物は、典型的廃棄物流流動の一部であり、処分を要する。一般的処分方法としては、以下のものが挙げられる:表面水放出、蒸発池等。使用済み膜も、処分を要する。

利点 ・EDおよびEDRは、最小汚れまたはスケール生成、あるいは化学物質付加で稼働し得る。 ・低圧要件。 ・EDおよびEDR施設は、ROより静かである。 ・長い膜寿命見込み。 ・非イオン性封止剤、例えばシリカにより影響されない。1 ・前処理のための低化学物質使用量。1 ・ROより高いSDI、TOCおよびシリカ濃度、ならびにより大きい濁度で給水を処理する能力。1 ・給水注に0.5ppmまでの遊離塩素で稼働して、給水中の生物学的物質を制御し得る。8

限界 ・TDSは経済的に8,000ppmまでであるが、しばしば、1,200ppmの水で実行する。 ・pH:2.0〜11.0 ・TOC:15mg/Lまで ・遊離塩素:0.5ppm(15〜20ppmまでのスパイクを伴う) ・濁度:2NTUまで ・鉄(Fe+2):0.3ppm ・Mn(+2):0.1ppm ・H2S:1ppmまで ・SDI:15(5分SDI)

3.0 実例処理手順 慣用的EDR処理手順は、典型的には、原水ポンプ、破砕屑スクリーン、スケール防止剤の付加を伴う急速混合、緩徐混合フロキュレーター、水盤または浄化器、重力濾過器、EDR膜、塩素消毒、および清澄槽貯蔵を包含する。精密濾過(MF)は、フロキュレーション、沈降および濾過の代わりに用いられ得る。

4.0 安全性および健康問題 ・有害ガス、例えば塩素、水素、H2S等を生じる ・電気的危険

5.0 参考文献 1.Buros, O.K.(2000). The ABCs of Desalting. Topsfield, International Desalination Association, Saline Water Conversion Corporation. 2.American Water Works Association, and American Society of Civil Engineers, Water Treatment Plant Design. Ed. Edward E. Bruth. Fourth ed. New York: McGraw-Hill Handbooks, 2005. 3.General Electric. (2008), “Electrodialysis Reversal(EDR),” Retrieved 9/15/08, from http://www.gewater.com/products/equipment/ed edr edi/der.jsp. 4.Reahl, E.R.(2008), “Half A Century of Desalination with Electrodialysis, “ from http://www.gewater.com./pdf/Technical Papers Cust/Americas/English/TP1038EN.pdf. 5.Perry, Robert H., Don W. Green, and James O. Maloney. Perry’s Chemical Engineers Handbook, Seventh ed. New York;McGraw-Hill, 1997. 6.Bureau of Reclamation (2003), Desalting Handbook for Planners. Department of the Interior, Denver. 7.Trussel Technologies, “Desalination Technologies”, Pasadena, 2008, Trussel Technologies, 6/11/2008.http://www.trusseltech.com/tech.desalination.asp. 8.Allison, R.P.(2001), “Surface and Wastewater Desalination by Electrodialysis Reversal” from http://www.gewater.com/pdf/Technical Papers Cust/Americas/English/TP1022EN.pdf 9.Kiernan, J.and A.J.M.v. Gottberg (1998), Selection of EDR Desalting Technology Rather than MF/RO for the City of San Diego Water Reclamation Project. North American Biennial at Conference and Exposition. GE Water & Process Technologies.

連絡先情報 この概況報告書は、TSCのWater Treatment Engineering Teamが提出した。どんな質問または短評も、以下にご連絡ください。 (公序良俗違反につき、不掲載)改定日:09/20/10

再利用可能な酢酸および苛性ソーダへの酢酸ナトリウムの転化のためのEurodia Industrie双極性膜電気透析ユニット:5年超の運転成功(Membrane&Separation Technology News−March 2006に発表) 2003年初期に、Eurodia Industrieは、ドイツの専門化学プロデューサーの所在地で、新規の双極性膜電気透析(EDBM)ユニットを委託した。その目的は、ビタミンの生成からの酢酸ナトリウムの副生成物流を、当該工程で再使用され得る酢酸ならびに廃棄物水処理施設において用いられるべき水酸化ナトリウムに転化することである。その結果、廃棄物量(有機量)は有意に低減され、酸および塩基価は回収され得る。本論文は、最後の3年間のこのプラントの運転成功を記載する。

EDBMは、電気透析スタックにおいて、慣用的イオン交換膜を双極性膜と組み合わせて、酸および塩基への水性塩流の転化を可能にする。DC電流の作用下で、双極性膜は水分子をH+およびOHイオンに有効に分離する。これらのイオンは、塩の陰イオンおよび陽イオンと組み合わされて、酸および塩基を生成する。陰イオン交換、陽イオン交換および双極性膜を用いる3区画構成で、3つのループがスタック中で循環している:酸、塩基および塩、例えば塩化ナトリウム。以下の模式図に示されているように、双極性および陽イオン交換膜を有する2−区画構成は、好ましくは、弱酸および強塩基の塩、例えば酢酸ナトリウムとともに用いられる。有機酸は弱く解離されるため、別個の酸ループを有することはできないか/実際的でなく、そして陰イオン交換膜は必要とされない。このようなスタックでは、2つの生成物流はNaOH(最大濃度8重量%)の水溶液、ならびに十分な導電率のためにいくつかの残りの有機塩と混合される有機酸である:塩供給濃度が高いほど、達成され得る点か率は高い。主に専門化学用途のために、1ダースより多いEDBMシステムが世界中で稼働中である。

ドイツのプラントで、酢酸ナトリウム流は、22〜23重量%の平均濃度で供給され、酸は、18〜19重量%(3.2〜3.5M)の濃度で生成される。NaOHは、水処理プラントでの再使用のために十分な、6〜6.5重量%の平均濃度で生成される。酸から塩基ループへの水の運搬も認められるため、転化率は90%を上回る。ユニットは、1.1〜1.3m3/時間の供給を加工処理し、400kg/時間より多くの酢酸ナトリウムを転化する。

供給原料は低レベルの多価陽イオン(Ca、Mg、Fe、Cu等)を含有するため、総濃度を1ppmより低い値に低減して、スタック中に水酸化物として沈殿するのを回避するには、前処理ステップが必要とされる:2つのイオン交換樹脂カラムが、連続稼働のために据えつけられた。次いで、塩は、255m2の総セル面積(膜面積510m2)を有する2つのEUR40B−bip EDBMスタック(下図参照)中で転化される。EDBMスタックは、自動バッチ方式で駆動し、塩/酸導電率は70mS/cmから11.5mA/cmに減少する:導電率がこのような最小値に到達したら、酸生成物をポンプで貯蔵タンクに運ぶ。全体的電流効率は、専有設計スペーサーのおかげで最適化される。

CGMP原理に、そして顧客仕様明細書に従って、EDBMユニットが設計され、構築された。委託は短時間内に完了し、それ以来、顧客の要求を満たしてきたし、必要とされる場合は、常に稼働中であった。自動運転は、PLCにより制御される。ユニットは独立型建造物中に据えつけられ、一方、全体的制御室は隣接する建物中にある。さらに、遠隔カメラモニタリングにより、オペレーターが建物内にいなければならないのは1日30分未満に過ぎない。電気キャビネットおよび整流器は、EDBMスタックと同じ建物内に配置される。希NaOH溶液を電解質溶液として用い、送風装置により、電極で発生される少量の水素および酸素ガスは建物の外に安全に換気される。プラント稼働の遠隔モニタリングならびに稼働パラメーターの最適化を可能にするためのモデムを設置することができる。

システムの性能は設計および保証パラメーターを絶えず上回っていた、ということに留意することは価値がある:特に、酸濃度および酸生成率、ならびに電力消費に関して。12,000時間という膜寿命が保証されていたが、膜は、今までのところ8,000時間より多く作動しており、劣化の徴候は認められない。別の場所での同様の適用に関しては、双極性膜寿命は25,000時間を超えているが、一方、陽イオン交換膜の寿命は約15,000時間である。DC電流は340A(85mA/cm2と等価)で設定され、平均電圧は185V/半スタックまたは1.7V/セル未満のままである。セル・メインテナンスおよび電力消費は主な運転コストであり、経済的見積もりは、2年未満の顧客に関する資本回収を示している。

EDBMユニットの性能は、良好な設計および適切な前処理を伴って、ユーザーが非常に上首尾の且つトラブルなしの稼働をなし得る、ということを実証する。もちろん、この設備は、任意の化学的工程ステップと同量のケアを必要とし、プラント・オペレーターは技術に対する彼らの責務を示している。この経験から、双極性膜電気透析は、魅力的な金銭的見返りの可能性を伴って、化学加工処理に信頼して用いられ得る、ということは明らかである。

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