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光受信器及び光トランシーバ

阅读:1023发布:2020-07-18

专利汇可以提供光受信器及び光トランシーバ专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】光トランシーバ向けの光受信器の小型化を図る。 【解決手段】光受信器12において、集光デバイス21の光入射面に、第1の光フィルタ31(ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタの一方)が設けられ、受光デバイス22の受光面に、第2の光フィルタ32(ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタの他方)が設けられる。 【選択図】図2,下面是光受信器及び光トランシーバ专利的具体信息内容。

集光デバイスと、 前記集光デバイスの出射光を受光する受光デバイスと、 前記集光デバイスの光入射面に設けられた第1の光フィルタと、 前記受光デバイスの受光面に設けられた第2の光フィルタと、を備え、 前記第1及び第2の光フィルタの一方が、ロングパス光フィルタであり、 前記第1及び第2の光フィルタの他方が、ショートパス光フィルタである、 光受信器。前記第1の光フィルタは、第1の誘電体多層膜であり、前記集光デバイスは、前記光入射面である平面を有する平凸レンズであり、前記平凸レンズの前記平面に前記第1の誘電体多層膜が形成された、請求項1に記載の光受信器。前記ロングパス光フィルタ及び前記ショートパス光フィルタは、それぞれの遮断帯域における遮断量が互いに異なり、 前記ロングパス光フィルタ及び前記ショートパス光フィルタのうち、前記遮断量の大きい一方が、前記集光デバイスの前記光入射面に設けられ、 前記ロングパス光フィルタ及び前記ショートパス光フィルタのうち、前記遮断量の小さい他方が、前記受光デバイスの前記受光面に設けられた、請求項1又は2に記載の光受信器。前記第2の光フィルタは、第2の誘電体多層膜であり、前記受光デバイスの前記受光面に、前記第2の誘電体多層膜が形成された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光受信器。前記平凸レンズの凸レンズ部は、中央部よりも周辺部の方が曲率の大きい非球面形状である、請求項2に記載の光受信器。前記受光デバイスは、屈折率の異なる化合物半導体材料の積層構造を前記第2の誘電体多層膜として一部に有する化合物半導体デバイスである、請求項4に記載の光受信器。第1の光を送信する光送信器と、 前記第1の光を光ファイバ伝送路へ透過し、前記第1の光とは異なる波長の光であって前記光ファイバ伝送路を前記第1の光とは逆方向に伝搬する第2の光を、前記第1の光が伝搬する方向と交差する方向に反射する波長分離デバイスと、 前記波長分離デバイスで反射された前記第2の光を受信する光受信器と、を備え、 前記光受信器は、 前記第2の光が入射する集光デバイスと、 前記集光デバイスの出射光を受光する受光デバイスと、 前記集光デバイスの光入射面に設けられた第1の光フィルタと、 前記受光デバイスの受光面に設けられた第2の光フィルタと、を備え、 前記第1及び第2の光フィルタの一方が、ロングパス光フィルタであり、 前記第1及び第2の光フィルタの他方が、ショートパス光フィルタである、 光トランシーバ。

说明书全文

本明細書に記載する技術は、光受信器及び光トランシーバに関する。

1本の光ファイバを送受信に共用して双方向(Bi-directional)の光通信をサポートする光トランシーバが知られている。

双方向の光通信をサポートする光トランシーバは、BOSA(Bi-directional Optical Sub-Assembly)と称されることもある。

BOSAは、例示的に、パッシブオプティカルネットワーク(PON)システムのONU(Optical Network Unit)に適用されることがある。

特開昭63−70207号公報

特開平1−188806号公報

特開2009−200448号公報

ONUに適用する光トランシーバは、ONUの小型化のために、SFP(Small Form-Factor Pluggable)と呼ばれる形態を採用することが検討されている。SFPは、データ通信ネットワーク用のトランシーバ向けに、MSA(Multi Source Agreement)によって寸法やピン配置等が標準化されている。

光トランシーバにSFPの形態を採用すると、ONUの体積を既存のONUに比して1/60程度に小型化できることが見込まれる。

しかし、光トランシーバにSFPの形態を採用しようとすると、光トランシーバ内に実装可能な光部品のサイズや部品点数に空間的な制約(「実装空間の制約」と言い換えてもよい。)が生じ得る。

実装空間の制約によって、光トランシーバ(例えば、受信系)に本来備わるはずの光部品が、既存の空間的な配置やサイズのままでは実装できないことがある。

制約のある実装空間において既存サイズのままの光部品どうしの配置間隔を無理に狭小化すると、光トランシーバの製造歩留まりが低下したり、光部品どうしの間隔マージンが少ないために互いの接触による経年劣化が生じ易くなったりすることが想定される。

1つの側面では、本明細書の記載する技術の目的の1つは、光トランシーバ向けの光受信器の小型化を図ることにある。

1つの側面において、光受信器は、集光デバイスと、前記集光デバイスの出射光を受光する受光デバイスと、前記集光デバイスの光入射面に設けられた第1の光フィルタと、前記受光デバイスの受光面に設けられた第2の光フィルタと、を備えてよい。前記第1及び第2の光フィルタの一方は、ロングパス光フィルタであり、前記第1及び第2の光フィルタの他方が、ショートパス光フィルタであってよい。

また、1つの側面において、光トランシーバは、光送信器と、波長分離デバイスと、光受信器と、を備えてよい。光送信器は、第1の光を送信してよい。波長分離デバイスは、前記第1の光を光ファイバ伝送路へ透過し、前記第1の光とは異なる波長の光であって前記光ファイバ伝送路を前記第1の光とは逆方向に伝搬する第2の光を、前記第1の光が伝搬する方向と交差する方向に反射してよい。光受信器は、前記波長分離デバイスで反射された前記第2の光を受信してよい。そして、光受信器は、前記第2の光が入射する集光デバイスと、前記集光デバイスの出射光を受光する受光デバイスと、前記集光デバイスの光入射面に設けられた第1の光フィルタと、前記受光デバイスの受光面に設けられた第2の光フィルタと、を備えてよい。前記第1及び第2の光フィルタの一方は、ロングパス光フィルタであり、前記第1及び第2の光フィルタの他方は、ショートパス光フィルタであってよい。

1つの側面として、光トランシーバ向けの光受信器の小型化を図ることができる。

一実施形態に係る光トランシーバの構成例を示すブロック図である。

図1に例示した光受信器の構成例を示すブロック図である。

(A)は、ロングパス光フィルタのフィルタ特性の一例を示す図であり、(B)は、ショートパス光フィルタのフィルタ特性の一例を示す図である。

図3(A)及び図3(B)に例示したフィルタ特性の組み合わせによって得られるバンドパス光フィルタのフィルタ特性の一例を示す図である。

パッシブオプティカルネットワーク(PON)システムにおける波長配置の一例を示す図である。

PONシステムにおける波長配置の一例を示す図である。

ロングパス光フィルタとショートパス光フィルタとで遮断帯域における遮断量が異なる例を示す図である。

ロングパス光フィルタとショートパス光フィルタとで遮断帯域における遮断量が異なる例を示す図である。

(A)〜(D)は、誘電体多層膜を用いた光フィルタのフィルタ特性と厚みとの関係を説明するための図である。

(A)は、ロングパス光フィルタ用の誘電体多層膜とショートパス光フィルタ用の誘電体多層膜とを接着剤によって接着しても期待するバンドパス光フィルタのフィルタ特性が得られないことを説明するための図であり、(B)は、ロングパス光フィルタ用の誘電体多層膜とショートパス光フィルタ用の誘電体多層膜とを基板上に積層しても期待するバンドパス光フィルタのフィルタ特性が得られないことを説明するための図である。

(A)及び(B)は、図2に例示した平凸レンズの凸レンズ部が球面形状を有する例を示す図である。

(A)及び(B)は、図2に例示した平凸レンズの凸レンズ部が非球面形状を有する例を示す図である。

図1に例示した光トランシーバにおいて光軸中心と光受信器端面との間の距離(D)を狭小化できることを説明するためのブロック図である。

図13に例示した距離(D)を狭小化できる理由を説明するための比較例を示すブロック図である。

ロングパス光フィルタとショートパス光フィルタとの個別部品の組み合わせでバンドパス光フィルタのフィルタ特性を実現しても図13に例示した距離(D)を狭小化できないことを説明するためのブロック図である。

図14に例示した比較例の変形例を示すブロック図である。

図14に例示した比較例の変形例を示すブロック図である。

図2に例示した、光フィルタ付きの平凸レンズの製造方法の一例を説明するための図である。

図2に例示した、光フィルタ付きの受光デバイスの製造方法の一例を説明するための図である。

図2に例示した、光フィルタ付きの受光デバイスの構造例を示す模式的な側断面図である。

図20の第1変形例を示す模式的な側断面図である。

図20の第2変形例を示す模式的な側断面図である。

以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下に説明する各種の例示的態様は、適宜に組み合わせて実施しても構わない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。

図1は、一実施形態に係る光トランシーバの構成例を示すブロック図である。図1に例示する光トランシーバ1は、「一芯双方向光トランシーバ」、「SFP光トランシーバ」、あるいは、「BOSA」と称されてもよい。

SFP光トランシーバ1は、既述のとおり、MSAと呼ばれる業界標準によって寸法やピン配置等が規定されたSFPの形態を採用した光トランシーバの一例である。SFP光トランシーバ1は、小型、低価格で取り扱いが容易なため、普及しつつある。

図1に示す光トランシーバ1は、例示的に、PONシステムにおける、ONUやOLT(Optical Line Terminal)に用いられてよい。PONシステムには、PON技術とギガビットイーサネット(GE)技術とを融合した「GE−PON」システムと呼ばれるシステムも存在する。なお、「イーサネット」は、登録商標である。

ONUは、例えば、光ファイバ伝送路を用いた加入者網(公衆網であってもよい。)において、加入者宅に設置される光回線終端装置に相当する。OLTは、例えば、通信事業者の局舎に設置される光回線終端装置に相当する。

ONUは、光信号と電気信号の相互変換等を行なう装置であり、例示的に、光ファイバを接続するポート(又はコネクタ)と、コンピュータやLAN(Local Area Network)等のコンピュータネットワークに接続するためのデータ通信ポートと、を備える。データ通信ポートの一例は、イーサネット用の通信ポートや、無線LAN用の通信ポート等である。

ONUには、複数のコンピュータ等を接続できるスイッチングハブ(又は、LANスイッチ)の機能や、インターネット接続機能等を有する、ブロードバンドルータとしての機能を有するONUも存在する。当該ONUでは、スイッチングハブやルータを加入者宅において別途に用意しなくても済む。

図1に示すように、一実施形態の光トランシーバ1は、例示的に、光送信器11、光受信器12、光ファイバコネクタ13、及び、45度入射光フィルタ14を備えてよい。なお、「45度入射光フィルタ14」は、「45度光フィルタ14」と略称してもよい。

光送信器11は、或る波長λ1の光を送信する。波長λ1の光は、第1の光の一例である。光送信器11が送信する光の波長λ1は、「送信波長λ1」と称してよい。

送信波長λ1は、非限定的な一例として、図5及び図6にて後述するように、PONシステムにおける、1Gbps(gigabit per second)級上り伝送用の1.31μm帯や、10Gbps級上り伝送用の1.27μm帯の波長に対応してよい。

なお、PONシステムにおいて、「上り」方向は、ONUからOLTに向かう方向であり、「アップストリーム」と称してもよい。

光送信器11は、例示的に、送信波長λ1の光を出する光源111と、受光デバイス112と、を備えてよい。光源111には、例示的に、半導体レーザダイオード(LD)が適用されてよい。また、受光デバイス112には、例示的に、PDが適用されてよい。「PD」は、フォトダイオード又はフォトディテクタの略称である。

LD111から出力された送信波長λ1の光は、例示的に、45度光フィルタ14を透過して、光ファイバコネクタ13に接続された光ファイバ100へ導入される。光ファイバコネクタ13には、フェルールが用いられてよい。

光ファイバ100は、例示的に、シングルモード光ファイバ(SMF)であってよく、PONシステムにおける光ファイバ伝送路の一部を成してよい。

PD112は、例示的に、LD111が出力する光の一部を受光して、LD111の出力波長が期待する送信波長λ1になっているかをモニタするために用いられてよい。そのため、PD112は、便宜的に、「モニタPD112」と称してよい。ただし、モニタPD112は、光送信器11においてオプションであってもよい。

一方、光受信器12は、送信波長λ1とは異なる波長λ2の光を受信する。波長λ2の光は、第2の光の一例である。波長λ2は、例示的に、λ2>λ1を満たす波長であってよい。ただし、波長λ1及びλ2の大小関係は逆転してもよい。光受信器12が受信する光の波長λ2は、便宜的に、「受信波長λ2」と称してよい。

受信波長λ2の光は、例えば、送信波長λ1の光が伝送される光ファイバ100において送信波長λ2とは逆方向に伝送される。PONシステムにおいて、送信波長λ1が「上り」方向に対応するのであれば、受信波長λ2は、OLTからONUに向かう「下り」方向に対応する。「下り」方向は、「ダウンストリーム」と称されてもよい。

非限定的な一例として、受信波長λ2は、図5及び図6にて後述するように、PONシステムにおける、1Gbps級下り伝送用の1.49μm帯や、10Gbps級下り伝送用の1.75μm帯の波長に対応してよい。

光受信器12は、図1に例示するように、受光デバイス22を備えてよい。受光デバイス22には、例示的に、PDが適用されてよい。

上述した光送信器11及び光受信器12は、いずれも、「CAN」と称される、パッケージ化された光モジュールとして構成されてよい。例えば、CAN構成の光送信器11は、送信用TO−CANと称されることがあり、CAN構成の光受信器12は、受信用TO−CANと称されることがある。「TO」は、「transistor outlined」の略称である。

45度光フィルタ14は、例示的に、一方(第1)の面に対して45度の入射で入射した送信波長λ1の光を、第1の面の反対面である第2の面へ透過し、かつ、第2の面に対して45度の入射角で入射した受信波長λ2の光を反射するフィルタ特性を有する。

したがって、送信波長λ1の光は、45度光フィルタ14を透過して光ファイバ100に出力され、当該光ファイバ100から逆方向に伝搬して出力される受信波長λ2の光は、45度光フィルタ14の反射面で反射されて、光受信器12に向けて出力される。

光受信器12は、送信波長λ1の光が伝搬する方向と交差する方向(例示的に、直交する方向)に配置されているから、45度光フィルタ14は、受信波長λ2の光を送信波長λ1の光が伝搬する方向と交差する方向に導く。

別言すると、45度光フィルタ14は、波長λ1の送信光と波長λ2の受信光とに共用であり、波長λ1の送信光と、波長λ2の受信光と、を空間的に分離できる。したがって、45度光フィルタ14は、波長λ1と波長λ2の光とを空間的に分離する波長分離デバイスの一例である。

45度光フィルタ14で反射されて光受信器12に入射した受信波長λ2の光は、PD22にて受光される。

SFP光トランシーバ1は、図1に例示したように、受信光の伝搬方向の長さよりも送信光の伝搬方向の長さの方が長い形状を有しており、上述のごとく受信光を長さの短い(別言すると、幅の狭い)横方向に導いてPD22で受光する。

なお、45度光フィルタ14は、図2に例示するように、基板140の一方の面に蒸着等によって形成された誘電体多層膜であってよい。基板140は、例示的に、石英ガラスを用いたガラス基板であってよい。

(光受信器12の構成例) 次に、上述した光受信器12の構成例を図2に示す。図2は、光受信器12の側面から内部を透視して示す模式的な側面図である。

図2に示すように、光受信器12は、例示的に、集光デバイス21と、受光デバイス22と、第1の光フィルタ31と、第2の光フィルタ32と、を備えてよい。

光フィルタ31及び32は、光受信器12において、入力光が集光デバイス21を透過して受光デバイス22に向けて伝搬する光路の、空間的に異なる位置に配置されてよい。

集光デバイス21は、入力光を受光デバイス22の受光面に集光する。集光デバイス21の入力光は、例えば45度光フィルタ14で反射した光である。

集光デバイス21には、例示的に、平凸レンズが適用されてよい。平凸レンズ21は、凸レンズ部211が形成された側とは反対側に平面を有する。当該平面は、便宜的に、平凸レンズ21の「裏面」と称してよい。平凸レンズ21の裏面は、集光デバイス21の光入射面に相当する。

なお、図2において、符号212は、凸レンズ部211のスタブ(「フランジ」と称してもよい。)を表す。スタブ212のサイズ(面積)は、不問であり、平凸レンズ21に設けられていなくても構わない。

平凸レンズ21は、凸レンズ部211が光受信器12内の空間の内側に向き、裏面が光受信器12の外側(例えば、45度光フィルタ14)に向くように、光受信器12に設けられてよい。

別言すると、平凸レンズ21の裏面に、45度光フィルタ14で反射した光が入射するように、45度光フィルタ14と平凸レンズ21との相対的な配置関係がアライメントされてよい。

平凸レンズ21の裏面には、図2に例示するように、第1の光フィルタ31が設けられてよい。第1の光フィルタ31は、例示的に、誘電体多層膜であってよい。第1の誘電体多層膜31は、例示的に、平凸レンズ21の裏面に蒸着によって形成されてよい。別言すると、平凸レンズ21は、誘電体多層膜31の基板として共用化されてよい。

受光デバイス22は、例示的に、基板24上に設けられて、第1の光フィルタ31を透過し平凸レンズ21で集光されて出射される光を受光面にて受光する。

なお、基板24上には、受光デバイス22の他に、トランスインピーダンスアンプ(TIA)23等の電気部品や電気回路が適宜に設けられてもよい。TIA23は、受光デバイス22での受光パワーに応じた電流信号を電圧信号に変換する。

受光デバイス22の受光面には、図2に例示するように、第2の光フィルタ32が設けられてよい。第2の光フィルタ32も、第1の光フィルタ31と同様に、誘電体多層膜であってよい。第2の誘電体多層膜32は、例示的に、受光デバイス22の受光面に蒸着によって形成されてよい。別言すると、受光デバイス22は、誘電体多層膜32の基板として共用化されてよい。

上述した第1の光フィルタ31及び第2の光フィルタ32は、いずれもシングルサイドバンド(SSB)フィルタであってよい。SSBフィルタは、短波長側及び長波長側の一方の側に限って光を透過又は遮断するフィルタ特性を有する。そのため、SSBフィルタは、「エッジパスフィルタ」又は「エッジカットフィルタ」と称されてもよい。なお、「遮断」は、「減衰」、「抑圧」又は「反射」と言い換えてもよい。

SSBフィルタの一例は、ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタである。ロングパス光フィルタは、例示的に、カットオン波長よりも長波長の光を透過するフィルタ特性を有する。

ロングパス光フィルタは、カットオン波長以下の短波長の光は遮断するから、「ショート(短波長)カット光フィルタ」と称されてもよい。なお、「カットオン波長」は、短波長から長波長に波長を変化させた場合に光フィルタを光が透過し始める波長に相当すると捉えてよい。

図3(A)に、ロングパス光フィルタの透過特性の一例を示す。図3(A)に例示するように、ロングパス光フィルタは、波長λ1と波長λ2との間にカットオン波長λcut-onを有し、カットオン波長λcut-onよりも長い波長λ2及びλ3の光は透過し短い波長λ1の光は反射して遮断するフィルタ特性を有してよい。なお、図3(A)において、λ3>λ2である。

波長λ1及びλ2は、それぞれ、既述のとおり、光トランシーバ1の送信波長λ1及び受信波長λ2に対応してよい。波長λ3の光は、後述するようにビデオ信号の伝送(別言すると、映像配信)に用いられることがある。

一方、ショーパス光フィルタは、例示的に、カットオフ波長よりも短波長の光を透過するフィルタ特性を有する。

ショートパス光フィルタは、カットオフ波長以上の長波長の光は遮断するから、「ロング(長波長)カット光フィルタ」と称されてもよい。なお、「カットオフ波長」は、短波長から長波長に波長を変化させた場合に光フィルタを光が透過しなくなる波長に相当すると捉えてよい。

図3(B)に、ショートパス光フィルタの透過特性の一例を示す。図3(B)に例示するように、ショートパス光フィルタは、波長λ2よりも長波長側、例示的に、波長λ2と波長λ3との間に、カットオフ波長λcut-offを有してよい。

別言すると、ショートパス光フィルタは、カットオフ波長λcut-offよりも短い波長λ1及びλ2の光は透過し、長い波長λ3の光は反射して遮断するフィルタ特性を有してよい。

図3(A)に例示したロングパス光フィルタのフィルタ特性と、図3(B)に例示したショートパス光フィルタのフィルタ特性と、を組み合わせると、図4に例示するようなバンドパス光フィルタに相当するフィルタ特性が得られる。なお、バンドパス光フィルタに相当するフィルタ特性を、便宜的に、「BPF特性」と略称することがある。

BPF特性は、光トランシーバ1で受信したい波長λ2の光を選択的に光受信器12に受光させるために用いられる。BPF特性によって、受信したい波長λ2以外の波長の迷光成分を遮断又は抑圧することで、光受信器12の受信特性(「受信品質」と称してもよい。)を向上することができる。受信品質の指標の一例は、OSNR(Optical Signal-to-Noise Ratio)やビットエラーレート(BER)等である。

図4に例示するBPF特性は、受信波長λ2の光は透過し、受信波長λ2よりも短波長側の送信波長λ1、及び、受信波長λ2よりも長波長側の波長λ3の光は反射して遮断するフィルタ特性である。

なお、図4に例示するように、BPF特性におけるパスバンドは、光受信器12の受信波長レンジ(別言すると、受信帯域)に相当する。光受信器12の受信波長レンジに応じてBPF特性のパスバンドが設定されてよい。

例えば、光受信器12の受信波長レンジに、受信波長λ2が含まれ、波長λ1及びλ3は含まれないように、BPF特性におけるパスバンドと波長λ1〜λ3との相対的な波長配置関係が設定されてよい。

図2に例示した各光フィルタ31及び32のうちの一方に、ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタの一方を適用し、各光フィルタ31及び32の他方に、ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタの他方を適用してよい。

例えば、図2に例示した構成において、平凸レンズ21に設ける第1の光フィルタ31をロングパス光フィルタとし、受光デバイス22に設ける第2の光フィルタ32をショートパス光フィルタとしてよい。

あるいは、逆に、平凸レンズ21に設ける第1の光フィルタ31をショートパス光フィルタとし、受光デバイス22に設ける第2の光フィルタ32をロングパス光フィルタとしてもよい。

次に、上述した波長λ1〜λ3とPONシステムにおける波長配置例との関係について図5を参照して説明する。なお、図5は、PONシステムにおける波長配置の一例を示す図である。

図5に例示するように、1Gbps級の上り伝送には、1.31μm帯(例示的に、1260nm〜1360nm)の波長を利用でき、1Gbps級の下り伝送には、1.49μm帯(例示的に、1480nm〜1500nm)の波長を利用できる。

また、10Gbps級の上り伝送には、1.27μm帯(例示的に、1260nm〜1280nm)の波長を利用でき、10Gbps級の下り伝送には、1.57μm帯(例示的に、1575nm〜1580nm)の波長を利用できる。更に、ビデオ信号光が伝送される映像配信には、1.55μm帯(例示的に、1550nm〜1560nm)の波長を利用できる。

図5の波長配置例によれば、1Gbps級や10Gbps級の光伝送をサポートするPONシステムにおいて、映像配信サービスを共存させることができる。

ここで、図5の波長配置例において、既述の受信波長λ2を1Gbps級下り伝送用の1.49μm帯の波長に設定すると、図3及び図4に例示した波長λ1は、1Gbps級上り伝送用の1.31μm帯の波長に対応付けることができる。あるいは、波長λ1は、10Gbps級上り伝送用の1.27μm帯の波長に対応付けられてもよい。

したがって、図3及び図4に例示したフィルタ特性によれば、送受信で光ファイバ100をシェアする光トランシーバ1において、下り伝送光の受信波長λ2よりも短波長側の1.31μm帯や1.27μm帯の上り伝送光の迷光成分を遮断又は抑圧できる。なお、迷光成分は、受信波長λ2に対するノイズ光成分の一例である。

一方、図3及び図4に例示した波長λ3は、図5において、映像配信用の1.55μ帯の波長や、10Gbps級下り伝送用の1.57μm帯の波長に対応付けることができる。

したがって、図3及び図4に例示したフィルタ特性によれば、光トランシーバ1において、下り伝送光の受信波長λ2よりも長波長側の1.55μm帯や1.57μm帯の伝送光の迷光成分を遮断又は抑圧できる。

別の例として、光トランシーバ1における受信波長λ2は、図5の波長配置例において、図6に例示するように、10Gbps級下り伝送用の1.57μm帯の波長に設定されてもよい。

この場合、図3及び図4に例示したフィルタ特性において、波長λ1は、映像配信用(1.55μm帯)、1Gbps級上り伝送用(1.31μm帯)、及び、10Gbps級上り伝送用(1.27μm帯)のいずれかの波長に対応付けることができる。

したがって、図6の例では、光トランシーバ1において、受信波長λ2(1.57μm帯)よりも短波長側に位置する、映像配信用、1Gbps級下り伝送用、1Gbps級上り伝送用、及び、10級Gbps上り伝送用の各波長の迷光成分を遮断又は抑圧できる。

なお、図6の波長配置例では、図3及び図4に例示した波長λ3に対応付ける波長が存在しない。仮に、10Gbps級上り伝送用の1.57μm帯よりも長波長側の波長を利用する光伝送が存在すれば、当該波長に波長λ3を対応付けることができる。

ところで、図4に例示したBPF特性は、波長λ2を中心に、短波長側と長波長側とで同等の遮断量にて入力光を遮断する対称性を有する。なお、「遮断量」は、「減衰量」又は「反射量」と言い換えてもよい。

しかし、図3(A)及び図3(B)にそれぞれ例示した各光フィルタ31及び32のフィルタ特性の組み合わせで実現されるBPF特性は、波長λ2を中心に、短波長側と長波長側とで減衰量が異なる非対称な特性でもよい。

図7に、光フィルタ31及び32の組み合わせで実現される非対称なBPF特性の一例を示す。図7には、非限定的な一例として、ショートパス光フィルタ32よりもロングパス光フィルタ31の方が、遮断帯域における遮断量(最大値でも平均値でもよい。以下、同様。)が大きい例を示している。異なる遮断量の差分は、例示的に、3dB以上であってよい。

なお、「遮断帯域」は、図7の例において、透過量[dB]が0未満の波長帯域に相当すると捉えてよい。「遮断帯域」は、「減衰帯域」又は「反射帯域」と言い換えてもよい。

この場合、受信波長λ2の長波長側に位置する波長λ3の光よりも、受信波長λ2の短波長側に位置する波長λ1の光の方が、大きく減衰されることになる。したがって、図7に例示する非対称のBPF特性は、波長λ3の光よりも波長λ1の光を大きく減衰させたい場合に有用である。

例えば図6に示したように、光トランシーバ1の受信波長λ2が10Gbps級下り伝送用の1.57μm帯の波長に設定されたと仮定する。この場合、波長λ2の短波長側に近接する映像配信用の1.55μm帯の波長λ1の光を、波長λ2の長波長側に位置する波長λ3の光よりも大きく減衰させることができる。

したがって、映像配信のビデオ信号光の迷光成分が波長λ2の受信光の干渉となって受信ターゲット波長である波長λ2の光の受信品質が低下することを効果的に抑制あるいは回避することができる。

PONシステムにおいて、ビデオ信号光の伝送パワーは他の信号光の伝送パワーに比べて大きい場合がある。この場合、受信波長λ2の光に、波長λ1のビデオ信号光の迷光成分が混入し易いといえる。したがって、ビデオ信号光の迷光成分を効果的に抑圧できることは、光受信器12の受信特性の向上に大きく寄与する。

なお、図5に例示したように、光トランシーバ1の受信波長λ2が1.49μm帯の波長に設定されたと仮定すると、映像配信用の1.55μm帯の波長は、受信波長λ2よりも長波長側の波長λ3に相当する。

また、受信波長λ2よりも短波長側には、波長λ1に相当し得る、1Gbps級上り伝送用の1.31μm帯の波長や10Gpbs級上り伝送用の1.27μm帯の波長が位置する。

この場合、1.49μm帯の受信波長λ2に対して、1Gbps級上り伝送用の1.31μm帯の波長や10Gpbs級上り伝送用の1.27μm帯の波長よりも、映像配信用の1.55μm帯の波長の方が近接している。

そのため、1Gbpsや10Gpbsの上り伝送用の波長λ1の迷光成分よりも、映像配信用の1.55μm帯の波長λ3の迷光成分の方が、受信波長λ2の光に干渉し易く波長λ2の受信品質に影響し易いとえる。

したがって、受信波長λ2が1Gbps級下り伝送用の1.49μm帯の波長に設定された場合には、図7の例とは逆に、ロングパス光フィルタ31よりもショートパス光フィルタ32の方が、減衰帯域の減衰量が大きくなるように設定されてよい(図8参照)。

図7及び図8のいずれの例についても、平凸レンズ21及び受光デバイス22の一方に、遮断帯域の遮断量が異なる光フィルタ31及び32の一方が設けられ、平凸レンズ21及び受光デバイス22の他方に、光フィルタ31及び32の他方が設けられればよい。

ただし、光フィルタ31及び32のうち、平凸レンズ21には、遮断帯域における遮断量が大きい一方を設け、受光デバイス22の受光面には、遮断帯域における遮断量が小さい他方を設けた方が好ましい場合がある。

例えば、平凸レンズ21と受光デバイス22とを比較すると、平凸レンズ21には石英ガラスを用いることができ、受光デバイス22には半導体材料が用いられるため、受光デバイス22よりも平凸レンズ21の方が、入力光に対する透明性を担保し易いと云える。

また、平凸レンズ21の裏面は、研磨等によって面精度を担保し易いため、例えば半導体材料が用いられる受光デバイス22の受光面に比べて、光フィルタ31又は32に用いられる誘電体多層膜との密着性を向上し易いと云える。

誘電体多層膜に対する面精度及び密着性が向上すると、入力光の境界面で発生し得る残留反射量を効果的に抑制することができるから、誘電体多層膜による光損失量を低減できる。

また、誘電体多層膜と、当該誘電体多層膜が設けられる材料と、の熱膨張係数の差分が大きいほど、温度変化によって誘電体多層膜が変形し易く、誘電体多層膜での光の位相変化量が大きくなり易い。

そのため、熱膨張係数の差分が大きいほど、温度変化によって誘電体多層膜のフィルタ特性に、期待される特性からのズレが生じ易くなり、期待するフィルタ特性が得られにくくなる。

この点、平凸レンズ21の材料である石英ガラスと、受光デバイス22の材料である半導体と、の熱膨張係数を比較すると、石英ガラスの熱膨張係数が10−6オーダ程度であるのに対し、半導体の熱膨張係数は10−5オーダ程度であり、オーダが1桁異なる。

そのため、平凸レンズ21に設けた誘電体多層膜31と、受光デバイス22に設けた誘電体多層膜32と、では、前者の方が後者よりも熱膨張係数の差分を小さくすることができる。

したがって、平凸レンズ21に設けた誘電体多層膜31の方が、受光素子22に設けた誘電体多層膜32よりも、期待するフィルタ特性を担保し易いと云える。

以上のような、透明性、面精度、及び、熱膨張係数の観点から、光フィルタ31及び32のうち、遮断帯域における遮断量が大きい一方を平凸レンズ21に設け、遮断量が小さい他方を受光デバイス22に設けることで、期待するBPF特性を実現し易い。

別言すると、受信波長λ2の短波長側及び長波長側にそれぞれ期待される遮断量に応じて、ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタの遮断帯域における遮断量と光受信器12に対する適用位置とを使い分ける。これにより、要求に応じたBPF特性が実現し易くなり、光受信器12の受信特性向上が容易になる。

なお、受信波長λ2に対して短波長側及び長波長側の遮断帯域においてシステム仕様等によって期待される遮断量が異ならない場合であっても、ブルーシフトと呼ばれる現象によって、短波長側の遮断帯域に長波長側よりも大きな遮断量が見込まれることがある。

「ブルーシフト」とは、誘電体多層膜に対して、光が法線方向(別言すると、入射角0度)からずれて斜めに入射すると、誘電体多層膜内を伝搬する光の光路長が長くなるために、透過特性が短波長側にシフトする現象である。

例えば、光フィルタ31及び32の光受信器12に対する取り付け角度のずれが生じると、誘電体多層膜に対する光の入射角度にずれが生じてブルーシフトが生じ得る。そのため、受信波長λ2に対して短波長側の遮断帯域には、より大きな遮断量が必要になることが見込まれる。

そこで、例えば、より大きな遮断量を担保し易い平凸レンズ21に、ロングパス(ショートカット)光フィルタ31を設け、受光デバイス22に、ショートパス光フィルタ32を設けることとしてよい。

別言すると、平凸レンズ21にロングパス光フィルタ31を設け、受光デバイス22にショートパス光フィルタ32を設ければ、誘電体多層膜に対する光の入射角度にずれが生じることを或る程度許容できる。したがって、光フィルタ31及び32の光受信器12に対する取り付け精度を緩和することができる。

次に、図9(A)〜図9(D)を参照して、誘電体多層膜を用いた光フィルタのフィルタ特性と厚みとの関係について説明する。

図9(A)は、或るBPF特性を得るために基板上に形成された誘電体多層膜の膜厚がDAであることを例示している。図9(B)は、図3(B)又は図8に例示したショートパス光フィルタのフィルタ特性を得るために基板上に形成された誘電体多層膜の膜厚がDB1であることを例示している。

図9(C)は、図7に例示したショートパス光フィルタのフィルタ特性を得るために基板上に形成された誘電体多層膜の膜厚がDB2であることを例示している。図9(D)は、図3(A)又は図7に例示したロングパス光フィルタのフィルタ特性を得るために基板上に形成された誘電体多層膜の膜厚がDCであることを例示している。

なお、図9(A)〜図9(D)に例示した「基板」は、いずれも、入射光に対して透明な材料の基板であり、例示的に、石英を用いたガラス基板であってよい。また、図9(B)に例示したショートパス光フィルタと、図9(D)に例示したロングパス光フィルタと、の組み合わせによって、図9(A)に例示したバンドパス光フィルタのフィルタ特性が得られると仮定する。

ここで、一般に、バンドパス光フィルタは、ショートパス光フィルタやロングパス光フィルタに比べて、複雑なフィルタ特性であるため、積層する膜数が多くなる傾向にある。

加えて、バンドパス光フィルタは、パスバンドが狭帯域であるほど、また、遮断帯域における遮断量が大きいほど、誘電体多層膜において積層する膜数も増える傾向にある。

そのため、バンドパス光フィルタは、ショートパス光フィルタやロングパス光フィルタに比べて、例えばトータルで3倍以上の厚さになり易い。その結果、歩留まりが低下したり、コストが高くなり易い。

したがって、或るBPF特性を、個別的に誘電体多層膜を形成したショートパス光フィルタ及びロングパス光フィルタの組み合わせで実現すれば、1つの誘電体多層膜でBPF特性を実現するよりも、トータルの厚みを小さくできる。

また、ショートパス光フィルタ及びロングパス光フィルタは、バンドパス光フィルタに比べて透過特性が単純であるため、製造も容易である。よって、歩留まりの低下を回避又は抑制でき、また、低コスト化を図ることができる。

例えば図9(B)及び図9(D)に例示したフィルタ特性の組み合わせで、図4に例示したような受信波長λ2に対して対称なBPF特性を実現すれば、DA>(DB1+DC)となる。したがって、1つの誘電体多層膜で同じBPF特性を実現するよりも、トータルの厚みを小さくできる。

また、図9(B)及び図9(C)に例示するように、同じショートパス光フィルタであっても、遮断帯域に求められる遮断量が小さいほど、誘電体多層膜の膜数も少なくて済む。図9(B)及び図9(C)の例では、DB1>DB2である。なお、ロングパス光フィルタについても、遮断帯域に求められる遮断量が小さいほど、誘電体多層膜の膜数は少なくて済む。

したがって、例えば図9(C)及び図9(D)に例示したフィルタ特性の組み合わせで、図7に例示したような受信波長λ2に対して非対称のBPF特性を実現すれば、DA>(DB2+DC)であり、かつ、(DB2+DC)<(DB1+DC)である。

よって、上記の対称なBPF特性を実現する場合に比して、更にトータルの厚みを小さくできる。図8に例示した非対称のBPF特性を実現する場合についても同様である。

なお、バンドパス光フィルタは、原理的に、透過特性が短波長側及び長波長側で対象性を有するため、短波長側と長波長側とで遮断量が異なるフィルタ特性を、1つのバンドパス光フィルタで実現することは現実的でない。

別言すると、1つのバンドパス光フィルタでは、求められる遮断量が大きい方に合わせた設計、製造にならざるを得ない。そのため、誘電体多層膜の膜厚が過剰になり、歩留まりが低下したり、コストが高くなったりし易い。

したがって、上述したように、ハイパス光フィルタとショートパス光フィルタとに分けて、それぞれの遮断帯域において期待分の遮断量に応じた厚みの誘電体多層膜を形成することで、過剰な膜厚による歩留まりの劣化や高コスト化を回避又は抑制できる。

なお、ショーパス光フィルタ用とロングパス光フィルタ用とで個別的に基板上に形成した誘電体多層膜を、図10(A)に例示するように接着剤で接着しても、期待するBPF特性は得られない。

また、図10(B)に例示するように、基板上に、ショーパス光フィルタ用の誘電体多層膜と、ロングパス光フィルタ用の誘電体多層膜と、を、接着剤は用いずに、例えば蒸着によって積層しても、期待するBPF特性は得られない。

図10(A)及び図10(B)のいずれのケースについても、誘電体多層膜と接着剤との境界面や、ショートパス光フィルタ用とロングパス光フィルタ用との各誘電体多層膜の境界面で、新たな光干渉が生じるためである。

誘電体多層膜を用いた光フィルタは、誘電体多層膜における光干渉を利用して、そのフィルタ特性を実現するため、新たな光干渉が生じればフィルタ特性も変わる。

したがって、ショートパス光フィルタ用の誘電体多層膜とロングパス光フィルタ用の誘電体多層膜とで個別に期待するフィルタ特性が実現できていたとしても、両者を接着剤や蒸着によって積層すると、個々のフィルタ特性を維持することができなくなる。よって、期待するBPF特性は得られない。

期待するBPF特性が得られなければ、光トランシーバ1における光受信器12の受信特性も、期待する特性を満たせなくなる。

なお、図10(A)に例示した接着剤を用いるケースでは、接着剤が有する熱膨張率や屈折率との関係でも、ショートパス光フィルタ用とロングパス光フィルタ用とで個別に実現できていたフィルタ特性が変化し得る。また、接着剤を用いると、光部品としての強度面の信頼性も低下し得る。

(平凸レンズの形状) 次に、図11及び図12を参照して、平凸レンズ21の形状の一例について説明する。図11(A)は、平凸レンズ21の凸レンズ部211が球面形状であることを模式的に例示する側面図である。図11(B)は、図11(A)に例示した平凸レンズ21による集光経路を模式的に例示する側面図である。

一方、図12(A)は、平凸レンズ21の凸レンズ部211が非球面形状であることを模式的に例示する側面図である。図12(B)は、図12(A)に例示した平凸レンズ21による集光経路を模式的に例示する側面図である。なお、「非球面」形状とは、例示的に、球面でも平面でもない曲面を有する形状である。

平凸レンズ21には、図11(A)に例示するような、凸レンズ部211の形状が球面形状の平凸レンズを適用してもよいし、図11(B)に例示するような、凸レンズ部211の形状が非球面形状の平凸レンズを適用してもよい。

ただし、平凸レンズ21は、ボールレンズに比して屈折効果(「屈折力」と称してもよい。)が小さい(例示的に、1/2程度)。そのため、図11(A)に例示するような単純な球面形状では、図11(B)に例示するように、同一焦点距離のボールレンズと比較してレンズ収差が大きく、焦点位置が期待する受光面からズレ易い。

これに対し、図12(A)に例示するように、平凸レンズ21に、凸レンズ部211を非球面化した平凸レンズを適用すれば、レンズ収差を抑えて、焦点位置を期待する受光面にアライメントし易くなる。したがって、光受信器12の受信特性を向上させることができる。

なお、非球面形状の平凸レンズ21は、例示的に、「ガラスモールド」によって作製できる。例えば、非球面形状の鋳型に、プリフォームと呼ばれるガラス材料を注入して加熱し、ガラス材料を軟化させた上でプレスすることで、非球面形状の平凸レンズ21を作製することができる。「ガラスモールド」によれば、ガラス材料を研磨するよりも容易に非球面形状の平凸レンズ21を作製できる。

非球面形状の凸レンズ部211は、非限定的な一例として、図12(A)中に模式的に例示するように、凸レンズ部の中央部よりも周辺部の曲率が大きい形状としてよい。凸レンズ部211の中心部及び周辺部の曲率は、例示的に、以下に例示するようなパラメータのいずれか1つ以上を基に決定されてよい。

(a)凸レンズ部211のスタブ212の端部(スタブエンド)から凸レンズ部211までの距離 (b)凸レンズ部211から受光デバイス22までの距離 (c)受光デバイス22の受光面の面積

上述した光受信器12の構成によれば、図13に例示するように、光送信器11の送信光の光軸(別言すると、光ファイバコネクタ13及び光ファイバ21の光軸中心)と、光受信器12の受光面とは反対側の端面と、の間の距離Dを狭小化することができる。距離Dを狭小化できると、光トランシーバ1の幅方向のサイズダウンを図ることができる。

距離Dを狭小化できる理由について、図14に示す比較例を参照して説明する。図14は、上述した実施形態に対する比較例としての光トランシーバの受信系に着目した構成例を示す図である。

図14に例示する受信系には、45度光フィルタ14で反射した光の光路上に、0度光フィルタ311と、ボールレンズ3121を有する光受信器312と、が空間的に分離されて配置されている。

0度光フィルタ311は、ガラス基板310上に形成された誘電体多層膜である。誘電体多層膜311は、例示的に、図9(A)に例示した構造及びBPF特性を有する。

したがって、0度光フィルタ311は、45度光フィルタ14から入射する光のうち、受信波長λ2の光は透過し、受信波長λ2以外の波長(例えば、λ1及びλ3)は反射して遮断する。

0度光フィルタ311を透過した受信波長λ2の光は、光受信器312のボールレンズ3121に入射し、ボールレンズ3121によってPD3122の受光面に集光される。なお、PD3122は、基板3124上に設けられており、基板3124には、TIA3123が設けられてもよい。

ここで、図13に例示した距離Dは、図14においては、例えば、以下の距離(又は長さ)d1〜d5に依存して決まる。 d1:45度光フィルタ14と0度光フィルタ311との間の距離 d2:0度光フィルタ311及び基板310のトータルの厚み d3:0度光フィルタ311の基板310とボールレンズ3121との間の距離 d4:ボールレンズ3121の直径 d5:ボールレンズ3121とPD3122との間の距離

距離d1を狭くし過ぎて45度光フィルタ14と0度光フィルタ311とが互いに接触してしまうと、応力歪みによって、光フィルタ14及び311の一方又は双方に経年劣化が生じ易くなる。例えば、光フィルタ14及び311の一方又は双方に、クラックやヒビが入る可能性があり、フィルタ特性や信頼性が低下し得る。

BPF特性を有する0度光フィルタ311は、図9(A)〜図9(D)にて既述のとおり、誘電体多層膜の積層数が多くなり易いため、距離d2を狭小化するには限界がある。また、誘電体多層膜の積層数が多くなると、特性や製造の歩留まりが低下し易い。

仮に、図15に例示するように、ショートパス光フィルタとロングパス光フィルタとの個別部品の組み合わせで、0度光フィルタ311と同等のBPF特性を実現しても、空間的に離間して配置する部品点数が増えるだけである。そのため、距離d2の狭小化にはならない。

距離d2の狭小化に限界があるから、距離d3の狭小化にも限界がある。距離d3を狭くし過ぎて0度光フィルタ311の基板310とボールレンズ3121とが互いに接触してしまうと、応力歪みによって、互いの一方又は双方に経年劣化が生じ易くなる。

例えば、0度光フィルタ311(及び/又は基板310)とボールレンズ3121との一方又は双方に、クラックやヒビが入る可能性があり、フィルタ特性や信頼性が低下し得る。

距離d4及びd5は、ボールレンズ3121から出力される光の焦点をPD3122の受光面に合わせるため、ボールレンズ3121の焦点距離に依存し、狭小化するにも限界がある。

以上のように、図14の比較例では、距離d1〜d5のそれぞれについて、狭小化に限界があるため、距離Dの狭小化にも限界があり、また、多数の箇所で厳密な光学的アライメントが必要になる。そのため、SFP光トランシーバの幅方向の小型化が難しくなり、また、製造歩留まりが低下して高コスト化し易い。

なお、図14の比較例の変形例として、図16や図17に例示する構成も想定される。図16は、光受信器312の内部において、0度光フィルタ311に相当する、誘電体多層膜のバンドパス光フィルタを、ボールレンズ3121とPD3122との間に設けた例である。

図16の例では、ボールレンズ3121とPD3122との間の空間に、0度光フィルタ311を支持、固定するために、1つ以上の固定部材3125が基板3124上に設けられる。

この場合、光受信器312の内部において、固定部材3125と誘電体多層膜311とを組み立てるために、組立て冶具を光受信器312の内部に挿入するスペースが必要になり、また、組立て公差も生じる。このような内部部品間の組立公差及び組立治具の挿入スペース等を加味すると、図16の構成例では、図14の距離d5を狭小化するのは難しい。

代替的に、図17に例示するように、ボールレンズ3121の光が入射する半球面に、バンドパス光フィルタである0度光フィルタ311に相当する誘電体多層膜を、例えば蒸着によって形成することで、固定部材3125を不要にすることも想定される。

しかし、図17中に矢印A及びBで示すように、誘電体多層膜311に対する光の入射位置が異なると、誘電体多層膜311において光が伝搬する膜厚が異なることになる。そのため、期待するBPF特性(別言すると、設計どおりのBPF特性)は得られない。したがって、光受信器312としての受信特性も期待する特性にはならない。例えば、光損失やクロストーク等が許容されるレンジに収まらない。

図14〜図17に例示した比較例に対し、図2に例示した実施形態の構成によれば、45度光フィルタ14と光受信器12との間に、0度光フィルタ311(及び基板310)を設けなくてよいから、例えば図14の距離d2及びd3を省くことができる。

別言すると、光受信器12の内部及び外部に、誘電体多層膜の厚みが厚くなり易いバンドパス光フィルタ311を設けなくてよいから、光受信器12の小型化を図ることができ、また、光トランシーバ1の幅方向の小型化を図ることができる。

更に、バンドパス光フィルタ311が不要であるため、光トランシーバ1内の空間において光学的なアライメント箇所を削減できる。したがって、光トランシーバ1の製造歩留まりを向上でき、ひいては、光トランシーバ1の低コスト化を図ることができる。

バンドパス光フィルタ311のフィルタ特性は、図2の構成例では、平凸レンズ21の裏面に設けられた第1の光フィルタ31と、受光デバイス22の受光面に設けられた第2の光フィルタ32と、の組み合わせで実現される。

既述のとおり、第1の光フィルタ31は、ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタの一方であり、第2の光フィルタ32は、ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタの他方である。

ロングパス光フィルタ及びショートパス光フィルタは、いずれもSSBフィルタの一例であり、バンドパス光フィルタに比して、誘電体多層膜の積層数が少なくて済み、製造も容易である。

したがって、光受信器12に対して2つの光フィルタ31及び32を設けることによる光受信器12のサイズアップは最小限に抑えることができる。また、光フィルタ31及び32の特性や製造の歩留まりを向上できるから、光受信器12の受信特性や歩留まりを向上することもできる。

また、受光デバイス22の受光面に、ロングパス光フィルタとショートパス光フィルタとのうち、遮断帯域における遮断量が小さい方を設けることで、期待するBPF特性を担保し易いから、光受信器12の受信特性としても期待する特性を担保し易い。

加えて、光受信器12には、ボールレンズ3121ではなく平凸レンズ21が設けられ、当該平凸レンズ21の裏面に、平凸レンズ21を基板として誘電体多層膜である第1の光フィルタ31が設けられているから、例えば図14の距離d4を狭小化できる。

よって、45度光フィルタ14と光受信器12との間の距離を最大限に狭小化し易い。また、光トランシーバ1内の幅方向の空間において、45度光フィルタ14に対する光受信器12の光学的なアライメントも容易になる。

以上より、図13の距離Dを最大限に狭小化することができ、光トランシーバ1の幅方向の小型化を図ることができ、また、製造歩留まりも向上できる。よって、光トランシーバ1の低コスト化を図ることができる。

なお、光トランシーバ1の幅方向のサイズを変えない場合や最大限に狭小化しない場合には、光トランシーバ1内の幅方向の空間に、距離Dの狭小化に応じた幅の空きスペースを光トランシーバ1の長さ方向に設けることができる。

当該空きスペースには、追加部品を設けてよい。追加部品の非限定的な一例は、発光ダイオード(LED)用のライトパイプである。LEDは、例示的に、光トランシーバ1の動作状況を外部から視認できるように、光トランシーバ1の筐体側面に設けられることがある。筐体側面に設けられたLEDのためのライトパイプが、距離Dの狭小化に応じて生じた空きスペースに設けられてよい。

(光フィルタ付き平凸レンズの製造方法) 図2に示した構成例において、光フィルタ31としての誘電体多層膜は、個別部品である個々の平凸レンズ21の裏面に蒸着等によって形成されてもよいが、例えば量産性の観点から、平凸レンズアレイの裏面に誘電体多層膜を蒸着等によって一括形成するとよい。

図18に、光フィルタ31付きの平凸レンズ21の製造法の一例を示す。なお、図18の上段に示す(1a)〜(1d)は、平凸レンズ21の製造工程を示す模式的な平面図であり、図18の下段に示す(2a)〜(2d)は、それぞれ、図18の(1a)〜(1d)に対応する模式的な側面図である。

図18の(1a)及び(1b)に例示するように、まず、複数の凸レンズ部211をアレイ状に有する平凸レンズアレイ210を成型する。平凸レンズアレイ210の成型には、例示的に、ガラスモールドが適用されてよい。

例えば、複数の凸レンズ部211に対応する凹部をアレイ状に有する鋳型に、プリフォーム(ガラス材料)を注入して加熱し、ガラス材料を軟化させた上でプレスすることで、複数の凸レンズ部211を有する平凸レンズアレイ210を作製することができる。

次いで、図18の(1b)及び(2b)に例示するように、平凸レンズアレイ210の凸レンズ部211が形成された側とは反対側である裏面全体に、光フィルタ31としての誘電体多層膜を、蒸着等によって一括形成する。

なお、誘電体多層膜31の形成前に、平凸レンズアレイ210は、その裏面全体が例えば研磨されてよい。研磨によって、平凸レンズアレイ210の裏面の面精度を向上できる。

誘電体多層膜31の材料の非限定的な一例としては、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、五酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、及び、五酸化ニオブ(Nb2O5)等が挙げられる。

これらの材料は、例えば屈折率に応じて以下のように分類できる。 低屈折率(1.5程度):SiO2 中屈折率(1.76程度):Al2O3 高屈折率(2.2程度):Ta2O5,TiO2,ZrO2,Nb2O5

以上のように屈折率が異なる材料の誘電体膜を、求められるフィルタ特性に応じて、交互に例えば蒸着によって積層することで、誘電体多層膜を形成することができる。誘電体膜の蒸着には、例示的に、イオンアシスト蒸着(ion assisted deposition, IAD)や、イオンビームスパッタ(ion beam sputtering, IBS)成膜、真空蒸着、デジタルスパッタ(digital sputtering, DS)成膜等の成膜技術が適用されてよい。真空蒸着には、電子ビーム(EB)法や抵抗加熱法等による成膜工程が含まれてよい。

なお、誘電体多層膜31のトータルの膜厚(d)を、光路長(屈折率n×膜厚d)が入λ/4(λは、入力光の波長)になるように調整すると、各層で反射した光は位相が揃って強め合い、各層で多重反射して透過方向に進む光は打ち消し合う。したがって、反射率を最小化することができる。

誘電体多層膜31を平凸レンズアレイ210の裏面に形成した後、図18の(1c)及び(1d)並びに(2c)及び(2d)に例示するように、基板分割技術を用いて、平凸レンズアレイ210から個々の平凸レンズ21を切り出す。基板分割技術の非限定的な一例としては、ルーター分割やダイシング分割、プレス分割等が挙げられる。

以上のように、平凸レンズアレイ210の裏面に誘電体多層膜31を形成した上で、個々の平凸レンズ21を平凸レンズアレイ210から切り出すことで、光フィルタ31付きの平凸レンズ21を量産できる。したがって、光フィルタ31付き平凸レンズ21の低コスト化を図ることができる。

(光フィルタ付き受光デバイスの製造方法) 図2に示した構成例において、光フィルタ32としての誘電体多層膜は、個別部品である個々の受光デバイス22の受光面に形成されてもよいが、例えば量産性の観点から、受光半導体ウェハの裏面に誘電体多層膜を蒸着等によって一括形成するとよい。

図19に、光フィルタ32付きの受光デバイス22の製造法の一例を示す。なお、図19の上段に示す(1a)〜(1d)は、受光デバイス22の製造工程を示す模式的な平面図であり、図19の下段に示す(2a)〜(2d)は、それぞれ、図19の(1a)〜(1d)に対応する模式的な側面図である。

図19の(1a)及び(1b)並びに(2a)及び(2b)に例示するように、化合物半導体材料である受光半導体ウェハ220の受光面側の全体に、光フィルタ32としての誘電体多層膜を例えば蒸着によって一括形成する。

その後、図19の(1c)及び(1d)並びに(2c)及び(2d)に例示するように、既述の基板分割技術を用いて、受光半導体ウェハ220から個々の受光デバイス22を切り出す。

以上のように、受光半導体ウェハ220の受光面側に誘電体多層膜32を形成した上で、個々の受光デバイス22を受光半導体ウェハ220から切り出すことで、光フィルタ32付きの受光デバイス22を量産できる。したがって、光フィルタ32付き受光デバイス22の低コスト化を図ることができる。

なお、図20に、光フィルタ32付き受光デバイス22の構造例を模式的な側断面図にて示す。

図20に示すように、受光デバイス22は、例示的に、p型半導体層221と、n型半導体層222と、p型半導体層223と、が積層された、いわゆるp−n−p接合の積層構造を有する化合物半導体デバイスであってよい。ただし、p−n−p接合に限らず、受光デバイス22は、例えばn−p−n接合等の他の積層構造を有していてもよい。

図20に例示するように、光フィルタ32としての誘電体多層膜は、受光デバイス22の受光面に相当する、最上層のp型半導体層221の表面に形成されてよい。なお、図20に例示するような化合物半導体の積層構造を、図19にて既述の受光半導体ウェハ220が有していると捉えてもよい。別言すれば、図20に例示した、光フィルタ32付きの受光デバイス22の製造には、図19に例示した製造方法を適用できる。

(光フィルタ付き受光デバイスの第1変形例) 図20に例示した受光デバイス22は、誘電体多層膜32が受光デバイス22の受光面に対して個別的に形成された例である。しかし、誘電体多層膜32は、図21に例示するように、化合物半導体デバイスの積層構造の一部である半導体層221に一体的に形成されてもよい。

一体的な誘電体多層膜32の形成には、例示的に、VCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)に用いられるDBR(Distributed Bragg Reflector)反射の技術が利用されてよい。

例えば、屈折率の異なる化合物半導体材料を、半導体層221の上に交互に結晶成長させて積層することで、誘電体多層膜32と等価な光フィルタ機能部が形成されてよい。化合物半導体層の材料には、受光デバイス22としての光損失を低減できるように、できるだけ光吸収率の低い半導体材料が適用されてよい。

光吸収率が許容範囲内であり屈折率の異なる化合物半導体層の材料の非限定的な一例としては、ガリウム砒素(GaAS)及びアルミニウム砒素(AlAs)が挙げられる。

結晶成長は、蒸着に比べて低温な温度環境で成膜が可能であるため、半導体化合物材料を用いた受光デバイス22に対して、熱によるダメージを与えにくいと云える。

(光フィルタ付き受光デバイスの第2変形例) なお、光フィルタ32としての誘電体多層膜は、図22に例示するように、ガラス板224を介して受光デバイス22の受光面に設けられてもよい。ガラス板224の一方の面に、誘電体多層膜32が蒸着等によって形成されてよい。

一方の面に誘電体多層膜32が形成されたガラス板224の他方の面が、受光デバイス22の受光面に付着されてよい。付着には、例示的に、接着剤が用いられてよい。接着剤は、受光デバイス22の受光面に入力する光の光路を避けて、受光デバイス22の受光面及びガラス板224の他方の面の一方又は双方に塗布されてよい。

当該第2変形例によれば、誘電体多層膜32がガラス板224に形成されるので、半導体化合物材料を用いた受光デバイス22に誘電体多層膜32を形成する場合よりも、互いの膨張係数の差分を小さくすることができ、密着性を向上できる。また、半導体化合物材料を用いた受光デバイス22に対して熱によるダメージを与えずに済む。

(その他) なお、上述した実施形態では、集光デバイス21の一例として平凸レンズを挙げたが、集光デバイス21は、少なくとも、平面と、当該平面とは反対側に設けられたレンズ部と、を有していれば足りる。集光デバイス21が有する平面に、光フィルタ31として機能する誘電体多層膜が形成されてよい。

1 光トランシーバ 11 光送信器 12 光受信器 13 光ファイバコネクタ 14 45度入射光フィルタ 21 集光デバイス(平凸レンズ) 22 受光デバイス 23 TIA 24 基板 31 第1の光フィルタ(誘電体多層膜) 32 第2の光フィルタ(誘電体多層膜) 100 光ファイバ 111 光源 112 受光デバイス 140 基板 210 平凸レンズアレイ 211 凸レンズ部 212 スタブ 220 受光半導体ウェハ 221,223 p型半導体層 222 n型半導体層 224 ガラス板

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