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Combustion control device for internal combustion engine

阅读:677发布:2024-01-25

专利汇可以提供Combustion control device for internal combustion engine专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To prevent the deterioration of combusting state and reduce the NOx emission amount in an internal combustion engine for switching the combustion method between stratified combustion and homogeneous combustion according to the engine operating state by executing the homogeneous combustion when a variable vale timing mechanism is not in the operating state suitable for the stratified combustion. SOLUTION: An oil control valve 78 is switchingly controlled according to the instruction of an ECU 44, and a variable valve timing mechanism 80 mounted on a cam sprocket 34 is driven to regulate the orating phase difference between an intake and exhaust cam shafts 26, 28. The lean fuel injection quantity is calculated in a prescribed operating state on the basis of the engine operating state, and the stratified combustion of injecting fuel only once in the end of compression stroke is performed in the operating area where the lean fuel injection quantity is smaller than a threshold. When the variable valve timing mechanism 80 is not in the operating state suitable for the stratified combustion, the homogeneous combustion of injecting fuel only once in intake stroke is executed instead of the stratified combustion to prevent the deterioration of the combusting state.,下面是Combustion control device for internal combustion engine专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を、内燃機関の運転状態に応じて調整する可変バルブタイミング機構を備えるとともに、内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替える内燃機関の燃焼制御装置であって、 前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適した作動状態にない場合には、内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行することを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  • 【請求項2】 吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を、内燃機関の運転状態に応じて調整する可変バルブタイミング機構を備えるとともに、内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替える内燃機関の燃焼制御装置であって、 前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適した作動状態にあるか否かを判定する作動状態適不適検出手段と、 前記作動状態適不適検出手段にて前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行する均質燃焼実行手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  • 【請求項3】 前記作動状態適不適検出手段は、前記可変バルブタイミング機構が正常か異常かを検出して、正常である場合を成層燃焼に適し、異常である場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  • 【請求項4】 前記作動状態適不適検出手段は、内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあるか否かを検出して、正常に作動できる運転状態にある場合を成層燃焼に適し、正常に作動できない運転状態にある場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  • 【請求項5】 前記可変バルブタイミング機構は内燃機関の駆動に応じて発生する作動液圧により作動するとともに、 前記作動状態適不適検出手段は、前記作動液圧の圧力を検出して、該圧力が判定液圧より高い場合に内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあると検出し、判定液圧より低い場合に内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できない運転状態にあると検出することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  • 【請求項6】 前記作動状態適不適検出手段は、前記可変バルブタイミング機構に対する制御が内燃機関の運転状態に応じた通常制御を行っているか否かを検出して、
    通常制御を行っている場合を成層燃焼に適し、通常制御以外の制御を行っている場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  • 【請求項7】 前記可変バルブタイミング機構に対する制御は、内燃機関の運転状態に応じた通常制御以外に、
    必要時に前記可変バルブタイミング機構の基準状態を決定する基準位置学習制御を行うとともに、 前記作動状態適不適検出手段は、前記通常制御を行っている場合を成層燃焼に適し、前記基準位置学習制御を行っている場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする請求項6記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  • 【請求項8】 請求項3〜5のいずれかの構成に加えて、 前記作動状態適不適検出手段にて前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、バルブオーバラップ量が最小の状態となるように前記可変バルブタイミング機構を制御するバルブオーバラップ量最小化手段を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を、内燃機関の運転状態に応じて調整する可変バルブタイミング機構を備えるとともに、内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替える内燃機関の燃焼制御装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】燃料噴射弁を燃焼室内に噴射するように配置するとともに、内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替える内燃機関の燃焼制御装置が知られている(特開平5−248277
    号公報)。 具体的には、内燃機関が低負荷運転時にある場合には圧縮行程末期に燃焼室内に燃料を噴射して点火プラグ周りの燃料濃度を濃くして点火する成層燃焼を行い、高負荷の場合には吸気行程中に燃料を噴射して燃焼室内全体を満たす均一混合気を形成して点火する均質燃焼を行っている。

    【0003】更に、前記従来技術においては、可変バルブタイミング機構を備えることで、成層燃焼時と均質燃焼時との混合気の状態に対応してバルブオーバラップを好適に調整している。 特に、成層燃焼時においては、バルブオーバラップ量を適切に調整することで内部EGR
    を発生させて、燃焼の改善やエミッション上におけるN
    Oxの低減を実行している。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したごとく燃焼方式に対応するように内燃機関の運転状態に応じてバルブオーバラップ量を調整することで好適な燃焼状態を実現しているシステムにおいて、何らかの原因でバルブオーバラップ量の調整を内燃機関の運転状態に応じさせることができなくなる場合がある。

    【0005】例えば、可変バルブタイミング機構が正常に制御できない場合、あるいは可変バルブタイミング機構が他の制御の要求により内燃機関の運転状態に対応しない制御を行っている場合である。 前者の例としては、
    可変バルブタイミング機構自体が故障している場合や、
    可変バルブタイミング機構を駆動するための出が十分に与えられない場合などである。 後者の場合は可変バルブタイミング機構の制御前に基準位置(具体的には最遅位置)を決定するために強制的に基準位置を探索して学習するための基準位置学習制御が行われている場合などである。

    【0006】このような状態では、特に成層燃焼を行うと、内部EGRが適切でなくなって燃焼状態の悪化を招くおそれがあり、更に内部EGR量が不足するとエミッション上で、NOxの問題を招くおそれもある。

    【0007】本発明は、成層燃焼と均質燃焼とを切り替えて実行しかつ可変バルブタイミング機構にてバルブオーバラップ量を適切に制御している内燃機関において、
    バルブオーバラップ量の調整を内燃機関の運転状態に応じさせることができない場合においても、燃焼状態の悪化やエミッション上のNOxの問題を招かない内燃機関の燃焼制御装置の提供を目的とするものである。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】請求項1記載の内燃機関の燃焼制御装置は、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を、内燃機関の運転状態に応じて調整する可変バルブタイミング機構を備えるとともに、内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替える内燃機関の燃焼制御装置であって、前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適した作動状態にない場合には、内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行することを特徴とする。

    【0009】このように、可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適した作動状態にない場合には、
    内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行している。 均質燃焼であれば燃焼状態やエミッションに対する内部EG
    R量の影響は少なくなる。 このためバルブオーバラップ量の調整を内燃機関の運転状態に応じさせることができない場合においても、燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがない。

    【0010】請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置は、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を、内燃機関の運転状態に応じて調整する可変バルブタイミング機構を備えるとともに、内燃機関の運転状態に応じて燃焼方式を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替える内燃機関の燃焼制御装置であって、前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適した作動状態にあるか否かを判定する作動状態適不適検出手段と、前記作動状態適不適検出手段にて前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行する均質燃焼実行手段とを備えたことを特徴とする。

    【0011】より具体的には、このように、作動状態適不適検出手段と均質燃焼実行手段とを備えることができる。 このことにより、均質燃焼実行手段が、作動状態適不適検出手段にて可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行することができる。

    【0012】こうして、請求項1の作用効果を生じさせることができる。 請求項3記載の内燃機関の燃焼制御装置は、請求項2記載の構成に対して、前記作動状態適不適検出手段は、前記可変バルブタイミング機構が正常か異常かを検出して、正常である場合を成層燃焼に適し、
    異常である場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする。

    【0013】更に具体的には、作動状態適不適検出手段は、成層燃焼実行の適不適を可変バルブタイミング機構が正常か異常かに基づいて判定させることができる。 このことにより、可変バルブタイミング機構が異常である場合には、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 このため燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがなく、請求項2の作用効果を生じる。

    【0014】請求項4記載の内燃機関の燃焼制御装置は、請求項2記載の構成に対して、前記作動状態適不適検出手段は、内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあるか否かを検出して、正常に作動できる運転状態にある場合を成層燃焼に適し、正常に作動できない運転状態にある場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする。

    【0015】更に具体的には、作動状態適不適検出手段は、成層燃焼実行の適不適を内燃機関の運転状態が可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあるか否かに基づいて判定させることができる。 このことにより、内燃機関の運転状態が可変バルブタイミング機構を正常に作動できない場合には、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 このため燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがなく、請求項2の作用効果を生じる。

    【0016】請求項5記載の内燃機関の燃焼制御装置は、請求項4記載の構成に対して、前記可変バルブタイミング機構は内燃機関の駆動に応じて発生する作動液圧により作動するとともに、前記作動状態適不適検出手段は、前記作動液圧の圧力を検出して、該圧力が判定液圧より高い場合に内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあると検出し、判定液圧より低い場合に内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できない運転状態にあると検出することを特徴とする。

    【0017】このように内燃機関の運転状態が可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあるか否かの判断は、可変バルブタイミング機構が内燃機関の駆動に応じて発生する作動液圧により作動している場合には、この液圧の状態を判定することにより判断できる。

    【0018】したがって、判定液圧より低い場合に内燃機関の運転状態が可変バルブタイミング機構を正常に作動できない運転状態にあると検出できる。 このため、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 こうして、請求項4の作用効果を生じる。

    【0019】請求項6記載の内燃機関の燃焼制御装置は、請求項2記載の構成に対して、前記作動状態適不適検出手段は、前記可変バルブタイミング機構に対する制御が内燃機関の運転状態に応じた通常制御を行っているか否かを検出して、通常制御を行っている場合を成層燃焼に適し、通常制御以外の制御を行っている場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする。

    【0020】更に具体的には、作動状態適不適検出手段は、成層燃焼実行の適不適を、可変バルブタイミング機構に対する制御が内燃機関の運転状態に応じた通常制御を行っているか否かに基づいて判定させることができる。 このことにより、バルブオーバラップ量が内燃機関の運転状態に応じて制御されていない場合には、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 このため燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがなく、請求項2の作用効果を生じる。

    【0021】請求項7記載の内燃機関の燃焼制御装置は、請求項6記載の構成に対して、前記可変バルブタイミング機構に対する制御は、内燃機関の運転状態に応じた通常制御以外に、必要時に前記可変バルブタイミング機構の基準状態を決定する基準位置学習制御を行うとともに、前記作動状態適不適検出手段は、前記通常制御を行っている場合を成層燃焼に適し、前記基準位置学習制御を行っている場合を成層燃焼に適していないと判定することを特徴とする。

    【0022】更に具体的には、内燃機関の運転状態に応じた通常制御以外の制御としては、可変バルブタイミング機構の基準状態を決定する基準位置学習制御を挙げることができる。 この基準位置学習制御時には内燃機関の運転状態とは直接関係なくバルブオーバラップ量が変化する。

    【0023】したがって、作動状態適不適検出手段は、
    基準位置学習制御が行われている場合には成層燃焼には適していないと判定することができる。 このため、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。
    こうして、請求項6の作用効果を生じる。

    【0024】請求項8記載の内燃機関の燃焼制御装置は、請求項3〜5のいずれかの構成に加えて、前記作動状態適不適検出手段にて前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、バルブオーバラップ量が最小の状態となるように前記可変バルブタイミング機構を制御するバルブオーバラップ量最小化手段を備えたことを特徴とする。

    【0025】このように、バルブオーバラップ量最小化手段は、作動状態適不適検出手段にて可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、可変バルブタイミング機構を制御することで、バルブオーバラップ量が最小の状態となるようにしている。

    【0026】この時、可変バルブタイミング機構は異常かあるいは駆動が十分でない状態ではあるが、状況によっては不十分ながら可変バルブタイミング機構が作動してバルブオーバラップ量を低減できる場合がある。 あるいは可変バルブタイミング機構によってはバルブオーバラップ量の低減ならば可変バルブタイミング機構が異常でもほぼ確実に実現できる場合がある。 このようにして、バルブオーバラップ量が低減できることにより、均質燃焼実行手段が実行する均質燃焼に一層適した混合気の状態を形成することができる。

    【0027】このため、請求項3〜5のいずれかの作用効果に加えて、より一層、燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくすることができる。

    【0028】

    【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は本発明が適用される実施の形態1としての筒内噴射式ガソリンエンジンを示す概略構成図である。

    【0029】内燃機関としての直列6気筒エンジン(以下、エンジンと略す)2は、シリンダブロック4と、このシリンダブロック4の上側に固定されたシリンダヘッド6とを有している。 エンジン2は、シリンダブロック4内に直列に配置された6つのシリンダ8を備えており、このシリンダ8の内部にはピストン10が往復動可能に設けられている。 ピストン10はコンロッド12を介してクランクシャフト14に連結されている。 なお、
    本実施の形態1では、6つのシリンダ8を備えた直列6
    気筒エンジン2を例示しているが、図1では便宜上、その内の1つのシリンダ8のみを示し、他は図示を略している。

    【0030】シリンダ8の内周壁とピストン10およびシリンダヘッド6により囲まれた空間により燃焼室16
    が形成されている。 シリンダヘッド6には、各シリンダ8に対応して、図2の平断面図に示すごとく点火プラグ17が設けられている。 各点火プラグ17は、各シリンダ8に設けられたイグナイタ内蔵イグニッションコイル(図示略)に接続されており、このイグニッションコイルから点火タイミングに応じて直接二次電流を供給されている。

    【0031】エンジン2は4バルブエンジンであるので、シリンダヘッド6には各シリンダ8に対応して一対の吸気バルブ18と一対の排気バルブ20とが設けられている。 これら各バルブ18,20によって燃焼室16
    に通じる一対の吸気ポート18a,18bおよび一対の排気ポート20a,20bが開閉される。

    【0032】また、シリンダヘッド6には、燃料リザーバ22が取り付けられている。 この燃料リザーバ22には6つのシリンダ8に対応して6つの燃料噴射弁24
    (図2)が接続されている。 これら燃料噴射弁24は各燃焼室16内に直接燃料を噴射可能にシリンダヘッド6
    に取り付けられている。 そして、これら各燃料噴射弁2
    4により燃料リザーバ22内の燃料が、エンジン2の運転状態に応じたタイミングおよび量にて各燃焼室16内に直接噴射される。

    【0033】シリンダヘッド6には平行に配置された吸気カムシャフト26および排気カムシャフト28が回転可能に支持されている。 これら各カムシャフト26,2
    8には、その軸方向に間隔を置いて一対のバルブカム3
    0,32が複数組(本実施の形態1では6組)形成されている。 各バルブカム30,32には吸気バルブ18および排気バルブ20のバルブリフタ18c,20cが当接されている。 このことにより、吸気カムシャフト26
    および排気カムシャフト28の回転に応じて吸気バルブ18および排気バルブ20が吸気ポートおよび排気ポートを開閉動作する。

    【0034】各カムシャフト26,28の先端にはカムスプロケット34,36が一体に取り付けられ、クランクシャフト14の先端にはクランクスプロケット38がそれぞれ一体に取り付けられている。 これらカムスプロケット34,36およびクランクスプロケット38間にはタイミングチェーン40が掛け渡されている。 したがって、クランクシャフト14の回転力はクランクスプロケット38、タイミングチェーン40およびカムスプロケット34,36を介して各カムシャフト26,28に伝達される。 なお、エンジン2の一連の行程(吸入、圧縮、燃焼・爆発、排気行程)において、クランクシャフト14は2回転(720°CA)し、各カムシャフト2
    6,28はそれぞれ1回転する。

    【0035】また、クランクシャフト14の近傍にはクランク角センサ42が配設されている。 クランク角センサ42は、クランクシャフト14の回転に応じてパルス状のクランク角度信号を発生する。 クランク角センサ4
    2はエンジン2を制御する電子制御装置(以下、「EC
    U」と称する)44に接続されており、クランク角度信号をECU44に出力する。 また吸気カムシャフト26
    の回転位相からクランクシャフト14の基準位置を検出する気筒判別センサ(カム角センサとも言う)46が吸気カムシャフト26に対向して配設されている。 この気筒判別センサ46から基準位置信号がECU44に入力される。 ECU44は気筒判別センサ46からの基準位置信号の発生後に、クランク角センサ42からのクランク角度信号の発生数を計測することで、クランクシャフト14の回転角度(クランク角θ)を検出している。

    【0036】図1に示したごとく、高圧燃料ポンプ50
    は燃料を高圧に加圧するためのものであり、内部のプランジャ(図示略)に接続しているタペット50bは、スプリング(図示略)の付勢力によりエンジン2の排気カムシャフト28に設けられたポンプカム51に圧接されている。 このため、排気カムシャフト28の回転に伴ってポンプカム51が回転することで、燃料タンク50c
    から低圧フィードポンプ50dにより汲み出された燃料が高圧燃料ポンプ50から燃料リザーバ22へ圧送される。 この時、燃料リザーバ22に設けられた燃圧センサ22aの出力に基づいてECU44により電磁スピル弁50aが制御されることにより、必要な燃料量が燃料リザーバ22へ圧送される。 そして、このような処理が繰り返されることにより、高圧燃料ポンプ50から燃料リザーバ22へ適切な燃料圧送が行われて燃料リザーバ2
    2内の燃料の圧力が規定圧力に維持される。 そして、E
    CU44は燃料リザーバ22内に蓄積された規定圧力の高圧燃料を用いて、エンジン2の運転状態に応じた適切なタイミングおよび期間にて燃料噴射弁24を開弁させることで、各燃焼室16内の燃焼状態を好適に制御している。

    【0037】ここで、図3はピストン10における頂面部分の平面図、図4は図2におけるX−X断面図、図5
    は図2におけるY−Y断面図である。 図示されるごとく、ピストン10の頂面上には燃料噴射弁24の下方から点火プラグ17の下方まで延びるドーム形の輪郭形状を有する凹部10aが形成されている。

    【0038】図2に示したごとく、各シリンダ8の螺旋状の第1吸気ポート18aおよびストレート状の第2吸気ポート18bの内、各第2吸気ポート18bに対してはサージタンク52との間に旋回流制御弁54がそれぞれ配置されている。 これらの旋回流制御弁54は共通のシャフト54aを介して旋回流制御弁用モータ56(D
    Cモータまたはステップモータ)に連結されている。 この旋回流制御弁用モータ56はECU44の出力信号に基づいて制御される。

    【0039】サージタンク52は吸気管58(図1)を介してエアクリーナ(図示略)側から外気を導入している。 この吸気管58内にはスロットルモータ60(DC
    モータまたはステップモータ)によって駆動されるスロットル弁62が配置される。 このスロットル弁62は後述するごとく、アクセルセンサ64に応じてスロットルセンサ66にて検出される開度が目標開度となるように制御される。

    【0040】図6に示すごとく、エンジン2の制御系は、ECU44を中心として構成されている。 ECU4
    4は、燃料噴射制御、バルブタイミング制御、空燃比制御、点火時期制御、その他、異常検出等の各種制御プログラムや、各種条件に対応した目標値を算出するためのマップを格納したROM44aを有している。 また、E
    CU44は、ROM44a以外に、ROM44aに格納された制御プログラムに基づいて演算処理を実行するC
    PU44b、CPU44bでの演算結果、各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するRAM44c、
    RAM44cに格納された各種データを電源供給停止時に保持するためのバックアップRAM44d等を有している。

    【0041】そして、CPU44b、ROM44a、R
    AM44c、およびバックアップRAM44dは、双方向バス44eを介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース44f、および出力インターフェース44gと接続されている。

    【0042】入力インターフェース44fには、前述した燃圧センサ22a、クランク角センサ42、気筒判別センサ46、アクセルセンサ64およびスロットルセンサ66以外に、油温センサ68、水温センサ70、吸入空気量センサ72および空燃比センサ74が接続されている。

    【0043】ここで、油温センサ68はシリンダブロック4の下側に設けられたオイルパン4aに設けられて、
    エンジンオイルの油温THOを検出している。 水温センサ70はシリンダブロック4に取り付けられてエンジン冷却水温度を検出している。 吸入空気量センサ72は吸気管58にエアクリーナ側から吸入される吸入空気流量GAを検出している。 空燃比センサ74は図示していない排気管に設けられて、排気成分から混合気の空燃比を検出している。 なお、入力インターフェース44fでは、各センサから入力される信号がアナログ信号である場合には、図示しないA/Dコンバータによってディジタル信号に変換された後、双方向バス44eに出力する。

    【0044】また、出力インターフェース44gには、
    前述した燃料噴射弁24、電磁スピル弁50a、旋回流制御弁用モータ56およびスロットルモータ60以外に、イグナイタ76およびオイルコントロールバルブ(以下「OCV」 と称する)78等の外部回路が接続されている。

    【0045】ここで、イグナイタ76は、ECU44の指示により点火タイミングにおいて前述したごとくイグニッションコイルにより点火プラグ17に対して高電圧を供給し、燃焼室16内の混合気に点火する。 OCV7
    8は、ECU44の指示により後述するごとくカムスプロケット34に取り付けられている可変バルブタイミング機構(以下「VVT」と称する)80を駆動して、吸気カムシャフト26と排気カムシャフト28との回転位相差を調整する。 これら外部回路は、CPU44bにおいて実行された制御プログラムの演算結果に基づいて作動制御される。

    【0046】前述したごとく、クランクシャフト14、
    吸気カムシャフト26および排気カムシャフト28は、
    それぞれのスプロケット38,34,36により、タイミングチェーン40を介して連動している。 この内、吸気カムシャフト26のカムスプロケット34には、VV
    T80が設けられている。 このVVT80の構成を図7
    に示す。

    【0047】図7は、吸気カムシャフト26の先端に設けられたVVT80とOCV78とを示す断面図である。 図8は図7のA−A線に沿った断面の内、特にVV
    T80の内部構成を示す。 なお、図7に示すベーンロータ82およびその関連部分の図は、この図8のB−B線に沿った断面図として描かれている。

    【0048】図7に示すように、シリンダヘッド6のジャーナル軸受6aおよびベアリングキャップ81は、吸気カムシャフト26のジャーナル26aを回転可能に支持する。 吸気カムシャフト26の先端面にボルト85により固定されたベーンロータ82は、ノックピン(図示略)により吸気カムシャフト26に対して回り止めされ吸気カムシャフト26と一体的に回転する。 このベーンロータ82はその外周面に複数のベーン84を有する。

    【0049】一方、吸気カムシャフト26の先端部を覆うように、かつ吸気カムシャフト26に対して相対回動可能に設けられたカムスプロケット34は、その外周に複数の外歯34a(図7)を有する。 カムスプロケット34の先端面に順に取り付けられた側板86、ハウジング本体88およびカバー90はいずれもハウジングの一部としてボルト92によりカムスプロケット34に固定され、カムスプロケット34と一体的に回転する。 カバー90はハウジング本体88およびベーンロータ82の先端面を覆っている。 ハウジング本体88はベーンロータ82を内包しており、その内周面に複数の突条94を有する。

    【0050】ベーン84の内の1つには、吸気カムシャフト26の軸方向に沿って延びる貫通孔96を有する。
    貫通孔96内において移動可能に収容されたロックピン98は、その内部に収容孔98aを有する。 この収容孔98a内に設けられたスプリング100は、ロックピン98を側板86へ向かって付勢する。 このロックピン9
    8が側板86に設けられた係止穴102に対向していた場合には、ロックピン98がスプリング100の付勢力により係止穴102に係止し、側板86に対するベーンロータ82の相対回動位置が固定される。 これにより、
    ハウジング本体88に対するベーンロータ82の相対回動が規制され、相対回動位置関係を固定して吸気カムシャフト26とカムスプロケット34とが一体的に回転する。

    【0051】また、ベーンロータ82はその先端面に形成された油溝104を有する。 油溝104はカバー90
    に形成された長穴106と、貫通孔96とを連通する。
    油溝104および長穴106は、貫通孔96の内部においてロックピン98よりも先端側にある空気あるいは油を外部に排出する機能を有する。 ベーンロータ82は、
    その中央部には円筒状のボス108を有している。 前述した4つのベーン84はこのボス108を中心に例えば約90°毎の等間隔をもって形成されている。

    【0052】一方、ハウジング本体88においては、内周面に、前述した4つの突条94が前記ベーン84の配置に対応して、互いにほぼ等間隔をもって配置されている。 各突条94の間にそれぞれ形成された凹部110
    は、前記ベーン84がそれぞれ挿入されている。 各ベーン84の外周面は各凹部110の内周面に接し、各突条94の先端面はボス108の外周面に接している。 このように各凹部110がベーン84により区画されることによって、回転方向における各ベーン84の両側にはそれぞれ第1油圧室112および第2油圧室114が形成される。 そして、ベーン84は隣接する2つの突条94
    の間を移動可能とされている。 このため、ベーンロータ82はベーン84が両側の突条94に当接する位置を相対回動の限界位置として、その2つの限界位置とその間の中間領域とが、ハウジング本体88に対するベーンロータ82の相対回動の許容領域となっている。

    【0053】そして、各ベーン84に対して、カムスプロケット34の回転方向(図8において矢印で示す。)
    と逆方向(以下、この方向を「遅角方向」と定義する。)の側に位置する第1油圧室112には、吸気バルブ18のバルブタイミングを進める(進角させる)際にオイルが供給される。 各ベーン84に対して、カムスプロケット34の回転方向と同方向(以下、この方向を「進角方向」 と定義する)の側に位置する第2油圧室114には、吸気バルブ18のバルブタイミングを遅らせる(遅角させる)際にオイルが供給される。

    【0054】各ベーン84および各突条94はその先端にそれぞれ溝116,118を有する。 各ベーン84の溝116内には、シールプレート120と、このシールプレート120を付勢する板バネ122とが設けられている。 同様に、各突条94の溝118内には、シールプレート124と、このシールプレート124を付勢する板バネ126とが設けられている。

    【0055】ベーン84の一つに設けられているロックピン98は図9および図10に示すごとく動作する。 図9および図10は図8のC−C線に沿った断面図である。 図9においては、ベーンロータ82は最遅角位置にあり、ベーン84が突条94と接して静止状態にある。
    このときには、ロックピン98は係止穴102に対向していないので、ロックピン98の先端部98bは係止穴102には挿入されていない。

    【0056】エンジン2が始動時などの場合、あるいはECU44による油圧制御が開始されていない場合などで、第1油圧室112の油圧がゼロあるいは十分に上昇していないときに、始動時のクランキング動作により、
    逆トルクが生じて、ベーンロータ82がハウジング本体88に対して進角方向にわずかに相対回動すると、ロックピン98が係止穴102に挿入できる相対回動位置に到達し、図10に示すごとくロックピン98の先端部9
    8bが係止穴102に進入し係止する。 このようにロックピン98が係止穴102に係止した場合には、ベーンロータ82とハウジング本体88との相対回動が禁止され、ベーンロータ82とハウジング本体88とは一体となって回転する。

    【0057】なお、係止穴102に係止されたロックピン98の解除は、図9および図10に示す油路128を介して第2油圧室114から環状油空間130に油圧が供給されることにより行われる。 すなわち、エンジン回転の上昇に伴って環状油空間130に供給される油圧が上昇することにより、スプリング100の付勢力に抗してロックピン98が係止穴102から外れ、同ロックピン98の係止が解除される。 更に、油路132を介して第1油圧室112から係止穴102に油圧が供給されて、ロックピン98の解除状態が確実に保持される。 このように、ロックピン98の係止が解除された状態で、
    ハウジング本体88およびベーンロータ82間の相対回動が許容され、第1油圧室112および第2油圧室11
    4に供給される油圧に対応して、ハウジング本体88に対するベーンロータ82の相対回動位相が調整可能となる。

    【0058】次に、図7に基づき各第1油圧室112および各第2油圧室114に対してオイルの給排を行うための油給排構造について説明する。 シリンダヘッド6に形成されたジャーナル軸受6aには、内部に形成された第1油路134、第2油路136を有する。 第1油路1
    34は、吸気カムシャフト26の全周に形成された油溝138、ジャーナル26aの内部に形成された油孔14
    0を介して、吸気カムシャフト26の内部に形成された油通路142に通じている。 この油通路142の先端側は、環状空間144に開口している。 ボス108の内部において、放射状に形成された4つの油孔146は、環状空間144と各第1油圧室112とを連通し、環状空間144内に供給されたオイルを各第1油圧室112に供給する。

    【0059】第2油路136は、吸気カムシャフト26
    の全周に形成された油溝148に通じている。 吸気カムシャフト26内に形成された油孔150、油通路15
    2、油孔154および油溝156は、前記油溝148
    と、カムスプロケット34に形成された環状の油溝15
    8とを連通する。 側板86は、図7および図8に示すように各突条94の側面近傍にて開口する4つの油孔16
    0を有する。 これらの油孔160は、油溝158と各第2油圧室114とを連通し、各第2油圧室114内に油溝158内のオイルを供給する。

    【0060】このように、第1油路134、油溝13
    8、油孔140、油通路142、環状空間144および各油孔146は、各第1油圧室112に対してオイルを給排するための油路P1を構成する。 更に、第2油路1
    36、油溝148、油孔150、油通路152、油孔1
    54、油溝156、油溝158および各油孔160は、
    各第2油圧室114に対してオイルを給排するための油路P2を構成する。 したがって、ECU44は、後述するOCV78を制御して、これらの油路P1,P2を通じて第1油圧室112および第2油圧室114へ供給される油圧を制御することができる。

    【0061】これらの油路P1,P2は図7の下部に示すOCV78に接続されている。 このOCV78には、
    更に供給通路166および排出通路168が接続されている。 そして、供給通路166はクランクシャフト14
    の回転に伴って駆動されるオイルポンプ169を介してオイルパン4aに接続されており、排出通路168はオイルパン4aに直接接続されている。 したがって、オイルポンプ169は、オイルパン4aから供給通路166
    へオイルを送り出すことができる。

    【0062】OCV78は、ケーシング170、第1給排ポート172、第2給排ポート174、スプール17
    6、第1排出ポート178、第2排出ポート180、供給ポート182、コイルスプリング184および電磁ソレノイド186を備えている。 そして、第1給排ポート172には油路P1が接続され、第2給排ポート174
    には油路P2が接続されている。 また、供給ポート18
    2には供給通路166が接続され、第1排出ポート17
    8および第2排出ポート180には排出通路168が接続されている。

    【0063】電磁ソレノイド186が消磁状態にある場合には、図7に示したごとく、スプール176がコイルスプリング184の付勢力によりケーシング170の一端側(図示右側)に配置される。 このことで、スプール176に設けられた4つの弁部176aの配置により、
    第1給排ポート172と第1排出ポート178とが連通し、第2給排ポート174が供給ポート182と連通する。

    【0064】この状態では、オイルパン4a内のオイルが、供給通路166、OCV78、油路P2を介して第2油圧室114へ供給される。 また、第1油圧室112
    内にあったオイルは、油路P1、OCV78、および排出通路168を介してオイルパン4a内へ戻される。 この結果、ベーンロータ82はハウジング本体88に対して遅角方向へ相対回転する。 このことにより吸気カムシャフト26にて駆動される吸気バルブ18のバルブ作用角が遅角側に移行し、バルブオーバラップ量が減少する。 なお、本実施の形態1のVVT80における最遅角状態ではバルブオーバラップ量は0となる。

    【0065】一方、電磁ソレノイド186が励磁されたときには、図11に示したごとくスプール176がコイルスプリング184の付勢力に抗してケーシング170
    の他端側(図示左側)に配置される。 このことで、第2
    給排ポート174が第2排出ポート180と連通し、第1給排ポート172が供給ポート182と連通する。 この状態では、オイルパン4a内のオイルが、供給通路1
    66、OCV78、油路P1を介して第1油圧室112
    へ供給される。 また、第2油圧室114内にあったオイルは、油路P2、OCV78および排出通路168を介してオイルパン4a内へ戻される。 この結果、例えば、
    図13に示すごとく、ベーンロータ82はハウジング本体88に対して進角方向へ相対回転する。 このことにより吸気カムシャフト26にて駆動される吸気バルブ18
    のバルブ作用角が進角側に移行し、バルブオーバラップ量が増加する。

    【0066】更に、電磁ソレノイド186への給電を制御し、図12に示すごとくスプール176をケーシング170の中間に位置させると、第1給排ポート172および第2給排ポート174が弁部176aにより閉塞され、それら給排ポート172,174を通じてのオイルの移動が禁止される。 この状態では、第1油圧室112
    および第2油圧室114に対してオイルの給排が行われず、第1油圧室112および第2油圧室114内にはオイルが充填保持されて、ベーンロータ82はハウジング本体88に対する相対回転は停止する。 その結果、吸気バルブ18のバルブタイミングは、ベーンロータ82がハウジング本体88に対して固定されたときの状態に維持される。

    【0067】このような構成のOCV78は、ECU4
    4の駆動信号により駆動制御され、その結果、吸気バルブ18のバルブタイミングがエンジン2に好適なバルブオーバラップ量となるように調整される。

    【0068】ECU44は、エンジン回転数NEと、後述するリーン燃料噴射量QLとに基づいて図14に示されるような2つのエンジン運転領域Rl,R2を定めている。 そして、ECU44は各運転領域に対応して目標空燃比および燃料噴射時期をそれぞれ制御している。

    【0069】すなわち、図14に示されるように低負荷低回転側の運転領域Rlでは空燃比が理論空燃比よりも燃料濃度が薄いリーン空燃比とされ、これに対し高負荷高回転側の運転領域R2では空燃比が理論空燃比、あるいは運転状態により理論空燃比より燃料が濃いリッチ空燃比とされる。 なお、これら運転領域はエンジン回転数NEおよびリーン燃料噴射量QLとの関数として図14
    に示すマップの形で予めROM44a内に記憶されている。

    【0070】次に、各運転領域Rl,R2における制御方法について説明する。 まず、初めに、運転領域Rlにおける燃料噴射量であるリーン燃料噴射量QLをエンジン回転数NEおよびアクセルペダル64aの踏み込み量ACCPに基づいて算出する。 このリーン燃料噴射量Q
    Lは、後述する成層燃焼を実行したときの出力トルクを要求トルクとするのに最適な燃料噴射量であって、予め実験により求められている値である。

    【0071】そして、リーン燃料噴射量QLがしきい値QQよりも少ない運転領域Rlでは、圧縮行程末期に1
    回だけ燃料が噴射される。 このときの燃料噴射量Qはアクセルペダル64aの踏み込み量ACCPが大きくなるにつれて増大する。 この噴射燃料は凹部10aの周壁面10bに衝突する。 この周壁面10bに衝突した燃料は点火プラグ17の近傍に集められ、それによって燃焼室16内に可燃混合気が層状に形成される。 このとき点火プラグ17周り以外の燃焼室16内は空気で満たされている。 そしてこの可燃混合気が点火プラグ17によって点火される。 すなわち、成層燃焼が行われる。

    【0072】一方、リーン燃料噴射量QLがしきい値Q
    Qよりも多い運転領域R2では、吸気行程に1回だけ燃料噴射が行われ、この噴射燃料によって燃焼室16内の全体に理論空燃比(場合により理論空燃比より燃料濃度が濃いリッチ空燃比)の均質混合気が形成される。 すなわち、運転領域R2は均質燃焼領域となる。 このときの燃料噴射量Qは理論空燃比基本燃料噴射量QBSやフィードバック補正係数FAF等に基づいて算出される。

    【0073】この理論空燃比基本燃料噴射量QBSは運転領域全体をカバーするように、吸入空気流量GAとエンジン回転数NEとの関数として図15に示すマップの形で予めROM44a内に記憶されている。

    【0074】また、フィードバック補正係数FAFは、
    空燃比を理論空燃比に一致させるためのものである。 このフィードバック補正係数FAFは空燃比センサ74の出力信号に基づいて制御され、このときフィードバック補正係数FAFは、安定した状態では1.0を中心として変動する。

    【0075】このように、運転領域R2ではリーン燃料噴射量QLを用いることなく燃料噴射量Qが算出される。 したがって、運転領域R2ではリーン燃料噴射量Q
    Lを算出する必要はない。 しかしながら、本実施の形態1では運転領域が図14に示されるいずれの運転領域にあるかを判断するために運転領域R2においてもリーン燃料噴射量QLの算出が継続される。

    【0076】次に、本実施の形態1において、ECU4
    4により実行される制御の内、燃焼制御処理について説明する。 図16および図17は、燃焼制御処理のフローチャートである。 この処理は、時間周期あるいはクランク角周期、例えば120°CA毎に繰り返し実行される。 なお、以下において、フローチャートのステップを「S〜」 で表す。

    【0077】燃焼制御処理が開始されると、まずリーン燃料噴射量QLが計算される(S100)。 このリーン燃料噴射量QLは、エンジン回転数NEおよびアクセルペダル25の踏み込み量ACCPの関数として図18に示すマップの形で予めROM44a内に記憶されている。

    【0078】次に、後述する成層燃焼許可フラグXVV
    Tが「ON」となっているか否かが判定される(S11
    0)。 成層燃焼許可フラグXVVTが「ON」と判定された場合には(S110で「YES」)、求められたリーン燃料噴射量QLとエンジン回転数NEとから、現在の運転状態が図14に示される運転領域R1,R2の内、いずれの運転領域にあるかが、リーン燃料噴射量Q
    Lをエンジン回転数NEによって求められるしきい値Q
    Qと比較することにより判別される(S120)。

    【0079】成層燃焼許可フラグXVVTが「OFF」
    と判定された場合(S110で「NO」)、あるいはリーン燃料噴射量QLがしきい値QQ以上であり、現在の運転状態が運転領域R2であると判定された場合(S1
    20で「YES」)には、均質燃焼に適した旋回流制御弁54の目標開度OPが算出される(S130)。 これは予めROM44aに格納されているマップに基づいて、吸入空気流量GAとエンジン回転数NEとから旋回流制御弁54の目標開度OPを求める。

    【0080】ステップS130の後には、前述した図1
    5のマップを用いて、吸入空気流量GAとエンジン回転数NEとから、理論空燃比基本燃料噴射量QBSが算出される(S140)。 そしてステップS140の後に加速時増量OTP算出処理にて、加速時にある場合に必要な燃料量の増量値OTPが求められる(S150)。

    【0081】次に、空燃比フィードバック条件が成立しているか否かが判定される(S160)。 例えば、
    「(1)始動時でない。(2)燃料カット中でない。
    (3)暖機完了している。 (例えば冷却水温THW≧4
    0°)(4)空燃比センサ74は活性完了している。
    (5)加速時増量OTPの値が0である。 」の条件がすべて成立しているか否かが判定される。

    【0082】空燃比フィードバック条件が成立していれば(S160で「YES」)、空燃比フィードバック係数FAFとその学習値KGの算出が行われる(S17
    0)。 空燃比フィードバック係数FAFは空燃比センサ74の出力に基づいて算出され、学習値KGは空燃比フィードバック係数FAFが中心値である1.0からのずれ量を記憶するものであり、このような値を用いた空燃比制御技術は特開平6−10736号公報などに示されているごとく種々の手法が知られている。

    【0083】一方、空燃比フィードバック条件が成立していなければ(S160で「NO」)、空燃比フィードバック係数FAFには1.0が設定される(S18
    0)。 ステップS170またはS180の次に、燃料噴射量Qが次式1のごとく求められる(S190)。

    【0084】

    【数1】 Q ← QBS{1+OTP+(FAF−1.0)+(KG−1.0)}α+β … [式1] ここで、α,βはエンジン2の種類や制御の内容に応じて適宜設定される係数である。

    【0085】ステップS190の次には、目標スロットル開度THROTが求められる(S200)。 ここではエンジン2がアイドル状態である場合には、エンジン回転数NEがアイドル目標回転数となるように目標スロットル開度THROTが計算される。 また、アイドル状態以外ではアクセルペダル踏み込み量ACCPとエンジン回転数NEとに基づいてマップから目標スロットル開度THROTが計算される。

    【0086】次いで、燃料噴射時期が吸気行程に設定され(S210)、すなわち均質燃焼が実行され、燃焼制御処理を一旦終了する。 また、前述したステップS12
    0にて、リーン燃料噴射量QLがしきい値QQ未満であり、すなわち運転状態が運転領域R1であると判定された場合は(S120で「NO」)、リーン燃料噴射量Q
    Lとエンジン回転数NEとに基づいてマップから旋回流制御弁54の目標開度OPを求める処理が実行される(S220)。 そして、燃料噴射量Qには、ステップS
    100にて求められているリーン燃料噴射量QLが設定される(S230)。 なお、この場合は、旋回流制御弁54の目標開度OPには100%に近い極めて大きい値が設定される。

    【0087】ステップS230の次には、目標スロットル開度THROTが求められる(S240)。 ここではリーン燃料噴射量QLとエンジン回転数NEとに基づいてマップから目標スロットル開度THROTが計算される。 なお、この場合は、前述した均質燃焼での目標スロットル開度THROTよりも開き側の値とされた目標スロットル開度THROTが求められる。

    【0088】次いで、燃料噴射時期が圧縮行程末期に設定され(S250)、すなわち成層燃焼が実行され、燃焼制御処理を一旦終了する。 次に、エンジン2の運転状態に応じて好適なバルブオーバラップ量を得るためにE
    CU44により実行されるバルブタイミング制御処理について説明する。 図19はバルブタイミング制御処理のフローチャートである。 この処理は、時間周期あるいはクランク角周期、例えば120°CA毎に繰り返し実行される。

    【0089】バルブタイミング制御処理が開始されると、まず、クランク角センサ42の信号から得られているエンジン回転数NE、アクセルセンサ64の信号から得られているアクセルペダル踏み込み量ACCP、水温センサ70の信号から得られる冷却水温THWおよびクランク角センサ42と気筒判別センサ46との信号から得られる実バルブタイミング(以下、「実VVT」と称する)が作業用メモリに取り込まれる(S310)。

    【0090】次に、エンジン2の運転状態、ここでは、
    エンジン回転数NEとアクセルペダル踏み込み量ACC
    Pとに応じて、ROM44a内に記憶されているマップに基づいて、適切なバルブオーバラップ量を実現するための基本目標バルブタイミングsVVTが求められる(S320)。

    【0091】次に、冷却水温THWに応じた水温補正値tVVTthwが、ROM44aに記憶されているマップから求められる(S330)。 この水温補正値tVV
    Tthwは、燃焼安定性を考慮して、冷却水温THWが低いほど大きい値に設定される。

    【0092】こうして求められた水温補正値tVVTt
    hwにより、次式2のごとく基本目標バルブタイミングsVVTが補正され、目標バルブタイミングtVVTが求められる(S340)。

    【0093】

    【数2】 tVVT ← sVVT − tVVTthw … [式2] すなわち、冷却水温THWが低いほど目標バルブタイミングtVVTは小さくされる。 これは、冷却水温THW
    が低いほど吸気バルブ18の開弁タイミングが遅角方向へ補正され、バルブオーバラップ量が小さくなる方向へ補正されることを意味する。

    【0094】次に、エンジン2がアイドル状態にあるか否かが判定される(S350)。 エンジン2がアイドル状態である場合(S350で「YES」)には、後述する成層燃焼許可フラグXVVTが「ON」となっているか否かが判定される(S360)。

    【0095】前記ステップS350で「NO」と判定された場合、あるいは前記ステップS350と前記ステップS360とで共に「YES」と判定された場合には、
    目標バルブタイミングtVVTが実現されるように、E
    CU44はOCV78を制御してVVT80を駆動する(S370)。 すなわち、前記ステップS340にて求めた目標バルブタイミングtVVTと実VVTとに基づいて、VVT80が目標バルブタイミングtVVTを実現するようにOCV78を制御する。 実際には、エンジン2の運転状態に応じた適切な内部EGR量が得られるバルブオーバラップ量となるように、図7,図11,図12に示したいずれかの状態の間でOCV78を切り替える。

    【0096】前記ステップS350では「YES」と判定されたが、前記ステップS360ではXVVT=「O
    FF」であるため「NO」と判定された場合には、EC
    U44はOCV78を制御して最遅角のバルブタイミングを実現するようにVVT80を駆動する(S38
    0)。 すなわち、本実施の形態では、バルブオーバラップ量が完全に無くなり、内部EGR量が0となるようにOCV78を制御する。 実際には、OCV78の電磁ソレノイド186に対する通電を停止して図7に示した状態に維持する。

    【0097】ステップS370またはステップS380
    の後は一旦処理を終了する。 次の制御周期には再度上述した処理を繰り返す。 このことにより、バルブオーバラップ量を適切な状態に制御する。

    【0098】次に、前述した燃焼制御処理(図16,1
    7)のステップS110、および前述したバルブタイミング制御処理(図19)のステップS360において、
    判定対象としている成層燃焼許可フラグXVVTの設定処理を説明する。 この成層燃焼許可フラグXVVT設定処理のフローチャートを図20に示す。 この処理は、時間周期あるいはクランク角周期、例えば120°CA毎に繰り返し実行される。

    【0099】成層燃焼許可フラグXVVT設定処理が開始されると、まず油温センサ68により検出されたエンジンオイルの油温THOを読み込む(S410)。 次に、この油温THOが第1高温判定値TH1より低いか否かが判定される(S420)。 THO<TH1であれば(S420で「YES」)、成層燃焼許可フラグXV
    VTに「ON」が設定され(S430)、一旦処理を終了する。

    【0100】THO≧TH1であれば(S420で「N
    O」)、次に、油温THOが第2高温判定値TH2より高いか否かが判定される(S440)。 第1高温判定値TH1と第2高温判定値TH2とはヒステリシスのために設けてあるものであり、TH1<TH2の関係にある。

    【0101】ここで、THO≦TH2とすると(S44
    0で「NO」)、このまま一旦処理を終了する。 また、
    THO>TH2とすると(S440で「YES」)、成層燃焼許可フラグXVVTに「OFF」が設定され(S
    450)、一旦処理を終了する。

    【0102】このようにして、エンジンオイルの油温T
    HOが第1高温判定値TH1より低くなれば成層燃焼許可フラグXVVTに「ON」が設定され、エンジンオイルの油温THOが第2高温判定値TH2より高くなれば成層燃焼許可フラグXVVTに「OFF」が設定される処理が繰り返し行われる。 そして、前述した燃焼制御処理およびバルブタイミング制御処理においては、この成層燃焼許可フラグXVVTの状態に応じて、通常制御を行うか、あるいは退避動作(均質燃焼でかつバルブオーバラップ量0)を行うかを決定している。

    【0103】エンジンオイルの油温THOが高温である場合には、エンジンオイルの粘度の低下やオイル漏れなどの現象により、オイルポンプ169により十分に高い圧力のエンジンオイルをOCV78およびVVT80に供給できなくなる。 このため、VVT80の制御が十分にできなくなる。 したがって、エンジンオイルの油温T
    HOを第1高温判定値TH1と第2高温判定値TH2と比較することにより油圧が十分であるか否かを判定して、油圧が不十分であれば成層燃焼許可フラグXVVT
    を「OFF」とし、十分であれば「ON」としているのである。

    【0104】上述した構成において、図20の成層燃焼許可フラグXVVT設定処理が作動状態適不適検出手段としての処理に相当し、ステップS110,S130〜
    S210が均質燃焼実行手段としての処理に相当し、ステップS360,S380がバルブオーバラップ量最小化手段としての処理に相当する。

    【0105】以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。 (イ). 前述したごとく、エンジンオイルの油温THO
    が高温となれば、すなわち第2高温判定値TH2より高くなれば、VVT80を駆動するのに十分な油圧を得られない。 このため、燃焼方式として成層燃焼が選択されている場合に、VVT80によって適切なバルブオーバラップ量に制御できなくなるおそれがある。 したがって、このような場合(S110で「NO」)にはECU
    44は燃焼制御処理においては、均質燃焼を実行させている(S130〜S210)。

    【0106】このように、作動油圧の不足によりVVT
    80の制御が正常にできないといったように、VVT8
    0の作動状態が成層燃焼に適した作動状態にない場合には(S110で「NO」)、エンジン2が運転領域R1
    に存在していて成層燃焼を実行すべき状態にあっても、
    均質燃焼を実行している(S130〜S210)。 均質燃焼であれば、成層燃焼の場合に比較して燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくなる。
    このためバルブオーバラップ量をエンジン2の運転状態に応じさせることができない場合においても、燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがない。

    【0107】(ロ). 更に、バルブタイミング制御処理では、VVT80の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には(S360で「NO」)、バルブオーバラップ量が0の状態となるようにVVT80を制御している(S380)。

    【0108】この時、油圧はVVT80の駆動制御には不十分となっているが、ステップS380にてOCV7
    8を図7の状態にしている。 したがって、第1油圧室1
    12は内部のオイルをオイルパン4a側へ排出する状態にあり、第2油圧室114はオイルをオイルポンプ16
    9から供給される状態にある。 そして、この時、吸気カムシャフト26はクランクシャフト14側からVVT8
    0を介して回転力を受けている。 したがって、この反作用としてベーンロータ82は遅角する方向、すなわちベーン84が第1油圧室112を縮小し、第2油圧室11
    4を拡大する力を発生している。 このため、自ずと第1
    油圧室112からは内部のオイルがオイルパン4aに排出され、第2油圧室114へはオイルパン4aからオイルが吸入される。 こうして、VVT80のベーンロータ82は、図21に示したごとく、吸気バルブ18が最遅角となる状態に落ち着き、バルブオーバラップ量を最低量に、本実施の形態1ではバルブオーバラップ量を0にすることができる。

    【0109】このため、切り替えた均質燃焼に一層適した混合気の状態を形成することができ、より一層、燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくすることができる。

    【0110】[実施の形態2]本実施の形態2が前記実施の形態1と異なる点は、図20の成層燃焼許可フラグXVVT設定処理の代わりに、図22に示すVVT異常検出処理が実行されている点である。 他の構成は前記実施の形態1と同じである。 このVVT異常検出処理は、
    例えば図19に示したバルブタイミング制御処理と同じ周期で実行される。

    【0111】VVT異常検出処理が実行されると、まずバルブタイミング制御処理にて算出されている目標バルブタイミングtVVTが読み込まれる(S510)。 そして、油温センサ68の信号による油温THO、クランク角センサ42の信号によるエンジン回転数NE、およびクランク角センサ42と気筒判別センサ46との信号から得られる実VVTが読み込まれる(S520)。

    【0112】次に、目標バルブタイミングtVVTと実VVTとの偏差ΔVVTが次式3に示すごとく絶対値として算出される(S530)。

    【0113】

    【数3】 ΔVVT ← |tVVT − 実VVT| … [式3] 次に、油温THOに応じて、対応関係を示す図23
    (b)のマップ(ROM44aに記憶されている)に基づいて温度補正検出時間kTHOを求める(S54
    0)。

    【0114】ここで、オイルの油圧により駆動されるV
    VT80の応答性は、VVT80のフリクションとオイルの油圧とにより影響される。 この内、フリクションは図24(a)に示すごとく、油温THOが低いほど大きくなる。 また、油圧は前記実施の形態1でも述べたごとく油温THOに対応し、図24(b)に示すごとく、油温THOが高いほど油圧低下を招く。 したがって、フリクションと油圧との関係が相乗して、油温THOに対するVVT80によるバルブタイミングの応答性は、図2
    3(a)に示すごとくとなる(ただし、等エンジン回転数での傾向を示している)。 このことを油温THOと温度補正検出時間kTHOとの関係で表したものが図23
    (b)に示したマップである。 なお、図中、VVT80
    によるバルブタイミングの応答性が高応答として好ましい範囲を、許容温度範囲として示している。

    【0115】次に、エンジン回転数NEに応じて、対応関係を示す図25(b)のマップ(ROM44aに記憶されている)に基づいて回転数補正検出時間kNEを求める(S550)。

    【0116】オイルの油圧により駆動されるVVT80
    の応答性は、油温THO以外に、オイルポンプ169を駆動するエンジン2の回転数NEによっても影響される。 エンジン回転数NEによる油圧への影響は、図25
    (a)に示すごとくであり、エンジン回転数NEが高くなるほど油圧も高くなる関係(等油温での傾向を示している)にある。 ただし、必要以上の油圧はリリーフ弁によりほぼ一定にされるので、高回転数側では一定化している。 したがって、エンジン回転数NEに対するVVT
    80によるバルブタイミングの応答性も同様である。 これをエンジン回転数NEと回転数補正検出時間kNEとの関係で表したものが図25(b)に示したマップである。

    【0117】次に、ステップS530にて求めたバルブタイミング変位差ΔVVTが異常偏差判定値A(A>
    0)より大きいか否かが判定される(S560)。 ΔV
    VT≦Aでは(S560で「NO」)、タイマーカウンタCVVTがクリア(CVVT←0)される(S57
    0)。 ΔVVT>Aでは(S560で「YES」)、タイマーカウンタCVVTがインクリメント(CVVT←
    CVVT+1)される(S580)。

    【0118】ステップS570またはステップS580
    の次には、異常判定時間kVVTを次式4に示すごとく求める(S590)。

    【0119】

    【数4】 kVVT ← kVT × kTHO × kNE ここで、基本検出時間kVTは、予め設定されている値である。 したがって、この基本検出時間kVTに対して、ステップS540で求められた温度補正検出時間k
    THOとステップS550で求められた回転数補正検出時間kNEとを乗ずることにより補正して、異常判定時間kVVTを求めていることになる。

    【0120】次に、この異常判定時間kVVTよりもタイマーカウンタCVVTが大きいか否かが判定される(S600)。 kVVT≧CVVTである場合(S60
    0で「NO」)は、ΔVVT>Aである状態が異常判定時間kVVTよりも長く継続していないか、あるいはΔ
    VVT≦Aであることを示している。 したがって、正常判定、すなわち、VVT80の応答性は正常な状態にあると判定し、成層燃焼許可フラグXVVTに「ON」を設定する(S610)。

    【0121】一方、kVVT<CVVTである場合(S
    600で「YES」)は、ΔVVT>Aである状態が異常判定時間kVVTよりも長く継続していることを示している。 したがって、異常判定、すなわち、VVT80
    の応答性は悪くて異常な状態にあると判定し、成層燃焼許可フラグXVVTに「OFF」を設定する(S62
    0)。

    【0122】こうして、処理を一旦終了し、次の制御周期に前述した処理を繰り返す。 上述したごとく、成層燃焼許可フラグXVVTの設定は、図22のVVT異常検出処理において、VVT80が正常であればXVVT=
    「ON」とされるが、VVT80が異常であればXVV
    T=「OFF」とされる。

    【0123】上述した図22のVVT異常検出処理は作動状態適不適検出手段としての処理に相当する。 以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。

    【0124】(イ). VVT80が異常か正常かを判断して、VVT80が異常な場合には、均質燃焼としてかつ吸気バルブ18を最遅角状態としてバルブオーバラップ量を0としている。 このため、VVT80が異常な場合にも、前記実施の形態1の(イ)で述べたと同様な作用により、燃焼状態やエミッションに対する内部EGR
    量の影響を少なくでき、燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがない。

    【0125】(ロ). 前記実施の形態1の(ロ)の効果を生じる。 [実施の形態3]本実施の形態3が前記実施の形態1と異なる点は、図19で示したバルブタイミング制御処理の代わりに、図26に示す最遅角位置学習・バルブタイミング制御処理が実行されている点である。 更に、図2
    0の成層燃焼許可フラグXVVT設定処理は行わない。
    他の構成は前記実施の形態1と同じである。 この最遅角位置学習・バルブタイミング制御処理は、例えば前記図19に示したバルブタイミング制御処理と同じ周期で実行される。 なお、最遅角位置学習を行うに際しての最遅角学習値GVTの初期値、すなわち、バッテリを取り替えたような場合の当初の最遅角学習値GVTは、バルブタイミングの公差上の上限値が設定される。 また、成層燃焼許可フラグXVVTには初期値として「OFF」が設定されている。

    【0126】最遅角位置学習・バルブタイミング制御処理が開始されると、まず、最遅角位置学習を行うか否かに応じて目標バルブタイミングtVVTを算出する。 なお、最遅角位置学習を行わない、すなわち通常制御を行う場合には、前記実施の形態1の図19に示したステップS310〜S340と同じ処理を行い、目標バルブタイミングtVVTを算出する(S710)。 次にこの目標バルブタイミングtVVTが実現されるように、EC
    U44はOCV78を駆動する(S720)。 すなわち、実VTが目標バルブタイミングtVVTへ向かって変化するようにOCV78を制御する。

    【0127】この実VTの制御においては、実VTはクランク角センサ42と気筒判別センサ46との信号に基づいて算出された実VT値をそのまま使用するのではなく、次式5に示すごとく、最遅角学習値GVTを用いて校正した実VTを用いる。

    【0128】

    【数5】 実VT ← 実VT − GVT … [式5] このように校正された実VTが目標バルブタイミングt
    VVTとなるように、ECU44はOCV78を制御するのである。

    【0129】また、ECU44は、最遅角位置学習を意味する目標バルブタイミングtVVT=0°CAであった場合には、OCV78を図7の状態に維持して、吸気カムシャフト26を回転させるベーンロータ82のベーン84を、ハウジング本体88の突条94に完全に当接した状態にする。 このことにより、最も安定した最遅角状態を実現している。

    【0130】次に、前記ステップS710にて算出された目標バルブタイミングtVVTが「0°CA」か否かが判定される(S730)。 ここで、tVVT≠0°C
    Aであれば(S730で「NO」)、このまま一旦処理を終了する。

    【0131】tVVT=0°CAであれば(S730で「YES」)、成層燃焼許可フラグXVVTに「OF
    F」が設定される(S740)。 このXVVT=「OF
    F」とされたことにより、以後、XVVT=「ON」となるまでは、図16に示した燃焼制御処理のステップS
    110では「NO」と判定されてステップS130〜S
    210が実行されるので、強制的に均質燃焼が実行される。

    【0132】ステップS740の次には、VVT80による吸気カムシャフト26の相対変位が完了したか否かが判定される(S750)。 実VTを検出して、実VT
    が変化中であれば変位が完了していないので変位の完了を待つ(S750で「NO」)。

    【0133】そして、実VTの変化が停止した場合には(S750で「YES」)、次にVVT80が故障か否かを判定する(S760)。 実VTが目標バルブタイミングtVVTと大きく離れた状態で停止した場合には、
    何らかの故障がVVT80に生じているものと判断できることから、このような場合を故障と判断している。

    【0134】VVT80が故障であれば(S760で「YES」)、このまま一旦処理を終了する。 VVT8
    0が故障でなければ(S760で「NO」)、次に実V
    Tの安定を確実なものとするため、予め設定した待機時間の経過を待つ(S770で「NO」)。

    【0135】待機時間が経過すれば(S770で「YE
    S」)、最遅角学習値GVTに対して、現在、クランク角センサ42と気筒判別センサ46との信号の関係から検出されている実VTが設定される(S780)。 そして、成層燃焼許可フラグXVVTに「ON」が設定され(S790)、一旦処理を終了する。

    【0136】このように、成層燃焼許可フラグXVVT
    が「ON」にされる(S790)ので、図16に示した燃焼制御処理のステップS110では「YES」と判定されて強制的な均質燃焼が終了する。

    【0137】以後、制御周期毎に、上述した処理が繰り返される。 このように、最遅角学習値GVTの学習処理の間は、成層燃焼許可フラグXVVT=「OFF」とされ、強制的に均質燃焼が行われる。

    【0138】上述した構成において、ステップS75
    0,S770,S780が基準位置学習制御(通常制御以外の制御)に相当し、ステップS730,S740が作動状態適不適検出手段としての処理に相当する。 なお、図26の最遅角位置学習・バルブタイミング制御処理において、ステップS710,S720の制御を実行した後、ステップS730にて「NO」と判定される状態は通常制御に相当する。

    【0139】以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。 (イ). VVT80の基準位置を決定する最遅角位置学習制御時においては、エンジン2の運転状態とは関係なくバルブオーバラップ量が0となり、その状態をしばらく維持する期間がある(S750〜780)。 この期間はバルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できない。 したがって、この期間には強制的に均質燃焼にしている。 このことにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響を少なくでき、燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがない。

    【0140】[その他の実施の形態] ・前記実施の形態1において、油温THOを検出して油圧状態を推定したが、油圧センサを設けることにより直接油圧を検出して判定しても良い。

    【0141】・前記実施の形態1においては、油温TH
    Oが高いときのみVVT80の作動が十分でないと判断したが、油温THOが極めて低温となって、極端に高い粘度となった場合も、オイルポンプによるVVT80への供給が十分でなくなることから、このように、極めて油温THOが低い場合もVVT80の作動が十分でないと判断して、均質燃焼と吸気バルブの最遅角化とを実行しても良い。

    【0142】・前記実施の形態2において、更に、図2
    0の成層燃焼許可フラグXVVT設定処理も実行してもよい。 この場合には、図22のVVT異常検出処理と図20の成層燃焼許可フラグXVVT設定処理とのいずれかにて、成層燃焼許可フラグXVVT=「OFF」とする処理(S450,S620)がなされた場合に、強制的な均質燃焼および最遅角化処理を行うようにする。

    【0143】・前記実施の形態3において、更に、図2
    0の成層燃焼許可フラグXVVT設定処理も実行してもよい。 この場合には、図26の最遅角位置学習・バルブタイミング制御処理と図20の成層燃焼許可フラグXV
    VT設定処理とのいずれかにて、成層燃焼許可フラグX
    VVT=「OFF」とする処理(S450,S740)
    がなされた場合に、強制的な均質燃焼を行うようにする。

    【0144】・前記各実施の形態にては、吸気バルブ1
    8のバルブタイミングを制御してバルブオーバラップ量を調整したが、排気バルブ20のバルブタイミングを制御してバルブオーバラップ量を調整しても良い。

    【0145】・VVT80はベーンロータ82を第1油圧室112と第2油圧室114との油圧差にて回転してバルブタイミングを調整するベーンタイプを使用したが、これ以外に油圧にてピストンを移動させ、ヘリカル機構を介してバルブタイミングを調整するヘリカルタイプを用いても良い。

    【0146】・前記各実施の形態において、油温THO
    の代わりに冷却水温THWを用いても良い。 ・前記実施の形態1,2において、VVT80が十分に作動できない場合でも、OCV78を図7に示した状態にすること(S380)で、吸気カムシャフト26の回転抵抗により吸気カムシャフト26自身は最遅角位置に戻ることができる。 これ以外にVVT80の第2油圧室114内に圧縮バネを設けることにより、OCV78を図7に示した状態にすると油圧が十分でなくても、圧縮バネの付勢力にて自動的に吸気カムシャフト26を最遅角させるようにしても良い。 VVT80にヘリカル機能を採用した場合も、油圧が不十分な時に同様にバネにて最遅角状態に戻るようにしても良い。

    【0147】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載した技術的事項以外に次のような技術的事項の実施形態を有するものであることを付記しておく。

    【0148】請求項1〜8のいずれかにおいて、内燃機関は燃料を燃焼室内に噴射する筒内噴射型であることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。

    【0149】

    【発明の効果】請求項1記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適した作動状態にない場合には、内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行している。 均質燃焼であれば燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくなる。 このためバルブオーバラップ量の調整を内燃機関の運転状態に応じさせることができない場合においても、燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがない。

    【0150】請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、前述したごとくの作動状態適不適検出手段と均質燃焼実行手段とを備えることができる。 このことにより、均質燃焼実行手段は、作動状態適不適検出手段にて可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、内燃機関の運転状態に応じて成層燃焼を行う場合においても成層燃焼の代わりに均質燃焼を実行することができる。 こうして、請求項1の効果を生じさせることができる。

    【0151】請求項3記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、請求項2記載の構成に対して、前記作動状態適不適検出手段は、前記可変バルブタイミング機構が正常か異常かを検出して、正常である場合を成層燃焼に適し、異常である場合を成層燃焼に適していないと判定している。 可変バルブタイミング機構が異常である場合には、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 このため燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがなく、請求項2の効果を生じる。

    【0152】請求項4記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、請求項2記載の構成に対して、前記作動状態適不適検出手段は、内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあるか否かを検出して、正常に作動できる運転状態にある場合を成層燃焼に適し、正常に作動できない運転状態にある場合を成層燃焼に適していないと判定している。 内燃機関の運転状態が可変バルブタイミング機構を正常に作動できない場合には、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 このため燃焼状態の悪化やNO
    xの問題を招くことがなく、請求項2の効果を生じる。

    【0153】請求項5記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、請求項4記載の構成に対して、前記可変バルブタイミング機構は内燃機関の駆動に応じて発生する作動液圧により作動するとともに、前記作動状態適不適検出手段は、前記作動液圧の圧力を検出して、該圧力が判定液圧より高い場合に内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあると検出し、判定液圧より低い場合に内燃機関の運転状態が前記可変バルブタイミング機構を正常に作動できない運転状態にあると検出することとしている。 このように内燃機関の運転状態が可変バルブタイミング機構を正常に作動できる運転状態にあるか否かの判断は、可変バルブタイミング機構が内燃機関の駆動に応じて発生する作動液圧により作動している場合には、この液圧の状態を判定することにより判断できる。 したがって、判定液圧より低い場合に内燃機関の運転状態が可変バルブタイミング機構を正常に作動できない運転状態にあると検出できる。 この状態では、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR
    量の影響は少なくできる。 こうして、請求項4の効果を生じる。

    【0154】請求項6記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、請求項2記載の構成に対して、前記作動状態適不適検出手段は、前記可変バルブタイミング機構に対する制御が内燃機関の運転状態に応じた通常制御を行っているか否かを検出して、通常制御を行っている場合を成層燃焼に適し、通常制御以外の制御を行っている場合を成層燃焼に適していないと判定している。 このように、作動状態適不適検出手段は、成層燃焼実行の適不適を、可変バルブタイミング機構に対する制御が内燃機関の運転状態に応じた通常制御を行っているか否かに基づいて判定させることができる。 バルブオーバラップ量が内燃機関の運転状態に応じて制御されていない場合には、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 このため燃焼状態の悪化やNOxの問題を招くことがなく、請求項2の効果を生じる。

    【0155】請求項7記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、請求項6記載の構成に対して、前記可変バルブタイミング機構に対する制御は、内燃機関の運転状態に応じた通常制御以外に、必要時に前記可変バルブタイミング機構の基準状態を決定する基準位置学習制御を行うとともに、前記作動状態適不適検出手段は、前記通常制御を行っている場合を成層燃焼に適し、前記基準位置学習制御を行っている場合を成層燃焼に適していないと判定している。 内燃機関の運転状態に応じた通常制御以外の制御としては、可変バルブタイミング機構の基準状態を決定する基準位置学習制御を挙げることができる。
    この基準位置学習制御時には内燃機関の運転状態とは直接関係なくバルブオーバラップ量が変化する。 したがって、作動状態適不適検出手段は、基準位置学習制御が行われている場合には成層燃焼には適していないと判定することができる。 このため、バルブオーバラップ量を成層燃焼に適した状態に制御できないことから、均質燃焼にすることにより燃焼状態やエミッションに対する内部EGR量の影響は少なくできる。 こうして、請求項6の効果を生じる。

    【0156】請求項8記載の内燃機関の燃焼制御装置においては、請求項3〜5のいずれかの構成に加えて、前記作動状態適不適検出手段にて前記可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、バルブオーバラップ量が最小の状態となるように前記可変バルブタイミング機構を制御するバルブオーバラップ量最小化手段を備えている。 このように、
    バルブオーバラップ量最小化手段は、作動状態適不適検出手段にて可変バルブタイミング機構の作動状態が成層燃焼に適していないと判定された場合には、可変バルブタイミング機構を制御することで、バルブオーバラップ量が最小の状態となるようにしている。 この時、可変バルブタイミング機構は異常かあるいは駆動が十分でない状態ではあるが、状況によっては不十分ながら可変バルブタイミング機構が作動してバルブオーバラップ量を低減できる場合がある。 あるいは可変バルブタイミング機構によってはバルブオーバラップ量の低減ならば可変バルブタイミング機構が異常でもほぼ確実に実現できる場合がある。 このようにして、バルブオーバラップ量が低減できることにより、均質燃焼実行手段が実行する均質燃焼に一層適した混合気の状態を形成することができる。 このため、請求項3〜5のいずれかの効果に加えて、より一層、燃焼状態やエミッションに対する内部E
    GR量の影響は少なくすることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 実施の形態1における筒内噴射式ガソリンエンジンの概略構成を表す説明図。

    【図2】 前記筒内噴射式ガソリンエンジンのシリンダヘッドおよび吸気系の構成説明図。

    【図3】 前記筒内噴射式ガソリンエンジンのピストン頂面部分の平面図。

    【図4】 図2におけるX−X断面図。

    【図5】 図2におけるY−Y断面図。

    【図6】 実施の形態1における制御系を示すブロック図。

    【図7】 実施の形態1におけるVVTおよびOCVの構成を示す断面図。

    【図8】 実施の形態1におけるVVTの構成を示す図7におけるA−A断面図。

    【図9】 実施の形態1におけるロックピンの周辺構造を示す断面図。

    【図10】 実施の形態1におけるロックピンの周辺構造を示す断面図。

    【図11】 実施の形態1におけるOCVの動作説明図。

    【図12】 実施の形態1におけるOCVの動作説明図。

    【図13】 実施の形態1におけるVVTの動作説明図。

    【図14】 実施の形態1における運転領域の説明図。

    【図15】 実施の形態1における理論空燃比基本燃料噴射量QBSを求めるためのマップの説明図。

    【図16】 実施の形態1における燃焼制御処理のフローチャート。

    【図17】 実施の形態1における燃焼制御処理のフローチャート。

    【図18】 実施の形態1におけるリーン燃料噴射量Q
    Lを求めるためのマップの説明図。

    【図19】 実施の形態1におけるバルブタイミング制御処理のフローチャート。

    【図20】 実施の形態1における成層燃焼許可フラグXVVT設定処理のフローチャート。

    【図21】 実施の形態1におけるVVTの動作説明図。

    【図22】 実施の形態2におけるVVT異常検出処理のフローチャート。

    【図23】 実施の形態2における油温とバルブタイミングの応答性との関係、および油温THOと温度補正検出時間kTHOとの関係を示す説明図。

    【図24】 実施の形態2における油温とフリクションおよび油圧との関係を示すグラフ。

    【図25】 実施の形態2におけるエンジン回転数NE
    とVVTの応答性との関係、およびエンジン回転数NE
    と回転数補正検出時間kNEとの関係を示す説明図。

    【図26】 実施の形態3における最遅角位置学習・バルブタイミング制御処理のフローチャート。

    【符号の説明】

    2…エンジン、4…シリンダブロック、4a…オイルパン、6…シリンダヘッド、6a…ジャーナル軸受、8…
    シリンダ、10…ピストン、10a…凹部、10b…周壁面、12… コンロッド、14…クランクシャフト、
    16…燃焼室、17…点火プラグ、18…吸気バルブ、
    18a…第1吸気ポート、18b…第2吸気ポート、1
    8c,20c…バルブリフタ、20…排気バルブ、20
    a,20b…一対の排気ポート、22…燃料リザーバ、
    22a…燃圧センサ、24…燃料噴射弁、25…アクセルペダル、26…吸気カムシャフト、26a…ジャーナル、28…排気カムシャフト、30,32…バルブカム、34,36…カムスプロケット、34a…外歯、3
    8…クランクスプロケット、40…タイミングチェーン、42…クランク角センサ、44…電子制御装置(E
    CU)、44a…ROM、44b…CPU、44c…R
    AM、44d…バックアップRAM、44e…双方向バス、44f…入力インターフェース、44g…出力インターフェース、46…気筒判別センサ、50…高圧燃料ポンプ、50a…電磁スピル弁、50b…タペット、5
    0c…燃料タンク、50d…低圧フィードポンプ、51
    …ポンプカム、52…サージタンク、54…旋回流制御弁、54a…シャフト、56…旋回流制御弁用モータ、
    58…吸気管、60…スロットルモータ、62…スロットル弁、64…アクセルセンサ、64a…アクセルペダル、66…スロットルセンサ、68…油温センサ、70
    …水温センサ、72…吸入空気量センサ、74…空燃比センサ、76…イグナイタ、78… オイルコントロールバルブ(OCV)、80…可変バルブタイミング機構(VVT)、81…ベアリングキャップ、82…ベーンロータ、84…ベーン、85…ボルト、86…側板、8
    8… ハウジング本体、90…カバー、92…ボルト、
    94…突条、96…貫通孔、98…ロックピン、98a
    …収容孔、98b…先端部、100…スプリング、10
    2…係止穴、104… 油溝、106…長穴、108…
    ボス、110…凹部、112…第1油圧室、114…第2油圧室、116,118…溝、120…シールプレート、122…板バネ、124…シールプレート、126
    …板バネ、128…油路、130…環状油空間、132
    …油路、134…第1油路、136…第2油路、138
    …油溝、140…油孔、142…油通路、144…環状空間、146…油孔、148…油溝、150…油孔、1
    52…油通路、154…油孔、156…油溝、158…
    油溝、160…油孔、166…供給通路、168…排出通路、169…オイルポンプ、170…ケーシング、1
    72…第1給排ポート、174…第2給排ポート、17
    6…スプール、176a…弁部、178…第1排出ポート、180…第2排出ポート、182…供給ポート、1
    84…コイルスプリング、186…電磁ソレノイド、P
    1,P2…油路。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 301 F02D 41/02 301A 301F 41/04 335 41/04 335C 41/22 335 41/22 335Z 43/00 301 43/00 301J 301Z (72)発明者 上條 祐輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G016 AA08 AA12 AA19 BA03 BA06 BA23 BA28 BA39 CA04 CA13 CA21 CA24 CA27 CA33 CA36 CA48 CA57 CA59 CA60 DA06 DA22 GA00 3G023 AA05 AA18 AB03 AC05 AD07 AD09 AF01 AG01 AG02 AG03 3G084 AA00 AA04 BA09 BA13 BA15 BA21 CA03 CA04 CA09 DA10 DA26 DA27 DA33 EB12 EB17 FA07 FA10 FA20 FA29 FA33 FA38 3G092 AA01 AA06 AA09 AA10 AA11 BA04 BB02 BB06 DA01 DA02 DA08 DA12 DC03 DC06 DF04 EA05 EA07 EC01 EC05 FA03 FA17 FB03 FB05 FB06 GA05 GA06 GA17 GA18 HA01Z HB03Z HD05X HD05Z HE01Z HE03Z HE05Z HE08Z HF08Z 3G301 HA01 HA04 HA16 HA17 HA19 JA03 JA25 JB02 JB07 JB09 KA08 KA09 KA24 KA25 LA05 MA01 MA14 MA19 ND01 ND21 NE13 NE15 PA01Z PA11Z PB08Z PD04A PD04Z PE01Z PE03Z PE05Z PE08Z PF03Z

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