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Thermosetting resin composition, prepreg, laminate, metal foil-clad laminate, and circuit board

阅读:720发布:2024-02-25

专利汇可以提供Thermosetting resin composition, prepreg, laminate, metal foil-clad laminate, and circuit board专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a laminate, a circuit board and the like at low cost, which are excellent in thermal conductivity, machinability, flame retardance, resin flowability, and hygroscopic insulation.SOLUTION: A thermosetting resin composition is used, which is characterized by containing 40-80 parts by volume of an inorganic filler per 100 parts by volume of the total of the thermosetting resin solid content and the inorganic filler and which is characterized in that the inorganic filler contains: (A) gibbsite type aluminum hydroxide particles and/or magnesium hydroxide particles having an average particle diameter (D50) of 1-15 μm; (B) aluminum oxide particles having an average particle diameter (D50) of 1.5 μm or less; and (C) a molybdenum compound. This thermosetting resin composition is also characterized in that the blending ratios (by volume) of the component (A), the component (B) and the component (C) are respectively 30-70%, 1-40% and 1-10% when the total volume of the inorganic filler is taken as 100%.,下面是Thermosetting resin composition, prepreg, laminate, metal foil-clad laminate, and circuit board专利的具体信息内容。

  • 熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた100体積部に対して、無機充填材40〜80体積部を含有し、
    前記無機充填材は、(A)1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有するギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子から選択される少なくとも1つ、(B)1.5μm以下の平均粒子径(D 50 )を有する酸化アルミニウム粒子、及び、(C)モリブデン化合物を含有し、
    無機充填材の総量を100%としたときに、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分との配合(体積)が、(A)成分:30〜70%、(B)成分:1〜40%、(C)成分:1〜10%であることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。
  • さらに無機充填材として(D)0.1〜3μmの平均粒子径(D 50 )を有するベーマイト粒子を含有し、かつ 無機充填材の総量を100%としたときに前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分の配合(体積)が、(A)成分:30〜70%、(B)成分:1〜30%、(C)成分:1〜10%、(D)成分:10〜30%である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  • さらに無機充填材として(E)0.1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有する、熱伝導率9W/mK以上の無機粒子を含有する、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  • 前記(E)無機微粒子が、1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有し、かつ、下記式を満たす酸化マグネシウムである、請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    1≦BET/S≦5 (式1)
    (式中、BETはBET比表面積をさし、Sは6/(平均粒子径)(密度)で示される球換算での比表面積の理論計算値を示す)
  • 無機充填材の総量を100%としたときに、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分と前記(E)成分の配合(体積)が(A)成分:30〜50%、(B)成分:1〜20%、(C)成分:1〜10%、(D)成分:10〜30%、(E)成分:10〜50%である、請求項3又は4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  • 請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を織布基材に含浸させて得られることを特徴とするプリプレグ。
  • 請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を不織布基材に含浸させて得られることを特徴とするプリプレグ。
  • 熱硬化性樹脂組成物の体積比率が50〜90体積%である、請求項6または7に記載のプリプレグ。
  • 請求項6〜8のいずれか1つに記載のプリプレグを1枚、又は複数枚積層して成形することによって得られる積層板。
  • 請求項9に記載の積層板の少なくとも一表面に、金属箔が張られてなることを特徴とする金属箔張積層板。
  • 請求項10に記載された金属箔張積層板に回路形成して得られることを特徴とする回路基板。
  • 说明书全文

    本発明は、優れた回路基板の製造に用いられる新規な熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグ、積層板、金属箔張積層板、及び回路基板に関する。

    電子機器用のプリント配線基板に用いられる代表的な積層板として、ガラスクロスにエポキシ樹脂等の樹脂成分を含浸させたプリプレグを積層成形して得られるFR−4と称されるタイプの積層板が広く用いられている。 なお、FR−4の称呼は、アメリカのNEMA(National Electrical Manufactures Association)による規格による分類である。 また、芯材層として、不織布に樹脂成分を含浸させた層が配置され、該芯材層の両表面にそれぞれ、表面層としてガラスクロスに樹脂成分を含浸させた層が積層されて構成される、CEM−3タイプと称されるコンポジット積層板も知られている。

    例えば、下記特許文献1には、層間接着強度が高く、耐アルカリ性、耐熱性、打抜加工性に優れたコンポジット積層板として、不織布および/または紙に樹脂ワニスが含浸されてなる樹脂含浸材芯材の両面に、ガラス布に樹脂ワニスが含浸されてなる樹脂含浸表層材が貼着され、さらに金属箔が貼設されてなるコンポジット積層板において、芯材に用いられる樹脂ワニスが、タルクと酸化アルミニウムを併せた充填剤を含有しており、タルクと水酸化アルミニウムとの配合比が0.15〜0.65:1であり、水酸化アルミニウムがベーマイト型であることを特徴とするコンポジット積層板が記載されている。

    また、例えば、下記特許文献2には、熱的に安定で難燃性に優れたコンポジット積層板として、樹脂含浸ガラス織布からなる表面層および硬化性樹脂含浸ガラス不織布からなる中間層で構成されるプリント回路基板用積層材において、中間層が、中間層中の樹脂基準で200重量%〜275重量%の量の、分子式Al 23・nH 2 O(式中、nは>2.6
    かつ<2.9の値を有する)水酸化アルミニウムを含有することを特徴とする積層材が記載されている。

    特開昭62−173245号公報

    特表2001−508002号公報

    近年、電子機器の軽薄短小化の進展に伴い、プリント配線基板に実装される電子部品の高密度実装化が進んでおり、また、実装される電子部品としては、放熱性が要求されるLED(Light Emitting Diode)等が複数実装されることもある。 このような用途において用いられる基板としては、従来の積層板では、放熱性が不充分であるという問題があった。 また、実装方法としては、リフローハンダが主流となっており、特に、環境負荷を軽減する目的から、高温のリフロー処理が必要とされる鉛フリー半田を用いたリフローハンダが主流となっている。 このような、鉛フリーハンダを用いたリフローハンダ工程においては、ブリスタの発生等を抑制するために高い耐熱性が求められる。 さらに、ドリルによる穴あけやルーターによる切削等の機械加工性を維持することも求められる。 また、安全面からは、UL−94でV−0レベルを満たすような難燃性も求められる。

    一方、基板材料の高熱伝導性を実現するためには、高熱伝導フィラーを高充填させることが一般的に行われている。 しかしながら、高熱伝導フィラーにはそれぞれの長所短所があり、LED照明用のプリント配線板やエンジンルームで使用されるECU基板に要求される事項を全て満足できていないのが現状である。

    例えば、熱伝導率の高いアルミナ(酸化アルミニウム)を使用することで、樹脂組成物の熱伝導性を向上させることは知られている。 しかし、アルミナは硬度が非常に高く、樹脂組成物の機械加工性が劣る。

    積層板に放熱性を付与するために、熱伝導率がやや高い水酸化アルミニウムを配合した場合、積層板の放熱性は向上する。 また、難燃性も向上する。 しかしながら、水酸化アルミニウムを配合しすぎた場合、積層板の耐熱性が大幅に低下して、ハンダリフロー時にブリスタが発生しやすくなるという問題が生じた。

    また、水酸化アルミニウムとアルミナを併用して、アルミナを多く配合した場合、アルミナの硬度が非常に高いため、ドリルによる穴あけやルーターによる切削等といった機械加工の際にビットが折損してしまうため、頻繁にビットを交換しなければならないという問題や、難燃性が低下するという問題が生じた。 また、ビットの折損を抑制するために酸化アルミニウムの配合量を減量した場合には、耐熱性及び熱伝導性が充分に得られないという問題が生じた。

    酸化マグネシウムは、熱伝導率がアルミナと同等であり、かつ硬度もアルミナより低く、これを配合した樹脂成形物の加工性が良好である。 しかしながら、酸化マグネシウムには吸湿して水酸化マグネシウムに変化する性質がある。 この対策として特別な焼成や表面処理が検討されているが、価格が高い、或いは粒子径が大きい、或いは高充填したときの流動性が悪いといった欠点がある。

    窒化アルミニウムや窒化ホウ素は形状が球状でないために構造粘性によって樹脂流れを悪化させる。 また、いずれも非常に高価格であるというコスト面の問題もある。

    本発明者らは、このような問題を解決すべく、熱伝導性、機械加工性、難燃性、樹脂流れ性、吸湿絶縁性、及び価格に優れた回路基板等に用いられ得る熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。

    すなわち、本発明の一局面は、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた100体積部に対して、無機充填材40〜80体積部を含有し、前記無機充填材は、(A)1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有するギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子から選択される少なくとも1つ、(B)1.5μm以下の平均粒子径(D 50 )を有する酸化アルミニウム粒子、及び、(C)モリブデン化合物を含有し、無機充填材の総量を100%としたときに配合(体積)が(A)成分:30〜70%、(B)成分:1〜40%、(C)成分:1〜10%であることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物である。

    さらに本発明は、以下をも包含する。

    さらに、無機充填材として(D)0.1〜3μmの平均粒子径(D 50 )を有するベーマイト粒子を含有し、かつ無機充填材の総量を100%としたときに前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分の配合(体積)が、(A)成分:30〜70%、(B)成分:1〜30%、(C)成分:1〜10%、(D)成分:10〜30%である、上記熱硬化性樹脂組成物。

    さらに無機充填材として(E)0.1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有する、熱伝導率9W/mK以上の無機粒子を含有する、上記熱硬化性樹脂組成物。

    前記(E)無機微粒子が、1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有し、かつ、下記式を満たす酸化マグネシウムである、上記熱硬化性樹脂組成物。
    1≦BET/S≦5 (式1)
    (式中、BETはBET比表面積をさし、Sは6/(平均粒子径)(密度)で示される球換算での比表面積の理論計算値を示す)
    無機充填材の総量を100%としたときに、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分と前記(E)成分の配合(体積)が(A)成分:30〜50%、(B)成分:1〜20%、(C)成分:1〜10%、(D)成分:10〜30%、(E)成分:10〜50%である、上記熱硬化性樹脂組成物。

    上記の熱硬化性樹脂組成物を織布基材又は不織布基材に含浸させて得られることを特徴とするプリプレグ。

    熱硬化性樹脂組成物の体積比率が50〜90体積%である、上記のプリプレグ。

    上記プリプレグを1枚、又は複数枚積層して成形することによって得られる積層板。

    上記の積層板の少なくとも一表面に、金属箔が張られてなることを特徴とする金属箔張積層板。

    上記金属箔張積層板に回路形成して得られることを特徴とする回路基板。

    本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いれば、熱伝導性、機械加工性、難燃性、樹脂流れ性、吸湿絶縁性、及び価格の全てに優れた積層板や回路基板が得られる。

    図1は本発明の一実施形態に係るコンポジット積層板の模式断面図である。

    図2はLEDバックライトユニットの模式構成図である。

    本発明に係る好ましい実施形態を、以下に説明する。

    本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた100体積部に対して、無機充填材40〜80体積部を含有し、前記無機充填材は、(A)1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有するギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子から選択される少なくとも1つ、(B)1.5μm以下の平均粒子径(D 50 )を有する酸化アルミニウム粒子、及び、(C)モリブデン化合物を含有し、無機充填材の総量を100%としたときに、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の配合(体積)が(A)成分:30〜70%、(B)成分:1〜40%、(C)成分:1〜10%の範囲であることを特徴とする。

    熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂;不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂等のラジカル重合型熱硬化性樹脂;等の液状の熱硬化性樹脂が用いられる。 また、熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化剤や硬化触媒が配合される。 また、ラジカル重合型熱硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて、スチレン、ジアリルフタレート等のラジカル重合性モノマー等を適宜配合しても良い。 また、いずれにおいても、粘度調整や生産性を改良するために、必要に応じて溶剤を配合してもよい。

    前記エポキシ樹脂としては、積層板や回路基板の製造に用いられ得る各種有機基板を構成するエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。 具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アラルキルエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。 これらは、状況に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

    また、樹脂組成物、ひいてはプリプレグ、積層板及び回路基板に難燃性を付与するために、臭素化又はリン変性(リン含有)した、前記エポキシ樹脂、窒素含有樹脂、シリコーン含有樹脂等を用いることもできる。 その場合も、これらは、状況に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 環境面からは、ハロゲン系難燃剤は使用しない方が良い。

    必要に応じて配合される硬化剤としては、特に限定されない。 具体的には、例えば、ジシアンジアミド、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミノトリアジンノボラック系硬化剤、シアネート樹脂等が挙げられる。 これらは、状況に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

    本実施形態において、上記熱硬化性樹脂固形分と後述する無機充填材を合わせて100体積部とした場合、それに対する無機充填材の配合割合は、40〜80体積部であり、好ましくは、50〜70体積部、さらに好ましくは、55〜65体積部である。 一般的な熱硬化性樹脂の熱伝導率は0.2W/m・Kと低いため、無機充填材の配合割合が40体積部未満の場合には、樹脂組成物の熱伝導率が低くなる。 一方、80体積部を超える場合には、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、成型する際のフロー性が著しく低下するため、これを使用して得られるプリント配線板にボイドが発生し、信頼性が低下する。

    以下に本実施形態で使用される無機充填材について詳しく説明する。

    前記(A)成分における、ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子は、Al(OH) またはAl 23・3H 2 Oで表されるアルミニウム化合物であり、積層体に、熱伝導性、難燃性、機械加工性をバランスよく付与する成分である。

    また、前記(A)成分における水酸化マグネシウムも同様に、積層体に、熱伝導性、難燃性、機械加工性をバランスよく付与する成分である。

    これらギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウムは、フィラーの中では比較的硬度が低く、また難燃性の付与に貢献する。

    ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウムの平均粒子径(D 50 )は、1〜15μmであり、より好ましくは3〜10μmである。 ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウムの平均粒子径(D 50 )が15μmを超える場合には絶縁信頼性が低下し、1μm未満の場合には、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、成型する際のフロー性が著しく低下するため、これを使用して得られるプリント配線板にボイドが発生しやすくなる。

    なお、本明細書における平均粒子径(D 50 )はレーザ回折式粒度分布測定装置にて測定して得られる粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブが50%となる点の粒子径を意味する。

    さらに、前記(A)成分におけるギブサイト型水酸化アルミニウム粒子は、耐熱処理されたものであることが好ましい。 ギブサイト型水酸化アルミニウムの耐熱処理として様々な方法が検討されているが、本実施形態における耐熱処理とは、例えば1%脱水温度が250℃以上あるが、ベーマイト相は全量の15%未満の状態にするような処理をさす。

    これらの(A)成分におけるギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウムは、それぞれ単独で(A)成分として用いてもよいし、併用して用いてもよい。

    次に、前記(B)成分における1.5μm以下の平均粒子径(D 50 )を有する酸化アルミニウム(アルミナ)粒子は、回路基板の耐熱性を低下させずに熱伝導性を付与する成分である。 酸化アルミニウムは硬度が高いが高充填させやすいという利点を有する。

    酸化アルミニウムの平均粒子径(D 50 )は1.5μm以下であれば、特に限定はされないが、好ましくは0.4〜0.8μmである。 酸化アルミニウム粒子の平均粒子径が1.5μmを超えると、プリント配線板として機械加工する場合に一般的に用いられるルーターやドリルビットが頻繁に折損してしまう。

    次に、前記(C)成分であるモリブデン化合物は、機械加工性をさらに向上させるための成分である。

    本実施形態において用いられ得るモリブデン化合物としては、例えば、三酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸バリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、ケイモリブデン酸などのモリブデン酸化物およびモリブデン酸化合物、ホウ化モリブデン、ニケイ化モリブデン、窒化モリブデン、炭化モリブデン等のモリブデン化合物が挙げられ、これらの単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

    これらの中でも、化学的安定性と耐湿性、絶縁性の観点からモリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム等を用いるのが好ましい。

    上記モリブデン化合物は、吸油量が低いため、樹脂組成物に配合した場合、本発明の配合範囲では、樹脂組成物の流動性に影響を与えない。

    また、上記モリブデン化合物は、分散性および廉価性の観点から、フィラーに担持させることが好ましい。 担持させるのに用いるフィラーとしては、樹脂組成物の流動性を良好に保つという観点から吸油量の低いものが好ましく、具体的には酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。

    このようなモリブデン化合物としては市販のものを用いることもでき、具体的な例示としては、シャーウィン・ウィリアムズ(株)製、KEMGARD911A、KEMGARD911B、KEMGARD911C等が挙げられる。

    前記ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子から選択される少なくとも1つ(A)、前記酸化アルミニウム粒子(B)、及び、前記モリブデン化合物(C)の無機充填材全体に対する配合(体積)は、それぞれ30〜70%、1〜40%、1〜10%の範囲であり、好ましくは、35〜65%、5〜35%、2〜8%の範囲である。

    前記(A)成分が上記範囲より少ないと難燃性が不足し、上記範囲を超えると耐熱性および絶縁信頼性が低下するおそれがある。

    また、前記(B)酸化アルミニウム粒子が、上記範囲より少ないと樹脂流れや成型性不良となり、また上記範囲を超えるとドリルやルータービットが頻繁に折損する等、機械加工性が低下するおそれがある。

    さらに、前記(C)モリブデン化合物が、上記範囲より少ないと、機械加工性を向上する効果が十分でなく、ドリルやルータービットが折損しやすくなる。 一方、上記範囲を超えると銅箔ピール強度が低下する。 また、熱分解温度が低下するおそれがある。

    本実施形態においては、上記成分以外に、さらに無機充填材として(D)0.1〜3μmの平均粒子径(D 50 )を有するベーマイト粒子を含有していてもよい。 このように粒子径の小さなベーマイト粒子を含有させることによって、無機充填材をさらに高充填することができると考えられる。 また、このようなベーマイト粒子を含有させることによって、さらに酸化アルミニウムの含有量を減らすこともでき、ひいては、機械加工性が向上すると考えられる。

    このような(D)0.1〜3μmの平均粒子径(D 50 )を有するベーマイト粒子をさらに含有する場合、前記ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子から選択される少なくとも1つ(A)、前記酸化アルミニウム粒子(B)、前記モリブデン化合物(C)、及び前記ベーマイト粒子(D)の無機充填材全体に対する配合(体積)は、それぞれ30〜70%、1〜30%、1〜10%、10〜30%の範囲である。 前記ベーマイト粒子(D)の配合比が、10%未満であると、樹脂流れの抑制や成型性の効果が小さくなり、一方、30%を超えると樹脂流れ、成型性がかえって悪化するおそれもある(小粒径添加によってフィラーを高充填できるという効果よりも、比表面積が増加することによる影響が大きくなるためと考えられる)。

    また、本実施形態においては、上記成分に加えて、さらなる無機充填材として(E)0.1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有する、熱伝導率9W/mK以上の無機粒子を含有していてもよい。 このような高熱伝導性フィラーをさらに含むことで、いっそう熱伝導性が向上すると考えられる。

    前記(E)の無機粒子としては、電気絶縁性を有し、0.1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有し、熱伝導率9W/mK以上であれば、特に限定はなく用いることができるが、例えば、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛などが具体例として挙げられる。

    これらの中では、1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有する酸化マグネシウムが好ましく用いられる。 熱伝導率9W/mK以上の酸化マグネシウムは、例えば、水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムを1600〜2000℃で焼成させることによって得ることができる。 ここで、焼成温度が1600未満であると、十分な熱伝導性を有する無機粒子が得られず、耐湿性も悪くなると考えられる。 また、一方2000℃を超えると、無機粒子が硬くなりすぎて、充填剤として適当な粒径に粉砕することが難しくなるが、強粉砕すると、比表面積が大きくなるため、樹脂組成物のフロー性が低下し、成型性が悪くなるおそれがある。

    よって、水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムを1600〜2000℃で焼成させ、融着した粒子を解砕、分級して得られる酸化マグネシウムを用いるのが好ましい。

    また、このようにして得られる酸化マグネシウムは、下記式(1)を満たす酸化マグネシウムである。

    1≦BET/S≦5 (1)
    (式中、BETはBET比表面積[m /g]をさし、Sは6/(平均粒子径[μm])×(密度[g/cm ])で示される、球換算での比表面積の理論計算値を示す)
    特に好ましくは、下記式(2)を満たす酸化マグネシウムであれば、ロータリーキルンなどの連続焼成による製造が可能であり、より生産価格を抑えられるという利点もある。

    2≦BET/S≦5 (2)
    (式中は、前記同様)
    一方、上記式において、BET/Sが5を超えると、樹脂組成物の流動性が損なわれ、成型性が悪くなり、また耐湿性も良好ではなくなるおそれがある。

    また、前記酸マグネシウム粒子の平均粒子径(D 50 )は1〜15μmであるが、1μm未満であると比表面積が大きくなり流動性が悪くなるおそれがある。 さらに、耐湿性が悪くなると考えられる。 一方、15μmより大きくなると、樹脂との界面にクラックが入りやすく、絶縁信頼性が悪化するおそれがある。 さらに、携帯端末用の基材で要求されるような薄いプリプレグが製造しにくくなるおそれがある。

    このように前記(E)の無機粒子を含む場合、前記ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子から選択される少なくとも1つ(A)、前記酸化アルミニウム粒子(B)、前記モリブデン化合物(C)、前記ベーマイト粒子(D)、及び前記無機粒子(E)の無機充填材全体に対する配合比率(体積比率)は、それぞれ30〜50%、1〜20%、1〜5%、10〜30%、10〜50%である。

    前記無機粒子(E)配合比が10%未満であると高熱伝導化の効果が少なくなり、一方、50%を超えると、成型する際のフロー性が低下する。

    本実施形態においては、上記(A)〜(C)成分以外に、上記(D)〜(E)の無機粒子を含む場合、(D)+(E)の無機粒子配合量は、無機充填剤全体の体積に対して68%以下、好ましくは60%以下まで含有してもよい。

    また、(A)〜(E)成分以外に、その他の無機粒子を無機充填剤全体の体積に対して10%以下程度含有してもよいが、その他の無機粒子と(D)+(E)の無機粒子の合計は無機充填剤全体の体積に対して68%以下、好ましくは60%以下である。

    熱硬化性樹脂組成物は、液状の熱硬化性樹脂に上述した無機粒子成分を配合し、ディスパー、ボールミル、ロール等を用いて、各無機粒子を分散させる公知の調製方法により調製される。 なお、必要に応じて、粘度を調整するための有機溶剤や、各種添加剤を配合してもよい。

    次に、上記熱硬化性樹脂組成物を用いたプリプレグについて説明する。

    上記熱硬化性樹脂組成物を用いたプリプレグは、織布(クロス)又は不織布等の繊維基材に上記熱硬化性樹脂組成物を含浸させることにより得られる。

    繊維基材を形成する繊維としては、ガラス繊維;アラミド繊維,ポリエステル繊維,ナイロン繊維等の合成繊維;天然繊維等が挙げられる。

    繊維基材の厚さは、特に限定されず、一例としては、例えば10〜300μm程度である。

    プリプレグは、上記のような繊維基材に、上記熱硬化性樹脂組成物を含浸及び半硬化させることにより得られる。 具体的には、熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸し、繊維基材に含浸した熱硬化性樹脂組成物を加熱乾燥することにより、熱硬化性樹脂が半硬化状態とされたプリプレグが得られる。

    そして、プリプレグを1枚又は複数枚重ねて、さらにその外側に金属箔を重ね、所定温度及び所定圧で加熱プレスすることにより回路基板が得られる。

    本実施形態において、上記熱硬化性樹脂組成物固形分と繊維基材を合わせて100体積部とすると、熱硬化性樹脂組成物固形分は50〜90体積部である。 一般に繊維基材の熱伝導率は低く、例えばガラス繊維の熱伝導率は1.0W/m・Kである。 このため、熱硬化性樹脂組成物固形分が50体積部未満では1.0W/m・Kを超える熱伝導率の高いプリプレグは得られない。 また、プリプレグ中の熱硬化性樹脂の体積比率が低くなるため、成型する際のフロー性が低下する。 一方、熱硬化性樹脂組成物固形分が90体積部を超える場合には構造体となっている繊維基材の体積比率が低くなるため、強度が不足する。

    次に、上記熱硬化性樹脂組成物を用いたコンポジット積層板10を、図1を参照しながら説明する。

    コンポジット積層板10は、芯材層1と、芯材層1の両表面に積層された表材層2とが積層一体化された層構成を有する。 そして、その表層には、さらに金属箔3が積層されて金属箔張積層板を構成している。

    芯材層1は不織繊維基材1aと上述したような熱硬化性樹脂組成物1bから構成されており、表材層2は、織繊維基材2aと樹脂組成物2bから構成されている。

    以下に、コンポジット積層板10の製造方法について詳しく説明する。

    はじめに、芯材層1を形成するためのプリプレグ(以下、芯材層プリプレグとも呼ぶ)について説明する。

    芯材層プリプレグは、ガラス不織布、ガラス紙、合成樹脂不織布、紙、等の不織繊維基材1aに、上述した熱硬化性樹脂組成物を含浸させることにより得られる。

    不織繊維基材の種類は特に限定されないが、ガラス不織布やガラス紙、アラミド繊維,ポリエステル繊維,ナイロン繊維等の合成樹脂繊維を用いた合成樹脂不織布、紙等が挙げられる。 このような不織繊維基材は織繊維基材に比べて粗であるために、コンポジット積層体のドリル加工性を向上させる。

    次に、表材層2を形成するためのプリプレグ(以下、表材層プリプレグとも呼ぶ)について説明する。

    表材層プリプレグは、ガラスクロス(織布)や、アラミド繊維,ポリエステル繊維,ナイロン繊維等の合成繊維を用いた合成繊維クロス(織布)のような織繊維基材2aに、熱硬化性樹脂の樹脂ワニスを含浸させることにより得られる。 このように、表材層に織繊維基材を用いることにより、得られるコンポジット積層板の寸法安定性や耐熱性を向上させることができる。

    なお、表材層プリプレグを形成するための樹脂ワニスとしては、芯材層プリプレグの製造に用いるのと同様の、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂等のラジカル重合型の熱硬化性樹脂を樹脂成分とする樹脂ワニスが用いられうる。 また、表材層プリプレグを形成するための樹脂ワニスには、必要に応じて、各種反応開始剤や硬化剤を添加してもよい。 また、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で充填材を適宜配合してもよい。

    そして、芯材層プリプレグの両表面それぞれに表材層プリプレグを積層し、さらに、その両表面に金属箔3を積層し、この積層体を積層成形することにより、金属箔が張られたコンポジット積層板10が得られる。 なお、芯材層プリプレグ及び表材層プリプレグはそれぞれ1層のみであっても、複数層、具体的には1〜3層重ねたようなものであってもよく、目的に応じて適宜調整される。

    金属箔としては、特には限定されないが、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔等が用いられうる。 また、金属箔は両表面に配しても、片面のみに配してもよい。 なお、金属箔を配さない面には、金属箔に代えて離形フィルムを配置して積層体を加熱加圧成形してもよい。

    そして、このようにして形成されたコンポジット積層板10に対して、アディティブ法やサブトラクティブ法等による公知の配線加工処理やスルーホール加工を施すことにより回路基板が得られる。

    このとき、本実施形態のコンポジット積層板10においては、芯材層1を構成する樹脂組成物中に、ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子(A)を配合し、また、モリブデン化合物(C)を所定量配合しているために、硬度の高い酸化アルミニウム粒子(B)を所定量配合しているにも関わらず、機械加工時のドリルやルータービットの折損を抑制することができる。 そのために、ドリルやルータービットを長寿命化させることができる。 また、平均粒子径が小さな酸化アルミニウム粒子(B)を所定量配合しているために、スルーホール形成のためにドリル加工を適用しても、形成される孔の内面には凹凸が形成されにくく、この孔の内面を平滑に形成することもできる。 このために孔の内面にホールメッキを施してスルーホールを形成した場合にこのスルーホールに高い導通信頼性を付与することもできる。 また、熱伝導性に優れた酸化アルミニウム粒子(B)を配合することにより、積層板の熱伝導性を著しく向上させることができる。

    本実施形態の熱伝導性及びドリル加工性に優れたコンポジット積層板は、液晶ディスプレイに搭載されるようなLEDバックライトユニットのプリント配線基板や、LED照明のプリント配線基板等のような、高い放熱性が要求される用途に好ましく用いられる。

    具体的には、LEDの用途の一つとして、図2の模式上面図として示したような、液晶ディスプレイに搭載されるようなLEDバックライトユニット20が挙げられる。 図2におけるLEDバックライトユニット20は、プリント配線基板21に複数(図2では3個)のLED22が実装されたLEDモジュール23を多数配列して構成されており、液晶パネルの背面に配設して電力を供給することにより、液晶ディスプレイ等のバックライトとして用いられる。 従来から広く普及しているタイプの液晶ディスプレイには、液晶ディスプレイのバックライトとして冷陰極管(CCFL)方式のバックライトが広く用いられてきたが、近年、冷陰極管方式のバックライトに比べて色域を広げることができるために画質を向上させることができ、また、水銀を用いていない点から環境負荷が小さく、さらに薄型化も可能であるという利点から、上記のようなLEDバックライトユニットが活発に開発されている。

    LEDモジュールは、一般的に、熱ロスが大きく、そのために発熱量が多い。 このような高い放熱性が要求されるようなプリント配線基板21として、本発明のコンポジット積層板を用いることにより、放熱の問題が大幅に改善される。 したがって、LEDの発光効率を向上させることができる。

    本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。 なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。

    まず、実施例で用いる熱硬化性樹脂組成物として、以下に示すようにしてリン含有エポキシ樹脂を調製した。

    (リン含有エポキシ樹脂)
    攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに、HCA 130重量部、と反応溶媒としてキシレン400重量部を仕込み、加熱して溶解した。 その後、1,4−ナフトキノン94重量部、を反応熱による昇温に注意しながら分割投入した。 このときリン化合物であるHCAは1,4−ナフトキノン1モルに対して1.02モルであった。 反応後、溶媒を300重量部回収した後、EPPN−501H(三官能エポキシ樹脂、エポキシ当量:165g/eq、日本化薬株式会社製)350重量部とエポトート ZX−1355(1,4−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、エポキシ当量:145g/eq、東都化成株式会社製)250重量部、エポトート YDF−170(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:168g/eq、東都化成株式会社製)176重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら加熱攪拌を行って更に溶媒を回収した。 触媒としてトリフェニルホスフィンを0.22重量部添加して160℃で4時間反応した。 得られたエポキシ樹脂は42.6重量%で、エポキシ当量は273.5g/eq、リン含有率は1.85重量%であった。

    (実施例1)
    〈プリプレグの製造〉
    上記の方法により調製されたリン含有エポキシ樹脂とジシアンジアミド(Dicy)系硬化剤とを含有する熱硬化性樹脂ワニスにおいて、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた100体積部に対して無機充填材を57体積部含有させ、かつ前記無機充填材を100体積部として、ギブサイト型水酸化アルミニウム(住友化学(株)製、D 50 :5.4μm)57体積部、酸化アルミニウム(住友化学(株)製、D 50 :0.76μm)38体積部、及びモリブデン酸亜鉛処理タルク(シャーウィン・ウィリアムズ(株))5体積部を配合し、均一に分散させた。 充填材が配合された樹脂ワニスを、目付け47g/m 、厚み53μmのガラスクロス(日東紡社製)に含浸させプリプレグを得た。 そのときのクロス体積は20体積%であった。

    〈積層体の製造〉
    得られたプリプレグを8枚重ね、その両外表面それぞれに厚み0.018mmの銅箔を載せて積層体を得た。 この積層体を2枚の金属プレート間に挟み、温度180℃、圧力30kg/m の条件で加熱成型することにより、厚み0.8mmの銅箔張積層板を得た。

    得られた銅箔張積層板を以下の評価方法に従い、熱伝導率、オーブン耐熱性試験、260℃ハンダ耐熱試験、プレッシャークッカー試験(PCT)、ルーター切削距離、難燃性、及び溶融粘度を評価した。 その結果を下記表1に示す。

    [熱伝導率]
    得られた銅箔張積層板の密度を水中置換法により測定し、また、比熱をDSC(示差走査熱量測定)により測定し、さらに、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定した。

    そして、熱伝導率を以下の式から算出した。

    熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m )×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m /S)×1000
    [オーブン耐熱試験]
    得られた銅箔張積層板を用いて、JIS C 6481に準じて作製した試験片を200℃に設定した空気循環装置付き恒温槽中で一時間処理をした。 銅箔および積層板にふくれ及びはがれが生じなかった場合、恒温槽の温度を10℃上昇して一時間処理をする。 この操作を、銅箔および積層板にふくれ及びはがれが生じるまで繰り返し、ふくれ及びはがれが生じなかったときの最高温度をオーブン耐熱温度として判定した。

    [260℃ハンダ耐熱試験]
    得られた銅箔張積層板を用いて、JIS C 6481に準じて作製した試験片を260℃のハンダ浴に180秒まで浸漬したときに、銅箔および積層板にふくれまたははがれが生じなかったときの最大時間を特定した。

    [プレッシャークッカー試験(PCT)]
    得られた銅箔張積層板を用いて、JIS C 6481に準じて作製した試験片を、121℃、2気圧のオートクレーブ中で60分間処理した。 そして、処理された積層板を、260℃のはんだ槽に180秒までディッピングしたときに、銅箔および積層板にふくれまたははがれが生じなかったときの最大時間を特定した。

    [ルーター切削距離]
    得られた積層体を3枚重ね、ルーター(ビット径1.5mm)にて30000回転/分、送り速度1.25m/分、下降速度500mm/分で切削加工したときに、ビットが折損したときの切削距離を特定した。

    [難燃性]
    得られた銅箔張積層板を所定の大きさに切り出し、UL 94の燃焼試験法に準じて燃焼試験を行い、判定した。

    [プリプレグ溶融粘度]
    得られたプリプレグを揉みほぐして熱硬化性樹脂組成物の粉を落とし、その粉を所定の金型に入れて直圧成形し、樹脂棒とした。 次に、高化式フローテスターの加熱部に樹脂棒を投入し、130±0.2℃のときの溶融粘度を測定した。

    (実施例2〜11、及び比較例1〜15)
    芯材層プリプレグの製造において、樹脂組成物の組成を表1または表2のように変更した以外は実施例1と同様にして積層体を得、評価した。 結果を表1及び表2に示す。

    なお、用いた材料は次の通りである。
    (A)水酸化アルミニウム(D 50 :12μm)
    (A)水酸化アルミニウム(D 50 :4μm)
    (A)水酸化マグネシウム(D 50 :5μm)
    (C)モリブデン酸亜鉛(タルクが担体)、シャーウィン・ウィリアムズ(株)製、「KEMGARD911C」 (吸油量:41g/100g)
    (C)モリブデン酸カルシウム(炭酸カルシウムが担体)、シャーウィン・ウィリアムズ(株)製、「KEMGARD911A」 (吸油量:18g/100g)
    (D)平均粒子径(D 50 )0.9μmのベーマイト(E)酸化マグネシウム(D 50 :5μm、BET/S=3)
    (E)平均粒子径(D 50 )3μmの粉砕処理酸化マグネシウム粒子(BET/S=6)
    (E)平均粒子径(D 50 )1μmの窒化アルミニウム(その他、比較例で用いたもの)
    ・平均粒子径(D 50 )0.6μmのシリカ粒子・平均粒子径(D 50 )7μmの酸化アルミニウム粒子(アルミナ)

    表1の結果から、本発明に係る実施例1〜11の積層体においては、何れも熱伝導率が高く、オーブン耐熱性及びPCT耐熱性にも優れていた。 また、ルーターによる切削加工が可能であり、難燃性もV−0レベルであった。

    特に、(D)ベーマイト粒子を入れることによって、酸化アルミニウムの配合量を下げた実施例5においては、ルーターによる切削加工性が非常に良好であった。 また、(E)無機粒子を配合した実施例6〜11では、より高い熱伝導率を達成できた。

    (E)無機粒子として粉砕処理された酸化マグネシウム(D 50 :3μm、BET/S=6)を配合した実施例8においては、PCT耐熱性に問題はないものの、オートクレーブ中での吸湿処理により微小ふくれが生じた。 一方、(E)酸化マグネシウム(D 50 :5μm、BET/S=3)を高充填させた実施例9〜11では、吸湿による変化は見られず、PCT耐熱性に優れた結果で、かつ成型性も良好であった。

    さらに、(D)ベーマイト粒子と(E)酸化マグネシウム(D 50 :5μm、BET/S=3)を配合し、無機充填材の各成分を特定の配合比とした実施例10および11では、熱伝導率が高く、かつルーターによる切削加工性が非常に良好であった。

    また、(C)モリブデン化合物として、モリブデン酸亜鉛をタルクに担持させたKEMGARD911Cを用いた実施例4では、得られた銅箔張積層板にボイドの発生はないものの、タルクの吸油量が高いためにプリプレグの溶融粘度がやや高くなり、成型時のフロー性は低下した。 一方、実施例4と同様の配合で、(C)モリブデン化合物として、モリブデン酸カルシウムを炭酸カルシウムに担持させたKEMGARD911Aを用いた実施例2は、炭酸カルシウムの吸油量が低いためにプリプレグの溶融粘度は実施例4と比べて低くなり、成型時のフロー性が良好だった。

    一方、表2の結果から、まず無機充填材の配合が樹脂成分に対して少ないと熱伝導性は得られないことがわかった(比較例1)。 また、無機充填材としてギブサイト型水酸化アルミニウムと熱伝導率が1.0W/m・Kと低いシリカを用い、無機充填材の配合を増やしても高い熱伝導率は示さなかった(比較例2)。 また、平均粒子径が7μmの酸化アルミニウムを用い、モリブデン化合物を配合しなかった比較例3では、ルーターによる切削加工性が非常に劣っており、また難燃性も得られなかった。

    小粒子径の酸化アルミニウムを配合せずに、ギブサイト型水酸化アルミニウムと酸化マグネシウムを用いた場合には、熱伝導率が高く、加工性も良好だが、成型性に劣り、ボイドの発生が見られた(比較例4)。

    また、モリブデン化合物を配合せずに、ギブサイト型水酸化アルミニウムを用い、さらに小粒子径の酸化アルミニウムを多く配合した場合にはルーターによる切削加工性が非常に悪くなった(比較例5〜7)。

    さらに、小粒径の酸化アルミニウムが少なく、ギブサイト型水酸化アルミニウムを多く含有する場合には耐熱性が低下した(比較例8)。 また、小粒径の酸化アルミニウムが少なく、ギブサイト型水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを多く含有する場合には、成型性に劣り、ボイドの発生が見られた(比較例9、10)。

    また、モリブデン化合物を配合しない場合、小粒径の酸化アルミニウムに加えて、ベーマイト粒子を配合しても、ルーターによる切削加工性は十分でなく(比較例11、12)、小粒径の酸化アルミニウムの配合比率を少なく、ベーマイト粒子の配合比率を多くするとルーターによる切削加工性は良化するものの、成型性が悪化し、ボイドが発生した(比較例12)。

    一方、モリブデン化合物を配合せず、小粒径の酸化アルミニウム、ギブサイト型水酸化アルミニウム、ベーマイト粒子に加えて、酸化マグネシウムを配合した場合には、高い熱伝導率が得られ、成型性も良好だが、ルーターによる切削加工性が悪くなった(比較例13,14)。

    また、無機充填材の配合が本発明の範囲であっても、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた100体積部に対して、無機充填材が本発明範囲上限の80体積部を超えた場合には、成型性が悪化し、ボイドが発生した(比較例15)。

    以上、説明したように、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた100体積部に対して、無機充填材40〜80体積部を含有し、前記無機充填材は、(A)1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有するギブサイト型水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子から選択される少なくとも1つ、(B)1.5μm以下の平均粒子径(D 50 )を有する酸化アルミニウム粒子、及び、(C)モリブデン化合物を含有し、無機充填材の総量を100%としたときに、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の配合(体積)が、(A)成分:30〜70%、(B)成分:1〜40%、(C)成分:1〜10%であることを特徴とする。

    このような熱硬化性樹脂組成物を樹脂成分とする回路基板は、熱伝導性、機械加工性、難燃性、樹脂流れ性、吸湿絶縁性、及び価格性に優れる。 このような樹脂組成物を用いて得られる回路基板は、高い放熱性が要求される各種基板、特に、発熱量が多い複数のLEDが搭載されるようなLED搭載用基板に好ましく用いられうる。

    さらに、本発明に係る熱硬化樹脂組成物は、無機充填材として(D)0.1〜3μmの平均粒子径(D 50 )を有するベーマイト粒子を含有し、無機充填材の総量を100%としたときに前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分の配合(体積)が、(A)成分:30〜70%、(B)成分:1〜40%、(C)成分:1〜10%、(D)成分:1〜30%であることがより望ましい。 このような構成により、無機充填材をより高充填させることができ、また酸化アルミニウムの配合量を減らすことができるため、機械加工性がより向上する。

    さらに前記熱硬化性樹脂化合物が、無機充填材として(E)0.1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有する、熱伝導率9W/mK以上の無機粒子を含有することにより、さらにいっそう高熱伝導性とすることが可能となる。

    また、前記(E)無機微粒子が、1〜15μmの平均粒子径(D 50 )を有し、かつ、下記式を満たす酸化マグネシウム1≦BET/S≦5 (式1)
    (式中、BETはBET比表面積をさし、Sは6/(平均粒子径)(密度)で示される球換算での比表面積の理論計算値を示す)
    であれば、より確実に高熱伝導性を達成できる。

    さらに、無機充填材の総量を100%としたときに前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分と前記(E)成分との配合(体積)が、(A)成分:30〜50%、(B)成分:1〜20%、(C)成分:1〜10%、(D)成分:10〜30%、(E)成分:10〜50%であれば、上述の効果がより確実にバランスよく得ることができる。

    また、上記何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材(織布基材または不織布基材)に含浸させて得られるプリプレグを用いれば、優れた熱伝導率、優れた耐熱性、優れたドリル加工性、及び難燃性を兼ね備えた回路基板が得られる。 このプリプレグにおいては、熱硬化性樹脂組成物の体積比率が50〜90体積%であることが好ましい。

    また、本発明の一局面の積層板は、前記プリプレグを1枚、又は複数枚積層して成形することによって得られる積層板である。 また、前記積層板の少なくとも一表面に、金属箔が張られてなることを特徴とする金属箔張積層板、並びに、この金属箔張積層板に回路形成して得られることを特徴とする回路基板も本発明に包含される。

    このような積層板及び回路基板は、高熱伝導性、難燃性、機械加工性、吸湿絶縁性、価格において非常に優れ、特に放熱性に優れる。 したがって、LED搭載用回路基板のように、放熱性が要求される電子部品を搭載する回路基板として好ましく用いられ得る。 つまり、回路基板にLED素子が搭載されてなるLEDモジュールの回路基板として好ましく用いられ得る。 このような、特に放熱性に優れた回路基板を用いたLEDモジュールは、長時間安定して使用できる。

    1 芯材層 2 表材層 3 金属箔 10 コンポジット積層板 20 LEDバックライトユニット 21 プリント配線基板 22 LED
    23 LEDモジュール

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