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有害な生物を阻害する方法及びそのためのバリア形成組成物

阅读:535发布:2024-02-17

专利汇可以提供有害な生物を阻害する方法及びそのためのバリア形成組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】感染症を引き起こす 微 生物 が粘膜に 接触 又は汚染しないよう遮断又は中和し、それにより微生物が体内に拡散し感染症を引き起こすことを防止する方法及び組成物の提供。【解決手段】バリア形成組成物であり、炭 水 化物ガムと、湿潤剤と、抗菌剤とを含み、前記組成物は下記の要件を満足し、約0.01%≦C≦約0.4%、約4.5%≦H≦約65%、かつ0.050%≦A≦1%、上記パーセンテージは全て前記組成物全体における重量%を指し、Cは前記炭水化物ガム、Hは前記湿潤剤、Aは前記抗菌剤であり、哺乳動物の粘膜に塗布したときに、約2時間〜約6時間の持続時間にわたって浮遊細菌に対して殺菌活性又は静菌活性を有し、治療有効投与量においてヒトの食用として安全である、バリア形成組成物。【選択図】図1,下面是有害な生物を阻害する方法及びそのためのバリア形成組成物专利的具体信息内容。

  • バリア形成組成物であり、
    炭水化物ガムと、
    湿潤剤と、
    抗菌剤とを含み、
    前記組成物は下記の要件を満足し、
    約0.01%≦C≦約0.4%、
    約4.5%≦H≦約65%、かつ
    0.050%<A、
    又は 約0%≦C≦約0.4%、
    約55%≦H≦約65%、かつ
    0.050%<A
    上記パーセンテージは全て前記組成物全体における重量%を指し、
    Cは前記炭水化物ガム、Hは前記湿潤剤、Aは前記抗菌剤であるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、ヒト粘膜に塗布されたときに平均厚さ約0.001mm〜約0.2mmの被膜を形成するバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、哺乳動物の粘膜に塗布したときにin vivo試験で約2時間〜約6時間の持続時間にわたって殺菌活性又は静菌活性を有するバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記抗菌剤がビグアニド、ビスビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド、又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択されるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記抗菌剤が第四級アンモニウムカチオン種、又はそれらの薬学的に許容される塩であるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記組成物が下記の要件を満足するバリア形成組成物。
    約0.06%≦A≦約0.1%
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、約16cps〜約20cpsのウェーブリッジ粘度を有するバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記炭水化物ガムが全体として負電荷を有するバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、pHが4〜8であるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記炭水化物ガムが多糖であるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記炭水化物ガムがキサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、イナゴマメガム、及びペクチンからなる群から選択されるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記湿潤剤がポリオールであるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記湿潤剤がグリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物からなる群から選択されるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、水中でのRf値が0〜約0.25であるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、前記組成物が親水性でないバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、哺乳動物の粘膜に塗布されたときに数平均直径30nm以上の微生物を遮断するバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、歯のホワイトニング剤及び減感剤を含まないバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、セロオリゴ糖類、アゼラスチン、シリコンベース油、及び硝酸カリウムを含まないバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、哺乳動物の粘膜に塗布されたときに、微生物が前記バリア組成物下方の前記粘膜に接触することを少なくとも6時間の持続時間にわたって防止するように作用するバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、本質的に前記炭水化物ガム、前記湿潤剤、及び前記抗菌剤からなるバリア形成組成物。
  • 請求項1に記載のバリア形成組成物であり、Aが約0.1以下であるバリア形成組成物。
  • バリア形成組成物であり、
    炭水化物ガムと、
    湿潤剤と、
    抗菌剤とを含み、
    前記組成物は下記の要件を満足し、
    約0.01%≦C≦約0.4%、かつ 約4.5%≦H≦約65%、
    又は 約0%≦C≦約0.4%、かつ 約55%≦H≦約65%、
    上記パーセンテージは全て前記組成物全体における重量%を指し、
    前記バリア形成組成物の水中Rf値が0〜約0.25であるバリア形成組成物。
  • 粘膜バリア形成組成物を製造する方法であり、
    炭水化物ガムと、湿潤剤と、抗菌剤とを混合して加熱するステップを含み、
    前記組成物は下記の要件を満足し、
    約0.01%≦C≦約0.4%、
    約4.5%≦H≦約65%、かつ
    0.050%<A
    又は 約55%≦C≦約65%、
    約0%≦H≦約.4%、かつ
    0.050%<A
    上記パーセンテージは全て前記組成物全体における重量%を指すバリア形成組成物。
  • 哺乳動物が汚染環境又は汚染アイテムに接触する前又は接触中に該哺乳動物に感染症を引き起こす微生物を遮断、中和又は死滅させる方法は、
    有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される汚染環境又は汚染アイテムを識別するステップと、
    前記哺乳動物が汚染環境又は汚染アイテムに接触する前又は接触中に前記哺乳動物の粘膜に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップと、
    前記バリア形成組成物により、前記微生物が前記粘膜に接触するのを阻止するバリアを前記粘膜上に設けるステップとを含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリア形成組成物により、前記粘膜に接触する空中浮遊微生物を死滅させるバリアが前記粘膜上に設けられる方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリア形成組成物が殺菌活性又は静菌活性を有する方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリアにより、前記微生物が前記バリア下方の前記粘膜に接触することを約6時間以上の持続時間にわたって防止するステップ、又はin vivo試験で約2時間〜約6時間の持続時間にわたって殺菌活性又は静菌活性を有するステップを更に含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリアにより、前記微生物が前記粘膜に接触するのを約24時間以上の持続時間にわたって阻止するステップ、又はin vitro PAE試験で約16時間〜約24時間以上の持続時間にわたって殺菌活性又は静菌活性を有するステップを更に含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリアにより、前記微生物が前記粘膜に接触するのを6時間超〜約24時間の持続時間にわたって阻止するステップ、又はin vitro PAE試験で6時間超〜約24時間の持続時間にわたって殺菌活性又は静菌活性を有するステップを更に含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリア形成組成物がガム及び湿潤剤を含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリア形成組成物が抗菌剤を含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記粘膜が口腔粘膜又は咽頭粘膜である方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記粘膜が鼻腔粘膜である方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、洗口剤形態の前記組成物を、前記哺乳動物の前記口腔粘膜又は口咽頭粘膜に接触するように投与するステップと、
    その後前記組成物と前記哺乳動物の口腔との接触を解除するステップとを含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記組成物が前記哺乳動物の口孔又は鼻孔への噴霧により投与される方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記組成物の少なくとも一部分を摂取するステップを更に含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記汚染環境が公共交通機関の車両、公共の集合場所、病気であることが知られている又は予想される人間を収容した部屋又は車両からなる群から選択される方法。
  • 請求項37に記載の方法であり、前記公共交通機関の車両が航空機、バス、及びタクシーのうちから選択され、公共の集合場所が診療所、病院、学校、保育所、教会、ホテル又はレストランのうちから選択される方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記アイテムが食品、飲料、調理器具、飲料容器及びアクセサリー、子供が使用するアイテム、医療機器、又は歯科装置からなる群から選択される方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記微生物がカンジダ(candida)、肺炎球菌(pneumonia)、MRSA、連鎖球菌(streptococcus)、アシネトバクター・バウマニ(acinetobacter bumanii)、ストレプトコッカス・サングイス(streptococcus sanguis)、ストレプトコッカス・オラリス(S. oralis)、ストレプトコッカス・ミティス(S. mitis)、ストレプトコッカス・サリバリウス(S. salivarius)、ストレプトコッカス・ゴルドニ(S. gordonii)、アグレゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(aggregatibacter actinomycetemcomitans)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(fusobacterium nucleatum)、カンジダ・クルセイ(C. krusei)、カンジダ・トロピカリス(C. tropicalis)、カンジダ・グラブラタ(C. glabrata)、上気道感染を引き起こす微生物、HIVウイルス、単純ヘルペスウイルス、HPVウイルス、EBVウイルス、風邪ウイルス� ��及びインフルエンザウイルスである方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記微生物が平均直径約30nm以上である方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記汚染環境又は汚染アイテムが接触する時間を推定するステップと、前記汚染環境又は汚染アイテムへの推定接触時間の約24時間前以降に前記バリア形成組成物を投与するステップとを更に含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記哺乳動物が免疫不全である方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリア形成組成物が下記の要件を満足し、
    約0.01%≦C≦約0.4%、
    約7%≦H≦約65%、かつ
    0.050%<A
    又は 約0%≦C≦約0.4%、
    約55%≦H≦約65%、かつ
    0.050%<A
    上記パーセンテージは全て組成物全体における重量%を指し、
    Cは前記炭水化物ガム、Hは前記湿潤剤、Aは前記抗菌剤である方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、感染症の予防又は阻止に有効である方法。
  • 感染症を引き起こす微生物を遮断、中和又は死滅させる方法であり、
    有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される汚染環境又は汚染アイテムを識別するステップと、
    装置が前記汚染環境に接触する前又は接触中、かつ該装置が哺乳動物の粘膜に接触する前又は接触中に、該装置上にバリアを形成するステップと、
    前記バリア形成組成物により、前記微生物を捕捉して死滅させるバリアを前記装置上に設け、それにより前記微生物が前記粘膜に接触すること又は感染を引き起こすことを防止するステップとを含む方法。
  • 請求項46に記載の方法であり、前記バリア形成組成物が殺菌活性又は静菌活性を有する方法。
  • 請求項46に記載の方法であり、前記バリアにより、前記微生物が前記バリア下方の前記粘膜に接触することを約6時間以上の持続時間にわたって防止するステップ、又はin vivo試験による判定で約2時間〜約6時間の持続時間にわたって殺菌活性又は静菌活性を有するステップを更に含む方法。
  • 免疫不全の哺乳動物に感染症を引き起こす微生物を遮断、死滅又は中和する方法であり、
    前記哺乳動物の粘膜内の損傷領域を識別するステップと、
    前記哺乳動物の前記粘膜の少なくとも前記損傷領域に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップと、
    前記バリア形成組成物により、微生物が前記粘膜の損傷領域に接触するのを効果的に阻止するバリアを前記粘膜の前記損傷領域上に設けるステップとを含む方法。
  • 請求項49に記載の方法であり、前記バリア形成組成物を投与するステップの前に、前記微生物による汚染が知られている又は予想される汚染環境又は汚染アイテムを識別するステップを更に含む方法。
  • 請求項24に記載の方法であり、前記バリア形成組成物が前記バリア形成組成物を液体中心に含むロゼンジの形態で投与される方法。
  • 手から口又は手から鼻への接触により哺乳動物の口腔、鼻腔又は咽頭腔に導入される微生物を遮断、中和又は殺滅する方法であり、
    有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される汚染アイテム又は汚染環境に対する前記哺乳動物の手の接触を識別するステップと、
    哺乳動物の手から口又は手から鼻への接触が起こる前に、該哺乳動物の口腔粘膜、鼻腔粘膜又は咽頭粘膜に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップと、
    前記バリア形成組成物により、前記粘膜上に、前記微生物が前記粘膜に接触するのを阻止するとともに前記微生物を中和又は死滅させるバリアを設けるステップとを含む方法。
  • 哺乳動物が汚染環境に接触する前又は接触中に該哺乳動物の口腔粘膜又は咽頭粘膜のアレルゲン又は空中浮遊刺激物を遮断、中和又は死滅させる方法であり、
    前記粘膜のアレルゲン又は空中浮遊刺激物による汚染が知られている又は予想される汚染環境又は汚染アイテムを識別するステップと、
    前記哺乳動物が前記汚染環境に接触する前又は接触中に前記哺乳動物の口腔粘膜又は咽頭粘膜に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップと 前記バリア形成組成物により、前記微生物が前記粘膜に接触するのを阻止するバリアを前記粘膜上に設けるステップとを含む方法。
  • 说明书全文

    (関連出願の相互参照)
    本願は、2011年4月19日に出願した米国仮出願第61/477,147号(「Compositions, Methods of Use, and Methods of Making Barrier Products」)の優先権の利益を主張する。 当該仮出願の内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。

    本開示は、バリア形成組成物及び伝染病予防方法に関する。

    感染症を効果的に防止するデバイス、組成物及び他の治療法が長年必要とされてきた。 この問題を解決する試みとしては、マスク又は人工呼吸器の着用、罹患又は細菌の保持が知られている又は予想される人間又は動物の遮断又は隔離が挙げられる。 このようなアプローチは、公共交通機関や公共の集合場所等の汚染環境に身を置く人々がマスクを着用する一部の国では一般的である。

    感染を予防するための他の試みとしては、多量の亜鉛、ビタミン、又は身体の免疫系を活性化する内的作用が理論付けられたハーブの接種が挙げられる。

    人間や動物に接した生物を殺滅する諸種の解決策が存在するが、かかる解決策の有効性は、体内に浸入し人間に感染する微生物が粘膜に結合する前に細菌の接触をどれほど迅速に認識し殺菌組成物を適用できるかにかかっている。 例えば、抗菌石鹸による洗浄は手の細菌を死滅させるのに効果的であり得るが、人間は無意識のうちに汚染表面に触れ、手を洗う前に口や鼻の内外に手を持っていくことが非常によくある。

    " Gastrointestinal mucosal injury in experimental models of shock, trauma, and sepsis, " Crit. Care Med. 1991; 19:627-41 Anders Heimdahl, " Prevention and Management of Oral Infections in Cancer Patients " Supportive Care in Cancer, Vol. 7, No. 4, 224-228 (1999) Shahab A. Khan, John R. Wingard, " Infection and Mucosal Injury, " Cancer Treatment Journal of the National Cancer Institute, Monographs No.29 (2001) Yang, et al. " Concentrations and Size Distributions of Airborne Influenza A Viruses Measured Indoors at a Health Centre, a Day-Care Centre, and on Aeroplanes, " JR Soc. Interface (Feb. 7, 2011) Frank-Albert Pitten and Axel Kramer, " Efficacy of Cetylpyridinium Chloride Used as Oropharyngeal Antiseptic, " Arzneim.Forsch./Drug Res.51 (II), pp588-595 (2001) Department of Health and Human Services (Food and Drug Administration) (1994) Oral Health Care Drug Products for Over-the-Counter Human Use; Tentative Final Monograph for Oral Antiseptic Drug Products. Proposed Rules (21 CFR Part 356, Docket No. 81N-033A, RIN 0905-AA06). Federal Register 59:6084-124 Chandra et al. " In vitro Growth and Analysis of Candida Biofilms " Nature Protocols 3(12):1909-1924 (2008)

    マスク等の物理的なデバイスは不快感を与え、亜鉛、ビタミンC及び薬草療法は効果が証明されておらず、既に身体に接触した細菌を死滅させるための解決策は、間欠的で一時的な選択肢であり持続的な保護は実現できないため、感染症の予防に効果的でないことが多い。

    ヒトの皮膚上又は口腔内若しくは内腔内に局所的にブロッキングバリアを形成するための組成物が開発されている。 しかしながら、かかる組成物は伝染病の感染を防止するためのものではない。

    一実施形態において、バリア形成組成物は、炭化物ガムと、湿潤剤と、抗菌剤とを含む。 組成物は更に下記の要件を満足する:約0.01%≦C≦約0.4%、約4.5%≦H≦約65%、かつ0.050%<A、又は約0%≦C≦約0.4%、約55%≦H≦約65%、かつ0.050%<A。 Cは炭水化物ガム、Hは湿潤剤、Aは抗菌剤である。 これらのパーセンテージは全て組成物全体における重量%を指す。

    一実施形態において、バリア形成組成物は、炭水化物ガムと、湿潤剤と、抗菌剤とを含む。 組成物は下記の要件を満足する:約0.01%≦C≦約0.4%、かつ約4.5%≦H≦約65%、又は約0%≦C≦約0.4%、かつ約55%≦H≦約65%。 これらのパーセンテージは全て組成物全体における重量%を指す。 バリア形成組成物の水中でのRf値は0〜約0.25である。

    一実施形態において、粘膜バリア形成組成物の製造方法は、炭水化物ガムと、湿潤剤と、抗菌剤とを混合して加熱するステップを含む。 組成物は下記の要件を満足する:約0.01%≦C≦約0.4%、約4.5%≦H≦約65%、かつ0.050%<A、又は約55%≦C≦約65%、約0%≦H≦約.4%、かつ0.050%<A。 これらのパーセンテージは全て組成物全体における重量%を指す。

    一実施形態において、哺乳動物が汚染環境又は汚染アイテムに接触する前又は接触中に該哺乳動物に感染症を引き起こす微生物を遮断、中和又は死滅させる方法は、有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される汚染環境又は汚染アイテムを識別するステップと、前記哺乳動物が汚染環境又は汚染アイテムに接触する前又は接触中に前記哺乳動物の粘膜に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップとを含む。 バリア形成組成物により、微生物が粘膜に接触するのを抑制するバリアが粘膜上に設けられる。

    一実施形態において、感染症を引き起こす微生物を遮断、中和又は死滅させる方法は、有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される汚染環境又は汚染アイテムを識別するステップと、装置が汚染環境に接触する前又は接触中に、かつ該装置が哺乳動物の粘膜に接触する前又は接触中に、該装置上にバリアを形成するステップとを含む。 バリア形成組成物により、微生物を捕捉し死滅させることにより微生物が粘膜に接触すること又は感染を引き起こすことを防止するバリアを前記装置上に設けられる。

    一実施形態において、免疫不全の哺乳動物に感染症を引き起こす微生物を遮断、死滅又は中和するための方法は、前記哺乳動物の粘膜の破壊領域を識別するステップと、前記哺乳動物の前記粘膜の少なくとも前記破壊領域に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップとを含む。 バリア形成組成物により、微生物が前記粘膜の破壊領域に接触するのを効果的に抑制するバリアが前記粘膜の前記破壊領域上に設けられる。

    一実施形態において、哺乳動物が行う手から口への接触又は手から鼻への接触をつうじて前記哺乳動物の口腔、鼻腔又は咽頭腔に導入される微生物を遮断、中和又は死滅させる方法は、有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される汚染アイテム又は汚染環境に対する前記哺乳動物の手の接触を識別するステップと、前記哺乳動物の手から口への接触前又は手から鼻への接触前に、前記哺乳動物の口腔粘膜、鼻腔粘膜又は咽頭粘膜に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップとを含む。 バリア形成組成物により、微生物が前記粘膜に接触するのを抑制するとともに微生物を中和又は死滅させるバリアが前記粘膜上に設けられる。

    一実施形態において、哺乳動物が汚染環境に接触する前又は接触中に前記哺乳動物の口腔粘膜又は咽頭粘膜のアレルゲン又は空中浮遊刺激物を遮断、中和又は死滅させる方法は、粘膜のアレルゲン又は空中浮遊刺激物による汚染が知られている又は予想される汚染環境又は汚染アイテムを識別するステップと、前記哺乳動物が前記汚染環境に接触する前又は接触中に前記哺乳動物の口腔粘膜又は咽頭粘膜に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップとを含む。 バリア形成組成物により、微生物が前記粘膜に接触するのを抑制するバリアが前記粘膜に設けられる。

    本明細書で使用する冠詞の「a」及び「the」は、別段の指定がない限り「one or more(1つ又は複数の)」を意味する。

    本明細書では「アイテム(item)」及び「装置(apparatus)」という用語を同義に使用する。

    本明細書では「治療(therapeutic)」という用語を予防的治療にも用いる。

    本明細書で使用する「又は」という用語は、別段の指定がない限り排他的な意味を持つものではない。

    バリア形成組成物の一実施形態における、提案の抗菌活性機序を示す図である。

    実験例2において記載する、粘膜表面上のバリアの形成を示す概略図である。

    各実験例11〜15における、細胞の増殖及び遊走により6時間後に創部が覆われる、創傷上皮細胞試料の修復プロセスを百分率で示すグラフである。

    創傷上皮試料上における未処置の対照群実験例15並びに処置済みの実験例16及び17に関する、上皮細胞の増殖及び遊走を示す顕微鏡写真を示す図である。

    実験例11〜15における、バリア形成組成物で処置済み及び未処置の操作ヒト口腔粘膜(EHOM)の拡大断面写真を示す図である。

    実験例16〜19及び実験例20〜25のLDHアッセイを示すグラフである。

    実験例27〜28において記載する、EHOMアッセイの上部チャンバ及び下部チャンバ内における微生物増殖の評価方法を示す概略図である。

    実験例27〜28において記載する、EHOMアッセイの上部チャンバ及び下部チャンバ内の微生物増殖を示す寒天培地プレートの写真を示す図である。

    実験例31〜32における、バリア形成組成物で処置済み及び未処置の操作ヒト口腔粘膜(EHOM)の拡大断面写真を示す図である。

    実験例33-40において記載する、未処置のEHOM上、又はバリア形成組成物で処置したEHOM上における微生物の増殖と、その後のC. albicans(カンジダ・アルビカンス)への感染を示す写真を示す図である。

    実験例33-40において記載する、未処置のEHOM上、又は製剤で処置したEHOM上における微生物の増殖と、その後のS. mutansへの感染を示す写真を示す図である。

    実験例33-40において記載する、例示的なバリア形成組成物で処置したEHOMの(下部チャンバから収集した)「フロースルー」培地に由来する微生物の増殖を示す写真を示す図である。

    実験例40〜47において記載する、食塩水(対照群)又は例示的なバリア形成組成物で処置したEHOMによるLDH放出と、その後の(A)C. albicans、又は(B)S. mutansへの感染を示すグラフである。

    実験例48〜61及び実験例61〜69において記載する、細菌及び真菌に対するバリア形成組成物の事後抗菌効果を示すグラフである。

    実験例71〜76において記載する、バリア形成組成物で未処置又は処置済みのS. sanguis、 C. albicans及びS. mutansを示す走査型電子顕微鏡写真を示す図である。

    実験例77-79において記載する、細菌及び真菌によって形成されるバイオフィルムに対する例示的なバリア形成組成物の活性を示すグラフである。

    実験例80〜81において記載する、1分間の曝露後の微生物のバイオフィルムに対する例示的なバリア形成組成物の活性を示すグラフである。

    実験例85-86において記載する、インフルエンザ(H1N1)に感染したMDCK細胞の細胞変性効果(CPE)に対する例示的なバリア形成組成物の効果を示す蛍光顕微鏡写真を示す図である。

    実験例85-86において記載する、H1N1ウイルスに対する例示的なバリア形成組成物の効果を示す蛍光顕微鏡写真を示す図である。

    実験例87〜88において記載する、バリア形成組成物で処置済み及び未処置の感染細胞中のインフルエンザウイルスのレベル(定量PCRで判定)を示すグラフである。

    実験例89〜91において記載する、防腐剤及びインフルエンザウイルスに対する抗菌剤(CPC)を用いて又は用いずに調製した例示的なバリア形成組成物の直接抗ウイルス活性(定量PCRで判定)を示すグラフである。

    H1N1ウイルスに対する例示的なバリア形成組成物の6時間中の活性を示す図であり、パネル(A)は未処置の対照群と比較したウイルス増殖の阻害率を示すグラフであり、パネル(B)及び(C)は、(B)が未処置の細胞の顕微鏡写真、(C)がバリア形成組成物で処置した細胞の顕微鏡写真を示す図である。

    実験例94-96において記載する、HIVに対する製剤の活性を示すグラフである。

    実験例97において記載する、エプスタインバールウイルス(Epstein-Barr Virus:EBV)に対する実験例8の活性を示すウエスタンブロットを示す図である。

    実験例154〜159において記載する、未処置(対照群)のEHOM組織、又は実験例5〜7に晒したEHOM組織の細胞完全性の指標となるLDHレベルを示すグラフである。

    実験例160において記載する、実験例3(5%希釈液)で10分間処置した創傷口腔上皮細胞培養物の代表的な写真を示す図である。 写真はそれぞれ創傷の直後(パネルA)、創傷の約6時間後(パネルD)、及び創傷の約24時間後(パネルE)の状態を示し、パネルB及びCはそれぞれ約6時間後及び約24時間後における口腔上皮細胞の未処置対照群融合性培養物上の同等の創傷部を示す。

    例示的なバリア形成組成物による口腔粘膜表面の被覆能を証明する写真を示す図である。

    実験例162〜163において記載する、例示的なバリア形成組成物に1分間晒した後の細菌増殖の経時的顕微鏡検査結果の写真を示す図である。 画像はそれぞれ曝露後20分後、120分後、又は360分後の細菌増殖を示す。

    実験例164〜166において記載する、健康な人間の口腔微生物に対する例示的なバリア形成組成物の単回投与の効果を示すグラフであり、ベースラインと比較した(A)CFUにおける微生物負荷、及び(B)微生物負荷の減少(%)を示す。

    実験例167〜169において記載する、3人の健康な成人の口腔細菌レベルに対する例示的なバリア形成組成物の5日間にわたる影響を示すグラフである。

    実験例170〜198において記載する、31人の健康な被験者において例示的なバリア形成組成物を5日間使用した後の、口腔内の微生物負荷に対する該バリア形成組成物の影響を示すグラフである。

    実験例170〜198において記載する、代表的な3人の研究参加者から得た口腔試料中の微生物負荷を示すグラフである。

    実験例199〜205において記載する、例示的なバリア形成組成物により形成されたバリアを越える微生物の浸透を評価するためのin vitroフィルター挿入ベースモデルを説明する概略図である。

    哺乳動物の口、腸及び体腔を裏打ちする粘膜は、哺乳動物体内に局所感染及び全身感染を引き起こすおそれがある病原性微生物が侵入するのを防ぐ第一バリアに相当する。 上皮粘膜内層は共生生物の浸入を阻止するバリアを形成する(Monica Boirivanta and Warren Strober, "The Mechanism of Action of Probiotics" Current Opinion in Gastroenterology 2007, 23: 679-692)。

    本願では、感染症を引き起こす微生物が粘膜に接触又は汚染しないよう遮断又は中和し、それにより微生物が体内に拡散し感染症を引き起こすことを防止する方法及び組成物を開示する。 本方法及び組成物は、感染症を引き起こすことが知られている微生物(細菌、真菌及びウイルス)を阻害することが可能な抗菌剤を含む。 本方法は人間の粘膜を覆うバリアを形成することによりヒトを保護し、微生物(細菌、真菌やウイルス)を死滅させる又は阻害することが可能な抗菌剤を含む。

    この二重作用組成物及び方法(バリア+抗菌)は、ヒト又は他の哺乳動物の粘膜、又は例えば口腔、鼻腔、膣腔、喉、及びそれだけに限らないがを含めた他の開口部内の表面に適用可能である。 また、気管用デバイス等の医療機器にも適用可能である。 この予期しないユニークな解決策は、微生物に起因する感染症の予防のため長年必要とされながらも未解決の課題に対処するものである。

    病原性微生物が粘膜組織を通過するのを阻害する安全な(すなわち、粘膜を損傷させない)バリアを形成するバリア形成組成物が望ましい。 別の望ましい特性は、静菌作用又は殺菌作用を利用して微生物の発育を長時間にわたって阻止する能力である。 理論に縛られるものではないが、本明細書に開示するバリア形成組成物の作用機序は、まず形成したバリアに細菌を捕捉し、その後抗菌活性成分によって死滅させる相乗的な二重作用機序に基づくものである。 一実施形態において、バリア形成組成物は親水性でなく、理論に縛られるものではないが、持続的有効性を増強することが理論付けられている。

    後述の実施例に示すように、少なくとも下記の10種類のアプローチを使用して、本発明のバリア形成組成物の特性及び多種多様な伝染病の予防に対するその有効性の評価を行った。 (1)in vitro抗微生物感受性テスト、(2)in vitroタイムキルアッセイ、(3)in vitroバイオフィルムモデル、(4)in vitroフィルターインサートベースモデル、(5)in vivo様操作ヒト口腔粘膜(EHOM)モデル、(6)電子顕微鏡評価、(7)疎水性アッセイ、(8)物理化学的適合性アッセイ、(9)単層のヒト細胞株を使用した細胞培養ベースモデル、及び(10)ヒト臨床試験。

    本明細書に記載する方法及び組成物は、ヒト又はより一般的には哺乳動物が損傷した粘膜を有する場合に特に有用であり得る。 損傷は創傷や掻き傷に起因し得る。 口腔や消化管(GI)の粘膜は、様々な微生物の局所侵襲又は全身侵襲、並びに口腔及び腸管の内腔に通常存在する微生物産物の吸収を防止するのに役立つ重要な機械的バリアとして働く("Gastrointestinal mucosal injury in experimental models of shock, trauma, and sepsis," Crit. Care Med. 1991; 19:627-41参照)。 粘膜のバリア機能の障害は全身感染症の病態生理学上中心的な役割を果たす。 言い換えれば、このような粘膜の損傷は感染症につながる。

    第一防御線を突破されるリスクを解消又は低減することが重要であり、粘膜の完全性を維持することが重要である(Anders Heimdahl, "Prevention and Management of Oral Infections in Cancer Patients" Supportive Care in Cancer, Vol. 7, No. 4, 224-228 (1999)参照)。 このように、無傷の粘膜を持つことは特に免疫不全患者(例えば癌患者)においては全身感染に対抗する重要な宿主防御となる(Shahab A. Khan, John R. Wingard, "Infection and Mucosal Injury," Cancer Treatment Journal of the National Cancer Institute, Monographs No.29 (2001)参照)。 有害な微生物を遮断し死滅させながらも損傷した粘膜の治癒を妨げないバリア形成組成物は、破壊された粘膜を有する患者、特に免疫不全も有する患者が抱える感受性の問題に対する予期しないユニークな解決策である。

    一実施形態において、バリア形成組成物は、哺乳動物における感染症を予防又は阻止するための方法で投与することができる。 予防とは、微生物由来の感染が起こらないことを意味するわけではなく、バリア形成組成物の塗布後に発生する微生物由来の感染の危険性が低減されることを意味する。 完全な予防効果のためには哺乳動物が汚染環境又は汚染アイテムに接触する前にバリア形成組成物を哺乳動物に適用する必要がある。 とはいえ、汚染環境又は汚染アイテムへの接触中にバリア形成組成物を投与した場合に何ら利点が得られないということではない。 本明細書で使用する「哺乳動物」という用語は、一般に哺乳動物として定義されるヒト又は動物を意味する。

    一実施形態において、バリア形成組成物は、損傷した粘膜を有する哺乳動物、例えば免疫不全の哺乳動物の感染症を予防する方法において投与される。 哺乳動物の粘膜内の損傷領域が識別され、哺乳動物の粘膜の少なくとも損傷領域に治療有効量のバリア形成組成物が投与される。 バリア形成組成物により、微生物が粘膜の損傷領域に接触するのを効果的に阻止するバリアが粘膜の損傷領域上に設けられる。

    別の実施形態において、バリア形成組成物は、アイテム又は装置が汚染環境に接触する前に、かつアイテム又は装置が哺乳動物の粘膜に接触する前に、当該アイテム又は装置上に投与される。 バリア形成組成物により、微生物を捕捉して死滅させるバリアが前記装置上に設けられ、それにより微生物が粘膜に達すること又は感染を引き起こすことが防止される。

    感染症を防止する方法の一実施形態は、哺乳動物又はアイテムが接触することが予想される汚染環境を識別するステップを含む。 汚染環境は、屋内又は屋外スペースや、有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される別の哺乳動物又はヒトの近傍等を指す。 所与の環境が汚染されている可能性があるかどうかの判定は、季節や当該コミュニティ内の病気の蔓延に関する公開情報に基づいて、又は病気と思われる他者又はくしゃみ等によって細菌を拡散すると思われる他者を観察することによって行うことができる。

    汚染環境又は汚染アイテムに接触するかどうかを予測又は識別するステップは、哺乳動物が近い将来にその環境に進入すること又はそのアイテムに接触することが予定されている又は予想されるかどうかに基づく判断とすることができる。 このステップは、汚染環境又は汚染アイテムに接触する時間を推定するステップを含むことができる。 次いで、バリア形成組成物は、汚染環境又は汚染アイテムへの推定接触時間の約24時間前以降、例えば約16時間前以降、約12時間前以降、約6時間前以降、約2時間前以降等に投与することができる。 バリア形成組成物は速やかにセットアップされる必要があり、塗布後1分経過前、例えば塗布後30秒以内に有害な微生物の粘膜への感染を予防又は阻止するように作用可能である必要がある。 したがって、このバリア形成組成物は汚染環境又は汚染アイテムとの接触中に塗布しても有効性を有し得る。

    有害微生物とは感染症を引き起こすことが知られている下記のような微生物、例えばカンジダ属(例えばカンジダ・アルビカンス(C. albicans)、カンジダ・グラブラタ(C. glabrata)、カンジダ・クルセイ(C. krusei)、カンジダ・トロピカリス(C. tropicalis)等)、ブドウ球菌種(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、MRSAを含む)、連鎖球菌種(例えばストレプトコッカス・サングイス(S. sanguis)、ストレプトコッカス・オラリス(S. oralis)、ストレプトコッカス・ミティス(S. mitis)、ストレプトコッカス・サリバリウス(S. salivarius)、ストレプトコッカス・ゴルドニ(S. gordonii)、炎球菌(S. pneumonia))、アシネトバクター・バウマニ(acinetobacter bumanii)、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(aggregatibacter actinomycetemcomitans)、フゾバクテリウム・ヌクレアタム (fusobacterium nucleatum)等の微生物、上気道感染を引き起こす微生物、風邪ウイルス及びインフルエンザウイルスのような他の微生物であり、これらに起因する感染症の処置及び予防である。 一実施形態において、本明細書に記載するバリア形成組成物並びに治療及び予防方法は、例えば性感染症(例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペス又はヒトパピローマウイルス(HPV)に起因する感染症等)、一般的な(例えばライノウイルスに起因する)風邪及びエプスタインバールウイルス(EBV)に起因する感染症の予防に有用である可能性がある。

    バリア形成組成物は、例えば約30nm以上、例えば約100nm(HIV;球状)、約100nm〜約300nm(インフルエンザ;細長球状)、約120nm〜約260nm(EBV;球状/ディスク状)、約30nm(ライノウイルス;球状)の直径を有する微生物に対して有効性を示した。 したがって、組成物は約30nm又は約30nm超の直径を有する他の微生物に対しても有効性を有することになる。

    微生物は空中浮遊微生物である可能性もある。 一実施形態において、微生物は感染症を引き起こす微生物である。 一実施形態において、微生物は、例えば、う窩(虫歯)、歯肉炎、季節性アレルギー等のアレルギー反応や歯の問題を引き起こす微生物は含まない。 同様に、一実施形態における予防方法は、例えばう窩(虫歯)、歯肉炎、季節性アレルギー等のアレルギー反応や歯の問題を主として又は付加的に予防するものではない。 しかしながら、別の実施形態における本発明の方法では、一般的なアレルゲン、他のアレルゲン及び粘膜に対する空中浮遊刺激物として分類され得る真菌のような微生物がバリアによって遮断される。 アレルゲンを遮断する実施形態では、汚染環境の識別を例えば季節、又は花粉若しくは他のアレルゲン若しくは刺激物の予報に基づいて行うことができる。 また、この識別は、例えば森林、公園又は湖を含めた屋外環境のようなアレルゲン又は空中浮遊刺激物が大量に発生することが知られている又は予想される場所に哺乳動物が存在することの予想に基づいて行うこともできる。

    一実施形態において、本明細書に記載するバリア形成組成物並びに治療及び予防方法は、例えば病院等の環境における感染症の予防、及び感染性微生物に汚染された環境でよく見られる感染症の予防に有用である可能性がある。 上述したように、本明細書に開示する方法及び組成物は特に免疫不全の患者に適用可能である。 また、本発明のバリア形成組成物は、一般に創傷に感染する微生物による感染症の予防に有用であり得る。

    汚染環境としては、例えば公共交通機関の車両、公共の集合場所、病気であることが知られている又は予想される哺乳動物を収容した部屋若しくは車両、又は病気であることが知られている又は予想される哺乳動物の近傍が挙げられる。 汚染環境として一般に認識される航空機、保育所、保健センター等の環境に関する更なる情報は、Yang, et al. "Concentrations and Size Distributions of Airborne Influenza A Viruses Measured Indoors at a Health Centre, a Day-Care Centre, and on Aeroplanes," JR Soc. Interface (Feb. 7, 2011)に開示されている(当該文献の内容を参照により本明細書に援用する)。

    より具体的には、一実施形態において、公共輸送車両は例えば航空機、バス又はタクシーであり得る。 公共の集合場所としては、例えば診療所、病院、学校、保育所、教会、ホテル又はレストランが挙げられる。 病気であることが知られている又は予想される哺乳動物の近傍としては、例えば当該哺乳動物の半径1フィート(30.48cm)以内、又は当該哺乳動物と自動車に同乗する場合が挙げられる。 公共の航空機は、多くの場合汚染環境として識別される環境の一般的かつとりわけ注目すべき例として挙げられる。

    一実施形態において、本明細書に記載するバリア形成組成物並びに治療及び予防方法は、例えば活動関連治療、例えば人工呼吸器の使用(人工呼吸器に関連する医療機器が患者と接触する)で汚染される可能性があるアイテムに由来する感染症の予防に有用であり得る。 汚染アイテムの別の例としては、身体への塗布、及び/又は身体と接触する靴等のアイテム若しくは表面への塗布による真菌感染症の処置及び予防が挙げられる。 一実施形態において、汚染アイテムとしては例えば食品、飲料、調理器具、飲料容器及びアクセサリー、子供が使用するアイテム、医療機器、又は歯科装置が挙げられる。

    感染症を予防する方法の一実施形態は、哺乳動物が汚染環境又は汚染アイテムに接触する前に哺乳動物の粘膜に治療有効量のバリア形成組成物を投与するステップを含む。 治療有効量とは、粘膜上にバリア層を形成するバリアを形成するのに十分な量のバリア形成組成物で標的粘膜を被覆することを意味する。 例えば、洗口製剤では約100μL〜約10mL、例えば約1mL〜約8mL、約2mL〜約5mL等、スプレー製剤では約0.125mL〜約2mL、例えば約0.5mL〜約1mLである。 投与量は平方センチメートル当たりの体積換算で表すことができ、例えば洗口製剤では約0.5μL/cm 2 〜約50μL/cm 2 、例えば約5μL/cm 2 〜約40μL/cm 2又は約10μL/cm 2 〜約25μL/cm 2 、又はスプレー製剤では約0.625μL/cm 2 〜約10μL/cm 2 、例えば約2.5μL/cm 2 〜約5μL/cm 2とすることができる。 溶解性ストリップ等の他の送達媒体は、濃度及び当業者に知られる他の要因を調整して、これらの範囲に由来する投与量を有することができる。 また、バリア形成組成物から粘膜上に形成される膜の平均厚さは、例えば約0.001mm〜約0.2mm、例えば約0.01mm〜約0.1mm又は約0.08mm〜約0.15mmの範囲であり得る。 例えば、所与のヒト又は動物について、治療有効量は処置被験体となる哺乳動物の年齢又は体重又はサイズに基づいて決定することができ、投与量は上記のものであってよい。 特に非ヒト哺乳動物の場合、投薬量は、上記の平方センチメートル当たりの値と、処置被験体の粘膜表面又は体腔の表面積の近似値とに従って調整可能である。

    一実施形態において、粘膜に投与される治療有効量のバリア形成組成物により、微生物が粘膜に侵入するのを阻止するバリア層が粘膜上に設けられる。 一実施形態において、微生物の阻害は、微生物の有害な活性を無効化又は不活性化するステップを含む。 一実施形態において、バリア形成組成物は、それ自体に接触する全ての有害な微生物を遮断及び/又は殺滅する。 別の実施形態において、バリアは、感染症を引き起こすことを防止するのに十分な量の有害な微生物を実質的に遮断及び/又は殺滅する。 後者の場合において、有害な微生物の粘膜侵入を遅らせかつ/又は弱めることができれば、微生物が疾患又は広範な感染を引き起こすことを防止する、身体固有の能力が強化される。 in vitro試験により、バリア形成組成物の諸実施形態が約6時間以上、約16時間以上、約24時間以上を含む長時間にわたり全ての細菌の膜表面への到達を防止することが証明された。 in vitro試験から、バリア形成組成物の諸実施形態に曝露したウイルスでは、発育が約2日間以上(インフルエンザ等)〜約9日間以上(HIV等)阻止され得ることが分かり、その後もウイルス数は例えば約2〜3日間の長期間にわたってMICを下回ることが示された。 インフルエンザウイルスに対する阻害活性は最大48時間観察された。

    in vivo試験から、バリア形成組成物の諸実施形態が約6時間以上にわたって口腔内の微生物数を減少させるのに治療上有効であることが示された。

    予防又は治療の継続投薬法の一実施形態において、バリア形成組成物は分割用量、例えば約1〜12時間毎、約2〜8時間毎、又は約4〜6時間毎に投与してもよい。 本予防方法は1日以上、例えば約2日間〜約1週間継続することができる。 この継続投薬方法は、被験体が汚染環境又は汚染アイテムに長時間接触する場合に好ましい可能性がある。 in vivo試験から、継続投薬方法によるヒトの約80%において、6日間の処置期間中に口腔内の微生物負荷が約50%以上減少したことが示された。

    粘膜は、例えば鼻咽頭(咽頭)、咽頭(咽頭)又は咽喉(咽頭)のような口腔、鼻腔又は咽頭腔の粘膜表面であってよい。 粘膜は、哺乳動物の膣腔、胃、腸、喉、又はそれだけに限らないが耳管を含めた他の開口部であってもよい。

    一実施形態において、組成物を投与するステップは、洗口剤の形態のバリア形成組成物を哺乳動物の口腔粘膜に接触するように服用するステップを含む。 口腔内の選択時間後、例えば少なくとも約10秒後、例えば約15秒後〜約5分後、又は約1分後〜約3分後である。 その後、組成物は口腔との接触を経て排出される。 別の実施形態において、組成物は哺乳動物の口孔又は鼻孔への噴霧により投与される。 他の投与方法としては、例えばゲル化したバリア形成組成物を粘膜上にラビング又は塗布することが挙げられる。 バリア形成組成物は、例えば下記のような様々な送達系を介して哺乳動物に投与することができる。 すなわち、液剤、ゲル剤、潤滑剤、ローション、クリーム、ペースト、エアロゾル化粒子、ストリップ、スプレー、リンス、創傷包帯等の包帯、コンドーム、トローチ剤又はガムのような製品内又は製品上へのバリア形成組成物の注入又は層化である。 例えば、バリア形成組成物は、バリア形成組成物を液体中心(liquid center)に含むロゼンジ、又はバリア形成組成物を含む溶解可能なストリップの形態で投与することができる。

    一実施形態において、バリア組成物は、手から口又は手から鼻への接触による有害な微生物の伝播に対抗するために使用することができる。 本実施形態において、バリア組成物は、手から口又は手から鼻への接触により哺乳動物の口腔、鼻腔又は咽頭腔に導入される微生物を遮断、中和又は殺滅するために適用される。 本方法は、汚染アイテム又は汚染環境が有害なウイルス、真菌又は細菌性微生物による汚染が知られている又は予想される場合に、汚染アイテムに対する哺乳動物の手の接触を識別するステップを含む。 これは上記の汚染アイテム又は汚染環境との接触を含み得る。

    かかる接触が識別された後は、汚染アイテムに接触した片方又は両方の手が汚染されたものと考えることができる。 ここで、バリア組成物は、哺乳動物の手から口又は手から鼻への接触が起こる前に哺乳動物の口腔粘膜、鼻腔粘膜又は咽頭粘膜に治療有効量だけ投与される。 その後、バリア形成組成物により、微生物が粘膜に接触するのを阻止するとともにそれらの微生物を中和又は死滅させるバリアが粘膜上に設けられる。

    図1に示すバリア形成組成物の提案の機序を示す一実施形態において、バリア形成組成物は抗ウイルス活性をもたらす。 ウイルスが細胞に接触すると宿主細胞上の受容体に結合する。 5〜6時間が経過すると、ウイルスは宿主細胞によって内在化され宿主細胞内で増殖し、他の宿主細胞を感染させる追加のウイルス粒子を発生させる細胞溶解を誘発する。

    対照的に、バリア形成組成物で処置した細胞では、宿主細胞の表面上に保護バリアが存在する。 細胞及び細胞上の受容体を覆うのに十分な厚さのバリアが、ウイルス粒子が細胞受容体に結合するのを阻止する。 このため感染及び溶解も防止される。 バリア形成組成物は、約2時間以上、約6時間以上、約16時間以上、約16時間〜約24時間、又は約24時間以上という長い継続時間にわたってバリアを保持し、それにより宿主細胞を保護し感染を予防する。 抗菌活性も約2時間以上、約6時間以上、又は最大約24時間以上保持され、それにより宿主細胞が保護され、感染が予防される。

    理論に縛られるものではないが、本明細書に記載の組成物及び方法における抗細菌及び抗真菌活性にも上記及び図1に示したものと同じ機序を適用可能である。

    一実施形態において、バリア形成組成物は、炭水化物ガムと、湿潤剤と、抗菌剤との組合せを含む。 一実施形態において、組成物は下記の要件を満足する(ただし、Cは炭水化物ガム、Hは湿潤剤、Aは抗菌剤である):
    約0.01%≦C≦約0.4%;
    約4.5%≦H≦約65%;かつ
    0.050%<A
    又は 約0%≦C≦約0.4%;
    約55%≦H≦約65%;かつ
    0.050%<A。

    これらのパーセンテージは全て組成物全体における重量%を指す。

    一実施形態において、バリア形成組成物はグリセリン又は1つ又は複数の同様の湿潤物質を含む。 湿潤剤の濃度は組成物全体の約2重量%〜70重量%の範囲、例えば約4.5%〜約65%、約7%〜約35%、又は約15%〜約45%であってよい。 グリセリンと同様の湿潤剤は一般にポリオールとして分類され得る。 湿潤剤としては、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物が挙げられる。 一実施形態において、グリセリンは、ガムの非存在下で約55%〜約65%等の高濃度で使用可能である。

    一実施形態において、組成物はガムを含む。 ガムは、例えば多糖類、キサンタンガム、アラビアガム、又はグアーガムであってよい。 一般に、このようなガムは全体として負電荷を有する糖質ガムとして分類され得る。 別の実施形態において、ガムは、例えばキサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、イナゴマメガム、及びペクチンであってよい。 これらのガムは一般に、全体として負電荷を有する炭水化物ガムとして分類され得る。 ガムは、全組成中の重量パーセントで約0.01%〜約0.4%、例えば約0.25%〜約0.35%、約0.05%〜約0.25%、又は約0.4重量%存在してもよい。

    一実施形態では、組成物中に抗菌剤が存在する。 例えば、組成物は1つ又は複数の抗ウイルス剤又は抗真菌剤を含んでもよい。 また、このような抗菌剤の効果としては静菌作用及び/又は殺菌作用が挙げられる。

    抗菌剤としては、例えばモノ第四級アンモニウム化合物(QAC、セトリミド、塩化ベンザルコニウム、塩化セタルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ミリスタルコニウムクロリド、ポリサイド)、ビクオターナリ(biquaternaries)及びビスビグアニド(クロルヘキシジン、Barquat、ヒビテン)、ビグアニド、ポリマービグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド、バントシル、コスモシル、ジアミジン、塩素系及びヨウ素系化合物を含むハロゲン放出剤、銀及び銀の抗菌化合物、過酸(PAA)、スルファジアジン銀、フェノール類、ビスフェノール類、過酸化水素、ヘキサクロロフェン、それだけに限らないがクロロキシレノール(4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール;p-クロロ-m-キシレノール)を含むハロフェノール等のカチオン性抗菌剤及びそれら� ��薬学的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    また、抗菌材は、静菌及び殺菌の異なるクラスの抗菌剤、例えばテトラサイクリン、クロラムフェニコール、フシジン酸、フルオロキノロン、マクロライド系抗菌剤、オキサゾリジノン、キノロンカルボン酸及びナフチリドンカルボン酸、シトラール、トリメトプリム及びスルファメトキサゾール(単独及び組合せ)、アミノグリコシド、ポリミキシン、ペニシリン並びにこれらの誘導体であってよく、これらを含むものであってもよい。 また、抗菌剤は、例えば下記のクラス、すなわちアゾール類、ポリエン類、エキノカンジン類、及びピリミジン類の抗真菌剤も含むことができる。 上記抗菌剤の任意の組合せも企図される。 前述の抗菌剤の多くはカチオン種又はそれらの薬学的に許容される塩であり、一実施形態では組成物中でカチオン性抗菌剤が利用される。

    抗菌剤は、例えば全組成中の重量%で約0.05%〜約0.1%、例えば約0.05%〜約0.6%又は約0.6%〜約0.1%の範囲の量で存在してもよい。 一実施形態において、抗菌剤の量は、例えば使用される抗菌剤がより高い濃度でも溶解性の問題を引き起こさないとすれば、約5%以下、約3%以下、又は約1%以下である。

    諸実施形態において、組成物は更に、例えばコポビドン及び他の潤滑剤、メチルパラベンやプロピルパラベン等のパラベン類、香味剤、安息香酸ナトリウム等の保存剤、リン酸一ナトリウムやリン酸二ナトリウム等の緩衝剤、及びカルボキシメチルセルロースのような他の成分も含むことができる。 これらの成分は、例えば全組成中の重量%で約0.01%〜約5%、例えば約0.1%〜約2%の範囲の量で含有されてもよい。 香味剤も使用可能である。 緩衝剤(リン酸一ナトリウムやリン酸二ナトリウム等)は、処置された体腔のpHに組成物を調整するのに使用することができる。

    精製水は組成物の希釈剤成分として使用可能である。

    一実施形態において、組成物は、例えばプロバイオティクス、制酸剤、ビタミン、薬物、栄養補助食品、銀、天然又は合成の小分子、抗酸化剤、又は免疫賦活剤、及びこれらの組合せ等、更なる有益な活性をもたらす追加成分を含めることによって保持される利点を生み出す働きもすることができる。 一実施形態では、銀を抗菌剤として使用してもよい。

    塩化セチルピリジニウムを含むいくつかの抗菌剤は、活性成分を加えることによりそれ自体の抗菌特性が悪影響を受けることが知られている。 したがって、一実施形態において、組成物は本質的にガムと、湿潤剤と、抗菌剤とからなる。 一実施形態において、組成物は、歯及び/又は歯肉に対して作用する、例えば歯のホワイトニング剤や減感剤等の薬剤を含まない。 一実施形態において、組成物はセロオリゴ糖類も含まない。 一実施形態において、組成物は、持続放出剤、アレルギー緩和化合物、アゼラスチン、シリコンベース油、精油、ポリビニルピロリドン、及び硝酸カリウムのうちの1つ又は複数を含まない。 誤解を避けるために、上記のどの記載についても全ての実施形態がこれらの化合物を含まないことを意味するものと解釈すべきではない。

    一般に、微生物に対するバリアを粘膜に提供する二重作用機序及び抗菌剤により、in vitroの両方を特徴とする長期持続効果がもたらされる。 模擬in vivo及びin vivo例を以下に示す。 in vivoの例では、バリア形成組成物が少なくとも6時間殺菌効果(殺菌又は静菌)を有することが示された。 バリア特性は実際のヒト試験で検査したわけではなく、模擬in vivo試験(人工のヒト粘膜EHOMを対象とする)で検査し、バリア自体の持続時間が約8時間超、約6時間〜約16時間、約24時間又はそれより長い時間に大幅に延長されることが示された。 また、in vitro試験では、抗菌効果が例えば検査した微生物に応じて約8時間超、6時間超、約6時間〜約16時間、及び約24時間又はそれより長い時間に大幅に延長されることが示された。

    事後抗菌効果(post antimicrobial effect:PAE)は、抗菌剤への限定的な曝露後に持続する微生物の発育を抑制することと定義される。 PAEが長くなるほど微生物の発育の持続的な阻止が可能となるので抗菌剤にとって有利と考えられ、PAEが長い作用物質はPAEが短い作用物質よりも低頻度の投与を必要とするため投与計画に影響を及ぼす可能性がある。

    本明細書に開示する方法及び組成物の諸実施形態において、粘膜に適用したときの組成物のPAEは、例えば約6時間以上、約6時間〜約16時間、又は約16時間〜24時間持続するPAEを有する。

    一実施形態において、組成物は、約16cps〜約20cps、例えば約17cps〜約19cpsのウェーブリッジ粘度を有する。

    一実施形態では、組成物の少なくとも一部分が、摂取され、治療有効投与量においてはヒトの食用として安全である。

    なお、本発明の組成物及び方法が効果を発揮するには、処置済みの腔(例えば口腔、鼻腔、咽頭等)内の粘膜をバリア形成組成物で必ずしも全体的に覆う必要はない。 かかる場合も、本発明の組成物及び方法は依然として腔内の微生物負荷を低減するのに有効である。 理論に縛られるものではないが、バリア形成組成物は、捕捉及び死滅の二重作用機序により、通常であれば組成物上を通過して組成物が塗布されている腔の非被覆部分に達する微生物を捕捉して死滅させる。 すなわち、このように塗布される組成物は、処置された腔内の粘膜表面の実質的な割合、例えば約50%以上、約75%以上又は約90%以上をカバーするのに効果的である。

    理論に縛られるものではないが、バリア形成組成物は親水性でないため、バリア形成組成物が粘膜表面に付着し当該表面を覆うよう、より大きな親和性を有することが可能となる。 さらに、一実施形態では、非親水性組成物に埋め込まれる抗菌剤により粘膜環境における抗菌活性の持続が可能となる。 一実施形態において、バリア形成組成物はそれ自体両親媒性であるか両親媒性成分を有する。

    親水性の一つの尺度は、水中クロマトグラフィーによって判定されるRf(relative front)値である。 一実施形態において、組成物の水中でのRf値は0〜約0.25、例えば約0.0001〜約0.15、又は約0.03〜約0.1である。

    一実施形態において、組成物のpHは、約4〜約8、約5〜約7、約6〜約7.5である。 pHは治療対象の粘膜に合わせて調整可能である。

    後述の実施例に示すように、本発明のバリア形成組成物は、多岐にわたる代表的な細菌及びウイルスの通過を阻止することが証明されている。 ウイルスが最小の感染性微生物のうちの1つであり、また、バリア形成組成物は粘膜細胞からウイルスを遮断する機械的バリアを形成するので、バリア形成組成物は、ウイルスだけでなく広範な細菌及び真菌を含めたより大型の微生物に対しても有効な予防的治療となることが予想される。

    いくつかの実験を実施して哺乳動物を対象とする組成物の安全性及び操作ヒト口腔粘膜(EHOM)モデル上に保護バリアを形成するスプレー製剤の能力を評価した。 実験証拠から、本発明の組成物が組織上にバリアを形成し、このバリアが組織中への微生物の侵入を防止することが示された。

    (実験例1)
    <ヒト歯肉上皮細胞及び線維芽細胞の培養物>
    正常ヒト歯肉細胞(上皮細胞及び線維芽細胞)をScienCell研究所(米国カリフォルニア州カールスバッド)から入手した。 線維芽細胞は、胎児ウシ血清(FBS;Gibco社(カナダオンタリオ州バーリントン)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DME;Invitrogen Life Technologies社(カナダオンタリオ州バーリントン))にて最終濃度10%まで培養した。上皮細胞は、5μg/mLのヒトトランスフェリン、2nMの3,3',5'‐トリヨード‐L‐チロニン、0.4μg/mLのヒドロコルチゾン、10ng/mLの上皮成長因子、ペニシリン及びストレプトマイシン、並びに10%FBS(最終濃度)を添加したダルベッコ改変イーグル(DME)/Ham's F12(3:1)(DMEH)培地にて培養した。

    この培地を上皮細胞については1日1回、線維芽細胞については週に3回取り替えた。 培養物が90%コンフルエントに達したときに、0.05%トリプシン‐0.1%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液を使用して細胞をフラスコから剥離し、これを2回洗浄し、DMEM(上皮細胞の場合)又はDMEH添加培地(線維芽細胞の場合)の中に再懸濁させた。

    (実験例2)
    <操作ヒト口腔粘膜(EHOM)組織>
    EHOMモデルは、正常なヒト口腔粘膜で見られるものと同様の複雑な三次元空間細胞構成を形成するのに用いた歯肉線維芽細胞及び実験例1の上皮細胞を使用して作製した。 固有層は、I型コラーゲン(Gibco-Invitrogen社(カナダオンタリオ州バーリントン))を歯肉線維芽細胞と混合して製造し、10%FBS添加培地で4日間培養した。 次いで、この固有層に歯肉上皮細胞を播種してEHOMを得た。 固有層の全表面が上皮細胞で覆われるまで、組織標本を浸漬条件下で成長させた。 重層上皮を生成するために、EHOMの別の層に至る上皮の組織化を促進するために、EHOMを更に4日間気液界面まで上昇させた。

    粘膜固有層は、上皮下にあって上皮と共に粘膜を構成する緩結合組織の薄い層である。 図2は、バリア形成組成物で覆われた粘膜内の位置を矢印で示したEHOMの粘膜組織図である。

    (実験例3〜9)
    バリア形成組成物の各例は、50mLの遠心管に下記の成分を追加し、「フリーフロー」に一貫性を与えるためボルテックスすることによって調製した。 各組成物の成分及びそれらの近似量を表Iに記載する(表I中の値は全組成中の重量%である)。

    下記の結果から、防腐剤がバリア形成及び抗菌活性に不必要であることが分かった。

    (実験例10)
    <単層創傷修復アッセイ>
    実験例1の上皮細胞及び線維芽細胞の創傷修復アッセイを実施した。 簡潔に言えば、歯肉上皮細胞(細胞数:1×10 4 )及び線維芽細胞(細胞数:1×10 3 )を6ウェルプレートのウェルに播種し、5μg/mLのヒトトランスフェリン、2nMの3,3',5'‐トリ‐ヨード‐L‐チロニン、0.4μg/mLのヒドロコルチゾン、10ng/mLの上皮成長因子、ペニシリン及びストレプトマイシン、並びに10%FBS(最終濃度)を含むダルベッコ改変イーグル(DME)/Ham'sF12(3:1)(DMEH)を添加した培地で成長させた。 コンフルエンシーに達したときに、200μLピペットチップを使用して各ウェルのコンフルエント単層に傷を付けた。

    (実験例11〜15)
    実験例11及び12では、実験例10の上皮細胞培養物を、実験例3及び4の希釈されたバリア形成組成物に約2分間曝露した。 実験例13及び14では、実験例10の線維芽細胞培養物を、実験例3及び4の希釈したバリア形成組成物に約2分間曝露した。 曝露に先立ち、実験例3を1%濃度になるように生理食塩水で希釈し、実験例4を5%濃度になるように生理食塩水で希釈した。 曝露後、スプレーを温かい無菌の培養培地で2回洗い流した後、細胞培養物を、線維芽細胞についてはDMEで、上皮細胞についてはDMEHで覆い、37℃の5%CO 2湿潤雰囲気下で6時間及び24時間培養した。 実験例10の未処置培養物である対照例15も検査した。

    創傷修復/細胞遊走を光学顕微鏡を使用して確認しデジタル写真を撮影した(Nikon社Coolpix 950)。 創傷閉鎖(細胞増殖/遊走)の割合は、次式Iを使用して、バリアスプレーへの曝露前と曝露後の相対的な創傷面積を比較することによって計算した。

    式I:
    (初期の傷の大きさ)−(指定培養期間後の大きさ)/(初期の傷の大きさ)の値×100

    図3は、式Iから生成した処置後6時間時点の創傷修復データのグラフを示す。 図4は、1%に希釈したバリア形成組成物で処置した上皮細胞培養物及び対照例15の創傷修復を示す写真である。

    バリア形成組成物に接触させた後、上皮細胞(図4A)及び線維芽細胞は、接触後6時間から徐々に実験例11及び12のバリア形成組成物と共に移動を開始した(データは示さず)。 上皮細胞は、バリア形成組成物に曝露された培養物と曝露されていない培養物のいずれにおいても(図4A〜図4E)小さい立方形状であった。 線維芽細胞は、いずれの培養条件(塩化セチルピリジニウムベース産物に曝露した細胞と曝露していない細胞)においても小さい核を有する細長い細胞であった(データは示さず)。 損傷ゾーンをカバーする細胞増殖及び移動は、当初の創傷(図4F)と比較して、対照例15と処置済み実験例11、12のいずれにおいても同程度であった。 24時間に及ぶフォローアップから、実験例11及び12がそれぞれコンフルエント単層(図4D〜図4E)を与える傷の縁部をカバーすることが示された。

    この実験を5回ずつ繰り返して同様の結果を得た。 処置済み実験例11及び12では、歯肉上皮細胞の増殖/移動に対しても細胞分化に対しても大きな副作用は示されなかった(大型の細胞質及び大型の核を提示する細胞は存在しなかった)。

    (実験例16〜19)
    <細胞毒性アッセイ>
    実験例2の操作ヒト口腔粘膜(EHOM)モデルを使用して、実験例10及び11の組成物が安全であるかどうか、また組織損傷又は細胞壊死を促進しないかどうかを判定した。 実験例16及び17では、5%に希釈した実験例3のバリア形成組成物及び1%に希釈した実験例4の組成物の薄層(300μL)(いずれも無血清培地にて希釈)を上皮表面(10cm 2 )に2分間重層した。 期間のばらつきは結果には影響を与えず、手順の実施に要した時間にのみ反映された。 対照例18はバリア形成組成物で処置しない対照とした。 次いで、EHOM組織を温かい無菌培養培地で2回すすぎ、37℃の5%CO 2湿潤雰囲気下で24時間インキュベートした。 改変された組織が損傷したかどうかを評価するために、このインキュベーション期間の後、各EHOMにつきバリアスプレー製剤との接触によるホールの有無を肉眼で調べた。 かかる可能性を確認するためにこれらのEHOMの写真を撮影した。 また、各EHOMから生検を採取し、ヘマトキシリン及びエオシンを使用した組織学的染色に供した。

    実験例16及び17では、未処置の対照例18と同様に1%及び5%希釈液中で実験例3及び4に曝露したEHOMがホールのような巨視的損傷を示さなかった(図5参照)。 5%希釈の実験例3の洗口剤(実験例7A)及び1%希釈のスプレー(実験例7B)の各組成物と10分間接触させた組織につき、かかる損傷の有無を観察した。 損傷の有無は、線維芽細胞を移入した結合組織の上部に多層上皮組織を示す組織学的解析によって確認した。 実験例16又は17のEHOM組織では特定の損傷は認められなかった。 実験例16及び17の処置済みEHOM構造は、未処置の対照例18と同等であった。

    実験例19でも、1%希釈物で処置したEHOMを含む点を除いて実験例16と同じ条件下で同様の観察を実施した(データは示さず)。

    図5は、EHOMの巨視的形状及び構造に対するバリア形成組成物の影響を示す。 パネルA及びBは対照例18を示す。 パネルC及びDは実験例16(スプレー組成物)を、パネルE及びFは実験例17(洗口剤組成物)を示す。

    (実験例20〜25)
    EHOM損傷に対するバリアスプレー組成物の副作用が認められた場合は、それらの副作用について細胞内LDHの培養培地への漏出を測定することにより評価した。

    実験例20〜23では、EHOM組織をそれぞれ実験例3及び実験例4の(A)1%希釈液又は(B)5%希釈液に10分間曝露し、その後培養培地で24時間成長させた。 実験例24及び25は未処置の対照とした。 次いで、実験例20〜25の各上清50μLを滅菌96ウェル平底プレートに移した。 各ウェルに再構成した基質混合物50μLを補充し、プレートを室温の暗所にて30分間インキュベートした。 LDHレベルを推定するために培養上清のアリコートを回収し、製造業者(Promega社(米国ウィスコンシン州マディソン))のプロトコールによるLDH細胞毒性アッセイに供した。 このアッセイでは、放出されたLDHによるL‐乳酸及びNADのピルビン酸及びNADHへの変換が測定される。 反応を停止するため各ウェルに停止液50μLを加えた。 次に、混合物100μLを96ウェル平底プレートに移し、Xマークマイクロプレート分光光度計(Bio-Rad社(カナダオンタリオ州ミシサガ))を使用して吸光度を490nmで読み取った。

    このLDH及び創傷修復実験では下記の試験法を使用した。 各実験は少なくとも4回実施し、実験値は平均値±SDとして表した。 対照(バリアスプレーなし)と検体(スプレーあり)の値の差の統計的有意性を一元配置分散分析によって判定した。 事後比較はTukey法を使用して行った。 正規性及び分散の仮定は、それぞれShapiro-Wilk検定及びBrown-Forsythe検定を使用して検証した。 全ての仮定が満足された。 P値は≦0.05で有意とした。 データはSAS統計パッケージ(バージョン8.2、SAS Institute社(米国ノースカロライナ州ケアリー)を使用して分析した。

    図6に示す結果は、バリア形成組成物で処置した構造において、未処置の組織と比較してLDHレベルの有意な差が示されなかったことを示している。 観察は、バリア形成組成物で処置した実験例に曝露した6時間後(データは示さず)及び24時間後(図6)に行った。 図6(A)は、対照例24及び1%希釈の処置済み実験例20及び21、図6(B)は、対照例25及び5%希釈の処置済み実験例22及び23を示す。 これらのデータから実験例3及び4の非毒性効果が確認される。 同様に、実験例3及び4に2分間接触させた場合も対照例との差は認められなかった(データは示さず)。

    (実験例26)
    <バリア形成組成物がEHOM構造を損傷させるか否かの判定>
    実験例2のEHOMを実験例4で約2分間処置し培養培地で洗浄した後24時間培養した。 次いで、組織の巨視的組織損傷の可能性(ホールの有無)を検査した。 組織損傷は組織学的分析によっても調査した。 この目的のために各EHOMから生検を採取した。 これらの生検を4%パラホルムアルデヒド溶液で固定し、次いでパラフィンに包埋した。 薄切片(4μm)をエオシン‐ヘマトキシリンで染色した。 各セクションに50%グリセロールマウント培地中でカバースリップを載せて光学顕微鏡で観察し写真撮影した。 処置したEHOMに損傷は確認されなかった。

    (実験例27及び28)
    <バリア形成組成物が粘膜組織を通る微生物に対するEHOMの機械的バリア機能に影響を及ぼすか否かの判定>
    実験例27及び28では、2つのアプローチを使用して、対照例が粘膜組織を通過する微生物を遮断し、固有の抗菌効果も有するかどうかを判定した。 パススルーチャンバ内とEHOM表面上の成長を、寒天培地内の発育評価によって評価した。

    実験例27では、実験例2のEHOMを実験例4の1%及び5%希釈液(無血清培地にて希釈)に入れて2分間接触させた。 次いで、組織を無血清培地で2回洗浄した後、体積300μLの1×10 6カンジダ菌細胞を重層した。 次いで、組織を空気‐液体培養プレート上に置き、37℃の5%CO 2湿潤雰囲気下で24時間インキュベートした。 次に、EHOM(ベントラルチャンバ)下の培養培地を回収し、微生物が組織を貫通して下記の培養培地に達しているかどうかを確認するためにサブロー寒天プレート上に播種した。 EHOM表面からも培養物を回収し、サブロー寒天プレート上に播種した。 このプロセスを図7に図示する。

    実験例28では、実験例4の組成物の1%及び5%希釈物で2分間処置した実験例2のEHOMを24時間にわたってカンジダ菌体で覆い、サブローデキストロース寒天プレート上に裏返して置き、所定位置に5分間放置した。 次いで、EHOMを除去し、プレートを30℃で24時間インキュベートした後、微生物の発育を肉眼で確認し写真を撮影した。 各実験を5回ずつ繰り返して同様の結果を得た。

    図8は、EHOM面(パネルC及びD)の培養物、及び底部(ベントラル)チャンバ(パネルA及びB)のパススルー液の培養物の結果を示す。 パネルA及びCは実験例4の1%希釈液で処置したEHOMであり、パネルB及びDは実験例4の5%希釈液で処置したEHOMSである。 これらのデータから、実験例4の組成物によって形成されるバリアは微生物によるEHOM組織の貫通を防止するが固有の抗菌効果を有さないことが示された。

    (実験例29及び30)
    実験例29及び30は、EHOMをS. mutansに感染させた点を除いて実験例27及び28の繰り返しである。 バリア形成組成物によりS. mutans微生物がバリアを通過することを防止するバリアが形成されるが抗菌効果を有さないことを示す同様の結果が得られた。

    (実験例31及び32)
    <バリア形成組成物が微生物侵入に対抗するEHOMの機械的バリア機能に影響を与えるか否かの判定>
    実験例32では、実験例2のEHOM組織セットを実験例4のバリア形成組成物で処置した後、C. albicansで重層した。 対照例31では、対照セットについてはC. albicansで重層する前にバリア形成組成物による処置を行わなかった。 各接触時間の経過直後に各EHOMから生検をそれぞれ採取し、パラホルムアルデヒド溶液で固定し、パラフィンに包埋した。 薄切片(4μm)をエオシンヘマトキシリンで染色した。 光学顕微鏡を使用して切片の観察を行い、組織内の微生物細胞の浸潤/浸透を分析した。 顕微鏡観察後、各条件の代表的な写真を撮影し提示した。 この実験を3回繰り返し同様の結果を得た。 実験例3による処置でも同様の結果が得られた(データは示さず)。

    図9は、EHOM組織の微生物侵入に対するバリア形成組成物の影響を示している。 パネル(A)は未処置の対照例31の代表的な写真であり、パネル(B)は処置済み実験例32の写真である。 矢印は未処置の対照例31における侵入菌糸を示す。

    (実験例33〜40)
    上記のEHOMモデルも使用して、実験例5〜7のバリア形成能を評価した。 バリア形成能は、(a)口腔内細菌(S. mutans)及び真菌(Candida albicans)がヒト口腔粘膜に侵入/浸透するのを防止すること、及び(b)宿主細胞を損傷しないことである(細胞毒性アッセイ)。

    実験例33〜40は表IIIに従って調製した。

    実験例33〜40では、実験例27及び28の手順に従って前処置及びインキュベーションを行った後、(1)フロースルー培地を下部チャンバから回収し、(2)サブローデキストロース寒天ペトリ皿の表面に裏返して置き24時間インキュベートした。 実験例27及び28において記載したように、回収したフロースルー培地を寒天培地プレート上に広げて24時間インキュベートした。 表IIIには、裏返した各実験例の培養物上の微生物の発育を示す各実験例の写真を掲載した参照図番号も示してある。

    図10及び11は、カンジダとストレプトコッカスの両方が実験例5〜7の組成物で処置したEHOMの表面上で成長できたことを示している。 対照的に、図12に示すよように、実験例36又は40のEHOMの下部チャンバから収集した「フロースルー」培地、すなわち実験例7の組成物で処置した培地では微生物の増殖は観察されなかった。 このことは、実験例7の組成物でEHOMを処置しても、粘膜組織の表面への損傷が起こらず、処置したEHOMに生物が浸透できなかったことを示す。 実験例5及び6の組成物で処置したEHOMでも同様の結果が得られた(データは示さず)。 これらのデータは、グリセリン及びキサンタンガムの組合せが粘膜組織上に保護バリアを形成することができることを示している。

    (実験例41〜47)
    <検査製剤は毒性がなく細胞/組織を損傷させない>
    実験例41-47では、EHOMモデルを使用して組成物の毒性を評価した。 実験例41〜47は表IVに従って調製した。

    実験例27及び28の手順に従って前処置及びインキュベーションを行った後、実施例41〜48のEHOM組織から培養上清を回収しLDH活性の測定に使用した。

    図13に示すように、実験例41〜48では、製剤が保存剤を含む又は含まない塩化セチルピリジニウムを含有するかどうか、またCandida albicans又はS. mutansのいずれかに感染したかどうかに関わらず、LDHレベルの有意な増加は観察されなかった。 これらのデータから、実験例のバリア形成組成物の非毒性効果が示され、これらの製剤が宿主粘膜組織の完全性を維持することも示された。

    データは平均±SDであり、上記の実験例25で述べたとおり計算した。 未処置組織と処置済み組織との間に有意な差は認められなかった。

    まとめると、上記のデータから、実験例の組成物がヒトの粘膜組織を貫通して侵入する微生物を防止することが可能な効果的かつ安全なバリアを提示することが示された。

    (実験例48〜61)
    バリア形成組成物の前臨床評価から、組成物が多くの細菌及び酵母に対して有効であることが示された。 S. salivarius、P. gingivalis、S. pyogenes、S. pneumonia、Fusobacterium nucleatum、S. mutans、S. aureus、Y. enterocolitica、S. oralis、S. mitis、C. albicans、C. krusei、C. tropicalis、及びC. glabrataを含む、患者から得た複数の臨床分離株に対して実験例7のバリア形成組成物の抗菌活性を評価した。 実験例7のバリア形成組成物の活性は、臨床及び検査標準協会(CLSI)の文書番号M07-A8、M11-A7及びM27-A3に記載されている標準法を使用して最小発育阻止濃度(MIC)を判定することにより評価した。

    いくつかのタイプの好気性又は嫌気性細菌(1×10 4細胞/mL)の標準化接種材料を、比較例として、実験例7の段階希釈溶液(0.1%又は1μg/mLのCPC含有)又は2%グルコン酸クロルヘキシジン(CHX、20μg/mL)でインキュベートした。 細胞を試験薬剤の存在下又は非存在下(成長制御)で24時間成長させた。 各作用物質のMICは(無薬物対照と比較して)100%の発育阻止を誘発した濃度として定義した。

    同様の微量希釈ベースのCLSI法(M27-A2)を使用してアルビカンス及び非アルビカンスのカンジダ種に対する実験例7の活性を評価した。

    バリア形成組成物は、MRSA、Acinetobacter baumannii、Streptococcus sanguis、S. gordonii、及びAggregatibacter actinomycetemcomitansに対して強力な抗菌活性を有することも判明した。

    表Vから分かるように、実験例7の組成物は多くの好気性及び嫌気性細菌、並びに真菌に対して強力な活性を示した。

    S. oralis及びS. mitisに対する例7のバリア形成組成物のMICは、他の生物に比べて著しく上昇した(500μg/mL)。 S. oralis及びS. mitisが口腔の正常な片利共生生物であることは興味深い。 一般に使用される抗菌クロルヘキシジン(2%溶液)の活性も同様の方法により判定した。 表Vは、種々の微生物に対する比較例として、実験例7のバリア形成組成物及びクロルヘキシジン(2%溶液)のMICを示す。

    まとめると、これらの結果から実験例7が一般に口腔から単離された病原性細菌や真菌に対して強力な活性を有することが実証された。 この活性はクロルヘキシジンで観察されるものよりも強力であった。

    実験例10及び11のバリア形成組成物についても類似の活性プロフィルが観察された。

    (実験例62)
    更なる比較として、公表されているデータから、試験したバリア形成組成物は、CPC単独比較で(すなわち、本明細書に開示するバリア製剤による組成物中ではなく)優れた又は少なくとも同等のMICを有することが示されている(Frank-Albert Pitten and Axel Kramer, "Efficacy of Cetylpyridinium Chloride Used as Oropharyngeal Antiseptic," Arzneim.Forsch./Drug Res.51 (II), pp588-595 (2001)参照。当該文献の内容を参照により本明細書に援用する)。 データは試験微生物に応じて変動するが、例えばS. mutansに対するCPC(単独)のMICは5.0μg/mL〜6.25μg/mLであり、この値は実験例53で報告された1.95μg/mLよりも効果が小さくなる。 このことは、CPCが製剤中の他の賦形剤と混合したときにその活性を失うリスクを有することに照らして予想外の結果であった。 詳しくはDepartment of Health and Human Services (Food and Drug Administration) (1994) Oral Health Care Drug Products for Over-the-Counter Human Use; Tentative Final Monograph for Oral Antiseptic Drug Products. Proposed Rules (21 CFR Part 356, Docket No. 81N-033A, RIN 0905-AA06). Federal Register 59:6084-124を参照されたい。

    (実験例63〜69)
    <in vitroにおけるバリア形成組成物の抗菌活性持続時間:ポスト抗菌効果(PAE)判定>
    いくつかの微生物に対する実験例8のPAEを実験例63〜68で評価した。 対照例69も準備した。 いくつかの微生物を実験例8に(MICと等しい濃度で)1分間曝露した後、残留製剤を除去するために3回洗浄した。 次いで、処置した細胞を37℃でインキュベートした寒天培地プレート上に広げ、細胞の再成長に要した時間を測定した。 PAEは、未処置対照例69と比較して、発育阻止率(%)が実験例63〜68によって維持された時間(hour)として表した。

    図14に示すように、実験例8は、試験した生物(S. aureus、S. pneumonia、S. gordonii、S. sanguis、S. salivarius、及びS. mitis)に応じて4時間〜24時間の間のPAEを示した。 実験例8と同様の活性をカンジダに対して観察した(データは示さず)。 他の実験例のバリア形成組成物は微生物に対して同様のPAEを示した。

    (実験例70)
    より低いCPC含量を有する同様の比較例と比較した実験例7のS. mutansに対するバリア形成組成物のPAE試験から、実験例7のPAEは比較実験例70の6時間に対して24時間であることが示された。 したがって、実験例7が比較実験例70より長い時間抗菌活性を示し、CPC含量の追加が抗菌活性に対して単なる相加効果以上のものを発揮することが証明された。

    (実験例71〜76)
    走査型電子顕微鏡を使用してS. sanguis(実験例71)、S. oralis(実験例72)及びC. albicans(実験例73)の実験例3の組成物による処置が細胞完全性を損なうことが示された。

    実験例71〜73では、細胞を実験例3の存在下で24時間成長させた。 次に、細胞を洗浄して残留製剤を除去し、一連のアルコール溶液(10%〜100%(v/v))に通して脱水し、SEM分析用に加工した。 対照例74〜76は、実験例3の存在下で成長させなかった点で実験例71〜73と異なる。

    SEM写真から、健康で無傷の細胞(図15A、図15C、図15E)であることが証明された未処置の対照例74〜76とは異なり、実験例3のバリア形成組成物に曝露した微生物が変形し、崩壊し、細胞質物質の漏出の明らかな証拠となる細胞の完全性の全面的な破壊が示された(図15B、図15D、図15F)。

    (実験例77〜79)
    バイオフィルムは実験例77〜79における特定の感染症の前駆体であることから、バリア形成組成物が細菌及び酵母菌によるバイオフィルムの形成を防止することができるかどうかを判定する実験を行った。 バイオフィルムはin vitroモデルを使用して形成した。 in vitroモデルの詳細は、Chandra et al. "In vitro Growth and Analysis of Candida Biofilms" Nature Protocols 3(12):1909-1924 (2008)を参照されたい。

    実験例77〜79では、標準的なバイオフィルムモデルを利用して、実験例3のバリア形成組成物が細菌及び真菌バイオフィルムに対して活性を示すかどうかを判定した。 実験例77-79では、3種類の微生物(C. albicans、S. oralis、S. salivarius)を基板上に90分間接着して接着相にバイオフィルムを形成させた。 次に、付着細菌を含むディスクを濃度50%の実験例3(適切な培地で1:1希釈)で15分間、30分間又は60分間インキュベートした。 インキュベーション後、バイオフィルムを剥離し、培養培地上に広げ、インキュベートし、コロニー形成単位(CFU)を判定した。 リン酸緩衝生理食塩水(PBS(1:1))で希釈した培地を対照として使用した。 表VIは0分(対照)、15分、30分及び60分の時点のデータを示す。

    実験例77〜79に関するデータは、図16にも阻止率対成長制御のグラフとして示されている。 これらの結果から、実験例3のバリア形成組成物がS. salivarius、S. oralis又はC. albicansによって形成されるバイオフィルムに対し0.2%のMICで細菌及び真菌微生物を阻害することが示された。

    (実験例80及び81)
    実験例80において、本発明者らはC. albicansの初期段階のバイオフィルムを実験例3に1分間曝露した際の影響を評価した結果、1分程度の短時間の曝露であってもバイオフィルム形成を阻害することができることが分かった(図17)。 実験例81は未処置の対照試料とした。

    (実験例82〜84)
    <バリア形成組成物による成熟バイオフィルムの処置能力>
    バリア形成組成物がバイオフィルムを処置することができるかどうかを判定するために、本発明者らは、完全に形成された成熟バイオフィルムに対するバリア形成組成物の活性を評価した。 バイオフィルムを成熟期まで成長させ、その後実験例7に2時間又は4時間曝露し、その結果得られたCFUを判定した。 未処置の細胞と比較して微生物CFUを少なくとも2 log reductionだけ減少させる組成物は、微生物バイオフィルムに対して有効であると考えられる。

    表VIIに示すように、実験例7への曝露によりC. albicans及びS. oralisによって形成されたバイオフィルムが完全に除去され、S. salivariusによって形成されたバイオフィルムのCFUが未処置対照と比較して3.4 log reductionだけ減少した(各CFUは3.95対7.36)。

    要約すると、上記の結果は、実験例15が細菌及び真菌によって形成されるバイオフィルムに対して強力な活性を有することを示している。

    (実験例85〜86)
    <バリア形成組成物はウイルスに対しても活性がある>
    呼吸器系ウイルス(インフルエンザウイルスH1N1、株2009/H1N1/infA)やヒト免疫不全ウイルス(HIV)等のウイルスに対するバリア形成組成物の活性を測定した。

    <バリア形成組成物はインフルエンザAの感染性を阻害する>

    インフルエンザウイルスの感染性に対するバリア形成組成物の影響を評価するために、メイディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK)細胞を感染前に37℃で≧90%コンフルエントまで増殖させた。 MDCK細胞は、インフルエンザウイルスが関与するアッセイのために日常的に使用されている。

    実験例85では、細胞単層を実験例7のバリア形成組成物に曝露した。 対照例86では、細胞層をOptiMEM(+P/S、+Lglu)組織培養培地に異なる時間曝露した:(1)T1:30分間曝露、(2)T2:1時間曝露、(3)T3:2時間曝露。 次に、製剤を除去し、細胞単層をインフルエンザウイルスに感染させた(感染多重度(MOI)=0.1)。 未処置の細胞又は曝露直後(T0)に感染した細胞をベースライン対照として使用した。 次いで、感染した細胞を遠心分離し、増殖培地500μLに再懸濁し、32.5℃で48時間インキュベートした。 また、免疫蛍光顕微鏡(FITC標識抗インフルエンザ抗体を使用)を使用して、哺乳動物細胞に対するインフルエンザウイルスの感染能に対する実験例7のバリア形成組成物の影響も評価した。

    図18は、インフルエンザに感染したMDCK細胞(実験例85)(パネルA及びC)及び対照例86(パネルB及びD)の細胞変性効果に対する実験例7の影響を示す。 画像は下記から取得した。 位相コントラスト(AB)、及び免疫蛍光顕微鏡(C〜D):特定の細胞変性効果(CPE)は製剤で処置した細胞では認められなかった。 未処置細胞は、局所的な円形化(focal rounding)や退行性変化を含む典型的なCPEを呈した。

    これらのデータから、細胞単層を実験例7に30分間、1時間又は2時間曝露してもコンフルエントかつ健常(実験例85)のままであることが示された。 対照的に、未処置の細胞及び感染直前(T0)に処置した細胞(対照例86)では、実質的な細胞変性効果が示された。 図18のパネルCに示されるように、実験例86の未処置細胞では蛍光が示されたが(図18、パネルD)、実験例85のバリア形成組成物で処置した細胞では蛍光が観察されなかった。

    実験例85及び86に対応する更なる蛍光顕微鏡像を図19に示す。

    (実験例87及び88)
    <定量PCRを使用したウイルス負荷に対するバリア形成組成物の活性>
    図20は、定量PCRにより判定した、感染した処置済み細胞(実験例87)及び未処置細胞(実験例88)におけるインフルエンザウイルスレベルを示す。 実験例87では細胞を実験例7で処置し、対照例88では細胞を未処置のままとした。 その後上清を回収してウイルスの有無を分析した。

    実験例87及び88と同様のアッセイから細胞培養上清を回収し、QIAampウイルスRNAキット(QIAGEN社(カリフォルニア州バレンシア))を使用して核酸抽出した。 Random Hexamer Primers(Invitrogen社(カリフォルニア州カールズバッド))を使用して各試料のcDNAライブラリーを作成した。 逆転写反応は、製造業者(Invitrogen社(カリフォルニア州カールズバッド))の仕様によるM-MLV RTを使用して実施した。 定量分析は、StepOne Plus Taqman Real Time PCR(Applied Biosystems社(ニュージャージー州ブランチバーグ))上で、TaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems社(ニュージャージー州ブランチバーグ))、cDNA試料2μL、及びプライマー/プローブを使用してインフルエンザマトリックス遺伝子を標的として実施した。 参照標準は、従来のRT-PCR、精製ゲル(QIAquick、Qiagen社(カリフォルニア州バレンシア))によって増幅されたH1N1マトリックス遺伝子及びヒトRNase PのcDNA断片を使用して調製し、分光光度計(Beckman Coulter社(カリフォルニア州ブレア)を使用して定量した。

    図20及び表IVに示すように、実験例7で30分間又は60分間処置した実験例87の細胞は、感染後48時間で検出可能なインフルエンザを有さなかった。 さらに、実験例7で2時間処置した結果、未処置対照又は感染直線に処置したもの(実験例88)と比較してウイルス負荷が1/6に減少した。

    (実験例89〜91)
    <バリア形成組成物は、インフルエンザウイルスに対する直接的な抗ウイルス効果を有する>

    バリア形成組成物がインフルエンザウイルスに対する直接的な抗ウイルス活性を有するかどうかを判定するために、本発明者らはウイルスアフリカミドリザル腎臓(CV-1)細胞(90%コンフルエントまで24ウェルプレート内で増殖させた)を実験例7で前処置したインフルエンザに感染させた。 CV-1細胞は、診断及びウイルス研究のために日常的に使用される高感受性基材である。

    実験例89〜91では、標準化された量のインフルエンザ(0.1 MOI)を室温で5分間、(1)実験例7(実験例89を形成するため)、(2)対照例6、CPCなし防腐剤あり化合物(実験例90を形成するため)、(3)対照例5のプラセボ単独(CPC及び保存剤なしの化合物)(実験例91を形成するため)で前処置した。 5分間のインキュベーション後にウイルス/薬物混合物をOptiMEM(+P/S、+Lglu)で追加的な同体積分だけ希釈して処置組成物を希釈した。

    実験例89〜91では、上記で説明したようにCV-1細胞を調製した。 次いで、実験例89〜91で処置済みの及び未処置のウイルスを上記のように細胞に接種した。

    インフルエンザウイルス負荷は上述のようにリアルタイムPCRによって判定した。 図21に示すデータから、抗菌剤CPC(実験例89)を含有する実験例7のバリア形成組成物で前処置したインフルエンザウイルスについて、バリア形成組成物及び/又は防腐剤を含むがCPCを含まないもの(実験例90及び91)と比較して、ウイルス負荷の有意な減少が示された。 実験例7によるウイルスの前処置は、CPCを含まない製剤と比較して、ウイルスコピーの有意な減少を示した。

    これらの結果は、実験例7のバリア形成組成物が実験例5及び6に固有ではないインフルエンザウイルスに対する直接的な抗ウイルス活性を有することを証明している。

    (実験例92及び93)
    実験例92及び93では、インフルエンザA(2009/H1N1/infA)の感染を阻害するバリア形成組成物の能力を試験した。 アフリカミドリザル腎臓(CV-1)細胞を90%コンフルエントまで24ウェルプレート中で増殖させた。 次に、実験例7のバリア形成組成物を実験例92の細胞(20%の実験例7、80%のOptiMem、ワーキングCPC濃度0.02%)に塗布した。 各時点は対照例93(形成組成物の塗布なし。100% OptiMem)と一致する。 バリア形成組成物を表面上に30分間滞留させた後、細胞単層から除去した。 細胞を無菌optiMEM(+PfS、+Lglu)で2回十分に洗浄した。 インフルエンザをMOI=0.1にてT0からT+6時間まで30分間隔で接種した。 感染後、細胞を2200rpmで30分間、500μLのoptiMEM(+P/S、+Lglu、2μg/mLのトリプシン(sigma-Aldrich社(ミズーリ州セントルイス))で遠心分離した。感染細胞を32.5℃で96時間、5%CO 2にて成長させた。インフルエンザウイルス負荷はリアルタイムPCRによって判定した。

    図22に示すように、グリセリン‐キサンタンガム製剤による宿主単層の前処置により、未処置の対照と比較して最大84.93%ウイルス感染が阻害された。 バリア形成組成物の除去にもかかわらず宿主細胞中でウイルス感染の阻害が観察されたという事実は、バリア形成組成物により、ウイルス侵入を少なくとも6時間防止する宿主細胞に対する保護バリアが形成されたことを示している。

    図1は、感染の阻害に対処する可能な機序として参照することができる。

    (実験例94〜96)
    <バリア形成組成物はHIVに対して活性を示す>
    実験例70〜72では、バリア形成組成物がHIVに対する活性を有するかどうかを判定した。 宿主MT哺乳動物細胞をRPMI/10%FBS/PS中15,000細胞/ウェルの密度で96ウェル丸底プレートに播種した。 翌日(2日目)、ウイルスを対照例5(実験例94を形成)、対照例6(実験例95を形成)、又は実験例7(実験例96を形成)で5分間前処置して細胞に添加した。 製剤への曝露から24時間後にMT(マカク)哺乳動物細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄し、新鮮な培地に取り替えた。 1日目、2日目、5日目、6日目、7日目及び9日目に処置後の上清(10μL)を回収し、逆転写酵素(RT)活性によりウイルス負荷を測定した。 図23は、9日間に及ぶ各実験例72〜74のmL当たりのウイルスコピーのグラフを示す。

    図示の結果は、実験例96中の実験例7が処置後の全ての監視時点において抗HIV活性を呈したことを示している。

    実験例94及び95におけるCPC及び/又は保存剤なしの対照例5又は対照例6が最も小さい抗HIV活性を示した。

    要約すると、我々の調査結果から、CPCを含むバリア形成組成物の実験例7がHIVに対する長時間持続する抗ウイルス活性を示すことが証明された。

    (実験例97)
    代表的な生物ウイルス病変は様々な粘膜組織における重要な感染症である。 実験例97では、バリア形成組成物が一般的な口腔エプスタインバールウイルス(EBV)に対する活性を示すかどうかを判定するための実験を行った。 ウェスタンブロッティングを使用して、実験例8のバリア形成組成物による溶菌ウイルスタンパク質EAD(ウイルス複製の阻害を示す)の分解能を評価した。

    実験例97では、EBVに感染した胃上皮細胞を実験例8の異なる希釈物(1:16、1:32、1:64)に曝露し、特異的抗体を使用してEADタンパク質の存在を検出した。 セルラβ‐アクチンの存在を上皮細胞の完全性の指標とした。 図24に示すように、実験例8の1:64希釈液は、細胞のアクチンに影響を及ぼすことなくEADを分解した。 これらの結果は、実験例8がウイルス複製を固有に阻害し、したがって有効な抗ウイルスであり、ウイルス感染の防止に有用であることを証明している。

    (実験例98〜100)
    <抗菌バリア対市販洗口製品の持続時間>
    バリア形成組成物が抗菌活性を維持可能な持続時間を判定するために、細菌及び真菌を、ウェル中の実験例7のバリア形成組成物で処置した実験例2のEHOMと、同等の市販品で処置した実験例2のEHOMとに2分間曝露した。 細菌及び真菌微生物を、未処置の対照EHOM(実験例98)及び処置済みのEHOM(実験例99及び比較例100)の上に重層した。 次に、残留(フロースルー)溶液をウェル底(EHOMモデルの下部チャンバ)から取り出し、寒天培地プレート上に広げた。 図7は、この試験法を更に明確化するものである。 これらのプレートを37℃でインキュベートし、24時間後の成長微生物細胞数(コロニー形成単位;CFU)を計数した。

    対照例98では未処置のEHOMを試験した。 実験例99では、S. mitis細菌を上記のようにバリア形成組成物に重層した。 実験例100は、細菌をS. mitis細菌に対する市販のLISTERINE(エタノール(26.9%)、メントール、チモール、サリチル酸メチル及びオイカリプトールを含む)の活性を示す比較例である。 結果を表IXに示す。

    (実験例101〜103)
    実験例101〜103では、Candida albicans細菌を上記のようなバリア形成組成物で試験したこと以外は実験例98〜100と同じ手順を実施した。 結果を表Xに示す。 実験例103は市販のLISTERINEの活性を示す比較例である。

    これらのデータは更に、実験例7のバリア形成組成物が最大24時間を含む活性を維持することを示している。 まとめると、これらの結果は、LISTERINEとは異なり、実験例7のバリア形成組成物が最大24時間EHOM組織に無傷のバリアを維持し続けたことを示している。

    (実験例104〜153)
    微生物の通過を防止するのに有効なバリアを形成することが可能なグリセリン及びキサンタンガムの濃度の更なる例を識別するために、in vitroフィルターインサートベースバリアモデルを使用して様々な濃度のガムキサンタンガム及び湿潤剤グリセリン(5%〜95%のグリセリン、0.005%〜0.5%のキサンタンガム)を単独及び組み合わせて試験した。 図33は、実験例104〜153に使用される一般的な試験法を示す。

    直径3μm〜8μmの細孔サイズのフィルターインサートを使用してそれぞれ細菌(Streptococcus salivarius)及び真菌(Candida albicans)の通過を試験した。 グリセリン若しくはキサンタンガム又はそれらの組合せ(100μLアリコート)をフィルターの表面上に重層してバリアを形成させた。 フィルターの直径は24mmであった。 したがって、フィルター上の膜の厚さは約0.01mmであり、この値は口内に治療有効量だけ塗布されたときの組成物膜の厚さの範囲内の値と類似する。 次に、細菌又は真菌のいずれかの5×10 4細胞をフィルターインサート内の形成バリア上に塗布した。 次に、本発明者らはこれらのフィルターインサートを6ウェルプレート内の寒天培地(真菌についてはブレインハートインフュージョン(BHI)培地、細菌についてはサブローデキストロース(SD)培地)の表面上に置いた。 各プレートをフィルターインサートと共に37℃で24時間、一晩インキュベートした。

    各プレートにつき、寒天培地及びフィルターインサート中の細菌又は真菌の成長CFU(コロニー形成単位)の有無を観察した。 フィルターインサート中だけでなく寒天培地中でも微生物の発育が見られたことから、微生物の通過を防ぐ効果的なバリアがフィルター上に形成されたことが証明された。 逆に、フィルターインサート周囲の寒天培地中で成長が見られた場合は、試験作用物質が効果的なバリアを形成することができず生物によるフィルターの通過を許したことを示唆している。

    表XIに示す結果は、グリセリンが単独で試験した場合に55%以上の濃度でバリアを形成することができることを示している。 対照的に、キサンタンガムのみの場合はどの試験濃度でも(0.005%〜0.4%)バリアは形成されなかった。 しかしながら、0.01%のキサンタンガムと組み合わせた場合は、グリセリン濃度7%、45%、55%及び65%でバリアの形成が観察された。 さらに、0.4%キサンタンガムと、グリセリン濃度7%、15%、25%、35%、45%、55%及び65%の組合せでもバリアが形成された。
    したがって、in vitroフィルターインサートベースモデルにおいて微生物の通過を防止するバリアを形成し得るグリセリンとキサンタンガムの特定の組合せが識別された。

    フィルターインサート上に形成された実験例104〜153の組成によって保持される微生物細胞はバリアによって捕捉され生存可能であることが分かり、したがって、形成されたバリアは抗菌剤を含まない場合は固有の抗菌性を有さないことが証明された。 換言すると、バリア内に保持された微生物は活性を維持しており、例えば微生物が摩耗によってバリアから解放され又はバリアが完全性を失った場合には感染への脅威を与えるおそれがある。

    (実験例154〜157)
    EHOM試料に関する上記の実験例に加えて、更なる試験を実施したところ、バリア形成組成物が(a)宿主組織に損傷を与えず、かつ(b)ヒトの粘膜組織への微生物の侵入を防止することができることが証明された。 これらの基準について代表的な2つの組合せ(グリセリン:キサンタンガム=7%:0.01%、及び35%:0.4%)を対象に試験した。 これらの組合せは、実験例104〜153のin vitro結果に基づいて正常にバリアを形成したため代表的な組合せとして選択した。 これらの2つの組合せを含む製剤は、粘膜内層に類似する実験例2のEHOMを使用して試験した。

    EHOMを、生理食塩水[0.9%]中1%(実験例154及び155)希釈液又は5%(実験例156及び157)希釈液のいずれかにおいて実験例3及び4の諸種の製剤で約2分間処置して実験例154-157を形成した。 各EHOMに試験製剤のうちの1つ(300μL)を重層し、室温(25℃)で10分間無菌フード下に放置した。 接触期間の終了時に、組織を培養培地で2回洗浄して製剤を除去した。

    (実験例158)
    実験例3及び4で処置した後、EHOMの可能な巨視的組織損傷の有無(ホールの有無)について検査した。 組織損傷は組織学的分析によっても調査した。 この目的のために、生検を各EHOMから採取し4%パラホルムアルデヒド溶液で固定した後パラフィンに包埋した。 薄切片(4μm)をエオシン‐ヘマトキシリンで染色し、50%グリセリン封入培地中でカバースリップを装着し、光学顕微鏡で観察して写真を撮影した。 処置済みEHOM及び未処置対照EHOMの巨視的組織損傷及び構造的変化の有無を検査した。 5つの異なる試験対象EHOM内の未処置組織又は処置済み組織中に500倍の倍率で視認可能な損傷(ホール)は認められなかった。

    (実験例159)
    <バリア形成組成物に起因する宿主細胞の損傷評価(細胞傷害性アッセイ)>
    次いで、バリア形成組成物の実験例3〜7の5%希釈物で処置した実験例156及び157のEHOMに、体積100μL中1×10 6細胞のC. albicans又はS. mutansを重層した。 次いで、これらのEHOMを空気‐液体培養プレート上に置き、37℃の5%CO 2湿潤雰囲気中で24時間インキュベートした。 このインキュベーション期間後に培養上清のアリコートを回収し、製造業者(Promega社(米国ウィスコンシン州マディソン)の指示による乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)細胞毒性アッセイに供した。各上清の50μLを滅菌96ウェル平底プレートに移した。各ウェルに再構成した基質混合物50μLを補充し、プレートを室温の暗所にて30分間インキュベートした。反応を停止するため各ウェルに停止液50μLを加えた。次に、混合物100μLを96ウェル平底プレートに移し、Xマークマイクロプレート分光光度計(Bio-Rad社(カナダオンタリオ州ミシサガ))を用いて吸光度を490nmで読み取った。LDHはLDH細胞毒性アッセイを使用して評価した。データは平均±SDである。実験例の組成物で処置したEHOMと、未処置かつ未感染のEHOM対照との間に有意な差は認められなかっ� �。図25は、未処置の対照例と、実験例5、6及び7で処置した例について実施した上記の試験の結果を示すグラフである。実験例3及び4で処置したEHOMについても同様の結果が得られた。試験した実験例は全て粘膜の完全性を維持した。

    (実験例160)
    <歯肉細胞の成長/移行に対するバリア形成組成物製剤の影響>
    創傷修復アッセイを行った。 簡潔には、口腔(歯肉)上皮細胞(1×10 4 )及び線維芽細胞(1×10 3 )を6ウェルプレートのウェルに播種し、適切な培養培地中で増殖させた。 コンフルエントに達した時点で、各ウェルのコンフルエント単層に200μLピペットチップを使用して傷を付けた。 次いで、培養物を実験例3及び4の1%及び5%希釈液に約2分間曝露した。 露光に続いて、製剤を温かい無菌の培養培地で2回洗い流した後、細胞培養物に線維芽細胞についてはDEMを重層し、上皮細胞についてはDMEHを重層し、37℃の5%CO 2湿潤雰囲気下で6時間及び24時間培養した。 創傷修復/細胞遊走を光学顕微鏡を使用して確認し、デジタル写真を撮影した(Nikon社Coolpix 950)。 図26は、実験例3(5%希釈液)で10分間処置した創傷口腔上皮細胞培養物の、創傷直後(パネルA)、約6時間後(パネルD)及び約24時間後(パネル後E)の様子を撮影した写真を示す。 パネルB及びCは、それぞれ口腔上皮細胞の未処置対照コンフルエント培養物上の同等の傷につき、約6時間後及び約24時間後の様子を示す。 実験例4で処置した細胞培養物についても同様の結果が得られた。

    創傷閉鎖(細胞増殖/遊走)の割合は、上述の式Iを使用して製剤への曝露前と曝露後の相対的な創傷面積を比較することによって計算した。

    上皮細胞は処置済み培養物と未処置培養物のいずれにおいても小さい立方形状であった。 線維芽細胞を使用した掻き傷創傷モデルについても同様の結果が観察された(データは示さず)。 まとめると、これらのデータは実験例の組成物に毒性がなく細胞増殖/遊走及び創傷治癒に悪影響が及ばないことを示している。

    (実験例161)
    <グリセリン‐キサンタンガム製剤がヒト口腔粘膜上に被膜を形成する>

    グリセリン‐キサンタンガム製剤がヒト口腔粘膜上に被膜を形成できるかどうかを判定するために、本発明者らは、マーカー色素としてゲンチアナバイオレット(GV)を用いて実験例7の製剤をスパイクした。 スパイクした産物(750μL)をヒトボランティアの口腔に噴霧した。 塗布後、口腔内染色の有無を観察し、デジタルカメラを使用して画像を撮影した。 図27に示すように、この製剤は両頬と舌の背側/腹側面とを染色した。

    (実験例162及び163)
    <バリア形成組成物への微生物の曝露が細胞増殖を阻害する:経時的顕微鏡検査法>

    バリア形成組成物が微生物に対する活性を示す阻害活性及び持続時間を判定するために、未処置の細菌及び真菌と比較して、バリア形成組成物に曝露した細胞について経時的分析を実施した。

    実験例162では、S. mutans菌体を1分間実験例7に曝露し、洗浄して残留物質を除去し、新鮮な増殖培地を収容したペトリ皿内で増殖させた。 37℃での生物の増殖を6時間観察し、顕微鏡に接続したカメラを使用して6時間のインキュベーション期間中20分毎に顕微鏡写真を撮影した。

    対象実験例163では、未処置の細胞に同じ手順を実施した。

    図28に示すように、細胞が6時間以内にコンフルエントに達した未処置の細菌とは対照的に、実験例7のバリア形成組成物で処置した微生物は、曝露後の同期間中に再成長しなかった。 同様に、実験例7のバリア形成組成物にカンジダ細胞を曝露した場合は、インキュベーション期間中の成長が完全に阻害された(データは示さず)。

    さらに、これらの結果からバリア形成組成物が長期の抗菌活性を有することが確認された。

    (実験例164〜166)
    <in vivo試験:バリア形成組成物(実験例7)はヒトにおける口腔微生物負荷を低減する:短期活性及び長期活性>
    <短期活性>
    口腔微生物の微生物負荷に対する単回塗布の効果を評価することにより、実験例7の活性持続時間を健康な個体で測定した。 実験例164〜166では、(年齢18歳以上の健康な口)3人の健常者のインフォームドコンセントを得て、各自の両頬に実験例7の組成物の単回塗布を依頼した。 単回塗布は体積0.25mLずつを3噴霧と定義した。 次に、これらの人間からベースライン(処置前)、処置後1時間経過後、治療後2時間経過後及び治療後6時間経過後のスワブを採取したこれらのスワブを好気性又は嫌気性生物に特異的な寒天培地プレート上で培養し、37℃で24〜28時間インキュベートし、CFU数を計数した。 微生物負荷に対する実験例7の影響(CFU)を判定し、ベースライン(0分)のCFUを基準にして各露光後時点の阻害率を計算した。

    得られた結果から、実験例7の塗布により最大6時間にわたる微生物負荷の一貫した低下が確認された(代表的な被験者のCFUを示す図29A参照)。 バリア形成組成物による処置によって口腔内微生物負荷が69%〜96%低下した(代表的な被験者の微生物負荷の減少を示す図29B参照)。

    (実験例167〜169)
    <長期活性>
    口腔微生物に対する5日間にわたるバリア形成組成物の活性を評価した。 実験例167-169では、3人の健常者を登録し、実験例7の単回用量(上記で定義した3回噴霧)を1日3回(目安として午前9時、正午及び午後3時の3回)塗布する処置を5日間(典型的な週5日制)続けることを依頼した。 ベースライン(1日目の塗布前)及び5日間の試験期間における各日の終わりに、被験者からスワブを採取した。 収集したスワブを寒天培地プレート上で培養し、37℃の5%CO 2湿潤雰囲気下で24〜28時間インキュベートし、CFUの数を計数した。

    微生物負荷に対する実験例7のバリア形成組成物の影響を(3名の被験者のメジアンCFUとして)判定し、各露光後時点の阻害率をベースライン(0分)CFUを基準として計算した。 図30は、これらの結果をCFU対時間(図30A)、及び微生物負荷の減少対時間(図30B)を示すグラフである。 実験例167〜169は、5日間の実験例7の塗布が、5日間の試験期間中一貫した微生物負荷の低下をもたらしたことを証明する(図30A)。 実験例7のバリア形成組成物による処置により、研究参加者の口腔内の微生物負荷中央値が65%〜88%減少した(図30B)。

    (実験例170〜198)
    臨床試験では、29人の健常者をインフォームドコンセント後に登録した。 ベースライン情報(年齢、性別、民族及び登録日)を記録した。 口の構内検査を実施し、口(頬)の内側を無菌培養スワブで消毒した。 ベースラインの口腔スワブ試料を培養して試験前の細菌負荷を判定した。 実験例170〜198では、29人の参加者各自に実験例7のバリア形成組成物を含むスプレーボトルを渡し、それを各自の口の内側に6回噴霧し(合計噴霧体積:0.75mL)、その後30秒間口内で攪拌してから飲み込むよう指示した。 2つの参加者グループは、実験例のバリア形成組成物を2時間毎に1日3回5日間(典型的な週間労働日数)にわたって使用した。 1日目、2日目、3日目及び5日目にスワブを回収し、好気性及び嫌気性細菌に特異的な培地上で培養した。 データは好気性と嫌気性に分けて微生物数:合計で表した。 図31は総微生物負荷のグラフであり、合計を処置直前と処置5日目の好気性及び嫌気性のカウントに分けて示す。 図32は、代表的な3人の研究参加者から得た口腔試料中の5日間にわたる微生物負荷のグラフを示す。

    全体として、in vivo試験から、これらの生物レベルの低下によって測定されるように、バリア形成組成物が短期と長期の両方の持続期間にわたって口腔微生物に対する抗菌活性を有することが示された。

    これらのデータは、バリア形成組成物による処置が全体の好気性微生物及び嫌気性生物について5日間にわたる口腔微生物負荷の減少をもたらしたことを示した。

    (実験例199〜205)
    <微生物侵入を防止するためのバリアを形成する追加的な湿潤剤の識別>
    例199では、インビトロフィルタ挿入ベースモデル(図33参照)を使用して様々な濃度の様々な湿潤剤を試験した。

    実験例3〜8で使用した混合手順に基づいて、6種の組成物を表12に従って調製した。

    次に、100μLの実験例199〜205をフィルターインサート(細菌と真菌の両方を通過させる孔サイズ:直径0.8μm)に入れて層を形成させた。 次に、生物を試験用液により形成した層に重層した。 次いで、試験溶液の層及び微生物を含むフィルターインサートを寒天培地プレートの表面上に置き、37℃で24時間インキュベートした。 インキュベーション期間経過後、寒天培地プレートについてフィルターインサート上及び寒天培地内の成長の有無を評価した。 フィルターインサート上では成長が確認されたが寒天培地内では成長が確認されなかったことから、試験溶液が微生物の通過を防止するバリアを形成したことが示された。 対照的に、フィルターインサート及び寒天培地内で微生物の発育が確認された場合はそのようなバリアが形成されなかったことを示す。

    得られた結果から、試験湿潤剤(単独又は組合せ)を含むキサンタンガムベースの各溶液が、土台の寒天培地まで微生物が通過することを防止する無傷のバリアをフィルターインサート上に形成したことが示された。

    (実験例206〜213)
    <キサンタンガムの溶解限度の判定>
    キサンタンガムの溶解度を判定するために、キサンタンガムを様々な濃度で水と混合し、塊の有無及び混合物の自由流動を監視することにより溶解度を観察した。 表XIIIは結果及び濃度を示す。

    本発明者らは、0.4%で混合した場合にキサンタンガムが自由流動性溶液(表XIII)を形成することを発見した。 対照的に、0.45%又は0.5%のキサンタンガムを含有する混合物は、粘性流体を形成するが小塊を含んでいた。 塊の程度はキサンタンガムの濃度の上昇(0.6%及び0.7%)と共に増加した。 濃度≧0.8%では、キサンタンガム混合物はゼリー様の粘稠度を有し自由流動のない広範囲の塊を含んでいた。

    (実験例214)
    バリア形成組成物中のカチオン性CPCとバリア形成組成物中の中性抗菌剤との比較実験例214では、CPCの代わりに中性剤シトラールを使用した点を除いて、実験例7の製剤を調製した。 CPC(0.1%)又はシトラール(0.5%)を含有する製剤の連鎖球菌に対する抗菌活性を確認した。 これらの研究を行うために実験例48〜61において上記で説明したアッセイを使用した。

    得られた結果から、シトラールを含有する製剤が抗菌活性(MIC=12.5%)を示すことが示された。 しかしながら、シトラールを含有する製剤の活性はCPC(MIC=0.098%)を含有する製剤より大幅に低い。

    (実験例215)
    <疎水性の物理化学的試験及び比較>
    実験例215では、薄層クロマトグラフィー分析を使用して実験例7と疎水性組成物の疎水性を比較した。 疎水性組成物の成分は表XIVに示すとおりである。

    10μLの実験例7及び疎水性組成物を予め用意したTLCプレート上に(下端から2cmの距離まで)堆積させた。 スポットを5分間空気乾燥し、各プレートを、溶媒として水を含有するTLCクロマトグラフィージャーに入れた。 溶媒前線がプレート上端に達するまでTLCシステムを実行した。 プレートを取り出して溶媒及び試料前線をマークした。 これら2つのサンプルの相対前面(RF)の値を次式IIによって計算した。

    式II:
    RF=スポットの移動距離/溶媒前面の距離

    得られた結果から、疎水性組成物及び実験例7のRf値がそれぞれ0.33及び0であり、これによって疎水性組成物の水混和性が高いことが示された。 対照的に、実験例7は水性溶媒中でどのような移動性も示さず、これによって本製剤が疎水性であること又は親水性でないことが証明された。

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