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熱電変換装置

阅读:4发布:2021-05-28

专利汇可以提供熱電変換装置专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】液体の気化による冷却効果を容易に利用可能な熱電変換技術を提供する。 【解決手段】熱電変換装置10は、スピンゼーベック効果および異常ネルンスト効果の少なくとも一方を発現する熱電変換層100を備える。そして、熱電変換層100には、複数の流路120が設けられている。複数の流路120は、たとえばそれぞれ熱電変換層100を厚さ方向に貫通する貫通孔である。熱電変換装置10に設けられた流路120は、第1の面101側から第2の面102側へ液体を誘導する。そして、第2の面102側で液体が気化する際に潜熱が奪われ、 温度 が低下する。 【選択図】図1,下面是熱電変換装置专利的具体信息内容。

スピンゼーベック効果および異常ネルンスト効果の少なくとも一方を発現する熱電変換層を備え、 前記熱電変換層には、複数の流路が設けられている熱電変換装置。請求項1に記載の熱電変換装置において、 前記複数の流路は、それぞれ前記熱電変換層を厚さ方向に貫通する貫通孔である熱電変換装置。請求項2に記載の熱電変換装置において、 前記貫通孔の円相当径は1mm以下である熱電変換装置。請求項1から3のいずれか一項に記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層を覆う絶縁膜をさらに含む熱電変換装置。請求項4に記載の熱電変換装置において、 前記絶縁膜の少なくとも一部の表面は親性を有する熱電変換装置。請求項4または5に記載の熱電変換装置において、 前記絶縁膜のうち、前記熱電変換層の第1の面を覆う領域の少なくとも一部の表面は、親水性を有さない熱電変換装置。請求項1から6のいずれか一項に記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層の一方の面側に設けられた放熱手段をさらに備え、 前記放熱手段は、凹部および凸部の少なくとも一方を複数有する熱電変換装置。請求項7に記載の熱電変換装置において、 前記放熱手段は、起毛構造を有する熱電変換装置。請求項7または8に記載の熱電変換装置において、 前記放熱手段の表面は親水性を有する熱電変換装置。請求項1から9のいずれか一項に記載の熱電変換装置において、 フレキシブル性を有する熱電変換装置。請求項1から10のいずれか一項に記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層は、磁性および電気伝導性を有する第1の材料を含む第1の層からなる熱電変換装置。請求項11に記載の熱電変換装置において、 前記第1の材料は、磁性遷移金属および磁性遷移金属を含む合金のうち少なくともいずれかである熱電変換装置。請求項1から10のいずれか一項に記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層は、第2の層と、前記第2の層よりも電気伝導性が高い第3の層との積層構造を含む熱電変換装置。請求項13に記載の熱電変換装置において、 前記第2の層は磁性体材料を含み、 前記第3の層は逆スピンホール効果を発現する材料を含む熱電変換装置。

说明书全文

本発明は熱電変換装置に関する。

熱電変換技術の一つとして、スピントロニクスを用いた技術の開発が進められている。この様な技術では、磁性材料中に存在しうるスピンの自由度や、スピンが担うエネルギー流であるスピン流を活用することによって、熱電変換素子が相互変換する熱流と電流とが互いに直交するという特徴を、熱電変換素子に付与することができる。一方、磁性を使わない熱電変換素子では、熱流と電流とが平行な配置を取る必要がある。このことにより、素子構造上の制約や、変換効率への原理的な制約が生じることが知られている。スピンを用いた熱電変換技術では、これらの制約が存在しないことが利点であるといえる。

特許文献1には、磁性ワイヤが埋め込まれた絶縁体シート層と、スピン軌道相互作用を発現する材料で形成された起電層を備えるフレキシブルな熱電変換素子が記載されている。

特許文献2には、磁性体と起電体との接合面が凹凸を有する熱電変換素子が記載されている。

特許文献3には、逆スピンホール効果を利用したフレキシブルな熱電変換素子が記載されている。

特許文献1から3に開示されている特性は、スピンやスピン流を用いることにより得られるものである。

特開2014−154852号公報

国際公開第2013/047256号

国際公開第2014/087749号

しかし、特許文献1から3の技術は、液体の気化による冷却効果を容易に利用できるものではなかった。たとえば、特許文献1から3の技術では、液体の気化で潜熱が奪われることによる冷却を行おうとする場合、熱電変換素子の一方の面に、適度な量の液体を別途供給する必要があった。

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、液体の気化による冷却効果を容易に利用可能な熱電変換技術を提供することにある。

本発明の熱電変換装置は、 スピンゼーベック効果および異常ネルンスト効果の少なくとも一方を発現する熱電変換層を備え、 前記熱電変換層には、複数の流路が設けられている。

本発明によれば、液体の気化による冷却効果を容易に利用可能な熱電変換技術が提供される。

第1の実施形態に係る熱電変換装置の構成を例示する断面図である。

第1の実施形態に係る熱電変換装置の構成を例示する斜視図である。

第2の実施形態に係る熱電変換装置の構成を例示する断面図である。

第3の実施形態に係る熱電変換装置の構成を例示する断面図である。

第3の実施形態に係る熱電変換層における熱電変換について説明するための図である。

第3の実施形態に係る熱電変換装置の変形例を示す断面図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。

(第1の実施形態) 図1は、第1の実施形態に係る熱電変換装置10の構成を例示する断面図である。また、図2は、第1の実施形態に係る熱電変換装置10の構成を例示する斜視図である。図1は、図2のA−A断面図である。本実施形態に係る熱電変換装置10は、スピンゼーベック効果および異常ネルンスト効果の少なくとも一方を発現する熱電変換層100を備える。そして、熱電変換層100には、複数の流路120が設けられている。以下に詳しく説明する。

本実施形態に係る熱電変換装置10は、スピンゼーベック効果および異常ネルンスト効果の少なくとも一方を利用する装置である。スピンゼーベック効果および異常ネルンスト効果については後述する。熱電変換装置10では、熱電変換層100の第1の面101と第2の面102との間の温度差に応じた起電が生じる。たとえば第1の面101は高温面であり、第2の面102は高温面よりも低温とする低温面である。熱電変換装置10に設けられた流路120は、第1の面101側から第2の面102側へ液体を誘導する。そして、第2の面102側で液体が気化する際に潜熱が奪われ、温度が低下する。そうすることにより、第1の面101と第2の面102との間に温度差が生じ、起電力が生じる。第1の面101および第2の面102に垂直な方向を以下では第1の方向とも呼ぶ。

図1および図2の例において、熱電変換層100の厚さ方向に平行で、第1の面101側から第2の面102側に向かう方向を+z方向とする。すなわち、+z方向は第1の方向である。また、+x方向および+y方向は、それぞれ+z方向に垂直であり、すなわち、熱電変換層100の表面に平行である。なお、「+x方向」、「+y方向」および「+z方向」をそれぞれ、以下では単に「x方向」、「y方向」および「z方向」とも呼ぶ。

熱電変換装置10は第1の面101が設置面に対向するように、設置面に接触させて用いられることが好ましい。設置面は、液面、または少なくとも一時的に分等の液体成分を表面に有する面が好ましい。また、設置面は、面下に湿気を含んだ面であっても良い。設置面としては、たとえば、生体の肌の表面、植物の表面、地面、屋根の上面、壁面、土壌の表面、および水面等が挙げられる。また、設置面はある程度温かいことが好ましい。たとえば、発電量の観点から、設置面の温度と環境の温度(気温等)との差が1℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましい。

熱電変換装置10はたとえば全体としてシート状または板状である。また、熱電変換装置10はフレキシブル性を有することが好ましい。ここで、フレキシブル性を有するとは、たとえば曲率半径1cmで曲げても破断や亀裂が生じない程度にフレキシブルであることをいう。熱電変換装置10のz方向の厚さは特に限定されないが、強度の確保の観点から10μm以上であることが好ましく、起電力および出力電力の増大の観点から50μm以上であることがより好ましい。また、熱電変換装置10のz方向の厚さは、流路120で液体を効果的に誘導する観点から5mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。一方、熱電変換装置10のz方向の厚さは、フレキシブル性を高める観点から200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。

熱電変換装置10のフレキシブル性を高める観点においては、熱電変換装置10の厚さを部分的に薄くすることや、熱処理などの材料特性の制御手法を施すことなど、構造、材料設計上の施策を講じることができる。熱電変換層100はたとえば、平行に並んだ複数のライン状の薄い部分を有しても良い。薄い部分の熱電変換層100の厚さは、熱電変換層100の平均厚さよりも小さくなっている。このような熱電変換層100を有する熱電変換装置10では、熱電変換装置10を湾曲させる際、この薄い部分で優先的に曲がることにより、全体として高いフレキシブル性が得られる。

熱電変換層100は、熱エネルギーと電気エネルギーとの変換が行われる層である。熱電変換層100の厚さはたとえば熱電変換能力の観点から10nm以上であることが好ましい。熱電変換層100は単層構造であっても良いし、多層構造であっても良い。熱電変換装置10がシート状または薄板状である場合、熱電変換層100の厚さは1cm以下であることが好ましい。そうすれば、熱電変換装置10の扱いや発電を行う場所への設置が容易になり、また、熱電変換装置10を重ねて用いることで単位面積当たりの発電出力を高めることも可能である。

本実施形態において、熱電変換層100は、磁性および電気伝導性を有する第1の材料を含む第1の層111からなる。第1の層111の厚さはたとえば1nm以上100μm以下である。また、第1の層111の厚さは第1の層111を構成する材料が持つスピン拡散長程度が好ましい。たとえば、第1の層111がFe、Ni、Co等の磁性金属からなる場合、第1の層111の厚さは0.5nm以上3nm以下であることが好ましい。第1の層111がPtからなる場合、第1の層111の厚さは3nm以上20nm以下であることが好ましい。第1の層111がAuまたはCuからなる場合、第1の層111の厚さは100nm以上300nm以下であることが好ましい。第1の層111の厚さは材料に依存して調整することができる。また、第1の層111が結晶粒界などの界面を含む場合、結晶粒の平均粒径は、結晶粒におけるスピン拡散長の0.8倍以上1.2倍以下であることが好ましく、第1の層111の厚さはこのスピン拡散長よりも大きいことが好ましい。第1の材料は、強磁性、フェリ磁性、または反強磁性等の磁性を有する。また、第1の材料は、電気伝導性を有する。第1の材料の電気伝導率はたとえば104S/m以上である。

第1の材料は、たとえば磁性遷移金属および磁性遷移金属を含む合金のうち少なくともいずれかである。磁性遷移金属はたとえば、Mn、Fe、Co、およびNi等の3d軌道の電子を有する遷移金属である。すなわち、第1の材料は、磁性遷移金属としてMn、Fe、Co、およびNiからなる群から選択される一以上を含むことが好ましい。第1の層111は第1の材料以外の材料をさらに含んでも良いが、第1の層111は不可避に含まれる不純物等を除き第1の材料のみからなってもよい。

また、熱電変換層100は、第1の方向に垂直な方向に、配向した磁化または磁気モーメント成分を有する。図2の例において、熱電変換層100は+x方向または−x方向に磁化されている。

熱電変換層100における熱電変換について以下に説明する。熱電変換層100の第1の面101を高温側、第2の面102を低温側としたとき、第1の面101と第2の面102との間に温度差が生じることにより、熱電変換層100には+z方向に熱流が生じる。そして、熱電変換層100の第1の面101と第2の面102との間に定常的に温度差が生じる状態となったとき、熱電変換層100には熱流方向と磁化方向の両方に直交する方向、すなわち+y方向または−y方向に異常ネルンスト効果による熱起電力が生じる。なお、異常ネルンスト効果による熱起電力は、熱電変換層100を構成する材料に依存して符号が変わる性質を有する。

また、熱電変換層100は、第1の材料と第2の材料との界面を有しても良い。この場合、たとえば熱電変換層100は第1の材料と第2の材料のコンポジット構造とすることができる。第2の材料は、第1の材料よりも電気伝導率が低く、たとえば酸化物磁性体である。第2の材料としてはたとえば、ガーネット構造またはスピネル構造を有する酸化物磁性体が挙げられる。ガーネット構造を有する酸化物磁性体としてはイットリウム鉄ガーネット(Yttrium Iron Garnet、Y3Fe5O12:YIG)等が挙げられる。スピネル構造を有する酸化物磁性体としては、マグネタイト(Fe3O4)およびMFe2O4で表される組成を有するスピネルフェライト材料等が挙げられる。ここで、MFe2O4におけるMは金属元素であり、Ni、Zn、およびCoの少なくともいずれかを含む。また、酸化物磁性体には元素置換やドーピングがされていても良い。ドーピング元素としてはたとえばビスマス(Bi)、イッテルビウム(Yb)、ランタン(La)等が挙げられる。

第2の材料は絶縁性であり得るが、弱い電気伝導性を有してもよい。たとえばマグネタイト、または、その他のガーネット構造もしくはスピネル構造を持つ酸化物磁性体に対して元素置換を施した材料は、弱い電気伝導性を有する場合がある。

この様に熱電変換層100の内部に粒界や異種材料が隣り合う界面などが存在する場合、得られる起電力には、異常ネルンスト効果だけではなく、スピンゼーベック効果と逆スピンホール効果とを介して生じる熱起電力が含まれる。これは、磁性体中の界面を突き抜ける熱流が存在した場合、スピンゼーベック効果に起因して界面にスピン蓄積が生じ、スピン流が生成することによる。また、磁性体材料には有意なスピンホールが存在することから、逆スピンホール効果によってスピン流が熱起電力に変換されるためである。このとき、異常ネルンスト効果の符号、すなわち起電力の向きが、材料に依存して正負どちらかに決まるのと同様に、逆スピンホール効果についても、正負が材料に依存して決まるという性質がある。ただし、起電力を最大化するための条件として、符号が揃っている必要は無い。2つの効果が共存する場合、両者を組み合わせた結果として最大の起電力が得られることがより好ましい。

複数の流路120は、たとえばそれぞれ熱電変換層100を厚さ方向(第1の方向)に貫通する貫通孔である。また、図1および図2の例において流路120は熱電変換装置10全体を熱電変換層100の厚さ方向に貫通している。貫通孔の形状は特に限定されず、円形や多角形等であり得る。貫通孔の大きさは特に限定されないが、貫通孔の円相当径はたとえば1mm以下である。そうすれば、設置面からの液体が、毛細管現象によって流路120に取り込まれ、第2の面102側に効率よく誘導される。なお、後述するように熱電変換層100が絶縁膜140で覆われている場合、貫通孔の円相当径とは、絶縁膜140の表面を内壁とした孔の円相当径である。

貫通孔は熱電変換層100の一部の領域にのみ設けられていても良いが、後述する第1の電極161および第2の電極162が設けられている部分を除いて全体に設けられていることが好ましい。貫通孔の密度は、特に限定されないが、熱電変換層100の第1の面101全体の面積に対して1個/cm2以上10000個/cm2以下であることが好ましい。

なお、流路120は、熱電変換装置10の全体を貫通していなくても良い。たとえば熱電変換装置10の第1の面101側または第2の面102側の表面に、流路120の開口を覆い液体が含浸可能な含浸膜が設けられている場合、液体が流路120を通過する前または後にその含浸膜に吸収されるような構成であっても良い。含浸膜はたとえば紙や不織布である。

熱電変換層100には第1の電極161および第2の電極162が電気的に接続されている。熱電変換層100で生じた起電力は第1の電極161および第2の電極162を介して熱電変換装置10の外部に取り出される。第1の電極161および第2の電極162は、熱電変換層100のうちy方向の両端近傍に設けられている。図2の例において、第1の電極161および第2の電極162はいずれもx方向の中心位置に設けられているが、第1の電極161および第2の電極162は熱電変換層100の対角に設けられていても良い。

本実施形態において、熱電変換装置10は熱電変換層100を覆う絶縁膜140をさらに含む。絶縁膜140はたとえば樹脂膜である。樹脂膜としてはたとえばポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、芳香環系樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。絶縁膜140はたとえば、熱電変換層100のうち第1の電極161および第2の電極162が設けられた部分を除く全体を覆っていることが好ましい。絶縁膜140により、熱電変換層100からの電流リークを防ぐことができる。また、絶縁膜140により熱電変換層100を汚染や損傷から保護することができる。絶縁膜140の厚さはたとえば1μm以上100μm以下である。

絶縁膜140の少なくとも一部の表面は親水性を有することが好ましい。そうすれば、熱電変換装置10の第2の面102側の面に効果的に水分を行き渡らせ、第2の面102の冷却を図ることができる。特に少なくとも流路120の内壁および流路120の開口周囲において絶縁膜140の表面は親水性を有することが好ましい。なお、流路120の開口周囲とは、たとえば開口から0.5mm以下の範囲である。また、絶縁膜140の表面は全体が親水性を有していても良い。また、絶縁膜140の第2の面102を覆う部分の表面は親水性を有することが好ましい。そうすれば、第2の面102全体に水分が行き渡りやすくなる。

親水性を有する表面の例としては、親水性を有する材料からなる表面、および親水処理が施された表面等が挙げられる。親水性を有する絶縁膜140の表面の材料としてはポリオレフィン、ポリアミド、ポリビニル樹脂等の樹脂、および無機酸化物等が挙げられる。絶縁膜140は全体がこれらのいずれかの材料で形成されていても良いし、絶縁膜140の表面の少なくとも一部がこれらのいずれかの材料で被覆されていても良い。親水処理の例としては親水基の修飾処理、表面に微細な凹凸構造を施すことで親水性を高める処理等が挙げられる。

親水性を有する表面において、水の接触角はたとえば90°以下である。

一方、熱電変換装置10を水面で使用する様な場合、絶縁膜140のうち、熱電変換層100の第1の面101を覆う領域の少なくとも一部の表面は、親水性を有さないことが好ましい。そうすれば、水面に熱電変換装置10を浮かべて用いることができる。流路120での水の誘導との両立の観点から、たとえば絶縁膜140の第1の面101側の表面のうち流路120の開口周囲以外の領域が親水性を有さないことが好ましい。ただし、熱電変換装置10を水面以外で使用する場合、絶縁膜140の第1の面101側の表面の全体が親水性を有していても良い。そうすれば、第1の面101側の水分を効率よく流路120に誘導することができる。

なお、熱電変換装置10はさらに保護層、磁化安定層等を含んでも良い。

熱電変換装置10の製造方法の例について以下に説明する。まず、熱電変換層100として第1材料からなるシートを準備し、パンチングまたはエッチングで流路120を形成する。次いで、シートを、面内の一方向に磁化する。そして、シートの、磁化方向に直交する方向の両端に第1の電極161および第2の電極162を設ける。次いで、絶縁膜140でシートを覆う。なお、流路120の形成、磁化、電極の形成の順は本例に限定されない。

熱電変換装置10の用途の例について以下に説明する。熱電変換装置10はたとえばセンサの電源として用いられる。具体的には、畑等の土壌に対して熱電変換装置10を設置し、環境に関するデータを取得するためのセンサ用電源として用いることができる。また、熱電変換装置10はたとえば通信用電源として用いられる。具体的には、水道管等の近傍に熱電変換装置10を設置し、水道管等が漏水した場合にその水によって熱電変換装置10で発電が行われるようにする。熱電変換装置10により得られた電力を用いて漏水が生じたことを知らせる信号が外部に送信される。このように、熱電変換装置10は電池の交換が困難な場所での使用に特に適する。

次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態に係る熱電変換装置10によれば熱電変換層100に設けられた流路120を通じて液体が第1の面101側から第2の面102側に誘導される。そして、第2の面102側で揮発することにより第2の面102が冷却され、起電力が生じる。このように、熱電変換装置10によれば、液体の気化による冷却効果を容易に利用可能である。

(第2の実施形態) 図3は、第2の実施形態に係る熱電変換装置10の構成を例示する断面図である。本図は、第1の実施形態の図1に対応する。本実施形態に係る熱電変換装置10は、熱電変換層100の一方の面側に設けられた放熱手段180をさらに備える点を除いて第1の実施形態に係る熱電変換装置10と同じである。放熱手段180は、凹部および凸部の少なくとも一方を複数有する。以下に詳しく説明する。

放熱手段180は、凹部および凸部の少なくとも一方を複数有することにより、凹部も凸部も有さない場合に比べて表面積が大きくなる。したがって、熱電変換装置10の第2の面102側の表面で液体の揮発が効果的に生じ、第2の面102の冷却効率を高めることができる。

凹部および凸部の形状は特に限定されず、第2の面102に垂直な方向から見てたとえば円形または多角形であり得る。また、冷却効率を高める観点から、凹部のアスペクト比は1以上であることが好ましく、凸部のアスペクト比は10以上であることが好ましい。ここで、アスペクト比は、凹部の開口部の最小幅または凸部の根元の最小幅をwとし、凹部の最大深さまたは凸部の最大高さをhとしたときにh/wで表される。

また、凹部および凸部が設けられていないと仮定した場合の、熱電変換装置10の第2の面102側の表面の面積をS0とし、凹部および凸部の少なくとも一方が設けられた場合、すなわち放熱手段180が設けられた場合の熱電変換装置10の第2の面102側の表面の面積をS1とした場合、比表面積はS1/S0で表される。この比表面積は30以上であることが好ましい。

凹部および凸部の少なくとも一方の形成密度dは特に限定されないが、1個/cm2以上であることが好ましく、100個/cm2以上であることがより好ましい。なお、凹部および凸部の両方が設けられている場合、形成密度dは、凹部の形成密度と凸部の形成密度との和である。

たとえば放熱手段180は、絶縁膜140の表面に凹部および凸部の少なくとも一方をパターニングすることにより設けることができる。パターニングはたとえば、軟化させた絶縁膜140の表面に金型を押し当てることにより行える。また、放熱手段180はこのように絶縁膜140の表面に直接形成されるに限らず、個別に作製されて絶縁膜140に張りつけられてもよい。

また、たとえば放熱手段180は、起毛構造を有する。起毛構造はたとえば複数の毛状構造が第2の面102に対して垂直または斜めに立って並んだ構造である。各毛状構造が凸部に相当する。また、本図の例において、各毛状構造は、第2の面102から離れるにつれて細くなっている。起毛構造は上記したアスペクト比等を調整することにより実現できる。放熱手段180が起毛構造である場合、アスペクト比はたとえば1以上100以下、好ましくは10以上100以下であり、比表面積はたとえば3以上300以下であり、形成密度dはたとえば1個/cm2以上10000個/cm2以下である。

起毛構造はたとえばポリウレタン、ポリビニルなどの合成樹脂、自然界に存在するセルロース樹脂、タンパク質やアミノ酸等の生体由来物、金属などを一部に含むラミネート樹脂等を含んで構成される。なお、この場合、本実施形態に係る熱電変換装置10は、第1の実施形態に係る熱電変換装置10に対し放熱手段180を接着等することで得られる。

なお、放熱手段180は、不織布、織布、糸、網、フィルム等であってもよい。

放熱手段180の表面は親水性を有することが好ましい。そうすれば、放熱手段180の表面に水分が行き渡りやすくなり、効果的に冷却効果を得られる。表面が親水性を有する状態については、第1の実施形態で説明した通りである。

次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、放熱手段180により第2の面102の冷却効率を高め、熱電変換装置10の起電力を高めることができる。

(第3の実施形態) 図4は、第3の実施形態に係る熱電変換装置10の構成を例示する断面図である。本図は、第1の実施形態の図1に対応する。本実施形態に係る熱電変換装置10は、熱電変換層100が、第2の層112と、第2の層112よりも電気伝導性が高い第3の層113との積層構造を含む点を除いて第1の実施形態に係る熱電変換装置10と同じである。以下に詳しく説明する。

第2の層112は磁性体材料を含む層であり、第3の層113は逆スピンホール効果を発現する材料を含む層である。「逆スピンホール効果を発現する材料」を、以下では「第3の材料」とも呼ぶ。第2の層112と第3の層113とは、z方向に積層されている。本図の例において具体的には第3の層113が第2の層112に挟まれている。

図5は、第3の実施形態に係る熱電変換層100における熱電変換について説明するための図である。本図では磁性体201と起電体202とが積層された構造を示し、熱電変換現象を説明する。磁性体201が第2の層112に相当し、起電体202が第3の層113に相当する。

本図の例において、磁性体201が図中−x方向を磁化方向203として磁化されている。その上で、−z方向に温度勾配204を印加すると、熱スピン流205が+z方向、すなわち温度の高い方から低い方へ流れる。この熱スピン流205は、磁性体201と起電体202でのスピン注入と呼ばれる過程を経て、起電体202に純スピン流206を発生させる。

スピン注入とは、磁性体201と起電体202との界面近傍で磁化方向を中心に歳差運動する磁性体201中のスピンが、起電体202中の伝導電子と相互作用し、スピン角運動量を受け渡したり、受け取ったりする現象である。

その結果、起電体202中のスピン注入界面付近には、スピンを持った伝導電子が移動し純スピン流が生成する。この純スピン流は、アップスピンとダウンスピンを持った伝導電子が互いに逆方向に同量流れる流れである。その結果、電荷移動は存在しないが、スピンの符号は互いに異なるためスピン角運動量だけが流れる。

このスピン注入現象が起こりうる状態は、磁気的に結合しているとも表現される。このスピン注入現象は、磁性体201と起電体202とが直接接触している場合、もしくは直接接触はしていなくても、スピン角運動量が伝達しうる程度に接近している場合に生じるものである。すなわち、磁性体201と起電体202との間に空隙が存在する場合や、中間層が挿入されている場合であっても、スピン注入現象が起こり得る場合は、磁気的な結合があるといえる。

ここで、起電体202が大きなスピン軌道相互作用を持つ材料であった場合、スピン流方向と磁化方向とに直交する方向への、逆スピンホール効果による伝導電子の動き207が生じ、結果として−y方向の電流208を生成する。

これらスピン流熱電変換素子において、得られる起電力の大きさは、磁性体201で発生するスピン流の大きさに、磁性体201と起電体202との界面におけるスピン流の注入効率、さらに起電体202における逆スピンホール効果によって起電力に変換される効率の二つの効率を掛け合わせた値に比例する。

図4に戻り、第2の層112および第3の層113について説明する。第3の層113が磁性を持つ場合には、第3の層113内部には異常ネルンスト効果による起電力が発生するため、材料全体の特性にはその効果が反映されることになる。第2の層112と第3の層113は、清浄な界面を介して接合されている。そのため、第2の層112と第3の層113は、スピンゼーベック素子として機能する。そうすることで、第2の層112と第3の層113を形成する材料およびその界面は、熱電変換装置10の熱電変換層100を構成することができる。

また、熱電変換層100では、第3の層113を挟み込むように、2つの第2の層112が配置されている。このような配置で利用することによって、第2の層112は、熱起電力が発生する導電体を被覆する機能を有する。この場合、第2の層112の表面には絶縁膜140が必ずしも設けられていなくても良い。

第2の層112は、磁性体材料として、たとえば第1の実施形態で説明した第2の材料を含むことができる。

第3の材料はたとえば、遷移金属および、このような遷移金属を含む合金のうち少なくともいずれかである。ここで、遷移金属はスピン軌道相互作用が比較的大きな、d軌道またはf軌道を有する遷移金属である。具体的には第3の層113は、第3の材料として、Au、Pt、Pd、Ni、Fe、Bi、Ir、W、Ta、Mo、Cr、V、Ti、In、およびSnからなる群から選択される一以上を含む金属または合金を含むことが好ましい。第3の材料は、Fe、Ir、およびBi等の、磁性金属および重金属の少なくとも一方に属する金属からなる群から選択される一以上をドープされた非磁性金属であってもよい。非磁性金属としては、Cu、Au等が挙げられる。ドープ濃度はたとえば0.5mol%以上10mol%以下である。また、第3の材料は、酸化インジウムスズ(ITO)などの酸化物伝導体、または組成CuMo2、SrMO3等の磁性酸化物半導体であってもよい。ここで、SrMO3におけるMは金属元素であり、Mn、Ni、CoおよびFeの少なくともいずれかを含む。

また、遷移金属のうち、W、Ta、Mo、Cr、VまたはTiを用いると、Au、Pt、Pdまたはこれらを含有する合金を用いる場合とは、逆符号の電圧を得ることができる。すなわち、W、Ta、Mo、Cr、VまたはTiを用いると、Au、Pt、Pdまたはこれらを含有する合金を用いる場合とは、逆スピンホール効果によって発生する電流の向きが反対になる。

図6は、第3の実施形態に係る熱電変換装置10の変形例を示す断面図である。本図は、第1の実施形態の図1に対応する。

本変形例において、熱電変換層100は、複数の第3の層113を含み、各第3の層113は、第2の層112に挟まれている。言い換えると、熱電変換層100において、第2の層112と第3の層113とが交互に積層されている。また、熱電変換層100の第1の面101および第2の面102は、第2の層112の表面で構成されている。

第3の層113と、その第3の層113を挟む2つの第2の層112との積層構造は、スピンゼーベック素子としての機能を有する。そのため、熱電変換層100は、複数のスピンゼーベック素子が積層された構成を有している。本図は、3層の第2の層112と、2層の第3の層113によって、2つのスピンゼーベック素子が積層されている構成を示している。本図の例において具体的には、第2の層112、第3の層113、第2の層112、第3の層113、および第2の層112がこの順に積層されている。なお、複数の第2の層112を形成する材料は全て同じ材料である必要は無く、複数の第2の層112には互いに組成が異なる材料によって形成された層が含まれていても良い。また、複数の第3の層113を形成する材料は全て同じ材料である必要は無く、複数の第3の層113には互いに組成が異なる材料によって形成された層が含まれていても良い。

なお、熱電変換層100において第3の層113は必ずしも第2の層112に挟まれている必要は無く、少なくとも片側において第2の層112と積層されていればよい。

次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、より高い発電効率を得ることができる。

以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。

上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。 1. スピンゼーベック効果および異常ネルンスト効果の少なくとも一方を発現する熱電変換層を備え、 前記熱電変換層には、複数の流路が設けられている熱電変換装置。 2. 1.に記載の熱電変換装置において、 前記複数の流路は、それぞれ前記熱電変換層を厚さ方向に貫通する貫通孔である熱電変換装置。 3. 2.に記載の熱電変換装置において、 前記貫通孔の円相当径は1mm以下である熱電変換装置。 4. 1.から3.のいずれか一つに記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層を覆う絶縁膜をさらに含む熱電変換装置。 5. 4.に記載の熱電変換装置において、 前記絶縁膜の少なくとも一部の表面は親水性を有する熱電変換装置。 6. 4.または5.に記載の熱電変換装置において、 前記絶縁膜のうち、前記熱電変換層の第1の面を覆う領域の少なくとも一部の表面は、親水性を有さない熱電変換装置。 7. 1.から6.のいずれか一つに記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層の一方の面側に設けられた放熱手段をさらに備え、 前記放熱手段は、凹部および凸部の少なくとも一方を複数有する熱電変換装置。 8. 7.に記載の熱電変換装置において、 前記放熱手段は、起毛構造を有する熱電変換装置。 9. 7.または8.に記載の熱電変換装置において、 前記放熱手段の表面は親水性を有する熱電変換装置。 10. 1.から9.のいずれか一つに記載の熱電変換装置において、 フレキシブル性を有する熱電変換装置。 11. 1.から10.のいずれか一つに記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層は、磁性および電気伝導性を有する第1の材料を含む第1の層からなる熱電変換装置。 12. 11.に記載の熱電変換装置において、 前記第1の材料は、磁性遷移金属および磁性遷移金属を含む合金のうち少なくともいずれかである熱電変換装置。 13. 1.から10.のいずれか一つに記載の熱電変換装置において、 前記熱電変換層は、第2の層と、前記第2の層よりも電気伝導性が高い第3の層との積層構造を含む熱電変換装置。 14. 13.に記載の熱電変換装置において、 前記第2の層は磁性体材料を含み、 前記第3の層は逆スピンホール効果を発現する材料を含む熱電変換装置。

10 熱電変換装置 100 熱電変換層 101 第1の面 102 第2の面 111 第1の層 112 第2の層 113 第3の層 120 流路 140 絶縁膜 161 第1の電極 162 第2の電極 180 放熱手段 201 磁性体 202 起電体 203 磁化方向 204 温度勾配 205 熱スピン流 206 純スピン流 207 伝導電子の動き 208 電流

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