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Superconducting thin film and its production

阅读:540发布:2020-10-15

专利汇可以提供Superconducting thin film and its production专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE:To stably obtain a superconducting thin film having a high superconductivity transition temp. with high reproducibility by alternately laminating superconducting thin films of an oxide having a Tl-contg. compsn. and thin films of a Bi-Ta oxide insulator. CONSTITUTION:An oxide contg. Tl as an essential component and an oxide contg. Cu and alkaline earth metals (group IIa) as essential components are sputtered from separate targets 41, 42 and periodically laminated on a substrate 47 to form a thin oxide film. An oxide contg. at least Bi and an oxide contg. at least W are sputtered from separate targets 43, 44 and periodically laminated on the substrate 47 to form a thin oxide film. Such thin oxide films are alternately laminated. A laminate of thin Tl-Ba-Ca-Cu-O films and thin Bi-W-O films is obtd. with high reproducibility.,下面是Superconducting thin film and its production专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 基体上に、主体成分が少なくともタリウム(Tl)、銅(Cu)及びアルカリ土類(IIa族)から成る層状酸化物超伝導薄膜と、主体成分が少なくともBi及びタングステン(W)から成る層状酸化物絶縁体薄膜が交互に積層された超伝導薄膜。 (ここでアルカリ土類は、IIa族元素のうちの少なくとも一種あるいは二種以上の元素を示す。)
  • 【請求項2】 基体上に積層構造の超伝導薄膜を製造する方法であって、少なくともTlを含む酸化物と少なくともCuおよびアルカリ土類(IIa族)を含む酸化物とを周期的に積層させて形成する酸化物薄膜と、少なくともBiを含む酸化物と少なくともW含む酸化物とを周期的に積層させて形成する酸化物薄膜とを、交互に積層させることを特徴とする超伝導薄膜の製造方法。 (ここでアルカリ土類は、IIa族元素のうちの少なくとも一種あるいは二種以上の元素を示す。)
  • 【請求項3】 薄膜を形成させる際の基体温度が600
    ℃以下である請求項2に記載の超伝導薄膜の製造方法。
  • 【請求項4】 薄膜形成後、少なくとも酸素を含む雰囲気中で熱処理をする請求項3に記載の超伝導薄膜の製造方法。
  • 【請求項5】 積層物質の蒸発を少なくとも二種以上の蒸発源で行う請求項2に記載の超伝導薄膜の製造方法。
  • 【請求項6】 積層物質の蒸発をスパッタリングで行なう請求項2に記載の超伝導薄膜の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、高性能でかつ安定に得ることができる超伝導薄膜およびその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】現在、最も応用が急がれている材料のひとつに酸化物高温超伝導体がある。 このペロブスカイト系化合物は、金属化合物超伝導体よりさらに高い転移温度が期待され、Ba−La−Cu−O系の高温超伝導体が提案された[J. G. ベトノルツ、K. A. ミュラー、ツァイトシュリフト・フュア・フィジーク(Zeitshr
    ift Fur Physik B)-Condensed Matter Vol.64,189-193
    (1986) ]。 さらに、Tl-Ba-Ca-Cu-O系の材料が1
    00K以上の転移温度を示すことも発見された[ZZSh
    eng and AMHermann,ネイチャー(Nature)Vol.332,55-5
    8(1988) ]。 この種の材料の超伝導機構の詳細は明らかではないが、転移温度が室温以上に高くなる可能性があり、高温超伝導体として従来の2元系化合物より、電子デバイス分野での応用が期待されている。

    【0003】そして、これらの酸化物超伝導体の開発とあいまって、この材料を電子デバイスへの応用を考え、
    酸化物超伝導体を作製する際に経る高熱過程に対しても安定な絶縁体および絶縁薄膜の開発が行われている[市川ら、日本応用物理学会誌(Japanese Journal of Appli
    ed Physics)Vol.27,L381-L383(1988)]。

    【0004】さらに超伝導体と絶縁体とを交互に積層することにより、より高い超伝導転移温度が従来から期待されていた[M. H. チェン、D. H. ダクラス,ジュニア、フィジカル・レビュー・レターズ(Physical Revi
    ew Letters)Vol.19,118-121(1967)]。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化物超伝導体の材料は、良好な超伝導特性を得るためには少なくとも600℃以上の熱処理あるいは形成時の加熱が必要であり、そのため絶縁体の結晶性が崩れ、絶縁体および絶縁薄膜と超伝導体との間で各元素の相互拡散が起こり、超伝導体の特性劣化並びに絶縁体の特性劣化が起こり、特に高温酸化物超伝導体と絶縁膜との周期的な積層構造を得ることは極めて困難であり、ジョセフソンデバイスが代表応用例としてあげられるこの構造を利用した集積化デバイスを構成を不可能に近いものとしていた。

    【0006】さらに、高温超伝導体および薄膜にとって最適な絶縁薄膜が得られていないため、超伝導体と絶縁体との有効な積層構造が達成されないために、超伝導材料そのものの超伝導転移温度の上昇は望めないのが現状であった。

    【0007】本発明は、前記従来技術の問題を解決するため、超伝導転移温度が高くかつ安定して製造が可能な、超伝導体と絶縁体との積層構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明の超伝導薄膜は、基体上に主体成分が少なくともタリウム(Tl)、銅(Cu)及びアルカリ土類(IIa族)から成る層状酸化物超伝導薄膜と、主体成分が少なくともBi及びタングステン(W)から成る層状酸化物絶縁体薄膜が交互に積層されたという構成を備えたものである。 (ここでアルカリ土類は、IIa族元素のうちの少なくとも一種あるいは二種以上の元素を示す。)次に本発明の超伝導薄膜の製造方法は、基体上に積層構造の超伝導薄膜を製造する方法であって、少なくともTlを含む酸化物と少なくともCuおよびアルカリ土類(IIa族)を含む酸化物とを周期的に積層させて形成する酸化物薄膜と、少なくともBiを含む酸化物と少なくともW含む酸化物とを周期的に積層させて形成する酸化物薄膜とを、交互に積層させることを特徴とする(ここでアルカリ土類は、IIa族元素のうちの少なくとも一種あるいは二種以上の元素を示す)。

    【0009】前記した本発明方法においては、薄膜を形成させる際の基体温度が600℃以下であることが好ましい。 また前記した本発明方法においては、薄膜形成後少なくとも酸素を含む雰囲気中で熱処理をすることが好ましい。

    【0010】また前記した本発明方法においては、積層物質の蒸発を少なくとも二種以上の蒸発源で行うことが好ましい。 また前記した本発明方法においては、積層物質の蒸発をスパッタリングで行なうことが好ましい。

    【0011】

    【作用】前記第1の発明によれば、Tl 22酸化膜層またはこれを主体とした層により覆われた結晶構造となっているところのTl系超伝導薄膜とTl系超伝導体結晶と格子定数がほぼ等しく、また熱的に安定なBi 2
    2酸化膜層またはこれを主体とした層に覆われた結晶構造を有するBi-W−O絶縁薄膜が交互に積層された構造をとることによって、超伝導薄膜と絶縁膜との間での元素の相互拡散のない積層が可能になり、その結果Tl系超伝導薄膜における超伝導転移温度を安定に再現性よく実現することができる。

    【0012】さらに第2の発明においては第1の発明を極めて安定に、しかも微細スケールでの構造を達成するため、少なくともTlを含む酸化物層と、少なくともC
    uおよびアルカリ土類(IIa族)を含む酸化物層と、少なくともBiを含む酸化物層と少なくともWを含む酸化物層を、周期的に積層させて分子レベルの制御による薄膜の作製を行うことによって、再現性よくTl系超伝導薄膜と絶縁膜との積層を実現することができる。

    【0013】

    【実施例】通常、Tl-Ba-Ca-Cu-O系等の酸化物超伝導薄膜は600 ℃以下の基体上に蒸着して得る。 蒸着後、
    700 〜950 ℃の熱処理を施し、超伝導特性を向上させる。

    【0014】しかしながら、基体温度が高い時に絶縁膜を酸化物超伝導薄膜に続いて積層したり、絶縁膜を形成後熱処理を行った場合、超伝導膜と絶縁膜との間で、元素の相互拡散が起こり超伝導特性が大きく劣化することが判明した。 相互拡散を起こさないためには、超伝導膜、絶縁膜の結晶性が優れていること、超伝導膜・絶縁膜間での格子の整合性が優れていること、絶縁膜が700
    〜950 ℃の熱処理に対して安定であることが不可欠と考えられる。

    【0015】まず、本発明者らはBi 22酸化物層に挟まれた構造を持つBi-W−O誘電体が高温の熱処理に対して、極めて安定であるり、さらにTl系超伝導体の結晶構造が似かよっており格子定数が近く、またその結晶構造が単純なBi-O層とW−O層の積層になっていることに着目し、本発明者らは、第1、第2の発明に至ったのである。

    【0016】さらに本発明をより具体的に説明するため以下の実施例を挙げる。 実施例1 図1に本実施例で作製した薄膜の断面図を模式的にあらわす。 すなわち、基体1上にTl-Ba-Ca-Cu-O膜2とBi-W−O膜3を交互に積層した。 本実施例で用いた薄膜作成装置の構造概略図を図2に示す。 積層の方法としては、Tl-Ba-Ca-Cu-O膜は2元ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ法で蒸着した。 スパッタリングターゲットとして、空気中において850 ℃、5時間焼成した混合酸化物のTl 3 Ba 2 Ca 2 Cu 2xディスクターゲット21と、Bi 2 WO yディスクターゲット2
    2を用いた。 23はシャッター、24はスリット、25
    は基体を示す。 MgO(100)基体25に焦点を結ぶように各ターゲットが約30°傾いて設置されている。 ターゲットの前方には回転するシャッター23があり、その中に設けられたスリット24の回転をパルスモーターで制御することにより、Tl-Ba-Ca-Cu-O薄膜とBi-W−O
    薄膜を交互に基体25上に堆積できる。 ArとO 2の混合ガス(Ar:O 2 =1:9、0.5Pa)をスパッタリングガスとして用いた。 ターゲット21、22にそれぞれ80W、60Wのスパッタ電を注入してターゲットをスパッタし、500℃に加熱した基体25上にTl-B
    a-Ca-Cu-O薄膜とBi-W−O薄膜の積層堆積をおこなった。 堆積はTl-Ba-Ca-Cu-O薄膜から始めた。 Tl-
    Ba-Ca-Cu-O薄膜の膜厚を50nmの一定にし、Bi-
    W−O薄膜の膜厚を変化させ、4周期の堆積を行なった。 薄膜堆積後、酸素雰囲気中で900℃、10分間の熱処理を施した。

    【0017】一周期あたりのBi-W−O薄膜の膜厚変化に対する超伝導薄膜の抵抗の温度特性を図3に示す。 図3において31、32、33はBi-W−O薄膜層の厚みがそれぞれ30nm、15nm、5nmのときの結果を示す。 Bi-W−O薄膜層の厚みが15nmのとき、最も高い超伝導転移温度およびゼロ抵抗温度、すなわち特性32が得られた。 特性32の超伝導転移温度、ゼロ抵抗温度はTl-Ba-Ca-Cu-O膜本来のそれらの値よりも約8K高いものであった。 この効果の詳細な理由については未だ不明であるが、Tl-Ba-Ca-Cu-O膜とBi-W−
    O膜とを周期的に積層することによって、Tl-Ba-Ca-
    Cu-O膜とBi-W−O膜が互いにBi 22層を介してエピタキシャル成長していることにより積層界面での元素の相互拡散の影響がなく、かつ結晶性に優れた薄いB
    i-W−O膜を介して同じくBi-W−Oと結晶の整合性が良いために結晶性に優れたTl-Ba-Ca-Cu-O膜がエピタキシャル成長し、積層することによりTl-Ba-Ca-C
    u-O膜において超伝導機構になんらかの変化が引き起こされたことが考えられるが、機構はまだあきらかできない。

    【0018】なお、Tlの蒸気圧が異常に高いことから、基体25を高い温度に加熱した薄膜からTlが薄膜から再蒸発してしまい薄膜にTlが含まれないことがわかった。 さらに、薄膜堆積後Tl-Ba-Ca-Cu-Oの結晶性を向上させるために熱処理を施すことからTl-Ba-C
    a-Cu-O層とBi-W−O層の間で各元素の相互拡散が起きないよう薄膜堆積時にBi-W−O薄膜がBi 2 WO 6
    結晶になっている必要があることから、基体25の温度と薄膜の結晶性の関係を調べた結果、基体25の温度は300℃から600℃の間にあればよいことがわかった。

    【0019】種々の検討を行った結果、上記Bi-W−O
    が絶縁体として優れていることもわかった。 この理由として、この材料はBi 22酸化物層がWおよび酸素の元素からなる構造体を挟み込んだ層状ペロブスカイトを示し、このBi 22層は同種の結晶構造の物質の界面に対して高温の熱処理においても非常に安定であり、T
    l-Ba-Ca-Cu-O酸化物超伝導体とその結晶におけるa
    軸、b軸の長さがほぼ等しいことから、格子の整合性がきわめて優れており、この材料を薄膜化した場合、Tl-
    Ba-Ca-Cu-O酸化物超伝導体上へBi-W−O、さらにBi-W−O上へのTl-Ba-Ca-Cu-O酸化物超伝導体の連続エピタキシャル成長が可能であることがあげられる。 しかし、Tl-Ba-Ca-Cu-O酸化物高温超伝導体を電子デバイスに応用する場合、絶縁膜の厚みは数10n
    m程度であることが要求されること、またこのTl-Ba-
    Ca-Cu-O超伝導体の結晶構造はTl-O、Ba-Cu-O、
    Ca-Cu-Oの各層部分を順次積層した形となっており、
    一方、Bi-W−OはBi-OとW−Oの各層部分を順次積層した形となっているが確認できた。

    【0020】実施例2 図4は、本実施例で用いた4元マグネトロンスパッタ装置内部の概略図であり、41はTlターゲット、42はBa-Ca-Cu-Oターゲット、43はBiターゲット、4
    4はWターゲット、45はシャッター、46はスリット、47は基体を示す。 ターゲット41、43、44は金属のターゲット、ターゲット42は元素比率Ba:C
    a:Cu=2:2:3の焼成ディスクターゲットであり、図4に示すように配置させた。 すなわち、MgO(100)
    基体47に焦点を結ぶように各ターゲットが約30°傾いて設置されている。 ターゲットの前方には回転するシャッター45があり、その中に設けられたスリット46
    の回転をパルスモーターで制御することにより、(Tl
    →Ba-Ca-Cu-O→Tl)のサイクルと(Bi→W→Bi)
    のサイクルでスパッタ蒸着が行なうことができる。 積層の様子を概念的に図5に示す。 図5において51はTl
    22層、52はW−O層、53はBa層、54はCu
    −O層、55はCa−O層である。 そして、図4のターゲット41、42、43、44への入力電力、それぞれのターゲットのスパッタ時間を制御することにより、基体47上に蒸着するTl-Ba-Ca-Cu-O膜、Bi-W−O
    膜の膜厚を変えることができる。 基体47を約500℃
    に加熱し、アルゴン・酸素(1:1)混合雰囲気0.5
    Paのガス中で各ターゲットのスパッタリングを行なった。 薄膜作製後は酸素雰囲気中において、900℃の熱処理を10分間施した。

    【0021】本実施例では、Tl-Ba-Ca-Cu-O膜の元素の組成比率がTl:Ba:Ca:Cu=2: 2: 2: 3、Bi-
    W- O膜の元素の組成比率がBi:W= 2: 1になるよう、スパッタ時間スパッタ電流を調節した。 この場合、
    結晶性を維持したまま薄くできる膜厚の限界は数nmであると思われる。 絶縁膜はできるだけ薄い方が好ましいので、k・(Tl→Ba-Ca-Cu-O→Tl)→l・(Bi
    →W→Bi)と書き表せる周期を20周期行なった。 なお、良好な結晶構造を保ったまま作製できるBi-W−O
    膜の膜厚はk=2が限度であった。

    【0022】そこで、k=2のとき、kを変化させて、
    できあがった薄膜の抵抗率の温度変化を調べた。 そのときの結果を図6に示す。 図6において、61はl=2、
    62はl=6、63はl=10のときの結果を示す。 この図からわかるように、l=6のとき最も超伝導転移温度並びにゼロ抵抗温度が絶縁膜Bi-W−Oと積層しない場合に比べ上昇することがわかった。 この物理的な原因は、本発明の第2発明により、Tl-Ba-Ca-Cu-O薄膜とBi-W−O薄膜の両方をきわめて制御性よく積層できたことによるものと考えられる。

    【0023】さらにスパッタリング法に換えて、Tlの酸化物と、Ba、Ca、Cu、Bi、Wの酸化物を異なる蒸発源から真空中で別々に蒸発させ、同様の構造を周期的に積層させた場合、前記したスパッタリングを用いた、積層構造作製方法と同じく制御性良く、安定した膜質の、薄膜をうることが可能である。 Tl-O、Ba-Ca-
    Cu-O- O、Bi-O、W- Oを周期的に積層させる方法としては、他にもいくつか考えられる。 一般に、MBE
    (モレキュラービームエピタキシャル)装置あるいは多元のEB(エレクトロンビーム)蒸着装置で蒸発源の前を開閉シャッターで制御したり、気相成長法で作製する際にガスの種類を切り替えたりすることにより、周期的積層を達成することができる。 しかしこの種の非常に薄い層の積層には従来スパッタリング蒸着は不向きとされていた。 この理由は、成膜中のガス圧の高さに起因する不純物の混入およびエネルギーの高い粒子によるダメージと考えられている。

    【0024】しかしながら、このTl系酸化物超伝導体と絶縁薄膜に対してスパッタリングにより異なる薄い層の積層を行なったところ、意外にも良好な積層膜作製が可能なことを見い出した。 スパッタ中の高い酸素ガス圧およびスパッタ放電により、膜内への酸素導入がより促進され、超伝導特性の再現性、安定化が図られ、、Tl
    系の100K以上の臨界温度を持つ相の形成、および絶縁薄膜の形成に都合がよいためであると考えられる。

    【0025】スパッタ蒸着で異なる物質を積層させる方法としては、組成分布を設けた1ケのスパッタリングターゲットの放電位置を周期的に制御するという方法があるが、組成の異なる複数個のターゲットのスパッタリングという方法を用いると比較的簡単に達成することができる。 この場合、複数個のターゲットの各々のスパッタ量を周期的に制御したり、あるいはターゲットの前にシャッターを設けて周期的に開閉したりして、周期的積層膜を作製することができる。 また基板を周期的運動させて各々ターゲットの上を移動させる方法でも作製が可能である。 レーザースパッタあるいはイオンビームスパッタを用いた場合には、複数個のターゲットを周期運動させてビームの照射するターゲットを周期的に変えれば、
    周期的積層膜が実現される。 このように複数個のターゲットを用いたスパッタリングにより比較的簡単にTl系酸化物の周期的積層が作製可能となる。 前記実施例2で示したようにTl-O、Ba-Ca-Cu-O−O、Bi-Oを別々の蒸発源から蒸発させ、Tl-Ba-Ca-Cu-O超伝導薄膜とBi-W−O絶縁膜を周期的に積層した時、極めて制御性良くm(Tl-Ba-Ca-Cu-O)・n(Bi-W−O)
    の周期構造を持つ薄膜を形成できることを見いだした。
    ここでm,nは正の整数を示す。 また、蒸発源としてT
    l-Ba-Ca-Cu-O、Bi-W−Oの複合酸化物を用いても、簡単な方法で薄膜を作製できる。 別々の蒸発源を用いると、より結晶性が優れ、組成制御性がきわめて良い、作製方法となる。 また、超伝導転移温度、臨界電流密度等の特性に勝っていることも併せて見いだした。 さらに本発明者らは、上記の方法で作製したTl-Ba-Ca-
    Cu-O超伝導薄膜とBi-W−O絶縁膜はともに薄膜表面が極めて平坦であることを見いだした。 これは、それぞれ層状構造を構成する異なる元素を別々に順次積層していくことにより、基体表面に対し平行な面内だけで積層された蒸着元素が動くだけで、基体表面に対し垂直方向への元素の移動がないことによるものと考えられる。 さらに、この組成の絶縁薄膜は層状ペロブスカイト構造の結晶であり、a軸の長さは、Tl-Ba-Ca-Cu-Oのそれとほぼ等しく、連続的にエピタキシャル成長が可能であることによるものと考えられる。

    【0026】さらに以外にも、良好な超伝導特性を得るに必要な基体の温度、熱処理温度も、従来より低いことを見いだした。

    【0027】

    【発明の効果】前記したように本発明の第1の発明によれば、Tl 22酸化膜層またはこれを主体とした層により覆われた結晶構造となっているところのTl系超伝導薄膜とTl系超伝導体結晶と格子定数がほぼ等しく、
    また熱的に安定なBi 22酸化膜層またはこれを主体とした層に覆われた結晶構造を有するBi-W−O絶縁薄膜が交互に積層された構造をとることによって、超伝導薄膜と絶縁膜との間での元素の相互拡散のない積層が可能になり、その結果Tl系超伝導薄膜における超伝導転移温度を安定に再現性よく実現することができる。

    【0028】さらに第2の発明においては第1の発明を極めて安定に、しかも微細スケールでの構造を達成するため、少なくともTlを含む酸化物層と、少なくともC
    uおよびアルカリ土類(IIa族)を含む酸化物層と、少なくともBiを含む酸化物層と少なくともWを含む酸化物層を、周期的に積層させて分子レベルの制御による薄膜の作製を行うことによって、再現性よくTl系超伝導薄膜と絶縁膜との積層を実現することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施例1によって得られた薄膜断面の構造概念図である。

    【図2】本発明の実施例1で用いた装置の概略図である。

    【図3】本発明の実施例1によって得られた超伝導薄膜の抵抗の温度依存性である。

    【図4】本発明の実施例2で用いた装置の概略図である。

    【図5】本発明の実施例2によって得られた薄膜の構造概念図である。

    【図6】本発明の実施例2で得られた薄膜の抵抗率の温度特性である。

    【符号の説明】

    21,22,41,42,43,44 スパッタリングターゲット 23,25 シャッター 24,46 スリット 25,47 MgO基体 31,32,33,61,62,63 薄膜の抵抗の温度特性

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 5識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 39/24 ZAA B 8728−4M

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