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有機デバイスおよび有機デバイスの製造方法

阅读:1017发布:2020-09-14

专利汇可以提供有機デバイスおよび有機デバイスの製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】特性の優れた有機デバイスを提供する。 【解決手段】第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた有機層とを有しており、有機層が、電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性の有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位とを有しており分子量分散が1.6以下である第1の化合物から絶縁性部位が除去された化合物と、有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物とを含む、有機デバイス。 【選択図】図1,下面是有機デバイスおよび有機デバイスの製造方法专利的具体信息内容。

第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた有機層とを有しており、 前記有機層が、電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性の有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位とを有しており分子量分散が1.6以下である第1の化合物から絶縁性部位が除去された化合物と、前記有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物とを含む、有機デバイス。前記第1の化合物の有機半導体部位が電子供与性である、請求項1に記載の有機デバイス。前記第1の化合物の有機半導体部位が複素5員環を含む、請求項1または2に記載の有機デバイス。前記第1の化合物の有機半導体部位が置換基を有していてもよいチオフェンジイル基を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機デバイス。前記第1の化合物の有機半導体部位が下記式(1)で示される構造である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機デバイス。 (式(1)中、Xは−C=C−で示される基、−C≡C−で示される基または−N=N−で示される基を表す。mは0または1である。nは1以上の整数である。R0、R1、R2、R3、R4およびZはそれぞれ独立に、原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20の1価の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数3〜20のシクロアルキルチオ基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。)前記第1の化合物の有機半導体部位が下記式(2)または下記式(3)で示される構造である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機デバイス。 (式(2)中、Zは前記式(1)で定義の通りである。式(3)中、R0、R1、R2、R3、R4およびZは前記式(1)で定義の通りである。nは2以上の整数である。)前記第1の化合物の有機半導体部位が前記式(2)で示される構造であり、前記Zがn−ブチル基である、請求項6に記載の有機デバイス。前記第1の化合物の有機半導体部位が前記式(3)で示される構造であり、前記Zが塩素原子または臭素原子であり、かつ前記R0、R1、R2、R3およびR4がいずれも直鎖のアルキル基である、請求項6に記載の有機デバイス。前記R0、R1、R2、R3およびR4がいずれもn−ヘキシル基である、請求項8に記載の有機デバイス。前記第1の化合物の有機半導体部位が疎水性を有する1価の基であり、絶縁性部位が親水性を有するポリマーに由来する1価の基である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機デバイス。前記親水性を有するポリマーに由来する1価の基がポリエチレンオキサイド鎖を有する1価の基である、請求項10に記載の有機デバイス。前記結合部位が光、熱、酸またはアルカリによる処理によって分解する構造を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機デバイス。前記結合部位の前記構造が、アセタール結合、エステル結合、エーテル結合のいずれかの結合を含む、請求項12に記載の有機デバイス。前記第1の化合物が下記式(4)、下記式(5)または下記式(6)で示される化合物である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機デバイス。 (式(4)中、X2は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20の1価の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数3〜20のシクロアルキルチオ基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。q、sは1以上の整数である。式(5)中、pおよびnは、それぞれ独立に1以上の整数である。式(6)中、rは2以上の整数である。)下記式(6)で示される高分子化合物。 (式(6)中、rは2以上の整数である。)第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた有機層を有する有機デバイスの製造方法において、 電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性を有する有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位を有しており、分子量分散が1.6以下である第1の化合物を含む層を形成した後に、該層中の第1の化合物の結合部位を分解することで第1の化合物から絶縁性部位を除去し、次いで前記有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物を、前記層に接触するように添加し、前記絶縁性部位の除去により生じた前記層中の空隙に充填することで有機層を形成する、有機デバイスの製造方法。電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性の有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位を有しており、分子量分散が1.6以下である第1の化合物を含む層を形成し、前記層中の前記第1の化合物から絶縁性部を除去し、前記有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物を、前記層に接触するように添加することにより得られる薄膜。請求項17に記載の薄膜を含む光電変換素子。請求項17に記載の薄膜を含む発光素子。請求項17に記載の薄膜を含むセンサー。

说明书全文

本発明は、有機デバイスおよび有機デバイスの製造方法に関する。

材料として有機化合物を含む発光層や光学活性層となる有機層を有する有機デバイスは、シリコン等の無機化合物からなる従来のデバイスに比べて、より軽量化することができ、より可撓性および透明性に富んだ構造とすることができ、さらにはより低コストで製造することができるなどの特徴を有していることから、新しいデバイスとして注目されている。

かかる有機デバイスにおいて、高い特性を実現するためには、有機層中のp型半導体材料の相とn型半導体材料の相とを数十nmオーダーで相分離させた構造を生成させ、かつp型半導体材料の相と、n型半導体材料の相とをそれぞれ互いに異なる電極に接触させて電気的に接続させるように、p型半導体材料とn型半導体材料とが形成する相分離構造を最適化することが重要であると考えられている。

より最適な構造を有する有機層を形成するため、例えば有機光電変換素子では、p型半導体材料とn型半導体材料とのいずれかに、結晶性を有する材料や成膜時に自己組織化する材料などのその構造が周期性を有する材料を用いて、ナノ構造体を構築し、かかるナノ構造体をテンプレートとして光学活性層を形成する技術が検討されている。(非特許文献1、2および3参照。)

また、有機発光素子では、電子輸送材料(n型半導体材料)と正孔輸送材料(p型半導体材料)の界面に、微小混合層を設けることによって両方の接触界面が増大し、素子特性を向上させることが検討されている。(非特許文献4参照。)

Journal of Polymer Science Part B, 2011, 49, 1131−1156

Chem. Rev. 2010, 110, 146−177

有機薄膜太陽電池の最新技術 シーエムシー出版p63−71, p172−179, (2005)

Japanese Journal of Applied Physics,Vol.46,No.35,2007,pp.L861−L863

しかしながら、上記非特許文献が開示している有機光電変換素子や有機発光素子などの有機デバイスにおいては、有機層中のp型半導体材料とn型半導体材料とが形成するナノ構造体の最適化が十分ではなく、その結果として、光電変換効率や発光効率などの特性が必ずしも満足できるものではなかった。

本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、規則性の高いナノ構造体を含む有機層を有しており、光電変換効率や発光効率が高い有機デバイスとその製造方法を提供することにある。

本発明は、下記[1]〜[20]を提供する。 [1] 第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた有機層とを有しており、 前記有機層が、電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性の有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位とを有しており分子量分散が1.6以下である第1の化合物から絶縁性部位が除去された化合物と、前記有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物とを含む、有機デバイス。 [2] 前記第1の化合物の有機半導体部位が電子供与性である、[1]に記載の有機デバイス。 [3] 前記第1の化合物の有機半導体部位が複素5員環を含む、[1]または[2]に記載の有機デバイス。 [4] 前記第1の化合物の有機半導体部位が置換基を有していてもよいチオフェンジイル基を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の有機デバイス。 [5] 前記第1の化合物の有機半導体部位が下記式(1)で示される構造である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の有機デバイス。

(式(1)中、Xは−C=C−で示される基、−C≡C−で示される基または−N=N−で示される基を表す。mは0または1である。nは1以上の整数である。R0、R1、R2、R3、R4およびZはそれぞれ独立に、原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20の1価の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数3〜20のシクロアルキルチオ基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。) [6] 前記第1の化合物の有機半導体部位が下記式(2)または下記式(3)で示される構造である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の有機デバイス。

(式(2)中、Zは前記式(1)で定義の通りである。式(3)中、R0、R1、R2、R3、R4およびZは前記式(1)で定義の通りである。nは2以上の整数である。) [7] 前記第1の化合物の有機半導体部位が前記式(2)で示される構造であり、前記Zがn−ブチル基である、[6]に記載の有機デバイス。 [8] 前記第1の化合物の有機半導体部位が前記式(3)で示される構造であり、前記Zが塩素原子または臭素原子であり、かつ前記R0、R1、R2、R3およびR4がいずれも直鎖のアルキル基である、[6]に記載の有機デバイス。 [9] 前記R0、R1、R2、R3およびR4がいずれもn−ヘキシル基である、[8]に記載の有機デバイス。 [10] 前記第1の化合物の有機半導体部位が疎水性を有する1価の基であり、絶縁性部位が親水性を有するポリマーに由来する1価の基である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の有機デバイス。 [11] 前記親水性を有するポリマーに由来する1価の基がポリエチレンオキサイド鎖を有する1価の基である、[10]に記載の有機デバイス。 [12] 前記結合部位が光、熱、酸またはアルカリによる処理によって分解する構造を含む、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の有機デバイス。 [13] 前記結合部位の前記構造が、アセタール結合、エステル結合、エーテル結合のいずれかの結合を含む、[12]に記載の有機デバイス。 [14] 前記第1の化合物が下記式(4)、下記式(5)または下記式(6)で示される化合物である、[1]〜[13]のいずれか1つに記載の有機デバイス。

(式(4)中、X2は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20の1価の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数3〜20のシクロアルキルチオ基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。q、sは1以上の整数である。式(5)中、pおよびnは、それぞれ独立に1以上の整数である。式(6)中、rは2以上の整数である。) [15] 下記式(6)で示される高分子化合物。

(式(6)中、rは2以上の整数である。) [16] 第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた有機層を有する有機デバイスの製造方法において、 電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性を有する有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位を有しており、分子量分散が1.6以下である第1の化合物を含む層を形成した後に、該層中の第1の化合物の結合部位を分解することで第1の化合物から絶縁性部位を除去し、次いで前記有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物を、前記層に接触するように添加し、前記絶縁性部位の除去により生じた前記層中の空隙に充填することで有機層を形成する、有機デバイスの製造方法。 [17] 電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性の有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位を有しており、分子量分散が1.6以下である第1の化合物を含む層を形成し、前記層中の前記第1の化合物から絶縁性部を除去し、前記有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物を、前記層に接触するように添加することにより得られる薄膜。 [18] [17]に記載の薄膜を含む光電変換素子。 [19] [17]に記載の薄膜を含む発光素子。 [20] [17]に記載の薄膜を含むセンサー。

本発明によれば、規則性の高いナノ構造を含む有機層を有し、発光効率や光電変換効率に優れた有機デバイスを提供することができる。

図1は、AFM像を示す写真図である。

図2は、AFM像を示す写真図である。

以下、本発明の有機デバイスおよびその製造方法について詳細に説明する。

(光電変換素子) 本発明の有機デバイスは、第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた有機層とを有しており、有機層が、電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性を有する有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位とを有しており分子量分散が1.6以下である第1の化合物から絶縁性部位が除去された化合物と、第1の化合物の有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物とを含む。

本発明の有機デバイスを構成する構成要素について具体的に説明する。

(基板) 本発明の有機デバイスは、通常、基板を含んでいる。用いられ得る基板としては、電極を形成する際、および有機層を形成する際に熱的または化学的に変化しない板状体であればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルムおよびシリコンが挙げられる。基板が不透明である場合には、基板とは反対側に位置する電極(すなわち、基板から遠い側の電極)が透明または不透明であることが好ましい。

(電極) 有機デバイスは、互いに対向する第1の電極および第2の電極を備えている。第1の電極および第2の電極のうちの少なくとも一方の電極は、透明または半透明の電極とされる。第1の電極および第2の電極のうちの一方の電極は陽極として機能し、他方の電極は陰極として機能する。

陽極として機能する電極の材料としては、例えば、金属および導電性酸化物が挙げられる。当該金属の具体例としては、Al、Au、Pt、Sn、Zn、Cu、Ag、MoおよびTiが挙げられる。電極の安定性を高めるために、前記金属にに加えて、異種金属をさらに添加してもよい。陽極として機能する電極の材料である導電性酸化物としては、常温(25℃)付近で高い導電性を有する導電性酸化物が挙げられる。導電性酸化物の例としては、具体的には、ITO、SnO2、ZnO、FTO(フッ素が添加された酸化スズ)、IZO(酸化インジウムが添加された酸化亜鉛)、AlドープZnO(AZO)、GaドープZnO(GZO)、およびATO(アンチモンが添加された酸化スズ)が挙げられる。電極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびメッキ法が挙げられる。

陽極として機能する電極の材料として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機材料、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物等のp型半導体金属酸化物材料を用いてもよい。

陰極としては透明または半透明の導電性薄膜を用いることができる。陰極を形成し得る金属材料の例としては、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、銀、Pt、Sn、CuおよびTiなどが挙げられ、陰極を透明電極とする場合の材料しては、ITO、SnO2、ZnO、FTO、IZO、AZO、GZO、およびATOが挙げられる。

(有機層) 本発明の有機層は、第1の電極と該第2の電極との間に設けられており、電子供与性及び電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性の有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位とを有しており分子量分散が1.6以下である第1の化合物から絶縁性部位が除去された化合物と、第1の化合物の有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物とを含む。 有機層は、例えば、入射した光により光起電効果を得ることができる光学活性層であってもよい。光学活性層は、さらには例えば入射した光によって配向性を制御することができ、これにより電気的特性、光学的特性などを制御することができる層であってもよい。

<第1の化合物> 第1の化合物は、有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位とを有しており、かつ分子量分散が1.6以下である化合物である。第1の化合物は、その有機半導体部位が長尺な構造を含む化合物であり、塗布成膜された際に自己組織化により有機半導体部位及び絶縁性部位により規則性の高いナノ構造を発現し、その後の工程で絶縁性部位が除去された後も有機半導体部位により構成された規則性の高いナノ構造を維持することができる化合物である。

第1の化合物における有機半導体部位と絶縁性部位との組み合わせは、自己組織化によって後述するようなナノ構造を形成することができることを条件として特に限定されない。第1の化合物は、有機半導体部位が疎水性を有し、絶縁性部位が親水性を有していることが好ましい。

また、より規則性の高いナノ構造を形成させる観点から、第1の化合物は液晶性または結晶性を有することが好ましい。配向性、形成されるナノ構造を外力によって制御可能とする観点からは、第1の化合物のうちの少なくとも有機半導体部位は液晶性のみを有することがより好ましい。

第1の化合物により形成され得るナノ構造の例としては、有機半導体部位が自己組織化によりネマチック相状に配列して形成されるナノポーラス構造、有機半導体部位が自己組織化によりスメクチック相状に配列して形成されるナノシリンダー配列、ナノロッド配列などが挙げられる。電荷の輸送経路を確保する観点からは、ナノポーラス構造、ナノシリンダー配列が好ましく、ナノシリンダー配列がより好ましい。

ナノポーラス構造、ナノシリンダー配列を形成することができる第1の化合物は、電極に電荷を輸送しやすくする観点から、自己組織化された有機半導体部位の長軸が基板面に対して30°〜90°の度をなすことが好ましい。この角度は、より好ましくは45°〜90°であり、80°〜90°であることが特に好ましい。

ナノポーラス構造、ナノシリンダー配列を構成する略円柱状の有機半導体部位の直径は、光電荷分離の観点から、10nm〜50nmが好ましい。さらに好ましくは、10nm〜20nmである。

第1の化合物は、有機半導体部位、絶縁性部位および結合部位を有しており、有機半導体部位と絶縁性部位とが結合部位により結合されているブロック共重合体であることが好ましい。

有機半導体部位の整流特性は限定されず、p型(電子供与性)であってもn型(電子受容性)であってもよい。 有機半導体部位は、合成のしやすさの観点から、前記の通り疎水性であって、かつ電子供与性である有機半導体部位とすることが好ましい。

電子供与性の有機半導体部位は、複素5員環を含むことが好ましい。電子供与性の有機半導体部位の例としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体等に由来する1価の基が挙げられる。

電子供与性の有機半導体部位は、単環構造を含んでいてよく、縮合環構造を含んでいてもよい。また、電子供与性の有機半導体部位は、2個の単環構造同士あるいは2個の縮合環構造同士または単環構造および縮合環構造が直接結合で結合した構造を有していてもよい。該単環構造および縮合環構造は、芳香環を含んでいてもよい。芳香環は、ベンゼン環などの芳香族炭素環であってよく、芳香族複素環であってもよい。

電子供与性の有機半導体部位としては、例えば、2価の芳香族基、単環の芳香環または多環の芳香環が直接結合で連結した構造を含む1価の基、環構造を形成するように結合した1価の基が挙げられる。有機半導体部位に含まれる2価の芳香族基は、6員環以外にπ電子を供給して6π電子系、10π電子系、14π電子系を形成することができるのであれば、炭素原子以外の原子と−C=C−で表される基とが置換した構造を含んでいてもよい。

電子供与性である有機半導体部位の例としては、具体的には、置換基を有していてもよいフルオレンジイル基、置換基を有していてもよいベンゾフルオレンジイル基、置換基を有していてもよいジベンゾフランジイル基、置換基を有していてもよいジベンゾチオフェンジイル基、置換基を有していてもよいベンゾジチオフェンジイル基、置換基を有していてもよいチオフェンジイル基、置換基を有していてもよいシクロペンタジチオフェンジイル基、置換基を有していてもよいカルバゾールジイル基、置換基を有していてもよいチオフェンジイル基、置換基を有していてもよいフランジイル基、置換基を有していてもよいピロールジイル基、置換基を有していてもよいベンゾチアジアゾールジイル基、および置換基を有していてもよいトリフェニルアミンジイル基からなる群から選ばれる1種または2種以上の2価の基を構成単位として含み、該構成単位同士が直接結合で結合しているかまたは連結基を介して結合した構造を含む1価の基が挙げられる。

なお、本明細書において、「置換基を有していてもよい」場合の置換基の例としては、ハロゲン原子、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数が1〜20であるアルキル基、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数が3〜20であるシクロアルキル基、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数が1〜20であるアルコキシ基および1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数が3〜20であるシクロアルコキシ基が挙げられる。

アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基等が挙げられる。1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルキル基としては、フッ素原子で置換されているアルキル基が好ましい。フッ素原子で置換されているアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基が挙げられる。1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているシクロアルキル基としては、フッ素原子で置換されているシクロアルキル基が好ましい。

アルコキシ基中のアルキル部は鎖状でも環状でもよく、アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基及びラウリルオキシ基が挙げられる。1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルコキシ基としては、フッ素原子で置換されているアルコキシ基が好ましい。フッ素原子で置換されているアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基およびパーフルオロオクチルオキシ基が挙げられる。シクロアルコキシ基の具体例としては、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルコキシ基としては、フッ素原子で置換されているアルコキシ基が好ましい。

電荷輸送性を高める観点と、より規則性の高いナノ構造を発現しやすくする観点から、有機半導体部位は前記構成単位が3つ以上連結した構造を含むことが好ましい。構成単位としては、置換基を有していてもよいチオフェンジイル基またはビチオフェンの3位の炭素原子と3’位の炭素原子とが、硫黄原子、酸素原子または窒素原子を介して結合した渡環構造を含むことが好ましく、置換基を有していてもよいチオフェンジイル基を含むことがより好ましい。

有機半導体部位は、具体的には、下記式(1)で示される構造であることが好ましい。

式(1)中、Xは−C=C−で示される基、−C≡C−で示される基または−N=N−で示される基を表す。mは0または1である。nは1以上の整数である。R0、R1、R2、R3、R4およびZはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20の1価の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数3〜20のシクロアルキルチオ基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。

R0、R1、R2、R3、R4およびZで表される炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、およびシクロヘキシル基が挙げられ、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基が挙げられる。

R0、R1、R2、R3、R4およびZで表される炭素原子数2〜20の1価の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、2−プロペニル基、エチニル基、および2−プロピニル基が挙げられる。

R0、R1、R2、R3、R4およびZで表される炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基およびオクチルオキシ基が挙げられ、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基としては、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。

R0、R1、R2、R3、R4およびZで表される炭素原子数1〜20のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、およびオクチルチオ基が挙げられ、炭素原子数3〜20のシクロアルキルチオ基としては、例えば、シクロヘキシルチオ基が挙げられる。

R0、R1、R2、R3、R4およびZで表される置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、およびペリレン−イル基が挙げられる。

R0、R1、R2、R3、R4およびZで表される置換基を有していてもよい1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基およびイソキノリル基が挙げられる。

式(1)で示される構造において、nは1から100であることが好ましい。

有機半導体部位は、前記nが1である場合、配向性の観点から、具体的には下記式(2)で示される構造であることが好ましい。

式(2)中、Zは前記定義の通りである。

有機半導体部位が前記式(2)で示される構造である場合には、Zがn−ブチル基であることが好ましい。

有機半導体部位は、式(1)で表される構造においてnが2以上の整数である場合、配向性と合成のしやすさとの観点から、具体的には、下記式(3)で示される構造であることが好ましい。

式(3)中、R0、R1、R2、R3、R4およびZは、前記定義の通りである。nは2以上の整数である。 有機半導体部位が式(3)で示される構造を有する場合、結晶性、液晶性などの配向性を高める観点から、R0、R1、R2、R3およびR4は全て同一の基であることが好ましい。さらに、溶解性を高める観点から、R0、R1、R2、R3およびR4はアルキル基であることが好ましく、中でも分岐を有しない直鎖のアルキル基であることがより好ましい。R0、R1、R2、R3およびR4はさらに好ましくはn−デシル基、n−オクチル基、n−ヘキシル基、n−ブチル基であり、n−ヘキシル基であることが特に好ましい。

有機半導体部位が式(3)で表される構造を有する場合、分子同士の相互作用を高める観点から、Zは水素原子またはハロゲン原子であることが好ましい。合成のしやすさからはハロゲン原子であることがより好ましく、中でも、臭素がさらに好ましい。

有機半導体部位が式(3)で示される構造を有する場合、Zが塩素原子または臭素原子であり、かつR0、R1、R2、R3およびR4がいずれも直鎖のアルキル基であることが好ましく、R0、R1、R2、R3およびR4がいずれもn−ヘキシル基であることがより好ましい。

[絶縁性部位] 第1の化合物の絶縁性部位は、溶解性を高める観点から、主鎖が非共役構造であるポリマーであることが好ましい。また、有機半導体部位と自発的に相分離、自己集積してナノ構造を発現させる観点から、有機半導体部位が疎水性を有する1価の基であり、絶縁性部位が親水性を有する1価の基であることが好ましく、さらに絶縁性部位は親水性を有するポリマーに由来する1価の基であることがより好ましい。

絶縁性部位の例としては、具体的には、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなど親水性を有するポリマーに由来する1価の基が挙げられる。ナノ構造を発現させる観点からは、さらに前記の絶縁性部位を構成し得るポリマーの分子量分散が小さいものが好ましい。さらには入手しやすさの観点から、絶縁性部位を構成し得る親水性を有するポリマーに由来する1価の基としては、ポリエチレンオキサイド鎖を有する1価の基であることが好ましい。用いられ得るポリエチレンオキサイドの分子量は、2000〜100000であることが好ましく、1000〜50000であることがより好ましい。

ポリエチレンオキサイド鎖を有する1価の基としては、具体的には下記式(A)で示される構造であることが好ましい。

式(A)中、yは1以上の整数であり、50〜5000であることが好ましく、100〜2000であることがより好ましい。

[結合部位] 第1の化合物の結合部位は、酸、アルカリなどによる化学的処理、熱、光などによる物理的処理またはこれらを組み合わせた処理によって、容易に分解し、有機半導体部位と絶縁性部位とを分離できる構造を有している。なお有機半導体部位と絶縁性部位とが分離された際には、有機半導体部位および絶縁性部位のうちの一方又は両方に結合部位の一部分に由来する構造が残存する場合がある。 結合部位としては、具体的には、アセタール結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合などを含む構造が挙げられる。結合部位は、合成のしやすさの観点から、アセタール結合を含む構造を有することが好ましい。

結合部位の例としては、下記の構造を有する2価の基が挙げられる。

合成のしやすさの観点から、第1の化合物は、有機半導体部位、絶縁体部位、結合部位以外の部位を含んでいてもよい。有機半導体部位、絶縁体部位、結合部位以外の部位の具体的な例としては、エチレン、プロピレンなどの飽和炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基などが挙げられ、好ましくはエチレン、トリアジンである。

第1の化合物の好ましい構造としては、下記式(4)、下記式(5)および下記式(6)で示される構造を有するブロック共重合体が挙げられる。

式(4)中、X2は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20の1価の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数3〜20のシクロアルキルチオ基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。合成上の観点から、X2はハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基が好ましい。その中でも、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましく、ハロゲン原子がさらに好ましい。q、sは1以上の整数である。sは1〜100であることが好ましく、1〜50であることがより好ましい。式(5)中、pおよびnは、それぞれ独立に1以上の整数である。q及びpはそれぞれ独立に、50〜5000であることが好ましく、100〜2000であることがより好ましい。式(6)中、rは2以上の整数である。rは5〜200であることが好ましく、10〜100であることがより好ましい。

第1の化合物は、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との割合である分子量分散(Mw/Mn)がより小さいことが好ましい。数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量を意味する。

第1の化合物の分子量分散は、1.6以下であり、1.5以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることがさらに好ましい。

第1の化合物の分子量分散を上記のようにより小さくすることにより、得られるナノ構造の配列の規則性(周期性)をより高めることができるので第1の化合物の相と第2の化合物の相との相分離をより好適な態様に最適化することができる。結果として、有機デバイスの特性をより高めることができる。

<第2の化合物> 第2の化合物は、第1の化合物の有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する化合物である。第2の化合物の有機半導体部位は、n型(電子受容性)の整流特性を有することが好ましい。よって、第2の化合物の有機半導体部位がn型の整流特性を有する場合には、第1の化合物の有機半導体部位はp型の整流特性を有することとなる。n型の特性を有する第2の化合物の有機半導体部位としては、具体的には、フラーレン誘導体、ペリレンジイミド誘導体、ナフタレンジイミド誘導体に由来する1価の基などが挙げられる。第2の化合物の有機半導体部位は、電子受容性の観点から、フラーレン誘導体に由来する1価の基であることが好ましい。

フラーレン誘導体の中でも、C60フラーレン、C70フラーレン、フェニルC61酪酸メチルエステル、フェニルC71酪酸メチルエステル、またはインデンC60ビス付加体、インデンC70ビス付加体などのフラーレン誘導体が好ましい。なかでもC70フラーレン、フェニルC61酪酸メチルエステル、フェニルC71酪酸メチルエステル、またはインデンC60ビス付加体、インデンC70ビス付加体がより好ましい。

(中間層) 本発明の有機デバイスは、有機層と電極との間に、電荷の注入、および/または輸送の効率を高める特性を有する中間層、電極を形成する際の成膜性、電極を形成する際の電極より下層へのダメージを低減する特性を有する中間層など、発電特性、製造工程における耐久性などを高める機能を有する中間層を有していてもよい。

中間層の材料としては有機材料または金属酸化物材料を用いることができる。中間層は、蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法などの気相法、ゾルゲル法、スプレーコート法、印刷法、塗布法などの湿式法などを用いて形成することができる。正孔の注入および/または輸送の効率を高める特性を有する層の例としては、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸複合体を含む層などが挙げられる。

(有機デバイスの製造方法) 本発明の有機デバイスの製造方法は、第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた有機層を有する有機デバイスの製造方法であって、電子供与性および電子受容性のうちのいずれか一方の整流特性を有する有機半導体部位と絶縁性部位とこれらを結合する結合部位を有しており、分子量分散が1.6以下である第1の化合物を含む層を形成した後に、層中の第1の化合物の結合部位を分解することで絶縁性部位を除去し、次いで第1の化合物の有機半導体部位とは異なる整流特性の有機半導体部位を有する第2の化合物を、絶縁性部位を除去した前記層に接触するように添加し、絶縁性部位の除去により生じた層中の空隙に充填することで、絶縁性部位が除去された第1の化合物および第2の化合物を含む有機層を形成することを特徴とする製造方法である。ここで接触するように添加するとは、例えば第2の有機化合物を真空蒸着するか、または第2の化合物を含む溶液を塗布法により塗布することなどをいう。

第1の電極および第2の電極(陰極および陽極)の形成方法については既に説明した通りであるのでここでは有機層の形成工程について説明する。

有機層は、まず第1の電極、または第1の電極と第1の電極に接合する中間層が設けられた基板上に第1の化合物を含む溶液または分散液(以下、単に「液」という。)を塗布して塗布層を形成し、形成された塗布層を乾燥処理により乾燥させて有機半導体部位と絶縁性部位とを自己組織化させて規則的なナノ構造を発現させることにより、既に説明したようなナノシリンダー配列などを含むナノ構造を含む層を形成する。

続いて、既に説明した酸処理などの処理により結合部位を分解して有機半導体部位と絶縁性部位とを分離して、第1の化合物から絶縁性部位を除去する。その後、第1の化合物から絶縁性部位を除去した層上に第2の有機化合物を含む溶液を塗布することによって、前記層中の、絶縁性部位を除去したことによって生じた空隙に第2の化合物を充填することにより製造することができる。

第1の化合物を含む層は、前記の通り第1の化合物を含む液を用いて塗布法により形成することができる。第1の化合物を含む層を形成する際に用いられ得る塗布法としては、例えばスリットコート法、キャピラリーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、インクジェットコート法およびスピンコート法が挙げられる。

第1の化合物を含む層には、塗布膜を乾燥させる工程で、含まれる多数の第1の化合物のうちの例えば疎水性である有機半導体部位と例えば親水性である絶縁性部位とが、それぞれ同じ性質を有する部位同士が規則的に集積(配列)して自己組織化する結果としてナノ構造が形成される。この観点から、第1の化合物を含む溶液を形成するために用いられ得る溶媒としては、疎水性部位に対して良好な溶解性を示す溶媒を選択することが好ましい。このような溶媒としては、具体的には、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒や、クロロホルム、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、ヘキサン、オクタンなどの飽和炭化水素溶媒が挙げられる。形成される層の厚さの均一性、形成されるナノ構造のさらなる微細化の観点から、用いられ得る溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒とハロゲン化炭化水素溶媒がより好ましい。用いられ得る溶媒としては、さらに好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンである。

より高次のナノ構造を得るため、形成された第1の化合物を含む層に対して熱処理をさらに行ってもよい。

第1の化合物を含む層のうちの絶縁性部位は、酸、アルカリ、光、熱などによる処理により結合部位を分解させることで有機半導体部位とは分離され、層中の第1の化合物から絶縁性部位が除去される。有機デバイスの特性低下を抑える観点から、酸性溶液、アルカリ溶液による処理が好ましく、より好ましくは、酸性水溶液、アルカリ水溶液による処理である。

酸性溶液の例としては、塩酸、硝酸硫酸の原液もしくは希釈液、酢酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸の溶液が挙げられる。絶縁性部位の除去後に層中に残存する有機半導体部位の特性維持の観点からは、酸性溶液としては塩酸の希釈液、有機酸の溶液が好ましい。

アルカリ溶液の例としては、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属のハロゲン化物、炭酸塩、水酸化物、アンモニア、トリアルキルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶液が挙げられる。絶縁性部位の除去後に層中に残存する有機半導体部位の特性維持の観点からは、無機塩類の溶液を用いることが好ましく、より好ましくは無機塩類の水溶液である。

結合部位が分解され、有機半導体部位から分離された絶縁性部位は、それが可溶な溶媒に第1の化合物を含む層を浸漬したり、かかる溶媒を流すことによって第1の化合物の層から除去することができる。第1の化合物の層のナノ構造を維持する観点から、有機半導体部位から分離された絶縁性部位を除去するための溶媒としては、水、アルコール、カルボン酸などの親水性溶媒を用いることが好ましい。

本発明の薄膜である有機層は、ナノ構造を有し、絶縁性部位が除去された第1の化合物の層に、第2の化合物が接触するように添加され、絶縁性部位が除去されたことによって生じた第1の化合物の層中の空隙に第2の化合物を充填することにより形成される。 有機層を形成するにあたり第2の化合物を含む溶液を用いる場合、第1の化合物の層のナノ構造を維持する観点から、溶媒としては水、アルコール、カルボン酸などの親水性溶媒を用いることが好ましい。有機層を形成するにあたり有機半導体部位に熱処理、レーザー照射処理を行い、有機半導体部位を不溶化させたのちに第2の化合物の溶液を塗布してもよい。

(有機デバイスの使用態様) 本発明の有機デバイスは、透明または半透明である電極側から太陽光などの光を入射させることにより、電極間に光起電力を発生させ、光電変換素子として動作させることができる。光電変換素子を複数個集積することにより光電変換モジュールとして用いることもできる。

光電変換素子は、従来の光電変換モジュール(太陽電池モジュール)と基本的には同様のモジュール構造として用い得る。光電変換モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上に光電変換素子が形成され、その上を充填樹脂、保護ガラスで覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上に光電変換素子を形成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の光電変換素子を適用した光電変換モジュールでも使用目的、使用場所および環境により適宜これらのモジュール構造を選択することができる。

本発明の光電変換素子は、電極同士間に電圧を印加した状態で、透明または半透明である電極側から光を入射させて光電流を生じさせることにより、センサー(有機光センサー)として動作させることができる。さらに、この有機光センサーを受光部とし、有機光センサーが生じさせる信号電流により出力を検知し、その信号電荷を読み出す駆動回路部と、有機光センサーと駆動回路とを電気的に接続する配線とを備える、有機イメージセンサーとして用いることができる。

また、本発明の薄膜である有機層は、発光素子の機能層(発光層、電荷輸送層、電荷注入層など)として用いることもできる。

以下、本発明を更に詳細に説明するため実施例を示す。本発明は下記実施例に限定されるものではない。

(合成例1)α−[1−(2−Chloroethoxy)ethyl]−ω−methoxypoly(oxy−1,2−ethanediyl)(PEO−acetal−Cl)の合成 下記のスキームに従ってPEO−acetal−Clを合成した。

Poly(ethylene oxide) methyl ether(PEO−OH、Aldrich、6g)をジクロロメタン/テトラヒドロフラン(v/v=1/1、20mL)に溶解させ、ヘキサン(180mL)中に滴下して沈澱させることによって精製した。ナスフラスコ(容量100mL)に精製したPEO−OH(Mn(NMR)=6.04×103、5.00g、0.828mmol)とPyridinium p−toluenesulfonate(PPTS、25mg、0.10mmol)とを入れて内部の雰囲気を窒素ガスで置換した後、脱水トルエン(20mL)との共沸蒸留(常圧、170℃)を3回行った。脱水ジクロロメタン(25mL)を加え、得られた溶液を氷冷後、シリンジを用いて2−Chloroethyl vinyl ether(CEVE、0.55mL、0.58g、5.4mmol)を滴下し、窒素ガス雰囲気下、0℃で1時間撹拌した。5wt%炭酸ナトリウム水溶液(6mL)で反応を停止させた後、有機層を純水(10mL)で洗浄し、引き続いて飽和食塩水(20mL)で洗浄した。それぞれの洗浄により得られた水層から目的物をジクロロメタン(8mL)で更に抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させてろ過した。残留溶媒をエバポレーターでさらに留去し、析出した固体をジクロロメタン/テトラヒドロフラン(v/v=1/1、16mL)に溶解させた後、ヘキサン(150mL)に滴下することによって白色固体を沈澱させた。得られた白色固体を吸引ろ過により回収し、デシケーター中で減圧乾燥させることによってPEO−acetal−Cl(白色粉末;Mn(NMR)=6.08×103、収量4.70g、反応率96%、収率90%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 4.84 (q, 1H, >CHCH3), 3.85 (m, 1H, −CH2Cl), 3.74 (m, 1H, −CH2Cl), 3.80-3.48 (br, 542H, −(OCH2CH2)m−, −CH2CH2Cl), 3.38 (s, 3H, CH3O−), 1.35 (d, 3H, >CHCH3).

(合成例2)α−[1−(2−Azidoethoxy)ethyl]−ω−methoxypoly(oxy−1,2−ethanediyl)(PEO−acetal−N3)の合成 下記のスキームに従ってPEO−acetal−N3を合成した。

ナスフラスコ(容量30mL)にPEO−acetal−Cl(Mn(NMR)=6.08×103、3.00g、0.493mmol)とアジ化ナトリウム(NaN3、393mg、6.05mmol)とを入れて内部の雰囲気を窒素ガスで置換後、脱水N,N−ジメチルホルムアミド(12mL)を加えて80℃で24時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣を純水(15mL)に溶解させた。目的物をジクロロメタン(10mL)で2回抽出し、得られた有機層を飽和食塩水(15mL)で洗浄した後、得られた水層から目的物をジクロロメタン(10mL)でさらにもう1回抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過をした。得られた溶液を総量が6mLになるまで濃縮し、ヘキサン/ジエチルエーテル(v/v=1/1、120mL)に滴下した。得られた白色沈澱を吸引ろ過により回収し、ジエチルエーテルで洗浄した後、ジクロロメタン(7mL)に溶かしてヘキサン(120mL)中に再沈澱させた。吸引ろ過によって回収した沈澱をヘキサンで洗浄後、デシケーター中で減圧乾燥させることによって、PEO−acetal−N3(白色粉末;Mn(NMR)=6.17×103、収量2.31g、反応率〜100%、収率76%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 4.83 (q, 1H, >CHCH3), 3.85-3.45 (br, 548H, −(OCH2CH2)m−, −CH2CH2N3), 3.44-3.35 (m, 2H, −CH2N3), 3.38 (s, 3H, CH3O−), 1.35 (d, 3H, >CHCH3).

(合成例3)α−Ethynyl−ω−bromopoly(3−hexyl−2,5−thiophenediyl)(P3HT−C≡CH)の合成 下記のスキームに従ってP3HT−C≡CHを合成した。

ナスフラスコ(容量50mL)に三方コックを取り付けてflame−dryした後、2−Bromo−3−hexyl−5−iodothiophene(I−3HT−Br、東京化成、1.00g、2.68mmol)を入れ、内部の雰囲気を窒素ガスで置換した。窒素気流中で脱水テトラヒドロフラン(THF、13mL)を加えて氷冷した後、2.0M Isopropylmagnesium chloride THF溶液(i−PrMgCl、Aldrich、1.34mL、2.68mmol)を窒素気流下でゆっくりと滴下し、0℃で1時間撹拌した。次に[1,3−Bis(diphenyl−phosphino)propane]nickel(II) dichloride(Ni(dppp)Cl2、東京化成、14.7mg、0.0271mmol、1.0mol%)の脱水THF(13mL)分散液を窒素気流下、0℃の反応溶液に素早く加え、室温に戻して2時間撹拌した。その後0.5M Bromoethynylmagnesium THF溶液(HC≡CMgBr、Aldrich、1.0mL、0.5mmol)を窒素気流下で滴下して室温で20分間撹拌し、最後にメタノール(26mL)を加えて10分間撹拌した。析出した紫色固体を吸引ろ過により回収し、得られた紫色固体をメタノール、アセトン、ヘキサンをこの順に用いてよく洗浄した後、紫色固体をクロロホルムに溶解させ、不溶物を吸引ろ過によって除去した。得られたろ液をエバポレーターで5mLになるまで濃縮し、ヘキサン(100mL)中に再沈澱させた。得られた沈澱を吸引ろ過により回収し、デシケーター中で減圧乾燥させることによって、光沢のある緑色固体としてP3HT−C≡CH(Mn(NMR)=1.91×104、Mn(GPC)=1.85×104、Mw(GPC)=2.24×104、Mw/Mn(GPC)=1.21、収量212mg、収率48%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 6.98 (s, 1H, Th−H), 6.89 (s, Th(−C≡CH)−H), 6.82 (d, Th(−Br)−H), 3.52 (s, −C≡CH), 2.81 (t, J = 7.73 Hz, 2H, Th−CH2−), 2.70 (t, Th(−C≡CH)−CH2−), 2.57 (t, Th(−Br)−CH2−), 1.71 (quint, J = 7.56 Hz, 2H, Th−CH2−CH2−), 1.44 (quint, J = 6.93 Hz, 2H, Th−(CH2)2−CH2−), 1.35 (m, 4H, −(CH2)2−CH3), 0.92 (t, J = 6.99 Hz, 3H, −CH3).

(実施例1)Poly(3−hexyl−2,5−thiophenediyl)−acetal−poly(ethylene oxide)(P3HT−acetal−PEO)の合成 下記のスキームに従ってP3HT−acetal−PEOを合成した。

ナスフラスコ(容量20mL)にP3HT−C≡CH(Mn(NMR)=1.91×104、180mg、0.00942mmol)、PEO−acetal−N3(Mn(NMR)=6.17×103、120mg、0.0194mmol)、臭化銅(I)(CuBr、31mg、0.22mmol)、N,N,N’,N’’,N’’−Pentamethyldiethylenetriamine(PMDETA、0.10mL、0.48mmol)および脱水THF(6mL)を入れ、液体窒素を用いる凍結処理、脱気処理および解凍処理を1サイクルとしてこのサイクルを3回繰り返した後、窒素ガス雰囲気下で20時間還流撹拌した。溶媒をエバポレーターで留去し、析出した水およびメタノールに不溶な目的成分を含む粗生成物に純水(30mL)を加えて洗浄した。残存した固体を吸引ろ過により回収し、純水、メタノールを用いてこの順に洗浄した後、減圧乾燥することによって、緑褐色の固体であるP3HT−acetal−PEO(Mn(GPC)=2.43×104、Mw(GPC)=3.05×104、Mw/Mn(GPC)=1.26、収量199mg)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.80 (s, triazole), 6.98 (s, Th−H), 6.82 (d, Th(−Br)−H), 4.78 (q, >CHCH3), 3.80-3.48 (br, −(OCH2CH2)m−), 3.38 (s, −OCH3), 2.80 (t, Th−CH2−), 2.57 (t, Th(−Br)−CH2−), 1.71 (quint, Th−CH2−CH2−), 1.44 (quint, Th−(CH2)2−CH2−), 1.35 (m, −(CH2)2−CH3), 0.91 (t, −CH2CH3).

(実施例2) (1)P3HT−acetal−PEOの薄膜の形成 ガラス基板(Matsunami Glass Ind., Ltd.;22×26mm、厚さ0.12mm〜0.17mm)に対して、中性洗剤を用いる超音波洗浄を20分間、流水洗浄を20分間、純水を用いる超音波洗浄を20分間、流水洗浄を20分間、2−プロパノールを用いる超音波洗浄を20分間、この順で実施した。次いで、乾燥(65℃、60分間)後にUV−O3処理(30分間)を行った。次に、ガラス基板上にP3HT−acetal−PEOの1wt%トルエン溶液をスピンコート法(2000rpm、30秒間)により塗布して塗布膜を形成した。デシケーター中で減圧乾燥後、真空中でアニール処理(230℃で6時間、昇温速度0.5℃/分)を行ってガラス基板上にP3HT−acetal−PEOの薄膜を形成した。

得られた薄膜についてAFM(Atomic Force Microscope)測定を実施した。AFM測定はAgilent Technologies 5500 AFM(探針:Olympus OMCL−AC160TS−C3(共振周波数:300kHz))を用い、大気中ACモード(ダイナミックモード)で測定した。走査範囲は500nm×500nm(256×256points)、走査速度1.0line/secであった。

結果を図1に示す。図1は、AFM像を示す写真図である。図1から明らかな通り、写真図において白っぽく示されている明部(有機半導体部位であるP3HT部位)と黒っぽく示されている暗部(絶縁性部位であるポリエチレンオキサイド部位:PEO部位)との相分離により、規則性の高いナノ構造が確認できた。

(2)P3HT−acetal−PEOの薄膜からのPEO部位の除去 第1のサンプル管(容量50mL)中に水を満たした第2のサンプル管(容量10mL)を格納し、第1のサンプル管内であって第2のサンプル管外にトリフルオロ酢酸(最大15mL)を入れた。そこにP3HT−acetal−PEOの薄膜が形成された基板を浸漬し、3時間静置してアセタール結合を切断した。その後、P3HT−acetal−PEOの薄膜が形成された基板を第3のサンプル管(容量50mL)に入れたメタノール(最大20mL)中に3時間浸漬し、メタノールで表面を洗い流した後、減圧乾燥させた。

(実施例3)有機光電変換素子の作製例1 スパッタ法により150nmの厚さでITO膜を形成したガラス基板に対し、オゾンUV処理による表面処理を行い、次に、PEDOT:PSS(Heraeus社製AI4083)をスピンコート法により塗布し、200℃で10分間熱処理を行う。その上にP3HT−acetal−PEOの薄膜を実施例2の方法により作成し、得られた薄膜にC60フラーレンを5×10−4Pa以下の真空度で真空蒸着することにより、光学活性層を形成することができる。次いで金属電極を蒸着し、有機薄膜太陽電池を得ることができる。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーターを用いて一定の光量の光を照射すると、優れた光電変換特性を示す。

(実施例4)有機光電変換素子の作製例2 スパッタ法により150nmの厚さでITO膜を形成したガラス基板に対し、オゾンUV処理による表面処理を行い、次に、PEDOT:PSS(Heraeus社製AI4083)をスピンコート法により塗布し、200℃で10分間熱処理を行う。その上にP3HT−acetal−PEOの薄膜を実施例2の方法により作成し、得られた薄膜に低エネルギー電子線を照射し、架橋させ、その後、第2の化合物を含む溶液に浸漬することにより光学活性層を形成することができる。続いて5×10−4Pa以下で金属電極を真空蒸着し、有機薄膜太陽電池を得ることができる。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーターを用いて一定の光量の光を照射すると、優れた光電変換特性を示す。

(合成例4)2−Bromo−5−butyl−thiophene(化合物2)の合成 下記のスキームに従って化合物1から化合物2を合成した。

2−Butyl−thiophene(化合物1)(7.09g、50.5mmol)とテトラヒドロフラン(50mL)との混合溶液にN−Bromosuccinimide(NBS)(9.00g、50.6mmol、1eq.)を2回に分けて加えて室温で3時間撹拌した。次いで純水で反応を停止させ、得られた溶液をジエチルエーテルで抽出した。有機層を洗浄し、乾燥させて溶媒を留去して、赤色液体の化合物2(10.7g、49.0mmol、収率97%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 6.84 (d, 1H), 6.53 (d, 1H), 2.74 (t, 2H), 1.64-1.57 (sext, 2H), 1.41-1.34 (sext, 2H), 0.92 (t, 3H).

(合成例5)2−Butyl−5−[2−(trimethylsilyl)ethynyl]−thiophene(化合物3)の合成 下記のスキームに従って化合物2から化合物3を合成した。

PdCl2(PPh3)2(0.936g、1.33mmol、3mol%)とヨウ化銅(0.300g、1.58mmol、3.5mol%)との混合物に、2−Bromo−5−butyl−thiophene(化合物2)(9.78g、44.6mmol)とトリメチルシリルアセチレン(TMSA)(6.86g、69.8mmol、1.6eq.)とトリエチルアミン(50mL)との混合溶液を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で17時間撹拌した。次いで塩酸を用いて反応を停止させ、黒色固体をろ別した。得られた溶液をジエチルエーテルで抽出し、有機層を洗浄し、乾燥させて溶媒を留去して、黒色液体を得た。得られた黒色液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製し、赤褐色液体の化合物3(8.03g、31.8mmol、71%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.04 (d, 1H), 6.60 (d, 1H), 2.76 (t, 2H), 1.66-1.60 (quint, 2H), 1.41-1.33 (sext, 2H), 0.91 (t, 3H), 0.23 (s, 9H).

(合成例6)2−Butyl−5−ethynyl−thiophene(化合物4)の合成 下記のスキームに従って化合物3から化合物4を合成した。

ビーカーに入れた炭酸カリウム(6.60g、47.8mmol、1.5eq.)とメタノール(200mL)との混合溶液に2−Butyl−5−[2−(trimethylsilyl)ethynyl]−thiophene(化合物3)(8.03g、31.8mmol)を滴下して室温で20時間撹拌した。次いで溶液をクロロホルムで抽出した。有機層を洗浄し、乾燥させて溶媒を留去して、赤褐色液体の化合物4(4.79g、29.2mmol、収率92%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.09 (d, 1H), 6.63 (d, 1H), 3.28 (s, 1H), 2.77 (t, 2H), 1.67-1.61 (quint, 2H), 1.42-1.34 (sext, 2H), 0.93 (t, 3H).

(合成例7)2−Thiophenebutanol(化合物6)の合成 下記のスキームに従って化合物5から化合物6を合成した。

2口ナスフラスコに水素化リチウムアルミニウム(LAH)(2.25g、59.4mmol、1eq.)とジエチルエーテル(50mL)とを入れ、2−Thiophenebutanoic Acid(化合物5)(10.0g、58.7mmol)とジエチルエーテル(10mL)との混合物を氷冷下で滴下して、アルゴンガス雰囲気下、50℃で3時間還流した。その後、純水(2.3mL)を用いて30分間かけて反応を停止させ、水酸化ナトリウム水溶液(15%、2.3mL)、純水(7.0mL)を順に加えた。析出した白色固体をろ別し、得られた有機層を乾燥させて溶媒を留去して、薄黄色液体の化合物6(9.06g、収率99%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.11 (dd, 1H), 6.91 (dd, 1H), 6.79 (dd, 1H), 3.68 (q, 2H), 2.87 (t, 2H), 1.78-1.74 (m, 2H), 1.67-1.61 (m, 2H).

(合成例8)Tetrahydro−2−[4−(2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物7)の合成 下記のスキームに従って化合物6から化合物7を合成した。

ナスフラスコに2−Thiophenebutanol(化合物6)(2.00g、12.8mmol)と3,4−Dihydro−2H−pyran(DHP)(1.21g、14.3mmol、1.1eq.)を入れ、塩化アルミニウム(III)6水和物(AlCl3・6H2O、33.1mg、0.137mmol、1mol%)を加えた。30℃で30分間撹拌した後、60℃で4時間半撹拌した。その後、シリカゲルショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)に通し、減圧留去して、薄黄色液体の化合物7(2.88g、12.0mmol、94%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.10 (d, 1H), 6.91 (t, 1H), 6.79 (d, 1H), 4.58 (t, 1H), 3.88-3.84 (m, 1H), 3.79-3.75 (m, 1H), 3.52-3.48 (m, 1H), 3.44-3.39 (m, 1H), 2.86 (t, 2H), 1.87-1.50 (m, 10H).

(合成例9)Tetrahydro−2−[4−(5−bromo−2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物8)の合成 下記のスキームに従って化合物7から化合物8を合成した。

2口ナスフラスコにTetrahydro−2−[4−(2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物7)(2.88g、12.0mmol)とトルエン(12mL)とを入れ、N−Bromosuccinimide(NBS)(2.14g、12.0mmol、1eq.)を2回に分けて加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で4時間撹拌した。次いで、純水で反応を停止させ、有機層を純水と飽和食塩水とで順に洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて溶媒を留去して黒色液体を得た。得られた黒色液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により精製し、赤褐色液体である粗生成物(4.26g)を得た。1H NMR測定を行ったところ、THP保護基が一部はずれていた(THP保護基がはずれた化合物を含む粗生成物を粗生成物8’という。)。

下記のスキームに従って粗生成物8’から化合物8を得た。

ナスフラスコに前記粗生成物8’(4.26g、18.1mmol:全て5−Bromo−2−thiophenebutanolとして計算した量)と3,4−Dihydro−2H−pyran(DHP)(1.69g、20.1mmol、1.1eq.)、塩化アルミニウム(III)6水和物(AlCl3・6H2O、45.6mg、0.189mmol、1mol%)を入れて60℃で3時間撹拌した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により精製し、減圧留去して、赤褐色液体の化合物8(3.33g、10.4mmol、収率87%)を得た。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 6.84 (d, 1H), 6.54 (d, 1H), 4.57 (t, 1H), 3.88-3.83 (m, 1H), 3.78-3.74 (m, 1H), 3.52-3.48 (m, 1H), 3.42-3.38 (m, 1H), 2.79 (t, 2H), 1.85-1.51 (m, 10H).

(合成例10)Tetrahydro−2−[4−(5−[2−(trimethylsilyl)ethynyl]−2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物9)の合成 下記のスキームに従って化合物8から化合物9を合成した。

2口ナスフラスコにPdCl2(PPh3)2(221mg、0.316mmol、3mol%)、ヨウ化銅(70.7mg、0.371mmol、3.6mol%)を入れた。Tetrahydro−2−[4−(5−bromo−2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物8)(3.33g、10.4mmol)、トリメチルシリルアセチレン(TMSA)(1.46g、14.8mmol、1.4eq.)、トリエチルアミン(10mL)の混合溶液を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で22時間撹拌した。次いで溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)にかけた。得られた有機層をクロロホルムで2回抽出し、純水および飽和食塩水でこの順に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)による精製をさらに2回行って、褐色液体の化合物9(3.29g、9.79mmol、収率94%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.04 (d, 1H), 6.62 (d, 1H), 4.57 (t, 1H), 3.87-3.83 (m, 1H), 3.78-3.73 (m, 1H), 3.52-3.48 (m, 1H), 3.42-3.37 (m, 1H), 2.80 (t, 2H), 1.85-1.51 (m, 10H) 0.23 (s, 9H).

(合成例11)Tetrahydro−2−[4−(5−ethynyl−2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物10)の合成 下記のスキームに従って化合物9から化合物10を合成した。

2口ナスフラスコにTetrahydro−2−[4−(5−[2−(trimethylsilyl)ethynyl]−2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物9)(3.29g、9.79mmol)とテトラヒドロフラン(60mL)とを入れた。Tetrabutylammonium Fluoride(TBAF)(11.0mL、11.0mmol、1.1eq.)をアルゴンガス雰囲気下で滴下して加え、室温で1時間撹拌した。次いで減圧ろ過し、得られた有機層をクロロホルムで抽出して純水と飽和食塩水とでこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去して黒色液体を得た。得られた黒色液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により精製し、赤褐色液体の化合物10(2.21g、8.34mmol、収率85%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.09 (d, 1H), 6.65 (d, 1H), 4.57 (t, 1H), 3.88-3.83 (m, 1H), 3.79-3.74 (m, 1H), 3.52-3.48 (m, 1H), 3.43-3.38 (m, 1H), 3.29 (s, 1H), 2.82 (t, 2H), 1.85-1.51 (m, 10H).

(合成例12)5−Iodo−2,2’:5’,2”−terthiophene(化合物12)の合成 下記のスキームに従って化合物11から化合物12を合成した。

2口ナスフラスコに2,2’:5’,2”−Terthiophene(化合物11)(1.00g、4.03mmol)とN−Iodosuccinimide(NIS)(1.08g、4.81mmol、1.2eq.)とを入れ、脱水クロロホルム(8mL)と酢酸(8mL)とを加えた。アルゴンガス雰囲気下、室温で18時間半撹拌した後、純水で反応を停止させ、クロロホルムを加えた。得られた有機層を純水と飽和食塩水とでこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去して黄色固体を得た。得られた黄色固体をクロロホルムおよびヘキサンを用いて再結晶することにより精製し、黄色固体の化合物12(1.44g、3.86mmol、収率96%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm= 7.23 (dd, 1H), 7.17 (dd, 1H), 7.16 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.84 (d, 1H).

(合成例13)5−Bromo−5”−iodo−2,2’:5’,2”−terthiophene(化合物13)の合成 下記のスキームに従って化合物12から化合物13を合成した。

5−Iodo−2,2’:5’,2”−terthiophene(化合物12)(2.62g、7.00mmol)とN−Bromosuccinimide(NBS)(1.25g、7.02mmol、1eq.)とを2口ナスフラスコに入れた後、脱水クロロホルム(14mL)と酢酸(14mL)とを加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で19時間半撹拌した。次に、純水で反応を停止させてクロロホルムで抽出し、得られた有機層を純水と飽和食塩水とでこの順に洗浄した。洗浄した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去して黄色固体を得た。その後、クロロホルムおよびヘキサンを用いて再結晶を行うことにより、黄色針状結晶の化合物13(2.41g、5.33mmol、収率76%)を得た。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.16 (d, 1H), 7.01-6.99 (m, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.91 (d, 1H), 6.83 (d, 1H).

(合成例14)Tetrahydro−2−(4−{5−[2−(5”−bromo−2,2’:5’,2”−terthiophene)−5−ethynyl]−2−thienyl}butoxy)−2H−pyran(化合物14)の合成 下記のスキームに従って化合物10と化合物13を用いて化合物14を合成した。

2口ナスフラスコに5−Bromo−5”−iodo−2,2’:5’,2”−terthiophene(化合物13)(1.36g、3.01mmol)、PdCl2(PPh3)2(65.3mg、93.0mol、3.1mol%)、ヨウ化銅(21.6mg、0.113mmol、3.8mol%)、テトラヒドロフラン(60mL)を入れ、Tetrahydro−2−[4−(5−ethynyl−2−thienyl)butoxy]−2H−pyran(化合物10)(0.795g、3.01mmol、1eq.)とトリエチルアミン(120mL)との混合溶液を、アルゴンガス雰囲気下、氷浴中で滴下し、室温まで戻しながら3日間撹拌した。その後、溶媒を減圧留去し、ジクロロメタンを加えた。得られた有機層を純水と飽和食塩水とでこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去して、黒色固体を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)を2回行うことにより精製して、橙色固体の化合物14(0.929g、1.58mmol、収率52%)を得た。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.14 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.98 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.70 (d, 1H), 4.58 (t, 1H), 3.88-3.84 (m, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.53-3.49 (m, 1H), 3.44-3.40 (m, 1H), 2.85 (t, 2H), 1.85-1.51 (m, 10H).

(合成例15)Tetrahydro−2−(4−{5−[2−(5−{5”−[2−(5−butyl−2−thienyl)ethynyl]−2,2’:5’,2”−terthiophene}−yl)ethynyl]−2−thienyl}butoxy)−2H−pyran(化合物15)の合成 下記のスキームに従って化合物4と化合物14とを用いて化合物15を合成した。

2口ナスフラスコにTetrahydro−2−(4−{5−[2−(5”−bromo−2,2’:5’,2”−terthiophene)−5−ethynyl]−2−thienyl}butoxy)−2H−pyran(化合物14)(0.901g、1.53mmol)、PdCl2(PPh3)2(37.4mg、53.3mol、3.5mol%)、ヨウ化銅(11.3mg、59.3μmol、3.9mol%)を入れ、2−Butyl−5−ethynylthiophene(化合物4)(0.374g、2.28mmol、1.5eq.)とトリエチルアミン(90mL)との混合溶液を加えた。アルゴンガス雰囲気下、室温で23時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、ジクロロメタンを加えた。得られた有機層を純水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去して、黒色固体を得た。得られた黒色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)により精製して、橙色固体の化合物15(0.938g、1.39mmol、収率91%)を得た。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.14 (dd, 2H), 7.11 (d, 2H), 7.01 (s, 2H), 7.06 (d, 2H), 6.70 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 4.58 (t, 1H), 3.89-3.84 (m, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.53-3.49 (m, 1H), 3.44-3.40 (m, 1H), 2.85 (t, 2H), 2.81 (t, 2H), 1.86-1.50 (m, 12H), 0.94 (t, 3H).

(合成例16)5−[2−(5−{5”−[2−(5−Butyl−2−thienyl)ethynyl]−2,2’:5’,2”−terthiophene}−yl)ethynyl]−2−thiophenebutanol(化合物16)の合成 下記のスキームに従って化合物15から化合物16を合成した。

Tetrahydro−2−(4−{5−[2−(5−{5”−[2−(5−butyl−2−thienyl)ethynyl]−2,2’:5’,2”−terthiophene}−yl)ethynyl]−2−thienyl}butoxy)−2H−pyran(化合物15)(0.211g、0.313mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、エタノール(10mL)を加えた。60℃で加熱撹拌しながらPyridinium p−Toluenesulfonate(PPTS)(21.6g、86.0μmol、30mol%)を加え、3時間撹拌した。その後、得られた溶液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により精製し、橙色固体の化合物16(180mg、0.306mmol、収率98%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.14 (dd, 2H), 7.11 (d, 2H), 7.10 (s, 2H), 7.06 (d, 2H), 6.70 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 3.68 (q, 2H), 2.85 (t, 2H), 2.81 (t, 2H), 1.81-1.75 (quint, 2H), 1.69-1.62 (m, 4H), 1.43-1.36 (sext, 2H), 0.94 (t, 3H).

(合成例17)4−{5−[2−(5−{5”−[2−(5−Butyl−2−thienyl)ethynyl]−2,2’:5’,2”−terthiophene}−yl)ethynyl]−2−thienyl}butyl Methacrylate(化合物17)の合成 下記のスキームに従って化合物16から化合物17を合成した。

5−[2−(5−{5”−[2−(5−Butyl−2−thienyl)ethynyl]−2,2’:5’,2”−terthiophene}−yl)ethynyl]−2−thiophenebutanol(化合物16)(0.103g、0.174mmol)、トリエチルアミン(0.480mL、3.45mmol、20eq.)、テトラヒドロフラン(20mL)および重合禁止剤としてヒドロキノンを混合した溶液に塩化メタクリロイル(0.330mL、3.47mmol、20eq.)とテトラヒドロフラン(0.670mL)の混合溶液を氷冷下で滴下した。室温で4時間撹拌した後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に滴下して反応を停止させた。クロロホルムで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去して、橙色固体を得た。得られた橙色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により精製し、橙色固体の化合物17(97.2mg、0.148mmol、収率85%)を得た。1H NMRの測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.14 (dd, 2H), 7.11 (dd, 2H), 7.09 (s, 2H), 7.06 (d, 2H), 6.70 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 6.11 (s, 1H), 5.56 (s, 1H), 4.18 (t, 2H), 2.86 (t, 2H), 2.81 (t, 2H), 1.95 (s, 3H), 1.81-1.77 (m, 4H), 1.69-1.63 (quint, 2H), 1.44-1.36 (sext, 2H), 0.94 (t, 3H).

(実施例5)PEO−b−PTR5MAの合成 下記のスキームに従って化合物17とポリエチレンオキサイドとを用いてPEO−b−PTR5MAを合成することができる。

(実施例6) 実施例5の化合物を第1の化合物として、ITO層をパターニングしたガラス基板上にスピンコート法などにより塗布し、乾燥させ、薄膜を形成する。不活性ガス雰囲気下または真空中で熱処理を行ったのち、親水部を切断して除去する処理を行う。再度乾燥させ、第2の化合物を親水部を除去した後に生じた空隙に含浸させて光学活性層を形成し、光学活性層上に電極を形成することにより光電変換素子を製造する。製造される光電変換素子は優れた光電変換効率を示す。

(合成例18)化合物17のホモポリマーの合成 下記のスキームに従って化合物17のホモポリマーを合成した。

ナスフラスコに4−{5−[2−(5−{5”−[2−(5−Butyl−2−thienyl)ethynyl]−2,2’:5’,2”−terthiophene}−yl)ethynyl]−2−thienyl}butyl Methacrylate(化合物17)(75.0mg、0.114mmol)を入れ、2,2’−Azobis(isobutyronitrile)(AIBN)(0.75mg、4.6μmol、1wt%)とトルエン(0.75mL)との混合溶液を加えた。次にFreeze−pump−thaw cycleによる真空脱気を3回実施した後、封管して60℃で18時間撹拌した。重合溶液が入ったナスフラスコを氷浴につけて重合反応を停止させ、重合溶媒を除去して橙色固体(96.2mg)を得た。得られた黄色固体をクロロホルムに溶解させてメタノールに滴下し、固体を沈殿させて、固体を減圧ろ過により回収してアセトンで洗浄する操作を2回行った。得られた茶色固体を再びクロロホルムに溶解させてヘキサンに滴下して固体を沈殿させ、固体を減圧ろ過により回収した。得られた固体をデシケーターで乾燥させて紫色固体(18.3mg)を得た。1H NMR、分子量(Mn、Mw)の測定結果を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ/ppm = 7.13-6.82 (br, 8H), 6.67-6.61 (br, 2H), 3.96-3.93 (br, 2H), 2.85-2.67 (br, 4H), 1.68-1.59 (br, 6H), 1.41-1.33 (br, 2H), 1.25 (s), 0.97-0.84 (br, 3H).Mn=1.33×104、Mw=2.05×104、Mw/Mn=1.54

偏光顕微鏡を用いて化合物17のホモポリマーの液晶性を確認した。室温(25℃)においてネマチック相に特有のシュリーレンテクスチャーが観察でき、化合物17のホモポリマーが液晶状態であることが確認できた。化合物17のホモポリマーは200℃まで昇温しても液晶性を有していた。温度を200℃で維持したところ次第に像全体が暗くなり、10分後からは明るさが変化しなくなったため降温した。温度が下がるにつれて像は明るさを取り戻していき、室温でも液晶性を保ったままであった。結果として、化合物17のホモポリマーは25℃から200℃までの広い温度範囲でネマチック相を示すことがわかった。よって、化合物17のホモポリマーはその液晶性により、外力によりその配向性を制御することによってモルフォロジーを最適化するなどできるため、光電変換素子等の材料として好適に用いることができる。

(合成例19)ブロックコポリマー(PEO−b−PTR5MA)の合成 下記のスキームに従って化合物17を用いてブロックコポリマー(PEO−b−PTR5MA)を合成した。

10mLナスフラスコにα−(2−Bromo−2−methyl−1−oxopropyl)−ω−methoxy−poly(oxy−1,2−ethanediyl)(PEOBr、15.2mg、2.50μmol)、4−{5−[2−(5−{5”−[2−(5−Butyl−2−thienyl)ethynyl]−2,2’:5’,2”−terthiophene}−yl)ethynyl]−2−thienyl}butyl Methacrylate(化合物17、131.8mg、0.2mmol、80eq.)、Cu(I)Cl(1.2mg,12.1μmol,4.8eq.)を入れ、アルゴンガス置換した。次にHMTETA(3.4μL、12.5μmol、5eq.)、トルエン(0.5mL)を加えて凍結脱気を行い、60℃で24時間撹拌した。その後、重合を停止させて溶媒を留去し、目的物であるPEO−b−PTR5MAを得た。重合停止後に得た固体のGPC測定を行ったところ、Mn=1.93×104、Mw=2.33×104、Mw/Mn=1.21であった。

得られた薄膜についてAFM(Atomic Force Microscope)測定を実施した。AFM測定はAgilent Technologies 5500 AFM(探針:Olympus OMCL−AC160TS−C3(共振周波数:300kHz))を用い、大気中ACモード(ダイナミックモード)で測定した。走査範囲は500×500nm(256×256points)、走査速度1.0line/secとした。

結果を図2に示す。図2は、AFM像を示す写真図である。図2から明らかな通り、写真図において白っぽく示されている明部(有機半導体部位であるPTR5MA部位)と黒っぽく示されている暗部(絶縁性部位であるポリエチレンオキサイド部位:PEO部位)との相分離により、規則性の高いナノ構造が確認できた。

(実施例7)有機光電変換素子の作製例3 スパッタ法により150nmの厚さでITO膜を形成したガラス基板に対して、オゾンUV処理による表面処理を行い、次に、PEDOT:PSS(Heraeus社製AI4083)をスピンコート法により塗布し、200℃で10分間熱処理を行う。その上にPEO−b−PTR5MAの薄膜を実施例2の方法により形成し、得られた薄膜にC60フラーレンを5×10−4Pa以下の真空度で真空蒸着することにより、光学活性層を形成することができる。次いで金属電極を蒸着し、有機薄膜太陽電池を得ることができる。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーターを用いて一定の光量の光を照射すると、優れた光電変換特性を示す。

(実施例8)有機光電変換素子の作製例4 スパッタ法により150nmの厚さでITO膜を形成したガラス基板に対して、オゾンUV処理による表面処理を行い、次に、PEDOT:PSS(Heraeus社製AI4083)をスピンコート法により塗布し、200℃で10分間熱処理を行う。その上にPEO−b−PTR5MAの薄膜を実施例2の方法により形成し、得られた薄膜に低エネルギー電子線を照射し、架橋させ、その後、第2の化合物を含む溶液に浸漬することにより光学活性層を形成することができる。続いて5×10−4Pa以下の真空度で金属電極を真空蒸着し、有機薄膜太陽電池を得ることができる。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーターを用いて一定の光量の光を照射すると、優れた光電変換特性を示す。

(実施例9)有機発光素子の作製例1 実施例3記載の手法に準じて素子を作製し、電流を印加すると、優れた発光特性を示す。

(実施例10)有機発光素子の作製例2 実施例4記載の手法に準じて素子を作製し、電流を印加すると、優れた発光特性を示す。

(実施例11)有機発光素子の作製例3 実施例7記載の手法に準じて素子を作製し、電流を印加すると、優れた発光特性を示す。

(実施例12)有機発光素子の作製例4 実施例8記載の手法に準じて素子を作製し、電流を印加すると、優れた発光特性を示す。

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