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X-rays reflectivity measuring method

阅读:2发布:2021-09-17

专利汇可以提供X-rays reflectivity measuring method专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain measure X-ray reflectivity in a short time of about several seconds using an X-ray detector of which the upper limit counting rate is 10
7 cps or above, to obtain a reflectivity curve in a short time of about several seconds and to obtain a reflectivity curve of high precision in a large dynamic range.
SOLUTION: The X-ray detector, wherein the upper limit counting rate is 10
7 cps or above and a noise level is 20 cps or below, is used to set a measuring time per one point of a scattered angle 2θ to 50 milisecond or below to measure X-ray reflectivity. By this method the X-ray reflectivity can be measured in a short time of about several seconds and about five figures can be ensured in the dynamic range. Further, the X-ray detector, wherein the upper limit counting rate is 10
7 cps or above and the noise level is 0.01 cps or below, is used to set the maximum value of a measuring time per one point of a scattering angle 2θ is set to 100 sec to measure X-ray reflectivity. By this arrangement, a reflectivity curve can be obtained in a dynamic range of mine figures and the analysis of a thin film structure can be performed with high precision. In both cases, an avalanche photodiode can be used as the X-ray detector.
COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI,下面是X-rays reflectivity measuring method专利的具体信息内容。

  • 上限計数率が10の7乗cps以上でノイズレベルが計数率換算で20cps以下のX線検出器を用いて,散乱角2θの1点当たりの測定時間を50ミリ秒以下に設定してX線反射率を測定することを特徴とする,X線反射率の測定方法。
  • 上限計数率が10の7乗cps以上でノイズレベルが計数率換算で0.01cps以下のX線検出器を用いて,散乱角2θの1点当たりの測定時間の最大値を100秒以上に設定してX線反射率を測定することを特徴とする,X線反射率の測定方法。
  • 請求項1または2に記載のX線反射率の測定方法において,前記X線検出器としてアバランシェフォトダイオードを用いることを特徴とする,X線反射率の測定方法。
  • 说明书全文

    本発明は、上限計数率の大きなX線検出器を用いて短時間でX線反射率を測定する方法,及び,ノイズレベルの小さなX線検出器を用いて大きなダイナミックレンジでX線反射率を測定する方法に関する。

    薄膜のX線反射率を測定して,それに基づいて薄膜の特性(膜厚,密度,表面界面粗さなど)を解析することが知られている。 次の特許文献1はそのような技術を開示している。

    特開平10−38821号公報

    X線反射率曲線を求めるには,散乱2θを例えば0度から5度の範囲でスキャンして反射X線強度を測定する必要がある。 2θを0.01度刻みにして反射X線強度を測定すると仮定し,かつ,1回の反射X線強度の測定に1秒の時間をかけると仮定すると,0〜5度の範囲では500回の測定が必要であり,合計の測定所要時間は500秒となる。 このように,通常は,ひとつの反射率曲線を測定するのに,数分程度の時間がかかる。 X線検出器としては,例えば,比例計数管やシンチレーションカウンタを用いている。

    また,本発明は,X線検出器としてアバランシェフォトダイオード(以下,APDと略称する)を用いることに関連があるが,X線検出器としてAPDを用いたX線分析装置の例としては,例えば,次の特許文献2が知られている。

    特開2004−37360号公報

    この特許文献2は,蛍光X線ホログラフィーを検出するシステムにおいて,高いカウントレート(計数率)を有するAPDを用いることで,従来よりも短時間で測定を終わらせることができる。 この文献によれば,APDのカウントレートは10の6乗cps以上であるので,任意の一点でX線を検出するために必要な時間が1秒以下になり,多数の角度条件で蛍光X線の強度を測定する場合でも,全体の測定時間を2か月程度から数時間程度まで短縮することができる,としている。

    半導体デバイスの製造プロセスなどにおいて,1枚の基板上の多数の測定地点でX線反射率測定を実施して,各測定地点での薄膜の特性(膜厚など)を解析することが必要になる場合がある。 その場合に,ひとつの測定地点での測定所要時間が数分かかるとすると,10箇所の測定をするには数十分の時間が必要である。 もし,ひとつの測定地点での所要時間を数秒程度まで短縮できれば,10箇所で測定しても,数十秒程度で済み,きわめて短時間で測定が完了する。 そのような短時間測定が望まれている。

    一方,X線分析の技術分野において,上述の特許文献2に示すように,計数率の高いAPDを用いることで測定時間を短縮できることは知られている。 しかし,特許文献2は,非常に微弱な蛍光X線ホログラムの信号を検出するという特殊な用途に関するものであり,通常ならば2か月程度の長時間がかかる測定を,APDを用いて数時間程度に短縮するものである。 蛍光X線ホログラムでは,APDを利用したとしても,ひとつのX線強度の測定に1秒程度の時間を要している。 これに対して,X線反射率測定のような,通常は数分間程度で終了する測定では,ひとつの散乱角2θでのX線強度測定は,もともと,1秒程度の短時間で終了する。 これをさらに短時間で測定しようとする試みはこれまでに知られていない。 また,X線反射率測定はダイナミックレンジが5桁程度,あるいは,それ以上になることもまれではないから,上限計数率が10の6乗以下の従来の比例計数管やシンチレーションカウンタを用いる場合には,測定途中で吸収板を入れたり外したりすることが必要となり,このような作業も,測定時間を短縮する場合の障害になっている。

    一方,時間がかかってもよいから,大きなダイナミックレンジで高精度のX線反射率曲線を測定したいという要望もある。 従来の測定方法では,X線検出器として比例計数管やシンチレーションカウンタを用いているが,X線検出器固有のノイズレベルのために,微弱なX線強度を測定することができず,大きなダイナミックレンジでの反射率測定ができなかった。

    本発明の目的は,数秒程度の短時間で測定が完了するようなX線反射率の測定方法を提供することにある。 また,本発明の別の目的は,大きなダイナミックレンジで高精度の反射率曲線を得られるようなX線反射率の測定方法を提供することにある。

    本発明は,高い上限計数率を有するX線検出器を用いてX線反射率を測定することに特徴がある。 第1発明は,そのうちで,1点当たりの測定時間をきわめて短時間にしても所望のダイナミックレンジを確保できる点に特徴があり,第2発明は,ノイズレベルがきわめて低いX線検出器を用いることで,1点当たりの測定時間に十分な時間をかければ,きわめて大きなダイナミックレンジでX線反射率曲線のデータが得られる点に特徴がある。

    第1発明に係るX線反射率の測定方法は,上限計数率が10の7乗cps以上でノイズレベルが計数率換算で20cps以下のX線検出器を用いて,散乱角2θの1点当たりの測定時間を50ミリ秒以下に設定してX線反射率を測定することを特徴としている。 このような特性を備えるX線検出器としてはAPDを用いることができる。 なお,計数率の単位のcpsは,毎秒カウント数である。

    X線反射率の測定データは,散乱角2θに依存して反射率が大きく変化し,測定データのダイナミックレンジは5桁程度あるいはそれ以上になることがまれではない。 そのようなX線反射率をきわめて短時間(例えば,数秒程度)で測定するためには,測定途中において吸収板を挿入したり外したりする作業をせずに,2θのスキャンだけで一気に測定データが得られるようにすることが重要である。 そのためには,大きなダイナミックレンジで測定できることが必要であり,それには,上限計数率が10の7乗cpsを超えるX線検出器が必要である。 散乱角2θの任意の1点での測定時間が例えば10ミリ秒であると仮定すると,その測定時間中に1カウントのX線光子を検出するためには,1カウント÷0.01秒=100cpsを超える強度のX線がX線検出器に入射する必要がある。 すなわち,10ミリ秒の測定時間では,100cps以下の強度のX線は検出不能であり,この100cpsが,10ミリ秒の測定時間における下限計数率となる。 X線検出器の上限計数率が10の7乗cps以上であれば,10ミリ秒というきわめて短い測定時間であっても,ダイナミックレンジ(下限計数率に対する上限計数率の比)は,10の7乗cps÷100cps=10の5乗,すなわち5桁,を確保できる。 上限計数率がもし10の8乗cpsであればダイナミックレンジは6桁になり,上限計数率が10の9乗cpsであればダイナミックレンジは7桁になる。

    一方,X線検出器の固有のノイズレベルが,もし100cps以上あると仮定すると,10ミリ秒の測定時間のときの下限計数率である100cpsは,ノイズレベルに隠れて検出不能になる。 したがって,10ミリ秒の測定時間で,有効なX線検出を可能にするには,X線検出器のノイズレベルが100cps以下である必要がある。

    上述の第1発明は,1点当たりの測定時間を短縮することに主眼があり,1点当たりの測定時間を50ミリ秒以下に設定している。 こうすれば,散乱角2θを例えば0.01度刻みで測定しても,1度当たり5秒の測定時間で済む。 0.02度刻みで測定すれば,1度当たり2.5秒の測定時間で済む。 後者の場合,散乱角2θの測定範囲を0〜3度にして反射率曲線を測定するのに,その測定時間は7.5秒で足りる。

    1点当たりの測定時間を50ミリ秒に設定した場合,下限計数率は20cpsとなる。 すなわち,20cps以下のX線強度は検出不能である。 したがって,X線検出器の固有のノイズレベルは20cps以下であれば問題はない。 一方,X線検出器の上限計数率は10の7乗cps以上であるから,測定可能なダイナミックレンジは,10の7乗÷20=5×10の5乗となる。 1点当たりの測定時間を10ミリ秒まで短縮したと仮定すると,下限計数率は100cpsと上昇するが,それでも,測定可能なダイナミックレンジは5桁を確保できる。

    所望のダイナミックレンジを確保して,かつ,測定時間を短縮するためには,1点当たりの測定時間は1〜50ミリ秒に設定するのが適当であり,好ましくは,5〜20ミリ秒に設定する。

    第2発明に係るX線反射率の測定方法は,上限計数率が10の7乗cps以上でノイズレベルが計数率換算で0.01cps以下のX線検出器を用いて,散乱角2θの1点当たりの測定時間の最大値を100秒以上に設定してX線反射率を測定することを特徴としている。 ひとつの反射率曲線を測定する場合に,散乱角2θがどの値でも,1点当たりの測定時間を一定にするのであれば,その測定時間が,1点当たりの測定時間の最大値に該当し,第2発明では,これを100秒以上に設定する。 一方,散乱角2θに応じて,1点当たりの測定時間を変える場合には,その最大値を100秒以上に設定する。 散乱角2θが大きくなるにつれて反射X線強度は低下していくので,1点当たりの測定時間を変える場合には,散乱角2θの一番大きいところで,1点当たりの測定時間を最大にする。 この第2発明においても,X線検出器としてAPDを用いることができる。

    上述の第2発明は,大きなダイナミックレンジでX線反射率曲線を得ることを主眼とするものであり,そのために,上限計数率が10の7乗cps以上でノイズレベルが計数率換算で0.01cps以下のX線検出器を用いている。 この場合,下限計数率として,ノイズレベルのところまで測定できると仮定すれば,ダイナミックレンジは10の9乗以上になる。 ただし,1点当たりの測定時間によって下限計数率が定まってしまうので,上述の低いノイズレベルを最大限に生かすためには,そのノイズレベルより低いところまで下限計数率を下げることが大切である。 そのためには,1点あたりの測定時間を,ノイズレベルの逆数以上にすればよい。 こうすることで,低いノイズレベルを十分に生かした,ダイナミックレンジのきわめて大きな反射率測定が可能になる。 1点当たりの測定時間は,ノイズレベルと同等の下限計数率となるような時間であれば足り,それより長くしても,特に利点はない。 ノイズレベルが0.01cpsのX線検出器を使う場合には,1点当たりの測定時間は,100秒以上でよい。 ただし,ノイズレベルよりもかなり上の反射X線強度を測定する場合は,1点当たりの測定時間は,100秒より短くしてもノイズレベルに邪魔をされることがない。 したがって,上述の100秒以上というのは,ノイズレベル付近の小さな反射X線強度を測定するときに意味がある。 そこで,第2発明では,1点当たりの測定時間の「最大値」を100秒以上としている。 この最大値は,ひとつの反射率曲線を測定するときの散乱角2θの範囲のうちの一番大きいところで採用する値である。

    第1発明によれば,数秒程度の短時間でX線反射率を測定することができる。 したがって,基板上の多数の測定地点でX線反射率測定を実施する場合には,全体の所要時間を格段に少なくできる効果がある。 また,第2発明によれば,10の9乗以上のきわめて大きなダイナミックレンジでX線反射率が測定でき,高精度の薄膜構造解析が可能になる。

    以下,図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。 図1は,本発明のX線反射率測定方法の光学系の配置を説明する説明図である。 図1(A)において,X線検出器としてはAPD10を用いている。 試料12の表面に対して小さな入射角θでX線14を入射し,試料12の表面で反射するX線16を,試料12の表面に対して出射角θのところにある受光スリット18とAPD10で検出している。 以下,受光スリット18とAPD10をあわせて受光系と呼ぶことにする。 入射X線14に対する反射X線16のなす角度が散乱角2θである。 散乱角2θをスキャンするには,試料10をゴニオメータ中心20の周りにθ回転させるとともに,受光系をゴニオメータ中心20の周りに2θ回転させる。

    図1(B)は散乱角2θのスキャン方法の別の例である。 図1(A)では,入射X線14を空間に対して固定していたが,図1(B)では試料12を空間に対して固定する。 この場合は,散乱角2θをスキャンするには,入射X線14(すなわちX線源)をゴニオメータ中心20の周りに時計方向にθ回転させ,受光系はゴニオメータ中心20の周りに反時計方向にθ回転させる。

    本発明のX線反射率測定方法は,図1(A)(B)のどちらのスキャン方法を用いることもできる。 第1発明は,スキャン速度が通常のX線反射率測定よりも高速であることに特徴がある。 例えば,2θを0.02度刻みにして,1点当たり20ミリ秒の測定時間で反射X線強度を測定する場合は,2θを0度から5度までスキャンするのに所要時間は5秒で済む。 このとき,図1(A)のスキャン方法の場合は,試料12のθ回転を0.01度刻みにし,一方,受光系の2θ回転を0.02度刻みにする。 図1(B)のスキャン方法の場合は,入射X線14の時計方向のθ回転を0.01度刻みにし,一方,受光系は反時計方向のθ回転を0.01度刻みにする。 2θのスキャンについては,連続スキャン(X線強度の測定期間中も2θが連続的に変化する)でも,ステップスキャン(X線強度の測定期間中は2θは変化しない)でも可能であるが,第1発明の場合は,短時間測定を特徴としているので,連続スキャンを採用するのが好ましい。

    次に,X線検出器の計数率と,測定時のダイナミックレンジについて説明する。 図2はX線検出器に入射するX線強度(単位はcps)と,X線検出器の出である計数率(単位はcps)との関係を模式的に示したグラフである。 入射X線の強度が非常に大きくなると計数率が飽和することになる。 その飽和計数率が測定可能な上限計数率である。 図2で上限値と表示したものであり,この例は,10の7乗cpsである。 一方,入射X線強度が非常に小さくなると測定が不能になるが,その下限を決めるものとして二つの要因がある。 第1の要因は,1点当たりの測定時間であり,第2の要因は,X線検出器のノイズレベルである。 まず,第1の要因について説明すると,1点当たりの測定時間が例えば10ミリ秒と非常に短い場合,最低1個のX線光子を計数するためには,1カウント÷10ミリ秒=100cpsのX線強度が必要になる。 これよりもX線強度が低くなると,測定時間中に1個のX線光子をカウントするか,1個もX線光子をカウントしないか,のどちらかであって,どちらの場合も,実際のX線強度がいくらであるのか,判定不能である。 したがって,検出器としては,100cps以下の測定結果は得られないことになり,その意味で,この測定限界を,図2において10ミリ秒の平線で表している。 このときの計数率の下限値は100cpsとなる。 同様に,1点当たりの測定時間が100ミリ秒のときは,下限計数率は10cpsであり,1点当たりの測定時間が1000ミリ秒(1秒)のときは,下限計数率は1cpsとなる。

    次に,第2の要因について説明する。 X線検出器には固有のノイズレベルがあり,それよりも低い入射X線強度は,ノイズレベルに隠れて検出できない。 図2のグラフは,ノイズレベルが約1cpsの例であり,これよりも低い入射X線強度は検出できない。 結局,ノイズレベルに相当する計数率と,1点当たりの測定時間で決まる下限計数率のうちの大きいほうが,その測定における下限計数率となる。 図2のグラフで言うと,1点当たりの測定時間が1000ミリ秒以下の場合は,1点当たりの測定時間によって定まる下限計数率が,その測定における下限計数率となる。 逆に,1点当たりの測定時間が1000ミリ秒を超えると,ノイズレベルのところが下限計数率となり,下限計数率は測定時間には依存しなくなる。 図2の実線のグラフは,1点当たりの測定時間が10ミリ秒のときの計数率のグラフである。 このとき,上限値は10の7乗cps,下限値は100cpsであって,測定可能なダイナミックレンジは5桁を確保できている。

    図3のグラフは,ノイズレベルが約0.01cpsと非常に低いX線検出器を使った場合の,図2と同様のグラフである。 この場合は,1点当たりの測定時間をかなり長くしていっても,それによる下限計数率がノイズレベルを下回ることはない。 図3のグラフの実線は,1点当たりの測定時間が100秒以上のときの計数率のグラフである。 1点当たりの測定時間が100秒になると,それによる下限計数率は0.01cpsとなり,ここでやっとノイズレベルとほぼ同等になる。 このように,ノイズレベルの低いX線検出器を使うと,1点当たりの測定時間を長くすることで下限計数率を非常に低い値まで下げることができ,それによってダイナミックレンジを非常に大きくすることができる。 図3の例では,上限計数率が10の7乗cpsで,下限計数率が0.01cpsなので,測定可能なダイナミックレンジは10の9乗となる。

    実施例で使用したAPDは,上限計数率が10の8乗cpsであり,かつ,ノイズレベルが0.002cpsである。 したがって,このAPDを使用して,1点当たりの測定時間を短くして,反射率測定の所要時間を数秒程度に短縮することもできるし,1点当たりの測定時間を長くして,非常に大きなダイナミックレンジで反射率曲線を測定することもできる。

    次に,入射X線について説明する。 本発明は,上限計数率が10の7乗cps以上のX線検出器を用いるものであって,この上限計数率を生かすには,強度の高い入射X線を用いる必要がある。 そこで図1における入射X線14としては,多層膜ミラーを用いて得られる強度の高いX線ビームを用いている。 図4は実施例で使用する多層膜ミラーの斜視図である。 この多層膜ミラー22は,人工多層膜で形成された放物面形状の第1の反射面24を有する第1のミラーと,人工多層膜で形成された放物面形状の第2の反射面26を有する第2のミラーとを,その側縁のところで約90度の角度をもって互いに接合したものであり,いわゆるサイド・バイ・サイド(side-by-side)の構造の多層膜ミラーである。 この多層膜ミラー22を使うことで,X線管のX線焦点28から出射されたX線ビーム(発散していくビームである)を,XY平面内においても,YZ平面内においても,平行化することができる。 最初に第1の反射面24で反射したX線は,さらに,第2の反射面26で反射して出て行く。 一方,最初に第2の反射面26で反射したX線は,さらに,第1の反射面24で反射して出て行く。 第1の反射面24はXY平面内でX線を平行化するものであり,第2の反射面26はYZ平面内でX線を平行化するものである。 X線焦点28から発散するX線ビームを放物面で集めて平行化しているので,輝度の高い平行ビームが得られる。 この多層膜ミラー22を入射光学系内に配置するときは,図3のXY平面が図1の紙面に平行になるように配置する。 この多層膜ミラー22とマイクロフォーカスX線源を用いると,試料に入射する直前の入射X線のビーム断面形状は,例えば,1mm×0.1mmになる。 XY平面及びYZ平面におけるX線ビームの発散角は0.03度以下である。

    次に,多層膜ミラーの別の例を説明する。 図5の多層膜ミラー22aは,二つの反射面24a,26aを楕円弧面形状としている。 こうすると,XY平面内とYZ平面内において,X線は試料表面上で集束するような集束ビームとなる。 図5の多層膜ミラーの方が,図4の多層膜ミラーよりも,発散角は大きくなるが入射X線強度がかせげる。 この多層膜ミラー22aとマイクロフォーカスX線源を用いると,試料に入射する直前の入射X線のビーム断面形状は,例えば,0.05mm×0.05mmになる。 このとき,多層膜ミラーの全体を使うと仮定すると,発散角は1度程度と大きくなるが,XY平面内でのビームの平行化を図るためにスリットで発散角を規制すると,発散角を0.05度程度にして反射率を測定することができる。

    次に,具体的な測定例を説明する。 図6はSi基板上に形成したTa 酸化タンタル)薄膜を図1の方法で測定したときのX線反射率のグラフである。 横軸は散乱角2θであり,縦軸は反射X線強度をカウント数で示したものである。 測定時間の異なる4種類の反射率曲線を示しているが,もし縦軸を計数率(単位はcps)で示したとすれば,4種類のグラフは互いにほぼ重なるものである。 カウント数で示しているので,測定時間が短くなるほど(測定1から測定4にいくほど),カウント数で示した反射X線強度の値は小さくなっている。

    測定1は,2θを0.01度刻みにして,1点当たり500ミリ秒の測定時間で測定したものである。 したがって,2θのスキャン速度は毎秒0.02度である。 測定2は,0.01度刻みで,100ミリ秒の測定時間であり,スキャン速度は毎秒0.01度である。 測定3は,0.02度刻みで,50ミリ秒の測定時間であり,スキャン速度は毎秒0.4度である。 測定4は,0.02度刻みで,20ミリ秒の測定時間であり,スキャン速度は毎秒1度である。 これらの数値を,図7の表1にまとめて示す。 2θの1度当たりの所要時間は,測定1で50秒,測定2で10秒,測定3で2.5秒,測定4で1秒である。 散乱角2θの測定範囲を0〜5度と仮定すると,その所要時間は,測定1で250秒,測定2で50秒,測定3で12.5秒,測定4で5秒である。 本願の第1発明は,散乱角2θの1点当たりの測定時間を50ミリ秒以下に設定することを特徴としているので,測定3と測定4が第1発明の実施例に相当する。 測定1と測定2は比較例である。 図6のグラフにおいて,測定1と測定2では,2θが0〜4度の範囲において,4番目までの干渉縞がきれいに現れている。 測定3は4番目の干渉縞に多少のノイズが重なっているが,この4番目の干渉縞まで明瞭なデータが取れている。 測定4は,3番目の干渉縞に多少のノイズが重なっているが,この3番目の干渉縞まで明瞭なデータが取れている。 このような明瞭なデータが得られれば,測定3や測定4の反射率曲線を用いて薄膜の特性を解析することが可能である。 測定4においてもダイナミックレンジは5桁程度確保できている。

    次に,別の測定例を説明する。 図8はSi基板上に形成したTiN(窒化チタン)薄膜を図1の方法で測定したときのX線反射率のグラフである。 横軸は散乱角2θであり,縦軸は反射X線強度をカウント数で示したものである。 測定時間の異なる4種類の反射率曲線を示しているが,図6と同様に,もし縦軸を計数率(単位はcps)で示したとすれば,4種類のグラフは互いにほぼ重なるものである。

    測定1は,2θを0.01度刻みにして,1点当たり1000ミリ秒の測定時間で測定したものである。 したがって,2θのスキャン速度は毎秒0.01度である。 測定2は,0.01度刻みで,50ミリ秒の測定時間であり,スキャン速度は毎秒0.2度である。 測定3は,0.01度刻みで,20ミリ秒の測定時間であり,スキャン速度は毎秒0.5度である。 測定4は,0.01度刻みで,10ミリ秒の測定時間であり,スキャン速度は毎秒1度である。 これらの数値を,図7の表2にまとめて示す。 2θの1度当たりの所要時間は,測定1で100秒,測定2で5秒,測定3で2秒,測定4で1秒である。 散乱角2θの測定範囲を0〜3度と仮定すると,その所要時間は,測定1で300秒,測定2で15秒,測定3で6秒,測定4で3秒である。 本願の第1発明は,散乱角2θの1点当たりの測定時間を50ミリ秒以下に設定することを特徴としているので,測定2〜測定4が本発明の実施例に相当し,測定1のデータは比較例である。 測定1〜3では,2θが2度付近まで,干渉縞の振動曲線がきれいに取れている。 測定4は,2θが1.5度付近まで,干渉縞の振動曲線がきれいに取れている。 このような明瞭なデータが得られれば,これらの反射率曲線を用いて,薄膜の特性を解析することが可能である。 測定4においてもダイナミックレンジは4桁程度確保できている。

    図9の表3は,図6と図8の測定データのそれぞれについて,測定1(低速スキャン)と測定4(高速スキャン)のデータを用いて得られた解析結果を比較したものである。 図6のTa 薄膜の測定データでは,測定1の反射率曲線から求めた膜厚は9.54nm,表面粗さは0.63nm,界面粗さ(Ta 薄膜とSi基板との界面の粗さ)は0.29nmであった。 これに対して,測定4の反射率曲線から求めた膜厚は9.56nm,表面粗さは0.73nm,界面粗さは0.39nmであった。 膜厚の数値を比較してみると,測定1と測定4で,解析結果はきわめて良く一致している。 表面粗さと界面粗さについてもそれほど大きな違いはない。 したがって,測定4のような高速測定で得られた反射率曲線を用いても,薄膜の解析結果に信頼性があることが確認できた。

    また,図8のTiN薄膜の測定データでは,測定1の反射率曲線から求めた膜厚は4.935nm,表面粗さは2.06nm,界面粗さは0.55nmであった。 これに対して,測定4の反射率曲線から求めた膜厚は4.904nm,表面粗さは2.04nm,界面粗さは0.55nmであった。 このTiN薄膜の例では,膜厚,表面粗さ及び界面粗さのいずれもが,測定1と測定4で解析結果はきわめて良く一致しており,やはり,測定4のような高速測定で得られた反射率曲線を用いても,薄膜の解析結果に信頼性があることが確認できた。

    次に,本願の第2発明の実施例を説明する。 図10は,X線検出器としてAPDを用いて,十分な時間をかけてX線反射率を測定したグラフである。 試料はSi基板上に形成したTa (酸化タンタル)薄膜(厚さは10nm)である。 横軸は散乱角2θ,縦軸は反射率(入射X線強度に対する反射X線強度の比率)である。 2θが0〜6度までは,2θを0.02度刻みにして,1点当たりの測定時間を10秒に設定している。 2θが8〜14度までは,2θを0.02度刻みにして,1点当たりの測定時間を100秒に設定している。 0〜6度までの所要時間は3000秒であり,6〜14度までは40000秒である。 合計時間は43000秒=約12時間である。 2θの小さい領域では,反射X線強度が大きいので,1点当たりの測定時間を短くしても,その測定時間で定まる下限計数率よりもX線強度が大きくなるので,測定に支障はない。 2θの大きい領域では,反射X線強度が小さくなるので,1点当たりの測定時間を長くすることで,測定時間で定まる下限計数率を下げている。 この実施例では,ひとつの反射率曲線を得るために,1点当たりの測定時間について10秒と100秒の2種類を使い分けており,1点当たりの測定時間の最大値は100秒である。 この最大値を十分に長くしているので,低いノイズレベルを生かした,ダイナミックレンジの大きな測定が可能になっている。

    図10のグラフから明らかなように,1点当たりの測定時間に十分な時間をかけると,APDの能力が最大限に発揮されて,干渉縞の周期的なパターンは,反射率が10のマイナス8乗以下のところまで明瞭に現れている。 このときのダイナミックレンジは,少なくとも10の9乗は確保できていることが分かる。

    本発明のX線反射率測定方法の光学系の配置を説明する説明図である。

    X線検出器のダイナミックレンジを説明するグラフである。

    X線検出器のダイナミックレンジを説明する別のグラフである。

    多層膜ミラーの斜視図である。

    多層膜ミラーの別の例の斜視図である。

    Ta

    薄膜のX線反射率のグラフである。

    図6と図8の測定におけるスキャン条件の一覧表である。

    TiN薄膜のX線反射率のグラフである。

    低速スキャンと高速スキャンの測定データをもとにした解析結果を比較した表である。

    APDを用いて十分な時間をかけてX線反射率を測定したグラフである。

    符号の説明

    10 APD
    12 試料 14 入射X線 16 反射X線 18 受光スリット 20 ゴニオメータ中心 22 多層膜ミラー 24 第1の反射面 26 第2の反射面 28 X線焦点

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