专利汇可以提供Phthalocyanine crystal, its production, and electrophotographic photosensitive member containing the same专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain the subject crystal which can make a high-sensitivity electrophotographic photosensitive member by producing the pigment incorporated with an organic acceptor compound.
SOLUTION: This crystal is obtained by incorporating an organic acceptor compound in the pigment while it is being produced, wherein the compound has a reduction potential of -1.5 to -0.5 V with respect to the reference electrode (Ag+/Ag) and preferably has a solubility of less than 10 wt.% in the coating solution for the photosensitive layer. The reduction potential is measured by cyclic voltammetry under the conditions of working electrode: glassy carbon, counter electrode: platinum, reference electrode: silver/silver nitrate (0.1 mol/l AgNO3-acetonitrile solution); and electrolyte: tetra-n-butyl ammonium perchlorate (0.1 mol), substance to be measured: acceptor compound (0.001 mol) and solvent: dichloromethane (1L) for the sample solution. The acceptor compound preferably contains, e.g. a compound shown by the formula [R1 to R4 are each H, a halogen, (substituted) alkyl or the like].
COPYRIGHT: (C)2001,JPO,下面是Phthalocyanine crystal, its production, and electrophotographic photosensitive member containing the same专利的具体信息内容。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な製造方法により合成されたフタロシニン結晶及びその製造方法、及びこれを含有した高感度な電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノンインパクトプリンタ技術の発展に伴い、レーザ光やLEDを光源とする高画質・高速化の可能な電子写真方式の光プリンタが広く普及しつつあり、それらの要求に耐える感光体開発が盛んである。
【0003】なかでも有機感光体は、従来の無機感光体に比較して製造が容易であり、感光体材料の選択肢が多様で、機能設計の自由度が高いという利点を有することから広範に使用されてきている。
【0004】有機感光体には、電荷輸送剤を電荷発生剤とともに同一の感光層中に分散させた単層型感光体と、
電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とを積層した機能分離型の積層型感光体とがある。
【0005】レーザを光源とする場合、小型・安価・簡便さ等の点から、多くは半導体レーザが使用されるが、
現在半導体レーザの発振波長は750nm以上であり、
赤外領域に限定されている。 従って、少なくとも750
〜850nmの波長領域に感度を有する有機感光体が必要である。
【0006】前記要求を満たす、有機感光体に使用される電荷発生剤として、例えば、多環キノン顔料、ピリリウム染料、スクエアリウム顔料、フタロシアニン顔料、
アゾ顔料等が、提案または実用化されてきた。
【0007】上記電荷発生剤の中でも、現在最も一般的に使用されているフタロシニン顔料には、中心金属を有さないメタルフリーフタロシニンと、中心金属を有する金属フタロシアニンとがあり、またα型、β型、γ型等、種々の結晶型のものがある。 中心金属の有無・種類、結晶型等は、安定性、吸収スペクトル、感光体の帯電・感度に大きな影響を及ぼす。
【0008】このようなフタロシアニンを使用した感光体の更なる高感度化方法として、感光層中に有機アクセプター性化合物を添加する方法が検討されている。 例えば、特開平7−104495には、積層型感光体の電荷発生層中に有機アクセプター性化合物を含有させる方法が、特開平6−123984には、単層型感光体の結着剤中に有機アクセプター性化合物を添加する方法が記載されている。
【0009】しかしながら、前記方法はいずれも感光体製造段階において有機アクセプター性化合物を添加する方法、すなわち感光層塗布液作製段階において有機アクセプター性化合物を添加する方法であり、例えば高速の画像形成装置においては、感光体の光感度が十分でないという問題があり、一層の光感度向上が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規な製造方法により合成されたフタロシニン結晶、及びこれを含有した極めて高感度な電子写真感光体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有機アクセプター性化合物を、単に感光層中に添加するのではなく、顔料化工程時に有機アクセプター性化合物を添加して製造したフタロシアニン結晶を電荷発生剤として含有する感光体が極めて高感度であることを見出した。
【0012】
【0013】[作用]本発明によると、有機アクセプター性化合物を、単に感光層中に添加するのではなく、顔料化工程時に有機アクセプター性化合物を添加して製造したフタロシアニン結晶を電荷発生剤として含有する感光体が極めて高感度を示す。 この理由は以下のように推測される。
【0014】顔料化工程時に有機アクセプター性化合物を添加して製造したフタロシアニン結晶においては、フタロシアニン分子と有機アクセプター性化合物分子が分子状態で会合し、そのまま結晶化されるため、感光層中における両分子の分子間距離が非常に小さく、また両分子が会合した状態で均一分散される。 すなわち、フタロシアニン結晶中に有機アクセプター性化合物が含有された形態となる。 このため、フタロシニン中で発生した電荷の授受が極めてスムーズに行われるため、感光体が極めて高感度を示すと考えられる。
【0015】これに対して、単に感光層塗布液作製段階に有機アクセプター性化合物を添加する方法では、感光層中におけるフタロシアニン分子と有機アクセプター性化合物分子の分子間距離が比較的長く、また有機アクセプター性化合物分子の結晶化や分散不良が発生し、電荷の授受もスムーズでない。
【0016】請求項1記載のように、前記有機アクセプター性化合物の、参照電極(Ag + /Ag)に対する還元電位は−1.5V以上、−0.5V以下である必要がある。 有機アクセプター性化合物の還元電位が−1.5
V未満の場合は、アクセプター性が弱すぎるため感光体は高感度を示さない。 −0.5Vより大きい場合は、フタロシアニンと有機アクセプター性化合物間での錯体形成による熱キャリア増加のため、感光体の帯電性、感度が極めて悪化する。
【0017】なお、有機アクセプター性化合物の還元電位はサイクリックボルタンメトリー測定により求めた。
測定条件を以下に示す。
【0018】・ 作用電極:グラッシーカーボン ・ 対極:白金 ・ 参照電極:銀/硝酸銀(0.1mol/lAgNO 3
−アセトニトリル溶液) ・ 試料溶液 電解質:過塩素酸テトラ-n-ブチルアンモニウム(0.
1mol) 測定物質:アクセプター化合物(0.001mol) 溶剤:ジクロロメタン(1L)
【0019】請求項2記載のように、前記有機アクセプター性化合物の感光層塗布溶媒に対する溶解度は10w
t%未満であることが特に好ましい。 溶解度が10wt
%以上であると、感光層塗布液中において、フタロシニン分子と会合していた有機アクセプター性化合物分子が溶媒中に拡散し易くなり、感光体の増感効果が極めて低下する。
【0020】[電子写真感光体]本発明の電子写真感光体は、顔料化工程時に有機アクセプター性化合物を添加して製造した新規なフタロシアニン結晶を電荷発生剤として含有する限り、任意の感光体であってよく、電荷発生剤と電荷輸送剤とを単一感光層中に含有する単層型感光体であってもよく、また電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型感光体であってもよい。
【0021】以下、本発明の電子写真感光体の構成材料について詳細に説明する。
【0022】<電荷発生剤>本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤は、少なくとも、顔料化工程時に、参照電極(Ag + /Ag)に対する還元電位が−
1.5V以上、−0.5V以下の有機アクセプター性化合物を添加して製造したフタロシアニン結晶を含有していればよく、単独で使用し得ると共に、他の電荷発生剤と二種類以上をブレンドして使用することができる。
【0023】前記フタロシニン結晶としては、例えば、
メタルフリーフタロシニン(CGM−1)、アルミニウムフタロシアニン、バナジウムフタロシニン、カドミウムフタロシアニン、アンチモンフタロシニン、クロムフタロシニン、銅4−フタロシニン、ゲルマニウムフタロシニン、鉄フタロシニン、クロロアルミニウムフタロシニン、チタニルフタロシニン(CGM−2)、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシニン、マグネシウムフタロシニン、ジアルキルフタロシニン、テトラメチルフタロシニン、テトラフェニルフタロシニン等が挙げられる。 また結晶型も、例えば、α型、
β型、γ型、δ型、ε型、σ型、x型、τ型等のものが何れも使用可能である。
【0024】(CGM−1)
【化5】
【0025】(CGM−2)
【化6】
【0026】本発明のフタロシアニン結晶とブレンドして使用できる他の電荷発生剤としては、従来から感光層に使用されている種々の電荷発生剤を使用することができる。
【0027】例えば、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、多環キノン顔料、ピリリウム染料、スクエアリウム顔料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、アンサンスロン顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。
【0028】有機アクセプター性化合物としては、請求項1、2記載のように参照電極(Ag + /Ag)に対する還元電位が−1.5V以上、−0.5V以下で、感光層塗布溶媒に対する溶解度が10wt%未満の化合物が使用される。
【0029】更に、請求項3、4、5、6記載のように、特定のキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が特に好適に使用される。
【0030】これらの有機アクセプター性化合物は、単独で使用し得ると共に、他の有機アクセプター性化合物と二種類以上をブレンドして使用することができる。 以下に、有機アクセプター性化合物の具体例を示す。 また、還元電位の値と、実施例で使用した感光層塗布溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)に対する溶解度も同時に示した。
【0031】(AC−1)還元電位:−0.95V 溶解度:3wt%(THF)
【化7】
【0032】(AC−2)還元電位:−0.85V 溶解度:3wt%(THF)
【化8】
【0033】(AC−3)還元電位:−0.85V 溶解度:1wt%(THF)
【化9】
【0034】(AC−4)還元電位:−1.28V 溶解度:3wt%(THF)
【化10】
【0035】本発明のフタロシアニン結晶は、顔料化工程時に前記有機アクセプター性化合物を添加することにより製造されることを特徴とする。
【0036】前記顔料化工程とは、例えば、フタロシニンと有機アクセプター性化合物が共に溶解する溶媒(トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のトリハロ酢酸、トリハロ酢酸/ジクロロメタン混合溶媒、硫酸、等)中に、20〜50℃の温度にて溶解させ、この溶液を水/
メタノールの混合溶媒等に滴下させて結晶を析出させる工程を示す。
【0037】次いで、得られた結晶は、前記溶解溶媒と親和性のある溶媒(メタノール等)にて洗浄し、最終的には、不純物(酸・アルカリ等)の残留を無くすため、
大量の中性溶剤(水等)によりろ液が中性になるまで洗浄し、所望の結晶への、乾式または湿式による結晶変換工程を経た後、真空乾燥等により十分に乾燥させる。
【0038】前記有機アクセプター性化合物の添加量は、前記フタロシアニンに対して0.5wt%以上、1
00wt%以下であることが好ましい。 有機アクセプター性化合物の添加量が0.5wt%未満の場合は増感効果が小さく、100wt%より多い場合は、感光層塗布液中において、フタロシニン分子と会合していた有機アクセプター性化合物分子が溶媒中に拡散し易くなったり、また有機アクセプター性化合物単独の結晶も発生し易くなる。
【0039】<電荷輸送材料>本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送材料としては、従来から感光層に使用されている種々の電荷輸送材料を使用することができる。
【0040】例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系の化合物、9−4−(ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、スチルベン系化合物等の含窒素環式化合物等のホール輸送剤、または、ピレン系化合物、カルバゾール系化合物、ヒドラゾン系化合物、N,N−ジアルキルアニリン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物等の電子輸送剤があげられる。 これらの電荷輸送剤は、単独または二種類以上をブレンドして使用できる。
【0041】<バインダー樹脂>本発明の電子写真感光体に使用されるバインダー樹脂としては、従来から感光層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。
【0042】例えば、ビスフェノールA骨格あるいはビスフェノールZ骨格等を有する種々のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、更にはスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂があげられる。 これらのバインダー樹脂は単独または二種類以上をブレンドして使用できる。
【0043】特に好適な樹脂は、帝人化成(株)社製パンライト、三菱瓦斯化学(株)社製PCZ等のビスフェノールZ型モノマーとホスゲンとから誘導されるビスフェノールZ型ポリカーボネートである。
【0044】前記例のバインダー樹脂の重量平均分子量は5,000〜200,000、更には15,000〜
100,000が好ましい。
【0045】単層型の場合、感光層の膜厚は5〜100
μm、更には10〜50μm程度が好ましい。 また、電荷発生剤はバインダー樹脂重量に対して0.1〜50重量%、更には0.5〜30重量%、電荷輸送剤は全バインダー樹脂に対して20〜500重量%、更には30〜
200重量%含有させることが好ましい。 単層型の場合、電荷輸送剤として、ホール輸送剤と電子輸送剤とをブレンドして使用するのが特に好ましい。
【0046】感光層が積層構造の場合は、電荷発生層の膜厚は0.01〜5μm、更には0.1〜3μm程度が好ましく、電荷輸送層の膜厚は2〜100μm、更には5〜50μm程度が好ましい。 また、電荷発生層には電荷発生材料を全バインダー樹脂重量に対して0.1〜5
0重量%、更には0.5〜30重量%、電荷輸送層には電荷輸送材料を全バインダー樹脂に対して20〜500
重量%、更には30〜200重量%含有させることが好ましい。
【0047】単層型、積層型に関わらず、正帯電、負帯電のいずれでも適用可能であるが、単層型は正帯電型、
積層型は負帯電型で使用するのが特に好ましい。 積層型を負帯電で使用する場合、一般的に、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層される。
【0048】感光層には、前述の各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、
可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。 また、感光層の感度を向上させるために、例えば、
テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
【0049】支持体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲で下引き(アンダーコート)層が形成されていてもよい。 また、感光体の表面には、保護(オーバーコート)層が形成されていてもよい。
【0050】感光層が形成される支持体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば、
鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、
モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、
パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
【0051】支持体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、支持体自体が導電性を有するか、あるいは支持体の表面が導電性を有していればよい。 また、支持体は使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
【0052】感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダー樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシエーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
【0053】上記分散液を作製するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。 これらの溶剤は単独で、または二種以上ブレンドして用いられる。
【0054】さらに、電荷発生剤、電荷輸送剤等の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために、各種カップリング剤、各種界面活性剤、シリコンオイル等のレベリング剤を使用してもよい。
【0055】
【実施例】以下、合成例・合成比較例、実施例・比較例をあげて本発明を説明する。 なお、以下の実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0056】<合成例1>チタニルフタロシアニン結晶(CG−1)の合成 アルゴン置換したフラスコ中へ、1,3−ジイミノイソインドリン(25g)、チタンテトラブトキシド(1
4.6g)、ジフェニルメタン(300g)を混合し、
150℃まで昇温した。 ここで発生する蒸気を反応系外へ留去しながら、系内温度を200℃まで昇温した。 この後、さらに4時間撹拌し反応を行った。
【0057】反応終了後、系内温度を150℃まで冷却した後、反応混合物をガラスフィルターにて濾過した。
得られた固体を、あらかじめ加熱しておいたジメチルホルムアミド(DMF)で2回洗浄し、さらに、DMF、
メタノールで洗浄し、真空乾燥を行い、チタニルフタロシアニン(24g)を得た。
【0058】前記チタニルフタロシニン(5g)、有機アクセプター性化合物として、前記AC−1(0.2
g)を混合し、ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸の混合溶液(体積比4/1)100mlに溶解させた。 この溶液を、メタノール/水(体積比1/1)1L中へ滴下させた。 滴下終了後、15分間室温にて撹拌し、30分間静置した後ガラスフィルターにて濾過した。 得られた固体を、ろ液が中性になるまで水洗した後、クロロベンゼン200ml中に再分散し、1時間撹拌後ガラスフィルターにて濾過した。 得られた固体を50℃で5時間真空乾燥を行い、チタニルフタロシアニン結晶(CG−
1):4.2gを得た。
【0059】<合成例2、3、4>チタニルフタロシアニン結晶(CG−2、−3、−4)の合成 有機アクセプター性化合物として、前記AC−2、AC
−3、AC−4を使用した以外は、合成例1と同様にしてチタニルフタロシアニン結晶(CG−2、−3、−
4)を得た。
【0060】<合成比較例1、2、3、4>チタニルフタロシアニン結晶(CG−5、−6、−7、−8)の合成 有機アクセプター性化合物として、下記AC−5、AC
−6、AC−7、AC−8を使用した以外は、合成例1
と同様にしてチタニルフタロシアニン結晶(CG−5、
−6、−7、−8)を得た。
【0061】(AC−5)還元電位:−1.53V 溶解度:5wt%(THF)
【化11】
【0062】(AC−6)還元電位:−1.32V 溶解度:20wt%(THF)
【化12】
【0063】(AC−7)還元電位:−0.37V 溶解度:3wt%(THF)
【化13】
【0064】(AC−8)還元電位:−1.31V 溶解度:11wt%(THF)
【化14】
【0065】<合成比較例5>チタニルフタロシアニン結晶(CG−9)の合成有機アクセプター性化合物を使用しない以外は、製造例1と同様にしてチタニルフタロシアニン結晶(CG−9)を得た。
【0066】<実施例1〜144>単層型感光体 電荷発生剤として、前記合成例1〜4で得られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−1〜−4)から選択された1種(5重量部)、ホール輸送剤としてHT−1〜−
15から選択された1種(70重量部)、電子輸送剤として、ET−1〜−3から選択された1種(30重量部)、バインダー樹脂として重量平均分子量50,00
0のbis−Z型ポリカーボネート樹脂(100重量部)、テトラヒドロフラン(800重量部)を、超音波分散機にて分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。 そしてこの塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、11
0℃、1時間の熱風乾燥を行い、膜厚25μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。
【0067】<比較例1〜36>単層型感光体 電荷発生剤として、前記合成比較例5で得られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−9)を使用した以外は、
実施例1〜144と同様にして単層型感光体を作製した。
【0068】<比較例37〜40>単層型感光体 電荷発生剤として、前記合成比較例1、2、3、4で得られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−5、−6、
−7、−8)を使用した以外は、実施例1〜144と同様にして単層型感光体を作製した。
【0069】<比較例41>単層型感光体 有機アクセプター性化合物として、前記AC−1を0.
2重量部、感光層塗布液中に直接添加(単純添加)する以外は、比較例1〜36と同様にして単層型感光体を作製した。
【0070】<実施例145〜20.5>積層型感光体 電荷発生剤として、前記合成例1〜4で得られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−1〜−4)から選択された1種(250重量部)、バインダー樹脂として重量平均分子量2,000のポリビニルブチラール(100重量部)、テトラヒドロフラン(1,500重量部)を、
超音波分散機にて分散させ、電荷発生層用塗布液を作製した。
【0071】一方、ホール輸送剤として、HT−1〜−
15から選択された1種(100重量部)、バインダー樹脂として重量平均分子量50,000のbis−Z型ポリカーボネート樹脂(100重量部)、トルエン(1
000重量部)を、超音波分散機にて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を作製した。
【0072】支持体としてのアルミニウム素管上に浸せき法にて電荷発生層用塗布液を塗布し、110℃、20
分間の熱風乾燥を行い、膜厚0.5μmの電荷発生層を作製した。 次いで、前記電荷発生層上にディップコート法にて電荷輸送層用塗布液を塗布し、110℃、40分間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの積層型感光体を作製した。
【0073】<比較例42〜56>積層型感光体 電荷発生剤として、前記合成比較例5で得られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−9)を使用した以外は、
実施例146〜205と同様にして積層型感光体を作製した。
【0074】<比較例57〜60>積層型感光体 電荷発生剤として、前記合成比較例1、2、3、4で得られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−5、−6、
−7、−8)を使用した以外は、実施例145〜20.
5と同様にして積層型感光体を作製した。
【0075】<比較例61>積層型感光体 有機アクセプター性化合物として、前記AC−1を10
重量部、電荷発生層用塗布液中に直接添加(単純添加)
する以外は、比較例42〜56と同様にして電荷発生層用塗布液を作製した。 また、電荷発生用塗布液作製以外は、全て比較例42〜56と同様にして積層型感光体を作製した。
【0076】(HT−1)
【化15】
【0077】(HT−2)
【化16】
【0078】(HT−3)
【化17】
【0079】(HT−4)
【化18】
【0080】(HT−5)
【化19】
【0081】(HT−6)
【化20】
【0082】(HT−7)
【化21】
【0083】(HT−8)
【化22】
【0084】(HT−9)
【化23】
【0085】(HT−10)
【化24】
【0086】(HT−11)
【化25】
【0087】(HT−12)
【化26】
【0088】(HT−13)
【化27】
【0089】(HT−14)
【化28】
【0090】(HT−15)
【化29】
【0091】(ET−1)
【化30】
【0092】(ET−2)
【化31】
【0093】(ET−3)
【化32】
【0094】上記各実施例、比較例の感光体について、
下記の試験を行ってその特性を評価した。
【0095】[単層型感光体の初期感度評価]ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機(ジェンテックシンシア30M)を使用して、各実施例、比較例の感光体に印加電圧を加えて、その表面を+700Vに帯電させた。
【0096】次に、上記試験機の露光光源であるハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルターを使用して取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、
光強度15μW)を、上記帯電状態の感光体表面に露光(露光時間80msec)した。 そして、露光開始時点から330msec経過した時点での表面電位を露光後電位V L (V)として測定した。 すなわち、露光後電位が小さいほど感光体は高感度である。
【0097】[積層型感光体の初期感度評価]感光体表面を−700Vに帯電させた以外は、前記単層型感光体の場合と同様にして初期感度を評価した。
【0098】結果を表1〜6、図1〜6に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【0106】図表より、単層型感光体、積層型感光体のどちらの場合においても、顔料化工程時に、参照電極(Ag + /Ag)に対する還元電位が−1.5V以上、
−0.5V以下で、感光層塗布溶媒に対する溶解度が1
0wt%未満である有機アクセプター性化合物を添加して製造したフタロシアニン結晶を、電荷発生剤として含有する感光体が、有機アクセプター性化合物を添加せずに製造したフタロシアニン結晶を電荷発生剤として含有する感光体よりも高感度であった。
【0107】また、前記有機アクセプター性化合物を、
感光層塗布液または電荷発生層用塗布液中に単純添加すると、感光層の結晶化や電荷発生剤の分散不良が発生し易く、また感度も悪化した(表4の比較例41、表6の比較例61)。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、参照電極(Ag + /A
g)に対する還元電位が−1.5V以上、−0.5V以下で、感光層塗布溶媒に対する溶解度が10wt%未満である有機アクセプター性化合物を、顔料化工程時に添加して製造したフタロシアニン結晶を含有する感光体が極めて高感度となり、例えば高速の画像形成装置においても光感度が十分であり使用可能となる。
【0109】
【図1】有機アクセプター性化合物の還元電位(V)
と、単層型感光体の露光後電位V L (V)との関係(ホール輸送剤:HT−1、電子輸送剤:ET−1)
【図2】有機アクセプター性化合物のTHFに対する溶解度(wt%)と、単層型感光体の露光後電位V
L (V)との関係(ホール輸送剤:HT−1、電子輸送剤:ET−1) [ホール輸送剤:HT−1、電子輸送剤:ET−1を使用した単層型感光体では、V L ≦150Vを可、V L >1
50Vを不可とした。 図中の二重線は、この境界値を示す。 ]
【図3】有機アクセプター性化合物の還元電位(V)
と、単層型感光体の露光後電位V L (V)との関係(ホール輸送剤:HT−1)
【図4】有機アクセプター性化合物のTHFに対する溶解度(wt%)と、積層型感光体の露光後電位V
L (V)との関係(ホール輸送剤:HT−1) [ホール輸送剤:HT−1を使用した積層型感光体では、V L ≧−150Vを可、V L <−150Vを不可とした。 図中の二重線は、この境界値を示す。 ]
【図5】有機アクセプター性化合物の種類と、単層型感光体の相対感度(有機アクセプター性化合物無添加時の露光後電位を100Vに統一)との関係
【図6】有機アクセプター性化合物の種類と、積層型感光体の相対感度(有機アクセプター性化合物無添加時の露光後電位を100Vに統一)との関係
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