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Positive electrode material and secondary battery using it

阅读:218发布:2021-09-24

专利汇可以提供Positive electrode material and secondary battery using it专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a positive electrode material capable of obtaining high charge and discharge efficiency and a secondary battery using it.
SOLUTION: This positive electrode material contains Li and Ni composite oxide or Li, Ni and Co composite oxide. These composite oxides have the characteristics that they do not have the current peak of a reduction wave in the range between 3.4 V and 3.6 V on a current-potential curve obtained by cyclie-voltammetry when setting a Li metal potential as a reference. The Li and Ni composite oxide has a bigger mol ratio Ni/Li of Ni to Li than 1 of stoichiometric composite, and has non-stoichiometric property. Thereby, occurrence of a distortion in a charge and discharge process is suppressed in a positive electrode using this positive electrode material, polarization does not grow even at the end of discharge and high charge and discharge efficiency can be obtained.
COPYRIGHT: (C)2000,JPO,下面是Positive electrode material and secondary battery using it专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 リチウム(Li)とニッケル(Ni)との複合酸化物を含む正極材料であって、 前記複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないことを特徴とする正極材料。
  • 【請求項2】 前記複合酸化物は、リチウムに対するニッケルのモル比Ni/Liが1よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の正極材料。
  • 【請求項3】 前記複合酸化物は、リチウムに対するニッケルのモル比Ni/Liが1.1/0.9よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の正極材料。
  • 【請求項4】 リチウム(Li)とニッケル(Ni)とコバルト(Co)との複合酸化物であり、かつニッケルおよびコバルトに対するコバルトのモル比Co/(Ni
    +Co)が0よりも大きく0.15よりも小さいものを含む正極材料であって、 前記複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないことを特徴とする正極材料。
  • 【請求項5】 前記複合酸化物は、ニッケルおよびコバルトに対するコバルトのモル比Co/(Ni+Co)が0.1であることを特徴とする請求項4記載の正極材料。
  • 【請求項6】 リチウム(Li)とニッケル(Ni)との複合酸化物を含む正極材料であって、 前記複合酸化物は、リチウムに対するニッケルのモル比Ni/Liが1よりも大きいことを特徴とする正極材料。
  • 【請求項7】 前記複合酸化物は、リチウムに対するニッケルのモル比Ni/Liが1.1/0.9よりも小さいことを特徴とする請求項6記載の正極材料。
  • 【請求項8】 正極および負極と共に電解質を備えており、正極はリチウム(Li)とニッケル(Ni)との複合酸化物を含む二次電池であって、 前記複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないことを特徴とする二次電池。
  • 【請求項9】 正極および負極と共に電解質を備えており、正極はリチウム(Li)とニッケル(Ni)とコバルト(Co)との複合酸化物を含む二次電池であって、 前記複合酸化物は、ニッケルおよびコバルトに対するコバルトのモル比Co/(Ni+Co)が0よりも大きく0.15よりも小さく、かつサイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4V
    よりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないことを特徴とする二次電池。
  • 【請求項10】 正極および負極と共に電解質を備えており、正極はリチウム(Li)とニッケル(Ni)との複合酸化物を含む二次電池であって、 前記複合酸化物は、リチウムに対するニッケルのモル比Ni/Liが1よりも大きいことを特徴とする二次電池。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム(Li)
    とニッケル(Ni)との複合酸化物を含む正極材料、またはリチウムとニッケルとコバルト(Co)との複合酸化物を含む正極材料、およびそれらを用いた二次電池に関する。

    【0002】

    【従来の技術】近年、電子技術の進歩に伴い、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ)、携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどに代表される小型のポータブル電子機器が開発されている。 そこで、それらに使用するポータブル電源として、小型かつ軽量で高エネルギー密度を有する二次電池の開発が強く要請されている。

    【0003】従来より、二次電池としては、ニッケル・
    カドミウム二次電池、鉛蓄電池あるいはリチウムイオン二次電池などが広く知られている。 中でも、リチウムイオン二次電池は、高出および高エネルギー密度を実現することができるものとして注目されており、最近では、活発な研究開発によりその一部が商品化されている。

    【0004】このようなリチウムイオン二次電池では、
    リチウムがに対して高い反応性を有しているため、炭酸プロピレンや炭酸ジエチルなどの非水溶媒にヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF 6 )などのリチウム塩を溶解させた非水電解液が用いられている。 また、負極には、金属リチウムまたはリチウム合金が用いられる場合もあるが、最近では、充放電を繰り返してもデンドライト(樹枝状結晶)が形成されない、リチウムイオンを吸蔵・離脱することが可能な炭素質材料が多く用いられている。

    【0005】一方、正極には、TiS 2 ,MoS 2 ,N
    bSe 2あるいはV 25などのリチウムを含有しない金属硫化物あるいは金属酸化物なども用いられているが、最近では、それらに比べてより高いエネルギー密度を実現でき、しかも低コストで製造することができるリチウムとニッケルとの複合酸化物を使用することが多くなっている。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウムとニッケルとの複合酸化物を正極に用いた二次電池では、充電容量に対する放電容量の割合である充放電効率が低く、理論エネルギー密度に比べて放電時のエネルギー密度が低いという問題があった(Solid StateIonics,
    109(1998), p.295 ; H.Arai et al )。 そのため、この二次電池では十分な電池寿命が得られなかった。

    【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高い充放電効率を得ることができる正極材料およびそれを用いた二次電池を提供することにある。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】本発明による正極材料は、リチウムとニッケルとの複合酸化物を含むものであって、複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないものである。

    【0009】本発明による他の正極材料は、リチウムとニッケルとコバルトとの複合酸化物であり、かつニッケルおよびコバルトに対するコバルトのモル比Co/(N
    i+Co)が0よりも大きく0.15よりも小さいものを含んでおり、複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.
    4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないものである。

    【0010】本発明による更に他の正極材料は、リチウムとニッケルとの複合酸化物を含むものであって、複合酸化物はリチウムに対するニッケルのモル比Ni/Li
    が1よりも大きいものである。

    【0011】本発明による二次電池は、正極および負極と共に電解質を備えており、正極はリチウムとニッケルとの複合酸化物を含むものであって、複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないものである。

    【0012】本発明による他の二次電池は、正極および負極と共に電解質を備えており、正極はリチウムとニッケルとコバルトとの複合酸化物を含むものであって、複合酸化物は、ニッケルおよびコバルトに対するコバルトのモル比Co/(Ni+Co)が0よりも大きく0.1
    5よりも小さく、かつサイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないものである。

    【0013】本発明による更に他の二次電池は、正極および負極と共に電解質を備えており、正極はリチウムとニッケルとの複合酸化物を含むものであって、複合酸化物はリチウムに対するニッケルのモル比Ni/Liが1
    よりも大きいものである。

    【0014】本発明による正極材料では、リチウムとニッケルとの複合酸化物を含むと共に、この複合酸化物はサイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないので、高い充放電効率を有する正極が得られる。

    【0015】本発明による他の正極材料では、リチウムとニッケルとコバルトとの複合酸化物を含むと共に、この複合酸化物はサイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していないので、高い充放電効率を有する正極が得られる。

    【0016】本発明による更に他の正極材料では、リチウムとニッケルとの複合酸化物を含むと共に、この複合酸化物はリチウムに対するニッケルのモル比Ni/Li
    が1よりも大きいので、高い充放電効率を有する正極が得られる。

    【0017】本発明による二次電池では、リチウムイオンが正極から離脱し、電解質を介して正極から負極へ移動することにより充電される。 また、リチウムイオンが電解質を介して負極から正極へ移動し、正極に吸蔵されることにより放電する。 ここで、正極は本発明の正極材料と同様の複合酸化物を含んでいるので、高い充放電効率を有する。

    【0018】

    【発明の実施の形態】以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。

    【0019】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態に係る正極材料は、例えば二次電池の正極に用いられるものであり、リチウムとニッケルとの複合酸化物(以下、リチウム・ニッケル複合酸化物と言う)を主として含んでいる。 このリチウム・ニッケル複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリ(cyclic voltammetr
    y)により得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.
    4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有さないという特性を有している。 なお、この電流−電位曲線(すなわちサイクリックボルタングラム(Cyclic Volta
    mgram ))は、例えば、リチウム・ニッケル複合酸化物について0.01mV/secの走査速度でリチウム金属電位を基準として電位が4.5Vとなるまで酸化したのち、同じく0.01mV/secの走査速度でリチウム金属電位を基準として電位が3.0Vとなるまで還元することにより得られる。

    【0020】また、一般にリチウム・ニッケル複合酸化物は化学量論組成であれば化1に示した組成式で表されるが、このリチウム・ニッケル複合酸化物は、リチウムに対するニッケルのモル比Ni/Li(以下、モル比N
    i/Liと言う)が化学量論組成である1よりも大きくなっている。 すなわち、このリチウム・ニッケル複合酸化物は、リチウムとニッケルとのモル比について不定比性を有しており、それによる欠陥を有している。

    【0021】

    【化1】LiNiO 2

    【0022】このような構成により、このリチウム・ニッケル複合酸化物は、二次電池の正極に用いられた場合に二次電池の充放電効率を高くすることができるという特性を有している。 この理由は、次のように考えられる。 例えば、リチウム・ニッケル複合酸化物でもモル比Ni/Liがほぼ化学量論組成の1であるものは、二次電池の正極に用いられた場合、充放電の過程(すなわち酸化還元の過程)において結晶系が変化し、数種の構造相転移を生ずる。 ところが、この転移は格子体積の不連続な変化を伴っているので、この転移によりリチウム・
    ニッケル複合酸化物の結晶中には亀裂が生じたり、不活性領域が生じたりしてしまう。 そのため、放電末期には歪みによりリチウムの拡散が阻害され、分極が大きな状態となってしまい、高い充放電効率が得られなかった。

    【0023】これに対して、モル比Ni/Liが1よりも大きいリチウム・ニッケル複合酸化物では、導入された欠陥部分が構造相転移の「くさび」の役割を果たすことにより、充放電の過程において転移が生じ難くなると考えられる。 特に、六方晶系から単斜晶系への転移が消滅すると考えられ、これにより、放電末期においても分極が大きな状態とはならず、充電容量に見合った放電容量、すなわち高い充放電効率を得ることができるものと考えられる。

    【0024】但し、モル比Ni/Liが大きすぎると岩塩型構造が安定となり、容量が低下してしまうので好ましくない。 具体的には、モル比Ni/Liは1.1/
    0.9よりも小さいことが好ましい。

    【0025】このような構成を有する正極材料は、例えば、リチウム化合物とニッケル化合物とを原料として製造することができる。 具体的には、リチウム化合物とニッケル化合物とを、リチウムとニッケルとのモル比が所望の比になるようにそれぞれ秤量し、これらを十分混合したのち、酸素含有雰囲気中において600〜1000
    ℃の温度で加熱焼成することにより得ることができる。
    その際、リチウム化合物としてはリチウムの炭酸塩,硫酸塩,硝酸塩,硫酸塩,酸化物,水酸化物あるいはハロゲン化物などが用いられ、ニッケル化合物としては同様にニッケルの炭酸塩,硫酸塩,硝酸塩,硫酸塩,酸化物,水酸化物あるいはハロゲン化物などを用いられる。
    リチウム化合物の具体的な一例としては水酸化リチウム水和物(LiOH・H 2 O)が挙げられ、ニッケル化合物の具体的な一例としては酸化ニッケル(NiO)が挙げられる。

    【0026】このようにして製造される正極材料は、具体的には、例えば、次のような二次電池の正極に用いられる。

    【0027】図1は、本実施の形態に係る正極材料を用いて正極を構成した二次電池の断面構造を表すものである。 なお、この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものである。 この二次電池は、外装カップ11内に収容された円板状の正極12と外装缶13内に収容された円板状の負極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。 外装カップ11および外装缶13の内部は液状の電解質である電解液16により満たされており、外装カップ11および外装缶13の周縁部は絶縁ガスケット17を介してかしめられることにより密閉されている。

    【0028】外装カップ11および外装缶13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウムなどの金属によりそれぞれ構成されている。 外装カップ11は正極12の集電体として機能し、外装缶13は負極14の集電体として機能するようになっている。

    【0029】正極12は、例えば、正極活物質として本実施の形態に係る正極材料を含有しており、カーボンブラックやグラファイトなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダと共に構成されている。 すなわち、この正極12は、上述した構成を有するリチウム・
    ニッケル複合酸化物を含有している。 ちなみに、この正極12は、例えば、正極材料と導電剤とバインダとを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤を圧縮成型してペレット形状とすることにより作製される。 また、正極材料,導電剤およびバインダに加えて、ホルムアミドあるいはN−メチルピロリドンなどの溶媒を添加して混合することにより正極合剤を調製し、この正極合剤を乾燥させたのち圧縮成型するようにしてもよい。 その際、正極材料はそのまま用いても、乾燥させて用いてもどちらでもよいが、水と接触すると反応し、正極材料としての機能が損なわれるため、充分に乾燥させることが好ましい。

    【0030】負極14は、例えば、リチウム金属、リチウム合金、あるいはリチウムを吸蔵することおよびそれを離脱させることが可能な材料を含む構成とされている。 リチウムの吸蔵・離脱が可能な材料としては、例えば導電性ポリマや炭素質材料があるが、炭素質材料の方が単位体積当たりのエネルギー密度が大きいので好ましい。 導電性ポリマとしてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどがある。 また、炭素質材料としては、熱分解炭素類、ピッチコークス,ニードルコークスもしくは石油コークスなどのコークス類、人造黒鉛類、天然黒鉛類、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、ガラス状炭素類、有機高分子材料焼成体、炭素繊維あるいは活性炭などがある。 なお、有機高分子材料焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの有機高分子材料を不活性ガス気流中または真空中において500℃以上の適当な温度で焼成したものである。

    【0031】ちなみに、負極14が炭素質材料を含む場合には、負極14は例えばポリフッ化ビニリデンなどのバインダと共に構成される。 この場合、この負極14
    は、例えば、炭素質材料とバインダとを混合して負極合剤を調整したのち、得られた負極合剤を圧縮成型してペレット形状とすることにより作製される。 また、炭素質材料およびバインダに加えて、ホルムアミドあるいはN
    −メチルピロリドンなどの溶媒を添加して混合することにより負極合剤を調整し、この負極合剤を乾燥させたのちに圧縮成型するようにしてもよい。

    【0032】セパレータ15は、正極12と負極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、
    リチウムイオンを通過させるものである。 このセパレータ15は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の不織布、またはセラミックフィルム、または多孔質フィルムにより構成されている。

    【0033】電解液16は、有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものであり、リチウム塩が電離することによりイオン伝導性を示すようになっている。 リチウム塩としては、LiPF 6 ,LiClO 4 ,LiAsF 6 ,Li
    BF 4 ,LiCF 3 SO 3 ,Li(CF 3 SO 22などが適当であり、これらのうちの2種以上を混合して用いてもよい。

    【0034】有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γーブチルラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−
    1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどが適当であり、これらのうちの2種以上を混合して用いてもよい。 中でも、プロピレンカーボネートまたはビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、およびジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネートは電気化学的に安定しているので有機溶媒として好ましい。

    【0035】このような構成を有する二次電池は次のように作用する。

    【0036】この二次電池では、充電を行うと、正極1
    2を構成するリチウム・ニッケル複合酸化物からリチウムイオンが離脱し、電解液16を介してセパレータ15
    を通過して負極14に吸蔵される。 そののち、放電を行うと、例えば負極14に炭素質材料を用いた場合には、
    負極14からリチウムイオンが離脱し、電解液16を介してセパレータ15を通過して正極12に戻りリチウム・ニッケル複合酸化物に吸蔵される。 ここで、正極12
    を構成するリチウム・ニッケル複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線について、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有していない。 また、このリチウム・ニッケル複合酸化物は、モル比Ni/Liが1よりも大きくなっている。 従って、正極12は放電末期においても大きく分極した状態とならず、充電容量に見合った放電容量を有し、高い充放電効率を示す。

    【0037】このように本実施の形態に係る正極材料によれば、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6
    Vよりも小さい範囲内に有さないリチウム・ニッケル複合酸化物を含んでいるので、この正極材料を用いて二次電池の正極を構成することにより、高い充放電効率を有する二次電池を得ることができる。 よって、充放電を繰り返しても容量およびエネルギー密度が低下してしまうことを改善でき、二次電池の寿命を延長することができる。

    【0038】また、本実施の形態に係る正極材料によれば、モル比Ni/Liが1よりも大きいリチウム・ニッケル複合酸化物を含んでいるので、この正極材料を用いて二次電池の正極を構成することにより、高い充放電効率を有する二次電池を得ることができる。 よって、同様に、充放電を繰り返しても容量およびエネルギー密度が低下してしまうことを改善でき、二次電池の寿命を延長することができる。

    【0039】なお、モル比Ni/Liが1.1/0.9
    よりも小さいリチウム・ニッケル複合酸化物を含むようにすれば、正極の容量を大きくすることができる。

    【0040】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態に係る正極材料は、リチウムとニッケルとコバルトとの複合酸化物(以下、リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物と言う)を主として含んでおり、第1の実施の形態と同様に、例えば二次電池の正極に用いられるものである。 このリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物は、一般に、化学量論組成であれば化2に示した組成式で表される。

    【0041】

    【化2】LiNi 1-y Co y2

    【0042】但し、コバルトの含有量は、ニッケルおよびコバルトに対するコバルトのモル比Co/(Ni+C
    o)(以下、モル比Co/(Ni+Co)と言う)で0
    よりも大きく0.15よりも小さいことが好ましい。 すなわち、化2で言えば、yは0よりも大きく0.15よりも小さい値であることが好ましい。 これは、コバルトの含有量が増えるに従い、二次電池の正極に用いた場合に二次電池の充放電容量が低下してしまうからである。
    すなわち、コバルトの含有量が少ない方が二次電池について大きな充放電容量を得る上では好ましく、より好ましいコバルトの含有量はモル比Co/(Ni+Co)で0.1以下である。

    【0043】また、このリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有さないという特性を有している。 なお、この電流−電位曲線は、例えば、第1の実施の形態と同様の測定条件により得られる。 これにより、このリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物は、二次電池の正極に用いられた場合に二次電池の充放電効率を高くすることができるという特性を有している。

    【0044】この理由は、次のように考えられる。 一般に、リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物は、コバルトの含有量が増えるに従い、二次電池の正極に用いられた場合に放電末期においても化学量論組成のリチウム・ニッケル複合酸化物のように分極の大きな状態を示さないという特性を有している。 この特性は、コバルトの含有量がモル比Co/(Ni+Co)で0.15以上の場合において特に顕著に見られる。 これは、コバルトの含有量が増えるに従い、ヤンテラー効果により歪みの原因となる3価のニッケルイオンの濃度がヤンテラー効果を有さない3価のコバルトイオンによって薄められ、放電末期の歪みが緩和されるからであると考えられる。 従って、歪みによりリチウムの拡散は阻害されず、放電末期においても分極の大きな状態を示さない。 しかし、このような特性は、コバルトの含有量がモル比Co/(N
    i+Co)で0.15よりも小さい場合には十分に得ることができない。

    【0045】これに対して、モル比Co/(Ni+C
    o)が0.15よりも小さいリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物でも、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有さないものは、リチウムとニッケルおよびコバルトとのモル比の不定比性が確認される程度の欠陥ではなくとも、何らかの欠陥が導入されることにより、第1の実施の形態と同様に、歪みの発生が抑制されるものと考えられる。 これにより、放電末期においても分極が大きな状態とならず、
    高い充放電効率を得ることができるものと考えられる。

    【0046】このような構成を有する正極材料は、例えば、リチウム化合物とニッケル化合物とコバルト化合物とを原料として、第1の実施の形態と同様に製造することができる。 その際、コバルト化合物としては、コバルトの炭酸塩,硫酸塩,硝酸塩,硫酸塩,酸化物,水酸化物あるいはハロゲン化物などが用いられる。 コバルト化合物の具体的な一例としては、酸化コバルト(Co 3
    4 )が挙げられる。

    【0047】このようにして製造される正極材料は、具体的には、第1の実施の形態と同様の二次電池の正極に用いられる(図1参照)。 なお、この二次電池は、正極に本実施の形態に係る正極材料を用いたことを除き、第1の実施の形態と同一の構成を有しているので、ここでは図1を参照しその詳細な説明を省略する。

    【0048】また、この二次電池は第1の実施の形態と同様に作用する。 すなわち、この二次電池では、充電を行うと、正極12を構成するリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物からリチウムイオンが離脱して負極14
    に移動し、放電を行うと、リチウムイオンが負極14から正極12に移動して正極12を構成するリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物に吸蔵される。 ここで、正極12を構成するリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物は、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線について、還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.
    6Vよりも小さい範囲内に有していない。 従って、正極12は放電末期においても大きく分極した状態とならず、高い充放電効率を示す。

    【0049】このように本実施の形態に係る正極材料によれば、モル比Co/(Ni+Co)が0.15よりも小さく、かつサイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有さないリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物を含んでいるので、この正極材料を用いて二次電池の正極を構成することにより、大きな充放電容量と共に高い充放電効率を有する二次電池を得ることができる。 よって、エネルギー密度が低下してしまうことを改善できる。

    【0050】

    【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。

    【0051】(実施例1)まず、99.0%よりも高い純度の水酸化リチウム水和物と99.5%よりも高い純度の酸化ニッケルとを用意し、リチウムとニッケルとのモル比がLi:Ni=1:1となるように混合した。 次いで、この混合物を5体積%のアルゴン(Ar)ガスおよび95体積%の酸素(O 2 )ガスよりなる混合ガス還流中において800℃で6時間加熱した。 これにより、
    正極材料として、リチウム・ニッケル複合酸化物を主として含む黒色の粉末を得た。

    【0052】この得られたリチウム・ニッケル複合酸化物について粉末X線回折法により組成の分析を行った。
    組成の算出に際しては、リートベルド解析に供される計算プログラムRIETAN−97を用いた。 その結果を表1に示す。 このように、得られたリチウム・ニッケル複合酸化物のリチウムとニッケルとのモル比はLi:N
    i=0.96:1.04であった。 すなわち、このリチウム・ニッケル複合酸化物は、リチウムとニッケルとのモル比について不定比性を有しており、モル比Ni/L
    iが化学量論組成である1よりも大きく1.1/0.9
    よりも小さくなっていることが分かった。

    【0053】

    【表1】

    【0054】続いて、得られた正極材料を用いて正極を作製し、それを用いて二次電池を作製した。 具体的には、得られた正極材料90重量部に対して、導電剤であるグラファイトを7重量部、およびバインダであるポリフッ化ビニリデンを3重量部の割合で添加したのち、溶媒であるジメチルホルムアミドを加えて混合し正極合剤を調製した。 そののち、この正極合剤をジメチルホルムアミドが完全に揮発するまで十分に乾燥させてから約6
    0mgを秤り取り、約2cm 2の表面積を有する円板状に加圧成型して正極を作製した。

    【0055】正極を作製したのち、この正極と、リチウム金属を円板状に打ち抜いた負極と、プロピレンカーボネートにヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF 6 )を溶解させた電解液と、ポリプロピレン製の多孔質膜よりなるセパレータとをそれぞれ用い、図1に示した二次電池と同様のコイン型の二次電池を作製した。 なお、ここで用いたリチウムの量は正極の最大充電能力の数百倍となるようにし、正極の電気化学的性能を制限することがないようにした。

    【0056】このようにして作製した二次電池について充放電を行い、充放電効率および放電エネルギー密度を求めた。 その際、充電は電流密度0.52mA/cm 2
    の定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行い、放電は同じく電流密度0.52mA/cm 2の定電流で電池電圧が3・0Vに達するまで行った。 また、充放電は常温(23℃)中で行った。 なお、充放電効率(充電容量に対する放電容量の割合)は、充放電の結果から充電容量と放電容量とを求め算出した。 放電エネルギー密度は、ここでは図示しないが、充放電の結果から縦軸に電位をとり横軸に放電容量をとった放電曲線を作製し、この放電曲線を積分することにより求めた。 それらの結果を表1に示す。 このように、この二次電池では94%という高い充放電効率および790mWh/gという大きな放電エネルギー密度が得られた。

    【0057】また、作製した二次電池についてサイクリックボルタングラムの測定を行った。 測定に際しては、
    0.01mV/secの走査速度で電池電圧が4.5V
    となるまで充電を行い、同じく0.01mV/secの走査速度で電池電圧が3.0Vとなるまで放電を行った。 すなわち、正極について、リチウム金属電位を基準として0.01mV/secの走査速度で電位が4.5
    Vとなるまで酸化を行い、同じく0.01mV/sec
    の走査速度で電位が3.0Vとなるまで還元を行った。
    また、測定は常温(23℃)中で行った。 得られたサイクリックボルタングラムを図2に示す。 図2から分かるように、リチウム金属電位を基準として電位が3.4V
    よりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に還元波の電流ピークは認められなかった。

    【0058】なお、実施例1に対する比較例1として、
    水酸化リチウム水和物と酸化ニッケルとの混合物を純酸素ガス気流中において750℃で加熱したことを除き、
    他は実施例1と同一の条件によりリチウム・ニッケル複合酸化物を主として含む正極材料を作製した。 得られたリチウム・ニッケル複合酸化物について実施例1と同様にして粉末X線回折法により組成の分析を行った。 その結果を表1に示す。 このように、リチウムとニッケルとのモル比はLi:Ni=1.00:1.00であった。
    すなわち、このリチウム・ニッケル複合酸化物は、リチウムとニッケルとのモル比について不定比性を有しておらず、モル比Ni/Liは化学量論組成の1であることが分かった。

    【0059】また、得られた正極材料を用いて実施例1
    と同様にして二次電池を作製したのち、実施例1と同様にして充放電効率および放電エネルギー密度を求めると共に、サイクリックボルタングラムの測定を行った。 得られた充放電効率および放電エネルギー密度を表1に、
    サイクリックボルタングラムを図3にそれぞれ示す。 このように、充放電効率は81%、放電エネルギー密度は740mWh/gと、共に実施例1に比べて低かった。
    ここで、実施例1に比べて放電エネルギー密度が低いのは主に充放電効率が低いためである。 また、図3において矢印で示したように、リチウム金属電位を基準として電位が3.5Vの近傍に還元波の電流ピークが認められた。

    【0060】更に、実施例1に対する比較例2として、
    水酸化リチウム水和物と酸化ニッケルとの混合物を純酸素ガス気流中において850℃で加熱したことを除き、
    他は実施例1と同様の条件によりリチウム・ニッケル複合酸化物を含む正極材料を作製した。 得られたリチウム・ニッケル複合酸化物について実施例1と同様に粉末X
    線回折法により組成の分析を行った。 その結果を表1に示す。 このように、リチウムとニッケルとのモル比はL
    i:Ni=0.89:1.11であった。 すなわち、このリチウム・ニッケル複合酸化物は、リチウムとニッケルとのモル比について不定比性を有しており、モル比N
    i/Liが1.1/0.9以上であることが分かった。

    【0061】また、得られた正極材料を用いて実施例1
    と同様にして二次電池を作製したのち、実施例1と同様にして充放電効率および放電エネルギー密度を求めると共に、サイクリックボルタングラムの測定を行った。 得られた充放電効率および放電エネルギー密度を表1に、
    サイクリックボルタングラムを図4にそれぞれ示す。 このように、充放電効率は92%と十分に高いものの、放電エネルギー密度は456mWh/gと小さかった。 また、リチウム金属電位を基準として電位が3.4よりも大きく3.6Vよりも小さい電位の範囲内に還元波の電流ピークは認められなかった。

    【0062】以上の結果から、サイクリックボルタンメトリにより得られる還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6V
    よりも小さい範囲内に有さないリチウム・ニッケル複合酸化物を含む正極を用いれば、二次電池の充放電効率を高くできることが分かった。 また、モル比Ni/Liが1よりも大きいリチウム・ニッケル複合酸化物についても、充放電効率を高くできることが分かった。 更に、モル比Ni/Liが1.1/0.9よりも小さいリチウム・ニッケル複合酸化物を含む正極を用いれば、二次電池の放電エネルギー密度を大きくできることが分かった。

    【0063】(実施例2)本実施例では、まず、99.
    0%よりも高い純度の水酸化リチウム水和物と、99.
    5%よりも高い純度の酸化ニッケルと、99.0%よりも高い純度の酸化コバルトとを用意し、リチウムとニッケルとコバルトとのモル比がLi:Ni:Co=1.
    0:0.9:0.1となるように混合した。 次いで、この混合物を実施例1と同一の雰囲気中において900℃
    で加熱した。 これにより、正極材料として、リチウム・
    ニッケル・コバルト複合酸化物を主として含む黒色の粉末を得た。

    【0064】得られたリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物について実施例1と同様に粉末X線回折法により組成の分析を行った。 その結果を表2に示す。 このように、リチウムとニッケルとコバルトとのモル比はL
    i:Ni:Co=1.00:0.90:0.10であった。 すなわち、このリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物では、リチウムとニッケルおよびコバルトとのモル比Li:(Ni+Co)について不定比性は認められなかった。

    【0065】また、得られた正極材料を用いて実施例1
    と同様にして二次電池を作製したのち、実施例1と同様にして充放電効率および放電エネルギー密度を求めると共に、サイクリックボルタングラムの測定を行った。 得られた充放電効率および放電エネルギー密度を表2に、
    サイクリックボルタングラムを図5にそれぞれ示す。 このように、この二次電池では、93%という高い充放電効率および770mWh/gという大きな放電エネルギー密度が得られた。 なお、実施例1に比べて放電エネルギー密度が低いのはコバルトの固溶により全体の容量が下がったためである。 また、リチウム金属電位を基準として電位が3.4よりも大きく3.6Vよりも小さい電位の範囲内に還元波の電流ピークは認められなかった。

    【0066】なお、実施例2に対する比較例である比較例3として、水酸化リチウム水和物と酸化ニッケルと酸化コバルトとの混合物を750℃で加熱したことを除き、他は実施例2と同一の条件によりリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物を含む正極材料を作製した。 得られたリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物について実施例2と同様にして粉末X線回折法により組成の分析を行った。 その結果を表2に示す。 リチウムとニッケルとコバルトとのモル比はLi:Ni:Co=1.0
    0:0.90:0.10であり、実施例2と同様に、リチウムとニッケルおよびコバルトとのモル比Li:(N
    i+Co)について不定比性は認められなかった。

    【0067】

    【表2】

    【0068】また、得られた正極材料を用いて実施例1
    と同様にして二次電池を作製したのち、実施例2と同様にして充放電効率および放電エネルギー密度を求めると共に、サイクリックボルタングラムの測定を行った。 得られた充放電効率および放電エネルギー密度を表2に、
    サイクリックボルタングラムを図6にそれぞれ示す。 このように、充放電効率は88%、放電エネルギー密度は720mWh/gと共に実施例2に比べて低かった。 ここで、実施例2に比べて放電エネルギー密度が低いのは主に充放電効率が低いためである。 また、図6において矢印で示したように、リチウム金属電位を基準として電位が3.5Vの近傍に還元波の電流ピークが認められた。

    【0069】以上の結果から、サイクリックボルタンメトリにより得られる還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6V
    よりも小さい範囲内に有さず、かつニッケルとコバルトとのモル比がNi:Co=0.9:0.1であるリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物を含む正極を用いれば、二次電池の充放電効率を高くできると共に、放電エネルギー密度を大きくできることが分かった。

    【0070】以上、各実施の形態および各実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態および各実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。 例えば、本発明の正極材料は、上記各実施の形態および各実施例において説明したリチウム・ニッケル複合酸化物またはリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物に加えて、例えば、製造の際に完全に反応しなかった微量の不純物を含んでいる場合もある。

    【0071】また、上記各実施例においては、加熱温度を比較例と異ならせることにより本発明の正極材料を作製するようにしたが、本発明の正極材料は、製造方法により限定されるものではない。 すなわち、他の製造方法により製造されたものであっても、上記各実施の形態において説明したリチウム・ニッケル複合酸化物またはリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物を含んでいれば、本発明の効果を得ることができる。

    【0072】更に、上記各実施の形態および各実施例においては、本発明の正極材料をコイン型の二次電池に用いる場合について説明したが、ボタン型,ペーパー型,
    型あるいはスパイラル構造を有する筒型など他の形状の二次電池についても同様に適用することができる。 なお、角型または筒型の二次電池を製造する場合には、正極を次のようして作製することができる。 例えば、本発明の正極材料、導電剤およびバインダに、更にホルムアミドやN−メチルピロリドンなどの溶媒を添加してペースト状の正極合剤を調製し、この正極合剤を正極集電体に塗布し乾燥させることにより作製することができる。
    また、負極も正極と同様に、炭素質材料およびバインダに溶媒を添加してペースト状の負極合剤を調製し、この負極合剤を負極集電体に塗布し乾燥させることにより作製することができる。

    【0073】加えて、上記各実施の形態および各実施例においては、液状の電解質である電解液を用いた二次電池について説明したが、電解液に代えて、リチウム塩が溶解された固体状の電解質またはゲル状の電解質を用いるようにしてもよい。 固体状の電解質としては、イオン伝導性ポリマにリチウム塩が溶解または分散されたものなどがあり、ゲル状の電解質としてはポリマにより電解液が保持されたものなどがあるが、リチウムイオンによるイオン伝導性を有する電解質であれば他の構成を有するものでもよい。

    【0074】更にまた、上記各実施の形態および各実施例においては、第1の実施の形態に係る正極材料または第2の実施の形態に係る正極材料を正極活物質として正極を構成する場合についてそれぞれ説明したが、第1の実施の形態に係る正極材料および第2の実施の形態に係る正極材料を共に用いて正極を構成するようにしてもよく、本発明の正極材料と共に他の正極活物質となりうるリチウム化合物などを用いて正極を構成するようにしてもよい。

    【0075】加えてまた、上記各実施の形態および各実施例においては、本発明の正極材料を二次電池に用いる場合について説明したが、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。

    【0076】

    【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載の正極材料によれば、サイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有さないリチウムとニッケルとの複合酸化物を含むようにしたので、この正極材料を用いて二次電池の正極を構成することにより、高い充放電効率を有する二次電池を得ることができる。 よって、充放電の繰り返しても容量およびエネルギー密度が低下してしまうことを改善でき、二次電池の寿命を延長することができるという効果を奏する。

    【0077】また、請求項4または請求項5記載の正極材料によれば、モル比Co/(Ni+Co)が0.15
    よりも小さく、かつサイクリックボルタンメトリにより得られる電流−電位曲線において還元波の電流ピークをリチウム金属電位を基準として電位が3.4Vよりも大きく3.6Vよりも小さい範囲内に有さないリチウムとニッケルとコバルトとの複合酸化物を含むようにしたので、この正極材料を用いて二次電池の正極を構成することにより、大きな充放電容量と共に高い充放電効率を有する二次電池を得ることができる。 よって、同様に、充放電を繰り返してもエネルギー密度が低下してしまうことを改善でき、二次電池の寿命を延長することができるという効果を奏する。

    【0078】更に、請求項6または請求項7記載の正極材料によれば、モル比Ni/Liが1よりも大きいリチウムとニッケルとの複合酸化物を含むようにしたので、
    この正極材料を用いて二次電池の正極を構成することにより、高い充放電効率を有する二次電池を得ることができる。 よって、同様に、充放電を繰り返してもエネルギー密度が低下してしまうことを改善でき、二次電池の寿命を延長することができるという効果を奏する。

    【0079】特に、請求項3または請求項7記載の正極材料によれば、モル比Ni/Liが1.1/0.9よりも小さいリチウムとニッケルとの複合酸化物を含むようにしたので、正極の容量を大きくすることができるという効果を奏する。

    【0080】加えて、請求項8ないし請求項10のいずれか1に記載の二次電池によれば、正極が本発明の正極材料と同様の複合酸化物を含んでいるので、高い充放電効率を得ることができ、電池寿命を延長することができるという効果を奏する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施の形態に係る正極材料を用いた二次電池の構成を表す断面図である。

    【図2】本発明の実施例1に係る二次電池のサイクリックボルタングラムである。

    【図3】比較例1に係る二次電池のサイクリックボルタングラムである。

    【図4】比較例2に係る二次電池のサイクリックボルタングラムである。

    【図5】本発明の実施例2に係る二次電池のサイクリックボルタングラムである。

    【図6】比較例3に係る二次電池のサイクリックボルタングラムである。

    【符号の説明】

    11…外装カップ、12…正極、13…外装缶、14…
    負極、15…セパレータ、16…電解液、17…絶縁ガスケット

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