電池用セパレータ

阅读:243发布:2023-12-28

专利汇可以提供電池用セパレータ专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】本発明の課題は、電池の内部抵抗が低く、耐久性に優れた電池用セパレータを提供することである。 【解決手段】多孔性支持体と無機微粒子を含有してなる多孔質膜層を有する電池用セパレータにおいて、該無機微粒子が、 水 熱合成によって得られたAlO x (OH) y (1.0
酸化 物系複合体であることを特徴とする、電池用セパレータ。 【選択図】なし,下面是電池用セパレータ专利的具体信息内容。

多孔性支持体と無機微粒子を含有してなる多孔質膜層を有する電池用セパレータにおいて、該無機微粒子が、熱合成によって得られたAlOx(OH)y(1.0該無機微粒子のX線回折による2θ=14.4°のピーク強度(P1)よりも、2θ=28.2°のピーク強度(P2)が大きい(P1該無機微粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである請求項1又は2記載の電池用セパレータ。

说明书全文

本発明は、電池用セパレータに関するものである。

従来、リチウム二次電池に使用されている電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と略記する場合がある)としては、貫通した微細孔を有するポリオレフィンの多孔フィルムが用いられてきた。このセパレータは、電池が異常を起こして発熱した場合に、貫通した微細孔が溶融して閉塞し、電池の内部抵抗を高めることで、発熱を抑制し、電極剤であるコバルト酸リチウムの熱暴走による電池の爆発を抑制する仕組みを担ってきた。

しかし、ハイブリッド自動車用電池や無停電電源など、大電流による充放電が必要な用途では、最近の研究によって、電極剤によって熱暴走爆発を抑制する技術も開発されている。しかしながら、電池内の温度がこれまで以上に急激に上昇する場合がある。その場合には、セパレータが熱収縮することによって電極間接触が発生し、熱暴走が発生し、電池が爆発する場合がある。この電極間接触を避けるために、耐熱性が高くて熱収縮が起こりにくく、かつ内部抵抗の小さなセパレータが要望されている。

この要望に対し、不織布などの孔の開いた多孔質支持体とセラミック材料による多孔質膜を複合させたセパレータが開示されている。このセパレータでは、多孔質セラミック材料によって耐熱性が付与されていて、電池の熱暴走が発生した場合でも、セパレータの熱収縮が起こりにくく、電極間接触が抑制される(例えば、特許文献1参照)。このセパレータでは、セラミック材料がセパレータの表面に存在すると共に、セパレータ内部にも浸透することによって、高い電解液の保持性や耐熱性を付与することが可能である。

また、多孔性のフィルムの片面に無機層を設けることによって、耐熱性が付与されたセパレータも提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。

セラミック材料による多孔質膜や無機層は、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、ケイ素酸化物、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの酸化チタン及びその複合酸化物等の無機微粒子を含有することが一般的である。この中でも、アルミニウム酸化物は、最も頻繁に使用される無機微粒子の1つである。

アルミニウム酸化物のうち、熱合成によって得られる水酸化酸化アルミニウム(AlOOH)は、水熱合成時の条件によって、板状、粒状、針状等の種々の形態を得ることができ、凝集構造が特異的で大きな内部空間を形成でき、かつ、リチウム二次電池用電解液に対する濡れ性にも優れており、特に好ましい材料である。しかしながら、原料の水酸化アルミニウムに由来する構造水などによって、電解液に対する耐久性に問題があり、繰り返し充放電を行った際の耐久性に問題が生じる場合があった(例えば、特許文献4〜6参照)。

さらに、従来のセパレータの厚さは30μm程度であったが、近年ではセパレータの薄膜化の要望が強く、厚さ25μm以下の薄膜化セパレータが必要となっていて、さらには、厚さ20μm程度又はそれ以下のセパレータも要望されている。このために、セパレータに用いられるアルミニウム酸化物にも、粒子形状やサイズに制約が出てきている。粒子のサイズが小さくなって、アルミニウム酸化物の充填構造が密になりすぎると、セパレータの内部抵抗が高くなることもある。従来のアルミニウム酸化物では、電解液に対する耐久性、低内部抵抗、セパレータの薄膜化という課題をすべて満たすことは容易ではなかった。

特許第4594098号公報

特表2008−503049号公報

特許第4499851号公報

特許第4426721号公報

国際公開第2008/114727号パンフレット

特開2013−254677号公報

本発明の課題は、アルミニウム酸化物を用いた電池用セパレータにおいて、電解液に対する耐久性に優れ、セパレータの薄膜化の要望にも対応でき、電池の内部抵抗を低くすることもできる電池用セパレータを提供することである。

下記に示す本発明によって、上記課題を解決できることが見出された。

(1)多孔性支持体と無機微粒子を含有してなる多孔質膜層を有する電池用セパレータにおいて、該無機微粒子が、水熱合成によって得られたAlOx(OH)y(1.0

(2)該無機微粒子のX線回折による2θ=14.4°のピーク強度(P1)よりも、2θ=28.2°のピーク強度(P2)が大きい(P1

(3)該無機微粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである上記(1)又は(2)記載の電池用セパレータ。

本発明では、アルミニウム酸化物を用いた電池用セパレータにおいて、電解液に対する耐久性に優れ、セパレータの薄膜化の要望にも対応でき、電池の内部抵抗を低くすることもできる電池用セパレータを提供することができる。

アルミニウム酸化物系複合体8のX線回折スペクトルである。

アルミニウム酸化物系複合体9のX線回折スペクトルである。

本発明の電池用セパレータは、多孔性支持体と無機微粒子を含有してなる多孔質膜層を有する電池用セパレータであり、該無機微粒子が、水熱合成によって得られたAlOx(OH)y(1.0

水熱合成によって得られるアルミニウム酸化物系複合体は、AlOx(OH)y(0

x(OH)

y(1.0

x(OH)

y(1.0

アルミニウム酸化物系複合体の酸素/アルミニウム元素比率は、エネルギー分散型X線分光(EDS)によって測定される。この測定方法は、電子線により励起した元素が特定のX線を放出する原理を利用したもので、測定精度5%以下で、酸素/アルミニウムの元素比率を同時に測定できる優れた方法である。一般的に、走査型電子顕微鏡(SEM)に専用の分光装置を付加して測定可能で、電子線の試料への浸透距離も数μm程度あるので、観察検体のほぼ平均的な元素比率を得られ、再現性の高い分析方法である。

水熱合成の出発原料としては、水酸化アルミニウム、アンモニウムアルミニウム炭酸塩(Ammonium Aluminum Carbonate Hydroxide、AACH)等が挙げられる。

一般的に、水酸化アルミニウム[Al(OH)3]を出発原料として150〜200℃で水熱合成を行うと、アルミニウム酸化物系複合体として、水酸化酸化アルミニウム[AlO(OH)、鉱物名:ベーマイト(Boehmite)]が生成する。しかし、表面に存在する過剰の水酸基や原料の水酸化アルミニウムの微量残渣などにより、得られるアルミニウム酸化物系複合体は、AlOx(OH)y(x<1.0、y>1.0、2x+y=3:酸素/アルミニウム元素比率で2.0以上)となる場合が多い。しかし、このアルミニウム酸化物系複合体が電池に入れられると、過剰な水酸基が電解液の加水分解を促進するので、好ましくない。そのため、この後に、電気炉などで加熱処理を施して、酸素/アルミニウム元素比率の再調整を行う。加熱温度は350〜500℃が好ましく、400〜470℃がより好ましい。しかし、加熱温度が400℃未満の場合には反応速度が遅く、大量合成には不向きであり、また、加熱温度が450℃を超えると、次第に酸化アルミニウムに転位する場合があるので、さらに好ましい加熱温度は400〜450℃である。

しかし、この加熱処理を経ると、表面の状態が不活性化して、アルミニウム酸化物系複合体微粒子の充填濃度が増加して、多孔質膜層の空隙が低下する場合があり、一般的に電池の内部抵抗が大きくなる場合がある。そのため、本発明では、水熱合成の出発原料としては、AACHを使用することが好ましい。AACHからは、200℃程度の低温における水熱合成でも、アモルファスの酸化アルミニウム(Alumina、アルミナ)が形成されることが知られており、水熱合成を行うと、ベーマイトに類似するX線回折構造を有しながら、ベーマイトとしては酸素欠損状態を有するアルミニウム酸化物系複合体となる。

水酸化アルミニウムとしては、ギブサイトやバイヤライトなどの水酸化アルミニウムが挙げられる。また、アルミニウムアルコキシドなどの有機アルミニウム化合物を経由する高純度水酸化アルミニウムも使用できる。

アルミニウム酸化物系複合体の粒子形状を制御するために、アルカリ金属イオンやアンモニアを併用して合成してもよい。アンモニアの添加やナトリウム、カリウムイオンの微量添加では、立方体状や板状物が得られる。マグネシウムイオンの微量添加では、針状物などが得られる。さらに、水酸基やカルボン酸などを有する有機系化合物などを併用することによっても、異形粒子が得られる。原料となる水酸化アルミニウムやAACHは、ボールミルなどの湿式分散機で予め粒度を調整して用いても良い。

本発明におけるアルミニウム酸化物系複合体では、X線回折による2θ=14.4°のピーク強度(P1)よりも、2θ=28.2°のピーク強度(P2)が大きい(P1

本発明における無機微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜3.0μmであり、より好ましくは0.1〜1.5μmであり、更に好ましくは0.2〜1.0μmである。平均粒子径は、無機微粒子を水で充分に希釈し、これをレーザー散乱タイプの粒度測定機(マイクロトラック(Microtrac)社製、商品名:3300EX2)によって測定して得られた中心粒子径(D50、体積平均)である。平均粒子径が0.1〜3.0μmの無機微粒子が多孔質膜層に含まれることによって、内部空隙の大きな多孔質膜層を得られやすくなり、電池の内部抵抗を低下させることが容易になる。

電池を安定に動作させるためには、多孔質膜層が形成する平均細孔径は重要な要素である。特に、セパレータの平均細孔径が1.0μmを超えると、内部短絡(内部ショート)を誘発して、放電容量の充電容量に対する比率が低下する、充電が不能となるなど、充放電特性が崩れる場合がある。そのため、多孔質膜層を形成する際には、平均細孔径をコントロールしながら、塗工量や厚さを調整することが必要である。これまでの知見から、多孔質膜層に用いる無機微粒子の平均粒子径が1.5μmを超える場合は、最低でも15g/m2程度の塗工量が必要である。この塗工量では、多孔性支持体の厚さを加えると、厚さが20μm程度又はそれ以下の薄膜化セパレータを作製することは難しい。

無機微粒子の平均粒子径とセパレータの平均細孔径を詳細に検討した結果、厚さ20μm程度又はそれ以下の薄膜化セパレータを得るためには、無機微粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmであることが好ましいことが見出された。この範囲であれば、安定した充放電特性が得られる。無機微粒子の平均粒子径は0.4〜0.8μmであることが特に好ましい。

本発明における平均細孔径はPorous Materials Inc.製Capiillary Flow Porometer CEP−1500Aで測定した。

水熱合成の出発原料としてAACHを使用した場合に得られるアルミニウム酸化物系複合体は平均粒子径0.2μm程度の基本構造を有して、立方体に近い粒状構造を有している。このAACHを出発原料としたアルミニウム酸化物系複合体は、湿式ビーズミル分散等で平均粒子径を容易にコントロールすることができるという特徴を有している点でも、水酸化アルミニウムを出発原料としたアルミニウム酸化物系複合体よりも好ましい。

本発明の電池用セパレータは、無機微粒子の水系分散液又は溶剤系分散液である塗液を、多孔性支持体に塗工又は含浸させて、多孔質膜層を成形することによって製造される。この際、多孔質膜層には、高分子結着剤等が併用されても良い。

水系分散液には、水溶性セルロース誘導体を含有させることが有効である。水溶性セルロース誘導体とは、グリコシド結合によって直鎖に結合したβ−グルコース分子の水酸基の一部を変性し、水溶化が可能として合成されたセルロース誘導体であって、水酸基の一部が、カルボキシメトキシ(carboxymethoxy)基、メトキシ基(methoxy)、ヒドロキシエトキシ(hydroxyethoxy)基、ヒドロキシプロポキシ(hydroxypropoxy)基に変性されている化合物を示す。カルボキシメトキシ基で置換された誘導体はカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)と呼ばれ、ナトリウム塩やアンモニウム塩等にして水溶性化できる。メトキシ基のみを含有するメチルセルロース(methylcellulose)は、低温水にのみ溶解し、温度が上昇すると、水溶液をゲル化する熱ゲル性を有する。また、起泡性・発泡性に優れており、ノニオン性の高分子界面活性剤的な挙動が得られる。一般的にメトキシ基に、ヒドロキシエトキシ基やヒドロキシプロポキシ基を組み合わせることによって、溶解性や熱ゲル性をコントロールすることができる。そのほか、水溶性カチオン化セルロースも用いることができる。しかし、酢酸セルロース(acetylcellulose)、エチルセルロース(ethylcellulose)などのセルロース誘導体は、水には溶解しない非水溶性セルロース誘導体であるので、水系分散液には用いることが難しい。水溶性セルロース誘導体は、無機微粒子と併用されて、多孔質膜層を形成し、内部抵抗を低減化させることができる。水溶性セルロース誘導体の含有量が多すぎると、乾燥工程で空隙の周囲で成膜化して独立した空隙を形成してしまうので、水溶性セルロース誘導体の含有量は、乾燥質量基準で、多孔質膜層の5質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下である。

さらに、無機微粒子間や、多孔性支持体と無機微粒子間の結着性を改善させるために、各種高分子結着剤を併用することができる。このような結着剤としては、ラテックス系の高分子結着剤を使用することが好ましい。高分子結着剤としては、ポリオレフィン(polyolefin)系、スチレン−ブタジエン(styrene−butadiene)系、アクリル系などを用いることができる。高分子結着剤の含有量は、乾燥質量基準で、多孔質膜層の0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜8質量%である。

さらに、多孔質膜層の空隙を調整するために、複数の形状のアルミニウム酸化物系複合体や、他の金属酸化物、不溶性塩等の無機微粒子を併用することもできる。空隙を調整するために、所定のアルミニウム酸化物系複合体以外に併用される無機微粒子の含有量は、乾燥質量基準で、多孔質膜層の80質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以下である。

本発明では、電池用セパレータとしての強度を向上させるために、多孔質膜層と共に、多孔性支持体を用いる。多孔性支持体としては、多孔フィルム、織布、不織布、編物等が挙げられる。多孔性支持体の材質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アラミド、セルロース等を挙げることができる。多孔性支持体としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アラミド、セルロース等の繊維を用いた不織布であることが好ましい。電解液への耐久性があり、微細繊維の入手が容易なポリエステルやポリオレフィンの繊維を用いた不織布であることがより好ましく、耐熱性に優れたポリエステル繊維を用いた不織布が更に好ましい。不織布は、湿式法、乾式法、静電紡糸法等の各種方法で製造することができる。

多孔性支持体の厚さは、5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが更に好ましく、12μm以上であることが特に好ましい。また、多孔性支持体の厚さは、25μm以下であることが好ましく、18μm以下であることがより好ましく、16μm以下であることが更に好ましく、15μm以下であることが特に好ましい。多孔性支持体の空隙率は、30〜80%であることが好ましい。40〜80%であることがより好ましく、50〜80%であることが更に好ましく、55〜70%であることが特に好ましい。薄膜化セパレータのためには、厚さ8〜16μm、空隙率50〜80%であることが好ましく、厚さ10〜15μm、空隙率55〜70%であることがより好ましい。

多孔質膜層は、無機微粒子の塗液を、多孔性支持体に塗工又は含浸させ、乾燥させて形成することができる。場合によっては、乾燥前に塗液をゲル化させても良い。塗工又は含浸の方法としては、エアドクターコーター(air doctor coater)、ブレードコーター(blade coater)、ナイフコーター(knife coater)、ロッドコーター(rod coater)、スクイズコーター(squeeze coater)、含浸コーター(dip coater)、グラビアコーター(gravure coater)、キスロールコーター(kiss roll coater)、ダイコーター(die coater)、リバースロールコーター(reverse roll coater)、トランスファーロールコーター(transfer roll coater)、スプレーコーター(spray coater)等を用いた方法を使用することができる。

多孔質膜層の塗工量は、乾燥質量で0.5〜50g/m2であることが好ましく、0.5〜30g/m2であることがより好ましく、1〜30g/m2であることが更に好ましく、1.0〜15g/m2であることが特に好ましく、3〜12g/m2であることが最も好ましい。乾燥後にカレンダー処理や熱カレンダー処理を施して、電池用セパレータの厚さを調整することも可能である。電池用セパレータの厚さは、10μm以上が好ましく、12μm以上がより好ましく、18μm以上が更に好ましい。また、電池用セパレータの厚さは、30μm以下が好ましい。薄膜化セパレータとしては、25μm以下がより好ましく、22μm以下が更に好ましく、厚さ20μm程度(19〜21μm)であることが特に好ましく、厚さ20μm程度以下であっても良い。

電池用セパレータは、裁断されてリチウム二次電池用の電極材料間に挟み込まれて、電解液を注入し、電池を封止して、リチウム二次電池となる。正極を構成する材料は、主に、活物質とカーボンブラック等の導電剤、ポリフッ化ビニリデンやスチレン−ブタジエンゴム(SBR)等のバインダーであって、活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(NMC)やアルミニウムマンガン酸リチウム(AMO)などのリチウムマンガン複合酸化物、鉄リン酸リチウムなどが用いられる。これらは、混合されて集電体であるアルミニウム箔上に塗布されて正極となる。

負極を構成する材料は、主に、活物質と導電剤、結着剤であり、活物質としては、黒鉛、非晶質炭素材料、ケイ素、リチウム、リチウム合金などが用いられる。これらは混合されて、集電体である銅箔上に塗布されて負極となる。

リチウム二次電池は、正極、負極間にセパレータを挟み込み、ここに電解液を含浸させて、イオン伝導性を持たせて導通させる。リチウム二次電池では非水系電解液が用いられるが、一般的に、非水系電解液は溶媒と支持電解質で構成させる。溶媒として好ましく用いられるのは、例えばエチレンカーボネイト(EC)、プロピレンカーボネイト(PC)、ジエチルカーボネイト(DEC)、ジメチルカーボネイト(DMC)、エチルメチルカーボネイト(EMC)及び添加剤的な働きを有するビニレンカーボネイト、ビニルエチレンカーボネイトなどのカーボネイト系である。ジメトキシエタン(DME)を用いることもできる。支持電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)のほかに、LiN(SO2CF3)2などの有機リチウム塩なども用いられる。イオン液体も利用できる。

外装体としては、アルミニウムやステンレススチール等の金属円筒缶や形缶、アルミニウム箔をポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等でラミネート加工したラミネートフィルムを用いたシート型の外装体が利用できる。また、積層化してスタッキングして用いることや、円柱状に回旋して用いることもできる。

本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。

<アルミニウム酸化物系複合体の合成> 水酸化アルミニウム(式量78)40g(0.513mol)と水60gを混合して、ビーズミルで湿式粉砕して平均粒子径0.4μmの水酸化アルミニウムスラリーを作製した。このスラリーに0.4g(0.01mol)の水酸化ナトリウム(NaOH)を添加して、よく撹拌した後、300℃で2時間、水熱状態で加熱し、平均粒子径1.2μm、厚さ100nm、AlO0.9(OH)1.2である板状であるアルミニウム酸化物系複合体1(複合体1)を合成した。

複合体1を、大気中、430℃で6時間加熱して、AlO1.05(OH)0.9であるアルミニウム酸化物系複合体2(複合体2)を得た。

複合体1を、大気中、450℃で6時間加熱して、AlO1.2(OH)0.6であるアルミニウム酸化物系複合体3(複合体3)を得た。

複合体1を、大気中、460℃で4時間加熱して、AlO1.3(OH)0.4であるアルミニウム酸化物系複合体4(複合体4)を得た。

複合体1を、大気中、470℃で3時間加熱して、AlO1.4(OH)0.2であるアルミニウム酸化物系複合体5(複合体5)を得た。

複合体1を、500℃で6時間加熱して、酸化アルミニウム(Al2O3:AlOx(OH)y、x=1.5、y=0)であるアルミニウム酸化物系複合体6(複合体6)を得た。

水酸化アルミニウム(式量78)40g(0.513mol)と水60gを混合して、ビーズミルで湿式粉砕して平均粒子径0.4μmの水酸化アルミニウムスラリーを作製した。このスラリーに0.4g(0.01mol)の水酸化ナトリウムを添加して、よく撹拌した後、170℃で4時間、水熱状態で加熱し、粒状の平均粒子径0.8μm、AlO0.4(OH)2.2であるアルミニウム酸化物系複合体7(複合体7)を合成した。

(実施例1−1) 下記の材料をホモジナイザー(プライミクス(PRIMIX)製、商品名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、回転数1500rpm)で3時間撹拌して、分散液(1)を作製した。

複合体2 60質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ(POIZ)520) 0.5質量部 蒸留水 100質量部

分散液(1)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙(Nippon Paper Industries)製、商品名:MAC500LC)100質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を6質量部添加して、塗液(1)を作製した。

延伸レギュラーポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(0.1dtex、長さ5mm)30質量部、延伸レギュラーPET繊維(0.3dtex、長さ5mm)40質量部、未延伸PET繊維(0.2dtex、長さ4mm)30質量部の構成で、湿式法により目付量9.5g/m2のウェッブを作製した。この時の乾燥温度は130℃であった。次に、190℃で熱カレンダー処理を施し、厚さ15μmの多孔性支持体(1)を作製した。塗液(1)を多孔性支持体(1)に含浸させた後、100℃で乾燥させ、塗工量11g/m2で、厚さ24μmのセパレータを得た。

(実施例1−2) 実施例1−1における複合体2の代わりに複合体3を用いて、塗工量11g/m2で、厚さ24μmのセパレータを得た。

(実施例1−3) 実施例1−1における複合体2の代わりに複合体4を用いて、塗工量12g/m2で、厚さ24μmのセパレータを得た。

(比較例1−1) 実施例1−1における複合体2の代わりに複合体1を用いて、塗工量11g/m2で、厚さ24μmの比較セパレータを得た。

(比較例1−2) 実施例1−1における複合体2の代わりに複合体5を用いて、塗工量12g/m2で、厚さ24μmの比較セパレータを得た。

(比較例1−3) 実施例1−1における複合体2の代わりに複合体6を用いて、塗工量12g/m2で、厚さ24μmの比較セパレータを得た。

(比較例1−4) 実施例1−1における複合体2の代わりに複合体7を用いて、塗工量14g/m2で、厚さ24μmの比較セパレータを得た。

[膜抵抗の測定] 直径3cmと直径1.5cmの円柱形の銅の間に電解液を含浸させたセパレータを挟み込みこんだ。電解液には、リチウム二次電池用電解液(溶媒:EC/DEC/DME=1/1/1(体積比)、支持電解質:六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)1mol/l)を用いた。両銅を電極として、Solatron製、Electrochemical Mesurement Unit SI−1280Bを用いて、電極間の抵抗値を20kHz、10mVのバイアス電圧で測定した。結果を表1に与えた。

[電池特性の評価] アルミニウム箔上に、マンガン酸リチウム、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを100/5/3の質量比で200g/m2塗工し、溶剤を乾燥して、さらにプレスをかけて正極を作製した。一方、銅箔上に、球状人造黒鉛、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを85/15/5の質量比で100g/m2塗工し、乾燥後プレスをかけて負極を作製した。

両電極間にセパレータを挟み込み、リチウム二次電池用電解液(溶媒:EC/DEC/DME=1/1/1(体積比)、支持電解質:LiPF6 1mol/l)を滴下し、減圧化でアルミニウム箔ラミネートフィルム中に封止して、リチウム二次電池を作製した。次に、リチウム二次電池を0.2Cで4.2Vまで充電し、0.2C(300分の放電時間)の条件での放電開始から30分後の電圧から電圧降下値を求め、この電圧降下値から内部抵抗を測定した。さらに、1Cでの充放電を100回繰り返して、1回目の放電容量に対する100回目の放電容量の割合(容量維持率)を測定した。結果を表1に与えた。

多孔性支持体と無機微粒子を含有してなる多孔質膜層を有する電池用セパレータにおいて、無機微粒子が、水酸化アルミニウムが残存するアルミニウム酸化物系複合体である場合、即ち無機微粒子がAlOx(OH)y(0.0≦x≦1.0、2x+y=3)の場合(比較例1−1及び1−4)、電解液に対する濡れ性が高く、膜抵抗と電池の内部抵抗は低く抑制できたが、電池を繰り返し使用した場合、電池の容量低下が激しかった。比較例1−4では、ガスの発生も確認され、電池が膨張した。一方、無機微粒子が酸化アルミニウムの構造が主となるアルミニウム酸化物系複合体である場合、即ち無機粒子がAlOx(OH)y(1.3

x(OH)

y(1.0

<アルミニウム酸化物系複合体の合成> アンモニウムアルミニウム炭酸塩(NH4AlCO3(OH)2、式量139)70g(0.504mol)と水100gを混合し、ビーズミルで湿式粉砕し、平均粒子径0.5μmのスラリーを作製した。これを160℃で12時間、水熱状態で加熱し、平均粒子径1.0μm、AlO1.1(OH)0.8の粒状のアルミニウム酸化物系複合体8を合成した。アルミニウム酸化物系複合体8のX線回折スペクトルを測定し、図1に与えた。

水酸化アルミニウム(式量78)40g(0.513mol)と水60gを混合して、ビーズミルで湿式粉砕して平均粒子径0.3μmの水酸化アルミニウムスラリーを作製した。このスラリーに0.4g(0.01mol)の水酸化ナトリウムを添加して、よく撹拌した後、120℃で4時間、水熱状態で加熱し、平均粒子径1.0μm、AlO0.9(OH)1.2である粒状のアルミニウム酸化物系複合体9(複合体9)を合成した。アルミニウム酸化物系複合体9のX線回折スペクトルを測定し、図2に与えた。

図1及び2から、アルミニウム酸化物系複合体8では、2θ=14.4°のピーク強度(P1)よりも、2θ=28.2°のピーク強度(P2)が大きく(P1

P2)。

(実施例2−1) 下記の材料をホモジナイザー(プライミクス製、商品名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、回転数1500rpm)で3時間撹拌して、分散液(2)を作製した。

複合体8 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 0.6質量部 蒸留水 150質量部

分散液(2)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(2)を作製した。

延伸レギュラーPET繊維(0.1dtex、長さ5mm)30質量部、延伸レギュラーPET繊維(0.3dtex、長さ5mm)40質量部、未延伸PET繊維(0.2dtex、長さ4mm)30質量部の構成で、湿式法により目付量8.0g/m2のウェッブを作製した。この時の乾燥温度は130℃であった。次に、190℃で熱カレンダー処理を施し、厚さ15μmの多孔性支持体(2)を作製した。塗液(2)を多孔性支持体(2)に含浸させた後、100℃で乾燥させ、塗工量9.0g/m2で、厚さ22μmのセパレータを得た。

(比較例2−1) 下記の材料をホモジナイザー(プライミクス製、商品名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、回転数1500rpm)で3時間撹拌して、分散液(3)を作製した。

複合体9 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 0.6質量部 蒸留水 150質量部

分散液(3)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(3)を作製した。塗液(3)を多孔性支持体(2)に含浸させた後、100℃で乾燥させて、塗工量9.0g/m2で、厚さ22μmのセパレータを得た。

[電池特性の評価] アルミニウム箔上に、マンガン酸リチウム、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを100/5/3の質量比で200g/m2塗工し、溶剤を乾燥して、さらにプレスをかけて正極を作製した。一方、銅箔上に、球状人造黒鉛、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを85/15/5の質量比で100g/m2塗工し、乾燥後プレスをかけて負極を作製した。

両電極間にセパレータを挟み込み、リチウム二次電池用電解液(溶媒:EC/DEC/DME=1/1/1(体積比)、支持電解質:LiPF6 1mol/l)を滴下し、減圧化でアルミニウム箔ラミネートフィルム中に封止して、リチウム二次電池を作製した。次に、リチウム二次電池を0.2Cで4.2Vまで充電し、0.2C(300分の放電時間)の条件での放電開始から30分後の電圧から電圧降下値を求め、この電圧降下値から内部抵抗を測定した。また、1Cにおける放電容量と充電容量を測定し、初回の放電効率(放電容量/充電容量×100)を測定した。さらに、電池を80℃で24時間加熱した後に、1Cにおける放電容量と充電容量を測定し、加熱後の放電効率を測定した。結果を表2に与えた。

実施例2−1と比較例2−1では、どちらも、厚さ22μmの薄膜化セパレータが得られている。しかし、P1よりもP2が大きい(P1

P2)アルミニウム酸化物系複合体9を使用した比較例2−1のセパレータを用いた電池よりも、内部抵抗が低く、加熱による放電効率の低下も抑制されていた。

<アルミニウム酸化物系複合体の合成> 水酸化アルミニウム(式量78)40g(0.513mol)と水60gを混合して、ビーズミルで湿式粉砕して平均粒子径0.3μmの水酸化アルミニウムスラリーを作製した。このスラリーに0.4g(0.01mol)の水酸化ナトリウムを添加して、よく撹拌した後、160℃で2時間、水熱状態で加熱し、平均粒子径1.0μm、AlO0.9(OH)1.2のアルミニウム酸化物系複合体10を合成した。次に、アルミニウム酸化物系複合体10を430℃で6時間加熱して、平均粒子径1.0μm、AlO1.05(OH)0.9である粒状のアルミニウム酸化物系複合体11(複合体11)を得た。

アンモニウムアルミニウム炭酸塩(NH4AlCO3(OH)2、式量139)70g(0.504mol)と水100gを混合し、ビーズミルで湿式粉砕し、平均粒子径0.5μmのスラリーを作製した。これを200℃で12時間、水熱状態で加熱し、平均粒子径2.2μm、AlO1.1(OH)0.8である粒状のアルミニウム酸化物系複合体12(複合体12)を得た。

アルミニウム酸化物系複合体10を470℃で6時間加熱して、平均粒子径1.0μmのAlO1.2(OH)0.6である粒状のアルミニウム酸化物系複合体13(複合体13)を得た。

水酸化アルミニウム(式量78)40g(0.513mol)と水60gを混合して、ビーズミルで湿式粉砕して平均粒子径0.1μmの水酸化アルミニウムスラリーを作製した。このスラリーに0.4g(0.01mol)の水酸化ナトリウムを添加して、よく撹拌したのち、130℃で4時間、水熱状態で加熱し、平均粒子径0.6μm、AlO0.9(OH)1.2である粒状のアルミニウム酸化物系複合体14(複合体14)を合成した。

水酸化アルミニウム(式量78)40g(0.513mol)と水60gを混合して、ビーズミルで湿式粉砕して平均粒子径0.1μmの水酸化アルミニウムスラリーを作製した。このスラリーに1.2g(0.03mol)の水酸化ナトリウムを添加して、よく撹拌したのち、130℃で4時間、水熱状態で加熱し、平均粒子径0.2μm、AlO0.9(OH)1.2である粒状のアルミニウム酸化物系複合体15(複合体15)を合成した。

(実施例3−1) 下記の材料をホモジナイザー(プライミクス製、商品名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、回転数1500rpm)で3時間撹拌して、分散液(4)を作製した。

複合体11 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 0.6質量部 蒸留水 150質量部

分散液(4)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(4)を作製した。複合体11の平均粒子径は、合成時と同じく1.0μmであった。塗液(4)を多孔性支持体(2)に含浸させた後、100℃で乾燥させて、塗工量9.0g/m2で、厚さ22μmのセパレータを得た。

(実施例3−2) 塗工量を7.0g/m2にした以外は実施例3−1と同様にして、厚さ21μmのセパレータを得た。

(実施例3−3) 塗工量を6.0g/m2にした以外は実施例3−1と同様にして、厚さ20μmのセパレータを得た。

(実施例3−4) 下記の材料をビーズミルで2時間撹拌して、分散液(5)を作製した。

複合体12 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 0.6質量部 蒸留水 150質量部

分散液(5)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(5)を作製した。複合体12の平均粒子径は1.0μmであった。

塗液(5)を多孔性支持体(2)に含浸させた後、100℃で乾燥させて、塗工量7.0g/m2で、厚さ21μmのセパレータを得た。

(実施例3−5) 下記の材料をビーズミルで12時間撹拌して、分散液(6)を作製した。

複合体12 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 0.6質量部 蒸留水 150質量部

分散液(6)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(6)を作製した。複合体12の平均粒子径は0.6μmであった。

塗液(6)を多孔性支持体(2)に含浸させた後、100℃で乾燥させて、塗工量5.8g/m2で、厚さ20μmのセパレータを得た。

(実施例3−6) 下記の材料をビーズミルで24時間撹拌して、分散液(7)を作製した。

複合体12 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 1.2質量部 蒸留水 150質量部

分散液(7)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(7)を作製した。複合体12の平均粒子径は0.3μmであった。

塗液(7)を多孔性支持体(2)に含浸させた後、100℃で乾燥させて、塗工量4.5g/m2で、厚さ19μmのセパレータを得た。

(実施例3−7) 下記の材料をビーズミルで24時間撹拌して、分散液(8)を作製した。

複合体12 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 3.0質量部 蒸留水 150質量部

分散液(8)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(8)を作製した。複合体12の平均粒子径は0.2μmであった。

塗液(8)を多孔性支持体(2)に含浸させた後、100℃で乾燥させて、塗工量4.5g/m2で、厚さ19μmのセパレータを得た。

(実施例3−8) 複合体1の代わりに複合体3を用い、塗工量を9.0g/m2にした以外は、実施例3−1と同様にして、厚さ21μmのセパレータを得た。

(実施例3−9) 下記の材料をホモジナイザー(プライミクス製、商品名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、回転数1500rpm)で3時間撹拌して、分散液(9)を作製した。

複合体12 30質量部 特殊カルボン酸型高分子活性剤(花王製、商品名:ポイズ520) 0.6質量部 蒸留水 150質量部

分散液(9)100質量部に、濃度0.6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(日本製紙製、商品名:MAC500LC)50質量部とアクリル系ラテックス(JSR製、商品名:TRD202A、濃度40.2質量%)を3質量部添加して、塗液(1)を作製した。複合体2の平均粒子径は、合成時と同じく2.2μmであった。

塗液(9)を多孔性支持体(2)に含浸させて、100℃で乾燥させて、塗工量15.0g/m2で、厚さ27μmのセパレータを得た。

(実施例3−10) 塗工量を9.0g/m2にした以外は実施例3−9と同様にして、厚さ24μmのセパレータを得た。

(実施例3−11) 塗工量を7.0g/m2にした以外は実施例3−9と同様にして、厚さ22μmのセパレータを得た。

(比較例3−1) 複合体12の代わりに複合体14を用い、塗工量を6.0g/m2にした以外は、実施例3−9と同様にして、厚さ20μmのセパレータを得た。

(比較例3−2) 複合体2の代わりに複合体15を用い、塗工量を4.5g/m2にした以外は、実施例3−9と同様にして、厚さ19μmのセパレータを得た。

[電池特性の評価] アルミニウム箔上に、マンガン酸リチウム、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを100/5/3の質量比で200g/m2塗工し、溶剤を乾燥して、さらにプレスをかけて正極を作製した。一方、銅箔上に、球状人造黒鉛、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを85/15/5の質量比で100g/m2塗工し、乾燥後プレスをかけて負極を作製した。

両電極間にセパレータを挟み込み、リチウム二次電池用電解液(溶媒:EC/DEC/DME=1/1/1(体積比)、支持電解質:LiPF6 1mol/l)を滴下し、減圧化でアルミニウム箔ラミネートフィルム中に封止して、リチウム二次電池を作製した。次に、リチウム二次電池を0.2Cで4.2Vまで充電し、0.2C(300分の放電時間)の条件での放電開始から30分後の電圧から電圧降下値を求め、この電圧降下値から内部抵抗を測定した。また、1Cにおける放電容量と充電容量を測定し、初回の放電効率(放電容量/充電容量×100)を測定した。さらに、電池を80℃で24時間加熱した後に、1Cにおける放電容量と充電容量を測定し、加熱後の放電効率を測定した。結果を表3に与えた。また、各セパレータの平均細孔径を測定して、表3に与えた。

実施例3−1〜3−8のセパレータは、多孔性支持体と無機微粒子を含有してなる多孔質膜層を有し、無機微粒子が、水熱合成によって得られたAlOx(OH)y(1.0

実施例3−9〜3−11では、無機微粒子が2.2μmの水熱合成によって得られたAlOx(OH)y(1.0

2及び9.0g/m

2であり、セパレータの厚さが24μmと22μmである実施例3−10及び3−11では、平均細孔径が増大して、放電効率が低くなった。この無機微粒子では、電池を安定に動作させるためには、実施例3−9のように、塗工量15g/m

2が必要であり、その場合、セパレータの厚さは27μmで、薄膜化に対応することが難しかった。

比較例3−1では、無機微粒子の平均粒子径が0.6μmであり、比較例3−2では、無機微粒子の平均粒子径が0.2μmである。そのため、どちらも厚さ20μm以下のセパレータが得られていて、初回放電効率は90%であり、問題が無かった。しかし、xが1.0以下であり(x≦1.0)、yが1.0以上であるため(y≧1.0)、無機微粒子の過剰な水酸基によって、加熱によって電池特性が著しく低下し、加熱後放電効率は55%以下にまで低下した。

実施例3−1〜3−4では、平均粒子径1.0μmで、水熱合成によって得られたAlOx(OH)y(1.0

2である実施例3−3では、実施例3−1、3−2及び3−4と比較して、放電効率が低下した。よって、電池をより安定に動作させるためには、塗工量は7.0g/m

2以上であることが好ましいことがわかる。なお、実施例3−1〜3−4では、セパレータの厚さが20〜22μmであり、塗工量が6.0g/m

2である実施例3−3では、20μmである。実施例3−5では、平均粒子径0.6μmのアルミニウム酸化物系複合体を用いているが、塗工量が5.8g/m

2と少ないにも係わらず、放電効率も高く、内部抵抗も低く、電池を安定に動作させることができ、厚さが20μmという薄膜化セパレータの製造が可能であった。

実施例3−6及び3−7では、無機微粒子の平均粒子径が更に小さく、0.3μm及び0.2μmである。その結果、塗工量が4.5g/m2と少なく、セパレータの厚さは19μmであり、更に薄くすることができた。無機微粒子の平均粒子径が小さくなったため、無機微粒子の充填率が上がり、電池の内部抵抗が実施例3−1〜3−5と比較すると、若干増大した。しかし、初回放電効率は90%と高く、加熱後放電効率も高かった。

実施例3−8で使用したアルミニウム酸化物系複合体13は、x=1.2、y=0.6であり、実施例3−1で使用したアルミニウム酸化物系複合体11は、x=1.05、y=0.9である。アルミニウム酸化物系複合体の水酸基の量が多い実施例3−1の方が、内部抵抗は低く優れていて、該水酸基の量が少ない実施例3−8の方が、放電効率が高く優れていた。

これらの結果より、過剰な水酸基が少なく、平均粒子径が0.2〜1.0μmである無機微粒子によって、薄膜化セパレータを製造することができ、特に厚さ20μm程度又はそれ以下のセパレータを製造することもでき、かつ、電解液への耐久性が高く、電池を安定に動作させることができ、電池の内部抵抗を低くすることもできることが示された。

本発明の電池用セパレータは、リチウム二次電池用セパレータのほか、キャパシタ用セパレータとして利用できる。

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