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カロテノイド粒子およびその使用

阅读:2发布:2020-07-28

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ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団と、賦形剤とを含む、経口投与に適した医薬組成物または栄養組成物であって、ここで、 (a)各ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターは、1つまたは複数のカロテノイド化合物および1つまたは複数のカーゴ分子を含み; (b)前記1つまたは複数のカロテノイドが、前記1つまたは複数のカーゴ分子を含む内核を被包する外部層を形成し;かつ (c)前記集団は、乳清タンパク質を含まない、医薬組成物または栄養組成物。ミセルが、可溶性ミセルである、請求項1に記載の医薬組成物または栄養組成物。少なくとも90%のミセルが、可溶性ミセルである、請求項1または2に記載の医薬組成物または栄養組成物。カーゴ分子が、レシチン;リン脂質;炭化物;アミノ酸;フラボン;フラボノール;フラバノン;フラバノノール;イソフラボン;カテキン、ガロカテキン、カテキン3−ガレート、ガロカテキン3−ガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン3−ガレート、フラボン−3−オール;プロアントシアニジン;アントシアニジン;アントシアニンのアグリコン;シリビニン、シリマリン、クルクミノイド、ギンゲロール、セラミド;イソプレン、プレノール、イソ吉草酸、ゲラニルピロホスフェート、オイカリプトール、リモネン、ピネン、ファルネシルピロホスフェート、アルテミシニン、ビサボロール、ゲラニルゲラニルピロホスフェート、レチノール、レチナール、フィトール、タキソール、フォルスコリン、アフィジコリン、スクアレン、ラノステロール、テルペン、テルペノイド;ステロールおよびステロールエステル;植物ステロール;α−、β−、γ−およびδ−トコトリエノール;油、例えばサメまたは他の軟骨魚油、植物性油、またはアマランス種子、米、コムギ麦芽もしくはオリーブ由来の油;スクアレン、レチノイド、加水分解可能なタンニン、ケイ皮酸、リグニン ポリフェノール、ビタミン、無機物、カフェニン、テオブロミン、メチル−、ジメチル−およびパラ−ルキサンチネス(lxanthinesu)、キサンチンアルカロイド、ペニシリン、真菌代謝物、、セファロスポリン、カルダペネム、スルホンアミド、キノロン、オキサゾジノン、マクロライド、抗ウイルス薬、心血管薬、代謝薬、抗真菌薬、および抗寄生虫薬、ならびにスタチンから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物または栄養組成物。カーゴ分子が、スタチン、イソフラボン、レベスタロール、レシチン、アントシアニンのアグリコン、カテキン、またはビタミン、例えばビタミンDもしくはビタミンK1から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物または栄養組成物。ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、ルテイン、ゼアキサンチン、およびアスタキサンチンから選択される1つまたは複数のカロテノイド化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物または栄養組成物。(a)集団中の各ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、カーゴ分子を0.05〜90重量%含む; (b)カーゴ分子に対するカロテノイド化合物の重量比が0.02以上である: (c)カーゴ分子に対する1つまたは複数のカロテノイド化合物の重量比が最大20である; (d)ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、レシチンまたは他のリン脂質をさらに含む; (e)ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスター中のカロテノイド分子に対するレシチンの重量比が0.1以上である; (f)ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスター中のカロテノイド分子に対するレシチンの重量比が最大1000である;または (g)ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターのサイズが1nmから1μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物または栄養組成物。請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物または栄養組成物を生成する方法であって、 第1の溶媒に1つまたは複数のカロテノイドを溶解して第1の溶液を生成し、第2の溶媒にカーゴ分子を溶解して第2の溶液を生成するステップ、 1つまたは複数のカーゴ分子を1つまたは複数のカロテノイドのマトリックス中に取り込むことができる条件下で、第1の溶液と第2の溶液とを混合するステップ、および 混合物を蒸発および/または乾燥させて、ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターを生成するステップ を含む、方法。方法が、以下: 第1の溶媒に1つまたは複数のカロテノイドを溶解して第1の溶液を生成するステップ、および 乾燥カーゴ分子を液状カロテノイド液滴に取り込むことができる条件下で、第1の溶液と乾燥カーゴ分子とを混合するステップ を含む、請求項8に記載の方法。混合物を蒸発および/または乾燥させる、請求項9に記載の方法。方法が、以下: ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団を、1つまたは複数の担体、ビヒクル、および/または賦形剤と混合するステップを含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。個体を治療するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。カーゴ分子によって回復する状態を治療するための、請求項12に記載の医薬組成物。(a)カーゴ分子がスタチンであり、状態が心血管疾患、認知症、高血圧症、がん、白内障または高血清コレステロールレベルである; (b)カーゴ分子がレスベラトロールであり、状態が高コレステロールおよび/または高トリグリセリド、糖尿病、心血管および脳血管疾患、がん、急性および慢性の細菌、真菌およびウイルス感染症、神経変性疾患、胃腸管疾患、結合組織疾患、関節炎、または炎症状態である;または (c)カーゴ分子がイソフラボンであり、状態が高コレステロールおよび/または高トリグリセリド、糖尿病、心血管および脳血管疾患、がん、神経変性疾患、結合組織疾患、および炎症状態である、請求項13に記載の医薬組成物。

说明书全文

本発明は、個体の血流中に分子を送達するためのビヒクルに関する。

医薬品(pharmaceuticals)および栄養補助食品(dietary supplements)などの経口投 与される物質は、例えば、胃腸管中において、酵素による分解、酸化または胃の酸性度に よって、改変を受けるかまたは損傷を受けることが多い。この改変または損傷により、血 流中の物質の吸収およびその後のバイオアベイラビリティが低下する。

担体を有する製剤は、非改変形態または非損傷形態で吸収される不安定な物質の量を増 加させることができ、これにより、血流中のバイオアベイラビリティが向上する。

乳清タンパク質は、リコペンの活性を向上するための担体として以前使用されていた( Richelle et al, J.Nutr 132:404-408, 2002、PCT/EP01/06145)。乳清タ ンパク質担体を配合したリコペンは、アテローム発生性血清アブザイムを阻害し、かつア テローム性動脈硬化状態の治療に有用であることが報告されている(WO2007/01 0216)。

本発明は、リコペンなどのカロテノイドがカーゴ分子(cargo molecule)を血流へ送達 するのに有用となり得るという知見に関する。カロテノイド粒子にカーゴ分子を取り込む ことにより、他の送達システムと比べて、血流中のカーゴ分子のバイオアベイラビリティ の向上がもたらされ、有効性を実現するために必要な用量を低減することができるか、ま たは同じ用量で有効性を高めることができる。カロテノイド粒子は、個体へ経口投与する ための治療および栄養化合物の製剤において有用となり得る。

本発明の一態様は粒子の集団であって、各粒子がカロテノイド化合物および1つまたは 複数のカーゴ分子を含む集団を提供する。

カロテノイドは胃腸管中の酵素による分解に耐性がある。本明細書に記載のカロテノイ ド粒子にカーゴ分子を取り込むことにより、胃腸管中における損傷および/または改変か らの保護が実現する。

一部の実施形態では、集団中の1つまたは複数のカロテノイド粒子において、カロテノ イド化合物は、層、例えば1つまたは複数のカーゴ分子を含む内核を被包する外部層また は中間層を形成することができる(すなわち、ミセルまたは逆ミセル)。例えば、集団中 の粒子の1%以上、10%以上、20%以上、30%以上または40%以上が、このミセ ル構造を有することができる。集団中の粒子の最大100%、最大95%、最大90%、 最大80%、最大70%、または最大60%が、このミセル構造を有することができる。 カロテノイドミセルは可溶性となることがあり、例えば溶液中に存在することができる 。

一部の実施形態では、集団中の1つまたは複数のカロテノイド粒子において、カロテノ イド化合物は、カーゴ分子またはその疎水性部位がその中に固定されている(anchored) か、または埋め込まれている(embedded)マトリックスを形成することができる(すなわ ち、非ミセルまたは複合粒子)。例えば、集団中の粒子の1%以上、10%以上、20% 以上、30%以上、または40%以上が、この複合構造を有することができる。集団中の 粒子の最大100%、最大95%、最大90%、最大80%、最大70%または最大60 %が、この複合構造を有することができる。非ミセル粒子は乾燥形態で存在してもよいし 、または懸濁体もしくはコロイドとして存在してもよい。

ミセルまたは非ミセル構造を有する集団中の粒子の割合は、決まった技法を用いて決定 することができる。

集団中のカロテノイド粒子は均質(uniform)または実質的に均質な構造をとることが できるか(すなわち、均一(homogeneous)集団)、あるいは不均質(non-uniform)また は実質的に不均質な構造をとることができる(すなわち、不均一(heterogeneous)集団 )。

カロテノイド粒子は、集団内において、凝集体またはクラスターで存在することができ る。

集団中のカロテノイド粒子によって採られる構造は、製造方法、カーゴ分子(複数可) のサイズ、形状および疎水性、カーゴ分子に対するカロテノイドの比率、界面活性剤の存 在、カーゴ分子(複数可)中の疎水性部分と親水性部分との間の比率、ならびに、特に前 記粒子が1種超のタイプのカーゴ分子を含有している場合、カーゴ分子(複数可)の均一 性および純度を含めた、多くの要因に依存する。

カロテノイド化合物は、長いポリエン鎖を含有しているテトラテルペノイド類である。 カロテノイドには、キサントフィル、例えばルテインおよびゼアキサンチン、ならびにカ ロテン、例えばβ−カロテン、α−カロテン、ゼト(zeto)−カロテンならびにリコペン 、ならびに1−HO−3',4'−ジデヒドロリコペン、3,1'−(HO)2−γ−カロ テン、1,1'−(HO)2−3,4,3',4'−テトラデヒドロリコペン、1、1'−( HO)2−3,4−ジデヒドロリコペンを含めた関連分子が含まれる。

本明細書に記載される通りに使用することができる他の適切なカロテノイド化合物には 、炭化水素、例えばリコペルセン(7,8,11,12,15,7’,8’,11’,1 2’,15’−デカヒドロ−γ,γ−カロテン)、フィトフルエン、ヘキサヒドロリコペ ン(15−シス−7,8,11,12,7’,8’−ヘキサヒドロ−γ,γ−カロテン) 、トルレン(3’,4’−ジデヒドロ−β,γ−カロテン)およびα−ゼアカロテン(7 ’,8’−ジヒドロ−ε,γ−カロテン);アルコール、例えばアロキサンチン、シンチ アキサンチン、ペクテノキサンチン、クリプトモナキサンチン、((3r,3’r)−7 ,8,7’,8’−テトラデヒドロ−β,β−カロテン−3,3’−ジオール)、クルス タキサンチン(β,−カロテン−3,4,3’,4’−テトラオール)、ガザニアキサン チン((3r)−5’−シス−β,γ−カロテン−3−オール)、oh−クロロバクテン (1’,2’−ジヒドロ−f,γ−カロテン−1’−オール)、ロロキサンチン(β,ε −カロテン−3,19,3’−トリオール)、リコキサンチン(γ,γ−カロテン−16 −オール)、ロドピン(1,2−ジヒドロ−γ,γ−カロテン−l−オール)、ロドピノ ール(別名ワルミンゴール;13−シス−1,2−ジヒドロ−γ,γ−カロテン−1,2 0−ジオール)、サプロキサンチン(3’,4’−ジデヒドロ−1’,2’−ジヒドロ− β,γ−カロテン−3,1’−ジオール)およびゼアキサンチン;グリコシド、例えばオ シラキサンチン(2,2’−ビス(β−l−ラムノピラノシルオキシ)−3,4,3’, 4’−テトラデヒドロ−1,2,1’,2’−テトラヒドロ−γ,γ−カロテン−1,1 ’−ジオール)、およびフレイキサントフィル(1’−(β−d−グルコピラノシルオキ シ)−3’,4’−ジデヒドロ−1’,2’−ジヒドロ−β,γ−カロテン−2’−オー ル);エーテル、例えばロドビブリン(1’−メトキシ−3’,4’−ジデヒドロ−1, 2,1’,2’−テトラヒドロ−γ,γ−カロテン−1−オール)およびスフェロイデン (1−メトキシ−3,4−ジデヒドロ−1,2,7’,8’−テトラヒドロ−γ,γ−カ ロテン)、エポキシド、例えばジアジノキサンチン(5,6−エポキシ−7’,8’−ジ デヒドロ−5,6−ジヒドロ−カロテン−3,3−ジオール)、ルテオキサンチン(5, 6:5’,8’−ジエポキシ−5,6,5’,8’−テトラヒドロ−β,β−カロテン− 3,3’−ジオール)、ムタトキサンチン、シトロキサンチン、ゼアキサンチン(フラノ キシド5,8−エポキシ−5,8−ジヒドロ−β,β−カロテン−3,3’−ジオール) 、ネオクロム(5’,8’−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−5,6,5’,8’−テト ラヒドロ−β,β−カロテン−3,5,3’−トリオール)、ホリアクロム、トロリクロ ム、およびバウケリアキサンチン(5’,6’−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−5,6 ,5’,6’−テトラヒドロ−β,β−カロテン−3,5,19,3’−テトラオール) ;アルデヒド、例えばロドピナール、ワミンゴン(13−シス−1−ヒドロキシ−1,2 −ジヒドロ−γ,γ−カロテン−20−アール)、トルラロジンアルデヒド(3’,4’ −ジデヒドロ−β,γ−カロテン−16’−アール);酸および酸エステル、例えばトル ラロジン(3’,4’−ジデヒドロ−β,γ−カロテン−16’−oic酸(oic acid)) およびトルラロジンメチルエステル(メチル3’,4’−ジデヒドロ−β,γ−カロテン −16’−オエート);ケトン、例えばアスタキサンチン、カンタキサンチン(別名アフ ァニシン)、クロレラキサンチン(β,β−カロテン−4,4’−ジオン)、カプサンチ ン((3r,3’s,5’r)−3,3’−ジヒドロキシ−β,κ−カロテン−6’−オ ン)、カプソルビン((3s,5r,3’s,5’r)−3,3’−ジヒドロキシ−κ, κ−カロテン−6,6’−ジオン)、クリプトカプシン((3’r,5’r)−3’−ヒ ドロキシ−β,κ−カロテン−6’−オン)、2,2’−ジケトスピリロキサンチン(1 ,1’−ジメトキシ−3,4,3’,4’−テトラデヒドロ−1,2,1’,2’−テト ラヒドロ−γ,γ−カロテン−2,2’−ジオン)、フレキシキサンチン(3,1’−ジ ヒドロキシ−3’,4’−ジデヒドロ−1’,2’−ジヒドロ−β,γ−カロテン−4− オン)、3−oh−カンタキサンチン(別名アドニルビン;別名フェニコキサンチン;3 −ヒドロキシ−β,β−カロテン−4,4’−ジオン)、ヒドロキシスフェリオデノン( 1’−ヒドロキシ−1−メトキシ−3,4−ジデヒドロ−1,2,1’,2’,7’,8 ’−ヘキサヒドロ−γ,γ−カロテン−2−オン)、オケノン(1’−メトキシ−1’, 2’−ジヒドロ−c,γ−カロテン−4’−オン)、ペクテノロン(3,3’−ジヒドロ キシ−7’,8’−ジデヒドロ−β,β−カロテン−4−オン)、フェニコノン(別名デ ヒドロアドニルビン;3−ヒドロキシ−2,3−ジデヒドロ−β,β−カロテン−4,4 ’−ジオン)、フェニコプテロン(β,ε−カロテン−4−オン)、ルビキサントン(3 −ヒドロキシ−β,γ−カロテン−4’−オン)、シホナキサンチン(3,19,3’− トリヒドロキシ−7,8−ジヒドロ−β,ε−カロテン−8−オン);アルコールのエス テル、例えばアスタセイン(3,3’−ビスパルミトイルオキシ−2,3,2’,3’− テトラデヒドロ−β,β−カロテン−4,4’−ジオンまたは3,3’−ジヒドロキシ− 2,3,2’,3’−テトラデヒドロ−β,β−カロテン−4,4’−ジオンジパルミテ ート)、フコキサンチン(3’−アセトキシ−5,6−エポキシ−3,5’−ジヒドロキ シ−6’,7’−ジデヒドロ−5,6,7,8,5’,6’−ヘキサヒドロ−β,β−カ ロテン−8−オン)、イソフコキサンチン(3’−アセトキシ−3,5,5’−トリヒド ロキシ−6’,7’−ジデヒドロ−5,8,5’,6’−テトラヒドロ−β,β−カロテ ン−8−オン)、フィサリエン、ゼアキサンチンジパルミテート((3r,3’r)−3 ,3’−ビスパルミトイルオキシ−β,β−カロテンまたは(3r,3’r)−β,β− カロテン−3,3’−ジオールジパルミテート)およびシホネイン(3,3’−ジヒドロ キシ−19−ラウロイルオキシ−7,8−ジヒドロ−β,ε−カロテン−8−オンまたは 3,19,3’−トリヒドロキシ−7,8−ジヒドロ−β,ε−カロテン−8−オン19 −ラウレート);アポカロテノイド、例えばβ−アポ−2’−カロテナール(3’,4’ −ジデヒドロ−2’−アポ−b−カロテン−2’−アール)、アポ−2−リコペナール、 アポ−6’−リコペナール(6’−アポ−y−カロテン−6’−アール)、アザフリンア ルデヒド(5,6−ジヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−10’−アポ−β−カロテン−1 0’−アール)、ビキシン(6’−メチル水素9’−シス−6,6’−ジアポカロテン− 6,6’−ジオエート)、シトラナキサンチン(5’,6’−ジヒドロ−5’−アポ−β −カロテン−6’−オンまたは5’,6’−ジヒドロ−5’−アポ−18’−ノル−β− カロテン−6’−オンまたは6’−メチル−6’−アポ−β−カロテン−6’−オン)、 クロセチン(8,8’−ジアポ−8,8’−カロテン二酸)、クロセチンセミアルデヒド (8’−オキソ−8,8’−ジアポ−8−カロテン酸)、クロシン(ジゲンチオビオシル 8,8’−ジアポ−8,8’−カロテンジオエート)、ホプキンシアキサンチン(3−ヒ ドロキシ−7,8−ジデヒドロ−7’,8’−ジヒドロ−7’−アポ−b−カロテン−4 ,8’−ジオンまたは3−ヒドロキシ−8’−メチル−7,8−ジデヒドロ−8’−アポ −b−カロテン−4,8’−ジオン)、メチルアポ−6’−リコペノエート(メチル6’ −アポ−y−カロテン−6’−オエート)、パラセントロン(3,5−ジヒドロキシ−6 ,7−ジデヒドロ−5,6,7’,8’−テトラヒドロ−7’−アポ−b−カロテン−8 ’−オンまたは3,5−ジヒドロキシ−8’−メチル−6,7−ジデヒドロ−5,6−ジ ヒドロ−8’−アポ−b−カロテン−8’−オン)およびシンタキサンチン(7’,8’ −ジヒドロ−7’−アポ−b−カロテン−8’−オンまたは8’−メチル−8’−アポ− b−カロテン−8’−オン);ノルおよびセコカロテノイド、例えばアクチニオエリトリ ン(3,3’−ビサシルオキシ−2,2’−ジノル−b,b−カロテン−4,4’−ジオ ン)、β−カロテノン(5,6:5’,6’−ジセコ−b,b−カロテン−5,6,5’ ,6’−テトラオン)、ペリジニン(3’−アセトキシ−5,6−エポキシ−3,5’− ジヒドロキシ−6’,7’−ジデヒドロ−5,6,5’,6’−テトラヒドロ−12’, 13’,20’−トリノル−b,b−カロテン−19,11−オリド)、ピロキサンチニ ノール(5,6−エポキシ−3,3’−ジヒドロキシ−7’,8’−ジデヒドロ−5,6 −ジヒドロ−12’,13’,20’−トリノル−b,b−カロテン−19,11−オリ ド)、セミ−α−カロテノン(5,6−セコ−b,e−カロテン−5,6−ジオン)、セ ミ−β−カロテノン(5,6−セコ−b,b−カロテン−5,6−ジオンまたは5’,6 ’−セコ−b,b−カロテン−5’,6’−ジオン)およびトリファシアキサンチン(3 −ヒドロキシセミ−b−カロテノン3’−ヒドロキシ−5,6−セコ−b,b−カロテン −5,6−ジオンまたは3−ヒドロキシ−5’,6’−セコ−b,b−カロテン−5’, 6’−ジオン);レトロカロテノイドおよびレトロアポカロテノイド、例えばエッショル ツキサンチン(4’,5’−ジデヒドロ−4,5’−レトロ−b,b−カロテン−3,3 ’−ジオール)、エッショルツキサントン(3’−ヒドロキシ−4’,5’−ジデヒドロ −4,5’−レトロ−b,b−カロテン−3−オン)、ロドキサンチン(4’,5’−ジ デヒドロ−4,5’−レトロ−b,b−カロテン−3,3’−ジオン)およびタンゲラキ サンチン(3−ヒドロキシ−5’−メチル−4,5’−レトロ−5’−アポ−b−カロテ ン−5’−オンまたは3−ヒドロキシ−4,5’−レトロ−5’−アポ−b−カロテン− 5’−オン);ならびに高級カロテノイド、例えばノナプレノキサンチン(2−(4−ヒ ドロキシ−3−メチル−2−ブテニル)−7’,8’,11’,12’−テトラヒドロ− e,y−カロテン)、デカプレノキサンチン(2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ チル−2−ブテニル)−e,e−カロテン)、c.p.450(2−[4−ヒドロキシ− 3−(ヒドロキシメチル)−2−ブテニル]−2’−(3−メチル−2−ブテニル)−b ,b−カロテン)、c.p.473(2’−(4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブテニ ル)−2−(3−メチル−2−ブテニル)−3’,4’−ジデヒドロ−l’,2’−ジヒ ドロ−b,y−カロテン−1’−オール)およびバクテリオルベリン(2,2’−ビス( 3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−3,4,3’,4’−テトラデヒドロ−1,2, 1’,2’−テトラヒドロ−y,y−カロテン−1,1’−ジオール)が含まれる。

本明細書に記載のカロテノイド粒子は、単一のカロテノイド化合物(例えば、リコペン )、または1つ超のカロテノイド化合物(例えば、リコペンとβ−カロテン)を含有する ことができる。通常、各カロテノイド化合物は、様々な範囲の異性体形態で存在すること になる。

一部の好ましい実施形態では、カロテノイド化合物はリコペンである。リコペンは、構 造Iの開鎖不飽和C40カロテノイドである(化学情報検索サービス機関登録番号(Chem ical Abstracts Service Registry Number)502−65−8)。

リコペンは、トマト、グアバ、ローズヒップ、スイカおよびピンクグレープフルーツな どの植物中に天然に存在する。

本明細書に記載される通りに使用するリコペンは、1つまたは複数の異なる異性体を含 むことができる。例えば、リコペンは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくと も30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70% 、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%の(Z)−異性体、( すべてE)−異性体、または5−シス−もしくは9−シスもしくは13−シス−異性体な どのシス−異性体を含むことができ、これらの異性体は、トランス異性体と比べてバイオ アベイラビリティが改善している。トランス異性体は、インビボ、または保管および加工 中に、シス形に異性化することがある。リコペンを含むカロテノイド粒子は、本明細書で は、lycosome(商標)と称することがある。

本明細書に記載される通りに使用するカロテノイド化合物は天然のもの、すなわち自然 源から得ることができ、例えば植物、例えばトマトまたはメロンから抽出することができ る。植物からカロテノイドを抽出、濃縮、および/または精製する様々な方法が、当技術 分野で公知である。例えば、エタノール、DMSO、酢酸エチル、ヘキサン、アセトン、 大豆油、または他の植物性油、あるいは非植物性油を使用する溶媒抽出を利用することが できる。カロテノイド化合物は単離することができ、すなわちその自然源または環境にお いて見出される他の分子がないまたは実質的にない状態でもよい。

本明細書で記載される通りに使用するためのカロテノイド化合物は、合成的、すなわち 人工的な手段、例えば化学合成または発酵によって製造することができる。リコペンおよ び他のカロテノイドの様々な化学合成法は、当技術分野で公知である。例えば、カロテノ イド合成向けの標準的ウィッティヒ(Wittig)オレフィン化反応スキームに基づく3段階 化学合成を使用することができ、この場合、ジクロロメタン(DCM)中のメタンスルホ ン酸C15ホスホニウムの有機溶液とトルエン中のC10ジアルデヒドの有機溶液を生成 し、この2つの有機溶液を、ナトリウムメトキシド溶液と一緒に徐々に混合すると、縮合 反応を受けて粗製リコペンが形成する。次に、この粗製リコペンを、決まった技法、例え ば氷酢酸と脱イオン水を該混合物に加えて激しく撹拌し、水相と有機相を分離して、DC Mおよび粗製リコペンを含有する有機相を水で抽出することにより精製することができる 。メタノールを前記の有機相に添加し、減圧下、蒸留によってDCMを除去する。次に、 粗製メタノール性リコペン溶液を加熱して冷却し結晶スラリーとし、これをろ過してメタ ノールで洗浄する。次に、リコペン結晶を再結晶し、加熱窒素下で乾燥させてもよい。合 成カロテノイド、例えばリコペンは、商業供給業者(例えば、BASF Corp、NJ 、米国、DSM Nutritional Products、Basel、CH)から も入手可能である。

合成カロテノイドは、天然カロテノイドに比べるとシス異性体の割合を多く含んでいる ことがある。例えば、リコペンなどのカロテノイドの合成体は、最大25%の5−シス、 1%の9−シス、1%の13−シス、および3%が他のシス異性体となることがあり、一 方、天然体のカロテノイド、例えばトマトにより産生するリコペンは、3〜5%の5−シ ス、0〜1%の9−シス、1%の13−シス、および<1%が他のシス異性体となること がある。シス−リコペンなどのシス−カロテノイドは、トランス−リコペンなどのトラン ス−カロテノイドに比べてバイオアベイラビリティが向上しているので、一部の実施形態 では、合成カロテノイドが好ましいことがある。

上述したカロテノイドの誘導体は、上述した合成と類似の化学合成によって生成するこ とができるし、植物性原料から抽出した天然カロテノイドの化学改変によるよって、また は生物酵母、藻、もしくは真菌発酵によっても生成することができる。例えば、リコ ペンは、真菌ブラケスレア・トリスポラ(Blakeslea trispora)の発酵によって産生する ことができる(例えば、lyconat(商標)、Vitatene SA)。

カロテノイド粒子の集団は、0.05〜90重量%、好ましくは0.1〜10重量%の カロテノイド化合物を含むことができる。例えば、集団は、0.01重量%以上、0.0 5重量%以上、0.1重量%以上、0.2重量%以上、0.5重量%以上、1重量%以上 、10重量%以上、または20重量%以上のカロテノイド化合物であり得る。集団は、最 大90重量%、最大80重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最 大40重量%、最大30重量%、最大20重量%、または最大10重量%のカロテノイド 化合物であり得る。

集団中のカロテノイド粒子は、同量または類似の量のカロテノイド化合物を含有するこ とができ、あるいはカロテノイド化合物の量は、集団中の粒子間で変動してもよい。集団 中の各カロテノイド粒子は、0.05〜90重量%のカロテノイド化合物を含むことがで きる。例えば、集団中の各カロテノイド粒子は、0.05重量%以上、0.1重量%以上 、1重量%以上、10重量%以上、または20重量%以上のカロテノイド分子とすること ができる。各カロテノイド粒子は、最大90重量%、最大80重量%、最大70重量%、 最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、または最大30重量%、最大90重 量%またはそれ以上のカロテノイド化合物とすることができる。

集団内における粒子変動(variability)の程度は、製造方法に依存して変動し得る。 好ましくは、集団中のカロテノイド粒子の少なくとも80%、少なくとも90%、少なく とも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%、例えば85%〜95%は、同 量または類似の量のカロテノイド化合物を含有している。

通常、カロテノイド粒子の集団は、リコペンなどのカロテノイド化合物を1〜10mg 、例えばリコペンを約3.5mg含有している単位投与量(unit dosage)の製剤中に含 むことができる。

カロテノイド粒子に取り込まれるカーゴ分子は、血流に送達する必要がある任意の化合 物、作用物質、薬物、またはその他の製品(生成物(product))、あるいはそれらの組 合せとすることができる。通常、カーゴ分子は、治療化合物あるいは栄養化合物、例えば 医薬品、栄養医薬品(nutraceutical)、または栄養補助食品、または栄養補給品(dieta ry or nutritional supplement)になろう。

胃腸管において不安定な、または胃腸管によってあまり吸収されないカーゴ分子は、カ ロテノイド粒子中に取り込むのに特に適している。

適切なカーゴ分子には、食物、例えば肉、魚、乳製品、穀物、豆、ハチミツ、茶もしく は他の食料品)または飲料の発酵、酸化、加工または分解の生成物が含まれる。生成物は 、乳清タンパク質またはペプチド、炭水化物、例えば多糖またはオリゴ糖、脂質、フラボ ン、および他の食物由来の生物活性分子を含むことができる。生物活性分子は、例えば、 抗菌ペプチド、デフェンシン、カテリシジン、乳清酸性タンパク質、食物タンパク質の生 物活性断片;ならびにプロテアーゼ阻害性、殺菌性(bactericidic)、代謝性、抗炎症性 、免疫刺激性、凝固性、血管新生性および増殖抑制活性のうち1つもしくは複数を示すペ プチド、または神経伝達物質、アンジオテンシン、ホルモンおよび/もしくは他のシグナ ル伝達経路に有益な効果を及ぼすペプチドを含むことができる。

適切なカーゴ分子には、プロバイオティック細菌、酵母もしくは他の微生物代謝、また は真菌もしくはかび、特に食物および飲料の製造で使用されるか、またはそれらに関係す る生物の代謝の生成物も含まれる。例には、細菌、例えばラクトバキルリ属種(Lactobac illi spp)、例えばL.アキドフィルス(L.acidophilus)、L.カセイ(L.casei)、L .ラクティス(L.lactis)、L.プランタルム(L.plantarum)、L.レウテリ(L.reute ri)、L.ラムノスス(L.rhamnosus)、L.アクトコックス(L.actococcus)、L.ガ ルビエアエ(L.garvieae)、およびL.ブルガリクス(L.bulgaricus);ラクトコッキ( Lactococci)、例えばL.ラフィノラクティス(L.raffinolactis);ビフィドバクテリ ア(Bifidobacteria)、例えばB.アニマリス(B.animalis)、B.ブレウェ(B.breve )およびB.ロング(B.longu);大腸菌(E.coli)、例えば大腸菌(E.coli)M−17 、大腸菌ニッスル(E.coli Nissle)1917;腸球菌(Enterococci)、例えばエンテロ コックス・ファエキウム(Enterococcus faecium)MG004および連鎖球菌(Streptoc occi)、例えばストレプトコックス・テルモフィルス(Streptococcus thermophilus); 酵母、例えばデッケラ・インテルメディア(Dekkera intermedia)、カンジダ(Candida )、例えばC.ブランキイ(C.blankii)およびC.ステルラタム(C.stellatam);サッ カロミセス(Saccharomyces)、例えばS.セレビシエ(S.cerevisiae)、S.パストリ アヌス(S.pastorianus)、S.エクシグウス(S.exiguus)、S.ボウラルディイ(S.bo ulardii)およびS.バルム(S.varum);ブレッタノミセス(Brettanomyces)、例えば B.ブリュクセルレンシス(B.bruxellensis)およびB.ラムビクス(B.lambicus);分 裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、トルラスポラ・デルブルエッキイ(Torulaspora delbrueckii)およびジュゴサッカロミュケス・バイリイ(Zygosaccharomyces bailii) ;カビ、例えばアスペルギルス属種(Aspergillus spp)、例えばA.オリュザエオル(A .oryzaeor)、A.ソュアエ(A.soyae)、A.ソユアエ(A.sojae)、A.ニガー(A.nig er)、A.テルレウス(A.terreus)、A.タマリ(A.tamari)およびA.フラウス(A.f lavus);マナスクス属種(Monascus spp)、例えばM.ププレウス(M.pupureus)、M .ルベル(M.ruber)およびM.ピロスス(M.pilosus);ペニキルリウム属種(Penicill ium spp)、例えばP.キリュソゲヌム(P.chrysogenum)、P.ロクウェフォリティ(P. roqueforti)、P.グラウクム(P.glaucum)、P.カンディドゥム(P.candidum)、P .カメムベルティ(P.camemberti)、P.パネウム(P.paneum)、P.ゲオトリクム(P. geotrichum)、P.ソリテゥム(P.solitum)、P.ナルギオウェンセ(P.nalgiovense) 、P.コムムネ(P.commune)、P.オルソニイ(P.olsonii)、P.ウェルルコスム(P. verrucosum)、P.オクサリクム(P.oxalicum)およびP.ウィリディカトゥム(P.viri dicatum);トリュポクラディウム・インフラトゥム(Tolypocladium inflatum);リゾ プス属種(Rhizopus spp)、例えばR.アルトカルピ(R.artocarpi)、R.ニグリカン ス(R.nigricans)、R.オリゴスポルス(R.oligosporus)、R.オリュザエ(R.oryzae )およびR.ストロニフェル(R.stolonifer);ネウロスポラ属種(Neurospora spp)、 例えばN.シトフィリア(N.sitophilia)およびN.インテルメディア(N.intermedia) ;ならびにフサリウム・ウエネナトゥム(Fusarium venenatum)が含まれる。

他の適切なカーゴ分子には、レシチン、炭水化物;アミノ酸;フラボン、例えばルテオ リン、アピゲニンおよびタンゲリチン;フラボノール、例えばクエルセチン、ルチン、ケ ンフェロール、ミリセチン、フィゼチン、イソラムネチン、パキポドールおよびラムナジ ン;フラバノン、例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオールおよびホモエ リオジクチオール;フラバノノール、例えばタキシフォリン(または、ジヒドロクエルセ チン)、およびジヒドロケンフェロール;イソフラボン、例えばゲニステイン、ダイゼイ ンおよびグリシテイン;カテキン、ガロカテキン、カテキン3−ガレート、ガロカテキン 3−ガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン3−ガレート、フラボン −3−オール(例えばエピガロカテキン3−ガレート);プロアントシアニジン、例えば フラバノールを有する二量体、三量体、オリゴマーまたはポリマー;アントシアニジン、 例えばシアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴジニン、ペオニジンおよびペ ツニジン、アントシアニンのアグリコン(例えばベタライン、アマランチン、およびイソ アマランチン);シリビニンまたはシリマリン、クルクミノイド、ギンゲロール、セラミ ド;イソプレン、プレノール、イソ吉草酸、ゲラニルピロホスフェート、オイカリプトー ル、リモネン、ピネン、ファルネシルピロホスフェート、アルテミシニン、ビサボロール 、ゲラニルゲラニルピロホスフェート、レチノール、レチナール、フィトール、タキソー ル、フォルスコリン、アフィジコリン、スクアレン、ラノステロール、ならびに他のテル ペンおよびテルペノイド;ステロールおよびステロールエステル、例えばスタノールエス テル;植物ステロール;α−、β−、γ−およびδ−トコトリエノール;サメもしくは他 の軟骨魚油、植物性油、またはアマランス種子、米、コムギ麦芽もしくはオリーブ由来の 油;スクアレン;レチノイド;没食子酸(garlic acid)もしくはサリチル酸、または他 の加水分解可能なタンニン;ケイ皮酸;リグニン;ポリフェノール、例えばカテコール、 ヒドロキノン、2,6−ジメトキシベンゾキノン、3−アセチル−6−メトキシベンズア ルデヒド、チロソール、p−ヒドロキシフェニル酢酸、コーヒー酸、フェルラ酸、ミリス チシン、オイゲノール、ウンベリフェロン、アエスクレチン、ベルゲノン(bergenon)、 オイゲニン、ユグロン、プルンバギン、マグニフェリン、レスベラトロール(3,5,4 '−トリヒドロキシ−トランス−スチルベン)、エモジン、シアニジン、ピノレジノール 、オイシデリン、アメントフラボン、エラグ酸、テアフラビン、テアルビジン、カテコー ルメラニン、濃縮タンニン、フロロタンニン、および他のポリフェノール;ビタミン、例 えばナイアシン(ビタミンB3)、葉酸(ビタミンB9)、アスコルビン酸(ビタミンC )、リボフラビン(ビタミンB2)、チアミン(ビタミンB1)、カルシフェロール(ビ タミンD)、コバラミン(ビタミン12)、フィロキノン(ビタミンK1)、パントテン 酸(ビタミンB5)、ビオチン(ビタミンB7)およびピリドキシン(ビタミンB6)、 無機物、例えばカルシウム、セレン、クロム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅および他の金 属イオン;ペニシリン、セファロスポリン、カルダペネム(cardapenem)、スルホンアミ ド、キノロン、オキサゾジノン、マクロライドおよび他の抗生物質、抗ウイルス薬、抗真 菌薬、および抗寄生虫薬、とりわけカロテノイド受容体を発現する肝臓および他の器官、 例えば肝臓、副腎、リンパ球、リンパ節、前立腺組織および精巣を標的とする薬物;スタ チン、例えばアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバ スタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチンの 単独、複合物または組合せのいずれかが含まれる。

粒子は、単一のタイプのカーゴ分子、あるいは1種超のタイプのカーゴ分子、例えば2 、3、4種以上の異なるタイプのカーゴ分子を含有することができる。

カロテノイド粒子は0.05〜90重量%のカーゴ分子を含むことができる。例えば、 カロテノイド粒子は、0.1重量%以上、1重量%以上、10重量%以上、または20重 量%以上のカーゴ分子とすることができる。カロテノイド粒子は、最大90重量%、最大 80重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、また は最大30重量%、最大90重量%、またはそれ以上のカーゴ分子とすることができる。

カロテノイド粒子中におけるカーゴ分子に対するカロテノイド化合物の重量比は、0. 001以上、0.01以上、0.1以上、0.2以上、または0.5以上とすることがで きる。カロテノイド粒子中におけるカーゴ分子に対するカロテノイド化合物の重量比は、 最大1000、最大100、最大10、最大5、または最大2とすることができる。

一部の実施形態では、カロテノイド粒子は、リコペンと乳清タンパク質(whey protein )を、0.05〜1、好ましくは0.1の比(w/w)で含むことができる。例えば、単 位投与量様式(format)におけるカロテノイド粒子の集団は、リコペンを2〜5mg、例 えば3.5mg、および乳清タンパク質を20〜50mg、例えば35mg含有すること ができる。

他の実施形態では、カロテノイド粒子は、リコペンとレスベラトロールを、0.02〜 0.2、好ましくは0.06〜0.08の比(w/w)で含むことができる。例えば、単 位投与量様式におけるカロテノイド粒子の集団は、リコペンを2〜5mg、例えば3.5 mg、およびレスベラトロールを30〜70mg、例えば50mg含有することができる 。

他の実施形態では、カロテノイド粒子は、リコペンとスタチン、例えばシンバスタチン を、0.1〜0.5、好ましくは0.3〜0.4、例えば0.35の比(w/w)で含む ことができる。例えば、単位投与量様式におけるカロテノイド粒子の集団は、リコペンを 2〜10mg、例えば7mg、およびスタチンを20mg含有することができる。

カーゴ分子を取り込んだカロテノイド粒子の経口投与後に循環しているカーゴ分子のバ イオアベイラビリティは、カーゴ分子を単独で経口投与した後のバイオアベイラビリティ に比べて向上し得る。

本明細書に記載した通り、カーゴ分子をカロテノイド粒子に取り込むと、該粒子なしで 投与した場合と比較して、バイオアベイラビリティが向上することにより、カーゴ分子の 投与量を低減することができるが、同じ有効性が実現する。これは、カーゴ分子に関連す る副作用を軽減するのに有用となり得る。例えば、カロテノイド粒子に取り込んだカーゴ 分子の投与量は、同じ有効性を得るために必要とするカーゴ分子そのものの投与量の、1 %以下、5%以下、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、または50%以 下とすることができる。

カーゴ分子のバイオアベイラビリティは、本明細書に記載のカロテノイド粒子に取り込 まれることにより、2倍以上、3倍以上、または4倍以上向上し得る。例えば、本明細書 中のデータは、カロテノイド粒子に取り込むことにより、レスベラトロールのバイオアベ イラビリティが2倍向上し、またシンバスタチンのバイオアベイラビリティは4倍向上す ることを示している。一部の実施形態では、カーゴ分子は、カロテノイド粒子に取り込ま せずに投与した場合、バイオアベイラビリティを示さない、またはバイオアベイラビリテ ィを実質的に示さないことがある。例えば、乳清タンパク質は、カロテノイド粒子に取り 込まずに経口投与した場合、バイオアベイラビリティをほとんど示さないか、または全く 示さないことが示されている。

同じ投与量では、カーゴ分子を本明細書に記載のカロテノイド粒子に取り込んだ場合、 こうした取込みを行わない場合の有効性と比較すると、その有効性が向上することがある 。例えば、カロテノイド粒子に取り込まれたカーゴ分子の有効性は、同じ投与量のカーゴ 分子そのものの有効性と比較すると、2倍以上、3倍以上、5倍以上、10倍以上、また は100倍以上向上することがある。

本明細書に記載のカロテノイド粒子は、カーゴ分子に、カロテノイド受容体を発現する 組織を標的とさせるのに有用となり得る。

カロテノイド受容体を発現する標的組織へのカーゴ分子の送達を改善する方法は、 本明細書に記載のカロテノイド粒子にカーゴ分子を取り込むステップ、および カロテノイド粒子を個体に投与するステップ を含むことができる。

カロテノイド受容体を発現する組織には、肝細胞、肝臓、副腎、リンパ球、リンパ節、 前立腺組織および精巣が含まれる。一部の好ましい実施形態では、カロテノイド受容体を 発現する標的組織は肝臓である。

適切なカーゴ分子は、肝臓などのカロテノイド受容体を発現する組織を有益にも標的と する化合物を含むことができる。

肝臓への送達に適したカーゴ分子には、肝臓中、例えば肝酵素の作用によって活性化さ れるプロドラッグが含まれる。肝酵素によって活性化されるプロドラッグには、アルデヒ ドオキシダーゼ活性化プロドラッグ、例えば5−エチナリル−2(1H)−ピリミジノン 、5−ヨード−2−ピリミジノン−2'−デオキシリボース(IPdR)および5−フル オロ−2−ピリミジノン(5−FP);シトクロムP450レダクターゼ活性化プロドラ ッグ、例えばメナジオン、マイトマイシンC、チラパザミンおよびEO9(3−ヒドロキ シメチル−5−アジリジニル−1−メチル−2[1H−インドール4,7−ジオン]プロ パ−2−エン−1−オール);シトクロムp450活性化プロドラッグ、例えば4−イポ メアノール、フトラフィル、ダカルバジン、トロホサミド(trofosamide)、イホサミド 、シクロホスファミド、および1,4−ビス−{[2−(ジメチルアミノ−N−オキシド )エチル]アミノ}−5,8−ジヒドロキシアントラセン−9,10−ジオン(AQ4N );チミジンホスホリラーゼ活性化プロドラッグ、例えば5'−デオキシ−5−フルオロ ウリジン、およびグルタチオントランスフェラーゼ活性化プロドラッグ、例えばγ−グル タミル−α−アミノ−β(2−エチル−N,N,N',N'−テトラキス(2−クロロエチ ル)ホスホロ−ジアミデート)スルホニル−プロピオニル)−(R)−(−)フェニルグ リシン(Ter286)、S−CPHC−エチルスルホキシド(S−(N−p−クロロフ ェニル−N−ヒドロキシカルバモイル)エチルスルホキシド)および、シス−3−(9H −プリン−6−イルチオ)アクリル酸(PTA)が含まれる。

他の適切なプロドラッグは当技術分野において周知であり、リスデキサンフェタミン、 コデインおよびトラマドールを含んでいる。

カーゴ分子を取り込むカロテノイド粒子の投与により、カーゴ分子そのものを同じ用量 で投与した後の濃度と比較すると、標的組織中のカーゴ分子の濃度を増加することができ る。

カーゴ分子を取り込むカロテノイド粒子の投与により、カーゴ分子そのものを同じ用量 で投与した後の濃度と比較すると、非標的組織中のカーゴ分子の濃度を減少することがで きる。

本明細書に記載の方法は、カーゴ分子の利用可能性(アベイラビリティ)を向上するの に一般に有用である。カーゴ分子のバイオアベイラビリティを向上する方法は、 本明細書に記載のカロテノイド粒子にカーゴ分子を取り込むステップ を含むことができる。

カロテノイド粒子にカーゴ分子を取り込んだ後、および任意選択で、医薬組成物、食品 添加物、または栄養補助食品などの組成物中に製剤化した後、カロテノイド粒子を個体に 投与することができる。

一部の実施形態では、カーゴ分子は乳清タンパク質とすることができる。乳清タンパク 質は、抗クラミジア活性およびコレステロール低下活性を有することが本明細書に示され ている。乳清タンパク質は、ミルク中で天然に見出される球状タンパク質の集合体(coll ection)である。これは乳清から単離され、チーズ製造の副生成物である。乳清タンパク 質は、β−ラクトグロブリン(約65%)、α−ラクトアルブミン(約25%)および血 清アルブミン(約8%)の混合物であり、pHと無関係に天然の形態で可溶性である。乳 清タンパク質は多くの供給業者(例えば、Euroserum、フランス)から市販され ている。

一部の実施形態では、カーゴ分子は、乳タンパク質、例えばカゼイン、β−ラクトグロ ブリン、α−ラクトアルブミン、および血清アルブミンではない。こうした実施形態では 、本明細書に記載のカロテノイド粒子は、乳タンパク質を有していなくてもよい。

一部の実施形態では、カーゴ分子は乳清タンパク質および/または乳清ペプチドではな い。こうした実施形態では、本明細書に記載のカロテノイド粒子は、乳清タンパク質およ び/または乳清ペプチドを有していなくてもよい。

一部の好ましい実施形態では、カロテノイド粒子はレシチンをさらに含んでもよい。レ シチン(E222)は、食物中に乳化剤として一般に使用されており、また卵黄もしくは 動物または大豆あるいは他の植物性組織から単離することができる。レシチンは多くの脂 肪酸、リン脂質、トリグリセリドおよび糖脂質、ならびにグリセロール、コリンおよびリ ン酸を含んでいる。レシチンは、広く市販されている。レシチンは大豆レシチンを含んで もよい。

本明細書に記載のカロテノイド粒子は、1.5%〜98.5%(w/w)のレシチンを 含むことができる。例えば、粒子は、少なくとも1.5%、少なくとも5%、または少な くとも10%(w/w)のレシチンを含むことができる。粒子は、最大98.5%、最大 90%、または最大80%(w/w)のレシチンを含むことができる。

カロテノイド粒子中におけるカロテノイド分子に対するレシチンの重量比は、0.1以 上、1以上、10以上または20以上とすることができる。カロテノイド粒子中における カロテノイド分子に対するレシチンの重量比は、最大1000、最大500、最大200 、または最大100とすることができる。

カロテノイド粒子中におけるカーゴ分子に対するレシチンの重量比は、0.01以上、 0.1以上、1以上、または2以上とすることができる。カロテノイド粒子中におけるカ ーゴ分子に対するレシチンの重量比は、最大100、最大50、最大20、または最大1 0とすることができる。

一部の実施形態では、カロテノイド粒子は、リコペン、乳清タンパク質およびレシチン を、約1対10対50の比(w/w)で含むことができる。例えば、単位投与量様式にお けるカロテノイド粒子の集団は、リコペンを3.5mg、乳清タンパク質を35mg、お よびレシチンを175mg含有することができる。

本明細書に記載のカロテノイド粒子は、血流によって運搬するために、胃腸管から吸収 されると、カイロミクロンにパッケージングされ得る。粒子のサイズは、カイロミクロン にパッケージングに適しているのが好ましい。カロテノイド粒子は、微細粒子(fine)( 100nm〜2.5μm)または超微粒子(ultrafine)(1〜100nm)とすること ができる。例えば、カロテノイド粒子は、サイズが0.1nmから1μm、好ましくは1 〜900nm、より好ましくは10〜800nmとすることができる。

適切な粒子は、その最長寸法(例えば、長さ、幅、高さ、および/または直径)が0. 1nmから1μmとすることができる。好ましくは、粒子の寸法はすべて、0.1nmか ら1μmである。

粒子サイズは、任意の便利な技術によって決定することができる。例えば、ふるい分析 、レーザー回折、または光分析である。

カロテノイド粒子の集団は、均質なサイズ(すなわち、サイズ分布が狭い)または非均 質(すなわち、サイズ分布が広い)とすることができる。

好ましくは、集団中の粒子の少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95% 、または少なくとも99%は、均質なサイズまたは実質的に均質なサイズ(例えば、平均 粒子径の5%以内または10%以内)を示す。

カロテノイド粒子の集団は、広い範囲の異なる形状およびサイズを有する粒子を含有す ることができる。

一部の実施形態では、カロテノイド粒子の集団は逆ミセルを含むことができ、この場合 、カロテノイド分子は、カーゴ分子の外部層によって被包されており、カーゴ分子の疎水 性構造は内部に向いている。

一部の実施形態では、カロテノイド粒子の集団は、カーゴ分子の疎水性部分が埋め込ま れているカロテノイドマトリックスを含む凝集体を含むことができる。カーゴ分子が埋め 込まれ露出している領域の性質および量に応じて、様々な異なる両親媒性粒子が生じ得る 。

カーゴ分子の一部が、カロテノイド粒子の外部に残っているままの場合、集団中の粒子 はクラスターまたは凝集体を形成することがある。これらのクラスターのサイズおよび形 状は、カーゴ分子の構造に依存しており、カーゴ分子と相互作用し得るか、または錯体を 形成し得る他の分子の存在によっても影響を受けることがある。

本明細書に記載のカロテノイド粒子は、任意の便利な方法によって生成することができ る。

一部の実施形態では、カロテノイド粒子の集団は、 第1の溶媒にカロテノイド化合物を溶解して第1の溶液を生成し、第2の溶媒にカーゴ 分子を溶解して第2の溶液を生成するステップ、および カーゴ分子をカロテノイド化合物のマトリックス中に取り込むことができる条件下で、 第1の溶液と第2の溶液を混合するステップ を含む方法によって生成することができる。

カロテノイド化合物は、任意の適切な薬学的に共存できる溶媒(pharmaceutically com patible solvent)、例えば、油、アセトン、エタノールまたはイソプロパノール、最も 好ましくはエタノールまたは植物性油に溶解することができる。

カーゴ分子は、任意の適切な薬学的に共存できる溶媒に溶解することができる。適切な 溶媒には水、油、アセトン、エタノールまたはイソプロパノールが含まれる。溶媒の選択 は、カーゴ分子に依存することになる。例えば、乳清タンパク質は水に溶解することがで き、レスベラトロール、およびシンバスタチンなどのスタチンはエタノールに溶解するこ とができる。当業者は、容易に利用可能な情報または標準的な分析技法を使用して、所与 のどのようなカーゴ分子にでも適した溶媒を容易に特定することができる。

第1の溶媒および第2の溶媒は、使用するカロテノイドおよびカーゴ分子に応じて、同 じでもよく、または異なっていてもよい。

カロテノイドおよびカーゴ分子は、第1の溶媒および第2の溶媒に完全に可溶性であっ てもよく、またはカーゴ分子もしくはその疎水性部位が、カロテノイドマトリックスに取 り込まれるのを促進するのに十分な可溶性があってもよい。

第1および第2の溶液は、カーゴ分子を取り込むカロテノイド化合物のマトリックス形 成を可能にする条件下で、混合してもよい。例えば、カーゴ分子の水溶液をカロテノイド 化合物のエタノール溶液と混合する場合、60/40程度の溶媒/水体積比を選択するこ とができる。

いかなる理論にも拘泥されないが、熱学、およびエントロピーとエンタルピー間のバ ランスによって、カロテノイド粒子は溶液中で自発的な形成が推進される。

水溶液中では、分子が一緒に集まって粒子になることにより、エントロピーが低下する 場合でさえ、カロテノイド化合物の疎水性により、粒子の形成は推進される。非常に低濃 度のカロテノイドでは、モノマーしか真の溶液中には存在していない。カロテノイド濃度 が増加するにつれて、カロテノイドの疎水性炭化水素鎖由来の好ましくないエントロピー の考慮が優勢となる点に到達する。 この点において、カロテノイドの疎水性端部が水から離れて隔離され、カロテノイド粒子 の形成が始まる。カロテノイドの臨界濃度より高いと、カロテノイドモノマーが集合して 粒子を形成するエントロピーペナルティは、カロテノイドモノマーを水分子で取り囲むエ ントロピーペナルティよりも小さい。

混合後、第1および第2の溶媒の混合物を、周囲温度よりもわずかに高い温度で、30 〜60分間静置してもよい。次に、溶媒を蒸発させるか、または混合物を噴霧乾燥させる と、乳化形態または分散形態の組成物を生成することができる。蒸発は、減圧(例えば、 200〜300mbar)を使用して、都合よく実現することができる。次に、組成物を さらに処理して、例えば乾燥によって粉末を生成する、または熱処理によってゲルを生成 することができる。

他の実施形態では、本明細書に記載のカロテノイド粒子は、 第1の溶媒にカロテノイド化合物を溶解して第1の溶液を生成するステップ、 乾燥粒子を液状カロテノイド液滴に取り込むことができる条件下で、第1の溶液とカー ゴ分子の乾燥粒子とを混合するステップ を含む方法によって生成することができる。

例えば、エタノールまたはアセトン溶液に溶解しているリコペンは、カーゴ分子の乾燥 粒子粉末に噴霧してもよい。リコペンの液状液滴が粉末の表面上で結晶化する場合、乾燥 粒子の一部は、リコペン結晶によって機械的に捕捉される。

次に、第1の溶媒を乾燥させるか、または蒸発させて、濃縮形態および/または乾燥形 態で、カーゴ分子を取り込むカロテノイド粒子を生成することができる。あるいは、予め 溶解しているリコペンと最初に乾燥させた生成物との混合物が、第1の溶媒中の懸濁液ま たは乳化液の形態のままであってもよい。

一部の実施形態では、カロテノイド粒子は第1の溶液と第2溶液との混合物を音波照射 (sonication)することによって生成することができる。音波照射は、非混和性の溶媒に 溶解しているカロテノイド化合物とカーゴ分子との混合に特に有用となり得る。超音波エ ネルギーにより、分子は、溶媒環境によって課される熱力学的障壁を一時的に乗り越える ことができ、これにより混ざり合って、lycosomeミセルなどカロテノイド粒子の 形成が可能になる。

一部の実施形態では、カロテノイド粒子は第1の溶液と第2溶液との混合物を噴霧乾燥 させることによって生成することができる。

一部の実施形態では、レシチンをカロテノイド粒子に取り込むことができる。一部の実 施形態では、レシチンは第1の溶液および第2の溶液と混合してもよい。あるいは、油中 に溶解しているレシチンは、蒸発および/または噴霧乾燥後、カロテノイド粒子を含んで いる濃縮混合物または乾燥混合物と混合してもよい。

カロテノイド粒子を、単独で投与することが可能であるが、食品、食品添加物、強化食 品、栄養補助食品、栄養医薬組成物または医薬組成物などの組成物(例えば製剤)であっ て、上記で定義したカロテノイド粒子と、1つまたは複数の医薬的または栄養学的に許容 される担体、アジュバント、賦形剤、希釈剤、充填剤、緩衝剤、安定剤、香味剤、保存剤 、甘味剤、着色剤、滑沢剤、または当業者に周知の他の材料、および任意選択で、他の食 品、栄養補助食品または栄養医薬剤、治療剤、または予防剤とを一緒に含む組成物として 、前記カロテノイド粒子を存在させることが好ましい。

上記で定義したカロテノイド粒子、例えば、本明細書に記載した1つまたは複数の医薬 的または栄養薬学的に許容可能な担体、賦形剤、緩衝剤、アジュバント、安定剤、もしく は他の材料と一緒に混合されたカロテノイド粒子を含む組成物または製剤は、本明細書に 記載の方法で使用することができる。

本明細書で使用する用語「医薬的に許容される」とは、正しい医療判断の範囲内で、過 度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題、あるいは合併症がなく、被験体(例 えば、ヒト)の組織に接触使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合って いる、化合物、材料、組成物、および/または剤形(dosage form)に関する。担体、賦 形剤などの各々はまた、製剤の他の成分と共存可能であるという意味において、「許容可 能である」でなければならない。

適切な担体、賦形剤などは、標準的な薬学の教本(例えば、Remington's Pharmaceutic al Sciences, 18th edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990)で見出す ことができる。

本明細書で使用する用語「栄養薬学的に許容可能な(nutraceutically acceptable)」 とは、食品および栄養製品で一般または広範囲に使用されており、一般に非毒性と見なさ れる化合物、材料、組成物および/または剤形に関し、例えば、化合物は、米国FDA名 称「GRAS」(一般に、安全なものとして認識される(Generally Recognized as Safe ))、または他の管轄機関において食品添加物と等価な位置づけを有することができるも のである。

製剤は、単位剤形中で都合よく存在することができ、また調剤学、食品科学、または栄 養学の技術分野において周知の、どのような方法によっても調製することができる。こう した方法には、カロテノイド粒子を、1つまたは複数の補助成分を構成することができる 担体と一緒にするステップが含まれる。一般に、製剤はカロテノイド粒子と、液状担体も しくは微粉砕状固体担体、またはそれらの両方とを均質および緊密に一緒にして、次に、 必要な場合、製品形状にすることにより調製される。

製剤は、食品、飲料、液剤、溶液剤、懸濁剤、乳液剤、エリキシル剤、シロップ剤、錠 剤、ロゼンジ剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、アンプル剤、軟膏剤、ゲ ル剤、ペースト剤、クリーム剤、スプレー剤、ミスト剤、発泡剤、ローション剤、油剤、 ボーラス剤、舐剤、またはエアゾール剤の形態とすることができる。

カロテノイド粒子、またはカロテノイド粒子を含む組成物は、胃腸管を経由して送達す るために経口投与に適した形態であることが好ましい。経口投与(例えば摂取による)に 適した製剤は、カプセル剤、カシェ剤または錠剤などの不連続単位として提供されてもよ く、これらの各々は、;散剤または顆粒剤として;水性液体または非水性液体中の溶液剤 または懸濁剤として;または水中油型液状乳化剤、もしくは油中水型液状乳化剤として; ボーラス剤として;舐剤として;またはペースト剤として、所定量の活性化合物を含有し ている。

錠剤は、場合により1つまたは複数の補助成分と共に、従来の手段、例えば圧縮または 成形によって作製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で、場合により1つまたは 複数の結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アカシア、ソルビトール、トラガカント、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤または希釈剤(例えば、ラクトース、微 結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウ ム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、でんぷんグリコール酸ナトリウム、架橋ポビド ン、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム);表面活性剤もしくは分散剤または 湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム);および保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安 息香酸メチル、p−オキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸)と混合した易流動性形態、例 えば粉末または顆粒の活性化合物を圧縮することによって調製することができる。成形錠 剤は、適切な機械で、不活性な液状希釈剤により湿らせた粉末化合物の混合物を成形する ことにより作製することができる。錠剤は場合により被覆されまたは切れ目をつけていて もよく、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを、所望の放出プロファイルがも たらされるように比率を変えて使用し、錠剤中の活性化合物をゆっくり、または制御放出 するように製剤化することができる。

経口投与向け組成物は、甘味剤、食感改質剤、着色剤および香味剤をさらに含んでもよ い。

本発明の態様は、カーゴ分子のバイオアベイラビリティを向上する、栄養医薬組成物ま たは医薬組成物などの製剤の製造方法であって、カロテノイド粒子にカーゴ分子を取り込 むことを含む、方法を提供する。

カーゴ分子は、カロテノイド粒子に取り込まれると、カーゴ分子単独の場合と比較して 、経口投与後のバイオアベイラビリティが向上することを示すことがある。

カロテノイド粒子にカーゴ分子を取り込む方法は、本明細書の他の箇所に記載されてい る。

カロテノイド粒子に取り込んだカーゴ分子は、血流によってカロテノイド受容体を発現 する組織に送達され得る。カロテノイド受容体を発現する組織は、肝細胞、肝臓、副腎、 リンパ球、リンパ節、前立腺組織および精巣を含むことができる。これは、特定の組織へ のカーゴ分子の標的送達を実現するのに有用となり得る。

本発明の一態様は、胃腸管によって、例えば経口投与によって血流にカーゴ分子を送達 するための、本明細書に記載のカロテノイド粒子の使用を提供する。

本明細書に記載のカロテノイド粒子は、予防的治療(例えば、個体に起こる状態のリス クを低減するための個体の状態の発症前治療;その発症の遅延;または、発症後の重症度 の軽減)を含む、ヒトまたは動物の身体の治療方法に使用することができる。治療方法は 、それを必要としている個体へカロテノイド粒子を投与することを含むことができる。

投与は、通常、「治療有効量」または「栄養上有効量」であり、これは、個体に利益を 示すのに十分である。こうした利益とは、少なくとも1つの症状または生理的パラメータ ーが少なくとも回復すること(amelioration)とすることができる。

個体への最適投与量の決定には、投与量に関係する任意のリスクまたは有害な副作用に 対して、カーゴ分子の特定の投与量に関係する栄養上または治療上の有益性あるいは有効 性のレベルのバランスをとることが、一般に必要になる。

選択される投与量レベルは、カーゴ分子の性質および活性、治療目的、投与時間、カー ゴ分子の排出速度、治療期間、他の薬物、化合物、および/または併用される材料、なら びに個体の年齢、性別、体重、状態、全身的な健康および既往歴が挙げられるが、これら に限定されない、様々な要因に依存することになる。カロテノイド粒子の量は、結局のと ころ、医師、栄養士、または他の医療もしくは健康専門家の判断になろう。

インビボ投与は、治療の経過全体を通して、単回用量で連続的または断続的(例えば、 適切な時間間隔での分割用量)に実施することができる。単回投与または多回投与は、担 当の専門家によって選択される用量レベルおよびパターンで、実施することができる。

一般に、カーゴ分子の適切な用量は、1日あたり被験体のキログラム体重当たり約0. 01mg〜約1000mgの範囲にある。

例えば、カーゴ分子が乳清タンパク質である場合、用量が0.1mg/Kg/日〜10 00mg/Kg/日の乳清タンパク質を投与する組成物とすることができる。カーゴ分子 がレスベラトロールである場合、用量が0.1mg/Kg/日〜100mg/Kg/日の レスベラトロールを投与する組成物とすることができる。カーゴ分子がスタチンである場 合、用量が0.01mg/Kg/日〜2mg/Kg/日のスタチンを投与する組成物とす ることができる。カーゴ分子がイソフラボンである場合、用量が0.1mg/Kg/日〜 10mg/Kg/日のイソフラボンを投与する組成物とすることができる。

カーゴ分子が、塩、エステル、プロドラッグなどである場合、投与される量は親化合物 に基づいて計算され、したがって、使用される実際の重量は比例的に増加する。

本明細書に記載の治療に適する個体には、カーゴ分子によって完全もしくは部分的に回 復するかまたは軽減する状態(例えば、状態の少なくとも1つの症状)を有する個体、こ うした状態に罹患するリスクが増大している個体、または一般集団と比較して、こうした 状態に罹患しやすいかまたは罹患するリスクが増大している患者が含まれる。

カーゴ分子によって回復または軽減する状態は、カーゴ分子の性質に依存することにな る。

例えば、本明細書に記載の乳清タンパク質を含むカロテノイド粒子は、クラミジア感染 症、肝臓感染症の治療、および/または、例えば、高コレステロールレベルまたは高コレ ステロール血症を有する個体において、コレステロールを低下するのに有用となり得る。

スタチンを含むカロテノイド粒子は、心血管疾患、認知症、高血圧症、がんを含むが ん、白内障、および高コレステロールまたは高コレステロール血症の治療および/または 予防に有用となり得る。スタチンを含むカロテノイド粒子はまた、スタチンの多面効果に よって回復し得るが、考えられる副作用、例えば糖尿病、特にII型糖尿病およびアルツ ハイマー病のために、スタチン治療が以前には使用されていない他の疾患および状態の治 療および/または予防にも有用となり得る。

レスベラトロールを含むカロテノイド粒子は、代謝症候群またはその1つまたは複数の 症状、例えば、高コレステロールおよび/または高トリグリセリド、糖尿病、心血管およ び脳血管疾患、がん、急性および慢性の細菌、真菌およびウイルス感染症、アルツハイマ ー病および他の神経変性疾患、胃腸管疾患、結合組織疾患、関節炎、ならびに炎症状態の 治療および/または予防、ならびに老化防止製品および美容製品、ならびに健康増進およ び長寿に有用となり得る。

イソフラボンを含むカロテノイド粒子は、代謝症候群またはその1つまたは複数の症状 、例えば、高コレステロールおよび/または高トリグリセリド、糖尿病、心血管および脳 血管疾患、がん、アルツハイマー病および他の神経変性疾患、結合組織疾患、ならびに炎 症状態の治療および予防、ならびに老化防止製品および美容製品、ならびに健康増進およ び長寿に有用となり得る。

本発明のさらなる様々な態様および実施形態は、本開示を鑑みれば、当業者に明白とな ろう。

本明細書中で言及しているすべての文献は、その全体が参照により本明細書に組み込ま れている。

本明細書で使用される「および/または」は、一方を含むもしくは含まない2つの指定 した特徴または成分の各々の具体的な開示としてとらえるべきである。例えば「Aおよび /またはB」は、あたかも本明細書では各々が個々に述べられているかのごとく、(i) A、(ii)B、ならびに(iii)AおよびBのうちの各々の具体的な開示としてとら えるべきである。

文脈が特に示さない限り、上記の特徴の説明および定義は本発明の特定のいずれの態様 または実施形態も制限するものではなく、記載されているすべての態様および実施形態に 等しく適用される。

次に、本発明のある種の態様および実施形態を、一例として、以下に記載の図および表 を参照しながら例示する。

McCoy細胞中における、C・トラコマティス(C.trachomatis)に対する乳清タンパク質の効果を示す図である。

バイオアベイラビリティに対する、lycosome粒子にレスベラトロール100mgを取り込んだ効果を示すグラフである。データは、血清中におけるレスベラトロールとその代謝物を合わせた血清濃度(ng/ml)を示す。

2つのトランス−レスベラトロール生成物、すなわち遊離形態およびリコペンクラスターに取り込まれている形態の、相対的な薬物動態を示すグラフである。

血漿コレステロール(図4A)、血漿LDL(図4B)および血漿HDL(図4C)に対する、シンバスタチン単独で1日用量20mg、40mgおよび80mg、ならびにリコペン粒子に取り込んだシンバスタチン(「lycostatin(商標」)(20mg)の効果を示すグラフである。

血漿コレステロール(図4A)、血漿LDL(図4B)および血漿HDL(図4C)に対する、シンバスタチン単独で1日用量20mg、40mgおよび80mg、ならびにリコペン粒子に取り込んだシンバスタチン(「lycostatin(商標」)(20mg)の効果を示すグラフである。

血漿コレステロール(図4A)、血漿LDL(図4B)および血漿HDL(図4C)に対する、シンバスタチン単独で1日用量20mg、40mgおよび80mg、ならびにリコペン粒子に取り込んだシンバスタチン(「lycostatin(商標」)(20mg)の効果を示すグラフである。

SIのみの患者(緑)、SI+リコペンの患者(赤)、およびリコペン粒子中SIの患者(青)の血清中における、混合イソフラボン濃度(ng/ml)を示すグラフである。

SI+リコペン患者(赤)およびリコペン粒子中SIの患者(青)における、ゲニステインの平均血清濃度を示すグラフである。

SI+リコペン患者(赤)およびリコペン粒子中SIの患者(青)における、ダイゼインの平均血清濃度を示すグラフである。

SI+リコペン患者(赤)およびリコペン粒子中SIの患者(青)における、リコペンの平均血清濃度(ng/ml)を示すグラフである。

SIのみの患者の血清中における、大豆イソフラボンの血清濃度を示すグラフである。

リコペン粒子中SIの患者(青)の血清中における、大豆イソフラボンの血清濃度を示すグラフである。

表1は、CHD患者における、抗クラミジアIgGに対する、WPおよびリコペン生成 物の効果を示している。

表2は、CHD患者における、血清コレステロールに対する、WPおよびリコペン生成 物の効果を示している。

表3は、120mgのレスベラトロール単独またはリコペン粒子に取り込んだレスベラ トロールを投与した患者における、トランス−レスベラトロール3−サルフェートの血清 濃度(ng/ml)を示している。

表4は、120mgのレスベラトロール単独またはリコペン粒子に取り込んだレスベラ トロールを投与した患者における、トランス−レスベラトロール4'−o−β−D−グル クロニドの血清濃度(ng/ml)を示している。

表5は、図3に示した通り、2種のトランス−レスベラトロール生成物、すなわち遊離 形態およびリコペンクラスターに埋め込まれた形態の薬物動態に関する曲線下面積(AU C)を示している。

表6は、遊離リコペン(SI+リコペン)またはリコペン粒子に取り込んだリコペン( SI−lycosome)によって投与した大豆イソフラボン(SI)の代謝効果の比較 を示している。

実験 1.クラミジアに対する乳清タンパク質の効果 持続性クラミジア感染症とアテローム性動脈硬化症の発症の間の関係は、25年以上前 に確立されている[1、2]。最近まで、この感染症の考えられる原因としての役割が、 時として疑問視されてきたが、依然として答えがないままである。しかし、昨年、いくつ かの技術文献により、クラミジア感染症が引き金となって起きる脂質/コレステロールの 代謝変化の背後に存在し得る過程に関する手がかりが見つかり始めた[3−5]。

この研究において、本発明者らは、乳清タンパク質が抗細菌特性、とりわけ抗クラミジ ア特性を有するかどうかを検討した。

1.1 方法 乳清タンパク質 100%乳清タンパク質(Multipower)10mgをPBS1mlに溶解した 。RPMI中で2倍希釈液を調製し、細胞培養に使用した。

細胞培養および生物 McCoy細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)および2mMグルタミンを補給した RPMI中、5%CO2中で培養した。円形のカバーガラス付き24ウェルプレート中で 、細胞を成長させた。C・トラコマティス(C. trachomatis)の菌株L2/Bu434は 、親切にもP.Saikku博士(University of Oulu、フィンラン ド)によって提供していただいた。クラミジアの菌株は、始めにMcCoy細胞中で増殖 させて、[6]に記載のリノグラフィン密度こう配遠心分離法(Renografin gradient ce ntrifugation)によって精製した。クラミジアの力価は、解凍したストック懸濁液の10 倍希釈液によってMcCoy細胞を感染させることにより決定した。既知の力価を有する 精製した基本小体(EB)を、スクロース−リン酸塩−グルタミン酸の緩衝液中で懸濁し 、McCoy細胞に対する接種材料として使用した。

細胞感染 McCoyのプレートを、5%FBSを含みシクロヘキシミドを含まないRPMI中、 多重比率(multiplicity rate)2:1でC・トラコマティス(C.trachomatis)により感 染させて、1500g、25℃で1時間遠心分離した。0.007〜0.5mg/mlの 濃度の乳清タンパク質を感染細胞に添加し、プレートを37℃、5%CO2で48時間接 種した。

免疫蛍光染色 様々な濃度の乳清タンパク質の存在下、24ウェルプレート中のカバーガラス上で成長 させた感染McCoy単層を、メタノールにより固定化した。透過性細胞を、クラミジア のリポ多糖に対するFITC−コンジュゲートモノクローナル抗体を用いる直接的な免疫 蛍光によって染色した(NearMedic Plus、RF)。封入体含有(inclusio n-containing)細胞を、Nikon Eclipse 50i microscope蛍 光顕微鏡を使用して、1350倍に可視化した。

1.2 結果 乳清タンパク質は、McCoy細胞中のクラミジア介在物に対する用量依存効果を有す ることが観察された(図1)。

2.リコペン粒子の製造 リコペン粒子(lycosomes(商標))製造の主な原理は、リコペンマトリック スに選択したカーゴ分子が取り込まれることを促進することである。

これは、同一溶媒、例えばエタノール中にリコペンおよびカーゴ分子を予め溶解するこ とにより達成することができる。あるいは、カーゴ分子およびリコペンを、異なる溶媒、 例えば2種の異なる有機溶媒、または有機溶媒と油に溶解してもよい。好ましくは、カー ゴ分子およびリコペンは、両溶媒中に完全に溶解しているか、または部分的に溶解してい る。

第2のステップで、リコペンマトリックスに生成物分子を取り込むか、またはその一部 を取り込むことができる条件下で、リコペン溶液を、生成物(複数可)の溶液(複数可) とブレンド/混合すべきである。

次に、この溶媒(複数可)を、完全または部分的に蒸発すると、乾燥形態または濃縮液 体形態の残留物質を得ることができる。

リコペン粒子の製造はまた、リコペンを溶媒中に完全または部分的に溶解して、乾燥粉 末形態のカーゴ分子に噴霧するか、またはそれと混合することによっても実現することが できる。次に、カーゴ分子の乾燥粒子は、リコペン液滴によって捕捉される。次に、リコ ペン溶媒を乾燥または蒸発させて、固形粒子を生成することができる。

あるいは、溶解しているリコペンと乾燥カーゴ分子との混合物を、懸濁形態にしておい てもよい。

本出願で記載している実施例におけるlycosome製品の調製に適用される技法を 以下に説明する。例えば、WP−Lycosomeは最初の段階で有機溶媒(複数可)、 次に植物性油を用いて調製されている。レスベラトロール−LycosomeおよびLy coStatinは、エタノール中にリコペンとシンバスタチンを個別に溶解し、これら を選択した割合の量で混合し、次に混合物から溶媒を蒸発させるか、または混合物を噴霧 乾燥させることにより調製された;IS−Lycosomeは、リコペンのエタノール( 完全または部分的)溶液と粒状大豆イソフラボンとを混合することにより調製された。

3.乳清タンパク質のlycosomeの調製 US20020107292に記載されている通り、乳清タンパク質を取り込んだリコ ペン粒子(WP−lycosome)を製造した。手短に言えば、乳清タンパク質単離物 13.3kgを脱イオン水330lに溶解し、この混合物を25〜30oCで6時間撹拌 した。これとは別に、リコペン6%を含むLycored(商標)オレオレジン(Lyc oRed Corp、NJ、米国)550gをアセトン438lと混合し、この混合物を 撹拌した。

次に、上記2つの溶液を、30oCで60分間混合した。最終混合物を穏やかに加熱し 、アセトンを穏やかな圧力で追い出した。最後に、40〜50mbarの圧力で水を部分 的に追い出した。乳清タンパク質単離物およびオレオレジンの200kg水溶液を得て、 これを次に噴霧乾燥させた。

噴霧乾燥に続いて、植物性油中の大豆レシチン186gを加え、30℃で生成物の塊と 混合した。

レベラトロール(reveratrol)を取り込んだリコペン粒子を、噴霧乾燥法を用いて調製 した。製剤成分は、無水エタノール中で調製した。

原料は、以下のように調製した。 5g 99%トランス−レスベラトロール 3.333g Lyc−O−Mato 15% OS(すなわち、リコペン500mg ) 0.110g レシチン 比率:レスベラトロール100mg:リコペン10mg:レシチン2.2mg

レスベラトロール5gを、無水アルコール100mlに溶解した。Lyc−O−Mat o 15%3.333gおよびレシチン110mgを、無水エタノール容量100mlに 、個別に溶解した。上記2つの溶液を一緒に混合し、窒素下56℃で噴霧乾燥した。得ら れた粉末を、サイズ0のカプセル1個あたり203mgとしてカプセル封入し、レスベラ トロール120mg/リコペン12mgの用量を得た。

他の実験では、99%トランス−レスベラトロール20gを95%エタノール100m lに溶解し、これとは別に、トマトオレオレジン35mg(リコペン10%)を95%エ タノール中に溶解した。次に、上記の両溶媒を、30oCで60分間混合した後、噴霧乾 燥させた。シンバスタチンを取り込んだリコペン粒子を、蒸発法を使用して調製した。

各カプセルが、レシチン106mgと共に、リコペン10mgおよびシンバスタチン2 0mgを含有している、サイズの0カプセルを180個調製した。

蒸発法を使用し、得られた固体物質を集めて乳鉢で粉砕した。得られた粉末を、カプセ ル封入に使用した。この方法は、商業的環境における、より多量の原料を回転造粒(roto granulation)することと同等である。

この180個の用量のバッチの製造方法は以下の通りであった。 19g レシチン 48.5g とうもろこし粉 3.6g シンバスタチン 18g Lyconat(商標) 10% CWD(Vitatene Ltd)(す なわちリコペン1.8g)全固形物:89.1g

Lyconat 10% CWD18gを、180mlのRO H2O中で分散し、無 水エタノールにより1,800mlにして90%エタノールの分散液を得た。シンバスタ チン3.6gをエタノール90mlに溶解し、これを90%エタノールのリコペン分散液 に添加し、ブレンドした。次に、レシチン19gを上記混合物に加え、リコペン/シンバ スタチンとブレンドした。次に、溶媒を蒸発させた。

得られた固体を集めて粉末に粉砕し、カプセル封入した。1用量には、サイズ0のカプ セル中495mgを含有した。各用量は、リコペン10mg、レシチン106mg、シン バスタチン20mg、とうもろこし粉269mg、Lyconat 10% CWD由来 のでんぷん90mgから構成された。

他の実験では、シンバスタチン20gを95%エタノール100mlに溶解し、これと は別に、Vitatene由来のリコペン7gを95%エタノール中に溶解した。両溶媒 を30℃で60分間混合し、次に、噴霧乾燥した。

大豆イソフラボンを取り込んだリコペン粒子を、蒸発法を使用して調製した。

リコペン6%を含むLycored(商標)オレオレジン(LycoRed Corp NJ、米国)550gを、アセトン(95%エタノールを代替物として使用してもよい )438lに混合し、この溶液を撹拌した。次に、リコペン溶液を粉末形態の大豆イソフ ラボンと混合し、この混合物を噴霧乾燥させた。

他の試験では、大豆イソフラボンを取り込んだリコペン粒子は、リコペン6%を含むL ycored(商標)オレオレジン(LycoRed Corp NJ、米国)550g を溶解することにより製造し、エタノール438lに混合し、これとは別に、大豆イソフ ラボンを水に溶解した。

続いて、上記2つの溶液を、SI50gとリコペン7gまたは14gとの比で、30o Cで60分間混合した。最終混合物を穏やかに加熱し、エタノールを穏やかな圧力で追い 出した。最後に、40〜50mbarの圧力で水を部分的に追い出し、得られた溶液を噴 霧乾燥させた。

4.リコペン粒子に取り込んだ乳清タンパク質の効果 WP−Lycosome(商標)の潜在的な効果を確認するために、臨床試験に取り組 んだ。

抗クラミジアIgGおよび高コレステロール血症に陽性の冠動脈性心疾患(CHD)患 者20人を特定した。この患者らを、患者5人で4つの群に無作為に分け、各自に以下の いずれかを毎日与えた。 −第1群−リコペン補助品7mg(トマトオレオレジン70mg中)、または −第2群−WP700mg、または −第3群−リコペン7mg(トマトオレオレジン70mg中)とWP70mgの機械的 混合物、または −第4群−リコペン7mg(トマトオレオレジン70mg中)とWP70mgを含むW P−Lycosome

4週間後に、血清抗クラミジアIgGおよび総血清コレステロールを測定した。

結果は、具体的なIgGまたはコレステロール濃度の点から、WPそれ自体にはこうし た患者のクラミジア感染症のレベルに影響を及ぼす能力はないことを示している(表1お よび表2)。

リコペンそのものは、クラミジア感染症を軽減する能力をある程度有するが、その効果 は、リコペン投与の第2週目以降から認められるに過ぎず、すべての患者に対する総合的 な血清陰性は、試験の最終週にしか実現しなかった。

リコペンと乳清タンパク質との機械的混合により、リコペンがクラミジア感染症を軽減 する能力は実質的に低下し、患者5人中4人(80%)が、試験の終わり(4週間)まで に血清陽性のままであった。

リコペンそのものは、血清コレステロール対して測定可能な効果を有することが認めら れた。4週間後、コレステロールが0.7mmol/L低下した。リコペンと乳清タンパ ク質の機械的混合により、このコレステロール低下効果も実質的に低下した。

しかし、本明細書に記載のリコペン粒子に取り込んだ乳清タンパク質(WP−Lyco some(商標))は、クラミジア感染症およびコレステロールレベルの両方に対して、 顕著で非常に迅速な効果を示した。抗クラミジアIgGは、試験の第1週の終わりまでに すべての患者の血清から消えた。WP−Lycosomeにより処置した患者のコレステ ロールレベルは、リコペンそのものによって生じるものよりも、有意に大きな低下(2m mol/L)を示した。

これらの結果は、リコペン自体が持つ「マイルドな」抗感染特性およびコレステロール 低下特性に加えて、乳清タンパク質をlycosomeに取り込むと、乳清タンパク質に 顕著な相乗効果があることを示している。

対照的に、乳清タンパク質とリコペンとの機械的混合は、乳清タンパク質の活性を高め ることなく、リコペンを不活性化することが分かった。

これらの結果は、リコペン粒子に乳清タンパク質を取り込むことにより、乳清タンパク 質の潜在的な抗細菌性を肝臓に送達することを可能にすることを示している。

これらの細胞培養物の試験は、乳清タンパク質が直接的な抗クラジミア効果を有してい ることを示している。この効果は、リコペンには示されなかった。乳清タンパク質の効果 は、濃度依存的である。リコペン自体と比較すると、カロテノイド粒子中のリコペン濃度 は増加しない。これは、この効果が乳清タンパク質によることを示している。

リコペンはインビボでの感染症の症状を軽減することを示したが、この効果は抗酸化特 性および/または抗炎症特性に関係していることがあり、一般に約4週間後に明らかにな る。対照的に、乳清タンパク質はより迅速に作用し、特定のIgGなどのクラミジア感染 症の症状が数日内に血液から消える。

5.リコペン粒子に取り込んだレスベラトロールの効果 レスベラトロールのバイオアベイラビリティに対するlycosome技術の潜在的な 効果を確認するため、ボランティアで薬物動態検討に取り組んだ。

レスベラトロールを、本明細書に記載の通り、リコペン粒子に取り込んだ。

臨床プロトコル 5人のボランティア群は、女性2人および男性3人の、年齢が23〜35歳の、臨床的 に健常な白人からなった。本実験の開始前に、上記ボランティアに、それらを含有し得る ぶどう、ワイン、ピーナッツ、チョコレートおよび他の製品のいかなるものをも消費する 際に、3〜4日間、「ウオッシュアウト(wash-out)」するよう依頼した。

ボランティアは、本試験の午前中の軽い朝食の1時間後、トランス−レスベラトロール 製品100mgを含有している1gのゼラチンカプセル(tRSV)を与えられた。ベー スライン点における血液サンプルを、肘正中皮静脈または橈側皮静脈から採取した。次に 、tRSVの投与後、ボランティアの血液を、以下の時間、30分、1時間、2、3、4 、6および8時間点で再度採取した。4時間の時間点後、ボランティアは、それらを含有 し得るぶどう、ワイン、ピーナッツ、チョコレートおよび他の製品のいかなるものの消費 も含まない軽い昼食をとった。

血液採取後、その血清を分けて一定量にし、さらなる試験のために−80℃で保管した 。検討は盲検のクロスオーバーとし、各参加者は、3種のレスベラトロール製品すべての 試験に関わった。

tRSV製品 個別に製造したtRSV−Lycosomeを2バッチ、およびtRSV自体を1バッ チ。これら製品すべてのレスベラトロールは、同じ製造業者の同じバッチ由来のものであ った。

5a.総レスベラトロールのバイオアベイラビリティに関する検討 本検討結果を、表3および表4に示している。これらの結果は、レスベラトロールをl ycosomeの形態で投与した場合、その2つの主要な代謝物である、3−サルフェー トおよび4'−o−β−Dグルクロニドのレベルは、レスベラトロールそのものを投与し た場合よりも約2〜3倍高いことを実証している。

すべての主なレスベラトロール代謝物の薬物動態の比較を図2に示している。これらの データは、リコペン粒子(すなわちlycosome)内のレスベラトロールを投与する ことにより、同一用量100mgのレスベラトロールそのものと比較すると、バイオアベ イラビリティが向上していることを示している。

5b.非改変トランス−レスベラトロールのバイオアベイラビリティに関する検討 遊離形態およびリコペンクラスターに埋め込まれた形態である、2種のトランス−レス ベラトロール製品の薬物動態の比較を図3に示している。これら2種の製品に関する曲線 下面積AUCの比較を表5に示している。これらの結果は、リコペンにtRSVを取り込 むことにより、未改変形態のこの分子を遊離の結晶で投与した場合よりも、ヒト血液に約 10倍多く送達することができることを示した。

6.リコペン粒子に取り込んだスタチンの効果 高コレステロール血症を有するCHD患者18人を、無作為に5つの対等な群に分けた 。 −第1群、−患者に、リコペン補助品7mgのカプセル1個を毎日与えた。 −第2群、−患者に、シンバスタチン20mgのカプセル1個を毎日与えた。 −第3群、−患者に、シンバスタチン40mgのカプセル1個を毎日与えた。 −第4群、−患者に、シンバスタチン80mgのカプセル1個を毎日与えた。 −第5群、−患者に、リコペン7mgとシンバスタチン20mgから構成される、Ly cosome−シンバスタチン(Lycostatin(商標))のカプセル1個を毎日 与えた。

カプセルは同じ色およびサイズをしており、Lycostatin(商標)の成分すべ てが、個々の製品に関して、同じ供給業者の同一バッチ由来とした。

この試験の結果を、図4A〜4Cに示す。

リコペン対照群において、試験対象である脂質の血清濃度に有意な変化があったことか ら、これらの結果は図4A〜4Cには示さなかった。

同時に、シンバスタチン含有製品はすべて、総コレステロールおよびLDLコレステロ ールを減少させる顕著な効果を実証した。遊離のシンバスタチンを投与した3つの群にお いて明確な用量依存性があった。

しかし、最少用量の薬物であるが、リコペンクラスターに埋め込まれている20mgを 投与した群では、総コレステロールおよびLDLコレステロールの濃度が最も大きく低下 した。この低下率およびレベルは共に、遊離シンバスタチン80mgを投与した群よりも 、なお一層顕著であった。

これは、lycosome技術により薬物送達が肝臓に集中し、使用するスタチン用量 を潜在的に低減し、その結果スタチンの副作用を最低限にすることができることを示して いる。

7.大豆イソフラボンのリコペン粒子への取込効果 大豆、特に大豆イソフラボンは、代謝症候群および糖尿病の発症の予防の要因になる、 東洋の食事の重要な成分の1つである。

しかし、天然マトリックスからのイソフラボン抽出およびイソフラボン栄養補助食品の 開発において、バイオアベイラビリティおよび有効性の問題に直面してきた。単離イソフ ラボンは、東洋の食事に含有している通常の大豆と同じ投与量でさえも、食品マトリック ス中のイソフラボンの有益な代謝効果に匹敵しない。

低いバイオアベイラビリティに対処する選択肢の一つは、投与する単離イソフラボンの 用量を増加させることである。投与量の増加により、血液およびその結果組織中のイソフ ラボン濃度の顕著な向上をもたらすことができ、ひいては、エストロゲンホルモン受容体 を活性化することができる。エストロゲンホルモン受容体の活性化は、閉経後の女性にお けるホルモン補充療法の一部として既に使用されているが、こうした受容体の活性化は、 他の年齢群の女性、および男性には望ましくないと考えられる。

血流中の全体的なレベルを増加することなく、代謝作用を示す主な臓器(肝臓)にイソ フラボン送達を集中させることが、別の選択肢である。リコペンまたは他のカロテノイド 化合物は、カロテノイド受容体が豊富にある肝臓を標的とするための担体として使用する ことができる。

大豆イソフラボンをリコペン粒子に取り込ませ(SI−Lycosome(商標))、 大豆イソフラボンの代謝活性および薬物動態を、他の2種の製品、すなわちSIそのもの およびリコペンと機械的混合したSIのものと比較した。

代謝症候群を有している、総コレステロールおよび/またはトリグリセリドが高い42 人の患者を、無作為に3つの対等な群に分けた。 −第1群−患者に、SI50mgを毎日与えた。 −第2群−患者に、SI50mgとリコペン7mgとの機械的混合物[SI+リコペン ]を毎日与えた。 −第3群−患者に、SI−Lycosome(商標)(1日用量として、SIおよびリ コペンはそれぞれ50mgおよび7mg)を与えた。

第2群の患者3人、および第3群の患者4人が、服薬遵守が低いことが理由で外れた。 したがって、患者34人だけで、なんとか試験を終えた。

3つの群すべてにおいて使用したカプセルは、同じ色およびサイズをしており、SI− Lycosome(商標)の成分すべてが、個々の製品に関して、同じ供給業者の同一バ ッチ由来とした。

脂質パラメーターを測定し、その結果を表6に示した。これらの結果は、SI単独また はリコペンと機械的に混合したSIはどちらも、投与1カ月後の患者の血清中において、 解析した脂質代謝のいかなるパラメーターに対しても、顕著な効果を何ら有さなかったこ とを示している。

SIとリコペンの機械的混合により、イソフラボン吸収は顕著に低下しており、この低 下をこの試験(図5)およびさらに24時間の薬物動態試験(図6、7)の両方に記録し た。

しかし、リコペン粒子中で送達された同じ用量のSIは、高トリグリセリド、高総コレ ステロール、高LDLおよび高アポタンパク質(elevated triglycerides, total choles terol, LDL and apo-proteins)に対して顕著な低下効果を有している。

SI−Lycosome(商標)投与1か月後の患者の血清中のリコペン濃度の増加は 、同じ用量のリコペンであるが、SIとの機械的混合物で投与された患者群よりも、約1 /3倍低い(3 times lower)ので、観察されるSI−Lycosome(商標)での代 謝効果は、リコペン成分そのものによる可能性は低い。前者の群における増加は、150 ng/mlであり、後者の群は50ng/mlであった(図8)。

図9および10は、リコペン粒子にSIを取り込むと、遊離SIと比較して、イソフラ ボンの新規な血清プロファイルは作られないことを示している。

したがって、本明細書の結果は、リコペン粒子に取り込むことによって、血中のSIレ ベルを増加させることなく、SIの代謝有効性を顕著に高めることができることを示して いる。この肝臓の応答は、カロテノイド粒子に取り込まれたイソフラボンによる肝臓標的 により可能性がある。

カロテノイドは、化学的に改変しなくとも、独立した物理的粒子および/またはカイロ ミクロンの一部として、機械的経路を経てかなり吸収されるので、カロテノイドは、保護 的な小包として働くだけでなく、取り込まれた分子または物質にとって、これらを未改変 形態で循環に送達することができる保護的なキャリア(currier)またはビヒクルとして も働くことができる。

したがって、いくつかの分子または化合物がリコペン分子によって完全または部分的に 捕捉されると、酵素による分解、酸化、胃酸性度、腸内細菌叢などのようなGIT因子か らいくらか保護することができる。この結果は、未改変の形態の、こうした損傷を受けや すい物質の吸収および肝臓への送達を高めること、すなわちこれらの物質のバイオアベイ ラビリティを向上することになり得る。

(参考文献)

本発明は、以下の態様を包含する。 [1] 粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団であって、各粒子が、カロテノイド化合物および1つまたは複数のカーゴ分子を含む集団。 [2] 集団中の1つまたは複数の粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターにおいて、カロテノイド化合物が、内核、または埋め込まれたもしくは固定された構造を被包する、外部層、中間層またはクラスター床層を形成し、前記核または構造がカーゴ分子を含む、上記[1]に記載の集団。 [3] 集団中の1つまたは複数の粒子、例えばミセル、逆ミセルまたはそれらのクラスターにおいて、カーゴ分子が、カロテノイド化合物を含む内核を被包する外部層を形成する、上記[1]に記載の集団。 [4] 1つまたは複数の粒子が可溶性ミセルを形成する、上記[2]または上記[3]に記載の集団。 [5] 集団中の粒子の少なくとも90%が可溶性ミセルである、上記[4]に記載の集団。 [6] 集団中の1つまたは複数の粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターにおいて、カロテノイド化合物が、その中にカーゴ分子が固定されているまたは埋め込まれているマトリックスを形成する、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の集団。 [7] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、単一カロテノイド化合物を含む、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の集団。 [8] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、1つ超のカロテノイド化合物を含む、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の集団。 [9] カロテノイド化合物がリコペンである、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の集団。 [10] カロテノイド化合物が、ルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フィトエン、フィトフルエン、キサントフィル、カロテンまたは任意の他のカロテノイドである、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の集団。 [11] カロテノイド化合物が、果物、野菜、植物、動物、真菌、酵母、または藻、または細菌、またはリコペンもしくはルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フィトエン、フィトフルエンもしくは他のキサントフィル、もしくはカロテンもしくは任意の他のカロテノイドを含む他の供給源から得られる抽出物、オレオレジン、濃縮物、または補強もしくは他の生成物である、上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の集団。 [12] 集団中の各粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、カロテノイド化合物を0.05〜90重量%含む、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の集団。 [13] カーゴ分子が、乳清タンパク質、スタチン、イソフラボンまたはレベスタロール(revestarol)から選択される、上記[1]〜[12]のいずれか一項に記載の集団。 [14] カーゴ分子が、食物の発酵、酸化、加工もしくは分解の生成物、または微生物代謝の生成物である、上記[1]〜[13]のいずれか一項に記載の集団。 [15] カーゴ分子が、食物発酵生成物、レシチン;リン脂質;炭水化物;アミノ酸;フラボン;フラボノール;フラバノン;フラバノノール;イソフラボン;カテキン、ガロカテキン、カテキン3−ガレート、ガロカテキン3−ガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン3−ガレート、フラボン−3−オール;プロアントシアニジン;アントシアニジン;アントシアニンのアグリコン;シリビニン、シリマリン、クルクミノイド、ギンゲロール、セラミド;イソプレン、プレノール、イソ吉草酸、ゲラニルピロホスフェート、オイカリプトール、リモネン、ピネン、ファルネシルピロホスフェート、アルテミシニン、ビサボロール、ゲラニルゲラニルピロホスフェート、レチノール、レチナール、フィトール、タキソール、フォルスコリン、アフィジコリン、スクアレン、ラノステロール、テルペン、テルペノイド;ステロールおよびステロールエステル;植物ステロール;α−、β−、γ−およびδ−トコトリエノール;油、例えばサメまたは他の軟骨魚油、植物性油、またはアマランス種子、米、コムギ麦芽もしくはオリーブ由来の油;スクアレン、レチノイド、加水分解可能なタンニン、ケイ皮酸、リグニン ポリフェノール、ビタミン、無機物、カフェニン、テオブロミン、メチル−、ジメチル−およびパラ−ルキサンチネス(lxanthinesu)、キサンチンアルカロイド、ペニシリン、真菌代謝物、、セファロスポリン、カルダペネム、スルホンアミド、キノロン、オキサゾジノン、マクロライド、抗ウイルス薬、心血管薬、代謝薬、抗真菌薬、および抗寄生虫薬、ならびにスタチンから選択される、上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載の集団。 [16] 前記集団中の粒子、ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、乳清タンパク質を含有していない、上記[1]〜[15]のいずれか一項に記載の集団。 [17] 集団中の各粒子、ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、カーゴ分子を0.05〜90重量%含む、上記[1]〜[16]のいずれか一項に記載の集団。 [18] カーゴ分子に対するカロテノイド化合物の重量比が0.02以上である、上記[1]〜[17]のいずれか一項に記載の集団。 [19] カーゴ分子に対するカロテノイド化合物の重量比が最大20である、上記[1]〜[18]のいずれか一項に記載の集団。 [20] 経口投与後のカーゴ分子のバイオアベイラビリティが、カロテノイド粒子、例えば、ミセル、逆ミセルまたはそれらのクラスターへ取り込むことによって2倍以上向上する、上記[1]〜[19]のいずれか一項に記載の集団。 [21] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、レシチンまたは他のリン脂質をさらに含む、上記[1]〜[18]のいずれか一項に記載の集団。 [22] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスター中のカロテノイド分子に対するレシチンの重量比が0.1以上である、上記[19]に記載の集団。 [23] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスター中のカロテノイド分子に対するレシチンの重量比が最大1000である、上記[19]または上記[20]に記載の集団。 [24] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターのサイズが1nmから1μmである、上記[1]〜[21]のいずれか一項に記載の集団。 [25] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、 第1の溶媒にカロテノイド化合物を溶解して第1の溶液を生成し、第2の溶媒にカーゴ分子を溶解して第2の溶液を生成するステップ、 カーゴ分子をカロテノイドのマトリックス中に取り込むことができる条件下で、第1の溶液と第2の溶液とを混合するステップ、および 混合物を蒸発および/または乾燥させて、カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターを生成するステップ を含む方法によって得られる、上記[1]〜[24]のいずれか一項に記載の集団。 [26] カロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターが、 第1の溶媒にカロテノイド化合物を溶解して第1の溶液を生成するステップ、および 乾燥粒子を液状カロテノイド液滴に取り込むことができる条件下で、第1の溶液とカーゴ分子の乾燥粒子とを混合するステップ を含む方法によって得られる、上記[1]〜[24]のいずれか一項に記載の集団。 [27] 混合物を蒸発および/または乾燥させる、上記[26]に記載の集団。 [28] 溶液形態、懸濁液形態、または乾燥粉末形態にある、上記[1]〜[27]のいずれか一項に記載の集団。 [29] 上記[1]〜[28]のいずれか一項に記載のカロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団、および賦形剤を含む、医薬組成物または栄養組成物。 [30] 組成物が経口投与向けに製剤化されている、上記[29]に記載の組成物。 [31] 医薬組成物または栄養組成物の製造方法であって、 上記[1]〜[28]のいずれか一項に記載のカロテノイド粒子、例えば、ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団と、1つまたは複数の担体、ビヒクル、および/または賦形剤を混合するステップ を含む、方法。 [32] カロテノイド受容体を発現する標的組織へのカーゴ分子の送達を改善する方法であって、 上記[1]〜[28]のいずれか一項に記載のカロテノイド粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団にカーゴ分子を取り込むステップ、および カロテノイド粒子の集団を個体に投与するステップ を含む、方法。 [33] カロテノイド受容体を発現する標的組織が、肝臓、精巣、前立腺、リンパ組織および副腎のうち1つまたは複数である、上記[30]に記載の方法。 [34] 上記[1]〜[28]のいずれか一項に記載の粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団を、それを必要としている個体に投与するステップを含む治療方法。 [35] 個体がカーゴ分子によって回復する状態を有する、上記[34]に記載の方法。 [36] 個体の治療方法において使用するための、上記[1]〜[28]のいずれか一項に記載の粒子、ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団。 [37] 個体がカーゴ分子によって回復する状態を有する、上記[36]に記載の粒子、ミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団。 [38] カーゴ分子によって回復する状態を治療するための医薬の製造における上記[1]〜[28]のいずれか一項に記載の粒子、例えばミセル、逆ミセル、またはそれらのクラスターの集団の使用。 [39] カーゴ分子が乳清タンパク質であり、状態がクラミジア感染症または高血清コレステロールレベルである、上記[35]に記載の方法、上記[37]に記載の集団、または上記[38]に記載の使用。 [40] カーゴ分子がスタチンであり、状態が心血管疾患、認知症、高血圧症、がん、白内障または高血清コレステロールレベルである、上記[35]に記載の方法、上記[37]に記載の集団、または上記[38]に記載の使用。 [41] カーゴ分子がレスベラトロールであり、状態が高コレステロールおよび/または高トリグリセリド、糖尿病、心血管および脳血管疾患、がん、急性および慢性の細菌、真菌およびウイルス感染症、神経変性疾患、胃腸管疾患、結合組織疾患、関節炎、または炎症状態である、上記[35]に記載の方法、上記[37]に記載の集団、または上記[38]に記載の使用。 [42] カーゴ分子がイソフラボンであり、状態が高コレステロールおよび/または高トリグリセリド、糖尿病、心血管および脳血管疾患、がん、神経変性疾患、結合組織疾患、および炎症状態である、上記[35]に記載の方法、上記[37]に記載の集団、または上記[38]に記載の使用。

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