专利汇可以提供Battery专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a battery capable of releasing pressure when inner pressure of a cell container is increased by an excessive load.
SOLUTION: The battery 1 is provided with an electrode 2 made by laminating a cathode 21 and an anode 22 through a separator 23, and an electrolyte solution, sealed in a battery container 3. The battery container 3 has a pressure releasing means 7 releasing inner pressure when inside pressure by generation of gas inside the battery container 3 is boosted, and a gap between an outer peripheral surface of the pressure releasing means side of the electrode 2 made to be a part of a gas releasing channel guiding gas generated at the electrode 2 to the pressure releasing means 7 and the battery container 3, has a larger cross section than a gap between the battery container 3 and the electrode body 2 other than the gas releasing channel. Even if the pressure inside the battery container is increased, a function of the pressure releasing means can be sustained and the battery can suppress breakage of the battery container.
COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT,下面是Battery专利的具体信息内容。
本発明は、電池に関し、詳しくは、電池容器の内部の圧力が増加したときに圧力を開放することができる電池に関する。
近年、リチウム電池あるいはニッケル水素電池が携帯機器用の電源として広く普及している。 これらの電池は、優れた性能が要求される自動車用の駆動電源としても注目され、実際に車両への搭載が開始されてきている。 車両に搭載される電池は、すぐれた電池性能を長期間にわたって維持することを目的として、電極体が電池容器に密閉された密閉型の構造が採られている。
ところで、上記のような電池は、通常使用される状況を超えた負荷が加わった場合には、電池容器の内部で激しく反応が進み、多量のガスを発生する場合がある。 ここで、通常使用される状況を超えた負荷としては、例えば、過充電、過熱、もしくは外部からの荷重による短絡などがある。
ガスが発生したときに、電池容器が破裂するのを防止するための構造が特許文献1に開示されている。 特許文献1には、電池容器に、電池容器の内部の圧力が上昇した時に優先的に開裂し、ガスを放出する安全弁を備えた構造が示されている。
しかしながら、上記のような安全弁を備えた構成の電池においても、安全弁が作動した場合に、内部に収容された電極体が安全弁の方向に付勢し、そして電極体が安全弁を閉塞することにより安全弁のガス放出機能を阻害してしまう問題があった。 具体的には、電池容器の内部において、開裂した安全弁の近傍と、電極体から安全弁に対称な部分においては、部分的な圧力に差が生じ、この圧力差により電極体が安全弁の方向に付勢される。
このような電極体の移動の問題に対し、特許文献1に開示された電池では、巻回型電極体の巻回軸方向の一方の端面と対向した位置に安全弁をもうけ、巻回型電極体の巻回軸方向の一方の端面と安全弁との間に電極押え板を設置している。 この電極押え板により巻回電極体の安全弁方向への移動を防止する効果は得られる。
しかしながら、巻回型電極体の軸方向の他方の端面からガスが放出されたときには、ガスが流出するための経路(他方の端面から安全弁までの経路)が十分に確保されず、他方の端面近傍の内圧が局部的に上昇して容器の破裂を招くという問題があった。
また、特許文献2には、巻回型電極体の外周面と対向する位置にガス放出機能を果たす安全弁を設け、更に電極体と安全弁との間に電極体による安全弁の閉塞を防止する閉塞防止部材を設置することが提示されている。
しかしながら、特許文献2に示された電池においても、電極体からのガス放出は阻害されないものの、電池容器の内周面と電極体の外周面との間の空間であって、電極体に対して安全弁とは反対側の空間にガスが流れ込んだ場合に、特許文献1の時と同様に、電極体に付勢力が加わり、結果として、閉塞部材と安全弁および電極体の間のガスが流出するための経路が狭くなり、ガス流出性を損なう恐れがあった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、過剰に負荷がかかって電池容器の内部の圧力が増加したときに、圧力を開放することができる電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは電極体を電池容器に密封する電池の構成について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の電池は、正極と負極とが対向して配置された電極体を電解液とともに電池容器に密封した電池において、電池容器は、電池容器の内部でガスが発生して内部の圧力が上昇したときに、内部圧力を開放する圧力開放手段を有し、電極体において発生したガスを圧力開放手段に導くガス開放通路の一部をなす電極体の圧力開放手段側の外周面と電池容器とのすき間が、ガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間よりも大きな断面積をもつことを特徴とする。
本発明の電池は、電極体において発生したガスが圧力開放手段まで流れる時に通過するガス開放通路が、ガス開放通路以外のすき間よりも大きな断面積をもつ。 これにより、ガス開放通路に流れ込むガスの量が大きくなり、ガス開放通路以外のすき間にガスが流れ込まなくなる。 つまり、電極体に圧力開放手段に向かう付勢力がはたらかなくなる。 この結果、本発明の電池は、電池容器内部の圧力が増加しても、圧力開放手段の機能が維持され、電池容器の破裂が抑えられた電池となっている。
本発明の電池は、正極と負極とが対向して配置された電極体を電解液とともに電池容器に密封した電池である。 ここで、電極体は、少なくとも正極と負極とが対向した状態にあればよい。 つまり、正極と負極とが間隔を隔てた状態で配置されてなる電極体であっても、正極と負極とがセパレータを介して積層してなる電極体であってもよい。 さらに、電極体が正極と負極とがセパレータを介して積層してなるときには、積層が一層であっても多数層であっても、いずれでもよい。
また、本発明の電池は、電極体が電力を充・放電するものであり、いわゆる電池のみだけでなく、電気二重層キャパシタなどのキャパシタも含む。
そして、電池容器は、電池容器の内部でガスが発生して内部の圧力が上昇したときに、内部圧力を開放する圧力開放手段を有する。 本発明の電池は、圧力開放手段を有することで、ガスが発生して電池容器内部の圧力が増加してもこの圧力開放手段が圧力を開放する。 これにより、電池容器の破裂が抑えられる。 本発明の電池に用いられる圧力開放手段は、従来公知の構成とすることができる。 圧力開放手段は、例えば、安全弁や、開裂する薄肉部とすることができる。
そして、本発明の電池は、電極体において発生したガスを圧力開放手段に導くガス開放通路の一部をなす電極体の圧力開放手段側の外周面と電池容器とのすき間が、ガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間よりも大きな断面積をもつ。 ガス開放通路の一部をなすすき間の断面積が広いことで、電池容器内において発生したガスがこのガス開放通路に流れ込み、ガス開放通路を通って圧力開放手段に導かれ、圧力開放手段から電池容器の外部に排出されるようになる。 そして、ガス開放通路の一部をなすすき間の断面積が大きいことで、発生したガスがガス開放通路に優先的に流れ込むようになることでガス開放通路以外の部分に流れ込まなくなり、ガス開放通路以外の部分の圧力の上昇が抑えられる。 この結果、ガス開放通路以外の部分の圧力に起因する電極体への付勢力がはたらかなくなり、圧力開放手段の機能が損なわれなくなる。 ここで、ガス開放通路およびガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間の断面積は、発生したガスが流れる方向に垂直な断面である。
本発明の電池において、電池容器内の圧力の上昇は、過充電、過熱、もしくは外部からの荷重による短絡などにより、電解液などからガスが発生することによる。 つまり、特に電極体においてガスが発生し、発生したガスが電池容器の内圧を上昇する。
電極体は、シート状の正極と、シート状の負極とがセパレータを介して積層した状態で巻回されてなる巻回型電極体であり、電池容器は巻回型電極体の巻回軸方向と交差する方向に圧力開放手段を有することが好ましい。
巻回型電極体は、発電に寄与する正極および負極を広い面積とすることができるとともに電極密度を向上させることができ、優れた性能の電池が得られる。
そして、電池容器は、巻回型電極体の巻回軸方向と交差する方向に圧力開放手段を有する。 電池容器がこのような構成をもつことで、巻回型電極体の軸方向の端面に対向した位置に圧力開放手段をもたなくなる。 巻回型電極体の軸方向の端面に対向した位置に圧力開放手段をもつときには、両端面に圧力開放手段をもうける必要がある。 具体的には、一方の端部側のみに圧力開放手段が形成された電池において、電極体からガスが発生したときには、ガスは巻回型電極体の軸方向の両端面から電極体の外部に流れ出る。 このとき、一方の端部側に排出されたガスは圧力開放手段から排出されることとなるが、他方の端部側に排出されたガスは他方の端部近傍の圧力を増加させ、電極体を軸方向に付勢することとなる。 このような不具合の発生を抑えるためには、軸方向の両端の端面に対向した位置に圧力開放手段をもうける必要があるが、構造の複雑化やコストの増加を招く。 これに対し、巻回軸方向と交差する方向に圧力開放手段を有する構造とすることで、簡単な構成でありかつコストの上昇が抑えられる。 電池容器は、巻回型電極体の巻回軸に対して径方向外方に圧力開放手段を有することがより好ましい。
ガス開放通路の断面積は、ガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間の断面積の2倍以上であることが好ましい。 ガス開放通路の断面積がガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間の断面積の2倍以上となることで、発生したガスがガス開放通路を流れるようになる効果が発揮される。 そして、ガス開放通路とガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間の断面積の差は大きければ大きいほど好ましい。 しかし、ガス開放通路とガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間の断面積の差が10倍程度で、効果が飽和するとともに電池の体格が粗大化するため、ガス開放通路の断面積は、ガス開放通路以外の電池容器と電極体とのすき間の断面積の10倍以下であることが好ましい。
巻回型電極体が扁平形状巻回型電極体であり、かつ電池容器が略方形状の内部空間を有するとともに扁平形状巻回型電極体の扁平形状の長辺方向の一方の端面に圧力開放手段が形成されたときに、扁平形状巻回型電極体の扁平形状の短辺方向の両端面が電池容器の内表面に当接した状態で収容され、電池容器の一方の端面と扁平形状巻回型電極体の外周面とのすき間がガス開放通路の一部をなすことが好ましい。 これにより、体積効率にすぐれた電池となる。
本発明の電池は、ガス開放通路が所望の断面積を確保できる構成であれば電池の種類は特に限定されるものではない。 本発明の電池は、電池容器内部にガスが発生するニッケル水素電池や非水電解液電池において効果を発揮する。 非水電解液電池としては、たとえば、リチウム電池等の電池をあげることができる。
本発明の非水電解液電池は、特に、リチウム電池であることが好ましい。 また、このリチウム電池は、一次電池でも二次電池でもよいが、二次電池において特にその効果が発揮される。
リチウム電池は、リチウムを吸蔵、放出可能な正極および負極と、電解質塩を非水溶媒に溶解させてなる非水電解液とを有する。
正極は、リチウムイオンを充電時には放出し、かつ放電時には吸蔵することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。 特に、正極活物質、導電材および結着材を混合して得られた合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
正極活物質には、その活物質の種類で特に限定されるものではなく、公知の活物質を用いることができる。 たとえば、TiS 2 、TiS 3 、MoS 3 、FeS 2 、Li (1-x) MnO 2 、Li (1-x) Mn 2 O 4 、Li (1-x) CoO 2 、Li (1-x) NiO 2 、V 2 O 5等の化合物をあげることができる。 ここで、xは0〜1を示す。 また、これらの化合物の混合物を正極活物質として用いてもよい。 さらに、Li 1-x Mn 2+x O 4 、LiNi 1-x Co x O 2などのようにLiMn 2 O 4 、LiNiO 2の遷移金属元素の一部を少なくとも1種類以上の他の遷移金属元素あるいはLiで置き換えたものを正極活物質としてもよい。
正極活物質としては、LiMn 2 O 4 、LiCoO 2 、LiNiO 2等のリチウムおよび遷移金属の複合酸化物がより好ましい。 すなわち、電子とリチウムイオンの拡散性能に優れるなど活物質としての性能に優れているため、高い充放電効率と良好なサイクル特性とを有する電池が得られる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。 結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
導電剤は、正極の電気伝導性を確保する作用を有する。 導電剤としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質の1種または2種以上の混合したものをあげることができる。
また、正極の集電体としては、たとえば、アルミニウム、ステンレスなどの金属を網、パンチドメタル、フォームメタルや板状に加工した箔などを用いることができる。
負極は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。 特に、負極活物質および結着剤を混合して得られた合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
負極活物質としては、特に限定されるものではなく、公知の活物質を用いることができる。 たとえば、結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料、金属リチウムやリチウム合金、スズ化合物などの金属材料、導電性ポリマーなどをあげることができる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。 結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
負極の集電体としては、たとえば、銅、ニッケルなどを網、パンチドメタル、フォームメタルや板状に加工した箔などを用いることができる。
非水電解液は、通常のリチウム二次電池に用いられる電解液であればよく、電解質塩と非水溶媒とから構成される。
電解質塩としては、たとえば、LiPF 6 、LiBF 4 、LiClO 4 、LiAsF 6 、LiCl、LiBr、LiCF 3 SO 3 、LiN(CF 3 SO 2 ) 2 、LiC(CF 3 SO 2 ) 3 、LiI、LiAlCl 4 、NaClO 4 、NaBF 4 、Nal等をあげることができ、特に、LiPF 6 、LiBF 4 、LiClO 4 、LiAsF 6などの無機リチウム塩、LiN(SO 2 C x F 2x+1 )(SO 2 C y F 2y+1 )で表される有機リチウム塩をあげることができる。 ここで、xおよびyは1〜4の整数を表し、また、x+yは3〜8である。 有機リチウム塩としては、具体的には、LiN(SO 2 CF 3 )(SO 2 C 2 F 5 )、LiN(SO 2 CF 3 )(SO 2 C 3 F 7 )、LiN(SO 2 CF 3 )(SO 2 C 4 F 9 )、LiN(SO 2 C 2 F 5 )(SO 2 C 2 F 5 )、LiN(SO 2 C 2 F 5 )(SO 2 C 3 F 7 )、LiN(SO 2 C 2 F 5 )(SO 2 C 4 F 9 )等があげられる。 なかでも、LiN(SO 2 CF 3 )(SO 2 C 4 F 9 )、LiN(SO 2 C 2 F 5 )(SO 2 C 2 F 5 )などを電解質に使用すると、電気特性に優れるので好ましい。
電解質塩が溶解する有機溶媒としては、通常のリチウム二次電池の非水電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されず、例えば、カーボネート化合物、ラクトン化合物、エーテル化合物、スルホラン化合物、ジオキソラン化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン化炭化水素化合物等をあげることができる。 詳しくは、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジメチルカーボネート、プロピレングリコールジメチルカーボネート、エチレングリコールジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、スルホラン、3−メチルスルホラン等のスルホラン類、1,3−ジオキソラン等のジオキソラン類、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、アセトニトリル、ピロピオニトリル、バレロニトリル、ベンソニトリル等のニトリル類、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、その他のメチルフォルメート、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等をあげることができる。 さらに、これらの混合物であってもよい。
これらの有機溶媒のうち、特に、カーボネート類からなる群より選ばれた一種以上の非水溶媒が、電解質の溶解性、誘電率および粘度において優れているので、好ましい。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例としてリチウム電池を製造した。
(実施例)
本実施例のリチウム電池1は、シート状の正極板21および負極板22をセパレータ23を介した状態で扁平形状に巻回して形成された巻回型電極体2と、巻回型電極体2を電解液とともに収容する電池容器3と、電池容器3に絶縁およびシールを兼ねるシール部材4を介して電池容器3の内外を挿通した状態で備え付けられかつ巻回型電極体2に結合された正極端子5および負極端子6と、を備えた構成をしている。 本実施例のリチウム電池を図1〜2に示した。
巻回型電極体2は、長尺状の正極集電体211の両面に正極活物質層が形成された正極板21と、長尺状の負極集電体221の両面に負極活物質層が形成された負極板22と、長尺状の2枚のセパレータシート23を備える。 これらを正極板21、セパレータシート23、負極板22、セパレータシート23の順に積層した状態で、長尺方向に渦巻状に巻回した後に、プレス成形等の方法で、径方向に圧縮し扁平形状の巻回型電極体2が形成された。
正極板21および負極板22はそれぞれ巻回型電極体2の巻回軸方向端部側に位置する部位に活物質層が形成されていない集電体露出部212、222を備えており、この集電体露出部212、222が正極端子5および負極端子6とそれぞれ超音波溶接、抵抗溶接、アーク溶接等の方法で接合された。 ここで、本実施例においては、正極端子5および負極端子6の巻回型電極体2に接合される部分は板状を有しており、巻回型電極体2の集電体露出部212、222がなす端面がこの板状の部分に接合された。 これにより、巻回型電極体2と正極端子5および負極端子6とが電気的・機械的に接続された。
正極板21を構成する正極集電体211はアルミ箔等を、負極板22を構成する負極集電体221は銅箔を用いることができ、正極活物質層を構成する正極活物質はLiNiO 2 、LiMn 2 O 4など従来のリチウム電池に使用される材料を用いることができ、負極活物質はアモルファスカーボン、グラファイトなど従来のリチウム電池に使用される材料を用いることができる。
セパレータシート23としては、ポリプロピレン、ポリエチレンの多孔質膜等、従来のリチウム電池に使用される材料を用いることができる。
上記の巻回型電極体2を収容する電池容器3は、アルミ製の容器本体31と、アルミ製の封口板32とから構成される。 容器本体31と封口板32とは、レーザ溶接等の方法で気密的・液密的に溶接される。 このようにして形成された電池容器3の封口板32には、内部に収容する巻回型電極体2の外周面に対向する位置に、電池容器3の内部の圧力が過剰に上昇したときに優先的に開裂し、内部のガスを放出する安全弁7が形成されている。 また、電池容器3は、幅12mm×長さ110mm×高さ85mmの外周形状をもつように形成された。
また、電解液は、例えば、ジエチルカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶媒に1mol/LとなるようにLiPF 6を溶解させて調製された電解液を用いた。
巻回型電極体2は、正極端子5および負極端子6に固定されることにより、安全弁7が形成された封口板32の内表面32aに対して間隔を隔てた状態で固定された。 このとき、巻回型電極体2は、シール部材4の底面4aとも間隔を隔てた状態で固定された。 この巻回型電極体2とシール部材4の底面4aとの間隔は、巻回型電極体2と封口板32の内表面32aとの間隔よりも短い。 また、巻回型電極体2は、外周面と容器本体31の底面31aとの間にわずかな間隔を隔てた状態で固定された。 そして、巻回型電極体2と底面31aとの間隔は、巻回型電極体2とシール部材4の底面4aとの間隔より小さかった。
本実施例のリチウム電池は、過剰な負荷がかかったときに、巻回型電極体2からガスが発生する。 発生したガスは、電池容器3の内部空間に充満し、電池容器3の内部空間内の圧力を増加する。 そして、内部の圧力が所定以上となったときに、安全弁7が開裂してガスを排出し圧力を開放する。
巻回型電極体2で発生したガスは、巻回型電極体2の軸方向に沿って流れ(図2中の矢印A)、巻回型電極体2の軸方向の端面から電池容器3の内部を流れる。 その後、ガスは、容器本体31の開口部方向(図2中の矢印B)と、底面方向(図2中の矢印D)とに向かって流れる。 そして、容器本体31の開口部方向に向かって流れたガスは、封口板32にもうけられた安全弁7から排出される(図2中の矢印C)。 つまり、図2に示した矢印BおよびCに沿って、発生したガスが流れるガス開放通路8が形成されている。
巻回型電極体2の外周面とシール部材4の底面4aのすき間が、巻回型電極体2と容器本体31の底面31aとのすき間9よりも広く形成されているため、発生したガスが巻回型電極体2の外周面とシール部材4の底面4aのすき間によりその一部が区画されたガス開放通路8を流れ、このすき間9に流れ込まなくなっている。
(評価)
ガス開放通路8とすき間9の断面積を変化させたリチウム電池を製造し、過充電試験を施した。
具体的には、実施例のリチウム電池を用いて、ガス開放通路8とすき間9の断面積を変化させた試料1〜3のリチウム電池を製造した。 そして、製造されたリチウム電池に過充電試験を施して、試験後のリチウム電池を観察した。
過充電試験は、充電電流として50Aの定電流の条件で、安全弁7の作動や電池容器3の開裂が生じるまで充電を行うことでなされた。
試料1のリチウム電池は、ガス開放通路8の断面積がおよそ38mm 2 (シール部材4の対向面と巻回型電極体2との距離:2.5mm)であり、すき間9の断面積がおよそ28mm 2 (シール部材4の対向面と巻回型電極体2との距離:1.5mm)であった。
試料2のリチウム電池は、ガス開放通路8の断面積がおよそ49mm 2 (シール部材4の対向面と巻回型電極体2との距離:3.5mm)であり、すき間9の断面積がおよそ17mm 2 (シール部材4の対向面と巻回型電極体2との距離:0.5mm)であった。
試料3のリチウム電池は、ガス開放通路8の断面積がおよそ28mm 2 (シール部材4の対向面と巻回型電極体2との距離:1.5mm)であり、すき間9の断面積がおよそ38mm 2 (シール部材4の対向面と巻回型電極体2との距離:2.5mm)であった。
過充電試験時に、試料1および2のリチウム電池は、安全弁7が作動した(安全弁7以外の電池容器3の破裂は生じなかった)が、試料3のリチウム電池は、電池容器3の安全弁7以外の部位(容器本体31の底面31b)において容器の破裂が確認された。
過充電試験が終了した後の各試料の巻回型電極体2の様子をX線透過を用いて観察した。
試料1および2のリチウム電池は、巻回型電極体2の変位(移動)はごくわずかに確認をされたが、巻回型電極体2が安全弁7の閉塞が生じない量であった。 対して、試料3のリチウム電池は、巻回型電極体2が封口板32方向に変位して安全弁7を閉塞したことが確認された。 つまり、試料3のリチウム電池は、安全弁7が巻回型電極体2に閉塞されたことで作動しなくなり、電池容器3の内部圧力が増加して電池容器3が破裂したことがわかる。
上記したように、ガス開放通路8の断面積がすき間9の断面積より大きな試料1〜2のリチウム電池は、巻回型電極体2による安全弁7の閉塞が生じないことで、電池容器3の破裂が抑えられた電池となっていることがわかる。
本発明の実施例としてリチウム電池の場合について述べたが、電池の種類としては特にリチウム電池に限定されるものではなく、NiMH電池やリチウム金属電池など他の電池に対しても本発明は同様に効果を発揮できる。
また、容器の材質についても特に限定されるものではなく、ステンレスや鉄を主母材とした容器の場合でも、同様な効果が発揮される。
さらに、実施例では扁平化された巻回電極体を用いて説明したが、電極体2の形状が一般的な円筒状の巻回電極体についても、同様な効果が発揮される。
1:リチウム電池 2:巻回型電極体 21:正極板 22:負極板 23:セパレータ 3:電池容器 31:容器本体 32:蓋体 4:シール部材 5:正極端子 6:負極端子 7:安全弁 8:ガス開放通路 9:すき間
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