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Laser annealing apparatus and method for manufacturing thin film transistor

阅读:1008发布:2020-11-08

专利汇可以提供Laser annealing apparatus and method for manufacturing thin film transistor专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method and an apparatus for manufacturing a polycrystal silicon thin film transistor used for a pixel switch or a drive circuit of a liquid crystal display in a mass production at a good yield. SOLUTION: In a laser annealing apparatus 1 for generating a polycrystal silicon by radiating a pulse laser beam to a amorphous silicon, a plurality of peak groups included in the beam radiated to a glass board O are detected by a biplanar phototube 18, an angle of a resonance mirror 11a of a laser unit 11 is changed to an optimum so that (second peak group)/(first peak group) of the beam becomes a range of 0.37 to 0.47 or (area of second peak group)/(area of first peak group) becomes a range of 0.65 to 0.85 under the condition that a fluence dependence becomes gentle based on a result analyzed by an analyzer 20 and thereby a polycrystal silicon of a uniform grain size can be obtained.,下面是Laser annealing apparatus and method for manufacturing thin film transistor专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体とするレーザアニール装置において、 前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、そのうちの2番目のピーク群のパルスレーザビームのピーク値が最初のピーク群のパルスレーザビームのピーク群に対して0.37から0.47にある間のパルスレーザビームをレーザアニールに用いることを特徴とするレーザアニール装置。
  • 【請求項2】ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体として薄膜トランジスタを製造する方法において、 前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、そのうちの2番目のピーク群のパルスレーザビームのピーク値が最初のピーク群のパルスレーザビームのピーク群に対して0.37から0.47にある間のパルスレーザビームをレーザアニールに用いることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  • 【請求項3】ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体とするレーザアニール装置において、 前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、ピーク群間の極小値となる時刻を境に区分けした2番目のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値が最初のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値に対して0.65から0.85にある間のパルスを用いることを特徴とするレーザアニール装置。
  • 【請求項4】ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体として薄膜トランジスタを製造する方法において、 前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、ピーク群間の極小値となる時刻を境に区分けした2番目のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値が最初のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値に対して0.65から0.85にある間のパルスを用いることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  • 【請求項5】前記パルスレーザビームの時間波形比率をパルスレーザ装置の共振器ミラーで調整することを特徴とする請求項1記載のレーザアニール装置。
  • 【請求項6】前記パルスレーザビームの時間波形を、光学系の全反射ミラーからの漏れ光を用いて計測することを特徴とする請求項1または3に記載のレーザアニール装置。
  • 【請求項7】前記パルスレーザビームの時間波形の計測に、ガラス基板の最も近傍に位置される全反射ミラーからの漏れ光を用いることを特徴とする請求項6に記載のレーザアニール装置。
  • 【請求項8】前記パルスレーザビームの時間波形を、光学系の全反射ミラーからの漏れ光を用いて計測することを特徴とする請求項2または4に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  • 【請求項9】前記パルスレーザビームの時間波形の計測に、ガラス基板の最も近傍に位置される全反射ミラーからの漏れ光を用いることを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  • 【請求項10】所定の波長のパルスレーザビームを出力するパルスレーザ装置と、 対象物を一定速度で所定の方向に移動させるX−Yテーブルと、 このX−Yテーブルに載置されたアモルファスシリコンの薄膜を有するガラス基板に対し、パルスレーザビームを整形して照射する整形光学系と、 前記X−Yテーブルに載置されたガラス基板のアモルファスシリコンに到達するパルスレーザビームに含まれる複数のピーク群をパイプラナ光電管で検出して得られた各ピーク群の波形比または時間積分値を算出する解析装置と、 を有するレーザアニール装置において、 前記解析装置により得られたパルスレーザビームに含まれる複数のピーク群の波形比または時間積分値に基づいて、前記パルスレーザ装置の近傍に配置された共振器のミラーの角度を変更して、各ピーク群の波形比または時間積分値の範囲を所定の値に設定してガラス基板上のアモルファスシリコンを多結晶シリコンに変移させることを特徴とするレーザアニール装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示装置のアレイ基板に用いられる多結晶シリコン半導体を生成するレーザアニール装置および薄膜トランジスタの製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】現在、スイッチング素子に、アモルファスシリコン(a−Si)からなる絶縁ゲート型薄膜トランジスタ(TFT)を用いた液晶ディスプレイ(LC
    D)が、広く利用されている。

    【0003】しかし、高精彩で、高速動作可能な高機能を有するディスプレイを実現するには、電界移動度(μ
    FE)が1cm /Vs以下と低いa−SiTFTでは能に不足が生じる。

    【0004】これに対して、a−Siにエキシマレーザを照射するレーザアニール法で作成した多結晶シリコンのTFTでは、μFEが100から200cm /Vs
    程度のものが得られており、ディスプレイを高精彩で、
    高速動作可能とし、しかも駆動回路を一体に形成できる等の高機能化を期待できる。

    【0005】エキシマレーザ法は、ガラス基板上のa−
    Siにエキシマレーザを照射して多結晶シリコンとする方法である。

    【0006】a−Si表面でのビームサイズは、例えば長さ250mm、幅0.4mmで、このパルスビームを300Hzで発振させ、各パルスの照射される領域を徐々に移動させて、a−Siを多結晶シリコンとする。

    【0007】多結晶シリコンTFTのμFEを決定する要素は、多結晶シリコンの粒径であるが、それは照射するレーザのフルエンスという名で呼ばれる単位面積あたりのエネルギーに大きく依存する。

    【0008】すなわち、フルエンスの増大につれて、多結晶シリコンの粒径も増大するが、例えば移動度100
    cm /Vs以上の高性能の多結晶シリコンを得るためには、F1というあるフルエンスよりも高いフルエンスが必要である。

    【0009】しかし、F1よりもフルエンスを増大させていくと、多結晶シリコンの粒径はさらに増大していくが、あるフルエンスの値F2を境に微結晶粒となり、このような微結晶シリコンでは所望のTFT特性を得ることができなくなる。

    【0010】多結晶シリコンの粒径は、それをセコエッチング液と呼ばれる液でエッチングして、走査電子顕微鏡で粒径を観察することによって求めることができる。

    【0011】この方法を利用して、レーザのフルエンスを、多結晶シリコンの粒径がある程度大きい領域、すなわちF1からF2の間で選ぶ。

    【0012】このようなフルエンス値の選択によって、
    レーザ発振強度がある程度変化しても、所望の移動度の多結晶シリコンTFTが得られるようになる。

    【0013】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、レーザ発振強度の変化に加えて、前記F1とF2との間で、多結晶シリコンの粒径が急激に変化するため、薄膜トランジスタの特性を常に一定に保つことが難しく、多結晶シリコンTFT型の液晶表示装置を高い歩留まりで量産できない問題がある。

    【0014】この発明の目的は、エキシマレーザアニール法により、基板全面で移動度の高いTFTを得るためのフルエンスマージンを拡大させ、基板全面で特性の揃った高性能TFTを量産することを可能にし、駆動回路一体型液晶表示装置やその他の高機能液晶ディスプレイを提供することにある。

    【0015】

    【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問題点に基づきなされたもので、ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体とするレーザアニール装置において、前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、そのうちの2
    番目のピーク群のパルスレーザビームのピーク値が最初のピーク群のパルスレーザビームのピーク群に対して0.37から0.47にある間のパルスレーザビームをレーザアニールに用いることを特徴とするレーザアニール装置を提供するものである。

    【0016】また、この発明は、ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体として薄膜トランジスタを製造する方法において、前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、そのうちの2番目のピーク群のパルスレーザビームのピーク値が最初のピーク群のパルスレーザビームのピーク群に対して0.37から0.47にある間のパルスレーザビームをレーザアニールに用いることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法である。

    【0017】さらに、この発明は、ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、
    前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体とするレーザアニール装置において、前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、ピーク群間の極小値となる時刻を境に区分けした2番目のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値が最初のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値に対して0.65から0.85にある間のパルスを用いることを特徴とするレーザアニール装置を提供するものである。

    【0018】またさらに、この発明は、ガラス基板上に非晶質シリコン半導体薄膜を堆積したガラス基板を移動させながら、パルスレーザビームを照射することによって、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体として薄膜トランジスタを製造する方法において、前記パルスレーザビームの時間変化波形が2以上のピーク群を含み、ピーク群間の極小値となる時刻を境に区分けした2番目のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値が最初のパルスレーザビームのピーク群の面積積分値に対して0.65から0.85にある間のパルスを用いることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法である。

    【0019】さらにまた、この発明は、所定の波長のパルスレーザビームを出力するパルスレーザ装置と、対象物を一定速度で所定の方向に移動させるX−Yテーブルと、このX−Yテーブルに載置されたアモルファスシリコンの薄膜を有するガラス基板に対し、パルスレーザビームを整形して照射する整形光学系と、前記X−Yテーブルに載置されたガラス基板のアモルファスシリコンに到達するパルスレーザビームに含まれる複数のピーク群をパイプラナ光電管で検出して得られた各ピーク群の波形比または時間積分値を算出する解析装置と、を有するレーザアニール装置において、前記解析装置により得られたパルスレーザビームに含まれる複数のピーク群の波形比または時間積分値に基づいて、前記パルスレーザ装置の近傍に配置された共振器のミラーの度を変更して、各ピーク群の波形比または時間積分値の範囲を所定の値に設定してガラス基板上のアモルファスシリコンを多結晶シリコンに変移させることを特徴とするレーザアニール装置を提供するものである。

    【0020】

    【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を詳細に説明する。

    【0021】図1は、XeClエキシマレーザアニール装置を説明する概略図である。

    【0022】図1に示すように、エキシマレーザアニール装置1は、所定の波長および強度のパルスレーザビームを出力するレーザ発振器11、レーザ発振器11から出力されたパルスレーザビームのエネルギーを所定の値に調整するバリアブルアッテネータ12、バリアブルアッテネータ12により所定のエネルギーに調整されたパルスレーザビームに、アニールすべきガラス基板Oの大きさに対応する所定のビーム形状を与えるビーム整形光学系13、ビーム整形光学系13により所定のビーム形状が与えられたパルスレーザビームを90°折り曲げる45°全反射ミラー14、45°全反射ミラー14により折り曲げられたパルスレーザビームに所定の収束性を与える収束レンズ15および収束レンズ15により収束性が与えられたパルスレーザビームが収束する収束位置にガラス基板Oを保持しながら、所定の方向に移動可能なX−Yテーブル16を有している。 なお、バリアブルアッテネータ12の前後には、必要に応じて、またはレーザアニール装置1の大きさの制約等に関連して、レーザ発振器11と45°全反射ミラー14との間の光路を任意に設定可能な、複数の全反射ミラーが設けられてもよい。

    【0023】全反射ミラー14の背面で、ビーム整形光学系13で所定のビーム形状に整形されたパルスレーザビームが全反射ミラー14で反射される際に、僅かに漏れるパルスレーザビーム(以下、漏れビームと呼称する)が進行する方向には、集光レンズ17と、集光レンズ17により収束されたパルスレーザビームの波形を観測するためのディテクタであるパイプラナ光電管18が設けられている。 なお、パイプラナ光電管18の出力は、デジタルオシロスコープ19に入力され、デジタルオシロスコープ19により、直接波形を観測可能である。 また、オシロスコープ19の出力は、図示しないA
    Dコンバータによりデジタル信号に変換され、パーソナルコンピュータ等の解析装置20に入力されて波形比や波形面積比の解析に利用される。

    【0024】図1に示したレーザアニール装置1においては、X−Yテーブル16上に載置されたレーザアニールの対象物であるアモルファスシリコン(a−Si)の薄層が形成されているガラス基板Oに向けて、レーザ発振器11を出力されたパルスレーザビームが照射される。

    【0025】レーザ発振器11からのパルスレーザビームは、バリアブルアッテネータ12により所定の強度に調整されて、ビーム整形光学系13により、アニール対象であるガラス基板Oに投影された状態でガラス基板O
    に対し、少なくとも最終製品に要求される大きさの一辺をカバーできる長さが与えられた細長い矩形に、ビーム形状が設定される。

    【0026】ビーム整形光学系13で所定の形状に整えられたパルスレーザビームは、全反射ミラー14で90
    °折り曲げられて、収束レンズ15に案内され、収束レンズ15により所定の収束性が与えられて、X−Yテーブル16上に載置されているガラス基板Oに照射される。

    【0027】なお、レーザ発振器11は、XeClエキシマパルスレーザであり、発光波長が308nmで、パルスレーザビームの周期が300Hzである。 また、レーザ発振器11が出力するパルスレーザビームのガラス基板O上でのフルエンスは、例えば350mJ/cm
    となるように設定される。

    【0028】このとき、X−Yテーブル16が、パルスレーザビームの1周期毎に、6mm移動され、投影されたパルスレーザビームがオーバーラップする範囲を、9
    5%とする。 また、ガラス基板Oに投影されるパルスレーザビームは、250mm×0.4mmとする。

    【0029】なお、パルスレーザビームは、図2に示すように、第1〜nの複数のピーク群を有している。 このピーク群は、45°全反射ミラー14の漏れビームとして、集束レンズ17を介して、パイプラナ光電管18に入力され、オシロスコープ19により確認できる。 また、オシロスコープ19の出力は、解析装置20において観測することができる。 また、解析装置20により解析した結果に基づいてレーザ装置11の共振ミラー11
    aの角度を最適化することで、フルエンスが同一であってもピーク群の波形比(各群で最も大きなピークの比)
    を、最適なレーザアニールが可能なパルスレーザビームを得ることができる。 なお、ピーク群は、図2に示すように、パルスレーザビームのエネルギの出力レベルの変動が少ない範囲(その群における平均エネルギの1/2
    よりもエネルギが小さくなった時点を群の区切りとする)をひとまとめにして、時間軸の早い順に、第1〜n
    を割り当てることとで定義される。

    【0030】詳細には、図2に示すように、パルスレーザビームは、少なくとも2つの複数のピーク群を有し、
    ピーク群の波形比が大きな第1のピーク群(もしくは第1のピーク群と第2のピーク群の両方)を利用してガラス基板Oの非晶質シリコンを多結晶シリコンに変移させる際に、多結晶シリコンの粒径が不均一となって、薄膜トランジスタを形成した際の特性の変動が著しいことが、発明者らによって確認されている。 このことは、図3に示すように、多結晶シリコンの粒径が、同一のフルエンスのパルスレーザビームを照射したにも拘わらず、
    単位面積あたりに照射されるエネルギの大小に依存して変化することから説明できる。 このことは、ガラス基板Oのa−Si膜に照射するパルスレーザビームのピーク群が図2に曲線bで示すように、第1のピーク群の波形比に比較して第2のピーク群の波形比が不所望に大きなパルスレーザビームを用いた場合にも、得られる多結晶シリコンの粒径が不均一となったり、第1〜nのピーク群のエネルギの総量が図3に示すあるフルエンスの値F
    2を、境に微結晶粒となることがある。

    【0031】これらの要因から、発明者らは、ガラス基板O上のa−Siの薄膜をアニールしてp−Si膜を生成する際に照射するパルスレーザビームの第1〜nの複数のピーク群の波形比もしくはそれぞれのピーク群の面積積分値の比率を最適に設定したパルスレーザビームをa−Si膜に照射することで、粒径が大きく、しかも均一なp−Si膜を、連続して、大量に生成できることを見いだした。

    【0032】すなわち、アモルファス(非晶質)シリコンにパルスレーザビームを照射して多結晶シリコンに変移させるレーザアニールおいて、多結晶シリコンは、パルスレーザビームの時間波形のうちの第1のピーク群のエネルギにより一旦溶融し、再結晶後、第2のピーク群から提供されるエネルギにより再び溶融して、再度、結晶化する。 このとき、多結晶シリコンの粒径は、アモルファスシリコンに照射されるパルスレーザビームのフルエンスに依存して変化されることから、図3に示すように、最適なフルエンスの範囲のパルスレーザビームを照射して、パルスレーザビームの時間波形の影響を除去することで、均一な粒径の多結晶シリコンを得ることができる。

    【0033】なお、図2において、パルスレーザビームの第1のピーク群は、エネルギが高いために、アモルファスシリコンの温度が高くなり過ぎて、ほとんどフルエンス依存性を示さない。 一方、第2のピーク群は、エネルギが低いために、アモルファスシリコンの温度が上がりすぎずに、その結果再結晶化において、フルエンス依存性を示す。

    【0034】このフルエンス依存性が緩やかになる条件として、パルスレーザビームの(第2ピーク群)/(第1ピーク群)が0.37から0.47にある間、または(第2ピーク群の面積)/(第1ピーク群の面積)が0.65から0.85にある間を確認した。

    【0035】なお、ピーク群比またはピーク群面積比が、上述の値よりも低い場合には、第2のピーク群でシリコンが溶融しにくくなり、あるフルエンスで溶融が完全になるので、フルエンス依存性が急峻になる。

    【0036】また、ピーク群比またはピーク群面積比が上述の値よりも高い場合には、第2ピーク群1が第1ピーク群と同じ働きをするようになり、ほとんどフルエンス依存性を示さなくなるため、フルエンスマージンが狭くなり、結果として、粒径が変化しやすいことが認められる。

    【0037】なお、レーザ発振器11から出射されたパルスレーザビームは、空間的に様々な波形を有することから、観測位置によって誤った測定をしてしまう可能性があるが、ガラス基板Oに最も近い45°全反射ミラー14よりもガラス基板O側で、波形を観測することにより、ガラス基板に照射されるビームの波形とほぼ同一の波形が観測可能となる。

    【0038】このように、パイプラナ光電管18により入手したパルスレーザビームの複数のピーク群のうちの第2のピーク群が所定の波形比もしくは面積積分値が所定の範囲内にあるパルスレーザビームを用いることで、
    ガラス基板Oの全面で、電子移動度の高いTFTを均一に形成可能な多結晶シリコン膜を得ることができる。

    【0039】詳細には、レーザ発振器11から出力されたパルスレーザビームは、共振器を構成するミラー11
    aの角度を変化することで、同一のフルエンスを示すにも拘わらず、ピーク群のパターンが異なる複数のパルスレーザビームを出力することから、最終製品に最も適した特性を示すTFTを形成可能な粒径のp−Si膜を得ることができるピーク群を選定することで、ガラス基板Oの全面で、電子移動度の高いTFTを均一に形成可能な多結晶シリコン膜を得ることができる。

    【0040】以上説明したように、パルスレーザビームのフルエンスが同一であるにも拘わらず、ピーク群の波形に依存して多結晶シリコンの粒径が不均一になるフルエンス依存性を緩やかなものにする(フルエンスマージンを拡大する)ことで、均一な粒径の多結晶シリコンを得ることができる。

    【0041】図4は、図1に示したレーザアニール装置を用いて形成した多結晶シリコンの薄膜を有するガラス基板を用いたTFTを含む液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。

    【0042】液晶表示装置において、カラーフィルタ基板(アレイ基板)30と対向基板50との間には、両基板によって液晶層70が挟持されている。

    【0043】カラーフィルタ基板30と対向基板50
    は、例えばガラスビーズ等である粒状スペーサ61によって、両基板間距離が一定になるよう保持されている。
    なお、カラーフィルタ基板30と対向基板50は、図示しない液晶注入口を除いて、両基板の外周を囲むように配置される図示しないシールによって接着されている。
    また、液晶注入口は、液晶層70を形成する液晶材が投入された後に図示しない封止材が塗布されて封止される。

    【0044】カラーフィルタ基板30は、透明基板3
    1、透明基板31上に所定の厚さに設られたSiNxとSiOxからなるアンダーコート層32、アンダーコート層32上に所定の厚さに設けられた多結晶シリコン層33、多結晶シリコン層33を所定形状にパターニングした後に、SiO(酸化シリコン)やNiNx(窒化シリコン)により形成されるゲート絶縁膜35が形成され、例えばMo(モリブデン)を所定形状に加工して得られる複数の互いに平行な図示しない走査線、それぞれの走査線に接続されたゲート電極34が形成される。 次に、層間絶縁膜が形成され、多結晶シリコン層33と接続されたAl(アルミニウム)等の金属からなるソース電極36およびドレイン電極37および複数の互いに平行な図示しない信号線等を有している。 なお、走査線と信号線は、互いに交差して配置され、その交差部毎に、
    薄膜トランジスタ38が定義されている。 また、画素電極39がソース電極36と接続されている。

    【0045】薄膜トランジスタ38は、それぞれ、ストライプ状に設けられた所定の着色材からなる緑色着色層40G、青色着色層40Bおよび赤色着色層40Rにより、覆われている。 また、画素電極39は、各着色層4
    0G,40Bおよび40R上に設けられ、スルーホール41を介して、それぞれの着色層40G,40Bおよび40Rに覆われているソース電極36と接続されている。 なお、画素電極39および各着色層40G,40B
    および40Rは、配向膜42により覆われている。

    【0046】対向基板50は、透明基板51と透明基板51上に設けられたITOからなる透明電極52および配向膜53からなる。

    【0047】次に、図4を用いて説明した液晶表示装置101の製造工程について、簡単に説明する。

    【0048】まず、カラーフィルタ基板30の製造工程について説明する。

    【0049】透明基板31上に、プラズマCVD法でS
    iNxとSiOxからなるアンダーコート層32を形成する。 なお、透明基板すなわちガラス基板31の大きさは、400mmX500mmで、厚さが0.7mmである。

    【0050】次に、アンダーコート層32上に、アモルファスシリコン(a−Si)層を、例えば厚さ50nm
    に、プラズマCVD法により堆積する。

    【0051】続いて、窒素雰囲気中で、500℃、10
    分間の環境で、熱処理を行い、a−Si膜33中の素濃度を低下させる。

    【0052】以下、図1を用いて既に説明したXeCl
    レーザアニール装置を用い、レーザ発振器11からのX
    eClエキシマパルスレーザを、発光波長が308n
    m、パルス周期が300Hz、ガラス基板31上のa−
    Si膜に照射されるパルスレーザビームのビーム形状が250mmX0.4mmおよびガラス基板31上でのフルエンスが350mJ/cm となるように設定し、ガラス基板31をセットしたX−Yテーブル16をパルスレーザビームの1周期毎に6mm移動させて、a−Si
    膜をアニールして多結晶シリコン(p−Si)膜33を得ている。 なお、パルスレーザビームがオーバーラップする範囲は、95%とする。

    【0053】このとき、パルスレーザビームのピーク群を、先に説明したように制御したことにより、電子移動度が高く粒径が概ね均一な多結晶シリコンを、ガラス基板31の全面に、均一に形成できたので、以下の工程で形成されるTFTの特性を、ガラス基板31の全面でそろえることができ、動作特性が均一で表示面積の大きな表示装置を得ることができる。

    【0054】以下、レーザアニールにより形成された多結晶シリコン層33を所定の形状にパターニングし、C
    VD法により、ゲート絶縁膜34を堆積し、スパッタリング法により厚さ約0.3μmのMo膜を堆積し、パターニングすることによりゲート電極32および走査線を形成する。 続いて、層間絶縁膜を形成し、Alを堆積したのちパターニングして、信号線、ソース電極36、ドレイン電極37を形成した。

    【0055】次に、所定の着色材40(R,GおよびB)を塗布し、所定形状にパターニングしてベークすることで、R,GおよびBの各着色層とスルーホール41
    が形成される。

    【0056】続いて、スパッタリング法を用いて、インジウム−すず酸化物(ITO)を、所定の厚さ堆積し、
    所定形状にパターニングすることにより画素電極39が形成される。 なお、画素電極39は、スルーホール41
    を介して、ソース電極36と接続される。

    【0057】次に、着色層40上に、ポリイミドからなる配向膜材料を基板全面に塗布、配向処理を施して配向膜42を形成して、カラーフィルタ基板30を得た。

    【0058】また、透明基板51上に、スパッタ法によりITOを約100nmの厚さに堆積して対向電極52
    を形成し、続いてポリイミドからなる配向膜材料を基板全面に塗布、配向処理を施して配向膜53を形成して、
    対向基板50を得た。

    【0059】次に、対向基板50の配向膜53上に、所定の粒径を有する粒状スペーサ61を、1平方mmあたり約100個の割合で散布し、続いて、対向基板50の外周周辺部に所定の大きさを有するファイバを混入した図示しないシール材を、液晶注入用の注入口を除いて塗布した。

    【0060】続いて、対向基板50、カラーフィルタ基板30とを、図示しないシール材により貼り合わせて、
    空状態のセルが完成する。

    【0061】次に、例えばカイラル材が添加されたネマティック液晶材料を注入口からセル内に真空注入し、注入後、注入口を、図示しない封止材としての紫外線硬化樹脂を用いて封止したあと、セルの両側にそれぞれ偏光板を配置することにより液晶表示装置が完成する。

    【0062】このようにして作製された液晶表示装置は、TFTの特性が均一であり、また電子移動度がa−
    Siを半導体層に用いた液晶表示装置に比較して高速で、基板全面にわたって、均一な表示が表示された。

    【0063】以上説明したように、本発明の発明者らは、パルスレーザビームの時間波形をパラメータとして、得られる多結晶シリコンの粒径とパルスレーザビームのフルエンスとの関係依存性を詳しく調べ、複数の時間波形のピーク群のうち、第2の波形のピーク群強度の最初の波形のピーク群強度に対する比、もしくは第2の波形のピーク群の面積積分値の最初の波形のピーク群面積積分値に対する比をある範囲に限定することで、フルエンスマージンを広くできることを見いだし、特性が安定で粒径が均一な多結晶シリコンに形成されたTFTを含む液晶表示装置を、高い歩留まりで、作製することができた。

    【0064】

    【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、基板全面で移動度の高いTFTを均一に、歩留まりよく大量に量産することができ、表示特性が安定で高品質の液晶表示装置を、低コストで作製することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】この発明のエキシマレーザアニール装置の一例を説明する概略図。

    【図2】図1に示したエキシマレーザアニール装置のパルスレーザビーム中のピーク群を説明する概略図。

    【図3】図2に示したパルスレーザビームとフルエンスとの関係を説明する概略図。

    【図4】図1に示したエキシマレーザアニール装置を用いて形成した多結晶シリコンを半導体層に用いたTFT
    を含む液晶表示装置の一例を説明する概略断面図。

    【符号の説明】

    1・・・エキシマレーザアニール装置、 11・・・レーザ発振器、 12・・・バリアブルアッテネータ、 13・・・ビーム整形光学系、 14・・・45°全反射ミラー、 15・・・収束レンズ、 16・・・X−Yテーブル、 17・・・収束レンズ、 18・・・パイプラナ光電管、 19・・・デジタルオシロスコープ、 20・・・解析装置、 30・・・カラーフィルタ基板、 31・・・ガラス基板、 32・・・アンダーコート層、 33・・・多結晶シリコン、 34・・・ゲート電極、 35・・・ゲート絶縁膜、 36・・・ソース電極、 37・・・ドレイン電極、 38・・・薄膜トランジスタ、 39・・・画素電極、 40・・・着色層、 41・・・スルーホール(コンタクトホール)、 42・・・配向膜、 51・・・ガラス基板、 52・・・対向電極、 53・・・配向膜。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/336 (72)発明者 松中 繁樹 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術センター内 (72)発明者 角野 努 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術センター内 Fターム(参考) 2H092 JA24 KA04 KA07 MA29 MA30 MA35 NA29 5F052 AA02 BA02 BA07 BA18 BB07 CA07 DA02 DB03 JA01 5F110 AA30 BB02 CC01 DD02 DD13 DD14 DD17 EE04 EE44 FF01 FF02 FF29 GG02 GG13 GG25 GG45 HL03 HL07 HL23 NN02 NN72 PP03 PP04 PP05 PP06 PP35 PP40

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