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p型ZnO系半導体構造の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法

阅读:0发布:2020-08-28

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(a)Agを含むn型ZnO系半導体構造を準備する工程と、 (b)Agを断続的に照射しながら前記n型ZnO系半導体構造をアニールし、Agがドープされたp型ZnO系半導体構造を形成する工程と を有するp型ZnO系半導体構造の製造方法。前記n型ZnO半導体構造が、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される少なくとも1つの3B族元素をドープしたZnO系半導体層とAgO層との交互積層で形成された請求項1に記載のp型ZnO系半導体構造の製造方法。前記交互積層が、C面ZnO基板上方に形成されている請求項2に記載のp型ZnO系半導体構造の製造方法。前記工程(b)が、10−2Pa未満の排気雰囲気下で、発生させたAgビームを断続的に照射しながら、前記n型ZnO系半導体構造にアニールを行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のp型ZnO系半導体構造の製造方法。前記工程(b)のアニールが、750℃〜950℃の温度領域内で行われる請求項4に記載のp型ZnO系半導体構造の製造方法。前記工程(b)が、酸素ラジカルが存在する状況で行われる請求項1〜5のいずれか1項に記載のp型ZnO系半導体構造の製造方法。前記工程(a)において、前記Agを含むn型ZnO系半導体構造をMBE装置内でMBEによって形成し、 前記工程(b)において、前記MBE装置内で前記n型ZnO系半導体構造をアニールする請求項1〜6のいずれか1項に記載のp型ZnO系半導体構造の製造方法。基板上方に、n型ZnO系半導体構造を形成する工程と、 前記n型ZnO系半導体構造上方に、p型ZnO系半導体構造を形成する工程と を有し、 前記p型ZnO系半導体構造を形成する工程は、 (a)Agを含むn型ZnO系半導体構造を準備する工程と、 (b)Agを断続的に照射しながら前記n型ZnO系半導体構造をアニールし、Agがドープされたp型ZnO系半導体構造を形成する工程と を含むZnO系半導体素子の製造方法。前記工程(a)において、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される少なくとも1つの3B族元素をドープしたZnO系半導体層とAgO層との交互積層を形成し、前記n型ZnO系半導体構造とする請求項8に記載のZnO系半導体素子の製造方法。前記工程(a)において、前記Agを含むn型ZnO系半導体構造をMBE装置内でMBEにより形成し、 前記工程(b)において、前記MBE装置内で前記n型ZnO系半導体構造をアニールする請求項8または9に記載のZnO系半導体素子の製造方法。

说明书全文

本発明は、p型ZnO系半導体構造の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法に関する。

酸化亜鉛(ZnO)は、室温で3.37eVのバンドギャップエネルギーを持つ直接遷移型の半導体で、励起子の束縛エネルギーが60meVと比較的大きい。また原材料が安価であるとともに、環境や人体への影響が少ないという特徴を有する。このためZnOを用いた高効率、低消費電で環境性に優れた発光素子の実現が期待されている。

しかしZnO系半導体は、強いイオン性に起因する自己補償効果のために、通常の熱拡散手法など熱平衡的不純物ドープ手法による結晶成長法では、p型の導電型制御が困難である。たとえばアクセプタ不純物として、N、P、As、SbなどのVA族元素、Li、Na、KなどのIA族元素、Cu、Ag、AuなどのIB族元素を用い、実用的な性能を持つp型ZnO系半導体の研究が行われている。

本願発明者らは、ZnO:Ga層とCu層とが交互に積層されたn型ZnO系半導体構造がアニールによりp型化することを発見し、IIIB族n型不純物、例えばGa、をドープしたMgxZn1−xO(0≦x≦0.6)結晶層とCuまたはAgを含む層とを交互に積層した構造を成長し、交互積層構造をアニールし、CuまたはAgとGa等がコドープされたp型MgxZn1−xO(0≦x≦0.6)層を製造する方法を提案している。

特開2013−211513号公報

本発明の実施例の目的は、アクセプタ濃度の高いp型ZnO系半導体構造の製造方法を提供することである。

本発明の実施例の1観点によれば、 (a)Agを含むn型ZnO系半導体構造を準備する工程と、 (b)Agを断続的に照射しながら前記n型ZnO系半導体構造をアニールし、Agがドープされたp型ZnO系半導体構造を形成する工程と を有するp型ZnO系半導体構造の製造方法 が提供される。

他の観点によれば、 基板上方に、n型ZnO系半導体構造を形成する工程と、 前記n型ZnO系半導体構造上方に、p型ZnO系半導体構造を形成する工程と を有し、 前記p型ZnO系半導体構造を形成する工程は、 (a)Agを含むn型ZnO系半導体構造を準備する工程と、 (b)Agを断続的に照射しながら前記n型ZnO系半導体構造をアニールし、Agがドープされたp型ZnO系半導体構造を形成する工程と を含むZnO系半導体素子の製造方法 が提供される。

アクセプタ濃度の高いp型ZnO系半導体層を製造することができる。

高特性のZnO系半導体素子を提供することができる。

、および

図1AはMBE装置を示す概略的な断面図、図1Bはサンプルの概略的な断面図、図1Cはサンプル中の交互積層構造を示す概略的な断面図、図1Dは温度変化を伴うサンプル作成プロセスを示すグラフ、図1Eはアニール前試料の交互積層構造の1/C

2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフである。

、および

図2Aはサンプルに対するMBE交互成長工程に続いて炉を用いて第1のアニールを行い、第1のサンプルを得るプロセスを示すグラフ、図2Bはサンプルに対するMBE交互成長工程に続いてMBE装置内でAg照射の下で第2のアニールを行い、第2のサンプルを得るプロセスを示すグラフ、図2Cはサンプルに対するMBE交互成長工程に続いてMBE装置内でAg断続照射の下で第3のアニールを行い、第3のサンプルを得るプロセスを示すグラフ、図2DはAg断続照射のタイミングチャートである。

図3Aは、サンプル1の1/C

2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフであり、図3Bは、サンプル1のAg濃度のSIMSによる深さ方向分布を示すグラフである。

図4Aは、サンプル2の1/C

2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフであり、図4Bは、サンプル2のAg濃度のSIMSによる深さ方向分布を示すグラフである。

図5Aは、サンプル3の1/C

2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフであり、図5Bは、サンプル3のAg濃度のSIMSによる深さ方向分布を示すグラフである。

図6Aは、ZnO系半導体発光素子の概略的な断面図であり、図6Bは、交互積層構造の概略的な断面図である。

図7は、ZnO系半導体発光素子の変形例を示す概略的な断面図である。

図1Aは、ZnO系半導体層等の成長に用いられる分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy; MBE)装置を示す概略的な断面図である。ZnO系半導体は、少なくともZnとOを含む半導体を指す。2族元素としてZnとMgとを含む混晶半導体MgxZn1−xOもZnO系半導体である。

MBE装置は、真空チャンバ71内に、Znソースガン72、Oソースガン73、Mgソースガン74、Agソースガン75、及びGaソースガン76を備えている。Znソースガン72、Mgソースガン74、Agソースガン75、Gaソースガン76は、それぞれZn(7N)、Mg(6N)、Ag(6N)、及びGa(7N)の固体ソースを収容するクヌーセンセルを有し、セルを加熱することにより、Znビーム、Mgビーム、Agビーム、Gaビームを出射する。Oソースガン73は、たとえば13.56MHzのラジオ周波数を用いる無電極放電管を有し、無電極放電管内でO2ガス(6N)をプラズマ化し、Oラジカル(O*)ビームを出射する。

基板ヒータを備えるステージ77が基板78を保持する。ソースガン72〜76、ステージ77は、それぞれシャッタを備える。各シャッタの開閉により、基板78上に各ビームが照射される状態と照射されない状態とを切り替え可能な構成である。但し、Oソースガンのシャッタを閉じても、酸素ラジカルO*の一部は基板上に供給される。真空チャンバ71内に、晶振動子を用いた膜厚計79が備えられている。膜厚計79で測定される付着速度から、各ビームのフラックス強度が求められる。

真空チャンバ71に、反射高速電子回折(reflection high energy electron diffraction; RHEED)用のガン80、及び、RHEED像を映すスクリーン81が取り付けられている。RHEED像から、基板78上に形成された結晶層の表面平坦性や成長モードを評価することができる。

結晶が2次元成長し表面が平坦なエピタキシャル成長(単結晶成長)である場合、RHEED像はストリークパターンを示し、結晶が3次元成長し表面が平坦でないエピタキシャル成長(単結晶成長)の場合、RHEED像はスポットパターンを示す。多結晶成長の場合は、RHEED像がリングパターンとなる。

MgxZn1−xO(0≦x≦0.6)結晶成長におけるVI/IIフラックス比について説明する。Znビームのフラックス強度をJZn、Mgビームのフラックス強度をJMg、Oラジカルビームのフラックス強度をJOと表す。金属材料であるZnあるいはMgのビームは、原子、または複数個の原子を含むクラスターのZnあるいはMgを含む。原子とクラスターのいずれも結晶成長に有効である。ガス材料であるOのビームは、原子ラジカルや中性分子を含むが、ここでは結晶成長に有効な原子ラジカルのフラックス強度を考える。

結晶へのZnの付着しやすさを示す付着係数をkZn、Mgの付着しやすさを示す付着係数をkMg、Oの付着しやすさを示す付着係数をkOと表す。Znの付着係数kZnとフラックス強度JZnの積kZnJZn、Mgの付着係数kMgとフラックス強度JMgの積kMgJMg、Oの付着係数kOとフラックス強度JOの積kOJOは、それぞれ基板の単位面積に単位時間当たりに付着するZn原子、Mg原子、及びO原子の個数に対応する。

kZnJZnとkMgJMgの和に対するkOJOの比であるkOJO/(kZnJZn+kMgJMg)を、VI/IIフラックス比と定義する。VI/IIフラックス比が1より小さい場合をII族リッチ条件(Mgを含まない場合は単にZnリッチ条件)、VI/IIフラックス比が1に等しい場合をストイキオメトリ条件、VI/IIフラックス比が1より大きい場合をVI族リッチ条件(あるいはOリッチ条件)と呼ぶ。

Zn面(+C面)での結晶成長においては、基板表面温度850℃以下であれば、付着係数kZn、kMg及びkOを1とみなすことができ、VI/IIフラックス比をJO/(JZn+JMg)と表すことが可能である。

VI/IIフラックス比は、例えばZnOの成長においては、以下の手順で算出できる。Znフラックスは、水晶振動子を用いた膜厚モニタにより、室温でのZnの蒸着速度FZn(nm/s)として測定される。ZnフラックスはFZn(nm/s)からJZn(atoms/cm2s)に換算される。

Oラジカルフラックスは、以下のように求められる。Oラジカルビーム照射条件一定(たとえばRFパワー300W、O2流量2.0sccm)の下で、Znフラックスを変化させてZnOを成長させ、ZnO成長速度のZnフラックス依存性を実験的に求める。その結果を、ZnO成長速度GZnOの近似式:GZnO=[(kZnJZn)−1+(kOJO)−1]−1を用いてフィッティングすることにより、その条件におけるOラジカルフラックスJOが算出される。ZnフラックスJZn及びOラジカルフラックスJOから、VI/IIフラックス比を算出することができる。

図1Bを参照して、サンプルの構成を説明する。図1Aに示すMBE装置を用い、n型導電性を有するZn面ZnO(0001)基板(以下、本明細書においてZnO基板)51上に、MBEにより、ZnOバッファ層52、アンドープZnO層53、交互積層54が形成される。

図1Cは、交互積層54の構成を示す部分拡大断面図である。GaをドープしたZnO層(ZnO:Ga層)54aとAgO層54bとが交互に積層されて、例えば60対の交互積層54を構成している。「AgO」は、AgO(酸化銀(II))、Ag2O(酸化銀(I))等、AgOxと表すことのできる銀酸化物を表わす。以下、サンプルの製造プロセスを説明する。

図1Dに示すように、ZnO(0001)基板51に900℃で30分間のサーマルクリーニングを施した後、基板51の温度を250℃まで下げる。その温度(成長温度250℃)で、ZnフラックスFZnを0.15nm/s(JZn=9.9×1014atoms/cm2s)、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccm(JO=8.1×1014atoms/cm2s)とし、5分間の成長で、ZnO基板51上に厚さ30nmのZnOバッファ層52を成長する。

ZnOバッファ層52の成長後、成長層の結晶性及び表面平坦性の改善のため、950℃に昇温し、30分間のアニールを行う。アニール後、950℃のまま、ZnOバッファ層52上に、ZnフラックスFZnを0.15nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccmとして、15分間の成長で、厚さ100nmのアンドープZnO層53を成長する。アンドープZnO層53はn型となる。

アンドープZnO層53の成長後、基板温度を250℃に下げる。アンドープZnO層53の上に、厚さ約120nmの交互積層構造54を形成する。GaドープZnO結晶層54aは、ZnフラックスFZnを0.15nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccm、Gaのセル温度TGaを550℃(GaフラックスFGaは検出下限値未満)として1層当たり10秒間成長する。VI/IIフラックス比は0.82となる。

AgO層54bは、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccm、Agのセル温度TAgを840℃(AgフラックスFAgは0.005nm/s)として1層当たり50秒間成長する。GaドープZnO結晶層54a/AgO層54bの1対の積層の厚さは、約2nmである。60対の交互積層で、厚さ約120nmとなる。

図1Eは、アニール前試料の交互積層構造54の1/C2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフである。測定は、電解液をショットキー電極に用いたエレクトロケミカルCV測定法(ECV法)により行った。1/C2−V特性を示すグラフの横軸は、電圧を単位「V」で表し、縦軸は、「1/C2」を単位「cm4/F2」で表す。両軸ともリニアスケールである。不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフの横軸は、試料の深さ(厚さ)方向位置を単位「nm」で表し、縦軸は、不純物濃度を単位「cm−3」で表す。横軸はリニアスケール、縦軸は対数スケールである。

1/C2−V特性を示すグラフを参照すると、右上がりの曲線(電圧が増加すると1/C2が増加する関係)が得られ、交互積層構造54がn型導電性を備えることを示している。なお、傾きが不純物濃度(抵抗値)に対応する。

不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフを参照すると、交互積層構造54の不純物濃度(ドナー濃度)Ndは、1.0×1021cm−3程度であることが判る。結晶成長後のサンプルに、3種類のアニールを行った。アニール前の構成は、3種のサンプルで同様である(サンプル3については、交互積層数を減少した)。

図2Aは、第1のアニールを概略的に示すグラフである。250℃の交互成長により、結晶成長を終えたサンプルをMBE装置から取り出し、炉に搬入し、常圧(1気圧)の酸素雰囲気中で、450℃、10分間のアニールを行った。得られたサンプルを第1のサンプルS1とする。

図3Aは、第1のサンプルS1の交互積層構造54形成位置の1/C2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフである。グラフの両軸の意味は、図1Eの対応するグラフのそれらに等しい。

1/C2−V特性を示すグラフを参照すると、右下がりの曲線(電圧が増加すると1/C2が減少する関係)が得られ、n型の交互積層構造54がp型導電性を備えるに至ったことが示されている。不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフを参照すると、p型化した交互積層構造54形成位置の不純物濃度(アクセプタ濃度)Naは、3.0×1017cm−3程度であることが判る。GaドープZnO層54aとAgO層54bからなる交互積層構造54は、アニールによりp型化された。アニールを行うことで、AgがGaドープZnO結晶層54a中に拡散し、p型化したと考えられる。

図3Bは、サンプルS1中のAg濃度を示すグラフである。グラフの横軸は、試料の深さ方向の位置を単位nmで表し、縦軸は、Ag濃度を単位cm−3で表す。横軸はリニアスケール、縦軸は対数スケールである。参考として、アニール前試料のAg濃度分布も示す。サンプルS1においては、Ag濃度が表面に向ってかなり急激に減少している。表面に向ってAg濃度が減少するので、所望の特性を得るのが容易でなくなる可能性がある。酸素雰囲気中でアニールを行うと、Agが試料表面から離脱する可能性が考えられる。Ag濃度が表面に向って急激に減少する現象は、好ましくない。

第2のアニールは、MBE装置内で行う。結晶成長を終えたサンプルを、(MBE装置から取り出さず)引き続いてMBE装置内でアニールを行う。その場アニール(in−situ annealing)と言える。MBE装置内の圧力は、例えば、10−8Pa〜10−2Paである。減圧雰囲気においては、常圧酸素雰囲気中より激しく、サンプル表面からAgが蒸発することが考えられる。そこで、サンプル表面にAgビームを照射しながらアニールを行う。Agビームを発生させるため、MBE装置内の圧力は10−2Pa未満に保つ。

図2Bは、第2のアニールを概略的に示すグラフである。交互積層構造54を250℃で形成した後、Agのセル温度TAgを840℃(AgフラックスFAgは0.005nm/s)に保ち、Agセルシャッタを開状態とし、基板シャッタも開状態とし、Agビームを試料(交互積層構造54)に直接、連続的に照射しながら、基板温度を900℃まで昇温し、900℃で30分間、アニールを行う。酸素セルシャッタは閉じるが、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccm(JO=8.1×1014atoms/cm2s)に保つ。サンプル表面には酸素ラジカルが回り込んで到達する。得たサンプルをS2とする。

図4Aは、サンプルS2の交互積層構造54形成位置の1/C2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフである。グラフの両軸の意味は、図3Aの対応するグラフのそれらに等しい。1/C2−V特性を示すグラフを参照すると、右下がりの曲線(電圧が増加すると1/C2が減少する関係)が得られ、n型であった交互積層構造54がp型導電性を備えるに至ったことを示している。不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフを参照すると、p型化した交互積層構造54形成位置の不純物濃度(アクセプタ濃度)Naは5.0×1017cm−3程度であることが判る。サンプルS1とサンプルS2とは、同じ構成のアニール前構造から作成している。アクセプタ濃度は、サンプルS1の3×1017cm−3と較べ、サンプルS2では5×1017cm−3に増加している。しかし測定の誤差を考慮した場合、第1のアニールと第2のアニールは、ほぼ同等と考える。

サンプルS1と同様に、サンプルS2の交互積層構造54もアニールによりp型化された。アニールを行うことで、AgがGaドープZnO結晶層54a中に拡散し、p型化すると考えられる。

図4Bは、サンプルS2のAg濃度を示すグラフである。比較のために、サンプルS1のAg濃度も示す。グラフの両軸の意味するところは、図3Bのそれに等しい。

サンプルS1と較べ、サンプルS2においてはAg濃度が表面に向って減少する程度(勾配)が、大幅に低下したことが判る。Agを照射しながらアニールを行うことにより、表面におけるAg濃度が高くなり、結晶内からのAgの離脱が抑制され、より均一なAgドーピングが実現されると考えられる。

第2のアニールによれば、層中の不純物濃度(Ag濃度)がより均一な、高品質のp型ZnO系半導体結晶層を形成することができ、Ag濃度を所望の値に制御することが容易となろう。さらに、その場アニールを採用することにより、別のアニール装置は不要となり、サンプルを移動させる時間も不要となる。装置が簡略化でき、プロセスに要する時間を短縮できる。

図2Cは、第3のアニールを概略的に示すグラフである。第1、第2のアニール同様に、250℃の交互成長により、交互積層構造を形成する。ここで、第3のアニールのサンプルでは、交互積層のペア数を30対にした。薄い構成を得るためであり、ペア数の減少は、本願の技術思想としては重要でない。第2のアニール同様、30対の積層成長を終えたサンプルをMBE装置から取り出さず、引き続いてMBE装置内でアニールを行う。第2のアニール同様のその場アニール(in−situ annealing)である。第2のアニール同様、MBE装置内は真空に近い環境、例えば圧力を10−8Pa〜10−2Paに保ち、酸素ラジカルは発生させ続けた。

具体的には、交互積層構造54を250℃で形成した後、Agのセル温度TAgを840℃(AgフラックスFAgは0.005nm/s)とし、Agセル、酸素ラジカルシャッタ及び基板シャッタを断続的に開状態として、Agビームを試料(交互積層構造54)に直接かつ断続的に照射しながら基板温度を800℃まで昇温する。そして800℃で30分間、Agビームを試料(交互積層構造54)に直接かつ断続的に照射しながらアニールを行う。酸素セルシャッタは閉じるが、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccm(JO=8.1×1014atoms/cm2s)に保つ。なお、アニール温度は、750℃〜950℃の範囲内の温度とすることが好ましく、酸素ラジカルが存在する状況が好ましいであろう。

図2Dは、断続的なAg照射の内容を示すグラフである。基板シャッタ、Agシャッタ及び酸素ラジカルシャッタが同期して、10秒ごとに開状態と閉状態とを繰り返す。第2のアニールと較べると、Agが供給される状態とAgが供給されない状態とが繰り返される点が異なる。Agが供給されない期間に、Zn原子の移動が促進され、それに伴ってAg原子の移動が許容されている可能性がある。得たサンプルをS3とする。なお、Ag断続照射の、照射期間と非照射期間は、10秒と10秒に限らない。例えば、共に5秒〜40秒の範囲内から選択できるであろう。

図5Aは、サンプルS3の交互積層構造54形成位置の1/C2−V特性及び不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフである。グラフの両軸の意味は、図4Aの対応するグラフのそれらに等しい。1/C2−V特性を示すグラフを参照すると、右下がりの曲線(電圧が増加すると1/C2が減少する関係)が得られ、n型の交互積層構造54がp型導電性を備えるに至ったことが示されている。不純物濃度のデプスプロファイルを示すグラフを参照すると、p型化した交互積層構造54形成位置の不純物濃度(アクセプタ濃度)Naは5.0×1020cm−3程度に増大していることが判る。第1、第2のサンプルと比べる、アクセプタ濃度が3桁増大するという驚くべき結果が得られた。

図5Bは、サンプルS3のAg濃度を示すグラフである。比較のために、第1、第2のサンプルS1、S2のAg濃度も示す。グラフの両軸の意味するところは、図3Bのそれに等しい。

第3のサンプルS3の交互積層構造54形成位置のAg濃度の層厚さ方向勾配が第2のアニール後のサンプルS2の交互積層構造の厚さ方向勾配とほぼ一致することが判る。Ag照射有/無を繰り返しながらアニールを行うと、Ag連続照射時と同程度に交互積層構造54表面からのAgの離脱が抑制され、サンプルS1より均一なAgドーピングが実現されると考えられる。

第2のアニール同様、その場アニールを採用することにより、別のアニール装置は不要となり、サンプルを移動させる時間も不要となる。装置が簡略化でき、プロセスに要する時間を短縮できる効果が得られる。第3のアニールによれば、第2のアニールと比較して、極めて高いアクセプタ濃度を得ることが可能となる。ZnO系結晶構造へのAg照射を断続させることにより、Agの照射で表面からのAgの離脱を抑制すると共に、Ag非照射時にZnの移動を促進し、Agの移動を促進すると考えられる。

以下、Ag、Ga共ドープZnO系結晶層をp型半導体層に用いたZnO系半導体発光素子について説明する。

図6A及び図6Bを参照し、ホモ構造のZnO系半導体発光素子について説明する。図6Aは、ZnO系半導体発光素子の概略的な断面図である。ZnO基板1上に、成長温度300℃で、ZnフラックスFZnを0.15nm/sとし、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccmとして、厚さ30nmのZnOバッファ層2を成長させる。ZnOバッファ層2の結晶性及び表面平坦性の改善のため、900℃で10分間のアニールを行う。

ZnOバッファ層2上に、成長温度900℃で、Zn、O及びGaを同時に供給し、厚さ150nmのn型ZnO層3を成長させる。ZnフラックスFZnは0.15nm/s、Oラジカルビーム照射条件はRFパワー250W、O2流量1.0sccm(JO=4.0×1014atoms/cm2s)、Gaのセル温度は460℃とする。n型ZnO層3のGa濃度は、たとえば1.5×1018cm−3となる。

n型ZnO層3上に、成長温度900℃、ZnフラックスFZnを0.03nm/s(JZn=2.0×1014atoms/cm2s)、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccmとして、厚さ15nmのアンドープZnO活性層4を成長させる。

アンドープZnO活性層4上に、Ag、Ga共ドープp型ZnO層5を形成する。基板温度を250℃とし、アンドープZnO活性層4上に、厚さ120nmの交互積層構造5Aを形成する。

図6Bは、交互積層構造5Aの概略的な断面図である。交互積層構造5Aは、GaドープZnO結晶層5aとAgO層5bが交互に積層された積層構造を有する。

GaドープZnO結晶層5aは、ZnフラックスFZnを0.14nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccm、Gaのセル温度TGaを550℃として成長させる。1層当たりのGaドープZnO結晶層5aの成長時間は、例えば、10秒間である。

AgO層5bは、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O2流量2.0sccm、Agのセル温度TAgを840℃として成長させる。1層当たりのAgO層5bの成長時間は、例えば、50秒間である。

交互積層構造5Aにアニール処理を施す。アニールはMBE装置内で、交互積層構造5Aの形成に続けて実施する。例えばAgのセル温度TAgを840℃とし、Agセルシャッタを開状態として、Agビームを交互積層構造5Aに断続的に照射しながら基板温度を900℃まで昇温する。そして900℃で30分間、Agビームを交互積層構造5Aに直接照射しながらアニールを行う。アニールによって、AgO層5bのAgがGaドープZnO結晶層5a中に拡散し、Ag、Ga共ドープp型ZnO層5が形成される。Ag、Ga共ドープp型ZnO層5は、アクセプタ濃度が高く、層中のAg濃度勾配が緩やかな、高品質のp型ZnO系半導体結晶層となる。

ZnO基板1の裏面にn側電極6nを形成し、Ag、Ga共ドープp型ZnO層5上にはp側電極6pを形成し、p側電極6p上にボンディング電極7を形成する。n側電極6nは、厚さ10nmのTi層上に厚さ500nmのAu層を積層して形成することができる。p側電極6pは、サイズ300μm□で厚さ1nmのNi層上に、厚さ10nmのAu層を積層して形成し、ボンディング電極7は、サイズ100μm□で厚さ500nmのAu層で形成する。このようにして、ZnO系半導体発光素子が作製される。

図7に示すように、単層の活性層4に代え、MgZnO障壁層15bとZnO井戸層15wが交互に積層された量子井戸構造を採用することもできる。n型ZnO層に代え、n型MgxZn1−xO(0≦x≦0.6)層を用いることもできる。その他、種々の公知の構成を採用することが可能である。

以上、実験及び実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。Agと3B族不純物とを含むn型ZnO系半導体結晶を、Agを断続的に照射しながらアニールすることで、活性なp型不純物としてのAg濃度を増大し、表面からのAgの離脱を抑制することができる。

AgとGa等の3B族元素を含むn型ZnO系半導体結晶をアニールすることで、Agが6B族元素であるOと1価(Ag+)の状態で結合しやすくなり、アクセプタとして機能する1価のAg+が2価のAg2+より生じやすくなり、n型ZnO系半導体層が容易にp型化すると考えられる。

Gaに限らず、Gaと同じ3B族元素であるB、Al及びInのいずれかを使用することもできよう。使用される3B族元素は、B、Ga、Al及びInからなる群より選択される1つ以上の3B族元素であればよいであろう。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。

p型ZnO系半導体層は、たとえば短波長(紫外〜青色波長領域)の光を発光する発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)に利用でき、また、これらの応用製品(各種インジケータ、LEDディスプレイ、CV/DVD用光源等)に利用可能である。更に、白色LEDやその応用製品(照明器具、各種インジケータ、ディスプレイ、各種表示器のバックライト等)に利用できる。また、紫外センサに利用可能である。

1、11 ZnO基板、 2、12 ZnOバッファ層、 3 n型ZnO層、 4 アンドープZnO活性層、 5 Ag、Ga共ドープp型ZnO層、 5A 交互積層構造、 5a GaドープZnO結晶層、 5b AgO層、 6n n側電極、 6p p側電極、 7 ボンディング電極、 51 ZnO基板、 52 ZnOバッファ層、 53 アンドープZnO層、 54 交互積層構造、 54a GaドープZnO結晶層、 54b AgO層、 71 真空チャンバ、 72 Znソースガン、 73 Oソースガン、 74 Mgソースガン、 75 Agソースガン、 76 Gaソースガン、 77 ステージ、 78 基板、 79 膜厚計、 80 RHEED用ガン、 81 スクリーン。

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