車両

阅读:266发布:2024-01-25

专利汇可以提供車両专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】構成の簡素化が得られると共に、衝突に伴う着座者の移動及び衝撃が抑制され、適正な保護が得られる車両用シートを提供すること。 【解決手段】衝突に対応させてシートバック20内部でエアバッグ32を膨張展開させる、前部シート14とその後部に 位置 する後部シート16を有する車両10であって、後部シート16の着座者Prの有無を検知する後部着座検知手段64と、エアバッグ32の膨張展開を制御する制御部68とを備える車両10である。シートバック20内においてエアバック32は、前部シート14着座者Pfの上体を弾性的に支持し、且つシートバック20背面に付与される衝撃 力 を弾性的に受け止める。制御部68は、後部シート16の着座者Pr無のときにはエアバッグ32の膨張展開を中止させる。 【選択図】図1,下面是車両专利的具体信息内容。

衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、 前記後部シートの着座者の有無を検知する後部着座検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、 前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃を弾性的に受け止めるように行われ、 前記制御部は、前記後部シートの着座者無のときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする車両。衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、 前記後部シートのチャイルドシート装着の有無を検知するチャイルドシート装着検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、 前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃力を弾性的に受け止めるように行われ、 前記制御部は、前記後部シートのチャイルドシート装着有のときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする車両。衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、 前記後部シートの着座者の形態を検知する後部着座者形態検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、 前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃力を弾性的に受け止めるように行われ、 前記制御部は、前記着座者の形態が所定の形態であるときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする車両。衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、 前記後部シートの搭載物の状態を検知する後部シート搭載物検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、 前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃力を弾性的に受け止めるように行われ、 前記制御部は、前記後部シート搭載物が所定の状態であるときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする車両。後突を予知又は検知する衝突センサを備え、前記膨張展開は該衝突センサが後突を予知又は検知して行われることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両。前記前部シートが助手席であるとともに、該助手席の着座者の有無を検知する助手席着座検知手段を備えており、 前記膨張展開は、前記助手席に着座者無のときには中止することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両。

说明书全文

本発明は、車両に関し、特に、前後に並設されたシートのうちの前部シートのシートバック内にエアバッグが装備される車両に関する。

自動車等の車両において、その車両用シートのシートバック内に配設したエアバッグの膨張展開により衝突時の衝撃から着座者を保護することが知られている。

例えば、特許文献1の車両用シートは、シートバックフレームの内方に架設された架設弾性支持部材の前面にシートパッドを備え、架設弾性支持部材とこの架設弾性支持部材の後方に配設した強固な構造を有する支持プレートとの間の隙間内に収縮状態のエアバッグが配設される。

この車両用シートによれば、所定以上の衝撃荷重の検出に対応したインフレータの作用により、架設弾性支持部材と支持プレートの間でエアバッグを膨張させて、衝突時における着座者の後方移動を背後から弾性的に支持して規制すると共に、エアバッグの減圧及び収縮によってその衝撃エネルギーを吸収する。

また、特許文献2のエアバッグ装置においては、前席シートのシートバックの背面下部に後席シートの着座者に向かって膨脹展開する第1エアバッグが設置され、さらに前席シートのシートバック内においてシートバックフレームの内側に架設された架設弾性支持部材の前面に扁平状態の第2エアバッグが配設されている。

このエアバッグ装置によれば、所定以上の衝撃の検知に対応したインフレータの作用により第1エアバッグが後席シートの着座者に向かって膨張展開し、後席シートの着座者が衝突時の衝撃で前方に移動しても前席シートのシートバックの背面に強く突き当たることが防止される。さらに、第2エアバッグの膨張展開により、衝突時における前席シートの着座者の上体の後方移動を背後から弾性的に支持して規制してその保護がなされる。また、第1、第2のエアバッグの膨張タイミングが制御され、適切な着座者の保護が図られている。

特開平10−273000

特開2010−052621

しかし、特許文献1に開示された車両用シートは、上述のように、当該座席シートの着座者の保護をエアバッグとその後方外側に存在する強固な構成の支持プレートの存在によって達成している。すなわち、着座者は後方への移動に対してはエアバッグでその衝撃が緩和され、シートバックの後方から加えられる衝撃に対しては、まず支持プレートでこれを受け止め、その衝撃がエアバッグで吸収されることとなる。

したがって、後方にシートが存在し、着座者が居るときなどにおいて、その後席着座者の前席へのシートバック後方からの衝突は、支持プレートへの衝突時には大きな衝撃が発生する。したがって、後方からの衝撃を柔らかく受け止めることができず、後席シートの着座者の膝などへのダメージだけでなく、前席着座者への衝撃も大きなものとなるおそれが有る。

一方、特許文献2のエアバッグ装置によると、前席シートのシートバック内で膨張展開する第2エアバッグによって前席シートの着座者の保護とダメージの軽減が期待でき、且つ、後席シートの着座者側に向かって第1エアバッグが膨脹展開することで後席着座者の保護も図られる。しかし、シートバック内のエアバッグ設置だけでなく、前席シートのシートバッグ下方部に、シートバッグ後外方へ向けて膨張展開する第1エアバッグを別途設けなければならず、シートバッグの構造の複雑化、各エアバッグの制御負担の増大が生じる。

また、第1エアバッグが前席シートのシートバックの背面下部から後席シートの着座者に向けて斜め上方に大きく膨出することとなり、その膨脹展開形状が不安定になることから、後席シートの着座者の前席のシートバックへの衝突を的確、確実に受け止め、その衝撃を吸収することについては、安定性に欠けるおそれがある。

以上のように、上記従来の特許文献の各構造においては、簡単な構造によって、エアバックによる前席シートの着座者の直接の保護と、後方からのシートバックへの衝撃からの保護については、更なる改善の余地が残されている。

なお、自動車等の車両において、上述の様な後席シートの着座者の膝などの前席のシートバックへの衝突は、前方からの衝突の際だけでなく、後方からの衝突時に車体後部の変形などにより、後席シートの着座者が前方に押され、膝部が前席シートのシートバックの背面に強く突き当たるという状況でも発生する可能性が存する。

本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成の複雑化を伴うことなく、衝突時におけるエアバックでの着座者の直接の保護及びシートバック後方からの衝撃の的確な軽減を可能とする車両を提供することにある。

上記目的を解決するための請求項1に記載の発明は、衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、前記後部シートの着座者の有無を検知する後部着座検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃を弾性的に受け止めるように行われ、前記制御部は、前記後部シートの着座者無のときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする。

この構成によれば、後部シートの着座者が有のときに衝突に対応してエアバッグが前部シートのシートバック内で膨張展開する。よって、後部シートの着座者が衝突により前部シートのシートバック背面に突き当たる事態が想定され、エアバッグによる前席着座者の保護が強く要求される場合に、前部シートのシートバック背面に付与される後方からの衝撃(すなわち、後部シート着座者の前方移動による衝撃)が的確に軽減され、同時に衝突による前部シート着座者の上体の後方移動によりその上体がシートバック前面に押し当てられる衝撃が軽減される。

係る着座者の保護は、シートバッグ内部に備えられたエアバッグの膨張展開のみによってなされるのでその構成が大きく簡素化されており、上述の通りエアバッグは前部シートのシートバック内で膨張展開するので、シートバックの内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開することとなる。

請求項2に記載の発明は、衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、前記後部シートのチャイルドシート装着の有無を検知するチャイルドシート装着検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃力を弾性的に受け止めるように行われ、前記制御部は、前記後部シートのチャイルドシート装着有のときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする。

この構成によれば、エアバッグが着座者上体の直後に位置するシートバック内でそのシートバックの内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開する。よって、衝突による着座者の上体の後方移動によりその上体がシートバック前面に押し当てられる衝撃及び後方からのシートバック背面に付与される衝撃が的確に軽減される。係る着座者の保護は、シートバッグ内部に備えられたエアバッグの膨張展開のみによってなされるので、その構成が大きく簡素化されている。

更に、後部シートにチャイルドシートが装着されているとき、すなわち、後方から付与される衝撃が小さいと予測されるときには制御部が前部シートのエアバッグの膨張展開を中止させることで、不必要なエアバッグの膨張展開及びそれに伴うエアバッグやインフレータの交換等の手間を回避することができる。

請求項3に記載の発明は、衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、前記後部シートの着座者の形態を検知する後部着座者形態検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃力を弾性的に受け止めるように行われ、前記制御部は、前記着座者の形態が所定の形態であるときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする。

この構成によれば、後部シートの着座者が所定の形態ではないとき、例えば、体格の小さい成人や子供等である場合を除き、衝突に対応してエアバッグが前部シートのシートバック内で膨張展開する。よって、後部シートの着座者がその形態により衝突の際に前部シートのシートバック背面に突き当たる事態が想定され、エアバッグによる前席着座者の保護が強く要求される場合に、前部シートのシートバック背面に付与される後方からの衝撃(すなわち、後部シート着座者の前方移動による衝撃)が的確に軽減され、同時に衝突による前部シート着座者の上体の後方移動によりその上体がシートバック前面に押し当てられる衝撃が軽減される。

係る着座者の保護は、シートバッグ内部に備えられたエアバッグの膨張展開のみによってなされるのでその構成が大きく簡素化されており、上述の通りエアバッグは前部シートのシートバック内で膨張展開するので、シートバックの内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開することとなる。

請求項4に記載の発明は、衝突に対応させてシートバック内部でエアバッグを膨張展開させる前部シートと該前部シートの後部に位置する後部シートを有する車両において、前記後部シートの搭載物の状態を検知する後部シート搭載物検知手段と、前記エアバッグの膨張展開を制御する制御部と、を備え、前記シートバック内での前記膨張展開は、該膨張展開したエアバッグが前部シート着座者の上体を弾性的に支持し、且つシートバック背面に付与される衝撃力を弾性的に受け止めるように行われ、前記制御部は、前記後部シート搭載物が所定の状態であるときには前記膨張展開を中止させることを特徴とする。

この構成によれば、後部シートの搭載物が所定の状態ではないときに、例えば、重量が大きく、且つその大きさも大きいものである場合にのみ、衝突に対応してエアバッグが前部シートのシートバック内で膨張展開する。よって、後部シートの搭載物がその状態により衝突の際に前部シートのシートバック背面に突き当たる事態が想定され、エアバッグによる前席着座者の保護が強く要求される場合に、前部シートのシートバック背面に付与される後方からの衝撃(すなわち、後部シート上の搭載物の前方移動による衝撃)が的確に軽減され、同時に衝突による前部シート着座者の上体の後方移動によりその上体がシートバック前面に押し当てられる衝撃が軽減される。

係る着座者の保護は、シートバッグ内部に備えられたエアバッグの膨張展開のみによってなされるのでその構成が大きく簡素化されており、上述の通りエアバッグは前部シートのシートバック内で膨張展開するので、シートバックの内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開することとなる。

請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両において、後突を予知又は検知する衝突センサを備え、前記膨張展開は該衝突センサが後突を予知又は検知して行われることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両。

この構成によれば、エアバッグの膨張展開は後突を予知又は検知して行われ、前突のときには行われない。したがって、車両の前突後、後突が発生したときにエアバッグを膨張展開させることが可能となり、いわゆる玉突き衝突の後突による衝撃に応じたエアバッグの膨張展開により前部シート着座者を適切に保護することが可能となる。

請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の車両において、前記前部シートが助手席であるとともに、該助手席の着座者の有無を検知する助手席着座検知手段を備えており、前記膨張展開は、前記助手席に着座者無のときには中止することを特徴とする。

この構成によれば、助手席に着座者無のとき、すなわち、保護すべき前部シートの着座者が不在の時にはエアバッグの膨張展開を中止することで、不必要なエアバッグの膨張展開及びそれに伴うエアバッグやインフレータの交換等の手間を回避することができる。

本発明によれば、後部シートの着座者の有無等に応じ、衝突に対応してエアバッグが前部シートのシートバック内で膨張展開する。よって、後部シートの着座者等が衝突により前部シートのシートバック背面に突き当たる事態が想定され、エアバッグによる前席着座者の保護が強く要求される場合に、前部シートのシートバック背面に付与される後方からの衝撃(すなわち、後部シート着座者等の前方移動による衝撃)が的確に軽減され、同時に衝突による前部シート着座者の上体の後方移動によりその上体がシートバック前面に押し当てられる衝撃が軽減される。

係る着座者の保護は、シートバッグ内部に備えられたエアバッグの膨張展開のみによってなされるのでその構成が大きく簡素化されており、上述の通りエアバッグは前部シートのシートバック内で膨張展開するので、シートバックの内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開することとなる。

本発明の実施の形態に係る車両10の要部概略断面図である。

本実施の形態に係る車両10における前部シート14の、後方から見た一部破断概略斜視図である。

本実施の形態に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の衝撃発生時における作動説明図である

本実施の形態に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の制御回路ブロック図である。

本実施の形態に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャートである。

本実施の形態の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の制御回路ブロック図である。

本実施の形態の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャートである。

本実施の形態の他の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の制御回路ブロック図である。

本実施の形態の他の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャート図である。

本実施の形態の別の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の制御回路ブロック図である。

本実施の形態の別の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャート図である。

本実施の形態のさらなる変形例に係る車両10における車室内のシート配置を説明するための上部から見た概略平面図である。

本実施の形態のさらなる変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ80の制御回路ブロック図である。

本実施の形態のさらなる変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ80の膨張展開のフローチャート図である。

次に、本発明の実施の形態について図に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形態に係る車両10の要部概略断面図であり、図2は本実施の形態に係る車両10における前部シート14の後方から見た一部破断概略斜視図であり、図3は本実施の形態に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の衝撃発生時における作動説明図であり、図4は本実施の形態に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の制御回路ブロック図であり、図5は本実施の形態に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャートである。尚、各図において矢印Fは車体前方方向を示し、矢印Wは車幅方向を示す。

図1に示すように、車両10の車室12内のフロアfには、運転席である前部シート14とその後部に後部シート16が並設される。前部シート14は、フロアf上に支持されて着座者Pfの尻部を支えるシートクッション18と、着座者Pfの腰部から胸部に亘る上体を支えるシートバック20と、シートバック20の上方に位置してヘッドレストステー22を介してシートバック20に支持されたヘッドレスト24を有する。

車両10の運転中は、ヘッドレスト24に着座者Pfの頭部を当てることもできるが、このようにすると運転操作がしづらくなるため、通常、図1に示すように、頭部をヘッドレスト24から僅かに離した状態で着座者Pfは前部シート14に着座する。

前部シート14は、図1及び図2に示すように、シートバック20の骨格を形成するシートバックフレーム26の内方に、架設弾性支持部材28が複数張設され、架設弾性支持部材28の前面にシートパッド30が配設されるとともに、架設弾性支持部材28の後方にエアバッグ32が収縮状態で配置され、これら全体が可撓性を有する表皮材34で被覆される。

シートバックフレーム26は、図2に示すように、車幅方向に延在する上方フレーム36及び上方フレーム36の両端から下方に湾曲乃至折曲して下方に延在する一対の側方フレーム38からなるコ字状乃至U字状のパイプフレームと、車幅方向に延在して左右の各側方フレーム38の上端近傍間に架設されるパイプ状の上方クロスメンバ40と、各側方フレーム38の側端部に配置固定された左右一対のサイドブラケット42と、各サイドブラケット42の下端近傍間に架設されるパイプ状の下方クロスメンバ44とによって略矩形枠状に形成される。

この対向する側方フレーム38間の内方、或いはサイドブラケット42間の内方に、本実施の形態ではサイドブラケット42間に金属ワイヤよりなるSばね等からなる架設弾性支持部材28が複数、本実施の形態では3本の架設弾性支持部材28が架け渡されて張設されている。

この架設弾性支持部材28の前面に、着座者Pfの上体を弾性的に支持するウレタンフォーム材等からなるシートパッド30が配設されており、架設弾性支持部材28の後方に矩形平面状に折り畳まれた収縮状態のエアバッグ32が配置されている。

表皮材34は、袋状の可撓部材である布帛(織物、編物、不織布)や皮革(天然皮革、合成皮革)にて形成されており、上述の通りシートバックフレーム26やエアバッグ32等の全体を被覆している。以上により、着座者Pfの上体、特に胸部乃至腰部を背後から弾性的に支持可能とするシートバック20が形成される。

エアバッグ32は、例えば、表皮材34等に図示しない係止手段によって膨張展開可能に保持されており、図示しないガス導入部を介してこのエアバッグ32を膨張展開させるガスの発生源である円筒状のインフレータ46に連結されている。エアバッグ32は、このインフレータ46のガス噴射のもとで瞬時に平面的に膨張展開するように構成される。

また、エアバッグ26は、内部の気体を外部に放出する図示しないオリフィスを有し、オリフィスはエアバッグ32の膨張展開後における圧縮のもとで、内部の気体を徐々に放出する孔径及び数量に設定されている。

インフレータ46は、本実施の形態においては、図2に示すように、車体外方側に位置するサイドブラケット36のさらに車体外方側の側面にインフレータブラケット48を介して取り付けられている。

尚、インフレータ46は、後述するように、車両10の前突若しくは後突を予知し、或いは検知する衝突センサ62の出力に基づく制御部68からの信号がインフレータ46に出力されて点火し、ガスを噴出する構成を有する。

シートバックフレーム26を構成する各サイドブラケット42の基端は、シートクッション18の後端部に配置されたリクライニング装置50の回動アーム52に取り付けボルト54の螺着によって取り付けられ、シートバックフレーム26がリクライニング装置50の回動アーム52に一体的に連結される。なお、リクライニング装置50は、既存の公知のものが使用でき、かつ本発明と直接関係するものではなく、詳細な説明を省略する。

シートバックフレーム26を構成する上方フレーム36には、図1及び図2に示すように、左右一対の筒状のステーブラケット54が一体的に形成される。このステーブラケット54にヘッドレストホルダー56を介在させてヘッドレスト24に装着されたヘッドレストステー22を挿入係止することによって、シートバック20の上端にヘッドレスト24が装着される。

従って、図1及び図2に示すように、略矩形平面状に収縮したエアバッグ32は、架設弾性支持部材28と表皮材34との隙間でシートバック20内に内蔵されており、シートバック20は、膨張展開するエアバッグ32の前方を、架設弾性支持部材28、シートパッド30及び表皮材34等の可撓材で被覆する一方、エアバッグ32の後方を、可撓性材料の表皮材34で被覆する。

次に、シートバック20内におけるエアバッグ32の膨張展開を、後部シート16着座者Prの有無により制御するエアバッグ32の制御回路60を図4により説明する。図示のように、車両10の後突又は前突を予知する衝突検知手段である衝突センサ62から出力される衝突発生情報と、後部シート16の着座者Prの有無を検知する後部着座検知手段64と、ROM66に格納された情報に従って制御部68がインフレータ46を作動制御する。

衝突センサ62は、本実施の形態においては、車両10の後方に取り付けられた後突を予知する衝突検知手段であって、例えば、ミリ波センサ等の距離センサを含んで構成される。

後部着座検知手段64は、画像センサ、赤外線センサ、重量センサ、静電容量センサ等、種々のセンサを用いることができるが、本実施の形態においては、後部シート16のシートクッション16a上に広範囲に配置された感圧式センサ(図示省略)である。

以下、制御部68により実行されるエアバッグ32の膨張展開制御について図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、自動車のイグニションキーの投入により制御が開始されると、第1ステップS1において、制御部68は後部着座手段64による後部着座検出を行う。具体的には、感圧式センサである後部着座検知手段64は、後部シート16のシートクッション16a上に配置された感圧式センサにより検出した出力を制御部68に供給する。

次に、第2ステップS2において、制御部68は、供給された出力をROM66に格納されている予め設定された出力パターンと照合し、供給された出力がこの出力パターンに適合し、且つ閾値を超えているかという観点から後部シート16上の着座者Prの有無を判断する。

具体的には、供給された出力が上記予め設定された出力パターン、すなわち、人の着座から得られる集中荷重と同様の出力パターンであったときに後部シート16に着座者Pr有(YES判定)と判定し、第3ステップS3に移行する。後部シート16に着座者Pr無(NO判定)と判定する場合、第1ステップS1にリターンする。

第3ステップS3では、制御部68は衝突センサ検出を行う。具体的には、衝突センサ62(衝突検知手段)であるミリ波センサ等の検出した出力が制御部68に供給される。この出力に基づき、第4ステップS4では、制御部68は供給された出力から自車と他車との相対距離や相対速度を算出する。制御部68は、この算出した相対距離や相対速度を、ROM66に格納された相対距離及び相対速度情報と照合し、算出された相対距離が一定の距離以下となり、且つ相対速度が一定の値を超えているときに後突を予知したと判定し(YES判定)、第5ステップS5に移行する。後突を予知していないと判定する場合(NO判定)、第3ステップS3にリターンする。

第5ステップS5では、制御部68は信号をインフレータ46に出力して点火させる。この信号をインフレータ46に出力するタイミングは、算出された相対距離及び相対速度から予測される衝突時の前、同時又は後の好適なタイミングで行うことができ、これによりインフレータ46から噴出したガスによって、図3に示すように、エアバッグ32は、架設弾性支持部材28とシートバック20背面間の領域で瞬時に膨張展開する。

この際、エアバッグ32の前方は架設弾性支持部材28、シートパッド30及び表皮材34等の可撓材に被覆されているので、エアバッグ32の膨張展開により、これらの可橈材は図3の車体前方方向にやや変形する挙動を示し、エアバッグ32の後方を被覆する可撓性材料の表皮材34は、車体後方に大きく突き出して変形する挙動を示す。このエアバッグ32前後の可橈材乃至可橈性材料の上記変形挙動により、エアバッグ32の車体前後方向の展開量Eが確保され、シートバック16による車体前後方向の衝撃吸収ストロークが大きく確保される。

すなわち、同図に示すように、後突の衝撃によって前部シート14着座者Pfの上体の後方移動は、シートバック20前面の表皮材34、シートパッド30、架設弾性支持部材28及び膨張展開したエアバッグ32によって弾性的に受け止められ、前部シート14着座者Pfの上体は、後突によりその着座するシートのシートバック20に押し当てられる衝撃から保護される。

一方で、後部シート着座者Prは後突の衝撃で後部シート16に押付けられ、その後のリバウンドで前方へと移動する。このリバウンドにより前方へ移動する後部シート16着座者Prの膝は、シートバック20背面の表皮材34及び膨張展開したエアバッグ32によって弾性的に受け止められ、前部シート10着座者Pfの上体は、後部シート16着座者Prの膝が突き当たる衝撃から保護される。

このように、本実施の形態に係る車両10によれば、後部シート16の着座者Prが有のときに後突に対応してエアバッグ32が前部シート14のシートバック20内で膨張展開する。よって、後部シート16の着座者Prが衝突により前部シート14のシートバック20背面に突き当たる事態が想定され、エアバッグ32による前部シート14着座者Pfの保護が強く要求される場合に、前部シート14のシートバック20背面に付与される後方からの衝撃(すなわち、後部シート16着座者Prの前方移動による衝撃)が的確に軽減され、同時に衝突による前部シート14着座者Pfの上体の後方移動によりその上体がシートバック20前面に押し当てられる衝撃が軽減される。

係る着座者Pfの保護は、シートバッグ20内部に備えられたエアバッグ32の膨張展開のみによってなされるのでその構成が大きく簡素化されており、上述の通りエアバッグ32は前部シート14のシートバック20内で膨張展開するので、シートバック20の内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開することとなる。

また、後部シート16の着座者が不在のとき、すなわち、後方からのシートバック20背面に付与される衝撃が無いと予測されるときには制御部68が前部シート14のエアバッグ32の膨張展開を中止させることで、不必要なエアバッグ32の膨張展開及びそれに伴うエアバッグ32やインフレータ46の交換等の手間を回避することができる。

また、本実施の形態においては、衝突センサ62は後突を予知する衝突検知手段であって、前突を予知する衝突センサではないので、前突の際にはエアバッグ32は膨張展開しない。

したがって、車両10の前突後に後突が生じる事態、いわゆる玉突き衝突が生じた場合に、前突後の後突による衝撃に応じたエアバッグ32の膨張展開を行うことが可能となり、これによる前部シート14着座者Prの適切な保護が可能となる。

上記実施の形態においては、エアバッグ32の膨張展開の制御の指標として後部着座検知手段64からの出力を用い、衝突センサ62として後突を予知する衝突検知手段を用いているが、本発明はこれらのセンサに限定されるものではない。

以下に、後部着座検知手段64の代わりに後部着座者形態検知手段72を用い、後突を予知する衝突センサ62(衝突検知手段)の代わりに後突を検知する衝突センサ74を用いた変形例を、図6及び図7を参照して説明する。本変形例においては、車両10は後部着座者Prの体格の大小等によりエアバッグ32の膨張展開の要否を判定し、実際の後突を検知してエアバッグ32を膨張展開させる構成をとる。尚、上記第1実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。

図6は、本実施の形態の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の制御回路ブロック図であり、図7は、本実施の形態の変形例に係る車両10における前部シート14内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャートである。

図6に示すように、制御回路70における後部着座者形態検知手段72は、画像センサ、赤外線センサ、重量センサ、静電容量センサ等、種々のセンサやその組み合わせを用いることができるが、本変形例においては、後部シート16上の天井面76(図1参照乞う)に取付けられた画像センサである。

衝突センサ74は、本実施の形態においては車両10のリヤバンパ(図示省略)に設けられた、後突による加速度を検出する加速度センサである。この衝突センサ74(加速度センサ)は、後突の衝撃に応じた信号(アナログ信号等)を出力するものである。

以下、本変形例に係るエアバッグ32の膨張展開制御について図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、自動車のイグニションキーの投入により制御が開始されると、第1ステップT1において、制御部68は後部着座者形態検知手段72による後部シート16着座者Prの形態の検出を行う。具体的には、車両10の天井面76に取付けられた画像センサである後部着座者形態検知手段72は、後部シート16の着座者Prの形態を検出し、検出した出力を制御部68に供給する。

次に、第2ステップT2において、制御部68は、供給された出力をROM66に格納されている予め設定された出力パターンと照合し、照合された出力がこの出力パターンに適合するかという観点から後部シート16上の着座者Prが所定の形態を有しているか否かを判断する。

所定の形態を有しているか否かを判断するための指標としては、後部着座者形態検知手段72(画像センサ)から出力された画像において、後部シート16の着座者Prの腰部から膝までの長さ、腰部から頭部までの上体の高さ、膝位置などが挙げられる。

以上の指標から出力パターンが定められており、この出力パターンに後部着座者形態検知手段72(画像センサ)からの出力が適合する、すなわち、後部シート16上の着座者Prが所定の形態であると判定される場合(YES判定)、第1ステップT1にリターンする。後部シート16の着座者Prが所定の形態ではないと判定される場合(NO判定)、第3ステップT3に移行する。尚、上記「所定の形態である」とは、後部シート16の着座者Prの腰部から膝までの長さ、腰部から頭部までの上体の高さ、膝位置から、着座者Prが体格の小さい成人や子供等であると判定される場合をいう。

第3ステップT3では、制御部68は衝突センサ検出を行う。具体的には、衝突センサ74(衝突検知手段)の検出した出力が制御部68に供給される。この出力に基づき、第4ステップT4では、制御部68はROM66に格納された出力パターンと照合し、その出力パターンよりも供給された出力が大きい場合に後突を検知したと判定し(YES判定)、第5ステップT5に移行する。後突を検知していないと判定する場合(NO判定)、第3ステップT3にリターンする。

第5ステップT5では、制御部68は信号をインフレータ46に出力して点火させる。この信号をインフレータ46に出力するタイミングは、後突を検知したと判定された直後であり、これによりインフレータ46から噴出したガスによって、図3に示すように、エアバッグ32は架設弾性支持部材28とシートバック20背面間の領域で瞬時に膨張展開する。

この構成によれば、後部シート16の着座者Prが所定の形態であること、すなわち、上述の通り後部シート16の着座者Prの腰部から膝までの長さ、腰部から頭部までの上体の高さ、膝位置などから着座者Prが体格の小さい成人や子供等であることを判定し、この所定の形態である場合を除いてエアバッグ32が前部シート14着座者Pf上体の直後に位置するシートバック32内でそのシートバック20の内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開する。

よって、後部シート16の着座者Prがその形態(体格の大きい成人等の形態)により衝突の際に前部シート14のシートバック20背面に突き当たる事態が想定され、エアバッグ32による前部シート14着座者Pfの保護が強く要求される場合にのみ、衝突による前部シート14着座者Pfの上体の後方移動によりその上体がシートバック20前面に押し当てられる衝撃が軽減され、且つ前部シート14のシートバック20背面に付与される後方からの衝撃(すなわち、後部シート16着座者Prの前方移動による衝撃)が的確に軽減される。

係る着座者の保護は、シートバッグ20内部に備えられたエアバッグ32の膨張展開のみによってなされるので、その構成が大きく簡素化されている。

また、上記実施の形態においては、エアバッグ32の膨張展開の制御の指標として後部着座検知手段64からの出力を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。

以下に、後部着座者検知手段64の代わりに後部シート搭載物検知手段82を用いた他の変形例を、図8及び図9を参照して説明する。本変形例においては、車両10は後部シート16上の搭載物の重量や大きさによりエアバッグ32の膨張展開の要否を判定する構成をとる。尚、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。

図8は、本実施の形態の他の変形例に係る車両10における前部シート12内のエアバッグ32の制御回路ブロック図であり、図9は、本実施の形態の他の変形例に係る車両10における前部シート12内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャートである。

図8に示すように、制御回路80における後部シート搭載物検知手段82は、画像センサ、赤外線センサ、重量センサ、静電容量センサ等、種々のセンサやその組み合わせを用いることができるが、本変形例においては、後部シート16上に配置された重量センサと車両10の天井面76及び前部シート14のシートバック20背面等の複数箇所に配置された赤外線センサとの組み合わせからなる。

以下、本変形例に係るエアバッグ32の膨張展開制御について図9のフローチャートに基づいて説明する。まず、自動車のイグニションキーの投入により制御が開始されると、第1ステップU1において、制御部68は後部シート搭載物検知手段82による後部シート16の搭載物の状態の検出を行う。具体的には、車両10の後部搭載物状態検知手段76のうちの重量センサにより重量を検出し、且つ複数箇所に配置された赤外線センサにより後部シート16上の搭載物の車両前後方向の長さ、シート上における高さ及び車幅方向の幅を検出し、これら検出した出力を制御部68に供給する。

次に、第2ステップU2において、制御部68は、供給された出力をROM66に格納されている予め設定された出力パターンと照合し、供給された出力がこの出力パターンに適合するか否かという観点から後部シート16上の搭載物の所定の状態を認定する。

すなわち、重量が一定の値以上であり、且つ赤外線センサによる出力から得られた搭載物の大きさが一定の値を上回る場合に、前部シート14のシートバック20背面に搭載物が強く突き当たるおそれのない所定の状態にないと判定し(NO判定)、第3ステップU3に移行する。また、当該所定の状態にあると判定する場合(YES判定)、第1ステップU1にリターンする。

以降、第3ステップU3〜第5ステップU5までについては、上記実施の形態(図5のフローチャートを参照乞う)と変わるところがないのでその説明を省略する。

この構成によれば、後部シート16の搭載物が所定の状態にないときに、例えば、重量が大きく、且つその大きさも大きいものである場合に、エアバッグ32が前部シート14着座者Pf上体の直後に位置するシートバック20内でそのシートバック20の内部形状にある程度拘束されて安定的に膨張展開する。

よって、後部シート16の搭載物がその状態により衝突の際に前部シート14のシートバック20背面に突き当たる事態が想定され、エアバッグ32による前部シート14着座者Pfの保護が強く要求される場合に、衝突による前部シート14着座者Pfの上体の後方移動によりその上体がシートバック20前面に押し当てられる衝撃が軽減され、且つ前部シート14のシートバック20背面付与される後方からの衝撃(すなわち、後部シート16の搭載物の前方移動による衝撃)が的確に軽減される。係る着座者の保護は、シートバッグ内部に備えられたエアバッグの膨張展開のみによってなされるので、その構成が大きく簡素化されている。

逆に、後部シート16の搭載物がその状態により衝突の際に前部シート14のシートバック20背面に強く突き当たる事態が想定されない所定の状態にあるときには、エアバッグ32の膨張展開が中止されることで、不必要なエアバッグ32の膨張展開及びそれに伴うエアバッグ32やインフレータ46の交換等の手間を回避することができる。

また、上記実施の形態においては、エアバッグ32の膨張展開の制御の指標として後部着座検知手段64からの出力を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに別の指標を加えることも可能である。

以下に、後部着座検知手段64に加えてチャイルドシート装着検知手段92を用いた別の変形例を、図10及び図11を参照して説明する。本変形例においては、車両10は後部着座検知64に加えて、後部シート16上のチャイルドシート装着の有無をも検知し、エアバッグ32の膨張展開の要否を判定する構成をとる。尚、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。

図10は、本実施の形態の別の変形例に係る車両10における前部シート12内のエアバッグ32の制御回路ブロック図であり、図11は、本実施の形態の別の変形例に係る車両10における前部シート12内のエアバッグ32の膨張展開のフローチャートである。

図10に示すように、制御回路90におけるチャイルドシート装着検知手段92は、画像センサ、赤外線センサ、重量センサ、静電容量センサ等、種々のセンサやその組み合わせを用いることができるが、本変形例においては、後部シート16のシートクッション16a上に広範囲に配置された感圧式センサ(図示省略)とシートベルトのバックルの着脱を検知する着脱センサの組み合わせからなる。尚、感圧式センサは、後部着座検知手段64のものを共用することができる。

以下、本変形例に係るエアバッグ32の膨張展開制御について図11のフローチャートに基づいて説明する。まず、自動車のイグニションキーの投入により制御が開始されると、第1ステップV1において、制御部68はチャイルドシート装着検知手段92によるチャイルドシートの装着の有無の検出を行う。具体的には後部シート16上のシートクッション上に配置された感圧式センサ及び着脱センサからの出力を制御部68に供給する。

次に、第2ステップV2において、制御部68は、供給された出力をROM66に格納されている予め設定された出力パターンと照合し、供給された出力がこの出力パターンに適合するか否かという観点から後部シート16にチャイルドシートが装着されているか否かを判定する。

すなわち、感圧式センサが、人の着座から得られる集中荷重とは異なるチャイルドシートのシートクッション底面から得られる分散荷重の出力を供給し、且つ着脱センサがバックルの装着の出力を供給した場合に、後部シート16にチャイルドシートが装着されていると判断し(YES判定)、第1ステップV1にリターンし、後部シート16にチャイルドシートが装着されていないと判断される場合(NO判定)、第3ステップV3に移行する。

第3ステップV3は、上記実施の形態の第1ステップS1に相当する。すなわち、制御部68は後部着座手段64による後部着座検出を行う。

そして、第4ステップV4(上記実施の形態の第1ステップS2に相当)において、制御部68は、後部着座手段64から供給された出力に基づき、後部シート16に着座者Pr有(YES判定)と判定する場合、第5ステップV5(上記実施の形態の第3ステップS3に相当)に移行する。後部シート16に着座者Pr無(NO判定)と判定する場合、第3ステップV3にリターンする。

第5ステップV5では、衝突センサ62(衝突検知手段)が検出した出力が制御部68に供給される。この出力に基づき、第6ステップV6(上記実施の形態の第1ステップS4に相当)において後突を予知したと判定した場合(YES判定)、第6ステップV6に移行する。後突を予知していないと判定する場合(NO判定)、第4ステップV4にリターンする。

第6ステップV6では、制御部68は信号をインフレータ46に出力して点火させ、インフレータ46から噴出したガスによって、図3に示すように、エアバッグ32が、架設弾性支持部材28とシートバック20背面間の領域で瞬時に膨張展開する。

この構成によれば、上記実施の形態同様に着座者Prの有無によりエアバッグ32の膨張展開を制御可能であるだけでなく、後部シート16にチャイルドシートが装着されているとき、すなわち、前部シート14のシートバック20背面に後方から付与される衝撃が小さいと予測されるときには制御部68が前部シート14のエアバッグ32の膨張展開を中止させることで、さらに不必要なエアバッグ32の膨張展開及びそれに伴うエアバッグ32やインフレータ46の交換等の手間を回避することができる。

尚、上記変形例においては、チャイルドシート装着検知手段92及び後部着座検知手段64によりエアバッグ32の膨張展開を制御しているが、チャイルドシート装着検知手段92は他のセンサと組み合わせで、あるいはチャイルドシート装着検知手段92単独でエアバッグ32の膨張展開を制御することも可能である。

また、上記実施の形態においては、前部シート14は運転席であるが、前部シートを運転席の隣にある助手席とすることも可能である。以下に、前部シートを助手席とした場合のさらなる変形例を、図12〜14を参照して説明する。本変形例においては、車両10は助手席のシートバック内に設けられたエアバッグの膨張展開の要否を、助手席の着座者の有無及びその後部にある後部シート102の着座者の有無により判定する構成をとる。

図12は、上記実施の形態のさらなる変形例に係る車両10における車室内のシート配置を説明するための上部から見た概略平面図であり、図13は本変形例に係る車両10における前部シート内のエアバッグの制御回路ブロック図であり、図14は本変形例に係る車両10における前部シート12内のエアバッグの膨張展開のフローチャートである。

図12に示すように、車両10の車室には、前部に図の右側から運転席(前部シート14)と助手席(前部シート100)が並列し、その後部に後部シート16と後部シート102がそれぞれ並列する。本変形例においては、この助手席(前部シート100)のシートバック内にエアバッグ104が配置されている。尚、エアバッグ104を含む前部シート100及び後部シート102の具体的構成は、上記実施の形態に係る構成と同様でありその詳細の説明を省略する。

制御回路110における助手席着座検知手段112は、図13に示すように、画像センサ、赤外線センサ、重量センサ、静電容量センサ等、種々のセンサを用いることができるが、本変形例においては、上記実施の形態同様、前部シート100のシートクッション100a上に広範囲に配置された感圧式センサ(図示省略)である。

以下、制御部68により実行されるエアバッグ104の膨張展開制御について図14のフローチャートに基づいて説明する。まず、自動車のイグニションキーの投入により制御が開始されると、第1ステップW1において、制御部68は助手席着座検知手段112による助手席着座検出を行う。次に、第2ステップW2において、制御部68は、助手席着座検知手段112から供給された出力に基づき、前部シート100に着座者有(YES判定)と判定する場合、第3ステップW3に移行する。前部シート100に着座者無(NO判定)と判定する場合、第1ステップW1にリターンする。

以降、第3ステップW3〜第7ステップW7までについては、上記第1実施の形態の第1ステップS1〜第5ステップS5と変わるところがないのでその説明を省略する。

この構成によれば、後部シート102の着座者の形態や、後部シート102の搭載物の状態がどのような場合であっても、助手席に着座者が無のとき、すなわち、保護すべき前部シート100の着座者が不在の時にはエアバッグ104の膨張展開を中止することで、不必要なエアバッグの膨張展開及びそれに伴うエアバッグやインフレータの交換等の手間を回避することができる。

尚、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態においては、車両10の後突を例に説明したが、衝突は後突に限られない。例えば、前突の場合であっても、順序は前後するが、エアバッグ32の膨張展開により、まず、後部シート着座者Prの膝の前方移動による衝撃を弾性的に受け止め、その後に前部シート着座者の上体の後方移動を弾性的に受け止めることが可能である。

10 車両 14、100 前部シート 16、102 後部シート 20 シートバック 32、104 エアバッグ 62 衝突センサ 64 後部着座検知手段 68 制御部 72 後部着座者形態検知手段 82 後部シート搭載物検知手段 92 チャイルドシート装着検知手段 112 助手席着座検知手段

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